JP2023549742A - 地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するためのシステム及び方法 - Google Patents

地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

導電性シールド(22)によって囲まれた、1本または複数本の単一導体(16、18、20)を備えた地下電力ケーブル(12)における、絶縁欠陥を検出するためのシステム(2)。システム(2)は、電力ケーブル(12)の外側に留められるか、または電力ケーブル(12)の間近に配置された、1つまたは複数の外部クランプオンセンサ(4、4’、4’’、4’’’)を備える。クランプオンセンサ(4、4'、4''、4’’’)は、電力ケーブ(12)の1本または複数本の導体(16、18、20)の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブル(12)の外側から、2つ以上の電流測定値を提供するよう構成される。システム(2)は、信号処理ユニット(50)を備える。センサ(4、4'、4''、4’’’)は、部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)を検出するよう構成される。信号処理ユニット(50)は、センサ(4、4'、4''、4’’’)によって得られた測定値を処理する数理統計モデル(52)を使用するよう適応され、電流測定値が、電力ケーブル(12)の漏電構造(46)で引き起こされた部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)によって生じたか、を識別する。【選択図】図1

Description

本発明は、部分放電の分析をするためのシステム、及び部分放電の分析を実施するための方法に関する。より詳細には、本発明は、地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するためのシステム及び方法に関する。
国際規格である、国際電気標準会議(IEC)によると、部分放電は以下のように定義されている:
「導体間の絶縁物を部分的にのみブリッジする、局部的な電気放電であり、導体に隣接して発生する場合があり、または発生しない場合がある。」
部分放電は、導体の絶縁物の内側における不純物もしくは空洞、または導体の絶縁部の外側における突起部が、ストレスを受ける領域を生じさせるときに発生する。ストレスを受ける領域は、導体の周りにおける、尖った縁部または突起部によって形成され得る。
電力ケーブルにおける部分放電は、異なる絶縁材料の境界で生じる表面放電、及び固体または液体誘電体内の隙間もしくは空洞に発生する内部放電など、いくつかのタイプの放電現象を含む。
放電の検出及び測定は、放電中に起こるエネルギーの交換に基づく。これらの交換は、電気パルス電流として表される。
しかし先行技術のソリューションは、設定するには困難で、かつコストがかかる。なぜならそれらは、電力ケーブルに電気接続される必要があるためである。したがって、これらのソリューションを適用するとき、電力ケーブルの中に割り込む必要がある。これは数十年にわたり、主な未解決課題であった。
先行技術における部分放電分析ツールは、高価である。なぜならそれらは、コストのかかるセンサを必要とするためであり、かつこれらのセンサを、導体または単一導体周りに、電気接続されることによって設定する必要があるためである。したがって、これらの分析ツールは、使用するのに好適ではない。
技術スタッフは、地下配電システムにおいて、より古いケーブルのある部分を取り替える判断に、より頻繁に直面する。部分放電の測定値は、ケーブルを新しいものと取り替えるべきか、または必要に応じて補修するべきか、を識別するために使用される。
しかし、電力ケーブルを取り替えるべきかを確実に確認するために、電力ケーブルにおける部分放電の測定値を使用することは困難であると、調査は示してきた。部分放電の測定値のみに基づいて、これらのケーブルを除去することは、正当な理由とはなり得ない。なぜなら、外部事象(例えば雷、またはネットワークの切換え)、ならびに電力ケーブルの絶縁物における漏電構造が、部分放電事象を生じさせる場合があるからである。先行技術のソリューションにおける課題は、放電事象が外部事象(例えば雷)によって生じたか、または電力ケーブルにおける漏電構造によって生じたか、を識別できないことである。
米国特許出願公開第2009/0177420号明細書は、電気装備に沿った部分放電部位に発生した部分放電を、識別、位置の特定、及び解明のための装置を開示している。しかしこの装置は、十分な精度を伴って部分放電を判断するためには、好適ではない。
したがって、先行技術のソリューションにおける不利点を軽減、またはさらには除去する、システム及び方法を有することが望ましい。部分放電を検出、位置の特定、及び解明するための、向上した装置及び方法を有することが望ましい。
米国特許出願公開第2009/0177420号明細書
したがって、本発明の目的は、先行技術における上述の不利点を軽減、またはさらには除去するシステムを提供することである。
本発明の目的は、多芯ケーブルにおける部分放電を、検出、位置の特定、及び解明するための、システム及び方法を提供することである。
本発明の目標は、請求項1で定義される電力品質分析システムによって、及び請求項17で定義される方法によって、実現させることができる。好ましい実施形態は従属請求項で定義され、以下の記載で説明し、添付の図面に例示する。
本発明によるシステムは、導電性シールドによって囲まれた1本または複数本の導体を含んだ地下電力ケーブルの、絶縁欠陥を検出するためのシステムである。本システムは、電力ケーブル上に留められるか、または電力ケーブルの間近に配置された、1つまたは複数の外部クランプオンセンサを備える。これらのクランプオンセンサは、電力ケーブルの1本または複数本の導体の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブルの外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。本システムは処理ユニットを備える。センサは、部分放電事象を検出するよう構成される。本システムは、数理統計モデルを使用するよう適応された、信号処理ユニットを備える。この数理統計モデルは、センサによって得られた測定値を処理して、電流測定値が、電力ケーブルにおける漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別する。
これによって、予測的で先を見越したメンテナンスを行うこと、すなわち電源ケーブルを取り替えるべきであるかを確実に識別すること、を可能する方法で、電力ケーブルにおける部分放電を測定可能なシステムを提供することが可能である。本システムは、導電性シールドによって囲まれた単一導体を含んだ地下電力ケーブルにおける、絶縁欠陥を検出するよう構成される。単一導体及び周りの導電性シールドの両方は、導体を構築する。したがって、導電性シールドに囲まれた単一導体は、2つの導体ケーブルである。
先行技術のソリューションは、導電性シールドによって囲まれた少なくとも1本の単一導体を含んだ地下電力ケーブルにおける、絶縁欠陥を検出するよう構成されていない。課題は、方程式の数が、未知数の数よりも少ないことである。したがって、ソリューションの無限の数が存在するため、唯一のソリューションを提供することは不可能であり、したがって、電力ケーブルの外側に配置されたセンサによって検出された磁界を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電から生じたか、を判断することは不可能である。
しかし本発明は、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別するために、数理統計モデルを適用する。これは、電力ケーブルの外側、または電力ケーブルの外面の間近における、十分に多い数のサブセンサを配置することで、十分に多い数の方程式を提供することによって成される。これによって、センサの互いに対する相対位置が既知であるように配置された、いくつかの様々なセンサ(1つのメインセンサ及びいくつかのサブセンサ)によって検出された複数の測定値を提供することが可能である(これは、センサを所定の取付構造物に配置することで成すことができる)。
数理モデルは、導体及びスクリーンから、メインセンサ及びサブセンサまでの、線形投影及び統計的雑音要素としての、伝達関数を推定するために使用される。3本の導体(ここで導体は互いに電気絶縁されている)、及び導電性シールドを含んだ地下電力ケーブルにおける絶縁欠陥を検出しなければならない場合、電力ケーブルの導体を流れる電流は、I、I、Iで表わされ、導電性シールドに流れる電量は、Iで表わされる。
メインセンサ及びサブセンサによって測定された信号B、B、B、B...は、電流I、I、I、Iによって生成された磁界の重ね合わせとして、以下の重ね合わせ方程式として計算することができる:
(1)
ここで、Bjはj次信号(j次センサによって測定)であり、dijを単純投影によって計算できる。この計算は、単純投影によって達成できる。なぜなら6つの円筒座標系(3つの導体における各々の中心から、対象のセンサまでの3つの距離、及びセンサの角度位置)が既知であるからである。
アンペアの法則によると、通電電流Iを伴う導体の中心からの距離rにおいて、磁界Bは以下のように定義される:
(2)B2πr=μI、または
(3)B=μI/2πr、ここでμは自由空間の透磁率である。
[例1]
導電性シールドに囲まれた3本の導体を有する地下電力ケーブルにおいて、(メインセンサ及びサブセンサから電力ケーブルの中心までの距離が既知である場合)7つの未知のパラメータを有し、それらは、メインセンサ及びサブセンサからの重ね合わせ方程式を使用して推定する必要がある。
1つのメインセンサ及び11のサブセンサを有する場合、12-7=5度の自由度を有する。実際上、電流は3度の自由度を有し、したがって12の方程式のセットにおいて、2度の自由度が存在する。したがって、この特定の例において、電流I、I、I、Iは、2度の自由度を伴う多重線形回帰によって、推定及び区別化ができる。
必要なサブセンサの数は、導体の本数に依存する。
1つの実施形態において、メインセンサ及び追加のサブセンサは、コイルを備える。それによって、電流が、電力ケーブルの導体または導電性シールドを流れるとき、電流はコイルの各々において誘導されることになる。
1つの実施形態において、数理統計モデルは、導体及びシールドにおける電流の線形投影を作るよう構成される。この数理統計モデルは、以下のように定義される:
=F(θ)+ε ε~δ(V
θ=g(θt-1)Θ Θ~δ(W
ここでYは、センサ(S、S、...、S)から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断するベクトル;
θは、潜在的処理データ、すなわちケーブルの導体及びシールドそれぞれから生じる電流を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトル;
は、潜在的処理と、時間tにおいて観測された処理と、の間の直線関係を判断する、回帰マトリクス;
は、潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの移行を判断する、進化マトリクス;
δ及びδは、観測された処理及び潜在的処理それぞれの、確率的雑音ベクトル;
は、観測分散共分散マトリクス;ならびに
は、進化分散共分散マトリクス、である。
1つの実施形態において、本システムは、導電性シールドによって囲まれた数本の導体を含んだ地下電力ケーブルにおける、絶縁欠陥を検出するよう構成される。
本システムは、1つまたは複数の外部クランプオンセンサを備え、それらは、電力ケーブルの外側に留められるか、または電力ケーブルの間近に配置される。1つの実施形態において、これらのセンサは、機械式装着構造を使用して、電力ケーブルに装着され得る。1つの実施形態において、この機械式装着構造は、結束バンドである。
これらのクランプオンセンサは、電力ケーブの1本または複数本の導体の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブルの外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。これは、大きな利点である。なぜなら、地下及び地上の両方の、現存の電力ケーブルにおいて、センサに新たな改善を施すことを可能にするからである。
本システムは、センサで得られた測定値を処理する数理統計モデルを使用するよう適応された、信号処理ユニットを備え、電流測定値が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別する。このように、これらのセンサは、部分放電事象を検出することが可能である。本システムは、電力ケーブルの部分放電の分析を実施するよう構成され、それによって、この電力ケーブルの絶縁欠陥を検出する。
1つの実施形態において、電力ケーブルは、いくつかの単一導体を備える。
1つの実施形態において、本システムは、電力ケーブルのシールドに沿って配置された、いくつかの離隔されたセンサを備える。これによって、電力ケーブルにおける漏電構造の位置を検出することが可能である。センサが多いほど、電力ケーブルにおける漏電構造の位置を、より精確に検出することができる。電力ケーブルにおける漏電構造は、部分放電事象をもたらすことになり、それは、電力ケーブルにおける漏電構造の位置から、ある距離内のセンサによって検出することができる。電力ケーブルにおける漏電構造の位置に最も近いセンサは、電力ケーブルにおける漏電構造の位置から長い距離で配置されたセンサよりも、高い信号を検出することになる。これによって、電力ケーブルにおける漏電構造の位置から、最も短い距離に設置されたセンサの位置を示すことか可能である。これによって、電力ケーブルにおける漏電構造の位置を、判断することができる。
1つの実施形態において、本システムは、部分放電事象の位置を判断するよう配置され、かつ構成された、いくつかのセンサを備える。部分放電事象の信号強度、及び信号周波数/波長は、センサと事象の位置との間の距離に依存するので、センサ信号の強度を比較することによって、どのセンサが事象から最も短い距離に設置されているか、を判断することができる。
1つの実施形態において、本システムは、1つのメインセンサ部材と、電力ケーブルのシールドの外周に沿って配置された、1つまたは複数の追加センサ部材と、を備える。これらのセンサ部材は、接線方向に離隔される。
これによって、これらのセンサは、電力ケーブルの導体における内部位置を知らなくても、部分放電事象が漏電構造で引き起こされた場合に、検出することができる。
メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材が、電力ケーブルのシールドから短い距離で配置され得ることを強調することは、重要である。1つの実施形態において、メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材は、電力ケーブルのシールドに装着される。メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材の、電力ケーブルのシールドへの装着は、結束バンド、または他の機械式装着構造によって成され得る。
1つの実施形態において、本システムは較正ユニットを備える。この較正ユニットは、本システムを、検出された信号が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電信号から生じたか、または雷もしくはグリッドの切り替え(雑音)などの外部事象によって引き起こされた類似の信号によって生じたか、を検出できるようにするために、1つまたは複数のセンサの較正を実施するよう構成される。
較正は、メインセンサと、1つまたは複数の追加センサ(サブセンサ)との間の信号における差異を適用することによって実施され、1つまたは複数の単一導体を流れる電流を、周りのシールドを流れる電流から区別する。
1つの実施形態において、較正手順は、数理モデルのトレーニングを実施するステップを含み、そこで、異なるセンサによって検出された信号間の差異が、入力として使用される。数理モデルは、トレーニング後に、任意の信号を、以下に分割することができる:
a)1本または複数本の導体を流れる電流から生じた、第1の部分、及び
b)周りのシールドを流れる電流から生じた、第2の部分。
1つの実施形態において、数理モデルは、1本または複数本の信号導体、及びシールドのそれぞれを流れ抜けるセンサ信号の部分を想定するために使用されるよう構成された、数理統計モデルである。センサSの実際の環境に補正するために、センサSの測定値における時間依存性の変換を実施することが可能である。
コンピュータをそれほど要求しない取り組みが、時間依存性でない変換を使用できるかを推定するために、数理統計モデルを使用することで実現できる。
センサSからの連続した測定値において、完全な数理統計モデルよりも、時間依存性ではない変換を使用することは、有利となり得る。
変換の精度が許容可能であるかを試験して、必要に応じて数理統計モデルを使用して更新することは、時として有益となり得る。
必要なサンプルの必要数は、変換の測定誤差を推定することによって、得ることができる。このように、所望の精度が得られるまで、結果を保留させることができる。
以下では、数理統計モデルを使用した潜在的確率処理を推定するための、1つの好ましい方法を説明する。潜在的確率処理は、例えば以下で定義される状況空間モデルによってモデル化することができる:
(4)Y=Fθ+ε ε~N(0,V
(5)θ=Gθt-1+Θ Θ~N(0,W
ここで、Yは、センサ(S、S、...S)から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断する(例えば明示、または定義する)ベクトル;θは、潜在的処理データ、すなわちケーブルのメイン導体、シールド、または外側の電磁放射それぞれから生じた電流、を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトル;Fは、潜在的処理と時間tにおいて観測された処理との間の、直線関係を判断する、回帰マトリクス;Gは、潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの直線移行を判断する、進化マトリクス;εt及びΘはそれぞれ、観測された処理及び潜在的処理における、ゼロ平均多変量のガウス分布雑音ベクトル;Vは、観測分散共分散マトリクス;ならびにWは、進化分散共分散マトリクス、である。
モデルパラメータマトリクスF及びGは、使用者及び/または当技術分野の専門家によって提供されたデータを含む、モデル化されたシステム及び/または類似のシステムからの以前のデータを使用して、例えばカルマンフィルタによって推定され得る。標準的な統計法を使用して、処理における推測(例えば情報の推定)を実行できる。この情報は、例えば推定された信号(例えば傾向)及び/または処理の予報(例えば予測)、ならびに、推定、変動、及び/または信頼区間における関連した分布、とすることができる。これらの種類の推定を使用すると、例えば警告及び/または警報を出すことが容易である。例えば、処理において観測された逸脱の可能性が0.1%未満であると思われる場合、警報を選択することができる。
上記のモデルフレームワークは、より一般的なモデルフレームワークの、特別なケースである:
(6)Y=f(θ)+ε ε~δ(V
(7)θ=g(θt-1)+Θ Θ~δ(W
ここで、f及びgは一般関数、δ及びδは一般統計分布、及び他の全ての項は上述のものである。
この、より一般的なモデルフレームワークにおける推測は、潜在的処理と観測された処理との間の関連の場合は、例えば拡張カルマンフィルタによって、及び、時間が連続的尺度で定義された(例えば記載された)場合は、カルマン-ブシィフィルタによって、実施することができる。
他の時系列分析法、ならびに/または、分散分析(ANOVA)、マルコフモデル、一般化線形モデル(GLM)、及び多変量ガウスモデルなどの多変量データ分析法、が上記の潜在的確率処理を推定するために、かつ上記の情報を推察するために、同様に使用され得る。
追加のセンサを適用することは、有利となり得る。なぜなら、これによってトレーニング処理を加速させることができるからである。電力ケーブルの1本または複数本の導体において、事象を切り替えることは、(トレーニング手順を通して)較正を実施するために使用され得る。
本発明によるシステム及び方法に使用されるセンサが、電力ケーブルを避ける必要がないことは、大きな利点である。
1つの実施形態において、本システムは、ケーブル及び環境における物理的配置に対して本システムを較正するために、1つまたは複数のセンサの較正を実施するよう構成された、較正ユニットを備える。これによって、初めに(センサの設定中に)センサを較正することが可能である。
1つの実施形態において、較正ユニットは、センサから分離される。
1つの実施形態において、本システムは、複数のセンサと、これらのセンサからデータを受信して処理するよう構成された、単一で中央に配置された較正ユニットと、を備える。
1つの実施形態において、較正ユニットは、センサの各々に一体化される。
1つの実施形態において、較正ユニットは、電力ケーブルの周辺に沿って、センサのメインセンサ部材及びいくつかの追加センサ部材が移動する際に、センサを較正するよう構成される。
これは、局所的な最大センサ信号振幅が存在する、いくつかの位置を検出することによって、実現され得る。これらの位置において、メインセンサ部材と、追加センサ部材(サブセンサ)の内1つとを、位置付けるべきである。この手順は、手動によって、または位置の軌道及び対応したセンサ信号を保つ較正ツールを使用することによって、実施され得る。
1つの実施形態において、1つまたは複数の外部クランプオンセンサは、環境発電器を備える。
1つの実施形態において、1つまたは複数の外部クランプオンセンサは、環境発電器に電気接続される。
1つの実施形態において、環境発電器は、熱電発電器、または電界環境発電デバイスを備える。
1つの実施形態において、本システムは:
-センサから地表面に向けて延びた、通信ユニットと、
-ワイヤレス信号を送信するよう構成された、アンテナと、
を備え、
ここで本システムは、センサで得られた測定値を、アンテナによってワイヤレスで送信するよう構成される。
これによって、センサ信号を検出して、それらをワイヤレスで受信デバイスへ送信することが可能である。
1つの実施形態において、通信ユニットは、アンテナとワイヤレスで通信するよう構成される。
1つの実施形態において、本システムは、通信ユニットとアンテナとの間に有線接続を備える。
1つの実施形態において、アンテナは、好ましくは熱電発電器である環境発電器によって電力を供給される。
1つの実施形態において、アンテナはアンテナアセンブリに一体化され、それは、好ましくは熱電発電器または太陽電池である環境発電器を備える。
1つの実施形態において、シールド構造は、センサと、電力ケーブルでセンサが延びた部分の外周全体とを囲み、シールド構造は電磁場シールドである。
1つの実施形態において、シールド構造は、センサと、電力ケーブルでセンサが延びた部分の外周全体と、を囲んだ構成に配置されるようシールド構造が構成された、磁気導体シールド構造として形成される。
これによって、電磁シールドを提供することを可能にする。
これによって、電磁放射の影響を軽減させるのを可能にする。
1つの実施形態において、処理ユニットは、電流測定値を分析し、任意の電流ピークを検出するよう構成された、ピーク検出器を備える。
1つの実施形態において、処理ユニットは高域フィルタを備え、電流測定値を高域フィルタにかけるよう構成される。
1つの実施形態において、処理ユニットは、電流測定値が、電力ケーブルにおける漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を自動的に識別するよう構成された、アルゴリズムを備える。
本発明による方法は、導電性シールドによって囲まれた1本または複数本の単一導体を含んだ、地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するための方法である。本方法は、1つまたは複数の外部クランプオンセンサを、電力ケーブルの外側に留めるか、または電力ケーブルの間近に配置するステップを含む。これらクランプオンセンサの電力導体は、電力ケーブルの1本または複数本の導体の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブルの外側から1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。本方法は、データを処理するために、信号処理ユニットを適用するステップを含む。これらのセンサは、部分放電事象を検出するよう構成される。データを処理するために、信号処理ユニットを適用するステップは、センサによって得られた測定値を処理する数理統計モデルを使用して実施され、電流測定値が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別する。
これによって、方法を提供することが可能であり、この方法によって、電力ケーブルを取り替えるべきか/補修するべきかを確実に識別するのを可能にするよう、電力ケーブルの部分放電を測定するのを可能にする。このように、本方法を使用して得られた部分放電測定値のみで、本方法は、いつ電力ケーブルを取り除くべきかを決定するのを可能にする。
1つの実施形態において、本方法は、導体及びシールドにおける電流の線形投影を作るために使用される数理統計モデルを適用する。この数理統計モデルは、以下のように定義される:
=F(θ)+ε ε~δ(V
θ=g(θt-1)+Θ Θ~δ(W
ここでYは、センサ(S、S、...、S)から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断するベクトル;
θは、潜在的処理データ、すなわちケーブルの導体及びシールドそれぞれから生じる電流を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトル;
は、潜在的処理と、時間tにおいて観測された処理と、の間の直線関係を判断する、回帰マトリクス;
は、潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの移行を判断する、進化マトリクス;
δ及びδは、観測された処理及び潜在的処理それぞれの、確率的雑音ベクトル;
は、観測分散共分散マトリクス;ならびに
Wtは、進化分散共分散マトリクス、である。
1つの実施形態において、電力ケーブルは、いくつかの単一導体を備える。
1つの実施形態において、本方法は、以下のステップを含む:
-電力ケーブルの延長に沿って、1つまたは複数の位置における電力ケーブルの一部を露出させるステップ;
-それぞれの位置に1つまたは複数の外部クランプオンセンサを、電力ケーブルの外側に留めるか、または電力ケーブルの間近に配置するステップ;
-外部クランプオンセンサの各々と、信号処理ユニットとの間に接続を確立するステップ。
このように、本方法を使用して地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するのを可能するセンサを用いて、本方法を、現存の電力ケーブルに新たな改善を施すために使用できる。
1つの実施形態において、本方法は、センサを較正するステップを含む。
1つの実施形態において、較正ユニットを使用することで、センサを較正するステップを含む。この較正ユニットは、電力ケーブルの周辺に沿って、センサのメインセンサ部材及びいくつかの追加センサ部材を移動させることで、センサを較正するよう構成される。
局所的な最大センサ信号振幅が存在するいくつかの位置を検出することによって、メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材を配置するために、最も可能性のある場所を識別することが可能である。したがって、メインセンサ部材、または追加センサ部材(サブセンサ)の内1つを、これらの位置に位置付けるべきである。この手順は、手動によって、または位置の軌道及び対応したセンサ信号を保つ較正ツールを使用することによって、実施され得る。
1つの実施形態において、各センサは、メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材を備える。本方法は、メインセンサ部材及び追加センサ部材を、接線方向に離隔させて、電力ケーブルのシールドの外周に沿って配置するステップを含む。
1つの実施形態において、本方法は、電力ケーブルの磁界及び電界の両方を測定するよう構成されたセンサを、適用するステップを含む。
1つの実施形態において、これらのセンサは、1つまたは複数の外部デバイスとワイヤレスで通信するよう構成される。
1つの実施形態において、センサの内、少なくともいくつかは、少なくとも1つの環境発電デバイスによって電力を供給される。
本発明は、本明細書の以下で与えられた詳細な説明から、より完全に理解されよう。添付の図面は、例示のみに与えられるため、本発明を限定しない。
地下電力ケーブルの外側に留められた、いくつかの外部クランプオンセンサを含んだ、本発明によるシステムの概略図である。 部分放電信号が示される、時間の関数で電流を表わす曲線を示す図である。 部分放電信号が存在しない、時間の関数で電流を表わす曲線を示す図である。 地下電力ケーブルの外側に留められた、外部クランプオンセンサを含んだ、本発明によるシステムの概略図である。 本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルを示す図である。 図4Bに示される電力ケーブルに装着された、図4Aに示されるセンサを示す図である。 漏電構造を含んだ電力ケーブルを示す図である。 漏電構造が、溶解領域によって取り替えられた、図5Aに示される電力ケーブルを示す図である。 本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルを示す図である。 電力ケーブルに装着された、図6Aに示されるセンサを示す図である。 導体及びシールドそれぞれを流れる、部分放電電流を示す図である。 本発明によるセンサを示す図である。 本発明による別のセンサを示す図である。 本発明による方法を例示する流れ図である。 本発明によるセンサを示す図である。 3本の導体及び導電性シールドを備えた電力ケーブルに装着された、図9Aに示されるセンサを示す図である。 電力ケーブルの外側に留められた、本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルの外側に留められた、本発明による別のセンサを示す図である。 電力ケーブルの外面に配置された、本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルの外面に配置された、本発明による別のセンサを示す図である。 多芯電力ケーブルの外面に配置された、本発明によるセンサを示す図である。 いかにして本発明による方法を、導体が単一導体として扱われるよう使用することができるか、を示す図である。
次に、本発明の好ましい実施形態を例示する目的の図面を、詳細に参照すると、本発明によるシステムの概略が図1に示される。本システムは、地下電力ケーブル12の外側に留められた、いくつかの外部クランプオンセンサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’を備える。
センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’は、互いから離隔されている。したがって、センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’は、電力ケーブル12に沿って異なる位置で信号を捕えることになる。
各センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’の下方では、信号処理ユニットを使用して処理された、検出されたセンサ信号6、6’、6’’、6’’’、6’’’’が、時間に対してプロットされる。センサ信号6、6’、6’’、6’’’、6’’’’は、信号処理ユニットを使用して実施される処理手順を介して、メイン信号(例えば50Hzの交流電流)、及び切り換え事象によって生じた部分放電事象を除去するために処理される。この処理手順は、フィルタにかける1つまたは複数の手順を含み得る。
センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’は、電流を検出するよう構成される。したがって、これらのプロットは、電流対時間を表わす。太い矢印によって表わされた部分放電事象10までの、最も短い距離に位置されたセンサ4’’、4’’’は、部分放電事象10から長い距離に位置された残りのセンサ4、4’、4’’’’よりも、大きい信号を検出することが確認できる。
このように、センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’を使用して、部分放電事象10の位置を識別することか可能である。処理されたセンサ信号6、6’、6’’、6’’’、6’’’’の振幅を比較することによって、部分放電事象10の位置を識別することか可能である。
図2Aは、時間の関数で電流を表わす曲線54を例示する。地下電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電信号6が、表わされる。部分放電信号6は、図1に概略で例示されたセンサによって測定される。部分放電信号6の周波数は、「メイン信号」(例えば50Hzの交流電流)よりも大幅に高い。このように、部分放電信号6は、ピークとして示される。
図2Bは、部分放電信号が存在しない、時間の関数で電流を表わす曲線54’を例示する図である。このように、曲線54’は、修正バージョンの曲線54に対応し、そこでは部分放電信号6は除去されている。
図3は、本発明によるシステム2の概略を例示する。システム2は、地下電力ケーブル12の外側に留められた、外部クランプオンセンサ4を備える。システム2は、電力ケーブル12の絶縁欠陥を検出するよう構成される。
電力ケーブル12は、導電性シールド22に囲まれた3本の導体16、18、20を備える。図示しないが、システム2は、いくつかの外部クランプオンセンサ4を備え、それらは、電力ケーブル12の外側に留められるか、または電力ケーブル12の間近に配置され得る。
クランプオンセンサ4は、電力ケーブル12の1本または複数本の導体16、18、20の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブル12の外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。センサ4は、部分放電事象を検出するよう構成される。これは、導体16、18、20、及び導電性シールド22を流れる電流によって生成された磁界を測定することによって、成される。各センサ4は、重ね合わされた磁界(導体16、18、20及び導電性シールド22を流れる電流によって生じた磁界の合計)のみを測定できるので、追加の情報を提供する必要がある。
システム2は、信号処理ユニット50を備え、それは必要な追加情報を提供するよう構成される。信号処理ユニット50は、数理統計モデル52を使用するよう適応される。数理統計モデル52は、システム2のセンサ4によって得られた測定値を処理するよう構成され、センサ4によって測定された磁界の由来を識別する。これは、信号処理ユニット50が、測定した信号を以下に分割できることを意味する:
a)導体16、18、20を流れる電流、及び
b)シールド22を流れる電流。
このように、信号処理ユニット50は、電流測定値が、電力ケーブル12の漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別可能である。
電力ケーブルは、発電所8に配置された接続アセンブリに接続される。シールド22が接地されているのが確認できる。雷14が発電所8に落ちると、部分放電事象を引き起こす。このように、部分放電事象の電流は、導体16、18、20を流れる。シールド22は導電性であり、かつ導体16、18、20を囲むので、電流はシールド22に誘導される。しかし、導体16、18、20と、周りのシールド22との間の容量結合のため、(雷によって引き起こされた)部分放電の電流によって生じた誘導電流は、90°(または1/4の波長)だけ遅延することになる。このように、シールド22における部分放電事象の電流と、導体16、18、20における部分放電事象の電流とを比較することによって、部分放電事象の電流が電力ケーブル12の漏電構造で引き起こされたか、を識別することが可能である。
システム2は、電流測定値が、電力ケーブル12の漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別可能である。本システムは、アンテナ28と、センサ4によって検出された信号をアンテナ28へ移すよう配置された、通信ユニット24と、を備える。通信ユニット24は、信号を、有線接続を介して、またはワイヤレス接続を介して、アンテナ28へ移すよう構成され得る。
アンテナ28は、信号処理ユニット50によって受信されたワイヤレス信号30を送信する。ワイヤレス信号30は、インターネット26を介して送られる。
1つの実施形態において、センサ4及び/または通信ユニット24は、エネルギーを収集するよう配置かつ構成された、環境発電器を備えるか、または環境発電器に電気接続され、それによってセンサ4及び/または通信ユニット24に電気エネルギーを供給する。1つの実施形態において、環境発電器は、熱電発電器、または電界環境発電デバイスを備える。1つの実施形態において、環境発電器はソーラーパネルを含む。
図4Aは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、メインセンサ部材34、及びいくつかの追加センサ部材(サブセンサ)36、36’、36’’、36’’’を備える。メインセンサ部材34は、追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’に、電気コネクタ38によって電気接続される。
メインセンサ部材34、及び追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’の各々は、原因となる構造物を流れる電流によって生じた磁界を検出するよう構成される。いくつかのセンサ部材34、36、36’、36’’、36’’’を有することによって、センサ部材34、36、36’、36’’、36’’’を、図4Cに示されるように、電力ケーブル12の周りで異なる接線位置に配置することが可能である。これによって、測定された信号を、電力ケーブルの1本または複数本の導体を流れる電流と、電力ケーブルのシールドを流れる電流と、に分離できるよう、センサ部材34、36、36’、36’’、36’’’からのデータを、(例えば図3を参照した説明のような、信号処理ユニット50によって)処理することが可能である。
1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、一体化された通信ユニット(図示せず)を備える。1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’から信号を受信するよう、かつメインセンサ部材34によって測定された信号、ならびに追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’からの信号を、有線接続またはワイヤレス接続のいずれかを介して、受信デバイスまで送信するよう、構成される。
図4Bは、本発明による電力ケーブル12を例示する。電力ケーブル12は、図5Aを参照して示され、かつ説明したタイプの電源ケーブル12に相当する。
図4Cは、図4Bに示される電力ケーブル12に装着された、図4Aに示されるセンサ4を示す図である。任意の好適な装着構造を使用して、センサ4を電源ケーブル12に装着することが可能である。1つの実施形態において、センサ4は、1本または複数本の結束バンド(図示せず)によって、電力ケーブル12に装着される。シールド構造60は、センサ4と、センサ4が延びた電力ケーブル12の部分の外周全体と、を囲む。シールド構造60は、電界シールドである。
シールド構造60は、センサ4及び電力ケーブル12を、ケーブル12が延びる環境から電気的に絶縁するために適用される。1つの実施形態において、シールド構造60は、静電界を遮断するために使用される、導電性筐体である。
図5Aは、地表面32の下方に配置された、地下電力ケーブル12を例示する。電力ケーブル12は、3本の単一導体16、18、20を備える。3本の単一導体16、18、20の各々は、絶縁物42によって囲まれる。3本の単一導体16、18、20の絶縁物42は、絶縁構造44に囲まれる。絶縁構造44は、充填物40によって囲まれる。充填物40は、金属製鉛シールド22によって囲まれる。
電力ケーブル12が損傷を受け、かつ漏電構造46を含むのを確認できる(例示のために拡大されている)。漏電構造46は、シールド22を貫通して延びる。したがって、水及び湿気は、漏電構造46を通してケーブル12に入り得る。漏電構造46は、充填物40、絶縁構造44、及び絶縁物42を貫通して延びる。このように、水または湿気が漏洩構造46に入ると、漏電構造46の経路に沿った電気インピーダンスは、短絡(漏電構造46の予期しない経路に沿って移動する電流)が作り出される範囲まで、減少される。
短絡の間、電流の流れは最大となり、それによって漏電構造46内の温度は上昇する。このように短絡は、一般的に漏電構造46の溶解を生じさせることになり、それによって融解された領域48が、図5Bに示されるように生成される。融解された領域48は、少なくとも少しの間、電力ケーブルの損傷した構造(漏電構造46)を封止し得る。このように、電力ケーブル12を取り替えなければならなくなる前に、図5Aを参照して説明したもののような、いくつかの短絡を受けることになり得る。
図6Aは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、メインセンサ部材34、及び単一の追加センサ部材(サブセンサ)36を備える。メインセンサ部材34は、電気コネクタ38を介して、追加センサ部材36に電気接続される。
メインセンサ部材34、及び追加センサ部材36は、原因となる構造を流れる電流によって生じた磁界を検出するよう構成される。いくつかのセンサ部材34、36を有することによって、センサ部材34、36を、図4Cに示されるように、電力ケーブル12の周りで異なる接線位置に配置することが可能である。これによって、センサ部材34、36からのデータを、(例えば図3を参照した説明のような、信号処理ユニット50によって)処理することが可能であり、これによって、測定された信号を、電力ケーブルの1本または複数本の導体を流れる電流と、電力ケーブルのシールドを流れる電流と、に分離する。
1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、一体化された通信ユニット(図示せず)を備える。1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、追加センサ部材36から信号を受信するよう、かつメインセンサ部材34によって測定された信号、ならびに追加センサ部材36からの信号を、有線接続またはワイヤレス接続のいずれかを介して、受信デバイスまで送信するよう構成される。
図6Bは、本発明による電力ケーブル12を例示する。電力ケーブル12は、絶縁物42に囲まれた単一導体16を備える。絶縁物42は、絶縁構造44に囲まれる。充填物40は、絶縁構造44と、周りの金属製鉛シールド22との間に設けられる。
図6Cは、図6Bに示される電力ケーブル12に装着された、図6Aに示されるセンサ4を示す図である。任意の好適な装着構造を使用して、センサ4を電源ケーブル12に装着することが可能である。1つの実施形態において、センサ4は、1本または複数本の結束バンド(図示せず)によって、電力ケーブル12に装着される。
図7Aは、部分放電事象対時間の間に、図5Aで示されるもののような、電力ケーブルの導体を流れる電流を表わす第1の曲線56を例示し、図4Cまたは図6Cに示されるものに相当するセンサは、電流を検出するために使用される。図7は、部分放電事象対時間の間に、電力ケーブルのシールドを流れる電流を表わす点線の第2の曲線58を、さらに例示する。
第1の曲線56はAの振幅を有し、それは第2の曲線58の振幅Aよりも大きい。さらに、第2の曲線は遅延する。
シールドが導電性であり、電力ケーブルの導体を囲むので(図5A参照)、電流は、導体を流れるときにシールドに誘導される。導体と周りのシールドとの間の容量結合のため、シールドに誘導された電流は、90°(または波長λの1/4)だけ遅延する。このように、第2の曲線58(外部の部分放電事象の電流によって生じた、シールドにおける誘導電流を示す)は、第1の曲線56と比較すると、90°遅延する。したがって、第1の実線曲線56と第2の点線曲線58とを比較することによって、部分放電事象の電流の状態は、部分放電事象の電流が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされたか、を明らかにすることになる。図7Aに示される曲線56、58は、部分放電事象が、電力ケーブルの導体で生じたことを明らかにしている。
図7Bは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、基本的に図6Aに示されるセンサに相当する。しかしメインセンサ部材34は、信号処理ユニット50を備える。信号処理ユニット50は、本発明による数理モデル52を使用するアルゴリズムを適用する。別の実施形態において、信号処理ユニット50及び数理モデル52は、追加のセンサ部材36、またはセンサ4の分離したデバイス(図示せず)に位置され得る。
図7Cは、本発明による別のセンサ4’を示す図である。センサ4は、基本的に図4Aに示されるセンサに相当する。しかしメインセンサ部材34は、信号処理ユニット50を備える。信号処理ユニット50は、本発明による数理モデル52を使用するアルゴリズムを適用する。別の実施形態において、信号処理ユニット50及び数理モデル52は、追加のセンサ部材36、36'、36’’、またはセンサ4’の分離したデバイス(図示せず)に位置され得る。
図8は、本発明による方法を例示する流れ図である。本方法の第1のステップは、センサによって測定された信号を検出することである。これらのセンサは異なるデータを提供することになる。なぜならこれらのセンサは、異なる位置に位置されるからである。
センサによって検出されたデータは、処理される。処理手順は、高域フィルタを使用してフィルタにかけることを含む。処理手順は、信号の増幅も含む。
次のステップにおいて、検出された信号が、損傷した(漏電構造を有する)電力ケーブルで引き起こされた部分放電によって生じたか、を判断する。これは、図3を参照して説明したように、処理ユニットを使用して成すことができる。
1つの実施形態において、これらのステップは、電力ケーブルを継続的に監視するために、何度も繰り返される。
1つの実施形態において、追加のステップが実施される。このステップは、部分放電事象の位置を判断することを含む。これによって、本発明による方法を適用して、電力ケーブルの損傷した部分の位置を示すことが可能である。
図9Aは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、メインセンサ部材34、及び複数の追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を備える。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’は、取付構造62に取り付けられる。したがって、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置は、明確に定められて既知である。数理モデルが、導体及びスクリーンから、メインセンサ34及びサブセンサ35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの、線形投影及び統計的雑音要素としての、伝達関数を推定するために使用される。取付構造62の外形は、図9Aに示されるように円弧状とし得る。しかし、取付構造62の外形は異なっていてもよい。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置が、明確に定められて既知であるかぎりは。取付構造62の外形は、例として、メインセンサ部材34及び追加のセンサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’が直線に沿って配置されるよう、直線であってもよい。
図9Bは、3本の導体16、18、20及び導電性シールド22を備えた電力ケーブル12に装着された、図9Aに示されるセンサ4を例示する。導体16、18、20は、互いから電気絶縁され、導体16、18、20から離隔された導電性シールド22によって囲まれる。電界シールドとして形成されたシールド構造60は、電力ケーブル12及びセンサ4を囲む。
メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’は、電力ケーブル12の外面に沿って延びるので、電力ケーブル12の中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの距離は既知である。電流測定値が、電力ケーブル12または導電性シールド22の、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別するために、本発明は、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’によって得られた測定値、ならびに既知のパラメータ(メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置、同様に電力ケーブル12の径)を適用する。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を、所定の取付構造62に配置することによって、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置は、知られることになる。
十分に多い数の追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を設けることによって、十分な測定値、したがって十分に多い数の方程式を提供して、連立方程式を解き、それによって導体を流れる電流と、導電性シールド22を流れる電流と、を判断することが可能である。
図9Cは、3本の導体16、18、20及び導電性シールド22を備えた電力ケーブルの外側に留められた、本発明によるセンサ4を例示する。導体16、18、20は、互いから電気絶縁され、導体16、18、20から離隔された導電性シールド22によって囲まれる。
センサ4は、所定の方法で互いに対して配置され、かつ電力ケーブルに装着された、メインセンサ部材34及びいくつかの追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を備える。それによって、電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの距離は既知である。このように、図9Bを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図9Dは、図9Cに示されるものに相当する、電力ケーブルの外側に留められた、本発明による別のセンサ4を例示する。センサ4は、電力ケーブルの外面に沿って配置された、メインセンサ部材34、及び複数の追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’、37’’を備える。したがって、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’、37’’は、所定の方法で互いに対して配置される。それによって、電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの距離は既知である。このように、図9B及び図9Cを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図10Aは、3本の導体及び導電性シールドを備えた電力ケーブルの外面に配置された、本発明によるセンサ4を例示する。これらの導体は、互いから電気絶縁され、導体から離隔された導電性シールドによって囲まれる。
センサ4は、所定の方法で(電力ケーブルの円筒面に沿って)電力ケーブルに装着された、メインセンサ部材34、及びいくつかの追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’を備える。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’は、電力ケーブルの長手方向軸Xに対して垂直に延びた面に沿って配置される。そのため、電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’までの距離は既知である。
したがって、図9B及び図9Dを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図10Bは、3本の導体及び導電性シールドを備えた電力ケーブルの外面に配置された、本発明による別のセンサ4を例示する。この電力ケーブルは、図10Aに示されるものに相当する。
センサ4は、電力ケーブルの表面に沿って所定の方法で配置され、かつ電力ケーブルに装着された、メインセンサ部材34、及びいくつかの追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’を備える。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’は、電力ケーブルの長手方向軸Xに対して、角度α(90°以外)で角度が付けられた面に沿って配置される。角度αが既知でない場合、本発明による方法を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別することが可能である。電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’までの距離は既知である。したがって、図9B及び図9Dを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図10Cは、図9C及び図9Dに示されるものに相当する、多芯電力ケーブルの外面に配置された、本発明による別のセンサ4を例示する。センサ4は、基本的に図9Dに示されるものに相当する。
図10Dは、図10Cに示されるような多芯ケーブルの導体が、単一の推定された導体21として扱われることができるように、いかにして本発明による方法が使用されるかを例示する。これは、多芯ケーブルの導体を通る電流の流れがゼロであるために、可能である。
2 (部分放電分析)システム
4、4’、4’’、4’’’ (部分放電)センサ
6、6’、6’’、6’’’、6’’’’ 部分放電信号
8 発電所
10 部分放電事象
12 電力ケーブル(例えば多芯)
14 雷
16、18、20 電力ケーブルの単一導体
21 推定された導体
22 金属製鉛シールド
24 通信ユニット
26 クラウド(インターネットでアクセスされるサーバ)
28 アンテナ
30 送信信号
32 地表面
34 メインセンサ部材
35、35’、35’’、35’’’ 追加センサ部材
36、36’、36’’、36’’’ 追加センサ部材
37、37’、37’’ 追加センサ部材
38 コネクタ
40 充填物
42 絶縁物
44 絶縁構造
46 漏電構造
48 溶解領域
50 処理ユニット
52 数理モデル
54、54’ 曲線
56、58 曲線
60 シールド構造
62 取付構造
、A 振幅
α 角度
λ 波長
B 磁界ライン
X 長手方向軸
本発明は、部分放電の分析をするためのシステム、及び部分放電の分析を実施するための方法に関する。より詳細には、本発明は、地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するためのシステム及び方法に関する。
国際規格である、国際電気標準会議(IEC)によると、部分放電は以下のように定義されている:
「導体間の絶縁物を部分的にのみブリッジする、局部的な電気放電であり、導体に隣接して発生する場合があり、または発生しない場合がある。」
部分放電は、導体の絶縁物の内側における不純物もしくは空洞、または導体の絶縁部の外側における突起部が、ストレスを受ける領域を生じさせるときに発生する。ストレスを受ける領域は、導体の周りにおける、尖った縁部または突起部によって形成され得る。
電力ケーブルにおける部分放電は、異なる絶縁材料の境界で生じる表面放電、及び固体または液体誘電体内の隙間もしくは空洞に発生する内部放電など、いくつかのタイプの放電現象を含む。
放電の検出及び測定は、放電中に起こるエネルギーの交換に基づく。これらの交換は、電気パルス電流として表される。
しかし先行技術のソリューションは、設定するには困難で、かつコストがかかる。なぜならそれらは、電力ケーブルに電気接続される必要があるためである。したがって、これらのソリューションを適用するとき、電力ケーブルの中に割り込む必要がある。これは数十年にわたり、主な未解決課題であった。
先行技術における部分放電分析ツールは、高価である。なぜならそれらは、コストのかかるセンサを必要とするためであり、かつこれらのセンサを、導体または単一導体周りに、電気接続されることによって設定する必要があるためである。したがって、これらの分析ツールは、使用するのに好適ではない。
技術スタッフは、地下配電システムにおいて、より古いケーブルのある部分を取り替える判断に、より頻繁に直面する。部分放電の測定値は、ケーブルを新しいものと取り替えるべきか、または必要に応じて補修するべきか、を識別するために使用される。
しかし、電力ケーブルを取り替えるべきかを確実に確認するために、電力ケーブルにおける部分放電の測定値を使用することは困難であると、調査は示してきた。部分放電の測定値のみに基づいて、これらのケーブルを除去することは、正当な理由とはなり得ない。なぜなら、外部事象(例えば雷、またはネットワークの切換え)、ならびに電力ケーブルの絶縁物における漏電構造が、部分放電事象を生じさせる場合があるからである。先行技術のソリューションにおける課題は、放電事象が外部事象(例えば雷)によって生じたか、または電力ケーブルにおける漏電構造によって生じたか、を識別できないことである。
米国特許出願公開第20090177420号明細書は、電気装備に沿った部分放電部位に発生した部分放電を、識別、位置の特定、及び解明のための装置を開示している。しかしこの装置は、十分な精度を伴って部分放電を判断するためには、好適ではない。
したがって、先行技術のソリューションにおける不利点を軽減、またはさらには除去する、システム及び方法を有することが望ましい。部分放電を検出、位置の特定、及び解明するための、向上した装置及び方法を有することが望ましい。
米国特許出願公開第20090177420号明細書
したがって、本発明の目的は、先行技術における上述の不利点を軽減、またはさらには除去するシステムを提供することである。
本発明の目的は、多芯ケーブルにおける部分放電を、検出、位置の特定、及び解明するための、システム及び方法を提供することである。
本発明の目標は、請求項1で定義される電力品質分析システムによって、及び請求項16で定義される方法によって、実現させることができる。好ましい実施形態は従属請求項で定義され、以下の記載で説明し、添付の図面に例示する。
本発明によるシステムは、導電性シールドによって囲まれた1本または複数本の導体を含んだ地下電力ケーブルの、絶縁欠陥を検出するためのシステムである。本システムは、電力ケーブル上に留められるか、または電力ケーブルの間近に配置された、1つまたは複数の外部クランプオンセンサを備える。これらのクランプオンセンサは、電力ケーブルの1本または複数本の導体の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブルの外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。本システムは処理ユニットを備える。センサは、部分放電事象を検出するよう構成される。本システムは、数理統計モデルを使用するよう適応された、信号処理ユニットを備える。この数理統計モデルは、センサによって得られた測定値を処理して、電流測定値が、電力ケーブルにおける漏電構造による部分放電事象によって生じたか、を識別する。数理統計モデルは、導体及びシールドにおける電流の線形投影を作るよう構成される。数理統計モデルは、以下のように定義される:
=F (θ )+ε ε ~δ (V
θ =g (θ t-1 )+Θ Θ ~δ (W
ここでY は、センサ(S 、S 、...、S )から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断するベクトル;
θ は、潜在的処理データ、すなわちケーブルの導体及びシールドそれぞれから生じる電流を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトル;
は、潜在的処理と、時間tにおいて観測された処理との間の直線関係を判断する、回帰マトリクス;
は、前記潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの移行を判断する、進化マトリクス;
δ 及びδ は、観測された処理及び潜在的処理それぞれの、確率的雑音ベクトル;
は、観測分散共分散マトリクス;ならびに
は、進化分散共分散マトリクス、である。
これによって、予測的で先を見越したメンテナンスを行うこと、すなわち電源ケーブルを取り替えるべきであるかを確実に識別すること、を可能する方法で、電力ケーブルにおける部分放電を測定可能なシステムを提供することが可能である。本システムは、導電性シールドによって囲まれた単一導体を含んだ地下電力ケーブルにおける、絶縁欠陥を検出するよう構成される。単一導体及び周りの導電性シールドの両方は、導体を構築する。したがって、導電性シールドに囲まれた単一導体は、2つの導体ケーブルである。
先行技術のソリューションは、導電性シールドによって囲まれた少なくとも1本の単一導体を含んだ地下電力ケーブルにおける、絶縁欠陥を検出するよう構成されていない。課題は、方程式の数が、未知数の数よりも少ないことである。したがって、ソリューションの無限の数が存在するため、唯一のソリューションを提供することは不可能であり、したがって、電力ケーブルの外側に配置されたセンサによって検出された磁界を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電から生じたか、を判断することは不可能である。
しかし本発明は、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別するために、数理統計モデルを適用する。これは、電力ケーブルの外側、または電力ケーブルの外面の間近における、十分に多い数のサブセンサを配置することで、十分に多い数の方程式を提供することによって成される。これによって、センサの互いに対する相対位置が既知であるように配置された、いくつかの様々なセンサ(1つのメインセンサ及びいくつかのサブセンサ)によって検出された複数の測定値を提供することが可能である(これは、センサを所定の取付構造物に配置することで成すことができる)。
数理モデルは、導体及びスクリーンから、メインセンサ及びサブセンサまでの、線形投影及び統計的雑音要素としての、伝達関数を推定するために使用される。3本の導体(ここで導体は互いに電気絶縁されている)、及び導電性シールドを含んだ地下電力ケーブルにおける絶縁欠陥を検出しなければならない場合、電力ケーブルの導体を流れる電流は、I、I、Iで表わされ、導電性シールドに流れる電量は、Iで表わされる。
メインセンサ及びサブセンサによって測定された信号B、B、B、B...は、電流I、I、I、Iによって生成された磁界の重ね合わせとして、以下の重ね合わせ方程式として計算することができる:
(1)
Figure 2023549742000026
ここで、Bjはj次信号(j次センサによって測定)であり、dijを単純投影によって計算できる。この計算は、単純投影によって達成できる。なぜなら6つの円筒座標系(3つの導体における各々の中心から、対象のセンサまでの3つの距離、及びセンサの角度位置)が既知であるからである。
アンペアの法則によると、通電電流Iを伴う導体の中心からの距離rにおいて、磁界Bは以下のように定義される:
(2)B2πr=μI、または
(3)B=μI/2πr、ここでμは自由空間の透磁率である。
[例1]
導電性シールドに囲まれた3本の導体を有する地下電力ケーブルにおいて、(メインセンサ及びサブセンサから電力ケーブルの中心までの距離が既知である場合)7つの未知のパラメータを有し、それらは、メインセンサ及びサブセンサからの重ね合わせ方程式を使用して推定する必要がある。
1つのメインセンサ及び11のサブセンサを有する場合、12-7=5度の自由度を有する。実際上、電流は3度の自由度を有し、したがって12の方程式のセットにおいて、2度の自由度が存在する。したがって、この特定の例において、電流I、I、I、Iは、2度の自由度を伴う多重線形回帰によって、推定及び区別化ができる。
必要なサブセンサの数は、導体の本数に依存する。
1つの実施形態において、メインセンサ及び追加のサブセンサは、コイルを備える。それによって、電流が、電力ケーブルの導体または導電性シールドを流れるとき、電流はコイルの各々において誘導されることになる。
1つの実施形態において、本システムは、導電性シールドによって囲まれた数本の導体を含んだ地下電力ケーブルにおける、絶縁欠陥を検出するよう構成される。
本システムは、1つまたは複数の外部クランプオンセンサを備え、それらは、電力ケーブルの外側に留められるか、または電力ケーブルの間近に配置される。1つの実施形態において、これらのセンサは、機械式装着構造を使用して、電力ケーブルに装着され得る。1つの実施形態において、この機械式装着構造は、結束バンドである。
これらのクランプオンセンサは、電力ケーブの1本または複数本の導体の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブルの外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。これは、大きな利点である。なぜなら、地下及び地上の両方の、現存の電力ケーブルにおいて、センサに新たな改善を施すことを可能にするからである。
本システムは、センサで得られた測定値を処理する数理統計モデルを使用するよう適応された、信号処理ユニットを備え、電流測定値が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別する。このように、これらのセンサは、部分放電事象を検出することが可能である。本システムは、電力ケーブルの部分放電の分析を実施するよう構成され、それによって、この電力ケーブルの絶縁欠陥を検出する。
1つの実施形態において、電力ケーブルは、いくつかの単一導体を備える。
1つの実施形態において、本システムは、電力ケーブルのシールドに沿って配置された、いくつかの離隔されたセンサを備える。これによって、電力ケーブルにおける漏電構造の位置を検出することが可能である。センサが多いほど、電力ケーブルにおける漏電構造の位置を、より精確に検出することができる。電力ケーブルにおける漏電構造は、部分放電事象をもたらすことになり、それは、電力ケーブルにおける漏電構造の位置から、ある距離内のセンサによって検出することができる。電力ケーブルにおける漏電構造の位置に最も近いセンサは、電力ケーブルにおける漏電構造の位置から長い距離で配置されたセンサよりも、高い信号を検出することになる。これによって、電力ケーブルにおける漏電構造の位置から、最も短い距離に設置されたセンサの位置を示すことか可能である。これによって、電力ケーブルにおける漏電構造の位置を、判断することができる。
1つの実施形態において、本システムは、部分放電事象の位置を判断するよう配置され、かつ構成された、いくつかのセンサを備える。部分放電事象の信号強度、及び信号周波数/波長は、センサと事象の位置との間の距離に依存するので、センサ信号の強度を比較することによって、どのセンサが事象から最も短い距離に設置されているか、を判断することができる。
1つの実施形態において、本システムは、1つのメインセンサ部材と、電力ケーブルのシールドの外周に沿って配置された、1つまたは複数の追加センサ部材と、を備える。これらのセンサ部材は、接線方向に離隔される。
これによって、これらのセンサは、電力ケーブルの導体における内部位置を知らなくても、部分放電事象が漏電構造で引き起こされた場合に、検出することができる。
メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材が、電力ケーブルのシールドから短い距離で配置され得ることを強調することは、重要である。1つの実施形態において、メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材は、電力ケーブルのシールドに装着される。メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材の、電力ケーブルのシールドへの装着は、結束バンド、または他の機械式装着構造によって成され得る。
1つの実施形態において、本システムは較正ユニットを備える。この較正ユニットは、本システムを、検出された信号が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電信号から生じたか、または雷もしくはグリッドの切り替え(雑音)などの外部事象によって引き起こされた類似の信号によって生じたか、を検出できるようにするために、1つまたは複数のセンサの較正を実施するよう構成される。
較正は、メインセンサと、1つまたは複数の追加センサ(サブセンサ)との間の信号における差異を適用することによって実施され、1つまたは複数の単一導体を流れる電流を、周りのシールドを流れる電流から区別する。
1つの実施形態において、較正手順は、数理モデルのトレーニングを実施するステップを含み、そこで、異なるセンサによって検出された信号間の差異が、入力として使用される。数理モデルは、トレーニング後に、任意の信号を、以下に分割することができる:
a)1本または複数本の導体を流れる電流から生じた、第1の部分、及び
b)周りのシールドを流れる電流から生じた、第2の部分。
1つの実施形態において、数理モデルは、1本または複数本の信号導体、及びシールドのそれぞれを流れ抜けるセンサ信号の部分を想定するために使用されるよう構成された、数理統計モデルである。センサSの実際の環境に補正するために、センサSの測定値における時間依存性の変換を実施することが可能である。
コンピュータをそれほど要求しない取り組みが、時間依存性でない変換を使用できるかを推定するために、数理統計モデルを使用することで実現できる。
センサSからの連続した測定値において、完全な数理統計モデルよりも、時間依存性ではない変換を使用することは、有利となり得る。
変換の精度が許容可能であるかを試験して、必要に応じて数理統計モデルを使用して更新することは、時として有益となり得る。
必要なサンプルの必要数は、変換の測定誤差を推定することによって、得ることができる。このように、所望の精度が得られるまで、結果を保留させることができる。
以下では、数理統計モデルを使用した潜在的確率処理を推定するための、1つの好ましい方法を説明する。潜在的確率処理は、例えば以下で定義される状況空間モデルによってモデル化することができる:
(4)Y=Fθ+ε ε~N(0,V
(5)θ=Gθt-1+Θ Θ~N(0,W
ここで、Yは、センサ(S、S、...S)から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断する(例えば明示、または定義する)ベクトル;θは、潜在的処理データ、すなわちケーブルのメイン導体、シールド、または外側の電磁放射それぞれから生じた電流、を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトル;Fは、潜在的処理と時間tにおいて観測された処理との間の、直線関係を判断する、回帰マトリクス;Gは、潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの直線移行を判断する、進化マトリクス;ε及びΘはそれぞれ、観測された処理及び潜在的処理における、ゼロ平均多変量のガウス分布雑音ベクトル;Vは、観測分散共分散マトリクス;ならびにWは、進化分散共分散マトリクス、である。
モデルパラメータマトリクスF及びGは、使用者及び/または当技術分野の専門家によって提供されたデータを含む、モデル化されたシステム及び/または類似のシステムからの以前のデータを使用して、例えばカルマンフィルタによって推定され得る。標準的な統計法を使用して、処理における推測(例えば情報の推定)を実行できる。この情報は、例えば推定された信号(例えば傾向)及び/または処理の予報(例えば予測)、ならびに、推定、変動、及び/または信頼区間における関連した分布、とすることができる。これらの種類の推定を使用すると、例えば警告及び/または警報を出すことが容易である。例えば、処理において観測された逸脱の可能性が0.1%未満であると思われる場合、警報を選択することができる。
上記のモデルフレームワークは、より一般的なモデルフレームワークの、特別なケースである:
(6)Y=f(θ)+ε ε~δ(V
(7)θ=g(θt-1)+Θ Θ~δ(W
ここで、f及びgは一般関数、δ及びδは一般統計分布、及び他の全ての項は上述のものである。
この、より一般的なモデルフレームワークにおける推測は、潜在的処理と観測された処理との間の関連の場合は、例えば拡張カルマンフィルタによって、及び、時間が連続的尺度で定義された(例えば記載された)場合は、カルマン-ブシィフィルタによって、実施することができる。
他の時系列分析法、ならびに/または、分散分析(ANOVA)、マルコフモデル、一般化線形モデル(GLM)、及び多変量ガウスモデルなどの多変量データ分析法、が上記の潜在的確率処理を推定するために、かつ上記の情報を推察するために、同様に使用され得る。
追加のセンサを適用することは、有利となり得る。なぜなら、これによってトレーニング処理を加速させることができるからである。電力ケーブルの1本または複数本の導体において、事象を切り替えることは、(トレーニング手順を通して)較正を実施するために使用され得る。
本発明によるシステム及び方法に使用されるセンサが、電力ケーブルを避ける必要がないことは、大きな利点である。
1つの実施形態において、本システムは、ケーブル及び環境における物理的配置に対して本システムを較正するために、1つまたは複数のセンサの較正を実施するよう構成された、較正ユニットを備える。これによって、初めに(センサの設定中に)センサを較正することが可能である。
1つの実施形態において、較正ユニットは、センサから分離される。
1つの実施形態において、本システムは、複数のセンサと、これらのセンサからデータを受信して処理するよう構成された、単一で中央に配置された較正ユニットと、を備える。
1つの実施形態において、較正ユニットは、センサの各々に一体化される。
1つの実施形態において、較正ユニットは、電力ケーブルの周辺に沿って、センサのメインセンサ部材及びいくつかの追加センサ部材が移動する際に、センサを較正するよう構成される。
これは、局所的な最大センサ信号振幅が存在する、いくつかの位置を検出することによって、実現され得る。これらの位置において、メインセンサ部材と、追加センサ部材(サブセンサ)の内1つとを、位置付けるべきである。この手順は、手動によって、または位置の軌道及び対応したセンサ信号を保つ較正ツールを使用することによって、実施され得る。
1つの実施形態において、1つまたは複数の外部クランプオンセンサは、環境発電器を備える。
1つの実施形態において、1つまたは複数の外部クランプオンセンサは、環境発電器に電気接続される。
1つの実施形態において、環境発電器は、熱電発電器、または電界環境発電デバイスを備える。
1つの実施形態において、本システムは:
-センサから地表面に向けて延びた、通信ユニットと、
-ワイヤレス信号を送信するよう構成された、アンテナと、
を備え、
ここで本システムは、センサで得られた測定値を、アンテナによってワイヤレスで送信するよう構成される。
これによって、センサ信号を検出して、それらをワイヤレスで受信デバイスへ送信することが可能である。
1つの実施形態において、通信ユニットは、アンテナとワイヤレスで通信するよう構成される。
1つの実施形態において、本システムは、通信ユニットとアンテナとの間に有線接続を備える。
1つの実施形態において、アンテナは、好ましくは熱電発電器である環境発電器によって電力を供給される。
1つの実施形態において、アンテナはアンテナアセンブリに一体化され、それは、好ましくは熱電発電器または太陽電池である環境発電器を備える。
1つの実施形態において、シールド構造は、センサと、電力ケーブルでセンサが延びた部分の外周全体とを囲み、シールド構造は電磁場シールドである。
1つの実施形態において、シールド構造は、センサと、電力ケーブルでセンサが延びた部分の外周全体と、を囲んだ構成に配置されるようシールド構造が構成された、磁気導体シールド構造として形成される。
これによって、電磁シールドを提供することを可能にする。
これによって、電磁放射の影響を軽減させるのを可能にする。
1つの実施形態において、処理ユニットは、電流測定値を分析し、任意の電流ピークを検出するよう構成された、ピーク検出器を備える。
1つの実施形態において、処理ユニットは高域フィルタを備え、電流測定値を高域フィルタにかけるよう構成される。
1つの実施形態において、処理ユニットは、電流測定値が、電力ケーブルにおける漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を自動的に識別するよう構成された、アルゴリズムを備える。
本発明による方法は、導電性シールドによって囲まれた1本または複数本の単一導体を含んだ、地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するための方法である。本方法は、1つまたは複数の外部クランプオンセンサを、電力ケーブルの外側に留めるか、または電力ケーブルの間近に配置するステップを含む。これらクランプオンセンサの電力導体は、電力ケーブルの1本または複数本の導体の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブルの外側から1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。本方法は、データを処理するために、信号処理ユニットを適用するステップを含む。これらのセンサは、部分放電事象を検出するよう構成される。データを処理するために、信号処理ユニットを適用するステップは、センサによって成された測定値を処理する数理統計モデルを使用して実施され、電流測定値が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別する。本方法は、導体及びシールドにおける電流の線形投影を作るために使用される数理統計モデルを適用する。この数理統計モデルは、以下のように定義される:
=F (θ )+ε ε ~δ (V
θ =g (θ t-1 )+Θ Θ ~δ (W
ここでY は、センサ(S 、S 、...、S )から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断するベクトル;
θ は、潜在的処理データ、すなわちケーブルの導体及びシールドそれぞれから生じる電流を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトル;
は、潜在的処理と、時間tにおいて観測された処理と、の間の直線関係を判断する、回帰マトリクス;
は、潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの移行を判断する、進化マトリクス;
δ 及びδ は、観測された処理及び潜在的処理それぞれの、確率的雑音ベクトル;
は、観測分散共分散マトリクス;ならびに
は、進化分散共分散マトリクス、である。
これによって、方法を提供することが可能であり、この方法によって、電力ケーブルを取り替えるべきか/補修するべきかを確実に識別するのを可能にするよう、電力ケーブルの部分放電を測定するのを可能にする。このように、本方法を使用して得られた部分放電測定値のみで、本方法は、いつ電力ケーブルを取り除くべきかを決定するのを可能にする。
1つの実施形態において、電力ケーブルは、いくつかの単一導体を備える。
1つの実施形態において、本方法は、以下のステップを含む:
-電力ケーブルの延長に沿って、1つまたは複数の位置における電力ケーブルの一部を露出させるステップ;
-それぞれの位置に1つまたは複数の外部クランプオンセンサを、電力ケーブルの外側に留めるか、または電力ケーブルの間近に配置するステップ;
-外部クランプオンセンサの各々と、信号処理ユニットとの間に接続を確立するステップ。
このように、本方法を使用して地下電力ケーブルの絶縁欠陥を検出するのを可能するセンサを用いて、本方法を、現存の電力ケーブルに新たな改善を施すために使用できる。
1つの実施形態において、本方法は、センサを較正するステップを含む。
1つの実施形態において、較正ユニットを使用することで、センサを較正するステップを含む。この較正ユニットは、電力ケーブルの周辺に沿って、センサのメインセンサ部材及びいくつかの追加センサ部材を移動させることで、センサを較正するよう構成される。
局所的な最大センサ信号振幅が存在するいくつかの位置を検出することによって、メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材を配置するために、最も可能性のある場所を識別することが可能である。したがって、メインセンサ部材、または追加センサ部材(サブセンサ)の内1つを、これらの位置に位置付けるべきである。この手順は、手動によって、または位置の軌道及び対応したセンサ信号を保つ較正ツールを使用することによって、実施され得る。
1つの実施形態において、各センサは、メインセンサ部材、及び1つまたは複数の追加センサ部材を備える。本方法は、メインセンサ部材及び追加センサ部材を、接線方向に離隔させて、電力ケーブルのシールドの外周に沿って配置するステップを含む。
1つの実施形態において、本方法は、電力ケーブルの磁界及び電界の両方を測定するよう構成されたセンサを、適用するステップを含む。
1つの実施形態において、これらのセンサは、1つまたは複数の外部デバイスとワイヤレスで通信するよう構成される。
1つの実施形態において、センサの内、少なくともいくつかは、少なくとも1つの環境発電デバイスによって電力を供給される。
本発明は、本明細書の以下で与えられた詳細な説明から、より完全に理解されよう。添付の図面は、例示のみに与えられるため、本発明を限定しない。
地下電力ケーブルの外側に留められた、いくつかの外部クランプオンセンサを含んだ、本発明によるシステムの概略図である。 部分放電信号が示される、時間の関数で電流を表わす曲線を示す図である。 部分放電信号が存在しない、時間の関数で電流を表わす曲線を示す図である。 地下電力ケーブルの外側に留められた、外部クランプオンセンサを含んだ、本発明によるシステムの概略図である。 本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルを示す図である。 図4Bに示される電力ケーブルに装着された、図4Aに示されるセンサを示す図である。 漏電構造を含んだ電力ケーブルを示す図である。 漏電構造が、溶解領域によって取り替えられた、図5Aに示される電力ケーブルを示す図である。 本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルを示す図である。 電力ケーブルに装着された、図6Aに示されるセンサを示す図である。 導体及びシールドそれぞれを流れる、部分放電電流を示す図である。 本発明によるセンサを示す図である。 本発明による別のセンサを示す図である。 本発明による方法を例示する流れ図である。 本発明によるセンサを示す図である。 3本の導体及び導電性シールドを備えた電力ケーブルに装着された、図9Aに示されるセンサを示す図である。 電力ケーブルの外側に留められた、本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルの外側に留められた、本発明による別のセンサを示す図である。 電力ケーブルの外面に配置された、本発明によるセンサを示す図である。 電力ケーブルの外面に配置された、本発明による別のセンサを示す図である。 多芯電力ケーブルの外面に配置された、本発明によるセンサを示す図である。 いかにして本発明による方法を、導体が単一導体として扱われるよう使用することができるか、を示す図である。
次に、本発明の好ましい実施形態を例示する目的の図面を、詳細に参照すると、本発明によるシステムの概略が図1に示される。本システムは、地下電力ケーブル12の外側に留められた、いくつかの外部クランプオンセンサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’を備える。
センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’は、互いから離隔されている。したがって、センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’は、電力ケーブル12に沿って異なる位置で信号を捕えることになる。
各センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’の下方では、信号処理ユニットを使用して処理された、検出されたセンサ信号6、6’、6’’、6’’’、6’’’’が、時間に対してプロットされる。センサ信号6、6’、6’’、6’’’、6’’’’は、信号処理ユニットを使用して実施される処理手順を介して、メイン信号(例えば50Hzの交流電流)、及び切り換え事象によって生じた部分放電事象を除去するために処理される。この処理手順は、フィルタにかける1つまたは複数の手順を含み得る。
センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’は、電流を検出するよう構成される。したがって、これらのプロットは、電流対時間を表わす。太い矢印によって表わされた部分放電事象10までの、最も短い距離に位置されたセンサ4’’、4’’’は、部分放電事象10から長い距離に位置された残りのセンサ4、4’、4’’’’よりも、大きい信号を検出することが確認できる。
このように、センサ4、4’、4’’、4’’’、4’’’’を使用して、部分放電事象10の位置を識別することか可能である。処理されたセンサ信号6、6’、6’’、6’’’、6’’’’の振幅を比較することによって、部分放電事象10の位置を識別することか可能である。
図2Aは、時間の関数で電流を表わす曲線54を例示する。地下電力ケーブルの漏電構造で引き起こされた部分放電信号6が、表わされる。部分放電信号6は、図1に概略で例示されたセンサによって測定される。部分放電信号6の周波数は、「メイン信号」(例えば50Hzの交流電流)よりも大幅に高い。このように、部分放電信号6は、ピークとして示される。
図2Bは、部分放電信号が存在しない、時間の関数で電流を表わす曲線54’を例示する図である。このように、曲線54’は、修正バージョンの曲線54に対応し、そこでは部分放電信号6は除去されている。
図3は、本発明によるシステム2の概略を例示する。システム2は、地下電力ケーブル12の外側に留められた、外部クランプオンセンサ4を備える。システム2は、電力ケーブル12の絶縁欠陥を検出するよう構成される。
電力ケーブル12は、導電性シールド22に囲まれた3本の導体16、18、20を備える。図示しないが、システム2は、いくつかの外部クランプオンセンサ4を備え、それらは、電力ケーブル12の外側に留められるか、または電力ケーブル12の間近に配置され得る。
クランプオンセンサ4は、電力ケーブル12の1本または複数本の導体16、18、20の、いずれにも電気接続されることなく、電力ケーブル12の外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成される。センサ4は、部分放電事象を検出するよう構成される。これは、導体16、18、20、及び導電性シールド22を流れる電流によって生成された磁界を測定することによって、成される。各センサ4は、重ね合わされた磁界(導体16、18、20及び導電性シールド22を流れる電流によって生じた磁界の合計)のみを測定できるので、追加の情報を提供する必要がある。
システム2は、信号処理ユニット50を備え、それは必要な追加情報を提供するよう構成される。信号処理ユニット50は、数理統計モデル52を使用するよう適応される。数理統計モデル52は、システム2のセンサ4によって得られた測定値を処理するよう構成され、センサ4によって測定された磁界の由来を識別する。これは、信号処理ユニット50が、測定した信号を以下に分割できることを意味する:
a)導体16、18、20を流れる電流、及び
b)シールド22を流れる電流。
このように、信号処理ユニット50は、電流測定値が、電力ケーブル12の漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別可能である。
電力ケーブルは、発電所8に配置された接続アセンブリに接続される。シールド22が接地されているのが確認できる。雷14が発電所8に落ちると、部分放電事象を引き起こす。このように、部分放電事象の電流は、導体16、18、20を流れる。シールド22は導電性であり、かつ導体16、18、20を囲むので、電流はシールド22に誘導される。しかし、導体16、18、20と、周りのシールド22との間の容量結合のため、(雷によって引き起こされた)部分放電の電流によって生じた誘導電流は、90°(または1/4の波長)だけ遅延することになる。このように、シールド22における部分放電事象の電流と、導体16、18、20における部分放電事象の電流とを比較することによって、部分放電事象の電流が電力ケーブル12の漏電構造で引き起こされたか、を識別することが可能である。
システム2は、電流測定値が、電力ケーブル12の漏電構造で引き起こされた部分放電事象によって生じたか、を識別可能である。本システムは、アンテナ28と、センサ4によって検出された信号をアンテナ28へ移すよう配置された、通信ユニット24と、を備える。通信ユニット24は、信号を、有線接続を介して、またはワイヤレス接続を介して、アンテナ28へ移すよう構成され得る。
アンテナ28は、信号処理ユニット50によって受信されたワイヤレス信号30を送信する。ワイヤレス信号30は、インターネット26を介して送られる。
1つの実施形態において、センサ4及び/または通信ユニット24は、エネルギーを収集するよう配置かつ構成された、環境発電器を備えるか、または環境発電器に電気接続され、それによってセンサ4及び/または通信ユニット24に電気エネルギーを供給する。1つの実施形態において、環境発電器は、熱電発電器、または電界環境発電デバイスを備える。1つの実施形態において、環境発電器はソーラーパネルを含む。
図4Aは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、メインセンサ部材34、及びいくつかの追加センサ部材(サブセンサ)36、36’、36’’、36’’’を備える。メインセンサ部材34は、追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’に、電気コネクタ38によって電気接続される。
メインセンサ部材34、及び追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’の各々は、原因となる構造物を流れる電流によって生じた磁界を検出するよう構成される。いくつかのセンサ部材34、36、36’、36’’、36’’’を有することによって、センサ部材34、36、36’、36’’、36’’’を、図4Cに示されるように、電力ケーブル12の周りで異なる接線位置に配置することが可能である。これによって、測定された信号を、電力ケーブルの1本または複数本の導体を流れる電流と、電力ケーブルのシールドを流れる電流と、に分離できるよう、センサ部材34、36、36’、36’’、36’’’からのデータを、(例えば図3を参照した説明のような、信号処理ユニット50によって)処理することが可能である。
1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、一体化された通信ユニット(図示せず)を備える。1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’から信号を受信するよう、かつメインセンサ部材34によって測定された信号、ならびに追加センサ部材36、36’、36’’、36’’’からの信号を、有線接続またはワイヤレス接続のいずれかを介して、受信デバイスまで送信するよう、構成される。
図4Bは、本発明による電力ケーブル12を例示する。電力ケーブル12は、図5Aを参照して示され、かつ説明したタイプの電源ケーブル12に相当する。
図4Cは、図4Bに示される電力ケーブル12に装着された、図4Aに示されるセンサ4を示す図である。任意の好適な装着構造を使用して、センサ4を電源ケーブル12に装着することが可能である。1つの実施形態において、センサ4は、1本または複数本の結束バンド(図示せず)によって、電力ケーブル12に装着される。シールド構造60は、センサ4と、センサ4が延びた電力ケーブル12の部分の外周全体と、を囲む。シールド構造60は、電界シールドである。
シールド構造60は、センサ4及び電力ケーブル12を、ケーブル12が延びる環境から電気的に絶縁するために適用される。1つの実施形態において、シールド構造60は、静電界を遮断するために使用される、導電性筐体である。
図5Aは、地表面32の下方に配置された、地下電力ケーブル12を例示する。電力ケーブル12は、3本の単一導体16、18、20を備える。3本の単一導体16、18、20の各々は、絶縁物42によって囲まれる。3本の単一導体16、18、20の絶縁物42は、絶縁構造44に囲まれる。絶縁構造44は、充填物40によって囲まれる。充填物40は、金属製鉛シールド22によって囲まれる。
電力ケーブル12が損傷を受け、かつ漏電構造46を含むのを確認できる(例示のために拡大されている)。漏電構造46は、シールド22を貫通して延びる。したがって、水及び湿気は、漏電構造46を通してケーブル12に入り得る。漏電構造46は、充填物40、絶縁構造44、及び絶縁物42を貫通して延びる。このように、水または湿気が漏洩構造46に入ると、漏電構造46の経路に沿った電気インピーダンスは、短絡(漏電構造46の予期しない経路に沿って移動する電流)が作り出される範囲まで、減少される。
短絡の間、電流の流れは最大となり、それによって漏電構造46内の温度は上昇する。このように短絡は、一般的に漏電構造46の溶解を生じさせることになり、それによって融解された領域48が、図5Bに示されるように生成される。融解された領域48は、少なくとも少しの間、電力ケーブルの損傷した構造(漏電構造46)を封止し得る。このように、電力ケーブル12を取り替えなければならなくなる前に、図5Aを参照して説明したもののような、いくつかの短絡を受けることになり得る。
図6Aは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、メインセンサ部材34、及び単一の追加センサ部材(サブセンサ)36を備える。メインセンサ部材34は、電気コネクタ38を介して、追加センサ部材36に電気接続される。
メインセンサ部材34、及び追加センサ部材36は、原因となる構造を流れる電流によって生じた磁界を検出するよう構成される。いくつかのセンサ部材34、36を有することによって、センサ部材34、36を、図4Cに示されるように、電力ケーブル12の周りで異なる接線位置に配置することが可能である。これによって、センサ部材34、36からのデータを、(例えば図3を参照した説明のような、信号処理ユニット50によって)処理することが可能であり、これによって、測定された信号を、電力ケーブルの1本または複数本の導体を流れる電流と、電力ケーブルのシールドを流れる電流と、に分離する。
1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、一体化された通信ユニット(図示せず)を備える。1つの実施形態において、メインセンサ部材34は、追加センサ部材36から信号を受信するよう、かつメインセンサ部材34によって測定された信号、ならびに追加センサ部材36からの信号を、有線接続またはワイヤレス接続のいずれかを介して、受信デバイスまで送信するよう構成される。
図6Bは、本発明による電力ケーブル12を例示する。電力ケーブル12は、絶縁物42に囲まれた単一導体16を備える。絶縁物42は、絶縁構造44に囲まれる。充填物40は、絶縁構造44と、周りの金属製鉛シールド22との間に設けられる。
図6Cは、図6Bに示される電力ケーブル12に装着された、図6Aに示されるセンサ4を示す図である。任意の好適な装着構造を使用して、センサ4を電源ケーブル12に装着することが可能である。1つの実施形態において、センサ4は、1本または複数本の結束バンド(図示せず)によって、電力ケーブル12に装着される。
図7Aは、部分放電事象対時間の間に、図5Aで示されるもののような、電力ケーブルの導体を流れる電流を表わす第1の曲線56を例示し、図4Cまたは図6Cに示されるものに相当するセンサは、電流を検出するために使用される。図7は、部分放電事象対時間の間に、電力ケーブルのシールドを流れる電流を表わす点線の第2の曲線58を、さらに例示する。
第1の曲線56はAの振幅を有し、それは第2の曲線58の振幅Aよりも大きい。さらに、第2の曲線は遅延する。
シールドが導電性であり、電力ケーブルの導体を囲むので(図5A参照)、電流は、導体を流れるときにシールドに誘導される。導体と周りのシールドとの間の容量結合のため、シールドに誘導された電流は、90°(または波長λの1/4)だけ遅延する。このように、第2の曲線58(外部の部分放電事象の電流によって生じた、シールドにおける誘導電流を示す)は、第1の曲線56と比較すると、90°遅延する。したがって、第1の実線曲線56と第2の点線曲線58とを比較することによって、部分放電事象の電流の状態は、部分放電事象の電流が、電力ケーブルの漏電構造で引き起こされたか、を明らかにすることになる。図7Aに示される曲線56、58は、部分放電事象が、電力ケーブルの導体で生じたことを明らかにしている。
図7Bは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、基本的に図6Aに示されるセンサに相当する。しかしメインセンサ部材34は、信号処理ユニット50を備える。信号処理ユニット50は、本発明による数理モデル52を使用するアルゴリズムを適用する。別の実施形態において、信号処理ユニット50及び数理モデル52は、追加のセンサ部材36、またはセンサ4の分離したデバイス(図示せず)に位置され得る。
図7Cは、本発明による別のセンサ4’を示す図である。センサ4は、基本的に図4Aに示されるセンサに相当する。しかしメインセンサ部材34は、信号処理ユニット50を備える。信号処理ユニット50は、本発明による数理モデル52を使用するアルゴリズムを適用する。別の実施形態において、信号処理ユニット50及び数理モデル52は、追加のセンサ部材36、36'、36’’、またはセンサ4’の分離したデバイス(図示せず)に位置され得る。
図8は、本発明による方法を例示する流れ図である。本方法の第1のステップは、センサによって測定された信号を検出することである。これらのセンサは異なるデータを提供することになる。なぜならこれらのセンサは、異なる位置に位置されるからである。
センサによって検出されたデータは、処理される。処理手順は、高域フィルタを使用してフィルタにかけることを含む。処理手順は、信号の増幅も含む。
次のステップにおいて、検出された信号が、損傷した(漏電構造を有する)電力ケーブルで引き起こされた部分放電によって生じたか、を判断する。これは、図3を参照して説明したように、処理ユニットを使用して成すことができる。
1つの実施形態において、これらのステップは、電力ケーブルを継続的に監視するために、何度も繰り返される。
1つの実施形態において、追加のステップが実施される。このステップは、部分放電事象の位置を判断することを含む。これによって、本発明による方法を適用して、電力ケーブルの損傷した部分の位置を示すことが可能である。
図9Aは、本発明によるセンサ4を例示する。センサ4は、メインセンサ部材34、及び複数の追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を備える。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’は、取付構造62に取り付けられる。したがって、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置は、明確に定められて既知である。数理モデルが、導体及びスクリーンから、メインセンサ34及びサブセンサ35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの、線形投影及び統計的雑音要素としての、伝達関数を推定するために使用される。取付構造62の外形は、図9Aに示されるように円弧状とし得る。しかし、取付構造62の外形は異なっていてもよい。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置が、明確に定められて既知であるかぎりは。取付構造62の外形は、例として、メインセンサ部材34及び追加のセンサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’が直線に沿って配置されるよう、直線であってもよい。
図9Bは、3本の導体16、18、20及び導電性シールド22を備えた電力ケーブル12に装着された、図9Aに示されるセンサ4を例示する。導体16、18、20は、互いから電気絶縁され、導体16、18、20から離隔された導電性シールド22によって囲まれる。電界シールドとして形成されたシールド構造60は、電力ケーブル12及びセンサ4を囲む。
メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’は、電力ケーブル12の外面に沿って延びるので、電力ケーブル12の中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの距離は既知である。電流測定値が、電力ケーブル12または導電性シールド22の、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別するために、本発明は、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’によって得られた測定値、ならびに既知のパラメータ(メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置、同様に電力ケーブル12の径)を適用する。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を、所定の取付構造62に配置することによって、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’の互いに対する位置は、知られることになる。
十分に多い数の追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を設けることによって、十分な測定値、したがって十分に多い数の方程式を提供して、連立方程式を解き、それによって導体を流れる電流と、導電性シールド22を流れる電流と、を判断することが可能である。
図9Cは、3本の導体16、18、20及び導電性シールド22を備えた電力ケーブルの外側に留められた、本発明によるセンサ4を例示する。導体16、18、20は、互いから電気絶縁され、導体16、18、20から離隔された導電性シールド22によって囲まれる。
センサ4は、所定の方法で互いに対して配置され、かつ電力ケーブルに装着された、メインセンサ部材34及びいくつかの追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’を備える。それによって、電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの距離は既知である。このように、図9Bを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図9Dは、図9Cに示されるものに相当する、電力ケーブルの外側に留められた、本発明による別のセンサ4を例示する。センサ4は、電力ケーブルの外面に沿って配置された、メインセンサ部材34、及び複数の追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’、37’’を備える。したがって、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’、37’’は、所定の方法で互いに対して配置される。それによって、電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’、36’’’、37、37’までの距離は既知である。このように、図9B及び図9Cを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図10Aは、3本の導体及び導電性シールドを備えた電力ケーブルの外面に配置された、本発明によるセンサ4を例示する。これらの導体は、互いから電気絶縁され、導体から離隔された導電性シールドによって囲まれる。
センサ4は、所定の方法で(電力ケーブルの円筒面に沿って)電力ケーブルに装着された、メインセンサ部材34、及びいくつかの追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’を備える。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、36、36’、36’’は、電力ケーブルの長手方向軸Xに対して垂直に延びた面に沿って配置される。そのため、電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’までの距離は既知である。
したがって、図9B及び図9Dを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図10Bは、3本の導体及び導電性シールドを備えた電力ケーブルの外面に配置された、本発明による別のセンサ4を例示する。この電力ケーブルは、図10Aに示されるものに相当する。
センサ4は、電力ケーブルの表面に沿って所定の方法で配置され、かつ電力ケーブルに装着された、メインセンサ部材34、及びいくつかの追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’を備える。メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’は、電力ケーブルの長手方向軸Xに対して、角度α(90°以外)で角度が付けられた面に沿って配置される。角度αが既知でない場合、本発明による方法を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を識別することが可能である。電力ケーブルの中心から、メインセンサ部材34及び追加センサ部材35、35’、35’’、35’’’、36、36’、36’’までの距離は既知である。したがって、図9B及び図9Dを参照して説明した同じ原理を使用して、電流測定値が、電力ケーブルまたは導電性シールドの、いずれの漏電構造で引き起こされた部分放電事象から生じたか、を検出することが可能である。
図10Cは、図9C及び図9Dに示されるものに相当する、多芯電力ケーブルの外面に配置された、本発明による別のセンサ4を例示する。センサ4は、基本的に図9Dに示されるものに相当する。
図10Dは、図10Cに示されるような多芯ケーブルの導体が、単一の推定された導体21として扱われることができるように、いかにして本発明による方法が使用されるかを例示する。これは、多芯ケーブルの導体を通る電流の流れがゼロであるために、可能である。
2 (部分放電分析)システム
4、4’、4’’、4’’’ (部分放電)センサ
6、6’、6’’、6’’’、6’’’’ 部分放電信号
8 発電所
10 部分放電事象
12 電力ケーブル(例えば多芯)
14 雷
16、18、20 電力ケーブルの単一導体
21 推定された導体
22 金属製鉛シールド
24 通信ユニット
26 クラウド(インターネットでアクセスされるサーバ)
28 アンテナ
30 送信信号
32 地表面
34 メインセンサ部材
35、35’、35’’、35’’’ 追加センサ部材
36、36’、36’’、36’’’ 追加センサ部材
37、37’、37’’ 追加センサ部材
38 コネクタ
40 充填物
42 絶縁物
44 絶縁構造
46 漏電構造
48 溶解領域
50 処理ユニット
52 数理モデル
54、54’ 曲線
56、58 曲線
60 シールド構造
62 取付構造
、A 振幅
α 角度
λ 波長
B 磁界ライン
X 長手方向軸

Claims (22)

  1. 導電性シールド(22)によって囲まれた1本または複数本の単一導体(16、18、20)を含んだ地下電力ケーブル(12)の、絶縁欠陥を検出するためのシステム(2)であって、前記システム(2)は、前記電力ケーブル(12)上に留められるか、または前記電力ケーブル(12)の間近に配置された、2つ以上の外部クランプオンセンサ(サブセンサ)(4、4’、4’’、4’’’)を備え、前記クランプオンセンサ(4、4’、4’’、4’’’)は、前記電力ケーブル(12)の1本または複数本の前記導体(16、18,20)の、いずれにも電気接続されることなく、前記電力ケーブル(12)の外側から、1つまたは複数の電流測定値を提供するよう構成され、前記システム(2)は信号処理ユニット(50)を備え、
    ここで前記システム(2)は、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)が、部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)を検出するよう構成され、前記信号処理ユニット(50)が、数理統計モデル(52)を使用するよう適応され、前記数理統計モデル(52)が、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)によって得られた測定値を処理して、前記電流測定値が、前記電力ケーブル(12)における漏電構造(46)で引き起こされた部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)によって生じたか、を識別することを特徴とする、
    システム(2)。
  2. 前記数理統計モデル(52)は、前記導体(16、18、20)及び前記シールド(22)における電流の線形投影を作るよう構成され、前記数理統計モデル(52)は、
    =F(θ)+ε ε~δ(V
    θ=g(θt-1)+Θ Θ~δ(W
    として定義されることを特徴とし、
    ここでYは、前記センサ(S、S、...、S)から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断するベクトルであり、
    θは、潜在的処理データ、すなわち前記ケーブル(12)の前記導体(16、18、20)及び前記シールド(22)それぞれから生じる電流を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトルであり、
    は、前記潜在的処理と、時間tにおいて観測された処理との間の直線関係を判断する、回帰マトリクスであり、
    は、前記潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの移行を判断する、進化マトリクスであり、
    δ及びδは、前記観測された処理及び前記潜在的処理それぞれの、確率的雑音ベクトルであり、
    は、観測分散共分散マトリクスであり、
    は、進化分散共分散マトリクスである、
    請求項1に記載のシステム(2)。
  3. 前記電力ケーブル(12)は、いくつかの単一導体(16、18、20)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム(2)。
  4. 前記電力ケーブル(12)の前記シールド(22)に沿って配置された、いくつかの離隔されたセンサ(4、4’、4’’、4’’’)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  5. 前記電力ケーブル(12)の前記シールド(22)の外周に沿って配置された、1つのメインセンサ部材(34)と、1つまたは複数の追加センサ部材(36、36’、36’’、36’’’)とを備え、前記センサ部材(34、36、36’、36’’、36’’’)は、接線方向に離隔されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  6. ケーブル及び環境における物理的配置に対して、前記システム(2)を較正するために、1つまたは複数の前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)の較正を実施するよう構成された、較正ユニット(54)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  7. 前記較正ユニット(54)は、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)から分離されることを特徴とする、請求項6に記載のシステム(2)。
  8. 前記較正ユニット(54)は、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)の各々に一体化されることを特徴とする、請求項6に記載のシステム(2)。
  9. 前記較正ユニット(54)は、前記電力ケーブル(12)の周辺に沿って、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)のメインセンサ部材(34)及びいくつかの追加センサ部材(36、36’、36’’、36’’’)が移動する際に、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)を較正するよう構成されることを特徴とする、請求項6に記載のシステム(2)。
  10. 1つまたは複数の前記外部クランプオンセンサ(4、4’、4’’、4’’’)は、環境発電器を備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  11. 前記環境発電器は、熱電発電器、または電界環境発電デバイスを備えることを特徴とする、請求項10に記載のシステム(2)。
  12. センサ(4)から地表面に向けて延びた、通信ユニット(24)と、
    ワイヤレス信号(30)を送信するよう構成された、アンテナ(28)と、
    を備え、前記センサ(4)で得られた測定値を、前記アンテナ(30)によってワイヤレスで送信するよう構成されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  13. シールド構造(60)は、センサ(4、4’、4’’、4’’’)と、前記電力ケーブル(12)で前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)が延びた部分の外周全体とを囲み、前記シールド構造(60)は電磁場シールド(60)であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  14. 前記処理ユニット(50)はピーク検出器を備え、前記ピーク検出器は、前記電流測定値を分析し、かつ任意の電流ピークを検出するよう構成されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  15. 前記処理ユニット(50)は、高域フィルタを備え、前記電流測定値を高域フィルタにかけるよう構成されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  16. 前記処理ユニット(50)は、前記電流測定値が、電力ケーブル(12)における漏電構造(46)で引き起こされた部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)によって生じたかを自動的に識別するよう構成されたアルゴリズムを備えることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム(2)。
  17. 導電性シールド(22)に囲まれた1本または複数本の単一導体(16、18、20)を備えた地下電力ケーブル(12)の、絶縁欠陥を検出するための方法であって、前記方法は、2つ以上の外部クランプオンセンサ(4、4’、4’’、4’’’)を、前記電力ケーブル(12)の外側に留めるか、または前記電力ケーブル(12)の間近に配置するステップを含み、前記クランプオンセンサの電力導体は、前記電力ケーブル(12)における1本または複数本の導体(16、18、20)の、いずれにも電気接続されることなく、前記電力ケーブル(12)の外側から、1つまたは複数の測定値を提供するよう構成され、前記方法は、データを処理するために、信号処理ユニット(50)を提供するステップを含み、
    ここで前記方法は、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)が、部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)を検出するよう構成され、データを処理するために信号処理ユニット(50)を提供する前記ステップが、数理統計モデル(52)を使用して実施され、前記数理統計モデル(52)が、前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)で得られた測定値を処理して、前記電流測定値が、前記電力ケーブル(12)の漏電構造(46)で引き起こされた部分放電事象(6、6’、6’’、6’’’、6’’’’)によって生じたか、を識別することを特徴とする、
    方法。
  18. 前記数理統計モデル(52)は、前記導体(16、18、20)及び前記シールド(22)における電流の線形投影を作るよう構成され、前記数理統計モデル(52)は、
    =F(θ)+ε ε~δ(V
    θ=g(θt-1)+Θ Θ~δ(W
    として定義されることを特徴とし、
    ここでYは、前記センサ(S、S、...、S)から観測されたデータを備えた、時間tにおける観測された処理を判断するベクトルであり、
    θは、潜在的処理データ、すなわち前記ケーブル(12)の前記導体及び前記シールド(22)それぞれから生じる電流を備えた、時間tにおける潜在的確率処理を判断するベクトルであり、
    は、前記潜在的処理と、時間tにおいて観測された処理との間の直線関係を判断する、回帰マトリクスであり、
    は、潜在的処理において、時間t-1から時間tまでの移行を判断する、進化マトリクスであり、
    δ及びδは、観測された処理及び潜在的処理それぞれの、確率的雑音ベクトルであり、
    は、観測分散共分散マトリクスであり、ならびに
    は、進化分散共分散マトリクスである、
    請求項17に記載の方法。
  19. 前記電力ケーブル(12)は、いくつかの単一導体(16、18、20)を備えることを特徴とする、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記電力ケーブル(12)の延長に沿って、1つまたは複数の位置で前記電力ケーブル(12)の一部を露出させるステップと、
    各々の位置における1つまたは複数の外部クランプオンセンサ(4、4’、4’’、4’’’)を、前記電力ケーブル(12)の外側に留めるか、または前記電力ケーブル(12)の間近に配置するステップと、
    前記外部クランプオンセンサ(4、4’、4’’、4’’’)の各々と、前記信号処理ユニット(50)との間に、接続を確立するステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記センサ(4、4’、4’’、4’’’)を較正するステップを含むことを特徴とする、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 各センサ(4、4’、4’’、4’’’)は、メインセンサ部材(34)、及び1つまたは複数の追加センサ部材(36、36’、36’’、36’’’)を備え、前記方法は、前記メインセンサ部材(34)及び前記追加センサ部材(36、36’、36’’、36’’’)を、接線方向に離隔させて、前記電力ケーブル(12)の前記シールド(22)の外周に沿って配置するステップを含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
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