JP2023542932A - 常染色体優性低カルシウム血症1型(adh1)の治療のためのトリフェニルカルシリティック化合物 - Google Patents

常染色体優性低カルシウム血症1型(adh1)の治療のためのトリフェニルカルシリティック化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023542932A
JP2023542932A JP2023518198A JP2023518198A JP2023542932A JP 2023542932 A JP2023542932 A JP 2023542932A JP 2023518198 A JP2023518198 A JP 2023518198A JP 2023518198 A JP2023518198 A JP 2023518198A JP 2023542932 A JP2023542932 A JP 2023542932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cltx
cca
dose
blood
total daily
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023518198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022060987A5 (ja
Inventor
ブルース サイモン
フォックス ジョナサン
サニ-ゴロッソ ラメイ
コメイリー アリ
スリダー アナンス
スコット ロバーツ メアリー
ティー.コリンズ マイケル
アイ.ガフニ レイチェル
ビー.エル.ロズコ ケリー
アール.ハートリー アイリス
エー.ポゾ カレン
Original Assignee
カルシリティクス セラピューティクス,インコーポレイティド
ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カルシリティクス セラピューティクス,インコーポレイティド, ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ filed Critical カルシリティクス セラピューティクス,インコーポレイティド
Publication of JP2023542932A publication Critical patent/JP2023542932A/ja
Publication of JPWO2022060987A5 publication Critical patent/JPWO2022060987A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • A61K31/195Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/12Drugs for disorders of the metabolism for electrolyte homeostasis
    • A61P3/14Drugs for disorders of the metabolism for electrolyte homeostasis for calcium homeostasis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

本開示は、治療有効量の式(I)の化合物、特にCLTX-305により常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法であって、治療有効量の該化合物が、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dl~約10.5mg/dlの範囲、例えば、約8.5mg/dl~約10.5mg/dlに増加させる、方法を提供する。本明細書では、1つ以上の投与レジメンに従って、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305により常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療するための用量発見方法も提供される。JPEG2023542932000039.jpg40139【選択図】図9A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月18日に出願された米国仮出願第63/080,165号及び2021年3月10日に出願された米国仮出願第63/159,397号に対する優先権を主張し、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が組み込まれる。
連邦政府支援による試験開発に基づいてなされた発明に対する権利に関する陳述
該当しない
コンパクトディスクで提出された「配列表」、表、又はコンピュータープログラムリスト付録の参照
該当しない
常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)は、カルシウム感知受容体(CASR)をコードする遺伝子の変異を活性化して、これにより低カルシウム血症がもたらされることによって引き起こされる、全身カルシウム恒常性の希少障害である(Hannan et. al.Human molecular genetics,2012,21(12),p.2768-2778;及びHofer et. al.,Nature reviews:Molecular cell biology,2003,4(7),p.530-538)。カルシウム感知受容体(CASR)は、細胞外カルシウム濃度の変動に応じて副甲状腺ホルモン(PTH)分泌及び尿中カルシウム排泄を制御することによって全身カルシウム恒常性の調節において主な役割を果たす(Hofer et. al., Nature reviews:Molecular cell biology,2003;及びGunn et. al.,Ann Clin Biochem,2004,41(Pt6):p.441-58))。CaSRの負のアロステリックモジュレーター(いわゆる抗カルシリティック剤)は、ADH1の潜在的な標的化治療となり得る。
ADH1の有病率は不確かであり、約70,000人に1人(Gunn et al.,Ann.Clin.Biochem.,2004)又は100,000人に3.9人(Dershem et. al.,The American Journal of Human Genetics,2020,106,1-14)で起こることがこれまでに推定されている。任意の入手可能な推定によれば、ADH1は、米国食品医薬品局及び欧州医薬品庁などの他の管轄保健当局の適用基準に従って希少疾患としての適格性を有し、米国国立衛生試験所(NIH)の希少疾患試験対策室(Genetic and Rare Disease(GARD)Number:2877)及び欧州希少疾患コンソーシアムOrphanet(Orpha Number:428)によって希少であることが認められている。
ADH1は、異常に低いレベルの副甲状腺ホルモン(PTH)を伴う様々な程度の低カルシウム血症、高リン血症、及び通常は持続的な高カルシウム尿症を伴う低マグネシウムレベルによって特徴付けられる(Roszko et. al.,Frontiers in Physiology, 2016, 7,p 458)。低カルシウム血症の症状には、最も一般的には、感覚異常、筋痙攣、筋肉の引き攣り、テタニー、口周囲のしびれが含まれ、発作の誘発を含む様々な強さであり得る。低カルシウム血症は、喉頭痙攣、神経筋易興奮性、認知障害、人格障害、心室性頻脈性不整脈のリスク増加、心筋梗塞を模倣する心電図変化、及び/又は明白な心不全のリスクの増加に関連し得る表面心電図のQT間隔の延長を示し得る。
ADH1を有する患者では、低カルシウム血症は、主に細胞外イオン化カルシウムに対するCaSRの高い感受性に起因して生じ、これは、iPTH分泌を抑制し、1,25-(OH)-ビタミンD(1,25-ジヒドロキシビタミンD3とも称される;これは腸からのカルシウム吸収を減少させる)のレベルを低下させ、腎臓でのカルシウム再吸収のレベルを低下させる(相対的な高カルシウム尿症をもたらす)。高カルシウム尿症は、次の2つのメカニズム:一次腎濾液からのPTH媒介性のカルシウムの再吸収の減少と、変異したCaSRが細胞外カルシウム濃度に対して過剰に感作される、遠位腎尿細管におけるカルシウム再吸収のさらなる減少と、に基づいて増加する。さらに、カルシウム及びカルシトリオール(例えば、1,25-ジヒドロキシビタミンD)の経口サプリメント補給による標準的な治療は、腎結石症、腎石灰沈着症、及び腎不全に進行し得る慢性腎臓病などの長期病的状態に関連する高カルシウム尿症を悪化させる傾向がある(Khan et. al.,European journal of endocrinology,2018;及びLi et. al., Clinical interventions in aging,2018,13,p.2443-2452)。
この理由により、ADH1の管理に対するコンセンサスアプローチは、カルシウム及びカルシトリオールの経口サプリメントサプリメント補給と、腎石灰沈着症、腎結石症、及び腎不全の既知の高いリスクとのバランスを取ることである(Roszko et. al.,Frontiers in physiology,2016)。このことは、患者が、高カルシウム尿症を最小限に抑えるために症状の緩和と両立する最低の血清カルシウム濃度を維持することができるレジメンを見出すのを、医療提供者が支援しなければならないことを意味する。チアジド利尿薬は、尿中のカルシウムを適度に低下させる効果があるため、時々追加されるが、低カリウム血症のリスクをもたらし得る。
ADH1対象者におけるPTH(1-34)による実験的治療は、血清カルシウムを補正することができたが、高カルシウム尿症を解消しなかった(Winer et. al.,The Journal of clinical endocrinology and metabolism, 2012,97(2),p.391-399;Winer et. al.,The Journal of pediatrics, 2014,165(3),556-63;及びGafni et. al.,Journal of bone and mineral research,2015,30(11),p.2112-2118)。外因性PTH(1-84)は、副甲状腺機能低下症のオーファン適応症として承認されているが、承認を支持する確立された副甲状腺機能低下症の患者を対象とした臨床試験では、カルシウム感知受容体の変異による副甲状腺機能低下症の患者は除外されていた(Chomsky et. al.,World Journal of Surgery,2018,42(2),p.431-436;及びNatpara Product Insert)。
トリフェニルカルシリティック化合物とは、米国特許第7,304,174号に開示され、以下の式で表される、カルシウム感知受容体拮抗作用を有する化合物である:
[式中、R2''は、C1~6アルキル基であり、R4''は、メチル基又はシクロプロピル基であり、R6''は、ハロゲン原子又はC1~6アルキル基であり、R7''は、水素原子、ハロゲン原子、C1~6アルキル基、C1~6アルコキシ基、又はハロC1~6アルキル基である]、その光学活性体、その薬学的に許容される塩、又はその塩の光学活性体のクラスを指す。特に、トリフェニルカルシリティック化合物は、式(I):
、その溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせによって表される。特定の実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式:
によって表されるCLTX-305である。
従前において、CLTX-305(以前はJTT-305又はMK-5442として知られていた)は、日本たばこ産業株式会社(JTI)及びMerck,Sharp&Dohme Corp.,(Merck)によって骨粗鬆症の治療薬として開発された。健康なボランティア及び骨粗鬆症を有する閉経後の女性が1,766人の対象のプログラムに参加し、そのうち約1,280人が、8つの第1相試験及び4つの第2相試験において、52週間までの曝露を含むJTT-305に曝露された。骨形成に対する潜在的な正味の利益を示した初期データにもかかわらず、後期試験では、骨粗鬆症を有する閉経後の女性の骨密度(BMD)のエンドポイントについて有効性を示すことができなかった。
高カルシウム血症は、以下に概説する骨粗鬆症プログラムにおいて、オンターゲットではあるが用量制限的な副作用として同定された。骨粗鬆症プログラムでは高カルシウム血症によって安全性の問題が生じるが、ADH1プログラムでは血中カルシウムの増加が有効性のマーカーと考えられる。
式(I)の化合物又はCLTX-305は、CaSRの「設定値」をリセットすることによって、カルシウム及びカルシトリオールの経口サプリメント補給に対する最小限の必要量とし、かつ、医原性慢性高カルシウム尿症のリスクを高めずに、血清カルシウムを正常化することができる、ADH1を有する患者におけるカルシウム恒常性の変化の基礎となる病因を固有に標的化する治療であることを証明する可能性がある。
したがって、カルシウム感知受容体(CaSR)の活性化突然変異に起因した慢性低カルシウム血症を有する患者における低カルシウム血症及びカルシウム恒常性の乱れを治療するための標的療法として、CLTX-305の開発に対するニーズが存在する。
一態様では、本開示は、常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法を提供する。この方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の、式(I)によって表される化合物:
又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせは、血中カルシウム濃度(cCa)を1デシリットルあたり約7.5ミリグラム(mg/dL)~約10.5mg/dLの範囲、例えば、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLに増加させる。
別の態様では、本開示は、常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、第1の投与レジメン、第2の投与レジメン、及び/又は第3の投与レジメンを含む1つ以上の投与レジメンに従って、式(I)によって表される化合物:
又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、
1)第1の投与レジメンが、第1の治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、第1の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を1デシリットルあたり約10.5ミリグラム(mg/dL)の最大cCaまで増加させ、
2)第2の投与レジメンが、第2の治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、第2の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲に調節し(titrate)、
3)第3の投与レジメンが、第3の治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、第3の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲で少なくとも12週間維持する、方法を提供する。
図1は、ADH1に起因する低カルシウム血症を有する対象において、正常化されたアルブミン補正血中カルシウム(cCa)を維持するためのCLTX-305の安全性、忍容性(tolerability)、及び有効性を評価する第2b相非盲検用量範囲探索試験の全体的な試験設計を示す。
図2は、第2b相試験の概要スキームを示す。
図3は、試験期間1及び2(単一及び複数の用量漸増(ascending dose)試験)の詳細なスキームを示す。
図4は、試験期間3の詳細なスキームを示す。
図5は、試験期間1の投与ガイダンスアルゴリズムを示す。
図6は、試験期間2の投与ガイダンスアルゴリズムを示す。
図7A~7Dは、試験期間1中の正常化されたミネラル恒常性を示す。図7A:血中カルシウム(mg/dL);図7B:インタクトPTH(pg/mL);図7C:血中リン(Blood phosphorous)(mg/dL);及び図7D:24時間尿中カルシウム(MG/24時間)。
図8は、試験期間1中のヒトにおけるCLTX-305の薬物動態プロファイルを示す。
図9A~9Dは、個々の対象についてのCLTX-305の5日間投与後の血中ミネラルレベルを平均として示す;図9A:血中カルシウム(mg/dL);図9B:インタクトPTH(pg/mL);図9C:血中リン(mg/dL);及び図9D:24時間尿中カルシウム(mg/日)。
図10A及び10Bは、試験期間1及び2における経口CLTX-305の投与の要約を示す。
I.一般
本開示は、治療有効量の式(I)の化合物、特にCLTX-305で常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法であって、治療有効量の化合物が、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲、例えば、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLに増加させる、方法を提供する。また、本明細書では、1つ以上の投与レジメン(例えば、第1、第2、及び第3の投与レジメン)に従って、治療有効量の式(I)の化合物により常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療するための用量発見方法も提供される。特に、治療有効量の式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)は、ADH1対象における低カルシウム血症に関連する症状を軽減し、高カルシウム尿症を最小限に抑える。
II.定義
別段で明記しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書に記載の方法又は材料と同様又は同等の任意の方法又は材料を本開示の実施に使用することができる。本開示のために、以下の用語が定義される。
「錠剤」とは、コーティングを有する又は有さない固形製剤を指す。「錠剤」という用語はまた、1、2、3、又はさらにそれ以上の層を有する錠剤を指し、前述の種類の錠剤の各々は、1つ以上のコーティングがあっても又はなくてもよい。いくつかの実施形態では、本開示の錠剤は、ローラー圧縮又は当該技術分野で既知の他の好適な手段によって調製することができる。「錠剤」という用語はまた、ミニ、メルト、チュアブル、発泡、及び口腔内崩壊錠剤を含む。錠剤は、CLTX-305、並びに1つ以上の充填剤、1つ以上の結合剤、1つ以上の流動促進剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の結合剤、及び1つ以上の滑沢剤から選択される1つ以上の薬学的賦形剤を含む。任意選択的に、コーティング剤を含めることもできる。錠剤製剤のパーセント重量を計算する目的で、コーティング剤の量は計算に含まれない。すなわち、本明細書で報告されるパーセント重量は、コーティングされていない錠剤のものである。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、対象への活性剤の投与及び吸収を補助する物質を指す。本開示において有用な医薬賦形剤には、結合剤、増量剤、流動促進剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、コーティング、甘味料、香味料、及び着色料が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、他の薬学的賦形剤が本開示において有用であることを認識するであろう。
「投与する」とは、化合物又はその形態を経口投与などにより対象に治療用に提供することを指す。
「患者」又は「対象」とは、本明細書で提供される医薬組成物の投与によって治療することができる疾患又は状態に罹患しているか、又はそれに罹患しやすい生物を指す。非限定的な例には、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、ヤギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、シカ、ウマ、ウシ、ラット、マウス、ウサギ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、及び他の非ヒト哺乳類動物が含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、成人(例えば、少なくとも18歳)である。いくつかの実施形態では、対象は、18歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、約6ヶ月~約2歳、約2歳~約5歳、約2歳~約12歳、約2歳~約16歳、約2歳~約18歳、約5歳~約12歳、約6歳~約12歳、約6歳~約18歳、約12歳~約18歳の年齢、又はそれらの中の任意の範囲である。
「治療有効量」とは、同定された疾患若しくは状態を治療若しくは改善するために、又は検出可能な治療若しくは阻害効果を示すために有用な化合物又は医薬組成物の量を指す。正確な量は、治療の目的に依存し、臨床医、薬剤師などによって確認することがきる(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols.1-3,1992);Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar, Dosage Calculations (1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkinsを参照のこと)。
「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」とは、傷害、病状、又は状態の治療又は改善における成功の兆候を指す。(軽減、寛解;症状の軽減、又は傷害、病状又は状態を患者にとってより許容することができるものにする;変性又は衰退の速度が遅くなる;変性の最終点の衰弱を軽減する;患者の身体的又は精神的健康を改善する、などの任意の客観的又は主観的なパラメータを含む。)症状の治療又は改善は、客観的又は主観的なパラメータに基づくことができる。身体検査、分析(例えば、血液、血漿、又は尿などの対象の体液の分析)、画像分析、神経精神医学的検査、及び/又は精神医学的評価の結果を含む。
「約」とは、当業者が指定された値と合理的に同様であるとみなす、指定された値を含む値の範囲を意味する。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、当該技術分野で一般に許容される測定値を使用した標準偏差内を意味する。いくつかの実施形態では、約は、指定された値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。いくつかの実施形態では、約は、指定された値を意味する。
「塩」とは、本開示の化合物の酸又は塩基の塩を指す。薬学的に許容される酸付加塩の例は、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)塩及び有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)塩である。薬学的に許容される塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は類似する塩が含まれる。薬学的に許容される塩は非毒性であることが理解される。好適な薬学的に許容される塩に関する追加情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company, Easton,Pa.,1985に見出すことができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
「溶媒和物」とは、非共有分子間力によって結合された化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む、本明細書で提供される化合物又はその塩を指す。溶媒が水の場合、溶媒和物は水和物である。
「水和物」とは、水分子と複合体を形成した、本明細書で提供される化合物又はその塩を指す。本開示の化合物又はその塩は、1/2の水分子又は1~10個の水分子と複合体を形成することができる。
別段で明記しない限り、例えば錠剤製剤中の、式(I)の化合物の含有量は、無塩及び無水物ベースでの式(I)の化合物の正規化された重量に基づいて計算される。すなわち、式(I)の化合物中の塩及び/又は水分含有量は計算に含まれない。
別段で明記しない限り、例えば錠剤製剤中の、CLTX-305の含有量は、ヘミ硫酸塩形態の式(I)の化合物の正規化された重量に基づいて計算される。錠剤製剤中の無塩及び無水物ベースでの式(I)の化合物の理論含有量は、次のように計算することができる:「無塩及び無水物ベースでの式(I)の化合物の含有量(又は重量)=CLTX-305の含有量(又は重量)×0.90」。錠剤製剤中の無塩及び無水物ベースでの式(I)の化合物の実際の含有量は、CLTX-305の分析証明書(CoA)(例えば、純度、水分含有量など)に従って計算することができ、したがって、製造からのCLTX-305のバッチ間でわずかに異なる場合がある。
I.方法
一態様では、本開示は、常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法を提供する。方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)によって表される化合物:
又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせは、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲、例えば、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLに増加させる。
臨床ラボラトリ評価(clinical lab assessment)では、ヒトの血中カルシウム濃度(cCa)の典型的な基準範囲は、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLである。
III-1:式(I)の化合物
式(I)の化合物は、薬学的に許容される塩の形態、双性イオンの形態、又は中性の形態であることができ、これらの各々は、任意選択的に溶媒和物又は水和物の形態である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、式(Ia):
によって表され、式中、HXは、薬学的に許容される酸付加である。
許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、リンなどの無機酸から誘導されるもの、及び酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの有機酸から誘導される塩が含まれる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、硫酸塩の形態である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、ヘミ硫酸塩の形態である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、式(Ib):
によって表され、式中、Mは、薬学的に許容される塩基の陽イオンである。
塩基付加塩は、ニートの又は好適な不活性溶媒中で、中性の形態の式(I)の化合物を十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は類似する塩が含まれる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、そのナトリウム塩である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic):
を有する双性イオンの形態である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、中性の形態である。
いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、及び(Ic)のうちのいずれか1つの化合物は、溶媒和物及び/又は水和物の形態である。いくつかの実施形態では、式(I)、(Ia)、(Ib)、及び(Ic)のうちのいずれか1つの化合物は、水和物の形態である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式:
によって表されるCLTX-305としての半水和ヘミ硫酸塩の形態である。
III-2:対象
対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、及び/又は低マグネシウム血症のうちの1つ以上の症状を有し得る。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、低マグネシウム血症、又はそれらの組み合わせを有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、又はそれらの組み合わせを有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、副甲状腺機能低下症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、高リン血症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、高カルシウム尿症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症及び副甲状腺機能低下症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症及び高カルシウム尿症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、及び高カルシウム尿症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、及び高リン血症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、及び低マグネシウム血症を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、カルシウム感知受容体(CASR)遺伝子の活性化突然変異を有する。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態による治療の前に、対象は、ビタミンD欠乏症を有していない。いくつかの実施形態では、対象は、1ミリリットル当たり少なくとも約25ナノグラム(ng/mL)のレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約25ng/mL~約60ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約30ng/mL~約60ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約40ng/mL~約60ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の投与前に、対象は、カルシトリオール及び/又は経口カルシウムサプリメント補給レジメンを服用していたか、又は服用している。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の投与前に、対象は、カルシトリオール及び/又は経口カルシウムサプリメント補給レジメンの服用を中止するように指示される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の投与前に、対象は、カルシトリオールの服用を中止するように指示される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の投与前に、対象は、経口カルシウムサプリメント補給レジメンの服用を中止するように指示される。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されるための入院日である-1日目にカルシトリオールの服用を中止するが、経口カルシウムサプリメント補給レジメンを継続するように指示される。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、カルシトリオールで治療されない。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、食事及び/又はサプリメント補給から少なくとも約1000ミリグラム(mg)の毎日のカルシウム摂取を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、食事及びサプリメント補給から少なくとも約1000mgの毎日のカルシウム摂取を受ける。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の投与前に、対象は、チアジド利尿薬を服用していたか、又は服用している。いくつかの実施形態では、チアジド利尿薬を服用していたか、又は服用している対象は、対象が式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態による治療の開始前の少なくとも5半減期及び式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の治療期間中にチアジド利尿薬を中止する場合、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されてもよい。いくつかの実施形態では、チアジドが降圧剤として使用されている場合、高血圧を治療するための代替療法を提供することができる。経口チアジド利尿薬の例には、クロロチアジド(ジウリル)、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジド(マイクロザイド)、インダパミド、及びメトラゾンが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態による治療の前に、チアジド利尿薬の5半減期の期間にわたって、チアジド利尿薬で治療されない。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態による治療の前に、チアジド利尿薬の5半減期の期間にわたって、チアジド利尿薬で治療されず、チアジド利尿薬は、クロロチアジド(ジウリル)、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジド(マイクロジド)、インダパミド、又はメトラゾンである。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、チアジド利尿薬で治療されない。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、チアジド利尿薬で治療されず、チアジド利尿薬は、クロロチアジド(ジウリル)、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジド(マイクロザイド)、インダパミド、又はメトラゾンである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の投与前に、対象は、CYP3A4阻害剤(例えば、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、及びチプラナビルなどの強力なCYP3A4阻害剤)を服用していたか、又は服用している。いくつかの実施形態では、CYP3A4阻害剤を服用していたか、又は服用している対象は、臨床的に適切な場合、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態による治療の開始前の少なくとも5半減期及び式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の治療期間中、そのような治療を中止する必要がある。いくつかの実施形態では、CYP3A4阻害剤(例えば、強力なCYP3A4阻害剤)で治療されている対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の治療期間を通じて、安定した用量を維持する必要がある。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の治療前のCYP3A4阻害剤の開始前の5半減期の期間にわたって、CYP3A4阻害剤(例えば、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、及びチプラナビルなどの強力なCYP3A4阻害剤)で治療されない。いくつかの実施形態では、対象は、式式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態の治療の前に、強力なCYP3A4阻害剤の5半減期の期間にわたって、強力なCYP3A4阻害剤で治療されず、強力なCYP3A4阻害剤が、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、又はチプラナビルである。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、CYP3A4阻害剤(例えば、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、及びチプラナビルなどの強力なCYP3A4阻害剤)で治療されない。いくつかの実施形態では、対象は、CLTX-305で治療されている間、強力なCYP3A4阻害剤で治療されず、強力なCYP3A4阻害剤が、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、又はチプラナビルである。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間、一定した用量のCYP3A4阻害剤(例えば、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、及びチプラナビルなどの強力なCYP3A4阻害剤)で治療される。いくつかの実施形態では、対象は、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態で治療されている間に、一定した用量の強力なCYP3A4阻害剤で治療され、強力なCYP3A4阻害剤が、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、又はチプラナビルである。
第2b相非盲検用量範囲探索試験に登録された対象などの、式(I)の化合物(例えば、CLTX-305)又はその一形態による治療から利益を受け得る対象の追加の組み入れ基準及び除外基準は、実施例5に記載されている。
いくつかの実施形態では、対象は、実施例5に記載の1)~7)の組み入れ基準のすべてを満たす。いくつかの実施形態では、対象は、実施例5に記載の1)~7)の組み入れ基準のすべてを満たし、ただし、実施例5に記載の1)~14)の除外基準のいずれか1つを満たさない。
III-3:治療有効量/投与
いくつかの実施形態では、治療有効量は、約1800mg以下の無塩及び無水物ベースで式(I)の化合物の総日用量であり得る。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約9mg~約1620mg、約9mg~約1080mg、約9mg~約810mg、9mg~約540mg、若しくは約9mg~約324mg、又はその中の任意の有用な範囲の無塩及び無水物ベースでの式(I)の化合物の総日用量であり得る。
いくつかの実施形態では、治療有効量は、約2000mg以下のCLTX-305の総日用量であり得る。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg~約1800mg、約10mg~約1200mg、約10mg~約900mg、約10mg~約600mg、約10mg~約360mgのCLTX-305、又は約30mg~約180mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、又は480mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、60mg、90mg、120mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約10mg、30mg、90mg、120mg、又は180mgの総日用量である。
一般に、式(I)の化合物又はCLTX-305は、経口投与することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はCLTX-305は、経口投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は経口投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は経口投与される。いくつかの実施形態では、錠剤製剤中の式(I)の化合物が、経口投与される。いくつかの実施形態では、錠剤製剤中のCLTX-305が、経口投与される。
一般に、式(I)の化合物又はCLTX-305は、1日1回以上(例えば、2回、3回、4回、又はそれ以上)投与することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はCLTX-305は、1日1回、2回、3回、又は4回投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はCLTX-305は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はCLTX-305は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、1日1回、2回、3回、又は4回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、1日3回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、1日4回投与される。
式(I)の化合物は、1つ以上の投与量強度の経口剤形であり得、式(I)の化合物は、無塩及び無水物ベースで、少なくとも約1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、50mg、90mg、100mg、120mg、180mg、200mg、300mg、400mg、又は500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、経口剤形は、1つ以上の投与量強度の錠剤製剤である。錠剤製剤のいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無塩及び無水物ベースで、各錠剤中に、1~1000mg、1~750mg、1~500mg、1~250mg、30~1000mg、30~750mg、30~500mg、30~200mg、30~180mg、30~120mg、30~90mg、50~1000mg、50~750mg、50~500mg、50~250mg、100~1000mg、100~750mg、100~500mg、100~250mg、200~1000mg、200~750mg、200~500mg、300~1000mg、300~750mg、300~500mg、400~1000mg、400~750mg、500~1000mg、500~750mg、600~1000mg、5~250mg、又は5~100mgの量で存在する。錠剤製剤のいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無塩及び無水物ベースで、各錠剤中に、約5mg、10mg、30mg、60mg、90mg、100mg、120mg、150mg、180mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、又は1000mgの量で存在する。錠剤製剤のいくつかの実施形態では、化合物は、無塩及び無水物ベースで、各錠剤中に、約10mg、30mg、60mg、90mg、100mg、120mg、150mg、180mg、200mg、300mg、400mg、500mg、又は700mgの量で存在する。
CLTX-305は、1つ以上の投与量強度の経口剤形であり得、CLTX-305が、少なくとも約1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、50mg、90mg、100mg、120mg、180mg、200mg、300mg、400mg、又は500mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、経口剤形は、1つ以上の投与量強度の錠剤製剤である。錠剤製剤のいくつかの実施形態では、CLTX-305は、各錠剤中に、1~1000mg、1~750mg、1~500mg、1~250mg、30~1000mg、30~750mg、30~500mg、30~200mg、30~180mg、30~120mg、30~90mg、50~1000mg、50~750mg、50~500mg、50~250mg、100~1000mg、100~750mg、100~500mg、100~250mg、200~1000mg、200~750mg、200~500mg、300~1000mg、300~750mg、300~500mg、400~1000mg、400~750mg、500~1000mg、500~750mg、600~1000mg、5~250mg、又は5~100mgの量で存在する。錠剤製剤のいくつかの実施形態では、CLTX-305は、各錠剤中に、約5mg、10mg、30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、240mg、300mg、360mg、420mg、480mg、540mg、600mg、660mg、又は720mgの量で存在する。錠剤製剤のいくつかの実施形態では、CLTX-305は、各錠剤中に、約10mg、30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、240mg、360mg、又は720mgの量で存在する。
いくつかの実施形態では、CLTX-305は、約2000mg以下のCLTX-305の総日用量を提供するために、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、約10mg~約1800mg、約10mg~約1200mg、約10mg~約900mg、約10mg~約600mg、約10mg~約360mgのCLTX-305、又は約30mg~約180mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、約10mg~約360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、約10mg、30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、1日2回投与される。
III-4:有効性
第2b相非盲検用量範囲探索試験では、実施例1及び実施例2~8に詳述するように、ADH1に起因する低カルシウム血症を有する対象において正常化したアルブミン補正血中カルシウム(cCa)を維持するために、CLTX-305の安全性、忍容性、及び有効性を評価することができる。
治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、低カルシウム血症に関連する症状を緩和することができる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲、例えば、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLに増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、少なくとも12週間、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲、例えば8.5mg/dL~約10.5mg/dLに維持する。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、投与間隔にわたって、血中カルシウム濃度(cCa)を少なくとも約1mg/dL増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲、例えば、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLに増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、少なくとも12週間、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲、例えば、約8.5mg/dL~約10.5mg/dLに維持する。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、投与間隔にわたって、血中カルシウム濃度(cCa)を少なくとも約1mg/dL増加させる。
いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を臨床基準範囲、典型的には、1ミリリットルあたり約15~65ピコグラム(pg/mL)に増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を約150~約300pg/mLのピークレベルに増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を約150~約300pg/mLのピークレベルに増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を少なくとも約50pg/mLの上昇レベルに増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を少なくとも約50pg/mLの上昇レベルに増加させる。いくつかの実施形態では、iPTHは、1~12時間の期間、少なくとも約50pg/mLの上昇レベルで維持される。いくつかの実施形態では、iPTHは、6~12時間の期間、少なくとも約50pg/mLの上昇レベルで維持される。いくつかの実施形態では、iPTHは、約12時間の期間、少なくとも約50pg/mLの上昇レベルで維持される。
式(I)の化合物の治療有効量の投与は、高カルシウム尿症の程度を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、上昇した尿中カルシウムレベルを低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、投与間隔にわたって又は24時間の期間にわたって、上昇した尿中カルシウムレベルを低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、投与間隔にわたって又は24時間の期間にわたって、上昇した尿中カルシウムレベルを低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、24時間の期間にわたって、上昇した尿中カルシウムレベルを低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、投与間隔にわたって又は24時間の期間にわたって、尿中カルシウムクリアランスを増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、尿中カルシウムクリアランスを増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、投与間隔にわたって又は24時間の期間にわたって、尿中カルシウムクリアランスを増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、24時間の期間にわたって、尿中カルシウムクリアランスを増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、上昇したカルシウム/クレアチニンクリアランス比を正常範囲に減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、上昇したカルシウム/クレアチニンクリアランス比を約0.02未満の正常範囲に減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、上昇したカルシウム/クレアチニンクリアランス比を約0.02未満の正常範囲に減少させる。
治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、高リン血症の程度を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中リン酸塩(blood phosphate)レベルを正常範囲まで低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中リン酸塩レベルを約2.5~約4.5mg/dLの正常範囲まで低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、血中リン酸塩レベルを約2.5~約4.5mg/dLの正常範囲まで低下させる。
治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、低マグネシウム血症の程度を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中マグネシウムレベルを正常範囲まで増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、血中マグネシウムレベルを約1.7~約2.2mg/dLの正常範囲まで増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量のCLTX-305の投与は、血中マグネシウムレベルを約1.7~約2.2mg/dLの正常範囲まで増加させる。
CLTX-305で治療される対象(例えば、患者)の薬物動態(PK)及び薬力学(PD)を評価するために、採血及び採尿を行うことができる。いくつかの実施形態では、対象は、1)24週間(最終訪問)までの時間にわたって測定された薬力学的エンドポイント、2)血中カルシウム-cCaの絶対レベル及びベースラインからの変化、3)尿中カルシウムクリアランス(部分排泄及び24時間総排泄)、4)1,25-(OH)ビタミンDの血清レベル、5)マグネシウム、リン酸(phosphate)、クレアチニンのための血液試料、6)pH、マグネシウム、リン酸、ナトリウム、カリウム、クレアチニン、cAMP、クエン酸のための尿試料、7)骨吸収マーカーであるコラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx);8)骨形成マーカー-血中プロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP);9)PKパラメータ:単回投与後の最大血漿濃度(Cmax)、最大血漿濃度までの時間(tmax)、見かけの終末半減期(t1/2)、時間0から最後の測定可能な時点までの濃度-時間曲線下面積(AUC)(AUC(0-t))、0時間~24時間までのAUC(AUC(0-24))、無限大に外挿したAUC(AUC(0-inf))、並びに/又は10)定常状態PKパラメータ:Cmax、トラフ濃度(Ctrough)、及び投与間隔にわたるAUC(0-tau)について評価される。
いくつかの実施形態では、対象は、血中の血清骨マーカー、1,25-ヒドロキシ-ビタミンD、cAMP、アルブミン、カリウム(K)、クレアチンキナーゼ(CK)、及び/又はクレアチニンのレベルについてさらに評価される。血清骨マーカーは、血中コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)及び/又は血中プロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP)であり得る。いくつかの実施形態では、血清骨マーカーは、血中コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)及び/又は血中プロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP)である。いくつかの実施形態では、血清骨マーカーは、血中コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)及び血中プロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP)である。
いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約24時間の期間にわたって採取される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約17時間にわたって採取される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約17時間にわたって採取され、薬物動態(PK)プロファイル、iPTH、血清骨マーカー(すなわち、CTX、P1NP)、1,25-ヒドロキシ-ビタミンD、cAMP、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン酸(phosphate)(P)、カリウム(K)、アルブミン、クレアチニン(Cr)、又はその組み合わせが評価される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約13時間にわたって採取され、薬物動態(PK)プロファイルが評価される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約17時間にわたって採取され、iPTHが評価される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約13時間にわたって採取され、血清骨マーカー(すなわち、CTX及びP1NP)が評価される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約17時間にわたって採取され、1,25-ヒドロキシ-ビタミンD及びcAMPが評価される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約17時間にわたって採取され、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン酸(P)、クレアチニン(Cr)、及びアルブミンが評価される。いくつかの実施形態では、血液は、投与間隔にわたって又は約13時間にわたって採取され、カリウム(K)及びクレアチニン(Cr)が評価される。
いくつかの実施形態では、対象は、尿中のマグネシウム(Mg)、リン酸(P)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クレアチニン(Cr)、cAMP、及び/若しくはクエン酸のレベル、並びに/又は尿のpH値についてさらに評価される。
いくつかの実施形態では、尿は、投与間隔にわたって又は24時間の期間にわたって採取される。いくつかの実施形態では、尿は、投与間隔にわたって又は24時間の期間にわたって採取され、尿中のカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン酸(P)、クレアチニン(Cr)、及び/若しくはcAMPのレベル、尿のpH値、又はそれらの組み合わせが評価される。いくつかの実施形態では、尿は、0時間及び24時間に採取され、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン酸(P)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クレアチニン(Cr)、及び/若しくは尿中のクエン酸のレベル、尿のpH値、又はそれらの組み合わせが評価される。
いくつかの実施形態では、対象は、血液分析、尿分析、及び/又は血液検査を含む1つ以上の検査によって評価される。そのような検査の例は、実施例1の表1、表2、及び表3に記載されている。いくつかの実施形態では、採血及び採尿は、実施例1の表4A~表4C、表5、表6A~表6C、及び表7に従ってスケジュールされる。
いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、総日用量を実質的に調整することなく、少なくとも12週間の期間にわたって、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に維持する。いくつかの実施形態では、治療有効量の式(I)の化合物又はCLTX-305の投与は、総日用量を実質的に調整することなく、24週間の期間にわたって、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に維持する。
III-5:投与レジメンの方法
別の態様では、本開示は、常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、第1の投与レジメン、第2の投与レジメン、及び/又は第3の投与レジメンを含む1つ以上の投与レジメンに従って、式(I)によって表される化合物:
又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、
1)第1の投与レジメンが、第1の治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、第1の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を1デシリットルあたり約10.5ミリグラム(mg/dL)の最大cCaまで増加させ、
2)第2の投与レジメンが、第2の治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、第2の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲に調節し、
3)第3の投与レジメンが、第3の治療有効量の化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、第3の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲で少なくとも12週間維持する、方法を提供する。
図1及び図2に示されている第2b相非盲検用量範囲探索試験は、ADH1に起因する低カルシウム血症の対象において正常化したアルブミン補正血中カルシウム(cCa)を維持するためのCLTX-305の安全性、忍容性、及び有効性を評価することができる。試験の有効性は、セクションIII-4に記載されている。期間1及び2の試験スキーム(単回及び複数回用量漸増試験(single and multiple ascending dose testing))は図3に詳述され、期間3の試験スキームは図4に詳述されている。
式(I)の化合物は、セクションIII-1に記載されている。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式:
によって表されるCLTX-305としての半水和ヘミ硫酸塩の形態である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はCLTX-305は、経口投与される。いくつかの実施形態では、CLTX-305は、経口投与される。いくつかの実施形態では、錠剤製剤中のCLTX-305が、経口投与される。
対象は、セクションIII-2に記載されている。
いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、低マグネシウム血症、又はそれらの組み合わせを有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、又はそれらの組み合わせを有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、副甲状腺機能低下症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、高リン血症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、高カルシウム尿症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症及び副甲状腺機能低下症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症及び高カルシウム尿症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、及び高カルシウム尿症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、及び高リン血症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、及び低マグネシウム血症を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、カルシウム感知受容体(CASR)遺伝子の活性化突然変異を有する。
いくつかの実施形態では、CLTX-305による治療前に、対象は、ビタミンD欠乏症を有していない。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約25ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約25ng/mL~約60ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約30ng/mL~約60ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約40ng/mL~約60ng/mLのレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する。
いくつかの実施形態では、対象は、CLTX-305で治療されている間、カルシトリオールで治療されない。いくつかの実施形態では、対象は、CLTX-305で治療されている間、食事及び/又はサプリメント補給から少なくとも約1000mgの毎日のカルシウム摂取を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、CLTX-305で治療されている間、食事及びサプリメント補給から少なくとも約1000mgの毎日のカルシウム摂取を受ける。
いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、少なくとも約30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、約30mg、60mg、90mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、約30mg、90mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量を含む。
一般に、第1の投与レジメンは、少量のCLTX-305の初期総日用量(例えば、約10~30mg)を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、約30mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。
一般に、第1の投与レジメン中に、CLTX-305を1日1回以上(例えば、2回、3回、4回)投与することができる。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、最初の3日間は1日1回、2日間は1日2回、CLTX-305を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、少なくとも約30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgの総日用量のCLTX-305を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、約30mg、60mg、90mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、約30mg、90mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、1日1回の投与の第1の期間と、1日2回の投与の第2の期間とを含む。いくつかの実施形態では、1日1回投与の 第1の期間は、1日2回投与の第2の期間に先行する。いくつかの実施形態では、 第1の期間における総日用量は、第2の期間における総日用量と同じである。いくつかの実施形態では、 第1の期間における総日用量は、第2の期間における総日用量とは異なる。
第1の投与レジメンは、対象の血中カルシウム濃度(cCa)のレベルに応じて、1回以上の用量調整を含むことができ、例えば、対象が約10.5mg/dLの最大cCaに達したか否かにより、総日用量を増やすか若しくは減らし、又は対象が約10.5mg/dLの最大cCaに達した場合、総日用量を維持しながら1日投与頻度を(例えば、1日1回から1日2回に)増やす。いくつかの実施形態では、第1の投与量は、
a1)血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLの最大cCa未満である場合、総日用量を増加させること、
b1)血中カルシウム濃度(cCa)が最大cCaに達した場合、総日用量を減らすこと、及び/又は
c1)血中カルシウム濃度(cCa)が最大cCaに達した場合、総日用量を維持しながら1日投与頻度を増やすこと
を含む。
1回以上の用量調整を行うかどうかを決定するために、対象の血中カルシウム濃度(cCa)は、1つ以上の1日1回投与量及び1つ以上の1日2回投与量の各々の後に測定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、1つ以上の1日1回投与量及び1つ以上の1日2回投与量の各々の後に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、1日目、2日目、及び3日目の1日1回投与量の後、並びに4日目及び5日目の1日2回投与量の後に決定される。
血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLの最大cCa未満の場合、総日用量を増やす。総日用量を、対象のパラメータ(例えば、血中cCa値、投与間隔にわたるcCaの正味の増加、ピークiPTH、及び/又はiPTHの持続的上昇)によるアルゴリズムに従って増やすことができる。いくつかの実施形態では、総日用量を、図5に示されるアルゴリズムに従って増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量を2倍にすることによって増やす(例えば、30mgから60mg、60mgから120mg、90mgから180mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量を3倍にすることによって増やす(例えば、10mgから30mg、30mgから90mg、60mgから180mg、90mgから270mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約60mgに、約30mgから約90mgに、約30mgから約120mgに、約30mgから約180mgに、約10mgから約20mgに、約20mgから約40mgに、約60mgから約90mgに、約60mgから約120mgに、約90mgから約120mgに、約90mgから約180mgに、又は約180mgから約360mgに増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約60mgに、約30mgから約90mgに、約30mgから約120mgに、約30mgから約180mgに、約10mgから約20mgに、約20mgから約40mgに、約60mgから約90mgに、約60mgから約120mgに、約90mgから約120mgに、又は約90mgから約180mgに増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約60mgに、約30mgから約90mgに、約90mgから約120mgに、又は約90mgから約180mgに増やす。
血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLの最大cCaに達した場合、総日用量を減らす。総日用量を、対象のパラメータ(血中cCa値、投与間隔にわたるcCaの正味の増加、ピークiPTH、及び/又はiPTHの持続的上昇など)によるアルゴリズムに従って減らすことができる。いくつかの実施形態では、総日用量を、図5に示されるアルゴリズムに従って減らす。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量の3分の2(2/3)に減らす(例えば、60mgから40mg、90mgから60mg、180mgから120mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量の半分(1/2)に減らす(例えば、60mgから30mg、120mgから60mg、180mgから90mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量の3分の1(1/3)に減らす(例えば、30mgから10mg、90mgから30mg、180mgから60mg、270mgから90mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約10mgに、約40mgから約20mgに、約60mgから約40mgに、約90mgから約60mgに、約90mgから約30mgに、約120mgから約90mgに、約120mgから約60mgに、約180mgから約120mgに、約180mgから約90mgに、約180mgから約60mgに、又は約360mgから約180mgに減らす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約10mgに、約60mgから約40mgに、約90mgから約60mgに、約90mgから約30mgに、約180mgから約120mgに、約180mgから約90mgに、又は約180mg~約60mgに減らす。
血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLの最大cCaに達した場合、CLTX-305の総日用量を維持したまま、1日の投与回数を増やす。いくつかの実施形態では、CLTX-305の総日用量を維持しながら、1日投与頻度を1日1回から2回に増やす。いくつかの実施形態では、約30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を維持しながら、1日投与頻度を1日1回から2回に増やす。いくつかの実施形態では、約30mg、60mg、90mg、120mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量を維持しながら、1日投与頻度を1日1回から2回に増やす。
いくつかの実施形態では、第1の投与レジメンは、
i)1つ以上の1日1回投与量の中から最低投与量を選択し、1つ以上の1日1回投与量が以下からなる群から選択される基準を満たすことを条件として、最低投与量を1日2回投与すること、
i-1)血中カルシウム濃度(cCa)が、投与間隔にわたって少なくとも約1mg/dL増加すること、
i-2)血中カルシウム濃度(cCa)が、約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持されること、
i-3)血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)が、約150pg/mL~約300pg/mLのピークレベルに増加すること、及び
i-4)血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)が、少なくとも約50pg/mLの上昇レベルに増加し、約12時間維持されること、
又は
ii)1つ以上の1日1回投与量の中から最高投与量を選択し、1つ以上の1日1回投与量が基準i-1)~i-4)のうちのいずれか1つにも該当せず、最高投与量が対象に許容されることを条件として、最高投与量を1日2回投与すること
をさらに含む。
いくつかの実施形態では、1日2回の投与のための1つ以上の1日1回投与量の中からの最低投与量は、1つ以上の1日1回投与量が基準i-1)~i-4)のうちのいずれか1つを満たすことを条件として、CLTX-305の約30mg、60mg、90mg、120mg、又は180mgである。いくつかの実施形態では、1日2回の投与のための1つ以上の1日1回投与量の中からの最低投与量は、1つ以上の1日1回投与量が基準i-1)~i-4)のうちのいずれか1つを満たすことを条件として、CLTX-305の約90mg又は180mgである。
いくつかの実施形態では、1日2回の投与のための1つ以上の1日1回投与量の中からの最高投与量は、1つ以上の1日1回投与量が基準i-1)~i-4)のうちのいずれか1つにも該当しないことを条件として、CLTX-305の約30mg、60mg、90mg、120mg、又は180mgである。いくつかの実施形態では、1日2回の投与のための1つ以上の1日1回投与量の中からの最高投与量は、1つ以上の1日1回投与量が基準i-1)~i-4)のうちのいずれか1つにも該当しないことを条件として、CLTX-305の約90mg又は180mgである。
第1の投与レジメン中又は第1の投与レジメン終了時に、対象は、採血及び採尿の両方によって評価される。採血及び採尿のスケジュールは、セクションIII-4に記載されている。いくつかの実施形態では、採血及び採尿は、実施例1の表4A~表4C、表5、表6A~表6C、及び表7に従ってスケジュールされる。
いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、40mg、60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、少なくとも約60mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、少なくとも約30mg、90mg、120mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、少なくとも約30mg、90mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約40mg、60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約180mg又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む。
一般に、第2の投与レジメンは、第1の投与レジメンの最終日の総日用量に基づいて計算されたCLTX-305の初期総日用量(例えば、約10mg、30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mg)を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約10mg、30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、又は480mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。
一般に、第2の投与レジメン中に、CLTX-305を1日2回又は複数回(例えば、2回、3回、4回)で投与することができる。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、CLTX-305を1日2~4回の1日投与頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、CLTX-305を1日2回投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、CLTX-305を1日2回、5日間投与することを含む。
いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、CLTX-305の少なくとも約30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgの総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約30mg、60mg、90mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、CLTX-305の約30mg、90mg、又は180mgの総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、1日1回投与の 第1の期間及び1日2回投与の第2の期間を含む。いくつかの実施形態では、1日1回投与の 第1の期間は、1日2回投与の第2の期間に先行する。いくつかの実施形態では、 第1の期間における総日用量は、第2の期間における総日用量と同じである。いくつかの実施形態では、 第1の期間における総日用量は、第2の期間における総日用量とは異なる。
第2の投与レジメンは、対象の血中カルシウム濃度(cCa)のレベルに応じて、1回以上の用量調整を含むか、又は用量調整を含まないことができ、例えば、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲内にない場合には、総日用量を増やすか若しくは減らし、又は血中カルシウム濃度(cCa)が所定の範囲内にある場合には総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、
a2)血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、総日用量を維持すること、
b2)血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL未満の場合、総日用量を増やすこと、又は
c2)血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLを超える場合、総日用量を減らすこと
を含む。
対象の血中カルシウム濃度(cCa)は、第1の投与レジメン後、第2の投与レジメンの前、又は第2の投与レジメン中に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、第1の投与レジメンの後、第2の投与レジメンの前、又は第2の投与レジメン中に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、第1の投与レジメンの後、又は第2の投与レジメンの最初の2日後に決定される。
血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、CLTX-305の総日用量(例えば、初期総日用量又は調整総日用量)を維持することができる。初期総日用量は、1日目及び2日目の総日用量であり得る。調整総日用量は、3日目、4日目、及び/又は5日目の総日用量であり得る。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第2の投与レジメンは、CLTX-305の総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第2の投与レジメンは、CLTX-305の初期総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第2の投与レジメンは、CLTX-305の調整総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第2の投与レジメンは、1日目及び2日目にCLTX-305の初期総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、3日目、4日目、及び/又は5日目にCLTX-305の調整総日用量を維持する。
血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL未満の場合は、総日用量を増やす。総日用量を、対象のパラメータ(例えば、血中cCa値、投与間隔にわたるcCaの正味の増加、ピークiPTH、及び/又はiPTHの持続的上昇)によるアルゴリズムに従って増やすことができる。いくつかの実施形態では、総日用量を、図6に示されるアルゴリズムに従って増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量を2倍にすることによって増やす(例えば、30mgから60mg、60mgから120mg、90mgから180mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量を3倍にすることによって増やす(例えば、10mgから30mg、30mgから90mg、60mgから180mg、90mgから270mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約20mgから約40mgに、約40mgから約60mgに、約60mgから約120mgに、約120mgから約180mgに、約180mgから約360mgに、約360mgから約480mgに、又は約480mgから約720mgに増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約60mgに、約30mgから約90mgに、約10mgから約20mgに、約20mgから約40mgに、約60mgから約120mgに、約90mgから約180mgに、又は約180mgから約360mgに増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約90mg、約60mgから約120mg、約90mgから約180mg、又は約180mgから約360mgに増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約90mgに、約90mgから約180mgに、又は約180mgから約360mgに増やす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約90mgに、又は約90mgから約180mgに増やす。
血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dL以上を超えた場合、総日用量を減らす。総日用量を、対象のパラメータ(血中cCa値、投与間隔にわたるcCaの正味の増加、ピークiPTH、及び/又はiPTHの持続的上昇など)によるアルゴリズムごとに従って減らすことができる。いくつかの実施形態では、総日用量を、図6に示されるアルゴリズムに従って減らす。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量の3分の2(2/3)に減らす(例えば、60mgから40mg、90mgから60mg、180mgから120mg)。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量の半分(1/2)に減らす(例えば、60mgから30mg、120mgから60mg、180mgから90mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、以前の総日用量の3分の1(1/3)に減らす(例えば、30mgから10mg、90mgから30mg、180mgから60mg、270mgから90mgなど)。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約40mgから約20mgに、約60mgから約40mgに、約120mgから約60mgに、約180mgから約120mgに、約360mgから約180mgに、又は約480mgから約360mgに減らす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約10mgに、約40mgから約20mgに、約60mgから約30mgに、約90mgから約60mgに、約90mgから約30mgに、約120mgから約90mgに、約120mgから約60mgに、約180mgから約120mgに、約180mgから約90mgに、約180mgから約60mgに、又は約360mgから約180mgに減らす。いくつかの実施形態では、総日用量を、CLTX-305について約30mgから約10mgに、約90mgから約60mgに、約90mgから約30mgに、約180mgから約120mgに、約180mgから約90mgに、約180mgから約60mgに、又は約360mgから約180mgに減らす。
第2の投与レジメン中又は第2の投与レジメン終了時に、対象は、採血及び採尿の両方によって評価される。採血及び採尿のスケジュールは、セクションIII-4に記載されている。いくつかの実施形態では、採血及び採尿は、実施例1の表4A~表4C、表5、表6A~表6C、及び表7に従ってスケジュールされる。
いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、80mg、90mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、少なくとも約20mg、40mg、60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、少なくとも約60mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、少なくとも約30mg、90mg、又は180mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、約20mg、40mg、60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、約60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、約60mg、120mg、180mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、約10mg、20mg、80mg、140mg、又は300mgのCLTX-305の総日用量を含む。
一般に、第3の投与レジメンは、第2の投与レジメン中に決定された忍容性の及び/又は有効な総日用量に基づいて計算されたCLTX-305の初期総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、約10mg、20mg、30mg、60mg、80mg、90mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約60mg、90mg、120mg、180mg、360mg、又は480mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。いくつかの実施形態では、第2の投与レジメンは、約60mg、90mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の初期総日用量を含む。
一般に、第3の投与レジメン中に、CLTX-305を1日2回又は複数回(例えば、2回、3回、又は4回)投与することができる。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、CLTX-305を1日2~4回の1日投与頻度で投与することを含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、CLTX-305を1日2回投与することを含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、CLTX-305を1日2回、少なくとも24週間投与することを含む。
いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、80mg、90mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、少なくとも約30mg、60mg、90mg、120mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、約30mg、60mg、90mg、180mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、CLTX-305の約30mg、90mg、又は180mgの総日用量を提供するために、CLTX-305の1日2回の投与を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、1日1回の投与の第1の期間及び1日2回投与の第2の期間を含む。いくつかの実施形態では、1日1回投与の第1の期間は、1日2回投与の第2の期間に先行する。いくつかの実施形態では、第1の期間における総日用量は、第2の期間における総日用量と同じである。いくつかの実施形態では、第1の期間における総日用量は、第2の期間における総日用量とは異なる。
第3の投与レジメンは、調節(titration)期間及び維持期間を含むことができ、各期間は最大12週間続くことができる。調節期間は、血中カルシウム濃度(cCa)を正常ないし低正常範囲(例えば、約7.5~約10.5mg/dL)にするために、1回以上の用量調整を伴うか、又は用量調整を伴わない。維持期間は、対象における高カルシウム尿症を回避しながら、一定の用量、安定した正常ないし低正常cCaを維持することである。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、調節期間を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、総日用量を調節することを含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、総日用量を調節することを含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、維持期間を含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、総日用量を維持することを含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、総日用量を維持することを含む。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、総日用量を維持することを含み、対象における高カルシウム尿症を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、総日用量を維持することを含み、対象における高カルシウム尿症を最小限に抑える。
第3の投与レジメン(例えば、調節期間)は、対象の血中カルシウム濃度(cCa)のレベルに応じて、1回以上の用量調整を含むか、又は用量調整を含まなくてもよく、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲内にない場合には総日用量を増やすか若しくは減らし、又は血中カルシウム濃度(cCa)が所定の範囲内にある場合には総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、
a3)血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、総日用量を維持すること、
b3)血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL未満である場合、総日用量を増やすこと、又は
c3)血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLを超える場合、総日用量を減らすこと
を含む。
対象の血中カルシウム濃度(cCa)は、第2の投与レジメンの後、第3の投与レジメンの前、又は第3の投与レジメン中に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、第2の投与レジメンの後、第3の投与レジメンの前、又は第3の投与レジメン中に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、第3の投与レジメンの前又は第3の投与レジメン中に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、第3の投与レジメン中に決定される。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)は、図4に従い、第1~4週、第6週、第8週、第12週、第16週、第20週、及び/又は第24週中の第3の投与レジメン中に決定される。
血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、CLTX-305の総日用量(例えば、初期総日用量又は調整総日用量)を調節期間中に維持することができる。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第3の投与レジメンは、調節期間中にCLTX-305の総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第3の投与レジメンは、調節期間中にCLTX-305の初期総日用量を維持する。いくつかの実施形態では、血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持される場合、第3の投与レジメンは、調節期間中にCLTX-305の調整総日用量を維持する。
血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL未満の場合、総日用量を調節期間中に増やす。総日用量を、対象のパラメータ(例えば、血中cCa値、体重、年齢、性別、及び/又はその他の状態)によるアルゴリズムに従って増やすことができる。いくつかの実施形態では、調節期間中の総日用量を、アルゴリズムに従って増やす。
血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dL以上の場合、総日用量を調節期間中に減らす。総日用量を、対象のパラメータ(例えば、血中cCa値、体重、年齢、性別、及び/又はその他の状態)によるアルゴリズムに従って減らすことができる。いくつかの実施形態では、調節期間中の総日用量を、アルゴリズムに従って減らす。
第3の投与レジメン中に、調節期間を最大12週間延長することができ、その後、対象における高カルシウム尿症を回避しながら、一定の用量、安定した正常値ないし低正常cCaを維持することを目標に、個別化された各投与レジメンを投与し続ける。維持期間中の追加の用量調整の必要性は、すべてがモニタリングされる副甲状腺機能、腸カルシウム吸収、骨吸収、及び腎機能の変化の時間経過に潜在的に関連する可能性のある要因に依存し得る。いくつかの実施形態では、維持期間中の第3の投与レジメンは、副甲状腺機能、腸カルシウム吸収、骨吸収、及び腎機能のうちの1つ以上のパラメータに従って、1つ以上の1回以上の用量調整を含む。
第3の投与レジメンの目標は、対象において、低カルシウム血症及び高カルシウム血症に関連する症状を軽減し、高カルシウム尿症を最小限に抑えることである。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、対象における低カルシウム血症及び高カルシウム血症に関連する症状を軽減し、高カルシウム尿症を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5~約10.5mg/dLの範囲に少なくとも12週間維持する。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5~約10.5mg/dLの範囲に少なくとも24週間維持する。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に少なくとも12週間維持する。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、血中カルシウム濃度(cCa)を約8.5~約10.5mg/dLの範囲に少なくとも24週間維持する。
第3の投与レジメン中に、対象は、カルシトリオールを服用しないが、約1000mgの最低の1日食事摂取を達成できず、対象が低カルシウム血症を持続している場合は、必要に応じて追加のカルシウムサプリメント補給をしてもよい。経口カルシウムサプリメント補給物の調節は、第3の投与レジメン中に指示することができ、高カルシウム尿症を伴わない正常又は低正常cCaの治療目標の達成に基づいて、増やすか又は減らす調節を行ってもよい。いくつかの実施形態では、第3の投与レジメンは、毎日の食事によるカルシウム摂取に加えて、経口カルシウムサプリメント補給を投与することをさらに含む。
第3の投与レジメン中又は第3の投与レジメンの終了時に、対象は、採血及び採尿の両方を行う。採血及び採尿のスケジュールは、セクションIII-4に記載されており、図4に週が示されている。いくつかの実施形態では、採血及び採尿は、実施例1の表4A~表4C、表5、表6A~表6C、及び表7に従ってスケジュールされる。
第1、第2、及び/又は第3の投与期間の前、最中、及び/又は後に、血液分析、尿分析、及び/又は血液検査を含む1つ以上の検査によって対象を評価することができる。このような試験の例は、実施例1のセクションIII-4、表1、表2、及び表3に記載されている。
いくつかの実施形態では、血液分析には、iPTH、血清骨マーカー、1,25-ヒドロキシ-ビタミンD、cAMP、リン酸(P)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、アルブミン、クレアチニン(Cr)、及び/又はクレアチンキナーゼ(CK)の分析が含まれる。いくつかの実施形態では、血清骨マーカーは、血液コラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx)及び血液プロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP)である。
いくつかの実施形態では、血液分析には、電解質(ナトリウム、カリウム、塩化物)、カルシウム、マグネシウム、リン、重炭酸塩、グルコース、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、ALT、AST、アルカリホスファターゼ(ALP)、LDH、アミラーゼ、リパーゼ、尿酸、クレアチンキナーゼ(CK)、総タンパク質、アルブミン、総ビリルビン、インタクトPTH、25-ヒドロキシビタミンD、1,25-ジヒドロキシビタミンD、CTx、及び/又はP1NPの分析が含まれる。
いくつかの実施形態では、尿分析には、リン酸(P)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クレアチニン(Cr)、cAMP、クエン酸、及び/又はpH値の分析が含まれる。
いくつかの実施形態では、尿分析には、比重、pH、タンパク質、グルコース、ケトン、及び/又は血液を含む尿検査、並びにcAMP、カルシウム、クレアチニン、マグネシウム、リン、及び/又はクエン酸の分析が含まれる。
いくつかの実施形態では、血液検査には、ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数及び指数を含む、全血球計算(CBC)、HCT、Hgb、白血球(WBC)数、血小板数、並びに差次(differential);PT、PTT、及び/又はINRを含む凝固検査の分析が含まれる。
III-6:経口剤形
式(I)の化合物又はCLTX-305を含む経口剤形は、1つ以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む、任意の経口剤形であり得る。経口製剤には、患者による摂取に好適な、錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などが含まれる。
式(I)の化合物又はCLTX-305を含む経口剤形を調製するために、薬学的に許容される担体は、固体又は液体のいずれかであり得る。固形製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、香味剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料としても機能し得る、1つ以上の物質であり得る。製剤化及び投与のための技術の詳細は、科学文献及び特許文献に十分に記載されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Maack Publishing Co,Easton PA(「Remington’s」)の最新版を参照のこと。
散剤では、担体は、細分化された固体であり、これは細分化された活性成分と混合されている。錠剤では、活性成分は、必要な結合特性を有する担体と好適な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。
散剤、カプセル剤、及び錠剤は、5%又は10%~70%の活性化合物を含むことが好ましい。好適な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。「調製物」という用語は、他の賦形剤と共に又は他の賦形剤なしで活性成分が担体によって取り囲まれて、該担体が活性成分と会合している、カプセルを提供する担体としてのカプセル化材料を含む、活性化合物の製剤を含むことを意図している。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ剤は、経口投与に好適な固形剤形として使用することができる。
好適な固体賦形剤には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガント、低融点ワックス、ココアバター、炭水化物;ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含むがこれらに限定されない糖類;トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、又は他の植物由来のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;アラビアゴム及びトラガントを含むゴム;並びにゼラチン及びコラーゲンを含むがこれらに限定されないタンパク質を含まれるが、これらに限定されない。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、又はその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤又は可溶化剤を添加してもよい。
糖衣錠コアには、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに好適な有機溶媒又は溶媒混合物を含む、濃縮糖溶液などの好適なコーティングが施されている。製品の識別のため又は活性化合物の量(すなわち投与量)を特徴付けるために、染料又は色素を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加してもよい。剤形の医薬調製物はまた、例えば、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、並びにゼラチン製の軟質密封カプセル及びグリセロール又はソルビトールなどのコーティングを使用して、経口的に使用することができる。プッシュフィットカプセルは、ラクトース又はデンプンなどの充填剤又は結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、及び任意選択的に安定剤と混合された、式(I)の化合物又はCLTX-305を含むことができる。ソフトカプセルでは、式(I)の化合物又はCLTX-305が、安定剤を含む又は含まない、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解又は懸濁されてもよい。
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスを最初に溶かし、式(I)の化合物又はCLTX-305を撹拌するなどしてそれに均質に分散させる。次いで、溶融した均質な混合物を適当なサイズの金型に注ぎ、冷却し、それによって凝固させる。
液状製剤には、溶液剤、懸濁剤、乳濁剤などがあり、例えば、水又は水/プロピレングリコール溶液である。
経口使用に好適な水性溶液剤は、式(I)の化合物又はCLTX-305を水に溶解し、必要に応じて好適な着色剤、香味剤、安定剤、及び増粘剤を添加することによって調製することができる。経口使用に好適な水性懸濁剤は、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム、並びに分散剤又は湿潤剤、例えば、天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などの粘性材料を含む水に、細分化された活性成分を分散させることによって作製することができる。水性懸濁剤はまた、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートなどの1つ以上の防腐剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及びスクロース、アスパルテーム、又はサッカリンなどの1つ以上の甘味剤を含むことができる。製剤は、浸透圧について調整することができる。
使用直前に経口投与のための液体調製物に変換することを意図した固体調製物も含まれる。このような液体形態には、溶液、懸濁液、及びエマルジョンが含まれる。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでいてもよい。
油性懸濁剤は、式(I)の化合物又はCLTX-305を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、若しくはココナッツ油などの植物油又は流動パラフィンなどの鉱油、あるいはこれらの混合物に懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液は、蜜蝋、硬質パラフィン、又はセチルアルコールなどの増粘剤を含むことができる。口当たりの良い経口調製物を提供するために、グリセロール、ソルビトール、又はスクロースなどの甘味剤を添加することができる。これらの製剤は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することによって保存する(preverve)ことができる。注射可能な油性ビヒクルの例として、Minto,J.Pharmacol.Exp.Ther.281:93-102,1997を参照のこと。式(I)の化合物又はCLTX-305を含む医薬製剤はまた、水中油エマルジョンの形態であり得る。油相は、上記の植物油若しくは鉱油、又はこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤には、アカシアガム及びトラガカントガムなどの天然に存在するガム、大豆レシチンなどの天然に存在するホスファチド、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されるエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、及びこれらのエステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが含まれる。乳化剤はまた、シロップ剤及びエリキシル剤の製剤化でのように、甘味料及び香味料を含むことができる。そのような製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、又は着色剤を含むことができる。
式(I)の化合物又はCLTX-305を含む経口剤形は、2021年8月3日に出願された国際特許出願第PCT/US2021/044295号(これはあらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている錠剤製剤のいずれか1つであり得る。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、国際特許出願第PCT/US2021/044295号に記載される錠剤製剤である。錠剤製剤は、
a)式(I)の化合物、溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせ、及び
b)1つ以上の充填剤、1つ以上の流動促進剤、1つ以上の崩壊剤、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の結合剤、1つ以上の滑沢剤、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤
を含み、化合物は、無塩及び無水物ベースで少なくとも約12重量%の量で存在する。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、国際特許出願第PCT/US2021/044295号に記載されるように、すべての投与量強度にわたって一般的な混合製剤としての錠剤製剤である。一般的な混合錠剤製剤は、
a)以下の式:
によって表されるCLTX-305、及び
b)第1の充填剤、第2の充填剤、流動促進剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、及び滑沢剤を含む、7つ以上の薬学的に許容される賦形剤、
を含み、
CLTX-305は、約13重量%~約30重量%の量で存在し、
第1の充填剤は、マンニトールであり、
第2の充填剤は、微結晶性セルロースであり、
流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素であり、
崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムであり、
界面活性剤は、スクロースパルミテートを含む1つ以上のスクロース脂肪酸エステルであり、
結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、
7つ以上の薬学的に許容される賦形剤の総重量に対する化合物の重量比は、2つ以上の投与量強度にわたって一定である。
IV.略語一覧
V.実施例
実施例1:第2b相非盲検用量範囲探索試験-プロトコルの要約
1.1 試験の要約
第2b相非盲検用量範囲探索試験は、ADH1に起因する低カルシウム血症を有する対象において正常化されたアルブミン補正血中カルシウム(cCa)を維持するためのCLTX-305の安全性、忍容性、及び有効性を評価するように設計される。試験は、図1に示されるように、2つのコホート及び3つの期間からなる。第2b相試験の概要スキームを図2に示す。試験期間1及び2(単回及び複数回用量漸増試験)の詳細なスキームを図3に示す。試験期間3の詳細なスキームを図4に示す。
常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を有する最大20名の男性又は女性(治療期に入るのは最大16名)で評価を行う。
試験のために、活性成分であるCLTX-305を含む経口錠剤が、各錠剤中に10mg、30mg、及び60mgで提供される。
試験の登録開始からデータ分析の完了までの推定期間は約24ヶ月である。期間1、2、及び3を含む試験参加期間の合計は、スクリーニング訪問と試験薬開始との間の最大60日を含めて、各対象について約12ヶ月であり得る。
試験目的
主要:
期間1及び2:ADH1を有する対象におけるCLTX-305の単回及び複数回投与の安全性及び忍容性を評価する。
期間3:24週間の投与後にADH1を有する対象におけるCLTX-305の安全性、忍容性、有効性を評価する。
副次的:
期間1及び2:CLTX-305がADH1を有する対象を対象において用量範囲にわたって両方の単回及び複数回投与後に血清PTHレベルを増加させる効果を評価する。
期間1、2、及び3:1)血中カルシウム濃度に対する、CLTX-305の薬力学的(PD)効果を評価する;2)1,25-(OH)ビタミンDレベル及び尿中カルシウム排泄を含むカルシウム恒常性の関連測定値に対する、CLTX-305のPD効果を評価する;並びに3)C-テオペプチド(CTx)及びプロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP)を含む骨代謝回転マーカーに対する、CLTX-305のPD効果を評価する;4)ADH1を有する対象におけるCLTX-305の単回及び複数回漸増用量の両方の薬物動態(PK)プロファイルを評価する。
探索的:
期間3:1)ADH1を有する参加者における腎石灰沈着症/腎結石症に対するCLTX-305(エンカレレット)治療の効果を評価する;及び2)ADH1を有する参加者における骨密度(BMD)に対するCLTX-305(エンカレレット)治療の効果を評価する。
試験エンドポイント
主要:
期間1、2、及び3:有害事象(AE)、臨床安全性ラボラトリ検査(clinical safety laboratory tests)、バイタルサイン、及び心電図(ECG)
期間3:CLTX-305を最大24週間投与した後のアルブミン補正血中カルシウム濃度(cCa)及び24時間の尿中カルシウム排泄量。
副次的:
期間1及び2:CLTX-305の単回及び複数回投与後の経時的なiPTH血中濃度プロファイル(24時間)
期間1、2、及び3:
1)24週間(最終訪問)まで経時的に測定された薬力学的エンドポイント:
・血中カルシウム-cCaの絶対レベル及びベースラインからの変化;
・尿中カルシウムクリアランス(部分排泄及び24時間総排泄);
・1,25-(OH)ビタミンDの血清レベル;
・マグネシウム、リン酸、クレアチニンのための血液試料;
・pH、マグネシウム、リン酸、ナトリウム、カリウム、クレアチニン、cAMP、クエン酸のための尿試料;
・骨吸収マーカーコラーゲン架橋C-テロペプチド(CTx);及び
・骨形成マーカー-血中プロコラーゲン1型N-プロペプチド(P1NP);
2)PKパラメータ:最大血漿濃度(Cmax)、最大血漿濃度までの時間(tmax)、見かけの終末半減期(t1/2)、時間0から最後の測定可能な時点までの濃度-時間曲線下面積(AUC)(AUC(0-t))、0時間から24時間までのAUC(AUC(0-24))、単回投与後の無限大に外挿したAUC(AUC(0-inf));及び
3)定常状態PKパラメータ:Cmax、トラフ濃度(Ctrough)、及び投与間隔にわたるAUC(0-tau)の決定。
探索的:
期間3:1)腎超音波検査による腎石灰沈着症及び/又は腎結石症についてのベースラインからスケジュールされた時点への変化;及び2)二重エネルギーX線吸収法(DXA)によって評価される、腰椎BMD、総股関節BMD、大腿骨頸部BMD、遠位橈骨BMD、及び全身BMDのベースラインから予定された時点への変化。
1.2 活動スケジュール(SOA)
期間1、第2、第3のイベントのスケジュールをそれぞれ表1、表2、表3に示す。
1.3 薬物動態、薬力学、及び尿サンプリング時間
薬物動態、薬力学、及び採尿時間は、表4A~表4C、表5、表6A~表6C、及び表7で詳述し、試験期間1~3の様々な集中サンプリングを示している。
実施例2:第2b相非盲検用量範囲探索試験-導入
2.1 薬物動態及び製品代謝
CLTX-305(一般名:エンカレレット、分子式(C2933ClFNO・HSO・HO、分子量1144.15)は、本臨床試験のために10、30、及び60mgの円形の白色フィルムコーティング錠として製剤される。活性剤は、アロステリック調節を介して、(2mM細胞外カルシウムでの細胞ベースのアッセイで)86.2+6.2nMのIC50でCaSRを阻害する。ヒトでは、2つの主要なグルクロニド代謝物(M1及びM3)が生じる。M1(IC50>3000nM)は非活性であり、M3(IC50 67.3+6.6nM)は活性である。
CLTX-305は、ヒトにおいて急速に吸収される(tmax中央値1.5時間(範囲は、ほとんどの単回用量又は定常状態で0.75~3時間)。排泄半減期(t1/2)は、単回用量後に約6.5時間であり、定常状態で11~14時間(14日間)であった。血漿CLTX305濃度の用量に比例した増加が、絶食状態において食事の大きな影響なく、用量範囲(5、10、15、30、50、及び100mg)にわたって文書記録された。CLTX-305は、日本人閉経後女性に1日1回(QD)2週間投与したときに最小の蓄積を示した。非臨床データに基づくと、糞便排泄が主な排泄経路であった。ヒトでは、未変化のCLTX-305及び代謝物の尿中への排泄は最小限であった(親及び代謝物の合計で<5%)。
2つの主なグルクロニド代謝物は、親薬物と同様の薬物動態を示し、M1中央値tmaxは約2時間であり、M3中央値tmaxは約1.5時間であった。M1(不活性)では、血漿中の濃度は親薬物の濃度の約2倍高く、M3(活性)では(親と比較して10%)低かった。M1及びM3のいずれも、持続的な除去を示さなかった。
CLTX-305の薬物動態において、年齢に関連する有意な差及び人種(米国人対日本人)による有意な差は観察されなかった。AUC及びCmax値は、女性において約37%及び30%高い場合があるが、体重を考慮した場合、これらの差は有意ではなかった。肝臓及び腎臓障害の試験は行わなかった。
薬物相互作用試験では、強力なCYP3A4阻害剤であるケトコナゾールとの同時投与により、Cmaxが約1.67倍増加し、AUC0-24が約2倍増加し、M1及びM3への影響は僅かにより少なかった。
2.2 以前の臨床試験におけるCLTX-305の有効性
骨粗鬆症の以前の開発プログラム中に、内因性血清副甲状腺ホルモン(PTH)及びカルシウム(Ca)の用量関連の増加が、正常なCaSR機能を有すると推定される対象(すなわち、健康なボランティア及び骨粗鬆症を有する閉経後の女性)において観察された。健康な閉経後の女性では、15又は20mgのCLTX-305を繰り返し投与することにより、1日1回の投与後、3~4時間にわたってインタクトPTH(iPTH)が一貫して上昇した。iPTHに対する刺激効果は、1日1回投与の6ヶ月及び12ヶ月後において一貫しており、タキフィラキシーの証拠はなかった。第2相試験におけるCLTX-305の投与は、高カルシウム血症を最小限に抑えるために1日1回(QD)15mgに制限した。
最大15mgの1日1回の長期投与により、アルブミン補正血中カルシウム(cCa)レベルはプラトーに達し、最大30%の対象が、正常な全身カルシウム恒常性(正常なCaSR感受性)を有する閉経後の女性において、長期試験中にラボラトリ基準範囲の上限を超える血中カルシウムの上昇を記録した。このような高カルシウム血症は、無症候性であり、カルシウム/ビタミンDサプリメント補給を減らすことで改善可能であり、CLTX-305の投与を中止すると解消された。閉経後の女性における骨粗鬆症に対するCLTX305プログラムでは、高カルシウム血症又は低カルシウム血症に関連する重大な有害事象(SAE)は観察されなかった。
要約すると、以前の骨粗鬆症開発プログラムからの広範なデータは、CLTX-305が、おそらく野生型CaSRを発現している対象におけるピーク血清iPTHレベルの用量に比例した増加と関連していることを示し、iPTHの上昇は、8~12時間未満持続したが、15mg以上の長期の毎日の経口投与でのcCaの上昇に関連する。
2.3リスク/利益評価
既知の潜在的なリスク
CLTX-305は、12ヶ月以上の長期治療中において、概してヒトで忍容性が良好であった。以前の骨粗鬆症発症プログラムでは、CLTX-305が1,300人を超える健康な男性及び閉経後の女性に投与された。特定の安全性の問題及び兆候は、100mgまでの急性投与及び15mg QDまでの長期投与では見られなかった。CLTX-305では、内因性PTHホルモンの放出を刺激するその既知のオンターゲット薬理学的効果及び上記の用量に関連した高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症の対象)を除いて、不忍容又は毒性(オンターゲット又はオフターゲット)の証拠を示唆する有害事象(AE)の明確なパターンは見られなかった。
初期段階の試験で報告された最も一般的な有害事象には、血中カルシウム濃度の上昇に加えて、便秘、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛、背中の痛み、及び皮膚炎が含まれていた。これらの有害事象は、より大規模な第2相試験では差次的な頻度では発生せず、該第2相試験では、CLTX-305とプラセボ群又は比較対照群との間で、有害事象の特定のパターン又は明確な違いが全身、臓器、クラスによるAEでは見られなかった(カルシウムの違いを除く)。
健康な対象における徹底的なQT試験では、最大100mgのCLTX-305を1回経口用量後、調べた時点のいずれにおいても、臨床的に意味のあるQTc延長は示されなかった。
前臨床安全性及び毒物学試験では、CLTX-305の用量制限効果は、作用機序に基づく血清カルシウム濃度の上昇及びカルシウム恒常性に対する効果に関連していた。対照的に、オフターゲット又は他の組織若しくは器官特異的な毒性は確認されなかった。
CLTX-305がヒトの妊娠又は母乳栄養に影響を与えるかどうかは知られていない。CLTX-305は、30mg/kg以上で胎児の骨格異常(胸骨分節の融合)の発生率が増加したウサギの生殖毒性試験の結果に基づいて、ヒトにおいて潜在的な催奇形性作用を及ぼす可能性がある。現在、出産の可能性のある女性(WOCBP)は、スクリーニング時及び試験中の間隔で妊娠検査を受けることに同意し、避妊法を利用する必要があり、実験的治療中に妊娠を避けることに同意する必要がある。
現在、ADH1を有する人が血中カルシウム濃度を正常又は低正常範囲に維持するための承認された代替療法は、経口カルシウム及び活性型ビタミンDサプリメント補給以外にない。CASRの活性化突然変異により、低血中カルシウム濃度に対するiPTH応答が不十分になり、したがって、これらの患者は治療を受けなければ低カルシウム血症になる。治療の目標は、血中カルシウム濃度を十分に上げて症状を改善/解消し、機能及び健康状態を改善することである。経口サプリメントによる現在の療法は、カルシウム及び活性型ビタミンDの使用頻度及び錠剤数負担、並びに全体的なカルシウム負荷の増加に起因する高カルシウム尿症に関連する医原性合併症による課題を提示する。現在の療法のこれらの合併症には、多くの場合、腎石灰沈着症、進行性腎機能障害が含まれ、腎不全を引き起こし得る。CLTX-305による治療は、高カルシウム尿症を最小限に抑えながら血中カルシウムレベルを維持するための潜在的な代替又は補助治療として探求されている。
期間1、2、3における用量漸増(dose-escalating)及び用量発見コンポーネントでは、参加者は、低カルシウム血症及び/又は高カルシウム血症の可能性を含む血中カルシウムレベルの変動を経験し得る。CLTX-305によるこのような変動の長期的なリスクは、現在の療法のリスクよりも大きくなるとは予想されていないが、そのような変動は、臨床試験の初期の用量漸増/用量発見部分においてより頻繁に発生する可能性がある。臨床試験は、血中カルシウム及び関連する血清化学における不要な変動のリスクを最小限に抑えるように設計される。用量発見期間1及び2の間、対象は、血中カルシウム濃度を1日に複数回で頻繁にモニタリングしながら監督され、有効用量のCLTX-305が同定される間、必要に応じて低カルシウム血症又は高カルシウム血症の治療を受けてもよい。各対象は、外来期間3に入る前の院内期間中にCLTX-305の個別化された有効用量の証拠について評価される。期間3中に、対象は、経口カルシウムサプリメント及びCLTX-305の個別化された開始用量の組み合わせを継続し、外来ラボラトリモニタリング結果及び治験施設スタッフとの電話連絡に基づいて、少なくとも週1回の再評価及び用量調節を行う。用量及びレジメンの変更に対する外来のアプローチは、経口カルシウム及び活性型ビタミンDによる従来の治療を最適化するための現在のプラクティスと同様である。
期間1及び2における院内滞在の監督状況下での頻繁な採血及び採尿手順に関連する追加のリスク及び潜在的な不快感は、インフォームドコンセント文書に記載されており、病歴の評価、健康診断、腎臓の超音波、及び心電図が含まれる。試験日の間、複数回の採血及び採尿が行われ、採血及び/又は静脈内カテーテル留置に関する既知の一般的なリスク(不快感、あざ)が生じ、失神性めまい(通常、針の視認又は挿入に対する血管迷走神経の反応)又は挿入部位の炎症(潜在的な痛み及び腫れを含む)及び感染の可能性が生じる。これらが生じた場合は治療される。
現在までに得られた証拠の全体に基づいて、潜在的な臨床的懸念の他の臓器特異的又は有害な安全性シグナルは同定されていない。ADH1を有する患者の新しい標的集団における臨床試験では、カルシウム恒常性に対する用量関連効果を綿密に評価し、その他では日常的な安全性モニタリングを行う(CLTX-305の安全性データの詳細については、IBセクション5.3を参照のこと)。
既知の潜在的な利益
ADH1に起因する低カルシウム血症を有する患者の標的集団におけるCLTX-305の現在既知の明確な利益はない。マウスモデルの前臨床データを含むインビトロ及びインビボ試験は、CLTX-305を含むカルシリティック剤が、ADH1変異CaSRの感受性を「正常」に戻し、血中カルシウムレベルの正常化をもたらし得るを示唆している。ADH1を有するヒトのパイロット試験では、治験カルシリティック剤が尿中カルシウム排泄の一過的な抑制に急性に関連するPTHを用量依存的に刺激することを示したが、試験された用量及び時間が血清カルシウムレベルの明確な変化を示すには不十分であった可能性がある(Roberts et al.,Journal of bone and mineral research:the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research,2019)。
潜在的なリスク及び利益の評価
纏めると、前臨床データ及び利用可能な臨床データの両方が、ADH1の分子欠陥を標的とした潜在的な療法としてのCLTX-305のさらなる臨床開発をサポートしている。経口カルシウム及び活性型ビタミンDサプリメント補給を含む現在の標準的なケアは、血中カルシウムのわずかな増加に反応して過剰な尿中カルシウム排泄をもたらす、外因性カルシウムに対するCaSRの感受性の増加によって複雑になっている。この尿中カルシウム排泄の増大は、副甲状腺のCaSR機能の変化に起因してiPTHレベルが最適以下であることと、遠位腎尿細管においてCaSRが過剰に刺激されることとの両方が原因で発生し、そのどちらも尿中カルシウム損失の増加に寄与し、腎機能の慢性合併症に関連している。カルシリティック剤としてのCLTX305は、CaSRを抑制して、正常化された血中カルシウム濃度の治療目標の達成及び維持を促進すると同時に、高カルシウム尿症を回避又は最小化し得る。
CLTX-305の臨床開発における課題の1つは、副甲状腺機能亢進症(euparathyroid )対象(以前の骨粗鬆症プログラムの閉経後の女性)の広範な臨床経験では血中カルシウムを上昇させたために、ADH1を有する患者に有効であるCLTX-305の用量が以前に特定された用量よりも高くなり得ることである。ADH1を有する患者に対するCLTX-305の有効用量は、特別に設計された臨床試験を行わない限り決定することができない。現在提案されている臨床試験は、以前の安全性曝露データを活用して、用量反応、急性安全性及び忍容性、並びにCLTX-305がADH1を有する対象における血中カルシウムを正常化するために作用することができる程度に関する明確な概念実証の重要な問題に対処しながら、単回及び複数回漸増用量を含む従来の早期医薬品開発アプローチを利用するように設計される。
試験は、ADH1を有する患者の低カルシウム血症の治療としてのCLTX-305の潜在的な有用性の決定的な概念実証を確立する可能性を高めるために、試験される用量範囲を最大化しながら、既知の潜在的なリスク(上記の通り)を最小限に抑えるように設計される。
実施例3:第2b相非盲検用量範囲探索試験-目的及びエンドポイント
実施例4:第2b相非盲検用量範囲探索試験-試験設計
4.1 全体設計
これは、ADH1に起因する低カルシウム血症の対象において正常なアルブミン補正カルシウム(cCa)を維持するためのCLTX-305の安全性、忍容性、及び有効性を評価するための単一施設非盲検用量範囲探索試験である。この試験は、図2で概説するように2つのコホート及び3つの期間から構成される。
2つの主なコホートが計画されている:
・コホート1:最大8人の対象(最低5人)が最初に期間1(入院患者)に登録され、その後、期間2(入院患者、少なくとも8週間の間隔の後)に参加するために戻ることができる。期間2を完了した対象は、CLTX-305を最大24週間投与する期間3(外来)に入る資格がある。
・コホート2:最大8名の追加の対象(最低5名)が期間2(入院患者)に直接登録される。コホート2の開始は、コホート1からの蓄積されたデータの評価に基づいて行われる。期間2を完了したコホート2の対象は、外来期間3(外来)に入り、最大24週間のCLTX-305を受ける資格がある。
期間2を完了した両方のコホートの対象は、期間3に入る資格がある。CLTX-305の外来投与は、有効性の予備的証拠を備えた十分に許容されるBID用量の特定に基づく期間1及び/又は期間2からの個々の用量反応データの検討から決定される。外来期間(期間3)中に、安全性データ及び重要な有効性測定の結果に応じて、必要に応じて対象は追加の個別化された用量漸増(individualized dose titration)を受ける。
試験期間1及び2の詳細を図3に示す。試験期間3は、図4に詳述されている。
期間1:対象が、3日間1日1回(QD)の用量漸増(dose escalation)を受け、続いて2日間1日2回(BID)のCLTX-305の個別化試験用量を投与される、5日間の投与で構成される入院滞在。
期間2:期間1からの個々の反応(期間1を完了した対象について)又は期間1からの集計データ(CLTX-305への以前の曝露なしに期間2に入るコホート2の対象について)の検討に基づいて、対象がCLTX-305のBID投与を受ける、5日間の投与日から構成される入院。初期用量である用量レベル1(DL1)は、cCaをモニタリングしながら、2日間(48時間)投与される。参加者は、cCaレベルに応じてエンカレレットの用量を増やすか又は減らす調節を行う。cCaが正常値下限を下回っている場合は用量を増やす可能性があり、cCaが正常の上限以上である場合は用量が減らする可能性がある。最終試験日(5日目)には、少なくとも3日間連続して(DL1又はDL2のいずれかで)投与した後に24時間のPK/PDプロファイルを収集するための頻繁な採血及び採尿が含まれる。
期間3:24週間までのCLTX-305の外来投与。期間2を完了した対象は、期間2中のBID投与に対する忍容性及び反応に基づいて、初期BID投与量でのCLTX-305の自己投与を継続する。初期調節は、高カルシウム尿症を最小限に抑えながら、cCaを正常範囲に最適化することを目標として、各対象の症状制御の必要性及び有効性エンドポイントの継続的なモニタリングに基づいている。対象は、カルシトリオールを服用しないが、約1000mgの1日の最小食事摂取量を達成できず、対象が持続的な低カルシウム血症を患っている場合、必要に応じて、追加のカルシウムサプリメント補給を行ってもよい。経口カルシウムサプリメントの調節は、外来期間中に治験施設によって指示され、高カルシウム尿症のなしに正常又は低正常cCaの治療目標の達成に基づいて、増やすか又は減らす調節を行ってもよい。期間3では、調節期が12週間まで延長され、その後、高カルシウム尿症を回避しながら、一定の用量、安定した正常値ないし正常値以下のcCaを維持することを目標として、個別化された各投与レジメンが継続して投与される。追加の用量調整の必要性は、副甲状腺機能、腸カルシウム吸収、骨吸収、及び腎機能の変化の時間経過に潜在的に関連する要因に依存し得、これらはすべてモニタリングされる。
4.2 試験設計の科学的根拠
本臨床試験は、ADH1を有する患者の血中カルシウムを上昇させるカルシリティック剤の能力を決定するために、用量範囲にわたって1日1回及び1日2回投与されるCLTX-305を試験するように設計される。
本試験は、これらの患者における変異CaSRのアロステリック拮抗作用によるADH1に起因する低カルシウム血症を治療するためのカルシリティック剤CLTX-305の有用性を確認するために設計される。試験は、ADH1が確認された対象集団における最小有効用量、定常状態の薬物動態/薬力学(PK/PD)関係、及び/又は最大忍容用量を特定するように設計される。このようなデータは院内期間1及び2で確立され、これにより、期間3中の外来での曝露のための開始用量を知らせる個別化された投与が提供される。尿中Ca排泄を最小限に抑えながら、カルシトリオールを必要とすることなく、血中カルシウムを最適化することを目標として、最初の外来投与を、経口カルシウムサプリメントとともにさらに調節することができる。
ADH1の希少性及びこの臨床試験に参加することができる対象が少ないことから、治験依頼者は、期間1及び期間2がコホート1及びコホート2の両方にわたる個別化された合理的な平均有効用量の両方を同定するという期待に基づいて、試験を外来の期間3に拡張することを予想することは合理的であると考える。
4.3 用量の正当化
本試験では、ADH1を有する対象の新しい標的集団において、30mgのCLTX-305でファースト・イン・ペイシェント投与を開始することが提案されている。この用量は、非ADH1対象(すなわち、ADH1を駆動する病因の機能獲得変異体を有しない人)では安全かつ忍容性が良好であることが以前に示され、血漿iPTHの増加及びcCaの上昇に明確に関連していた。これは、ADH1では有効ではない用量又は最小限の有効用量である可能性があり、したがって、用量漸増及び用量発見の基礎となる論理的な開始用量を表すと予想される。CaSR機能が正常であると推定される副甲状腺機能亢進症対象におけるCLTX-305のPK/PD関係の詳細について。
単回漸増用量パラダイム及び複数回漸増用量パラダイムの両方を使用して、提案された試験では、ADH1を有する対象におけるCLTX-305のPK-PD関係を調べる。ADH1は潜在的な対象がほとんど特定されていない希少疾患であり、以前の開発プログラムから入手した十分に特徴付けられた安全性データゆえに、約16人の対象のコホートにおいて個別化された用量漸増を行うことを提案する。平均でCLTX-305のどの用量がADH1におけるカルシウム上昇をもたらすかを予測することはできないが、投与は30mgから少なくとも1の対数増加まで進める必要があると予想される。期間1及び2での監督下での院内試験により、各対象のiPTH及びcCaの変化に基づく有効性の証拠を綿密にモニタリングしながら、安全性及び忍容性に基づいて投与を進めることができる。cCaを上昇させる用量、例えば、>1mg/dLを1~5日以内に投与することにより、ADH1の潜在的な治療としてのCLTX-305に関する決定的な概念実証が確立されるであろう。高カルシウム血症に関連する用量は、上限又は最大忍容用量を確立する。
期間1及び2がCLTX-305の個々に有効な用量及び潜在的な上限を同定するように設計されていることを考慮すると、これらの結果は、低用量である可能性が高い外来の開始用量の選択を容易にし、期間3中の外来の用量調整及び最適化に対する初期のアプローチについての情報を提供するはずである。
期間3は、個別化された長期用量を同定するために設計されている。PTH作用(尿中のカルシウム損失を比較的即座に制限し、続いて消化管吸収に対する内因性1,25-(OH)ビタミンDの効果を増加させ、最終的に骨カルシウムを動員する)の時間枠が異なるため、外来の長期用量は、急性で有効であることが示されている用量よりも少なくなり得る。期間1及び2からのiPTH刺激及びcCa上昇の両方の用量反応曲線はまた、現在、非ADH1対象に基づいている更新されたPK-PDモデルについての情報を提供し得る(Cabal et. al., Journal of bone and mineral research,2013,28(8),pp.1830-1836)。纏めると、個別化された対象データ及びすべての対象に関する進行中のデータの蓄積により、合理的な外来投与及び調節が容易になるはずである。
実施例5:第2b相非盲検用量範囲探索試験-試験集団
A.組み入れ基準
対象は、スクリーニング中に組み入れ基準を満たす:
1)インフォームドコンセント書面又は同意書を理解及び署名することができ、これは、試験手順の開始前に取得する必要がある。
2)年齢が16歳以上;
3)閉経後の女性は、この試験に参加することが許容される:
a)適切な臨床プロファイル(例えば、年齢相応、血管運動症状の病歴)とともに、自然(自然発生)無月経が12ヶ月ある場合、又は外科的両側卵巣摘出術(子宮摘出術の有無にかかわらず)若しくは試験開始の少なくとも6週間前に卵管結紮を受けている場合、女性は、閉経後であり、出産の可能性はないとみなされる。卵巣摘出術のみの場合、女性の生殖状態がフォローアップホルモンレベル評価によって確認された場合にのみ、出産の可能性がないとみなされる;
4)ボディマス指数(BMI)≧18.5~<39kg/m
5)CASR遺伝子の活性化突然変異を有する;
6)チアジド利尿薬で治療されている対象は、CLTX-305の開始前少なくとも5半減期にわたって及び試験治療期間中、チアジド薬を中止する意思があり、中止することができる場合に登録することができる。チアジドが降圧剤として使用されている場合、代替療法が提供される;及び
7)強力なCYP3A4阻害剤(クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビルを含む)で治療されている対象は、理想的には、臨床的に適切な場合、スクリーニング中に、CLTX-305の開始前に少なくとも5半減期にわたってこれらの薬物療法を中止する必要がある。強力なCYP3A4阻害剤を服用し続けなければならない対象は、試験を通じて一定した用量で薬を服用し続けることができる場合には登録してもよい。
8)クエン酸マグネシウム又はクエン酸カリウムのサプリメントで治療されている対象は、期間1及び2の-1日目から開始してそのような治療を中止し、期間3中には治療を中止するよう求められる場合がある。
N.除外基準
スクリーニング中に以下の基準のいずれかを満たす対象は、試験に参加する資格がない:
1)-過去3ヶ月以内のPTH1-84又は1-34による治療歴があること;
2)-過去3ヶ月以内の低カルシウム血症発作の病歴があること;
3)-血中25-OHビタミンDレベル<25ng/mL;
a)対象が、スクリーニング来院時に血中25-OHビタミンDレベル<25ng/mLである場合、コレカルシフェロール又はエルゴカルシフェロールサプリメント補給が処方される。25-OHビタミンDレベル>25ng/mLになると、対象は試験の治療段階に進む資格がある。
4)治験責任者の意見では、対象を試験への参加を好適なものとしないようにする異常な検査値;
5)CKD-EPIを使用した推定糸球体濾過量(eGFR)<25mL/分/1.73m2(18歳未満の対象については、シュワルツ式が計算される);
6)-臨床的に重大な異常を伴う12誘導安静時心電図(ECG);
7)-スクリーニング訪問時に、B型肝炎表面抗原(HbsAg)、C型肝炎抗体、A型肝炎免疫グロブリンM(IgM)、又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)ウイルス血清検査結果が陽性である対象;
8)-ヘモグロビン(Hgb)が男性で13g/dL未満であり、女性で12g/dL未満である対象;
9)妊娠中又は授乳中(母乳による育児中)の女性。妊娠は、受胎後及び妊娠終了までの女性の状態として定義され、陽性の血清hCG検査によって確認される。
10)-出産の可能性のある女性は、投与中及び試験治療の中止後3ヶ月間、非常に効果的な避妊方法を使用していない限り、生理学的に妊娠することができるすべての女性として定義される。非常に効果的な避妊方法には、以下が含まれる:
・完全な禁欲(これが対象の好みの通常のライフスタイルに合致している場合)。定期的な禁欲(例えば、カレンダー法、排卵、症状体温法、排卵後避妊法)及び離脱は、避妊の許容される方法ではない。
・女性の不妊手術(子宮摘出術を伴う又は伴わない外科的両側卵巣摘出術を受けた)又は試験治療を受ける少なくとも6週間前の卵管結紮。卵巣摘出術のみの場合、フォローアップのホルモンレベルの評価により女性の生殖状態が確認された場合のみ。
・男性の不妊手術(スクリーニングの少なくとも6ヶ月前)。女性の試験対象の場合、精管切除された男性パートナーがその対象の唯一のパートナーである必要がある。
・以下の組み合わせ(a+b又はa+c又はb+c):
a)経口、注射、若しくは移植によるホルモン避妊法の使用、又は同等の有効性(失敗率<1%)を有する他の形態のホルモン避妊法、例えば、ホルモン膣リング又は経皮ホルモン避妊法の使用;
b)子宮内避妊器具(IUD)又は子宮内システム(IUS)の配置;
c)バリア避妊法:殺精子フォーム/ジェル/フィルム/クリーム/膣坐剤を備えたコンドーム又は閉鎖キャップ(ダイアフラム又は子宮頸部/ボールトキャップ)。
11)CLTX-305(試験薬)を服用している間及び治験薬の最後の投与から3ヶ月間、性交時にコンドームを使用しない限り、性的に活発な男性、期間1、期間2(コホート2の場合)の最初のCLTX-305投与から開始して期間3の終了まで、試験への積極的な参加中に子供の父親となるべきではない。精液を介した試験薬の送達を防ぐために、精管切除された男性もコンドームを使用する必要がある。
12)CLTX-305の活性物質又は賦形剤に対する過敏症;
13)スクリーニング訪問前の12ヶ月以内の薬物又はアルコール依存症の病歴;
14)甲状腺又は副甲状腺の手術歴;
15)他の治験薬試験への現在の参加;並びに
16)試験登録の開始から試験薬の最後の投与の1年後まで、スクリーニング訪問前の12週間以内に献血を控える意思がない。
N.社会的弱者患者の組み入れ
16歳~18歳の対象は、この試験に登録することができる。高年齢の青年は、この障害における利益が依然として不明である集中的な第2a相試験において適切に同意する能力を有する。低年齢児は、臨床的利益が不確実な手順の強さのために除外される。
実施例6:第2b相非盲検用量範囲探索試験-試験介入
6.1 試験介入の管理
期間1中に、コホート1の対象は、実施例7に記載されているように、プロトコルに従って、水と一緒にCLTX-305QD及びBIDを受ける。
期間2中に、コホート1及びコホート2の両方の対象は、実施例7に記載されているように、水と一緒にCLTX-305BIDを受ける。
期間3中に、期間3に入るコホート1及びコホート2の両方の対象は自宅へ退院し、実施例7に記載されているように、水と一緒にCLTX-305BIDを服用し続ける。
6.1.1 試験介入の説明
治験薬(IMP)CLTX-305は、10、30、及び60mgの投与量強度の活性成分エンカレレットを含む白色フィルムコーティング錠として提供される。
CLTX-305は、瓶中に10mg、30mg、及び60mgの錠剤で提供される。
6.1.1 用量及び投与
ADH1を有する対象におけるCLTX-305の投与は、主にCaSR機能が正常であると推定される閉経後の女性において最大1年間曝露することを含んでいた骨粗鬆症プログラムにおけるCLTX-305の急性投与及び慢性投与の両方の以前の経験に基づく。提案された開始用量は、ADH1において30mgであるが、その理由は、これが、ADH1変異を有しない副甲状腺機能亢進症対象においてcCaの急激な上昇をもたらすことが証明されている用量であるためである。副甲状腺機能亢進症の対象においてカルシウムの上昇を引き起こすがADH1対象では上昇しないことが知られている最高用量について試験した関連するカルシリティック剤であるNPSP795(Roberts et. al.,Journal of bone and mineral research: the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research,2019)のパイロットヒト試験からの査読データに基づき、30mgの開始用量は、効果がないか、又は最小限の効果であり得るが、以前に安全かつ忍容性が良好であることが示されている合理的な初期用量を表していると予想される。
12ヶ月以上の安全な曝露の期間を含む、以前の骨粗鬆症開発プログラムからの包括的な安全性データベースが存在するため、本ファーストインADH1試験には、個々のADH1患者における反復投与、用量漸増、及び経時的な用量の個別化が含まれる。クロスオーバー設計と同様、対象内で用量漸増を行うことにより、別々の並行コホート又は連続コホートを使用し得るアプローチと比較して、変動が減少し、用量/反応モデリングの精度が向上するはずである。試験した最大16人の対象が実行可能であり、個人及びグループの平均用量-曝露-反応プロファイルの特徴付け及びcCaの上昇に関する概念実証が可能となるはずである。疾患が非常に希少であることによって、従来の並行群用量発見が実行不可能であるため、我々のアプローチは好ましいものである。
CLTX-305は、1日1回投与及び1日2回投与の両方で試験される。以前の骨粗鬆症プログラムでは、CLTX-305が1日1回投与され、これにより、30mg以上の用量では、2時間以内にiPTHレベルの分泌及び最大12時間にわたってiPTHの第2の低いプラトーレベル(ベースラインと比較して依然として上昇)の一時的な増加(スパイク)を刺激することが見られた。PK(薬物曝露)及びPD(iPTHレベルの増加)の両方が24時間未満持続するにもかかわらず、トラフcCaの増加(最終投与の24時間後に測定)のいくつかの証拠は、ADH1対象において1日1回の投与及び1日1回の用量漸増を試験する必要があることを示唆している。
CLTX-305(エンカレレット)は食前30分以内に投与してもよい。以前の第1相試験では、食事と一緒に投与すると、十分な全身吸収、iPTHの血漿レベルの迅速な上昇に関連することが示されたが、空腹時の投与と比較してPTH Cmaxがわずかに鈍くなった(第1相試験の詳細及び結果については、治験責任医師のパンフレットを参照のこと)。骨粗鬆症プログラムとは異なり、ADH1患者の目標は、PTH Cmaxを最大化することではなく、血中cCa値を正常範囲に上昇させるのに十分な、1日を通してベースラインを超えるiPTHレベルの増加を促進することであるため、食前30分以内の投与の推奨がADH1投与のパラダイムとして選択された。しかしながら、1日2回の投与では、1日1回の投与と比較して、24時間の期間にわたって、iPTHレベルCmaxが低下し、iPTHレベルがより安定し得ることが予想される。プロトコルは、期間1において1日1回と1日2回の用量漸増を行い、期間2において1日2回の用量漸増を行うことによって、この仮説を検証するように設計されている。
介入(CLTX-305投与)の試験戦略の概要及び一般的な説明を以下に示す。各期間についての用量、レジメン、及び調節アルゴリズム/ガイダンスに関する追加の詳細は、実施例7並びに図5及び図6に見出すことができる。
期間1(単回用量漸増及びBIDPK/PDプロファイル)-コホート1
期間1では、資格を有するコホート1対象は、スクリーニング検査を完了した後、NIH CCに入院する。入院の1~3日目に、コホート1の対象は、CLTX-305の1日1回の投与と、1日目の初回用量30mgから3日目の最大用量の180mgまで増加する、プロトコルに指定された用量漸増とを受ける。QD用量漸増に対する個別の反応に基づいて、4日目及び5日目のBID投与のためにCLTX-305の個別化用量が選択される。
1、2、3日目(QD用量漸増):期間1の入院の最初の3日間にわたって、最大8名の対象(最小5名)が単回用量の用量漸増を受ける。朝の用量がそれぞれ1、2、3日目に投与され、PK/PD測定のために24時間頻繁に採血及び採尿を行うことを伴う。CLTX-305は朝食前30分以内に投与される。忍容性又は高カルシウム血症のために用量漸増が制限されている場合、治験責任医師は、治験依頼者と相談して、事前に指定された用量漸増を中断することを選択してもよい。この場合、治験責任医師は、治験依頼者と相談して、2日目及び3日目に忍容性が良好な最後の用量を繰り返すか、又は必要に応じて減らす調節を行うことを選択してもよい。
用量漸増は、以前の広範なPK-PDデータによって、1日1回投与したときに24時間にわたって薬物蓄積が最小限となることがサポートされているため、中間ウォッシュアウトなしで1、2、及び3日目に連続的に行われる(詳細については、治験責任医師のパンフレットを参照のこと)。同様に、CLTX-305を1日1回投与したときに、投与後24時間においてiPTHレベルが上昇したままにならないことが予想される。しかしながら、生じ得る任意の残存効果は、CLTX-305の急性有効用量を実証するという目的を混乱させるべきではない。任意の所与の対象について、投与間隔中にcCa値が10.5mg/dLを超えることは、その個人にとってのCLTX-305の最高用量に達したことを示し、それ以上の用量漸増は必要ない。このシナリオでは、治験責任医師は、治験依頼者と相談して、必要に応じて残りのQD検査日(例えば、2日目及び3日目)に忍容性が良好な最後の用量を繰り返すことを選択してもよい。cCa応答に基づく用量及び調節の変更の詳細な例を図5に示す。
4日目及び5日目(BID用量漸増):QD用量漸増に対する各対象の個々のPD反応に基づいて、4日目及び5日目のBID投与のためにCLTX-305の個別化用量が選択される。CLTX-305を朝に1回及び夕方に1回、朝食及び夕食の30分前以内に投与する。選択される用量は、以前のQD投与中(1~3日目)のcCa及び/又はPTHレベルの各対象の反応に基づく必要がある。期間1におけるQD投与に対する個々の反応に基づく、BID投与のためのガイダンスアルゴリズムが、図5に示されている。
期間2(BID投与)-コホート1及び2
期間2では、期間1を完了した資格を有するコホート1対象は、期間2のNIHへの入院のために少なくとも8週間後に戻ってもよい。すべてのコホート1対象が期間1を終了し、データが分析された後、治験依頼者はコホート2の対象の登録を募集する。資格を有するコホート2対象は、プロトコルに従ってスクリーニング及び同意プロセスを完了した後、期間2に直接登録してもよい。期間2では、すべての対象が、1日目及び2日の朝食及び夕食の30分前にCLTX-305BID投与を開始する。期間2を通してcCa濃度を頻繁にモニタリングし、CLTX-305の用量は、正常なcCa濃度を目標とするために必要に応じて増やすか又は減らす調節を行う。BID投与によるCLTX-305の24時間PK/PDプロファイルの評価は、5日目に行われる。期間2中のBID投与を開始及び調節するためのガイダンスアルゴリズムを図6に示す。
期間3(コホート1及びコホート2)-外来投与
期間3では、CLTX-305の初期外来用量は、実施例7でより詳細に説明されているように、入院患者の期間1及び/又は2の結果に基づいて個別化される。期間3には、24週間のCLTX-305への合計の外来曝露のための約12週間の調節期及び約12週間の維持期が含まれる。調節は、カルシトリオールなしでCLTX-305用量を最適化し、正常なcCa及びリン濃度を目標とし、低カルシウム血症又は高カルシウム血症の症状を回避し、高カルシウム尿症の程度を最小限に抑えることを目標に、説明されている血液及び尿の両方のカルシウム結果の評価に基づく、NIH CC訪問時(約8週間ごと)のcCa、Mg、リンについての外来化学結果の検討に基づいて、スケジュールされた又はスケジュールされていない電話連絡訪問において、NIHの治験責任医師によって行われる。少なくとも1000mgの毎日の最小食事摂取に加えて、必要に応じて経口カルシウムサプリメントを使用してもよい。
用量制限毒性
ADH1を有する対象における本試験の目標は、正常範囲を超えてcCaを上昇させることができる用量を同定することを含む、cCa濃度を上昇させることである。CaSRの活性化突然変異を有する患者においてCaSRのアロステリックモジュレーターが高カルシウム血症を引き起こすことができるかどうかを確立することが重要である。試験は、必要に応じて、急性治療及び介入に精通した綿密に監督された専門家環境においてcCa上昇をモニタリングするように設計されている。以前の骨粗鬆症プログラムでは、ラボラトリ検査で同定された高カルシウム血症は、CASR変異のない甲状腺機能正常と推定される対象における用量制限効果として確認されたが、注目すべきことに、ラボラトリ検査での高カルシウム血症は高カルシウム血症の症状と明確に関連しておらず、事象は、日常的なラボラトリモニタリングで検出され、CLTX-305の用量を保持するか、又は少なくすることによって管理された。
別の特有の試験目的は、用量制限有害事象を特徴付けること、許容可能な安全性リスクに関連する最大用量を決定すること、及び安定した正常なcCa濃度を効果的に上昇又は維持することができる用量を決定することを含む、様々な用量及びレジメンにわたる安全性及び忍容性の評価である。
以前の骨粗鬆症プログラムからのヒト臨床試験で蓄積された経験に基づいて、CLTX-305の急性又は長期投与では特定の安全性シグナル又は有害事象プロファイルは同定されなかった。用量制限高カルシウム血症は、最大12ヶ月間治療されたその他の健康な閉経後女性集団において長期用量を15mgQDに制限する必要がある唯一のシグナルであった。
ヒトにおいて具体的に予測される有害事象プロファイル又は予想される用量制限毒性はないため、CLTX-305の安全性モニタリングは確立されたアプローチ及び原則に基づく。有害事象モニタリング、安全性ラボラトリ(safety laboratories)、バイタルサイン、身体検査、及び心電図に基づくプロトコルで指定された安全対策は、院内期間1及び2で評価される。個々の対象について、有害事象の経験が評価され、実施例7のガイダンスに従って記録し、治験責任医師の判断及び評価に従って、試験薬の投与に関する適切な対応がなされる。
正常なCaSR機能を有する以前に検査された対象と比較して、ADH1を有する対象のcCaの同等の変化を見るためには、より高い用量のCLTX-305が必要であると予想され、したがって、本プロトコルでは、cCaの上昇が安全性副作用ではなく有効性を表す異常なCaSR機能を有る対象の新しい標的集団における有効な用量を同定するために、急性的に400mgを超える可能性のある用量を含む100mgを超える潜在的な用量漸増を規定している。
ADH1を有する対象のために提案された開始用量は30mgであり、これは健康で正常なボランティアにおいて忍容性が良好であり、特定の安全性シグナルはなかったが、cCaの上昇に急速に有効でもあった。この用量は、ADH1対象におけるcCa上昇に効果がないか、又は最小限の効果しかないと予想される。したがって、cCaに対する既知の安全性及び有効性に基づいて、30mgのCLTX-305は、このファーストインADH1試験の合理的な初期用量を表している。さらに、CLTX-305は、非ADH1対象では5~100mgの範囲(約10倍の範囲)で非常に安全でかつ忍容性が良好であった。CaSR機能が正常であると推定される健康なヒトにおける、元の期間1の単回用量漸増試験は、CLTX305を最大400mgまで漸増するように設計されたが、cCa濃度の上昇に基づいて、100mgの最高用量が同定された。CaSR機能が正常であると推定される人々の最高投与量は、過剰なcCa上昇を避けるために100mgとして選択され、第I相の完全なQTc試験で最高投与量として安全に使用された。
注目すべきこととして、ADH1を有する人々は、健康な非ADH1の人々と比較して右にシフトした用量反応を示し得るが、ADH1を有する対象において用量反応の軌跡が有意に急勾配になると予想する生物学的理由はない。したがって、カルシウム上昇効果の証明に焦点を当てるために、このファーストインADH1試験において適切な用量漸増を計画することが重要である。ADH1対象におけるQD探索の計画された用量範囲には、30~180mg(約6倍の範囲)の範囲が含まれる。cCaに対する有効性を確認するために高用量が必要な場合、用量漸増は継続するが、実施例7のアルゴリズム/ガイダンスでより詳細に特定されているように、BIDレジメンに切り替える。
以前の骨粗鬆症プログラムでは、高カルシウム血症の有害事象は症候性ではなく、スケジュールされた定期的な検査評価に基づいて同定された。CLTX-305後のcCaレベルに対する用量制限閾値は、実施例7における投与及び調節アルゴリズムの一部として特定されている。期間1又は期間2における用量漸増中に投与後cCa>10~10.5mg/dL(期間1)及びcCa>10mg/dL(期間2)を達成した対象は、より高いCLTX-305用量には進まない。期間1の用量漸増中にcCa値が10~10.5mg/dLである対象では、用量を30mgだけ増加させる。期間1でcCa>10~10.5mg/dLを達成し、期間2で>10mg/dLを達成した対象では、用量を維持又は減らし、必要に応じて最終的な頻繁なサンプリングを受ける。
用量変更
毒性又は高カルシウム血症に基づく投与及び調節制限の一般原則については、上記を参照のこと。各期間の投与ガイダンスアルゴリズムの詳細については、例7を参照のこと。
用量の変更は、期間1及び期間2におけるcCa閾値>10~10.5mg/dLに基づいて、実施例7に記載されているプロトコルで特定されたガイダンス/アルゴリズムに従って行う必要がある。同様に、外来期間3における調節は、主にcCaの定期的な評価に基づいて行われ、cCa>10mg/dLの場合も用量変更が必要になる。期間3では、用量変更には、CLTX-305を減らすこと及び/又は経口カルシウムサプリメントレジメンの変更が含まれてもよい。
薬剤の投与
期間1及び期間2のNIH CC入院中に、CLTX-305を1日1回投与する日には、対象は、朝に1回投与を朝食前30分以内に約8オンスの水と一緒に受ける。CLTX-305を1日2回投与する日には、対象は、朝に1回目の投与、夕方に2回目の投与を受け、朝食及び夕食の30分前に約8オンスの水と一緒に投与することができる。
期間3中、対象は、治験責任医師/被指名者から、CLTX-305を朝に1回目の投与、夕方に2回目の投与を受けるように指示される。朝食及び夕食の30分以内に投与を受けることをお勧めするが、必須ではない。
6.2 準備/取り扱い/保管/説明責任
取得及び説明責任
現場の研究薬剤師又は委任された担当者は、日付け及び受け取った数量を含む、治験依頼者によって発送されたCLTX-305の領収書の正確な記録を保持する。さらに、各対象に投与される量、調剤日、及び返却された金額を特定する正確な薬物処分記録が保持される。この目録記録はいつでも閲覧のために利用可能にしておく必要があり、この記録のコピーは試験終了時に治験依頼者に提供される。試験完了時に、現場の研究薬剤師又は委任された担当者は治験依頼者にCLTX-305の説明責任の完全な記録を提供する。
製剤化、外観、包装、表示
CLTX-305は、10mg、30mg、60mgの用量で提供される活性成分エンカレレットを含む白色のフィルムコーティング錠として提供される。
錠剤は、以下の賦形剤:マンニトール、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、スクロース脂肪酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール、及び酸化チタンを含む。
製品の保管及び安定性
治験依頼者は、試験施設に医薬品を提供する。CLTX-305は、20℃~25℃に制御された室温で保管され、治験依頼者が提供するボトル中で15℃~30℃で可動が許容される。
期間1及び2では、すべての対象は、NIH CCにおいて治験施設スタッフによって調剤及び投与されるCLTX-305のみを受け取る。すべての未使用のCLTX-305は、最終的なCLTX-305の説明責任が完了した後、治験依頼者に返却するか、又は治験依頼者の承認を得て現場で破棄する必要がある。未使用のCLTX-305が治験依頼者に返還されない場合、破棄の証明を治験依頼者に提供する必要がある。
期間3では、対象にはCLTX-305が与えられ、超過分を含む個別化開始用量で外来BID自己投与が可能になり、NIH CC訪問の間に治験責任医師の裁量で用量を増やす調節を行うことが可能となる。必要に応じて、追加のCLTX-305(エンカレレット)が、NIH CC薬局の標準的手順に従って、NIH CCの薬局から対象者に郵送される場合がある。対象は、指定されたNIH CC訪問時に未使用のCLTX-305を返却し、説明責任及びコンプライアンスの推定について検討される。対象は、次回の訪問時に未使用のCLTX-305をNIH CCに返却する必要がある。CLTX-305の説明責任は、NIHの薬剤師又は委任された担当者によって行われる。最終的なCLTX-305の説明責任が完了した後、任意の未使用のCLTX-305は治験依頼者に返却するか、又は治験依頼者の承認を得て、NIHの手順に従って現場で破棄する必要がある。未使用のCLTX-305が治験依頼者に返還されない場合、破棄の証明を治験依頼者に提供する必要がある。
6.3 偏見を最小化する手段:無作為化及び盲検化
適用できない。これは非盲検試験である。
6.4 試験介入コンプライアンス
入院期間1及び2では、施設スタッフによってCLTX-305が投与し、記録される。CLTX-305投与の時間は、適切なCRFに記録される。スケジュールされた試験薬の経口投与は、試験スタッフ又は被指名者による観察下で試験施設で行われ、したがって、試験薬のコンプライアンスが確保される。外来期間3の間、対象はCLTX-305を自己投与し、投与、投与のタイミング、及び食事のタイミングについて指示を受ける必要がある。CLTX-305の投与に関しては、「薬物投与」のセクションを参照のこと。各試験訪問時及び電話連絡時に、施設スタッフはコンプライアンスを確認して記録し(例えば、投与し忘れたことを文書記録する)、任意の用量の変更を確認して記録する。
6.5 併用療法
スクリーニングでは、NIHの試験スタッフが各対象にすべての併用薬の使用について具体的に質問し、適切なCRFにおける薬物、投与量、及び使用期間を記録する。一般に、入院時及び試験を通して、施設スタッフは入院中はすべての併用薬をモニタリングし、記録し、投与する。
すべての対象は、入院日である-1日目にカルシトリオールの服用を中止するように指示されるが、経口カルシウムサプリメント補給レジメンは継続される。対象は、治療期間を通して、食事及びサプリメントから少なくとも1日合計1,000mgのカルシウムを摂取する。
チアジド利尿薬で治療されている対象は、CLTX-305の開始前の5半減期及び試験治療期間中にチアジド利尿薬を中止する意志及び能力がある場合、登録することができる。チアジドが降圧剤として使用されている場合、代替療法が提供される。
強力なCYP3A4阻害剤(クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ネファゾドン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビルを含む)で治療されている対象は、臨床的に適切であれば、CLTX-305の開始前の少なくとも5半減期のスクリーニング期間及び試験治療期間中、これらの薬剤を中止する必要がある。それ以外の場合、強力なCYP3A4阻害剤で治療されている対象は、試験を通して一定の用量を維持する必要がある。
実施例7:第2b相非盲検用量範囲探索試験-試験評価
7.1 治療期間
7.1.1 期間1(単回用量漸増及びBID PK/PDプロファイル)-コホート1
スクリーニング訪問が試験薬開始の21日超前である対象については、入院の10~14日前に、NIHの治験責任医師によって検討される血液及び尿化学について、外来ラボラトリ検査が行われる。
すべての対象は、入院日である-1日目にカルシトリオールの服用を中止するように指示されるが、入院するまで経口カルシウムサプリメント補給療法を継続する。
-1日目(入院):コホート1の資格のある対象は、期間1での投与の前日にNIH CCに入院する。
1、2、3日目(QD用量漸増):最大8名の対象(最低5名)は、入院の最初の3日間で単回用量の用量漸増を受ける。1日目、2日目、3日目にそれぞれ30、90、180mgの朝の用量が投与され、PK/PD測定のために24時間にわたって頻繁に採血及び採尿が行われる(PK/PDアッセイ及び時点の詳細については、表4A~表4C、表5、及び表6A~表6Cに示されている)。CLTX-305は、朝食の30分前に水と一緒に朝に投与される。忍容性又は高カルシウム血症のために用量漸増が制限されている場合、治験責任医師は、治験依頼者と相談して、必要に応じて、2日目及び3日目に忍容性が良好な最後の用量を繰り返すか、又は減らす調節を行うことを選択してもよい(用量ガイダンスアルゴリズムについては以下を参照のこと)。
4日目及び5日目(BID用量漸増):QD用量漸増に対する各対象の個々のPD反応に基づいて、CLTX-305の個別化用量が、4日目及び5日目におけるBID投与のために選択される。CLTX-305は、朝食及び夕食の30分前以内に、朝に1回及び夕方に1回投与される。選択される用量は、以前のQD投与中(1~3日目)のcCa及び/又はPTHレベルの各対象の反応に基づいている必要がある。治験責任医師は、治験依頼者と相談して、BIDで投与される90mg又は180mg(総日用量はそれぞれ180mg及び360mg)のいずれかを選択する可能性が高いが、各対象について以下の基準に従って決定する。
・投与間隔中に1mg/dL以上のcCaの増加をもたらした最小用量、若しくは投与間隔にわたって基準範囲の上限を超えずにcCaを正常範囲に維持した最小用量
及び/又は:
・ピークiPTH150~300pg/mL、及び/若しくは
・50pg/ml以上のiPTHレベルの持続的な上昇(理想的には最大12時間まで)
単回QD用量が所与の対象について上記の基準を満たさない場合、治験責任医師は忍容性が良好である最高のQD用量を選択し、4日目の朝から開始して朝に1回及び夕方に1回(BID)、推奨として食事前の30分以内に、その用量の投与を開始する必要がある。
cCa及びiPTHのモニタリングは、4日目及び5日目のBID投与中に行われ、PK/PDのために頻繁に採血及び採尿を行う。5日目のPK/PD試料についての時点及びアッセイの詳細については表6A~表6Cに特定されている。各対象について期間1中に収集された総血液量は約524mLになる。対象者の体重が少ない場合(成人の場合は50kg未満、又は青年の場合は55kg未満)、採取される血液量は、10.5mL/kg/8週(成人)及び9.5mL/kg8週(小児)のNIHガイドライン内にとどまるように減らす。試験薬の最後の投与は、5日目の夕方に行われる。
上記のガイダンスに基づく用量変更の模式図を図5に示す。
6日目(退院):6日目の朝にPK/PD採血を行った後、全対象は以前の治療レジメンを再開する。6日目中には、cCaレベルは終日モニタリングされる。退院前に追加のモニタリング又は治療(例えば、カルシウムを安定させるため)が必要な場合は、この期間を延長することができる。
期間1の7~8日目(NIH臨床センターからの予定される退院後24~48時間)に行われた外来検査は、理想的にはNIH CCで収集される。これができない場合は、対象の許可を得て、対象の連絡先情報が治験依頼者契約の医療サービスに提供され、自宅での試料収集のために相互に合意することができる時間をスケジュールする。収集された血液試料は、CLTX-305濃度、並びに血中カルシウム、マグネシウム、リン酸、1,25-(OH)ビタミンD、及びPTHについて評価される。これにより、期間1の後、CLTX-305濃度がウォッシュアウトされる間に、カルシウム恒常性の評価及び最終的なPK試料の両方が可能になる。定常状態でのCLTX-305の半減期が約10~14時間であることを考慮すると、PK試料は、CLTX-305の最後の投与(5日目の夕方に投与)から40~70時間後の時点を表す。電話連絡は、9~11日目に、又はカルシウムの結果が利用可能になって治験施設スタッフと検討ができるようになった時点で行われる。
試験前のカルシウム血症の状態及び実験的介入に関連する変化の両方を特徴付けるために、プロトコルはアルブミン補正血中カルシウム濃度の頻繁な測定に依存する。アッセイは、NIH臨床センターラボラトリー(メリーランド州ベセスダ)の仕様に従って行われる。正常な血中カルシウムレベル対異常な血中カルシウムレベルの主な指標は、補正カルシウム(cCa)=測定された総カルシウム(mg/dL)+0.8(4-アルブミン(g/dL))又は測定された総カルシウム(mmol/L)+0.2(4-アルブミン(g/dL))の式に従って血清又は血漿アルブミンについて補正に基づき、SI単位(mmol/L)で報告された総カルシウムは、4を掛けることで従来の単位(mg/dL)に変換することができることが認識される。登録された対象が正常かつ安定したアルブミンレベルを有していると予想される場合、総カルシウム及びcCaの測定値は、本試験の時間経過全体を通じて同様になる可能性が高い。イオン化カルシウムアッセイは、NIH臨床センターの治験施設でも利用することができ、重度の低カルシウム血症の場合又はcCa測定の精度に疑問がある場合に測定することができる。イオン化カルシウムの収集は、ケースバイケースでの臨床シナリオに基づいて、専門の治験責任医師の裁量で行われる。
7.1.2 期間2(BID投与)-コホート1及び2
コホート1では、NIH CCへの入院の10~14日前に、対象は、血液及び尿化学のための外来ラボラトリ検査を受ける。スクリーニング訪問が試験薬開始の21日以上前であるコホート2の対象の場合、血液及び尿化学のための入院の10~14日前に外来ラボラトリ検査が行われる。結果は、NIHの治験責任医師によって検討される。
すべての対象は、入院日である-1日目にカルシトリオールの服用を中止するように指示されるが、経口カルシウムサプリメント補給レジメンを継続する。
-1日目(入院):資格を有する対象は、投与前日にNIH臨床センターに入院する。
コホート1-期間1を完了したコホート1の対象は、(血液量及びヘマトクリットレベルを回復するために)少なくとも8~12週間後に期間2に戻るようにスケジュールされる。BIDの投与は、期間1中のCLTX-305に対する各対象の以前の反応に基づいて個別化される。
CLTX-305-201の期間2を終了し、期間3に入った最初の7人の対象では、CLTX-305の必要用量が1日1回10mgから180mgBIDまで非常に広範囲であり、CLTX-305(エンカレレット)投与は非常に個別化されることを示唆している。その結果、期間2の残りのすべての対象は、安全性、忍容性、及びcCaレベルを調節する能力を評価するために、少なくとも3~4回の投与について、90mgの初期CLTX-305 BID用量を受ける。CLTX-305の用量は、cCaレベルを10mg/dL未満に維持し、血中リン濃度を正常下限より高く維持するために、必要に応じて増やすか又は減らす調節を行う。用量は、利用可能なCLTX-305(エンカレレット)錠剤の強度に基づいて、10、30、又は60mgの増分で調整される。24時間PK/PDプロファイルを評価するための追加の連続した採血及び採尿を行う頻繁なサンプリングの試験日は、5日目に行われる。
DL1が48時間以内にcCaを正常基準範囲に上昇又は維持するのに不十分である場合、用量は増加させて、24時間PK/PDプロファイルを評価するための追加の連続した採血及び採尿を行う頻繁なサンプリングの試験日を含む、3、4、及び5日目に、用量レベル2(DL2)BIDまで用量を増やす。5日目の頻繁なサンプリング中のPK/PD時点についての詳細は表6A~表6Cで特定されている。各対象について期間2中に収集された総血液量は約458mLになる。対象の体重が少ない場合(成人の場合は43kg未満、又は青年の場合は48kg未満)、採取される血液量は、10.5mL/kg/8週(成人)及び9.5mL/kg/8週(小児)のNIHガイドライン内に留まるように減らす。任意の時点で、CLTX-305の用量が高カルシウム血症(cCa>10mg/dL)に関連している場合は、用量をより低い用量レベルに減らす必要がある。
これらの簡単なルールに基づく用量調節の例を図6に示す。
コホート2-コホート2は、コホート1が期間1を完了し、PD用量反応が検討された後に開始される。対象は、安全性、忍容性、及びcCaレベルを調節する能力を評価するために、少なくとも3~4回の投与について、90mgの初期CLTX-305BID用量を受ける。CLTX-305(エンカレレット)の用量は、cCaレベルを10mg/dL未満に維持し、血中リン濃度を正常の下限より高く維持するために、必要に応じて増やすか又は減らす調節を行う。用量は、利用可能なCLTX-305(エンカレレット)錠剤の強度に基づいて、10、30、又は60mgの増分で調整される。
対象は、5日目の夕方に試験薬の最終用量を服用する。6日目の朝に最後の連続したPK/PD採血を行った後、期間2を完了したすべての対象は、外来環境において同じBID用量(又はそれ以下)のCLTX-305を受けるために期間3に参加する資格がある。期間3に入る対象は、期間2中に各個人に対して有効かつ忍容性であることが治験責任医師によって決定された用量で、NIH臨床センターから退院する。
対象が期間3に参加しない場合、対象は、退院前の6日目に以前の外来治療レジメンを再開する。
試験前のカルシウム血症の状態及び実験的介入に関連する変化の両方を特徴付けるために、プロトコルはアルブミン補正血中カルシウム濃度の頻繁な測定に依存する。アッセイは、NIH臨床センターラボラトリー(メリーランド州ベセスダ)の仕様に従って行われる。正常な血中カルシウムレベル対異常な血中カルシウムレベルの主な指標は、補正カルシウム(cCa)=測定された総カルシウム(mg/dL)+0.8(4-アルブミン(g/dL))又は測定された総カルシウム(mmol/L)+0.2(4-アルブミン(g/dL))の式に従って血清又は血漿アルブミンについて補正に基づき、SI単位(mmol/L)で報告された総カルシウムは、4を掛けることで従来の単位(mg/dL)に変換することができることが認識される。登録された対象が正常かつ安定したアルブミンレベルを有していると予想される場合、総カルシウム及びcCaの測定値は、本試験の時間経過全体を通じて同様になる可能性が高い。イオン化カルシウムアッセイは、NIH臨床センターの治験施設でも利用することができ、重度の低カルシウム血症の場合又はcCa測定の精度に疑問がある場合に測定することができる。イオン化カルシウムの収集は、ケースバイケースでの臨床シナリオに基づいて、専門の治験責任医師の裁量で行われる。
7.1.3 期間3(コホート1及びコホート2)-外来投与
期間3には、約24週間のCLTX-305への合計の外来曝露のための、約12週間の調節期及び約12週間の維持期が含まれる。期間3では、CLTX-305の初期外来患用量は、入院期間1及び2の結果に基づく。カルシトリオールなしでCLTX-305投与量を最適化し、カルシウムサプリメントの必要性を最小限に抑えながら正常なcCaを標的として、低カルシウム血症又は高カルシウム血症の症状を回避し、高カルシウム尿症の程度を最小限に抑えることを目標に、NIHの治験責任医師により、外来での調節が行われる。血中cCaレベルが10.5mg/dLを超える場合、NIHの治験責任医師は、CLTX-305(エンカレレット)の用量を保留し、血中cCaが10mg/dL未満に減少した後、より低い投与量でCLTX-305(エンカレレット)を再開することを検討することができる。経口カルシウムサプリメント補給は、少なくとも1000mgの毎日の最小初期摂取に加えて、必要に応じて使用してもよい。
試験訪問には、PK/PD評価、安全性の評価、並びに有害事象及び併用薬の記録のための8週間ごとの入院患者のNIH訪問が含まれる。対象は、調節及び維持中に間隔をもってプロトコルごとに電話で連絡し、外来ラボラトリの血液及び尿の評価の結果を検討し、試験薬(サプリメントを含む)の本レジメンの妥当性を確認し、低/高カルシウム血症の症状について尋ね、有害事象について評価する。各対象について期間3中の24週間にわたって収集される総血液量は、約540mLになる。
7.1.4 フォローアップ及び早期終了
対象は、試験薬の最終投与から30±7日後に、AEの評価のためのフォローアップの電話を受ける。
対象が試験への参加を中止するか、又は試験を早期に終了する場合、実施例1:1.2に記載されている活動スケジュールに示されている早期終了(ET)のためのすべての安全性評価を受ける必要がある。
対象が試験薬の服用を中止又は中断する場合、以前の臨床ケア提供者に戻る際に、基礎となるADH1に対処し、cCa血中濃度を維持するために、経口カルシウム及び活性型ビタミンDの以前の外来レジメンに戻る。対象は、試験薬中止の1~3日以内に血中カルシウムの外来ラボラトリ検査を受け、検討のためにその結果をNIHの治験責任医師に送るように指示される。治験責任医師は、対象に連絡して血中カルシウムの結果を検討し、外来の臨床管理を最適化するようアドバイスする必要がある。
7.2 有効性評価
7.2.1 薬物動態学的及び薬力学的採血
すべてのPK血液試料は、治験依頼者が契約したCROによって分析される。すべてのPD血液試料は、NIHラボラトリによって管理される。試料の処理及び取り扱いの詳細は、試験手順マニュアルに記載されている。これらの試料の収集時間は、実施例1:1.2の活動スケジュールに詳述されている。
重要な有効性評価は、経時的なcCa濃度である。
血中及び尿中のPK/PD及び安全性分析物の一覧表については、7.4.3を参照のこと。
7.2.2 時間間隔及び24時間尿
これらの試料の収集時間は、実施例1の表1、表2、表3、表4A~表4C、及び表6A~表6Cの活動スケジュールに詳述されている。
7.2.3 遺伝子・ゲノム分析のための試料
CASRの活性化突然変異が以前に文書記録されていない対象、又は罹患した第一度近親者(関連する文書が収集され、対象の試験バインダーにファイルされている)の場合、ADH1の診断は、スクリーニング時の遺伝子検査によって確認される。
対象のCASR変異がスクリーニングで確認されなかった場合は、CASR遺伝子の体細胞分析のために血液試料を採取する。
CASRにおいて病因となる変異体が同定されない場合は、副甲状腺機能低下症の他の遺伝子型の追加検査が対象に提供される場合がある。
本プロトコルの一部として、追加の遺伝子検査は必要ない。
7.3 安全性及びその他の評価
身体検査
実施例1の活動スケジュールに詳述されている時間に、対象は完全な身体検査(PE)を受け、これは、医師又は適切な訓練を受けた医療専門家によって完了される。臨床的に重要とみなされる(すなわち、症状に関連する、及び/又は医学的介入を必要とする)任意の異常な身体検査所見は、AEとして記録される。
バイタルサイン
バイタルサインは、実施例1の表1、表2、表3の活動スケジュールに示された時間及び詳細に従って評価される。臨床的に重要とみなされる(すなわち、症状に関連する、及び/又は医療介入を必要とする)任意の異常なバイタルサインは、AEとして記録される。
臨床ラボラトリでの決定
臨床ラボラトリ検査のための血液及び尿試料は、実施例1の活動スケジュールに詳述されている時間に収集される。スクリーニング時に、試料はNIH臨床センターで収集される。スクリーニング期間中の追加検査は、対象の近くの外来ラボラトリで実施してもよい。治療期間1及び2中のすべてのラボラトリ検査(PD及び安全性)は、NIH臨床センターで測定される。
期間1の7~8日目(NIH臨床センターからの予想される退院後の24~48時間)に行われる外来検査は、理想的にはNIH CCで収集される。これができない場合は、対象者の許可を得て、対象の連絡先情報が治験依頼者契約の医療サービスに提供され、自宅での試料収集のために相互に合意することができる時間をスケジュールする。収集された血液試料は、CLTX-305濃度、並びに血中カルシウム、マグネシウム、リン酸、1,25-(OH)ビタミンD、及びPTHについて評価される。これにより、期間1の後、CLTX-305濃度がウォッシュアウトされる間に、カルシウム恒常性及び最終的なPKパラメータの両方の評価が可能になる。定常状態でのCLTX-305の半減期が約10~14時間であることを考慮すると、PK試料は、CLTX-305の最後の投与(5日目の夕方に投与)から40~70時間後の時点を表す。電話連絡は、9~11日目に、又はカルシウムの結果が利用可能になって治験施設スタッフと検討ができるようになった時点で行われる。
外来期間3のラボラトリ検査には、安全性検査を含む、カルシウム及びカルシウムに関連する分析物のための外来ラボラトリでの採血が含まれる。
治験責任医師は、ラボラトリによって提供される基準範囲外の値の臨床的意義を評価する。
試料は、実験室マニュアルに従って提供される指示に従って採取され、処理され、保管される。
治験責任医師又は有資格の副治験責任医師は、すべてのラボラトリ結果を臨床的意義について検討する。臨床的に重要とみなされる(すなわち、徴候及び症状に関連する、並びに/又は医学的介入が必要である)任意のラボラトリ結果は、AEとして記録される。
心電図
標準的な12誘導心電図は、実施例1の活動スケジュールに詳述されている時間に評価される。心電図は、5分間の休憩の後、臥位で行われる。治験責任医師又は有資格の副治験責任医師は、すべての心電図の解釈及び間隔持続時間の測定値を臨床的意義について検討する。臨床的に重要であるとみなされる(すなわち、症状に関連する、及び/又は医療介入が必要である)任意のECGの解釈は、AEとして報告される。
二重エネルギーX線吸収法(DXA)
実施例1の活動スケジュールに沿って、期間1及び2中のスクリーニング時、期間3の24週目に、脊椎、股関節、橈骨遠位端、及び全身の骨密度測定をDXAによって実施する。
放射線曝露。この研究試験は、スクリーニング訪問時及び期間3の24週目に実施される1回のDXAスキャンからの放射線への曝露を伴う。この放射線曝露は医療ケアには必要なく、研究目的のためのみである。この試験で参加者が受ける放射線量は、NIH放射線安全委員会によって子供(年間500mrem未満)又は成人(年間5000mrem未満)の研究対象について確立された線量ガイドラインを十分に下回っている。この研究への参加によって参加者が受ける有効線量は2ミリレム未満である。このプロトコルは、放射線安全委員会によって承認されている。
7.4 有害事象及び重篤な有害事象
すべての有害事象は、試験プロトコルに従って報告される。
7.4.1 特に関心のある事象
ADH1における低カルシウム血症
ADH1を有する対象におけるCLTX-305治療の主な目標は、血清カルシウム値を上昇させることである。低カルシウム血症は、CLTX-305による治療の予想される副作用ではないが、治療される基礎疾患の合併症である。したがって、低カルシウム血症は、基礎疾患の治療が不十分な場合はいつでも生じ得、特定の有効用量が不十分又は不足したために生じ得る。
本試験では、CLTX-305の用量発見を容易にし、潜在的に臨床的概念実証を確立するために、本維持薬の用量を減らすか、又はそれらの使用(すなわち、経口カルシウムサプリメント及びカルシトリオール)を完全に中止することを伴う。これらの状況下では、CLTX-305の有効量を達成する前に、対象が低カルシウム血症の症状を経験するリスクがある。このリスクを軽減するために、試験設計は安全性を最も重視している。CLTX-305投与に関連する経口維持薬に対するすべての変更は、最初の2つの期間に臨床センターに居住する参加者で行われ、血中カルシウムの毎日の複数回の測定と、ADH1を有する個人をケアした経験を有する医療専門家による綿密な監督が行われる。これらの予防措置に加えて、低カルシウム血症を示唆するか又は低カルシウム血症と一致する事象のモニタリング及び捕捉は、以下に説明するように、特に関心のあるAEとして検討される。
血中カルシウム濃度の評価
試験前のカルシウム血症の状態及び実験的介入に関連する変化の両方を特徴付けるために、プロトコルはアルブミン補正血中カルシウム濃度の頻繁な測定に依存する。アッセイは、NIH臨床センターラボラトリー(メリーランド州ベセスダ)の仕様に従って行われる。正常な血中カルシウムレベル対異常な血中カルシウムレベルの主な指標は、補正カルシウム(cCa)=測定された総カルシウム(mg/dL)+0.8(4-アルブミン(g/dL))又は測定された総カルシウム(mmol/L)+0.2(4-アルブミン(g/dL))の式に従って血清又は血漿アルブミンについて補正に基づき、SI単位(mmol/L)で報告された総カルシウムは、4を掛けることで従来の単位(mg/dL)に変換することができることが認識される。登録された対象が正常かつ安定したアルブミンレベルを有していると予想される場合、総カルシウム及びcCaの測定値は、本試験の時間経過全体を通じて同様になる可能性が高い。イオン化カルシウムアッセイは、NIH臨床センターの治験施設でも利用することができ、重度の低カルシウム血症の場合又はcCa測定の精度に疑問がある場合に測定することができる。イオン化カルシウムの収集は、ケースバイケースでの臨床シナリオに基づいて、専門の治験責任医師の裁量で行われる。
低カルシウム血症の有害事象:症候性及び無症候性
低カルシウム血症と一致する有害事象は、症候性又は無症候性のいずれかに分類され、一連の臨床症状があることを認識して、重症度が評価される。症候性低カルシウム血症は、手、足、若しくは唇のしびれ/うずき、筋痙攣/筋肉の引き攣り/筋収縮、その他の衰弱、若しくは立ちくらみ、及び/又は怒り若しくはうつ病を含む、新たな不安若しくは不安の悪化、並びにcCaの低下の実験的証拠に伴う錯乱/幻覚の神経認知徴候などの低カルシウム血症と一致する症状の同定に基づく。関連する症状は、血中カルシウムレベルを調べ、カルシウムの状態を確認する際に文書記録される。特に関心のある有害事象としての症候性低カルシウム血症の症例報告フォーム(CRF)には、症状、付随するcCa濃度、誘発因子、治療、解消、及び試験薬に関して取られた措置を含むがこれらに限定されない、各低カルシウム血症事象の詳細が記録される。
cCa<7mg/dLの閾値の定義に基づいて、無症候性低カルシウム血症も特に関心のあるAEとして捉えられる。cCaレベルは入院期間を通じて頻繁にサンプリングされるため、通常のcCaモニタリング中に無症候性の低cCaの結果が同定される。
低カルシウム血症の臨床評価及び治療
低カルシウム血症の症状の重症度は、無症候性から生命を脅かすものまで様々であり得る。試験薬及び/又は他の介入(緊急のカルシウムサプリメント補給など)に関する適切な治療及び措置は、主に重症度及び急性度の臨床評価に基づく。本試験で低カルシウム血症の症例が発生した場合、支持治療で管理することができると予想される。
異なる患者では低カルシウム濃度に対する異なる感受性は異なり得るが、NIHでこの最初の安全性及び概念実証試験を行う利点の1つは、専門の治験責任医師がこれらの患者の管理に豊富な経験を有し、試験されると予想されるコホートの多くのメンバーの臨床経過及び管理についての特定の病歴知識を有していることである。本試験を行う治験責任医師は、基礎疾患の結果である低カルシウム血症の管理を含む、これらの患者をケアする数十年の蓄積された施設での経験を有する。これには、外来ラボラトリでのモニタリング及び症状の評価に基づく、患者の機能、健康状態、及び生活の質を確保するための経口カルシウム及びカルシトリオールの外来レジメンを管理した経験が含まれる。
適切な評価には、連続したcCa測定、臨床的評価(徐脈など)に基づいた及び/又はcCaが7mg/dL未満の場合の初回及びフォローアップ心電図が含まれる。
NIHの治験責任医師の専門家判断による段階的な介入には、軽度から中等度の事象に対する経口カルシウム及び/又はカルシトリオールサプリメント補給(下記参照)などの標準的な手段が含まれる。神経認知障害、発作、テタニー、低血圧、又は心機能不全の悪化を含む、より急性の臨床症状を伴う未解消の又は悪化した低カルシウム血症の場合、例えば、標準的治療に従って、以下に記載する静脈内グルコン酸カルシウムの投与を含む適切な緊急介入が施設によって行われる。
経口カルシウムサプリメント及び/又はカルシトリオールの追加
試験期間中、すべての対象は、1日あたり少なくとも1000mgのカルシウム元素を経口で摂取するため、必要に応じて1,000~2,000mgの範囲の追加の経口カルシウムサプリメントを摂取することができ、cCaを綿密にフォローアップする。安定したカルシウムレベルをもたらす、カルシウムサプリメント補給及び/又はカルシトリオールの1~2回の用量(各対象の以前の既知の感受性及び外来カルシトリオール投与量に基づく用量、既知の場合、例えば、0.5~2mcgの範囲である可能性が高い)に対する一時的な必要性は、特にCLTX-305の有効用量が達成されている前の1日目及び2日目において必要な場合には、プロトコルごとの用量漸増を妨げる必要はない。経口サプリメント補給に反応しないより重度又は長期の低カルシウム血症は、治験責任医師の判断により、試験期間の早期終了が必要になる場合がある。カルシウムレベルが安定していない場合、及び臨床的に重大な低カルシウム血症の証拠が試験期間中のさらなる投与を妨げる場合、CLTX-305の投与は中止され、対象は経口カルシウム及びカルシトリオールの以前の外来レジメンを再開し、安定したとき退院することがきでき、綿密にフォローアップする。そのような対象は、治験責任医師及び治験依頼者の裁量により、試験期間の繰り返し又はプロトコルごとの試験期間のいずれかに戻る資格を有し得る。
静脈内カルシウムサプリメント補給
重度の低カルシウム血症の場合、NIH臨床センターには、必要に応じて、静脈内輸液、酸素サプリメント補給、継続的なECGモニタリング、及びベッドサイドでのイオン化カルシウムモニタリングなどの高度な支持療法を実施するための設備がある。臨床的に必要な場合は、静脈内カルシウムを投与することができる。
実施例8:第2b相非盲検用量範囲探索試験-統計的考察
すべての分析の詳細は、正式な統計分析計画(SAP)で提供される。
統計的仮説
すべてのデータは、仮説検定なしで記述的に分析される。
サンプルサイズの決定
期間1(コホート1)において最大8人の対象及び期間2(コホート2)において最大8人の追加対象のサンプルサイズは、安全性及び忍容性に基づいてエスカレーションを行い、一般的に投与群あたり8~10人の対象を登録する、従来のファースト・イン・ヒューマン単回及び複数回用量漸増試験(SAD及びMAD)と一致している。
本試験のサンプルサイズは、検定力のある正式な仮説の統計的検定に基づいていない。提案された臨床試験は、ADH1患者の新しい標的集団において修正された単回及び複数回用量漸増試験を行うために、以前の骨粗鬆症プログラムからの広範な曝露及び安全性データを活用した、CLTX-305の再目的化を表している。しかしながら、異なる実験抗カルシウム剤であるNPSP795の最近の出版物(Reberts et.al.,2019)は、サンプルサイズ5人の対象であるADH1を有する対象におけるiPTHに対する用量反応の予備的証拠を報告した。著者らは、非ADH1対象においてiPTHを確実に上昇させることが既知である用量を検査したにもかかわらず、ADH1対象のPTHを十分に刺激してcCaの上昇も確認するためにはより多くの用量が必要であると推測した。本プロトコルは、安全性及び忍容性について広範で潜在的な用量範囲を調べるように設計されているが、約16人の対象の提案されたサンプルサイズは、有効な用量が達成された場合、iPTH及び/又はcCaの決定的な概念実証を確認するのに十分であり得る。
分析のための集団
安全性集団:試験薬を1回以上受けたすべての対象
PK集団:試験薬を1回以上受け、CLTX-305のPKパラメータを算出が可能であるのに十分な量のPK試料が採取されたすべての対象。
PD集団:PDデータを伴うすべての対象。
統計分析
すべての分析の詳細は、正式な統計分析計画(SAP)で提供される。
人口統計及びその他のベースライン特性
人口統計及びその他のベースライン特性は、治療ごとに要約される。
安全性分析
安全性及び忍容性のパラメータは、必要に応じて記述統計を使用して要約される。すべての安全性データは、データリストで提供される。
AEは、MedDRA辞書を使用してコード化される。各治療中に発現するAE(TEAE)の発生率は、器官別大分類、優先用語、及び治療の割り当てによって要約される。同じ優先用語にマッピングされた複数のAEは、対象ごとに1回カウントされる。併用薬は、一般用語及び解剖学的治療化学(ATC)コードを含むWHO医薬品辞書を使用してコード化され、ATCコード、WHO医薬品一般名、及び治療によって要約される。早期終了の理由は、治療群の割り当てによって要約される。安全検査所見、バイタルサイン、及び12誘導ECGを説明的に要約し、治療の割り当て及び訪問ごとにリストする。スケジュールされた時点でのベースラインからの値及び変化が要約される。検査データがリストされ、各訪問時のベースラインからの値及び変化が要約される。治療中に発現した臨床検査値異常の追加リストが提供される。
治療期間中に生じたAE(優先用語による分類)は、CLTX-305の初回投与前に存在していなかった場合、又はCLTX-305の初回投与前には存在したが治療期間中に重症度が増加した場合には、TEAEとみなす。CLTX-305の初回投与前に2つ以上のAEが報告され、同じ優先用語にコード化されている場合、その優先用語にコード化され、期間中に発生したAEと比較するためのベンチマークとして、最も重症度の大きいAEが使用される。CLTX-305の最終投与から30±7日超経過して発生したAEは、TEAEとしてカウントされない。
薬物動態分析
各対象についてPKパラメータを算出し、治療ごとにう要約する。各PKパラメータを計算するのに十分なデータを有する対象のみが、各PKエンドポイントの要約に含まれる。
薬力学分析
各対象についてPDパラメータを算出し、治療ごとにう要約する。各PDパラメータを計算するのに十分なデータを有する対象のみが分析に含まれる。
中間分析
PK及びPDエンドポイントを導出するために使用される非盲検試験設計及び定量的な検査分析物のために、治験依頼者及びNIH治験責任医師の両方が、試験全体を通じて継続的に共同で定期的なデータ検討を実施することができる。
期間2の開始前に、期間1の単回投与及び複数回投与(QD及びBID)の反応について、iPTH及びcCaに対する安全性、忍容性、及び効果の検討が行われる。
実施例9:試験期間1/コホート1の結果
CASRの4つの異なる活性化変異体に起因するADH1を有する6人の成人を、実施例1~8のプロトコルに従って、カルシリティックエンカレレット(CLTX-305)の進行中の3つの期間の第2b相非盲検用量範囲探索試験において試験した。期間1、コホート1の試験は、図2に概説されている。カルシウム、マグネシウム、及びカルシトリオールのサプリメントは期間1の開始時に中止され、対象は、3日間連続してエンカレレット(30mg、90mg、180mg)の日用量を増やし、続いて、頻繁に採血及び採尿を受けながら、4日目及び5日目に120mg又は180mgを1日2回投与した。
対象の特徴:対象のベースラインの特徴を表9に要約する。
薬力学、薬物動態、有効性、並びに安全性及び忍容性
6名の対象が、以下の用量のCLTX-305を受けた:1日目:30mg(QD);2日目:90mg(QD);3日目:180mg(QD);4日目:180mg(BID);5日目:180mg(BID)(1人の対象が5日目に120mgの2回目の投与を受けたことを除く)。
平均ベースラインPTHは、3.4±4.5pg/mL(平均±SD;nl 10~65)であった。エンカレレットでは、5日目までに、24時間の平均レベル64.8±49.6pg/mLへのPTHの用量依存的な急速な増加があった。アルブミン補正血中カルシウム(cCa)は、ベースラインの7.6±0.6mg/dL(nl 8.4~10.2)から5日目の24時間平均9.0±0.5mg/dLに増加した。リンは、ベースラインの4.5±0.7mg/dL(nl 2.3~4.7)から5日目の24時間平均2.9±0.5mg/dLに減少した。マグネシウムは、ベースラインの1.6±0.4mg/dL(nl 1.6~2.6)から5日目の24時間平均2.0±0.5mg/dLに増加した。血中カルシウム、リン、及びマグネシウムは、4日目及び5日目まで、ADH1対象においてほとんど正常範囲内に維持された。24時間の尿中カルシウムは、対象が従来の治療を受けていたときのスクリーニング来院時に上昇していた(436±255mg/日、nl<250-300)であり、エンカレレットの用量が増加するにつれて5日目に63±127mg/日に減少した。尿中カルシウム排泄は、3人の対象で正常になり、エンカレレットでは、3人の対象で検出できなかった。表10に示されるように、忍容性が良好であり、重篤な有害事象は報告されなかった。
図7A~7Dに示されるように、ミネラル恒常性は、試験期間1中に正常化された[平均±SD]。図7Aは、血中カルシウム濃度(mg/dL)を示し、図7Bは、インタクトPTHレベル(pg/mL)を示し、図7Cは、リンレベル(mg/dL)を示し、図7Dは、24時間尿中カルシウムレベル(mg/24h)を示す。
図8に示されるように、CLTX-305の薬物動態プロファイルは、試験期間1にわたって血漿曝露の用量比例的な増加を示した[平均±SD]。
個々の対象についてCLTX-305の5日間の投与後の血中ミネラル濃度及び平均値を図9A~9Dに示す。図9Aは、血中カルシウム濃度(mg/dL)を示し、図9Bは、インタクトPTHレベル(pg/mL)を示し、図9Cは、血中リン濃度(mg/dL)を示し、図9Dは、24時間尿中カルシウムレベル(mg/日)を示す。(†は、4日目の値が示され、5日目の値は入手できなかったことを示す。は、アッセイ定量限界未満の値が「0」としてプロットされたことを示す。)
結論:エンカレレット(CLTX-305)は、5日間にわたって1日1回又は2回漸増経口用量で投与された場合、忍容性が良好であり、重篤な有害事象は報告されなかった。血液及び尿ミネラル測定値のベースラインからの一貫した変化は、CLTX-305がADH1の有効な治療であり得るという予備的な概念実証データを提供する。血中カルシウム、PTH、及びリン酸は一般に正常化され、5日目まで正常範囲内に維持された。尿中カルシウム排泄は、CLTX-305及び正常カルシウム血症の間、すべての対象で正常又は検出不能であった。
実施例10:試験期間2/コホート2の結果
上記の例で説明したように、ADH1を有する追加の7人の対象が試験された。表11は、これらの対象のベースラインの特徴を要約したものである。
図10A及び10Bは、試験期間1及び2の投与の概要を示す。図10Bに示されるように、期間2は、個別化された用量調節(individualized dose titration)を特徴とした。
表12に示されるように、期間2においてエンカレレットは忍容性が良好であり、重篤な有害事象は報告されなかった。
期間2におけるCLTX-305を5日間投与した後の血中ミネラル濃度は、図9A~9Dと一致している。
結論:13名の参加者において、エンカレレットは、期間1及び2中の平均補正血中カルシウムと24時間尿中カルシウム排泄量を正常化した。期間1及び2中に、平均PTHは正常範囲に増加し、リン酸は正常範囲に減少した。期間1と比較して、期間2における個別化BID投与により、5日目の平均用量が減少した。エンカレレットは、5日間にわたって1日1回又は2回投与した場合、忍容性が良好であり、深刻な有害事象は報告されなかった。ミネラル恒常性の一貫した改善は、エンカレレットがADH1の効果的な治療であり得ることを示唆している。本第2b相試験におけるエンカレレットの外来評価は現在も進行中である。
前述の開示を、理解を明確にする目的で、例示及び例としてある程度詳細に記載したが、当業者は、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が行われ得ることを理解するであろう。さらに、本明細書で提供される各参考文献は、各参考文献が個別に参照により組み込まれるのと同程度に、その全体が参照により組み込まれる。本出願と本明細書で提供される参考文献との間に矛盾が存在する場合、本出願が優先するものとする。

Claims (56)

  1. 常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)によって表される化合物:
    又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、ここで、前記治療有効量の前記化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせが、血中カルシウム濃度(cCa)をデシリットルあたり約7.5ミリグラム(mg/dL)~約10.5mg/dLの範囲に増加させる、方法。
  2. 前記化合物が、式(Ia):
    によって表されるCLTX-305としての半水和ヘミ硫酸塩の形態である、請求項1に記載の方法:
  3. 前記対象が、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、及び/又は低マグネシウム血症を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記対象が、カルシウム感知受容体(CASR)遺伝子の活性化突然変異を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記対象が、少なくとも約25ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)のレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象が、カルシトリオールで治療されていない、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象が、食事及び/又はサプリメントから少なくとも約1000mgの毎日のカルシウム摂取を受ける、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記治療有効量が、約10mg~約1800mg、約10mg~約1200mg、約10mg~約900mg、約10mg~約600mg、又は約10mg~約360mgのCLTX-305の総日用量である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記治療有効量が、約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、80mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、経口投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、1日1回、2回、3回、又は4回投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、1日2回投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記治療有効量の前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、投与間隔にわたって前記血中カルシウム濃度(cCa)を少なくとも約1mg/dL増加させる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記治療有効量の前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を1ミリリットルあたり約150ピコグラム(pg/mL)~約300pg/mLのピークレベルに増加させる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記治療有効量の前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)を少なくとも約50pg/mLの上昇レベルに増加させる、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記iPTHが、少なくとも約50pg/mLの前記上昇レベルで1~12時間維持される、請求項15記載の方法。
  17. 前記iPTHが、少なくとも約50pg/mLの前記上昇レベルで約12時間維持される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記対象が、尿中のマグネシウム(Mg)、リン酸(P)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クレアチニン(Cr)、cAMP、及び/若しくはクエン酸、並びに/又は尿のpH値のレベルについてさらに評価される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記治療有効量の前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、前記総日用量を実質的に調整することなく、前記血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲で少なくとも12週間維持する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記毎日のカルシウム摂取に加えて、経口カルシウムサプリメントを投与することをさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 常染色体優性低カルシウム血症1型(ADH1)を治療する方法であって、第1の投与レジメン、第2の投与レジメン、及び/又は第3の投与レジメンを含む1つ以上の投与レジメンに従って、それを必要とする対象に式(I)によって表される化合物:
    又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、
    ここで、
    1)前記第1の投与レジメンが、第1の治療有効量の前記化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、前記第1の治療有効量が、血中カルシウム濃度(cCa)を1デシリットルあたり約10.5ミリグラム(mg/dL)の最大cCaまで増加させ、
    2)前記第2の投与レジメンが、第2の治療有効量の前記化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、前記第2の治療有効量が、前記血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲に調節し、
    3)前記第3の投与レジメンが、第3の治療有効量の前記化合物又はその溶媒和物、水和物、薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせを投与することを含み、前記第3の治療有効量が、前記血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲で少なくとも12週間維持する、方法。
  22. 前記式(I)の化合物が、式:
    によって表されるCLTX-305としての半水和ヘミ硫酸塩の形態である、請求項21に記載の方法:
  23. 前記式(I)の化合物又はCLTX-305が、経口投与される、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記対象が、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、高カルシウム尿症、高リン血症、及び/又は低マグネシウム血症を有する、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記対象が、カルシウム感知受容体(CASR)遺伝子の活性化突然変異を有する、請求項21~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記患者が、少なくとも約25ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)のレベルの血中25-ヒドロキシ-ビタミンDを有する、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記患者が、カルシトリオールで治療されていない、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記患者が、食事又はサプリメントのいずれかから少なくとも約1000mgの毎日のカルシウム摂取を受ける、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記第1の投与レジメンが、少なくとも約10mg、20mg、30mg、40mg、60mg、80mg、90mg、120mg、140mg、180mg、300mg、又は360mgのCLTX-305の総日用量を含む、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記第1の投与レジメンが、約30mgのCLTX-305の初期総日用量を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記第1の投与レジメンが、CLTX-305を1日1~4回の1日投与頻度で投与することを含む、請求項21~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記第1の投与レジメンが、CLTX-305を最初の3日間は1日1回及び2日間は1日2回投与することを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記第1の投与レジメンが:
    a1)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLの最大cCa未満である場合、総日用量を増やすこと、
    b1)前記血中カルシウム濃度(cCa)が前記最大cCaに達した場合、前記総日用量を減らすこと、及び/又は
    c1)前記血中カルシウム濃度(cCa)が前記最大cCaに達した場合、前記総日用量を維持しながら前記1日投与頻度を増やすこと、
    を含む、請求項21~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 血中カルシウム濃度(cCa)が、1つ以上の1日1回投与量及び1つ以上の1日2回投与量の各々の後に決定される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記総日用量を、CLTX-305について約30mgから約60mgに、約30mgから約90mgに、約10mgから約20mgに、約20mgから約40mgに、約60mgから約90mgに、約60mgから約120mgに、約90mgから約120mgに、約90mgから約180mgに、又は約180mgから約360mgmgに増やす、請求項34に記載の方法
  36. 前記総日用量を、CLTX-305について約30mgから約10mgに、約40mgから約20mgに、約60mgから約30mgに、約90mgから約60mgに、約90mgから約30mgに、約120mgから約90mgに、約120mgから約60mgに、約180mgから約120mg、約180mgから約90mgに、約180mgから約60mgに、又は約360mgから約180mgに減らす、請求項34に記載の方法。
  37. CLTX-305の約30mg、60mg、90mg、又は180mgの前記総日用量を維持しながら、前記1日投与頻度を1日1回から1日2回に増やす、請求項34に記載の方法。
  38. 前記第1の投与レジメンが、
    i)1つ以上の1日1回投与量から最低投与量を選択し、前記1つ以上の1日1回投与量が以下からなる群から選択される基準を満たすことを条件として、前記最低投与量を1日2回投与すること、
    i-1)前記血中カルシウム濃度(cCa)が、投与間隔にわたって少なくとも約1mg/dL増加すること、
    i-2)前記血中カルシウム濃度(cCa)が、約7.5~約10.5mg/dLの範囲に維持されること、
    i-3)血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)が、約150pg/mL~約300pg/mLのピークレベルに増加すること、及び
    i-4)血中のインタクト副甲状腺ホルモン(iPTH)が、少なくとも約50pg/mLの上昇レベルに増加し、約12時間維持されること、
    又は
    ii)1つ以上の1日1回投与量から最高投与量を選択し、前記1つ以上の1日1回投与量が基準i-1)~i-4)のいずれにも該当せず、前記最高投与量が前記対象に許容されることを条件として、前記最高投与量を1日2回投与すること
    をさらに含む、請求項21~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記第2の投与レジメンが、少なくとも約10mg、20mg、40mg、60mg、80mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む、請求項21~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記第2の投与レジメンが、約10mg、20mg、30mg、60mg、80mg、90mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の初期総日用量を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記第2の投与レジメンが、CLTX-305を1日2回~4回の1日投与頻度で投与することを含む、請求項21~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記第2の投与レジメンが、CLTX-305を1日2回、5日間投与することを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記第2の投与レジメンが、
    a2)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲で維持される場合、前記総日用量を維持すること、
    b2)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL未満の場合、前記総日用量を増やすこと、及び/又は
    c2)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLを超える場合、前記総日用量を減らすこと
    を含む、請求項21~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記血中カルシウム濃度(cCa)が、前記第1の投与レジメンの後、又は前記第2の投与レジメンの最初の2日後に決定される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記総日用量を、CLTX-305ついて約20mgから約40mgに、約40mgから約60mgに、約60mgから約120mgに、約120mgから約180mgに、約180mg~約360mgに、約360mg~約480mgに、又は約480mgから約720mgに増やす、請求項44に記載の方法。
  46. 前記総日用量を、CLTX-305ついて約40mgから約20mgに、約60mgから約40mgに、約120mgから約60mgに、約180mgから約120mgに、約360mgから約180mgに、又は約480mgから約360mgに減らす、請求項44に記載の方法。
  47. 前記第3の投与レジメンが、少なくとも約10mg、20mg、40mg、60mg、80mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の総日用量を含む、請求項21~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記第3の投与レジメンが、約10mg、20mg、40mg、60mg、80mg、120mg、140mg、180mg、300mg、360mg、480mg、又は720mgのCLTX-305の初期総日用量を含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記第3の投与レジメンが、CLTX-305を1日2回~4回の1日投与頻度で投与することを含む、請求項21~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記第3の投与レジメンが、CLTX-305を1日2回、少なくとも24週間投与することを含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記第3の投与レジメンが、前記血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲に維持しながら、前記総日用量を調節することを含む、請求項21~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記第3の投与レジメンが、
    a3)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲内にある場合、総日用量を維持すること、
    b3)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約7.5mg/dL未満の場合、前記総日用量を増やすこと、及び/又は
    c3)前記血中カルシウム濃度(cCa)が約10.5mg/dLを超える場合、前記総日用量を減らすこと
    を含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記第3の投与レジメンが、前記対象において、低カルシウム血症及び高カルシウム血症に関連する症状を軽減し、高カルシウム尿症を最小限に抑える、請求項21及び47~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記第3の投与レジメンが、少なくとも24週間の期間にわたって、前記血中カルシウム濃度(cCa)を約7.5mg/dL~約10.5mg/dLの範囲に維持する、請求項21及び47~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記第3の投与レジメンが、前記毎日のカルシウム摂取に加えて、経口カルシウムサプリメントを投与することをさらに含む、請求項21及び47~53のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記対象が、血液分析、尿分析、及び/又は血液検査を含む1つ以上の検査によって評価される、請求項21~55のいずれか一項に記載の方法。
JP2023518198A 2020-09-18 2021-09-16 常染色体優性低カルシウム血症1型(adh1)の治療のためのトリフェニルカルシリティック化合物 Pending JP2023542932A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063080165P 2020-09-18 2020-09-18
US63/080,165 2020-09-18
US202163159397P 2021-03-10 2021-03-10
US63/159,397 2021-03-10
PCT/US2021/050677 WO2022060987A1 (en) 2020-09-18 2021-09-16 Triphenyl calcilytic compounds for the treatment of autosomal dominant hypocalcemia type 1 (adh1)

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023542932A true JP2023542932A (ja) 2023-10-12
JPWO2022060987A5 JPWO2022060987A5 (ja) 2024-09-25

Family

ID=78087574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023518198A Pending JP2023542932A (ja) 2020-09-18 2021-09-16 常染色体優性低カルシウム血症1型(adh1)の治療のためのトリフェニルカルシリティック化合物

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20220087961A1 (ja)
EP (1) EP4213829A1 (ja)
JP (1) JP2023542932A (ja)
KR (1) KR20230112609A (ja)
AU (1) AU2021343475A1 (ja)
CA (1) CA3192684A1 (ja)
IL (1) IL301409A (ja)
MX (1) MX2023003129A (ja)
TW (1) TW202227046A (ja)
WO (1) WO2022060987A1 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2004232604C1 (en) 2003-04-23 2008-06-05 Japan Tobacco Inc. CaSR antagonists

Also Published As

Publication number Publication date
KR20230112609A (ko) 2023-07-27
MX2023003129A (es) 2023-08-04
CA3192684A1 (en) 2022-03-24
AU2021343475A1 (en) 2023-06-01
EP4213829A1 (en) 2023-07-26
US20220087961A1 (en) 2022-03-24
WO2022060987A1 (en) 2022-03-24
TW202227046A (zh) 2022-07-16
AU2021343475A9 (en) 2024-05-02
IL301409A (en) 2023-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11034674B2 (en) Methods of treating inflammation or neuropathic pain
US20220152058A1 (en) Methods and compositions for treating various disorders
PT2275086E (pt) Formulação de volume reduzido de acetato de glatirâmero e métodos de administração
US20230173035A1 (en) Reducing immunogenicity to pegloticase
Hodgson et al. AACE clinical practice guidelines for the prevention and treatment of postmenopausal osteoporosis
KR102472588B1 (ko) 니트라이트의 약제학적 제형 및 이의 용도
US20220323445A1 (en) Reducing immunogenicity to pegloticase
US20200206247A1 (en) Oral b12 therapy
JP2023542932A (ja) 常染色体優性低カルシウム血症1型(adh1)の治療のためのトリフェニルカルシリティック化合物
US20220409620A1 (en) Reducing immunogenicity to pegloticase
CN116916907A (zh) 用于治疗常染色体显性遗传性低钙血症1型(adh1)的三苯基溶钙化合物
WO2024220796A1 (en) Treatment of hypoparathyroidism using triphenyl calcilytic compounds
Vandenbroucke et al. A case report of a rare cause of hypophosphatemic rickets--cystinosis
CN118829427A (zh) 治疗腹型肥胖、高甘油三酯血症和/或血糖受损受试者的方法
KR20240153329A (ko) 복부 비만 고중성지방혈증 및/또는 포도당 장애가 있는 대상자를 치료하기 위한 방법
CA3234440A1 (en) 1h-1,2,3-triazole-4-carboxylic acids for treatment of hyperoxaluria and kidney stones
US20210085711A1 (en) Use of ferric citrate in prevention and/or treatment of iron-deficiency anemia in hypermenorrhea patient and/or patient suffering from hypermenorrhea-associated gynecologic disease
Reduced et al. Droxia, the First Agent Indicated for the Treatment of

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240913

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240913