JP2023552370A - 歯科器具を製造する方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

歯科矯正治療用の歯科器具を製造する方法及びシステム。方法は、患者のスキャンから、三次元歯科データを得る工程と、元の歯の位置を特定する工程と、最適な歯列弓形状を生成する工程と、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタルモデルを決定する工程と、を含む。システムは、三次元歯科データを取得するためのスキャン装置と、最適な歯列弓形状を生成し、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタルモデルを決定するための指示によりプログラミングされたコンピュータ装置と、を備える。

Description

本発明は、歯科器具を製造する方法及びシステム、特に、X線コンピュータ断層撮影、光学式、光干渉断層撮影(OCT)、又は3D歯科画像を生成するその他歯科撮像方式の生体情報分析において画像処理を利用した、歯科矯正治療用の歯科器具を製造する方法及びシステムに関する。
歯科矯正は、歯及び顎の位置異常の診断、防止、及び修正を扱う。歯科矯正治療は、患者の歯の転移を修正するものである。一般的に、患者の転移歯を伴う歯列弓に対して、歯科用ブレースが適用される。近年まで、真空形成された矯正具がより一般的に使用されている。透明で滑らかな真空形成矯正具は、装着性向上及び治療時におけるその他利点をもたらすものである。真空形成矯正具は、多少の叢生を抑え、多少の歯並びの悪さを改善するように、歯を徐々に動かすものである。治療処置の開始に当たって、各歯が元の自然な位置にある、患者の顎の3次元デジタルモデルが得られる。この元の歯のデジタルモデルに基づいて、オペレータの入力を受けた専用コンピュータプログラムが、修正すべき歯の位置を分析し、歯を最終配列に移動させるための歯科矯正治療計画を作製する。計画は、プログラムに組み込まれたアルゴリズムに基づいて、施術経験、或いは患者の要望又は好みに応じた更なるオペレータの入力により生成される。元の歯のデジタルモデルと、予定された最終配列(最終歯デジタルモデル)の両方に基づいて、治療計画処理において、一連の中間歯デジタルモデルが定義され、それに応じて複数の矯正具が製造される。歯科矯正治療においては、患者の歯に対し、一連の増分位置及び配向調整矯正具を配置することで、患者の歯が、元の歯配列から最終歯配列に再配置される。
各種器具製造システムの計算用に、3D画像データを生成するのに様々な撮像方式が利用可能である。図1は、歯科矯正器具を形成するための例示的な製造システム260を示す模式図である。CBST、光学、及び光干渉断層撮影(OCT)撮像システム等の撮像装置270からの画像データが、インターネット接続可能なイーサネットネットワーク等の、有線又は無線ネットワーク282を介して、データファイル又はストリーミングデータとして提供され得る。ネットワーク282は、この3D画像データを、メモリ284或いはネットワーク型サーバ又はワークステーション280上のストレージに転送するのに使用され得る。患者に対する、臨床的適応及び関連パラメータが、ワークステーション280を介して入力、又はその他方法で3Dデータに関連付けられ得る。その後、自動又は一部自動処理が、ワークステーション280で実行され得る。これにより、プリントファイル288、又は器具製造を補助するその他データ構造を形成することで、器具設計が生成される。プリントファイル288又はその他製造指示が、同じくネットワーク282と信号通信する製造システム290に送られ得る。
図1の製造処理は、高度に自動化される、又は一部自動化される、あるいはシステムが提供するベクトルデータを使用した手動製造処理であり得る。製造システム290は、歯配列又は、物理的矯正具を製造するその他器具を生成するのに使用されるネットワーク式3Dプリンタを有し得る。オペレータ又は施術者は、ワークステーション280で、本明細に記載の生体情報分析ツールを使用した3Dプリンタ動作用の、各種制御機能及びコマンドを提供可能である。別の種類の製造システム290は、生体情報分析結果を適用するのに、追加設定又は制御を要し得、さらにより積極的なオペレータ対話又は施術者入力を要し得る。器具製造システムにおける計算用の3D画像データを提供する撮像方式は、CBCT、光学式、OCT撮像システムを含み得る。
「System and method of digitally modeling craniofacial features for the purposes of diagnosis and treatment predictions」という名称の特許文献1(Tuncayら)は、頭蓋顔面の特徴のコンピュータモデルを生成する方法を開示するものと考えられる。3次元の顔面特徴データは、レーザー走査及びデジタル写真を使用して取得され、歯科的特徴は歯を物理的にモデリングすることにより取得される。このモデルはレーザー走査される。次いで、骨格の特徴がX線写真から入手される。これらのデータを合成して、3次元で操作及び視認可能な単一のコンピュータモデルにする。このモデルはまた、現状モデリングされた頭蓋顔面の特徴と理論上の頭蓋顔面の特徴をアニメーション化するための機能を有する。
「Method and apparatus for simulating tooth movement for an orthodontic patient」という名称の特許文献2(Sachdevaら)は、実際の歯列矯正用構造の3Dデジタルモデル、及び所望の歯列矯正用構造の3Dモデルからの、3D直接移動経路を測定する方法を開示するものと考えられる。本方法は、各歯の対応する3次元直接経路に基づいて、レーザー走査した歯冠、及びスケーリングのための歯面上のマーカーを使用して歯の移動をシミュレーションする。開示された本方法では、真の歯の全体的な3Dデータは得られない。
「Method of optimization in orthodontic applications」という名称の特許文献3(Shoupuら)は、患者から取得された歯の3Dデータから、患者の歯列弓に沿った歯の配置を示す測定値を生成する方法を開示するものと考えられる。
透明で滑らかな真空形成矯正具は、装着性向上及び治療時におけるその他利点をもたらすものであるが、いくつかの個々の歯を動かすために求められる力を十分に提供しないことで、複雑な歯科矯正治療に対して適切とならない場合もあり得る。
「Orthodontic systems and methods including parametric attachments」という名称の特許文献4(John Mortonら)は、患者の歯のデジタルモデルを受信し、選択された歯の移動を生じるための所望の動力系を決定する方法を開示するものと考えられる。この方法において、患者に装着された歯科矯正器具に係合して歯に対して再配置用の力を印加するように構成された、患者に対してカスタマイズされたアタッチメントが設計される。アタッチメントは、デジタルモデル、選択された動力系、及び患者特有の特徴に基づいて選択された値を有するパラメータから構成される。
特許文献5は、患者の歯の元の構成を特定することと、患者の歯の最終的な構成を特定することと、元の構成から最終構成までの、少なくとも1本の患者の歯の移動経路を設計することと、移動経路を複数の連続した治療工程に分割することと、目標とする構成に応じて、治療工程少なくとも1つに対して、実質的に同一形状の2つ以上の歯科矯正具を作製することとを含む、患者の歯を治療する方法を教示するもの考えられる。
特許文献6は、矯正具の性能と、着け心地を向上する特徴を有する矯正具を作製する方法を開示するものと考えられる。特徴は、器具の損傷又は摩耗を防止する特徴を含む。当該矯正具は、流体透過性矯正具と、襞状矯正具と、モジュール式矯正具と、厚さ可変式矯正具と、硬度可変式矯正具と、スナップ式矯正具と、織り目加工付き矯正具と、多層式矯正具と、側方矯正用矯正具とを含む。特許文献7は、吸い込み式ポリマー式矯正具を改修するのに有用な、スチール製歯科用ペンチのシステムを開示する。
特許文献8は、矯正具補機を含む歯科矯正具を製造する方法を教示するものと考えられる。これは、矯正具に、当該補機を収容する孔を形成することで実現される。
特許文献9は、歯の元の位置及び治療計画における歯の目標位置を特定することと、元の位置から目標位置への歯の移動に関連した動きベクトルを計算することと、動きベクトルに対応する複数の成分を決定することと、1つ又は複数のアタッチメント装置それぞれの対応する1つ又は複数の位置を、歯科器具に1つ又は複数のアタッチメント装置が係合するように、歯の表面に対して決定することとを含む方法を記載するものと考えられる。
したがって、歯科矯正治療用の歯科器具を製造する方法及びシステムの開発には、特段の価値が認められる。
米国特許第6,879,712号明細書 米国特許第6,250,918号明細書 国際公開第2019/040927号 米国特許第9,161,823号明細書 米国特許出願第2006/0199140号明細書 欧州特許第2932935号明細書 米国特許第6,293,790号明細書 欧州特許第1682029号明細書 米国特許第8,439,672号明細書
本開示の目的は、歯科矯正治療用の歯科器具を製造する、改良された方法に対する要求に対処することである。この目的を念頭に、本開示は、歯科矯正を要する条件を修正するためのガイドツールとしての患者の歯列に基づく最終的な歯のデジタルモデルにより、歯列弓形状を生成する方法を提供する。
本開示の一態様によると、コンピュータにより少なくとも部分的に実行される、歯科矯正治療用の歯科器具を製造する方法であって、(a)患者の少なくとも1つの歯列弓を含む、前記患者のスキャンから、三次元歯科データを得ることと、(b)前記三次元歯科データから前記歯列弓に沿った、元の歯の位置を特定することと、(c)前記歯列弓内の各歯に対して、増分位置及び対応する動きベクトルを取得するため、前記患者の前記歯列弓に対して最適な歯列弓形状を生成することと、(d)前記増分位置及び動きベクトルに基づいて、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタルモデルを決定することと、(e)前記決定されたデジタルモデルを表示、記憶、又は送信することと、を含む方法が提供される。
本開示のいくつかの実施形態によると、方法は、(a)3Dプリンタを使用して、前記決定されたデジタルモデルに応じて物理的モデルを作製することと、(b)前記物理的モデルを使用して、前記積層造形装置により物理的矯正具を製造することと、をさらに含む。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記三次元歯科データは、コーンビームコンピュータ断層撮影を利用して取得された患者の歯科構造を示す三次元ボリュームである。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記三次元歯科データは、口腔内光学スキャナを利用して取得された患者の1本又は複数本の歯を示す三次元表面である。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記三次元歯科データは、光干渉断層撮影(OCT)システムを利用して取得される。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記患者の前記歯列弓の最適な歯列弓形状を生成することは、(a)1本又は複数本の歯に対して、前記三次元歯科データからの前記歯列弓に沿った元の歯の配置位置から、第1位置デジタルデータを選択する工程と、(b)前記患者に対する所望の歯列弓形状に応じて、前記1本又は複数本の歯に対して第2位置デジタルデータを生成する工程と、(c)前記第1位置及び第2位置デジタルデータに応じて、1本又は複数本の歯に対して、変位データを計算する工程と、(d)前記1本又は複数本の歯に対して、増分位置と対応する動きベクトルに対する中間変位を計算する工程と、を含む。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記患者の前記歯列弓の最適な歯列弓形状を生成することは、(a)1本又は複数本の歯に対して、前記三次元歯科データからの前記歯列弓に沿った元の歯の配置位置から、第1位置デジタルデータを選択する工程と、(b)前記患者に対する所望の歯列弓形状に応じて、前記1本又は複数本の歯に対して第2位置デジタルデータを生成する工程と、(c)前記第1位置及び第2位置デジタルデータに応じて、1本又は複数本の歯に対して、第1変位データを計算する工程と、(d)前記第1変位データに基づいて、歯衝突値を検出する工程と、(e)前記検出された歯衝突値に基づいて、1本又は複数本の歯に対して第2変位データを計算する工程と、(f)前記第1変位データと、前記第2変位データとを合成する工程と、(g)前記1本又は複数本の歯に対して、増分位置と対応する動きベクトルに対する中間変位を計算する工程と、(h)前記歯列弓の1本又は複数本の歯を再配置するための前記中間変位を報告する工程と、を含む。
本開示の別の態様によると、(a)患者のスキャンから、三次元歯科データを取得するように構成されたスキャン装置と、(b)コンピュータ装置であって、(i)前記三次元歯科データから、歯列弓に沿った元の歯の位置を特定し、(ii)前記歯列弓における各歯に対する、増分位置と対応する動きベクトルを取得するために、前記患者の前記歯列弓に対する理想的な歯列弓形状を生成し、(iii)前記増分位置と動きベクトルとに基づいて、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタルモデルを決定し、(iv)前記決定されたデジタルモデルを表示、記憶、又は送信するための指示によりプログラミングされたコンピュータ装置と、を備える、歯科矯正治療用の装置システムが提供される。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記スキャン装置は、コーンビームコンピュータ断層撮影法(CBCT)システム、口腔内光学スキャナ、光干渉断層撮影(OCT)システム、又はこれらの任意の組み合わせである。
本開示のいくつかの実施形態によると、前記装置システムは、(a)前記決定されたデジタルモデルに応じて物理的モデルを作製し、前記コンピュータ装置と信号通信する3Dプリンタと、(b)前記物理的モデルを使用して、積層造形装置により物理的矯正具を製造する装置と、をさらに備える。
本開示の実施形態は、人間である、システムのオペレータの技能と、特徴特定のためのコンピュータ性能とを相乗的に組み合わせる。これは、創造性、経験則、柔軟性、及び判断のような人間の技能を利用し、これらをコンピュータの利点に組み合わせる。利点とは即ち、演算速度、徹底的及び正確な処理能力、並びに報告及びデータアクセス能力である。
本開示のこれら及びその他の態様、目的、特徴、及び利点が、以下の好ましい実施形態の詳細な説明及び添付の請求項を確認し、添付の図面を参照することでより明確に理解され、認められる。本発明の上述及びその他の態様、目的、特徴、及び利点が、添付の図面に示す、以下の本開示の実施形態のより具体的な説明により明らかになる。図における要素は、互いに実寸どおりであるとは限らない。
図1は、歯科矯正器具を形成するための例示的な製造システムを示す模式図である。 図2Aは、数値としての例示的パラメータと、その意味とを列挙する。 図2Bは、本出願の例示的実施形態に係る、例示的な総合顎顔面非対称症パラメータに基づき、特定の患者に対して、顎顔面非対称症に関する、数値としての例示的パラメータと、その意味とを列挙する。 図2Cは、本出願の例示的実施形態に係る、例示的な総合顎顔面非対称症パラメータに基づき、特定の患者に対して、顎顔面非対称症に関する、数値としての例示的パラメータと、その意味とを列挙する。 図2Dは、本出願の例示的実施形態に係る、例示的な総合顎顔面非対称症パラメータに基づき、特定の患者に対して、顎顔面非対称症に関する、数値としての例示的パラメータと、その意味とを列挙する。 図3Aは、咬合分析及び歯列弓角度特徴に関する、表にした具体例の例示的な結果を示す。 図3Bは、上下切歯のトルクに関する、表にした具体例の例示的な結果を示す。 図3Cは、二重後退(biretrusion)又は二重前突(biprotrusion)の評価の別の例に関する、表にした例示的結果を示す。 図3Dは特定の患者の頭部測定分析に関する結果の、例示的要約の一覧を示す。 図3Eは、図6に列挙する条件の1つの詳細なリストを示す。 図4は、分析結果に基づく推奨メッセージを有する、システムの表示を示す。 図5は、分析結果を支援するためのグラフィック表現を含むシステムディスプレイを示す。 図6は、本開示の実施形態に係る、例示的な非対称性報告を示す。 図7は、歯科矯正用途を支援するための評価及びガイドを提供するのに使用可能な論理的処理機構及びデータを示す、論理的フロー図である。 図8は、歯列弓が左回りに回転した、典型的な患者の状況の画像を示す。 図9は、歯列弓に沿った、歯慣性中心の3Dマッピングを示す。 図10は、二次元x-y平面に投影された、元の位置における、慣性中心を接続する区間線形関数の曲線に沿って配置された歯慣性中心のプロットを示す。 図11は、最適化された滑らかな多項式曲線の相対位置を、図10の慣性中心に関して示す。 図12は、表示及び報告された、計算された最適化に基づく、歯の、その元の位置から所望の位置への必要な移動を示す。 図13は、上述の計算に基づく、歯変位ベクトルが示されたグラフを示す。 図14は、接線及び法線方向に分解されたベクトル変位を含むグラフを示す。 図15は、本開示に係る、適用された多段階段階歯列弓形状最適化計画のための調整を示す。 図16は、本開示に係る、適用された多段階段階歯列弓形状最適化計画のための調整を示す。 図17は、歯科矯正患者に対する、歯列弓の14本の歯それぞれに対する動きベクトルVの、コンピュータが生成したリストを示す。 図18Aは、例示的な歯科矯正患者の、元の未修整の歯列弓における歯の分布を示す。 図18Bは、本開示のシステムが提供した、推奨治療後に、デジタル修正された図18Aの歯列弓を示す。 図18Cは、輪郭で示す元の歯列弓に対して重畳された、最適化された元の歯列弓を立体視で示す。 図18Dは、最適化された歯列弓に対して、輪郭で示す元の歯列弓が重畳された別の例を、二次元軸視で示す。 図19は、歯科矯正データを提供するための処理を制御するため、及び処理結果を表示するためのオペレータインタフェースディスプレイを示す。 図20は、本発明の実施形態に係る、歯科矯正用途を支援するための評価及びガイドを提供するのに使用可能な論理的処理機構及びデータを示す、論理的フロー図である。 図21Aは、例示的な歯科矯正患者の元の未修整の歯列弓における歯の分布を示す図である。 図21Bは、歯衝突を伴うデジタルで最適化された歯列弓形状を示す図である。 図21Cは、歯衝突を伴わないデジタルで最適化された歯列弓形状を示す図である。 図21Dは、本発明の実施形態に係る歯デジタルモデルの移動方向及び移動距離を示す図である。 図22は、本発明の実施形態に係る、衝突を伴う歯のデジタルモデルの移動方向及び移動距離を計算する処理を示す論理的フロー図である。 図23は、器具設計及び製造の課題に対して、歯科矯正最適化結果を適用するシーケンスを示すフロー図である。 図24は、歯の再配置の例を示す図である。 図25は、歯の増分位置(又は配向)調節のデジタルモデルに基づいて、製造された従来の矯正具の例を示す図である。 図26は、再配置される歯上の従来の矯正具の例を示す図である。 図27は、本発明の実施形態に応じて決定されたデジタルモデルに基づいて製造された、改良矯正具の例を示す図である。 図28は、2つの負の楕円体が追加された、モデルに対応するデジタルモデルの一部を示す。 図29は、本発明において、再配置される歯に対して決定されたデジタルモデルに基づいて製造された、改良矯正具の例を示す図である。 図30は、本発明の実施形態に係る、改良矯正具の動作原理を示す図である。
本開示の実施形態に関する以下の詳細の説明においては図面が参照され、これらの図面においては、同一の参照番号は連続した図の同一の要素に割り当てられる。これらの図は、本発明の実施形態に係る全体の機能及び関係を示すために提供され、実寸法又は縮尺を示す意図は提供されないという点に留意すべきである。
これらの図面が用いられる場合において、用語「第1の」「第2の」「第3の」等は、必ずしも任意の順序関係又は優先関係を示すわけではなく、別のものから、ある要素又は時刻間隔を一層明確に区別するために使用され得る。
本開示の文脈においては、用語「画像」とは、個々の画像要素で構成される多次元画像データを意味する。2D画像に関して、個々の画像要素は画素、又はピクセルである。3D画像に関して、個々の画像要素はボリューム画像要素、又はボクセルである。用語「ボリューム画像」は、用語「3D画像」と同義であると考えられる。本開示の文脈においては、用語「コード値」とは、各2D画像ピクセル、或いはそれに対応して、再構成された3Dボリューム画像における各ボリューム画像データ又はボクセルと関係する値を意味する。コンピュータ断層撮影(CT)又はコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像のコード値は、常にではないが多くの場合、各ボクセルの減衰係数の情報を提供するハウンスフィールド単位で表現される。
本開示の文脈においては、用語「幾何プリミティブ」は、矩形、円形、線形、トレース曲線又は他のトレース模様等の、開放又は閉鎖形状に関する。用語「目印」及び「解剖学的特徴」は同義であると考えられ、表示される患者の解剖図の特定の特徴を意味する。
本開示の文脈においては、用語「観察者」、「オペレータ」及び「使用者」は同義であると考えられ、ディスプレイモニタ上の歯科画像等の画像を確認し操作する、視検施術者又は別の人を意味する。「オペレータの指示」又は「観察者の指示」は、観察者により、例えばコンピュータマウス、又はタッチスクリーン、又はキーボード入力を使用して入力される明確なコマンドから入手される。
表示される特徴に関する用語「強調」は、情報及び画像表示技術分野の当業者により理解される従来の意味を有する。一般に、強調は、観察者の注意を引きつけるための、幾つかの局在表示強化の形態を使用する。個々の臓器、骨、もしくは組織、又はある房から隣の房への経路等の画像の一部の強調は例えば、注釈付け、近隣もしくは重複する記号の表示、輪郭描写もしくはトレーシング、他の画像もしくは情報内容とは異なる色、もしくは著しく異なる強度もしくはグレースケール値での表示、表示の一部の点滅もしくはアニメーション、又はより高い鮮明度もしくはコントラストでの表示を含むがこれらに限定されない、任意の多数の方法により達成可能である。
本開示の文脈においては、説明用語「導出パラメータ」は、入手された又は入力されたデータ値の処理から計算される値に関する。導出パラメータは、スカラー、点、線、ボリューム、ベクトル、平面、曲線、角度値、画像、閉じた輪郭、面積、長さ、行列、テンソル、又は数式であってよい。
本明細書で使用する場合、用語「集合」とは、集合の要素又は機素の集合概念が初等数学で幅広く理解されている通り、非空集合を意味する。別様で明示されない限り、用語「部分集合」とは、非空真部分集合、即ち1つ以上の要素を有する、より大きな集合の部分集合を意味するように本明細書にて使用される。集合Sに関して、部分集合は全集合Sを含んでよい。しかし、集合Sの「真部分集合」は厳格に集合S内に含まれ、集合Sの少なくとも1つの要素を除外する。あるいは、より正式に記述すると、本開示で用語が用いられるように、(i)部分集合Bが非空であり、かつ(ii)B∩Sもまた非空であり、かつ部分集合Bが更に、集合S内にある要素のみを含み、かつ集合Sの濃度未満の濃度を有する場合、部分集合Bは集合Sの真部分集合であると考えることができる。
本開示の文脈においては、「平面図」又は「二次元図」は、対象の水平面の位置からの、3次元(3D)物体の2次元(2D)表示又は投影である。本用語は、特定の透視図の3Dボリューム画像データ内から2D平面描写の表示を示すために従来用いられる用語「画像スライス」と同義である。3Dボリュームデータの2Dビューは、図が撮られる対応する平面が互いに90(±10)°、又は互いに90°のn倍の整数(n*90°、±10°)にて配置される場合に、実質的に直交すると考えられる。
本開示の文脈においては、一般用語「歯列要素」は、歯、義歯及びインプラント等の人工装具、並びに歯の補助構造部材及び関連する補綴具(顎を含む)に関する。
「多項式曲線」及び「多項曲線」という用語は同義であり、多項式に応じて定義された曲線を指す。
本開示は、デジタル画像処理及びコンピュータビジョン技術に関し、これは、デジタル画像からのデータをデジタル処理して認識することにより、人間が理解できる物体、属性又は状態に有用な意味を割り当てた後、得られた結果をデジタル画像の更なる処理のために利用する技術を意味すると理解される。
本発明は歯科矯正治療用歯科器具を製造するための方法及びシステムを提供する。増分位置(又は配向)及び対応する動きベクトルに応じて、物理的矯正具を製造するための改良された歯デジタルモデルが提供される。ベクトルは、歯列弓内の各歯に対する、並進及び角度(配向修正用)要素を含み得る。並進要素は、患者の歯列弓の理想的な歯列弓形状から取得される。例示的な角運動要素は、歯の慣性中心を中心とする局地直交座標システムに対する、当該歯のオイラー角に関する角度である。図2Aは、上顎切歯トルクを測定する、例示的な角度変数であるTqIMを示す。歯科矯正器具製造用の最終的な包括的歯モデルに対して、歯のトルクの角度補正が必要になり得る。本発明の製造方法及びシステムは、増分位置及び動きベクトルに基づき、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタル歯モデルを決定することを含む。多くの従来の矯正具と比較して、本発明で提示する新規の矯正具は、所望の歯科矯正治療における効率が向上するよう、各歯に対してより特化した力をかける。
本開示の実施形態は、CBCT、光学スキャニング、光干渉断層撮影(OCT)又はこれら全ての任意のあり得る組み合わせのいずれかにより得られた歯の相対位置の測定と、関連した生体構造を、顎顔面/歯の生体情報用の、分析プロセッサ又はエンジンへの入力として使用する。人工知能(AI)アルゴリズムと、関連する機械学習手法を使用した生体情報分析プロセッサは、患者の評価及び進行中の治療に有用となり得る診断用歯科矯正情報を生成する。その後、生体情報分析プロセッサからの生成されたAI出力データ及び分析を利用して、AI逆演算により、修正的歯科矯正を補助する定量データが生成及び表示される。
本開示の実施形態に記載の方法は、歯科矯正治療前に、各患者の歯の位置に基づいて、理想的な歯列弓形状を自動で定義する手段を提供する。理想的な歯列弓形状は、図21Cに示すような歯モデルで表され得る。
歯科器具の使用に当たって、設計、使用法、配置配列を含むガイダンスも提供され得る。歯科矯正器具の作製を支援するため、本開示の実施形態は、理想的な歯列弓形状を実現するための多段階処理に対するガイダンスを提供する。各患者について、方法は、歯の再配置を示すように使用され得る、複数の推奨動きベクトルを含む集合を計算する。代替的実施形態によると、適切な歯科器具の1つ又は複数が、可能であれば、3Dプリンタを使用して全体的に又は部分的に製造され得る。或いは、一般的なブラケット及びブレースの配列を使用して、適切な器具が組み立てられ得る。
次に、CBCT再構成からのデータを例として使用して、歯/顎顔面の異常を詳細に説明する。ただし、当業者であれば、光学スキャナ、OCTスキャナ等、その他撮像方式のデータから同様な異常が確認されることが理解されよう。図2Aは特定の患者向けの、主に不正咬合に関して事前に与えられた26個のパラメータのリストに基づく、数値及びこれらの意味としての例示的パラメータのリストである。図2B、2C及び2Dは、特定の患者について、本出願の例示的な実施形態において与えられる、合計30個のパラメータのリストに基づき、顎顔面非対称症に関する数値としての例示的パラメータ及びその意味を列挙する。図3Aは、咬み合わせ分析及び歯列弓の角度特性に関する特定の例についての、表にした例示的結果3200を示す。図3Aの例において、縦列はアンダージェット(underjet)、正常な切歯関係、又はオーバージェット(overjet)状態を示す。横列は咬合クラス及び歯列弓角度の状態を示す。図3Aに示すように、ハイライトを利用して、異常状態又は特定の対象の別の状態を示す情報の表示を目立たせることができる。図3Aの例における特定の患者に関して、分析は、結果としてIII級の咬み合わせ特性を有するアンダージェット状態を示す。この結果を使用して、重症度及び施術者の判断に応じて、治療計画を進めることができる。
図3Bは、事前に与えられたリストのパラメータ3及び4を使用した、上顎切歯及び下顎切歯のトルク分析による、別の例の表にした例示的結果3200を示す。
図3Cは、事前にパラメータ5および21として与えられた計算パラメータを使用した、二重後退又は二重突出の評価を用いた、別の例の表にした例示的結果3200を示す。
図3Dは、特定の患者の頭部測定分析に関する結果の、例示的要約リストを示す。図示のリストは、前に一覧にしたパラメータ1から26と比較した分析表示を意味する。図3Dの具体例では、本明細書に記載したとおりに導出された生体情報パラメータ及び歯列情報を用いた、パラメータ比較に関する13個の結果が存在する。実際は、これより多い又は少ない結果が提供され得る。図3Eは、以下に示す(図6)セル3294について、表3292における表にしたリストで報告された条件の1つについての詳細な表を示す。
生体情報計算による結果情報は、種々の異なるフォーマットで施術者に提供され得る。図2Aから3Eに示すもの等の、表にした情報は、表のスプレッドシート配置での表示及び更なる計算に適合しているコンマ区切り値(CSV)形式等で、ファイル形式で提供され得る。或いはテキストメッセージを提供すること等、他の形式で示されてもよい。或いは、図26に示したもの等のグラフィック表示を、例えば、測定され計算されたパラメータがオーバージェット、アンダージェット、及び他の状態等の異常な生体情報関係を示す特徴に関して表示の強度又は色を強調することによるなど特定の結果を強調して、出力として提供することができる。
計算した生体情報パラメータを、関係するパラメータが組み合わされて処理される分析順序で使用することができる。これにより、患者母集団から集めた統計情報と比較可能な結果が得られる。次いで、比較を使用して、種々の特徴間での異常な関係を示すことができる。この関係情報は、特定の患者の場合において異なるパラメータが互いにどのように影響を及ぼすのかを示すことを補助し、治療計画をガイドするために使用される結果情報を提供することができる。
図1に戻ると、メモリ132を使用して、患者母集団から集めた頭部測定情報の統計データベースを保存することができる。本データに基づく、更なる咬み合わせ、咬合、及び頭部部位と口の部位との相互関係についての更なる情報を有する、歯及び関係する支持構造部材についての大きさの情報を提供する生体情報データの種々の項目を、患者母集団から保存し分析することができる。分析結果そのものを保存することができ、個々の患者の治療についての相当量の有用な情報を得ることができる、所定の値のデータベースが得られる。本発明の実施形態によると、図2A及び2Bのリストにおけるパラメータデータを各患者について計算して保存し、数百人の患者、又は少なくとも統計学的に有意な患者群に対して保存してよい。保存した情報は、正常又は異常と考えられ、修正の必要がある範囲を測定するのに有用な情報を含む。さらに、個々の患者の場合では、患者からの生物測定データと、データベースから計算した保存値との比較は、効果的な治療計画の方向性を提供するのに役立ち得る。
歯列矯正及び関連技術分野の当業者に周知の通り、種々の患者に対して測定され計算された種々の生体情報パラメータの関係は複雑となり得るため、修正処置の必要性を適切に評価するために複数の変数を計算して比較する必要がある。図3Aから3Eについて簡素な形式で記載した分析エンジンは、異なる対のパラメータを比較し、一連の二値出力値を提供する。しかし実際には、患者母集団で見られる条件及び値の範囲を考慮に入れた、より複雑な処理が実施され得る。
測定又は計算された特定の生体情報パラメータ及び結果を強調することで、患者用の治療計画の展開をガイドすることができる有用なデータが提供される。
図4は、分析結果に基づき、推奨に関係する患者の解剖学的構造の特徴が強調された、推奨メッセージ170を有する結果3200のシステム表示を示す。図5は、分析結果3200のグラフィック表現を含むシステム表示108を示す。推奨メッセージ170及び調整166と共に、異なる角度で配置された、注釈を付けた三次元図308a、308b、308c、及び308dが示される。
本開示に係る特定の例示的な方法及び/又は装置実施形態は、非対称な顔/歯の解剖学的構造の評価を補助するのに使用され得る、客観的測定値及び表示データの要求に応えることができる。有利に、例示的な方法及び/又は装置実施形態は、施術者による評価に適した複数の形式で表示される、測定及び分析結果を提示する。
図6は、本開示の実施形態による顎顔面非対称症評価に対する、例示的なテキストレポートを示す。このレポートは、システムから得られる、セル入力(行と列を示すCが付される、即ちC(行、列))による評価表(T1からT19)の組を列挙する。これにより、図2BにおけるパラメータP1からP15等の、取得パラメータ間の関係に関する計算に基づいて整理された顎顔面/歯構造非対称特性評価コメントが提供される。図3Eは、4行4列の例示的な評価表3292を示す。
図7のフロー図は、歯科矯正用途を補助するための評価及びガイダンスを提供するために使用され得る、論理的処理機構及びデータを示す。CBCT、光学スキャニング、OCTスキャニング又はその他ソース、及び母集団データから得られた生体情報データ3900が生体情報分析プロセッサ3910に入力される。それに応じて、人工知能(AI)エンジンである生体情報分析プロセッサ3910は計算を実施して、1つ又は複数の歯/顎顔面異常を特定する、説明的記載3920を生成する。図2Aから3Dは、1つ又は複数の歯/顎顔面異常を示す説明的記載の例を示す。
引き続き図7の処理を説明する。AI式逆処理プロセッサ3930は、各患者の生体構造に基づく、及びそれから生成された推奨又は所望の歯列弓曲線データ3904を生成する、論理的エンジンを提供する。説明的記載3920及び所望の歯列弓曲線データ3904に基づき、AI式逆処理プロセッサ3930は次に、歯の再配置に必要な動きベクトルと、歯科矯正におけるガイダンス用の関連データとを含み得る、対応する修正データ3940を生成する。以下に、処理を詳細に説明するために、CBCT再構成からのデータを例として使用する。ただし、当業者には、光学スキャナ、OCTスキャナ等、その他撮像方式からのデータに対しても方法が適することが理解されよう。
AI式逆処理は、歯列弓形状最適化から開始し得る。図8に示す例示的ケースは、歯列弓が、左回りに角度αだけ回転しているという、典型的な患者の状況の画像を示す。角度がゼロではないことが、歯列弓形状が非対称であることを示している。歯列弓回転修正のために実行されるシーケンスは、この典型的な状況に対するAI式逆処理プロセッサ3930の動作の例を示す。シーケンスにおけるステップの概要を以下に示す。
1.AI式エンジンである図7の生体情報分析プロセッサ3910が、例えばCBCT再構成からの生体情報データを分析し、図8に示す歯列弓左回り状態を示す説明的記載を生成する。
2.AI式逆処理エンジンである、AI式逆処理プロセッサ3930が、説明的記載と、歯列弓特徴についての推奨又は所望の結果とに基づいて、患者毎の、整合の取れた理想的な幾何プリミティブと、治療処理の現段階における定量的な歯の移動値を示す関連パラメータとを生成する。
図8の例については以下の通りである。
(i)AIエンジンが、集合{t,…t}を示す歯ベクトルの関数f(t)として歯列弓回転を検出する。ここで、Nは歯列弓内の歯の数である。AIエンジン逆演算により、体系的及び自動で歯列弓回転を最小化するように歯tを再配置することでtの位置(例示的な二次元空間における)が修正可能である。
min(f(t);
この式が、例示的関数g(t)=四次多項式曲線に適用される。これにより、以下の例示的な二次元空間における、過剰決定体系が解かれる。
式中、Xは、例示的な二次元空間における全ての歯の0からn次x位置を包含する行列を示す。例示的な値はn=4である。変数yは、例示的な二次元空間における全ての歯の一次y位置を包含するベクトル{y…y}を示す。上記のように、変数Nは、歯列弓に含まれる歯の数である。式中、βは、目的関数^β=argβminS(β)のベクトル{β・・・β}を示す。
修正手段の概念は、3次元空間にも適用可能である。
(ii)min(f(t)=α)を実現するためのシーケンスは以下のとおりであり得る。(1)第1工程として、テンソル行列が計算される。
式中、2D又は3D計算に関してd=2又は3であり、pは、要素(例えば歯のボクセル)の(x,y,z)位置ベクトルを示す。
図8のケースの歯列弓回転において、pは、歯kの慣性中心である(k={1、2、3、…N})。上記のように、変数Nは、歯列弓に含まれる歯の数である。図9は、歯列弓に沿った慣性中心p4100の例示的な表現を示す3次元斜視図である。本開示の実施形態では、二次元平面において慣性中心を示して、慣性中心配置用の推奨調整を示す。或いは、推奨調整を生成するための処理が、3D空間における修正用に拡張され得る。
(2)第2工程として、歯列弓回転角度αを計算するために、テンソルIの固有ベクトルが計算される。
(3)第3工程として、歯慣性中心pを入力点として使用し、g(t)=四次多項式曲線等の歯列弓曲線を計算する。
慣性中心pを、追加的入力点により拡大するか、外れ値の入力点を除去することで縮小可能であることを付言する。例示的な追加的入力点としては、符号を逆(X方向)にした元の慣性中心が挙げられる。例示的な外れ値点としては、理想的な歯列弓形状から大きく外れた座標のものが挙げられる。
問題を簡略化するため、(x,y)空間において、即ち、変数d=2で四次多項式曲線^βを計算してもよい。図10は、14本の歯による元の、未修整の区間線形歯列弓曲線4202に沿って、x,y空間(2D)においてプロットされた慣性中心4100を示す。慣性中心4100の一部は、例示的な座標指定{(x、y)、(x、y)、…(x14、y14)}が付されている。
多項式曲線^βは
の最小化により計算され得る。式中、yは、{y、…y}の要素であり、xijは、行列Xの要素である。上述のS(β)の式は、過剰決定線形体系を示す。これは例えば、当業者に周知の疑似逆方法を使用して解くことができる。この計算後、図10に示す歯慣性中心4100が直接マッピング可能となる。直接マッピング方法の1つにおいて、各慣性中心p4100のx値は固定され、y値は慣性中心を多項式曲線^β上へと縦にずらすように調整される。図11に示すように、対応するx値を一定に維持したまま、各歯慣性中心p4100は、多項式曲線に乗るように若干量、縦に移動可能である。
元の未修整の中心は、y値を固定入力として、及びx(根)を出力として維持したまま、n次多項式曲線の根の1つを適切に選択することで、多項式曲線^β上へと移動することもできる。その後、移動した中心を使用して、テンソル行列Iが再計算可能となる。テンソルの固有ベクトルが再計算可能となり、歯列弓回転角度α(図8)が再計算される。
上述の処理は、角度αが所定の最小値又はゼロ(対照的な歯列弓形状を示す)となるまで繰り返され得る。
図11は、上述のように計算された、最適化前の元の歯列弓形状と比べて比較用に重畳された所望の最適化された歯列弓曲線^β4300を示す。
図12に示すように、計算された最適化に基づく、歯の元の位置から所望の位置への推奨移動は、施術者に対して表示及び報告可能である。
図12の報告されたデータにおいて、歯列弓に対する元の歯慣性中心4100は、特定の色で強調される、又はその他適切な表示形態で示され得る。次いで、動きベクトルVが、元の慣性中心4100位置から最適化された慣性中心4110への所望の移動を示す。ベクトル4106は、元の歯列弓回転を示す。ベクトル4108は、修正された歯列弓回転角度αを示す。
図13は、上述の計算に基づく、歯変位ベクトルVが示されたグラフを示す。図14は、ベクトル変位が、互いに直交した接線及び法線成分方向に分解されたグラフを示す。
図8に例示的に示すように、歯変位ベクトルを示す修正データは、歯科矯正治療用のガイドラインとなることに寄与し得る。例示的な最適化された四次多項式曲線切片及び係数パラメータは以下のようになり得る。
23.174417248277855
-0.000000000000000
-0.037164341067977
0.000000000000000
-0.000018751015683
本開示の実施形態によると、システムは、図14で提示されるデータ種類を何らかの形式で施術者に提供することで、患者に対する歯科矯正治療計画を支援する。歯列弓における各歯に対して、歯慣性中心位置への推奨又は所望の調整に基づいて、対応するベクトルVが計算される。
多段階実施形態
本開示の別の実施形態は、歯科矯正治療の多段階シーケンスにより緊密に対応するように、歯位置調整のための論理を拡張する。この実施形態は、再配置計算及び報告処理を複数回繰り返すものとする。これにより、患者の経過を緊密に追跡しながら、各段階における必要な調整を推奨する。
本開示のシステは、時刻Tにおいて、患者の歯列の成分(歯)の第1位置データを、歯列に適用された少なくとも1つの3Dデジタルボリューム取得方式でAIエンジンを通じて抽出されたデジタルデータとともに受信する。3Dボリュームは、CBCTスキャナ、光学スキャナ、レーザースキャナ、又はOCTスキャナを使用して取得され得る。
自動的に、AIエンジン逆演算を通じて、本開示のシステムは、歯列成分の第1位置デジタルデータに基づいて、患者の歯列の成分(歯)の第2位置デジタルデータを生成する。第2位置デジタルデータは高度に最適化されたものである。これにより、歯科矯正治療後の時刻Tにおいて、多数の外観的及び機能的要件を満たすように改良された収まりの歯列成分(歯)の歯列弓形状が結果として得られる。
図15及び16は、本明細書に記載の繰り返し歯列弓近似計算を使用して、段階的に歯を移動することで、歯列弓が段階的に改善される流れを示す。図15のグラフィック表現は、CBCTスキャナ、光学スキャナ、レーザースキャナ、又はOCTスキャナを使用して、三次元ボリュームから得られた、歯列弓形状に対して、AI式逆演算を使用して実行される第1ステップを示す。点線は、一部拡大断面における、時刻Tでの元の患者データ抽出後の歯列弓曲線の部分を示す。
実際、時刻Tにおいて、CBCTスキャン、口腔内光学スキャン、又はOCTスキャンが実行される。CBCTスキャンにより、歯根付き3D歯モデルが生成できる。光学スキャン又はOCTスキャンにより、歯根なし3D歯冠モデルが生成できる。歯根なし3D歯冠モデル及び歯根付き3D歯モデルは、時刻Tで登録される。
図15及び16に示す処理では、上述の歯列弓形状最適化処理が、時刻Tで取得されたデータに適用される。これにより、動きベクトルVの第1組が生成される。これら初期動きベクトルは、図14を参照して説明した原寸動きベクトルVを「スケーリング」、又は「逆スケーリング」したものと考えられ、例えばV=0.5Vとなる。これらスケーリングされたベクトルは、治療処置における単一の段階に対してデータを提供する。例えば、図15の歯列弓マッピンググラフに対して、ベクトルVは時刻Tから時刻Tへの、対応する歯慣性中心の示唆された移動を示す。
この多段階シーケンスを利用して、繰り返し論理は、第1段階の終わりにその処理を繰り返し、開始点である時刻Tの第2位置データを効果的に利用する。即ち、T位置をT位置に置き換えて、処理が継続する。
実際、時刻T(k>0)で、患者のX腺曝露を低減するために更なるCBCTスキャンを得ることなく、口腔内光学スキャナ又はOCTスキャナを使用して、歯根なしの3D歯冠モデルが取得可能である。時刻Tに得られた歯根付きの歯モデルは、時刻Tでの歯根無しの歯冠モデルに整合され得る。したがって、時刻Tにおいて、歯根なしの歯冠モデルに整合された新たな歯根付きの歯モデル組が形成される。この新たな歯根付きの歯モデル組は、治療品質評価に使用でき、新たな治療計画が設計され得、新たな歯動きベクトル組が計算され得る。
さらなるAI逆演算を通じて、本開示のシステムは、時刻Tで計算された新たな第1位置デジタルデータに基づいて、患者歯列の別の第2位置デジタルデータを生成する。図16に示すように、計算された患者歯列の最適化は、時刻Tでの新たな位置を生成するためのベクトルVに沿った動きを利用して、さらに改善された歯列弓形状を実現する。歯科矯正治療後、外観的及び機能的要件に対して、歯列成分(歯)の収まりが改善された歯列弓形状が結果的に得られる。
図15及び16を参照して説明した例示的2段階処理(TからT、TからT)は、TからTi+1で表される多段階処理として一般化され得る。概して、第1位置デジタルデータと第2位置データとの差が減少した時刻Tnで、多段階処理は終了し得る。あるいは、多段階調整処理の終了は、例えば、所定の回数の繰り返しにより、又は所定の閾値に応じて更なる移動距離を評価することで決定され得る。
図14、15、及び16の例に示すように、本開示のシステムは自動的に、歯科矯正計画で決定された時刻T(i=0,1,2,3,…n-1)において、時刻Tで結果として得られた歯列弓形状に対する接線及び法線方向に沿って、第2位置データの変位データを分解し得る。
本開示の処理は、時刻Tにおいて、分解された変位データ及びベクトルVに基づいて、歯列成分に対する位置修正装置を自動的に決定、及び/又は製造できる。分解された変位データが主として接線である場合、ブレースが好ましくなり得る。分解された変位データの主成分が法線である場合、矯正具が好ましくなり得る。多くの場合、矯正具とブレースを組み合わせた装置が好ましい。処理における各ステップに対するベクトルVは、表示等で報告、印刷、又は記憶できる。さらに、以下により詳細に説明する、適切なブレース、矯正具、又は歯再配置用のその他歯科器具を提供する器具設計システムに提供されてもよい。
例示的に、図17は、歯科矯正患者に対する歯列弓の14本の歯のそれぞれに対する、動きベクトルV(この例では並進要素のみ)の、コンピュータにより生成されたリストを示す。各歯ベクトルVに対して、x及びy軸移動の値が示される。動きベクトルV値は施術者に、ファイル内等のリストとして提供されるか、又は表示され得る。
図18A(3Dレンダリング図)は、例示的な歯科矯正患者に対する元の未修整の歯列弓5000における歯の配列を示す。図18Bは、本開示のシステムにより提供された治療推奨後の修正済み歯列弓5010を示す。図18C(一部同じく3Dレンダリング図)は、元の歯位置が輪郭5002で示された状態で、重畳された元の歯列弓および最適化された歯列弓を示す。図18D(2D軸視のスライス)は、最適化された歯列弓5010に重畳された、輪郭5002における元の歯列弓の別の例を示す。
例示的に、図19の模式図は、歯科矯正データを提供する処理を制御し、処理結果を表示するためのオペレータインタフェースディスプレイ5100を示す。画像部位5110は、実際のスキャン結果(図18Aに示す)、改善配置(図18Bに示す)、及び提案された歯移動に対するベクトルV(図14に示す)のグラフィック表現を提供する。これら異なる表示データは、例えば重畳されるか、制御5120を使用してオペレータが選択したとおりに個別に提示され得る。オペレータはさらに、図15及び16に示すように、単一段階又は多段階治療等の変数選択に応じて、異なる計算及び結果を選択可能である。
図20のフロー図は、歯科矯正用途を補助するための評価及びガイダンスを提供するために使用され得る、論理的処理機構及びデータを示す。図7に示す処理と比較して、図20の処理は、歯科矯正治療で生じ得る衝突の可能性をなくすステップをさらに含む。CBCT、光学スキャニング、OCTスキャニング又はその他ソース、及び母集団データから得られた生体情報データ5900が生体情報分析プロセッサ5910に入力される。それに応じて、人工知能(AI)エンジンである生体情報分析プロセッサ5910は上述の計算を実施して、1つ又は複数の歯/顎顔面異常を特定する説明的記載5920を生成する。
本開示の実施形態により、歯並びの悪さ等の1つ又は複数の歯/顎顔面異常を示す説明的記載は、歯列弓形状最適化処理を起動し、歯動きベクトルを生成し、器具製造用の、歯位置及び配向修正デジタルモデルを生成する。
引き続き図20の処理を説明する。AI式逆処理プロセッサ5930は論理的エンジンを作製する。このAI式逆処理エンジンは、各患者の生体構造に基づき、それから生成された推奨又は所望の歯列弓曲線データ5904を生成する。
次に、説明的記載5920及び計算された歯列弓曲線データ5904に基づき、修正データ(データ3940と同様)が計算され得る。即ち、各歯全ての新たな位置となり得る位置の組が、計算により予測できる。これら新たな位置に応じて、衝突の可能性が検出される。これら予測される衝突から、検出された衝突を回避するための、衝突回避データ5938、即ち変位データが得られる。
歯列弓内の各歯について所望の動きベクトルを計算する際に、所望の歯列弓曲線データ5904と、衝突回避データ5938との両方を考慮できる。本開示の実施形態によると、所望の歯列弓曲線データ5904からの変位データと、衝突回避データ5938からの変位データが組み合わされ、歯列弓内の1本又は複数本の歯を再配置するための、対応する修正データ5940が提供される。
総じて、説明的記載5920と、所望の歯列弓曲線データ5904と、衝突回避データ5938とに基づき、AI式逆処理プロセッサ5930は、対応する修正データ5940を生成する。修正データ5940は、歯の再配置に必要な動きベクトルと、歯科矯正ガイド用の関連データを含み得る。
本開示の実施形態によると、歯列弓形状最適化処理は、歯慣性中心を入力として使用する。
本開示の別の実施形態によると、歯列弓形状最適化処理は、セグメント化された皮質骨の形状と、歯慣性中心との組み合わせを入力として使用する。
本開示の実施形態によると、衝突回避は、歯科矯正治療器具製造前の仮想的設定ステップで実行される。これにより、歯科矯正施術者が従来行っていた、隣接面削合処理は実質的に必要なくなる。
本開示の別の実施形態によると、衝突が極めて小さい場合に該当する歯を削ることで、器具の製造後に上記衝突回避が実行され得る。削りは、計算された衝突回避動きベクトルによりガイドされる。
図21Aは、例示的な歯科矯正患者の元の未修整の歯列弓における歯の分布を示す図である。図21Bは、図7に示す修正済みデータ3940等の修正済みデータに基づいて図21Aに示す元の歯列弓を揃えたものを示す。図21Bは、例えば図7に対応する治療ガイダンスに応じて、図21Aにおける元の歯列弓から、歯列弓形状が最適化され、歯並びの悪さが修正されたことを示す。図21Bの緑の領域に示すように、歯の衝突が生じる。
図22は、本発明の実施形態に係る、衝突を伴う歯のデジタルモデルの移動方向及び移動距離を計算する処理を示す論理的フロー図である。
ステップ5610において、各歯デジタルモデル、即ち歯ボリュームそれぞれに、固有のコード値が割り当てられる。したがって、歯列弓の2つ以上の歯ボリューム間で割り当てられるコード値が異なる。例えば、歯T1の各ボクセルには、コード値C1が割り当てられ、歯T2の各ボクセルには、コード値C2が割り当てられ、歯T3の各ボクセルには、コード値C3が割り当てられる。
歯の再配置による歯列弓最適化の後、これらコード値は、歯列弓最適化前の位置から、CBCT頭部ボリューム上の異なる箇所に存在することになる。2つの異なるコード値が同一の箇所に現れることもある。ここで衝突が生じる。
したがって、ステップ5620において、2つの異なるコード値の衝突(係合)するサブボリュームを見つけるため、CBCT頭部ボリュームの2次元又は3次元空間が捜索される。
ステップ5630において、衝突を伴う歯として、歯ボリューム(T及びTk+1)が、サブボリュームCk,k+1に関連付けられる。
ステップ5640において、衝突サブボリュームの中心位置Ck,k+1を使用して図12に示す四次多項式曲線等の多項式曲線(理想的な多項式曲線)に対して、接線ベクトルTVk,k+1が計算される。接線ベクトルTVk,k+1を計算する例示的な処理は以下のとおりである。衝突サブボリュームの中心位置Ck,k+1を、多項式曲線に垂直に投影して、点Pを得る。多項式曲線に沿って、Pにおける接線ベクトルTを計算する。接線ベクトルTVk,k+1の方向は、Tと同じだが、位置はCk,k+1となる。
ステップ5650において、最大衝突値、即ち、ボリューム厚さdk、k+1を見つけるため、接線ベクトルTVk,k+1等の特定の方向に沿って、サブボリュームCk,k+1が捜索される。ボリューム厚さは、衝突変位補償を計算するために使用され得る。本開示の実施形態によると、この補償は、衝突ボリューム厚さに等しい値である。本開示の別の実施形態によると、補償は、衝突ボリューム厚さに公差値を加えたものである。公差は、一般的な経験に基づく固定値、又は歯のボリューム等の別件に関する変数であり得る。
ステップ5660において、歯ボリュームT又はTk+1が接線ベクトル-TVk,k+1又はTVk,k+1の方向等の方向に沿って、量dk,k+1だけ移動される。これにより、歯ボリュームT及びTk+1が係合しなくなる。即ち、歯ボリュームT及びTk+1間の衝突が回避される。本発明の実施形態による歯デジタルモデルの移動方向及び移動距離を示す図である図21Dに、ステップ5660における移動の選択肢の一つを示す。
衝突に関して行われ得る変位が計算及び考慮されると、追加のガイダンス情報を歯科矯正治療に加えることができる。本開示の実施形態において、所望の歯列弓曲線データからの変位データと、衝突回避データからの変位データとが組み合わされる。本開示の実施形態において、この組み合わせは単純に、所望の歯列弓曲線データと衝突回避データからの変位データに対応するベクトルを可算するものであって、当業者に周知である。
図21Cは、歯衝突を伴わない、デジタルで最適化された歯列弓形状を示す図である。これは、上述の動きベクトルの組み合わせを利用して歯位置及び配向を再配置することによる、歯衝突を考慮した歯科矯正治療の例示的な結果を示す。
図23のフロー図は、器具設計及び製造の課題に対して、歯科矯正最適化結果を適用するシーケンスを示す。生体情報取得ステップS5310では、歯科矯正治療の対象となる歯の形状を特徴付ける、上述した生体情報データが取得される。その後、生体情報処理ステップS5320において、歯科データの処理が実行され、1つ又は複数の歯/顎顔面異常を示す種類のデータが生成される。その後、ベクトル生成ステップS5330において、図19及び図21を参照に説明したように、各歯に対する所望の動きベクトルを示す修正データが生成される。例えば、上述したAI式逆処理プロセッサを使用して、修正データを生成可能である。本開示の実施形態によると、修正データは、図7を参照して説明したように、所望の歯列弓曲線データを考慮して計算される。本開示の別の実施形態によると、図20を参照して説明したように、所望の歯列弓曲線データ及び衝突回避データの両方を考慮して、修正データが計算される。この修正情報は、治療計画生成ステップS5340において、治療計画に統合され得る。オペレータ入力及びエントリステップS5350において、完全自動、部分自動、又は主に手動で行われ得る、設計処理ステップS5360を補助するのに使用される追加データが提供され得る。設計処理ステップS5360の出力は、3Dプリンタ又はその他器具製造装置等の製造システムにより実行される製造ステップS5370に送られる。
本開示の実施形態によると、設計処理ステップS5360において、治療計画用に自動生成された動きベクトルデータが、適切な歯科器具の自動製造を支援する設計データに変換される。設計処理ステップS5360では、出力として、3Dプリンタで一般的に使用される。STL(Standard Triangulation Language)ファイル、又は3D形状を示す。OBJファイル等、3D印刷に適したファイルが生成され得る。その他種類のプリントファイルデータは、X3G又はFBXフォーマット等の、独自仕様フォーマットであり得る。
製造ステップS5370において、自動製造システムは、ステレオリソグラフィー(SLA)を利用した3D印刷装置等の積層造形系、又はベース構造上に少量の材料を堆積することで物体又は形状を生成するその他積層方法であり得る。いくつかの別の積層造形方法として、液状の材料を塗布して材料を固化させる熱溶解積層法と、構造を形成するための焼結金属、セラミック又はポリマー粒子に集束放射エネルギーを利用した選択的レーザー燒結とが挙げられる。或いは、自動製造装置は、適切な材料のブロックから器具を加工する、コンピュータ数値制御(CNC)を利用した除去型であり得る。
製造処理の一部として、自動生成及び表示された結果の検証及び確認、又は施術者判断での生成結果の変更等のユーザ対話が適用され得る。したがって、例えば、オペレータは、自動化システムからある程度のガイダンスを受けながら、特定患者のニーズに合わせて、生成された移動データを変更し得る。
本発明は、歯科矯正治療用の歯科器具を製造するための方法及びシステムを提供する。患者の歯列弓に対する最適な歯列弓形状から取得された、歯列弓内の各歯に対する増分位置及び配向と対応する動きベクトルとに応じて物理的矯正具を製造するための改良された歯デジタルモデルが提供される。対応する動きベクトルは、位置及び配向修正のための、並進及び角度要素を含む。患者の歯列弓に対する、最適な歯列弓形状の生成についての具体的詳細は上述した通りである。本発明の製造方法及びシステムは、増分位置及び動きベクトルに基づき、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタル歯モデルを決定することを含む。多くの従来の矯正具と比較して、本発明で提示する新規の矯正具は、各歯に対してより特化した力をかけて所望の歯科矯正治療における効率を向上させる。
図24は、歯の再配置の例を示す図である。図24(a)は、上述した方法に基づいて歯のデジタルモデルにより計算された図24(b)に示す目的位置に応じて、回転する必要のある歯列弓内の歯の元の位置を示す。例えば図24に示す歯の再配置のために、図24(a)に矢印で示す所望の力が歯にかけられる必要がある。
図25は、所望の目的位置を考慮して、歯のデジタルモデルに基づいて、例示的な熱可塑性材料で製造された従来の矯正具の一例を示す図である。各矯正具は、歯に対する増分位置調整用に設計されている。再配置される歯の上の従来の矯正具の例を示す図である図26に示すように、患者の歯の上の矯正具により、矢印で示す歯回転移動用の意図された力が提供される。
図27は、本発明の実施形態に応じて決定されたデジタルモデルに基づいて製造された、追加装置(受動的力印加部)付き改良矯正具の例を示す図である。例えば、熱可塑性材料から、透明歯科矯正具が作製される。矯正具製造に熱成形機を使用する場合、物理的モデルが熱形成キャスター内に載置され、熱形成中に熱及び真空に曝される。図28は、矯正具の内面上に2つの能動的力印加部を設けるために追加された2つの負の楕円体を有する、モデルに対応するデジタルモデルの一部を示す。
図29は、本発明において、再配置される歯に対して決定されたデジタルモデルに基づいて製造された、改良矯正具の例を示す図である。追加の受動的力印加部は、所望の力の方向への圧力を増加して、矯正具の追加の変形を生じる。したがって、追加の受動的力印加部は、歯科矯正治療処理の効果向上、延いては治療期間短縮を実現する。図30は、本発明の実施形態に係る、能動的力印加部(矯正具の内面上のばね状アタッチメント)による、改良矯正具の動作原理を示す図である。印加部の例示的な形状は、楕円、矩形が挙げられるが、所望の歯の移動に効果的なその他形状設計もあり得る。楕円装置の例示的寸法は、高さ3mm、幅2mm、奥行き1mmであり得る。矩形装置の例示的寸法は、高さ5mm、幅2mm、奥行き1mmであり得る。各中間歯モデルに対して、慎重に選択されたデジタル力印加部が、移動又は回転が必要な歯の表面上の適切な箇所に対して追加される。例えば、図29において、2つの例示的な受動的楕円装置(正の楕円と称する)が矯正具に取り付けられて、回転修正のため、歯を適切な箇所にさらに押圧する。
これら2つの楕円装置は、歯の表面に、2つの楕円形の凹み(負の楕円とも称する)ができるように、図28に示す位置で、デジタル歯モデルにデジタルに追加される。
力印加装置が追加された中間歯モデル又は最終歯モデルは、固体中間物理的歯モデル、即ち固体物理的モデルを作製するために、3Dプリンタにおいて使用される。この、表面に1つ又は複数の追加装置(例えば例示的な2つの窪み等)が設けられた固体中間又は最終物理的歯モデルを使用して、内壁に正の追加装置(2つの正の楕円力印加部等)が設けられた矯正具は、当業者に公知である、例示的な熱形成器において、例示的な熱可塑性材料を使用して容易に製造できる。
当業者には、図示の追加受動的力印加部のサイズ、形状、位置、及び数は、あくまで例示的であり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されよう。
従来の矯正具の製造と同様に、追加の受動的力印加部を有する物理的矯正具を製造するための改良されたデジタルモデルは、歯科矯正治療用の矯正具設計の対応するアルゴリズムを使用して、コンピュータプログラムにより完全に設計可能である。但し、図23のステップS5350に示すように、ステップS5360の設計処理を支援するために使用される追加のデータ及び入力をオペレータが提供することもできる。オペレータ入力は、施術経験、又は患者のニーズもしくは好みに基づき得る。
本明細書において、手動又は自動方法を使用して適切な歯科器具を製造することを含む、後続の治療のために支援及びガイドを提供する、コンピュータにより実行される方法及びシステムが説明されている。
本明細書の例示的実施形態に矛盾することなく、コンピュータプログラムは、電子メモリからアクセスされる画像データに対して3D生体分析を実行する、記憶された指示を使用可能である。イメージ処理技術分野の当業者により理解可能であるように、本出願の例示的実施形態における、撮像システムとプローブを動作させて画像データを取得するコンピュータプログラムは、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の、本明細書に記載の制御論理プロセッサとして動作する好適な汎用コンピュータシステムにより利用され得る。しかし、例えば、ネットワークプロセッサの配置を含む、その他の多くの種類のコンピュータシステムを使用して、発明のコンピュータプログラムが実行され得る。例示的方法実施形態を実施するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能記憶媒体に保存され得る。同媒体は例えば、磁気ディスク(ハードドライブ、または着脱可能装置等)、もしくは磁気テープといった磁気記憶媒体;光学ディスク、光学テープ、もしくは機械読取可能光学的エンコーディングなどの光学的記憶媒体;ランダムアクセスメモリ(RAM)、もしくは読出し専用メモリ(ROM)といった固体電子記憶装置;又はコンピュータプログラムを保存するために用いられる任意のその他物理デバイスもしくは媒体を含み得る。例示的方法実施形態を実施するためのコンピュータプログラムはまた、インターネット又は他の通信媒体により画像処理装置と接続された、コンピュータ読取可能記憶媒体に保存され得る。当業者であればさらに容易に、かかるコンピュータプログラム生成物の均等物もまたハードウェア内に構築可能であることを理解するであろう。
なお、本出願の文脈において、「コンピュータアクセス可能メモリ」と同義である、「メモリ」という用語は、例えばデータベースを含む、画像データを記憶し、それに応じて動作するのに使用され、コンピュータシステムによりアクセス可能な、任意の種類の一時的、又はより格納期間の長いデータ格納ワークスペースを示し得る。メモリは、例えば、磁気又は光学ストレージ等の、長期記憶媒体を使用した、不揮発性であり得る。或いは、メモリは、マイクロプロセッサ又はその他制御論理的プロセッサ装置により一時バッファ又はワークスペースとして使用される、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の電子回路を使用した、より揮発性のものであり得る。例えば、表示データは典型的には、表示装置に直接関連付けられる一時記憶バッファに格納され、表示データを提供するために適宜定期的にリフレッシュされる。この一時記憶バッファは、本出願で使用される用語としてのメモリの一種とも考えられる。メモリは、計算及びその他処理の中間及び最終結果を実行及び格納するための、データワークスペースとしても使用される。コンピュータアクセス可能メモリは、揮発性、不揮発性、又は揮発性及び不揮発性のハイブリッド、即ち組み合せであり得る。
本開示のコンピュータプログラム生成物は、周知の種々の画像操作アルゴリズム及び処理を使用し得ると理解されよう。かかるアルゴリズム及びシステム、並びに、本開示のコンピュータプログラム生成物と共に作動する、画像を作成又は別様では処理するハードウェア及び/又はソフトウエアの更なる態様は、本明細書では特に示されないか又は記載されず、また、当該技術分野において既知のかかるアルゴリズム、システム、ハードウェア、構成要素及び機素から選択されてよい。
本発明を1つまたは複数の実装に関して図示したが、添付の請求項の要旨及び範囲から逸脱することなく、変化及び/又は変更が図示の例に対してなされ得る。さらに、本発明の具体的な特徴が、いくつかの実装/実施形態の1つのみに関して開示された場合もあるが、当該特徴は、任意の所与の又は具体的な機能について所望される、及び有利となり得るように、その他実装/実施形態の1つ又は複数の特徴に組み合わされ得る。「少なくとも1つの」という用語は、列挙された要素の1つまたは複数は選択可能であることを意味する。「約」という用語は、列挙された値が、図示の実施形態の処理又は構造に不適合とならない限りにおいて、ある程度可変であることを示す。最後に、「例示的な」は、記載が理想的であることを示すのではなく、例として使用されることを示す。当業者には、本発明のその他実施形態が、本明細書に開示の本発明の明細書及び実施を考慮して明らかになる。明細書及び例は、例示的としてのみ考慮されることが意図されており、本発明の範囲及び要旨は、少なくとも以下の請求項により示される。

Claims (16)

  1. コンピュータにより少なくとも部分的に実行される、歯科矯正治療用の歯科器具を製造する方法であって、
    (a)患者の少なくとも1つの歯列弓を含む、前記患者のスキャンから、三次元歯科データを得る工程と、
    (b)前記三次元歯科データから前記歯列弓に沿った、元の歯の位置を特定する工程と、
    (c)前記歯列弓内の各歯に対して、増分位置及び対応する動きベクトルを取得するため、前記患者の前記歯列弓に対して最適な歯列弓形状を生成する工程と、
    (d)前記増分位置及び動きベクトルに基づいて、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタルモデルを決定する工程と、
    (e)前記決定されたデジタルモデルを表示、記憶、又は送信する工程と、を含む方法。
  2. (f)3Dプリンタを使用して、前記決定されたデジタルモデルに応じて物理的モデルを作製する工程と、
    (g)前記物理的モデルを使用して、前記積層造形装置により物理的矯正具を製造する工程と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記三次元歯科データは、コーンビームコンピュータ断層撮影を利用して取得された患者の歯科構造を示す三次元ボリュームを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記三次元歯科データは、口腔内光学スキャナを利用して取得された患者の1本又は複数本の歯を示す三次元表面を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記三次元歯科データは、光干渉断層撮影(OCT)システムを利用して取得される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記動きベクトルは、座標値及び/又は角度のリストとして提供される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記患者の前記歯列弓の最適な歯列弓形状を生成する工程は、
    (a)1本又は複数本の歯に対して、前記三次元歯科データからの前記歯列弓に沿った元の歯の配置位置から、第1位置デジタルデータを選択する工程と、
    (b)前記患者に対する所望の歯列弓形状に応じて、前記1本又は複数本の歯に対して第2位置デジタルデータを生成する工程と、
    (c)前記第1位置及び第2位置デジタルデータに応じて、1本又は複数本の歯に対して変位データを計算する工程と、
    (d)前記1本又は複数本の歯に対して、増分位置と対応する動きベクトルに対する中間変位を計算する工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記患者の前記歯列弓の最適な歯列弓形状を生成する工程は、
    (a)1本又は複数本の歯に対して、前記三次元歯科データからの前記歯列弓に沿った元の歯の配置位置から、第1位置デジタルデータを選択する工程と、
    (b)前記患者に対する所望の歯列弓形状に応じて、前記1本又は複数本の歯に対して第2位置デジタルデータを生成する工程と、
    (c)前記第1位置及び第2位置デジタルデータに応じて、1本又は複数本の歯に対して第1変位データを計算する工程と、
    (d)前記第1変位データに基づいて、歯衝突値を検出する工程と、
    (e)前記検出された歯衝突値に基づいて、1本又は複数本の歯に対して第2変位データを計算する工程と、
    (f)前記第1変位データと、前記第2変位データとを合成する工程と、
    (g)前記1本又は複数本の歯に対して、増分位置と対応する動きベクトルに対する中間変位を計算する工程と、
    (h)前記歯列弓の1本又は複数本の歯を再配置するための前記中間変位を報告する工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記歯衝突値を検出する工程は、
    (a)2つ以上の歯ボリュームに異なるコード値を割り当てる工程と、
    (b)前記コード値が付された2つの歯ボリュームの衝突サブボリュームを見つけるため、二次元又は三次元空間を捜索する工程と、
    (c)前記衝突サブボリュームに関連付けられた歯ボリュームを、衝突を伴う歯ボリュームとしてマーキングする工程と、を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第2変位データを計算する工程は、
    (a)前記衝突サブボリュームの方向値を決定する工程と、
    (b)最大衝突値を見つけるため、前記決定された方向値に対応する方向に沿って前記サブボリュームを捜索する工程と、
    (c)前記最大衝突値に基づいて第2変位データを計算する工程と、を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記第1変位データと第2変位データとを合成する工程は、前記第1変位データと前記第2変位データに対応するベクトルの加算を含む、請求項8に記載の方法。
  12. 各歯の位置は、前記歯の慣性中心である、請求項1に記載の方法。
  13. 歯科矯正治療用のシステムであって、
    (a)患者の歯のスキャンから、三次元歯科データを取得するように構成されたスキャン装置と、
    (b)コンピュータ装置であって、
    (i)前記三次元歯科データから、歯列弓に沿った元の歯の位置を特定し、
    (ii)前記歯列弓における各歯に対する、増分位置と対応する動きベクトルを取得するために、前記患者の前記歯列弓に対する最適な歯列弓形状を生成し、
    (iii)前記増分位置と動きベクトルとに基づいて、積層造形装置により歯科矯正具を製造するためのデジタルモデルを決定し、
    (iv)前記決定されたデジタルモデルを表示、記憶、又は送信する
    ための指示によりプログラミングされたコンピュータ装置と、を備える、システム。
  14. 前記スキャン装置は、(i)コーンビームコンピュータ断層撮影法(CBCT)システム、(ii)口腔内光学スキャナ、(iii)光干渉断層撮影(OCT)システム、又は(iv)これらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記システムは、
    (a)前記決定されたデジタルモデルに応じて物理的モデルを作製し、前記コンピュータ装置と信号通信する3Dプリンタと、
    (b)前記物理的モデルを使用して、積層造形装置により物理的矯正具を製造する装置と、をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
  16. コンピュータにより少なくとも部分的に実行される、歯科矯正治療用の歯科器具を製造する方法であって、
    (a)患者の顎顔面及び歯科構造のスキャンから三次元データを取得する工程と、
    (b)前記取得した三次元データから、複数の頭部測定値を計算する工程と、
    (c)前記計算された頭部測定値を処理して、前記患者の歯列弓に沿った歯の配向及び歯の配置を示す測定値を生成する工程と、
    (d)前記生成された測定値を分析して、前記歯列弓内の各歯に対して所望の動きベクトルを計算する工程と、
    (e)前記所望の動きベクトルに基づいて、中間又は最終歯配列のデジタルモデルを決定する工程と、
    (f)前記決定された歯配列のデジタルモデルに対応する歯の動きを支援する追加装置のデジタルモデルを決定する工程と、
    (g)前記歯配列のデジタルモデルと、前記追加装置のデジタルモデルとを表示、記憶、又は送信する工程と、
    (h)前記歯配列のデジタルモデルと、前記追加装置のデジタルモデルとを使用した3D印刷を実行することにより、負の物理的追加装置付きの物理的歯モデルを作製する工程と、
    (i)前記物理的歯モデルを使用して、正の追加装置付きの物理的矯正具を製造する工程と、を含む方法。
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