JP2023554529A - アポトーシス単核球の製造方法および製造システム - Google Patents

アポトーシス単核球の製造方法および製造システム Download PDF

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Abstract

アポトーシス単核球の製造方法および製造システム本発明は、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造する方法であり、当該方法は当該血液の一部に200nm~320nmの波長を有する紫外線照射を行う工程を含み、当該照射が照射48時間後、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%を超えるよう調整され、患者の免疫応答が調節可能なアポトーシス単核球の獲得を可能とする。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造する方法、照射装置およびシステム、ならびに免疫系の機能不全に関連する病態の治療のためのこれら細胞の使用に関する。
本発明は、細胞療法および免疫療法の分野、特に体外光免疫療法の分野に適用される。
体外光化学療法(ECP)とも呼ばれるフォトフェレーシスは、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療におけるエデルソンの研究(Edelson et al., 1987)により、1980年代に出現した細胞処理技術である。当該技術は、患者から血液を採取し、遠心分離によって患者の血液から単核細胞(MNC)を分離し、この細胞に8-メトキシプソラレン(8-MOP)と呼ばれる光活性化可能なインターカレーターの存在下で紫外線A波(UVA)照射による処理をし、その後、活性化した細胞を患者に再注入するものである。細胞の処理はex vivoで行われる。
体外光化学療法は、例えば腫瘍性または自己免疫性の病態などの自家的な(患者に固有の)状況、あるいは移植片対宿主病(GVHD)などの重大な合併症を伴う可能性がある固形臓器または造血幹細胞(HSC)移植の場合における同種異系の状況(ドナー-レシピエントの関係)などにおいて、免疫系の機能不全に関連する病態の治療において有効性が証明されている。
当該療法で得られた無害性と有効性により、臨床医は、現在、体外光化学療法の治療の適用範囲を、特に自己免疫疾患の治療に拡大するよう促されている(Adamski et al., 2015)。
体外光化学療法の作用機序は完全には解明されていない。しかし、8-メトキシプソラレンが細胞膜を通過し、2 本のDNA鎖間に介在することが認められている。紫外線A波照射後、8-メトキシプソレンが活性化され、光付加反応が生じる(Jeantet, 2004)。このプロセスにより、DNAの複製および転写が阻害され、細胞増殖とアポトーシスの停止が生じる。体外光化学療法で処理される単核球のうち、Tリンパ球集団が最もアポトーシスの影響を受ける(Heshmati, 2014)。アポトーシスとは、生体内で高度に制御され、プログラムされた細胞死であり、他のタイプの細胞死として環境の攪乱後に生じる「偶発的」と言われる死であるネクローシスがある。
患者に再注入されると、体外光化学療法で処理されたTリンパ球はアポトーシスを起こし、樹状細胞とも呼ばれる抗原提示細胞(APC)によって貪食され、これにより免疫系を免疫寛容応答(GVHD、移植片拒絶)または免疫活性応答(皮膚Tリンパ腫)が生じる。
より詳細には、体外光化学療法では、単球の樹状細胞への分化を刺激し、その後、樹状細胞がTリンパ球のアポトーシス体を貪食させる。樹状細胞の役割は、貪食された細胞のペプチドを当該細胞表面に提示して異物の存在を知らせる、あるいは、特殊なT細胞を活性化して炎症誘発性または寛容原性サイトカインの放出に関連する免疫応答を誘導することである。
現在、体外光化学療法は、施設により、2種類の方法が用いられている。
Therakos が提案する「閉鎖型」または「オンライン」の技術は、採取、細胞分離、処理、および再注入の工程を、単一システム、単一操作、閉鎖型システムで実施するクローズドな技術である(Cellexシステム)。
特にMaco Pharma社が提案する「開放型」または「オフライン」技術は、採取/分離および処理工程を異なる装置で実施し、複数の操作を必要とする技術である。
しかし、当該の二技術は、依然として、実施に比較的時間がかかり、複雑であり、体外光化学療法を簡略化する必要性が常に存在する。
そのため、文献WO2020/139495は、特に取り扱う装置の数を低減し、少量(500mL未満)での体外光化学療法を実施するための様々なシステムおよび方法を提案している。しかし、当該システムおよび方法では、依然として、8-メトキシプソラレンの使用および紫外線A波の照射が必要である。
紫外線A波照射により活性化されたプソラレンの使用後の悪性皮膚腫瘍発症リスクの克服のため、文献WO2015/162279では、8-メトキシプソラレンの代替としてプロトポルフィリンXの前駆体である5-アミノレブリン酸(5-ALA)の使用を提案している。ただし、当該技術には、メトキシプソラレン/紫外線A波による体外光化学療法と同じ複数の工程が含まれる。
文献WO2017/005700号では、アポトーシス剤を使用せず、抗原提示細胞への分化のため、活性化および刺激された単球の獲得を可能とする、体外光化学療法の代替法を開示している。当該方法は、単球を含む患者の血液サンプルをフローチャンバーに流すことによって、血液サンプルに剪断力を与えることからなる。
出願WO 2016/170541は、単核アポトーシス細胞の濃縮されたプールされた集団を含む細胞調製物について記載する。異なるドナーの単核球は、メチルプレドニゾロンを用いたインキュベーションによってアポトーシスに誘導され、その後、異なるドナーの細胞間の交差反応性を抑制するためにγ線照射が行われる。γ線照射の代替として、紫外線照射が挙げられている。これらの細胞製剤は、免疫疾患、抗炎症疾患または自己免疫疾患の治療、特に移植片対宿主病の治療に有用である。
皮膚科医チームTuchinda, Chanisada, et al.による文献「ヒト末梢血単核球におけるアポトーシス経路の活性化に関する広帯域紫外線B波、紫外線狭帯域B波、広帯域紫外線A波、紫外線A1波種の比較」光皮膚科学、光免疫学、光医療学23.1 (2007): 2-9(Comparison of broadband UVB, narrowband UVB, broadband UVA and UVA1 on activation of apoptotic pathways in human peripheral blood mononuclear cells." Photodermatology, photoimmunology & photomedicine 23.1 (2007): 2-9)は、あらかじめ洗浄した、すなわち血漿や赤血球を含まぬ末梢血単核球における、紫外線A波または紫外線B波放射によるアポトーシス誘導に関する。これにあたり、カスパーゼの活性化を、細胞の性質および照射線量に従って測定する。紫外線はすべて、アポトーシスを誘導すると結論づけられており、乾癬など紫外線B波に反応する特定の炎症性皮膚疾患にアポトーシスが関与している可能性が示唆されている。
文献「低線量紫外線への反復曝露が末梢血単核球のアポトーシスに及ぼす影響」皮膚科学アーカイブ 145.2 (2009): 133-138("The effect of repeated exposures to low-dose UV radiation on the apoptosis of peripheral blood mononuclear cells." Archives of dermatology 145.2 (2009): 133-138,)においてJ. Narbutt, et al.は、ボランティアの全身または体の一部のみを、低線量で、紫外線B波(紫外線B波54%と紫外線A波46%を発するランプを使用)または模擬太陽放射(紫外線B波4%と紫外線A波96%を放射するランプを使用)に反復曝露させた場合の末梢血単核球への影響を比較している。当該研究に基づき、紫外線B波ではなく、紫外線A波は光増感された酸素ラジカルを介してリンパ球のアポトーシスを誘導すると結論づけられる。
最後に、Buchele, Vera, and Holger Hacksteinの文献「単回高用量紫外線A光照射に基づく簡便な体外フォトフェレーシス法は、in vitroで同様の有効性を示す。」輸血(2020年)(Vera, and Holger Hackstein. "A simplified extracorporeal photopheresis procedure based on single high‐dose ultraviolet A light irradiation shows similar in vitro efficacy." Transfusion (2020))では、血液の単核球に高線量の紫外線A波照射(5J/cm2)を行う、8-メトキシプソレンを使用しない体外光化学療法を提案している。
本発明は、光活性化可能な薬剤の非存在下での単核球に対する体外光化学療法の効果の模倣を目指す、より単純、かつより迅速な方法を提案するものである。
当該の効果のため、また第1の態様によれば、本発明は、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造する方法を提案するものであり、当該末梢血の一部が血漿含有率30~50%を有し、当該方法は当該血液の一部に200nm~320nmの波長を有する紫外線照射を行う工程を含み、当該照射は、照射48時間後、特に照射24時間後に、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%を超えるよう調整され、患者の免疫応答が調節可能なアポトーシス単核球の獲得を可能とする。
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様による方法を実施するための照射装置に関係し、当該装置は波長200~320nmの照射を発する紫外線光源、および照射48時間後に照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%以上となるよう、事前に設定された線量の紫外線に、単核球を含む末梢血の一部を照射するための制御部を備える。
他の態様によれば、本発明は、第1の態様の方法に従って、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造するためのシステムであって、前記システムは、以下を含む。
(a)ひとつは単核球を含む末梢血の一部を入れるための照射容器であり、当該容器は200nm~320nmの波長を有する光線に対して透過性を有する。
(b)他のひとつは本発明の第2の態様に係る照射装置である。
本発明の他の態様は、免疫系の機能不全に係る病態の治療のための、第1の態様による方法によって得られるアポトーシス単核球の使用に関する。
他の目的および利点は、以下の説明の過程で明らかにする。
[図1]は、本発明によるシステムの照射バッグの概略図を示す。
[図2]は、本発明によるシステムの照射装置の概略図を示す。
[図3]は、8-メトキシプレンソレンの存在下で、紫外線A波を異なる線量(J/cm2)で照射したJurkat細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図4]は、8-メトキシプソレンの存在下で、紫外線A波を異なる線量(J/cm2)を照射したJurkat細胞の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。
[図5]は、紫外線B波を異なる線量(J/cm2)で照射したJurkat細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図6]は、紫外線B波を、異なる線量(J/cm2)で照射したJurkat細胞の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。
[図7]は、異なる線量(J/cm2)で紫外線C波を照射したJurkat細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図8]は、異なる線量(J/cm2)で紫外線C波を照射したJurkat細胞の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。
[図9]は、8-メトキシプソレンの存在下で異なる線量(J/cm2)で紫外線A波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射0日後、1日後、および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図10]は、8-メトキシプソレンの存在下で異なる線量(J/cm2)で紫外線A波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。
[図11]は、異なる線量(J/cm2)で紫外線B波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射1日後と2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図12]は、異なる線量(J/cm2)で紫外線B波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。
[図13]は、8-メトキシプソレンの存在下で、照射線量の対数スケールに従った紫外線A波または紫外線B波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射1日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図14]は、8-メキシプソレンの存在下で紫外線A波を照射した、または2種類の線量(J/cm2)で紫外線B波を照射した、あるいはスタウロスポリン(アポトーシス誘導剤)の存在下でインキュベーションした、脾臓細胞の照射またはインキュベーション1日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図15]は、紫外線B波を0.007J/cm2で照射した脾臓細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
[図16]は、紫外線C波を2.5mJ/cm2で照射した脾臓細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。
本発明は、8-メトキシプラソレンまたはポルフィリン誘導体などの光活性化剤の非存在下で、また特に光のみを使用して、従来の体外光化学療法(8-メトキシプソラレン/紫外線A波)によって得られる細胞応答と同等の細胞応答を得ることを目的とする方法を提案する。
第1の態様によれば、本発明は、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造する方法に関する。当該方法は、紫外線照射工程を含む。
末梢血の単核球(MNC)(または「末梢血単核細胞」と呼ばれることもある)は、単一核を有する末梢血の細胞全般である。当該細胞は、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)と単球で構成されている。赤血球と血小板には核がなく、顆粒球(好中球、好塩基球、好酸球)は多形核を有する。
単核球を含むドナーの末梢血の一部は、本発明の方法の実施に先立って、ロイカフェレシス、すなわち、アフェレーシス装置を使用して、ドナーの血液を採取し、遠心分離により血漿、赤血球、およびバフィーコートに分離し、血漿および赤血球をドナーに再注入し、前述の単核球を含む白血球濃縮の一部を単離して、得られたものである。ロイカフェレシス産物は、単核球を含む末梢血の一部である。当該白血球濃縮の一部の容量は特に150ml~200mlである。当該の一部の血漿中懸濁単核球は90% 以上である。
代替として、単核球を含む末梢血の一部は、当該方法の実施前に、全血サンプルからバフィーコートを分離し、得られたものである。その後、全血サンプルを遠心分離して、血液を血漿、赤血球、バフィーコートに分離する。分離されたバフィーコートは、血漿中に懸濁する単核球を含む末梢血の一部である。全血の初期量は、特に100ml~500mlである。100ml~200mlの全血サンプルの場合、単核球を含む末梢血の一部の容積は6ml~10mlである。450ml~500mlの全血サンプルの場合、単核球を含む末梢血の一部の容積は40ml~50mlである。
変形形態では、末梢血の一部を凍結保存し、その後、紫外線照射する際に解凍する。例として、単核球をジメチルスルホキシド(DMSO)、血清アルブミン、およびヒドロキシエチルデンプンを含む凍結保存溶液中で-80℃で保存する。
特に、末梢血の一部のヘマトクリットレベルは、0~8%、特に1~4%の範囲であり、さらにより詳細には約2%である。実際、赤血球の存在は、単核球に対する遮蔽を形成することにより、単核球によって吸収される紫外線の量に影響を与える。
許容可能なヘマトクリットレベルを得るために、単核球を含む末梢血の一部は照射前に希釈する。
希釈は、血漿および/または生理食塩水や緩衝液などの生体適合性溶液を用いて行う。有利には、希釈を食塩水のみを用いて行う。
一実施形態によれば、末梢血の一部の容積は6~200mlであり、希釈後の容積は200~500mlの間であり、特に容積が300ml程度である。
単核球を含む末梢血の一部の血漿含有率は30~50%である。実際、血漿中に脂質および/またはビリルビンが多すぎると、血漿の透明度に影響し、単核球による紫外線の吸収が制限される。希釈および/または遠心分離によって末梢血の一部中の血漿の割合を減らすと、血漿の過剰吸収リスクが抑制できる。
単核球を含む末梢血の、紫外線照射を行うの一部は、光活性剤あるいはメチルプレドニゾロンなどのアポトーシス誘導剤は含まない。当該剤が存在しないため、照射する末梢血の一部が得られた後、本方法は完全に閉鎖型システムで実施できるため、従来の体外光化学療法よりも簡便かつ安全となる。
一実施形態によれば、本方法は自家的であり、すなわち、単核球を含む末梢血の一部が、当該のアポトーシス誘導単核球で治療を行う患者から得られる。したがって、ドナーと患者が同一人物である。
本発明の方法は、末梢血の一部を全血から分離した後、体外的に実施する。末梢血の一部は容器に入れ、ドナーから分離、隔離する。
本発明の第1の態様による方法は、当該血液の一部に200nm~320nmの波長の紫外線照射を行う工程を含む。
特に、紫外線照射の波長は200~280nm、特に波長は255nmである。代替として、紫外線照射の波長は280~320nm、特に波長は310nm程度である。
一実施形態によれば、末梢血の一部の紫外線照射を、蛇行流路を形成するチューブまたはバッグ内で末梢血の一部を連続的に流す間に実施する。
他の一実施形態によれば、末梢血の一部の紫外線照射は、容器内に存在する末梢血の一部を使用して不連続に行う。
末梢血の一部中の単核球を均一に照射するために、当該末梢血の一部を照射中に撹拌する。
本発明の方法によれば、紫外線照射を、照射48時間後、特に照射24時間後に、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%を超えるよう調整する。
照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差はデルタアポトーシス(Delta-apoptosis)と呼ばれる。デルタアポトーシスは、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差を計算することで決まる。
特に、デルタアポトーシスが照射後24時間後、15%を超える。
当該の波長が200~320nm、より詳細には280~320nmの紫外線照射により、患者の免疫応答の調節ができるアポトーシス単核球を得ることが可能である。
アポトーシス、あるいはプログラムされた細胞死の研究は、一般に、蛍光剤FITCおよびヨウ化プロピジウム(PI)に結合するアネキシンVへの細胞の二重標識を用いて実施される。標識された細胞の分析は、特にフローサイトメトリーを用いて行う。
アネキシンVは、細胞の膜タンパク質であるホスファチジルセリンに高い親和性を持つタンパク質である。細胞が生育力がある場合、膜ホスファチジルセリンは細胞内側に位置しており、アネキシンVの結合を妨ぐ。細胞がアポトーシスに入ると、ただちに当該タンパク質は外部に出て、膜の両側で発現される。したがって、アポトーシス細胞はアネキシンVによって標識される。
DNAインターカレート剤であるPIを併用することで、アポトーシス細胞とネクローシス細胞を区別することができる。実際、細胞のネクローシスは膜の完全性の喪失を伴うが、アポトーシス中の細胞の場合、異なる。ため、PIは細胞内に侵入し、DNAにインターカレートできる。当該の二重標識により、生存細胞、ネクローシス細胞、アポトーシス細胞を区別することが可能になる。生存細胞はPI陰性かつアネキシンV陰性、壊死細胞はPI陽性かつアネキシンV陰性、初期アポトーシス細胞はPI陰性かつアネキシンV陽性、後期アポトーシス細胞はPI陽性かつアネキシンV陽性である。
フローサイトメトリーは、各細胞の物理的および生物学的特性を分析し、したがって懸濁液中の細胞集団を区別するために用いられる技術である(Carmaux,2008)。形態学的分析により、大きさ(前方散乱光〈FSC〉)と粒度(側方散乱光〈SSC〉)の2つの指標に従って細胞集団を区別することができる。各点が一細胞に対応する散布図が得られる。高密度かつ均質なゾーンは一集団に対応し、その後、Accuriなどのソフトウェアを使用して当該ゾーンを画定することができる。これにより、目的の細胞集団を特定し、分析することが可能となる。
有利には、照射された単核球は、患者に再注入されるとアポトーシスが続く。したがって、照射後24時間のデルタアポトーシスよりも照射後48時間のデルタアポトーシスが高くなるよう照射を調整する。
患者が免疫調節効果を得るのは、単核球がネクローシスの状態ではなく、アポトーシスの状態である。したがって、本発明の方法においては、5%未満、特に1%未満のネクローシス率を誘導するように照射を調整する。
もうひとつの体外光化学療法の細胞に対する効果は、細胞増殖、特にTリンパ球の増殖抑制である。
第1の態様による方法では、特に、照射3日後に細胞増殖抑制率70%を超えるよう照射を調整する。特には、細胞増殖抑制率が照射3日後に90%以上となる。
細胞増殖抑制率は、非照射対照細胞の増殖率と照射細胞の増殖率の差を非照射対照細胞の増殖率で割ることにより求められ、細胞増殖率は最終細胞の総数を開始細胞の総数で割ることにより求められる。増殖抑制率は、照射および細胞培養3日後に決定される。
適切なデルタアポトーシスを得るために単核球に照射する紫外線の線量は、多くの要因に依存する。当該要因には、例えばヘマトクリット、血漿の量、血漿の透明度などの末梢血の一部の組成に係る内因性のもの、および、例えば末梢血の一部を入れる照射容器の形状、紫外線に対する透明度、紫外線光源の構成(照射容器の片面照射または両面照射)、照射容器の種類および撹拌速度、照射容器内の末梢血の一部の厚さに係る外因的なものがある。
特別な実施形態によれば、単核球を含む末梢血の一部に適用する紫外線の適切な線量を決定するために、Jurkat細胞を含む細胞モデルを使用する。
Jurkat細胞は、1970年代後半に白血病の14歳の少年の血液から樹立された不死化ヒトCD4 T細胞株である。
当該系統は、入手可能であること、およびT細胞であるため、体外光化学療法の対象であるという利点を有する。単核球同様に、Jurkat細胞は、8-メトキシプソレン処理、および紫外線A波照射後、細胞死が段階的に増加する(Cunderlikova, 2014; Lauhle, 2019)。
末梢血の一部に適用する紫外線の線量を決定するため、Jurkat細胞に波長200nm~320nm、より詳細には280nm~320nmの紫外線を照射し、照射24時間後にデルタアポトーシスが30%~40%となるのに十分な光量を決定する。より詳細には、照射48時間後にデルタアポトーシスが60%~70%となるのに十分な光量を決定する。
第1の実施形態によれば、Jurkat細胞を、PBSタイプの生理食塩水中に懸濁させる。
他の一実施形態によれば、Jurkat 細胞を、血漿、特に血漿30~40%を含む2%ヘマトクリット溶液に懸濁される。
紫外線照射の波長を280~320nm、特に310nmとする、または波長を200~280nm、特に255nmとする。
有利には、照射3日後にJurkat細胞増殖抑制率が70%を超えるのに十分な照射線量を決定する。
他の態様によれば、本発明は、上述した方法を実施するための照射装置に関する。および照射48時間後に照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%以上となるよう、事前に設定された線量の紫外線に、単核球を含む末梢血の一部を照射するための制御部を備える。
照射装置、および単核球を含む末梢血の一部を入れ、200nm~320nmの波長を有する光線に対して透過性を有する一容器は、第1の態様の方法に従って、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造するためのシステムを形成する。
照射容器は、照射する単核球を含む末梢血の一部を入れることを意図している。照射容器は、特に、照射する流体の収容および/または輸送に適している。照射容器は、可撓性または固形である。
連続フロー照射の場合、照射容器は、例えば、チューブ状、蛇行流路を形成するパウチ状、フローカセット状である。
不連続照射の場合、照射容器は、有利には、照射バッグ形態である。
当該の照射ポケットの一例を図1に示す。照射バッグ1は、EVAなどの紫外光を透過する素材で作られている。図1において、照射バッグ1は、末梢血の一部をバッグソース内に導入するための入口開口部2と、出口開口部3を備える。入口開口部2は、穿孔器5で終わる管4に接続される。穿孔器5は、単核球を含む血液の一部を含むソースバッグに接続されるように意図されている。照射バッグ1は、必要に応じて希釈溶液を導入するための他のアクセス開口6を備える。
照射装置7は、前記照射容器1と繋がる構成となる。
2によれば、照射装置7は、照射ポケット1と関連付けられるように構成される。照射装置7は、例えば、照射バッグ1を置くトレイ8を備える。トレイ8の中央部分9は、有利には、照射バッグ1をどちらの側からも照射できるように、波長200~320nm、特に280~320nmの紫外線に対して透過性がある。トレイ8の中央部9は、例えば石英製である。
有利には、トレイ8は攪拌トレイである。例えば、照射バッグ1の内容物を均一に照射するために、攪拌プレートは公転運動を行う。
トレイ8は、モータ10によって回転する。
さらには、照射装置7は波長200nm~320nm、特に280nm~320nm、より詳細には310nm程度の照射を行う紫外光源11を備える。
図2において、光源11は、波長200nm~320nm、特に280nm~320nmの放射を発する紫外線光を発する複数のランプを含む。
図2において、照射装置7は、照射ポケット1を上下から照射するために、トレイ8の両側に配置した2組のランプ6本を備える。
変形形態では、光源11は、1組または2組の発光ダイオードで構成される。
図2では、光源11から発せられた光を照射ポケットに向けて反射させるための反射板12が設けられている。
照射装置7は、単核球を含む末梢血の一部に、波長200nm~320nmの紫外線照射を行うように構成された、また、照射48時間後に照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%以上となるよう、事前に設定された制御部を備える。
特に、照射装置7は、照射24時間後に、単核球におけるデルタアポトーシスが15%以上となるように事前に設定された、波長200nm~320nmの紫外線照射を照射容器に送る。
照射装置7によって照射容器に送る照射線量を制御するために、照射装置7は、光源11の部分に1つまたは複数の光センサを備える。当該光センサは、光源から発せられる照射の強度を検出する。
制御ユニットは、例えば、制御プログラムを実行するように設計されたマイクロプロセッサを含む電子およびコンピュータシステムの形態を呈する。当該プログラムの実行により、制御部は、例えば光センサが受信する信号に応じて、特に紫外光源を制御することができる。制御部は、例えば、光センサによって決定された光強度に応じて、目標線量に達成するため必要な照射時間を決定する。
一実施形態によれば、照射線量は、上述のJurkat細胞モデルを用いて事前に決定する。
変形形態では、デジタルシグモイドモデルを使用し、デルタアポトーシスの観点からJurkat細胞応答をモデル化し、照射線量を決定する。実際、照射処理を行わなくても、細胞はアポトーシスに入る。高線量が適用されると、アポトーシス率は飽和に向かう。当該の2つの極端な値間の関数は単調であり、線量の増加とともにデルタアポトーシスは増加する。
次に、ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造するために、上記システムを操作する方法を説明する。
当該システムを動作させる方法は、以下の工程を含む。
(a)単核球を含むドナーの末梢血の一部を照射容器に供給する工程
(b)波長200~320nmの照射を発する紫外線光源を含む照射装置内に当該照射容器を配置する工程
(c)当該照射装置内の当該照射容器を当該紫外線照射で照射する工程であって、当該照射は、照射48時間後、特に照射24時間後、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%以上となるように調整される。
特に、紫外線光源は波長280~320nmおよび/または照射24時間後、デルタアポトーシスが15%を超えるよう照射を調整する。
本発明の方法による紫外線照射後、単核球は患者の免疫応答を調節することができる。
したがって、本発明は、免疫系機能不全に係る病態の治療のための、上述の方法によって得られるアポトーシス単核球の使用に関する。当該病態は、例えば、セザリー症候群を含む皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、移植片対宿主病(GVHD)、固形臓器移植拒絶反応、全身性強皮症、アトピー性皮膚炎、乾癬、赤面症およびクローン病である。
特定の実施形態では、アポトーシス単核球は、後の使用のために紫外線照射後に凍結保存される。
実施例
細胞応答の観点から、8-メトキシプソラレン/紫外線A波を使用する従来のPEC技術と本発明の方法の同等性を実証するために、いくつかの実験を実施した。
1.細胞モデル
患者由来の単核球の入手は困難であるため、Jurkatと呼ばれるヒトリンパ腫由来のTリンパ球株が実験の細胞モデルとして選ばれた。
2.許容基準
従来の体外光化学療法(8-メトキシプソラレン200~333ng/ml、紫外線A波2J/cm2)のin vitroでの有効性を検証するための基準は、Tリンパ球のアポトーシスとTリンパ球の増殖の抑制である。
患者の単核球の場合、許容基準は次のとおりである。
-外光化学療法3日後の細胞増殖の抑制率が70%を超える、かつ
-体外光化学療法24時間後のデルタアポトーシスが15%を超える(Taverna,2015)
細胞モデルでは、許容基準は以下の通りである。
-外光化学療法3日後の細胞増殖の抑制率が70%を超える、かつ
-体外光化学療法24時間後のデルタアポトーシスが30%を超える(Lauhle,2019)
3.照射用細胞の調製
所望の量のJurkat細胞を得るために、当該細胞を、1%L-グルタミン(Lonza)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Lonsa)を用いたウシ胎児血清(10%v/v)を補充したRPMI1640培地で培養する。細胞は、37℃、5%CO2のインキュベーター内に置かれた培養フラスコ内で培養抑制する。Jurkatの倍加時間は約27時間である。
により、照射容器(ペトリ皿または照射バッグ)あたり10.106または400.106のJurkat細胞が使用される。
細胞は、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、または抗凝固剤1/14ACD-A、50/50 v/v のNaClと血漿の混合物を含む2%ヘマトクリット溶液に懸濁する。最終容量は、容器内の細胞懸濁液の厚さが3mm程度になるようにする。
紫外線A波照射の場合、細胞溶液はさらに8-メトキシプソラレン200ng/mlまたは333ng/mlを含む。
3.照射装置
3種類の照射装置を使用した。
1番目の装置は、ポケット照射を可能とするMaco Pharma社(フランス)の照射装置Macogenic G2である。当該装置は紫外線A波を送る、紫外線を透過する石英製トレイの両側に配置されるランプ6 本を含む。当該トレイは、照射ポケットを速度60rpmで撹拌し、照射の均一性を確保する。
2番目の装置は、ポケット照射を可能とするMaco Pharma社(フランス)のMacotronic UV 照射装置である。当該装置は紫外線C波(254nm)を送る、紫外線を透過する石英製トレイの両側に配置されるランプ6本を含む。当該トレイは、照射ポケットを速度110pmで撹拌し、照射の均一性を確保する。
3番目の照射装置は、ペトリ皿の照射に使用するOpsytec Dr GrobelのBS02フード照射器である。当該照射装置は、装置内に設置できる着脱可能なランプを使用して、設定された線量の照射を行うものである。使用するランプは、ピークが352nmである紫外線A波、ピークが311nmである紫外線B波、ピークが257nmである紫外線C波である。装置内のセンサーで測定した照射量をもとに、線量計が照射時間を制御する。細胞溶液を均一に照射するために、装置の照射室内にオービタルシェーカーを設置する。攪拌速度は約450 rpmである。
4.細胞の特性評価:アポトーシス試験と細胞増殖の測定
照射工程の後、ヘマトクリットレベル2%の細胞溶液を洗浄して、赤血球による汚染が少ない状態で培養に使用できるJurkat細胞を最大回収する。そのために、Ficoll溶液(GE Healthcare)を用いて、成分の密度勾分離を行う。
Jurkatを分離した後、Ficoll 溶液を除去するために洗浄を3回行う。最初の2回の洗浄は、2mM EDTA(Thermo Fisher)を含むPBSを用いたPBS溶液で、3回目の洗浄はPBSの溶液で実施する。その後、細胞を補充したRPMI培地に再懸濁し、分離できたJurkat数を推定し、残留赤血球量の評価のため、Vi-cellおよびABXで計数する。
対象のパラメーター(アポトーシスおよびJurkat増殖の抑制)の観察のために、細胞計数を使用して細胞を培養する。そのため、処理細胞5.106と未処理細胞5.106を10mlの培養液に播種する
4.1アポトーシス検査
アポトーシスの研究は、蛍光剤FITCとヨウ化プロピジウム(PI)に結合するアネキシンVへの細胞の二重標識を用いて、フローサイトメトリーで行う。
デルタアポトーシスは、次式により求められる。

4.2.細胞増殖の抑制
Jurkatの初期集団は、培養フラスコあたりの細胞は5.106である。次に、培養フラスコあたりの細胞数をVi-cellで計数する。
そのため、細胞を含む培養液を1500rpmで5分間遠心分離し、補充したRPMI培養液に沈査物を再懸濁する。細胞密度により、PBS中に1/10で希釈することが可能である
n日目における細胞増殖の抑制率(Jn)は、次式で求められる。

当該式において、%P(Jn)はn日目の細胞増殖率であり、次式で求められる。

実施例1:PBS中のJurkat細胞に対する8-メトキシプソラレン/紫外線A波、紫外線B波、および紫外線C波処理の比較
当該実験の目的は、(i)Jurkat細胞のデルタアポトーシス率が照射1日後に30%から40%、照射2日後に50%~60%、(ii) 増殖抑制率が照射3日後に70%を超えるとなる各放射線の照射線量を決定することである。
当初、当該実験は、必要最小限の照射量を決定するために、PBS(血漿もヘマトクリットも含まない)に懸濁した細胞で実施された。
細胞10.106を含む細胞懸濁液2mlをペトリ皿に入れる。紫外線A波照射の場合のみ、200ng/mlの8-メトキシプソラレンを細胞懸濁液に添加する。次に、ペトリ皿を照射装置BS02に置き、3種の紫外線A波、紫外線B波、または紫外線C波照射のうちのひとつで照射する。攪拌を450rpmに設定する。
a.体外光化学療法8-メトキシプソラレン/紫外線A波
紫外線A波照射の場合、Jurkatの細胞懸濁液は200ng/mlの8-メトキシプソラレンを含む。1回目は、0.03~0.4J/cm2の紫外線A波で照射線量をテストした。2回目は、1回目のテストで得られた結果に基づき、3種の線量(0.1J/cm2、0.13J/cm2、0.16J/cm2)を使用した。紫外線A波線量0.13J/cm2は、デルタアポトーシスと増殖抑制の観点から、2つの許容基準を満たす(図3および図4)
テストした紫外線A波照射線量すべてにおいて、細胞のネクローシス率は1%未満にとどまった。
b.紫外線B波照射
0.5mJ/cm2~1J/cm2の範囲の照射線量のテスト後、対象となる照射線量は1~11mJ/cm2に絞られた。線量7mJ/cm2は、デルタアポトーシスと増殖抑制の2つの許容基準を満たすことが確認された(図5および図6)。
照射24時間後、照射線量7mJ/cm2の場合、細胞の約20%が後期アポトーシス、40%が初期アポトーシスとなる。
0.5mJ/cm2~1J/cm2の紫外線B波照射線量すべてにおいて、細胞のネクローシス率は1%未満であった。
c.紫外線C波照射
0.5~3.5mJ/cm2の範囲の照射線量のテスト後、1~5 mJ/cm2の対象となる線量を再テストし(図7および図8)、最終的に3種の線量(2mJ/cm2、2.5mJ/cm2、3mJ/cm2)をテストした。紫外線C波の照射線量2.5mJ/cm2は、デルタアポトーシスと増殖抑制の2種の許容基準を満たすことが確認された。
30%の照射後24時間、2mJ/cm2の照射線量では、細胞の約40%が後期アポトーシス、30%が初期アポトーシスとなる。
紫外線A波/8-メトキシプソラレンおよび紫外線B波照射とは異なり、2mJ/cm2の紫外線C波照射線量では、1日目から2日目の間、デルタアポトーシスが増加しないことが注目に値する。
テストしたすべての紫外線C波線量において、細胞ネクローシスにとどまった。
実施例2:ヘマトクリットレベル2%の血漿/生理食塩水に懸濁したJurkat細胞に対する8-メトキシプソラレン/紫外線A波および紫外線B波処理の比較。
当該実験の目的は、以下の許容基準を達成するための各放射線の照射線量を決定することである。
-Jurkat細胞のデルタアポトーシスが1日目0~40%、2日目50~60%
-70%以上の増殖抑制率が3日目70%以上
ヘマトクリット2%のJurkat細胞10.106、1/14 ACD-A、50/50 v/vの生理食塩水と血漿を含む溶液を2ml用意した。紫外線A波照射の場合のみ、333ng/mlの8-メトキシプソラレンを添加した。
細胞10.106を含む2mlの細胞懸濁液をペトリ皿に入れ、次にペトリ皿を照射装置BS02に置く。当該装置は、紫外線A波と紫外線B波の2種の照射に使用する。撹拌は450rpmに設定する。
a.8-メトキシプソラレン/紫外線A波
デルタアポトーシスと増殖抑制の観点から、デルタアポトーシス4J/cm2、増殖抑制率3J/cm2の照射で許容基準に達した(図9および図10)。
b.紫外線B波
デルタアポトーシスの観点から、線量0.1J/cm2から許容基準に達するが、増殖抑制の観点から、線量0.025J/cm2から許容基準に達する(図11および図12)。
照射24時間後、照射線量0.1J/cm2の場合、細胞の約40%が後期アポトーシス、25% が初期アポトーシスとなる。
実施例3:ヘマトクリット値2%の生理食塩水/血漿溶液に懸濁させたJurkat細胞の紫外線C波処理。
当該実験では、Jurkat細胞をヘマトクリット2%溶液、1/14 ACD-A、50/50 v/v生理食塩水/血漿溶液に懸濁した。細胞400.106を含み、容積330~400mlの細胞懸濁液を紫外線C波透過性のバッグに入れる。
照射は、Macopharma社(フランス)のMacotronic UV装置を使用して実施した。25mJ/cm2および50mJ/cm2の2種の線量で研究を行った。
結果は、デルタアポトーシスは、照射1日後と照射2日後の間、紫外線C波線量25mJ/cm2で約50%、紫外線C波線量50mJ/cm2で約70%の率で一定であることを示す。
照射3 日後の細胞増殖抑制率は、25mJ/cm2で約65%、50mJ/cm2で約80%である。
実施例4:Maco Pharmaの体外光化学療法技術との相関性
実施例2と同じマトリックスを用いて、Jurkat細胞(細胞330.106、8-メトキシプソラレン333 ng/ml)を、Maco Pharma社が販売する体外光化学療法システムを使用して照射した。
Maco Pharma社の体外光化学療法システムは、紫外線A波に透過性のあるバッグと照射装置Macogenic G2で構成され、照射するバッグに含まれる溶液のヘマトクリットに応じた照射線量2~2.5J/cm2を送るよう設計されている。照射サイクルは約12分である。
デルタアポトーシスおよび増殖抑制に関する許容基準は、線量2J/cm2から許容基準に達し、これはシステムの推奨値に対応する。
デルタアポトーシスの観点から細胞応答をモデル化するため、デジタルシグモイドモデルが適用できる。
図13は、放射線量について、対数スケールを用いて、結果をグラフ化したものである。
許容基準は、照射装置と容器の組み合わせ、および光学系の構成によって異なる。例えば、Macogenic G2で照射される紫外線A波の線量2.1J/cm2は、BS02照射器の紫外線A波の線量4J/cm2、あるいはBS02照射器の紫外線B波の線量0.081J/cm2に相当する。
実施例4:マウス脾細胞モデル
GVHマウスモデルに関する研究の準備の一環として、Jurkatの照射によって見出された線量(実施例1)がマウス脾細胞のアポトーシスを誘導できるか否かを検証する実験を行った。
細胞5.106を含む脾細胞(Immune InsighT, フランス)の懸濁液を、BS02照射器で次の線量で照射した-紫外線A波/8-メトキシプソラレン0.13J/cm2、紫外線B波7mJ/cm2および70mJ/cm2、紫外線C波2.5mJ/cm2
紫外線A波照射の場合、細胞懸濁液は200ng/mlの8-メトキシプソラレンを含む。
テストした各線量はアポトーシスを誘発した。デルタアポトーシスの率が照射2日後に減少することは注意に値するが、これは、試験で測定されたアポトーシスの率が高いことに起因する(図14および図16)。
本発明によるシステムの照射バッグの概略図を示す。 本発明によるシステムの照射装置の概略図を示す。 8-メトキシプレンソレンの存在下で、紫外線A波を異なる線量(J/cm2)で照射したJurkat細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 8-メトキシプソレンの存在下で、紫外線A波を異なる線量(J/cm2)を照射したJurkat細胞の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。 紫外線B波を異なる線量(J/cm2)で照射したJurkat細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 紫外線B波を、異なる線量(J/cm2)で照射したJurkat細胞の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。 異なる線量(J/cm2)で紫外線C波を照射したJurkat細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 異なる線量(J/cm2)で紫外線C波を照射したJurkat細胞の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。 8-メトキシプソレンの存在下で異なる線量(J/cm2)で紫外線A波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射0日後、1日後、および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 8-メトキシプソレンの存在下で異なる線量(J/cm2)で紫外線A波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。 異なる線量(J/cm2)で紫外線B波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射1日後と2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 異なる線量(J/cm2)で紫外線B波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射3日後の増殖抑制率(%)を示す。 8-メトキシプソレンの存在下で、照射線量の対数スケールに従った紫外線A波または紫外線B波を照射した血漿中のJurkat細胞の懸濁液の照射1日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 8-メキシプソレンの存在下で紫外線A波を照射した、または2種類の線量(J/cm2)で紫外線B波を照射した、あるいはスタウロスポリン(アポトーシス誘導剤)の存在下でインキュベーションした、脾臓細胞の照射またはインキュベーション1日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 紫外線B波を0.007J/cm2で照射した脾臓細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。 紫外線C波を2.5mJ/cm2で照射した脾臓細胞の照射1日後および2日後のデルタアポトーシス(%)を示す。

Claims (15)

  1. ドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造する方法であり、当該末梢血の一部は、血漿含有率30~50%を有し、当該方法は当該血液の一部に200nm~320nmの波長を有する紫外線照射を行う工程を含み、当該照射が照射48時間後、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%を超えるよう調整され、患者の免疫応答が調節可能なアポトーシス単核球の獲得を可能とする方法。
  2. 請求項1の方法であり、照射24時間後、照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%以上となるように照射が調整されることを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2の方法であり、さらに照射3日後に細胞増殖抑制率70%を超えるよう照射を調整することを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であり、紫外線照射の波長が280~320nm、特に波長は310nmであることを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であり、当該の一部がロイカフェレシスおよび/または全血サンプルからバフィーコートを分離して、得られることを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の方法であり、末梢血の一部が90%以上単核球を含むことを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6のいずれかひとつの方法であり、照射工程に先立って、食塩水を用いて末梢血の一部を希釈する工程を含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の方法であり、血液の一部がヘマトクリットレベル0~8%の範囲であることを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法であり、末梢血の一部の容量が6ml~200mlであることを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の方法であり、単核球を含む血液の一部が照射中に攪拌されることを特徴とする方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の方法であり、単核球を含む血液の一部が光活性剤あるいはアポトーシス誘導を含まないことを特徴とする方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に従った方法を実施するための当該装置は波長200~320nmの紫外線を照射する紫外線光源を含む照射装置であり、照射48時間後に照射細胞のアポトーシス率と非照射細胞のアポトーシス率の差が15%以上となるよう、事前に設定された線量の紫外線に単核球を含む末梢血の一部を照射するための制御部を備えることを特徴とする装置。
  13. 請求項12の照射装置であり、さらに、攪拌トレイおよび/または光源から発せられる照射の強度を検出するセンサを備えることを特徴とする方法。
  14. 請求項1から11のいずれか1項に従った従った方法に従ったドナーの末梢血の一部に含まれるアポトーシス単核球を製造するためのシステムであり、以下を含むシステム。
    -ひとつは単核球を含む末梢血の一部を入れるための照射容器であり、当該容器が200nm~320nmの波長を有する光線に対して透過性を有する容器。
    -他のひとつは、請求項12または13のいずれか1項に従った照射装置。
  15. 請求項1から11のいずれか1項に従った方法に従って得られた単核球であり、例えば、セザリー症候群を含む皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、移植片対宿主病(GVHD)、固形臓器移植拒絶反応、全身性強皮症、アトピー性皮膚炎、乾癬、赤面症およびクローン病などの免疫系機能不全に係る病態の治療のための単核球。

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