JP2023541048A - パーキンソン病の処置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、プラシネズマブを用いてパーキンソン病を処置、予防または改善する方法を提供する。パーキンソン病(PD)は、世界中で700万~1000万人が罹患していると推定される緩徐な慢性進行性神経変性疾患である。米国では、推定72万5千人が罹患しており、毎年5万を超える新規症例が報告されている。患者の5人~10%が50歳より前に診断されるが、PDは一般に、高齢者を対象とし、60歳を超える100人に1人が罹患する疾患と考えられており、男性の方が女性よりも一般的である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月10日に出願された米国仮出願第63/076,913号、2020年9月10日に出願された米国仮出願第63/076,915号、2020年9月10日に出願された米国仮出願第63/076,916号、および2021年3月8日に出願された米国仮出願第63/158,191号の優先権を主張し、これらの各々の開示は、その全体が参照により組み入れられる。
配列表
配列表のコンピュータ可読形式が、電子提出によって本出願と共に提出され、その全体が参照により本出願に組み入れられる。配列表は、ファイル名「20-1293-WO_Sequence-Listing_ST25.txt」を有し、2021年9月9日に作成されたASCIIテキストファイルに含まれており、サイズが15kbである。
背景
パーキンソン病(PD)は、世界中で700万~1000万人が罹患していると推定される緩徐な慢性進行性神経変性疾患である。米国では、推定72万5千人が罹患しており、毎年5万を超える新規症例が報告されている。患者の5人~10%が50歳より前に診断されるが、PDは一般に、高齢者を対象とし、60歳を超える100人に1人が罹患する疾患と考えられており、男性の方が女性よりも一般的である。
α-シヌクレインは、通常シナプスに付随し、神経の可塑性、学習および記憶において役割を果たすと考えられているタンパク質である。α-シヌクレインは、病的状態において凝集して不溶性原線維を形成することができ、パーキンソン病を含むいくつかの神経変性障害を特徴付ける病変の主要な構成要素である。α-シヌクレインの可溶性オリゴマーは神経毒性であり得る。ヒト、マウスおよびハエなどの多様な種および動物モデルにおいて類似の形態学的および神経学的変化を有するα-シヌクレインが蓄積することは、この分子がパーキンソン病の発症に寄与することを示唆している。α-シヌクレインに対して向けられた抗体は、パーキンソン病におけるα-シヌクレインの沈着物および症状を軽減することが可能であり得る。
PDに対する現在の処置は、主にドーパミン補充療法およびドーパミン受容体アゴニストの使用を通じて、疾患の初期の運動症状を管理する。レボドパおよび他のドーパミン作動剤による処置は、運動症状に一時的に対処する。しかしながら、これは疾患に関連する病理学的過程を逆転させたり、遅らせたり、または停止させたりするものではない。疾患が進行するにつれて、これらの薬物は症状の制御にあまり効果的でなくなる。
これらの薬物を摂取する患者は、運動合併症(例えば、応答振動、ウェアリングオフ現象および薬物誘発性ジスキネジア)の他、悪心、日中の傾眠、睡眠発作、起立性低血圧または衝動制御障害などの副作用を発症することが多い。PDの非運動症状(例えば、睡眠障害、不安およびうつ病)の対症処置も利用可能である。しかしながら、今日まで、ニューロンの保護または疾患経過の修正を実証した承認された処置は存在しない。パーキンソン病の根本原因を標的とし、対症療法とは異なり、その絶え間ない進行を遅らせる新しい治療が緊急に必要とされている。
概要
一局面において、本発明は、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能の低下を維持または遅らせるための方法であって、プラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含み、前記維持することは、MDS-UPDRSパートIIIでの少なくとも5ポイントの進行の進行までの時間を遅らせることによって実証されるように、パーキンソン病の進行を低減させることを含み、
前記低下を遅らせることは、以下のこと:
(a)患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアの低下を遅らせること、
(b)発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性(constancy of rest tremor)もしくはホーン・ヤールステージの1もしくはそれより多くの低下を遅らせること;または
(c)動作緩慢を改善すること;
の少なくとも1つを含み、
プラシネズマブの前記レジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む、方法を提供する。
1年間の処置後にプラセボと比較して少なくとも18%、24%、25%、33%、35%または45%の改善。
別の局面において、本発明は、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において脳の血流を維持または増加させるための方法であって、3~5週間の間隔で、1000~5000mgのプラシネズマブを含むプラシネズマブのレジメンを対象に投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの方法では、脳の血流は、被殻において維持または増加される。
いくつかの方法では、脳の血流は、淡蒼球において維持または増加される。
いくつかの方法では、脳の血流は、運動前野において維持または増加される。
いくつかの方法では、血流は、磁気共鳴-動脈スピンラベル標識(MRI-ASL)の変化によって評価される。
さらに別の局面では、本発明は、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において認知機能を改善するための方法であって、3~5週間の間隔で、1000~5000mgのプラシネズマブを含むプラシネズマブのレジメンを対象に投与することを含む方法を提供する。
いくつかの方法では、対象は認知機能の障害を有さない。
いくつかの方法では、認知機能の改善はモントリオール認知評価(MoCA)によって測定され、改善はMoCaスコアリングスケールで少なくとも0.2である。
別の局面において、本発明は、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能の低下を維持または遅らせるための方法であって、プラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含み、前記維持することは、MDS-UPDRSパートIIIでの少なくとも5ポイントの進行の進行までの時間を遅らせることによって実証されるように、パーキンソン病の進行を低減させることを含み、前記低下を遅らせることは、以下のこと:
(a)患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアの低下を遅らせること、
(b)発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性もしくはホーン・ヤールステージの1もしくはそれより多くの低下を遅らせること;または
(c)動作緩慢を改善すること;
の少なくとも1つを含み、
プラシネズマブの前記レジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む、方法を提供する。
いくつかの方法では、対象は、軽度の運動優勢サブタイプ、びまん性悪性サブタイプ、またはパーキンソン病の中間サブタイプとして診断されており、いくつかの方法では、対象は、パーキンソン病のびまん性悪性サブタイプとして診断されている。
いくつかの方法では、患者の運動検査スコアの低下を遅らせることは、1年間の処置後にプラセボと比較して、少なくとも4%、17%、18%、24%、25%、33%、35%、39%、45%、52%、63%、64%、68%、71%、74%、76%または109%の改善を含む。
いくつかの方法では、プラシネズマブは静脈内に投与される。
いくつかの方法では、前記方法は、対象にMAO-B阻害剤を投与することをさらに含む。
いくつかの方法では、対象は処置未経験であるか、過去2年間にPDを有すると診断されたか、またはMAO-B阻害剤で以前に処置された。
いくつかの方法では、対象は65kgを超える体重を有し、4週間に1回、4500mgの用量のプラシネズマブが投与される。
いくつかの方法では、対象は65kg未満の体重を有し、4週間に1回、3500mgの用量のプラシネズマブが投与される。
いくつかの方法では、対象には、1500mgの用量の抗体が4週間ごとに投与される。
いくつかの方法では、対象には、少なくとも52週間、4週間に1回、プラシネズマブが与えられる。
いくつかの方法では、対象は男性/雄(male)である。
別の局面において、本発明は、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象を処置する方法であって、プラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含み、前記処置することは、
(a)MDS-UPDRSパートIIIでの少なくとも5ポイントの進行の進行までの時間を遅らせることによって実証されるように、パーキンソン病の進行を低減させることと、または
(b)以下のこと:
(i)患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアの低下を遅らせること;
(ii)発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性またはホーン・ヤールステージの1またはそれより多くの低下を遅らせること;
(iii)動作緩慢を改善すること;
の少なくとも1つを含む運動機能の低下を遅らせることと;
を含み、
プラシネズマブの前記レジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む、方法を提供する。
いくつかの方法では、対象は、軽度の運動優勢サブタイプ、びまん性悪性サブタイプ、またはパーキンソン病の中間サブタイプとして診断されており、いくつかの方法では、対象は、パーキンソン病のびまん性悪性サブタイプとして診断されている。
いくつかの方法では、患者の運動検査スコアの低下を遅らせることは、1年間の処置後にプラセボと比較して、少なくとも4%、17%、18%、24%、25%、33%、35%、39%、45%、52%、63%、64%、68%、71%、74%、76%または109%の改善を含む。
いくつかの方法では、プラシネズマブは静脈内に投与される。
いくつかの方法では、前記方法は、対象にMAO-B阻害剤を投与することをさらに含む。
いくつかの方法では、対象は処置未経験であるか、過去2年間にPDを有すると診断されたか、またはMAO-B阻害剤で以前に処置された。
いくつかの方法では、対象は65kgを超える体重を有し、4週間に1回、4500mgの用量のプラシネズマブが投与される。
いくつかの方法では、対象は65kg未満の体重を有し、4週間に1回、3500mgの用量のプラシネズマブが投与される。
いくつかの方法では、対象には、1500mgの用量の抗体が4週間ごとに投与される。
いくつかの方法では、対象には、少なくとも52週間、4週間に1回、プラシネズマブが与えられる。
いくつかの方法では、対象は男性/雄である。
図1は、ベースラインから52週目までの合計MDS-UPDRSスコア(パートI、IIおよびIII)の変化を示す。対症的PD処置(symptomatic PD treatment)を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。結果は、プラセボ群と比較した各処置群における52週でのMDS-UPDRS合計スコア(パートI、IIおよびIII)のベースラインからの変化が満たされなかったことを示している(プールされた用量レベル:-14.0%、-1.30、80%CI=(-3.18、0.58);低用量レベル:-21.5%、-2.02,80%CI=(-4.21、0.18);および高用量レベル:-6.6%、-0.62、80%CI=(-2.82、1.58))。バーは80%CIを表す。MDS-UPDRS、運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール。
図2は、ベースラインから52週目までのMoCAスコアの改善を示す。MoCA(モントリオール認知評価(Montreal Cognitive Assessment))は30ポイントスケールであり、より高いスコアはより良好な認知能力を示す。平均して、プラシネズマブ処置された患者は、ベースラインにおいて認知的に正常な範囲にあった。プラシネズマブ処置された患者は、MoCAスコアの改善を示した。
図3は、CGI-Iが52週で患者における悪化のリスクの低下を確認することを示す。プラシネズマブを好ましいとする一貫したシグナルが、臨床全般印象改善度(CGI-I)において両用量レベルで実証された。
図4は、PGI-Cが52週で患者における悪化のリスクの低下を確認することを示す。プラシネズマブを好ましいとする一貫したシグナルが、患者全般印象変化(Patient Global Impression of Change)(PGI-C)において両用量レベルで実証された。
図5は、脳内の血流の変化を示すMRI-ASL(磁気共鳴-動脈スピンラベル標識(magnetic resonance-arterial spin labelling))分析を示す。赤色は血流が多いことを示し、青色は血流が少ないことを示す。プラセボ(placbo)の患者は、ベースラインと比較して、52週において血流が低下した(矢印参照)。プラスネズマブの患者は、ベースラインと比較して、52週において血流が増加した(矢印参照)。画像は、プラシネズマブ(低/高用量)で処置されたすべての個体のサブセットからのものであり、画像は、平均画像を作成するために重ね合わせられた患者の複合体である。
図6A、図6Bおよび図6Cは、プラシネズマブの患者が、それぞれ被殻、淡蒼球および運動前野において、ベースラインと比較して52週で血流が改善したことを示す。被殻における脳の血流の改善は、潜在的なシナプス保護を示す
図7Aは、現場での評価について、ベースラインから52週目までの合計MDS-UPDRSパートIIIの変化を示しており、運動機能の低下の低減(プールされた用量レベル:-25.0%、-1.44、80%CI=(-2.83,-0.06);低用量レベル:-33.8%、-1.88,80%CI=(-3.49,-0.27);および高用量レベル:-18.2%、-1.02、80%CI=(-2.64、0.61))を確認する。対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。図7Bは、中央での評価について、ベースラインから52週目までの合計MDS-UPDRSパートIIIの変化を示しており、運動機能の低下の低減(プールされた用量レベル:-35.0%、-1.88、80%CI=(-3.31,-0.45);低用量レベル:-45.4%、-2.44、80%CI=(-4.09,-0.78);および高用量レベル:-24.7%、-1.33、80%CI=(-2.99、0.34))を確認する。プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIの中央で評価された評価について、1年間の処置後にプラセボと比較して運動機能の低下を35%低減させた。対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。
図8は、臨床的に意味のある低下への進行の遅延を伴い、運動機能の悪化までの時間の短縮が存在することを示す。MDS-UPDRSパートIIIにおける少なくとも5ポイントの進行までの時間の現場での評価によって実証されたように、プラシネズマブは、プラセボと比較して、52週間にわたってプラシネズマブ処置患者における運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせた(プールされた用量レベル:HR=0.82、80%CI=0.64~0.99;低用量レベル:HR=0.77、80%CI=0.63~0.96;および高用量レベル:HR=0.87、CI=0.70~1.07)。Wald CI/検定。プールされた用量の解析は事後解析である。CI、信頼区間;MDS-UPDRS、運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール
図9は、ベースラインから52週目までの動作緩慢の進行の低減を示し、動作緩慢の進行の臨床的低下が存在することを確認する。現場での評価による、プラセボと比較した、52週でのプラシネズマブ処置患者における動作緩慢のベースラインからの変化に対して有効性のシグナルが観察された(プールされた用量レベル:-27.0%、-0.75、80%CI=(-1.62、0.11);低用量レベル:-38.3%、-1.07,80%CI=(-2.07,-0.07);および高用量レベル:-15.7%、-0.44、80%CI=(-1.45、0.56))。プールされた用量の解析は事後解析である。CI、信頼区間;MDS-UPDRS、運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール
図10は、MAO-B阻害剤処置およびびまん性悪性亜表現型が、MDS-UPDRSパートIIIにおいてより速い疾患進行を示したことを示す。対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。CI、信頼区間;DaT-SPECT、単一光子放射型コンピュータ断層撮影によるドーパミントランスポーターイメージング;MAO-B、モノアミンオキシダーゼB;MDS-UPDRS、運動障害学会統一PD評価スケール;MMRM、反復測定による混合効果モデル;PD、パーキンソン病。
図11A、図11Bおよび図11Cは、プラシネズマブによる臨床的低下の減速が、より速い疾患進行を有する個体においてより明白であったことを示す。対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。CI、信頼区間;DaT-SPECT、単一光子放射型コンピュータ断層撮影によるドーパミントランスポーターイメージング;MAO-B、モノアミンオキシダーゼB;MDS-UPDRS、運動障害学会統一PD評価スケール;MMRM、反復測定による混合効果モデル;PD、パーキンソン病。 同上。 同上。
図12A、図12Bおよび図12Cは、中央での評価によって確認されたより速い疾患進行を有する個体においてプラシネズマブでより大きな効果が見られることを示す。 同上。 同上。
図13A、図13Bおよび図13Cは、プラシネズマブによる臨床的低下の減速が、デジタル運動指標でより速い疾患進行を有する個体においてより明白であったことを示す。対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。CI、信頼区間;DaT-SPECT、単一光子放射型コンピュータ断層撮影によるドーパミントランスポーターイメージング;MAO-B、モノアミンオキシダーゼB;MDS-UPDRS、運動障害学会統一PD評価スケール;MMRM、反復測定による混合効果モデル;PD、パーキンソン病。 同上。 同上。
説明
本開示は、初期パーキンソン病を含むパーキンソン病の処置、予防および/または改善(例えば、疾患進行の低減)における、プラシネズマブおよび他の類似の抗α-シヌクレインヒト化抗体の使用に関する。
本開示の一局面において、プラシネズマブは、パーキンソン病を有する個体における運動機能の低下を改善し、維持し、または低減させるために使用される。本開示の一局面において、運動機能の1つの尺度は、運動機能の臨床検査である運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール(MDS-UPDRS)パートIIIである。本開示の別の局面において、MDS-UPDRSパートIIIは、現場で評価された評価である。本開示の別の局面において、MDS-UPDRSパートIIIは中央で評価された評価である。パーキンソン病に関連する運動症状には、動きの遅さ(動作緩慢)、振戦、発話の変化、顔の表情、固縮および歩行が含まれる。本開示の一局面において、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIでの、運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせるために使用される。
本開示の別の局面において、プラシネズマブは、磁気共鳴-動脈スピンラベル標識(MRI-ASL)の変化によって評価される脳の血流を維持または改善するために使用される。本開示の一局面において、プラシネズマブは、パーキンソン病におけるドーパミン作動性末端の喪失およびα-シヌクレイン病変の存在と関連する脳の領域である運動前野、淡蒼球および被殻を含む脳の領域における脳の血流の改善を示すために使用され、疾患進行に関与する根底に存在する生物学への影響を示唆している。
本開示のさらに別の局面において、プラシネズマブは、患者の認知機能を維持または改善するために使用される。本開示の一局面において、患者は正常な認知機能を有する。モントリオール認知評価(MoCA)は、軽度の認知的愁訴を呈し、通常はミニメンタルステート検査(MMSE)において正常範囲内の成績を収める患者をスクリーニングするためのツールとして使用することができる。
本開示の別の局面において、プラシネズマブは、パーキンソン病を有する個体における運動機能の低下を改善し、維持し、または低減させるために使用される。本開示の一局面において、運動機能の1つの尺度は、運動機能の臨床検査である運動障害学会統一パーキンソン病評価スケール(MDS-UPDRS)パートIIIである。本開示の別の局面において、MDS-UPDRSパートIIIは、現場で評価された評価である。本開示の別の局面において、MDS-UPDRSパートIIIは中央で評価された評価である。パーキンソン病に関連する運動症状には、動きの遅さ(動作緩慢)、振戦、発話の変化、顔の表情、固縮および歩行が含まれる。本開示の一局面において、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIでの、運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせるために使用される。
本開示のさらなる態様を扱う前に、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別のことを示していない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、化合物の混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
α-シヌクレインは、ニューロン、特にシナプス前終末に豊富に存在する高度に保存されたタンパク質であり、誤って折り畳まれ、凝集してパーキンソン病の病変に大きく関与するタンパク質構造を形成すると考えられている。脳病変を形成する凝集したα-シヌクレインタンパク質は、神経変性性シヌクレイン症の特徴である。さらに、誤った折り畳みおよび凝集は、しばしば、いくつかの神経変性疾患においてβ-アミロイド沈着を伴うことがあり得、パーキンソン病を含むいくつかの神経変性障害ではα-シヌクレインおよびタウ凝集物が共存する。
天然のヒト野生型α-シヌクレインは、以下のアミノ酸配列(GenBankアクセッション番号:P37840)を有する140アミノ酸のペプチドである。
Figure 2023541048000001
このタンパク質は、アミノ酸1~61をカバーするN末端反復ドメイン;概ねアミノ酸60~95の範囲に及ぶNAC(非アミロイド成分)ドメイン;概ねアミノ酸98から140の範囲に及ぶC末端酸性ドメインという3つの認識されたドメインを有する。文脈から明らかでない限り、α-シヌクレインまたはその断片への言及は、上記の天然ヒト野生型アミノ酸配列、およびそのヒト対立遺伝子バリアント、特にパーキンソン病に関連するものを含む。
文脈から明らかでない限り、「約」という用語は、記載された値の標準測定誤差範囲(例えば、SEM)内の値などの非実質的変化量(insubstantial variations)を包含する。値の範囲の指定は、範囲内のまたは範囲を定義するすべての整数、および範囲内の整数によって定義されるすべての部分範囲を含む。本明細書で使用される場合、統計的有意性はp≦0.05を意味する。文脈から明らかでない限り、「約」という用語は、記載された値の平均の標準偏差または記載された値の+/-5%のうちいずれか大きい方の範囲内の値を包含する。
1またはそれを超える列挙された要素を「含む(comprising)」または「含む(including)」組成物または方法は、具体的に列挙されていないその他の要素を含み得る。例えば、ポリペプチド配列を「含む(comprises)」または「含む(includes)」組成物は、単独でまたは他の配列もしくは成分と組み合わせて配列を含有し得る。
対象が少なくとも1つの既知のリスク因子(例えば、年齢、遺伝的、生化学的、家族歴および状況への曝露)を有する場合、個体は疾患のリスクが高まっており、そのリスク因子を有する個体は、リスク因子のない個体より、疾患を発症する統計学的に有意に高いリスクに置かれる。
「対象」または「患者」という用語は、処置未経験の対象を含む、予防的処置または治療的処置のいずれかを受けるヒトおよび他の哺乳動物対象を含む。本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は、ヒト、ウシ、イヌ、モルモット、ウサギなどの他の哺乳動物対象を含む、それに対する処置が望まれる任意の単一の対象を指す。疾患の臨床徴候を示さない臨床研究試験に関与する任意の対象、または疫学的研究に関与する対象、または対照として使用される対象も対象として含まれることが意図される。本開示のいくつかの局面では、患者は男性/雄患者(male patient)であり、本開示のいくつかの局面では、患者は女性/雌患者(female patient)である。
「疾患」という用語は、生理学的機能を損なう任意の異常な状態を指す。この用語は、病因の性質にかかわらず、生理学的機能が損なわれている任意の障害、疾病、異常、病変、病気、状態または症候群を包含するために広く使用される。
「症状」という用語は、対象によって知覚されるような、歩行の変化などの疾患の主観的な証拠を指す。「徴候」または「シグナル」は、臨床医または医師によって観察される疾患の客観的な証拠を指す。
本明細書で使用される場合、「処置する」および「処置」という用語は、疾患に関連する1もしくはそれを超える症状、徴候、シグナルもしくは影響の緩和もしくは改善、疾患の1もしくはそれを超える症状もしくは影響の開始の予防、阻害もしくは遅延、疾患の1もしくはそれを超える症状もしくは影響の重症度もしくは頻度の低下、および/または本明細書に記載される所望の転帰への増加もしくは傾向を表す。処置レジメンは、用量、投与頻度、投与経路および総投与期間のいずれかまたはすべてを含む、本開示の抗体の投与を特徴付けるパラメータの組み合わせを指す。
本明細書で使用される「予防」、「予防する(prevent)」または「予防する(preventing)」という用語は、既に存在するα-シヌクレイン病変ありまたはなしで、疾患の開始前に本開示の組成物を対象と接触させる(例えば、投与する)ことにより(一次および二次予防)、対象がペプチドまたは免疫療法組成物と接触していない場合と比較して、疾患の開始後に臨床症状の開始を遅らせるおよび/または疾患の症状を緩和することを指し、疾患の開始を完全に抑制することを指すものではない。いくつかの事例において、予防は、本開示のペプチドまたは免疫療法組成物の投与後に限られた時間行われ得る。他の事例において、本開示のペプチドまたは免疫療法組成物を投与することを含む処置レジメンの期間にわたって予防が行われ得る。
本明細書で使用される「低減」、「低減する(reduce)」または「低減する(reducing)」という用語は、パーキンソン病に関連する症状、徴候、シグナルまたは影響の測定または評価における増加を減少させることまたは抑制することを指す。他の実施形態では、本明細書で使用される「低減」、「低減する(reduce)」または「低減する(reducing)」という用語は、対象中または対象の組織中に存在するα-シヌクレインの量の増加を減少させることまたは抑制することを指し、これは、対象中または対象の組織中に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量の増加を減少させることまたは抑制すること(例えば、増加の速度を減少させること)を包含する。ある実施形態において、対象中に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量の増加の減少または抑制(例えば、増加の速度を減少させること)は、対象の中枢神経系(CNS)に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量を指す。ある実施形態において、対象中に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量の増加の減少または抑制(例えば、増加の速度を減少させること)は、対象の末梢(例えば、末梢循環系)に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量を指す。ある実施形態において、対象中に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量の増加の減少または抑制(例えば、増加の速度を減少させること)は、対象の脳に存在する、蓄積する、凝集する、または沈着するα-シヌクレインの量を指す。いくつかの実施形態において、低下したα-シヌクレインは、病的形態(複数可)のα-シヌクレイン(例えば、腓骨(fibular)α-シヌクレイン封入体、オリゴマーまたは原線維α-シヌクレイン集塊およびα-シヌクレインオリゴマーの前原線維中間体)である。さらに他の実施形態において、神経変性疾患および/またはシヌクレイン症の病理学的指標が減少される。
本明細書で使用される場合、「現場での評価([on-]site rating)」、「現場で評価された([on-]site rated)」、「現場でのモニタリング([on-]site monitoring)」などの用語は、臨床試験が実施されている現場で治験依頼者の職員または代理人によって実施される現場での自らによる評価を指す。
本明細書で使用される場合、「中央[での]評価」、「中央[で]評価された」、「中央[で]モニタリングされた」などの用語は、臨床試験が行われている場所以外の場所で治験依頼者の職員または代理人(例えば、臨床モニター、データ管理担当者、または統計家)によって行われる遠隔評価を指す。
本明細書で使用される場合、「サブグループ分析」などの用語は、研究集団を1つまたは複数のサブグループ化変数によって分割した後に(例えば、混合初期パーキンソン病集団は、ベースライン時の起立性低血圧、軽度認知障害、急速眼球運動睡眠行動障害(RBD)、うつ病、不安、ならびに統一パーキンソン病評価スケールパートIIおよびパートIIIスコアの標準化された評価に応じて、(1)軽度運動優勢サブタイプ、(2)びまん性悪性サブタイプ、または(3)中間サブタイプを含むサブグループに分類され得る)研究分析を繰り返すことを指す。サブグループ分析の目的は、通常、パーキンソン病サブタイプのように、2つの変数の関連が第3の変数に応じて異なるかどうかを評価することである。
プラシネズマブ(PRX002/RG7935/RO7046015/NEOD002)は、マウス親抗体9E4(ATCCアクセッション番号PTA-8221を与えられたハイブリドーマによって産生される)に由来する免疫グロブリンクラスG1(IgG1)ヒト化モノクローナル抗体(mAb)であり、ヒトαシヌクレインのC末端中のエピトープ(アミノ酸118~126)に対して向けられている。プラシネズマブは、生化学的実験および生物物理学的実験において、ヒトα-シヌクレインの可溶性形態および不溶性形態の両方に結合し、α-シヌクレインの単量体形態よりも凝集した形態に対してより大きな相対的親和性/アビディティを有する。細胞培養において、プラシネズマブはαシヌクレインの細胞間伝達を効果的に遮断する。プラシネズマブは、配列番号1の重鎖可変領域および配列番号4の軽鎖可変領域を含む。プラジネズマブ(Prazinezumab)は、重鎖(配列番号10、C末端リジンありまたはなし)および軽鎖(配列番号9)を含む。3つの例示的なヒト化軽鎖成熟可変領域(配列番号2、3)および3つの例示的なヒト化重鎖成熟可変領域(配列番号5、6、7)を含むマウス9E4抗体の他の例示的なヒト化形態。例示的な軽鎖および重鎖成熟可変領域は、任意の組み合わせで対にすることができる。参照によりその全体が本明細書に組み入れられる国際公開第2019/064053号を参照されたい。本明細書で実証されるように、プラシネズマブは、初期パーキンソン病を有する患者における複数の臨床評価項目に対する有効性のシグナルを実証するための最初の潜在的に疾患を改変する抗α-シヌクレイン抗体である。
ここで本開示の様々な局面に目を向けると、モントリオール認知評価(MoCA)は、軽度の認知的愁訴を呈し、通常はミニメンタルステート検査(MMSE)において正常範囲内の成績を収める患者をスクリーニングするためのツールである。MoCAは30ポイントスケールであり、より高いスコアはより良好な認知能力を示す。典型的には、少なくとも26のMoCAスコアは、認知機能障害がないことを示す。
脳の血流の改善を示すために、磁気共鳴-動脈スピンラベル標識(MRI-ASL)の変化によって評価される脳の血流を使用することができる。本開示の一局面によれば、プラシネズマブを用いた処置レジメンは、患者の脳の血流の低下を低減させ、患者の脳の血流を維持し、または改善することができる。本開示の一局面において、血流は、パーキンソン病におけるドーパミン作動性末端の喪失およびα-シヌクレイン病変の存在と関連する脳の領域である運動前野、淡蒼球および/または被殻において改善され、疾患進行に関与する根底に存在する生物学への影響を示唆している。
本開示の一局面によれば、プラシネズマブを用いた処置レジメンは、認知的に正常な範囲である患者を含む患者の認知機能の低下を低減させ、認知機能を維持し、または改善することができる。本開示の一局面において、認知機能はMoCA評価によって評価される。例えば、プラシネズマブは、MoCAによって測定される場合、認知機能を0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、19、19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、20、20.1、20.2、20.3、20.4、20.5、20.6、20.7、20.8、20.9、21、21.1、21.2、21.3、21.4、21.5、21.6、21.7、21.8、21.9、22、22.1、22.2、22.3、22.4、22.5、22.6、22.7、22.8、22.9、23、23.1、23.2、23.3、23.4、23.5、23.6、23.7、23.8、23.9、24、24.1、24.2、24.3、24.4、24.5、24.6、24.7、24.8、24.9、25、25.1、25.2、25.3、25.4、25.5、25.6、25.7、25.8、25.9、26、26.1、26.2、26.3、26.4、26.5、26.6、26.7、26.8、26.9、27、27.1、27.2、27.3、27.4、27.5、27.6、27.7、27.8、27.9、28、28.1、28.2、28.3、28.4、28.5、28.6、28.7、28.8、28.9、29、29.1、29.2、29.3、29.4、29.5、29.6、29.7、29.8、29.9もしくは30;
または少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも1、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、少なくとも3、少なくとも3.1、少なくとも3.2、少なくとも3.3、少なくとも3.4、少なくとも3.5、少なくとも3.6、少なくとも3.7、少なくとも3.8、少なくとも3.9、少なくとも4、少なくとも4.1、少なくとも4.2、少なくとも4.3、少なくとも4.4、少なくとも4.5、少なくとも4.6、少なくとも4.7、少なくとも4.8、少なくとも4.9、少なくとも5、少なくとも5.1、少なくとも5.2、少なくとも5.3、少なくとも5.4、少なくとも5.5、少なくとも5.6、少なくとも5.7、少なくとも5.8、少なくとも5.9、少なくとも6、少なくとも6.1、少なくとも6.2、少なくとも6.3、少なくとも6.4、少なくとも6.5、少なくとも6.6、少なくとも6.7、少なくとも6.8、少なくとも6.9、少なくとも7、少なくとも7.1、少なくとも7.2、少なくとも7.3、少なくとも7.4、少なくとも7.5、少なくとも7.6、少なくとも7.7、少なくとも7.8、少なくとも7.9、少なくとも8、少なくとも8.1、少なくとも8.2、少なくとも8.3、少なくとも8.4、少なくとも8.5、少なくとも8.6、少なくとも8.7、少なくとも8.8、少なくとも8.9、少なくとも9、少なくとも9.1、少なくとも9.2、少なくとも9.3、少なくとも9.4、少なくとも9.5、少なくとも9.6、少なくとも9.7、少なくとも9.8、少なくとも9.9、少なくとも10、少なくとも10.1、少なくとも10.2、少なくとも10.3、少なくとも10.4、少なくとも10.5、少なくとも10.6、少なくとも10.7、少なくとも10.8、少なくとも10.9、少なくとも11、少なくとも11.1、少なくとも11.2、少なくとも11.3、少なくとも11.4、少なくとも11.5、少なくとも11.6、少なくとも11.7、少なくとも11.8、少なくとも11.9、少なくとも12、少なくとも12.1、少なくとも12.2、少なくとも12.3、少なくとも12.4、少なくとも12.5、少なくとも12.6、少なくとも12.7、少なくとも12.8、少なくとも12.9、少なくとも13、少なくとも13.1、少なくとも13.2、少なくとも13.3、少なくとも13.4、少なくとも13.5、少なくとも13.6、少なくとも13.7、少なくとも13.8、少なくとも13.9、少なくとも14、少なくとも14.1、少なくとも14.2、少なくとも14.3、少なくとも14.4、少なくとも14.5、少なくとも14.6、少なくとも14.7、少なくとも14.8、少なくとも14.9、少なくとも15、少なくとも15.1、少なくとも15.2、少なくとも15.3、少なくとも15.4、少なくとも15.5、少なくとも15.6、少なくとも15.7、少なくとも15.8、少なくとも15.9、少なくとも16、少なくとも16.1、少なくとも16.2、少なくとも16.3、少なくとも16.4、少なくとも16.5、少なくとも16.6、少なくとも16.7、少なくとも16.8、少なくとも16.9、少なくとも17、少なくとも17.1、少なくとも17.2、少なくとも17.3、少なくとも17.4、少なくとも17.5、少なくとも17.6、少なくとも17.7、少なくとも17.8、少なくとも17.9、少なくとも18、少なくとも18.1、少なくとも18.2、少なくとも18.3、少なくとも18.4、少なくとも18.5、少なくとも18.6、少なくとも18.7、少なくとも18.8、少なくとも18.9、少なくとも19、少なくとも19.1、少なくとも19.2、少なくとも19.3、少なくとも19.4、少なくとも19.5、少なくとも19.6、少なくとも19.7、少なくとも19.8、少なくとも19.9、少なくとも20、少なくとも20.1、少なくとも20.2、少なくとも20.3、少なくとも20.4、少なくとも20.5、少なくとも20.6、少なくとも20.7、少なくとも20.8、少なくとも20.9、少なくとも21、少なくとも21.1、少なくとも21.2、少なくとも21.3、少なくとも21.4、少なくとも21.5、少なくとも21.6、少なくとも21.7、少なくとも21.8、少なくとも21.9、少なくとも22、少なくとも22.1、少なくとも22.2、少なくとも22.3、少なくとも22.4、少なくとも22.5、少なくとも22.6、少なくとも22.7、少なくとも22.8、少なくとも22.9、少なくとも23、少なくとも23.1、少なくとも23.2、少なくとも23.3、少なくとも23.4、少なくとも23.5、少なくとも23.6、少なくとも23.7、少なくとも23.8、少なくとも23.9、少なくとも24、少なくとも24.1、少なくとも24.2、少なくとも24.3、少なくとも24.4、少なくとも24.5、少なくとも24.6、少なくとも24.7、少なくとも24.8、少なくとも24.9、少なくとも25、少なくとも25.1、少なくとも25.2、少なくとも25.3、少なくとも25.4、少なくとも25.5、少なくとも25.6、少なくとも25.7、少なくとも25.8、少なくとも25.9、少なくとも26、少なくとも26.1、少なくとも26.2、少なくとも26.3、少なくとも26.4、少なくとも26.5、少なくとも26.6、少なくとも26.7、少なくとも26.8、少なくとも26.9、少なくとも27、少なくとも27.1、少なくとも27.2、少なくとも27.3、少なくとも27.4、少なくとも27.5、少なくとも27.6、少なくとも27.7、少なくとも27.8、少なくとも27.9、少なくとも28、少なくとも28.1、少なくとも28.2、少なくとも28.3、少なくとも28.4、少なくとも28.5、少なくとも28.6、少なくとも28.7、少なくとも28.8、少なくとも28.9、少なくとも29、少なくとも29.1、少なくとも29.2、少なくとも29.3、少なくとも29.4、少なくとも29.5、少なくとも29.6、少なくとも29.7、少なくとも29.8もしくは少なくとも29.9改善し得る。
別の例では、プラシネズマブは、MoCAによって測定される場合、認知機能を0.10%、0.20%、0.30%、0.40%、0.50%、0.60%、0.70%、0.80%、0.90%、1.00%、1.10%、1.20%、1.30%、1.40%、1.50%、1.60%、1.70%、1.80%、1.90%、2.00%、2.10%、2.20%、2.30%、2.40%、2.50%、2.60%、2.70%、2.80%、2.90%、3.00%、3.10%、3.20%、3.30%、3.40%、3.50%、3.60%、3.70%、3.80%、3.90%、4.00%、4.10%、4.20%、4.30%、4.40%、4.50%、4.60%、4.70%、4.80%、4.90%、5.00%、5.10%、5.20%、5.30%、5.40%、5.50%、5.60%、5.70%、5.80%、5.90%、6.00%、6.10%、6.20%、6.30%、6.40%、6.50%、6.60%、6.70%、6.80%、6.90%、7.00%、7.10%、7.20%、7.30%、7.40%、7.50%、7.60%、7.70%、7.80%、7.90%、8.00%、8.10%、8.20%、8.30%、8.40%、8.50%、8.60%、8.70%、8.80%、8.90%、9.00%、9.10%、9.20%、9.30%、9.40%、9.50%、9.60%、9.70%、9.80%、9.90%、10.00%、10.10%、10.20%、10.30%、10.40%、10.50%、10.60%、10.70%、10.80%、10.90%、11.00%、11.10%、11.20%、11.30%、11.40%、11.50%、11.60%、11.70%、11.80%、11.90%、12.00%、12.10%、12.20%、12.30%、12.40%、12.50%、12.60%、12.70%、12.80%、12.90%、13.00%、13.10%、13.20%、13.30%、13.40%、13.50%、13.60%、13.70%、13.80%、13.90%、14.00%、14.10%、14.20%、14.30%、14.40%、14.50%、14.60%、14.70%、14.80%、14.90%、15.00%、15.10%、15.20%、15.30%、15.40%、15.50%、15.60%、15.70%、15.80%、15.90%、16.00%、16.10%、16.20%、16.30%、16.40%、16.50%、16.60%、16.70%、16.80%、16.90%、17.00%、17.10%、17.20%、17.30%、17.40%、17.50%、17.60%、17.70%、17.80%、17.90%、18.00%、18.10%、18.20%、18.30%、18.40%、18.50%、18.60%、18.70%、18.80%、18.90%、19.00%、19.10%、19.20%、19.30%、19.40%、19.50%、19.60%、19.70%、19.80%、19.90%、20.00%、20.10%、20.20%、20.30%、20.40%、20.50%、20.60%、20.70%、20.80%、20.90%、21.00%、21.10%、21.20%、21.30%、21.40%、21.50%、21.60%、21.70%、21.80%、21.90%、22.00%、22.10%、22.20%、22.30%、22.40%、22.50%、22.60%、22.70%、22.80%、22.90%、23.00%、23.10%、23.20%、23.30%、23.40%、23.50%、23.60%、23.70%、23.80%、23.90%、24.00%、24.10%、24.20%、24.30%、24.40%、24.50%、24.60%、24.70%、24.80%、24.90%、25.00%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%;
または少なくとも0.10%、少なくとも0.20%、少なくとも0.30%、少なくとも0.40%、少なくとも0.50%、少なくとも0.60%、少なくとも0.70%、少なくとも0.80%、少なくとも0.90%、少なくとも1.00%、少なくとも1.10%、少なくとも1.20%、少なくとも1.30%、少なくとも1.40%、少なくとも1.50%、少なくとも1.60%、少なくとも1.70%、少なくとも1.80%、少なくとも1.90%、少なくとも2.00%、少なくとも2.10%、少なくとも2.20%、少なくとも2.30%、少なくとも2.40%、少なくとも2.50%、少なくとも2.60%、少なくとも2.70%、少なくとも2.80%、少なくとも2.90%、少なくとも3.00%、少なくとも3.10%、少なくとも3.20%、少なくとも3.30%、少なくとも3.40%、少なくとも3.50%、少なくとも3.60%、少なくとも3.70%、少なくとも3.80%、少なくとも3.90%、少なくとも4.00%、少なくとも4.10%、少なくとも4.20%、少なくとも4.30%、少なくとも4.40%、少なくとも4.50%、少なくとも4.60%、少なくとも4.70%、少なくとも4.80%、少なくとも4.90%、少なくとも5.00%、少なくとも5.10%、少なくとも5.20%、少なくとも5.30%、少なくとも5.40%、少なくとも5.50%、少なくとも5.60%、少なくとも5.70%、少なくとも5.80%、少なくとも5.90%、少なくとも6.00%、少なくとも6.10%、少なくとも6.20%、少なくとも6.30%、少なくとも6.40%、少なくとも6.50%、少なくとも6.60%、少なくとも6.70%、少なくとも6.80%、少なくとも6.90%、少なくとも7.00%、少なくとも7.10%、少なくとも7.20%、少なくとも7.30%、少なくとも7.40%、少なくとも7.50%、少なくとも7.60%、少なくとも7.70%、少なくとも7.80%、少なくとも7.90%、少なくとも8.00%、少なくとも8.10%、少なくとも8.20%、少なくとも8.30%、少なくとも8.40%、少なくとも8.50%、少なくとも8.60%、少なくとも8.70%、少なくとも8.80%、少なくとも8.90%、少なくとも9.00%、少なくとも9.10%、少なくとも9.20%、少なくとも9.30%、少なくとも9.40%、少なくとも9.50%、少なくとも9.60%、少なくとも9.70%、少なくとも9.80%、少なくとも9.90%、少なくとも10.00%、少なくとも10.10%、少なくとも10.20%、少なくとも10.30%、少なくとも10.40%、少なくとも10.50%、少なくとも10.60%、少なくとも10.70%、少なくとも10.80%、少なくとも10.90%、少なくとも11.00%、少なくとも11.10%、少なくとも11.20%、少なくとも11.30%、少なくとも11.40%、少なくとも11.50%、少なくとも11.60%、少なくとも11.70%、少なくとも11.80%、少なくとも11.90%、少なくとも12.00%、少なくとも12.10%、少なくとも12.20%、少なくとも12.30%、少なくとも12.40%、少なくとも12.50%、少なくとも12.60%、少なくとも12.70%、少なくとも12.80%、少なくとも12.90%、少なくとも13.00%、少なくとも13.10%、少なくとも13.20%、少なくとも13.30%、少なくとも13.40%、少なくとも13.50%、少なくとも13.60%、少なくとも13.70%、少なくとも13.80%、少なくとも13.90%、少なくとも14.00%、少なくとも14.10%、少なくとも14.20%、少なくとも14.30%、少なくとも14.40%、少なくとも14.50%、少なくとも14.60%、少なくとも14.70%、少なくとも14.80%、少なくとも14.90%、少なくとも15.00%、少なくとも15.10%、少なくとも15.20%、少なくとも15.30%、少なくとも15.40%、少なくとも15.50%、少なくとも15.60%、少なくとも15.70%、少なくとも15.80%、少なくとも15.90%、少なくとも16.00%、少なくとも16.10%、少なくとも16.20%、少なくとも16.30%、少なくとも16.40%、少なくとも16.50%、少なくとも16.60%、少なくとも16.70%、少なくとも16.80%、少なくとも16.90%、少なくとも17.00%、少なくとも17.10%、少なくとも17.20%、少なくとも17.30%、少なくとも17.40%、少なくとも17.50%、少なくとも17.60%、少なくとも17.70%、少なくとも17.80%、少なくとも17.90%、少なくとも18.00%、少なくとも18.10%、少なくとも18.20%、少なくとも18.30%、少なくとも18.40%、少なくとも18.50%、少なくとも18.60%、少なくとも18.70%、少なくとも18.80%、少なくとも18.90%、少なくとも19.00%、少なくとも19.10%、少なくとも19.20%、少なくとも19.30%、少なくとも19.40%、少なくとも19.50%、少なくとも19.60%、少なくとも19.70%、少なくとも19.80%、少なくとも19.90%、少なくとも20.00%、少なくとも20.10%、少なくとも20.20%、少なくとも20.30%、少なくとも20.40%、少なくとも20.50%、少なくとも20.60%、少なくとも20.70%、少なくとも20.80%、少なくとも20.90%、少なくとも21.00%、少なくとも21.10%、少なくとも21.20%、少なくとも21.30%、少なくとも21.40%、少なくとも21.50%、少なくとも21.60%、少なくとも21.70%、少なくとも21.80%、少なくとも21.90%、少なくとも22.00%、少なくとも22.10%、少なくとも22.20%、少なくとも22.30%、少なくとも22.40%、少なくとも22.50%、少なくとも22.60%、少なくとも22.70%、少なくとも22.80%、少なくとも22.90%、少なくとも23.00%、少なくとも23.10%、少なくとも23.20%、少なくとも23.30%、少なくとも23.40%、少なくとも23.50%、少なくとも23.60%、少なくとも23.70%、少なくとも23.80%、少なくとも23.90%、少なくとも24.00%、少なくとも24.10%、少なくとも24.20%、少なくとも24.30%、少なくとも24.40%、少なくとも24.50%、少なくとも24.60%、少なくとも24.70%、少なくとも24.80%、少なくとも24.90%、少なくとも25.00%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%改善し得る。
特定の理論に束縛されるものではないが、プラシネズマブによる毒性シヌクレインの中和およびグリオーシスの低減は、シナプスの保護および認知機能を改善するニューロン活動の改善をもたらし得る。さらに、プラシネズマブでの処置によって青斑核(LC)-ノルエピネフリンネットワークの神経変性を遅らせる;LCは神経血管系を神経支配し、毒性シヌクレインに対する保護は認知機能を改善し得る。さらに、プラシネズマブの投与による運動機能の保護は、代償のために患者が皮質領域を従事させる必要性を減少させ得、これは認知機能を支えるために皮質能力を解放する。
本開示の様々な局面において、プラシネズマブのレジメンは、3~5週間の間隔で約1000~5000mgのプラシネズマブを含む。特定の局面において、プラシネズマブのレジメン(regime)は、3、4もしくは5週間の面談(interviews)のときに、または本明細書にさらに記載されるように投与される、約1000、2000、3000、4000または5000mgのプラシネズマブを含む。
臨床全般印象改善度スケール(CGI-S)は、疾患重症度の尺度であり、1(正常、全く病気ではない)から7(最も重篤な患者の内で)までの範囲の回答を使用して、疾病スケールの重症度(CGI-S)を7段階のスケールで評価する。臨床全般印象改善度(CGI-I)は、臨床医が疾患の重症度および進行を評価するものであるのに対して、患者全般印象変化(PGI-C)は、患者の視点からの健康状態の変化の尺度として意図されている。臨床全般印象改善度スコア(CGI-I/PGI-C)は両方とも、1(非常に改善)から7(非常に悪化)までの範囲である。CGI-IおよびPGI-Cでの進行者(progressor)は、5~7のスコア(すなわち、「最小限に悪化」、「大幅に悪化」または「極めて大幅に悪化」と評価される。)を有する患者として分類される。
特定の理論に束縛されるものではないが、プラシネズマブによる毒性シヌクレインの中和およびグリオーシスの低減は、シナプスの保護および脳の血流を増加させるニューロン活動の改善をもたらし得る。さらに、プラシネズマブでの処置によって青斑核(LC)-ノルエピネフリンネットワークの神経変性を遅らせる;LCは神経血管系を神経支配し、毒性シヌクレインに対する保護は脳血管の調節を改善し得る。
本開示の一局面において、血流を改善する方法は、本開示によるプラシネズマブのレジメンを投与することを含む。本開示の様々な局面において、プラシネズマブのレジメンは、3~5週間の間隔で約1000~5000mgのプラシネズマブを含む。特定の局面において、プラシネズマブのレジメン(regime)は、3、4もしくは5週間の面談のときに、または本明細書にさらに記載されるように投与される、約1000、2000、3000、4000または5000mgのプラシネズマブを含む。
本開示の別の局面において、MDS-UPDRSパートIIIは、パーキンソン病に関連する運動症状を評価する運動機能の臨床検査である。一局面において、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能の低下を低減させるためにプラシネズマブを使用することができ、そこでは、プラシネズマブのレジメンを対象に投与することを含む。例えば、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIによって測定される場合、運動機能の低下を1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%;
または少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%低減させ得る。
別の例では、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIの中央で評価された評価で、1年間の処置後にプラセボに対して35%、MDS-UPDRSパートIIIの現場で評価された評価で、1年間の処置後にプラセボに対して25%、運動機能の低下を低減させ得る。さらに、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIII臨床運動検査の構成要素として評価されるパーキンソン病の基本的な症状の1つである動作緩慢を改善するために使用することができる。
一局面において、パーキンソン病を有するか、またはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能を維持するために、または運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせるためにプラシネズマブを使用することができ、そこでは、プラシネズマブのレジメンを対象に投与することを含む。本方法は、パーキンソン病の進行を低減することができ、例えば、運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせることができる。疾患進行の低減は、例えば、MDS-UPDRSパートIIIの少なくとも5ポイントの進行までの時間を延ばすことによって実証することができる。
本開示の様々な局面において、プラシネズマブのレジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む。特定の局面において、プラシネズマブのレジメン(regime)は、3、4もしくは5週間の面談のときに、または本明細書にさらに記載されるように投与される、約1000、2000、3000、4000または5000mgのプラシネズマブを含む。
本開示の別の局面において、本方法は、患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアを改善することができ、および/または発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、身体の動作緩慢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性もしくはホーン・ヤールステージの1もしくはそれより多くを改善することができる。さらにその上、本開示の方法は、1年間の処置後に、プラセボと比較して、動作緩慢を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%または少なくとも40%改善することができる。運動機能の測定はまた、例えば、80%の動作緩慢特徴および20%の安静時振戦特徴から構築された複合スコアを含むデジタル運動スコアによって決定される運動機能に対する正のシグナルによって決定することもできる。
本開示の別の局面において、MDS-UPDRSパートIIIは、パーキンソン病に関連する運動症状を評価する運動機能の臨床検査である。一局面において、パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能の低下を低減させるためにプラシネズマブを使用することができ、そこでは、プラシネズマブのレジメンを対象に投与することを含む。例えば、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIによって測定される場合、運動機能の低下を1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、101%、102%、103%、104%、105%、106%、107%、108%、109%、110%、111%、112%、113%、114%、115%、116%、117%、118%、119%、120%、121%、122%、123%、124%、125%、126%、127%、128%、129%、130%、131%、132%、133%、134%、135%、136%、137%、138%、139%もしくは140%;
または少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも100%、少なくとも101%、少なくとも102%、少なくとも103%、少なくとも104%、少なくとも105%、少なくとも106%、少なくとも107%、少なくとも108%、少なくとも109%、少なくとも110%、少なくとも111%、少なくとも112%、少なくとも113%、少なくとも114%、少なくとも115%、少なくとも116%、少なくとも117%、少なくとも118%、少なくとも119%、少なくとも120%、少なくとも121%、少なくとも122%、少なくとも123%、少なくとも124%、少なくとも125%、少なくとも126%、少なくとも127%、少なくとも128%、少なくとも129%、少なくとも130%、少なくとも131%、少なくとも132%、少なくとも133%、少なくとも134%、少なくとも135%、少なくとも136%、少なくとも137%、少なくとも138%、少なくとも139%もしくは少なくとも140%低減させ得る。
別の例では、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIIIの中央で評価された評価で、1年間の処置後にプラセボに対して35%、MDS-UPDRSパートIIIの現場で評価された評価で、1年間の処置後にプラセボに対して25%、運動機能の低下を低減させ得る。さらに、プラシネズマブは、MDS-UPDRSパートIII臨床運動検査の構成成分として評価されるパーキンソン病の基本的な症状の1つである動作緩慢を改善するために使用することができる。
一局面において、パーキンソン病を有するか、またはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能を維持するために、または運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせるためにプラシネズマブを使用することができ、そこでは、プラシネズマブのレジメンを対象に投与することを含む。本方法は、パーキンソン病の進行を低減することができ、例えば、運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間を遅らせることができる。疾患進行の低減は、例えば、MDS-UPDRSパートIIIの少なくとも5ポイントの進行までの時間を延ばすことによって実証することができる。
本開示の様々な局面において、プラシネズマブのレジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む。特定の局面において、プラシネズマブのレジメン(regime)は、3、4または5週間の面談のときに投与される、約1000、2000、3000、4000または5000mgのプラシネズマブを含む。
本開示の別の局面において、本方法は、患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアを改善することができ、および/または発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、身体の動作緩慢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性もしくはホーン・ヤールステージの1もしくはそれより多くを改善することができる。さらにその上、本開示の方法は、1年間の処置後に、プラセボと比較して、動作緩慢を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%または少なくとも40%改善することができる。運動機能の測定はまた、例えば、80%の動作緩慢特徴および20%の安静時振戦特徴から構築された複合スコアを含むデジタル運動スコアによって決定される運動機能に対する正のシグナルによって決定することもできる。
製剤
本開示の製剤(医薬組成物としても知られる)は、抗体、例えばプラシネズマブ、類似のヒト化9E4抗体、またはこれらの抗原結合断片、バッファー、および1またはそれを超える賦形剤を含む。製剤は、液体形態または凍結乾燥形態での保存用に調製することができる。凍結乾燥形態で保存される場合、製剤は、本明細書に記載されている濃度および特性になるように液体(例えば、無菌水)で再構成することができる。凍結乾燥組成物が、指定された成分濃度およびpHの製剤を生成するために水を添加することによって再構成可能であると言われる場合、凍結乾燥製剤が、単に水の添加によって(すなわち、追加量の成分を供給することなく、またはpHを変化させるために酸もしくは塩基を添加することなく)そのように再構成され得ることを意味する。凍結乾燥された製剤が製剤の凍結乾燥前と同じ体積に再構成される場合、凍結乾燥前の液体製剤の濃度および特性もまた、以下に記載されるものに従うことができる。体積が異なる場合、製剤の濃度は比例的に調整されるべきである。例えば、再構成された体積が凍結乾燥前の体積の半分である場合、凍結乾燥前の製剤中の成分の濃度は、再構成された製剤中の濃度の半分であるべきである。
非経口投与用の医薬組成物は、好ましくは、無菌であり、実質的に等張であり、GMP条件下で製造される。医薬組成物は、単位剤形で(すなわち、単回投与用の投与量)で提供することができる。医薬組成物は、1またはそれを超える、生理的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤または補助剤を用いて製剤化することができる。製剤は、選択された投与の経路に依存する。注射のために、プラシネズマブは、水溶液中に、好ましくは、(注射の部位における不快感を軽減するために)ハンクス液、リンゲル液などの生理的に適合する緩衝液、または生理的食塩水または酢酸緩衝液中に製剤化され得る。溶液は、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤化剤を含有することができる。あるいは、プラシネズマブは、使用前に、適切なビヒクル、例えば、発熱物質を含まない無菌水で構成するための凍結乾燥された形態であり得る。
薬学的に許容され得る担体組成物はまた、水、薬学的に許容され得る有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアガム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ペトロラタム、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、および医薬添加剤として許容され得る界面活性剤を含むがこれらに限定されない添加剤を含むことができる。
本発明の製剤(医薬組成物としても知られる)は、抗体(例えば、プラジネズマブまたはマウス9E4の別のキメラバージョン、ベニア化バージョンもしくはヒト化バージョン)、バッファー、1もしくはそれを超える糖および/またはポリオールおよび界面活性剤を含み、約5~約7.5の範囲内のpHを有する。製剤は、液体形態または凍結乾燥形態での保存用に調製することができる。凍結乾燥形態で保存される場合、製剤は、本明細書に記載されている濃度および特性になるように液体(例えば、無菌水)で再構成することができる。凍結乾燥組成物が、指定された成分濃度およびpHの製剤を生成するために水を添加することによって再構成可能であると言われる場合、凍結乾燥製剤が、単に水の添加によって(すなわち、追加量の成分を供給することなく、またはpHを変化させるために酸もしくは塩基を添加することなく)そのように再構成され得ることを意味する。凍結乾燥された製剤が製剤の凍結乾燥前と同じ体積に再構成される場合、凍結乾燥前の液体製剤の濃度および特性もまた、以下に記載されるものに従うことができる。体積が異なる場合、製剤の濃度は比例的に調整されるべきである。例えば、再構成された体積が凍結乾燥前の体積の半分である場合、凍結乾燥前の製剤中の成分の濃度は、再構成された製剤中の濃度の半分であるべきである。
いくつかの製剤は増量剤を含み、増量剤は糖/ポリオール成分と同じであってもよく、または同じでなくてもよい。典型的には、製剤は、例えば、0.2μmまたは0.22μmのフィルターを用いた滅菌濾過によって達成されるように、無菌である。いくつかの製剤は、約3CFU/30 mL以下の生物汚染度を有する。いくつかの製剤は、約0.1 EU/mg以下の細菌エンドトキシンを含有する。本発明の製剤はまた、凍結および融解時に、以下でさらに定義されるように、断片化および/または凝集が低レベルから検出不能なレベルであるので一般に安定である。さらに他の製剤は、凍結乾燥ケーキを40°Cで少なくとも3ヶ月間再構成した後に安定である。いくつかの製剤において、抗体の約10%未満が製剤中に凝集体として存在する。いくつかの製剤において、約5%未満の抗体または約5%に等しい抗体が製剤中に凝集体として存在する。
いくつかの製剤において、抗体は、約5mg/mL~約100mg/mLの範囲内の濃度で存在する。いくつかの製剤において、抗体は、約5mg/mL~約50mg/mLの範囲内の濃度で存在する。いくつかの製剤において、抗体は、約25mg/mL~約50mg/mLの範囲内の濃度で存在する。例えば、抗体は、約35~45mg/mlまたは約40mg/mLの濃度で存在し得る。抗体は、約50mg/バイアル~約500mg/バイアルまたはそれを超える無菌液体剤形で存在し得る。抗体は、約40mg/バイアル~約500mg/バイアルの凍結乾燥剤形で存在し得る。例えば、抗体は、約250~350mg/バイアルまたは約200mg/バイアルの無菌液体または凍結乾燥剤形で存在し得る。
製剤化された抗体は、上記の抗体9E4のキメラバージョン、ベニア化バージョンまたはヒト化バージョンのいずれかを含む上記の抗体のいずれかであり得る。
抗体に対して適切なpHを達成するために、例えば、ヒスチジン緩衝液、コハク酸緩衝液およびクエン酸緩衝液などの緩衝液が本開示された製剤において使用される。いくつかの製剤は、約5.5~約7の範囲内のpH、例えば、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9または7.0のpHを有する。いくつかの製剤は、約5.5~約6.5のpHを有する。いくつかの製剤は約6.0のpHを有し、他の製剤は約6.5のpHを有する。いくつかの製剤において、クエン酸緩衝液またはコハク酸緩衝液は、約10mM~約30mMの範囲内の濃度で、例えば、約15~25mMまたは約20mMの濃度で存在する。いくつかのクエン酸緩衝液は、それぞれ約15mM~約20mMの範囲および約2mM~約6mMの範囲内の濃度で無水クエン酸ナトリウム(sodium citrate dehydrate)およびクエン酸一水和物を含む。
製剤のための適切な糖および/またはポリオールには、トレハロース、スクロース、マンニトールまたはこれらの組み合わせが含まれる。糖/ポリオールは、増量剤、凍結乾燥保護剤および/または張度調整剤として働く。例えば、いくつかの製剤は、約220mM~約260mMの範囲内の濃度で存在するトレハロース、約220mM~約260mMの範囲内の濃度で存在するスクロース、または約20mM~約40mMの範囲内の濃度で存在するスクロースと約200mM~約220mMの範囲内の濃度で存在するマンニトールとの混合物を含む。いくつかの製剤は、約230mMまたは240mMの濃度で存在するトレハロースを含む。他の製剤は、約230mMまたは240mMの濃度で存在するスクロースを含む。他の製剤は、約50mMの濃度で存在するスクロースと約200mMの濃度で存在するマンニトールとの混合物を含む。別の製剤は、約28mMの濃度で存在するスクロースと約212mMの濃度で存在するマンニトールとの混合物を含む。いくつかのこのような製剤は、約250~400、300~400、または300~350mOsm/kg、例えば335mOsm/kgなどの範囲の重量オスモル濃度を特徴とする。
製剤は、抗体の凝集および表面への吸収(absorption)を低減させるために界面活性剤を含有することができる。適切な界面活性剤としては、約0.005重量%~約0.05重量%の範囲内の濃度で存在するポリソルベート20(PS20)が挙げられる。PS20は、PS20がなければ9E4抗体の製剤において起こるであろう凝集または濁度の著しい増加から保護する。ポリソルベート20は、約0.01%~約0.05%の範囲内の濃度で存在し得る。例えば、濃度は、0.005%、0.01%、0.015%、0.02%、0.025%、0.03%、0.035%、0.04%、0.045%または0.05%であり得る。あるいは、いくつかの製剤において、ポリソルベート20は、約(about from about)0.05g/L、0.1g/L、0.15g/L、0.2g/L、0.25g/L、0.3g/L、0.35g/L、0.4g/L、0.45g/Lまたは0.5g/Lの範囲内の濃度で存在する。いくつかの製剤は、0.2g/L(すなわち、0.163mmol/L)の濃度のポリソルベート20を含む。
例示的な製剤(液体、凍結乾燥前または凍結乾燥後に再構成された)は、約5.5~約7の範囲内のpHを特徴とし、(a)プラジネズマブ、または抗体9E4のキメラバージョン、ベニア化バージョンもしくはヒト化バージョン、もしくは約10mg/ml~約50mg/mlの範囲内の濃度で9E4と抗原への結合について特異的に競合するこれらの断片;(b)約10mM~約30mMの範囲内の濃度で存在するクエン酸緩衝液またはコハク酸緩衝液;(c)約220mM~約260mMの範囲内の濃度で存在するトレハロース、約220mM~約260mMの範囲内の濃度で存在するスクロース、および約20mM~約40mMの範囲内の濃度で存在するスクロースと約200mM~約220mMの範囲内の濃度で存在するマンニトールとの混合物から選択される1またはそれを超える糖およびポリオール(「糖/ポリオール」);ならびに(d)約0.005重量%~約0.05重量%の範囲内の濃度で存在するポリソルベート20を含む。例えば、製剤は、(a)配列番号1、2、3または9として示されるアミノ酸配列を有する軽鎖と、C末端リジンを有するまたは有さない配列番号4、5、6または10として示されるアミノ酸配列を含む重鎖とを含み、約40mg/mLの濃度で存在する抗体;(b)約20mMの濃度のクエン酸緩衝液;(c)約230mMの濃度のトレハロース;(d)約0.02%の濃度のポリソルベート20;および約6.0のpHを含むことができる。
いくつかの凍結乾燥製剤は、(a)抗体9E4のヒト化バージョン(例えば、プラシネズマブ)またはその抗原結合断片;(b)シトラート;(c)トレハロース;およびポリソルベート20を含む。凍結乾燥製剤は、約200mgの抗体を含むことができる。いくつかの凍結乾燥製剤は、無菌水で再構成することができる。いくつかの凍結乾燥製剤は、100~300または150~250mg、または15~35または20~25mgの無水クエン酸ナトリウム、1.65~2.75または2~2.3mgのクエン酸一水和物、360~500または400~470mgの無水トレハロース、および0.5~1.5mgまたは0.75~1.25mgのポリソルベート20を含む。例示的な凍結乾燥製剤は、200mgの9E4抗体(例えば、ヒト化9E4抗体)、25mgの無水クエン酸ナトリウム、2.15mgのクエン酸一水和物、435mgの無水トレハロース、および1mgのポリソルベート20を含む。別の例示的な凍結乾燥製剤は、200mgの9E4抗体(例えば、ヒト化9E4抗体)、25mgの無水クエン酸ナトリウム、3.15mgのクエン酸一水和物、435mgの無水トレハロース、および1mgのポリソルベート20を含む。このような製剤は、約5mlの体積に再構成することができる。他の凍結乾燥製剤は、この段落に開示されているいずれかと同じ割合であるが、異なる量(例えば、400mgの抗体、50mgのクエン酸ナトリウム、4.3mgのクエン酸一水和物、870mgの無水トレハロース、および2mgのポリソルベート20)の同じ成分を含む。
凍結乾燥製剤は、約30~50または35~45mg/mL、例えば約40mg/mLの抗体濃度に再構成することができる;(b)約10~30または15~25mM、好ましくは約20mMの濃度で存在するクエン酸緩衝液;(c)約160~330または200~260mM、例えば約230mMの濃度で存在するトレハロース;(d)約0.1~0.3または0.15~0.25g/L、例えば約0.2g/Lの濃度で存在するポリソルベート20;および(e)約5.5~6.5、例えば約6.0のpH。
液体または再構成された凍結乾燥製剤は、実質的に等張性であり得、約250~350mOsm/kg水の重量オスモル濃度を意味する。いくつかの製剤は、約335mOsm/kgの重量オスモル濃度を有する。いくつかの製剤は、270~300mOsm/kgの重量オスモル濃度を有する。液体または再構成された凍結乾燥製剤はまた、高張性>350mOsm/kg水または低張性(<250mOsm/kg水)であり得る。
記載された製剤のいずれもが、本明細書中の成分として記載されたもの以外の医薬賦形剤、担体などなしで作製することができる。このような製剤は、列挙された成分からなる、または製剤の特性に影響を及ぼさないわずかな量の他の成分が存在する場合、列挙された成分から本質的になると記載することができる。製剤は、ヒトへの投与のための薬物の調製についてFDAによって承認されたまたは承認可能な優良医薬品製造基準(GMP)の下で製造することができる。
パーキンソン病についての診断基準
本方法は、一般に、有資格の保健医師によってパーキンソン病と診断された対象または本疾患の遺伝的もしくは生化学的マーカー、家族歴もしくは前駆症状によって証明された、一般的集団と比較してそのリスクが上昇した対象に対して実施される。このような個人には、パーキンソン病の処置または予防のための従前の処方箋を受けている任意の者が含まれる。パーキンソン病シヌクレイン症の診断は、DSM-VまたはDSM IV-TR、レビー小体型認知症協会、パーキンソン病学会のものなど、疑いのあるまたはほぼ確実なパーキンソン病についての当技術分野で認知されている基準に基づくことができる。しかしながら、診断はまた、治療担当医師が、対象がおそらくパーキンソン病を有すると結論付けることにつながるパーキンソン病の任意の徴候または症状の存在に基づくことができる。疑いのあるまたはほぼ確実なPDを診断するための例示的な基準を以下に示す。
・A群:安静時振戦、動作緩慢、固縮および非対称の発症。
・B群の特徴:代替診断を示唆する。
・症状発症後最初の3年での顕著な姿勢不安定性。
・最初の3年でのすくみ現象。
・最初の3年での投与とは無関係の幻覚。
・運動症状の前または最初の年での認知症。
・核上性注視麻痺(上向き注視の制限以外)または垂直サッカードの減速。
・投与とは無関係の重度の症候性自律神経障害。
パーキンソニズムを引き起こすことが知られており、対象の症状(適切に位置する限局性脳病変または過去6ヶ月以内の神経遮断薬使用など)に関連する可能性が高い状態の記録。
パーキンソン病の疑いがあるという診断の基準には、以下が含まれる:A群における4つの特徴のうち少なくとも2つが存在する;これらのうちの少なくとも1つは振戦または動作緩慢であり、B群における特徴のいずれもが存在しないか、または症状が3年未満の間存在し、B群における特徴のいずれもがこれまでに存在しない;レボドパまたはドーパミンアゴニストに対する実質的かつ持続的な応答が文書で記録されているか、または対象がレボドパまたはドーパミンアゴニストの十分な試験を受けたことがないかのいずれかである。
パーキンソン病がほぼ確実という診断の基準は以下を含む:A群における少なくとも3つまたは4つの特徴が存在し、B群における特徴のいずれもが存在せず、レボドパまたはドーパミンアゴニストに対する実質的かつ持続的な応答が文書で記録されている。
本方法は、パーキンソン病のリスクがある対象に対しても実施することができる。パーキンソン病のリスクがある対象は、パーキンソン病を発症する1またはそれを超えるリスク因子を有し得る。パーキンソン病の危険因子には、年齢(パーキンソン病は、典型的には中年期または高齢期に始まり、リスクは年齢と共に増加する)、遺伝学/遺伝(すなわち、パーキンソン病を有する近親血縁者を有することは、PDを発症するリスクを増加させる)、性別(男性は女性よりもPDを発症する可能性が高い)、頭部外傷(頭部、頸部、または上部頸椎への外傷は、人がPDを発症するリスクを増加させ得る)、および毒素への曝露(例えば、除草剤および殺虫剤への継続的な曝露は、PDのリスクをわずかに増加させ得る)が含まれ得る。
より最近では、パーキンソン病は、軽度運動優勢(MM)、びまん性悪性(DM)および中間の3つのサブタイプに分類されている。これらの区分は、経験される症状、特に運動症状、認知障害、急速眼球運動(REM)睡眠障害および自律神経障害(心拍数および発汗などの不随意の身体プロセスを制御する自律神経系の異常)に基づく。
治療レジメン
治療有効量は、有効な期間にわたって与えられたときに所望の臨床効果を達成する投与量である。投与レジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。例えば、いくつかの分割用量を設定された間隔(例えば、毎日、毎週、毎月)で投与してもよく、または治療状況の緊急性によって示された場合に用量を比例的に低下させてもよい。
治療用途では、疾患の少なくとも1つの徴候または症状を改善させるのにまたは少なくともさらなる悪化を阻害するのに有効であることが知られているまたは考えられているレジメン(regime)(投与の用量、頻度および経路)で、PDと診断された対象に抗体が投与される。予防用途では、疾患の少なくとも1つの徴候または症状の発症を阻害または遅らせるのに有効であることが知られているまたは考えられているレジメンで、シヌクレイン症のリスクが増大しているが、疾患と診断されるのに十分な症状を未だ有していない対象に抗体が投与される。
抗体のための例示的な投与量範囲は、3~5週間の間隔で、例えば4週間ごとに静脈内に投与される1000~5000mgの、α-シヌクレインに対する抗体である。いくつかの実施形態では、3~5週間の間隔で、例えば4週間ごとに静脈内に投与される3000~5000mgの、α-シヌクレインに対する抗体である。一部の対象では、投与量は、3~5週間ごとに、例えば4週間ごとに3500~4500mgである。対象には、(例えば、対象の体重に応じて)互いに同じまたは異なる投与量を与えることができる。いくつかの方法において、対象には、2つの固定投与量のうちの1つが与えられる。例えば、65kg未満の体重を有する対象には3500mgを与えることができ、65kgを超えるまたは65kgに等しい体重を有する対象には4500mgを与えることができる。いくつかの方法では、少なくとも一部の対象に対する投与量範囲は、45~75mg/kg、例えば50~70mg/kg、45mg/kg、60mg/kgまたは65mg/kgの範囲内である。投与量は、通常、3~5週間の間隔で複数回、例えば、28日もしくは4週ごとに、または暦月ごとに投与される。対象は、このような間隔で、少なくとも6、9、12または18回の投与を受けることができ、または状態の症状が持続する間もしくは対象の残りの寿命の間投与されることができる。いくつかのレジメンでは、2000mgの初期負荷用量を投与した後、2000mgを超えるかまたは2000mgに等しいが、意図された目標用量未満の範囲内で、意図された目標用量に達するまで投与する。例えば、対象には、2000mgの初期負荷用量を与えた後、3500mg用量または4500mg用量へ漸増することができる。漸増は、目標用量または目標範囲内の用量に達するまで、単一の後続用量で、または数回の用量にわたって徐々に増加して行われ得る。例えば、対象には、2000mgの初期用量の後に3500mgの後続用量を与えることができる。あるいは、対象には、2000mgの初期用量の後、2000mgを超えるかまたは2000mgに等しいが、3500mg未満の1またはそれを超える後続用量、および3500mgの後続用量を与えることができる。同様に、対象には、2000mgの初期用量の後、4500mgの後続用量を与えることができる。あるいは、対象には、2000mgの初期用量の後、2000mgを超えるかまたは2000mgに等しいが、4500mg未満の後続用量、および4500mgの後続用量を与えることができる。いくつかのレジメンでは、対象には、少なくとも52週間、4週間ごとに静脈内に3000~5000mgの用量の抗体が与えられる。3500~5000mgなどの指定された範囲内の用量で複数用量レジメンを受けている対象では、対象には、各投与において、指定された範囲内で同じまたは異なる用量を与えることができる。いくつかのレジメンでは、対象には、各投与において、指定された範囲内で同じ用量が与えられる。
別の例示的なレジメンでは、1300~1700mgの用量の抗体が、3~5週間の間隔で対象に静脈内に投与される。例示的な用量は1500mgである。対象には、例えば対象の体重に基づいて、この範囲内の単一の固定用量または2もしくはそれを超える異なる用量を与えることができる。この範囲内で投与された一部の対象には、18~25mg/kgの抗体、例えば20mg/kgが与えられる。他の方法と同様に、間隔は、3~5週間、例えば4週間ごとまたは暦月ごととすることができる。対象は、少なくとも6回、少なくとも9回、少なくとも12回または少なくとも18回の投与を受けることができ、または症状が残存している間または対象の残りの寿命の間、このような間隔で投与することができる。
処置レジメンのいずれもが、運動障害および/または認知障害の変化について、処置を受けている対象をモニタリングすることを伴うことができる。好ましくは、このようなモニタリングは、処置開始前および処置開始後の少なくとも1つの評価を含む。好ましくは、モニタリングは、処置を開始する前と比較して、処置に応答した低減された運動障害および/もしくは認知障害を示すか、または少なくとも対象における以前の低下の速度もしくは免疫治療を一切受けていない対照患者における低下の速度と比較して低下の速度の低減を示す。対象はまた、徴候または症状の中でも特に、自律神経機能障害、胃腸機能障害、幻覚または1もしくはそれを超える心理学的症状の変化についてモニタリングすることができる。
本レジメンは、処置されている疾患の処置または予防に有効な別の薬剤と同時に投与することができる。他の薬剤は、本明細書に記載されている別の免疫療法剤であってよく、または、レボドパ、ベンザセリド(benzaseride)、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、非麦角ドーパミンアゴニスト、例えばエンタコポン(entacopone)もしくはトルコポン(tolcopone)などのカテコール-O-メチル(「COMT」)阻害剤、例えばラサガリン(rasagaline)もしくはセレギリンなどのMAO-b阻害剤を含むモノアミンオキシダーゼ(「MAO」)阻害剤、アマンタジン、を含むパーキンソン病を処置するための他の薬剤または抗コリン作動剤を本レジメンと組み合わせて使用することができる。いくつかのこのような他の薬剤は、原因因子に影響を及ぼすことなく疾患の1またはそれを超える症状を低減する。
実施例1.プラシネズマブについての第II相臨床試験
パーキンソン病の対象に対して、α-シヌクレイン抗体プラシネズマブについて第II相試験を実施した(PASADENA、臨床試験番号NCT03100149)。本試験は、2つの処置群および1つの対照群を有する。N=316で、対象を1:1:1でこれらの群に無作為に割り当てる。本試験の初期相は、52週間の二重盲検処置であった。本試験の初期相の間、対象は、(対症処置を含めて)パーキンソン病の他の処置を受けなかった。一方の処置群の対象には、固定用量の1500mg抗体(低用量)を4週間ごとに静脈内に与えた。他方の処置群の対象には、体重に応じて3500mgまたは4500mgの抗体(高用量)を4週ごとに静脈内に与え、65kg未満の対象には低用量を与え、65kgまたはそれを超える対象には高用量を与えた。第2の群の対象には、2000mgの初期負荷投与量、および必要に応じて、3500mgまたは4500mgの目標用量に達するまで2000mgまたはそれを超える追加の漸増投与量を与えた。投与は1年間(52週間)継続された。次いで、試験は延長期間を有し、当初プラセボ群に属した対象は初期相からの2つの処置レジメンのうちの1つを受け、初期相で処置群からの対象は以前と同じ処置を受け続けた。試験の延長相の間、対象は、本試験の研究対象の抗体の他に、レボドパによる全身処置を受けた可能性があるが、パーキンソン病に対する他の処置は受けなかった。
Figure 2023541048000002
Figure 2023541048000003
Figure 2023541048000004
プラシネズマブは、一般に安全であり、忍容性が高いことが見出され、有害事象の大部分は、軽度または中等度と報告され、プラセボおよび両処置群にわたって類似していた。報告された有害事象(AE)の大部分(92%)は軽度(グレード1~2)であった。1つのグレード4のAEが報告され、治験薬とは無関係であると考えられた。グレード5のAEは存在しなかった(表2参照)。
Figure 2023541048000005
目的:
主要な目的は、MDS UPDRS合計スコア(パートI、IIおよびIIIの合計)におけるベースラインからの変化によって測定した場合に、ベースライン以降ずっと非処置であるか、またはMAO-B阻害剤で処置されている初期PD(H&YステージIおよびII)の参加者において、52週目でのプラシネズマブ対プラセボの有効性を評価することであった。
副次的な目的は、ベースライン以降ずっと非処置であるか、またはMAO-B阻害剤で処置されている初期PD(H&YステージIおよびII)の参加者において、以下に対する52週目でのプラシネズマブ対プラセボの効果を評価することである。
・MDS-UPDRS;
・(臨床的に優勢な側と)同側の被殻での単一光子放射型コンピュータ断層撮影(DaT-SPECT)によるドーパミントランスポーターイメージング;
・モントリオール認知評価(MoCA)合計スコア;
・臨床全般印象改善度(CGI-I);
・患者全般印象変化(PGI-C);
・シュワブ・イングランド日常生活動作(SE-ADL)スコア;
・運動症状または非運動症状の悪化までの時間;および/または
・ドーパミン系PD処置(レボドパまたはドーパミンアゴニスト)の開始までの時間。
実施例2 プラシネズマブで処置されたパーキンソン病患者は認知機能の改善を示す
この研究は、MDS-UPDRS合計スコアの変化の主要評価項目を満たさなかった(図1;-21.5%低用量:-2.02 80%CI-4.21、-0.18;-6.6%高用量:-0.62 80%CI-2.82、-1.58)。しかしながら、ベースライン認知機能からの変化において、驚くべき有効性シグナルが観察された。プラシネズマブを好ましいとする一貫したシグナルが、認知機能のスクリーニング評価であるモントリオール認知評価(MoCA)において両用量レベルで実証された。平均して、プラシネズマブ処置患者はベースラインで認知的に正常な範囲にあり、プラシネズマブ処置患者はMoCAスコアの改善を示した(MoCAは30ポイントのスケールであり、より高いスコアはより良好な認知能力を示す)。図2は、例えば、MoCaスコアリングスケールで改善が少なくとも0.2であることを示す。
ANCOVA分析により、52週目でのMoCA合計スコアのベースラインからの絶対変化の調整平均の差が、プラセボ群と比較して、低用量群では0.22(80%CI:-0.09、0.54)、高用量群では0.44(80%CI:0.13、0.75)であることが示された(以下の表3参照)。
Figure 2023541048000006
CGI-IおよびPGI-Cによるさらなる分析により、悪化のリスクの低減が確認される。プラシネズマブを好ましいとする一貫したシグナルも、全般印象変化(global impression of change.)の2つの評価である臨床全般印象改善度(CGI-I)および患者全般印象変化(PGI-C)において、両用量レベルで実証された。それぞれ臨床医および患者によって健康状態の変化を測定する評価であるCGI-IおよびPGI-Cの両方において、プラシネズマブ処置患者は悪化のリスクの低減を実証した。(図3および図4)。
実施例3.プラシネズマブで処置されたパーキンソン病患者は脳への血流の改善を示す
この研究は、MDS-UPDRS合計スコアの変化の主要評価項目を満たさなかった(図1;-21.5%低用量:-2.02 80%CI-4.21、-0.18;-6.6%高用量:-0.62 80%CI-2.82、-1.58)。しかしながら、脳への血流のベースラインから52週目までの変化において、驚くべき有効性のシグナルが観察された。患者のサブセットにおける磁気共鳴-動脈スピンラベル標識(MRI-ASL)の変化によって評価される脳の血流の分析では、プラシネズマブ処置患者は、パーキンソン病におけるドーパミン作動性末端の喪失およびα-シヌクレイン病変の存在に関連する脳の領域である被殻において脳の血流の改善を示し、疾患に関与する根底を成す生物学への影響を示唆した(図5)。
脳の特異的領域の評価は、被殻、淡蒼球および運動前野における血流の改善を示した(図6A、6B、6C)。
実施例4.プラシネズマブで処置されたパーキンソン病患者は運動機能の改善を示す
この研究は、MDS-UPDRS合計スコアの変化の主要評価項目を満たさなかった(図1;-21.5%低用量:-2.02 80%CI-4.21、-0.18;-6.6%高用量:-0.62 80%CI-2.82、-1.58)。しかしながら、52週目での、プラセボと比較したプラシネズマブ処置患者におけるMDS-UPDRSパートIIIのベースラインからの変化において、驚くべき有効性のシグナルが観察された。プラシネズマブ処置患者は、早期パーキンソン病患者において、1年目での、プラセボと比較した運動機能の低下の低減、および運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間の遅延を示した。
MDS-UPDRSパートIIIの現場での評価を使用すると、患者は運動機能の低下の低減を示す(図7A;プールされた用量レベル:-25.0%、-1.44、80%CI=(-2.83,-0.06);低用量レベル:-33.8%、-1.88,80%CI=(-3.49,-0.27);および高用量レベル:-18.2%、-1.02、80%CI=(-2.64、0.61))。
プラシネズマブはまた、運動機能の臨床検査であるMDS-UPDRSパートIIIの中央で評価された評価において、1年間の処置後に、プラセボと比較して運動機能の低下を35%低減した(図7B;プールされた用量レベル:-35.0%、-1.88、80%CI=(-3.31,-0.45);低用量レベル:-45.4%、-2.44,80%CI=(-4.09,-0.78);および高用量レベル:-24.7%、-1.33、80%CI=(-2.99、0.34))。
さらに、1年間にわたるプラセボと比較したMDS-UPDRSパートIIIの少なくとも5ポイントの進行までの時間の現場で評価された評価において、運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間の遅延によって実証されるように、プラシネズマブ処置は、プラシネズマブ処置患者において疾患進行の低減をもたらし、ハザード比は0.82であった(図8)。
現場での評価による、プラセボと比較した、52週でのプラシネズマブ処置患者における動作緩慢のベースラインからの変化に対して有効性のシグナルが観察された(プールされた用量レベル:-27.0%、-0.75、80%CI=(-1.62、0.11);低用量レベル:-38.3%、-1.07,80%CI=(-2.07,-0.07);および高用量レベル:-15.7%、-0.44、80%CI=(-1.45、0.56))(図9)。動作緩慢は、パーキンソン病の基本的な症状の1つであり、MDS-UPDRSパートIII臨床運動検査の構成成分として評価される。
実施例5.プラシネズマブで処置されたパーキンソン病患者は運動機能の改善を示す
この研究は、MDS-UPDRS合計スコアの変化の主要評価項目を満たさなかった(図1;-21.5%低用量:-2.02 80%CI-4.21、-0.18;-6.6%高用量:-0.62 80%CI-2.82、-1.58;および表4)。しかしながら、52週目での、プラセボと比較したプラシネズマブ処置患者におけるMDS-UPDRSパートIIIのベースラインからの変化において、驚くべき有効性のシグナルが観察された。プラシネズマブ処置患者は、早期パーキンソン病患者において、1年目での、プラセボと比較した運動機能の低下の低減、および運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間の遅延を示した。
Figure 2023541048000007
MDS-UPDRSパートIIIの現場での評価を使用すると、患者は運動機能の低下の低減を示す(図7A;プールされた用量レベル:-25.0%、-1.44、80%CI=(-2.83,-0.06);低用量レベル:-33.8%、-1.88,80%CI=(-3.49,-0.27);および高用量レベル:-18.2%、-1.02、80%CI=(-2.64、0.61))。
プラシネズマブはまた、運動機能の臨床検査であるMDS-UPDRSパートIIIの中央で評価された評価において、1年間の処置後に、プラセボと比較して運動機能の低下を35%低減した(図7B;プールされた用量レベル:-35.0%、-1.88、80%CI=(-3.31,-0.45);低用量レベル:-45.4%、-2.44,80%CI=(-4.09,-0.78);および高用量レベル:-24.7%、-1.33、80%CI=(-2.99、0.34))。
さらに、1年間にわたるプラセボと比較したMDS-UPDRSパートIIIの少なくとも5ポイントの進行までの時間の現場で評価された評価において、運動進行の臨床的に意味のある悪化までの時間の遅延によって実証されるように、プラシネズマブ処置は、プラシネズマブ処置患者において疾患進行の低減をもたらし、ハザード比は0.82であった(図8)。
現場での評価による、プラセボと比較した、52週でのプラシネズマブ処置患者における動作緩慢のベースラインからの変化に対して有効性のシグナルが観察された(プールされた用量レベル:-27.0%、-0.75、80%CI=(-1.62、0.11);低用量レベル:-38.3%、-1.07,80%CI=(-2.07,-0.07);および高用量レベル:-15.7%、-0.44、80%CI=(-1.45、0.56))(図9)。動作緩慢は、パーキンソン病の基本的な症状の1つであり、MDS-UPDRSパートIII臨床運動検査の構成要素として評価される。
総集団内の異なる亜表現型に対するプラシネズマブ処置の効果を区別するために、総集団に対してサブグループ分析を実施した。例えば、MAO-B阻害剤などの対症療法を必要とする個体、およびびまん性悪性亜表現型の個体。非処置の初期段階集団におけるパーキンソン病の運動進行は一般に遅かった(MDS-UPDRSパートIIIで1年当たり約5ポイント;図10、上パネル)が、全集団内のより侵襲性の高いパーキンソン病のサブタイプでの運動進行は有意に速いことが観察された。MAO-B阻害剤使用患者のサブグループは、1年当たり約7ポイントの変化を示し;図10、中央のパネル)、びまん性悪性亜表現型は、1年当たり約10ポイントの変化を示した;図10、下パネル)。
図10では、対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。CIは、信頼区間であり;DaT-SPECTは、単一光子放射型コンピュータ断層撮影によるドーパミントランスポーターイメージングであり;MAO-Bは、モノアミンオキシダーゼBであり;MDS-UPDRSは、運動障害学会統一PD評価スケールであり;MMRMは、反復測定による混合効果モデルである。
ここでも、MDS-UPDRSパートIIIの現場での評価を使用すると、合わせた総集団中の患者は、現場で評価した場合、1年間の処置にわたってプラセボと比較して25%の運動機能の低下の低減を示す。低用量の効果は、低下における33.8%の低減でより頑強に見えたが、より高用量は低下の18.2%の低減を示した(図11Aを参照;プールされた用量レベル:-25.0%、-1.44、80%CI=(-2.83、-0.06);低用量レベル:-33.8%、-1.88,80%CI=(-3.49、-0.27);および高用量レベル:-18.2%、-1.02、80%CI=(-2.64、0.61))。
MAO-B阻害剤で処置されたサブグループでは、現場で評価した場合、1年間の処置にわたってプラセボと比較して39%の運動機能の低下の低減が観察された。低用量の効果は、低下の71.1%の低減でより頑強に見えたのに対して、より高用量は、1年の時点で低下の4%の低減を示した(図11Bを参照;プールされた用量レベル:-39.0%、-2.66、80%CI=(-4.87,-0.45);低用量レベル:-71.1%、-4.85、80%CI=(-7.33,-2.37);高用量レベル:-4.0%、-0.28、80%CI=(-2.82、2.25))。
びまん性悪性サブグループでは、現場で評価した場合、1年間の処置にわたってプラセボと比較して63.9%の運動機能の低下の低減が観察された。低用量および高用量レジメンは同様の成績であり、1年の時点で、低用量は68.3%、高用量は63.2%の低下の低減を示した(図11Cを参照:プールされた用量レベル:-63.9%、-7.86、80%CI=(-12.9,-2.82);低用量レベル:-68.3%、-8.4、80%CI=(-14.2,-2.59);高用量レベル:-63.2%、-7.77、80%CI=(-13.4,-2.14))。
図11A~11Cでは、対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。
MDS-UPDRSパートIIIの中央でモニターされたまたは評価された評点(assessed ratings)を使用すると、合わせた総集団中の患者は、中央で評価した場合、1年間の処置にわたってプラセボと比較して35%の運動機能の低下の低減を示す。低用量の効果は、低下の45.4%の低減でより頑強に見えたが、より高用量は低下の24.7%の低減を示した(図12Aを参照;プールされた用量レベル:-35.0%、-1.88、80%CI=(-3.31,-0.45);低用量レベル:-45.4%、-2.44,80%CI=(-4.09,-0.78);および高用量レベル:-24.7%、-1.33、80%CI=(-2.99、0.34))。
MAO-B阻害剤で処置されたサブグループでは、中央で評価した場合、1年間の処置にわたってプラセボと比較して52.1%の運動機能の低下の低減が観察された。低用量の効果は、低下の74.1%の低減でより頑強に見えたのに対して、より高用量は、1年の時点で低下の17.3%の低減を示した(図12Bを参照;プールされた用量レベル:-52.1%、-3.16、80%CI=(-5.50,-0.82);低用量レベル:-74.1%、-4.49、80%CI=(-7.08,-1.90);高用量レベル:-17.3%、-1.05、80%CI=(-3.97、1.87))。
びまん性悪性サブグループでは、中央で評価した場合、1年間の処置にわたってプラセボと比較して76.1%の運動機能の低下の低減が観察された。低用量効果は、低下の108.7%の低減でより頑強に見えたのに対して、高用量は、1年の時点で低下の70.5%の低減を示した(図12Cを参照;プールされた用量レベル:-76.1%、-9.24、80%CI=(-15.4、-3.07);低用量レベル:-108.7%、-13.2、80%CI=(-21.2、-5.17);高用量レベル:-70.5%、-8.56、80%CI=(-16.0、-1.10))。
図12A~12Cでは、対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。
患者はまた、動作緩慢、振戦/動作緩慢、振戦単独、固縮および姿勢不安定性、ならびに認知の尺度を評価するために入力表面(例えば、スクリーン)および内部センサを利用する、スマートフォンでの毎日の運動試験を完了した。結果を組み合わせて、「デジタルPASADENA運動スコア」を生成した。頻繁な試験は、主として動作緩慢尺度を反映する運動進行の勾配のモデル化を可能にした。この混合モデルは、低用量群および高用量群の両方において、デジタルPASADENA運動スコアによって測定される(プラセボと比較して)運動進行の低減を示した。
プールされた総集団では、1年間の処置にわたってプラセボと比較して25.0%のPASADENAデジタル運動スコアの低下の低減が観察された。低用量の効果は、低下の30.3%の低減でより頑強に見えたのに対して、より高用量は、1年の時点で低下の21.5%の低減を示した(図13Aを参照;プールされた用量レベル:-25.0%、-0.030、80%CI=(-0.050、-0.010);低用量レベル:-30.3%、-0.040、80%CI=(-0.063、-0.017);高用量レベル:-21.5%、-0.029、80%CI=(-0.052、-0.006))。
MAO-B阻害剤で処置されたサブグループでは、1年間の処置にわたってプラセボと比較して26.0%のPASADENAデジタル運動スコアの低下の低減が観察された。低用量の効果は、低下の31.0%の低減でより頑強に見えたのに対して、より高用量は、1年の時点で低下の20.9%の低減を示した(図13Bを参照;プールされた用量レベル:-26.0%、-0.032、80%CI=(-0.062、-0.003);低用量レベル:-31.0%、-0.039、80%CI=(-0.072、-0.049);高用量レベル:-20.9%、-0.026、80%CI=(-0.060、0.008))。
びまん性悪性サブグループでは、1年間の処置にわたってプラセボと比較して35.7%のPASADENAデジタル運動スコアの低下の低減が観察された。低用量効果は、低下の25.2%の低減でより頑強でないように見えたのに対して、高用量は、1年の時点で低下の46.2%の低減を示した(図13Cを参照;プールされた用量レベル:-35.7%、-0.055、80%CI=(-0.105、-0.005);低用量レベル:-25.2%、-0.039、80%CI=(-0.094、0.017);高用量レベル:-46.2%、-0.071、80%CI=(-0.126、-0.017))。
図13A~13Cでは、対症的PD処置を開始した患者は、対症的PD処置が開始される前の最後の来院まで関与する。バーは80%CIを表す。推定値は、以下の共変量を用いるMMRMに基づく:ベースライン時のMAO-B阻害剤(あり/なし)、処置、週、60歳未満対60歳以上、性別、DaT-SPECT被殻結合比(反対側対臨床的に最も影響を受けた側)、ベースラインMDS-UPDRS対応評価項目。プールされた用量の解析は、事前に指定された探索的解析である。65kg以上では4500mg;65kg未満では3500mg。
配列
配列番号1は、Hu9E4VLv3の可変領域である。
Figure 2023541048000008
配列番号2は、Hu9E4VLv1の可変領域である。
Figure 2023541048000009
配列番号3は、Hu9E4VLv2(復帰変異なし)の可変領域である。
Figure 2023541048000010
配列番号4は、Hu9E4VHv3の可変領域である。
Figure 2023541048000011
配列番号5は、Hu9E4VHv1の可変領域である。
Figure 2023541048000012
配列番号6は、Hu9E4VHv2の可変領域である。
Figure 2023541048000013
配列番号7は、Hu9E4VHv4(復帰変異なし)の可変領域である。
Figure 2023541048000014
配列番号8は、天然のヒト野生型α-シヌクレインのアミノ酸配列である。
Figure 2023541048000015
配列番号9は、プラシネズマブ軽鎖のアミノ酸配列である
Figure 2023541048000016
配列番号10は、プラシネズマブ重鎖のアミノ酸配列である
Figure 2023541048000017
Figure 2023541048000018

Claims (38)

  1. パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において運動機能の低下を維持または遅らせるための方法であって、プラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含み、
    前記維持することは、MDS-UPDRSパートIIIでの少なくとも5ポイントの進行の進行までの時間を遅らせることによって実証されるように、パーキンソン病の進行を低減させることを含み、
    前記低下を遅らせることは、以下のこと:
    (a)前記患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアの低下を遅らせること、
    (b)発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性もしくはホーン・ヤールステージの1もしくはそれより多くの低下を遅らせること;
    (c)動作緩慢を改善すること;
    の少なくとも1つを含み、
    プラシネズマブの前記レジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む、方法。
  2. 前記患者の運動検査スコアの低下を前記遅らせることが、1年間の処置後にプラセボと比較して、少なくとも4%、17%、18%、24%、25%、33%、35%、39%、45%、52%、63%、64%、68%、71%、74%、76%または109%の改善を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者の運動検査スコアの低下を前記遅らせることが、1年間の処置後にプラセボと比較して、少なくとも18%、24%、25%、33%、35%または45%の改善を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記対象が、軽度の運動優勢サブタイプ、びまん性悪性サブタイプ、またはパーキンソン病の中間サブタイプと診断されている、請求項1に記載の方法。
  5. 前記対象がパーキンソン病のびまん性悪性サブタイプと診断されている、請求項1に記載の方法。
  6. モノアミンオキシダーゼ(「MAO」)阻害剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記MAO阻害剤がMAO-B阻害剤である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記プラシネズマブが静脈内に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において脳の血流を維持または増加させるための方法であって、3~5週間の間隔で、1000~5000mgのプラシネズマブを含むプラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含む、方法。
  10. 脳の血流が被殻内において維持または増加される、請求項9に記載の方法。
  11. 脳の血流が淡蒼球において維持または増加される、請求項9に記載の方法。
  12. 脳の血流が運動前野において維持または増加される、請求項9に記載の方法。
  13. 血流が、磁気共鳴-動脈スピンラベル標識(MRI-ASL)の変化によって評価される、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記プラシネズマブが静脈内に投与される、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象において認知機能を改善するための方法であって、3~5週間の間隔で、1000~5000mgのプラシネズマブを含むプラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含む、方法。
  16. 前記対象が認知機能の障害を有さない、請求項15に記載の方法。
  17. 認知機能の前記改善がモントリオール認知評価(MoCA)によって測定され、前記改善はMoCaスコアリングスケールで少なくとも0.2である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記プラシネズマブが静脈内に投与される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. MAO-B阻害剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記対象が処置未経験であるか、過去2年間にPDを有すると診断されたか、またはMAO-B阻害剤で以前に処置された、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記対象が65kgを超える体重を有し、4週間に1回、4500mgの用量のプラシネズマブが投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記対象が65kg未満の体重を有し、4週間に1回、3500mgの用量のプラシネズマブが投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記対象が、4週間ごとに1500mgの用量の抗体を投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記対象が、少なくとも52週間、4週間に1回、プラシネズマブを与えられる、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記対象が男性/雄である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. パーキンソン病を有するかまたはパーキンソン病のリスクがある対象を処置する方法であって、プラシネズマブのレジメンを前記対象に投与することを含み、前記処置することは、
    (a)MDS-UPDRSパートIIIでの少なくとも5ポイントの進行の進行までの時間を遅らせることによって実証されるように、パーキンソン病の進行を低減させることと、または
    (b)以下のこと:
    i.患者のMDS-UPDRSパートIII運動検査スコアの低下を遅らせること、
    ii.発話、顔の表情、固縮、指のタッピング運動、手の運動、手の回内-回外運動、つま先のタッピング、脚の敏捷性、椅子からの立ち上がり、歩行、すくみ足、姿勢の安定性、姿勢、手の振戦、安静時振戦の振幅、安静時振戦の定常性またはホーン・ヤールステージの1またはそれより多くの低下を遅らせること;
    iii.動作緩慢を改善すること;
    の少なくとも1つを含む運動機能の低下を遅らせることと;
    を含み、
    プラシネズマブの前記レジメンは、3~5週間の間隔で1000~5000mgのプラシネズマブを含む、方法。
  27. 前記対象が、軽度の運動優勢サブタイプ、びまん性悪性サブタイプ、またはパーキンソン病の中間サブタイプと診断されている、請求項26に記載の方法。
  28. 前記対象がパーキンソン病のびまん性悪性サブタイプと診断されている、請求項27に記載の方法。
  29. 前記患者の運動検査スコアの低下を前記遅らせることが、1年間の処置後にプラセボと比較して、少なくとも4%、17%、18%、24%、25%、33%、35%、39%、45%、52%、63%、64%、68%、71%、74%、76%または109%の改善を含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記プラシネズマブが静脈内に投与される、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. モノアミンオキシダーゼ(「MAO」)阻害剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記MAO阻害剤がMAO-B阻害剤である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記対象が処置未経験であるか、過去2年間にPDを有すると診断されたか、またはMAO-B阻害剤で以前に処置された、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記対象が65kgを超える体重を有し、4週間に1回、4500mgの用量のプラシネズマブが投与される、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記対象が65kg未満の体重を有し、4週間に1回、3500mgの用量のプラシネズマブが投与される、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記対象が、4週間ごとに1500mgの用量の抗体を投与される、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記対象が、少なくとも52週間、4週間に1回、プラシネズマブを与えられる、請求項26~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記対象が男性/雄である、請求項26~37のいずれか一項に記載の方法。
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