JP2023552456A - 治療薬の家畜動物における半減期を増加させるための組成物及びその使用方法 - Google Patents

治療薬の家畜動物における半減期を増加させるための組成物及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

1つまたは複数のポリペプチドの家畜動物における半減期を増加させるための組成物及びその使用方法が提供される。組成物は、バリアントIgG Fc領域を含む。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月7日に出願された米国特許仮出願第63/122,365号の優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、概して、家畜動物における半減期が野生型同等物と比較して増加したポリペプチド(例えば、ポリペプチド-Fc領域融合体などの融合ポリペプチド;または抗体もしくは受容体-Fc融合体のリガンド結合部分などの結合分子)に関する。
配列表
USPTO EFS-WEBサーバーを介した以下の配列表の電子提出の全内容は、MPEP§1730II.B.2(a)に認可及び規定されている通り、その全体が、全ての目的のために、参照により本明細書に援用される。配列表は、以下の通り識別される、電子的に提出されたテキストファイル内にある:
ファイル名:47406-0017WO1_Sequence_Listing.txt
作成日:2021年12月1日
サイズ(バイト):64,960バイト
抗体のFc領域は、多くの機能的役割を担っており、限定するものではないが、リソソーム経路を介した分解から抗体を保護すること、抗体のエフェクター機能を媒介することなどが挙げられる。家畜動物における抗体の治療薬としての使用が増えるにつれ、最適なFabを選択することだけでなく、望ましい半減期及びエフェクター機能を得るのに適切なFcと組み合わせることにも重点が置かれてきている。
当該技術分野において、家畜動物に使用するポリペプチド治療薬(例えば、抗体)の半減期を増加させることに関する指針はほとんどない。本開示は、家畜動物におけるポリペプチド(例えば、抗体)の血清中持続性を改善するFc領域バリアントを提供することによってその欠落を解消するものである。
本明細書で提供されるのは、治療用ポリペプチドに有用な家畜動物のFc(例えば、IgGのFc領域バリアント)またはそのFcRn結合断片である。本開示は、対照ポリペプチド(例えば、野生型同等物であるIgGのFc領域)よりも家畜動物のFcRnに対する結合が増加したポリペプチドを特徴とする。いくつかの場合において、これらのポリペプチドは、pH5.5、pH6.0及び/またはpH6.5において、対照ポリペプチドと比較したとき、家畜動物のFcRnに対する結合が増加する。いくつかの場合において、これらのポリペプチドは、例えば、中性pH(例えば、pH7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5)よりも酸性pH(例えば、pH5.5、pH6.0またはpH6.5)で、より高いレベルで家畜動物のFcRnに結合することができる。いくつかの場合において、これらのポリペプチドは、pH7.4よりもpH5.5及び/または6.0でより高いレベルで家畜動物のFcRnに結合する。本開示は、部分的には、家畜動物における半減期が野生型同等物よりも増加したポリペプチドに関する。例えば、本明細書で開示されるFc領域またはそのFcRn結合領域に結合していない結合分子のバージョンと比べて半減期が増加した結合分子(例えば、抗体または受容体のリガンド結合部分)が提供される。また、酵素-Fc領域融合体、リガンド-Fc領域融合体、ナノボディ-Fc融合体、及びペプチド-Fc領域融合体も提供され、融合体は、野生型同等物と比較して半減期が増加している。Fc領域は、半減期を増加させる1つまたは複数の置換(同じ種の家畜動物の野生型Fc領域と比べて)を有することに加えて、例えば、エフェクター機能の増加、エフェクター機能の減少、プロテインAに対する結合の増加及び/またはポリペプチドの不均一性の減少(例えば、Fc領域における1つ以上の翻訳後修飾を取り除くことによる)をもたらす他の置換も含み得る。家畜動物のFc領域配列は、家畜動物の任意の抗体に由来し得る。いくつかの場合において、家畜動物のFc領域配列は、IgGに由来し、そのサブクラスは、本明細書に別途記載される。
本開示は、(1)リガンドまたはタンパク質のエピトープに特異的に結合する結合ドメインまたはその断片を含み、ここで、結合ドメインは、(2)本明細書で開示される家畜動物のFc領域(CH2+CH3領域)またはそのFcRn結合領域を含むドメインに結合している、組み換えタンパク質を特徴とする。いくつかの場合において、結合ドメインは、(i)6つの相補性決定領域(CDR)、例えば、家畜動物またはヒト/ヒト化抗体のもの;(ii)ナノボディ;(iii]リガンドに結合する可溶性受容体結合ドメインまたはそのリガンド結合断片、及び(iv)家畜動物受容体タンパク質の細胞外ドメインを含む。
本開示はまた、(1)本明細書に記載される家畜動物IgGのFc領域バリアントを含む第1のFc領域(例えば、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CH2+CH3ドメイン)を含む第1のポリペプチドと、(2)本明細書に記載される家畜動物IgGのFc領域バリアントを含む第2のFc領域を含む第2のポリペプチドとを含む、組成物を提供する。第1及び第2のポリペプチドは、第1及び第2のFc領域を介して会合することができる。いくつかの場合において、第1及び第2のFc領域のアミノ酸配列は、同じである。他の場合において、第1及び第2のFc領域のアミノ酸配列は、異なる(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸)。
いくつかの実施形態において、Fc領域バリアントは、IgG1a、IgG1b、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4a、IgG4b、IgG5a、IgG5b、IgG6a及びIgG6bからなる群から選択されるブタIgGのFcバリアントである。
いくつかの実施形態において、Fc領域バリアントは、IgG1、IgG2及びIgG3からなる群から選択されるウシIgGのFcバリアントである。
いくつかの実施形態において、Fc領域バリアントは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG5、IgG6及びIgG7からなる群から選択されるウマIgGのFcバリアントである。
いくつかの実施形態において、Fc領域バリアントは、IgG1、IgG2及びIgG3からなる群から選択されるヒツジIgGのFcバリアントである。
いくつかの実施形態において、Fc領域バリアントは、IgG1、IgG2及びIgG3からなる群から選択されるヤギIgGのFcバリアントである。
本明細書で開示される家畜動物IgGのFc領域バリアント及びポリペプチドを含む、融合分子も開示される。いくつかの場合において、家畜動物IgGのFc領域バリアントは、ポリペプチドに共有結合的に結合される(例えば、ヒンジ領域またはリンカーを介して)。いくつかの場合において、ポリペプチドは、家畜動物受容体タンパク質のリガンド結合ドメイン、家畜動物受容体タンパク質の細胞外ドメイン、または抗原結合ドメインである。いくつかの場合において、ポリペプチドは、IL-13Rα1またはIL-13Rα2のリガンド結合ドメインまたは細胞外ドメイン、家畜動物エリスロポエチン(EPO)、家畜動物CTLA4、家畜動物LFA3、家畜動物VEGFR1/VEGFR3、家畜動物IL-1R、家畜動物GLP-1受容体アゴニスト、及び家畜動物トロンボポエチン結合ペプチドから選択される。いくつかの場合において、ポリペプチドは、scFv、ナノボディ、または単一ドメイン抗体である。いくつかの場合において、IgGのFc領域バリアントは、家畜動物IgG1a抗体のFc領域のバリアントである。いくつかの場合において、IgGのFc領域バリアントは、家畜動物IgG1b抗体のFc領域のバリアントである。いくつかの場合において、IgGのFc領域バリアントは、家畜動物IgG2抗体のFc領域のバリアントである。
いくつかの態様において、本開示は、家畜動物のIgGのFc領域バリアントまたはそのFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q、T250E、I250Q、I250E、A250Q、A250E、V250Q及びV250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W、T252F、K252Y、K252W及びK252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、M256A、M256D、M256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はS286Y、S286F、S286W、S286L、S286D、S286E、T286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、E311V、E311K、E311R、E311L、E311H、K311V、K311R、K311L、K311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F、V426H、G426Y、G426F及びG426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y、M428F、H428L、H428Y及びH428Fからなる群から選択される、位置;
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436H、T436H、F436H及びV436Hからなる群から選択される、位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型IgGのFcドメインと比較した場合、家畜動物のFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、家畜動物は、ブタである。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はT250Q、T250E、I250Q及びI250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W及びM252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K及びS254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、E311V、E311K、E311R、E311L及びE311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y、M428F、H428L、H428Y及びH428Fからなる群から選択される、位置;
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436H及びT436Hからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Eである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309DまたはQ309Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Yである、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428Yである、位置;及び
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、野生型IgGのFcは、配列番号1~11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのFcである。
いくつかの実施形態において、家畜動物は、ウシである。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はT250Q及びT250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L及びQ311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hである、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はT252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309Vである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、野生型IgGのFcは、配列番号12~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのFcである。
いくつかの実施形態において、家畜動物は、ウマである。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はT250Q、T250E、A250Q、A250E、V250Q及びV250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、K252Y、K252W及びK252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、M256A、M256D、M256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はS286Y、S286F、S286W、S286L、S286D、S286E、T286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、K311V、K311R、K311L及びK311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F、V426H、G426Y、G426F及びG426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、位置;
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436H、F436H及びV436Hからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Eである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はG426Yである、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、野生型IgGのFcは、配列番号15~21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのFcである。
いくつかの実施形態において、家畜動物は、ヒツジである。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q及びT250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はV426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、位置;
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hである、位置。
いくつかの実施形態において、野生型IgGのFcは、配列番号22~24からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのFcである。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はT252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309Vである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428Yからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、野生型IgGのFcは、配列番号22~24からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのFcである。
いくつかの実施形態において、家畜動物は、ヤギである。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q及びT250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、K311V、K311R、K311L、K311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、位置;
(x)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hである、位置。
いくつかの実施形態において、野生型IgGのFcは、配列番号25~27からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのFcである。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸置換のうちの2つ以上を含み、ここで、2つ以上のアミノ酸置換は、異なる位置にあり、ポリペプチドは、(a)家畜動物の野生型IgGのFcドメイン、及び(b)2つ以上のアミノ酸置換のうちの1つのみを含むポリペプチドと比較した場合、家畜動物のFcRnに対する結合親和性が増加している。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、結合ドメインを更に含む。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、(i)免疫グロブリン分子の6つの相補性決定領域(CDR);(ii)家畜動物の受容体タンパク質のリガンド結合ドメイン、(iii)ナノボディ、または(iv)家畜動物の受容体タンパク質の細胞外ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、結合ドメインは、NGF、TrKA、ADAMTS、IL-1、IL-2、IL-4、IL-4R、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、IL-5、IL-12、IL-13、IL-31、IL-33、CD3、CD20、CD47、CD52、及び補体系複合体からなる群から選択される抗原に特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、結合ドメイン(例えば、抗体の結合ドメイン)と抗原の間の特異的結合は、K値によって表される。Kは、抗体の抗体解離速度(koff)と抗体会合速度(kon)の比である。K値は、特定の抗体/抗原相互作用のkon速度及びkoff速度を測定し、次いで、これらの値の比を使用してK値を算出することによって、決定することができる。K値が小さいほど、抗体(またはその結合ドメイン)のその標的に対する親和性は大きくなる。いくつかの実施形態において、特異的結合のK値は、約10-6~約10-12の範囲(例えば、10-6、10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、または10-12)である。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、EPO、CTLA4、LFA3、VEGFR1/VEGFR3、IL-1R、IL-4R、GLP-1受容体アゴニスト、及びトロンボポエチン結合ペプチドからなる群から選択されるタンパク質を更に含む。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、中性pHよりも酸性pHでより高いレベルで家畜動物のFcRnに結合する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、pH7.4よりもpH5.5でより高いレベルで家畜動物のFcRnに結合する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、pH7.4よりもpH6.0でより高いレベルで家畜動物のFcRnに結合する。
また、(i)本明細書に記載されるポリペプチド、及び(ii)薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物も本明細書で開示される。
本開示はまた、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸に及ぶ。
本明細書で開示される別の態様において、本明細書に記載される1つまたは複数の核酸を含む、1つまたは複数の発現ベクターが提供される。本開示はまた、本明細書で開示される1つもしくは複数の核酸または本明細書で開示される1つもしくは複数の発現ベクターを含む、宿主細胞に及ぶ。
また、ポリペプチドを作製する方法も本明細書で開示され、方法は、以下を含む:
(a)本明細書で開示される1つまたは複数の核酸を提供すること;
(b)宿主細胞培養物中で1つまたは複数の核酸を発現させ、それにより、ポリペプチドを産生すること;及び
(c)(b)で産生されたポリペプチドを宿主細胞培養物から回収すること。
いくつかの実施形態において、方法は、ポリペプチドを医薬製剤として製剤化することを更に含む。
本開示はまた、家畜動物の疾患または障害を治療することを、それを必要とする家畜動物に行う方法であって、本明細書で開示される医薬組成物を含む組成物の有効量を家畜動物に投与することを含む、方法に及ぶ。
本開示はまた、家畜動物の疾患または障害を予防することを、それを必要とする家畜動物に行う方法であって、本明細書で開示される医薬組成物を含む組成物の有効量を家畜動物に投与することを含む、方法に及ぶ。
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、アレルギー、慢性疼痛、急性疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、心血管疾患、腎臓疾患、生殖機能関連障害、感染症またはがんである。
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、骨関節炎痛、関節炎、貧血、または肥満である。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明の実施または検証には、本明細書に記載されるものと同様または同等の方法及び材料を使用することができるが、例示的な方法及び材料について以下に記載する。本明細書で言及される全ての公開物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含め、本出願が優先される。材料、方法及び例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
ブタIgG1a、ヒツジIgG1、ウシIgG1、ウマIgG1、ネコIgG1a、イヌIgGB及びヒトIgG1の野生型Fc領域のアミノ酸配列アライメントを示す。これらの配列は、それぞれ配列番号30~36が割り当てられている。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むブタ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むヒツジ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウシ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定した、Fcバリアントを含むウマ抗体の純度を示す。各抗体の純度は、>90%であった。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ブタIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ヒツジIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウシIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。 ウマIgGバリアント及び野生型のカイネティクス結合データのセンサーグラムを示す。
家畜動物に罹患する多種多様な疾患の予防及び治療のための治療薬としてポリペプチド(例えば、抗体、受容体のリガンド結合ドメイン、酵素、リガンド、ペプチド)の使用が増えているが、特に、ポリペプチドを繰り返し投与しなければならない慢性疾患の予防または治療には、半減期の長いポリペプチドを開発することが重要である。
したがって、本開示は、家畜動物の免疫グロブリンFc領域またはそのFcRn結合領域であって、家畜動物において、これらの配列を含む1つまたは複数のポリペプチドの半減期を向上させる変異を含むものを特徴とする。また、これらのドメインを含むポリペプチド及びその使用方法も開示される。これらのペプチドは、様々な治療用途及び診断用途に使用することができる。
値が範囲で記載されている場合、その記載は、特定の数値または特定の下位範囲が明示されているかどうかにかかわらず、かかる範囲内の全ての可能な下位範囲及びかかる範囲内に入る特定の数値の開示を含むことが理解されるべきである。全ての数の表記、例えば、pH、温度、時間、濃度、及び分子量は、範囲を含め、近似値であり、1.0または0.1の増分で適宜(+)または(-)に変動し、あるいは+/-15%、あるいは10%、あるいは5%、あるいは2%の変動がある。必ずしも常に明示されているわけではないが、全ての数の表記は、「約」という語が先行することが理解される。また、必ずしも常に明示されているわけではないが、本明細書に記載される試薬は単なる例示であり、その等価物は当該技術分野において知られていることも理解される。
「約」という用語は、量または濃度などの測定可能な値に言及する際に本明細書で使用される場合、明記される量の20%、10%、5%、1%、0.5%、または0.1%の変動を包含することを意味している。
ブタ抗体
ブタは、典型的に、IgG1a、IgG1b、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4a、IgG4b、IgG5a、IgG5b、IgG6a及びIgG6bと呼ばれる11のIgG重鎖を有する。これらの重鎖は、11の異なるブタIgGのサブクラスを表している。これらの重鎖アミノ酸及びDNA配列は、GENBANKデータベースから入手可能である。11つのブタIgG重鎖のFc領域のそれぞれのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列の例示的な例を以下に示し(CH2ドメインには下線を付す)、各重鎖Fc領域のGenBankアクセッション番号(アミノ酸配列またはアミノ酸配列の元となるmRNA配列)を示す:
ブタ(Sus scrofa)IgGのFc配列
IgG1a(GenBank AAA52219.1)
IgG1b(GenBank AAA52216.1)
IgG2a(GenBank U03779)
IgG2b(GenBank U03780)
IgG3(GenBank ABY85810.1)
IgG4a(GenBank AAA52220.1)
IgG4b(GenBank ABY85806.1)
IgG5a(GenBank ABY85809.1)
IgG5b(GenBank AB699687)
IgG6a(GenBank AB699687)
IgG6b(GenBank ABY85805.1)
ブタ抗体のCH2領域は、ブタIgG抗体のアミノ酸231~340(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH2領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ブタ抗体のCH3領域は、ブタIgG抗体のアミノ酸341~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH3領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ブタIgG抗体のFc領域は、ブタIgG抗体のアミノ酸231~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。
以下の表1は、ヒトIgG1、イヌIgGB及びネコIgG1aのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列を11のブタIgGアイソタイプのそれぞれとEUナンバリングに基づき比較するものである:





半減期を改善するブタIgG Fcの置換
血清中持続性の増加は、治療用ポリペプチドにとって有益な特性である。本開示は、野生型ブタIgG1a、IgG1b、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4a、IgG4b、IgG5a、IgG5b、IgG6a及びIgG6bのFc領域の置換を特徴とし、置換は、1つまたは複数の対照ポリペプチドと比べて、これらのFc領域を含む1つまたは複数のポリペプチドのブタにおける半減期を向上させるものであり、ここで、1つまたは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ブタIgGのFc領域を有する以外は1つまたは複数のポリペプチドと同一であるものである。半減期を増加させる置換は、ブタCH2領域、ブタCH3領域のうちの1つ以上、またはブタFc(例えば、CH2+CH3)領域との関連でなされ得る。
本開示は、ブタIgGのFc領域バリアントまたはそのブタFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)の位置:
(i)野生型ブタIgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はT250Q、T250E、I250Q及びI250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)野生型ブタIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W及びM252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ブタIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K及びS254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)野生型ブタIgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ブタIgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)野生型ブタIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)野生型ブタIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、E311V、E311K、E311R、E311L及びE311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)野生型ブタIgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)野生型ブタIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y、M428F、H428L、H428Y及びH428Fからなる群から選択される、位置;
(x)野生型ブタIgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)野生型ブタIgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436H及びT436Hからなる群から選択される、位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ブタIgGのFcドメインと比較した場合、ウシFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、または7つ)の位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Eである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309DまたはQ309Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Yである、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428Yである、位置;及び
(vii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、約5.0~約6.5(例えば、約5.5または約6.0)のpHにおけるブタFcRnに対する結合親和性が、同じpHにおける野生型ブタIgGのFcドメインと比較して増加している。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1~11からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号1~11のいずれか1つに示されるCH2ドメインに対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのCH2ドメインバリアントを提供する。また、配列番号1~11に示されるCH2ドメインのいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのCH2ドメインバリアントも提供される。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号1~11のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。また、配列番号1~11のいずれか1つに示されるCH3ドメイン配列のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号1~11のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのFc領域バリアントを特徴とする。また、配列番号1~11のいずれか1つとは1~20個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのFc領域バリアントも開示される。
いくつかの実施形態において、ブタIgGのFc CH2ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドが提供され、CH2ドメインバリアントは、配列番号1~11のいずれか1つに示されるCH2ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ブタIgGのFc CH3ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、CH3ドメインバリアントは、配列番号1~11のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ブタIgGのFc領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、Fc領域バリアントは、配列番号1~11のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
ウシ抗体
ウシは、典型的に、IgG1、IgG2、及びIgG3と呼ばれる3つのIgG重鎖を有する。これらの重鎖は、3つの異なるウシIgGのサブクラスを表している。これらの重鎖アミノ酸及びDNA配列は、GENBANKデータベースから入手可能である。3つのウシIgG重鎖のFc領域のそれぞれのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列の例示的な例を以下に示し(CH2ドメインには下線を付す)、各重鎖Fc領域のGenBankアクセッション番号(アミノ酸配列またはアミノ酸配列の元となるmRNA配列)を示す:
ウシBos Taurus
IgG1(GenBank ABE68619.1)
IgG2(GenBank AQT27057.1)
IgG3(GenBank AAC48761.1)
ウシ抗体のCH2領域は、ウシIgG抗体のアミノ酸231~340(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH2領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ウシ抗体のCH3領域は、ウシIgG抗体のアミノ酸341~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH3領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ウシIgG抗体のFc領域は、ウシIgG抗体のアミノ酸231~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。
以下の表2は、ヒトIgG1、イヌIgGB及びネコIgG1aのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列を3つのウシIgGアイソタイプのそれぞれとEUナンバリングに基づき比較するものである:





半減期を改善するウシIgG Fcの置換
血清中持続性の増加は、治療用ポリペプチドにとって有益な特性である。本開示は、野生型ウシIgG1、IgG2及びIgG3のFc領域の置換を特徴とし、置換は、1つまたは複数の対照ポリペプチドと比べて、これらのFc領域を含む1つまたは複数のポリペプチドのウシにおける半減期を向上させるものであり、ここで、1つまたは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ウシIgGのFc領域を有する以外は1つまたは複数のポリペプチドと同一であるものである。半減期を増加させる置換は、ウシCH2ドメイン、ウシCH3ドメインのうちの1つ以上、またはウシFc(例えば、CH2+CH3)領域との関連でなされ得る。
本開示は、ウシIgGのFc領域バリアントまたはそのウシFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)の位置:
(i)野生型ウシIgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はT250Q及びT250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)野生型ウシIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ウシIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)野生型ウシIgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ウシIgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)野生型ウシIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)野生型ウシIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L及びQ311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)野生型ウシIgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)野生型ウシIgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(x)野生型ウシIgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hである、位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ウシIgGのFcドメインと比較した場合、ウシFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、または5つ)の位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はT252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309Vである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、約5.0~約6.5(例えば、約5.5または約6.0)のpHにおけるウシFcRnに対する結合親和性が、同じpHにおける野生型ウシIgGのFcドメインと比較して増加している。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号12~14からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号12~14のいずれか1つに示されるCH2ドメインに対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのCH2ドメインバリアントを提供する。また、配列番号12~14に示されるCH2ドメインのいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのCH2ドメインバリアントも提供される。
他の場合において、本開示は、配列番号12~14のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。また、配列番号12~14のいずれか1つに示されるCH3ドメイン配列のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。
ある特定の場合において、本開示は、配列番号12~14のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのFc領域バリアントを特徴とする。また、配列番号12~14のいずれか1つとは1~20個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのFc領域バリアントも開示される。
いくつかの実施形態において、ウシIgGのFc CH2ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドが提供され、CH2ドメインバリアントは、配列番号12~14のいずれか1つに示されるCH2ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ウシIgGのFc CH3ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、CH3ドメインバリアントは、配列番号12~14のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ウシIgGのFc領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、Fc領域バリアントは、配列番号12~14のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
ウマ抗体
ウマは、典型的に、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG5、IgG6及びIgG7と呼ばれる7つのIgG重鎖を有する。これらの重鎖は、7つの異なるウマIgGのサブクラスを表している。これらの重鎖アミノ酸及びDNA配列は、GENBANKデータベースから入手可能である。7つのウマIgG重鎖のFc領域のそれぞれのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列の例示的な例を以下に示し(CH2ドメインには下線を付す)、各重鎖Fc領域のGenBankアクセッション番号(アミノ酸配列またはアミノ酸配列の元となるmRNA配列)を示す:
ウマEquus caballus
IgG1(GenBank CAC44760.1)
IgG2(GenBank CAC44761.1)
IgG3(GenBank AAP82181.1)
IgG4(GenBank AAS18415.1)
IgG5(GenBank CAC86340.1)
IgG6(GenBank CAC86341.1)
IgG7(GenBank AAS18414.1)
ウマ抗体のCH2領域は、ウマIgG抗体のアミノ酸231~340(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH2領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ウマ抗体のCH3領域は、ウマIgG抗体のアミノ酸341~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH3領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ウマIgG抗体のFc領域は、ウマIgG抗体のアミノ酸231~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。
以下の表3は、ヒトIgG1、イヌIgGB及びネコIgG1aのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列を7つのウマIgGアイソタイプのそれぞれとEUナンバリングに基づき比較するものである:





半減期を改善するウマIgG Fcの置換
血清中持続性の増加は、治療用ポリペプチドにとって有益な特性である。本開示は、野生型ウマIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG5、IgG6及びIgG7のFc領域の置換を特徴とし、置換は、1つまたは複数の対照ポリペプチドと比べて、これらのFc領域を含む1つまたは複数のポリペプチドのウマにおける半減期を向上させるものであり、ここで、1つまたは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ウマIgGのFc領域を有する以外は1つまたは複数のポリペプチドと同一であるものである。半減期を増加させる置換は、ウマCH2ドメイン、ウマCH3ドメインのうちの1つ以上、またはウマFc(例えば、CH2+CH3)領域との関連でなされ得る。
本開示は、ウマIgGのFc領域バリアントまたはそのウマFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)の位置:
(i)野生型ウマIgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はT250Q、T250E、A250Q、A250E、V250Q及びV250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)野生型ウマIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、K252Y、K252W及びK252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ウマIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)野生型ウマIgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、M256A、M256D、M256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ウマIgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はS286Y、S286F、S286W、S286L、S286D、S286E、T286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)野生型ウマIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)野生型ウマIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、K311V、K311R、K311L及びK311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)野生型ウマIgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F、V426H、G426Y、G426F及びG426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)野生型ウマIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、位置;
(x)野生型ウマIgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)野生型ウマIgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436H、F436H及びV436Hからなる群から選択される、位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ウマIgGのFcドメインと比較した場合、ウマFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)の位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Eである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はG426Yである、位置;
(vi)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、約5.0~約6.5(例えば、約5.5または約6.0)のpHにおけるウマFcRnに対する結合親和性が、同じpHにおける野生型ウマIgGのFcドメインと比較して増加している。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号15~21からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号15~21のいずれか1つに示されるCH2ドメインに対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのCH2ドメインバリアントを提供する。また、配列番号15~21に示されるCH2ドメインのいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのCH2ドメインバリアントも提供される。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号15~21のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。また、配列番号15~21のいずれか1つに示されるCH3ドメイン配列のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号15~21のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのFc領域バリアントを特徴とする。また、配列番号15~21のいずれか1つとは1~20個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのFc領域バリアントも開示される。
いくつかの実施形態において、ウマIgGのFc CH2ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドが提供され、CH2ドメインバリアントは、配列番号15~21のいずれか1つに示されるCH2ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ウマIgGのFc CH3ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、CH3ドメインバリアントは、配列番号15~21のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ウマIgGのFc領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、Fc領域バリアントは、配列番号15~21のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
ヒツジ抗体
ヒツジは、典型的に、IgG1、IgG2及びIgG3と呼ばれる3つのIgG重鎖を有する。これらの重鎖は、3つの異なるヒツジIgGのサブクラスを表している。これらの重鎖アミノ酸及びDNA配列は、GENBANKデータベースから入手可能である。3つのヒツジIgG重鎖のFc領域のそれぞれのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列の例示的な例を以下に示し(CH2ドメインには下線を付す)、各重鎖Fc領域のGenBankアクセッション番号(アミノ酸配列またはアミノ酸配列の元となるmRNA配列)を示す:
Sheep Oviari
IgG2(Genbank X70983)
IgG3(Schwartz et al,2018,Immunogenetics,70:317)
ヒツジ抗体のCH2領域は、ヒツジIgG抗体のアミノ酸231~340(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH2領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ヒツジ抗体のCH3領域は、ヒツジIgG抗体のアミノ酸341~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH3領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ヒツジIgG抗体のFc領域は、ヒツジIgG抗体のアミノ酸231~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。
以下の表4は、ヒトIgG1、イヌIgGB及びネコIgG1aのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列を3つのヒツジIgGアイソタイプのそれぞれとEUナンバリングに基づき比較するものである:





半減期を改善するヒツジIgG Fcの置換
血清中持続性の増加は、治療用ポリペプチドにとって有益な特性である。本開示は、野生型ヒツジIgG1、IgG2及びIgG3のFc領域の置換を特徴とし、置換は、1つまたは複数の対照ポリペプチドと比べて、これらのFc領域を含む1つまたは複数のポリペプチドのヒツジにおける半減期を向上させるものであり、ここで、1つまたは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ヒツジIgGのFc領域を有する以外は1つまたは複数のポリペプチドと同一であるものである。半減期を増加させる置換は、ヒツジCH2ドメイン、ヒツジCH3ドメインのうちの1つ以上、またはヒツジFc(例えば、CH2+CH3)領域との関連でなされ得る。
本開示は、ヒツジIgGのFc領域バリアントまたはそのヒツジFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)の位置:
(i)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q及びT250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はV426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、位置;
(x)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)野生型ヒツジIgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hである、位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ヒツジIgGのFcドメインと比較した場合、ヒツジFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、または5つ)の位置に含む:
(i)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はT252Yである、位置;
(ii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309Vである、位置;
(iii)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311Vである、位置;
(iv)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428Yからなる群から選択される、位置;
(v)家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、位置。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、約5.0~約6.5(例えば、約5.5または約6.0)のpHにおけるヒツジFcRnに対する結合親和性が、同じpHにおける野生型ヒツジIgGのFcドメインと比較して増加している。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号22~24からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号22~24のいずれか1つに示されるCH2ドメインに対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのCH2ドメインバリアントを提供する。また、配列番号22~24に示されるCH2ドメインのいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのCH2ドメインバリアントも提供される。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号22~24のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。また、配列番号22~24のいずれか1つに示されるCH3ドメイン配列のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号22~24のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのFc領域バリアントを特徴とする。また、配列番号22~24のいずれか1つとは1~20個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのFc領域バリアントも開示される。
いくつかの実施形態において、ヒツジIgGのFc CH2ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドが提供され、CH2ドメインバリアントは、配列番号22~24のいずれか1つに示されるCH2ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ヒツジIgGのFc CH3ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、CH3ドメインバリアントは、配列番号22~24のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ヒツジIgGのFc領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、Fc領域バリアントは、配列番号22~24のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
ヤギ抗体
ヤギは、典型的に、IgG1、IgG2及びIgG3と呼ばれる3つのIgG重鎖を有する。これらの重鎖は、3つの異なるヤギIgGのサブクラスを表している。これらの重鎖アミノ酸及びDNA配列は、GENBANKデータベースから入手可能である。3つのヤギIgG重鎖のFc領域のそれぞれのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列の例示的な例を以下に示す(CH2ドメインには下線を付す):
ヤギCapra hircus
IgG1(Schwartz et al,2018,Immunogenetics,70:317)
IgG2(Schwartz et al,2018,Immunogenetics,70:317)
IgG3(Schwartz et al,2018,Immunogenetics,70:317)
ヤギ抗体のCH2領域は、アミノ酸231~340(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH2領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ヤギ抗体のCH3領域は、ヤギIgG抗体のアミノ酸341~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH3領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
ヤギIgG抗体のFc領域は、ヤギIgG抗体のアミノ酸231~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。
以下の表5は、ヒトIgG1、イヌIgGB及びネコIgG1aのCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列を3つのヤギIgGアイソタイプのそれぞれとEUナンバリングに基づき比較するものである:





半減期を改善するヤギIgG Fcの置換
血清中持続性の増加は、治療用ポリペプチドにとって有益な特性である。本開示は、野生型ヤギIgG1、IgG2及びIgG3のFc領域の置換を特徴とし、置換は、1つまたは複数の対照ポリペプチドと比べて、これらのFc領域を含む1つまたは複数のポリペプチドのヤギにおける半減期を向上させるものであり、ここで、1つまたは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ヤギIgGのFc領域を有する以外は1つまたは複数のポリペプチドと同一であるものである。半減期を増加させる置換は、ヤギCH2ドメイン、ヤギCH3ドメインのうちの1つ以上、またはヤギFc(例えば、CH2+CH3)領域との関連でなされ得る。
本開示は、ヤギIgGのFc領域バリアントまたはそのヤギFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)の位置:
(i)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q及びT250Eからなる群から選択される、位置;
(ii)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、位置;
(iv)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、位置;
(vi)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、位置;
(vii)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、K311V、K311R、K311L、K311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、位置;
(viii)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、位置;
(ix)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、位置;
(x)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、位置;ならびに
(xi)野生型ヤギIgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、アミノ酸置換はY436Hである、位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ヤギIgGのFcドメインと比較した場合、ヤギFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、約5.0~約6.5(例えば、約5.5または約6.0)のpHにおけるヤギFcRnに対する結合親和性が、同じpHにおける野生型ヤギIgGのFcドメインと比較して増加している。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号25~27からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号25~27のいずれか1つに示されるCH2ドメインに対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのCH2ドメインバリアントを提供する。また、配列番号25~27に示されるCH2ドメインのいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのCH2ドメインバリアントも提供される。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号25~27のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。また、配列番号25~27のいずれか1つに示されるCH3ドメイン配列のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのCH3ドメインバリアントを特徴とする。
いくつかの場合において、本開示は、配列番号25~27のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのFc領域バリアントを特徴とする。また、配列番号25~27のいずれか1つとは1~20個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのFc領域バリアントも開示される。
いくつかの実施形態において、ヤギIgGのFc CH2ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドが提供され、CH2ドメインバリアントは、配列番号25~27のいずれか1つに示されるCH2ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ヤギIgGのFc CH3ドメインバリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、CH3ドメインバリアントは、配列番号25~27のいずれか1つに示されるCH3ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ヤギIgGのFc領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、Fc領域バリアントは、配列番号25~27のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
本開示は、アミノ酸置換がCH2ドメイン及びCH3ドメインのいずれか1つまたは両方になされた1つまたは複数のポリペプチドに及ぶ。いくつかの場合において、CH2ドメイン及び/またはCH3ドメイン上の置換は、同一である。いくつかの場合において、CH2ドメイン及び/またはCH3ドメイン上の置換は、同一ではない。いくつかの場合において、Fc領域は、エフェクター機能の増加もしくは減少及び/または産物の不均一性の改善をもたらす1つ以上の追加の置換を含む。
半減期を向上させる置換と組み合わせることができる他の置換
治療用ポリペプチド/タンパク質(例えば、モノクローナル抗体)の開発は、所望のポリペプチド/タンパク質を生成するために、一連の複雑な作業の調整を必要とする複雑なプロセスである。これらには、特異性、親和性、機能活性、人工細胞株における発現レベルの最適化、長期安定性、エフェクター機能の除去または向上、ならびに商業的に利用可能な製造法及び精製法の開発が含まれる。本開示は、上記の目標のいずれか1つ以上を促進する任意の追加の置換を包含する。
いくつかの実施形態において、プロテインAクロマトグラフィーによる精製を容易にするために、置換を家畜動物の野生型IgG Fc領域に導入して、プロテインAへの結合を高める。そのような置換は、当業者に知られており、IgGの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、または7個)の位置にあり得る。
いくつかの実施形態において、追加のアミノ酸置換は、親ポリペプチドまたは野生型ポリペプチドと比較して、FcRnに対する結合親和性を変更するためになされる(例えば、FcRnとの結合親和性を増加または減少させる)。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、家畜動物の抗体のヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態において、修飾は、半減期を増加させるために、家畜動物の抗体のヒンジ領域に行うことができる。そのような修飾は、当業者に知られている。
IgG Fcバリアントを含むポリペプチド
本開示は、家畜動物における半減期を増加させることから利益を得ることができる任意のポリペプチドを包含する。半減期を増加させるために、これらのポリペプチドは、上に開示されるFc領域バリアント(例えば、CH2領域、CH3領域、CH2+CH3領域)を含むように設計される。
例示的なポリペプチドとしては、限定するものではないが、全抗体、scFv、ナノボディ、受容体のリガンド結合部分、サイトカイン、成長因子、酵素、及びペプチドが挙げられる。例えば、上で開示されるCH3ドメインバリアントは、scFvナノボディ、受容体のリガンド結合部分(例えば、IL-13Rα1またはIL-13Rα2のリガンド結合部分)、サイトカイン、成長因子、酵素、またはペプチドに結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「ナノボディ」、「VHH」、「VHH抗体断片」及び「単一ドメイン抗体」という用語は、ラクダ科動物で見られる種類の抗体の単一重鎖の可変ドメインを示すために、本明細書中で区別なく使用され、典型的に天然で軽鎖を欠いている。好適なナノボディは、当業者によく知られているが、その実例としては、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ及びアルパカのナノボディが挙げられる。あるいは、上に開示されるFc領域バリアントは、これらのポリペプチドに結合され得る。別の実施形態において、家畜動物に由来する抗体は、本明細書で開示されるFc領域バリアントを含むように改変される。
いくつかの実施形態において、本開示のポリペプチドは、抗体ヒンジ領域を含む。ヒンジ領域は、抗原またはポリペプチドのリガンド結合ドメインとFc領域バリアントとの間に配置され得る。いくつかの場合において、ヒンジ領域は、サイトカイン、成長因子、酵素、またはペプチドのC末端に結合され、ヒンジ領域は、Fc領域バリアントのN末端に結合される。好適なヒンジ領域配列は、当業者に知られている。
本開示のポリペプチドにおけるヒンジ領域は、使用される場合、天然ヒンジ領域のアミノ酸配列と比べて、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、または6個)のアミノ酸置換を含み得る。いくつかの場合において、本開示の組み換えタンパク質に使用されるヒンジ領域は、天然ヒンジ領域のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である。
本開示の1つまたは複数のポリペプチドは、結合ドメインを含み得る。結合ドメインは、本明細書に記載される選択標的のタンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、及び/またはエピトープに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)は、タンパク質を含み得、ここで、タンパク質は、本明細書に記載される治療用タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的(例えば、結合ドメインの標的)または治療用タンパク質(例えば、融合ポリペプチド)は、以下からなる群から選択される:17-IA、4-1BB、4Dc、6-ケト-PGF1a、8-イソ-PGF2a、8-オキソ-dG、A1アデノシン受容体、A33、ACE、ACE-2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIA ALK-2、アクチビンRIB ALK-4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAMS、ADAM9、ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、アドレシン、aFGF、ALCAM、ALK、ALK-1、ALK-7、アルファ-1-抗トリプシン、アルファ-V/ベータ-1アンタゴニスト、ANG、Ang、APAF-1、APE、APJ、APP、APRIL、AR、IgE、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、ARC、ART、アルテミン、抗Id、ASPARTIC、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、Axl、b2M、B7-1、B7-2、B7-H、Bリンパ球刺激因子(BlyS)、BACE、BACE-1、Bad、BAFF、BAFF-R、Bag-1、BAK、Bax、BCA-1、BCAM、Bcl、BCMA、BDNF、b-ECGF、bFGF、BID、Bik、BIM、BLC、BL-CAM、BLK、BMP、BMP-2 BMP-2a、BMP-3オステオゲニン、BMP-4 BMP-2b、BMP-5、BMP-6 Vgr-1、BMP-7(OP-1)、BMP-8(BMP-8a、OP-2)、BMPR、BMPR-IA(ALK-3)、BMPR-IB(ALK-6)、BRK-2、RPK-1、BMPR-II(BRK-3)、BMPs、b-NGF、BOK、ボンベシン、骨由来神経栄養因子、BPDE、BPDE-DNA、BTC、補体因子3(C3)、C3a、C4、C5、C5a、C10、CA125、CAD-8、カルシトニン、cAMP、癌胎児性抗原(CEA)、癌腫関連抗原、カテプシンA、カテプシンB、カテプシンC/DPPI、カテプシンD、カテプシンE、カテプシンH、カテプシンL、カテプシンO、カテプシンS、カテプシンV、カテプシンX/Z/P、CBL、CC1、CCK2、CCL、CCL1、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL2、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9/10、CCR、CCR1、CCR10、CCR10、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CD1、CD2、CD3、CD3E、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD13、CD14、CD15、CD16、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD27L、CD28、CD29、CD30、CD30L、CD32、CD33(p67タンパク質)、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD46、CD47、CD49a、CD52、CD54、CD55、CD56、CD61、CD64、CD66e、CD74、CD80(B7-1)、CD89、CD95、CD123、CD137、CD138、CD140a、CD146、CD147、CD148、CD152、CD164、CEACAM5、CFTR、cGMP、CINC、ボツリヌス菌毒素、ウェルシュ菌毒素、CKb8-1、CLC、CMV、CMV UL、CNTF、CNTN-1、COX、C-Ret、CRG-2、CT-1、CTACK、CTGF、CTLA-4、CX3CL1、CX3CR1、CXCL、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCR、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、サイトケラチン腫瘍関連抗原、DAN、DCC、DcR3、DC-SIGN、崩壊促進因子、des(1-3)-IGF-I(脳IGF-1)、Dhh、ジゴキシン、DNAM-1、Dnase、Dpp、DPPIV/CD26、Dtk、ECAD、EDA、EDA-A1、EDA-A2、EDAR、EGF、EGFR(ErbB-1)、EMA、EMMPRIN、ENA、エンドセリン受容体、エンケファリナーゼ、eNOS、Eot、エオタキシン1、EpCAM、エフリンB2/EphB4、EPO、ERCC、E-セレクチン、ET-1、第IIa因子、第VII因子、第VIIIc因子、第IX因子、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、Fas、FcR1、FEN-1、フェリチン、FGF、FGF-19、FGF-2、FGF3、FGF-8、FGFR、FGFR-3、フィブリン、FL、FLIP、Flt-3、Flt-4、卵胞刺激ホルモン、フラクタルカイン、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、G250、Gas6、GCP-2、GCSF、GD2、GD3、GDF、GDF-1、GDF-3(Vgr-2)、GDF-5(BMP-14、CDMP-1)、GDF-6(BMP-13、CDMP-2)、GDF-7(BMP-12、CDMP-3)、GDF-8(ミオスタチン)、GDF-9、GDF-15(MIC-1)、GDNF、GDNF、GFAP、GFRa-1、GFR-アルファ1、GFR-アルファ2、GFR-アルファ3、GITR、GLP1、GLP2、グルカゴン、Glut4、糖タンパク質IIb/IIIa(GP IIb/IIIa)、GM-CSF、gp130、gp72、GRO、GnRH、成長ホルモン放出因子、ハプテン(NP-capまたはNIP-cap)、HB-EGF、HCC、HCMV gBエンベロープ糖タンパク質、HCMV)gHエンベロープ糖タンパク質、HCMV UL、造血成長因子(HGF)、Hep B gp120、ヘパラナーゼ、Her2、Her2/neu(ErbB-2)、Her3(ErbB-3)、Her4(ErbB-4)、単純ヘルペスウイルス(HSV)gB糖タンパク質、HSV gD糖タンパク質、HGFA、高分子メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、HIV gp120、HIV IIIB gp120 V3ループ、HLA、HLA-DR、HM1.24、HMFG PEM、HRG、Hrk、心臓ミオシン、サイトメガロウイルス(CMV)、成長ホルモン(GH)、HVEM、1-309、IAP、ICAM、ICAM-1、ICAM-3、ICE、ICOS、IFNg、Ig、IgA受容体、IgE、IGF、IGF結合タンパク質、IGF-1R、IGFBP、IGF-I、IGF-II、IL、IL-1、IL-1R、IL-2、IL-2R、IL-4、IL-4R、IL-5、IL-5R、IL-6、IL-6R、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-18R、IL-21、IL-22、IL-23、IL-25、IL-31、IL-33、インターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-12R、IL-13R、IL-15R、IL-17R、IL-18R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-25R、IL-31R、IL-33R)、インターフェロン(INF)-アルファ、INF-ベータ、INF-ガンマ、インヒビン、iNOS、インスリンA鎖、インスリンB鎖、インスリン様成長因子1、インテグリンアルファ2、インテグリンアルファ3、インテグリンアルファ4、インテグリンアルファ4/ベータ1、インテグリンアルファ4/ベータ7、インテグリンアルファ5(アルファV)、インテグリンアルファ5/ベータ1、インテグリンアルファ5/ベータ3、インテグリンアルファ6、インテグリンベータ1、インテグリンベータ2、インターフェロンガンマ、IP-10、I-TAC、JE、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン11、カリクレイン12、カリクレイン14、カリクレイン15、カリクレインL1、カリクレインL2、カリクレインL3、カリクレインL4、KC、KDR、ケラチノサイト成長因子(KGF)、ラミニン5、LAMP、LAP、LAP(TGF-1)、潜在型TGF-1、潜在型TGF-1 bp1、LBP、LDGF、LECT2、Lefty、ルイスY抗原、ルイスY関連抗原、LFA-1、LFA-3、Lfo、LIF、LIGHT、リポタンパク質、LIX、LKN、Lptn、L-セレクチン、LT-a、LT-b、LTB4、LTBP-1、肺サーファクタント、黄体形成ホルモン、リンホトキシンベータ受容体、Mac-1、MAdCAM、MAG、MAP2、MARC、MCAM、MCAM、MCK-2、MCP、M-CSF、MDC、Mer、メタロプロテアーゼ、MGDF受容体、MGMT、MHC(HLA-DR)、MIF、MIG、MIP、MIP-1-アルファ、MK、MMAC1、MMP、MMP-1、MMP-10、MMP-11、MMP-12、MMP-13、MMP-14、MMP-15、MMP-2、MMP-24、MMP-3、MMP-7、MMP-8、MMP-9、MPIF、Mpo、MSK、MSP、ムチン(Muc1)、MUC18、ミュラー管阻害因子、Mug、MuSK、NAIP、NAP、NAV1.7、NCAD、N-カドヘリン、NCA90、NCAM、NCAM、ネプリライシン、ニューロトロフィン-3、-4、または-6、ニュールツリン、神経成長因子(NGF)、NGFR、NGF-ベータ、nNOS、NO、NOS、Npn、NRG-3、NT、NTN、OB、OGG1、OPG、OPN、OSM、OX40L、OX40R、p150、p95、PADPr、副甲状腺ホルモン、PARC、PARP、PBR、PBSF、PCAD、P-カドヘリン、PCNA、PD1、PDL1、PDGF、PDGF、PDK-1、PECAM、PEM、PF4、PGE、PGF、PGI2、PGJ2、PIN、PLA2、胎盤性アルカリホスファターゼ(PLAP)、P1GF、PLP、PP14、プロインスリン、プロレラキシン、プロテインC、PS、PSA、PSCA、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、PTEN、PTHrp、Ptk、PTN、R51、RANK、RANKL、RANTES、RANTES、レラキシンA鎖、レラキシンB鎖、レニン、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)F、RSV Fgp、Ret、リウマトイド因子、RLIP76、RPA2、RSK、S100、SCF/KL、SDF-1、SERINE、血清アルブミン、sFRP-3、Shh、SIGIRR、SK-1、SLAM、SLPI、SMAC、SMDF、SMOH、SOD、SPARC、Stat、STEAP、STEAP-II、TACE、TACI、TAG-72(腫瘍関連糖タンパク質-72)、TARC、TCA-3、T細胞受容体(例えば、T細胞受容体アルファ/ベータ)、TdT、TECK、TEM1、TEM5、TEM7、TEM8、TERT、精巣PLAP様アルカリホスファターゼ、TfR、TGF、TGF-アルファ、TGF-ベータ、TGF-ベータPan特
異的、TGF-ベータR1(ALK-5)、TGF-ベータR11、TGF-ベータRIIb、TGF-ベータRIII、TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、TGF-ベータ4、TGF-ベータ5、トロンビン、胸腺Ck-1、甲状腺刺激ホルモン、Tie、TIMP、TIQ、組織因子、TMEFF2、Tmpo、TMPRSS2、TNF、TNF-アルファ、TNF-アルファベータ、TNF-ベータ2、TNFc、TNF-RI、TNF-RII、TNFRSF10A(TRAIL R1Apo-2、DR4)、TNFRSF10B(TRAIL R2DR5、KILLER、TRICK-2A、TRICK-B)、TNFRSF10C(TRAIL R3DcR1、LIT、TRID)、TNFRSF10D(TRAIL R4 DcR2、TRUNDD)、TNFRSF11A(RANK ODF R、TRANCE R)、TNFRSF11B(OPG OCIF、TR1)、TNFRSF12(TWEAK R FN14)、TNFRSF13B(TACI)、TNFRSF13C(BAFF R)、TNFRSF14(HVEM ATAR、HveA、LIGHT R、TR2)、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF17(BCMA)、TNFRSF18(GITR AITR)、TNFRSF19(TROY TAJ、TRADE)、TNFRSF19L(RELT)、TNFRSF1A(TNF R1CD120a、p55-60)、TNFRSF1B(TNF RII CD120b、p75-80)、TNFRSF26(TNFRH3)、TNFRSF3(LTbR TNF RIII、TNFC R)、TNFRSF4(OX40 ACT35、TXGP1 R)、TNFRSF5(CD40 p50)、TNFRSF6(Fas Apo-1、APT1、CD95)、TNFRSF6B(DcR3M68、TR6)、TNFRSF7(CD27)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF9(4-1BB CD137、ILA)、TNFRSF21(DR6)、TNFRSF22(DCTRAIL R2 TNFRH2)、TNFRST23(DCTRAIL R1TNFRH1)、TNFRSF25(DR3Apo-3、LARD、TR-3、TRAMP、WSL-1)、TNFSF10(TRAIL Apo-2リガンド、TL2)、TNFSF11(TRANCE/RANKリガンドODF、OPGリガンド)、TNFSF12(TWEAK Apo-3リガンド、DR3リガンド)、TNFSF13(APRIL TALL2)、TNFSF13B(BAFF BLYS、TALL1、THANK、TNFSF20)、TNFSF14(LIGHT HVEMリガンド、LTg)、TNFSF15(TL1A/VEGI)、TNFSF18(GITRリガンドAITRリガンド、TL6)、TNFSF1A(TNF-a Conectin、DIF、TNFSF2)、TNFSF1B(TNF-b LTa、TNFSF1)、TNFSF3(LTb TNFC、p33)、TNFSF4(OX40リガンドgp34、TXGP1)、TNFSF5(CD40リガンドCD154、gp39、HIGM1、IMD3、TRAP)、TNFSF6(FasリガンドApo-1リガンド、APT1リガンド)、TNFSF7(CD27リガンドCD70)、TNFSF8(CD30リガンドCD153)、TNFSF9(4-1BBリガンドCD137リガンド)、TP-1、t-PA、Tpo、TRAIL、TRAIL R、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TRANCE、トランスフェリング受容体、TRF、Trk(例えば、TrkA)、TROP-2、TSG、TSLP、腫瘍関連抗原CA125、ルイスY関連炭水化物を発現する腫瘍関連抗原、TWEAK、TXB2、Ung、UPAR、uPAR-1、ウロキナーゼ、VCAM、VCAM-1、VECAD、VE-カドヘリン、VE-カドヘリン-2、VEFGR-1(fit-1)、VEGF、VEGFR、VEGFR-3(flt-4)、VEGI、VIM、ウイルス抗原、VLA、VLA-1、VLA-4、VNRインテグリン、フォン・ヴィレブランド因子、WIF-1、WNT1、WNT2、WNT2B/13、WNT3、WNT3A、WNT4、WNT5A、WNT5B、WNT6、WNT7A、WNT7B、WNT8A、WNT8B、WNT9A、WNT9A、WNT9B、WNT10A、WNT10B、WNT11、WNT16、XCL1、XCL2、XCR1、XCR1、XEDAR、XIAP、XPD、ならびにホルモン及び成長因子の受容体。
いくつかの実施形態において、結合ドメインは、家畜動物において、1つ以上の治療標的または抗原に特異的に結合し、例えば、限定するものではないが、ACE、ACE-2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIA ALK-2、アクチビンRIB ALK-4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAMS、ADAM9、ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、ANG、Ang、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、b-ECGF、CD19、CD20、CD30、CD34、CD40、CD40L、CD47、COX、CTLA-4、EGFR(ErbB-1)、EPO、卵胞刺激ホルモン、GDF-8(ミオスタチン)、GLP1、GLP2、GnRH、成長ホルモン放出因子、IgE、IL、IL-1、IL-1R、IL-2、IL-2R、IL-4、IL-4R、IL-5、IL-5R、IL-6、IL-6R、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-18R、IL-21、IL-22、IL-23、IL-25、IL-31、IL-33、インターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-12R、IL-13R、IL-15R、IL-17R、IL-18R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-25R、IL-31R、IL-33R)、LAP(TGF-1)、潜在型TGF-1、潜在型TGF-1 bp1、LFA-1、神経成長因子(NGF)、NGFR、NGF-ベータ、OX40L、OX40R、PD1、PDL1、TGF、TGF-アルファ、TGF-ベータ、TGF-ベータPan特異的、TGF-ベータR1(ALK-5)、TGF-ベータR11、TGF-ベータRIIb、TGF-ベータRIII、TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、TGF-ベータ4、TGF-ベータ5、TNF、TNF-アルファ、TNF-アルファベータ、TNF-ベータ2、TNFc、TNF-RI、TNF-RII、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF9(4-1BB CD137、ILA)、VEFGR-1(fit-1)、VEGF、VEGFR、及びVEGFR-3(flt-4)などが挙げられる。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、タンパク質を含むことができ、ここで、タンパク質は、治療用タンパク質、例えば、EPO、CTLA4、LFA3、VEGFR1/VEGFR3、IL-1R、IL-4R、GLP-1受容体アゴニスト、またはトロンボポエチン結合ペプチドである。いくつかの実施形態において、治療用タンパク質は、ACE、ACE-2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIA ALK-2、アクチビンRIB ALK-4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAMS、ADAM9、ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、ANG、Ang、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、b-ECGF、CD19、CD20、CD30、CD34、CD40、CD40L、CD47、COX、CTLA-4、EGFR(ErbB-1)、EPO、卵胞刺激ホルモン、GDF-8(ミオスタチン)、GLP1、GLP2、GnRH、成長ホルモン放出因子、IgE、IL、IL-1、IL-1R、IL-2、IL-2R、IL-4、IL-4R、IL-5、IL-5R、IL-6、IL-6R、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-18R、IL-21、IL-22、IL-23、IL-25、IL-31、IL-33、インターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-12R、IL-13R、IL-15R、IL-17R、IL-18R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-25R、IL-31R、IL-33R)、LAP(TGF-1)、潜在型TGF-1、潜在型TGF-1 bp1、LFA-1、神経成長因子(NGF)、NGFR、NGF-ベータ、OX40L、OX40R、PD1、PDL1、TGF、TGF-アルファ、TGF-ベータ、TGF-ベータPan特異的、TGF-ベータR1(ALK-5)、TGF-ベータR11、TGF-ベータRIIb、TGF-ベータRIII、TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、TGF-ベータ4、TGF-ベータ5、TNF、TNF-アルファ、TNF-アルファベータ、TNF-ベータ2、TNFc、TNF-RI、TNF-RII、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF9(4-1BB CD137、ILA)、VEFGR-1(fit-1)、VEGF、VEGFR、またはVEGFR-3(flt-4)である。
医薬組成物
本明細書に記載される1つまたは複数のポリペプチドの医薬組成物または無菌組成物を調製するために、1つまたは複数のポリペプチドは、薬学的に許容される担体または賦形剤とともに混合され得る。(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and U.S.Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1984)参照)。
治療薬及び診断薬の製剤は、許容される担体、賦形剤、または安定剤と混合することによって、例えば、凍結乾燥粉末、スラリー、水溶液または懸濁液の形態に調製され得る(例えば、Hardman,et al.(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw-Hill,New York,N.Y.;Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,N.Y.;Avis,et al.(eds.)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie(2000)Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.参照)。いくつかの実施形態において、本発明の1つまたは複数のポリペプチドは、pH5~6の酢酸ナトリウム溶液で適切な濃度に希釈され、張性のためにNaClまたはスクロースが添加される。安定性を高めるために、ポリソルベート20またはポリソルベート80などの追加の剤が添加されてもよい。
単独または別の薬剤と組み合わせて投与されるポリペプチド組成物の毒性及び治療有効性は、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順、例えば、LD50(集団の50%にとって致死的な用量)及びED50(集団の50%において治療上有効な用量)を決定するための手順によって決定することができる。毒性と治療効果との間の用量の比が治療指数である(LD50/ED50)。特定の態様において、高い治療指数を呈する1つまたは複数のポリペプチドが望ましい。これらの細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、家畜動物に使用するための投与量の範囲を導き出すのに使用することができる。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどまたは全くないED50に入る循環濃度の範囲内である。投与量は、採用される剤形及び投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。
投与の様式は、様々であり得る。好適な投与経路には、経口、直腸、経粘膜、腸、非経口;筋肉内、皮下、皮内、髄内、髄腔内、直接脳(心)室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、眼内、吸入、吹送、局所、皮膚、経皮、または動脈内が含まれる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、注射などの侵襲性経路によって投与することができる。更なる実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、静脈内、皮下、筋肉内、動脈内、腫瘍内、または吸入、エアロゾル送達によって投与される。
本明細書で開示される医薬組成物は、注入によって投与されてもよい。医薬組成物を投与するよく知られているインプラント及びモジュールの形態の例としては、制御された速度で薬剤を分注するための埋め込み可能な微量注入ポンプを開示する米国特許第4,487,603号;正確な注入速度で薬物を送達するための薬剤注入ポンプを開示する米国特許第4,447,233号;連続的な薬物送達のための埋め込み可能な可変流量の注入装置を開示する米国特許第4,447,224号;マルチチャンバーコンパートメントを有する浸透性薬物送達系を開示する米国特許第4,439,196号が挙げられる。他の多くのそのようなインプラント、送達系、及びモジュールは、当業者によく知られている。
代替的にまたは追加的に、1つまたは複数のポリペプチドはまた、局所的に投与されてもよく、例えば、免疫病理学によって特徴付けられる関節炎の関節または病原体誘発病変に、多くの場合、デポーまたは持続放出性製剤で、抗体を直接注射することによりなされてもよい。更に、1つまたは複数のポリペプチドは、標的化された薬物送達系で投与されてもよく、例えば、免疫病理学によって特徴付けられる関節炎の関節または病原体誘発病変を標的とする、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームで投与されてもよい。リポソームは、患部組織に対して標的化され、患部組織によって選択的に取り込まれる。
投与レジメンは、限定するものではないが、治療を受けるまたは受けている家畜動物の年齢、体重、及び体調、治療用抗体の血清または組織回転率、症状のレベル、1つまたは複数の治療用ポリペプチドの免疫原性、ならびに生物学的マトリックスにおける標的細胞のアクセス容易性を含む、いくつかの因子に依存する。いくつかの実施において投与レジメンは、標的とする疾患状態の改善をもたらすのに十分な1つまたは複数の治療用ポリペプチドを送達し、同時に望ましくない副作用を最小化するものである。したがって、送達される生物学的製剤の量は、1つまたは複数の特定の治療用ポリペプチド及び治療される状態の重症度に部分的に依存する。治療用抗体の適切な用量を選択する際のガイダンスは、入手可能である(例えば、Wawrzynczak Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK(1996);Milgrom et al.New Engl.J.Med.341:1966-1973(1999);Slamon et al.New Engl.J.Med.344:783-792(2001);Beniaminovitz et al.New Engl.J.Med.342:613-619(2000);Ghosh et al.New Engl.J.Med.348:24-32(2003);Lipsky et al.New Engl.J.Med.343:1594-1602(2000)参照)。
1つまたは複数のポリペプチドの適切な用量の決定は、例えば、当該技術分野において治療に影響することが知られているまたは推定されているパラメーターまたは因子を使用して、当業者によってなされる。一般に、投与は、至適用量よりもいくらか少ない量から開始され、その後、あらゆる負の副作用に対して望ましいまたは最適な効果が達成されるまで、少量ずつ増量される。重要な診断指標には、例えば、炎症の症状または産生される炎症性サイトカインのレベルが含まれる。
核酸、ベクター、宿主細胞、及び作製方法
本開示はまた、本明細書に記載される1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、1つまたは複数の核酸を含む1つまたは複数のベクター、及び1つもしくは複数の核酸または1つもしくは複数のベクターを含む宿主細胞を包含する。
本明細書に記載される1つまたは複数のポリペプチドは、細菌細胞または真核細胞で産生され得る。いくつかのポリペプチド、例えば、Fab’は、細菌細胞、例えば、E.coli細胞で産生することができる。ポリペプチドはまた、形質転換細胞株(例えば、CHO、293E、COS、293T、Hela)などの真核細胞で産生することもできる。加えて、ポリペプチド(例えば、scFv)は、Pichia(例えば、Powers et al.,J Immunol Methods.251:123-35(2001)参照)、Hanseula、またはSaccharomycesなどの酵母菌細胞で発現させることができる。目的の抗体を産生させるために、1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを構築し、1つまたは複数の発現ベクターに導入し、次いで、好適な宿主細胞で発現させる。発現を改善するために、遺伝子のヌクレオチド配列は、アミノ酸配列を変えることなく(または最小限の変更、例えば、重鎖または軽鎖のC末端残基の除去)、再コード化することができる。再コード化の対象となり得る領域には、翻訳開始、コドン使用頻度、及び意図されないmRNAスプライシング候補に関連するものが含まれる。本明細書に記載されるFc領域バリアントをコードするポリヌクレオチドは、当業者には容易に想定されるであろう。
標準的な分子生物学技術を使用して、組み換え発現ベクター(複数可)を調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、ポリペプチド(例えば、抗体)を回収することができる。
1つまたは複数のポリペプチドが細菌細胞(例えば、E.coli)で発現される場合、発現ベクターは、細菌細胞におけるベクターの増幅を可能にする特徴を有していなければならない。更に、JM109、DH5α、HB101、またはXL1-BlueなどのE.coliが宿主として使用される場合、ベクターは、E.coliでの十分な発現を可能にし得るプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Ward et al.,341:544-546(1989)、araBプロモーター(Better et al.,Science,240:1041-1043(1988))、またはT7プロモーターを有している必要がある。そのようなベクターの例としては、例えば、M13ベクター、pUCシリーズベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Script、pGEX-5X-1(Pharmacia)、「QIAexpress system」(QIAGEN)、pEGFP、及びpET(この発現ベクターが使用される場合は、宿主は、好ましくは、T7 RNAポリメラーゼを発現するBL21である)が挙げられる。発現ベクターは、抗体分泌のためのシグナル配列を含有し得る。E.coliのペリプラズムへの産生の場合、pelBシグナル配列(Lei et al.,J.Bacteriol.,169:4379(1987))が抗体分泌のためのシグナル配列として使用され得る。細菌発現の場合、塩化カルシウム法またはエレクトロポレーション法を使用して、細菌細胞に発現ベクターを導入することができる。
1つまたは複数のポリペプチドがCHO、COS、及びNIH3T3細胞などの動物細胞で発現される場合、発現ベクターは、これらの細胞での発現に必要なプロモーター、例えば、SV40プロモーター(Mulligan et al.,Nature,277:108(1979))(例えば、初期シミアンウイルス40プロモーター)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushima et al.,Nucleic Acids Res.,18:5322(1990))、またはCMVプロモーター(例えば、ヒトサイトメガロウイルス前初期プロモーター)を含む。Fc領域バリアントをコードする核酸配列に加えて、組み換え発現ベクターは、宿主細胞でベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)及び選択マーカー遺伝子などの追加の配列を保有し得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号及び同第5,179,017号)。例えば、典型的に、選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞に、G418、ハイグロマイシン、またはメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与する。選択マーカーを含むベクターの例としては、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、及びpOP13が挙げられる。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、哺乳動物細胞で産生される。1つまたは複数のポリペプチドを発現させるための例示的な哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216-4220に記載されているdhfr-CHO細胞を含み、例えば、Kaufman and Sharp(1982)Mol.Biol.159:601621に記載されているようにDHFR選択マーカーとともに使用される)、ヒト胎児腎臓293細胞(例えば、293、293E、293T)、COS細胞、NIH3T3細胞、リンパ球細胞株、例えば、NS0骨髄腫細胞及びSP2細胞、及びトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニック哺乳動物に由来する細胞が挙げられる。例えば、細胞は、乳腺上皮細胞である。
抗体発現のための例示的な系において、抗体の抗体重鎖及び抗体軽鎖の両方をコードする組み換え発現ベクターがリン酸カルシウムを介したトランスフェクションによってdhfr-CHO細胞に導入される。組み換え発現ベクター内において、抗体の重鎖及び軽鎖遺伝子は、高い遺伝子転写レベルを駆動するために、エンハンサー/プロモーター調節エレメント(例えば、SV40、CMV、アデノウイルスなどに由来するもの、例えば、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントまたはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント)に作動可能にそれぞれ連結される。また、組み換え発現ベクターは、DHFR遺伝子を保有しており、これにより、ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞を、メトトレキサート選択/増幅を使用して選択することが可能となる。選択された形質転換宿主細胞は、抗体の重鎖及び軽鎖が発現するように培養され、培養培地から抗体が回収される。
治療方法
本明細書で開示される1つまたは複数のポリペプチドは、任意の疾患または障害の治療または予防を、それを必要とする家畜動物において行うために使用することができる。本発明は、繰り返し投与が必要な慢性状態の治療に特に有用である。タンパク質治療薬の半減期が増加するため、投与頻度の減少及び/または用量レベルの減少が可能となり得る。
いくつかの実施形態において、治療または予防される疾患、障害、状態または症状は、アレルギー性疾患、慢性疼痛、急性疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、骨格/筋骨格疾患、心血管疾患、神経系疾患、腎臓疾患、代謝疾患、免疫疾患、遺伝/遺伝性疾患、生殖機能関連障害、感染症またはがんである。ある特定の実施形態において、治療または予防される疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、食物アレルギー、骨関節痛、周術期の疼痛、歯痛、がん疼痛、関節炎、貧血、肥満、または糖尿病である。
抗体は、疾患の治療または予防だけでなく、正常な生物学的機能を調節するため、例えば、生殖能力または行動を管理するためにも使用され得る。
診断
本明細書で開示される1つまたは複数のポリペプチドはまた、様々な診断用途、例えば、家畜動物が任意の特定の疾患または障害を有するかどうかを決定するために使用することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、結合ドメインを含み得る。結合ドメインは、本明細書に記載されるタンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、及び/またはエピトープ(例えば、がん細胞のマーカー)に特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、標識基を更に含む。一般に、標識基は、それらが検出されるアッセイに応じて、様々な種類に分けられる:a)放射性同位体または重元素同位体であり得る同位体標識;b)磁気標識(例えば、磁気粒子);c)酸素還元活性部分;d)光学色素;酵素基(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ);e)ビオチン化基;及びf)二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパーペア配列、二次抗体用の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグなど)。いくつかの実施形態において、標識基は、潜在的な立体障害を減少させるために、様々な長さのスペーサーアームを介して抗体に結合される。タンパク質を標識するための様々な方法が当該技術分野において知られており、本発明を実施する際に使用され得る。
いくつかの実施形態において、標識基は、プローブ、色素(例えば、蛍光色素)、または放射性同位体(例えば、H、14C、22Na、36Cl、35S、33P、または125I)である。
特定の標識にはまた、光学色素も含まれ、限定するものではないが、発色団、蛍光体及びフルオロフォアが含まれ、後者は、多くの場合、特異的である。フルオロフォアは、「小分子」の蛍光体、またはタンパク質性の蛍光体のいずれかであり得る。
蛍光標識は、その固有の蛍光特性を介して検出され得る任意の分子であり得る。好適な蛍光標識には、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチル-クマリン、ピレン、Malacite green、スチルベン、Lucifer Yellow、Cascade BlueJ、Texas Red、IAEDANS、EDANS、BODIPY FL、LC Red 640、Cy 5、Cy 5.5、LC Red 705、Oregon green、Alexa-Fluor色素(Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680)、Cascade Blue、Cascade Yellow及びR-フィコエリトリン(PE)(Molecular Probes,Eugene,Oreg.)、FITC、ローダミン、及びTexas Red(Pierce,Rockford,Ill.)、Cy5、Cy5.5、Cy7(Amersham Life Science,Pittsburgh,Pa.)が含まれるが、これらに限定されない。好適な光学色素は、フルオロフォアを含め、Molecular Probes Handbook by Richard P.Hauglandに記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
好適なタンパク質性蛍光標識にはまた、緑色蛍光タンパク質(Renilla、Ptilosarcus、またはAequorea種のGFPを含む)(Chalfie et al.,1994,Science 263:802-805)、EGFP(Clontech Laboratories,Inc.,GenBankアクセッション番号U55762)、青色蛍光タンパク質(BFP、Quantum Biotechnologies,Inc.1801 de Maisonneuve Blvd.West,8th Floor,Montreal,Quebec,Canada H3H1J9;Stauber,1998,Biotechniques 24:462-471;Heim et al.,1996,Curr.Biol.6:178-182)、改良型黄色蛍光タンパク質(EYFP,Clontech Laboratories,Inc.)、ルシフェラーゼ(Ichiki et al.,1993,J.Immunol.150:5408-5417)、βガラクトシダーゼ(Nolan et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2603-2607)及びRenilla(WO92/15673、WO95/07463、WO98/14605、WO98/26277、WO99/49019、米国特許第5,292,658号、同第5,418,155号、同第5,683,888号、同第5,741,668号、同第5,777,079号、同第5,804,387号、同第5,874,304号、同第5,876,995号、同第5,925,558号)が含まれるが、これらに限定されない。本段落中において上で引用される参考文献は全て、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
アッセイ
FcγRI及びFcγRIII結合:
FcγRI及びFcγRIIIへの結合は、ADCCを媒介する抗体の能力の指標である。抗体のこの特性を評価するために、FcγRI及びFcγRIIIに対する抗体の結合を測定するアッセイが当該技術分野において知られている方法を使用して実施され得る。
C1q結合:
補体の第1成分であるC1qへの結合は、補体依存性細胞傷害(CDC)を媒介する抗体の能力の指標である。抗体のこの特性を評価するために、C1qに対する抗体の結合を測定するアッセイが当該技術分野において知られている方法を使用して実施され得る。
半減期:
抗体の半減期を測定する方法は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、Booth et al.,MAbs,10(7):1098-1110(2018)を参照されたい。一例として、抗体の半減期は、Fcの由来である種(標的種)に抗体を注射し、ある一定期間にわたって血清中の抗体レベルを測定することによって測定することができる。あるいは、マウスFcRnアルファ鎖が欠損しており、標的種のFcRnアルファ導入遺伝子を発現するトランスジェニックマウスモデルを使用することもできる。標的種のFcRnアルファ鎖は、マウスβ2-ミクログロブリンタンパク質と対合することができるか、またはマウスβ2-ミクログロブリン遺伝子を標的種のβ2-ミクログロブリン遺伝子に置換することができ、これにより、天然FcRnアルファ鎖-β2-ミクログロブリンヘテロ二量体タンパク質を形成することができる。
実施例1:選択された位置でのNNK飽和変異導入ライブラリーの生成及び個々のバリアントの解析
ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ及びヤギIgG(配列番号1~27に示す)のCH2及びCH3ドメインの野生型(wt)配列を合成し、NNK変異導入の鋳型として使用した。NNK飽和変異導入法は、所望の位置に20個の可能な全てのアミノ酸を生成するのに効果的な戦略である(Hogrefe et al.,Biotechniques.33:1158-1165[2002];その内容はその全体が参照により本明細書に援用される)。位置250、252、254、256、286、309、311、426、428、434及び436(EUナンバリング)の個々のNNKライブラリーを生成する。特定位置のNNK(N=A/C/G/T、K=G/T)プライマーをQuikChange Site-Directed Mutagenesis Kit(Agilent)で使用する。PCR産物をGenScript FASEBAプラスミドにサブクローニングし、E.coliに形質転換し、バリアントの存在について配列を確認する。CH2ドメインの下流は、アルブミンに対してpMの親和性を有するSASA(血清アルブミンに対する単一ドメイン抗体)タグである(Zhang,J.;Wu,S.;Liu,J.Methods and systems for increasing protein stability.特許出願番号:US2013/0129727A1;その内容はその全体が参照により本明細書に援用される)。SASA抗体は、以下に記載されるセンサーチップ表面へのFcの捕捉を可能にするものである。PelB(ペクチン酸リアーゼB)シグナルペプチドは、N末端にあり、Fcの培地への分泌を促進する。CH2-CH3タンパク質の発現は、Lacプロモーターによって制御する。馴化培地からの上清を、pH6.0における標的の家畜動物/種のFcRnへのバリアントの結合について、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して解析する。
各ライブラリーから得た複数の個々の形質転換体の上清を、以下に記載されるようにBiacore法を使用して、pH6.0で家畜動物/種FcRnへの結合についてアッセイする。
Biacore 8Kを使用したSPR解析では、ウシ血清アルブミン(BSA)をCM5センサーチップに固定する。フローセル1及び2のセンサーチップ表面を、新たに混合した50mmol/LのN-ヒドロキシスクシンイミド及び200mmol/Lの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩によって、420秒(10μL/分)かけて活性化させる。その後、10mM酢酸ナトリウム(pH4.5)で希釈したBSAをフローセル2に注入してコンジュゲーションを達成し、フローセル1をブランクとする。アミンカップリング反応後、チップ表面上に残存する活性カップリング部位を、1mMエタノールアミン塩酸塩を420秒注入してブロックする。結合実験のためのランニング緩衝液は、HBS-EP(10mM HEPES、500mM NaCl、3mM EDTA、0.05%Tween20、pH5.5)であり、25℃で実施する。バリアントの上清をチップ表面に注入し、固定したBSAにSASAタグを介して60秒かけて捕捉させる。家畜動物/種のFcRnを200nMで120秒間注入し、解離をランニング緩衝液で120秒間行う。BSAの固定化フェーズの流量は、10μl/分であり、会合及び解離フェーズの流量は、30μl/分である。データは全て、Biacore 8K評価ソフトウェアバージョン1.1を使用して処理する。その結果は、試験したIgGのFcバリアントが、同じ家畜動物/種の野生型IgGのFcと比較した場合、pH6.0において、対応する家畜動物/種のFcRnに対して増加した結合親和性を有することを示すであろう。
実施例2:IgG Fcのスキャニング変異導入
ファージディスプレイライブラリーアプローチを使用して、pH6.0において、同じ家畜動物または種のFcRnに対して増加した親和性を有するIgG1 Fcバリアントを同定する。アミノ酸変異(置換)を1つ以上の位置に有する複数のバリアントを生成するために、IgGのFc(配列番号1~27のCH2+CH3ドメインを含む)をTwist Bioscienceによって合成する。変異させる位置のそれぞれに、8つの可能なアミノ酸の置換を行う。これらのアミノ酸は、アルギニン及びリシン(正電荷側鎖)、アスパラギン酸及びグルタミン酸(負電荷側鎖)、トレオニン及びグルタミン(極性非電荷側鎖)、ならびにロイシン及びバリン(疎水性側鎖)である。Fc分子ごとに平均2つのバリアントを有するようにFc DNAライブラリーを設計する。修飾の組み合わせ数は、式:nCr=n!/r!*(n-r)!(式中、nは、部位数を表し、rは、分子あたりのバリアント数を表す)を使用して算出することができる。所望の部位特異的変異を含むFcバリアントを、変異原性オリゴヌクレオチドとしてTwistのシリコンベースプラットフォームでプリントする。
次いで、アセンブリPCRを使用して、オリゴヌクレオチドを連結し、全長Fc遺伝子断片プールを生成する。次いで、連結したFc遺伝子断片プールを、Antibody Design Labs社のpADL-22cファージミドベクターのSfi切断部位にクローニングする。クローニングしたDNAライブラリーをTG1 E.coliエレクトロコンピテントセルに形質転換し、典型的に>1010バリアントの実験的多様性を創出する。次いで、ファージミドで形質転換したE.coli細胞をM13K07ヘルパーファージとコトランスフェクトして、タンパク質に基づくパニングに使用するファージプールを作製する。ライブラリーを20mM MES緩衝液(pH6.0)、0.05%Tween20及び3%ミルク中に再懸濁する。
ライブラリーの品質は、96個のランダムファージクローンを選択することによって決定し、サンガー法によって配列決定を行う。
最初のファージ選択では、プロテインA結合を失ったあらゆるFcバリアントを除去するために、プロテインA捕捉ステップを使用する。この選択のために、ファージライブラリーをプロテインAビーズ上に捕捉し、PBS(pH7.4)で洗浄する。ファージを0.1Mグリシン(pH2.7)で溶出し、pHを1M Tris-HCl(pH7.5)で直ちに中和する。中和したファージをポリエチレングリコール/NaClで沈殿させ、遠心分離にかける。ペレット化したファージを20mM MES(pH6.0)、0.05%Tween20、3%ミルク中に再懸濁する。
次のファージ選択は、Borrok et al.,2015,J Biol.Chem.,290:4282(その内容は、その全体が参照により本明細書に援用される)に記載されているプロトコルに基づく。簡潔に述べると、Nunc 96マルチウェルプレートをニュートロアビジンでコーティングし、次いで、5%ウシ血清アルブミンPBS(pH7.4)でブロッキングする。標的家畜動物または種のビオチン化したFcRnをPBS(pH6.0)中、約0.30μg/mlの濃度でウェルに固定する。PBS(pH6.0)中のファージライブラリーを、固定化したFcRnとインキュベートし、次いで、PBS(pH6.0)、0.05%Tween20、0.3M NaClで洗浄する。PBS(pH7.4)を用いてファージを37℃で30分間インキュベートすることによって溶出する。溶出したファージを、pH7.4で、約0.30μg/mlの同じ家畜動物または種のFcRnで枯渇させる。結合していないファージをTG1細胞中で増殖させる。
次いで、Illumina MiSeqを使用する次世代シーケンシングによって、クローンの配列決定を行う。
ユニークなバリアントをIgGに再フォーマットし、ミニプレッププラスミドDNAを、ExpiFectamine293トランスフェクション試薬を用いて、Expi293細胞にトランスフェクトすることができる。次いで、馴化培地からIgバリアントをプロテインAクロマトグラフィーで精製し、43mMクエン酸ナトリウム、130mM炭酸水素ナトリウム、pH6.0に調整することができる。
対応する家畜動物/種のFcRnに対するIgGバリアントの親和性を決定するために、Carterra機器を使用して結合カイネティクスを決定することができる。このアプローチでは、抗体(約5μg/ml)を、典型的には、EDC/NHS活性化、続くエタノールアミンHClでのクエンチによって、HC30Mセンサーチップにアミンカップリングさせる。
異なる濃度(333nM、111nM、37nM、12.3nM、4.1nM、1.37nM、0.45nM)のFcRnを、HBSTE(10mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%Tween-20)、0.5%ウシ血清アルブミン、pH6.0中でセンサーチップ上に流して、pH6.0におけるカイネティクスを決定する。HBSTE緩衝液のpHを7.4に調整する以外はこれと同じ戦略を使用して、pH7.4におけるFcRnへの結合カイネティクスを決定することができる。
同じ家畜動物/種の対応するFcRNに対するIgG Fcバリアントの結合を増加させるアミノ酸置換の一覧を以下の表6に提供する:
実施例3:IgG FcバリアントのFcRnに対する結合カイネティクス
ブタ、ヒツジ、ウシ及びウマIgGについて、Fcバリアントのセットを発現させ、精製した。各IgGの重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、Gearing et al.(2016,J Vet Intern Med,30:1129)によって先に記載されている。様々な種のIgGに使用した重鎖及び軽鎖定常ドメインは、以下の通りであった:ブタの場合、IgG1a(Genbank AAA52219.1配列番号1)及びブタカッパ鎖(Genbank AHB17990.1)であり、ヒツジの場合、IgG1(Genbank X69797、配列番号22)及びヒツジカッパ鎖(Genbank AU45094.1)であり、ウシの場合、IgG1(Genbank ABE68619.1、配列番号12)及びウシカッパ鎖(Genbank AEM45004.1)であり、ウマの場合、IgG1(Genbank CAC44760.1、配列番号15)及びウマカッパ鎖(Genbank CAA53284.1)であった。各種のFcにおいて、位置252、286、309、311、426、428、434、及び436におけるバリアントを作製した(図1)(EUナンバリング)。各バリアント及び野生型について合成したDNAをpcDNA3.4発現ベクター(Life Technologies)にサブクローニングし、HEK293細胞で発現させた。各バリアント及び野生型の馴化培地を表7に示される樹脂で精製し、精製した抗体をPBS(pH7.2)で調整した。樹脂は、EMD Milliporeから購入したRoboColumn Eshmuno A以外は全て、Cytivaから入手した。
抗体の純度は、クマシーブルーで染色したSDS/PAGEゲルのスキャニングデンシトメトリーによって決定したところ、それぞれ>90%であった(図2A~2J、3A~3J、4A~4J、5A~5J)。
FcRn複合体は、大サブユニットp51及びβ-2-ミクログロブリンから構成される。Aviタグ配列(配列番号28、GLNDIFEAQKIEWHE)及び8X Hisタグを大サブユニットp51の細胞外ドメインのC末端(ブタ:Genbank E9LK24;ヒツジ:Genbank Q8HZV2;ウシ:Genbank AAF60956.1;ウマ:Genbank XP_023505908.1)に融合し、pcDNA3.4発現ベクター(Life Technologies)にサブクローニングした。Flagタグ(配列番号29、DYKDDDDK)をβ-2-ミクログロブリンのC末端(ブタ:Genbank L13854.1;ヒツジ:Genbank AY549962.1;ウシ:Genbank X69084.1;ウマ:Genbank X69083.1)に融合し、pcDNA3.4発現ベクターにサブクローニングした。それぞれの種について、大サブユニットp51発現ベクターをβ-2-ミクログロブリンとともにHEK293細胞にコトランスフェクトした。FcRn複合体を、HisTrapファーストフロークロマトグラフィー(Cytiva)を使用して馴化培地から精製し、次いで、タンパク質をPBS、pH7.2に調整した。タンパク質を、SDS/PAGE及びTSKgel G3000SWxlカラムを使用する分析的SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)によって解析した。タンパク質の純度は、SDS/PAGEによれば、>95%であり、FcRn複合体の>95%は、分析的SECによれば、大サブユニットp51とβ-2-ミクログロブリンのヘテロ二量体であった。
FcRn結合実験は、Biacore 8K+システムで25℃で実施した。Hisタグに対するポリクローナル抗体を、His Capture Kit(Cytiva、Cat28995056)を製造元の説明書に従って使用して、CM5バイオセンサーチップにカップリングした。様々な種のHisタグ付FcRnを抗Hisポリクローナルバイオセンサーチップ上におよそ100RUが捕捉されるまで10μl/分で流した。ブタ、ウシ、ウマ及びヒツジFcRnタンパク質のバイオセンサーチップでは、様々なブタ、ヒツジ、ウシ及びウマのIgGバリアント及び野生型がアナライトであった。5つの濃度のIgGを30μl/分で90秒間注入し、30秒の解離時間とした。各種の野生型IgGについて、IgGの濃度は、6.2nM、18nM、55nM、167nM、及び500nMであった。各種のバリアントIgGについて、IgGの濃度は、1.2nM、3.7nM、11nM、33nM、及び100nMであった。ランニング緩衝液は、pH5.9に調節した1X PBS-P+(Cytiva、Cat#28995084)であった。表面は、10mMグリシン(pH1.5)で30μl/分で30秒間、再生した。Insight Evaluation Softwareを使用し、1:1カイネティクス相互作用モデルへのフィッティングまたは定常状態の親和性へのフィッティングによって、データを評価した。
ブタIgGバリアント及び野生型に関するカイネティクス結合データを表8に示し、結合データのセンサーグラムを図6A~6Jに示す。
ヒツジIgGバリアント及び野生型に関するカイネティクス結合データを表9に示し、結合データのセンサーグラムを図7A~7Jに示す。
ウシIgGバリアント及び野生型に関するカイネティクス結合データを表10に示し、結合データのセンサーグラムを図8A~8Jに示す。
ウマIgGバリアント及び野生型に関するカイネティクス結合データを表11に示し、結合データのセンサーグラムを図9A~9Jに示す。
表12は、野生型Fcと比較した、各Fcバリアントの倍数増加の種間比較を示す。
他の実施形態
本発明について、その詳細な説明とともに記載してきたが、前述の説明は、本発明の範囲を例示するものであり、これを限定する意図はなく、本発明は、添付する特許請求の範囲によって定義される。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲内である。

Claims (38)

  1. 家畜動物のIgGのFc領域バリアントまたはそのFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q、T250E、I250Q、I250E、A250Q、A250E、V250Q及びV250Eからなる群から選択される、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W、T252F、K252Y、K252W及びK252Fからなる群から選択される、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、M256A、M256D、M256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS286Y、S286F、S286W、S286L、S286D、S286E、T286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、E311V、E311K、E311R、E311L、E311H、K311V、K311R、K311L、K311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、前記位置;
    (viii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F、V426H、G426Y、G426F及びG426Hからなる群から選択される、前記位置;
    (ix)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428L、M428Y、M428F、H428L、H428Y及びH428Fからなる群から選択される、前記位置;
    (x)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、前記位置;ならびに
    (xi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436H、T436H、F436H及びV436Hからなる群から選択される、前記位置
    に含み、
    ここで、前記アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、前記ポリペプチドは、前記野生型IgGのFcドメインと比較した場合、前記家畜動物のFcRnに対する結合親和性が増加している、前記ポリペプチド。
  2. 前記家畜動物がブタである、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT250Q、T250E、I250Q及びI250Eからなる群から選択される、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Y、M252W及びM252Fからなる群から選択される、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K及びS254Hからなる群から選択される、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、E311V、E311K、E311R、E311L及びE311Hからなる群から選択される、前記位置;
    (viii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、前記位置;
    (ix)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428L、M428Y、M428F、H428L、H428Y及びH428Fからなる群から選択される、前記位置;
    (x)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、前記位置;ならびに
    (xi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436H及びT436Hからなる群から選択される、前記位置
    に含む、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Yである、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT286Eである、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309DまたはQ309Vである、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311Vである、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はA426Yである、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428Yである、前記位置;及び
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、前記位置
    に含む、請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 前記野生型IgGのFcが、配列番号1~11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ブタIgGのFcである、請求項2~4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  6. 前記家畜動物がウシである、請求項1に記載のポリペプチド。
  7. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT250Q及びT250Eからなる群から選択される、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L及びQ311Hからなる群から選択される、前記位置;
    (viii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、前記位置;
    (ix)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、前記位置;ならびに
    (x)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436Hである、前記位置
    に含む、請求項6に記載のポリペプチド。
  8. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT252Yである、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309Vである、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311Vである、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、前記位置;及び
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436Hからなる群から選択される、前記位置
    に含む、請求項7に記載のポリペプチド。
  9. 前記野生型IgGのFcが、配列番号12~14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ウシIgGのFcである、請求項6~8のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  10. 前記家畜動物がウマである、請求項1に記載のポリペプチド。
  11. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT250Q、T250E、A250Q、A250E、V250Q及びV250Eからなる群から選択される、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、K252Y、K252W及びK252Fからなる群から選択される、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254T、S254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、M256A、M256D、M256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS286Y、S286F、S286W、S286L、S286D、S286E、T286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、K311V、K311R、K311L及びK311Hからなる群から選択される、前記位置;
    (viii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F、V426H、G426Y、G426F及びG426Hからなる群から選択される、前記位置;
    (ix)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、前記位置;
    (x)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W、N434Y、H434A、H434F、H434S、H434W及びH434Yからなる群から選択される、前記位置;ならびに
    (xi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436H、F436H及びV436Hからなる群から選択される、前記位置
    に含む、請求項10に記載のポリペプチド。
  12. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Yである、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT286Eである、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309Vである、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311Vである、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はG426Yである、前記位置;及び
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、前記位置
    に含む、請求項11に記載のポリペプチド。
  13. 前記野生型IgGのFcが、配列番号15~21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ウマIgGのFcである、請求項10~12のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  14. 前記家畜動物がヒツジである、請求項1に記載のポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q及びT250Eからなる群から選択される、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT256A、T256D及びT256Eからなる群から選択される、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、前記位置;
    (viii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はV426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、前記位置;
    (ix)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、前記位置;
    (x)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、前記位置;ならびに
    (xi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436Hである、前記位置
    に含む、請求項14に記載のポリペプチド。
  16. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT252Yである、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309Vである、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311Vである、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428Yからなる群から選択される、前記位置;及び
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434Yからなる群から選択される、前記位置
    に含む、請求項15に記載のポリペプチド。
  17. 前記野生型IgGのFcが、配列番号22~24からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ヒツジIgGのFcである、請求項14~16のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  18. 前記家畜動物がヤギである、請求項1に記載のポリペプチド。
  19. 前記ポリペプチドが、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
    (i)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置250に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS250Q、S250E、T250Q及びT250Eからなる群から選択される、前記位置;
    (ii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM252Y、M252W、M252F、T252Y、T252W及びT252Fからなる群から選択される、前記位置;
    (iii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254R、S254K、S254H、T254R、T254K及びT254Hからなる群から選択される、前記位置;
    (iv)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置256に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT256A、T256D、T256E、K256A、K256D及びK256Eからなる群から選択される、前記位置;
    (v)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置286に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はT286Y、T286F、T286W、T286L、T286D及びT286Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ309V、Q309D及びQ309Eからなる群から選択される、前記位置;
    (vii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311V、Q311K、Q311R、Q311L、Q311H、K311V、K311R、K311L、K311H、D311V、D311K、D311R、D311L及びD311Hからなる群から選択される、前記位置;
    (viii)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置426に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はA426Y、A426F、A426H、V426Y、V426F及びV426Hからなる群から選択される、前記位置;
    (ix)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はM428L、M428Y及びM428Fからなる群から選択される、前記位置;
    (x)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置434に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はN434A、N434H、N434F、N434S、N434W及びN434Yからなる群から選択される、前記位置;ならびに
    (xi)前記家畜動物の野生型IgGのアミノ酸位置436に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はY436Hである、前記位置
    に含む、請求項18に記載のポリペプチド。
  20. 前記野生型IgGのFcが、配列番号25~27からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ヤギIgGのFcである、請求項18または請求項19に記載のポリペプチド。
  21. 前記ポリペプチドが、前記少なくとも1つのアミノ酸置換のうちの2つ以上を含み、前記2つ以上のアミノ酸置換は、異なる位置にあり、前記ポリペプチドは、(a)前記家畜動物の前記野生型IgGのFcドメイン、及び(b)前記2つ以上のアミノ酸置換のうちの1つのみを含むポリペプチドと比較した場合、前記家畜動物のFcRnに対する結合親和性が増加している、請求項1~20のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  22. 結合ドメインを更に含む、請求項1~21のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  23. 前記結合ドメインが、(i)免疫グロブリン分子の6つの相補性決定領域(CDR);(ii)前記家畜動物の受容体タンパク質のリガンド結合ドメイン、(iii)ナノボディ、または(iv)前記家畜動物の受容体タンパク質の細胞外ドメインを含む、請求項22に記載のポリペプチド。
  24. 前記結合ドメインが、NGF、TrKA、ADAMTS、IL-1、IL-2、IL-4、IL-4R、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、IL-5、IL-12、IL-13、IL-31、IL-33、CD3、CD20、CD47、CD52、及び補体系複合体からなる群から選択される抗原に特異的に結合する、請求項22または請求項23に記載のポリペプチド。
  25. EPO、CTLA4、LFA3、VEGFR1/VEGFR3、IL-1R、IL-4R、GLP-1受容体アゴニスト、及びトロンボポエチン結合ペプチドからなる群から選択されるタンパク質を更に含む、請求項1~24のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  26. 前記ポリペプチドが、中性pHよりも酸性pHでより高いレベルで前記家畜動物のFcRnに結合する、請求項1~25のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  27. 前記ポリペプチドが、pH7.4よりもpH5.5でより高いレベルで前記家畜動物のFcRnに結合する、請求項26に記載のポリペプチド。
  28. 前記ポリペプチドが、pH7.4よりもpH6.0でより高いレベルで前記家畜動物のFcRnに結合する、請求項26に記載のポリペプチド。
  29. (i)請求項1~28のいずれか1項に記載のポリペプチドと、(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  30. 請求項1~28のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸。
  31. 請求項30に記載の1つまたは複数の核酸を含む、1つまたは複数の発現ベクター。
  32. 請求項30に記載の1つもしくは複数の核酸または請求項31に記載の1つもしくは複数の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  33. ポリペプチドを作製する方法であって、
    (a)請求項30に記載の1つまたは複数の核酸を提供すること;
    (b)宿主細胞培養物中で前記1つまたは複数の核酸を発現させ、それにより、前記ポリペプチドを産生すること;及び
    (c)(b)で産生された前記ポリペプチドを前記宿主細胞培養物から回収すること
    を含む、前記方法。
  34. 前記ポリペプチドを医薬製剤として製剤化することを更に含む、請求項33に記載の方法。
  35. 家畜動物の疾患または障害を治療することを、それを必要とする家畜動物に行う方法であって、請求項29に記載の医薬組成物を含む組成物の有効量を前記家畜動物に投与することを含む、前記方法。
  36. 家畜動物の疾患または障害を予防することを、それを必要とする家畜動物に行う方法であって、請求項29に記載の医薬組成物を含む組成物の有効量を前記家畜動物に投与することを含む、前記方法。
  37. 前記疾患または前記障害が、アレルギー、慢性疼痛、急性疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、心血管疾患、腎臓疾患、生殖機能関連障害、感染症またはがんである、請求項35または請求項36に記載の方法。
  38. 前記疾患または前記障害が、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、骨関節炎痛、関節炎、貧血、または肥満である、請求項35または請求項36に記載の方法。
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