JP2024002464A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を抑制する。【解決手段】レーザ加工装置1では、トレース処理、改質領域形成処理及び追従処理を実行する。トレース処理では、ライン5に沿って、追従開始位置TS0を始点にして変位データ及び駆動データを取得させる。改質領域形成処理では、加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止を制御して、ライン5に沿って改質領域6を形成させる。追従処理では、改質領域6を形成させる際に、駆動データに基づきアクチュエータ18により集光部14を光軸方向に沿って移動させる。追従処理では、追従開始位置TS0よりも補正距離だけ手前側を始点にして、駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させる早期追従処理を実行可能である。【選択図】図5

Description

本発明は、レーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
対象物に第1レーザ光を照射しながら、ラインに沿って第1レーザ光の集光点を移動することにより、対象物に改質領域をラインに沿って形成するレーザ加工装置が知られている。このようなレーザ加工装置では、ラインに沿って、第1レーザ光を集光レンズを介して対象物に照射しながら、第1レーザ光の集光点が対象物のレーザ光入射面の変位に追従するようにアクチュエータにより集光レンズを光軸方向に沿って移動させている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5094337号公報
上述したようなレーザ加工装置では、例えばレーザ光入射面の変位が急峻に変化する対象物に対してレーザ加工を行う場合、アクチュエータを駆動させる駆動データにオーバーシュート(目標値を超えて急激に変化すること)が生じ、レーザ光入射面の変位の変化に対して当該駆動に遅れが生じる可能性がある。その結果、レーザ光入射面の変位と集光レンズの光軸方向の移動量との間の誤差が大きくなり、レーザ光入射面の変位に対する追従の精度が低下してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を抑制することが可能なレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ加工装置は、対象物に第1レーザ光を照射しながら、ラインに沿って第1レーザ光の集光点を移動することにより、対象物に改質領域をラインに沿って形成するレーザ加工装置であって、対象物を支持する支持部と、対象物に集光レンズを介して第1レーザ光を照射する照射部と、ラインに沿って照射部を支持部に対して相対的に移動させる移動機構と、集光レンズを光軸方向に沿って移動させるアクチュエータと、対象物のレーザ光入射面で反射する第2レーザ光を受光することにより、レーザ光入射面の変位に関する変位データを取得し、変位データに基づいて集光点がレーザ光入射面の変位に追従するようにアクチュエータを駆動させる駆動データを取得するデータ取得部と、照射部、移動機構及びアクチュエータを制御する制御部と、を備え、制御部は、ラインに沿って、照射部を移動機構により相対移動させながら、レーザ光入射面上における第2レーザ光の照射位置が追従開始位置に位置するときを始点にして、データ取得部により変位データ及び駆動データを取得させる第1処理と、第1処理の後、ラインに沿って、照射部を移動機構により相対移動させながら、照射部による第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、対象物に改質領域を形成させる第2処理と、第2処理によりラインに沿って改質領域を形成させる際に、第1処理で取得した駆動データに基づき、アクチュエータにより集光レンズを光軸方向に沿って移動させる第3処理と、を実行し、第3処理では、レーザ光入射面上における第2レーザ光の照射位置が追従開始位置よりも照射部の相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、第1処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータを駆動させる早期追従処理を実行可能である。
本発明に係るレーザ加工方法は、レーザ加工装置を用いて、対象物に第1レーザ光を照射しながら、ラインに沿って第1レーザ光の集光点を移動することにより、対象物に改質領域をラインに沿って形成するレーザ加工方法であって、レーザ加工装置は、対象物を支持する支持部と、対象物に集光レンズを介して第1レーザ光を照射する照射部と、ラインに沿って支持部及び/又は照射部を移動させる移動機構と、集光レンズを光軸方向に沿って移動させるアクチュエータと、対象物のレーザ光入射面で反射する第2レーザ光を受光することにより、レーザ光入射面の変位に関する変位データを取得し、変位データに基づいて集光点がレーザ光入射面の変位に追従するようにアクチュエータを駆動させる駆動データを取得するデータ取得部と、を備え、ラインに沿って、支持部及び/又は照射部を移動機構により移動させながら、集光点が追従開始位置に位置するときを始点にして、データ取得部により変位データ及び駆動データを取得する第1ステップと、第1ステップの後、ラインに沿って、支持部及び/又は照射部を移動機構により移動させながら、照射部により第1レーザ光を照射して、対象物に改質領域を形成する第2ステップと、第2ステップによりラインに沿って改質領域を形成させる際に、第1ステップで取得した駆動データに基づき、アクチュエータにより集光レンズを光軸方向に沿って移動させる第3ステップと、を含み、第3ステップは、レーザ光入射面上における第2レーザ光の照射位置が追従開始位置よりも照射部の相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、第1ステップで取得した駆動データに基づきアクチュエータを駆動させる早期追従ステップを有する。
このようなレーザ加工装置及びレーザ加工方法では、ラインに沿って対象物に改質領域を形成する際、駆動データの再生のタイミングを駆動データの取得時に対して早めることができる。よって、駆動データにオーバーシュートが生じていたとしても、改質領域を形成する際においては、当該オーバーシュートに伴うアクチュエータの駆動の遅れを小さくすることができ、レーザ光入射面の変位と集光レンズの光軸方向の移動量との間の誤差を低減することができる。したがって、レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を抑制することが可能となる。
本発明に係るレーザ加工装置では、制御部は、ラインに沿って、照射部を移動機構により相対移動させながら、レーザ光入射面上における第2レーザ光の照射位置が追従開始位置に位置するときを始点にして、第1処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータを駆動させつつ、集光レンズの光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより検出する第4処理を実行し、第1処理で取得した変位データ又は駆動データと、第4処理で検出した移動量データと、に基づいて、補正距離を算出する及び/又は補正距離に関する情報を出力部を介して出力させてもよい。この場合、変位データ又は駆動データと実際の集光レンズの移動量データとを利用して、補正距離を算出及び/又は出力することが可能となる。
本発明に係るレーザ加工装置は、ユーザから早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける入力部を備え、制御部は、入力部により当該入力を受け付けた場合、第1処理及び第4処理を実行し、第1処理で取得した変位データ又は駆動データと、第4処理で取得した移動量データと、に基づいて、補正距離を算出してもよい。この場合、早期追従処理のテストを実行させる入力をユーザが入力部を介して行うことで、補正距離を自動的に算出することができる。
本発明に係るレーザ加工装置は、ユーザから早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける入力部を備え、制御部は、入力部により当該入力を受け付けた場合、第1処理及び第4処理を実行し、ラインに沿って、照射部を移動機構により相対移動させながら、レーザ光入射面上における第2レーザ光の照射位置が追従開始位置よりも照射部の相対移動方向において補正候補距離だけ手前側に位置するときを始点にして、当該第1処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータを駆動させつつ、集光レンズの光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより取得する第5処理を、補正候補距離を変えて複数回実行し、第1処理で取得した変位データ又は駆動データと、第4処理及び複数の第5処理で取得した複数の移動量データと、に基づいて、複数の補正候補距離のうちの一の補正候補距離を、補正距離として算出してもよい。この場合、早期追従処理のテストを実行させる入力をユーザが入力部を介して行うことで、補正距離を自動的に算出することができる。
本発明に係るレーザ加工装置では、対象物は、貫通孔を有していてもよい。第2レーザ光が貫通孔を跨ぐ際には、駆動データにオーバーシュートが発生しやすい。この点、本発明では、早期追従処理により、第2レーザ光が貫通孔を跨ぐ際の当該オーバーシュートに伴うアクチュエータの駆動の遅れを、小さくすることができる。
本発明に係るレーザ加工装置は、第3処理では、第2レーザ光の照射位置が貫通孔の範囲内の場合には、集光レンズの光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させてもよい。通常、第2レーザ光の照射位置が貫通孔の範囲内であると、駆動データにオーバーシュートが発生しやすい。この点、本発明では、第2レーザ光の照射位置が貫通孔の範囲内の場合に集光レンズの光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させるため、当該オーバーシュートを抑制することが可能となる。
本発明に係るレーザ加工装置では、ラインは、第1ラインと第1ラインに交差する第2ラインとを含み、第2処理では、第1ラインに沿って、照射部を移動機構により相対移動させながら、照射部による第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、対象物に改質領域を形成させると共に、レーザ光入射面に到達する亀裂を形成させた後、第2ラインに沿って、照射部を移動機構により相対移動させながら、照射部による第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、対象物に改質領域を形成させ、第3処理では、第1ラインに沿った改質領域の形成後に第2処理により第2ラインに沿って改質領域を形成させる際に、早期追従処理を実行してもよい。第1ラインに沿った改質領域及びハーフカット(レーザ光入射面に到達する亀裂)の形成後に第2ラインに沿って改質領域を形成させる際には、対象物の表面側に設けられた機能素子(デバイス積層膜及びバンプ等)及びハーフカットの影響で対象物が反りやすく、駆動データにオーバーシュートが発生しやすい。この点、本発明では、早期追従処理により、第2ラインに沿って改質領域を形成させる際の当該オーバーシュートに伴うアクチュエータの駆動の遅れを、小さくすることができる。
本発明に係るレーザ加工装置では、第3処理では、第2処理により第1ラインに沿って改質領域を形成させる際に、追従開始位置を始点にして、第1処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータを駆動させる通常追従処理を実行してもよい。この場合、通常追従処理の実行の下、第1ラインに沿って改質領域を形成することができる。
本発明に係るレーザ加工装置は、ユーザから補正距離に関する入力を受け付ける入力部と、入力部の当該入力に応じて補正距離を設定する設定画面を表示する表示部と、を備えていてもよい。この場合、補正距離に関する入力をユーザが入力部を介して行い、設定画面において補正距離を設定することが可能となる。
本発明に係るレーザ加工装置は、第3処理では、第2処理の初期及び/又は終期には、集光レンズの光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させてもよい。通常、第2処理の初期及び/又は終期では、対象物のエッジ部を第2レーザ光が跨ぐことから、駆動データにオーバーシュートが発生しやすい。この点、本発明では、第2処理の初期及び/又は終期に集光レンズの光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させるため、当該オーバーシュートを抑制することが可能となる。
本発明によれば、レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を抑制することが可能なレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することが可能となる。
図1は、実施形態に係るレーザ加工装置を示す概略平面図である。 図2は、実施形態に係る対象物を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係るレーザ加工ヘッドを示す構成図である。 図4は、実施形態に係るトレース処理を説明する対象物の断面図である。 図5は、実施形態に係る追従処理を説明する対象物の断面図である。 図6は、実施形態に係る追従処理を説明する対象物の他の断面図である。 図7は、駆動データとレンズ移動量との差分を示すグラフである。 図8は、レーザ光入射面の変位とレンズ移動量との差分を示すグラフである。 図9は、GUIの追従テストボタンが操作された場合の処理例を示すフローチャートである。 図10は、GUIの追従テストボタンが操作された場合の他の処理例を示すフローチャートである。 図11は、GUIの追従テストボタンが操作された場合の他の処理例を示すフローチャートである。 図12(a)は、GUIに表示する設定画面の例を示す図である。図12(b)は、GUIに表示する設定画面の他の例を示す図である。図12(c)は、GUIに表示する設定画面の他の例を示す図である。図12(d)は、GUIに表示する設定画面の他の例を示す図である。 図13(a)は、レーザ光入射面の変位、駆動データ及びレンズ移動量の例を示すグラフである。図13(b)は、レーザ光入射面の変位、駆動データ及びレンズ移動量の他の例を示すグラフである。 図14は、変形例に係る追従処理を説明する対象物の断面図である。 図15は、変形例に係る追従処理を説明する対象物の他の断面図である。
以下、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、レーザ加工装置1は、対象物100をレーザ加工するための装置である。レーザ加工装置1は、対象物100に加工用レーザ光を照射しながら、改質領域の形成を予定するラインに沿って加工用レーザ光の集光点(集光位置,少なくとも集光領域の一部)を移動することにより、対象物100に改質領域をラインに沿って形成する。レーザ加工装置1は、ステージ7、レーザ加工ヘッド10A、鉛直軸レール22、水平軸レール24、撮像部25、GUI9及び制御部8を備える。
図2に示されるように、対象物100には、ライン5が設定されている。ライン5は、対象物100を切断するための仮想線である。ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、これらが組み合わされた3次元状であってもよいし、座標指定されたものであってもよい。ライン5は、仮想線に限らず、対象物100の表面に実際に引かれた線であってもよい。
改質領域は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。改質領域は列状でも点状でもよく、要は、改質領域は少なくとも対象物100の内部に形成されていればよい。また、改質領域を起点に亀裂が形成される場合があり、亀裂及び改質領域は、対象物100の外表面(表面、裏面、若しくは外周面)に露出していてもよい。改質領域を形成する際のレーザ光入射面は、対象物100の表面100aであってもよいし、対象物100の裏面100bであってもよい。
改質領域は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質領域としては、例えば、溶融処理領域(一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくとも何れか一つを意味する)、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。改質領域としては、対象物100の材料において改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域がある。対象物100の材料が単結晶シリコンである場合、改質領域は、高転位密度領域ともいえる。
溶融処理領域、屈折率変化領域、改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、及び、格子欠陥が形成された領域は、更に、それら領域の内部や改質領域と非改質領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラック)を内包している場合がある。内包される亀裂は、改質領域の全面に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。対象物100は、結晶構造を有する結晶材料からなる基板を含む。
例えば対象物100は、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、LiTaO、及び、サファイア(Al)の少なくとも何れかで形成された基板を含む。換言すると、対象物100は、例えば、窒化ガリウム基板、シリコン基板、SiC基板、LiTaO基板、又はサファイア基板を含む。結晶材料は、異方性結晶及び等方性結晶の何れであってもよい。また、対象物100は、非結晶構造(非晶質構造)を有する非結晶材料からなる基板を含んでいてもよく、例えばガラス基板を含んでいてもよい。
実施形態では、レーザ加工装置1では、ライン5に沿って改質スポット(加工痕)を複数形成することにより、改質領域を形成することができる。この場合、複数の改質スポットが集まることによって改質領域となる。改質スポットとは、パルスレーザ光の1パルスのショット(つまり1パルスのレーザ照射:レーザショット)で形成される改質部分である。改質スポットとしては、クラックスポット、溶融処理スポット若しくは屈折率変化スポット、又はこれらの少なくとも1つが混在するもの等が挙げられる。改質スポットについては、要求される切断精度、要求される切断面の平坦性、対象物100の厚さ、種類、結晶方位等を考慮して、その大きさや発生する亀裂の長さを適宜制御することができる。実施形態では、ライン5に沿って、改質スポットを改質領域として形成することができる。
図2示される一例では、対象物100は、例えば、シリコン等の半導体材料からなる基板の表面側に複数の機能素子がマトリックス状に形成されたものである。機能素子は,例えば、フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、又は回路として形成された回路素子等である。対象物100がステージ7(図1参照)に支持される際には、環状のフレーム111に張られたフィルム112上に、例えば対象物100の表面100a(複数の機能素子側の面)が貼付される。
対象物100には、結晶方位を示すオリエンテーションフラットが設けられている。ライン5は、互いに平行に延びる複数のライン5aと、ライン5aに垂直で且つ互いに平行に延びる複数のライン5bとが、隣り合う機能素子の間(以下、「ストリート」ともいう)を通るように格子状に設定される。対象物100には、表面100aから裏面100bに貫通する貫通孔H0が、平面視において所定間隔で並ぶように複数形成されている。対象物100は、例えば厚さが300μmのウェハであって、エッジ部以外の外表面にも急激な変位が存在する。
図1に示されるように、ステージ7は、対象物100を支持する支持部である。ステージ7は、鉛直方向に平行な軸線を中心線として回転可能に構成されている。ステージ7上には、対象物100が載置される。ステージ7は、モータ等の公知の駆動装置の駆動力により回転駆動される。ステージ7は、クランプによってフレーム111(図2参照)を保持すると共に、真空チャックによってフィルム112(図2参照)を吸着することで、対象物100を支持する。
図1及び図3に示されるように、レーザ加工ヘッド10Aは、ステージ7に載置された対象物100に、第1レーザ光である加工用レーザ光L1を集光部14を介して照射し、当該対象物100の内部に改質領域を形成する。レーザ加工ヘッド10Aは、モータ等の公知の駆動装置の駆動力により、鉛直軸レール22に沿って鉛直方向に直線的に移動可能である。レーザ加工ヘッド10Aは、モータ等の公知の駆動装置の駆動力により、水平軸レール24に沿って一の水平方向に直線的に移動可能である。レーザ加工ヘッド10Aは、照射部を構成する。集光部14は、集光レンズを含む。
図3に示されるように、レーザ加工ヘッド10Aは、筐体11と、入射部12と、調整部13と、集光部14と、を備える。入射部12は、光源(不図示)から出力された加工用レーザ光L1を筐体11内に入射させる。光源は、例えばパルス発振方式によって、対象物100に対して透過性を有する加工用レーザ光L1を出力する。調整部13は、筐体11内に配置されている。調整部13は、入射部12から入射した加工用レーザ光L1を調整する。調整部13が有する各構成は、筐体11内に設けられた光学ベース29に取り付けられている。光学ベース29は、筐体11と一体となっている。
調整部13は、アッテネータ31と、ビームエキスパンダ32と、ミラー33と、反射型空間光変調器34と、結像光学系35と、を有する。アッテネータ31は、入射部12から入射した加工用レーザ光L1の出力を調整する。ビームエキスパンダ32は、アッテネータ31で出力が調整された加工用レーザ光L1の径を拡大する。ミラー33は、ビームエキスパンダ32で径が拡大された加工用レーザ光L1を反射する。
反射型空間光変調器34は、ミラー33で反射された加工用レーザ光L1を変調する。反射型空間光変調器34は、例えば、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)である。結像光学系35は、反射型空間光変調器34の反射面34aと集光部14の入射瞳面14aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。結像光学系35は、3つ以上のレンズによって構成されている。
集光部14は、筐体11の下壁部に形成された孔26aに挿通するように配置されている。集光部14は、調整部13によって調整された加工用レーザ光L1を集光しつつ筐体11外に出射させる。このようなレーザ加工ヘッド10Aでは、加工用レーザ光L1は、入射部12から筐体11内に入射して進行し、ミラー33及び反射型空間光変調器34で順次に反射された後、集光部14から筐体11外に出射する。
レーザ加工ヘッド10Aは、ダイクロイックミラー15と、測距センサ16と、観察部17と、アクチュエータ18と、回路部19と、を更に備える。ダイクロイックミラー15は、結像光学系35と集光部14との間に配置されている。ダイクロイックミラー15は、加工用レーザ光L1を透過させる。ダイクロイックミラー15は、非点収差を抑制する観点では、例えば、キューブ型、又は、ねじれの関係を有するように配置された2枚のプレート型が好ましい。
測距センサ16は、対象物100のレーザ光入射面に対して、第2レーザ光である測距用レーザ光L2を照射し、当該レーザ光入射面で反射した測距用レーザ光L2の反射光を受光する。測距センサ16は、受光した反射光に関する情報を、対象物100のレーザ光入射面の変位(凹凸及び傾き等を含む)に関する変位データとして取得する。変位データは、例えば、受光した反射光に応じた電圧値である。
測距センサ16としては、加工用レーザ光L1と同軸のセンサであることから、非点収差方式等のセンサを利用することができる。なお、加工用レーザ光L1と別軸のセンサである場合、測距センサ16としては、三角測距方式、レーザ共焦点方式、白色共焦点方式、分光干渉方式、非点収差方式等のセンサを利用することができる。測距センサ16の種類は特に限定されず、様々なセンサを利用することができる。なお、加工用レーザ光L1と同軸の測距センサ16としては、集光部14における測距用レーザ光L2及びその反射光の偏心を利用した三角測距方式のセンサを利用することができる。測距センサ16は、データ取得部を構成する。
観察部17は、対象物100のレーザ光入射面を観察するための観察光L20を出力し、レーザ光入射面で反射された観察光L20を検出する。つまり、観察部17から出力された観察光L20は、集光部14を介してレーザ光入射面に照射され、レーザ光入射面で反射された観察光L20は、集光部14を介して観察部17で検出される。加工用レーザ光L1、測距用レーザ光L2及び観察光L20のそれぞれの波長は、互いに異なっている(少なくともそれぞれの中心波長が互いにずれている)。
アクチュエータ18は、光学ベース29に取り付けられている。アクチュエータ18は、例えば圧電素子の駆動力によって、集光部14をその光軸方向(以下、単に「光軸方向」ともいう)に沿って移動させる。回路部19は、例えば、複数の回路基板である。回路部19は、測距センサ16から出力された信号、及び反射型空間光変調器34に入力する信号を処理する。回路部19は、測距センサ16から出力された信号に基づいてアクチュエータ18を制御する。回路部19は、制御部8(図1参照)に電気的に接続されている。
回路部19は、測距センサ16で取得した変位データに基づいて、加工用レーザ光L1の集光点(集光部14)がレーザ光入射面に追従するように、アクチュエータ18を駆動させる駆動データを取得する。例えば、回路部19は、変位データとしての電圧値が目標電圧値となるようにアクチュエータ18を駆動させる駆動電圧値(制御指令値)を、駆動データとして算出する。回路部19は、駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させ、加工用レーザ光L1の集光点をレーザ光入射面の変位に追従させる。駆動データは、駆動電圧値の横軸を位置(座標又は距離)とし且つ縦軸を駆動電圧値とした波形データとしてもよい。回路部19は、駆動データを記憶する。
目標電圧値は、レーザ光入射面に追従するように集光部14を駆動するための基準(目標)となる電圧値であって、後述のハイトセット時に測距センサ16で取得した電圧値に基づく値である。レーザ光入射面に追従するようにアクチュエータ18を駆動する制御のことを、以下、AF(オートフォーカス)追従制御ともいう。AF追従制御では、対象物100のレーザ光入射面と加工用レーザ光L1の集光位置との距離が一定に維持されるように、当該変位データに基づき集光部14が光軸方向に沿って移動する。なお、AF追従制御を実行する機能及び駆動データを記憶する機能は、制御部8又はその他の回路部が有していてもよい。回路部19は、データ取得部を構成する。
図1に戻り、鉛直軸レール22は、鉛直方向に沿って延びるレールである。鉛直軸レール22は、取付部21を介してレーザ加工ヘッド10Aに取り付けられている。鉛直軸レール22は、加工用レーザ光L1の集光点が鉛直方向に沿って移動するように、レーザ加工ヘッド10Aを鉛直方向に沿って移動させる。水平軸レール24は、水平方向に沿って延びるレールである。水平軸レール24は、取付部23を介して鉛直軸レール22に取り付けられている。水平軸レール24は、加工用レーザ光L1の集光点がライン5に沿って移動するように、レーザ加工ヘッド10Aをステージ7に対してライン5に沿って相対移動させる。水平軸レール24は、移動機構を構成する。
撮像部25は、加工用レーザ光L1の入射方向に沿う方向から対象物100を撮像する。撮像部25は、アライメントカメラAC及び撮像ユニットIRを含む。アライメントカメラAC及び撮像ユニットIRは、レーザ加工ヘッド10Aと共に取付部21に取り付けられている。アライメントカメラACは、例えば、対象物100を透過する光を用いてデバイスパターン等を撮像する。これにより得られる画像は、対象物100に対する加工用レーザ光L1の照射位置のアライメントに供される。撮像ユニットIRは、対象物100を透過する光により対象物100を撮像する。例えば、対象物100がシリコンを含むウェハである場合、撮像ユニットIRにおいては近赤外領域の光が用いられる。レーザ加工装置1においては、撮像ユニットIRを用いて、非破壊にてレーザ加工の加工状態を確認できる。
制御部8は、プロセッサ、メモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。制御部8では、メモリ等に読み込まれたソフトウェア(プログラム)が、プロセッサによって実行され、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み、並びに、通信デバイスによる通信が、プロセッサによって制御される。制御部8は、レーザ加工装置1の各部を制御し、各種の機能を実現する。
制御部8は、ステージ7の動作、レーザ加工ヘッド10Aの動作、鉛直軸レール22及び水平軸レール24に沿うレーザ加工ヘッド10Aの移動、及び、アクチュエータ18の動作を少なくとも制御する。制御部8は、ライン5に沿って、レーザ加工ヘッド10Aをステージ7に対して相対移動させながら、対象物100におけるライン5上に加工用レーザ光L1の集光点を位置させた状態で、AF追従制御の下、レーザ加工ヘッド10Aからの加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止を制御することにより、ライン5に沿って改質領域を形成させる。
改質領域の形成及びその停止の切り替えは、次のようにして実現することができる。例えば、レーザ加工ヘッド10Aにおいて、加工用レーザ光L1の照射(出力)の開始及び停止(ON/OFF)を切替えることで、改質領域の形成と当該形成の停止とを切り替えることが可能である。具体的には、レーザ発振器が固体レーザで構成されている場合、共振器内に設けられたQスイッチ(AOM(音響光学変調器)、EOM(電気光学変調器)等)のON/OFFが切り替えられることで、加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止が高速に切り替えられる。レーザ発振器がファイバレーザで構成されている場合、シードレーザ、アンプ(励起用)レーザを構成する半導体レーザの出力のON/OFFが切り替えられることで、加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止が高速に切り替えられる。レーザ発振器が外部変調素子を用いている場合、共振器外に設けられた外部変調素子(AOM、EOM等)のON/OFFが切り替えられることで、加工用レーザ光L1の照射のON/OFFが高速に切り替えられる。
或いは、改質領域の形成及びその停止の切り替えは、次のようにして実現してもよい。例えば、シャッタ等の機械式機構を制御するによって加工用レーザ光L1の光路を開閉し、改質領域の形成と当該形成の停止とを切り替えてもよい。加工用レーザ光L1をCW光(連続波)へ切り替えることで、改質領域の形成を停止させてもよい。反射型空間光変調器34の液晶層に、加工用レーザ光L1の集光状態を改質できない状態とするパターン(例えば、レーザ散乱させる梨地模様のパターン)を表示することで、改質領域の形成を停止させてもよい。アッテネータ等の出力調整部を制御し、改質領域が形成できないように加工用レーザ光L1の出力に低下させることで、改質領域の形成を停止させてもよい。偏光方向を切り替えることで、改質領域の形成を停止させてもよい。加工用レーザ光L1を光軸以外の方向に散乱させて(飛ばして)カットすることで、改質領域の形成を停止させてもよい。
制御部8は、ライン5に沿って測距用レーザ光L2をスキャンした後にAF追従制御の下で加工用レーザ光L1をスキャンして改質領域を形成するトレース加工処理と、ライン5に沿って測距用レーザ光L2をスキャンしながらAF追従制御の下で加工用レーザ光L1をスキャンして改質領域を形成するリアルタイム加工処理と、を回路部19と協働して実行可能である。
トレース加工処理は、トレース処理(第1処理)、改質領域形成処理(第2処理)及び追従処理(第3処理)を含む。トレース処理は、ライン5に沿って測距センサ16により測距用レーザ光L2をスキャンして、回路部19により変位データ及び駆動データを取得する。改質領域形成処理は、トレース処理の後、ライン5に沿ってレーザ加工ヘッド10Aにより加工用レーザ光L1をスキャンして、改質領域を対象物100に形成する。追従処理は、改質領域を形成させる際にAF追従制御を実行する。追従処理では、駆動データの再生の始点を補正距離だけ早めてAF追従制御を行う早期追従処理と、駆動データの再生の始点を早めずにAF追従制御を行う通常追従処理と、を実行可能である。
リアルタイム加工処理は、ライン5に沿って、測距センサ16により測距用レーザ光L2をスキャンして回路部19により変位データ及び駆動データを取得しながら、当該駆動データに基づくAF追従制御の下、レーザ加工ヘッド10Aにより加工用レーザ光L1をスキャンして改質領域を対象物100に形成する。リアルタイム加工処理では、トレース加工処理の各処理(トレース処理、改質領域形成処理及び追従処理)を、同時並列的に実行する。制御部8及び回路部19が実行する各処理の詳細については、後述する。
本実施形態のトレース処理では、図4に示されるように、ライン5に沿って、レーザ加工ヘッド10Aを水平軸レール24により相対移動させながら、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が、追従開始位置TS0に位置するときを始点にし且つ追従終了位置TE0を終点にして、測距センサ16及び回路部19により変位データ及び駆動データを取得及び記録させる。追従開始位置TS0から追従終了位置TE0までの区間が、AF追従制御を行う追従区間である。
本実施形態のレーザ加工装置1では、追従区間を任意に設定することが可能である。つまり、レーザ加工装置1では、追従開始位置TS0及び追従終了位置TE0を任意に設定することが可能である。追従開始位置TS0及び追従終了位置TE0は、光量基準で設定されてもよいし、座標基準で設定されてもよいし、光量基準ないし座標基準による位置から意図的に所定量ずらして設定されてもよい。光量基準とは、測距センサ16の検出値を基準にして対象物100の端を検知して、追従開始位置TS0の基準を決める手法である。座標基準とは、設定されている座標を基準にして追従開始位置TS0の基準を決める手法である。追従開始位置TS0及び追従終了位置TE0は、制御部8にて設定及び記憶されていてもよい。追従区間は、対象物100のエッジ部(周縁部)よりも内側の有効領域部分に対応してもよい。ここでの駆動データは、横軸をライン5に沿う位置とし且つ縦軸をアクチュエータ18の駆動電圧値としたグラフにおける波形データであってもよい。
本実施形態の改質領域形成処理では、トレース処理の後、図5に示されるように、ライン5に沿って、水平軸レール24によりレーザ加工ヘッド10Aをライン5の一端側から他端側へ相対移動させながら、レーザ加工ヘッド10Aによる加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止を制御する。これにより、ライン5の一端側から他端側へ加工用レーザ光L1の集光点を移動させ、ライン5の一端側から他端側へ当該ライン5に沿って対象物100の内部に改質領域6を形成させる。また、改質領域形成処理では、トレース処理の後、図6に示されるように、ライン5に沿って、水平軸レール24によりレーザ加工ヘッド10Aをライン5の他端側から一端側へ相対移動させながら、レーザ加工ヘッド10Aにより加工用レーザ光L1を照射させる。これにより、加工用レーザ光L1を対象物100の内部に集光させると共に、ライン5の他端側から一端側へ当該集光点を移動させ、対象物100の内部に改質領域6を形成させる。
本実施形態の追従処理では、改質領域形成処理によりライン5に沿って改質領域を形成させる際に、トレース処理で取得した駆動データに基づき、アクチュエータ18により集光部14を光軸方向に沿って移動させるAF追従制御を行う。ここで、追従処理で実行される早期追従処理では、図5に示されるように、レーザ加工ヘッド10Aをライン5の一端側から他端側へ相対移動させる場合には、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が、追従開始位置TS0よりもレーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動(つまり、駆動データをアクチュエータ18で再生)させる。
また、追従処理で実行される早期追従処理では、図6に示されるように、レーザ加工ヘッド10Aをライン5の他端側から一端側へ相対移動させる場合には、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が、追従開始位置TS0よりもレーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動(つまり、駆動データをアクチュエータ18で逆再生)させる。
なお、早期追従処理では、駆動データによりアクチュエータ18を駆動を開始するタイミングが、追従開始位置TS0から補正距離だけ対象物100の縁側に集光部14の光軸がずれるタイミングとなる。早期追従処理において駆動データを再生及び逆再生する場合に当該駆動データに対応付けられる座標は、トレース処理時の駆動データに対応付けられる座標に対して、レーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向の後ろ側へ補正距離分ずれている。
追従処理で実行される通常追従処理では、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が追従開始位置TS0に位置するときを始点にして、駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させる。
本実施形態の追従処理では、改質領域形成処理の初期及び終期には、集光部14の光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させるAF固定(以下、単に「AF固定」ともいう)を実行する。AF固定では、アクチュエータ18に入力する駆動データを固定して(例えば、アクチュエータ18の駆動電圧値をその直前の電圧値で変動しないようにして)、集光部14の光軸方向の位置を保持させる。ここでの追従処理では、追従開始位置TS0からレーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向の手前側にAF固定距離だけ離れた位置までの区間において、AF固定を実行する。また、追従処理では、追従終了位置TE0からレーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向の奥側にAF固定距離だけ離れた位置までの区間において、AF固定を実行する。なお、ここでのAF固定では、集光部14の光軸方向に沿う位置を略固定とする。略固定とは、集光部14が一定位置から動作しない状態に加えて、通常(AF固定を実行していない状態)のアクチュエータ18による動作に対して十分動作が小さくなるように集光部14が動作する状態を含む。つまり、AD固定では、集光部14が緩やかに動作していてもよい。
制御部8は、ライン5に沿って、レーザ加工ヘッド10Aを水平軸レール24により相対移動させながら、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が追従開始位置TS0に位置するときを始点にして、トレース処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させつつ、集光部14の光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより検出するレンズ移動量検出処理(第4処理)を実行する。レンズ移動量検出処理は、トレース処理と同時並列的に実行してもよいし、トレース処理とは別で実行してもよい。センサは、例えば、アクチュエータ18に設けられた歪ゲージ等を含む公知のセンサである。移動量データは、アクチュエータ18の可動部の現在位置データに対応する。なお、集光部14の移動量データを「レンズ移動量」とも称する。
制御部8は、トレース処理で取得した変位データ又は駆動データと、レンズ移動量検出処理で検出した移動量データと、に基づいて、補正距離を算出可能である。図7は、駆動データ及びレンズ移動量を示すグラフであり、図8は、レーザ光入射面の変位及びレンズ移動量を示すグラフである。図7のグラフでは、横軸はライン5に沿う位置を表し、縦軸は駆動データ及びレンズ移動量に対応する各値を表す。図8のグラフでは、横軸はライン5に沿う位置を表し、縦軸はレーザ光入射面の変位及びレンズ移動量に対応する各値を表す。例えば制御部8は、図7に示されるように、駆動データがピークとなるピーク位置を算出すると共に、レンズ移動量がピークとなるピーク位置を算出する。制御部8は、これらのピーク位置の差分ΔD1を、補正距離に対応する値として算出する。
また例えば制御部8は、図8に示されるように、変位データから求められたレーザ光入射面の変位がピークとなるピーク位置を算出すると共に、レンズ移動量がピークとなるピーク位置を算出する。制御部8は、これらのピーク位置の差分ΔD2を、補正距離に対応する値として算出する。制御部8は、算出した補正距離に関する情報をGUI9を介して出力可能である。なお、補正距離は、オシロスコープで各データの波形を取得し、各データのピークの時間の差分をスキャン速度を用いて距離に変更して求めることもできる。
制御部8は、差分ΔD1のみから補正距離を算出してもよいし、差分ΔD2のみから補正距離を算出してもよいし、差分ΔD1,ΔD2から補正距離を算出してもよい。変位データ、駆動データ及び移動量データのそれぞれにピークが複数ある場合には、複数の補正距離の候補を算出し、その中の一つを補正距離として決定してもよい。
複数のピークのうち高いピーク(オーバーシュートが大きく発生した場合)に優先的に基づいて、補正距離を算出してもよい。複数の差分ΔD1,ΔD2のうち値が大きい何れかに優先的に基づいて、補正距離を算出してもよい。ピークの発生回数を重視し、発生頻度の低いピークは候補から外す等のマスク処理を兼ね揃えていてもよい。補正距離にリミットを設け、複数の補正距離の候補のうち当該リミットを超える少なくとも何れかを、候補から外してもよい。異なる複数のライン5に沿ってトレース処理及びレンズ移動量検出処理を行い、複数の補正距離の候補を取得し、それらを平均して値を補正距離として用いてもよい。複数の補正距離の候補を複数のライン5ごとに異なる補正距離として用いてもよい。
図1に示されるように、GUI9は、各種の情報を表示する。GUI9は、例えばタッチパネルディスプレイを含む。GUI9には、ユーザのタッチ等の操作により、各種の入力を受け付ける。GUI9は、ユーザから早期追従処理の補正距離に関する入力を受け付ける。GUI9は、早期追従処理の補正距離に関する情報を表示する。GUI9は、受け付けた当該入力に応じて、早期追従処理の補正距離を設定する設定画面を表示する。GUI9は、ユーザから早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける。GUI9は、入力部、表示部及び出力部を構成する。
例えばGUI9は、ステージ7上に対象物100を載置されて吸着され、レーザ加工の各種の加工条件が入力され、初期設定が完了した状態において、ユーザから早期追従処理のテストを実行させる入力(例えば、後述する追従テストボタン94のタッチ操作)を受け付ける。当該入力を受けつけた場合、制御部8により次の処理が実行される。
すなわち、図9に示されるように、まず、トレース処理が実行される。具体的には、ライン5に沿って、加工条件の設定速度等に基づいて測距用レーザ光L2がスキャンされる(ステップS1)。上記ステップS1では、加工用レーザ光L1の照射は停止される。上記ステップS1により、追従範囲内におけるライン5に沿ったレーザ光入射面の変位データが取得され、この変位データから駆動データが生成されて取得される(ステップS2)。
続いて、レンズ移動量検出処理が実行される。具体的には、追従範囲内においてライン5に沿って、駆動データに基づきアクチュエータ18が駆動される(ステップS3)。上記ステップS3により、追従範囲内において、アクチュエータ18の当該駆動により光軸方向に移動する集光部14の移動量データが取得される(ステップS4)。そして、上記ステップS1で取得された変位データ又は駆動データと上記ステップS4で取得された移動量データとに基づいて差分ΔD1又は差分ΔD2が算出され、差分ΔD1又は差分ΔD2から補正距離が自動算出される(ステップS5)。
或いは、図9に示される処理に代えて、制御部8により図10に示される処理が実行されてもよい。図10に示される処理では、上記ステップS1~S4と同様なステップS11~S14の後、追従結果として、取得された変位データ、駆動データ及び移動量データがGUI9上に表示される(ステップS15)。これにより、ユーザは、GUI9上の表示を参照して、手動で補正距離を算出することが可能である。
また或いは、図9に示される処理に代えて、制御部8により図11に示される処理が実行されてもよい。図11に示される処理では、上記ステップS1~S4と同様なステップS21~S24の後、補正候補距離が初期値に設定され、カウンタkが1に設定される(ステップS25,S26)。
続いて、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が追従開始位置TS0よりもレーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向において補正候補距離だけ手前側に位置するときを始点にして、上記ステップS21で取得した駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させる(ステップS27)。上記ステップS27により、集光部14の移動量データをセンサにより取得する(ステップS28)。カウンタkがNであるか否か、つまり、上記ステップS27,S28をN回繰り返したか否かを判定する(ステップS29)。上記ステップS29でNOの場合、補正候補距離を可変(例えば+1mm)し、カウンタkをカウントアップする(ステップS30,S31)。その後、上記ステップS27に戻る。
一方、上記ステップS29でYESの場合、上記ステップS1で取得した変位データ又は駆動データと上記ステップS24,S28で取得した複数の移動量データとに基づいて、上記ステップS30で可変させて得られた複数の補正候補距離のうち一の補正候補距離を、補正距離として算出する(ステップS30)。例えば、上記ステップS30では、図7に示されるようなピーク位置の差分ΔD1が最も小さくなるときの一の補正候補距離を、補正距離として算出してもよい。また例えば、上記ステップS30では、図8に示されるようピーク位置の差分ΔD2が最も小さくなるときの一の補正候補距離を、補正距離として算出してもよい。
図12(a)、図12(b)、図12(c)及び図12(d)は、GUI9に表示する設定画面の例を示す図である。図中において、再生補正の距離は、補正距離に対応し、エッジAF固定の距離は、AF固定を実行する際のAF固定距離に対応する。図12(a)、図12(b)、図12(c)及び図12(d)に示されるように、GUI9の入力欄91においてユーザは、モードを「トレース」と「リアルタイム」との間で切替え入力可能である。GUI9において「トレース」が選択されると、制御部8によりトレース加工処理が実行可能である。GUI9において「リアルタイム」が選択されると、制御部8によりリアルタイム加工処理が実行可能である。
GUI9の入力欄92においてユーザは、補正距離の値を入力可能である。制御部8は、入力欄92に入力された値に基づき補正距離を設定してもよい。なお、GUI9では、入力欄91に「リアルタイム」が選択入力されると、補正距離の値の入力が不可とされる(図12(c)参照)。GUI9の入力欄93においてユーザは、AF固定距離の値を入力可能である。制御部8は、入力欄93に入力された値に基づきAF固定距離を設定する。GUI9においてユーザは、追従テストボタン94をタッチ操作可能である。追従テストボタン94は、早期追従処理のテストの実行を入力するボタンである。追従テストボタン94がタッチ操作されると、制御部8により、図9、図10又は図11に示される一連の処理が開始され、補正距離が算出される。算出された補正距離は、入力欄92に自動入力されて表示されてもよい。
次に、レーザ加工装置1を用いたレーザ加工方法の一例について説明する。
以下では、対象物100に加工用レーザ光L1を照射しながら、ライン5に沿って加工用レーザ光L1の集光点を移動することにより、対象物100に改質領域6をライン5に沿って形成する場合の例を説明する。ここでの例では、GUI9の設定画面において、モードが「トレース」に選択され、補正距離が入力又は自動算出により設定され、AF固定させるエッジ部の距離が入力されている。
まず、裏面100bをレーザ光入射面側にした状態でステージ7上に対象物100を載置して吸着する。例えば撮像部25によって取得された対象物100のレーザ光入射面の画像に基づいて、加工用レーザ光L1の集光点がレーザ光入射面上に位置するように制御部8により鉛直方向に沿ってレーザ加工ヘッド10Aを移動させ、集光部14を鉛直方向に沿って移動させる(ハイトセット)。このときに測距センサ16で取得した電圧値を、目標電圧値として記憶する。
続いて、ライン5に沿ったトレース処理を実行し、追従開始位置TS0から追従終了位置TE0までの追従区間の変位データ及び駆動データを取得して記憶する(第1ステップ)。トレース処理では、レーザ加工ヘッド10Aから加工用レーザ光L1を照射せずに、ライン5に沿ってレーザ加工ヘッド10Aを相対移動させながら、測距センサ16から測距用レーザ光L2を照射し、変位データとしての電圧値を取得する。トレース処理では、測距用レーザ光L2は、常時照射されていてもよいし、追従区間のレーザ光入射面に対してのみ照射されてもよい。トレース処理では、測距センサ16で取得した変位データとしての電圧値が目標電圧値となるようにアクチュエータ18を駆動させる駆動データを取得する。
続いて、複数のライン5に沿って改質領域形成処理を実行し、対象物100の内部において複数のライン5に沿って改質領域6を形成する(第2ステップ)。改質領域形成処理では、追従区間で加工用レーザ光L1をONとし、それ以外の区間では加工用レーザ光L1をOFFとする。改質領域形成処理により改質領域6を形成する際には、追従処理を実行して、集光部14をレーザ光入射面の変位に追従するように鉛直方向に移動させるフィードバック制御であるAF追従制御を実行する(第3ステップ)。本実施形態の追従処理では、駆動データの再生の始点を補正距離だけ早めてAF追従制御を行う(早期追従ステップ)。なお、加工用レーザ光L1のON・OFFのタイミングは早めない。その後、対象物100に貼付されているダイシング用テープを拡張する。以上により、各ライン5に沿って対象物100が切断されチップ化し、複数のチップを得る。
以上、本実施形態のレーザ加工装置1及びレーザ加工方法では、ライン5に沿って対象物100に改質領域6を形成する際、駆動データの再生のタイミングを駆動データの取得時に対して早めることができる。よって、駆動データにオーバーシュートが生じていたとしても、改質領域6を形成する際には、当該オーバーシュートに伴うアクチュエータ18の駆動の遅れ(集光部14の光軸方向の移動の遅れ)を小さくすることができ、レーザ光入射面の変位と集光部14の光軸方向の移動量との間の誤差を低減することができる。
したがって、本実施形態によれば、レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を抑制することが可能となる。対象物100のエッジ部だけではなく、対象物100のエッジ部より内側の有効領域においても、急峻な変位(オーバーシュートの発生)に伴うアクチュエータ18の駆動の遅れを抑制することが可能となる。換言すると、本実施形態では、レーザ光入射面の変位が激しい対象物100に対して、事前に変位データ及び駆動データを測定した後に、駆動データの再生タイミングを早めた状態(距離又は時間に関する方向の制御を加えた状態)でアクチュエータ18を動作させながら加工用レーザ光L1でレーザ加工することにより、改質領域6の形成位置精度を改善させることができる。AF固定では対応困難なアクチュエータ18の駆動の遅れについても、抑制することが可能となる。
レーザ加工装置1では、制御部8は、レンズ移動量検出処理を実行する。レンズ移動量検出処理では、ライン5に沿って、レーザ加工ヘッド10Aを相対移動させながら、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が追従開始位置TS0に位置するときを始点にして、トレース処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させつつ、集光部14の光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより検出する。そして制御部8は、トレース処理で取得した変位データ又は駆動データと、レンズ移動量検出処理で検出した移動量データと、に基づいて、補正距離を算出及びGUI9を介して出力させる。この場合、変位データ又は駆動データと実際の集光部14の移動量データとを利用して、補正距離を算出及び出力することが可能となる。
レーザ加工装置1では、GUI9の追従テストボタン94がユーザによりタッチ操作され、早期追従処理のテストを実行させる入力をGUI9にて受け付けた場合、制御部8は、トレース処理に係る上記ステップS1,S2と、レンズ移動量検出処理に係る上記ステップS3,S4と、を実行する。そして、制御部8は、上記ステップS1で取得した変位データ又は駆動データと上記ステップS4で取得した移動量データとに基づいて、補正距離を算出する。このようにレーザ加工装置1においては、早期追従処理のテストを実行させる入力をユーザがGUI9を介して行うことで、補正距離を自動的に算出することができる。
なお、上述したように、レーザ加工装置1では、GUI9の追従テストボタン94がユーザによりタッチ操作され、早期追従処理のテストを実行させる入力をGUI9にて受け付けた場合、制御部8は、トレース処理に係る上記ステップS21,S22と、レンズ移動量検出処理に係る上記ステップS23,S24と、を実行してもよい。制御部8は、ライン5に沿って、レーザ加工ヘッド10Aを移動機構により相対移動させながら、レーザ光入射面上における測距用レーザ光L2の照射位置が追従開始位置よりもレーザ加工ヘッド10Aの相対移動方向において補正候補距離だけ手前側に位置するときを始点にして、トレース処理で取得した駆動データに基づきアクチュエータ18を駆動させつつ、集光部14の光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより取得する処理(第5処理)を、補正候補距離を変えて複数回実行する上記ステップS25~S31を実行してもよい。そして、制御部8は、上記ステップS21で取得した変位データ又は駆動データと、上記ステップS24で取得した移動量データと、上記ステップS25~S31で取得した複数の移動量データと、に基づいて、複数の補正候補距離のうちの一の補正候補距離を補正距離として算出する上記ステップS32を実行してもよい。このようにレーザ加工装置1においては、早期追従処理のテストを実行させる入力をユーザがGUI9を介して行うことで、補正距離を自動的に算出することができる。
レーザ加工装置1では、対象物100は、貫通孔H0を有している。測距用レーザ光L2が貫通孔H0を跨ぐ際には、ミラーウェハではみられない急激な段差によるオーバーシュートが、駆動データに発生しやすい。この点、レーザ加工装置1では、早期追従処理により、測距用レーザ光L2が貫通孔H0を跨ぐ際の当該オーバーシュートに伴うアクチュエータ18の駆動の遅れを、小さくすることができる。なお、測距用レーザ光L2が貫通孔H0を跨ぐ際にAF固定を行うことも考えられるが、AF固定では十分にできず、有効ではない。
レーザ加工装置1では、GUI9は、ユーザから補正距離に関する入力を受け付けると共に、当該入力に応じて補正距離を設定する設定画面を表示する。この場合、補正距離に関する入力をユーザがGUI9を介して行い、設定画面において補正距離を設定することが可能となる。
レーザ加工装置1は、追従処理では、改質領域形成処理の初期及び終期には、集光部14の光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させる。通常、改質領域形成処理の初期及び終期では、対象物100のエッジ部を測距用レーザ光L2が跨ぎ、駆動データにオーバーシュートが発生しやすい。この点、レーザ加工装置1では、改質領域形成処理の初期及び終期に集光部14の光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させるため、当該オーバーシュートを抑制することが可能となる。レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を一層抑制することが可能となる。
レーザ加工装置1では、GUI9において補正距離を設定できる。また、GUI9において追従テストボタン94を操作することにより、事前に、補正が必要かどうかを確認したり、最適な補正距離を自動算出ないし提示することができる。その結果、種々の対象物100の加工に対応できる。なお、GUI9においては、早期追従処理の実行の有無を設定できる機能が搭載されていてもよい。
図13(a)及び図13(b)は、レーザ光入射面の変位、駆動データ及びレンズ移動量の例を示すグラフである。図13(a)及び図13(b)では、横軸はライン5に沿う位置を表す。図13(a)及び図13(b)の結果は、同じ対象物100に対してレーザ加工を行った一例である。図13(a)では、追従処理として通常追従処理を含むトレース加工処理を実行した場合の一例を示す。図13(b)では、追従処理として早期追従処理を含むトレース加工処理を実行した場合の一例を示す。
図13(a)に示される例では、通常追従処理に係るトレース加工処理を実行した際には、レーザ光入射面の変位の変化に対してアクチュエータ18の駆動に遅れが生じ、レーザ光入射面の変位と集光部14の移動量との間の誤差が大きくなっている。この場合において、図13(b)に示されるように、早期追従処理に係るトレース加工処理を実行することで、レーザ光入射面の変位の変化に対してアクチュエータ18の駆動に遅れが低減し、レーザ光入射面の変位と集光部14の移動量との間の誤差が低減し、レーザ光入射面の変位に対する追従の精度が向上することがわかる。なお、急激な変位が発生している領域で、追従誤差が大きく低減する一方で、ゆるやかな変位の領域では、追従誤差が悪化する可能性が懸念されるが、対象物100の全体としては、追従誤差を低減して安定化したといえる。
なお、本実施形態では、厚さ50μmの対象物(いわゆる、極薄ウェハ)に対して加工する場合には、加工条件のマージンが少ないことから、早期追従処理ではなく通常追従処理が有効であるため、通常追従処理を実施してもよい。
以上、本発明の一態様は、上述した実施形態に限定されない。
上記実施形態の追従処理では、測距用レーザ光L2の照射位置が貫通孔H0の範囲内の場合には、AF固定を実行し、集光部14の光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させてもよい。測距用レーザ光L2の照射位置が貫通孔H0の範囲内であると、駆動データにオーバーシュートが発生しやすい。この点、測距用レーザ光L2の照射位置が貫通孔H0の範囲内の場合に集光部14の光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させると、当該オーバーシュートを抑制することができる。レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を一層抑制することが可能となる。
上記実施形態及び変形例では、貫通孔H0が形成された対象物100にレーザ加工を行う例を説明したが、これに限定されない。本発明の一態様は、貫通孔H0が形成されていない対象物100に対しても適用可能である。この場合、図14に示されるように、改質領域形成処理では、ライン(第1ライン)5aに沿って、レーザ加工ヘッド10Aを水平軸レール24により相対移動させながら、レーザ加工ヘッド10Aによる加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止を制御して、対象物100に改質領域6を形成させると共に、レーザ光入射面に到達する亀裂であるハーフカット(不図示)を改質領域6から形成させる。その後、図15に示されるように、ライン5aに垂直なライン(第2ライン)5bに沿って、レーザ加工ヘッド10Aを水平軸レール24により相対移動させながら、レーザ加工ヘッド10Aによる加工用レーザ光L1の照射の開始及び停止を制御して、対象物100に改質領域6を形成させる。
このとき、追従処理では、ライン5bに沿って改質領域6を形成させる際に、早期追従処理を実行してもよい。早期追従処理により、ライン5bに沿って改質領域6を形成させる際のオーバーシュートに伴うアクチュエータ18の駆動の遅れを、小さくすることができる。レーザ光入射面の変位に対する追従の精度低下を抑制する上記効果は特に有効となる。これは、ライン5aに沿って改質領域6及びハーフカットを形成した後にライン5bに沿って改質領域6を形成する際には、機能素子(デバイス積層膜及びバンプ等)及びハーフカットの影響で対象物100が反り、例えばライン5aを跨ぐ方向の前後位置において急峻な凹凸が発生し、駆動データにオーバーシュートが発生しやすいためである。また、追従処理では、図14に示されるように、ライン5aに沿って改質領域6を形成させる際には、通常追従処理を実行してもよい。この場合、通常追従処理の実行の下、ライン5aに沿って改質領域6を形成することができる。
なお、ライン5bは、ライン5aに垂直でなくてもよく、交差すれば(交われば)よい。ライン5aに沿って改質領域6を形成させる際、通常追従処理を実行したが、これに代えて早期追従処理を実行してもよい。
上述した実施形態及び変形例では、算出した補正情報をGUI9に表示させて出力したが、GUI9に出力しなくてもよい。GUI9の出力は、音声等を利用した出力であってもよい。GUI9に出力する情報は、補正距離の数値に限定されず、補正距離に関する情報であればよい。例えばGUI9に追従誤差が把握できる信号(変位データ等)を表示させてもよく、この場合、ユーザは、当該信号を見ながら補正距離を決定することができる。またこの場合、ユーザは、追従誤差が把握できる信号の中でも追従誤差が激しい箇所(オーバーシュートしている箇所)を見ながら、追従誤差を最も低減できる補正距離を策定することができる。
上記実施形態及び変形例では、変位データとして、測距センサ16で受光した反射光に応じた電圧値を用いているが、変位データは、レーザ光入射面の変位に関するデータであれば特に限定されず、そのような変位データは、種々の公知技術により取得することができる。変位データは、加工用レーザ光L1の光軸と別軸で設けられる測距センサにより取得した電圧値であってもよい。この場合、取得した当該電圧値は、上述した測距センサ16の電圧値と同様に扱うことができる。変位データは、アクチュエータ18の可動部の位置に関するデータであってもよい。対象物100のレーザ光入射面の表面形状を測定できるセンサを別途に用いる場合、そのセンサの検出結果に関するデータを変位データとしてもよい。変位データは、鉛直方向における集光部14の絶対位置でもよい。変位データは、鉛直方向における集光部14のハイトセット時の位置に対する相対位置でもよい。
上述した実施形態及び変形例では、差分ΔD1及び差分ΔD2の少なくとも何れかに代えてもしくは加えて、AF差分信号を取得してもよい。AF差分信号は、目標電圧値と、AF追従制御の結果において測距センサ16で取得された電位データとしての電圧値であるフィードバック後電圧値と、の差分である。AF差分信号は、集光部14とレーザ光入射面とが目標距離からどの程度ずれているかを表す。フィードバック後電圧値は、AF追従制御による集光位置の追従が精度よく実現されている場合には、目標電圧値である(このとき、AF差分信号=0)。一方で、フィードバック後電圧値は、何らかの事情のためにAF追従制御による集光位置の追従が精度よく実現できていない場合には、目標電圧値よりもずれた値となる(このとき、AF差分信号≠0)。一例として、上記ステップS28では、移動量データに代えてAF差分信号を取得し、上記ステップS32では、AF差分信号が最小の場合の一の補正係数候補を、補正距離として算出してもよい。
上述した実施形態及び変形例では、対象物100の裏面100bをレーザ光入射面としたが、対象物100の他の表面をレーザ光入射面としてもよい。上述した実施形態及び変形例では、改質領域6は、例えば対象物100の内部に形成された結晶領域、再結晶領域、又は、ゲッタリング領域であってもよい。結晶領域は、対象物100の加工前の構造を維持している領域である。再結晶領域は、一旦は蒸発、プラズマ化あるいは溶融した後、再凝固する際に単結晶あるいは多結晶として凝固した領域である。ゲッタリング領域は、重金属等の不純物を集めて捕獲するゲッタリング効果を発揮する領域であり、連続的に形成されていてもよいし、断続的に形成されていてもよい。また、例えばレーザ加工装置1は、アブレーション等の加工へ適用されてもよい。
上述した実施形態及び変形例では、アクチュエータ18の駆動データを固定してAF固定を実現したが、これに代えて、変位データとしての電圧値を固定してAF固定を実現しもよい。上述した実施形態及び変形例では、移動機構は、ステージ7及びレーザ加工ヘッド10Aの少なくとも一方を移動させるように構成されていればよい。上記実施形態及び変形例では、制御部8の機能の一部は、回路部19で実行されてもよい。上述した実施形態及び変形例では、トレース処理の実行により駆動データを取得しながら、当該駆動データでアクチュエータ18を駆動させて移動量データ及び/又はAF差分信号を取得してもよい。上述した実施形態及び変形例では、距離の差分ΔD1,ΔD2を求めたが、それに代えて時間の差分を求めてもよい。
上述した実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。また、上述した実施形態及び変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。
なお、以下、本発明の一態様の構成要件を記載する。
<発明1>
対象物に第1レーザ光を照射しながら、ラインに沿って前記第1レーザ光の集光点を移動することにより、前記対象物に改質領域を前記ラインに沿って形成するレーザ加工装置であって、
前記対象物を支持する支持部と、
前記対象物に集光レンズを介して前記第1レーザ光を照射する照射部と、
前記ラインに沿って前記照射部を前記支持部に対して相対的に移動させる移動機構と、
前記集光レンズを光軸方向に沿って移動させるアクチュエータと、
前記対象物のレーザ光入射面で反射する第2レーザ光を受光することにより、前記レーザ光入射面の変位に関する変位データを取得し、前記変位データに基づいて前記集光点が前記レーザ光入射面の変位に追従するように前記アクチュエータを駆動させる駆動データを取得するデータ取得部と、
前記照射部、前記移動機構及び前記アクチュエータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が追従開始位置に位置するときを始点にして、前記データ取得部により前記変位データ及び前記駆動データを取得させる第1処理と、
前記第1処理の後、前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記照射部による前記第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、前記対象物に前記改質領域を形成させる第2処理と、
前記第2処理により前記ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき、前記アクチュエータにより前記集光レンズを光軸方向に沿って移動させる第3処理と、を実行し、
前記第3処理では、
前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置よりも前記照射部の相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させる早期追従処理を実行可能である、レーザ加工装置。
<発明2>
前記制御部は、
前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置に位置するときを始点にして、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させつつ、前記集光レンズの前記光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより検出する第4処理を実行し、
前記第1処理で取得した前記変位データ又は前記駆動データと、前記第4処理で検出した前記移動量データと、に基づいて、前記補正距離を算出する及び/又は前記補正距離に関する情報を出力部を介して出力させる、発明1に記載のレーザ加工装置。
<発明3>
ユーザから前記早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部により当該入力を受け付けた場合、
前記第1処理及び前記第4処理を実行し、
前記第1処理で取得した前記変位データ又は前記駆動データと、前記第4処理で取得した前記移動量データと、に基づいて、前記補正距離を算出する、発明2に記載のレーザ加工装置。
<発明4>
ユーザから前記早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部により当該入力を受け付けた場合、
前記第1処理及び前記第4処理を実行し、
前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置よりも前記照射部の相対移動方向において補正候補距離だけ手前側に位置するときを始点にして、当該第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させつつ、前記集光レンズの前記光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより取得する第5処理を、前記補正候補距離を変えて複数回実行し、
前記第1処理で取得した前記変位データ又は前記駆動データと、前記第4処理及び複数の前記第5処理で取得した複数の前記移動量データと、に基づいて、複数の前記補正候補距離のうちの一の補正候補距離を、前記補正距離として算出する、発明2に記載のレーザ加工装置。
<発明5>
前記対象物は、貫通孔を有する、発明1~4の何れか一項に記載のレーザ加工装置。
<発明6>
前記第3処理では、前記第2レーザ光の照射位置が前記貫通孔の範囲内の場合には、前記集光レンズの前記光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させる、発明5に記載のレーザ加工装置。
<発明7>
前記ラインは、第1ラインと前記第1ラインに交差する第2ラインとを含み、
前記第2処理では、
前記第1ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記照射部による前記第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、前記対象物に前記改質領域を形成させると共に、前記レーザ光入射面に到達する亀裂を形成させた後、
前記第2ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記照射部による前記第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、前記対象物に前記改質領域を形成させ、
前記第3処理では、
前記第1ラインに沿った前記改質領域の形成後に前記第2処理により前記第2ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記早期追従処理を実行する発明1~6の何れか一項に記載のレーザ加工装置。
<発明8>
前記第3処理では、
前記第2処理により前記第1ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記追従開始位置を始点にして、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させる通常追従処理を実行する、発明7に記載のレーザ加工装置。
<発明9>
ユーザから前記補正距離に関する入力を受け付ける入力部と、
前記入力部の当該入力に応じて前記補正距離を設定する設定画面を表示する表示部と、を備える、発明1~8の何れか一項に記載のレーザ加工装置。
<発明10>
前記第3処理では、前記第2処理の初期及び/又は終期には、前記集光レンズの前記光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させる、発明1~9の何れか一項に記載のレーザ加工装置。
1…レーザ加工装置、5…ライン、5a…ライン(第1ライン)、5b…ライン(第2ライン)、6…改質領域、7…ステージ(支持部)、8…制御部、9…GUI(出力部,入力部,表示部)、10A…レーザ加工ヘッド(照射部)、14…集光部(集光レンズ)、16…測距センサ(データ取得部)、18…アクチュエータ、19…回路部(データ取得部,制御部)、24…水平軸レール(移動機構)、100…対象物、H0…貫通孔、L1…加工用レーザ光(第1レーザ光)、L2…測距用レーザ光(第2レーザ光)、TS0…追従開始位置、ΔD1,ΔD2…差分。

Claims (11)

  1. 対象物に第1レーザ光を照射しながら、ラインに沿って前記第1レーザ光の集光点を移動することにより、前記対象物に改質領域を前記ラインに沿って形成するレーザ加工装置であって、
    前記対象物を支持する支持部と、
    前記対象物に集光レンズを介して前記第1レーザ光を照射する照射部と、
    前記ラインに沿って前記照射部を前記支持部に対して相対的に移動させる移動機構と、
    前記集光レンズを光軸方向に沿って移動させるアクチュエータと、
    前記対象物のレーザ光入射面で反射する第2レーザ光を受光することにより、前記レーザ光入射面の変位に関する変位データを取得し、前記変位データに基づいて前記集光点が前記レーザ光入射面の変位に追従するように前記アクチュエータを駆動させる駆動データを取得するデータ取得部と、
    前記照射部、前記移動機構及び前記アクチュエータを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が追従開始位置に位置するときを始点にして、前記データ取得部により前記変位データ及び前記駆動データを取得させる第1処理と、
    前記第1処理の後、前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記照射部による前記第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、前記対象物に前記改質領域を形成させる第2処理と、
    前記第2処理により前記ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき、前記アクチュエータにより前記集光レンズを光軸方向に沿って移動させる第3処理と、を実行し、
    前記第3処理では、
    前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置よりも前記照射部の相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させる早期追従処理を実行可能である、レーザ加工装置。
  2. 前記制御部は、
    前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置に位置するときを始点にして、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させつつ、前記集光レンズの前記光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより検出する第4処理を実行し、
    前記第1処理で取得した前記変位データ又は前記駆動データと、前記第4処理で検出した前記移動量データと、に基づいて、前記補正距離を算出する及び/又は前記補正距離に関する情報を出力部を介して出力させる、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. ユーザから前記早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける入力部を備え、
    前記制御部は、前記入力部により当該入力を受け付けた場合、
    前記第1処理及び前記第4処理を実行し、
    前記第1処理で取得した前記変位データ又は前記駆動データと、前記第4処理で取得した前記移動量データと、に基づいて、前記補正距離を算出する、請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. ユーザから前記早期追従処理のテストを実行させる入力を受け付ける入力部を備え、
    前記制御部は、前記入力部により当該入力を受け付けた場合、
    前記第1処理及び前記第4処理を実行し、
    前記ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置よりも前記照射部の相対移動方向において補正候補距離だけ手前側に位置するときを始点にして、当該第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させつつ、前記集光レンズの前記光軸方向の移動量に関する移動量データをセンサにより取得する第5処理を、前記補正候補距離を変えて複数回実行し、
    前記第1処理で取得した前記変位データ又は前記駆動データと、前記第4処理及び複数の前記第5処理で取得した複数の前記移動量データと、に基づいて、複数の前記補正候補距離のうちの一の補正候補距離を、前記補正距離として算出する、請求項2に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記対象物は、貫通孔を有する、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記第3処理では、前記第2レーザ光の照射位置が前記貫通孔の範囲内の場合には、前記集光レンズの前記光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させる、請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記ラインは、第1ラインと前記第1ラインに交差する第2ラインとを含み、
    前記第2処理では、
    前記第1ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記照射部による前記第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、前記対象物に前記改質領域を形成させると共に、前記レーザ光入射面に到達する亀裂を形成させた後、
    前記第2ラインに沿って、前記照射部を前記移動機構により相対移動させながら、前記照射部による前記第1レーザ光の照射の開始及び停止を制御して、前記対象物に前記改質領域を形成させ、
    前記第3処理では、
    前記第1ラインに沿った前記改質領域の形成後に前記第2処理により前記第2ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記早期追従処理を実行する、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記第3処理では、
    前記第2処理により前記第1ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記追従開始位置を始点にして、前記第1処理で取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させる通常追従処理を実行する、請求項7に記載のレーザ加工装置。
  9. ユーザから前記補正距離に関する入力を受け付ける入力部と、
    前記入力部の当該入力に応じて前記補正距離を設定する設定画面を表示する表示部と、を備える、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記第3処理では、前記第2処理の初期及び/又は終期には、前記集光レンズの前記光軸方向に沿う位置を一定位置に維持させる、請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  11. レーザ加工装置を用いて、対象物に第1レーザ光を照射しながら、ラインに沿って前記第1レーザ光の集光点を移動することにより、前記対象物に改質領域を前記ラインに沿って形成するレーザ加工方法であって、
    前記レーザ加工装置は、
    前記対象物を支持する支持部と、
    前記対象物に集光レンズを介して前記第1レーザ光を照射する照射部と、
    前記ラインに沿って前記支持部及び/又は前記照射部を移動させる移動機構と、
    前記集光レンズを光軸方向に沿って移動させるアクチュエータと、
    前記対象物のレーザ光入射面で反射する第2レーザ光を受光することにより、前記レーザ光入射面の変位に関する変位データを取得し、前記変位データに基づいて前記集光点が前記レーザ光入射面の変位に追従するように前記アクチュエータを駆動させる駆動データを取得するデータ取得部と、を備え、
    前記ラインに沿って、前記支持部及び/又は前記照射部を前記移動機構により移動させながら、前記集光点が追従開始位置に位置するときを始点にして、前記データ取得部により前記変位データ及び前記駆動データを取得する第1ステップと、
    前記第1ステップの後、前記ラインに沿って、前記支持部及び/又は前記照射部を前記移動機構により移動させながら、前記照射部により前記第1レーザ光を照射して、前記対象物に前記改質領域を形成する第2ステップと、
    前記第2ステップにより前記ラインに沿って前記改質領域を形成させる際に、前記第1ステップで取得した前記駆動データに基づき、前記アクチュエータにより前記集光レンズを光軸方向に沿って移動させる第3ステップと、を含み、
    前記第3ステップは、
    前記レーザ光入射面上における前記第2レーザ光の照射位置が前記追従開始位置よりも前記照射部の相対移動方向において補正距離だけ手前側に位置するときを始点にして、前記第1ステップで取得した前記駆動データに基づき前記アクチュエータを駆動させる早期追従ステップを有する、レーザ加工方法。
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