JP2023543569A - 機能傾斜アルミニウム合金生成物及び製造方法 - Google Patents

機能傾斜アルミニウム合金生成物及び製造方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、概して、アルミニウム合金生成物の少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を有するアルミニウム合金生成物を提供する。本開示はまた、そのような生成物から作られた製品、ならびにそのような生成物を例えば鋳造及び圧延によって作る方法も提供する。本開示はまた、そのような生成物の様々な最終用途、例えば、自動車、航空宇宙、船舶、防衛、輸送、電子機器及び産業用途も提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月24日に出願された米国仮出願第63/198,018号に基づく利益及び優先権を主張するものであり、これをもって参照によりその全体を援用する。
本開示は、概して、生成物の少なくとも1つの次元に機能傾斜を有するアルミニウム合金生成物を提供する。本開示はまた、少なくとも1つの次元に機能傾斜を有するアルミニウム合金生成物を例えばダイレクトチル鋳造及び圧延によって作る方法も提供する。本開示はまた、そのような生成物の様々な最終用途、例えば、自動車、航空宇宙、船舶、輸送、電子機器、防衛及び産業用途も提供する。
アルミニウム合金生成物は、複数の異なる用途、特に、軽量さ、強度及び耐久性が望ましいとされる用途において使用するのに望ましいものである。例えば、アルミニウム合金はますます、自動車及び他の輸送装置の構造部品として鉄鋼に取って代わりつつある。アルミニウム合金は、一般に、密度が鉄鋼に比べて約2.8倍小さいため、そのような材料を使用することで、装置の重量が低減され、エネルギー効率をかなり向上させることが可能になる。たとえそうであっても、アルミニウム合金生成物の使用は、ある特定の課題を課すことがある。
1つの特定の課題は、平板圧延アルミニウム合金生成物、及び多重特性を発揮するようにそのような生成物を製造する試みに関するものである。そのような特性には、機械特性、例えばヤング率、ポアソン比、剪断弾性係数、密度、伝導率及び熱膨張係数が含まれ得る。そのような特性にはまた、腐食性、接合耐久性、及び陽極酸化性も含まれ得る。これらの特性を制御する試みは、例えば溶融鋳造またはロール圧接によって、複数の材料を組み合わせることに依拠し得る。しかしながら、複数の材料から作られた生成物は再利用性に欠け、依然として、所望の特性をもたらさない場合がある。
本開示に包含される実施形態は、この発明の概要によってではなく、特許請求の範囲によって規定される。この発明の概要は、本発明の様々な態様の大まかな概説を提供し、発明を実施するための形態の節でさらに記載されている概念をいくらか導入する。この発明の概要は、特許請求される主題の主要または必須な特徴を特定することを意図したものでもないし、特許請求される主題の範囲を単独で定めるために使用されることを意図したものでもない。主題は、明細書全体の適切な部分、一部のまたはすべての図面、及び各請求項を参照することによって理解されるべきである。
一態様において、記載されるのは、機能傾斜アルミニウム合金生成物を調製する方法である。この態様の方法は、型にインゴットを鋳造して、または鋳造空洞に融液を鋳込んで鋳造して、鋳造品を形成することを含み得る。鋳造品はアルミニウム合金を含み得る。鋳造品は、少なくとも1つの包晶形成元素及び少なくとも1つの共晶形成元素を含み得る。鋳造することは、a)少なくとも1つの包晶形成元素に富み、少なくとも1つの共晶元素が枯渇した、一次結晶粒を形成すること、ならびにb)一次結晶粒の移動及び蓄積を制御することを含み得る。方法は、鋳造品を均質化することを含み得、均質化中に一次結晶粒が析出する。方法は、均質化された鋳造品を圧延して機能傾斜アルミニウム合金生成物を形成することを含み得る。
実施形態では、方法は、2xxx系アルミニウム合金、5xxx系アルミニウム合金、6xxx系アルミニウム合金または7xxx系アルミニウム合金を含むアルミニウム合金を含み得る。
実施形態では、方法は、0.2重量%以下の量で存在している少なくとも1つの包晶形成元素を含み得る。
実施形態では、方法は、0.2重量%を上回る量で存在している少なくとも1つの共晶形成元素を含み得る。
実施形態では、方法は、ダイレクトチル鋳造プロセスを用いて型にインゴットを鋳造することを含み得る。
実施形態では、方法は、連続鋳造プロセスを用いて、鋳造空洞に融液を鋳込んで鋳造することを含み得る。
実施形態では、方法は、双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機、ブロック式鋳造機または他の任意の連続鋳造機の少なくとも1つによって鋳造することを含む、連続鋳造プロセスを含み得る。
実施形態では、圧延することは、熱間圧延することを含み得る。
実施形態では、方法は、圧延する間の再結晶を抑制している、析出した一次結晶粒を含み得る。
実施形態では、方法は、生成物の厚みにわたって機能傾斜化されているアルミニウム合金生成物を含み得る。
実施形態では、方法は、生成物の幅にわたって機能傾斜化されているアルミニウム合金生成物を含み得る。
実施形態では、方法は、一次結晶粒が25~250ミクロンの最大寸法を有することを含み得る。
実施形態では、方法は、少なくとも1つの包晶形成元素及び少なくとも1つの共晶形成元素を含むアルミニウム合金を含み得る。
実施形態では、方法は、鋳造する間にインゴットまたは液体金属に添加される少なくとも1つの包晶形成元素、少なくとも1つの共晶形成元素、またはその組合せを含み得る。
実施形態では、方法は、溶質元素、金属間化合物粒子、溶質に富む結晶粒、強化粒子、またはその組合せの少なくとも1つを形成することをさらに含む、一次結晶粒を形成することを含み得る。
別の態様において、記載されるのは、少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を有するアルミニウム生成物であって、機能傾斜が、非再結晶中心と再結晶面、及び/または中心から表面へと向かう強化粒子割合変化を含む、当該生成物である。
実施形態では、生成物は、非再結晶中心に少なくとも1つの包晶形成元素を含み得る。
実施形態では、生成物は、Ti、Zr、V、Hf、Nb、Ta、Crまたはその組合せの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの包晶形成元素を含み得る。
実施形態では、生成物は、0.2重量%以下の量で存在している少なくとも1つの包晶元素を含み得る。
実施形態では、生成物は、再結晶面に少なくとも1つの共晶形成元素を含み得る。
実施形態では、生成物は、Si、Cu、Fe、Zn、Mg、Sc、Ni、Mn、Ce及びY、ならびにその組合せの少なくとも1つを含む共晶形成元素を含み得る。
実施形態では、生成物は、0.2重量%を上回る量で存在している共晶形成元素を含み得る。
実施形態では、生成物は、少なくとも1つの強化粒子を含み得る。
実施形態では、強化粒子は、TiB、TiC、NbB、Al、SiC、ZrB、AlB、AlTi、AlCr、AlZr、AlNb、AlTa、AlV、AlN、AlNi、AlHf、AlHfO、及びその組合せの少なくとも1つを含み得る。
実施形態では、強化粒子は、溶湯に添加されるか、または鋳造する間に系中で形成される。
実施形態では、強化粒子は0.1重量%を上回る量で存在している。
別の態様において、記載されるのは、上記のいずれかのアルミニウム合金生成物を含むアルミニウム合金物品である。
本開示はまた、本明細書に開示されるプロセスによって作られたアルミニウム合金生成物も提供する。
さらに開示されるのは、本開示のアルミニウム合金生成物を含む製品である。いくつかの実施形態では、製品は圧延アルミニウム合金生成物を含む。そのような製品の例としては、自動車、トラック、トレーラー、列車、鉄道車両、航空機の部品、例えば、上記のいずれかのためのボディパネルもしくは他の部品、橋梁、パイプライン、パイプ、配管材、ボート、船、貯蔵容器、貯蔵タンク、家具、窓、扉、線路、機能性もしくは装飾用建築部品、パイプ手摺、電子部品、導管、飲料容器、食品容器、または箔が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、製品は、自動車または輸送機関のボディパーツ、例えば自動車両ボディパーツ(例えば、バンパー、サイドビーム、ルーフビーム、クロスビーム、ピラー補強材、インナーパネル、アウターパネル、サイドパネル、フードインナー、フードアウター及びトランクリッドパネル)である。これらの製品にはまた、航空宇宙用製品及び電子デバイス筐体も含まれ得る。
さらなる態様及び実施形態は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、非限定的な例、及び図面に示されるが、これらは本明細書に含まれる。
本開示は、生成物の少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を有する平板圧延アルミニウム合金生成物を提供する。これらの生成物は、再利用性及び他の望ましい機械特性を維持しつつ、少なくとも1つの製造工程の間に形成された機能傾斜を呈し得る。本開示の機能傾斜アルミニウム合金生成物は、機能傾斜の次元に沿って変化する、硬さ、引張強度及び伸び率を含めた最終特性を有する。典型的に、複合材料、すなわち、異なる材料を接合することによって作られた生成物は、特性の変化をもたらす明瞭な界面を有する。これらの界面は、材料の剥離によって崩壊し得る。意図的に機能傾斜を形成することによって、明瞭な界面は緩慢な界面に置き換わる。緩慢な界面は、1つの材料または材料の領域からもう1つの材料へと特性が滑らかに遷移することを可能にする。その結果、剥離が起こらない。
アルミニウム合金生成物において機能傾斜を形成することは、成形性または耐食性を改善するために溶融鋳造またはロール圧接によって形成される平板圧延生成物のために特に役立つ。しかしながら、そのような生成物は、もはや材料をその個々の部分に戻して再利用することができないため、再利用性がないという欠点を有する。
本明細書に記載される機能傾斜材料は、ダイレクトチル鋳造中に起こる偏析挙動を、回避または矯正しようとするのではなく、むしろそれを利用する。典型的には、所与の領域で、ある特定の包晶形成粒子はインゴット中心において濃縮され得、共晶形成粒子はインゴット中心において枯渇し得る。そのような偏析は問題があると考えられており、典型的には欠陥とみなされる。このため、従来の方法は、偏析を、意図的に促進及び制御することではなく、それを特性評価及び排除することを目指している。本明細書に記載される機能傾斜材料はまた、双ロール式鋳造または双ベルト式鋳造などの連続鋳造の間に起こる偏析挙動も利用し得る。連続鋳造では、鋳片の厚みに沿って中心偏析が形成される。ダイレクトチル鋳造の場合とは違って双ベルト式または双ロール式鋳造機は中心での正の偏析を生じさせるが、この中心偏析は、合金生成物に機能傾斜を生じさせるために用いられ得る。
本明細書に記載のアルミニウム合金生成物の機能傾斜は、鋳造プロセス中に形成される一次結晶粒から始めることによって理解され得る。これらの結晶粒は、25ミクロン~250ミクロンの最大寸法を有するものであるが、包晶形成元素及び共晶元素を両方とも含む。「包晶形成元素」は、異なる固相と液体との反応によって単一の固相を形成する元素、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)及びクロム(Cr)を指す。「共晶形成元素」は、単相液体の分解によって2つの異なる固相を形成する元素、例えば、ケイ素(Si)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sr)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)及び亜鉛(Zn)を指す。
共晶形成元素(複数可)が、(単純二元共晶系相図による)最大固溶度を超えて増加すると、一次アルミニウム結晶粒の周りの共晶の割合は増加する。局所化学が共晶化学を超えた時点で共晶相(「D相」)が形成することになる。中心の共晶相は、鋳造パラメータを調整することによって、または合金化学を変化させることによって操作され得る。
(単純二元包晶系相図による)一次アルミニウムの最大固溶度未満では、包晶形成元素が増加するにつれて包晶分率及び包晶相(「A」相)が増加する。最大固溶体よりも多く包晶形成元素を含む合金化学を鋳込むと、鋳型に送達される液体は既に微細な包晶相を有することになり、それゆえ、例えば連続鋳造中に、これらの包晶元素に富む一次アルミニウム結晶粒、すなわち「一次結晶粒」は、鋳造中に鋳片の中心に向かって移動して勾配構造鋳片をもたらすことになる。直接鋳造を用いるのか連続鋳造を用いるのかにかかわらず、一次結晶粒以外の相の偏析、例えば、溶質元素、金属間化合物粒子、溶質に富む結晶粒、及び強化粒子の偏析も、起こり得る。6xxx合金の表面と比較して鋳片中心に主としてみられる包晶相の一例としては、金属間化合物AlTi粒子が挙げられる。別の例は、強化粒子、例えば、TiB、TiC、NbB、Al、SiC、ZrB、AlB、AlTi、AlCr、AlZr、AlNb、AlTa、AlV、AlN、AlNi、AlHf、AlHfO、及びその組合せの少なくとも1つである。
包晶形成元素は、一般的にはアルミニウム合金生成物における再結晶挙動を制御するために使用されるが、その偏析挙動は無視されるのが典型的であり、なぜなら、それは少量、例えば0.2重量%以下で存在しているからである。包晶形成元素、例えば分散質を形成する元素を優先的に偏析させることによって、圧延アルミニウム合金生成物の再結晶挙動は生成物の厚さによって制御され得る。
本明細書に記載されるように、偏析は、製造プロセスの様々な時点で、及び様々な方法によって制御され得る。いくつかの態様では、偏析は鋳造プロセス中に制御される。例としては、一次結晶粒の堆積及び蓄積を様々な方法で制御することが挙げられる。例えば、鋳造中、例えばダイレクトチル鋳造中にインゴット内での流動パターンを制御して一次結晶粒を空間的に分配してもよい。いくつかの態様では、一次結晶粒、溶質元素、金属間化合物粒子、溶質に富む結晶粒、強化粒子、またはその組合せの少なくとも1つが系中で形成され得る。いくつかの態様では、鋳造速度が調整され得る。いくつかの態様では、鋳造中に例えば磁気的手段または物理的撹拌によって対流が印加され得る。さらには、偏析は、均質化処理中に制御され得る。この処理の間に一次結晶粒が析出し得、結晶粒が析出した場所での再結晶の存在が可能となり得る。そのような方法は、得られた平板圧延生成物の厚みにわたる勾配微細構造を可能にする。いくつかの態様では、例えば圧延されているインゴットをその厚みにわたって選択的に加熱することによって、再結晶後にさえ結晶粒成長が操作され得る。これは、結晶粒形態におけるさらなる勾配を制御することを可能にし得る。例えば、圧延中に温度プロファイルを例えば磁気的、マイクロ波または誘導加熱法によって変化させてもよい。
定義及び説明:
本明細書で使用される場合、「発明」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」及び「本発明(the present invention)」という用語は、この特許出願の主題及び以下の特許請求の範囲のすべてを広義に指すことを意図している。これらの用語を含有する語句が、本明細書に記載の主題を限定するもの、または以下の特許請求項の意味もしくは範囲を限定するものではないことは、理解されるべきである。
この説明の中では、AA番号及び他の関係する名称、例えば「系」または「7xxx」によって特定される合金に言及されている。アルミニウム及びその合金の命名及び特定において一般的に用いられる番号名称体系の理解のためには、両方ともThe Aluminum Associationによって出版されたものである「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい。
本明細書で使用される場合、平板は通常、約15mmを上回る厚さを有する。例えば、平板は、約15mmを上回る、約20mmを上回る、約25mmを上回る、約30mmを上回る、約35mmを上回る、約40mmを上回る、約45mmを上回る、約50mmを上回る、または約100mmを上回る厚さを有するアルミニウム生成物を指し得る。
本明細書で使用される場合、シェート(板金とも呼称される)は通常、約4mm~約15mmの厚さを有する。例えば、シェートは、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mmまたは約15mmの厚さを有し得る。
本明細書で使用される場合、薄板は通常、約4mm未満の厚さを有するアルミニウム生成物を指す。例えば、薄板は、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、または約0.3mm未満(例えば約0.2mm)の厚さを有し得る。
この願書において、合金の質別または状態に言及することがある。最も一般的に使用される合金質別記載の理解のためには、「American National Standards(ANSI)H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照されたい。Fの状態または質別は、製造されたままのアルミニウム合金を指す。Oの状態または質別は、焼鈍後のアルミニウム合金を指す。Hxxの状態または質別は、本明細書中で質別Hとも呼称されるが、熱処理(例えば焼鈍)を伴うかまたは伴わない冷間圧延の後の非熱処理可能アルミニウム合金を指す。好適な質別Hとしては、質別HX1、HX2、HX3 HX4、HX5、HX6、HX7、HX8またはHX9が挙げられる。T1の状態または質別は、熱間加工から冷却され、(例えば室温で)自然時効されたアルミニウム合金を指す。T2の状態または質別は、熱間加工から冷却され、冷間加工され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T3の状態または質別は、溶体化熱処理され、冷間加工され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T4の状態または質別は、溶体化熱処理され、自然時効されたアルミニウム合金を指す。T5の状態または質別は、熱間加工から冷却され、(上昇させた温度で)人工時効されたアルミニウム合金を指す。T6の状態または質別は、溶体化熱処理され、人工時効されたアルミニウム合金を指す。T7の状態または質別は、溶体化熱処理され、人工過時効されたアルミニウム合金を指す。T8xの状態または質別は、溶体化熱処理され、冷間加工され、人工時効されたアルミニウム合金を指す。T9の状態または質別は、溶体化熱処理され、人工時効され、冷間加工されたアルミニウム合金を指す。Wの状態または質別は、溶体化熱処理後のアルミニウム合金を指す。
本明細書で使用される場合、「鋳造金属生成物」、「鋳造品」、「鋳造アルミニウム合金生成物」などの用語は交換可能であり、ダイレクトチル鋳造(ダイレクトチル共鋳造を含む)または半連続鋳造、連続鋳造(例えば、双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機、ブロック式鋳造機または他の任意の連続鋳造機の使用によるものを含む)、電磁鋳造、ホットトップ鋳造または他の任意の鋳造方法によって生産された生成物を指す。
本明細書で使用される場合、「室温」の意味は、約15℃~約30℃、例えば約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃または約30℃の温度を含み得る。本明細書で使用される場合、「周囲条件」の意味は、約室温の温度、約20%~約100%の相対湿度、及び約975ミリバール(mbar)~約1050mbarの大気圧を含み得る。例えば、相対湿度は、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、または間にある任意の値であり得る。例えば、大気圧は、約975mbar、約980mbar、約985mbar、約990mbar、約995mbar、約1000mbar、約1005mbar、約1010mbar、約1015mbar、約1020mbar、約1025mbar、約1030mbar、約1035mbar、約1040mbar、約1045mbar、約1050mbar、または間にある任意の値であり得る。
本明細書に開示されるすべての範囲は、その中に含まれるありとあらゆる小範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「1~10」と示された範囲は、1の最小値と10の最大値との間にある(及び端点を含む)ありとあらゆる小範囲、すなわち、1以上、例えば1~6.1の最小値から始まって10以下、例えば5.5~10の最大値までで終わるあらゆる小範囲を含むとみなされるべきである。特に示されていない限り、「以下」という表現は、元素の組成量に言及している場合、元素が任意選択されるものでありその特定元素のゼロパーセント組成を含むことを意味する。特に示されていない限り、すべての組成百分率は重量パーセント(wt.%)表示である。
本明細書で使用される場合、「a」、「an」及び「the」の意味は単数形及び複数形の意味を含み、但し、そうでないことを文脈が明らかに示している場合を除く。
以下の例において、アルミニウム合金生成物及びその成分は、重量パーセント(wt.%)表示でのその元素組成によって記述され得る。各合金において、すべての不純物の合計の最大wt.%は0.15%であり、残余はアルミニウムである。
付随的元素、例えば、結晶粒微細化剤及び脱酸剤、または他の添加剤が本発明に存在していてもよく、本明細書に記載の合金、または本明細書に記載の合金の特徴から逸脱することまたはそれを大きく変化させることなく他の特徴を自ら付与するものであってもよい。
アルミニウムの固有の特性、または加工装置との接触からの溶脱に起因して、材料または元素を含めた不可避不純物が合金中に少量存在していてもよい。アルミニウム中に典型的にみられるいくつかの不純物には、鉄及びケイ素が含まれる。記載される合金は、合金元素、付随的元素及び不可避不純物の他に約0.25wt.%以下の任意の元素を含有し得る。
アルミニウム合金生成物
少なくとも1つの態様において、本開示は、少なくとも1つの次元に機能傾斜を有するアルミニウム合金材料を含むアルミニウム合金生成物を提供する。いくつかの非限定的な態様において、機能傾斜は、アルミニウム合金生成物の厚みにわたるものであり得る。他の態様では、機能傾斜は、アルミニウム合金生成物の幅にわたるものであり得る。
アルミニウム合金生成物は、1xxx系アルミニウム合金から8xxx系アルミニウム合金までの範囲の任意の好適なアルミニウム合金材料を含み得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金材料は、2xxx系アルミニウム合金、6xxx系アルミニウム合金または7xxx系アルミニウム合金である。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金材料は、数ある元素の中でも、0.2重量%以下の包晶形成元素(例えば、Ti、ZrまたはCr)、及び0.2重量%を上回る共晶形成元素(例えば、Si、CuまたはMg)を含む5xxx系アルミニウム合金である。いくつかの態様では、包晶形成元素の総含有量は0.2重量%以下である。他の態様では、各包晶形成元素は0.2重量%以下の量で存在している。いくつかの態様では、共晶形成元素の総含有量は0.2重量%を上回る。他の態様では、各共晶形成元素は、0.2重量%を上回る量で存在している。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、包晶形成元素及び/または共晶形成元素を所定量で含む。他の態様では、アルミニウム合金生成物に望まれる、共晶形成元素のいくつかもしくはすべて、及び/または包晶形成元素のいくつかもしくはすべては、鋳造中にインゴットに添加される。
非限定的な例を挙げると、本明細書に記載の方法に使用するための例示的な1xxx系アルミニウム合金には、AA1100、AA1100A、AA1200、AA1200A、AA1300、AA1110、AA1120、AA1230、AA1230A、AA1235、AA1435、AA1145、AA1345、AA1445、AA1150、AA1350、AA1350A、AA1450、AA1370、AA1275、AA1185、AA1285、AA1385、AA1188、AA1190、AA1290、AA1193、AA1198またはAA1199が含まれ得る。
本明細書に記載の方法に使用するための非限定的で例示的な2xxx系アルミニウム合金には、AA2001、A2002、AA2004、AA2005、AA2006、AA2007、AA2007A、AA2007B、AA2008、AA2009、AA2010、AA2011、AA2011A、AA2111、AA2111A、AA2111B、AA2012、AA2013、AA2014、AA2014A、AA2214、AA2015、AA2016、AA2017、AA2017A、AA2117、AA2018、AA2218、AA2618、AA2618A、AA2219、AA2319、AA2419、AA2519、AA2021、AA2022、AA2023、AA2024、AA2024A、AA2124、AA2224、AA2224A、AA2324、AA2424、AA2524、AA2624、AA2724、AA2824、AA2025、AA2026、AA2027、AA2028、AA2028A、AA2028B、AA2028C、AA2029、AA2030、AA2031、AA2032、AA2034、AA2036、AA2037、AA2038、AA2039、AA2139、AA2040、AA2041、AA2044、AA2045、AA2050、AA2055、AA2056、AA2060、AA2065、AA2070、AA2076、AA2090、AA2091、AA2094、AA2095、AA2195、AA2295、AA2196、AA2296、AA2097、AA2197、AA2297、AA2397、AA2098、AA2198、AA2099またはAA2199が含まれ得る。
本明細書に記載の方法に使用するための非限定的で例示的な3xxx系アルミニウム合金には、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130またはAA3065が含まれ得る。
本明細書に記載の方法に使用するための非限定的で例示的な4xxx系アルミニウム合金には、AA4004、AA4104、AA4006、AA4007、AA4008、AA4009、AA4010、AA4013、AA4014、AA4015、AA4015A、AA4115、AA4016、AA4017、AA4018、AA4019、AA4020、AA4021、AA4026、AA4032、AA4043、AA4043A、AA4143、AA4343、AA4643、AA4943、AA4044、AA4045、AA4145、AA4145A、AA4046、AA4047、AA4047AまたはAA4147が含まれ得る。
本明細書に記載の方法、生成物に使用するための非限定的で例示的な5xxx系アルミニウム合金には、AA5182、AA5183、AA5005、AA5005A、AA5205、AA5305、AA5505、AA5605、AA5006、AA5106、AA5010、AA5110、AA5110A、AA5210、AA5310、AA5016、AA5017、AA5018、AA5018A、AA5019、AA5019A、AA5119、AA5119A、AA5021、AA5022、AA5023、AA5024、AA5026、AA5027、AA5028、AA5040、AA5140、AA5041、AA5042、AA5043、AA5049、AA5149、AA5249、AA5349、AA5449、AA5449A、AA5050、AA5050A、AA5050C、AA5150、AA5051、AA5051A、AA5151、AA5251、AA5251A、AA5351、AA5451、AA5052、AA5252、AA5352、AA5154、AA5154A、AA5154B、AA5154C、AA5254、AA5354、AA5454、AA5554、AA5654、AA5654A、AA5754、AA5854、AA5954、AA5056、AA5356、AA5356A、AA5456、AA5456A、AA5456B、AA5556、AA5556A、AA5556B、AA5556C、AA5257、AA5457、AA5557、AA5657、AA5058、AA5059、AA5070、AA5180、AA5180A、AA5082、AA5182、AA5083、AA5183、AA5183A、AA5283、AA5283A、AA5283B、AA5383、AA5483、AA5086、AA5186、AA5087、AA5187またはAA5088が含まれ得る。
本明細書に記載の方法に使用するための非限定的で例示的な6xxx系アルミニウム合金には、AA6101、AA6101A、AA6101B、AA6201、AA6201A、AA6401、AA6501、AA6002、AA6003、AA6103、AA6005、AA6005A、AA6005B、AA6005C、AA6105、AA6205、AA6305、AA6006、AA6106、AA6206、AA6306、AA6008、AA6009、AA6010、AA6110、AA6110A、AA6011、AA6111、AA6012、AA6012A、AA6013、AA6113、AA6014、AA6015、AA6016、AA6016A、AA6116、AA6018、AA6019、AA6020、AA6021、AA6022、AA6023、AA6024、AA6025、AA6026、AA6027、AA6028、AA6031、AA6032、AA6033、AA6040、AA6041、AA6042、AA6043、AA6151、AA6351、AA6351A、AA6451、AA6951、AA6053、AA6055、AA6056、AA6156、AA6060、AA6160、AA6260、AA6360、AA6460、AA6460B、AA6560、AA6660、AA6061、AA6061A、AA6261、AA6361、AA6162、AA6262、AA6262A、AA6063、AA6063A、AA6463、AA6463A、AA6763、A6963、AA6064、AA6064A、AA6065、AA6066、AA6068、AA6069、AA6070、AA6081、AA6181、AA6181A、AA6082、AA6082A、AA6182、AA6091またはAA6092が含まれ得る。
本明細書に記載の方法に使用するための非限定的で例示的な7xxx系アルミニウム合金には、AA7011、AA7019、AA7020、AA7021、AA7039、AA7072、AA7075、AA7085、AA7108、AA7108A、AA7015、AA7017、AA7018、AA7019A、AA7024、AA7025、AA7028、AA7030、AA7031、AA7033、AA7035、AA7035A、AA7046、AA7046A、AA7003、AA7004、AA7005、AA7009、AA7010、AA7011、AA7012、AA7014、AA7016、AA7116、AA7122、AA7023、AA7026、AA7029、AA7129、AA7229、AA7032、AA7033、AA7034、AA7036、AA7136、AA7037、AA7040、AA7140、AA7041、AA7049、AA7049A、AA7149、7204、AA7249、AA7349、AA7449、AA7050、AA7050A、AA7150、AA7250、AA7055、AA7155、AA7255、AA7056、AA7060、AA7064、AA7065、AA7068、AA7168、AA7175、AA7475、AA7076、AA7178、AA7278、AA7278A、AA7081、AA7181、AA7185、AA7090、AA7093、AA7095またはAA7099が含まれ得る。
本明細書に記載の方法に使用するための非限定的で例示的な8xxx系アルミニウム合金には、AA8005、AA8006、AA8007、AA8008、AA8010、AA8011、AA8011A、AA8111、AA8211、AA8112、AA8014、AA8015、AA8016、AA8017、AA8018、AA8019、AA8021、AA8021A、AA8021B、AA8022、AA8023、AA8024、AA8025、AA8026、AA8030、AA8130、AA8040、AA8050、AA8150、AA8076、AA8076A、AA8176、AA8077、AA8177、AA8079、AA8090、AA8091またはAA8093が含まれ得る。
本明細書に記載されるように、包晶形成元素は0.2重量%以下の量で存在し得る。いくつかの態様では、各包晶形成元素は0.2重量%以下の量で存在している。他の態様では、すべての包晶形成元素の合計は0.2重量%以下である。包晶形成元素としては、Ti、Zr、V、Nb、Hf、Ta及びCrが挙げられる。
ある特定の態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準としておよそ0.2%以下(例えば、0.01%~0.2%)の量でチタン(Ti)を含む。例えば、合金は、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.011%、およそ0.012%、およそ0.013%、およそ0.014%、およそ0.015%、およそ0.016%、およそ0.017%、およそ0.018%、およそ0.019%、およそ0.02%、およそ0.021%、およそ0.022%、およそ0.023%、およそ0.024%、およそ0.025%、およそ0.026%、およそ0.027%、およそ0.028%、およそ0.029%、およそ0.03%、およそ0.031%、およそ0.032%、およそ0.033%、およそ0.034%、およそ0.035%、およそ0.036%、およそ0.037%、およそ0.038%、およそ0.039%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.051%、およそ0.052%、およそ0.053%、およそ0.054%、およそ0.055%、およそ0.056%、およそ0.057%、およそ0.058%、およそ0.059%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.2%のTiを含み得る。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ0.2%(例えば、0.01%~0.2%の量でジルコニウム(Zr)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.20%のZrを含み得る。ある特定の態様では、Zrは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ0.2%(例えば、0.01%~0.2%の量でバナジウム(V)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.20%のVを含み得る。ある特定の態様では、Vは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ0.2%(例えば、0.01%~0.2%の量でニオブ(Nb)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.20%のNbを含み得る。ある特定の態様では、Nbは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ0.2%(例えば、0.01%~0.2%の量でハフニウム(Hf)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.20%のHfを含み得る。ある特定の態様では、Hfは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ0.2%(例えば、0.01%~0.2%の量でタンタル(Ta)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.20%のTaを含み得る。ある特定の態様では、Taは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ0.2%(例えば、0.01%~0.2%)の量でクロム(Cr)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.001%、およそ0.002%、およそ0.003%、およそ0.004%、およそ0.005%、およそ0.006%、およそ0.007%、およそ0.008%、およそ0.009%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.11%、およそ0.12%、およそ0.13%、およそ0.14%、およそ0.15%、およそ0.16%、およそ0.17%、およそ0.18%、およそ0.19%またはおよそ0.20%のCrを含み得る。ある特定の態様では、Crは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
本明細書に記載されるように、共晶形成元素は、0.2重量%を上回る量で存在し得る。いくつかの態様では、各共晶形成元素は、0.2重量%を上回る量で存在している。他の態様では、すべての共晶形成元素の合計は0.2重量%を上回る。共晶形成元素としては、Si、Cu、Mg、Sc、Fe、Ce、Zn、ならびにNi、Sr、Ca及びYが挙げられる。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でケイ素(Si)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のSiを含み得る。ある特定の態様では、Siは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ7%(例えば、0.2%~6.8%、0.25%~6.75%、0.3%~6.5%、または0.4%~5%)の量で銅(Cu)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.70%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%、およそ2%、およそ2.05%、およそ2.1、およそ2.15%、およそ2.2%、およそ2.25%、およそ2.3%、およそ2.35%、およそ2.4%、およそ2.45%、およそ2.5%;およそ2.6%、およそ2.65%、およそ2.7%、およそ2.75%、およそ2.8%、およそ2.85%、およそ2.9%、およそ2.95%およそ3%、およそ3.05%、およそ3.1%、およそ3.15%、およそ3.2%、およそ3.25%、およそ3.3%、およそ3.35%、およそ3.4%、およそ3.45%、およそ3.5%、およそ3.55%、およそ3.6%、およそ3.65%、およそ3.7%、およそ3.75%、およそ3.8%、およそ3.85%、およそ3.9%、およそ3.95%;およそ4%、およそ4.05%、およそ4.1%、およそ4.15%、およそ4.2%、およそ4.25%、およそ4.3%、およそ4.35%、およそ4.4%、およそ4.45%、およそ4.5%、およそ4.55%、およそ4.6%、およそ4.65%、およそ4.7%、およそ4.75%、およそ4.8%、およそ4.85%、およそ4.9%、およそ4.95%;およそ5%、およそ5.05%、およそ5.1%、およそ5.15%、およそ5.2%、およそ5.25%、およそ5.3%、およそ5.35%、およそ5.4%、およそ5.45%、およそ5.5%、およそ5.55%、およそ5.6%、およそ5.65%、およそ5.7%、およそ5.75%、およそ5.8%、およそ5.85%、およそ5.9%、およそ5.95%;およそ6%、およそ6.05%、およそ6.1%、およそ6.15%、およそ6.2%、およそ6.25%、およそ6.3%、およそ6.35%、およそ6.4%、およそ6.45%、およそ6.5%、およそ6.55%、およそ6.6%、およそ6.65%、およそ6.7%、およそ6.75%、およそ6.8%、およそ6.85%、およそ6.9%、およそ6.95%またはおよそ7%のCuを含み得る。ある特定の態様では、Cuは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ7%(例えば、0.2%~7%、0.25%~7%、0.3%~6.5%、または0.4%~5%)の量でマグネシウム(Mg)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.70%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%、およそ2%、およそ2.05%、およそ2.1、およそ2.15%、およそ2.2%、およそ2.25%、およそ2.3%、およそ2.35%、およそ2.4%、およそ2.45%、およそ2.5%;およそ2.6%、およそ2.65%、およそ2.7%、およそ2.75%、およそ2.8%、およそ2.85%、およそ2.9%、およそ2.95%およそ3%、およそ3.05%、およそ3.1%、およそ3.15%、およそ3.2%、およそ3.25%、およそ3.3%、およそ3.35%、およそ3.4%、およそ3.45%、およそ3.5%、およそ3.55%、およそ3.6%、およそ3.65%、およそ3.7%、およそ3.75%、およそ3.8%、およそ3.85%、およそ3.9%、およそ3.95%;およそ4%、およそ4.05%、およそ4.1%、およそ4.15%、およそ4.2%、およそ4.25%、およそ4.3%、およそ4.35%、およそ4.4%、およそ4.45%、およそ4.5%、およそ4.55%、およそ4.6%、およそ4.65%、およそ4.7%、およそ4.75%、およそ4.8%、およそ4.85%、およそ4.9%、およそ4.95%;およそ5%、およそ5.05%、およそ5.1%、およそ5.15%、およそ5.2%、およそ5.25%、およそ5.3%、およそ5.35%、およそ5.4%、およそ5.45%、およそ5.5%、およそ5.55%、およそ5.6%、およそ5.65%、およそ5.7%、およそ5.75%、およそ5.8%、およそ5.85%、およそ5.9%、およそ5.95%;およそ6%、およそ6.05%、およそ6.1%、およそ6.15%、およそ6.2%、およそ6.25%、およそ6.3%、およそ6.35%、およそ6.4%、およそ6.45%、およそ6.5%、およそ6.55%、およそ6.6%、およそ6.65%、およそ6.7%、およそ6.75%、およそ6.8%、およそ6.85%、およそ6.9%、およそ6.95%またはおよそ7%のMgを含み得る。ある特定の態様では、Mgは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でスカンジウム(Sc)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のScを含み得る。ある特定の態様では、Scは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量で鉄(Fe)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のFeを含み得る。ある特定の態様では、Feは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でセリウム(Ce)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のCeを含み得る。ある特定の態様では、Ceは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ10%(例えば、0.01%~10%、0.05%~9%、0.1%~9%、または0.15%~9%)の量で亜鉛(Zn)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.01%、およそ0.02%、およそ0.03%、およそ0.04%、およそ0.05%、およそ0.06%、およそ0.07%、およそ0.08%、およそ0.09%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.70%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.1%、およそ1.2%、およそ1.3%、およそ1.4%、およそ1.5%、およそ1.6%、およそ1.7%、およそ1.8%、およそ1.9%、およそ2%、およそ2.1%、およそ2.2%、およそ2.3%、およそ2.4%、およそ2.5%、およそ2.6%、およそ2.7%、およそ2.8%、およそ2.9%、およそ3%、およそ3.1%、およそ3.2%、およそ3.3%、およそ3.4%、およそ3.5%、およそ3.6%、およそ3.7%、およそ3.8%、およそ3.9%、およそ4%、およそ4.1%、およそ4.2%、およそ4.3%、およそ4.4%、およそ4.5%、およそ4.6%、およそ4.7%、およそ4.8%、およそ4.9%、およそ5%、およそ5.1%、およそ5.2%、およそ5.3%、およそ5.4%、およそ5.5%、およそ5.6%、およそ5.7%、およそ5.8%、およそ5.9%、およそ6%、およそ6.1%、およそ6.2%、およそ6.3%、およそ6.4%、およそ6.5%、およそ6.6%、およそ6.7%、およそ6.8%、およそ6.9%、およそ7%、およそ7.1%、およそ7.2%、およそ7.3%、およそ7.4%、およそ7.5%、およそ7.6%、およそ7.7%、およそ7.8%、およそ7.9%、およそ8%、およそ8.1%、およそ8.2%、およそ8.3%、およそ8.4%、およそ8.5%、およそ8.6%、およそ8.7%、およそ8.8%、およそ8.9%、およそ9%、およそ9.1%、およそ9.2%、およそ9.3%、およそ9.4%、およそ9.5%、およそ9.6%、およそ9.7%、およそ9.8%、およそ9.9%またはおよそ10%のZnを含み得る。ある特定の態様では、Znは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準としておよそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でニッケル(Ni)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のNiを含み得る。ある特定の態様では、Niは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でストロンチウム(Sr)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のSrを含み得る。ある特定の態様では、Srは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でカルシウム(Ca)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のCaを含み得る。ある特定の態様では、Caは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.15%~1%)の量でイットリウム(Y)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のYを含み得る。ある特定の態様では、Yは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
アルミニウム合金は、包晶または共晶反応を受けない不混和性元素、例えば、Pb、Bi、In及びSnも含み得る。
いくつかの態様では、アルミニウム合金は、合金の総重量を基準として0%~およそ2%(例えば、0.01%~2%、0.05%~1.75%、0.1%~1.5%、または0.25%~1%)の量でマンガン(Mn)を含む。例えば、合金は、0%、およそ0.05%、およそ0.1%、およそ0.15%、およそ0.2%、およそ0.25%、およそ0.3%、およそ0.35%、およそ0.4%、およそ0.45%、およそ0.5%、およそ0.55%、およそ0.6%、およそ0.65%、およそ0.7%、およそ0.75%、およそ0.8%、およそ0.85%、およそ0.9%、およそ0.95%、およそ1%、およそ1.05%、およそ1.1%、およそ1.15%、およそ1.2%、およそ1.25%、およそ1.3%、およそ1.35%、およそ1.4%、およそ1.45%、およそ1.5%、およそ1.55%、およそ1.6%、およそ1.65%、およそ1.7%、およそ1.75%、およそ1.8%、およそ1.85%、およそ1.9%、およそ1.95%またはおよそ2%のMnを含み得る。ある特定の態様では、Mnは合金中に存在していない(つまり0%である)。すべてはwt.%で表されている。
任意選択的に、アルミニウム合金組成物はさらに、不純物と呼称されることがある微量元素を、各々およそ0.05%以下、およそ0.04%以下、およそ0.03%以下、およそ0.02%以下またはおよそ0.01%以下の量で含み得る。これらの不純物は、限定はされないが、Ga、B、C、Beまたはその組合せを含み得る。したがって、Ga、B、B、CまたはBeは、およそ0.05%以下、およそ0.04%以下、およそ0.03%以下、およそ0.02%以下、またはおよそ0.01%以下の量で合金中に存在し得る。ある特定の態様では、すべての不純物の合計はおよそ0.15%を超えない(例えば、およそ0.1%)。すべてはwt.%で表されている。ある特定の態様では、合金の残余百分率はアルミニウムである。
本明細書に開示される合金組成物は、上記実施形態のいずれかのアルミニウム合金材料を含めて、アルミニウム(Al)を主成分として、例えば合金の少なくとも80.0%の量で有する。任意選択的に、合金組成物は、少なくとも85.0%のAl、または少なくとも86.0%のAl、または少なくとも86.5%のAl、または少なくとも87.0%のAl、または少なくとも87.5%のAl、または少なくとも88.0%のAl、または少なくとも88.5%のAl、または少なくとも89.0%のAl、または少なくとも89.5%のAl、または少なくとも90.0%のAl、または少なくとも90.5%のAl、または少なくとも91.0%のAl、または少なくとも91.5%のAl、または少なくとも92.0%のAlを有する。すべてはwt.%で表されている。
いくつかの態様では、金属基複合材料(MMC)を形成すべく強化材料が合金に添加され得る。MMCは、「A Process for Producing Reinforced Aluminum-Metal Matrix Composites」と題して2012年5月30日に出願されたWO2012/164581に記載されており、参照によりその全体を本明細書に援用する。そのような強化材料は、SiC、TiB、Al、BC、TiC、CNT(カーボンナノチューブ)などを含み得る。MMCは、その高い強度及び軽量さで知られており、自動車産業において使用され得る。いくつかの態様では、強化材料は、金属基複合材料の20重量%以下の量で存在し得る。理論に拘泥するわけではないが、MMC生成物の中心に非再結晶領域を有することによって、基材と強化材料との間での剥離を軽減することが可能になり得るため、本明細書に記載される機能傾斜は、MMCに適用できるものと考えられる。
いくつかの態様では、強化材料は、インゴット溜まりの内部で「系中」に形成し得るか、または金属搬送システムの中で、もしくは溶融/保持炉の内部で形成し得る。そのような「系中」強化材料は、「系外」で添加される強化材料と比較して、基材とのより良好な接合傾向を有する。そのような「系中」強化材料は、TiB、TiC、NbB、Al、SiC、ZrB、AlB、AlTi、AlCr、AlZr、AlNb、AlTa、AlV、AlN、AlHf、AlHfOなどを含み得る。
本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、任意の好適なアルミニウム合金物品であり得る。上記のとおり、物品は、少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を有するアルミニウム合金生成物から形成される。いくつかの態様では、機能傾斜は、生成物の厚みにわたるものである。例えば、生成物は、高い強度を呈し得る非再結晶領域を中心に有し得るが、生成物の外面は再結晶され得るため、これは成形性を維持するのに役立ち得る。再結晶は、以下に記載されるように、光学顕微鏡を用いて結晶粒のアスペクト比に基づいて、または電子後方散乱回折もしくはX線回折を用いて組織によって、定量され得る。
アルミニウム合金生成物は、任意の好適な物理的構造を有し得る。任意選択的に、アルミニウム合金生成物は、圧延アルミニウム合金平板、シェートまたは薄板である。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金生成物は圧延アルミニウム合金シェートである。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金生成物は、圧延アルミニウム合金薄板である。
再結晶の度合い、または再結晶指数は、当技術分野で知られている任意の好適な方法によって決定され得る。例えば、顕微鏡写真、例えば走査電子顕微鏡写真(SEM)または光学顕微鏡写真(OM)では、より高い度合いの再結晶または再結晶指数は、より高い度合いの均一性を有する結晶粒構造によって認められ得る。他のいくつかの例では、電子後方散乱回折(EBSD)もまた、再結晶の度合いを評価するために用いられ得る。任意選択的に、再結晶の度合いは「再結晶指数」によって示され、これは、本明細書で用いられる場合、式:1-LAGB/(MAGB+HAGB)を指す。いくつかの実施形態では、再結晶指数は、材料の総量または総体積と比較したときの、再結晶される材料の百分率、量または体積を指す、または表す。LAGBは、隣接結晶粒間の配向不整が2°~15°である所与の体積の結晶粒界の量(すなわち、低角度結晶粒界の量)を指す。MAGBは、隣接結晶粒間の配向不整が15°よりも大きいが30°以下である所与の体積の結晶粒界の量(すなわち、中角度結晶粒界の量)を指す。HAGBは、隣接結晶粒間の配向不整が30°よりも大きい所与の体積の結晶粒界の量(すなわち、高角度結晶粒界の量)を指す。LAGB、MAGB及びHAGBの量または値は、EBSDによって記録される隣接結晶粒間の配向不整の角度を測定することによって決定され得る。材料の回復または再結晶は、高度に変形した材料が高温で焼鈍されたときに、材料中に保存されていたエネルギーを減少させ得る。回復は再結晶と競合し、なぜなら、どちらも焼鈍中に保存エネルギーによって促されるからである。回復は、高角度結晶粒界の移動を伴わずに起こる、変形した材料に起こっている焼鈍プロセスとして定義され得る。変形した構造は、転位角度を有するセル状構造であることが多い。回復が進行するにつれてこれらのセル壁は純粋な亜結晶粒構造への遷移を経る。これは、本質的でない転位が徐々に排除されること、及び残りの転位が低角度結晶粒界に再編成されることによって起こる。他方、再結晶は、変形の保存エネルギーによって促される高角度結晶粒界の形成及び移動による、変形した材料における新たな結晶粒構造の形成である。それゆえ、再結晶プロセスの間にLAGBが排除される。
本明細書に記載されるように形成される機能傾斜は、アルミニウム合金生成物の少なくとも1つの次元、例えば厚み及び/または幅にわたるものであり得る。任意選択的に、アルミニウム合金生成物の少なくとも2つの外側領域、例えば、生成物の少なくとも2つの平行表面は、アルミニウム合金生成物の中心に向かう再結晶指数よりも高い再結晶指数を有する。任意選択的に、少なくとも2つの外側領域は、アルミニウム合金生成物の中心の再結晶指数よりも少なくとも0.01高い(例えば、0.01~1.0)、または少なくとも0.03高い、または少なくとも0.05高い、または少なくとも0.07高い、または少なくとも0.10高い、または少なくとも0.15高い、または少なくとも0.20高い、または少なくとも0.25高い、または少なくとも0.30高い、または少なくとも0.35高い、または少なくとも0.40高い、または少なくとも0.45高い、または少なくとも0.50高い再結晶指数を有する。
機能傾斜はまた、機能傾斜の次元にわたってアルミニウム合金生成物の組成を再調査することによっても理解され得る。例えば、機能傾斜は、インゴットの中心線に沿ってより多い包晶形成元素含有量を有し得る一方、外側領域に沿ってより多い共晶形成元素含有量が存在し得る。
本明細書に記載のアルミニウム合金生成物は、独立して、200MPa~700MPaの、またはもっと言えば700MPaよりも大きい、例えば、750MPa以下、800MPa以下または850MPa以下の引張強度を呈し得る。例えば、引張強度は、200MPa~650MPa、200MPa~600MPa、200MPa~550MPa、200MPa~500MPa、250MPa~650MPa、250MPa~600MPa、250MPa~550MPa、250MPa~500MPa、300MPa~650MPa、300MPa~600MPa、300MPa~550MPa、300MPa~500MPa、350MPa~650MPa、350MPa~600MPa、350MPa~550MPa、350MPa~500MPa、400MPa~650MPa、400MPa~600MPa、400MPa~550MPa、400MPa~500MPa、200MPa~225MPa、225MPa~250MPa、250MPa~275MPa、275MPa~300MPa、300MPa~325MPa、325MPa~350MPa、350MPa~375MPa、375MPa~400MPa、400MPa~425MPa、425MPa~450MPa、450MPa~475MPa、475MPa~500MPa、500MPa~525MPa、525MPa~550MPa、550MPa~575MPa、575MPa~600MPa、600MPa~625MPa、625MPa~650MPa、650MPa~675MPa、または675MPa~700MPaであり得る。
本明細書に記載のアルミニウム合金生成物は、独立して、200MPa~600MPaの、またはもっと言えば600MPaよりも大きい、例えば、650MPa、700MPaまたは750MPaの降伏強度を呈し得る。例えば、降伏強度は、200MPa~550MPa、200MPa~500MPa、250MPa~600MPa、250MPa~550MPa、250MPa~500MPa、300MPa~600MPa、300MPa~550MPa、300MPa~500MPa、350MPa~600MPa、350MPa~550MPa、350MPa~500MPa、400MPa~600MPa、400MPa~550MPa、400MPa~500MPa、200MPa~225MPa、225MPa~250MPa、250MPa~275MPa、275MPa~300MPa、300MPa~325MPa、325MPa~350MPa、350MPa~375MPa、375MPa~400MPa、400MPa~425MPa、425MPa~450MPa、450MPa~475MPa、475MPa~500MPa、500MPa~525MPa、525MPa~550MPa、550MPa~575MPa、または575MPa~600MPaであり得る。
アルミニウム合金生成物を調製する方法
ある特定の態様では、開示されるアルミニウム合金生成物は、開示される方法の生成物である。本明細書に示される本発明の範囲を限定する意図はないが、本明細書に示されるアルミニウム合金生成物の特性は、その調製中にある特定の微細構造の形成によって部分的に決定される。
少なくとも1つの態様において、本開示は、アルミニウム合金生成物を作る方法であって、溶融状態のアルミニウム合金を溶融アルミニウム合金として提供すること;溶融アルミニウム合金を鋳込んでアルミニウム合金鋳造品を形成すること;アルミニウム合金鋳造品を均質化して均質化アルミニウム合金鋳造品を形成すること;及び均質化アルミニウム合金鋳造品を圧延して圧延アルミニウム合金生成物を形成すること含む、当該方法を提供する。いくつかの態様では、ダイレクトチル(DC)鋳造プロセスによって、溶融アルミニウム合金を鋳込んでインゴットを鋳造する。いくつかの態様では、双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機、ブロック式鋳造機または他の任意の連続鋳造機の使用によって連続(CC)鋳造プロセスで溶融アルミニウム合金を鋳造空洞に鋳込む。
鋳造
本明細書に開示される方法は、異なる合金元素をマスター合金(二元系または三元系または四元系元素)または純金属の形態で融液プールに添加する工程を含み得る。これは、磁石または手作業での撹拌を用いて炉を撹拌することも伴い得る。任意選択的に、強化粒子が添加され得る。これには、浮き滓を除去することが伴い得る。
本明細書に開示される方法は、融液を調製するために誘導路またはガス火炉または電気抵抗炉を使用する工程を含み得る。
本明細書に開示される方法は、溶融アルミニウム合金を鋳込んでアルミニウム合金鋳造品を形成する工程を含み得る。いくつかの実施形態では、溶融合金は、鋳込む前に処理され得る。処理は、炉内での溶融、ライン内での脱気、ライン内での溶融、及び濾過の1つ以上を含み得る。アルミニウム合金鋳造品は、当業者に知られているアルミニウム産業で一般的に用いられる基準に従って実施される任意の鋳造プロセスを用いて形成され得、これには、本明細書に記載される直接鋳造及び連続鋳造法が含まれる。
ある特定の態様では、融液は、直接鋳造法を用いて融液を型に送達する直前に添加され得る分散強化粒子を含む。さらに、または代替的に、融液は、一次融液が依然として流動している間に液溜まりの内部深くに二次融液として添加される分散強化粒子を含む。ある特定の態様では、二次溶湯は分散質形成元素に富み、液溜まりの内部深くに直接注入される。
少数の非限定的な例を挙げると、鋳造プロセスは、ダイレクトチル(DC)鋳造プロセスまたは連続鋳造(CC)プロセスを含み得る。連続鋳造システムは、一対の可動対向鋳造面(例えば、可動対向ベルト、ロールまたはブロック)、可動対向鋳造面の対の間の鋳造空洞、及び溶湯注入機を含み得る。溶湯注入機は、溶湯を溶湯注入機から流出させて鋳造空洞内に注入し得る、開口端部を有し得る。いくつかの実施形態では、CCプロセスは、限定はされないが、双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機またはブロック式鋳造機の使用を含み得る。いくつかの実施形態では、鋳造プロセスはCCプロセスによって実施されてビレット、スラブ、シェート、鋳片などの形態の鋳造品を形成する。いくつかの態様では、DC鋳造が用いられる。
鋳造品、例えば、インゴット、ビレット、スラブ、シェート、鋳片などは、当業者に知られている任意の手段で加工され得る。任意選択的に、加工工程を用いて薄板が作製され得る。そのような加工工程は、限定はされないが、当業者に知られているような、均質化、熱間圧延、冷間圧延、溶体化熱処理、及び任意選択の予備時効工程を含み得る。加工工程は、当業者に知られているような改変及び技術を用いて、インゴット、ビレット、スラブ、鋳片、平板、シェートなどを含むがこれらに限定されない任意の鋳造品に好適に適用され得る。以下に記載されるように、特定の再結晶指数分布を有するアルミニウム合金物品を調製するために特定の加工工程が用いられ得る。
場合によっては、鋳造プロセスは、後の加工工程の間に起こり得る再結晶及び改質に影響を及ぼし得る。例えば、インゴットなどの鋳造品における分散質形成元素の分布は、鋳造品が再結晶を受ける能力に影響を及ぼし得る。少なくとも1つの包晶形成元素に富み、少なくとも1つの共晶元素が枯渇した一次結晶粒を選択的に形成し、鋳造プロセス中に包晶(分散質)形成元素を偏析させることによって、鋳造品、ならびに加工生成物及び物品の異なる領域は、いくぶん再結晶を受けやすくなり得る。包晶形成元素は、過飽和溶液から、例えば直径10nm~直径100nmであり得るナノスケール分散質の形態で析出し得る。これらの分散質は、より大きな粒子がするような再結晶核形成を促進しないサイズを有し得る。むしろ、これらの粒子は、再結晶が抑制されるように転位及び結晶粒界の移動を抑制し得る。これらの分散質の体積または質量分率は、鋳造品における固有の再結晶挙動を決定付け得るかまたはそれに影響を及ぼし得る。
中心における包晶元素のマクロ偏析に影響を及ぼす一次結晶粒サイズに加えて、一次アルミニウム結晶粒における包晶元素の固溶度の増大も、例えば鋳造インゴットにおけるマクロ偏析の量を決定付け得る。包晶元素の固溶度の増大は、一次結晶粒の凝固経路によって決定付けられる。一旦包晶元素が一次結晶粒内で固溶体化し、そうして一次結晶粒がインゴット中心に定着すると、包晶元素は、一次結晶粒サイズにかかわらず変形段階の間に下流でも析出し得る。大抵において分散質は均質化プロセス中に形成するため、再結晶は熱間圧延中に起こる。それゆえ、鋳造一次結晶粒サイズ(または樹枝状晶サイズ)は、包晶(分散質)形成元素及び再結晶機構に関係しない可能性がある。ある場合には、均質化後に一次結晶粒中に分散質が存在していない、いわゆる「無粒子領域」が存在する可能性がある。これは、一次結晶粒にわたる包晶(分散質)形成元素分布が様々となっており、包晶元素が、一次結晶粒中心に豊富に存在しており、再結晶に影響し得る結晶粒(または樹枝状晶)境界の方に向かって枯渇している場合に起こると考えられる。
大規模な鋳造では、合金元素の枯渇または蓄積が起こり得る。これはマクロ偏析として知られているが、これは、本質的に異なる組成を有する固液相の相対移動によって引き起こされ得る。インゴットの中心は特に、例えば鋳造中に、マクロ偏析を受けやすい。例えば、インゴットのこの領域は、共晶形成元素の枯渇を呈し得、相対的な枯渇が鋳造速度に比例し得る。この特性は、Yu and Grangerによって、“Macrosegregation in Aluminum Alloy Ingot Cast by the Semicontinuous Direct Chill(DC)Method,International Conference on Aluminum alloys-Their physical and mechanical properties,”Charlottesville,Virginia.Warley(UK):EMAS;1986,p.17-29の中でさらに解明されている。本明細書に記載されるように、この挙動は以前には支障になるとみなされてきたが、本発明はむしろ意図的にマクロ偏析を形成して、但し特異な方法を用いて、機能傾斜を形成した。この機能傾斜は、望ましい特性を有する及び再利用可能であるアルミニウム圧延生成物をもたらした。好都合なことに、より多くの一次結晶粒が中心に蓄積して、生成物の少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を有するアルミニウム合金生成物をもたらす。
同様に、包晶または分散質形成元素もインゴットの中心線に選択的に濃縮され得、鋳造速度を上昇させることによって濃縮の増強もなされ得る。かくして、鋳造速度を変化させることによってインゴットの中心において分散質形成元素の分布が最適化され得るが、これは再結晶が起こる速度に影響を及ぼすことがある。例えば、分散質形成元素を含有するインゴットにおいて鋳造速度を上昇させることによって、インゴットの中心での分散質形成元素の濃度は、鋳造速度がより遅い場合に比べて上昇し得る。対応する凝固インゴットにおいて増強された分散質含有量は、その後、次の加工工程(例えば、圧延、焼鈍など)の間に加工物体の中心における再結晶速度に影響を与えるべく用いられ得る。このように、鋳造は、後の例えば圧延及び焼鈍工程の間の表面部分に対して相対的な中心部分での再結晶の量及び速度に影響を及ぼすことがある。したがって、本明細書に開示される方法は、任意選択的に、約1.5インチ毎分(IPM)以上、例えば、1.5~10IPM、2.5~10IPM、3.5~10IPM、または4.5~10IPMなどの高速鋳造工程を利用し得る。
所望の場所での、例えば、インゴットの中心に向かう、または外部表面に向かう分散質の形成に作用すべく、鋳造プロセスにおいて様々なパラメータが調整され得る。例えば、包晶(分散質)元素を濃縮するためには、インゴット内での溶湯の流量が制御され得る。流量を調節するには、あつらえのノズルを使用した高速ジェット溶融技術によって、液溜まりプロファイルがより急勾配となるような角度で流れを短辺面及び圧延面に向かって移動させるが、これによってより多くの結晶粒が、中心に定着するように仕向けられる。高速ジェット溶融技術は、磁石を使用せずに実施され得る。あるいは、各圧延面上に配置されて反対方向に旋回する大きな磁石を用いて、圧延面からインゴット中心の方に向かって移動する流れを作り出してもよい。流れを調節するための別の代替策は、傾きを付けた細穴を有する大きなコンボバッグを使用して端面に向かって移動する流れを生じさせ、より多くの一次結晶粒を液溜まりの底部の中心に定着させることを含み得る。流れを調節するためのさらに別の代替策は、より深い液溜まりを作り出してこれによって偏析を増進するのを可能にする、磁気的高速液体ジェット技術を用いることを含み得る。これは、インゴットの中心における共晶元素のより多くの正の偏析も作り出す。流れを調節することに加えて、またはその代わりに、磁気的手段によって、または物理的撹拌によって対流を印加してもよい。これらの方法は、鋳造する間の結晶粒の定着し方を変化させるために用いられ得る。さらなる実施形態では、鋳造速度を上昇させてもよく、これは、溶融プールの深さを増大させるのに役立ち得る。さらには、凝固界面の角度を増大させることは、型内の溶融プールの底部へと、例えばインゴット中心に向かって、結晶粒の移動を増進することにつながり得る。プロセスは、機能傾斜がどのように流れることが望まれるのか、例えば、分散質をインゴットの中心に集中させるのか、または表面/縁部に向かって集中させるのかに応じて調整され得る。
所望のインゴットをもたらす鋳造プロセスの他の際立った態様は、以下の態様のいずれかを含み得る。例えば、系中技術を用いて液溜まり深さを増大させ、より多くのマクロ偏析を作り出してもよい。さらに、または代替的に、市販のワイパー技術を用いて液溜まり深さを増大させてもよい。さらに、または代替的に、第2液体ジェットであって包晶元素及び/または共晶元素に富む当該第2液体(例えば、二元系合金液体であり得る)を、液溜まりの中の一次液体ジェットの下のより深い所に直接注入して、偏析倍率を大幅に増大させてもよく、これは、DC鋳造中にアルミニウム一次結晶粒中の元素の固溶度を増大させるのにも役立ち得、特筆すべきことに、CCにも同様の手法を適用することができる。さらに、または代替的に、二元系ロッドを注入または給送して液溜まりの中心に直接挿入して、ロッドが溶融した時点で中心でのそれらのロッド元素濃度の上昇が実現されるようにしてもよい。さらに、または代替的に、インゴット中心での粗大化または凝集を伴うことなく鋳造インゴットがより微細な粒径を維持するように、スラリーの蒸気(または強化粒子を含む液体)を液溜まりの中心に注入または給送してもよい。さらに、または代替的に、市販のワイパーと一緒に用いられる及び/または鋳造速度を変化させることによる高速液体ジェット技術の組合せのような、上記技術の組合せを用いてマクロ偏析の増強をもたらしてもよい。
均質化
均質化工程は、本明細書に記載の合金組成物から調製されたアルミニウム合金鋳造品を加熱して少なくとも400℃(例えば、少なくとも400℃、少なくとも410℃、少なくとも420℃、少なくとも430℃、少なくとも440℃、少なくとも450℃、少なくとも460℃、少なくとも470℃、少なくとも480℃、少なくとも490℃、少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、または少なくとも530℃)のピーク金属温度(PMT)を実現することを含み得る。例えば、アルミニウム合金生成物は、400℃~580℃、420℃~575℃、440℃~570℃、460℃~565℃、485℃~560℃、500℃~560℃、または520℃~580℃の温度に加熱され得る。任意選択的に、PMTへの加熱速度は、100℃/時以下、75℃/時以下、50℃/時以下、40℃/時以下、30℃/時以下、25℃/時以下、20℃/時以下、または15℃/時以下である。任意選択的に、PMTへの加熱速度は、10℃/分~100℃/分(例えば、10℃/分~90℃/分、10℃/分~70℃/分、10℃/分~60℃/分、20℃/分~90℃/分、30℃/分~80℃/分、40℃/分~70℃/分、または50℃/分~60℃/分)である。
ある場合には、アルミニウム合金鋳造品をその後、一定期間にわたって均熱する(つまり、PMTなどの特定温度で保持する)。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金鋳造品を24時間以下(例えば、端点を含めて30分環~6時間)にわたって均熱する。例えば、いくつかの実施形態では、アルミニウム合金生成物を、少なくとも400℃の温度で30分環、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、または間にある任意の期間にわたって均熱する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される均質化は、2段階均質化プロセスで行われ得る。いくつかの実施形態では、均質化プロセスは、第1段階を呼称され得る上記加熱及び均熱工程を含み得、さらには、第2段階を含み得る。均質化プロセスの第2段階では、アルミニウム合金鋳造品の温度を、均質化プロセスの第1段階のために用いた温度よりも高い温度に上昇させる。アルミニウム合金鋳造品温度は、例えば、均質化プロセスの第1段階の間のアルミニウム合金鋳造品温度よりも少なくとも5℃高い温度に上昇し得る。例えば、アルミニウム合金鋳造品温度は、少なくとも405℃(例えば、少なくとも410℃、少なくとも415℃または少なくとも420℃)の温度に上昇し得る。第2段階均質化温度への加熱速度は、5℃/時以下、3℃/時以下、または2.5℃/時以下であり得る。その後、第2段階の間に一定期間にわたってアルミニウム合金鋳造品を均熱する。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金鋳造品を10時間以下(例えば、端点を含めて30分間~10時間)にわたって均熱する。例えば、アルミニウム合金鋳造品は、少なくとも405℃の温度で30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間または10時間にわたって均熱され得る。いくつかの実施形態では、均質化後にアルミニウム合金鋳造品を空気中で室温まで放冷する。
均質化工程は、鋳造中に形成される包晶または分散質相の析出を可能にし得る。本明細書に記載されるように、インゴットは、より多い量の包晶形成元素をインゴット中心に有し得るが、これは、所望により、より多い量の分散質を表面に有するように逆転し得る。
インゴット断面にわたって微細構造に変化を生じさせるために、均質化炉の内部の温度勾配が用いられ得る。例えば、インゴットの表面と中心との温度差は分散質形成に変化をもたらす。
均質化後、インゴットの表面に焼入れ水が数秒間にわたって散布され得、その結果、外面はより速く冷却され、内部表面はより高い温度で維持されるが、これもまた、断面にわたる微細構造における勾配を促進し得る。微細構造における勾配は、化学組成、一次結晶粒分布、不溶性金属間化合物粒子(種類、サイズ、形状、分布)、組織、あるいは再結晶した結晶粒、強化析出物及び/または強化粒子の分布における勾配の少なくとも1つを含み得る。
熱間圧延
均質化工程に続いて、1回以上の熱間圧延送りが実施され得る。熱間圧延送りは、勾配微細構造が形成されるとみなされる工程であり、なぜなら、分散質相は再結晶を抑制する役割を果たすからである。上記に記載されるように、分散質相は、所望の最終用途及び所望の特性に応じてインゴット中心またはインゴット表面に、より多い量で存在し得る。
場合によっては、アルミニウム合金生成物は、250℃~550℃(例えば、300℃~500℃、または350℃~450℃、または300℃~520℃)の範囲の温度で熱間圧延される。いくつかの態様では、再結晶後の結晶粒成長過程を操作するために、圧延中に、例えば勾配加熱を提供する異なる温度プロファイルを用いて、アルミニウム合金生成物を選択的に加熱する。勾配加熱は、磁気的、マイクロ波または誘導加熱法を用い得る。例えば、勾配加熱は、外側部分が再結晶温度よりも高い温度を有し、内側部分が再結晶温度よりも低い温度を有するように、薄板または強しごきゲージ平板を加熱することを含み得る。あるいは、またはさらに、外側部分がすぐさま再結晶温度よりも低い温度に低下する一方で内側部分が再結晶温度よりも高い温度を維持するように、加熱直後に噴霧水が散布され得る。
ある特定の実施形態では、アルミニウム合金生成物は4mm~15mmの厚みゲージ(例えば、5mm~12mmの厚みゲージ)に熱間圧延されるが、これはシェートと呼称される。例えば、アルミニウム合金生成物は、15mmの厚みゲージ、14mmの厚みゲージ、13mmの厚みゲージ、12mmの厚みゲージ、11mmの厚みゲージ、10mmの厚みゲージ、9mmの厚みゲージ、8mmの厚みゲージ、7mmの厚みゲージ、6mmの厚みゲージもしくは5mmの厚みゲージ、または間にある任意の値に熱間圧延され得る。
他のある特定の実施形態では、アルミニウム合金生成物は、15mmの厚さよりも大きいゲージに熱間圧延され得る(例えば平板)。例えば、アルミニウム合金生成物は、25mmの厚みゲージ、24mmの厚みゲージ、23mmの厚みゲージ、22mmの厚みゲージ、21mmの厚みゲージ、20mmの厚みゲージ、19mmの厚みゲージ、18mmの厚みゲージ、17mmの厚みゲージもしくは16mmの厚みゲージ、または間にあるか任意の好適なゲージ、もしくは25mmを上回る厚さに熱間圧延され得る。
他のある特定の実施形態では、アルミニウム合金生成物は、側方に交差圧延され得る。
他の例では、アルミニウム合金生成物は、4mm未満のゲージに熱間圧延され得る(例えば薄板)。例えば、アルミニウム合金生成物は、3.5mmの厚みゲージ、3mmの厚みゲージ、2mmの厚みゲージもしくは1mmの厚みゲージ、または間にある任意の値に熱間圧延され得る。
冷間圧延及び焼鈍、ならびにさらなる圧延
熱間圧延に続いて、1回以上の冷間圧延送りが実施され得る。ある特定の実施形態では、熱間圧延工程からの圧延生成物(例えば、平板、シェートまたは薄板)は、薄ゲージシェートまたは薄板に冷間圧延され得る。いくつかの実施形態では、この薄ゲージシェートまたは薄板は、0.9mm~12.0mm、または2.0mm~8.0mm、または3.0mm~6.0mm、または4.0mm~5.0mmの範囲の厚さ(すなわち、第1厚さ)を有するように冷間圧延され得る。いくつかの実施形態では、この薄ゲージシェートまたは薄板を、厚さが12.0mm、11.9mm、11.8mm、11.7mm、11.6mm、11.5mm、11.4mm、11.3mm、11.2mm、11.1mm、11.0mm、10.9mm、10.8mm、10.7mm、10.6mm、10.5mm、10.4mm、10.3mm、10.2mm、10.1mm、10.0mm、9.9mm、9.8mm、9.7mm、9.6mm、9.5mm、9.4mm、9.3mm、9.2mm、9.1mm、9.0mm、8.9mm、8.8mm、8.7mm、8.6mm、8.5mm、8.4mm、8.3mm、8.2mm、8.1mm、8.0mm、7.9mm、7.8mm、7.7mm、7.6mm、7.5mm、7.4mm、7.3mm、7.2mm、7.1mm、7.0mm、6.9mm、6.8mm、6.7mm、6.6mm、6.5mm、6.4mm、6.3mm、6.2mm、6.1mm、6.0mm、5.9mm、5.8mm、5.7mm、5.6mm、5.5mm、5.4mm、5.3mm、5.2mm、5.1mm、5.0mm、4.9mm、4.8mm、4.7mm、4.6mm、4.5mm、4.4mm、4.3mm、4.2mm、4.1mm、4.0mm、3.9mm、3.8mm、3.7mm、3.6mm、3.5mm、3.4mm、3.3mm、3.2mm、3.1mm、3.0mm、2.9mm、2.8mm、2.7mm、2.6mm、2.5mm、2.4mm、2.3mm、2.2mm、2.1mm、2.0mm、1.9mm、1.8mm、1.7mm、1.6mm、1.5mm、1.4mm、1.3mm、1.2mm、1.1mm、1.0mmもしくは0.9mm、または間にある任意の値となるように冷間圧延する。
いくつかの実施形態では、1回以上の冷間圧延送りは、圧延アルミニウム生成物の厚さを少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%減少させる。いくつかの実施形態では、1回以上の冷間圧延送りは、鋳造品を、10mm以下、または9mm以下、または8mm以下、または7mm以下、または6mm以下、または5mm以下の厚さ(すなわち、第1厚さ)にする。
1回以上の冷間圧延送りに続いて、焼鈍が実施され得る。これは、圧延プロセスの途中に実施されることから、中間焼鈍または途中焼鈍と呼称されることもあり、例えば、いくつかの実施形態では、焼鈍後に1回以上のさらなる圧延送りが行われる。
焼鈍工程は、圧延アルミニウム生成物を室温から380℃~500℃(例えば、385℃~495℃、390℃~490℃、395℃~485℃、400℃~480℃、405℃~475℃、410℃~470℃、415℃~465℃、420℃~460℃、425℃~455℃、430℃~460℃、380℃~450℃、405℃~475℃、または430℃~500℃)の温度に加熱することを含み得る。
この中間焼鈍工程は、例えば、得られる生成物においてある特定の有益な組織特徴をもたらし得る。詳しくは、中間焼鈍は、生成物の表面上での再結晶微細構造の形成、ならびに生成物の中央における回復及び/または非再結晶構造の形成を助ける。いくつかの例では、生成物の表面上の組織は、Bs、S及びCuなどの変形タイプ成分ではなく、キューブ、キューブND及びキューブRDを含めた再結晶成分が支配的になるであろう。それゆえ、強度を低下させることなく生成物の曲げ性能が改善される。
平板、シェートまたは薄板は、中間焼鈍温度で一定期間にわたって均熱され得る。1つの非限定的な例では、平板、シェートまたは薄板をおよそ2時間以内(例えば、端点を含めて約15~約120分間)にわたって均熱する。例えば、平板、シェートまたは薄板は、約400℃~約500℃の温度で15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間もしくは120分間、または間にある任意の値にわたって均熱され得る。
いくつかの実施形態では、圧延アルミニウム合金生成物の中間焼鈍は、45℃以下、または40℃以下、または35℃以下、または30℃以下、または25℃以下、または20℃以下、または15℃以下、または10℃以下だけアルミニウム合金の最低再結晶温度を上回る温度で行われる。いくつかの実施形態では、圧延アルミニウム合金生成物の中間焼鈍は、アルミニウム合金の最低再結晶温度を上回る温度で3.0時間以下、または2.5時間以下、または2.0時間以下、または1.5時間以下、または1.0時間以下にわたって行われる。
任意選択的に、中間焼鈍は、複数回の焼鈍副工程を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、焼鈍は、最低再結晶温度よりも高い第1温度で第1期間にわたって、及び最低再結晶温度よりも高い第2温度で第2期間にわたって行われる。例えば、最低再結晶温度よりも高い第1温度は、最低再結晶温度よりも高い第2温度を上回り得る。焼鈍は、例えば、中間部分と比較して表面部分をより早い時期により高い温度の焼鈍条件に供し得る。第1工程と比較して第2工程の温度がより低くされる、2つの(またはそれより多い)工程の中間焼鈍プロセスを用いることによって、圧延アルミニウム合金生成物の表面部分は中間部分に比べてより長い期間にわたって再結晶条件に供され得る。これは、単一の焼鈍温度が用いられる単一工程の中間焼鈍プロセスにおいても起こり得るが、効果は複数工程の焼鈍プロセスにおいてより顕著になり得る。
任意選択的に、中間焼鈍に続いてさらなる圧延、例えば冷間圧延が実施される。いくつかの実施形態では、1回以上の追加冷間圧延送りが実施される。追加圧延は、アルミニウム合金生成物を最終厚さ(すなわち、第2厚さ)にする。いくつかの実施形態では、最終厚さは、0.1mm~4.0mmの範囲である。いくつかの実施形態では、最終厚さは、4.0mm、3.9mm、3.8mm、3.7mm、3.6mm、3.5mm、3.4mm、3.3mm、3.2mm、3.1mm、3.0mm、2.9mm、2.8mm、2.7mm、2.6mm、2.5mm、2.4mm、2.3mm、2.2mm、2.1mm、2.0mm、1.9mm、1.8mm、1.7mm、1.6mm、1.5mm、1.4mm、1.3mm、1.2mm、1.1mm、1.0mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mmまたは0.1mmである。いくつかのさらなるそのような実施形態では、最終厚さは、4.0mm以下、または3.5mm以下、または3.0mm以下、または2.5mm以下、または2.0mm以下、または1.5mm以下、または1.0mm以下、または0.5mm以下、または0.3mm以下、または0.1mm以下である。
仕上げ工程
任意選択的に、中間焼鈍及び/または追加圧延に続いて、溶体化、焼入れ、時効及び巻取りの1つ以上を含むがこれらに限定されない追加仕上工程が行われ得る。
いくつかの実施形態では、溶体化熱処理工程が行われ得る。溶体化熱処理工程は、アルミニウム合金生成物を室温から430℃~580℃の温度に加熱することを含み得る。例えば、溶体化熱処理工程は、アルミニウム合金生成物を室温から、440℃~580℃、460℃~500℃、または480℃~490℃の温度に加熱することを含み得る。いくつかの例では、溶体化熱処理工程の加熱速度は、250℃/時~350℃/時(例えば、250℃/時、255℃/時、260℃/時、265℃/時、270℃/時、275℃/時、280℃/時、285℃/時、290℃/時、295℃/時、300℃/時、305℃/時、310℃/時、315℃/時、320℃/時、325℃/時、330℃/時、335℃/時、340℃/時、345℃/時、または350℃/時)であり得る。
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金生成物はその後、選択されたゲージに基づく焼入れ工程において、約50℃/秒から400℃/秒までの間で様々であり得る焼入れ速度で約25℃の温度に冷却され得る。例えば、焼入れ速度は、約50℃/秒~約375℃/秒、約60℃/秒~約375℃/秒、約70℃/秒~約350℃/秒、約80℃/秒~約325℃/秒、約90℃/秒~約300℃/秒、約100℃/秒~約275℃/秒、約125℃/秒~約250℃/秒、約150℃/秒~約225℃/秒、または約175℃/秒~約200℃/秒であり得る。
焼入れ工程において、アルミニウム合金生成物は、液体(例えば水)及び/または気体、あるいは別の選択された焼入れ媒体によって急速に焼入れされる。ある特定の態様では、アルミニウム合金生成物は、水によって急速に焼入れされ得る。ある特定の実施形態では、アルミニウム合金生成物は、空気によって焼入れされる。
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金生成物は、一定期間にわたって人工時効されて質別T6またはT7をもたらし得る。ある特定の実施形態では、アルミニウム合金生成物は、一定期間にわたって約100℃~225℃(例えば、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145℃、150℃、155℃、160℃、165℃、170℃、175℃、180℃、185℃、190℃、195℃、200℃、205℃、210℃、215℃、220℃または225℃)で人工時効(AA)され得る。任意選択的に、アルミニウム合金生成物は、約15分間~約48時間(例えば、15分間、30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、37時間、38時間、39時間、40時間、41時間、42時間、43時間、44時間、45時間、46時間、47時間もしくは48時間、または間にある任意の値)の期間にわたって冷間加工及び人工時効され得る。
いくつかの実施形態では、生産性または成形性の改善のために、生産中または生産後の焼鈍工程も適用して巻回体形態のアルミニウム合金生成物を生産することがある。例えば、巻回体形態の合金は、熱間または冷間圧延工程、及び熱間または冷間圧延工程に続く焼鈍工程を用いて、質別Oで供給され得る。質別Oにおいて成形が起こり得るが、この後に溶体化熱処理、焼入れ及び人工時効/塗装焼付けが続く。
ある特定の態様では、質別Fと比較して高い成形性を有する巻回体形態のアルミニウム合金生成物を生産するために、巻回体に焼鈍工程が適用され得る。本発明を限定する意図はないが、焼鈍及び焼鈍パラメータの目的は、(1)材料における加工硬化を解除して成形性を獲得すること;(2)著しい結晶粒成長を引き起こすことなく材料を再結晶または回復させること;(3)成形するため及び成形性がある間に異方性を軽減するために適するものとなるように組織を操作または変換すること;ならびに(4)既存の析出粒子の粗大化を回避することを含み得る。
1つ以上の態様において、本開示は、上記に示されるプロセスまたはその任意の実施形態によって形成されたアルミニウム合金生成物を提供する。
製品
本開示は、本明細書に開示されるアルミニウム合金生成物を含む製品を提供する。いくつかの実施形態では、製品は、圧延アルミニウム合金生成物を含む。そのような製品の例としては、自動車、トラック、トレーラー、列車、鉄道車両、航空機、装甲車、船、ボート、上記のいずれかのためのボディパネルもしくは部品、橋梁、パイプライン、パイプ、配管材、ボート、船、貯蔵容器、貯蔵タンク、家具、窓、扉、線路、機能性もしくは装飾用建築部品、パイプ手摺、電子部品、導管、飲料容器、食品容器、または箔が挙げられるが、これらに限定されない。
他のいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、自動車両、航空機及び鉄道用途を含めた自動車及び/または輸送用途、あるいは他の任意の所望の用途に使用され得る。いくつかの例では、本明細書に開示されるアルミニウム合金生成物は、自動車両ボディパーツ製品、例えば、バンパー、サイドビーム、ルーフビーム、クロスビーム、ピラー補強材(例えば、Aピラー、Bピラー及びCピラー)、インナーパネル、アウターパネル、サイドパネル、インナーフード、アウターフードまたはトランクリッドパネルを作製するために使用され得る。本明細書に記載のアルミニウム合金及び方法はまた、航空機または鉄道車両用途においても、例えば外部及び内部パネルを作製するために、使用され得る。
他のいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、電子機器用途に使用され得る。例えば、本明細書に開示されるアルミニウム合金生成物は、携帯電話及びタブレット型コンピュータを含めた電子デバイスの筐体を作製するためにも使用され得る。いくつかの例では、合金は、携帯電話(例えばスマートフォン)及びタブレットボトムシャーシの外被のための筐体を作製するために使用され得る。
他のいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアルミニウム合金生成物は、産業用途に使用され得る。例えば、本明細書に開示されるアルミニウム合金生成物は、一般流通市場のための製品を作製するために使用され得る。
他のいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、航空宇宙ボディパーツとして使用され得る。例えば、本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、構造用航空宇宙ボディパーツ、例えば、翼、胴体、補助翼、方向舵、昇降機、カウリングまたは支持体を作製するために使用され得る。他のいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアルミニウム合金物品は、非構造用航空宇宙ボディパーツ、例えば、座席用レール、座席フレーム、パネルまたは蝶番を作製するために使用され得る。
以下の例は、本開示のある特定の実施形態をさらに例示する役割を果たすが、そうはいっても、それに対する何らかの限定を構成するものではない。むしろ、本開示の趣旨から逸脱することなく本明細書の記載を読んだ後に自ずと当業者に示唆され得る様々な実施形態、その改変形態及び均等物に依拠され得ることは、明確に理解されるべきである。
例示的な態様
以下において使用される場合、一連の態様(例えば、「態様1~4」)または列挙されない態様群(例えば、「任意の先行または後行態様」)に対するいかなる言及も、それらの態様の各々に区別して言及しているものと理解されるべきである(例えば、「態様1~4」は、「態様1、2、3または4」と理解されるべきである)。態様1は、機能傾斜アルミニウム合金生成物を調製する方法であって、型にインゴットを鋳造して、または鋳造空洞に融液を鋳込んで鋳造して、鋳造品を形成することであって、前記鋳造品がアルミニウム合金を含み、前記鋳造品が、少なくとも1つの包晶形成元素及び少なくとも1つの共晶形成元素を含み、前記鋳造することが、a)前記少なくとも1つの包晶形成元素に富み、前記少なくとも1つの共晶元素が枯渇した、一次結晶粒を形成すること、ならびにb)前記一次結晶粒の移動及び蓄積を制御することを含む、前記形成することと;前記鋳造品を均質化することであって、前記均質化中に前記一次結晶粒が析出する、前記均質化することと;前記均質化された鋳造品を圧延して前記機能傾斜アルミニウム合金生成物を形成することとを含む、前記方法である。
態様2は、前記アルミニウム合金が、2xxx系アルミニウム合金、5xxx系アルミニウム合金、6xxx系アルミニウム合金または7xxx系アルミニウム合金である、任意の先行または後行態様に記載の方法である。
態様3は、前記少なくとも1つの包晶形成元素が0.2重量%以下の量で存在している、任意の先行または後行態様に記載の方法である。
態様4は、前記少なくとも1つの共晶形成元素が、0.2重量%を上回る量で存在している、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様5は、前記型にインゴットを鋳造することが、ダイレクトチル鋳造プロセスを含む、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様6は、前記鋳造空洞に融液を鋳込んで鋳造することが、連続鋳造プロセスを含む、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様7は、前記連続鋳造プロセスが、双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機、ブロック式鋳造機または他の任意の連続鋳造機の少なくとも1つによって鋳造することを含む、任意の先行または後行態様に記載の方法である。
態様8は、前記圧延することが、熱間圧延することを含む、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様9は、前記析出した一次結晶粒が、前記圧延する間の再結晶を抑制する、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様10は、前記アルミニウム合金生成物が、前記生成物の厚みにわたって機能傾斜化されている、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様11は、前記アルミニウム合金生成物が、前記生成物の幅にわたって機能傾斜化されている、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様12は、前記一次結晶粒が25~250ミクロンの最大寸法を有する、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様13は、前記アルミニウム合金が、前記少なくとも1つの包晶形成元素及び前記少なくとも1つの共晶形成元素を含む、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様14は、前記鋳造する間に前記インゴットまたは液体金属に、前記少なくとも1つの包晶形成元素、前記少なくとも1つの共晶形成元素、またはその組合せが添加される、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様15は、前記一次結晶粒を形成することが、溶質元素、金属間化合物粒子、溶質に富む結晶粒、強化粒子、またはその組合せの少なくとも1つを形成することをさらに含む、任意の先行または後行態様のいずれかに記載の方法である。
態様16は、少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を含むアルミニウム合金生成物であって、前記機能傾斜が、非再結晶中心と再結晶面、及び/または中心から表面へと向かう強化粒子割合変化を含む、前記アルミニウム合金生成物である。
態様17は、前記生成物が前記非再結晶中心に少なくとも1つの包晶形成元素を含む、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様18は、前記少なくとも1つの包晶形成元素が、Ti、Zr、V、Hf、Nb、Ta、Crまたはその組合せの少なくとも1つを含む、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様19は、前記少なくとも1つの包晶元素が0.2重量%以下の量で存在している、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様20は、前記生成物が前記再結晶面に少なくとも1つの共晶形成元素を含む、任意の先行または後行態様のいずれかに記載のアルミニウム合金生成物である。
態様21は、前記共晶形成元素が、Si、Cu、Fe、Zn、Mg、Sc、Ni、Mn、Ce及びY、ならびにその組合せの少なくとも1つを含む、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様22は、前記共晶形成元素が、0.2重量%を上回る量で存在している、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様23は、前記生成物が、少なくとも1つの強化粒子を含み得る、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様24は、前記強化粒子が、TiB、TiC、NbB、Al、SiC、ZrB、AlB、AlTi、AlCr、AlZr、AlNb、AlTa、AlV、AlN、AlNi、AlHf、AlHfO、及びその組合せの少なくとも1つを含む、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様25は、前記強化粒子が、溶湯に添加されるか、または前記鋳造する間に系中で形成される、任意の先行または後行態様に記載のアルミニウム合金生成物である。
態様26は、前記強化粒子が0.1重量%を上回る量で存在している、任意の先行または後行態様のいずれかに記載のアルミニウム合金生成物である。
態様27は、任意の先行態様のいずれかに記載のアルミニウム合金生成物を含む、アルミニウム合金物品である。
上記において引用されるすべての特許、特許出願、刊行物及び要旨は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。本発明の様々な目的を果たすべく、本発明の様々な実施形態を記載してきた。これらの実施形態が本発明の原理の単なる例示であることは認識されるべきである。当業者には、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多数のその改変形態及び改作形態が容易に明らかとなろう。

Claims (27)

  1. 機能傾斜アルミニウム合金生成物を調製する方法であって、
    型にインゴットを鋳造して、または鋳造空洞に融液を鋳込んで鋳造して、鋳造品を形成することであって、前記鋳造品がアルミニウム合金を含み、前記鋳造品が、少なくとも1つの包晶形成元素及び少なくとも1つの共晶形成元素を含み、前記鋳造することが、
    a)前記少なくとも1つの包晶形成元素に富み、前記少なくとも1つの共晶元素が枯渇した、一次結晶粒を形成すること、ならびに
    b)前記一次結晶粒の移動及び蓄積を制御すること
    を含む、前記形成することと;
    前記鋳造品を均質化することであって、前記均質化中に前記一次結晶粒が析出する、前記均質化することと;
    前記均質化された鋳造品を圧延して前記機能傾斜アルミニウム合金生成物を形成することと
    を含む、前記方法。
  2. 前記アルミニウム合金が、2xxx系アルミニウム合金、5xxx系アルミニウム合金、6xxx系アルミニウム合金または7xxx系アルミニウム合金である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの包晶形成元素が0.2重量%以下の量で存在している、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの共晶形成元素が、0.2重量%を上回る量で存在している、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記型にインゴットを鋳造することが、ダイレクトチル鋳造プロセスを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記鋳造空洞に融液を鋳込んで鋳造することが、連続鋳造プロセスを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記連続鋳造プロセスが、
    双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機、ブロック式鋳造機または他の任意の連続鋳造機
    の少なくとも1つによって鋳造することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記圧延することが、熱間圧延することを含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記析出した一次結晶粒が、前記圧延する間の再結晶を抑制する、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記アルミニウム合金生成物が、前記生成物の厚みにわたって機能傾斜化されている、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記アルミニウム合金生成物が、前記生成物の幅にわたって機能傾斜化されている、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記一次結晶粒が25~250ミクロンの最大寸法を有する、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記アルミニウム合金が、前記少なくとも1つの包晶形成元素及び前記少なくとも1つの共晶形成元素を含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記鋳造する間に前記インゴットまたは液体金属に、前記少なくとも1つの包晶形成元素、前記少なくとも1つの共晶形成元素、またはその組合せが添加される、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記一次結晶粒を形成することが、
    溶質元素、金属間化合物粒子、溶質に富む結晶粒、強化粒子、またはその組合せ
    の少なくとも1つを形成することをさらに含む、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
  16. 少なくとも1つの次元にわたって機能傾斜を含むアルミニウム合金生成物であって、前記機能傾斜が、
    非再結晶中心と再結晶面、及び/または
    中心から表面へと向かう強化粒子割合変化
    を含む、前記アルミニウム合金生成物。
  17. 前記生成物が前記非再結晶中心に少なくとも1つの包晶形成元素を含む、請求項16に記載のアルミニウム合金生成物。
  18. 前記少なくとも1つの包晶形成元素が、
    Ti、Zr、V、Hf、Nb、Ta、Crまたはその組合せ
    の少なくとも1つを含む、請求項17に記載のアルミニウム合金生成物。
  19. 前記少なくとも1つの包晶元素が0.2重量%以下の量で存在している、請求項17または請求項18に記載のアルミニウム合金生成物。
  20. 前記生成物が前記再結晶面に少なくとも1つの共晶形成元素を含む、請求項16~19のいずれかに記載のアルミニウム合金生成物。
  21. 前記共晶形成元素が、
    Si、Cu、Fe、Zn、Mg、Sc、Ni、Mn、Ce及びY、ならびにその組合せ
    の少なくとも1つを含む、請求項20に記載のアルミニウム合金生成物。
  22. 前記共晶形成元素が、0.2重量%を上回る量で存在している、請求項20または請求項21に記載のアルミニウム合金生成物。
  23. 前記生成物が、少なくとも1つの強化粒子を含み得る、請求項16~19に記載のアルミニウム合金生成物。
  24. 前記強化粒子が、
    TiB、TiC、NbB、Al、SiC、ZrB、AlB、AlTi、AlCr、AlZr、AlNb、AlTa、AlV、AlN、AlNi、AlHf、AlHfO、及びその組合せ
    の少なくとも1つを含む、請求項23に記載のアルミニウム合金生成物。
  25. 前記強化粒子が、
    溶湯に添加されるか、または
    前記鋳造する間に系中で形成される、
    請求項23または請求項24に記載のアルミニウム合金生成物。
  26. 前記強化粒子が0.1重量%を上回る量で存在している、請求項23~25のいずれかに記載のアルミニウム合金生成物。
  27. 請求項16~26のいずれかに記載のアルミニウム合金生成物を含む、アルミニウム合金物品。
JP2023518474A 2020-09-24 2021-09-23 機能傾斜アルミニウム合金生成物及び製造方法 Pending JP2023543569A (ja)

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