JP2023542844A - 遺伝子調節エレメント - Google Patents

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Abstract

植物における遺伝子の発現を増加させるため、詳細には、内因性植物遺伝子の発現を増加させるために使用することのできる36ヌクレオチドDNA配列を含む発現増加エレメントが開示される。また、発現増加エレメントを含む植物、植物部位、及び商品植物生産物も、発現増加エレメントを使用する関連する方法及び発現増加エレメントを含む植物と共に開示される。

Description

電子的に提出された配列表の参照
本願と共に電子的に提出された「10074WO1_ST25.txt」という名前のファイルに含まれる配列表は、全体として参照により本明細書に援用される。
CRISPR、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、及び転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)技術を植物のゲノム編集に用いる方法が、米国特許出願公開第20150082478号明細書、米国特許出願公開第2015/0059010A1号明細書、及びBortesi et al.,2015,Biotechnology Advances,pp.41-52,Vol.33,No.1に開示されている。Ellis et al.,1987,EMBO J.(6):11:3203-3208は、一過性発現アッセイにおいてトウモロコシ及びタバコプロトプラストにおける外因性遺伝子の発現を増加させることができた16塩基対の細菌オクトピンシンターゼ遺伝子エンハンサーエレメントを開示している。国際公開第2018/140899号パンフレットは、トウモロコシプロトプラストゲノムにおけるトウモロコシLc遺伝子のプロモーター領域への、その遺伝子の発現を増加させるための、細菌オクトピンシンターゼ遺伝子エンハンサーエレメントと相同性を有する発現増強エレメントの挿入を開示している。植物遺伝子の転写を確実に増加させる能力のある植物由来の配列が、必要とされ続けている。
米国特許出願公開第2015/0082478号明細書 米国特許出願公開第2015/0059010号明細書 国際公開第2018/140899号
Bortesi et al.,2015,Biotechnology Advances,pp.41-52,Vol.33,No.1 Ellis et al.,1987,EMBO J.(6):11:3203-3208
配列番号3のポリヌクレオチド配列を含むDNA分子が提供される。また、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む生物学的試料、植物染色体、植物細胞、植物細胞を含む再生可能な細胞の組織培養物、植物部位、及び植物も提供される。特定の前述の実施形態において、配列番号3のポリヌクレオチド配列は、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に作動可能に連結されており、このプロモーターは、任意選択で内因性プロモーターであり、及びこの内因性プロモーターは、任意選択で植物染色体に位置する。また、(i)植物においてプロモーターに作動可能に連結されている転写単位によってコードされる1つ以上のエレメントの発現を増加させるため;(ii)組換えDNA分子を含む植物に、有用な形質であって、任意選択で、組換えDNA分子を欠く対照植物と比べて向上した非生物的ストレス、構造、生物的ストレス耐性、光合成、又は資源分割である有用な形質を付与するため;(iii)(ii)の有用な形質を呈する植物又はそれからの種子を入手するため;又は(iv)(ii)の有用な形質を呈する植物の集団を成長させるための、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む前述のDNA分子の使用において;任意選択で(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の植物は、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物であり;又は任意選択で(iii)の種子が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、使用も提供される。
植物種子作製方法であって、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む前述のDNA分子を含む植物を第2の植物と交配することにより植物種子を作製すること、及び任意選択で、種子を収穫することを含む方法が提供される。
植物種子作製方法であって、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む前述のDNA分子を含む植物を自殖させることにより植物種子を作製すること、及び任意選択で、種子を収穫することを含む方法が提供される。
追加された所望の形質を含む植物を作製する方法であって、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む前述のDNA分子を含む植物に、所望の形質を付与するトランス遺伝子、標的化された遺伝子変化、又は遺伝子座を導入することを含む方法が提供される。
商品植物生産物を作製する方法であって、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む前述のDNA分子を含む植物又は種子を加工すること、加工された植物又は種子から商品植物生産物を回収することを含む方法が提供される。
植物材料を作製する方法であって、転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含む発現増加エレメントを有する植物を成長させることを含む方法において、前記植物における転写物コードポリヌクレオチドの発現が、発現増加エレメントを欠く対照植物と比較したとき増加する、方法が提供される。
植物材料を作製する方法であって、(a)転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含む発現増加エレメントを有する植物を提供することであって、転写物コードポリヌクレオチドの発現が、発現増加エレメントを欠く対照植物と比較したとき前記植物において増加すること;及び(b)転写物促進ポリヌクレオチドの発現が可能となる条件下で植物を成長させることを含む方法が提供される。
修飾された植物遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む生物学的試料を同定する方法であって、生物学的試料中に配列番号3の存在を検出するステップを含む方法が提供される。
処理された植物種子を作製する方法であって、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む前述のDNA分子を含む種子を、生物学的薬剤、殺虫剤、又は殺かび剤を含む組成物と接触させることを含む方法が提供される。
植物におけるRNA分子の発現を増加させる方法であって、植物においてDNA分子によってコードされるRNA分子を発現させることを含む方法において、RNA分子をコードするDNA分子が、(i)配列番号3を含む発現増加エレメントと;(ii)プロモーターと;任意選択で(iii)5’非翻訳領域(5’UTR)、イントロン、エクソン、3’UTR、ポリアデニル化部位、又はこれらの組み合わせをコードするDNA分子とを含む1つ以上のDNA分子に作動可能に連結されており;RNAの発現が、発現増加エレメントを欠く対照植物と比較して増加する、方法が提供される。
ZmGln1-3プロモーターに挿入された12ヌクレオチドコアエレメント(配列番号1)の二量体(配列番号2)、三量体(配列番号3)、又は四量体(配列番号4)の挿入効率を示す。 ZmGln1-3プロモーターに挿入されたコアエレメント12ヌクレオチド配列(配列番号1)の二量体(配列番号2)、三量体(配列番号3)、又は四量体(配列番号4)がZmGln1-3発現に及ぼす効果を対照と比較して示す。 36bpエンハンサーを有しないプロトプラスト(白色のバー)における発現と比較した、これらのプロモーター中に36bpエンハンサー(配列番号3)の挿入を有するプロトプラスト(黒色のバー)におけるLc(最初のパネル)、Gln1-3(中央のパネル)及びGln1-4(右側のパネル)の発現を示す。各々の3つのバイオロジカルレプリケートを別々に示す。 エンハンサー挿入を含まないT0イベント又は野生型B104対照(白色のバー)における発現と比較した、Gln1-3プロモーター中に36bpエンハンサー挿入(配列番号3)を有するT0イベント(黒色のバー)における(ZmActin1と比べた相対的な)Gln1-3の発現を示す。 エンハンサー挿入を含まない同胞又は野生型と比較した、Gln1-3プロモーターに36bpエンハンサー(配列番号3)挿入を有するT1個体における(ZmAct1と比べた相対的な)Gln1-3の一次根、中胚軸、及び根における発現を示す。
語句「アレル変異体」は、本明細書で使用されるとき、所与の生物の異なる株、品種、又は分離株に見られるポリヌクレオチド又はポリペプチド配列変異体を指す。
用語「及び/又は」は、本明細書で使用される場合に、2つの指定される特徴又は成分の各々の他方を伴う又は伴わない具体的な開示と解釈されるべきである。従って、用語「及び/又は」は、本明細書において「A及び/又はB」などの語句で用いられるとき、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、用語「及び/又は」は、「A、B、及び/又はC」などの語句で用いられるとき、以下の実施形態の各々:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)を包含することが意図される。
本明細書で使用されるとき、語句「生物学的試料」は、インタクトな植物組織又はインタクトでない植物組織(例えば、粉砕された種子又は植物組織、細かく刻まれた植物組織、凍結乾燥された組織)のいずれも指す。これはまた、インタクトな又はインタクトでない種子又は植物組織を含む抽出物であってもよい。生物学的試料は、全体又は一部が作物植物副産物を含有するように製造されるフラワー、ミール、フレーク、シロップ、油、デンプン、及びシリアルを含み得る。特定の実施形態において、生物学的試料は、「再生不可能」である(即ち、植物又は植物部位に再生することができない)。
本明細書で使用されるとき、語句「内因性プロモーター」、「内因性遺伝子」、「内因性植物転写単位」などは、生物中又は生物のゲノム中でその自然の位置にある天然形態のプロモーター、遺伝子、又は植物転写単位を指す。
用語「外因性」は、本明細書で植物ゲノムに挿入されたDNA分子、ヌクレオチド、又はポリヌクレオチドに関して使用されるとき、合成であるか、又はその自然の位置から取り出されていて、及び新しいゲノム位置に挿入されている任意のDNA分子、ヌクレオチド、又はポリヌクレオチドを指す。
用語「単離された」は、本明細書で使用されるとき、その自然の環境から取り出されていることを意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「~を含む(include)」、「~を含む(includes)」、及び「~を含んでいる(including)」は、少なくともそれが言及している特徴を有する一方で、特定されていないいかなる追加の特徴も除外しないと解釈されるべきである。
本明細書で使用されるとき、語句「作動可能に連結された」は、そのように記載される成分がそれらの意図される形で機能することを許容する関係にあるような並んだ配置を指す。例えば、プロモーターがコード配列の転写又は発現に影響を及ぼす場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結されている。別の非限定的な例では、「発現増加エレメント」(例えば、転写エンハンサーエレメント)がプロモーターの活性を(例えば、プロモーターがドライブする転写物又は転写物によってコードされるタンパク質の蓄積によって測定したとき)増加させる場合、発現増加エレメントはプロモーターに作動可能に連結されている。
本明細書で使用されるとき、用語「オルソロガス」又は「オルソログ」は、異なる種に由来するが、同じ機能を有する(例えば、同じ反応を触媒する酵素をコードする、又は同様の機能を持つ遺伝子の発現を制御する転写調節因子をコードする)遺伝子又はそうした遺伝子によってコードされるタンパク質を表して使用される。オルソロガス遺伝子は、典型的には、ある程度の配列同一性(例えば、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%の配列同一性、配列モチーフの保存、及び/又は構造的特徴の保存)を有するタンパク質をコードすることになる。
本明細書で使用されるとき、用語「植物」には、全植物及び植物の任意の子孫、細胞、組織、又は部位が含まれる。用語「植物部位」には、例えば、限定なしに、種子(成熟種子及び未熟種子を含む);植物の挿し木;植物細胞;植物細胞培養物;又は植物器官(例えば、花粉、胚、花、果実、シュート、葉、根、茎、及び外植片)を含めた、植物の1つ又は複数の任意の部位が含まれる。植物組織又は植物器官は、種子、プロトプラスト、カルス、又は構造的若しくは機能的単位に組織化されている任意の他の植物細胞集合であってもよい。植物細胞又は組織培養物は、その細胞又は組織の入手元となった植物の生理学的及び形態学的特性を有する植物を再生する能力、及びその植物と実質的に同じ遺伝子型を有する植物を再生する能力があり得る。植物細胞又は組織培養物における再生可能な細胞は、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、花粉、葉、葯、根、根端、毛、花、穀粒、雌穂、穂軸、穀皮、又は稈であり得る。対照的に、一部の植物細胞は、植物を作製するだけの再生能力がなく、本明細書では「再生不可能な」植物細胞と称される。
用語「精製された」は、本明細書で使用されるとき、自然中又は自然環境中では通常はその分子又は化合物と結び付いている夾雑物を実質的に含まない形態の分子又は化合物の単離物を定義し、元の組成物の他の成分から分離された結果として純度が高められていることを意味する。用語「精製されたDNA分子」は、本明細書では、限定はされないが、ポリペプチド、脂質及び炭水化物を含めた他の化合物から分離されている核酸配列を表して使用される。
前述の定義のいずれかが、参照により本明細書に援用される任意の特許若しくは非特許文献、本明細書に引用される任意の特許若しくは非特許文献、又は他の部分に見られる任意の特許若しくは非特許文献に提供される定義と矛盾する限りにおいて、本明細書では前述の定義が使用されるものとすることが理解される。
ポリヌクレオチド5’-GTAAGCGCTTACGTAAGCGCTTACGTAAGCGCTTAC-3’(配列番号3)を含む植物における転写物コードポリヌクレオチドの発現を増加させるために使用することのできる発現増加DNAエレメントが開示される。また、配列番号3を含む植物、植物部位(例えば、種子、葉、根、茎)、及び再生可能又は再生不可能な植物細胞も開示される。配列番号3を含むポリヌクレオチドを含む種子ミールを含めた生物学的試料もまた開示される。配列番号3を含む植物、植物部位、及び植物細胞を使用して種子を含めた植物材料を作製するか、又は配列番号3を含む植物商品生産物を作製する関連する方法もまた開示される。
内因性植物遺伝子の発現は、配列番号3が植物遺伝子の内因性プロモーターに作動可能に連結されるような内因性植物遺伝子における配列番号3の挿入又は形成によって増加させることができる。特定の実施形態において、内因性プロモーターへの作動可能な連結は、内因性植物遺伝子の内因性プロモーター、5’非翻訳領域(5’UTR)、イントロン、及び/又は3’非翻訳領域のうちの1つ以上における配列番号3の1つ以上のコピーの挿入又は形成によって実現される。配列番号3はパリンドロームを含むため、内因性遺伝子における発現増加エレメントの挿入又は形成は向きに依存しない。配列番号3は、コアエレメント12ヌクレオチドパリンドローム繰り返し単位GTAAGCGCTTAC(配列番号1)を三重に含む。
配列番号1の12ヌクレオチドコアエレメントヌクレオチド配列は、コーンゲノム中の幾つかの位置に存在する。例えば、これは、トウモロコシ品種B73の幾つかの染色体位置に見出すことができる。B73v4バージョンのトウモロコシゲノム配列によれば(httpsワールド・ワイド・ウェブ・インターネットサイトmaizegdb.org/genome/assembly/Zm-B73-REFERENCE-GRAMENE-4.0で利用可能、以下「B73v4トウモロコシゲノム」と称する)、配列番号1は、Chr3座標1,063,395..1,063,406(Zm00001d039287のイントロン)、Chr3座標12,253,969..12,253,980(Zm00001d039695のすぐ下流)、Chr3座標12,265,615..12,265,626(Zm00001d039695のイントロン)、Chr3座標12,277,428..12,277,439(Zm00001d039695のイントロン)、Chr3座標147,698,750..147,698,761(アノテートされた遺伝子モデルから2kb以内にない)、Chr6、座標107,132,183..107,132,194(Zm00001d036949から約2kb下流)、Chr10、座標53,761,662..53,761,673(アノテートされた遺伝子モデルから2kb以内にない)に見出すことができる。配列番号1はパリンドロームであるため、これはまた、これらの座標の相補鎖にも見出される。
配列番号1の12ヌクレオチドコアエレメントヌクレオチド配列はまた、ダイズゲノム中の幾つかの位置にも存在する。例えば、これは、ダイズ品種W82(Williams 82)の幾つかの染色体位置に見出すことができる。このバージョンのダイズゲノム配列によれば(httpsワールド・ワイド・ウェブ・インターネットサイトncbi.nlm.nih.gov/genomeエントリー「Glycine_max_v2.1」で利用可能、以下「W82ダイズゲノム」と称する)、配列番号1は、1番染色体座標44968347~44968358、3番染色体座標3983755~398873766、6番染色体座標26074553~26074564、及び19番染色体座標44574051~44574062、44575338~44575349(GLYMA_19G187100遺伝子と重複する)、及び44581677~44581688に見出すことができる。配列番号1はパリンドロームであるため、これはまた、これらの座標の相補鎖にも見出される。
特定の実施形態において、配列番号3を含むポリヌクレオチド、植物遺伝子、又は植物は、配列番号1の少なくとも1、2、3、又はそれ以上の追加のコピーを更に含むことができる。配列番号3の挿入又は形成の標的となる内因性植物遺伝子は、RNAポリメラーゼIIによって認識される、且つ転写単位に作動可能に連結されるプロモーターを含むことができる。特定の実施形態において、かかる転写単位は、5’非翻訳領域(5’UTR)、イントロン、エクソン、マイクロRNAコード領域、マイクロRNA前駆体コード領域、3’UTR、ポリアデニル化部位、又はこれらの組み合わせを含めた転写単位エレメントを含むことができる。特定の実施形態において、配列番号3のポリヌクレオチド配列は、転写開始部位(TSS)転写単位(即ち、転写単位によって産生される転写物の5’キャップ部位)から約10、20、30、又は40塩基対(bp)~約100、240、300、400、500、1000、2000、3000、又は5000bpに挿入又は形成される。特定の実施形態において、配列番号3のポリヌクレオチド配列は、転写開始部位(TSS)転写単位から約40塩基対(bp)~約100、240、300、又は400bpに挿入又は形成される。配列番号3の挿入又は形成は、転写単位のTSSの5’側(即ち、上流)又は3’側(即ち、下流)のいずれにも起こり得る。配列番号3のポリヌクレオチド配列がTSSの5’側に挿入又は形成されるとき、ひいては配列番号3のポリヌクレオチド配列は、TSSの上流の内因性プロモーターの非転写領域に位置する。特定の実施形態において、配列番号3の挿入又は形成は、内因性遺伝子のプロモーターにある(例えば、TSSから約40塩基対(bp)~約100、240、300、又は400bp 5’側(即ち、上流)にある)。植物ゲノムに組み込まれるトランス遺伝子の発現はまた、トランス遺伝子に作動可能に連結されているプロモーターに配列番号3が作動可能に連結されるようなトランス遺伝子における配列番号3の挿入又は形成によっても増加させることができる。特定の実施形態において、配列番号3の挿入又は形成は、TSSから5’側に約50bp~約280bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約240bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約200bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約180bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約160bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約160bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約140bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約120bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約100bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約80bpのところ、TSSから5’側に約50bp~約70bpのところ、又はTSSから5’側に約50bp~約60bpのところにある内因性遺伝子のプロモーターにある。特定の実施形態において、配列番号3の挿入又は形成は、TSSから5’側に約40bp~約280bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約240bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約200bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約180bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約160bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約160bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約140bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約120bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約100bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約80bpのところ、TSSから5’側に約40bp~約70bpのところ、又はTSSから5’側に約40bp~約60bpのところにある内因性遺伝子のプロモーターにある。特定の実施形態において、配列番号3の挿入又は形成は、TSSから5’側に約35bp~約280bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約240bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約200bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約180bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約160bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約160bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約140bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約120bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約100bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約80bpのところ、TSSから5’側に約35bp~約70bpのところ、又はTSSから5’側に約35bp~約60bpのところにある内因性遺伝子のプロモーターにある。トランス遺伝子の発現はまた、トランス遺伝子に作動可能に連結されているプロモーターに配列番号3が作動可能に連結されるようなトランス遺伝子における配列番号3のインビトロでの挿入又は形成、及び次に植物ゲノムへのトランス遺伝子の導入(例えば、アグロバクテリウム媒介形質転換又は遺伝子銃による)によっても増加させることができる。
配列番号3を含む増加エレメントに作動可能に連結されている転写物コードポリヌクレオチドの発現は、その転写物コードポリヌクレオチドを含むが発現増加エレメントを欠いている対照植物と比較して増加し得る。配列番号3によって媒介されるかかる発現の増加は、種々の方法によって測定することができる。特定の実施形態では、転写物コードポリヌクレオチドの発現増加によって付与される形質が、配列番号3を含む植物で測定され、配列番号3を欠く対照植物と比較される。このようにして測定及び比較することのできるかかる形質の例としては、非生物的ストレス、生物的ストレス、構造、光合成、又は資源分割の向上が挙げられる。かかる形質の向上は、配列番号3を含む植物における形質それ自体の任意の尺度(例えば、水利用効率、病害抵抗性、背丈の低減、光合成の向上、又は窒素利用効率)又は形質の代理指標(例えば、kg/ヘクタール単位で見た種子及び/又は他のバイオマスの収量)を比較することによって評価し、配列番号3を欠く対照植物と比較することができる。特定の実施形態において、コードされる転写物それ自体の発現の増加が、配列番号3を含む植物における転写物(例えば、mRNA又は非コードRNA)の量を決定することにより直接測定され、比較されることにより、配列番号3を欠く対照植物における転写物コードポリヌクレオチドの量が決定される。転写物の量は、PCR(例えば、定量的逆転写酵素PCR;qRT-PCR)、ハイブリダイゼーション、CRISPRベース、及び/又はシーケンシングベースの技法を含め、種々の技法により決定することができる(Khodakov et al.,doi.org/10.1016/j.addr.2016.04.005;Gootenberg,et al.doi:10.1126/science.aaq0179)。特定の実施形態において、転写物コードポリヌクレオチドの発現はまた、を含む植物において転写物によってコードされるタンパク質の量を測定することによって決定され、配列番号3を欠く対照植物タンパク質の量と比較されてもよい。タンパク質の量は、酵素アッセイ(例えば、タンパク質が酵素である場合)、免疫ベース、及び質量分析法ベースの技法を含め、種々の技法により決定することができる(Chen et al.doi:10.1186/s12967-015-0537-6;Bruce et al.doi:10.1002/0471250953.bi1321s41)。転写物産生の増加の大きさは、それぞれの細胞又は組織における修飾されていない内因性転写物コードポリヌクレオチドのベースライン発現レベルに依存し得る。非限定的な例として、修飾されていない内因性遺伝子のベースライン発現レベルと比べた、配列番号3の挿入又は形成によって修飾された内因性遺伝子の発現の増加の大きさは、ベースライン発現レベルが低い場合に最大となることになる。特定の実施形態において、配列番号3の挿入又は形成によって修飾された内因性遺伝子の発現は、修飾されていない内因性遺伝子のベースライン発現レベルと比べて少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、又は5倍に増加し得る。特定の実施形態において、配列番号3の挿入又は形成によって修飾された内因性遺伝子の発現は、修飾されていない内因性遺伝子のベースライン発現レベルと比べて少なくとも約1.2倍又は1.5倍~約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍又はそれ以上に増加し得る。
特定の実施形態では、ゲノム編集分子を使用して植物ゲノムに配列番号3を導入又は形成することが望ましいであろう。本明細書に提供される方法において有用な遺伝子編集分子としては、ゲノムDNA内又はゲノムDNAの範囲内に位置する標的遺伝子内など、二本鎖DNA内の特異的部位又は配列に二本鎖切断(「DSB」)又は一本鎖切断(「SSB」)を導入する能力のある分子並びに付随するガイドRNA又はドナー若しくは他のDNA鋳型ポリヌクレオチドが挙げられる。かかる遺伝子編集分子の例としては、(a)RNA誘導型ヌクレアーゼ、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ又はRNA指向性DNAエンドヌクレアーゼ(RdDe)、クラス1 CRISPR型ヌクレアーゼシステム、II型Casヌクレアーゼ、Cas9、nCas9ニッカーゼ、V型Casヌクレアーゼ、Cas12aヌクレアーゼ、nCas12aニッカーゼ、Cas12d(CasY)、Cas12e(CasX)、Cas12b(C2c1)、Cas12c(C2c3)、Cas12i、Cas12j、Cas14、エンジニアリングされたヌクレアーゼ、コドン最適化されたヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)又はニッカーゼ、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TAL-エフェクターヌクレアーゼ又はTALEN)又はニッカーゼ(TALE-ニッカーゼ)、アルゴノート、及びメガヌクレアーゼ又はエンジニアリングされたメガヌクレアーゼを含むヌクレアーゼ;(b)標的ヌクレオチド配列の部位特異的改変(DSB又はSSBの導入を含む)を生じさせる能力のある1つ以上のヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド;(c)RNA誘導型ヌクレアーゼと共に使用するためのガイドRNA(gRNA)、又はRNA誘導型ヌクレアーゼと共に使用するためのgRNAをコードするDNA;(d)ゲノムDNA中の切断箇所における相同組換え修復(HDR)又はマイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)による挿入に好適なドナーDNA鋳型ポリヌクレオチド;及び(e)ゲノムDNA中の切断箇所における(例えば、非相同末端結合(NHEJ)による挿入に好適な他のDNA鋳型(例えば、dsDNA、ssDNA、又はこれらの組み合わせ)が挙げられる。
真核生物の遺伝子を編集するためのCRISPR技術について、米国特許出願公開第2016/0138008A1号明細書及び同第2015/0344912A1号明細書、並びに米国特許第8,697,359号明細書、同第8,771,945号明細書、同第8,945,839号明細書、同第8,999,641号明細書、同第8,993,233号明細書、同第8,895,308号明細書、同第8,865,406号明細書、同第8,889,418号明細書、同第8,871,445号明細書、同第8,889,356号明細書、同第8,932,814号明細書、同第8,795,965号明細書、及び同第8,906,616号明細書に開示されている。Cpf1エンドヌクレアーゼ並びに対応するガイドRNA及びPAM部位について、米国特許出願公開第2016/0208243 A1号明細書に開示されている。CRISPRガイドRNA及び植物コドン最適化CRISPR Cas9エンドヌクレアーゼの発現用の植物RNAプロモーターについて、PCT/US2015/018104号明細書(国際公開第2015/131101号パンフレットとして公開されている、及び米国仮特許出願第61/945,700号明細書に対する優先権を主張する)に開示されている。植物におけるゲノム編集にCRISPR技術を使用する方法について、米国特許出願公開第2015/0082478A1号明細書及び同第2015/0059010A1号明細書及びPCT/US2015/038767 A1号明細書(国際公開第2016/007347号パンフレットとして公開されている、米国仮特許出願第62/023,246号明細書に対する優先権を主張する)に開示されている。特定の実施形態において、標的部位の切断後に平滑末端が残るRNA誘導型エンドヌクレアーゼが使用される。平滑末端で切断するRNA誘導型エンドヌクレアーゼとしては、Cas9、Cas12c、Cas12i、及びCas12hが挙げられる(Yan et al.,2019)。特定の実施形態において、標的部位の切断後に標的部位の切断後に付着末端型一本鎖DNAオーバーハング末端が残るRNA誘導型エンドヌクレアーゼが使用される。付着末端で切断するRNA誘導型エンドヌクレアーゼとしては、Cas12a、Cas12b、及びCas12eが挙げられる。この段落中で参照する特許文献は全て、全体として参照により本明細書に援用される。
CRISPR型ゲノム編集は、本明細書に提供される植物細胞及び方法における使用に幾つかの方法で応用することができる。CRISPRエレメント、例えば、CRISPRエンドヌクレアーゼと、シングルガイドRNAを含むか、又はtracrRNA若しくはscoutRNAとの組み合わせでのガイドRNAを含むCRISPRガイドRNAとを含む遺伝子編集分子、又はそれをコードするポリヌクレオチドは、CRISPRエレメントの残遺物又は選択的遺伝子マーカーが子孫に現れることのないゲノム編集を達成するのに有用である。特定の実施形態において、CRISPRエレメントは、単離された分子として、無細胞合成過程(例えば、インビトロ翻訳)の単離若しくは半精製された産物として、又は細胞ベースの合成過程(例えば、細菌又は他の細胞のライセート中など)における単離若しくは半精製された産物として、真核細胞(例えば、植物細胞)、システム、方法、及び組成物に直接提供される。特定の実施形態において、本明細書に提供されるシステム、方法、及び組成物で使用される植物又は植物細胞は、CRISPRエンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9、Cpf1型又は他のCRISPRエンドヌクレアーゼ)を発現するトランス遺伝子を含み得る。特定の実施形態では、ユニークなPAM認識部位を有する1つ以上のCRISPRエンドヌクレアーゼを使用することができる。プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接するgDNA標的部位中の配列に特異的に結合することのできるRNA誘導型エンドヌクレアーゼ/ガイドRNA複合体を形成するためのガイドRNA(sgRNA又はcrRNA及びtracrRNA)。典型的には、RNA誘導型エンドヌクレアーゼの種類が、好適なPAM部位の位置及びcrRNA又はsgRNAの設計についての情報を与える。GリッチPAM部位、例えば、5’-NGGは、典型的には、Cas9タンパク質と共に使用されるcrRNA又はsgRNAの設計の標的となる。PAM配列の例としては、5’-NGG(化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes))、5’-NNAGAA(ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)CRISPR1)、5’-NGGNG(ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)CRISPR3)、5’-NNGRRT又は5’-NNGRR(黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Cas9、SaCas9)、及び5’-NNNGATT(髄膜炎菌(Neisseria meningitidis))が挙げられる。TリッチPAM部位(例えば、5’-TTN又は5’-TTTV、式中、「V」は、A、C、又はGである)は、典型的には、Cas12aタンパク質と共に使用されるcrRNA又はsgRNAの設計の標的となる。一部の例では、Cas12aはまた、5’-CTA PAMモチーフも認識することができる。可能性のあるCas12a PAM配列の他の例としては、TTN、CTN、TCN、CCN、TTTN、TCTN、TTCN、CTTN、ATTN、TCCN、TTGN、GTTN、CCCN、CCTN、TTAN、TCGN、CTCN、ACTN、GCTN、TCAN、GCCN、及びCCGN(式中、Nは、任意のヌクレオチドとして定義される)が挙げられる。Cpf1エンドヌクレアーゼ並びに対応するガイドRNA及びPAM部位について、米国特許出願公開第2016/0208243 A1号明細書(これは、Cpf1エンドヌクレアーゼをコードするDNA並びにガイドRNA及びPAM部位のその開示について参照により本明細書に援用される)に開示されている。
特定の実施形態において、ジンクフィンガーヌクレアーゼ又はジンクフィンガーニッカーゼもまた、本明細書に提供される方法において使用することができる。ジンクフィンガーヌクレアーゼは、2つのタンパク質ドメイン:複数の個別のジンクフィンガーリピートを含み、その各々が9~18塩基対を認識するDNA結合ドメインと、ヌクレアーゼドメイン(典型的にはFokl)を含むDNA切断ドメインとを含む部位特異的エンドヌクレアーゼである。切断ドメインは、DNAを切断するために二量体化する;従って、非パリンドローム標的ポリヌクレオチドを標的化するには、一対のZFNが必要となる。特定の実施形態において、記載されているジンクフィンガーヌクレアーゼ及びジンクフィンガーニッカーゼ設計方法は(Urnov et al.(2010)Nature Rev.Genet.,11:636-646;Mohanta et al.(2017)Genes vol.8,12:399;Ramirez et al.Nucleic Acids Res.(2012);40(12):5560-5568;Liu et al.(2013)Nature Communications,4:2565)、本明細書に示される方法における使用に応用することができる。ジンクフィンガーヌクレアーゼ又はニッカーゼのジンクフィンガー結合ドメインは特異性を提供し、任意の所望の標的DNA配列を特異的に認識するようにエンジニアリングすることができる。ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、ジンクフィンガータンパク質(ZFP)と呼ばれる大規模な真核生物転写因子クラスのDNA結合ドメインに由来する。ZFPのDNA結合ドメインは、典型的には、各々が特定のDNAトリプレットを認識する少なくとも3つのジンク「フィンガー」のタンデムアレイを持つ。ジンクフィンガー結合ドメインの結合特異性の設計には、幾つもの戦略を用いることができる。1つの手法は、「モジュール式アセンブリ」と称されるもので、DNAを伴う個別のジンクフィンガーの機能的自律性に頼る。この手法では、配列中の各構成要素トリプレットに関してジンクフィンガーを同定し、それらを多フィンガーペプチドへと連結することにより、所与の配列を標的化する。ジンクフィンガーDNA結合ドメインの設計については、幾つかの代替的な戦略もまた開発されている。それらの方法は、ジンクフィンガーが近隣のフィンガー並びにその標的トリプレットの外側にあるヌクレオチド塩基と接触する能力に適応するように設計される。典型的には、エンジニアリングされたジンクフィンガーDNA結合ドメインは、天然に存在するジンクフィンガータンパク質と比較して、新規の結合特異性を有する。エンジニアリング方法には、例えば、合理的設計及び各種の選択が含まれる。合理的設計には、例えば、トリプレット(又はクアドルプレット)ヌクレオチド配列及び個別のジンクフィンガーアミノ酸配列のデータベースの使用が含まれ、そこでは、各トリプレット又はクアドルプレットヌクレオチド配列が、特定のトリプレット又はクアドルプレット配列に結合するジンクフィンガーの1つ以上のアミノ酸配列と関連付けられている。例えば、米国特許第6,453,242号明細書及び同第6,534,261号明細書(両方とも全体として参照により本明細書に援用される)を参照のこと。例示的選択方法(例えば、ファージディスプレイ及び酵母2ハイブリッドシステム)は、本明細書に記載される方法における使用に応用することができる。加えて、ジンクフィンガー結合ドメインの結合特異性の増強について、米国特許第6,794,136号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に記載されている。加えて、個別のジンクフィンガードメインが、任意の好適なリンカー配列を用いて一体に連結されてもよい。リンカー配列の例は公知であり、例えば、米国特許第6,479,626号明細書;同第6,903,185号明細書;及び同第7,153,949号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)を参照されたい。核酸切断ドメインは非特異的であり、典型的にはFoklなどの制限エンドヌクレアーゼである。このエンドヌクレアーゼは、DNAを切断するのに二量体化しなければならない。従って、ZFNの一部としてのFoklによる切断には、2つの隣接する独立した結合イベントが必要であり、それらが正しい向き及び二量体形成を許容するのに適切な間隔の両方で起こらなければならない。2つのDNA結合イベントが必要なため、長い、潜在的にユニークな認識部位を、より高い特異性で標的化することが可能となる。活性が増強されたFokl変異体が記載されており、本明細書に記載される方法における使用に応用することができる;例えば、Guo et al.(2010)J.Mol.Biol.,400:96-107を参照のこと。
転写活性化因子様エフェクター(TALE)は、ある種のキサントモナス属(Xanthomonas)種により、宿主植物における遺伝子発現を調節し、細菌によるコロニー形成及びその生存を促進するために分泌されるタンパク質である。TALEは転写因子として働き、植物における耐性遺伝子の発現を調節する。TALEの最近の研究によれば、TALEの反復領域をその標的DNA結合部位と連結するコードが明らかになっている。TALEは、ほとんどの場合に33又は34アミノ酸であるセグメントのタンデムリピートからなる高度に保存された反復領域を含む。この単量体の繰り返しは、主にアミノ酸位置12位及び13位が互いに異なる。12位及び13位におけるユニークなアミノ酸対と、TALE結合部位における対応するヌクレオチドとの間には、強い相関関係が見出されている。このようにアミノ酸配列とTALE結合ドメインのDNA認識との間の関係が単純であるため、任意の所望の特異性のDNA結合ドメインを設計することが可能となる。TALEを非特異的DNA切断ドメインに連結して、TAL-エフェクターヌクレアーゼ又はTALENと称されるゲノム編集タンパク質を調製することができる。ZFNの場合のように、好都合にはFoklなどの制限エンドヌクレアーゼを使用することができる。植物におけるTALENの使用方法については記載されており、本明細書に記載される方法における使用に応用することができ、Mahfouz et al.(2011)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,108:2623-2628;Mahfouz(2011)GM Crops,2:99-103;及びMohanta et al.(2017)Genes vol.8,12:399)を参照されたい。TALEニッカーゼについてもまた記載されており、本明細書に記載される方法における使用に応用することができる(Wu et al.;Biochem Biophys Res Commun.(2014);446(1):261-6;Luo et al;Scientific Reports 6,Article number:20657(2016))。
1つ以上のヌクレアーゼ又はニッカーゼ(例えば、部位特異的エンドヌクレアーゼ又はニッカーゼ、aZFヌクレアーゼ又はニッカーゼ、及び/又はTALEヌクレアーゼ又はニッカーゼを含むCRISPR/ガイドRNA複合体)によって導入される植物ゲノム中の二本鎖切断部位において配列番号3がゲノムに挿入される特定の実施形態においては、ドナーDNA鋳型又は他のDNA鋳型が配列番号3を含む。ヌクレアーゼによって導入される植物ゲノム中の二本鎖切断部位において配列番号3がゲノムに形成される特定の実施形態においては、ドナーDNA鋳型又は他のDNA鋳型が、配列番号3の完全な一組の36ヌクレオチド又は塩基対に満たない配列を含んでもよく、及び組込み部位のゲノムDNAが、ドナーDNA鋳型又は他のDNA鋳型に存在しない配列番号3のヌクレオチド又は塩基対に寄与してもよい。ゲノムDNAに配列番号3が形成される特定の実施形態においては、ドナーDNA鋳型又は他のDNA鋳型が配列番号3の24~35連続ヌクレオチド又は塩基対を含んでもよく、及び組込み部位のゲノムDNAが、ドナーDNA鋳型又は他のDNA鋳型に欠けている配列番号3配列の1~12ヌクレオチド又は塩基対に寄与してもよく、及びゲノム中の組込み部位に配列番号3の完全な36塩基対の配列が形成される。本明細書に提供される方法において使用されるドナーDNA鋳型分子は、5’から3’に、第1の相同性アームと、置換DNAと、第2の相同性アームとを含むDNA分子を含み、ここで相同性アームは、gDNA中の標的部位特異的エンドヌクレアーゼ切断部位に隣接するゲノムDNA(gDNA)配列と部分的に又は完全に相同な配列を持つ。特定の実施形態において、置換DNAは、標的gDNAと比べて1つ以上のDNA塩基対の挿入、欠失、又は置換を含み得る。一実施形態において、ドナーDNA鋳型分子は二本鎖であり、いずれか一方の末端又は両方の末端に何らかの不対のヌクレオチドがある可能性があることを除いては、その長さの全て又はほとんどにわたって完全に塩基対合する。別の実施形態において、ドナーDNA鋳型分子は二本鎖であり、本来二本鎖である二重鎖の範囲内に1つ以上の非末端ミスマッチ又は非末端不対ヌクレオチドを含む。ある実施形態において、少なくとも1つの二本鎖切断(DSB)部位に組み込まれるドナーDNA鋳型分子は、一方の鎖(一本鎖の場合)又は両方の鎖(二本鎖の場合)に2~20ヌクレオチドを含み、例えば、一方又は両方の鎖に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20ヌクレオチドを含み、その各々が、標的となる組込み部位の逆鎖上のヌクレオチドと塩基対合し得る(完全に塩基対合した二本鎖のポリヌクレオチド分子の場合)。かかるドナーDNA鋳型は、平滑末端型及び/又は付着末端型の二本鎖DNA切断を持つゲノムDNAに相同組換え修復(HDR)又はマイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)によって組み込まれることができる。特定の実施形態において、ドナーDNA鋳型相同性アームは、約20、50、100、200、400、又は600~約800、又は1000塩基対長であり得る。特定の実施形態において、ドナーDNA鋳型分子は、環状(例えば、プラスミド又はジェミニウイルスベクターを含めたウイルスベクター)又は線状DNA分子で植物細胞に送達することができる。特定の実施形態において、使用される環状又は線状DNA分子は、5’から3’に、標的配列特異的エンドヌクレアーゼ切断部位配列の第1のコピーと、第1の相同性アームと、置換DNAと、第2の相同性アームと、標的配列特異的エンドヌクレアーゼ切断部位配列の第2のコピーとを含む修飾されたドナーDNA鋳型分子を含み得る。他の実施形態において、NHEJ挿入に好適なDNA鋳型は、gDNA中の標的部位特異的エンドヌクレアーゼ切断部位に隣接するゲノムDNA(gDNA)配列と部分的に又は完全に相同な相同性アームを欠いていることになる。特定の実施形態において、全ての配列番号3を含むDNA鋳型(例えば、dsDNA、ssDNA、又はこれらの組み合わせ)が、gDNA中の二本鎖切断に非相同末端結合(NHEJ)によって挿入されてもよい。特定の実施形態において、配列番号3の完全な一組の36ヌクレオチド又は塩基対に満たない配列を含むDNA鋳型(例えば、dsDNA、ssDNA、又はこれらの組み合わせ)が、gDNA中の二本鎖切断に非相同末端結合(NHEJ)によって挿入されてもよく、挿入部位のgDNAが、DNA鋳型に存在しない配列番号3のヌクレオチド又は塩基対に寄与してもよく、及びgDNA中の二本鎖切断部位に配列番号3が形成されてもよい。
一部の実施形態において、配列番号3のエンハンサーが、プロモーターなど、植物遺伝子中の対応する配列を置換する、又は大部分置換する。それに応じて、挿入というよりむしろ置換によるため、他のエレメントの位置関係は変化しないままとなる。置換標的部位は、配列番号3との類似性により選ばれてもよい。置換鋳型がHDRプロセスで使用されてもよく、及び/又はDNAベースの編集及び/又はゲノム編集を用いて配列番号3に対応する所望の置換領域を作り出してもよい。塩基編集因子は、例えば、C*G→T・A又はA・T→G*C塩基編集デアミナーゼ酵素によって媒介される部位特異的塩基編集を含む(Gaudelli et al.,Programmable base editing of A・T to G*C in genomic DNA without DNA cleavage.”Nature(2017);Nishida et al.“Targeted nucleotide editing using hybrid prokaryotic and vertebrate adaptive immune systems.”Science 353(6305)(2016);Komor et al.“Programmable editing of a target base in genomic DNA without double-stranded DNA cleavage.”Nature 533(7603)(2016):420-4。触媒的に死んでいるdCas9をシチジンデアミナーゼ又はアデニンデアミナーゼタンパク質と融合すると、DNA切断を誘導することなくDNA塩基を改変することのできる特異的塩基編集因子になる。塩基編集因子はC→T(又は逆鎖上のG→A)を変換し(又はアデニン塩基編集因子であればアデニンをイノシンに変換し得る)、その結果、gRNAによって指定された編集ウィンドウ内にA→G変化が起こる。
植物細胞への遺伝子編集分子及び/又は他の分子の送達には、様々な処理を用いることができる。特定の実施形態において、1つ以上の処理を利用して遺伝子編集又は他の分子(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド又はこれらの組み合わせを含む)が真核細胞又は植物細胞へと、例えば、細胞壁、細胞膜、核膜、及び/又は他の脂質二重層などの障壁を通って送達される。特定の実施形態において、これらの分子を含むポリヌクレオチド含有、ポリペプチド含有、又はRNP(リボ核タンパク質)含有組成物は、例えばその組成物を植物細胞と直接接触させることにより、直接送達される。前述の組成物は、液体、溶液、懸濁液、エマルション、逆エマルション、コロイド、分散液、ゲル、リポソーム、ミセル、注入用材料、エアロゾル、固体、粉末、粒子状物質、ナノ粒子、又はこれらの組み合わせの形態で提供されてもよく、植物、植物部位、植物細胞、又は植物外植片へと(例えば、細胞壁又は細胞膜の摩傷又は穿刺又は他の方法による破壊を通じて、噴霧又は浸漬又は液浸又は他の方法による直接的な接触により、マイクロインジェクションにより)直接適用することができる。例えば、植物細胞又は植物プロトプラストを液体ゲノム編集分子含有組成物に液浸させると、それにより薬剤が植物細胞へと送達される。特定の実施形態において、薬剤含有組成物は、負圧又は正圧を用いて、例えば、減圧浸潤又は流体力学的圧力若しくは流体圧力の適用を用いて送達される。特定の実施形態において、薬剤含有組成物は、例えば、マイクロインジェクションによるか、又は、例えば、負圧若しくは正圧、剪断力の適用などの物理的処理、又は界面活性剤、リポソーム、若しくはナノ粒子などの化学的若しくは物理的送達薬剤による処理による細胞壁又は細胞膜の破壊又は変形によって植物細胞又は植物プロトプラストに導入される;例えば、米国特許出願公開第2014/0287509号明細書(全体として本明細書に参照により援用される)に記載されるとおりの、細胞変形収縮によるマイクロ流体フローを利用した細胞への材料の送達を参照のこと。真核細胞、植物細胞又は植物プロトプラストへの薬剤含有組成物の送達に有用な他の技法としては、超音波又は音波処理;振動、摩擦、ずり応力、ボルテックス、キャビテーション;遠心又は機械的力の適用;機械的な細胞壁又は細胞膜の変形又は破損;酵素的な細胞壁又は細胞膜の破損又は透過処理;摩傷又は機械的傷付け処理(例えば、カーボランダム若しくは他の粒子状研磨材による摩傷又はやすり若しくはサンドペーパーによる傷付け処理)又は化学的傷付け処理(例えば、酸又は腐食剤による処理);及び電気穿孔が挙げられる。特定の実施形態において、薬剤含有組成物は、細菌の媒介(例えば、アグロバクテリウム属種(Agrobacterium sp.)、リゾビウム属種(Rhizobium sp.)、シノリゾビウム属種(Sinorhizobium sp.)、メソリゾビウム属種(Mesorhizobium sp.)、ブラディリゾビウム属種(Bradyrhizobium sp.)、アゾバクター属種(Azobacter sp.)、フィロバクテリウム属種(Phyllobacterium sp.))による植物細胞又は植物プロトプラストへの、ゲノム編集分子(例えば、RNA依存性DNAエンドヌクレアーゼ、RNA依存性DNA結合タンパク質、RNA依存性ニッカーゼ、ABE、又はCBE、及び/又はガイドRNA)をコードするポリヌクレオチドのトランスフェクションにより提供される;例えば、Broothaerts et al.(2005)Nature,433:629-633を参照のこと)。或いは、これらの技法のいずれか又はこれらの組み合わせが植物外植片、植物部位若しくは組織又はインタクトな植物(又は種子)に利用され、続いてそれから植物細胞が任意選択で入手されるか、又は単離される;特定の実施形態において、薬剤含有組成物は、植物細胞が単離された後に別個のステップで送達される。
作物植物(例えば、トウモロコシ)においてゲノム編集を達成するための技法としては、Wuschel(WUS)、胚珠発生タンパク質(ODP)、及び/又はBabyboom(BBM)などの形態形成因子の使用が挙げられ、これらは所望のゲノム編集を持つ植物の回収効率を向上させることができる。一部の態様において、形態形成因子は、WUS1、WUS2、WUS3、WOX2A、WOX4、WOX5、WOX9、BBM2、BMN2、BMN3、及び/又はODP2を含む。特定の実施形態において、WUS、BBM、及び/又はODPを使用するための組成物及び方法、並びに植物及び他の生殖質におけるゲノム編集の達成に応用することのできる他の技法については、米国特許出願公開第20030082813号明細書、米国特許出願公開第20080134353号明細書、米国特許出願公開第20090328252号明細書、米国特許出願公開第20100100981号明細書、米国特許出願公開第20110165679号明細書、米国特許出願公開第20140157453号明細書、米国特許出願公開第20140173775号明細書、及び米国特許出願公開第20170240911号明細書(これらは各々が全体として参照により援用される)に示されている。特定の実施形態において、ゲノム編集は、作物植物の再生可能な植物部位(例えば;植物胚)において、遺伝子編集分子又はそれをコードするポリヌクレオチドを一過性に提供することにより達成することができ、必ずしも選択可能なマーカー遺伝子を植物ゲノムに取り込まなくともよい(例えば、米国特許出願公開第20160208271号明細書及び米国特許出願公開第20180273960号明細書(両方とも全体として参照により本明細書に援用される);Svitashev et al.Nat Commun.2016;7:13274)。
配列番号3を含む発現増強エレメントは、標的化される遺伝子変化を欠く対照植物と比較して、収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上(例えば、グルタミンシンテターゼ遺伝子)、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び/又は分裂組織サイズの増加)など、形質を付与するものを含む外因性(即ち、トランス遺伝子によってコードされる)又は内因性転写物コード遺伝子に作動可能に連結することができる。配列番号3を含むポリヌクレオチドは、内因性植物遺伝子に配列番号3の挿入又は形成を生じさせるポリヌクレオチドを植物ゲノムに挿入することにより、かかる遺伝子に作動可能に連結することができる。内因性植物遺伝子の中で配列番号3の挿入又は形成に好適な部位には、プロモーター、コード領域、及び非コード領域(例えば、5’UTR、イントロン、及び3’UTR)が含まれる。配列番号3の挿入又は形成に好適な標的植物には、双子葉類及び単子葉類を含め、任意の目的の種の植物及び植物細胞が含まれる。目的の植物には、条植え作物植物、果実生産植物及び樹木、野菜、樹木、及び装飾花を含めた観賞植物、低木、樹木、地被植物、及び芝草が含まれる。商業的に重要な栽培作物、樹木、及び植物の例としては、アルファルファ(メディカゴ・サティバ(Medicago sativa))、アーモンド(プルヌス・デュルシス(Prunus dulcis))、リンゴ(マルス x ドメスティカ((Malus x domestica))、アンズ(プルヌス・アルメニアカ(Prunus armeniaca)、P.ブリガンティン(P.brigantine)、P.マンドシュリカ(P.mandshurica)、P.ミュメ(P.mume)、P.シビリカ(P.sibirica))、アスパラガス(アスパラガス・オフィシナリス(Asparagus officinalis))、バナナ(バショウ属種(Musa spp.))、オオムギ(ホルデウム・ブルガレ(Hordeum vulgare))、マメ(インゲンマメ属種(Phaseolus spp.))、ブルーベリー及びクランベリー(スノキ属種(Vaccinium spp.))、カカオ(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、キャノーラ及び菜種又はアブラナ(ブラシカ・ナピュス(Brassica napus))、カーネーション(ダイアンサス・カリオフィルス(Dianthus caryophyllus))、ニンジン(ダウクス・カロタ・サティブス(Daucus carota sativus))、キャッサバ(マニホット・エスクレントゥム(Manihot esculentum))、サクランボ(プルヌス・アビウム(Prunus avium))、ヒヨコマメ(キデル・アリエティナム(Cider arietinum))、チコリ(キコリウム・インチブス(Cichorium intybus))、チリペッパー及び他のトウガラシペッパー(カプシクム・アンヌウム(Capsicum annuum)、C.フルテスセンス(C.frutescens)、C.キネンセ(C.chinense)、C.プベスセンス(C.pubescens)、C.バクカツム(C.baccatum))、キク(キク属種(Chrysanthemum spp.))、ココナツ(ココス・ヌシフェラ(Cocos nucifera))、コーヒー(コフィア・アラビカ(Coffea arabica)及びコフィア・カネフォラ(Coffea canephora)を含めたコーヒーノキ属種(Coffea spp.))、ワタ(ゴシッピウム・ヒルストゥム・L.(Gossypium hirsutum L.))、ササゲ(ビグナ・ウングイクラタ(Vigna unguiculata))、キュウリ(ククミス・サティブス(Cucumis sativus))、スグリ及びグズベリー(スグリ属種(Ribes spp.))、ナス(eggplant)又はナス(aubergine)(ソラヌム・メロンゲナ(Solanum melongena))、ユーカリ(ユーカリ属種(Eucalyptus spp.))、アマ(リナム・ウシタティススムム・L.(Linum usitatissumum L.))、ゼラニウム(ペラルゴニウム属種(Pelargonium spp.))、グレープフルーツ(シトラス x パラディシ(Citrus x paradisi))、ワイン用ブドウ(ビツス・ビニフェラ(Vitus vinifera))を含めたブドウ(ビツス属種(Vitus spp.))、グアバ(プシジウム・グアジャバ(Psidium guajava))、ホップ(フムルス・ルプルス(Humulus lupulus))、麻及び大麻(カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)及びアサ属種(Cannabis spp.))、アヤメ(アヤメ属種(Iris spp.))、レモン(シトラス・リモン(Citrus limon))、レタス(レクツカ・サティバ(Lactuca sativa))、ライム(ミカン属種(Citrus spp.))、トウモロコシ(ゼア・マイス・L.(Zea mays L.))、マンゴー(マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica))、マンゴスチン(ガルシニア・マンゴスタナ(Garcinia mangostana))、メロン(ククミス・メロ(Cucumis melo))、アワ(エノコログサ属種(Setaria spp)、ヒエ属種(Echinochloa spp)、オヒシバ属種(Eleusine spp)、キビ属種(Panicum spp.)、チカラシバ属種(Pennisetum spp.))、オートムギ(アベナ・サティバ(Avena sativa))、油ヤシ(エリス・ギネンシス(Ellis quineensis))、オリーブ(オレア・エウロペア(Olea europaea))、タマネギ(アリウム・セパ(Allium cepa))、オレンジ(シトラス・シネンシス(Citrus sinensis))、パパイヤ(カリカ・パパヤ(Carica papaya))、モモ及びネクタリン(プルヌス・ペルシカ(Prunus persica))、セイヨウナシ(ナシ属種(Pyrus spp.))、エンドウマメ(ピサ・サティブム(Pisa sativum))、ピーナッツ(アラキス・ヒポガエア(Arachis hypogaea))、シャクヤク(ボタン属種(Paeonia spp.))、ペチュニア(ペチュニア属種(Petunia spp.))、パイナップル(アナナス・コモスス(Ananas comosus))、オオバコ(バショウ属種(Musa spp.))、セイヨウスモモ(プルヌス・ドメスティカ(Prunus domestica))、ポインセチア(ユーフォルビア・プルケリマ(Euphorbia pulcherrima))、ポーランド産キャノーラ(ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa))、ポプラ(ポプラ属種(Populus spp.))、ジャガイモ(ソラナム・ツベロスム(Solanum tuberosum))、カボチャ(ククルビタ・ペポ(Cucurbita pepo))、コメ(オリザ・サティバ・L.(Oryza sativa L.))、バラ(バラ属種(Rosa spp.))、ゴム(ヘベア・ブラシリエンシス(Hevea brasiliensis))、ライムギ(セカレ・セレアレ(Secale cereale))、ベニバナ(カルタムス・チンクトリウス・L(Carthamus tinctorius L))、ゴマ種子(セサメ・インジウム(Sesame indium))、モロコシ(ソルガム・ビコロル(Sorghum bicolor))、ダイズ(グリシン・マックス・L.(Glycine max L.))、カボチャ(ククルビタ・ペポ(Cucurbita pepo))、イチゴ(オランダイチゴ属種(Fragaria spp.)、フラガリア x アナナッサ(Fragaria x ananassa))、サトウダイコン(ベタ・ブルガリス(Beta vulgaris))、サトウキビ(ワセオバナ属種(Saccharum spp.))、ヒマワリ(ヘリアンタス・アヌス(Helianthus annus))、サツマイモ(イポメア・バタタス(Ipomoea batatas))、タンジェリン(シトラス・タンゲリナ(Citrus tangerina))、茶(カメリア・シネンシス(Camellia sinensis))、タバコ(ニコチアナ・タバクム・L.(Nicotiana tabacum L.))、トマト(リコペルシコン・エスクレンツム(Lycopersicon esculentum))、チューリップ(チューリップ属種(Tulipa spp.))、カブ(ブラッシカ・ラパ・ラパ(Brassica rapa rapa))、クルミ(クルミ属種L.(Juglans spp.L.))、スイカ(キトルルス・ラナツス(Citrulus lanatus))、コムギ(トリチウム・エスティブム(Tritium aestivum))、及びヤムイモ(ディスコレア属種(Discorea spp.))が挙げられる。
目的の遺伝子の一般的なカテゴリーとしては、限定はされないが、ジンクフィンガー含有転写因子を含めた転写因子など、情報に関与する遺伝子、キナーゼ及び/又は他のシグナル-形質導入因子など、コミュニケーションに関与する遺伝子、及び熱ショックタンパク質など、ハウスキーピングに関与する遺伝子が挙げられる。更に具体的なカテゴリーとしては、例えば、限定はされないが、作物栽培学的に重要な形質(例えば、収量の増加、窒素利用効率の向上)をコードする遺伝子、非生物的ストレス耐性(例えば、水利用効率の増加、耐暑性、耐寒性、及び耐干ばつ性)、非生物的ストレス耐性(例えば、虫害抵抗性、真菌性又は細菌性病害抵抗性、及び線虫抵抗性)、除草剤抵抗性、不稔性、穀粒又は種子特性、及び商業生産品が挙げられる。目的の遺伝子としては、概して、油、デンプン、炭水化物、又は栄養素代謝に関与する遺伝子、並びに種子サイズ、植物発生、植物成長調節、及び収量向上に影響を及ぼす遺伝子が挙げられる。植物発生及び成長調節はまた、花、種子、根、葉及びシュートなど、植物の様々な部位の発生及び成長調節も指す。
病害及び/又は虫害抵抗性遺伝子は、例えば、トウモロコシすす紋病、黒穂病、炭疽病、ダイズモザイクウイルス、ダイズシスト線虫、根瘤線虫、褐斑病、べと病、紫斑病、種子腐敗及び実生病害であって、一般的に真菌類-ピシウム属種(Pythium sp.)、フィトフトラ属種(Phytophthora sp.)、リゾクトニア属種(Rhizoctonia sp.)、ジアポルテ属種(Diaporthe sp.)によって引き起こされるものなど、大きな収量低下要因となる有害生物に対する抵抗性をコードし得る。細菌シュードモナス・シリンゲ病原型グリシネア(Pseudomonas syringae pv.Glycinea)によって引き起こされる斑点細菌病。虫害抵抗性を付与する遺伝子としては、例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒性タンパク質遺伝子(米国特許第5,366,892号明細書;同第5,747,450号明細書;同第5,737,514号明細書;同第5,723,756号明細書;同第5,593,881号明細書;及びGeiser et al(1986)Gene 48:109);レクチン(Van Damme et al.(1994)Plant Mol.Biol.24:825)などが挙げられる。
除草剤抵抗性形質には、アセト乳酸シンターゼ(ALS)、詳細にはスルホニル尿素型除草剤の作用を阻害するように働く除草剤に対する抵抗性をコードする遺伝子(例えば、かかる抵抗性につながる突然変異、詳細にはS4及び/又はHRA突然変異を持つアセト乳酸シンターゼALS遺伝子)が含まれ得る。ALS遺伝子突然変異体は、除草剤クロルスルフロンに対する抵抗性をコードする。グリホセートアセチルトランスフェラーゼ(GAT)は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のN-アセチルトランスフェラーゼが遺伝子シャッフリングによって広域除草剤グリホサートのアセチル化に最適化されたものであり、トランスジェニック植物における新規のグリホサート耐性機構の基礎を成す(Castle et al.(2004)Science 304,1 151-1 154)。
植物成長及び発生に関与する遺伝子は、植物において同定されている。一つのかかる遺伝子は、サイトカイニン生合成に関与するもので、イソペンテニルトランスフェラーゼ(IPT)である。サイトカイニンは、植物成長及び発生において細胞分裂及び細胞分化を刺激することにより決定的な役割を果たす(Sun et al.(2003),Plant Physiol.131:167-176)。
特定の実施形態において、本開示は、受容細胞への2つ以上の有利な遺伝子座におけるエンハンサー配列の挿入を企図する。
配列番号3を含む植物又は植物部位から入手される商品植物生産物並びにかかる生産物の作成方法が提供される。特定の実施形態において、商品生産物は、(a)コーン、大豆、綿、又はキャノーラ種子ミール(脱脂又は非脱脂);(b)抽出タンパク質、油、糖、シロップ、及びデンプン;(c)発酵生産物;(d)動物用飼料又はヒト用食品生産物(例えば、コーン、大豆、綿、又はキャノーラ種子ミール(脱脂又は非脱脂)及び他の原材料(例えば、他の穀粒、他の種子ミール、他のタンパク質ミール、他の油、他のデンプン、他の糖、結合剤、保存剤、保湿剤、ビタミン、及び/又はミネラル)を含む飼料及び食品;(e)医薬品;(f)生の又は加工されたバイオマス(例えば、セルロース系及び/又はリグノセルロース系材料;サイレージ);及び(g)様々な工業生産物を含め、加工された生産物であり、植物又はその種子でできている。
また、本明細書には、前述の生物学的試料及び商品生産物の任意のものにおいて配列番号3を検出する方法も提供される。配列番号3を含むDNA分子の検出は、核酸増幅(例えば、PCR増幅)、ハイブリダイゼーション、シーケンシング、及び/又は質量分析法ベースの技法の任意の組み合わせによって実現することができる。米国特許出願公開第20190136331号明細書及び米国特許第9,738,904号明細書(両方とも全体として参照により本明細書に援用される)に示されるトランスジェニック遺伝子座における外来核酸の検出について示される方法は、本明細書に提供される核酸の検出における使用に応用することができる。特定の実施形態において、かかる検出は、標的DNA分子(例えば、トランスジェニック遺伝子座切出し部位)を特異的に認識するが、修飾されていないトランスジェニック遺伝子座のDNAは認識しない方法(例えば、選択的増幅プライマー)及び/又はプローブ(例えば、選択的ハイブリダイゼーション能力又は特異的プライマー伸長産物の生成能力があるもの)を用いた増幅及び/又はハイブリダイゼーションベースの検出方法によって実現される。特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションプローブ(例えば、配列番号3の少なくとも15~36ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド)は、検出可能標識(例えば、蛍光、放射性、エピトープ、及び化学発光標識)を含み得る。特定の実施形態において、一塩基変異多型検出アッセイは、標的DNA分子(例えば、植物ゲノムにおける配列番号3の挿入又は形成部位)の検出に応用することができる。
本明細書には、転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含む近交系及び交雑系植物及び種子が、かかる交雑系及び近交系種子の作成及び使用方法と共に提供される。近交系種子作製方法は、近交系植物を自殖させること、及び近交系植物以外の任意の植物による他家受粉を制限することを含む。かかる交雑系種子の作製方法は、優良作物植物株を交配することを含んでもよく、ここでは花粉提供者又は受粉者の少なくとも一方が、転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含んでいる。特定の実施形態において、花粉提供者及び受粉者は、特徴的な雑種強勢群の生殖質を含み、雑種強勢を呈する交雑系種子及び植物を提供することになる。特定の実施形態において、近交系植物、交雑系植物、花粉提供者及び/又は花粉受粉者は、各々が、特徴的な形質(例えば、除草剤耐性又は虫害抵抗性)、異なる種類の形質(例えば、特徴的な除草剤に対する耐性、又は甲虫目若しくは鱗翅目の昆虫など、特徴的な昆虫に対する耐性)、又は同じ形質に対する異なる作用様式(例えば、2つの特徴的な作用様式による甲虫目の昆虫に対する抵抗性又は2つの特徴的な作用様式による鱗翅目の昆虫に対する抵抗性)のいずれかを付与する特徴的なトランスジェニック遺伝子座を含み得る。転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含む植物株に育種によるか、又は直接的な形質転換によって導入することのできるトランス遺伝子としては、(i)虫害抵抗性を付与するトランス遺伝子(例えば、Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry2Ae、Cry3A、Cry3Bb、Cry9c、Cry34、Cry35、VIP3A、及びこれらの変異体を含め、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)タンパク質を産生するトランス遺伝子;dvsnf7を含め、昆虫阻害性RNAi応答を誘導するトランス遺伝子);及び(ii)除草剤耐性を付与するトランス遺伝子(例えば、グリホサート耐性を付与するCP4-EPSPS又は他のEPSPS遺伝子;グルホシネート系除草剤に対する抵抗性を付与するPAT又はBAR遺伝子;2,4-D及びアリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤に対する抵抗性を付与するaad-1遺伝子;ジカンバ系除草剤に対する抵抗性を付与するDMO遺伝子)が挙げられる。除草剤耐性及び/又は害虫耐性などの形質を付与するトランス遺伝子を持つ選択されたトランスジェニックコーン、ダイズ、ワタ、及びキャノーラ植物イベントの例については、米国特許第7323556号明細書、同第8575434号明細書、同第6040497号明細書、同第10316330号明細書;同第8618358号明細書、同第8212113号明細書、同第9428765号明細書、同第8455720号明細書、同第7897748号明細書、同第8273959号明細書、同第8093453号明細書、同第8901378号明細書、同第8466346号明細書、同第RE44962号明細書、同第9540655号明細書、同第9738904号明細書、同第8680363号明細書、同第8049071号明細書、同第9447428号明細書、同第9944945号明細書、同第8592650号明細書、同第10184134号明細書、同第7179965号明細書、同第7371940号明細書、同第9133473号明細書、同第8735661号明細書、同第7381861号明細書、同第8048632号明細書、及び同第9738903号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に開示されている。トウモロコシにおいて虫害抵抗性を付与するために使用することのできるトランス遺伝子としては、米国特許出願公開第20150361446号明細書及び同第20200190533号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に開示されるもの、並びに米国特許第6342660号明細書、同第6852915号明細書、同第7323556号明細書、同第7695914号明細書、同第7705216号明細書、同第7897748号明細書、同第8212113号明細書、同第8455720号明細書、同第8466346号明細書、同第8575434号明細書、同第8901378号明細書、同第9428765号明細書、及び同第10316330号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に開示されるものが挙げられる。トウモロコシにおいて除草剤耐性を付与するために使用することのできるトランス遺伝子としては、米国特許出願公開第20120244533号明細書及び同第20200190533号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に開示されるもの、並びに米国特許第6040497号明細書、同第6852915号明細書、同第8273959号明細書、同第8618358号明細書、同第8759618号明細書、及び同第9994863号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に開示されるものが挙げられる。特定の実施形態において、花粉受粉者は、雄性不稔又は条件的雄性不稔にされることになる。雄性不稔又は条件的雄性不稔を誘導する方法には、除雄(例えば、雄穂除去)、細胞質雄性不稔、化学交雑剤又はシステム、トランス遺伝子又はトランス遺伝子システム、及び/又は1つ以上の内因性植物遺伝子における1つ又は複数の突然変異が含まれる。本明細書に提供される作物植物との使用に応用することができる様々な雄性不稔システムの説明について、Wan et al.Molecular Plant;12,3,(2019):321-342並びに米国特許第8,618,358号明細書;米国特許出願公開第20130031674号明細書;及び米国特許出願公開第2003188347号明細書に記載されている。
特定の実施形態において、配列番号3を含む本明細書に提供される植物は、遺伝子編集分子又はシステムのうちの1つ以上によって導入される1つ以上の標的化された遺伝子変化を更に含むことができる。かかる標的化された遺伝子変化には、標的化された遺伝子変化を欠く対照植物と比較した収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、雄性不稔/条件的雄性不稔システム(例えば、内因性MS26、MS45及びMSCA1遺伝子を標的化することによる)、除草剤耐性(例えば、内因性ALS、EPSPS、HPPD、又は他の除草剤標的遺伝子を標的化することによる)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び分裂組織サイズの増加などの形質を付与するものが含まれる。導入することのできる標的化された遺伝子変化の種類には、作物植物ゲノムにおける1つ以上のヌクレオチドの挿入、欠失、及び置換が含まれる。内因性植物遺伝子中の標的化された遺伝子変化の部位には、プロモーター、コード領域、及び非コード領域(例えば、5’UTR、イントロン、スプライス供与・受容部位及び3’UTR)が含まれる。特定の実施形態において、標的化された遺伝子変化は、内因性植物遺伝子における調節配列又は他のDNA配列の挿入を含む。遺伝子編集分子で内因性植物遺伝子に挿入することにより有用な表現型を付与する標的化された遺伝子変化を生じさせることのできる調節配列の非限定的な例としては、(a)オーキシン応答エレメント(AuxRE)配列;(b)少なくとも1つのD1-4配列(Ulmasov et al.(1997)Plant Cell,9:1963-1971)、(c)少なくとも1つのDR5配列(Ulmasov et al.(1997)Plant Cell,9:1963-1971);(d)少なくとも1つのm5-DR5配列(Ulmasov et al.(1997)Plant Cell,9:1963-1971);(e)少なくとも1つのP3配列;(f)対応する低分子RNAが結合する低分子RNA認識部位配列(例えば、siRNA、マイクロRNA(miRNA)、米国特許第8,030,473号明細書に記載されるとおりのトランス作用性siRNA、又は米国特許第8,404,928号明細書に記載されるとおりのフェーズドsRNA(phased sRNA)(これらの引用特許は両方とも参照によって本明細書に援用される));(g)マイクロRNA(miRNA)認識部位配列;(h)特異的結合剤が、対応するエンジニアリングされた成熟miRNAであるような、エンジニアリングされたmiRNAに対するマイクロRNA(miRNA)認識配列;(i)トランスポゾン認識配列;(j)エチレン応答エレメント結合因子関連両親媒性抑制(EAR)モチーフによって認識される配列;(k)スプライス部位配列(例えば、供与部位、分枝形成部位、又は受容部位;例えば、インターネットサイトlemur[dot]amu[dot]edu[dot]pl/share/ERISdb/home.htmlに示されるスプライス部位及びスプライシングシグナルを参照のこと);(l)部位特異的リコンビナーゼによって認識されるリコンビナーゼ認識部位配列;(m)RNA又はアミノ酸アプタマー又はRNAリボスイッチをコードする配列、特異的結合剤は、対応するリガンドであり、発現の変化は上方制御又は下方制御である;(n)核内受容体又はそのホルモン結合ドメインによって認識されるホルモン応答エレメント;(o)転写因子結合配列;及び(p)ポリコーム応答エレメント(Xiao et al.(2017)Nature Genetics,49:1546-1552,doi:10.1038/ng.3937を参照のこと)など、米国特許出願公開第20190352655号明細書(これは全体として参照により本明細書に援用される)に示されるものが挙げられる。有用な形質を付与するため標的化された遺伝子編集に供することのできる標的トウモロコシ遺伝子の非限定的な例としては、(a)ZmIPK1(除草剤耐性及びフィチン酸減少トウモロコシ;Shukla et al.,Nature.2009;459:437-41);(b)ZmGL2(葉のエピクチクラワックスの減少;Char et al.Plant Biotechnol J.2015;13:1002);(c)ZmMTL(一倍体植物の誘導;Kelliher et al.Nature.2017;542:105);(d)Wx1(高いアミロペクチン含有量;米国特許出願公開第20190032070号明細書;全体として参照により本明細書に援用される);(e)TMS5(感温性雄性不稔;Li et al.J Genet Genomics.2017;44:465-8);(f)ALS(除草剤耐性;Svitashev et al.;Plant Physiol.2015;169:931-45);及び(g)ARGOS8(干ばつストレス耐性;Shi et al.,Plant Biotechnol J.2017;15:207-16)が挙げられる。有用な形質を付与するため標的化した遺伝子編集に供することのできる標的ダイズ遺伝子の非限定的な例としては、(a)FAD2-1A、FAD2-1B(オレイン酸含有量の増加;Haun et al.;Plant Biotechnol J.2014;12:934-40);(b)FAD2-1A、FAD2-1B、FAD3A(オレイン酸含有量の増加及びリノレン酸含有量の低下;Demorest et al.,BMC Plant Biol.2016;16:225);及び(c)ALS(除草剤耐性;Svitashev et al.;Plant Physiol.2015;169:931-45)が挙げられる。有用な形質を付与するため標的化した遺伝子編集に供することのできる標的アブラナ属(Brassica)遺伝子の非限定的な例としては、(a)早咲き性を付与するFRIGIDA遺伝子(Sun Z,et al.J Integr Plant Biol.2013;55:1092-103);及び(b)ALS(除草剤耐性;米国特許出願公開第20160138040号明細書(全体として参照により本明細書に援用される))が挙げられる。有用な表現型を付与する標的化された遺伝子変化に供することのできるコーン及び大豆を含めた作物植物における標的遺伝子の非限定的な例としては、米国特許出願公開第20190352655号明細書、同第20200199609号明細書、同第20200157554号明細書、及び同第20200231982号明細書(これらは各々が全体として本明細書に援用される);及びZhang et al.(Genome Biol.2018;19:210)に示されるものが挙げられる。特定の実施形態において、かかる標的化された遺伝子変化は、育種技法によって配列番号3を含む植物と組み合わせることができる。かかる育種技法には、交配及び/又は反復親との戻し交配による遺伝子移入が含まれる。かかる交配では、配列番号3を含む植物は、花粉提供者又は受粉者のいずれであってもよい。特定の実施形態において、配列番号3を含む植物は、配列番号3を含む植物生殖質中に標的化された遺伝子変化を遺伝子移入するためのかかる戻し交配における反復親として使用することができる。特定の実施形態において、1つ又は複数の標的遺伝子変化を含む植物は、1つ又は複数の標的遺伝子変化を含む植物生殖質中に配列番号3を含むゲノム領域を遺伝子移入するためのかかる戻し交配における反復親として使用することができる。
特定の実施形態において、配列番号3を含む本明細書に提供される植物は、標的化された遺伝子変化を欠く対照植物と比較した収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、雄性不稔/条件的雄性不稔システム(例えば、内因性MS26、MS45及びMSCA1遺伝子を標的化することによる)、除草剤耐性(例えば、内因性ALS、EPSPS、HPPD、又は他の除草剤標的遺伝子を標的化することによる)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性耐性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び分裂組織サイズの増加などの形質を付与する1つ以上の遺伝子座を更に含むことができる。かかる遺伝子座の供給源には、優良栽培品種、有性生殖適合性の近縁野生種(例えば、ダイズ属(Glycine)の大豆)、ランダム突然変異誘発(例えば、EMSなどの化学的突然変異原によるか、又はガンマ線突然変異誘発による)に供された植物生殖質などが含まれる。特定の実施形態において、かかる遺伝子座は、育種技法によって配列番号3を含む植物と組み合わせることができる。かかる育種技法には、交配及び/又は反復親との戻し交配による遺伝子移入が含まれる。かかる交配では、配列番号3を含む植物は、花粉提供者又は受粉者のいずれであってもよい。特定の実施形態において、配列番号3を含む植物は、配列番号3を含む植物生殖質中に遺伝子座を遺伝子移入するためのかかる戻し交配における反復親として使用することができる。特定の実施形態において、1つ又は複数の遺伝子座を含む植物は、1つ又は複数の遺伝子座を含む植物生殖質中に配列番号3を含むゲノム領域を遺伝子移入するためのかかる戻し交配における反復親として使用することができる。
また、本明細書には、商品植物生産物又は植物材料の作製方法であって、配列番号3を含む前述の植物のいずれかを成長させること、又は配列番号3を含む種子から植物を成長させることを含む方法も提供される。特定の実施形態において、かかる植物及び/又は種子は、生物学的薬剤(例えば、バチルス属種(Bacillus sp.)、リゾビウム属種(Rhizobium sp.)などを含めた、植物に有益な微生物)、殺線虫剤(例えば、カルバメート系又は有機リン酸系殺虫剤)、殺虫剤(例えば、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系、カルバメート系、又は有機リン酸系殺虫剤)及び/又は殺かび剤(例えば、ベンズイミダゾール系、イミダゾール系、又はストロビルリン系殺かび剤)で灌漑され、施肥され、及び/又は処理される。植物は、かかる肥料、生物学的薬剤、殺線虫剤、殺虫剤、及び殺かび剤で、噴霧、燻蒸、及び/又は客土を含めた方法によって処理することができる。種子は、かかる肥料、生物学的薬剤、殺線虫剤、殺虫剤、及び殺かび剤で、畝内散布を含めた方法によるか、又はコーティング(例えば、ドラムコーター、ロータリーコーター、タンブラードラム、流動層、及び/又は噴流層装置を用いる)によって処理することができる。本明細書に提供される種子との使用に応用することができる種子のコーティング用の様々な結合剤、充填剤、フィルムコート、及び活性成分、例えば、肥料、界面活性剤、植物成長調節物質、作物乾燥剤、殺かび剤、殺菌剤、静菌剤、殺虫剤、及び昆虫駆除薬などを含む方法及び組成物について、米国特許第10745578号明細書(これは全体として参照により本明細書に援用される)に開示されている。
実施形態
本明細書に記載されるDNA分子、植物、植物部位、ゲノム、染色体、方法、生物学的試料、及び他の組成物の様々な実施形態を以下の一組の番号付けされた実施形態に示す。
1.配列番号3のポリヌクレオチド配列を含むDNA分子。
2.単離された、合成の、及び/又は組換えのDNA分子である、実施形態1に記載のDNA分子。
3.配列番号3のポリヌクレオチド配列が、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に作動可能に連結され、任意選択で、プロモーターが内因性プロモーターであり、及び任意選択で、内因性プロモーターが植物染色体に位置する、実施形態1又は2に記載のDNA分子。
4.配列番号3のポリヌクレオチド配列及びプロモーターが転写単位に作動可能に連結され、配列番号3のポリヌクレオチド配列が存在しないプロモーターを含む対照植物細胞と比べると、植物細胞における転写単位によってコードされる転写物又はタンパク質の発現が増加する、実施形態1、2、又は3に記載のDNA分子。
5.配列番号3のポリヌクレオチド配列が、転写単位の転写開始部位から約10、20、30、35、40、又は50塩基対(bp)~約70、80、100、120、140、160、180、200、240、300、400、500、1000、2000、3000、又は5000bpに位置し、及び任意選択で、配列番号3のポリヌクレオチド配列がTSSの5’側に位置する、実施形態1~4のいずれか一つに記載のDNA分子。
6.プロモーターが内因性植物プロモーターであり、転写単位が内因性植物転写単位であり、プロモーター及び転写単位が植物染色体に位置し、及び任意選択で、内因性植物プロモーター及び内因性植物転写単位エレメントが、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物プロモーター及び転写単位である、実施形態1~5のいずれか一つに記載のDNA分子。
7.実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む生物学的試料。
8.(i)穀粉、シロップ、油、又はデンプン;又は(ii)トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ種子ミール又はフレークを含む、実施形態7に記載の生物学的試料。
9.実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む植物染色体であって、任意選択で、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物染色体である、植物染色体。
10.トウモロコシ植物染色体である、実施形態9に記載の植物染色体。
11.配列番号3の1つ以上のヌクレオチドが植物染色体の内因性ヌクレオチドであり、任意選択で、配列番号3の少なくとも24ヌクレオチドが、植物染色体に挿入された外因性ヌクレオチドである、実施形態9又は10に記載の植物染色体。
12.実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む植物細胞であって、任意選択で、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物細胞である、植物細胞。
13.配列番号3のポリヌクレオチド配列が、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に作動可能に連結され、プロモーターが内因性プロモーターであり、及び内因性プロモーターが植物染色体に位置する、実施形態12に記載の植物細胞。
14.トウモロコシ植物細胞である、実施形態12又は13に記載の植物細胞。
15.実施形態12に記載の植物細胞を含む再生可能な細胞の組織培養物。
16.実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む植物であって、任意選択で、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、植物。
17.トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、実施形態16に記載の植物。
18.配列番号3のポリヌクレオチド配列が、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に作動可能に連結され、プロモーターが内因性プロモーターであり、及び内因性プロモーターが植物染色体に位置する、実施形態16又は17に記載の植物。
19.実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む植物部位であって、任意選択で、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物部位である、植物部位。
20.トウモロコシ植物部位である、実施形態19に記載の植物部位。
21.植物部位が種子であり、任意選択で、種子がトウモロコシ種子である、実施形態19又は20に記載の植物部位。
22.種子が交雑系種子であり、任意選択で、交雑系種子がF1交雑系種子であり、及び任意選択で、F1交雑系種子が雑種強勢を呈する、実施形態19、20、又は21に記載の植物部位。
23.種子が近交系種子である、実施形態19~22のいずれか一つに記載の植物部位。
24.植物種子作製方法であって、実施形態16~18のいずれか一つに記載の植物を第2の植物と交配することにより植物種子を作製すること、及び任意選択で種子を収穫することを含む方法。
25.植物の遺伝子型と第2の植物の遺伝子型とが異なる遺伝子型であり、種子が交雑系種子である、実施形態24に記載の方法。
26.植物又は第2の植物が、所望の形質を付与するトランス遺伝子、標的化された遺伝子変化、又は遺伝子座を更に含み、収穫された種子が、そのトランス遺伝子、標的化された遺伝子変化、又は遺伝子座を含む、実施形態24又は25に記載の方法。
27.植物種子作製方法であって、実施形態16~18のいずれか一つに記載の植物を自殖させることにより植物種子を作製すること、及び任意選択で種子を収穫することを含む方法。
28.植物及び種子が近交系である、実施形態27に記載の方法。
29.追加された所望の形質を含む植物を作製する方法であって、実施形態16、17、又は18に記載の植物に、所望の形質を付与するトランス遺伝子、標的化された遺伝子変化、又は遺伝子座を導入することを含む方法。
30.商品植物生産物を作製する方法であって、実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む植物又は種子を加工すること、及び加工された植物又は種子から商品植物生産物を回収することを含む方法。
31.商品植物生産物が、種子ミール、デンプン、シロップ、サイレージ、油、又はタンパク質である、実施形態30に記載の方法。
32.商品植物生産物が、検出可能な量のDNA分子を含む、実施形態30又は31に記載の方法。
33.植物材料を作製する方法であって、転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含む発現増加エレメントを有する植物を成長させることを含む方法において、前記植物における転写物コードポリヌクレオチドの発現が、発現増加エレメントを欠く対照植物と比較したとき増加する、方法。
34.成長させることが、発芽して植物を形成する種子を播くこと、種子又は植物に水をやること、及び/又は植物又は種子を生物学的薬剤、除草剤、殺虫剤、又は殺かび剤で処理することのうちの少なくとも1つを含む、実施形態33に記載の方法。
35.植物材料を作製する方法であって、
(a)転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結された配列番号3を含む発現増加エレメントを有する植物を提供することであって、転写物コードポリヌクレオチドの発現が、発現増加エレメントを欠く対照植物と比較したとき前記植物において増加すること;及び、
(b)転写物増進ポリヌクレオチドの発現が可能となる条件下で植物を成長させること
を含む方法。
36.植物材料が種子を含み、任意選択で、本方法が、植物から種子を収穫することを更に含む、実施形態33~35のいずれか一つに記載の方法。
37.発現増加エレメントが、転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結されている内因性プロモーターにあるか、又は転写物コードポリヌクレオチドの5’UTR、イントロン、又は3’UTRにあり、前記内因性プロモーター、5’UTR、イントロン、又は3’UTRが植物染色体に位置する、実施形態33~36のいずれか一つに記載の方法。
38.配列番号3のポリヌクレオチド配列が、転写単位の転写開始部位から約10、20、30、40、又は50塩基対(bp)~約70、80、100、120、140、160、180、200、240、300、400、500、1000、2000、3000、又は5000bpに位置し、任意選択で配列番号3のポリヌクレオチド配列がTSSの5’側に位置する、実施形態33~37のいずれか一つに記載の方法。
39.転写物コードポリヌクレオチドが内因性植物転写単位であり、プロモーター及び転写単位が植物染色体に位置し、任意選択で、転写物コードポリヌクレオチドが、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物転写物コードポリヌクレオチドである、実施形態33~38のいずれか一つに記載の方法。
40.植物がトウモロコシ植物であり、及び/又は種子がトウモロコシ植物種子である、実施形態33~39のいずれか一つに記載の方法。
41.修飾された植物遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む生物学的試料を同定する方法であって、生物学的試料中に配列番号3の存在を検出するステップを含む方法。
42.生物学的試料が、植物細胞、植物、又は植物部位から入手され、任意選択で、植物部位が種子であり、及び/又は任意選択で、植物が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、実施形態41に記載の方法。
43.配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む核酸を作製する方法であって、実施形態16、17、又は18に記載の植物から、又は実施形態19~23のいずれか一つに記載の植物部位から核酸を単離することを含む方法。
44.処理された植物種子を作製する方法であって、実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子を含む種子を、生物学的薬剤、殺線虫剤、殺虫剤、又は殺かび剤を含む組成物と接触させることを含む方法。
45.種子が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物種子である、実施形態44に記載の方法。
46.植物におけるポリヌクレオチド配列の発現を増加させる方法であって、配列番号3を含む発現増加エレメントとプロモーターとに作動可能に連結されているポリヌクレオチド配列を発現させることを含む方法において、ポリヌクレオチドの発現が、発現増加エレメントを欠く対照植物と比較して増加する、方法。
47.植物が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物であり、任意選択で、ポリヌクレオチド配列が、収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び/又は分裂組織サイズの増加を付与する遺伝子を含む、実施形態46に記載の方法。
48.発現が植物の一部位において増加し、任意選択で、その部位が、種子、葉、茎、花、根、茎、又は細胞である、実施形態46又は47に記載の方法。
49.(i)植物においてプロモーターに作動可能に連結されている転写単位によってコードされる1つ以上のエレメントの発現を増加させるため;(ii)DNA分子又は組換えDNA分子を含む植物に、有用な形質であって、任意選択で、組換えDNA分子を欠く対照植物と比べた収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び/又は分裂組織サイズの増加である有用な形質を付与するため;(iii)(ii)の有用な形質を呈する植物又はそれからの種子を入手するため;又は(iv)(ii)の有用な形質を呈する植物の集団を成長させるための、実施形態1~6のいずれか一つに記載のDNA分子の使用であって;任意選択で、(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の植物が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物であり;又は任意選択で、(iii)の種子が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、使用。
実施例1.
この例では、NHEJによるトウモロコシプロトプラスト中の単一の標的への転写増強エレメントの挿入を説明する。トウモロコシプロトプラストは、確立された方法を用いて調製した(米国特許出願公開第20190352655号明細書(これは全体として参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。
B104実生の葉材料からトウモロコシプロトプラストを単離し、二本鎖オリゴ及びZmGln1-3プロモーターを標的化するtracrRNA:crRNA二重鎖(crRNA配列:UACACGUACGAUUACAACCAGUUUUAGAGCUAUGCU;配列番号5)と複合体化したCas9タンパク質からなるRNPをトランスフェクトした。二本鎖オリゴについては以下に記載する。Cas9/tracrRNA/crRNA複合体は、DNA中ZmGln1-3(即ち、配列番号6のポリペプチドをコードするB73v4トウモロコシゲノムに係るZm00001d017958遺伝子)の転写開始部位から66bp上流に二本鎖切断を生じさせる。3種類の二本鎖オリゴを試験した:エンハンサー配列の2つのリピートを持つ24nt構成、エンハンサー配列の3つのリピートを持つ36bp構成、及びエンハンサー配列の4つのリピートを持つ48nt構成。これらのオリゴは5’リン酸化され、両末端に2つのホスホロチオエート結合を含んだ。対照として、プロトプラストにRNPのみをトランスフェクトし、即ちオリゴを追加しなかった。各トランスフェクションはトリプリケートで実施した。トランスフェクション後、細胞を洗浄し、48時間インキュベートした。インキュベーション時間が終わったところで、gDNA及びRNA調製のため細胞を回収した。
挿入部位を分析するため、gDNAを鋳型として使用し、それに対して挿入部位に隣接するプライマーでPCRを実施した。ビーズクリーンアップ後、得られたアンプリコンを次世代シーケンシングによって配列決定した。リードを標的遺伝子座とアラインメントし、エンハンサー配列を持つリードのパーセンテージを、エンハンサーを組み込んだ細胞の割合の代理指標として使用した。データは図1に要約する。二重エンハンサーのトランスフェクションについては、7%の細胞がGln1-3標的遺伝子座にエンハンサーエレメントを組み込んでいると推定された。三重又は四重エンハンサーをトランスフェクトした細胞については、それぞれ44%及び41%の細胞が標的遺伝子座にエンハンサーエレメントを組み込んでいた。数字は全て、3バイオロジカルレプリケート間で平均している。このデータは、挿入効率の点で三重エレメントが最良の性能を発揮することを示している。
挿入されたエンハンサー配列がGln1-3の発現レベルに及ぼす効果を評価するため、回収したプロトプラストからバルクRNAを抽出し、cDNAに変換した。qRT-PCRを用いて、周知の参照遺伝子であるZmAct1と比べた相対的なZmGln1-3の発現レベルを測定した;データは図2に要約する。二重エンハンサーをトランスフェクトした細胞では、ZmGln1-3の発現レベルは、RNPのみをトランスフェクトした対照細胞と区別がつかなかった。しかしながら、三重エンハンサーをトランスフェクトした細胞では、ZmGln1-3の発現レベルは対照と比較して約4.5倍の高さであった。四重エンハンサーをトランスフェクトした細胞については、それは2.7倍の増加に過ぎなかった。このデータは、三重エンハンサー及び四重エンハンサーの両方が、プロモーターに組み込まれたときに標的遺伝子の発現を増強するが、三重エンハンサーの方が一層効率的に増強することを示している。
実施例2.
この例では、36bpエンハンサーによるトウモロコシプロトプラストにおける複数の遺伝子標的での転写の増強を説明する。B104実生の葉材料からトウモロコシプロトプラストを単離し、36ヌクレオチドエンハンサー配列(配列番号3)を含む両末端に2つのホスホロチオエート結合を有する二本鎖5’リン酸化36ntエンハンサー(配列番号3)オリゴあり又はなしのいずれかで、tracrRNA:crRNA二重鎖と複合体化したCas9からなるRNPをトランスフェクトした。この実験では3つのcrRNAを使用した。第1のcrRNA(UACACGUACGAUUACAACCAGUUUUAGAGCUAUGCU;配列番号5は、ZmGln1-3プロモーター(即ち、配列番号6のポリペプチドをコードするB73v4トウモロコシゲノムに係るZm00001d017958遺伝子のプロモーター)を標的化する。第2のcrRNA(UGUAUCCGUAUUUAUACGUGGUUUUAGAGCUAUGCU;配列番号7)は、ZmGln1-4プロモーター(即ち、配列番号8のポリペプチドをコードするB73v4トウモロコシゲノムに係るZm00001d051804遺伝子のプロモーター)を標的化する。第3のcrRNA(CUCCAAGUGACCGAGCAAGAGUUUUAGAGCUAUGCU;配列番号9)は、ZmLcプロモーター(即ち、配列番号10のポリペプチドをコードするB73v4トウモロコシゲノムに係るZm00001d026147遺伝子のプロモーター)を標的化する。各トランスフェクションはトリプリケートで実施した。トランスフェクション後、細胞を洗浄し、48時間インキュベートした。インキュベーション時間が終わったところで、gDNA及びRNA調製のため細胞を回収した。
挿入部位を分析するため、gDNAを鋳型として使用し、それに対して挿入部位に隣接するプライマーでPCRを実施し、ビーズクリーンアップ後、得られたアンプリコンを次世代シーケンシングによって配列決定した。リードを標的遺伝子座とアラインメントし、エンハンサー配列を持つリードのパーセンテージを、エンハンサーを組み込んだ細胞の割合の代理指標として使用した。エンハンサー配列のないリードに関して、NHEJに起因するインデルのあるリードの数を決定した。挿入効率は、3つのケース全てにおいて、総編集効率(インデルのみを持つリードとオリゴヌクレオチドが挿入されたリードとの合計)の約半分であったが、絶対挿入効率は標的間で異なり、ZmGln1-3について31%、Gln1-4について9%、及びLcについて12%であった。
挿入された配列番号3エンハンサー配列がGln1-3の発現レベルに及ぼす効果を評価するため、回収したプロトプラストからバルクRNAを抽出し、cDNAに変換した。qRT-PCRを用いて、周知の参照遺伝子であるZmAct1と比べた相対的な標的遺伝子(ZmGln1-3、ZmGln1-4、又はZmLc)の発現レベルを測定した。これらの結果を図3に要約し、遺伝子のプロモーターにトウモロコシエンハンサー配列を挿入したことによるLcの400倍を超える発現の増加、Gln1-3の2.3倍の増加、及びGln1-4の1.9倍の増加が明らかである。上記で考察したとおり、エンハンサー配列を組み込んだ細胞はごく一部であったことを考えると、エンハンサーを持つ細胞における遺伝子発現の増加は一層大きいものであり、エンハンサーが複数の標的の発現レベルを増加させるのに上手く機能することを示している。
実施例3.
この例では、トウモロコシゲノム編集及び形質転換を説明する。B104バックグラウンドでCRISPR/Casヌクレアーゼを遍在的に発現するトウモロコシ株からの未熟胚に、Gln1.3遺伝子のGln1-3プロモーター(即ち、配列番号6のポリペプチドをコードするB73v4トウモロコシゲノムに係るZm00001d017958遺伝子のプロモーター)を標的化するガイドRNA及び36ヌクレオチドエンハンサー配列(配列番号3)を含む両末端に2つのホスホロチオエート結合を有する二本鎖5’リン酸化オリゴヌクレオチドでコートした金粒子、並びにpat耐性遺伝子及び蛍光タンパク質をコードするプラスミドをボンバードメントで導入した。pat耐性及び蛍光に関する選択を伴う標準的な組織培養の実施を通じて、完全な又は部分的な36bpエンハンサーエレメント(配列番号3)を持つ植物を再生した。再生した植物から葉組織を採取してgDNAを抽出し、gRNA標的部位に隣接するプライマーを使用して挿入が存在するか確認した。アンプリコンサイズの増加により、挿入が存在するイベントを選択することが可能であった。アンプリコンシーケンシングにより、Gln1-3については転写開始部位(TSS)から66bp上流であった予測標的部位においてオリゴ挿入が起こったことが確かめられ、表1に示されるとおり、効率は0.4%~1.1%の範囲であった。
Gln1-3プロモーターへのトウモロコシエンハンサーエレメントの挿入を目的とした単回ボンバードメント実験からの若い再生体から採取した葉試料からRNAを調製し、cDNAに変換した。SYBRベースのqRT-PCRを用いて、Gln1-3及び対照ZmAct1の発現レベルを測定した。同じ植物について、エンハンサーの存在に関して遺伝子型タイピングもまた行った。結果は図4に要約し、エンハンサーの挿入がなかったイベントからの植物は、B104非形質転換対照と同様に、Gln1-3レベルが低かった一方、36bpエンハンサーエレメント(配列番号3)が存在するイベントからの植物は、対照の4~10倍高いレベルであったことが明らかである。
挿入を持つ植物を成体になるまで成長させて、野生型B104植物と交配した。次に、このようにして生成された、完全長36bpエンハンサー挿入に関してヘテロ接合の植物に由来するT1BC1集団を、更なる分析用に成長させた。これらの植物から、PCRによる挿入に関する遺伝子タイピング用に葉組織を試料採取し、RNA抽出、cDNA合成、並びにGln1-3及びZmAct1に関するqRT-PCR用に、葉、中胚軸、及び一次根組織を回収した。これらの実験の結果は図5に示す。挿入のある個体を、エンハンサー挿入アレルを受け継がなかった同胞、及びT1BC1植物と並行して成長させた野生型B104植物と比較した。挿入のある植物では、挿入のない同胞及びB104植物と比較して、根及び中胚軸の両方にGln1-3発現の2倍の有意な(p<0.05、両側スチューデントt検定)増加があった。葉では、発現の差を検出することはできなかったが、これは恐らく、根及び中胚軸と比較して、葉ではGln1-3発現が既に極めて高いという事実に関係している。
実施例4.
この例は、ダイズ細胞における転写物発現の増強を説明する。ダイズプロトプラストは、確立された方法を用いて調製した(米国特許出願公開第20190352655号明細書を参照のこと)。
プロトプラストトランスフェクション用に2つのプラスミドを調製した。対照プラスミドは、GFP蛍光マーカーの発現をドライブする、ダイズTlf1b遺伝子プロモーター、5’UTR、及び開始コドンを含む発現カセットを有した(配列番号11)。供試プラスミドは、対照プラスミドと配列番号3の36bpエンハンサーエレメントの挿入のみが異なり、この挿入は、Tfl1bタンパク質の開始コドンから484ヌクレオチドにある(配列番号12)。
ダイズTlf1b遺伝子プロモーターに配列番号3の36bpエンハンサーエレメントの挿入を含む供試プラスミドをトランスフェクトしたダイズプロトプラストでは、ダイズTlf1b遺伝子プロモーターを含むプラスミドをトランスフェクトした対照と比べて、トランスフェクション後16時間、24時間、及び40時間でGFPマーカー遺伝子の発現の増加が観察された。
本開示の幅及び範囲は、上述の例示的実施形態のいずれによっても限定されてはならず、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定義されるべきものとする。

Claims (39)

  1. 配列番号3のポリヌクレオチド配列を含むDNA分子。
  2. 単離された、合成の、及び/又は組換えのDNA分子である、請求項1に記載のDNA分子。
  3. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に位置する、請求項1に記載のDNA分子。
  4. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列及び前記プロモーターが転写単位に作動可能に連結され、前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が存在しない前記プロモーターを含む対照植物細胞と比べると、植物細胞における前記転写単位によってコードされる転写物又はタンパク質の発現が増加する、請求項3に記載のDNA分子。
  5. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が、前記転写単位の転写開始部位から約10、20、30、又は40塩基対(bp)~約100、240、300、400、500、1000、2000、3000、又は5000bpに位置する、請求項4に記載のDNA分子。
  6. 前記プロモーターが植物プロモーターであり、前記転写単位が植物転写単位であり、任意選択で、前記内因性植物プロモーター及び内因性植物転写単位エレメントがトウモロコシ又はダイズ植物プロモーター及び転写単位である、請求項4に記載のDNA分子。
  7. 請求項3に記載のDNA分子を含む植物細胞であって、任意選択で、再生して植物を作り出すことができない再生不可能な植物細胞である、植物細胞。
  8. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に位置し、前記プロモーターが内因性プロモーターであり、及び前記内因性プロモーターが、前記植物のゲノム中でその天然の位置に位置する、請求項7に記載の植物細胞。
  9. トウモロコシ又はダイズ植物細胞である、請求項7に記載の植物細胞。
  10. 請求項3に記載のDNA分子を含む植物。
  11. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が、プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に位置し、前記プロモーターが内因性プロモーターであり、及び前記内因性プロモーターが、前記植物のゲノム中でその天然の位置に位置する、請求項10に記載の植物。
  12. 請求項3に記載のDNA分子を含む植物部位。
  13. 種子である、請求項12に記載の植物部位。
  14. 植物材料を作製する方法であって、プロモーターに位置する配列番号3を含む発現増加エレメントを有する植物を成長させることを含む方法において、前記配列番号3の発現増加エレメント及び前記プロモーターが転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結され、前記植物における前記転写物コードポリヌクレオチドの発現が、前記発現増加エレメントを欠く対照植物と比較したとき増加する、方法。
  15. 成長させることが、発芽して前記植物を形成する種子を播くこと、前記種子又は植物に水をやること、及び/又は前記植物又は前記種子を生物学的薬剤、除草剤、殺虫剤、又は殺かび剤で処理することのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記植物材料が種子を含み、前記方法が、前記植物から前記種子を収穫することを更に含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記発現増加エレメントが、前記内因性転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結されている内因性プロモーターにあり、前記内因性プロモーター及び内因性転写物コードポリヌクレオチドが、前記植物のゲノム中でその天然の位置に位置する、請求項14に記載の方法。
  18. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が、前記転写単位の転写開始部位から約10、20、30、又は40塩基対(bp)~約100、240、300、400、500、1000、2000、3000、又は5000bpに位置する、請求項14に記載の方法。
  19. 前記植物がトウモロコシ又はダイズ植物であり、前記内因性プロモーター及び前記内因性転写単位が、前記トウモロコシ又は前記ダイズ植物のゲノム中でその天然の位置に位置する内因性トウモロコシ又はダイズ植物プロモーター及び内因性転写物コードポリヌクレオチドである、請求項17に記載の方法。
  20. 前記植物がトウモロコシ又はダイズ植物である、請求項14に記載の方法。
  21. 植物材料を作製する方法であって、植物のプロモーターに配列番号3の転写増加エレメントを挿入すること、及び前記植物を成長させることにより植物材料を作製することを含む方法において、前記発現増加エレメント及び前記プロモーターが転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結され、及び前記植物における前記転写物コードポリヌクレオチドの発現が、前記発現増加エレメントを欠く対照植物と比較したとき増加する、方法。
  22. 成長させることが、発芽して前記植物を形成する種子を播くこと、前記種子又は植物に水をやること、及び/又は前記植物又は前記種子を生物学的薬剤、除草剤、殺虫剤、又は殺かび剤で処理することのうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記植物材料が種子を含み、前記方法が、前記植物から前記種子を収穫することを更に含む、請求項21に記載の方法。
  24. 前記発現増加エレメントが、前記内因性転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結されている内因性プロモーターに位置し、前記内因性プロモーター及び内因性転写物コードポリヌクレオチドが、前記植物のゲノム中でその天然の位置に位置する、請求項21に記載の方法。
  25. 前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が、前記転写単位の転写開始部位から約10、20、30、40、又は50塩基対(bp)~約70、80、100、120、140、160、180、200、240、300、400、500、1000、2000、3000、又は5000bpに位置し、任意選択で、前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が前記TSSの5’側に位置する、請求項21に記載の方法。
  26. 前記植物がトウモロコシ又はダイズ植物であり、前記発現増加エレメントが、前記内因性転写物コードポリヌクレオチドに作動可能に連結されている内因性トウモロコシ又はダイズプロモーターに位置し、前記内因性プロモーター及び内因性転写物コードポリヌクレオチドが、前記トウモロコシ又はダイズ植物のゲノム中でその天然の位置に位置する、請求項21に記載の方法。
  27. 請求項1に記載のDNA分子を含む生物学的試料であって、任意選択で「再生不可能」であって、植物又は植物部位へと再生することができない生物学的試料。
  28. トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ種子ミールを含む、請求項27に記載の生物学的試料。
  29. プロモーターを含むポリヌクレオチド配列に前記配列番号3のポリヌクレオチド配列が位置する修飾された植物遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む請求項27に記載の生物学的試料を同定する方法であって、前記生物学的試料中に配列番号3の存在を検出するステップを含む方法。
  30. 前記生物学的試料が、植物細胞、植物、又は植物部位から入手され、任意選択で、前記植物部位が種子であり、及び/又は任意選択で、前記植物が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、請求項29に記載の方法。
  31. 商品植物生産物を作製する方法であって、請求項1~6のいずれか一項に記載のDNA分子を含む植物又は種子を加工すること、及び前記加工された植物又は種子から前記商品植物生産物を回収することを含む方法。
  32. 前記商品植物生産物が、種子ミール、デンプン、シロップ、サイレージ、油、又はタンパク質である、請求項31に記載の方法。
  33. 配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む核酸を作製する方法であって、請求項12に記載の植物部位から核酸を単離することを含む方法。
  34. 処理された植物種子を作製する方法であって、請求項1~6のいずれか一項に記載のDNA分子を含む種子を、生物学的薬剤、殺線虫剤、殺虫剤、又は殺かび剤を含む組成物と接触させることを含む方法。
  35. 前記種子が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物種子である、請求項34に記載の方法。
  36. 植物におけるポリヌクレオチド配列の発現を増加させる方法であって、配列番号3を含む発現増加エレメントとプロモーターとに作動可能に連結されているポリヌクレオチド配列を発現させることを含む方法において、前記ポリヌクレオチドの発現が、前記発現増加エレメントを欠く対照植物と比較して増加する、方法。
  37. 前記植物が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物であり、任意選択で、前記ポリヌクレオチド配列が、収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び/又は分裂組織サイズの増加を付与する遺伝子を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記発現が前記植物の一部位において増加し、任意選択で、前記部位が、種子、葉、茎、花、根、茎、又は細胞である、請求項36又は37に記載の方法。
  39. (i)植物において前記プロモーターに作動可能に連結されている転写単位によってコードされる1つ以上のエレメントの発現を増加させるため;(ii)前記DNA分子又は組換えDNA分子を含む植物に、有用な形質であって、任意選択で、前記組換えDNA分子を欠く対照植物と比べた収量の向上、食品及び/又は飼料特性の向上(例えば、油、デンプン、タンパク質、又はアミノ酸の質又は量の向上)、窒素利用効率の向上、バイオ燃料用途特性の向上(例えば、エタノール産生量の向上)、開花の遅延、非開花性、生物的ストレス抵抗性(例えば、昆虫、線虫、細菌、又は真菌被害に対する抵抗性)の増加、非生物的ストレス抵抗性(例えば、干ばつ、寒さ、暑さ、金属、又は塩分に対する抵抗性)の増加、倒伏抵抗性の増強、生育速度の増強、バイオマスの増強、分蘖の増強、分枝形成の増強、開花期の遅延、老化の遅延、花数の増加、高密植栽培構成の向上、光合成の向上、根量の増加、細胞数の増加、実生活力の向上、実生サイズの向上、細胞分裂速度の増加、代謝効率の向上、及び/又は分裂組織サイズの増加である有用な形質を付与するため;(iii)(ii)の前記有用な形質を呈する植物又はそれからの種子を入手するため;又は(iv)(ii)の前記有用な形質を呈する植物の集団を成長させるための、請求項1~6のいずれか一項に記載のDNA分子の使用であって;任意選択で、(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の前記植物が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物であり;又は任意選択で、(iii)の前記種子が、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はキャノーラ植物である、使用。
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