JP2023551897A - 歯列矯正器具における最適化の方法 - Google Patents

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Abstract

患者の歯列弓に最適な歯列弓形状を生成する方法が提示される。方法は、患者の歯列弓の再構築された3Dデジタルボリュームから1本以上の歯の第1の位置デジタルデータを受信すること、(b)患者の所望の歯列弓形状に従って、1本以上の歯に関する第2の位置デジタルデータを生成すること、(c)第1の位置及び第2の位置デジタルデータに従って、1本以上の歯に関する第1の変位データを計算すること、(d)第1の変位データに基づいて歯のコリジョン値を検出すること、(e)検出された歯のコリジョン値に基づいて、1本以上の歯の第2の変位データを計算すること、及び、(f)歯列弓の1本以上の歯を再位置決めするための第1の変位データと第2の変位データの組み合わせを報告すること、を含む。

Description

本発明は、一般に、X線コンピュータ断層撮影法における画像処理に関し、特に、歯列矯正治療におけるガイダンス用の3D画像からの生体測定分析に関する。
頭部計測分析は、頭部に対して歯と骨格の関係を研究するものであり、歯科医及び歯列矯正医によって、患者の改善された治療のための評価及び計画ツールとして使用される。従来の頭部計測分析では、2D頭部計測X線写真において骨組織と軟組織のランドマークを識別し、治療前に顔面の特徴と異常を診断し、又は治療の進行を評価する。
例えば、頭部計測分析にて識別され得る主な異常は、上顎骨と下顎骨との間の骨格関係に関する、前後方向の不正咬合の問題である。不正咬合は上顎骨の第一大臼歯の相対位置に基づき分類される。I級の中立咬合では、臼歯の関係は正常であるが、他の歯が空隙、叢生、過萌出、又は未萌出などの問題を有する場合がある。II級の遠心咬合では、上顎骨の第一大臼歯の近心頬側咬頭が下顎骨の第一大臼歯と第二小臼歯との間にある。III級の近心咬合では、上顎骨の第一大臼歯の近心頬側咬頭が下顎骨の第一大臼歯の近心頬側溝の後側にある。
例示的な従来の2D頭部計測分析方法は、非特許文献1においてSteinerにより説明されており、上顎骨と下顎骨を頭蓋底との関係において角度測定を用いて評価する。記載された手順では、Steinerは4つのランドマーク、ナジオン(Nasion)、A点、B点、及びセラ(Sella)を選択する。ナジオンは頭蓋の前頭骨と2つの鼻骨の交点である。A点は上顎骨の歯槽基底の前方限界として認識される。B点は下顎骨の歯槽基底の前方限界として認識される。セラはトルコ鞍の中心点である。角SNA(セラからナジオン、次いでA点まで)を使用して、上顎骨が頭蓋底に対して前方に位置するか、又は後方に位置するかを判定し、約82°の示度が正常とみなされる。角SNB(セラからナジオン、次いでB点まで)は、下顎骨が頭蓋底に対して前方に位置するか、又は後方に位置するかを判定し、約80°の示度が正常とみなされる。
歯列矯正に関する最近の研究では、従来の2D頭部計測分析を使用して得られる結果には、依然として不正確さと不一致があることが示される。注目すべき研究の1つは、非特許文献2である。
データ収集における根本的な制限のため、従来の2D頭部計測分析は、主に審美性に焦点を当てており、人間の顔のバランス及び対称性を考慮していない。非特許文献3で述べられているように、平面幾何学は解剖学的ボリュームとその増大を分析するのには不適切であり、3D診断のみが、解剖学的な顎顔面の複雑性を適切に分析できる。正常な関係は、2つの更に重要な側面であるバランスと対称性を有し、モデルのバランスと対称性が安定している場合、これらの特性は各人にとって正常であることを定義する。
特許文献1は、頭蓋顔面の特徴のコンピュータモデルを生成する方法を開示する。3次元の顔面特徴データは、レーザ走査及びデジタル写真を使用して取得され、歯科的特徴は歯を物理的にモデリングすることによって取得される。モデルは、レーザ走査される。その後、骨格特徴はX線写真から取得される。これらのデータは、単一のコンピュータモデルに組み合わせられ、それは3次元で操作及び確認され得る。このモデルはまた、現時点でモデリングされた頭蓋顔面の特徴と理論上の頭蓋顔面の特徴との間でアニメーション化するための能力を備える。
特許文献2は、実際の歯列矯正構造の3Dデジタルモデル及び所望の歯列矯正構造の3Dモデルからの、動きの3D直接経路を決定する方法を開示する。この方法では、歯の動きを、レーザ走査した歯冠と歯石除去用の歯の表面上のマーカを使用した、各歯に対応する3次元の直接経路に基づきシミュレートする。説明される方法を使用した歯全体の3Dデータは存在しない。
著しい進歩が、測定値の入力の自動化技術と、そのような測定値に基づく頭蓋顔面特徴の生体測定データの計算技術の開発に向けてなされているが、改善の余地はかなりある。既存のツールの恩恵を受けていても、開業医は、生体測定データを効果的に使用するために十分な訓練を要する。膨大な量の測定データと計算データにより、治療計画の策定と維持の作業が複雑になり、人間による見落としや間違いのリスクを増大させる場合がある。また、特許文献2の方法は、歯の動きのコリジョン検出と排除について開示していない。
したがって、歯列矯正治療計画を指示し、患者の進行状況を進行中の治療の様々な段階で追跡するのに役立ち得る、頭部計測結果を生成し報告する分析ユーティリティの開発には特定の価値があることが分かる。
米国特許第6,879,712号明細書 米国特許第6,250,918号明細書
スタイナー(Steiner)著、「診療実務における頭部計測(Cephalometries in Clinical Practice)」、チャールズ エイチ ツイード財団 歯列矯正研究(Charles H.Tweed Foundation for Orthodontic Research、1956年10月、8-29頁) ヴァンダナ クマル(Vandana Kumar)ら著、 「生体内における従来型かつコーンビームCT合成されたセファログラムの比較(In vivo comparison of conventional and cone beam CT synthesized cephalograms)」歯列矯正の観点(Angle Orthodontics)、2008年9月、873-879頁 トレイル(Treil)ら著、 「頭部計測解析のための3Dモデルとしての人間の顔(The human face as a 3D model for cephalometric analysis)」ワールド ジャーナル オブ オルソドンティクス(World Journal of Orthodontics)、1-6頁
本開示の目的は、3D解剖学的データを分析し、また該データを進行中の歯列矯正治療に適用する改善された方法の必要性に対処することである。この目的を踏まえて、本開示は、歯列矯正状態を修正するためのガイダンスツールとして、患者の歯列に基づき歯列弓形状を生成する方法を提供する。
本開示の一態様によれば、コンピュータによって少なくとも部分的に実行される方法が提供され、この方法は、
(a)患者の顎顔面及び歯の解剖学的構造の走査から3次元データを取得すること、
(b)取得された3次元データから複数の頭部計測値を計算すること、
(c)計算された頭部計測値を処理し、患者の歯列弓に沿った歯位置決めを示す測定基準を生成することであって、この処理は歯列弓形状の最適化プロセスを含むこと、
(d)生成された測定基準を分析して、歯列弓内の個々の歯に対して所望の動きベクトルを計算すること、
及び、
(e)計算された所望の動きベクトルを表示、記憶、又は送信すること、を含む。
本開示の別の態様によれば、歯列矯正のためのガイダンスを提供する装置が提供され、この装置は、
(a)患者の顎顔面及び歯の解剖学的構造の走査から3次元データを取得するように構成された走査装置、
(b)命令がプログラムされたコンピュータ装置であって、
(i)取得された3次元データから複数の頭部計測値を計算し、
(ii)計算された頭部計測値を処理し、患者の歯列弓に沿った歯位置決めを示す測定基準を生成し、この処理が歯列弓形状の最適化プロセスを含み、
(iii)生成された測定基準を分析して、歯列弓内の個々の歯に対して所望の動きベクトルを計算する、コンピュータ装置、
及び、
(c)コンピュータと信号通信し、計算された所望の動きベクトルを表示するディスプレイ、を含む。
本開示の更に別の態様によれば、患者の歯列弓に最適な歯列弓形状を生成する方法が提供され、方法は、少なくとも部分的にコンピュータプロセッサ上で実行され、
(a)1本以上の歯の第1の位置デジタルデータを患者の歯列弓の再構築された3Dデジタルボリュームから受信すること、
(b)1本以上の歯の第2の位置デジタルデータを、患者の所望の歯列弓形状に従って生成すること、
(c)1本以上の歯の第1の変位データを、第1の位置及び第2の位置デジタルデータに従って計算すること、
(d)歯のコリジョン値を第1の変位データに基づいて検出すること、
(e)1本以上の歯の第2の変位データを、検出された歯のコリジョン値に基づいて計算すること、
及び、
(f)歯列弓の1本以上の歯を再位置決めするための第1の変位データと第2の変位データの組み合わせを報告すること、を含む。
本開示の特徴は、歯列矯正治療のための、患者固有の一貫し、かつ最適化された幾何学的基本パラメータ及び初期の定量的歯の動き値を自動生成し、報告することである。
本開示の実施形態は、相乗的な方法において、システムの人間オペレータのスキルを特徴識別のためのコンピュータ性能と統合する。これは、創造性、ヒューリスティックの使用、柔軟性、及び判断力という人間のスキルを利用し、またこれらのスキルをコンピュータの利点、例えば計算速度、徹底的かつ正確な処理能力、そして報告及びデータアクセス能力と組み合わせる。
本開示のこれら及び他の態様、目的、特徴及び利点は、以下の好ましい実施態様の詳細の説明及び添付の特許請求の範囲を確認することで、また添付の図面を参照することによって、より一層明確に理解及び認識されるであろう。
本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に示されるように、以下の本開示の実施形態のより特定の説明から明らかとなるであろう。図面の要素は、互いに対して必ずしも正確な縮尺率ではない。
頭部計測分析を提供するためのイメージングシステムを示す概略図である。 本開示の一実施形態による、3D頭部計測分析のプロセスを示す論理フロー図である。 3DレンダリングされたCBCT頭部ボリューム画像の図である。 歯のセグメンテーション後の3Dレンダリングされた歯のボリューム画像の図である。 CBCT頭部ボリューム画像及びオペレータが入力した基準マークの、3つの直交図を表示するユーザインタフェースの図である。 1セットの3D基準マークが表示された、3DレンダリングされたCBCT頭部ボリューム画像の図である。 頭部計測分析のための枠組みを提供する、識別された解剖学的特徴を示す斜視図である。 頭部計測分析のための枠組みを提供する、識別された解剖学的特徴を示す斜視図である。 頭部計測分析のための枠組みを提供する、識別された解剖学的特徴を示す斜視図である。 頭部計測分析に使用される枠組みを生成するオペレータ命令、を受け入れるためのステップを示す論理フロー図である。 オペレータが入力した基準マークを使用して解剖学的特徴の位置を特定するための、オペレータインタフェースを示す。 オペレータが入力した基準マークを使用して解剖学的特徴の位置を特定するための、オペレータインタフェースを示す。 オペレータが入力した基準マークを使用して解剖学的特徴の位置を特定するための、オペレータインタフェースを示す。 様々な導出パラメータが、ボリューム画像データ及び対応するオペレータが入力した基準マークを使用して、どのように算出されるかを示すグラフである。 様々な導出パラメータが、ボリューム画像データ及び対応するオペレータが入力した基準マークを使用して、どのように算出されるかを示すグラフである。 様々な導出パラメータが、ボリューム画像データ及び対応するオペレータが入力した基準マークを使用して、どのように算出されるかを示すグラフである。 様々な導出パラメータが、ボリューム画像データ及び対応するオペレータが入力した基準マークを使用して、どのように算出されるかを示すグラフである。 様々な導出パラメータが、ボリューム画像データ及び対応するオペレータが入力した基準マークを使用して、どのように算出されるかを示すグラフである。 セグメント化された歯のデータからの、多数の導出された頭部計測パラメータを示す3Dグラフである。 セグメント化された歯のデータからの、導出された頭部計測パラメータを示す2Dグラフである。 セグメント化された歯のデータからの、導出された頭部計測パラメータを示す別の3Dグラフである。 セグメント化された歯のデータ及び治療パラメータからの、導出された頭部計測パラメータを示すグラフである。 歯の除外がシステムによってどのように学習されるかを示す3Dグラフである。 デジタルファントムの歯を示す斜視図である。 上顎及び下顎について算出された慣性系の軸を示す3Dグラフである。 特定の歯構造に対する平行度を示すグラフである。 特定の歯構造に対する平行度を示すグラフである。 1本の歯が欠けているデジタルファントムの歯を示す斜視図である。 図18Aの例の上顎及び下顎について算出された慣性系の軸を示すグラフである。 特定の歯構造に対する平行度の欠如を示すグラフである。 特定の歯構造に対する平行度の欠如を示すグラフである。 歯が除去されたデジタルファントムの歯を示す斜視図である。 図20Aの例の上顎及び下顎について算出された慣性系の軸を示すグラフである。 欠け歯に対する歯の除外を示す例である。 図21Aの例の上顎及び下顎について算出された慣性系の軸を示すグラフである。 欠け歯に対する歯の除外を示す例である。 図22Aの例の上顎及び下顎について算出された慣性系の軸を示すグラフである。 特定の歯を除外した結果を示す画像である。 図23Aの例の上顎及び下顎について算出された慣性系の軸を示すグラフである。 DOL基準系の多数のランドマーク及び座標軸又はベクトルを示す。 DOL基準系の代替空間に再マッピングしたランドマークを示す。 この再マッピングを使用した変換された歯の慣性系の例を、側面図から示す。 本開示の一実施形態による、分析エンジンに関する独立ネットワークを示す概略図である。 本開示の一実施形態による、分析エンジンに関する依存又は連結したネットワークを示す概略図である。 図27の独立ネットワーク配置を使用したアルゴリズム用の擬似コードを示す。 図28の依存ネットワーク配置を使用したアルゴリズム用の擬似コードを示す。 多数の値及びそれらの解釈としての例示パラメータを列挙する。 特定の患者に対して、顎顔面非対称に関する多数の値及びそれらの解釈としての例示パラメータを、本出願の例示的実施形態による例示的総合顎顔面非対称に基づき列挙する。 特定の患者に対して、顎顔面非対称に関する多数の値及びそれらの解釈としての例示パラメータを、本出願の例示的実施形態による例示的総合顎顔面非対称に基づき列挙する。 特定の患者に対して、顎顔面非対称に関する多数の値及びそれらの解釈としての例示パラメータを、本出願の例示的実施形態による例示的総合顎顔面非対称に基づき列挙する。 咬合分析及び歯列弓角度の特性を備える特定の例に関する、例示的な表形式の結果を示す。 上顎切歯及び下顎切歯のトルクの特定の例に関する、例示的な表形式の結果を示す。 上下顎後退(biretrusion)又は上下顎前突(biprotrusion)の評価を備える別の例に関する、例示的な表形式の結果を示す。 特定の患者の頭部計測分析についての結果の、例示的な概要リストを示す。 図35に列挙された条件のうちの1つに関する詳細なリストを示す。 分析結果に基づく推奨メッセージを有するシステム表示を示す。 分析結果を補助するためのグラフィック表示を備えたシステム表示を示す。 本開示の一実施形態による非対称性に関する例示的なレポートを示す。 正貌図における患者の相対的な左右非対称性を示すグラフである。 患者の顔面の左側と右側の相対的な重なりを示すグラフである。 顔面の発散(divergence)を示すグラフである。 歯列矯正器具を支援するための評価及びガイダンスを提供するのに使用され得る、論理処理機構及びデータを示す論理フロー図である。 典型的な患者の状態、歯列弓左回転の画像を示す。 歯列弓に沿った歯の慣性中心の3Dマッピングを示す。 区分直線曲線に沿って配置された歯の慣性中心のプロットを示し、区分直線曲線は、元の位置において2Dxy平面に投影された慣性中心を繋ぐ。 図42の慣性中心について、最適化された滑らかな多曲線(polycurve)の相対位置を示す。 表示され、報告される計算された最適化に基づいて、元の位置から所望の位置までの歯の必要な動きを示す。 歯の変位ベクトルが、上記の計算に基づいて示されたグラフを示す。 接線方向と法線方向に分解されたベクトル変位を有するグラフを示す。 本開示に従って採用される、多段階の歯列弓形状の最適化戦略の調整を示す。 本開示に従って採用される、多段階の歯列弓形状の最適化戦略の調整を示す。 歯列矯正患者の歯列弓の14本の歯のそれぞれに対する、動きベクトルVのコンピュータ生成リストを示す。 例示的な歯列矯正患者について、初期の未修正の歯列弓における歯の分布を示す。 本開示のシステムによって提供される治療推奨に従って、デジタル的に修正された図50Aの歯列弓を示す図である。 初期及び最適化された歯列弓を、3D図において、輪郭で示された元の歯列弓に重ねて示す。 最適化された歯列弓上に初期歯列弓の輪郭を重ねた別の例を、2D軸方向で示す。 歯列矯正データを提供するための処理を制御し、処理結果を表示するためのオペレータインタフェース表示を示す。 本開示の最適化方法を使用して歯列矯正器具を形成するための例示的な製造システムを示す概略図である。 歯列矯正の最適化の結果を器具の設計及び製造の作業に適用するためのシーケンスを示す論理フロー図である。 本発明の一実施形態による、歯列矯正器具を支援するための評価及びガイダンスを提供するために使用され得る、論理処理機構及びデータを示す論理フロー図である。 例示的な歯列矯正患者からの、初期の未修正の歯列弓における歯の分布を示す図である。 歯のコリジョンがあるデジタル的に最適化された歯列弓形状を示す図である。 歯のコリジョンがないデジタル的に最適化された歯列弓形状を示す図である。 本発明の一実施形態による、歯のデジタルモデルの移動方向と移動距離を示す図である。 本発明の一実施形態による、コリジョンがある歯のデジタルモデルの移動方向及び移動距離を計算するプロセスを示す論理フロー図である。
本開示の実施形態の以下の詳細な説明では図面が参照され、図面では、同じ参照番号は連続する図において同じ要素に割り当てられる。これらの図は、本発明の実施形態による全体の機能及び関係を示すために提供されており、実際のサイズ又は縮尺を示すことを意図して提供はされていない、ということに留意すべきである。
これらの図面が用いられる場合、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、必ずしも任意の順序又は優先関係を示すわけではなく、1つの要素又は時間間隔を、別の要素又は時間間隔と、より一層明確に区別するために使用され得る。
本開示の文脈において、用語「画像」は、個々の画像要素で構成される多次元画像データを指す。2D画像に関して、個々の画像要素は画素、又はピクセルである。3D画像に関して、個々の画像要素はボリューム画像要素、又はボクセルである。用語「ボリューム画像」は、用語「3D画像」と同義であるとみなされる。本開示の文脈において、用語「コード値」は、各2D画像ピクセル、又はそれに対応して、再構築された3Dボリューム画像内の各ボリューム画像データ要素又はボクセルに関連付けられた値を指す。コンピュータ断層撮影(CT)又はコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像のコード値は、多くの場合、必ずしもではないが、各ボクセルの減衰係数についての情報を提供するハウンスフィールド単位で表現される。
本開示の文脈において、用語「幾何学的プリミティブ」は、開放又は閉鎖形状、例えば、長方形、円、線、トレース曲線又は他のトレースパターンに関する。用語「ランドマーク」及び「解剖学的特徴」は同等であると考えられ、表示される患者の解剖学的構造の特定の特徴を指す。
本開示の文脈において、「観察者」「オペレータ」及び「ユーザ」は同等であると考えられ、歯科画像などの画像をディスプレイモニタ上で確認し操作する、観察開業医、又は別の人物を指す。「オペレータ命令」又は「観察者命令」は、観察者により、例えばコンピュータマウス、タッチスクリーン、又はキーボード入力を使用して入力される明確なコマンドから取得される。
表示される特徴に関する用語「強調」は、情報及び画像表示技術分野の当業者に理解されるような従来の意味を有する。一般に、強調は、いくつかの形態の局所的な表示強化を用いて、観察者の注意を引く。個々の臓器、骨、又は構造、あるいは、あるチャンバから隣のチャンバへの経路などの、画像の一部の強調は、任意の多くの方法において、例えば、限定するものではないが、注釈付け、近隣又は重複する記号の表示、輪郭付け又はトレーシング、他の画像又は情報内容とは異なる色で、又は著しく異なる強度若しくはグレースケール値での表示、表示の一部分の点滅又はアニメーション、あるいはよりへ鮮明度又はコントラストでの表示、により達成され得る。
本発明の文脈において、記述用語「導出パラメータ」は、取得された、又は入力されたデータ値の処理から計算される値に関する。導出パラメータは、スカラ、点、線、ボリューム、ベクトル、平面、曲線、角度値、画像、閉じた輪郭、面積、長さ、行列、テンソル、又は数学的表現であってよい。
本明細書で用いる場合、用語「集合」は、集合の要素又は部材の集合概念が初等数学で広く理解されているように、非空集合を意味する。用語「部分集合」は、特段の記載がない限り、非空真部分集合、つまり1つ以上の部材を有する、より大きな集合の部分集合を意味するように本明細書にて使用される。集合Sに関して、部分集合は全集合Sを含み得る。しかし、集合Sの「真部分集合」は厳格に集合S内に含まれ、集合Sの少なくとも1つの部材を除外する。代替的に、より正式に記述すると、この用語が本開示で用いられるように、(i)部分集合Bが非空であり、かつ(ii)交点B∩Sもまた非空であり、かつ部分集合Bが更に、集合S内にある要素のみを含み、かつ集合Sの濃度未満の濃度を有する場合、部分集合Bは集合Sの真部分集合であると考えられ得る。
本開示の文脈において、「平面図」又は「2D図」は、3次元(3D)物体の、物体を通る水平面の位置からの2次元(2D)表示又は投影である。この用語は、用語「画像スライス」と同義であり、それは特定の透視からの3Dボリューム画像データ内から、2D平面描写の表示を示すために従来用いられる。3Dボリュームデータの2D図は、図が取得される対応する平面が互いに90(+/-10)°、又は互いに90°のn倍の整数(n90°、+/-10°)で配置される場合、実質的に直交するとみなされる。
本開示の文脈において、一般用語「歯列要素」は、歯と、義歯及びインプラントなどの補綴具と、顎を含む歯及び関連する補綴装置の支持構造とに関する。
用語「ポリカーブ」及び「多曲線」は同等であり、多項式に従って定義される曲線を指す。
本開示の主題は、デジタル画像処理及びコンピュータビジョン技術に関し、これは、デジタル画像からのデータをデジタル処理して認識し、それによって人間が理解可能な物体、属性又は条件に有用な意味を割り当て、次に得られた結果をデジタル画像の更なる処理に利用する技術を意味すると理解される。
背景技術の段落で前述したように、従来の2D頭部計測分析には多くの重大な欠点がある。患者の頭部を頭部固定装置又は他の測定装置の中心に合わせるのは難しく、再現性が低くなる。得られた2次元X線写真は、3D画像ではなく、重なり合った頭部解剖学的構造画像を生成する。頭部固定装置上でランドマークを見つけるのが困難な場合があり、結果が一致しないことが多い(P.Planche と J.Treilによる「Cephalometries for the next millennium」という題の論文、The Future of Orthodontics,ed.Carine Carels,Guy Willems,Leuven University Press,1998年、181-192頁内を参照)。治療計画を作成し追跡する作業は、収集して計算される膨大な量の頭部測定データのために、部分的には複雑である。
本開示の一実施形態は、Treilの理論を、3D解剖学的特徴点の選択、これらの特徴点から導出されるパラメータ、及び頭部計測分析におけるこれらの導出パラメータの使用方法に関して利用する。Treilによって執筆された参照出版物としては、Jacques Treil,B,Waysenson,J.Braga及びJ.Casteigtによる「The Human Face as a 3D Model for Cephalometric Analysis」World Journal of Orthodontics,2005年サプルメント、6巻、5号、33-38頁と、J.Treil,J.Braga,J.-M.Loubes,E.Maza,J.-M.Inglese,J.Casteigt及びB.Waysensonによる「3D Tooth Modeling for Orthodontic Assessment」Seminars in Orthodontics,2009年、3月、15巻、1号が挙げられる。
図1の概略図は、3D-CBCT頭部計測イメージング用のイメージング装置100を示す。患者12のイメージングに関して、連続した複数の2D投影画像がイメージング装置100を用いて取得され、処理される。回転可能なマウント130が、支柱118に設けられ、好ましくは、患者12の体格に合わせて高さが調整可能である。マウント130はX線源110及び放射線センサ121を、患者12の頭部の両側に保持し、線源110及びセンサ121を頭部の周りの走査パターンで周回させるように回転する。マウント130は患者の頭部の中心部分に対応する軸Qを中心に回転し、その結果、マウント130に取り付けられた構成部品が頭部を周回する。デジタルセンサであるセンサ121は、CBCTボリュームイメージングに好適な放射線パターンを放出するX線源110の反対側で、マウント130に結合される。必要に応じて頭部サポート136、例えば顎当て又は咬合部材は、画像取得中の患者の頭部を安定させる。コンピュータ106は、オペレータインタフェース104及びディスプレイ108を有し、オペレータのコマンドを受け入れ、イメージング装置100により取得された歯列矯正画像データのボリューム画像を表示する。コンピュータ106は、画像データを取得するためにセンサ121と信号通信し、線源110の制御、及び必要に応じて、マウント130の構成要素に対する回転作動装置112の制御のための信号を提供する。コンピュータ106はまた、画像データを保存するためのメモリ132と信号通信する。任意の位置合わせ装置140は、イメージング処理のために、患者の頭部の適切な位置合わせを補助するために提供される。
図2の論理フローチャートを参照すると、本開示の一実施形態による、歯科用CBCTボリュームを用いた、3D頭部計測分析用の歯列矯正データを取得するために使用されるステップのシーケンス200が示される。CBCTボリューム画像データは、データ取得ステップS102でアクセスされる。ボリュームは、1つ以上の2D画像(又は同等のスライス)用の画像データを含有する。元の再構築CTボリュームは、CTスキャナから取得された複数の2D投影又はサイノグラムを用いた、標準的な再構築アルゴリズムを使用して形成される。例えば、図3は、骨の解剖学的構造、軟組織及び歯を含む例示的な歯科用CBCTボリューム202を示す。
図2のシーケンスを続けると、セグメンテーションステップS104では、3D歯列要素データは、3Dの歯のセグメンテーションアルゴリズムを歯科用CBCTボリューム202に適用することによって収集される。歯及び関係する歯列要素用のセグメンテーションアルゴリズムは、歯科用イメージング技術分野で周知である。例示的な歯のセグメンテーションアルゴリズムは、例えば、同一出願人による米国特許出願公開第2013/0022252号で、Chenらにより「PANORAMIC IMAGE GENERATION FROM CBCT DENTAL IMAGES」と題して、米国特許出願公開第2013/0022255号で、Chenらにより「METHOD AND SYSTEM FOR TOOTH SEGMENTATION IN DENTAL IMAGES」と題して、及び米国特許出願公開第2013/0022254号で、Chenにより「METHOD FOR TOOTH DISSECTION IN CBCT VOLUME」と題して記載されており、各々その全体が本明細書に参照として援用される。
図4に示すように、歯のセグメンテーションの結果は画像302でレンダリングされ、ここでは、歯は全体としてレンダリングされるが、個別にセグメント化される。各歯は歯のボリューム、例えば歯のボリューム304と呼ばれる個別のエンティティである。
セグメント化された歯の各歯、又は、より広義には、セグメント化された各歯列要素は、最低でも、セグメント化された歯列要素内のボクセルの各々に対する3D位置座標を含有する3D位置リスト、及びセグメント化された要素内の各ボクセルのコード値リストを有する。この点で、各ボクセルの3D位置は、CBCTボリューム座標系に関して規定される。
図2のシーケンスにおける、基準マーク選択ステップS106では、CBCTボリューム画像は、異なる視野角で取得された、2つ以上の異なる2D図で表示する。異なる2D図は異なる角度であり得て、例えば、異なる画像スライスであってもよく、又は正投影若しくは実質的に正投影であってもよく、又は斜視図であってよい。本開示の一実施形態によると、3つの図は相互に直交する。
図5は、3つの直交2D図を示す表示インタフェース402を備えた、例示的なフォーマットを示す。表示インタフェース402において、画像404はCBCTボリューム画像202(図3)のアキシャル2D図の1つであり、画像406はCBCTボリューム画像202の冠状2D図の1つであり、画像408はCBCTボリューム画像202の矢状2D図の1つである。表示インタフェースは、観察者、例えば施術謝又は技術者に、複数の3D頭部計測分析作業を達成するために様々な画像処理/コンピュータアルゴリズムを実行するコンピュータシステムと対話することを可能にする。観察者の対話は、ユーザインタフェース技術分野の当業者に周知の任意の多数の形態、例えばコンピュータマウスジョイスティック若しくはタッチパッドなどのポインタの使用、又は動作を選択するか若しくは画像の座標を特定するためのタッチスクリーンの使用をとることができ、対話に関しては、後でより詳細に説明される。
3D頭部計測分析作業の1つは、図2の3D基準マーク選択ステップS106において、自動識別を実行することである。3D基準マークは、表示された画像上で観察者によって識別される3Dランドマーク又は特徴点の一種に相当し、図5において、表示インタフェース402の異なった相互に直交する2D図で示される。図5に示す例示的な3D解剖学的基準マークは、基準マーク414の下部鼻口蓋孔である。図6の図に示すように、表示された画像502上で観察者によって示され得る、他の解剖学的基準マークには、基準マーク508及び510の眼窩下孔、ならびに基準マーク504及び506の槌骨が含まれる。
図2のステップS106において、観察者は、ポインティングデバイス(例えば、マウス又はタッチスクリーンなど)を用いて、基準マークを幾何学的プリミティブの一種として、3つの図のいずれか1つの適切な位置に配置する。本明細書の図で示される本開示の実施形態によると、基準マークは円として表示する。例えば、図5の表示インタフェーススクリーンを使用して、観察者は画像404として示す図内で、位置414に基準点用の基準マークとして小さな円を配置する。基準マーク414は画像404内に小さな円として表示され、また画像406及び408の対応する図の適切な位置にも表示される。観察者は、表示された図404、406又は408の1つにおいて基準マーク414の位置を示す必要があるのみであり、システムが、患者の解剖学的構造の他の図内に同一の基準マーク414を示すことによって応答することに注目することが有益である。したがって、観察者は、基準マーク414を、最も容易に見ることができる図で識別し得る。
基準マーク414を入力した後、ユーザは、オペレータインタフェースツール、例えば、キーボード又は表示されるアイコンを使用して、基準マーク414の位置を表示された図のいずれかの上で調整し得る。観察者はまた、入力した基準マークを除去し、新しい基準マークを入力するオプションも有する。
表示インタフェース402(図5)は、表示された図のいずれか又は全てのサイズ変更をするための、ズームイン/ズームアウトユーティリティを提供する。したがって、観察者は、異なる画像を効率的に操作して、基準マークの位置決めを改善し得る。
3D画像コンテンツを参照して作成され、その図の現れる基準マークを収集することは、患者の頭部形状及び構造を、より正確に特徴付けるのに使用され得る一連の頭部計測パラメータを提供する。頭部計測パラメータは、座標情報を含み、それは患者の頭部の特定の特徴に対する基準マーク入力によって直接提供される。頭部計測パラメータは更に、患者の頭部の解剖学的構造の様々な測定可能な特徴の情報を含み、座標又は幾何学構造として直接入力はされないが、座標情報から導出され、また「導出頭部計測パラメータ」と称される。導出頭部計測パラメータは、相対的なサイズ又はボリューム、対称性、方向、形状、移動経路及び移動の可能範囲、慣性軸、質量中心、ならびに他のデータを提供し得る。本開示の文脈おいて、用語「頭部計測パラメータ」は、例えば基準マークにより直接識別されるものか、又は基準マークに従い計算される導出頭部計測パラメータのいずれかに適用される。例えば、特定の基準点が、対応する基準マークによって識別されると、枠組み接続線522が構築され、全体的特徴の適切な特徴付けのために基準点を接続し、これは図6でより明確に示される。枠組み接続線522は、3D空間内のベクトルとして考えられ得て、これらの次元及び空間的特性は、歯列矯正及び他の目的のための計算で使用可能な、追加のボリューム画像データを提供する。
各基準マーク414、504、506、508、510は、1つ以上の枠組み接続線522の終点であり、枠組み接続線522は、画像処理装置100のコンピュータ106によってボリュームデータ内に自動的に生成され、その後の分析及び測定処理を容易にする枠組みを形成する。図7A、図7B、及び図7Cは、異なる斜視図からの表示された3D画像502a、502b、及び502cについて、基準点を頂点に有する選択された基準点の枠組み520が、全体の頭部構造の次元側面の規定にどのように役立つかを示す。本開示の一実施形態によると、オペレータ命令は、オペレータが、患者の頭部のボクセルが部分的に透明な、図5に示すのと類似の2D図と、図6に示すボリューム表示とを切り替えることを可能にする。これによりオペレータは、基準マークの配置を調べ、多数の角度からの線配置を接続することが可能となり、基準マーク位置の調整は、表示された図のいずれかで行われ得る。更に、本開示の一実施形態によると、オペレータは特定の基準マークに関してより正確な座標をタイプで入力し得る。
図8の論理フロー図は、基準マーク入力及び識別のためのオペレータ命令を受け入れて処理し、また画像データ及び基準マークに従って計算されたパラメータを提供するための、シーケンスにおけるステップを示す。表示ステップS200は、1つ以上の2D図を、異なる角度から、例えば、患者の頭部のコンピュータ断層撮影走査からの再構築3D画像の、相互に直交した角度から表示する。任意の列挙ステップS210において、システムは表形式のリスト等のテキストの列挙、一連のプロンプト、又は再構築3D画像における多数のランドマーク若しくは解剖学的特徴の位置データを入力することが必要な、数値入力用の連続した標識領域を提供する。このリストは、後述するように、オペレータに、ユーザインタフェースプロンプト又はメニュー選択の形態で、明示的に提供され得る。代替的に、リストは暗示的に定義され得て、その結果、オペレータは位置情報を入力するための特定のシーケンスに従う必要がない。基準マークは、異なる解剖学的特徴に対してx、y、zの位置データを与えるもので、記録ステップS220で入力される。解剖学的特徴は、患者の口の中、又は外に位置し得る。本開示の実施形態は、ステップS220で入力される、ディスプレイ上で識別される解剖学的特徴と、図2に関して前に着目した、歯及び他の歯列要素に関して自動的に生成されたセグメンテーションデータとの組み合わせを使用し得る。
図8の記録ステップS220では、システムは、解剖学的構造の各ランドマーク特徴に対応する基準マークを配置するオペレータ命令を受け入れる。基準マークは、第1又は第2の2D図のいずれか、又は3つ以上の図が提示される場合は他の図のいずれかにおいて、オペレータにより入力され、入力後、表示された図の各々に表示される。識別ステップS230は、入力された基準マークに対応する解剖学的特徴又はランドマークを識別し、必要に応じて、オペレータ入力の正確さを検証する。比例値が計算されて、所与のオペレータ入力が、特定の解剖学的特徴に対する基準マークの位置を正確に識別する可能性を判断する。例えば、眼窩下孔は通常、口蓋孔から一定の距離範囲内にあり、システムは入力された距離を確認し、対応する基準マークが適切に配置されていないように見える場合は、オペレータに通知する。
図8のシーケンスを続けると、構築ステップS240において、枠組み接続線が生成され、枠組み生成のために基準マークを接続する。次に、計算及び表示ステップS250が実行され、配置された基準マークに従って、1つ以上の頭部計測パラメータが計算される。計算されたパラメータは、次に、オペレータに表示される。
図9A、図9B、及び図9Cは、ディスプレイ108上に表示されるオペレータインタフェースを示す。オペレータインタフェースは、ディスプレイ108上に、対話型ユーティリティを提供し、オペレータ命令を受け入れ、かつ特定の患者の頭部計測パラメータの計算結果を表示する。ディスプレイ108は、例えば、オペレータが指定した基準マーク及び他の命令の入力用のタッチスクリーンディスプレイであり得る。ディスプレイ108は、ボリューム画像データの少なくとも1つの2D図、又は異なる角度若しくは視点からの、ボリューム画像データの2つ以上の2D図を同時に表示する。例えば、図9Aは、正貌又は冠状面図150を示し、側面又は矢状面図152と対になる。3つ以上の図は、同時に表示することができ、かつ異なる2D図が表示され得て、表示された図の各々は、本開示の一実施形態により独立して配置される。図は互いに直交し得るか、又は単に異なる角度からであってもよい。ディスプレイ108のインタフェースの一部として、オプションのコントロール166は、観察者に、1つ以上の2D図が得られるパースペクティブ角を調整することを可能とし、それは、固定図間で交互に切り替えを行うか、又は3D軸(x、y、z)のいずれかに沿う増分で相対パースペクティブ角を変化させるかのいずれかによって行う。対応するコントロール166は、図9Cに示すように、各2D図と共に提供され得る。ディスプレイ108に示すオペレータインタフェースを使用して、各基準マーク414は、いくつかの種類のポインタを用いることでオペレータにより入力され、このポインタはマウス又は他の電子ポインタであってもよく、又は図9Aに示すようにタッチスクリーン入力であってもよい。オペレータインタフェースの一部として、オプションのリスト156が提供され、例えば、図9Bの例で示すように、ドロップダウンメニュー168からの選択によって、プロンプトに従い特定の基準マークを入力するようにオペレータをガイドするか、又はオペレータの入力を識別するかのいずれかを行う。したがって、オペレータは、リスト156の値を入力し得るか、又はフィールド158に値を入力してもよく、次に、入力された値に関係する名前をドロップダウンメニュー168から選択する。図9A~図9Cは、基準点間で構築された枠組み154を示す。図9Aが示すように、入力された各基準マーク414は、図150及び152の両方で示され得る。選択された基準マーク414は、ディスプレイ108上で強調され、例えば、太い、又は別の色で表示される。特定の基準マークは、基準マークについての情報を取得、又は入力するため、あるいは例えば、基準マークの位置を移動するなどのいくつかの動作を行うために、選択される。
図9Bに示す実施形態では、オペレータにより入力又は選択されたばかりの基準マーク414は、リスト156からの選択により識別される。図示の例では、オペレータは示された基準マーク414を選択した後、メニュー168から「眼窩下孔」などのメニュー選択を行う。オプションのフィールド158は、強調された基準マーク414を識別する。モデルに基づく、又は標準的な周知の解剖学的関係に基づく計算を用いて、例えば基準マーク414を識別し得る。
図9Cは、オペレータが、システムによって不正確又は疑わしいと検出される基準マーク414命令を入力する例を示す。エラープロンプト又はエラーメッセージ160が表示され、オペレータ入力が誤りであると思われることが示される。システムは、例えば、特定のランドマーク又は解剖学的特徴の推定位置を、モデルに基づき、又は学習したデータに基づき計算する。オペレータ入力が不正確と思われる場合、メッセージ160が任意の代替位置416と共に表示される。オーバライド命令162は、システムから計算された情報に従い基準マークを再位置決めするための再位置決め命令164と共に表示される。再位置決めは、別のオペレータ入力を表示スクリーン又はキーボードから受け入れることにより、あるいはシステムにより計算された基準マーク位置を受け入れることにより、図9Cの例の代替位置416で行われ得る。
本開示の代替実施形態によると、オペレータは、彼らが入力した基準マークにラベル付ける必要がない。代わりに、ディスプレイは、オペレータに、表示された2D図のいずれで特定のランドマーク又は解剖学的特徴を示すよう促し、示される特徴に自動的にラベル付けする。このガイドされたシーケンスにおいて、オペレータは、特定のランドマークに対応する基準マークの位置を示すことにより、各システムプロンプトに応答する。
本開示の別の代替の実施形態によると、システムは、オペレータが基準マークを示すと、どのランドマーク又は解剖学的特徴が識別されるのかを判断し、オペレータは、彼らが入力した基準マークをラベル付けする必要がない。システムは、既に識別されている解剖学的特徴についての既知の情報を用いて、あるいは、再構築された3D画像自体の寸法を用いた計算によって、最も可能性の高い基準マークを計算する。
図9A~図9Cの例に示すオペレータインタフェースを用いて、本開示の実施形態は、システムの人間オペレータのスキルと、3D頭部計測分析の処理におけるコンピュータの力を相乗的に統合する、実用的な3D頭部計測分析システムを提供する。これは、創造性、ヒューリスティックの使用、柔軟性、及び判断力という人間のスキルを利用し、またこれらをコンピュータの利点、例えば計算速度、正確かつ繰り返し可能な処理能力、報告及びデータアクセス及び保存能力、ならびに表示の柔軟性と組み合わせる。
図2のシーケンスに戻って参照すると、導出頭部計測パラメータは、十分なランドマークのセットが入力されると、計算ステップS108で計算される。図10A~図10Eは、頭部計測データを計算及び分析するための処理シーケンスを示し、また多数の頭部計測パラメータが、組み合わせられたボリューム画像データ及び解剖学的特徴の情報から、オペレータが入力した命令に従って、かつ歯列要素のセグメンテーションに従ってどのように取得されるかを示す。本開示の一実施形態によると、図10A~図10Eに示す特徴の一部分は、ディスプレイ108(図1)に表示される。
図10Aに示す例示的な導出頭部計測パラメータは、3D平面602(頭部計測分析ではt基準面と称される)であり、それは、図6を参照して前述した基準マーク504、506、508、及び510を有する第1の幾何学的プリミティブの集合の部分集合を用いることにより計算される。更なる導出頭部計測パラメータは、t基準系と称される3D座標基準系612であり、前述の出版物においてTreilによって記載される。t基準系612のz軸は、3Dt基準面602に対して垂直であるように選択される。t基準系612のy軸は、基準マーク508と504との間の枠組み接続線522と整列する。t基準系612のx軸は平面602にあり、t基準系のz軸及びx軸の両方と直交する。t基準系の軸の方向は図10Aと、後続する図10B、図10C、図10D、及び図10Eに示される。t基準系の原点は、基準マーク504と506を接続する枠組み接続線522の中間にある。
t基準系612の確立により、ステップS106からの3D基準マークと、ステップS104からの3D歯データ(歯の3D位置リスト)は、CBCTボリューム座標系からt基準系612に変換される。この変換により、導出頭部計測パラメータの後続の計算及び分析は、t基準系612に関して実行され得る。
図10Bを参照すると、3D上顎平面704及び3D下顎平面702は、t基準系612の歯データの頭部計測パラメータから導出され得る。導出された上顎平面704は、上顎(上顎骨)からセグメント化された歯データに従って計算される。頭部測定及び分析の当業者によく知られる方法を用いて、導出された下顎平面702は、同様に、下顎(下顎骨)からセグメント化された歯データに従って計算される。
歯データからの3D平面の例示的な計算に関して、慣性テンソルは、顎の中の全ての歯のボクセルの3D位置ベクトルとコード値を使用して形成され(Treilによる引用出版物に記載されるように)、次いで、固有ベクトルが慣性テンソルから計算される。これらの固有ベクトルは、t基準系612における顎の方向を数学的に記載する。3D平面は、固有ベクトルのうちの2つを用いて、又は固有ベクトルの1つを面法線として用いて形成され得る。
図10Cを参照すると、更なる導出パラメータが示される。各顎に対して、顎曲線は導出パラメータとして計算される。上顎曲線810は上顎に対して計算され、下顎曲線812は下顎に対して導出される。顎曲線は、それぞれの顎の各歯の質量中心と交差し、かつ対応する顎平面内に位置するように構築される。歯の質量中心は、次に、セグメント化された歯についての3D位置リストとコード値リストを用いて計算され得る。
歯の質量は更に、歯のコード値リストから計算される導出頭部計測パラメータである。図10Cでは、例示的な歯の質量は、上顎の歯に対して、円814、又は他の種類の形状として表示される。本開示の一実施形態によると、形状の相対的な寸法、例えば円の半径などの1つ以上は、相対的な質量値、つまり顎の他の歯の質量に対する、特定の歯の質量値を示す。例えば、上顎の第一大臼歯は、隣接する歯の質量値よりも大きい質量値を有する。
本開示の一実施形態によると、各歯に対して、固有ベクトル系もまた計算される。慣性テンソルは、Treilによる引用出版物に記載されるように、歯のボクセルの3D位置ベクトル及びコード値を使用して、最初に形成される。次に、固有ベクトルは、慣性テンソルからの導出頭部計測パラメータとして計算される。これらの固有ベクトルは、t基準系における歯の方向を数学的に記載する。
図10Dに示すように、別の導出パラメータである咬合平面の3D平面908は、2つの顎平面702及び704から計算される。咬合平面の3D平面908は、2つの顎平面702と704の間に位置する。平面908の法線は、平面702の法線と平面704の法線の平均である。
各歯に対して、一般的に、計算された最大の固有値に対応する固有ベクトルは、歯の中心軸を示す別の導出頭部計測パラメータである。図10Eは、歯の例示的な2種類の中心軸、すなわち上顎切歯に対する中心軸1006及び下顎切歯に対する中心軸1004を示す。
歯の中心軸の計算された長さは、他の導出パラメータと共に、頭部計測分析及び治療計画における有用な頭部計測パラメータである。Treilによる引用出版物で提案されているように、固有値を用いて軸の長さを設定する代わりに、本開示の実施形態は、異なるアプローチを用いた導出パラメータとして、実際の中心軸長さを計算するという点に着目されたい。中心軸と歯のボリュームの底部スライスとの第1の交点が最初に設置される。次に、中心軸と歯のボリュームの頂部スライスとの第2の交点が特定される。本開示の実施形態は、次に、2つの交点間の長さを計算する。
図11は、グラフ1102を示し、それは上顎平面704及び下顎平面702に関して咬合平面908を分離し、顎曲線810及び812の相対位置及び曲率を示す拡大図を提供する。
図12は、上歯中心軸1006と下歯中心軸1004との間の位置及び角度関係を示すグラフ1202を示す。
前述の説明と対応する図に示すように、多数の頭部計測パラメータがあり、それは、歯列要素のセグメンテーション、及びオペレータが入力した基準マークを含む、組み合わせたボリューム画像データから導出され得る。これらは、コンピュータ支援頭部計測分析ステップS110(図2)にて計算される。
ステップS110における1つの例示的な3D頭部計測分析手順は、特に有用であり得て、上顎骨(上顎)及び下顎骨(下顎)平面702及び704の相対平行度に関連する。上顎及び下顎平面702及び704は、それぞれ、前述のように、導出パラメータである。評価は、以下のシーケンスを用いて行われ得る。
上顎骨慣性系のx軸(すなわち、固有ベクトル)をt基準系のx-z平面に投影し、t基準系のz軸と投影との間の角度MX1_RFを計算する。
下顎骨慣性系のx軸(すなわち、固有ベクトル)をt基準系のx-z平面に投影し、t基準系のz軸と投影との間の角度MD1_RFを計算する。
MX1_MD1_RF=MX1_RF-MD1_RFは、t基準系のx-z平面における上顎及び下顎の平行度評価を提示する。
上顎骨慣性系のy軸(すなわち、固有ベクトル)をt基準系のy-z平面に投影し、t基準系のy軸と投影との間の角度MX2_RSを計算する。
下顎骨慣性系のy軸(すなわち、固有ベクトル)をt基準系のy-z平面に投影し、t基準系のy軸と投影との間の角度MD2_RSを計算する。
MX2_MD2_RS=MX2_RS-MD2_RSは、t基準系のy-z平面における上顎及び下顎の平行度評価を提示する。
ステップS110で実行される別の例示的な3D頭部計測分析手順は、上顎骨(上顎)切歯と下顎骨(下顎)切歯の間の角度の特性を、中心軸1006及び1004(図10E、図12)を用いて評価する。評価は、以下のシーケンスを用いて行われ得る。
上顎切歯中心軸1006をt基準系のx-z平面に投影し、t基準系のz軸と投影との間の角度MX1_AFを計算する。
下顎切歯中心軸1004をt基準系のx-z平面に投影し、t基準系のz軸と投影との間の角度MD1_AFを計算する。
MX1_MD1_AF=MX1_AF-MD1_AFは、t基準系のx-z平面における、上顎切歯及び下顎切歯の角度の特性評価を提示する。
上顎切歯中心軸1006をt基準系のy-z平面に投影し、t基準系のy軸と投影との間の角度MX2_ASを計算する。
下顎切歯中心軸1004をt基準系のy-z平面に投影し、t基準系のy軸と投影との間の角度MD2_ASを計算する。
MX2_MD2_AS=MX2_AS-MD2_ASは、t基準系のy-z平面における上顎切歯と下顎切歯の角度の特性評価を提示する。
図13は、上顎切歯に対する局所x-y-z座標系1302、及び下顎切歯に対する局所x-y-z座標系1304を示すグラフ1300を示す。x-y-z座標系の局所軸は、その特定の歯に関連付けられた固有ベクトルと整列する。x軸は示されないが、右手系の法則を満たす。
図13において、系1302の原点は軸1006に沿う任意の場所に選択され得る。系1302の例示的な原点は、軸1006に関連付けられた歯の質量中心である。同様に、系1304の原点は、軸1004に沿う任意の場所に選択され得る。系1304に対する例示的な原点は、軸1004に関連付けられた歯の質量中心である。
ステップS110(図2)で実行された分析に基づいて、調整又は治療計画は、計画ステップS112にて整えられる。例示的な治療計画は、上顎切歯を、3D点、例えば局所座標系の原点で、及び任意の3D軸、例えば局所x-y-z系のx軸の周りで、反時計回りに回転させることである。図14のグラフは、軸位置1408への回転を示す。
図2の治療ステップS114では、治療は計画に基づいて、例えば上顎切歯の回転に基づいて実行される。治療計画は、視覚化ステップS116で視覚的にテスト及び検証可能であり、その後、実際の治療が行われる。
図2に戻って参照すると、線120は、ステップS114からステップS102へ示される。これは、シーケンス200のワークフローにフィードバックループがあることを示す。患者が治療を受けた後、治療の即時評価、あるいはスケジュールされた評価が、関連データをインプットとしてシステムに入力することで行われ得る。この目的のための例示的な関連データには、光学、X線写真、MRI、若しくは超音波イメージングからの結果、及び/又は意味のある関連測定値若しくは結果が含まれ得る。
オプションの歯の除外ステップS124は同様に、図2のシーケンス200に示される。例えば、患者が1本以上の歯を除去している場合、除去された歯を補完する歯が除外され得る。このステップに関して、オペレータは、存在する場合には1本以上の歯を、顎平面平行度についてのTreilの理論に基づき、残りの処理ステップから除外するように指定する。図15のグラフは、システムが仮想又はデジタルファントム912を使用して、歯の除外をどのように学習するかを示す。デジタルファントム912は、計算及び表示に使用される仮想モデルであり、ランドマークのセット、上顎のデジタルモデルにおける上歯のセット、及び下顎のデジタルモデルにおける下歯のセットを用いて構築される。デジタルファントム912は、3D又はボリューム画像データモデルであり、患者の解剖学的構造から取得され、かつ提供されるランドマーク及び他の解剖学的情報を用いて生成されたものであり、また参照用に保存され得るか、あるいは必要に応じて使用のために生成されてもよい。様々な種類のデジタルファントムの使用は、デジタルX線写真技術分野の当業者にはよく知られている。ランドマーク、例えばデジタルファントム912の基準マーク504、506、508、及び510は、CBCTボリューム202(図3)から識別される実際の基準マークに対応する。これらのランドマークを用いて、t基準系612(図10A~図10E)を計算する。
オペレータは、1本以上の歯を、歯をディスプレイから選択することにより、又はディスプレイ上で除外された歯を識別する情報を入力することにより除外し得る。
図15の表示では、上歯及び下歯、例えばデジタルファントム912のデジタル歯2202及び2204は、デジタルで生成される。デジタル歯の例示的な形状は、示すように円筒形である。デジタル歯についての例示的なボクセル値は、この例では255である。他の形状及び値が、ファントム912表示及び処理に対して使用できることが、理解され得る。
図16Aは、デジタルファントム912のデジタル歯2202及び2204を示す。デジタル上顎及びデジタル下顎において対応するデジタル歯は、同じ方法で生成され、同じサイズ及び同じコード値を有する。
デジタル上顎及びデジタル下顎の平行度を評価するために、各デジタル顎に対する慣性テンソルは、デジタル顎における全てのデジタル歯のボクセルの3D位置ベクトル及びコード値を用いることによって形成される(以前に引用したTreilの出版物を参照)。次に、固有ベクトルは慣性テンソルから計算される。これらの固有ベクトルは、慣性系として、t基準系612(図10A)において顎の方向を数学的に説明する。前述のように、固有ベクトルは慣性テンソルデータから計算され、導出頭部計測パラメータの一種である。
図16Bに示すように、デジタル上顎慣性系2206及びデジタル下顎慣性系2208の計算軸は、予期した通りに、生成されたデジタルファントム912に対して平行であり、これは上顎及び下顎の歯が同じ方法で作成されるためである。図17Aは、この平行度を、上顎に対する線2210及び下顎に対する線2212に沿う矢状面図で示し、図17Bは、平行度を、上顎に対する線2214及び下顎に対する線2216における正貌(冠状面)図で示す。
図18A及び図18Bを参照すると、デジタル歯2204が失われている場合が示される。デジタル上顎慣性系2206及びデジタル下顎慣性系2208の計算軸は、もはや平行ではない。対応する図19A及び図19Bでは、この位置ずれもまた、上顎に対する線2210及び下顎に対する線2212に沿った矢状面図において、上顎に対する線2214及び下顎に対する線2216に沿った正貌図において、調査され得る。本開示の一実施形態によると、1本以上の欠け歯による、上顎及び下顎平面(慣性系)のこの種の位置ずれは、図20A及び図20Bに示すように、それぞれの欠け歯の対となる歯を除外することにより修正され得る。歯2204の対となる歯は、歯2304、2302、及び2202である。歯2304は、歯2204に関して上顎の対となる歯である。歯2202及び2302は、歯2304及び2204の反対側にある、対となる歯である。欠け歯2204の対となる歯を除外した後、上顎に対する慣性系2206、及び下顎に対する慣性系2208の計算軸は、平行に戻る。
図21A及び図21Bは、CBCTボリュームからセグメント化された歯を示し、これは、対となる歯が欠け歯に対して除外されている場合である。セグメンテーション結果は、画像2402に示される。上顎及び下顎に対する慣性系の計算軸は、グラフ2404に示すように平行である。
図22A及び図22Bは、歯の除外ステップS124(図2)を用いて別の患者に適用される、対となる歯を除外する方法を示す。画像2500に示すように、歯2502、2504、2506、及び2508は、完全に発達していない。これらの位置決め、サイズ、及び方向は、慣性系計算の観点から、上顎及び下顎の物理的特性を著しく歪める。図22Bのグラフ2510は、上顎慣性系2512及び下顎慣性系2514が著しく位置ずれしている(平行でない)状況を示す。
図23A及び図23Bは、画像から特定の歯を除外した結果を示す。画像2600は、図22Aの画像2500から歯2502、2504、2506、及び2508を除外した結果を示す。これらの歯の妨害がないと、画像2600に示す歯の、上顎の慣性系2612及び下顎の慣性系2614の軸は、グラフ2610に示すように平行である。
生体測定計算
解剖学的基準点に関して入力されたランドマークデータと、歯、インプラント、及び顎などの歯列要素、並びに関係する支持構造のセグメンテーションと、前述のように取得した計算されたパラメータとを考慮すると、詳細な生体測定計算が実行され得て、その結果を使用して、治療計画の設定、及び進行中の治療の進行状態のモニタリングを支援し得る。図8に戻って参照すると、後続して説明される生体測定計算は、記録した基準マークから生成されるパラメータを分析して表示するためのステップS250についての、更なる詳細を提示する。
本発明の一実施形態による、歯の入力されたランドマーク、及び計算された慣性系は、元のCBCT画像ボクセル空間から代わりの基準系に変換され、これは座標(x、y、z)を有する直接直交ランドマーク(DOL)基準系と称される。図24は、DOL基準系の多数のランドマーク及び座標軸又はベクトルを示す。ランドマークRIO及びLIOは眼窩下孔を示し、ランドマークRHM及びLHMは槌骨を示す。(x、y、z)の原点oは、線接続ランドマークRIO及びLIOの中間に選択される。ベクトルxの方向は、ランドマークRIOからLIOに規定される。YZ平面は、原点oでベクトルxと直交する。YZ平面と、線接続RHM及びLHMとの交点o’が存在する。ベクトルyの方向は、o’からoである。ベクトルzはxとyの外積である。
この変換を用いて、識別されたランドマークは、図25に示す座標空間に再マッピングされ得る。図26は、側面図からの、この再マッピングを用いた変換慣性系の例を示す。
例として、また限定ではないが、以下のリストは、多数の個々のデータのパラメータを識別し、それは変換されたランドマーク、歯列セグメンテーション、及び慣性系データを用いる更なる分析のために計算及び使用され得る。
第1のグルーピングのデータパラメータは、変換された空間内のランドマークを用いて計算され得て、前後の値を提示する。
1.前後、歯槽、GIM-Gim:上顎切歯と下顎切歯の慣性の平均中心の間のy位置の差。
2.前後、歯槽、GM-Gm:上歯及び下歯の慣性の平均中心の間の差。
3.前後、歯槽、TqIM:上顎切歯の平均トルク。
4.前後、歯槽、Tqim:下顎切歯の平均トルク。
5.前後、歯槽、(GIM+Gim)/2:GIMとGimの平均のy位置。
6.前後、基底、MNP-MM:平均鼻口蓋と平均オトガイ孔との間のy位置の差。
7.前後、基底、MFM-MM:平均下顎孔と平均オトガイ孔との間の実際の距離。
8.前後、構造、MMy:平均オトガイ孔のy位置。
9.前後、構造、MHM-MM:平均槌骨と平均オトガイ孔との間の実際の距離。
第2のグルーピングは、垂直の値を提示する。
10.垂直、歯槽、Gdz:全ての歯の慣性中心のz位置。
11.垂直、歯槽、MxII-MdII:上顎歯列弓と下顎歯列弓との第2の軸の角度の間の差。
12.垂直、基底、<MHM-MIO,MFM-MM>:ベクトルMHM-MIOとMFM-MMとの間の角度差。
13.垂直、構造、MMz:平均オトガイ孔のz位置。
14.垂直、構造、13:ベクトルMHM-MIOとMHM-MMとの間の角度差。
横方向の値もまた、提供される。
15.横方向、歯槽、dM-dm:上顎右/左の臼歯距離と下顎右/左の臼歯距離との差。
16.横方向、歯槽、TqM-Tqm:上顎の第1及び第2の臼歯のトルクと、下顎の第1及び第2の臼歯のトルクとの差。
17.横方向、基底、(RGP-LGP)/(RFM-LFM):右/左の大口蓋距離と下顎孔距離との比率。
18.横方向、構造、(RIO-LIO)/(RM-LM):右/左の眼窩下孔とオトガイ孔の距離との比率。
他の計算又は「推定」値は、次のように提示される。
19.推定、隠れ(hidden)、GIM:平均の上顎切歯のy位置。
20.推定、隠れ、Gim:平均の下顎切歯のy位置。
21.推定、隠れ、(TqIM+Tqim)/2:上顎切歯の平均トルクと下顎切歯の平均トルクとの平均値。
22.推定、隠れ、TqIM-Tqim:上顎切歯の平均トルクと下顎切歯の平均トルクの差。
23.推定、隠れ、MNPy:平均の鼻口蓋のy位置。
24.推定、隠れ、GIM-MNP(y):平均の上顎切歯のy位置と、平均の鼻口蓋のy位置との差。
25.推定、隠れ、Gim-MM(y):平均のオトガイ孔のy位置。
26.推定、隠れ、Gdz/(MMz-Gdz):Gdzの値とMMz-Gdzの値の比率。
このリストは例示的なものであり、本開示の範囲内のいくつかの他の方法において、拡大、編集、又は変更され得るという点に着目すべきである。
上記の例示的なリストでは、前後カテゴリには9つのパラメータが、垂直カテゴリには5つのパラメータが、そして横方向のカテゴリには4つのパラメータがある。上記カテゴリの各々は、次に、3つの種類、つまり歯槽用、基底用、及び構造用を有する。加えて、8つの推定パラメータがあり、それは特定の空間位置又は関係を示さない場合があるが、後続の計算で用いられる。これらのパラメータは更に、正常又は異常としてラベル付けされ得る。
正常パラメータは、前後の咬合不調和と正の関係を有し、すなわち、これらの値の観点では、
III級<I級<II級であり、
ここで、I級の値は、上歯、下歯、及び顎の間の正常な関係、又はバランスの取れた咬合を示し、II級の値は、下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯に対して後方にあることを示し、III級の値は、下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯に対して前方にあることを示す。
異常パラメータは、前後の咬合不調和と負の関係を有し、すなわち、これらの咬合関係の値の観点では、
II級<I級<III級である。
本開示の実施形態は、分析エンジンを使用して可能性のある条件のセットを計算でき、解釈のため、また治療計画へのガイドとして使用され得る。図27~図38は、分析エンジンの動作及び構成の様々な側面と、分析エンジンによって生成されるテキスト、表、及びグラフィックの結果を示す。コンピュータ、ワークステーション、又はホストプロセッサは、必須の作業及び機能を達成する、予めプログラムされた命令のセットに従い、分析エンジンとして構成され得る、という点に着目すべきである。
本開示の一実施形態によると、分析エンジンは、図27に示すように、3層ネットワーク2700としてモデル化され得る。このモデルでは、行及び列ノード入力が、行及び列入力信号に基づくバイナリ出力を提供する、1セットの比較器2702に向けられると考えられ得る。1つの出力セル2704は、図示のように、可能な入力条件の各セットに対してアクティブ化される。図示の例では、入力層1の2710には、以前に列挙された26個のパラメータのうちの1つが供給され、入力層2の2720には26個のパラメータのうちの別の1つが供給される。出力層2730は、2つの入力が特定の基準を満たす場合、つまり、それらの値が特定の範囲内にある場合に、それぞれのセルが1つの可能性のある分析を示す9つのセルを含む。
本開示の一実施形態によると、分析エンジンは13個のネットワークを有する。これらは、図27に示すものに類似の独立ネットワークと、図28に示す結合ネットワーク2800及び2810を含む。
図29に示すアルゴリズムは、独立した分析ネットワーク、例えば、図27の例に示すようなネットワークの動作を示す。ここで、値x及びyは入力パラメータ値であり、mはネットワーク指数を表し、D(i,j)は出力セルである。列の値に対する「評価ベクトルc」と、行の値に対する「評価ベクトルr」のステップは、チェックを行い、入力値がどの評価基準を満たすのかを判断する。例えば、以下の式では、-∞<x≦μxmの場合、c=「正、誤、誤」となる。
図28の連結ネットワークは、2つの他のネットワークからの結果を組み合わせ、図30のアルゴリズムで説明しているように操作することができる。再び、値xとyは入力値であり、mはネットワーク指数を示し、D(i,j)は出力セルである。列の値に対する「評価ベクトルc」と、行の値に対する「評価ベクトルr」のステップでは、チェックを行って、入力値がどの評価基準を満たすのかを判断する。
より広い態様では、ネットワークの全体の構成は、図27を参照して記載した独立ネットワークモデル、又は図28を参照して記載した結合ネットワークモデルを用いており、分析を調査、比較して、様々な測定基準を組み合わせて、開業医に報告され、治療計画で使用され得る有用な結果を提供することを可能にする。
図31Aは、特定の患者に対して、主に歯の不正咬合に関する数値及びこれらの解釈としての例示的パラメータを、以前に提示した26個のパラメータのリストに基づいて列挙する。図31B、図31C、及び図31Dは、特定の患者について、顎顔面非対称性に関する数値及びこれらの解釈としての例示的パラメータを、本出願の例示的な実施形態で提示される合計63個のパラメータのリストに基づいて列挙する。図32Aは、咬合分析及び歯列弓角度の特性を伴う特定の例についての例示的な表形式の結果3200を示す。図32Aの例では、列はアンダジェット、正常な切歯関係、又はオーバジェット状態を示す。行は、咬合の級及び歯列弓角度の状態を示す。図32Aが示すように、強調を用いて、異常状態又は特定の対象の他の状態を示す情報の表示を目立たせ得る。図32Aの例における特定の患者に関して、分析は結果として、III級の咬合特性を有するアンダジェット状態を示す。この結果を使用して、重症度及び開業医の判断に応じて、治療計画が進行され得る。
図32Bは、以前に提示したリストからのパラメータ3及び4を使用した、上顎及び下顎切歯のトルク分析による、別の例の例示的な表形式の結果3200を示す。
図32Cは、先にパラメータ(5)及び(21)として提示された、計算されたパラメータを使用した、上下顎後退又は上下顎前突の評価による、別の例の例示的な表形式の結果3200を示す。
図32Dは、特定の患者の頭部計測分析に関する結果の、例示的な概要のリストを示す。示したリストは、前に列挙したパラメータ1~26に対する分析表示を参照する。図32Dの特定の例では、本明細書に記載するように導出された生体測定パラメータ及び歯列情報を用いた、パラメータ比較についての13個の結果を示す。更なる結果、又はより少ない結果が実際に提供される場合がある。図32Eは、後に示すように(図35)、セル3294を備える表3292を有する表形式リストで報告された状態の1つについての詳細なリストを示す。
生体測定計算による結果情報は、様々な異なる形式で開業医に提供され得る。図31A~図32Eに示したような表形式の情報は、ファイル形式で、例えば、表形式のスプレッドシート構成における表示及び更なる計算に適合するコンマ区切り値(CSV)形式で提供され得てよく、又は、テキストメッセージを提供することなどにより、他の形式で示されてもよい。図26に示したようなグラフィック表示は、代替的に、出力として、特定の結果を強調して提供され得て、これは、例えば、測定され、計算されたパラメータが異常な生体測定関係、例えばオーバジェット、アンダジェット、その他の状態を示す特徴の表示を、強めるか、又は色によって目立たせることで強調される。
計算した生体計測パラメータは、関連するパラメータが組み合わせられて処理される分析シーケンスで使用され、患者母集団から集めた統計情報と比較され得る結果をもたらすことができる。次に、この比較を用いて、様々な特徴間の異常な関係を示し得る。この関係情報は、特定の患者の場合に、様々なパラメータが互いにどのように影響を及ぼすかを示すのに役立ち得て、治療計画をガイドするために使用される結果情報を提供し得る。
図1に戻って参照すると、メモリ132を使用して、患者の母集団から集めた頭部測定情報の統計データベースを保存し得る。歯及び関連する支持構造についての寸法情報を提供する様々な項目の生体データと、このデータに基づく噛み合わせ、咬合、及び頭部と口の部位の相互関係に関する追加情報は、患者集団から保存され、分析され得る。分析結果自体を保存することができ、所定の値のデータベースを提供し、それは個々の患者の治療について相当量の有用な情報を得ることができる。本発明の一実施形態によると、図31A及び図31Bに列挙されるパラメータデータは、各患者に対して計算され、保存されて、数百人の患者、又は少なくとも統計学的に有意な患者群のために保存され得る。保存された情報は、正常又は異常と考えられる範囲、また修正の必要性を判断するのに有用な情報を含む。次に、個々の患者の場合、患者からの生体測定データと、データベースから計算された保存されている値との比較は、効果的な治療計画の指示を提供するのに役立ち得る。
歯列矯正及び関連技術分野の当業者には周知のように、様々な患者について測定され計算された様々な生体計測パラメータの関係は複雑となる可能性があるため、複数の変数を計算し、比較して、修正処置の必要性を適切に評価する必要がある。図27及び図28について簡潔な形式で説明した分析エンジンは、異なる対のパラメータを比較して、一連のバイナリ出力値を提供する。しかし実際には、より複雑な処理が、患者母集団に見られる様々な状態及び値の範囲を考慮に入れて実施され得る。
特定の測定された、又は計算された生体計測パラメータ及び結果を強調することで、患者のための治療計画の開発をガイドし得る有用なデータが提供される。
図33は、結果3200のシステム表示を、分析結果に基づく推奨メッセージ170とともに、また推奨に関連する患者の解剖学的構造の特徴を強調して示す。図34は、分析結果3200のグラフィック表示を有するシステム表示108を示す。注釈付きの3D(例えば、308a~308d)は、推奨メッセージ170及びコントロール166と共に、異なる角度で配置されて示される。
本開示による特定の例示的な方法及び/又は装置の実施形態は、非対称の顔面/歯の解剖学的構造の評価に役立つように使用され得る客観的な測定基準及び表示データの必要性に対処し得る。有利には、例示的な方法及び/又は装置の実施形態は、開業医による評価に適した複数の形式で表示される測定及び分析結果を提示する。
図35は、本開示の一実施形態による顎顔面の非対称性評価のための例示的なテキストレポートを示す。レポートには、システムから利用可能な1セットの評価表(T1~T19)が列挙され、セルエントリ(行と列のインデックス付きC、C(行、列)で示される)が含まれており、得られたパラメータ、例えば図31BのパラメータP1~P15の間の関係に関連する計算に基づいて編成された顎顔面/歯の構造的非対称性評価コメントを提供する。例示的な評価表3292は、図32Eに示され、4つの行と4つの列を有する。
一実施形態では、各例示的な評価表(例えば、19個の評価表)について、一度に1つのセル3294のみがアクティブ化され得て、アクティブ化されたセルのコンテンツは、赤色のフォントで表示されるなどによって強調される。例示的な表3292では、アクティブ化されたセルは、C(2,2)(3294)であり、コンテンツ「0」は、切歯及び臼歯の上下顎偏位の特性に関して非対称性が見出されないことを示す。
例示的な評価表を迅速に参照するために、本開示のシステムは、チェックリストタイプの簡潔な概要ページ(例えば、図35)を生成し、それは表番号(Tn)、パラメータ番号(Pk、j)、セルインデックス(Cs、t)、及び評価表T1~T19からの実際の評価コメントを提供する。このタイプのテキストレポートから得られる情報は、開業医にとって有用となり得て、特定の患者に対する治療計画の策定及び治療の進行状況の評価に役立ち得る、少なくともいくつかの客観的な測定基準を提供する。開業医にとって更に有益なことは、患者の全体的な状態の評価に向けられた累積的な総括評価であり得る。これは、特に、患者の非対称な顔面/歯の解剖学的構造又は関係を判断するために利用される多数の条件付き参照点とそれらの間の関係が、多数の図指向、及び3D指向の治療条件を必要とし、根本的な原因が可変である状況であり得る。
例示的な非対称判定表の実施形態では、19個の評価表は、数百の基準点とそれらの間の数百の関係を含み得る。この例示的な非対称判定表の実施形態では、表は以下を含む。
Tl:非対称一致切歯、及び臼歯の上/下顎偏位。
T2:歯列弓回転。
T3:上/下顎歯列弓の右回転及び上顎又は下顎歯列弓の負担。
T4:上顎切歯横偏位との非対称一致切歯の上/下顎偏位、及び上/下顎切歯の横偏位における上顎又は下顎歯列弓の応答。
T5:前基底横偏位との非対称一致切歯の上/下顎偏位、及び上/下顎切歯の横偏位における上顎又は下顎歯列弓の前方偏位の応答。
T6:上顎臼歯横偏位との非対称一致切歯の上/下顎臼歯偏位、及び上顎又は下顎臼歯の横偏位の応答。
T7:下顎臼歯横偏位との非対称一致切歯の上/下顎臼歯偏位。
T8:基底骨の上/下顎偏位を非対称に合わせる。
T9:前方上顎骨偏位との非対称一致基底骨の上/下顎前方関係。
T10:前方下顎偏位との非対称一致基底骨の上/下顎前方関係。
T1l:前基底横偏位との非対称一致切歯の上/下顎偏位。
T12:上顎骨歯列弓のローリングとの垂直方向非対称比較左/右の臼歯の高度差。
T13:下顎骨歯列弓のローリングとの非対称比較左/右の臼歯の高度差。
T14:垂直方向非対称比較基底骨の右/左の後方差(上顎骨と下顎骨)。
T15:オトガイ点レベルでの垂直方向非対称比較左/右の差(上顎骨顔面領域と全体的な顔面の測定)。
T16:下顎との前後非対称比較右/左の上/下顎臼歯の前後差。
T17:下顎との前後非対称比較右/左の上/下顎臼歯の前後関係差。
T18:下顎との前後非対称比較左/右の上顎基底側面ランドマークの前後差。
T19:右/左の全体の半側顔面と前後非対称一致下顎骨水平縁枝。
本出願による、そのような複雑な非対称の顔面/歯の解剖学的構造又は関係の判定において、患者の全体的な状態の評価を対象とした任意の累積総括的評価が用いられるのが好ましい。いくつかの実施形態では、例示的な累積総括又は総合的な診断コメントには、非対称の前後方向(APコメント又はSI)、非対称の垂直方向(VTコメント又はS2)、及び非対称の横方向(TRANSコメント又はS3)を含み得る。更に、最高レベルの評価スコア(複数可)は、S1、S2、及びS3の1つ以上、又は組み合わせを用いることで使用され、非対称グローバルスコア(非対称グローバル判定)を決定し得る。例えば、例示的な非対称グローバルスコアは、概要(例えば、全体的なI、II、III級)であり得て、いくつかの限られたカテゴリ(例えば、正常、限定的な評価、提案される詳細な評価)に分類され、又は支配的な非対称状態(例えば、SI、S2、S3)によって表され/特徴付けられ得る。
図35に示すように、例示的なテキストレポートはまた、S1前後方向「合成」非対称コメント、S2垂直方向合成非対称コメント、及びS3横方向合成非対称コメントを提示する。
「合成」という用語は、この出願では各方向における1対の表を形成することから導出される。特定の例示的な実施形態では、「合成」という用語は、各評価タイプ(例えば、頭蓋骨の実質的な(例えば>50%)部分に関与するか、又はそれを表すAP、V、Trans)からの複数の表の組み合わせ、又は各方向における1対の表から決定され得る。
例えば、SI合成コメントは、表17と表19から導出される。導出では、まず表17と表19の各セルにスコアを割り当てる。例示的なスコアの割り当てを以下に説明する。
表17の場合、C(1,3)=-2;C(1,2)=C(2,3)=-1;C(2,1)=C(3,2)=1;C(3,l)=2、他のセルには値0が割り当てられる。
表19の場合、C(1,1)=-2;C(1,2)=C(2,1)=-1;C(2,3)=C(3,2)=1;C(3,3)=2、他のセルには値0が割り当てられる。
SI合成コメントの導出は、表17及び表19からのスコアを加算することによる組み合わせスコアを評価する。
例えば、表17のC(1,3)がアクティブ化され、表19のC(1,1)がアクティブ化される場合、組み合わせられたスコアは、表17のC(1,3)と表19のC(l,l)のスコアの合計となる。表17のC(l,3)には値-2が割り当てられ、表19のC(l,l)には値-2が割り当てられ、したがって組み合わせられたスコアは-4である。SIに対して考えられる組み合わせスコア値が、-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、及び4であることは明らかである。
例示的なSI合成コメントは、以下に要約される組み合わせスコア値に基づき得る。
組み合わせスコア=-4又は-3の場合、SI合成コメント=強い左前後過剰。
組み合わせスコア=-2の場合、SI合成コメント=左前後過剰傾向。
組み合わせスコア=2の場合、SI合成コメント=右前後過剰傾向。
組み合わせスコア=4又3の場合、SI合成コメント=強い右前後過剰。
組み合わせスコア=0の場合、コメントなし。
同様の結合コメント導出は、垂直方向及び横方向に適用される。
図35に戻って参照すると、例示的なテキストレポートは、S1=強い右前後過剰、S2=なし、及びS3=左上顎偏位傾向を表示する。
非常にまれなケースでは、合成コメントが3つの方向すべてに表示され、又はコメントが合成コメントのいくつかの種類の混合を提示する場合があり、これが更に広範囲の診断及び/又は治療を促す場合がある。
更に、本出願による選択された例示的な方法及び/又は装置の実施形態は、患者の顎顔面/歯の構造の非対称特性の迅速な視覚的評価を提供し得る。
図36は、正貌図に対する患者の顎顔面/歯の構造的特徴を示すプロット又はグラフであり、オペレータによって選択されたランドマーク、基準マーク414を使用してプロットされている(図5を参照)。このタイプの表示されたプロットは、この例示的な患者について客観的な方法で非対称性 (左対右) を明確に示す。
同様に、図37は矢状面図のプロット又はグラフであり、非対称性の別の客観的指標として、患者の顔面の左側と右側がどの程度密接に重なり合っているかを示す参照マーク414を有する。
図38は、患者の咬合の顕著な不適切な位置合わせの、上顎平面704及び下顎平面702の矢状面図における迅速な視覚的評価を提供するプロット又はグラフである。顎平面704は、導出された上顎マーク814に基づいて計算され、下顎平面702は、導出された下顎マーク814に基づいて計算される。導出されたマーク814は、図4に示すセグメント化された歯304に基づいて計算され、歯の位置を示す。図38に示す例は、長顔面高(hyperdivergent)パターンを有する患者に対する例示的な視覚的キューを示す。
本開示の実施形態は、CBCT、光学走査、又はその両方からの歯及び関連する解剖学的構造の相対位置の測定値を、顎顔面/歯科生体測定用の分析プロセッサ又はエンジンへの入力として使用する。生体測定分析プロセッサは、人工知能(Al)アルゴリズムと関連する機械学習アプローチを使用して、患者の評価と継続的な治療に役立ち得る診断用の歯列矯正情報を生成する。生成されたAl出力データと生体測定分析プロセッサからの分析を使用して、Al逆演算は、定量的なデータを生成して表示し、修正的歯列矯正をサポートする。
本開示の一実施形態によると、記載された方法は、歯列矯正治療前に個々の患者の歯の位置に基づいて最適な歯列弓形状を画定するための自動化された解決策を提供する。
ガイダンスはまた、1つ以上のアライナ、ブレース、ポジショナ、リテーナなどを有する設計、使用、配置構成及び組み合わせを含む、歯科器具の使用のために提供され得る。歯列矯正器具の配備をサポートするために、本開示の実施形態は、最適な歯列弓形状の達成に向けた多段階プロセスのガイダンスを提供する。個々の患者に対して、この方法は、複数の推奨された動きベクトルを有するセットを計算し、それを用いて歯の再位置決めを指示し得る。代替実施形態によると、適切な歯科器具の1つ以上は、可能であれば、全体又は一部を、3Dプリンタを使用して製造され得て、あるいは、適切な器具は、標準的なブラケットとブレースの配置を使用して組み立てられ得る。
図39のフロー図は、論理処理メカニズムとデータを示し、それを用いて、評価とガイダンスを提供し、歯列矯正器具をサポートし得る。CBCT、光学走査、又は他のソース、及び母集団データから取得された生体測定データ3900は、生体測定分析プロセッサ3910に入力される。これに応答して、人工知能(A1)エンジンである生体測定分析プロセッサ3910は、前述のように計算を行い、1つ以上の歯/顎顔面の異常を特定する記述ステートメント3920を生成する。本開示の例示的な実施形態によると、1つ以上の歯/顎顔面の異常を説明する記述ステートメントは、図31A~図32Dで以前に提示されたもののうちのいくつかを含み得る。
図39のプロセスを続けると、AI逆プロセッサ3930は、論理エンジンを提供し、それは個々の患者の解剖学的構造に基づき、生成される推奨又は所望の歯列弓曲線データ3904を生成する。記述ステートメント3920及び所望の歯列弓曲線データ3904に基づき、次に、AI逆プロセッサ3930は、歯の再位置決めに必要な動きベクトルを含み得る対応する修正データ3940、及び歯列矯正におけるガイダンスのための関連データを生成する。
AI逆処理は、歯列弓形状の最適化から開始し得る。図40に示すケース例は、角度αの歯列弓左回転の、典型的な患者の状態の画像を示す。非ゼロ角度は、歯列弓の形状が非対称であることを示す。歯列弓回転修正のために実行されるシーケンスは、この典型的なケースにおけるAI逆プロセッサ3930の動作の一例を提供する。
シーケンスステップの概要を以下に示す。
1.A1エンジン、図39の生体測定分析プロセッサ3910は、CBCT再構築からの生体測定データを分析し、図40に示される歯列弓左回転状態を示す記述ステートメントを生成する。
2.Al逆エンジン、Al逆プロセッサ3930は、記述ステートメントと、歯列弓特性に関する推奨又は所望する結果に基づいて、患者固有の一貫し、最適化された幾何学的プリミティブ及び関連パラメータを生成し、パラメータは、治療プロセスの現在の段階に対する定量的な歯の動き値を示す。
図40の例について。
(i)A1エンジンは、集合{t,..t}を表す歯ベクトルtの関数f(t)である歯列弓回転を検出し、ここで、Nは歯列弓内の歯の数である。tの位置(例示的な2D空間内)は、歯tを再配置することにより、Alエンジン逆演算によって修正され、体系的かつ自動化された方法で歯列弓回転を最小限に抑えることができ、
minf(t)、
この式は、例示的な関数g(t)=4次元多曲線(4thorder polycurve)の影響を受け、次に、例示的な2D空間での優決定系(over-determined system)の解が導かれる、Xβ=y
ここで、Xは、すべての歯の、例示的な2D空間におけるすべての0からn次のx位置を含む行列を意味する。例示的な値は、n=4である。変数yは、すべての歯の、例示的な2D空間における1次y位置を含むベクトル{y,..y}を意味し、ここでも、変数Nは歯列弓に含まれる歯の数である。
ここで、βはベクトル{β・・・β}で目的関数^β=argβminS(β)を意味する。
修正手段の概念は、3D空間にも適用可能である。
(ii)達成する目標を、min(f(t)=α)として、シーケンスは次のようになり得る。
(1)まず、テンソル行列I=Itrace(C)-Cを計算し、ここで、
Figure 2023551897000002
ここで、2D又は3D計算の場合は、d=2又は3となり、それに相当して、
は、要素(例えば、歯のボクセル)の(x,y,z)位置ベクトルを表す。
図40の歯列弓回転では、pは歯kの慣性中心である。k={1,2,3,..N}。ここでも、変数Nは、歯列弓に含まれる歯の数である。図41は、3D斜視図で示し、歯列弓に沿った慣性中心p4100の例示的な表現を示す。本開示の実施形態は、2D平面内に慣性中心を表示し、慣性中心位置決めに関して推奨された調整を示す。推奨された調整を生成する手順は、代替的に、3D空間での修正にまで拡大され得る。
(2)第2に、テンソルIの固有ベクトルを計算し、歯列弓回転角度αを計算する。
(3)第3に、歯列弓曲線、例えばg(t)=4次多曲線を、歯の慣性中心pを入力点として使用して計算する。
慣性中心pの集合は、追加の入力点を用いて増強することも、又は、代わりに、外れ値の入力点を除去することによってサイズを縮小することもできることに留意されたい。例示的な追加の入力点は、符号を反転した元の慣性中心(x方向)であり得て、例示的な外れ値点は、その座標が理想的な歯列弓形状からの著しい逸脱を示し得る。
問題を単純化するために、4次多曲線(多項式曲線)^βは、(x,y)空間、つまり変数d=2で計算され得る。図42は、慣性中心4100を示し、それはx、y空間(2D)に、14本の歯を有する初期の未修正の区分的線形歯列弓曲線4202に沿ってプロットされる。いくつかの慣性中心4100には、例示的な座標指定{(x,y)、(x,y)、…(x14,y14)}がラベル付けされる。
多曲線 (多項式曲線)^βの計算は、最小化により取得され得る。
Figure 2023551897000003
ここで、yは{y,..y}の要素であり、xijは行列Xの要素である。上記のS(β)式は、優決定線形系を意味し、それは、例えば、当業者が精通している、よく知られた擬似逆法を使用することによって解かれ得る。この計算に続いて、図42に示す歯の慣性中心4100は、直接マッピングされ得る。1つの直接マッピング方法では、各慣性中心p4100のx値が固定され、y値は調整されて、慣性中心を多項式曲線^β上で垂直方向にシフトする。図43に示すように、個々の歯の慣性中心p4100は、僅かな量だけ垂直方向に移動され、多項式曲線に適合させる一方で、対応するx値を一定に保ち得る。
元の未修正の中心はまた、n次多項式曲線の根の1つを適切に選択し、y値を固定入力として、そしてx(根)を出力として保持することによって、多項式曲線^β上で移動され得る。次に、テンソル行列Iは、移動した中心を使用して再計算され得る。テンソルの固有ベクトルを再計算し、歯列弓回転角α(図40)を再計算し得る。
上述の処理は、角度αが所定の最小値又はゼロ(対称な歯列弓形状を示す)に達するまで繰り返され得る。
図43は、所望の最適化された歯列弓曲線^β4300を示し、前述のように計算された、最適化前の元の歯列弓形状と比較するために重ねられる。
図44に示すように、計算された最適化に基づいて、元の位置から望ましい位置への歯の推奨された動きが表示され、開業医に報告され得る。
図44の報告されたデータでは、歯列弓の元の歯の慣性中心4100が、例えば、特定の色又は他の適切な表示処理で強調表示されて示され得る。動きベクトルVは、元の慣性中心4100の位置から最適化された慣性中心4110までの所望の動きを示す。元の歯列弓回転はベクトル4106で表される。修正された歯列弓回転角度αは、ベクトル4108で表される。
図45は、歯の変位ベクトルVを上記の計算に基づいて示したグラフを示す。図46は、ベクトル変位を、相互に直交する接線成分方向と法線成分方向に分解したグラフを示す。
図40に示す例では、歯の変位ベクトルを示す修正データは、歯列矯正治療のガイドラインとして役立ち得る。例示的な、最適化された4次多項式曲線の切片及び係数パラメータは、次のようになり得る。
Figure 2023551897000004
23.174417248277855
-0.000000000000000
-0.037164341067977
0.000000000000000
-0.000018751015683
本開示の一実施形態によると、システムは、図46に示されるタイプのデータを何らかの形式で開業医に提供し、患者のための歯列矯正治療計画をサポートする。歯列弓の各歯について、対応するベクトルVは、歯の慣性中心位置に対する推奨された、又は所望の調整に基づいて計算される。
多段階の実施形態
本開示の代替実施形態は、歯の位置調整に関するロジックを拡大し、歯列矯正治療のための多段階シーケンスにより密接に対応する。この実施形態は、再位置決め計算及び報告プロセスの複数の反復を提供し、患者の進行をより厳密に追跡して、各段階で必要な調整を推奨する。
本開示のシステムは、時間Tに、患者の歯列の構成要素(歯)の第1の位置データを、AIエンジンを通じて、歯列に適用される少なくとも1つの3Dデジタルボリューム取得モダリティから抽出されたデジタルデータとともに受信する。3Dボリュームは、CBCTスキャナ、光学スキャナ、又はレーザスキャナを使用して取得され得る。
自動的に、AIエンジン逆演算を通じて、本開示のシステムは、患者の歯列の構成要素(歯)の第2の位置デジタルデータを、歯列構成要素の第1の位置デジタルデータに基づいて、高度に最適化された第2の位置デジタルデータとともに生成し、その結果、歯列矯正治療後の時間Tにおいて、結果として生じる歯列構成要素(歯)の歯列弓形状は、多くの審美的及び機能的要件に対して改善された適合となる。
図47及び図48は、本明細書に記載の反復歯列弓近似計算を使用して歯を段階的に移動させることによる一連の歯列弓改善を示す。図47のグラフ表示は、AI逆演算を使用して、CBCTスキャナ、光学スキャナ又はレーザスキャナを用いて取得された3Dボリュームからの歯列弓形状に対して実行される第1ステップを示す。部分的な拡大セクションの破線表示は、時間Tにおける元の患者データの抽出後の歯列弓曲線の一部分を示す。
実際には、時間Tに、CBCT走査と口腔内光学走査の両方が行われる。根のある3Dの歯のモデルは、CBCT走査から生成され得て、根のない3Dの歯冠モデルは、光学走査から生成され得る。根のない歯冠モデルと根のある歯のモデルは、時間Tに登録される。
図47及び図48に示すプロセスでは、前述の歯列弓形状最適化手順は、時間Tで取得されたデータに適用され、第1のセットの動きベクトルVを生成する。これらのinitial動きベクトルは、図46を参照して説明されたフルスケールの動きベクトルVの「スケーリング」又は「スケールバック」バージョン、例えば、
=0.5Vと考えられ得る。
これらのスケーリングされたベクトルは、治療手順の単一段階のデータを提供する。例えば、図47の歯列弓マッピンググラフに関して、ベクトルVは、時間Tから時間Tまでの対応する歯の慣性中心の示された動きを提供する。
この多段階シーケンスを使用して、反復ロジックは、第1の段階の終了時に処理を繰り返し、時間Tの第2の位置データを開始点として効果的に使用し、これにより、Tの位置がTの位置に置き換わり、処理が続行される。
実際には、k>0である時間Tで、根のない3Dの歯冠モデルは、別のCBCT走査を取得することなく、口腔内光学スキャナを使用することで取得され、患者のX線曝露を減らし得る。時間Tで得られた根のある歯のモデルは、時間Tで根のない歯冠モデルと位置合わせされ得て、根のない歯冠モデルと位置合わせされた、根のある新しい1セットの歯のモデルが、時間Tで形成される。根のある新しい1セットの歯のモデルを使用して、治療成績を評価することができ、新しい治療計画が設計され得て、新しい1セットの歯の動きベクトルが計算され得る。
フォローアップAI逆演算を通じて、本開示のシステムは、患者の歯列の別の第2の位置デジタルデータを、時間Tで計算された新しい第1の位置デジタルデータに基づいて生成する。図48に示すように、計算された患者の歯列の最適化は、更に改善された歯列弓形状を、ベクトルVに沿った動きを使用してもたらし、新しい位置を時間Tで生じる。歯列矯正治療後に、結果として生じる歯列弓形状は、審美的及び機能的要件を満たす歯列構成要素(歯)の適合性を向上させる。
図47及び図48を参照して説明した例示的な2段階プロセス(T-T、T-T)は、T-Ti+1で表される多段階プロセスとして一般化され得る。多段階プロセスは、一般に、第1の位置デジタルデータと第2の位置デジタルデータとの差が小さくなる時間Tで完了され得る。あるいは、多段階調整プロセスの完了は、例えば、所定の反復回数を使用して、又は所定の閾値に従って更なる動き距離を評価することによって判断され得る。
図46、図47、及び図48の例に示すように、本開示のシステムは、時間T(ここで、i=0、1,2,3,..n-1)において、歯列矯正戦略によって自動的に決定され、第2の位置データの変位データを、時間Tにおける結果として生じる歯列弓形状に関して接線方向及び法線方向に沿って分解し得る。
本開示のプロセスは、時間Tにおいて、分解された変位データ及びベクトルVに基づいて歯列構成要素の位置修正装置を自動的に決定及び/又は製造し得る。分解された変位データが主に接線方向である場合は、ブレースが推奨され得る。分解された変位データの主成分が法線方向である場合は、アライナが適する可能性がある。多くの場合、アライナとブレースを組み合わせた装置が好ましい。プロセスの各ステップのベクトルVは、表示、印刷、又は保存などで報告され得て、また歯の再位置決めに適するブレース、アライナ、又はその他の歯科用器具を製造する器具設計システムに提供され得て、後でより詳細に説明される。
例として、図49は、歯列矯正患者の歯列弓の14本の歯のそれぞれに対する、動きベクトルVのコンピュータ生成リストを示す。x軸とy軸の動きに対する値は、各歯ベクトルVに対して示される。動きベクトルVの値は、ファイルなどのリストとして、開業医に提供され、又は表示され得る。
図50A(3Dレンダリング図)は、例示的な歯列矯正患者の初期の未修正の歯列弓5000における歯の配置を示す。図50Bは、本開示のシステムによって提供される治療推奨に従って修正された歯列弓5010を示す。図50C(これも部分的に3Dレンダリング図)は、初期歯列弓と最適化された歯列弓を、輪郭5002で示される元の歯の位置とともに重ねて示す。図50D(2D軸方向図のスライス)は、輪郭5002の初期歯列弓が最適化された歯列弓5010上に重ねられた別の例を示す。
一例として、図51の概略図は、オペレータインタフェース表示5100を表示し、歯列矯正データを提供するための処理を制御し、処理結果を表示するためのものである。画像部分5110は、実際の走査結果(図50Aのような)、改善された位置決め(図50Bのような)、及び提案された歯動きのベクトルV(図46のような)のグラフィック表示を提供する。これらの異なる表示データは、例えば、コントロール5120を使用してオペレータが選択したように重ねて、又は個別に表示され得る。オペレータは、異なる計算及び結果を、図47及び図48を参照して説明したように、単一段階又は多段階治療などの変数選択に応じて選択し得る。
図54のフロー図は、論理処理メカニズムとデータを示し、それを用いて、歯列矯正器具をサポートするための評価とガイダンスを提供する。図39に示すプロセスと比較すると、図54のプロセスには、歯列矯正治療中に起こり得る潜在的なコリジョンを排除するためのステップが更に含まれる。CBCT、光学走査、又は他のソース、及び母集団データから取得された生体測定データ5900は、生体測定分析プロセッサ5910に入力される。これに応答して、生体測定分析プロセッサ5910、つまり人工知能(A1)エンジンは、前述したように計算を実行し、1本以上の歯/顎顔面の異常を特定する記述ステートメント5920を生成する。
本開示の一実施形態によると、1つ以上の歯/顎顔面の異常、例えば歯の位置ずれを説明する記述ステートメントは、歯列弓形状の最適化プロセスを作動し、歯の動きベクトルを生成し、それにより、器具製造のために歯の位置と向きが再位置決めされたデジタルモデルを生成する。
図54のプロセスを続けると、AI逆プロセッサ5930は論理エンジンを提供する。このAI逆エンジンは、推奨される、又は所望の歯列弓曲線データ5904を生成し、それは個々の患者の解剖学的構造に基づいて、生成される。
次に、記述ステートメント5920及び計算された所望の歯列弓曲線データ5904に基づいて、修正データ(データ3940と同様)が計算され得て、つまり、すべての個々の歯の1セットの潜在的な新しい位置が、計算によって予測され得る。これらの新しい位置に従って、潜在的なコリジョンが検出される。これらの予測されたコリジョンから、コリジョン除去データ5938、すなわち、検出されたコリジョンを除去するための変位データが導出される。
したがって、歯列弓内の個々の歯に対する所望の動きベクトルを計算するために、所望の歯列弓曲線データ5904とコリジョン除去データ5938の両方が考慮され得る。本開示の一実施形態によると、所望の歯列弓曲線データ5904からの変位データとコリジョン除去データ5938からの変位データが組み合わせられて、歯列弓内の1本以上の歯を再位置決めするための対応する修正データ5940が提供される。
全体として、記述ステートメント5920、所望の歯列弓曲線データ5904、及びコリジョン除去データ5938に基づいて、AI逆プロセッサ5930は、対応する修正データ5940を生成する。修正データ5940は、歯の再位置決めに必要な動きベクトル、及び歯列矯正におけるガイダンスのための関連データを含み得る。
本開示の一実施形態によると、歯列弓形状最適化プロセスは、歯の慣性中心を入力として使用する。
本開示の別の実施形態によると、歯列弓形状の最適化プロセスは、セグメント化された皮質骨の形状と歯の慣性中心の組み合わせを入力として使用する。
本開示の一実施形態によると、コリジョン除去が仮想セットアップのステップで実行された後に、歯列矯正治療器具が製造され、これは、歯列矯正開業医が従来採用している隣接歯間の削合手順の必要性を事実上排除する。
本開示の別の実施形態によると、コリジョン除去は、コリジョンが非常に小さい場合に影響を受ける歯のトリミングを採用することによって、器具の製造後に実行され得て、トリミングは、計算されたコリジョン除去動きベクトルによってガイドされる。
図55Aは、例示的な歯列矯正患者の初期の未修正の歯列弓における歯の分布を示す図である。図55Bは、修正データ、例えば、図39に示される修正データ3940に基づき、図55Aに示す元の歯列弓の、位置合わせされた歯列弓を示す。図55Bは、歯列弓形状が最適化されていることを示し、そして、歯の位置ずれは、例えば図39に対応する治療ガイダンスに従って、図55Aの元の歯列弓から修正されている。歯のコリジョンは、図55Bに緑色の領域で示されているように発生する。
図56は、本発明の一実施形態による、コリジョンがある歯のデジタルモデルの移動方向及び移動距離を計算するプロセスを示す論理フロー図である。
ステップ5610では、固有のコード値は、個々の歯のデジタルモデル、つまり歯のボリュームごとに割り当てられるため、異なるコード値が、歯列弓の2本以上の歯のボリューム間に割り当てられる。例えば、歯T1の各ボクセルにはコード値C1が割り当てられ、歯T2の各ボクセルにはコード値C2が割り当てられ、歯T3の各ボクセルにはコード値C3が割り当てられる。
歯の再配置による歯列弓の最適化後、これらのコード値は、CBCTヘッドボリューム上の、歯列弓最適化前の位置とは異なる位置に現れる。場合によっては、2つの異なるコード値は、コリジョンが発生する同じ位置に現れる。
したがって、ステップ5620では、CBCTヘッドボリュームの2D又は3D空間での検索が続行され、2つの異なるコード値を有するコリジョン(係合)サブボリュームが見つかる。
ステップ5630では、サブボリュームCk,k+1に関連付けられた歯のボリューム(T及びTk+1)を、コリジョンがある歯として作成する。
ステップ5640では、接線ベクトルTVk,k+1は、多曲線(最適な多曲線)、例えば、図44に示す4次多曲線に対して、コリジョンサブボリュームCk,k+1の中心位置を使用して計算される。接線ベクトルTVk,k+1を計算する例示的なプロセスは、以下の通りである。コリジョンサブボリュームCk,k+1の中心位置を多曲線に垂直に投影して、点Pを取得する。Pにおける接線ベクトルTを、多曲線に沿って計算する。接線ベクトルTVk,k+1の方向はTと同じであるが、Ck,k+1の位置にある。
ステップ5650では、特定の方向、例えば接線ベクトルTVk,k+1に沿ったサブボリュームCk,k+1の検索が実行され、最大コリジョン値、つまりボリュームの厚さdk,k+1が判る。ボリュームの厚さを使用して、コリジョン変位の補償を計算し得る。本開示の一実施形態によると、補償は、コリジョンボリュームの厚さに等しい値である。本開示の別の実施形態によると、補償は、コリジョンボリュームの厚さの値に公差の値を加えた値である。公差は、通常の経験に基づく固定値、又は歯のボリュームなどの他の問題に関連する変数であり得る。
ステップ5660では、歯のボリュームT又はTk+1は、方向、例えば、接線ベクトル-TVk,k+1又はTVk,k+1の方向に沿ってdk,k+1の量だけ移動し、この結果、歯のボリュームT及びTk+1が離され、これは歯のボリュームTとTk+1との間のコリジョンが解消されることを意味する。ステップ5660における動きオプションの1つが図55Dに示され、これは本発明の一実施形態による歯のデジタルモデルの移動方向及び移動距離を示す図である。
コリジョンに関連する潜在的な変位が計算され、考慮されると、追加のガイダンス情報が歯列矯正治療のために追加され得る。本開示の一実施形態では、所望の歯列弓曲線データからの変位データとコリジョン除去データからの変位データが組み合わせられる。本開示の一実施形態では、この組み合わせは、所望の歯列弓曲線データとコリジョン除去データからの変位データに対応するベクトルの単純な加算であり、これは当業者にはよく知られている。
図55Cは、歯のコリジョンがない、デジタル的に最適化された歯列弓形状を示す図である。これは、歯のコリジョンを考慮した歯列矯正治療の例示的な結果の図であり、歯の位置と向きを、上述の組み合わせ動きベクトルを用いて再配置している。
本開示の実施形態は、様々なタイプの器具製造システムに適したベクトル及び位置決め情報を生成し得る。図52の概略図は、本開示の最適化方法を使用して歯列矯正器具を形成するための例示的な製造システム260を示す。イメージング装置270、例えば図1を参照して説明したCBCTイメージング装置100からの画像データは、データファイルとして、又はストリーミングデータとして、有線又は無線ネットワーク282、例えばインターネット接続を備えたイーサネットネットワークを介して提供され得る。ネットワーク282を使用して、この3D画像データをメモリ284、又はネットワーク化されたサーバ若しくはワークステーション280上のストレージに転送し得る。患者に関する臨床徴候及び関連パラメータは、ワークステーション280を介して、入力されるか、又はそうでなければ3Dデータに関連付けられ得る。次に、自動化又は部分的に自動化されたプロセスがワークステーション280で実行され、印刷ファイル288又は器具製造を支援する他のデータ構造を形成することによって器具設計を生成し得る。印刷ファイル288又は他の製造命令は、製造装置290に送信され得て、これもまたネットワーク282と信号通信する。
図52の製造プロセスは、高度に自動化又は部分的に自動化され得て、あるいはシステムによって提供されるベクトルデータを使用する手動の製造プロセスであってもよい。本開示の一実施形態によると、製造装置290は、ネットワーク化された3Dプリンタであり、それを用いて、アライナ又は他の器具の様々な配置を生成し得る。ワークステーション280のオペレータ又は開業医は、3Dプリンタ動作のための様々な制御機能及びコマンドを、本明細書に記載の生体測定分析ツールを使用して提供し得る。別のタイプの製造装置290は、追加のセットアップ又は制御を必要とする場合があり、生体測定分析結果を適用するために、より広範なオペレータの対話又は開業医の入力を必要とする場合がある。
図53のフロー図は、歯列矯正の最適化の結果を器具設計及び製造の作業に適用するシーケンスを示す。生体測定取得ステップS5310は、上述の生体測定データを取得し、歯列矯正治療の対象となる頭部幾何学形状を特徴付ける。次に、生体測定処理ステップS5320は、頭部計測データの処理を実行し、図31A~図32Dの例に示される1つ以上の歯/顎顔面の異常を記述するタイプのデータを生成する。次に、ベクトル生成ステップS5330は、図51を参照して説明したように、個々の歯に対して所望の動きベクトルを規定する修正データを生成する。修正データは、例えば前述のAl逆プロセッサを使用して生成され得る。この修正情報は、治療計画生成ステップS5340において治療計画と統合され得る。オペレータ入力エントリステップS5350は、設計処理ステップS5360をサポートするために使用される追加データを提供し得て、設計処理ステップS5360は、完全に自動化、部分的に自動化、又は主に手動であり得る。設計処理ステップS5360の出力は製造ステップS5370に進み、製造ステップS5370は、製造システム、例えば3Dプリンタ又は器具製造用の他の装置によって実行される。
本開示の一実施形態によると、設計処理ステップS5360は、治療計画に対して自動的に生成された動きベクトルデータを、適切な歯科器具の自動製造をサポートする設計データに変換する。その出力として、設計処理ステップS5360は、3D印刷に適したファイル、例えば3Dプリンタで一般的に使用されるSTL(標準三角測量言語)ファイル、又は3D幾何学形状を表すOBJファイを生成し得る。他のタイプの印刷ファイルデータは、X3G形式又はFBX形式などの独自の形式であり得る。
自動製造システムは、付加的なものにすることができ、例えば、ステレオリソグラフィ(SLA)を使用する3D印刷装置、又はベース構造上に少量の材料を堆積することでオブジェクト又は形状を生成するその他の付加的な方法などである。付加製造のためのいくつかの代替的な方法には、材料を液状で塗布して硬化可能とする熱溶解積層法と、集束した放射エネルギを用いて、金属、セラミック、又はポリマ粒子を焼結し、構造を形成する選択的レーザ焼結が含まれる。あるいは、自動製造装置は、サブトラクティブとなり得て、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)装置を使用して、適切な材料のブロックから器具を機械加工する。
ユーザ対話は、製造プロセスの一部として使用され、例えば自動的に生成及び表示された結果を検証及び確認し、又は生成された結果を開業医の裁量で変更し得る。したがって、例えば、オペレータは、自動システムからいくつかのガイダンスを受け入れることができるが、特定の患者のニーズに応じて生成された動きデータを変更し得る。
本明細書では、患者の顎顔面非対称性の3D頭部計測分析を拡張及び強化し、手動又は自動方法を使用した適切な歯科器具の製造を含む、その後の治療のための歯列矯正評価及びガイダンスを提供するコンピュータ実行方法について説明する。
本明細書の例示的な実施形態と一致して、コンピュータプログラムは、格納された命令を使用して、3D生体測定分析を、電子メモリからアクセスされる画像データに対して実行し得る。画像処理技術分野の当業者により理解可能であるように、本出願の例示的な実施形態において、イメージングシステム及びプローブを動作させ、画像データを取得するためのコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ又はワークステーションなど、本明細書に記載されるような制御論理プロセッサとして動作する適切な汎用コンピュータシステムによって利用され得る。しかし、多くの他のタイプのコンピュータシステムを用いて、本発明のコンピュータプログラムを実行でき、例えば、ネットワーク化されたプロセッサの構成を含む。例示的な方法を実行するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。この媒体は、例えば、ハードドライブ若しくはリムーバブルデバイスなどの磁気ディスク又は磁気テープといった磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ、若しくは機械可読光エンコードなどの光学的記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくは読み取り専用メモリ(ROM)などの固体電子記憶装置、又はコンピュータプログラムを格納するために用いられる任意の他の物理デバイス若しくは媒体を含み得る。本開示の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムはまた、インターネット、他のネットワーク、又は通信媒体により画像プロセッサと接続された、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。当業者は更に、そのようなコンピュータプログラム生成物の同等物がまた、ハードウェアで構築され得ることを容易に理解するであろう。
「メモリ」という用語は、本出願の文脈において、「コンピュータがアクセス可能なメモリ」と同等であり、あらゆるタイプの一時的又はより持続的なデータストレージワークスペースを指すことができ、画像データの保存と操作に使用され、コンピュータシステムに、例えばデータベースにアクセス可能であることに留意されたい。メモリは、不揮発性であり得て、例えば、磁気記憶又は光学記憶などの長期記憶媒体を用いる。あるいは、メモリは、電子回路を用いて、より一層揮発性の性質にすることができ、例えば、一時的バッファ又はワークスペースとしてマクロプロセッサ又はその他の制御論理プロセッサデバイスによって使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)である。例えば、表示データは、通常、表示デバイスに直接関連付けられた一時記憶バッファに保存され、表示データを提供するために必要に応じて定期的に更新される。この一時記憶バッファもまた、この用語が出願において使用されるように、一種のメモリであるとみなされる。メモリはまた、データワークスペースとしても使用され、計算及びその他の処理の中間結果と最終結果を実行及び保存する。コンピュータアクセス可能メモリは、揮発性、非揮発性、又は揮発性及び非揮発性の混合した組み合わせであってもよい。
本出願のコンピュータプログラム生成物は、よく知られる様々な画像操作アルゴリズム及びプロセスを使用し得ることが理解されるであろう。このようなアルゴリズム及びシステムと、画像を生成及び処理するための、又は本出願のコンピュータプログラム生成物の例示的な実施形態と協働するためのハードウェア及び/又はソフトウェアの更なる態様は、本明細書では特に図示されず説明されず、当技術分野で周知のそのようなアルゴリズム、システム、ハードウェア、構成要素及び要素から選択されてもよい。
本発明を1つ以上の実装に関して説明したが、変更及び/又は修正は、添付の特許請求の趣旨及び範囲から逸脱することなく、図示された例に加えることができる。更に、本発明の特定の特徴は、いくつかの実装/実施形態のうちの1つのみに関して開示され得るが、そのような特徴は、任意の所与の又は特定の機能にとって望ましく有利であるように、別の実装/実施形態の1つ以上の別の特徴と組み合わせ得る。「少なくとも1つ」という用語は、列挙された項目のうち1つ以上が選択され得ることを意味する。「約」という用語は、変更が図示の実施形態に対するプロセス又は構造の不適合をもたらさない限り、列挙された値が多少変更され得ることを示す。最後に、「例示的」は、その説明が理想であることを意味するのではなく、例として使用されることを示す。本発明の他の実施形態は、本明細書に開示された本発明の明細書及び実施を考慮することにより当業者には明らかとなるであろう。明細書及び実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲及び趣旨は少なくとも以下の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。

Claims (24)

  1. コンピュータによって少なくとも部分的に実行される、歯列矯正治療計画のための方法は、
    (a)患者の顎顔面及び歯の解剖学的構造の走査から3次元データを取得すること、
    (b)前記取得された3次元データから複数の頭部計測値を計算すること、
    (c)前記計算された頭部計測値を処理し、前記患者の歯列弓に沿った歯位置決めを示す測定基準を生成することであって、前記処理は歯列弓形状の最適化プロセスを含むこと、
    (d)前記生成された測定基準を分析して、前記歯列弓の範囲内の個々の歯に対して所望の動きベクトルを計算すること、及び、
    (e)前記所望の動きベクトルを表示、記憶、又は送信すること、
    を含む、方法。
  2. 前記歯列弓形状の最適化プロセスは,歯の慣性中心を入力として使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記歯列弓形状の最適化プロセスは、セグメント化された皮質骨の形状と歯の慣性中心の組み合わせを入力として使用する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記方法は、前記所望の動きベクトルを相互に直交する接線成分方向と法線成分方向の構成要素に分解し、前記分解を示すベクトルデータを表示するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 3次元データを取得する前記ステップは、コーンビームコンピュータ断層撮影システム及び/又は口腔内光学スキャナからデータを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法は更に、1つ以上の歯列矯正器具を前記所望の動きベクトルに従って製造するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記所望の動きベクトルを送信する前記ステップは、自動製造装置に送信することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記製造ステップは、所望の歯の動きに関連するオペレータ命令を受け入れることを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記所望の動きベクトルは、単一段階を有する歯列矯正治療のための前記歯の慣性中心の再位置決めを示す、請求項1に記載の方法。
  10. 前記所望の動きベクトルは、複数の段階を有する歯列矯正治療の単一段階のための前記歯の慣性中心の再位置決めを示す、請求項1に記載の方法。
  11. 前記所望の動きベクトルは、座標値のリストとして提供される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記動きベクトルを表示する前記ステップは、実際の歯の動き又は所望の歯の動きについて、前記ベクトルを、前記歯列弓の前記歯の2D輪郭に重ねて表示することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記動きベクトルを表示する前記ステップは、前記ベクトルを、歯列弓のいくつかの部分の前記歯の3D表示上に重ねて表示することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記方法は、前記所望の動きベクトルに従って3D印刷ファイルを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  15. 歯列矯正に関するガイダンスを提供する装置であって、
    (a)患者の顎顔面及び歯の解剖学的構造の走査から3次元データを取得するように構成された走査装置、
    (b)命令がプログラムされたコンピュータ装置であって、
    (i)前記取得された3次元データから複数の頭部計測値を計算し、
    (ii)前記計算された頭部計測値を処理し、前記患者の歯列弓に沿った歯位置決めを示す測定基準を生成し、前記処理が歯列弓形状の最適化プロセスを含み、そして、
    (iii)前記生成された測定基準を分析して、前記歯列弓内の個々の歯に対して所望の動きベクトルを計算する、コンピュータ装置、及び、
    (c)前記ンピュータと信号通信し、前記所望の動きベクトルを表示するディスプレイ、
    を備える、装置。
  16. 前記歯列弓形状の最適化プロセスは,歯の慣性中心を入力として使用する、請求項15に記載の装置。
  17. 前記歯列弓形状の最適化プロセスは、セグメント化された皮質骨の形状と歯の慣性中心の組み合わせを入力として使用する、請求項15に記載の装置。
  18. 前記装置は、前記所望の動きベクトルを使用して歯科器具を自動製造するための製造装置を更に備え、前記製造装置は前記コンピュータ装置と信号通信する、請求項15に記載の装置。
  19. 患者の歯列弓に最適な歯列弓形状を生成する方法であって、少なくとも部分的にコンピュータプロセッサ上で実行され、
    (a)前記患者の歯列弓の再構築された3Dデジタルボリュームから1本以上の歯の第1の位置デジタルデータを受信するステップ、
    (b)前記患者の所望の歯列弓形状に従って、前記1本以上の歯の第2の位置デジタルデータを生成するステップ、
    (c)前記第1の位置及び第2の位置デジタルデータに従って、1本以上の歯の第1の変位データを計算するステップ、
    (d)前記第1の変位データに基づいて歯のコリジョン値を検出するステップ、
    (e)前記検出された歯のコリジョン値に基づいて、1本以上の歯の第2の変位データを計算するステップ、
    (f)前記第1の変位データと前記第2の変位データを組み合わせるステップ、
    (g)前記1本以上の歯の増分移動のための中間変位を計算するステップ、及び、
    (h)前記歯列弓の1本以上の歯を再位置決めするための前記中間変位を報告するステップ、
    を含む、方法。
  20. 歯のコリジョン値を検出する前記ステップは、
    (a)2本の歯のボリューム又はそれ以上の歯のボリュームに別個のコード値を割り当てるステップ(S5610)、
    (b)2D又は3D空間を検索し、前記コード値を有する2本の歯のボリュームのコリジョンサブボリュームを見つけるステップ(S5620)、及び、
    (c)前記コリジョンサブボリュームに関連付けられた歯のボリュームを、コリジョンがある歯のボリュームとしてマークするステップ(S5630)、
    を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 第2の変位データを計算する前記ステップは、
    (a)前記コリジョンサブボリュームの方向値を決定するステップ(S5640)、
    (b)前記サブボリュームを、前記決定された方向値に対応する方向に沿って検索して、最大コリジョン値を見つけるステップ(S5650)、及び、
    (c)前記第2の変位データを前記最大コリジョン値に基づいて計算するステップ、
    を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記第1の変位データと前記第2の変位データを組み合わせる前記ステップは、前記第1の変位データと前記第2の変位データに対応するベクトルの加算である、請求項19に記載の方法。
  23. 前記方法は、前記歯列弓の1本以上の歯を再位置決めするために、前記報告された中間変位に従って1つ以上の歯列矯正器具を製造するステップを更に含む、請求項19に記載の方法。
  24. 前記第1の位置デジタルデータ又は前記第2の位置デジタルデータは、個々の歯の慣性中心の位置を含む、請求項19に記載の方法。
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