JP2023540934A - Rasタンパク質のターゲットエンゲージメントアッセイ - Google Patents

Rasタンパク質のターゲットエンゲージメントアッセイ Download PDF

Info

Publication number
JP2023540934A
JP2023540934A JP2023514021A JP2023514021A JP2023540934A JP 2023540934 A JP2023540934 A JP 2023540934A JP 2023514021 A JP2023514021 A JP 2023514021A JP 2023514021 A JP2023514021 A JP 2023514021A JP 2023540934 A JP2023540934 A JP 2023540934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ras
kras
methyl
protein
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023514021A
Other languages
English (en)
Inventor
マシュー ビー ロバース
ジョエル アール ウォーカー
ジェームス ヴァスタ
シーザー コロナ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Promega Corp
Original Assignee
Promega Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Promega Corp filed Critical Promega Corp
Publication of JP2023540934A publication Critical patent/JP2023540934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/48Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1085Transferases (2.) transferring alkyl or aryl groups other than methyl groups (2.5)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2500/00Screening for compounds of potential therapeutic value
    • G01N2500/02Screening involving studying the effect of compounds C on the interaction between interacting molecules A and B (e.g. A = enzyme and B = substrate for A, or A = receptor and B = ligand for the receptor)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2500/00Screening for compounds of potential therapeutic value
    • G01N2500/20Screening for compounds of potential therapeutic value cell-free systems

Abstract

本明細書では、RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤を使用し、RAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び化合物を提供する。いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、又はNRAS)の一部位に結合し、同じ部位ならびに他の部位に結合するRAS結合剤を検出するために使用され得る。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月28日に出願された米国仮特許出願第63/071,694号、2020年11月23日に出願された米国仮特許出願第63/117,080号、及び2021年3月12日に出願された米国仮特許出願第63/160,120号に対する優先権及びその利益を主張し、それらの内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書は、KRAS、HRAS、及びNRAS結合化合物を含む、RAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び化合物に関する。特に、本明細書において開示されるRAS結合剤は、RAS結合部分及び機能要素を含み、様々なRAS結合部位でのターゲットエンゲージメントを調べるために使用し得る。
RASタンパク質は、様々な細胞過程に関与する無数のシグナル伝達カスケードを調節する。RAS遺伝子は、がん遺伝子であり、変異すると正常な細胞をがん化し得る。RAS遺伝子には、それぞれKRAS、HRAS、及びNRASタンパク質をコードするKRAS、HRAS、及びNRASが含まれる。これらのタンパク質は、細胞の外側から細胞の核にシグナルを中継し、細胞が成長、分裂、成熟、及び/又は分化するように指示する。RASタンパク質は、分子スイッチとして機能するGTPアーゼであり、GTPからGDPへの変換によってオン・オフする。
RAS活性化変異は、ヒトのがんにおける最も頻繁な発癌性変化である。RAS活性化変異体は、GTPからGDPへの循環過程を妨害することにより、RASタンパク質を活性なGTP結合型に固定し、それによって細胞の腫瘍性形質転換を促進する。一般的なKRAS活性化変異体の1つは、KRASG12Cであり、これは非小細胞肺がんで特に一般的である。一般的なHRAS活性化変異体は、HRASG12S及びHRASG12Vである。HRASG12S変異はコステロ症候群に関連している一方、HRASG12Vは膀胱がんに関連している。NRASG12DやNRASQ61RなどのNRAS変異は、黒色腫などの様々なヒト腫瘍に関連している。
RASタンパク質は、歴史的に創薬不可能と考えられてきた。RASタンパク質はGTP基質に対して非常に高い親和性を有しているため、RAS阻害剤の開発は困難であった。例えば、GTPは、非常に高い親和性でRASタンパク質のスイッチI(SI)部位を占有するため、細胞内での競合阻害はほとんど不可能であると考えられている。最近、KRASの発癌性変異(KRAS G12C)が、スイッチII(SII)部位での共有結合阻害によって阻害される可能性があることが発見された。現在は、先進臨床試験で使用された共有結合SII部位阻害剤がある(例えば、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03600883を参照)。最近では、SI部位とSII部位との間に浅い結合ポケットが存在することが発見された。SI/SII部位と呼ばれるこのポケットは、可逆的阻害(Kessler et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 116:15823-15829(2019))の機会を提供し得る。阻害剤であるBI-2852は、野生型KRAS及びKRAS変異体におけるこのSI/II部位に結合し、細胞内の下流のKRASシグナル伝達イベントを阻害し得る。
本明細書では、RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤を使用し、RAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び化合物を提供する。例えば、KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤を使用し、KRAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び化合物を提供する。KRAS結合部分は、KRASタンパク質の一部位に結合するが、システム及び方法で他のKRAS結合部位でのエンゲージメントを首尾よく調べることができるため、広く有用な生細胞ターゲットエンゲージメントアッセイを可能にし、拡散メカニズムを介して結合するKRAS結合化合物(KRAS阻害剤など)を同定する。また、本明細書では、HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤を使用し、HRAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び化合物、ならびにNRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤を使用し、NRAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び化合物も記載される。いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、KRAS結合剤、HRAS結合剤、及び/又はNRAS結合剤である(すなわち、結合剤は、KRAS、HRAS、及びNRASのうちの1つ又は全てに結合し得る)。
一態様において、本明細書では、RAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)RASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤、ならびに候補RAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書では、KRAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)KRASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤、ならびに候補KRAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、(c)当該機能要素を検出又は定量化するステップを更に含む。
いくつかの実施形態において、当該KRASタンパク質は、KRAS変異体である。いくつかの実施形態において、当該KRAS変異体は、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、又はKRASG13Dである。
いくつかの実施形態において、ステップ(a)は、当該試料内で当該KRASタンパク質を発現させることを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書では、HRAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)HRASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤、ならびに候補HRAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、(c)当該機能要素を検出又は定量化するステップを更に含む。
いくつかの実施形態において、当該HRASタンパク質は、HRAS変異体である。いくつかの実施形態において、HRAS変異体は、HRASG12S又はHRASG12Vである。
いくつかの実施形態において、ステップ(a)は、当該試料内で当該HRASタンパク質を発現させることを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書では、NRAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)NRASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤、ならびに候補NRAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、(c)当該機能要素を検出又は定量化するステップを更に含む。
いくつかの実施形態において、当該NRASタンパク質は、NRAS変異体である。いくつかの実施形態において、NRAS変異体は、NRASG12D又はNRASQ61Rである。
いくつかの実施形態において、ステップ(a)は、当該試料内で当該NRASタンパク質を発現させることを含む。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、式(I)の化合物
Figure 2023540934000001
又はその塩であり、
式中、Aは、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
1、R2、及びR3の1つは、基-リンカー-Bであり、Bは、機能要素であり、
1、R2、及びR3の他の2つは、独立して、水素及びメチルから選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される。いくつかの実施形態において、R1は、基-リンカー-Bであり、R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R3は、基-リンカー-Bであり、R1及びR2は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、リンカーは、式
Figure 2023540934000002
を有し、
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、当該機能要素は、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルは、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体担体から選択される固体担体である。いくつかの実施形態において、当該沈降粒子は、磁性粒子である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素は、フルオロフォアである。
いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、RASタンパク質に結合する。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、RAS阻害剤である。いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、RASスイッチI/II部位に結合する。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、当該RASスイッチI/II部位又は当該RASスイッチII部位に結合する。
いくつかの実施形態において、当該試料は、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、環境試料、無細胞試料、及び精製試料(例えば、精製タンパク質試料)から選択される。
いくつかの実施形態において、当該RASタンパク質は、生物発光レポーターとの融合体として提供される。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターは、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである。いくつかの実施形態において、当該試料は、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質、及び生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質を含み、第1及び第2のサブユニットは相補的である。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの第1のサブユニットは、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、当該生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも90%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの発光スペクトルと当該機能要素の励起スペクトルは重複する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、当該試料を生物発光レポーターの基質と接触させることを更に含む。いくつかの実施形態において、当該基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである。
一態様において、本明細書では、
(a)標的RASタンパク質と、
(b)RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤と、
(c)候補RAS結合化合物とを含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書では
(a)標的KRASタンパク質と、
(b)KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤と、
(c)候補KRAS結合化合物とを含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態において、当該標的KRASタンパク質はシステム内で発現される。いくつかの実施形態において、当該標的KRASタンパク質は、KRAS変異体である。いくつかの実施形態において、当該KRAS変異体は、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、及びKRASG13Dから選択される。
いくつかの実施形態において、本明細書では
(a)標的HRASタンパク質と、
(b)HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤と、
(c)候補HRAS結合化合物とを含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態において、当該標的HRASタンパク質はシステム内で発現される。いくつかの実施形態において、当該HRASタンパク質は、HRAS変異体である。いくつかの実施形態において、HRAS変異体は、HRASG12S又はHRASG12Vである。
いくつかの実施形態において、本明細書では
(a)標的NRASタンパク質と、
(b)NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤と、
(c)候補NRAS結合化合物とを含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態において、当該標的NRASタンパク質はシステム内で発現される。いくつかの実施形態において、当該NRASタンパク質は、NRAS変異体である。いくつかの実施形態において、NRAS変異体は、NRASG12D又はNRASQ61Rである。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、式(I)の化合物
Figure 2023540934000003
又はその塩であって、
式中、Aは、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
1、R2、及びR3の1つは、基-リンカー-Bであり、Bは、機能要素であり、
1、R2、及びR3の他の2つは、独立して、水素及びメチルから選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される。いくつかの実施形態において、R1は、基-リンカー-Bであり、R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R3は、基-リンカー-Bであり、R1及びR2は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、リンカーは、式
Figure 2023540934000004
を有し、
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、当該機能要素は、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルは、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、又はエネルギー移動によって検出可能又は定量可能である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体担体から選択される固体担体である。いくつかの実施形態において、当該沈降粒子は、磁性粒子である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素は、フルオロフォアである。
いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、RASタンパク質に結合する。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、RAS阻害剤である。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合部分は、RASスイッチI/II部位に結合する。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、当該RASスイッチI/II部位又は当該RASスイッチII部位に結合する。
いくつかの実施形態において、当該システムは、試料を含み、当該試料は、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、環境試料、無細胞試料、及び精製試料(例えば、精製タンパク質試料)から選択される。
いくつかの実施形態において、当該標的RASタンパク質は、生物発光レポーターとの融合体として存在する。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターは、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである。いくつかの実施形態において、当該標的RASタンパク質は、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質、及び生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質を含み、第1及び第2のサブユニットは相補的である。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの第1のサブユニットは、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、当該生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも70%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの発光スペクトルと当該機能要素の励起スペクトルは重複する。
いくつかの実施形態において、当該システムは、当該生物発光レポーターの基質を更に含む。いくつかの実施形態において、当該基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである。
一態様において、本明細書では、
(a)RAS結合部分と、
(b)機能要素とを含む、RAS結合剤を提供する。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、
(a)KRAS結合部分と、
(b)機能要素とを含むKRAS結合剤である。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、
(a)HRAS結合部分と、
(b)機能要素とを含むHRAS結合剤である。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、
(a)NRAS結合部分と、
(b)機能要素とを含むNRAS結合剤である。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、RAS結合部分と機能要素とを連結するリンカーを更に含む。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、式(I)の化合物
Figure 2023540934000005
又はその塩であって、
式中、Aは、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
1、R2、及びR3の1つは、基-リンカー-Bであり、Bは、機能要素であり、
1、R2、及びR3の他の2つは、独立して、水素及びメチルから選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される。いくつかの実施形態において、R1は、基-リンカー-Bであり、R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R3は、基-リンカー-Bであり、R1及びR2は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、リンカーは、式
Figure 2023540934000006
を有し、
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、当該機能要素は、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素は、フルオロフォアである。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルは、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体担体から選択される固体担体である。いくつかの実施形態において、当該沈降粒子は、磁性粒子である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合部分は、RASスイッチI/II部位に結合する。
一態様において、本明細書では、本明細書に記載のRAS結合剤(例えば、RAS結合部分及び機能要素を含む、式(I)の化合物などのRAS結合剤)を含む組成物を開示する。
いくつかの実施形態において、当該組成物は、RASタンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、当該RASタンパク質は、KRASタンパク質、HRASタンパク質、及びNRASタンパク質から選択される。いくつかの実施形態において、当該RASタンパク質は、生物発光レポーターとの融合体として存在する。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターは、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである。いくつかの実施形態において、当該組成物は、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質、及び生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質を含み、第1及び第2のサブユニットは相補的である。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの第1のサブユニットは、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、当該生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも70%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの発光スペクトルと当該機能要素の励起スペクトルは重複する。
いくつかの実施形態において、当該組成物は、当該生物発光レポーターの基質を更に含む。いくつかの実施形態において、当該基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである。
いくつかの実施形態において、当該組成物は、候補RAS結合化合物を更に含む。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、候補KRAS結合化合物、候補HRAS結合化合物、又は候補NRAS結合化合物である。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、RAS阻害剤である。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、当該RASスイッチI/II部位又は当該RASスイッチII部位に結合する。
一態様において、本明細書では、RAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)RASタンパク質と、(ii)RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤とを含む試料を、候補RAS結合化合物と接触させることと、
(b)当該機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書では、KRAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)KRASタンパク質と、(ii)KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤とを含む試料を、候補KRAS結合化合物と接触させることと、
(b)当該機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該KRASタンパク質は、KRAS変異体である。いくつかの実施形態において、当該KRAS変異体は、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、及びKRASG13Dから選択される。
いくつかの実施形態において、本明細書では、HRAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)HRASタンパク質と、(ii)HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤とを含む試料を、候補HRAS結合化合物と接触させることと、
(b)当該機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該HRASタンパク質は、HRAS変異体である。いくつかの実施形態において、当該HRAS変異体は、HRASG12S又はHRASG12Vである。
いくつかの実施形態において、本明細書では、NRAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)NRASタンパク質と、(ii)NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤とを含む試料を、候補NRAS結合化合物と接触させることと、
(b)当該機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該NRASタンパク質は、NRAS変異体である。いくつかの実施形態において、当該NRAS変異体は、NRASG12D又はNRASQ61Rである。
いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、当該RASタンパク質に結合し、機能要素からのシグナルを検出可能に改変させる。
いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、RAS阻害剤である。いくつかの実施形態において、当該候補RAS結合化合物は、当該RASスイッチI/II部位又は当該RASスイッチII部位に結合する。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、式(I)の化合物
Figure 2023540934000007
又はその塩であり、
式中、Aは、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
1、R2、及びR3の1つは、基-リンカー-Bであり、Bは、機能要素であり、
1、R2、及びR3の他の2つは、独立して、水素及びメチルから選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される。いくつかの実施形態において、R1は、基-リンカー-Bであり、R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R3は、基-リンカー-Bであり、R1及びR2は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、リンカーは、式
Figure 2023540934000008
を有し、
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、当該機能要素は、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルは、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該機能要素は、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である。いくつかの実施形態において、当該検出可能要素は、フルオロフォアである。
いくつかの実施形態において、当該RAS結合部分は、RASスイッチI/II部位に結合する。
いくつかの実施形態において、当該RASタンパク質は、生物発光レポーターとの融合体として存在する。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターは、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである。いくつかの実施形態において、当該RASタンパク質は、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質、及び生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質を含み、第1及び第2のサブユニットは相補的である。いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの第1のサブユニットは、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、当該生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも70%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態において、当該生物発光レポーターの発光スペクトルと当該機能要素の励起スペクトルは重複する。
いくつかの実施形態において、当該組成物は、当該生物発光レポーターの基質を更に含む。いくつかの実施形態において、当該基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである。
RAS-NLuc融合体と、RAS結合部分及びエネルギー受容体を含むRAS結合剤とを使用する、本開示に係る例示的なターゲットエンゲージメントアッセイである。 LgBiT及びSmBiTの融合体として、KRAS又はその変異体(KRASG12C、KRASG12D、又はKRASG12V)を発現する細胞におけるNanoBiTアッセイからのデータである。当該データは、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2111)と化合物BI-2852との間の競合を実証する。 LgBiT及びSmBiTの融合体として、KRAS又はその変異体(KRASG12C、KRASG12D、又はKRASG12V)を発現する細胞におけるNanoBiTアッセイからのデータである。データは、KRASG12C変異体についてのみ、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2111)と化合物AMG-510との間の競合を実証し、野生型KRAS又は他の2つのKRAS変異体については対象外である。 NanoLucとの融合体として、KRAS又はその変異体(KRASG12C、KRASG12D、又はKRASG12V)を発現する細胞から得たデータである。データは、野生型KRAS又は3つのKRAS変異体について、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2025)と化合物BI-2852との間の競合を実証するが、化合物AMG-510及びAMG-1620とのKRASG12Cについてのみに競合が観察された。 KRAS-NanoBiT融合タンパク質(LgBiT-KRAS2BG12V及びSmBiT-KRAS2BG12V)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2192)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合タンパク質(LgBiT-KRAS2BG12C及びSmBiT-KRAS2BG12C)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合タンパク質(LgBiT-KRAS2BG12C及びSmBiT-KRAS2BG12C)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理されたジギトニン透過処理細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12C及びHiBiT-KRAS2BG12C)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12C及びHiBiT-KRAS2BG12C)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理されたジギトニン透過処理細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2B及びSmBiT-KRAS2B)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2219)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2B及びSmBiT-KRAS2B)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2219)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12C及びSmBiT-KRAS2BG12C)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2219)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12C及びSmBiT-KRAS2BG12C)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12D及びSmBiT-KRAS2BG12D)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2219)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12D及びSmBiT-KRAS2BG12D)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12V及びSmBiT-KRAS2BG12V)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2219)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BG12V及びSmBiT-KRAS2BG12V)を発現し、本明細書に開示されるKRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 HRAS-NanoBiT融合体(HRAS1及びSmBiT-HRAS1)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2219)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 HRAS-NanoBiT融合体(HRAS1及びSmBiT-HRAS1)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2220)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2220及びJRW-2310)及び化合物BI-2582で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BQ61R及びSmBiT-KRAS2BQ61R)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2310)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BQ61H及びSmBiT-KRAS2BQ61H)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2310)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BQ61L及びSmBiT-KRAS2BQ61L)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2310)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 KRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-KRAS2BQG13D及びSmBiT-KRAS2BG13D)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2310)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。 NRAS-NanoBiT融合体(LgBiT-NRAS及びSmBiT-NRAS)を発現し、本明細書に開示されるRAS結合剤(化合物JRW-2310)及び化合物BI-2852で処理された細胞から得たデータである。
本明細書では、RAS阻害剤又はモジュレーターなどのRAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び組成物が提供される。RASタンパク質は、(アイソフォーム、KRAS4A、及びKRAS4Bを含んで)NRAS、HRAS、及びKRASを含む。特に、本明細書では、RAS阻害剤又はモジュレーターなどのRAS結合化合物を同定するシステム、方法、及び組成物が提供される。当該システム及び方法は、RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤を含む。当該方法は、RASタンパク質を含む試料を提供することと、当該試料をRAS結合剤及び候補RAS結合化合物と接触させることに関与する。いくつかの実施形態において、当該方法は、例えば、機能要素からのシグナルを検出することによって、機能要素を検出又は定量化するステップを更に含む。当該方法、システム、及び化合物を使用し、RAS結合剤が結合する部位だけでなく、他のRAS結合部位でもRASタンパク質によるターゲットエンゲージメントを測定することができる。例えば、いくつかの実施形態において、当該RAS結合剤は、RASスイッチI/II部位で結合し、当該システム及び方法を使用し、スイッチI/II部位だけでなく他の部位、例えばスイッチII部位でのターゲットエンゲージメントを調べることができる。
I.定義
本明細書に記載の実施形態の実施又は試験の際に、本明細書に記載の方法及び材料に類似した又は同等のものを使用することは可能であるが、いくつかの好ましい方法、組成物、装置、及び材料について、本明細書で説明する。ただし、本発明の材料及び方法を記載する前に、本発明は、本明細書に記載の特定の分子、組成物、方法論、又はプロトコールは、通常の実験及び最適化に応じて変動し得ることから、本発明はこれらに限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の形態又は実施形態のみを説明することを目的としたものであり、本明細書に記載の実施形態の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
本明細書に特に定義されない限り、本開示に関連して使用される科学的及び技術的用語は、当業者によって通常理解されている意味を有するものとする。例えば、本明細書に説明される細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質及び核酸化学及びハイブリダイゼーションに関連して使用される任意の命名及び技術は、当該技術分野において周知であり、通常使用されているものである。用語の意味及び範囲は明確でなければならない。しかしながら、潜在的な曖昧さがある場合、本明細書で提供される定義は、辞書又は外部の定義よりも優先される。更に、文脈によって別途必要とされる場合を除き、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
本明細書において、また付属の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈によってそうでない旨が明確に示されないかぎり、複数の指示対象が含まれる。従って、例えば、「ペプチド」と言う場合には、1以上のペプチド及び当業者には周知の均等物を指す。
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、列挙された項目のいずれかを個別に含む、列挙された項目の任意及び全ての組み合わせを含む。例えば、「A、B、及び/又はC」は、A、B、C、AB、AC、BC、及びABCを包含し、これらの各々が、「A、B、及び/又はC」と述べることにより別々に記載されていると見なされるべきである。
本明細書で使用される場合、「~を含む(comprise)」という用語及びその言語学的な変化形は、更なる特徴(複数可)、要素(複数可)、方法のステップ(複数可)などの存在を除外することなく、記載される特徴(複数可)、要素(複数可)、方法のステップ(複数可)(複数可)などの存在を示す。これに対して、「~からなる(consisting of)」なる用語及びその言語学的な変化形は、記載される特徴(複数可)、要素(複数可)、方法のステップ(複数可)などの存在を示し、なおかつあらゆる記載されていない特徴(複数可)、要素(複数可)、方法のステップ(複数可)などは、通常伴う不純物を例外として除外する。「本質的にそれからなる(consisting essentially of)」という表現は、記載される特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)など、及び組成物、システム、又は方法の基本的性質に実質的に影響しない任意のさらなる特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などを示す。本明細書の多くの実施形態は、開放した「~を含む(comprise)」という言葉を用いて説明される。そのような実施形態は、「からなる」及び/又は「本質的に~からなる」という閉鎖形式の複数の実施形態を包含しており、これらは代替的に、そのような文言を使用して特許請求又は記載され得る。
本明細書における数値範囲の列挙のために、それらの間に同じ程度の精度で介在する各数値が明示的に企図される。例えば、6~9の範囲については、数字7及び8は、6及び9に加えて企図され、6.0~7.0の範囲については、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0が明示的に企図される。
本明細書で使用される場合、「親和性要素」という用語は、対応する「親和性剤」との安定した非共有相互作用を形成する分子実体を指す。
本明細書で使用される場合、「捕捉要素」という用語は、対応する「捕捉剤」と共有結合相互作用を形成する分子実体を指す。
本明細書で使用される場合、「検出可能要素」という用語は、本明細書に記載の化合物(又はその誘導体もしくは類似体など)に結合する(例えば、直接又は好適なリンカーを介して)検出可能な、反応性の、親和性の、もしくは生物活性の薬剤又は部分を指す。本明細書に記載の実施形態で使用されてもよい他の追加の検出可能要素は、「局在化要素」、「検出要素」などを含む。
本明細書で使用される「セレンテラジン」は、天然に存在する(「天然の」)セレンテラジンを指す。本明細書で使用する場合、「セレンテラジン類似体」又は「セレンテラジン誘導体」という用語は、米国特許公開第2008/0248511号、米国特許公開第2012/0174242号、米国特許公開第2017/0233789号、及び米国特許公開第2018/0030059号で開示されるものに加え、フリマジン、セレンテラジン-n、セレンテラジン-f、セレンテラジン-h、セレンテラジン-hcp、セレンテラジン-cp、セレンテラジン-c、セレンテラジン-e、セレンテラジン-fcp、ビス-デオキシセレンテラジン(「セレンテラジン-hh」)、セレンテラジン-i、セレンテラジン-icp、セレンテラジン-v、及び2-メチルセレンテラジンを含むセレンテラジンの合成類似体(例えば、誘導体又は変異体)及び天然類似体を指し、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、セレンテラジン類似体は、例えば、米国特許公開第2008/0248511号、米国特許公開第2012/0707849号、及び米国特許公開第2014/0099654号に記載されるものなどのプロ基質が挙げられ、それらの開示は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「エネルギー受容体」という用語は、任意の小分子(例えば、発色団)、巨大分子(例えば、自家蛍光タンパク質、フィコビリタンパク質、ナノ粒子、界面など)、又はエネルギー吸収(例えば、共鳴エネルギー移動)に応答して容易に検出可能なシグナルを生成する分子複合体を指す。特定の実施形態において、エネルギー受容体は、フルオロフォア又は他の検出可能な発色団である。
本明細書で使用される場合、「RASスイッチI部位」という用語は、Milburn et al.(Science 247:939-945(1990))及びKessler et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 116:15823-15829(2019))に開示された残基30~38にまたがるRASタンパク質上の部位を指し、「RASスイッチII部位」という用語は、同開示の残基60~76にまたがるRASタンパク質上の部位を指す。それらの各々は、その全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、「RASスイッチI/II部位」という用語は、Kessler et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 116:15823-15829(2019)に開示されたRASスイッチI部位とRASスイッチII部位との間のポケットを指す。
本明細書で使用される「ペプチド」及び「ポリペプチド」は、特に明記しない限り、ペプチドアミド結合(-C(O)NH-)によって主鎖を介して結合された2つ以上のアミノ酸のポリマー化合物を指す。「ペプチド」という用語は、通常、短いアミノ酸ポリマー(例えば、25個未満のアミノ酸を有する鎖)を指し、一方で「ポリペプチド」という用語は、通常、より長いアミノ酸ポリマー(例えば、25個を超えるアミノ酸を有する鎖)を指す。
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、その最も広義に使用される。ある意味では、それは、いずれかの供給源から得られた検体又は培養物、ならびに生物学的試料及び環境試料を含むことを意味する。生物学的試料は、動物(ヒトを含む)から得られ、流体、固体、組織、及び気体を含み得る。生物学的試料は、血液生成物(血漿、血清など)などを含む。試料はまた、細胞、細胞溶解物、又は本明細書に記載の酵素、ペプチド、及び/又はポリペプチドの精製形態(例えば、精製タンパク質試料)を指す場合もある。細胞溶解物は、溶解剤で溶解された細胞、又はウサギ網状赤血球又は小麦胚芽溶解物などの溶解物を含み得る。試料はまた、インビトロ試料及び無細胞発現系などの無細胞試料を含み得る。環境試料は、表面物質、土壌、水、及び工業試料などの環境物質を含む。試料はまた、精製されたタンパク質試料などの精製された試料を含み得る。しかしながら、これらの例は、本発明に該当する試料の種類を限定すると解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、「固体担体」という用語は、基質、変異タンパク質、薬物様分子、及び他の試験成分などの試薬が結合する、又は結合し得る任意の固体又は固定材に関して使用される。固体担体の例としては、顕微鏡スライド、マイクロタイタープレートのウェル、カバースリップ、ビーズ、粒子、樹脂、細胞培養フラスコ、及び他の多くの適切な品目が挙げられる。ビーズ、粒子、又は樹脂は、磁性もしくは常磁性であり得る。
本明細書において、「変異体」は、アミノ酸の挿入、欠失、又は保存的置換によりアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物活性を保持している、ペプチド又はポリペプチドを説明するために使用される。「SNP」は、一塩基多型である変異体を指す。「生物学的活性」の代表的な例としては、特異的な抗体によって結合される能力、又は免疫応答を促進する能力が挙げられる。また、変異体は、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一なアミノ酸配列を有するタンパク質を説明するために使用される。アミノ酸の保存的置換(すなわち、1つのアミノ酸を、親水性、荷電領域の程度及び分布などの類似の特性を有する別のアミノ酸と置き換えること)は、典型的に小規模な変更を伴うとして、当該技術分野で認識されている。これらの小規模な変更は、当該技術分野において理解されるように、部分的に、アミノ酸の親水性指標を考慮することによって、特定することができる。アミノ酸の親水性指標は、その疎水性及び電荷の考慮に基づく。類似の親水性指標を有するアミノ酸は置換可能であり、タンパク質機能を依然として保持することができるのは、当該技術分野で周知である。一態様において、±2の親水性指標を有するアミノ酸は、置換される。アミノ酸の親水性を利用し、生物学的機能を保持したタンパク質を生じる置換を明らかにすることも可能である。ペプチドにおいてアミノ酸の親水性を考慮することで、そのペプチドの最大の局所的平均親水性、つまり抗原性及び免疫原性と良好に相関することが報告されている有用な指標を計算することができる。類似の親水性値を有するアミノ酸の置換により、当該技術分野で理解されるように、免疫原性を例とする生物学的活性を保持するペプチドをもたらし得る。置換は、それぞれの±2以内の親水性値を有するアミノ酸で行うことが可能である。アミノ酸の疎水性指標及び親水性値の両方とも、そのアミノ酸の特定の側鎖により影響を受ける。その観察と一致して、疎水性、親水性、荷電、寸法、及び他の性質により明らにされた通り、生物学的機能に適合性のあるアミノ酸置換が、アミノ酸、特にそれらアミノ酸の側鎖の相対的類似性に依存することは理解されている。
特定の官能基及び化学用語の定義は、以下に、よりに詳細に説明する。本開示の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の表紙内側に従って識別され、具体的な官能基は、概して、その中に記載されるように定義される。更に、有機化学の一般原理、ならびに具体的な官能部分及び反応性は、Sorrell, Organic Chemistry, 2nd edition, University Science Books, Sausalito, 2006、Smith, March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanism, and Structure, 7th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2013、Larock, Comprehensive Organic Transformations, 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2018、及びCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載され、これらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~30個の炭素原子、例えば1~16個の炭素原子(C1~C16アルキル)、1~14個の炭素原子(C1~C14アルキル)、1~12個の炭素原子(C1~C12アルキル)、1~10個の炭素原子(C1~C10アルキル)、1~8個の炭素原子(C1~C8アルキル)、1~6個の炭素原子(C1~C6アルキル)、1~4個の炭素原子(C1~C4アルキル)、6~20個の炭素原子(C6~C20アルキル)、又は8~14個の炭素原子(C8~C14アルキル)を含有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素鎖を意味する。アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、及びn-ドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、1~12個の炭素原子(C1~C12アルキレン)、例えば、1~6個の炭素原子(C1~C6アルキレン)を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素から誘導される二価の基を指す。アルキレンの代表例としては、-CH2-、-CH2CH2-、-CH(CH3)-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2-、-CH(CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2CH2-、及び-CH(CH3)CH2CH2CH2CH2-が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、2~30個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖を指す。アルケニルの代表例としては、エテニル、2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、3-ブテニル、4-ペンテニル、5-ヘキセニル、2-ヘプテニル、2-メチル-1-ヘプテニル、及び3-デセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」とは、2~30個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖を指す。アルキニルの代表例としては、エチニル、プロピニル、及びブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単環(単環式)又は縮合環系を含む複数環(二環式又は三環式)を有し、かつヘテロ原子を含まない芳香族炭素環系を指す。本明細書で使用される場合、アリールは、6~20個の炭素原子(C6~C20アリール)、6~14個の環炭素原子(C6~C14アリール)、6~12個の環炭素原子(C6~C12アリール)、又は6~10個の環炭素原子(C6-C10アリール)を含有する。アリール基の代表例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びフェナントレニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アリーレン」という用語は、二価のアリール基を指す。アリーレン基の代表例としては、フェニレン基(例えば、1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、及び1,4-フェニレン)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~10個の炭素原子を含有し、かつヘテロ原子を含まない飽和炭素環系を指す。シクロアルキルは、単環式、二環式、架橋、縮合、又はスピロ環式であり得る。シクロアルキルの代表例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、及びビシクロ[5.2.0]ノナニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、F、Cl、Br、又はIを意味する。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1個の水素原子(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、又は8個の水素原子)がハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、1つ以上の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が、それぞれ独立して、-NR-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-などのヘテロ原子基で置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味し、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり、それぞれが任意選択で置換され得る。例として、1個、2個、又は3個の炭素原子が、独立して、同じ又は異なるヘテロ原子基で置き換えられ得る。ヘテロアルキル基の例としては、-OCH3、-CH2OCH3、-SCH3、-CH2SCH3、-NRCH3、及び-CH2NRCH3が挙げられるが、これらに限定されない。ここで、Rは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、又はヘテロアリールであり、これらは、それぞれ任意選択で置換され得る。ヘテロアルキルには、アルキルの炭素原子が酸化されている(すなわち、-C(O)-である)基も含まれる。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキレン」という用語は、1つ以上の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が、それぞれ独立して、-NR-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-などのヘテロ原子基で置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキレン基を意味し、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり、それぞれが任意選択で置換され得る。例として、1個、2個、又は3個の炭素原子が、独立して、同じ又は異なるヘテロ原子基で置き換えられ得る。ヘテロアルキレンには、アルキルの炭素原子が酸化されている(すなわち、-C(O)-である)基も含まれる。ヘテロアルキレン基の例としては、-CH2-O-CH2-、-CH2-S-CH2-、-CH2-NR-CH2-、-CH2-NH-C(O)-CH2-など、ならびにポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、及びポリエチレンイミン鎖が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、O、N、及びSから独立して選択される1つ以上の環ヘテロ原子を有する単環(単環式)又は複数環(二環式もしくは三環式)を有する芳香族基を指す。芳香族単環式環は、O、N、及びSから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、及びSから独立して選択される1個、2個、3個、又は4個のヘテロ原子)を有する5又は6員環である。5員の芳香族単環式環は2つの二重結合を有し、6員の芳香族単環式環は3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、本明細書で定義される単環式アリール基、又は本明細書で定義される単環式ヘテロアリール基に縮合して付加された単環式ヘテロアリール環によって例示される。三環式ヘテロアリール基は、本明細書で定義される単環式アリール基及び本明細書で定義される単環式ヘテロアリール基から独立して選択される2つの環に縮合された単環式ヘテロアリール環によって例示される。単環式ヘテロアリールの代表例としては、ピリジニル(ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イルを含む)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、ベンゾピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,4-トリアジニル、及び1,3,5-トリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない二環式ヘテロアリールの代表例としては、ベンゾイミダゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、イミダゾピリジン、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、プリニル、ピリドイミダゾリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、チアゾロピリジニル、チアゾロピリミジニル、チエノピロリル、及びチエノチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリールの代表例としては、ジベンゾフラニル及びジベンゾチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。単環式、二環式、及び三環式ヘテロアリールは、環内に含まれる任意の炭素原子又は任意の窒素原子を介して親分子部分に結合している。
本明細書で使用される場合、「複素環」又は「複素環式」という用語は、O、N、及びSから独立して選択される1つ以上の環ヘテロ原子を有する飽和又は部分的に不飽和の非芳香族環式基を指し、単環式複素環、二環式複素環、又は三環式複素環を意味する。単環式複素環は、O、N、及びSから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3員、4員、5員、6員、7員、又は8員の環である。3員又は4員の環には、0個又は1個の二重結合と、O、N、及びSから選択される1個のヘテロ原子とが含まれる。5員の環には、0個又は1個の二重結合と、O、N、及びSから選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子とが含まれる。6員の環には、0個又は2個の二重結合と、O、N、及びSから選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子とが含まれる。7及び8員の環には、0個、1個、2個、又は3個の二重結合と、O、N、及びSから選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子とが含まれる。単環式複素環の代表例としては、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2-チアジナニル、1,3-チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、及びトリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環は、フェニル基に縮合した単環式複素環、もしくは単環式シクロアルキルに縮合した単環式複素環、もしくは単環式シクロアルケニルに縮合した単環式複素環、もしくは単環式複素環に縮合した単環式複素環、もしくはスピロ複素環基であるか、又は環の2つの隣接しない原子が、1個、2個、3個、もしくは4個の炭素原子有するアルキレン架橋、又は2個、3個、もしくは4個の炭素原子を有するアルケニレン架橋によって連結される架橋単環式複素環系である。二環式複素環の代表例としては、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾチエニル、2,3-ジヒドロイソキノリン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルを含む)、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式複素環は、フェニル基に縮合した二環式複素環、もしくは単環式シクロアルキルに縮合した二環式複素環、もしくは単環式シクロアルケニルに縮合した二環式複素環、もしくは単環式複素環に縮合した二環式複素環であるか、又は二環式環の2つの隣接しない原子が、1個、2個、3個、もしくは4個の炭素原子有するアルキレン架橋、又は2個、3個、もしくは4個の炭素原子を有するアルケニレン架橋によって連結される二環式複素環である。三環式複素環の例としては、オクタヒドロ-2,5-エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ-2H-2,5-メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ-1H-1,4-メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ-アダマンタン(1-アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、及びオキサアダマンタン(2-オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)が挙げられるが、これらに限定されない。単環式、二環式、及び三環式複素環は、環内に含まれる任意の炭素原子又は任意の窒素原子を介して親分子部分に結合している。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を意味する。
場合によっては、基(例えば、アルキル、アルコキシ、又はシクロアルキル)中の炭素原子の数は、接頭辞「Cx-Cy-」で示され、xは、基中の最小炭素原子数であり、yは、基中の最大炭素原子数である。従って、例えば、「C1-C3-アルキル」は、1個~3個の炭素原子(すなわち、1個、2個、又は3個の炭素原子)を含むアルキル基を指す。
本明細書で使用される場合、「置換基」という用語は、示された基の原子上で置換された基を指す。
基又は部分が置換され得る場合、「置換された」という用語は、「置換された」という表現を用いて示される基の、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又は6個、いくつかの実施形態では1個、2個、又は3個、及び他の実施形態では1個又は2個)の水素が、表示原子の通常の原子価が限度を超えない場合、列挙された表示基から選択された基又は当業者に周知の好適な置換基(例えば、以下に列挙した1つ以上の基)で置換できることを示す。置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、アミノ、アミド、アミジノ、アリール、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、リン酸、ホスホン酸、スルホン酸、チオール、チオン、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、化学構造における以下の表示は、
Figure 2023540934000009
ある部分の、別の部分への結合点を表す(例えば、RAS結合部分へのリンカー)。
本明細書に記載の化合物について、基及びその置換基は、許容される原子価及び置換基に従って選択することが可能であり、この選択及び置換により、安定した化合物、例えば、転位、環化、脱離などによるような変換を自発的に起こさない化合物がもたらされるようにする。
置換基(substituent group)が、左から右へ記述する従来の化学式によって特定される場合、それらは、任意選択で、構造を右から左へ記述することによって得られる置換基(substituent)、例えば、-CH2O-は、任意選択でOCH2-とも記述し、OC(O)NH-は、また任意選択で-NHC(O)O-とも記述するものを包括する。
II.RASタンパク質
本明細書に開示される方法及びシステムは、標的RASタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、標的RASタンパク質は標的KRASタンパク質である。KRAS遺伝子は、2つのスプライス変異体又はアイソフォーム(KRAS4A(受入番号:NP_001356715.1)及びKRAS4B(受入番号:NP_004976.2))を有する。KRAS4A及びKRAS4Bは、それらの最初の150アミノ酸残基が同一であり、両方とも、12位など、いくつかの同様の発癌性変異の対象となり得る。いくつかの実施形態において、標的RASタンパク質は標的HRASタンパク質である。HRAS遺伝子は、2つのスプライス変異体又はアイソフォーム(アイソフォーム1(受入番号:NP_001123914.1)及びアイソフォーム2(NP_789765.1))も有する。いくつかの実施形態において、標的RASタンパク質は標的NRASタンパク質(受入番号:NP_002515.1)である。
いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、野生型KRAS4Aタンパク質(配列番号2)である。いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、KRAS4A変異体、例えば、配列番号2と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する変異体である。いくつかの実施形態において、KRAS4A変異体は、配列番号2と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する(例えば、構成的に活性な)活性変異体である。
いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、野生型KRAS4Bタンパク質(配列番号4)である。いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、KRAS4B変異体、例えば、配列番号4と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する変異体である。いくつかの実施形態において、KRAS4B変異体は、配列番号4と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する(例えば、構成的に活性な)活性変異体である。
いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、KRASG12C(配列番号5又は配列番号8)、KRASG12D(配列番号6又は配列番号9)、KRASG12V(配列番号7又は配列番号10)、KRASQ61R(配列番号37又は配列番号41)、KRASQ61H(配列番号38又は配列番号42)、KRASQ61L(配列番号39又は配列番号43)、及びKRASG13D(配列番号40又は配列番号44)から選択されるKRAS変異体である。いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、又は配列番号44に対して1つ以上の置換(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、又はそれらの間の範囲)を有するKRAS変異体である。
いくつかの実施形態において、HRASタンパク質は、野生型HRASアイソフォーム1タンパク質(配列番号12)である。いくつかの実施形態において、KRASタンパク質は、HRASアイソフォーム1変異体、例えば、配列番号12と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する変異体である。いくつかの実施形態において、HRASアイソフォーム1変異体は、配列番号12と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する(例えば、構成的に活性な)活性変異体である。
いくつかの実施形態において、HRASタンパク質は、野生型HRASアイソフォーム2タンパク質(配列番号14)である。いくつかの実施形態において、HRASタンパク質は、HRASアイソフォーム2変異体、例えば、配列番号14と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する変異体である。いくつかの実施形態において、HRASアイソフォーム2変異体は、配列番号14と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する(例えば、構成的に活性な)活性変異体である。
いくつかの実施形態において、HRASタンパク質は、HRASG12S(配列番号15又は配列番号17)及びHRASG12V(配列番号16又は配列番号18)から選択されるHRAS変異体である。いくつかの実施形態において、HRASタンパク質は、配列番号15、配列番号16、配列番号17、又は配列番号18に対して1つ以上の置換(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、又はそれらの間の範囲)を有するHRAS変異体である。
いくつかの実施形態において、NRASタンパク質は、野生型NRASタンパク質(配列番号20)である。いくつかの実施形態において、NRASタンパク質は、NRAS変異体、例えば、配列番号20と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する変異体である。いくつかの実施形態において、NRAS変異体は、配列番号20と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの間の範囲)の配列同一性を有する(例えば、構成的に活性な)活性変異体である。
いくつかの実施形態において、NRASタンパク質は、NRASG12D(配列番号21)及びNRASQ61R(配列番号22)から選択されるNRAS変異体である。いくつかの実施形態において、NRASタンパク質は、配列番号21又は配列番号22に対して1つ以上の置換(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、又はそれらの間の範囲)を有するNRAS変異体である。
いくつかの実施形態において、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質)又はその変異体は、融合体として、及び/又は検出、同定などのためのタグと共に発現し、提供される。いくつかの実施形態において、RASタンパク質又はその変異体は、生物発光レポーターとの融合体として発現し、提供される。いくつかの実施形態において、RASタンパク質又はその変異体は、ルシフェラーゼとの融合体として発現し、提供される。いくつかの実施形態において、RASタンパク質又はその変異体は、Oplophorusルシフェラーゼの活性変異体との融合体として発現し、提供される。いくつかの実施形態において、RASタンパク質又はその変異体は、Oplophorus gracilirostrisのルシフェラーゼ、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(PromegaCorporation、米国特許第8,557,970号及び米国特許第8,669,103号を参照、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)(配列番号23)、NanoBiT(PromegaCorporation、米国特許第9,797,889号を参照、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、又はNanoTrip(米国特許公開第2020/0270586号及び米国特許出願第17/105,925号を参照、それらの全体が、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)に基つく(例えば、構造的、機能的など)、生物発光ポリペプチド及び/又は生物発光複合体の成分との融合体として提供し、発現される。いくつかの実施形態において、本明細書の方法及びシステムには、市販のNanoLuc(登録商標)ベースの技術(例えば、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ、NanoBRET、NanoBiT、NanoTrip、NanoGloなど)が組み込まれるが、他の実施形態では、市販のNanoLuc(登録商標)ベースの技術からの様々な組み合わせ、変形、又は派生物が採用される。
いくつかの実施形態において、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、又はNRASタンパク質)は、国際特許出願第PCT/US2010/033449号、米国特許第8,557,970号、国際特許出願第PCT/2011/059018号、及び米国特許第8,669,103号(それらの全体が、あらゆる目的で、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)に記載のNanoLuc(登録商標)及び/又は生物発光ポリペプチドを含むがこれらに限定されない生物発光ポリペプチドとの融合体として発現し、提供される。いくつかの実施形態において、そのような生物発光ポリペプチドは、本明細書に記載の方法及びシステムで使用するために、RASタンパク質に(例えば、融合、化学的に連結されるなどで)連結される。
いくつかの実施形態において、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、又はNRASタンパク質)は、例えば、国際特許出願第PCT/US2014/026354号、米国特許第9,797,889号、米国特許公開第2020/0270586号(WO2019/241438)、及び米国特許出願第17/105,925号(それらの全体が、あらゆる目的で、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)に記載のNanoBiT(登録商標)、NanoTrip、及び/又は生物発光複合体のペプチド及びポリペプチド成分を含むがこれらに限定されない生物発光複合体の成分との融合体として発現し、提供される。いくつかの実施形態において、そのような生物発光複合体のペプチド及び/又はポリペプチド成分は、本明細書に記載の方法及びシステムで使用するために、RASタンパク質に(例えば、融合、化学的に連結されるなどで)連結される。例えば、いくつかの実施形態において、RASタンパク質は、LgBiT(配列番号25)、SmBiT(配列番号26)、LgTrip3092(配列番号27)、LgTrip3546(配列番号28)、LgTrip2098(配列番号29)、又はSmTrip9(配列番号30)との融合体として発現し、提供される。
米国特許第10,024,862号及び米国特許第9,977,586号(それらの全体が、あらゆる目的で、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、生物発光レポーター(例えば、ルシフェラーゼ、生物発光複合体の成分など)に連結(例えば、融合)されたRASタンパク質は、当該システム又は方法に存在し、タンパク質(例えば、キナーゼ)と共局在している生物発光レポーター及びエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)間の生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)によって検出され得る。
いくつかの実施形態において、NanoLuc(登録商標)ベース、NanoBiTベース、及び/又はNanoTripベースのペプチド、ポリペプチド、複合体、融合体、及び結合体のいずれも、本明細書に記載のシステム及び方法を用いたBRETベースの用途に使用されてもよい。例えば、特定の実施形態において、本明細書では、生物発光レポーター(例えば、NanoLuc(登録商標)ベース、NanoBiTベース、及び/又はNanoTripベースのポリペプチド、ペプチド、又は複合体)に融合されたRASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質)又はその変異体、及びエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア(例えば、蛍光タンパク質、小分子フルオロフォアなど))を含むRAS結合剤が提供され、NanoLuc(登録商標)ベース、NanoBiTベース、及び/又はNanoTripベースのポリペプチド、ペプチド、又は複合体の発光スペクトルは、エネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)の励起スペクトルと重複する。いくつかの実施形態において、RAS結合剤とRASタンパク質とのエンゲージメントにより、生物発光レポーターの基質(例えば、セレンテラジン、フリマジンなど)の存在下で、BRETが検出される。いくつかの実施形態において、候補RAS結合化合物とRASタンパク質との結合により、RAS結合剤が置き換えられ、BRETの減少が検出される。
III.RAS結合剤及び組成物
本明細書では、KRAS結合剤、HRAS結合剤、及びNRAS結合剤を含むRAS結合剤、ならびにRAS結合剤を使用するシステム及び方法を開示する。RAS結合剤は、RAS結合部分及び機能要素を含む。いくつかの実施形態において、RAS結合部分及び機能要素は、共有結合によって結合される。いくつかの実施形態において、RAS結合部分及び機能要素は、リンカーによって結合される。
RAS結合部分は、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、又はNRASタンパク質)に結合すると知られている任意の部分であり得る。いくつかの実施形態において、RAS結合部分はKRAS結合部分である。いくつかの実施形態において、RAS結合部分はHRAS結合部分である。いくつかの実施形態において、RAS結合部分はNRAS結合部分である。いくつかの実施形態において、RAS結合部分は、RAS SI/SII部位に結合する部分である。いくつかの実施形態において、KRAS結合部分は、KRAS SI/SII部位に結合する部分である。いくつかの実施形態において、HRAS結合部分は、HRAS SI/SII部位に結合する部分である。いくつかの実施形態において、NRAS結合部分は、NRAS SI/SII部位に結合する部分である。
いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、式(I)の化合物
Figure 2023540934000010
又はその塩であり、
式中、Aは、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
1、R2、及びR3の1つは、基-リンカー-Bであり、Bは、機能要素であり、
1、R2、及びR3の他の2つは、独立して、水素及びメチルから選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、N、S、及びOから独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を有する単環式アリール又は単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Aは、1個又は2個の窒素原子を有する単環式アリール又は単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される。いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、イミダゾール、及びピロールから選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、
Figure 2023540934000011
から選択される式を有する。
いくつかの実施形態において、Aは、
Figure 2023540934000012
から選択される式を有する。
いくつかの実施形態において、Aは、式
Figure 2023540934000013
を有する。
いくつかの実施形態において、R1は、基-リンカー-Bであり、R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R1は基-リンカー-Bであり、R2は水素であり、R3は水素又はメチルである。いくつかの実施形態において、R1は基-リンカー-Bであり、R2は水素であり、R3はメチルである。
いくつかの実施形態において、R2は、基-リンカー-Bであり、R1及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R2は基-リンカー-Bであり、R1は水素であり、R3は水素又はメチルである。いくつかの実施形態において、R2は基-リンカー-Bであり、R1は水素であり、R3はメチルである。
いくつかの実施形態において、R3は、基-リンカー-Bであり、R1及びR2は、独立して、水素及びメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R3は基-リンカー-Bであり、R1及びR2の両方は、水素である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、以下から選択される構造を有する。
Figure 2023540934000014
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、以下から選択される構造を有する。
Figure 2023540934000015
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、構造
Figure 2023540934000016
を有する。
式(I)の化合物は、基-リンカー-Bの一部としてリンカーを含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、機能要素Bと化合物の残りの部分との間に十分な距離を提供し、他方への結合によって邪魔されずに(又は出来るだけ邪魔されずに)それぞれが機能できるようにする。例えば、いくつかの実施形態において、基Bが、(本明細書で更に説明するように)検出可能要素である場合、リンカーは、十分な距離を提供することで、式(I)の化合物がRASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、又はNRAS)に結合されるようにし、(例えば、干渉せず、又は最小限の干渉で)検出可能な部分が検出されるようにする。いくつかの実施形態において、リンカーは、機能要素(例えば、検出可能要素、固体表面など)を式(I)の化合物の残りから、5Å~1000Åの両方を含んでの長さだけ分離する。いくつかの実施形態において、リンカーは、機能要素を式(I)の化合物の残りから、5Å、10Å、20Å、50Å、100Å、150Å、200Å、300Å、400Å、500Å、600Å、700Å、800Å、900Å、1000Å、又はそれらの間の任意の好適な範囲(例えば、5~100Å、50~500Å、150~700Åなど)だけ分離する。いくつかの実施形態において、リンカーは、機能要素を式(I)の化合物の残りから、1個~200個の原子(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、120個、140個、160個、180個、200個、又はそれらの間の任意の好適な範囲(例えば、2~20個、10~50個など))だけ分離する。
リンカーは、メチレン(-CH2-)、エーテル(-O-)、アミン(-NH-)、アルキルアミン(-NR-、ここでRは任意選択で置換されたC1~C6アルキル基である)、チオエーテル(-S-)、ジスルフィド(-S-S-)、アミド(-C(O)NH-)、エステル(-C(O)O-)、カルバミン酸(-OC(O)NH-)、スルホンアミド(-S(O)2NH-)、フェニレン(-C64-)、及びピペラジニレン(
Figure 2023540934000017
)、及びそれらの任意の組み合わせから独立して選択される1つ以上の基を含み得る。
いくつかの実施形態において、リンカーは、1つ以上の-(CH2CH2O)-(オキシエチレン)基、例えば、1個~20個の-(CH2CH2O)-基(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、もしくは20個の-(CH2CH2O)-基、又はその間の任意の範囲)を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、-(CH2CH2O)-、-(CH2CH2O)2-、-(CH2CH2O)3-、-(CH2CH2O)4-、-(CH2CH2O)5-、-(CH2CH2O)6-、-(CH2CH2O)7-、-(CH2CH2O)8-、-(CH2CH2O)9-、又は(CH2CH2O)10-基を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、-(CH2CH2O)4-基を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、1つ以上のアルキレン基(例えば、-(CH2n-、ここでnは1~12、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12、又はそれらの間の任意の好適な範囲)を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、1つ以上の分岐状アルキレン基を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、少なくとも1つのアミド基(-C(O)NH-)を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、2つのアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、少なくとも1つのピペラジニレン基を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、切断可能(例えば、酵素切断可能、化学切断可能など)部分を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、例えば、任意の好適な有機官能基(例えば、-OH、-NH2、-SH、-CN、=O、=S、ハロゲン(例えば、-F、-Cl、-Br、-I)、-COOH、-CONH2、-CH3など)を含む、1つ以上の置換基、ペンダント、及び側鎖を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、2つ以上の直鎖状に結合されたC、S、N、及び/又はO原子を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、1個~200個の直鎖状に結合された原子(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、120個、140個、160個、180個、200個、又はそれらの間の任意の好適な範囲(例えば、2個~20個、10個~50個、6個~18個))を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、1個~200個の直鎖状に結合された原子(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、120個、140個、160個、180個、200個、又はそれらのうちの任意の好適な範囲(例えば、2個~20個、10個~50個、6個~18個))を含む。
いくつかの実施形態において、リンカーは、以下の式を有する。
Figure 2023540934000018
式中、m及びnは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。いくつかの実施形態において、m及びnは、独立して、0、1、2、又は3である。いくつかの実施形態において、m及びnは、独立して、1、2、又は3である。
いくつかの実施形態において、リンカーは、以下の式を有する。
Figure 2023540934000019
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。いくつかの実施形態において、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、又は4である。いくつかの実施形態において、m及びnは、独立して、1、2、又は3であり、pは、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、リンカーは、以下の式を有する。
Figure 2023540934000020
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。いくつかの実施形態において、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、又は4である。いくつかの実施形態において、m及びnは、独立して、1、2、3、又は4であり、pは、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、リンカーは、以下の式を有する。
Figure 2023540934000021
式中、mは0、1、2、3、4、5、又は6である。いくつかの実施形態において、mは1、2、又は3である。いくつかの実施形態において、mは1又は2である。
いくつかの実施形態において、リンカーは、以下の式を有する。
Figure 2023540934000022
式中、pは、1、2、3、4、5、又は6である。
いくつかの実施形態において、リンカーは以下から選択される。
Figure 2023540934000023
いくつかの実施形態において、リンカーは以下から選択される。
Figure 2023540934000024
式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
式(I)の化合物は、基-リンカー-B(Bは機能要素)の一部としての機能要素を含む。特定の実施形態において、機能要素は、RAS結合剤の検出を可能にする検出可能な特性を有する。検出可能要素は、発光又は吸光度、磁性、電子スピン共鳴、電気容量、誘電率、又は電気伝導度などの特徴的な電磁スペクトル特性を有する要素、ならびに強磁性、常磁性、反磁性、発光性、電気化学発光性、蛍光性、燐光性、有色性、抗原性であるか、又は特徴的な質量を有する官能基を有する要素を含む。検出可能要素は、核酸分子(例えば、DNA又はRNA(例えば、オリゴヌクレオチド又はヌクレオチド)、タンパク質(例えば、発光タンパク質)、ペプチド、放射性核種、親和性タグ(例えば、ビオチン又はストレプトアビジン)、ハプテン、アミノ酸、脂質、脂質二重層、固体担体、フルオロフォア、発色団、レポーター分子、電子不透明分子、MRI造影剤(例えば、マンガン、ガドリニウム(III)、もしくは酸化鉄粒子)又はその配位子、SPECT造影剤などを含むが、これらに限定されない。特定の検出可能要素を検出する方法、又は特定の検出可能要素とそれに結合するものを含む組成物を単離する方法は理解されており、蛍光、質量分析、放射性核種の検出、光学イメージング、磁気共鳴画像法(MRI)、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、及びエネルギー移動などの方法を含む。
いくつかの実施形態において、機能要素は、固体担体であるか、又はそれを含む。好適な固体担体としては、磁性粒子、セファロース、又はセルロースビーズなどの沈降粒子、膜、ガラス(例えばガラススライド)、セルロース、アルギン酸、プラスチック、もしくは他の合成調製されたポリマー(例えば、エッペンドルフチューブ又はマルチウェルプレートのウェル)、自己組織化単層、表面プラズモン共鳴チップ、電子伝導性表面を有する固体担体などが含まれる。
例示的な機能要素としては、ハプテン(例えば、キーホールリンペットヘモシアニンなどの免疫原性を高めるのに有用な分子)、切断可能な標識(例えば、光切断可能なビオチン)、及び蛍光標識(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で修飾されたクマリン及びスクシンイミド又はスルホノスクシンイミドで修飾されたBODIPY(UV及び/又は可視励起蛍光検出で検出可能)、ローダミン(R110、ロドール、CRG6、テキサスメチルレッド(TAMRA)、Rox5、FAM、又はフルオレセイン)、クマリン誘導体(例えば、7アミノクマリン、及び7-ヒドロキシクマリン、2-アミノ-4-メトキシナフタレン、1-ヒドロキシピレン、レゾルフィン、フェナレノン又はベンズフェナレノン(米国特許第4,812,409号))、アクリジノン(米国特許第4,810,636号)、アントラセン、ならびにアルファ及びベータ-ナフトールの誘導体、フッ素化フルオレセイン及びロドールを含むフッ化キサンテン誘導体(例えば、米国特許第6,162,931号)、及び生物発光分子(例えば、ルシフェラーゼ(例えば、Oplophorus誘導体ルシフェラーゼ(例えば、米国特許公開第2010/0281552号及び米国特許公開第2012/0174242、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)又はGFPもしくはGFP誘導体)が挙げられる。
別のクラスの検出可能な要素としては、電磁放射線を用いて検出可能な分子が挙げられ、キサンテンフルオロフォア、ダンシルフルオロフォア、クマリン及びクマリン誘導体、蛍光アクリジニウム部分、ベンゾピレン系フルオロフォア、ならびに7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール、及び3-N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)-2,3-ジアミノプロピオン酸が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、蛍光分子は、天然アミノ酸とは異なる波長で高い量子収率の蛍光を有し、より好ましくは、スペクトルの可視部分、又はUV及び可視部分の両方で励起され得る高い量子収率の蛍光を有する。予め選択された波長で励起されると、分子は視覚的、又は従来の蛍光検出方法を使用して低濃度で検出可能である。ルテニウムキレート及びその誘導体、又はニトロキシドアミノ酸及びその誘導体などの電気化学発光分子は、フェムトモル範囲以下で検出可能である。
いくつかの実施形態において、検出可能要素は、フルオロフォアなどのエネルギー受容体である。好適なフルオロフォアとしては、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッドなど)、シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニンなど)、ナフタレン誘導体(例えば、ダンシル及びプロダン誘導体)、オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾールなど)、ピレン誘導体(例えば、カスケードブルー)、オキサジン誘導体(例えば、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170など)、アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエローなど)、アリールメチン誘導体(例えば、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーンなど)、テトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンなど)、CF色素(Biotium)、BODIPY(Invitrogen)、ALEXA FLuoR(Invitrogen)、DYLIGHT FLUOR(Thermo Scientific,Pierce)、ATTO及びTRACY(Sigma Aldrich)、FluoProbes(Interchim)、DY及びMEGASTOKES(Dyomics)、SULFO CY色素(CYANDYE,LLC)、SETAU AND SQUARE DYES(SETA BioMedicals)、QUASAR及びCAL FLUOR色素(Biosearch Technologies)、SURELIGHT DYES(APC、RPE、PerCP、Phycobilisomes)(Columbia Biosciences)、APC、APCXL、RPE、BPE(Phyco-Biotech)、自己蛍光タンパク質(例えば、YFP、RFP、mCherry、mKateなど)、量子ドットナノ結晶などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、フルオロフォアは、米国特許公開第2013/0317207号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたもののようなローダミン類似体(例えば、カルボキシローダミン類似体)である。いくつかの実施形態において、フルオロフォアはBODIPY色素である。いくつかの実施形態において、フルオロフォアはDY-605(Dyomics)である。
いくつかの実施形態において、検出可能要素は、式
Figure 2023540934000025
を有するエネルギー受容体(フルオロフォア)である。
いくつかの実施形態において、検出可能要素は、式
Figure 2023540934000026
もしくはその塩、又はその互変異性体を有するエネルギー受容体(フルオロフォア)である。
蛍光分子に加え、電磁場及び放射線に対する分子の相互作用及び応答に基づく物理的特性を有する様々な分子が、本明細書に開示されるRAS結合剤における検出可能な部分として使用される。これらの特性としては、電磁スペクトルの紫外、可視、及び赤外領域での吸収、ラマン活性があり、かつ共鳴ラマン分光法によって更に強化できる発色団の存在、電子スピン共鳴活性、ならびに核磁気共鳴及び例えば、質量分析計を介した分子量が挙げられる。
いくつかの実施形態において、機能要素は捕捉要素である。いくつかの実施形態において、捕捉要素はタンパク質(例えば、酵素)の基質であり、捕捉剤はそのタンパク質である。いくつかの実施形態において、捕捉要素は、「共有結合性基質」、又はそれが反応するタンパク質もしくは酵素と共有結合を形成するものである。基質は、酵素との相互作用の際に酵素と共有結合を形成する反応性基(例えば、修飾基質)を含んでもよく、又は酵素は、共有結合した中間体を基質と調和させることができない変異型バージョンであってもよい。いくつかの実施形態において、基質は、それに対して共有結合を形成する変異型タンパク質(例えば、変異型デハロゲナーゼ)によって認識される。そのような実施形態において、基質とタンパク質(例えば、デハロゲナーゼ)の野生型バージョンとの相互作用は、野生型タンパク質の生成物及び再生をもたらす。一方で、基質(例えば、ハロアルカン)とタンパク質(例えば、デハロゲナーゼ)の変異型バージョンとの相互作用は、タンパク質と基質との間に安定した結合形成(例えば、共有結合形成)をもたらす。基質は、通常はタンパク質によって一時的にのみ結合される基質と超安定な結合又は共有結合を形成するように改変されている任意の変異型タンパク質に好適な任意の基質であり得る。いくつかの実施形態において、タンパク質は変異型の加水分解酵素又はデハロゲナーゼである。いくつかの実施形態において、タンパク質は変異型デハロゲナーゼであり、基質はハロアルカンである。いくつかの実施形態において、ハロアルカンは、末端ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)によってキャップされたアルカン(例えば、C2~C20)を含む。いくつかの実施形態において、ハロアルカンは式A-Xのものであり、式中、Xはハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)であり、Aは2個~20個の炭素を含むアルカンである。特定の実施形態において、Aは2個~12個の炭素の直鎖セグメントを含む。特定の実施形態において、Aは2個~12個の炭素の直鎖セグメントである。いくつかの実施形態において、ハロアルカンは、変異型デハロゲナーゼとの相互作用を妨害しない任意の追加のペンダント又は置換を含み得る。
いくつかの実施形態において、捕捉剤はSNAPタグであり、捕捉要素はベンジルグアニンである(例えば、Crivat G,Taraska JW,(January,2012)、Trends in Biotechnology30(1):8-16を参照、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態において、捕捉剤は、CLIPタグであり、捕捉要素はベンジルシトシンである(例えば、Gautier,et al.Chem Biol.2008 Feb;15(2):128-36、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
それらの基質(例えば、ハロアルカン基質)に共有結合する変異型タンパク質(例えば、変異型加水分解酵素(例えば、変異型デハロゲナーゼ))を含むシステムは、例えば、米国特許第7,238,842号、米国特許第7,425,436号、米国特許第7,429,472号、及び米国特許第7,米国特許第7,867,726号に記載され、これらはその全体が、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、機能要素は、親和性要素(例えば、親和性剤に結合するもの)である。そのような対の例としては、親和性剤としての抗体と親和性要素としての抗原、親和性要素としてのHisタグと親和性剤としてのニッケルカラム、親和性剤及び親和性要素として高い親和性をそれぞれ有するタンパク質及び小分子(例えば、ストレプトアビジン及びビオチン)などが挙げられる。親和性分子の例としては、免疫原性分子(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、又は脂質のエピトープ(例えば、その分子に特異的な抗体を調製するのに有用な任意の分子))、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、及びそれらの誘導体、金属結合分子、ならびにこれらの分子の断片及び組み合わせなどの分子が挙げられる。例示的な親和性分子としては、5xHis(HHHHH)(配列番号31)、6xHis(HHHHHH)(配列番号32)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号33)、FLAG(DYKDDDDK)(配列番号34)、Strep-Tag(WSHPQFEK)(配列番号35)、HAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号36)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、カルモジュリン結合ペプチド、C-末端RNAタグ、金属結合ドメイン、金属結合反応性基、アミノ酸反応性基、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、及びマルトース結合タンパク質が挙げられる。親和性分子の別の例は、ダンシルリジンである。ダンシル環と相互作用する抗体は市販されている(Sigma Chemical、St.Louis,Mo.)、又はAntibodies:A Laboratory Manual(Harlow and Lane,1988)に記載された既知のプロトコールを用いて調製することができる。
いくつかの実施形態において、機能要素は、タンパク質分解を誘導する部分である。例えば、機能要素は、生細胞内でタンパク質分解経路を動員する部分であり得る。タンパク質分解を誘導することに好適な機能要素としては、Lai et al., Nature Reviews Drug Discovery,2017,16,101-114に開示されたものが含まれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、機能要素は、アダマンタン又はArg-Boc3などの疎水性基であり、これは疎水性タグ付け(HyT)によってタンパク質分解を誘導する。いくつかの実施形態において、Zは、nutlin-3a、ベスタチン、VHLリガンド、ポマリドマイド、及びLai et al.に開示された他の小分子からの部分であり、これらは、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する。
いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、生体適合性(例えば、細胞適合性)及び/又は細胞透過性である。従って、いくつかの実施形態において、好適な機能要素(例えば、検出可能要素、親和性要素、固体担体、捕捉要素)は、そのような化合物の脈絡内で細胞適合性及び/又は細胞透過性のものである。いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、細胞膜を通過して細胞に入ることが可能(例えば、拡散、エンドサイトーシス、能動輸送、受動輸送などを介して)である。いくつかの実施形態において、好適な機能要素及びリンカーは、それらの特定の機能に加え、細胞適合性及び/又は細胞透過性に基づいて選択される。
いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、
Figure 2023540934000027
Figure 2023540934000028
Figure 2023540934000029
Figure 2023540934000030
Figure 2023540934000031
Figure 2023540934000032
Figure 2023540934000033
Figure 2023540934000034
から選択される化合物、又は互変異性体もしくはその塩である。
式(I)の化合物などのRAS結合剤は、塩の形態であり得る。中性形態は、塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を従来の様式で単離することによって再生され得る。化合物の親形態は、極性溶媒中での溶解度などのある特定の物理的特性において、種々の塩形態とは異なるが、さもなければ塩は、本開示の目的に関して、化合物の親形態と同じである。
特に、RAS結合剤(例えば、式(I)の化合物)がアニオン性であるか、又はアニオン性であり得る官能基(例えば、-COOHは-COO-であり得る)を有する場合、塩は1つ以上の好適なカチオンで形成され得る。好適な無機カチオンの例としては、Li+、Na+、及びK+などのアルカリ金属カチオン、Ca2+及びMg2+などのアルカリ土類カチオン、及び他のカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。ナトリウム塩が特に好適であり得る。好適な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)及び置換アンモニウムイオン(例えば、NH31 +、NH22 +、NHR3 +、及びNR4 +)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミンから由来するもの、ならびにリジン及びアルギニンなどのアミノ酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、化合物はナトリウム塩である。
RAS結合剤(例えば、式(I)の化合物)がカチオン性であるか、又はカチオン性であり得る官能基(例えば、-NH2が-NH3 +であり得る)を有する場合、塩は、好適なアニオンで形成し得る。好適な無機アニオンの例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、及び亜リン酸の無機酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機アニオンの例としては、2-アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、テトラフルオロホウ酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、吉草酸の有機酸に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、化合物は、クロロ、ブロモ、又はヨード塩などのハライド塩である。いくつかの実施形態において、化合物は、テトラフルオロホウ酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩である。
RAS結合剤(例えば、式(I)の化合物)は、実施例に示されるものを含む様々な方法によって調製することができる。本明細書の化合物及び中間体は、当業者に周知の有機合成の方法によって単離及び精製し得る。化合物の単離及び精製の従来方法の例としては、例えば、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」,5th edition(1989), by Furniss, Hannaford, Smith, and Tatchell, pub.Longman Scientific & Technical, Essex CM20 2JE, Englandに記載の、活性炭で任意選択で前処理を行う高温及び低温での再結晶よるシリカゲル、アルミナ、又はアルキルシラン基で誘導体化したシリカなどの固体担体でのクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、各種圧力での蒸留、減圧下での昇華及び粉砕などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
個別のステップごとの反応条件及び反応時間は、採用する特定の反応物及び使用する反応物に存在する置換基に応じて変化し得る。具体的な手順は、実施例の節で提供する。反応は、例えば、残基から溶媒を除去し、これに限るものではないが、結晶化、蒸留、抽出、粉砕、及びクロマトグラフィーなどの、当業者に一般的に知られている方法論に従って更に精製することによって、従来の方法で後処理することができる。特に明記しない限り、出発物質及び試薬は、市販品で入手するか、又は化学文献に記載の方法を使用して当業者が商業的に利用可能な材料から調製することが可能である。市販されていない場合、出発物質は、標準的な有機化学技法、既知の構造的に類似した化合物の合成に類似する技法、もしくは上述のスキームに類似する技法から選択される手順、又は合成実施例節に記載される手順によって調製され得る。
反応条件、試薬、及び合成経路の順序の適切な操作、反応条件と適合し得ない任意の化学的官能性の保護、ならびに方法の反応順序における好適な時点での脱保護を含む日常的な実験は、本発明の範囲に含まれる。好適な保護基ならびにそのような好適な保護基を使用して異なる置換基を保護及び脱保護するための方法は、当業者に周知であり、それらの例は、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」(5th ed.),John Wiley&Sons,Inc.(2014)と題されたPGM Wutsによる専門書において見出すことができ、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の合成は、上記の合成スキーム及び特定の実施例に記載されるものに類似の方法によって達成され得る。
開示された化合物の光学活性体が必要な場合、光学活性出発物質(例えば、好適な反応ステップの不斉誘導によって調製されるもの)を使用し、本明細書に記載の手順の1つを実行することによって、又は、化合物もしくは中間体の立体異性体の混合物を、標準的な手順(クロマトグラフィー分離、再結晶、酵素分割など)を使用して分割することによって得ることができる。
同様に、化合物の純粋な幾何異性体が必要な場合、出発物質として純粋な幾何異性体を使用し、上記の手順のいずれかを実行することによって、又は、化合物もしくは中間体の幾何異性体の混合物を、クロマトグラフィー分離などの標準的な手順を使用して分割することによって得ることができる。
記載された合成スキーム及び具体的な実施例は、説明のためのものであり、特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。合成方法及び具体的な実施例における全ての代替方法、変更、及び等価物は、特許請求の範囲内に含まれる。
RAS結合剤を含む組成物も本明細書で提供される。組成物は、本明細書に記載のRASタンパク質(例えば、KRASタンパク質、HRASタンパク質、NRASタンパク質、又はそれらのいずれかの変異体)などのRASタンパク質を更に含んでもよい。RASタンパク質が生物発光レポーターとの融合体であるいくつかの実施形態において、組成物は、生物発光レポーターの基質(例えば、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジン)を更に含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RAS阻害剤(例えば、KRAS阻害剤、HRAS阻害剤、又はNRAS阻害剤)などの候補RAS結合化合物(例えば、KRAS結合化合物、HRAS結合化合物、NRAS結合化合物)を更に含む。
IV.システム及び方法
いくつかの実施形態において、本明細書では、RAS結合化合物を同定する(すなわち、候補RAS結合化合物によるRASタンパク質とのターゲットエンゲージメントを評価する)ためのシステム及び方法を提供する。システム及び方法では、上述のRASタンパク質及びRAS結合剤を使用し、RAS結合化合物(例えば、RAS阻害剤)を同定する。
一態様において、本明細書では、RAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)RASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤、ならびに候補RAS結合化合物と接触させることを含む、当該方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、KRAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)KRASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤、ならびに候補KRAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、HRAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)HRASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤、ならびに候補HRAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、NRAS結合化合物を同定する方法であって、
(a)NRASタンパク質を含む試料を提供することと、
(b)当該試料を、NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤、ならびに候補NRAS結合化合物と接触させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、当該方法は、(c)当該機能要素を検出又は定量化するステップを更に含む。機能要素を検出又は定量化するために使用できる方法は、RAS結合剤(例えば、KRAS結合剤、HRAS結合剤、又はNRAS結合剤)に存在する機能要素に依存する。例えば、いくつかの実施形態において、当該機能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である。従って、いくつかの実施形態において、当該検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルは、蛍光、光学イメージング、放射性核種検出、質量分析、磁気共鳴イメージング(MRI)、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される。
一態様において、本明細書では、
(a)標的RASタンパク質と、
(b)RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤と、
(c)候補RAS結合化合物とを含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態において、当該システムは、
(a)標的KRASタンパク質と、
(b)KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤と、
(c)候補KRAS結合化合物とを含む。
いくつかの実施形態において、当該システムは、
(a)標的HRASタンパク質と、
(b)HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤と、
(c)候補HRAS結合化合物とを含む。
いくつかの実施形態において、当該システムは、
(a)標的NRASタンパク質と、
(b)NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤と、
(c)候補NRAS結合化合物とを含む。
別の態様において、本明細書では、RAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)RASタンパク質と、(ii)RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤とを含む試料を、候補RAS結合化合物と接触させることと、
(b)機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、RAS結合化合物は、RASタンパク質に結合し、機能要素からのシグナルを検出可能に改変させる。
いくつかの実施形態において、当該方法は、KRAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)KRASタンパク質と、(ii)KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤とを含む試料を、候補KRAS結合化合物と接触させることと、
(b)機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む。いくつかの実施形態において、KRAS結合化合物は、KRASタンパク質に結合し、機能要素からのシグナルを検出可能に改変させる。
いくつかの実施形態において、当該方法は、HRAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)HRASタンパク質と、(ii)HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤とを含む試料を、候補HRAS結合化合物と接触させることと、
(b)機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む。いくつかの実施形態において、HRAS結合化合物は、HRASタンパク質に結合し、機能要素からのシグナルを検出可能に改変させる。
いくつかの実施形態において、当該方法は、NRAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
(a)(i)NRASタンパク質と、(ii)NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤とを含む試料を、候補NRAS結合化合物と接触させることと、
(b)機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む。いくつかの実施形態において、NRAS結合化合物は、NRASタンパク質に結合し、機能要素からのシグナルを検出可能に改変させる。
開示されるシステム及び方法において、RAS結合剤は、本明細書に開示されるRAS結合剤(例えば、KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤、HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤、又はNRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤)である。例示的なRAS結合剤は、式(I)の化合物を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で論じるように、システム又は方法におけるRASタンパク質はRAS変異体である。いくつかの実施形態において、システム又は方法におけるKRASタンパク質は、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、及びKRASG13Dから選択される変異体などのKRAS変異体である。いくつかの実施形態において、システム又は方法におけるKRASタンパク質はKRASG12Cである。いくつかの実施形態において、システム又は方法におけるHRASタンパク質は、HRASG12S及びHRASG12Vから選択される変異体などのHRAS変異体である。いくつかの実施形態において、システム又は方法におけるNRASタンパク質は、NRASG12D又はNRASQ61Rである。
いくつかの実施形態において、上述のように、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質、又はそれらの変異体)は、システム又は試料内で発現される。いくつかの実施形態において、RASタンパク質(又はその変異体)は、無細胞系又は試料、例えば、インビトロ試料又は精製タンパク質試料で提供される。いくつかの実施形態において、RASタンパク質(又はその変異体)は、プローブ置換アッセイ(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、生物発光エネルギー移動(BRET)、蛍光偏光(FP)、放射性リガンド結合などに基づくプローブ置換アッセイ)用の無細胞試料で提供される。
いくつかの実施形態において、RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質、又はそれらの変異体)は、ルシフェラーゼ(例えば、Oplophorusルシフェラーゼ)などの生物発光レポーターとの融合体として、本明細書に開示されるシステムおよび方法で提供し、発現される。特定の実施形態において、RASタンパク質又はその変異体は、生物発光ポリペプチド及び/又はNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(配列番号23及び配列番号24)、NanoBiT、又はNanoTripに基づく生物発光複合体の成分との融合体として提供し、発現される。別の特定の実施形態において、RASタンパク質は、本明細書に記載のNanoBiT(登録商標)、NanoTrip、及び/又は生物発光複合体のペプチド及びポリペプチド成分を含むがこれらに限定されない生物発光複合体の成分との融合体として発現し、提供される。いくつかの実施形態において、そのような生物発光複合体のペプチド及び/又はポリペプチド成分は、本明細書に記載の方法及びシステムで使用するために、RASタンパク質に(例えば、融合、化学的に連結されるなどで)連結される。例えば、いくつかの実施形態において、RASタンパク質は、LgBiT(配列番号25)、SmBiT(配列番号26)、LgTrip3092(配列番号27)、LgTrip3546(配列番号28)、LgTrip2098(配列番号29)、又はSmTrip9(配列番号30)との融合体として発現し、提供される。生物発光レポーターとのRAS融合体を使用する実施形態において、方法は、試料を生物発光レポーターの基質と接触させるステップを更に含み得る。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターの基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体(例えば、セレンテラジン-n、セレンテラジン-f、セレンテラジン-h、セレンテラジン-hcp、セレンテラジン-cp、セレンテラジン-c、セレンテラジン-e、セレンテラジン-fcp、ビス-デオキシセレンテラジン(「セレンテラジン-hh」)、セレンテラジン-i、セレンテラジン-icp、セレンテラジン-v、及び2-メチルセレンテラジン)、及びフリマジンから選択される。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターの基質は、フリマジンである。
RASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質、又はその変異体)と生物発光レポーターとの融合タンパク質が、本明細書に記載のシステム及び方法で使用される場合、及びRAS結合剤が、機能要素としてエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)を含む場合、方法は、生物発光レポーターの発光スペクトルとエネルギー受容体の励起スペクトルが重複すると、生物発光レポーターからエネルギー受容体へのエネルギー移動を検出するステップを更に含み得る。このようなステップでは、例えば、試料と候補RAS結合化合物との接触によるエネルギー移動の変化を検出することによって、RAS結合化合物を同定することが可能である。例示的なアッセイを図1に示す。RASタンパク質は、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼとの融合体として発現し、RAS結合剤は、RAS結合部分及びエネルギー受容体を含む。RAS結合剤がRASタンパク質に結合し、試料がNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼの基質(例えば、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジン)と接触すると、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼからエネルギー受容体へのエネルギー移動が検出され得る。候補RAS結合化合物がRASタンパク質に結合すると、BRETシグナルが減少する。本明細書の実施例に示すように、候補RAS結合化合物がRASタンパク質上のRAS結合剤とは異なる部位に結合する場合でも、BRETシグナルの喪失を検出することができる。例えば、いくつかの実施形態において、RAS結合剤は、RASスイッチI/II部位に結合する一方、候補RAS結合化合物は、スイッチI/II部位又はスイッチII部位に結合する。別の実施形態において、RAS結合剤は、RASスイッチII部位に結合する一方、候補RAS結合化合物は、スイッチI/II部位又はスイッチII部位に結合する。いくつかの実施形態において、RASタンパク質(又はその変異体)に結合することが決定された候補RAS結合化合物は、RAS結合剤として(例えば、機能要素に結合して)使用することができ、他の候補RAS結合化合物に対してスクリーニングすることができる。
従って、いくつかの実施形態において、本明細書では、生物発光レポーター(例えば、NanoLuc(登録商標)ベースのレポーター)に融合されたRASタンパク質と、検出可能要素としてエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)を含むRAS結合剤とを含むシステム及び方法を提供し、生物発光レポーターの発光スペクトル及びフルオロフォアの励起スペクトルが重複し、生物発光レポーターとエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)との間のBRET増加(例えば、出現)によって、RASタンパク質へのRAS結合剤のエンゲージメント(engagement)(例えば、結合(binding))を検出することができる。いくつかの実施形態において、RAS結合化合物のRASタンパク質へのエンゲージメント(engagement)(例えば、結合(binding))は、その後、生物発光レポーターとエネルギー受容体(例えば、フルオロフォア)との間のBRETの減少(例えば、喪失)によって検出することができる。
いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号24と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はその間の任意の範囲)の配列同一性を有するルシフェラーゼである。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のシステム及び方法は、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質、及び生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質を含み、第1及び第2のサブユニットは相補的である。RAS多量体種が細胞内で形成されると(例えば、二量体)、2つの相補的な生物発光レポーター・サブユニットが近接し、基質(例えば、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジン)との反応で発光シグナルを生成する機能的ルシフェラーゼを形成する。従って、いくつかの実施形態において、生物発光レポーターの第1のサブユニットは、配列番号25と少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はその間の任意の範囲)の配列同一性を有し、生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はその間の任意の範囲)の配列同一性を有する。
本明細書に開示される方法は、多種多様な試料を用いて使用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、試料は、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、環境試料、無細胞試料、及び精製試料(例えば、精製タンパク質試料)から選択される。いくつかの実施形態において、試料は、生物発光レポーターに融合したRASタンパク質又はその変異体(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質、又はその変異体)などの、RASタンパク質又はその変異体(例えば、KRAS、HRAS、もしくはNRASタンパク質、又はその変異体)を発現する細胞などの細胞を含む。
本明細書に開示されるシステム及び方法に係るいくつかの実施形態において、RAS結合剤は細胞透過性である。生物発光レポーターを使用するものなどのいくつかの実施形態において、システム及び方法は、BRETシグナルが、損なわれていない生きた細胞に由来することを確実にする生物発光レポーターの細胞不透過性阻害剤を更に含む。
V.実施例
実施例1
RAS結合剤の合成
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)プロペンアミド(JRW-2024)
Figure 2023540934000035
ステップ1.3-(2-ニトロビニル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(JRW-1991)
Figure 2023540934000036
ニトロメタン(10mL)中の3-ホルミル-1H-インドール-6-カルボニトリル(0.39g、2.3mmol)の懸濁液に、酢酸アンモニウム(400mg)を添加した。この混合物を85℃に18時間加熱した。反応物を冷却し、黄色の沈殿を得た。固体をろ過し、メタノール/水(1:1)で洗浄し、黄色固体として粗生成物(290mg)を得た。ESI MS m/z 214[M+1]+。
ステップ2.3-(2-ニトロエチル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(JRW-1992)
Figure 2023540934000037
テトラヒドロフラン/メタノール(1:1、10mL)中の3-(2-ニトロビニル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(290mg、1.4mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(62mg、1.6mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。この混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(220mg、2つのステップにわたり44%)を淡黄色固体として得た。ESI MS m/z 214[M-1]+。
ステップ3.(2-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2016)
Figure 2023540934000038
氷浴で冷やしたアセトニトリル(20mL)中の3-(2-ニトロエチル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(220mg、1.0mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(660mg、5.1mmol)及びトリクロロシラン(484mg、3.6mmol)を添加した。反応物を0℃で30分間、室温で3時間撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で中和し、次いでジ-tert-ブチルデカーボネート(436mg、2.0mmol)をアミノ中間体に添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。反応物をアセトニトリルで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(160mg、56%)を白色泡状物として得た。ESI MS m/z 286[M+1]+。
ステップ4.(2-(6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2017)
Figure 2023540934000039
氷浴で冷やしたテトラヒドロフラン(20mL)中の(2-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(160mg、0.56mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(45mg、1.1mmol、60%)、1-(クロロメチル)-1H-イミダゾール(98mg、0.84mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(20mg、0.056mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(120mg、56%)を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 380[M+1]+。
ステップ5.(2-(6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2019)
Figure 2023540934000040
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(2-(6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(120mg、0.32mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で5時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(75mg、62%)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 384[M+1]+。
ステップ6.(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2021)
Figure 2023540934000041
トルエン(10mL)中の(2-(6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(65mg、0.17mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(50mg、0.17mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(102mg、0.85mmol)を添加した。懸濁液を100℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.52mmol)を添加した。還元物を室温に温め、1時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(42mg、37%)を橙色固体として得た。ESI MS m/z 660[M+1]+。
ステップ7.3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2022)
Figure 2023540934000042
ジクロロメタン(10mL)中の(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(42mg、0.064mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色油状物として得た。ESI MS m/z 560[M+1]+。
ステップ8.3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)プロペンアミド(JRW-2024)
Figure 2023540934000043
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(10mg、0.018mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(7mg、0.018mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(18mg、0.14mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(13mg、86%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 871[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル))-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2025)
Figure 2023540934000044
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(10mg、0.018mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(12mg、0.018mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(18mg、0.14mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(13mg、65%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1118[M+1]+。
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(2-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)プロペンアミド(JRW-2029)
Figure 2023540934000045
ステップ1.(2-(4-((6-シアノ-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-1987)
Figure 2023540934000046
テトラヒドロフラン(20mL)中の3-ホルミル-1H-インドール-6-カルボニトリル(477mg、2.8mmol)の溶液に、(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(771mg、3.4mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.5g、7.0mmol)を添加した。反応物を40℃で18時間撹拌した。混合物を水で希釈し、クロロホルム/イソプロパノール(3:1)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(910mg、85%)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 384[M+1]+。
ステップ2.(2-(4-((6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2011)
Figure 2023540934000047
氷浴で冷やしたテトラヒドロフラン(20mL)中の(2-(4-((6-シアノ-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(200mg、0.52mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(42mg、1.0mmol、60%)、1-(クロロメチル)-1H-イミダゾール(74mg、0.57mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(20mg、0.052mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で6時間撹拌した。混合物を水(pH10)で希釈し、クロロホルム/イソプロパノール(3:1)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(187mg、75%)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 478[M+1]+。
ステップ3.(2-(4-((6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2013)
Figure 2023540934000048
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(2-(4-((6-シアノ-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(187mg、0.39mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で5時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、所望の生成物(170mg、粗)を無色ワックスとして得た。ESI MS m/z 482[M+1]+。
ステップ4.(2-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2023)
Figure 2023540934000049
トルエン(10mL)中の(2-(4-((6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(65mg、0.14mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(40mg、0.14mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(82mg、0.68mmol)を添加した。懸濁液を100℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(16mg、0.41mmol)を添加した。還元物を室温に温め、1時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(35mg、34%)を茶色固体として得た。ESI MS m/z 758[M+1]+。
ステップ5.3-(2-((((3-((4-(2-アミノエチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2026)
Figure 2023540934000050
ジクロロメタン(10mL)中の(2-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(25mg、0.046mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を、室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色油状物として得た。ESI MS m/z 658[M+1]+。
ステップ6.3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(2-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)プロペンアミド(JRW-2029)
Figure 2023540934000051
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-((4-(2-アミノエチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(10mg、0.015mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(6mg、0.015mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(16mg、0.12mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(13mg、86%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 969[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(4-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2030)
Figure 2023540934000052
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-((4-(2-アミノエチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(10mg、0.015mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(10mg、0.015mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(16mg、0.12mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(13mg、72%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1216[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2038)
Figure 2023540934000053
ステップ1.3-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)アクリル酸tert-ブチル(JRW-1995)
Figure 2023540934000054
アセトニトリル(10mL)中の3-ホルミル-1H-インドール-6-カルボニトリル(200mg、1.2mmol)の溶液を80℃に加熱した。2-(トリフェニル-15-ホスホラニリデン)酢酸tert-ブチル(1.1g、2.9mmol)を少量ずつ添加した。反応物を80℃で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(125mg、40%)を白色固体として得た。ESI MS m/z 269[M+1]+。
ステップ2.3-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(JRW-1997)
Figure 2023540934000055
メタノール/酢酸エチル(1:1、10mL)中の3-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)アクリル酸tert-ブチル(120mg、0.45mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10mg)を添加した。水素バルーン下、反応物を室温で2時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、クロマトグラフィーに付し、所望の生成物(105mg、87%)を淡赤色固体として得た。ESI MS m/z 271[M+1]+。
ステップ3.3-(6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(JRW-2020)
Figure 2023540934000056
氷浴で冷やしたテトラヒドロフラン(20mL)中の3-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(105mg、0.39mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(23mg、0.58mmol、60%)、1-(クロロメチル)-1H-イミダゾール(68mg、0.58mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(14mg、0.039mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、60℃で3時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を無色油状物として得た。ESI MS m/z 365[M+1]+。
ステップ4.3-(6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(JRW-2027)
Figure 2023540934000057
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の3-(6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(0.39mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で4時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(90mg、2つのステップにわたり63%)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 369[M+1]+。
ステップ5.3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(JRW-2031)
Figure 2023540934000058
トルエン(10mL)中の3-(6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(90mg、0.25mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(75mg、0.25mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(200mg)を添加した。懸濁液を100℃で6時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(29mg、0.77mmol)を添加した。還元物を室温に温め、1時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(85mg、52%)を茶色固体として得た。ESI MS m/z 645[M+1]+。
ステップ6.3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸(JRW-2034)
Figure 2023540934000059
ジクロロメタン(10mL)中の3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸tert-ブチル(85mg、0.13mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色油状物として得た。ESI MS m/z 589[M+1]+。
ステップ7.(2-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2035)
Figure 2023540934000060
DMF(5mL)中の3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパン酸(0.13mmol)の溶液に、N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(45mg、0.16mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(51mg、0.39mmol)、及び(2-アミノエチル)カルバミン酸tert-ブチル(42mg、0.26mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(20mg、2つのステップにわたり21%)を薄茶色固体として得た。ESI MS m/z 731[M+1]+。
ステップ8.N-(2-アミノエチル)-3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロペンアミド(JRW-2036)
Figure 2023540934000061
ジクロロメタン(10mL)中の(2-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(20mg、0.027mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色油状物として得た。ESI MS m/z 631[M+1]+。
ステップ9.1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2)-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2038)
Figure 2023540934000062
DMF(5mL)中のN-(2-アミノエチル)-3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロペンアミド(0.027mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(9mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(10mg、64%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1189[M+1]+。
4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)ブタンアミド(JRW-2093)
Figure 2023540934000063
ステップ1.3-ブロモ-6-シアノ-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(JRW-2072)
Figure 2023540934000064
ジクロロメタン(50mL)中の3-ブロモ-1H-インドール-6-カルボニトリル(1.0g、4.5mmol)の溶液に、ジ-tert-ブチルデカーボネート(1.2g、5.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.8g、13.6mmol))、及びN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(0.055g、0.45mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、HClと共に水に注ぎ、層を分離した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(1.3g、89%)を白色固体として得た。ESI MS m/z 322[M+1]+。
ステップ2.3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパ-1-イン-1-イル)-6-シアノ-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(JRW-2074)
Figure 2023540934000065
テトラヒドロフラン(30mL)中の3-ブロモ-6-シアノ-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(1.3g、4.0mmol)の溶液に、プロパ-2-イン-1-イルカルバミン酸tert-ブチル(1.6g、10.2mmol)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.28g、0.40mmol)、ヨウ化銅(0.077g、0.40mmol)、及びトリフェニルホスフィン(0.42g、1.6mmol)を添加した。溶液を脱気し、窒素でパージした。ジエチルアミン(4.4g、60.7mmol)を添加し、反応物を60℃で5時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.80g、50%)を薄茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 396[M+1]+。
ステップ3.(3-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)プロパ-2-イン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2076)
Figure 2023540934000066
メタノール/テトラヒドロフラン(1:1、20mL)中の3-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパ-1-イン-1-イル)-6-シアノ-1H-インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(300mg、0.76mmol)の溶液に、炭酸セシウム(494mg、1.5mol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を黄色固体として得た。ESI MS m/z 296[M+1]+。
ステップ4.(3-(6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパ-2-イン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2077)
Figure 2023540934000067
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の(3-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)プロパ-2-イン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.76mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(45mg、1.1mmol、60%)、1-(クロロメチル)-1H-イミダゾール(148mg、1.1mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(28mg、0.076mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で6時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(130mg、44%)を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 390[M+1]+。
ステップ5.(3-(6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2080)
Figure 2023540934000068
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(3-(6-シアノ-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロパ-2-イン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチル(130mg、0.33mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、所望の生成物(120mg、粗)を薄茶色固体として得た。ESI MS m/z 394[M+1]+。
ステップ6.(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2083)
Figure 2023540934000069
トルエン(10mL)中の3-(6-(アミノメチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(120mg、0.30mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(75mg、0.25mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(200mg)を添加した。懸濁液を100℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(29mg、0.77mmol)を添加した。還元物を室温に温め、2時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(40mg、23%)を薄茶色固体として得た。ESI MS m/z 674[M+1]+。
ステップ7.3-(2-((((3-(3-アミノプロピル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2090)
Figure 2023540934000070
ジクロロメタン(10mL)中の(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(40mg、0.060mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色油状物として得た。ESI MS m/z 574[M+1]+。
ステップ8.4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)ブタンアミド(JRW-2093)
Figure 2023540934000071
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(3-アミノプロピル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.026mmol)の溶液に、4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)ブタン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(13mg、0.026mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(9mg、36%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 970[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)プロピル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2094)
Figure 2023540934000072
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(3-アミノプロピル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.026mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(9mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(13mg、0.10mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(5mg、35%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1132[M+1]+。
N-(2-(1-ベンジル-6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2095)
Figure 2023540934000073
ステップ1.(2-(1-ベンジル-6-シアノ-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2079)
Figure 2023540934000074
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の(2-(6-シアノ-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(550mg、1.9mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(154mg、3.8mmol、60%)、塩化ベンジル(366mg、2.9mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(71mg、0.19mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で8時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(445mg、61%)を薄茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 376[M+1]+。
ステップ2.(2-(6-(アミノメチル)-1-ベンジル-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2084)
Figure 2023540934000075
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(2-(1-ベンジル-6-シアノ-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(445mg、1.2mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、所望の生成物(430mg、粗)を黄色泡状物として得た。ESI MS m/z 380[M+1]+。
ステップ3.(2-(1-ベンジル-6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2085)
Figure 2023540934000076
トルエン(10mL)中の(2-(6-(アミノメチル)-1-ベンジル-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(116mg、0.31mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(75mg、0.25mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(200mg)を添加した。懸濁液を100℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(29mg、0.77mmol)を添加した。還元物を室温に温め、2時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(78mg、46%)を茶色ガラスとして得た。ESI MS m/z 656[M+1]+。
ステップ4.3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-ベンジル-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2091)
Figure 2023540934000077
ジクロロメタン(10mL)中の(2-(1-ベンジル-6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(78mg、0.12mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色固体として得た。ESI MS m/z 556[M+1]+。
ステップ5.N-(2-(1-ベンジル-6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2095)
Figure 2023540934000078
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-ベンジル-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(9mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(14mg、0.11mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(3mg、20%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1132[M+1]+。
N-(2-(1-ベンジル-6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロペンアミド(JRW-2096)
Figure 2023540934000079
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-ベンジル-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(11mg、0.027mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(10mg、43%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 867[M+1]+。
N-(2-(1-ベンジル-6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)ブタンアミド(JRW-2097)
Figure 2023540934000080
DMF(5mL)中の3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-ベンジル-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)ブタン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(13mg、0.027mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(6mg、24%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 952[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2111)
Figure 2023540934000081
ステップ1.(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2105)
Figure 2023540934000082
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(500mg、3.5mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(211mg、5.3mmol、60%)、(4-(クロロメチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(1.1g、4.2mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(130mg、0.35mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で1時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(1.2g、94%)を白色固体として得た。ESI MS m/z 362[M+1]+。
ステップ2.(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2106)
Figure 2023540934000083
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(500mg、1.4mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を黄色固体として得た。ESI MS m/z 366[M+1]+。
ステップ3.(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2109)
Figure 2023540934000084
トルエン(10mL)中の(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(275mg、0.75mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(110mg、0.37mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(200mg)を添加した。懸濁液を100℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(43mg、1.1mmol)を添加した。還元物を室温に温め、30分間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(45mg、18%)を白色固体として得た。ESI MS m/z 642[M+1]+。
ステップ4.3-(2-((((1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2110)
Figure 2023540934000085
ジクロロメタン(10mL)中の(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(45mg、0.074mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を薄茶色固体として得た。ESI MS m/z 542[M+1]+。
ステップ5.1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2111)
Figure 2023540934000086
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(9mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(5mg、16%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1100[M+1]+。
4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル))アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)ブタンアミド(JRW-2113)
Figure 2023540934000087
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)ブタン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(7mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(8mg、30%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 938[M+1]+。
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)プロペンアミド(JRW-2114)
Figure 2023540934000088
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-(4-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(6mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(6mg、26%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 853[M+1]+。
(S)-1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2143)
Figure 2023540934000089
ステップ1.(S)-3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2141)
Figure 2023540934000090
ジクロロメタン(10mL)中の(S)-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(14mg、0.021mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を薄茶色油状物として得た。ESI MS m/z 560[M+1]+。
ステップ2.(S)-1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2143)
Figure 2023540934000091
DMF(5mL)中の(S)-3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(10mg、0.017mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(12mg、0.017mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(18mg、0.14mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(11mg、55%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1118[M+1]+。
(R)-1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2144)
Figure 2023540934000092
ステップ1.(R)-3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2142)
Figure 2023540934000093
ジクロロメタン(10mL)中の(R)-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(10mg、0.015mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を薄茶色油状物として得た。ESI MS m/z 560[M+1]+。
ステップ2.(R)-1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(2-(6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)エチル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2144)
Figure 2023540934000094
DMF(5mL)中の(R)-3-(2-((((3-(2-アミノエチル)-1-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(10mg、0.017mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(12mg、0.017mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(18mg、0.14mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(10mg、50%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1118[M+1]+。
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(3-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)プロペンアミド(JRW-2191)
Figure 2023540934000095
ステップ1.(3-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2181)
Figure 2023540934000096
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(450mg、3.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(190mg、4.8mmol、60%)、(4-(クロロメチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(0.81g、3.2mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(117mg、0.32mmol)を添加した。混合物を0℃で15分間、室温で2時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.90g、78%)を油状物として得た。ESI MS m/z 362[M+1]+。
ステップ2.(3-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2182)
Figure 2023540934000097
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(3-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(0.90g、2.5mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.59g、64%)を泡状物として得た。ESI MS m/z 366[M+1]+。
ステップ3.(3-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2186)
Figure 2023540934000098
トルエン(10mL)中の(3-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(150mg、0.41mmol)及び3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(120mg、0.41mmol)の懸濁液に、硫酸マグネシウム(200mg)を添加した。懸濁液を100℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、濃縮し、メタノール(10mL)に再懸濁した。混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(46mg、1.2mmol)を添加した。還元物を室温に温め、30分間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(27mg、10%)を白色固体として得た。ESI MS m/z 642[M+1]+。
ステップ4.3-(2-((((1-(3-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2190)
Figure 2023540934000099
ジクロロメタン(10mL)中の(3-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸tert-ブチル(27mg、0.042mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を薄茶色固体として得た。ESI MS m/z 542[M+1]+。
ステップ5.3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(3-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)プロペンアミド(JRW-2191)
Figure 2023540934000100
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-(3-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(15mg、0.027mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(11mg、0.027mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(5mg、21%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 853[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ベンジル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2192)
Figure 2023540934000101
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-(3-(アミノメチル)ベンジル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(上述のように調製)(15mg、0.027mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(9mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(6mg、20%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1100[M+1]+。
3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)プロペンアミド(JRW-2218)
Figure 2023540934000102
ステップ1.1-((1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(JRW-2189)
Figure 2023540934000103
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(600mg、4.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(253mg、6.3mmol、60%)、4-(クロロメチル)-1H-イミダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(0.91g、4.2mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(155mg、0.42mmol)を添加した。混合物を0℃で15分間、室温で18時間撹拌した。反応物を水で希釈し、水酸化ナトリウムでpHを12に調整し、クロロホルム/イソプロパノール(3:1)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(130mg、9%)を淡黄色固体として得た。ESI MS m/z 223[M+1]+。
ステップ2.(3-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2211)
Figure 2023540934000104
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1-((1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(110mg、0.49mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(30mg、0.74mmol、60%)及び(3-ブロモプロピル)カルバミン酸tert-ブチル(177mg、0.74mmol)を添加した。混合物を0℃で15分間、室温で2時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(112mg、59%)を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 380[M+1]+。
ステップ3.(3-(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2213)
Figure 2023540934000105
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(3-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(100mg、0.26mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物(110mg)を半固体として得た。ESI MS m/z 384[M+1]+。
ステップ4.(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2214)
Figure 2023540934000106
THF(10mL)中の(3-(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(98mg、0.26mmol)の溶液に、3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(75mg、0.26mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(272mg、1.3mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(125mg、73%)を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 660[M+1]+。
ステップ5.3-(2-((((1-((1-(3-アミノプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2216)
Figure 2023540934000107
ジクロロメタン(10mL)中の(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(125mg、0.19mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で6時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を茶色固体として得た。ESI MS m/z 560[M+1]+。
ステップ6.3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-N-(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)プロペンアミド(JRW-2218)
Figure 2023540934000108
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-((1-(3-アミノプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(上述のように調製)(15mg、0.027mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(11mg、0.027mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(24mg、定量的収率)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 871[M+1]+。
4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)ブタンアミド(JRW-2219)
Figure 2023540934000109
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-((1-(3-アミノプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(上述のように調製)(15mg、0.027mmol)の溶液に、4-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)ブタン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(13mg、0.027mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(12mg、48%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 956[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2220)
Figure 2023540934000110
DMF(5mL)中の3-(2-((((1-((1-(3-アミノプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(上述のように調製)(15mg、0.027mmol)の溶液に、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル1-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-3-オキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-4-アザノナデカン-19-オエート(9mg、0.013mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(28mg、0.22mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(19mg、63%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1118[M+1]+。
N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-5-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(JRW-2310)
Figure 2023540934000111
ステップ1.5-(2-(ヒドロキシメチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(JRW-2271)
Figure 2023540934000112
氷浴で冷やしたメタノール/テトラヒドロフラン(1:1、50mL)中の5-(2-ホルミル-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(0.92g、4.4mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(200mg、5.3mmol)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応物をHCl(3mL、2M)でクエンチし、次いでpHを8に調整した。混合物をセライトで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.53g、57%)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 213[M+1]+。
ステップ2.5-(2-(クロロメチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(JRW-2279)
Figure 2023540934000113
クロロホルム中の5-(2-(ヒドロキシメチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(0.53g、2.5mmol)の溶液に、塩化チオニル(3.0g、25mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、75℃に1時間加熱した。反応物を濃縮し、残渣をエーテルに懸濁した。ろ過により粗生成物(0.64g)を白色固体として得た。ESI MS m/z 231[M+1]+。
ステップ3.5-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(JRW-2281)
Figure 2023540934000114
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(200mg、1.4mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(84mg、2.1mmol、60%)、5-(2-(クロロメチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(0.38g、1.4mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(52mg、0.14mmol)を添加した。混合物を0℃で15分間、室温で2時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(370mg、78%)を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 337[M+1]+。
ステップ4.5-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸(JRW-2284)
Figure 2023540934000115
ジオキサン(10mL)中の5-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(0.37g、1.1mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.13g、5.5mmol)及び水(1mL)を添加した。この反応物を40℃に2時間加熱した。混合物を水で希釈し、HClでpHを3に調整し、CHCl3/IPA3:1で抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物(0.30g)を白色固体として得た。ESI MS m/z 323[M+1]+。
ステップ5.(17-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2286)
Figure 2023540934000116
DMF(10mL)中の5-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸(0.30g、0.93mmol)の溶液に、(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.33g、1.1mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.28g、1.9mmol)、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HCl(0.36g、1.9mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.36g、2.8mmol)を添加した。反応物を60℃に1時間加熱した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(525mg、94%)を薄茶色のものとして得た。ESI MS m/z 597[M+1]+。
ステップ6.(17-(2-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2296)
Figure 2023540934000117
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(17-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(0.52g、0.88mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物(0.49g)を半固体として得た。ESI MS m/z 601[M+1]+。
ステップ7.(17-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2300)
Figure 2023540934000118
THF(10mL)中の(17-(2-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(0.45g、0.75mmol)の溶液に、3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.22g、0.75mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.48g、2.3mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.53g、80%)を茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 878[M+1]+。
ステップ8.N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(JRW-2309)
Figure 2023540934000119
ジクロロメタン(10mL)中の(17-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(0.030g、0.034mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を無色油状物として得た。ESI MS m/z 777[M+1]+。
ステップ9.N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-5-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(JRW-2310)
Figure 2023540934000120
DMF(2mL)中のN-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(26mg、0.033mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(14mg、0.033mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(34mg、0.27mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(38mg、定量的収率)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1088[M+1]+。
N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-5-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン)-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(JRW-2308)
Figure 2023540934000121
ステップ1.5-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(JRW-2241)
Figure 2023540934000122
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(150mg、1.1mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(63mg、1.6mmol、60%)、5-(4-(クロロメチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル塩酸塩(282mg、1.1mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(39mg、0.11mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で2時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(330mg、93%)を得た。ESI MS m/z 337[M+1]+。
ステップ2.5-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸(JRW-2243)
Figure 2023540934000123
ジオキサン(10mL)中の5-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸メチル(0.33g、0.98mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.12g、4.9mmol)及び水(1mL)を添加した。この反応物を40℃に18時間加熱した。混合物を水で希釈し、HClでpHを3に調整し、CHCl3/IPA3:1で抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物(0.36g)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 323[M+1]+。
ステップ3.(17-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2245)
Figure 2023540934000124
DMF(10mL)中の5-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタン酸(0.30g、0.93mmol)の溶液に、(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.27g、0.93mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.28g、1.9mmol)、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HCl(0.36g、1.9mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.36g、2.8mmol)を添加した。反応物を60℃に2時間加熱した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.30g、54%)を淡黄色油状物として得た。ESI MS m/z 597[M+1]+。
ステップ4.(17-(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2248)
Figure 2023540934000125
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(17-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(0.30g、0.50mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物(0.31g)を無色半固体として得た。ESI MS m/z 601[M+1]+。
ステップ5.(17-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2252)
Figure 2023540934000126
THF(10mL)中の(17-(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(0.31g、0.50mmol)の溶液に、3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.16g、0.55mmol)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.58g、2.7mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.33g、68%)を茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 878[M+1]+。
ステップ6.N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(JRW-2305)
Figure 2023540934000127
ジクロロメタン(10mL)中の(17-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザヘプタデシル)カルバミン酸tert-ブチル(0.030g、0.034mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を無色油状物として得た。ESI MS m/z 777[M+1]+。
ステップ7.N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-5-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン)-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(JRW-2308)
Figure 2023540934000128
DMF(2mL)中のN-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-(4 -((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(26mg、0.033mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(14mg、0.033mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(34mg、0.27mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(40mg、定量的収率)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1088[M+1]+。
1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2316)
Figure 2023540934000129
ステップ1.(3-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2293)
Figure 2023540934000130
tert-ブタノール(10mL)中の1-(プロパ-2-イン-1-イル)-1H-インドール-6-カルボニトリル(0.18g、0.97mmol)の懸濁液に、(3-アジドプロピル)カルバミン酸tert-ブチル(0.19g、0.97mmol)、硫酸銅(31mg、0.19mmol)、及びアスコルビン酸ナトリウム(38mg、0.19mmol)を添加した。水(5mL)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.28g、74%)を茶色ガムとして得た。ESI MS m/z 381[M+1]+。
ステップ2.(3-(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2304)
Figure 2023540934000131
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(3-(4-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(0.28g、0.72mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物(0.30g)を無色半固体として得た。ESI MS m/z 385[M+1]+。
ステップ3.(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2307)
Figure 2023540934000132
THF(10mL)中の(3-(4-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(0.27g、0.69mmol)の溶液に、3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.20g、0.68mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.58g、2.7mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.29g、64%)を茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 660[M+1]+。
ステップ4.3-(2-((((1-((1-(3-アミノプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(JRW-2314)
Figure 2023540934000133
ジクロロメタン(10mL)中の(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)カルバミン酸tert-ブチル(0.030mg、0.045mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を無色油状物として得た。ESI MS m/z 561[M+1]+。
ステップ5.1-(3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパンアミド)-N-(3-(4-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド(JRW-2316)
Figure 2023540934000134
DMF(2mL)中の3-(2-((((1-((1-(3-アミノプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-1H-インドール-6-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-3-イル)-5-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(22mg、0.039mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(13mg、0.019mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(40mg、0.31mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(12mg、66%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1119[M+1]+。
N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチンアミド(JRW-2317)
Figure 2023540934000135
ステップ1.2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチン酸メチル(JRW-2294)
Figure 2023540934000136
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(0.55g、3.9mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.23g、5.8mmol、60%)、2-(クロロメチル)イソニコチン酸メチル塩酸塩(0.86g、3.9mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(142mg、0.39mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間、室温で3時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.55g、48%)を白色固体として得た。ESI MS m/z 292[M+1]+。
ステップ2.2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチン酸(JRW-2295)
Figure 2023540934000137
ジオキサン(20mL)中の2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチン酸メチル(0.55g、1.9mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.09g、3.8mmol)及び水(1mL)を添加した。この反応物を40℃に4時間加熱した。混合物を水で希釈し、HClでpHを3に調整し、CHCl3/IPA3:1で抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物(0.49g)を白色固体として得た。ESI MS m/z 278[M+1]+。
ステップ3.(1-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2298)
Figure 2023540934000138
DMF(20mL)中の2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチン酸(0.49g、1.8mmol)の溶液に、(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.62g、2.1mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.54g、3.5mmol)、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HCl(0.68g、3.5mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.68g、5.3mmol)を添加した。反応物を60℃に1時間加熱した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.89g、91%)を白色泡状物として得た。ESI MS m/z 552[M+1]+。
ステップ4.(1-(2-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2306)
Figure 2023540934000139
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(1-(2-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.89g、1.6mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物(0.85g)を無色油状物として得た。ESI MS m/z 556[M+1]+。
ステップ5.(1-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2311)
Figure 2023540934000140
THF(10mL)中の(1-(2-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.71g、1.3mmol)の溶液に、3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.25g、0.86mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.54g、2.6mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.38g、53%)を茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 832[M+1]+。
ステップ6.N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H)-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチンアミド(JRW-2315)
Figure 2023540934000141
ジクロロメタン(10mL)中の(1-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.030g、0.036mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 732[M+1]+。
ステップ7.N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチンアミド(JRW-2317)
Figure 2023540934000142
DMF(2mL)中のN-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H)-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)イソニコチンアミド(25mg、0.034mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(14mg、0.034mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(35mg、0.27mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(37mg、定量的収率)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1043[M+1]+。
N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-5-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボキサミド(JRW-2313)
Figure 2023540934000143
ステップ1.5-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸メチル(JRW-2283)
Figure 2023540934000144
氷浴で冷やしたDMF(20mL)中の1H-インドール-6-カルボニトリル(0.70g、4.9mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.29g、7.4mmol、60%)、5-(クロロメチル)チオフェン-2-カルボン酸メチル(0.94g、4.9mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.18mg、0.49mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間、室温で1時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.36g、26%)を得た。ESI MS m/z 297[M+1]+。
ステップ2.5-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸(JRW-2285)
Figure 2023540934000145
ジオキサン(20mL)中の5-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸メチル(0.36g、1.2mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.14g、6.1mmol)及び水(1mL)を添加した。この反応物を40℃に1.5時間加熱した。混合物を水で希釈し、HClでpHを3に調整し、CHCl3/IPA3:1で抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物(0.37g)を白色固体として得た。ESI MS m/z 283[M+1]+。
ステップ3.(1-(5-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2287)
Figure 2023540934000146
DMF(20mL)中の5-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸(0.34g、1.2mmol)の溶液に、(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.42g、1.4mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.37g、2.4mmol)、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HCl(0.46g、2.4mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.47g、3.6mmol)を添加した。反応物を60℃に1時間加熱した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.46g、73%)を淡黄色ガムとして得た。ESI MS m/z 557[M+1]+。
ステップ4.(1-(5-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2301)
Figure 2023540934000147
アンモニアメタノール(7N、20mL)中の(1-(5-((6-シアノ-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.46g、0.82mmol)の溶液に、水に1スクープのラネーニッケルを懸濁したものを添加した。反応物に水素(60psi)を充填し、室温で18時間撹拌した。窒素で脱気した後、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、薄緑色の泡として粗生成物(0.53g)を得た。ESI MS m/z 561[M+1]+。
ステップ5.(1-(5-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(JRW-2303)
Figure 2023540934000148
THF(10mL)中の(1-(5-((6-(アミノメチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.42g、0.75mmol)の溶液に、3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.22g、0.75mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.48g、2.2mmol)を添加し、室温で3日間撹拌した。反応物をメタノールで希釈し、セライトを添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(0.28g、44%)を茶色泡状物として得た。ESI MS m/z 838[M+1]+。
ステップ6.N-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H)-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボキサミド(JRW-2312)
Figure 2023540934000149
ジクロロメタン(10mL)中の(1-(5-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-イル)-1-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチル(0.030g、0.036mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物を橙色油状物として得た。ESI MS m/z 737[M+1]+。
ステップ7.N-(15-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザペンタデシル)-5-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボキサミド(JRW-2313)
Figure 2023540934000150
DMF(2mL)中のN-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H)-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)チオフェン-2-カルボキサミド(25mg、0.034mmol)の溶液に、3-(5,5-ジフルオロ-7-(1H-ピロール-2-イル)-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(14mg、0.034mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(35mg、0.27mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(25mg、71%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1048[M+1]+。
(6-(2-((22-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)-4,18-ジオキソ-8,11,14-トリオキサ-5,17-ジアザドコシル)(メチル)カルバモイル)フェニル)-2,2,10,10-テトラメチル-1,11-ビス(3-スルファモイルプロピル)-1,2,10,11-テトラヒドロ-13λ3-ピラノ[3,2-g:5,6-g’]ジキノリン-4,8-ジイル)ジメタンスルホン酸(JRW-2395)
Figure 2023540934000151
DMF(2mL)中のN-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-5-(2-((6-((((3-(6-ヒドロキシ-3-オキソイソインドリン-1-イル)-1H-インドール-2-イル)メチル)アミノ)メチル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタンアミド(15mg、0.019mmol)の溶液に、(6-(2-((4-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-4-オキソブチル)(メチル)カルバモイル)フェニル)-2,2,10,10-テトラメチル-1,11-ビス(3-スルファモイルプロピル)-8-(スルホメチル)-1,2,10,11-テトラヒドロ-13λ3-ピラノ[3,2-g:5,6-g’]ジキノリン-4-イル)メタンスルホン酸ナトリウム(10mg、0.009mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(20mg、0.15mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物をメタノールで希釈し、逆相分取HPLCで精製して、所望の生成物(7mg、43%)を紫色固体として得た。ESI MS m/z 1751[M+1]+。
実施例2
細胞内KRASターゲットエンゲージメントの測定
BRETドナーとしてのKRASのNanoLuc(Nluc)タグ付け、又はKRASのNanoBiTタグ付けのいずれかから発光が引き起こされる。BRETドナーシグナルは細胞内のKRAS多量体種に由来する。96ウェルプレート中、各ウェル当たり20,000個のHEK293細胞に、pFN31K及びpFN32Kプラスミドから発現されたKRAS-Nluc融合体又はKRAS-NanoBiT融合体をトランスフェクトした。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に、細胞を化合物JRW-2111又はJRW-2025及び各種濃度の試験化合物で処理した。試験化合物には、BI-2852(スイッチI/II部位阻害剤)、AMG-510(KRASG12CのCys-12残基を共有結合で修飾するスイッチII部位阻害剤)、及びARS-1620(KRASG12CのCys-12残基を共有結合で修飾するスイッチII部位阻害剤)が含まれていた。インキュベーションの後、NanoBRET-TE基質溶液を1Xの最終濃度まで添加し、BRETをGlomax Discoverプレートリーダーで測定した。
データを図2~4に示す。具体的には、図2に、LgBiT及びSmBiTの融合体として、KRAS又はその変異体(KRASG12C、KRASG12D、又はKRASG12V)を発現する細胞におけるNanoBiTアッセイからのデータを示す。化合物JRW-2111をKRAS結合剤として使用し、化合物BI-2852を候補KRAS結合化合物として使用すると、野生型KRAS及び3つの全ての変異体でターゲットエンゲージメントが観察された。
図3には、LgBiT及びSmBiTの融合体として、KRAS又はその変異体(KRASG12C、KRASG12D、又はKRASG12V)を発現する細胞におけるNanoBiTアッセイからのデータを示す。化合物JRW-2111をKRAS結合剤として使用し、化合物AMG-510を使用すると、KRASG12C変異体でのみターゲットエンゲージメントが観察された。
図4には、NanoLucとの融合体として、KRAS又はその変異体(KRASG12C、KRASG12D、又はKRASG12V)を発現する細胞から得たデータを示す。化合物JRW-2025をKRAS結合剤として使用すると、野生型KRAS及び3つのKRAS変異体に対するBI-2852との競合が観察されたが、化合物AMG-510及びAMG-1620との競合は、KRASG12Cに対してのみ観察された。
要約すると、発癌性変異体KRASG12Cでは、BI-2852(スイッチI/II部位阻害剤)とAMG-510及びARS1620(残基12でのシステインと共有結合して反応するスイッチII部位阻害剤)との両方で2つの阻害剤メカニズムのターゲットエンゲージメントが観察され得た。これは、スイッチI/IIドメイン及びスイッチIIドメインのエンゲージメントが相互に排他的であることを示す。これらの結果は、ターゲットエンゲージメントアッセイの広い有用性を裏付け、生細胞のKRASでの複数のエンゲージメントメカニズムに関する問いを投げるようにする。
実験例3
SmBiTタグを用いる酵素相補性NanoBiTオリゴマー構成を使用した細胞内のKRAS(G12V)ホモ多量体複合体のターゲットエンゲージメント測定
KRASは、多量体複合体として細胞内に前から存在し得ると想定されており、これは、酵素相補性によって形成されたBRETドナーを使用するKRASのオリゴマー形態でのターゲットエンゲージメントに対する疑いを示唆する。この概念を探求するために、NanoBiT(商標)Technologyを使用して、KRASのNanoBiTタグ付けによりKRAS多量体(二量体など)複合体を観察した。BRETドナーシグナルはオリゴマーKRASに由来する。組織培養フラスコ中、1ウェルあたりのHEK293細胞に、pNB3K又はpNB4Kプラスミドから、pGEM-3Z担体DNAと共に発現するKRAS-NanoBiT融合体、LgBiT-KRAS2B(G12V)及びSmBiT-KRAS2B(G12V)をトランスフェクトした(1:1:8質量比)。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に、細胞を化合物JRW-2192及びBI-2852で処理した。
生細胞でのインキュベーションの後、NanoBRET-TE基質溶液を1Xの最終濃度まで添加し、BRETをGlomax Discoverプレートリーダーで測定した。データを図5に示す。具体的には、図5に、競合アッセイからのデータを示す。トレーサーJRW-2192をKRAS結合剤として使用すると、トレーサーの濃度が増加し、BRETシグナルの用量依存的増加が実証される。BI-2852は、機能的競合を介し、トレーサーによって誘導されるBRETシグナルの用量依存的阻害を示す。
実施例4
SmBiTタグを用いる酵素相補性NanoBiTオリゴマー構成を使用した細胞内のKRAS(G12C)ホモ多量体複合体のターゲットエンゲージメント測定
KRASは、多量体複合体として細胞内に前から存在し得ると想定されており、これは、酵素相補性によって形成されたBRETドナーを使用するKRASのオリゴマー形態でのターゲットエンゲージメントに対する疑いを示唆する。この概念を探求するために、NanoBiT(商標)Technologyを使用して、KRASのNanoBiTタグ付けによりKRAS多量体(二量体など)複合体を観察した。BRETドナーシグナルはオリゴマーKRASに由来する。組織培養フラスコ中、1ウェルあたりのHEK293細胞に、pGEM-3Z担体DNAと共にpNB3K又はpNB4Kプラスミドから発現するKRAS-NanoBiT融合体、LgBiT-KRAS2B(G12C)及びSmBiT-KRAS2B(G12C)をトランスフェクトした(1:1:8質量比)。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に、細胞を化合物JRW-2220及びBI-2852で処理した。
生細胞でのインキュベーションの後、NanoBRET-TE基質溶液を1Xの最終濃度まで添加し、BRETをGlomax Discoverプレートリーダーで測定した。データを図6に示す。具体的には、図6に、競合アッセイからのデータを示す。トレーサーJRW-2220をKRAS結合剤として使用すると、トレーサーの濃度が増加し、BRETシグナルの用量依存的増加が実証される。BI-2852は、機能的競合を介し、トレーサーによって誘導されるBRETシグナルの用量依存的阻害を示す。
アッセイは、ジギトニン透過処理細胞でも実施された。透過処理により、全体的な発光が低下したが、ターゲットエンゲージメントの測定が可能であった。データを図7に示す。具体的には、図7に、競合アッセイからのデータを示す。トレーサーJRW-2220をKRAS結合剤として使用すると、トレーサーの濃度が増加し、BRETシグナルの用量依存的増加が実証される。BI-2852は、透過処理細胞内の機能的競合を介し、トレーサーによって誘導されるBRETシグナルの用量依存的阻害を示す。
実施例5
HiBiTタグを用いる酵素相補性NanoBiTオリゴマー構成を使用した細胞内のKRAS(G12C)ホモ多量体複合体の測定
KRASは、多量体複合体として細胞内に前から存在し得ると想定されており、これは、酵素相補性によって形成されたBRETドナーを使用するKRASのオリゴマー形態でのターゲットエンゲージメントに対する疑いを示唆する。この概念を探求するために、NanoBiT(商標)Technologyを使用して、KRASのNanoBiTタグ付けによりKRAS多量体(二量体など)複合体を形成した。BRETドナーシグナルはオリゴマーKRASに由来する。組織培養フラスコ中、1ウェルあたりのHEK293細胞に、pGEM-3Z担体DNAと共にpNB3K又はpFN38Aプラスミドから発現するKRAS-NanoBiT融合体、LgBiT-KRAS2B(G12C)及びHiBiT-KRAS2B(G12C)をトランスフェクトした(1:1:8質量比)。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に、細胞を化合物JRW-2220及びBI-2852で処理した。
生細胞でのインキュベーションの後、NanoBRET-TE基質溶液を1Xの最終濃度まで添加し、BRETをGlomax Discoverプレートリーダーで測定した。データを図8に示す。具体的には、図8に、競合アッセイからのデータを示す。トレーサーJRW-2220をKRAS結合剤として使用すると、トレーサーの濃度が増加し、BRETシグナルの用量依存的増加が実証される。BI-2852は、機能的競合を介し、トレーサーによって誘導されるBRETシグナルの用量依存的阻害を示す。
アッセイは、ジギトニン透過処理細胞でも実施された。透過処理後でも、HiBiTタグの使用によりドナーシグナルレベルは有意なままであり、ターゲットエンゲージメントの測定が容易になった。データを図9に示す。具体的には、図9に、競合アッセイからのデータを示す。トレーサーJRW-2220をKRAS結合剤として使用すると、トレーサーの濃度が増加し、BRETシグナルの用量依存的増加が実証される。BI-2852は、透過処理細胞内の機能的競合を介し、トレーサーによって誘導されるBRETシグナルの用量依存的阻害を示す。
実施例6
細胞内KRAS2B、HRAS、又はNRASのターゲットエンゲージメントの測定
多くのRAS変異体は、多量体複合体として細胞内に前から存在し得ると想定されており、これは、酵素相補性によって形成されたBRETドナーを使用するRASのオリゴマー形態でのターゲットエンゲージメントに対する疑いを示唆する。この概念を探求するために、NanoBiT(商標)Technologyを使用して、RASのNanoBiTタグ付けによりRAS多量体(二量体など)複合体を形成した。BRETドナーシグナルはオリゴマーRASに由来する。組織培養フラスコ中、1ウェルあたりのHEK293細胞に、pGEM-3Z担体DNAと共にpNB3K又はpNB4Kプラスミドから発現するRAS-NanoBiT融合体、LgBiT-RAS及びSmBiT-RASをトランスフェクトした(1:1:8質量比)。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に、細胞を化合物JRW-2219、JRW-2220、又はJRW-2310、及びBI-2852で処理した。
データを図10~24に示す。このデータは、RAS結合剤としての化合物JRW-2219、JRW-2220、JRW-2310、及び候補RAS結合化合物としての化合物BI-2852を使用し、LgBiT及びSmBiTとの融合体としてのKRAS2B又はその変異体(KRAS2B(G12C)、KRAS2B(G12D)、KRAS2B(G12V)、KRAS2B(Q61R)、KRAS2B(Q61H)、KRAS2B(Q61L)、KRAS2B(G13D))、又はHRAS1を発現する細胞にNanoBiTアッセイを行うと、ターゲットエンゲージメントが観察されたことを実証する。
NRASの場合、LgBiT-NRAS及びSmBiT-NRASプラスミドを、Fugene HDを3:1の脂質:DNA比で使用して、HEK293細胞に1:1の質量比でトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、細胞を回収し、80,000細胞/ウェルでコーニング3600プレートに播種した。その後、トレーサーJRW-2310を最終濃度2μMになるように添加し、RAS結合化合物であるBI-2852を希釈系列として添加した。BRETは、2時間インキュベーションの後、トレーサー及び非標識の競合物で測定された。データは、図25に示す。
VI.配列
配列番号1-KRAS4A(アイソフォームaのヌクレオチド配列)
atgactgaatataaacttgtggtagttggagctggtggcgtaggcaagagtgccttgacgatacagctaattcagaatcattttgtggacgaatatgatccaacaatagaggattcctacaggaagcaagtagtaattgatggagaaacctgtctcttggatattctcgacacagcaggtcaagaggagtacagtgcaatgagggaccagtacatgaggactggggagggctttctttgtgtatttgccataaataatactaaatcatttgaagatattcaccattatagagaacaaattaaaagagttaaggactctgaagatgtacctatggtcctagtaggaaataaatgtgatttgccttctagaacagtagacacaaaacaggctcaggacttagcaagaagttatggaattccttttattgaaacatcagcaaagacaagacagagagtggaggatgctttttatacattggtgagagagatccgacaatacagattgaaaaaaatcagcaaagaagaaaagactcctggctgtgtgaaaattaaaaaatgcattataatg
配列番号2-KRAS4A(アイソフォームaのタンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号3-KRAS4B(アイソフォームbのヌクレオチド配列)
atgactgaatataaacttgtggtagttggagctggtggcgtaggcaagagcaacaatagaggattcctacaggaagcaagtagtaattgatggagaaacctgtctcttggatattctcgacacagcaggtcaagaggagtacagtgcaatgagggaccagtacatgaggactggggagggctttctttgtgtatttgccataaataatactaaatcatttgaagatattcaccattatagagaacaaattaaaagagttaaggactctgaagatgtacctatggtcctagtaggaaataaatgtgatttgccttctagaacagtagacacaaaacaggctcaggacttagcaagaagttatggaattccttttattgaaacatcagcaaagacaagacagggtgttgatgatgccttctatacattagttcgagaaattcgaaaacataaagaaaagatgagcaaagatggtaaaaagaagaaaaagaagtcaaagacaaagtgtgtaattatgtaa
配列番号4-KRAS4B(アイソフォームbのタンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号5-KRAS4AG12C(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGACGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号6-KRAS4AG12D(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGADGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号7-KRAS4AG12V(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAVGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号8-KRAS4BG12C(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGACGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号9-KRAS4BG12D(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGADGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号10-KRAS4BG12V(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAVGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号11-HRAS1(アイソフォーム1のヌクレオチド配列)
atgacggaatataagctggtggtggtgggcgccggcggtgtgggcaagagtgcgctgaccatccagctgatccagaaccattttgtggacgaatacgaccccactatagaggattcctaccggaagcaggtggtcattgatggggagacgtgcctgttggacatcctggataccgccggccaggaggagtacagcgccatgcgggaccagtacatgcgcaccggggagggcttcctgtgtgtgtttgccatcaacaacaccaagtcttttgaggacatccaccagtacagggagcagatcaaacgggtgaaggactcggatgacgtgcccatggtgctggtggggaacaagtgtgacctggctgcacgcactgtggaatctcggcaggctcaggacctcgcccgaagctacggcatcccctacatcgagacctcggccaagacccggcagggagtggaggatgccttctacacgttggtgcgtgagatccggcagcacaagctgcggaagctgaaccctcctgatgagagtggccccggctgcatgagctgcaagtgtgtgctctcctga
配列番号12-HRAS1(アイソフォーム1のタンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHQYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLAARTVESRQAQDLARSYGIPYIETSAKTRQGVEDAFYTLVREIRQHKLRKLNPPDESGPGCMSCKCVLS
配列番号13-HRAS2(アイソフォーム2のヌクレオチド配列)
atgacggaatataagctggtggtggtgggcgccggcggtgtgggcaagagtgcgctgaccatccagctgatccagaaccattttgtggacgaatacgaccccactatagaggattcctaccggaagcaggtggtcattgatggggagacgtgcctgttggacatcctggataccgccggccaggaggagtacagcgccatgcgggaccagtacatgcgcaccggggagggcttcctgtgtgtgtttgccatcaacaacaccaagtcttttgaggacatccaccagtacagggagcagatcaaacgggtgaaggactcggatgacgtgcccatggtgctggtggggaacaagtgtgacctggctgcacgcactgtggaatctcggcaggctcaggacctcgcccgaagctacggcatcccctacatcgagacctcggccaagacccggcagggcagccgctctggctctagctccagctccgggaccctctgggaccccccgggacccatgtga
配列番号14-HRAS2(アイソフォーム2のタンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHQYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLAARTVESRQAQDLARSYGIPYIETSAKTRQGSRSGSSSSSGTLWDPPGPM
配列番号15-HRAS1G12S(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGASGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHQYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLAARTVESRQAQDLARSYGIPYIETSAKTRQGVEDAFYTLVREIRQHKLRKLNPPDESGPGCMSCKCVLS
配列番号16-HRAS1G12V(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAVGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHQYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLAARTVESRQAQDLARSYGIPYIETSAKTRQGVEDAFYTLVREIRQHKLRKLNPPDESGPGCMSCKCVLS
配列番号17-HRAS2G12S(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGASGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHQYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLAARTVESRQAQDLARSYGIPYIETSAKTRQGSRSGSSSSSGTLWDPPGP
配列番号18-HRAS2G12V(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAVGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHQYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLAARTVESRQAQDLARSYGIPYIETSAKTRQGSRSGSSSSSGTLWDPPGPM
配列番号19-NRAS(ヌクレオチド配列)
atgactgagtacaaactggtggtggttggagcaggtggtgttgggaaaagcgcactgacaatccagctaatccagaaccactttgtagatgaatatgatcccaccatagaggattcttacagaaaacaagtggttatagatggtgaaacctgtttgttggacatactggatacagctggacaagaagagtacagtgccatgagagaccaatacatgaggacaggcgaaggcttcctctgtgtatttgccatcaataatagcaagtcatttgcggatattaacctctacagggagcagattaagcgagtaaaagactcggatgatgtacctatggtgctagtgggaaacaagtgtgatttgccaacaaggacagttgatacaaaacaagcccacgaactggccaagagttacgggattccattcattgaaacctcagccaagaccagacagggtgttgaagatgctttttacacactggtaagagaaatacgccagtaccgaatgaaaaaactcaacagcagtgatgatgggactcagggttgtatgggattgccatgtgtggtgatgtaa
配列番号20-NRAS(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNSKSFADINLYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLPTRTVDTKQAHELAKSYGIPFIETSAKTRQGVEDAFYTLVREIRQYRMKKLNSSDDGTQGCMGLPCVVM
配列番号21-NRASG12D(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGADGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNSKSFADINLYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLPTRTVDTKQAHELAKSYGIPFIETSAKTRQGVEDAFYTLVREIRQYRMKKLNSSDDGTQGCMGLPCVVM
配列番号22-NRASQ61R(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGREEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNSKSFADINLYREQIKRVKDSDDVPMVLVGNKCDLPTRTVDTKQAHELAKSYGIPFIETSAKTRQGVEDAFYTLVREIRQYRMKKLNSSDDGTQGCMGLPCVVM
配列番号23-NanoLuc(ヌクレオチド配列)
atgaaacatcaccatcaccatcatgcgatcgccatggtcttcacactcgaagatttcgttggggactggcgacagacagccggctacaacctggaccaagtccttgaacagggaggtgtgtccagtttgtttcagaatctcggggtgtccgtaactccgatccaaaggattgtcctgagcggtgaaaatgggctgaagatcgacatccatgtcatcatcccgtatgaaggtctgagcggcgaccaaatgggccagatcgaaaaaatttttaaggtggtgtaccctgtggatgatcatcactttaaggtgatcctgcactatggcacactggtaatcgacggggttacgccgaacatgatcgactatttcggacggccgtatgaaggcatcgccgtgttcgacggcaaaaagatcactgtaacagggaccctgtggaacggcaacaaaattatcgacgagcgcctgatcaaccccgacggctccctgctgttccgagtaaccatcaacggagtgaccggctggcggctgtgcgaacgcattctggcggtt
配列番号24-NanoLuc(タンパク質配列)
MKHHHHHHAIAMVFTLEDFVGDWRQTAGYNLDQVLEQGGVSSLFQNLGVSVTPIQRIVLSGENGLKIDIHVIIPYEGLSGDQMGQIEKIFKVVYPVDDHHFKVILHYGTLVIDGVTPNMIDYFGRPYEGIAVFDGKKITVTGTLWNGNKIIDERLINPDGSLLFRVTINGVTGWRLCERILAV
配列番号25-LgBiT(タンパク質配列)
MVFTLEDFVGDWEQTAAYNLDQVLEQGGVSSLLQNLAVSVTPIQRIVRSGENALKIDIHVIIPYEGLSADQMAQIEEVFKVVYPVDDHHFKVILPYGTLVIDGVTPNMLNYFGRPYEGIAVFDGKKITVTGTLWNGNKIIDERLITPDGSMLFRVTINSHHHHHH
配列番号26-SmBiT(タンパク質配列)
VTGYRLFEEIL
配列番号27-LgTrip3092
MVFTLDDFVGDWEQTAAYNLDQVLEQGGVSSLLQNLAVSVTPIMRIVRSGENALKIDIHVIIPYEGLSADQMAQIEEVFKVVYPVDDHHFKVILPYGTLVIDGVTPNKLNYFGRPYEGIAVFDGKKITVTGTLWNGNKIIDERLITPD
配列番号28-LgTrip3546
MKHHHHHHVFTLDDFVGDWEQTAAYNLDQVLEQGGVSSLLQNLAVSVTPIMRIVRSGENALKIDIHVIIPYEGLSADQMAQIEEVFKVVYPVDDHHFKVILPYGTLVIDGVTPNKLNYFGRPYEGIAVFDGKKITTTGTLWNGNKIIDERLITPD
配列番号29-LgTrip2098
MVFTLEDFVGDWEQTAAYNLDQVLEQGGVSSLLQNLAVSVTPIQRIVRSGENALKIDIHVIIPYEGLSADQMAQIEEVFKVVYPVDDHHFKVILPYGTLVIDGVTPNMLNYFGRPYEGIAVFDGKKITVTGTLWNGNKIIDERLITPD
配列番号30-SmTrip9
GSMLFRVTINS
配列番号31-5xHISタグ
HHHHH
配列番号32-6xHISタグ
HHHHHH
配列番号33-C-mycタグ
EQKLISEEDL
配列番号34-FLAGタグ
DYKDDDDK
配列番号35-Strepタグ
WSHPQFEK
配列番号36-HAタグ
YPYDVPDYA
配列番号37-KRAS4AQ61R(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGREEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号38-KRAS4AQ61H(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGHEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号39-KRAS4AQ61L(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGLEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号40-KRAS4AG13D(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGDVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQRVEDAFYTLVREIRQYRLKKISKEEKTPGCVKIKKCIIM
配列番号41-KRAS4BQ61R(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGREEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号42-KRAS4BQ61H(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGHEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号43-KRAS4BQ61L(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGLEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM
配列番号44-KRAS4BG13D(タンパク質配列)
MTEYKLVVVGAGDVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM

Claims (144)

  1. RAS結合化合物を同定する方法であって、
    (a)RASタンパク質を含む試料を提供する工程、
    (b)前記試料を、RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤、ならびに候補RAS結合化合物と接触させる工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記方法が、KRAS結合化合物を同定する方法であり、
    (a)KRASタンパク質を含む試料を提供する工程、
    (b)前記試料を、KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤、ならびに候補KRAS結合化合物と接触させる工程、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. (c)前記機能要素を検出又は定量化する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記KRASタンパク質が、KRAS変異体である、請求項2又は請求項3に記載の方法。
  5. 前記KRAS変異体が、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、又はKRASG13Dである、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(a)が、前記試料内に前記KRASタンパク質を発現させることを含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記方法が、HRAS結合化合物を同定する方法であり、
    (a)HRASタンパク質を含む試料を提供する工程、
    (b)前記試料を、HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤、ならびに候補HRAS結合化合物と接触させる工程、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  8. (c)前記機能要素を検出又は定量化する工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記HRASタンパク質が、HRAS変異体である、請求項7又は請求項8に記載の方法。
  10. 前記HRAS変異体が、HRASG12S又はHRASG12Vである、請求項9に記載の方法。
  11. 工程(a)が、前記試料内に前記HRASタンパク質を発現させることを含む、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記方法が、NRAS結合化合物を同定する方法であり、
    (a)NRASタンパク質を含む試料を提供する工程と、
    (b)前記試料を、NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤、ならびに候補NRAS結合化合物と接触させる工程、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  13. (c)前記機能要素を検出又は定量化する工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記NRASタンパク質が、NRAS変異体である、請求項12又は請求項13に記載の方法。
  15. 前記NRAS変異体が、NRASG12D又はNRASQ61Rである、請求項14に記載の方法。
  16. 工程(a)が、前記試料内に前記NRASタンパク質を発現させることを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記RAS結合剤が、次式(I)の化合物
    Figure 2023540934000152
    又はその塩であり、
    式中、Aは、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
    1、R2、及びR3の1つは、基-リンカー-Bであり、Bは、機能要素であり、
    1、R2、及びR3の他の2つは、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. Aが、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 1が、基-リンカー-Bであり、R2及びR3が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項17又は請求項18に記載の方法。
  20. 3が、基-リンカー-Bであり、R1及びR2が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項17又は請求項18に記載の方法。
  21. リンカーは、次式、
    Figure 2023540934000153
    を有し、
    式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である、請求項17~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記機能要素が、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記機能要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルが、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記機能要素が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体担体から選択される固体担体である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記沈降粒子が、磁性粒子である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記検出可能要素が、フルオロフォアである、請求項23に記載の方法。
  28. 前記機能要素が、タンパク質分解を誘導する部分である、請求項22に記載の方法。
  29. 前記機能要素が、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記候補RAS結合化合物が、前記RASタンパク質に結合する、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記候補RAS結合化合物が、RAS阻害剤である、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記RAS結合剤が、RASスイッチI/II部位に結合する、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記候補RAS結合化合物が、前記RASスイッチI/II部位又はRASスイッチII部位に結合する、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記試料が、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、環境試料、無細胞試料、及び精製試料(例えば、精製タンパク質試料)から選択される、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記RASタンパク質が、生物発光レポーターとの融合体として提供される、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記生物発光レポーターが、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記試料が、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質と、生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質とを含み、前記第1及び第2のサブユニットは相補的である、請求項35に記載の方法。
  38. 前記生物発光レポーターの第1のサブユニットが、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、前記生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項37に記載の方法。
  39. 前記生物発光レポーターの発光スペクトルと前記機能要素の励起スペクトルが、重複する、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記試料を前記生物発光レポーターの基質と接触させることを更に含む、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記基質が、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである、請求項40に記載の方法。
  42. (a)標的RASタンパク質と、
    (b)RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤と、
    (c)候補RAS結合化合物と、
    を含むことを特徴とするシステム。
  43. (a)標的KRASタンパク質と、
    (b)KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤と、
    (c)候補KRAS結合化合物と、
    を含む、請求項42に記載のシステム。
  44. 前記標的KRASタンパク質が、前記システム内で発現される、請求項43に記載のシステム。
  45. 前記標的KRASタンパク質が、KRAS変異体である、請求項43又は請求項44に記載のシステム。
  46. 前記KRAS変異体が、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、及びKRASG13Dから選択される、請求項45に記載のシステム。
  47. (a)標的HRASタンパク質と、
    (b)HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤と、
    (c)候補HRAS結合化合物と、
    を含む、請求項42に記載のシステム。
  48. 前記標的HRASタンパク質が、前記システム内で発現される、請求項41に記載のシステム。
  49. 前記標的HRASタンパク質が、HRAS変異体である、請求項47又は請求項48に記載のシステム。
  50. 前記HRAS変異体が、HRASG12S又はHRASG12Vである、請求項49に記載のシステム。
  51. (a)標的NRASタンパク質と、
    (b)NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤と、
    (c)候補NRAS結合化合物と、
    を含む、請求項42に記載のシステム。
  52. 前記標的NRASタンパク質が、前記システム内で発現される、請求項51に記載のシステム。
  53. 前記標的NRASタンパク質が、NRAS変異体である、請求項51又は請求項52に記載のシステム。
  54. 前記NRAS変異体が、NRASG12D又はNRASQ61Rである、請求項53に記載のシステム。
  55. 前記RAS結合剤が、次式(I)の化合物
    Figure 2023540934000154
    又はその塩であり、
    式中、Aが、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
    1、R2、及びR3の1つが、基-リンカー-Bであり、Bが、機能要素であり、
    1、R2、及びR3の他の2つが、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項42~44のいずれか1項に記載のシステム。
  56. Aが、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される、請求項45に記載のシステム。
  57. 1が、基-リンカー-Bであり、R2及びR3が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項45又は請求項46に記載のシステム。
  58. 3が、基-リンカー-Bであり、R1及びR2が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項45又は請求項46に記載のシステム。
  59. リンカーは、次式、
    Figure 2023540934000155
    を有し、
    式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である、請求項55~58のいずれか1項に記載のシステム。
  60. 前記機能要素が、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である、請求項42~59のいずれか1項に記載のシステム。
  61. 前記機能要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である、請求項60に記載のシステム。
  62. 前記検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルが、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、又はエネルギー移動によって検出可能又は定量化可能である、請求項61に記載のシステム。
  63. 前記機能要素が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体担体から選択される固体担体である、請求項60に記載のシステム。
  64. 前記沈降粒子が、磁性粒子である、請求項63に記載のシステム。
  65. 前記検出可能要素が、フルオロフォアである、請求項61に記載のシステム。
  66. 前記機能要素が、タンパク質分解を誘導する部分である、請求項60に記載のシステム。
  67. 前記機能要素が、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である、請求項66に記載のシステム。
  68. 前記候補RAS結合化合物が、前記RASタンパク質に結合する、請求項42~67のいずれか1項に記載のシステム。
  69. 前記候補RAS結合化合物が、RAS阻害剤である、請求項42~68のいずれか1項に記載のシステム。
  70. 前記RAS結合部分が、RASスイッチI/II部位に結合する、請求項42~69のいずれか1項に記載のシステム。
  71. 前記候補RAS結合化合物が、前記RASスイッチI/II部位又はRASスイッチII部位に結合する、請求項42~70のいずれか1項に記載のシステム。
  72. 前記システムが、細胞、細胞溶解物、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、環境試料、無細胞試料、及び精製試料(例えば、精製タンパク質試料)から選択される試料を含む、請求項42~71のいずれか1項に記載のシステム。
  73. 前記標的RASタンパク質が、生物発光レポーターとの融合体として存在する、請求項42~72のいずれか1項に記載のシステム。
  74. 前記生物発光レポーターが、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである、請求項73に記載のシステム。
  75. 前記標的RASタンパク質が、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質と、生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質とを含み、前記第1及び第2のサブユニットは相補的である、請求項73に記載のシステム。
  76. 前記生物発光レポーターの第1のサブユニットが、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、前記生物発光レポーターの第2のサブユニットが、配列番号26と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項75に記載のシステム。
  77. 前記生物発光レポーターの発光スペクトルと前記機能要素の励起スペクトルが、重複する、請求項73~76のいずれか1項に記載のシステム。
  78. 前記生物発光レポーターの基質を更に含む、請求項73~77のいずれか1項に記載のシステム。
  79. 前記基質が、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである、請求項78に記載のシステム。
  80. (a)RAS結合部分と、
    (b)機能要素と、
    を含むことを特徴とするRAS結合剤。
  81. 前記RAS結合剤が、
    (a)KRAS結合部分と、
    (b)機能要素と、
    を含むKRAS結合剤である、請求項80に記載のRAS結合剤。
  82. 前記RAS結合剤が、
    (a)HRAS結合部分と、
    (b)機能要素と、
    を含むHRAS結合剤である、請求項80に記載のRAS結合剤。
  83. 前記RAS結合剤が、
    (a)NRAS結合部分と、
    (b)機能要素と、
    を含むNRAS結合剤である、請求項80に記載のRAS結合剤。
  84. 前記RAS結合部分と前記機能要素とを連結するリンカーを更に含む、請求項80~83のいずれか1項に記載のRAS結合剤。
  85. 前記RAS結合剤が、次式(I)の化合物
    Figure 2023540934000156
    又はその塩であり、
    式中、Aが、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
    1、R2、及びR3の1つが、基-リンカー-Bであり、Bが、機能要素であり、
    1、R2、及びR3の他の2つが、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項80~84のいずれか1項に記載のRAS結合剤。
  86. Aが、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される、請求項85に記載のRAS結合剤。
  87. 1が、基-リンカー-Bであり、R2及びR3が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項85又は請求項86に記載のRAS結合剤。
  88. 3が、基-リンカー-Bであり、R1及びR2が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項85又は請求項86に記載のRAS結合剤。
  89. リンカーが、次式、
    Figure 2023540934000157
    を有し、
    式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である、請求項85~88のいずれか1項に記載のRAS結合剤。
  90. 前記機能要素が、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である、請求項80~89のいずれか1項に記載のRAS結合剤。
  91. 前記機能要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である、請求項90に記載のRAS結合剤。
  92. 前記検出可能要素が、フルオロフォアである、請求項91に記載のRAS結合剤。
  93. 前記検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルが、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される、請求項90に記載のRAS結合剤。
  94. 前記機能要素が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、及び電子伝導性表面を有する固体担体から選択される固体担体である、請求項90に記載のRAS結合剤。
  95. 前記沈降粒子が、磁性粒子である、請求項94に記載のRAS結合剤。
  96. 前記機能要素が、タンパク質分解を誘導する部分である、請求項90に記載のRAS結合剤。
  97. 前記機能要素が、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である、請求項96に記載のRAS結合剤。
  98. 前記RAS結合部分が、RASスイッチI/II部位に結合する、請求項80~97のいずれか1項に記載のRAS結合剤。
  99. 請求項80~98のいずれか一項に記載のRAS結合剤を含む組成物。
  100. RASタンパク質を更に含む、請求項99に記載の組成物。
  101. 前記RASタンパク質が、KRASタンパク質、HRASタンパク質、及びNRASタンパク質から選択される、請求項100に記載の組成物。
  102. 前記RASタンパク質が、生物発光レポーターとの融合体として存在する、請求項99又は請求項101に記載の組成物。
  103. 前記生物発光レポーターが、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである、請求項102に記載の組成物。
  104. 前記組成物は、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質と、生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質とを含み、前記第1及び第2のサブユニットは相補的である、請求項102に記載の組成物。
  105. 前記生物発光レポーターの第1のサブユニットは、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、前記生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項104に記載の組成物。
  106. 前記生物発光レポーターの発光スペクトルと前記機能要素の励起スペクトルが、重複する、請求項102~105のいずれか1項に記載の組成物。
  107. 前記生物発光レポーターの基質を更に含む、請求項102~106のいずれか1項に記載の組成物。
  108. 前記基質が、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである、請求項107に記載の組成物。
  109. 候補RAS結合化合物を更に含む、請求項99~108のいずれか1項に記載の組成物。
  110. 前記候補RAS結合化合物が、候補KRAS結合化合物、候補HRAS結合化合物、又は候補NRAS結合化合物である、請求項109に記載の組成物。
  111. 前記候補RAS結合化合物が、RAS阻害剤である、請求項109又は請求項110に記載の組成物。
  112. 前記候補RAS結合化合物が、RASスイッチI/II部位又はRASスイッチII部位に結合する、請求項109~111のいずれか1項に記載の組成物。
  113. RAS結合化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)(i)RASタンパク質と、(ii)RAS結合部分及び機能要素を含むRAS結合剤とを含む試料を、候補RAS結合化合物と接触させる工程、
    (b)前記機能要素からのシグナルを検出又は定量化する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  114. 前記方法が、KRAS結合化合物をスクリーニングする方法であり、
    (a)(i)KRASタンパク質と、(ii)KRAS結合部分及び機能要素を含むKRAS結合剤とを含む試料を、候補KRAS結合化合物と接触させる工程、
    (b)前記機能要素からのシグナルを検出又は定量化する工程、
    を含む、請求項113に記載の方法。
  115. 前記KRASタンパク質が、KRAS変異体である、請求項114に記載の方法。
  116. 前記KRAS変異体が、KRASG12C、KRASG12D、KRASG12V、KRASQ61R、KRASQ61H、KRASQ61L、及びKRASG13Dから選択される、請求項115に記載の方法。
  117. 前記方法が、HRAS結合化合物をスクリーニングする方法であり、
    (a)(i)HRASタンパク質と、(ii)HRAS結合部分及び機能要素を含むHRAS結合剤とを含む試料を、候補HRAS結合化合物と接触させることと、
    (b)前記機能要素からのシグナルを検出又は定量化することを含む、請求項113に記載の方法。
  118. 前記HRASタンパク質が、HRAS変異体である、請求項117に記載の方法。
  119. 前記HRAS変異体が、HRASG12S又はHRASG12Vである、請求項118に記載の方法。
  120. 前記方法が、NRAS結合化合物をスクリーニングする方法であり、
    (a)(i)NRASタンパク質と、(ii)NRAS結合部分及び機能要素を含むNRAS結合剤とを含む試料を、候補NRAS結合化合物と接触させる工程、
    (b)前記機能要素からのシグナルを検出又は定量化する工程、
    を含む、請求項113に記載の方法。
  121. 前記NRASタンパク質が、NRAS変異体である、請求項120に記載の方法。
  122. 前記NRAS変異体が、NRASG12D又はNRASQ61Rである、請求項121に記載の方法。
  123. 前記候補RAS結合化合物が、前記RASタンパク質に結合し、前記機能要素からのシグナルを検出可能に改変させる、請求項113~122のいずれか1項に記載の方法。
  124. 前記候補RAS結合化合物が、RAS阻害剤である、請求項113~123のいずれか1項に記載の方法。
  125. 前記候補RAS結合化合が、RASスイッチI/II部位又はRASスイッチII部位に結合する、請求項113~124のいずれか1項に記載の方法。
  126. 前記RAS結合剤が、次式(I)の化合物
    Figure 2023540934000158
    又はその塩であり、
    式中、Aが、単環式アリール又はヘテロアリールであり、
    1、R2、及びR3の1つが、基-リンカー-Bであり、Bが、機能要素であり、
    1、R2、及びR3の他の2つが、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項113~125のいずれか1項に記載の方法。
  127. Aが、フェニル、イミダゾール、ピロール、ピリジル、チオフェン、及びトリアゾールから選択される、請求項126に記載の方法。
  128. 1が、基-リンカー-Bであり、R2及びR3が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項126又は請求項127に記載の方法。
  129. 3が、基-リンカー-Bであり、R1及びR2が、独立して、水素及びメチルから選択される、請求項126又は請求項127に記載の方法。
  130. リンカーは、次式、
    Figure 2023540934000159
    を有し、
    式中、m、n、及びpは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である、請求項126~129のいずれか1項に記載の方法。
  131. 前記機能要素が、検出可能要素、親和性要素、捕捉要素、固体担体、又はタンパク質分解を誘導する部分である、請求項113~130のいずれか1項に記載の方法。
  132. 前記機能要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透明分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、及び質量タグから選択される検出可能要素である、請求項131に記載の方法。
  133. 前記検出可能要素又はそれによって生成されるシグナルが、蛍光、質量分析、光学イメージング、放射性核種検出、磁気共鳴イメージング(MRI)、又はエネルギー移動によって検出又は定量化される、請求項132に記載の方法。
  134. 前記検出可能要素が、フルオロフォアである、請求項132に記載の方法。
  135. 前記機能要素が、タンパク質分解を誘導する部分である、請求項131に記載の方法。
  136. 前記機能要素が、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)タグ付けによってタンパク質分解を誘導する部分である、請求項135に記載の方法。
  137. 前記RAS結合部分が、前記RASスイッチI/II部位に結合する、請求項113~136のいずれか1項に記載の方法。
  138. 前記RASタンパク質が、生物発光レポーターとの融合体として存在する、請求項113~137のいずれか1項に記載の方法。
  139. 前記生物発光レポーターが、配列番号24と少なくとも70%の配列同一性を有するルシフェラーゼである、請求項138に記載の方法。
  140. 前記試料が、生物発光レポーターの第1のサブユニットと融合した第1のRASタンパク質と、生物発光レポーターの第2のサブユニットと融合した第2のRASタンパク質とを含み、前記第1及び第2のサブユニットは相補的である、請求項138に記載の方法。
  141. 前記生物発光レポーターの第1のサブユニットが、配列番号25と少なくとも70%の配列同一性を有し、前記生物発光レポーターの第2のサブユニットは、配列番号26と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項140に記載の方法。
  142. 前記生物発光レポーターの発光スペクトルと前記機能要素の励起スペクトルが、重複する、請求項138~141のいずれか1項に記載の方法。
  143. 前記組成物が、前記生物発光レポーターの基質を更に含む、請求項138~142のいずれか1項に記載の方法。
  144. 前記基質が、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、又はフリマジンである、請求項143に記載の方法。
JP2023514021A 2020-08-28 2021-08-27 Rasタンパク質のターゲットエンゲージメントアッセイ Pending JP2023540934A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063071694P 2020-08-28 2020-08-28
US63/071,694 2020-08-28
US202063117080P 2020-11-23 2020-11-23
US63/117,080 2020-11-23
US202163160120P 2021-03-12 2021-03-12
US63/160,120 2021-03-12
PCT/US2021/047998 WO2022047186A1 (en) 2020-08-28 2021-08-27 Target engagement assay for ras proteins

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023540934A true JP2023540934A (ja) 2023-09-27

Family

ID=77914456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023514021A Pending JP2023540934A (ja) 2020-08-28 2021-08-27 Rasタンパク質のターゲットエンゲージメントアッセイ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220064696A1 (ja)
EP (1) EP4204808A1 (ja)
JP (1) JP2023540934A (ja)
CN (1) CN116391129A (ja)
WO (1) WO2022047186A1 (ja)

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4812409A (en) 1986-01-31 1989-03-14 Eastman Kodak Company Hydrolyzable fluorescent substrates and analytical determinations using same
US4810636A (en) 1986-12-09 1989-03-07 Miles Inc. Chromogenic acridinone enzyme substrates
US6162931A (en) 1996-04-12 2000-12-19 Molecular Probes, Inc. Fluorinated xanthene derivatives
WO2004072232A2 (en) 2003-01-31 2004-08-26 Promega Corporation Covalent tethering of functional groups to proteins
US7429472B2 (en) 2003-01-31 2008-09-30 Promega Corporation Method of immobilizing a protein or molecule via a mutant dehalogenase that is bound to an immobilized dehalogenase substrate and linked directly or indirectly to the protein or molecule
US7425436B2 (en) 2004-07-30 2008-09-16 Promega Corporation Covalent tethering of functional groups to proteins and substrates therefor
WO2008118445A1 (en) 2007-03-26 2008-10-02 Promega Corporation Methods to quench light from optical reactions
GB0905840D0 (en) 2009-04-06 2009-05-20 Sagentia Ltd Apparatus and methods
EP3744834A1 (en) 2009-05-01 2020-12-02 Promega Corporation Synthetic oplophorus luciferases with enhanced light output
JP5677041B2 (ja) 2009-11-11 2015-02-25 株式会社ニデック 眼科装置
KR101939553B1 (ko) 2010-11-02 2019-01-17 프로메가 코포레이션 신규 코엘렌테라진 기질 및 사용 방법
GB201103631D0 (en) * 2011-03-03 2011-04-13 Univ Leeds Identification of candidate therapeutics
JP5751030B2 (ja) 2011-06-03 2015-07-22 ソニー株式会社 表示制御装置、表示制御方法、及びプログラム
WO2013078244A1 (en) 2011-11-21 2013-05-30 Promega Corporation Carboxy x rhodamine analogs
EP2900833B1 (en) 2012-09-26 2018-05-30 Promega Corporation Real-time monitoring
US10067149B2 (en) * 2012-12-12 2018-09-04 Promega Corporation Recognition of cellular target binding by a bioactive agent using intracellular bioluminescence resonance energy transfer
CN109612981B (zh) 2012-12-12 2022-05-13 普洛麦格公司 使用细胞内生物发光共振能量转移识别生物活性剂的细胞靶标结合
KR20230079494A (ko) 2013-03-15 2023-06-07 프로메가 코포레이션 구조적 보완에 의한 바이오발광성의 활성화
WO2017070256A2 (en) * 2015-10-19 2017-04-27 Araxes Pharma Llc Method for screening inhibitors of ras
EP3416968B1 (en) 2016-02-15 2022-07-27 Promega Corporation Coelenterazine analogues
US10000500B2 (en) 2016-07-28 2018-06-19 Promega Corporation Coelenterazine analogues
WO2019173683A1 (en) * 2018-03-08 2019-09-12 Stc. Unm Discovery of novel molecules and repurposed drugs for ras family gtpases
CN112567028A (zh) 2018-06-12 2021-03-26 普洛麦格公司 多部分萤光素酶

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022047186A1 (en) 2022-03-03
EP4204808A1 (en) 2023-07-05
CN116391129A (zh) 2023-07-04
US20220064696A1 (en) 2022-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sun et al. Development of SNAP‐tag fluorogenic probes for wash‐free fluorescence imaging
JP6339975B2 (ja) シアノベンゾチアゾールコンジュゲートによるタンパク質標識
Goldsmith et al. Selective labeling of extracellular proteins containing polyhistidine sequences by a fluorescein− nitrilotriacetic acid conjugate
AU2002251257B2 (en) Methods of Using O6-alkylguanine-DNA Alkyltransferases
US7371745B2 (en) Bis-transition-metal-chelate probes
US7282373B2 (en) Ultra-high specificity fluorescent labeling
CN112399996A (zh) 具有包含有机磷酸酯单元的主链的聚合的染料
Benaissa et al. Engineering of a fluorescent chemogenetic reporter with tunable color for advanced live-cell imaging
Huang et al. Versatile Probes for the Selective Detection of Vicinal‐Dithiol‐Containing Proteins: Design, Synthesis, and Application in Living Cells
Dell’Acqua et al. MediaChrom: discovering a class of pyrimidoindolone-based polarity-sensitive dyes
Ying et al. Purification of tetracysteine-tagged proteins by affinity chromatography using a non-fluorescent, photochemically stable bisarsenical affinity ligand
Usama et al. Method to diversify cyanine chromophore functionality enables improved biomolecule tracking and intracellular imaging
US10557852B2 (en) Fluorescent molecular sensor for targeting changes in protein surfaces, and methods of use thereof
JP2023540934A (ja) Rasタンパク質のターゲットエンゲージメントアッセイ
US6919333B2 (en) Bis-transition-metal-chelate probes
Umeno et al. Naphthyridine-Based Electron Push–Pull-Type Amine-Reactive Fluorescent Probe for Sensing Amines and Proteins in Aqueous Media
US7041821B2 (en) Synthetic molecules for labeling histidine-rich proteins
EP1506402A2 (en) Bis-transition-metal-chelate-probes
WO2003107010A1 (en) Reagents and procedures for high-specificity labeling
Liu et al. Deubiquitination detection of p53 protein in living cells by fluorescence cross-correlation spectroscopy
US20240132725A1 (en) Spacing linker group design for brightness enhancement in dimeric or polymeric dyes
Maller et al. A Modular Approach for the Synthesis of Diverse Heterobifunctional Cyanine Dyes
Cisneros Use of Enzymes for Amplified Signal Generation
Dattelbaum Luminescent probes for the detection of glutamine and protein hydrodynamics
JP2022510437A (ja) 広域スペクトルgpcr結合剤