JP2023545364A - 疾患マーカー - Google Patents

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Abstract

筋萎縮症に関連する染色体相互作用を分析するプロセス。

Description

本発明は疾患プロセスに関連する。
筋萎縮症(MD)は、通常、時間と共に骨格筋の筋力の低下および損傷の増加をもたらす筋疾患群である。その障害は、主に影響を受ける筋肉、筋力低下の程度、悪化の速さ、そして発症時期によって異なる。最終的には多くの人々が歩くことができなくなる。あるタイプでは他の臓器の問題にも関係する。
本発明者らは、筋萎縮症に関連する染色体コンフォメーションシグネチャを特定した。そのため、本発明は、個体における筋萎縮症の状態を検出する方法であって、表1に示されるプローブにより表される1つまたは複数の染色体相互作用の存在または不存在を決定し、それにより個体における筋萎縮症を検出することを含む方法を提供する。
好ましくは、本方法は、筋萎縮症の治療または処置を受けるために個体を選択するために実施される。本方法は、身体的特徴、リスク因子または症候の存在にもとづき事前選択されている個体において実施することもできる。本方法は、通常、筋萎縮症を診断するため、または筋萎縮症の予後を決定するため、そして好ましくは筋萎縮症の重症度を決定するために実施される。
実験研究に使用された球脊髄性筋萎縮症(SBMA)サンプルの記述を示す。 全てのSMBAアレイのPCAを示す。900kEpiSwitch CCS超のPCA。サンプルSBMA0007は、問題を示している。全ての図において四角はpHCを示し、円はSMBAを示す。 SBMA0007が削除された全てのSMBAアレイのPCAを示す。その後、データは疾患サンプルと対照サンプルを分離する。 FRSスコープによりラベル付けされたサンプルを含むPCAを示す。FRSスコアによる明らかなクラスターはない。 CAGリピートによりラベル付けされたサンプルを含むPCAを示す。CAGリピートによる明らかなクラスターはない。 罹患期間によりラベル付けされたサンプルを含むPCAを示す。罹患期間による明らかなクラスターはない。 SBMAに存在するおよび存在しない上位の有意な染色体相互作用(「CCS」染色体コンフォメーションシグネチャとも称する)を示す。各セットの上位200個の相互作用は、同定されたFDRが<=0.05以下であった。相互作用の頻度によりランク分けされた、コホートあたり上位40個の相互作用を示す。 SBMAに存在する相互作用の遺伝的位置マッピングを示す。その図面は本明細書に含まれていないけれども、がんにおけるPD-L1発現およびPD-1チェックポイント経路が調べられ、それらに関連する相互作用がSBMA患者に存在することが確認された。 上位のSBMAに存在する相互作用関連遺伝子の経路分析を示す。 上位のSBMAに存在する相互作用関連遺伝子の経路分析を示す。 RETシグナル伝達関連経路を示す。 SBMAに存在しない相互作用についての遺伝的位置マッピングを示す。 存在しない上位SBMA相互作用関連遺伝子の経路分析を示す。 左側のボックスから右側のボックスに向かって、上位のSBMAに存在しない相互作用関連遺伝子の疾患分析を示す。図は、SBMAに存在しない上位のCCSに関連した遺伝子の疾患エンリッチメント分析を示す。 本発明のマーカー検出工程を行うための好ましい方法を示す。
本明細書に使用される用語
本発明の方法は、本明細書において本発明の「プロセス」を指し得る。
分類される染色体相互作用は、本明細書において、「マーカー」、「CCS」、「染色体コンフォメーションシグネチャ」、または「エピジェネティックな相互作用」と称することもある。このような相互作用は、本技術分野においては、安定な方法で一緒になる染色体の領域として認識され、これは調節の特徴のあるモード(distinct mode)を表す。染色体相互作用は、染色体の「並置(juxtaposition)」、染色体「ホールディング」または「クロマチン相互作用」とも呼ぶことができる。そのような相互作用は、例えば3C(染色体コンフォメーションキャプチャ)法を用いて検出することができる。
単語「分類する(type)」は、文脈に応じて解釈され得るが、通常、特定の染色体相互作用が存在するかまたは存在しないかの検出を指す。
本発明の方法において分類される染色体相互作用は、表1に定義される。それらは、EpiSwitch法(図15参照)により作製されたライゲートされた産物を検出するプローブ配列により定義される。それらは、プローブ名内に含まれる相互作用の位置番号によっても定義され、またそれらはライゲートされた配列の検出を可能とするプライマー配列によっても定義される。染色体相互作用は、染色体番号に準拠して表にある「プローブ位置」、および一緒になって相互作用を形成する染色体の領域に対して与えられる「Start」および「End」位置によっても定義することができる。
本発明の態様
本発明は、筋萎縮症の種々の局面、筋萎縮症の存在または病期に関する局面を決定することに関する。この決定は、本明細書に開示された、例えば表1に開示された任意の関連マーカー、またはマーカーの好ましい組み合わせ、または本明細書開示される決められた特定の領域におけるマーカーを分類することによる。
特定の数のマーカーを、本明細書に具体的に開示されているマーカーの任意の群から選択することができる。好ましいマーカーの数は、少なくとも3個、5個、8個、10個、15個、および少なくとも20個である。マーカーの好ましい群は、各表に示されている群、または表の各一部(例えば、「表1A(パート1a)」)、または筋萎縮症の個別の特徴と関係づけられるマーカー全てである。
本発明は、患者が筋萎縮症を患っているか、および/または筋萎縮症の病期を有するかを同定するために患者を分類するプロセスを含む。本発明は、本明細書において定義する疾患の任意の状態または病期(すなわち、予後)についての個体の診断を含み、これは、それらが属するサブグループを決定することであると考えることができる。
本発明は、筋萎縮症に関連するエピジェネティックなマーカーのパネルにも関する。そのパネルは、何らかの方法、例えばGLMNET分析により最適化されていてもよい。
ゆえに本発明は、患者のニーズを正確に反映する個別治療を患者に与えることを可能とする。
本明細書で言及される任意の治療、例えば薬物は、プロセスの結果に基づいて個体に投与することができる。
マーカーのセットは、表および図面に開示されている。一実施形態において、任意の開示されたマーカーのセットから少なくとも10個のマーカーが本発明において使用される。別の実施形態において、任意の開示されたマーカーのセットから少なくとも20%のマーカーが本発明において使用される。
本発明に関連するエピジェネティックな相互作用
本発明において分類される染色体相互作用は、典型的には、染色体の遠位領域間の相互作用であり、当該相互作用は動的であり、染色体の領域の状態に応じて変化、形成または破壊される。その状態は筋萎縮症の種々の様相を反映し、したがって、本発明は、筋萎縮症の存在、種類、重症度またはステージに対して実施することができる。
染色体相互作用は、例えば、転写または抑制されているかどうかを反映し得る。本明細書において定義される筋萎縮症サブグループに特異的な染色体相互作用は安定であることがわかっており、したがって、2つのサブグループ(例えば筋萎縮症グループと筋萎縮症ではない健常グループ)間の差を測定する信頼性の高い手段が提供される。
さらに、筋萎縮症に特異的な染色体相互作用は、通常、例えば、メチル化やヒストンタンパク質の結合への変化などの他のエピジェネティックなマーカーと比較して、疾患プロセスの初期に起こる。したがって、本発明のプロセスは、初期ステージで疾患を検出することができる。これにより、結果としてより効果的なものである早期介入(例えば治療)が可能となる。染色体相互作用はまた、個体の現在の状態を反映しているため、疾患状態の変化を評価するために使用することができる。さらに、同じサブグループ内の個体間には関連する染色体相互作用にほとんど変化がない。染色体相互作用の検出は、遺伝子ごとに考えられ得る異なる相互作用が最大50あり非常に有益であり、そのため本発明のプロセスでは、例えば、500,000の異なる相互作用を照合することができる。
染色体相互作用は重複し、関連する遺伝子または記述されていない遺伝子をコードすることが示されている染色体の領域を含み得るが、等しく遺伝子間領域に存在し得る。本発明者らが、全ての領域における染色体相互作用が、染色体遺伝子座の状態を判定する上で等しく重要であることを発見したことにさらに留意されたい。
本発明で検出される染色体相互作用は、環境要因、DNAメチル化、非コードアンチセンスRNA転写物、非変異原性発癌物質、ヒストン修飾、クロマチンリモデリングおよび特異的な局所DNA相互作用による、基礎となるDNA配列に対する変化によって影響を受け得る。しかしながら、本明細書において定義される染色体相互作用は、それ自体が調節モダリティであり、任意の遺伝子マーカー(DNA配列変化)または任意の他のエピジェネティックマーカーと1対1で対応しないことに留意する必要がある。
染色体相互作用につながる変化は、遺伝子産物または遺伝子発現のモードにそれら自体が直接影響しない基礎となる核酸配列の変化により影響を受け得る。そのような変化は、例えば、遺伝子内および/または遺伝子外のSNP、遺伝子融合および/または遺伝子間DNA、マイクロRNA、および非コードRNAの欠失であり得る。例えば、SNPのおよそ20%が非コード領域に存在することが知られているため、記載されるプロセスは非コード状況でも有益である。一態様では、相互作用を形成するために一緒に集まる染色体の領域は、同じ染色体上で5kb、3kb、1kb、500塩基対または200塩基対未満離れている。
検出される染色体相互作用は、本明細書に言及されている任意の遺伝子などの遺伝子内に存在し得る。しかしながら、それはまた、遺伝子の上流または下流、例えば、遺伝子またはコード配列から最大50,000、最大30,000、最大20,000、最大10,000、または最大5000塩基上流または下流であり得る。
本発明のプロセス
本発明のプロセスは、筋萎縮症に関連する染色体相互作用を検出するための分類システムを含む。任意の好適な分類法を使用することができ、例えば相互作用において染色体の近さが測定される方法などである。この分類法は、本明細書で言及されるEpiSwitch(商標)システムを使用して実施することができ、例えば、以下の工程(例えば対象由来のサンプルにおいて);
(i)染色体相互作用に一緒に集まった染色体の領域を架橋する工程、
(ii)任意に、当該染色体遺伝子座からその架橋されたDNAを単離する工程、
(iii)架橋されたDNAを切断にさらす工程、および
(iv)架橋実体に存在する核酸をライゲートして、染色体相互作用を形成した両方の領域由来の配列を有するライゲートされた核酸を誘導する工程
を含む方法により実施することができる。
このライゲートされた核酸の検出は、特定の染色体相互作用の存在または不存在の判定を可能にする。ライゲートされた核酸は、したがって、染色体相互作用の存在に関するマーカーとして作用する。好ましくは、ライゲートされた核酸は、qPCR法などの、PCRまたはプローブに基づく方法により検出される。
本方法では、染色体は任意の適切な手段によって、例えば典型的には化合物である架橋剤によって、架橋することができる。好ましい態様では、相互作用は、ホルムアルデヒドを用いて架橋されるが、任意のアルデヒド、またはD-ビオチノイル-e-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはジゴキシゲニン-3-O-メチルカルボニル-e-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルによっても架橋され得る。パラホルムアルデヒドは、4オングストローム離れたDNA鎖を架橋することができる。好ましくは、染色体相互作用は同じ染色体上にある。通常、染色体相互作用は、2~10オングストローム離れている。
架橋は好ましくはインビトロである。切断は好ましくは、TaqIなどの酵素による制限消化による。ライゲートはDNAループを形成し得る。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)が、ライゲートされた核酸を検出または識別するために使用される場合、生成されるPCR産物のサイズが、存在する特異的な染色体相互作用の指標となり得、それゆえ、遺伝子座の状態を同定するために使用され得る。好ましい態様では、本明細書の任意の表に示されるプライマーが使用され、例えば表1に示されるプライマーペアが(検出されるべき染色体相互作用に対応して)使用される。そのようなプライマー配列の相同体も使用することができ、それらは元の配列に少なくとも70%の同一性を有する。
プローブが、ライゲートされた核酸を検出または識別するために使用される場合、これは遺伝的に、プローブとライゲートされた核酸との間のワトソン-クリックに基づく塩基対形成による。本明細書の任意の表に示されるようなプローブ配列が使用され、例えば表1に示されるプローブ配列が(検出されるべき染色体相互作用に対応して)使用される。そのようなプローブ配列の相同体も使用することができ、それらは元の配列に少なくとも70%の同一性を有する。
本発明のプロセスによる分類は、例えば疾患の進行をモニターするために、複数の時点で行われ得る。これは、1つまたは複数の定義された時点、例えば、少なくとも1、2、5、8または10の異なる時点で行われ得る。少なくとも1、2、5または8の時点間の期間は、少なくとも5、10、20、50、80または100日であり得る。通常、少なくとも50日の間隔をあけた3時点である。
サブグループおよび個別治療
本明細書において使用される場合、「サブグループ」は、好ましくは集団サブグループ、より好ましくは特定の真核生物または哺乳動物などの特定の動物の集団内のサブグループを指す。最も好ましくは、「サブグループ」は、ヒト集団内のサブグループを指す。したがって、本発明のプロセスは、好ましくは、ヒトにおける筋萎縮症の存在を検出するために実施される。本発明のプロセスは、診断または予後(prognostic)目的のために実施してもよい。
本発明は、集団内の特定のサブグループを検出および処置することを含む。本発明者らは、染色体相互作用が、関連する集団内のサブセット(例えば、少なくとも2つのサブセット)間で異なることを発見した。これらの違いを識別することで、医師は、患者を集団の1つのサブセットの一部として分類することができる。したがって、本発明は、エピジェネティックな染色体相互作用に基づいて患者用に薬剤を個人化するプロセスを医師に提供する。そのような検査は、その後の患者の治療の仕方、例えば薬物の種類、および/またはその用量、および/またはその投与頻度を選択するために使用することができる。
本発明のプロセスにおいて試験される個体は、いくつかの方法で選択されていてもよい。個体は、本明細書において言及される任意の状態を受けやすいものであってよく、および/または本明細書に言及される任意の治療法を必要とするものであってもよい。特に、個体は、筋萎縮症であってもよく、または筋萎縮症らしいと疑われるものであってもよい。したがって、本発明は、筋萎縮症を診断するために患者を分類するプロセスを含み、これは、それらが属するサブグループを決定することに相当する。筋萎縮症は、次の状態:球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ポリグルタミン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、脊髄小脳失調、サルコペニアまたは悪液質のいずれかであり得る。したがって、本発明のプロセスは、これらの状態のいずれかを検出(または診断)することを含み得る。本発明のプロセスは、重症度を決定するなど、これらの状態のいずれかの予後を決定することを含み得る。
個体は、次のいずれかを受けていてもよく、または先の365日にこれらのいずれかを受けていてもよい:理学療法、リハビリテーション、震えおよび筋けいれんに対する治療薬、ホルモン療法、女性化乳房の外科処置、経管栄養法または換気補助。個体は、がんであってもよい。個体は、30~60歳、例えば40~50歳のヒト男性であってもよい。個体は、女性化乳房、精巣萎縮、低受精率またはアンドロゲン不感受性であってもよい。
本明細書に提供される表
表1は、筋萎縮症の検出に使用することのできる、すなわちそれらの存在または不存在がそのような検出において使用することのできる(すなわち、それらが「拡散(disseminating)」マーカーである)400の特異的マーカーを示す。表1Aは、筋萎縮症にのみ存在する200のマーカーを示す。表1Bは、健常対照にのみ存在する、すなわちそれらは筋萎縮症には存在しない200のマーカーを示す。本発明のプロセスは、したがって、表1A由来のまたは表1B由来のマーカーを使用して、または表1Aおよび表1Bの両方由来のマーカーを選択して実施される。
マーカーはプローブ配列(本明細書において定義されるようなライゲーション産物を検出する)を用いて定義される。第1のStart-End位置の2つのセットはプローブ位置を示し、第2のStart-End位置の2つのセットは、関連する4kb領域を示す。
以下の情報はプローブデータの表に提供される:
RP-各染色体相互作用について評価されたランク積統計の合計
FC-相互作用の頻度(陽性または陰性)
Pfp-偽陽性予測の推定パーセンテージ(pfp)、陽性と陰性の両方の染色体相互作用を考慮
P値-陽性および陰性である各CCSについての推定p値
調整P値(FDR)-偽発見率調整p値
検出されたループ-ループが発見された状態
単純な順列に基づく推定は、所定のRP値またはそれ以上がランダム実験において観察される可能性を決定するために使用される。
1.長さnのランクkのリストの順列pを作成。
2.p順列におけるn番目のCCSのランク積を計算。
3.順列におけるCCSのランク積が観測されたランク積よりも小さいかまたは等しくなる回数を計数。この値をcに設定。
4.Erp(g)=c/pによりランク積の平均期待値を計算。
5.偽陽性のパーセンテージを次のように計算:pfp(g)=Erp(g)/ランク(g)、式中、ランク(g)は、RPの昇順でソートされた全n個のCCSのリストにおけるCCSgのランク。
ランク積の統計は、各マイクロアレイ内の強度に従って染色体相互作用をランク付けし、複数のマイクロアレイを横断してこれらのランクの積を計算する。この技術は、多数の複製されたマイクロアレイにおけるもっとも異なる染色体相互作用のうち一貫して検出される染色体相互作用を同定することができる。p値が0の場合、これはサンプル間のCCSのランク積にほとんど変動がないことを示し、シグナル対ノイズおよびCCSのエフェクトサイズの良好な例である。p値が0であり、かつpfpが0の場合、これは順列ランク積が実際に観測されたランク積と相違しないことを意味する。これらの方法は、Breitling R and Herzyk P (2005) Rank-based methods as a non-parametric alternative of the t-test for the analysis of biological microarray data. J Bioinf Comp Biol 3, 1171-1189に説明されている。
FCは、各比較におけるマーカーの有病率を示し、2は平均テストの2倍を意味し、1.5は平均テストの1.5倍を意味し、など、そしてFCは、表現型/グループに対するマーカーの重みを示す。FC値は、高度に効果的なテストのために必要とされるマーカーの数の指標を与えるために使用することができる。通常、5~10個のマーカーで非常に効果的なテストを与えることができるが、より少ない数のマーカーでも筋萎縮症を検出するための機能テストを与え得る。
プローブは、Taq1部位から30bp離れるように設計されている。PCRの場合、PCRプライマーは典型的に、ライゲートされた産物を検出するように設計されているが、Taq1部位からの位置は様々である。
プローブ位置:
Start1-フラグメント1上のTaqI部位の上流の30の塩基
End1-フラグメント1上のTaqI制限部位
Start2-フラグメント2上のTaqI制限部位
End2-フラグメント2上のTaqI部位の下流の30塩基
4kb配列位置:
Start1-フラグメント1上のTaqI部位の上流の4000塩基
End1-フラグメント1上のTaqI制限部位
Start2-フラグメント2上のTaqI制限部位
End2-フラグメント2上のTaqI部位の下流の4000塩基
好ましいマーカーセット
本発明は、本明細書、例えば表1に開示される具体的なマーカーのいずれかなど、染色体相互作用マーカー、または好ましくはマーカーの組み合わせ、または本明細書に開示される定義された具体的な領域におけるマーカーを分類することにより筋萎縮症の存在を検出することに関する。表に言及される遺伝子および領域に存在するマーカーが分類され得る。具体的なマーカーは本明細書に、位置により、またはプローブおよび/またはプライマー配列により定義されている。したがって、好ましいマーカーは、本明細書の表に開示されているプローブおよび/またはプライマーペアにより表されるものである。
マーカーの組み合わせは種々の方法、例えば:
-本明細書に定義される任意のパラメータによるランキングにより、
-表1の任意の「部分」により、
-表1の左が分からむに挙げられているマーカーの「番号」を参照することにより
定義することができる。
好ましい態様では、少なくとも10個のマーカーが、FCなどの表1に言及される任意のパラメータについて上位40個のマーカーから分類される。
一態様では、1つまたは複数のマーカーが分類され、それは、
(i)表1に挙げられる領域のいずれか1つに存在する;および/または
(ii)表1に示される任意のプローブにより表される染色体相互作用のいずれか1つに対応する;および/または
(iii)(i)または(ii)を含むまたは隣接する4,000塩基領域に存在する。
好ましい態様では、
-少なくとも5個の染色体相互作用が表1Aから分類される、および/または
-少なくとも5個の染色体相互作用が表1Bから分類される。
別の好ましい態様では、少なくとも5個の染色体相互作用が、
-表1Aの相互作用番号1~40、または
-表1Bの相互作用番号1~40
から分類選択される。
分類されるべきマーカーの好ましい数
本明細書に開示されるマーカーの非常に少数を分類することは、それらのネットワーク用特性を含む、染色体相互作用による調節の性質のため有効な試験となる。異なる数および組み合わせのマーカーが、異なる性能特性を生じる。さらに理解されるように、マーカーは、全体としての表1から、または表1Aおよび表1Bにより定義される表の一部から、または番号と文字(マーカー番号を反映している)により定義される部分から選択することができる。
一態様において、プロセスは、表1のプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも3個、5個、8個、10個、15個または20個を分類することを含む。一実施態様において、表1のプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも10個が分類される。
一態様において、プロセスは、表1のプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも50個、80個、100個、150個、200個、250個、300個、350個またはすべてを分類することを含む。
一態様において、プロセスは、表1Aのプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも3個、5個、8個、10個、15個または20個を分類することを含む。一実施態様において、表1Aのプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも10個が分類される。
一態様において、プロセスは、表1Aのプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも30個、50個、80個、100個、150個またはすべてを分類することを含む。
一態様において、プロセスは、表1Bのプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも3個、5個、8個、10個、15個または20個を分類することを含む。一実施態様において、表1Bのプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも10個が分類される。
一態様において、プロセスは、表1Bのプローブにより表される染色体相互作用の少なくとも30個、50個、80個、100個、150個またはすべてを分類することを含む。
一態様において、少なくとも3個、5個、8個、10個、15個または20個の染色体相互作用が、表1Aの番号1~40として挙げられるマーカーから分類され、および/または少なくとも3個、5個、8個、10個、15個または20個の染色体相互作用が、表1Bの番号1~40として挙げられるマーカーから分類される。
一態様において、少なくとも10個の染色体相互作用が、表1Aの番号1~40として挙げられるマーカーから分類され、および/または少なくとも10個の染色体相互作用が、表1Bの番号1~40として挙げられるマーカーから分類される。
染色体相互作用のタイプ
一態様では、遺伝子座(染色体相互作用が検出される遺伝子および/または場所を含む)は、CTCF結合部位を含み得る。これは、転写抑制因子CTCFに結合することができる任意の配列である。その配列は、遺伝子座に1、2、または3コピーで存在し得る配列CCCTCからなり得るか、またはそれを含み得る。CTCF結合部位配列は、配列CCGCGNGGNGGCAG(IUPAC表記)を含み得る。CTCF結合部位は、表1に示される、染色体相互作用の少なくとも100、500、1000または4000塩基内、または染色体領域のいずれか内にあり得る。
検出がプローブを用いて行われる場合、典型的には、プローブの両方の領域からの(すなわち、染色体相互作用の両方の部位からの)配列が検出され得る。好ましい態様では、任意の表に示されるプローブと同じまたは相補的な配列を含むか、またはそれからなるプローブがそのプロセスで使用される。いくつかの態様では、表に示されるプローブ配列のいずれかに相同である配列を含むプローブが使用される。
マーカーおよびマーカーのパネルを同定するために採用されるアプローチ
本明細書に説明される本発明は、表現型に密接に結び付けられるそれ自体の調節モダリティとしての染色体相互作用プロファイルおよび3Dアーキテクチャに関する。バイオマーカーの発見は、表現型の違いを表す臨床サンプルの代表的なコホートでのパターン認識およびスクリーニングによる注釈に基づいた。本発明者らは、例えば、オープンリーディングフレームの内側(イントロンの)または外側の非コード部位につなぎ止める、統計学的に拡散している(disseminating)一貫した条件付き拡散性染色体コンフォメーションを同定するために、コーディング部分および非コーディング部分にわたってかつ既知の遺伝子の非コード5’および3’の大きな揺れの全てにわたりゲノムの重要な部分に注釈をつけ、スクリーニングした。
最適なマーカーの選択において、本発明者らは、マーカーリードについての統計学的データおよびp値により動かされる。選択され検証されたシグネチャ内の染色体コンフォメーションは、参照に使用される遺伝子の発現プロファイルに関係なく、それ自体に層別化エンティティを拡散している。さらに、アンカー部位でのSNP、遺伝子転写プロファイルにおける変化、H3K27acのレベルの変化などの関連する調節モダリティでも研究が行われ得る。
我々は、例えば調節のネットワークのフレームワークからなど、表現型に対する基礎生物学およびエピジェネティック制御の基礎からの、臨床の表現型の違いとそれらの層別化の問題を取り上げる。そのため、層別化を支援するために、ネットワークの変化を捉えることができ、好ましくは、いくつかのバイオマーカーのシグネチャを通してなされ、例えば、最小ノイズの検査コホートを層別化するためにマーカーの最適な数を評価する、例えばマーカー削減のための次の機械学習アルゴリズムにより評価することを含む。これにより、3~20個のマーカーで終わる場合がある。
パネルのためのマーカーの選択は、(例えば、参照名に使用される隣接遺伝子の機能関連性によってではなく)相互検証統計学的性能によりなされてもよい。
マーカーのパネル(隣接する遺伝子の名前が付けられた)は、ゲノムの重要な部分にわたる14,000~60,000の注釈付きEpiSwitch部位を超える統計学拡散力を分析する偏りのない方法で、ゲノムの重要部分にわたるスクリーニングからクラスター化された選択の産物である。これは、層別化の問題について機能的価値が分かっている遺伝子の染色体コンフォメーションのテイラードキャプチャとして理解されるべきではない。染色体相互作用に関する部位の総数は、120万であり、可能な組み合わせの数は120万の120万乗である。それにもかかわらず、我々がしたがったアプローチは、関連する染色体相互作用を特定することを可能とする。
本出願により提供される特定のマーカーは選抜を通過し、状態またはサブグループと統計学的に(有意に)関連付けられる。これは、関連する表のデータが証明しているものである。各マーカーは、関連する状態において明らかになるネットワークの調節解除(deregulation)の一部として生物学的にエピジェネティックな事象を表しているとみることができる。実際、これらのマーカーは対照と比較して、患者のグループ全体に拡散しているということを意味する。例として、平均して、個々のマーカーは、典型的には検査された患者の80%と検査された対照の10%に存在し得る。
全てのマーカーの単純な追加では、いくつかの調節解除間のネットワークの相互関係を表すことはできない。ここでは標準的な多変量バイオマーカー分析GLMNET(Rパッケージ)が導入される。GLMNETパッケージは、疾患の表現型につながる調節解除を達成するうえでの共同の役割を反映する、いくつかのマーカー間の相互依存を同定する助けとなる。モデリングと、その後の最も高いGLMNETスコアを有するマーカーの検査は、患者のコホートを正確に同定するマーカーの最小の数を同定するのみならず、対照グループにおける低い有病率というバックグラウンドの統計学的ノイズのため、患者の対照グループにおける最も少ない偽陽性の結果を示す最小の数をも同定する。典型的には、選択されたマーカー(3~10など)のグループ(組み合わせ)は、検出の感度と特異度の両方の間の最も良好なバランスを提供し、条件に対して選択された全ての統計学的に有意なマーカーの個々の性質からの多変量解析との関連で明らかになる。
本明細書の表は、アレイ分析のためのアレイプローブ(60mer)の参照名を示し、長距離相互作用部位間の接合点、染色体番号、および並置される2つの染色体フラグメントのStartおよびEndが重複する。
サンプルおよびサンプル処置
本発明のプロセスは、通常、サンプル上で行われるであろう。サンプルは、定義された時点で、例えば本明細書において定義された任意の時点で得ることができる。サンプルは、通常、個体由来のDNAを含有すると考えられる。サンプルは、通常細胞を含有すると考えられる。一態様において、サンプルは、最小限に侵襲的な手段によって獲得され、例えば血液サンプルであり得る。DNAが抽出されてもよく、標準的な制限酵素で細かく切断されてもよい。これは、どの染色体コンフォメーションが保持されかつEpiSwitch(商標)プラットフォームで検出されるかをあらかじめ判定し得る。水平移動を含めた、組織と血液との間での染色体相互作用の同期により、血液サンプルを用いて、疾患に関連した組織などの組織における染色体相互作用を検出することができる。
サンプル調製および染色体相互作用の検出のための好ましい態様
サンプルを調製する方法および染色体コンフォメーションを検出する方法が、本明細書に記載されている。これらのプロセスの最適化された(従来とは異なる)バージョンは、例えばこのセクションで説明されているように使用することができる。
典型的に、サンプルは少なくとも2×105の細胞を含む。サンプルは最大5×105の細胞を含んでよい。一態様では、サンプルは2×105から5.5×105の細胞を含む。
染色体遺伝子座に存在するエピジェネティックな染色体相互作用の架橋が、本明細書において説明される。これは細胞溶解が起こる前に行われ得る。細胞溶解は、4~6分間または約5分間など、3~7分間行われ得る。いくつかの態様では、細胞溶解は、少なくとも5分間かつ10分間未満行われる。
制限酵素によるDNAの消化が本明細書において説明される。典型的に、DNA制限は、約20分など、約10~30分の期間、約65℃など、約55~約70℃で行われる。
好ましくは、頻繁にカッター制限酵素が使用され、結果として4000塩基対までの平均フラグメントサイズを有するライゲートされたDNAのフラグメントがもたらされる。任意には、制限酵素により、結果として、ライゲートされたDNAのフラグメントは、約256塩基対などの約200~300塩基対の平均フラグメントサイズを有する。一態様では、典型的なフラグメントサイズは、400~2,000または500~1,000塩基対など、200塩基対~4,000塩基対である。
EpiSwitchプロセスの一態様では、DNA制限消化工程とDNAライゲーション工程との間でDNA沈殿工程は行われない。
DNAライゲーションが本明細書において説明される。典型的に、DNAライゲーションは、約10分間など、5~30分間行われる。
サンプル中のタンパク質は、例えばプロテイナーゼ、任意にはプロテイナーゼKを使用して、酵素的に消化され得る。タンパク質は、約30分~1時間、例えば約45分間酵素的に消化され得る。一態様では、タンパク質の消化、例えばプロテイナーゼK消化後、架橋反転またはフェノールDNA抽出工程はない。
一態様では、PCR検出は、好ましくはライゲートされた核酸の存在/不存在に対するバイナリ読み出し値を用いて、ライゲートされた核酸の単一のコピーを検出することができる。
図15は、染色体相互作用を検出する好ましいプロセスを示している。
本発明のプロセスおよび使用
本発明のプロセスは、様々な方法で説明することができる。これは、ライゲートされた核酸を作製するプロセスとして説明することができ、当該方法は、(i)染色体相互作用において一緒に集まった染色体領域をインビトロで架橋する工程;(ii)上記架橋されたDNAを切断または制限消化切断にさらす工程;および(iii)上記架橋された切断したDNA末端をライゲートして、ライゲートされた核酸を形成する工程を含み、ライゲートされた核酸の検出は、遺伝子座での染色体状態を決定するために使用され得、好ましくは、
-遺伝子座は、表1に言及される遺伝子座または領域のいずれかであり得る、および/または
-染色体相互作用は、本明細書に言及されるまたは表1に開示されるプローブのいずれかに対応する染色体相互作用のいずれかであり得る、および/または
-ライゲート産物は、(i)表1に開示されるプローブ配列のいずれかと同一または相同である配列;または(ii)(ii)に相補的な配列、を有するかまたは含み得る。
本発明のプロセスは、集団内の種々のサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスとして説明することができ、当該プロセスは、染色体相互作用がゲノムの定義されたエピジェネティックに活性な領域内に存在するかまたは存在しないかを決定することを含み、好ましくは、
サブグループは筋萎縮症の存在または病期によって定義される、および/または
染色体状態は、表1に言及される任意の遺伝子座または領域であり得る、および/または
染色体相互作用は、表1に言及されるものまたはそれらの表に開示されるプローブのいずれかに対応するもののいずれかであり得る。
新しい処置を特定するための本発明のプロセスの使用
染色体相互作用の知識は、状態に対する新しい処置を特定するために使用することができる。本発明は、例えば、筋萎縮症または関連サブ状態の治療に関連する、新しい治療薬を特定または設計するために本明細書で定義された染色体相互作用の方法および使用を提供する。
相同体
ポリヌクレオチド/核酸(例えばDNA)配列の相同体が本明細書で参照される。そのような相同体は、典型的に、例えば、少なくとも10、15、20、30、100またはそれ以上の連続したヌクレオチドの領域にわたって、または染色体相互作用に関与する染色体の領域に由来する核酸の部分にわたって、少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の相同性を有する。相同性は、ヌクレオチド同一性(「ハード相同性」と呼ばれることもある)に基づいて計算され得る。
したがって、特定の態様では、ポリヌクレオチド/核酸(例えばDNA)配列の相同体は、パーセンテージ配列同一性を参照することによって本明細書で言及される。典型的には、そのような相同体は、例えば、少なくとも10、15、20、30、100またはそれ以上の連続したヌクレオチドの領域にかけて、または染色体相互作用に関与する染色体の領域に由来する核酸の部分にわたって、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。相同体は、プローブ、プライマーまたはプライマーペアの全体にわたって少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有し得る。
例えば、UWGCGパッケージは、相同性および/または%配列同一性(例えば、そのデフォルト設定で使用される)を計算するために使用することができるBESTFITプログラムを提供する(Devereux et al (1984) Nucleic Acids Research 12,p387-395)。PILEUPおよびBLASTアルゴリズムは、例えば、Altschul S. F. (1993) J Mol Evol 36: 290-300;Altschul, S, F et al (1990) J Mol Biol 215: 403-10に記載されるように、相同性および/または%配列同一性を計算する、および/または配列を整列させる((典型的にはそれらのデフォルト設定で)同等または対応する配列を同定するなど)ために使用することができる。
BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公開されている。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列内の同じ長さの単語と整列したときに一部の正の値の閾値スコアTに一致するかまたはそれを満たす照合配列内の長さWの短い単語を同定することによって高スコアの配列ペア(HSP)を同定することを含む。Tは近隣単語スコア閾値と呼ばれる(上記のAltschul et al)。これらの初期の近隣単語ヒットは、それらを含むHSPを見つけるために検索を開始するためのシードとして機能する。単語ヒットは、累積アラインメントスコアを増やすことができる限り、各配列に沿って両方向に拡張される。各方向の単語ヒットの拡張は、次の場合に停止される:累積アラインメントスコアがその最大達成値から数量Xだけ低下する;1つまたは複数の負のスコアの残基アラインメントの累積により、累積アラインメントスコアがゼロ以下になる;またはいずれかの配列の終わりに到達する。BLASTアルゴリズムパラメータW5 TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11の語長(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-10919を参照)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両方のストランドの比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計分析を行う(例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのポリヌクレオチド配列間の一致が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、第1の配列と第2の配列との比較における最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、配列は別の配列と類似していると見なされる。
相同配列は、典型的には、(ヌクレオチドの置換、欠失、または付加であり得る)10、15または20塩基未満など、1、2、3、4またはそれ以上の塩基だけ異なる。これらの変化は、相同性および/または%配列同一性の計算に関連して、上述の領域のいずれかにわたって測定され得る。
「プライマーペア」の相同性は、例えば、後に別のプライマーペアと比較する(これも単一の配列として見なされる)目的で、(2つの配列が一緒に結合されているかのように)2つの配列を単一の配列と見なすことによって計算することができる。
EpiSwitch(商標)技術
EpiSwitch(商標)技術は、表現型に特異的なエピジェネティックな染色体コンフォメーションシグネチャの検出におけるマイクロアレイEpiSwitch(商標)マーカーデータの使用に関する。本明細書において記載されるやり方でライゲートした核酸を利用するEpiSwitch(商標)などの態様は、いくつかの利点を有する。例えば本発明の核酸の第1のセット由来の核酸配列は、核酸の第2のセットとハイブリダイズするかまたはハイブリダイズしないため、それらの確率的ノイズは低レベルである。これは、エピジェネティックレベルにおける複雑な機序を測定する比較的簡潔なやり方を可能にする二元的結果を提供する。EpiSwitch(商標)技術は、迅速な処理時間および低コストも有する。一態様において、処理時間は3~6時間である。
アレイ
本明細書において開示される核酸はすべて、アレイに結合され得、一態様では、アレイに結合される少なくとも15,000、45,000、100,000または250,000の異なる核酸があり、これらは好ましくは、少なくとも300、900、2000または5000の遺伝子座を表している。一態様では、核酸の種々の集団の1つ、または複数、または全ては、アレイの1つよりも多くの別個の領域に結合され、事実上、アレイ上で繰り返され、エラー検出を可能にする。アレイは、Agilent SurePrint G3 Custom CGHマイクロアレイプラットフォームに基づき得る。アレイへの第1の核酸の結合の検出は、デュアルカラーシステムによって実施され得る。
検出の閾値
本明細書において開示されるマーカーは、筋萎縮症の状態またはサブグループを決定することのできる「拡散(disseminating)マーカー」であることが見出された。実用語において、これらのマーカーは、対照(例えば、FC値によって示される)と比較した場合、患者の群全体に拡散していることを意味する。例として、平均して、個々のマーカーは通常、試験された患者の80%と対照の10%に存在する可能性がある。したがって、方法の一態様において、個体は、そのサブグループについて試験されるマーカーの少なくとも80%がその個体に存在する場合および/または対照(非筋萎縮症グループ)に関連する試験されるマーカーの少なくとも80%が個体に存在しない場合、関連筋萎縮症サブグループの一部とみなされる。典型的には、表に示される「理想的な」結果と比較して10個のうち少なくとも8個のマーカーの存在/不存在を、個体をサブグループに割り当てるために使用することができる。
治療薬および処置
この節は、
-本発明のプロセスにより選択された個体に投与される治療薬、および
-本発明のプロセスの結果に基づき選択される治療薬
の両方に関する。
本発明は、特定の個体、例えば本発明のプロセスによって同定された個体の病状を予防または処置する際に使用するための治療薬を提供する。これは、治療上有効な量の薬剤を必要としている個体に投与することを含み得る。本発明は、特定の個体の状態を予防または処置するための医薬品の製造における薬剤の使用を提供する。疾患または状態は、筋萎縮症、筋萎縮症サブ状態のいずれかのタイプ、または筋萎縮症の病期であり得る。
薬剤の処方は薬剤の性質に依存する。薬剤は、薬剤および薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む医薬組成物の形態で提供される。適切な担体および希釈剤には、等張食塩水、例えばリン酸緩衝生理食塩水が含まれる。典型的な経口剤形には、錠剤、カプセル、液体溶液および液体懸濁液が含まれる。薬剤は、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、または経口投与用に製剤され得る。
薬剤の用量は、様々なパラメータにしたがって、特に使用される物質;治療を受ける個体の年齢、体重および状態;投与経路;および必要なレジメンにしたがって決定され得る。医師は、任意の特定の薬剤に必要な投与経路および投与量を決定することができる。しかし、適切な用量は、例えば、1日1回から3回摂取される、1~40mg/kg体重など、0.1~100mg/kg体重であり得る。
治療薬は、本明細書に開示される任意のそのような薬剤であり得るか、または本明細書の任意の表において開示される任意のタンパク質または遺伝子を含む、本明細書に開示される任意の「標的」を標的とし得る。組み合わせで開示される任意の薬剤は、単独の投与についても開示されていると解するべきであると理解される。
本発明において使用することのできる治療薬および処置は、理学療法、リハビリテーション、筋肉振戦を治療する薬剤、筋けいれんを治療する薬剤、ホルモン療法、抗テストステロンリュープロレリンを含む。
本発明の核酸の特性
本発明は、本明細書において、本発明のプロセスにおいて使用されるまたは生成されるものとして説明されるライゲートした核酸などの特定の核酸に関する。これらは、本明細書に言及される第1および第2の核酸と同じであってもよく、第1および第2の核酸の特性のいずれかを有していてもよい。本発明の核酸は、典型的には、各々が、染色体相互作用において一緒に集まっている染色体の2つの領域のうちの1つ由来の配列を含む、2つの部分を含む。典型的には、それぞれの部分は、少なくとも8、10、15、20、30または40ヌクレオチド長、例えば10~40ヌクレオチド長である。好ましい核酸は、表のいずれかに言及される遺伝子のいずれか由来の配列を含む。典型的には、好ましい核酸は、表1に言及される具体的なプローブ配列、またはそのような配列のフラグメントおよび/または相同体を含む。
好ましくは、核酸はDNAである。具体的な配列が提供される場合、本発明は、特定の態様において必要とされる相補的配列を使用してもよいと理解される。好ましくは、核酸はDNAである。具体的な配列が提供される場合、本発明は、特定の態様において必要とされる相補的配列を使用してもよいと理解される。
表1に示されるプライマーも、本明細書に記載されているように本発明において使用されてもよい。一態様において、表1に示される配列;または表1に示されるいずれかの配列のフラグメントおよび/または相同体、のいずれかを含むプライマーが使用される。
関連染色体相互作用を同定するためのスクリーニング
一態様において、分類される染色体相互作用の1つまたはそれより多くは、どの染色体相互作用が集団の筋萎縮症サブグループに対応する染色体状態に関連するかを決定するプロセスであって、染色体の異なる状態を有するサブグループ由来の核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させる工程、および相補的配列がハイブリダイズすることを可能にする工程を含み、ここで核酸の第1および第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用において一緒に集まった両方の染色体領域からの配列を含むライゲート産物を表し、かつ核酸の第1および第2のセットの間のハイブリダイゼーションのパターンによって、どの染色体相互作用がサブグループに特異的であるかを決定することが可能になる、プロセスにより同定されている。
核酸配列の第2のセットは、インデックス配列のセットであるという機能を有し、本質的に、サブグループの特異的配列を同定するのに適した核酸配列のセットである。それらは「バックグラウンド」染色体相互作用を表すことができ、何らかの方法で選択され得るか、または選択され得ない。それらは概して、考えられる全ての染色体相互作用のサブセットである。
核酸の第2のセットは、任意の適切なプロセスによって導き出され得る。それらは、計算によって導き出すことができるか、または個体の染色体相互作用に基づき得る。それらは典型的には、核酸の第1のセットよりも大きな集団群を表す。1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、特異的なセットの遺伝子における考えられる全てのエピジェネティックな染色体相互作用を表す。別の特定の態様では、核酸の第2のセットは、本明細書に記載される集団に存在する考えられる全てのエピジェネティックな染色体相互作用の大部分を表す。1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、少なくとも20、50、100または500の遺伝子、例えば20~100または50~500の遺伝子におけるエピジェネティックな染色体相互作用の少なくとも50%または少なくとも80%を表す。
核酸の第2のセットは、典型的には、集団における表現型を変更、調節、または何らかの方法で媒介する、少なくとも100個の考えられるエピジェネティックな染色体相互作用を表す。核酸の第2のセットは、種における病状(典型的に診断または予後に関連する)に影響を与える染色体相互作用を表し得る。核酸の第2のセットは、典型的に、予後のサブグループに関連するおよび関連しないという両方のエピジェネティックな相互作用を表す配列を含む。
1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、少なくとも部分的に集団における自然起源の配列に由来し、典型的には、インシリコのプロセスによって得られる。上記核酸は、自然起源の核酸に存在する核酸の対応する部分と比較して、単一または複数の突然変異をさらに含み得る。突然変異には、1つまたは複数のヌクレオチド塩基対の欠失、置換、および/または付加が含まれる。1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、自然起源の種に存在する核酸の対応する部分に対して少なくとも70%の配列同一性を有する相同体および/またはオルソログを表す配列を含み得る。別の特定の態様では、自然起源の種に存在する核酸の対応する部分に対する少なくとも80%の配列同一性または少なくとも90%の配列同一性が提供される。
核酸の第2のセットの特性
1つの特定の態様では、核酸の第2のセットには少なくとも100の異なる核酸配列、好ましくは少なくとも1000、2000または5000の異なる核酸配列があり、最大で100,000、1,000,000または10,000,000の異なる核酸配列がある。典型的な数は、1,000~100,000の異なる核酸配列など、100~1,000,000である。これらの全てまたは少なくとも90%または少なくとも50%は異なる染色体相互作用に対応する。
1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、少なくとも20の異なる遺伝子座または遺伝子、好ましくは少なくとも40の異なる遺伝子座または遺伝子、より好ましくは、100~10,000の異なる遺伝子座または遺伝子など、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000または少なくとも5000の異なる遺伝子座または遺伝子における染色体相互作用を表す。第2のセットの核酸の長さは、サブグループに特異的な染色体相互作用の同定を可能にするために、ワトソン・クリック塩基対にしたがって第1のセットの核酸に特異的にハイブリダイズするのに適している。典型的には、核酸の第2のセットは、染色体相互作用において一緒に集まっている2つの染色体領域に配列で対応する2つの部分を含むであろう。核酸の第2のセットは、典型的には、少なくとも10塩基(ヌクレオチド)長、好ましくは20塩基長、好ましくはまた30塩基長である核酸配列を含む。別の態様では、核酸配列は、長さにおいて最大で500塩基対、好ましくは最大で100塩基対、好ましくはまた最大で50塩基対であり得る。好ましい態様では、核酸の第2のセットは、17塩基対と25塩基対の間の核酸配列を含む。一態様では、核酸配列の第2のセットの少なくとも100%、80%または50%が、上記のような長さを有する。好ましくは、異なる核酸は、任意の重複する配列を有さず、例えば、核酸の少なくとも100%、90%、80%または50%は、少なくとも5つの連続するヌクレオチドにわたって同じ配列を有さない。
核酸の第2のセットが「インデックス」として作用することを考慮すると、第2の核酸の同一のセットが、種々の特徴に対するサブグループを表す第1の核酸の種々のセットと共に使用され得る、すなわち、核酸の第2のセットは、種々の特徴に関連する染色体相互作用を同定するために使用することができる核酸の「普遍的(universal)」集合を表し得る。
核酸の第1のセット(関連する染色体相互作用についてのスクリーニング)
核酸の第1のセットは、典型的に、筋萎縮症に関連するサブグループ由来のものである。第1の核酸は、本明細書に言及される核酸の第2のセットの特徴および特性のいずれかを有し得る。核酸の第1のセットは、通常、本明細書に記載される処置および処理、特にEpiSwitch(商標)の架橋および切断工程を受けた個体からのサンプルに由来する。典型的には、核酸の第1のセットは、個体から採取されたサンプルに存在する染色体相互作用の全てまたは少なくとも80%または50%を表す。
典型的に、核酸の第1のセットは、核酸の第2のセットによって表される染色体相互作用と比較して、核酸の第2のセットによって表される遺伝子座または遺伝子にわたる染色体相互作用のより小さな集団を表す、すなわち、核酸の第2のセットは、定義されたセットの遺伝子座または遺伝子における相互作用のバックグラウンドまたはインデックスのセットを表している。
核酸のライブラリ
本明細書に言及される核酸集団のタイプはいずれも、「第1」または「第2」の核酸などの、そのタイプの少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも5000、または少なくとも10000の異なる核酸を含むライブラリの形態で存在し得る。このようなライブラリは、アレイに結合されている形態であり得る。ライブラリは、表1Aまたは1Bに示されるプローブまたはプライマーペアのいくつかまたは全てを含み得る。ライブラリは、本明細書に開示された表のいずれかからのプローブ配列の全てを含み得る。
ハイブリダイゼーション
本発明は、典型的には、核酸の第1のセットおよび核酸の第2のセットからの完全にまたは部分的に相補的な核酸配列が、例えば本発明の方法において、ハイブリダイズすること、または核酸の第1のセットと核酸の第2のセットの間でハイブリダイズすることを可能にするための手段を必要とする。一態様では、核酸の第1のセットの全てが、単一のアッセイにおいて、すなわち単一のハイブリダイゼーション工程において、核酸の第2のセットの全てと接触させられる。しかし、あらゆる適切なアッセイを使用することができる。
標識核酸およびハイブリダイゼーションのパターン
本明細書に言及される核酸は、好ましくは、成功したハイブリダイゼーションの検出を支援するフルオロフォア(蛍光分子)または放射性標識などの独立した標識を使用して標識化され得る。特定の標識はUV光の下で検出することができる。ハイブリダイゼーションのパターンは、例えば本明細書に記載されるアレイ上で、2つのサブグループ間のエピジェネティックな染色体相互作用の差を表し、したがって、エピジェネティックな染色体相互作用を比較するプロセスおよびどのエピジェネティックな染色体相互作用が本発明の集団におけるサブグループに特異的であるかの決定を提供する。
「ハイブリダイゼーションのパターン」という用語は、例えば核酸の第1のセットと核酸の第2のセットの間のハイブリダイゼーションの存在および不存在、すなわち、第1のセットからのどの特異的な核酸が第2のセットからのどの特異的な核酸とハイブリダイズするかを広くカバーし、そのため、任意の特定のアッセイもしくは技術、または「パターン」を検出することができる表面もしくはアレイを有する必要性に限定されない。
本明細書に言及される物質の形態
本明細書に言及される、核酸または治療薬などの物質はいずれも、精製または単離された形態であり得る。それらは自然界に見られるものとは異なる形態であってもよく、例えば、それらは自然界に生じない他の物質と組み合わせて存在してもよい。核酸(本明細書で定義される配列の部分を含む)は、自然界に見られるものとは異なる配列を有してもよく、例えば、相同性に関するセクションに記載されるように配列において少なくとも1、2、3、4またはそれ以上のヌクレオチドの変化を有する。核酸は5’または3’末端に異種配列を有し得る。核酸は自然界に見られるものと化学的に異なっていてもよく、例えば、それらは何らかの方法で修飾され得るが、それでもワトソン・クリック塩基対形成が可能であることが好ましい。適切な場合に、核酸は二本鎖または一本鎖の形態で提供される。本発明は、本明細書に言及される特異的な核酸配列の全てを一本鎖または二本鎖の形態で提供し、したがって、開示される任意の配列に対する相補鎖を含む。
本発明は、予後に関連する染色体相互作用の検出を含む、本発明の任意のプロセスを実行するためのキットを提供する。そのようなキットは、本発明のプロセスによって産生されたライゲートされた核酸を検出することができる薬剤などの、関連する染色体相互作用を検出することができる特異的結合剤を含むことができる。キットに存在する好ましい薬剤には、例えば本明細書に記載されるように、PCR反応においてライゲートされた核酸を増幅することができる、ライゲートされた核酸またはプライマーペアにハイブリダイズすることができるプローブが含まれる。本発明のキットは、本明細書に開示される任意の数のマーカーの組み合わせなどのマーカーのパネルを検出するための手段を含んでもよい。
本発明は、本発明のプロセスを実施するためのキットを製造するための試薬の使用を提供する。そのような試薬は、本明細書において言及されるプローブまたはプライマーのいずれかである試薬を含む、検出プロセスの産物の検出を可能とする試薬など、本明細書において言及される任意の好適な物質であってもよい。本発明は、本発明のプロセスにおける試薬の使用を提供する。本発明は、本発明を実施するための手段の製造における試薬の使用を提供する。
本発明は、関連する染色体相互作用を検出することができるデバイスを提供する。デバイスは、好ましくは、本明細書に記載される任意のそのような薬剤、プローブまたはプライマーペアなどの、染色体相互作用を検出することができる任意の特異的結合剤、プローブまたはプライマーペアを含む。
本発明は、例えば本明細書において定義されるように、筋萎縮症または筋萎縮症の任意の特徴を検出するための本明細書における(例えば数または具体的な組み合わせにより)定義される染色体相互作用の検出の使用を提供する。本発明は、本発明のいずれかの方法における試薬(例えば、プローブ、プライマー、標識、デバイスまたはアレイ)の使用を提供する。
検出プロセス
一態様では、染色体相互作用に関連するライゲートされた配列の定量的検出が、PCR反応中の活性化で検出可能であるプローブを使用して実行され、上記ライゲートされた配列は、エピジェネティックな染色体相互作用において一緒に集まる2つの染色体領域由来の配列を含み、上記プロセスは、PCR反応中にライゲートされた配列をプローブと接触させる工程、およびプローブの活性化の程度を検出する工程を含み、上記プローブがライゲーション部位に結合する。当該プロセスは、典型的には、二重標識蛍光加水分解プローブを使用してMIQEに準拠した方法で特定の相互作用を検出することができる。
プローブは概して、不活性状態と活性状態を有する検出可能なラベルで標識されているため、活性化された場合にのみ検出される。活性化の程度は、PCR反応に存在するテンプレート(ライゲート産物)の程度に関連する。検出は、PCRの全てまたは一部のあいだ、例えば、PCRのサイクルの少なくとも50%または80%のあいだに実行され得る。
プローブは、オリゴヌクレオチドの一端に共有結合したフルオロフォア、およびヌクレオチドの他端に結合した消光剤を含むことができ、その結果、フルオロフォアの蛍光は消光剤によってクエンチされる。一態様では、フルオロフォアはオリゴヌクレオチドの5’末端に結合され、消光剤はオリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合される。本発明のプロセスで使用することができるフルオロフォアには、FAM、TET、JOE、Yakima Yellow、HEX、Cyanine 3、ATTO 550、TAMRA、ROX、Texas Red、Cyanine 3.5、LC 610、LC 640、ATTO 647N、Cyanine 5、Cyanine 5.5およびATTO 680が含まれる。適切なフルオロフォアと共に使用することができる消光剤には、TAM、BHQ1、DAB、Eclip、BHQ2およびBBQ650が含まれ、任意には、上記フルオロフォアは、HEX、Texas RedおよびFAMから選択される。フルオロフォアと消光剤の好ましい組み合わせには、FAMとBHQ1、およびTexas RedとBHQ2が含まれる。
qPCRアッセイでのプローブの使用
本発明の加水分解プローブは、典型的には、濃度が一致した陰性対照で温度勾配が最適化されている。好ましくは、一段階のPCR反応が最適化される。より好ましくは、標準曲線が計算される。ライゲートされた配列の接合部にわたって結合する特異的なプローブを使用することの利点は、ネステッドPCRアプローチを使用せずにライゲートされた配列に対する特異度を達成することができることである。本明細書に記載されるプロセスは、低コピー数の標的の正確かつ精密な定量化を可能にする。温度勾配の最適化の前に、標的のライゲートされた配列は精製することができ、例えば、ゲル精製することができる。標的のライゲートされた配列は配列決定することができる。好ましくは、PCR反応は、約10ng、または5~15ng、または10~20ng、または10~50ng、または10~200ngのテンプレートDNAを使用して実施される。フォワードおよびリバースプライマーは、例えば、配列に相補的であることによって、一方のプライマーがライゲートされたDNA配列で表される染色体領域のうちの1つの配列に結合し、もう一方のプライマーがライゲートされたDNA配列で表される他の染色体領域に結合するように設計されている。
ライゲートされたDNA標的の選択
本発明は、ライゲートされた配列に結合および増幅するそれらの能力に基づいてプライマーを選択すること、およびそれが結合する標的配列の特性、特に標的配列の曲率に基づいてプローブ配列を選択することを含む、本明細書において定義されるようなPCRプロセスにおける使用のためのプライマーおよびプローブを選択する工程を含む。
プローブは典型的に、制限部位にまたがる並置された制限フラグメントであるライゲートされた配列に結合するように設計/選択される。本発明の一態様では、特定の染色体相互作用に関連する可能性のあるライゲートされた配列の予測される曲率が、例えば、本明細書で参照される特定のアルゴリズムを使用して計算される。曲率は、例えば、らせん回転あたり10.5°など、らせん回転あたりの度数として表すことができる。ライゲートされた配列は、ライゲートされた配列が、らせん回転あたり少なくとも5°、典型的には、らせん回転あたり少なくとも10°、15°または20°、例えばらせん回転あたり5°~20°の曲率傾向ピークスコアを有する場合に標的化のために選択される。好ましくは、らせん回転あたりの曲率傾向ピークスコアは、ライゲートされた部位の上流および/または下流の20~400塩基など、少なくとも20、50、100、200または400塩基に対して計算される。したがって、一態様では、ライゲート産物における標的配列は、これらのレベルの曲率のいずれかを有する。標的配列は、最低の熱力学的構造の自由エネルギーに基づいて選択することもできる。
特定の態様
一態様では、染色体内相互作用のみが分類/検出され、(異なる染色体間の)染色体外相互作用は分類/検出されない。
特定の態様では、特定の染色体相互作用、例えば、(例えば、本明細書で言及される任意のプローブまたはプライマーペアによって定義されるような)本明細書で言及される任意の具体的な相互作用は分類されない。いくつかの態様では、染色体相互作用は、本明細書に言及される染色体相互作用に関連する遺伝子のいずれにおいても分類されない。
本明細書に提供されるデータは、マーカーが、関連する疾患状況の症例と非症例とを区別できる「拡散(disseminating)」マーカーであることを示している。したがって、本発明を実施する場合、当業者は、個体がどのサブグループにあるかを相互作用の検出により決定することができる。一実施態様において、関連する疾患状況と関係付けられるような形で試験されたマーカーの少なくとも70%の検出の閾値が、個体が関連するサブグループにあるかどうかを決定するために使用することができる。
一実施態様においては、本発明のプロセスは、ハンチントン病の存在を検出せず、ハンチントン病の検出の目的のために実施されない。一実施態様においては、本発明のプロセスは、ハンチントン病らしいと疑われる個体またはハンチントン病の兆候を有する個体において実施されない。
分類器の使用
本発明の方法は、個体において同定された染色体相互作用の分析を含み、例えば、感度または特異度などの性能を向上させることのできる分類器の使用を含む。分類器は通常、集団からのサンプル上で「トレーニング」されたものであり、そのようなトレーニングは、分類器が本明細書において言及される任意のサブグループを検出することを支援し得る。
スクリーニングプロセス
本発明は、どの染色体相互作用が集団の予後のサブグループに対応する染色体状態に関連するかを決定するプロセスを提供し、当該方法は、染色体の異なる状態を有するサブグループからの核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させる工程、および相補的配列がハイブリダイズすることを可能にする工程を含み、核酸の第1および第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用において一緒に集まる両方の染色体領域からの配列を含むライゲート産物を表し、核酸の第1および第2のセットとの間のハイブリダイゼーションのパターンによって、どの染色体相互作用が予後のサブグループに特異的であるかを決定することが可能になる。サブグループは、例えば、特定の状態または治療を参照した、本明細書で定義される特異的なサブグループのいずれかであり得る。
刊行物
本明細書で言及される全ての刊行物の内容は、引用により本明細書に組み込まれ、本発明に関連する特徴をさらに定義するために使用され得る。優先権書類、2021年10月12日に出願された英国特許出願第2016176.6号、の内容もまた、引用により本明細書に組み込まれる。
具体的な関連染色体相互作用を同定するために使用される技術
EpiSwitch(商標)プラットフォーム技術により、遺伝子座での正常な状態と異常な状態との間の調節変化のエピジェネティックな調節シグネチャを検出する。EpiSwitch(商標)プラットフォームは、染色体コンフォメーションシグネチャとしても知られるヒト染色体の高次構造の調節に関連付けられた遺伝子調節の基本的なエピジェネティックレベルを同定およびモニターする。染色体シグネチャは、遺伝子調節解除のカスケードにおける別個の主要な工程である。これらは、DNAメチル化やRNAプロファイリングなどの、後期エピジェネティックおよび遺伝子発現バイオマーカーを利用するバイオマーカープラットフォームに対する利点の固有のセットを備えた高次バイオマーカーである。
EpiSwitch(商標)アレイアッセイ
カスタムEpiSwitch(商標)アレイスクリーニングプラットフォームには、15K、45K、100K、および250Kの固有の染色体コンフォメーションの4つの密度があり、各キメラフラグメントはアレイ上で4回繰り返され、有効密度を、それぞれ60K、180K、400K、および100万にする。
カスタム設計されたEpiSwitch(商標)アレイ
15KのEpiSwitch(商標)アレイは、EpiSwitch(商標)Biomarker発見技術で照合された約300の遺伝子座を含むゲノム全体をスクリーニングすることができる。EpiSwitch(商標)アレイは、Agilent SurePrint G3 Custom CGHマイクロアレイプラットフォーム上に構築され、この技術は、4つの密度、60K、180K、400K、および100万のプローブを提供する。各EpiSwitch(商標)プローブが4つ組として表示されるため、アレイあたりの密度は15K、45K、100K、および250Kまで減少し、それゆえ、再現性の統計的評価が可能になる。遺伝子座ごとに照合される潜在的なEpiSwitch(商標)マーカーの平均数は50であり、そのため調査することができる遺伝子座の数は300、900、2000、および5000である。
EpiSwitch(商標)カスタムアレイパイプライン
EpiSwitch(商標)アレイは、EpiSwitch(商標)ライブラリの生成後、Cy5において標識されたサンプルの1つのセット、およびCy3において標識された比較/分析されるべきサンプル(対照)のもう1つのセットを備えたデュアルカラーシステムである。アレイはAgilent SureScan Scannerを使用してスキャンされ、結果として生じる特徴がAgilent Feature Extractionソフトウェアを使用して抽出される。その後、データはRでのEpiSwitch(商標)アレイ処理スクリプトを使用して処理される。アレイは、R:Limma*でのBioconductorにおける標準デュアルカラーパッケージを使用して処理される。アレイの正規化は、Limma*でのnormalizedWithinArrays機能を使用して実行われ、これは、オンチップのAgilent陽性対照およびEpiSwitch(商標)陽性対照に対して行われる。Limma*を使用して分析するために、データはAgilent Flag呼び出しに基づいてフィルタリングされ、Agilent対照プローブは取り外され、テクニカルレプリケートプローブは平均化される。プローブは、比較されている2つのシナリオ間の違いに基づいてモデル化され、偽発見率を使用して修正される。<=-1.1または=>1.1であり、p<=0.1FDRのp値をパスする変動係数(CV)<=30%のプローブが、さらなるスクリーニングに使用される。プローブセットを減らすために、RでのFactorMineRパッケージを使用してさらなる複数因子分析が実施される。
*注:LIMMAは、マイクロアレイ実験で差次的発現を評価するための線形モデルおよび経験ベイズプロセスである。Limmaは、マイクロアレイまたはRNA-Seqから生じる遺伝子発現データを分析するためのRパッケージである。
プローブのプールは、最初に、調整されたp値、FCおよびCV<30%(任意のカットオフポイント)パラメータに基づいて選択され、最終的にピッキングが行われる。さらなる分析および最終的なリストは、最初の2つのパラメータ(調整されたp値;FC)のみに基づいて作成される。
統計パイプライン
EpiSwitch(商標)スクリーニングアレイは、EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームに変換するための高価値のEpiSwitch(商標)マーカーを選択するために、RでのEpiSwitch(商標)分析パッケージを使用して処理される。
工程1
プローブを、修正された線形回帰モデルの積である、それらの修正されたp値(偽発見率、FDR)に基づいて選択する。p値<=0.1未満のプローブを選択し、その後、エピジェネティック比(ER)によってさらに減少させ、さらなる分析に選択するためにプローブERは<=-1.1または=>1.1でなければならない。最終的なフィルタは変動係数(CV)であり、プローブは<=0.3未満でなければならない。
工程2
統計リストからの上位40のマーカーを、PCR変換に対するマーカーとして選択するためのそれらのERに基づいて選択する。負のER負荷が最も高い上位20のマーカーおよび正のER負荷が最も高い上位20のマーカーがリストを形成する。
工程3
工程1から結果として得たマーカー、統計的に有意なプローブは、超幾何学的エンリッチメント(HE)を使用したエンリッチメント分析の基礎を形成する。この分析によって、有意なプローブリストからのマーカー減少が可能になり、工程2からのマーカーとともに、EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームに変換されたプローブのリストが形成される。
統計プローブは、どの遺伝的位置が統計的に有意なプローブのエンリッチメントを有しているかを決定するためにHEによって処理され、これは、どの遺伝的位置がエピジェネティックな違いのハブであるかを示している。
補正されたp値に基づく最も有意なエンリッチメント遺伝子座がプローブリストの作成のために選択される。0.3または0.2のp値未満の遺伝的位置が選択される。工程2からのマーカーを用いる、これらの遺伝子位置にマッピングされる統計プローブは、EpiSwitch(商標)PCR変換に対する高価値マーカーを形成する。
アレイの設計および処理
アレイ設計
遺伝子座を、SIIソフトウェア(現在はv3.2)を使用して次のように処理する。
-これらの特異的な遺伝子座でゲノムの配列を引き出す(50kb上流および20kb下流の遺伝子配列)。
-この領域内の配列がCCに関与する確率を定義する。
-特異的なREを使用して配列をカットする。
-どの制限フラグメントが特定の配向で相互作用する傾向にあるかを決定する。
-異なるCCが一緒に相互作用する可能性をランク付けする。
-アレイサイズを決定し、したがって利用可能なプローブ位置の数(x)を決定する。
-x/4の相互作用を引き出す。
-各相互作用に対して、パート1から制限部位までの30bpおよびパート2の制限部位までの30bpの配列を定義する。それらの領域がリピートではないことを確認し、リピートである場合は、除外して次の相互作用をリスト上に書き取る。両方の30bpを結合してプローブを定義する。
-x/4プローブ+定義された対照プローブのリストを作成し、4回複製して、アレイ上に作成されるべきリストを作成する。
-カスタムCGHアレイ用のAgilent Sure設計のウェブサイトにプローブのリストをアップロードする。
-プローブ群を使用して、AgilentカスタムCGHアレイを設計する。
アレイ処理
-テンプレート作成にEpiSwitch(商標)標準操作手順(SOP)を使用してサンプルを処理する。
-アレイ処理ラボによってエタノール沈殿でクリーンアップする。
-Agilent SureTag完全DNAラベリングキット-Agilent Oligonucleotide Array-based CGH for Genomic DNA Analysis Enzymatic labelling for Blood,Cells or Tissuesにしたがってサンプルを処理する。
-Agilent特徴抽出ソフトウェアを用いるAgilent C Scannerを使用してスキャンする。
EpiSwitch(商標)バイオマーカーのシグネチャは、複雑な疾患表現型の層別化において高いロバスト性、感度および特異度を実証する。この技術は、エピジェネティクスの科学における最新のブレークスルー、非常に有益なクラスのエピジェネティックバイオマーカーとしての染色体コンフォメーションシグネチャのモニタリングおよび評価を利用する。学術環境で展開されている現在の研究方法では、CCSを検出するために、細胞材料の生化学的処理に3~7日を要する。それらの手順は、感度および再現性が限定されており、さらに、設計段階でEpiSwitch(商標)分析パッケージによって提供される標的化された洞察の恩恵を有していない。
EpiSwitch(商標)アレイのインシリコのマーカー同定
ゲノム全体のCCS部位は、関連する全ての層別リードバイオマーカーの同定のために試験コホートからの臨床サンプルのEpiSwitch(商標)アレイによって直接評価される。EpiSwitch(商標)アレイプラットフォームは、その高いスループット能力、および多数の遺伝子座を迅速にスクリーニングするその能力が要因で、マーカーの同定に使用される。使用したアレイはAgilentカスタムCGHアレイであったが、これにより、インシリコのソフトウェアで同定されたマーカーを照合することが可能になる。
EpiSwitch(商標)PCR
その後、EpiSwitch(商標)アレイによって同定された潜在的なマーカーが、EpiSwitch(商標)PCRまたはDNAシーケンサー(すなわち、Roche 454、Nanopore MinIONなど)のいずれかによって検証される。統計的に有意で、最良の再現性を示す上位のPCRマーカーが、最終的なEpiSwitch(商標)シグネチャセットへのさらなる減少のために選択され、独立したサンプルのコホートで検証される。EpiSwitch(商標)PCRは、確立された標準化された操作手順プロトコルにしたがって、訓練を受けた技術者が実施することができる。全てのプロトコルおよび試薬の製造は、研究の質およびプロトコルを転送する能力を確かなものとするために、ISO 13485および9001認定の下で実施される。EpiSwitch(商標)PCRおよびEpiSwitch(商標)アレイバイオマーカープラットフォームは、全血および細胞株の両方の分析と互換性がある。試験は、少量の血液を使用して非常に少ないコピー数で異常を検出するのに十分な感度がある。
本発明は以下の実施例により説明される。
実施例1
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は、筋萎縮症に関連する染色体相互作用を同定するために使用することができる例示的な筋萎縮症モデルである。SBMAは、アンドロゲン受容体(AR)遺伝子における遺伝的な突然変異と関連しかつX染色体に連鎖した形式で遺伝する、男性に優勢な症状(2.6:100,000)を有する稀な疾患である。AR遺伝子の損傷に関連した内分泌系、神経系および筋肉系の制御ネットワークの変調は、有意な病態生理および極端な身体的障害の原因となる。興味深いことに、AR損傷を有するホモ接合性の女性においては、症状は非常に穏やかであり、欠損の補填におけるその制御状況の有意性を示している。その病態生理の一部として、SBMAは筋萎縮を引き起こし、多くは低い運動性ニューロン変性および適切な刺激の欠如による。疾患には治療法がなく、予後を見抜くことは制限される。
脊髄筋萎縮は、脊柱サルコペニア、サルコペニアにおける運動ニューロン損失、筋萎縮、加齢の結果としての筋力低下(サルコペニア)および潜在する病的なシグナル伝達の結果としての筋力低下(悪液質、特にがんにしばしば見られるような悪液質)の良好な理解のための、ならびにがんによる筋力消耗の共通機序の理解のための、認識されたモデル疾患である。
ここで、本発明者らは、SBMA患者の染色体相互作用を健常コホートと比較して分析した。本発明者らは、ゲノムにまたがる全ての注釈がつけられた遺伝子およびnRNAをカバーする900,000超の染色体コンフォメーションにわたるゲノムスクリーニングを行った。
全血サンプルは、12人のSBMA患者と7人の年齢の適合した対照からなる英国コホートから提供された。12人のSBMA患者は、早期発症患者と後期発症患者とに分けられ、以下の表に記載されている。
Figure 2023545364000001
球脊髄性筋萎縮症の場合、AR遺伝子におけるCAGリピートの遺伝子コンフォメーションは、認められた診断情報としてふるまう。課題の1つは、とりわけ多くの患者の遺伝的障害がエピジェネティックネットワークによって補償されているため、疾患症状の重症度を確認する情報を得ることである。そのため、本研究は、筋萎縮症の初期段階および後期段階の両方を表すサンプルに基づいており、一般的な診断のみならず、特に疾患の臨床症状の重症度に関して、予後を決定することを可能としている。
本発明者らは、上位200の拡散SBMA特異的CCSを、FalseDixcovery Rate FDR<0.05で同定した。条件付きCCSの影響を受ける遺伝子座を分析することにより、本発明者らは、経路分析を行い、角質化(24遺伝子座が影響)および嗅覚伝達(31遺伝座が影響)のSBMA特異的プロファイリングに深く関与していることを証明した。重要なことには、同じ分析が、T細胞受容体シグナル伝達経路(12遺伝子が影響)およびL1CAM相互作用(8遺伝子が影響、L1CAMは、細胞の遊走、接着、神経突起伸長、ミエリン形成および神経分化に強い関わりを有する神経細胞接着分子である。)への大きな関与も示した。最も重要なことには、この分析により、SBMA調節に関わりのある部位とがん免疫療法に関わりのあるPD-1チェックポイントネットワークの重なりが明らかとなる。これは、SBMAおよびがんの両方の状態で筋萎縮が観察されるという点で、SBMAとがんの重なりに関する最初の分子レベルでの証拠である。研究の結果を、本明細書の図および表に示す。同定されたマーカーは、ネステッドPCRプラットフォームでの検出に適している。
表1Aおよび表1Bは、この研究により同定されたマーカーを示す。それらは、3Dゲノム調節管理の一部を示す。後期表現型と比較して初期表現型には明確なCCSがあり、疾患が進行するにつれてCCSが変化し、表現型間で変わることを示している。CCSは各臨床的に定義されるサブグループと関連付けられ、患者の転帰および進行を予測するためのバイオマーカーツールとして使用することができる。本研究は、したがって診断マーカーおよび予後マーカーの両方を提供する。
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Claims (11)

  1. 個体における筋萎縮症の状態を検出する方法であって、表1に示されるプローブにより表される1つまたはそれより多くの染色体相互作用の存在または不存在を決定し、それにより固体における筋萎縮症を検出することを含む方法。
  2. (i)少なくとも5つの染色体相互作用が表1Aから分類される、および/または
    (ii)少なくとも5つの染色体相互作用が表1Bから分類される
    請求項1記載の方法。
  3. 染色体相互作用が、
    -個体由来のサンプルにおいて分類される、および/または
    -染色体相互作用の部位でのDNAループの存在または不存在を検出することにより分類される、および/または
    -染色体相互作用において一緒に集まっている染色体の末端領域の存在または不存在を検出することにより分類される、および/または
    -上記分類中に産生され、その配列が染色体相互作用において一緒に集まっている染色体の領域に各々対応する2つの領域を含むライゲートされた核酸の存在を検出することにより分類される、および/または
    -染色体相互作用において一緒に集まっている染色体領域の近位を検出するプロセスにより分類される
    請求項1または2記載の方法。
  4. 染色体相互作用の存在または不存在の前記検出が、
    (i)存在するエピジェネティックな染色体相互作のインビトロ架橋;
    (ii)任意に、架橋したDNAを単離すること;
    (iii)前記架橋したDNAを切断すること;
    (iv)ライゲートされたDNAを形成するために前記架橋切断したDNA端をライゲーションすること;ならびに
    (v)前記ライゲートされたDNAの存在または不存在を同定すること
    を含み、それにより染色体相互作用の存在または不存在を決定するプロセスによるものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ライゲートされたDNAが、PCRによりまたはプローブの使用により検出される、請求項3または4記載の方法。
  6. (i)検出がプローブの使用によるものであり、該プローブが表1に示される任意のプローブと少なくとも70%同一性を有する、または
    (ii)検出がPCRの使用によるものであり、PCRが表1に示される任意のプライマーペアと少なくとも70%同一性を有する、
    請求項5記載の方法。
  7. (i)方法が、筋萎縮症の治療または処置を受けることについて患者を選択するために実施される、および・または
    (ii)方法が、身体的特徴、危険因子または症状の存在に基づき前もって選択された個体を選択するために実施される、および/または
    (iii)方法が、筋萎縮症を診断するためにまたは筋萎縮症の予後を決定するために、好ましくは筋萎縮症の重症度を決定するために、実施される
    請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 個体が、次の特徴:
    (a)男性である、および/または
    (b)30~60歳である、および/または
    (c)女性化乳房である、および/または
    (d)精巣萎縮である、および/または
    (e)アンドロゲン不感受性である、および/または
    (f)好ましくはアンドロゲン不感受性の結果、低受精率である
    の1つまたはそれより多くについて前もって選択される、請求項7の(ii)に記載の方法。
  9. (i)表1Aの相互作用番号1~40、または
    (ii)表1Bの相互作用番号1~40
    から選択される、少なくとも5つの染色体相互作用が分類される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 分類または検出が、ライゲート産物を増幅可能なプライマーおよびPCR反応中にライゲーション部位に結合するプローブを用いる定量PCR(qPCR)によるライゲート産物の特異的な検出を含み、前記プローブが染色体相互作用において一緒に集まっている各染色体領域由来の配列に相補的な配列を含み、好ましくは、前記プローブは、
    -前記ライゲート産物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド、および/または
    -オリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合される蛍光団、および/または
    -オリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合される消光団
    を含み、および
    任意に、
    -前記蛍光団がHEX、テキサスレッドおよびFAMから選択され;および/または
    -前記プローブが10~40ヌクレオチド塩基長、好ましくは20~30ヌクレオチド塩基長の核酸配列を含む、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1~10のいずれか1項にしたがい筋萎縮症であると同定された個体における筋萎縮症の治療において使用するための抗筋萎縮症治療薬。
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