JP2023545877A - 熱電素子 - Google Patents

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イ,ジョンミン
チョー,ヨンサン
チェ,マンヒュー
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Abstract

本発明の一実施例による熱電素子は、基板、前記基板上に配置された第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置され、前記第1絶縁層の面積より小さい面積を有する第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置された複数の第1電極、前記複数の第1電極それぞれの上に配置された複数の半導体構造物、及び前記複数の半導体構造物上に配置された複数の第2電極を含み、前記第2絶縁層は、前記複数の第1電極、前記複数の第2電極及び前記複数の半導体構造物が垂直に重畳される重畳領域及び前記重畳領域で前記基板の第1外側に向かって突出された突出パターンを含む。

Description

本発明は、熱電素子に関する。
熱電現象は、材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象であって、熱と電気の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
熱電素子は、熱電現象を用いる素子を総称し、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合対を形成する構造を有する。
熱電素子は、電気抵抗の温度変化を用いる素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を用いる素子、電流による吸熱又は発熱が発生する現象であるペルチェ効果を用いる素子などに区分され得る。
熱電素子は、家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は、冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これによって、熱電素子の熱電性能に対する要求はさらに高くなっている。
熱電素子は、基板、電極及び熱電脚を含み、上部基板と下部基板の間に複数の熱電脚がアレイ形態に配置され、複数の熱電脚と上部基板の間に複数の上部電極が配置され、複数の熱電脚と下部基板の間に複数の下部電極が配置される。
熱電素子の製造工程上、基板、電極及び熱電脚の間の接合のために高温の環境で処理され得る。これによると、素材間の熱膨脹係数の差によって基板に反り現象が発生し得、これは、熱電素子の長期的な信頼性、耐久性及び発電性能を低下させ得る。
本発明が解決しようとする課題は、基板の反り現象が改善された熱電素子を提供することである。
本発明の一実施例による熱電素子は、基板、前記基板上に配置された第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置され、前記第1絶縁層の面積より小さい面積を有する第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置された複数の第1電極、前記複数の第1電極それぞれの上に配置された複数の半導体構造物及び前記複数の半導体構造物上に配置された複数の第2電極を含み、前記第2絶縁層は、前記複数の第1電極、前記複数の第2電極及び前記複数の半導体構造物が垂直に重畳される重畳領域及び前記重畳領域から前記基板の第1外側に向かって突出された突出パターンを含む。
前記突出パターンの幅は、前記重畳領域の幅より小さくてもよい。
前記突出パターンと前記基板の第1外側は、互いに離隔され得る。
前記突出パターンの突出長さは、前記突出パターンから前記第1外側までの長さより長くてもよい。
前記突出パターンは、互いに離隔するように配置された第1突出パターン及び第2突出パターンを含むことができる。
前記第1突出パターン及び前記第2突出パターン間の離隔距離は、前記基板で前記第1外側と垂直する第2外側及び前記第1突出パターン間の距離と、前記基板で前記第1外側と垂直して前記第2外側と対向する第3外側及び前記第2突出パターン間の距離それぞれの0.9~2倍であってもよい。
前記複数の第1電極から前記第1外側に向かって突出された第1ターミナル電極及び第2ターミナル電極をさらに含み、前記第1ターミナル電極及び前記第2ターミナル電極は、それぞれ前記第1突出パターン及び前記第2突出パターン上に配置され得る。
前記第1ターミナル電極及び前記第2ターミナル電極それぞれの面積は、前記複数の第1電極それぞれの面積より大きくてもよい。
前記第1外側で前記第1絶縁層と接触し、前記第1外側と対向する第4外側で前記第2絶縁層と接触するように配置されるシーリング部材をさらに含むことができる。
前記第2絶縁層は、第1凹部及び前記第1凹部の周囲に配置される第2凹部を含み、前記複数の第1電極は、それぞれ前記第1凹部上に配置され、前記第1凹部と前記基板間の第1垂直距離は、前記第2凹部と前記基板間の第2垂直距離より小さくてもよい。
前記第1絶縁層は、前記第1基板の縁の少なくとも一部から離隔するように配置され得る。
前記第2絶縁層は、前記第2絶縁層の縁の少なくとも一部から離隔するように配置され得る。
前記第1絶縁層の組成と前記第2絶縁層の組成は、互いに相異なっていてもよい。
前記複数の第2電極上に配置された上部基板をさらに含み、前記上部基板は、前記突出パターンと垂直に重畳されなくてもよい。
前記複数の第1電極は、互いに離隔するように配置された第1電極グループ及び第2電極グループを含み、前記複数の第2電極は、互いに離隔するように配置された第3電極グループ及び第4電極グループを含み、前記第1電極グループと前記第3電極グループは、前記基板に対して垂直する方向に互いに重畳され、前記第2電極グループと前記第4電極グループは、前記基板に対して垂直する方向に互いに重畳され得る。
前記上部基板は、前記第3電極グループ上に配置された第1上部基板、そして前記第1上部基板と離隔されて前記第4電極グループ上に配置された第2上部基板を含むことができる。
本発明の実施例によると、基板の反り現象を改善して長期的な信頼性、耐久性及び発電性能が高い熱電素子を得ることができる。
特に、本発明の実施例によると、基板と電極の間に配置される絶縁層及び基板の構造を用いて接合性能、熱伝導性能及び耐電圧性能を有するだけでなく、基板の反り現象が改善された熱電素子を得ることができる。
図1は、熱電素子の断面図である。
図2は、熱電素子の斜視図である。
図3は、シーリング部材を含む熱電素子の斜視図である。
図4は、シーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
図5は、本発明の一実施例による熱電素子の断面図である。
図6は、本発明の一実施例による熱電素子に含まれる基板、絶縁層及び電極の上面図である。
図7の(a)は、本発明の一実施例による熱電素子の分解斜視図であり、図7の(b)は、本発明の一実施例による熱電素子の斜視図である。
図8は、本発明の他の実施例による熱電素子に含まれる基板、絶縁層及び電極の上面図である。
図9は、本発明の他の実施例による熱電素子の斜視図である。
図10は、本発明のまた他の実施例による熱電素子の斜視図である。
図11は、本発明のまた他の実施例による熱電素子に含まれる基板、絶縁層及び電極の上面図である。
図12は、本発明の一実施例による熱電モジュールでヒートシンクと第2基板間の接合構造を示す。
図13は、熱電素子の上部基板が単一基板であるときのシミュレーション結果である。
図14は、熱電素子の上部基板が分割基板であるときのシミュレーション結果である。
図15は、第2絶縁層が全面塗布されたモデルによるシミュレーション結果である。
図16は、第2絶縁層がパターン塗布されたモデルによるシミュレーション結果である。
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
ただし、本発明の技術思想は、説明される一部実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例の間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して用いることができる。
また、本発明の実施例で用いられる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者により一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞典に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができる。
また、本発明の実施例で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
本明細書で、単数形は、文句で特に言及しない限り複数形も含むことができ、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(又は一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせることができる全ての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。
このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は手順などが限定されない。
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されたと記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結、結合又は接続される場合だけではなく、その構成要素と他の構成要素の間にあるまた他の構成要素により「連結」、「結合」又は「接続」される場合も含むことができる。
また、各構成要素の「上又は下」に形成又は配置されるものと記載される場合、上又は下は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけではなく、一つ以上のまた他の構成要素が二つの構成要素の間に形成又は配置される場合も含む。また、「上又は下」で表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
図1は、熱電素子の断面図であり、図2は、熱電素子の斜視図である。図3は、シーリング部材を含む熱電素子の斜視図であり、図4は、シーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
図1及び図2を参照すると、熱電素子100は、下部基板110、下部電極120、P型熱電脚130、N型熱電脚140、上部電極150及び上部基板160を含む。
下部電極120は、下部基板110とP型熱電脚130及びN型熱電脚140の下部底面の間に配置され、上部電極150は、上部基板160とP型熱電脚130及びN型熱電脚140の上部底面の間に配置される。これによって、複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140は、下部電極120及び上部電極150により電気的に連結される。下部電極120と上部電極150の間に配置され、電気的に連結される一対のP型熱電脚130及びN型熱電脚140は、単位セルを形成することができる。
例えば、リード線181、182を通じて下部電極120及び上部電極150に電圧を印加すると、ペルチェ効果によりP型熱電脚130からN型熱電脚140に電流が流れる基板は、熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電脚140からP型熱電脚130に電流が流れる基板は、加熱されて発熱部として作用することができる。又は、下部電極120及び上部電極150の間に温度差を加えると、ゼーベック効果によりP型熱電脚130及びN型熱電脚140内の電荷が移動して電気が発生できる。
図1~図4で、リード線181、182が下部基板110に配置されるものとして図示しているが、これに制限されるものではなく、リード線181、182が上部基板160に配置されるか、リード線181、182のうち一つが下部基板110に配置され、残りの一つが上部基板160に配置されてもよい。
ここで、P型熱電脚130及びN型熱電脚140は、ビスマス(Bi)及びテルル(Te)を主原料で含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電脚であってもよい。P型熱電脚130は、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電脚であってもよい。例えば、P型熱電脚130は、全体重量100wt%に対して、主原料物質であるBi-Sb-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。N型熱電脚140は、セレニウム(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電脚であってもよい。例えば、N型熱電脚140は、全体重量100wt%に対して、主原料物質であるBi-Se-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。これによって、本明細書で熱電脚は、半導体構造物、半導体素子、半導体材料層、半導体物質層、半導体素材層、導電性半導体構造物、熱電構造物、熱電材料層、熱電物質層、熱電素材層などと指称されてもよい。
P型熱電脚130及びN型熱電脚140は、バルク型又は積層型に形成され得る。一般的に、バルク型P型熱電脚130又はバルク型N型熱電脚140は、熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕してスクリーニングして熱電脚用粉末を獲得した後、これを焼結し、焼結体をカッティングする過程を通じて得られる。このとき、P型熱電脚130及びN型熱電脚140は、多結晶熱電脚であってもよい。このように、P型熱電脚130及びN型熱電脚140は、多結晶熱電脚である場合、P型熱電脚130及びN型熱電脚140の強度が高くなり得る。積層型P型熱電脚130又は積層型N型熱電脚140は、シート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層してカッティングする過程を通じて得られる。
このとき、一対のP型熱電脚130及びN型熱電脚140は、同一の形状及び体積を有するか、互いに異なる形状及び体積を有することができる。例えば、P型熱電脚130とN型熱電脚140の電気伝導特性が相異なるので、N型熱電脚140の高さ又は断面積をP型熱電脚130の高さ又は断面積と異なるように形成してもよい。
このとき、P型熱電脚130又はN型熱電脚140は、円筒状、多角柱状、楕円形柱状などを有することができる。
または、P型熱電脚130又はN型熱電脚140は、積層型構造を有してもよい。例えば、P型熱電脚又はN型熱電脚は、シート状の基材に半導体物質が塗布された複数の構造物を積層した後、これを切断する方法により形成され得る。これによって、材料の損失を阻んで電気伝導特性を向上させ得る。各構造物は、開口パターンを有する伝導性層をさらに含むことができ、これによって、構造物間の接着力を高め、熱伝導度を低め、電気伝導度を高めることができる。
または、P型熱電脚130又はN型熱電脚140は、一つの熱電脚内で断面積が相異なるように形成されてもよい。例えば、一つの熱電脚内で電極に向かって配置される両端部の断面積が両端部の間の断面積より大きく形成されてもよい。これによると、両端部間の温度差を大きく形成し得るので、熱電効率が高くなり得る。
本発明の一実施例による熱電素子の性能は、熱電性能指数(figure of merit、ZT)で示すことができる。熱電性能指数(ZT)は、数学式1のように示すことができる。
Figure 2023545877000002
ここで、αは、ゼーベック係数[V/K]であり、σは、電気伝導度[S/m]であり、ασは、力率(Power Factor、[W/mK])である。そして、Tは、温度であり、kは、熱伝導度「W/mK」である。kは、a・cp・ρで示すことができ、aは、熱拡散度「cm/S」であり、cpは、比熱「J/gK」であり、ρは、密度[g/cm]である。
熱電素子の熱電性能指数を得るために、Zメーターを用いてZ値(V/K)を測定し、測定したZ値を用いて熱電性能指数(ZT)を計算することができる。
ここで、下部基板110とP型熱電脚130及びN型熱電脚140の間に配置される下部電極120、そして上部基板160とP型熱電脚130及びN型熱電脚140の間に配置される上部電極150は、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)及びニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含み、0.01mm~0.3mmの厚さを有することができる。下部電極120又は上部電極150の厚さが0.01mm未満である場合、電極としての機能が落ちて電気伝導性能が低くなることがあり、0.3mmを超過する場合、抵抗の増加によって伝導効率が低くなることがある。
また、相互対向する下部基板110と上部基板160は、金属基板であってもよく、その厚さは、0.1mm~1.5mmであっってもよい。金属基板の厚さが0.1mm未満であるか、1.5mmを超過する場合、放熱特性又は熱伝導率が過度に高くなり得るので、熱電素子の信頼性が低下し得る。また、下部基板110と上部基板160が金属基板である場合、下部基板110と下部電極120の間及び上部基板160と上部電極150の間には、それぞれ絶縁層170がさらに形成され得る。絶縁層170は、1~20W/mKの熱伝導度を有する素材を含むことができる。
このとき、下部基板110と上部基板160のサイズは、異なるように形成されてもよい。例えば、下部基板110と上部基板160のうち一つの体積、厚さ又は面積は、他の一つの体積、厚さ又は面積より大きく形成され得る。これによって、熱電素子の吸熱性能又は放熱性能を高めることができる。例えば、ゼーベック効果のために高温領域に配置されるか、ペルチェ効果のために発熱領域に適用されるか又は熱電モジュールの外部環境から保護のためのシーリング部材が配置される基板の体積、厚さ又は面積のうち少なくとも一つが他の基板の体積、厚さ又は面積のうち少なくとも一つより大きくてもよい。
また、下部基板110と上部基板160のうち少なくとも一つの表面には、放熱パターン、例えば、凹凸パターンが形成されてもよい。これによって、熱電素子の放熱性能を高めることができる。凹凸パターンがP型熱電脚130又はN型熱電脚140と接触する面に形成される場合、熱電脚と基板の間の接合特性も向上され得る。熱電素子100は、下部基板110、下部電極120、P型熱電脚130、N型熱電脚140、上部電極150及び上部基板160を含む。
図3及び図4に示したように、下部基板110と上部基板160の間には、シーリング部材190がさらに配置されてもよい。シーリング部材190は、下部基板110と上部基板160の間で下部電極120、P型熱電脚130、N型熱電脚140及び上部電極150の側面に配置され得る。これによって、下部電極120、P型熱電脚130、N型熱電脚140及び上部電極150は、外部の湿気、熱、汚染などからシーリングされ得る。ここで、シーリング部材190は、複数の下部電極120の最外郭、複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140の最外郭及び複数の上部電極150の最外郭の側面から所定距離が離隔されて配置されるシーリングケース192、シーリングケース192と下部基板110の間に配置されるシーリング材194及びシーリングケース192と上部基板160の間に配置されるシーリング材196を含むことができる。このように、シーリングケース192は、シーリング材194、196を媒介として下部基板110及び上部基板160と接触することができる。これによって、シーリングケース192が下部基板110及び上部基板160と直接接触する場合、シーリングケース192を通じて熱伝導が起きることになり、結果的に、下部基板110と上部基板160間の温度差が低くなる問題を防止することができる。ここで、シーリング材194、196は、エポキシ樹脂及びシリコン樹脂のうち少なくとも一つを含むか、エポキシ樹脂及びシリコン樹脂のうち少なくとも一つが両面に塗布されたテープを含むことができる。シーリング材194、194は、シーリングケース192と下部基板110の間及びシーリングケース192と上部基板160の間を気密する役目をし、下部電極120、P型熱電脚130、N型熱電脚140及び上部電極150のシーリング効果を高めることができ、仕上げ材、仕上げ層、防水材、防水層などと混用され得る。ここで、シーリングケース192と下部基板110の間をシーリングするシーリング材194は、下部基板110の上面に配置され、シーリングケース192と上部基板160の間をシーリングするシーリング材196は、上部基板160の側面に配置され得る。一方、シーリングケース192には、電極に連結されたリード線181、182を引き出すためのガイド溝Gが形成され得る。このために、シーリングケース192は、プラスチックなどからなった射出成形物であってもよく、シーリングカバーと混用され得る。ただし、シーリング部材に関する以上の説明は、例示に過ぎず、シーリング部材は、多様な形態に変形され得る。図示されていないが、シーリング部材を取り囲むように断熱材がさらに含まれてもよい。又は、シーリング部材は、断熱成分を含んでもよい。
以上で、下部基板110、下部電極120、上部電極150及び上部基板160という用語を用いたが、これは理解の容易さ及び説明の便宜のために任意に上部及び下部と指称したものであって、下部基板110及び下部電極120が上部に配置され、上部電極150及び上部基板160が下部に配置されるように位置が逆転されてもよい。
一方、上述したように、熱電素子の熱伝導性能を向上させるために、金属基板を使おうとする試みが増えている。ただし、熱電素子が金属基板を含む場合、熱伝導の側面では、有利な効果を得ることができるが、耐電圧が低くなる問題がある。特に、熱電素子が高電圧環境下に適用される場合、2.5kV以上の耐電圧性能が要求されている。熱電素子の耐電圧性能を改善するために、金属基板と電極の間に組成が互いに異なる複数の絶縁層を配置することができる。
図5は、本発明の一実施例による熱電素子の断面図である。図1~図4で説明した内容と同一の内容に対しては重複する説明を省略する。
図5を参照すると、本発明の実施例による熱電素子300は、第1基板310、第1基板310上に配置された第1絶縁層320、第1絶縁層320上に配置された第2絶縁層324、第2絶縁層324上に配置された複数の第1電極330、複数の第1電極330上に配置された複数のP型熱電脚340及び複数のN型熱電脚350、複数のP型熱電脚340及び複数のN型熱電脚350上に配置された複数の第2電極360、複数の第2電極360上に配置された第3絶縁層370及び第3絶縁層370上に配置された第2基板380を含む。第1基板310、第1電極330、P型熱電脚340、N型熱電脚350、第2電極360及び第2基板380それぞれに対して、図1~図4の 第1基板110、 第1電極120、P型熱電脚130、N型熱電脚140、 第2電極150及び 第2基板160に対する説明が同一に適用され得る。
図5に図示しなかったが、第1基板310又は第2基板380には、ヒートシンクがさらに配置されてもよく、第1基板310と第2基板380の間には、シーリング部材がさらに配置されてもよい。
本発明の実施例によると、第1基板310上に第1絶縁層320及び第2絶縁層324が配置され、第2絶縁層324上に第1電極330が配置される。
このとき、第1絶縁層320は、例示的に樹脂物質を含むことができ、シリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)及び無機充填材を含むことができる。ここで、複合体は、Si元素とAl元素を含む無機物とアルキル鎖で構成された有無機複合体であってもよく、シリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物及び窒化物のうち少なくとも一つであってもよい。例えば、複合体は、Al-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合及びAl-O結合のうち少なくとも一つを含むことができる。このように、Al-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合及びAl-O結合のうち少なくとも一つを含む複合体は、絶縁性能に優れ、これによって、高い耐電圧性能を得ることができる。または、複合体は、シリコン及びアルミニウムと共にチタニウム、ジルコニウム、ホウ素、亜鉛などをさらに含む酸化物、炭化物、窒化物であってもよい。このために、複合体は、無機バインダ及び有無機混合バインダのうち少なくとも一つとアルミニウムを混合した後に熱処理する過程を通じて得られることができる。無機バインダは、例えば、シリカ(SiO)、金属アルコキシド、酸化ホウ素(B)及び酸化亜鉛(ZnO)のうち少なくとも一つを含むことができる。無機バインダは、無機粒子であるが、水に触れると、ゾル又はゲル化されてバインディングとしての役目をすることができる。このとき、シリカ(SiO)、金属アルコキシド及び酸化ホウ素(B)のうち少なくとも一つは、アルミニウム間の密着力又は第1基板310との密着力を高める役目をし、酸化亜鉛(ZnO)は、第1絶縁層320の強度を高め、熱伝導率を高める役目をすることができる。無機充填材は、複合体内に分散し得、酸化アルミニウム及び窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
一方、第2絶縁層324は、エポキシ樹脂及び無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物及びPDMS(polydimethylsiloxane)を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなってもよい。これによって、第2絶縁層324は、第1絶縁層320と第1電極330間の絶縁層、接合力及び熱伝導性能を向上させ得る。
ここで、無機充填材は、樹脂層の60~80wt%で含まれ得る。無機充填材が60wt%未満で含まれると、熱伝導効果が低くなり、無機充填材が80wt%を超過して含まれると、無機充填材が樹脂内に均一に分散しにくく、樹脂層は、容易に割れる恐れがある。
また、エポキシ樹脂は、エポキシ化合物及び硬化剤を含むことができる。このとき、エポキシ化合物10体積比に対して硬化剤1~10体積比で含まれ得る。ここで、エポキシ化合物は、結晶性エポキシ化合物、非結晶性エポキシ化合物及びシリコンエポキシ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。無機充填材は、酸化アルミニウム又は窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
一方、第2絶縁層324は、未硬化状態又は半硬化状態の樹脂組成物を第1絶縁層320上に塗布した後、予め整列された複数の第1電極330を配置して加圧した後に硬化工程を通じて構成することができる。これによって、複数の第1電極330の側面の一部は、第2絶縁層324内に埋められる。このとき、第2絶縁層324内に埋められた複数の第1電極330の側面の高さH1は、複数の第1電極330の厚さHの0.1~1倍、好ましくは、0.2~0.9倍、より好ましくは、0.3~0.8倍であってもよい。このように、複数の第1電極330の側面の一部が第2絶縁層324内に埋められると、複数の第1電極330と第2絶縁層324の間の接触面積が広くなり、これによって、複数の第1電極330と第2絶縁層324の間の熱伝逹性能及び接合強度が一層高くなり得る。第2絶縁層324内に埋められた複数の第1電極330の側面の高さH1が複数の第1電極330の厚さHの0.1倍未満である場合、複数の第1電極330と第2絶縁層324の間の熱伝逹性能及び接合強度を十分に得にくくなり、第2絶縁層324内に埋められた複数の第1電極330の側面の高さH1が複数の第1電極330の厚さHの1倍を超過する場合、第2絶縁層324が複数の第1電極330上に上がることができ、これによって、電気的に短絡される可能性がある。
このように、第2絶縁層324は、第1凹部R1及び第1凹部R1の周囲に配置される第2凹部R2を含むことができる。複数の第1電極330は、それぞれ第1凹部R1上に配置され、第1凹部R1と第1基板310の間の第1垂直距離は、第2凹部R2と第1基板310の間の第2垂直距離より小さくてもよい。より詳しくは、複数の第1電極330の間で第2絶縁層324の厚さは、それぞれの電極の側面から中心領域に行くほど減少して、頂点が緩やかな「V」字状を有することができる。したがって、複数の第1電極330の間の絶縁層320、324は、厚さの偏差を有し、複数の第1電極330の側面と直接接触する領域での高さT2が最も高く、中心領域での高さT3は、複数の第1電極330の側面と直接接触する領域での高さT2より低い。すなわち、複数の第1電極330の間の絶縁層320、324の中心領域の高さT3は、複数の第1電極330の間の絶縁層320、324内で最も低い。また、複数の第1電極330下の絶縁層320、324の高さT1は、複数の第1電極330の間の絶縁層320、324の中心領域高さT3より低い。第2絶縁層324は、第2凹部R2を含むことによって、絶縁層に印加される応力を緩和し得るので、絶縁層のクラックや剥離などの問題を改善し得る。
一方、第1絶縁層320及び第2絶縁層324の組成は、互いに異なり、これによって、第1絶縁層320及び第2絶縁層324の硬度、弾性係数、引張強度、延伸率(elongation)及びヤング率(Young's modulus)のうち少なくとも一つが変わることができ、これによって、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能及び熱衝撃緩和性能などを制御することが可能である。例えば、第1絶縁層320の全体に対する複合体及び無機充填材の重量比は、第2絶縁層324の全体に対する無機充填材の重量比より高くてもよい。上述したように、複合体は、シリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)、より具体的には、シリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物及び窒化物のうち少なくとも一つを含む複合体であってもよい。例えば、第1絶縁層320の全体に対するセラミックス、すなわち、複合体及び無機充填材の重量比は、80wt%を超過し、第2絶縁層324の全体に対するセラミックス、すなわち、無機充填材の重量比は、60~80wt%であってもよい。このように、第1絶縁層320に含まれる複合体及び無機充填材の含量が第2絶縁層324に含まれる無機充填材の含量より高い場合、第1絶縁層320の硬度が第2絶縁層324の硬度より高い。これによって、第1絶縁層320は、高い耐電圧性能及び高い熱伝導性能を同時に有することができ、第2絶縁層324は、第1絶縁層320より高い弾性を有することができ、第2絶縁層324は、第1絶縁層320と第1電極330の間の接着性能を高めることができる。このとき、弾性は、引張強度(tensile strength)で示すことができる。例えば、第2絶縁層324の引張強度は、2~5MPa、好ましくは、2.5~4.5MPa、より好ましくは、3~4MPaであってもよく、第1絶縁層320の引張強度は、10MPa~100Mpa、好ましくは、15MPa~90MPa、より好ましくは、20MPa~80MPaであってもよい。
このとき、第2絶縁層324の厚さは、第1絶縁層320の厚さの1倍超過3.5倍以下、好ましくは、1.05倍以上2倍以下、より好ましくは、1.1倍以上~1.5倍以下であってもよい。例えば、第1絶縁層320の厚さは、35μm以下であり、第2絶縁層324の厚さは、35μm超過80μm以下、好ましくは、35μm超過70μm以下、より好ましくは、35μm超過50μm以下であってもよい。
第1絶縁層320の厚さ及び第2絶縁層324の厚さがそれぞれこのような数値範囲を満足させる場合、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能及び熱衝撃緩和性能を同時に得ることが可能である。また、第2凹部R2の窪んだ上面は、電極330の底面と基板の上面の間の垂直方向の高さより大きく、電極330の上面と基板の上面の間の垂直方向の高さより小さく配置し得る。このような構造を通じて、電極330を安定的に埋めると共に絶縁層に印加される応力を効率的に緩和し得る。
また、第1凹部R1の幅は、第2凹部R2の幅より大きく配置され得る。したがって、電極を基板上に稠密に配置する構造が可能となるので、熱電素子の発電性能又は温度調節性能を改善し得る。
ただし、第1絶縁層320及び第2絶縁層324は、相異なる熱膨脹係数を有することができる。これによると、熱電素子300が長期間高温に露出される場合、応力によって熱電素子300が反る現象が発生することがあり、熱電素子の長期的な信頼性、耐久性が低下し、熱電素子が発電装置に適用される場合、発電装置の発電性能を減少させ得る。
本発明の実施例によると、第1絶縁層320に比べて相対的に熱膨脹係数が大きい第2絶縁層324の配置構造を用いて基板の反り現象を改善しようとする。
図6は、本発明の一実施例による熱電素子に含まれる基板、絶縁層及び電極の上面図であり、図7の(a)は、本発明の一実施例による熱電素子の分解斜視図であり、図7の(b)は、本発明の一実施例による熱電素子の斜視図である。
図6及び図7を参照すると、本発明の実施例による熱電素子300は、第1基板310、第1基板310上に配置された第1絶縁層320、第1絶縁層320上に配置された第2絶縁層324、第2絶縁層324上に配置された複数の第1電極330、複数の第1電極330上に配置された複数のP型熱電脚340及び複数のN型熱電脚350、複数のP型熱電脚340及び複数のN型熱電脚350上に配置された複数の第2電極360、複数の第2電極360上に配置された第3絶縁層370及び第3絶縁層370上に配置された第2基板380を含む。第2基板380上には、ヒートシンク390がさらに配置され得る。
図1~図5を参照して説明した内容と同一の内容に対しては重複する説明を省略する。
熱電素子300に電圧を印加すると、第1基板310は、ペルチェ効果(Peltier effect)によって熱を吸収して低温部として作用し、第2基板380は、熱を放出して高温部として作用し得る。又は、第1基板310及び第2基板380に互いに異なる温度を加えると、温度差により高温領域の電子が低温領域に移動しながら熱起電力が発生する。これをゼーベック効果(Seebeck effect)と言い、これによる熱起電力により熱電素子の回路内に電気が発生し得る。
第1基板310には、複数の第1貫通ホール311が形成され得る。それと同様に、第2基板380には、複数の第2貫通ホール(図示せず)が形成され得、複数の第1貫通ホール311は、複数の第2貫通ホールに対応する位置に配置され得る。これによって、複数の結合部材(図示せず)は、複数の第1貫通ホール311と複数の第2貫通ホールを通過し得、複数の結合部材(図示せず)により第1基板310と第2基板380が固定され得る。
一般的に、銅基板の熱膨脹係数(CTE)は、約18*10-6/mKであり、熱電脚の熱膨脹係数(CTE)は、約17.5*10-6/mKであり、第1絶縁層320及び第2絶縁層324の熱膨脹係数は、銅基板及び熱電脚の熱膨脹係数より大きく、第2絶縁層324の熱膨脹係数は、第1絶縁層320の熱膨脹係数より大きくてもよい。例えば、第2絶縁層324の接合性能及び第1絶縁層320の耐電圧性能を全て満足させるために、第2絶縁層324の熱膨脹係数は、第1絶縁層320の熱膨脹係数の2倍以上となってもよい。
本発明の実施例によると、第2絶縁層324を第1絶縁層320の一部上にのみ配置して基板の反り現象を最小化しようとする。
図6に示したように、第2絶縁層324の面積は、第1絶縁層320の面積より小さくてもよい。すなわち、第2絶縁層324は、第1絶縁層320の全面ではない一部上に配置され得る。これによると、第1絶縁層320と第2絶縁層324の間の熱膨脹係数差による第1基板310の反り現象を改善し、熱応力を緩和することができる。これによって、第1電極330又は熱電脚340、350が短絡するか、電気的に開放される問題を防止することができ、熱伝逹効果を改善し得、最終的には、熱電素子の発電量又は冷却特性を改善し得る。
より具体的に、図6及び図7を参照すると、第2絶縁層324は、複数の第1電極330、複数の半導体構造物340、350及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域P1を含むことができる。以下、本明細書で「垂直方向」は、第1基板310から第2基板380に向いた方向(Z方向)を意味することができる。
そして、第2絶縁層324は、複数の第1電極330、複数の半導体構造物340、350及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域P1で第1基板310の第1外側S1に向って突出された突出パターンP2、P3をさらに含むことができる。ここで、第1外側S1は、第1基板310の縁を成す第1~第4外側S1~S4のうち一つであり、複数の第1電極330から複数のターミナル電極T1、T2が突出される方向に配置され得る。これによると、第1絶縁層324の重畳領域P1と第1基板310の第1外側S1の間の距離は、第1絶縁層324の重畳領域P1と第1基板310の残りの外側(例えば、S2~S4)の間の距離より大きい。本明細書で、ターミナル電極T1、T2は、電線を連結するための電極であって、第2絶縁層324上で複数の第1電極330と同一平面上に配置され得る。ターミナル電極T1、T2それぞれの面積は、複数の第1電極330それぞれの面積より大きくてもよく、これによって、各ターミナル電極T1、T2上には、電線連結のためのコネクターC1、C2が配置され得る。ターミナル電極T1、T2が複数の第1電極330から第1外側S1に向かって突出される場合、第1基板310の第1外側S1から第4外側S4に向かう距離、すなわち、Y方向の距離は、第1基板310の第2外側S2から第3外側S3に向かう距離、すなわち、X方向の距離より大きくてもよい。
このとき、ターミナル電極T1、T2のうちコネクターC1、C2が配置される領域は、複数の半導体構造物340、350、複数の第2電極360、第3絶縁層370、第2基板380及びヒートシンク390と垂直方向(例えば、図7のZ方向)に重畳されなくてもよい。これによると、コネクターC1、C2にリード線を連結することが容易である。
このように、ターミナル電極T1、T2のうちコネクターC1、C2が配置される領域が第2基板380及びヒートシンク390と垂直方向に重畳されない場合、第1外側S1も第2基板380及びヒートシンク390と垂直方向に重畳されなくてもよい。すなわち、図6及び図7に示したように、第1外側S1に垂直する第2外側S2の少なくとも一部及び第3外側S3の少なくとも一部は、第2基板380及びヒートシンク390と垂直方向に重畳されるが、第1外側S1の全部は、第2基板380及びヒートシンク390と垂直方向に重畳されなくてもよい。
本発明の実施例によると、突出パターンP2、P3は、互いに離隔するように配置された第1突出パターンP2及び第2突出パターンP3を含み、第1突出パターンP2上に第1ターミナル電極T1が配置され、第2突出パターンP3上に第2ターミナル電極T2が配置され得る。これによると、第1基板310の一部には、第2絶縁層324を配置しなくてもよいので、熱膨脹係数が大きい第2絶縁層324により第1基板310が反る問題を最小化することができる。
より具体的に、本発明の実施例によると、突出パターンP2、P3の幅(W1+W2)は、複数の第1電極330、複数の半導体構造物340、350及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域P1の幅Wより小さくてもよく、突出パターンP2、P3と第1基板310の第1外側S1は、互いに離隔され得る。本明細書で、幅は、X方向の距離と定義され、長さは、Y方向の距離と定義され得る。これによると、複数の第1電極330、複数の半導体構造物340、350及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域P1と第1基板310の第1外側S1の間の一部に第2絶縁層324が配置されないので、第1基板310のY方向への反りを減らすことができる。
このとき、第1突出パターンP2及び第2突出パターンP3間の離隔距離d1は、第1基板310の第2外側S2と第1突出パターンP2間の距離d2及び第1基板310の第3外側S3と第2突出パターンP3間の距離d3それぞれの0.9~2倍、好ましくは、0.95~1.5倍、より好ましくは、0.97~1.2倍であってもよい。これによると、第1基板310の第2外側S2及び第3外側S3の間で第2絶縁層324が配置されない領域及び第1突出パターンP2と第2突出パターンP3の間で第2絶縁層324が配置されない領域が第2絶縁層324の突出パターンP2、P3の熱膨脹に対する緩衝作用をするので、第1基板310のX方向に対する反りを減らすことができ、第1基板310のX方向に対する反りは、第1基板310のX方向の中心に対して対称であってもよい。
一方、上述したように、突出パターンP2、P3と第1基板310の第1外側S1は、互いに離隔され得る。これによると、突出パターンP2、P3と第1基板310の第1外側S1の間で第2絶縁層324が配置されない領域は、第2絶縁層324の突出パターンP2、P3の熱膨脹に対する緩衝作用をするので、第1基板310のY軸方向に対する反りを減らすことができる。
このとき、シーリング部材(図示せず)は、第1外側S1で第1絶縁層320と接触するように配置され、第4外側S4で第2絶縁層324と接触するように配置され得る。すなわち、第2絶縁層324は、第1基板310の第1外側S1に配置されないので、ターミナル電極T1、T2により第1基板310のY軸方向の長さが長くなっても第1基板310のY軸方向の反りを減らすことができる。このとき、突出パターンP2、P3の突出長さD1は、突出パターンP2、P3から第1基板310の第1外側S1までの長さD2より大きくてもよい。これによると、第1基板310のY方向長さが必要以上に長くないので、第1基板310のY方向に対する反りを減らすことができる。
一方、本発明の実施例によると、第1絶縁層320は、第1基板310の縁、すなわち、第1基板310の第1~第4外側S1~S4の少なくとも一部から離隔するように配置され得る。第1絶縁層320が第1基板310の縁の少なくとも一部から離隔するように配置される場合、第1基板310の縁は、第1絶縁層320の熱膨脹による緩衝の役目を行うことができるので、第1基板310の反りを減らすことができる。また、例示的に、第1絶縁層320の熱膨脹係数は、第1基板310の熱膨脹係数とは異なっていてもよく、第1基板310の熱膨脹係数より大きくてもよい。
これと同様に、第2絶縁層324は、第1絶縁層320の縁の少なくとも一部から離隔するように配置され得る。第2絶縁層324が第1絶縁層320の縁の少なくとも一部から離隔するように配置される場合、第1絶縁層320の縁は、第2絶縁層324の熱膨脹による緩衝役目を行うことができるので、第1基板310の反りを減らすことができる。また、例示的に、第2絶縁層324の熱膨脹係数は、第1絶縁層320の熱膨脹係数より大きくてもよい。
一方、図7を参照すると、第2基板380は、複数の第2電極360上に配置され、このとき、第2基板380は、第2絶縁層324の突出パターンP2、P3と垂直に重畳されなくてもよい。第2絶縁層324の突出パターンP2、P3上には、ターミナル電極T1、T2が配置され、ターミナル電極T1、T2上には、電線連結のためのコネクターC1、C2が配置されるので、第2基板380は、第2絶縁層324の突出パターンP2、P3と垂直に重畳されない場合、コネクターを通じた電線連結が容易である。
図6を参照すると、第2絶縁層324の第2凹部R2は、第1電極330の周辺に配置され得る。第1電極330は、X軸方向の長さとY軸方向の長さが互いに異なる形状を有することができる。したがって、第2絶縁層324の第2凹部R2もX軸方向の長さが互いに異なるか、Y軸方向の長さが互いに異なる複数の形状を有することができる。複数の第1電極330及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域内で、第2絶縁層324の第2凹部R2が電極と電極の間に位置する構造を有することができ、第2絶縁層324の突出パターンP2、P3には、凹部ではない平坦部が位置することができる。したがって、第1基板310から第2絶縁層324に印加される応力をX軸方向及びY軸方向に緩和して基板の反り現象を防止することができ、第1絶縁層320及び第2絶縁層324のクラックや剥離現象を防止することができる。ただし、これに限定されず、ターミナル電極T1と電極330の間の距離が複数の第1電極330それぞれの間の距離に比べて大きいため、第2絶縁層324の突出パターンP2、P2では、第2絶縁層324の第2凹部R2が平坦部として現われてもよく、複数の第1電極330の間に配置された第2絶縁層324の第2凹部R2よりX軸方向の幅及びY軸方向の長さが大きい凹部が配置されてもよい。第2絶縁層324の第2凹部R2が複数の第1電極330及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域P1で互いに異なる幅を有し、突出パターンP2、P3で有する幅も互いに異なる構造を有することができるので、基板の反りを抑制する効果を有することができ、第2絶縁層324のクラックや剥離を防止するのに効果的である。
上述した実施例では、第1絶縁層320と第2絶縁層324を別に配置した構成に対して開示したが、これに限定せず、第1絶縁層320と第2絶縁層324は、単一層として配置され得る。単一層として配置される場合にも上述した熱伝導特性と耐電圧特性を確保するために無機物充電材を含む樹脂物質が適用され得るが、これに限定しない。また、単一層として配置される場合にも第2絶縁層324のパターンは同じ形態を取ることができる。
一方、本発明の実施例によると、基板の反りを減らすために、第1基板310及び第2基板380うち少なくとも一つを分割された複数の基板で構成してもよい。
図8は、本発明の他の実施例による熱電素子に含まれる基板、絶縁層及び電極の上面図であり、図9は、本発明の他の実施例による熱電素子の斜視図であり、図10は、本発明のまた他の実施例による熱電素子の斜視図であり、図11は、本発明のまた他の実施例による熱電素子に含まれる基板、絶縁層及び電極の上面図である。
図8~図11を参照すると、本発明の実施例による熱電素子300は、第1基板310、第1基板310上に配置された第1絶縁層320、第1絶縁層320上に配置された第2絶縁層324、第2絶縁層324上に配置された複数の第1電極330、複数の第1電極330上に配置された複数のP型熱電脚340及び複数のN型熱電脚350、複数のP型熱電脚340及び複数のN型熱電脚350上に配置された複数の第2電極360、複数の第2電極360上に配置された第3絶縁層370及び第3絶縁層370上に配置された第2基板380を含む。第2基板380上には、ヒートシンク390がさらに配置され得る。
図1~図7を参照して説明した内容と同一の内容に対しては重複する説明を省略する。
本発明の実施例によると、第2基板380は、互いに離隔するように配置された複数の第2基板381、382、383、384を含むことができ、第1基板310及び第2基板380に含まれる各第2基板381、382、383、384には、結合部材(図示せず)が通過するための貫通ホールが形成され得る。
第1基板310には、複数の第1貫通ホール311が形成され得る。そして、複数の第2基板381、382、383、384それぞれには、第2貫通ホールが形成され得、複数の第1貫通ホール311は、第2貫通ホールに対応する位置に配置され得る。これによって、複数の結合部材(図示せず)は、複数の第1貫通ホール311と第2貫通ホールを通過することができ、複数の結合部材(図示せず)により第1基板310と複数の第2基板381、382、383、384が固定され得る。
一方、各第2基板381、382、383、384上に各ヒートシンク391、392、393、394が配置される場合、各ヒートシンク391、392、393、394には、第3貫通ホールが形成され得、複数の第1貫通ホール311は、第2貫通ホール及び第3貫通ホールに対応する位置に配置され得る。これによって、複数の結合部材(図示せず)は、複数の第1貫通ホール311、第2貫通ホール及び第3貫通ホールを通過することができ、複数の結合部材により第1基板310、第2基板380及びヒートシンク390が固定され得る。
一方、図8~図10に示したように、第2基板380が複数の第2基板381、382、383、384に分割された場合、第2基板380が高温に頻繁に露出されても第2基板380が熱膨脹により熱変形される問題を防止することができ、大面積アプリケーションに適用することが容易である。
本発明の実施例によると、図10に示したように、複数の第2基板381、382、383、384の間の離隔領域に絶縁体1000がさらに配置されてもよい。これによると、絶縁体1000は、複数の第2基板381、382、383、384の間を接合することができ、これによって、複数の第2基板381、382、383、384の間の離隔領域は、シーリングされ得る。
一方、第2基板380が互いに離隔するように配置された複数の第2基板381、382、383、384を含む場合、第1基板310上に配置される複数の第1電極330は、複数の第2基板381、382、383、384に対して対応するように配置され得る。
すなわち、図8に示したように、複数の第1電極330は、互いに離隔するように配置された複数の電極グループを含み、第2電極360は、互いに離隔するように配置された複数の電極グループを含み、第1電極330の各電極グループは、第2電極360の各電極グループと第1基板310から第2基板380に向かう方向に互いに重畳され得る。
より具体的に、図8を参照すると、第1電極330は、互いに離隔するように配置された複数の電極グループ331、332、333、334を含むことができ、各電極グループ331、332、333、334は、互いに離隔するように配置された複数の電極330Eを含むことができる。図8に図示しなかったが、第2電極360は、複数の電極グループ331、332、333、334とそれぞれ第1基板310に対して垂直する方向に重畳される複数の電極グループを含むことができる。
第1ターミナル電極T1及び第2ターミナル電極T2が複数の電極グループ331、332、333、334のうち一つから突出され得る。第1ターミナル電極T1及び第2ターミナル電極T2のそれぞれには、コネクター(図示せず)が配置され得、これを通じて、外部電源と連結され得る。一方、第1電極330は、複数の電極グループ331、332、333、334のうち少なくとも一部を連結する連結電極部330Cをさらに含むことができる。連結電極部330Cは、例えば、第1-1電極グループ331及び第2-1電極グループ332の間に配置された第1連結電極330C1、第1-1電極グループ331及び第1-2電極グループ333の間に配置された第2連結電極330C2、第1-2電極グループ333及び第2-2電極グループ334の間に配置された第3連結電極330C3及び第2-1電極グループ332及び第2-2電極グループ334を連結する第4連結電極のうち少なくとも一つを含むことができる。複数の電極グループ331、332、333、334は、連結電極部330Cを通じて直接又は間接的に他の電極グループと連結され得、第1ターミナル電極T1及び第2ターミナル電極T2を通じて電気的経路を形成し得る。
各電極グループ331、332、333、334は、ホール配置領域310Hを空けておいて配置され得る。図示しなかったが、第2電極360もホール配置領域310Hに対応するホール配置領域を空けておいて配置され得る。ここで、ホール配置領域310Hは、ホール311に最も隣接するように配置された電極330Eのホール311に最も隣接するように配置された縁を連結した仮想の線からなった領域を意味することができる。ホール配置領域の面積は、電極330Eの面積の4倍以上、好ましくは、6倍以上、より好ましくは、8倍以上であってもよい。これによると、ホール311と第1電極330の間の所定の離隔距離を維持することができるので、ホール311を通過する締結部材(図示せず)と第1電極330の間の所定の離隔距離を維持することができ、これによって、熱電素子300の耐電圧性能がAC 1kV以上に維持され得る。
このとき、複数の電極グループ331、332、333、334の間の離隔領域は、複数の第2基板381、382、383、384の間の離隔領域に対応することができ、複数の電極グループ331、332、333、334の間の離隔距離は、各電極グループ331、332、333、334内の複数の電極330Eの間の離隔距離より大きくてもよい。
例えば、第1電極330は、第1-1電極グループ331、第1-1電極グループ331から第1方向に離隔するように配置された第2-1電極グループ332、第1-1電極グループ331から第1方向に垂直する第2方向に離隔するように配置された第1-2電極グループ333及び第1-2電極グループ333から第1方向に離隔され、第2-1電極グループ332から第2方向に離隔するように配置された第2-2電極グループ334を含む場合、第1-1電極グループ331及び第1-2電極グループ333は、第2-1電極グループ332及び第2-2電極グループ334と第1方向に離隔され、第1-1電極グループ331及び第2-1電極グループ332は、第1-2電極グループ333及び第2-2電極グループ334と第2方向に離隔され得る。
一方、図11を参照すると、ダミー部900が複数の電極グループ331、332、333、334の間の離隔領域の少なくとも一部で複数の電極グループ331、332、333、334の側面に配置され得る。このように、ダミー部900が配置されると、第1基板310の全体に対して均一に応力が加えられるので、W字の反り現象を減らすことができる。
例えば、第1ダミー部910は、第1-1電極グループ331及び第2-1電極グループ332の間に配置され得る。そして、第2ダミー部920は、第1-2電極グループ333及び第2-2電極グループ334の間に配置され得る。そして、第3ダミー部930は、第1-1電極グループ331及び第2-1電極グループ332と第1-2電極グループ333及び第2-2電極グループ334の間に配置され得る。このとき、第1ダミー部910及び第2ダミー部920は、第3ダミー部930により互いに離隔され得る。または、第1ダミー部910と第3ダミー部930の間には、第1電極グループ331と第2電極グループ332の間に配置された第1連結電極330C1が配置され、第2ダミー部920と第3ダミー部930の間には、第1-2電極グループ333と第2-2電極グループ334の間に配置された第3連結電極330C3が配置され得る。
これによると、第1基板310が高温に露出される場合、第1基板310に全体的に均一に応力が加えられるので、第1基板310のW字の反り現象を最小化することができる。
このとき、第1ダミー部910、第2ダミー部920及び第3ダミー部930のうち少なくとも一つは、各電極グループに含まれた各電極330Eと同一な形状及びサイズを有し、互いに離隔するように配置された複数のダミー構造物を含むことができる。
これによると、第1基板310が高温に露出される場合、第1基板310に全体的に均一に応力が加えられるので、第1基板310のW字の反り現象を最小化することができ、製造工程上ダミー部900の設計及び配置が容易である。
このとき、各ダミー構造物は、金属層であってもよい。例えば、金属層は、電極330Eと同一な材料、形状及びサイズを有するが、金属層上に熱電脚が配置されず、金属層が他の電極330Eと電気的に連結されなくてもよい。これによると、製造工程上ダミー部900の設計及び配置が容易である。
または、各ダミー構造物は、樹脂層であってもよい。例えば、樹脂層は、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。このような樹脂層は、耐熱性能を有するので、各電極グループ間の熱伝導を防止することができ、各電極グループ内の電極と第1基板間の熱伝導効率を高めることができる。また、このような樹脂層は、絶縁性能を有するので、第1基板310側の耐電圧性能を高めることができる。
ここで、第2絶縁層324の面積は、第1絶縁層320の面積より小さくてもよい。すなわち、第2絶縁層324は、複数の第1電極330、複数の半導体構造物340、350及び複数の第2電極360が垂直に重畳される領域P1及びそれから第1基板310の第1外側S1に向かって突出された突出パターンP2、P3を含むことができる。突出パターンP2、P3上には、ターミナル電極T1、T2が配置され得、突出パターンP2、P2は、第2基板381、382、383、384と垂直に重畳しないように配置され得る。
これ以外に、第1基板310、第1絶縁層320及び第2絶縁層324と関連された詳細的な内容は、図5~図7で説明した内容と同一なので、説明の便宜のために重複する説明を省略する。
これによると、第1基板310側だけでなく、第2基板380側でも基板の反りを防止し得るので、熱電素子300全体の反りを最小化することができる。
図12は、本発明の一実施例による熱電素子でヒートシンクと第2基板の間の接合構造を示す。
図12を参照すると、熱電素子300は、複数の結合部材400により締結され得る。例えば、第2基板380にヒートシンク390が配置された場合、複数の結合部材400は、ヒートシンク390と第2基板380を締結するか、ヒートシンク390、第2基板380と第1基板(図示せず)を締結するか、ヒートシンク390、第2基板380、第1基板(図示せず)と冷却部(図示せず)を締結するか、第2基板380、第1基板(図示せず)と冷却部(図示せず)を締結するか、第2基板380と第1基板(図示せず)を締結することができる。または、第1基板(図示せず)と冷却部(図示せず)は、第1基板(図示せず)上の有効領域の外側で他の締結部材を通じて連結されてもよい。
このために、ヒートシンク390、第2基板380、第1基板(図示せず)、冷却部(図示せず)には、結合部材400が貫通する貫通ホールSが形成され得る。ここで、貫通ホールSと結合部材400の間には、別途の絶縁挿入部材410がさらに配置され得る。別途の絶縁挿入部材410は、結合部材400の外周面を取り囲む絶縁挿入部材又は貫通ホールSの壁面を取り囲む絶縁挿入部材であってもよい。これによると、熱電素子の絶縁距離を広げることが可能である。
一方、絶縁挿入部材410の形状は、図12の(a)及び図12の(b)に示した通りである。
図12の(a)を参照すると、第2基板280の第2電極と接する第1面の貫通ホールSの直径d2’は、第1基板の第1電極と接する第1面の貫通ホールの直径と同一であってもよい。このとき、絶縁挿入部材410の形状によって、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は、第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と相異していてもよい。図示しなかったが、貫通ホールS領域に段差を形成せず第2基板380の上面の一部にのみ絶縁挿入部材410が配置されるか、第2基板380の上面から貫通ホールSの壁面の一部又は全部まで絶縁挿入部材410が延長されるように配置される場合、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は、第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と同一であってもよい。
図12(b)を参照すると、絶縁挿入部材410の形状によって、第2基板380の第2電極と接する第1面の貫通ホールSの直径d2’は、第1基板の第1電極と接する第1面の貫通ホールの直径より大きくてもよい。このとき、第2基板380の第1面の貫通ホールSの直径d2’は、第1基板の第1面の貫通ホールの直径の1.1~2.0倍であってもよい。第2基板380の第1面の貫通ホールSの直径d2’が第1基板の第1面の貫通ホールの直径の1.1倍未満であると、絶縁挿入部材410の絶縁効果が些細で熱電素子の絶縁破壊が引き起こされ、第2基板380の第1面の貫通ホールSの直径d2’が第1基板の第1面の貫通ホールの直径の2.0倍を超過すると、貫通ホールSが占める領域のサイズが相対的に増加することになって第2基板380の有効面積が減ることになり、熱電素子の効率が低下され得る。
そして、絶縁挿入部材410の形状によって、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は、第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と相異なってもよい。上述したように、第2基板380の貫通ホールS領域に段差が形成されない場合、第2基板380の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は、第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と同一であってもよい。
以下、本発明の実施例による熱電素子の反り改善効果をシミュレーションした結果を説明する。
図13は、熱電素子の上部基板が単一基板であるときのシミュレーション結果であり、図14は、熱電素子の上部基板が分割基板であるときのシミュレーション結果である。シミュレーションにおいて、基板の熱膨脹係数は、18*10-6/mKであり、熱電脚の熱膨脹係数は、17.5*10-6/mKであり、第1絶縁層の熱膨脹係数は、30*10-6/mK以下であり、第2絶縁層の熱膨脹係数は、92*10-6/mKであると設定し、図13の(a)のモデルによる上部基板は、図7に示したような単一基板であり、図14の(a)のモデルによる上部基板は、図9に示したような分割基板で構成した。下部基板側の温度を35℃に固定し、上部基板側の温度を200℃から50℃まで下げた後、再び200℃に上げる過程を1cycleとして、総合30cycle後の基板の反りを測定した。図13の(b)及び図14の(b)は、それぞれ30cycle後の図13の(a)及び図14の(a)のターミナル電極の突出方向に垂直する方向(以下、短軸方向)の断面であり、図13の(c)及び図14の(c)は、それぞれcycle数による図13の(b)及び図14の(b)の1番地点及び2番地点の間の変形程度(deformation)を示すグラフである。図13の(c)及び図14の(c)は、同一なスケール(scale)を有するグラフである。
図13の(a)~図13の(c)と、図14の(a)~図14の(c)を参照すると、上部基板を分割基板で構成する場合、基板の短軸方向による反りを顕著に減らし得ることが分かる。すなわち、上部基板が単一基板である場合、1番地点と2番地点間のギャップ(図13の(a))に対して上部基板が分割基板である場合、1番地点と2番地点間のギャップ(図14の(a))の比は、約54%に減ることが分かる。
図15は、第2絶縁層が全面塗布されたモデルによるシミュレーション結果であり、図16は、第2絶縁がパターン塗布されたモデルによるシミュレーション結果である。シミュレーションにおいて、基板の熱膨脹係数は、18*10-6/mKであり、熱電脚の熱膨脹係数は、17.5*10-6/mKであり、第1絶縁層の熱膨脹係数は、30*10-6/mK以下であり、第2絶縁層の熱膨脹係数は、92*10-6/mKであると設定し、上部基板は、図9に示したような分割基板で構成した。図15のモデルでは、第2絶縁層を第1絶縁層の全面上に塗布し、図16のモデルでは、図6及び図8などに示したように、第2絶縁層が突出パターンを有するように第1絶縁層の一部上に塗布した。
下部基板側の温度を35℃に固定し、上部基板側の温度を200℃から50℃まで下げた後、再び200℃に上げる過程を1 cycleとして、総合30 cycle後の基板の反りを測定した。図15の(b)及び図16の(b)は、それぞれ30 cycle後の図15の(a)及び図15(a)のターミナル電極の突出方向(以下、長軸方向)で1番地点及び2番地点間の変形程度(deformation)を示すグラフである。図15の(b)及び図16の(b)は、同一なスケールを有するグラフである。
図15及び図16を参照すると、図15のモデルに比べて図16のモデルで1番地点と2番地点の間のギャップ(gap)、すなわち、長軸方向の反りが顕著に低く現われることが分かる。すなわち、第2絶縁層が全面塗布されたモデルで1番地点と2番地点の間のギャップ(図15の(b))に対して第2絶縁層がパターン塗布されたモデルで1番地点と2番地点の間のギャップ(図16の(b))の比は、約53%に減ることができる。
このように、本発明の実施例のように、第2絶縁層をパターン化すると、基板の反り現象を改善し得ることが分かる。また、第1基板及び第2基板のうち一つを分割基板で構成すると、基板の反り現象を改善し得ることが分かる。基板の反り形象及び反り幅が改善される場合、熱電素子内の電極と熱電脚間の接合面から発生する反力が減り、熱電素子と冷却部間の接合力が高くなり得、これによって、長期的な信頼性、耐久性及び発電性能に優れた熱電素子を得ることができる。
図示しなかったが、本発明の実施例による熱電素子がゼーベック効果を用いる発電装置に適用される場合、熱電素子は、第1流体流動部及び第2流体流動部と結合することができる。第1流体流動部は、熱電素子の第1基板及び第2基板のうち一つに配置され、第2流体流動部は、熱電素子の第1基板及び第2基板のうち他の一つに配置され得る。第1流体流動部及び第2流体流動部のうち少なくとも一つには、第1流体及び第2流体のうち少なくとも一つが流動するように流路が形成され得、場合によって、第1流体流動部及び第2流体流動部のうち少なくとも一つが省略され、第1流体及び第2流体のうち少なくとも一つが熱電素子の基板に直接的に流動してもよい。例えば、第1基板及び第2基板のうち一つと隣接して第1流体が流動し、他の一つと隣接して第2流体が流動することができる。このとき、第2流体の温度は、第1流体の温度より高くてもよい。これによって、第1流体流動部は、冷却部であると指称され得る。他の実施例として、第1流体の温度は、第2流体の温度より高くてもよい。これによって、第2流体流動部は、冷却部であると指称され得る。ヒートシンク390は、第1流体流動部及び第2流体流動部のうちより高い温度の流体が流れる側の基板に連結され得る。第1流体と第2流体の間の温度差の絶対値は、40℃以上、好ましくは、70℃以上、より好ましくは、95℃~185℃であってもよい。
本発明の実施例による熱電素子又は熱電モジュールが船舶、自動車などの運送器具に用いられる場合、エンジンの排気側から排出される廃熱を用いて発電することができ、発電されたエネルギーは、運送器具のバッテリーなどに蓄電されて運送器具内の各種装置、例えば、照明、気体循環装置などに供給され得る。本発明の実施例による熱電素子がエンジンの吸気側に配置される場合、本発明の実施例による熱電素子は、発電装置だけでなく、温度調節装置として用いられてもよい。本発明の実施例による熱電素子が温度調節装置で用いられる場合、エンジンに注入される気体の温度を下げることでエンジンに注入される気体の量を増加させることによって、エンジンの燃料効率を改善することができる。これによって、運送器具内のエンジンと本発明の実施例による熱電素子は、互いに影響を及ぼし、機能的一体性又は技術的連動性を有することができる。また、本発明の実施例による熱電素子が適用された運送器具を用いた海運業、運送業では、本発明の実施例による熱電素子により運送費節減と環境にやさしい産業環境が形成され得、本発明の実施例による熱電素子と機能的一体性又は技術的連動性を成すことができる。
本発明の実施例による熱電素子が発電所に用いられる場合、発電所で発生する熱を用いて生産エネルギー対比使用燃料の効率を調節することができ、これによって、エネルギー生産費用と環境にやさしい産業環境を調整することによって、本発明の実施例による熱電素子と発電所は、機能的一体性又は技術的連動性を成すことができる。
本発明の実施例による熱電素子が製鉄所などのプラントに用いられる場合、プラントで発生する廃熱を用いた発電を通じてエネルギーを生産することによって、プラントで用いるエネルギー消費を節減することができ、温度調節装置で用いられる場合、製品の製造コスト又はプラント内の温度調節をすることによって、プラントの他の構成に影響を及ぼすので、本発明の実施例による熱電素子とプラントの他の構成は、機能的一体性又は技術的連動性を成すことができる。
本発明の実施例による熱電素子は、無線ネットワークの温度センサーやセンサーにエネルギーを供給するための消費電力供給装置で用いられ得る。すなわち、センサーなどに永久的なエネルギー供給が可能なので、地下に設置される温度センサーや温度センサーの電力供給装置で用いられる場合、無線ネットワークシステムと機能的一体性又は技術的連動性を成すことができる。
本発明の実施例による熱電素子は、温度調節装置で用いられ得、電気車、バッテリー充電装置などに用いられる場合、電気車やバッテリー充電装置の温度を調節することによって、電気車やバッテリー充電装置の安定性を高めるなどの機能を通じて機能的一体性又は技術的連動性を成すことができる。
上記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の通常の知識を有した者は、下記の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更できることは理解すべきである。

Claims (10)

  1. 基板、
    前記基板上に配置された第1絶縁層、
    前記第1絶縁層上に配置され、前記第1絶縁層の面積より小さい面積を有する第2絶縁層、
    前記第2絶縁層上に配置された複数の第1電極、
    前記複数の第1電極それぞれの上に配置された複数の半導体構造物、及び
    前記複数の半導体構造物上に配置された複数の第2電極を含み、
    前記第2絶縁層は、前記複数の第1電極、前記複数の第2電極及び前記複数の半導体構造物が垂直に重畳される重畳領域及び前記重畳領域から前記基板の縁を成す複数の外側のうち一つである第1外側に向かって突出された突出パターンを含むことを特徴とする、熱電素子。
  2. 前記突出パターンの幅は、前記重畳領域の幅より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の熱電素子。
  3. 前記突出パターンと前記基板の第1外側は、互いに離隔されたことを特徴とする、請求項2に記載の熱電素子。
  4. 前記突出パターンの突出長さは、前記突出パターンから前記第1外側までの長さより大きいことを特徴とする、請求項3に記載の熱電素子。
  5. 前記突出パターンは、互いに離隔するように配置された第1突出パターン及び第2突出パターンを含み、
    前記第1突出パターン及び前記第2突出パターンの間の離隔距離は、前記基板で前記第1外側と垂直する第2外側及び前記第1突出パターン間の距離と、前記基板で前記第1外側と垂直して前記第2外側と対向する第3外側及び前記第2突出パターン間の距離それぞれの0.9~2倍であることを特徴とする、請求項2に記載の熱電素子。
  6. 前記複数の第1電極から前記第1外側に向かって突出された第1ターミナル電極及び第2ターミナル電極をさらに含み、
    前記第1ターミナル電極及び前記第2ターミナル電極は、それぞれ前記第1突出パターン及び前記第2突出パターン上に配置されたことを特徴とする、請求項5に記載の熱電素子。
  7. 前記第1外側で前記第1絶縁層と接触し、前記第1外側と対向する第4外側で前記第2絶縁層と接触するように配置されるシーリング部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱電素子。
  8. 前記第2絶縁層は、第1凹部及び前記第1凹部の周囲に配置される第2凹部を含み、
    前記複数の第1電極は、それぞれ前記第1凹部上に配置され、前記第1凹部と前記基板の間の第1垂直距離は、前記第2凹部と前記基板の間の第2垂直距離より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の熱電素子。
  9. 前記第1絶縁層は、前記第1基板の縁の少なくとも一部から離隔するように配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱電素子。
  10. 前記複数の第2電極上に配置された上部基板をさらに含み、
    前記上部基板は、前記突出パターンと垂直に重畳されないことを特徴とする、請求項1に記載の熱電素子。
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