JP2024002700A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024002700000001
【課題】電池密閉化および端子設置の観点から新たな電池構造を提供すること。
【解決手段】電極組立体、および、電極組立体を収納する外装体を有して成る二次電池が提供される。かかる二次電池では、外装体100の外装体開口150に設けられた電極端子200が、外装体の密閉化のための密閉部材300を含み、密閉部材は、相対的に電池内側に位置する第1主面310と相対的に電池外側に位置する第2主面320とを有する中実部材となっている。
【選択図】図3

Description

本発明は二次電池に関する。特に、本発明は、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層から成る電極組立体を備えた二次電池に関する。
二次電池は、いわゆる蓄電池ゆえ充電および放電の繰り返しが可能であり、様々な用途に用いられている。例えば、携帯電話、スマートフォンおよびノートパソコンなどのモバイル機器に二次電池が用いられている。
特許第2748539号公報 特開2005-190688号公報 特開2019-87477号公報 特許第4605823号公報 特許第5551781号公報 特開2009-87729号公報 公開実用新案昭62-48662号公報
二次電池は、充放電に寄与するイオン移動のための媒体として液体の電解質が一般に使用されている。つまり、いわゆる電解液が二次電池に用いられている。そのような二次電池においては、電解液の漏出防止や電池内で発生したガスの漏出防止のために電池を密閉しておく必要がある。
一方、二次電池は、その使用のために外部との電気接続に供する外部端子を設ける必要がある。
本願発明者は、電池の密閉化と外部端子の設置との双方を満たすことができる電池構造について開発の余地が依然ないかを鋭意検討した。その結果、電池の密閉化および外部端子の設置との双方を満たす電池構造には依然開発の余地が残されていることを見出した。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、電池密閉化および端子設置の観点から新たな電池構造を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された二次電池の発明に至った。
本発明に係る二次電池は、電極組立体、および、前記電極組立体を収納する外装体を有して成り、
前記外装体の外装体開口に設けられた電極端子が、前記外装体の密閉化のための密閉部材を含み、
前記密閉部材は、相対的に電池内側に位置する第1主面と相対的に電池外側に位置する第2主面とを有する中実部材となっている。
また、本発明に係る二次電池は、電極組立体、および、前記電極組立体を収納する外装体を有して成り、
前記外装体の外装体開口に設けられた電極端子が、前記外装体の密閉化のための密閉部材を含み、
前記密閉部材は、前記電極端子とは異なる別個の部材を成しており、押圧力により移動可能となっている。
本発明に係る二次電池では、電池の密閉化と外部端子設置との双方が関連する電池構成が従前に見られない構成となっているところ、安全機能が好適に奏される。より具体的には、セル内圧が異常上昇した場合、電極端子とは異なる別個の部材を成す密閉部材が、その動きにより外装体内部のガスの解放を可能とする。これにより、意図しない電池爆発などより重大な事故を未然に防ぐことができる。
図1は、電極構成層を模式的に示した断面図である(図1(A):平面積層構造、図1(B):巻回構造)。 図2は、本発明の一実施形態に係る二次電池の模式図である(図2(A):断面図、図2(B):半分割斜視図)。 図3は、本発明の一実施形態に係る二次電池の外装体開口が関連する構成を示す模式図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る二次電池を構成する代表的要素を示す模式図である。 図5は、密閉部材を示す模式斜視図および断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る二次電池の外装体開口が関連する構成を示す模式図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る二次電池において圧接による封止を説明するための模式的断面図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る二次電池において圧接による封止を説明するための模式的断面図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る二次電池の安全機能を説明するための模式図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る二次電池の安全機能を説明するための模式図である。 図11は、本発明の一実施形態に係る二次電池の外観を示す模式的斜視図である。 図12は、密閉部材の変形を説明するための模式的斜視図である。 図13は、導電部材の接続手法を例示説明するための模式図である(図13(A):抵抗溶接、図13(B):超音波溶接、図13(C):レーザ溶接)。 図14は、「セル内圧作用に鑑みた密閉解除機構」および「干渉作用による密閉解除機構」を説明するための模式的平面図である。 図15は、「円盤形状の電極端子」を説明するための模式的斜視図である。 図16は、電極端子と絶縁部材とを組合せる手法を例示説明するための模式的斜視図である。 図17は、本発明の変更態様として二次電池の外観を示す模式的斜視図である。 図18は、本発明の変更態様としてフランジ付き密閉部材を示す模式図である。 図19は、本発明の変更態様として電極端子と密閉部材との接続を例示説明する模式図である。 図20は、本発明の変更態様として大径寸法の密閉部材を例示説明するための模式図である(図20(A):Dの径寸法を有する密閉部材、図20(B):Dよりも大きいDの大径寸法を有する密閉部材)。
以下では、本発明の一実施形態に係る二次電池をより詳細に説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および/または寸法比などは実物と異なり得る。
本明細書で直接的または間接的に説明される「断面視」は、二次電池を構成する電極組立体または電極構成層の積層方向に沿って二次電池を切り取った仮想的な断面に基づいている。本明細書で直接的または間接的に説明される“厚み”の方向は、二次電池を構成する電極材の積層方向や巻回積層構造の巻回軸に沿う方向などに基づいている。例えばボタン型またはコイン型などの「板状に厚みを有する二次電池」でいえば、“厚み”の方向は、かかる二次電池の板厚方向に相当し得る。本明細書で用いる「平面視」または「平面視形状」とは、当該板厚方向または電池主面の法線方向・垂線方向に沿って対象物を上側または下側からみた場合の見取図に基づいている。
本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”および“左右方向”は、それぞれ図中における上下方向および左右方向に相当する。特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材もしくは部位または同じ意味内容を示すものとする。ある好適な態様では、鉛直方向下向き(すなわち、重力が働く方向)が「下方向」に相当し、その逆向きが「上方向」に相当すると捉えることができる。
本明細書で言及する各種の数値範囲は、特段の説明が付されない限り、下限および上限の数値そのものも含むことを意図している。なお、“およそ”および“程度”といった用語は、数パーセント、例えば±10%の変動又は違いを含み得ることを意味する。
[二次電池の基本構成]
本明細書でいう「二次電池」は、充電・放電の繰り返しが可能な電池のことを指している。従って、本発明に係る二次電池は、その名称に過度に拘泥されるものでなく、例えば蓄電デバイスなども対象に含まれ得る。
本発明に係る二次電池は、正極、負極及びセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を有して成る。図1(A)および1(B)には電極組立体10を例示している。図示されるように、正極1と負極2とはセパレータ3を介して積み重なって電極構成層5を成しており、かかる電極構成層5が少なくとも1つ以上積層して電極組立体10が構成されている。図1(A)では、電極構成層5が巻回されずに平面状に積層した平面積層構造を有している。一方、図1(B)では、電極構成層5が巻回状に巻かれた巻回積層構造を有している。つまり、図1(B)では、正極1、負極2および正極1と負極2との間に配置されたセパレータ3を含む電極構成層5がロール状に巻回した巻回構造を有している。二次電池ではこのような電極組立体が電解質(例えば非水電解質)と共に外装体に封入されている。なお、電極組立体の構造は必ずしも平面積層構造または巻回構造に限定されない。例えば、電極組立体は、正極、セパレータおよび負極を長いフィルム上に積層してから折りたたんだ、いわゆるスタック・アンド・フォールディング型構造を有していてもよい。
正極は、少なくとも正極材層および正極集電体から構成されている。正極では正極集電体の少なくとも片面に正極材層が設けられている。正極材層には電極活物質として正極活物質が含まれている。例えば、電極組立体における複数の正極は、それぞれ、正極集電体の両面に正極材層が設けられているものでよいし、あるいは、正極集電体の片面にのみ正極材層が設けられているものでもよい。
負極は、少なくとも負極材層および負極集電体から構成されている。負極では負極集電体の少なくとも片面に負極材層が設けられている。負極材層には電極活物質として負極活物質が含まれている。例えば、電極組立体における複数の負極は、それぞれ、負極集電体の両面に負極材層が設けられているものでよいし、あるいは、負極集電体の片面にのみ負極材層が設けられているものでもよい。
正極および負極に含まれる電極活物質、即ち、正極活物質および負極活物質は、二次電池において電子の受け渡しに直接関与する物質であり、充放電、すなわち電池反応を担う正負極の主物質である。より具体的には、「正極材層に含まれる正極活物質」および「負極材層に含まれる負極活物質」に起因して電解質にイオンがもたらされ、かかるイオンが正極と負極との間で移動して電子の受け渡しが行われて充放電がなされる。正極材層および負極材層は特にリチウムイオンを吸蔵放出可能な層であってよい。つまり、本発明に係る二次電池は、非水電解質を介してリチウムイオンが正極と負極との間で移動して電池の充放電が行われる非水電解質二次電池となっていてよい。充放電にリチウムイオンが関与する場合、本発明に係る二次電池は、いわゆる“リチウムイオン電池”に相当し、正極および負極としてリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する。
正極材層の正極活物質は例えば粒状体から構成されるところ、粒子同士のより十分な接触と形状保持のためにバインダーが正極材層に含まれていてよい。更には、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が正極材層に含まれていてもよい。同様にして、負極材層の負極活物質は例えば粒状体から構成されるところ、粒子同士のより十分な接触と形状保持のためにバインダーが含まれていてよく、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が負極材層に含まれていてもよい。このように、複数の成分が含有される形態ゆえ、正極材層および負極材層はそれぞれ“正極合材層”および“負極合材層”などと称すこともできる。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であってよい。かかる観点でいえば、正極活物質は例えばリチウム含有複合酸化物であってよい。より具体的には、正極活物質は、リチウムと、コバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄から成る群から選択される少なくとも1種の遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物であってよい。つまり、本発明に係る二次電池の正極材層においては、そのようなリチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として好ましくは含まれている。例えば、正極活物質はコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、または、それらの遷移金属の一部を別の金属で置き換えたものであってよい。このような正極活物質は、単独種として含まれてよいものの、二種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
正極材層に含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド-テトラフルオロエチレン共重合体およびポリテトラフルオロエチレンなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。正極材層に含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。
正極材層の厚み寸法は、特に制限されるわけではないが、1μm以上300μm以下であってよく、例えば5μm以上200μm以下である。正極材層の厚み寸法は二次電池内部での厚みであり、任意の10箇所における測定値の平均値を採用してよい。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であってよい。かかる観点でいえば、負極活物質は例えば各種の炭素材料、酸化物、および/または、リチウム合金などであってよい。
負極活物質の各種の炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛および/もしくは人造黒鉛)、ハードカーボン、ソフトカーボン、ならびに/またはダイヤモンド状炭素などを挙げることができる。負極活物質の酸化物としては、酸化シリコン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛および酸化リチウムなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。負極活物質のリチウム合金は、リチウムと合金形成され得る金属であればよく、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laなどの金属とリチウムとの2元、3元またはそれ以上の合金であってよい。
負極材層に含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド系樹脂およびポリアミドイミド系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。負極材層に含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。なお、負極材層には、電池製造時に使用された増粘剤成分(例えばカルボキシルメチルセルロース)に起因する成分が含まれていてもよい。
負極材層の厚み寸法は、特に制限されるわけではないが、1μm以上300μm以下であってよく、例えば5μm以上200μm以下である。負極材層の厚み寸法は二次電池内部での厚みであり、任意の10箇所における測定値の平均値を採用してよい。
正極および負極に用いられる正極集電体および負極集電体は、電池反応に起因して電極活物質で発生した電子を集めたり供給したりするのに資する部材である。このような電極集電体は、シート状の金属部材であってよい。また、電極集電体は、多孔または穿孔の形態を有していてよい。例えば、集電体は金属箔、パンチングメタル、網またはエキスパンドメタル等であってよい。正極に用いられる正極集電体は、アルミニウム、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えばアルミニウム箔であってよい。一方、負極に用いられる負極集電体は、銅、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えば銅箔であってよい。
正極集電体および負極集電体の各厚み寸法は、特に制限されるわけではないが、1μm以上100μm以下であってよく、例えば10μm以上70μm以下である。正極集電体および負極集電体の厚み寸法は二次電池内部での厚みであり、任意の10箇所における測定値の平均値を採用してよい。
正極および負極に用いられるセパレータは、正負極の接触による短絡防止および電解質保持などの観点から設けられる部材である。換言すれば、セパレータは、正極と負極と間の電子的接触を防止しつつイオンを通過させる部材であるといえる。例えば、セパレータは多孔性または微多孔性の絶縁性部材であり、その小さい厚みに起因して膜形態を有している。あくまでも例示にすぎないが、ポリオレフィン製の微多孔膜がセパレータとして用いられてよい。この点、セパレータとして用いられる微多孔膜は、例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレン(PE)のみ又はポリプロピレン(PP)のみを含んだものであってよい。更にいえば、セパレータは、“PE製の微多孔膜”と“PP製の微多孔膜”とから構成される積層体であってもよい。セパレータの表面が無機粒子コート層および/または接着層等により覆われていてもよい。セパレータの表面が接着性を有していてもよい。なお、本発明において、セパレータは、その名称によって特に拘泥されるべきでなく、同様の機能を有する固体電解質、ゲル状電解質、および/または絶縁性の無機粒子などであってもよい。
セパレータの厚み寸法は、特に制限されるわけではないが、1μm以上100μm以下であってよく、例えば2μm以上20μm以下である。セパレータの厚み寸法は二次電池内部での厚み(特に正極と負極との間での厚み)であり、任意の10箇所における測定値の平均値を採用してよい。
本発明の二次電池では、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層から成る電極組立体が電解質と共に外装体に封入されていてよい。電解質は有機電解質および有機溶媒などを含む“非水系”の電解質であってよく、または水を含む“水系”の電解質であってもよい。正極および負極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する場合、二次電池は“非水系”の電解質を含むことが好ましい。すなわち、電解質が非水電解質となっていることが好ましい。電解質では電極(正極および/または負極)から放出された金属イオンが存在することになり、それゆえ、電解質は電池反応における金属イオンの移動を助力し得る。なお、電解質は液体状またはゲル状などの形態を有していてよい。
非水電解質は、溶媒と溶質とを含む電解質である。溶媒は有機溶媒であってよい。具体的な非水電解質の有機溶媒としては、少なくともカーボネートを含んで成るものであってよい。かかるカーボネートは、環状カーボネート類および/または鎖状カーボネート類であってよい。特に制限されるわけではないが、環状カーボネート類としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)およびビニレンカーボネート(VC)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジプロピルカーボネート(DPC)から成る群から選択される少なくも1種を挙げることができる。あくまでも例示にすぎないが、非水電解質として環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組合せが用いられてよく、例えばエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物を用いてよい。また、具体的な非水電解質の溶質としては、例えば、LiPFおよび/またはLiBFなどのLi塩が用いられてよい。
二次電池の外装体は、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を包み込む部材である。後述するが、外装体は、非ラミネート構成を有する金属外装体であってよい。
[本発明の二次電池の特徴]
本発明の二次電池は、電極組立体を包み込む外装体に設けられる周辺部材に関して特徴を有している。特に、二次電池の外装体開口が関連する密閉構造および外部端子構造の点で特徴を有している。
本発明の二次電池では、電池の密閉化と外部端子設置との双方が関連する電池構成が従前に見られないものとなっている。電極組立体を包み込む外装体には、その開口部に電極端子が設けられている。かかる二次電池の電極端子(正極端子または負極端子)は、外装体の開口部を介して電極組立体と電気的に接続されている。本発明では、この電極端子が、外装体の密閉化のための密閉部材を付加的に備えている。密閉部材は、相対的に電池内側に位置する第1主面と相対的に電池外側に位置する第2主面を有する中実部材となっている。また、別の切り口でいえば、本発明は、電極端子に設けられた密閉部材が可動部材となっている。つまり、密閉部材は、電極端子と異なる別個の部材を成しており、押圧力により移動可能となっている。
図2(A)および2(B)には、本発明の一実施形態に係る二次電池1000を断面視および半分割斜視図で示していると共に、図3には、外装体100の開口部(以下では「外装体開口150」とも称する)の周囲における二次電池1000の構成を断面視で示している。また、図4は、本発明の理解を促進すべく、本発明の二次電池の特徴が関連する要素について個々に分けて示している。図3および図4に示されるように、二次電池の外装体100は、外部端子のための開口部として外装体開口150を有する。つまり、本発明の二次電池1000では、外装体開口150に近位して電極端子200が配置されている。電極端子200は、外部機器との接続に供する出力端子に相当する。かかる電極端子200は、全体として平板状の形態を有していてよい。本発明の二次電池では、このような電極端子200に密閉部材300が付加的に設けられている。より具体的には、電極端子200と組み合わされた密閉部材300が外装体100の外装体開口部150を封じている。
密閉部材300によって外装体開口150が封じられているので、二次電池において電解液の漏出が防止されると共に、外装体内で発生したガスの漏出が防止される。密閉部材300は、電極端子200とは別個の部材として専ら密閉化に資する部材であり、その軸方向に互いに対向する第1主面310と第2主面320を有している(図5参照)。図3に示されるように、二次電池において、密閉部材300の第1主面310は、相対的に内側に位置する内側主面である一方、密閉部材300の第2主面320は、相対的に外側に位置する外側主面である。換言すれば、二次電池の軸方向(例えば電池主面の法線方向または垂線方向)に沿って相対的に電池内部側に位置付けられる密閉部材の主面が第1主面310に相当し、その反対側が第2主面320に相当する。したがって、本明細書において「第1主面」および「第2主面」に関していう“主面”は、電池の軸方向または厚み方向を鉛直方向(重力が働く方向)とみなした場合、密閉部材の水平面または水平断面の面積に相当し得る。
本発明において、互いに対向する第1主面310と第2主面320とを有する中実の密閉部材300は、外装体開口を好適に塞ぐことができ、電解液および/または発生ガスの漏出を好適に防止する。また、本発明において密閉部材は、押圧力により移動可能となっている。よって、電池の内圧が異常上昇するなどで密閉部材に対して押圧力がもたらされた場合、密閉部材が動くことで内部ガスを解放でき、意図しない電池爆発などより重大な事故を未然に防ぐことができる。つまり、電極端子とは異なる別個の可動部材を成している密閉部材によって、より安全な電池がもたらされ得る。
密閉部材300は、あくまでも電極端子200と異なる別個の部材に相当し、電極端子200は外部機器との接続に供する出力端子に相当する。つまり、密閉部材300および電極端子200はそれぞれ異なる機能を供するように外装体100に設けられており、密閉部材300が専ら電池の密閉化のための部材として外装体開口150に配置されつつも電極端子200が外部出力端子として外装体開口150に配置されている。外装体開口が関係する二次電池の構成としては、外装体開口に電極端子が出力端子として設けられ、実質的にその出力端子を直接的に利用して外装体開口を塞ぐ構成が考えられるものの、本発明では、そのような構成とはなっておらず、電池密閉化および端子設置の点で新たな電池構成となっている。
密閉部材300においては第2主面320が第1主面310より大きくなっていることが好ましい。中実の密閉部材300の第2主面320の幅寸法または面積が、第1主面310の幅寸法または面積よりも大きくなっているといえる。ここでいう「幅寸法」とは、二次電池の軸方向(例えば電池主面の法線方向または垂線方向)と直交する方向の密閉部材の寸法を指している。換言すれば、密閉部材は互いに対向する一方の主面(例えば底面)と他方の主面(例えば頂面)とを有しており、断面視において“一方の主面”(底面)の幅寸法が“他方の主面”(頂面)の幅寸法よりも小さくなっている。図2および図3に示されるように、密閉部材300は、二次電池1000にて相対的に外側の主面(以下では「外側主面」とも称する)の幅寸法または面積が、二次電池にて相対的に内側の主面(以下では「内側主面」とも称する)の幅寸法または面積よりも大きくなっていてよいともいえる。
ある好適な態様において、密閉部材300の幅寸法は、第1主面310から第2主面320へと漸次的に変化している(図5参照)。例えば、密閉部材300の幅寸法が第1主面310から第2主面320へと漸次的に減少及び増加していてよい。つまり、密閉部材の幅寸法は、二次電池にて内側主面から外側主面に向けて漸次的に増加および減少するように変化していてよい。図5に示すように、第1主面310から第2主面320へと至る間において幅寸法の漸次的な減少と漸次的な増加との双方が密閉部材300に含まれていてよい。図5に示される態様でいえば、内側主面(第1主面310)から外側主面(第2主面320)へと至る間において密閉部材300の幅寸法が漸次的に増加した後で漸次的に低減し、引き続いて再び漸次的に増加している。このような形状の密閉部材は、電池密閉化に好適に資すると共に、セル内圧の上昇時における安全機構にも好適に資する(かかる“安全機構”について後述する)。
別の切り口でいえば、密閉部材の側面輪郭は、断面視湾曲状となっている。二次電池の軸方向(例えば電池主面の法線方向または垂線方向)に対して略垂直な方向から捉えた断面視において、密閉部材の輪郭が湾曲状となっていてよい。図5の下側にて模式的に示すように、特に密閉部材300の側面340の輪郭340’が湾曲状となっていてよい。図示される形態から分かるように、密閉部材の側面輪郭340’は、その全体が湾曲状となっていることが好ましい。つまり、側面輪郭のある部分だけが局所的に湾曲状であるというよりも、側面輪郭のいずれの箇所においても湾曲となっていることが好ましい。このような形状の密閉部材は、電池密閉化に好適に資すると共に、好ましくは、後述するセル内圧の上昇時の安全機構にも資する。
上述した密閉部材の特異な形状の一例として、密閉部材が逆釣鐘形状を好ましくは有している。つまり、外装体開口150に配置された密閉部材300の輪郭形状が全体として概ね逆釣鐘形状となっていてよい(例えば図3参照)。“逆釣鐘形状”では、密閉部材のおよそ軸中央部分又はそれよりも下側部分が、当該軸方向に直交する方向に相対的に膨らんだ形状となっている。このような特異的な形状によって二次電池は好適に密閉化され易くなると共に、後述する安全機能が好適に奏され易くなる。
本発明の二次電池において、密閉部材300は可動部材となっていることが好ましい。つまり、ある好適な態様では、電極端子と異なる別個の部材を成す密閉部材が、押圧力により移動可能となっている。ここでいう「押圧力により移動可能」とは、所定の押圧力がかけられた際に密閉部材が変形および/または破損せずに移動することをいう。このような押圧力は、例えば、外装体内部が異常昇圧した際のセル内圧に起因するものであってよい。
本発明で用いられる密閉部材300は、“中実”ゆえ、その内部に中空部を有していない。つまり、密閉部材の断面視輪郭の内側領域は全て密閉部材の材質で占められている。中実の密閉部材300は、好適な可動部材となり易い。つまり、密閉部材がセル内圧の異常上昇時に押圧力を受けたとしても、密閉部材300が好ましくは変形および/または破損することなく動くことができ、当該異常上昇時の内部ガス解放により好適に資する。中実の密閉部材の材質は、金属であってよい。つまり、密閉部材が金属部材であってよい。金属製であって、電池の密閉化に資するのであれば、その金属材質の種類には特に制限はない。なお、密閉部材を設置する際の密閉部材の変形をより重視する場合(設置時の密閉部材の変形については後述する)、密閉部材は易変形性の金属材から構成されていることが好ましく、例えばアルミ合金および/または軟鋼を含んで成っていてよい。
本発明の二次電池において、電極端子は電極組立体に電気的に接続されている。電極組立体から延在する導電部材が電極端子に直接的に接続されていてよく、あるいは、導電部材が電極端子に間接的に接続されていてもよい。ある好適な態様では、密閉部材を介して電極端子と電極組立体とが互いに電気的に接続されている。例えば、図6に示されるように、電極組立体から延びる導電部材400(例えば、いわゆる“タブ”)が密閉部材300を介して電極端子200に電気的と接続されている。より具体的には、電極組立体の導電部材400が密閉部材300に接続されていると共に、その密閉部材300が電極端子200に接続されていてよい。
図6に示されるように、密閉部材300の底面(即ち、第1主面310)と導電部材400の上面410とが互い接合されることによって、密閉部材300と導電部材400とが互いに電気的に接続されていてよい。例えば、溶接によって密閉部材300と導電部材400とが接合されていてよい。図5に示すように密閉部材300の第1主面310および/または第2主面320は好ましくはフラット面となっている。したがって、密閉部材300がそのようなフラット面を有する場合、かかるフラット面を介して密閉部材300と導電部材400とが互いに好適に接続され得る。例えば、フラット面として供されている密閉部材300の底面(即ち、第1主面310)と導電部材400の上面410とが互い溶接されていてよい。
図6に示されるように、電極端子200と密閉部材300とは、電極端子200の延出部230を介して互いに接続されていてよい。具体的には、電極端子200には、外装体開口150と重なり、密閉部材300が配置される開口部として端子開口220が設けられているが、かかる端子開口220へと延出する電極端子200の延出部230が密閉部材300と接続されていてよい。例えば、かかる電極端子200の延出部230は、密閉部材300の側面340と接続されていてよい。図6に示すように、端子開口220を形成している端子開口縁225から内側へと延在する延出部230(即ち、図示されるような“舌状部”)が、密閉部材300と絶縁部材500との間に挟持されるように設けられてよい(“絶縁部材”については後述する)。
ある好適な態様において、電極端子は外装体開口と重なる端子開口を有し、端子開口に位置付けられた密閉部材が外装体開口を塞いでいる。これは、電極端子が外装体の外装体開口と重なるように位置付けられる端子開口を有し、密閉部材が端子開口を介して外装体開口を塞ぐように設けられていることを意味している。つまり、電極端子は、その端子開口が外装体開口と重なるように配置されていると共に、その端子開口に収まるように配置されている密閉部材が外装体開口を塞ぐようになっている。図2~図4に示される形態でいえば、端子開口220と外装体開口150とが互いに同心となるように又は同心円を成すように電極端子200が外装体100に配置され、それにより共通化された開口部に対して密閉部材300が配置されている。図3に示される形態から分かるように、端子開口220の内部に位置付けられた密閉部材300は、外装体開口150を形成している外装体開口縁155のレベル(特に外装体開口縁155のエッジ155aのレベル)に至るまで軸方向に延在しており、密閉部材300が外装体開口150の“穴”を好適に塞いでいる。このように、外部出力端子として設けられた電極端子とは別部材として端子開口に配置された密閉部材によって電池密閉化が好適に図られている。
本発明の二次電池において、電極端子は、外部機器との接続に供する出力端子である。電極端子200は、例えば平板形態を有している(図4参照)。換言すれば、電極端子は平板状部材であってよい。平板状の電極端子は、例えば金属円板であってよい。平板状ゆえ、電極端子は、その厚みが実質的に一定となっていてよい。電極端子200は、電気導電性を有する限り、その材質に特に制限はない。二次電池の端子材料として一般に用いられている金属材から電極端子が構成されていてもよい。例えば、電極端子は、SUS、アルミニウム、ニッケルおよび銅から成る群から選択される少なくとも1種の金属を含んで成っていてよい。電極端子の平面視形状も特に制限はなく、円形であってよく、あるいは四角形などを含む多角形であってもよい。なお、電極端子の材質は、外装体よりも相対的に剛性が高いものであってもよい。
本発明の二次電池では、電極端子と外装体との間に絶縁部材が設けられてよい。絶縁部材の設置によって好適な電池設計が可能となる。つまり、電極端子と外装体との間に絶縁部材が設けられることで、それらの間で電気的な断絶が好適に図られ、電極端子と外装体との間で電極極性を互いに異ならせることが可能となる。図3では、電極端子200と外装体100との間で電池幅方向に延在する絶縁部材500が設けられている。かかる場合、電池の外周縁に相当する外装体の周縁領域130から外装体内側(面方向の内側)へと延在するように絶縁部材500が設けられてよい(図3の上側参照)。好ましくは、電極端子200と外装体100との間に設けられた絶縁部材500は、外装体開口150を成す外装体開口縁部155と密閉部材300との間に至るまで延在している。より好ましくは、外装体開口縁部155のエッジ155aを超える位置まで絶縁部材500が延在している(図3の下側参照)。このように外装体開口縁部155と密閉部材300との間の領域にまで延在する絶縁部材500は、密閉部材300と共に開口封止により好適に寄与する。つまり、密閉部材は、外装体開口縁部上に設けられた絶縁部材と共に外装体開口の“穴”をより好適に塞ぐのに資する。
本発明の二次電池で用いられる密閉部材は、好ましくは、対向する主面のサイズが異なる中実部材である。特に、中実の密閉部材は、第2主面のサイズが第1主面のサイズより大きくなっていることが好ましい。密閉部材は、かかる形状に起因して外装体開口縁部上の絶縁部材と共により好適な封止に資する。つまり、二次電池にて外側主面の幅寸法が内側主面の幅寸法よりも大きい密閉部材は、外装体開口縁部上の絶縁部材とより好適に緊密な状態となり易く、より好適な密閉化がもたらされる。
好ましくは、絶縁部材500を介して外装体開口縁部155と密閉部材300とが互いに圧接されている(図7参照)。つまり、本発明の二次電池において、第2主面320が第1主面310より大きい中実部材として供されている密閉部材300は、外装体開口150に嵌るように設けられることで外装体開口縁部155上の絶縁部材500に対して好適な押圧力を与えており、ひいては、より好適な密閉化をもたらす。ここでいう「圧接」とは、単に接しているというよりも、むしろ圧力および/または圧縮力などが加えられた状態で緊密に接している態様を指している。例えば、絶縁部材500を介して外装体開口縁部155が密閉部材300から圧力を受けている状態で又は密閉部材300に抗するような抗力を伴って当該絶縁部材500を介して密閉部材300に緊密に隣接している。同様に、絶縁部材500を介して密閉部材300もまた外装体開口縁部155から圧力を受けている状態で又は外装体開口縁部155に抗するような抗力を伴って当該絶縁部材500を介して外装体開口縁部155に緊密に隣接している。そのように外装体開口縁部155と密閉部材300とが絶縁部材500を介して圧接されている態様は、密閉部材300が絶縁部材500と圧接されていると共に、外装体開口縁部155もまた絶縁部材500と圧接されているともいえる。絶縁部材500が後述する樹脂部材等となっている場合、そのような圧接に起因して、絶縁部材500が圧縮された状態となっていてよい。特に、密閉部材を座屈させるように変形させて外装体開口縁部上の絶縁部材に密閉部材を嵌め込むように設ける場合(このような軸方向寸法を減じる変形については後述する)、密閉部材の側部または側面と接する絶縁部材が、その側部または側面の断面視湾曲(例えば、いわゆる“R面”)に起因してより好適に圧縮されることになり(好ましくは、より多方向から圧縮されることになり)、密閉化がより安定化する。
本明細書において「絶縁部材」は、少なくとも外装体と電極端子および/または密閉部材との間に介在し、それらの間の“絶縁”に寄与する部材のことを意味している。絶縁部材は、“絶縁性”を呈すのであればその材質の種類につき特に制限はない。二次電池の絶縁材として一般に用いられる材料(即ち、二次電池にて絶縁材料として一般に用いられる材料、好ましくは二次電池の絶縁材料として封止用に一般に用いられる材料)から絶縁部材が形成されていてもよい。
ある好適な態様において、絶縁部材500は樹脂材から構成されている。つまり、絶縁部材500が樹脂部材となっていてよい。絶縁部材500に用いられる樹脂材は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および/またはエンジニアプラスチックなどの種類に属するものであってよい。絶縁部材の樹脂材についてより具体的に例示すれば、フッ素系樹脂のPFA樹脂が信頼性および/または成形性の点で好ましいが、これに限定されない。熱可塑性樹脂としてPE樹脂および/またはPP樹脂などのポリオレフィンが絶縁部材に含まれていてよく、エンジニアプラスチックとしてPBT樹脂、PPS樹脂および/またはLCP樹脂が絶縁部材に含まれていてよく、あるいは、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂および/またはエポキシ樹脂等が絶縁部材に含まれていてよい。なお、絶縁部材は、外装体開口と密閉部材との間の“封止”にも資する部材ゆえ、絶縁部材を「封止絶縁部材」、「封止部材」または「封止樹脂部材」などと称すこともできる。
外装体開口縁部と密閉部材とが絶縁部材を介して互いに圧接される態様では、絶縁部材が密閉化にとってより好適な形態を有し易い。具体的には、図8に示されるように、絶縁部材500が外装体開口縁部155のエッジ155a上に及ぶまで延在していてよい。つまり、外装体開口縁部155と密閉部材300とで挟み込まれた絶縁部材500がそれらの間から押し出されたような形態を絶縁部材500は有していてよい。より好ましくは、外装体開口縁部155のエッジ155aを少なくとも部分的に覆うように絶縁部材500が延在していてよい。外装体開口縁部155のエッジ155a上にまで延在する絶縁部材500では、シール領域がより増すことになり、より好適な密閉化がなされ得る。
外装体開口縁部はバーリング端であってよい。つまり、図8に示すような、外装体開口150を囲むように立設する外装体開口縁部155は、バーリング加工によって設けることができる。外装体開口縁部155のエッジ155aにまで及ぶ絶縁部材500は、そのようなバーリング端を電気絶縁することになるので、導電部材400と外装体100との電気接触をより好適に防止できる。また、絶縁部材が外装体開口縁部のエッジにまで及ぶように延在することで、絶縁部材と外装体とがより好適に一体化する。例えば、絶縁部材が外装体開口縁部を好ましくは咥え込むように絶縁部材が延在していてよく、それにより、絶縁部材と外装体とがより好適に一体化し得る。
本発明の二次電池は、好ましくは、より安全な電池として供される。例えば、外装体の内圧が上昇する異常事態が発生した場合、意図しない電池爆発などより重大な事故を未然に防ぐべく、二次電池が密閉化解除の機構を好ましくは有している。つまり、過充電又は内部短絡等で電池内部の異常発熱で生じたガスによって外装体内部の圧力(本明細書では「セル内圧」とも称する)が上昇して電池が爆発する破裂現象を防止するために、かかるセル内圧が過度に上昇した時にガスを開放する機構を二次電池が備えていることが好ましい。この点、本発明の二次電池は、セル内圧が過度に上昇した際、好ましくは密閉部材がその密閉状態を解除できるようになっている。
本発明の二次電池において、密閉部材は、好ましくは、二次電池の上昇したセル内圧による押圧力に起因して移動可能となっている。つまり、セル内圧が過度に上昇した際、その圧力を受けて電池の密閉状態を解除すべく外装体(特に外装体開口)に対して密閉部材が好ましくは変形および/または破損せず移動できる。例えば図9および図10に示すように、二次電池の上昇したセル内圧から受ける外力によって、外装体開口150に嵌合している密閉部材300がその外装体開口150から抜けるように外側へと動くことができる。本発明の二次電池1000において、第2主面320が第1主面310より大きい中実部材として設けられた密閉部材300は、その側面が軸方向に沿って勾配を有している(図9参照)。よって、密閉部材は、上昇したセル内圧に起因して動き易く二次電池にて可動部材として供され易い。このように、本発明の二次電池では、密閉部材に起因して、電池の密閉化が好適になされると共に、安全機能が好適に奏される。
ある好適な態様では、絶縁部材を介して外装体開口縁部と密閉部材とが互いに圧接されているので、セル内圧が過度に上昇した際、その圧接状態が解除されるように密閉部材300が動くことができる(図9および図10参照)。平易な言葉でいえば、コルク栓が内圧を受けて抜けるが如く密閉部材が動くので、二次電池の意図しない破裂などより重大な事故を未然に防ぐことができる。好ましくは、圧接状態を解除すべく密閉部材300が動くに際しては、導電部材400との接続が切れることになり(図9参照)、電力供給が好適に絶たれるので、以降の過充電などが防止され易い。つまり、そのような内圧解放時の電気的に非所望な事象についても未然防止を図ることができる。
ある好適な態様でいえば、第2主面320が第1主面310よりも大きい密閉部材300(例えば、逆釣鐘状の形態を有するように配置されている密閉部材300)は、外装体開口縁部155に位置する絶縁部材500に対して緊密に接して密閉化に寄与しているが、セル内圧が過度に上昇した際には図9および図10に示すように密閉部材300の底(即ち、第1主面310)が当該セル内圧Pを受けることになる。かかる内圧Pを受けた密閉部材300は、外装体開口縁部155上の絶縁部材500から抜けるように外側へと移動することができるので(図9および図10参照)、結果として内部ガスを逃がすことができ、セル内圧が減じられる。このような安全機構では、密閉部材が完全に抜ける必要はなく、部分的な隙間が生じれば内部ガスの排出は可能となる。
本発明では、外装体開口縁部155上に設けられた絶縁部材500から密閉部材300が抜けるように移動するので、絶縁部材500はその圧縮状態又は圧接状態から解放され、好ましくは圧縮前の形態を取ることができる。よって、一旦抜けた密閉部材は、外装体開口縁部上の絶縁部材に再度嵌り難く、より確実に密閉部材の電気的接続の遮断を図ることができる。また、このような安全機構では、密閉部材がその形状を維持して全体として外側に移動してセル内圧を減じるので、減圧時に破片など危険な飛散物は生じないといった利点がもたらされ得る。更に、図8を参照して説明したように絶縁部材500が外装体開口縁部155のエッジ155aにまで及んで絶縁部材500と外装体100とがより好適に一体化している場合、当該一体化はセル内圧の異常上昇時に有利に作用し得る。具体的には、絶縁部材と外装体とが好適に一体化していると、セル内圧の異常上昇時に密閉部材が外側に動く際、絶縁部材がその場に残り続けることができ、より安全な電池がもたらされ得る。
本発明において、圧接状態を解除すべく密閉部材が動くに際しては、密閉部材と電極端子との接続を切ることもできる。例えば、図6に示されるように電極端子200の延出部230が密閉部材300の側面340に接続されている場合、密閉部材300と電極端子200との電気的接続がより好適に断たれ易い。より具体的には、内部ガスを逃がすべく外側に可動する密閉部材300は、電極端子200の延出部230と離れる方向に動くことになるので(図10参照)、それらの互い接続が解除され、電極端子と電極組立体との電気的接続を断つことができる。つまり、セル内圧が過度に上昇した際、電池外側に向かって動く密閉部材が密閉状態を解除しつつも電極端子との導通をより確実に遮断でき、その点でもより安全な電池がもたらされ得る。換言すれば、セル内圧の異常上昇時、密閉部材はその動きによって内部ガスを解放すると共に電気遮断をより確実に図ることができ、ガス開放時のリスクがより低減され得る。
密閉部材の動きを予め考慮して、密閉部材と電極端子とを好適に組み合わされてもよい。例えば、上昇したセル内圧に起因して密閉部材が動くことができるスペースを考慮し、二次電池において電極端子200よりも相対的に内側に密閉部材300が配置されていてよい(図11参照)。図11に示されるように、電極端子200の外側主面200Aよりも内側(即ち、電池内部側又は電極組立体により近位する側)に密閉部材300の外側主面(即ち、密閉部材の第2主面320)が位置するように密閉部材300が配置されていてよい。かかる場合、セル内圧が過度に上昇した際、その圧力を受けて動く密閉部材が、電池外側へと非所望に飛び出さない安全設計が可能となる。図示されるように、電極端子200にストッパー突起260を設けてよく、そのストッパー突起260で密閉部材300の動きを阻止する設計が可能となる。より具体的には、電極端子200にて端子開口を形成している端子開口縁225から内側へと突出するようにストッパー突起260が設けられていると、過度なセル内圧を受けて外側へと動く密閉部材300を当該ストッパー突起260で受けることができる。換言すれば、セル内圧が過度に上昇した際に外側に動く密閉部材は電極端子のストッパー部材に当接することでその移動が最終的に阻止され、密閉部材の飛散が防止される。ストッパー突起260は、1つに限らず、2つ以上設けてもよい。なお、かかるストッパー突起260は、ある好適な態様において電池使用時の異物侵入防止の役目も果たし得る。
本発明の二次電池では、電極端子および密閉部材は、外装体に対して設けられている。ここで、本明細書でいう「外装体」とは、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を収納または包み込むための部材を意味している。例えば、外装体は、非ラミネート構成を有する金属外装体であってよい。これは、外装体が金属シート/融着層/保護層から成るようなラミネート部材などとなっていないことを意味している。本発明における外装体が、いわゆるラミネートフィルムから成るパウチに相当するソフトケース型電池の外装体とは異なっていてよいといえる。非ラミネート構成を有する金属外装体は、金属単一部材から成る構成を好ましくは有する。例えば、かかる金属外装体は、ステンレス(SUS)および/またはアルミニウムなどの金属から成る単一部材であってよい。ここでいう「金属単一部材」とは、広義には、外装体がいわゆるラミネート構成を有さないことを意味しており、狭義には、外装体が実質的に金属のみから成る部材となることを意味している。したがって、実質的に金属のみから成る部材となるのであれば、金属外装体の表面に適当な表面処理がなされていてもよい。例えば、そのような金属外装体をその厚み方向に切断した切断面においては、表面処理などが為されている部分を除き、単一の金属層を確認できる。なお、本明細書における「ステンレス」は、例えば「JIS G 0203 鉄鋼用語」に規定されているステンレス鋼のことを指しており、クロムまたはクロムとニッケルとを含有する合金鋼であってよい。ある好適な態様では、外装体は、缶形態を有していてよい(かかる場合、本明細書では「外装缶」とも称す)。
本発明の二次電池では、外装体が主として2パーツから構成されていてよい。例えば、外装体が、金属部材の第1金属外装体および第2金属外装体と2パーツから構成されていてよい。非ラミネート構成を有する外装体の場合、第1金属外装体および第2金属外装体の各々が金属単一部材となっていてよい。本発明において、外装体は、比較的薄い厚さを有していてよい。例えば、第1金属外装体および第2金属外装体の各々は、その厚さ寸法が50μm以上200μm未満であってよく、例えば、50μm以上190μm以下、50μm以上180μm以下、あるいは、50μm以上170μm以下などであってよい。
第1金属外装体および第2金属外装体と2パーツから構成される外装体では、第1金属外装体および第2金属外装体の一方に上述の“外装体開口”が設けられていてよい。つまり、第1金属外装体および第2金属外装体のいずれか一方に開口部が設けられており、その開口部を有する一方のサブ外装体に対して電極端子および密閉部材が設けられてよい。なお、金属部材の第1金属外装体と第2金属外装体とは、レーザ溶接により互いに組み合わせて外装体としてよく、あるいは、かしめ加工により互いに組み合わせて外装体としてもよい。
第1金属外装体および第2金属外装体の一方がカップ状部材であり、第1金属外装体および第2金属外装体の他方が蓋状部材であってよい。かかる場合、例えば、蓋状部材の周縁部分を外側から溶接処理またはかしめ加工することで金属外装体同士を繋ぎ合わせてよく、それにより、比較的簡易な封入が可能となり得る。「カップ状部材」とは、胴部に相当する側壁または側面部とそれに連続する主面部(典型的な態様では、例えば底部)とを有して成り、内側に中空部が形成されるような部材を意味している。また、「蓋状部材」とは、カップ状部材に対して蓋をするように組み合わされる部材(好ましくは、カップ状部材の側壁に接してカップ状部材の内側中空部をその外部から遮断するように設けられる部材)を意味している。蓋状部材は、例えば面方向(特に、カップ状部材の側壁の立設状に延在する方向に対して直交する方向)に延在する単一部材(典型的には平板状の部材)であってよく、特にカップ状部材の側壁に接するように設けられる部材であってよい。
かかる場合、蓋状部材に上述の“外装体開口”が設けられてよい。つまり、外装体がカップ状部材100Aおよび蓋状部材100Bから構成されており、蓋状部材100Bが外装体開口150を有していてよい(図4参照)。蓋状部材が外装体開口を備える場合、当該蓋状部材に対して電極端子および密閉部材が設けられる。かかる場合、蓋状部材上に電極端子よび密閉部材を設けた組合せ体を一旦得ることができ、比較的簡易に二次電池を製造できる。
[本発明の二次電池の製造方法]
本発明の二次電池は、正極、負極及びセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を外装体に封入することを通じて得ることができる。
電極組立体は、常套的な手法で作製してよく、それを外装体内に配置することを通じて二次電池を得ることができる。例えば、外装体が上述のカップ状部材および蓋状部材から構成される場合、カップ状部材の内側に電極組立体を仕込むと共に蓋状部材でカップ状部材の開口端を閉じる工程を通じて二次電池を得ることができる。
例えば、外装体の蓋状部材に対して電極端子および密閉部材を設けるに際しては、端子開口と外装体開口とが互いに重なるように電極端子と蓋状部材とを組み合わせつつ密閉部材を設けてよい。電極端子と蓋状部材との間には絶縁部材を介在させて組み合わせることが好ましい。密閉部材は、端子開口を介して外装体開口を閉じることになるように組合わせ体に含めることができる。密閉部材は、第1主面が外装体開口の開口サイズよりも小さい(好ましくは僅かに小さい)主面サイズを有し得るので、密閉部材の設置に際しては絶縁部材を介して外装体開口縁部と密閉部材とが互いに圧接され易く、好適な封止がもたらされ易い。
密閉部材自体は、常套の金属加工法によって得ることができる。例えば、鍛造加工を通じて密閉部材を得ることができる。なお、密閉部材は、外装体開口への設置に際して形状を維持する部材であってもよいが、形状変化を伴う部材として用いてもよい。つまり、密閉部材を外装体開口に設置するに際しては外側から密閉部材に対して外力を加えて密閉部材の幅寸法を増すように変形させてもよい。図12には、変形前の密閉部材300を、外力(特に密閉部材の軸方向に沿って密閉部材の内部側に向かって作用する外力)によって変形させる形態が示されている。図示されるように、密閉部材は、変形に付される前の段階において既に頂面の第2主面が底面の第1主面より大きい部材となっていてよい。
密閉部材はその変形に伴って外装体開口に設けられる場合、絶縁部材を介して外装体開口縁部と密閉部材とが互いにより好適に圧接され易くなる。より具体的には、密閉部材の設置に際しては、密閉部材を外側から外力を付与して密閉部材をその径方向の寸法が増すように変形させ、そのように増した径方向の寸法(即ち、幅寸法)により上記圧接を図ることができる。例えば、密閉部材の圧縮処理または押圧処理によって密閉部材をその径方向に膨らませてよい。このような外力付与を通じた密閉部材の設置によって、密閉部材がその外周に接する絶縁部材(即ち、外装体開口縁部に位置する絶縁部材)に対して圧迫または圧接作用を供すことができ、より好適な密閉が為されることになる。径方向に膨らませることによる密閉部材の設置は、接着等を用いて形成する外部端子と比べて封止信頼性が高くなり得る。ある好適な態様では、外力付与を通じた密閉部材の設置に際して、絶縁部材を外装体開口縁部に食い込ませるように変形させることが可能であり、封止信頼性の点でより好適な密閉化がなされ易い。
径方向に膨らませることを通じた密閉部材の設置は、密閉部材の低背化につながる。つまり、密閉部材およびそれが関係する電池構成を低背設計とすることが可能となり(端的にいえば、かかる部分の容積を小さくすることができ)、電池容量の拡大設計の点で有利となる。また、そのような密閉部材の設置において、絶縁部材の厚みおよび/または外装体の厚さ(例えば、蓋状部材の板厚)の変動(例えば、~1mm程度)があっても確実に密閉化を図り易い。つまり、径方向に膨らませることを通じた密閉部材の設置は、構成部品のばらつきに対応し易く、それゆえ量産性に優れ、歩留まりが向上し得る。
更にいえば、径方向に膨らませることを通じた密閉部材の設置は、外装体開口縁部を加締めて蓋および安全弁を結合させる必要がない。外装体開口が外装体の蓋状部材に設けられている場合に特にいえるが、電極組立体を外装体のカップ状部材に入れるに先立って電極端子と蓋状部材との一体化が可能となり、その一体化された蓋状部材の良品のみを外装体のカップ状部材との組合わせに用いることができ、その点でも歩留まりおよび/または良品率の向上を図り易い。
なお、外装体に電極端子および密閉部材を設けるに際しては、電極端子を密閉部材および絶縁部材と共に押圧してもよい。これにより、絶縁部材を介在させて電極端子および密閉部材と外装体(例えば蓋状部材)とを好適に互いに一体化できる。
本発明の二次電池の製造に用いられる密閉部材は、好ましくは主面がフラット面となっているので、溶接処理し易い。つまり、フラット面として供された密閉部材の第1主面および/または第2主面は好適な接続処理に付し易い。より具体的には、図13に示すように、抵抗溶接(図13(A))、超音波溶接(図13(B))、および/または、レーザ溶接(図13(C))などを実施して、密閉部材300のフラット面と導電部材400(例えば“タブ”)とを比較的容易に接続できる。
本発明は、種々の態様で具現化することができる。以下それについて説明する。
(共通開口部の密閉解除)
かかる態様は、互いに同心状配置の端子開口および外装体開口から構成された共通開口部に設けられた密閉部材が、上記の密閉解除に資するものとなっている。具体的には、本発明の二次電池では、端子開口220と外装体開口150とが互いに同心状に又は同心円を成すように電極端子200が外装体100に配置されていてよく、そのように共通化された開口部に対して密閉部材300が配置されていてよい(図4参照)。かかる場合において、密閉部材は上昇したセル内圧に起因して共通化された開口部にて動くことができる可動部材となり易い。
換言すれば、本態様に係る二次電池において、電極端子は、外装体開口と重なる端子開口を有するところ、その端子開口を介して外装体開口を塞ぐように設けられている密閉部材が、二次電池の上昇したセル内圧に起因して、外装体開口から抜けるように動くことができる。このような共通開口部が関係する密閉化解除の機構では、外部出力端子として設けられる電極端子を介しつつも当該端子と別個の部材として好適に電池密閉化に資する密閉部材のみが異常昇圧時に可動する。よって、セル内圧が過度に上昇した際の予測可能性が高くなり、密閉部材の可動を前提としたより好適な電池設計が可能となる。つまり、セル内圧が過度に上昇した場合の外装体の開裂モードについて予測不能性をできるだけ回避し、本発明の二次電池をより安全な電池として供すことができる。
(セル内圧作用に鑑みた密閉解除機構)
かかる態様は、セル内圧が過度に上昇した際に密閉解除がより好適に働く二次電池の構成に関する。特に、密閉部材と、それに接続される導電部材との関係でより好適に密閉解除が機能する。
具体的には、電極組立体と密閉部材とを互いに電気的に接続する導電部材は、密閉部材の第1主面の一部領域と接合のために密閉部材とオーバーラップしており、当該一部領域以外となる密閉部材の第1主面における非オーバーラップ領域は、導電部材の特異的な形状によりもたらされている。“非オーバーラップ領域”は、“オーバーラップ領域”と異なり、上昇したセル内圧の作用が導電部材を介さずに直接的に密閉部材に及ぶことになり、過度に上昇したセル内圧に起因する密閉部材の動き/移動がより効果的に助力される。
かかる態様において、導電部材と密閉部材との接合に供しない“非オーバーラップ領域”は、特に、導電部材に設けられた開口部によってもたらされていてよく、および/または、導電部材の幅寸法が相対的に小さくなった導電部材の幅狭形状によってもたらされていてよい。図14の例示態様に示されるように、導電部材400は、その先端領域に開口部として貫通孔440を有していてよい。かかる場合、導電部材400の先端領域が密閉部材300との接合のために密閉部材300上に配置されたとしても、当該貫通孔440の箇所は、密閉部材300とオーバーラップすることはなく接合に供しない。図示する態様から分かるように、導電部材400と密閉部材300との接合箇所を電池内側から捉えると、そのような導電部材400の開口形状(即ち、貫通孔440)に起因して密閉部材300の底面(即ち、第1主面310)が部分的に露出している。露出部には、上昇したセル内圧の作用が導電部材を介さず直接的に及ぶことになり、過度に上昇したセル内圧に起因する密閉部材の動き/移動がより効果的に助力される。これは、導電部材が幅狭形状を有する場合であっても同様である。図14の例示態様に示されるように、導電部材400の例えば先端部分は、その幅寸法が他の部分と比べて相対的に減じられた幅狭箇所460を有している。よって、導電部材400の先端部分が密閉部材300との接合のために密閉部材300上に配置されたとしても、幅狭箇所460の周囲は、密閉部材300とオーバーラップすることはなく接合に供しない。つまり、かかる幅狭箇所460の周囲における密閉部材300の露出箇所もまた密閉部材に及ぼされる効果的な内圧作用に寄与する。図示する態様から分かるように、導電部材400と密閉部材300との接合箇所を電池内側から捉えると、そのような導電部材400の幅狭形状(即ち、幅狭箇所460)に起因して密閉部材300の底面(即ち、第1主面310)が部分的に露出している。この露出部には、上昇したセル内圧の作用が導電部材を介さず直接的に及ぶことになり、過度に上昇したセル内圧に起因する密閉部材の動き/移動がより効果的に助力される。本発明のある好適な態様に係る二次電池では、このように導電部材と密閉部材との特異的な接合形態によって、より好適に密閉解除が機能する。
(干渉作用による密閉解除機構)
かかる態様も、セル内圧が過度に上昇した際に密閉解除がより好適に働く二次電池の構成に関する。特に、密閉部材と、それに接続される導電部材との関係でより好適に密閉解除が機能する。
具体的には、電極組立体と密閉部材とを互いに電気的に接続する導電部材は、外装体開口内に設けられた密閉部材を跨ぐように設けられている。図14の平面視でいえば、導電部材400の先端部分470は、導電部材400の延在方向(図面の“a方向”)において、外装体開口内に位置付けられた密閉部材300の第1主面310を跨ぐようになっている。また、図14の平面視で示されるように、導電部材400の先端部分470(特に図示する470’の箇所)が、導電部材400の幅方向(図面の“b方向”)において密閉部材300の第1主面310を跨ぐようになっていてもよい。このように密閉部材300を跨ぐ導電部材に対して外力(特に電池内側から電池外側へと共通開口の軸方向の外力)が作用すると、当該導電部材は外装体開口縁部上の絶縁部材500に当接することで干渉作用を受ける。かかる干渉ゆえ、上昇したセル内圧の作用に起因して密閉部材が外側に動くに際しては、密閉部材と導電部材とが互いに離れる応力が働き易い。つまり、上昇したセル内圧の作用に起因して密閉部材には電池外側に向かって動く力が働き、それに伴い、密閉部材に接続された導電部材も同様に外側に動こうとする力が働くことになるが、導電部材は外装体開口縁部上の絶縁部材に干渉されるので、外側に動く密閉部材と、その動きが阻止される導電部材との間で互いの接合が解除される力が好適に生じ得る。よって、ある好ましい態様では、外側に動く密閉部材は、導電部材と最終的に接合解除され、より安全な密閉解除がもたらされ得る。密閉部材と導電部材との接合解除は、密閉部材と導電部材との電気的断絶を意味するので、密閉解除後における偶発的なショートなど非所望な事象が回避され易くなる。
なお、導電部材と密閉部材とは、それらが互いにオーバーラップする領域の全てが接合されている必要はない。換言すれば、導電部材と密閉部材とが互いにオーバーラップする領域のうちの一部のみが接合されるように導電部材と密閉部材とが互いに電気的に接続されていてよい。あくまでも例示にすぎないが、導電部材と密閉部材とがスポット的に接合された点接合部によって互いに電気的に接続されていてよい。このような局所的な接合の場合、セル内圧の異常上昇時に外側に動く密閉部材は導電部材と接合解除され易くなる。かかる一部のみの接合の観点でいえば、例えば図14に示すような平面視において、導電部材と密閉部材とがスポット的に局所箇所Sでのみ互いに接合されている。
(平面視円形の二次電池)
かかる態様では、二次電池の全体的な平面視形状が円形となっている。つまり、二次電池1000は、その外形の点でボタン型またはコイン型となっている(例えば図2および図11参照)。
二次電池の平面視形状が円形ということは、電極組立体を上側または下側から捉えた際の電極組立体および/またはそれを内包する外装体の形状が円形であることを意味している。
ここでいう「円形」とは、完全な円形(すなわち単に“円”または“真円”)であることに限らず、それから変更されつつも当業者の認識として“丸い形”に通常含まれ得る略円形状も含んでいる。例えば、円または真円のみならず、その円弧の曲率が局所的に異なるものであってよく、さらには例えば楕円などの円または真円から派生した形状であってもよい。典型的な例でいえば、このような平面視円形を有する電池は、いわゆるボタン型またはコイン型の電池に相当する。
平面視形状が円形となっている二次電池において、外装体開口の平面視形状が円形となっていたり、端子開口の平面視形状もまた円形となっていたりしてよい(ここでいう円形も二次電池の平面視形状に関して説明した円形と同義である)。かかる場合、本発明では、外装体の平面視輪郭(特に外縁を成す部分の輪郭)が円形状であると共に、電極端子および/または密閉部材の平面視輪郭(特に外縁を成す部分の輪郭)が円形状となっていてもよい。
ある好適な態様では、ボタン型またはコイン型ゆえ、二次電池の軸方向(例えば電池主面の法線方向または垂線方向)の寸法が幅寸法(直径寸法)と比して小さくなっている。ただし、本発明の二次電池は、これに限らず、二次電池の軸方向(例えば電池主面の法線方向または垂線方向)の寸法が幅寸法(直径寸法)と同じかあるいは、それと比して大きくなっていてもよい。
(円盤形状の電極端子)
かかる態様では、電極端子の全体的な形状が円盤状となっている。端的にいえば、電極端子が金属円板となっており、上述のボタン型またはコイン型の電池により適した電極端子となっている。
例えば、円盤状の電極端子200は、図4に示されるような形態を有していてよい。電極端子200は、その中心に端子開口220を有している。かかる端子開口220は、上述したように好ましくは外装体100の外装体開口150と整合または整列するように設けられるところ、かかる端子開口220を介して密閉部材300が外装体開口150を塞ぐようになっている。
電極端子は、端子開口の他にガス抜け用開口を備えていてよい。例えば、図15に示すように、平面視において周方向に少なくとも1つのガス抜け用開口250を電極端子200が備えていてよい。かかるガス抜け用開口250は、上昇したセル内圧に起因して密閉部材が動いて外装体の密閉状態が解除された際に外装体内部のガスが通過できるための開口部に相当する。セル内で発生したガスが外装体内部から当該ガス抜け用開口250へとよりスムーズに至ることができるように、電極端子200ではガス抜け用開口250よりも幅方向内側となる内側領域240が相対的に隆起した形態となっていてよい。換言すれば、中央領域を含む内側領域240が、それよりも幅方向外側の周縁領域270よりも高いレベルに位置付けられた形態を電極端子200が有していてよい。相対的に高いレベルに位置付けられた内側領域240に起因して、電極端子と絶縁部材との間には隙間が好ましくはもたらされる。よって、この隙間を介して密閉解除時に外装体の内部ガスがガス抜け用開口250へと流れていくことができ、最終的に電池外部へと当該内部ガスが抜け易くなる。
図16に示すように、電極端子200は、その周縁にて、絶縁部材500との取付けに資する外側突出部280を備えていてよい。かかる外側突出部280は、絶縁部材500に設けられた凹部540(例えば図示するような周方向に沿って設けられている凹部540)に配置することができ、電極端子200と絶縁部材500との組み合わせに際してそれらの好適な固定化に資する。より具体的には、電極端子200の外側突出部280が絶縁部材500の凹部540に配置された後、電極端子200と絶縁部材500とを互いに周方向逆となるように電極端子200および/または絶縁部材500を回転させることを通じ、外側突出部280を絶縁部材500の横溝560に挿入させる。これにより、外側突出部280が絶縁部材500の横溝560における面(凹部540と隣接して設けられている横溝560が成す絶縁部材面)と当接可能な状態となり、結果として、電極端子200と絶縁部材500とが互いにより好適に固定化され得る。このような固定化では、絶縁部材500に対する電極端子200の保持力がより高くなるので、セル内圧の異常上昇時に密閉部材が絶縁部材(特に外装体開口縁部上の絶縁部材)から抜けたとしても電極端子は非所望に外れず、より安全な電池がもたらされ得る。なお、電極端子200の外側突出部280は、周方向に少なくとも1つ設けられていればよく(図16に示す態様では、3つの外側突出部280が設けられており)、絶縁部材500の凹部540が、外側突出部280にそれぞれ対応するように設けられていてよい(図16に示す態様では、周方向に3つの凹部540が設けられている)。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の態様が考えられることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、上記では、二次電池として、図2に示すようなボタン型またはコイン型の二次電池について触れたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。つまり、外装体はいわゆる円筒缶タイプの外装体に限定されず、それゆえ角缶または異形缶タイプの外装体であってもよい。
本発明の二次電池は、例えば、角型の二次電池であってもよい(例えば図17参照)。換言すれば、二次電池1000は、その平面視形状が、円形に限らず、正方形や矩形などの形状を有していてもよい。
また、上記では、電極端子の外側主面よりも密閉部材の外側主面(即ち、密閉部材の“第2主面”)がより電池内側に位置付けられた密閉部材について触れたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、電極端子の外側主面と密閉部材の外側主面(即ち、密閉部材の“第2主面”)とが実質的に面一に位置付けられるように密閉部材が設けられていてもよい。かかる場合、セル内圧の過度な上昇に起因して密閉部材が外側に動くと、密閉部材は電極端子から突出した形態を取り易く、一旦開裂した二次電池であるか否かを目視確認し易くなる。よって、誤使用を防止し易い二次電池がもたらされ易い。図11に示す態様と併せて捉えれば、本発明では、電極端子の外側主面と面一に又はそれよりも内側に第2主面が位置付けられるように密閉部材が配置されていてよいといえる。
また、上記では、外装体がカップ状部材および蓋状部材から構成されている態様について触れたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、外装体がカップ状部材同士から構成されていてもよい。つまり、第1金属外装体および第2金属外装体は、それぞれカップ状部材となっていてよい。換言すれば、外装体がカップ状部材の第1金属外装体と、同じくカップ状部材の第2金属外装体とから少なくとも構成されていてよい。この場合、カップ状部材の第1金属外装体と第2金属外装体とは、それらの側壁が互いに合わせるように組み合わされて外装体が構成されてよい。第1金属外装体および第2金属外装体のいずれか一方のカップ状部材に上述の“外装体開口”が設けられてよく、それゆえ、そのカップ状部材に対して電極端子および密閉部材が設けられてよい。更にいえば、外装体がカップ状部材および蓋状部材から構成される場合、蓋状部材に対して外装体開口が設けられることに言及したものの、本発明は必ずしもそれに限らない。カップ状部材の方に外装体開口が設けられてもよい。
また、上記では、図5に示されるような中実の密閉部材300について触れたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、密閉部材300は図18に示されるような中実部材であってもよい。つまり、フランジを備えていない無フランジの密閉部材に限らず、フランジ350を備えたフランジ付き密閉部材300であってよい。かかる場合、図18に示されるように、密閉部材300は第2主面320に相当する箇所にフランジ350を備えていてよく、即ち、二次電池にて相対的に外側に位置する主面側にフランジが設けられてよい。
また、上記では、電極端子200の延出部230(即ち、突起状部もしくは舌部材)が密閉部材300の側面340と接続される態様(図6参照)について触れたが、本発明は必ずしもこれに限定されず、電極端子と密閉部材との電気的な接続は種々の接続態様が考えられる。例えば、図19に示すように、電極端子200の延出部230が密閉部材300の上面と接続されることで、電極端子200と密閉部材300とが互いに電気的に接続されてよい。つまり、端子開口にて延出するように設けられた電極端子200の延出部230と、密閉部材300の第2主面320との接合を介して、電極端子200と密閉部材300とが互いに電気的に接続されていてもよい。かかる場合、例えば、電極端子200の延出部230を密閉部材300の頂面(即ち、外側主面となる第2主面320)に対して抵抗溶接またはレーザ溶接で溶接してよいところ、そのような溶接はそれらの間の接合信頼性を高くする点で好ましい。
上記で説明した本発明は、ある好適な一実施態様として、下記のうちの少なくとも1つの事項に相当し得ることを確認的に付言しておく。

・密閉部材(即ち、密閉化部材)は押圧により電池に設けることができるので、生産性が良く、加工コストを下げ易い。なお、押圧によって密閉部材を変形に付して電池に設けることができる。
・導電部材(例えばタブ)の接合面をフラット面として供し易く、タブ接合が容易となり、品質が良くなる。
・導電部材(例えばタブ)の接合については、レーザ溶接、超音波溶接および/または抵抗溶接などのいずれの溶接法も採用できる。
・ガス抜き安全機能は密閉部材の径寸法(軸径)により調整できる。つまり、開放時の内圧をかかる径寸法と密閉部材の設置時の変形量(圧縮量)により調整できる。設置時の密閉部材の変形量(圧縮量)についていえば、設置時に密閉部材に加える外力の大小などによって、外装体開口に最終的に設けられる密閉部材の径寸法(軸径)を調整できる。なお、例えば図20に示されるように、平均寸法(例えば平均径寸法)が相対的に大きい密閉部材を予め用いれば(図20(A)の密閉部材300よりも大径寸法を有する図20(B)の密閉部材300が用いられる場合)、絶縁部材に対して掛かる圧縮負荷が増し易く、セルの耐内圧が増し易い。
・設置時にて変形を伴う密閉部材が絶縁部材を圧迫するので、封止性が高くなり得、そのような封止性を供しつつもセル内圧の異常上昇時に内圧低減できる安全機能を付加し易い。なお、絶縁部材の材質および厚み(肉厚)に応じてセルの耐内圧を調整することも可能である。
・密閉部材の設置時にて、外装体開口縁部上の絶縁部材が密閉部材により好適に圧縮されることになるため、設置時の密閉部材の座屈膨らみ量を調整することで異常時の開裂圧を調整できる。特に、密閉部材とそれに接する絶縁部材との間に働く摩擦抵抗に基づく封止に依存し得るので、金属破断に比べ破断力を小さくできる。つまり、より早く異常な内圧上昇に反応してガス抜きができるようになり、より安全な電池として供され易い。
・密閉部材の設置時の押圧には、例えばスピンカシメ機を利用してよいものの、プレスカシメ機を利用してもよい。
・溶接を用いる封止構造ではないので、その点で製造コストが安い。例えば超音波やレーザによる溶接で封止構造を得る必要がないので、コンタミやスパッタ飛散などの問題が生じ難い。また、封止のために抵抗溶接も使用しなくて済むので溶接時の異常放電によるトラブルも発生し難い。さらには、接着剤を用いた接合に基づく封止構造でもない。そのような接着剤を用いる接合は、接着剤塗布機器が別途で必要となり製造コストが上がってしまう。
・絶縁部材の形状自由度は大きい。外径方向により大きく延在する絶縁部材を用いれば、外装缶の外側の正極と負極との物理的な距離をより広げることができ、短絡の不都合が回避され易い。
・絶縁部材を大きくすることで、密閉部材と導通している電極端子も大きく(幅方向または径方向に大きく)できる。
・常套的な密閉目的のリベットかしめでは絶縁部材(例えばガスケット)を2個使用しないと構成できないもの、本発明の電池では一つの絶縁部材(例えばガスケット)で構成できるため、部品コストおよび/または製造コストを低減できる。
・外装体として設けられる蓋状部材には特に細工を施す必要が無いか又はそのような細工が減じられる。つまり、外装体の蓋部材とカップ部材との接合はレーザ溶接でも、クリンプ加工でも良く、特段の制限はない。
・設置前の密閉部材は、比較的な単純な形状ゆえ、大量生産に適しており、低コスト化に寄与し得る。例えば、単純な形状ゆえ、密閉部材を鍛造加工で容易に得ることができ、比較的安価で得ることができる。
・電池の上面のみで正極と負極との通電が可能となる。
・押圧で変形させて密閉部材を全体的に低背化できるので、電池として密閉化に関連する部分の容積を小さくすることができ、ひいては、電池容量の拡大設計を図り易い。
・電極端子および絶縁部材(例えばガスケット)は、設計自由度が比較的高く、設置箇所に合わせて電極端子および/または絶縁部材の大きさを任意に変更できる。
・電極端子の材質は、密閉部材と必ずしも同一にする必要はなく、任意に選択できる(あくまでも例示であるが、電極端子の材質としてSUS材および/またはメッキSPP材を用いてもよい)。
・電極端子は、絶縁部材と共に密閉部材の設置に際して押圧に付して設けることができ、別途の導電接続加工を省くことも可能である。
・電池の耐熱性は、実質的に絶縁部材の耐熱性に依存し得、耐熱性の高い絶縁部材を使用すれば、電池の封止耐熱特性が向上し得る(例えば、絶縁部材にPPSのようなエンジニアリングプラスチックの熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂を使用してもよい)。
・電極端子と外装体との間に絶縁部材が設けられるので、外装ケースに相当する外装体との電気絶縁をより確実に図ることができ、また、電極組立体との接触に起因する電気ショートの懸念が減じられるので、電気的により安全な設計とし易い。
・外装体開口は、バーリング加工で形成できる。バーリング加工では穴を形成し、当該穴を取り囲む外装体内壁を形成できる。そのような外装体内壁は、密閉部材との好適な緊密な接合に寄与する。つまり、外装体内壁として好ましくは設けられる外装体開口縁部と密閉部材との圧接(より好ましくは絶縁部材を介在させた状態での圧接)がより好適にもたらされる。このような外装体内壁を用いた構造は、外装体の厚み(例えば蓋状部材の板厚)の増減に合わせ、変形後の密閉部材の高さ寸法(軸方向寸法)を増減させれば対応できる。例えば、ある好適な態様において、外装体の厚み(例えば蓋状部材の板厚)は、およそ0.005mm以上2mm以下と密閉部材の高さ変更加工限界まで対応できる。
・セル内圧が過度に上昇した時に密閉部材が全体的に外側へと動いて減圧するので、減圧後の導電部材と密閉部材との距離をより確実に取ることができる。つまり、ある好適な態様では、減圧がなされるに際して、導電部材と密閉部材との電気接続をより確実に断つことができ、後刻の電池姿勢に実質的に影響されず密閉部材と導電部材との非所望な再接続を防止し易い。
・1つのガスケットとして単一の絶縁部材を用いることができる。かかる単一の絶縁部材をバーリング端に相当する穴内壁に対して密閉部材を押圧して径方向に変形させることができる。つまり、バーリング端からはみ出すように絶縁部材を外側へと塑性変形させることでバーリング端の頂端面を覆うように絶縁部材を好適に設けることができる。これにより、外装体(例えば蓋状部材)と絶縁部材とがより好適に一体化し得ると共に、より好適な封止構造がもたらされ得る。バーリング端の頂端面からの絶縁部材のはみ出し量(出張り量)を増やせば、蓋状部材と導電部材との距離を広げることができ、電池における電気絶縁化をより確実に図り易い。
・密閉部材と導電部材との接合ポイントを密閉部材の中心に位置付け、その中心から等距離の位置で、外装体開口縁部上の絶縁部材で導電部材が支えられるようにすれば、セル内圧の異常上昇時に当該絶縁部材が導電部材に対して好適な抵抗となり得、密閉部材が導電部材と所望に接合解除され易くなる。
・絶縁部材に電極端子が嵌る内周に横溝を設け、その横溝に電極端子の外周縁の一部を嵌めることを通じて絶縁部材と電極端子とを互いに固定化できる。かかる固定化のために、電極端子の外周出張り部を設け、その出張り部を配置できる切欠き部を絶縁部材に設けておけばよい。かかる場合、互いに干渉しない位置で電極端子の外周出張り部を絶縁部材の切欠き部に挿入し、次いで、電極端子と絶縁部材とを相対的に回転させ、絶縁部材の横溝に電極端子の出張り部を嵌めることで電極端子と絶縁部材とを比較的簡易かつ強固に組み合わせることができる。このような電極端子と絶縁部材との固定化は、回転嵌め込みによる組立てゆえ、生産性が比較的高い。また、異常発生時に分析のため電池を分解したい場合にそれが容易となる。さらに、接着剤を使用しない固定化ゆえ、分解時の破損の懸念が実質的にない。
本開示の二次電池の態様は、以下の通りである。
<1>電極組立体、および、前記電極組立体を収納する外装体を有して成り、
前記外装体の外装体開口に設けられた電極端子が、前記外装体の密閉化のための密閉部材を含み、
前記密閉部材は、相対的に電池内側に位置する第1主面と相対的に電池外側に位置する第2主面とを有する中実部材となっている、二次電池。
<2>電極組立体、および、前記電極組立体を収納する外装体を有して成り、
前記外装体の外装体開口に設けられた電極端子が、前記外装体の密閉化のための密閉部材を含み、
前記密閉部材は、前記電極端子とは異なる別個の部材を成しており、押圧力により移動可能となっている、二次電池。
<3>前記第2主面が前記第1主面よりも大きい、<1>に記載の二次電池。
<4>前記密閉部材を介して前記電極端子と前記電極組立体とが互いに電気的に接続されている、<1>~<3>のいずれか1つに記載の二次電池。
<5>前記密閉部材の幅寸法は、前記第1主面から前記第2主面へと漸次的に変化している、<1>、<3>または<1>に従属する<4>に記載の二次電池。
<6>前記密閉部材の側面輪郭は、断面視湾曲状となっている、<1>~<5>のいずれか1つに記載の二次電池。
<7>前記電極端子は前記外装体開口と重なる端子開口を有し、前記端子開口に位置付けられた前記密閉部材が前記外装体開口を塞いでいる、<1>~<6>のいずれか1つに記載の二次電池。
<8>前記電極端子と前記外装体との間に設けられた絶縁部材が、前記外装体開口を成す外装体開口縁部と前記密閉部材との間に至るまで延在している、<1>~<7>のいずれか1つに記載の二次電池。
<9>前記絶縁部材を介して前記外装体開口縁部と前記密閉部材とが互いに圧接されている、<8>に記載の二次電池。
<10>前記密閉部材は、前記二次電池の上昇したセル内圧による押圧力に起因して移動可能となっている、<1>~<9>のいずれか1つに記載の二次電池。
<11>前記電極端子の外側主面よりも内側に前記第2主面が位置するように前記密閉部材が配置されている、<1>、<3>または<1>に従属する<4>~<10>のいずれか1つに記載の二次電池。
<12>前記電極端子は前記外装体開口と重なる端子開口を有し、前記端子開口に位置付けられて前記外装体開口を塞いでいる前記密閉部材が、前記二次電池の上昇したセル内圧に起因して、前記外装体開口から抜けるように動くことができる、<1>~<11>のいずれか1つに記載の二次電池。
<13>前記外装体がカップ状部材および蓋状部材から構成されており、前記蓋状部材が前記外装体開口を有する、<1>~<12>のいずれか1つに記載の二次電池。
<14>前記電極組立体と前記密閉部材とを互いに電気的に接続する導電部材は、前記外装体開口内に位置付けられている前記密閉部材の前記第1主面を跨ぐようになっている、<1>、<3>または<1>に従属する<4>~<13>のいずれか1つに記載の二次電池。
<15>前記電極組立体と前記密閉部材とを互いに電気的に接続する導電部材は、前記密閉部材の前記第1主面の一部領域との接合のために前記密閉部材とオーバーラップしており、
前記一部領域以外となる前記一方の主面の非オーバーラップ領域は、前記導電部材に設けられた開口部および/または前記導電部材の幅寸法が相対的に小さくなった前記導電部材の幅狭部分によりもたらされている、<1>、<3>または<1>に従属する<4>~<14>のいずれか1つに記載の二次電池。
<16>前記電極組立体の電極として、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極および負極が含まれる、<1>~<15>のいずれか1つに記載の二次電池。
本発明に係る二次電池は、蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、本発明の二次電池は、電気・電子機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコンおよびデジタルカメラ、活動量計、アームコンピューター、電子ペーパー、ウェアラブルデバイスなどや、RFIDタグ、カード型電子マネー、スマートウォッチなどの小型電子機などを含む電気・電子機器分野あるいはモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、医療用途(イヤホン補聴器などの医療用機器分野)、医薬用途(服用管理システムなどの分野)、ならびに、IoT分野、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)などに利用することができる。
1 正極
2 負極
5 電極構成
10 電極組立体
100 外装体
100A カップ状部材
100B 蓋状部材
130 外装体の周縁領域
150 外装体開口
155 外装体開口縁
155a 外装体開口縁のエッジ
200 電極端子
200A 電極端子の外側主面
220 端子開口
225 端子開口縁
230 電極端子の延出部
240 電極端子の内側領域
250 ガス抜け用開口
260 電極端子のストッパー突起
270 電極端子の周縁領域
280 電極端子の外側突出部
300 密閉部材
310 密閉部材の第1主面(一方の主面)
320 密閉部材の第2主面(他方の主面)
340 密閉部材の側面
340’ 密閉部材の側面輪郭
350 密閉部材のフランジ
400 導電部材
410 導電部材の上面
440 貫通孔
460 幅狭箇所
470 導電部材の先端部分
470’ 導電部材がその幅方向に外装体開口を跨いでいる部分
500 絶縁部材
540 絶縁部材に設けられた凹部
560 絶縁部材に設けられた横溝
1000 二次電池
P セル内圧

Claims (16)

  1. 電極組立体、および、前記電極組立体を収納する外装体を有して成り、
    前記外装体の外装体開口に設けられた電極端子が、前記外装体の密閉化のための密閉部材を含み、
    前記密閉部材は、相対的に電池内側に位置する第1主面と相対的に電池外側に位置する第2主面とを有する中実部材となっている、二次電池。
  2. 電極組立体、および、前記電極組立体を収納する外装体を有して成り、
    前記外装体の外装体開口に設けられた電極端子が、前記外装体の密閉化のための密閉部材を含み、
    前記密閉部材は、前記電極端子とは異なる別個の部材を成しており、押圧力に起因して移動可能となっている、二次電池。
  3. 前記第2主面が前記第1主面よりも大きい、請求項1に記載の二次電池。
  4. 前記密閉部材を介して前記電極端子と前記電極組立体とが互いに電気的に接続されている、請求項1または2に記載の二次電池。
  5. 前記密閉部材の幅寸法は、前記第1主面から前記第2主面へと漸次的に変化している、請求項1に記載の二次電池。
  6. 前記密閉部材の側面輪郭は、断面視湾曲状となっている、請求項1または2に記載の二次電池。
  7. 前記電極端子は前記外装体開口と重なる端子開口を有し、前記端子開口に位置付けられた前記密閉部材が前記外装体開口を塞いでいる、請求項1または2に記載の二次電池。
  8. 前記電極端子と前記外装体との間に設けられた絶縁部材が、前記外装体開口を成す外装体開口縁部と前記密閉部材との間に至るまで延在している、請求項1または2に記載の二次電池。
  9. 前記絶縁部材を介して前記外装体開口縁部と前記密閉部材とが互いに圧接されている、請求項8に記載の二次電池。
  10. 前記密閉部材は、前記二次電池の上昇したセル内圧による押圧力に起因して移動可能となっている、請求項1に記載の二次電池。
  11. 前記電極端子の外側主面よりも内側に前記第2主面が位置するように前記密閉部材が配置されている、請求項1に記載の二次電池。
  12. 前記電極端子は前記外装体開口と重なる端子開口を有し、前記端子開口に位置付けられて前記外装体開口を塞いでいる前記密閉部材が、前記押圧力に起因して、前記外装体開口から抜けるように移動できる、請求項2または10に記載の二次電池。
  13. 前記外装体がカップ状部材および蓋状部材から構成されており、前記蓋状部材が前記外装体開口を有する、請求項1または2に記載の二次電池。
  14. 前記電極組立体と前記密閉部材とを互いに電気的に接続する導電部材は、前記外装体開口内に設けられた前記密閉部材を跨ぐように設けられている、請求項1または2に記載の二次電池。
  15. 前記電極組立体と前記密閉部材とを互いに電気的に接続する導電部材は、前記密閉部材の前記第1主面の一部領域との接合のために前記密閉部材とオーバーラップしており、
    前記一部領域以外となる前記第1主面の非オーバーラップ領域は、前記導電部材に設けられた開口部および/または前記導電部材の幅寸法が相対的に小さくなった前記導電部材の幅狭部分によりもたらされている、請求項1に記載の二次電池。
  16. 前記電極組立体の電極として、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極および負極が含まれる、請求項1または2に記載の二次電池。
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