JP2023546565A - 抗ウイルスプロドラッグ化合物 - Google Patents

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Abstract

ヌクレオチドプロドラッグ化合物、それらの調製およびそれらの使用、例えばウイルス感染の疾患または状態の処置が、本明細書に提供される。

Description

分野
本開示は、化学および医学の分野に関連する。より具体的に、本開示は、抗ウイルスプロドラッグ化合物、それらの調製およびそれらの使用に関連する。いくつかの態様において、そのような化合物は、特定の薬剤を標的器官に選択的に送達するのに有用である。
背景
以下の背景の説明は、本発明の理解を助けるために提供され、それらが先行技術であることまたは先行技術を表すことを承認するものではない。
コロナウイルスは、哺乳類および鳥類において疾患を引き起こす。一部のコロナウイルスは、ヒトにおいて死にさえ至る重篤な感染を引き起こし得る。コロナウイルス発生の予見不能性のため、コロナウイルスに対する薬物は十分に開発されていない。現在のSARS-CoV-2の大流行は、医学者に、短期的解決手段として既存の抗ウイルス剤を再利用させた。ヒトコロナウイルスは、そのウイルスコアにポジティブセンス一本鎖RNAを含むRNAウイルスであり、それらの複製は他の既知のウイルスと高度に類似する配列を共有しているそれらのRNA依存性RNAポリメラーゼによる。周知の抗ウイルス剤のクラスは、ヌクレオシ(チ)ドポリメラーゼ阻害剤と呼ばれる。このクラスの作用機構は、それら自身をポリメラーゼの特定部位に結合させ、終結のためにそれらをウイルス複製連鎖反応に組み込むことである。多数のポリメラーゼ阻害剤および十分に確立された抗ウイルス薬標的が知られている。これらの剤のライブラリは、理論的に、既知のまたは将来の未知のコロナウイルスを阻止することができる薬物を含み得る。様々なそのような剤が、COVID-19処置に関して臨床開発下にある。
プロドラッグ技術は、経口バイオアベイラビリティおよび標的細胞への細胞透過性の改善を含む、そのヌクレオシドがより高いバイオアベイラビリティを示すようヌクレオシド分子の特性を改善するために、使用されている。したがって、既存のプロドラッグ技術よりも改善された送達効率を示す新しいタイプのプロドラッグは、ヌクレオシドアナログベースの治療の治療的利益を有意に改善し得る。
概要
新規のヌクレオチドプロドラッグ化合物、それらの調製およびそれらの使用が記載される。いくつかの態様は、標的器官に経口送達される新規のヌクレオチドプロドラッグ化合物であり、そこで当該化合物は治療的利益を提供する。さらなる態様には、肝炎、マラリア、ウイルス感染、寄生虫感染、およびコロナウイルス感染を含む疾患、障害または状態を処置する新規のヌクレオチドプロドラッグ化合物が含まれる。別の局面には、標的器官ならびに同様の組織および細胞への薬物分布の強化が有益である疾患を処置するためのヌクレオチドプロドラッグ化合物の使用が含まれる。別の局面において、ヌクレオチドプロドラッグ化合物は、特定クラスの薬学的化合物、例えばヌクレオチド由来アナログ化合物の薬理学的または臨床的活性を増大させるために使用される。いくつかの態様において、ヌクレオチドプロドラッグ化合物は、標的器官および細胞へのヌクレオチド化合物のより効率的な経口送達に有用である。いくつかのさらなる態様は、ヌクレオチドプロドラッグ化合物を製造する方法に関する。
本明細書に提供されるいくつかの態様には、式I、II、およびIII:
Figure 2023546565000001
の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が含まれ、式中、R1、R2、R3、BASEおよびnは本明細書に提供される値のいずれかを有する。
いくつかの態様は、上記化合物の1つまたは複数および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物に関する。
いくつかの態様は、上記化合物の1つおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物に関する。
いくつかの態様は、有効量の上記化合物の1つを投与する工程を含む、疾患、障害または状態を処置する方法に関する。
いくつかの態様において、疾患、障害または状態は、ウイルス感染の疾患、障害または状態である。
いくつかの態様は、その必要がある対象に、有効量の上記化合物の1つを投与する工程を含む、ウイルス感染を処置する方法に関する。
いくつかの態様は、その必要がある対象に、有効量の少なくとも1つのさらなる治療剤を投与する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、対象は哺乳類である。
いくつかの態様において、対象はヒトである。
いくつかの態様において、細胞はインビボである。
いくつかの態様において、細胞はエクスビボである。
いくつかの態様において、細胞はヒト細胞である。
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様には、本明細書に提供される化合物の1つおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が含まれる。
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様には、その必要がある対象に、有効量の本明細書に提供される化合物の1つを投与する工程を含む、対象においてウイルス感染の疾患または状態を処置する方法が含まれる。
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様には、その必要がある対象に、有効量の本明細書に提供される化合物の1つを投与する工程を含む、対象において疾患または状態を処置する方法が含まれる。
いくつかの態様はまた、その必要がある対象に、有効量の1つまたは複数のさらなる治療剤を投与する工程を含む。
いくつかの態様において、対象は哺乳類である。
いくつかの態様において、対象はヒトである。
いくつかの態様にはまた、さらなる治療剤と組み合わせた本明細書に提供される化合物の1つの使用が含まれる。
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様には、ウイルス感染の疾患または状態の処置のための医薬の調製における使用のための、本明細書に提供される化合物の1つが含まれる。
詳細な説明
本態様は、新規のヌクレオチドプロドラッグ化合物、それらの調製およびそれらの使用に関連する組成物および方法に関する。いくつかの態様において、新規のヌクレオチドプロドラッグ化合物は、核酸塩基誘導体/アナログおよびプロドラッグを含むヌクレオチド由来物質、例えばリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドの細胞への送達を促進する。
これらのヌクレオチドプロドラッグ化合物ならびにそれらの立体異性体および薬学的に許容される塩は、式I、II、およびIII:
Figure 2023546565000002
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩により表され、式中、R1、R2、R3、BASEおよびnは本明細書に提供される値のいずれかを有する。
いくつかの態様において、R1は、H、置換されていてもよいC1~C15アルキル、置換されていてもよいC3~C15シクロアルキル、および置換されていてもよいC2~C15アルケニルの群より選択される。
いくつかの態様において、R1は、置換されていてもよいC1~C15アルキルである。
いくつかの態様において、R1は、未置換のC1~C6アルキルである。
いくつかの態様において、R1はエチルである。
いくつかの態様において、R1はn-プロピルである。
いくつかの態様において、R1はi-プロピルである。
いくつかの態様において、R2は、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル、および置換されていてもよいアルキルオキシの群より選択される。
いくつかの態様において、R3は、H、置換されていてもよいアシル、C-カルボキシ、およびC-アミドの群より選択される。
いくつかの態様において、R3はHである。
いくつかの態様において、BASEは、
Figure 2023546565000003
から選択される。
いくつかの態様において、R4は、H、置換されていてもよいアシル、およびC-カルボキシの群より選択される。
いくつかの態様において、R5は、H、置換されていてもよいアシル、C-カルボキシ、およびC-アミドの群より選択される。
いくつかの態様において、R4およびR5はHである。
いくつかの態様において、nは0、1、2、または3である。
いくつかの態様において、nは0である。
いくつかの態様において、nは1である。
いくつかの態様において、当該化合物は、
Figure 2023546565000004
からなる群より選択される。
いくつかの態様において、式Iのヌクレオチドプロドラッグ化合物は、酵素、例えばエステラーゼ、チトクロムp450アイソザイムCYP3A(モノオキシゲナーゼのファミリー)、デヒドロゲナーゼ、およびアミダーゼの基質である。いくつかの態様において、式Iのヌクレオチドプロドラッグ化合物は、エステラーゼ、チトクロムp450アイソザイムCYP3A、またはデヒドロゲナーゼの基質である。
いくつかの態様において、当該化合物は、当該化合物の活性形態を放出するプロドラッグ部分の切断により、細胞内で活性化される。
いくつかの態様において、開示される化合物は、薬物動態特性の改善、例えばヌクレオシドの半減期の延長または吸収もしくは細胞透過の強化のために使用される。さらに、開示される方法は、生物学的に関連するヌクレオシドの持続送達を達成するために使用され得る。式I、II、およびIIIのヌクレオシドプロドラッグ化合物の薬物動態特性が強化されているため、当該化合物は、ウイルス感染の疾患または状態を処置するために使用される。いくつかの態様において、これらの化合物を製造する方法が記載される。
いくつかの態様において、開示される化合物は、ヌクレオシドの初期キナーゼ活性化を回避するために使用され、これはヌクレオシドの効果を改善し得る。
式I、II、およびIIIの化合物は、その立体化学が特定されていなくてもよい不斉中心を有し、かつ、式I、II、およびIIIの化合物に概して言及される場合、個々の立体異性体と同様にこれらの化合物のジアステレオマー混合物が含まれる。
いくつかの態様において、有効量の開示される化合物は、その必要がある対象において疾患、障害、または状態を処置するために使用される。
いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は、ウイルス感染を処置するために使用される。
いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて使用される。
いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は、ウイルス感染を処置するための医薬の調製において使用される。
いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は、その必要がある対象に有効量の当該化合物を投与する工程を含むウイルス感染を処置する方法において、使用される。
本明細書に提供される化合物、組成物および方法のいくつかの態様には、本明細書に提供される化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物が含まれる。
いくつかの態様はまた、その必要がある対象に、本明細書に提供される化合物と組み合わせた有効量の第2のまたは複数の治療剤を投与することを含む。
いくつかの態様において、対象は哺乳類である。
いくつかの態様において、対象はヒトである。
本明細書に提供される化合物、組成物および方法のいくつかの態様には、開示される化合物を細胞と接触させる工程を含む細胞内で化合物を試験する方法が含まれる。
本明細書に開示される化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは個々の鏡像異性体およびジアステレオマーとしてまたはラセミ体を含むそのような異性体の混合物として存在し得る。個々の異性体の分離または個々の異性体の選択的合成は、当業者に周知の様々な方法の適用により達成される。そうでないことが示されていない限り、すべてのそのような異性体およびそれらの混合物が、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物は、1つまたは複数の結晶または非晶質形態で存在し得る。そうでないことが示されていない限り、任意の多型形態を含むすべてのそのような形態が、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物のいくつかは、水との溶媒和物(すなわち、水和物)または一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成し得る。そうでないことが示されていない限り、そのような溶媒和物は、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。
当業者は、本明細書に記載されるいくつかの構造が、たとえ動的にであっても他の化学構造がほとんどを占めている可能性のある化合物の共鳴形態または互変異性体であり得ることを理解し、当業者は、そのような構造がそのような化合物のサンプルのごくわずかな割合のみを占めている場合があることを理解している。そのような化合物は、そのような共鳴形態または互変異性体が本明細書に示されていないとしても、記載される構造の範囲内であるとみなされる。
記載される化合物には同位体が存在し得る。化合物の構造に示されている各化学元素は、当該元素の任意の同位体を含み得る。例えば、ある化合物構造において、水素原子が明示的に開示され得るまたはその化合物内に存在すると理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、その水素原子は、水素-1(プロチウム)および水素-2(重水素)を含むがこれらに限定されない水素の任意の同位体であり得る。したがって、本明細書における化合物に対する参照は、文脈がそうでないことを明白に示していない限り、すべての可能性のある同位体形態を含む。
定義
本開示にしたがいおよび本明細書で使用される場合、以下の用語は、そうでないことが明示されていない限り、以下の意味を有すると定義される。上記の一般的説明および以下の詳細な説明は両方とも例示かつ説明にすぎず、特許請求される対象を制限するものではないことを理解されるべきである。本願において、単数形の使用は、そうでないことが具体的に示されていない限り、複数形を包含する。本願において、「または」の使用は、そうでないことが示されていない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語および他の形態、例えば「含む(includes)」および「含まれる(included)」の使用は、限定ではない。
本明細書で使用される場合、範囲および量は、「約」特定値または範囲として表され得る。「約」は、ちょうどの量も含む。したがって「約10%」は、「約10%」を意味し、かつ「10%」も意味する。
本明細書で使用される場合、「任意の」または「~てもよい(optionally)」は、その後に記載される事象または状況が発生するまたは発生しないこと、ならびにその記載が、事象または状況が発生する例およびそれが発生しない例を含むことを意味する。例えば、置換されていてもよい(optionally substituted)基とは、その基が未置換であるかまたは置換されていることを意味する。
本明細書で使用される場合、単数形である「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明白に示していない限り、複数の参照を包含する。したがって、例えば、「治療剤(a therapeutic agent)」を含む組成物に対する参照は、1つまたは複数の治療剤を含む組成物を包含する。
本明細書で使用される場合、「a」および「b」が整数である「Ca~Cb」または「Ca~b」は、示されている基における炭素原子の数を表す。すなわち、その基は、上下限値を含む「a」~「b」個の炭素原子を含み得る。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」または「C1~4アルキル」基は、1~4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-および(CH3)3C-を表す。
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、完全に飽和されている(すなわち、二重または三重結合を含まない)直鎖または分枝鎖状の炭化水素鎖を表す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る(本明細書においていかなるときも、「1~20」等の数値範囲はその範囲内の各整数を表し、例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等から20個を含めて20個までの炭素原子からなり得ることを意味するが、当該定義は数値範囲が示されていない「アルキル」という用語の使用も網羅する)。アルキル基はまた、1~9個の炭素原子を有する中級サイズのアルキルであり得る。アルキル基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであり得る。アルキル基は、「C1~C4アルキル」または同様の表記により示され得る。例に過ぎないが、「C1~C4アルキル」は、アルキル鎖内に1~4個の炭素原子が存在することを、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルからなる群より選択されることを示す。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、3級ブチル、ペンチル、ヘキシル等が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、置換された基は、未置換の親基に由来し、1つまたは複数の水素原子が別の原子または基と交換されているものである。そうでないことが示されていない限り、ある基が「置換」されているとみなされる場合、それは、その基がC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)C3~C7カルボシクリル、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)C3~C7カルボシクリル-C1~C6アルキル、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)3~10員複素環、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)3~10員ヘテロシクリル-C1~C6アルキル、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)アリール、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)アリール(C1~C6)アルキル、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)5~10員ヘテロアリール、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)5~10員ヘテロアリール(C1~C6)アルキル、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシ(C1~C6)アルキル(すなわち、エーテル)、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)アリールオキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)C3~C7カルボシクリルオキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)3~10員ヘテロシクリル-オキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)5~10員ヘテロアリール-オキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)C3~C7カルボシクリル-C1~C6アルコキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)3~10員ヘテロシクリル-C1~C6アルコキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)アリール(C1~C6)アルコキシ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)5~10員ヘテロアリール(C1~C6)アルコキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば、-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)アリールチオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)C3~C7カルボシクリルチオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)3~10員ヘテロシクリル-チオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)5~10員ヘテロアリール-チオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)C3~C7カルボシクリル-C1~C6アルキルチオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)3~10員ヘテロシクリル-C1~C6アルキルチオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)アリール(C1~C6)アルキルチオ、(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、およびC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)5~10員ヘテロアリール(C1~C6)アルキルチオ、アミノ、アミノ(C1~C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルフィニル、スルホニル、ならびにオキソ(=O)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていることを意味する。ある基が「置換されていてもよい」と表記される場合は常に、その基は上記の置換基で置換され得る。
本明細書で使用される場合、「アシル」は、-C(=O)Rを表し、式中、Rは、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルである。非限定的な例には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、およびアクリルが含まれる。
「ヘテロアシル」は、-C(=O)Rを表し、式中、RはC1~6ヘテロアルキルである。
「アルキルオキシメチレン」は、-CH2ORを表し、式中、Rは、すべてが置換されていてもよい、C1~6アルキルまたはヘテロアルキルである。
「O-カルボキシ」基は、「-OC(=O)R」基を表し、式中、Rは、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「C-カルボキシ」基は、「-C(=O)OR」基を表し、式中、Rは、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。非限定的な例には、カルボキシル(すなわち、-C(=O)OH)が含まれる。
「シアノ」基は、「-CN」基を表す。
「シアナト」基は、「-OCN」基を表す。
「イソシアナト」基は、「-NCO」基を表す。
「チオシアナト」基は、「-SCN」基を表す。
「イソチオシアナト」基は、「-NCS」基を表す。
「スルフィニル」基は、「-S(=O)R」基を表し、式中、Rは、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「スルホニル」基は、「-SO2R」基を表し、式中、Rは、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「S-スルホンアミド」基は、「-SO2NRARB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「N-スルホンアミド」基は、「-N(RA)SO2RB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「O-カルバミル」基は、「-OC(=O)NRARB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「N-カルバミル」基は、「-N(RA)C(=O)ORB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「O-チオカルバミル」基は、「-OC(=S)NRARB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「N-チオカルバミル」基は、「-N(RA)C(=S)ORB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「C-アミド」基は、「-C(=O)NRARB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、
-OH、C1~6アルキル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクリル、C1~6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1~6アルキル、およびC1~6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1~6アルコキシ
からなる群より選択される1つまたは複数の置換基で各々が置換されていてもよい、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「N-アミド」基は、「-N(RA)C(=O)RB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、
-OH、C1~6アルキル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクリル、C1~6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1~6アルキル、およびC1~6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1~6アルコキシ
からなる群より選択される1つまたは複数の置換基で各々が置換されていてもよい、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
「アミノ」基は、「-NRARB」基を表し、式中、RAおよびRBは各々独立して、本明細書で定義されるように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。非限定的な例には、遊離アミノ(すなわち、-NH2)が含まれる。
「アミノアルキル」基は、アルキレン基を通じて接続されたアミノ基を表す。
「アルコキシアルキル」基は、アルキレン基を通じて接続されたアルコキシ基、例えば「C2~8アルコキシアルキル」等を表す。
「アシルオキシ」という用語は、-OC(O)Rを表し、式中、Rはアルキルである。
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」という用語は、ORを表し、式中、Rは、すべてが置換されていてもよい、アルキルまたはヘテロアルキルである。
「カルボキシル」という用語は、C(O)OHを表す。
「オキソ」という用語は、=O基を表す。
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、F(フルオロ)、Cl(クロロ)、Br(ブロモ)およびI(ヨード)を表す。
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲン、さらなる局面においては1~3個のハロ原子を含むアルキル基を表す。適切なハロ原子には、F、Cl、およびBrが含まれる。
「ハロアシル」という用語は、-C(O)-ハロアルキル基を表す。
「アルケニル」という用語は、2~12個の原子を有しかつ少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含む不飽和基を表し、直鎖、分枝鎖および環式基を含む。アルケニル基は、置換されていてもよい。適切なアルケニル基には、アリルが含まれる。
「アルキニル」という用語は、2~12個の原子を有しかつ少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含む不飽和基を表し、直鎖、分枝鎖および環式基を含む。アルキニル基は、置換されていてもよい。適切なアルキニル基には、エチニルが含まれる。
本明細書で使用される場合、「アリール」は、その環骨格内に炭素のみを含む芳香族環または環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つまたはそれ以上の縮合環)を表す。アリールが環系である場合、その系内のあらゆる環が芳香族である。アリール基は6~18個の炭素原子を有し得るが、当該定義は数値範囲が示されない用語「アリール」の使用も網羅している。いくつかの態様において、アリール基は、6~10個の炭素原子を有する。アリール基は、「C6~10アリール」、「C6またはC10アリール」、または同様の表記で示され得る。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、アズレニル、およびアントラセニルが含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、その環骨格内に1つまたは複数のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素および硫黄を含むがこれらに限定されない炭素以外の元素を含む芳香族環または環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つまたはそれ以上の縮合環)を表す。ヘテロアリールが環系である場合、その系内のあらゆる環が芳香族である。ヘテロアリール基は、5~18環員(すなわち、炭素原子およびヘテロ原子を含む、その環骨格を構成する原子の数)を有し得るが、当該定義は数値範囲が示されない用語「ヘテロアリール」の使用も網羅している。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、5~10環員または5~7環員を有する。ヘテロアリール基は、「5~7員ヘテロアリール」、「5~10員ヘテロアリール」、または同様の表記で示され得る。ヘテロアリール基は、置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例には、1個の酸素もしくは硫黄原子、または最大4個の窒素原子、または1個の酸素もしくは硫黄原子と最大2個の窒素原子との組み合わせを含む芳香族C3~8複素環式基、ならびに、それらの置換誘導体と、例えば環形成炭素原子の1つを通じて接続された、ベンゾおよびピリド縮合誘導体とが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルキルアミド、アシル、C1~6アルコキシ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6アミノアルキル、C1~6アルキルアミノ、アルキルスルフェニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、またはトリフルオロメチルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例には、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、インドール、オキサゾール、ベンゾキサゾール、イソキサゾール、ベンゾイソキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、インダゾール、テトラゾール、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、プリンおよびピラジン、フラザン、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、プテリジン、フェノキサゾール、オキサジアゾール、ベンゾピラゾール、キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、ならびにキノキサリンの未置換体および一または二置換誘導体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、置換基は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、O-C1~6アルキル、C1~6アルキル、ヒドロキシ-C1~6アルキル、およびアミノ-C1~6アルキルである。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和されたカルボシクリル環または環系を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。シクロアルキル基は、3~10個の炭素原子を有し得る(本明細書で使用される場合は常に、「3~10」等の数値範囲はその範囲内の各整数を表す)。シクロアルキル基は、「C3~C8シクロアルキル」または同様の表記で示される。例にすぎないが、「C3~C8シクロアルキル」は、カルボシクリル環または環系内に3~8個の炭素原子が存在することを示す。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」は、完全に飽和または部分的に飽和されておりかつその環骨格内に窒素、酸素、および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、非芳香族環式環または環構造を意味する。ヘテロシクリルは、環系内の少なくとも1つの環が芳香族でないという条件下で、任意の飽和度を有し得る。ヘテロ原子は、環系内の非芳香族環または芳香族環のいずれかに存在し得る。ヘテロシクリル基は、3~20環員(すなわち、炭素原子およびヘテロ原子を含む、その環骨格を構成する原子の数)を有し得るが、当該定義は数値範囲が示されない用語「ヘテロシクリル」の使用も網羅している。ヘテロシクリル基はまた、3~10環員を有する中級サイズのヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基はまた、3~6環員を有するヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクロアルキル基は、「3~15員ヘテロシクロアルキル」、「4~10員ヘテロシクロアルキル」、「3~15員C2~14ヘテロシクロアルキル」、「5~9員C4~8ヘテロシクロアルキル」、「5~10員C4~9ヘテロシクロアルキル」、「5員C3~4ヘテロシクロアルキル」、「6員C4~5ヘテロシクロアルキル」、「7員C5~6ヘテロシクロアルキル」、「二環式または三環式9~15員C8~14ヘテロシクロアルキル」、「単環式または二環式3~10員C2~9ヘテロシクロアルキル」、「二環式8~10員C4~9ヘテロシクロアルキル」、「二環式8~10員C5~9ヘテロシクロアルキル」、「単環式4~7員C3~6ヘテロシクロアルキル」、「単環式5~6員C3~5ヘテロシクロアルキル」、または同様の表記で示され得る。ヘテロシクリル基はまた、1~最大3個のO(酸素)、N(窒素)またはS(硫黄)を含む3~10環員を有するC2~C9ヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基は、「3~10員C2~C9ヘテロシクリル」または同様の表記で示され得る。好ましい6員単環式ヘテロシクリルにおいて、ヘテロ原子は、1~最大3個のO(酸素)、N(窒素)またはS(硫黄)から選択され、好ましい5員単環式ヘテロシクリルにおいて、ヘテロ原子は、O(酸素)、N(窒素)またはS(硫黄)から選択される1つまたは2つのヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例には、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル(oxathiinyl)、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリジニル、およびテトラヒドロキノリンが含まれるがこれらに限定されない。
「治療有効量」という語句は、特定の疾患もしくは状態の症状の1つもしくは複数を部分的もしくは完全に改善する、軽減するもしくは除去するまたは特定の疾患もしくは状態の症状の1つもしくは複数の発症を予防する、変化させる、もしくは遅らせる化合物または化合物の組み合わせの量を意味する。そのような量は、1回の投薬で投与され得るまたは有効であるレジメンにしたがい投与され得る。所望の結果(例えば、疾患および/または状態の処置)を達成するために、反復投与が必要な場合がある。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本態様の化合物と有機または無機酸または塩基の組み合わせから得られる式Iの化合物の塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸を用いて形成され得る。塩を生成し得る無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が含まれる。塩を生成し得る有機酸には、例えば、酢酸、アジピン酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、(+)-7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、ドデシルスルホン酸、サリチル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、馬尿酸、塩酸ヘミエタノール酸(hydrochloride hemiethanolic acid)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、ラクトビオン酸、臭化メチル酸(methylbromide acid)、メチル硫酸(methyl sulfuric acid)、2-ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、4,4'-メチレンビス-[3-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸]、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、スルホサリチル酸、タンニン酸、テレフタル酸(terphtahalic acid)等が含まれる。塩を生成し得る無機塩基には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等を含む塩基が含まれ、特に好ましいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。いくつかの態様において、無機塩基による本明細書に開示される化合物の処理は、当該化合物から不安定な水素を喪失させて、無機カチオン、例えばLi+、Na+、K+、Mg2+およびCa2+等を含む塩形態を提供する。塩を生成し得る有機塩基には、例えば、1級、2級および3級アミン、自然発生的な置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等を含む置換アミン、特にイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミン等が含まれる。
示されている置換基の数が指定されていない場合(例えば、「ヘテロアルキル」)、1つまたは複数の置換基が存在し得る。例えば、「ハロアルキル」は、1つまたは複数の同じまたは異なるハロゲンを含み得る。例えば、「ハロアルキル」には、置換基CF3、CHF2およびCH2Fの各々が含まれる。
「患者」という用語は、哺乳類、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、およびヒトを含む処置対象の動物を表す。いくつかの態様において、患者は、雄性または雌性のいずれかの哺乳類である。いくつかの態様において、患者は男性または女性のヒトである。
「プロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、生体系に投与された場合に、自然発生的な化学反応、酵素により触媒される化学反応、および/もしくは代謝的な化学反応、または各々の組み合わせの結果として生物学的に活性な化合物を生じる任意の化合物を表す。標準的なプロドラッグは、インビボで切断される、薬物に付随する官能基、例えばHO-、HS-、HOOC-、HOOPR2-に付加される基を用いて形成される。標準的なプロドラッグには、その基がアルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルであるカルボン酸エステル、ならびに付加される基がアシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスフェートまたはスルフェートであるヒドロキシル、チオールおよびアミンのエステルが含まれるがこれらに限定されない。示されている基は一例であり、排他的なものではなく、当業者は他の公知の様々なプロドラッグを調製することができるであろう。プロドラッグは、生物学的に活性なまたは生物学的に活性な化合物の前駆体である化合物を生成する何らかの形式の化学的変化を起こさなければならない。いくつかの例において、プロドラッグは、通常は薬物自体よりも低い程度に、生物学的に活性であり、改善された経口バイオアベイラビリティ、薬物動態的半減期等を通じて薬物の有効性または安全性を改善するよう機能する。プロドラッグ形態の化合物は、例えば、バイオアベイラビリティを改善するため、不快な特徴、例えば苦味もしくは胃腸刺激をマスクするもしくは減少させる等により対象の受け入れやすさを改善するため、例えば静脈内用途用に溶解性を変化させるため、長期間のもしくは持続的な放出もしくは送達を提供するため、製剤化容易性を改善するため、またはその化合物の部位特異的送達を提供するために利用され得る。
「立体異性体」という用語は、炭素またはリン原子のいずれかである立体中心に結合されたR基の相対的または絶対的な空間的関係を表し、個別の異性体または個別の異性体の任意の組み合わせ、例えばラセミ混合物およびジアステレオマー混合物を表す。ある化合物が2つの立体中心を有する場合、4つの潜在的な立体異性体が存在する。
「強化された経口バイオアベイラビリティ」という用語は、参照薬物の用量の吸収の少なくとも約50%の増加を表す。さらなる局面において、(参照薬物と比較しての)その化合物の経口バイオアベイラビリティの増加は、少なくとも約100%または2倍の吸収である。経口バイオアベイラビリティの測定は、通常、非経口投与後の測定と比較しての、経口投与後の血液、血漿、組織または尿におけるプロドラッグ、薬物または薬物代謝産物の測定を表す。
「治療指数」という用語は、望まれない応答、例えば死、毒性の指標となるマーカーの上昇、および/または薬理学的な副作用を生じる用量に対する、治療的に有益な応答を生じる薬物またはプロドラッグの用量の比を表す。
「持続送達」という用語は、プロドラッグの提供により治療的に有効な薬物レベルの延長がみられる期間の増加を表す。
疾患を「処置する」または疾患の「処置」という用語は、疾患を抑制する(その進展を遅らせるもしくは停止させるもしくは部分的に停止させる)こと、その疾患を予防すること、その疾患の症状もしくは副作用からの解放を提供すること(緩和処置を含む)、および/またはその疾患を軽減すること(その疾患を退行させること)を含む。
「生物学的物質」という用語は、生物学的活性を有するまたは治療もしくは診断目的で使用できる分子的特性を有する化合物、例えば、放射性同位体または重原子を有する化合物、を表す。
薬学的組成物の投与
開示される化合物は、単独でまたは他の処置と組み合わせて使用され得る。これらの化合物は、他の剤と組み合わせて使用される場合、一日用量としてまたは一日用量の適切な分割量(例えば、b.i.d.)として投与され得る。化合物は、別の剤による処置コースの後に投与されてもよく、別の剤を用いた治療コースの最中に投与されてもよく、治療レジメンの一部として投与されてもよく、または1つの処置プログラムの中で別の剤を用いる治療の前に投与されてもよい。
薬学的に許容される塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、ベシル酸塩、臭化物、カンシル酸塩、塩化物、クエン酸塩、エジシル酸塩、エストレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒクラート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド、メチル硫酸塩、ナプシレート、硝酸塩、オレイン酸塩、パルモエート(palmoate)、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テレフタル酸塩、トシラート、およびトリエチオジドが含まれる。
活性成分を含む組成物は、意図されている投与方法に適した任意の形態にされ得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法および/または組成物の化合物は、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、腸内投与、経腸投与、局所投与、経皮投与、髄腔内投与、脳室内投与、腹腔内投与、鼻内投与、眼内投与および/または非経口投与を通じて提供され得る。
化合物が経口投与を通じて投与される場合、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬質もしくは軟質カプセル、シロップまたはエリキシルが調製され得る。経口利用が意図されている組成物は、薬学的組成物の製造の分野で公知の任意の方法にしたがい調製され得、そのような組成物は、口当たりの良い調製物を提供するよう、甘味剤、フレーバー剤、着色剤および保存剤を含む1つまたは複数の成分を含み得る。錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合されて活性成分を含む錠剤は、許容される。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウムまたはナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはナトリウム;顆粒化および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、または胃腸管内での崩壊および吸収を遅らせそれによって長期間にわたる持続的作用を提供するためのマイクロカプセル化を含む公知の技術によりコーティングされていてもよい。例えば、遅延物質、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルが単独でまたはワックスと共に使用され得る。
経口用途の製剤はまた、活性成分が不活性固形希釈剤、例えばリン酸カルシウムもしくはカオリンと混合され得る硬質ゼラチンカプセル、または活性成分が水もしくは油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合され得る軟質ゼラチンカプセルとして提供され得る。
非経口投与に適した製剤には、例えば抗酸化物質、緩衝剤、静菌剤およびその製剤を意図されているレシピエントの血液と等張性にする溶質を含み得る水性および非水性等張性滅菌注射溶液、ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。製剤は、単位用量または多用量の封止された容器、例えばアンプルおよびバイアルで提供され得、使用直前の滅菌性液体担体、例えば注射水の添加のみを必要とする凍結乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保管され得る。注射溶液および懸濁液は、上記の種類の滅菌性粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
いくつかの態様において、単位用量の製剤は、薬物の一日用量もしくは単位、一日部分用量(daily sub-dose)、またはそれらの適切な分割量を含む。しかし、当業者によく理解されているように、任意の個々の患者の具体的な用量レベルは、用いられる具体的化合物の活性;処置対象の個体の年齢、体重、全般的健康、性別および食事;投与の時間および経路;排出率;過去に投与された他の薬物;ならびに治療を受ける個々の疾患の重篤度を含む様々な要因に依存し得ることが理解されるであろう。
本明細書に記載される化合物の実際の用量は、具体的化合物、および処置対象の状態に依存し;適切な用量の選択は十分に当業者の知識の範囲内である。いくつかの態様において、一日用量は、約0.1 mg/kg体重~約100 mg/kg体重またはそれ以上、約0.25 mg/kgまたはそれ未満~約50 mg/kg、約0.5 mg/kgまたはそれ未満~約25 mg/kg、約1.0 mg/kg体重~約10 mg/kg体重であり得る。したがって、70 kgの人間に対する投与の場合、その用量範囲は、1日約7 mg~1日約7000 mg、1日約35 mgまたはそれ未満~1日約2000 mgまたはそれ以上、1日約70 mg~1日約1000 mgであり得る。
処置方法
本発明のいくつかの態様には、肝炎、マラリア、ウイルス感染、コロナウイルス感染、寄生虫感染からなる群より選択される疾患、障害または状態を処置する方法、および本明細書に記載される化合物を含む組成物が含まれる。いくつかの方法は、その必要がある対象に、本明細書に記載される化合物、組成物、薬学的組成物を投与することを含む。いくつかの態様において、対象は、動物、例えば哺乳類、ヒトであり得る。いくつかの態様において、対象はヒトである。
いくつかの態様は、有効量の本明細書に開示される1つまたは複数の化合物を用いて、ウイルスである感染因子により引き起こされる感染を処置する方法を提供する。いくつかの態様において、ウイルスは一本鎖RNAウイルスである。他の態様において、ウイルスは二本鎖RNAウイルスである。さらに他の態様において、ウイルスはポジティブセンスssRNAウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスはネガティブセンスssRNAウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは二本鎖DNAウイルスである。他の態様において、ウイルスは一本鎖DNAウイルスである。
いくつかの態様において、ウイルスはコロナウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスは天然痘(pox)ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスは天然痘(small pox)ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはマーブルグウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはエボラウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはフラビウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはインフルエンザウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはパラインフルエンザウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスは呼吸器多核体ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスは風疹ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはヒト免疫不全ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはヒトパピローマウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスは単純ヘルペスウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはサイトメガロウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはエプスタイン・バーウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはJCウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはラブドウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはロタウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはライノウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはアデノウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはパピローマウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはパルボウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはピコルナウイルス(picomavirus)であり得る。いくつかの態様において、ウイルスはポリオウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはハンタウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはフィロウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはコクサッキーウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはウマ脳炎ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはリフトバレー熱ウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはアルファウイルスであり得る。いくつかの態様において、ウイルスはA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、またはE型肝炎ウイルスであり得る。
いくつかの態様において、ウイルスはコロナウイルスであり得る。いくつかの態様において、コロナウイルスはMERS-CoVであり得る。他の態様において、コロナウイルスはSARS-CoVであり得る。いくつかの態様において、コロナウイルスはSARS-CoV-2であり得る。
さらなる態様は、その必要がある対象に、化合物の組み合わせを投与することを含む。組み合わせは、本明細書に記載される化合物、組成物、薬学的組成物を、さらなる医薬と共に含み得る。
いくつかの態様は、本明細書に記載される化合物、組成物、および/または薬学的組成物を、さらなる医薬またはさらなる治療剤と共投与することを含む。「共投与」は、2つまたはそれ以上の薬剤が、それらが実際にいつまたはどのようにして投与されたかにかかわらず、患者の血流中で同時に見出され得ることを意味する。1つの態様において、薬剤は同時に投与される。1つのそのような態様において、組み合わせ投与は、これらの薬剤を1つの投薬形態に組み合わせることにより達成される。別の態様において、薬剤は順次投与される。1つの態様において、薬剤は、同じ経路を通じて、例えば経口的に、投与される。別の態様において、薬剤は、異なる経路を通じて投与される、例えば1つが経口的に投与され、それ以外がi.v.投与される。
本発明をさらに解説するため、以下の実施例が含まれる。これらの実施例は、当然、本発明を具体的に限定するものとみなされるべきでない。添付の特許請求の範囲内でのこれらの実施例のバリエーションは、当業者の理解の範囲内であり、本明細書に記載され特許請求される本発明の範囲内に包含されるとみなされる。読者は、本開示および当技術分野の技術を有する当業者が、網羅的な実施例がなくとも本発明を調製および使用できることを理解するであろう。
化合物の合成
以下の新規化合物の調製手順は、ヌクレオチドプロドラッグ化合物を調製するために使用される一般的手順を示すものである。
スキームIは、式I、II、およびIIIの化合物の一般的合成を示している。ヌクレオシド(1)の3’および5’位のヒドロキシル基を、4,5-ジシアノイミダゾールの存在下でホスファンジアミン(2)と反応させて構造3の環状産物を生成し、次にこの粗反応混合物を酸化剤、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)で処理して、式I、II、およびIIIの最終産物4を得る。
スキームI
Figure 2023546565000005
Rは上記のR1としての定義を有する。
いくつかの代表的化合物を、以下に概説されるようにして調製した。
実施例1
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aR)-7-アセトキシ-6-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物101)
Figure 2023546565000006
化合物101を、スキームIに記載される方法にしたがい、N,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンおよび1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(アミノ)ピリミジン-2(1H)-オンから調製した。
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aR)-7-ヒドロキシ-6-(4-(アミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物101a)
THF/アセトニトリル中の1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(アミノ)ピリミジン-2(1H)-オン(5.0 g、20 mmol)とN,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンの混合物(1.0当量)に、DCI(2.5当量)を添加し、ついで55℃で2時間加熱した。ついでその粗混合物を0℃で30分間、TBHP(2.5当量)で処理した。標準的なワークアップとその後のカラム精製により、約10%収量で化合物101aを得た。
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aR)-7-アセチルオキシ-6-(4-(アミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物101b)
上記化合物101aを、室温で2時間、DMAPおよびトリエチルアミンの存在下で、アセトニトリル中の無水酢酸(1.0当量)で処理した。標準的なワークアップとその後の精製により、約80%収量でアシル化された化合物101bを得た。
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aR)-7-アセトキシ-6-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物101)
上記化合物101bを、37℃で一晩、アセトニトリル中の無水ヒドロキシルアミンHCl塩(2.0当量)で処理した。標準的なワークアップとその後の精製により、約15%の単離収量でヒドロキシル化産物である化合物101を得た。C21H24N3O11Pについて算出された[M+1]+:526.12。実測:526.2。
実施例2
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aS)-7-ヒドロキシ-6-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物102)
Figure 2023546565000007
化合物102は、スキームIに記載される方法にしたがい、N,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンおよび1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2(1H)-オンから調製することができる。
実施例3
エチル2-((((4aR,6S,7S,7aS)-6-(4-アミノ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-7-ヒドロキシ-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物103)
Figure 2023546565000008
化合物103は、スキームIに記載される方法にしたがい、N,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンおよび(2S,3R,4S,5R)-2-(4-アミノ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールから調製することができる。
実施例4
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aR)-7-アセトキシ-6-(3-カルバモイル-5-フルオロ-2-オキソピラジン-1(2H)-イル)-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物104)
Figure 2023546565000009
化合物104は、スキームIに記載される方法にしたがい、N,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンおよび4-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-6-フルオロ-3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-カルボキサミドから調製することができる。
実施例5
エチル2-((((4aR,6R,7R,7aR)-6-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-7-フルオロ-7-メチル-2-オキシドテトラヒドロ-4H-フロ[3,2-d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物105)
Figure 2023546565000010
化合物105を、スキームIに記載される方法にしたがい、N,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンおよび(2R,3R,4R,5R)-5-(2-アミノ-6-(メチルアミノ)-9H-プリン-9-イル)-4-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-メチルテトラヒドロフラン-3-オールから調製した。C22H26FN6O7Pについて算出された[M+1]+:537.17。実測:537.2。
実施例6
エチル2-((((4aR,6S,7aS)-6-(2-アミノ-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)-5-メチレン-2-オキシドヘキサヒドロシクロペンタ [d][1,3,2]ジオキサホスフィニン-2-イル)オキシ)メチル)ベンゾエート(化合物106)
Figure 2023546565000011
化合物106を、スキームIに記載される方法にしたがい、N,N,N',N'-テトライソプロピル-1-(2-(2-エチルオキシ)カルボニルベンジルオキシ)ホスファンジアミンおよび2-アミノ-9-((1S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-2-メチレンシクロペンチル)-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オンから調製した。C22H24N5O7Pについて算出された[M+1]+:502.15。実測:502.1。
生物学的実施例
当該方法の使用の実施例には以下のものが含まれる。以下は例であることおよび当該方法はこれらの実施例のみに限定されないことが理解されるであろう。
実施例7
参照化合物および開示される化合物の経口投与後の組織分布
開示される化合物の肝臓特異性を、肝臓および毒性の標的であり得る他の臓器において対応する活性化合物に対して比較する。
方法
参照化合物およびヌクレオチドプロドラッグ化合物を、絶食ラットに対して経口強制投与により5~50 mg/kg投与する。循環中および肝門脈中の代謝産物および親化合物の血漿濃度をHPLC-UVにより決定し、その肝臓、小腸、および他の器官の濃度を、標準的なクロマトグラフィー法を用いるLC-MSにより測定する。ラットにおける5 mg/kgヌクレオシド当量の用量の選択された化合物の経口投与から1時間後の肝臓および肺内のヌクレオシドリン酸レベルならびに肝門脈(HPV)および全身血中のヌクレオシドレベルにおける新規化合物 対 対応する参照化合物の比を測定する。
本明細書において使用される成分、反応条件等の量を表すすべての数値は、すべての例において、「約」という用語により修飾されることが理解されるべきである。したがって、別のことが示されていない限り、本明細書に示される数的パラメータは、得られることが求められる所望の特性に依存して変化し得る近似値である。最も狭義には、かつ本願からの優先権を主張するあらゆる出願におけるあらゆる特許請求の範囲に対する均等物の理論の適用を制限する試みとしてではなく、各数的パラメータは、有効数字および通常の端数処理の観点で解釈されるべきである。
本明細書に示される程度の語、例えば本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概ね」、および「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を発揮するまたは所望の結果を達成する、言及されている値、量、または特徴に近い値、量、または特徴を表す。例えば、「およそ」、「約」、「概ね」、「実質的に」という用語は、言及されている量の10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、および0.01%未満内である量を表し得る。別の例として、特定の態様において、「概ね平行」および「実質的に平行」という用語は、正確な平行から15%、10%、5%、3%、1%、0.1%等以下だけそれている値、量、または特徴を表す。同様に、特定の態様において、「概ね垂直」および「実質的に垂直」という用語は、正確な垂直から15%、10%、5%、3%、1%、0.1%等以下だけそれている値、量、または特徴を表す。
上記説明は様々な方法および材料を開示している。本発明では、方法および材料の改変ならびに製造方法および設備の変更が可能である。そのような改変は、本開示の検討または本明細書に開示される発明の実施から当業者に明らかになるであろう。そのため、本発明が本明細書に開示される具体的態様に限定されることは意図されておらず、それは本発明の真の範囲および精神の範囲内で行われるすべての改変および変更を網羅する。
公開されたまたは未公開の出願、特許、および参考文献を含むがこれらに限定されない、本明細書で引用されているすべての参照物は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられ、それによって本明細書の一部をなしている。参照により組み入れられる刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と相反する場合、本明細書が任意のそのような相反する資料に取って代わるおよび/またはそのような相反する資料よりも優先されることが意図されている。
いくつかの態様および実施例が記載されているが、本発明の精神から逸脱することなく多数のかつ多様な改変がなされ得ることを理解されるべきである。

Claims (16)

  1. 式I、II、およびIIIの化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩:
    Figure 2023546565000012
    式中、
    R1は、H、置換されていてもよいC1~C15アルキル、置換されていてもよいC3~C15シクロアルキル、および置換されていてもよいC2~C15アルケニルからなる群より選択され、
    R2は、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル、および置換されていてもよいアルキルオキシからなる群より選択され、
    R3は、H、置換されていてもよいアシル、C-カルボキシ、およびC-アミドからなる群より選択され、
    BASEは、
    Figure 2023546565000013
    からなる群より選択され、
    R4は、H、置換されていてもよいアシル、およびC-カルボキシからなる群より選択され、
    R5は、H、置換されていてもよいアシル、C-カルボキシ、およびC-アミドの群より選択され、
    nは、0、1、2、または3である。
  2. nが1である、請求項1記載の化合物。
  3. nが0である、請求項1記載の化合物。
  4. R3がHである、請求項1~3のいずれか1項記載の化合物。
  5. R1が、置換されていてもよいC1~C15アルキルである、請求項1~4のいずれか1項記載の化合物。
  6. R1が、未置換のC1~C6アルキルである、請求項5記載の化合物。
  7. R1がエチルである、請求項6記載の化合物。
  8. R1がn-プロピルである、請求項6記載の化合物。
  9. R1がi-プロピルである、請求項6記載の化合物。
  10. Figure 2023546565000014
    からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  11. ウイルス感染の処置において使用するための、請求項1~10のいずれか1項記載の化合物。
  12. 1つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせた請求項1~10のいずれか1項記載の化合物を含む、薬学的組成物。
  13. ウイルス感染を処置するための医薬の調製における、請求項1~10のいずれか1項記載の化合物の使用。
  14. その必要がある対象に、有効量の請求項1~10のいずれか1項記載の化合物を投与する工程を含む、ウイルス感染を処置する方法。
  15. 対象が哺乳類である、請求項14記載の方法。
  16. 哺乳類がヒトである、請求項15記載の方法。
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