JP2024000522A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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知洋 山下
Tomohiro Yamashita
浩志 柿川
Koji Kakikawa
賢一 椎葉
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【課題】長尺化した記録ヘッドから蛍光染料を含有する水性インクを吐出する場合であっても、画像ムラが生じにくく、蛍光強度が強く、発色性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】蛍光染料によって染着された樹脂粒子を含有する水性インクと、水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された複数のノズル列を有する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置を使用するインクジェット記録方法である。複数のノズル列は、隣接するノズル列の端部ノズル同士が、所定方向と交差する方向において重複部を構成するように、所定方向に相互にずれて配列される第1ノズル列及び第2ノズル列を含み、重複部を構成する重複部ノズルからは、第1ノズル列及び第2ノズル列に割り振って水性インクを吐出し、重複部ノズルから吐出する水性インクの付与時間差が、20ミリ秒以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
近年、カタログ、パンフレット、及びPOPなどの商業向け印刷物の他、食品や飲料製品用のパッケージなどの印刷物の需要が増加している。これらの印刷物に対しては、顧客の目を引くような鮮やかな色合いが求められており、シアン、マゼンタ、及びイエローの基本色以外の特殊色を用いて色域領域を拡大している。また、色域領域を拡大すべく、蛍光色材を含有するインクが提案されている(特許文献1)。
また、商業印刷分野やパッケージ分野では、印刷の高速化が要求されている。このような要求に応えるべく、複数のノズル列を所定の方向にずらして配列して長尺化した記録ヘッドが用いられている。このように長尺化した記録ヘッドの場合、隣接するノズル列同士の境目部分の不連続な箇所で記録される画像に、いわゆる「スジ」と呼ばれる不具合が生ずることがある。このようなスジの発生を抑制するには、複数のノズル列の一部が重なるように配列する必要がある。例えば、高速記録に対応すべく、複数のノズル列を相互にずらして配列した記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置が提案されている(特許文献2)。また、環境負荷低減などの観点から、近年、水性インクの使用が求められている。
特開2000-303008号公報 特開2018-187921号公報
本発明者らは、発色性に優れた画像を高速記録すべく、特許文献2で提案されたインクジェット記録装置の記録ヘッドから蛍光染料を含有する水性インクを記録媒体に吐出して画像を記録した。その結果、記録した画像にムラが生じやすくなることが判明した。
したがって、本発明の目的は、長尺化した記録ヘッドから蛍光染料を含有する水性インクを吐出する場合であっても、画像ムラが生じにくく、蛍光強度が強く、発色性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、蛍光染料によって染着された樹脂粒子を含有する水性インクと、前記水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された複数のノズル列を有する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録する工程を有するインクジェット記録方法であって、複数の前記ノズル列は、隣接する前記ノズル列の端部ノズル同士が、前記所定方向と交差する方向において重複部を構成するように、前記所定方向に相互にずれて配列される第1ノズル列及び第2ノズル列を含み、前記重複部を構成する重複部ノズルからは、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列に割り振って前記水性インクを吐出し、前記重複部ノズルから吐出する前記水性インクの付与時間差が、20ミリ秒以下であるインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、長尺化した記録ヘッドから蛍光染料を含有する水性インクを吐出する場合であっても、画像ムラが生じにくく、蛍光強度が強く、発色性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することができる。
ラインヘッドにより画像を記録するイメージ図である。 インクジェット記録装置の一例を示す模式図である。 ラインヘッドの一例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。 回復機構の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は模式図である。 インクをラインヘッドに供給する供給機構の一例を示す模式図である。 ラインヘッドにおけるノズル列の配列態様の一例を示す模式図である。 ラインヘッドにおけるノズル列の配列態様の他の例を示す模式図である。 記録ヘッド2を構成するノズル列のノズルの配列態様を示す模式図である。 記録ヘッド1を構成するノズル列のノズルの配列態様を示す模式図である。 記録ヘッド10を構成するノズル列のノズルの配列態様を示す模式図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
本発明者らは、複数のノズル列を相互にずらして配列し、長尺化した記録ヘッドから蛍光染料を含有するインクを吐出して記録した画像にムラが生ずる原因について詳細に検討した。その結果、ノズル列の端部同士が重複した、いわゆる「つなぎ部」で記録される部分と、ノズル列の端部同士が重複していない、いわゆる「非つなぎ部」で記録される部分との色味が異なることで、画像ムラが生じていることがわかった。特に、つなぎ部で記録された部分は、非つなぎ部で記録された部分に比して、蛍光強度が低下していた。さらに検討したところ、つなぎ部で記録された部分のうち、蛍光強度が低下している箇所は、蛍光強度が低下していない箇所に比して、蛍光染料が凝集した状態となっていることがわかった。また、この画像ムラは、蛍光染料を含有せず、蛍光染料以外の色材を含有する水性インクを用いた場合には起こらず、蛍光染料を色材として含有する水性インクを用いた場合に特有に生ずる現象であることもわかった。
一般的に、ノズル列のつなぎ部では、ノズル列間の不連続な箇所でスジが発生しないように、ノズルの配列方向と交差する方向において重複部を構成するように、複数のノズル列が平行に配列されている。そして、ノズル列のつなぎ部に対応する位置に存在する重複部ノズルについては、通常、以下のように制御して画像を記録する。つなぎ部に対応する位置に存在する重複部ノズルは、隣接するノズル列のいずれにも存在している。このため、隣接するノズル列にインクを割り振って吐出するように制御することで、ノズル列間のインクドットの付与位置のズレが目立たなくなるようにしている。
重複部ノズルから吐出されるインクには、先行するノズルに割り振られたインク(以下、「先行インク」とも記す)と、後行するノズルに割り振られたインク(以下、「後行インク」とも記す)とが存在する。このため、先行インクが記録媒体に付着してから、短時間のうちに後行インクが付与されることになる。本発明者らは、先行インクと後行インクの付着時間差に着目し、さらに検討した。その結果、先行インクが記録媒体に付着してから20ミリ秒以内に後行インクが付与されると、画像ムラが顕著に発生しやすくなることが判明した。その理由について、本発明者らは以下のように推測している。
先行インクが記録媒体に付着してから20ミリ秒経過するまで、浸透や揮発成分の蒸発などにより、蛍光染料の濃度が高まるとともに、インクの流動性がある程度維持された状態となる。ここで、蛍光染料の濃度が相対的に薄い後行インクが付与されると、先行インクと後行インクの間で濃度勾配が形成され、先行インクと後行インクの間で対流が生ずる。その結果、先行インクと後行インク間で蛍光染料が移動し、蛍光染料が部分的に集まって凝集する。蛍光染料は、分子間距離が一定以下になると、光励起した分子と未励起の分子とが相互作用し、エネルギー移動が生ずるなどの理由によって、蛍光強度が低下する(濃度消光する)といった特徴を有する。このため、ノズル列のつなぎ部で記録された画像の蛍光強度が低下し、画像ムラが発生すると考えられる。
記録媒体に付与されてから20ミリ秒経過すると、先行インクの流動性が低下する。流動性が低下した先行インクに後行インクが接触しても、蛍光染料が移動しにくいため、画像ムラが生じにくくなると考えられる。ノズル列間の距離を長くしたり、記録ヘッドの走査速度を遅くしたりすることで、先行インクと後行インクの付与時間差を大きくすることができる。しかし、ノズル列間の距離を長くすると、記録ヘッドが大型化する傾向にある。また、記録ヘッドと記録媒体との相対走査の速度を遅くすると、生産性が低下する傾向にある。
以上のような知見の下、本発明者らは、記録媒体上における蛍光染料の凝集に起因する画像ムラの発生を抑制すべく、インクの構成材料について検討した。その結果、蛍光染料によって染着された樹脂粒子を色材として用いることで、複数のノズル列を所定の方向にずらして配列して長尺化した記録ヘッドを用いる場合であっても、蛍光染料の凝集を抑制し、画像ムラの発生が抑制されることを見出し、本発明に至った。このような効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
蛍光染料によって染着された樹脂粒子を蛍光色材として用いた場合、先行インクと後行インクの間で対流が生じても、粒子化した蛍光色材の移動は、粒子化していない蛍光染料と比べて抑制される。さらに、蛍光色材が移動したとしても、樹脂粒子は凝集するが、蛍光染料の凝集は抑制される。これにより、樹脂粒子を染着した蛍光染料の分子が、相互に一定の距離を保った状態で記録媒体上に存在するため、凝集による濃度消光が抑えられ、画像ムラの発生を抑制することができると考えられる。
<インクジェット記録装置、インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法では、水性インクと、水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された複数のノズル列を有する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置を使用する。水性インクは、蛍光染料によって染着された樹脂粒子を含有する。本発明のインクジェット記録方法は、このインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録する工程(以下、「記録工程」とも記す)を有する。複数のノズル列は、隣接するノズル列の端部ノズル同士が、所定方向(ノズルの配列方向)と交差する方向において重複部を構成するように、所定方向に相互にずれて配列される第1ノズル列及び第2ノズル列を含む。記録工程では、重複部を構成する重複部ノズルからは、第1ノズル列及び第2ノズル列に割り振って水性インクを吐出する。そして、重複部ノズルから吐出する水性インクの付与時間差は、20ミリ秒以下である。
また、本発明のインクジェット記録装置は、上記のインクジェット記録方法に好適に用いられる装置であり、水性インクと、記録ヘッドとを備える。本発明のインクジェット記録装置は、複数のノズル列が、隣接するノズル列の端部ノズル同士が、所定方向(ノズルの配列方向)と交差する方向において重複部を構成するように、所定方向に相互にずれて配列される第1ノズル列及び第2ノズル列を含む。そして、重複部を構成する重複部ノズルからは、第1ノズル列及び第2ノズル列に割り振って水性インクを吐出し、重複部ノズルから吐出する水性インクの付与時間差が、20ミリ秒以下である。
上述の通り、重複部を構成する重複部ノズルからは、第1ノズル列及び第2ノズル列に割り振って水性インクを吐出し、重複部ノズルから吐出する水性インクの付与時間差は、20ミリ秒以下である。また、前記付与時間差は、1ミリ秒以上であることが好ましく、5ミリ秒以上であることがさらに好ましい。
インクジェット方式の記録ヘッドとしては、主走査方向に往復移動させながら記録媒体を副走査方向に搬送して画像を記録するシリアルヘッドや、それ自体は移動せずに記録媒体を搬送して画像を記録するラインヘッドを挙げることができる。記録ヘッドは、(i)ラインヘッド;又は(ii)記録媒体との1度の相対走査で、記録媒体の単位領域にインクを付与して画像を記録(シングルパス記録)するシリアルヘッド;であることが好ましい。ラインヘッドやシングルパス記録するシリアルヘッドで画像を記録する場合と、記録媒体との複数回の相対走査で記録媒体の単位領域にインクを付与して画像を記録(マルチパス記録)するシリアルヘッドで画像を記録する場合とを対比する。前者の場合、後者の場合に比して、つなぎ部における画像ムラがやや目立ちやすくなるので、画像ムラの抑制効果をより顕著に得ることができるとともに、画像をより高速に記録することができる。マルチパス記録の場合、シングルパス記録に比して一度に付与するインクの量が少なくなるため、画像ムラが発生しにくくなるが、記録に時間がかかるため、生産性がやや低下する傾向にある。
インクの一滴あたりの吐出量は、40.0ng以下であることが好ましく、10.0ng以下であることがさらに好ましい。インクの一滴あたりの吐出量を上記の範囲とすることで、記録媒体上におけるインクの定着を早めることができる。このため、つなぎ部における先行インクの定着が早まり、後行インクが付着した際の色材の移動をより効率的に抑制することが可能となり、画像ムラの抑制効果をさらに向上させることができる。インクの一滴あたりの吐出量は、1.0ng以上であることが好ましい。
記録ヘッドは、インクを加温する温調機構を備えることが好ましい。温調機構により記録ヘッド内で加温したインクを記録媒体に付与することで、先行インクの浸透や蒸発が促進させることが可能となり、後行インクが付着した際の蛍光色材の移動を抑制し、画像ムラの抑制効果をさらに向上させることができる。温調機構としては、記録ヘッドに設置されるインク温度調整用のヒータ(サブヒータ)や、インク吐出用のヒータなどを挙げることができる。サブヒータの配置箇所は特に限定されない。ノズル列の周囲にサブヒータを配置したり、ノズル列を構成するノズルに対応して1以上のサブヒータを配置したりすることができる。インク吐出用のヒータでインクの温度を制御(加熱又は加温)するには、例えば、インクが吐出しない程度の電流を繰り返し通電すればよい。サブヒータとインク吐出用のヒータを併用してインクの温度を制御してもよい。サブヒータとインク吐出用のヒータを併用する場合には、一方のヒータで一定温度まで昇温させた後、他方のヒータで所望の温度付近に保温するように使い分けてもよい。インクの温度は、例えば、記録ヘッドに設けた温度センサーで読み取ることができる。インクの温度は、記録環境の温度よりも高い温度とすることが好ましい。インクの温度は、25℃以上80℃以下とすることが好ましく、40℃以上60℃以下とすることがさらに好ましい。
インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。なかでも、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが好ましい。その他、インクジェット記録方法の各工程は、公知のインクジェット記録方法と同様にすればよい。
図1は、ラインヘッドにより画像を記録するイメージ図である。また、図2は、インクジェット記録装置の一例を示す模式図である。図2に示す記録装置M4000では、記録装置本体にラインヘッド(記録ヘッドH1000)が固定されており、記録媒体47を矢印45の方向に搬送して記録する方式が採用されている。記録装置M4000は、例えば、イエローインク用の記録ヘッドH1000Y、マゼンタインク用の記録ヘッドH1000M、シアンインク用の記録ヘッドH1000C、及びブラックインク用の記録ヘッドH1000Bk(図1)を備える。インク色は上記に限られず、少なくとも1色のインクとして、後述する水性インクを用いればよい。
図2に示す記録ヘッドH1000Y~H1000Rは、記録装置M4000に載置された記録ヘッドホルダ42によって固定されている。図1及び2では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色、さらには反応液を別々の記録ヘッドから吐出する構成を示している。勿論、一つの記録素子基板に設けられた複数のノズル列のそれぞれから、複数のインク、さらには反応液を吐出して画像を記録する構成であってもよい。
給紙カセット46は、その中に記録媒体47が収納されており、装置本体に着脱自在に装着されている。ピックアップローラ48は、給紙カセット46内に収納された記録媒体47のうち、最上面の1枚を送り出す部材である。搬送ローラ49は、ピックアップローラ48より送り出された記録媒体47を搬送路50へと搬送する部材である。また、搬送路50の出口側に配設された搬送ローラ51は、搬送ベルト44に載せた状態で、記録媒体47を記録ヘッドH1000の方向へと搬送する部材である。
図3は、ラインヘッドの一例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。図3に示すように、ラインヘッド(記録ヘッドH1000)は、記録素子ユニットH1400と、記録素子ユニットH1400にインクを供給するための液体供給ユニットであるインク供給ユニットH1500とを備える。インク供給ユニットH1500は、インク室(図示せず)に記録装置などの外部からインクを供給するために外部と接続する接続口H1710が形成された接続部H1700を備える。また、記録素子ユニットH1400は、記録素子基板H1100、支持基板H1200、及び配線部材H1300で構成されている。
支持基板H1200は、記録素子基板H1100及び配線部材H1300を保持して固定する部材であり、インク供給ユニットH1500から供給されるインクを記録素子基板H1100に供給するインク供給孔H1210が形成されている。複数の記録素子基板H1100は、支持基板H1200の主面に予め定められた位置精度で配置され、固定されている。また、複数の記録素子基板H1100は、隣接する記録素子基板H1100間でノズル列の方向に沿ってノズルが連続して配置されるように、支持基板H1200上に千鳥状に配置されている。このように、隣接する記録素子基板H1100のつなぎ目のノズルを重複させて記録素子基板H1100を配置することによって記録素子基板の位置ずれなどによる画像への影響を補正可能とし、記録幅が長尺なフルラインタイプの記録ヘッドを実現している。
配線部材H1300は、記録素子基板H1100に設けられた記録素子を駆動させる電気的な信号や電力を、記録ヘッドH1000の外部(記録装置)から記録素子基板H1100へと伝達するため、記録素子基板H1100と電気的に接続されている。配線部材H1300としては、フレキシブル配線基板などの可撓性を有するプリント配線基板が用いられる。そして、可撓性を有する配線部材H1300は、記録素子基板H1100と記録装置との電気的接続が容易に行えるよう折り曲げられ、インク供給ユニットH1500に固定されている。
図6は、ラインヘッドにおけるノズル列の配列態様の一例を示す模式図である。図6に示すように、本発明のインクジェット記録装置を構成する記録ヘッドの一例であるラインヘッドは、記録素子基板H1100及びH1105を備える。記録素子基板H1100は、インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された第1ノズル列100を有する。記録素子基板H1105は、インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された第2ノズル列105を有する。隣接する第1ノズル列100と第2ノズル列105は、端部ノズル同士が、所定方向(ノズルの配列方向)と交差する方向において重複部を構成するように、所定方向に相互にずれて配列されている。第1ノズル列100を有する記録素子基板H1100、及び第2ノズル列105を有する記録素子基板H1105を含む複数の記録素子基板は、いずれも、支持基板H1200上に保持されている。重複部において、第1のノズル列中の重複部の一部を構成する重複部ノズルと、第2ノズル列中の重複部の一部を構成する重複部ノズルとの両方から分割して水性インクを吐出するように構成されている。
記録素子基板の配列態様は特に限定されない。記録素子基板の配列態様としては、例えば、図6に示すような千鳥状に配列されたものを挙げることができる。さらに、図7に示すように、第1ノズル列110を有する記録素子基板H1110、及び第2ノズル列115を有する記録素子基板H1115を含む複数の記録素子基板がインライン状に配列されていてもよい。
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、さらに、ラインヘッドの吐出口におけるインクの固着や、吐出口面のヌレの状態を回復するための回復機構を備えていてもよい。図4は、回復機構の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は模式図である。図4に示すように、ワイパW1001はクリップ部材W1002で保持されており、クリップ部材W1002は連結部材W1003で保持されている。また、クリップ部材W1002は、スライドレールW1006を移動可能なワイプベースW1011に取り付けられている。ワイプベースW1011は、連結部材W1003を通じ、タイミングベルトW1007の駆動によりスライドレールW1006上を移動することができる。タイミングベルトW1007は、従動プーリW1004及び駆動プーリW1005によって支持されており、駆動プーリW1005には、タイミングベルトW1007を駆動する駆動モータW1010の軸が連結されている。また、回復動作時のワイパW1001の位置を制御するために、スライドレールW1006の両端部にはフォトセンサW1008、W1009が設けられている。ワイピングによる回復動作時には、ワイパW1001がスライドレールW1006によってスライドして移動することにより、ワイパW1001が撓みながら記録ヘッドH100の吐出口面H1001をワイピングする。
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、さらに、インクなどの液体をラインヘッドに供給する供給機構を備えていてもよい。図5は、インクをラインヘッドに供給する供給機構の一例を示す模式図である。図5に示すように、ポンプP1によって、サブタンクT2からラインヘッドH1000へとインクが供給される。ラインヘッドH1000から溢れたインクはサブタンクT2へと戻される。バルブV1は、回復動作時にラインヘッド内部のインク液室を加圧又は圧力を開放する切り替えのために設けられている。加圧回復時はバルブV1を閉じ、ポンプP1で加圧することによってインク供給経路及びインク流路内の泡の一部が除去される。サブタンクT2内のインク液面は、ラインヘッドH1000の吐出口面との水頭差を一定の範囲で保持するように構成されており、ラインヘッドH1000の吐出口面の負圧を適正な範囲で維持する。サブタンクT2内のインクが不足した場合は、ポンプP2により、メインタンクT1からサブタンクT2へとインクが送られる。各タンク、それらに収容されるインクの温度は、インクジェット記録装置が設置される環境温度に依存するが、例えば、15~45℃の範囲であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法により画像を記録する対象の記録媒体としては、どのようなものを用いてもよい。なかでも、普通紙や非コート紙などのコート層を有しない記録媒体、及び、光沢紙やアート紙などのコート層を有する記録媒体のような、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。特に、光沢紙やアート紙などの、コート層を有する記録媒体を用いることが好ましい。
(インク)
本発明のインクジェット記録方法では、蛍光染料によって染着された樹脂粒子を含有するインクを用いる。以下、本発明のインクジェット記録方法で使用するインクを構成する各成分などについて詳細に説明する。
[蛍光染料によって染着された樹脂粒子]
インクは、蛍光染料によって染着された樹脂粒子(蛍光粒子)を含有する。樹脂粒子に蛍光染料を固定化した蛍光粒子を用いることで、発色効率を向上させることができるとともに、記録される画像の耐水性などの特性を向上させることができる。
本明細書における「蛍光染料によって染着された樹脂粒子(蛍光粒子)」とは、紫外又は可視部の励起光線によって蛍光を発する粒子をいう。ある粒子が、蛍光を示す「蛍光粒子」であるか否かについては、例えば、以下に示す方法にしたがって判断することができる。粒子を分散しうる液体に粒子を分散させて得た試料に、わずかに目に見える程度の長波長(315~400nm程度)の紫外線(紫外光)をブラックライトなどにより照射する。そして、ブラックライトにより照射される紫外光と異なる色の光が目視にて観測できれば、その粒子は蛍光を示す「蛍光粒子」であると判断することができる。ブラックライトとしては、市販品(例えば、商品名「SLUV-4」(アズワン製)など)を使用することができる。
本明細書における「樹脂粒子」とは、水性媒体中に分散し、粒径を有する状態で水性媒体中に存在し得る樹脂を意味する。このため、樹脂粒子はインクに分散した状態、すなわち、樹脂エマルションの状態で存在する。
ある樹脂が「樹脂粒子」であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒径を動的光散乱法により測定した場合に、粒径を有する粒子が測定された場合に、その樹脂は「樹脂粒子」であると判断することができる。動的光散乱法による粒度分布測定装置としては粒度分析計(例えば、商品名「UPA-EX150」、日機装製)などを使用することができる。この際の測定条件は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、形状:真球形、屈折率:1.59、とすることができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。中和した樹脂を用いて粒子径を測定するのは、十分に中和されて粒子をより形成しにくい状態となっても、粒子が形成されていることを確認するためである。このような条件であっても粒子の形状を持つ樹脂は、水性インク中でも粒子の状態で存在する。
蛍光染料によって染着された樹脂粒子中の蛍光染料については、例えば、以下に示す手順にしたがって分析することができる。常法にしたがってインクから取り出した樹脂粒子を、クロロホルムなどの有機溶剤に溶解させて試料を調製する。HPLC(高速液体クロマトグラフ)を用いて調製した試料から蛍光染料を単離する。単離した染料を、核磁気共鳴(NMR)分光法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)などの一般的な構造解析手法により分析する。
蛍光染料としては、塩基性染料、酸性染料、分散染料、及び油溶性染料などを用いることができる。なかでも、塩基性染料が好ましい。染料の骨格としては、キサンテン、アジン、アゾール、チアゾール、アゾ、ジアリールメタン、トリアリールメタン、アクリジン、クマリン、メチンなどを挙げることができる。なかでも、キサンテン、クマリンなどの骨格を有する化合物が好ましく、キサンテン骨格を有する化合物がさらに好ましい。
塩基性染料は、アミノ基やイミノ基(塩を形成していてもよい)をその分子構造中に有する、蛍光を示す化合物である。アミノ基やイミノ基をその分子構造中に有する化合物としては、「カラーインデックスに示される名称に『ベーシック』が含まれる染料」などを挙げることができる。カラーインデックスは、英国染料染色学会他により構築される色材のデータベースである。
蛍光を示す塩基性染料の具体例をC.I.ナンバー又は一般名称で示すと、C.I.ベーシックレッド1、1:1、2、4、8、11、12、13;C.I.ベーシックバイオレット1、3、10、11、11:1、14;ローダミン19、575;C.I.ベーシックイエロー1、2、9、13、24、37、40、96;C.I.ベーシックブルー7;C.I.ベーシックグリーン1;C.I.フルオレセントブライトナー363などを挙げることができる。なかでも、発色性に優れるため、C.I.ベーシックレッド1、1:1;C.I.ベーシックバイオレット11、11:1;C.I.ベーシックイエロー40などが好ましい。
酸性染料は、カルボン酸基やスルホン酸基などの酸性基(塩を形成していてもよい)をその分子構造中に有する、蛍光を示す化合物である。酸性基をその分子構造中に有する化合物としては、「カラーインデックスに示される名称に『アシッド』が含まれる染料」などを挙げることができる。蛍光を示す酸性染料の具体例をC.I.ナンバーで示すと、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドイエロー7、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドブラック2などを挙げることができる。
分散染料は、水溶解性が低い又は水に溶解しない、蛍光を示す化合物である。「分散染料」としては、「カラーインデックスに示される名称に『ディスパース』が含まれる染料」などを挙げることができる。染料の骨格としては、アゾ、クマリン、アントラキノンなどを挙げることができる。なかでも、クマリン、アントラキノンなどの骨格を有する化合物が好ましく、クマリン骨格を有する化合物がさらに好ましい。
蛍光を示す分散染料の具体例をC.I.ナンバーで示すと、C.I.ディスパースイエロー82、186;C.I.ディスパースレッド58、60;C.I.ディスパースオレンジ11などを挙げることができる。なかでも、発色性に優れるため、C.I.ディスパースイエロー82などが好ましい。
油溶性染料は、水溶解性が低い又は水に溶解しない、蛍光を示す化合物である。油溶性染料としては、「カラーインデックスに示される名称に『ソルベント』が含まれる染料」などを挙げることができる。染料の骨格としては、クマリン、キサンテン、アゾ、アミノケトン、アントラキノンなどを挙げることができる。なかでも、クマリン、キサンテンなどの骨格を有する化合物が好ましく、クマリン骨格を有する化合物がさらに好ましい。
蛍光を示す油溶性染料の具体例をC.I.ナンバーで示すと、C.I.ソルベントイエロー7、43、44、85、98、131、160:1、172、196;C.I.ソルベントレッド43、44、45、49、149;C.I.ソルベントオレンジ5、45、63、115などを挙げることができる。なかでも、発色性に優れるため、C.I.ソルベントイエロー160:1、196などが好ましい。
インク中の蛍光染料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。樹脂粒子に占める、蛍光染料の割合(質量%)は、1.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂粒子に占める蛍光染料の割合が少なすぎると、画像の発色性(彩度)がやや低下する場合がある。一方、樹脂粒子に占める蛍光染料の割合が多すぎると、濃度消光により画像の発色性(明度)がやや低下する場合がある。
「蛍光染料によって染着された樹脂粒子」を構成する樹脂粒子としては、コア部と、このコア部を被覆するシェル部とを有する、いわゆるコアシェル構造を有する樹脂粒子を用いることが好ましい。コア部は、芳香族基含有ユニット及びシアノ基含有ユニットを含むことが好ましい。また、シェル部は、芳香族基含有ユニット、及びアニオン性基含有ユニットを含むことが好ましく、さらに、架橋剤に由来するユニットなどを含んでもよい。
重合により芳香族基含有ユニットとなるモノマーとしては、エチレン性不飽和結合などの重合性官能基を分子内に1つ有するものが好ましい。なかでも、重合の際の反応性が良好であるとともに、得られる樹脂粒子の安定性が優れることから、スチレンやその誘導体がさらに好ましく、スチレン、ビニルトルエンが特に好ましい。
重合によりシアノ基含有ユニットとなるモノマーとしては、エチレン性不飽和結合などの重合性官能基を分子内に1つ有するものが好ましい。なかでも、重合の際の反応性が良好であるとともに、得られる樹脂粒子の安定性が優れることから、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが特に好ましい。
アニオン性基含有ユニットにおけるアニオン性基としては、エチレン性不飽和結合などの重合性官能基を分子内に1つ有するものが好ましい。具体的には、カルボン酸基、フェノール性ヒドロキシ基、リン酸エステル基などを挙げることができる。なかでも、インク中での樹脂粒子の安定性が良好であるため、カルボン酸基が好ましい。アニオン性基は、酸型及び塩型のいずれであってもよく、塩型である場合は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。アニオン性基が塩型である場合において、カウンターイオンとなるカチオンとしては、アルカリ金属カチオン、アンモニウム、有機アンモニウムなどを挙げることができる。
樹脂粒子のコア部及びシェル部は、本発明の効果が損なわれない限り、上記のユニット以外のユニットをそれぞれ含んでいてもよい。上記のユニット以外のユニットとしては、重合性官能基を分子内に1つ有するものが好ましく、具体的には、エチレン性不飽和モノマーに由来するユニットなどを挙げることができる。
記録ヘッドの温調温度Thと、樹脂粒子のガラス転移温度Tgとは、Th<Tgの関係を満たすことが好ましい。樹脂粒子のガラス転移温度Tgを、記録ヘッドの温調温度Th(温調機構によって加温したインクの温度)よりも高くすることで、記録媒体に付着したインク中の蛍光粒子から蛍光染料が漏れ出しにくくなり、画像ムラの抑制効果をさらに向上させることができる。樹脂粒子のガラス転移温度Tgは、乾燥させた樹脂粒子を測定用試料とし、示差走査熱量測定装置を使用して測定される値である。
インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。樹脂粒子の含有量が1.0質量%未満であると、画像の発色性がやや低下する場合がある。一方、樹脂粒子の含有量が10.0質量%超であると、インクの吐出安定性がやや低下する場合がある。
〔染着された樹脂粒子の製造方法〕
樹脂粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、シード重合法、転相乳化法などの従来公知の方法にしたがって製造することができる。樹脂粒子の染着方法としては、蛍光染料を溶解させたモノマー混合液を重合して樹脂粒子を形成する方法;樹脂粒子に蛍光染料を添加して加熱する方法;などを挙げることができる。なかでも、より多種類の蛍光染料に適用できることから、樹脂粒子に蛍光染料を添加して加熱する方法が好ましい。なお、加熱の際には、染着補助剤(水溶性樹脂、界面活性剤など)を添加しないことが好ましい。染着補助剤として水溶性樹脂を用いると、水溶性樹脂が造膜して樹脂粒子の再分散を阻害することがあり、インクの固着回復性がやや低下する場合がある。また、染着補助剤として界面活性剤を用いると、インクの物性に影響が及ぶことがあり、インクの吐出安定性がやや低下する場合がある。
〔樹脂粒子の検証方法〕
樹脂粒子の構成については、以下の(i)~(iii)に示す方法にしたがって検証することができる。以下、インクから樹脂粒子を抽出して分析及び検証する方法について説明するが、水分散液などから抽出した樹脂粒子についても同様に分析及び検証することができる。
(i)樹脂粒子の抽出
密度勾配遠心分離法により、樹脂粒子を含有するインクから樹脂粒子を分離・抽出することができる。密度勾配遠心分離法のうち、密度勾配沈降速度法では、成分の沈降係数の差によって樹脂粒子を分離・抽出する。また、密度勾配遠心分離法のうち、密度勾配沈降平衡法では、成分の密度の差によって樹脂粒子を分離・抽出する。
(ii)層構造の確認と分離
まず、樹脂粒子を四酸化ルテニウムで染色及び固定化した後、エポキシ樹脂に埋め込んで安定に保持する。次いで、エポキシ樹脂に埋め込んだ樹脂粒子をウルトラミクロトームで切断し、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を使用して断面を観察する。樹脂粒子の重心を通って切断した断面を観察することで、樹脂粒子の層構造を確認することができる。
エポキシ樹脂に埋め込んだ樹脂粒子を分析試料とし、エネルギー分散型X線分光法(EDX)が併置されたSTEM-EDXにより、樹脂粒子を構成する層(コア部、シェル部)の含有元素を定量分析することができる。
(iii)各層の樹脂を構成するユニット(モノマー)の分析
各層の樹脂を分離するための試料とする樹脂粒子は、分散液の状態でもよい。また、樹脂粒子を乾燥して膜化した状態のものを試料としてもよい。試料とする樹脂粒子を有機溶媒に溶解させた後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により各層を分離し、各層を構成する樹脂を分取する。そして、分取した樹脂を燃焼法により元素分析する。これとは別に、酸分解(フッ化水素酸添加)法又はアルカリ融解法により分取した樹脂を前処理した後、誘導結合プラズマ発光分光分析法により無機成分を定量分析する。元素分析及び無機成分の定量分析の結果と、上記(ii)で得たSTEM-EDXによる元素の定量分析の結果とを比較することで、分取した樹脂が構成していた樹脂粒子の層を知ることができる。
また、核磁気共鳴(NMR)分光法及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)により、分取した樹脂を分析する。これにより、樹脂を構成するユニット(モノマー)及び架橋性成分の種類や割合を知ることができる。さらに、熱分解ガスクロマトグラフィーによって分取した樹脂を分析することで、解重合で生じたモノマーを直接検出することもできる。
[水溶性樹脂]
インクは、さらにアニオン性基を有する水溶性樹脂(以下、「アニオン性基を有する水溶性樹脂」のことを、単に「水溶性樹脂」とも記す)を含有することが好ましい。そして、この水溶性樹脂は、アクリル樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。水溶性樹脂は、蛍光粒子同士の間に隙間なく存在しやすい。このため、蛍光粒子とともに水溶性樹脂を含有するインクを用いることで、記録する画像の発色性を向上させることができる。水溶性樹脂は、ウレタン樹脂であることがさらに好ましい。ウレタン樹脂中のウレタン結合は、水素結合性が高い。このため、アニオン性基を有する水溶性のウレタン樹脂を含有するインクを用いることで、表面エネルギーが向上した一様な画像が形成されやすくなり、画像の発色性をさらに向上させることができる。インク中の水溶性樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.00質量%以上8.00質量%以下であることが好ましい。
水溶性樹脂の酸価は、100mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。水溶性樹脂の酸価が100mgKOH/g超であると、水溶性樹脂の親水性が高まりすぎて、樹脂粒子の凝集物への吸着力が低減し、発色性の向上効果が低下する場合がある。水溶性樹脂の酸価は30mgKOH/g以上であることが好ましい。
〔アクリル樹脂〕
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリルエステルなどの(メタ)アクリル構造を持ったモノマーに由来するユニットを有する樹脂である。アクリル樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。アクリル樹脂は、親水性ユニット及び疎水性ユニットを有することが好ましい。なかでも、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、スチレン及びα-メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーに由来する疎水性ユニットとを有する樹脂が好ましい。このようなアクリル樹脂を用いることで、樹脂粒子との相互作用が生じやすくなり、発色性をさらに向上させることができる。
親水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有するユニットである。親水性ユニットは、親水性基を有する親水性モノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有する親水性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸などのカルボン酸基を有する酸性モノマー;これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマー;などを挙げることができる。酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及び有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
疎水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有しないユニットである。疎水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有しない疎水性モノマーを重合することで形成することができる。疎水性モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香環を有するモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;などを挙げることができる。
〔ウレタン樹脂〕
ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートに由来するユニットと、酸基などのアニオン性基を有するアニオン性基含有ポリオールを含むポリオールに由来するユニットとを有する樹脂である。ウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールを用いて合成される。合成時には、必要に応じて、ポリアミン、架橋剤、及び鎖延長剤などを用いてもよい。
ポリイソシアネートは、その分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物である。ウレタン樹脂中、ポリイソシアネートに由来するユニットの含有量(モル%)は、10モル%以上60モル%以下であることが好ましい。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネートなどの鎖状構造を有するポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの環状構造を有するポリイソシアネート;などを挙げることができる。芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートであることが好ましく、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種であることがさらに好ましい。
ポリオールは、その分子中に2以上のヒドロキシ基を有する化合物である。ウレタン樹脂中、ポリオールに由来するユニットの含有量(モル%)は、40モル%以上90モル%以下であることが好ましい。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの酸基を有しないポリオール;カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などの酸基を有するポリオール;などを挙げることができる。
酸基を有しないポリオールとしては、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールに由来するユニットを有するウレタン樹脂は、その分子中にエステル結合を有する。このため、ポリエステルポリオールに由来するユニットを有するウレタン樹脂を含有するインクは、記録媒体への着弾時に水を抱え込みすぎず、記録媒体を構成するインク受容層中にウレタン樹脂が沈みにくくなる。これにより、ウレタン樹脂が効率的に画像に残りやすくなり、画像の発色性をさらに向上させることができる。
また、酸基を有しないポリオールとしては、ポリエーテルポリオールも好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイド及びポリオール類の付加重合物;(ポリ)アルキレングリコールなどのグリコール類;などを挙げることができる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどを挙げることができる。アルキレンオキサイドと付加重合するポリオール類としては、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなどを挙げることができる。グリコール類としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの(ポリ)アルキレングリコール;エチレングリコール-プロピレングリコール共重合体;などを挙げることができる。すべてのポリオール中、酸基を有しないポリオールの占める割合(モル%)は、50モル%以上80モル%以下であることが好ましい。
酸基を有するポリオールとしては、カルボン酸基を有するポリオールが好ましい。カルボン酸基を有するポリオールとしては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などを挙げることができる。なかでも、酸基を有するポリオールとしては、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。酸基を有するポリオールの酸基は、塩型であってもよい。塩を形成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のイオン;アンモニウムイオン、ジメチルアミンなどの有機アミンのカチオン;などを挙げることができる。汎用の酸基を有するポリオールの分子量は、通常、約400以下である。酸基を有するポリオールに由来するユニットは、通常、ウレタン樹脂のハードセグメントとなる。すべてのポリオール中、酸基を有するポリオールの占める割合(モル%)は、20モル%以上50モル%以下であることが好ましい。
水溶性樹脂がウレタン樹脂である場合に、インク中のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、蛍光染料によって染着された樹脂粒子(蛍光粒子)の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.04倍以上1.00倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.04倍未満であると、発色性の向上効果が低下する場合がある。一方、上記の質量比率が1.00倍超であると、インク中に遊離するウレタン樹脂の量がやや多くなる。このため、吐出口の周囲に染み出したインク中のウレタン樹脂が付着しやすくなり、吐出安定性が低下する場合がある。
[水性媒体]
インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性インクである。インクには、水性媒体としてさらに水溶性有機溶剤を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、水溶性有機溶剤としては、インクに一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。例えば、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
[界面活性剤]
インクは、さらにシリコーン系界面活性剤を含有することが好ましい。シリコーン系界面活性剤を含有するインクを用いると、記録媒体に付着した先行インク中のシリコーン系界面活性剤が、インクドットの表面に速やかに配向する。その後、記録媒体に付与された後行インクがインクドットに付着しても、ドット間での蛍光色材の移動が抑制されるので、画像ムラの抑制効果をより向上させることができる。
インク中のシリコーン系界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。シリコーン系界面活性剤の含有量が0.1質量%未満であると、インクドットの表面に配向するシリコーン系界面活性剤の量が少なく、画像ムラの抑制効果がやや低下することがある。一方、シリコーン系界面活性剤の含有量が3.0質量%超であると、インクドットの表面に存在するシリコーン系界面活性剤の量が過剰になる場合があり、画像の発色性向上効果がやや低下することがある。シリコーン系界面活性剤のHLB値は、8以上16以下であることが好ましい。
インクには、上記のシリコーン系界面活性剤以外の界面活性剤(その他の界面活性剤)をさらに含有させることが好ましい。その他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤などを挙げることができる。なかでも、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物や、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤が好ましい。インク中のその他の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
[その他添加剤]
インクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、インクは、必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及びその他の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
[インクの物性]
最大泡圧法により測定される寿命時間10m秒におけるインクの動的表面張力は、40mN/m以下であることが好ましい。インクの動的表面張力が上記範囲内であることで、記録媒体上でドットが広がりやすくなり、蛍光染料の凝集による画像ムラをさらに抑制することができる。インクの動的表面張力は、浸透性の高い水溶性有機溶剤や、界面活性剤の量・種類を適宜選択することによって容易に制御することができる。寿命時間10m秒におけるインクの動的表面張力の下限値については特に制限はないが、例えば30mN/m以上であることが好ましく、35mN/m以上であることがさらに好ましい。
最大泡圧法は、測定対象の液体中に浸したプローブ(細管)の先端に発生させた気泡を放出するために必要な最大圧力を測定して、この最大圧力から液体の表面張力を求める方法であり、プローブの先端に連続的に気泡を発生させながら最大圧力を測定する。この際、プローブの先端に新たな気泡の表面が発生した時点から、最大泡圧(気泡の曲率半径とプローブ先端部分の半径が等しくなる時点)に達するまでの時間を、寿命時間と呼ぶ。インクの動的表面張力は、25℃において測定した値である。
25℃におけるインクのpHは、5.0以上10.0以下であることが好ましく、7.0以上9.5以下であることがさらに好ましい。25℃におけるインクの静的表面張力は、30mN/m以上45mN/m以下であることが好ましく、35mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<樹脂粒子の水分散液の調製>
(樹脂粒子のガラス転移温度の測定)
染着された樹脂粒子(蛍光樹脂粒子)と、1mol/L塩酸とを1:1(質量基準)で混合し、生成した沈殿物を採取した。沈殿物を水で3回洗浄し、オーブンで24時間乾燥させて乾燥物を得た。得られた乾燥物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて調製したTHF溶液を0.2μmのポリテトラフルオロエチレンで形成されたフィルターでろ過した。回収したろ液を室温で24時間乾燥させた。得られた乾燥物を回収し、示差走査熱量測定機(商品名「DSC2500」、TAインスツルメントジャパン製)を使用してガラス転移温度を測定した。測定した樹脂粒子のガラス転移温度を表1に示す。
(樹脂粒子1~3及び6~9の水分散液)
撹拌装置を取り付けた反応容器を温水槽にセットした。反応容器中に水1,178部を入れ、内温を70℃に保持した。スチレン100.0部、アクリロニトリル100.0部、及び反応性界面活性剤(商品名「アデカリアソープSR-10」、ADEKA製)18.0部を混合し、コア部用のモノマー混合液を調製した。また、過硫酸カリウム1.9部及び水659部を混合して重合開始剤の水溶液1を調製した。コア部用のモノマー混合液及び重合開始剤の水溶液1を、60分かけながら並行して反応容器内に滴下した。滴下終了後、撹拌を継続してさらに30分間反応させて、樹脂粒子のコア部となる粒子を合成した。
次いで、スチレン20.0部、メタクリル酸20.0部、エチレングリコールジグリシジルエーテル20.0部、及び反応性界面活性剤0.8部を混合し、シェル部用のモノマー混合液を調製した。エチレングリコールジグリシジルエーテルとしては、EX-810(商品名「デナコールEX-810」、ナガセケムテックス製)を用いた。反応性界面活性剤は、コア部の合成に用いたものと同種である。また、過硫酸カリウム0.1部及び水133部を混合して重合開始剤の水溶液2を調製した。コア部となる粒子が入った反応容器内に、シェル部用のモノマー混合液及び重合開始剤の水溶液2を10分かけながら並行して滴下した。滴下終了後、80℃で10分間撹拌して反応を継続させてシェル部を合成し、コア部となる粒子がシェル部となる樹脂で被覆された、コアシェル構造を有する樹脂粒子を合成した。
反応容器内に8mol/L水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、表1に示す種類の蛍光染料(粉末)を反応容器内に添加した。添加した蛍光染料の量は、表1に示す「樹脂粒子に占める割合(%)」となる量とした。80℃に昇温した後、8mol/L水酸化カリウム水溶液を反応容器内に添加し、液体のpHを8.5に調整した。その後、2時間撹拌し、蛍光染料で樹脂粒子を染着した。8mol/L水酸化カリウム水溶液を添加して液体のpHを8.5に調整した後、適量の水をさらに添加して、樹脂粒子の含有量が20.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
(樹脂粒子4の水分散液)
撹拌装置を取り付けた反応容器を温水槽にセットした。反応容器中に水1,178部を入れ、内温を70℃に保持した。スチレン75.0部、n-ブチルアクリレート20.0部、アクリル酸10.0部、及びドデシル硫酸ナトリウム2.5部を混合し、モノマー混合液を調製した。また、過硫酸カリウム0.1部及び水133部を混合して重合開始剤の水溶液3を調製した。モノマー混合液及び重合開始剤の水溶液3を、10分かけながら並行して反応容器内に滴下した。滴下終了後、撹拌を継続して80℃でさらに5時間反応させて、粒子を合成した。
8mol/L水酸化カリウム水溶液の適量を反応容器内に添加し、液体のpHを8.5に調整した。さらに、表1に示す種類の蛍光染料(粉末)を反応容器内に添加した。添加した蛍光染料の量は、表1に示す「樹脂粒子に占める割合(%)」となる量とした。その後、2時間撹拌し、蛍光染料で樹脂粒子を染着した。8mol/L水酸化カリウム水溶液を添加して液体のpHを8.5に調整した後、適量の水をさらに添加して、樹脂粒子の含有量が20.0%である樹脂粒子4の水分散液を得た。
(樹脂粒子5及び10)
撹拌装置を取り付けた反応容器を温水槽にセットした。反応容器中に水1,178部を入れ、内温を70℃に保持した。スチレン45.0部、n-ブチルアクリレート45.0部、アクリル酸15.0部、及びドデシル硫酸ナトリウム2.5部を混合し、モノマー混合液を調製した。また、過硫酸カリウム0.1部及び水133部を混合して重合開始剤の水溶液4を調製した。モノマー混合液及び重合開始剤の水溶液4を、10分かけながら並行して反応容器内に滴下した。滴下終了後、撹拌を継続して80℃でさらに5時間反応させて、粒子を合成した。
8mol/L水酸化カリウム水溶液の適量を反応容器内に添加し、液体のpHを8.5に調整した。さらに、表1に示す種類の蛍光染料(粉末)を反応容器内に添加した。添加した蛍光染料の量は、表1に示す「樹脂粒子に占める割合(%)」となる量とした。その後、2時間撹拌し、蛍光染料で樹脂粒子を染着した。8mol/L水酸化カリウム水溶液を添加して液体のpHを8.5に調整した後、適量の水をさらに添加して、樹脂粒子の含有量が20.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
Figure 2024000522000001
<蛍光染料の水溶液の調製>
C.I.ベーシックレッド1 1.0部及びC.I.ベーシックバイオレット11 1.0部を80℃のイオン交換水98.0部に溶解させて、蛍光染料の含有量が2.0%である蛍光染料の水溶液を調製した。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
顔料10.0部、樹脂分散剤の水溶液(樹脂(固形分)の含有量20.0%)20.0部、及びイオン交換水70.0部を混合して混合物を得た。顔料としては、C.I.ピグメントレッド122を用いた。また、樹脂分散剤の水溶液としては、水溶性樹脂であるスチレン-アクリル酸共重合体(重量平均分子量10,000、酸価200mgKOH/g)を、酸価と等モルの水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水に溶解させたものを用いた。得られた混合物を、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した後、ポアサイズが1.2μmであるミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧ろ過した。次いで、イオン交換水を加えて顔料の含有量を調整し、顔料分散液1を得た。顔料分散液1には、水溶性樹脂(樹脂分散剤)により分散された顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%、水溶性樹脂の含有量は4.0%であった。
(顔料分散液2)
顔料の種類をC.I.ピグメントイエロー74に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様にして、顔料分散液2を得た。顔料分散液2には、水溶性樹脂(樹脂分散剤)により分散された顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%、水溶性樹脂の含有量は4.0%であった。
<水溶性樹脂を含む液体の調製>
表2に示す量のポリ(3-メチルペンチレンアジペート)グリコール(PMPAG)をメチルエチルケトンに溶解させた。次いで、表2に示す量のイソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジメチロールプロピオン酸(DMPA)を加え、75℃で1時間反応させてウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたウレタンプレポリマー溶液を60℃まで冷却した後、樹脂の酸価と等モルの水酸化カリウムの水溶液を加えてカルボン酸基を中和した。40℃まで冷却してイオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌して乳化させた。表2に示す量のエチレンジアミン(EDA)を加え、30℃で12時間鎖延長反応を行った。FT-IRによりイソシアネート基が存在しなくなったことを確認した後、加熱減圧してメチルエチルケトンを留去し、樹脂の含有量が20.0%であるウレタン樹脂1を含む液体を得た。得られた液体中のウレタン樹脂1の重量平均分子量は、30,000であった。また、水酸化カリウムエタノール滴定液を用いた電位差滴定により、ウレタン樹脂の酸価を測定した。表2中の略記号は、PMPAG:ポリ(3-メチルペンチレンアジペート)グリコール(数平均分子量2,000)、IPDI:イソホロンジイソシアネート、DMPA:ジメチロールプロピオン酸、EDA:エチレンジアミン、を示す。
Figure 2024000522000002
<インクの調製>
表3-1~3-3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過して、各インクを調製した。表3-1~3-3の下段にはインクの特性を示す。インクの調製に用いた界面活性剤の商品名は以下の通りである。
・BYK348、BYK347、BYK3456、BYK3420(商品名、ビックケミー製):ノニオン性のシリコーン系界面活性剤
・アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル製):ノニオン性の炭化水素系界面活性剤
Figure 2024000522000003
Figure 2024000522000004
Figure 2024000522000005
<記録ヘッドの構成>
熱エネルギーを付与してインクを吐出させるサーマルインクジェット方式の記録ヘッド1~10を用意した。記録ヘッド1~10は、いずれも、温調用のサブヒータを備え、ノズル列1列当たりのノズル数は512個、ノズル列1列当たりのノズル密度は600dpi、インク1滴あたりの吐出量は4ng、インク1色当たりのノズル列は2列である。
(記録ヘッド1)
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110及びH1115がインライン状に配置されたラインヘッドである。図9に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル220の数は16個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド2)
図6に示すように、複数の記録素子基板H1100及びH1105が千鳥状に配置されたシリアルヘッドである。図8に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル200の数は64個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド3)
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110及びH1115がインライン状に配置されたラインヘッドである。図9に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル220の数は16個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.2インチである。
(記録ヘッド4)
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110及びH1115がインライン状に配置されたラインヘッドである。図9に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル220の数は16個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は10.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド5)
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110及びH1115がインライン状に配置されたラインヘッドである。図9に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル220の数は16個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は11.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド6)
図6に示すように、複数の記録素子基板H1100及びH1105が千鳥状に配置されたシリアルヘッドである。図8に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル200の数は64個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は11.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド7)
図6に示すように、複数の記録素子基板H1100及びH1105が千鳥状に配置されたラインヘッドである。ノズル列1列当たりの重複部ノズルの数は0個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド8)
記録ヘッド2を構成する1つの記録素子基板H1100(図6)を有するシリアルヘッドである。ノズル列1列当たりの重複部ノズルの数は0個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド9)
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110及びH1115がインライン状に配置されたシリアルヘッドである。ノズル列1列当たりの重複部ノズルの数は0個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド10)
図10に示すように、2つのノズル列が相互にずれて配置された1つの記録素子基板H1120を有するシリアルヘッドである。ノズル列1列当たりの重複部ノズル240の数は64個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
(記録ヘッド11)
力学的エネルギーを付与してインクを吐出させるピエゾインクジェット方式の記録ヘッド11を用意した。記録ヘッド11は、温調用のサブヒータを備え、図7に示すように、複数の記録素子基板H1110及びH1115がインライン状に配置されたラインヘッドである。図9に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル220の数は16個であり、1ノズル当たりのインク吐出量は5.0ng/ドットである。また、ノズル列間の距離は0.1インチである。
記録ヘッド1~11の構成を表4に示す。
Figure 2024000522000006
<評価>
上記で調製したインクを用いて、以下の評価を行った。本実施例では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.8ng±10%のインクを8滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表5に示す。
(画像の記録)
実施例1~5、8~27、30~32、比較例1~3、及び参考例1、4では、ラインヘッドである記録ヘッド1、3~5、7、11をそれぞれ搭載した、図2に示す構成のインクジェット記録装置を使用して画像を記録した。記録ヘッドはインクジェット記録装置に固定されている。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドと記録媒体との1回の相対走査により画像を記録する。
実施例6、7、28、29、及び参考例2、3では、図2に示す構成のインクジェット記録装置のラインヘッドを、シリアルヘッドである記録ヘッド2、6、8~10にそれぞれ置き替えたインクジェット記録装置を使用して画像を記録した。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドの主走査と記録媒体の副走査方向への搬送により画像を記録する。
記録ヘッド1~10の温調温度(インクの加熱温度)は、記録ヘッドのヒータにインクが吐出しない程度に通電し、記録ヘッドに設けたダイオードセンサで温度を読み取ることで制御した。記録ヘッド11の温調温度(インクの加熱温度)は、記録ヘッドの温調用のサブヒータを加熱し、記録ヘッドに設けたダイオードセンサで温度を読み取ることで制御した。実施例1~32、比較例1~3、及び参考例4では、重複部ノズルからは、隣接する記録素子基板に割り振ってインクを吐出するように制御した。インク、記録ヘッド、記録ヘッドの温調温度Th、及び重複部ノズルから吐出するインクの付与時間差を表5に示す。重複部ノズルから吐出するインクの付与時間差は、ノズル列間の距離、記録ヘッドと記録媒体との相対走査の速度、及び記録ヘッドの走査速度から算出した。
(発色性)
上記のインクジェット記録装置を使用し、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]PT-201」、キヤノン製)に、以下の階調パターンを含む画像を記録した。階調パターンは、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、最大で6滴のインクが付与される条件で、インクの付与量を段階的に変化させた2cm×2cmのベタ画像で構成される。記録した画像を1日乾燥させた後、分光測色計(商品名「X-Rite eXact」(M1光源)、エックスライト製)を使用して、Lab表色系における色相角(H)、彩度(C)、及び明度(L)を測定した。そして、以下に示す評価基準にしたがって画像の発色性を評価した。明度は、彩度50における値で評価した。但し、最大彩度が50に達しない場合は、階調パターンを測色して得たデータを外挿し、得られた明度の計算値で評価した。色相角に応じて評価基準を変えたのは、色の種類によって見た目で感じる好適な色調が異なるためである。
[色相角(H)が0°以上180°未満の場合]
AA:最大彩度が60以上かつ明度が80以上、又は、最大彩度が55以上かつ明度が85以上であった。
A:最大彩度が55以上60未満かつ明度が80以上85未満であった。
B:最大彩度が50以上55未満かつ明度が80以上85未満であった。
C:最大彩度が50未満、又は、明度が80未満であった。
[色相角(H)が180°以上360°未満の場合]
AA:最大彩度が60以上かつ明度が70以上、又は、最大彩度が55以上かつ明度が75以上であった。
A:最大彩度が55以上60未満かつ明度が70以上75未満であった。
B:最大彩度が50以上55未満かつ明度が70以上75未満であった。
C:最大彩度が50未満、又は、明度が70未満であった。
(画像ムラ)
上記のインクジェット記録装置を使用し、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]PT-201」、キヤノン製)に、以下のベタ画像を記録した。このベタ画像は、ラインヘッドの長手方向、又は、シリアルヘッドの主走査方向の長さが18cmで、記録媒体の搬送方向の長さが10cmであり、記録デューティが100%である。記録から30分後に、蛍光灯及びブラックライト(商品名「SLUV-4」、アズワン製)の照射下でベタ画像(主に重複部)におけるムラの状態を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって画像ムラを評価した。
A:蛍光灯及びブラックライトのいずれの照射下でもムラが見られなかった。
B:蛍光灯の照射下ではムラが見られなかったが、ブラックライトの照射下ではムラが見られた。
C:蛍光灯及びブラックライトのいずれの照射下でもムラが見られた。
Figure 2024000522000007

Claims (12)

  1. 蛍光染料によって染着された樹脂粒子を含有する水性インクと、前記水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された複数のノズル列を有する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録する工程を有するインクジェット記録方法であって、
    複数の前記ノズル列は、隣接する前記ノズル列の端部ノズル同士が、前記所定方向と交差する方向において重複部を構成するように、前記所定方向に相互にずれて配列される第1ノズル列及び第2ノズル列を含み、
    前記重複部を構成する重複部ノズルからは、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列に割り振って前記水性インクを吐出し、
    前記重複部ノズルから吐出する前記水性インクの付与時間差が、20ミリ秒以下であるインクジェット記録方法。
  2. 前記記録ヘッドが、ラインヘッドである請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記記録ヘッドが、前記記録媒体との1度の相対走査で、前記記録媒体の単位領域に前記水性インクを付与するシリアルヘッドである請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記水性インクの一滴あたりの吐出量が、10.0ng以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記記録ヘッドが温調機構を備え、
    前記温調機構により前記記録ヘッド内で加温した前記水性インクを吐出する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記記録ヘッドの温調温度Thと、前記樹脂粒子のガラス転移温度Tgとが、Th<Tgの関係を満たす請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記樹脂粒子に占める、前記蛍光染料の割合(質量%)が、2.0質量%以上8.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記水性インクが、さらにシリコーン系界面活性剤を含有し、
    前記水性インク中の前記シリコーン系界面活性剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上3.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記水性インクが、さらにアニオン性基を有する水溶性樹脂を含有し、
    前記水溶性樹脂が、ウレタン樹脂である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記ウレタン樹脂が、ポリエステルポリオールに由来するユニットを有する請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記水性インク中、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)が、前記樹脂粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.04倍以上1.00倍以下である請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 蛍光染料によって染着された樹脂粒子を含有する水性インクと、前記水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成された複数のノズル列を有する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置であって、
    複数の前記ノズル列は、隣接する前記ノズル列の端部ノズル同士が、前記所定方向と交差する方向において重複部を構成するように、前記所定方向に相互にずれて配列される第1ノズル列及び第2ノズル列を含み、
    前記重複部を構成する重複部ノズルからは、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列に割り振って前記水性インクを吐出し、
    前記重複部ノズルから吐出する前記水性インクの付与時間差が、20ミリ秒以下であるインクジェット記録装置。
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