JP2023541296A - 格子を有するゴルフ・クラブ・ヘッド - Google Patents
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Abstract
内部格子構造を有するゴルフ・クラブ・ヘッドの実施形態が本明細書で説明される。ゴルフ・クラブ・ヘッドはアイアン型またはパター型クラブ・ヘッドであり得る。格子構造は、格子の有効密度プロファイルに相関する、変化するビーム厚さを有することができる。格子構造の有効密度は、0g/mm3から0.0075g/mm3の範囲であることができ、アイアンの場合は有益な慣性乗積値を、パターの場合は前方CG位置を達成する。アイアンの場合、慣性乗積Ixyは-40g・in2以上であることができる。慣性乗積Ixzは-25g・in2以下であることができ、それによって高および低フェース・インパクトの場合のサイドスピンが改善される。格子構造は、アイアンの高トウおよび低ヒール象限または領域内に質量を集中させて、慣性乗積値を達成することができる。他の実施形態が説明され特許請求され得る。【選択図】図4
Description
本願は、2020年9月14日に出願された米国仮出願第63/078,257号の利益を主張し、その内容を参照により本明細書に組み込む。
本開示は、全体として、ゴルフ用具に関し、より詳細には、アイアンおよびパターのゴルフ・クラブ・ヘッド、ならびにその製造方法に関する。
本明細書で説明されるのは、アイアン型およびパター型のゴルフ・クラブ・ヘッドである。アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドの寛容性は、クラブ・ヘッドの慣性モーメント(MOI)値に相当する。より大きいMOIは、クラブ・ヘッドのフェースに対するオフセンター打撃の、特にフェースのヒール端またはトウ端により近い打撃のショット精度を向上させる。さらに、慣性乗積(POI)と呼ばれる場合が多い軸外の慣性モーメント値は、トップ・レールまたはソールにより近い打撃に対するサイドスピン応答に影響を及ぼす。多くの場合、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド本体は、全体を通して均一な密度を備える単一材料から形成される。しかしながら、いくつかのアイアン設計では、単一のヘッド設計に複数の材料を用いることによって、または高密度ウェイトをクラブ・ヘッドの周囲に取り付けることによってMOIを増加させている。しかしながら、質量を位置決めするこれらの手段は、MOIを増加させ、最適なPOIに近付け、望ましくは重心(CG)を配置することにその能力が限定される。当該分野において、耐久性を一切損なうことなく、寛容性のための高いMOIと、サイドスピンの利益のために望ましいPOIとを達成することができる、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドが必要とされている。
アイアン型クラブ・ヘッドと同様に、パターは、単一材料から形成された中実本体を備える場合が多い。パターの性能は、パット中のボールのオフライン移動に相関する、水平打出し角によって定量化することができる。水平打出し角は、パター・ヘッドの重心(CG)の位置によって影響される場合がある。CGをパター内に位置決めすることは、質量をシフトさせることによって達成することができる。質量をシフトさせるには、材料を周囲に追加するか、または中心から除去しなければならない。当該分野において、耐久性を一切損なうことなく、高いMOIおよび有益なCG位置を達成することができる、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドが必要とされている。
本明細書で説明するゴルフ・クラブ・ヘッドは、ゴルフ・クラブ・ヘッドが、高いMOI値、望ましいPOI値、および/または有益なCG位置を一貫して達成することを可能にする、格子構造を備える。ゴルフ・クラブ・ヘッドの本体は、質量を戦略的に分配して、アイアンでの高および低ミスショットにおけるサイドスピンを低減し、パターでのヒールおよびトウ・ミスショットにおける水平打出し角を低減する、格子構造が占めることができる、内部キャビティを備えることができる。
本明細書で説明するアイアン型クラブ・ヘッドの場合、格子構造は、内部キャビティを占め、質量を分配して、格子構造がない同様のクラブ・ヘッドよりもそれぞれ15%~50%および5%~45%の改善をもたらすIxyおよびIxzの慣性乗積(POI)値を達成する、キャビティ内の可変の密度プロファイルを作ることができる。可変の密度格子構造によって、クラブ・ヘッドの異なる象限または領域において質量を増加または低減させて、所望の非対称性をもたらすことが可能になる。より具体的には、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドは、それらの象限または領域内の格子構造のビーム厚さを増加させることによって、高トウ領域および低ヒール領域で重み付けすることができる。各格子ユニットのビーム厚さは、格子ユニットの有効密度に相関する。いくつかの設計では、ビーム厚さ、およびしたがって有効密度は、ソール-トップ・レール方向および前後方向のうち1つまたは複数で変更される。格子構造の有効密度プロファイルは、内部キャビティにわたって、クラブ・ヘッドに、-10g・in2から-40g・in2の慣性乗積値Ixyおよび-45g・in2から-65g・in2の慣性乗積値Ixzを機能的に達成させることができる。これらのPOI値は、打撃フェースの中心の上および下のミスショットにおいてサイドスピンを最大40%低減することができる。
本明細書で説明するパター型クラブ・ヘッド、特にマレットおよびミッドマレットの場合、格子構造は、内部キャビティを少なくとも部分的に占めて、質量を前方に、かつ重心が格子構造を含まずに配置されるであろうベースライン重心(CG’)から離して分配することができる。内部キャビティの一部分は格子構造の空隙であることができる。この空隙は、中心基準形状として規定することができる。中心基準形状(空隙)のサイズを増加させることによって、格子構造をクラブ・ヘッドの周囲に向かってさらに押しやり、したがって慣性モーメント(MOI)値を増加させることができる。中心基準形状(空隙)を後方にシフトさせることによって、より多くの格子構造およびゴルフ・クラブ・ヘッド材料をフェースに向かって位置決めして、重心(CG)を前方に移動することができる。
格子構造を使用してCGを前方に移動させることによって、ヒールおよびトウのオフセンター・インパクトに対するギアリング効果が低減される。ギアリングの低減は、より小さい水平打出し角につながり、したがってより真っ直ぐなパットにつながる。例えば、マレット型クラブ・ヘッドでは、CGを前方にクラブ・ヘッドの周囲に向かって(CGから離れる方向に)押しやる格子構造を含むことで、格子構造がない同様のマレット・クラブ・ヘッドと比較して、水平打出し角の大きさを低減することができる。したがって、本明細書で説明するマレットおよびミッドマレット型ゴルフ・クラブ・ヘッドは、マレットおよびミッドマレット型パターの高く評価されている感触、外観、および音質を保持したまま、ブレード型パターの最小水平打出し角に近付けることによって、より真っ直ぐなパットを達成することができる。本明細書で説明するパター型クラブ・ヘッドはいずれも、特定のパット・ストロークのタイプに好都合な重心位置を有して設計することができる。
定義
「打撃フェース」という用語は、本明細書で使用するとき、ゴルフ・ボールを打撃するように構成されたクラブ・ヘッド前面を指すことができる。打撃フェースは、単に「フェース」と呼ばれる場合がある。
「打撃フェース」という用語は、本明細書で使用するとき、ゴルフ・ボールを打撃するように構成されたクラブ・ヘッド前面を指すことができる。打撃フェースは、単に「フェース」と呼ばれる場合がある。
「打撃フェース周囲」という用語は、本明細書で使用するとき、打撃フェースの縁部を指すことができる。打撃フェース周囲は、曲率が打撃フェースのバルジおよび/またはロールから逸脱する、打撃フェースの外縁部に沿って配置することができる。
「フェース高さ」という用語は、本明細書で使用するとき、打撃フェース周囲の上端と打撃フェース周囲の下端との間のロフト面に平行に測定した距離を指すことができる。
「幾何学的中心点」という用語は、本明細書で使用するとき、打撃フェース周囲の、打撃フェースのフェース高さの中点にある幾何学的中心点を指すことができる。同じ例または他の例では、幾何学的中心点はまた、打撃フェース上の溝の領域によって定義することができる、改変されたインパクト領域に対して心出しすることができる。別の方策として、打撃フェースの幾何学的中心点は、全米ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ運営組織の定義にしたがって配置することができる。例えば、打撃フェースの幾何学的中心点は、USGAのゴルフ・クラブ・ヘッド柔軟性測定手順(USGA-TPX3004、Rev.1.1.0、2008年5月1日)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf-Club-Head/で入手可能)(「柔軟性手順」)のセクション6.1にしたがって決定することができる。
フェースの「中心」(または「フェース中心」)という用語は、本明細書で使用するとき、CGの投影であるフェース上の点を指すことができ、中心およびCGは、(以下に定義するように)ロフト面にほぼ垂直な共通の線上にある。フェース中心の上方にインパクトするショットは動的ロフティングを引き起こす。フェース中心の下方にインパクトするショットは動的ディロフティングを引き起こす。
「中心領域」という用語は、本明細書で使用するとき、CGの前方かつ上方に位置する打撃フェースの領域を指すことができる。換言すれば、CGから上に延在する(以下に定義するように、Y軸に沿った)鉛直線、およびCGから打撃フェースに向かって前方に延在する(以下に定義するように、X軸に沿った)水平線は、中心領域の境界で打撃フェースと交差する。中心領域は、トウ付近の打撃フェースの端部から、ヒール付近の打撃フェースの反対側の端部まで延在する。
「地面」という用語は、本明細書で使用するとき、ゴルフ・ボールが配置される表面と関連付けられた基準面を指すことができる。
「ロフト面」という用語は、本明細書で使用するとき、打撃フェースの幾何学的中心点に接する基準面を指すことができる。
「ロフト角」という用語は、本明細書で使用するとき、地面とロフト面との間で測定される角度を指すことができる。
「ライ角」という用語は、本明細書で使用するとき、ホーゼルを通って延在するホーゼル軸と地面との間の角度を指すことができる。ライ角は正面図から測定される。
「アイアン」という用語は、本明細書で使用するとき、いくつかの実施形態において、ロフト角が約50度未満、約49度未満、約48度未満、約47度未満、約46度未満、約45度未満、約44度未満、約43度未満、約42度未満、約41度未満、または、約40度未満のアイアン型のゴルフ・クラブ・ヘッドを指すことができる。さらに、いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッドのロフト角は、16度よりも大きく、17度よりも大きく、18度よりも大きく、19度よりも大きく、20度よりも大きく、21度よりも大きく、22度よりも大きく、23度よりも大きく、24度よりも大きく、または、25度よりも大きい。
ゲームインプルーブメントアイアンまたは一般的なアイアンのような多くの実施形態において、クラブ・ヘッドの体積は、約65cc未満、約60cc未満、約55cc未満、または、約50cc未満である。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッドの体積は、約50ccから60cc、約51ccから53cc、約53ccから55cc、約55ccから57cc、または、約57ccから59ccである。
ツアーアイアンのような多くの実施形態において、クラブ・ヘッドの体積は、約45cc未満、約40cc未満、約35cc未満、または、約30cc未満である。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッドの体積は、約31ccから38cc(1.9立方インチから2.3立方インチ)、約31ccから33cc、約33ccから35cc、約35ccから37cc、または、約37ccから39ccである。
いくつかの実施形態において、アイアンは、180グラムから260グラムの間、190グラムから240グラムの間、200グラムから230グラムの間、210グラムから220グラムの間、または、215グラムから220グラムの間の総質量を備えることができる。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッドの総質量は、215グラム、216グラム、217グラム、218グラム、219グラム、または、220グラムである。
「パター」という用語は、いくつかの実施形態において、ロフト角が10度未満のパター型クラブ・ヘッドを指すことができる。多くの実施形態において、パターのロフト角は、0度から5度、0度から6度、0度から7度、または、0度から8度とすることができる。例えば、クラブ・ヘッドのロフト角は、10度未満、9度未満、8度未満、7度未満、6度未満、または、5度未満とすることができる。例えばさらに、クラブ・ヘッドのロフト角は、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、または、10度とすることができる。パター型ゴルフ・クラブ・ヘッドは、ブレード型パター、ミッドマレット型パター、マレット型パターとすることができる。ミッドマレット型パターを説明する原理及び構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、ブレード型パターおよび/またはマレット型パターに適用可能であることを理解されたい。
いくつかの実施形態において、パターは、320グラムから400グラムの間、330グラムから390グラムの間、340グラムから380グラムの間、350グラムから380グラムの間、または、365グラムから370グラムの間の総質量を備えたミッドマレット型クラブ・ヘッドとすることができる。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッドの総質量は、365グラム、366グラム、367グラム、368グラム、369グラム、または、370グラムである。
「ゴルフ・クラブ・ヘッド」という用語は、本明細書で使用するとき、フェース、ソール、クラウンまたはトップ・レール、トウ端、およびヒール端を備えるゴルフ・クラブ要素を指すことができる。ゴルフ・クラブ・ヘッドはまた、外表面および内表面を備えることができる。内表面は内部キャビティまたは中空部分の境界を定める。ゴルフ・クラブ・ヘッドに関して本明細書で説明する格子構造および利益は、ドライバー、フェアウェイ、または、ハイブリッド型ゴルフ・クラブ・ヘッドなど、ウッド型クラブ・ヘッドに適用することを意図しない。
ゴルフ・クラブ・ヘッドは、重心を中心とする座標系を備える。座標系は、X軸、Y軸、およびZ軸を備える。X軸はヒール-トウ方向に延在する。X軸は、ヒールに向かって正、トウに向かって負である。Y軸は、ソール-クラウン方向に延在し、Z軸およびX軸の両方に直交する。Y軸は、クラウンに向かって正、ソールに向かって負である。Z軸は、地面に平行に、前後に延在し、X軸およびY軸の両方に直交する。Z軸は、前方に向かって正、後方に向かって負である。
ゴルフ・クラブ・ヘッドは、打撃フェースの前縁部のすぐ近くの原点を中心とする第2の座標系をさらに備える。原点は、ロフト面が地面に交差するところに配置される。原点はまた、打撃フェースの幾何学的中心点に交差し、地面に対して垂直である、鉛直な前後面内にある。この二次座標系は、X’軸、Y’軸、およびZ’軸を備える。X’軸は、ヒール-トウ方向に延在し、クラブ・ヘッドのヒール端に向かって正である。Y’軸は、ソール-クラウン(またはソール-トップ・レール)方向に延在し、クラウン(またはトップ・レール)に向かって正である。Z’軸は、前後方向に延在し、前方に向かって正である。
「慣性モーメント」(以下、「MOI」)という用語は、CGを中心にして測定した値を指すことができる。「Ixx」という用語は、X軸に平行なヒール-トウ方向で測定したMOIを指すことができる。「Iyy」という用語は、Y軸に平行なソール-トップ・レール(またはソール-クラウン)方向で測定したMOIを指すことができる。「Izz」という用語は、Z軸に平行な前後方向で測定したMOIを指すことができる。MOI値Ixx、Iyy、およびIzzは、ゴルフ・ボールとのオフセンター・インパクトをクラブ・ヘッドがどの程度許容するかを決定する。
「慣性乗積」(以下、「POI」)という用語は、第1の軸を中心にしたゴルフ・クラブ・ヘッドの対称性を、第2の軸を中心にしたクラブ・ヘッドの対称性に関連させることができる。2つの軸を中心にした慣性乗積の大きさがゼロに近付くほど、ゴルフ・クラブ・ヘッドが対称的に均衡するので、ゴルフ・クラブ・ヘッドがそれらそれぞれの軸を中心にして同時に回転する可能性が低くなる。慣性乗積は、正または負のどちらかの値を有することができる。正の慣性乗積の場合、第1の軸を中心にしたゴルフ・クラブ・ヘッドの正回転は、第2の軸を中心にしたゴルフ・クラブ・ヘッドの負回転を作る。逆に、負の慣性乗積の場合、第1の軸を中心にしたゴルフ・クラブ・ヘッドの正回転は、第2の軸を中心にしたゴルフ・クラブ・ヘッドの正回転を作る。
「好ましいPOI」、「望ましいPOI」、または「改善されたPOI」という用語は、同様の特徴を備えるが格子構造を有さない対照クラブ・ヘッドと比較した場合に、標的POIに近付く、クラブ・ヘッドの1つまたは複数の慣性乗積値を指すことができる。
ゴルフ・クラブ・ヘッドは、高トウ象限、低トウ象限、高ヒール象限、および低ヒール象限に分割することができる。象限は、正面図からX軸およびY軸によって分割され、ロフト面に直交する方向で後方に延在する。具体的には、「高トウ象限」という用語は、X軸が負であってY軸が正であるゴルフ・クラブ・ヘッドの区画を指す。「低トウ象限」という用語は、X軸が負であってY軸が負であるゴルフ・クラブ・ヘッドの区画を指す。「高ヒール象限」という用語は、X軸が正であってY軸が正であるゴルフ・クラブ・ヘッドの区画を指す。「低ヒール象限」という用語は、X軸が正であってY軸が負であるゴルフ・クラブ・ヘッドの区画を指す。
本明細書で説明するのは、本体の中実部分である。格子構造の有効密度は、ゴルフ・クラブ・ヘッドの異なる領域にわたって変動するかまたは一定のままであることができる。変動する密度プロファイルは、各格子ユニット内のユニット足場のビーム厚さを変更することによって達成することができる。格子構造は、アイアン型またはパター型どちらかのゴルフ・クラブ・ヘッドで使用することができる。一部のアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドでは、格子構造密度プロファイルは、高トウおよび低ヒール象限または領域に質量を追加し、低トウおよび高ヒール象限または領域の質量を低減するように設計することができる。同様に、一部のアイアンの場合、格子構造密度プロファイルは、前トウおよび後ヒールに質量を追加し、後トウおよび前ヒール象限または領域の質量を低減するように設計することができる。格子構造を用いて質量を分散させることによって、高および低ミスショットにおけるスピン特性を改善する、特定の慣性乗積値を達成することができる。
一部のパター型ゴルフ・クラブ・ヘッドでは、格子構造は、本体の周囲に質量を追加し、本体の中心から質量を除去するように設計することができる。内部キャビティは、部分的または完全に格子状であることができる。部分的に格子状の実施形態では、格子構造を中心基準形状から除外して、クラブ・ヘッドの周囲に向かって質量を押しやることができる。加えて、格子構造を使用して、クラブ・ヘッドの後部から質量を除去して、格子構造がない同様のパター・ヘッドと比較して重心を前方にシフトすることができる。前方に位置決めされたCGを有するパター・ヘッドは、それと比較してCGが後方に位置決めされたパター・ヘッドよりも小さい水平打出し角を示すことができる。特に、CGが前方に位置決めされたマレットまたはミッドマレットのパター・ヘッドは、格子構造がないマレットまたはミッドマレットよりもブレード型パターに近い性能を示すことができる。したがって、本明細書で説明する格子構造を、マレットまたはミッドマレット型パター・ヘッドに組み入れて、ブレード型パターと同様の望ましい性能上の利益を有しつつ、マレットまたはミッドマレットのような見た目、感触、および音をもつパター・ヘッドを作ることができる。
以下、格子構造について説明し、続いて、格子構造を有するアイアンの実施形態および格子構造を有するパターの実施形態について説明する。格子構造を含めることによって達成される性能上の利益は、アイアン型クラブ・ヘッドとパター型クラブ・ヘッドとで異なる。しかしながら、格子構造を通して質量を戦略的に再分配できることは、以下に説明するすべての例示的なゴルフ・クラブ・ヘッド全体で共通である。
格子構造
図1~図4に示されるように、ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、内部キャビティ120内に格子構造130を備えることができる。格子構造130は、クラブ・ヘッド100の部分に質量を追加するため、およびそこから質量を除去するためのどちらにも使用することができる。例えば、格子構造130は、特定の位置に任意の質量を追加するように内部キャビティ120内で構築することができ、あるいは格子構造130は、低トウ175など、ゴルフ・クラブ・ヘッド100の特定の周辺領域に一般的に位置決めされる、質量を置き換えるかまたは取り出すことができる。いくつかの実施形態では、格子構造130は、少なくとも部分的に内部キャビティ120を占める。格子構造130は複数の格子ユニット134に分割することができる。各格子ユニット134は格子構造130内の指定領域である。複数の格子ユニット134は併せて格子構造130を形成する。各格子ユニット134は、空き空間138に取り囲まれたユニット足場136で形成することができる。ユニット足場136は、格子ユニット134内の材料または構造部分であることができる。ユニット足場136は、接続または交差して支持形状を形成する、1つもしくは複数のビーム137を有することができる。
図1~図4に示されるように、ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、内部キャビティ120内に格子構造130を備えることができる。格子構造130は、クラブ・ヘッド100の部分に質量を追加するため、およびそこから質量を除去するためのどちらにも使用することができる。例えば、格子構造130は、特定の位置に任意の質量を追加するように内部キャビティ120内で構築することができ、あるいは格子構造130は、低トウ175など、ゴルフ・クラブ・ヘッド100の特定の周辺領域に一般的に位置決めされる、質量を置き換えるかまたは取り出すことができる。いくつかの実施形態では、格子構造130は、少なくとも部分的に内部キャビティ120を占める。格子構造130は複数の格子ユニット134に分割することができる。各格子ユニット134は格子構造130内の指定領域である。複数の格子ユニット134は併せて格子構造130を形成する。各格子ユニット134は、空き空間138に取り囲まれたユニット足場136で形成することができる。ユニット足場136は、格子ユニット134内の材料または構造部分であることができる。ユニット足場136は、接続または交差して支持形状を形成する、1つもしくは複数のビーム137を有することができる。
格子構造130は、格子アレイ、構造アレイ、グリッドワーク、メッシュ、フレームワーク、スケルトン、または、内部格子と呼ばれる場合もある。格子構造130は格子状領域を占めることができる。格子構造130(または格子状領域)は、総格子体積および充填体積を備えることができる。総格子体積は、格子130が占める体積、より具体的には、格子構造130の最周辺点135(またはビーム端部)によって規定される表面によって境界が定められる体積である。換言すれば、格子構造130(または格子状領域)は、総格子体積をカバーするか、占めるか、またはその全体にわたって広がる。総格子体積は空き空間138を含むことができる。格子構造130(または格子状領域)は、内部キャビティ120体積の20%から100%の間をカバーすることができる。いくつかの実施形態において、格子構造130(または格子状領域)は、内部キャビティ120体積の20%から30%、30%から40%、40%から50%、50%から60%、60%から70%、70%から80%、80%から90%、または、90%から100%をカバーする。いくつかの実施形態において、総格子体積は、0立方インチから4立方インチ(0立方センチ(cc)から65.5cc)とすることができる。総格子体積は、0立方インチから1立方インチ(0立方センチ(cc)から16.4cc)、1立方インチから2立方インチ(16.4ccから32.8cc)、2立方インチから2.5立方インチ(32.8ccから41.0cc)、2.5立方インチから3.0立方インチ(41.0ccから49.2cc)、または、3.0立方インチから4.0立方インチ(49.2ccから65.58cc)とすることができる。いくつかの実施形態において、総格子体積は、約2.6立方インチ(42.6cc)とすることができる。
充填体積は、複数の格子ユニット134のユニット足場136によって占められた体積である(即ち、空き空間138を含まない)。充填体積は、総格子体積の約5%から90%とすることができる。換言すると、ユニット足場136は、総格子体積の約5%から90%を占めることができる。いくつかの実施形態において、充填体積は、総格子体積の約20%から80%、約30%から70%、約40%から60%、約5%から15%、約5%から20%、約5%から30%、約5%から40%、約5%から50%、または、約45%から75%とすることができる。
格子構造130の(または格子状領域の)有効密度は、ユニット足場136の総質量を総格子体積で割った値に等しいものであることができる。有効密度はユニット足場のビーム厚さによって決定される。後述するように、ビーム厚さがより厚いほど、有効密度がより高くなる。有効密度はユニット足場136の材料密度よりも低い。格子構造130の有効密度は、0g/mm3から0.0075g/mm3の間の範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、有効密度は、0g/mm3から0.001g/mm3の間、0.001g/mm3から0.002g/mm3の間、0.002g/mm3から0.003g/mm3の間、0.003g/mm3から0.004g/mm3の間、0.004g/mm3から0.005g/mm3の間、0.005g/mm3から0.006g/mm3の間、0.006g/mm3から0.007g/mm3の間、0.007g/mm3から0.0075g/mm3の間、0g/mm3から0.004g/mm3の間、0.002g/mm3から0.006g/mm3の間、または、0.004g/mm3から0.0075g/mm3の間の範囲とすることができる。格子構造130の有効密度は、以下で説明するように、ユニット足場のビーム厚さに関連することができる。
格子構造130は有効密度プロファイルを有することができる。有効密度は、格子構造130全体にわたって一定(かつ均一)であることができ、または変化する(かつ不均一である)ことができる。いくつかの実施形態では、有効密度は径方向で変化することができる。例えば、有効密度は、CGからの距離が増加するにつれて増加することができる。いくつかの実施形態では、有効密度は一方向でのみ変化することができる。例えば、格子構造有効密度は、ヒール-トウ方向(X軸に平行)、前後方向(Z軸に平行)、または、上下方向(Y軸に平行)のうち1つで変化することができる。いくつかの実施形態では、密度プロファイルは、ヒール-トウ方向、前後方向、または、上下方向のうち2つ以上の組み合わせである単一方向で変化することができる。他の実施形態では、有効密度は2つ以上の方向で変化することができる。さらに、格子構造有効密度は線形的または非線形的に変化することができる。いくつかの実施形態では、格子構造有効密度は、第1の方向で線形的に、第2の方向で非線形的に変化することができる。
いくつかの実施形態では、有効密度は、約0.0005g・mm3/cmから0.0015g・mm3/cm(約0.0013g・mm3/インチから約0.0038g・mm3/インチ)の平均割合で変化することができる。例えば、有効密度は、約0.001g・mm3/cm(約0.0025g・mm3/インチ)の平均割合で変化することができる。
ビーム
図5A~図5Cを参照すると、複数の格子ユニットの各格子ユニット134は節点ネットワーク140を備えることができる。節点ネットワーク140は、ノード142と、ノード142に接続された複数のビーム137(またはロッド)と、を備えることができる。換言すれば、各ユニット足場136(節点ネットワーク140と同様)は、複数のビーム137で形成することができる。
図5A~図5Cを参照すると、複数の格子ユニットの各格子ユニット134は節点ネットワーク140を備えることができる。節点ネットワーク140は、ノード142と、ノード142に接続された複数のビーム137(またはロッド)と、を備えることができる。換言すれば、各ユニット足場136(節点ネットワーク140と同様)は、複数のビーム137で形成することができる。
各ユニット足場136のビーム137は、単純立方、体心立方、面心立方、円柱、複数の円柱、ダイヤモンド、蛍石、オクテット、切頂立方体、切頂八面体、ケルビン・セル、アイソトラス、凹角多角形、ウィア-フェラン、三角形ハニカム、回転三角形ハニカム、六角形ハニカム、凹角多角形ハニカム、回転正方形ハニカム、正方形ハニカム、面心立方発泡体、体心立方発泡体、単純立方発泡体、六角柱ダイヤモンド、六角柱エッジ、六角柱頂点重心、六角柱中心軸エッジ、六角柱ラーベス相、3八面型頂点重心、および、八面型頂点重心を含むがそれらに限定されない、幾何学構造を形成することができる。
蛍石構造は、図5Aに示されるように配置された、相互接続するビーム137を備える。凹角多角形構造は、図5Bに示されるように配置された、相互接続するビーム137を備える。ダイヤモンド構造は、図5Cに示されるように配置された、相互接続するビーム137を備える。他の実施形態では、ユニット足場136は、他の幾何学構造および/またはビーム配置を有することができる。各ユニット足場136の最外ビーム端部135は、隣接するユニット足場と一体的に接続するように構成することができる。
図5Aから5Cを参照すると、1以上のビーム137はそれぞれ、ビーム厚さ144(円柱ビームのビーム直径とされる)を備えることができる。ビーム厚さ144は、0mmから5mmの間の範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、ビーム厚さ144は、0mmから1mmの間、1mmから2mmの間、2mmから3mmの間、3mmから4mmの間、または、4mmから5mmの間とすることができる。一定の有効密度プロファイルを有する実施形態において、ビーム厚さ144は、格子構造130を通して一定(または、均一)とすることができる。
図6のグラフを参照すると、ビーム厚さ144は、格子構造130の有効密度に相関することができる。例えば、1mm以下のビーム厚さ144は、0.001g/mm3未満の有効密度に相関することができる。さらなる例として、2mmから3mmのビーム厚さ144は、0.002g/mm3から0.005g/mm3の範囲内の有効密度に相関することができる。図6のグラフ化した相関では、クラブ・ヘッド材料の中実立方体はステンレス鋼であり、約0.0078g/mm3の密度を有することができる。異なるクラブ・ヘッド材料および材料密度の実施形態では、ビーム厚さ144と有効密度との間の相関は、図6のグラフとは数値が異なり得るが、同様の傾向に沿っている。
有効密度プロファイルが変化する実施形態では、ビーム厚さ144は格子構造130全体を通して変化することができる。いくつかの実施形態では、ビーム厚さ144は、格子構造130にわたって、任意の方向に約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または、10倍増加することができる。いくつかの実施形態では、ビーム厚さ144は、格子構造130にわたって、任意の方向に約0%から50%、50%から100%、100%から200%、200%から300%、300%から400%、400%から500%、500%から600%、600%から700%、700%から800%、800%から900%、または、900%から1000%増加することができる。いくつかの実施形態では、ビーム厚さ144はすべての方向に同じ分量増加する。他の実施形態では、ビーム厚さ144はいくつかの方向に異なる分量増加する。
ユニット足場
複数のビーム144は、ユニット足場136を形成することができる。複数の格子ユニットの各格子ユニット134は、ユニット足場136を備えることができる。ユニット足場136は、ユニット構造、ユニット・スケルトン、または、ユニット・フレームと呼ばれる場合もある。ユニット足場136は、各格子ユニット134の構造部分である。ユニット足場136は、格子構造130にかかる応力および負荷を支える。各格子ユニット134の残りは、空隙、空き、および/または構造材料がない部分である。ユニット足場136がない格子ユニット134の部分は、ユニット空隙138と呼ばれる場合がある。ユニット足場136が占める体積は、ユニット空隙138の体積と比較して、各格子ユニット134の有効密度を決定する。格子ユニット134の有効密度は、格子状領域の異なる部分内で変化することができる。格子ユニット134の変化する有効密度により、クラブ・ヘッド100の周囲に向かう質量集中が可能になる。複数の格子ユニット134が格子構造130を構成するので、格子構造130の全体的な有効密度プロファイルは個々の格子ユニット134の密度によって決定される。
複数のビーム144は、ユニット足場136を形成することができる。複数の格子ユニットの各格子ユニット134は、ユニット足場136を備えることができる。ユニット足場136は、ユニット構造、ユニット・スケルトン、または、ユニット・フレームと呼ばれる場合もある。ユニット足場136は、各格子ユニット134の構造部分である。ユニット足場136は、格子構造130にかかる応力および負荷を支える。各格子ユニット134の残りは、空隙、空き、および/または構造材料がない部分である。ユニット足場136がない格子ユニット134の部分は、ユニット空隙138と呼ばれる場合がある。ユニット足場136が占める体積は、ユニット空隙138の体積と比較して、各格子ユニット134の有効密度を決定する。格子ユニット134の有効密度は、格子状領域の異なる部分内で変化することができる。格子ユニット134の変化する有効密度により、クラブ・ヘッド100の周囲に向かう質量集中が可能になる。複数の格子ユニット134が格子構造130を構成するので、格子構造130の全体的な有効密度プロファイルは個々の格子ユニット134の密度によって決定される。
格子ユニット
格子構造130は、複数の格子ユニット134を備えることができる。各格子ユニット134は、複数のビーム137で形成されたユニット足場136と、ユニット空隙138と、を備えることができる。ユニット空隙138は、多くの場合、ユニット足場136を取り囲む空き空間であることができる。複数の格子ユニット134は、立方体(最も一般的)、菱形十二面体、切頂八面体、三角柱、四角柱、六角柱、または他の任意の好適なプレシオヘドロン(形状充填多面体)など、三次元でモザイク状にすることができる、任意の形状を有することができる。
格子構造130は、複数の格子ユニット134を備えることができる。各格子ユニット134は、複数のビーム137で形成されたユニット足場136と、ユニット空隙138と、を備えることができる。ユニット空隙138は、多くの場合、ユニット足場136を取り囲む空き空間であることができる。複数の格子ユニット134は、立方体(最も一般的)、菱形十二面体、切頂八面体、三角柱、四角柱、六角柱、または他の任意の好適なプレシオヘドロン(形状充填多面体)など、三次元でモザイク状にすることができる、任意の形状を有することができる。
格子構造130(または格子状領域)全体と同様に、各格子ユニット134は、総ユニット体積および充填ユニット体積を備える。総ユニット体積は、格子ユニット134が占める体積である。各格子ユニット134は、約0.007立方インチから1.700立方インチの間の総ユニット体積を備えることができる。いくつかの実施形態において、各格子ユニット134は、約0.007立方インチから0.010立方インチの間、約0.010立方インチから0.050立方インチの間、約0.050立方インチから0.100立方インチの間、約0.100立方インチから0.150立方インチの間、約0.150立方インチから0.200立方インチの間、約0.200立方インチから0.300立方インチの間、約0.300立方インチから0.400立方インチの間、約0.400立方インチから0.500立方インチの間、約0.500立方インチから0.600立方インチの間、約0.600立方インチから0.700立方インチの間、約0.700立方インチから0.800立方インチの間、約0.800立方インチから0.900立方インチの間、約0.900立方インチから1.000立方インチの間、約1.0立方インチから1.1立方インチの間、約1.1立方インチから1.2立方インチの間、約1.2立方インチから1.3立方インチの間、約1.3立方インチから1.4立方インチの間、約1.4立方インチから1.5立方インチの間、約1.5立方インチから1.6立方インチの間、または、約1.6立方インチから1.7立方インチの間の総ユニット体積を備えることができる。格子ユニット134の総ユニット体積は、格子構造130の支持強度及び重量に影響することができる。総ユニット体積は、複数の格子ユニット内の格子ユニット134の数を決定する。
充填ユニット体積は、ユニット足場136によって占められる体積である。充填ユニット体積は、総ユニット体積の5%から95%とすることができる。いくつかの実施形態において、充填ユニット体積は、総ユニット体積の約20%から80%、約30%から70%、約40%から60%、約5%から15%、約5%から20%、約5%から30%、約5%から40%、約5%から50%、または、約45%から75%とすることができる。総ユニット体積に対する充填ユニット体積の比は、同じ格子構造130(または、格子領域)内における格子構造134の間で変化することができる。
複数の格子ユニット134は、2から600の格子ユニット134を備えることができる。いくつかの実施形態において、複数の格子ユニット134は、2から10、4から8、5から8、5から10、10から20、10から50、50から100、100から150、150から200、200から250、250から300、300から350、350から400、400から450、450から500、500から550、または、550から600の格子ユニット134を備えることができる。いくつかの実施形態において、複数の格子ユニットは、10よりも多く、20よりも多く、50よりも多く、100よりも多く、200よりも多く、300よりも多く、400よりも多く、または、500よりも多く備えることができる。格子ユニット134の数は、格子構造130の支持強度、重量及び製造性に影響することができる。
いくつかの実施形態において、複数の格子ユニット134の各格子ユニット134は、5mmから30mm(0.197インチから1.181インチ)の辺長(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態において、各格子ユニット134は、5mmから10mm、10mmから15mm、15mmから20mm、20mmから25mm、25mmから30mmの辺長を備えることができる。いくつかの実施形態において、各格子ユニット134は、8mm以下(約0.31インチ)、10mm以下(約0.39インチ)、12mm以下(約0.47インチ)、14mm以下(約0.55インチ)、16mm以下(約0.63インチ)、18mm以下(約0.71インチ)、20mm以下(約0.79インチ)、25mm以下(約0.98インチ)、または、30mm以下(約1.18インチ)の計測された辺長を備えることができる。立方形状の格子ユニット134において、辺長は3次元(3D)形状の中で等しい。他の形状では、辺長は異なることができる。
超軽量フィラー
いくつかの実施形態では、各格子ユニット134のユニット空隙138は、超軽量フィラーで充填することができる。換言すれば、超軽量フィラーはユニット足場136を取り囲むか、またはその周りを埋めることができる。超軽量フィラーは、ポリマー樹脂、発泡体、ゴム、吸収性材料、または、他の任意の低密度フィラー材料であることができる。
いくつかの実施形態では、各格子ユニット134のユニット空隙138は、超軽量フィラーで充填することができる。換言すれば、超軽量フィラーはユニット足場136を取り囲むか、またはその周りを埋めることができる。超軽量フィラーは、ポリマー樹脂、発泡体、ゴム、吸収性材料、または、他の任意の低密度フィラー材料であることができる。
格子がない基準形状
図38を参照すると、内部キャビティ520が部分的にのみ格子構造530で満たされているいくつかの実施形態では、内部キャビティ520内の基準形状550は、格子構造530がないものであることができる。この基準形状550(格子の空隙または空き)は、ゴルフ・クラブ・ヘッドの中心から質量を除外した、中心である場合が多く、それによって周囲の重み付けが増す。いくつかの実施形態では、中心基準形状550は中心基準点552の周りに形成することができる。中心基準点552は、中心基準形状550の幾何学的中心点(重心)にあることができる。いくつかの実施形態では、中心基準点552は、内部キャビティ520内、フェース504内、または、フェース504の後方であって境界壁525の前方に配置することができる。中心基準点552の位置は、中心基準形状550の位置および続いて格子構造530の位置を規定する。
図38を参照すると、内部キャビティ520が部分的にのみ格子構造530で満たされているいくつかの実施形態では、内部キャビティ520内の基準形状550は、格子構造530がないものであることができる。この基準形状550(格子の空隙または空き)は、ゴルフ・クラブ・ヘッドの中心から質量を除外した、中心である場合が多く、それによって周囲の重み付けが増す。いくつかの実施形態では、中心基準形状550は中心基準点552の周りに形成することができる。中心基準点552は、中心基準形状550の幾何学的中心点(重心)にあることができる。いくつかの実施形態では、中心基準点552は、内部キャビティ520内、フェース504内、または、フェース504の後方であって境界壁525の前方に配置することができる。中心基準点552の位置は、中心基準形状550の位置および続いて格子構造530の位置を規定する。
図35および図38を参照すると、いくつかの実施形態では、中心基準点552は、クラブ・ヘッド500のベースライン重心(CG’)に位置決めすることができる。結果として、中心基準形状550はまた、クラブ・ヘッド500のベースラインCG(CG’)の周りに位置決めすることができる。CGを中心にして格子構造を置くことによって、クラブ・ヘッド500のCGを移動することなくMOIを上昇させることができる。しかしながら、多くの実施形態では、格子構造530を含めることによって、中心基準点552をCGからオフセットしてCG位置を意図的に変更することができる。
格子構造530は、径方向またはグリッド状パターンで、中心基準点552から離れてクラブ・ヘッド500の周囲に向かって延在することができる。不均一な格子構造密度を有する実施形態では、格子構造530の密度プロファイルは、中心基準点552からの距離に対して変化させることができる。
中心基準形状550は、球状、円筒状、多面体、角柱、立方体、または他の任意の三次元形状であることができる。中心基準形状550は、中心基準形状550の体積の境界を定める境界面554を備えることができる。中心基準形状550の境界面554は、格子状領域530の内側境界を形成することができる。不均一な格子構造密度を有する実施形態では、格子構造530の密度プロファイルは、中心基準形状550からの距離に対して変化させることができる。クラブ・ヘッド500のMOIは、格子構造530を中心基準形状550から除外することによって、ならびに/または任意に格子構造密度プロファイルを変化させることによって増加する。
中心基準形状550が大きくなると、格子構造530の体積は減少する。さらに、中心基準形状550がより大きいと、格子構造530(およびその固有の質量)がクラブ・ヘッド500の周囲付近またはそこに隣接して集中するので、クラブ・ヘッド全体のMOIを大きくすることができる。中心基準形状550が球状である実施形態では、中心基準球550は様々な直径値を備えることができる。いくつかの実施形態において、中心基準形状550は、0インチから3.0インチ(7.62センチメートル)の直径を備えることができる。いくつかの実施形態において、中心基準形状直径は、0インチから1.5インチ(3.81センチメートル)、1.5インチ(3.81センチメートル)から3.0インチ(7.62センチメートル)、0インチから1.0インチ(2.54センチメートル)、1.0インチ(2.54センチメートル)から2.0インチ(5.08センチメートル)、2.0インチ(5.08センチメートル)から3.0インチ(7.62センチメートル)、0.5インチ(1.27センチメートル)から1.5インチ(3.81センチメートル)、0インチから0.5インチ(1.27センチメートル)、0.5インチ(1.27センチメートル)から1.0インチ(2.54センチメートル)、1.0インチ(2.54センチメートル)から1.5インチ(3.81センチメートル)、1.5インチ(3.81センチメートル)から2.0インチ(5.08センチメートル)、2.0インチ(5.08センチメートル)から2.5インチ(6.35センチメートル)、または、2.5インチ(6.35センチメートル)から3.0インチ(7.62センチメートル)とすることができる。図35及び図38の実施形態はパター型クラブ・ヘッドを図示するが、説明される格子構造130はアイアン型クラブ・ヘッドにも適用可能である。
材料
ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、フェース材料および本体材料を備える。ほとんどの実施形態では、打撃フェース104はフェース材料を備え、本体は本体材料を備える。ほとんどの実施形態では、フェース材料は本体材料とは異なるが、いくつかの実施形態では、フェース材料は本体材料と同じであり得る。いくつかの実施形態では、本体は複数の金属材料を含むことができる。
ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、フェース材料および本体材料を備える。ほとんどの実施形態では、打撃フェース104はフェース材料を備え、本体は本体材料を備える。ほとんどの実施形態では、フェース材料は本体材料とは異なるが、いくつかの実施形態では、フェース材料は本体材料と同じであり得る。いくつかの実施形態では、本体は複数の金属材料を含むことができる。
フェース材料および本体材料は、チタン合金、鋼合金、アルミニウム合金、非晶質金属合金、または他の任意の金属もしくは金属合金などの金属合金を含むことができる。鋼または鋼合金の例としては、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、C300、C350、Ni(ニッケル)-Co(コバルト)-Cr(クロム)-鋼合金、8620合金鋼、S25C鋼、303SS、17-4SS、炭素鋼、マルエージング鋼、565鋼、AISIタイプ304ステンレス鋼、およびAISIタイプ630ステンレス鋼を挙げることができるが、それらに限定されない。チタン合金の例としては、Ti-6-4、Ti-3-8-6-4-4、Ti-10-2-3、Ti15-3-3-3、Ti15-5-3、Ti185、Ti6-6-2、Ti-7s、Ti-9s、Ti-92、およびTi-8-1-1チタン合金を挙げることができるが、それらに限定されない。
アイアン
上述したように、格子構造130は、慣性モーメント(MOI)の増加、慣性乗積(POI)の増加、および、CGの位置決めを含む、クラブ・ヘッド100の1つまたは複数の質量特性を最適化するため、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100に利用することができる。以下、慣性乗積を改善し、高または低ミスショットのサイドスピンを最大40%低減させる、格子構造を備える様々なアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドの実施形態について説明する。各クラブ・ヘッド100の実施形態は、フェース104、ソール110、トップ・レール108、トウ端112、ヒール端114、ホーゼル105、外表面122、および、内表面124を備えることができる。内表面124は内部キャビティ120(または中空部分)の境界を定める。内部キャビティ120は、全体を格子状にしてそれを格子構造130が完全に占めるようにすることができる。後に続くアイアン型クラブ・ヘッド200、300、400の実施形態は、第1のアイアン型クラブ・ヘッドの実施形態100と同様に、ただし200、300、または400の番号付与方式でラベリングされた(即ち、クラブ・ヘッド200は、打撃フェース204、ソール210、トップ・レール208などを備える)、同様の特徴を備えることができる。様々なクラブ・ヘッドの実施形態100、200、300、400は、格子構造130の配置、具体的には各特定の格子構造130の有効密度プロファイル、および質量の再配分に関する他の特徴以外は同様である。
上述したように、格子構造130は、慣性モーメント(MOI)の増加、慣性乗積(POI)の増加、および、CGの位置決めを含む、クラブ・ヘッド100の1つまたは複数の質量特性を最適化するため、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100に利用することができる。以下、慣性乗積を改善し、高または低ミスショットのサイドスピンを最大40%低減させる、格子構造を備える様々なアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドの実施形態について説明する。各クラブ・ヘッド100の実施形態は、フェース104、ソール110、トップ・レール108、トウ端112、ヒール端114、ホーゼル105、外表面122、および、内表面124を備えることができる。内表面124は内部キャビティ120(または中空部分)の境界を定める。内部キャビティ120は、全体を格子状にしてそれを格子構造130が完全に占めるようにすることができる。後に続くアイアン型クラブ・ヘッド200、300、400の実施形態は、第1のアイアン型クラブ・ヘッドの実施形態100と同様に、ただし200、300、または400の番号付与方式でラベリングされた(即ち、クラブ・ヘッド200は、打撃フェース204、ソール210、トップ・レール208などを備える)、同様の特徴を備えることができる。様々なクラブ・ヘッドの実施形態100、200、300、400は、格子構造130の配置、具体的には各特定の格子構造130の有効密度プロファイル、および質量の再配分に関する他の特徴以外は同様である。
図7および図8を参照すると、多くの実施形態では、格子構造130は、アイアン型クラブ・ヘッド100に、高有効密度の高トウ領域180および低ヒール領域183、ならびに低有効密度の低トウ領域181および高ヒール領域182を提供するように配置される。同様に、多くの実施形態では、格子構造130は、アイアン型クラブ・ヘッド100に、高有効密度の後トウ領域189および前ヒール領域190、ならびに低有効密度の前トウ領域188および後ヒール領域191を提供するように配置することができる。これらの特定の配置によって慣性乗積(POI)が増加し、それにより、打撃フェース104の中心116の上方または下方に当たるショットにおいて望ましくないサイドスピンが最大40%抑えられる。図7および図8を参照すると、クラブ・ヘッド100の様々な高および/または低領域を、格子構造130を含めることによって領域に質量が追加された、追加質量領域として提供することができ、他の高および/または低領域を、クラブ・ヘッド100の特定の周囲部分を取り出す(即ち、以前は中実であった材料を有効密度がより低い格子構造130と置き換える)ことによって質量が低減された、低減質量領域として提供することができる。特定の高および/または低領域では質量を追加し、他の領域では質量を低減することによって、好ましい非対称性を有し、POIが改善された、クラブ・ヘッド100が達成される。
図7を参照すると、アイアン型クラブ・ヘッド100は、質量を増加または低減させるクラブ・ヘッド100の潜在的領域を提供する、高トウ領域180、低トウ領域181、高ヒール領域182、および、低ヒール領域183を備える。高トウ領域180は、高トウ象限174内に位置することができ、高トウ境界線184とクラブ・ヘッド100の周囲との間で境界が定められる。低トウ領域181は、低トウ象限175内に位置することができ、低トウ境界線185とクラブ・ヘッド100の周囲との間で境界が定められる。高ヒール領域182は、高ヒール象限176内に位置することができ、高ヒール境界線186とクラブ・ヘッド100の周囲との間で境界が定められる。低ヒール領域183は、低ヒール象限177内に位置することができ、低ヒール境界線187とクラブ・ヘッド100の周囲との間で境界が定められる。各領域は、質量が様々な領域に追加されるかまたはそこから除去される際に周囲の重み付けおよびMOIを保存するため、クラブ・ヘッド100の周囲に向かって配置され、CGから離隔される。
上述したように、高トウ境界線184、低トウ境界線185、高ヒール境界線186、および、低ヒール境界線187はそれぞれ、高トウ領域181、低トウ領域182、高ヒール領域183、および、低ヒール領域184の境界を定める。図7の実施形態では、高トウ境界線184および低ヒール境界線187は、x軸1050およびy軸1060に沿った位置に関して、次式によって規定される。
逆に、低トウ境界線185および高ヒール境界線186は、x軸1050およびy軸1060に沿った位置に関して、次式によって規定される。
他の実施形態では、様々な領域の形状および/またはサイズは変化することができる。例えば、上記式で「0.35」および「-0.35」の値を有する因数は、結果として得られる領域が、好ましい非対称性を作り出し、かかる領域の質量を増加または除去することによってPOIを改善するのに好適なままである限り、様々な値をとることができる。換言すれば、境界線は多かれ少なかれ鋭く湾曲することができる。クラブ・ヘッド100の全体設計は、質量を追加または除去してPOIを改善するための最適な領域に影響を及ぼし得る。
アイアン型クラブ・ヘッド100のx軸1050およびy軸1060を中心にしたPOI(以下、「Ixy」)は、特定の高および/または低領域内に位置する質量の量を増加し、他の高および/または低領域の質量の量を低減することによって改善することができる。クラブ・ヘッド100は、x軸1050およびy軸1060に対して非対称の重み付けを備える。多くの実施形態では、高トウ領域180および低ヒール領域183は追加質量領域を備え、低トウ領域181および高ヒール領域182は低減質量領域を備える。各領域の質量は、格子構造130を含めることによって増加または低減させることができる。高トウ領域180および低ヒール領域183は、それらの領域における質量の全体量を増加させる、比較的高有効密度の格子構造130を備えることができる。逆に、低トウ領域181および高ヒール領域182は、それらの領域における質量が低減されるように、比較的低有効密度の格子構造130を備えるか、または格子構造をまったく有さないことができる。いくつかの実施形態では、低トウ領域181および高ヒール領域182は、格子構造130によって取り出されるクラブ・ヘッド100の周囲の部分を備えて、それらの領域の質量をさらに低減することができる。
クラブ・ヘッド100、200、300、400は、多い量の質量を高トウ領域180および低ヒール領域183に、少ない量の質量を低トウ領域181および高ヒール領域182に配分するように配置された、格子構造130を備える。格子構造130の有効密度を変化させることによって達成されるこの特定の配置により、サイドスピンの低減につながるIxyの増加がもたらされる。多くの実施形態では、高トウ領域180および/または低ヒール領域183は、低トウ領域181および/または高ヒール領域182よりも高い有効密度を備えることができる。いくつかの実施形態では、高トウ領域180および/または低ヒール領域183における格子構造130、230、330、430の有効密度は、約0.006g/mm3から約0.0075g/mm3の間の範囲であることができる。いくつかの実施形態において、高トウ領域180及び/または低ヒール領域183の格子構造130,230,330,430の有効密度は、0.006g/mm3から0.00625g/mm3の間、0.00625g/mm3から0.00650g/mm3の間、0.00650g/mm3から0.00675g/mm3の間、0.00675g/mm3から0.007g/mm3の間、0.007g/mm3から0.00725g/mm3の間、または、0.00725g/mm3から0.0075g/mm3の間の範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、高トウ領域180及び/または低ヒール領域183の格子構造130、230、330、430の有効密度は、0.006g/mm3から0.00675g/mm3の間、0.00625g/mm3から0.007g/mm3の間、0.0065g/mm3から0.00725g/mm3の間、または、0.00675g/mm3から0.0075g/mm3の間の範囲とすることができる。
上述したように、低トウ領域181及び/または高ヒール領域182の有効密度は、高トウ領域180及び/または低ヒール領域183の有効密度よりも明らかに小さくすることができる。いくつかの実施形態において、低トウ領域181及び/または高ヒール領域182の格子構造130,230,330,430の有効密度は、約0.0001g/mm3から約0.00075g/mm3の間の範囲であることができる。いくつかの実施形態において、低トウ領域181及び/または高ヒール領域182の格子構造130,230,330,430の有効密度は、0.0001g/mm3から約0.0002g/mm3の間、0.0002g/mm3から約0.0003g/mm3の間、0.0003g/mm3から約0.0004g/mm3の間、0.0004g/mm3から約0.0005g/mm3の間、0.0005g/mm3から約0.0006g/mm3の間、または、0.0006g/mm3から約0.00075g/mm3の間の範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、低トウ領域181及び/または高ヒール領域182の格子構造130,230,330,430の有効密度は、0.0001g/mm3から約0.0005g/mm3の間、0.0002g/mm3から約0.0006g/mm3の間、0.0003g/mm3から約0.0007g/mm3の間、または、0.0004g/mm3から約0.00075g/mm3の間の範囲とすることができる。
高トウ領域180および低ヒール領域183の質量を増加し、低トウ領域181および高ヒール領域182の質量を低減することによってもたらされる非対称性は、クラブ・ヘッド100のIxyを改善する。クラブ・ヘッド100におけるこの特定の非対称性は、増加した(即ち、より大きい正値またはより小さい負値の)Ixyを提供するのに望ましい。さらに詳細に後述するように、より大きい正値のIxyは、打ち損なって中心の上方または下方に当たったショットにおける望ましくないサイドスピンを減らす。
図8を参照すると、また上述したように、格子構造130はまた、アイアン型クラブ・ヘッド100に、高有効密度の後トウ領域189および前ヒール領域190、ならびに低有効密度の前トウ領域188および後ヒール領域191を提供するように配置することができる。アイアン型クラブ・ヘッドは、前トウ領域188、後トウ領域189、前ヒール領域190、および、後ヒール領域191を含む、質量を増加または減少させるクラブ・ヘッド100の潜在的領域を提供する、様々な前および/または後領域を備える。前トウ領域188は、前トウ境界線192とクラブ・ヘッド100の外表面122(即ち、打撃フェース104、ソール110などの表面)との間で境界が定められる。後トウ領域189は、後トウ境界線193とクラブ・ヘッド100の外表面122(即ち、打撃フェース104、ソール110、後部106、トップ・レール108などの表面)との間で境界が定められる。前ヒール領域190は、前ヒール境界線194とクラブ・ヘッド100の外表面122(即ち、打撃フェース104、ソール110、ホーゼル105などの表面)との間で境界が定められる。後ヒール領域191は、後ヒール境界線195とクラブ・ヘッド100の外表面122(即ち、ソール、後壁、トップ・レールなどの表面)との間で境界が定められる。各領域は、質量が様々な領域に追加されるかまたはそこから除去される際に周囲の重み付けおよびMOIを保存するため、CGから離隔される。
上述したように、前トウ境界線192、後トウ境界線193、前ヒール境界線194、および、後ヒール境界線195はそれぞれ、前トウ領域188、後トウ領域189、前ヒール領域190、および、後ヒール領域191の境界を定める。図8の実施形態では、後トウ境界線193および前ヒール境界線194は、x軸1050およびz軸1070に沿った位置に関して、次式によって規定される。
逆に、前トウ境界線192および後ヒール境界線195は、x軸1050およびz軸1070に沿った位置に関して、次式によって規定される。
他の実施形態では、様々な領域の形状および/またはサイズは変化することができる。例えば、上記式で「0.35」および「-0.35」の値を有する因数は、結果として得られる領域が、かかる領域の質量を増加または除去することによってPOIを改善するのに好適なままである限り、様々な値をとることができる。換言すれば、境界線は多かれ少なかれ鋭く湾曲することができる。クラブ・ヘッドの全体設計は、質量を追加または除去してPOIを改善するための最適な領域に影響を及ぼし得る。
アイアン型クラブ・ヘッド100のx軸1050およびz軸1070を中心にしたPOI(以下、「Ixz」)は、特定の前および/または後領域内に位置する質量の量を増加し、他の前および/または後領域の質量の量を低減することによって改善することができる。クラブ・ヘッド100は、x軸1050およびz軸1070に対して非対称の重み付けを備える。多くの実施形態では、前トウ領域188および後ヒール領域191は追加質量領域を備え、後トウ領域189および前ヒール領域190は低減質量領域を備える。各領域の質量は、格子構造130を含めることによって増加または低減させることができる。前トウ領域188および後ヒール領域191は、それらの領域における質量の全体量を増加させる、比較的高有効密度の格子構造130を備えることができる。逆に、後トウ領域189および前ヒール領域190は、それらの領域における質量が低減されるように、比較的低有効密度の格子構造130を備えるか、または格子構造をまったく有さないことができる。いくつかの実施形態では、後トウ領域189および前ヒール領域190は、格子構造130によって取り出されるクラブ・ヘッド100の周囲の部分を備えて、それらの領域の質量をさらに低減することができる。
前トウ領域188および後ヒール領域191の質量を増加し、後トウ領域189および前ヒール領域190の質量を低減することによってもたらされる非対称性は、クラブ・ヘッド100のIxzを改善する。一般的に、クラブ・ヘッド100は非常に大きい負のIxz値を備える。クラブ・ヘッド100におけるこの特定の非対称性は、最適な標的値により緊密に一致する増加した(即ち、より大きい負値の)Ixzを提供するのに望ましい。より最適なIxzは、打ち損なって中心の上方または下方に当たったショットにおける望ましくないサイドスピンを減らす。
図7および図8から分かるように、特定の高および/または低領域は、特定の前および/または後領域と重複する。いくつかの例では、重複領域は補完的であり(即ち、追加質量領域または低減質量領域の両方)、他の例では、重複領域は競合的である(即ち、1つの追加質量領域が低減質量領域と重複する)。同じクラブ・ヘッドにおいてIxyおよびIxzの両方を改善するために、各重複領域の有効密度は、個々の領域それぞれの要件に対して調整されなければならない。多くの実施形態では、複数の追加質量領域が重複するクラブ・ヘッド100の部分は、最高有効密度を有する格子構造100を備えることができる。例えば、低ヒール領域183および後ヒール領域191が重複するクラブ・ヘッド100の部分は、クラブ・ヘッド100の他の任意の部分の格子構造130よりも高い有効密度を有する格子構造130を備えることができる。逆に、複数の低減質量領域が重複するクラブ・ヘッド100の部分は、クラブ・ヘッド100の最低有効密度を有する格子構造130を備えることができる。例えば、低トウ領域181および後トウ領域189が重複するクラブ・ヘッド100の部分は、クラブ・ヘッド100の任意の格子構造130の最低有効密度を備える格子構造130を備えることができる。複数の質量低減領域が重複するかかる部分は、格子構造130をまったく有さないことができ、または格子構造130によって取り出されたクラブ・ヘッド100の周囲部分を備えることができる。
さらに、クラブ・ヘッド100のいくつかの部分において、追加質量領域および低減質量領域は重なることができる。かかる部分の有効密度は、クラブ・ヘッド100の最低有効密度と最高有効密度との間のどこかであることができる。例えば、高トウ領域180および後トウ領域189が重なるクラブ・ヘッドの部分は、低ヒール領域183および後ヒール領域191が重なる部分よりも低いが低トウ領域181および後トウ領域189が重なる部分よりも高い、有効密度を有する格子構造130を備えることができる。
有効密度が可変の格子構造130の配置によって、質量を、クラブ・ヘッド100の高トウ、後トウ、低ヒール、および、前ヒール領域では増加させ、低トウ、前トウ、高ヒール、および後ヒール領域では減少させて、POIを改善することができる。一般に、Ixyおよび/またはIxzを増加させるのに必要な非対称性を作るように質量を再分配することは、MOIなど、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100の他の質量特性に対する悪影響を有する可能性がある。しかしながら、格子領域130の戦略的配置は、X軸(Ixx)、Y軸(Iyy)、およびZ軸(Izz)の周りの高いMOI値を保持したまま、IxyおよびIxzを増加させることができる。追加質量領域の位置をCGから離して配置することにより、質量が再分配されたとしても、クラブ・ヘッド100は高い周囲の重み付けを保持する。そのため、格子構造130を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100は、かかる格子構造を有さない同様のクラブ・ヘッドよりも増加したIxyおよびIxzを備え、さらに格子構造を有さないクラブ・ヘッドと比較して同様のMOIを備える。
比較のために、クラブ・ヘッド100に類似するが格子構造を備えていないクラブ・ヘッドは、約100g・in2から120g・in2の間のX軸回りのMOI(Ixx)を備えることができる。比較して、格子構造130,230,330,340を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約85g・in2よりも大きい、約90g・in2よりも大きい、約95g・in2よりも大きい、約100g・in2よりも大きい、約105g・in2よりも大きい、約110g・in2よりも大きい、約115g・in2よりも大きい、または、約120g・in2よりも大きいX軸回りのMOI(Ixx)を備えることができる。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約85g・in2から約120g・in2の間のIxx値を備える。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約80g・in2から90g・in2の間、約85g・in2から95g・in2の間、約90g・in2から100g・in2の間、約95g・in2から105g・in2の間、約100g・in2から110g・in2の間、約105g・in2から115g・in2の間、または、約110g・in2から120g・in2の間のIxx値を備える。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400のIxx値は、約105g・in2、約106g・in2、約107g・in2、約108g・in2、約109g・in2、または、約110g・in2とすることができる。
比較のために、クラブ・ヘッド100に類似するが格子構造を備えていないクラブ・ヘッドは、約500g・in2から550g・in2の間のY軸回りのMOI(Iyy)を備えることができる。比較して、格子構造130,230,330,340を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約400g・in2よりも大きい、約425g・in2よりも大きい、約450g・in2よりも大きい、約475g・in2よりも大きい、約500g・in2よりも大きい、約525g・in2よりも大きい、または、約550g・in2よりも大きいY軸回りのMOI(Iyy)を備えることができる。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約400g・in2から約550g・in2の間のIyy値を備える。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約400g・in2から450g・in2の間、約425g・in2から475g・in2の間、約450g・in2から500g・in2の間、約475g・in2から525g・in2の間、または、約500g・in2から550g・in2の間のIyy値を備える。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400のIyy値は、約420g・in2、約430g・in2、約440g・in2、約450g・in2、約460g・in2、約470g・in2、約480g・in2、約490g・in2、約500g・in2、約510g・in2、約520g・in2、約530g・in2、約540g・in2、または、約550g・in2とすることができる。
比較のために、クラブ・ヘッド100に類似するが格子構造を備えていないクラブ・ヘッドは、約550g・in2から600g・in2の間のZ軸回りのMOI(Izz)を備えることができる。比較して、格子構造130,230,330,340を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約450g・in2よりも大きい、約475g・in2よりも大きい、約500g・in2よりも大きい、約525g・in2よりも大きい、約550g・in2よりも大きい、または、約575g・in2よりも大きいZ軸回りのMOI(Izz)を備えることができる。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100は、約450g・in2から約575g・in2の間のIzz値を備える。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約450g・in2から500g・in2の間、約475g・in2から525g・in2の間、約500g・in2から550g・in2の間、または、約525g・in2から575g・in2の間のIzz値を備える。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400のIzz値は、約450g・in2、約460g・in2、約470g・in2、約480g・in2、約490g・in2、約500g・in2、約510g・in2、約520g・in2、約530g・in2、約540g・in2、約550g・in2、約560g・in2、約570g・in2、または、約575g・in2とすることができる。
アイアンの実施形態1
図1~図4を参照すると、第1のアイアンの実施形態100は、高トウ象限174および低ヒール象限177内により高い有効密度と、低トウ象限175および高ヒール象限176内により低い有効密度とを有する、格子構造130を備えることができる。格子構造130の有効密度は、ソール-トップ・レール方向で変化することができる。
図1~図4を参照すると、第1のアイアンの実施形態100は、高トウ象限174および低ヒール象限177内により高い有効密度と、低トウ象限175および高ヒール象限176内により低い有効密度とを有する、格子構造130を備えることができる。格子構造130の有効密度は、ソール-トップ・レール方向で変化することができる。
図1~図4および図9を参照すると、最高格子密度158は高トウ象限174および/または低ヒール象限177内に配置することができる。最低格子密度156は、低トウ象限175および/または高ヒール象限176内に配置することができる。図4に示されるように、高トウ象限174および低トウ象限175を含む、クラブ・ヘッド100の(トウ112に近い)トウ側半分内の有効格子密度は、ソール110からトップ・レール108に向かって増加することができる。逆に、高ヒール象限176および低ヒール象限177を含む、クラブ・ヘッド100の(ヒール114に近い)ヒール側半分内の有効格子密度は、ソール110からトップ・レール108に向かって減少することができる。この実施形態では、格子の有効密度は、前後方向でほぼ均一のままであることができる。例えば、Z軸1070に沿ったすべての位置で、高トウ象限174は低トウ象限175よりも高い有効密度を備える。同様に、Z軸1070に沿ったクラブ・ヘッドのすべての奥行きで、低ヒール象限177は高ヒール象限176よりも高い有効密度を備える。
図4の断面では、断面の特定のボックス領域(つまり基準ボックス)に関してビーム厚さ144の範囲が示されている。図6を参照して上述したように、ビーム厚さ144は格子構造130の有効密度を決定する。例えば、トウ112に向かって、ボックス領域198のビーム厚さ144範囲は1.0mmから2.5mmである。このボックス領域198は、部分的に高トウ象限174内に、また部分的に低トウ象限175内に配置される。ボックス領域198は、その下のボックス領域よりも厚く、その上のボックス領域よりも薄いビーム厚さ144を備えることができる。さらなる例の場合、ヒール114に向かって、ボックス領域199のビーム厚さ144範囲は2.5mmから4.0mmである。このボックス領域199は完全に低ヒール象限177内に配置される。ボックス領域199は、その下のボックス領域よりも薄く、その上のボックス領域よりも厚いビーム厚さ144を備えることができる(またしたがって、ボックス領域199は、その下のボックス領域よりも低く、その上のボックス領域よりも高い有効密度を備える)。そのため、格子構造130は、具体的には、最高有効密度158を高トウ象限174および低ヒール象限177内に、最低有効密度156を低トウ象限175および高ヒール象限176内に提供するように調整される。
図10A~図10Eを参照すると、格子構造130のビーム厚さ144および結果的に有効密度は、ヒール-トウ方向およびクラウン-ソール方向の両方で変化することができる。図10A~図10Eの断面では、特定のボックス領域(つまり基準ボックス)に関してビーム厚さ144の範囲が示されている。Y’軸2060からヒール端114に向かって1インチで取った断面である図10Aに示されるように、ビーム厚さ144は、ヒール端114に隣接したソール110からトップ・レール108まで増加することができる。Y’軸2060からヒール端114に向かって約1/2インチで取った断面である図10Bに示されるように、ビーム厚さ144は、やはりソール110からトップ・レール108まで増加することができるが、図10Aの断面内よりも緩やかである。Y’軸2060に沿って取った断面である図10Cに示されるように、ビーム厚さ144はクラブ・ヘッド100の中心内で比較的一定である。Y’軸2060からトウ端112に向かって1/2インチで取った断面である図10Dに示されるように、ビーム厚さ144は、ソール110からトップ・レール108まで減少し始める。最後に、Y’軸2060からトウ端112に向かって1インチで取った断面である図10Eに示されるように、ビーム厚さ144は、やはりソール110からトップ・レール108まで減少することができるが、図10Dの断面内よりも緩やかである。
第1のアイアン・クラブ・ヘッド100の有効密度プロファイルは、好ましいPOI値、特にIxyをもたらすことができる。X軸およびY軸に対する非対称の重み付けは、高トウ象限174および低ヒール象限177内の質量を増加させ、同時に低トウ象限175および高ヒール象限176内の質量を低減させることによってもたらされる。クラブ・ヘッド100におけるこの特定の非対称性は、増加した(即ち、より大きい正値またはより小さい負値の)Ixyを提供するのに望ましい。さらに詳細に後述するように、より大きい正値のIxyは、打ち損なってフェース中心の上方または下方に当たったショットにおける望ましくないサイドスピンを減らす。
アイアンの実施形態2
図11~図16を参照すると、第2のアイアンの実施形態200は、ソール-トップ・レール方向、ヒール-トウ方向、および前後方向で変化する有効密度を有する、格子構造230を備えることができる。
図11~図16を参照すると、第2のアイアンの実施形態200は、ソール-トップ・レール方向、ヒール-トウ方向、および前後方向で変化する有効密度を有する、格子構造230を備えることができる。
図15を参照すると、一般に、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200は、トウ端212付近の有効密度が打撃フェース204から後部206まで減少する格子構造230を備える。図16を参照すると、一般に、ヒール端214付近の有効密度は打撃フェース204から後部206まで増加する。より具体的には、高ヒール象限276および低ヒール象限277内に位置する格子構造230の有効密度は、打撃フェース204から後部206まで増加することができ、高トウ象限274および低トウ象限275内に位置する格子構造230の有効密度は、打撃フェース204から後部206まで減少することができる。
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の最高有効密度は、X軸1050を中心としてそれに沿って延在する水平基準シリンダ297内に位置することができる。水平基準シリンダ297は、X軸1050を中心として丸み付けることができ、トウ端212からヒール端214まで通して延在することができる。多くの実施形態では、水平基準シリンダ297は、0.25インチから0.50インチの範囲の半径を備える。いくつかの実施形態では、水平基準シリンダ297の半径は、0.25インチから0.30インチ、0.30インチから0.35インチ、0.35インチから0.40インチ、0.40インチから0.45インチ、または、0.45インチから0.50インチであることができる。いくつかの実施形態では、水平基準シリンダ297の半径は、0.25インチから0.35インチ、0.30インチから0.40インチ、0.35インチから0.45インチ、または、0.40インチから0.50インチであることができる。
図11~図14を参照すると、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の可変の有効密度は、異なる奥行きでフェース204に平行に取った複数の断面(II、III、IV)の有効密度プロファイルに関連して説明することができる。図示されるビーム厚さから明らかなように、図12は、フェース204の0.25インチ後方である面II-IIにおける第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の有効密度プロファイルを示している。フェース204の0.25インチ後方において、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200は、水平基準シリンダ297内でヒール214に向かって最高有効密度と、トップ・レール208およびトウ212に近接して最低有効密度とを備える。有効密度は、概して、水平基準シリンダ297からソール210およびトップ・レール208に向かって減少する。
図示されるビーム厚さから明らかなように、図13は、フェース204の0.5インチ後方である面III-IIIにおける第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の有効密度プロファイルを示している。この面III-IIIに沿って、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200は、ソール210に近接して(またヒール端214付近に)最高有効密度と、ソール210に近接して(またトウ端212付近に)最低有効密度とを備える。有効密度は、概して、水平基準シリンダ297からソール210およびトップ・レール208に向かって減少する。さらに、フェース204の0.5インチ後方における有効密度は、概して、ヒール端214からトウ端212まで減少する。フェースの0.5インチ後方におけるトウ端212付近の有効密度は、フェース204の0.25インチ後方におけるトウ端212付近の有効密度よりも低い。フェース204の0.5インチ後方におけるヒール端214付近の有効密度は、フェース204の0.25インチ後方におけるヒール端212付近の有効密度よりも高い。
図示されるビーム厚さから明らかなように、図14は、フェース204の0.75インチ後方である面IV-IVにおける第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の有効密度プロファイルを示している。フェース204の0.75インチ後方において、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200は、ソール210に近接して(またヒール端214付近に)最高有効密度と、トウ212に近接してクラブ・ヘッド200の上側周囲付近に最低有効密度とを備える。フェース204の0.75インチ後方における有効密度は、ヒール端214からトウ端212まで急激に減少する。フェース204の0.75インチ後方におけるトウ端212付近の有効密度は、フェースの0.25インチおよび0.5インチ後方におけるトウ端212付近の有効密度よりも低い。フェース204の0.75インチ後方におけるヒール端214付近の有効密度は、フェース204の0.25および0.5インチ後方におけるヒール端212付近の有効密度よりも高い。
前後方向で変化する密度プロファイルは、ボックス領域(即ち、基準ボックス)に関連してさらに説明することができる。図12~図14は、各領域内のビーム厚さ144の範囲を示すボックス領域を示している。図6を参照して上述したように、ビーム厚さ144は有効密度に相関する。したがって、図12~図14に示されるビーム厚さ144の変動は、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の有効密度プロファイルの変化に相関する。
ボックス領域は図12~図14全体を通して互いに対応する。例えば、図12のボックス領域298は、図13および図14のボックス領域298に位置的に対応する。図12~図14を参照すると、トウ側ボックス領域298は、高トウ象限174内に部分的に、低トウ象限175内に部分的に、ならびにトウ端112とy軸1060との間のエリア内に規定することができる。(図12の面II-IIに沿って取った)フェース204の0.25インチ後方において、トウ側ボックス領域298は、1.75mmから3.0mmのビーム厚さを備えることができる。(図13の面III-IIIに沿って取った)フェース204の0.5インチ後方において、トウ側ボックス領域298は、1.5mmから2.0mmのビーム厚さ144を備えることができる。フェースの0.75インチ後方において、トウ側ボックス領域298は、1.0mmから1.25mmのビーム厚さ144を備えることができる。トウ側ボックス領域298内のビーム厚さ144は、フェース204からクラブ・ヘッド200の後方206に向かって全体的に減少して、有効密度を低下させることができる。
図12~図14を参照すると、ヒール側ボックス領域299は、高ヒール象限176内に部分的に、低ヒール象限177内に部分的に、ならびにヒール端214とy軸1060との間のエリア内に規定することができる。(図12の面II-IIに沿って取った)フェース204の0.25インチ後方において、ヒール側ボックス領域299は、3.0mmから4.1mmのビーム厚さを備えることができる。(図13の面III-IIIに沿って取った)フェース204の0.5インチ後方において、ヒール側ボックス領域299は、3.25mmから4.15mmのビーム厚さ144を備えることができる。フェースの0.75インチ後方において、ヒール側ボックス領域299は、3.5mmから4.15mmのビーム厚さ144を備えることができる。ヒール側ボックス領域299内のビーム厚さ144は、フェース204からクラブ・ヘッド200の後方206に向かって全体的に減少して、有効密度を低下させることができる。
第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の有効密度プロファイルは、X軸、Y軸、およびZ軸に対して非対称の重み付けを作る。かかる非対称の重み付けは、低ヒール象限177および/または高トウ象限174では比較的大きい質量を保持したまま、ヒール側214では後方に向かって質量を増加させ、トウ側212では後方に向かって質量を減少させることによってもたらされる。クラブ・ヘッド200におけるこの特定の非対称性は、格子構造がない同様のクラブ・ヘッドと比較して、増加した(即ち、より大きい正値またはより小さい負値の)IxyおよびIxzを提供するのに望ましい。さらに詳細に後述するように、同様のクラブと比較してIxyおよびIxz値の両方を増加させることで、打ち損なってフェース中心Cの上方または下方に当たったショットにおける望ましくないサイドスピンが減る。
アイアンの実施形態3
図17~図19を参照すると、第3のアイアンの実施形態300は、ソール-トップ・レール方向で変化する有効密度を有する、格子構造330を備えることができる。第3のアイアン・クラブ・ヘッド300は、トウに近接して配置された複数の内部ウェイト部材378をさらに備えることができる。複数の内部ウェイト部材378は、Ixyも増加させながら、クラブ・ヘッド300のCG位置をシフトしてトウ端312に近付けるために含まれたものである。
図17~図19を参照すると、第3のアイアンの実施形態300は、ソール-トップ・レール方向で変化する有効密度を有する、格子構造330を備えることができる。第3のアイアン・クラブ・ヘッド300は、トウに近接して配置された複数の内部ウェイト部材378をさらに備えることができる。複数の内部ウェイト部材378は、Ixyも増加させながら、クラブ・ヘッド300のCG位置をシフトしてトウ端312に近付けるために含まれたものである。
図17に示されるように、最高有効密度の格子構造330は、X軸1050を中心としてそれに沿って延在する水平基準シリンダ397内に配置することができる。水平基準シリンダ397は、第2のアイアン・クラブ・ヘッド200の水平基準シリンダ297と同一であることができ、同様に丸み付けることができる。格子構造330の有効密度は、水平基準シリンダ397から離れる方向に移動してトップ・レール308およびソール310に向かって全体的に減少させることができる。この実施形態では、格子330の有効密度は、前後方向でほぼ均一のままであることができる。
格子構造330に加えて、複数の内部質量378によって質量を分配することができる。複数の内部質量378は、クラブ・ヘッド300と一体的に形成することができ、内表面324から内部キャビティ320内へと突出することができる。複数の内部質量378は、クラブ・ヘッド300の残りの部分と同じ材料で作ることができる。複数の内部質量378は、材料の中実質量であることができ、格子構造330のいずれの部分の有効密度よりも高い有効密度を備えることができる。図17に示されるように、第3のアイアン・クラブ・ヘッド300は、第1の内部質量378aおよび第2の内部質量378bを備える。第1の内部質量378aは、トップ・レール308およびトウ端312に近接して配置することができ、第2の内部質量378bは、ソール310およびトウ端312に近接して配置することができる。
格子構造330のみの最高有効密度358は水平基準シリンダ397内に配置されるが、内部キャビティ320全体の中の有効密度は内部質量378によって影響される。したがって、内部キャビティ320内全体の最高有効密度は、高トウ象限174および/または低トウ象限175に配置される。内部キャビティ320内の最低有効密度は高ヒール象限176および/または低ヒール象限177内に、具体的には、水平基準シリンダ397内に位置しない高ヒール象限176および低ヒール象限177のエリア内に配置される。
第3のアイアン・クラブ・ヘッド300の密度プロファイルは、格子構造または内部質量を有さないクラブ・ヘッドよりも、増加したPOI値、特にIxyおよびIxzをもたらすことができる。X軸、Y軸、およびZ軸に対する非対称の重み付けは、比較的高い有効密度を高トウ象限174に、比較的低い有効密度を高ヒール象限176に提供することによってもたらされる。クラブ・ヘッド100におけるこの特定の非対称性は、増加した(即ち、より大きい正値またはより小さい負値の)IxyおよびIxzにつながる。さらに詳細に後述するように、IxyおよびIxz値の両方を増加させることで、打ち損なってフェース中心Cの上方または下方に当たったショットにおける望ましくないサイドスピンが減る。
第3のクラブ・ヘッドの実施形態300の意図は、POIを改善し、同時にCG位置を移動させるというものであった。内部ウェイト部材378を含めることは、上述した実施形態100、200のトウ寄りのCG位置を作り出すために設計された。格子構造330および/または内部ウェイト部材378の追加配置は、望ましいCG位置における改善されたPOIの組み合わされたバランスを達成することができる。
アイアンの実施形態4
図20~図22を参照すると、第4のアイアンの実施形態400は、打撃フェースに接触しない格子構造430を備えることができる。第4のアイアンの実施形態400の格子構造430は、格子構造430が後方406付近の内部キャビティ420の部分内にのみ収容されるように、フェース404から後方に離隔される。格子構造430内で、最高格子密度458は高トウ象限174および/または低ヒール象限177内に配置することができる。格子構造430の有効密度は、低トウ象限175および/または高ヒール象限176内で低減することができる。全体の最低有効密度456はフェース404に近接する内部キャビティ420の部分内にもたらされ、最低有効密度456はゼロであり、フェース404に近接する内部キャビティ420の部分には格子構造430はない。高トウ象限174および低トウ象限175を含む、クラブ・ヘッド400のトウ側半分(即ち、トウ端412に向かう側)内の格子構造430の有効密度は、ソール410からトップ・レール408に向かって増加することができる。逆に、高ヒール象限176および低ヒール象限177を含む、クラブ・ヘッド400のヒール側半分(即ち、ヒール端414に向かう側)内の格子構造430の有効密度は、ソール410からトップ・レール408に向かって減少することができる。この実施形態では、格子構造430の有効密度は、前後方向でほぼ均一のままであることができる。
図20~図22を参照すると、第4のアイアンの実施形態400は、打撃フェースに接触しない格子構造430を備えることができる。第4のアイアンの実施形態400の格子構造430は、格子構造430が後方406付近の内部キャビティ420の部分内にのみ収容されるように、フェース404から後方に離隔される。格子構造430内で、最高格子密度458は高トウ象限174および/または低ヒール象限177内に配置することができる。格子構造430の有効密度は、低トウ象限175および/または高ヒール象限176内で低減することができる。全体の最低有効密度456はフェース404に近接する内部キャビティ420の部分内にもたらされ、最低有効密度456はゼロであり、フェース404に近接する内部キャビティ420の部分には格子構造430はない。高トウ象限174および低トウ象限175を含む、クラブ・ヘッド400のトウ側半分(即ち、トウ端412に向かう側)内の格子構造430の有効密度は、ソール410からトップ・レール408に向かって増加することができる。逆に、高ヒール象限176および低ヒール象限177を含む、クラブ・ヘッド400のヒール側半分(即ち、ヒール端414に向かう側)内の格子構造430の有効密度は、ソール410からトップ・レール408に向かって減少することができる。この実施形態では、格子構造430の有効密度は、前後方向でほぼ均一のままであることができる。
第4のアイアン・クラブ・ヘッド400の有効密度プロファイルは、好ましいPOI値、特にIxyをもたらすとともに、ゴルフ・ボールとのインパクト時におけるフェース404の最大限の振れを可能にすることができる。X軸1050およびY軸1060に対する非対称の重み付けは、高トウ象限174および低ヒール象限177内の質量を増加させ、同時に低トウ象限175および高ヒール象限176内の質量を低減させることによってもたらされる。クラブ・ヘッド400におけるこの特定の非対称性は、増加した(即ち、より大きい正値またはより小さい負値の)Ixyを提供するのに望ましい。さらに詳細に後述するように、より大きい正値のIxyは、打ち損なってフェース中心の上方または下方に当たったショットにおいて作られる望ましくないサイドスピンを減らす。さらに、フェース404と格子構造400との間の空間によって、フェース404に接触する同様の格子構造と比較して、ゴルフ・ボールとのインパクト時にフェースをさらに屈曲させることが可能になる。フェース404の最大屈曲を可能にすることによって、クラブ・ヘッド400は、高いボール速度を保持する一方で、格子構造430の密度プロファイルによって改善されたIxyの利益も有する。
アイアンの利点
格子構造130は、有利には、質量の再分配を可能にして、アイアン型クラブ・ヘッド100に改善された慣性乗積(POI)を提供する。慣性乗積(POI)の改善は、フェース104の中心Cの上方または下方へのインパクト時にゴルフ・ボールに与えられるサイドスピンの低減または取消しなど、アイアン型クラブ・ヘッド100の性能の改善につながり得る。上述したアイアン型クラブ・ヘッドの実施形態100、200、300、400は、アイアン型クラブ・ヘッド慣性乗積の改善による、高および低ミスショットにおけるサイドスピンの無効化に関して後述する原理にしたがう。
格子構造130は、有利には、質量の再分配を可能にして、アイアン型クラブ・ヘッド100に改善された慣性乗積(POI)を提供する。慣性乗積(POI)の改善は、フェース104の中心Cの上方または下方へのインパクト時にゴルフ・ボールに与えられるサイドスピンの低減または取消しなど、アイアン型クラブ・ヘッド100の性能の改善につながり得る。上述したアイアン型クラブ・ヘッドの実施形態100、200、300、400は、アイアン型クラブ・ヘッド慣性乗積の改善による、高および低ミスショットにおけるサイドスピンの無効化に関して後述する原理にしたがう。
アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100は慣性テンソルを備える。クラブ・ヘッド100に対する慣性テンソルは下記式(1)によって表される。一般に、性能が最大であれば、慣性テンソルの主軸(Ixx,Iyy,Izz)は最大化される。慣性テンソルの主軸に沿ったテンソルは、x軸(Ixx)、y軸(Iyy)、および、z軸(Izz)を中心にしたクラブ・ヘッドの慣性モーメント(MOI)と呼ばれる。MOIが大きくなるほど、トルクが付与されたときに(即ち、ゴルフ・ボールを打撃フェース104の幾何学的中心点116で打撃しない)、クラブ・ヘッド100が回転する可能性は低くなる。多くの場合、クラブ・ヘッド100のMOIが最大化され、ゴルフ・ボールがフェース中心C付近で打撃されると、ゴルフ・ボールは真っ直ぐ飛ぶと仮定される。しかしながら、ゴルフ・クラブ・ヘッド100は依然として、ボールの軌道に影響する個々のゴルフ・スイングの力学により、3つの主な回転効果を受ける。
図23A~図23Cを参照すると、ユーザが発生させるインパクト(本質的に、ゴルファーがゴルフ・クラブをスイングすることによって引き起こされる)を通してゴルフ・クラブ・ヘッド100が受ける、3つの主な回転効果がある。図23Aを参照すると、第1の効果であるロフト率は、ゴルフ・クラブ・ヘッド100のロフト角αの時間変化率である。ロフト率は、ゴルフ・クラブ・ヘッド100のx軸1050を中心にした、ロフトする回転ωxの速度である。図23Bを参照すると、クロージャ率は、ゴルフ・クラブ・ヘッド100のフェース角の時間変化率である。クロージャ率は、ゴルフ・クラブ・ヘッド100のy軸1060を中心にした、閉じる回転ωyの速度である。最後に、図23Cを参照すると、第3の効果である垂下率は、インパクト時におけるゴルフ・クラブ・ヘッド100のライ角の時間変化率である。垂下率は、ゴルフ・クラブ・ヘッド100のz軸1070を中心にした、垂下する回転ωzの速度である。
さらに、3つの主なユーザによって発生する回転効果に加えて、インパクト時における、ゴルフ・クラブ100がスイングされる経路およびゴルフ・クラブ・ヘッド100のフェース角も、ゴルフ・ボールに与えられるスピンの量に影響を及ぼす、ユーザによって発生する個々のスイングの力学である。インパクト時におけるゴルフ・クラブ100のフェース角は、標的ライン(ゴルフ・ボールからゴルフ・ボールの所望の終点までで形成されるライン)と、フェース・ライン(地面上に投影した場合に、打撃フェース104の中心Cから垂直に延在する方向ベクトル)との間に形成される角度である。ゴルフ・クラブ経路は、ゴルフ・ボールとのインパクトの時点で、標的ラインとゴルフ・クラブ・ヘッド100の速度ベクトルとの間に形成される角度である。フェース角とクラブ経路との間に差があると、望ましくないサイドスピンが発生する。フェース角およびクラブ経路の差が大きくなるほど、発生するサイドスピンは大きくなる。
図23A~図23Cを参照すると、ゴルファーがゴルフ・ボールを打撃フェース104の中心Cの上方または下方で打撃すると、クラブ・ヘッド100の閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzがサイドスピンを発生させる。図3に戻ると、ゴルフ・クラブ・ヘッド100の打撃フェース104はロフト角αに位置決めされる。結果として、CGの下方のインパクトなど、特定のインパクト位置101がY軸1060の前方(即ち、Z方向でCGの前方)に生じるような形で、Y軸1060が打撃フェースと交差する。CGの上方で中心領域10の外側に位置する任意のインパクトなど、他のインパクトは、Y軸1060の後方(即ち、Z方向でCGの後方)に生じる。閉じる回転ωyはY軸1060を中心にして生じるので、Y軸1060の前方に位置する打撃フェース104上のあらゆる点は、インパクト時にクラブ・ヘッド100のヒール端114に向かって移動し、Y軸1060の後方に位置する打撃フェース104上のあらゆる点は、インパクト時にクラブ・ヘッド100のトウ端112に向かって移動する。同様に、図23Cを参照すると、正の垂下率の場合、垂下する回転ωzは、CGの下方に位置する(即ち、Z軸1070の下方に位置する)打撃フェース104上のあらゆる点を、インパクト時にヒール端114に向かって移動させる。逆に、正の垂下率の場合、Z軸1070を中心にしたトウダウン方向の回転は、CGの上方に位置する(即ち、Z軸1070の上方に位置する)打撃フェース104上のあらゆる点を、トウ端112に向かって移動させる。したがって、望ましいデリバリー・パラメータ(即ち、中心Cでインパクトされた場合にストレート・ショットを生み出すであろう、クラブ・ヘッド100のデリバリー)を所与とすると、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzは、中心Cの上方で打撃されるゴルフ・ショットに影響を及ぼしてドローさせる。逆に、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzは、中心Cの下方で打撃されるゴルフ・ショットに影響を及ぼしてフェードさせる。ボールが打撃される位置が中心Cのさらに上方または下方になるほど、より大きいサイドスピンが発生する。
クラブ・ヘッド100の自然な閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって発生するサイドスピンに加えて、サイドスピンは、クラブ・ヘッド100がインパクト時に受ける角加速度によっても発生する。かかる角加速度は、オフセンターの打撃におけるボールとクラブ・ヘッド100との間のインパクトの力と関連付けられたモーメントによって発生する。ゴルファーが(トップ・レール108からソール110の方向で)ボールを打撃フェース104の中心Cのすぐ下方またはすぐ上方で打撃すると、ボールとクラブ・ヘッド100との間のインパクトの力は、ロフトするモーメント(-Mx)、閉じるモーメント(My)、および垂下するモーメント(Mz)をクラブ・ヘッド100に与え、それによって、ロフトする加速-αx(またはディロフトする加速αx)、閉じる加速αy(または開く加速-αy)、および垂下する加速αz(またはトウアップする加速-αz)が作り出される。中心Cのすぐ上方または下方で打撃されたときにクラブ・ヘッド100が受ける角加速度は、下記式(2)、(3)、(4)によって表すことができる。これらの角加速度は、ボールと打撃フェース104との間にギアリング効果を作り出し、それがボールに加わるスピンの量に影響を及ぼす。ゴルフ・ボールが、x軸1050の上方または下方であるがy軸1060上(それに接する)で打撃されると仮定すると、y軸1060およびz軸1070を中心にして加えられるモーメントはほぼゼロ(My≒0、Mz≒0)であり、したがって例示されない。x軸1050を中心にして加えられるモーメント(Mx)は、ゴルフ・ボールのインパクト位置がフェース中心の上方または下方にどれだけ離れているかに直接比例する(即ち、ボールが打撃される位置が中心Cから上方に離れるほど、x軸を中心にしたモーメントMxが大きくなる)。
インパクト時のゴルフ・クラブ・ヘッド100の角加速度を最小限にするために、x軸1050、y軸1060、およびz軸1070を中心にした慣性モーメントを増加させることができ、それにより、主軸(x軸、y軸、z軸)を中心にした回転モーメントに対するゴルフ・クラブ・ヘッド100の抵抗性が良くなるので、ゴルフ・クラブ・ヘッド100の寛容性が増加される。主軸を中心にした回転モーメントに対するゴルフ・クラブ・ヘッド100の抵抗性が良くなった場合、オフセンターのインパクトに対するクラブ・ヘッド100の寛容性が良くなる。しかしながら、MOIが最大化され、ゴルフ・ボールが中心Cの上方または下方で(望ましいデリバリー・パラメータで)打撃されたとしても、ゴルフ・ボールは、クラブ・ヘッド100の自然な閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによる、望ましくないサイドスピンを依然として有することになる。
一般に、従来技術のクラブ・ヘッドは、ストレート・ショットを生み出すために、インパクト時にクラブ・ヘッドが受ける角加速度を最小にしようとする。しかしながら、角加速度を最小にするだけでは、クラブ・ヘッドの自然な閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって発生するサイドスピンは考慮されない。クラブ・ヘッド100の角加速度を最小にするだけではなく、本発明のクラブ・ヘッド100は、インパクト時の角加速度を戦略的に操作するため、慣性乗積(POI)を最適化することができる。具体的には、本発明のクラブ・ヘッド100は、高トウ象限174および低ヒール象限177に最高有効密度158を提供することによって、そのような格子構造を有さない同様のクラブ・ヘッドに対して、IxyおよびIxzを増加させる格子構造130を備える。改善された慣性乗積(POI)により、X軸1050を中心にしたモーメントMxが、Y軸1060およびZ軸1070を中心にしたインパクト時の好ましい角加速度を作り出すことができる。これらの好ましい角加速度は、ヒール114からトウ112の方向の寛容性を維持しながら、フェースの上および下に当たった場合の自然な閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによる望ましくないサイドスピンを相殺する。クラブ・ヘッド100のPOIは、高または低ミスショットにおける閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって生じるサイドスピンとは反対方向でスピンするようにボールに影響を及ぼす、好ましい角加速度を作り出すため、格子構造130を戦略的に含めることによって最適化することができる。このように、インパクト時の好ましい角加速度によるサイドスピンへの影響と、クラブ・ヘッド100の自然な閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによるサイドスピンとは、互いに相殺することができる。したがって、クラブ・ヘッド100のPOIによって生じるサイドスピンは、高または低ミスショットにおけるサイドスピン全体を最小にするかまたは無効化することができる。
最適には、アイアン型クラブ・ヘッド100は、両方とも非ゼロである慣性乗積IxyおよびIxzを備えることができる。図7および図8を参照すると、高トウ領域180、低ヒール領域183、前トウ領域188、および/または後ヒール領域191に高有効密度を有し、低トウ領域181、高ヒール領域182、後トウ領域189、および/または前ヒール領域190に低有効密度を有する格子構造130により、高および低ミスショットにおけるサイドスピンが最小であるアイアン型クラブ・ヘッド100を作り出すことによって、IxyおよびIxzの両方を同時に最適化することができる。さらに詳細に後述するように、アイアン型クラブ・ヘッド100の高および低ミスショットにおけるサイドスピンは、IxyのみまたはIxzのみを個別に操作することでは完全に無効化できない。それよりもむしろ、高および低ミスショットにおけるサイドスピンは、Ixy値およびIxz値の最適な組み合わせによって無効化される。
図24Aおよび図24Bは、非ゼロである正のIxyの、低および高ミスショットにおけるサイドスピンに対する効果を示している。図24Aを参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド100が、打撃フェース104の中心Cの下方で打撃され、それによって正のIxyを有する場合、クラブ・ヘッド100はX軸1050を中心にしたディロフトするモーメント(+Mx)を受け、それによってY軸1060を中心にした開く加速-αyが作られる。アイアン型クラブ・ヘッド100のロフトされたフェース104により、ほとんどの低位置インパクトは(中心領域10内のインパクトは例外として)Z方向でCGの前方において生じる。このインパクト位置101では、CGの前方にあるフェース104上の任意の点がトウ端112に向かって加速するので、クラブ・ヘッド100の開く加速-αyはボールに影響を及ぼしてドローさせる。図24Bを参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド100が正のIxyで打撃フェースの中心Cの上方で打撃された場合、クラブ・ヘッド100はX軸1050を中心にしたロフトするモーメント(-Mx)を受け、それによってY軸1060を中心にした閉じる加速αyが作られる。アイアン型クラブ・ヘッド100のロフトされたフェース104により、ほとんどの高位置インパクトは(中心領域10内のインパクトは例外として)CGの後方において生じる。かかるインパクト位置101では、CGの後方にあるフェース上の任意の点がトウ端112に向かって加速するので、クラブ・ヘッド100の閉じる加速αyもボールに影響を及ぼしてドローさせる。
図25Aおよび図25Bは、非ゼロである負のIxzの、低および高ミスショットにおけるスピンに対する効果を示している。図25Aを参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド100が負のIxzで打撃フェース104の中心Cの下方で打撃された場合、クラブ・ヘッド100はX軸1050を中心にしたディロフトするモーメント(+Mx)を受け、それによってZ軸1070を中心にしたトウダウン加速αzが作られる。インパクトがフェース104上の低位置である場合、クラブ・ヘッド100のトウ112が下に回転するにつれて、CGの下方におけるフェース104上のあらゆる点がヒール端114に向かって加速するので、トウダウン加速αzがボールに影響を及ぼしてフェードさせる。図25Bを参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド100が打撃フェース104の中心Cの上方で打撃され、Ixzが負である場合、クラブ・ヘッド100はX軸1050を中心にしたロフトするモーメント(-Mx)を受け、それによってZ軸1070を中心にしたトウアップ加速-αzが作られる。インパクトがフェース104上の低位置である場合、クラブ・ヘッド100のトウ112が上に回転するにつれて、CGの上方におけるフェース104上のあらゆる点がヒール端114に向かって加速するので、トウアップ加速がやはりボールに影響を及ぼしてフェードさせる。
上述したように、IxyまたはIxz個々の効果では、高または低ミスショットにおけるサイドスピンを排除するのには不十分である。図24Aおよび図24Bによって示されるように、アイアン型クラブ・ヘッド100における正のIxy値は、高および低ミスショット両方においてボールに影響を及ぼしてドローさせる。低ミスショットは、クラブ・ヘッド100の自然な閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzにより、自然にフェードする傾向があるので、このドローの影響は、低ミスショットにおけるサイドスピンを相殺するのに好ましい。しかしながら、ドローの影響は、クラブ・ヘッド100の閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって、高ミスショットにおいて作られる自然なドロー・スピンを倍加させるので、正のIxy値のドローの影響は、高ミスショットに対しては好ましくない。逆に、図25Aおよび図25Bに示されるように、アイアン型クラブ・ヘッド100における負のIxz値は、高および低ミスショット両方においてボールに影響を及ぼしてフェードさせる。高ミスショットは、クラブ・ヘッド100の閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzにより、自然にドローする傾向があるので、このフェードの影響は、高ミスショットにおけるサイドスピンを相殺するのに好ましい。しかしながら、フェードの影響は実際には、クラブ・ヘッド100の閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって、低ミスショットにおいて作られる自然なフェード・スピンを倍加させるので、正のIxz値のフェードの影響は、低ミスショットに対しては好ましくない。
高または低ミスショットによって生じるサイドスピンを無効化するには、正のIxyと負のIxzとの組み合わせが必要とされる。クラブ・ヘッド100の閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによってボールに与えられるサイドスピンを無効化するだけでなく、特定のショットに対するIxyおよびIxzの負の影響(即ち、高ミスショットにおける正のIxyのドローの影響、および低ミスショットにおける負のIxzのフェードの影響)も均衡させる、正のIxy値および負のIxz値の最適な組み合わせが達成されなければならない。
高および低ミスショットにおけるサイドスピンを無効化するための正の非ゼロのIxyおよび負の非ゼロのIxzに対する必要性は、アイアン型クラブ・ヘッドに特有のものであることが注目されるべきである。例えば、ドライバー型、フェアウェイ・ウッド型、およびハイブリッド型のゴルフ・クラブ・ヘッドはすべて、アイアン型クラブ・ヘッドと同様に、インパクト時のクラブ・ヘッドの閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzにより、高および低ミスショットにおける望ましくないサイドスピンを備える。しかしながら、かかる望ましくないサイドスピンを相殺するには、ドライバー型、フェアウェイ・ウッド型、およびハイブリッド型のクラブ・ヘッドは単に、正の非ゼロのIxy値を必要とする。換言すれば、Ixy値を均衡させるのに非ゼロのIxz値を達成する必要はない。
図26Aおよび図26Bを参照すると、非ゼロのIxzを要しないウッド型クラブ・ヘッドの一例として、ドライバー型クラブ・ヘッドが示されている。ドライバー型クラブ・ヘッドのCGはフェースのかなり後方に配置され、フェースは高くロフトされていないので、高ミスショットおよび低ミスショット両方のインパクト位置はZ方向でCGの前方になる。図26Aに示されるように、これは、正のIxy値によって開く加速-αyがもたらされる低ミスショットの場合、フェース全体がトウ端に向かって移動して、ボールに影響を及ぼしてドローさせることを意味する。低ミスショットはフェード・スピンを発生させる傾向があるので、正のIxy値によって生じるドローする影響は、低ミスショットにおけるサイドスピンを無効化するのに十分である。同様に、図26Bに示されるように、正のIxy値によって閉じる加速αyがもたらされる高ミスショットの場合、フェース全体がヒール端に向かって移動して、ボールに影響を及ぼしてフェードさせる。高ミスショットはドロー・スピンを発生させる傾向があるので、正のIxy値によって生じるフェードする影響は、高ミスショットにおけるサイドスピンを無効化するのに十分である。
したがって、正のIxyを備えるドライバー型クラブ・ヘッドが影響を及ぼして、低ミスショットをドローさせ、高ミスショットをフェードさせることができるという事実により、単に正のIxyを有することによって、高または低ミスショットにおけるサイドスピンを無効化することができる。このように、ドライバー型クラブ・ヘッドの場合、負のIxzを提供する必要はない。実際に、ドライバー型クラブ・ヘッドでは、他の任意の角加速度を最小にするために、Ixzを最小にする(即ち、できるだけゼロに近いIxzを提供する)ことが望ましい。対照的に、上述したように、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッドは、組み合わせで働いて、高および低ミスショットによって引き起こされるサイドスピンを無効化する、正のIxyおよび負のIxzの両方を備える。
図27~図30は、非ゼロの正のIxy(高トウ領域174および低ヒール領域177の高有効密度によって作られる)と、非ゼロの負のIxz(前トウ領域189および後ヒール領域190の高有効密度によって作られる)が、組み合わせで、アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100における閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって発生するサイドスピンを相殺できることを示している。図27は、インパクト時の閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzのみによって高および低ミスショットで発生するサイドスピンを示しており、正の値はフェード・スピンに相関し、負の値はドロー・スピンに相関する。図から分かるように、サイドスピンは、Y軸1060上でインパクト位置に対してほぼ線形的に変動する。換言すれば、あらゆるインパクト高さ(h)における閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって発生するサイドスピン(SR)は、次式(5)によって説明することができる。
式中、bRは線形応答の傾斜である。
図28は、正の非ゼロのIxyおよび負の非ゼロのIxzが、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって発生するいずれのスピンとも独立して、y軸1060に沿った異なるインパクト位置におけるサイドスピンに対して有する影響を示している。上述したような、CGおよび打撃フェース104の相対位置により、IxyおよびIxzのサイドスピンの影響はそれぞれ本質的に放物線状である。あらゆるインパクト高さ(h)でIxyのみによって発生するサイドスピン(SIxy)は、図28の曲線SIxyによって表され、次式(6)によって説明することができる。
式中、axyおよびbxyは、Ixyの大きさによって決まる放物線状応答の係数である。Ixyの大きさを増加させると、より急な放物線が作られ、Ixyの大きさを減少させると、より緩やかな放物線が作られる。
同様に、あらゆるインパクト高さ(h)でIxzのみによって発生するサイドスピン(SIxz)は、図28の曲線SIxzによって表され、次式(6)によって説明することができる。
式中、axzおよびbxzは、Ixzの大きさによって決まる放物線状応答の係数である。Ixyと同様に、Ixzの大きさを増加させると、より急な放物線が作られ、Ixzの大きさを減少させると、より緩やかな放物線が作られる。重畳の原理により、図29に示されるように、式(6)および(7)を合わせることができる。IxyおよびIxzを最適化することで、放物線状応答SIxy、SIxzの合計は、ほぼ線形であって、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωZによって発生するサイドスピンを相殺する、組み合わされたPOIサイドスピン応答SPOIをもたらすことができる。組み合わされたPOIサイドスピン応答は、望ましくない自然なサイドスピンを完全に相殺するために、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzのサイドスピン応答SRの鏡像であることができる。プロットから分かるように、組み合わされたPOIサイドスピン応答SPOIはボールに影響を及ぼして、低ミスショットではドローさせ、高ミスショットではフェードさせる。組み合わされたPOIサイドスピン応答SPOIを、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzのサイドスピン応答SRに追加して、あらゆるインパクト高さ(h)においてゼロ・スピンをもたらすことができる。
IxyおよびIxzのサイドスピン応答SIxy、SIxzに、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzのサイドスピンを相殺させ、(望ましいデリバリー特性を所与として)高および低ミスショットにおいてゼロ・サイドスピンを作らせるためには、式(5)、(6)、および(7)の合計は、すべてのインパクト高さ(h)に対してゼロに等しくなければならない。式(8)は、高および低ミスショットにおいてゼロ・サイドスピンを作り出す、式の合計に対する解を特性付ける。
図3を再び参照すると、mxyは、Y軸1060の交点169と中心Cとのちょうど中間にある打撃フェース104上の位置(以下、「中点mxy」)であり、mxzは、Z軸1070の交点171と中心Cとの中間にある打撃フェース104上の位置(以下、「中点mxz」)である。
図30は、非ゼロの正のIxyおよび負の非ゼロのIxzに対して、打撃フェース104の様々な鉛直位置と関連してIxyおよびIxzのサイドスピン応答放物線SIxy、SIxzを示す、強調した(即ち、例示の目的で意図的に縮尺通りに描いていない)図である。プロットに示されるように、Ixy応答放物線SIxyの最大値は中点mxyで生じる。同様に、Ixz応答放物線SIxzの最小値は中点mxzで生じる。インパクトが中心領域10内の場合、IxyおよびIxzに対する影響は変化することに注目すべきである。図30に示されるように、Ixyは実際は、打撃フェース104上のY軸交点169と中心Cとの間の位置で、ボールに影響を及ぼしてフェードさせ、Ixzは、打撃フェース104上のZ軸交点171と中心Cとの間の位置で、ボールに影響を及ぼしてドローさせる。
図31は、一般的な従来技術のクラブ・ヘッドの場合のIxyおよびIxzのサイドスピン応答SCIxy、SCIxzを示している。一般的に、Ixyの正の値を作り出すには極端な非対称性が必要であるため、かかるIxyの正の値を達成することは非常に困難である。そのため、従来技術のアイアン型クラブ・ヘッドは、一般に、両方とも大幅に負であるIxy値およびIxz値を備える。従来技術のIxyおよびIxzのサイドスピン応答SCIxy、SCIxzを追加することで、図32に示されるように、凸状である組み合わされた放物線状スピン応答SCPOIがもたらされる。図27および図32を比較すると、従来技術のクラブ・ヘッドの組み合わされた放物線状スピン応答SCPOIは、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzの線形のサイドスピン応答SRを無効化することはできない。図示されるように、大幅に負のIxyおよびIxzを組み合わせて、フェースのすべての位置において、低インパクト位置に対する大きいフェードの影響を含む、フェード応答を作り出す。サイドスピンを低減するようにPOIを最適化する場合の主な目標は、大幅に正のIxy値を有するクラブ・ヘッドを作成することである。したがって、格子構造130を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100の多くの実施形態は、高トウ領域180および低ヒール領域183に増加した質量を提供することによって、Ixyを増加させることに焦点を当てることができる。ゴルフ・クラブ・ヘッド100の他の様々な設計上の制約を所与として、正のIxy値を合理的に達成できない場合であっても、Ixyの増加(即ち、Ixyを従来技術と比べてより負にすること)によって、高および低ミスショットにおけるサイドスピンの量を低減することができる。Ixyを増加することによってIxyサイドスピン応答SIxzが浅くなり、したがって、組み合わされたサイドスピン応答SPOIを、閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzのサイドスピン応答SRの鏡像により似せることができる。
アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、IxyおよびIxz両方に対する「標的」値を備えることができる。IxyおよびIxzに対する標的値は、組み合わせで、高および低ミスショットにおけるサイドスピンを低減することに関して、クラブ・ヘッド100の最適なPOIを表す値である。IxyおよびIxz両方に対する標的値を備えるクラブ・ヘッド100は、望ましいデリバリー・パラメータおよび平均スイング特性(即ち、平均スイング速度、平均クロージャ率など)を所与として、高および低ミスショットにおいて無視できるサイドスピンを備えるようになる。一般に、他の望ましい質量特性(MOI、CG位置など)を保持したまま、最適な慣性乗積IxyおよびIxzを達成することは非常に困難である。しかしながら、ゴルフ・クラブの慣性乗積IxyおよびIxzが標的値に近いほど、サイドスピンの低減は大きくなる。
アイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、非ゼロである正の標的Ixy値を備える。多くの実施形態において、標的Ixyは、約20g・in2から約130g・in2の間とすることができる。いくつかの実施形態において、標的Ixyは、20g・in2から40g・in2の間、30g・in2から50g・in2の間、40g・in2から60g・in2の間、50g・in2から70g・in2の間、60g・in2から80g・in2の間、80g・in2から100g・in2の間、100g・in2から120g・in2の間、または、110g・in2から130g・in2の間である。いくつかの実施形態において、標的Ixyは、約20g・in2、約25g・in2、約30g・in2、約35g・in2、約40g・in2、約45g・in2、約50g・in2、約55g・in2、約60g・in2、約65g・in2、約70g・in2、約75g・in2、または、約80g・in2とすることができる。いくつかの実施形態において、標的Ixyは、約0g・in2よりも大きく、約5g・in2よりも大きく、約10g・in2よりも大きく、約15g・in2よりも大きく、約20g・in2よりも大きく、約25g・in2よりも大きく、約30g・in2よりも大きく、約35g・in2よりも大きく、約40g・in2よりも大きく、約45g・in2よりも大きく、約50g・in2よりも大きく、約60g・in2よりも大きく、約70g・in2よりも大きく、約80g・in2よりも大きく、約90g・in2よりも大きく、約100g・in2よりも大きく、約110g・in2よりも大きく、または、約120g・in2よりも大きくすることができる。
アイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、非ゼロである負の標的Ixz値を備える。多くの実施形態において、標的Ixzは、約-10g・in2から約-40g・in2の間とすることができる。いくつかの実施形態において、標的Ixzは、-10g・in2から-15g・in2の間、-15g・in2から-20g・in2の間、-20g・in2から-25g・in2の間、-30g・in2から-35g・in2の間、または、-35g・in2から-40g・in2の間である。いくつかの実施形態において、標的Ixzは、約-10g・in2、約-15g・in2、約-20g・in2、約-25g・in2、約-30g・in2、約-35g・in2、または、約-40g・in2とすることができる。
多くの実施形態において、慣性乗積Ixzは、約-5g・in2未満、約-10g・in2未満、約-15g・in2未満、約-20g・in2未満、約-25g・in2未満、約-30g・in2未満、約-35g・in2未満、または、約-40g・in2未満である。
格子構造130,230,330,430を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400の多くの機能的な実施形態において、アイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-10g・in2から約-40g・in2の間の慣性乗積Ixyを備えることができる。いくつかの実施形態において、格子構造を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、-10g・in2から-20g・in2の間、-20g・in2から-30g・in2の間、または、-30g・in2から-40g・in2の間の慣性乗積Ixyを備えることができる。いくつかの実施形態において、格子構造を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、-10g・in2から-30g・in2の間、-15g・in2から-35g・in2の間、または、-20g・in2から-40g・in2の間の慣性乗積Ixyを備えることができる。いくつかの実施形態において、クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-50g・in2よりも大きい、約-45g・in2よりも大きい、約-40g・in2よりも大きい、約-35g・in2よりも大きい、約-30g・in2よりも大きい、約-25g・in2よりも大きい、約-20g・in2よりも大きい、約-15g・in2よりも大きい、約-10g・in2よりも大きい、または、約-5g・in2よりも大きい慣性乗積Ixyを備える。
格子構造130,230,330,430を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400の多くの機能的な実施形態において、アイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、-45g・in2から-65g・in2の間の慣性乗積Ixzを備えることができる。いくつかの実施形態において、格子構造130,230,330,430を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、-45g・in2から-50g・in2の間、-50g・in2から-55g・in2の間、-55g・in2から-60g・in2の間、または、-60g・in2から-65g・in2の間の慣性乗積Ixzを備えることができる。いくつかの実施形態において、格子構造130,230,330,430を備えたアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400は、-45g・in2から-55g・in2の間、-50g・in2から-60g・in2の間、-55g・in2から-65g・in2の間、-45g・in2から-60g・in2の間、または50g・in2から-65g・in2の間の慣性乗積Ixzを備える。いくつかの実施形態において、ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-45g・in2未満、約-50g・in2未満、約-45g・in2未満、約-50g・in2未満、約-55g・in2未満、約-60g・in2未満、または、約-65g・in2未満の慣性乗積Ixyを備えることができる。
多くの実施形態では、格子構造130,230,330,430を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,4000は、かかる格子構造130、230、330、430を有さない同様のクラブ・ヘッドよりも最適標的値にはるかに近い慣性乗積を有する。多くの実施形態では、アイアン型クラブ・ヘッド100と同様であるが格子構造を有さないクラブ・ヘッドは、約-50g・in2から-70g・in2の慣性乗積Ixyを備える。多くの実施形態では、格子構造130、230、330、430を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400の慣性乗積Ixyは、かかる格子構造130を有さない同様のクラブ・ヘッドよりも15%~50%、標的慣性乗積Ixyに近い。いくつかの実施形態では、格子構造130,230,330,430を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400の慣性乗積Ixyは、かかる格子構造を有さない同様のクラブ・ヘッドよりも、15%から25%、25%から35%、35%から45%、45%から50%、15%から35%、20%から40%、25%から45%、または、30%から50%、標的慣性乗積Ixyに近いものであることができる。
多くの実施形態では、アイアン型クラブ・ヘッド100と同様であるが格子構造を有さないクラブ・ヘッドは、約-75g・in2から-90g・in2の慣性乗積Ixzを備える。多くの実施形態では、格子構造130,230,330,430を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400の慣性乗積Ixzは、かかる格子構造130を有さない同様のクラブ・ヘッドよりも5%から45%、標的慣性乗積Ixzに近い。いくつかの実施形態では、格子構造130,230,330,430を備えるアイアン型クラブ・ヘッド100,200,300,400の慣性乗積Ixzは、かかる格子構造を有さない同様のクラブ・ヘッドよりも、5%から15%、15%から25%、25%から35%、35%から40%、40%から45%、5%から25%、10%から30%、15%から35%、20%から40%、または、25%から45%、標的慣性乗積Ixzに近いものであることができる。
IxyおよびIxzの標的値は、異なるカテゴリーのプレーヤー向けに設計されたアイアン型クラブ・ヘッド100で様々であり得る。自然なクロージャ率および垂下率はプレーヤーごとに変化し得るので、高および低ミスショットにおける閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって発生するサイドスピンの量は、異なるタイプのプレーヤーに対して変動し得る。例えば、スイング速度が遅い(一般的に、より低いクロージャ率を有する)プレーヤー向けに設計されたクラブは、スイング速度が速いプレーヤー向けに設計されたクラブ・ヘッド100の標的値とは異なる、IxyおよびIxzの標的値を備えることができる。Ixyの効果はより速いインパクト速度でより顕著なので、Ixyの標的値は、スイング速度が増加するにつれてゼロに近付く。換言すれば、スイング速度が増加するにつれて、正の標的Ixy値は減少する。逆に、Ixzの効果はより速いインパクト速度でより顕著なので、Ixzの標的値は、スイング速度が増加するにつれてゼロに近付く。換言すれば、スイング速度が増加するにつれて、負の標的Ixz値は増加する。IxyおよびIxzの標的値の差は、クラブ・ヘッドの閉じる回転ωyおよび垂下する回転ωzによって、高および低ミスショットにおいてかかるプレーヤーに対して与えられるスピンの差を構成する。
多くの実施形態では、スイング速度が遅い(即ち、アイアン型クラブ・ヘッドをスイングしたときのスイング速度が60から75mphである)プレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約75g・in2から130g・in2の低スイング速度標的Ixyを備えることができる。いくつかの実施形態において、スイング速度が遅いプレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約75g・in2から85g・in2の間、約85g・in2から95g・in2の間、約95g・in2から115g・in2の間、または、約115g・in2から130g・in2の間の標的Ixyを備えることができる。異なるロフト角αを備えたアイアン型クラブ・ヘッドは、所定のスイング速度のプレーヤーのために、僅かに異なる範囲のIxy値を標的とすることができる。例えば、スイング速度が遅いプレーヤー向けに設計された7番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約90g・in2から127g・in2の間の標的Ixyを備えることができ、一方、スイング速度が遅いプレーヤー向けに設計された4番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約77g・in2から108g・in2の間の標的Ixyを備えることができる。
多くの実施形態では、スイング速度が遅い(即ち、アイアン型クラブ・ヘッドをスイングしたときのスイング速度が60から75mphである)プレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-70g・in2から-30g・in2の低スイング速度標的Ixzを備えることができる。いくつかの実施形態において、スイング速度が遅いプレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-70g・in2から-60g・in2の間、約-60g・in2から-50g・in2の間、約-50g・in2から-40g・in2の間、約-40g・in2から-30g・in2の間の標的Ixzを備えることができる。異なるロフト角αを備えたアイアン型クラブ・ヘッドは、所定のスイング速度のプレーヤーのために、僅かに異なる範囲のIxz値を標的とすることができる。例えば、スイング速度が遅いプレーヤー向けに設計された7番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-69g・in2から-49g・in2の間の標的Ixzを備えることができ、一方、スイング速度が遅いプレーヤー向けに設計された4番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-48g・in2から-34g・in2の間の標的Ixzを備えることができる。
多くの実施形態では、スイング速度が平均的な(即ち、アイアン型クラブ・ヘッドをスイングしたときのスイング速度が75から85mphである)プレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約50g・in2から95g・in2の平均スイング速度標的Ixyを備えることができる。いくつかの実施形態において、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約50g・in2から65g・in2の間、約65g・in2から75g・in2の間、約75g・in2から85g・in2の間、または、約85g・in2から95g・in2の間の標的Ixyを備えることができる。異なるロフト角αを備えたアイアン型クラブ・ヘッドは、所定のスイング速度のプレーヤーのために、僅かに異なる範囲のIxy値を標的とすることができる。例えば、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計された7番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約63g・in2から90g・in2の間の標的Ixyを備えることができ、一方、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計された4番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約55g・in2から75g・in2の間の標的Ixyを備えることができる。
多くの実施形態では、スイング速度が平均的な(即ち、アイアン型クラブ・ヘッドをスイングしたときのスイング速度が75から85mphである)プレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-55g・in2から-20g・in2の平均的スイング速度標的Ixzを備えることができる。いくつかの実施形態において、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-55g・in2から-45g・in2の間、約-45g・in2から-35g・in2の間、約-35g・in2から-25g・in2の間、または、約-25g・in2から-20g・in2の間の標的Ixzを備えることができる。異なるロフト角αを備えたアイアン型クラブ・ヘッドは、所定のスイング速度のプレーヤーのために、僅かに異なる範囲のIxz値を標的とすることができる。例えば、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計された7番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-49g・in2から-36g・in2の間の標的Ixzを備えることができ、一方、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計された4番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100、200、300、400は、約-34g・in2から-25g・in2の間の標的Ixzを備えることができる。
多くの実施形態では、スイング速度が速い(即ち、アイアン型クラブ・ヘッドをスイングしたときのスイング速度が85から105mphである)プレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約1g・in2から70g・in2の高スイング速度標的Ixyを備えることができる。いくつかの実施形態において、スイング速度が速いプレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約1g・in2から20g・in2の間、約20g・in2から40g・in2の間、約40g・in2から60g・in2の間、または、約50g・in2から70g・in2の間の標的Ixyを備えることができる。異なるロフト角αを備えたアイアン型クラブ・ヘッドは、所定のスイング速度のプレーヤーのために、僅かに異なる範囲のIxy値を標的とすることができる。例えば、スイング速度が速いプレーヤー向けに設計された7番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約12g・in2から64g・in2の間の標的Ixyを備えることができ、一方、スイング速度が速いプレーヤー向けに設計された4番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約4g・in2から55g・in2の間の標的Ixyを備えることができる。
多くの実施形態では、スイング速度が速い(即ち、アイアン型クラブ・ヘッドをスイングしたときのスイング速度が85から105mphである)プレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-40g・in2から-1g・in2の高スイング速度標的Ixzを備えることができる。いくつかの実施形態において、スイング速度が速いプレーヤー向けに設計されたアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-40g・in2から-30g・in2の間、約-30g・in2から-20g・in2の間、約-20g・in2から-10g・in2の間、約-10g・in2から-1g・in2の間の標的Ixzを備えることができる。異なるロフト角αを備えたアイアン型クラブ・ヘッドは、所定のスイング速度のプレーヤーのために、僅かに異なる範囲のIxz値を標的とすることができる。例えば、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計された7番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-36g・in2から-8g・in2の間の標的Ixzを備えることができ、一方、スイング速度が平均的なプレーヤー向けに設計された4番アイアンのゴルフ・クラブ・ヘッド100,200,300,400は、約-25g・in2から-2g・in2の間の標的Ixzを備えることができる。
標的IxyおよびIxz値に影響を及ぼすスイング速度に加えて、クラブ・ヘッドのクロージャ率および垂下率も標的IxyおよびIxz値を変更する。共通のスイング速度を有するプレーヤーが、異なるクロージャ率をクラブ・ヘッドに与える可能性がある。プレーヤーがより速い閉じる回転ωyでスイングすると、閉じる回転ωyによって与えられる自然なスピンをオフセットするのに、より大きいIxyおよびIxz値が必要となる。上述したように、閉じる回転ωyは、フェース中心の下方ではフェード・スピンを、中心の上方ではドロー・スピンをゴルフ・ボールに自然に与える。加えて、プレーヤーは、わずかなトウダウン回転(即ち、正の垂下する回転ωz)でゴルフ・ボールにインパクトする傾向がある。垂下する回転ωzは、閉じる回転ωyと同じ自然なスピン方向を誘発する。プレーヤー固有のスイング・パラメータに応じて、ゴルフ・クラブ・ヘッドはより大きいまたは小さい垂下する回転ωzを受ける可能性がある。標的のIxyおよびIxz値が大きいほど、より大きい垂下する回転ωzをオフセットする助けとなり得る。
質量特性の利益に加えて、格子構造130はゴルフ・クラブ・ヘッド100の耐久性も増加させることができる。アイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド100は高いインパクト応力に耐えるので、格子構造130によって提供される耐久性は、アイアン型クラブ・ヘッド100において特に価値がある。いくつかの実施形態では、格子構造130は、アイアン100の打撃フェース104の後部106を補強し後壁に接続することができる。格子130はインパクト時の材料破壊に対する追加の支持を提供するので、打撃フェース104を薄くすることができる。他の実施形態では、打撃フェース104の邪魔されない屈曲を促進するため、格子構造130を打撃フェース104の後部から分離することができる。
パター
上述の格子構造は、パター型ゴルフ・クラブ・ヘッドに組み入れることもできる。パター内で、格子構造の位置および有効密度プロファイルを使用して、慣性モーメント(MOI)値を改善し、重心(CG)を所望の位置に位置決めすることができる。CGは、質量分布に影響を及ぼす格子構造なしに(即ち、中実本体のパターの場合)CGが配置されるであろう位置である、ベースラインCG位置(CG’)よりも前方に位置決めすることができる。格子構造をマレットまたはミッドマレット型パター内に使用することで、構造的耐久性を維持するとともに、MOIおよびCG位置を改善することができる。格子構造に関して上述したように、それぞれの格子ユニット内における各ユニット足場のビーム厚さを変更することによって、所望の有効密度を達成することができる。
上述の格子構造は、パター型ゴルフ・クラブ・ヘッドに組み入れることもできる。パター内で、格子構造の位置および有効密度プロファイルを使用して、慣性モーメント(MOI)値を改善し、重心(CG)を所望の位置に位置決めすることができる。CGは、質量分布に影響を及ぼす格子構造なしに(即ち、中実本体のパターの場合)CGが配置されるであろう位置である、ベースラインCG位置(CG’)よりも前方に位置決めすることができる。格子構造をマレットまたはミッドマレット型パター内に使用することで、構造的耐久性を維持するとともに、MOIおよびCG位置を改善することができる。格子構造に関して上述したように、それぞれの格子ユニット内における各ユニット足場のビーム厚さを変更することによって、所望の有効密度を達成することができる。
パター型ゴルフ・クラブ・ヘッドの全体特性を以下に説明し、続いて特定のパターの実施形態について説明する。図33~図39を参照すると、いくつかの実施形態では、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、マレットまたはミッドマレットなどのパター500であることができる。パター500は、フェース504、ソール510、および、外殻560(またはクラウン)を備える。外殻560は、中央クラウン部分562、クラブ・ヘッド500のトウ端512に向かうトウ・クラウン部分564、クラブ・ヘッド500のヒール端514に向かうヒール・クラウン部分566、および、クラブ・ヘッド500の周縁部のスカート部分568を備える。スカート568は、トウ端512からクラブ・ヘッドの後部506を通ってヒール端514まで、クラブ・ヘッド500の末端の周りに延在することができる。フェース504、ソール510、および、外殻560(またはクラウン)は、ゴルフ・クラブ・ヘッド500の周囲を形成することができる。周囲は中実であることができる。
いくつかの実施形態では、外殻560は均一な厚さを有することができる。他の実施形態では、クラウン(中央部分562、トウ部分564、および、ヒール部分566)は、スカート部分568よりも薄い厚さであることができる。パター・ヘッド500はまた、ゴルフ・クラブ・シャフトに付着するように構成された、ホーゼル505またはホーゼル穴を備えることができる。
中央クラウン部分562は、トウ・クラウン部分564およびヒール・クラウン部分566よりも下であることができる。スカート部分568は、クラウン部分562、564、566をソール510に接続する。外殻560およびソール510はともに内部キャビティ520を形成することができる。パター・ヘッド500は、外表面522および内表面524を備えることができ、内表面524は内部キャビティ520の(またはそれを包囲する)境界を形成する。内部キャビティ520は格子構造530を収容することができる。格子構造530は、内部キャビティ520を完全にまたは部分的に満たすことができる。格子構造530は、内部キャビティ520の内表面524に接続することができる。格子構造530は質量分布に影響を及ぼし、したがってMOI、POI、およびCG位置を変更することができる。
フェース504は、打撃フェース中心点516においてフェース504から後方に直交して測定した厚さを備えることができる。厚いフェースはCGを前方に移動させることができ、薄いフェースはCGを後方に移動させることができる。パター・ヘッド500は、前側部分570および後側部分572をさらに備えることができる。厚いフェースの実施形態では、フェースはゴルフ・クラブ・ヘッド500の前側部分570を形成し、フェース504後方のすべての部分はゴルフ・クラブ・ヘッド500の後側部分572を形成する。薄いフェースの実施形態では、クラブ・ヘッド500の境界壁525よりも前方の区画はクラブ・ヘッド500の前側部分570であり、境界壁よりも後方のクラブ・ヘッドの残りの部分はクラブ・ヘッドの後側部分572である。境界壁525は、フェース504からある距離オフセットされた、ホーゼル505の後方に規定することができる。
クラブ・ヘッド500の後側部分572は、後側部分572の外表面522によって包含される中実体積として測定される、合計後側部分体積を備えることができる。内部キャビティ520は、内表面524によって包含される体積として測定される、キャビティ体積を備えることができる。内部キャビティ体積は、20%~80%のパーセンテージ範囲である、後側部分体積のパーセンテージであることができる。いくつかの実施形態では、内部キャビティ体積は、20%から30%、30%から40%、40%から50%、50%から60%、60%から70%、または、70%から80%である、後側部分体積のパーセンテージであることができる。いくつかの実施形態では、内部キャビティ体積は後側部分体積の66%または71%であることができる。
外殻560は、クラブ・ヘッド500の外表面524と内表面522との間で測定した厚さを備えることができる。外殻560の厚さは均一であることも変化することもできる。外殻の厚さは0.010インチから0.050インチであることができる。いくつかの実施形態では、外殻厚さは、0.010インチから0.020インチ、0.020インチから0.030インチ、0.030インチから0.040インチ、または、0.040インチから0.050インチであることができる。より薄い外殻は、より軽量の外殻、特にクラウンをもたらす。クラウンに配置されない重さは、クラブ・ヘッド500の周囲に分配されて、クラブ・ヘッド500のMOIを増加させることができる。いくつかの実施形態では、クラウンの一部分を除去して格子構造を露出させて、質量をクラウン(562、564、および566)からさらに除去することができる。
ゴルフ・クラブ・ヘッド500のソール510は、0.030インチから0.080インチの間であり得るソール厚さを備えることができる。いくつかの実施形態において、ソール厚さは、0.030インチから0.040インチ、0.040インチから0.050インチ、0.050インチから0.060インチ、0.060インチから0.070インチ、または、0.070インチから0.080インチの範囲とすることができる。いくつかの格子状実施形態において、ソール厚さは、約0.040インチ以下、約0.050インチ以下、または、約0.060インチ以下とすることができる。
格子構造530は、外殻560を支持して、格子構造530を有さない実施形態よりも外殻560を薄くするのを可能にすることができる。格子構造530は、ソール510に支持を提供して、格子構造530を有さない実施形態よりもソール510を薄くするのを可能にすることができる。薄い外殻および薄いソールは両方とも、支持する格子構造530によって可能にされ、任意の質量を解放することができる。任意の質量は、MOIの改善、POIの改善のため、クラブ・ヘッドの周囲に移動させることができ、ならびに/あるいは格子構造に組み込んで、CG位置を制御することができる。
いくつかの実施形態では、格子構造530を露出させ、ゴルフ・クラブ・ヘッド500の外表面522に見えるようにすることができる。格子構造530は、クラウン562,564,566で、ソール510で、または、スカート568で露出させることができる。例えば、格子構造530は、トウ・クラウン部分564および/またはヒール・クラウン部分566のある区画にわたって露出させることができる。あるいは、格子530は、トウ・クラウン部分564全体およびヒール・クラウン部分566全体にわたって露出させることができる。格子構造530を露出させることで、外表面522の部分を除去することにより、任意の重さをさらになくすことができる。加えて、格子構造530を露出させることで、クラブ・ヘッド500の美観を改善し、技術がプレーヤーの目に見えるようにすることができる。いくつかの実施形態では、格子構造530は、格子構造530の様々な形状または密度プロファイルにより、外表面522の異なる領域で異なるように見えることができる。
マレット型及びミッドマレット型パターのようないくつかのパターの実施形態において、Ixx値は400g・in2から460g・in2の間とすることができ、Iyy値は590g・in2から670g・in2の間とすることができ、Izz値は230g・in2から270g・in2の間とすることができる。いくつかのパターの実施形態において、Ixx値は450g・in2から460g・in2の間とすることができ、Izz値は645g・in2から670g・in2の間とすることができIzz値は240g・in2から265g・in2の間とすることができる。
いくつかのマレットおよびミッドマレットの格子状パターの実施形態では、CGは、X’軸に沿って-0.020インチから-0.035インチ、Y’軸に沿って-0.800インチから-1.000インチ、および、Z’軸に沿って0.850インチから0.900インチに位置決めすることができる。図35を参照すると、いくつかの実施形態では、格子構造530をゴルフ・クラブ・ヘッド500に含めることで、CGを前部に向かって、後部に向かって、トウ端に向かって、ならびに/あるいはヒール端に向かって移動させることができる。図35に示されるように、格子ユニットを含めることで、CGをベースラインCG位置(CG’)から格子を含むCG位置へと前方にシフトすることができる。ベースラインCG位置(CG’)は、中空内部キャビティおよび格子構造を有さない比較のゴルフ・クラブ・ヘッドのCG位置である。比較のクラブ・ヘッドは、本明細書で説明するクラブ・ヘッド500と同様のサイズおよびスタイルを有することができる。比較のクラブ・ヘッドのいくつかの実施形態では、CGは、X’軸に沿って-0.010インチから-0.020インチ、Y’軸に沿って-1.000インチから-1.400インチ、およびZ’軸に沿って0.900インチから1.000インチに位置決めすることができる。
いくつかの実施形態では、内部キャビティ520および格子構造530をゴルフ・クラブ・ヘッド500に含めることで、0インチから1.6インチのCGシフト距離の分、CGを前方にシフトすることができる。距離は、ベースラインCG位置(CG’)と格子を含むCG位置との間でZ’軸方向で測定される。いくつかの実施形態では、CGシフト距離は、0インチから0.2インチ、0.2インチから0.4インチ、0.4インチから0.6インチ、0.6インチから0.8インチ、0.8インチから1.0インチ、1.0インチから1.2インチ、1.2インチから1.4インチ、または、1.4インチから1.6インチであることができる。
第1のパターの実施形態
図33~図38を参照すると、第1のパターの実施形態では、格子構造530はクラブ・ヘッド500の中心基準球550からスカート568まで延在する。格子構造530は完全に内部にあり、クラブ・ヘッド500の外部からは見えない。格子構造530の密度はクラブ・ヘッド500の周囲(または周辺)に向かって増加する。第1のパターの実施形態のクラブ・ヘッドは厚いフェース504を備えることができる。厚いフェース504は、クラブ・ヘッド500の前側部分570を形成し、パター・ヘッド500の前方CG位置に寄与することができる。
図33~図38を参照すると、第1のパターの実施形態では、格子構造530はクラブ・ヘッド500の中心基準球550からスカート568まで延在する。格子構造530は完全に内部にあり、クラブ・ヘッド500の外部からは見えない。格子構造530の密度はクラブ・ヘッド500の周囲(または周辺)に向かって増加する。第1のパターの実施形態のクラブ・ヘッドは厚いフェース504を備えることができる。厚いフェース504は、クラブ・ヘッド500の前側部分570を形成し、パター・ヘッド500の前方CG位置に寄与することができる。
図33~図38を参照すると、第1のパターの実施形態のヘッドは、内部キャビティ520を部分的に満たす格子構造530を備える。格子構造530は、クラブ・ヘッド500の中心基準球554の境界面から周囲(縁部)まで延在する。格子構造530は、クラブ・ヘッドの内表面524(即ち、内部キャビティ520を包囲し規定する表面)、およびクラブ・ヘッド500の前側部分570の境界壁525で終わる。格子構造530の密度プロファイルは、中心基準球550からスカート568に向かって径方向で線形的に離れる方向で増加する。中心基準球は、ベースラインCG位置(CG’、即ち、格子を追加する前のCGの位置)をほぼ中心とすることができ、または中心基準球550は、ベースラインCG位置(CG’)の前方を中心とすることができる。
格子構造530は、クラブ・ヘッド500の中心基準球境界面554から周囲まで増加する、密度プロファイルを備える。上述したように、格子構造530は複数の格子ユニット534を備え、各ユニット534はユニット足場536を有する。ユニット足場536は、接続されたビーム537(または足場ロッド)から形成される。図38に示される実施形態の場合、複数の格子ユニット534の各ユニット足場536は、蛍石として知られる形状を有する幾何学構造を備えることができる。
図38の実施形態では、格子ユニット534のビーム厚さ(またはビーム径)は、中心基準球境界面554から内部キャビティ520を包囲する内表面524まで線形的に増加する。最小ビーム厚さは約0インチである。最大ビーム厚さは約0.078インチ(2mm)である。最小ビーム厚さ値に近付く足場ビーム537を有する格子ユニット534は、中心基準球550に隣接している。最大ビーム厚さ値に近付く足場ビーム537を有する格子ユニット534は、クラブ・ヘッド500の周囲のスカート568に隣接し、ならびに/あるいはそれに接続される。格子構造530の密度プロファイルは、クラブ・ヘッド500のMOI値の増加に寄与する。
図38の実施形態では、外殻560はほぼ均一な厚さを備えることができる。いくつかの実施形態では、外殻厚さは約0.020インチであることができ、ソール厚さは約0.040インチであることができる。格子構造530を内部キャビティ520の部分内に含めることは、クラウン562、564、および566、ならびにソール510を補強し接続して、質量を追加することなく耐久性を増加させる助けとすることができる。
第2のパターの実施形態
図39を参照すると、第2のパターの実施形態600では、格子状領域は均一な有効密度を有することができ、格子構造630は内部キャビティ620全体を占めることができる。第1のパターの実施形態500と同様に、格子構造630は完全に内部にあり、クラブ・ヘッド600の外部からは見えない。第2のパターの実施形態のクラブ・ヘッド600は厚いフェース604を備えることができる。厚いフェース604は、クラブ・ヘッド600の前側部分670を形成し、パターの前方CG位置に寄与することができる。
図39を参照すると、第2のパターの実施形態600では、格子状領域は均一な有効密度を有することができ、格子構造630は内部キャビティ620全体を占めることができる。第1のパターの実施形態500と同様に、格子構造630は完全に内部にあり、クラブ・ヘッド600の外部からは見えない。第2のパターの実施形態のクラブ・ヘッド600は厚いフェース604を備えることができる。厚いフェース604は、クラブ・ヘッド600の前側部分670を形成し、パターの前方CG位置に寄与することができる。
図39を参照すると、第2のパターの実施形態のクラブ・ヘッド600は、内部キャビティ620を完全に満たす格子構造630を備える。格子構造630は、内部キャビティ620全体を通して均一に延在する。格子構造630は複数の格子ユニット634を備える。各格子ユニット634はユニット足場636を備え、格子ユニット634の残りは空き空間である。
複数の格子ユニット634の各ユニット足場636は、相互接続して蛍石として知られる形状を形成する、ビーム637(または足場ロッド)を備えることができる。ビーム637はビーム厚さを備える。格子ユニット634のビーム厚さは、複数の格子ユニット634を通して均一である。いくつかの実施形態では、ビーム厚さは約0.043インチ(1.1mm)である。
第2のパターの実施形態600の外殻クラウン厚さは、第1のパターの実施形態500の場合と同じであることができる。第2のパターの実施形態のクラブ・ヘッド600は、約0.060インチである(第1のパターの実施形態よりも厚い)ソール厚さを備えることができる。ビーム厚さ、外殻厚さ、およびソール厚さはすべて、クラブ・ヘッド600の耐久性に影響を及ぼす。格子構造630を内部キャビティ620の部分内に含めることは、クラウンおよびソールを補強し接続して、質量を追加することなく耐久性を増加させる助けとすることができる。換言すれば、格子構造630がクラウンおよびソールを支持するので、クラウンおよびソールの一方または両方はより薄いものであることができる。
パターの利点
本明細書で説明する格子構造530、630は、パター・ヘッド500、600における前方のCG配置を可能にする。格子構造530、630は、中実質量を取り出すか、またはより低い有効密度の格子構造530、630と置き換えることができる。格子構造530、630は外殻560、660をさらに支持することができ、したがって質量の再位置決めにかかわらず耐久性を維持する。
本明細書で説明する格子構造530、630は、パター・ヘッド500、600における前方のCG配置を可能にする。格子構造530、630は、中実質量を取り出すか、またはより低い有効密度の格子構造530、630と置き換えることができる。格子構造530、630は外殻560、660をさらに支持することができ、したがって質量の再位置決めにかかわらず耐久性を維持する。
打撃フェースにより近いCG(より低いCGz値)は、オフセンター・フェース・インパクトにおける水平打出し角を低減する。水平打出し角は所望の中心線パット経路から計り分けられる。換言すれば、水平打出し角は、ゴルフ・ボールが打撃フェースから離れる初期経路が穴の左または右にどの程度の角度であるかを定量化する。ゼロにより近い水平打出し角のパットは、ゼロから遠い水平打出し角のパットよりもオフライン移動が少なくなる(即ち、より真っ直ぐなロール)。したがって、水平打出し角がゼロに近いほど、パットは穴に達することになる。
ゴルフ・ボールがフェースを打撃するときに生じるギアリング効果により、CG位置は水平打出し角に影響を及ぼす。前方のCGを有するパターでは、パターのCGとゴルフ・ボールのCGとの間のモーメント・アームは、後方のCGを有するパターの対応するモーメント・アームよりも短くなる。より短いモーメント・アームは、インパクト時のクラブ・ヘッドのギアリング(または回転)を低減し、したがって打撃フェースのねじれが少なくなり、結果として水平打出し角がより小さくなる。水平打出し角をゼロに近付けることで、インパクト時にゴルフ・ボールに与えられるサイドスピンも低下し、したがってパット中のゴルフ・ボールのオフライン移動がさらに低減される。
ブレード型パター・ヘッドは、クラブ・ヘッド設計の幾何学形状の幅が狭いことにより、フェースに近いCGを有する。したがって、本質的に、ブレード型パターは、従来のマレット型パターよりもゼロに近い水平打出し角を達成する。本明細書で説明する格子構造を有するパターは、マレット型パターの見た目および感触を維持しながら、ほぼブレードのような性能(即ち、ブレードのような打出し)を呈する。
CG深さ(-CGz)およびIyy値は両方とも水平打出し角に影響を及ぼすことができる。図43のグラフでは、-CGz値がIyy値に対してグラフ化されている。負のCGz値は原点OからのCGの後方深さに対応するので、負のCGz値がグラフ化されている。
輪郭線は、水平インパクト位置ごとの水平打出し角の一貫した変化の線を表す。水平打出し性能は輪郭線に沿って同じである。CGを後方(より負のCGz、グラフ上で上方向)に移動させるにつれて、同じ水平打出し性能を達成するのにIyyを増加させなければならない。例えば、約700g・in2のIyyを有するパターでCGを1/2インチ後方に移動させると、水平打出し性能をオフセットするにはIyyを約1000g・in2増加させる必要があるであろう。
図43のグラフでは、輪郭線が低いほど、それらの間の領域は、より高い輪郭線および領域よりも水平打出しに有益である。換言すれば、より低い輪郭線は、水平インパクト位置ごとのより小さい水平打出し角を表す。輪郭線は、0.0008から0.0035の範囲の傾斜を有することができる。いくつかの実施形態では、輪郭線は、0.0008か0.001、0.001か0.002、0.002か0.003、0.001か0.0015、0.0015か0.002、0.002か0.0025、0.0025か0.003、または0.003~0.0035の範囲の傾斜を有することができる。
図43のグラフを参照すると、本明細書で説明するパターのいくつかの実施形態は、次式によって規定される輪郭線1500aの下の性能領域内にあることができる。
CGzはインチ単位で測定され、Iyyはg・in2で測定される。本明細書で説明するパターのいくつかの実施形態は、次式によって規定される輪郭線1500bの下の性能領域内にあることができる。
CGzはインチ単位で測定され、Iyyはg・in2で測定される。本明細書で説明するパターのいくつかの実施形態は、次式によって規定される輪郭線1500cの下の性能領域内にあることができる。
CGzはインチ単位で測定され、Iyyはg・in2で測定される。輪郭線1500a、1500b、および/または1500cの下の性能領域内にあることは、パターがより真っ直ぐなロールを有するようになることを示す。
製造方法
格子構造を備えるクラブ・ヘッドは、金属本体を形成する任意の好適な製造プロセスを通して形成することができる。格子構造を備えるクラブ・ヘッドは、キャスティング、ダイ・キャスティング、コ・ダイ・キャスティング、アディティブ・マニュファクチャリング、またはメタリック3Dプリンティングを使用して金属から形成することができる。
格子構造を備えるクラブ・ヘッドは、金属本体を形成する任意の好適な製造プロセスを通して形成することができる。格子構造を備えるクラブ・ヘッドは、キャスティング、ダイ・キャスティング、コ・ダイ・キャスティング、アディティブ・マニュファクチャリング、またはメタリック3Dプリンティングを使用して金属から形成することができる。
実施例1
POI値IxyおよびIxzを、第1の例示的なクラブ・ヘッド100、第2の例示的なクラブ・ヘッド200、第3の例示的なクラブ・ヘッド300、および対照クラブ・ヘッドの間で比較した。第1の例示的なクラブ・ヘッド100は上述のアイアン型クラブ・ヘッド100と同様であった。第1の例示的なクラブ・ヘッドは、密度が変化する複数の格子ユニットを備える格子領域を有する内部キャビティを備えていた。第1の例示的なクラブ・ヘッドの複数の格子ユニットの密度は、ソールからクラブ・ヘッドのトウ端に近いトップ・レールまでは増加させ、ソールからクラブ・ヘッドのヒール端に近いトップ・レールまでは減少させた。したがって、第1の例示的なクラブ・ヘッドは、高トウ領域および低ヒール領域に最高格子ユニット密度を、低トウ領域および高ヒール領域に格子ユニットの最低密度を備えていた。
POI値IxyおよびIxzを、第1の例示的なクラブ・ヘッド100、第2の例示的なクラブ・ヘッド200、第3の例示的なクラブ・ヘッド300、および対照クラブ・ヘッドの間で比較した。第1の例示的なクラブ・ヘッド100は上述のアイアン型クラブ・ヘッド100と同様であった。第1の例示的なクラブ・ヘッドは、密度が変化する複数の格子ユニットを備える格子領域を有する内部キャビティを備えていた。第1の例示的なクラブ・ヘッドの複数の格子ユニットの密度は、ソールからクラブ・ヘッドのトウ端に近いトップ・レールまでは増加させ、ソールからクラブ・ヘッドのヒール端に近いトップ・レールまでは減少させた。したがって、第1の例示的なクラブ・ヘッドは、高トウ領域および低ヒール領域に最高格子ユニット密度を、低トウ領域および高ヒール領域に格子ユニットの最低密度を備えていた。
第2の例示的なクラブ・ヘッド200は上述のアイアン型クラブ・ヘッド200と同様であった。第2の例示的なクラブ・ヘッドは、密度が変化する複数の格子ユニットを備える格子領域を有する内部キャビティを備えたものであった。第2の例示的なクラブ・ヘッドの複数の格子ユニットの密度は、打撃フェースから高ヒール象限および低ヒール象限内の後部までは増加させ、打撃フェースから高トウ象限および低トウ象限内の後部までは減少させた。
第3の例示的なクラブ・ヘッド300は上述のアイアン型クラブ・ヘッド300と同様であった。第3の例示的なクラブ・ヘッドは、密度が変化する複数の格子ユニットを備える格子領域を有する内部キャビティを備えていた。第3の例示的なクラブ・ヘッドの複数の格子ユニットの密度は、X軸に沿って延在する水平基準シリンダ内で最大であった。第3の例示的なクラブ・ヘッドはさらに、高トウ象限内に配置された第1の内部質量、および低トウ象限内に配置された第2の内部質量を備えていた。
対照クラブ・ヘッドは、第1、第2、および第3の例示的なクラブ・ヘッドの構造と同様であった。対照クラブ・ヘッドは中空の内部キャビティを形成する本体を備えていた。対照ヘッドは、中空キャビティまたはクラブ・ヘッドの他の部分内にいずれの格子領域も有していなかった。
対照クラブと第1、第2、および第3の例示的なクラブ・ヘッドとの慣性乗積の比較を、下記の表1に表示している。表1は、望ましいデリバリー特性を所与として、打ち損なって中心の上方または下方に当たったショットにおいて作られるサイドスピンが無視できる程度となりPOI値を表す、IxyおよびIxz両方の標的値も表示している。比較のため、測定したすべてのクラブ・ヘッドは7番アイアンであった。
上記表によって表示されるように、例示的なクラブ1の格子領域は、対照クラブよりも44.31g・in2の慣性乗積Ixyの増加を作り出した。例示的なクラブ1の慣性乗積Ixyは対照クラブよりも、「最適化された」慣性乗積Ixyの標的値に38.9%近かった。例示的なクラブ1はまた、0.93g・in2の慣性乗積Ixzのわずかな増加ももたらした。例示的なクラブ1の慣性乗積Ixzは対照クラブよりも、「最適化された」慣性乗積Ixzの標的値に1.9%近かった。
上記表によってさらに表示されるように、例示的なクラブ2の格子領域は、対照クラブよりも20.89g・in2の慣性乗積Ixyの増加を作り出した。例示的なクラブ2の慣性乗積Ixyは対照クラブよりも、「最適化された」慣性乗積Ixyの標的値に18.3%近かった。例示的なクラブ2の格子領域はまた、対照クラブよりも19.58g・in2の慣性乗積Ixzの増加を作り出した。例示的なクラブ2の慣性乗積Ixzは対照クラブよりも、「最適化された」慣性乗積Ixzの標的値に40.6%近かった。
上記表によってさらに表示されるように、例示的なクラブ3の格子領域は、対照クラブよりも5.33g・in2の慣性乗積Ixyのわずかな増加を作り出した。例示的なクラブ3の慣性乗積Ixyは、「最適化された」慣性乗積Ixyの標的値に4.7%近かった。例示的なクラブ3の格子領域はまた、7.38g・in2の慣性乗積Ixzのわずかな増加を作り出した。例示的なクラブ3の慣性乗積Ixzは、「最適化された」慣性乗積Ixzの標的値に15.3%近かった。
対照クラブから第1、第2、および第3の例示的なクラブへの慣性乗積(IxyおよびIxz両方)の増加は、高および低ミスショットにおいて各クラブで発生するサイドスピンの量の変化をもたらした。各クラブ・ヘッドに関して、トップ・レール-ソール方向の異なる位置で打撃されるショットのサイドスピンを比較した。各クラブに関して、中心の上方および下方0.7インチの間で当たるショットに対して、0.1インチの増分で、サイドスピンを測定した。下記の表2は、様々なクラブ・ヘッド間におけるサイドスピンの大きさの比較の結果を表示している。高ミスショット(インパクト位置0.1インチから0.7インチ)、低ミスショット(インパクト位置-0.1インチ~-0.7インチ)、およびインパクト位置の全範囲について、各クラブの平均サイドスピン値が表示されている。
平均して、例示的なクラブ・ヘッド100は、インパクト位置の全範囲で84.1RPMのサイドスピン低減(対照クラブよりも27.3%のサイドスピン減少)を表した。さらに、例示的なクラブ・ヘッド1は、低ミスショット(即ち、打ち損なってフェースの中心とソールとの間に当たったショット)において119.7RPMの低減を表した。これは、対照クラブによる低ミスショットにおける平均サイドスピンと比較して、38.9%のサイドスピンの減少である。例示的なクラブ・ヘッド1は、高ミスショットにおいて15.1RPMの増加(対照クラブ・ヘッドと比較して9.2%のサイドスピンの増加)を含んでいた。しかしながら、高ミスショットにおけるサイドスピンの増加はクラブ・ヘッド性能に弊害をもたらさない。ボールをアイアン型クラブ・ヘッドで打撃するとき、プレーヤーは、フェースを高ミスショットするよりも低ミスショットする方がはるかに多い。さらに、サイドスピンの大きさ全体は、低ミスショットの場合の方が高ミスショットの場合よりも非常に大きい。例示的なクラブ・ヘッド1の場合の低ミスショットにおけるサイドスピンが大きく減少することは、高ミスショットの場合のサイドスピンの増加が小さいこととトレードオフする価値がある。
平均して、例示的なクラブ・ヘッド200は、インパクト位置の全範囲で87.0RPMのサイドスピン低減(対照クラブよりも28.2%のサイドスピン減少)を表した。さらに、例示的なクラブ・ヘッド2は、対照クラブ・ヘッドと比較したとき、高ミスショットにおける55.7RPMのサイドスピン低減(対照クラブよりも33.8%のサイドスピン減少)および低ミスショットにおける119.5RPMのサイドスピン低減(24.7%の減少)を表した。
平均して、例示的なクラブ・ヘッド3は、インパクト位置の全範囲で35.9RPMのサイドスピン増加(対照クラブよりも11.6%のサイドスピン増加)を表した。さらに、例示的なクラブ・ヘッド300は、高ミスショットにおける17.2RPMのサイドスピン低減(対照クラブよりも10.4%の減少)および低ミスショットにおける86.9RPMのサイドスピン増加(対照クラブよりも17.9%の増加)を表した。例示的なクラブ・ヘッド300は、慣性乗積IxyおよびIxzに対してわずかな増加を表したが、サイドスピンの増加全体は、性能の便益を提供するために格子構造をクラブ・ヘッドのエリアに戦略的に配置しなければならないことを実証している。
第1の例示的なクラブ・ヘッド100および第2の例示的なクラブ・ヘッド200で観察されたサイドスピンの減少は、一般に、さらに遠くさらに真っ直ぐに進むミスショットをもたらすであろう。対照クラブと比較してIxyは増加するがIxzは同様である第1の例示的なクラブ・ヘッド100の場合、高および低ミスショット両方で、Ixyの増加がボールに影響を及ぼしてドローさせた。フェードの影響をもたらすIxzの増加がなく、例示的なクラブ・ヘッド100における高ミスショットは、対照クラブよりもフェードするスピンを備えていた。しかしながら、上述したように、アイアン型クラブ・ヘッドでは低ミスショットが高ミスショットよりもはるかに一般的であるという事実により、例示的なクラブ・ヘッド100はまだ対照クラブよりも望ましい。
第2の例示的なクラブ・ヘッド200は、対照クラブに対してIxyおよびIxzの両方で改善を備えていた。改善されたIxyおよびIxzの組み合わせは、高および低ミスショットの両方に関してスピンの低減につながった。Ixyを改善するドローの影響とIxzを改善するフェードの影響との組み合わせは、あらゆるインパクト位置でサイドスピンの低減をもたらした。
第1および第2の例示的なクラブ・ヘッド100、200のこれらの減少したサイドスピン値は、様々な格子領域を含めることによって達成される、例示的なクラブ・ヘッドの改良された質量特性(具体的には、所定の標的値により緊密に一致する、増加された慣性乗積)の直接の結果である。他の格子構成を通してクラブ・ヘッドの慣性乗積をさらに増加させることによって、望ましくないサイドスピンをより一層低減することができる。
例示的なクラブ・ヘッド300は、IxyおよびIxzの両方に対してわずかな増加を表したが、平均サイドスピンは対照クラブに対して増加した。上述したように、例示的なクラブ・ヘッド300の意図は、他の実施形態のトウ寄りのCG位置を提供しながら、IxyおよびIxzを増加させることであった。しかしながら、CGの再位置決めはサイドスピンに対する悪影響をもたらした。例示的なクラブ・ヘッド300のサイドスピンの結果は、POIを他の望ましい設計パラメータと均衡させることの困難を示している。
実施例2
マレット対照パターおよびブレード対照パターを、上述した第1のパターの実施形態の4つの例(つまり、変化例)と比較して、MOI値、CG位置、およびシミュレートした水平打出し角を決定した。マレット対照パターは、中空内部キャビティを有さず格子構造を有さないストック・パターであった。マレット対照パターは、後述する4つの例示的なパターとほぼ同じサイズおよび形状であった。マレット対照パターおよび4つの例示のパターはすべてマレット型パターであった。マレット・パターはブレード対照とも比較した。
マレット対照パターおよびブレード対照パターを、上述した第1のパターの実施形態の4つの例(つまり、変化例)と比較して、MOI値、CG位置、およびシミュレートした水平打出し角を決定した。マレット対照パターは、中空内部キャビティを有さず格子構造を有さないストック・パターであった。マレット対照パターは、後述する4つの例示的なパターとほぼ同じサイズおよび形状であった。マレット対照パターおよび4つの例示のパターはすべてマレット型パターであった。マレット・パターはブレード対照とも比較した。
ゴルフ・クラブ・ヘッド内の重さ分布に関連する性質を比較する場合、比較されるクラブ・ヘッドにわたって同様の合計質量を維持することが望ましい。下記の表IIIに示されるように、調査したマレット・クラブ・ヘッドはほぼ同等の質量を有していた。ブレード対照はそのサイズのため、より少ない質量を有する。
第1の例示のパターは、上述し図33~図38に示した、第1のパターの実施形態のものであった。中心基準球は、第1の例示のパターにおけるベースラインCG位置を中心としていた。ユニット足場は蛍石のビーム構造を備えていた。格子構造の密度は、パターのスカートまたは周囲に向かって線形的に増加した。
第2の例示のパターは、図示されないが、上述した第1のパターの実施形態のものであった。第2の例示のパターは、中心基準球がベースラインCG位置の前方の地点を中心としていた点以外、第1の例示のパターと同じであった。中心基準球のこの位置は、下記の表IIIに示されるように、CGを後方に移動させた。ユニット足場は蛍石のビーム構造を備えていた。格子構造の密度は、パターのスカートまたは周囲に向かって線形的に増加した。
第3の例示のパターは、図示されないが、上述した第1のパターの実施形態のものであった。第3の例示のパターは、ユニット足場が第3の例示のパターでは凹角多角形のビーム構造を備えていた点以外、第1の例示のパターと同じであった。格子構造の密度は、パターのスカートに向かって線形的に増加した。
第4の例示のパターは、図示されないが、上述した第1のパターの実施形態のものであった。第4の例示のパターは、ユニット足場が第4の例示のパターではダイヤモンド形のビーム構造を備えていた点以外、第1の例示のパターと同じであった。格子構造の密度は、パターのスカートに向かって線形的に増加した。
マレット対照パターと比べて、4つの例示的なパターはすべて、より高いMOIおよび打撃フェースにより近いCG位置を示した。表IIIを参照すると、x軸方向(ヒール-トウ)のMOIであるIxxは、第1、第2、第3、および第4のパター・ヘッドの方がマレット対照パター・ヘッドよりも大きかった。より大きいIxx値は、ゴルフ・ボールがフェースにオフセンターでインパクトするときの許容性がより高い。いくつかの実施形態では、許容性の増加は、パット中のゴルフ・ボールのオフライン・キャリーを低下させる可能性がある。
表IIIを参照すると、y軸方向(ソール-クラウン)のMOIであるIyyは、第1、第2、第3、および第4の例のパター・ヘッドの方が対照パター・ヘッドよりも大きかった。より大きいIyy値は、ゴルフ・ボールが、一般的には打撃フェースの幾何学的中心点にある、改変されたインパクト位置の上方または下方で打撃フェースにインパクトするときの許容性がより高い。
表IIIを参照すると、z軸方向(前後)のMOIであるIzzは、第1、第2、第3、および第4のパター・ヘッドの方が対照パター・ヘッドよりも大きかった。より大きいIzz値は、パター・ヘッドの最前端および最後端により多くの重さを集中させることによって生じる。第1、第2、第3、および第4の例示のパター・ヘッドにおける格子構造を有する内部キャビティは、質量をクラブ・ヘッドの中心から除去し、周囲に向かって再分配して、対照パター・ヘッドと比較してIzzを増加させた。より大きいIzzは、特定のパット・ストローク・タイプのプレーヤーに便益をもたらすことができる。
工業モデルを使用して、CG位置を水平打出し角に相関させた。上述したように、CGを打撃フェースに近付けること(より低いCGz値)によって、オフセンターでのフェースのインパクトにおける水平打出し角が低減され、それによって次いで、ゴルフ・ボールに与えられるサイドスピンが低減された。
図41では、ゴルフ・ボールに与えられる水平打出し角を、比較されたパター・ヘッドに関する打撃フェース上の水平インパクト位置に対してグラフ化している。パットのオフライン変位を低減するのに、水平打出し角を最小にすることが望ましい。ブレード対照パター・ヘッドは、ブレード対照のCG位置が前方であることにより、水平打出し角に関して他のクラブ・ヘッドよりも優れていた。マレット型パターの中で、第1、第2、第3、および、第4の例示のクラブ・ヘッドはマレット対照よりも優れていた。
図41に示されるように、第1、第2、第3、および、第4の例示のパターは、特にオフセンターのインパクトにおいて、マレット対象よりもゼロに近い水平打出し角を達成した。例えば、第1、第2、第3、および、第4の例示のパターは、-0.5インチのインパクト位置に対して約0.5度の水平打出し角を達成したが、マレット対照は、同じインパクト位置に対して約0.75度の水平打出し角を示した。シミュレートしたサイドスピン値に関して、ブレードは例示のクラブ・ヘッドよりも優れており(即ち、オフセンターのショット時に発生するサイドスピンがより少なかった)、例示のクラブ・ヘッドはマレット対照よりも優れていた。
例示のクラブ・ヘッド間の性能差は最小であり、所望の打出し角特性を達成するのに様々な格子タイプを使用できることが示された。第1、第2、第3、および、第4の例示のクラブ・ヘッドは、マレット型パターの見た目および感触を維持したまま、ブレード型パターに近い有益な水平打出し角値を達成した。
実施例3
マレット対照パターおよびブレード対照パターを、上述した第1のパターの実施形態の実施例および第2のパターの実施形態の実施例と比較して、MOI値、CG位置、およびシミュレートした水平打出し角を決定した。マレット対照パターは、実施例2で上述したマレット対照パターと同様であった。ブレード対照パターは、実施例2のパター対照パターと同様であった。第1の例示のパターは、実施例2で上述した第1の例示のパターと同様であった。第2の例示のパターは、上述したパターの第2の実施形態と同様であった。
マレット対照パターおよびブレード対照パターを、上述した第1のパターの実施形態の実施例および第2のパターの実施形態の実施例と比較して、MOI値、CG位置、およびシミュレートした水平打出し角を決定した。マレット対照パターは、実施例2で上述したマレット対照パターと同様であった。ブレード対照パターは、実施例2のパター対照パターと同様であった。第1の例示のパターは、実施例2で上述した第1の例示のパターと同様であった。第2の例示のパターは、上述したパターの第2の実施形態と同様であった。
第2の例示のパターは均一な密度の格子構造を備えていた。格子構造はパターの内部キャビティを満たしていた。第2の例示のパターは、中実のフェース、1mm厚のクラウン、および1.5mm厚のソールを備えていた。ゴルフ・クラブ・ヘッド内の重さ分布に関連する性質を比較する場合、比較されるクラブ・ヘッドにわたって同様の合計質量を維持することが望ましい。下記の表IVに示されるように、調査したマレット・クラブ・ヘッドはほぼ同等の質量を有していた。
表IVを参照すると、第1および第2の例示のパター・ヘッドのMOI(Ixx、Iyy、およびIzz)は、マレット対照パター・ヘッドのそれぞれのMOIよりも大きかった。第1の例示のパター・ヘッドは、周囲に向かって増加する、密度が変化する格子を有するので、第1の例示のパター・ヘッドは、均一な格子密度を有する第2の例示のパター・ヘッドよりもわずかに大きいMOIを有する。第1および第2の例示のパター・ヘッドのCGは、マレット対照パター・ヘッドのCG位置と比較して、後部よりも打撃フェースにより近かった。
工業モデルを使用して、CG位置を水平打出し角に相関させた。図42のグラフに示されるように、水平打出し角は、第1および第2の例示のクラブ・ヘッドの方がマレット対照よりもゼロに近かった。ブレード対照は、3つすべてのマレット型パター・ヘッドよりもゼロに近い水平打出し角値を示した。例示のクラブ・ヘッド間の性能差は最小であり、所望の打出し角特性を達成するのに様々な格子密度プロファイルを使用できることが示された。第1および第2の例示のクラブ・ヘッドは、マレット型パターの見た目および感触を維持したまま、ブレード型パターに近い有益な水平打出し角値を達成した。
実施例4
第1のマレット対照、第2のマレット対照、第3のマレット対照、ブレード対照、および、例示のパター・ヘッドの水平打出し角性能を評価する、シミュレーション調査を行った。第1のマレット対照は、上述の実施例2および3の第1のマレット対照と同様であった(「Oslo」パター)。第2のマレット対照は、第1のマレット対照よりも大きいIyy値をもたらすヒールおよびトウの重さを備えていた(「Ketch」パター)。第3のマレット対照は、ヒールおよびトウを極端に重み付けした、複数材料(アルミニウムおよび鋼)のクラブ・ヘッドであった(「Tomcat 14」パター)。第3のマレット対照は、第1および第2の例示のマレット両方よりも高いIyy値を示した。ブレード対照は、上述の実施例2および3のブレード対照と同様であった(「Anser」パター)。
第1のマレット対照、第2のマレット対照、第3のマレット対照、ブレード対照、および、例示のパター・ヘッドの水平打出し角性能を評価する、シミュレーション調査を行った。第1のマレット対照は、上述の実施例2および3の第1のマレット対照と同様であった(「Oslo」パター)。第2のマレット対照は、第1のマレット対照よりも大きいIyy値をもたらすヒールおよびトウの重さを備えていた(「Ketch」パター)。第3のマレット対照は、ヒールおよびトウを極端に重み付けした、複数材料(アルミニウムおよび鋼)のクラブ・ヘッドであった(「Tomcat 14」パター)。第3のマレット対照は、第1および第2の例示のマレット両方よりも高いIyy値を示した。ブレード対照は、上述の実施例2および3のブレード対照と同様であった(「Anser」パター)。
図43のグラフでは、より低い輪郭線は、打撃フェース上の一貫した位置に関してより小さい水平打出し角を表すので、ブレード対照は最良の水平打出しを示した。より具体的には、ブレード対照は、そのCG位置が前方であることにより、グラフの下側領域内にある(即ち、良好な性能)。ブレード対照は、その形状によって、マレットと比較して極端に前方のCGを達成することが可能になる。第1、第2、および、第3のマレット対照は、水平インパクト位置ごとに最も悪い水平打出しを示した。これら3つのマレット対照は、そのCG位置が後方にあることにより、グラフの上側領域内にある(即ち、不十分な性能)。第3のマレット対照の高いIyy値はその性能をわずかに改善して、第1および第2のマレット対照よりも下の領域に入れられた(即ち、わずかに良好な性能)。しかしながら、第3のマレット対照は第2のマレット対照よりも200g・in2超高いIyyを有していたが、第3のマレット対照は例示のパター・ヘッドと同等の水平打出し性能を達成することはできなかった。
例示のクラブ・ヘッドは、ブレード対照とマレット対照との間のCG位置を備えていた。したがって、例示のクラブ・ヘッドは、マレット対照よりも良好でブレード対照よりもわずかに悪い、水平インパクト位置ごとの水平打出しを示した。例示のクラブ・ヘッドは、マレット型パターの見た目および感触を維持したまま、部分的にブレード型パターのように働いた。
ゴルフのルールは時々変更されることがある(例えば、ゴルフ標準化機構および/または運営組織によって、新しい規則が適用されることがあり、または古いルールが排除もしくは修正されることがある)ので、本明細書で説明する方法、装置、および/または製造品に関連するゴルフ用具は、任意の特定の時期におけるゴルフのルールに適合していることもしていないこともある。したがって、本明細書で説明する方法、装置、および/または製造品に関連するゴルフ用具は、適合したまたはしていないゴルフ器具として広告され、発売され、ならびに/あるいは販売されることがある。本明細書で説明する方法、装置、および/または製造品はこの点において限定されない。
アクションの特定の順序が上述されているが、これらのアクションは他の時系列で実施されてもよい。例えば、上述した2つ以上のアクションは、順次、並列に、または同時に実施されてもよい。あるいは、2つ以上のアクションが逆順で実施されてもよい。さらに、上述した1つまたは複数のアクションがまったく実施されなくてもよい。本明細書で説明する装置、方法、および製造品はこの点において限定されない。
様々な態様と関連して本発明について説明してきたが、本発明はさらなる修正が可能であることが理解されるであろう。本出願は、概して本発明の原理にしたがい、かつ本開示からのかかる逸脱を、本発明が関与する分野内において知られている慣行の範囲内にあるものとして含む、本発明の任意の変形、使用、または適合を包含しようとするものである。
Claims (20)
- ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
フェースと、
後部と、
トウ端と、
前記トウ端の反対側のヒール端と、
トップ・レールと、
前記トップ・レールの反対側のソールと、
ホーゼルと、
複数の格子ユニットを備え、各格子ユニットが空き空間に取り囲まれたユニット足場を備える、格子状領域と、を備え、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、ヘッド体積と、ヘッド質量と、重心と、を備え、
前記格子状領域が、総格子体積と、格子質量と、を備え、
前記総格子体積が、前記複数の格子ユニットの複数の最周辺点によって規定される表面によって境界が定められ、
前記フェースと前記後部と前記トップ・レールと前記ソールが、内部キャビティを包囲し、
y軸が前記重心を通って前記トップ・レールから前記ソールまで延在し、
x軸が前記重心を通って前記ヒール端から前記トウ端まで延在し、前記x軸が前記y軸に垂直であり、
z軸が前記重心を通って前記フェースから前記後部まで延在し、前記z軸が前記y軸および前記x軸に垂直であり、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、高トウ象限と低トウ象限と高ヒール象限と低ヒール象限を含む複数の象限を備え、前記複数の象限が前記x軸および前記y軸によって分割され、
前記格子状領域の有効密度が、前記質量を前記総格子体積で割ったものに等しく、
前記格子状領域の前記有効密度が、0g/mm3から0.0075g/mm3の間で変化し、
前記格子状領域の前記有効密度は、前記高トウ象限および前記低ヒール象限内の方が前記低トウ象限および前記高ヒール象限内よりも高く、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、トップ・レール-ソールの慣性モーメントIyyと、ヒール-トウの慣性モーメントIxxと、フェース-後部の慣性モーメントIzzと、前記x軸および前記y軸を中心にした慣性乗積Ixyと、前記x軸および前記z軸を中心にした慣性乗積Ixzと、を有し、
前記慣性乗積Ixyが、-40g・in2以上であり、
前記慣性乗積Ixzが、-25g・in2以下である、ゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記高トウ象限および前記低ヒール象限の少なくとも一部分の中の前記格子状領域が、0.006g/mm3から0.0075g/mm3の有効密度を有する、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 前記低トウ象限および前記高ヒール象限の少なくとも一部分の中の前記格子状領域が、0.0001g/mm3から約0.00075g/mm3の有効密度を有する、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 前記低トウ象限および前記高ヒール象限の少なくとも一部分の中の前記格子状領域が、0.0005g/mm3未満の有効密度を有する、請求項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 前記慣性乗積Ixyが-20g・in2以上であり、
前記慣性乗積Ixzが-50g・in2以下である、請求項19に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記複数の格子ユニットの各格子ユニットが、単純立方、体心立方、面心立方、円柱、複数の円柱、ダイヤモンド、蛍石、オクテット、切頂立方体、切頂八面体、ケルビン・セル、アイソトラス、凹角多角形、ウィア-フェラン、三角形ハニカム、回転三角形ハニカム、六角形ハニカム、凹角多角形ハニカム、回転正方形ハニカム、正方形ハニカム、面心立方発泡体、体心立方発泡体、単純立方発泡体、六角柱ダイヤモンド、六角柱エッジ、六角柱頂点重心、六角柱中心軸エッジ、六角柱ラーベス相、3八面型頂点重心、および、八面型頂点重心から成る群から選択された、ユニット足場構造を備える、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 前記格子状領域が、10から50の格子ユニットを備え、
前記複数の格子ユニットの各格子ユニットが、10mm以下の辺を有する立方体形状を備える、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記複数の格子ユニットの各格子ユニットの前記ユニット足場が、隣接する格子ユニットの前記ユニット足場に接続する、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 各格子ユニットの前記ユニット足場が、ビームを備え、
前記ビームが、0.5mmから5mmの範囲の厚さを備える、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、チタン合金、鋼合金、アルミニウム合金、および、非晶質金属合金から成る群から選択された材料から一体的に形成される、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
フェースと、
後部と、
トウ端と、
前記トウ端の反対側のヒール端と、
トップ・レールと、
前記トップ・レールの反対側のソールと、
ホーゼルと、
格子状領域と、を備え、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、ヘッド体積と、ヘッド質量と、重心と、を備え、
前記フェースと前記後部と前記トップ・レールと前記ソールが、内部キャビティを包囲し、
前記格子状領域が、総格子体積と、格子質量と、を備え、
前記総格子体積が、複数の格子ユニットの複数の最周辺点によって規定される表面によって境界が定められ、
前記総格子状領域体積が、前記格子状領域の複数の最周辺点によって規定される表面によって境界が定められ、
y軸が前記重心を通って前記トップ・レールから前記ソールまで延在し、
x軸が前記重心を通って前記ヒール端から前記トウ端まで延在し、前記x軸が前記y軸に垂直であり、
z軸が前記重心を通って前記フェースから前記後部まで延在し、前記z軸が前記y軸および前記x軸に垂直であり、
高ヒール領域が、前記ホーゼルと、前記ヒール端および前記トップ・レールの一部分と、を備え、
前記高ヒール領域が、上方に配置されるとともに前記重心から前記ヒール端に向かって配置され、
低ヒール領域が、前記ヒール端および前記ソールの一部分を備え、
前記低ヒール領域が、下方に配置されるとともに前記重心から前記ヒール端に向かって配置され、
高トウ領域が、前記トウ端および前記トップ・レールの一部分を備え、
前記高トウ領域が、上方に配置されるとともに前記重心から前記トウ端に向かって配置され、
低トウ領域が、前記トウ端および前記ソールの一部分を備え、
前記低トウ領域が、下方に配置されるとともに前記重心から前記トウ端に向かって配置され、
前記高ヒール領域が高ヒール薄肉格子を備え、
前記低トウ領域が低トウ薄肉格子を備え、
前記格子アレイの有効密度が、前記質量を前記総格子アレイ体積で割ったものに等しく、
前記格子アレイの前記有効密度が、0g/mm3から0.0075g/mm3の間で変化し、
前記格子状領域の前記有効密度は、前記高トウ領域および前記低ヒール領域内の方が前記低トウ領域および前記高ヒール領域内よりも高く、
前記格子状領域が複数の格子ユニットを備え、各格子ユニットが空き空間に取り囲まれたユニット足場を備え、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、トップ・レール-ソールの慣性モーメントIyyと、ヒール-トウの慣性モーメントIxxと、フェース-後部の慣性モーメントIzzと、前記x軸および前記y軸を中心にした慣性乗積Ixyと、前記x軸および前記z軸を中心にした慣性乗積Ixzと、を有し、
前記慣性乗積Ixyが、-40g・in2以上であり、
前記慣性乗積Ixzが、-25g・in2以下である、ゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 正面から見て、前記低ヒール領域が、前記z軸および前記x軸を参照して、式z=-(0.35/x)によってほぼ規定される線によって境界を定められ、
前記正面から見て、前記高トウ領域が、前記z軸および前記x軸を参照して、式z=-(0.35/x)によってほぼ規定される線によって境界を定められ、
前記正面から見て、前記高ヒール領域が、前記z軸および前記x軸を参照して、式z=(0.35/x)によってほぼ規定される線によって境界を定められ、
前記正面から見て、前記低トウ領域が、前記z軸および前記x軸を参照して、式z=(0.35/x)によってほぼ規定される線によって境界を定められ、xおよびzがインチ単位で測定される、請求項11に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記高トウ領域および前記低ヒール領域の少なくとも一部分の中の前記格子状領域が、0.006g/mm3から0.0075g/mm3の有効密度を有する、請求項12に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 前記慣性乗積Ixyが、-20g・in2以上であり、
前記慣性乗積Ixzが-50g・in2以下である、請求項11に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記複数の格子ユニットの各格子ユニットが、単純立方、体心立方、面心立方、円柱、複数の円柱、ダイヤモンド、蛍石、オクテット、切頂立方体、切頂八面体、ケルビン・セル、アイソトラス、凹角多角形、ウィア-フェラン、三角形ハニカム、回転三角形ハニカム、六角形ハニカム、凹角多角形ハニカム、回転正方形ハニカム、正方形ハニカム、面心立方発泡体、体心立方発泡体、単純立方発泡体、六角柱ダイヤモンド、六角柱エッジ、六角柱頂点重心、六角柱中心軸エッジ、六角柱ラーベス相、3八面型頂点重心、および、八面型頂点重心から成る群から選択された、ユニット足場構造を備える、請求項11に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 前記格子状領域が、10から50の格子ユニットを備え、
前記複数の格子ユニットの各格子ユニットが、10mm以下の辺を有する立方体形状を備える、請求項11に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記複数の格子ユニットの各格子ユニットの前記ユニット足場が、隣接する格子ユニットの前記ユニット足場に接続する、請求項11に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
- 各格子ユニットの前記ユニット足場が、ビームを備え、
前記ビームが、0.5mmから5mmの範囲の厚さを備える、請求項11に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。 - ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
フェースと、
後部と、
トウ端と、
前記トウ端の反対側のヒール端と、
トップ・レールと、
前記トップ・レールの反対側のソールと、
ホーゼルと、
複数の格子ユニットを備え、各格子ユニットが空き空間に取り囲まれたユニット足場を備える、格子状領域と、を備え、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、総体積と、総質量と、重心と、を備え、
前記フェースと前記後部と前記トップ・レールと前記ソールが、内部キャビティを包囲し、
前記格子状領域が、前記内部キャビティ内に配置され、
前記格子状領域が、格子質量と、総格子状領域体積と、充填体積と、を備え、
前記充填体積が、前記複数の格子ユニットの前記ユニット足場が占める体積であり、
前記充填体積が、前記総格子状領域体積の5%から50%であり、
各格子ユニットが、総ユニット体積と、充填ユニット体積と、有効密度と、を備え、
前記複数の格子ユニットにわたって、各格子ユニットの前記充填ユニット体積の増加が、前記格子ユニットの前記有効密度を増加させ、
前記複数の格子ユニットの前記有効密度が、前記重心から前記トウ端に向かう領域内で、前記ゴルフ・クラブ・ヘッドの前記ソールから前記トップ・レールに向かって増加し、
前記複数の格子ユニットの前記有効密度が、前記重心から前記ヒール端に向かう領域内で、前記ゴルフ・クラブ・ヘッドの前記ソールから前記トップ・レールに向かって減少し、
y軸が前記重心を通って前記トップ・レールから前記ソールまで延在し、
x軸が前記重心を通って前記ヒール端から前記トウ端まで延在し、前記x軸が前記y軸に垂直であり、
z軸が前記重心を通って前記フェースから前記後部まで延在し、前記z軸が前記y軸および前記x軸に垂直であり、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、トップ・レール-ソールの慣性モーメントIyyと、ヒール-トウの慣性モーメントIxxと、フェース-後部の慣性モーメントIzzと、前記x軸および前記y軸を中心にした慣性乗積Ixyと、前記x軸および前記z軸を中心にした慣性乗積Ixzと、を有し、
前記慣性乗積Ixyが、-40g・in2以上であり、
前記慣性乗積Ixzが、-25g・in2以下である、ゴルフ・クラブ・ヘッド。 - 前記慣性乗積Ixyが、-20g・in2以上であり、
前記慣性乗積Ixzが、-50g・in2以下である、請求項19に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
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