JP2023548211A - 移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能を決定するアクセスノード、ユーザ側設備、装置、方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能を決定するアクセスノード、ユーザ側設備、装置、方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

本開示の実施形態は、移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能を決定するアクセスノード、ユーザ側設備、装置、方法およびコンピュータプログラムに関する。移動通信システム(300)のトランシーバ(100)のために遅延ドップラー分解能DDRを決定する方法(10)は、トランシーバ(100)の特性に関する情報を求めるステップ(12)と、トランシーバ(100)の特性に関する情報に基づきデータベース(26)からDDRを選択するステップ(14)と、移動通信システム(300)におけるトランシーバ(100)との無線通信のためにDDRを使用するステップ(16)とを含む。

Description

本開示の実施形態は、移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能を決定するアクセスノード、ユーザ側設備、装置、方法およびコンピュータプログラムに関し、より具体的には、ただし以下に限定されるものではないが、トランシーバの特性に基づきデータベースから遅延ドップラー分解能を選択するためのコンセプトに関する。
車車間(V2V)通信のようなハイモビリティ環境における信頼性および効率に関する新たな要件によって、レガシーシステムはそれらの限界に近づきつつある。直交周波数分割多重(OFDM)は、普及している周知の変調方式であるが、高いドップラー拡散の環境では、著しい性能劣化およびフレキシビリティ欠如による悪影響を受ける可能性がある。よって、二重分散チャネルにおいてフレキシブルで効率的かつロバストな新規の変調方式を検討し精査してもよいかもしれない。
将来の車両通信システムは、様々なモビリティ条件下で高い信頼性および効率を必要とする。しかも、種々のタイプの通信リンクが存在するため、それらの車両通信システムは多面的である。車両はインフラストラクチャに接続されており、つまり路車間(V2I)通信が行われるけれども、ダイレクトな車車間(V2V)通信も使用されている。特にV2Vチャネルは、慣用のセルラチャネルとは明確に異なっている。ハイモビリティユーザ間の通信の場合、相対速度が高いことから大きなドップラーシフトが予期される。OFDMなどのレガシーシステムは、高いドップラーシフトの下では著しい性能劣化を受ける可能性がある。さらなる背景技術については以下を参照されたい。
[1]T. Wang, J. G. Proakis, E. MasryおよびJ. R. Zeidlerによる“Performance degradation of OFDM systems due to Doppler spreading”IEEE Trans. on Wireless Commun.、第5巻第6号第1422~1432頁、2006年。
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[10]W. KozekおよびA. F. Molischによる“Nonorthogonal pulseshapes for multicarrier communications in doubly dispersive channels”IEEE J. on Sel. Areas in Commun.、第16巻第1579~1589頁、1998年10月。
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[12]X. MaおよびW. Zhangによる“Fundamental limits of linear equalizers: diversity, capacity, and complexity”IEEE Trans. on Inf. Theory、第54巻第8号第3442~3456頁、2008年。
[13]T. Zemen, M. HoferおよびD. Loeschenbrandによる“Low-complexity equalization for orthogonal time and frequency signaling (OTFS)”arXiv preprint arXiv:1710.09916、2017年。
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[15]Z. Prusa, P. L. Sondergaard, N. Holighaus, C. WiesmeyrおよびP. Balazsによる“The Large Time-Frequency Analysis Toolbox 2.0”Sound, Music, and Motion, LNCS、第419~442頁、Springer Int. Publishing、2014年。
[16]S. Jaeckel, L. Raschkowski, K. BoernerおよびL. Thieleによる“QuaDRiGa: A 3D multi-cell channel model with time evolution for enabling virtual field trials”IEEE Trans. on Antennas and Propag.、第62巻第6号第3242~3256頁、2014年。
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[22]P. Jung, W. Schueleおよび G. Wunderによる“Robust path detection for the LTE downlink based on compressed sensing”14th Int. OFDM-Workshop, Hamburg、2009年。
直交時間周波数空間(OTFS)などの新しい変調方式は、将来の通信システムの難しい課題に取り組むものである。OTFSの背景にある重要な着想は、遅延ドップラー表現と呼ばれる信号表現においてデータシンボルを多重化することである(たとえばQAM、直交振幅変調)。OTFSは6G(第6世代移動通信システム)の有力候補である。
OTFSは、古典的なパルス状のワイル-ハイゼンベルク(またはガボール)マルチキャリア方式と、特有の時間周波数(TF)拡散との将来有望な新しい組み合わせとして、Hadani等により紹介された。データシンボルは、シンプレクティック有限フーリエ変換(SFFT)によって時間周波数グリッド全体に拡散される。この特別な線形プリコーディングは、時間周波数シフトの線形結合と見なされる時変性マルチパスチャネルの二重分散特性を考慮している。このような状況ではOTFSの性能がOFDMを凌ぐことが、いくつかの研究によって示されている。他の研究は、OFDMと一般化周波数分割多重(GFDM)とOTFSとの性能比較に焦点を当てている。それによって明らかにされているのは、他のものに対しビット誤り率(BER)およびフレーム誤り率(FER)の点でOTFSには顕著な利点がある、ということである。十分な正確なチャネル情報によって、高性能の等化器を使用すれば、ハイモビリティユーザに対し信頼性およびロバスト性の点で将来有望な向上がもたらされる。これまでのところOTFSは、完全なグリッドマッチングであることを前提として、たいていは不確定性原理に違反する理想化されたパルスにより、多くの事例では(クロストークチャネル係数を含め)理想的なチャネル知識を用いて研究されてきた。
OTFSは、第5世代移動通信システム(5G)の難しい課題に取り組む新たな変調方式である。OTFSの背景にある重要な着想は、QAM(直交振幅変調)またはQPSK(四位相偏移変調)のシンボル(データ)を遅延ドップラー信号表現において多重化することである。チャネル等化を行う目的で、ワイヤレスチャネルを受信機において推定する必要がある。送信機においてパイロットを挿入することによって、これを行うことができる。チャネルを推定するために、先験的に既知のパイロットトーンを受信機によって使用することができる。米国特許出願公開第2020/0259692号明細書には、5Gシステムのために顕著な利点を有する新規の変調方式として、直交時間周波数空間(OTFS)が開示されている。この文献では、OTFSの背景にある基本的な理論ならびにその利点が紹介されている。二重フェージング遅延ドップラーチャネルの数学的記述がなされており、このチャネルに合わせて作られた変調が開発されている。時間周波数領域における時変性遅延ドップラーチャネルがモデル化され、新たな領域(OTFS領域)が導出され、その際に示されているのは、チャネルが時不変性チャネルへと変換され、すべてのシンボルが同じSNRを見込んでいることである。遅延分解能およびドップラー分解能のような変調の態様が研究され、複数のユーザの多重化および複雑性の評価といった設計および実装の問題についての取り組みが行われている。OTFSの優位性を実証する性能結果が紹介されている。
米国特許出願公開第2017/0149594号明細書には、直交時間周波数空間通信および波形生成のためのシステムおよび方法が記載されている。この方法は、複数の情報シンボルを受信するステップと、これら複数の情報シンボル各々を時間と周波数の双方に関して拡散させることにより、複数の情報シンボルを含むN×M配列を変調シンボルの二次元配列になるよう符号化するステップとを含む。次いで変調シンボルの二次元配列が、M個の周波数サブバンド内に含まれるM個の相互に直交する波形を使用して送信される。
したがって難しい課題となるのは、種々の無線チャネル特性を考慮したエアインタフェースのための構成を規定することである。無線リンクコンフィギュレーションのために改善されたコンセプトが求められている。
この要求は、独立請求項の保護対象によって応えられている。
実施形態は、データベースに格納可能な事前定義されたDDRセットの中から遅延ドップラー分解能DDRを選択することができる、という知見に基づいている。トランシーバの特性に基づき、適切なDDRを選択することができる。
実施形態によれば、移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能DDRを決定する方法が提供される。この方法は、トランシーバの特性に関する情報を求めるステップと、トランシーバの特性に関する情報に基づきデータベースからDDRを選択するステップとを含む。この方法は、移動通信システムにけるトランシーバとの無線通信のためにDDRを使用するステップをさらに含む。実施形態によれば、トランシーバの特性に対しDDRを適応化することができる。
この方法は、無線通信の通信性能に関する情報を求めるステップをさらに含むことができる。実施形態によれば、追跡された無線性能に基づきDDRの継続的な改善または適応化を実現することができる。
いくつかの実施形態においてこの方法は、無線性能に基づきDDRを改善するステップと、データベースを更新するステップとをさらに含むことができる。データベースを継続的に適応化することによって、複数のトランシーバが寄与して利益を得ることができるように、データベースの更新を共通に利用可能にすることができる。
たとえば、無線性能に基づくDDRを改善するために、人工知能または機械学習を使用することができる。実施形態によれば、改善された適応型の無線性能を実現することができる。
通信性能に関する情報は、無線リンク上のサービス品質に関する情報を含むことができる。実施形態において、サービス品質を継続的に改善することができる。
通信性能に関する情報は、DDRについての無線リンク上のダイバーシティ利得に関する情報を含むことができる。DDRによって、無線チャネルにおいてどれだけの数のマルチパスを分解できるかを決定することができ、したがって可能性のあるダイバーシティ利得を決定することができる。
たとえば無線通信は、直交時間周波数空間OTFS多重化を使用することができる。実施形態によれば、高い効率の無線通信を実現することができる。
特性に関する情報は、トランシーバの速度に関する情報を含むことができる。トランシーバの速度は、無線チャネルにおいて可能性のあるドップラーシフトを求めるための効率的な基準尺度になり得るものである。
特性に関する情報は、トランシーバの地理的ポジションに関する情報を含むことができる。地理的ポジションに基づき、そのポジションに対する先行のチャネル特性を考慮することができる。
たとえば特性に関する情報は、トランシーバの予測軌跡に関する情報を含む。予測軌跡を、DDR適応化のために無線チャネル特性を予測するための基礎として用いることができる。
特性に関する情報は、トランシーバの送信機設定および/または受信機設定に関する情報を含むことができる。実施形態において、無線リンク上で通信するトランシーバの種々の設定または能力を考慮することができる。
この方法は、トランシーバに対し時間リソースおよび周波数リソースをスケジューリングするステップをさらに含むことができ、選択するステップは、時間リソースおよび周波数リソースに基づきDDRを選択するステップをさらに含むことができる。実施形態において、スケジューリングされた無線リソースにDDRをさらに適応化させることによって、通信効率をさらに改善することができる。
いくつかの実施形態においてこの方法は、トランシーバからユーザデータを受信するステップをさらに含むことができ、このユーザデータは特性に関する情報を少なくとも部分的に含む。実施形態は、DDRを選択するために、たとえば無線能力および/または処理能力に基づき、ユーザにより提供されたデータを考慮することができる。
別の実施形態はコンピュータプログラムであって、このコンピュータプログラムは、コンピュータ、プロセッサまたはプログラミング可能なハードウェア構成部品においてこのコンピュータプログラムが実行されたときに、本明細書で説明する方法のうちの少なくとも1つを実施するためのプログラムコードを有する。
移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能DDRを決定する装置は、さらに別の実施形態である。この装置は、移動通信システムにおいて通信を行うためのトランシーバモジュールと、本明細書で説明する方法のうちの1つを実施するように構成された処理モジュールとを含む。さらなる実施形態は、上述の装置を含むワイヤレス通信システムのアクセスノード、および上述の装置を含むワイヤレス通信システムのためのユーザ側設備である。
その他のいくつかの特徴または態様について、単なる例示として装置または方法またはコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品の以下の非限定的な実施形態を用い、添付の図面を参照しながら説明する。
移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能を決定する方法の1つの実施形態を示すフローチャートである。 移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能を決定する装置の1つの実施形態を示すブロック図である。 直交時間周波数空間変換を使用した1つの実施形態を示す図である。 移動通信システムの基地局における遅延ドップラー分解能選択に関する1つの実施形態を示す図である。 1つの実施形態における例示的な直交時間周波数空間フレームを示す図である。 種々のV2Xシナリオについて1つの実施形態におけるビット誤り率を示す図である。
次に、いくつかの例示的な実施形態が示された添付の図面を参照しながら、様々な例示的な実施形態についてさらにたっぷりと説明する。図中、見やすくするために線、階層または領域の厚みが誇張されている場合もある。任意選択的な構成部品が、破線、鎖線または点線を用いて描かれている場合もある。
したがって例示的な実施形態は、様々な変形および択一的な形態を有することができるけれども、それらのうち複数の実施形態が例示として図面に示されており、本明細書で詳しく説明する。ただし、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定することは意図されておらず、それどころか例示的な実施形態は、本発明の枠内に入るあらゆる変形、等価物および代替物をカバーするものである、という点を理解されたい。図面の説明を通して、同じ参照符号は同じまたは同様の部材を指している。
本明細書で用いられる用語「または」は、(たとえば「またはさもなければ」あるいは「または択一的に」など)別途示唆されていない限り、非排他的な「または」を指している。さらに本明細書では、複数の要素間の関係を記述するために用いられる言葉は、別途示唆されていない限り、直接的な関係または介在する要素の存在を含むよう、広く解釈されたい。たとえば、ある要素が別の要素と「接続されている」または「結合されている」ものとして言及されたならば、その要素は他の要素と直接的に接続または結合されているかもしれないし、あるいは介在する要素が存在するかもしれない。これとは対照的に、ある要素が他の要素と「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」ものとして言及されたならば、介在する要素は存在しない。これと同様に、「の間に」、「の隣りに」および同類のものなどの言葉も同じように解釈されたい。
本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、例示的な実施形態を限定することは意図されていない。本明細書で用いられる単数形の不定冠詞および定冠詞は、文脈によって別途明確に示唆されていない限り、複数形も同様に含むことを意図している。さらに自明のとおり、用語「有する」、「有している」、「含む」または「含んでいる」は、本明細書で用いられる場合には、記載された特徴、完全体、ステップ、オペレーション、要素または構成部品の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、オペレーション、要素、構成部品またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
別途定義されていない限り、本明細書で用いられる(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。さらに自明のとおり、たとえば一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術分野の文脈におけるそれらの意味と矛盾がない意味を持つものと解釈されるべきであり、本明細書で特に定義されていない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されるものではない。
本開示の実施形態は、基地局およびモバイルトランシーバなどのワイヤレス通信装置、ならびに対応する方法、装置およびコンピュータプログラムに関する。以下では、2つのワイヤレス通信装置すなわちワイヤレストランシーバが、互いに通信するものであることを前提とすることができ、たとえばそれらを2つのモバイルトランシーバ、または1つの基地局および1つの移動トランシーバであるとすることができる。この通信は通常、(ワイヤレス)チャネルを介して2つのワイヤレス通信装置の間で交換されるワイヤレス送信を使用して実施される。少なくともいくつかの実施形態において、このチャネルが二重分散チャネルであることを前提とすることができる。
いわゆるデータフレームを使用して通信を実施することができ、このデータフレームを、1つまたは複数の以上のタイムスロットを使用し、かつ1つまたは複数の搬送波周波数を使用して、時間周波数平面において送信される(送信信号を取得するために時間領域にマッピングまたは変換される)ものと考えることができ、この場合、タイムスロットは、時間周波数平面の時間次元にわたり広がっており、搬送波周波数は、時間周波数平面の周波数次元にわたり広がっている。この時間周波数平面を使用して、時間次元および周波数次元を介して広がる(論理)グリッドをモデリングすることができる。これは、データフレームの送信中にタイムスロットおよびキャリア周波数にマッピングされる論理構造である。一般に時間周波数平面におけるこのグリッドは、データフレームの送信に使用される帯域幅範囲と、フレームの送信に使用される時間(時間は1つまたは複数のタイムスロットに細分化されている)とによって画定される。したがって実施形態において、ワイヤレス通信リンクを介して送信されるデータフレーム各々を、時間次元分解能と周波数次元分解能とを有する時間周波数平面における二次元グリッドに基づき送信することができる。
(時間周波数平面および遅延ドップラー平面における)グリッドを使用して、信号を表現することができる。マルチキャリア送信方式のワイヤレス通信システムの場合、計算により実行可能な等化器が、時間周波数グリッドのミスマッチによる悪影響を受ける可能性がある。ガボール合成および分析パルスをチャネルの遅延拡散およびドップラー拡散と完全にグリッドマッチングさせることによって、パリティを達成することができる。ただしこれは実際には、ユーザのモビリティが変化し、それに応じてチャネルが変化することに起因して、達成されない場合がある。これによって、性能劣化(誤り率の増大)が引き起こされる可能性がある。OTFS、OFDMおよびFBMCといったマルチキャリア送信方式のワイヤレス通信システムに関する理論的研究においては、完全なグリッドマッチングが前提とされるため、多くの事例ではこのことは、グリッドのミスマッチによって引き起こされる可能性がある。残念ながらグリッドのミスマッチによって、重大な性能劣化が引き起こされる可能性がある。
改善された性能を得るために、ワイヤレス通信装置間の通信のために使用されるチャネルにマッチングした、時間周波数平面におけるグリッドに対する時間分解能および周波数分解能を選択することができる。ワイヤレス通信装置間の通信のために使用されるチャネルにマッチングした、時間周波数平面におけるグリッドに対するかかる時間分解能および周波数分解能を、ワイヤレス通信リンクを介した通信のための理想的な時間周波数グリッドコンフィギュレーションと称することができる。たとえば種々のシナリオにおいて、チャネルを介して送信される信号が、それぞれ異なる量の遅延拡散およびドップラー拡散を受け取る可能性がある。かかる種々のチャネルを考慮するために、チャネルの個々の特性が考慮されるようにグリッドを選択することができる。相対速度が比較的低い場合には、時間領域においていっそう低い分解能が必要とされる可能性があり、比較的大きな遅延が発生する場合には、周波数領域においていっそう高い分解能が望まれる可能性がある。たとえば比較的高い相対速度では、時間次元においていっそう高い分解能(すなわちいっそう多くのポイント)を有するグリッドが有利となる可能性がある(これによりいっそう高いドップラー拡散が可能となる)のに対し、比較的低い相対速度では、周波数次元においていっそう高い分解能(すなわちいっそう多くのポイント)を有するグリッドが有利となる可能性がある。
図1には、移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能DDRを決定する方法10のブロック図が示されている。方法10は、トランシーバの特性に関する情報を求めるステップ12と、トランシーバの特性に関する情報に基づきデータベースからDDRを選択するステップ14とを含む。方法10は、移動通信システムにおけるトランシーバとの無線通信のためにDDRを使用するステップ16をさらに含む。
図2には、移動通信システムのトランシーバ200のために遅延ドップラー分解能を決定する装置20の1つの実施形態のブロック図が示されている。装置20は、移動通信システムにおいて通信を行うためのトランシーバモジュール22と、トランシーバモジュール22と結合された処理モジュール24とを含み、この処理モジュール24は、本明細書で説明する方法のうちの少なくとも1つを実施するように構成されている。図2には、装置20を含むトランシーバ200の1つの実施形態も示されている。トランシーバ200を、アクセスノード、基地局、ユーザ側設備、移動局などとすることができる。
トランシーバモジュール22は、モジュール内、モジュール間、または種々のエンティティのモジュール間で、特定の符号によるディジタル(ビット)値とすることができる情報を受信および/または送信するための、1つまたは複数の入力部および/または出力部に対応するものとすることができる。たとえばトランシーバモジュール22は、情報を受信および/または送信するように構成されたインタフェース回路を含むことができる。実施形態においてトランシーバモジュール22を、アナログまたはディジタルの信号または情報を取得、受信、送信または供給するための任意の手段に相当させることができ、たとえば任意のコネクタ、コンタクト、ピン、レジスタ、入力ポート、出力ポート、導体、レーンなどに相当させることができ、これによって信号または情報を供給または取得することができる。トランシーバモジュールは、ワイヤレスまたは有線の方式で通信を行うことができ、このモジュールを、さらに別の内部または外部の構成部品と通信を行うように、すなわち信号、情報を送信および/または受信するように、構成することができる。トランシーバモジュール22はさらに、移動通信システム300におけるしかるべき通信を可能にする構成部品を含むことができ、かかる構成部品は、トランシーバ(送信機および/または受信機)構成部品を含むことができ、たとえば1つまたは複数のローノイズ増幅器(LNA)、1つまたは複数の電力増幅器(PA)、1つまたは複数のデュプレクサ、1つまたは複数のダイプレクサ、1つまたは複数のフィルタまたはフィルタ回路、1つまたは複数のコンバータ、1つまたは複数のミキサ、しかるべく適応化された無線周波数構成部品などを含むことができる。
トランシーバモジュール22を、1つまたは複数のアンテナと結合することができ、このアンテナを、任意の送信アンテナおよび/または受信アンテナ、たとえばホーンアンテナ、ダイポールアンテナ、パッチアンテナ、セクタアンテナなどに相当させることができる。アンテナを、規定された幾何学的セッティングで配置することができ、たとえば均一なアレイ、直線的なアレイ、円形のアレイ、三角形のアレイ、均一なフィールドアンテナ、フィールドアレイ、これらの組み合わせなどで配置することができる。いくつかの実施例においてトランシーバモジュール22は、情報の送信または受信あるいは情報の送信および受信の双方の目的を果たすことができる。
1つまたは複数の処理ユニット、1つまたは複数の処理デバイス、処理のための任意の手段、たとえばプロセッサ、コンピュータ、またはしかるべく適応化されたソフトウェアによって稼働させることのできるプログラミング可能なハードウェア構成部品などを用いて、処理モジュール24を実装することができる。換言すれば、制御/処理モジュール24の既述の機能を、同様にソフトウェアとして実装することもでき、この場合であればソフトウェアは、1つまたは複数のプログラミング可能なハードウェア構成部品において実行される。かかるハードウェア構成部品は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラなどを含むことができる。
トランシーバ200を、移動通信システムの基地局、中継局またはモバイルデバイスとすることができる。基地局または基地局トランシーバを、1つまたは複数のアクティブなモバイルトランシーバと通信するように動作可能なものとすることができ、さらに基地局トランシーバを、他の基地局トランシーバのサービスエリア内に、たとえばマクロセル基地局トランシーバまたはスモールセル基地局トランシーバのサービスエリア内に、またはそれと隣接して、配置することができる。したがって実施形態によれば、1つまたは複数のモバイルトランシーバおよび1つまたは複数の基地局トランシーバを含む移動通信システムを提供することができ、その際に基地局トランシーバは、たとえばピコセル、メトロセルまたはフェムトセルのようなマクロセルまたはスモールセルを確立することができる。モバイルトランシーバを、スマートフォン、セルフォン、ユーザ側設備、無線設備、モバイル、移動局、ラップトップ、ノートブック、パーソナルコンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、汎用シリアルバス(USB)スティック、D2D通信用のモバイル中継トランシーバなどに相当させることができる。モバイルトランシーバを、3GPP(Third Generation Partnership Project)の専門用語に従いユーザ側設備(UE)またはモバイルと称する場合もある。
基地局トランシーバを、ネットワークまたはシステムの固定された部分または定置部分に配置することができる。基地局トランシーバを、リモート無線ヘッド、送信ポイント、アクセスポイント、無線設備、マクロセル、スモールセル、マイクロセル、フェムトセル、メトロセルなどに相当させることができる。基地局トランシーバを、無線ベアラまたは端末/モバイルトランシーバと無線アクセスネットワークとの間のエアインタフェースを介した接続を終端するノード/エンティティの論理的概念として理解される基地局に相当させることができる。基地局トランシーバを、有線ネットワークのワイヤレスインタフェースとすることができ、これによってUEまたはモバイルトランシーバへの無線信号の送信が可能となる。かかる無線信号を、たとえば3GPPにより標準化された、または一般的には先に列挙されたシステムのうちの1つまたは複数に従った、無線信号に準拠させることができる。したがって基地局トランシーバを、NodeB、eNodeB、ベーストランシーバ基地局(BTS)、アクセスポイント、リモート無線ヘッド、送信ポイント、中継トランシーバなどに相当させることができ、これらをさらにリモートユニットと中央ユニットとに分割することができる。
モバイルトランシーバ100を、基地局トランシーバまたはセルに関連づけることができ、基地局トランシーバまたはセルと共に一時的に設置することができ、または基地局トランシーバまたはセルと共に登録することができる。用語「セル」とは、基地局トランシーバ、たとえばNodeB(NB)、eNodeB(eNB)、リモート無線ヘッド、送信ポイントなど、により提供される無線サービスのサービスエリアのことを指す。基地局トランシーバは、1つまたは複数のセルを1つまたは複数の周波数レイヤにおいて動作させることができ、いくつかの実施形態において1つのセルを1つのセクタに相当させることができる。たとえばセクタを、リモートユニットまたは基地局トランシーバの周囲の所定の角度セクションをカバーする特性を提供するセクタアンテナを使用して、達成することができる。いくつかの実施形態において、基地局トランシーバは、たとえば3個または6個のセルを動作させることができ、これらのセルは120°(3個のセルの事例)、60°(6個のセルの事例)のセクタをそれぞれカバーする。基地局トランシーバは、セクタに分けられた複数のアンテナを動作させることができる。以下では、1つのセルが、セルまたは同様のものを生成する1つのしかるべき基地局トランシーバを表す場合もあり、1つの基地局トランシーバが、基地局トランシーバが生成する1つのセルを表す場合もある。
移動通信システムをたとえば、Third Generation Partnership Project(3GPP)標準による移動通信ネットワークのうちの1つに相当させることができ、ここで用語「移動通信システム」は、移動通信ネットワークと同義的に用いられる。移動通信システムまたはワイヤレス通信システムを、第5世代(5G)および/または第6世代(6G)の移動通信システムに相当させることができ、このシステムはミリ波技術を用いることができる。移動通信システムを以下に相当させることができ、または移動通信システムは以下を含むことができる。すなわちたとえば、Long-Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、High Speed Packet Access(HSPA)、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)またはUMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)、evolved-UTRAN(e-UTRAN)、Global System for Mobile communication(GSM)またはEnhanced Data rates for GSM Evolution(EDGE)network、GSM/EDGE Radio Access Network(GERAN)、あるいは以下の種々の標準による移動通信ネットワークたとえば、Worldwide Inter-operability for Microwave Access(WIMAX)network IEEE802.16またはWireless Local Area Network(WLAN)IEEE802.11、一般的には直交時間周波数空間(OTFS)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、広帯域CDMA(WCDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、空間分割多元接続(SDMA)ネットワークなど。
以下では、1つの実施形態においてOTFSシステムについて説明することにする。送信帯域幅B=MΔfは遅延分解能Δτに反比例し、送信期間T=NΔτはドップラー分解能Δνに反比例する。
・ドップラー分解能:Δν=1/T、
・遅延分解能:Δτ=1/B、
ここでNは、時間シンボル(TF(時間周波数)領域内)またはドップラーシンボル(DD(遅延ドップラー)領域内)の個数であり、Mは、サブキャリアシンボル(TF領域内)または遅延シンボル(DD領域内)の個数である。図3にはこのことが示されている。図3には、直交時間周波数空間変換を使用した1つの実施形態が示されている。図3には、MxN個のDDグリッドが示されており、遅延分解能はMΔτであり、ドップラー分解能はNΔνである。時間周波数(TF)領域とDD領域との間の変換には、二次元のシンプレクティック高速フーリエ変換(2D SFFT)を使用することができる。図3には、1/(MΔτ)の周波数分解能と1/(NΔν)の時間分解能とを有する、相応のN×M個のTFグリッドが示されている。
一例として、TF=1およびN=M=64の時間周波数積を、L=4096のフィルタバンク長によって定義することができる。後で詳しく説明するいわゆるモビリティモードとは異なり、帯域幅ひいてはドップラー分解能を変化させることができる。モビリティモードに関する上述の記載によれば、自己干渉は低減されるけれども、遅延ドップラー分解能は各モビリティモードについて同じである。
実施形態によれば、OTFSの最大の/改善されたダイバーシティ利得を実現する目的で、理想的なまたは改善されたドップラー分解能および遅延分解能を見つけ出すことができる。チャネルのジオメトリを捕捉し、最大のダイバーシティ利得を得るために、最良の/改善されたドップラー分解能および遅延分解能を選択することができる。なお、ダイバーシティとは、遅延次元またはドップラー次元のいずれかにおいて分離可能なマルチパス成分の個数のことを表す点に留意されたい。実施形態によれば、理想的なまたは改善された遅延ドップラー分解能(DDR)を通信システムが見つける/選択することが可能となるようにすることができる。以下の実施形態において無線通信は、直交時間周波数空間OTFS多重化を使用することができる。
図4には、移動通信システム300の基地局200における遅延ドップラー分解能選択に関する1つの実施形態が示されている。基地局は、1つのセル内において複数のユーザにサービスし、上述の装置20の1つの実施形態を含む。この装置20の処理モジュール24は、スケジューラ/リソース割り当てモジュール24aおよびDDR選択モジュール24bを含む。さらなる実施形態において、これらを処理モジュール24の一部として、または処理モジュール24の外部で、実装することができる。さらに装置20はデータベース26を含み、これは任意のストレージまたはメモリを含むことができる。この実施形態において基地局200は、特有のユーザ特性、通信シナリオおよび環境に対して最良のDDRを学習する。図4に示したモジュールを使用して、理想的な/改善されたDDRを決定することができる。核となる構成要素はDDR選択モジュール24bである。さらに、モジュール間のインタラクションについていっそう詳しく説明する:
データベースモジュール26:
I.データベース26は、地理的3D無線マップを格納または保持することができる。
II.データベース26は、ユーザ速度、使用されるDDRの地理的ポジション、TX設定およびRX設定の特性(たとえばポジション、アンテナのタイプおよび個数)といったユーザデータを格納することができる。
III.データベース26はさらに、たとえば達成されたビット誤り率(BER)、スループット、フレーム誤り率(FER)、ダイバーシティ順序など、取得された性能に関する情報を格納することができる。
IV.データベース26は、たとえば何らかの人工知能(AI)および/または機械学習(ML)の支援により、性能情報IIIへのユーザ特性(II)のマッピングを提供することができ、このマッピングを3Dマップ(I)に格納することができる。
DDR選択モジュール24b:
I.DDR選択部24bを、ユーザ特性を判定するように構成することができる。たとえば方法10は、トランシーバからユーザデータを受信するステップを含むことができる。ユーザデータは、特性に関する情報を少なくとも部分的に含むことができる。
a.ユーザは、特定の速度ならびに予測されたまたは既知の今後の速度(たとえば車両軌跡)を有する。特性に関する情報は、トランシーバの速度に関する情報を含む。特性に関する情報は、トランシーバの予測軌跡に関する情報を含むことができる。
b.地理的ポジションならびに予測されたまたは既知の今後の速度(たとえば車両軌跡)。特性に関する情報は、トランシーバの地理的ポジションに関する情報を含む。
c.TX設定およびRX設定の特性。特性に関する情報は、トランシーバの送信機設定および/または受信機設定に関する情報を含むことができる。
II.DDR選択部24bを、データベース26からの情報に基づき(改善された/理想的な)DDRを選択するように構成することができる。
III.DDR選択部24bを、性能に関するフィードバックを供給してデータベース26を更新するように構成することができる。方法10は、無線通信の通信性能に関する情報を求めるステップを含む。よって、無線性能およびデータベースの更新に基づき、DDRを経時的に改善することができる。無線性能に基づくDDR選択を改善するために、人工知能を使用することができる。たとえば通信性能に関する情報は、無線リンク上のサービス品質に関する情報を含む。通信性能に関する情報は、DDRについての無線リンク上のダイバーシティ利得に関する情報を含むことができる。かかる情報は、DDR選択の改善に役立つ可能性がある。
スケジューラおよびリソース割り当てモジュール24a:
I.スケジューラおよびリソース割り当て部24aを、標準スケジューラとして動作するように構成することができる。
II.スケジューラおよびリソース割り当てモジュール24aを、ユーザデータを受け取るように構成することができる。
III.スケジューラおよびリソース割り当てモジュール24aを、データベース26にユーザデータを格納するように構成することができる。
IV.スケジューラおよびリソース割り当てモジュール24aを、特定のユーザのために「DDR選択」モジュールから、理想的なDDR(および代替的なDDR)を要求するように構成することができる。
V.スケジューラおよびリソース割り当てモジュール24aを、理想的なDDRおよびリソースの可用性に基づき特定のユーザにDDRを割り当てるように構成することができる。この実施形態において方法10は、トランシーバに対し時間リソースおよび周波数リソースをスケジューリングするステップをさらに含み、選択するステップ14は、時間リソースおよび周波数リソースに基づきDDRを選択するステップをさらに含む。
ワイヤレスメッセージを送信するために、トランシーバ(基地局およびUE)によってワイヤレス通信リンクが使用される。両端部において、ワイヤレス通信リンクを介した通信を、ワイヤレス通信リンクを介してワイヤレスメッセージを送信および受信するために他方の端部によっていずれのコンフィギュレーション(または複数の事前定義されたコンフィギュレーション)が使用されているのかの知識に基づくものとすることができる(この場合、送信と受信とに使用されるコンフィギュレーションは同じであるか、または送信と受信とにそれぞれ異なるコンフィギュレーションが使用される)。したがってトランシーバのうちの一方が、代替的なコンフィギュレーションのうちの1つに切り替えることを決定したならば、その別のコンフィギュレーションへの切り替えについて他方のトランシーバに通知することができる。換言すればこの方法は、コンフィギュレーションを切り替える前に、コンフィギュレーションの切り替えが差し迫っていることを、第1および第2のトランシーバのうちの他方に通知するステップを含むことができる。たとえば、他方のトランシーバに通知するために、この他方のトランシーバへのワイヤレス通信リンクを介して、通知メッセージを送信することができる。
実施形態を、3GPPによって規定されたものなどのような特定の標準仕様に準拠させることができ、またはそれに含めることさえもできる。コンフィギュレーション情報をたとえば、シグナリング無線ベアラを使用して、たとえば無線リソース制御(RRC)メッセージによって、伝達することができ、このRRCメッセージはたとえば、3GPPの*.331シリーズにおいてレイヤ3制御平面メッセージとして規定されている。たとえばDDRによる物理層の規定およびその他の物理層の規定も、たとえば3GPP仕様における*.201、*.211、*.212、*.213、*.214、*.216シリーズも、本実施形態によって影響が及ぼされる可能性がある。
少なくともいくつかの実施例は、機械学習モデルまたは機械学習アルゴリズムの使用に基づくものである。機械学習とは、コンピュータシステムが、明示的な命令を使用することなく、その代わりにモデルおよび推論に依拠して、特定のタスクを実行するために使用することができるアルゴリズムおよび統計モデルのことを指す。たとえば機械学習においては、ルールベースのデータ変換の代わりに、過去のデータおよび/またはトレーニングデータの分析から推論されるデータ変換を用いることができる。たとえば画像コンテンツを、機械学習モデルを用いて、または機械学習アルゴリズムを用いて、分析することができる。機械学習モデルのために画像コンテンツを分析する目的で、入力としてのトレーニング画像と出力としてのトレーニングコンテンツ情報とを用いて、機械学習モデルをトレーニングすることができる。多数のトレーニング画像および関連づけられたトレーニングコンテンツ情報を用いて機械学習モデルをトレーニングすることにより、機械学習モデルは、画像コンテンツを認識することを「学習」し、したがってトレーニング画像に含まれていない画像コンテンツを、機械学習モデルを用いて認識することができる。同じ原理を、同様に他の種類のセンサデータのためにも使用することができる:トレーニングセンサデータと所望の出力とを使用して機械学習モデルをトレーニングすることによって、機械学習モデルは、センサデータと出力との間の変換を「学習」し、この出力を、機械学習モデルに供給された非トレーニングセンサデータに基づき出力を供給するために使用することができる。
機械学習モデルは、トレーニング入力データを使用してトレーニングされる。上述の例は、「教師あり学習」と称されるトレーニング方法を使用する。教師あり学習の場合、機械学習モデルは、複数のトレーニングサンプルを使用してトレーニングされ、その際に各サンプルは、複数の入力データ値と、複数の所望の出力値とを含むことができ、つまり各トレーニングサンプルは、所望の出力値と関連づけられている。トレーニングサンプルと所望の出力値の双方を規定することによって、機械学習モデルは、トレーニング中に供給されたサンプルに類似する入力サンプルに基づき、いずれの出力値を供給するのかを「学習」する。教師あり学習とは別に、半教師あり学習を使用することができる。半教師あり学習の場合、トレーニングサンプルの一部には、対応する所望の出力値がない。教師あり学習を教師あり学習アルゴリズムに基づくものとすることができ、たとえば分類アルゴリズム、回帰アルゴリズムまたは類似度学習アルゴリズムに基づくものとすることができる。分類アルゴリズムを使用することができるのは、出力が制限された値集合に限られている場合であり、つまり入力が制限された値集合のうちの1つの値に分類される場合である。回帰アルゴリズムを使用できるのは、出力が(所定の範囲内の)任意の数値を有する可能性がある場合である。類似度学習アルゴリズムは、分類アルゴリズムと回帰アルゴリズムの双方に類似しているけれども、2つの物体がどの程度類似または関連しているのかを測定する類似度関数を使用してサンプルから学習することに基づく。
教師あり学習または半教師あり学習とは別に、教師なし学習を使用して機械学習モデルをトレーニングすることができる。教師なし学習の場合には、(単に)入力データを供給すればよく、たとえば入力データをグルーピングまたはクラスタリングし、データに共通性を見つけ出すことによって、入力データにおける構造を見つけ出すために、教師なし学習アルゴリズムを使用することができる。クラスタリングとは、複数の入力値を含む入力データを複数の部分集合(クラスタ)に割り当てることであり、したがって同じクラスタ内の入力値は、1つまたは複数の(事前定義された)類似度判定基準に従い類似している一方、別のクラスタに含まれている入力値とは類似していない。
強化学習は機械学習アルゴリズムの第3のグループである。換言すれば、強化学習を使用して機械学習モデルをトレーニングすることができる。強化学習において、1つまたは複数のソフトウェアアクタ(「ソフトウェアエージェント」と称される)が、ある1つの環境においてアクションを取るようにトレーニングされる。取られたアクションに基づき報酬が計算される。強化学習の基礎を成すのは、(報酬の増加が証拠となるように)累積する報酬が増やされ、その結果、与えられたタスクにおいていっそう良くなるソフトウェアエージェントが得られるようアクションを選択するように、1つまたは複数のソフトウェアエージェントをトレーニングする、ということである。
一般に長・短期記憶(LSTM)を、教師あり学習アルゴリズムを用いてトレーニングすることができ、それというのもLSTMは、所望の変換を生成するために最も適切なLSTM内の重みの組み合わせを見つけるために、勾配降下法といった技術を用いてトレーニングサンプルと所望の出力とを規定することによって学習するからである。提案されたコンセプトの場合、LSTMの入力部に拡散関数を設けることができ、拡散関数の所望の重み付けを所望の出力として供給することができる。択一的にまたは付加的に、トレーニングを強化学習方式のアプローチに組み込むことができ、この場合、予測されたSINRと(たとえば測定されたまたはシミュレートされた)実際のSINRとの間の発散に基づく報酬関数をベースとする強化学習を使用して、重み付けが変更される。様々な実施例において、たとえば(拡散関数の)時系列データ履歴を使用し、時系列データのサンプルの1つの窓(すなわち拡散関数の1つのシーケンス)をトレーニングサンプルとして、後続のサンプル(すなわち後続の拡散関数)を所望の出力として供給することによって、時系列予測のためにLSTMをトレーニングすることができる。
機械学習アルゴリズムは通常、機械学習モデルをベースとしている。換言すれば、「機械学習アルゴリズム」という用語は、機械学習モデルを作成、トレーニングまたは使用するために用いることができる命令セットを意味することができる。「機械学習モデル」という用語は、たとえば機械学習アルゴリズムによって実行されるトレーニングに基づき学習した知識を表現する、データ構造および/またはルールセットを意味することができる。実施形態において、機械学習アルゴリズムの利用は、基礎となる1つの機械学習モデル(または基礎となる複数の機械学習モデル)の利用という意味を暗黙的に含むことができる。機械学習モデルの利用は、機械学習モデルおよび/または機械学習モデルであるデータ構造/ルールセットが機械学習アルゴリズムによってトレーニングされる、という意味を暗黙的に含むことができる。
たとえば機械学習モデルを、人工ニューラルネットワーク(ANN)とすることができる。ANNは、脳内で見られるような生物学的神経網から着想を得たシステムである。ANNは、相互接続された複数のノードと、これらのノード間の複数の接続いわゆるエッジとを含む。通常は3つのタイプのノードすなわち、入力値を受け取る入力ノードと、他のノードに(単に)接続されている隠れノードと、出力値を供給する出力ノードとが存在する。各ノードは、1つの人工ニューロンを表すことができる。各エッジは、1つのノードから別のノードへ情報を送信することができる。ノードの出力を、その入力の和の(非線形)関数として定義することができる。ノードの入力を、入力を供給するエッジまたはノードの「重み」に基づく関数において使用することができる。ノードおよび/またはエッジの重みを、学習プロセスにおいて調節することができる。換言すれば、人工ニューラルネットワークのトレーニングは、人工ニューラルネットワークのノードおよび/またはエッジの重みを調節することを含み、つまりこれによって所与の入力に対し所望の出力が達成される。少なくともいくつかの実施形態において、機械学習モデルをディープニューラルネットワークとすることができ、たとえば隠れノード(すなわち隠れ層)の1つまたは複数の層を含む、好ましくは隠れノードの複数の層を含むニューラルネットワークとすることができる。
択一的に、機械学習モデルをサポートベクターマシンとすることができる。サポートベクターマシン(すなわちサポートベクターネットワーク)は、たとえば分類または回帰分析においてデータを分析するために使用可能な関連する学習アルゴリズムを用いた、教師あり学習モデルである。2つのカテゴリのうちの一方に属する複数のトレーニング入力値を有する入力を供給することによって、サポートベクターマシンをトレーニングすることができる。2つのカテゴリのうちの一方に新たな入力値を割り当てるように、サポートベクターマシンをトレーニングすることができる。択一的に機械学習モデルをベイジアンネットワークとすることができ、これは確率的有向非巡回グラフィカルモデルである。ベイジアンネットワークは、確率変数の集合と、有向非巡回グラフを用いたそれらの条件付き依存性を表現することができる。択一的に、機械学習モデルを遺伝的アルゴリズムに基づくものとすることができ、このアルゴリズムは探索アルゴリズムであり、自然淘汰の過程を模倣した発見的技術である。
以下では、1つの実施例によるモビリティモードに対するより詳細な命令について説明する。直交時間周波数空間(OTFS)変調は、シンプレクティック有限フーリエ変換(SFFT)を用いた付加的な時間周波数(TF)拡散を伴うパルス状のガボールシグナリング方式である。十分な量の正確なチャネル情報および高度な等化器によって、ハイモビリティユーザのためにロバスト性の観点から性能の向上が約束される。OTFSにおけるダイバーシティを完全に活用するために、線形等化器により実装される2D逆畳み込みによって、二重分散チャネルのオペレーションをほぼ反転させるべきであるが、これはねじれた畳み込みである。理論的にはこれは、第1のステップにおいて、TFグリッドおよびガボール合成ならびに分析パルスをチャネルの遅延拡散およびドップラー拡散にマッチングさせることによって達成される。しかしながら実際には、遅延ドップラー(DD)拡散における高い粒度のサポートと、マルチユーザおよびネットワークの観点との間で常にバランスを取らなければならない。
種々の二重分散チャネルに対して特有のグリッドおよびパルスのマッチングを用いるモビリティモードが提案される。残存自己干渉を考慮するために、最小平均二乗誤差(MMSE)線形等化器を、チャネルクロストーク係数を推定する必要なく調整することができる。QuaDRiGaチャネルシミュレータと、直交化ガウスパルスのための多相の実装に基づくOTFSトランシーバアーキテクチャとを用いて、提案されたアプローチが評価された。これに加え、OTFSが、IEEE802.11pに準拠したサイクリックプレフィックス(CP)方式の直交周波数分割多重(OFDM)の設計と比較される。この結果が表しているのは、適切なモビリティモードによれば、潜在的なOTFS利得を線形等化器によって実際に達成することができ、これによってOFDMを著しく凌ぐ性能がもたらされる、ということである。
vehicle-to-everything(V2X)通信のようなハイモビリティ通信シナリオにおける信頼性および効率に対する厳しい要件により、レガシーシステムはそれらの限界に近づきつつある。直交周波数分割多重(OFDM)は、広く使用されている変調方式であるが、ドップラー拡散が大きいシナリオでは、著しい性能劣化およびフレキシビリティ欠如による悪影響を受ける[1]。その結果、二重分散チャネルにおいてフレキシブルで効率的かつロバストな新規の変調方式の開発が必要とされている。
直交時間周波数空間(OTFS)の波形は、古典的なパルス状のワイル-ハイゼンベルク(またはガボール)マルチキャリア方式と特有の時間周波数(TF)拡散との将来有望な組み合わせとして、Hadani等[2]により紹介された。データシンボルは、シンプレクティック有限フーリエ変換(SFFT)によってTFグリッド全体に拡散される。この特別な線形プリコーディングは、TFシフトの線形結合と見なされる時変性マルチパスチャネルの二重分散特性を考慮している。かかる状況ではOTFSの性能がOFDMを凌ぐことが、いくつかの研究によって示されている[3],[4],[5]。別の研究活動は、OFDMと一般化周波数分割多重(GFDM)とOTFSとの性能比較に焦点を当てている[6]。それによって明らかにされているのは、他のものに対しビット誤り率(BER)およびフレーム誤り率(FER)の点でOTFSには顕著な利点がある、ということである。しかしながらこれまでの研究では、完全なグリッドマッチングであることが前提とされ、不確実性原理に違反する理想化されたパルスをたいていは用いたOTFSに主として焦点が当てられてきた。多くの事例において、クロストークチャネル係数を含む理想的なチャネル知識が前提とされる。
種々の二重分散通信チャネルによって、特有の遅延ドップラー(DD)拡散およびダイバーシティ特性がもたらされる。そのうち特に単一分散の事例は時不変性または周波数不変性のチャネルであり、詰まるところこれらはそれぞれ単純な周波数分割通信方式または時分割通信方式である。いくつかのハイモビリティシナリオの場合にはチャネルは、時間領域と周波数領域の双方で分散性になる。特にV2Xチャネルは、双方の領域においてそれらの散逸が異なる。通信シナリオに依存して、特有の拡散領域が形成される:
Figure 2023548211000002
ここでB,L,νおよびτは、それぞれ帯域幅、信号長、ドップラー拡散および遅延拡散である。二重分散チャネルに対処する目的で、送信機において使用される合成パルス、受信機において使用される分析パルス、およびそれらのTFグリッドを、Uにマッチさせることができる[7],[8],[9]。一般的な手法は、広義定常無相関散乱(WSSUS)であるという前提の下でのチャネル散乱関数に関して、時間および周波数のシフトTとFとの比ならびにガボールパルスのTF拡散σとσとの比を設計することである:
Figure 2023548211000003
ここで
Figure 2023548211000004
は、チャネルの遅延拡散の最大値とドップラー拡散の最大値との比である。このアプローチは、パルスおよびグリッドのマッチングと呼ばれる[7],[10],[8],[9]。式(1)中のパルスおよびグリッドのマッチングの条件を満たすことを目的として、特有のモビリティモードが提案され検討されている。
コヒーレント通信の場合、二重分散チャネルオペレーションを、受信機において推定し反転させることができる。一般に線形等化器は、たとえば最尤等化器(MLE)または干渉相殺などの反復技術と比較してあまり複雑ではないので、チャネル等化のために好ましい[11]。MLEは最大のダイバーシティを享受するが、いくつかの事例では線形等化器は、たとえば非特異の畳み込みの事例では、MLEと同じダイバーシティ利得を達成することができる[12]。[13]において、共通最小平均二乗誤差(MMSE)等化を用いる場合には、ほとんどの事例では完全なOTFSダイバーシティが達成されない、ということが観察された。逆に、OTFSのためのMLEまたは干渉キャンセル技術は複雑であり、クロストークチャネル係数の正確な推定も必要である。実際には、最適以下のパルスおよびグリッドのマッチングによって引き起こされる残存自己干渉を推定し、等化器において考慮することができる。[14]においては、フレームベースで自己干渉を考慮する線形等化器が導入された。このアプローチは、提示された研究の場合には、残存自己干渉を考慮するために使用される。
このセクションでは、自己干渉を粗いレベルで制御し、残存自己干渉電力をパイロットシンボルおよびガードシンボルから推定することにより、線形MMSE等化器を瞬時に調整するためのモビリティモードを提案する。このセクションの主な焦点を以下のようにまとめることができる:
・OTFSを、MATLABのtoolbox LTFATを使用し得実装される、付加的なTF拡散を伴うパルス状のガボールシグナリングの観点から研究する[15]。
・QuaDRiGaチャネルシミュレータ[16]によって生成された具体的な幾何学ベースのシナリオにおいて、[17]におけるようにパイロットベースのチャネル推定を使用して、二重分散車両チャネルを考察する。
・特有のパルスおよびグリッドのマッチングによるモビリティモードを提案する。
・グリッドおよびパルスのミスマッチの影響を受けたねじれた畳み込みの不完全な2D逆畳み込みに起因する、等化器における残存自己干渉の影響を考慮する[14]。
II.OTFSシステムモデル。このセクションでは、システムモデルとOTFSトランシーバ構造を紹介する。OTFSは、古典的なパルス状のマルチキャリア送信と、ガボール構造すなわちTF平面内の規則的なグリッド上のTF並進およびSFFTを用いた付加的なTF拡散との組み合わせである。
A.時間周波数グリッドおよびパルス成形。周波数分解能は
Figure 2023548211000005
であり、ここでBは全帯域幅であり、Mはサブキャリアの個数である。時間分解能は
Figure 2023548211000006
であり、ここでDはフレーム持続期間であり、Nは時間シンボルの個数である。TFグリッドは、時間周波数領域においてそれぞれTおよびFの周期でサンプリングされる。フィルタバンク長は、使用される合成パルスおよび分析パルスの仕様選定、およびいわゆる時間周波数積T・Fにも依存する。送信機および受信機におけるガボールフィルタバンクは、それぞれ信号合成のためのパルスγおよび信号分析のためのパルスgによってコンフィギュレーションされている。
3つの事例を以下のように区別する。すなわちTF>1、TF=1およびTF<1、これらはときにはそれぞれTF平面のアンダーサンプリング、クリティカルサンプリングおよびオーバーサンプリングと呼ばれる[18]。ここでは、これが信号対干渉比(SIR)の最大化と自由度の損失との間の典型的な妥協点である、ということが前提とされる[19]。非分散かつノイズなしの事例における完全な再構成を保証するために、パルスγおよびgが直交していることが必要とされる可能性があり、
Figure 2023548211000007
ここで
Figure 2023548211000008
と定義される(同じことは
Figure 2023548211000009
についても定義され、ここでδ(0)=1それ以外は0である)。この場合、
Figure 2023548211000010

Figure 2023548211000011
における内積として用いられ、これは有限エネルギーを有する信号のヒルベルト空間である。相関されていないノイズ寄与分を保証するために、合成パルスと分析パルスとが等しいということが前提とされ、その結果、直交パルスが生じる。仮のプロトタイプパルスとするならば、周知のS^1/2トリックを用いて直交化を実施し、つまり随伴格子上に密なガボールフレームを構築する[9]。ただし、二重分散チャネルの出力における正確な直交性は、通常は損なわれてしまい、その結果、自己干渉が生じる。送信機および受信機のためにそれぞれ異なるパルスを選択することによって、二重分散チャネルのクラスのために自己干渉をさらに減らすことさえ可能とすることができる。
B.TF拡散および逆拡散。トランシーバ構造は、パルス状OFDM、双直交周波数分割多重(BFDM)またはフィルタバンクマルチキャリア(FBMC)といった多くのパルス状マルチキャリア方式におけるものと実質的に同じである。OTFSの特有の特徴は拡散である。すべてのシンボル
Figure 2023548211000012
、ただしI⊆[M]×[N]は、
Figure 2023548211000013
と称される反転SFFTによってプリコーディングされる。SFFTは、指数におけるその符号の切り替えおよび座標の交換によって、通常の2Dフーリエ変換とは異なる。時間シフトによって周波数における振動が発生するに至り、周波数シフトの結果、時間における振動が発生することから、離散DDポジションの配列(l,k)をTF平面内のグリッドポイントの配列(m,n)にマッピングすることによって、このことを解釈することができる。もっと正確には、送信機においてプリコーディングは、
Figure 2023548211000014
によって与えられ、ここで
Figure 2023548211000015
である。受信されTF平面において等化されたシンボル
Figure 2023548211000016
は、
Figure 2023548211000017
となるように、
Figure 2023548211000018
として再び逆拡散される。
C.OTFSフレームの構造。パイロット方式のチャネル推定が使用され、この場合、1つのパイロットが、[17]によって提案されているようにDD領域に挿入される。パイロットは、データと同じフレーム内で送信機によって送信される。このようにすることで、DD領域内で受信機においてチャネルを容易に推定することができる。DD領域内に配置すべきシンボルは3つの部分から成る。データシンボルは、通常、特定の変調アルファベットに由来し、集合D⊂Iによってインデックスが与えられたポジションに配置される。チャネル推定に使用されるポジションは、集合P⊂Iによって定義され、ここでD∩P=φであり、これは単一のパイロットシンボルを含むことになる。他のポジションは未使用であり、ガードシンボルと見なすことができる。この文脈では、
Figure 2023548211000019
であることが前提とされ、ここでwとQとによって、遅延領域およびドップラー領域におけるガード区間がそれぞれ定義される。非ゼロパイロットシンボルのために、任意のロケーション[l=τ,k=2ν]が使用される。WおよびQは予期されるDDシフトに関して定義される[20]、ということに留意されたい。図5には、データシンボル、パイロットシンボル、およびガードシンボルを有するOTFSフレームの一例が示されている。QおよびWは、OTFSモードごと適切な仕様で選定される。同じパイロットオーバーヘッド(同じデータレート)を有する種々のコンフィギュレーションを比較するためには、Q・Wの一定の積すなわち1024個のシンボルが前提とされる。単純化するために、k=0かつl=0における非ゼロパイロット
Figure 2023548211000020
がP=2Q4Wの正規化された電力でセットされ、P内の他のシンボルはすべてゼロ値にされたガードシンボルとしてセットされる。
D.ガボール合成フィルタバンク。次いで、TF平面におけるOTFSフレームが、送信信号s(t)を合成するために使用される。これは、送信パルスγによってコンフィギュレーションされたガボール合成フィルタバンクによって実装される[7]。これを形式的には、
Figure 2023548211000021
として記述することができる。
E.二重分散チャネル。二重分散チャネルの場合、ノイズのない時間連続チャネル出力は、入力信号s(t)のTF変換の未知の線形結合から成る。この演算を形式的には、
Figure 2023548211000022
として表すことができ、ここでp番目の離散的伝播経路は、
Figure 2023548211000023
について遅延τを有する。インデックスの集合は、
Figure 2023548211000024
によって定義される。次いで
Figure 2023548211000025
について、
Figure 2023548211000026

Figure 2023548211000027
によって与えられ、ここで
Figure 2023548211000028
を、分散DD拡散関数と見なすことができる[21]。特にこの単純化されたモデルは、各経路が同じ範囲の周波数シフト
Figure 2023548211000029
を有するが、場合によってはそれぞれ異なる係数を有する、という意味を暗黙的に含む。TFシフトの集合
Figure 2023548211000030
は、通常、過小拡散の前提条件としても知られるサイズ
Figure 2023548211000031
のボックス
Figure 2023548211000032
内にあることが前提とされる。式(6)を式(8)と共に(7)に代入すれば、
Figure 2023548211000033
が得られる。
F.ガボール分析フィルタバンク。受信された信号はダウンコンバートされ、分析フィルタバンクを通過する。この場合には、TFスロット
Figure 2023548211000034
内のノイズのないガボール分析フィルタバンクの出力が、
Figure 2023548211000035
となる。
III.チャネル推定および自己干渉。このセクションでは、チャネル推定、等化、およびOTFSトランシーバ構造内に残存する自己干渉の量について、さらに詳しく説明する。特に、2D逆畳み込みである等化と、ねじれた畳み込みとして与えられた実際のチャネルマッピングとの間の関連性を示す。
A.自己干渉の影響。自己干渉に対するパルスおよびグリッドのミスマッチの影響を明らかにするために、式(10)における内積が書き換えられ、別個に計算される:
Figure 2023548211000036
ここで
Figure 2023548211000037
は相互不確定性関数である。目標は、パルスγおよびgを、すべての値
Figure 2023548211000038
について
Figure 2023548211000039
となるように設計することである。大雑把に言えば、このことは、
Figure 2023548211000040
であると定義された自己干渉
Figure 2023548211000041

Figure 2023548211000042
(引き継がれたデータシンボルおよびチャネル認識)は無視できるほど小さくなる、という意味を暗黙的に含む。ここで留意されたいのは、
Figure 2023548211000043
ということであり、その理由は、パルスγおよびgは、
Figure 2023548211000044
が(α,β)すべてについては存在しない、といったものだからである。よって、マッチングされたパルス成形の目標はその代わりに、予期される自己干渉電力を最小化することである。
システムモデルにおいて自己干渉を考察することによって、
Figure 2023548211000045
が得られる。式(14)に
Figure 2023548211000046
を適用すると、第1の次数において(推論に合致して)チャネルが2D畳み込みとして振る舞う。その理由は以下のとおり:
Figure 2023548211000047
TF平面におけるポイントごとの乗算として、DD平面における(巡回)2D畳み込みは
Figure 2023548211000048
であり、ここで
Figure 2023548211000049
はチャネル伝達関数である。
Figure 2023548211000050
の大きさは、式(12)において与えられたマッチングに依存し、つまりミスマッチが多くなればなるほど自己干渉は大きくなる。
B.遅延ドップラーチャネル推定。推定チャネルは、DD領域内の送信機により送信されたパイロットによって推定される。
Figure 2023548211000051
はガードエリアの4分の1に適用され、ここですべての
Figure 2023548211000052
について[20]によりチャネルインパルス応答(CIR)が得られる:
Figure 2023548211000053
図5によれば、黒い破線の枠内においてチャネル推定に使用されるシンボルが強調されている。残りのガードシンボル(黒い破線の枠外)は、パイロットシンボルとデータシンボルとの間の干渉を避けるために使用される。
C.時間周波数等化。適度な複雑さで十分な性能を達成するために、モビリティモードを使用することを提案する。適切なモビリティモードは、粗いレベルで自己干渉を制御する。これに加えてMMSE等化器が、残留自己干渉電力を考慮するように調整される。受信したフレーム(14)が、推定されたチャネル(17)を用いMMSE等化により等化される:
Figure 2023548211000054
ここでσ2はノイズ分散である。かくして平均自己干渉電力Iが推定され、これには平均化された自己干渉の電力と受信機におけるチャネル推定の誤差とが含まれる。MMSE等化器を対応するチャネル認識に合わせて瞬時に調整するために、フレームごとにパイロットシンボルおよびガードシンボルから(
Figure 2023548211000055
にわたる)経験的平均としてIを推定することによって、これを近似することができる。所与のIについて、DD領域における等化されたシンボルは、
Figure 2023548211000056
によって与えられる。このようにした場合、直観的なアプローチは、[14]で提案されているように、送信された(受信機において既知であることが前提とされた)等化されたパイロットシンボルとガードシンボルすなわち
Figure 2023548211000057
との間の所与の誤差メトリックd(・,・)を最小化することである:
Figure 2023548211000058
誤差メトリック
Figure 2023548211000059
として
Figure 2023548211000060
が、[14]におけるように有限グリッド上で使用される。その後、最終的に各フレームは、その個々の
Figure 2023548211000061
を用いて等化される。
IV.モビリティモード。このセクションでは、グリッドおよびパルスのミスマッチによって引き起こされる自己干渉を低減するモビリティモードについて紹介する。種々のチャネル条件すなわち特有の遅延拡散およびドップラー拡散に対処するにあたり、7つの異なるモビリティモードについて検討する。モビリティモードを、チャネルの長期期待値によって定義することができる。ここで提案するモビリティモードは、式(12)における等化から僅かに逸脱させること、つまりは自己干渉の影響を低減することを目的としている。この場合には式(20)において残留自己干渉電力が推定され、線形等化のために使用される。
表I
Figure 2023548211000062
表Iは、モビリティモードI~VIIを表している。時間における分解能(N個のシンボル)が高くなればなるほど、周波数領域における分解能(M個のサブキャリア)が低くなり、その逆も同様である。モードIは、時間分解能と周波数分解能とが等しい事例を表している。したがって各モビリティモードは、冒頭で説明した手順に従いスクイージングおよび直交化することによって達成される、モード固有のパルス形状を有する。ここでは、送信機と受信機とが同じモードを使用することを前提とする。チャネルの二次統計に依存して、適切なモードを選択することができる。適切なモードの選択はこれからの課題とする。
V.数値結果。このセクションでは、グリッドおよびパルスのマッチングのために特有のモビリティモードを使用するアプローチについて数値分析する。
表II
Figure 2023548211000063
表IIは、数値結果を取得するために使用されるパラメータの概要である。サイクリックプレフィックス(CP)方式のOFDMの事例では、チャネル推定のために正則化された最小二乗法が次に行われ、ゼロフォーシング等化[22]が使用される。OTFSモードI(表I参照)と同じTFグリッドを用いて、1つのOFDMコンフィギュレーションについて研究した。このOFDMコンフィギュレーションは、矩形パルスがCPを含む802.11p標準に近い。符号化されたBER曲線が、すべてのモードについて種々の通信シナリオに対して表されており、ここではγ=0.5の符号率を有する畳み込み符号が使用される。
Figure 2023548211000064
Figure 2023548211000065
表IIIには、すべてのモードと、10-2および10-3の目標BERに到達するのに必要とされる対応する信号対ノイズ比(SNR)とが列挙されている。モードごとに到達する最小BERが列挙されている。図6a~6cには、特有のV2Xシナリオおよび種々のモビリティモードに対するBERが示されている。V2IシナリオおよびV2Vシナリオのために3GPP 38.901チャネルモデルおよびQuaDRIGa UD2Dチャネルモデルを用いたQuaDRIGaチャネルシミュレータ[16]が、それぞれ使用されている。畳み込み符号化は、r=0.5の符号率を使用している。図6aおよび図6bには、視線(LOS)条件および厳密な非視線(NLOS)条件の下での、車両対インフラストラクチャ(V2I)シナリオに関するBERが、それぞれ示されている。V2Xシナリオ各々は、特有のDD拡散によって特徴づけられている。したがって事例ごとに異なるモビリティモードが適切であり、つまりLOSではモードIまたはIIが、NLOSではモードVIまたはIVが適切である。図6cには、車車間(V2V)シナリオがΔν=160km/hの相対速度で表されている。ここではモードIの性能が他のモードを凌いでいる。一般に、OTFSがすべてのシナリオにおいて適切なモビリティモードを用いることでOFDMよりも優れている、ということを認めることができる。
VI.結論。線形等化を実現するために、パルス状OTFS変調に関してモビリティモードについて紹介してきた。パルスおよびグリッドのマッチングのために適切なモビリティモードを選択することにより、二重分散チャネルに内在する自己干渉が減少し、ひいてはBERも減少する。モビリティモードの導入によって、完全なねじれた畳み込みを扱う代わりに、調整された2D逆畳み込みを実装する低複雑度の等化器のシステム性能を改善できる、と結論づけることができる。残留干渉レベルに対し等化器を調整することによって、モビリティモードのさらなる利得がもたらされる、ということを指摘しておく。V2Xシナリオごとに、ある1つの特有のモビリティモードの性能が他のモビリティモードを凌いでおり、その効果はいっそう正確なチャネル知識によって向上する。すべてのシナリオにおいて、少なくとも1つのOTFSモードの性能がCP方式のOFDMを凌いでいる。適切なモビリティモードの選択の重要性が示されている。
実施例をさらにコンピュータプログラムとすることができ、または実施例をコンピュータプログラムに関するものとすることができ、このコンピュータプログラムは、コンピュータまたはプロセッサにおいてこのコンピュータプログラムが実行されると、上述の方法のうち1つまたは複数の方法を実施するためのプログラムコードを有する。これまで説明してきた様々な方法のステップ、オペレーションまたはプロセスを、プログラミングされたコンピュータまたはプロセッサによって実施することができる。実施例は、ディジタルデータストレージ媒体のようなプログラムストレージデバイスをカバーすることもでき、このプログラムストレージデバイスは、機械可読、プロセッサ可読またはコンピュータ可読であり、機械で実行可能な、プロセッサで実行可能な、またはコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化する。これらの命令は、これまで述べてきた方法の動作のうちの一部または全部を実施するまたは実行させる。プログラムストレージデバイスはたとえば、ディジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハードディスクドライブ、または光学的に読み取り可能なディジタルデータストレージ媒体を含むことができ、あるいはプログラムストレージデバイスをたとえばこのようなものとすることができる。さらなる実施例は、これまで述べてきた方法の動作を実施するようにプログラミングされたコンピュータ、プロセッサまたは制御ユニットもカバーすることができ、あるいはこれまで述べてきた方法の動作を実施するようにプログラミングされた(フィールド)プログラマブルロジックアレイ((F)PLA)または(フィールド)プログラマブルゲートアレイ((F)PGA)もカバーすることができる。
明細書および図面は、本開示の基本原理を例示したものにすぎない。さらに、本明細書で列挙したすべての実施例は主として、本開示の基本原理および技術促進のために発明者が寄与したコンセプトを、読み手が理解しやすくするための例示目的にすぎないものであることが明確に意図されている。本開示の基本原理、態様および実施例ならびにそれらの具体例を列挙した本明細書のすべての記載は、それらの等価物を包含することが意図されている。
特定の機能を実施する「ための手段」と称された機能ブロックは、特定の機能を実施するように構成された回路のことを指すことができる。したがって「何かのための手段」を、個々のタスクのためにコンフィギュレーションされた、または個々のタスクに適したデバイスまたは回路など、「何かのために構成されたまたは何かに適した手段」として実装することができる。
「手段」、「信号を供給する手段」、「信号を生成する手段」などの名称が付された任意の機能ブロックを含む、図面に示されている様々な要素の機能を、「信号供給装置」、「信号処理ユニット」、「プロセッサ」、「コントローラ」などのような専用ハードウェアの形態で実装することができ、同様に適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアの形態で実装することができる。プロセッサによって提供される場合には、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または一部またはすべてを共有可能な複数の個々のプロセッサによって、機能を提供することができる。ただし、用語「プロセッサ」または「コントローラ」は、もっぱらソフトウェアを実行可能なハードウェアにまったく限定されてしまうものではなく、ディジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納するためのリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを含むことができる。その他のハードウェア、従来型および/またはカスタム仕様、も含めることができる。
ブロック図はたとえば、本開示の基本原理を実装する高水準回路図を示すことができる。同様に、フローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどは、様々なプロセス、オペレーションまたはステップを表現することができ、たとえばこれらをコンピュータ可読媒体において実質的に表現することができ、つまりはコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているにせよ示されていないにせよ、かかるコンピュータまたはプロセッサによって実行することができる。本明細書または請求項において開示された方法を、それらの方法の個々の動作各々を実施するための手段を有するデバイスによって実装することができる。
さらに理解されたいのは、本明細書または請求項に開示されている複数の動作、プロセス、オペレーション、ステップまたは機能の開示を、たとえば技術的な理由から明示的または暗黙的に別途記載されていない限りは、特定の順序でなければならないと解釈してはならない、ということである。よって、複数の動作または機能の開示は、かかる動作または機能を技術的な理由から入れ替えられない場合を除き、それらを特定の順序に限定するものではない。さらにいくつかの実施例において、単一の動作、機能、プロセス、オペレーションまたはステップはそれぞれ、複数のサブ動作、サブ機能、サブプロセス、サブオペレーションまたはサブステップを含むことができ、あるいはそれらに分解され得る。明示的に排除されていない限り、かかるサブ動作を含めることができ、それらを上述の単一の動作の開示の一部とすることができる。
さらに、以下の請求項はここで詳細な説明に組み込まれるものとし、この場合、各請求項は1つの別個の実施例として自立し得るものである。各請求項が1つの別個の実施例として自立し得るのに対し、ある従属請求項が請求項において1つまたは複数の他の請求項との特定の組み合わせを指す可能性があるにもかかわらず、他の実施例は、その従属請求項とさらに別の各従属請求項または独立請求項の保護対象との組み合わせを含むこともできる、ということに留意されたい。かかる組み合わせは、ある特定の組み合わせを意図していないことが明記されていない限り、本明細書において明示的に提案されるものである。さらに、ある請求項が直接的に他の任意の独立請求項にたとえ従属させられていなくても、その独立請求項に対するその請求項の特徴も含まれることが意図されている。
10 移動通信システムのトランシーバのために遅延ドップラー分解能DDRを決定する方法
12 トランシーバの特性に関する情報を求めるステップ
14 トランシーバの特性に関する情報に基づきデータベースからDDRを選択するステップ
20 装置
22 トランシーバモジュール/インタフェース
24 処理モジュール
24a スケジューラ/リソース割り当てモジュール
24b DDR選択モジュール
26 データベース
100 トランシーバ
200 トランシーバ/基地局
300 通信システム

Claims (15)

  1. 移動通信システム(300)のトランシーバ(100)のために遅延ドップラー分解能DDRを決定する方法(10)であって、当該方法(10)は、
    前記トランシーバ(100)の特性に関する情報を求めるステップ(12)と、
    前記トランシーバ(100)の特性に関する前記情報に基づきデータベース(26)から前記DDRを選択するステップ(14)と、
    前記移動通信システム(300)における前記トランシーバ(100)との無線通信のために前記DDRを使用するステップ(16)と
    を含む、方法(10)。
  2. 前記無線通信の通信性能に関する情報を求めるステップをさらに含む、請求項1記載の方法(10)。
  3. 無線性能に基づき前記DDRを改善するステップと、前記データベース(26)を更新するステップとをさらに含む、請求項2記載の方法(10)。
  4. 前記無線性能に基づき前記DDRを改善するために人工知能を使用するステップをさらに含む、請求項3記載の方法(10)。
  5. 前記通信性能に関する前記情報は、無線リンク上のサービス品質に関する情報を含む、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法(10)。
  6. 通信性能に関する前記情報は、前記DDRについての前記無線リンク上のダイバーシティ利得に関する情報を含む、請求項2から5までのいずれか1項記載の方法(10)。
  7. 前記無線通信は、直交時間周波数空間OTFS多重化を使用する、請求項2から6までのいずれか1項記載の方法(10)。
  8. 前記特性に関する前記情報は、前記トランシーバ(100)の速度に関する情報を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法(10)。
  9. 前記特性に関する前記情報は、前記トランシーバ(100)の地理的ポジションに関する情報を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法(10)。
  10. 前記特性に関する前記情報は、前記トランシーバ(100)の予測軌跡に関する情報を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法(10)。
  11. 前記特性に関する前記情報は、前記トランシーバ(100)の送信機設定および/または受信機設定に関する情報を含む、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法(10)。
  12. 前記トランシーバ(100)に対し時間リソースおよび周波数リソースをスケジューリングするステップをさらに含み、前記選択するステップ(14)は、前記時間リソースおよび前記周波数リソースに基づき前記DDRを選択するステップをさらに含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法(10)。
  13. 前記トランシーバ(100)からユーザデータを受信するステップをさらに含み、該ユーザデータは前記特性に関する前記情報を少なくとも部分的に含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法(10)。
  14. コンピュータ、プロセッサまたはプログラミング可能なハードウェア構成部品においてコンピュータプログラムが実行されると、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法(10)のうち少なくとも1つの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
  15. 移動通信システム(300)のトランシーバ(100)のために遅延ドップラー分解能DDRを決定する装置(20)であって、当該装置(20)は、
    前記移動通信システム(300)において通信を行うためのトランシーバモジュール(22)と、
    請求項1から13記載の方法(10)のうち少なくとも1つの方法を実施するように構成された処理モジュール(24)と
    を含む、装置(20)。
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