JP2023547390A - ペプチドベースのヘアトリートメント - Google Patents

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Abstract

処置は、髪の脱色を予防するのに適した、かつ、ペプチドX-(Xaa)n-P*P*-(Xaa)m-Z{式中、P*は、プロリン、その類似体又は誘導体に対応し;Xaaは、P*、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン及びフェニルアラニンから選択されるアミノ酸であり;nとmは、n+m≦8であり、0、1、2、3又は4に相当し;及びN末端では、Xは、H、-CO-R1、-SO2-R1又はビオチノイル基から選択され;C末端では、Zは、OH、OR1、NH2、NHR1又はNR1R2から選択され;R1とR2は、1~24個の炭素原子を有する、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、アルコキシ、サッカリド及びアリールオキシ基から互いに独立に選択される}を提供する、美容用の非治療的なものである。

Description

本発明は、哺乳動物、動物、又はヒトの(頭髪、髭、睫毛、及び眉毛を含めた)体毛や頭部の毛を含めた、ペプチドベースのヘアトリートメントに関する。それは、より具体的には、白髪(灰色化~白化)の処理、すなわち、髪の脱色に関連した処理に関する。それは、化粧品、衛生用品、パーソナルケア製品、及び皮膚薬剤産業に関係する。
髪の寿命は、髪が死ぬまで繰り返される3つの相による、いわゆる毛髪サイクルによりおこなわれる。よって、髪は、継続的に成長するわけではなく、連続サイクルで成長する。遺伝的にプログラムされた髪サイクル数は、生涯の間に合計で25~30である。
ヘアサイクルは、髪が毛包内部で強力に成長する時期である、成長期と呼ばれる相で始まる。それは平均2~5年続く。髪の85~90%は、通常、成長相にある。この相の間、毛包の下部末端に位置する毛球は再生され、次に、毛髪線維を生じさせる。これにより、髪は1カ月あたり約1cm伸びる。それは、((メラノサイトと角化細胞型の)毛幹細胞が見られる場所である)血管に接触した真皮乳頭と、毛隆起と呼ばれる鞘の膨らんだ部分との間の近接から生じる高度な増殖相である。毛髪線維の生成の起源は毛球において起こり、ケラチンの強力な産生と、髪の外部キューティクルとコルテックスを形成する角化細胞による。
この成長相の最後に、毛包は退行相と呼ばれる退縮相に入り、そして、合成を停止する。血管からの真皮乳頭の栄養が不足するため、線維はもう成長しない。この相は数週間だけ継続し、一時に髪の約2~3%に影響する。毛包は、引っ込み、そして徐々に退縮する。角化細胞型細胞とメラノサイトは次第に消失し、そして毛球は、自重崩壊し、その一方で、真皮乳頭を保持する。
開始時点で、真皮乳頭の立ち上がりは、隆起に向かう。これは、新しい成長相に先行する休止期と呼ばれる相である。頭皮上の髪の8~10%が一時に休止相に入る。若い人に関して、彼らは約6~7カ月にわたりこの相にあるが、年齢が上がるほどより長くなる。
このヘアサイクルは、相の持続期間は異なるが、体毛についても同様である。特に、成長相の持続期間は、体毛ではより短い。
髪の天然の着色は、2タイプのメラニン:ユーメラニン、黒褐色色素、及びフェオメラニン、赤黄色色素、の存在に関連している。これらの2種類の色素間のバランスが、観察される髪のすべての色合いを調整する。しかしながら、すべての臓器のように、髪は加齢し、そしてそれは、色素沈着の減少をもたらす。
メラニン合成の出発点は、両タイプのメラニンの起源である分子である、(その活性がドーパキノンを生じさせるチロシナーゼ(TYR)の初期基質である)L‐チロシンである。ユーメラニンは、TYRP1やTYRP2などの他の酵素の介入を伴ったいくつかの形質転換を経て合成される。フェオメラニンは、別の経路をとり、そして含硫アミノ酸であるL‐システインを使用する。特定のタンパク質もまた、この合成における決定的な役割を有する。先に触れた三種類の酵素に加えて、MITFタンパク質が、TYR及びTYRP1、そしてその結果としてメラニンの産生を引き起こす。また、MITF産生を引き起こすのに使用されるCREBタンパク質も存在する。
毛包におけるメラニン産生は、サイクル的であり、かつ、成長相だけで起こる。この産生はメラノサイトでおこなわれる。メラニンはメラノソーム内に貯蔵され、そして次に、これらのメラノソームは、樹状突起(触手の種類、メラノサイトの伸長)により周囲の角化細胞に分配される。その後、角化細胞はメラノソームを貪食するので、食作用が活性であるほど、髪の色素沈着がより良好になる。
灰色化又は白髪は、年齢に大いに関連している。白髪早成の促進において、遺伝因子、並びに最も広い意味での環境要因もまた言及されることが多い。
グレーヘアでは、線維の色素沈着における漸減が存在する。灰色化が年齢及び酸化ストレスの影響下におけるグレーヘアの毛球における活性メラノサイトの大幅な減少が多かれ少なかれ関連するという事実を中心に特定のコンセンサスが存在している。これは、メラニンとメラノソームの産生低下、並びに樹状突起サイズの低下及び角化細胞へのメラノソームの移動の減少につながる。より低いチロシナーゼ活性もまた存在するので、メラノサイトは、より大きな細胞質空胞化を示し、そして酸化ストレスを示す。白髪では、毛球にメラノサイトが存在せず、実際に後者が新しいヘアサイクル中に遊走ができない状態になる。生涯を通じて髪において非常に活性であるメラニン形成は、H(過酸化水素)を含めた多くのラジカルや酸化種を生じさせ、そしてそれは、数カ月及び数年にわたり、累積酸化損傷をメラノサイトに引き起こす。よって、グレー毛包は、より多くのミトコンドリアDNA損傷と、より多くのアポトーシスに顕著に関連している。BCL‐2タンパク質は、抗酸化剤の役割を有し、そしてアポトーシスによる死滅からメラノサイトを保護する。それは灰色化を制限する。
年齢により、細胞の抗酸化剤防御は低下し、特に、酸素と水へのHの解毒作用に関与するカタラーゼが産生、並びにグルタチオン産生が低減される。これは、毛包に対する細胞傷害性の意味を有するので、灰色化を加速する。
灰色化を矯正するために、女性は、長期間良好に保持されるが、感作され得る化学固定液を使用することが多い合成染毛剤を使用することが多い。しかしながら、このプロセスは、男性の文化にはない。
そのため、特に合成着色料を使用する必要を回避する又は遅らせるために、髪の脱色を遅らせ、かつ、それらの再色素沈着もまた促進する生物活性化合物に対して真の必要性が存在している。
この目的に対して、出願人は、髪の脱色を予防するのに適している美容用の非治療的ヘアトリートメントのための、少なくとも1つの、以下の式1:
X-(Xaa)-P-(Xaa)-Z
{式中、
‐Pは、プロリン、その類似体又は誘導体に対応し;
‐Xaaは、P、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン及びフェニルアラニン、類似体、並びに誘導体から選択されるアミノ酸であり、該Xaaは、互いに独立に選択され;
‐nとmは、n+m≦8であり、0、1、2、3又は4に相当する、互いに独立に選択される整数であり;及び
‐N末端では、Xは、H、-CO-R、-SO-R又はビオチノイル基から選択され;
‐C末端では、Zは、OH、OR、NH、NHR又はNRから選択され;
‐RとRは、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、アルコキシ、サッカリド及びアリールオキシ基から互いに独立に選択され、そしてそれらは、直鎖又は分岐、環式、多環式、不飽和、ヒドロキシル化、カルボニル化、リン酸化及び/又は硫化(sulfured)であり得、前記基は、1~24個の炭素原子を有し、任意選択で(optionaly)その骨格内に1若しくは複数のO、S及び/又はNヘテロ原子を有する}のペプチドの使用を提供する。
以下に示すインビトロ及びインビボにおける試験に関する詳述では、本発明によるペプチドは、それがメラニンを産生し続けて、最適にそれを移動させ、それにより髪の脱色とグレーヘアの外観を予防するように、それを強化し、かつ、作動できる状態でそれを維持して、それが分解するのを予防するために、特に毛包のレベルで、アンチエイジング効果を特徴とし、毛髪システムの一般的な機能を改善すること目的とする、長期作用を提供することを示す。
本発明によるペプチドは、毛包に存在するメラノサイトに対して抗酸化効果を示す、及び/又は樹状突起(dentrites)による角化細胞へのメラニンの移動を促進する。
試験はまた、さらに、この第二の場合(持続的な効果)において長期間延長された効果を伴う、インビトロにおいて、とりわけインビボにおいて、色素沈着刺激に対する相補的かつ有利な作用を示す。
そのため、本発明によるペプチドは、この状態を顕著にかつ永久的に改善することによってグレーヘアに関する一般的な問題に対応するのに特に有利である。
予防的(特にそれを延長(posponing)することによって、脱色を予防)及び治癒的(再色素沈着)の両方の、この二重レベルの作用は、特に有利である。
本発明による式1では、Pはプロリン、その誘導体又は類似体に対応する。よって、本発明は、以下の:
1) 異なったサイズ(例えば、4又は6つの結合)の環由来の;
2) 環の窒素に関して酸官能基(COOH)の相対位置(α又はβ)の修飾から生じる;
3) そのサイズ及び/又は極性を修飾する環上の基Rによる置換から生じる;
4) 先の項目の組み合わせから生じる、
プロリンの誘導体又は類似体を網羅する。
それらは、以下の一般式1:
によって表される。
この式1では、R基は任意の位置に存在し、かつ、COOHはα又はβ位に存在し得る。
本発明は、好ましくはプロリン(5原子環かつαにCOOH)などの環に窒素を担持する、以下の表1に提示された類似化合物を提供する:
表1:
R基によるプロリンの置換から生じる他の化合物もまた可能である。非限定的な例を、以下の表2に示す。
表2:
プロリンはまた、以下の表3に示す例として6員環を有する置換類似体によって置き換えることもできる:
表3:
本発明の他の好ましい特徴によると:
‐ペプチドは、そのN末端及び/又はC末端(X=HかつZ=OHの場合は除外)で修飾されるが、しかし好ましくはペプチドは、そのN末端だけで修飾される。N及び/又はC末端におけるペプチドの誘導体化は、特に皮膚への浸透を改善することによって、ペプチドの生物学的利用能を改善することを意図する。この効果はまた、例えば(単数若しくは複数の)ペプチドのカプセル封入を介した、ベクター化によっても得られる。
‐R及び/又はRは、1~24個の炭素原子のアルキル鎖、好ましくは3~24個の炭素原子の親油性アルキル鎖であり;及び/又は
‐Xはアシル基CO‐Rであり、かつ、Zは、OH、OMe、OEt及びNH、好ましくはOH;から選択され;Xは、好ましくはオクタノイル(C8)、デカノイル(C10)、ラウロイル(C12)、ミリストイル(C14)、パルミトイル(C16)、ステアロイル(C18)、ビオチノイル、エライドイル、オレオイル及びリポイルから選択され;より好ましくはラウロイル(C12)、ミリストイル(C14)及びパルミトイル(C16)から選択され;及び/又は
‐ZはOHであり、かつ、Xは、パルミトイル(C16)、ミリストイル(C14)及びラウロイル(C12)から選択され;より好ましくはパルミトイル(C16)である。
特定の酸のN又はC末端誘導体、例えばアスコルビン酸、レチノイン酸、ケイ皮酸、オレアノール酸、ヒアルロン酸、ニコチン酸、リポ酸、没食子酸又はパントテン酸の誘導体など、に含まれるペプチドが、本発明によって包含される。
式1に示すとおり、本発明による活性ペプチド配列Pは、そのいずれかの側鎖に(疎水性アミノ酸である)追加のアミノ酸Xaaを有するペプチドの一部であり得る。好ましくは、(単数若しくは複数の)これらのXaaは、P、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン、好ましくはP、グリシン及びアラニン、より好ましくはプロリン、グリシン及びアラニンから選択される。
本発明による好ましいペプチドは、n及びmが0に相当する、X-P-Zペプチド、より好ましくはX-PP-Zペプチドである。
本発明による特に好ましいペプチドは、以下でPal-PP-OHと呼ばれる、パルミトイル-PP-OHである。
本発明によるペプチドは、光学的に純粋であっても、或いはL若しくはD異性体又はその混合物から成ってもよい。天然のものであるL異性体が好まれ得る。
本発明はまた、アミノ酸Xaaの誘導体(1若しくは複数のアミノ酸に対する化学機能の修飾及び/又は付加を伴うが、炭素骨格の変化がない)及び類似体(1若しくは複数のアミノ酸に対する化学機能の修飾及び/又は付加を伴うが、付加の際に炭素骨格における変化を伴う)、並びに金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムなど)などの他の種との複合体も網羅する。
ペプチドは、必要に応じて、塩の形態で、特に塩酸塩又は酢酸塩で、使用され得る。
本発明はまた、少なくとも1つの本発明によるペプチド及び生理学的に許容される培地を含む、特に局所的な、組成物も提供する。生理学的に許容される培地及び(単数若しくは複数の)ペプチドの濃度に依存して、この組成物は、消費者向けの最終的な組成物に加えることを意図した濃縮活性成分を構成し得るか、又は((単数若しくは複数の)ペプチドがそれほど濃縮されていない)前記の最終的な組成物を直接構成し得る。
本発明による組成物では、少なくとも1つのペプチドは、組成物の総重量に対して10-7%~20%の範囲に及ぶ、好ましくは10-6%~10%の範囲に及ぶ、より好ましくは組成物の総重量に対して重量で10-5%~5%に及ぶ、その目的に依存してより高いか又はより低い濃度にて存在し得る。
例えば、本発明による処理のための活性成分を形成する組成物では、少なくとも1つのペプチドは、通常、100ppm~20,000ppmの範囲に及ぶ、好ましくは500ppm~15,000ppmの範囲に及ぶ、より好ましくは1000ppm~10,000ppmの範囲に及ぶ高濃縮にて存在する。次に、この構成要素は、通常、最終的な局所製剤中に0.01~10%、好ましくは1~5%処方される。
本発明によるいくつかのペプチドが本発明による組成物中に存在するとき、それらは、様々な相対比率で、等量で、又はそれどころか様々な比率で存在し得る。
本願で使用されるすべてのパーセンテージや比は、組成物全体の重量に対して表され、そしてすべての測定値は、別段の指定がない限り、25℃にてもたらされる。
「生理学的に許容される培地」とは、本発明により、制限されることなく、水性若しくは水アルコール溶液、油中水型乳剤、水中油型乳剤、マイクロエマルジョン、水性ゲル、無水ゲル、美容液、ベシクル分散液、又は粉末を意味する。
「生理学的に許容される」とは、組成物が、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答、及びその他のリスクなしに皮膚に摂取又は注入される組成物の、哺乳動物、より具体的にはヒトの、粘膜、爪、頭皮、髪、体毛及び皮膚に接触した状態で、局所又は経皮的な使用に好適であることを意味する。この「生理学的に許容される培地」は、組成物の賦形剤と慣習的に呼ばれるものを形成する。
本発明による(単数若しくは複数の)ペプチドは、意図される適用によって、任意選択で可溶化剤を用いて、親油性又は親水性マトリックスで可溶化される。
本発明による処理における(単数若しくは複数の)ペプチドは、例えば以下の剤:整髪剤、保湿剤、抗酸化剤、抗脱毛剤、フケ防止剤、皮膚菌叢復元剤、髪のキューティクルに作用する剤、髪の柔軟性及び絹のような外観に作用する剤など、相乗的に作用し得る有効濃度にて、又は本発明に関して記載した所望の効果を達成するための強化状態で、他の活性成分と組み合わせられ得る。これらの活性成分は、植物抽出物又はインビトロにおける植物培養若しくは発酵の生成物などの植物材料から得られる。
より具体的には、(単数若しくは複数の)ペプチドは、以下の化合物から選択される化合物のうちの少なくとも1つと組み合わせられる:
‐抗真菌剤として作用するフケ防止活性剤:Zinc Pyrithione、Ketoconazole、Climbazole、Piroctone Olamine、Seleniumジスルフィド又はAPISCALP(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐フケ状態に関与する酵母の(マラセジア(Malassezia)属の)発生を低減又は阻害し、かつ、皮膚バリアに対して好意的に作用する活性剤、例えばPal‐KTTKSペプチド(配列番号1)又はPal‐KTSKS(配列番号2)など;及び/又は
‐保湿活性剤、例えばDuraQuench IQ(商標)(Croda)又はShea unsaponifiable(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐皮膚微生物叢を再バランス化する活性剤、例えば活性HAIRSPA(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐整髪活性剤、例えば活性成分PACIFEEL(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐脱毛を予防し、かつ、発毛を刺激する活性剤、例えばCAPIGENE(商標)、CAPILECTINE(商標)、PROCAPIL(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐傷んだ髪の構造を強化する活性剤、例えばCERAMIDE A2(商標)、CERAMIDE HO3(商標)、HELIOGENOL(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐髪を滑らかにする活性剤、例えばFRUIT BIO(商標)(Sederma)など;及び/又は
‐UV及びIR放射から髪や体毛を保護する活性剤、例えばVENUCEANE(商標)など。
本発明による少なくとも1つのペプチドは、例えばカプセル、スフィア、リポソーム、オレオソーム、キロミクロン、スポンジなどの、マクロ粒子、マイクロ粒子又はナノ粒子にマイクロ若しくはナノ乳濁液の形態で、結合させる、取り込ませる、又は吸着させることによって、或いは例えば、粉状有機ポリマーであるタルク、ベントナイト、胞子若しくはエキシン、及び他の無機又は有機支持体に吸着させて、ベクター化された形態で使用されてもよい。
ヘアケア製剤は、ヘアコンディショニング、縮毛矯正製剤、縮毛矯正及び補修製品、パーマ、ヘアシャンプー、プレシャンプーコンディショナ、アフターケアシャンプー、ローション、リーブオンシャンプー、スタイリング製品、リーブインヘア製品、無水製品、乳濁液、ツー‐イン‐ワン発泡乳濁液、クリーム、マスク、エアゾール又はノンエアゾールフォーム、スプレー可能乳濁液、乳化剤不含製品、水性又は油性スプレー、美容液、ゲル、刺激の少ない硫酸不含製剤、シリコーン不含製剤、染料を含んだ製品、着色化粧品、染色製品、及びシャワー製品を含めた様々な形態を有し得る。
本発明による少なくとも1つのペプチドを含むこれらのヘアケア製剤は、当業者に知られている他の様々な構成要素、例えば、かつ、網羅的ではなく、洗浄剤、皮膚用の再活性化剤、スタイリング剤、フケ防止剤、金属イオン封鎖剤又は錯化剤(EDTA及びその塩)、安定化剤、真珠光沢及び乳白剤、可塑剤又は合体剤、ゲル化剤、皮膚軟化剤、酸性化又はアルカリ化剤、発毛促進剤、脱毛予防剤、精油、ポリマー、タンパク質又は誘導体化タンパク質、シリコーン、日焼け止め化合物(フイルター)、色素、保湿剤、抗酸化剤、共乳化剤、被膜剤、α‐ヒドロキシ酸、染髪剤、浄化剤、増粘剤、被覆剤(sheathing agents)、質感改良剤(texturizing agents)、防腐剤、保存料又は界面活性剤、を含み得る。
これらの製剤は、当業者に知られている方法によって調製される。製剤のためのビヒクル又は担体賦形剤は、処方の最終的な目的地によって、水、オイル、又は粉末であり得る:例えば、シャンプーであれば、それは水であり得;他の製剤において、オイルが好まれ;例えば、植物油(ココナッツ、アルガン、ホホバ、オリーブ、ヒマワリなど)、鉱油、動物油又は合成油などである。例えば、C12‐15アルキルベンゾアートなどの合成エステルもまた、賦形剤として使用され得る。液状脂肪アルコール、液状脂肪酸エステル、固形脂肪性物質、特にワックス、固形脂肪酸エステル及び固形アルコールもまた支持体として使用され得る。
よって、本発明は、髪の全般的状態を改善するため、及びそれらの欠点を処置するための非治療的な美容処置のために、先に定義される、本発明による少なくとも1つのペプチド又はそれを含む組成物の使用を提供する。その処置は、それを必要としている髪に対して本発明による少なくとも1つのペプチドの有効量を適用することから成る。
好ましくは本発明による処置は局所的である。
本発明は、髪の外観と全般的な状態を維持及び改善するため、特に白髪を予防するための、美容用の非治療的局所処置方法であって、それを必要としている対象の髪に対して、有効量の本発明によるペプチド若しくはペプチドの混合物、又は前記のペプチド若しくはペプチドの混合物を含む本発明による組成物を局所適用することを含む方法を網羅し、該ペプチドは、先に定義されるとおりである。処置は、(頭髪、髭、睫毛、及び眉毛を含めた)体毛と頭部の毛を含むすべての種類の髪に向けられる。
「非治療的な美容処置」とは、それを美化すること又は(予防手段として)美的障害を回避することを目的とした、(病理学的な状態とは対照的な)健康的な状態にある髪を対象とする処置を意味する。
「局所的処置」又は「局所的使用」とは、それが適用される場所、作用することが意図される適用を意味する。
ペプチド又は本発明による組成物は、標的領域に局所的に適用され得る。
「有効」量とは、いくつかの要因、例えば患者の年齢、状態、障害の重症度、それがどのように投与されるかなど、に依存する。有効量は、所望の効果を発揮するのに十分な非毒性量を意味する。
例えば、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも12週間の頭皮用美容ヘアトリートメントが推奨される。これは、1週間に少なくとも3回の処置の形態でおこなわれることができ、各時点で、5mlのシャンプーの用量を、次に、シャンプー後に5mlのリーブオンローションを適用するが、それぞれの製品中に1.5%の本発明による活性成分が(以下のガレニック製剤の項の処方に従って)6000ppmのペプチドで投与される。
他の特徴によると、本発明による美容処置方法は、例えば、光線療法、熱又はアロマテラピーによる処置などの髪を標的とする1若しくは複数の他の処置方法と組み合わせられ得る。
本発明によると、先に記載した方法の実施を意図するいくつかのコンパートメントを有するデバイス又はキットを提供することが可能であり、それは、例として、かつ、これだけに限定されるものではないが、第一のコンパートメントに本発明の少なくとも1つのペプチドを含有する組成物を、そして、第二のコンパートメントに追加の賦形剤及び/又は活性剤を含むことができる、ここで、前記の第一及び第二のコンパートメントに含まれる組成物は、特に先に定義される処置のうちの1つにおいて、同時の、別個の又は時間的に別々の使用のための組み合わせ組成物が考慮される。
更なる要旨によると、本発明は、髪の全般的な状態を予防及び/又は改善するための美容用組成物の調製における活性成分として本発明による少なくとも1つのペプチドの使用を提供する。
詳細な説明
本発明は、以下の実施形態の説明、インビトロ評価、インビボ評価、及び本発明を実施するための毛髪製剤の観点からより良く理解される。
A‐本発明によるペプチド合成に関する実施例:Pal-PP-OH
Pal-PP-OHペプチドをペプチド合成によって調製する。N‐保護プロリンを、その末端酸性官能基を介して樹脂に取り付ける。アミン官能基を脱保護し、次に、プロリン‐樹脂を、カップリング試薬(例えばDCC(ジクリクロヘキシルカルボジイミド)/NHS(N‐ヒドロキシスクシンイミド)又はHBTU(2‐(1H‐ベンゾトリアゾール)‐1‐イル)‐1,1,3,3‐テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)/HOBT(1‐ヒドロキシ‐ベンゾトリアゾール)の存在下でプロリン誘導体と反応させ、次に、同じ脱保護とカップリング作業をパルミチン酸つついて繰り返す。次に、ペプチドを、酸性溶媒中で樹脂から切り離し、そして、沈殿、洗浄及び乾燥後に、固体形態で生成物パルミトイル‐プロリル‐プロリンを得る。
本発明によるペプチドはまた、少なくとも部分的にそれを産生できる微生物によって、生物工学経路によって調製することもできる。
B‐(実施例Aからの)ジペプチドPal-PP-OHを含む本本発明による組成物の調製に関する実施例
出発物質:
‐先に説明した合成方法によって合成した、純粋なペプチド;
‐賦形剤:水、グリセリン、30%のNaOH、オルトリン酸
手順:選択した量のペプチドをアルカリ性のpHにて水で溶解する。ペプチドが可溶化した時点で、pHを6に下げ、そして、ギセリンを加えた。
この具体例では、0.6%のPal‐PPペプチドを、賦形剤と混合して、以下の投薬パートD)で使用する活性成分を形成する。
C‐インビトロにおける評価
本発明によるペプチドは、以下で記載した注目すべき効果を示す。先のA)に従って調製したペプチドを、あらかじめ、細胞培養に好適な溶媒であるDMSOで溶解する。次に、DMSO中のペプチドの溶液を、培養培地に加える。試験した培地中の最終的なDMSO濃度は0.1%である。
1‐本発明による髪に対するペプチドのアンチエイジング効果‐酸化ストレスに対して保護効果
髪の灰色化に対処するためには、角化細胞におけるメラニン産生と色素拡散を刺激することを必要とするだけではなく、年齢(内因性老化又は実際の老化)、環境要因に関連した早期老化(外因性老化)とメラニン産生自体によって誘発される損害からメラノサイトを保護することもまた有利である。実際に、メラニン産生は、酸化ラジカル種(ROS)を作り出し、そしてそれが、ROSの産生につながる年齢の効果に加えられる。主要なラジカル種はHであり、そしてそれは、細胞中に拡散され、そして(細胞を弱体化させ、及び質的にも量的にもその産生を低減させる)細胞の不可欠な成分と反応し得る。これを制御するために、細胞は、Hを酸素と水に解毒するカタラーゼや、GSH‐ペルオキシダーゼを介してHのHOへの解毒作用にもかかわる小型ペプチドであるグルタチオンを含めた酸化に対する防御の備えを有する。グルタチオンの還元形(GSH)は、この酵素が解毒過程を再開するために再生することを可能にしている。
この抗酸化剤防御では、酸化ストレスに対する細胞の防御タンパク質をコードするBCL‐2遺伝子の発現もまた決定的である。
1.1‐ROS量の低減
プロトコル:
ほとんど集密状態の正常ヒトメラノサイト(NHM)を、24時間にわたり本発明によるペプチドと接触させる。この接触の最後に、細胞を、これらの細胞内に挿入されたDCFH‐DAプローブと接触させる。余分なプローブを取り除くためにすすいだ後に、細胞をHとの接触状態に置いて、酸化ストレスを模倣する。酸化ストレスのない事例もまた実施する。細胞内のプローブを用いたHの反応を、蛍光によって計測する。細胞の数の推定を、並行して実施して、結果を調整する。
結果:
表4:NHMにおけるROS量の変動;本発明の効果(n=3):
1.2‐NHMのカタラーゼ活性
プロトコル:
ほとんど集密状態のNHMを、24時間にわたり本発明によるペプチドと接触させる。この接触の最後に、細胞を破壊する。これらの細胞から抽出されたカタラーゼ活性を、レゾルフィン試薬を使用して計測する。後者を、細胞カタラーゼの作用後に反応ウェル内に残っているHと組み合わせる。ビシンコニン酸(BCA)法を使用したタンパク質分析を使用して、細胞数量を推定して、得られたデータを均質化するために使用する。
結果:
表5:NHMにおけるカタラーゼ活性の変動、本発明のペプチドの効果(n=3):
1.3‐NHMのグルタチオンの減少
プロトコル:
ほとんど集密状態のNHMを、24時間にわたり本発明によるペプチドと接触させる。この接触後に、細胞を、グルタチオンを保存する抽出バッファー中で粉砕する。GSHの量を、特異的蛍光プローブによって測定する。
結果:
表6:NHMにおける還元グルタチオン量の変動、本発明によるペプチドの効果(n=6):
1.4‐NHMのBCL‐2マーカー
プロトコル:
NHMを培養し、そして、本発明によるペプチド又はその溶媒と接触させる。72時間の接触の最後に、メラノサイトを破砕し、そして、mRNAを回収し、BCL‐2のmRNAの発現レベルの変化を評価するためのqRTPCRによって分析されるcDNAに変換した。
結果:
表7:NHMにおけるBCL‐2遺伝子の発現の変動、本発明によるペプチドの効果(n=4):
これらの4セットの結果は、本発明によるペプチドがヒトメラニン細胞の抗酸化防御を刺激することを示す。カタラーゼ酵素は、用量依存的に+37%刺激された(対照に対してp<0.01)。並行して、本発明のペプチドは、還元グルタチオン産生を刺激し(+38%、対照に対してp<0.01)、及びBCL‐2タンパク質の遺伝子を+99%過剰発現した(対照に対してp<0.01)。同様に、本発明のペプチドは、酸化ストレスの間、細胞内過酸化物の産生を33%低減する(対照に対してp<0.01)。
2‐メラニン移動に対する本発明によるペプチドの効果
メラノソーム中のチロシナーゼによるメラニンの産生が第1ステップである。次に、後者は、メラノサイトの樹状突起を介してメラノサイトから角化細胞に移行されなければならない。樹状突起のサイズと色素性メラノソームの移動容量(食作用)もまた、良好なメラニン化の非常に重要なパラメーターである。
2.1‐樹状突起のレベル
プロトコル:
細胞を、48時間にわたり本発明によるペプチドと接触させる。次に、一度すすいだメラノサイト層を、抗体を使用して標識する。樹状突起によって占有された領域を、撮影した写真に対する画像解析によって得、パラメーターを相対樹状突起長/100細胞に変換する。同時に、細胞核を、Hoescht33258蛍光色素を使用して対比染色して、細胞数を推定し、そして、データを調整する。
結果:
表8:メラノサイト樹状突起の長さの変動、本発明によるペプチドの効果(n=3):
これらの結果は、NHMの樹状突起形成度に対する本発明によるペプチドの効果を示す。ペプチドは、メラノサイトと角化細胞との間の接触に必要なこれらの伸長の延長を刺激する。
2.2‐メラノソーム食作用のレベル
プロトコル:
正常ヒト角化細胞(NHK)を、播種し、集密細胞のマットを得るまで培養する。細胞を、24時間にわたり本発明によるペプチドと接触させ、そして、メラノサイトのメラノソームを模倣する蛍光マイクロビーズの溶液を3時間にわたり加える。ビーズは、角化細胞によって貪食され(摂取され)、すすいだ後に、画像解析によって定量化される。並行して、細胞核を、Hoescht33258蛍光色素を使用して対比染色して、細胞数を推定し、データを調整する。
結果:
表9:角化細胞によるマイクロビーズ食作用の変動、本発明によるペプチドの効果(n=3):
これらの結果は、メラノソームを模倣するマイクロビーズ食作用の刺激に対する本発明によるペプチドの効果を示す。この刺激は、用量依存的であり、そして対照(p<0.01)と比較して+283%に達する。
樹状突起形成度データにより、その結果として、本発明によるペプチドが、隣接する角化細胞へのメラニンを担持するメラノソームの移動を強力に促進することを確認する。
3‐メラニン形成に対する本発明によるペプチドの効果
3.1‐メラニン産生
プロトコル:
わずかに又は中程度にメラニンを産生する、正常皮膚メラノサイト(NHM)を使用する。これらの細胞を、培養し、10日間にわたり様々な濃度にて本発明によるペプチドと、又は等濃度でその溶媒(対照)と接触させる。培養培地を2~3日毎に交換する。この接触後に、細胞マットを、破砕し、そしてメラニンを細胞から抽出する。メラニン量を、メラニン溶液から以前に確立した標準範囲を使用して、490nmにて分光光度測定により評価する。ビシンコニン酸(BCA)法を使用したタンパク質分析を使用して、細胞数を推定して、得られたデータを均質化する。
結果:
表10:10日後の中程度(§)及び低(§§)色素性NHMにおけるメラニン産生の変動;本発明によるペプチドの効果;n=4:
これらの結果は、本発明によるペプチドが、細胞が中程度(§)又は低産生性(§§)クローンに由来するかに関係なく、培養中のヒトメラニン細胞におけるメラニン産生を刺激することを示す。この過剰産生は、細胞層の破砕前に撮影された写真において既に明確に視認できる。過剰産生は、用量依存的であり、そして10日後でさえ色素性が非常にわずかに維持される陰性対照で観察されたものと比較して、非常に有意である。
3.2‐チロシナーゼ活性
プロトコル:
それらのメラニン産生に関して2人の異なるドナーのメラノサイト(中程度と低い色素性)を用いて、上記と同じ培養及び接触プロトコルを使用する。
接触後に、チロシナーゼを、細胞から抽出し、そして37℃にて基質L‐DOPAを使用してドーパ‐オキシダーゼ活性を評価する。ドーパキノンの産生による吸収度を、490nmにて計測し、そしてあらかじめセットされた範囲を使用して、活性ユニットに変換する。ビシンコニン酸(BCA)方法を使用したタンパク質分析を使用して、細胞数を推定し、これにより得られたデータを均質化する。
結果:
表11:10日後の中程度(§)及び低(§§)色素性NHMにおけるチロシナーゼ活性の変動;本発明によるペプチドの効果;n=4:
これらの結果は、本発明によるペプチドが、細胞が低又は中程度の産生性クローンに由来するかに関係なく、用量依存的様式でチロシナーゼ活性を増強することを示す。そのため、ペプチドは、より活性なメラニン形成を促進し得る。
3.3‐メラニン形成にかかわる遺伝子の効果
プロトコル:
NHMを培養し、そして本発明によるペプチド又はその溶媒と接触させる。72時間の接触の最後に、メラノサイトを破砕し、そしてmRNAを回収し、qRTPCRによって分析されるcDNAに変換して、mRNAの発現レベルの変化を推定する。以下の遺伝子:MITF、TYRP1及びCREB、の発現を試験した。
結果:
表12:メラニン形成にかかわる遺伝子の発現の変動、本発明によるペプチドの効果;n=4:
これらの結果は、本発明によるペプチドが、メラニン形成にかかわるいくつかのタンパク質遺伝子:MITF、TYRP1及びCREB、の発現を、用量依存的に過剰調整することを示す。
3.4‐毛包に対する効果
プロトコル:
少量の色素を伴ったそれらの毛球を含み、かつ、頭皮形成術(美容外科手術から生じる‐女性ドナー、濃金髪;51歳)から単離された毛包を、培養培地を含む培養プレートのウェル内に個別に配置し、そして生き残るように維持する(37℃;5%のCO)。
12個の毛包を、色素沈着の目測及び定量化のためであるが、その後の免疫組織学(各マーカーあたり6つの毛包)によるMC1R及びMITFの標識のためでもある、基準としての役割を果たすT0のために確保する。
12個の毛包を、その溶媒中で10ppmにて本発明によるペプチドと接触した状態に置き、及び12個の他の毛包を、8日間にわたり溶媒単体と接触した状態に置く(培養培地中の0.1%のDMSO)。8日の時点で、すべての毛包を、停止させ、固定し、次に、切片化し(7μm)、アルナテッド(alunated)カルミンで標識し、そして顕微鏡下で写真を撮影する。(各群につき)それらの6つの切片を、(メラニンを計測するための特定のフイルターを用いた)それらの色素沈着に関する画像解析による視覚的及び定量的な評価に使用する。他の6つの切片を、(目測によって評価する)MC1R及びMITFスコアリングに使用する。
3.4.1‐色素沈着の結果:
表13:本発明によるペプチドとの接触の8日後の毛包球におけるメラニン産生の変動(n=6つの毛包/事例;合計で22/23の写真/事例):
目測は、6つの対照毛包と比べて、8日間にわたり本発明によるペプチドと接触させた6つの毛包における非常に強い色素沈着を示す。写真の分析は、本発明によるペプチドと接触させた6つの毛包における、メラニンの堆積に厳密に対応する、11.6倍多い暗ピクセルを示す。この差は、非常に有意である。
3.4.2‐MITF及びMC1Rマーカーに関する結果
免疫組織学による切片の標識後、MC1R及びMITFタンパク質は暗く見える。T0と比較して、目測は、MC1Rが本発明によるペプチドによって処置した事例の毛球において増加するが、しかし一方で、それは対照事例で安定したままであることを示す。並行して、MC1Rは、対照のものより、本発明によるペプチドを伴った下部鞘部において増加する。MC1Rは、メラニン化を引き起こすa‐MSHホルモン受容体である。本発明によるペプチドは、毛包におけるその産生を刺激した。
T0と比較して、目測は、MITFが本発明によるペプチドによって処置した事例の毛球において増加し、しかし一方で、それは対照事例で減少することを示す。
MITFは、チロシナーゼ及びTYRP1の産生を引き起こし、そのため、メラノソームにおけるメラニンの産生を引き起こすタンパク質である。本発明によるペプチドは、培養細胞及び毛球において観察されたメラニンで増加を引き起こすMITFの産生を明確に誘発する。これはqRT‐PCR(上記を参照)によって観察されたことと一致し、そしてそれは、メラノサイトでのCREB、MITF及びTRP‐1の発現増加を示した。
D‐ガレヌス製剤
様々な製剤を以下に記載する。本発明による活性成分の活性を支援する及び/又は補足すると思われる、追加の美容活性成分を、それらの疎水性又は親水性により適切な相で加える。これらの成分は、(単数若しくは複数の)それらの役割、適用場所(頭髪、体毛、睫毛、眉毛など)、所望の最終的な効果、及び消費者に依存した任意のカテゴリのものであり得る。それらは、説明において先に言及される。
以下で記載した製剤は、6000ppmのペプチドを含有する、上記項目Bに記載の本発明によるペプチドベースの活性成分を含む。これらの製剤を、1.5%の、活性成分の推奨パーセンテージを用いた数値表示として示す。それらを、より高い又は低い強さの効果強度に依存して、より高い又は低いパーセンテージで含有し得る。
1‐美容液
表14:
水中にカルボマーを分散させ、30分間膨張をさせる。撹拌しながら部分Aに部分Bを加える。部分Cで部分A+Bを中和する。撹拌することによって十分に均質化する。撹拌しながら部分A+B+Cに部分Dを注ぎ入れる。パートEを加え、十分に混合する。
軽く、ベタベタしていない質感の美容液を形成する、流体である、透明かつ無色のゲルを得、そしてそれは、体毛を含めた毛髪を処置するのに使用できる(髭や、例えば胴体への適用)。
追加の活性成分の例:
Neroli Floral Water(商標):整髪及び再生特性を有するビターオレンジ抽出物(Citrus Aurantium Amara)である、Crodaromが販売する活性成分。
2‐液体シャンプー
表15:
部分Aを正確に秤量する。部分A中に部分Bを分散させ、普通に撹拌し、そして1時間十分に混合する。部分A+Bを、水浴中で55℃まで加熱し、十分に混合する。秤量し、そして部分Cを水浴中で55℃まで加熱する。部分A+Bに部分Cを素早く撹拌しながら加える。部分Dの成分を一つずつ部分A+Bに普通に撹拌しながら加える。部分Eを用いてpH=5.90+/‐0.10にpHを調整する。部分Fを加え、十分に混合する。白色の不透明な粘性ゲルを得る。
追加の活性成分の例:
APISCALP(商標):(部分Cに添加される)フケの軽減と頭皮掻痒の緩和を助ける、炎症を起こした頭皮の処置のための、Apium graveolens種子のCO臨界超過抽出物ベースの、Sedermaが販売する活性成分。
Zinc Pyrithione:(部分Aに添加される)フケ防止剤。
3‐リンスオイル
表16:
部分Aを秤量し、そして混合する。部分Bを秤量し、そして混合する。部分Bを部分Aに普通に撹拌しながら加える。
付けたままにし、その後すすぐのに好ましい、液状、かつ、透明な黄色のオイルを得、そしてそれは、(例えば、胴体に対するマッサージオイルとして)体毛を含めた毛髪を処置するのにも使用され得る。
追加の活性成分の例:
Crodabond(商標)CSA:(部分Bに添加される)高まったキューティクル(毛幹最外層)を密封し、かつ、枝毛を修復する、硬化ヒマシ油とセバシン酸コポリマーの混合物である、Crodaによって販売される活性成分。
Phytolea(商標)Baobab EC:(部分Aに添加される)その脂肪酸、ビタミンE及びA含有物により再生及び抗酸化剤であり、Adansonia digitata種油である、Crodaromが販売する活性成分。
4‐例えばスティック形態の固形シャンプー
表17:
部分Aを水浴中で75℃まで加熱する。部分Bを水浴中で75℃まで加熱する。部分Cを部分Aに加え、そして十分に混合し、それと同時に、普通に緩やかに撹拌する。部分Bを部分A+Cに、水浴中に入れながら、軽く素早く撹拌しながら加える。部分Dを前記部分に加え、そして十分に混合する。素早く鋳型に流し込む。不透明な固形シャンプーを得る。
追加の活性成分の例:
Matcha Tea Extract(商標):(部分Cに添加される)Camellia Sinensis葉抽出物ベースの抗酸化剤及び精製活性成分である、Crodaromが販売する活性成分。
Hairspa(商標):(部分Cに添加される)ラクチトール及びキシリトールベースの、整髪及び頭皮用保湿のための、Sedermaが販売する活性成分。
5‐活力を与える効果があるワックス
表18:
部分Aを水浴中で80℃まで加熱する。溶解し、そして完全に均質化するまで十分に混合する。部分Bを部分Aに加え、そして55℃にて十分に混合する。部分Cを前記部分に注ぎ入れ、そして混合する。出来てすぐにコンディショニングポットに注ぎ入れる。
髪と体毛に使用できる透明なゲルを得る。
追加の活性成分の例:
NG Shea Unnsaponifiables(商標): (Butyrospermum Parkii(シア)Butter(及び)Butyrospermum Parkii(シア)Butter不鹸化物)、(部分Aに添加される)水和を改善する、Sedermaが販売する活性成分。
Phytolea(商標)Cranberry EC:(部品Aの最後に添加される)Crodaromが販売する活性頭皮保湿剤(Vaccinium Macrocarpon(クランベリー)種油)。
6‐再生及び栄養マスク
表19:
部分Aを水浴中で85℃まで加熱する。部分Bを水浴中で90℃まで加熱する。部分Cを秤量し、そして、十分に混合する。部分Cを部分Aに注ぎ入れ、普通に撹拌する。部分Bを部分A+C中に激しく撹拌しながら分散させ、十分に均質化する。引き続いて、部品Dを部分Fに加え、十分に均質化する。
Cutissential(商標)Behenyl 18 MEA:毛髪及び体毛のより健康な外観のためのキューティクルの脂質層を補給するため、及び優れた湿った絡んだ髪をほぐす性能を促進するための製剤で使用する、Crodaが販売する賦形剤。
毛髪と体毛に使用できる、黄色の不透明な粘性乳濁液を得る。
追加の活性成分の例:
Procapil(商標):(部分Dに添加される)アピゲニン、オレアノール酸及びBiot‐GHKペプチドの混合物を含む、脱毛を予防する、Sedermaが販売する活性成分。
Crodarom Manuka Honey(商標):(部分Dに添加される)傷んだ髪を修復するのを助ける、ハチミツ抽出物ベースの、Crodaromが販売する活性成分。
Ceramide HO3:(部分Bに添加される)傷んだ髪を修復するのを助け、かつ、水和を促進する、Sedermaが販売する活性成分。
7‐リーブオン保護スプレー
表20:
普通に撹拌しながら、部分Bを部分Aに注ぎ入れる。部分Cを用いて5.80 +/‐0.20にpHを調整する。部分Dを部分A+Cに撹拌しながら加える。部分Eを前記部分に加え、そして混合する。
不透明な流動乳濁液を得る。
追加の活性成分の例:
Phytessence(商標)Hazel Leaf:(部分Dに添加される)頭皮に活力と調子を回復する、Corylus Avellana葉抽出物ベースの、Crodaromが販売する活性成分。
Venuceane(商標):(部分Dに添加される)UV及びIR放射からの損害を予防する、Thermus Termophillus Fermentの発酵抽出物ベースの、Sedermaが販売する活性成分。
E‐インビボ評価
1‐一般論
インビボ試験を、ガレニック製剤の項のポイント1)において先に記載したヘアローションを適用することによって実施した。このローションは、90ppmの本発明のペプチドを含む。4つの独立した試験を、合計84人のボランティアと共に実施した(選択したボランティアのパネル全体の平均年齢は42歳であった)。4つの試験すべてを、幅広い地理的位置、時間、季節、適用部位、フォトタイプ及び方法にわたって実施した。詳細を以下の表に明記する。
実施した試験のプロトコル比較:
表21:
これらの4つの試験を、プラセボに対して実施しなかった。灰色化試験をプラセボ製剤に対してあらかじめ実施した。30人のボランティアを組み入れ(平均51歳[33~62歳];21人の男性、9人の女性)、1週間に少なくとも3回の3カ月にわたるローションの適用を伴う。有意な灰色化低減作用は、髭又は側頭部のいずれかに対するこの試験において、観察又は計測されなかった。これは、毎日のマッサージを伴ったとしても、プラセボローションの適用が灰色化に対して効果がないことを確認する。
2‐方法の詳細
2.1‐標準化された写真撮影
すべての試験が、すべての試験時にボランティア頭部の完全な再配置を確実にするためにベンチ上に取り付けたカメラを用いた、精密な写真システムを使用した。各ボランティアに関して、プロファイル写真を、さらに一部の試験では、後頭部及び頭頂部の写真もまた、画像解析写真処理を妨げないように、有害なてかりを排除するために直交‐偏光モードで撮影した。これらの写真を、グレーヘア強度の概観を得るため、及びそれらの画質に準拠して、より狭い隔離された領域で作業するために使用する。
2.2‐写真の処理システム
グレーヘア/白髪によって占有された領域の評価を、着目の領域を標的化することによってNIH‐USA(商標) Image Jソフトウェアを用いて写真でおこなった。
一般的に、試験場所2を除いて、短髪サイズ(例えば、2cm)を必要とし、しかもこのサイズは、前‐後比較を容易にするために様々な計測時期においてボランティアについて同じである。
また、一般的に、カラーの各オリジナル写真をグレーレベルの画像に変換し、同じレベルフイルター(閾値作業)を同じボランティアの写真に対して前後で適用した。これにより、黒色でない髪を選択する。最後に、二値化作業(黒色又は白色)を実施して、黒髪から黒くない髪(灰色及び白色)を分離し、そして、前者を定量する。
2.3‐TrichoScan(登録商標)を使用した顕微鏡写真の標準化
(場所2における)1つの試験でだけ、非常に狭い領域に関するデータを提供し、かつ、個別に髪を見る利点を有するこの技術(発毛を分析するための新しいツール)を使用した。頭皮領域を、同定し、そして写真の数日前及び様々な時期に毛を剃った。高倍率のおかげでこの技術を脱毛試験で幅広く使用したが、染髪を取り扱うこともまた可能である。TrichoScan(登録商標)システムとしては、エピルミネセンスマイクロカメラシステムが挙げられる。
2.4‐白髪と非白髪のカウントの評価
TrichoScan(登録商標)ソフトウェアを使用して、白髪数、黒髪数、及び黒髪/白髪比の計算を決定するのに使用した。この比は、処置が作用したときに、黒髪数に伴って高くなる。
3‐結果
有害影響は、3又は4カ月の時点であっても、これらのボランティアについて報告されなかった。最後の適用の3カ月後のネガティブフィードバックもなかった。これは、耐性試験と共に、大規模グループ及び長期間にわたる本発明のペプチドの安全性を示す。
3.1‐3カ月時点のグレーヘア密度、3つの試験における効果の比較
表22は、共通領域、同じ適用時間(3カ月)及び共通パラメーター、グレーヘア/白髪密度(とはいえ、各群によって別個に計測)に対して4群のうち3群で得られた定量的効果を比較する。
表22:片側(プロファイル)で計測されたグレーヘア/白髪密度の変動、3カ月の適用後の本発明によるペプチドの効果;N=3つの試験
3カ月の適用後に、グレーヘア密度は、側頭部において21.1%~38.7%の極値を有する平均(3つの試験)32.4%減少した。これらの減少は、非常に有意であり(p<0.01)、ほとんどすべてのボランティアに関係した(試験により68~100%)。
3.2‐2つの適用領域の比較
1つの試験では、測定値を、同じボランティアの顔側面と後頭部で計測し、同じボランティア群に関する2つの領域に対するペプチド効果の比較を可能にした。
表23:側頭部と後頭部で計測されたグレーヘア/白髪密度の変動、3カ月の適用後の本発明によるペプチドの効果;N=1つの試験
3カ月の適用後に、グレーヘア密度は、側頭部及び後頭部においてそれぞれ37.5%及び31.9%減少した。これらの低減は、非常に有意であり(p<0.01)、ほとんどすべてのボランティアに関係した(領域により100及び95%)。
3.3‐3~4カ月の効果の比較
頂上部において実施した1つの試験(場所2)を、経時的な効果を評価するために3カ月にポイントを伴って合計4カ月にわたり実施した。表24は、T3カ月とT4カ月において得られた効果を比較する。
表24:頭頂部において計測されたグレーヘア/白髪密度の変動、3及び4カ月の適用後の本発明によるペプチドの効果;N=1つの試験
試験は、4カ月の使用後に、頭頂部において観察されるグレーヘア/白髪の減少が、T3カ月にて観察されたものと比較して、さらに増大することを示す(10.9%対8.8%、両者とも非常に有意である:p<0.01)。改善があったボランティアのパーセンテージもまたわずかに増加する(79%から84%へ)。
3.4‐TrichoScan(登録商標)による試験
表25:Trichoscan(登録商標)を使用した側頭部において計測した非白髪/白髪比の変動、4カ月の適用後の本発明のペプチドの効果;N=1つの試験
T4カ月にて約+27.4%の黒髪/白髪比の増大(p<0.05)が算出される。そのため、顕微鏡タイプのプローブを使用するので画像解析を使用するものと大きく異なるこの技術は、本発明によるペプチド使用後の白髪数の減少を裏付ける。
3.5‐試験終了の3カ月又は4カ月後の効果の持続性
2つの別々の試験について、本発明によるペプチドの効果の持続性を、経時的に評価した。このために、適用の3カ月又は4カ月後に、すべてのボランティアが、本発明によるペプチドの使用を停止した。
4カ月の適用による第一の試験では、適用を伴わない効果の持続性を、4カ月後に10人のボランティアで評価した。計測を頭頂部においておこなった。
3カ月の適用による第二の試験では、適用を伴わない効果の持続性を、3カ月後に7人のボランティアで評価した。計測を後頭部においておこなった。
表26:後頭部(N=7)又は頭頂部(N=10)において計測したグレーヘア/白髪密度の変動‐最後の適用の3カ月又は4カ月後における本発明によるペプチドの効果;N=2つの試験
少数のボランティアが参加する、2つの独立した試験は、毎日の使用の3カ月又は4カ月後に、グレーヘアの減少が最後の適用の3又は4カ月であっても非常に明確であることを示す。減少値はわずかに増加さえしている(‐15.04%に対して‐22.20%及び‐37.2%に対して‐39.9%)。それは、90ppmの本発明によるペプチドがグレーヘアを再着色し、かつ、有利なことに、この効果が適用終了後に数カ月の間維持されることを示す。
4‐インビボ試験の結論
ヘアローション中の90ppmでの本発明のペプチドは、4つの独立した試験に含まれる数ダースの人々の明確な髪の再色素沈着を可能にした。再色素沈着は適用部位に依存していない。明確な効果は、側頭部、頭頂部又は後頭部において観察された。この効果は、地理的な試験場所に依存せず、そして使用した定量方法にも依存しなかった。なぜなら、互いに独立して実施された4つの試験すべてが、ほとんどすべてのボランティアにおける正味の再色素沈着効果を示したからである。女性は、男性のような再色素沈着を示した。試験終了の3カ月後の効果の持続に関する現象は、特に興味深い。なぜなら、それが、本発明のペプチドが、「遅延」効果、すなわち、そのペプチドを再び適用する必要なしに、試験を過ぎても長期間に長引く効果、を示すという事実を反映している。有利なことに、本発明に従って使用したペプチドが、長期間にわたり及び対象の年齢を通じて変更される色素沈着につながる機構の1つを再活性化することによって作用することを示す。

Claims (14)

  1. 髪の脱色を予防するのに適している美容用の非治療的ヘアトリートメントのための、少なくとも1つの、以下の式1:
    X-(Xaa)-P-(Xaa)-Z
    {式中、
    ‐Pは、プロリン、その類似体又は誘導体に対応し;
    ‐Xaaは、P、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン及びフェニルアラニン、類似体、並びに誘導体から選択されるアミノ酸であり、該Xaaは、互いに独立に選択され;
    ‐nとmは、n+m≦8であり、0、1、2、3又は4に相当する、互いに独立に選択される整数であり;及び
    ‐N末端では、Xは、H、-CO-R、-SO-R又はビオチノイル基から選択され;
    ‐C末端では、Zは、OH、OR、NH、NHR又はNRから選択され;
    ‐RとRは、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、アルコキシ、サッカリド及びアリールオキシ基から互いに独立に選択され、そしてそれらは、直鎖又は分岐、環式、多環式、不飽和、ヒドロキシル化、カルボニル化、リン酸化及び/又は硫化(sulfured)であり得、前記基は、1~24個の炭素原子を有し、任意選択で(optionaly)その骨格内に1若しくは複数のO、S及び/又はNヘテロ原子を有する}のペプチドの使用。
  2. 前記処置が、毛包に存在するメラノサイトの坑酸化処置である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記処置が、樹状突起による角化細胞へのメラニンの移動を促進するためのものである、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記処置が、髪の再色素沈着にさらに適している、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記処置が、持続的な髪の色素沈着に適している、請求項4に記載の使用。
  6. 前記処置が局所的である、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記Pがプロリンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記nとmが、互いに独立して0、1又は2に相当する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記ペプチドが、N末端及び/又はC末端にて修飾される、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記R及び/又はRが、1~24個の炭素原子を有するアルキル鎖である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記アシル基CO-Rが、オクタノイル(C8)、デカノイル(C10)、ラウロイル(C12)、ミリストイル(C14)、パルミトイル(C16)、ステアロイル(C18)、ビオチノイル、エライドイル、オレオイル及びリポイル基から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 前記Xがアシル基CO‐Rであり、かつ、Zが、OH、OMe、OEt及びNHから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記ペプチドが、Pal-PP-OHである、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 前記ペプチドが、例えばカプセル、スフィア、リポソーム、オレオソーム、キロミクロン、スポンジなどの、マクロ粒子、マイクロ粒子又はナノ粒子にマイクロ若しくはナノ乳濁液として、結合させて、取り込ませて、又は吸着させて、或いは例えば、粉状有機ポリマーであるタルク、ベントナイト、胞子若しくはエキシン、及び他の無機又は有機支持体に吸着させて、ベクター化された形態で使用される、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用。
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