JP2023545034A - X線及びmriで可視の形状記憶ポリマー生検シール形成装置 - Google Patents
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Abstract
一実施形態は、X線及び磁気共鳴画像法(MRI)の両方のモダリティ下で可視性を有する形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含む。デュアルモダリティの可視性は、X線で可視のヨウ素モチーフを有するモノマー及びガドリニウム含有量を有するMRIで可視のモノマーを化学的に組み込むことによって達成される。この材料のプラットフォームには、種々の医療機器で使用される可能性がある。
Description
本発明の実施形態は、医療機器の分野にある。
関連出願の相互参照
本願は、2020年10月6日に出願された「X-Ray and MRI Visible Shape Memory Polymer Biopsy Sealing Device」と題された米国仮特許出願第63/088,283号に対する優先権を主張しており、その内容を参照により本明細書に援用する。
本願は、2020年10月6日に出願された「X-Ray and MRI Visible Shape Memory Polymer Biopsy Sealing Device」と題された米国仮特許出願第63/088,283号に対する優先権を主張しており、その内容を参照により本明細書に援用する。
形状記憶ポリマー(SMP)は、外部刺激に応答して形状を変化させる能力を有するポリマー材料の一種である。熱応答性のSMP材料は、ポリマー構造に基づく特徴的な転移温度(Ttrans)にわたって作動する。ポリマーのTtransを超える温度上昇によって、二次形状への変形が可能になる。Ttransを下回る温度まで冷却しながら変形を維持することによって、この二次形状が一時的にプログラムされる。非拘束の材料は、Ttransを超える温度まで再び加熱されると、一次形状まで戻ることになる。この挙動によって、コンフォーマルな骨欠損移植片、自己保持縫合糸、及び低侵襲処置のための装置等、種々の生物医学的応用が可能になる。
多孔性ポリマーのスキャフォールドは、多孔性ネットワーク及び大きな表面積が細胞の浸潤、付着、及び急速な凝固形成を促進するため、種々の用途、特に組織内殖を必要とする用途で有用である。脂肪族イソシアネートを使用した生体適合性の熱硬化性ポリウレタンSMPの一種で、低密度の多孔性形態にガスを吹き込むことができるものは、もともと生物医学的応用での使用が想定されていた。これらの特性を利用するために、これらのフォーム及びその修正が、種々の塞栓装置設計において実施されている。この場合、多孔性フォームの形態と組み合わされた形状記憶の挙動によって、フォームをカテーテル誘導送達のために低直径まで圧縮することができるため、医療機器の低侵襲な送達が可能になる。
一実施形態において、熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムが提供され、SMPフォームは、(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合されており、(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である。
別の実施形態において、生検シールシステムを含むシステムが提供され、生検シールシステムは、(a)放射状に圧縮される、多孔性でオープンセルの、部分的に網状の熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォーム、及び(b)SMPフォームを含む導管を含み、SMPフォームは、(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合しており、(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である。
本発明の実施形態の特徴及び利点が、添付の特許請求の範囲、以下の1つ又は複数の例となる実施形態の詳細な説明、及び対応する図から明らかになる。適切であると考えられる場合には、対応する又は類似する要素を示すために、参照ラベルが図の間で繰り返されている。
一実施形態における、ヒドロキシル又はカルボン酸含有モノマー、並びに、X線及びMRIモダリティにおいてデュアルコントラストを有する多孔性SMPフォームの合成におけるそれらの役割に取り組む図である。
図2Aは、一実施形態における、孔径及び形態を強調する選択されたフォーム組成物のSEM画像を示した図であり(全ての画像に対してスケールバーは2mmであり)、図2B及び2Cは、実施形態における、独特の形態学的特徴を強調するSEM画像における拡大部分を示した図である。図2Bの円は、20AT0GPA組成物におけるセルオープナーの添加による細孔膜の薄化を示している。図2Cの矢印は、組成物20AT0.01GPAにおける厚いストラットを示している。
一実施形態における、特定された関心のあるピークを有する組成物の選択(C=Oウレタン1685cm-1、C=O尿素1650cm-1、アミドII 1510cm-1)に対するATR-FTIR分光法の結果を含んだ図である。
一実施形態における、37°Cの水浴に曝露された際の直径6mmのフォームパンチの非拘束の膨張を開示した図である。画像を、最初の10分間は毎分分析し、30分までは5分間隔で分析し、次に、残りの時点については15分間隔で分析した。
一実施形態における、時間の経過に伴うフォームの膨張を示すための、15分、30分、及び45分の時点での水浴からの画像を開示した図である。
図5A~Cは、実施形態における、T1強調パラメータ(TE=30msec、TR=500msec)を使用したMR画像を開示した図である。図5A及び5Bは、油及び水の対照のラベルを付けた組成物の冠状MR画像を示している。図5Cは、ラベルを付けた組成物の横断MR画像を示している。
(a)の部分は、一実施例における、20mol%ATIPAを有し、且つ異なる量のGPAがOrthoScan Cアーム上で画像化された選択されたSMPフォームを示し、(b)の部分は、一実施例における、骨を介した画像化をシミュレートするために1/2インチのAlプレートを介して行った画像を示した図である。カラム内のフォームサンプルには、立方体に対する厚さ及び直径6mmの円筒形生検パンチサンプルの圧着状態のラベルを付けられている。
相対的な陰影を決定するための、X線画像の各々について、膨張及び圧着した形態の複数の組成物の6mm円筒形フォームパンチの実施形態に対するデータを示した図であり:(青)ベースラインX線画像;(オレンジ)1/2インチのアルミニウムプレートを介して撮影された減衰X線画像である。
実施形態の組成物のSMPフォームを有する培地抽出物に3T3細胞を曝露して行ったレサズリンアッセイにおけるRFUから計算された細胞生存率を示した図である。抽出及び細胞適合性のアッセイ(各アッセイに対してn=6ウェル)を、18の総サンプルサイズのために三回繰り返した。赤色の線は、細胞の70%が生存している閾値又はIC30を示している。全ての組成物がIC30閾値を超えていた。
一実施形態における生検システムを示した図である。
一実施形態における、X線及びMRI可視性のフォームを提供するための化学結合に取り組む図である。
次に、同様の構造には同様の末尾に付与される参照番号が提供され得る図面が参照される。様々な実施形態の構造をより明確に示すために、本明細書において含まれる図面は、構造の図表示である。従って、例えば写真のように、作製された構造の実際の外観は、例示された実施形態の主張された構造を依然として組み込んでいる間に、異なって見えることがある(例えば、実際に作製された装置では、壁が互いに正確に直交していないことがある)。さらに、図面は、例示された実施形態を理解するのに有用な構造のみを示していることがある。当技術分野において知られているさらなる構造は、図面の明確さを維持するために含まれていないこともある。例えば、装置の全ての層が必ずしも示されるわけではない。「一実施形態」及び「様々な実施形態」等は、そのように記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含む場合があるが、必ずしも全ての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特性を含むわけではない。一部の実施形態は、他の実施形態について記載された特徴の一部を有してもよく、全てを有してもよく、又はいずれも有さなくてもよい。「第1」、「第2」、及び「第3」等は、共通の対象を記載し、同様の対象の異なる例が参照されていることを示す。そのような形容詞は、そのように記載された対象が、時間的、空間的、ランキング、又は任意の他の様式で、所与の順序でなければならないことを意味しない。「接続される」は、要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すことがあり、「結合される」は、要素が互いに協力又は相互作用していることを示すことがあるが、それらは、直接物理的又は電気的に接触していてもよく、又は接触していなくてもよい。「A又はBのうち少なくとも1つを含む」等の表現には、A、B、又はA及びBを有する状況が含まれる。
多孔性ポリマーのスキャフォールドにおける上記の作業に関して、出願人は、SMP材料の主な制限は、それらが医用画像モダリティにおいて可視ではないことであると決定した。
これは、多くの医療処置がX線透視法によってガイドされるか又はそれを使用してモニターされるため、重要である。ポリマーは放射線不透過性に必要な高い密度を欠いているため、種々の化学的及び物理的な添加剤のアプローチを介してX線可視性を達成するための広範囲にわたる研究が行われてきた。SMPフォームにおける陰影を改善するためのナノ粒子及び微粒子の充填剤の使用が調査されてきたが、出願人は、これらの複合方法がバルクの熱的及び機械的特性を変化させることができると決定した。別の可能なアプローチは、放射線不透過性のモノマーを化学的に組み込むことである。最近、Lex等が、カスタムヨウ素化モノマーに由来するX線コントラストが強化されたポリエステルについて報告した。それでも、そのような作業は、例えば、ポリウレタンフォームを依然として放射線不透過性にしながら、そのようなフォームの力学/特性(例えば、膨張、引張強度、及びX線可視性等)を維持又は管理することには関係しなかった。
出願人は以前、ヨウ素含有モチーフを化学的に組み込むことによって、熱硬化性SMPフォームの適切な可視化を達成した。様々な実施形態において使用される放射線不透過性のモノマーは、ポリウレタンネットワークに組み込むためにアミン基及び2つのカルボン酸基を有するトリヨードベンゼン環を含有する5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(ATIPA)である。トリヨードベンゼンヨウ素モチーフは、X線の吸収のため、イオヘキソール及びイオパミドール等の生物医学的造影剤において一般的に使用されている。X線は一般的な医用画像モダリティであるけれども、X線は、小児集団及び画像診断を頻繁に必要とする患者にとって懸念となり得る電離放射線への患者の曝露を必要とすると出願人は決定した。さらに、X線は、他の画像モダリティと同じレベルの動的解剖学的情報を医師に提供しないと出願人は決定した。
磁気共鳴画像法(MRI)は、電離放射線曝露がなく、軟部組織のコントラストが改善されるという利点を有する医療画像モダリティである。画像化中の装置の加熱を回避しながら、材料にMRI可視性を与える戦略は、受動的な技術でポジティブコントラストを生成することである。このアプローチの最も一般的な徴候は、MR造影剤、最も多くはガドリニウムベースの造影剤(GBCA)が、これらの薬剤のT1短縮効果を利用するために何らかの方法で装置に組み込まれることである。Younis等は、最終的にポリプロピレンメッシュに対するコーティングとして利用されたポリ(メタクリル酸メチル)ベースのコポリマー上にGBCAを移植した。医療機器におけるMR可視性のための他のアプローチには、他の常磁性成分を組み込むことが含まれ;例えば、Brocker等は、装置におけるMRI可視性を達成するためにポリプロピレンメッシュ材料に織り込まれる酸化鉄の使用を調査した。
一般に、これらのMRI造影剤は、T1緩和時間を短縮するために常磁性効果に依存しており、T1飽和効果は減少し、T1強調シーケンスを使用した画像化時の信号強度の増加につながる。ガドリニウムは、周囲の水のプロトン緩和を強化し、その常磁性が、他の分子と組み合わされるか又は結合するときに保存されるため、MRIコントラストを生成するためにこの方法で一般的に使用される。Weems等は以前、ガドペンテト酸(GPA)としても知られるモノマーのジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)ガドリニウム(III)二水素塩水和物を、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)に基づく熱硬化性SMPフォームに組み込んだ。このモノマー上のカルボン酸基は、ポリマーバックボーンへの組み込みを可能にする。このアプローチも、市販のGBCAマグネビストにおけるガドリニウムキレートと同じ構造を利用しており、これによって、許容できる無毒レベルのガドリニウムに対する基準が提供される。
本明細書における実施形態は、複数の用途のために修正することができるX線及びMRの両方の可視性を有するSMP材料に取り組んでいる。液体コーティングの形態ではX線で可視であり且つナノ粒子の形態ではMRIで可視であるポリ(ガドジアミドフマル酸)と名付けられた生体吸収型ポリエステルを合成したGoodfriend等を含むいくつかのグループは、以前に、デュアルモダリティ造影剤を含有するポリマーを修正することに成功している。Weems等も、X線及びMRの両方の画像モダリティにおいてSMPの可視性を高めるために、酸化鉄ナノ粒子を物理的に組み込んだ。それでも、そのような作業は、例えば、ポリウレタンフォームを依然として放射線不透過性にし且つMRIで可視にしながら、そのようなフォームの力学/特性(例えば、膨張、引張強度、及びX線可視性等)を維持又は管理することには関係しなかった。
実施形態は、ガイド付き送達及びフォローアップモニタリングを必要とする多くの用途において使用することができる材料のプラットフォームを提供する。ATIPA及びGPAのシステムを組み合わせて単一のフォームにすることによって、化学修飾によって与えられたX線及びMRの可視性を有する新しい多孔性の形状記憶ポリマーが作成される。実施形態において使用される材料は、Tg制御がイソシアネートの成分及びヘキサントリオールの量に依存する無定形のSMPである。この材料システムにGPAを添加すると、剛性の増加によりTgが上昇する。出願人が決定した多孔度は、これらの形状記憶ポリマーの重要な特徴であり、フォームの圧縮及び膨張の両方の形態で可視性を確実にするために、正しい量のコントラストモノマーとバランスを取る必要がある。図1は、材料システムにおける各モノマーの役割を示している。複数の組成物に対して、形態学的、化学的、及び熱機械的な特徴づけを行った。可視性を検証するために、X線及びMR画像のパイロット研究を行った。さらに、毒性を評価するために、シミュレートされた使用条件下での抽出及び間接細胞適合性研究を実行した。
2. 結果
研究のために合成されたSMPフォーム組成物を、表1において示された取り決めに従って名付けた。組成物名は、各組成物中のATIPA(X線で可視のモノマー)及びGPA(MRで可視のモノマー)の量に由来する。これらは、イソシアネートと反応する官能性(OH、COOH、NH2)のmol%として報告されている。実施形態において使用されるイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であるが、他の実施形態において他のイソシアネートが適用可能である。
研究のために合成されたSMPフォーム組成物を、表1において示された取り決めに従って名付けた。組成物名は、各組成物中のATIPA(X線で可視のモノマー)及びGPA(MRで可視のモノマー)の量に由来する。これらは、イソシアネートと反応する官能性(OH、COOH、NH2)のmol%として報告されている。実施形態において使用されるイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であるが、他の実施形態において他のイソシアネートが適用可能である。
物理的な特徴づけには、密度及び孔径の測定が含まれた。表2は、作製した全ての組成物に対するSMPフォームの密度及び孔径を含有している。細孔は、軸方向及び横方向において測定した。
図3は、選択された組成物に対するATR-FTIR分光法を示している。強いウレタンC=Oピークが全ての組成物に対して1685cm-1において存在するため、スペクトルをこのピークに対して正規化した。組成物は、イソシアネートとのATIPAの反応における第一級アミンから、1650cm-1において尿素C=Oショルダーを示している。20AT10GPA組成物は、GPAモノマーからの合成においてカルボン酸含有量がより多いため、1510cm-1において最も強いアミドIIピークを有している。
2.2 熱機械的な特徴づけ
ガラス転移温度(表2)は、GPA含有量の増加と共に増加した。しかし、全ての組成物が、体温に近い水可塑化転移温度(water plasticized transition temperatures)(湿潤Tg)も実証した。図4A及び4Bは、37°Cの水浴中でのフォームの非拘束の膨張挙動を要約したものである。20AT10GPAフォームは最も急速に膨張し、~10分で100%の膨張に達した。20AT0GPAフォームは100%の膨張に達しなかったが、すぐ(~15分)にその終端直径に達した。20AT0.01GPA及び20AT0.001GPAフォームは最も遅く膨張し、60分で100%の膨張に達しなかった。フォームの膨張挙動は、フォームの親水性を高めるGPA含有量及びフォームの密度の両方に関連しているようである。
ガラス転移温度(表2)は、GPA含有量の増加と共に増加した。しかし、全ての組成物が、体温に近い水可塑化転移温度(water plasticized transition temperatures)(湿潤Tg)も実証した。図4A及び4Bは、37°Cの水浴中でのフォームの非拘束の膨張挙動を要約したものである。20AT10GPAフォームは最も急速に膨張し、~10分で100%の膨張に達した。20AT0GPAフォームは100%の膨張に達しなかったが、すぐ(~15分)にその終端直径に達した。20AT0.01GPA及び20AT0.001GPAフォームは最も遅く膨張し、60分で100%の膨張に達しなかった。フォームの膨張挙動は、フォームの親水性を高めるGPA含有量及びフォームの密度の両方に関連しているようである。
木製ブロックに付けた長方形のフォームサンプル(n=3)において引張試験を行った。最大引張強度(UTS)を、応力-ひずみ曲線上のピーク応力から計算した(表3)。UTS及び剛性の増加が、20AT20GPA配合の場合を除き、SMPフォーム密度の増加と相関している。これは、GPAの負荷の増加による可能性が高い。
T1強調MR画像を、冠状面と横断面の両方で得た。低GPA濃度のフォーム(図5A)は、陽性の油の対照及び陰性のDI水の対照と比較して、冠状面の視野におけるフォームの可視性を高めなかった。しかし、20AT10GPAフォーム(図5Bの#5)は、冠状面の視野において、フォーム及びバイアルの周りに顕著な明るくする効果を示した。この強度は、基準対照(油のカプセル)及び同じ画像における他のフォームの強度を超えている。20AT1GPA(図5Cの#1)のフォームのわずかな明るくする効果が、横断面の視野において存在している。20AT20GPA組成物は、高濃度のガドリニウムによる暗くする効果を観察したため、MR画像から除外されている。
2.7 X線画像法
X線画像法を、密度が異なる複数のフォームで行った。画像を、骨(例えば頭蓋骨等)からの減衰を模倣するために1/2インチのアルミニウムプレートを介して及び直接得た。得られたX線画像(図6)を、関心のあるサンプルにおいて60点のピクセル強度を測定することによって分析した(図7)。これは、ImageJにおけるバックグラウンド除去処理ステップの後に行った。ATIPA-GPAフォームのX線ピクセル強度値を、金属装置の構成要素の陰影に対する対照として分析したIMPEDEデバイスのプラチナコイル(Ptコイル)(Shape Memory Medical Inc, Santa Clara, CA)に対する値と比較した。
X線画像法を、密度が異なる複数のフォームで行った。画像を、骨(例えば頭蓋骨等)からの減衰を模倣するために1/2インチのアルミニウムプレートを介して及び直接得た。得られたX線画像(図6)を、関心のあるサンプルにおいて60点のピクセル強度を測定することによって分析した(図7)。これは、ImageJにおけるバックグラウンド除去処理ステップの後に行った。ATIPA-GPAフォームのX線ピクセル強度値を、金属装置の構成要素の陰影に対する対照として分析したIMPEDEデバイスのプラチナコイル(Ptコイル)(Shape Memory Medical Inc, Santa Clara, CA)に対する値と比較した。
図7は、圧着及び膨張した形態における6mmフォームサンプルの相対的なX線密度を示している。1/2インチのアルミニウムプレートを上にして得た画像は全て、生の画像の対応物よりもX線密度が低く、これはX線の減衰によるものと予想される。全ての組成物が同じ量のATIPAモノマー(20mol%)を含有していたため、フォーム密度がX線陰影における最大の要因であった。20AT20GPA、20AT0.01GPA、及び20AT0.001GPA組成物は、最も密度の高い材料であり、ベースライン画像及び減衰画像の両方において最大のX線密度を示している。20AT0.01GPA及び20AT0.001GPAフォームの多孔性形態は、より厚いストラットのためにX線画像において可視である。
2.8 抽出可能物の質量分析法
DI水及び50%エタノール抽出溶媒において抽出を行って、シミュレートされた使用条件下での抽出可能及び浸出可能なガドリニウムの量を特定した。報告されている最も高い抽出濃度7510ng/mLは、50%エタノールにおいて抽出されたAT20GPA組成物について報告されており、これは、サンプルに対する総抽出重量75.1mgに等しい。これは、DI水における同等の抽出量の約8倍のガドリニウムである。
DI水及び50%エタノール抽出溶媒において抽出を行って、シミュレートされた使用条件下での抽出可能及び浸出可能なガドリニウムの量を特定した。報告されている最も高い抽出濃度7510ng/mLは、50%エタノールにおいて抽出されたAT20GPA組成物について報告されており、これは、サンプルに対する総抽出重量75.1mgに等しい。これは、DI水における同等の抽出量の約8倍のガドリニウムである。
組成物の細胞適合性を決定するために、培地抽出物を3T3細胞に曝露し、その結果が図8において表示されている。細胞生存率を、レサズリンアッセイを使用して決定し、式3から計算した。GPA含有量が最も多い組成物(20AT20GPA)は最も低い細胞生存率を有したけれども、全ての組成物は図8の赤い線によって示されているIC30閾値を超えていた。
3 考察
一般に、GPA含有量が減少するに従い、ポリマーの密度は増加した。これは、GPAモノマーのカルボン酸基が、イソシアネートとの反応後に二酸化炭素が生成されることによりさらなる発泡剤として作用したためである。この傾向の例外は、より高密度の20AT20GPA組成物であった。20AT20GPA組成物におけるこのレベルのGPAは、反応性混合物の粘度を増加させ、これによって、カルボン酸の化学的発泡が増加したにもかかわらず、平均孔径を減少させ、最終的な材料密度を増加させた。
一般に、GPA含有量が減少するに従い、ポリマーの密度は増加した。これは、GPAモノマーのカルボン酸基が、イソシアネートとの反応後に二酸化炭素が生成されることによりさらなる発泡剤として作用したためである。この傾向の例外は、より高密度の20AT20GPA組成物であった。20AT20GPA組成物におけるこのレベルのGPAは、反応性混合物の粘度を増加させ、これによって、カルボン酸の化学的発泡が増加したにもかかわらず、平均孔径を減少させ、最終的な材料密度を増加させた。
ガラス転移温度(表2)は、GPA含有量の増加と共に増加した。この傾向はWeems等においても観察され、剛性のGPAモノマーの組み込みの増加に伴うポリマー構造における制限された鎖の移動性によるものである。しかし、全ての組成物は、体温に近い水可塑化転移温度を実証した。材料の高い乾燥Tgは、医療機器の輸送及び保管条件の点で、時期尚早に作動することなく二次形状を維持するために有益である。
37°Cの水浴におけるフォームの非拘束の膨張挙動(図4A及び4B)は、組成物のTgよりも材料の密度及び孔径による影響を受けた。最も低い密度の20AT10GPAフォームが最も速く膨張した。これは、より高い密度の材料が水分の可塑化に対してより有意な物理的拡散バリアに寄与しているためである。水分の可塑化は、水素結合の破壊により転移温度を低下させる。全ての組成物が、体温に近い水分の可塑化転移温度を有しており、従って、膨張速度を可塑化速度に関連づけた。
パイロットMR画像法研究では、許容できるガドリニウム濃度の範囲が得られた。ガドリニウムは、T1及びT2の両方の短縮を引き起こす。T1強調画像シーケンスを使用する場合、T1の短縮は臨床的に所望される画像を明るくするものとして現れ、T2の短縮は画像を暗くする。使用するガドリニウムの濃度に応じて、これらの効果のいずれかが優勢となる。20AT20GPA組成物は高過ぎるガドリニウムの濃度を有し、T2効果が優勢であったため、さらなる研究から除外した。20AT10GPA及び20AT1GPA組成物に対して明るさが見られたが、全ての材料が、DI水を含有するバイアルにおいて画像化されたため、パイロットMR画像はやや限られている。DI水はT1及びT2の組織MR特性を完全に表しているものではないけれども、GBCAを組み込んだ組成物では明るさが増加するという一般的な傾向は、依然としてT1強調画像シーケンスにも臨床的に関連しているはずである。一般に、いかなるフォームの可視性も、使用される正確な画像化パラメータだけでなく、周囲の組織特性にも依存すると予想される。
反応条件を組成物間で一定に保ったけれども、モノマー溶液の粘度及びGPAモノマーの量における違いは、異なる材料密度及び孔径をもたらした。材料密度は材料性能(膨張、引張強度、及びX線可視性)において大きな役割を果たしたため、選ばれた用途に応じて特定の性能結果に合わせて調整される可能性が高い。例えば、フォームの細孔が大きく且つ密度が低いほど、より速く膨張するが、機械的強度は低く、可視性に対してより高い造影剤の負荷を必要とするのに対し、フォームの密度が高いほど、より遅く膨張するが、機械的強度及び可視性に優れている。理想的な材料密度は、物理的な発泡剤の量及び反応性混合物の粘度を変えることによって、各組成物に合わせて調整することができる。
シミュレートされた使用条件で50%エタノール抽出溶媒を使用した20AT20GPA組成物の抽出は、抽出されたガドリニウムの量が最も多かったが、成人及び小児の集団に投与される最大用量をはるかに下回った。マグネビストは469mg/mLの濃度で調製され、成人患者には0.6mL/kg、及び小児患者には0.4mL/kgの最大用量で投与される。これらの投薬ガイドラインを使用すると、抽出されたフォームサンプルと類似のフットプリントを有するほぼ19の装置(直径6mm、長さ25mmの円筒)を、10kgの小児患者に送達することができた。50kgの成人患者では、ほぼ187の装置を、投薬安全閾値内でありながら送達することができた(CDCは現在、米国の女性及び男性の平均体重をそれぞれ~77kg及び89kgと報告している)。
間接細胞適合性研究の結果は、抽出ICP-MSデータを補完するものである。20AT20GPA組成物は、平均細胞生存率が最も低かった(94.1±12.3%)。しかし、全ての組成物が、IC30閾値を超えていた。ガドリニウムは、遊離のGd3+イオンがCa2+イオンと類似していることにより通常の生物学的プロセスに干渉する可能性があるため、毒性がある。これを防ぐために、キレート化されたバージョンのガドリニウムが使用される。
本明細書において記載される化学修飾を介してSMPフォームにX線及びMRIの可視性を与えるためのアプローチは、多くの材料システムに対して変えることができる。加えて、SMPフォームの特性を、特定の装置の要件に合わせて調整することができる。これらのフォームを現在の塞栓装置設計に組み込んで、可視化に使用される金属成分を減らす又は排除することができる。フォーム自体が可視であることで、装置の膨張及び体積充填特性に関するさらなる情報が得られる。開発された材料システムに受け入れられる新しい用途の一例として、生検シール形成装置がある。この用途に対するX線及びMRIの可視性の利点は、装置を送達中に画像化することができ、且つ生検が採取される路(tract)を指定するための基準マーカーとしてポリマープラグが作用することができるということである。この材料システムは、MRI又はX線で可視の組織のスキャフォールドを必要とする他の組織工学用途における基準マーカーとなる可能性も有する。生分解性製剤の場合、異なる画像モダリティ下での減少する材料の可視性は、材料の分解及び体内からの排除の指標となり得る。この材料は、放射線療法又は放射性医薬品の応用と組み合わせて使用される解剖学的指標としても使用することができる。
4 材料及び方法
4.1 材料
全ての化学物質は、別段の定めがない限り、購入した状態で使用した。3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチルプロパンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(95%)、及びガドペンテト酸(97%)は全て、Sigma Aldrichから購入した。ヘキサメチレンジイソシアネートは、TCIから購入した。セルオープナーのTegostab B8523及び界面活性剤DC1990は、Evonikによって提供された。テトラヒドロフランは、EMD Milliporeからのもので、モレキュラーシーブ上で保管されていた。イソプロパノールは、VWRから購入した。エノベート(Enovate)は、Honeywellから購入した。
4.1 材料
全ての化学物質は、別段の定めがない限り、購入した状態で使用した。3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチルプロパンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(95%)、及びガドペンテト酸(97%)は全て、Sigma Aldrichから購入した。ヘキサメチレンジイソシアネートは、TCIから購入した。セルオープナーのTegostab B8523及び界面活性剤DC1990は、Evonikによって提供された。テトラヒドロフランは、EMD Milliporeからのもので、モレキュラーシーブ上で保管されていた。イソプロパノールは、VWRから購入した。エノベート(Enovate)は、Honeywellから購入した。
4.2 SMPフォームの合成
研究において使用した全てのフォーム組成物が表1において列挙されている。フォームは、古典的なヒドロキシル(OH)及びイソシアネート(NCO)のポリウレタン反応スキームを使用して合成した。使用したヒドロキシル成分は、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD)、2-ブチル-2-エチルプロパンジオール(BEP)、及び1,2,6-ヘキサントリオール(HT)であった。イソシアネート成分は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であった。使用したX線で可視のモノマーは、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(ATIPA)であった。MRIで可視のモノマーは、ガドペンテト酸(GPA)としても知られるジエチレントリアミン五酢酸ガドリニウム(III)二水素塩水和物であった。全てのモノマーを、受け取った状態で使用し、プレミックスをグローブボックスにおいて調製した。
研究において使用した全てのフォーム組成物が表1において列挙されている。フォームは、古典的なヒドロキシル(OH)及びイソシアネート(NCO)のポリウレタン反応スキームを使用して合成した。使用したヒドロキシル成分は、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD)、2-ブチル-2-エチルプロパンジオール(BEP)、及び1,2,6-ヘキサントリオール(HT)であった。イソシアネート成分は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であった。使用したX線で可視のモノマーは、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(ATIPA)であった。MRIで可視のモノマーは、ガドペンテト酸(GPA)としても知られるジエチレントリアミン五酢酸ガドリニウム(III)二水素塩水和物であった。全てのモノマーを、受け取った状態で使用し、プレミックスをグローブボックスにおいて調製した。
起泡手順を、ガドリニウムの添加に順応するためにNash等から適応させた。起泡の2日前に、OHプレミックスのヒドロキシル成分(0.6モル当量)(MPD、BEP、HT、ATIPA)を測定し、150mLのFlacktek混合カップに入れた。それらをFlacktek高速ミキサー(モデルDAC150FVZ-K、Flacktek Inc、Landrum、SC)において3540rpmで30秒間混合し、50°Cのオーブンに入れた。1時間後にカップを再び30秒間混合し、一晩50°Cのオーブンに置いた。
同様に、NCOプレミックスのヒドロキシル成分(0.4モル当量)(並びにATIPA)を、起泡の2日前に別のFlacktek混合カップに添加した。それらをFlacktek高速ミキサーにおいて3540rpmで30秒間混合し、50°Cのオーブンに入れた。1時間後にカップを再び30秒間混合し、一晩50°Cのオーブンに置いた。翌日、内容物をさらに30秒間混合した後、ジイソシアネート当量(1.02モル当量)を添加した。この混合物をFlacktek高速ミキサーにおいて3540rpmで5分間混合し、一晩又は混合物の粘度が蜂蜜のような粘度に増加するまで、室温においてシェーカープレート上に置いた。
起泡に先立ち、界面活性剤DC1990(4wt%)及びセルオープナーTegostab B 8523(0.025wt%)をNCOプレミックスに添加して、30秒間混合した。GPAをOHプレミックスに添加し、起泡直前に1分間混合した。OHプレミックスをNCOプレミックスに添加し、30秒間混合した。物理的な発泡剤であるエノベートをその混合物に添加し、15秒間混合した。カップを90°Cのオーブンに移し、20分間硬化させた。50°Cのオーブンにおいて一晩後硬化させる前に、フォームをドラフトにおいて冷却させ、皮膚をカミソリの刃で除去した。
フォームサンプルをジャーに入れ、DI水において浸し、3回の30分サイクルで超音波処理してすすいだ後で、IPA:フォームの体積比20:1でイソプロピルアルコール(IPA)を添加した。ジャーを超音波処理浴において3回の30分間隔に晒し、IPAを間隔間に切り替えた。それらを、別段の定めがない限り、特徴づけを行う前に、真空オーブンにおいて100°Cで一晩乾燥させ、乾燥剤と共に保管した。
4.3 物理的な特徴づけ
4.3.1 密度
各フォームブロックからの立方体(~1cm3)を、密度測定に使用した。ブロックの寸法をノギスで測定し(n=3)、体積を計算した。ブロックの質量を天秤で測定した(n=3)。密度を、サンプルの平均質量及び体積を使用して計算した。
4.3.1 密度
各フォームブロックからの立方体(~1cm3)を、密度測定に使用した。ブロックの寸法をノギスで測定し(n=3)、体積を計算した。ブロックの質量を天秤で測定した(n=3)。密度を、サンプルの平均質量及び体積を使用して計算した。
4.3.2 細孔の形態
フォームのスライスを、フォームの中央において軸方向及び横方向で切断し、イメージングスタブに付けたカーボンテープ上に乗せ、乾燥させ、スパッタリング法により被覆した。スライスを、JEOL JCM-5000 Neoscope走査電子顕微鏡(JEOL USA Inc., Peabody, MA)を使用して画像化した。30の細孔を、ImageJソフトウェアを使用して1つのスライス方向あたり測定した。
フォームのスライスを、フォームの中央において軸方向及び横方向で切断し、イメージングスタブに付けたカーボンテープ上に乗せ、乾燥させ、スパッタリング法により被覆した。スライスを、JEOL JCM-5000 Neoscope走査電子顕微鏡(JEOL USA Inc., Peabody, MA)を使用して画像化した。30の細孔を、ImageJソフトウェアを使用して1つのスライス方向あたり測定した。
4.3.3 フーリエ変換赤外分光法(FTIR)
フォームサンプルを切断及び圧縮して、Bruker Spectrometer(Bruker, Billerica, WA)を使用して測定した。ゲルマニウム減衰全反射(ATR)プローブを介してスペクトルを得た。各サンプル測定に先立ち、32回のバックグラウンドスキャンを行った。サンプルを、64回のスキャンを使用して測定し、結果として生じるスペクトルをBruker OPUSソフトウェアを使用して大気補正に対して補正し、ウレタンピークに正規化されるExcelにエクスポートした。
フォームサンプルを切断及び圧縮して、Bruker Spectrometer(Bruker, Billerica, WA)を使用して測定した。ゲルマニウム減衰全反射(ATR)プローブを介してスペクトルを得た。各サンプル測定に先立ち、32回のバックグラウンドスキャンを行った。サンプルを、64回のスキャンを使用して測定し、結果として生じるスペクトルをBruker OPUSソフトウェアを使用して大気補正に対して補正し、ウレタンピークに正規化されるExcelにエクスポートした。
4.4 ゲル分率
洗浄及び乾燥したフォームにおいてゲル分率を行って、架橋の程度を決定した。最初の洗浄ステップは、過剰な界面活性剤及び触媒を除去する。元の乾燥重量を、天秤(Mettler Toledo, Columbus, OH)を使用して測定した。フォームブロックをTHFにおいて50°Cで3日間インキュベートした。フォームを真空下で2日間50°Cで乾燥させ、最終的な重量を得るために測定した。ゲル分率を以下の式:
洗浄及び乾燥したフォームにおいてゲル分率を行って、架橋の程度を決定した。最初の洗浄ステップは、過剰な界面活性剤及び触媒を除去する。元の乾燥重量を、天秤(Mettler Toledo, Columbus, OH)を使用して測定した。フォームブロックをTHFにおいて50°Cで3日間インキュベートした。フォームを真空下で2日間50°Cで乾燥させ、最終的な重量を得るために測定した。ゲル分率を以下の式:
4.5 熱機械的な特徴づけ
4.5.1 示差走査熱量計(DSC)
示差走査熱量測定を使用して、湿潤サンプル及び乾燥サンプルのガラス転移温度(Tg)を決定した。測定値は、TA Q200 Differential Scanning Calorimeter(TA Instruments, New Castle, DE)を使用して得た。全てのサンプルに対して、上部に穴をあけた密封アルミニウムのTzero(Switzerland)のパンを使用し、目標のフォームサンプル重量は5~10mgとした。乾燥サンプル(乾燥Tg)に使用したサイクルは、第一に-40°Cで5分間平衡化させ、120°C(40°C/分)まで加熱し、さらに、-40°Cまで冷却し、次に、再び10°C/分で120°Cまで再加熱した。第2の加熱曲線を、TA Universal Analysisソフトウェアを使用して分析し、乾燥Tgを決定した。湿潤Tgのフォームサンプルを50°Cの水浴において30分間インキュベートし、実行に先立ち水分を除去するためにKimwipesの間で圧力をかけた。湿潤サンプルに対するサイクルは、-40°Cで5分間平衡化させ、10°C/分で100°Cまで上昇する単一の加熱サイクルを有した。湿潤Tgを、TA Universal Analysisソフトウェアを使用して、加熱曲線上の変曲点から決定した。
4.5.2 非拘束の膨張
洗浄及び乾燥の後で、フォーム(n=3)の6mm円筒形生検パンチをワイヤーに通し、最初の画像を得た。パンチは、100°Cまで加熱されたMachine Solutions SC250ラジアルクリンパーを使用して放射状に圧着した。圧着したフォームは、その膨張挙動を研究する前に、専用容器において室温で24時間緩和させた。最初の圧着直径を決定するために、圧着したフォームの画像を得た。水浴を37°Cまで熱し、10分の時点までは毎分撮影し、次に、30分までは5分ごとに画像を得た。全ての画像を、ImageJを使用して各時点で各フォームパンチ上の5つのポイントを測定することによって分析した。結果を、標準偏差を有した膨張率として報告した。
洗浄及び乾燥の後で、フォーム(n=3)の6mm円筒形生検パンチをワイヤーに通し、最初の画像を得た。パンチは、100°Cまで加熱されたMachine Solutions SC250ラジアルクリンパーを使用して放射状に圧着した。圧着したフォームは、その膨張挙動を研究する前に、専用容器において室温で24時間緩和させた。最初の圧着直径を決定するために、圧着したフォームの画像を得た。水浴を37°Cまで熱し、10分の時点までは毎分撮影し、次に、30分までは5分ごとに画像を得た。全ての画像を、ImageJを使用して各時点で各フォームパンチ上の5つのポイントを測定することによって分析した。結果を、標準偏差を有した膨張率として報告した。
4.5.3 引張試験
長方形のフォームサンプルを約25mm×15mm×3mmに切断し、短い端部において木製ブロックにエポキシで接着した。エポキシを一晩硬化させ、周囲の湿気が機械的特性に影響を与えないことを確実にするために、引張試験に先立ち、サンプルを少なくとも24時間ベルジャーにおいて真空下で保管した。50Nのロードセルを備えたMTS Insight 30 Universal Tensile Tester(MTS Systems Corp, Eden Prairie, MN)を引張試験に使用した。サンプルの両端において木製ブロック上でクランプを締め、機械をゼロにした。使用したプロトコルは、5mm/分の一定のひずみ速度でのひずみ対破断であった。
長方形のフォームサンプルを約25mm×15mm×3mmに切断し、短い端部において木製ブロックにエポキシで接着した。エポキシを一晩硬化させ、周囲の湿気が機械的特性に影響を与えないことを確実にするために、引張試験に先立ち、サンプルを少なくとも24時間ベルジャーにおいて真空下で保管した。50Nのロードセルを備えたMTS Insight 30 Universal Tensile Tester(MTS Systems Corp, Eden Prairie, MN)を引張試験に使用した。サンプルの両端において木製ブロック上でクランプを締め、機械をゼロにした。使用したプロトコルは、5mm/分の一定のひずみ速度でのひずみ対破断であった。
4.6 磁気共鳴画像法(MRI)
SMPフォームのパイロット磁気共鳴画像法(MRI)検証研究を、Texas A&M UniversityのMagnetic Resonance Systems Labで行った。円筒形フォームサンプル(直径6mm)をマイクロ遠心チューブ内のDI水中に置き、魚油の錠剤を画像に対する陽性対照として使用した。高解像度マルチスライスT1強調画像(TR500msec、TE30msec、)を、標準的なスピンエコーパルスシーケンスを使用して4.7TのVarian Inovaスキャナー上で取得した。横断画像を、30mm×60mmの視野及び64×128のマトリックスサイズで、x(左右)及びy(前後)次元の両方において469μmの解像度で得て、スライス厚は1mmであった。冠状画像に対しては、120mm×80mmの視野及び256×128のマトリックスサイズを、z(頭足)次元において469μmの解像度、及びx次元において625μmの解像度に対して使用し、スライス厚は1mmであった。全ての他のパラメータを、全ての取得を通じて一定に保った。スキャナーから取得した生のデータを、全ての画像の再構築及び表示のためにMatlab(登録商標)にインポートした。
SMPフォームのパイロット磁気共鳴画像法(MRI)検証研究を、Texas A&M UniversityのMagnetic Resonance Systems Labで行った。円筒形フォームサンプル(直径6mm)をマイクロ遠心チューブ内のDI水中に置き、魚油の錠剤を画像に対する陽性対照として使用した。高解像度マルチスライスT1強調画像(TR500msec、TE30msec、)を、標準的なスピンエコーパルスシーケンスを使用して4.7TのVarian Inovaスキャナー上で取得した。横断画像を、30mm×60mmの視野及び64×128のマトリックスサイズで、x(左右)及びy(前後)次元の両方において469μmの解像度で得て、スライス厚は1mmであった。冠状画像に対しては、120mm×80mmの視野及び256×128のマトリックスサイズを、z(頭足)次元において469μmの解像度、及びx次元において625μmの解像度に対して使用し、スライス厚は1mmであった。全ての他のパラメータを、全ての取得を通じて一定に保った。スキャナーから取得した生のデータを、全ての画像の再構築及び表示のためにMatlab(登録商標)にインポートした。
4.7 X線画像法
フォームサンプルを、10mm及び5mmの厚さのブロック(~10mm×10mm)、並びに直径6mmの円筒に切断した。全てのサンプルを組成物に従って配置し、OrthoScan C-アームシステム(Mobile DI Model 1000-0005)を使用して画像化した。直径6mmの円筒形の原型装置も同様に圧着及び膨張の形態で作製した。Ptコイル及びマーカーバンドを含有するIMPEDEデバイス(Shape Memory Medical, Santa Clara, CA)を、陽性対照として使用した。サンプルはまた、X線減衰に関して骨の類似体として機能する1/2インチのアルミニウムプレートを介して画像化した。画像を8ビットのグレースケールに変換し、バックグラウンドを除去するために処理し、さらに、X線密度を決定するためにImageJを使用して分析した。マルチポイントセレクターを使用して60の測定値を得て、0(黒)から255(白)までの値を得た。1の密度が完全に黒い画像と相関するように、X線密度を、以下の式
フォームサンプルを、10mm及び5mmの厚さのブロック(~10mm×10mm)、並びに直径6mmの円筒に切断した。全てのサンプルを組成物に従って配置し、OrthoScan C-アームシステム(Mobile DI Model 1000-0005)を使用して画像化した。直径6mmの円筒形の原型装置も同様に圧着及び膨張の形態で作製した。Ptコイル及びマーカーバンドを含有するIMPEDEデバイス(Shape Memory Medical, Santa Clara, CA)を、陽性対照として使用した。サンプルはまた、X線減衰に関して骨の類似体として機能する1/2インチのアルミニウムプレートを介して画像化した。画像を8ビットのグレースケールに変換し、バックグラウンドを除去するために処理し、さらに、X線密度を決定するためにImageJを使用して分析した。マルチポイントセレクターを使用して60の測定値を得て、0(黒)から255(白)までの値を得た。1の密度が完全に黒い画像と相関するように、X線密度を、以下の式
4.8 抽出可能物の質量分析法
選んだ抽出条件は、シミュレートされた使用、撹拌によるバッチ抽出であった。円筒形(直径6mm×長さ25mm)のSMPフォームサンプルを、37°Cの10mLの抽出溶液において、90rpmのインキュベーションシェーカー内でインキュベートした。極性の抽出溶液としてDI水を使用し、非極性の抽出溶液として50/50の水/エタノール溶媒混合物を使用した。72時間後、サンプルを取り除き、1%硝酸を溶液に添加して金属粒子の安定性を確実にした後で、Texas A&M UniversityのElemental Analysis LaboratoryにあるPerkin Elmer NexION 300D inductively coupled mass spectroscopy(ICP-MS)機器を使用してサンプルを分析した。
選んだ抽出条件は、シミュレートされた使用、撹拌によるバッチ抽出であった。円筒形(直径6mm×長さ25mm)のSMPフォームサンプルを、37°Cの10mLの抽出溶液において、90rpmのインキュベーションシェーカー内でインキュベートした。極性の抽出溶液としてDI水を使用し、非極性の抽出溶液として50/50の水/エタノール溶媒混合物を使用した。72時間後、サンプルを取り除き、1%硝酸を溶液に添加して金属粒子の安定性を確実にした後で、Texas A&M UniversityのElemental Analysis LaboratoryにあるPerkin Elmer NexION 300D inductively coupled mass spectroscopy(ICP-MS)機器を使用してサンプルを分析した。
4.9 間接細胞適合性
無菌環境において滅菌生検パンチを使用して、フォームを、2mmの厚さを有する直径8cmのディスクに切断した。ディスクの表面積を、Weems等によって以前に行われたように、各フォーム組成物の孔径に基づき計算した。回転インキュベータにおいて、37°Cで72時間、1mL培地あたり3cm2フォームの比で、抽出のために完全な細胞培養培地にフォームを浸した。培地のみを有するさらなるチューブを、細胞適合性の対照として含んだ。完全な細胞培養培地を、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM, MilliporeSigma, St. Louis, MO)から作製し、10%新生仔ウシ血清(NCS, MilliporeSigma, St. Louis, MO)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S, VWR, Radnor, PA)溶液、及び0.1%ファンギゾン(VWR, Radnor, PA)で補った。
無菌環境において滅菌生検パンチを使用して、フォームを、2mmの厚さを有する直径8cmのディスクに切断した。ディスクの表面積を、Weems等によって以前に行われたように、各フォーム組成物の孔径に基づき計算した。回転インキュベータにおいて、37°Cで72時間、1mL培地あたり3cm2フォームの比で、抽出のために完全な細胞培養培地にフォームを浸した。培地のみを有するさらなるチューブを、細胞適合性の対照として含んだ。完全な細胞培養培地を、Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM, MilliporeSigma, St. Louis, MO)から作製し、10%新生仔ウシ血清(NCS, MilliporeSigma, St. Louis, MO)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S, VWR, Radnor, PA)溶液、及び0.1%ファンギゾン(VWR, Radnor, PA)で補った。
Balb/3T3細胞、クローンA31(3T3s, ATCC, Manassas, Virginia)を、細胞適合性アッセイのためのプレーティングに先立ち解凍し、少なくとも1回経過させた。全てのインキュベーション期間は、5%CO2を有する37°Cの加湿されたインキュベータ内で行った。アッセイ及び3T3培養に使用した完全な細胞培養培地は、抽出に関して上述したものと同じであった。トリプシンを用いて3T3を収穫し、96ウェルプレートにおいて1つのウェルあたり7,500の細胞で播種した。24時間のインキュベーション後、細胞の形態及び分布を評価し、Biotek Cytation5 Imaging Reader(Biotek, Winooski, VT)を使用して各ウェルの画像を取得した。次に、培地を除去し、フォーム抽出物又は対照からの培地と交換した。細胞をこれらの処理を用いて48時間インキュベートし、次に、細胞の形態及び分布を評価し、さらに、Cytation5を使用して各ウェルのさらなる画像を取得した。最後に、相対的な代謝活性を評価するために、レサズリンアッセイを使用して間接的に細胞生存率を測定した。細胞を5%レサズリンと共に完全な培地において3時間インキュベートし、次に、Tecan Infinite M200 Pro Plate Reader(Tecan, Morrisville, NC)において560nmの励起波長及び590nmの発光波長を使用して蛍光を測定した。細胞生存率を、以下の式:
上記の考察を念頭に置いて、様々な実施形態が以下において取り組まれている。
一実施形態には、内臓又は皮膚の生検部位を密封又は閉塞するためのSMPフォームの使用が含まれる。SMPフォームは、迅速な血栓形成を急性に誘発するために生検腔を満たすように動的に適合するようにコンパクト/圧着状態で展開され、さらに、長期的な組織再生のための生体適合性のスキャフォールドとして慢性的に機能することができる。そのような実施形態は、ヒドロゲル及び/又はゼラチンのプラグと合体させられてもよい。
SMPフォームは、ポリウレタンを含んでもよいが、他の実施形態は、ポリ尿素、ポリアミド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
一実施形態は、生分解性又は生物耐久性である。
一実施形態における材料の形状記憶性質は、材料が送達システム内でコンパクトな二次状態で維持され、生検部位への容易で低侵襲な展開を促進するのを可能にする。材料の一次形状は、装置が膨張し生検部位に適合して、治癒及び生物学的シールの形成を最大化するのを可能にする。生検部位に対する装置を大き過ぎるサイズにすることは、より迅速な塞栓形成のための生検部位内の摩擦適合及び局所的な圧迫を可能にする。材料の生体適合性及びフォームマトリックスのオープンセル構造が、天然組織へのスキャフォールドの組み込みを最大化することになる。
SMPフォームのシリンダーは、生検直後にフォームが送達されるように、生検針と同じ注射器/送達システム内に予め充填するか、又は、生検が行われた後に注射器/生検針を介して直接挿入することができる。生検部位において針から出ると、フォームはすぐに膨張して、生検によって残された路を完全に埋める。
一実施形態において、SMPフォームは、N,N,N´,N´-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(HPED);2,2´,2´´-ニトリロトリエタノール(TEA);及び1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);の反応生成物である。
一実施形態は、臓器生検後に残された路を埋めるために使用されてもよく、出血症状を引き起こした外傷後の過度の出血を防ぐための止血剤として使用することもできる。一実施形態は、装置への抗菌特性の組み込み又は治癒促進性化合物の送達を可能にするために、SMP-ヒドロゲル複合装置を含んでもよい。代替の実施形態は、密封性を改善するため又は生検部位からのプラグの排出を防ぐために、密度の異なるフォームを含み得る。
一実施形態では、生検針を使用して臓器の中心からサンプルを抜き、生検針が所定の位置に留まっている間に吸引又は機械的手段を介して検体が針から取り除かれる。SMPのプラグは、プッシャーを使用して生検針の遠位部分に置かれ、生検針がSMPプラグ材料を抜き放すために後退している間、その所定の位置で保持される。体内に埋め込まれると、プラグは放射状に膨張して、生検路を閉塞及び密封する。フォームは、生検サンプルを取り除いてSMPプラグを送達するために使用される多腔型アダプターを介して導入することができる。或いは、生検サンプルを取り除くことができ、さらに、単腔型のフォームアダプターを生検針に配置して、生検針内腔にフォームを導入することができる。一実施形態において、SMPプラグは、取り除かれる生検サンプルとほぼ同じ長さになるようにサイズ調整される。一般に、膨張したSMPフォームプラグは、生検路に対して大き過ぎるサイズになる。
一実施形態において、システムは、生検路にSMPプラグを導入するために生検針に対して同軸に導入される二次導管を含む。
一実施形態では、生検サンプルの取り除き後に、可撓性のロッドが生検針の内腔に配置され、針が後退する際に生検路内に位置する。可撓性のロッドは、SMPプラグを導入するために生検針によって残されたのと同じ導管内に戻るよう送達シースをガイドするために使用される。
一実施形態では、送達導管(生検針又は送達シース)が生検路の起点にある臓器の表面に配置され、SMPフォームプラグが生検路内に押し込まれる。
一実施形態は、生検針又は送達シースの後退前に、医師が適切な深さにおいてSMPプラグを導入するのに寄与するマーク付き送達プッシャーシステムを含む。或いは、マーク付き送達プッシャーシステムは、適切な距離で送達導管からSMPフォームプラグを押し出すために使用することができる。
実施形態は、X線又はMRI下で真の可視性を提供する生検シーラント装置及び技術を提供する。これよって、フォローアップの画像化中に治療装置及び関心のある組織を正確に位置づけるのが可能になる。生検シーラント装置及び技術は、効果的なシール形成及び画像化コントラストの提供の両方によって合併症を減少させるため、例えば、生検の位置に対する腫瘍の変化を測定することができる。生検後、腫瘍/腫瘤の進行をモニターするための好ましい画像法はMRIであるが、生検シール形成中はX線が好まれる場合がある。
図9は、どのようにして一実施形態が生検路シール形成のために実施されるかを示している。臓器組織が、経皮的生検を介して収集され、カニューレがその部位の上に置かれ、生検針が所望の部位に挿入される(ステージA)。カニューレはその所定の位置に残され、組織タイプに応じて、血液/体液が生検路を埋めることができる(ステージB)。SMPフォームプラグがカニューレを介して圧着状態で生検路内に展開される(ステージC)。生理的温度での血液/体液の混合物がフォームゲルプラグの膨張を駆動する。加えて、SMPフォームは、X線撮影及びMRIのモダリティ下で可視であり、X線及びMRIのコントラストは、フォーム内にある(ステージD)。密封された路が進行するに従い、SMPは路において創傷治癒カスケードをトリガし、路の部位の自然な閉鎖をもたらす。新しい組織の出現に比例して、フォームゲルプラグはその部位において分解される(ステージE)。
そのような実施形態は、従来のシーラントと比較して利点を有する。
例えば、従来のシーラントには、生理食塩水、自己血パッチ、コラーゲン又はハイドロゲルプラグ、及びフィブリン糊が含まれている。特に困難な症例又は異常な血液凝固を有する患者では、重度の出血症状が生じる肝臓生検において塞栓コイルを使用することができる。Gelfoam又はSurgifoamの適応外使用も文献において報告されている。しかし、これらの方法のいずれも、気胸の軽減又は画像化に何ら利点をもたらさない。改善された早期検出モダリティの出現及び生検数の増加に伴い、生検シーラントが、複数のモダリティ下での可視性を提供することによって、この変化に合わせることが極めて重要である。本明細書において記載される実施形態のデュアルモダリティ画像化能力は、既存の技術と比較して大きな利点である。これらの材料は、X線及びMRの両方の画像モダリティで可視性を提供し、6から12ヶ月間の生検部位の追跡を可能にすることになる。
出願人は、ATIPA及びGPAの両方を含むSMPフォームの実施形態を実現する前に、いくつかの障害が存在し、克服しなければならないことに気付いた。出願人は、以下のようにこれらの障害に取り組んだ。
例えば、HT、BEP、MPD、及びHDIに基づくフォームと共にATIPAを使用すると、溶解性の問題が生じる。ATIPA、HT、BEP、MPD、及びHDIに基づくフォームにGPAが含まれると、さらなる溶解性の問題が生じた。しかし、実施形態は、例えば、より長い混合時間、シェーカープレート上でのより長い時間、及びATIPAとGPAを同時に添加しない等の様々なプロセスパラメータを通じて、溶解性の問題に取り組んだ。より具体的には、一実施形態において、NCO及びOHのプレミックスが起泡のために組み合わされる直前に、GPAはOHのプレミックスに添加される。
さらに、出願人は、GPA上のカルボン酸がイソシアネートと組み合わされると二酸化炭素の生成を引き起こすため、ATIPA、HT、BEP、MPDに基づくフォームにガドリニウムを添加することにも問題が存在していると気付いた。出願人は、一実施形態において、起泡の直前にGPAを添加することによってこれに取り組んだ(さもなければ、早発の起泡が発生する可能性がある)。
出願人はさらに、材料密度と、添加される画像化モノマー(ATIPA又はGPA)の量との組み合わせが、MRIに対して十分である又は正しい範囲であることを確実にするように取り組んだ。T1強調パラメータを使用すると、GPAが多過ぎる可能性がある。例えば、20AT20GPAの組成物では、GPAの量が多いため、所望の明るくする効果が得られなかった。上述のように、出願人は、ガドリニウムがT1及びT2の両方の短縮を引き起こすと決定した。T1強調画像シーケンスを使用する場合、T1の短縮は、臨床的に所望される画像を明るくするものとして現れ、T2の短縮は、画像を暗くする。使用するガドリニウムの濃度に応じて、これらの効果のいずれかが優勢となる。20AT20GPA組成物はガドリニウムの濃度が高すぎ、T2効果が優勢であったため、さらなる研究から除外した。
逆に、X線画像化に対して、出願人は、高濃度のATIPA(又は他の放射線不透過性モノマー)及び高い材料密度が画像化に望まれると決定した。さらに、密度は、他の要因と比較して、X線可視性において優勢な役割を果たす可能性がある。
以下の例は、さらなる実施形態に関するものである。
例1:熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムであって;SMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合されており;(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である。
一部の実施形態では、画像化要素がフォームと共に物理的に含まれてもよい。例えば、ナノ粒子又は微粒子のフィラーがフォームと共に含まれてもよい。しかし、そのような包含形態では、要素が生検路から離れて移動しやすくなる可能性がある。対照的に、フォームへの要素の化学結合(例えば共有結合)はより安全であり、その結果、要素(例えばヨウ素)がフォームから離れて移動するのを防ぐことができる。また、一部の実施形態は、フォームの一部を覆う層に要素を組み込むことによって物理的包含を達成することができるが、そのような層は、フォームの膨張を阻害する可能性がある。本明細書において取り組む実施形態には、フォームに化学的に結合する要素が(例えば、フォームのポリマーバックボーン内、又はフォームポリマーの側鎖内に)含まれるが、フォームの膨張率又はフォームが完全に膨張するかどうか等のフォームの機械的特性を過度に減少させない。
化学結合に関して、X線及びMRIで可視のフォームを提供するための化学結合に取り組む実施形態については、図10を参照されたい。
粒子添加剤と比較した場合、合成中にフォームにコントラストモノマー(例えばトリヨードベンゼンモノマー)を組み込む化学的アプローチは、バルク材料の機械的完全性又は特徴(例えば、粒子添加剤は応力集中として機能し、過度に負荷された複合材料の引張強度を低下させる等)に過度に影響を与えることなく、より高いコントラスト負荷率を可能にする。このSMP材料システムは、白金バックボーン又はマーカーバンド等の金属成分を必要とすることなく、用途に対して低密度のフォームを作製するために利用することができる。この材料システムの実施形態は、生検プラグを含む、種々の用途に使用される完全にポリマーの生物耐久性装置を可能にする。また、芳香族ジイソシアネートを組み込むことによって、X線可視性を必要とする骨組織用途に適した非常に剛性の高いポリマーシステムが作製される。一部の実施形態では、エーテル、エステル、又は第三級アミン等の分解可能な結合を組み込んで、生分解性の材料製剤が作製される。
ATIPA分子のX線コントラストは、3つの高zヨウ素原子を組み込んだトリヨードベンゼンモチーフに由来し、第一級芳香族アミン及び2つのカルボン酸で終端しており、イソシアネートとの架橋反応に対して3つの官能性を与えている。さらに、イソシアネートとカルボン酸との反応でアミド結合及び二酸化炭素が生じ、フォーム重合の間にATIPAを化学的な発泡剤にしている。
例1の代替のバージョン:熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムであって;SMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)磁気共鳴(MR)造影剤に化学的に結合しており;(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である。
MR造影剤には、ガドリニウム、鉄(例えば、超常磁性の鉄-白金粒子(SIPP)等)、マンガン(例えば、Mn-DPDP等のマンガンキレート等)、臭素(例えば、パーフルオロオクチルブロミド等)、又はそれらの組み合わせが含まれてもよい。これらの薬剤の一部は、フォームに化学的に結合してもよく、フォームと共に物理的に含まれてもよい。
例1の別のバージョン:熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムであって;SMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合されており;SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されている。
例1の代替のバージョン:熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムであって;SMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)磁気共鳴(MR)造影剤に化学的に結合されており;SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されている。
例2:SMPフォームは、放射線不透過性である、例1のシステム。
例3はスキップされる。
例4:SMPフォームは、磁気共鳴画像法(MRI)可視性を有する、例1のシステム。
例5:SMPフォームは、脱イオン水よりもMRI可視性が高く、魚油よりもMRI可視性が低い、例4のシステム。
例6:SMPフォームは、X線可視性及び磁気共鳴画像法(MRI)可視性を有する、例1のシステム。
何かが「X線で可視」若しくは「放射線不透過性」であるか、又は、「MRで可視」若しくは「MRIで可視」であるかどうかは、日常的に生検を行う医師及び/又は蛍光透視法又はMRI等の画像化を使用して生検関連組織に対するフォローアップを行う医師等、当業者に従って判断される。使用する画像化装置等に応じて画像化力は異なり得るけれども、当業者は、フォームが周囲の解剖学的構造から識別可能であるような通常の臨床条件下でフォームが可視であるかどうかを依然として理解するであろう。
例6.1:SMPフォームは、X線可視性及び磁気共鳴画像法(MRI)可視性を同時に有する、例1のシステム。
例えば、SMPフォームは、保管中に送達チューブ又は導管内に常在することができる。その際、いかなるフォームの可塑化又は変形も発生する前に、フォームはX線で可視、及びMRIで可視である。フォームが生検路に埋め込まれ、完全又は部分的に膨張した後も同様である(すなわち、フォームは、埋め込まれて部分的又は完全に膨張したときに、X線でも可視であり、MRIでも可視である)。
例6.2:SMPフォームが、圧縮された二次状態にあるとき、SMPフォームは、X線可視性及び磁気共鳴画像法(MRI)可視性を同時に有する、例1のシステム。
例6.3:SMPフォームが、膨張された一次状態にあるとき、SMPフォームは、X線可視性及びMRI可視性を同時に有する、例6.2のシステム。
一実施形態において、X線の陰影は、膨張の間に減少する。そのような特徴に対する用途には、血管内の用途が含まれるが、これに限定されない。例えば、ユーザは動脈瘤への送達の間に、圧縮された装置を可視化することができる。しかし、展開後、膨張された装置は放射線透過性(又は少なくとも圧縮された装置よりも放射線透過性)であり、治療後に動脈瘤内の血管造影をユーザが容易に見るのを可能にしている。
例7:ヨウ素は、トリヨードベンゼンモノマーに含まれている、例1~6.3のいずれかのシステム。
例8:トリヨードベンゼンモノマーは、(a)5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(ATIPA)、(b)ジアトリゾ酸、(c)イオヘキソール、(d)トリヨードフェノール、又は(e)それらの組み合わせのうち少なくとも1つを含む、例7のシステム。
例9:トリヨードベンゼンモノマーはATIPAを含む、例8のシステム。
例9の別のバージョン:トリヨードベンゼンモノマーはジアトリゾ酸を含む、例8のシステム。
例9の別のバージョン:トリヨードベンゼンモノマーはイオヘキソールを含む、例8のシステム。
例9の別のバージョン:トリヨードベンゼンモノマーはトリヨードフェノールを含む、例8のシステム。
例10:トリヨードベンゼンモノマーはATIPAを含み、ATIPAはSMPフォームのポリマー鎖を架橋する、例9のシステム。
例11:SMPフォームは、白金、タングステン、タンタル、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つを含み;白金、タングステン、タンタル、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つは、SMPフォーム内で物理的に結合されている、例1~10のいずれかのシステム。
例12:白金、タングステン、タンタル、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つは、SMPフォームに化学的に結合していない、例11のシステム。
例13:SMPフォームを横切るバックボーンを含み、バックボーンには、ポリマーフィラメント、金属、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる、例1~12のいずれかのシステム。
例14:バックボーンは、ポリマーフィラメントを含み、金属を含まない、例13のシステム。
例14の別のバージョン:バックボーンは金属を含む、例13のシステム。
例14の別のバージョン:金属を含まない、例13のシステム。
例えば、当該システムは、より大きなシステムの展開可能且つ埋め込み可能な部分であってもよい。しかし、最終的に患者に埋め込まれる部分(すなわち、当該システム)には金属は含まれない。これは、当該システムのX線及び/又はMRIの可視性の態様により得る。
例15:GBCAはガドペンテト酸(GPA)を含む、例1~10のいずれかのシステム。
一実施形態において、MRI可視性は時間と共に減少する。例えば、この可視性の減少は、in vivoでの時間の経過に伴うガドリニウムキレート化における崩壊によって発生し得る。より一般的には、ガドリニウムは、時間の経過に伴いフォームから拡散する可能性がある。その結果、MRI可視性の低下は、生分解の証拠又は作用であり得る。
例16:SMPフォームは、白金、タングステン、タンタル、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つを含み、白金、タングステン、タンタル、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つは、SMPフォーム内で物理的に結合されている、例15のシステム。
例17:白金、タングステン、タンタル、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つは、SMPフォームに化学的に結合していない、例16のシステム。
例18:SMPフォームを横切るバックボーンを含み、バックボーンには、ポリマーフィラメント、金属、又はそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる、例11~14のいずれかのシステム。
例19:バックボーンは、ポリマーフィラメントを含み、金属を含まない、例18のシステム。
例20:導管を含み、SMPフォームは導管内に含まれる、例1~19のいずれかのシステム。
例20の別のバージョン:生検シールシステムを含み、生検シールシステムは導管を含み;SMPフォームは導管内に含まれており;SMPフォームは、生検路を密封するように構成されている、例1~19のいずれかのシステム。
例20の別のバージョン:解剖学的空隙シールシステムを含み、解剖学的空隙シールシステムは導管を含み;SMPフォームは導管内に含まれており;SMPフォームは、解剖学的空隙を密封するように構成されている、例1~19のいずれかのシステム。
例21:ロッドを含み、導管は最小内径を含み;ロッドは最大外径を含み;最大外径は最小内径よりも小さく、ロッドは、SMPフォームを導管から押し出すために導管内で滑るように構成されている、例20のシステム。
例22:さらなる熱硬化性SMPフォームを含み;さらなるSMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)GBCAの両方に化学的に結合されており;(a)さらなるSMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)さらなるSMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である、例20~21のいずれかのシステム。
例23:導管はさらなるSMPフォームを含む、例22のシステム。
例24:SMPフォームは、脂肪族モノマー及びジイソシアネートの反応生成物である、例1から23のいずれかのシステム。
例25:脂肪族モノマーは、(a)(i)複数のアミン官能基、(a)(ii)複数のアルコール官能基、(a)(iii)複数のカルボン酸官能基、又は(a)(iv)それらの組み合わせのうち少なくとも1つを含む、例24のシステム。
例26:脂肪族モノマーは、1,2,6-ヘキサントリオール(HT);2-ブチル-2-エチル-プロパンジオール(BEP);3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD);ジエチレングリコール(DEG);トリエチレングリコール(TEG);トリエタノールアミン(TEA);テトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン(HPED);グリセロール;トリメチロールプロパン;トリメチロールメタン;1,2,4-ブタントリオール;1,2-ジアミノプロパン;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;1,8-ジアミノオクタン;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-ジアミノ-2-プロパノール;アスパラギン酸;又はそれらの組み合わせ;のうち少なくとも1つを含む、例25のシステム。
例26の別のバージョン:脂肪族モノマーは、1,2,6-ヘキサントリオール(HT);2-ブチル-2-エチル-プロパンジオール(BEP);及び3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD)を含む、例25のシステム。
例26の別のバージョン:脂肪族モノマーはグリセロールを含む、例25のシステム。
例26の別のバージョン:脂肪族モノマーはトリエタノールアミン(TEA)及びテトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン(HPED)を含む、例25のシステム。
例26の別のバージョン:脂肪族モノマーはトリエタノールアミン(TEA)を含む、例25のシステム。
例26の別のバージョン:脂肪族モノマーはテトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン(HPED)を含む、例25のシステム。
例27:ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI);イソホロンジイソシアネート(IPDI);l,3,4-トリイソシアネート-2,4,6-トリメチルベンゼン;トルエンジイソシアネート;メチレンジフェニルジイソシアネート;又はそれらの組み合わせ;のうち少なくとも1つを含む、例26のシステム。
例27の別のバージョン:ジイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を含む、例26のシステム。
例27の別のバージョン:ジイソシアネートはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)を含む、例26のシステム。
例27の別のバージョン:ジイソシアネートはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)を含む、例26のシステム。
例28:SMPフォームは、摂氏37度を超える乾燥Tg及び摂氏37度を下回る湿潤Tgを有する、例1~27のいずれかのシステム。
乾燥Tgは、TA Q200(登録商標)示差走査熱量計を使用して、ベント付きアルミニウムパンにおいて5~10mgのフォームサンプルで決定されてもよい。サンプルは-40°Cで5分間平衡化させ、次に、120°Cまで加熱し、-40°Cまで冷却し、さらに、10°C/分の温度勾配で120°Cまで再加熱してもよい。Tgは、第2の加熱曲線の変曲点において計算することができる。
例28は、すぐ上の段落において記載されたこのプロセスを使用して計算された乾燥Tgを記載している(すなわち、例において記載される乾燥Tgは、時間、温度、プロセス、及び第2加熱曲線の変曲点に関する上記のテストを使用して計算されることになる)。
湿潤Tgフォームサンプルは、水分の可塑化を達成するために50°Cの水に30分間浸すことができる。水分は、Carver(登録商標)ラボプレスを使用してティッシュペーパー間のフォームを2トンで30秒間圧縮することによって除去することができる。5~10mgのフォームサンプルをアルミニウムパンに添加し、密閉してもよい。次に、サンプルを-40°Cまで冷却し、5分間平衡化させ、10°C/分で100°Cまで加熱してもよい。次に、湿潤Tgを加熱曲線の変曲点から計算することができる。
一部の実施形態において、乾燥Tgは、40から100、40から90、40から70、又は40から60Cである。一部の実施形態において、SMPフォームは、37Cを下回る水分可塑化ガラス転移温度の開始を有するが、他の実施形態では、水分可塑化ガラス転移温度の開始は、40、39、38、37、36、35、34C未満である。
例25:生検シールシステムを含むシステムであって;生検シールシステムは:(a)放射状に圧縮される、多孔性でオープンセルの、部分的に網状の熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォーム、及び(b)SMPフォームを含む導管を含み;SMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合しており;(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である。
「部分的に網状」の場合、フォームは、第1及び第2のセルを含んでもよく、第1及び第2のセルは、第1及び第2のセルに対する構造的支持を提供するストラットの環を共有し、それに直接接触している。膜は、ストラットの環に直接接触し、膜は、部分的に網状であるが、完全には網状ではない。部分的に網状の膜には:(a)(i)第1及び第2セルの間に流体が流れるのを可能にするように構成された経路を形成する空隙、(a)(ii)部分的に網状の膜と空隙との間の不均一な界面が含まれる。ストラットの環は膜の外周を画定し、空隙は膜の内周を画定する。膜に対する外膜領域は、網状化前の膜の領域を画定する外周によって囲まれた領域である。空隙領域は、空隙の領域を画定する内周によって囲まれた領域である。空隙領域は、外膜領域の25%から75%である。言い換えると、膜は「部分的に網状」である。
「導管」は、パイプ又はそのように制限されたものである必要はなく、例えば、チャネル又は溝を持つロッド又は基板を含んでもよく、フォームはチャネル又は溝内にある。
孔径及び密度等のフォームの形態は、フォームのプレミックスの粘度における変化を介して、及び、合成の間に物理的な発泡剤、界面活性剤、及び触媒の量を変更することによって調整される。これらの材料特性を独立して制御する能力は、特定の用途のニーズを満たすための装置最適化の道を開くことによって、X線及びMRで可視の塞栓フォームの有用性を高める。
例1a:トリヨードベンゼンモノマーを提供するステップ;ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)を提供するステップ;(a)(i)複数のアミン官能基、(a)(ii)複数のアルコール官能基、(a)(iii)複数のカルボン酸官能基、又は(a)(iv)それらの組み合わせのうち少なくとも1つを含む脂肪族モノマーを提供するステップ;ジイソシアネートを提供するステップ;トリヨードベンゼンモノマー、GBCA、脂肪族モノマー、及びジイソシアネートを溶液に混合するステップ;溶液から熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを形成するステップ;を含む方法。
例2a:トリヨードベンゼンモノマーは、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(ATIPA)、ジアトリゾ酸、イオヘキソール、トリヨードフェノール、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの第1のメンバーを含み;脂肪族モノマーは、1,2,6-ヘキサントリオール(HT);2-ブチル-2-エチル-プロパンジオール(BEP);3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD);ジエチレングリコール(DEG);トリエチレングリコール(TEG);トリエタノールアミン(TEA);テトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン(HPED);グリセロール;トリメチロールプロパン;トリメチロールメタン;1,2,4-ブタントリオール;1,2-ジアミノプロパン;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;1,8-ジアミノオクタン;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-ジアミノ-2-プロパノール;アスパラギン酸;又はそれらの組み合わせ;を含む群から選択される少なくとも1つの第2のメンバーを含み;ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI);イソホロンジイソシアネート;l,3,4-トリイソシアネート-2,4,6-トリメチルベンゼン;トルエンジイソシアネート;メチレンジフェニルジイソシアネート;又はそれらの組み合わせ;を含む群から選択される少なくとも1つの第3のメンバーを含む、例1aの方法。
例3a:少なくとも1つの第2のメンバーは、HT;BEP;MPD;DEG;TEG;TEA;HPED;グリセロール;トリメチロールプロパン;トリメチロールメタン;1,2,4-ブタントリオール;又はそれらの組み合わせ;を含む群から選択される、例2aの方法。
例4a:少なくとも1つの第2のメンバーは、1,2-ジアミノプロパン;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;1,8-ジアミノオクタン;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール;又はそれらの組み合わせ;を含む群から選択される、例2aの方法。
例5a:少なくとも1つの第3のメンバーは、HDI;TMHDI;イソホロンジイソシアネート;又はそれらの組み合わせ;を含む群から選択される、例2a~4aのいずれかの方法。
例6a:少なくとも1つの第3のメンバーは、l,3,4-トリイソシアネート-2,4,6-トリメチルベンゼン;トルエンジイソシアネート;メチレンジフェニルジイソシアネート;それらの組み合わせ;を含む群から選択される、例2a~4aのいずれかの方法。
例7a:少なくとも1つの第1のメンバーはATIPAを含む、例2a~6aのいずれかの方法。
例8a:GBCAはガドペンテト酸(GPA)を含む、例2a~7aのいずれかの方法。
例9a:少なくとも1つの第2及び第3のメンバーを少なくとも1つの第1のメンバーと架橋するステップを含む、例2a~7aのいずれかの方法。
例10a:溶液からSMPフォームを形成するステップは、化学的な発泡剤として少なくとも1つの第1のメンバーを利用することを含む、例2a~9aのいずれかの方法。
例11a:脂肪族モノマーは、HT;BEP;MPD;DEG;TEG;TEA;HPED;グリセロール;トリメチロールプロパン;トリメチロールメタン;1,2,4-ブタントリオール;1,2-ジアミノプロパン;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;1,8-ジアミノオクタン;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-ジアミノ-2-プロパノール;アスパラギン酸;又はそれらの組み合わせ;を含む群から選択される少なくとも1つの第4のメンバーを含む、例2a~10aのいずれかの方法。
例1b:ヨウ素及びガドリニウム含有熱硬化性オープンセル形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムであって、SMPフォームは、X線でも可視であり、磁気共鳴(MR)でも可視であり;(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である、システム。
例2b:ヨウ素は、トリヨードベンゼンモノマーに含まれており、ヨウ素及びガドリニウムはいずれもSMPフォームのポリマーネットワーク内で共有結合している、例1bのシステム。
例3b:二次状態にあるSMPフォームは、50から500mg/mlのヨウ素を有する、例1~2bのいずれかのシステム。
例4b:一次状態にあるSMPフォームは、0.1g/cc未満の密度を有し、SMPフォームは、30から100°Cの乾燥ガラス転移温度(Tg)を有する、例1~3bのいずれかのシステム。
例5b:SMPフォームは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、例1~4bのいずれかのシステム。
例1c:組織から細胞を取り除くために生検を行うステップ;生検を行うステップに応答して組織内に空隙を形成するステップ;空隙内に第1の導管を位置づけるステップ;第1の導管から空隙に形状記憶ポリマー(SMP)フォームを展開して、空隙を少なくとも部分的に密封するステップ;X線を使用してSMPフォームを画像化するステップ;磁気共鳴(MR)を使用してSMPフォームを画像化するステップ;を含む方法であって、SMPフォームは、多孔性でオープンセルの、部分的に網状の熱硬化性フォームであり;SMPフォームは:(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合しており;(a)SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である、方法。
例2c:空隙内に第2の導管を位置づけるステップ;SMPフォームを空隙内に展開する前に、第2の導管内に第1の導管を挿入するステップ;を含む、例1cの方法。
例3c:生検を行う前に組織内に第2の導管を挿入するステップ;第2の導管内に細胞を位置づけるステップ;細胞が導管内に位置している間に、組織から細胞を分離するステップ;を含む、例2cの方法。
例4c:MRを使用してSMPフォームを画像化する1週間以上前に、X線を使用してSMPフォームを画像化するステップを含む、例3cの方法。
例5c:MRを使用してSMPフォームを画像化するときに、SMPフォームを基準マーカーとして使用するステップを含む、例4cの方法。
上述の本発明の実施形態に関する説明は、例示及び説明の目的で提示されている。これは、本発明を網羅すること又は開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。この説明及び添付の特許請求の範囲には、左、右、上部、底部、上、下、上方、下方、第1、第2等、説明目的にのみ使用され、限定的であるとは解釈されない用語が含まれてもよい。例えば、相対的垂直位置を指定する用語は、基板の一側面がその基板の「上部」表面である状況を指し;基板の「上部」側が標準的な地球基準座標系における「底部」側より低くてもよく、依然として「上部」という用語の意味の範囲内にあるように、基板は実際には任意の向きにあってもよい。本明細書(特許請求の範囲を含む)において使用される場合「上」という用語は、別段の定めがない限り、第2の層の「上」にある第1の層が、第2の層の上にじかにあり且つ直接第2の層に接触していることを示すものではなく;第1の層と、第1の層の上にある第2の層との間に第3の層又は他の構造体が存在してもよい。本明細書において記載される装置又は製品の実施形態は、多くの位置及び向きで製造、使用、又は輸送することができる。当業者は、上記の教示に照らして、多くの修正及び変更が可能であるということを正しく理解することができる。当業者は、図において示されている様々な構成要素について、様々な同等の組み合わせ及び置換を認識することになる。従って、本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、正しくは本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることを意図している。
Claims (21)
- 熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォームを含むシステムであって、
前記SMPフォームは、(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合されており、
(a)前記SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)前記SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である、システム。 - 前記SMPフォームは、放射線不透過性である、請求項1に記載のシステム。
- 前記SMPフォームは、脱イオン水よりもMRI可視性が高く、魚油よりもMRI可視性が低い、請求項1又は2に記載のシステム。
- 前記SMPフォームが、前記圧縮された二次状態にあるとき、前記SMPフォームは、X線可視性及び磁気共鳴画像法(MRI)可視性を同時に有する、請求項1に記載のシステム。
- 前記SMPフォームが、前記膨張された一次状態にあるとき、前記SMPフォームは、X線可視性及びMRI可視性を同時に有する、請求項4に記載のシステム。
- 前記ヨウ素は、トリヨードベンゼンモノマーに含まれている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記トリヨードベンゼンモノマーは、(a)5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(ATIPA)、(b)ジアトリゾ酸、(c)イオヘキソール、(d)トリヨードフェノール、又は(e)それらの組み合わせのうち少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
- 前記SMPフォームを横切るバックボーンを含み、前記バックボーンはポリマーフィラメントを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
- 前記バックボーンは金属を含まない、請求項8に記載のシステム。
- 前記GBCAはガドペンテト酸(GPA)を含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
- 生検シールシステムを含み、
前記生検シールシステムは導管を含み、
前記SMPフォームは前記導管内に含まれており、
前記SMPフォームは、生検路を密封するように構成されている、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。 - ロッドを含み、
前記導管は最小内径を含み、
前記ロッドは最大外径を含み、
前記最大外径は前記最小内径よりも小さく、
前記ロッドは、前記SMPフォームを前記導管から押し出すために前記導管内で滑るように構成されている、請求項11に記載のシステム。 - さらなる熱硬化性SMPフォームを含み、
前記さらなるSMPフォームは、(a)ヨウ素、及び(b)GBCAの両方に化学的に結合されており、
(a)前記さらなるSMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)前記さらなるSMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である、請求項11又は12に記載のシステム。 - 前記導管は前記さらなるSMPフォームを含む、請求項13に記載のシステム。
- 前記SMPフォームは、脂肪族モノマー及びジイソシアネートの反応生成物であり、
前記脂肪族モノマーは、1,2,6-ヘキサントリオール(HT);2-ブチル-2-エチル-プロパンジオール(BEP);3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD);ジエチレングリコール(DEG);トリエチレングリコール(TEG);トリエタノールアミン(TEA);テトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン(HPED);グリセロール;トリメチロールプロパン;トリメチロールメタン;1,2,4-ブタントリオール;1,2-ジアミノプロパン;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;1,8-ジアミノオクタン;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-ジアミノ-2-プロパノール;アスパラギン酸;又はそれらの組み合わせ;のうち少なくとも1つを含み、
前記ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI);イソホロンジイソシアネート(IPDI);l,3,4-トリイソシアネート-2,4,6-トリメチルベンゼン;トルエンジイソシアネート;メチレンジフェニルジイソシアネート;又はそれらの組み合わせ;のうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記SMPフォームは、摂氏37度を超える乾燥Tg及び摂氏37度を下回る湿潤Tgを有する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のシステム。
- 生検シールシステムを含むシステムであって、
前記生検シールシステムは、(a)放射状に圧縮される、多孔性でオープンセルの、部分的に網状の熱硬化性形状記憶ポリマー(SMP)フォーム、及び(b)前記SMPフォームを含む導管を含み、
前記SMPフォームは、(a)ヨウ素、及び(b)ガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の両方に化学的に結合しており、
(a)前記SMPフォームは、熱刺激に応答して、圧縮された二次状態から膨張された一次状態に膨張するように構成されており、さらに、(b)前記SMPフォームは、ポリ(ウレタン-尿素-アミド)である、システム。 - 前記ヨウ素は、トリヨードベンゼンモノマーに含まれており、前記ヨウ素及びガドリニウムはいずれも前記SMPフォームのポリマーネットワーク内で共有結合している、請求項17に記載のシステム。
- 前記二次状態にあるSMPフォームは、50から500mg/mlのヨウ素を有する、請求項17又は18に記載のシステム。
- 前記一次状態にあるSMPフォームは、0.1g/cc未満の密度を有し、
前記SMPフォームは、30から100°Cの乾燥ガラス転移温度(Tg)を有する、請求項17乃至19のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記SMPフォームは、ポリカプロラクトン(PCL)を含む、請求項17乃至20のいずれか一項に記載のシステム。
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