JP2023545295A - 疎水性送達キャリアと漂白剤を含む固体親水性粒子とを含む口腔ケア物品 - Google Patents

疎水性送達キャリアと漂白剤を含む固体親水性粒子とを含む口腔ケア物品 Download PDF

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Abstract

口腔内で使用するためのストリップの形態の口腔ケア物品。口腔ケア物品は、少なくとも1つの漂白剤を含む埋め込まれた固体親水性粒子を含む疎水性送達キャリアを含み、当該粒子の少なくとも約20重量部が約100重量部の水に溶解する、及び/又は水と接触した際に当該粒子の体積及び/又は重量が少なくとも約50%増加する。

Description

本発明は、疎水性送達キャリアと、口腔内での使用に好適な漂白剤を含む固体親水性粒子と、を含む口腔ケア物品に関する。
現在、市場には、様々な美容用活性物質及び/又は治療用活性物質を歯及び口腔に送達する歯科用製品が存在する。このような製品の例としては、例えば、ポリホスフェート又はフッ化物といった口腔ケア活性物質を送達するための歯磨剤製品などの、ブラッシング補助剤、口臭除去剤又は抗菌活性物質を含有するマウスウォッシュ、及び歯に漂白活性物質を送達するためのホワイトニングストリップが挙げられる。歯及び口腔の粘膜表面に美容及び治療上の効果をもたらす便利かつ安価な方法として、歯科用ストリップ、例えば、ホワイトニング組成物をストリップに塗布し、その後歯に適用して、歯とホワイトニング物品とを持続的に接触させる歯科用ホワイトニングストリップの使用が認識されている。
口腔状態を治療又は改善するため、特に歯をホワイトニングするための上記公知のアプローチにもかかわらず、例えば、ホワイトニング速度の増大、漂白有効性の改善、抗菌効果の向上、歯の過敏性の減少、及び/又は口腔軟組織への刺激の減少などの改善された性能を有する製品を提供することが依然として必要とされている。これらの問題に対処するための以前の試みとしては、物品中の漂白剤のレベルを上昇させることが挙げられる。しかし、このアプローチは問題を提起する場合がある。ユーザは、増加させた量の漂白剤を使用することに伴い得る、刺激及び/又は過敏性の増大を経験する場合がある。したがって、口腔状態を治療するため、特に歯をホワイトニングするための上記公知のアプローチにもかかわらず、漂白有効性の改善、ホワイトニング速度の増大、歯の過敏性の減少、及び/又は口腔軟組織への刺激の減少を伴う製品を提供することが依然として必要とされている。
本発明は、
a)第1の表面を形成する長さ及び幅を有し、当該第1の表面から第2の表面まで延びる厚さを有し、平均厚さが3mm未満である、ストリップの形態の固体疎水性送達キャリアと、
b)少なくとも1つの漂白剤を含む固体親水性粒子であって、当該固体親水性粒子が、水と接触した際に当該漂白剤を放出し、当該固体親水性粒子が、当該固体疎水性送達キャリア内に配置され、埋め込まれており、当該固体親水性粒子が、当該固体疎水性送達キャリアの、i)当該第1の表面の少なくとも部分的に下に、かつ、ii)当該第1の表面の、少なくとも部分的に、表面又は上に配置された、固体親水性粒子と
を含み、
当該粒子の少なくとも約20重量部が、約100重量部の水に溶解する、及び/又は水と接触した際に当該粒子の体積及び/又は重量が少なくとも約50%増加する、口腔ケア物品を提供する。
固体疎水性送達キャリアは、ASTM D937-07によって測定したときに、好ましくは約10未満の円錐貫入稠度値を有する材料を含み得る。
本物品は、漂白剤を歯及び/又は口腔に直接適用することにより、口腔に健康上、治療上、又は美容上の効果をもたらすために使用することもできる。好ましくは、本発明の物品は、う蝕、歯垢、歯石、及びステインを低減及び/若しくは除去するため、歯肉の健康を促進するため、う蝕を予防及び治療するため、呼気を改善するため、漂白を促進するため、抗菌効果を提供するため、並びに/又はこれらの組み合わせのために使用することができる。
物品は、例えば、電磁放射線源などの漂白剤の有効性を増大させるための装置と共に、キットとして提供されてもよい。
本発明は更に、本明細書に開示される物品又はキットを使用して歯をホワイトニングするための美容的及び/又は非治療的方法であって、
a)疎水性送達キャリアの第1の表面が少なくとも1本の歯の表面に接触するように、当該物品を当該少なくとも1本の歯の表面に適用する工程と、
b)当該物品を、少なくとも1分間などの好適な期間にわたって当該少なくとも1本の歯の表面上に留まらせる工程と、
c)所望により、少なくとも1分間などの好適な期間にわたって電磁放射線を印加する工程と、
を含む方法に関する。
物品は、物品を使用するための説明書と共に更に提供されてもよい。
物品は、歯又は口腔に直接取り付けられる、すなわち、物品、例えば疎水性送達キャリア自体によって、接着機能又は取り付け機構が直接提供されてよい。例えば、物品は、所望により、適用されたら物品が口腔軟組織と重なり、漂白剤で達成される効果をより多くの歯の表面が享受できるようにするのに十分なサイズであってもよい。物品は、物品と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に取り付けられ得る。
環境と接触し得る又は第1の表面14(図1B)においてより多数の粒子20を示し得る、固体親水性粒子20を含む丸みを帯びた角部を有するストリップ形態の物品10の斜視図である。 環境と接触し得る又は第1の表面14(図1B)においてより多数の粒子20を示し得る、固体親水性粒子20を含む丸みを帯びた角部を有するストリップ形態の物品10の斜視図である。 図1Aの物品10の切断線2-2に沿った断面図である。 図1Bの物品10の切断線2-2に沿った断面図である。 歯22に取り付けられた物品10を示す断面平面図である。 歯22に接着的に取り付けられた物品10を示す、図3の切断線4-4に沿った歯の横断立面図である。 ノッチ18(図5C)を備える歯科用トレー(図5B)に形成されたストリップ形態の物品10の写真画像である。 ノッチ18(図5C)を備える歯科用トレー(図5B)に形成されたストリップ形態の物品10の写真画像である。 ノッチ18(図5C)を備える歯科用トレー(図5B)に形成されたストリップ形態の物品10の写真画像である。 埋め込まれた固体親水性粒子20を含む疎水性送達キャリア12として使用可能なワックスのシートの写真画像である(実施例IV-A)。 埋め込まれた固体親水性粒子20を含む疎水性送達キャリア12として使用可能なワックスのシートの顕微鏡画像である(実施例IV-A)。 埋め込まれた固体親水性粒子20と組み合わせて疎水性送達キャリア12として使用可能なワックスのシートの顕微鏡画像である(実施例V-A)。図8Aは、第1の表面14の画像である。 埋め込まれた固体親水性粒子20と組み合わせて疎水性送達キャリア12として使用可能なワックスのシートの顕微鏡画像である(実施例V-A)。図8Bは、第2の表面16の画像である。 歯の表面に向けて電磁放射線を送達するための装置を示す。
漂白剤を固体親水性粒子として提供し、疎水性送達キャリアと組み合わせて本明細書に開示される口腔ケア物品を形成する場合、非常に低い重量濃度の口腔ケア物品で漂白剤が有効になり得ることが見出されている。本発明の口腔ケア物品は、物品の約0.01重量%~約50重量%、好ましくは約0.1重量%~約30重量%、好ましくは約0.1重量%~約25重量%、好ましくは約0.1重量%~約15重量%、又は好ましくは約0.3重量%~約10重量%の、漂白剤を含む固体親水性粒子を含み得、当該固体親水性粒子は、水に可溶性であり、水と接触すると膨潤すし、水又は水を含む液体と接触すると漂白剤を放出する。
固体親水性粒子は、疎水性送達キャリアに埋め込まれることによって当該キャリア上及び内に配置されて、本発明の口腔ケア物品を形成する。固体親水性粒子は漂白剤を含み、疎水性送達キャリアの第1の表面における漂白剤の濃度は、第2の表面における漂白剤の濃度よりも高くなり得る。少なくとも1つの漂白剤の例は、過酸化物ラジカル源、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、前述の化合物をその場で形成する化合物、及びこれらの組み合わせを含み、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体(ペルオキシドンとしても知られている)及び/又は過酸化尿素が好ましい。理論によって束縛されることを望むものではないが、物品が第1の表面で歯の表面と接触したとき、疎水性送達キャリアに埋め込まれた固体親水性粒子が、歯の表面上の親水性バイオフィルムに漂白剤を送達すると考えられる。これにより、より低い総濃度の漂白剤でより高い漂白有効性をもたらすことができる。
本明細書で使用するとき、用語「送達キャリア」は、固体親水性粒子から表面、例えば歯の表面に漂白剤を送達するために使用されるストリップの形態の材料を含む。送達キャリアは、本明細書で使用するとき、平坦であってもよく、又は三次元形状、例えば歯列弓の形状に予め形成されていてもよい。「送達キャリア」の材料は、口腔に適合し、ユーザにとって快適であり、かつ疎水性でなければならない。疎水性送達キャリアのための例示的な材料としては、ワックス、ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
「疎水性」及び「親水性」という用語は、本明細書では、一般常識に従って使用される。用語「親水性」は、水及び他の極性材料に引き付けられる物体、物品、分子、化合物、実体に対して使用される。したがって、用語「疎水性」は、水及び他の極性材料に引き付けられない及び/又は反発しない物体、物品、分子、化合物、実体に対して使用される。
用語「ストリップ」は、本明細書で使用するとき、1)その最も長い寸法長さが、一般に、その幅よりも大きい、及び2)その幅が、一般に、その厚さよりも大きい材料を含む。ストリップは、矩形、アーチ形、湾曲形、半円形であってよく、口腔の軟組織の刺激を回避するために丸みを帯びた角部を有していてよい。本明細書で使用するとき、「丸みを帯びた角部」とは、鋭角又は鋭点、例えば、135°以下の1つ以上の角度がないことを意味する。加えて、ストリップは、屈曲させてもよく、三次元形状に、例えば、歯列弓状に成形してもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。ストリップは、固体、表面模様付き、剛性、成型可能、変形可能、持続的に変形可能、又はこれらの組み合わせであってよい。本発明において有用なストリップは、口腔に適合するように好適に成形され得る。
本明細書で使用するとき、用語「口腔ケア物品」は、口腔で使用するための、好ましくは口腔内の歯に使用するための製品を指す。口腔ケア物品は、好ましくは、少なくとも1つの漂白剤を含む固体親水性粒子と組み合わされた固体疎水性送達キャリアを含む。
本明細書で使用するとき、用語「単位用量物品」は、1回使用したらその後処分される物品を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「取り外し可能な物品」は、使用後に口腔から取り出される物品を意味する。
用語「スティック型製品」は、本明細書で使用するとき、処置される表面に適用されたときにその構造的一体性及び形状を保持する分注容器内に保持される、見かけ上硬い固体材料のバーである物品を指す。スティックの一部を表面を横切るように引くと、スティック物品のフィルムが表面に転写される。例としては、リップクリーム及び口紅が挙げられる。スティック型製品は、一般に数回使用されるので、本明細書で使用するとき、単位用量物品であるとみなすことはできない。更に、スティック型製品の一部を表面を横切るように引くと、スティック組成物のフィルムが表面に転写されるが、これは一般に、使用後に口腔から取り出されない及び/又は取り外し不可能である。
本明細書で使用するとき、用語「成型可能」は、疎水性送達キャリア及び/又は物品の材料が、ユーザによって適用されたときに歯列弓の一般的な形状に適合することを意味する。「成型可能」である疎水性送達キャリアの例としては、厚さ約0.51mm、幅約22mm、及び長さ約62mmのストリップに切り取られた鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「ワックス」という用語は、疎水性かつ室温で固体である有機化合物、例えば高級アルカンを意味する。ワックスは、好ましくは、ASTM法D127-08によって測定したときに約60℃~約120℃、好ましくは約70℃~約110℃、より好ましくは約80℃~約100℃、より好ましくは約90℃~約100℃の液滴融点、及び/又はASTM法D1321-16aによって測定したときに約0.1~約100、好ましくは約0.5~約50、より好ましくは約1~約10の針貫入稠度値、及び/又はASTM法D937-07によって測定したときに10未満、好ましくは約1~9、より好ましくは約5未満の円錐貫入稠度値を有し得る。
本明細書で使用するとき、用語「針貫入稠度値」は、10分の1ミリメートルでの、質量、時間、及び温度の固定条件下で標準針がサンプルに貫入するであろう深さを意味する。針貫入稠度値は、ASTM法D1321-16aに従って測定される。
本明細書で使用するとき、用語「円錐貫入稠度値」は、10分の1ミリメートルでの、質量、時間、及び温度の固定条件下で標準円錐が試料に貫入するであろう深さを意味する。円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定される。
本明細書で使用するとき、「粒子」という用語は、別個の固体物質である。固体粒子は、個々の原子又は分子よりも大きな寸法を有し、典型的には、その最大寸法はサブミクロンから約5ミリメートルである。粒子は、離散粒子の凝集体に凝集されてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「固体親水性粒子」は、水に可溶性であり、かつ/又は水と接触すると膨潤し(体積及び/又は重量が増加し)、かつ水と接触すると漂白剤を放出する固体粒子である。加えて、固体親水性粒子は、疎水性送達キャリアに不溶性である。固体親水性粒子は、水と接触すると固体親水性粒子から放出される漂白剤を含む。漂白剤が放出される場合、この漂白剤は、気体、液体、又は液体に溶解した固体であり得る。固体親水性粒子は、例えば、水、水溶性溶媒、アルコール、カーボポール、ポリアルキレングリコール、湿潤剤、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにこれらの混合物などの、水溶性、水混和性、又はこれらの組み合わせである成分を更に含んでいてもよい。これらの成分が固体親水性粒子に添加されるか又は当該粒子中に存在する場合、物品中の固体親水性粒子の割合は、これらの成分を除外することによって計算される。水不溶性又は水不混和性充填剤が固体親水性粒子に添加される場合、物品中の固体親水性粒子の割合は、これらの充填剤を除外することによって計算される。
本明細書で使用するとき、用語「不混和性」又は「不溶性」は、100重量部の第2の物質中に1重量部未満の物質が溶解することを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「可溶性」は、100重量部の第2の物質中に溶解することができる物質の最大数の重量部である。
本明細書で使用するとき、「埋め込まれた」又は「埋め込まれた粒子」という用語は、上記固体粒子が、固体疎水性送達キャリアの、i)表面の少なくとも部分的に下に、かつ、ii)当該表面の、少なくとも部分的に、表面又は上に配置されることを意味する。埋め込まれた粒子の例としては、ワックスシート、例えば、鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)の表面に、例えば625PSI(43.9418kg/cm2)で60秒間圧入された固体親水性粒子が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「漂白剤」は、漂白及び/又はホワイトニング効果を提供する、固体親水性粒子中に存在する成分である。例えば、過酸化尿素(過酸化尿素付加物としても知られている)を固体親水性粒子として使用する場合、過酸化尿素の過酸化水素成分が漂白剤である。同様に、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体を固体親水性粒子として使用する場合、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体の過酸化水素成分が漂白剤である。
本発明で使用するとき、「安全かつ有効な量」とは、健全な医学/歯学的判断の範囲内で、処置される病態を著しく(よい方向に)変化させるか又は所望の結果をもたらすのには十分多いが、(妥当なベネフィット/リスク比で)重篤な副作用を回避するには十分少ない成分の量を意味する。成分の安全かつ有効な量は、処置される具体的な病態、処置される患者の年齢及び身体状態、病態の重症度、処置期間、併用療法の性質、用いられる特定の形態、並びにそれから成分が適用される特定のビヒクルによって変動する。
本明細書で使用するとき、「漂白剤の所望の効果を達成するのに十分な期間」とは、当事者が、漂白剤を含む物品を使用若しくは装着することができるか、又は漂白剤を含む物品を適用1回あたり約10秒~約24時間、好ましくは約1分~約2時間、最も好ましくは約5分~約1時間使用若しくは装着するように当事者に指示することができることを意味する。処置は、1日約1回~1日約10回、好ましくは1日約1回~1日約5回、最も好ましくは1日約1回~1日約3回適用され得る。処置は、約1日~約8週間、好ましくは約1日~約4週間、最も好ましくは約1日~約1週間適用され得る。更に、所望の効果、例えば歯のホワイトニングを達成するための処置の長さは、指定の期間にわたって持続し得、これを例えば約1日~約6ヶ月間又は継続的に、必要に応じて繰り返してもよい。適用の最適な持続時間及び頻度は、所望の効果、処置される任意の病態の重症度、ユーザの健康及び年齢、並びに同様の留意事項に依存する。
粒子の、用語「等しい寸法」とは、本明細書で使用するとき、粒子と同一の体積を有する球体の寸法を意味する。
本明細書で使用する全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、物品の重量による(重量%)ものである。本明細書で言及される成分の百分率、比率、及びレベルは全て、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、かつ市販製品として成分に組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又は他の物質を含まない。
特に明記しない限り、本明細書で言及される測定は全て約23℃(すなわち、室温)で行われる。
本明細書で有用な「有効物質及び他の成分」は、美容的及び/若しくは治療的効果、又はそれらが要求される作用形態若しくは機能により、本明細書において分類又は記載されてよい。しかしながら、本明細書で有用な有効物質及び他の成分が、場合によっては、2つ以上の美容的及び/又は治療的効果をもたらす、あるいは2つ以上の作用形態で機能又は作用してよい、と理解すべきである。したがって、本明細書における分類は便宜上なされるものであり、成分を、列挙された具体的に指定される機能又は活性に限定することを意図するものではない。
用語「経口的に許容し得る」は、口腔内で使用するのに好適な1つ以上の相溶性の固体又は液体の賦形剤又は希釈剤を含む。用語「相溶性」は、本明細書で使用するとき、物品の安定性及び/又は有効性を実質的に低下させるように相互作用することなく、成分を混合し得ることを意味する。
口腔ケア物品
本明細書に開示される口腔ケア物品は、少なくとも1つの漂白剤を含む固体親水性粒子と組み合わされた固体疎水性送達キャリアを含む。固体親水性粒子は、固体疎水性送達キャリア内に配置され、埋め込まれている。疎水性送達キャリアの第1の表面における漂白剤の濃度は、疎水性送達キャリアの第2の表面における漂白剤の濃度よりも高くなり得るが、それは、固体親水性粒子が疎水性送達キャリアに埋め込まれているためである。固体親水性粒子及び疎水性送達キャリアの成分及び特性は、物品から容易に漂白剤を最適に放出することができるように選択される。
本発明は、物品の0.1重量%未満などの非常に低いレベルの漂白剤の総全体濃度を含む口腔ケア物品に関する。このような低いレベルの漂白剤であっても、物品は依然として比較的高レベルの治療有効性をもたらすことができることが見出された。
本明細書に開示される物品は、少なくとも1つの漂白剤を含む埋め込まれた固体親水性粒子を有する固体疎水性又は固体水不溶性送達キャリアを含み、当該疎水性送達キャリアの第1の表面における漂白剤の濃度は、当該疎水性送達キャリアの第2の表面における漂白剤の濃度よりも高くなり得る。
本明細書に開示される物品は、好ましくは、少なくとも1つの漂白剤を含む固体親水性粒子と組み合わされた固体熱可塑性疎水性送達キャリアを含んでいてよく、当該固体親水性粒子は、疎水性送達キャリアに埋め込まれており、当該疎水性送達キャリア又は物品の第1の表面における漂白剤の濃度は、好ましくは、当該疎水性送達キャリア又は物品の第2の表面における漂白剤の濃度よりも高い。
理論によって束縛されることを望むものではないが、本物品を歯の表面と接触させると、固体親水性粒子が当該表面の親水性バイオフィルムに漂白剤を送達すると考えられる。可能性のある正味効果は、歯の処置効果が、処置される歯の表面と接触した後のみに開始されるということである。これは、親水性漂白剤が環境の影響から保護され、それによって、使用まで及び使用中に物品の疎水性送達キャリアによって安定化され得ることを意味する。それによって、漂白効果が歯の表面に適用され得、親水性漂白剤が、使用中に口腔環境に対して潜在的に防御され得る。それによって、漂白剤の有効性を強化する及び/又は促進することができる。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明は、物品の部分的に疎水性かつ部分的に親水性の性質により、歯又は歯肉表面などの口腔表面への親水性漂白剤の送達を改善することができる。それから得られる推進力に起因して、漂白剤は、歯の表面に向かって推進され得る。それによって、驚くほど低い総レベルの漂白剤が使用されるにもかかわらず、漂白剤の速度の上昇及び/又は有効性の増大が達成され得る。したがって、本発明は、約0.1重量%以下などの所与の総全体濃度の漂白剤で、驚くほど高いレベルの治療有効性をもたらすことができるので、先行技術の適用と比べて同程度の有効性を得るために必要な適用がより少なくてすむ場合があるか、又は同程度の有効性を得るために必要な濃度がより低くてすむ場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明の物品によってもたらされる高い有効性の理由の一部は、疎水性送達キャリアと歯を含む口腔表面との間の物理的干渉若しくは機械的連動によって当該物品を口腔に取り付けることができるためであるか、又は当該物品が歯に対して自己接着性若しくは自己持続性(self-substantive)であり、唾液若しくは他の液体で洗い流されることに耐性があるためである可能性があると考えられる。これにより、長時間にわたって漂白剤を歯の表面などの口腔表面と接触させる又は口腔内に留めることができるので、高い有効性が得られる。口腔内の表面は湿っているので、口腔に対して接着性又は持続性のある物質は、一般に、親水性であることは注目に値する。また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品は、口腔内の表面に物品を接着させるために、添加された持続性剤を必要とする場合があることにも注目すべきである。しかしながら、本発明の物品及び/又は本発明の疎水性送達キャリアは、疎水性送達キャリアと歯を含む口腔表面との間の物理的干渉若しくは機械的連動によって口腔に取り付けることができること、又はたとえ接着剤(例えば、水分によって活性化されたときに粘着性になる親水性粒子、又は親水性液体)を添加しなくても、持続性剤を添加しなくても、歯の表面などの口腔内の表面に対して自己接着性若しくは自己持続性であることが見出されている。添加された親水性接着剤又は親水性持続性剤を使用することなく接着性又は持続性を達成することは、物品を唾液又は他の液体中で洗い流されることに耐性があるようにするのに役立ち得るので、ひいてはより高い有効性につながるので、特に有用である。これは、添加された親水性接着剤又は添加された親水性持続性剤を使用せずに接着性又は持続性を達成することにより、疎水性構成成分(洗い流されにくい)の濃度を増加させること、及び/又は親水性構成成分(洗い流されやすい)の濃度を減少させることが可能になり得るためである。直感に反して、これは、物品の持続性を増大させるのに役立つ可能性があり、高濃度の漂白剤を歯の表面などの口腔表面又は口腔内と長時間接触させ、ひいては、高い有効性につながる。したがって、好ましくは、本発明の物品及び/又は本発明の疎水性送達キャリアは、添加された接着剤を実質的に含んでいなくてもよく、好ましくは、添加された親水性接着剤(例えば、水分によって活性化されたときに粘着性になる親水性粒子)も添加された親水性持続性剤も実質的に含んでいなくてもよく、より好ましくは、添加された親水性液体接着剤(例えば、グリセリン)を実質的に含んでいなくてもよい。好ましくは、本発明の物品及び/又は本発明の疎水性送達キャリアは、疎水性送達キャリアと歯を含む口腔表面との間の物理的干渉若しくは機械的連動によって口腔に取り付けることができる、又は歯の表面などの口腔に対して自己接着性又は自己持続性である。
また、いくつかの製品形態、特にスティック型製品は、スティック型製品中に捕捉された漂白剤又は過酸化物の放出を改善するために、添加された活性物質放出剤又は添加された過酸化物放出剤を必要とする場合があることにも注目すべきである。一般に、活性物質放出剤又は過酸化物放出剤は、水を物品に浸透させ、漂白剤又は過酸化物を浸出させる水和チャネルを物品中に提供し得る、親水性水溶性若しくは水膨潤性ポリマー又は親水性液体である。添加された過酸化物放出剤(過炭酸ナトリウムなど)は、水に接触したときに生成され得る微小気泡の結果として疎水性マトリックスを破壊するのに役立ち得、この破壊によって、過酸化水素などのホワイトニング剤又は漂白剤の放出を増強することができる。しかし、本発明の物品は、好ましくは自己放出性である(例えば、活性物質放出剤又は過酸化物放出剤を添加しなくても漂白剤又は過酸化物を放出する)。
疎水性送達キャリアは、過酸化物などの漂白剤を分解することができる唾液による希釈及び唾液酵素に耐性があるので、歯の表面上における物品の保持が改善され得る。なお更に、疎水性送達キャリアは、歯を脱水させず、ポリカルボン酸などの親水性接着剤を含有する多くの親水性物品によって創出される水の外向きの流動を発生させる。疎水性送達キャリアは歯を脱水させないので、驚くほど高いレベルの漂白有効性をもたらしながらも、歯の過敏性は驚くほど低いレベルになり得る。
疎水性送達キャリアは、更なる利点を提供し得る。例えば、疎水性送達キャリアは、疎水性送達キャリアにおいて可溶性である成分のための、安定したマトリックスを表し得る。例えば、通常口腔ケア物品において使用される多くの香料成分は、疎水性送達キャリアにおいて可溶性である。それは、香料成分が、口腔ケア物品中の親水性漂白剤のあらゆる影響から保護され得ることを意味する。歯の表面において物品を使用している間、疎水性送達キャリアの少なくとも一部が粘膜などの口腔軟組織に向かって位置していてよく、それによって、香料化合物などの疎水性送達キャリア中に存在する成分が口腔へと提示される。例えば、固体親水性粒子及び所望の香料成分が疎水性送達キャリアの対向する側に位置し、口腔に独立して放出され得るように、好ましくは、香料成分は疎水性送達キャリアの第2の表面に位置し得る。疎水性送達キャリアは、口腔からのあらゆる影響、例えば、唾液による希釈に対して漂白剤を防御し得る。防御効果はまた、歯の表面自体にも適用され得、疎水性送達キャリアは、歯の表面により強い水和を提供することができる。
スティック型製品は、口腔内で繰り返し使用されるため、潜在的な汚染又は生物膜の蓄積に起因して、不衛生となり得ることに注目すべきである。口腔の内側で使用されたとき、唾液又は水分がスティック型製品に浸透し得、これにより、使用間の保管中に過酸化物などの漂白剤が劣化してしまう場合があり、この劣化は、唾液中に存在する酵素によって更に加速され得る。更に、この劣化は、口腔内の唾液又は水分と直接接触するスティック型製品の先端において最も顕著であり得、スティック型製品が使用される次の時点で有効性の低下をもたらし得る。この「接触-劣化-接触」サイクルは、スティック型製品が使用されるたびに繰り返され得、最初の適用後常にではないとしても適用する毎に、有効性の低下がもたらされ得る。
本発明の物品は、1回使用したら、その後処分される単位用量形態で提供され得ることに注目すべきである。この単位用量形態は、スティック型製品を含む他の製品形態と比較して、いくつかの利点、例えば、1)1回使用したら処分されるので、衛生保護のレベルが高い、2)単位用量形態は全ての投与において予め測定された用量の漂白剤を提供するので、どのくらいの量の製品を使用するかを推定するための推測作業(これは、製品に精通していない消費者を混乱させ、又は更にはプレッシャーを与える場合がある)をしなくてよくなる、3)固体親水性粒子を物品全体に分布させることができるので、過剰処理又は過少処理されたスポットを最小限化することができる、4)漂白剤が使用時まで環境にも口腔にも曝露されないので、漂白剤の効力をより長い期間維持することができるなどを提供することができる。
別の態様では、本発明の物品は、使用後に口腔から取り出されてもよい。これにより、スティック型製品とは対照的に、処置期間が完了した後に余った任意の漂白剤をユーザが除去及び廃棄できるようになる。本発明の物品は、単層であってもよい。
疎水性送達キャリア
本明細書に開示される固体物品は、疎水性送達キャリアに埋め込まれた少なくとも1つの漂白剤を含む固体親水性粒子と組み合わされた固体疎水性送達キャリアを含む。疎水性送達キャリア又は物品は、疎水性送達キャリアと歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に取り付けることができる。例えば、疎水性送達キャリア又は物品は、適用されたら疎水性送達キャリアが口腔軟組織と重なり、より多くの歯の表面が処置を受けられるようにするのに十分なサイズであってよい。疎水性送達キャリア又は物品の基本形態は、互いに厚さによって分離された第1及び第2の表面を形成する長さ及び幅を有するストリップである。更に、疎水性送達キャリア又は物品の基本形態はまた、所望の口腔表面に接触するのに好適な任意の形状又はサイズ、例えば歯列弓の形態に形成されてもよい。
上記第1の表面の形態は、実質的に平坦であってもよく、埋め込まれた固体親水性粒子に起因する不規則性を有していてもよく、例えば歯列弓若しくは歯の形状などの三次元形状に成形されていてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。一般に、疎水性送達キャリア又は物品の第1の表面及び第2の表面は、サイズ及び形状が類似しており、互いに隣接しているか又は入れ子状であり、好ましくは約3mm以下の平均距離だけ離間している。例えば、疎水性送達キャリア又は物品の第1の表面と第2の表面との間の平均距離は、約0.01mm~約3mm、好ましくは約0.1mm~約2mm、又はより好ましくは約0.15mm~約1mm、又は最も好ましくは約0.25mm~約0.75mmであり得る。疎水性送達キャリアは、単層であってもよい。
疎水性送達キャリアの基本形態は、長さ、幅、及び厚さを有するストリップである。疎水性送達キャリア又は物品の平均長さは、約35mm~約100mm、好ましくは約40mm~約90mm、より好ましくは約50mm~約80mmの範囲であってよい。疎水性送達キャリア又は物品の平均幅は、約3mm~約30cm、好ましくは約5mm~約25cm、より好ましくは約15mm~約25mmの範囲であってよい。
理論に束縛されることを望むものではないが、疎水性送達キャリア又は物品の平均厚さは、物品が、1)使用中に快適であること、及び/又は2)使用中に1cm2当たり有効量の漂白剤を放出することを確実にするための要因であり得る。具体的には、所与の漂白剤%について、疎水性送達キャリア又は物品の平均厚さが薄すぎる場合、漂白剤が第1の表面の広い領域にわたって広がり、その結果、送達される1cm2当たりの漂白剤のレベルが低くなり、有効性の低下につながる可能性がある。対照的に、疎水性送達キャリア又は物品の平均厚さが厚すぎる場合、物品が嵩高くなりすぎて使用中に不快になる可能性がある。疎水性送達キャリア又は物品の平均厚さは、0.01mm~3mm、好ましくは約0.1mm~約2mm、より好ましくは約0.15mm~約1mm、最も好ましくは約0.25mm~約0.75mmの範囲であってよい。
疎水性送達キャリアは、約200nm~約1700nmの波長の電磁放射線に対して透過性又は半透過性であってよい。
理論に束縛されることを望むものではないが、疎水性送達キャリアの液滴融点は、物品が、1)保管中に融解することも粘着性になることもないこと、及び/又は2)使用中に有効量の漂白剤を放出することを確実にするための要因であり得る。具体的には、疎水性送達キャリアの液滴融点が低すぎる場合、物品は保管中に融解するか又は粘着性になる可能性がある。対照的に、疎水性送達キャリアの液滴融点が高すぎる場合、物品が使用中に有効量の有効成分を放出しない可能性がある。例えば、好適な疎水性送達キャリアの液滴融点は、約60℃~約120℃、好ましくは約70℃~約110℃、より好ましくは約80℃~約100℃、最も好ましくは約90℃~約100℃の範囲であってよい。
理論に束縛されることを望むものではないが、疎水性送達キャリアの針貫入稠度値は、物品が、1)保管中に粘着性にならないこと、及び/又は2)使用中に有効量の漂白剤を放出することを確実にするための要因であり得る。具体的には、疎水性送達キャリアの針貫入稠度値が高すぎる場合、物品が保管中に粘着性になる可能性がある。対照的に、疎水性送達キャリアの針貫入稠度値が低すぎる場合、物品が使用中に有効量の有効成分を放出しない可能性がある。疎水性送達キャリアの針貫入稠度値は、約0.1~約100、好ましくは約0.5~約50、最も好ましくは約1~約10の範囲であり得る。
理論に束縛されることを望むものではないが、疎水性送達キャリアの円錐貫入稠度値は、物品が、1)保管中に粘着性にならないこと、及び/又は2)使用中に有効量の漂白剤を放出することを確実にするための要因であり得る。具体的には、疎水性送達キャリアの円錐貫入稠度値が高すぎる場合、物品が保管中に粘着性になる可能性がある。対照的に、疎水性送達キャリアの円錐貫入稠度値が低すぎる場合、物品が使用中に有効量の有効成分を放出しない可能性がある。疎水性送達キャリアの円錐貫入稠度値は、約10未満、好ましくは約1~約9、好ましくは約5未満であり得る。
本発明の疎水性送達キャリア又は物品は、成型可能であってよい。成型可能であることにより、疎水性送達キャリアを歯列弓の形態に又は歯の表面輪郭に成形することが可能になり得る。歯の表面に最適に適合させると、1)漂白剤の有効な放出、及び/又は2)使用中の快適な経験が可能になる。好ましくは、装着者によって印加される最小の垂直力下で永久変形が生じ、好ましくは、疎水性送達キャリア又は物品は、約250,000パスカル未満の圧力下で永久変形を介して歯の形状に実質的に適合する。
本発明の疎水性送達キャリアは、剛性であってもよい。疎水性送達キャリア又は物品の剛性は、1)適用中の取り扱い及び正確な位置決めが容易であること、及び/又は2)使用中に所与の形状を維持することを確実にするための要因であり得る。曲げ剛性は、材料のストリップの厚さ、幅、及び材料弾性率の組み合わせの関数である、材料特性である。後述の試験は、ストリップ及びシートの剛性を測定するための方法である。この方法は、水平ビームの端部に取り付けられたひずみ計を使用することにより、試料の曲げ耐性を決定する。ビームの反対側の端部は、試料が静置された際に、試料のストリップに対して押下して、ストリップの一部を水平の台における垂直の溝内へと押し込む。ひずみ計へとワイヤ接続されたマイクロアンペア計は、偏向力の観点から較正される。試料の剛性は、マイクロアンペア計から直接読み取られ、かつ試料ストリップの幅の1センチメートル当たりのグラムとして表示される。具体的には、疎水性送達キャリア又は物品の曲げ剛性が高すぎる場合、成型可能にならない可能性があり、歯の表面での成形中に壊れる可能性がある。対照的に、疎水性送達キャリア又は物品の曲げ剛性が低すぎる場合、適用中の取り扱い及び正確な位置決めが容易ではない可能性がある。例えば、疎水性送達キャリアの曲げ剛性は、ASTM D2923-95によって測定したときに50g/cm超、好ましくは約75g/cm~約1000g/cm、より好ましくは約200g/cm~約500g/cmであってよい。
本発明の送達キャリアは、疎水性である。本発明の疎水性送達キャリアは、好ましくは、水不溶性であり得る。本発明の疎水性送達キャリアは、好ましくは、ワックス、ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。ワックスは、熱可塑性であってよい。疎水性送達キャリアに使用され得る好適なワックスは、微晶質ワックス又はワックスとポリマーとの組み合わせを含み得る。マイクロクリスタリンワックスの例としては、Sonneborn(Parsippany,NJ)、Crompton(Witco)からのMultiwaxシリーズが挙げられ、これらには、Multiwax835、Multiwax440、Multiwax180、及びこれらの混合物が含まれる。疎水性送達キャリアを形成するために組み合わされ得る好適なポリマーは、例えば、ポリエチレンであり得る。ポリエチレンの例としては、ASTM D-1321下でそれぞれ約98.5及び約90.0の透過値を有する、Honeywell 25 Corp.(Morristown,NJ)により作製されたA-C 1702又はA-C 6702、Baker Hughesからの、ポリエチレンPerformaleneシリーズが挙げられ、これには、Baker Hughes Inc.(Houston,TX)からの、ポリエチレンPerformalene 400が挙げられる。例えば、ポリマーの重量パーセントをワックスの重量パーセントで除した比は、約0.01~約100、約0.1~約10、約0.5~約2であってよい。本発明の疎水性送達キャリアの好ましい例は、ワックスであり、最も好ましくは、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される鋳造ワックス、例えば以下の表に列挙されるもの、又はこれらの組み合わせである。
Figure 2023545295000002
これらのワックスシートは、成型可能であり、指圧下で歯列弓又は歯の形状に容易に適合する。
本明細書で使用するとき、送達システムは接着手段を含んでよく、これにより、送達システムは、口腔表面、特に歯への接着が可能である。この接着手段は、本明細書における本物品により提供されてもよい、又は接着手段は、本明細書における物品とは独立して提供されてもよい(例えば、接着手段は、本明細書における物品とは別個の相であってよく、この場合、物品も接着剤手段を有していてよい)。疎水性送達キャリアは、器具、化学溶媒若しくは剤、過剰の摩擦を使用することなく、口腔表面から容易に取り除くことができる。
疎水性送達キャリアは、疎水性送達キャリア自体によって提供される接着手段及び取り付けによって、口腔表面上の所定の位置に保持され得る。例えば、疎水性送達キャリアを延伸させ、口腔軟組織に取り付け、接着させてよい。加えて、物品を口腔軟組織に取り付けることができる疎水性送達キャリアの部分に、接着剤を塗布してもよい。疎水性送達キャリアはまた、疎水性送達キャリアと歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動によって口腔に取り付けてもよい。加えて、疎水性送達キャリアは、国際公開第03/015656号に開示されているように、本明細書における本発明の物品とは独立した接着手段によって所定の位置に保持されてもよい。
好適な接着手段が、当業者に周知である。接着手段が存在する場合、これは、接着剤により提供され、接着剤は、材料を歯の表面又は口腔表面の表面に接着させるために使用される、任意の接着剤であってもよい。好適な接着剤としては、皮膚、歯茎、及び粘膜用接着剤が挙げられるがこれらに限定されず、これらは、口腔ケア漂白剤が効果を発揮するのに十分に長く口腔環境の湿気、化学物質、及び酵素に耐え得るものでなければならないが、後に可溶性及び/又は生分解性になってもよい。好適な接着剤は、例えば、水溶性ポリマー、疎水性及び/又は非水溶性ポリマー、感圧性及び感湿性接着剤、例えば、口内の水分、化学物質、又は酵素などの影響の下で、口内環境に接触すると粘着性になる乾燥接着剤を含み得る。好適な接着剤としては、天然ガム、合成樹脂、天然又は合成ゴム、「増粘剤」に関して上で列挙したガム及びポリマー、及び既知の粘着テープにて使用される種類の種々のその他の粘着性物質が挙げられ、これらは、米国特許第2,835,628号から周知である。
固体親水性粒子
本物品は、安全かつ有効な量の固体親水性粒子を含む。固体親水性粒子は、本明細書に開示される漂白剤を含む。例えば、物品中の固体親水性粒子の量は、物品の約0.01重量%~約50重量%、好ましくは約0.1重量%~約30重量%、最も好ましくは約0.2重量%~約25重量%であってよい。
一態様では、驚くべきことに、固体親水性粒子が疎水性送達キャリア中に不均一に位置している場合、例えば、処置される口腔の表面に接触することが意図される物品の表面により多くの数が位置し、向こう側の表面により少ない数が位置している場合、より良好な有効性結果が達成され得ることが見出された。したがって、1cm2当たりの固体親水性粒子の数は、口腔/局所刺激を減少させる、歯の過敏性を低下させる、及び/又は使用中の有効性を増大させる要因であり得る。理論に束縛されることを望むものではないが、不均一な分布は、意図される作用部位に漂白剤を集中させ、それによって、漂白剤の量及び意図しない、時には有害な副作用を低減する。したがって、固体親水性粒子のサイズ又は数が大きすぎる場合、高濃度の漂白剤に曝露される口腔/局所/歯の表面上に大きなスポットが生じる可能性があり、ひいては、口腔/局所の刺激及び/又は歯の過敏性を引き起こす可能性があり、固体親水性粒子のサイズ又は数が小さすぎる場合、有効性が低くなりすぎる可能性がある。第1の表面における1cm2当たりの固体親水性粒子の数は、少なくとも5、好ましくは約5~約10000、好ましくは約10~約1000、又は約10~約100であってよい。
第2の表面における固体親水性粒子の数は、第1の表面における数よりも少なくなり得る。一般に、所与の粒径について、より多くの漂白剤が意図される側に集中し、口腔の意図されない部分に向かって放出される漂白剤がより少なくなるので、第2の表面における固体親水性粒子の数は少ないほどよい。例えば、第2の表面における1cm2当たりの固体親水性粒子の平均数は、最大で200、好ましくは約0.01~約100、最も好ましくは1~約10であってよい。
個々の固体親水性粒子のサイズは、口腔/局所刺激を減少させる又は漂白有効性などの意図する効果を増大させる要因であり得る。理論によって束縛されるものではないが、固体親水性粒子のサイズが大きすぎる場合、高濃度の漂白剤に曝露される口腔/局所/歯の表面に大きなスポットが生じる可能性があり、ひいては、口腔/局所の刺激及び/又は歯の過敏性を引き起こす可能性がある。例えば、固体親水性粒子の数平均等価直径又は体積平均等価直径は、約0.001マイクロメートル~約5000マイクロメートル、好ましくは約0.01マイクロメートル~約2000マイクロメートル、最も好ましくは1マイクロメートル~約1000マイクロメートルであってよい。固体親水性粒子の数平均等価直径又は体積平均等価直径は、Malvern Panalytical Ltd.(例えば、Malvern Mastersizer 3000粒径分析装置)又はHoriba Ltd.(例えば、レーザーベースの粒径分析装置)製のものなどの、当技術分野で公知の方法及び装置に従って測定することができる。
本発明の物品は、固体疎水性送達キャリアに埋め込まれた固体親水性粒子を含む。一態様では、固体親水性粒子は、疎水性送達キャリアへの埋め込みプロセス中に平坦化される場合があることが見出された。一態様では、粒子は、埋め込みプロセス中に押圧されて不規則なディスク様形状になる場合がある。それによって、外部環境に曝露される固体親水性粒子の表面積(例えば、疎水性送達キャリアの第1の表面における固体親水性粒子の表面積)が増加し得るので、より多くの漂白剤が放出され、有効性がより高くなる可能性がある。疎水性送達キャリアの厚さが厚すぎる場合、この正の効果は悪影響を受ける可能性がある。一態様では、驚くべきことに、疎水性送達キャリア及び/又は物品の平均厚さを固体親水性粒子の数平均等価直径又は体積平均等価直径で除した比が、漂白剤の有効性を高めるのに役立ち得ることが見出された。例えば、疎水性送達キャリア及び/又は物品の平均厚さの、固体親水性粒子の数平均等価直径又は体積平均等価直径に対する比は、約0.001~約1000、約0.01~約100、又は約0.1~約10であってよい。
固体親水性粒子が疎水性送達キャリアに埋め込まれている物品では、埋め込まれた粒子の構成(例えば、形状又は位置)は、1)埋め込まれた粒子が保管、輸送、若しくは取り扱い中に疎水性送達キャリアから脱離しないこと、及び/又は2)埋め込まれた粒子が使用中に有効量の漂白剤を放出することを確実にするための要因であり得る。具体的には、固体親水性微粒子が疎水性送達キャリア中に埋め込まれている物品では、埋め込まれた粒子の大部分(例えば、約50%超)が疎水性送達キャリアの表面よりも上にあるように埋め込まれた粒子が構成されている場合、埋め込まれた粒子は、保管、輸送、又は取り扱い中に疎水性送達キャリアから脱離する可能性がある。更に、埋め込まれた粒子の大部分が疎水性送達キャリアの表面よりも上に突出している場合、表面の粗さが増大し(例えば、外観又は質感がサンドペーパーに類似)、消費者が使用する前であっても敏感な口腔組織に不快感をもたらしたり、適用又は使用中に敏感な口腔組織に突き刺さって不快感をもたらしたりする可能性があるという印象を与える恐れがある。これに関して、埋め込まれた固体親水性粒子の体積の約50%未満、好ましくは約40%未満、好ましくは約30%未満、好ましくは約20%未満が、疎水性送達キャリアの表面よりも上に配置されることが好ましい。
更に、埋め込まれた粒子の大部分(例えば、50%超)が疎水性送達キャリアの表面よりも下にあり、外部環境に直接曝露されないように埋め込まれた粒子が構成されている場合、有効量の漂白剤を放出しない可能性がある。一態様では、驚くべきことに、固体親水性粒子が疎水性送達キャリアに埋め込まれている物品では、埋め込まれた粒子は、1)埋め込まれた粒子の大部分が疎水性送達キャリアの表面よりも下にあり、2)埋め込まれた粒子の表面の大部分が外部環境に直接曝露されるように構成してもよいことが見出された。この直感に反した特性の構成により、1)埋め込まれた粒子が疎水性送達キャリアから脱離するのを阻害し、2)埋め込まれた粒子から有効量の漂白剤を放出することができる。例えば、疎水性送達キャリアの表面上に粒子を分布させ、高圧で(例えば、水圧プレスにおいて、2つのローラーの間で、又はローラーと硬質表面との間で)粒子を疎水性送達キャリア中に圧入することによって、粒子が疎水性送達キャリアに埋め込まれる場合、1)粒子の大部分が表面よりも下に配置され得、2)粒子の表面の大部分が外部環境に直接曝露されて有効量の漂白剤を放出するように、粒子自体が疎水性送達キャリアの表面又はその近傍で少なくとも部分的に平坦化され得る。
固体親水性粒子が疎水性送達キャリアに埋め込まれている物品では、1)埋め込まれた粒子の体積の約50%超、好ましくは約75%超、好ましくは約95%超、最も好ましくは100%が、疎水性送達キャリアの表面の下に又は当該表面に配置され得る、及び/又は2)埋め込まれた粒子の表面積の約10%超、好ましくは約20%超、好ましくは約30%超が、疎水性送達キャリアの表面に配置され、それによって、疎水性送達キャリアの周囲の外部環境に直接曝露される。
固体親水性粒子のサイズ、固体疎水性送達キャリアの厚さ、又は印加される圧力は、埋め込まれた粒子の構成(例えば、形状又は位置)に影響を及ぼし得る。疎水性送達キャリアの表面上に粒子を分布させ、少なくとも約50ポンド/平方インチ(PSI)(3.51535kg/cm2)、好ましくは少なくとも約500PSI(35.1535kg/cm2)、好ましくは少なくとも約5000PSI(351.535kg/cm2)、最も好ましくは少なくとも約50,000PSI(351.535kg/cm2)、又は約50PSI(3.51535kg/cm2)~約50,000PSI(351.535kg/cm2)、好ましくは約50PSI(3.51535kg/cm2)~約5000PSI(351.535kg/cm2)、最も好ましくは約500PSI(35.1535kg/cm2)~約5000PSI(351.535kg/cm2)の圧力で粒子を疎水性送達キャリアに圧入することによって、固体親水性粒子を疎水性粒子送達キャリアに埋め込むことができる。
固体親水性粒子1つ当たりの漂白剤は、固体親水性粒子の約1重量%~約95重量%、好ましくは約10重量%~約50重量%、最も好ましくは約15重量%~約40重量%であってよい。
驚くべきことに、本発明において意図される効果を達成するために必要な漂白剤のレベルは、物品の重量に対して驚くほど低く、例えば従来の市販製品において通常使用される漂白剤の濃度よりも低いことが見出された。例えば、漂白剤の濃度は、物品の約0.01重量%~約0.1重量%、好ましくは物品の0.1重量%未満であってよい。
本発明の物品は、本明細書に開示されるいくつかの異なる漂白剤を含んでいてもよい。いくつかの活性剤、例えば漂白剤のレベルは、規制基準によって規制及び/又は制限される場合がある。例えば、活性剤としての漂白剤の好適な全体濃度は、物品の約0.01重量%~約15重量%、0.01重量%~10重量%、10重量%未満、約0.1重量%~約7.5重量%、0.1重量%~5重量%、約0.1重量%~約3重量%、0.1重量%~3重量%、約0.1重量%~3重量%未満であってよい。固体親水性粒子によって提供される漂白剤は、本明細書に開示される物品において低レベルで使用された場合であっても有効であり得る。
理論に束縛されることを望むものではないが、極めて低濃度の漂白剤によってもたらされる驚くほど高い有効性は、処置を必要とする表面に漂白剤を直接送達することによって達成されると考えられる。したがって、第1の表面(一般に、処置される口腔の表面と接触することが意図される物品の表面である)における漂白剤の濃度を測定してよい。例えば、第1の表面における少なくとも1つの漂白剤の濃度は、本明細書で指定する方法に従って測定して、約1マイクログラム/cm2~約10000マイクログラム/cm2、好ましくは約10マイクログラム/cm2~約5000マイクログラム/cm2、最も好ましくは約50マイクログラム/cm2~約3000マイクログラム/cm2の範囲であってよい。
物品の第2の表面(一般的に、第1の表面の反対側である)における漂白剤の濃度は、第1の表面における濃度よりも著しく低くてもよい。例えば、第2の表面における少なくとも1つの漂白剤の濃度は、本明細書で指定する方法に従って測定して、約0.001マイクログラム/cm2~約500マイクログラム/cm2、好ましくは約0.01マイクログラム/cm2~約200マイクログラム/cm2、最も好ましくは約0.1マイクログラム/cm2~約100マイクログラム/cm2であってよい。
第1の表面における漂白剤の濃度を第2の表面における漂白剤の濃度で除した比は、本明細書で指定する手順に従って測定したときに1超、好ましくは約2~約10000、好ましくは約2~約1000、好ましくは約2~約100であってよい。
一態様では、驚くべきことに、固体親水性粒子の水への溶解度、水と接触した際に膨潤する能力、及び/又は水と接触した際に漂白剤を放出する能力が、物品の有効性に影響を与える可能性があることが見出された。例えば、少なくとも約20、25、30、40、50、60、70、又は80重量部の固体親水性粒子が、約100重量部の水に溶解し得、好ましくは、少なくとも約30重量部の固体親水性粒子が、約100重量部の水に溶解し得、より好ましくは50重量部、より好ましくは70重量部、更により好ましくは80重量部の固体親水性粒子が、約100重量部の水に溶解し得る。理論に束縛されることを望むものではないが、固体親水性粒子がより可溶性であるほど、その有効性が高くなる可能性があると考えられる。より高い溶解度を有する粒子は、疎水性送達キャリアから歯の表面により有効に送達され得、それによって、例えば漂白などの意図される有効性が増大する。物品の有効性に影響を与える固体親水性粒子の別のパラメータは、膨潤性であり得る。例えば、固体親水性粒子は、水と接触した際に少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、又は80%膨潤し得、好ましくは、固体親水性粒子は、水と接触した際に少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%膨潤し得る。理論によって束縛されるものではないが、驚くべきことに、固体親水性粒子を水和し、漂白成分を放出するために上顎前歯の顔面側表面上で利用可能な水の量は、口腔の残りと比較して少ない。これは、上顎前歯の顔面側表面が、笑っているときに最もよく見える表面であるので、特に重要であり得る。したがって、固体親水性粒子の水への溶解度、水と接触した際に膨潤する能力、又は水と接触した際に漂白剤を放出する能力は、「笑ったときに見える歯(smile teeth)」(上顎前歯の顔面側表面)上での物品の有効性に過度に影響を及ぼし得る。
固体親水性粒子は、本発明の疎水性送達キャリアに不溶性である。
漂白剤
本発明の物品は、固体親水性粒子に含まれる安全かつ有効な量の少なくとも1つの漂白剤を含む。好適な漂白剤は、過酸化水素の付加物若しくは複合体、又は過酸化水素の前駆体として過酸化水素を送達し得る。親水性漂白剤粒子の例としては、歯の色を変える、又は増白する、漂白効果、汚れ漂白効果、汚れ除去効果、汚れの色を変える効果、若しくは任意のその他の効果を提供する薬剤が挙げられる。例えば、親水性漂白剤粒子は、過酸化物ラジカルの供給源を含む。親水性漂白剤粒子は、過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、その場で前述の化合物を形成する化合物、及びこれらの組み合わせを含み得る。過酸化物化合物の例としては、過酸化尿素(過酸化カルバミド又は過酸化水素尿素付加物としても知られている)、過酸化カルシウム、及びこれらの混合物を挙げることができる。金属塩化物の例としては、塩化カルシウム、亜塩素酸バリウム、塩化マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの混合物を挙げることができる。親水性漂白剤粒子の例としては、次亜塩素酸塩(金属次亜塩素酸塩など)を挙げることができる。過硫酸塩の例としては、ペルオキシ一硫酸の塩、ペルオキシジサルフェート、及びこれらの混合物を挙げることができる。過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、及び次亜塩素酸塩の例としては、ナトリウム、カルシウム、カリウム、及び他の金属の対応する塩が挙げられる。好ましい固体親水性漂白剤粒子の例としては、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体(ペルオキシドンとしても知られている)、過酸化尿素、及びこれらの混合物、より好ましくは、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体が挙げられるが、これらに限定されない。
更なる追加の活性剤及び所望の活性剤
本発明の物品は、安全かつ有効な量の少なくとも1つの追加の活性剤を更に含んでいてもよく、例えば、固体親水性粒子は、安全かつ有効な量の1つ以上の追加の活性剤を含んでいてよい、及び/又は1つ以上の追加の活性剤を、固体親水性粒子とは別に疎水性送達キャリアに添加してもよい。好適な追加の有効剤としては、一般に口腔内で使用するのに安全であるとみなされ、口腔の全体的な外観及び/又は健康に変化を与える任意の材料が挙げられる。例えば、好適な追加の口腔ケア活性物質としては、1つ以上の治癒剤、抗歯石剤、フッ化物イオン源、抗菌剤、再石灰化剤、象牙質減感剤、麻酔剤、抗菌剤、冷却剤、抗炎症剤、選択的H-2アンタゴニスト、抗う蝕剤、栄養素、エリスリトール、プロバイオティクス;エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)、並びにドコサペンタエン酸(DPA)クルパノドン酸を含むレゾルビン;レゾルビンDのRvD1(7S,8R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD2(7S,16R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD3(4S,7R,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD4(4S,5,17S-トリヒドロキシ-DHA)、RvD5(7S,17S-ジヒドロキシ-DHA)、及びRvD6(4S,17S-ジヒドロキシ-DHA);並びにレゾルビンEのRvE1(5S,12R,18R-トリヒドロキシ-EPA)、18S-Rv1(5S,12R,18S-トリヒドロキシ-EPA)、RvE2(5S,18R-ジヒドロキシ-EPA)、及びRvE3(17R,18R/S-ジヒドロキシ-EPA)、トラネキサム酸、グリシン、レチノール;例えばヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、システイン、グルタミン、チロシン、グリシン、オルニチン、プロリン、及びセリンなどのアミノ酸;ペプチド、アミノ酸及びペプチドのカルシウム塩、ナイアシンアミド、ヒト成長因子、並びにこれらの混合物及び/又は組み合わせを挙げることができる。固体親水性粒子は、直接使用時に、それが適用される口腔表面に損傷を与えることなく意図された利益が促進されるレベルの少なくとも1つの追加の活性剤を含有し得る。これらの追加の活性物質が対処する口腔状態の例としては、歯の外観及び構造変化、例えば、う蝕、歯垢、歯石、及び染みの低減及び/又は除去、抗菌効果の提供、虫歯の予防及び治療、炎症及び/又は出血している歯茎の治療、粘膜の創傷、病変、潰瘍、アフタ性潰瘍、単純ヘルペス、歯の膿瘍、並びに上記の状態及び細菌の増殖などの他の原因から生じる口臭の排除及び呼気の改善が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、追加の口腔ケア活性剤は、治療若しくは再生プロセスを促進又は増強する、治癒剤であってよい。このような治癒剤は、ヒアルロン酸又はその塩、グルコサミン又はその塩、アラントイン、クルクミン、Dパンテノール、ナイアシンアミド、エラグ酸、フラボノイド(フィセチン、ケルクチン(querctin)、ルテオリン、アピゲニンを含む)、ビタミンE、ユビキノン、又はこれらの混合物を含んでもよい。
追加の口腔ケア活性剤は、例えば、アセチルサルチル酸、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アセトアミノフェン、アセチルサリスチル酸、ステロイド、ケトロラク、ナプロキセン、ケトプロフェン、ピロキシカム、及びメクロフェナム酸などの非ステロイド性抗炎症剤、例えばバルデコキシブ、セレコキシブ、及びロフェコキシブなどのCOX-2阻害剤、並びにこれらの混合物を挙げることができるがこれらに限定されない1つ以上の抗炎症剤であってよい。存在する場合、抗炎症剤は、一般に、物品の約0.001重量%~約5重量%を構成する。
追加の口腔ケア活性剤は、Lactobacillus reuteri ATCC 55730、Lactobacillus salivarius strain TI12711(LS 1)、Lactobacillus paracasei ADP-1、Streptococcus salivarius K12、Bifidobacterium DN-173 010、L.paracasei株(pro-t-action(商標))の濾液、S.Oralis KJ3,S.rattus JH145,S.uberis KJ2、Lactobacillus,reuteri Prodentis、Lactobacillus salivarius LS1、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus paracasei ADP1、Streptococcus salivarius M18、K12、又はBLIS K12及びBLIS M18、Bacillus Amyloliquefaciens、Bacillus Clausii、Bacillus Coagulans、Bacillus Subtilis、Bacillus subtilis:E-300、Bifidobacterium Animalis、Bifidobacterium B6、Bifidobacterium Bifidum、Bifidobacterium Breve(Bb-03)、Bifidobacterium DN-173 010、Bifidobacterium GBI30 6068、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium Lactis、Bifidobacterium lactis Bb-12、Bifidobacterium Longum、Bifidobacterium Thermophilum、Enterococcus Faecalis、Enterococcus Faecium、Enterococcus Faecium NCIMB10415、Enterococcus LAB SF 68、Lactobacilli reuteri ATCC55730及びATCC PTA5289、Lactobacilli reuteri ATCC55730及びATCC PTA5289(10:1)、Lactobacillus Acidophilus、Lactobacillus acidophilus ATCC4356及びBifidobacterium bifidum ATCC29521、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium lactis、Lactobacillus Brevis、Lactobacillus Casei(亜種、Casi)、Lactobacillus casei Shirota、Lactobacillus Confusus、Lactobacillus crispatus YIT12319、Lactobacillus Curvatus、Lactobacillus Delbrueckii Ssp.Bulgaricus PXN39、Lactobacillus Fermentum、Lactobacillus fermentum YIT12320、Lactobacillus Gasseri、Lactobacillus gasseri YIT12321、Lactobacillus Helveticus、Lactobacillus Johnsonii、Lactobacillus Kimchii、Lactobacillus Lactis L1A、Lactobacillus Paracasei(Lpc37)、Lactobacillus paracasei GMNL-33、Lactobacillus Pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus Plantarum、Lactobacillus Protectus、Lactobacillus Reuteri、Lactobacillus reuteri ATCC55730、Lactobacillus reuteri SD2112(ATCC55730)、Lactobacillus Rhamnosus(GG)、Lactobacillus rhamnosus GG、Lactobacillus rhamnosus GG、L.rhamnosus LC705、Propionibacterium freudenreichii ssp、shermanii JS、Lactobacillus rhamnosus L8020、Lactobacillus rhamnosus LB21、Lactobacillus Salivarius、Lactobacillus salivarius WB21、Lactobacillus Sporogenes、Lactococcus Lactis Ssp Diacetylactis、Lactococcus Lactis Ssp.Lactis、Pediococcus Acidilactici、Pediococcus Pentosaceus、Saccharomyces Boulardii、Saccharomyces Cerevisiae、Strep.uberis KJ2sm、Strep.oralis KJ3sm、trep.rattus JH145、Streptococcus mitis YIT12322、Streptococcus Oralis KJ3、Streptococcus Rattus JH145、Streptococcus Salivarius(BLIS K12、又はBLIS M18)、Streptococcus salivarius K12、Streptococcus Thermophilus、Streptococcus Uberis KJ2、Thermus thermophiles、Weissella cibaria CMS2、Weissella cibaria CMS3、及びWeissella cibaria CMU、から選択される、1つ以上のプロバイオティクスを含み得る。
本発明の物品においてプロバイオティクスを使用して、う蝕及び歯垢の低減、歯茎の健康の促進、口臭の改善、及びホワイトニングの促進などの肯定的な口腔衛生効果を促進することができる。物品におけるプロバイオティクスの有効性は、例えば、以下のうちの1つ以上:唾液のミュータンス菌(mutans streptococci)レベルの低下、歯肉溝液の減少、歯肉下の歯垢による歯周病(C.直筋、及びP.歯肉炎)の減少、酵母数の減少、口腔カンジダ有病率の減少、口腔の揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compound、VSC)レベルの低減、並びにTNF-α及びIL-8の生成の減少、を測定することによって、決定することができる。理論によって制限されるものではないが、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、口腔内の特定の種類の細菌を除去する又は減少させる細菌毒素の生成を介して達成されてよい、と考えられており、更に、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、口腔衛生問題をもたらし得る生物膜又は粘着性の堆積物の生成若しくは溶解/緩みを抑制する、1種以上の酵素の細菌生成を介して、達成されてよい。
例えば、本明細書に開示される物品において、少なくとも1つの抗歯石剤を使用してもよい。抗歯石剤は、ポリホスフェート及びその塩、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩、ポリオレフィンスルホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ジホスホン酸及びその塩、ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩、ポリホスホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ポリペプチド、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができ、前述の塩は、通常、アルカリ金属塩である。例えば、ピロホスフェート、ポリホスフェート、ポリホスホネート、及びこれらの混合物などの抗歯石剤も、漂白剤を含む固体親水性粒子に対して安定化効果を示すことができる。
抗歯石剤は、例えば、ポリホスフェートであってよい。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子を含むと理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。直鎖ポリホスフェートは(X POに対応し、式中、nは約2~約125であり、好ましくは、nは4超であり、Xは、(X POに関して、例えば、ナトリウム、カリウムなどであり、nが少なくとも3である場合に、ポリホスフェートはガラス質の特性を有する。これらのホスフェートに関する対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C~Cアルカノールアンモニウム及びその塩混合物であってもよい。ポリホスフェートは、一般に、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びこれらの混合物などの、全体的に又は部分的に中和された水溶性アルカリ金属塩として用いられる。無機ポリホスフェート塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、並びにこれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェートは、通常、商業的にSodaphos(n≒6)、Hexaphos(n≒13)、ガラスH(n≒21)、及びこれらの混合物として知られている、FMC Corporationにより製造されるようなものなどの、非晶質ガラス状材料として発生する。本物品におけるポリホスフェートのレベルは、物品の約1.5重量%~約10重量%、例えば約2重量%~約10重量%、より好ましくは約6重量%~約10重量%であってよい。
本物品において有用なピロリン酸塩としては、アルカリ金属ピロリン酸塩、ピロリン酸ニ、三、及び一カリウム又はナトリウム、ジアルカリ金属ピロリン酸塩、テトラアルカリ金属ピロリン酸塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。例えば、ピロリン酸塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、ピロリン酸四カリウム(K)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物形態、又は本物品において固形形態で安定な任意の他の種であってよい。本塩は固体粒子形態であり、これは、塩の粒径が、好ましくは、審美的に許容可能であり、かつ使用中速やかに可溶するのに十分に小さい結晶状態及び/又は非晶質状態であってもよい。本物品におけるピロリン酸塩のレベルは、物品の約1.5重量%~約10重量%、例えば約2重量%~約10重量%、より好ましくは約3重量%~約8重量%であってよい。ポリホスフェート及びピロホスフェートを含むがこれらに限定されないホスフェート源は、Kirk&Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Volume 18,Wiley-Interscience Publishers(1996),pages 685-707により詳細に記載されている。
ポリオレフィンホスホネートとしては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリビニルホスホネートとしては、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホネート及びその塩としては、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩のイオン(アルカン部分が、5、6、又は7個の炭素原子を有し、窒素原子が非置換であるか、又は、低アルキル置換基、例えばメチルを送達するようなものなど)、アザシクロヘキサン-2,2-ジホスホン酸、アザシクロペンタン-2,2-ジホスホン酸、N-メチル-アザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、EHDP(ヒドロキシエタン-1,1、-ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸、a.k.a.1-アザシクロヘプチリデン-2,2-ジホスホン酸)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホネート、ジクロロメタンジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸、又はそのアルカリ金属塩としては、それぞれが酸、又はアルカリ金属塩である、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)が挙げられる。
抗菌抗歯垢剤を本発明の好適な追加の活性剤として使用してもよく、例えば、トリクロサン;例えばフムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン、プレフムロン、及びこれらの組み合わせを含むホップアルファ酸、又は例えばルプロン、アドルプロン、コルプロン、及びこれらの組み合わせを含むホップベータ酸などの、ホップ抽出物からのホップ酸;The Merck Index,11th ed.(1989),pp.1529(エントリー番号9573)、米国特許第3,506,720号、及び欧州特許出願第0,251,591号に記載の5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、クロルヘキシジン(メルクインデックス、2090号)、アレキシジン(メルクインデックス、222号)、ヘキセチジン(Merck Index、4624号)、サンギナリン(Merck Index、8320号)、塩化ベンザルコニウム(Merck Index、1066号)、サリチルアニリド(Merck Index、8299号)、臭化ドミフェン(Merck Index、3411号)、塩化セチルピリジニウム(cetylpyridinium chloride、CPC)(Merck Index、2024号、塩化テトラデシルピリジニウム(tetradecylpyridinium chloride、TPC)、N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム塩化物(N-tetradecyl-4-ethylpyridinium chloride、TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体、ココミジルプロピルベタイン、ココミジルグルタミン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、GTF阻害剤、ポビドンヨウ素デルモピノール、プロポリス、フタル酸及びその塩、モノパーサル酸並びにその塩及びエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレイルサイコシン、アルキル硫酸塩が挙げられ得るが、これらに限定されない。物品は、抗菌的に有効な量の精油、ハーブ抽出物、及びこれらの組み合わせ、例えば、シトラール、ゲラニアール、ローズマリー抽出物、茶抽出物、モクレン抽出物、ユーカリプトールゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキチオール、カテコール、サリチル酸メチル、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク抽出物、シーバックソーン抽出物、並びにメントール、ユーカリプトール、チモール、及びサリチル酸メチルの組み合わせ;抗菌性金属及びその塩;例えば、亜鉛イオン、錫イオン、銅イオン、及び/又はこれらの混合物を提供するようなもの;ビスビグアニド、又はフェノール;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾルなどの抗生物質、並びに上記の抗菌抗歯垢剤並びに/又は鵞口瘡カンジダ処置のためのようなものなどの抗真菌剤の類縁体及びその塩を含み得る。存在する場合、これらの追加の活性剤は、一般に、安全かつ有効な量、例えば、本物品の約0.1重量%~約5重量%で存在する。
別の態様では、抗う蝕剤が、本発明の物品に好適な追加の活性剤であってもよい。抗う蝕剤は、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化チタン、フッ化水素酸、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、グルコン酸第一スズ、銅塩、塩化銅、グリシン酸銅、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、非晶質リン酸カルシウム、結晶質リン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、シュウ酸、シュウ酸二カリウム、モノナトリウムモノカリウムオキサレート、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド被覆ヒドロキシアパタイト、米国特許第5,735,942号に開示されているものなどのSiO、CaO、NaO、P、CaF、B、KO、MgOのうちの1つ以上を含有するバイオガラスからなる群から選択することができる。存在する場合、本物品は、本明細書に開示される物品において、約50ppm~10,000ppm、好ましくは約100~3000ppmのフッ化物イオンを提供する。
ミネラルなどの栄養素は、歯及び歯の表面を改善することができるので、本明細書に開示される物品と共に好適な追加の活性剤として使用することができる。好適なミネラルは、例えば、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム、及びこれらの混合物である。これらのミネラルは、例えば、Drug Facts and Comparisons(loose leaf drug information service),Wolters Kluer Company(St.Louis,Mo.)、(著作権)1997,pp10-17に開示されている。
したがって、本明細書に開示される物品は、固体親水性粒子中に存在する過酸化水素などの漂白剤の重量パーセント濃度の、物品全体中に存在する漂白剤の重量パーセント濃度に対する高い比をもたらす。これは、固体親水性粒子中に存在する漂白剤の重量パーセント濃度が高いことと、物品全体中に存在する漂白剤の重量パーセント濃度が比較的低いこととが相まって生じる。理論に束縛されるものではないが、過酸化水素を含む本発明の態様では、この見かけ上矛盾したパラメータの驚くべき組み合わせは、たとえ歯の表面に送達された過酸化水素の全体の濃度又は量が低い場合であっても、高い推進力で過酸化水素を歯の表面に送達する。結果として、高い推進力が、驚くほど高いレベルの漂白有効性及び/又は漂白速度を送達し、一方で、歯の表面に送達される低い全体濃度又は低量の漂白剤は、歯の知覚過敏を低減させるのに役立ち得る。例えば、固体親水性粒子中に存在する漂白剤の重量パーセント濃度の、物品全体中に存在する漂白剤の重量パーセント濃度に対する比は、約2~約50000、好ましくは約3~約10000、最も好ましくは約5~約1000であってよい。
本発明の漂白剤は、疎水性送達キャリアの防御効果により、分解に対して安定化され得る。漂白剤のための更なる安定化剤が、本明細書に開示される物品中に存在していてもよい。漂白剤が、物品による分解に対して更に安定化され得る。したがって、安定化剤を本発明の物品に添加してもよい。好適な安定化剤は、例えば、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウムなどのホスフェート、ピロホスフェート、オルガノホスホネート、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウム、スズ塩、亜鉛塩、サリチル酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、及びこれらの組み合わせである。例えば、本明細書に開示されるホスフェート、好ましくはピロホスフェート、トリポリホスフェート、ヘキサメタホスフェート、フィチン酸、PO(PO2)PO3(式中、n=2~30)の塩、リン酸、ガントレッズ(gantrez);クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、酸化亜鉛を含む亜鉛塩;デキストラナーゼ(dextransess)、キシラナーゼ、プロテアーゼなどの酵素;ビスホスホネートなどのホスホネート;EDTA、カルシウムナトリウムEDTA、シトレート、クエン酸、シュウ酸、シュウ酸塩などのキレート剤;ポリマー(米国特許出願第16/216,329号に開示されているものなど)、PVP、ポリアクリル酸(カーボポール)、ポリアクリレート、第一スズ塩、第二スズ塩によって生成される、抗歯石効果などの追加の口腔ケア効果を示す安定化剤を使用してよい。安定化剤は、物品の約0.0000001重量%、0.000001重量%、又は0.00001重量%~約0.00001重量%、0.0001重量%、又は0.01重量%の量で本発明の物品中に存在し得る。例えば、安定化剤は、固体親水性粒子の約0.0001重量%又は0.01重量%~約0.01重量%、0.1重量%、又は約1重量%の量で本発明の物品中に存在していてよい。
安定化剤はまた、キレート剤を含み得る。キレート剤は、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、又はこれらの混合物であり得る。好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びこれらの任意の組み合わせから選択され得る。好適なキレート剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸(ethylene diamine-N’N’-disuccinic acid、EDDS)、ヒドロキシエタンジホスホン酸(hydroxyethane diphosphonic acid、HEDP)、又はこれらの混合物から選択され得る。安定化剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、又はその塩を含み得る。エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態であり得る。安定剤は、4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、グルタミン酸-N,N-二酢酸(glutamic acid-N,N-diacetic acid、GLDA)及び/又はその塩、2-ヒドロキシピリジン-1-オキシド、Trilon P(商標)(BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能)を含み得る。好適なキレート剤はまた、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、及びその塩、並びにこれらの任意の組み合わせなどの、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含み得る。安定化剤は、ヒドロキサメートキレート剤、例えば、ヒドロキサム酸又は対応する塩、例えば、ココヒドロキサム酸(Axis House RK 853)を含み得る。
本明細書に開示される物品は、所望の追加成分を含んでいてもよい。例えば、第2の側、例えば疎水性送達キャリアの遠い側から放出されることが意図される更なる所望の成分が物品中に存在していてもよい。例えば、本発明の物品中の所望の成分として、例えば、物品の約0.001重量%~約10重量%、好ましくは約0.1重量%~約1重量%のレベルの冷却剤、減感剤、麻酔剤、並びに/又は味及び/若しくは外観改良剤、例えば着香剤を使用してよい。冷却剤、減感剤、及び麻酔剤は、漂白剤によって惹起される刺痛、灼熱痛などの潜在的な負の知覚を減少させることができる。カルボキサミド、メントール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない多種多様な材料を、冷却剤として使用することができる。本物品における所望の冷却剤は、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(「WS-3」として知られている)、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド(「WS-23」として知られている)、メントール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール(「TK-10」として知られている)、メントングリセロールアセタール(MGAとして知られている)、乳酸メンチル(Frescolat≒登録商標)として知られている)、及びこれらの混合物などのパラメンタンカルボキシアミド剤であってよい。本明細書で使用するとき、用語メントール及び用語メンチルは、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、並びにこれらのラセミ混合物を含む。減感剤又は抗痛剤としては、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム;没食子、細辛、クベビン、良薑、黄岑、リアンミエンジェン(Liangmianzhen)、白し等の天然の薬草を挙げることができるが、これらに限定されない。好適な麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。
好適な香料添加剤としては、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブバッド油、メントール、アネトール、メチルサリチレート、ユーカリプトール、1-メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、桂皮、バニリン、チモール、リナロオール、ケイ皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られている)、及びこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、着香剤は、一般に、物品の約0.01重量%~約10重量%、例えば約1重量%~約5重量%、より好ましくは約1.5重量%~約2重量%のレベルで使用される。
本物品は、所望により、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、レブロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩、タウマチン、アスパルテーム、D-トリプトファン、ジヒドロカルコン、アセスルファム及びシクラミン酸塩、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物を含む甘味剤を含んでいてもよい。存在する場合、物品は、物品の約0.1重量%~約10重量%、例えば約0.1重量%~約1重量%のこれらの剤を含有する。
物品に色の付いた外観を与えるために、所望により、染料、顔料、着色剤、及びこれらの混合物を本物品に含めてもよい。顔料及び/又は着色剤を本明細書における物品に添加することの利点は、色の付いた物品により適用範囲の確認が容易になるので、物品がユーザの歯を均等かつ完全に覆っているかどうかをユーザが確認できるようになることである。着色剤は、漂白された歯の色と同様の色を提供し得る。本明細書において有用な着色剤は、漂白剤に対して安定であり、かつ安全であると認識されているものである。本明細書において所望により使用される染料、顔料、及び着色剤のレベルは、物品の約0.001重量%~約15重量%、例えば約0.01重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%の範囲である。
一態様では、通常は互いに不適合である2つ以上の口腔ケア活性剤を、本発明の同一物品において別々に組み合わせてもよい。したがって、固体疎水性送達キャリアは、そのような不適合の活性剤の分離を維持することができる。例えば、本発明は、物品の漂白有効性を更に改善する追加の口腔ケア活性剤と組み合わせた親水性漂白剤を含んでいてもよい。例としては、水と接触したときにpHを上昇させる駆動力を提供し得る、追加の口腔ケア活性物質と組み合わせた漂白剤が挙げられる。具体的には、例としては、固体疎水性送達キャリア中で重炭酸ナトリウム(重曹)と別々に組み合わされた過酸化物を含む固体親水性粒子が挙げられる。接触したとき、過酸化物及び重曹は互いに対して反応性であり、本発明の固体疎水性送達キャリアに別々に添加したとき、使用まで互いに分離して維持することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、通常は互いに不適合である2つ以上の親水性口腔ケア活性剤の粒子を疎水性送達キャリア中で互いに実質的に分離して維持し(顕微鏡スケールでさえも分離されている)、不適合性を最小化又は排除することができると仮定される。更に、親水性口腔ケア剤の1つの粒子が、例えば口腔内での使用時に水分と接触すると、粒子の構成成分が少なくとも部分的に溶解又は膨潤し、他の口腔ケア剤の粒子の構成成分と直接接触し得るものと仮定される。しかしながら、これは、主に口腔内での使用時に起こり得、使用前の物品中では最小限しか起こらない又は全く起こらない。したがって、本発明の物品は、通常は互いに不適合である2つ以上の口腔ケア活性剤を含んでいてもよい。
口腔ケア活性剤が本発明の固体親水性粒子に組み込まれることが望ましいが、口腔ケア活性剤が、典型的には比較的低い水溶解度を有する(例えば、約20重量部未満、好ましくは約15重量部未満の固体粒子が約100重量部の水に溶解する)固体粒子として提供される程度まで、このような口腔ケア活性剤は、好適な溶媒(例えば、水、グリセリン等)に可溶化され、次いで、固体親水性粒子(例えば、PVP固体親水性粒子)に組み込まれてよく、次いで、口腔ケア活性剤を含む得られた固体親水性粒子が本発明の口腔ケア物品に組み込まれる。
口腔ケア活性剤が本発明の固体親水性粒子に組み込まれることが望ましいが、口腔ケア活性剤が、典型的には液体材料として提供される程度まで、このような口腔ケア活性剤は、固体親水性粒子(例えば、PVP固体親水性粒子)に組み込まれてよく、次いで、口腔ケア活性剤を含む得られた固体親水性粒子が本発明の口腔ケア物品に組み込まれる。
識別印
本発明の口腔ケア物品は、物品のユーザが物品の正しい側をユーザの歯に適用するのを支援するための識別印を更に含んでいてもよい。ユーザは、好ましくは、(本明細書に記載される)物品の第1の表面をユーザの歯に適用し、一方、第2の表面は、ユーザの歯からみて外側に向く。識別印は、単語、ロゴ、商標、商品名等の形態であってよく、口腔ケア物品自体の表面上又は口腔ケア物品の包装上に印刷又はエンボス加工してよい。識別印はまた、物品の第1の表面を物品の第2の表面とは異なる色に着色することを含んでいてもよい。したがって、一態様では、口腔ケア物品は、物品の第1の表面を物品の第2の表面と区別する、好ましくは視覚的に区別するための識別印を更に含む。
漂白有効性
本発明の物品の漂白有効性は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、驚くほど高く、少なくとも少なくとも約0.25、好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約1.0、更により好ましくは少なくとも約1.5、更により好ましくは少なくとも約2、更により好ましくは少なくとも約2.5、更により好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約3.5、更により好ましくは少なくとも約4であり得る。一般に、本明細書にて開示されるように臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、少なくとも0.25の黄色度の変化は、注目すべきものである。
例えば、本発明は、本明細書に開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、物品全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対して驚くほど高い比率の漂白有効性をもたらし得る。例えば、物品の3重量%の漂白剤を含有する物品で-Δbが1.5であると、本明細書で開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、物品全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する漂白有効性の比が0.5になる。例えば、本明細書で開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、物品全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する本発明の漂白有効性の比は、少なくとも約2.5、好ましくは少なくとも約5、より好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15であってよい。
例えば、本発明は、1)本明細書で開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、試験した物品に多分若しくはおそらく起因する口腔刺激が報告された、若しくは当該口腔刺激を有することが観察された参加者の割合に対して驚くほど高い比の漂白有効性、2)本明細書で開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、物品に多分若しくはおそらく起因する歯の過敏性が報告された参加者の割合に対して驚くほど高い比の漂白有効性、又は3)本明細書で開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、物品に多分若しくはおそらく起因する歯の過敏性が報告されかつ口腔刺激が報告された、若しくは口腔刺激を有することが観察された参加者の割合に対して驚くほど高い比の漂白有効性をもたらし得る。
例えば、本明細書で開示される臨床プロトコルに従って測定し、-Δbとして計算したとき、本発明に多分若しくはおそらく起因する歯の過敏性、口腔刺激、若しくは両方が報告された、又は歯の過敏性、口腔刺激、若しくは両方を有することが観察された参加者の割合に対する本発明の漂白有効性の比は、少なくとも少なくとも約6、より好ましくは少なくとも約8、より好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約15、より好ましくは少なくとも約20、より好ましくは少なくとも約25、更により好ましくは少なくとも約50であり得る。
臨床プロトコル
以下の臨床プロトコルを使用して、漂白剤を含む口腔組成物の漂白有効性を測定する。約1%未満の漂白剤を含む口腔組成物を試験する場合、臨床試験を完了させるために、処置群あたり17~25人の参加者を動員し、少なくとも約1%の漂白剤を含む口腔組成物を試験する場合は、8~25人の参加者を動員する。必要とされる参加者は、全ての測定可能な面部位を有する、4つの天然の上顎部門歯を有していなければならない。参加者のグループの平均ベースラインLは、71~76でなければならず、また、参加者のグループの平均ベースラインbは、13~18でなければならない。加えて、上顎前歯の不正咬合、テトラサイクリン、フッ素沈着、若しくは低石灰化により引き起こされる重篤又は異型の内因性着色、上顎前歯の顔側表面上の歯冠又は再建のある参加者、メラノーマの病歴を自身で報告している参加者、現在喫煙又はタバコの使用がある参加者、軽度の刺激感応性又は色素沈着皮膚疾患を有する参加者、歯の刺激敏感性を自身で報告している参加者、又は以前に専門の処置を用いて、薬局窓口での処方箋なしのキット若しくは治験製品により歯のホワイトニングを行ったことのある参加者は、本試験から除外される。参加者は、Crest Cavity Protectionno練り歯磨き及びOral-Bの軟性手動式歯ブラシ(両方とも、Proctor&Gamble(Cincinnati,OH,USA)からのもの)を提供されて、慣習的な様式にて、日に2回、使用する。
参加者は、歯ブラシ(Team Technolosies,Ind.(Morristown,TN,USA)製の「Anchor 41房状白色歯ブラシ」)を使用して、口腔組成物で処置される前に30秒間水で歯を磨く。各参加者の上顎前歯を、1日1回60分間口腔組成物で処置する。評価される口腔組成物が半固体ゲルである場合、上顎前歯に適用する前に、66mm×15mmのサイズ及び約0.01mm~約0.02mmの厚さの透明な可撓性ポリエチレンのフィルム全体に、0.6g~0.8gの口腔組成物を塗布する。評価される口腔組成物が固体物品である場合、物品を上顎前歯に直接適用する。
口腔組成物を電磁放射線と共に使用する場合、
1)口腔組成物で50分間処置した後に、上顎前歯の顔面側表面に向かって電磁放射線を10分間印加し、
2)電磁放射線を、口腔組成物を通して上顎前歯に向け、
3)疎水性送達キャリアは、400nm~500nmの電磁放射線の少なくとも約90%を透過させることができる必要があり、
4)図9に示すように、455nmのピーク強度波長を有する4つの高電力LED(Thorlabs(Newton,NJ,USA)製のモデル番号M455F1)に接続された4本の光ファイバーケーブル(Thorlabs(Newton,NJ,USA)製のモデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。4つのLEDは、1000mAにて作動し、それぞれLEDドライバ及びハブ(Thorlabs(Newton,NJ,USA)製のモデル番号DC4104及びDC4100-ハブ)を使用している。疎水性送達キャリアの外側表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのを支援するために、4本の光ファイバーケーブルの出口端部を透明なマウスピースの後方に取り付ける。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、マウスピースの出口表面から約7mm離れており、電磁放射線が透明のマウスピースを通過する。マウスピースの咬合棚部は、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明の窓部が7.4mmの高さとなるようにオフセットされている。また、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部は、端から端(湾曲を含まない)まで直線的に測定して、40mmの長さである。図9に示すように、光ファイバーケーブルから出る電磁放射線の円錐体が、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部内の中心となるように、光ファイバーケーブルの出口端部を位置付け、かつ角度付ける。また、図9に示すように、電磁放射線の円錐体が、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部の長さにわたって離間するように、4本の光ファイバーケーブルの出口端部が離間される。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中心軸において測定された445nm~465nmの電磁放射線の強度は、本明細書で開示する方法によって測定したときに約175mW/cm~約225mW/cmとなる必要がある。
口腔組成物による60分間の処置が完了したら、半固体ゲルの場合はポリエチレンフィルムを除去し、又は固体物品の場合は物品を取り外す。約1%未満の漂白剤を含む口腔組成物については最低7日間、少なくとも約1%の漂白剤を含む口腔組成物については最低3日間にわたって、1日1回この処置を適用する。
約1%未満の漂白剤を含む口腔組成物については7回目の処置の翌日、少なくとも約1%の漂白剤を含む口腔組成物については3回目の処置の翌日に、以下に記載の手順を使用して口腔組成物による処置に起因する歯の色の変化を測定する。
偏光フィルタを装着したレンズを有するデジタルカメラ(アダプタ付きNIKON55mmマイクロNIKKORレンズ搭載、Canon Inc.,(Melville,NY)製のカメラモデル番号CANON EOS 70D)を使用して、歯の色を測定する。ライト系は、(それを通して光が外部へと出る、ガラスレンズのうち1つの外側円形表面の中央から測定して)約30cm離れて配置された、150ワット、24V電球モデル番号(Xenophotモデル番号HL X64640)を装着し、45度の角度にて照準される、Dedoライト(モデル番号DLH2)により提供され、これにより、光路が、カメラの焦点面の前面において、約36cmの顎レストの垂直平面で交差する。各ライトは、偏光フィルタ(Lee 201フィルタ)、及び遮断フィルタ(Rosco(Stamford,CT,USA)製の、Rosco 7 mil、Thermashieldフィルタ)を有する。
光路の交差点において、光照射野における再現可能な再位置決めのための、固定された顎レストが取り付けられる。カメラは2つのライトの間に位置付けられ、これにより、その焦点面が、顎レストの垂直面から約36cmとなる。歯の色の測定を開始することに先立って、色基準を撮影して較正設定点を確立する。最初に、マンセルN8グレー基準を撮影する。グレーのRGB値が200となるように、カメラの白バランスを調節する。色基準が撮影されて、色チップの標準RGB値を得る。色基準及びグレー基準(Munsell Color、X-riteの部門(Grand Rapids,MI,USA)から)を、以下に列挙する。各色基準を、マンセル命名法にて標識した。色基準の格子を作成するために、それらを次の様式にて配置させることができる。これにより、複数の色基準を、色基準の格子により撮影された単一の画像に含めることが可能になる。
Figure 2023545295000003
Figure 2023545295000004
Figure 2023545295000005
ベースラインの歯の色に関して、参加者は、歯ブラシ(Team Technologies,Inc.(Morristown,TN,USA)からの「Anchor 41剛毛白歯ブラシ」)を使用して、水により自分の歯を磨いて、自分の歯から食物の破片を取り除く。次いで、各参加者は、(Washington Scientific Camera Company(Sumner,WA,USA)からの、A&B Deburring Company(Cincinnati,OH,USA)の艶消しマット仕上げで処理された)口角鉤を使用して頬を引き広げ、参加者の歯の顔面側表面を照射する。各参加者は、上顎部門歯の切歯端が下顎部門歯の切歯端に接触するように、自分の歯を噛み合わせるように指示される。参加者は、次いで、カメラ視野の中央において、光路の交差点にて、顎レスト上に位置付けられて、歯の画像が捕捉される。全ての参加者が撮像された後、画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics,Inc.(Silver Spring,MD)により製造されたOptimas)を使用して画像が処理される。中央の4つの門歯が隔離されて、歯の平均RGB値が抽出される。
参加者がホワイトニング製品を使用した後であるが、参加者の歯の画像を捕捉することに先立って、システムをベースライン構成に設定して、前述したように較正する。較正後、各参加者は、以前、参加者が同一の物理的位置にいることを確実にしたように、歯の配向を含む事前処理画像として、同一の手順を使用して第2回目の撮像をされる。画像解析ソフトウェアを用いて画像を処理して、中央の4つの上顎切開体の平均RGB値を得る。全ての画像のRGB値は、次いで、RGB値及び色標準における色チップのL値を使用して、CIE L色空間内へとマッピングされる。色標準における色チップのL値は、Photo Research Inc.(LA)からのPhoto ResearchScan PR650を使用して、前面歯列のデジタル画像を捕捉するために記載された同一の照明条件を使用して測定される。PR650は、カメラとして、色標準からの同一の距離に位置付けられる。各チップは、製造者取扱説明書による較正後に、Lに関して、個別に測定される。次いで、回帰方程式を使用して、以下のように、RGB値がL値へと変換される。
Figure 2023545295000006
、a、及びbのためのRは、>0.95でなければならない。各研究は、その独自の方程式を有するべきである。
これらの方程式は、一般に、歯の色領域(60<L<95、0<a<14、6<b<25)における有効な変換である。各参加者の画像セットからのデータは、次いで、ホワイトニング効果の評価に使用されるL、a、及びb、-aの標準法における変化の観点から、ホワイトニングの性能を評価するために使用される。約1%未満の漂白剤を含む口腔組成物を評価する場合、Lにおける変化は、ΔL=L 7回の処置翌日-L ベースラインとして定義され、正の変化は明るさにおける改善を示し、aにおける変化(赤-緑のバランス)は、Δa=a 7回の処置翌日-aベースラインとして定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、bにおける変化(黄-青のバランス)は、Δb=b 7回の処置翌日-bベースラインとして定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。少なくとも約1%の漂白剤を含む口腔組成物を評価する場合、Lにおける変化は、ΔL=L 3回の処置後-L ベースラインとして定義され、正の変化は明るさにおける改善を示し、aにおける変化(赤-緑のバランス)は、Δa=a 3回の処置後-a ベースラインとして定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、bにおける変化(黄-青のバランス)は、Δb=b 3回の処置後-b ベースラインとして定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。-Δbは、漂白有効性の主要な測定値として使用される。全体の色の変化は、方程式ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2により計算される。
ホワイトニング製品を使用した後、CIEラボ色空間における色の変化を、所与の方程式に基づいて、各参加者に関して計算することができる。
口腔ケア物品の作製方法
本発明は、更に、口腔ケア物品を作製するプロセスであって、(i)第1の表面を形成する長さ及び幅を有し、当該第1の表面から第2の表面まで延びる厚さを有し、好ましくは平均厚さが約3mm未満である、ストリップの形態の固体疎水性送達キャリアを提供する工程と、(ii)漂白剤を含む固体親水性粒子を、好ましくは当該固体疎水性送達キャリア及び当該固体親水性粒子の総重量の約0.01%~約15%のレベルで当該固体疎水性送達キャリアの第1の表面に適用する工程と、(iii)当該固体親水性粒子を当該固体疎水性送達キャリアの第1の表面に押し付け、それによって、当該固体親水性粒子を当該固体疎水性送達キャリアに埋め込む工程と、含む、プロセスに関する。
一態様では、少なくとも約50ポンド/平方インチ(PSI)(3.51535kg/cm2)、好ましくは少なくとも約500PSI(35.1535kg/cm2)、好ましくは少なくとも約5000PSI(351.535kg/cm2)、最も好ましくは少なくとも約50,000PSI(3515.35kg/cm2)の圧力下で、粒子を固体疎水性送達キャリアの第1の表面に押し付ける。
一態様では、固体親水性粒子は、固体疎水性送達キャリアの第1の表面にのみ適用される(すなわち、固体親水性粒子は、固体疎水性送達キャリアの第2の表面には適用されない)。
鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)などの市販の材料を、本発明の疎水性送達キャリアとして使用することができる。
固体親水性粒子は、例えば、下記の任意の好適な手順によって疎水性送達キャリアに押し付けてもよく、埋め込んでもよい。
1.固体親水性粒子を疎水性送達キャリア上に篩い落とすか又は堆積させ、指定の圧力で指定の期間、例えば625PSI(43.9418kg/cm2)で60秒間油圧プレスで押圧して、固体親水性粒子を疎水性送達キャリアに埋め込んでよい。次いで、材料を切断して好適な形状、例えばストリップにしてよい。
2.固体親水性粒子を疎水性送達キャリア上に篩い落とすか又は堆積させ、指定の圧力又はギャップでニップローラーを介して押圧して、固体親水性粒子を疎水性送達キャリアに埋め込んでよい。
3.感光体ドラム(例えば、コロナワイヤ及びレーザと組み合わせて)を使用して、所望の量の固体親水性粒子を引き付ける選択的表面電荷を得てよい。次いで、感光体ドラムを使用して、疎水性送達キャリア上に固体親水性粒子を堆積させてよく、次いで、これをニップローラーの間に通して、疎水性送達キャリアに固体親水性粒子を埋め込んでよい。
4.疎水性送達キャリアの表面を(例えば、熱気流を介して)少なくとも部分的に融解させてもよく、直後に、固体親水性粒子を上記部分的に融解した表面上に篩い落とすか又は堆積させてよい。次いで、上記融解した疎水性送達キャリアが固体親水性粒子の少なくとも一部の周囲で再度固化するように疎水性送達キャリアを(例えば、周囲空気への曝露を介して)冷却して、それを疎水性送達キャリアに埋め込んでよい。
本発明は更に、例えば、下記の任意の好適な手順によって固体親水性粒子を疎水性送達キャリア内に配置することができる、口腔ケア物品を作製するプロセスに関する:
1.疎水性送達キャリアの材料を少なくとも部分的に融解又は軟化させてもよく、混合又は混練によって、固体親水性粒子を上記部分的に融解又は軟化させた材料内に組み込んでよい。次いで、材料を冷却又は固化させ、好適な形態、例えばストリップに成形してよい。
2.また、疎水性送達キャリアを固体親水性粒子の上に繰り返し折り重ね、それを油圧プレスで圧縮してシートに戻すことによって、固体親水性粒子を疎水性送達キャリアの材料内に組み込んでもよい。次いで、材料を成形して好適な形態、例えばストリップにしてよい。
3.例えば約50℃で可塑性になるまで加温することによって、疎水性送達キャリアの材料を軟化させてよい。可塑性の温度において、例えば、一軸押出機、二軸押出機、z-ブレードミキサー、又は粘性材料を加工するのに適した同様の設備において、当該材料を固体親水性粒子と混合してよい。次いで、可塑性の疎水性送達キャリアと固体親水性粒子との混合物を、従来の成形技術、例えば、押出成形、射出成型、熱成形等を介してストリップ又はトレーなどの好適な形態に成形してよい。
4.疎水性送達キャリアの材料を、例えば80℃で融解させた後、従来の混合設備を使用して固体親水性粒子と混合してよい。次いで、融解混合物を、鋳造又は射出成形などの従来の成形技術を介してストリップ又はトレーなどの好適な形態に成形してよい。
本発明の口腔ケア物品は、単位用量物品及び/又は取り外し可能な物品であってもよい。「単位用量物品」及び/又は「取り外し可能な物品」の好適な例としては、少なくとも1つの漂白剤を含む固体親水性粒子と組み合わせられ、a)厚さ約0.51mm、幅約22mm、及び長さ約62mmのストリップに切断された又はb)歯科用トレーに予備成形された鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)が挙げられる。「単位用量物品」でも「取り外し可能物品」でもない製品の例としては、スティック型製品(例えば、リップバーム又はリップスティック)が挙げられるが、その理由は、これらが一般に単回使用製品ではなく、一般に口腔から取り出されるものでもないためである。
次に図面を参照すると、図1Aは、本明細書に開示される疎水性送達キャリア12中の固体親水性粒子20によって提供される漂白剤を歯及び口腔に送達するための物品10を示す。疎水性送達キャリア12は、ストリップ形態であり、約50~約80mmの幅W及び約15~25mmの長さLを有する表面を含む。疎水性送達キャリア12のバルクは、約0.15~約1.0mmの平均厚さTを有する。図1Aの疎水性送達キャリア12は、実質的に平坦であり、丸みを帯びた角部を有し得るストリップ形態に成形されている。好適なストリップは、厚さ約0.51mm、幅約22mm、及び長さ約62mmのストリップに切断された鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)であってよい。固体親水性粒子20は、疎水性送達キャリア12内に配置され、埋め込まれており、一部は表面近くに位置する及び/又は一部は環境と直接接触していてよい。
図1Bは、本明細書に開示される疎水性送達キャリア12中の固体親水性粒子20によって提供される活性剤を歯及び口腔に送達するための物品10の別の実施形態を示す。図1Bの疎水性送達キャリア12は、丸みを帯びた角部を有するストリップの形態である。ストリップは、約50~約80mmの幅W及び約15~25mmの長さLを有する第1の表面14と、疎水性送達キャリア12の反対側の第2の表面16とを備える。第1の表面14及び第2の表面16は、約0.15~約1.0mmの平均厚さTを有する疎水性送達キャリア12のバルクによって離間されている。好適なストリップは、厚さ約0.51mm、幅約22mm、及び長さ約62mmのストリップに切断された鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)であってよい。図1Bでは、固体親水性粒子20のうちの少なくとも一部が第1の表面14の近くに位置する、並びに/又は当該粒子のうちの一部が環境と直接接触することができる及び/若しくは第1の表面14からわずかに突出することができるように、固体親水性粒子20が疎水性送達キャリア12に埋め込まれている。第1の表面14とは対照的に、第2の表面16は、固体親水性粒子20ほとんど又は全く示さない。
図1A及び図1Bに示す物品10で使用される固体親水性粒子20は、それが接触する表面の外観又は構造の所望の変化に影響を与えるか又はそれをもたらすことができる漂白剤を含有していてもよく、又は漂白剤自体であってもよい。前述のように、漂白剤の例としては、過酸化物、例えば、過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体、過酸化尿素、及びこれらの混合物が挙げられる。外観及び構造の変化の例としては、ステインの漂白、ステインの除去、歯垢除去、及び歯石の除去が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
図2Aは、図1Aに示される疎水性送達キャリア12の切断線2-2に沿った断面図を示す。それによって、固体親水性粒子20が疎水性送達キャリア12のバルクの内側に不規則に分布していることが分かる。固体親水性粒子20は、疎水性送達キャリア12の表面近くに位置していてもよく、又は外部環境と直接接触していてもよい。
図2Bは、図1Bに示される疎水性送達キャリア12の切断線2-2に沿った断面図を示す。それによって、疎水性送達キャリア12の第1の表面14における固体親水性粒子20の濃度が、第2の表面16における固体親水性粒子20の濃度よりも高いことが分かる。図2Bに示す物品では、第2の表面16は、固体親水性粒子20をほとんど含まない。
図3及び図4は、複数の隣接する歯22の歯の表面に適用された本発明の物品10を示す。物品10は、成形後又は成形前に歯の表面に適用してよい(図3)。例えば、疎水性送達キャリア12が図3に示すような歯22の形状に少なくとも部分的に適合するように疎水性送達キャリア12を成形するのに十分な力で、物品10を歯に適用してよい。複数の隣接する歯22が、隣接する軟組織24に埋め込まれている(図4)。隣接する軟組織24は、本明細書では歯牙構造を取り囲む軟組織であると定義され、これには、乳頭、辺縁歯肉、歯肉溝、歯肉間、並びにパレット上の粘膜歯肉接合部までの、及びこれを含む、舌側及び頬側表面上の歯肉歯茎構造が含まれる。図3及び図4の両方において、物品10はストリップの形態であり、好ましくは、より高濃度の固体親水性粒子20を含む第1の表面14が歯22に面するように配置される。物品10の疎水性送達キャリア12の材料は、歯22の起伏のある表面及び隣接する軟組織24に適合することができるような厚さ及び曲げ剛性を有し得る。したがって、疎水性送達キャリア12は、口腔表面の輪郭を形成するのに十分な柔軟性を有していてよく、当該表面は、隣接する複数の歯22であり、物品10は、大きな圧力なしで適用することができる。物品10の疎水性送達キャリア12に好適な材料は、鋳造ワックス(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)であってよい。
疎水性送達キャリア12は、第1の表面14において固体親水性粒子20によって提供される漂白剤のための保護バリアとして機能する。これは、例えば、装着者の舌、唇、及び唾液による、第2の表面16を介した漂白剤の漏出又は浸出を防止する。これにより、固体親水性粒子20が、意図する期間、例えば数分間~数時間にわたって口腔の歯の表面22に作用することが可能になる。
図5Aは、幅約22mm及び長さ約62mmのストリップに切断された鋳造ワックスクリアシート24ゲージ(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)の顕微鏡画像である。上記ストリップを疎水性送達キャリア12として直接使用することもでき、又は疎水性送達キャリア12を歯科用トレーに形成する(図5B及び図5C)。好ましくは、より高濃度の固体親水性粒子20を含む疎水性送達キャリア12の第1の表面14は、使用中に歯の表面に面する歯科用トレーの内側に位置してよく、第2の表面16は、使用中に軟組織及び舌に面する歯科用トレーの外側に位置してよい。疎水性送達キャリア12は、ノッチ18を有する(図5C)又は有しない(図5B)歯科用トレー形態に形成することができる。
図6は、埋め込まれた固体親水性粒子20を含む疎水性送達キャリア12として使用可能な鋳造ワックス(Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給される参照番号114009)のシートの(実施例IV-Aの)写真画像である。図7は、同じ実施例(IV-A)を顕微鏡画像(4×倍率)で示す。
図8A及び図8Bは、実施例V-Aの第1の表面14対第2の表面16の差を示す一連の顕微鏡画像(4×倍率)のセットである。図8Aでは、外部環境に直接曝露される第1の表面で、固体親水性粒子20がはっきりと視認できる。対照的に、図8Bでは、固体親水性粒子20は、外部環境に直接曝露されない第2の表面16よりも下にあるように見える。
口腔ケア物品を使用する方法
本発明は更に、本発明の口腔ケア物品を使用する方法に関する。口腔ケア物品は、歯科専門家が歯科医院において消費者の歯に適用することができ、又は消費者が自宅で使用することができる。一般に、推奨される処置期間は、漂白剤の所望の効果を達成するのに、すなわち、所望の程度の漂白を達成するのに十分な期間である。
本発明の実施では、ユーザは、ホワイトニングなどの所望の効果を得るために漂白剤を含有する本明細書における物品を1本以上の歯に適用する。物品は、任意の好適な補助手段を用いて又は更には指を用いて適用することができる。本明細書における物品は、歯に適用されたときにほとんど目立たないことが好ましい場合がある。所望の期間が経過した後、残留している物品は、歯の表面から容易に取り外すことができる。一般に、本発明の物品を適用する前に歯を調製する必要はない。例えば、ユーザは、本発明の物品を適用する前に歯をブラッシングしたり、口をすすいだりすることを選択する場合もあるが、適用前に口腔表面を洗浄する必要も、乾燥させる必要も、唾液又は水で過度に湿潤させる必要もない。
上述の物品及び送達システムは、1.本物品及び2.使用説明書を含むキット、又は1.本物品及び2.使用説明書を含むキットに組み合わせてもよい。歯に電磁放射線を照射すべき場合、キットは、適切な波長の電磁放射線源及び使用説明書を更に含んでいてもよく、その結果、消費者がキットを便利に使用することができるようになる。
所望の電磁放射線処理
漂白剤を含む本明細書に開示される物品は、歯のホワイトニング/漂白及び/又は歯の表面からのステインの除去に使用することができる。好適な波長の電磁放射線を少なくとも1本の歯に向けることにより、漂白有効性を更に増大させることができる。このような電磁放射線を提供するのに好適な装置を図9に示す。固体親水性粒子20によって提供される漂白剤の有効性を電磁放射線によって増大させることができる場合、本明細書に開示される物品10に電磁放射線を印加する。例えば、約455nmのピーク強度波長を有する電磁放射線は、過酸化物などの漂白剤又はホワイトニング剤の漂白有効性を増大させ得る。
好適な波長は、歯の最大吸収帯及び/又は漂白される歯の着色に対応する、全ての波長であってもよい。例えば、約200nm~約1200nmの範囲の1つ以上の波長を有する電磁放射線を物品に照射してよい。電磁放射線は、少なくとも1つの歯に向けられてよい。例えば、1本を超える歯に照射してよい。例えば、電磁放射線は、約400nm~約500nm、好ましくは約425nm~475nm、最も好ましくは約445nm~約465nmの範囲の波長にピーク強度を有し得る、又は電磁放射線のピーク強度波長は、ステインがほとんどの電磁放射線を吸収する波長と同様である。物品の装着時間の一部又は全部にわたって、又は物品を歯から取り外した後に、電磁放射線を少なくとも1本の歯に向けてよい。電磁放射線は、少なくともホワイトニングに十分な期間又は漂白剤の所望の効果を達成するのに十分な期間、例えば、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、又は少なくとも約10分間にわたって印加してよい。米国特許出願公開第2013/0295525号に開示されている手順を使用して、電磁放射線を印加してよい。好ましくは、本明細書に開示される物品を少なくとも1本の歯に適用し、また第1の期間にわたって少なくとも1本の歯で維持し、第1の期間後、第2の期間にわたって電磁放射線を少なくとも1本の歯に向け、当該第1の期間は、第1の期間及び第2の期間の合計期間の50%超、好ましくは80%の期間を有し、また最後に、少なくとも1本の歯から物品を取り外す。
好適な電磁放射線源としては、表題「臨床プロトコル」の項目において、本明細書にて記載される電磁放射線源が挙げられる。
本明細書に開示される物品は、約400nm~約500nmの波長を有する電磁放射線に対して透過性又は半透過性であってよい。例えば、本明細書に開示される物品は、約0.05mm~約2mm、好ましくは約0.1mm~約1.0mmの範囲、より好ましくは約0.25mm~約0.75mmの範囲の平均厚さで適用された場合、分光光度計で測定したときに約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%を通過させる。
約400~約500nmの波長範囲の、歯の表面又は疎水性送達キャリアの外面に衝突する電磁放射線は、本明細書で指定する手順に従って測定して、約5mW/cm2~約500mW/cm2、好ましくは約10mW/cm2~約300mW/cm2、最も好ましくは約175mW/cm2~約250mW/cm2の強度の範囲であり得る。
電磁放射線の強度を測定するための手順
先端において余弦修正器(Ocean OpticsからのOP 200-2-UV-VIS)を有するUV-VIS200マイクロメートル光ファイバーケーブルに接続された分光計(Ocean OpticsからのUSB2000+)を使用して、電磁放射線の強度を測定することができる。分光計は、分光計ソフトウェア(Ocean OpticsからのOceanview 1.3.4)を実行するコンピュータに接続されている。光ファイバーケーブルの先端部は、光強度が測定される位置における光源に向かって指し示すように、保持される。検出器の表面において収集された光子は、光ファイバーケーブルを介して電荷結合デバイス(charge-coupled device in the spectrometer、CCD)へと案内される。CCDは、200nm~1100nmの各波長において所定の期間中にCCDに到着する光子の数を数え、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、これらの光子の数を分光放射照度(mW/cm/nm)へと変換する。分光放射照度は、ソフトウェアにより、200nm~1100nmにて統合されて、吸収射照度(mW/cm)を得るが、これは、200nm~1100nmの電磁放射線の強度である。分光放射照度は、400nm~500nmに統合されて、ソフトウェアにより、吸収射照度(mW/cm)を得るが、これは、400nm~500nmの電磁放射線の強度である。
消費者の利便性のために、本明細書に開示される物品は、本明細書に開示される物品、好適な波長の電気放射線を放出する所望の電磁放射線源、及び使用説明書を含むキットとして提供され得る。
本発明の物品は、ヒト及び他の動物(例えば、ペット、動物園の動物、又は家畜)の両方への適用に有用である。
以下の非限定的な実施例III-A、III-B、III-C、及びV-Aによって、本発明の範囲内の好ましい物品について更に説明する。加えて、本発明の原理を用いて(より高い漂白剤%を用いて)作製された支持例I-A、II-A、II-B、II-C、II-D、II-E、IV-A、VI-A、VI-B、及びVII-Aによって、本発明の利点を更に実証する。実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく多くの変更が可能である。全ての実験は、特に指示がない限り、室温(room temperature、RT)及び大気圧にて実施された。
1)鋳造ワックスシートを秤量し、2)425マイクロメートルの開口部を有するUSA Standard Testing Sieve No.40を通して、固体親水性粒子(過酸化水素とポリビニルピロリドンとの複合体、過酸化尿素、又は過炭酸ナトリウム)を鋳造ワックスシート上に篩い落とし、3)ワックスシート及び粒子を紙及び非粘着性剥離ライナーの2枚のシートの間に挟み、4)サンドイッチ状のものを油圧プレスに入れ、625psi(43.9418kg/cm2)の圧力を60秒間印加し、5)粒子が埋め込まれたワックスシートをここで取り出し、秤量して、埋め込まれた粒子の重量を計算することによって、これらの実施例を作製した。これらのシートを、口腔内での使用に好適な形状及びサイズ、例えば、幅約22mm及び長さ約62mmに切断してよい。
Figure 2023545295000007
鋳造ワックスシート26ゲージ、参照番号114010、平均厚さ約0.39mm、約10cm×約10cm平方、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給
鋳造ワックスシート24ゲージ、参照番号114009、平均厚さ約0.51mm、約10cm×約10cm平方、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給
Peroxydone K-30、Ashland Global Specialty Chemicals Inc.(Covington,KY)製。水100部当たりの溶解度は40部超(ポリビニルピロリドンポリマーK-30上の供給元からの製品データシートに提供される情報から推定)。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。供給者からの情報に従って約17%~20%(中央値18.5%)のH2O2を含有する。
Figure 2023545295000008
鋳造ワックスシート26ゲージ、参照番号114010、平均厚さ約0.39mm、約10cm×約10cm平方、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給
鋳造ワックスシート24ゲージ、参照番号114009、平均厚さ約0.51mm、約10cm×約10cm平方、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給
Peroxydone K-30、Ashland Global Specialty Chemicals Inc.(Covington,KY)製。水100部当たりの溶解度は40部超(ポリビニルピロリドンポリマーK-30上の供給元からの製品データシートに提供される情報から推定)。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。供給者からの情報に従って約17%~20%(中央値18.5%)のH2O2を含有する。
Figure 2023545295000009
鋳造ワックスシート24ゲージ、参照番号114009、平均厚さ約0.51mm、約10cm×約10cm平方、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給
尿素過酸化水素付加物、カタログ番号L13940、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)製。水への溶解度は、供給元からの安全データシートに従って20℃で1リットルあたり800グラム(水100部当たり80部)。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。2020年9月22日付のウィキペディアに従って、約35.4%のH2O2を含有する。
Figure 2023545295000010
鋳造ワックスシート24ゲージ、参照番号114009、平均厚さ約0.51mm、約10cm×約10cm平方、Freeman Manufacturing Company(Ohio,USA)によって供給
過炭酸ナトリウム、カタログ番号A16045、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)製。水への溶解度は150グラム/リットル(水100重量部当たり15重量部)-2018年5月21日付のWikipediaからの情報。約32.5%のH2O2を含有すると計算された。425マイクロメートルの開口部を有する米国標準試験ふるい(USA Standard Testing Sieve)第40号でふるいにかける。
比較例
Figure 2023545295000011
漂白有効性
本明細書で指定するエクスビボ手順に従って測定された比較例I-A(電磁放射線を用いる)に対する実施例I-A(電磁放射線を用いる)の漂白有効性を、表1に列挙する。
Figure 2023545295000012
表1は、実施例I-Aがより低い漂白剤%(2.77%対9.5%)を有していたにもかかわらず、実施例I-Aは比較例I-Aに対して同様のレベルの黄色度の減少(-Δb)をもたらした(-Δb2.9対2.8)ことを示す。これらの結果は、実施例I-Aが比較例I-Aの漂白剤%の1/3未満しか有していなかったにもかかわらず、実施例I-A(ワックス送達キャリアに埋め込まれたPVP-過酸化物の粒子)の有効性が比較例I-A(水性ポリマーゲル中に溶解したH2O2)に対し驚くほど同様のレベルであることを明確に示す。これらの結果は、驚いたことに、疎水性ワックス送達キャリアに埋め込まれた漂白剤を含む固体親水性粒子が有効性に対して大きな影響を及ぼすことを明確に示す。
本明細書で指定するエクスビボ手順に従って測定された実施例III-A、III-B、及びIII-C(3つのバッチ全てから採取したサンプル)(電磁放射線を用いる)及び比較例I-A(電磁放射線を用いる)の漂白有効性を、表2に列挙する。
Figure 2023545295000013
表2は、実施例III-A、III-B、及びIII-Cがより低い漂白剤%(約0.1%対9.5%)しか有していなかったにもかかわらず、3回処置した後の実施例III-A、III-B、及びIII-Cは、1回処置した後の比較例I-Aと比較して黄色度(-Δb)をほんのわずかしか減少させなかった(2.19対2.8)ことを示す。具体的には、これらの結果は、3回処置した後の実施例III-A、III-B、及びIII-Cが、驚くべきことに、1回処置した後に実施例I-Aの黄色度を約78%減少させたことを示し、実施例III-A、III-B、及びIII-Cは比較例I-Aの漂白剤%の約1%しか有していなかったことから、これは更に驚くべきことである。これらの結果は、本発明の実施例III-A、III-B、及びIII-C(疎水性ワックス送達キャリアに埋め込まれたPVP-過酸化物の粒子)が、非常に低レベルの漂白剤%であっても驚くほど高い有効性を有することを明確に示し、このことは、敏感な歯を有する人々、又は過酸化物%が非常に厳しく制限されている地域において特に好適であり得る。これらの結果は、驚いたことに、本発明の疎水性ワックス送達キャリアに埋め込まれた漂白剤を含む固体親水性粒子が有効性に対して大きな影響を及ぼすことを明確に示す。
本明細書で指定するエクスビボ手順に従って測定された実施例II-E(電磁放射線を用いる)及び実施例VII-A(電磁放射線を用いる)の漂白有効性を、表3に列挙する。
Figure 2023545295000014
表3は、両物品が同じレベルの漂白剤%(約3%)を有していたにもかかわらず、実施例II-Eが、実施例VII-Aと比較して黄色度を58%多く減少させた(-Δb)(3.8対2.4)ことを示す。具体的には、これらの結果は、驚いたことに、両組成物が同じレベルのH2O2(3%)を有していたにもかかわらず、100重量部の水に対してわずか15重量部の溶解度しか有しない固体親水性粒子(過炭酸ナトリウム)を用いて作製された物品(実施例VII-A)に対して、100重量部の水に対して40重量部超の溶解度を有する固体親水性粒子(PVP-過酸化物)を用いて作製された物品(実施例II-E)の有効性が高いことを明確に示す。これらの結果は、驚いたことに、固体親水性粒子の溶解度が漂白有効性に対して大きな影響を及ぼすことを明確に示す。
本明細書で指定するエクスビボ手順に従って測定された実施例II-E(電磁放射線を用いる)及び実施例I-A(電磁放射線を用いる)の漂白有効性を、表4に列挙する。
Figure 2023545295000015
表4は、両物品が同じレベルの漂白剤%(約3%)を有していたにもかかわらず、実施例II-Eが、実施例I-Aと比較して黄色度を31%多く減少させた(-Δb)(3.8対2.9)ことを示す。具体的には、これらの結果は、驚いたことに、両組成物が同じレベルのH2O2(約3%)を有していたにもかかわらず、わずか0.39mmの平均厚さを有する疎水性送達キャリアを用いて作製された物品(実施例I-A)に対して0.51mmの平均厚さを有する疎水性送達キャリアを用いて作製された物品(実施例II-E)の有効性が高いことを明確に示す。これらの結果は、驚いたことに、疎水性送達キャリアの平均厚さが漂白有効性に対して大きな影響を及ぼすことを明確に示す。
表面における漂白剤の濃度
本明細書で指定する手順に従って測定された実施例II-A、II-B、II-C、及びII-D(4つ全てのバッチから採取されたサンプル)の第2の表面に対する第1の表面における漂白剤の濃度を表5に列挙する。
Figure 2023545295000016
表5は、第1の表面における漂白剤の濃度が、第2の表面における濃度よりも高いことを示す(1304マイクログラム/cm2対82マイクログラム/cm2)。これらの結果はまた、第1の表面における漂白剤の濃度を第2の表面における漂白剤の濃度で除した比が、比1を上回る約16であることを示す。これらの結果は、驚いたことに、本発明の原理を用いて製造された物品が、より多くの漂白剤を、それらが最も必要とされる表面に送達する能力を有することを明確に示す。
本明細書で指定する手順に従って測定された実施例VI-A及びVI-B(両方のバッチから採取されたサンプル)の第2の表面に対する第1の表面における漂白剤の濃度を表6に列挙する。
Figure 2023545295000017
表6は、第1の表面における漂白剤の濃度が、第2の表面における濃度よりも高いことを示す(1457マイクログラム/cm2対43マイクログラム/cm2)。これらの結果はまた、第1の表面における漂白剤の濃度を第2の表面における漂白剤の濃度で除した比が、比1を上回る約34であることを示す。これらの結果は、驚いたことに、本発明の原理を用いて製造された物品が、より多くの漂白剤を、それらが最も必要とされる表面に送達する能力を有することを明確に示す。
本明細書で指定する手順に従って測定された実施例II-A、II-B、II-C、及びII-D(4つ全てのバッチから採取されたサンプル)の表面並びに比較例I-Aの表面における漂白剤の濃度を表7に列挙する。
Figure 2023545295000018
表7は、実施例II-A、II-B、II-C、及びII-Dがより低い漂白剤%(約3%対約9.5%)しか有していないにもかかわらず、実施例II-A、II-B、II-C、及びII-Dが、比較例I-Aに対して表面により高濃度の漂白剤を有する(1304マイクログラム/cm2対670マイクログラム/cm2)ことを示す。具体的には、これらの結果は、実施例II-A、II-B、II-C、及びII-Dが比較例I-Aの1/3未満の漂白剤%しか有していないにもかかわらず、実施例II-A、II-B、II-C、及びII-Dが、表面において比較例I-Aの約2倍の漂白剤濃度を有していたことを示す。これらの結果は、驚いたことに、本発明の原理を用いて製造された物品が、より多くの漂白剤を、それらが最も必要とされる表面に送達する能力を有することを明確に示す。
表面における固体粒子の数
本明細書で指定する手順に従って計数された実施例V-Aの第1の表面及び第2の表面における固体粒子の数を表8に列挙する。
Figure 2023545295000019
表8は、実施例V-Aの第1の表面における1cm2当たりの固体粒子の数が、第2の表面における1cm2当たりの固体粒子の数よりも多いことを示す(24.6対1/cm2)。これらのデータは、実施例V-Aの第1の表面における1cm2当たりの粒子数を第2の表面における1cm2当たりの粒子数で除した比が、比1を上回る約24.6であることを示す。
漂白有効性を測定するためのエクスビボ手順
1.ヒトの門歯の前面から、円形ディスク(直径7.2mm~7.8mm×厚さ1.2mm~1.3mm)を切り取る。前面はそのままにして、歯から切り取った舌側面を平らにする。ガラスバイアルにおいて、USP規格を満たす15~20mLの水中に、少なくとも18時間歯ディスクを保管する。これを合計12本の歯に繰り返す。
2.手持ち式分光光度計Konica Minolta 700dを使用して、標準白色バックグラウンド(デジタル及びフィルム写真撮影に使用される白色基準カード、例えば、DGK Color Tools製のDGK-XL X000B1R417)上に個々に置かれた各歯ディスクの前面のベースラインL及びbを測定する。Konica Minolta 700d分光光度計を直径約6.3mmの開口で使用し、観察者角度を2度に設定し、光源を5003Kの昼光色温度に設定し、鏡面反射を排除する。これらの測定中の歯ディスクにおける水分レベルを制御するために、直径約19mmの円形ディスクを、厚さ約0.01mm~約0.02mmの透明な可撓性ポリエチレンフィルムから切り取り、水から取り出したらすぐに歯ディスク上に置き、このポリエチレンディスクを通してL及びb値を測定する。3つの別々の日に1日あたり3回の測定セットを行う。各3回の測定セット後に、ガラスバイアルにおけるUSP規格を満たす15~20mLの水中で少なくとも18時間歯ディスクを保管する。3日全てにわたる、各歯ディスクごとの平均ベースラインL及びbを計算する。
3.各歯ディスクを、評価される組成物で個々に処理する。組成物が固体物品である場合、a)歯ディスクを水から取り出し、まだ湿っている間に歯ディスクの顔面側表面上に物品を置き、b)歯の上に配置された物品をシミュレートするために、物品に短時間圧力を印加する。組成物が半固体ゲルである場合、a)歯ディスクを水から取り出し、約0.04グラム~約0.05グラムのゲルを歯ディスクとポリエチレンディスク(厚さ約0.01mm~約0.02mmの透明な可撓性ポリエチレンフィルムから切り取った直径約19mm)との間に挟み、b)歯に適用されたゲルをシミュレートするために、ポリエチレンディスクに短時間圧力を印加する。歯ディスク+物品又は歯ディスク+ゲル+ポリエチレンディスクのこのサンドイッチを、(上顎前歯の顔面側表面の状態をシミュレートするために)約34℃のオーブンに約60分間入れる。
4.組成物を電磁放射線と共に使用する場合、
・組成物で50分間処置した後に、歯ディスクの顔面側表面に向かって電磁放射線を10分間印加する。
・物品を通して又はゲル+ポリエチレンディスクを通して、電磁放射線を歯ディスクの顔面側表面に向ける。
・455nmのピーク強度波長を伴う高電力LED(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M455F1)に接続した光ファイバーケーブル(Thorlabs(Newton,NJ,USA)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。LEDは、LED Driver(モデル番号DC2100、又はDC4100-HUBとペアであるDC4104、Thorlabs(Newton,NJ,USA))を用いて1000mAで作動させる。光ファイバーケーブルの出口端部は、ストリップの外表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つように取り付けられる。光ファイバーケーブルの出口端は、歯の表面から約7mm離れている。この距離における電磁放射線の円錐の中心軸で測定される400nm~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書に開示される方法によって測定される場合、約175mW/cm~約225mW/cmである必要がある。
・この放射線を、歯ディスク1枚あたり約10分間印加する。
5.組成物による60分間の処置が完了したら、ペーパータオル及び水を使用して歯ディスクから残留組成物を除去する。
6.各処置の後、ガラスバイアルにおけるUSP規格を満たす15~20mLの水中に、少なくとも18時間歯ディスクを保管する。
7.最後の処置の18時間(又はそれ以上)後に、歯ディスクについて既に指定した手順を使用して、各歯ディスクの処置後bを個々に測定する。これを、その後3日間行い、各歯ディスクごとに3日間全てにわたって平均する。
8.各歯ディスクごとに、bの変化(黄-青バランス)をΔb=b 処置後-b ベースラインとして計算し、負の変化は、歯ディスクの黄色が少なくなったことを示す。-Δbは、漂白有効性の主要な測定値として使用される。全ての歯ディスクにわたる黄色度の平均減少(-Δb)を計算する。
漂白剤を含む疎水性送達キャリア(すなわち、物品)の表面における漂白剤の濃度を測定するための手順
漂白剤を含む疎水性送達キャリア(すなわち、物品)の表面における漂白剤の濃度は、以下の手順に従って測定される。
1.直径約19mmのディスクを物品から切り取り、その重量を記録する。
2.0.425g+/-0.003gの水を小さなプラスチック秤量ボートに秤量する。
3.一対のピンセットを用いて、試験される表面が水と接触するようにディスクを水の上に置く。水がディスクの周囲には達するが、ディスク上には流れないことを確認する。
4.2分間後、ディスクを取り出し、それを垂直に保持して計量ボートに5秒間水切りする。
5.漂白剤%について水をアッセイする。
6.添加した水の元の量(0.425g)に基づいて水中の漂白剤の総マイクログラムを計算し、これを水と接触したディスクの表面積(cm2)で除す。この値(マイクログラム/cm2)が、試験したディスクの表面における漂白剤の濃度である。
7.合計24枚のディスクに対して工程1~6を実行し、24個全ての値を平均する。この平均値(マイクログラム/cm2)が、試験した表面における物品の漂白剤の濃度である。
上記の手順を検証するために、比較例I-Aの第1の表面(ゲル表面)における過酸化水素の濃度を測定し、550マイクログラム/cm2~800マイクログラム/cm2であることを実証しなければならない。
漂白剤を含む疎水性送達キャリア(すなわち、物品)の表面における粒子の数を計数するための手順
漂白剤を含む疎水性送達キャリア(すなわち、物品)の表面における粒子の数は、以下の手順に従って測定される。
1.物品からそれぞれ1cm×1cmの24個の正方形を切り取る。
2.各正方形において顕微鏡を用いて表面の粒子の数を数える。
3.24個の正方形全てにわたって表面で計数された粒子数を平均する。これが、その表面における粒子数/cm2である。
本明細書に開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記しない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含めて、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外又は限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本明細書で開示又は特許請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせて、そのような発明を教示、示唆、若しくは開示していることを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を網羅することが意図される。

Claims (21)

  1. 口腔ケア物品(10)であって、
    a)第1の表面(14)を形成する長さ(L)及び幅(W)を有し、前記第1の表面(14)から第2の表面(16)まで延びる厚さ(T)を有し、平均厚さ(T)が3mm未満である、ストリップの形態の固体疎水性送達キャリア(12)と、
    b)漂白剤を含む固体親水性粒子(20)であって、前記固体親水性粒子(20)が、水と接触した際に前記漂白剤を放出し、前記固体親水性粒子(20)が、前記固体疎水性送達キャリア(12)内に配置され、埋め込まれており、前記固体親水性粒子(20)が、前記固体疎水性送達キャリア(12)の、i)前記第1の表面(14)の少なくとも部分的に下に、かつ、ii)前記第1の表面(14)の、少なくとも部分的に、表面又は上に配置された、固体親水性粒子(20)と
    を含み、
    前記粒子の少なくとも約20重量部が、約100重量部の水に溶解する、及び/又は水と接触した際に前記粒子の体積及び/又は重量が少なくとも約50%増加する、口腔ケア物品(10)。
  2. 前記固体親水性粒子(20)の体積の約50%超、好ましくは約75%超、好ましくは約95%超、最も好ましくは100%が、前記疎水性送達キャリア(12)の前記表面よりも下又は前記表面に配置される、請求項1に記載の口腔ケア物品(10)。
  3. 前記固体親水性粒子(20)の表面積の約10%超、好ましくは約20%超、好ましくは約30%超が、前記疎水性送達キャリア(12)の前記第1の表面(14)に配置され、前記疎水性送達キャリア(12)の周囲の外部環境に曝露される、請求項1又は2に記載の口腔ケア物品(10)。
  4. 前記固体親水性粒子(20)の数平均等価直径又は体積平均等価直径が、約0.001マイクロメートル~約5000マイクロメートル、好ましくは約0.01マイクロメートル~約2000マイクロメートル、最も好ましくは1マイクロメートル~約1000マイクロメートルの範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  5. 前記疎水性送達キャリア(12)及び/又は前記物品(10)の平均厚さ(T)を前記固体親水性粒子(20)の数平均等価直径又は体積平均等価直径で除した比が、約0.001~約1000、好ましくは約0.01~約100、より好ましくは約0.1~約10である、請求項1~4のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  6. 前記疎水性送達キャリア(12)又は物品(10)の平均厚さ(T)が、約0.01mm~3mmの範囲、好ましくは約0.1mm~約2.0mmの範囲、より好ましくは約0.15mm~約1.0mmの範囲、又は最も好ましくは約0.25mm~約0.75mmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  7. 前記疎水性送達キャリア(12)の平均長さ(L)が、約35mm~100mmの範囲、好ましくは約40mm~約90mmの範囲、より好ましくは約50mm~約80mmの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  8. 前記疎水性送達キャリア(12)の平均幅(W)が、約3mm~30mmの範囲、好ましくは約5mm~約25mmの範囲、より好ましくは約15mm~約25mmの範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  9. 前記疎水性送達キャリア(12)が、歯列弓の形態に成形されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  10. 前記物品(10)が、単位用量物品及び/又は取り外し可能な物品である、請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  11. 前記物品(10)及び/又は前記疎水性送達キャリア(12)が単層である、請求項1~10のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  12. 前記第1の表面(14)における前記漂白剤の濃度が、前記第2の表面(16)における前記漂白剤の濃度よりも高く、好ましくは、前記第1の表面(14)における前記漂白剤の濃度が、約1マイクログラム/cm2~約10000マイクログラム/cm2の範囲、好ましくは約10マイクログラム/cm2~約5000マイクログラム/cm2の範囲、より好ましくは約50マイクログラム/cm2~約3000マイクログラム/cm2である、請求項1~11のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  13. 前記第2の表面(16)における前記漂白剤の濃度が、約0.001マイクログラム/cm2~約500マイクログラム/cm2、好ましくは約0.01マイクログラム/cm2~約200マイクログラム/cm2、より好ましくは約0.1マイクログラム/cm2~約100マイクログラム/cm2である、請求項1~12のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  14. 本明細書で指定する手順に従って測定した、前記第1の表面(14)における前記漂白剤の濃度を前記第2の表面(16)における前記漂白剤の濃度で除した比が、1超、好ましくは約2~約10000、好ましくは約2~約1000、好ましくは約2~約100である、請求項1~13のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  15. 前記少なくとも1つの漂白剤の全体濃度が、前記物品(10)の0.01重量%~15重量%、好ましくは前記物品(10)の約0.1重量%~約10.0重量%、より好ましくは前記物品(10)の約0.1重量%~約5重量%、より好ましくは約0.1重量%~約3.0重量%である、請求項1~14のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  16. 前記固体親水性粒子(20)が、前記固体親水性粒子(20)の約1重量%~約95重量%、好ましくは約10重量%~約50重量%、最も好ましくは約15重量%~約40重量%の前記少なくとも1つの漂白剤を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  17. 前記漂白剤が過酸化物を含み、好ましくは、前記漂白剤が過酸化水素とポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーとの複合体及び/又は過酸化尿素を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  18. 前記疎水性送達キャリア(12)が、(i)ASTM法D1321-16aによって測定したときに約0.1~約100、好ましくは約0.5~約50、より好ましくは約1~約10の針稠度値、及び/又は(ii)ASTM D937-07によって測定したときに約10未満、好ましくは約1~約9、より好ましくは約5未満の円錐貫入稠度値、及び/又は(iii)ASTM D127-08によって測定したときに約60℃~約120℃、好ましくは約70℃~約110℃、より好ましくは約80℃~約100℃、より好ましくは約90℃~約100℃の液滴融点、及び/又は(iv)ASTM D2923-95によって測定したときに50g/cm超、好ましくは約75g/cm~約1000g/cm、好ましくは約100g/cm~約750g/cm、より好ましくは約200g/cm~約500g/cmの曲げ剛性を有する材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  19. 前記疎水性送達キャリア(12)が、ワックス、ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み、好ましくは、前記ワックスが微結晶ワックスを含む及び/又は前記ポリマーがポリエチレンを含み、好ましくは、前記疎水性送達キャリアが、微結晶ワックス又はワックスとポリマーとの組み合わせである、請求項1~18のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)。
  20. 請求項1~19のいずれか一項に記載の口腔ケア物品(10)と、約200nm~約1700nmの範囲の1つ以上の波長を有する電磁放射線を少なくとも1本の歯に向けることができる電磁放射線源と、を含むキットであって、好ましくは、前記電磁放射線源が、約400nm~約500nm、より好ましくは約425nm~約475nm、より好ましくは約445nm~約465nmの範囲の電磁放射線を照射し、好ましくは、前記電磁放射線が、本明細書に記載の手順を用いて測定された約175mW/cm2~約225mW/cm2の範囲で前記疎水性送達キャリア(12)の外面に衝突する、キット。
  21. 歯をホワイトニングするための美容的及び/又は非治療的方法であって、
    a)前記物品(10)の前記第1の表面(14)が少なくとも1本の歯の表面に接触するように、請求項1~19のいずれか一項に記載の物品(10)を前記少なくとも1本の歯の表面に適用する工程と、
    b)ある期間、好ましくは少なくとも1分間、より好ましくは少なくとも10分間、更により好ましくは少なくとも30分間、最も好ましくは少なくとも60分間、前記物品(10)を前記少なくとも1本の歯の表面上に留まらせる工程と、
    c)所望により、ある期間、好ましくは少なくとも1分間、より好ましくは少なくとも5分間、更により好ましくは少なくとも10分間、電磁放射線を印加する工程と、
    を含む、方法。
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