JP2023543948A - 表面電極 - Google Patents

Abstract

皮膚の上で使用するための表面電極、前記表面電極は、電圧及び／又は電流源に接続可能な電極ユニット（１０）を備える。各電極ユニット（１０）は、前面（１２ａ）及び裏面（１２ｂ）を含む基板（１２）、及び前記基板（１２）の前記前面（１２ａ）に配設されているコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）であって、前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）間に自由空間容積（１１１）が形成されるように互いに離れて空間を空けられており、各コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、前記基板（１２）と接続されている近位端（１１ｂ）、前記皮膚に接触するように構成されている遠位端（１１ａ）、及び前記近位端（１１ｂ）及び前記遠位端（１１ａ）の間の中央部分（１１ｃ）を含む、コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）を有し；前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）は、前記単一のコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）内で、前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）の太さ（Ｔ）が、前記中央部分（１１ｃ）の太さ（ｔ）よりも大きくなるように設計されている。

Description

本発明は、頭部、腕部、脚部、袋（ｂａｇ）、臓器、組織、及び／又は組織細胞、例えば、脳、神経系、神経細胞、筋肉、皮膚、表皮などを含む、所望の身体部位の電気刺激を含む非侵襲性電気刺激のための表面電極に関する。

表面電極は、電源を構成する刺激ユニットに接続可能なデバイスである。電気刺激の間、表面電極は、皮膚の外部表面に留まって、それが接続されている刺激ユニットと皮膚組織のインターフェースとなることにおいて、重要な役割を果たす。表面電極は、皮膚に取り付けられ得、例えば、頭部に使用するための電極は、キャップ又はヘッドバンドを用いて取り付けられ得る。典型的には一連の電気的な波形からなる電流が、実質的に神経構造の上にある皮膚に置かれている表面電極に印加されると、２つの電極（アノード及びカソード）及びイオンの間に電場が発生し、所望の場所の身体部位又は組織に電流を生成する。

換言すれば、表面電極は、電流が下にある組織へと通過する端子を構成する。電極‐組織界面においては、（刺激ユニットから電極を通して駆動される）電子の電流、及び組織中のイオンの電流の間で、変換が発生する。

表面電極の設計は、皮膚熱傷がないこと及び皮膚炎症を最小化すること含む電気刺激中の適正なユーザの皮膚感覚と共に、その表面電極のデザインが身体の目的要素を通した電流の流れの形状を定めるような、身体の目的要素の適正な電気刺激を目指す。

所与の治療要件に応じて、表面電極は、低いインピーダンスに最適化される。高すぎるインピーダンスは、高電圧につながり、皮膚の炎症を増加させること、続いて皮膚熱傷をもたらす。

表面電極は、様々な形状であることができ、典型的な形状は、スナップ、ピン、ペレット、ディスク、シート、又はメッシュを含み、電極本体は、金属又は導電性ゴムから作製される。電極の形状は、用途に対して調節されることができる。概して、電極サイズが小さいほど、電流密度が高くなる。このように、電極サイズは、刺激電流／電圧の最大振幅を限定するファクターである。

表面電極を用いた電気刺激の重要な態様は、電極‐組織界面で使用される導電性媒体である。好ましい導電性媒体は、生理食塩水、導電性ペースト、又は導電性ゲルなどの、典型的には、液体、半流動体、又は固体の形の電解質である。導電性媒体は、ユーザの皮膚及び電極本体の間に導電層を形成して、電極からの電子をそこで適切なイオンに変換することを提供する。導電層は、皮膚の炎症及び熱傷を回避するために、電気刺激の全周期の間、存在するべきである。しかしながら、このことは、電気刺激の継続時間の間に導電性媒体が蒸発して、導電層に不連続性を引き起こす可能性があるので、実現するのが困難である。表面電極の組立体は、典型的には、導電性媒体を連続的な導電層の形で保持するための保持手段を備える。保持手段は、典型的には、導電性媒体が浸み込んだスポンジ材料を含む。それでもなお、後者は、生理食塩水の蒸発により、生理食塩水投与の新鮮な投与量を周期的に送給することを必要とし、スポンジに生理食塩水を送給することに様々な技術的困難を課す。

さらに、導電性媒体を備える粘着性電極が存在し、ゲル又はヒドロゲルが、電極表面を覆うように導電層の中に形成されている。この導電層は、剛性のあるものであり、直接又は粘着剤を用いて電極表面に取り付けられ得る。

その上さらに、外部の導電性媒体を使用しない乾式電極が存在する。その代わり、乾式電極は、ユーザの皮膚からの汗を使用する。これらの電極は、高インピーダンスでの動作に最適化されている。しかしながら、高インピーダンスの解決策は、生体信号記録では合理的に上手く動作し得るが、電気刺激の場合には、高インピーダンス電極間での電流の流れを使用することは、高電圧につながり、皮膚の炎症を増加させること、続いて皮膚熱傷をもたらす。特に、乾式電極のインピーダンスは、皮膚に電極を位置付けた後に短時間で高くなり、そうして電気刺激を開始する可能性さえ限定する。いくらかの時間の後、発汗によりインピーダンスはよりよくなり、汗が導電性媒体として作用し得る。

良好な品質の表面電極運転モードは、電極、導電性媒体、及び皮膚の間に実質的に大きな接触表面を提供することによって、さらに達成される。しかしながら、このことは、典型的には電極形状が不均一な身体形状に対応しないため、実現するのが困難であり、上述の接触表面をかなり減少させる毛の存在により、頭皮領域などの有毛皮膚領域において、例えば脳の電気刺激中に、さらに損なわれる場合さえある。

表面電極運転の上記の態様、すなわち、必要とされる大きな接触表面（電極／導電性媒体／皮膚）と共に、皮膚への導電性媒体の適正な塗布、及び最も好ましくは全電気刺激の間での、形成された導電層の長期にわたる維持は、重要なファクターであり、これらは、適正に組み合わされた場合、必要とされる適用時間において選択されたインピーダンスレジームと一緒に皮膚炎症を最小化することを含む、表面電極の良好な運転モードを確実にすることができる。

表面電極の既知の体系の中でも、頭皮適用及び脳の電気刺激、特に、脳損傷を有する患者の神経調節、並びに大うつ病性障害のような様々な精神病状態の電気刺激のための、既知の経頭蓋刺激電極がある。電気刺激中に、電極は、刺激ユニット、すなわち表面電極を介しさらに導電性媒体の層を介して組織まで、実質的に経皮的に送達される刺激電流又は電圧を発生させる電流又は電圧発生器と、電気的に接触して留まる。導電性媒体が、頭毛の上に均一に分布することを必要とするので、この経頭蓋電極は、生理食塩水が浸み込んだスポンジを備える可能性、又はそれは、導電性媒体の導電層を形成するための導電性ペーストを備える可能性のいずれもある。導電性媒体の導電層を適正に形成することにより、電極は、低インピーダンス運転モードを実現することが可能になる。それでもなお、所望の導電性媒体の導電層を準備するための過程は、複雑で時間がかかるものであり、並びに、それは、高い資質があり経験豊富な医療従事者の雇用を必要とする。したがって、電極の準備及び設置は、ケアのポイント、例えば病院においてのみ実施されることができる。

有毛皮膚領域、特に密な及び／又は長い毛の存在するところに、表面電極を適正に位置付けることは、非常に困難である。毛は、皮膚及び電極の間に望ましくない追加の層を形成し得、さらに、電気刺激の間、連続的な導電性媒体の導電層の形成及び維持に影響を及ぼす。典型的には、平坦な電極をこの状態に適用するのは困難である。代替的に、通常は、共通の基板に取り付けられてブラシ又はくし状のデザインを形成しているピン状又はスパイク状の形状の複数のコンポーネント又はコンポーネント電極の電極ユニットとして設計される、新たなデザインの電極が提案された。このデザインは、複数のコンポーネント電極を毛間に位置付けることができるので、適用が容易になる。

それでもなお、ブラシ状又はくし状のデザインの表面電極は、主に、皮膚‐電極界面の面積へと導電性媒体を塗布すること、さらに、電荷の適正な伝送を提供するため、及び皮膚の炎症及び熱傷を回避するために全電気刺激の間に導電層を維持することに関連付けられた様々な問題に出くわす。さらに、ピン又はスパイクの接触面積が限定されているため、コンポーネント電極の使用は、インピーダンスの望ましくない増加及び過剰な電流密度につながって、低いシミュレーション快適性、及び／又は皮膚損傷をもたらす可能性がある。共通の基板に取り付けられているコンポーネント電極のユニットが、剛性があり身体形状に適合しない可能性があるので、皮膚と電極の不均一な接触によって、この欠点はさらに増幅され得る。

特許文献より、電気刺激のための様々な既知のデザインの表面電極がある。

欧州特許公開第３１４２７４４号明細書は、第１の緩和状態及び第２の膨張状態を有する超多孔質の親水性材料からなる経頭蓋刺激電極を記載している。後者の状態では、超多孔質の親水性材料は、少なくとも１つの毛を少なくとも部分的に囲むように割れやすいものである。電流は、電極表面から親水性材料を通して有毛皮膚に駆動される。電極の超多孔質の親水性材料は、重合アクリル酸、重合スルホプロピルアクリレートカリウム塩、重合メチレンビスアクリルアミドなどの、添加物を有する重合アクリルアミドを備える。

米国特許出願公開第２０１４／２１３８７５号明細書は、導電性ゲルの量を通して患者に適用されるべき除細動ショックのために皮膚表面で使用するための電極デバイスを記載している。デバイスは、導電性材料から作製されており、電極ユニットのコンポーネント電極として機能する複数の突出部、例えばロッド形状の突出部を有する少なくとも１つの電極ユニットからなる。電極ユニットの各々には、電極ユニットからある特定の距離で配置されている容器から、導管を介して送達される導電性ゲルが供給される。突出部の各々は、その長さ全体に沿って一定の太さを有する。

国際公開第２０１６／０７７２３６号は、皮膚適用のための衣服の形での電極デバイスを記載している。デバイスは、その第１の表面を介して衣服に取り付けられている電極を備える。電極の第２の表面は、その衣服が着用されたときに、ユーザの皮膚の一部に接触して置かれるようになる。電極は、皮膚に粘着するために、平坦な形の導電層をとる。

スペイン国特許出願公開第２６１８８３８号明細書は、患者に活性物質を経皮適用するためのデバイスを記載している。デバイスは、患者の皮膚内に、小さな開口部（又は微細孔）を実行することができる。デバイスは、使い捨ての基板、基板の上部及び下部表面の間を延びる導管、導管に接続されているダクト、粘着防止ライニング、及び脱着可能な粘着テープからなる。このデバイスは、電流の流れを提供するための電極を備えず、それによって、それは、非侵襲性電気刺激のための表面電極に関連するトピックスから除かれた技術分野に入る。

米国特許出願公開第２０１９／３７４７６６号明細書は、電気刺激をユーザに提供するためのシステムを記載している。システムは、それらの長さに沿って実質的に一様な太さを有するコンポーネント電極のアレイを有する電極ユニットからなる。各コンポーネント電極は、システムの動力源に導電性接続を提供するように構成されている流体吸収材料を備える湿式電極接触として機能する透過性の本体である。任意選択で、コンポーネント電極は、例えば可撓性のスポンジ、ヒドロゲル、又は形状記憶のポリマーの形で、変形可能な要素を備えてもよい。これらの要素は、所望の量の導電性媒体をユーザの皮膚に近接して維持することになっている。

米国特許出願公開第２０１４／２４９６１３号明細書は、接続手段を介して制御ユニットと電気的に結合されている複数の治療用電極から作られている医療デバイスを記載している。電極は、治療用の除細動ショックを患者に送達することができる。電極は、生地に組み込まれている導電性スティッチングから作製されている。このように、デバイスは、電極の遠位及び近位端を提供するように基板から突出する電極状のコンポーネントを備えない。

上記の欠点を考慮して、本発明は、接触面積：電極／導電性媒体の導電層／皮膚が改善され、同様に、治療の初め並びに長期の場合のいずれでも全電気刺激周期の間に、導電性媒体のその導電層の形成及び維持が容易になる、表面電極を開発することを目指す。さらに、本発明は、操作が簡略化された表面電極を提供して、ユーザが、個別の考慮事項に応じて、例えば医療監督の下で又は純粋に医療指示でのみ、家庭の状態で、その表面電極を使用できるようにすることを目指す。

１つの態様では、本発明は、皮膚の上で使用する表面電極、前記表面電極が、電源に接続可能な電極ユニット１０を備える、に関する。各電極ユニット１０が、前面１２ａ及び裏面１２ｂを含む基板１２、及び前記基板１２の前記前面１２ａに配設されているコンポーネント電極１１であって、前記コンポーネント電極１１間に自由空間容積１１１が存在するように互いに離れて空間を空けられており、各コンポーネント電極１１が、前記基板１２と接続されている近位端１１ｂ、前記皮膚に接触するように構成されている遠位端１１ａ、及び前記近位端１１ｂ及び前記遠位端１１ａの間の中央部分１１ｃを含む、コンポーネント電極１１を有する。

別の態様では、本発明は、皮膚の上で使用する表面電極、前記表面電極が、電源に接続可能な電極ユニット１０であって、各電極ユニット１０が、前面１２ａ及び裏面１２ｂを含む基板１２、及び前記基板１２の前記前面１２ａに配設されているコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２であって、前記コンポーネント電極１１間に自由空間容積１１１が存在するように互いに離れて空間を空けられており、各コンポーネント電極１１が、前記基板１２と接続されている近位端１１ｂ、前記皮膚に接触するように構成されている遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ、及び前記近位端１１ｂ及び前記遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの間の中央部分１１ｃを含む、コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２を有する電極ユニット１０を備え；前記単一のコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２内で、前記遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの太さ（Ｔ）が、前記中央部分１１ｃの太さ（ｔ）よりも大きく、前記コンポーネント電極１１が、非膨張可能材料で作製されている、に関する。

前記単一のコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の前記遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａが、このコンポーネント電極１１の前記中央部分１１ｃの前記太さ（ｔ）よりも少なくとも２倍大きな太さ（Ｔ）を有することが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１が、球、半球、ロール、円柱、スティック状の形状、ピン状の形状、スパイク状の形状、及びピラミッド形状からなる群から独立して選択される形状の前記遠位端１１ａを有することが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．２が、キノコ状の形状の遠位端１１．２ａを有することが好ましい。

前記単一の電極ユニット１０内のすべてのコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が、同じ形状の遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａを有することが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の前記中央部分１１ｃが、前記中央部分１１ｃの前記太さ（ｔ）の半分を画定する半径（ｒ）の円柱の形状を有することが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の前記遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａが、前記皮膚に接触するための凸面を有し、前記凸面が、前記凸面の曲率半径（Ｃ）によって画定されていることが好ましい。

前記単一のコンポーネント電極１１内で、前記コンポーネント電極１１の前記遠位端１１ａ、１１．１ａが、前記遠位端１１ａ、１１．１ａの前記太さ（Ｔ）の半分を画定している半径（Ｒ）をもつ球の形状を有し、前記半径（Ｒ）が、前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ）の前記表面の前記曲率半径（Ｃ）に等しく、前記曲率半径（Ｃ）が、前記中央部分１１ｃの前記半径（ｒ）よりも少なくとも２倍大きいことが好ましい。

前記単一のコンポーネント電極１１．２内で、前記コンポーネント電極１１．２の前記遠位端１１．２ａが、前記遠位端１１．２ａの前記太さ（Ｔ）の半分を画定している半径（Ｒ）をもつキノコ状の形状を有し、前記半径（Ｒ）が、前記遠位端１１．２ａの前記表面の前記曲率半径（Ｃ）よりも小さく、前記曲率半径（Ｃ）が、前記中央部分１１ｃの前記半径（ｒ）よりも少なくとも２倍大きいことが好ましい。

前記単一の電極ユニット１０内で、前記表面電極が、２つの隣接する遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ間に１～５ｍｍの隙間が存在するように離れて空間を空けられているコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２を備え、その結果毛が、導入され、前記自由空間容積１１１から取り除かれ得ることが好ましい。

前記表面電極が、前記自由空間容積１１１に導電性媒体を供給するためのシステム２をさらに備え、前記システムが、前記基板１２の前記裏面１２ｂに配置されているマニホールド２０を有し、前記マニホールド２０が、前記導電性媒体を前記コンポーネント電極１１に供給するために前記基板１２に前記裏面１２ｂから前記前面１２ａまで配置されている出口管２２で終端されているダクト２１を含むことが好ましい。

前記電極ユニット１０が、前記マニホールド２０及び前記基板１２の間に配設され前記基板の前記裏面１２ｂに面している変形可能な層３０に配置されており、前記変形可能な層３０が、前記出口管２２を前記変形可能な層３０の１つの面から他方の面まで配設するための開口部を有することが好ましい。

前記マニホールド２０が、締結手段２３、１２１によって、前記基板１２と接続されていることが好ましい。

前記表面電極が、少なくとも２つの電極ユニット（１０）を備えることが好ましい。

１つの電極ユニット１０が、少なくとも４つのコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２を有することが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が、導電性ポリマーで作製されていることが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が、金属又は金属合金で作製されていることが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が、ステンレス鋼、又は金、又は塩化銀で被覆した銀で作製されていることが好ましい。

導電性媒体を供給するための前記システム２が、導電性媒体用の容器２４と接続されていることが好ましい。

導電性媒体を供給するための前記システム２が、前記容器２４から前記出口管２２に前記導電性媒体を送給するためのポンプを有することが好ましい。

前記変形可能な層３０が、綿、ポリアミド、ポリエステル、及び革からなる群から選択される少なくとも１つの材料で作製されていることが好ましい。

前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が、前記基板１２の一体部品であることが好ましい。

任意選択で、前記コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が、前記基板１２に取り付けられていることが好ましい。

前記コンポーネント電極１１が、球、半球、ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状の形状、及びピラミッド形状からなる群から選択される形状である遠位端太さ（Ｔ）の前記遠位端１１ａ、中央部分太さ（Ｔ）の前記中央部分１１ｃ；及びロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状の形状、及びピラミッド形状からなる群から選択される形状である近位端１１ｂを有することが好ましい。

本明細書に示されている本発明のこれらの及び他の目的は、本明細書で説明する表面電極を提供することによって達成される。本電極のさらなる詳細、その技術的特徴、及び様々な利点は、図面に示す好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、より明らかになる。

本発明による表面電極の電極ユニットを示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットを示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットを示す図である。 コンポーネント電極が配置されている電極ユニットの基板を示す図である。 コンポーネント電極が配置されている電極ユニットの基板を示す図である。 コンポーネント電極が配置されている電極ユニットの基板を示す図である。 コンポーネント電極が配置されている電極ユニットの基板を示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの導電性媒体を供給するためのシステムを示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの導電性媒体を供給するためのシステムを示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの導電性媒体を供給するためのシステムを示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの導電性媒体を供給するためのシステムを示す図である。 本発明による表面電極の一実施形態を示す図である。 本発明による表面電極の動作原理を概略的に示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの例示的な締結手段、並びに外部の導電性媒体容器を示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの例示的な締結手段、並びに外部の導電性媒体容器を示す図である。 本発明による表面電極の電極ユニットの例示的な締結手段、並びに外部の導電性媒体容器を示す図である。 本発明による表面電極のコンポーネント電極の実施形態を示す図である。 本発明による表面電極のコンポーネント電極の実施形態を示す図である。

表面電極は、少なくとも１つの電極ユニット１０、より好ましくは、複数の電極ユニット１０を備える。電極ユニット１０の各々は、図１に示すように、好ましくは各々同じ長さであり共通の基板１２に配設されている複数のコンポーネント電極１１を備える。基板１２は、コンポーネント電極１１が配置されている前面１２ａ、及び裏面１２ｂを備える。

図３及び図４に示すように、表面電極は、複数の電極ユニット１０、例えば、２つの電極ユニット１０、３つの電極ユニット１０、４つの電極ユニット１０、又は４つよりも多い電極ユニット１０を備え得、各ユニット１０は、複数のコンポーネント電極１１を備える。

各電極ユニット１０のコンポーネント電極１１は、基板１２から同じ方向に突出し、それによってブラシ状の構造を形成する。各コンポーネント電極１１は、基板１２と接続されている近位端１１ｂ、基板１２の外側に突出している遠位端１１ａ、及びコンポーネント電極１１の遠位端１１ａ及び近位端１１ｂの間の中央部分１１ｃを備える。遠位端１１ａは、所望の治療領域において、皮膚に適用されるべき表面電極の動作面積を共に決定する。

単一の電極ユニット１０内のコンポーネント電極１１のレイアウトは、様々な形、例えば、図１に示すように、コンポーネント電極１１の１つ又は１つより多い列が、さらに直列又は並列に配置され、コンポーネント電極１１が、正方形のレイアウトの面：５×５のコンポーネント電極１１を共に形成する形をとってもよい。

コンポーネント電極１１の遠位端１１ａは、図６Ａ、６Ｂに概略的に示すように、好ましくは、球１１．１ａ、半球、ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状、キノコ状の形状（球状セグメント）１１．２ａ、及びピラミッド形状からなる群から選択される、様々な形状であり得る。コンポーネント電極１１の近位端１１ｂは、好ましくは、ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状、及びピラミッド形状からなる群から選択される、様々な形状であり得る。コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の中央部分１１ｃは、回転体の形状、例えば円柱形状であり得る。

図１Ｄ及び図６Ａ、６Ｂに概略的に示すように、単一のコンポーネント電極１１内では、その遠位端１１ａの太さ（Ｔ）は、その中央部分１１ｃの太さ（ｔ）よりも大きい。太さ（Ｔ、ｔ）は、例えば、遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ及び中央部分１１ｃのサイズ又は半径によって、それぞれ表され得る。このように、例えば遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの球、円、円柱、又はキノコ状の形状の場合、単一のコンポーネント電極１１の遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの半径（Ｒ）は、その中央部分１１ｃの半径（ｒ）よりも大きい場合があり、図６Ａに概略的に示すように、コンポーネント電極１１．１は、球の形状の遠位端１１．１ａを有し、図６Ｂでは、コンポーネント電極１１．２は、キノコ状の形状の遠位端１１．２ａを有する。単一のコンポーネント電極１１内で、遠位端（１１ａ）の半径（Ｒ）は、中央部分１１ｃの半径（ｒ）よりも２～５倍大きいことが好ましく、例えば、遠位端１１ａの半径（Ｒ）は１．５ｍｍであり得、中央部分１１ｃの半径は０．５ｍｍであり得る。（言及した範囲内の）コンポーネント電極１１の遠位端１１ａの太さ（Ｔ）は、表面電極が毛を通して挿入されるのに十分小さく、毛間で妥当な皮膚‐電極接触を提供するのに十分大きい。遠位端１１ａの表面の面積がより大きい、例えば太さ（Ｔ）＞５ｍｍであると、皮膚と接触したときに、コンポーネント電極の下に毛を集めることにつながって、インピーダンスの増加につながり得る。また、遠位端１１ａの表面の面積がより小さい、例えば太さ（Ｔ）＜０．８ｍｍであるコンポーネント電極を用いると、皮膚と接触したときに、低接触面積によりインピーダンスの増加につながり得る、及び／又は皮膚への圧力を増加させることにより不快感を引き起こし得る。

大きな接触面積：電極／導電性媒体／皮膚が、遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａによって提供されるにもかかわらず、遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの太さ（Ｔ）よりも小さい中央部分１１ｃの太さ（ｔ）により、毛を割り当てることができるより大きな空間がもたらされる。このように、遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの太さ（Ｔ）が十分に大きいことは、表面電極のより大きな動作面積につながる一方、中央部分１１ｃの太さ（ｔ）がより小さいことは、毛のためにコンポーネント電極１１間に形成されるそれぞれの自由空間容積１１１、すなわち表面電極を有毛皮膚領域に位置付けている間に毛が割り当てられ得る容積を提供する。このため、毛は、中央部分１１ｃ間に、コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の横方向に延びる（すなわち、より幅広い）遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａにわたって集められる。それによって、毛は、表面電極の運転中にインピーダンスの増加を引き起こさない。

コンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａは、皮膚と接触するための凸面を有し、前記凸面が、前記凸面の曲率半径（Ｃ）（図６Ａ、６Ｂ）によって画定されていることが好ましい。さらに、球の形状１１．１ａ、半球、又はキノコ状の形状１１．２ａなどの凸面形状の遠位端１１ａの場合、遠位端の凸面の曲率半径（Ｃ）が大きいほど、電極／導電性媒体／皮膚の接触面積が大きくなる。

キノコ状の形状の遠位端１１．２ａを有するコンポーネント電極１１．２の好ましい実施形態（図６Ｂ）では、曲率半径（Ｃ）は、少なくとも３ｍｍ又はそれより大きい場合があり、遠位端１１．２ａの半径（Ｒ）は、１．５ｍｍに等しく、中央部分１１ｃの半径（ｒ）は、０．５ｍｍに等しい。くそのような曲率半径（Ｃ）の寸法により、すべてのコンポーネント電極１１．２、及びそれにより電極ユニット１０が、特に頭皮などの有毛皮膚領域において、接触面積の改善を実現することができる。すなわち、キノコ状の形状の遠位端の場合には、曲率半径（Ｃ）は、遠位端１１．２ａの半径Ｒと比較して十分大きく、自由空間容積１１１は、実質的に大きく維持され、電極／皮膚の接触面積において維持されるある特定の曲率（Ｃに起因する）により、電極の位置付け中に、人が妨げられないで毛を取り上げることができる。上記に加えて、キノコ状の遠位端１１．２ａは、Ｒ値がＣ値に等しい球形状１１．１ａのそれらと比較して、実質的に短い。このことは、電極ユニット１０全体を、さらに毛を積載可能なものにし、毛を隣接するコンポーネント電極１１の遠位端１１．２ａ間の自由空間容積１１１へと導入することが容易になる。

さらに、中央部分１１ｃの太さ（ｔ）よりも大きなその遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａの太さ（Ｔ）を有するコンポーネント電極１１の形状は、比較的より密な配置のコンポーネント電極１１を表面に提供し、皮膚との接触面積が改善されるようになり、同時に、毛のための自由空間容積１１１を実質的に大きく維持する。このことは、より低いインピーダンス、及び表面電極によって覆われている皮膚の面積内のより規則的な分布の電流密度（各コンポーネント電極１１の接触面積でのより低い電流密度）を提供する。このことは、今度は、本開示による表面電極の使用において、改善された快適性及び安全性を提供する。ユーザは、インピーダンスがより低いことから結果として実現されるより低い電圧、及びそれぞれの接触面積：電極／皮膚でのより低い電流密度により、電流を感じない（又は、無視できるほどのレベルでしかそれを感じない）。このことは、皮膚熱傷のリスクをさらに減少させる又は排除さえする。

この理由で、様々な形状の拡張された遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａは、表面電極の運転挙動にさらなる改善を提供する。

さらに、表面電極の開発された構造により、毛のための自由空間容積１１１を増加させることが可能になり、それにより例えば図１Ｄに示すように、隣接する遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａは、他方のものに近接し得、互いにある特定の隙間を提供する。例えば、遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａは、１～５ｍｍの隙間によって、互いに空間を空けられ得る。隣接する遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ間のそのような小さなサイズの隙間により、特別なニーズに応じて、単位面積当たりのコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２の密度の増加が可能になる。このように、コンポーネント電極密度は、接触面積：電極／導電性媒体／皮膚が大きいほど、接触インピーダンスが低くなり、皮膚での電流密度が低くなることを考慮して、より柔軟に設計されて、ユーザの快適性及び安全を増大し得る。コンポーネント電極１１の材料で作製されている、コンポーネント電極１１の一体部品としての開発された遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａにより、隙間のサイズは不変のままである。換言すれば、ユーザの電気刺激の前、最中、及び後で、隙間は同じサイズである。

図１Ｄ及び図３に示すように、自由空間容積１１１は、１つの面からは基板１２、及びもう１つの面からはコンポーネント電極１１の遠位端１１ａによって、制限されている。例えば、遠位端１１ａは３ｍｍの長さを有し得、中央部分１１ｃは６ｍｍの長さを有し得る。あるいは、毛がより長い及び／又はより太いユーザによりよく合うように、中央部分の長さを増加させてもよい。遠位端１１ａの長さは、その形状に応じて変動し得る。さらに、遠位端の半径（Ｒ）は、電極ユニット中のコンポーネント電極１１の密度に関連し得、すなわち、遠位端の半径（Ｒ）は、２つの隣接するコンポーネント電極１１間に、特定の空間、それにより特定の隙間、例えば１ｍｍの隙間を提供するように調節され得る。異なる空間値は可能ではあるが、より低い値は、毛が自由容積空間１１１の中に移動するのを妨げ得る一方、より高い値は、単位面積当たりのコンポーネント電極１１の個数を減少させることにより、総接触面積の低下につながり得る。例えば２５．４５Ａ／ｍ^２であり得る表面当たりの最大電流の限界を満たすのに十分な総シミュレーション表面を提供するために、より大きな個数のコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２が必要とされることが好ましい。複数のコンポーネント電極を備えるコンポーネント電極１１、１１．１、１１．２のアレイは、総接触面積：電極／導電性媒体／皮膚を拡大するために用いられる。

さらに、例えば導電性媒体又は汗に由来する湿気と、例えば接触したとき、コンポーネント電極の材料本体は非膨張可能である。それにより、コンポーネント電極のそれぞれの遠位端１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ間の空間によって設けられる隙間は、全電気治療中に不変で留まり、これによって、電気刺激において制御された状態が保証される。また、電気刺激が終了した後、不変である隙間（及びそれにより不変である空間）は、毛の損傷なく表面電極を取り除くことを援助し、そうして、その上さらに増大した快適性をユーザに提供する。

コンポーネント電極１１は、好ましくは導電性及びユーザの身体との生体適合性がある、様々な適切な非膨張可能材料で作製され得る。例えば、コンポーネント電極１１は、ステンレス鋼、例えば劣化過程に対する良好な耐性及び比較的低いインピーダンスを提供する３１６Ｌステンレス鋼で作製され得る。コンポーネント電極１１に適切な材料の別の例は、金、又は塩化銀で被覆した銀である。あるいは、例えば、カーボン又はステンレス鋼の繊維と混合したエチレンプロピレンジエンモノマー（ｅｔｈｙｌｅｎｅ ｐｒｏｐｙｌｅｎｅ ｄｉｅｎｅ ｍｏｎｏｍｅｒ：ＥＰＤＭ）マトリックスなどの、導電性ポリマーが使用されてもよい。

各電極ユニット１０は、電極ユニットが各コンポーネント電極１１との電気的な接続を提供するように電源供給される方法に応じて、電圧源及び／又は電流源である可能性がある電源を構成する刺激ユニットの出力部に、ケーブルなどのコネクタ（わかりやすさのために図面には図示せず）を介して接続可能である。このことは、既知の表面電極構造で用いられるものなど、様々な適切な手段で実現されることができる。それでもなお、本発明によれば、各電極ユニット１０は、独立したコネクタを備え、そうして各電極ユニット１０の独立した電気刺激モードを提供し得る。例えば、電気刺激の実行中に、選択された電極ユニット１０のみが、オンになる又は他の電極ユニット１０とは異なる刺激モードを備え、それによって、表面電極の動作面積の適合を簡略化し、特別なユーザのニーズに対して各電極ユニット１０の刺激電流‐電圧を調節し得る。

図４に概略的に示すように、コンポーネント電極１１の遠位端１１ａ及び皮膚の間に導電層を形成するために、各電極ユニット１０は、コンポーネント電極１１に導電性媒体を供給するためのシステム２をさらに備える。１つの電極ユニット１０の導電性媒体を供給するためのシステム２は、他の電極ユニット１０のそれらから独立して動作し得る、又は表面電極のすべての電極ユニット１０の導電性媒体を供給するためのシステムは、電気刺激のニーズに応じて、協働して動作し得る。各電極ユニット１０の導電性媒体を供給するためのシステム２は、基板の裏面１２ｂ、すなわち突出するコンポーネント電極１１がある前面１２ａと反対側である基板面１２ｂに配置されているマニホールド２０を備える。マニホールド２０は、表面電極の運転状態を乱さないように、表面電極の動作面積とは反対側に配置されている。マニホールド２０は、基板１２にわたって、基板１２材料を通して埋め込まれている出口管２２で各々終端されているダクト２１を備える。各出口管２２は、マニホールド２０から表面電極の動作面積に導電性媒体を送達し、そうして、図４に示すように、導電性媒体の導電層を形成する。

好ましくは液体状態の導電性媒体は、導電性媒体容器２４からマニホールド２０に送給され得る。送給は、ポンプなどの、容器２４からマニホールド２０に導電性媒体を送り込む任意の適切な手段の使用によって達成され得る。表面電極の動作モードの１つ実施形態では、導電性媒体は、電気刺激のセッション当たりに１回のみ、電気刺激の初めに、導電性媒体容器からコンポーネント電極１１に送達される。表面電極の動作モードの別の実施形態では、導電性媒体は、電気刺激セッション全体を通して、所定の投与レジームで、媒体容器からコンポーネント電極１１に送達される。導電性媒体の流量、及びしたがって表面電極の動作面積に投与される導電性媒体の量は、所望のポンプ設定など、様々な手段を用いて調整され得る。導電性媒体は、好ましくは液体状態であり得、例えば、汗などの体液と同様の物理特性を有する生理食塩水が用いられ得る。さらに、導電性媒体を供給するためのシステム２は、例えば、生理食塩水及び空気の混合物などの、エアロゾルの形で、より密度の小さい導電性媒体を動作面積に送給するように構成され得る。あるいは、システムは、例えばゲル状態又は同様で導電性媒体を供給してもよい。

各電極ユニット１０は、電気刺激を受ける全皮膚面積の上に等しい量の導電性媒体を送達し、そうして連続的な導電層を形成するように、図１Ａに示すように、好ましくは基板１２にわたって均一に空間を空けられているいくつかの出口管２２を備え得る。例えば、１つの電極ユニット１０は、４つの出口管２２、又は４つよりも多い出口管２２を備え得る。非常に密な毛の場合には、出口管２２は、電極ユニット１０内で２つおきのコンポーネント電極１１間に配置され得る。ニーズに応じて、電気刺激中に、導電性媒体が周期的又は連続的に滴下で投与されることが好ましい。いくつかの実施形態では、導電性媒体は、電気刺激中に、コンポーネント電極１１、毛、及び表面電極の下に配置されているユーザの皮膚に、効率的及び均一に噴霧するために、高圧力下で供給され得る。

本発明は、特に有毛皮膚領域に適している。電気刺激中に、毛は、コンポーネント電極１１間の自由空間容積１１１の中、すなわち遠位端１１ａを越えて中央部分１１ｃ間に配設されている。導電性媒体は、出口管２２（わかりやすさのために図４には図示せず）から滴下で投与される。導電性媒体は、コンポーネント電極１１の遠位端１１ａ及び皮膚の間に導電層を形成する。蒸発する導電性媒体が、ニーズに応じて、連続又はバッチモードにおいて、その新たな（新鮮な）部分で置換され、それによって全治療中に適正な厚さの導電層を保つので、治療は長期の時間、実施され得る。あるいは、長期の電気刺激セッション中に、導電性媒体は、ユーザの汗によって自然に置換されてもよく、そうして導電性媒体の新たな部分が必要ではなくてもよい。電気刺激中に導電性媒体の供給が必要であるかを検出するために、刺激ユニットによって、電極‐皮膚接触のインピーダンスが測定され得る。

さらに、開発された構造により、表面電極が、身体形状、例えば頭部に適合することができるので、表面電極は、増加した接触面積：電極／導電性媒体の導電層／皮膚を提供する。このことは、材料の変形可能な層３０を介して互いに接続されている電極ユニット１０の存在により、実現される。あるいは、電極ユニット１０は、基板に取り付けられてもよく、複数の基板が、機械的な継手を用いて、互いに変形可能に接続されていてもよい。

詳細には、本発明によれば、電極ユニット１０は、生地、ホイル、又は可撓性及び／又は可鍛性のある材料のシートなどの、材料の変形可能な層３０に取り付けられている。さらに、変形可能な層３０を構成する材料は、キャップ又はバンド、特にヘッドキャップ又はヘッドバンドの一部となって、表面電極を身体部位に安定させるように機能し得る。図３及び図４に概略的に示すように、変形可能な層３０を、１つの面からは電極ユニット１０の基板１２によって、及び変形可能な層３０のもう１つの面からはマニホールド２０によって挟むことにより、変形可能な層３０に対する各電極ユニット１０の取付けが提供される。取付けは、例えば、一対の噛み合い部品、オス部及びメス部を備えるスナップ締結具によって達成され得る。例えば、オス部１２１は、図１Ｄ、１Ｅに概略的に示すように、裏面１２ｂに配置され基板１２の外に突出している中空円柱１２１の形で、基板１２に配置され得る。スナップ締結具のメス部は、マニホールド２０の出口管２２として配置され得る。各出口管２２及び各中空円柱１２１は、噛み合い対を形成するために、相補的な形状であり得る。このように、噛み合い部品、中空円柱１２１及び出口管２２を締結するために、変形可能な層３０は、変形可能な層３０が間に挟まれている基板１２及びマニホールド２０を結合するように、中空円柱１２１がそこを通って変形可能な層を通して設けられる開口を備え得る。各中空円柱１２１は、中空の本体を備える。このように、噛み合い部品を締結すると、中空円柱１２１は、出口管２２のジャケット配管を形成して、導電性媒体が妨げられずに出口管２２を通って流れられるようにし得る。変形可能な層３０は、導電性媒体を供給するためのシステム２の出口管２２と結合されるために中空円柱が通って移送される開口部を備え得る。

さらに、基板１２は、他の締結手段２３、例えば図５に示す締結クリップ２３を介して、マニホールド２０と接続され得る。この構成では、変形可能な層３０（わかりやすさのために図５には図示せず）はまた、接続要素、例えば変形可能な層の材料を通って締結手段２３のクリップを移送するための開口部を備え得る。

各電極ユニット１０の出口管２２は、基板１２を通って、同じように変形可能な層３０を通って設けられている。このように、導電性媒体は、妨げられずに動作面積に供給される。変形可能な層３０に取り付けられている電極ユニット１０は、互いから空間を空けられており、その結果、変形可能な層３０が変形すると、電極ユニット１０が、動作面積の表面電極をユーザの身体形状に適合させるように、互いに相対的に移動し得る。各電極ユニットの寸法が小さいほど、より優れた適合が実現され得る。そうして、１つの電極ユニット１０が、１つのコンポーネント電極１１のみを備え、表面電極が、変形可能な層３０に均一に分布した複数の電極ユニット１０を備える実施形態の場合に、最も的確な適合が実現され得る。

しかしながら、単一の電極ユニット１０には、少なくとも４つの、又はより好ましくは少なくとも９つのコンポーネント電極１１を提供することが好ましい。これにより、各コンポーネント電極１１が皮膚と接触する１つの点を提供するので、電極ユニット１０のよりよい安定性が提供される。

コンポーネント電極１１は、基板１２及びコンポーネント電極１１の両方が、例えばステンレス鋼などの材料の一片で作製された、基板１２の一体部品を構成し得る。例えば、基板１２及びコンポーネント電極１１は、１つの一体部品として３Ｄプリントされ得る。

コンポーネント電極は、非膨張可能材料で作製されており、そうして、電極の寿命の間、隙間サイズは不変に維持され；コンポーネント電極は、使い捨ての終わりを有さず、そうして、電気刺激の結果として発生する廃棄物はない。コンポーネント電極は、好ましくは、ステンレス鋼、金、又は任意選択的に塩化銀で被覆した銀などの、金属又は金属合金で、全体的に作製されている。あるいは、導電性ポリマー、例えば、カーボン又はステンレス鋼の繊維と混合したエチレンプロピレンジエンモノマー（ＥＰＤＭ）マトリックスが使用されてもよい。

あるいは、基板１２及びコンポーネント電極１１は、共に結合される個別の部品で作製され得る。例えば、基板１２は、硬質プラスチック又は金属板などの硬質材料で作製され得、そうして、単一の電極ユニット１０の剛性、及びそれと同時に全表面電極の変形可能性を確実にし、後者は、変形可能な層３０によって確実にされる。剛性のある基板１２を適用することは、単一の電極ユニット１０内のコンポーネント電極１１の良好な安定性を提供する。

それでもなお、基板１２は、可撓性プラスチック板などの可撓性材料で作製されてもよい。基板１２の可撓性は、身体形状への電極のよりよい適合を提供し得る。
［他の考えられる項目］
［項目１］
皮膚の上で使用するための表面電極であって、
電源に接続可能な電極ユニット（１０）であって、各電極ユニット（１０）が、
前面（１２ａ）及び裏面（１２ｂ）を含む基板（１２）、及び
前記基板（１２）の前記前面（１２ａ）に配設されているコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）であって、前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）間に自由空間容積（１１１）が存在するように互いに離れて空間を空けられており、各コンポーネント電極（１１）が、前記基板（１２）と接続されている近位端（１１ｂ）、前記皮膚に接触するように構成されている遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）、及び前記近位端（１１ｂ）及び前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）の間の中央部分（１１ｃ）を含む、コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）
を有する、電極ユニット（１０）
を備え、
前記単一のコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）内で、前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）の太さ（Ｔ）が、前記中央部分（１１ｃ）の太さ（ｔ）よりも大きく、前記コンポーネント電極（１１）が、非膨張可能材料で作製されていることを特徴とする表面電極。
［項目２］
前記単一のコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）の前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）が、このコンポーネント電極（１１）の前記中央部分（１１ｃ）の前記太さ（ｔ）よりも少なくとも２倍大きな太さ（Ｔ）を有する、項目１に記載の表面電極。
［項目３］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１）が、球、半球、ロール、円柱、スティック状の形状、ピン状の形状、スパイク状の形状、及びピラミッド形状からなる群から独立して選択される形状の前記遠位端（１１ａ）を有する、項目１又は２に記載の表面電極。
［項目４］
前記コンポーネント電極（１１、１１．２）が、キノコ状の形状の前記遠位端（１１．２ａ）を有する、項目１又は２に記載の表面電極。
［項目５］
前記単一の電極ユニット（１０）内のすべてのコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、同じ形状の前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）を有する、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目６］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）の前記中央部分（１１ｃ）が、前記中央部分（１１ｃ）の前記太さ（ｔ）の半分を画定する半径（ｒ）の円柱の形状を有する、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目７］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）の前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）が、前記皮膚に接触するための凸面を有し、前記凸面が、前記凸面の曲率半径（Ｃ）によって画定されている、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目８］
前記単一のコンポーネント電極（１１、１１．１）内で、前記コンポーネント電極（１１、１１．１）の前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ）が、前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ）の前記太さ（Ｔ）の半分を画定している半径（Ｒ）をもつ球の形状を有し、前記半径（Ｒ）が、前記遠位端（１１ａ、１１．１ａ）の前記表面の前記曲率半径（Ｃ）に等しく、前記曲率半径（Ｃ）が、前記中央部分（１１ｃ）の前記半径（ｒ）よりも少なくとも２倍大きい、項目３、６、及び７に記載の表面電極。
［項目９］
前記単一のコンポーネント電極（１１．２）内で、前記コンポーネント電極（１１．２）の前記遠位端（１１．２ａ）が、前記遠位端（１１．２ａ）の前記太さ（Ｔ）の半分を画定している半径（Ｒ）をもつキノコ状の形状を有し、前記半径（Ｒ）が、前記遠位端（１１．２ａ）の前記表面の前記曲率半径（Ｃ）よりも小さく、前記曲率半径（Ｃ）が、前記中央部分（１１ｃ）の前記半径（ｒ）よりも少なくとも２倍大きい、項目の４、６、及び７に記載の表面電極。
［項目１０］
２つの隣接する遠位端（１１ａ、１１．１ａ、１１．２ａ）間に１～５ｍｍの隙間が存在するように離れて空間を空けられているコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）を有する単一の電極ユニット（１０）備え、その結果毛が、導入され、前記自由空間容積（１１１）から取り除かれ得る、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目１１］
前記自由空間容積（１１１）に導電性媒体を供給するためのシステム（２）をさらに備え、前記システムが、前記基板（１２）の前記裏面（１２ｂ）に配置されているマニホールド（２０）を有し、前記マニホールド（２０）が、前記導電性媒体を前記コンポーネント電極（１１）に供給するために前記基板（１２）に前記裏面（１２ｂ）から前記前面（１２ａ）まで配置されている出口管（２２）で終端されているダクト（２１）を含む、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目１２］
前記電極ユニット（１０）が、前記マニホールド（２０）及び前記基板（１２）の間に配設され前記基板の前記裏面（１２ｂ）に面している変形可能な層（３０）に配置されており、前記変形可能な層（３０）が、前記出口管（２２）を前記変形可能な層（３０）の１つの面から他方の面まで配設するための開口部を有する、項目１１に記載の表面電極。
［項目１３］
前記マニホールド（２０）が、締結手段（２３、１２１）によって、前記基板（１２）と接続されている、項目１１又は１２に記載の表面電極。
［項目１４］
少なくとも２つの電極ユニット（１０）を備える前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目１５］
１つの電極ユニット（１０）が、少なくとも４つのコンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）を有する、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目１６］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、導電性ポリマーで作製されている、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目１７］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、金属又は金属合金で作製されている、項目１から１５のいずれかに記載の表面電極。
［項目１８］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、ステンレス鋼、又は金、又は塩化銀で被覆した銀で作製されている、項目１７に記載の表面電極。
［項目１９］
導電性媒体を供給するための前記システム（２）が、導電性媒体用の容器（２４）と接続されている、項目１１から１８のいずれかに記載の表面電極。
［項目２０］
導電性媒体を供給するための前記システム（２）が、前記容器（２４）から前記出口管（２２）に前記導電性媒体を送給するためのポンプを有する、項目１９に記載の表面電極。
［項目２１］
前記変形可能な層（３０）が、綿、ポリアミド、ポリエステル、及び革からなる群から選択される少なくとも１つの材料で作製されている、項目１２から２０のいずれかに記載の表面電極。
［項目２２］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、前記基板（１２）の一体部品である、前述の項目のいずれかに記載の表面電極。
［項目２３］
前記コンポーネント電極（１１、１１．１、１１．２）が、前記基板（１２）に取り付けられている、項目１から２１のいずれかに記載の表面電極。
［項目２４］
前記コンポーネント電極（１１）が、
球、半球、ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状、及びピラミッド形状からなる群から選択される形状である遠位端太さ（Ｔ）の前記遠位端（１１ａ）、
中央部分太さ（ｔ）の前記中央部分（１１ｃ）；及び
ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状、及びピラミッド形状からなる群から選択される形状である前記近位端（１１ｂ）
を有する、項目１に記載の表面電極。

Claims (24)

1. 皮膚の上で使用するための表面電極であって、
   電源に接続可能な電極ユニットであって、各電極ユニットが、
   前面及び裏面を含む基板、及び
   前記基板の前記前面に配設されているコンポーネント電極であって、前記コンポーネント電極間に自由空間容積が存在するように互いに離れて空間を空けられており、各コンポーネント電極が、前記基板と接続されている近位端、前記皮膚に接触するように構成されている遠位端、及び前記近位端及び前記遠位端の間の中央部分を含む、コンポーネント電極
   を有する、電極ユニット
   を備え、
   ここで、前記コンポーネント電極が、非膨張可能材料で作製されており、
   前記コンポーネント電極の各々内で、前記遠位端の太さが、前記中央部分の太さよりも大きい、表面電極。
2. 前記コンポーネント電極の各々の前記遠位端が、このコンポーネント電極の前記中央部分の前記太さよりも少なくとも２倍大きな太さを有する、請求項１に記載の表面電極。
3. 前記コンポーネント電極が、球、半球、ロール、円柱、スティック状の形状、ピン状の形状、スパイク状の形状、及びピラミッド形状からなる群から独立して選択される形状の前記遠位端を有する、請求項１又は２に記載の表面電極。
4. 前記コンポーネント電極が、キノコ状の形状の前記遠位端を有する、請求項１又は２に記載の表面電極。
5. 前記電極ユニットの各々内のすべてのコンポーネント電極が、同じ形状の前記遠位端を有する、請求項１から４のいずれか一項に記載の表面電極。
6. 前記コンポーネント電極の前記中央部分が、前記中央部分の前記太さの半分を画定する半径の円柱の形状を有する、請求項１から５のいずれか一項に記載の表面電極。
7. 前記コンポーネント電極の前記遠位端が、前記皮膚に接触するための凸面を有し、前記凸面が、前記凸面の曲率半径によって画定されている、請求項１から６のいずれか一項に記載の表面電極。
8. 前記コンポーネント電極の各々内で、前記コンポーネント電極の前記遠位端が、前記遠位端の前記太さの半分を画定している半径をもつ球の形状を有し、前記半径が、前記遠位端の表面の曲率半径に等しく、前記曲率半径が、前記中央部分の前記半径よりも少なくとも２倍大きい、請求項３、６、及び７のいずれか一項に記載の表面電極。
9. 前記コンポーネント電極の各々内で、前記コンポーネント電極の前記遠位端が、前記遠位端の前記太さの半分を画定している半径をもつキノコ状の形状を有し、前記半径が、前記遠位端の表面の曲率半径よりも小さく、前記曲率半径が、前記中央部分の前記半径よりも少なくとも２倍大きい、請求項４、６、及び７のいずれか一項に記載の表面電極。
10. 前記電極ユニットの各々が、２つの隣接する遠位端間に１～５ｍｍの隙間が存在するように離れて空間を空けられているコンポーネント電極を有し、その結果毛が、前記自由空間容積に導入され、前記自由空間容積から取り除かれ得る、請求項１から９のいずれか一項に記載の表面電極。
11. 前記自由空間容積に導電性媒体を供給するためのシステムをさらに備え、前記システムが、前記基板の前記裏面に配置されているマニホールドを有し、前記マニホールドが、前記導電性媒体を前記コンポーネント電極に供給するために前記基板に前記裏面から前記前面まで配置されている出口管で終端されているダクトを含む、請求項１から１０のいずれか一項に記載の表面電極。
12. 前記電極ユニットが、前記マニホールド及び前記基板の間に配設され前記基板の前記裏面に面している変形可能な層に配置されており、前記変形可能な層が、前記出口管を前記変形可能な層の１つの面から他方の面まで配設するための開口部を有する、請求項１１に記載の表面電極。
13. 前記マニホールドが、締結手段によって、前記基板と接続されている、請求項１１又は１２に記載の表面電極。
14. 少なくとも２つの電極ユニットを備える請求項１から１３のいずれか一項に記載の表面電極。
15. １つの電極ユニットが、少なくとも４つのコンポーネント電極を有する、請求項１から１４のいずれか一項に記載の表面電極。
16. 前記コンポーネント電極が、導電性ポリマーで作製されている、請求項１から１５のいずれか一項に記載の表面電極。
17. 前記コンポーネント電極が、金属又は金属合金で作製されている、請求項１から１５のいずれか一項に記載の表面電極。
18. 前記コンポーネント電極が、ステンレス鋼、又は金、又は塩化銀で被覆した銀で作製されている、請求項１７に記載の表面電極。
19. 導電性媒体を供給するためのシステムが、導電性媒体用の容器と接続されている、請求項１１から１８のいずれか一項に記載の表面電極。
20. 導電性媒体を供給するための前記システムが、前記容器から出口管に前記導電性媒体を送給するためのポンプを有する、請求項１９に記載の表面電極。
21. 変形可能な層が、綿、ポリアミド、ポリエステル、及び革からなる群から選択される少なくとも１つの材料で作製されている、請求項１２から２０のいずれか一項に記載の表面電極。
22. 前記コンポーネント電極が、前記基板の一体部品である、請求項１から２１のいずれか一項に記載の表面電極。
23. 前記コンポーネント電極が、前記基板に取り付けられている、請求項１から２１のいずれか一項に記載の表面電極。
24. 前記コンポーネント電極が、
    球、半球、ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状、及びピラミッド形状からなる群から選択される形状である遠位端太さの前記遠位端、
    中央部分太さの前記中央部分、及び
    ロール、円柱、スティック状、ピン状、スパイク状、及びピラミッド形状からなる群から選択される形状である前記近位端
    を有する、請求項１から２３のいずれか一項に記載の表面電極。

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