JP2023541474A - シリコンベースマイクロフォン装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

本願の実施例は、シリコンベースマイクロフォン装置及び電子機器を提供する。該シリコンベースマイクロフォン装置は、少なくとも2つの音響導入孔が開設されている回路基板と、回路基板の一側に覆設されて音響キャビティを形成するシールドカバーと、少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップであって、いずれも回路基板の一側に設置され、かつ音響キャビティ内に位置し、各シリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティが音響導入孔と一対一に対応して連通する、シリコンベースマイクロフォンチップと、差動式制御チップであって、すべてのシリコンベースマイクロフォンチップのマイクロフォン構造体が順に電気的に接続された後、差動式制御チップの入力端子に電気的に接続される差動式制御チップと、を含む。本願の実施例には少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップを有する集音構造が用いられ、各シリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティが音響導入孔と一対一に対応して連通することにより、音波をいずれも各シリコンベースマイクロフォンチップに作用させて、同じソースからの音波の多重収集又は異なるソースからの音波の個別収集を実現することができ、さらに差動式制御チップを併用して各混合電気信号をさらに差動処理することで、ノイズを低減することができる。

Description

本願は、音響電気変換の技術分野に関し、具体的には、シリコンベースマイクロフォン装置及び電子機器に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年9月17日に中国国家知識産権局に提出された中国特許出願番号第2020109829788号に対する優先権を主張するものであり、上記出願の開示内容は、全て参照により本明細書に組み込まれるものとする。
従来の集音マイクロフォンは、音声信号を取得するときに、マイクロフォンのシリコンベースマイクロフォンチップが、取得した音波に作用されて振動を発生させ、該振動が、電気信号を生成できる容量変化をもたらすことにより、音波が電気信号に変換されて出力される。しかしながら、従来のマイクロフォンによるノイズに対する処理効果が不十分であり、出力されるオーディオ信号の品質に影響する場合がある。
本願は、従来方式の欠点に対して、従来のマイクロフォンによるノイズに対する処理効果が不十分であり、出力されるオーディオ信号の品質に影響するという従来技術に存在する技術的課題を解決するために、シリコンベースマイクロフォン装置及び電子機器を提供する。
第1の態様において、本願の実施例に係るシリコンベースマイクロフォン装置は、
少なくとも2つの音響導入孔が開設されている回路基板と、
回路基板の一側に覆設されて音響キャビティを形成するシールドカバーと、
少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップであって、いずれも回路基板の一側に設置され、かつ音響キャビティ内に位置し、各シリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティが音響導入孔と一対一に対応して連通する、シリコンベースマイクロフォンチップと、
差動式制御チップであって、すべてのシリコンベースマイクロフォンチップのマイクロフォン構造体が順に電気的に接続された後、差動式制御チップの入力端子に電気的に接続される差動式制御チップと、を含む。
第2の態様において、本願の実施例に係る電子機器は、第1の態様に係るシリコンベースマイクロフォン装置を含む。
本願の実施例に係る技術的解決手段による有益な技術的効果は以下のとおりである。シリコンベースマイクロフォン装置には少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップを有する集音構造が用いられ、各シリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティが音響導入孔と一対一に対応して連通することにより、同じソースからの音波をいずれも各シリコンベースマイクロフォンチップに作用させるか又は異なるソースからの音波を対応するシリコンベースマイクロフォンチップに作用させ、すなわち、同じソースからの音波の多重収集又は異なるソースからの音波の個別収集を実現することができ、さらに差動式制御チップを併用して各混合電気信号をさらに差動処理することで、ノイズを低減し、出力されるオーディオ信号の品質を向上させることができる。
本願の付加的な態様及び利点の一部が以下に説明されるが、これらは以下の説明から明らかになるか、又は本願を実施することによって理解される。
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、図面を参照した以下の実施例の説明から明らかになり、容易に理解される。
本願の実施例に係るシリコンベースマイクロフォン装置の概略構成図である。 本願の実施例に係るシリコンベースマイクロフォン装置のシリコンベースマイクロフォンチップの概略構成図である。 本願の実施例に係るシリコンベースマイクロフォン装置における2つのシリコンベースマイクロフォンチップの電気的接続構造の概略図である。 本願の実施例に係る別のシリコンベースマイクロフォン装置の概略構成図である。
本願を以下に詳細に説明し、本願の実施例の例は図面に示され、図中、全体を通して同一又は類似の符号は、同一若しくは類似の部材又は同一若しくは類似の機能を有する部材を示す。また、既知の技術の詳細な説明は、示される本願の特徴に対して必要でなければ、省略される。以下に図面を参照して説明される実施例は、本願を解釈するための例示的なものに過ぎず、本願を限定するものとして解釈されることができない。
当業者であれば理解できるように、特に断りのない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語と科学用語とを含む)は、本願の属する技術分野における当業者の一般的な理解と同じ意味を有する。また、一般的な辞書に定義されているような用語は、従来技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして理解されるべきであり、本明細書で定義されない限り、理想化又は過度に形式化された意味として解釈されないものであると理解されたい。
当業者であれば理解できるように、特に断りのない限り、本明細書で使用される単数形「一」、「1つ」、「上記」及び「該」は、複数形をも含み得る。本願の明細書で使用される「含む」という用語は、上記特徴、整数、素子及び/又はアセンブリが存在していることを意味するが、1つ以上の他の特徴、整数、素子、アセンブリ、及び/又は、それらの組み合せが存在していることや追加されていることを排除しないことをさらに理解されたい。ある素子が他の素子に「接続」又は「結合」されると記載されている場合、該素子が他の素子に直接接続又は結合されてもよく、中間素子を介して接続又は結合されてもよいことを理解されたい。また、本明細書で使用される「接続」又は「結合」は、無線接続又は無線結合を含み得る。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つ以上の列挙された関連項目のすべて又はいずれか1つ及びすべての組み合わせを含む。
本願の発明者は、研究により、スマートスピーカーなどのIoT(The Internet of Things、モノのインターネット)装置の普及に伴い、音楽を再生中のスマートスピーカーに中断、ウェイクアップなどの音声コマンドを発するか、又は携帯電話のハンズフリーモード(すなわち、hands-free operation)で通話交流を行う場合のような、ユーザが発声中のスマートデバイスに対して音声コマンドを使用することが容易ではないことを知った。多くの場合、ユーザはIoT装置にできるだけ近づき、専用のウェイクアップワードで音楽の再生を中断してから人間とコンピュータとの対話を行う必要がある。これらの典型的な音声対話シーンにおいて、IoT装置は使用中であり、自体が音楽を再生しているか又はスピーカにより発声しているため、機体の振動が発生し、このような振動がIoT装置のマイクロフォンによりピックアップされるため、エコー除去効果が低い。音楽を再生している携帯電話、TWS(True Wireless Stereo、完全ワイヤレスステレオ)イヤホン、掃除ロボット、スマートエアコン、スマートレンジフードなどの振動が大きいスマートホーム製品では、この現象は特に顕著に現れている。
本願に係るシリコンベースマイクロフォン装置及び電子機器は、従来技術の上述した技術的課題を解決することを目的とする。
以下、具体的な実施例により、本願の技術的解決手段及び本願の技術的解決手段が上記技術的課題をどのように解決するかについて詳細に説明する。
本願の実施例は、シリコンベースマイクロフォン装置を提供し、該シリコンベースマイクロフォン装置は、概略構成図が図1に示すとおりであり、回路基板100、シールドカバー200、少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300及び差動式制御チップ400を含む。
回路基板100に少なくとも2つの音響導入孔が設けられている。
シールドカバー200は、回路基板100の一側に覆設されて音響キャビティ210を形成する。
少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300は、いずれも回路基板100の一側に設置され、かつ音響キャビティ210内に位置する。各シリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302は、音響導入孔と一対一に対応して連通する。
すべてのシリコンベースマイクロフォンチップ300のマイクロフォン構造体301は、順に電気的に接続された後、差動式制御チップ400の入力端子に電気的に接続される。
本実施例において、シリコンベースマイクロフォン装置には少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300を有する集音構造が用いられる。なお、図1のシリコンベースマイクロフォン装置は、2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300を例としてのみ示している。
シリコンベースマイクロフォン装置には少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300を有する集音構造が用いられ、各シリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302が音響導入孔(第1の音響導入孔110aと第2の音響導入孔110b)と一対一に対応して連通することにより、同じソースからの音波をいずれも各シリコンベースマイクロフォンチップ300に作用させるか又は異なるソースからの音波を対応するシリコンベースマイクロフォンチップ300に作用させ、すなわち、同じソースからの音波の多重収集又は異なるソースからの音波の個別収集を実現することができ、さらに差動式制御チップ400を併用して各混合電気信号(音声電気信号とノイズ電気信号を含む)をさらに差動処理することで、ノイズを低減し、出力されるオーディオ信号の品質を向上させることができる。
好ましくは、シリコンベースマイクロフォンチップ300は、シリカゲルにより回路基板100に固定的に接続される。
シールドカバー200と回路基板100との間に、相対的に密閉された音響キャビティ210が取り囲まれるように形成される。音響キャビティ210内の各シリコンベースマイクロフォンチップ300などの素子に対する電磁干渉を遮蔽する役割を果たすために、好ましくは、シールドカバー200は金属ケースを含み、金属ケースが回路基板100に電気的に接続される。
好ましくは、シールドカバー200は、半田ペースト又は導電性接着剤により回路基板100の一側に固定的に接続される。
好ましくは、回路基板100は、PCB(Printed Circuit Board、プリント回路基板)を含む。
いくつかの可能な実施形態において、図2に示すように、本願の実施例に係るシリコンベースマイクロフォンチップ300は、間隔をあけて積層して設置された背極板310及び半導体振動膜320を含む。
背極板310及び半導体振動膜320は、マイクロフォン構造体301の本体を構成する。
背極板310の音響導入孔に対応する部分にいくつかの気流孔311が設けられている。
本実施例において、背極板310及び半導体振動膜320は、マイクロフォン構造体301の本体を構成する。背極板310と半導体振動膜320との間に隙間、例えば、エアギャップ313があってもよい。半導体振動膜320は、薄くて靭性の高い構造で構成されて、音波の作用で湾曲して変形することができ、背極板310は、半導体振動膜320の厚さよりはるかに厚く、かつ剛性が高い構造で構成されて、変形しにくい。
具体的には、半導体振動膜320と背極板310を、エアギャップ313を介して隔てて平行に配置することにより、マイクロフォン構造体301の本体を形成することができる。半導体振動膜320と背極板310との間は、電界(非導通)を形成するために用いられることを理解されたい。音響導入孔から入る音波は、バックキャビティ302を通って半導体振動膜320と接触することができる。
音波がシリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に入ると、半導体振動膜320が音波の作用で変形し、該変形が半導体振動膜320と背極板310との間の隙間の変化を引き起こし、半導体振動膜320と背極板310との間の容量変化をもたらし、すなわち、音波の電気信号への変換を実現する。
単一のシリコンベースマイクロフォンチップ300においては、半導体振動膜320と背極板310との間にバイアス電圧を印加すると、半導体振動膜320と上部背極板310との間の隙間内に電界が形成される。
好ましくは、半導体振動膜320は、多結晶シリコン材料で製造されてもよく、厚さが1ミクロン以下であり、小さい音波の作用下でも変形し、感度が高く、背極板310は、剛性が高く、かつ厚さが数ミクロンの材料で製造され、背極板310に複数の気流孔311がエッチングされてもよい。したがって、半導体振動膜320が音波の作用で変形する場合、背極板310は、影響を受けて変形することはない。
好ましくは、半導体振動膜320と背極板310との間の隙間は、それぞれ数ミクロンであり、すなわち、ミクロンレベルである。
いくつかの可能な実施形態において、図3に示すように、本願の実施例に係る各2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300は、第1のシリコンベースマイクロフォンチップ300a及び第2のシリコンベースマイクロフォンチップ300bを含む。
第1のシリコンベースマイクロフォンチップ300aの第1の背極板310aは、重畳信号を形成するために、第2のシリコンベースマイクロフォンチップ300bの第2の背極板310bに電気的に接続される。
本実施例において、第1のシリコンベースマイクロフォンチップ300aの第1の背極板310aで生成される混合電気信号を、第2のシリコンベースマイクロフォンチップ300bの第2の背極板310bで生成される混合電気信号と重畳することにより得られる第1の信号においては、混合電気信号における同じソースからのノイズ信号を弱めるか又は相殺して、第1の信号の品質を向上させることができる。
具体的には、第1の背極板の背極板電極312aと第2の背極板の下部背極板電極312bとを、第1の信号を形成するために、リード線360を介して電気的に接続してもよい。
いくつかの可能な実施形態において、図3に示すように、本願の実施例に係る第1のシリコンベースマイクロフォンチップ300aの第1の半導体振動膜320aは、第2のシリコンベースマイクロフォンチップ300bの第2の半導体振動膜320bに電気的に接続され、第1の半導体振動膜320aと第2の半導体振動膜320bとのうちの少なくとも1つは、定電圧源に電気的に接続するために用いられる。
本実施例において、第1のシリコンベースマイクロフォンチップ300aの第1の半導体振動膜320aを第2のシリコンベースマイクロフォンチップ300bの第2の半導体振動膜320bに電気的に接続することにより、2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300の半導体振動膜320は、同じ電位を有することができ、すなわち、2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300が電気信号を生成する基準を統一することができる。
具体的には、リード線360を第1の半導体振動膜の半導体振動膜電極321aと第2の半導体振動膜の半導体振動膜電極321bにそれぞれ電気的に接続してもよい。
好ましくは、各シリコンベースマイクロフォンチップ300が電気信号を生成する基準を一致させるために、すべてのシリコンベースマイクロフォンチップ300の半導体振動膜320を電気的に接続してもよい。
いくつかの可能な実施形態において、図1に示すように、本願の実施例に係る差動式制御チップ400は、音響キャビティ210内に位置し、かつ回路基板100に電気的に接続される。
第1の背極板310aと第2の背極板310bとのうちの1つは、差動式制御チップ400の1つの信号入力端子に電気的に接続される。
本実施例において、差動式制御チップ400は、前述した各シリコンベースマイクロフォンチップ300から出力された重畳済みの混合電気信号を受信して、差動処理し、例えば、重畳後の音声電気信号の増分がノイズ電気信号の増分より大きいということを利用してノイズを除去することにより、コモンモードノイズを低減し、信号対雑音比及び最大入力音圧レベルを高め、音質を改善することができる。
好ましくは、差動式制御チップ400は、シリカゲル又は赤色接着剤により回路基板100に固定的に接続される。
好ましくは、差動式制御チップ400は、特定用途向け集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)チップを含み、差動機能を有する。
いくつかの可能な実施形態において、図2に示すように、シリコンベースマイクロフォンチップ300は、シリコン基板330を含む。
マイクロフォン構造体301は、シリコン基板330の一側に設置される。
シリコン基板330は、バックキャビティ302を形成するための貫通孔331を有し、貫通孔331は、マイクロフォン構造体301に対応する。シリコン基板330のマイクロフォン構造体301から離れた側は、回路基板100に固定的に接続され、貫通孔331は音響導入孔と連通する。
本実施例において、シリコン基板330は、マイクロフォン構造体301を支持し、バックキャビティ302を形成するための貫通孔331を有し、音波がシリコンベースマイクロフォンチップ300に入って、かつマイクロフォン構造体301に作用して、マイクロフォン構造体301に混合電気信号を生成させることに寄与する。
いくつかの可能な実施形態において、図2に示すように、シリコンベースマイクロフォンチップ300は、パターン化された第1の絶縁層340及び第2の絶縁層350をさらに含む。
シリコン基板330、第1の絶縁層340、半導体振動膜320、第2の絶縁層350及び背極板310は、順に積層して設置される。
本実施例において、半導体振動膜320とシリコン基板330がパターン化された第1の絶縁層340を介して隔てられ、半導体振動膜320と背極板310がパターン化された第2の絶縁層350を介して隔てられることにより、各導電層の間の電気的分離を形成して、各導電層の短絡及び信号精度の低下を回避する。
好ましくは、第1の絶縁層340及び第2の絶縁層350は、いずれも全面成膜した後にエッチングプロセスによりパターン化され、貫通孔331の領域に対応する絶縁層部分と電極を製造するための領域の絶縁層部分とを除去することができる。
本願の発明者は、研究により、複数のマイクロフォンチップを有するシリコンベースマイクロフォン装置を用いると、ノイズを効果的に低減することができることをさらに発見した。本願の発明者はまた、複数のマイクロフォンチップが受信した音波のエネルギーが一致しなければ、エネルギーが大きい音波がシリコンベースマイクロフォン装置の音響キャビティ210において伝播し続けて、他のマイクロフォンチップに干渉を与える可能性があり(音響キャビティ210の容積が小さいほど、この干渉が顕著になる)、これは他のマイクロフォンチップの集音精度を低下させて、シリコンベースマイクロフォン装置が出力するオーディオ信号の品質に影響を与える、ということを見出した。
このために、本願は、各シリコンベースマイクロフォンチップ300の電気的接続方式の以下の可能な実現形態を提供する。
図4に示すように、本願の実施例に係るシリコンベースマイクロフォン装置は、隔離部材500をさらに含む。
隔離部材500は、音響キャビティ210内に位置し、かつ音響キャビティ210を、少なくとも部分的に隣接するシリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に対応するサブ音響キャビティ210に分割する。
本実施例において、隔離部材500は、音響キャビティ210を、少なくとも部分的に隣接するシリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に対応するサブ音響キャビティ210に分割し、このようにして、各シリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に入る音波がシリコンベースマイクロフォン装置の音響キャビティ210において伝播し続ける確率又は強度を効果的に低下させ、音波が他のシリコンベースマイクロフォンチップ300に与える干渉を低減し、各シリコンベースマイクロフォンチップ300の集音精度を効果的に向上させて、シリコンベースマイクロフォン装置が出力するオーディオ信号の品質を向上させることができる。
好ましくは、隔離部材500は、単板状構造であってもよく、筒状構造であってもよく、ハニカム構造であってもよい。
いくつかの可能な実施形態において、図4に示すように、本願の実施例に係る隔離部材500の一端は、シールドカバー200に向かって延び、隔離部材500の他端は、少なくともシリコンベースマイクロフォンチップ300の回路基板100から離れた側まで延びる。
本実施例において、隔離部材500は、一端がシールドカバー200に向かって延び、他端が少なくともシリコンベースマイクロフォンチップ300の回路基板100から離れた側まで延び、このようにして、シールドカバー200及びシリコンベースマイクロフォンチップ300の構造を、隔離部材500と共に利用して、一定程度取り囲まれたサブ音響キャビティ210を構成し、すなわち、シリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302を通過する音波を一定程度取り囲むことで、入る音波がシリコンベースマイクロフォン装置の音響キャビティ210において伝播し続ける確率又は強度を低下させ、音波が他のシリコンベースマイクロフォンチップ300に与える干渉を低減し、各シリコンベースマイクロフォンチップ300の集音精度を効果的に向上させて、シリコンベースマイクロフォン装置が出力するオーディオ信号の品質を向上させることができる。
好ましくは、図4に示すように、本願の実施例に係る隔離部材500の一端はシールドカバー200に接続される。すなわち、隔離部材500により分割された隣接するサブ音響キャビティ210の、シールドカバー200に近い側が完全に遮断されることで、隣接するサブ音響キャビティ210の間の隔離性を高め、音波が他のシリコンベースマイクロフォンチップ300に与える干渉をさらに低減し、各シリコンベースマイクロフォンチップ300の集音精度を効果的に向上させて、シリコンベースマイクロフォン装置が出力するオーディオ信号の品質を向上させることができる。
好ましくは、本願の実施例に係る隔離部材500の他端は回路基板100の一側に接続される。すなわち、隔離部材500により分割された隣接するサブ音響キャビティ210の、回路基板100に近い側が完全に遮断されることで、隣接するサブ音響キャビティ210の間の隔離性を高め、音波が他のシリコンベースマイクロフォンチップ300に与える干渉をさらに低減し、シリコンベースマイクロフォンチップ300の集音精度を効果的に向上させて、シリコンベースマイクロフォン装置が出力するオーディオ信号の品質を向上させることができる。
同じ発明概念に基づいて、本願の実施例に係る電子機器は、前述した実施例に係るいずれか1つのシリコンベースマイクロフォン装置を含む。
本実施例において、電子機器は、携帯電話、TWS(True Wireless Stereo、完全ワイヤレスステレオ)イヤホン、掃除ロボット、スマートエアコン、スマートレンジフードなどの振動が大きいスマートホーム製品であってもよい。各電子機器には前述した各実施例に係るシリコンベースマイクロフォン装置が用いられるため、その原理及び技術的効果について、前述した各実施例を参照し、ここでは説明を省略する。
本願のいくつかの実施例において、シリコンベースマイクロフォン装置には少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップ300を有する集音構造が用いられ、各シリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302が音響導入孔(第1の音響導入孔110aと第2の音響導入孔110b)と一対一に対応して連通することにより、同じソースからの音波をいずれも各シリコンベースマイクロフォンチップ300に作用させるか又は異なるソースからの音波を対応するシリコンベースマイクロフォンチップ300に作用させ、すなわち、同じソースからの音波の多重収集又は異なるソースからの音波の個別収集を実現することができ、さらに差動式制御チップ400を併用して各混合電気信号(音声電気信号とノイズ電気信号を含む)をさらに差動処理することで、ノイズを低減し、出力されるオーディオ信号の品質を向上させることができる。
本願のいくつかの実施例において、シリコンベースマイクロフォンチップ300は、間隔をあけて積層して設置された背極板310及び半導体振動膜320を含み、単一の背極板310及び半導体振動膜320を有する集音構造を採用する。音波がシリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に入ると、半導体振動膜320が音波の作用で変形し、該変形が半導体振動膜320と背極板310との間の隙間の変化を引き起こし、半導体振動膜320と背極板310との間の容量変化をもたらし、すなわち、音波の電気信号への変換を実現する。
本願のいくつかの実施例において、隔離部材500は、音響キャビティ210を、少なくとも部分的に隣接するシリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に対応するサブ音響キャビティ210に分割し、このようにして、各シリコンベースマイクロフォンチップ300のバックキャビティ302に入る音波がシリコンベースマイクロフォン装置の音響キャビティ210において伝播し続ける確率又は強度を効果的に低下させ、音波が他のシリコンベースマイクロフォンチップ300に与える干渉を低減し、各シリコンベースマイクロフォンチップ300の集音精度を効果的に向上させて、シリコンベースマイクロフォン装置が出力するオーディオ信号の品質を向上させることができる。
本願の説明において、「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明を容易にし、簡略化するためのものに過ぎず、言及される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり示唆したりするものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
用語「第1」、「第2」は、説明の目的のみに用いられるものであり、相対的な重要性を示したり示唆したりするか、又は示された技術的特徴の数を黙示的に示すと理解すべきではない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ以上の該特徴を含むことを明示的又は黙示的に示すことができる。本願の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
なお、本願の説明において、他の明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的な接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、2つの素子の内部連通であってもよい。当業者にとって、上記用語の本願における具体的な意味を具体的な状況に基づいて理解することができる。
本明細書の説明において、具体的な特徴、構造、材料又は特点は、任意の1つ以上の実施例又は例において適宜組み合わせることができる。
以上の記述は、本願の一部の実施形態に過ぎず、当業者であれば、本願の原理から逸脱することなく、さらに様々な改善や修飾を行うことができるが、これらの改善や修飾も本願の保護範囲内にあることに留意されたい。
100 回路基板
110a 第1の音響導入孔
110b 第2の音響導入孔
200 シールドカバー
210 音響キャビティ
300 シリコンベースマイクロフォンチップ
300a 第1のシリコンベースマイクロフォンチップ
300b 第2のシリコンベースマイクロフォンチップ
301 マイクロフォン構造体
301a 第1のシリコンベースマイクロフォンチップのマイクロフォン構造体
301b 第2のシリコンベースマイクロフォンチップのマイクロフォン構造体
302 バックキャビティ
302a 第1のシリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティ
302b 第2のシリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティ
310 背極板
310a 第1の背極板
310b 第2の背極板
311 気流孔
312 背極板電極
312a 第1の背極板の背極板電極
312b 第2の背極板の背極板電極
313 エアギャップ
320 半導体振動膜
320a 第1の半導体振動膜
320b 第2の半導体振動膜
321 半導体振動膜電極
321a 第1の半導体振動膜の半導体振動膜電極
321b 第2の半導体振動膜の半導体振動膜電極
330 シリコン基板
330a 第1のシリコン基板
330b 第2のシリコン基板
331 貫通孔
340 第1の絶縁層
350 第2の絶縁層
360 リード線
400 差動式制御チップ
500 隔離部材

Claims (10)

  1. 少なくとも2つの音響導入孔が開設されている回路基板と、
    前記回路基板の一側に覆設されて音響キャビティを形成するシールドカバーと、
    少なくとも2つのシリコンベースマイクロフォンチップであって、いずれも前記回路基板の一側に設置され、かつ前記音響キャビティ内に位置し、各前記シリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティが前記音響導入孔と一対一に対応して連通する、シリコンベースマイクロフォンチップと、
    差動式制御チップであって、すべての前記シリコンベースマイクロフォンチップのマイクロフォン構造体が順に電気的に接続された後、前記差動式制御チップの入力端子に電気的に接続される差動式制御チップと、を含むシリコンベースマイクロフォン装置。
  2. 前記シリコンベースマイクロフォンチップは、間隔をあけて積層して設置された背極板及び半導体振動膜を含み、
    前記背極板及び前記半導体振動膜は、前記マイクロフォン構造体の本体を構成し、
    前記背極板の前記音響導入孔に対応する部分にいくつかの気流孔が設けられている、請求項1に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  3. 各2つの前記シリコンベースマイクロフォンチップは、第1のシリコンベースマイクロフォンチップ及び第2のシリコンベースマイクロフォンチップを含み、
    前記第1のシリコンベースマイクロフォンチップの第1の背極板は、重畳信号を形成するために、前記第2のシリコンベースマイクロフォンチップの第2の背極板に電気的に接続される、請求項2に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  4. 前記第1のシリコンベースマイクロフォンチップの第1の半導体振動膜は、前記第2のシリコンベースマイクロフォンチップの第2の半導体振動膜に電気的に接続され、前記第1の半導体振動膜と前記第2の半導体振動膜とのうちの少なくとも1つは、定電圧源に電気的に接続するために用いられる、請求項3に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  5. 前記差動式制御チップは、前記音響キャビティ内に位置し、かつ前記回路基板に電気的に接続され、
    前記第1の背極板と前記第2の背極板とのうちの1つは、前記差動式制御チップの1つの信号入力端子に電気的に接続される、請求項3に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  6. 隔離部材をさらに含み、
    前記隔離部材は、前記音響キャビティ内に位置し、かつ前記音響キャビティを、少なくとも部分的に隣接する前記シリコンベースマイクロフォンチップのバックキャビティに対応するサブ音響キャビティに分割する、請求項1~5のいずれか1項に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  7. 前記隔離部材の一端は、前記シールドカバーに向かって延び、前記隔離部材の他端は、少なくとも前記シリコンベースマイクロフォンチップの前記回路基板から離れた側まで延びる、請求項6に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  8. 前記隔離部材の一端は前記シールドカバーに接続される、請求項7に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  9. 前記隔離部材の他端は前記回路基板の一側に接続される、請求項8に記載のシリコンベースマイクロフォン装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載のシリコンベースマイクロフォン装置を含む電子機器。
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