JP2023550102A - バスバー用アルミニウム-炭素金属マトリックス複合体 - Google Patents

バスバー用アルミニウム-炭素金属マトリックス複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2023550102A
JP2023550102A JP2023530023A JP2023530023A JP2023550102A JP 2023550102 A JP2023550102 A JP 2023550102A JP 2023530023 A JP2023530023 A JP 2023530023A JP 2023530023 A JP2023530023 A JP 2023530023A JP 2023550102 A JP2023550102 A JP 2023550102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
busbar
mmc
carbon particles
cnt
nanoscale carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023530023A
Other languages
English (en)
Inventor
ベーム,マルクス
ディーン,カイル
マニッカラジ,ジャヤクマール
マアト,ステファン
マイヤーズ,ダグラス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Publication of JP2023550102A publication Critical patent/JP2023550102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/02Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
    • H01B1/023Alloys based on aluminium
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/14Conductive material dispersed in non-conductive inorganic material
    • H01B1/18Conductive material dispersed in non-conductive inorganic material the conductive material comprising carbon-silicon compounds, carbon or silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/158Carbon nanotubes
    • C01B32/168After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/152Fullerenes
    • C01B32/156After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/194After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/25Diamond
    • C01B32/28After-treatment, e.g. purification, irradiation, separation or recovery
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2202/00Structure or properties of carbon nanotubes
    • C01B2202/02Single-walled nanotubes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2202/00Structure or properties of carbon nanotubes
    • C01B2202/06Multi-walled nanotubes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B5/00Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
    • H01B5/02Single bars, rods, wires, or strips

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

電力配電用途のためのバスバー。バスバーは、ナノスケール炭素粒子(例えば、カーボンナノチューブ)を有するアルミニウム(Al)金属マトリックス複合体(MMC)を含む。一例において、ナノスケール炭素粒子の濃度は、0.01~2重量パーセント(wt%)の範囲である。このナノスケール炭素粒子は、Al-MMCの全体にわたって均一に分布している。【選択図】図8

Description

開示される教示は、バスバー用途のための金属複合体に関する。
配電において、バスバーは、典型的には、局所的な高電流配電のためのスイッチギヤ、パネルボード、およびバスウェイエンクロージャの内部に収容された金属ストリップまたはバーである。それらはまた、電気スイッチヤードにおける高電圧機器、およびバッテリーバンクにおける低電圧機器を接続するために使用される。それらは一般に絶縁されておらず、絶縁されたピラーによって空気中で支持されるのに十分な剛性を有する。これらの特徴は、バスバー導体の十分な冷却を可能にし、新たな接合部を形成することなく様々な点で導体にタップ接続する能力を可能にする。
バスバーの材料組成および断面サイズによって、安全に搬送することができる電流の最大量が決定される。バスバーの断面積は10平方ミリメートル(mm)程度であるが、変電所では直径約50ミリメートル(または約2,000mm)以上の金属管をバスバーとして使用することがある。
バスバーは、平坦なストリップ、ソリッドバー、またはロッドなどの様々な形状で製造され、典型的には、銅、真鍮、またはアルミニウム(Al)から構成される。これらの形状のいくつかは、断面積に対する表面積の比が高いため、熱をより効率的に放散させることができる。表皮効果は、50~60HzのACバスバーの厚さが約8mmよりも厚いと非効率的であるため、より高い電流用途においては中空または平坦な形状が普及している。また、中空部は同等の通電容量を持つソリッドロッドよりも剛性が高いため、屋外の電気用途ではバスバー支持体間のスパンを大きくすることができる。
図1は、市販のバスバーの画像を含む。 図2は、アルミニウムの機械的強度および導電率に対する合金化元素の添加の効果を示すグラフである。 図3は、金属マトリックス複合体(MMC)中のナノスケール炭素粒子の均一な分布を達成するためのプロセスを示すフローチャートである。 図4は、アルミニウム(Al)0.5重量パーセント(wt%)カーボンナノチューブ(CNT)の押出されたままの状態の有益な物理的特性を、純アルミニウムの特性と比較して示すグラフである。 図5は、Al-0.5wt%CNTバスバーと、比較のためにA6063-T5バスバーで実施したクリープ試験の結果を示すグラフである。 図6は、冷間加工がAl-0.5wt%CNT MMCワイヤの強度にどのように影響するかを純粋なAlワイヤの強度と比較して示すグラフである。 図7は、冷間加工量の異なるAl-0.5wt%CNTワイヤの極限引張強さ(UTS)を示すグラフを含む。 図8は、押出し加工によってCNT分布が改善される前後のAl-0.5wt%CNT MMC間の微細構造の差を示す画像を含む。 図9は、押出し加工によってCNT分布が改善される前後のAl-0.5wt%CNT MMCにおけるCNT凝集体サイズおよび数の統計的分布を示すグラフのセットである。 図10は、Al-CNT MMCバスバーにおけるCNTの分散を改善することで、曲げ挙動も改善されることを示す画像を含む。 図11は、延伸されたAl-0.5wt%CNT MMCワイヤにおけるCNT分布の質が、熱処理によって誘発される結晶粒成長にどのように影響するかを示したものである。 図12は、CNT濃度が異なるAl-0.5wt%CNTワイヤのUTSを示すグラフを含む。
本開示の1つまたは複数の実施形態は、添付の図面の図に限定ではなく例として示されており、同様の参照符号は同様の要素を示す。
以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするために必要な情報を表し、実施形態を実施する最良の形態を示す。添付の図面に照らして以下の説明を読めば、当業者は本開示の概念を理解し、本明細書で特に扱われていないこれらの概念の適用を認識するであろう。これらの概念および用途は、本開示および付随する実施形態の範囲内にあることを理解されたい。
[バスバー用途]
配電において、バスバーは、局所的な高電流配電のための金属ストリップまたはバーである。図1は、市販の銅(Cu)バスバーの例の画像である。バスバーの用途としては、船舶、運輸、通信、ユーティリティ、発電などの産業が挙げられる。自動車産業はまた、高電流電気を分配する堅牢な方法を提供するために様々なバスバーを含むことができる。これらの産業では、重量およびコストを低減するためにCuバスバーをアルミニウム(Al)で置き換えることによって利益を得ることができる。例えば、自動車産業では、電気自動車(EV)またはハイブリッド電気自動車(HEV)への関心が高まるにつれて、配電要件およびその結果として、これらの車両に必要とされるバスバーの量が大幅に増加している。バスバーは伝統的にCuから作製されるので、バスバーの使用の増加は車両重量に悪影響を及ぼす。AlはCuに比べて密度が約30%、導電率が約60%であるため、Cuに比べて約50%の軽量化で同様の電力分布を達成することができる。さらに、原材料および工業プロセスのコストは変動するであろうが、Alは、歴史的にCuよりもはるかに安価である。したがって、同じ電気的要件を意図したAl導体は、Cu導体よりも軽量であり、かつ安価であるため、自動車用途においてCuバスバーをAlバスバーに置き換えることは、増加する重量およびコストを相殺することができる一方で、依然として電力要件を満たすことができる。
車両内に電気部品を効率的に取り付け、接続することはますます重要になっており、この目的のために、ワイヤ、ケーブル、およびバスバーが、車両の様々なサブシステムに電力を分配するために商業的に使用されている。HEV/EV電池モジュール接続アセンブリにおいて、コネクタは、高い強度、伝導性(例えば、熱的、電気的)および熱安定性を有することが好ましい。Alの標準的な通電容量は、約0.7A/mmであり、これは、HEV/EVにおいて電池モジュールを接続する際に使用するのに十分である。HEV/EVの電力要件は毎年増加し続けており、したがって、効率的な接続の必要性も増加している。しかしながら、高まる需要を満たすためにバスバーの数または断面サイズを単に増加させることは、重量およびコストを低減するという目標に反する。
市販のAl合金は、強度、導電性、耐クリープ性、熱安定性などの特性の必要な組合せを有していないので、バスバー用途においてCuの理想的な代替物ではない。例えば、図2では、Al合金の強度が合金元素を添加することによって増加され得ることを示す。しかしながら、これらの添加は、固体αAlマトリックス相を有する溶液中の任意の元素が追加の電気散乱部位として作用するように働くので、導電性の低下という犠牲を払うことになる(J.Tokutomi et al、CIRP Annals-Manufacturing Technology 64(2015)257-260)。加えて、市販のAl合金中の合金元素は、αAl相中で比較的高い移動度を有しており、それらが高温で保持される場合、過時効処理(over-aging)による強度の低下をもたらす。この過時効処理の傾向はまた、典型的なAl合金の高温クリープ抵抗に悪影響を及ぼし得る。
[電気バスバー用途のためのアルミニウム炭素金属マトリックス複合体]
開示される実施形態は、αAl相に溶解しない粒子を含むAl系金属マトリックス複合体(MMC)で作製されたバスバーおよび関連製品を含み、大幅な強化および耐クリープ性を実現する。より具体的には、開示される技術は、電気バスバー用途のためのアルミニウム炭素(Al-C)MMCに関する。一例では、MMCは、その中に分布されたカーボンナノチューブ(CNT)を有するAlマトリックスを含む。CNTは、炭素(C)原子が1つまたは複数の円筒状の層(単層、多層など)に配置され、各層内で六角形のタイリングなどの幾何学パターンで共有結合により結合し、最大数百ナノメートルの直径を持つ中空管を形成する分子スケール構造である。カーボンナノチューブは、フラーレンケージと(グラファイトのような)平坦なグラフェンシートとの中間の炭素の同素体であると考えられている。
Al-C MMCは、電気バスバー用途に対して多くの利点を有する。開示されたMMCは、純粋なアルミニウムの導電率に近い導電率を維持しながら、望ましい強度、熱安定性、および耐クリープ性を示す。バスバー用途におけるMMCの使用は、高い熱安定性が増加した動作温度を可能にし得るので、所与のバスバー断面積に対する改善されたアンペア容量を可能にし得る。これにより、バスバーの寸法を小さくすることで軽量化を図ることができ、また、バスバーのサイズが一定であれば、構造や性能に問題を起こすことなく、より高いピーク電流を流すことができるようになる。さらに、MMCの耐クリープ性は、バスバーと他の電気部品との間の接続に関連する複雑さを低減するのに役立ち得る。このバスバーはあらゆる産業で使用可能であるが、本開示では、自動車産業における潜在的な利点に重点を置く。
バスバーは、50%超の国際軟銅規格(IACS)導電率、80MPa超の極限引張強さ(UTS)、および10%超の伸びを有することができる。一例では、バスバーは、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率、120MPa超のUTS、および30%超の伸びを有する。ただし、バスバーが他の範囲の特性を持つこともある。別の例では、バスバーは、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率、200MPa超のUTS、および1%超の伸びを有する。別の例では、バスバーは、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率、300MPa超のUTS、および3%超の伸びを有する。
Al-MMC材は、純Alであってもよいし、Al以外の金属元素を含むAl合金であってもよい。好ましくは、Alマトリックスは、純Alまたは少なくとも50%IACSの導電率を有するAl合金、例えば、99%の最小Al含有量を有する1XXXシリーズの展伸用合金である。2XXX~7XXXの他の展伸用合金シリーズにおけるAl合金は、50%IACS以上の導電率を有するものであれば、好適である。また、他の市販されていない組成のAl合金も好適であり得る。例えば、Scと、任意選択的にジルコニウム(Zr)、エルビウム(Er)、および/またはイッテルビウム(Yb)などの他の元素とを有する、50%IACSを超える導電率を有するアルミニウム-スカンジウム(Al-Sc-X)合金が好適である。本明細書で使用される場合、「Al-C」、「Al-CNT」、および「Al-CNT MMC」という用語は、マトリックス中にCまたはCNT粒子が分布する、純AlまたはAl合金のMMCを指すことがある。
高温での押出し後などの柔らかい状態では、2×20mmの長方形のAl-0.5wt%CNT MMCバスバーは、約120MPaのUTS、約30%の伸び、および50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率を有する、引張特性と電気特性との望ましい組合せを有することができる。これらの例は、改善されたクリープ挙動(例えば、80%の降伏強度および150℃で、500時間(hr)後の最小クリープ)を有する。さらに、MMCのマトリックス全体にわたってより均一に分布したCNTを有するAl-0.5wt%CNTバスバーの180度フラットワイズ曲げ試験では、亀裂は観察されない。
いくつかの実施形態では、Al-0.5wt%CNT MMCの冷間加工は、導電率への影響が最小限であり、伸びが減少する一方で引張強さが著しく増加し得る。約335MPaのより大きなUTSを観察することができるが、この値が、開示された方法で達成することができる強度の上限であることを示すものはない。伸びは、全ての冷間加工例について約4%のままである。冷間加工によって達成される強度は、国際標準規格IEC62004「架空線導体用の耐熱性アルミニウム合金ワイヤ」の材料タイプAT4に関して記載されているように、初期応力緩和熱処理後に熱的に安定であり得る。この規格によると、タイプAT4として認定されるためには、Al合金ワイヤは、310℃で400時間、または400℃で1時間の熱処理を受けた後に、その初期引張強さの90%を保持しなければならない。
例えば、335MPaの初期延伸時引張強さを有するAl-0.5wt%CNT MMCの場合、325℃で1時間熱処理すると、通常約30MPa強度が低下して熱的に安定な状態、例えば、UTSが約305MPaとなる。その後、310℃で400時間、または400℃で1時間のいずれかの熱処理を行うと、UTSの低下は10%未満となる。したがって、熱処理された材料は、IEC62004規格によるタイプAT4の要件を満たす。
Al-C MMCの有効性における重要な要因は、MMC内のナノスケール炭素粒子の分布である。例えば、CNTがAlマトリックス中に、例えば10ミクロン幅よりも大きい凝集体として存在する場合、Al-CNT MMC中のCNTの大部分は、マトリックスの強度の増加には寄与しないという点で無駄になり得る。CNTの均一な分布を有するAl-CNT MMCを、大規模製造に資する方法で製造することは、これらの材料の広範な適用に対する大きなハードルのままである。本明細書に開示される解決策を用いると、CNT分布、したがって、最初は不十分なCNT分布を有するAl-CNT MMCの特性が、押出し加工、ECAPなどによる固相変形によって改善される。本明細書に記載の例は、強度、熱安定性、耐クリープ性、および曲げ挙動が改善される。
図3は、MMC(例えば、Al-C MMC)中のナノスケール炭素粒子の均一な分布を達成するためのプロセス300を示すフローチャートである。302において、金属マトリックスおよびナノスケール炭素粒子を含むMMC供給原料材料(例えば、Al-MMC供給原料)が調製される。供給原料材料の例としては、AlCロッド、バー、顆粒、または圧縮粉末ビレットが挙げられる。304において、MMC供給原料材料は、ナノスケール炭素粒子の均一な分布を有するMMCコンポーネントを形成するために、固相変形プロセスによって処理される。このように、MMCコンポーネントは、例えば0.01~2wt%の濃度範囲でナノスケール炭素粒子の均一な分布を有することができる。固相変形プロセスとしては、例えば、押出しプロセス、等チャネル角プレス(ECAP)プロセスが挙げられる。MMC供給原料材料は、固相変形プロセスを複数回通過させて、均質性をさらに改善することができる。
一般に、十分に分布したナノスケール炭素粒子(例えば、CNT)をAlに少量添加すると、実質的に純粋なアルミニウムと比較して、導電率、弾性率、および熱膨張係数を実質的に同様に維持しながら、引張強さが増加する。ナノスケール粒子は、広義には100ナノメートル未満の少なくとも1つの限界寸法を有し、固有の光学的、磁気的、または電気的特性を有する粒子として定義することができる。ナノスケール炭素粒子は、CNT、グラフェン、フラーレン、ナノダイヤモンドなどの炭素から主に構成されるナノスケール粒子である。
さらに、一般に、Al-CNT MMC製品は、加工および分散硬化を通してその引張強さを得る。例えば、押出された材料を最終サイズに圧延および/または延伸することによる冷間加工の間、粒子構造は微細化され、CNTはマトリックス中により均一に分散する。Al-CNTの引張強さはCNT含有量とともに増加するが、導電率はわずかに減少する。その観点から、好ましい濃度は、約0.01~2重量パーセント(wt%)、例えば、0.1~1wt%、または0.2~0.8wt%、または0.25~0.75wt%、または0.4~0.6wt%、または約0.5wt%のCNTであり、これにより、MMCは、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率を維持しながら、UTSの実質的な増加を達成することができる。
Al-CNT MMCロッドまたはワイヤの場合、初期押出し直径から最終直径までの延伸による冷間加工の効果は、以下の関係によって示される。
Figure 2023550102000002
ここで、AおよびBは、CNTの量に依存する定数である。この式は、押出しおよび延伸ワイヤの所望のUTSおよび最終直径Dを達成するために必要とされるAl-CNTロッドの初期押出し直径Dを計算するために使用することができる。0.5wt%のCNTと組み合わされた1070アルミニウム(Al99.7)からなるマトリックスについて、定数AおよびBは、それぞれ約145および約60であることが見出された。
特に、AA1350などの導体グレードのAlの導電率は61.2~61.8%IACSであり、Cuに比べて強度が低い。上述したように、Alへの合金元素の添加は、強度を増加させる(例えば、2xxx、5xxx、6xxx、および7xxx系合金)が、一般的には導電率を低下させる。市販の合金に使用される強化粒子は、Alマトリックス中での移動度が比較的高いので、Al合金の熱安定性は低い。このため、Al合金は通常、約150℃を超える温度にさらされる用途には使用されない。しかしながら、上述したように、Al-CNT MMCは、導電性を著しく損なうことなく、高い機械的強度と約150℃を超える温度に対する熱安定性を提供する。
したがって、開示される技術は、特に自動車産業において、改善された導電性、強度、使用温度、および耐クリープ性を有する純AlおよびAl合金バスバーに対する進歩を提供することができる。開示される技術から利益を得ることができる自動車産業における例としては、バッテリパック内の個々のセルを接続するバスバー、複数のバッテリパックを接続するバスバー、およびバッテリパックをモータインバータおよび他の電気部品に接続するバスバーが挙げられる。一部のバスバーは、高温にさらされる車両の部品に使用される。バスバーは、2つ以上のコンポーネント間を単純な直線で接続することができ、またはバスバーは、車両の密集した領域を通ってナビゲートするために複雑な幾何学的形状を有することができる。これらのバスバーは、通常、スズめっきされた銅であり、本明細書で論じるAl-CNT MMCで置き換えることができるバスバーの良好な例である。このため、バスバーのための理想的なAl MMCは、亀裂を形成することなく複雑な形状に成形することと、バスバーのライフサイクル全体にわたってそれらの形状を維持するのに十分に強いこととの両方が可能である。
CNTで強化されたAl MMCは、高い比強度を提供し、優れた熱/電気特性を有する。使用されるCNTの量およびAlマトリックス中の分布は、Al-CNT複合体の最大強度を達成するための重要なパラメータである。例えば、より低い濃度のCNT(0.1wt%)およびマトリックス中の均一な分散を有するMMCは、比較的より高い濃度のCNT(0.25~1.0wt%)を有するが、マトリックス中の分散が乏しく、大きい凝集体を有する同様に調製されたMMCよりも高い強度を有することができることが観察されている。
純Alの導電率よりも導電率を著しく低下させることなく、所望の強度、熱安定性、および耐クリープ性を有するAlバスバーを製造するためには、溶質原子を比較的含まないαAlマトリックスによって囲まれた強化粒子の微細分散を作り出すことが有効である。この結果を得るためには、α-Alへの有意な溶解性を持たないMMC添加物を使用すべきである。炭素は、Alへの固溶度が報告されておらず、いくつかのナノスケール構造で製造することができるので、配電用途のためのAl系MMCバスバーの添加物として理想的な候補である。CNTに加えて好適なナノスケール粒子の例としては、グラフェンナノプレートレット(GNP)、フラーレン(例えば、原子の中空ケージからなる大きな球状分子を有する炭素の形態)、およびナノダイヤモンド(例えば、わずか数ナノメートルの寸法しかないダイヤモンド粒子)が挙げられる。
ナノスケール炭素粒子の添加から最大の利益を得るためには、MMC全体に粒子を均一に分布させることが好ましい。所望の製造規模や使用する炭素の形態に応じて、いくつかの方法で均一な分布を達成することができる。例えば、炭素粒子をAl溶融物に添加し、MMCを鋳造することは、1つのアプローチであるが、炭素添加の偏析または燃焼を回避するように注意を払う必要がある。第2の方法は、粉末冶金技術を用いて、Alおよびナノスケール炭素粉末を一緒に均一に混合および焼結して固体ビレットにすることである。第3の方法は、摩擦撹拌加工、ECAP、押出しなどの固相加工技術によって、ナノスケール炭素粒子をAlマトリックス中に機械的に撹拌することを含む。
得られたバスバーは、バスバーの全体積にわたって均一に分布した炭素粒子(例えば、CNT)濃度を有する。すなわち、炭素粒子間に著しい不規則な空隙または不規則な空の空間がなく、炭素粒子は凝集しておらず(または凝集があっても無視できる)、バスバー全体にわたって炭素粒子の濃度が高い部分や低い部分が存在しない。マトリックス中の炭素粒子の量は、マトリックス体積の全ての部分において本質的に同じであり、すなわち、Al-MMC複合体内には、炭素粒子濃度が他の部分と明確に異なる部分、すなわち、20%、10%、または好ましくは5%を超える差を有する部分は存在しない。
一例において、結果として得られるバスバーは、非多孔質である均一な密度を有する。例えば、密度は、材料の体積、Alおよび炭素粒子の相対量、並びにそれらのそれぞれの密度に基づいて計算することができる理論複合密度から最大で2%逸脱してもよい。サンプルAl-C MMCの均一な炭素粒子濃度により、バスバーの全体積にわたって均一なコンダクタンスなどの一貫した均一な特性が得られる。サンプルAl-C MMCバスバーにおける炭素粒子の均一な分布は、高解像度顕微鏡法によって検証することができる。
Al-C MMCを製造するためにいずれの技術が使用されても、加工からの残留応力の最終量は、MMCの得られる強度および伸びに影響を及ぼす。設置のための特定の幾何学的形状を達成するためにバスバーの曲げを必要とするものなど、著しい伸びを必要とするバスバー用途では、残留応力が比較的ない最終状態を得るために注意を払うべきである。この用途に適した最終状態を達成するための1つの方法は、必要な冷間加工手順が実施された後に高温でバスバーをアニールすることによって残留応力を緩和することである。別の方法は、残留応力の発生を制限するために、高温で実行するプロセス(例えば、鋳造、押出し)を使用して、所望の最終寸法および幾何学的形状を有するバスバーを最初に製造することである。より高い強度が望まれ、伸びがそれほど重要でない場合、冷間加工などの適用による残留応力は、強度を増加させるための実行可能な方法である。
[製造の詳細]
開示される実施形態は、CNT、GNP、フラーレン、および/またはナノダイヤモンドなどのナノ構造添加物を少量、例えば(0.01~2wt%)含有するAl MMCバスバーを製造する方法を含む。これらのバスバーの製造は、以下のプロセスの一部または全部を含むいくつかの加工技術で達成することができる。
Al-C MMCバスバーの最初の調製は、鋳造プロセスによって行うことができる。しかしながら、この方法に関連する課題が存在し得る。例えば、主要な懸念は、炭素が溶融Alから分離し、溶融物の表面に浮遊する可能性があることである。さらに、ナノスケール炭素粒子添加物は、酸素が利用可能であれば液体Al温度で燃焼する。後者の点に対する1つの相殺要因は、液体AlがOの存在下でAlを積極的に形成し、したがって、炭素添加物を燃焼させる危険性が低減されることである。しかしながら、代わりに炭化アルミニウムが形成されることがあり、これはAl-C MMCの機械的および電気的特性を著しく低下させる可能性がある。
粉末冶金技術は、現在、Al-C MMC材料を製造する一般的な方法である。このアプローチは、一般的には、Alおよびナノスケール炭素粉末を一緒に混合すること、粉末をボールミル粉砕すること、粉末混合物を圧縮すること、および/または材料を高密度製品に焼結することのいくつかの組み合わせを含む。粉末は、乾燥状態で混合することも、またはスラリーの一部として混合することもでき、その場合、スラリーの溶媒は、圧縮/焼結前に蒸発させる必要がある。微粉末は化学組成によっては可燃性であり得るので、取り扱う際には注意を払うべきである。例えば、The Aluminum Association and National Fire Protection Agency(NFPA)規格#484「Standard for Combustible Metals, Metal Powders, and Metal Dusts」によれば、40メッシュ(420マイクロメートル)以下の粒径を有するアルミニウム粉末は、火災または爆発の危険をもたらし得る。
Al-C MMCバスバーの製造において、押出し成形はいくつかの目的を達成するために使用することができる。これらの目的の最も基本的なものは、特定の形状および寸法の押出し製品を製造することである。これらの寸法は、バスバーの強度よりもむしろ伸びを重視する場合にはバスバーの目標最終寸法と一致してもよく、または、冷間加工(圧延など)を用いて断面積を目標バスバー寸法まで減少させながら強度を増加する場合には、寸法が過大であってもよい。
サイズおよび形状などの幾何学的な目的に加えて、適切なツールおよびパラメータを用いた押出しは、他の手段によって製造された均質化が不十分なAl-C供給原料中の炭素添加の均質性を増加させるために使用することができる。この技術を使用してAl-C MMCの均質性を増加させることは、強度、熱安定性などの点で性能の有意な改善をもたらすことができる。使用する押出しプロセスに応じて、供給原料材料は、Al-Cロッド、バー、顆粒、圧縮粉末ビレットなどの形態とすることができ、必要に応じて均質性をさらに改善するために押出しプロセスを複数回通過させることを採用することができる。
Al-C MMCに対して圧延および関連するプロセスを実施して、バスバー仕様の目標サイズおよび寸法を達成することができる。このプロセスは、室温で行うことができるが、バスバーの冷間加工による残留応力は一般に伸びを低減し強度を高めるため、最終バスバーの高い伸びが望まれる場合には内部応力を緩和するために高温で行うこともできる(例えば、熱間圧延)。熱間圧延の代わりに、製造後の残留応力を緩和する方法として、冷間圧延後に熱処理を適用することもできる。
自動車内での使用に有用な形状を達成するために、バスバーに対して曲げおよび成形を行うことができる。曲げは、フラットワイズ曲げ、エッジワイズ曲げ、ねじりなどを含むことができる。曲げおよび成形プロセスの容易さは、MMCに含まれる炭素の構造および量、並びに曲げ時にバスバーに存在する粒径や残留応力の量に依存する。任意の特定のAl-C MMCの最適な曲げ能力のために、MMCをニアネットシェイプ物体として製造することによって冷間加工を回避することによって、または冷間加工手順中に蓄積された応力を緩和するのに十分に高い温度でアニールすることによって、曲げ時の残留応力を最小限に抑えるように注意を払うべきである。しかしながら、残留応力によって提供される強化が最終的なバスバー用途の特性に必要である場合、アニーリングをほとんどまたは全く伴わずに、軽微な曲げを依然として行うことができる。Al-C MMC材料を用いた新しいバスバー曲げ用途を設定するときには、曲げた部分の亀裂の有無を調査し、亀裂がある場合はアニール量を調整して応力を緩和し、材料の伸びを高めることで亀裂が発生しないようにすることが重要であり得る。
[有意な残留応力のないAl-CNT特性の実施例]
(強度および伸び挙動)
図4は、押出されたままの状態のAl-0.5wt%CNTの有益な物理的特性を、押出されたままの状態の純Alの特性と比較して示すグラフである。より具体的には、図4には、およそ120MPaのUTSおよびおよそ35%の伸びを有する、押出されたままの2×20mmの長方形のAl-0.5wt%CNTバスバーの特性を示す引張試験が含まれる。押出されたままの純粋なAlバスバーは、対照的に、およそ52MPaのUTSおよびおよそ27%の伸びを示す。Al-CNTの2×20mmの長方形バスバーの押出しは、応力を緩和するために十分に高い温度で行われるので、MMCは、冷間加工を受けた後に、同様の組成の材料よりも大きい伸びおよび低い強度を有する。この条件では、約120MPaのUTSおよび約30%の伸びを有し、この材料は、小さい内部半径を有する曲げやエッジワイズ(すなわち、ハードウェイ)曲げなどの複雑な形状に成形する必要があるバスバー用途に良好に適合する。この実施例の強度は、冷間加工されたAl-C MMCバスバーに対して達成可能なものよりも低いが、約120MPaのUTSは、柔らかい状態の多くの一般的なAl導体(例えば、およそ60MPaのUTSを有するAl-1350-O)よりも依然として高い。
(導電率)
一例では、いくつかの異なる製造工程で製造された丸ワイヤサンプルで測定された、押し出されたままのAl-0.5wt%CNT MMCの導電率は、一貫して58%IACSより大きいと測定されている。
(クリープ挙動)
図5は、Al-0.5wt%CNTバスバーと、比較のためにAl合金A6063-T5バスバーで実施したクリープ試験の結果を示すグラフである。図5は、Al-0.5wt%CNTバスバーに対する初期クリープ試験結果を、A6063-T5バスバーに対する結果と比較してより具体的に示す。いずれの試験も150℃で、サンプルが室温降伏強度の80%まで荷重をかけた状態で行われており、Al-CNT MMCバスバーは、改善されたクリープ特性を有することが示される。一例では、過度のコストを回避するために500時間で試験を中止する前に、Al-0.5wt%CNTでは3次クリープに達しなかった。
本開示のAl-0.5wt%CNTバスバーは、それらの室温降伏強度の80%に等しいサンプル荷重で、150℃で100時間クリープ試験したときに、約5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満の総変位を示すことができる。いくつかの実施形態では、MMCバスバーは、同じ条件で500時間クリープ試験したときに、約5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満の総変位を示すことができる。
[残留応力を付加するための冷間加工後のAl-CNT特性の実施例]
(強度および伸び挙動)
図6は、冷間加工が、断面積の減少を伴うAl-0.5wt%CNT MMCワイヤおよびAl丸ワイヤの強度にどのように影響を及ぼすかを示すグラフである。より具体的には、図6は、Al-0.5wt%CNTワイヤおよびAlワイヤについて、冷間加工(伸線加工)追加による強度改善のプロットを示す。
これらのデータから、Al-0.5wt%CNT MMCでは、十分な冷間加工面積の減少により、約335MPaという高い強度が観察された。対照的に、純Alワイヤは、冷間加工によって初期に強度は増加するが、その速度はMMCと比較していくらか低下する。さらに、純AlワイヤのUTSは、約140MPaでプラトーに達した。MMCの伸びは、冷間加工の全てのレベルにおいて3~5%で一貫したままである。この挙動は、この材料をワイヤではなくバスバー用途に使用した場合でも、著しく変化することはない。面積削減の代替として、断面積を変化させることなく内部応力を印加するプロセス(ECAP等)を用いれば、最終目標寸法かそれに近い寸法で初期生産されたバスバーの強度を増加させることができる。
(導電率)
本実施例において、延伸されたAl-CNTワイヤの導電率は、58%IACS超と冷間加工が適用される前のワイヤと同様の範囲にあることが観察される。
(熱安定性)
Al-C MMC製品の熱安定性を評価するために、AT4分類(仕様IEC62004、「架空線導体用の耐熱性アルミニウム合金ワイヤ」に記載されている熱安定性の最高分類)の熱処理を、2種類の異なるレベルの冷間加工(断面積の85%および98%の減少)を適用した延伸Al-0.5wt%CNTワイヤに適用する。AT4の熱安定性を得るには、ワイヤを310℃で400時間、または400℃で1時間のいずれかで保持した後、それらのUTSの90%超を維持する必要がある。図7は、2種類の異なるレベルの冷間加工(85%および98%の面積減少)を適用した延伸Al-0.5wt%CNTワイヤに対する熱安定性試験の結果を示す。図7に示されるように、延伸Al-0.5wt%CNTワイヤは、両ワイヤともこの試験に容易に合格し、熱安定性を実証した。両ワイヤとも、示された熱処理後も初期UTSの90%超を維持しており、それらは、IEC 62004に記載された熱安定性の最高レベルであるAT4分類に適格である。この挙動はワイヤに特有なものではなく、バスバー用途に拡張することができる。
[Al-CNT MMC中のCNTの均一な分布を達成する利点の実施例]
(複合押出しプロセスによる均一な分布の達成)
図8には、2つのAl-0.5wt%CNT MMCの微細構造の違いを示す画像が含まれる。1つはCNTの均一な分布が複合押出しプロセスによって達成される前のもの(CNT MMC 800)、1つは後のもの(CNT MMC 802)である。CNT MMC 800では、多くの大きなCNTの凝集体が、画像中に黒い斑点としてはっきりと見える。したがって、CNTはマトリックスから大きく分離しており、複合体の機械的特性または熱安定性の改善に寄与していない。押出し加工後、CNT MMC 802では、これらの目に見える大きな黒い斑点の数と大きさは減少したが、測定された炭素含有量は一貫したままであった。この観察および他の観察から、複合押出しプロセスによって、大きなCNT凝集体が分解され、CNTがより均一に分布することが明らかである。このことは、本明細書で論じるように、CNT MMCの特性に対していくつかの利点を有する。
このように、材料に複合押出しプロセスを適用した後にCNTの分布が改善されることがわかる。これらの断面顕微鏡写真は、CNTの均一な分布を達成するために押出しプロセスを追加する前(CNT MMC 800)は望ましくないCNTの凝集が高レベルで、追加した後(CNT MMC 802)は望ましくないCNTの凝集が低レベルであるAl-0.5wt%CNT MMCバスバーを示している。目に見える黒い斑点はCNTの凝集体であり、複合押出しプロセス後のこれらの斑点の大きさおよび数密度の顕著な減少は、このプロセスが凝集体を分解してCNTを均一に分布させたことを示す。炭素濃度測定により、これらのMMCの炭素含有量はこの加工によって変化しないことが確認されたため、両者には同量のCNTが存在すると考えられる。
いくつかの実施形態では、Al-CNT MMCにおいて、凝集体または粒子の数が最小化され、既存の凝集体を可能な限り小さくすることが望ましい。より少なく、より小さい凝集体の存在は、CNTがAlマトリックス内でより良好に分布していることを示し、機械的特性および熱安定性の点でより多くの利益を提供することができる。Al-CNT MMC中のCNT凝集体の統計的分布を、これらの特性の改善の程度と大まかに相関させることが可能である。
図9は、それぞれ約0.5wt%のCNTを含有する2つのMMC中のCNT凝集体のサイズおよび密度に関する詳細な情報を提供する2つのプロットを示す。プロットは、押出し加工の方向に対して垂直な断面を持つサンプルに対して行われた分析の結果を示している。この分析から、CNTの分布が初期で不十分なAl-CNT MMCに追加の押出し加工を適用すると、CNT凝集体の占める断面積の大幅に減少、ならびに直径1μm超の凝集体の密度の大幅な減少をもたらすことがわかる。
特に、図9のプロット900は、平均直径が約10μmより大きい凝集体について、初期Al-CNT MMCは断面積内で約10/mmの数密度を有するが、追加加工を行ったAl-CNT MMCは、そのような凝集体について<1/mmの数密度を有することを示す。図9のプロット900に示すように、初期Al-CNT MMCについて、平均直径が約1μmより大きいCNT凝集体が占める総面積分率は約0.0038または0.38%であるのに対し、追加の押出し加工を行ったMMCの総CNT凝集体面積は約0.0005または0.05%である。
大きなCNT凝集体のサイズと密度が減少することで、Alマトリックス内のCNTの分布がより均一になり、複合体の機械的特性と熱安定性に実質的な利点がもたらされる。均一な分布は、CNT凝集体の全体的な面積分率やパーセントによって定義することができるが、MMC中の総CNT含有量にも依存する。
したがって、一例では、CNTの均一な分布を有するAl-CNT MMCは、約0.5wt%のCNTを含み、平均直径が約1μm以上の凝集体に対して<0.38%のCNT凝集体面積パーセントを示す。前記Al-CNT MMCの凝集体面積パーセントは、平均直径が約1μm以上の凝集体に対して、好ましくは<0.20%、より好ましくは<0.10%である。
(曲げ挙動)
図10には、Al-CNT MMCバスバーにおけるCNTの均一な分布が曲げ挙動にも有効であることを示す画像が含まれる。より具体的には、図10は、柔らかい状態(最小残留応力)でフラットワイズ方向に180度曲げられたAl-0.5wt%CNT MMCバスバーの画像を示す。画像は、Al内のCNTの均一な分布を達成するために、追加された押出しステップの前の第1のバスバー1000aと、追加された押出しステップの後の第2のバスバー1002aとを含む。これらの画像から、CNTの均一な分布を有することが曲げ挙動を改善することは明らかである。CNTの均一な分布を欠く第1のバスバー1000aは、180度のフラットワイズ曲げ後に多数の亀裂を示すが(1000b参照)、CNTの均一な分布を達成するための押出しステップの追加以外は第1のバスバー1000aと同一である第2のバスバー1002aは、亀裂伝播が観察されることなく180度の曲げを完了することができる(1002b参照)。
(熱安定性)
前述の利点に加えて、Al-CNT MMC内のCNTの均一な分布を達成することは、熱安定性を増加させることができる。例えば、図11は、CNTの均一な分布を有する異なる冷間加工されたAl-0.5wt%CNT MMCワイヤに対応するサンプル1102と比較して、多数の大きな凝集体を有するCNTの劣った分布を有する冷間加工されたAl-0.5wt%CNT MMCワイヤに対応するサンプル1100の粒径が熱処理によってどのように影響するかを描写するものである。具体的には、図11は、冷間加工されたAl-0.5wt%CNT MMCワイヤにおける均一なCNT分布の利点を示す、特有の粒子後方散乱電子回折(EBSD)画像を示す。不十分なCNT分布を有するサンプル1100は、初期粒径が大きく、冷間加工(延伸)およびアニーリングの際に不均一かつ過剰な粒子成長をもたらした。均一なCNT分布を有するサンプル1102は、初期粒径が小さく、同じ冷間加工および熱処理を施した場合、サンプル全体にわたって比較的一貫した均質な粒径が維持される。不十分に分散したCNTを有するサンプル1100では、サンプルのいくつかの領域において抑制されない粒子成長が起こり、一方、他の領域ではこの成長に抵抗する。これは、純Alと同様の熱安定性を有するCNTが比較的少量であるかまたは存在しないMMC中の領域に起因すると考えられる。この現象は、均一に分布したCNT含有量を有するサンプル1102(例えば、同じC含有量を有するより小さい/より少ないCNT凝集体)では観察されない。
粒子が障害なく自由に成長する内部領域を有する結果として、不十分に分散されたCNTを有するAl-0.5wt%CNTサンプル1100の熱機械的特性は、均一に分布されたCNTを有するAl-0.5wt%CNTサンプル1102の熱機械的特性よりも著しく熱安定性が低い。例えば、図12は、不十分なCNT分布を有するAl-CNT MMCがIEC62004によるAT4基準を満たさないのに対して、均一なCNT分布を有するサンプルはAT4基準を満たすことを示している(試験の説明については、先の熱安定性の項および図7を参照)。
より具体的には、図12のプロットでは、不十分なCNT分布を有する延伸Al-0.5wt%CNT MMCワイヤの熱安定性を、均一なCNT分布を有するものと比較する。図7のように、サンプルは、タイプAT4材料の熱安定性要件を満たすために、特定の熱処理後にそれらの初期UTSの90%超を維持する必要がある。不十分に分布したCNTを有するサンプルは、この測定基準に合格しない。このように、この比較は、Al-CNT MMCがその完全な可能性を達成するために、CNT凝集体を分解し、Al-CNT MMC中にCNTの均一な分布を有することの重要性を強調する。
[実施形態]
開示される実施形態は、配電用途(例えば、自動車用途)のために構成されたバスバーを含む。バスバーは、ある濃度(例えば、量)のナノスケール炭素粒子を有するAl-MMCを含むことができる。ナノスケール炭素粒子の濃度は、0.01~2重量パーセント(wt%)、例えば0.1~1wt%、または例えば0.2~0.8wt%、または例えば0.25~0.75wt%、または例えば0.4~0.6wt%の範囲であることができる。ナノスケール炭素粒子は、Al-MMCの全体にわたって均一に分散している。
ナノスケール炭素粒子は、単層カーボンナノチューブ(CNT)、多層CNT、グラフェンナノプレートレット(GNP)、フラーレン、ナノダイヤモンド、および/または主にspもしくはsp炭素を有するナノ粒子を含むことができる。一例では、ナノスケール炭素粒子は、CNT、GNP、フラーレン、ナノダイヤモンド、および主にspもしくはsp炭素を有するナノ粒子からなる群から選択される粒子の混合物を含む。
一例では、バスバーは、50%超の国際軟銅規格(IACS)導電率、80MPa超の極限引張強さ(UTS)、および10%超の伸びを有することができる。例えば、バスバーは、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率、120MPa超のUTS、および30%超の伸びを有する。他の範囲には、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率、200MPa超のUTS、および1%超の伸びが含まれる。さらに別の例では、バスバーは、50%超、または55%超、または58%超のIACS導電率、300MPa超のUTS、および3%超の伸びを有する。
開示される実施形態はまた、MMCコンポーネント(例えば、Al-C MMCバスバー)中のナノスケール炭素粒子の均一な分布を達成するためのプロセスを含む。このプロセスは、金属マトリックスおよびナノスケール炭素粒子を含むMMC供給原料材料を得るステップと、MMC供給原料材料を固相変形プロセスによって処理するステップとを含むことができる。このように、MMCコンポーネントは、例えば0.01~2wt%の濃度範囲でナノスケール炭素粒子の均一な分布を有することができる。固相変形プロセスの例としては、押出しプロセスおよび/またはECAPプロセスが挙げられる。
以上より、本発明の特定の実施形態が、例示の目的のために本明細書中に記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることが理解されるであろう。

Claims (21)

  1. 配電用途のために構成されたバスバーであって、
    0.01~2重量パーセント(wt%)の濃度のナノスケール炭素粒子を含むアルミニウム(Al)金属マトリックス複合体(MMC)(Al-MMC)を含み、
    前記ナノスケール炭素粒子が、前記Al-MMCの全体にわたって均一に分布している、バスバー。
  2. 前記ナノスケール炭素粒子の濃度が、0.1~1wt%の範囲である、請求項1に記載のバスバー。
  3. 前記ナノスケール炭素粒子の濃度が、0.2~0.8wt%の範囲である、請求項1に記載のバスバー。
  4. 前記ナノスケール炭素粒子が、単層カーボンナノチューブ(CNT)を含む、請求項1に記載のバスバー。
  5. 前記ナノスケール炭素粒子が、多層CNTを含む、請求項1に記載のバスバー。
  6. 前記ナノスケール炭素粒子が、グラフェンナノプレートレット(GNP)、フラーレン、ナノダイヤモンド、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載のバスバー。
  7. 前記ナノスケール炭素粒子が、主にspまたはsp炭素を有するナノ粒子を含む、請求項1に記載のバスバー。
  8. 前記ナノスケール炭素粒子が、CNT、GNP、フラーレン、ナノダイヤモンド、主にspまたはsp炭素を有するナノ粒子、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のバスバー。
  9. 前記バスバーが、50%超の国際軟銅規格(IACS)導電率、80MPa超の極限引張強さ(UTS)、および10%超の伸びを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のバスバー。
  10. 前記バスバーが、50%超のIACS導電率、120MPa超のUTS、および30%超の伸びを有する、請求項9に記載のバスバー。
  11. 前記バスバーが、50%超のIACS導電率、200MPa超のUTS、および1%超の伸びを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のバスバー。
  12. 前記バスバーが、50%超のIACS導電率、300MPa超のUTS、および3%超の伸びを有する、請求項11に記載のバスバー。
  13. 前記バスバーを400℃で1時間または310℃で400時間のいずれかで加熱した後、前記バスバーのUTSが、加熱前のそのUTSの少なくとも90%である、請求項1~8のいずれか一項に記載のバスバー。
  14. 室温降伏強度の80%の印加荷重による150℃で100時間のクリープ試験後に、前記バスバーが5%未満の総変位を示す、請求項1~8のいずれか一項に記載のバスバー。
  15. 室温降伏強度の80%の印加荷重による150℃で500時間のクリープ試験後に、前記バスバーが5%未満の総変位を示す、請求項14に記載のバスバー。
  16. 前記配電用途が自動車用途である、請求項1~8のいずれか一項に記載のバスバー。
  17. 前記バスバーは、最大約0.5wt%の総炭素含有量と、約1μmより大きい炭素粒子の総面積分率が約0.38%未満である炭素の均一な分布とを有する、請求項16に記載のバスバー。
  18. 金属マトリックス複合体(MMC)コンポーネントの全体にわたってナノスケール炭素粒子の均一な分布を達成するための方法であって、
    金属マトリックスおよびナノスケール炭素粒子を含む金属マトリックス複合体(MMC)供給原料材料を得るステップと、
    前記MMC供給原料材料を固相変形プロセスによって処理して、MMCコンポーネントの全体にわたってナノスケール炭素粒子の均一な分布を有するMMCコンポーネントを形成するステップ
    とを含む、方法。
  19. 前記固相変形プロセスが、押出しプロセスを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記固相変形プロセスが、等チャネル角プレス(ECAP)プロセスを含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記MMC供給原料材料がアルミニウム(Al)MMC供給原料材料である、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
JP2023530023A 2020-11-19 2021-11-18 バスバー用アルミニウム-炭素金属マトリックス複合体 Pending JP2023550102A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063115861P 2020-11-19 2020-11-19
US63/115,861 2020-11-19
PCT/US2021/072493 WO2022109585A1 (en) 2020-11-19 2021-11-18 Aluminum-carbon metal matrix composites for busbars

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023550102A true JP2023550102A (ja) 2023-11-30

Family

ID=81709867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023530023A Pending JP2023550102A (ja) 2020-11-19 2021-11-18 バスバー用アルミニウム-炭素金属マトリックス複合体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230307154A1 (ja)
EP (1) EP4248466A1 (ja)
JP (1) JP2023550102A (ja)
KR (1) KR20230107316A (ja)
CN (1) CN116547235A (ja)
WO (1) WO2022109585A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023240096A2 (en) * 2022-06-07 2023-12-14 Yazaki Corporation Aluminum-carbon metal matrix composites for fasteners

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3807969A (en) * 1970-07-13 1974-04-30 Southwire Co Aluminum alloy electrical conductor
DE102008053030A1 (de) * 2008-10-24 2010-04-29 Kme Germany Ag & Co. Kg Metall/CNT-und/oder Fulleren-Komposit-Beschichtung auf Bandwerkstoffen
US9362022B2 (en) * 2010-01-20 2016-06-07 Furukawa Electric Co., Ltd. Composite electric cable and process for producing same
JP6749087B2 (ja) * 2015-10-30 2020-09-02 矢崎総業株式会社 締結部材

Also Published As

Publication number Publication date
EP4248466A1 (en) 2023-09-27
CN116547235A (zh) 2023-08-04
WO2022109585A1 (en) 2022-05-27
US20230307154A1 (en) 2023-09-28
KR20230107316A (ko) 2023-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Li et al. Microstructure evolution and properties of graphene nanoplatelets reinforced aluminum matrix composites
Zhou et al. Interfacial reaction induced efficient load transfer in few-layer graphene reinforced Al matrix composites for high-performance conductor
Zhang et al. Influence of deformation and annealing on electrical conductivity, mechanical properties and texture of Al-Mg-Si alloy cables
Murashkin et al. Nanostructured Al and Cu alloys with superior strength and electrical conductivity
EP2832874B1 (en) Aluminum alloy wire and process for producing same
US9147504B2 (en) Aluminum alloy wire
JP6102987B2 (ja) アルミニウム合金線、アルミニウム合金撚線、被覆電線およびワイヤーハーネス
US20230290534A1 (en) Aluminum-scandium alloys for busbars
US20230307154A1 (en) Aluminum-carbon metal matrix composites for busbars
KR20130000647A (ko) 알루미늄 및 카본나노튜브를 이용한 전력용 복합 선재 제조방법 및 그것에 의해 제조된 제품
Kim et al. Effect of interfacial features on the mechanical and electrical properties of rGO/Al composites
Zhang et al. A review on aluminum alloy conductors influenced by alloying elements and thermomechanical treatments: Microstructure and properties
Li et al. Minimizing detrimental impacts of β-Fe in Al-Mg-Si alloy by combining thermal and compression processes
Sharma et al. Interfacial microstructure and strengthening mechanisms of SPSed Al/GNP nanocomposite subjected to multi-pass friction stir processing
CN117305668A (zh) Al-Mg-Si-Sn-RE系稀土铝合金及其制备方法、耐热电缆
EP3130684B1 (en) Bus bar aluminum alloy plate and method for producing same
JP2010163677A (ja) アルミニウム合金線材
Erturk et al. Manufacturing of Al-Zr Thermal-resistant Alloys for Transmission Lines
Forrest Approaches to high performance conductors
Ding et al. Microstructures, thermal and mechanical properties of Al–Si-CNT composites for thermal management applications
JP7488235B2 (ja) アルミニウム基複合部材、その製造方法及び電気接続部材
WO2023240096A2 (en) Aluminum-carbon metal matrix composites for fasteners
Zulfia et al. Effects of Al 2 O 3np and Mg Addition on the Properties of the Al–Zr–Ce Nanocomposite Produced by STIR Casting, as Aluminium Conductor
Belov The Joint Effect of Zr and Sc Small Additions on Electrical and Mechanical Properties of Pure Aluminum
JP6443473B2 (ja) アルミニウム合金線、アルミニウム合金撚線、被覆電線およびワイヤーハーネス