JP2023552307A - 慢性関節リウマチ患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び治療応答を予測するためのバイオマーカー - Google Patents

慢性関節リウマチ患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び治療応答を予測するためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

関節リウマチ患者から抽出された試料からのアダリムマブ5への免疫原性及び/又は治療応答を、バイオマーカーの存在について試料を検定することにより予測するための方法であって、バイオマーカーが、SSB、TROVE2及びZHX2を含む抗原に対する自己抗体である、方法。

Description

本発明は、関節リウマチ(RA)を有する患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び治療応答を予測するための免疫学的バイオマーカー、特に自己抗体、の検出に関する。
慢性炎症性関節疾患である関節リウマチ(RA)は、持続性滑膜炎、軟骨退化、及び骨浸食を特徴とし[1]、腫瘍壊死因子(TNF)-αは、RA関連滑膜炎及び関節障害の極めて重要な炎症性メディエーターである[2]。RA発病機序におけるTNF-αの役割の重要性は、このサイトカインを標的とする生物製剤の有効性により支持される[2~4]が、一部の患者ではその有効性が経時的に減少する(二次無効)[5]。累積証拠は、一定の患者における抗薬物抗体(ADAb)の存在が、低い又は検出不能な薬物レベルに関連し得、確実にTNF-αへの治療応答性を低下させることになり得ることを示す[6~10]。そのようなADAb応答は、個々の患者において誘発される所与の生物学的製剤の差異のある免疫原性を反映し、その結果として、一部の患者では生物学的製剤に対する中和抗体応答が生じることになり、他の患者ではそうならない。個々のRA患者がTNF-α阻害剤への治療応答性を示すことになるのか否かについてのそのような不確実性[11]に直面して、個別化及び精密治療を最適化することを願う医師は、それ故、ADAbの出現及び抗TNF-α生物製剤の有効性を予測することができるバイオマーカーを見出そうと躍起になっている。
特定の処置を受けているRA患者における治療応答のモニタリングに有用であり得る新規バイオマーカーの同定へのプロテオミクス研究の応用が増えてきている[12~14]。しかし、抗TNF-α療法を受けているRA患者においてADAbの発生を予測することができる循環バイオマーカーについて、現在は限られた知識しかない。
本明細書に記載の自己抗体バイオマーカーは、抗原に対する自己抗体であり、自己抗体は、個体自身のタンパク質(「自己」抗原)のうちの1つ又は複数に対して個体により産生される抗体である。
欧州特許第1470229号
したがって、本発明の目的は、商標名HUMIRA(登録商標)で販売されており、自己免疫疾患、例えば、RA、クローン病及び乾癬、の処置に使用されることが多い、広く使用されているTNF-α阻害剤である、アダリムマブでの処置の前に、個々のRA患者におけるアダリムマブの免疫原性及びアダリムマブへの治療応答を予測することができる、自己抗体バイオマーカーの新規パネルを提供することである。
本発明の一態様では、関節リウマチ患者から抽出された試料からのアダリムマブへの応答を、患者をアダリムマブで処置する前に予測するための方法であって、前記応答が、抗薬物抗体陰性に対応する良好な応答、又は抗薬物抗体陽性に対応する不良な応答として分類されることになる方法であり、
(i)試料を自己抗体バイオマーカーの存在について検定する工程、及び
(ii)患者がアダリムマブでの処置への良好な応答を生じさせるのか又は悪い応答を生じさせるのかを、前記自己抗体バイオマーカーの検出に基づいて判定する工程
を含む方法において、
自己抗体バイオマーカーが、SSB、TROVE2及びZHX2を含む抗原に対する自己抗体であり、ZHX2が、良好な応答と関連付けられ、SSB及びTROVE2が、不良な応答に関連付けられることを特徴とする、
方法が、提供される。
有利には、自己抗体バイオマーカーは、個々の関節リウマチ(RA)患者におけるアダリムマブの免疫原性及びアダリムマブへの治療応答をベースラインで(すなわち、アダリムマブで患者を処置する前に)予測するために使用され得る。
一実施形態では、試料は、自己抗体バイオマーカーに応答する抗原のパネルを使用して検定される。典型的には、抗原は、ビオチン化タンパク質である。有利には、ビオチン化は、自己抗体バイオマーカーによる検出の精度を確実にするために抗原がそれらの正しい形態でフォールディングされることを確実にする。
一実施形態では、抗原は、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPを含む群からの1つ又は複数の追加の抗原を含み得る。
全てのヒト抗原が自己抗体応答を生じさせるとは限らないこと、及びどのヒト抗原が、所与の患者コホートにおいてそうすることになるのかを事前に予測することが不可能であることに留意されたい - 検定された1622の抗原のうち、上記の21の抗原に対する自己抗体のみが、ベースラインでのRA患者におけるアダリムマブの免疫原性及びアダリムマブへの治療応答の予測においてバイオマーカーとして好適である。
一実施形態では、各ビオチン化タンパク質は、タンパク質とインフレームで融合されているビオチンカルボキシルキャリアータンパク質フォールディングマーカー(BCCP)から形成される。
一実施形態では、ビオチン化タンパク質は、ストレプトアビジンコート基板に結合されている。
有利には、完全長タンパク質は、融合パートナーが正しくフォールディングされている場合に、それ自体がin vivoでビオチン化されるBCCPフォールディングマーカーとの融合体として発現される。比較して、ミスフォールディングされた融合タンパク質は、BCCPを「アポ」(すなわち、非ビオチン化)形態のままにさせ、その結果、そのタンパク質は、ストレプトアビジン基板に結合することができない。したがって、正しくフォールディングされた融合タンパク質のみが、BCCPタグに付加されたビオチン化部分を介してストレプトアビジン基板に結合される。
一実施形態では、基板は、スライドガラス、バイオチップ、ストリップ、スライド、ビーズ、マイクロタイタープレートウェル、表面プラズモン共鳴支持体、マイクロ流体デバイス、薄膜ポリマー基層、ヒドロゲル形成ポリマー基層、又は抗体-抗原結合の検出に好適な任意の他のデバイス若しくは技術を含む。
一実施形態では、基板は、人物から抽出された試料に曝露され、その結果、試料からの自己抗体バイオマーカーが抗原に結合し得る。
典型的には、試料は、エキソソーム、血液、血清、血漿、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、母乳、精液若しくは胆汁のいずれか又はこれらの任意の組合せを含む。
典型的には、試料は、アダリムマブの初回用量の投与の前にベースラインで収集される。
一実施形態では、試料への曝露後、基板は、パネル上の抗原に結合した試料からの任意の自己抗体の量を決定することを可能にするために蛍光タグ付き二次抗体に曝露される。典型的には、二次抗体は、抗ヒトIgGであるが、他の二次抗体、例えば、抗IgM、抗IgG1、抗IgG2、抗IgG3、抗IgG4又は抗IgAが、使用される可能性があることは理解されるであろう。
一実施形態では、アダリムマブでの処置への患者の応答(すなわち、RA患者におけるベースラインでのアダリムマブへの免疫原性及び/又は治療応答結果)は、抗原に特異的に結合するベースライン試料からの自己抗体の相対又は絶対量に対応する。
一実施形態では、方法は、in vitroで行われる。
本発明の更なる態様では、関節リウマチ患者から抽出された試料からのアダリムマブへの応答を、患者をアダリムマブで処置する前に予測するためのキットを製造するための方法であって、
パネル内の抗原ごとに、抗原をコードする遺伝子とインフレームでビオチンカルボキシルキャリアータンパク質フォールディングマーカーをクローニングし、得られたビオチン化抗原を発現させる工程、
ビオチン化抗原を、1つ又は複数のストレプトアビジンコート基板上のアドレス可能な位置に結合させることによって抗原アレイを形成する工程
を含み、
したがって、パネル上の前記抗原に結合する試料からの自己抗体の量が、基板を試料に曝露すること並びに免疫原性及び応答を測定することにより決定され得る方法において、
抗原が、SSB、TROVE2及びZHX2を含むことを特徴とする、
方法が提供される。
一実施形態では、抗原は、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPのうちの1つ又は複数を更に含む。
本発明の更なる態様では、本明細書に記載の抗原のパネルを含む組成物を、人物から抽出された試料に曝露すること、及び抗原に結合する試料からの自己抗体のレベルを決定することにより、RA患者におけるベースラインでのアダリムマブの免疫原性及びアダリムマブへの治療応答を予測するための方法が、提供される。
本発明のなお更なる態様では、本明細書に記載の抗原のパネルを含む組成物を、人物から抽出された試料にin vitroで曝露すること、及び抗原に結合する試料からの自己抗体のレベルを決定することにより、RA患者におけるベースラインでのアダリムマブの免疫原性及びアダリムマブへの治療応答を予測するための方法が、提供される。
本発明の更なる態様では、過去にアダリムマブでの処置を受けたことがない関節リウマチ患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び/又は治療応答を予測するための抗原のパネルを含む組成物において、抗原がSSB、TROVE2及びZHX2を含むことを特徴とする、組成物が提供される。
一実施形態では、抗原は、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPのうちの1つ又は複数を更に含む。
一実施形態では、抗原は、ビオチン化タンパク質である。
一実施形態では、患者からの試料における抗原にin vitroで結合する1つ又は複数の自己抗体バイオマーカーの量は、ベースラインでのRA患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び治療応答結果を判定するために測定され得る。
本発明のなお更なる態様では、過去にアダリムマブでの処置を受けたことがない関節リウマチ患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び/又は治療応答を予測するための自己抗体バイオマーカーのパネルを含む組成物であって、自己抗体バイオマーカーのレベルが、患者から収集された試料において測定される組成物において、
自己抗体バイオマーカーがSSB、TROVE2及びZHX2を含む抗原に特異的であることを特徴とする、
組成物が提供される。
本発明の可能な構成を例示する添付の図面に関して本発明を更に説明するのが適便であろう。本発明の他の構成が可能であり、それ故に、添付の図面の詳細が本発明の前述の説明の一般概念に優先すると解釈すべきでない。
大腸菌(E. coli)ビオチンカルボキシルキャリアータンパク質ドメインの構造を例示する。 ベクターとして使用されるpPRO9プラスミドを例示する。 ベースラインでのADAb陽性(群A)RA患者とADAb陰性(群B)RA患者間の21全てのバイオマーカーについての正規化RFU (すなわち、自己抗体応答)の分布を例示する。 ベースラインで収集されたADAb陽性RA患者(群A)とADAb陰性RA患者(群B)間の21全てのバイオマーカー(SSB、TROVE2、ZHX2、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPP)についての、0.835の曲線下面積(AUC)を有する受信者動作曲線(ROC)として表される、識別性能を例示する。 本研究において同定された21のバイオマーカーの各々についての変数重要度を例示する。 ベースラインで収集されたADAb陽性RA患者(群A)とADAb陰性RA患者(群B)間のコアバイオマーカー(SSB、TROVE2及びZHX2)についての、0.761の曲線下面積(AUC)を有する受信者動作曲線(ROC)として表される、識別性能を例示する。
本発明は、上記の及び欧州特許第1470229号に記載されているような、目的のタンパク質をコードする遺伝子とインフレームでクローニングされるビオチンカルボキシルキャリアータンパク質(BCCP)フォールディングマーカーを利用する。大腸菌BCCPドメインの構造は、N末端及びC末端と、in vivoでビオチンリガーゼによりリシン-122に結合される単一ビオチン部分とを示す、残基77~156が描かれている(座標ファイル1bdo)、図1で例示される。
BCCPは、タンパク質フォールディングマーカーとしてばかりでなく、タンパク質溶解度向上剤としても作用する。BCCPは、目的のタンパク質のN末端又はC末端のどちらかに融合され得る。完全長タンパク質は、in vivoでビオチン化されるBCCPフォールディングマーカーとの融合体として発現されるが、融合パートナーが正しくフォールディングされている場合にしか発現されない。逆に言うと、ミスフォールディングされたタンパク質は、BCCPをミスフォールディングに至らせ、その結果、BCCPは、宿主ビオチンリガーゼによりビオチン化され得ない。それ故、ミスフォールディングされたタンパク質は、ストレプトアビジンコート固体支持体に特異的に結合することができない。したがって、正しくフォールディングされたタンパク質のみが、BCCPタグを介して固体支持体に結合される。
支持体の表面化学は、注意深く設計され、三次元薄膜ヒドロゲル層(ポリエチレングリコール; PEG)を使用し得、この層によって、タンパク質スポット形態が保持され、アレイにわたって一貫したスポットサイズが確保される。PEG層は、非特異的な高分子吸収を阻害し、それ故、他のプラットフォームを使用して観察される高いバックグラウンドを低減させる。したがって、選択されたバイオマーカーを固定化するために使用される固体支持体は、卓越したシグナル対ノイズ比及び低い検出限界(改善された感度につながる)を提供する。加えて、PEGヒドロゲル層は、固定化後の整列したタンパク質及びタンパク質複合体のフォールディングされた構造及び機能性の保存を支援する。
抗体結合アッセイ(「イムノアッセイ」)中の固定化抗原の正しくフォールディングされた構造の保持は、特に有利である。なぜなら、ヒト抗体は、タンパク質表面の不連続な溶媒露出エピトープを特異的に認識し、それに特異的に結合することが一般に公知であり、更に、フォールディングされていないタンパク質の露出している疎水性表面に非特異的に結合することも公知であるからである。例えば、フォールディングされていないタンパク質のアレイを用いて行われる血清学的アッセイは、概して、そのような非特異的な結合事象(生物学的関連性がない)に起因して多くの偽陽性結果を生じさせるが、同時に、生物学的関連性のある不連続なエピトープの非存在に起因して多くの偽陰性結果も生じさせる。対照的に、フォールディングされた抗原のアレイを用いて行われる血清学的アッセイは、高い非特異的結合率によって不明瞭にされない生物学的に有意義な抗体-抗原相互作用の検出をもたらす。
ストレプトアビジンコート表面に結合したビオチン化タンパク質は、殆ど解離を示さないので、その結果として、この相互作用は、制御された配向で平面にタンパク質を繋留するための優れた手段を提供し、それ故、タンパク質アレイ、SPR及びビーズベースのアッセイ等の応用に理想的である。コンパクトな、フォールディングされた、80残基のドメインであるBCCPの使用は、例えば、AviTag、及びインテインに基づくタグに勝る、2つの有意な利点をもたらす。第1に、BCCPドメインは、ビオチンリガーゼにより交差認識され、それによって、大腸菌ビオチンリガーゼを共発現する必要なく酵母、昆虫及び哺乳動物細胞においてそのドメインが効率的にビオチン化されることが可能になる。第2に、BCCPのN末端及びC末端は、ビオチン化部位から50Å、物理的に離れており(図1に示されている通り)、そのためBCCPドメインは、固体支持体表面から離れて組換えタンパク質を提示する、かくて固定化に起因する有害効果を最小限に抑える、ストークであると考えられ得る。
BCCPの追加によって、in vivoビオチン化の程度を測定することにより融合タンパク質フォールディングをモニターすることが可能になる。これは、SDS-PAGE、又はin situコロニー溶解及び試料の膜への転写、続いて、ストレプトアビジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ等のストレプトアビジンコンジュゲートを使用するビオチン化タンパク質の検出を使用する、標準的なブロッティング手順により測定され得る。加えて、BCCPドメインがin vivoでビオチン化されることは、タンパク質アレイの作製のためにタンパク質精製を多重化する場合に特に有用である。タンパク質が、ストレプトアビジン表面により示される高い親和性及び特異性によって、単一の工程で同時にタンパク質溶解物から精製され且つ固定化され得るからである。
材料及び方法
遺伝子合成及びクローニング。pPRO9プラスミド(下の図2を参照されたい)を、標準的な技法により構築した。このプラスミドは、多重クローニング部位の前にc-mycタグ及びBCCPタンパク質ドメインをコードする遺伝子エレメントからなる。個々のヒト抗原をコードする合成遺伝子を合成オリゴヌクレオチドから組み立て、SpeI及びNcoIクローニング部位を使用して、得られる各クローン「トランスファーベクター」が、BCCPタグに融合された特定のヒト抗原を含むインフレーム融合タンパク質をコードするように、pPRO9にクローニングした。プラスミドDNAを形質転換菌から精製し、DNAシークエンシングにより検証した。合成遺伝子領域内の必要配列一致率は、100%であった。
組換えバキュロウイルスを、ウイルスポリへドリンプロモーターを有する複製欠損性バクミドベクター、及び特定の抗原の特定のコード配列を有するトランスファーベクターによる、Sf9細胞(親ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)細胞株IPLB-Sf-21-AEに由来するクローン分離株)のコトランスフェクションによって生成した。Sf9細胞内でのトランスファーベクターとバクミド間の相同組換により、結果として、BCCPタグに融合された特異的抗原をコードする複製可能バキュロウイルスベクターが形成された。Sf9細胞内でのトランスファーベクターとバクミド間の相同組換え成功に起因して、トランスフェクトされた細胞は、数日以内の培養物インキュベーションでウイルス細胞変性効果(CPE)の兆候を示した。観察された最も一般的なCPEは、平均細胞サイズの有意な拡大であり、これは、ウイルス子孫増殖の結果であった。次いで、P0として公知のこれらのバキュロウイルスを培養培地に放出し、ウイルス増殖を行って、より高力価のP1ウイルスを生成した。
タンパク質発現。組換え抗原の発現を、24ウェルブロックにおいて1ウェル当たり6x106個のSf9細胞を含有する3ml培養物を使用して行った。組換えバキュロウイルス(>107pfu/ml)の高力価、低継代のウイルスストックを使用して、Sf9昆虫細胞を感染させた。次いで、感染細胞を72時間培養して、それらに目的の組換えタンパク質を産生させた。細胞をPBSで洗浄し、緩衝液に再浮遊させ、必要に応じて直ぐに溶解できるように小分けして-80℃で凍結した。トランスファーベクター構築物、及び抗原自体の性質に依存して、得られた組換えタンパク質溶解物を培養細胞又は培養培地のどちらかから回収することができる。組換えタンパク質の発現を、SDS-PAGEにより確認し、ストレプトアビジン-HRPに基づく検出を使用してウエスタンブロットによっても確認した。この方法論を使用して、合計で1622のヒト抗原をクローニングし、発現させた。
アレイ作製。ヒドロゲルコーティングが施された、ストレプトアビジン誘導体化スライドは、Schott社によりカスタム製造されたものであり、それを、ビオチン化タンパク質がその後プリントされる基板として使用した。合計9ナノリットルの粗タンパク質溶解物を、非接触型ピエゾプリンティング技術を使用して四連でHSスライドにプリントした。7.0~7.5の間のpHを有するプリント緩衝液を使用した。スライドを遠心分離(5分間、200×g)により乾燥させた後、洗浄及びブロッキングを開始した。プリントされたアレイを、リン酸緩衝液中のBSA又はカゼインを含有する溶液(濃度:0.1mg/ml)でブロックした。pHを7.0~7.5の間に調整し、冷溶液を使用した(4℃~20℃)。洗浄と洗浄の間にスライドを乾燥させず、遮光した。合計で、得られた各「Immunomeアレイ」は、四連で各々プリントされた1622の抗原を含んでいた。
実験手順。
1. 研究コホート
研究コホートは、ベースラインで(すなわち、処置投与の前に)RA患者から収集した合計62の血漿及び血清試料を含んでいた。
i. 実験1: 6つのADAb陽性(「不良な応答」)及び6つのADAb陰性(「良好な応答」)
ii. 実験2: 24のADAb陽性(「不良な応答」)及び26のADAb陰性(「良好な応答」)
患者にアダリムマブを40mgの用量で1週間置きに投与した。アダリムマブへの免疫原性及び治療応答を24週目に評価し、後述の治療応答は、EULAR応答基準[15]を使用することにより評価した。EULAR応答者を、良好な及び中等度のEULAR治療応答(「良好な応答」)又は不良なEULAR治療応答(「不良な応答」)を有するRA患者と定義した。
2. 試料収集及び保管
末梢血試料を、初回アダリムマブ投与の直前に収集し(ベースライン試料)、24週目にも収集した。採血から15分以内に10分間、1000gで遠心分離した後、血清及び血漿試料を-70℃で保管した。
3. 試料調製及び希釈
実験のたびに、試料を20℃に設定した振盪インキュベーター内に入れて30分間放置して解凍した。完全に解凍したら、各試料を、3回、激しくボルテックスし、破壊片を3分間、13,000rpmでの遠心分離によりペレット化した。11.25μLの試料を、PBS中の0.1% v/v Triton、0.1% w/v BSAを含有する4.5mLの血清アッセイ緩衝液(SAB)(20℃)にピペットで分注し、3回ボルテックスして混合した。吸引中に管を傾けて、確実に、血清が最上部の液層の下から試料採取されるように、しかしいずれの沈殿物が存在する場合にも管の底に触れないようにした。バッチ記録のマークを付けて、それに基づいて確実に正しい試料が正しい管に加えられるようにした。その後、試料をアッセイの前に無作為化した。
4. バイオマーカーアッセイ
ピンセットを使用して保管緩衝液から各Immunomeアレイを取り出し、200mLの冷SABが入っているスライドボックス及びラック内に配置し、オービタルシェーカー上で、50rpmで、5分間、振盪した。洗浄後、バーコードスキャナーを使用して各スライドをスキャンし、次いで、個々の希釈血清(上記のステップ3)が入っている個々のスライドハイブリダイゼーションチャンバー内にアレイ側を上にして配置した。全てのスライドを、水平シェーカー上で、50rpmで2時間、20℃でインキュベートした。
5. 血清結合後のアレイの洗浄
各Immunomeアレイスライドを、2回、30mLのSABが入っている個々の「Papジャー」の中で、続いて、スライド染色ボックスの中の200mLのSAB緩衝液中で20分間、シェーカー上で、50rpmで、室温ですすいだ。全てのスライドに逐次的に且つ同じ向きで転写した。
6. Cy3-抗ヒトIgGとのインキュベーション
アレイ上の整列した抗原への自己抗体の結合を、製造業者(GE Healthcare社)のプロトコールに従って標識したCy3-ウサギ抗ヒトIgG (Dako Cytomation社)とのインキュベーションにより検出した。2時間、50rpmで、20℃で、SAB緩衝液で1:1000希釈したCy3-ウサギ抗ヒトIgG溶液の混合物を含有するハイブリダイゼーション溶液に、アレイを浸漬した。
7. Cy3-抗ヒトIgGとのインキュベーション後の洗浄
インキュベーション後、スライドを200mLのSAB緩衝液に3回、5分間、50rpmで、室温で浸した。200mLの純水に数分間、スライドを浸漬することにより、過剰な緩衝液を除去した。次いで、室温で240gでの遠心分離により、スライドを2分間、乾燥させた。次いで、スライドを、スキャンするまで室温で保管した。マイクロアレイレーザースキャナー(Agilent社)を10μmの解像度で使用して、550nmの励起及び570nmの発光で蛍光ハイブリダイゼーションシグナルを測定した。
バイオインフォマティック解析。
1. 画像解析: 生データ抽出
画像解析の目的は、探索スポット各々の中の全ピクセルの強度中央値を測定することにより血清試料中に存在する自己抗体の量を評価することである。生.tiff形式画像ファイルを、スライドごとに、すなわち試料ごとに、生成する。アレイ上の各スポットの自動抽出及び定量化は、アレイ上の探索スポットごとに統計値を出力するGenePix Pro 7ソフトウェア(Molecular Devices社)を使用して行う。この統計値は、スポット内のピクセル強度の平均値及び中央値はもちろん、その周囲の局所バックグラウンドエリア内のピクセル強度の平均値及び中央値も含む。画像解析を可能にするために、アレイのGAL(GenePixアレイリスト)ファイルを生成する。このファイルは、アレイ上の全ての探索スポット及びそれらの位置についての情報を含有する。データ抽出後、各スポットについての情報:タンパク質ID、タンパク質名、フォアグラウンド強度、バックグラウンド強度等を含有する、GenePix結果(.GPR)ファイルを、スライドごとに生成する。実験から生成されたデータシートには、各スポットのフォアグラウンド強度とバックグラウンド強度の両方が、相対蛍光単位(RFU)で示される。
2. データ処理及び前処理
スライドごとに、抗原及び対照プローブを各アレイ上に四連でスポッティングする。データ解析を始める前に抗原アレイの品質を検証するために以下のステップを実行した:
ステップ1:
各スポットのフォアグラウンドシグナル強度からバックグラウンドシグナル強度を引くことにより、各スポットの正味の強度を算出する。スポットを中心とする、スポットの直径の3倍の円形領域を使用して、スポットごとにバックグラウンドシグナル強度を算出する。
ステップ2:
正味の強度が≦0であるレプリカスポットを除去する。
ステップ3:
1つのレプリカスポットしか残存しない場合の正味の強度をゼロに設定する。
ステップ4:
各アレイ上のレプリカスポットの変動係数(CV%)を算出する。
2つ以下のレプリカしか残存せず、CV%>20%である、一切のレプリカスポットに、「高CV」というフラグを付ける。そのようなレプリカスポット(すなわち、抗原)の正味の強度平均値を、下流の解析から除外する。
CV%が>20%であり、3つ以上のレプリカスポットが残存する、抗原/対照について、この高CV%をもたらすレプリカスポットをフィルターにかけて除去した。これを、レプリカスポットのセットごとに正味の強度の中央値と個々の正味の強度との標準偏差を算出することにより行った。最高標準偏差を有するスポットを除去した。CV%値を再度算出し、このプロセスを繰り返す。
ステップ5:
残存するレプリカスポットについての正味の強度の平均値を算出する。
ステップ6:
2つの陽性対照:IgG及びCy3-BSAの、シグナル強度を点検する。
ステップ7:
データセットごとに分位数に基づくモジュール及び全強度に基づくモジュールの両方を使用して、複合正規化[16]を行う。この方法は、異なる試料が、それらの中のフラグ付きスポットの潜在的存在を考慮して、それらの対照プローブの共通の基礎となる分布を共有すると仮定する。Immunomeアレイは、スライドにわたってCy3標識ビオチン化BSA(Cy3-BSA)複製物を陽性対照スポットとして使用する。それ故、それは、任意の所与の研究についてのシグナル強度の正規化用の「ハウスキーピング」プローブと見なされる。
分位数モジュールは、Bolstadら、2003[17]により記載されたアルゴリズムを採用する。この再構成によって、Cy3BSA対照プローブのいずれにおいても外れ値又はフラグ付きスポットの検出及び処理が可能になる。次いで、全強度に基づくモジュールを実行して試料ごとにスケーリング係数を得る。このモデルは、正規化後に陽性対照が全試料にわたって共通の全強度を有するはずであると仮定する。この複合法は、標的とした生物学的活性を試料にわたって保存しながら測定のばらつきからのタンパク質アレイデータを正規化することを目的とする。ステップは、以下の通りである:
全試料にわっての全cy3BSAの分位数に基づく正規化
(i =スポット数、及びj=試料数)
1. 全試料、j、にわたっての全Cy3-BSAを、i X j 行列Xにロードする
2. Xの各列jのスポット強度をソートしてXsortを得る
3. Xsortの各行iにわたっての平均値を使って< Xi >を得る
強度に基づく正規化
1. 各行iにわたっての平均値の合計、Σ< Xi >を算出する
2. 各試料、k、について、全Cy3-BSA対照の合計、ΣXk、を算出する
3. 各試料、k、
3. データ解析
バッチ正規化: 2回の実験におけるアッセイからの複合正規化データセットを、ComBat正規化法[18]を使用してマージした。各タンパク質について、この方法は、2つのデータセットからの全試料にわたって正味の強度値を入力し、パラメトリック経験ベイズフレームワークを使用して2つのデータセット間で起こり得る一切のバッチ効果を調整する。
バイオマーカーパネル選択: ADAb陽性患者とADAb陰性患者間の最良の階層化を提供し得る1622の抗原についてのリストから自己抗体応答を惹起する抗原の最適な組合せを決定するために特徴選択方法論と機械学習方法論の組合せを利用するパイプラインを開発した[19]。特徴選択のために、単変量統計検定、ランダムフォレスト重要度及び相互情報メトリックが、バイオマーカーを順位付けするために使用したフィルター法であった。
上位の合計160のバイオマーカー(バイオマーカーの上位10%)までの最上位のバイオマーカーを機械学習モデルへの入力データとして追加的に選択することにより、バイオマーカーパネルを生成した。バイオマーカーの数のいずれの更なる追加もモデル性能の有意な向上につながらなかった。この追加は、計算時間の更なる増加につながるだろう。バイオマーカーパネルの性能を推定するために、ROC、感度及び特異度を評価し、最高の感度及び特異度を有するバイオマーカーパネルを、ADAbステータスを積層化するための最適なパネルと判断した。この解析のために、一個抜き交差検証(LOOCV)で、デフォルト設定下で、ランダムフォレスト[20]を使用して、機械学習モデルを構築した。全ての解析を、Rで利用可能なパッケージを使用して実行した。特徴選択を、ranger[21]パッケージを使用して実行し、全ての機械学習モデルを、caret[22]パッケージを使用して実行した。
Table 1(表1)は、一個抜き交差検証を使用する機械学習モデルからの上位4つの最高性能バイオマーカーパネルを示す。最高の感度及び特異度を有する最低数の抗原を最上位バイオマーカーパネルと判断した。このパネルは、SSB、TROVE2、ZHX2、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPを含む。図3は、ベースラインでのADAb陽性(群A)RA患者とADAb陰性(群B)RA患者間のこれら21の個々のバイオマーカーの各々についての正規化された正味の強度(すなわち、自己抗体応答)の分布を示す。図4は、0.835の曲線下面積(AUC)を生じさせる受信者動作曲線(ROC)として表されている21の自己抗体バイオマーカーの組み合わせられたパネルの識別性能を示す。
各パネルから導出された、ランダムフォレスト推定変数重要度測度[23]に基づいて、バイオマーカーを順位付けした(図5及びTable 2 (表2))。これは、0.761のAUC性能で、SSB、TROVE2及びZHX2を含む上位4つのバイオマーカーパネルにわたって共通しているバイオマーカーのコアセットを、更に同定した(図6)。
[参考文献]
ADAb 抗薬物抗体
AUC 曲線下面積
BCCP ビオチンカルボキシルキャリアータンパク質
CPE 細胞変性効果
CV 変動係数
Cy3-BSA Cy3標識ビオチン化BSA
GAL GenePixアレイリスト
LOOCV 一個抜き交差検証
PEG ポリエチレングリコール
RFU 相対蛍光単位
RA 関節リウマチ
ROC 受信者動作曲線
SAB 血清アッセイ緩衝液
TNF 腫瘍壊死因子
.GPR GenePix結果

Claims (19)

  1. 関節リウマチ患者から抽出された試料からのアダリムマブへの応答を、前記患者をアダリムマブで処置する前に予測するための方法であって、前記応答が、抗薬物抗体陰性に対応する良好な応答、又は抗薬物抗体陽性に対応する不良な応答として分類されることになる方法であり、
    (i)前記試料を自己抗体バイオマーカーの存在について検定する工程、及び
    (ii)前記患者がアダリムマブでの処置への良好な応答を生じさせるのか又は悪い応答を生じさせるのかを、前記自己抗体バイオマーカーの検出に基づいて判定する工程
    を含む方法において、
    前記自己抗体バイオマーカーが抗原SSB、TROVE2及びZHX2に対する自己抗体を含み、ZHX2が、良好な応答と関連付けられ、SSB及びTROVE2が、不良な応答に関連付けられることを特徴とする、方法。
  2. 前記自己抗体バイオマーカーが、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPを含む群から選択される1つ又は複数の抗原に対する自己抗体を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗原が、ビオチン化タンパク質である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 各ビオチン化タンパク質が、タンパク質とインフレームで融合されているビオチンカルボキシルキャリアータンパク質フォールディングマーカーから形成される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ビオチン化タンパク質が、ストレプトアビジンコート基板に結合されている、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記基板が、ヒドロゲル形成ポリマー基層を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記抗原が、人物から抽出された試料に曝露され、その結果、前記試料からの自己抗体バイオマーカーが、前記抗原に結合し得る、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記抗原が、その後、前記抗原に結合した前記試料からの任意の自己抗体の量を決定することを可能にするために蛍光タグ付き二次抗体に曝露される、請求項7に記載の方法。
  9. アダリムマブでの処置への前記患者の応答が、前記抗原に特異的に結合する前記試料からの自己抗体の相対又は絶対量に対応する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記試料が、エキソソーム、血液、血清、血漿、尿、唾液、羊水、脳脊髄液、母乳、精液若しくは胆汁のいずれか又は任意の組合せを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記工程が、in vitroで行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 1つ又は複数のバイオマーカーの上方制御/下方制御を検出する工程を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 関節リウマチ患者から抽出された試料からのアダリムマブへの応答を、前記患者をアダリムマブで処置する前に予測するためのキットを製造するための方法であって、
    パネル内の抗原ごとに、前記抗原をコードする遺伝子とインフレームでビオチンカルボキシルキャリアータンパク質フォールディングマーカーをクローニングし、得られたビオチン化抗原を発現させる工程、
    前記ビオチン化抗原を、1つ又は複数のストレプトアビジンコート基板上のアドレス可能な位置に結合させることによって抗原アレイを形成する工程
    を含み、
    したがって、前記パネル上の前記抗原に結合する前記試料からの自己抗体の量が、前記基板を前記試料に曝露すること及び前記応答を測定することにより決定され得る方法において、
    前記抗原がSSB、TROVE2及びZHX2を含むことを特徴とする、方法。
  14. 前記抗原が、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPのうちの1つ又は複数を更に含む、請求項13に記載の方法。
  15. 過去にアダリムマブでの処置を受けたことがない関節リウマチ患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び/又は治療応答を予測するための抗原のパネルを含む組成物において、前記抗原がSSB、TROVE2及びZHX2を含むことを特徴とする、組成物。
  16. 前記抗原が、PPARD、SPANXN2、HNRNPA2B、TRIB2、CEP55、SH3GL1、FN3K、PANK3、HPCAL1、THRA、AIFM1、ODC1、RPS6KA4、EEF1D、KLF10、EPHA2、PRKAR1A及びEAPPのうちの1つ又は複数を更に含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記抗原が、ビオチン化タンパク質である、請求項15又は16に記載の組成物。
  18. 患者からの試料中の前記抗原にin vitroで結合する1つ又は複数の自己抗体バイオマーカーの量が、前記応答を予測するために測定され得る、請求項15から17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 過去にアダリムマブでの処置を受けたことがない関節リウマチ患者におけるアダリムマブへの免疫原性及び/又は治療応答を予測するための自己抗体バイオマーカーのパネルを含む組成物であって、前記自己抗体バイオマーカーのレベルが、前記患者から収集された試料において測定される組成物において、
    前記自己抗体バイオマーカーが、SSB、TROVE2及びZHX2を含む抗原に特異的であることを特徴とする、
    組成物。
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