JP2023540663A - Glp-1rアゴニスト/fgf21融合タンパク質 - Google Patents
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Abstract
本発明は、グルカゴン様ペプチド1受容体5(GLP-1R)アゴニストペプチドおよびヒト線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の変異体を含む、融合タンパク質に関する。本発明はさらに、特に、対照における肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および/またはアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬としての、GLP-1RアゴニストペプチドおよびFGF21の変異体を含む融合タンパク質の使用に関する。本発明はまた、GLP-1RアゴニストペプチドとFGF21の変異体とを含む融合タンパク質を含む、医薬組成物にも関する。
Description
本発明は、GLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニストペプチドおよびヒト線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の変異体を含む、融合タンパク質に関する。本発明はさらに、特に、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および/またはアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬としてのこれらの融合タンパク質の使用に関する。
融合タンパク質としてのFGF21およびGLP-1Rアゴニストの使用には欠点がある。FGF21の薬理学的作用は、GLP-1(一次GLP-1Rアゴニスト)が薬理学的作用を発揮する血漿レベルよりも高い血漿レベルにおいて観察される。さらに、より高い血漿レベルでは、GLP-1は、有害作用を有することが知られており、例えば、それは、吐き気および嘔吐を誘導する。まとめると、このことは、融合タンパク質の形態で、FGF21化合物およびGLP-1Rアゴニストの組合せを投与する場合、GLP-1媒介性有害作用のリスクを示す。したがって、FGF21およびGLP-1Rアゴニストを組み合わせた新しい融合タンパク質ならびにその製剤が、必要とされている。
本発明の目的は、潜在的な有害作用(例えば、吐き気および嘔吐など)を回避しながら、両方の活性剤の利益効果(例えば、体重、脂質、血糖コントロールなどにおいて)を達成するために、最適化されたGLP-1Rアゴニスト/FGF21化合物活性比を有する融合タンパク質を提供することである。
一態様において、本発明は、GLP-1RアゴニストペプチドおよびヒトFGF21の機能的に活性な変異体を含む、融合タンパク質に関する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)(配列番号260)のアミノ酸配列において、最大約15個のアミノ酸残基の置換を含む、天然GLP-1(7-36)の変異体である。
一実施形態において、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号250または配列番号251のアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含み、
(i)置換Q55CおよびP147Cまたは置換Q55CおよびN149C、ならびに
(ii)G198および/またはP199の置換または欠失を含み、
アミノ酸残基の番号付けは、配列番号250に従う。
(i)置換Q55CおよびP147Cまたは置換Q55CおよびN149C、ならびに
(ii)G198および/またはP199の置換または欠失を含み、
アミノ酸残基の番号付けは、配列番号250に従う。
一実施形態において、GLP-1RアゴニストペプチドおよびヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、L-Fc、Fc-L、L1-Fc-L2、およびFcからなる群から選択される構造を含むリンカー分子を介して連結されており、L、L1、およびL2は、単一のアミノ酸およびペプチドからなる群から独立して選択され、Fcは、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインである。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9~約482分の1(もしくは約9.449~約482.396分の1)または約9~約319分の1(もしくは約9.449~約319.311分の1)または約9~約121分の1(もしくは約9.449~約121.189分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9~約319分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約9.4分の1または少なくとも約9.45分の1または少なくとも約9.5分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約10分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、最大約482.4分の1または最大約482.35分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、最大約482分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10~約482分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10~約319分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約90~約100分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約18分の1(または少なくとも約18.268分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約18~約501分の1(または約18.268~約500.686分の1)または約18~約469分の1(または約18.268~約468.679分の1)または約18~約313分の1(または約18.268~約313.214分の1)または約18~約123分の1(または約18.268~約123.466分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約18~約313分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
上述の実施形態のうちの1つにおいて、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約18.2分の1または少なくとも約18.3分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
上述の実施形態のうちの1つにおいて、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約20分の1、または少なくとも約50分の1、または少なくとも約100分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約15分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約20分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約50分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約100分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約100分の1~約300分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合タンパク質は、上記において定義されるGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、アミノ酸配列
X1-X2-X3-G-T-F-T-S-D-X10-S-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-X24-X25-L-X27-X28-X29-X30(配列番号4077)
を含むかまたはそれからなり、
式中
X1は、H、Y、またはFであり、
X2は、G、S、T、またはAであり、
X3は、EまたはQであり、
X10は、KまたはLであり、
X12は、K、I、またはQであり、
X13は、QまたはLであり、
X14は、L、M、またはCであり、
X15は、E、A、またはDであり、
X16は、E、K、またはSであり、
X17は、E、R、またはQであり、
X18は、L、A、またはRであり、
X19は、V、A、またはFであり、
X20は、R、H、Q、K、またはIであり、
X21は、L、E、H、またはRであり、
X22は、FまたはLであり、
X23は、I、Y、またはFであり、
X24は、E、L、またはYであり、
X25は、WまたはLであり、
X27は、I、L、K、またはEであり、
X28は、A、K、N、またはEであり、
X29は、G、T、K、またはVであり、
X30は、Gまたは欠失であり、
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端に最大約12、約11、または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
X1-X2-X3-G-T-F-T-S-D-X10-S-X12-X13-X14-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-X24-X25-L-X27-X28-X29-X30(配列番号4077)
を含むかまたはそれからなり、
式中
X1は、H、Y、またはFであり、
X2は、G、S、T、またはAであり、
X3は、EまたはQであり、
X10は、KまたはLであり、
X12は、K、I、またはQであり、
X13は、QまたはLであり、
X14は、L、M、またはCであり、
X15は、E、A、またはDであり、
X16は、E、K、またはSであり、
X17は、E、R、またはQであり、
X18は、L、A、またはRであり、
X19は、V、A、またはFであり、
X20は、R、H、Q、K、またはIであり、
X21は、L、E、H、またはRであり、
X22は、FまたはLであり、
X23は、I、Y、またはFであり、
X24は、E、L、またはYであり、
X25は、WまたはLであり、
X27は、I、L、K、またはEであり、
X28は、A、K、N、またはEであり、
X29は、G、T、K、またはVであり、
X30は、Gまたは欠失であり、
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端に最大約12、約11、または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つのアミノ酸残基は、Gである。
一実施形態において、ペプチド延長は、配列番号4008~4063からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。一実施形態において、ペプチド延長は、単一のアミノ酸残基、例えば、Pである。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、アミノ酸配列
X1-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-X12-X13-L-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-F-X23-E-W-L-X27-X28-X29-G(配列番号4078)
を含むかまたはそれからなり、
式中
X1は、H、Y、またはFであり、
X10は、KまたはLであり、
X12は、K、I、またはQであり、
X13は、QまたはLであり、
X15は、E、A、またはDであり、
X16は、E、K、またはSであり、
X17は、E、R、またはQであり、
X18は、L、A、またはRであり、
X19は、V、A、またはFであり、
X20は、R、H、Q、K、またはIであり、
X21は、L、E、H、またはRであり、
X23は、I、Y、またはFであり、
X27は、I、L、K、またはEであり、
X28は、A、K、N、またはEであり、
X29は、G、T、K、またはVであり、
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端に最大約12、約11、または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
X1-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-X12-X13-L-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-F-X23-E-W-L-X27-X28-X29-G(配列番号4078)
を含むかまたはそれからなり、
式中
X1は、H、Y、またはFであり、
X10は、KまたはLであり、
X12は、K、I、またはQであり、
X13は、QまたはLであり、
X15は、E、A、またはDであり、
X16は、E、K、またはSであり、
X17は、E、R、またはQであり、
X18は、L、A、またはRであり、
X19は、V、A、またはFであり、
X20は、R、H、Q、K、またはIであり、
X21は、L、E、H、またはRであり、
X23は、I、Y、またはFであり、
X27は、I、L、K、またはEであり、
X28は、A、K、N、またはEであり、
X29は、G、T、K、またはVであり、
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端に最大約12、約11、または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つのアミノ酸残基は、Gである。
一実施形態において、ペプチド延長は、配列番号4008~4063からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、アミノ酸配列
H-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-K-Q-L-E-E-E-X18-V-X20-L-F-I-E-W-L-K-A-X29-G(配列番号4079),
を含むかまたはそれからなり、
式中
X10は、KまたはLであり、
X18は、AまたはRであり、
X20は、RまたはQであり、
X29は、GまたはTであり、
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端に最大12、11または10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
H-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-K-Q-L-E-E-E-X18-V-X20-L-F-I-E-W-L-K-A-X29-G(配列番号4079),
を含むかまたはそれからなり、
式中
X10は、KまたはLであり、
X18は、AまたはRであり、
X20は、RまたはQであり、
X29は、GまたはTであり、
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端に最大12、11または10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、Gである。
一実施形態において、ペプチド延長は、上記において定義されている。一実施形態において、ペプチド延長は、PSSGAPPPS(配列番号4047)またはPKKIRYS(配列番号4040)のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261または262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号4064~4076および553のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むことも、それからなることもない。
一実施形態において、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、G198R、G198K、G198Y、およびP199の欠失からなる群から選択される置換または欠失を含む。
一実施形態において、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253、254、255、および256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。一実施形態において、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253または254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257、258、および259からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。一実施形態において、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。一実施形態において、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号258のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。一実施形態において、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号259のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号258のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号258のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号258のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号258のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号259のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号259のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号259のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号262のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号254のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号259のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
別の態様において、本発明は、GLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニストペプチドおよびヒトFGF21(線維芽細胞増殖因子21)の機能的に活性な変異体を含む、融合タンパク質であって、
GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253、254、255、および256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
GLP-1RアゴニストペプチドおよびヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、L-Fc、Fc-L、L1-Fc-L2、およびFcからなる群から選択される構造を含むリンカー分子を介して連結されており、L、L1、およびL2は、単一のアミノ酸およびペプチドからなる群から独立して選択され、Fcは、配列番号257、258、および259からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインである、
融合タンパク質に関する。
GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253、254、255、および256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
GLP-1RアゴニストペプチドおよびヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、L-Fc、Fc-L、L1-Fc-L2、およびFcからなる群から選択される構造を含むリンカー分子を介して連結されており、L、L1、およびL2は、単一のアミノ酸およびペプチドからなる群から独立して選択され、Fcは、配列番号257、258、および259からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインである、
融合タンパク質に関する。
さらなる別の態様において、本発明は、配列番号1~8、16~31、33~229、および566~4007からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる融合タンパク質、または配列番号1~8、16~31、33~229、および566~4007からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなるその機能的に活性な変異体に関する。
別の態様において、本発明は、配列番号1~8、18~31、39、40、42~72、74、76、78~84、88~90、92~97、100~102、105~109、112、113、115、116、118、120~124、126~130、132~136、139、142~148、150~153、155~158、161~172、174~177、180~188、190、192~209、211、212、216、217、および219~229からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる、融合タンパク質、または配列番号1~8、18~31、39、40、42~72、74、76、78~84、88~90、92~97、100~102、105~109、112、113、115、116、118、120~124、126~130、132~136、139、142~148、150~153、155~158、161~172、174~177、180~188、190、192~209、211、212、216、217、および219~229からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる、その機能的に活性な変異体に関する。
別の態様において、本発明は、配列番号2、7、および8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる、融合タンパク質、または配列番号2、7、および8からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる、その機能的に活性な変異体に関する。
一実施形態において、上記において定義される融合タンパク質(またはその機能的に活性な変異体)は、例えばヒトGLP-1Rを安定に発現する細胞のcAMP反応を測定することによって決定される、約15pmol/L~約400pmol/L、または約20pmol/L~約400pmol/L、または約50pmol/L~約400pmol/L、または約100pmol/L~約400pmol/LのEC50で、ヒトGLP-1Rを活性化する。一実施形態において、ヒトGLP-1Rの活性化は、本質的に実施例4において説明されるように決定される。
一実施形態において、上記において定義される融合タンパク質(またはその機能的に活性な変異体)は、(i)約250nmol/L以下、もしくは約200nmol/L以下、もしくは約150nmol/L以下、もしくは約100nmol/L以下、もしくは約75nmol/L以下、もしくは約50nmol/L以下のEC50で(例えば、約10nmol/L~約50nmol/L、もしくは約15nmol/L~約50nmol/L、もしくは約15nmol/L~約45nmol/LのEC50で)、ヒトFGF受容体1c(FGFR1c)の自己リン酸化を誘導する、かつ/または(ii)約100nmol/L以下、もしくは約75nmol/L以下、もしくは約50nmol/L以下、もしくは約25nmol/L以下、もしくは約20nmol/L以下、もしくは約15nmol/L以下のEC50で(例えば、約2.5nmol/L~約15nmol/Lもしくは約4nmol/L~約12nmol/LのEC50で)、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)ERK1/2のリン酸化を誘導する。一実施形態において、ヒトFGFR1cの自己リン酸化および/またはMAPK ERK1/2のリン酸化は、例えば、本質的に実施例3において説明されるように、In-Cell Western(ICW)を使用することによって決定される。
一実施形態において、上記において定義される融合タンパク質(またはその機能的に活性な変異体)は、少なくとも約45℃または少なくとも約50℃または少なくとも約55℃または少なくとも約60℃の融解温度および/または凝集温度を有する。一実施形態において、融解温度および/または凝集温度は、本質的に実施例5において説明されるように決定される。
一実施形態において、上記において定義される融合タンパク質(またはその機能的に活性な変異体)は、非ヒト霊長類において、少なくとも約15時間または少なくとも約20時間の終末血漿半減期を有する。一実施形態において、上記において定義される融合タンパク質(またはその機能的に活性な変異体)は、マウスにおいて、少なくとも約8時間または少なくとも約10時間または少なくとも約12時間の終末血漿半減期を有する。一実施形態において、終末半減期は、非ヒト霊長類、例えば、カニクイザル、またはマウス、例えば、C57BI/6マウスへの、溶液における約0.3mg/kgの融合タンパク質の単回皮下投与の後に決定される。一実施形態において、終末半減期は、本質的に実施例6において説明される方法によって決定される。
別の態様において、本発明は、上記において定義される融合タンパク質をコードする核酸分子に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義される核酸分子を含有する宿主細胞に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義される融合タンパク質を産生する方法であって、上記において定義される宿主細胞を培養し、融合タンパク質を単離することを含む、方法に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、または上記において定義される宿主細胞を含む、医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞、または上記において定義される医薬組成物を含む、キットに関する。
別の態様において、本発明は、医薬としての使用のための、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞、または上記において定義される医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害の治療での使用のための、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞、または上記において定義される医薬組成物に関する。
一実施形態において、疾患または障害は、糖尿病である。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である。
別の態様において、本発明は、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害の治療のための医薬の製造における、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞、または上記において定義される医薬組成物に関する。
一実施形態において、疾患または障害は、糖尿病である。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である。
別の態様において、本発明は、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害を治療する方法であって、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞、または上記において定義される医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
一実施形態において、疾患または障害は、糖尿病である。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である。
別の態様において、本発明は、2型糖尿病を有する肥満の異常脂血症の患者に対して、太り過ぎにおける血糖コントロールを改善するための、上記において定義される融合タンパク質、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞、または上記において定義される医薬組成物に関する。
本発明を以下において詳細に説明するが、本明細書において説明される特定の方法、プロトコール、および試薬は変わることがあるため、本発明はそれらに限定されるものではないことは理解されるべきである。本明細書において使用する専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないということも理解されるべきである。特に明記されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
以下において、本発明のある特定の要素について説明する。これらの要素は、特定の実施形態により列挙されるが、それらは、追加の実施形態を創出するためにあらゆる様式およびあらゆる数において組み合わせることができるということは理解されるべきである。様々に説明される実施例および例示的な実施形態は、明確に説明された実施形態のみに本発明を限定すると解釈すべきではない。この説明は、明確に説明される実施形態をいくつもの開示されたおよび/または例示的な要素と組み合わせる実施形態も、支持および包含すると理解されるべきである。さらに、本出願における全ての説明された要素のあらゆる順序および組合せは、文脈において明記されない限り、本出願の説明によって開示されるものと解釈すべきである。
本明細書において使用される用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)」,H.G.W.Leuenberger,B.Nagel,and H.Kolbl編,Helvetica Chimica Acta,CH-4010 Basel,Switzerland,(1995)に記載される通りに定義される。
本発明の実施は、そうでないと明記されない限り、当技術分野における文献において説明される、化学、生化学、細胞生理学、免疫学、遺伝子組換えDNA技術における従来の方法を用いるであろう(Sambrook,J.ら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY)。
以下の本明細書および特許請求の範囲全体を通して、文脈上必要とされない限り、言葉「含む(comprise)」およびその変形、例えば、「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などは、言明されたメンバー、整数、または工程の包含だけでなく、任意の他のメンバー、整数、もしくは工程、または、メンバー、整数、または工程の群の包含を含意するが、いくつかの実施形態では、そのような他のメンバー、整数、または工程、または、メンバー、整数、もしくは工程の群が除外される場合もある、すなわち、主題が、言明されたメンバー、整数、もしくは工程、またはメンバー、整数、または工程の群の包含からなることも理解されるべきである。本発明を説明する文脈において使用される用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」ならびに同様の指示語は(特に特許請求の範囲の文脈において)、本明細書において別段の指示がないか、または文脈において明確に否定されない限り、単数および複数の両方を網羅すると解釈されるできである。本明細書における値の範囲の列挙は、単にその範囲内に属する別々の各値を個別に言及するための簡単な方法として機能する。本明細書において別段の指示がない限り、個々の各値は、それらが本明細書において個別に列挙されるかのように、本明細書に組み入れられる。本明細書において説明される全ての方法は、そうでないことが本明細書において示されていない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序において実行することができる。本明細書において提供されるありとあらゆる実施例または例示言語(例えば、「例えば、~など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく解説することを意図するものであり、そうでないことが主張されない限り、発明の範囲に制限を課すものではない。明細書におけるいかなる言語も、非請求要素を発明の実施に不可欠なものと指摘していると解釈すべきではない。
いくつかの文献が、本明細書の本文全体を通して引用されている。本明細書において引用された各文献(全ての特許、特許出願、科学的刊行物、製造業者の仕様書、取扱説明書などを含む)は、上記および下記に関わらず、それらを参照することによりその全体を本明細書に組み入れる。本明細書のいかなる記載も、先行発明によるそのような開示に先行する権利がないことの承認として、解釈されるべきではない。
用語「融合タンパク質」は、一般的に、2つ以上の異なるタンパク質(例えば、タンパク質および/またはペプチド)を連結、特に共有結合させ、結果として元のそれぞれのタンパク質に由来する機能特性を有する単一の分子を生じさせることよって作り出されたタンパク質を指す。一般に、本発明の融合タンパク質は、GLP-1Rアゴニスト活性およびFGF21活性を示す。融合タンパク質は、遺伝子融合によって(例えば、遺伝子組換えDNA技術によって)、または化学的および/もしくは酵素的コンジュゲーションによって生じさせることができる。本発明による融合タンパク質において、融合タンパク質の成分は、(N末端からC末端まで)A-B-CまたはC-B-Aの順序で整列することができ、AはGLP-1Rアゴニストペプチドであり、Bはリンカー分子であり、CはヒトFGF21の機能的に活性な変異体である。
用語「GLP-1Rアゴニストペプチド」は、本明細書において使用される場合、GLP-1受容体、例えば、GLP-1(一次GLP-1Rアゴニストとして)に結合するおよびそれを活性化するペプチドを指す。GLP-1Rアゴニストペプチドはまた、本明細書において、単純に「GLP-1Rアゴニスト」とも称され得る。
用語「ペプチド」は、概して、ペプチド結合によって共有結合的に連結された、例えば、約2以上、または約3以上、または約4以上、または約6以上、または約8以上、または約9以上、または約10以上、または約13以上、または約16以上、または約21以上のアミノ酸を含む、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指す。ペプチドは、例えば、最大約100個のアミノ酸からなる。用語「ポリペプチド」は、大きなペプチドを指す。一実施形態において、用語「ポリペプチド」は、約100個を上回るアミノ酸残基を有するペプチドを指す。用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書において、互換的に使用される。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)の変異体である。用語「天然GLP-1(7-36)」は、本明細書において使用される場合、場合により、そのC末端にアミド基を含む配列番号260のアミノ酸配列を有するペプチドを指す。
一般に、天然GLP-1(7-36)の変異体は、天然GLP-1(7-36)のアミノ酸配列における/それに対する、少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失、付加、および/または置換に基づいてもよい。
一実施形態において、変異体は、天然GLP-1(7-36)(配列番号260)のアミノ酸配列において最大約15個、約14個、約13個、約12個、約11個、約10個、約9個、約8個、約7個、約6個、または約5個のアミノ酸残基の置換を含む。
用語「アミノ酸」または「アミノ酸残基」は、本明細書において使用される場合、天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、および天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸模倣物、その構造がそのような立体異性体形態を許容する場合にはそのDおよび/またはL立体異性体におけるものを指す。アミノ酸は、本明細書において、それらの名前もしくは当業界で公知のそれらの3文字記号のどちらかにおいて、またはIUPAC-IUB生化学命名法委員会(IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commission)によって推奨される1文字記号によって呼ばれる。
アミノ酸に関連して使用される場合、用語「天然に存在する」は、慣習的な20のアミノ酸(すなわち、アラニン(AlaまたはA)、システイン(CysまたはC)、アスパラギン酸(AspまたはD)、グルタミン酸(GluまたはE)、フェニルアラニン(PheまたはF)、グリシン(GlyまたはG)、ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、リジン(LysまたはK)、ロイシン(LeuまたはL)、メチオニン(MetまたはM)、アスパラギン(AsnまたはN)、プロリン(ProまたはP)、グルタミン(GlnまたはQ)、アルギニン(ArgまたはR)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、バリン(ValまたはV)、トリプトファン(TrpまたはW)、およびチロシン(TyrまたはY))、ならびにセレノシステイン、ピロリシン(PYL)、およびピロリン-カルボキシリシン(PCL)を意味する。
用語「非天然アミノ酸」は、本明細書において使用される場合、自然にはコードされないかまたはどの有機体の遺伝子コードにも見出されないアミノ酸を意味することを指す。それは、例えば、純粋に合成された化合物である場合がある。非天然アミノ酸の例としては、これらに限定されるわけではないが、ヒドロキシプロリン、ガンマ-カルボキシグルタメート、O-ホスホセリン、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、第三級ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-メチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、アロ-ヒドロキシリシン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフトアラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、D-オルニチン、D-アルギニン、p-アミノフェニルアラニン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸、およびチオプロリンが挙げられる。
用語「アミノ酸類似体」は、本明細書において使用される場合、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を有する化合物を指す。アミノ酸類似体は、例えば、それらのC末端カルボキシ基、それらのN末端アミノ基、および/またはそれらの側鎖官能基のうちの1つもしくは任意の組合せにおいて、可逆的もしくは非可逆的に化学的に遮断されるか、または化学的に修飾された、天然および非天然アミノ酸を含む。そのような類似体としては、これらに限定されるわけではないが、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S-(カルボキシメチル)-システイン、S-(カルボキシメチル)-システインスルホキシド、S-(カルボキシメチル)-システインスルホン、アスパラギン酸-(ベータメチルエステル)、N-エチルグリシン、アラニンカルボキサミド、ホモセリン、ノルロイシン、およびメチオニンメチルスルホニウムが挙げられる。
用語「アミノ酸模倣物」は、本明細書において使用される場合、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する化学化合物を指す。
いくつかの実施形態において、変異体は、そのN末端に、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基を含む。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、プロリンを除く天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、およびアミノ酸模倣物から選択される。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、G、A、N、およびCからなる群から選択される。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、Gである。
いくつかの実施形態において、変異体は、そのC末端にペプチド延長を含む。ペプチド延長は、例えば、最大約12個、約11個、約10個、または約9個のアミノ酸残基(例えば、約7個、約8個、もしくは約9個のアミノ酸残基)からなり得る。一実施形態において、ペプチド延長は、配列番号4008~4063からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。一実施形態において、ペプチド延長は、単一のアミノ酸残基、例えば、Pである。
一実施形態において、本発明の融合タンパク質のGLP-1Rアゴニストペプチド成分は、本明細書において定義される天然GLP-1(7-36)のものに比べて、減少したGLP-1Rアゴニスト活性を示す。「融合タンパク質の一部としてのGLP-1Rアゴニストペプチド」という表現は、GLP-1Rアゴニストペプチドが融合タンパク質の成分であり、必ずしもその単離された形態ではない場合(すなわち、融合タンパク質の成分ではない場合)に、減少したGLP-1Rアゴニスト活性が示されることを意味する。
一実施形態において、用語「GLP-1Rアゴニスト活性」(または「GLP-1Rアゴニスト効力」)は、本明細書において使用される場合、GLP-1受容体の活性化を指す。一実施形態において、この用語は、インビトロにおけるアゴニスト活性/効力を指す。別の実施形態において、この用語は、インビボにおけるアゴニスト活性/効力を指す。一実施形態において、GLP-1受容体の活性は、インビトロにおけるアゴニストと接触したときのGLP-1受容体を安定的に発現する細胞のcAMP反応を測定することによって決定される。一実施形態において、細胞は、HEK-293細胞株に由来する。一実施形態において、GLP-1受容体は、ヒトGLP-1受容体である。一実施形態において、GLP-1受容体の活性は、本質的に実施例4において説明されるように決定される。一実施形態において、活性/効力は、EC50値を決定することによって定量される。
用語「線維芽細胞増殖因子21」または「FGF21」は、本明細書において使用される場合、当技術分野において公知の任意のFGF21タンパク質を指し、特に、ヒトFGF21を指す。一実施形態において、ヒトFGF21は、配列番号250(全長ヒト野生型FGF21)のアミノ酸配列を有する。成熟ヒト野生型FGF21、すなわち、配列番号250のアミノ酸1~28(M1~A28)(すなわち、シグナル配列/ペプチド)を欠くヒト野生型FGF21は、配列番号251によって表される。追加のN末端Glyを有する成熟ヒト野生型FGF21は、配列番号252によって表され、本明細書においてG-FGF21と称される。
一実施形態において、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号250または配列番号251のアミノ酸配列と少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%同一であるアミノ酸配列を含み、
(i)置換Q55CおよびP147Cまたは置換Q55CおよびN149C、ならびに
(ii)G198および/またはP199の置換または欠失を含み、
アミノ酸残基の番号付けは、配列番号250に従う。
(i)置換Q55CおよびP147Cまたは置換Q55CおよびN149C、ならびに
(ii)G198および/またはP199の置換または欠失を含み、
アミノ酸残基の番号付けは、配列番号250に従う。
配列番号250におけるQ55Cは、配列番号251におけるQ27Cに対応し、配列番号250におけるP147Cは、配列番号251におけるP119Cに対応し、配列番号250におけるN149Cは、配列番号251におけるN121Cに対応し、配列番号250におけるG198は、配列番号251におけるG170に対応し、配列番号250におけるP199は、配列番号251におけるP171に対応する。
2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」は、配列間において同一であるアミノ酸の割合を示す。比較のための配列の最適化アラインメントは、手作業以外に、SmithおよびWaterman、1981、Ads App.Math.2、482の局所的相同性アルゴリズムによって、NeddlemanおよびWunsch、1970、J.Mol.Biol.48、443の局所的相同性アルゴリズムによって、PearsonおよびLipman、1988、Proc.Natl Acad.Sci.USA 85、2444の類似検索方法によって、またはこれらのアルゴリズムを使用するコンピュータプログラム(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Drive,Madison,Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、BLAST P、BLAST N、およびTFASTA)によって、生成され得る。
FGF21(例えば、ヒトFGF21)に関連して使用される場合、用語「機能的に活性な変異体」は、FGF21活性を有するタンパク質を指す。
一実施形態において、用語「FGF21活性」(または「FGF21効力」)は、本明細書において使用される場合、FGF21受容体(FGFR、例えば、FGFR1c)の活性を指す。一実施形態において、FGF21受容体は、ヒトFGF21受容体である。一実施形態において、この用語は、インビトロにおける活性/効力を指す。別の実施形態において、この用語は、インビボにおける活性/効力を指す。一実施形態において、FGF21受容体の活性化は、インビトロにおけるFGF21化合物と接触したときのFGF21受容体自己リン酸化および/またはMAPK ERK1/2のリン酸化を測定することによって決定される。一実施形態において、ヒトFGFR1cの自己リン酸化および/またはMAPK ERK1/2のリン酸化は、例えば、本質的に実施例3において説明されるように、In-Cell Western(ICW)を使用することによって決定される。一実施形態において、活性および/または効力は、EC50値を決定することによって定量される。
用語「In-Cell Western(ICW)アッセイ」は、本明細書において使用される場合、免疫細胞化学的アッセイ、より詳しくは、通常はマイクロプレート(例えば、96ウェル形式または384ウェル形式)において実施される、定量的免疫蛍光アッセイを指す。それは、ウェスタンブロットの特異性を、ELISAの再現性および処理能力と組み合わせるものである(例えば、Aguilar H.N.ら(2010)PLoS ONE 5(4):e9965を参照されたい)。適切なICWアッセイシステムは市販されている(例えば、LI-COR Biosciences、米国)。一実施形態において、抗pFGFRおよび/または抗pERKは、ICWアッセイにおいて使用される。
一実施形態において、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、野生型ヒトFGF21(例えば、配列番号250または251または252)のFGF21活性と同じかまたは実質的に同じFGF21活性を示し、FGF21活性は、ヒトFGF21の単離された機能的に活性な変異体の、すなわち、それが本発明の融合タンパク質に含まれていない場合または任意の他の手段で改変されない場合の、FGF21活性を指す。
FGF21(例えば、ヒトFGF21)に関連して使用される場合、用語「実質的に同じ」は、FGF21(例えば、野生型ヒトFGF21(例えば、配列番号250または251または252))のFGF21活性の50~150%、または60~140%、または65~135%の範囲内にあるFGF21活性を指す。
場合により、ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、ヒトFGF21における天然に存在する変異である置換G141Sおよび/またはP174Lをさらに含み、アミノ酸残基の番号付けは、配列番号250に従う。配列番号250におけるG141Sは、配列番号251におけるG113Sに対応し、配列番号250におけるP174Lは、配列番号251におけるP146Lに対応する。
本発明における使用にさらに好適なFGF21変異体は、例えば、PCT/EP2016/079551号に記載されており、これは、参照により本明細書に組み入れられる。
一実施形態において、GLP-1RアゴニストペプチドおよびヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、L-Fc、Fc-L、L1-Fc-L2、およびFcからなる群から選択される構造を含むリンカー分子を介して連結されており、L、L1、およびL2は、単一のアミノ酸およびペプチドからなる群から独立して選択され、Fcは、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインである。
一実施形態において、Fcドメイン(Fc領域とも称される)は、免疫グロブリンIgG1またはIgG4のFcドメインである。一実施形態において、Fcドメインの変異体は、Fcドメインの野生型配列に比べて、最大約6個、約5個、または約4個の変異を含む。一実施形態において、変異は、アミノ酸置換、アミノ酸付加、およびアミノ酸欠失、例えば、NまたはC末端欠失からなる群から選択される。一実施形態において、Fcドメインまたはその変異体は、IgG1 Fc領域、例えば、ヒトIgG1 Fc領域の野生型配列との約50%より高い、約60%より高い、約70%より高い、約80%より高い、約90%より高い、約93%より高い、約95%より高い、約96%より高い、約97%より高い、約98%より高い、もしくは約99%より高い配列同一性を有し得るか、または約100%の配列同一性を有し得る。一実施形態において、Fcドメインまたはその変異体は、IgG4 Fc領域、例えば、ヒトIgG4 Fc領域の野生型配列との約50%より高い、約60%より高い、約70%より高い、約80%より高い、約90%より高い、約93%より高い、約95%より高い、約96%より高い、約97%より高い、約98%より高い、もしくは約99%より高い配列同一性を有し得るか、または約100%の配列同一性を有し得る。一実施形態において、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257、258、および259からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、リンカー分子におけるペプチド(本明細書において「ペプチドリンカー」とも称される)は、約2~約100個のアミノ酸残基、または約2~約90個のアミノ酸残基、または約2~約80個のアミノ酸残基、または約2~約70個のアミノ酸残基、または約2~約60個のアミノ酸残基、または約2~約50個のアミノ酸残基、または約2~約40個のアミノ酸残基、または約2~約30個のアミノ酸残基、または約2~約25個のアミノ酸残基、または約2~約20個のアミノ酸残基の長さを有する。一実施形態において、ペプチドリンカーは、少なくとも約5個のアミノ酸残基を含む。一般的に、ペプチドリンカーは、柔軟性およびプロテアーゼ抵抗性を提供するように設計される。一実施形態において、ペプチドリンカーは、グリシン-セリンリッチリンカーであり、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約85%のアミノ酸は、それぞれ、グリシンまたはセリン残基である。別の実施形態において、アミノ酸は、グリシンおよびセリンから選択され、すなわち、ペプチドリンカーは、グリシンおよびセリンから排他的に構成される(グリシン-セリンリンカーとして呼ばれる)。一実施形態において、ペプチドリンカーは、そのC末端にアラニン残基をさらに含む。ペプチドリンカーは、1つまたはそれ以上の特異的プロテアーゼ切断部位をさらに含み得る。一実施形態において、ペプチドリンカーは、配列番号231~245からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。L1およびL2は、同じであっても異なってもよい。一実施形態において、L1およびL2は、異なる。一実施形態において、L1は、配列番号232のアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなり、L2は、配列番号231のアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなるか、または逆も同様である。
本発明の融合タンパク質に関連して使用される場合、用語「機能的に活性な変異体」は、本明細書において定義される範囲内のGLP-1Rアゴニスト活性およびFGF21活性を有する融合タンパク質を指す。
一実施形態において、機能的に活性な変異体は、それが由来する融合タンパク質のアミノ酸配列と少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態において、機能的に活性な変異体のアミノ酸配列におけるそれが由来する融合タンパク質のアミノ酸配列からの偏差は、そのGLP-1Rアゴニスト活性および/またはFGF21活性に関与しない融合タンパク質の領域において生じる変異(例えば、1つまたはそれ以上のアミノ酸の置換、欠失、および/または付加)に排他的に基づく。一実施形態において、変異は、融合タンパク質に含まれるGLP-1Rアゴニストペプチドおよび/またはヒトFGF21の機能的に活性な変異体のアミノ酸配列外で排他的に生じる。一実施形態において、機能的に活性な変異体のアミノ酸配列におけるそれが由来する融合タンパク質のアミノ酸配列からの偏差は、保存的アミノ酸置換に排他的に基づく。
保存的アミノ酸置換は、あるアミノ酸を、同じアミノ酸ファミリーの別のもの、すなわち、それらの側鎖において関連するアミノ酸(例えば、電荷および/またはサイズに関して)と互いに置換することを含む。天然に存在するアミノ酸は、概して、4つのファミリーに分割される:酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、および非荷電極性アミノ酸(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、まとめて、芳香族アミノ酸として分類されることもある。
「核酸分子」は、本発明において、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)である。本発明による核酸分子は、一本鎖または二本鎖の分子の形態であり得る。本発明による核酸分子は、直鎖状であってもよく、または共有結合により閉じて環を形成してもよい。
用語「DNA」は、デオキシリボヌクレオチド残基を含む分子、場合により、完全にまたは実質的にデオキシリボヌクレオチド残基で構成される分子を指す。「デオキシリボヌクレオチド」は、ベータ-D-リボフラノシル基の2’位においてヒドロキシル基を欠くヌクレオチドに関する。用語「DNA」は、単離DNA、例えば、部分的または完全に精製されたDNA、本質的に純粋なDNA、合成DNA、および遺伝子組換えにより生じたDNAを含む。用語「DNA」はまた、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、および/または改変によって天然に存在するDNAとは異なる修飾DNAも含む。そのような改変は、DNAの末端または内部などへの、例えば、DNAの1つまたはそれ以上のヌクレオチドへの、非ヌクレオチド材料の付加を含み得る。DNA分子におけるヌクレオチドは、非標準的ヌクレオチド、例えば、天然に存在しないヌクレオチドまたは化学的に合成されたヌクレオチドなども含むことができる。改変DNA分子は、類似体または天然に存在するDNAの類似体と呼ぶことができる。
用語「RNA」は、リボヌクレオチド残基を含む分子、場合により、完全にまたは実質的に、リボヌクレオチド残基で構成された分子を指す。「リボヌクレオチド」は、ベータ-D-リボフラノシル基の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドに関する。用語「RNA」は、単離RNA、例えば、部分的または完全に精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、および遺伝子組換えにより生じたRNAを含む。用語「RNA」はまた、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、および/または改変によって天然に存在するRNAとは異なる修飾RNAも含む。そのような改変は、RNAの末端または内部などへの、例えば、RNAの1つまたはそれ以上のヌクレオチドへの、非ヌクレオチド材料の付加を含み得る。RNA分子におけるヌクレオチドは、非標準的ヌクレオチド、例えば、天然に存在しないヌクレオチドもしくは化学的に合成されたヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドなども含むことができる。改変RNA分子は、類似体または天然に存在するRNAの類似体と呼ぶことができる。本発明によれば、「RNA」は、一本鎖RNAまたは二本鎖RNAを指す。一実施形態において、RNAは、mRNA、例えば、インビトロにおいて転写されたRNA(IVT RNA)または合成RNAである。RNAは、例えば、RNAの安定性(例えば、半減期)を増加させる1つまたはそれ以上の修飾によって、修飾することができる。そのような変更は、当業者に公知であり、そのようなものとして、例えば、5’-キャップまたは5’キャップ類似体が挙げられる。
用語「天然に存在する」は、ヌクレオチドと組み合わせて使用される場合、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、およびウラシル(U)の塩基を指す。
本発明による核酸分子は、ベクターに含有させる/含ませることができる。用語「ベクター」は、本明細書において使用される場合、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター(例えば、ラムダファージベクター)、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルスもしくはバキュロウイルスベクター)、または人工染色体ベクター(例えば、バクテリア人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、もしくはP1人工染色体(PAC))を含む、当業者に公知の全てのベクターを含む。前記ベクターは、発現ベクターおよびクローニングベクターを含む。発現ベクターは、プラスミドおよびウイルスベクターを含み、一般的に、特定の宿主生物(例えば、細菌、酵母、植物、昆虫、もしくは哺乳動物)における、またはインビトロ発現系における、所望されるコード配列と、作動可能に連結されたコード配列の発現のために必要な適切なDNA配列とを含有する。クローニングベクターは、一般的に、ある特定の所望のDNA断片を設計および増幅するために使用され、所望のDNA断片の発現に必要な機能的配列を欠き得る。
あるいは、本発明による核酸分子は、ゲノム、例えば、宿主細胞のゲノム、に統合させてもよい。特定の核酸分子をゲノムに統合するための手段および方法は、当業者に周知である。
ある特定の例示的な実施形態において、用語「細胞」または「宿主細胞」は、インタクトな細胞、すなわち、その正常な細胞内成分、例えば、酵素、細胞小器官、または遺伝物質などを放出していない、インタクトな膜を有する細胞に関する。ある特定の例示的な実施形態において、インタクトな細胞は、生存細胞、すなわち、その正常な代謝機能を行うことができる生きた細胞である。ある特定の例示的な実施形態において、細胞または宿主細胞は、外因性の核酸をトランスフェクトまたは形質転換することができる任意の細胞である。ある特定の例示的な実施形態において、外因性の核酸をトランスフェクトまたは形質導入させ、レシピエントに移した細胞は、レシピエントにおいてその核酸を発現することができる。
用語「細胞」は、原核生物細胞、例えば、細菌細胞など、および真核生物細胞、例えば、酵母細胞、真菌細胞、または哺乳動物細胞などを含む。好適な細菌細胞としては、グラム陰性細菌株、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス(Proteus)、およびシュードモナス(Pseudomonas)の細菌株など、ならびにグラム陽性細菌株、例えば、バチルス属(Bacillus)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、およびラクトコッカス属(Lactococcus)などに由来する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好適な真菌細胞としては、トリコデルマ属(Trichoderma)、ニューロスポーラ属(Neurospor)、およびアスペルギルス属(Aspergillus)の種に由来する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好適な酵母細胞としては、サッカロマイセス属(Saccharomyces)の種(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)の種(例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、ピキア属(Pichia)の種(例えば、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)およびピチア・メタノリカ(Pichia methanolica))、およびハンゼヌラ属(Hansenula)の種に由来する細胞が挙げられる。好適な哺乳動物細胞としては、例えば、CHO細胞、BHK細胞、HeLa細胞、COS細胞、HEK-293などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、HEK-293細胞が使用される。しかしながら、両生類細胞、昆虫細胞、植物細胞、および異種タンパク質の発現のために当技術分野において使用される任意の他の細胞も、使用することができる。ある特定の例示的な実施形態において、哺乳動物細胞(例えば、ヒト、マウス、ハムスター、ブタ、ヤギ、または霊長類に由来する細胞)は、養子移入に使用される。これらの細胞は、多くの組織型から誘導することができ、初代細胞および細胞株、例えば、免疫系の細胞(例えば、抗原提示細胞、例えば、樹枝状細胞およびT細胞など、幹細胞、例えば、造血幹細胞および間充織幹細胞など)、ならびに他の細胞型を含む。
抗原提示細胞は、本明細書において使用される場合、その表面上の主要組織適合遺伝子複合体との関連において抗原を提示する細胞である。T細胞は、それらのT細胞受容体(TCR)を使用して、この複合体を認識することができる。「細胞」または「宿主細胞」は、単離してもよく、または組織または有機体、特に「非人体」、の一部であってもよい。
用語「非ヒト生物」は、本明細書において使用される場合、非ヒト霊長類または他の動物、例えば、哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、およびげっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット、もしくはハムスター)を含むことを意味する。
本明細書による医薬組成物は、1種もしくはそれ以上の担体および/または賦形剤を含み、それら全ては、薬学的に許容されるものである。用語「薬学的に許容される」は、本明細書において使用される場合、ある特定の例示的な実施形態では、該医薬組成物の活性剤の作用と相互作用しない材料の非毒性を意味する。
用語「担体」は、本明細書において使用される場合、適用を促進、増強、または可能にするために有効成分と組み合わされる、天然または合成の有機または無機成分を指す。本発明によれば、用語「担体」は、対象への投与にとって好適な、1種またはそれ以上の適合性の固体または液体の充填剤、希釈剤、または封入物質も含む。
非経口投与に好適な担体物質としては、滅菌水、リンゲル液、乳酸リンゲル液、生理食塩水、静菌性生理食塩水(例えば、0.9%ベンジルアルコールを含有する生理食塩水)、リン酸緩衝食塩水(PBS)、ハンクス液、ポリアルキレングリコール、水素化ナフタレン、および、特に、生体適合性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン/ポリオキシ-プロピレンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「賦形剤」は、本明細書において使用される場合、有効成分ではないが医薬組成物中に存在していてもよい全ての物質、例えば、塩、結合剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール)、充填剤、潤滑剤、増粘剤、表面活性剤、防腐剤、乳化剤、緩衝剤物質、香味剤、または着色剤などを含むことが意図される。
薬学的に許容される塩を製造するために、薬学的に許容されない塩を使用してもよく、それらは本発明に含まれる。この種類の薬学的に許容される塩は、非限定的に以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸などから製造されるものを含む。薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩などとして製造することもできる。塩は、医薬組成物のイオン強度または張度を調節するために加えることができる。
医薬組成物での使用のための好適な防腐剤としては、酸化防止剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、システイン、メチオニン、パラベン、チメロサール、フェノール、クレゾールおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
医薬組成物での使用のための好適な緩衝物質としては、これらに限定されるわけではないが、塩での酢酸、塩でのクエン酸、塩でのホウ酸、塩でのリン酸、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス、THAM、トロメタモール)が挙げられる。
ある特定の例示的な実施形態において、本発明による医薬組成物は、滅菌である。医薬組成物は、一様な剤形において提供することができ、当業者に公知の様式において製造することができる。医薬組成物は、例えば、溶液剤または懸濁剤の形態であってもよい。
医薬組成物は、適切な希釈剤によって再構成される、安定な凍結乾燥された製品として製剤化することもでき、場合により、上記において定義されるような1種またはそれ以上の賦形剤を含む。
本発明による医薬組成物は、少なくとも1種の他の医薬品有効成分をさらに含んでもよい。
用語「医薬品有効成分」(API)は、本明細書において使用される場合、いくつらかの薬理効果を提供し、例えば、本明細書において定義される疾患または障害などの状態を治療または予防するために使用される、任意の薬学的に活性な化学的または生物学的化合物ならびにそれらの任意の薬学的に許容される塩およびそれらの任意の混合物を含む。
例示的な薬学的に許容される塩としては、以下の酸:塩酸(例えば、塩化物塩)、硫酸(例えば、硫酸塩)、硝酸(例えば、硝酸塩)、リン酸(例えば、リン酸塩)、臭化水素酸(例えば、臭化水素塩)、マレイン酸(例えば、マレイン酸塩)、リンゴ酸(例えば、リンゴ酸塩)、アスコルビン酸、クエン酸、(例えば、クエン酸塩)、酒石酸(例えば、酒石酸塩)、パモ酸(例えば、パモ酸塩)、ラウリン酸(例えば、ラウリン酸塩)、ステアリン酸(例えば、ステアリン酸塩)、パルミチン酸(例えば、パルミチン酸塩)、オレイン酸、ミリスチン酸(例えば、ミリスチン酸塩)、ラウリル酸、ナフタレンスルホン酸、リノレン酸(例えば、リノレン酸)などのうちの1つまたはそれ以上から作製される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、用語「医薬品有効成分」、「活性剤」、「有効成分」、「活性物質」、「治療的に活性な化合物」、および「薬物」は、同義語であることが意図され、すなわち、同一の意味を有する。
本発明により、医薬品有効成分は、場合により、以下から選択される:
- Rote Liste 2014において言及される全ての薬物、例えば、Rote Liste 2014、chapter 12において言及される全ての抗糖尿病薬、Rote Liste 2014、chapter 06において言及される全ての体重減量剤または食欲抑制剤、Rote Liste 2014、chapter 58において言及される全ての脂質低下剤、Rote Liste 2014 chapter 17において言及される全ての抗高血圧症薬、Rote Listeにおいて言及される全ての腎臓保護薬(nephroprotective)、またはRote Liste 2014chapter 36において言及される全ての利尿薬など;
- インスリンおよびインスリン誘導体、例えば:インスリングラルギン(例えば、Lantus(登録商標))、100U/mL超に濃縮されたインスリングラルギン、例えば、270~330U/mLのインスリングラルギンまたは300U/mLのインスリングラルギン(EP2387989において開示される)、インスリングルリシン(例えば、Apidra(登録商標))、インスリンデテミル(例えば、Levemir(登録商標))、インスリンリスプロ(例えば、Humalog(登録商標)、Liprolog(登録商標))、インスリンデグルデク(例えば、DegludecPlus(登録商標)、IdegLira(NN9068))、インスリンアスパルトおよびアスパルト製剤(例えば、NovoLog(登録商標))、基礎インスリンおよび類似体(例えば、LY2605541、LY2963016、NN1436)、ペグ化インスリンリスプロ(例えば、LY-275585)、長時間作用型インスリン(例えば、NN1436、Insumera(PE0139)、AB-101、AB-102、Sensulin LLC)、中間時間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)N、Novolin(登録商標)N)、速効性および短時間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)R、Linjeta(登録商標)(VIAject(登録商標))、PH20インスリン、NN1218、HinsBet(登録商標))、予備混合インスリン、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリン+Symlin(登録商標)、PE-0139、ACP-002ヒドロゲルインスリン、および経口、吸入可能、経皮、および口腔、または舌下インスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza(登録商標)、インスリントレゴピル(tregopil)、TPM-02インスリン、Capsulin(登録商標)、Oral-lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)、経口インスリン、ORMD-0801、Oshadi経口インスリン、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab(登録商標))。二官能性リンカーによってアルブミンまたは他のタンパク質に結合したこれらのインスリンの誘導体も好適である;
- グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、GLP-1類似体、およびGLP-1受容体アゴニスト、例えば:GLP-1(7~37)、GLP-1(7~36)アミド、リキシセナチド(例えば、Lyxumia(登録商標))、エキセナチド(例えば、エキセンディン-4、rエキセンディン-4、Byetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、エキセナチドNexP)、エキセナチド-LAR、リラグルチド(例えば、Victoza(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド、デュラグルチド、アルブゴン、オキシントモジュリン、ゲニプロシド、ACP-003、CJC-1131、CJC-1134-PC、GSK-2374697、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド(HM-11260C)、CM-3、GLP-1Eligen、AB-201、ORMD-0901、NN9924、NN9926、NN9927、Nodexen、Viador-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、ZP-3022、CAM-2036、DA-3091、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTEN(VRS-859)、エキセナチド-XTEN+グルカゴン-XTEN(VRS-859+AMX-808)、およびポリマー結合GLP-1およびGLP-1類似体;
- 二重GLP-1/GIPアゴニスト(例えば、RG-7697(MAR-701)、MAR-709、BHM081、BHM089、BHM098);二重GLP-1/グルカゴン受容体アゴニスト(例えばBHM-034、OAP-189(PF-05212389、TKS-1225)、TT-401/402、ZP2929、LAPS-HMOXM25、MOD-6030);
- 二重GLP-1/ガストリンアゴニスト(例えば、ZP-3022);
- 胃腸ペプチド、例えば、ペプチドYY3-36(PYY3-36)またはその類似体および膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体;
- グルカゴン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニンおよびその類似体;
- ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-4)阻害剤、例えば:アログリプチン(例えば、Nesina(登録商標)、Kazano(登録商標))、リナグリプチン(例えば、Ondero(登録商標)、Trajenta(登録商標)、Tradjenta(登録商標)、Trayenta(登録商標))、サキサグリプチン(例えば、Onglyza(登録商標)、Komboglyze XR(登録商標))、シタグリプチン(例えば、Januvia(登録商標)、Xelevia(登録商標)、Tesavel(登録商標)、Janumet(登録商標)、Velmetia(登録商標)、Juvisync(登録商標)、Janumet XR(登録商標))、アナグリプチン、テネリグリプチン(例えば、Tenelia(登録商標))、トレラグリプチン、ビルダグリプチン(例えば、Galvus(登録商標)、Galvumet(登録商標))、ゲミグリプチン、オマリグリプチン、エボグリプチン、デュトグリプチン、DA-1229、MK-3102、KM-223、KRP-104、PBL-1427、ピノキサシンヒドロクロリド、およびAri-2243;
- ナトリウム依存性グルコーストランスポーター2(SGLT-2)阻害剤、例えば:カナグリフロジン、ダパグリフロジン、レモグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジン、セルグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、エルツグリフロジン、EGT-0001442、LIK-066、SBM-TFC-039、およびKGA-3235(DSP-3235);
- SGLT-2およびSGLT-1の二重阻害剤(例えば、LX-4211、LIK066)。
- 肥満防止薬、例えば、回腸型胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-1614235+GSK-2330672)と組み合わせたSGLT-1阻害剤(例えばLX-2761、KGA-3235)またはSGLT-1阻害剤;
- ビグアニド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン);
- チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、グリタゾン類似体(例えば、ロベグリタゾン);
- ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR-)(アルファ、ガンマ、またはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター(例えば、サログリタザル(例えば、Lipaglyn(登録商標))、GFT-505)、またはPPARガンマ部分アゴニスト(例えば、Int-131);
- スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリメピリド、Amaryl(登録商標)、グリピザイド)およびメグリチニド(例えば、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド);
- アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース);
- アミリンおよびアミリン類似体(例えば、プラムリンチド、Symlin(登録商標));
- Gタンパク質結合受容体119(GPR119)アゴニスト(例えば、GSK-1292263、PSN-821、MBX-2982、APD-597、ARRY-981、ZYG-19、DS-8500、HM-47000、YH-Chem1);
- GPR40アゴニスト(例えば、TUG-424、P-1736、P-11187、JTT-851、GW9508、CNX-011-67、AM-1638、AM-5262);
- GPR120アゴニストおよびGPR142アゴニスト;
- 全身性または低吸収性TGR5(GPBAR1=Gタンパク質結合胆汁酸受容体1)アゴニスト(例えば、INT-777、XL-475、SB756050);
- 糖尿病免疫療法、例えば:経口C-Cケモカインレセプタータイプ2(CCR-2)アンタゴニスト(例えば、CCX-140、JNJ-41443532)、インターロイキン1ベータ(IL-1β)アンタゴニスト(例えばAC-201)、または経口モノクローナル抗体(MoA)(例えば、メタゾラミド、VVP808、PAZ-320、P-1736、PF-05175157、PF-04937319);
- メタボリック症候群および糖尿病の治療のための抗炎症剤、例えば:核内因子カッパB阻害剤(例えば、Triolex(登録商標));
- アデノシンモンリン酸-活性化プロテインキナーゼ(AMPK)刺激剤、例えば:Imeglimin(PXL-008)、Debio-0930(MT-63-78)、R-118;
- 11-ベータ-ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11-ベータ-HSD-1)の阻害剤(例えば、LY2523199、BMS770767、RG-4929、BMS816336、AZD-8329、HSD-016、BI-135585);
- グルコキナーゼの活性剤(例えば、PF-04991532、TTP-399(GK1-399)、GKM-001(ADV-1002401)、ARRY-403(AMG-151)、TAK-329、TMG-123、ZYGK1);
- ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤(例えば、プラジガスタット(LCQ-908))、プロテインチロシンホスファターゼ1の阻害剤(例えば、トロズスクエミン)、グルコース-6-ホスファターゼの阻害剤、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼの阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼの阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼの阻害剤;
- グルコーストランスポーター-4のモジュレーター、ソマトスタチン受容体3アゴニスト(例えば、MK-4256);
- 1種またはそれ以上の脂質低下剤も組合せパートナーとして好適であり、例えば:
3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイム-A-レダクターゼ(HMG-CoA-レダクターゼ)阻害剤、例えば、シンバスタチン(例えば、Zocor(登録商標)、Inegy(登録商標)、Simcor(登録商標))、アトルバスタチン(例えば、Sortis(登録商標)、Caduet(登録商標))、ロスバスタチン(例えば、Crestor(登録商標))、プラバスタチン(例えば、Lipostat(登録商標)、Selipran(登録商標))、フルバスタチン(例えば、Lescol(登録商標))、ピタバスタチン(例えば、Livazo(登録商標)、Livalo(登録商標))、ロバスタチン(例えば、Mevacor(登録商標)、Advicor(登録商標))、メバスタチン(例えば、Compactin(登録商標))、リバスタチン、セリバスタチン(Lipobay(登録商標))、フィブレート、例えば、ベザフィブレート(例えば、Cedur(登録商標)retard)、シプロフィブレート(例えば、Hyperlipen(登録商標))、フェノフィブレート(例えば、Antara(登録商標)、Lipofen(登録商標)、Lipanthyl(登録商標))、ゲンフィブロジル(例えば、Lopid(登録商標)、Gevilon(登録商標))、エトフィブレート、シンフィブレート、ロニフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブリド、ニコチン酸およびその誘導体(例えば、ナイアシン、例えば、ナイアシンの徐放性製剤など)、ニコチン酸受容体1アゴニスト(例えば、GSK-256073)、PPAR-デルタアゴニスト、アセチル-CoA-アセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミベ)、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ、Ezetrol(登録商標)、Zetia(登録商標)、Liptruzet(登録商標)、Vytorin(登録商標)、S-556971)、胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン、コレセベラム)、回腸胆汁酸トランスポート(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-2330672、LUM-002)、ミクロソーマールトリグリセリド移転タンパク質(MTP)阻害剤(例えば、ロミタピド(AEGR-733)、SLx-4090、グラノタピド)、前駆タンパク質転換酵素ズブチリシン/ケキシンタイプ9(PCSK9)のモジュレーター(例えば、アリロクマブ(REGN727/SAR236553)、AMG-145、LGT-209、PF-04950615、MPSK3169A、LY3015014、ALD-306、ALN-PCS、BMS-962476、SPC5001、ISIS-394814、1B20、LGT-210、1D05、BMS-PCSK9Rx-2、SX-PCK9、RG7652)、LDL受容体アップレギュレーター、例えば、肝臓選択性甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニス(例えば、エプロチローム(KB-2115)、MB07811、ソベチロム(QRX-431)、VIA-3196、ZYT1)、HDL-上昇化合物(HDL-raising compound)、例えば:コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤(例えば、アナセトラピブ(MK0859)、ダルセトラピブ、エバセトラピブ、JTT-302、DRL-17822、TA-8995、R-1658、LY-2484595、DS-1442)、または二重CETP/PCSK9阻害剤(例えばK-312)、ATP結合カセット(ABC1)レギュレーター、脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995)、ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤(例えば、ダラプラディブ、Tyrisa(登録商標)、バレスプラジブ、リラプラジブ)、ApoA-Iエンハンサー(例えば、RVX-208、CER-001、MDCO-216、CSL-112)、コレステロール合成阻害剤(例えば、ETC-1002)、脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995)、およびオメガ-3脂肪酸およびその誘導体(例えば、イコサペント酸エチル(AMR101)、Epanova(登録商標)、AKR-063、NKPL-66、PRC-4016、CAT-2003);
- ブロモクリプチン(例えば、Cycloset(登録商標)、Parlodel(登録商標))、フェンテルミンおよびフェンテルミン処方物または組合せ(例えば、Adipex-P、Ionamin、Qsymia(登録商標))、ベンズフェタミン(例えば、Didrex(登録商標))、ジエチルプロピオン(例えば、Tenuate(登録商標))、フェンジメトラジン(例えば、Adipost(登録商標)、Bontril(登録商標))、ブプロピオンおよび組合せ(例えば、Zyban(登録商標)、Wellbutrin XL(登録商標)、Contrave(登録商標)、Empatic(登録商標))、シブトラミン(例えば、Reductil(登録商標)、Meridia(登録商標))、トピラマート(例えば、Topamax(登録商標))、ゾニサミド(例えば、Zonegran(登録商標))、テソフェンシン、オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン(例えば、Naltrexin(登録商標)、ナルトレキソン+ブプロピオン)、カンナビノイド受容体1(CB1)アンタゴニスト(例えば、TM-38837)、メラニン凝集ホルモン(MCH-1)アンタゴニスト(例えば、BMS-830216、ALB-127158(a))、MC4受容体アゴニストおよび部分的アゴニスト(例えば、AZD-2820、RM-493)、ニューロペプチドY5(NPY5)またはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリト、S-234462)、NPY4アゴニスト(例えば、PP-1420)、ベータ-3-アドレナリン受容体アゴニスト、レプチンまたはレプチン模倣物、5-ヒドロキシトリプタミン2c(5HT2c)受容体のアゴニスト(例えば、ロルカセリン、Belviq(登録商標))、プラムリンチド/メトレレプチン、リパーゼ阻害剤、例えば、セチリスタット(例えば、Cametor(登録商標))、オルリスタット(例えば、Xenical(登録商標)、Calobalin(登録商標))、血管新生阻害剤(例えば、ALS-L1023)、ベータヒスチジンおよびヒスタミンH3アンタゴニスト(例えば、HPP-404)、AgRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤(例えば、TTP-435)、セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、フルオキセチン(例えば、Fluctine(登録商標))、ジュロキセチン(例えば、Cymbalta(登録商標))、二重または三重モノアミン取り込み阻害剤(ドーパミン、ノルエピネフリン、およびセロトニン再取り込み)、例えば、セルトラリン(例えば、Zoloft(登録商標))、テソフェンシン、メチオニンアミノペプチダーゼ-2(MetAP2)阻害剤(例えば、ベロラニブ)、および線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)の産生に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、ISIS-FGFR4Rx)またはプロヒビチン標的指向性ペプチド-1(例えば、Adipotide(登録商標));
- 硝酸オキシド供与体、AT1アンタゴニストまたはアンジオテンシンII(AT2)受容体アンタゴニスト、例えば、テルミサルタン(例えば、Kinzal(登録商標)、Micardis(登録商標))、カンデサルタン(例えば、Atacand(登録商標)、Blopress(登録商標))、バルサルタ(例えば、Diovan(登録商標)、Co-Diovan(登録商標))、ロサルタン(例えば、Cosaar(登録商標))、エプロサルタン(例えば、Teveten(登録商標))、イルベサルタン(例えば、Aprovel(登録商標)、CoAprovel(登録商標))、オルメサルタン(例えば、Votum(登録商標)、Olmetec(登録商標))、タソサルタン、アジルサルタン(例えば、Edarbi(登録商標))、二重アンジオテンシン受容体遮断薬(二重ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE-2活性剤、レニン阻害剤、プロレニン阻害剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、エンドセリン受容体(ET1/ETA)遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、利尿薬、アルドステロンアンタゴニスト、アルドステロンシンターゼ阻害剤、アルファ遮断薬、アルファ-2アドレナリン受容体のアンタゴニスト、ベータ遮断薬、混合アルファ/ベータ遮断薬、カルシウムアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、カルシウムチャネル遮断薬ジルチアゼムの経鼻剤(例えば、CP-404)、二重ミネラルコルチコイド/CCB、中枢作用性抗高血圧症薬、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、アミノペプチダーゼA阻害剤、バソペプチド阻害剤、二重バソペプチド阻害剤、例えば、ネプリリシンACE阻害剤またはネプリリシン-ECE阻害剤、二重作用性AT受容体-ネプリリシン阻害剤、二重AT1/ETAアンタゴニスト、終末糖化産物(AGE)分解剤、遺伝子組換えレナラーゼ、血圧ワクチン、例えば、抗RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン-システム)ワクチン、AT1-またはAT2-ワクチンなど、高血圧症ファーマコゲノミクスに基づく薬物、例えば、抗高血圧応答を有する遺伝的多型のモジュレーター、栓球凝集抑制因子、および他のものまたはそれらの組合せが好適である。
- Rote Liste 2014において言及される全ての薬物、例えば、Rote Liste 2014、chapter 12において言及される全ての抗糖尿病薬、Rote Liste 2014、chapter 06において言及される全ての体重減量剤または食欲抑制剤、Rote Liste 2014、chapter 58において言及される全ての脂質低下剤、Rote Liste 2014 chapter 17において言及される全ての抗高血圧症薬、Rote Listeにおいて言及される全ての腎臓保護薬(nephroprotective)、またはRote Liste 2014chapter 36において言及される全ての利尿薬など;
- インスリンおよびインスリン誘導体、例えば:インスリングラルギン(例えば、Lantus(登録商標))、100U/mL超に濃縮されたインスリングラルギン、例えば、270~330U/mLのインスリングラルギンまたは300U/mLのインスリングラルギン(EP2387989において開示される)、インスリングルリシン(例えば、Apidra(登録商標))、インスリンデテミル(例えば、Levemir(登録商標))、インスリンリスプロ(例えば、Humalog(登録商標)、Liprolog(登録商標))、インスリンデグルデク(例えば、DegludecPlus(登録商標)、IdegLira(NN9068))、インスリンアスパルトおよびアスパルト製剤(例えば、NovoLog(登録商標))、基礎インスリンおよび類似体(例えば、LY2605541、LY2963016、NN1436)、ペグ化インスリンリスプロ(例えば、LY-275585)、長時間作用型インスリン(例えば、NN1436、Insumera(PE0139)、AB-101、AB-102、Sensulin LLC)、中間時間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)N、Novolin(登録商標)N)、速効性および短時間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)R、Linjeta(登録商標)(VIAject(登録商標))、PH20インスリン、NN1218、HinsBet(登録商標))、予備混合インスリン、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリン+Symlin(登録商標)、PE-0139、ACP-002ヒドロゲルインスリン、および経口、吸入可能、経皮、および口腔、または舌下インスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza(登録商標)、インスリントレゴピル(tregopil)、TPM-02インスリン、Capsulin(登録商標)、Oral-lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)、経口インスリン、ORMD-0801、Oshadi経口インスリン、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab(登録商標))。二官能性リンカーによってアルブミンまたは他のタンパク質に結合したこれらのインスリンの誘導体も好適である;
- グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、GLP-1類似体、およびGLP-1受容体アゴニスト、例えば:GLP-1(7~37)、GLP-1(7~36)アミド、リキシセナチド(例えば、Lyxumia(登録商標))、エキセナチド(例えば、エキセンディン-4、rエキセンディン-4、Byetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、エキセナチドNexP)、エキセナチド-LAR、リラグルチド(例えば、Victoza(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド、デュラグルチド、アルブゴン、オキシントモジュリン、ゲニプロシド、ACP-003、CJC-1131、CJC-1134-PC、GSK-2374697、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド(HM-11260C)、CM-3、GLP-1Eligen、AB-201、ORMD-0901、NN9924、NN9926、NN9927、Nodexen、Viador-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、ZP-3022、CAM-2036、DA-3091、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTEN(VRS-859)、エキセナチド-XTEN+グルカゴン-XTEN(VRS-859+AMX-808)、およびポリマー結合GLP-1およびGLP-1類似体;
- 二重GLP-1/GIPアゴニスト(例えば、RG-7697(MAR-701)、MAR-709、BHM081、BHM089、BHM098);二重GLP-1/グルカゴン受容体アゴニスト(例えばBHM-034、OAP-189(PF-05212389、TKS-1225)、TT-401/402、ZP2929、LAPS-HMOXM25、MOD-6030);
- 二重GLP-1/ガストリンアゴニスト(例えば、ZP-3022);
- 胃腸ペプチド、例えば、ペプチドYY3-36(PYY3-36)またはその類似体および膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体;
- グルカゴン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニンおよびその類似体;
- ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-4)阻害剤、例えば:アログリプチン(例えば、Nesina(登録商標)、Kazano(登録商標))、リナグリプチン(例えば、Ondero(登録商標)、Trajenta(登録商標)、Tradjenta(登録商標)、Trayenta(登録商標))、サキサグリプチン(例えば、Onglyza(登録商標)、Komboglyze XR(登録商標))、シタグリプチン(例えば、Januvia(登録商標)、Xelevia(登録商標)、Tesavel(登録商標)、Janumet(登録商標)、Velmetia(登録商標)、Juvisync(登録商標)、Janumet XR(登録商標))、アナグリプチン、テネリグリプチン(例えば、Tenelia(登録商標))、トレラグリプチン、ビルダグリプチン(例えば、Galvus(登録商標)、Galvumet(登録商標))、ゲミグリプチン、オマリグリプチン、エボグリプチン、デュトグリプチン、DA-1229、MK-3102、KM-223、KRP-104、PBL-1427、ピノキサシンヒドロクロリド、およびAri-2243;
- ナトリウム依存性グルコーストランスポーター2(SGLT-2)阻害剤、例えば:カナグリフロジン、ダパグリフロジン、レモグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジン、セルグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、エルツグリフロジン、EGT-0001442、LIK-066、SBM-TFC-039、およびKGA-3235(DSP-3235);
- SGLT-2およびSGLT-1の二重阻害剤(例えば、LX-4211、LIK066)。
- 肥満防止薬、例えば、回腸型胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-1614235+GSK-2330672)と組み合わせたSGLT-1阻害剤(例えばLX-2761、KGA-3235)またはSGLT-1阻害剤;
- ビグアニド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン);
- チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、グリタゾン類似体(例えば、ロベグリタゾン);
- ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR-)(アルファ、ガンマ、またはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター(例えば、サログリタザル(例えば、Lipaglyn(登録商標))、GFT-505)、またはPPARガンマ部分アゴニスト(例えば、Int-131);
- スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリメピリド、Amaryl(登録商標)、グリピザイド)およびメグリチニド(例えば、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド);
- アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース);
- アミリンおよびアミリン類似体(例えば、プラムリンチド、Symlin(登録商標));
- Gタンパク質結合受容体119(GPR119)アゴニスト(例えば、GSK-1292263、PSN-821、MBX-2982、APD-597、ARRY-981、ZYG-19、DS-8500、HM-47000、YH-Chem1);
- GPR40アゴニスト(例えば、TUG-424、P-1736、P-11187、JTT-851、GW9508、CNX-011-67、AM-1638、AM-5262);
- GPR120アゴニストおよびGPR142アゴニスト;
- 全身性または低吸収性TGR5(GPBAR1=Gタンパク質結合胆汁酸受容体1)アゴニスト(例えば、INT-777、XL-475、SB756050);
- 糖尿病免疫療法、例えば:経口C-Cケモカインレセプタータイプ2(CCR-2)アンタゴニスト(例えば、CCX-140、JNJ-41443532)、インターロイキン1ベータ(IL-1β)アンタゴニスト(例えばAC-201)、または経口モノクローナル抗体(MoA)(例えば、メタゾラミド、VVP808、PAZ-320、P-1736、PF-05175157、PF-04937319);
- メタボリック症候群および糖尿病の治療のための抗炎症剤、例えば:核内因子カッパB阻害剤(例えば、Triolex(登録商標));
- アデノシンモンリン酸-活性化プロテインキナーゼ(AMPK)刺激剤、例えば:Imeglimin(PXL-008)、Debio-0930(MT-63-78)、R-118;
- 11-ベータ-ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11-ベータ-HSD-1)の阻害剤(例えば、LY2523199、BMS770767、RG-4929、BMS816336、AZD-8329、HSD-016、BI-135585);
- グルコキナーゼの活性剤(例えば、PF-04991532、TTP-399(GK1-399)、GKM-001(ADV-1002401)、ARRY-403(AMG-151)、TAK-329、TMG-123、ZYGK1);
- ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤(例えば、プラジガスタット(LCQ-908))、プロテインチロシンホスファターゼ1の阻害剤(例えば、トロズスクエミン)、グルコース-6-ホスファターゼの阻害剤、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼの阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼの阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼの阻害剤;
- グルコーストランスポーター-4のモジュレーター、ソマトスタチン受容体3アゴニスト(例えば、MK-4256);
- 1種またはそれ以上の脂質低下剤も組合せパートナーとして好適であり、例えば:
3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイム-A-レダクターゼ(HMG-CoA-レダクターゼ)阻害剤、例えば、シンバスタチン(例えば、Zocor(登録商標)、Inegy(登録商標)、Simcor(登録商標))、アトルバスタチン(例えば、Sortis(登録商標)、Caduet(登録商標))、ロスバスタチン(例えば、Crestor(登録商標))、プラバスタチン(例えば、Lipostat(登録商標)、Selipran(登録商標))、フルバスタチン(例えば、Lescol(登録商標))、ピタバスタチン(例えば、Livazo(登録商標)、Livalo(登録商標))、ロバスタチン(例えば、Mevacor(登録商標)、Advicor(登録商標))、メバスタチン(例えば、Compactin(登録商標))、リバスタチン、セリバスタチン(Lipobay(登録商標))、フィブレート、例えば、ベザフィブレート(例えば、Cedur(登録商標)retard)、シプロフィブレート(例えば、Hyperlipen(登録商標))、フェノフィブレート(例えば、Antara(登録商標)、Lipofen(登録商標)、Lipanthyl(登録商標))、ゲンフィブロジル(例えば、Lopid(登録商標)、Gevilon(登録商標))、エトフィブレート、シンフィブレート、ロニフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブリド、ニコチン酸およびその誘導体(例えば、ナイアシン、例えば、ナイアシンの徐放性製剤など)、ニコチン酸受容体1アゴニスト(例えば、GSK-256073)、PPAR-デルタアゴニスト、アセチル-CoA-アセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミベ)、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ、Ezetrol(登録商標)、Zetia(登録商標)、Liptruzet(登録商標)、Vytorin(登録商標)、S-556971)、胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン、コレセベラム)、回腸胆汁酸トランスポート(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-2330672、LUM-002)、ミクロソーマールトリグリセリド移転タンパク質(MTP)阻害剤(例えば、ロミタピド(AEGR-733)、SLx-4090、グラノタピド)、前駆タンパク質転換酵素ズブチリシン/ケキシンタイプ9(PCSK9)のモジュレーター(例えば、アリロクマブ(REGN727/SAR236553)、AMG-145、LGT-209、PF-04950615、MPSK3169A、LY3015014、ALD-306、ALN-PCS、BMS-962476、SPC5001、ISIS-394814、1B20、LGT-210、1D05、BMS-PCSK9Rx-2、SX-PCK9、RG7652)、LDL受容体アップレギュレーター、例えば、肝臓選択性甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニス(例えば、エプロチローム(KB-2115)、MB07811、ソベチロム(QRX-431)、VIA-3196、ZYT1)、HDL-上昇化合物(HDL-raising compound)、例えば:コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤(例えば、アナセトラピブ(MK0859)、ダルセトラピブ、エバセトラピブ、JTT-302、DRL-17822、TA-8995、R-1658、LY-2484595、DS-1442)、または二重CETP/PCSK9阻害剤(例えばK-312)、ATP結合カセット(ABC1)レギュレーター、脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995)、ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤(例えば、ダラプラディブ、Tyrisa(登録商標)、バレスプラジブ、リラプラジブ)、ApoA-Iエンハンサー(例えば、RVX-208、CER-001、MDCO-216、CSL-112)、コレステロール合成阻害剤(例えば、ETC-1002)、脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995)、およびオメガ-3脂肪酸およびその誘導体(例えば、イコサペント酸エチル(AMR101)、Epanova(登録商標)、AKR-063、NKPL-66、PRC-4016、CAT-2003);
- ブロモクリプチン(例えば、Cycloset(登録商標)、Parlodel(登録商標))、フェンテルミンおよびフェンテルミン処方物または組合せ(例えば、Adipex-P、Ionamin、Qsymia(登録商標))、ベンズフェタミン(例えば、Didrex(登録商標))、ジエチルプロピオン(例えば、Tenuate(登録商標))、フェンジメトラジン(例えば、Adipost(登録商標)、Bontril(登録商標))、ブプロピオンおよび組合せ(例えば、Zyban(登録商標)、Wellbutrin XL(登録商標)、Contrave(登録商標)、Empatic(登録商標))、シブトラミン(例えば、Reductil(登録商標)、Meridia(登録商標))、トピラマート(例えば、Topamax(登録商標))、ゾニサミド(例えば、Zonegran(登録商標))、テソフェンシン、オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン(例えば、Naltrexin(登録商標)、ナルトレキソン+ブプロピオン)、カンナビノイド受容体1(CB1)アンタゴニスト(例えば、TM-38837)、メラニン凝集ホルモン(MCH-1)アンタゴニスト(例えば、BMS-830216、ALB-127158(a))、MC4受容体アゴニストおよび部分的アゴニスト(例えば、AZD-2820、RM-493)、ニューロペプチドY5(NPY5)またはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリト、S-234462)、NPY4アゴニスト(例えば、PP-1420)、ベータ-3-アドレナリン受容体アゴニスト、レプチンまたはレプチン模倣物、5-ヒドロキシトリプタミン2c(5HT2c)受容体のアゴニスト(例えば、ロルカセリン、Belviq(登録商標))、プラムリンチド/メトレレプチン、リパーゼ阻害剤、例えば、セチリスタット(例えば、Cametor(登録商標))、オルリスタット(例えば、Xenical(登録商標)、Calobalin(登録商標))、血管新生阻害剤(例えば、ALS-L1023)、ベータヒスチジンおよびヒスタミンH3アンタゴニスト(例えば、HPP-404)、AgRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤(例えば、TTP-435)、セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、フルオキセチン(例えば、Fluctine(登録商標))、ジュロキセチン(例えば、Cymbalta(登録商標))、二重または三重モノアミン取り込み阻害剤(ドーパミン、ノルエピネフリン、およびセロトニン再取り込み)、例えば、セルトラリン(例えば、Zoloft(登録商標))、テソフェンシン、メチオニンアミノペプチダーゼ-2(MetAP2)阻害剤(例えば、ベロラニブ)、および線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)の産生に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、ISIS-FGFR4Rx)またはプロヒビチン標的指向性ペプチド-1(例えば、Adipotide(登録商標));
- 硝酸オキシド供与体、AT1アンタゴニストまたはアンジオテンシンII(AT2)受容体アンタゴニスト、例えば、テルミサルタン(例えば、Kinzal(登録商標)、Micardis(登録商標))、カンデサルタン(例えば、Atacand(登録商標)、Blopress(登録商標))、バルサルタ(例えば、Diovan(登録商標)、Co-Diovan(登録商標))、ロサルタン(例えば、Cosaar(登録商標))、エプロサルタン(例えば、Teveten(登録商標))、イルベサルタン(例えば、Aprovel(登録商標)、CoAprovel(登録商標))、オルメサルタン(例えば、Votum(登録商標)、Olmetec(登録商標))、タソサルタン、アジルサルタン(例えば、Edarbi(登録商標))、二重アンジオテンシン受容体遮断薬(二重ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE-2活性剤、レニン阻害剤、プロレニン阻害剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、エンドセリン受容体(ET1/ETA)遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、利尿薬、アルドステロンアンタゴニスト、アルドステロンシンターゼ阻害剤、アルファ遮断薬、アルファ-2アドレナリン受容体のアンタゴニスト、ベータ遮断薬、混合アルファ/ベータ遮断薬、カルシウムアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、カルシウムチャネル遮断薬ジルチアゼムの経鼻剤(例えば、CP-404)、二重ミネラルコルチコイド/CCB、中枢作用性抗高血圧症薬、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、アミノペプチダーゼA阻害剤、バソペプチド阻害剤、二重バソペプチド阻害剤、例えば、ネプリリシンACE阻害剤またはネプリリシン-ECE阻害剤、二重作用性AT受容体-ネプリリシン阻害剤、二重AT1/ETAアンタゴニスト、終末糖化産物(AGE)分解剤、遺伝子組換えレナラーゼ、血圧ワクチン、例えば、抗RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン-システム)ワクチン、AT1-またはAT2-ワクチンなど、高血圧症ファーマコゲノミクスに基づく薬物、例えば、抗高血圧応答を有する遺伝的多型のモジュレーター、栓球凝集抑制因子、および他のものまたはそれらの組合せが好適である。
本明細書において使用される場合、用語「部品のキット(簡潔に:キット)」は、1つまたはそれ以上の容器と、場合によりデータ媒体とを含む製品を指す。前記1つまたはそれ以上の容器は、本発明の上述の薬剤、例えば、融合タンパク質、医薬組成物、および関連する薬剤、例えば、核酸分子および宿主細胞のうちの1つまたはそれ以上を充填することができる。キットには、例えば、希釈剤、緩衝剤、およびさらなる試薬を収容する追加の容器を含ませてもよい。前記データ媒体は、非電子的データ媒体、例えば、グラフィックデータ媒体、例えば、情報リーフレット、情報シート、バーコードもしくはアクセスコード、または電子的データ媒体、例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、マイクロチップ、もしくは別の半導体ベースの電子的データ媒体である。アクセスコードは、データベース、例えば、インターネットデータベース、集中データベース、分散データベースなどへのアクセスの可能にする。前記データ媒体は、本発明の薬剤、例えば、融合タンパク質、医薬組成物および本明細書において説明される核酸分子および宿主細胞のような関連の薬剤の使用のための取扱説明書を含んでもよい。
本明細書において説明される薬剤および組成物は、任意の従来の経路、例えば、経口、経肺、吸入によって、または注射もしくは注入による非経口において投与することができる。一実施形態において、非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、皮内、または筋肉内において使用される。本明細書において説明される薬剤および組成物は、徐放性投与によって投与することもできる。
非経口投与にとって好適な医薬組成物は、通常、活性化合物の滅菌水性または非水性調製物を含み、これらは、場合により、レシピエントの血液に対して等張である。適合性の担体/溶媒/希釈剤の例は、滅菌水、リンゲル液、乳酸リンゲル液、生理食塩水、静菌性生理食塩水(例えば、0.9%ベンジルアルコールを含有する生理食塩水)、リン酸緩衝食塩水(PBS)、およびハンクス液である。さらに、通常、滅菌の不揮発性油も、溶液または懸濁液媒体として使用することができる。
本明細書において説明される薬剤および組成物は、通常、治療有効量において投与される。「治療有効量」は、場合により、許容できない副作用を引き起こすことなく、単独でまたはさらなる用量と一緒に、所望の治療反応または所望の治療効果を達成する量を指す。特定の疾患または特定の状態の治療の場合、所望の反応は、疾患の経過の阻害に関する。これは、疾患の進行を減速させること、および、特に疾患の進行を中断または逆転させることを含む。疾患または状態の治療における所望の反応は、前記疾患または状態の発生の遅延または発生の予防であってもよい。本明細書において説明される薬剤および組成物の有効量は、治療される状態、疾患の重篤度、対象の個々のパラメータ、例えば、年齢、生理的条件、サイズ、および体重など、治療の持続期間、付随する療法のタイプ(存在する場合)、投与の特定の経路、ならびに同様の因子に依存するであろう。したがって、本明細書において説明される薬剤の投与される用量は、様々なそのようなパラメータに依存する。対象における反応が、初回用量において十分でない場合、より多い用量(または、別のより局所的経路の投与によって効果的に達成される、より多い用量)を使用することもできる。
本発明によると、用語「疾患または障害」は、任意の病理学的状態または不健康な状態、特に、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および/またはアテローム性動脈硬化症を指す。
用語「肥満」は、健康に負の影響を有し得る程度にまで過剰な体脂肪が蓄積された医学的状態を指す。ヒト(成人)対象に関して、肥満は、30kg/m2以上の肥満度指数(BMI)(BMI≧30kg/m2)として定義することができる。
用語「太り過ぎ」は、体脂肪の量が、最適に健康である量を超えている医学的状態を指す。ヒト(成人)対象に関して、肥満は、25kg/m2以上の肥満度指数(BMI)(例えば、25kg/m2≦BMI<30kg/m2)として定義することができる。
BMIは、成人において太り過ぎおよび肥満を分類するために一般的に使用される身長体重比の単純な指標である。それは、キログラムで表した人の体重をメートルで表したその人の身長の二乗で割ったものとして定義される(kg/m2)。
「メタボリック症候群」は、以下の医学的状態のうちの少なくとも3つのクラスタリングとして定義することができる:腹部(中心性)肥満(例えば、コーカソイドの男性の場合には胴回り≧94cmおよびコーカソイドの女性の場合は≧80cm、他の群に関しては民族的特有の値を有すると定義)、高い血圧(例えば、130/85mmHg以上)、高い空腹時血漿グルコース(例えば、少なくとも100mg/dL)、高い血清トリグリセリド(少なくとも150mg/dLE)、および低い高比重リポタンパク質(HDL)レベル(例えば、男性の場合には40mg/dL未満および女の場合は50mg/dL未満)。
「糖尿病(diabetes mellitus)」(単に「糖尿病(diabetes)」とも呼ばれる)は、インスリン産生、インスリン作用、またはその両方における欠陥から結果として生じる血中グルコースの高濃度によって特徴付けられる代謝病の群を指す。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠性糖尿病、緩徐発症成人自己免疫性糖尿病(LADA)、若年発症成人型糖尿病(MODY)、ならびに特定の遺伝的条件、薬物、栄養不良、感染症、および他の病気からの結果として生じる他のタイプの糖尿病からなる群から選択される。
糖尿病の現在のWHO診断基準は以下の通りである:空腹時血漿グルコース≧7.0mmol/l(126mg/dL)または2時間血漿グルコース≧11.1mmol/l(200mg/dL)。
「1型糖尿病」(「インスリン依存性糖尿病(IDDM)」または「若年性糖尿病」としても知られる)は、インスリンの完全な欠乏によって引き起こされる高い血中グルコース濃度によって特徴付けられる状態である。これは、体の免疫システムが、膵臓におけるインスリンを産生するベータ細胞を攻撃し、それらを破壊する場合に生じる。膵臓は、インスリンを少ししか、または全く産生しない。膵臓除去または膵疾患も、インスリンを産生するベータ細胞の欠乏を生じ得る。1型糖尿病は、糖尿病の症例の5%から10%の間を占める。
「2型糖尿病」(「インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)」または「成人発症型糖尿病」としても知られる)は、インスリンの可用性に関わらない過剰なグルコース産生と、不十分なグルコースクリアランス(インスリン作用)の結果として過度に高いレベルのままにグルコースレベルが循環することによって特徴付けられる状態である。2型糖尿病は、糖尿病の全ての診断症例の約90から95%を占める。
「妊娠性糖尿病」は、それ以前に糖尿病と診断されていない女性が、妊娠中(特に妊娠第三期)に高い血中グルコースレベルを示す状態である。妊娠性糖尿病は、調査された集団に応じて、妊娠の3~10%に影響する。
「緩徐発症成人自己免疫性糖尿病(LADA)」(「遅発性1型糖尿病」とも呼ばれる)は、成人において生じる、多くの場合において発症の経過がより遅い、1型糖尿病の形態である。
「若年発症成人型糖尿病(MODY)」は、インスリン産生を妨害する常染色体優性遺伝子における変異によって引き起こされる、糖尿病の遺伝子型を指す。
「糖尿病性網膜症」は、糖尿病患者に生じる代謝の乱れによって誘発される眼疾患であり、視力の進行性喪失へ導く。
用語「高血糖」は、血液中の過剰な糖(グルコース)を指す。
用語「異常脂血症」は、リポタンパク質の過剰産生(高脂肪血症)または欠乏(低脂血症)を含む、リポタンパク質代謝の障害を指す。異常脂血症は、血中の総コレステロール、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロールおよび/もしくはトリグリセリド濃度の上昇、ならびに/または高比重リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度の減少によって明らかにされる。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝細胞の炎症および変性を伴う、脂肪の蓄積(脂肪滴)によって特徴付けられる肝臓疾患である。一度罹患すると、この疾患は、肝臓機能が変化して肝不全へと進行し得る状態である、肝硬変の高リスクを伴う。その後、NASHは、多くの場合、肝臓がんへと進行する。
「アテローム性動脈硬化症」は、動脈内腔の狭窄を引き起こして線維症および石灰化へと進行し得る、大動脈および中動脈の血管内膜におけるプラークと呼ばれる不規則に分布する脂質沈着によって特徴付けられる血管疾患である。病巣は、通常、限局性であり、ゆっくりと断続的に進行する。時折、血流障害を生じ、その結果として、閉塞に対して末梢側の組織死を引き起こす、プラークの破裂を生じる。血流の制限は、ほとんどの臨床徴候の主要因であり、これは、閉塞の分布および重篤度によって変わる。
用語「医薬」は、本明細書において使用される場合、治療法において、すなわち、疾患および障害の治療において使用される、物質/組成物を指す。
「治療」は、対象における疾患または障害を予防、改善または除去するため;対象の疾患および障害を停止または鈍化させるため;対象における新たな疾患または障害の発生を阻害または鈍化させるため;現在または以前に疾患または障害を有している対象における症状の頻度もしくは重篤度および/または再発を減少させるため;および/または、対象の寿命を延長、すなわち増加させるために、化合物もしくは組成物または化合物もしくは組成物の組合せを対象に投与することを意味する。
特に、「疾患または障害を治療すること」および「疾患または障害の治療」という語句は、治癒、期間の短縮、改善、予防、進行または悪化の鈍化または阻害、または疾患もしくは障害もしくはそれらの症状の発症を予防または遅延させることを包含する。
用語「対象」は、本明細書において、治療のための対象、特に、ヒト、非ヒト霊長類、または他の動物、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、またはげっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット、もしくはハムスター)などを含むがこれらに限定されない、罹患した対象(「患者」とも呼ばれる)を指す。一実施形態において、対象または患者は、ヒトである。
そこで、説明をするが、本発明の範囲を限定することは意図していない以下の実施例を参照することによって本発明をさらに説明する。
システム薬理学モデリングによる最適なGLP-1RA/FGF21活性比の決定
ヒトにおけるGLP-1RA/FGF21融合タンパク質の薬理学的効果への改善された機械論的洞察を使用して、最適なGLP-1RA/FGF21効力比を特定した。機械論的システム薬理学モデルを開発し、GLP-1およびFGF21のヒトにおけるグルコース、脂質およびエネルギー代謝に対する効果を説明した(Cuevas-Ramosら(2009)Curr Diabetes Rev 5(4):216-220;Deaconら(2011)Rev Diabet Stud 8(3):293-306;Kimら(2008)Pharmacol Rev 60(4):470-512;Kharitonenkovら(2014)Mol Metab 3(3):221-229)。
ヒトにおけるGLP-1RA/FGF21融合タンパク質の薬理学的効果への改善された機械論的洞察を使用して、最適なGLP-1RA/FGF21効力比を特定した。機械論的システム薬理学モデルを開発し、GLP-1およびFGF21のヒトにおけるグルコース、脂質およびエネルギー代謝に対する効果を説明した(Cuevas-Ramosら(2009)Curr Diabetes Rev 5(4):216-220;Deaconら(2011)Rev Diabet Stud 8(3):293-306;Kimら(2008)Pharmacol Rev 60(4):470-512;Kharitonenkovら(2014)Mol Metab 3(3):221-229)。
このモデルは、GLP-1およびFGF21の効果について関連する経路を表した。血糖コントロール(すなわち、HbA1c、空腹時血漿グルコース、食後血糖値)、脂質パラメータ(すなわち、血漿トリグリセリド、脂肪酸、コレステロール)およびエネルギーバランス(すなわち、体重、食物摂取、エネルギー消費)を獲得して、模擬薬物治療(例えば、GLP-1RA/FGF21融合タンパク質、リラグルチド、FGF21類似体LY2405319)に対する治療奏功を評価した。LY2405319については、Kharitonenkovら(2013)PLoS ONE8(3):e58575を参照されたい。
このモデルは、ホルモンインスリン、グルカゴンおよびある特定のインクレチン(例えば、GLP-1、GIP)によって制御されるグルコースホメオスタシスの重要な態様を網羅した。血糖コントロールに関する主要モデルエンドポイントは、HbA1cであったが、これは、先の数ヶ月にわたる平均血漿グルコース濃度を推定するために使用される共通の臨床エンドポイントである。HbA1cは、Nathanら(2008)Diabetes Care 31(8):1473-1478によって報告されたように、平均血漿グルコースとHbA1cとの間位の線形的相関を使用してモデルにおいて推定した。
このモデルは、コレステロールの提示を含む基本的脂質代謝を扱うのに適したレベルで、トリグリセリドおよび脂肪酸代謝を組み入れた。HDLおよび非HDL、すなわち、LDL+VLDLコレステロールは、循環しているリポタンパク質である。脂質代謝の提示は、FGF21化合物の、脂質およびスタチンとの相互作用に与える影響をシミュレートすることを可能にした。FGF21化合物は、脂質濃度に著しい効果を有した(Gaichら(2013)Cell Metab18(3):333-340;Fisherら(2011)Endocrinology152(8):2996-3004)。
このモデルにおける体重減少または体重増加は、体脂肪量の変化として測定した。脂肪量と体重との間に直接的な関係性があった(Broylesら(2011)Br J Nutr 105(8):1272-1276)。食物摂取は、基礎および安静時代謝率に基づいた(Amirkalaliら(2008)Indian J Med Sci62(7):283-290)。エネルギー消費がカロリー摂取と等しい場合、体脂肪量は、一定を維持した。食物摂取に対する治療効果は、Gobelら(2014)(Obesity(Silver Spring)22(10):2105-2108)の式を使用して、モデルに実行した。
食物は、炭水化物(グルコース等価物)、脂肪(脂肪酸等価物)およびタンパク質(アミノ酸等価物)であると考えた。全ての栄養が胃に入り、遅延ノードを通過し、その後、3区画の消化管に入った。消化管の設計は、食物消化および吸収に関して、Bastianelliら(1996)J Anim Sci 74(8):1873-1887;Worthington(1997)Med Inform(Lond)22(1):35-45)によってなされた仕事に基づいた。
栄養、ホルモン、薬物および疾患状態は、胃排出の遅延を生じさせる可能性がある。健康状態下で、胃排出率は、食事の量、そのエネルギー密度および胃における栄養量(Achourら(2001)Eur J Clin Nutr55(9):769-772;Fouilletら(2009)Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol297(6):R1691-1705)に依存する。糖尿病を有する個体は、経口ブドウ糖負荷試験または食事試験(Bharuchaら(2009)Clin Endocrinol(Oxf)70(3):415-420;Changら(2012)Diabetes Care35(12):2594-2596)で観察されるグルコース吸収の遅延を有することが多い。この遅延は、胃排出の減速に起因する。胃と小腸との間の移動時の遅延をこの例のモデルに加えて、糖尿病対象における胃排出の遅延を説明した。薬物およびホルモン(例えば、GLP-1)は、胃の迷走神経緊張に影響し得、これは機械的混合および/または蠕動を減少し、胃排出も遅延させる(Jelsingら(2012)Diabetes Obes Metab 14(6):531-538;Littleら(2006)J Clin Endocrinol Metab91(5):1916-1923;Nauckら(2011)Diabetes 60(5):1561-1565;van Canら(2013)Int J Obes(Lond)38(6):784-93)。
本明細書において記載される融合タンパク質の1つの目的は、GLP-1関連有害作用、すなわち、吐き気および嘔吐(Leanら(2014)Int J Obes(Lond)38(5):689-697)を予防するかまたは減少させることであった。胃排出測定値は、胃排出率の低さに相関する吐き気および嘔吐といった有害事象の推定を提供した。したがって、モデルにおける胃有害事象についてのマーカーは、胃排出率の和であった。
健常者および疾患の異なるステージの2型糖尿病患者を表す異なる仮想患者がモデルプラットフォームに実装された。さらに、仮想患者は、異なる程度の肥満および異常脂血症を網羅した。仮想患者は、疾患重症度の可変性ならびにクリニックにおいて観察された病態生理学的および表現型の可変性を表した。
いくつかの治療薬、すなわち、GLP-1RA/FGF21融合タンパク質、リラグルチド、FGF21類似体LY2405319、メトホルミン、アトルバスタチン、シタグリプチン、およびヒトインスリンがモデルにおいて実施された。これらの治療薬は、シミュレーションにおいてオンオフ切り換えすることができた。仮想患者は、GLP-1RA/FGF21融合タンパク質を投与される場合、メトホルミンおよびアトルバスタチンのバックグラウンドにあると想定された。
仮想GLP-1RA/FGF21融合タンパク質が、この実施例において記載されるモデルにおいて実施された。融合タンパク質は、FGF21アゴニスト活性とGLP-1アゴニスト活性の両方を含み、FGF21受容体アゴニストとGLP-1受容体アゴニストの両方と同じ効果を有した。仮想融合タンパク質の薬物動態特性は、デュラグルチドと同様であると想定した(Geiserら(2016)Clin Pharmacokinet55(5):625-34)。
多くのデータセットと比較することによってモデルを検証した。シミュレーション結果は、関連データおよび知識、例えば、Hellersteinら(1997)J Clin Invest 100(5):1305-1319;Muscelliら(2008)Diabetes57(5):1340-1348と定量的に一致した。モデルは、関連の定量的試験データ、例えば、Aschnerら(2006)Diabetes Care29(12):2632-2637;Dalla Man、Caumoら(2005)Am J Physiol Endocrinol Metab289(5):E909-914;Dalla Manら(2005)Diabetes54(11):3265-3273;Fiallo-Scharer(2005)J Clin Endocrinol Metab 90(6):3387-3391;Hahnら(2011)Theor Biol Med Model8:12;Hermanら(2005)Clin Pharmacol Ther 78(6):675-688;Hermanら(2006)J Clin Pharmacol46(8):876-886およびJ Clin Endocrinol Metab91(11):4612-4619;Hojlundら(2001)Am J Physiol Endocrinol Metab 280(1):E50-58;Monauniら(2000)Diabetes 49(6):926-935;Nauckら(2009)Diabetes Care32(1):84-90;Nauckら(1993)J Clin Invest91(1):301-307;Nauckら(2004)Regul Pept122(3):209-217;Tzamaloukasら(1989)West J Med150(4):415-419;Sikaris(2009)J Diabetes Sci Technol3(3):429-438;ViciniおよびCobelli(2001)Am J Physiol Endocrinol Metab280(1):E179-186;Vollmerら(2008)Diabetes57(3):678-687に適合した。
FGF21類似体およびGLP-1受容体アゴニストを含む既存の治療薬が直接的比較についてモデルにおいて実施された。FGF21類似体の効果は臨床データ、例えば、Gaichら(2013)Cell Metab18(3):333-340で検証された。GLP-1受容体アゴニストリラグルチドは、標的について直接的な競合相手であり、その実行を様々な臨床データ、例えば、Jacobsenら(2009)Br J Clin Pharmacol68(6):898-905;Elbrondら(2002)Diabetes Care25(8):1398-1404;Changら(2003)Diabetes52(7):1786-1791;Koltermanら(2003)J Clin Endocrinol Metab88(7):3082-3089;Degnら(2004)Diabetes53(5):1187-1194;Koltermanら(2005)Am J Health Syst Pharm62(2):173-181;Vilsbollら(2008)Diabet Med25(2):152-156;Buseら(2009)Lancet374(9683):39-47;Jelsingら(2012)Diabetes Obes Metab14(6):531-538;Hermansenら(2013)Diabetes Obes Metab15(11):1040-1048;Suzukiら(2013)Intern Med52(10):1029-1034;van Canら(2013)Int J Obes(Lond)38(6):784-93;Zinmanら(2009)Diabetes Care32(7):1224-1230;Russell-Jonesら(2009)Diabetologia52(10):2046-2055;Pratleyら(2011)Int J Clin Pract65(4):397-407;Nauckら(2013)Diabetes Obes Metab15(3):204-212;Flintら(2011)Adv Ther28(3):213-226;Kapitzaら(2011)Adv Ther28(8):650-660;およびAstrupら(2012)Int J Obes(Lond)36(6):843-854に記載されたデータと比較した。
モデルプラットフォームは、活性比を変化させて、仮想GLP-1RA/FGF21融合タンパク質の利益的および有害作用のシミュレーションを可能にした。有効FGF21媒介性EC50値には、Gaichら(2013)Cell Metab18(3):333-340に由来するものに対する定数を設定した。有効GLP-1媒介性EC50値は、内在GLP-1(表1)に関して、1つ増加の2~600の因子によって減少した。
仮想融合タンパク質のそれぞれについて、関連の薬力学的エンドポイント、すなわち、HbA1c、トリグリセリド、脂肪酸、非HDLコレステロールおよび脂肪量について、暴露-奏功の関係をシミュレートした。GLP-1媒介性有害事象についてのマーカーとして、胃排出率を使用した。平均的な肥満異常脂血症の2型糖尿病の仮想患者に対するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質による52週間の治療を幅の広い用量範囲でシミュレートした。52週間の処置後、全ての関連の薬力学的エンドポイントが定常状態に到達することを予想した。それぞれのエンドポイントについて、最大半量効果濃度(EC50値)を暴露-奏功曲線から決定した。EC50値は、特に主にGLP-1媒介性エンドポイントであるHbA1cおよび胃排出率について、活性比で変化した。図1は、GLP-1減衰率に依存するEC50値を記載する。GLP-1減衰率の増加は、GLP-1Rアゴニスト活性の減少を示した。
この手順は、薬力学的作用を媒介した血漿レベルに比べてより高い血漿レベルで有害作用が観察される、関連する活性比の特定を可能にした。9より高いGLP-1減衰率について、GLP-1媒介性消化管有害作用のEC50のほうが薬力学的作用のEC50より高かった。したがって、胃の有害作用は、薬力学的作用を達成するために必要なレベルよりも高い血漿レベルで生じた。GLP-1媒介性消化管有害作用を回避しながら、全ての望ましい薬力学的作用を提供する用量を解明することが可能であった。
胃排出率についての最大EC50値は、減衰率531で到達した。有害作用と平均薬力学的作用との間の最大距離は、減衰率482で到達した(図2)。したがって、1:482以上の活性比は、関係しなかった。薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、319であった。FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、121であった。
1:10~1:482の間の効力比を有するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質は、脂質特性、体重およびグルコース代謝を改善するのに最も有益であると予測され、胃排出反応に基づく著しい有害事象を発生する見込みはなかった。より低い効力比は、それらの予想される胃排出の強力な抑制および有害事象の潜在性に基づいて、良好な候補になりそうになかった。より高い効力比は、充分に効果的ではない可能性があり、したがって競合的ではない可能性が高いと考えられた。
平均的な肥満異常脂血症の2型糖尿病の仮想患者に対するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質による12週間の治療は、主にGLP-1媒介性パラメータHbA1cレベルが、当該技術分野において公知のGLP-1受容体アゴニストおよびFGF21剤での12週間の治療後に定常状態に臨床的に到達するため、幅の広い投与範囲でシミュレートしなかった。
図3は、12週間のシミュレーション期間にわたるGLP-1減衰に対して得られたEC50値を示す。18より高いGLP-1減衰率について、GLP-1媒介性消化管有害作用のEC50のほうが薬力学的作用のEC50より高かった。胃排出率についての最大EC50値は、減衰率501で到達した。有害作用と平均の薬力学的作用との間の最大距離は、減衰率469で到達した(図4)。薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、313であった。FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、123であった。
異なる活性比を有するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質についての有害事象の効能および潜在能を記載のシステム薬理学アプローチによって調査した。おそらく計算された理想的な効力比を有する融合タンパク質が、同定され、胃排出反応に基づく著しく有害なGLP-1RA関連作用を発生しない可能性のある状態で、脂質特性、体重および血糖コントロールを改善するのに有益であると予測された。選択したモデルが知らせる効力比を有する化合物がリスク特性に対する良好な効能を提供することを予測した。
HEK-293、CHO、および大腸菌細胞におけるホモ二量体GLP-1RA/FGF21融合タンパク質の発現、ならびに単離されたGLP-1Rアゴニストペプチドの化学合成
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質を、HEK-293またはCHO細胞における一過性トランスフェクションによって産生した。融合タンパク質のDNA配列を、N末端でIL2シグナル配列(配列番号246)に融合させ、続いて、ヒスチジンリッチな配列(Hisタグ)およびTEVプロテアーゼ切断部位(配列番号247または248)に融合させた。シグナル配列は、培養培地への所望のタンパク質の分泌に必要であった。タンパク質を、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー(IMAC)(cOmplete His-Tag Purification Column(商標)、Roche)を使用して、培養上清から精製した。IMACカラムからの溶出後、場合により、N末端Hisタグを、TEVプロテアーゼの添加によって切断した。Hisタグ切断後、切断反応溶液を、IMACカラム(cOmplete His-Tag Purification Column(商標)、Roche)上に2回通過させ、(Hisタグを有さない)フロースルー分画を収集した。タンパク質を、プロテインA親和性クロマトグラフィー(rProtein A Sepharose、GE Healthcare)および泳動緩衝液としてリン酸緩衝食塩水(PBS、Gibco)を用いたゲルろ過カラムを使用して、さらに精製した。所望のタンパク質を含有する分画を収集し、プールし、濃縮して、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質を、HEK-293またはCHO細胞における一過性トランスフェクションによって産生した。融合タンパク質のDNA配列を、N末端でIL2シグナル配列(配列番号246)に融合させ、続いて、ヒスチジンリッチな配列(Hisタグ)およびTEVプロテアーゼ切断部位(配列番号247または248)に融合させた。シグナル配列は、培養培地への所望のタンパク質の分泌に必要であった。タンパク質を、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー(IMAC)(cOmplete His-Tag Purification Column(商標)、Roche)を使用して、培養上清から精製した。IMACカラムからの溶出後、場合により、N末端Hisタグを、TEVプロテアーゼの添加によって切断した。Hisタグ切断後、切断反応溶液を、IMACカラム(cOmplete His-Tag Purification Column(商標)、Roche)上に2回通過させ、(Hisタグを有さない)フロースルー分画を収集した。タンパク質を、プロテインA親和性クロマトグラフィー(rProtein A Sepharose、GE Healthcare)および泳動緩衝液としてリン酸緩衝食塩水(PBS、Gibco)を用いたゲルろ過カラムを使用して、さらに精製した。所望のタンパク質を含有する分画を収集し、プールし、濃縮して、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
配列番号252のFGF21タンパク質(N末端Glyの付加を有する成熟ヒト野生型FGF21、本明細書においてG-FGF21と称される)を、大腸菌において発現させた。FGF21タンパク質のDNA配列を、N末端でヒスチジンリッチ配列(Hisタグ)およびTEVまたはSUMOプロテアーゼ切断部位(配列番号248または249)に融合させた。所望されるタンパク質を、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー(IMAC)(HisTrap HP、GE Healthcare)を使用して精製し、続いてTEVまたはSUMOプロテアーゼの添加によりN末端Hisタグを切断した。Hisタグの切断後、切断反応溶液を、イオン交換カラム(Source 15、GE Healthcare)、続いて泳動緩衝液としてリン酸緩衝食塩水(PBS、Gibco)を用いたゲルろ過カラム(Superdex 75、GE Healthcare)を使用して、精製した。所望のタンパク質を含有する分画を収集し、プールし、濃縮して、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
代替的なアプローチにおいて、融合タンパク質は、大腸菌封入体における発現、続いて、Tris緩衝塩化グアニジウム溶液において封入体をアンフォールディングし、カオトロピック塩なしで緩衝液に希釈することによるリフォールディングによってフォールディングされた融合タンパク質を得るリフォールディングステップによって、産生した。融合タンパク質は、プロテインA親和性クロマトグラフィー(MabSelect SuRe、GE Healthcare)を使用して精製し、続いてTEVプロテアーゼの添加によりN末端前配列を切断した。切断反応溶液を、アニオン交換カラム(POROS 50 HQ、ThermoFisher)を使用して精製した。所望されるタンパク質を含有する分画を収集し、プールした。最終的な緩衝液条件およびタンパク質濃度を、PBS(Gibco)を使用した限外ろ過/透析ろ過ステップによって構築した。試料を、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
融合タンパク質を遺伝子組換え方法(上記を参照のこと)によって産生した一方で、単離されたペプチドGLP-1Rアゴニストを、化学合成した。
より詳細には、ペプチドを、以下の手動の合成手順を使用して合成した:
0.3gの乾燥RinkアミドMBHA樹脂(0.66mmol/g)を、ポリプロピレンフィルタを備えたポリエチレン容器内に置いた。樹脂は、DCM(15ml)にて1時間、DMF(15ml)にて1時間膨張した。樹脂のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。固形支持体からのFmoc除去の配座に、カイザー試験(定量的方法)を使用した。乾燥DMF中のC末端Fmocアミノ酸(樹脂負荷に対応する5等量の余剰)を脱保護された樹脂に添加し、次のFmocアミノ酸のカップリングをDMF中のDICおよびHOBTの5等量の余剰で開始させた。反応混合物における各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。カップリング完了時にペプチド樹脂アリコートに行ったカイザー試験は、陰性であった(樹脂に色がなかった)。第1のアミノ酸の付着後、無反応のアミノ基は、存在する場合、樹脂の中で、無水酢酸/ピリジン/DCM(1:8:8)を使用して、20分間キャップして、配列の任意の欠失を回避した。キャッピング後、DCM/DMF/DCM/DMFで樹脂を洗浄した(各6/6/6/6時間)。C末端のアミノ酸付着ペプチジル樹脂のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートに行ったカイザー試験は、陽性であった。
0.3gの乾燥RinkアミドMBHA樹脂(0.66mmol/g)を、ポリプロピレンフィルタを備えたポリエチレン容器内に置いた。樹脂は、DCM(15ml)にて1時間、DMF(15ml)にて1時間膨張した。樹脂のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。固形支持体からのFmoc除去の配座に、カイザー試験(定量的方法)を使用した。乾燥DMF中のC末端Fmocアミノ酸(樹脂負荷に対応する5等量の余剰)を脱保護された樹脂に添加し、次のFmocアミノ酸のカップリングをDMF中のDICおよびHOBTの5等量の余剰で開始させた。反応混合物における各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。カップリング完了時にペプチド樹脂アリコートに行ったカイザー試験は、陰性であった(樹脂に色がなかった)。第1のアミノ酸の付着後、無反応のアミノ基は、存在する場合、樹脂の中で、無水酢酸/ピリジン/DCM(1:8:8)を使用して、20分間キャップして、配列の任意の欠失を回避した。キャッピング後、DCM/DMF/DCM/DMFで樹脂を洗浄した(各6/6/6/6時間)。C末端のアミノ酸付着ペプチジル樹脂のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートに行ったカイザー試験は、陽性であった。
RinkアミドMBHA樹脂上の標的配列における残りのアミノ酸は、DMF中の樹脂負荷に対応する5等量の余剰を使用して、Fmoc AA/DIC/HOBt方法を使用して、順次結合させた。反応混合物における各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。各カップリングステップおよびFmoc脱保護ステップの後、カイザー試験を実施して、反応の完全性を確認した。
線形配列の完成後、分枝点または修飾点として使用されるリジンのε-アミノ基は、DMF中の2.5%のヒドラジン水和物を使用することによって、15分間を2回、脱保護し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。DMF中のDIC/HOBt方法(樹脂負荷に対して、5等量の余剰を使用)によるFmoc-Glu(OH)-OtBuを使用して、グルタミン酸のγ-カルボキシル末端をLysのε-アミノ基に付着させた。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6×30mL)。グルタミン酸のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間(各25mL)、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートのカイザー試験は、陽性であった。
側鎖分枝がさらに1つのγ-グルタミン酸も含んでいた場合、DMF中のDIC/HOBt方法(樹脂負荷に対して、5等量の余剰)を使用して、γ-グルタミン酸の遊離アミノ基に付着させるために、第2のFmoc-Glu(OH)-OtBuを使用した。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6×30mL)。γ-グルタミン酸のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間(25mL)、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートに行ったカイザー試験は、陽性であった。
樹脂からのペプチドの最終切断:
手動の合成によって合成したペプチジル樹脂をDCM(6×10mL)、MeOH(6×10mL)およびエーテル(6×10mL)で洗浄し、減圧デシケーターで一晩乾燥させた。固体支持体からのペプチドの切断は、ペプチド-樹脂を試薬カクテル(80%のTFA/5%のチオアニソール/5%のフェノール/2.5%のEDT/2.5%のDMS/5%のDCM)で、室温で3時間処理することによって達成した。切断混合物はろ過によって回収し、樹脂はTFA(2mL)およびDCM(2×5mL)で洗浄した。余剰TFAおよびDCMを窒素下で少量に濃縮し、少量のDCM(5~10mL)を残留物に添加し、窒素下で蒸発させた。この工程を3~4回繰り返して、揮発性不純物の多くを除去した。残留物を0℃に冷却し、無水エーテルを添加して、ペプチドを沈殿させた。沈殿したペプチドを遠心分離にかけ、上清エーテルを除去し、新鮮なエーテルをペプチドに添加し、再び遠心分離にかけた。粗試料は分取HPLCによって精製し、凍結乾燥した。ペプチドの同一性をLCMSによって確認した。
手動の合成によって合成したペプチジル樹脂をDCM(6×10mL)、MeOH(6×10mL)およびエーテル(6×10mL)で洗浄し、減圧デシケーターで一晩乾燥させた。固体支持体からのペプチドの切断は、ペプチド-樹脂を試薬カクテル(80%のTFA/5%のチオアニソール/5%のフェノール/2.5%のEDT/2.5%のDMS/5%のDCM)で、室温で3時間処理することによって達成した。切断混合物はろ過によって回収し、樹脂はTFA(2mL)およびDCM(2×5mL)で洗浄した。余剰TFAおよびDCMを窒素下で少量に濃縮し、少量のDCM(5~10mL)を残留物に添加し、窒素下で蒸発させた。この工程を3~4回繰り返して、揮発性不純物の多くを除去した。残留物を0℃に冷却し、無水エーテルを添加して、ペプチドを沈殿させた。沈殿したペプチドを遠心分離にかけ、上清エーテルを除去し、新鮮なエーテルをペプチドに添加し、再び遠心分離にかけた。粗試料は分取HPLCによって精製し、凍結乾燥した。ペプチドの同一性をLCMSによって確認した。
CHO細胞におけるヒトFGF21受容体の有効性についてのインビトロ細胞アッセイ(In-Cell Western)
G-FGF21(配列番号252)および本発明の融合タンパク質の細胞インビトロ有効性を、特異的な高感度のIn-Cell Western(ICW)アッセイを使用して測定した。ICWアッセイは、通常、マイクロプレート形式を使用して実施される、免疫細胞化学的アッセイである。FGF21受容体自己リン酸化ICWアッセイ(Aguilarら(2010)PLoS ONE 5(4): e9965)のために、ヒトベータ-Klotho(KLB)とともにヒトFGFR1cを安定して発現するCHO Flp-In細胞(Invitrogen、ダルムシュタット、ドイツ)を使用した。MAPキナーゼERK1/2の受容体自己リン酸化レベルまたは下流活性化を決定するために、2×104細胞/ウェルを、96ウェルプレートに播種し、48時間増殖させた。細胞を、無血清培地(GlutaMAXを伴うハムF-12 Nutrient Mix、Gibco、ダルムシュタット、ドイツ)によって3~4時間、血清飢餓させた。細胞を、続いて、漸増濃度のG-FGF21(配列番号252)または示される融合タンパク質のいずれかによって、37℃で5分間処理した。インキュベーション後、培地を廃棄し、細胞を、3.7%の新たに調製したパラ-ホルムアルデヒドにおいて20分間固定させた。20分間、PBS中で細胞に0.1%Triton-X-100を浸透させた。Odysseyブロッキング緩衝液(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)により、室温で2時間、ブロッキングを実施した。一次抗体として、抗pFGFR Tyr653/654(New England Biolabs、フランクフルト、ドイツ)または抗pERKホスホ-p44/42 MAPキナーゼThr202/Tyr204(Cell Signaling)を加えて、4℃で一晩インキュベートした。一次抗体のインキュベーション後、細胞をPBS+0.1%Tween20で洗浄した。細胞を、次いで、二次抗マウス800CW抗体(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)とともに、室温で1時間インキュベートした。続いて、細胞を、PBS+0.1%Tween20で再び洗浄した。赤外色素シグナルを、Odyssey画像表示装置(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)により定量した。結果を、TO-PRO3染料(Invitrogen、カールスルーエ、ドイツ)によるDNAの定量化によって正規化した。任意単位(AU)としてデータを得て、用量-応答曲線からEC50値を得た(表2および3にまとめる)。図5は、ヒトFGFR1c+KLBを過剰発現するCHO細胞によるICWの結果を示している。
G-FGF21(配列番号252)および本発明の融合タンパク質の細胞インビトロ有効性を、特異的な高感度のIn-Cell Western(ICW)アッセイを使用して測定した。ICWアッセイは、通常、マイクロプレート形式を使用して実施される、免疫細胞化学的アッセイである。FGF21受容体自己リン酸化ICWアッセイ(Aguilarら(2010)PLoS ONE 5(4): e9965)のために、ヒトベータ-Klotho(KLB)とともにヒトFGFR1cを安定して発現するCHO Flp-In細胞(Invitrogen、ダルムシュタット、ドイツ)を使用した。MAPキナーゼERK1/2の受容体自己リン酸化レベルまたは下流活性化を決定するために、2×104細胞/ウェルを、96ウェルプレートに播種し、48時間増殖させた。細胞を、無血清培地(GlutaMAXを伴うハムF-12 Nutrient Mix、Gibco、ダルムシュタット、ドイツ)によって3~4時間、血清飢餓させた。細胞を、続いて、漸増濃度のG-FGF21(配列番号252)または示される融合タンパク質のいずれかによって、37℃で5分間処理した。インキュベーション後、培地を廃棄し、細胞を、3.7%の新たに調製したパラ-ホルムアルデヒドにおいて20分間固定させた。20分間、PBS中で細胞に0.1%Triton-X-100を浸透させた。Odysseyブロッキング緩衝液(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)により、室温で2時間、ブロッキングを実施した。一次抗体として、抗pFGFR Tyr653/654(New England Biolabs、フランクフルト、ドイツ)または抗pERKホスホ-p44/42 MAPキナーゼThr202/Tyr204(Cell Signaling)を加えて、4℃で一晩インキュベートした。一次抗体のインキュベーション後、細胞をPBS+0.1%Tween20で洗浄した。細胞を、次いで、二次抗マウス800CW抗体(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)とともに、室温で1時間インキュベートした。続いて、細胞を、PBS+0.1%Tween20で再び洗浄した。赤外色素シグナルを、Odyssey画像表示装置(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)により定量した。結果を、TO-PRO3染料(Invitrogen、カールスルーエ、ドイツ)によるDNAの定量化によって正規化した。任意単位(AU)としてデータを得て、用量-応答曲線からEC50値を得た(表2および3にまとめる)。図5は、ヒトFGFR1c+KLBを過剰発現するCHO細胞によるICWの結果を示している。
ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体の有効性についてのインビトロ細胞アッセイ
ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体についての化合物のアゴニズムを、ヒトGLP-1受容体を安定的に発現するHEK-293細胞株においてcAMP反応を測定する機能的アッセイによって決定した。
ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体についての化合物のアゴニズムを、ヒトGLP-1受容体を安定的に発現するHEK-293細胞株においてcAMP反応を測定する機能的アッセイによって決定した。
遺伝子組換えHEK-293細胞を、37℃に設置したT175培養フラスコにおいて、培地(10%FBSを含むDMEM)中でコンフルエンス近くまで増殖させ、2mLのバイアルにおいて、1~5×107細胞/mLの濃度で、10%DMSOを含有する細胞培養培地中に収集した。それぞれのバイアルは、1.8mLの細胞懸濁液を含有していた。バイアルを、イソプロパノールチャンバにおいて-80℃にゆっくりと凍結させ、次いで、長期貯蔵のために液体窒素に移した。
それらの使用の前に、凍結細胞を、37℃で迅速に解凍し、20mLの細胞緩衝液(1×HBSS、20mM HEPES、0.1%BSA)で洗浄し、900rpmで5分間遠心分離した。細胞を、アッセイ緩衝液(細胞緩衝液+2mM IBMX)中に再懸濁させ、1×106細胞/mLの細胞密度に調節した。測定のために、5μLの細胞懸濁液(最終5×103細胞/ウェル)および5μLの試験化合物を、384ウェルプレートのウェルに添加し、続いて、室温で30分間インキュベートした。Bachem(ブーベンドルフ、スイス、H-6795)から得たヒトGLP-1(7-36)アミド(配列番号260)を、対照として得た。細胞のcAMP含有量を、Homogenous Time Resolved Fluorescence(HTRF)に基づいて、Cisbio Corp.のキット(カタログ番号62AM4PEC)を使用して決定した。溶解バッファ(キットの成分)に希釈したHTRF試薬を添加した後、プレートを1時間インキュベートし、続いて、665/620nmで蛍光比を測定した。アゴニストのインビトロ効力は、最大反応の50%活性(EC50)を引き起こした濃度を決定することによって定量した。
結果を表4にまとめ、用量-応答曲線を図6に示す。
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の立体構造的および熱的安定性の分析
立体構造的安定性および凝集傾向を、UNit(Unchained Labs、カリフォルニア州、米国)を使用して、GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質について、同時に決定した。UNitは、タンパク質のアンフォールディングを検出するためのタンパク質の内部蛍光の分析と、凝集挙動を調査するための静的光散乱(SLS)測定とを組み合わせたものである。
立体構造的安定性および凝集傾向を、UNit(Unchained Labs、カリフォルニア州、米国)を使用して、GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質について、同時に決定した。UNitは、タンパク質のアンフォールディングを検出するためのタンパク質の内部蛍光の分析と、凝集挙動を調査するための静的光散乱(SLS)測定とを組み合わせたものである。
pH7.4のリン酸緩衝液において5mg/mLの濃度で製剤化した融合タンパク質について、データを取得した。9μLの体積のそれぞれの試料を、UNiキャプラリーホルダにロードし、UNitにおいて三連に分析した。温度を、0.3℃/分の一定の線形速度で20から95℃に上昇させた。融解温度(Tm)および凝集発生温度(Tagg)を得るために、内部蛍光および266nmのレーザーで検出したSLSシグナルを示すBaryCentric Mean(BCM)を、適用した温度に対してプロットした。UNit Analysisソフトウェアv. 2.1を使用してデータを分析し、それを表5にまとめる。
さらに、一部のタンパク質については、熱シフトアッセイを適用して、示差走査熱量測定(DSFまたはThermoFluor(商標))アッセイに倣って熱安定性を分析した(Ahmad S.ら(2012)Protein Science 21: 433-446、Pantolianoら(2001)J. Biomol. Screen 6: 429-440、Niesenら(2007)Nat. Protoc. 2: 2212-21)。このアッセイは、疎水性蛍光色素、例えば、Sypro(商標)Orange(Life Technologies、カタログ番号S6651)が、タンパク質の疎水性パッチに結合したときに、その蛍光を増大させるという観察に基づく。そのような疎水性パッチは、加熱によりタンパク質がアンフォールドされると、タンパク質において露出され、その結果、蛍光の増加を、アンフォールディングの程度の尺度として、したがって、タンパク質の熱安定性の尺度として使用することができる。
PBS(Gibco)中のそれぞれのタンパク質の溶液を、Sypro(商標)Orangeの160×溶液(供給業者によって提供される5000× DMSOストックから水中に希釈)と混合することによって、タンパク質を試験した。試料の体積を、PBSで20μLに調節した。典型的な条件には、最終混合物中、0.8mg/mLのタンパク質および8×Sypro(商標)Orangeが含まれたが、タンパク質濃度は、0.4mg/mL~1.2mg/mLで変動し得る。試料を、96ウェルのPCRプレート(BioRad Semi-Skirt 96、白色)に分注し、短時間遠心分離して、気泡を除去した。プレートを、BioRad iQ5リアルタイムPCR機器に挿入し、1℃/分の傾斜スピードで10から90℃の熱勾配に供した。励起および蛍光の定量化のために、485nmおよび575nmの波長のフィルタを選択した。BioRad iQ5 Standard Editionソフトウェア(v. 2.0.148.60623)をデータ処理に使用した。温度に対する蛍光強度の曲線において、変曲点を、融解温度(Tm)の尺度として選択した。
マウスおよび非ヒト霊長類における薬物動態
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の血漿濃度および薬物動態パラメータを、3つの異なる方法を使用して、0.3mg/kgの溶液を雌性C57Bl/6マウスまたは雄性カニクイザルに単回皮下投与した後に決定した。血液試料は、投薬の30分後~168時間後の時点で採取した。
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の血漿濃度および薬物動態パラメータを、3つの異なる方法を使用して、0.3mg/kgの溶液を雌性C57Bl/6マウスまたは雄性カニクイザルに単回皮下投与した後に決定した。血液試料は、投薬の30分後~168時間後の時点で採取した。
a.)GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質のインタクトなFGF21部分の定量化のための生物分析スクリーニング方法
血漿試料を、ELISAキット(F1231-K01、Eagle Biosciences、米国)を用いて融合タンパク質のインタクトなFGF21部分について分析した。このアッセイは、ヒトインタクトFGF21の異なるエピトープに結合した2つの選択抗体を用いる二部位サンドイッチ技法を利用していた。一方の抗体は、ヒトFGF21のN末端アミノ酸(アミノ酸29~35)に特異的に結合し、他方の抗体は、ヒトFGF21のC末(アミノ酸203~209)に特異的に結合した。アッセイ標準、対照、および不明な試料を、抗ヒトFGF21(アミノ酸29~35)特異的抗体でコーティングしたマイクロプレートのウェルに直接的に添加した。同時に、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗ヒトFGF21(アミノ酸203~209)特異的抗体を、それぞれのウェルに添加した。第1のインキュベーション期間の後、マイクロタイターウェルの壁部の抗体が試料中のヒトFGF21を捕捉し、それぞれのマイクロタイターウェルの未結合タンパク質は、洗い流した。「抗FGF21抗体-ヒトインタクトFGF21-HRPコンジュゲートトレーサー抗体」の「サンドイッチ」を形成した。未結合のトレーサー抗体は、後続の洗浄ステップにおいて除去した。免疫複合体の検出のために、ウェルを、次いで、一定時間の反応において基質溶液とともにインキュベートし、次いで、分光光度マイクロプレートリーダーで測定した。マイクロタイターウェルの壁部のヒトインタクトFGF21に結合した免疫複合体の酵素活性は、試料中のインタクトFGF21の量に正比例した。
血漿試料を、ELISAキット(F1231-K01、Eagle Biosciences、米国)を用いて融合タンパク質のインタクトなFGF21部分について分析した。このアッセイは、ヒトインタクトFGF21の異なるエピトープに結合した2つの選択抗体を用いる二部位サンドイッチ技法を利用していた。一方の抗体は、ヒトFGF21のN末端アミノ酸(アミノ酸29~35)に特異的に結合し、他方の抗体は、ヒトFGF21のC末(アミノ酸203~209)に特異的に結合した。アッセイ標準、対照、および不明な試料を、抗ヒトFGF21(アミノ酸29~35)特異的抗体でコーティングしたマイクロプレートのウェルに直接的に添加した。同時に、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗ヒトFGF21(アミノ酸203~209)特異的抗体を、それぞれのウェルに添加した。第1のインキュベーション期間の後、マイクロタイターウェルの壁部の抗体が試料中のヒトFGF21を捕捉し、それぞれのマイクロタイターウェルの未結合タンパク質は、洗い流した。「抗FGF21抗体-ヒトインタクトFGF21-HRPコンジュゲートトレーサー抗体」の「サンドイッチ」を形成した。未結合のトレーサー抗体は、後続の洗浄ステップにおいて除去した。免疫複合体の検出のために、ウェルを、次いで、一定時間の反応において基質溶液とともにインキュベートし、次いで、分光光度マイクロプレートリーダーで測定した。マイクロタイターウェルの壁部のヒトインタクトFGF21に結合した免疫複合体の酵素活性は、試料中のインタクトFGF21の量に正比例した。
b.)インタクトな全長融合タンパク質の定量化のための生物分析スクリーニング方法
血漿中の全長GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の濃度を、ELISA方法を利用して決定した。融合タンパク質のN末端を、マウスモノクローナル抗GLP1抗体(Mesoscale Discovery、MSD)によって捕捉した。150μLのブロッカーA(MSD)でプレートを穏やかに振盪させながら室温(RT)で1時間ブロッキングし、300μLの洗浄緩衝液で3回洗浄した後、50μLの希釈した血漿試料(標準物およびPK研究試料)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを、穏やかに振盪させながら室温で1時間インキュベートした。300μLの洗浄緩衝液で3回洗浄した後、50μLのプライマー検出抗体(C末端ウサギ抗FGF21抗体、Pineda Antikorper-Service、ベルリン、ドイツ)をそれぞれのウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。300μLの洗浄緩衝液で3回洗浄した後、PBS-Tween 0.05%(PBS-T)中に希釈した25μLのヤギ抗ウサギ抗体(Sulfoタグ標識、MSD)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、150μLのリード緩衝液をウェルに添加した。
血漿中の全長GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の濃度を、ELISA方法を利用して決定した。融合タンパク質のN末端を、マウスモノクローナル抗GLP1抗体(Mesoscale Discovery、MSD)によって捕捉した。150μLのブロッカーA(MSD)でプレートを穏やかに振盪させながら室温(RT)で1時間ブロッキングし、300μLの洗浄緩衝液で3回洗浄した後、50μLの希釈した血漿試料(標準物およびPK研究試料)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを、穏やかに振盪させながら室温で1時間インキュベートした。300μLの洗浄緩衝液で3回洗浄した後、50μLのプライマー検出抗体(C末端ウサギ抗FGF21抗体、Pineda Antikorper-Service、ベルリン、ドイツ)をそれぞれのウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。300μLの洗浄緩衝液で3回洗浄した後、PBS-Tween 0.05%(PBS-T)中に希釈した25μLのヤギ抗ウサギ抗体(Sulfoタグ標識、MSD)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、150μLのリード緩衝液をウェルに添加した。
c.)GLP-1 FGF21 Fc融合タンパク質のインタクトなGLP-1部分の定量化のために生物分析スクリーニング方法。
血漿試料を、GLP-1 ELISA方法を用いて融合タンパク質のインタクトなGLP-1部分について分析した。ELISAプレートに、マウスモノクローナル抗GLP-1抗体(Mesoscale Discovery、MSD)をコーティングした。150μLのブロッカーA(MSD)で穏やかに振盪させながら室温(RT)で1時間ブロッキングし、300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、50μLの希釈した血漿試料(標準物およびPK研究試料)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを、穏やかに振盪させながら室温で1時間インキュベートした。300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、PBS-T中に希釈した(1/3,333)25μLのヤギ抗ヒトIgG(Sulfoタグ標識、MSD)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、150μLのリード緩衝液をウェルに添加した。
血漿試料を、GLP-1 ELISA方法を用いて融合タンパク質のインタクトなGLP-1部分について分析した。ELISAプレートに、マウスモノクローナル抗GLP-1抗体(Mesoscale Discovery、MSD)をコーティングした。150μLのブロッカーA(MSD)で穏やかに振盪させながら室温(RT)で1時間ブロッキングし、300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、50μLの希釈した血漿試料(標準物およびPK研究試料)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを、穏やかに振盪させながら室温で1時間インキュベートした。300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、PBS-T中に希釈した(1/3,333)25μLのヤギ抗ヒトIgG(Sulfoタグ標識、MSD)を、それぞれのウェルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。300μLのPBS-Tで3回洗浄した後、150μLのリード緩衝液をウェルに添加した。
薬物動態パラメータを、非コンパートメントモデルおよび線形台形補間計算を使用して、プログラムWinNonlin 6.4によって計算した。結果を、図7および8、ならびに表6に示す。結果は、新規なGLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質が、最大20~40時間の半減期で、血漿レベルをng/mL範囲内に維持したことを示す。
マウスモデルにおけるインビボ有効性
a.)複数用量、食事性肥満(DIO)マウス
雌性C57BL/6Nチャールズリバーマウスを、標準食または高脂肪食(ssniff調節脂肪食E15797)に自由にアクセスできる12時間の明/暗サイクルの特定の無病原体バリア施設において、群ごとに収容した。高脂肪食を事前に20週間与えた後、マウスを、体重に応じて処置群に層別化し(n=8匹)、それぞれの群が同様の平均体重を有するようにした。標準食(ssniff R/M-H、V1534-0)に自由にアクセスさせた年齢一致群を標準対照群として含めた。デュラグルチド処置群もまた、比較として含めた。処置の開始前に、マウスに、3日間、ビヒクル溶液を皮下(s.c.)注射し、計量して、手順に順応させた。
a.)複数用量、食事性肥満(DIO)マウス
雌性C57BL/6Nチャールズリバーマウスを、標準食または高脂肪食(ssniff調節脂肪食E15797)に自由にアクセスできる12時間の明/暗サイクルの特定の無病原体バリア施設において、群ごとに収容した。高脂肪食を事前に20週間与えた後、マウスを、体重に応じて処置群に層別化し(n=8匹)、それぞれの群が同様の平均体重を有するようにした。標準食(ssniff R/M-H、V1534-0)に自由にアクセスさせた年齢一致群を標準対照群として含めた。デュラグルチド処置群もまた、比較として含めた。処置の開始前に、マウスに、3日間、ビヒクル溶液を皮下(s.c.)注射し、計量して、手順に順応させた。
1)食後の雌性DIOマウスにおける血中グルコースに対する急性作用:初回血液試料を、それぞれ、ビヒクル(リン酸緩衝溶液)の初回投与(皮下)またはGLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質(リン酸緩衝液中に溶解)の初回投与の直前に採取した。投与体積は、ストック溶液の濃度に応じて、5または10mL/kgであった。動物は、実験の間、水およびそれらの対応食に自由にアクセスさせた。血中グルコースレベルを、t=0時間、t=1時間、t=2時間、t=3時間、t=4時間、t=6時間、およびt=24時間の時点で測定した(方法:Accu-Check血糖測定装置)。血液試料採取は、麻酔なしで尾部切開によって行った。
2)雌性DIOマウスにおける体重に対する慢性的作用:マウスを、週1回、8日目の朝、明サイクルの開始時に、ビヒクルまたは試験化合物のいずれかで4週間処置した。体重および食物摂取を、毎日記録した。処置開始の2日前および26日目に、総脂肪質量を、核磁気共鳴(NMR)によって測定した。
体重および食物摂取に対する融合タンパク質の作用を、それぞれ、図9および図10に示す。配列番号8または配列番号7の融合タンパク質で処置した動物は、研究の終了時までに、ビヒクルまたはデュラグルチドで処置した動物よりも、累積でより多くの食物を摂取したが、それらは、ビヒクルまたはデュラグルチドで処置した動物よりも、有意に大きな体重減少を有した。このことは、配列番号7および配列番号8の両方の分子のGLP-1受容体活性とFGF21模倣物活性との均衡を明確に示しているが、これは、体重減少に対するそれらの作用の実現に、食物摂取の抑制は必要なかったことが理由である。
b.)食後の雌性糖尿病db/dbマウスにおける複数回皮下投薬の血中グルコース低下作用
動物、研究設計(投薬前フェーズ、投薬フェーズ)、薬理学的介入
雌性の健常な低脂肪(BKS.Cg-(低脂肪)/OlaHsdまたはBKS.Cg-Dock7(m)+/+ Lepr(db)J)および糖尿病傾向の肥満db/db(BKS.Cg-+Leprdb/+Leprdb/OlaHsdまたはBKS.CG-m +/+ Lepr(db)/J)マウスを、Envigo RMS Inc.またはCharles River Laboratoriesに注文した。全ての動物を、木片の床敷を有するシューボックスケージに群で収容し、投薬フェーズの前におよそ2~3週間順化させた。
動物、研究設計(投薬前フェーズ、投薬フェーズ)、薬理学的介入
雌性の健常な低脂肪(BKS.Cg-(低脂肪)/OlaHsdまたはBKS.Cg-Dock7(m)+/+ Lepr(db)J)および糖尿病傾向の肥満db/db(BKS.Cg-+Leprdb/+Leprdb/OlaHsdまたはBKS.CG-m +/+ Lepr(db)/J)マウスを、Envigo RMS Inc.またはCharles River Laboratoriesに注文した。全ての動物を、木片の床敷を有するシューボックスケージに群で収容し、投薬フェーズの前におよそ2~3週間順化させた。
マウスを、12時間の明/暗サイクル(明フェーズ午前4:00~午後4:00)、20~26℃の室温、および30~70%の相対湿度を含む生態条件下で収容した。全ての動物は、グリーンフィールドの水道水およびPurina Fomulab Diet 5008に自由にアクセスさせた。研究開始の時点で、マウスは、およそ10~12週齢であった。
投薬前フェーズ(15日間)
HbA1cおよび血中グルコース測定のために、9日目に尾部クリップによって血液を採取した。血中グルコース濃度を、AlphaTRAK広範囲血糖測定装置(コード29ストリップ)を使用して測定した。血糖測定装置の測定は、いずれの他の生命活動よりも前に行い、二連に行った。値が、20mg/dL(計算された血糖測定装置の値)を上回って異なる場合には、3回目の値を記録した。肥満度測定値を、9日目および15日目に収集した。HbA1cおよび肥満度値を、ブロックランダム化に使用した。15日目に、ブロックランダム化の結果に応じて、動物を、処置群(n=8匹/群)ならびに新しいケージおよびケージメイト(n=4匹の動物/ケージ)に割り当てた。低脂肪群は、年齢が一致する健常な参照群として研究に含めた。
HbA1cおよび血中グルコース測定のために、9日目に尾部クリップによって血液を採取した。血中グルコース濃度を、AlphaTRAK広範囲血糖測定装置(コード29ストリップ)を使用して測定した。血糖測定装置の測定は、いずれの他の生命活動よりも前に行い、二連に行った。値が、20mg/dL(計算された血糖測定装置の値)を上回って異なる場合には、3回目の値を記録した。肥満度測定値を、9日目および15日目に収集した。HbA1cおよび肥満度値を、ブロックランダム化に使用した。15日目に、ブロックランダム化の結果に応じて、動物を、処置群(n=8匹/群)ならびに新しいケージおよびケージメイト(n=4匹の動物/ケージ)に割り当てた。低脂肪群は、年齢が一致する健常な参照群として研究に含めた。
投薬製剤および投薬
投薬フェーズの1日目、8日目、15日目、22日目、および27日目に、皮下注射体積5ml/kgのビヒクル(滅菌PBS)、デュラグルチド、配列番号8、または配列番号7のいずれかで、動物を処置した。投薬は、午前10:00~12:00に完了させ、それぞれの個体の最新の肥満度記録に調節した。トルリシティ(デュラグルチドペン)を含む注射溶液は、適切な濃度を達成するために、滅菌PBSをストック溶液またはペン製剤に添加することによって調製した。
投薬フェーズの1日目、8日目、15日目、22日目、および27日目に、皮下注射体積5ml/kgのビヒクル(滅菌PBS)、デュラグルチド、配列番号8、または配列番号7のいずれかで、動物を処置した。投薬は、午前10:00~12:00に完了させ、それぞれの個体の最新の肥満度記録に調節した。トルリシティ(デュラグルチドペン)を含む注射溶液は、適切な濃度を達成するために、滅菌PBSをストック溶液またはペン製剤に添加することによって調製した。
投薬フェーズ(36日間)
1)朝食後の動物における血中グルコース濃度:動物は、実験の間、水および食事に無制限にアクセスさせた。血中グルコースを、1日目、2日目、8日目、9日目、15日目、16日目、22日目、23日目、27日目、および28日目の午前10:00~12:00、ならびに2日目、9日目、16日目、23日目、および28日目の投薬後24時間の時点で、いずれの他の生命活動よりも前に測定した。さらに、1日目および22日目には、血液を、投薬の1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、および24時間後に採取した(図11)。およそ5μLの血液を、尾部クリップを介して採取し、血中グルコース測定を、AlphaTRAK広範囲血糖測定装置(コード29ストリップ)を使用して二連に行った。値が、20mg/dL(計算されたグルコース値)を上回って異なる場合には、3回目の値を記録した。曲線下面積(AUC)を、それぞれの個体および示される時点について、トラペゾイド法によって計算した。
1)朝食後の動物における血中グルコース濃度:動物は、実験の間、水および食事に無制限にアクセスさせた。血中グルコースを、1日目、2日目、8日目、9日目、15日目、16日目、22日目、23日目、27日目、および28日目の午前10:00~12:00、ならびに2日目、9日目、16日目、23日目、および28日目の投薬後24時間の時点で、いずれの他の生命活動よりも前に測定した。さらに、1日目および22日目には、血液を、投薬の1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、および24時間後に採取した(図11)。およそ5μLの血液を、尾部クリップを介して採取し、血中グルコース測定を、AlphaTRAK広範囲血糖測定装置(コード29ストリップ)を使用して二連に行った。値が、20mg/dL(計算されたグルコース値)を上回って異なる場合には、3回目の値を記録した。曲線下面積(AUC)を、それぞれの個体および示される時点について、トラペゾイド法によって計算した。
2)HbA1c分析:血液を、投薬前フェーズの9日目および投薬フェーズの36日目に、尾部クリップを介して採取した。血液を、5μLの添加剤なしのマイクロキャピラリーチューブに採取し、即座に溶血血液を含有する遠心チューブに入れた。チューブを、激しく振盪させて溶血血液と血液とを混合し、血液および試薬が完全に混合されるのを確実にするために、ロッカーに置いた。研究開始時および研究終了時における血漿HbA1cレベルを、図12に示す。
統計学的分析:データは、平均±平均の標準誤差として示す。統計学的分析のために、一元配置分散分析(ANOVA)および多重比較(ダネット法)を行い、糖尿病で肥満のdb/dbビヒクルマウス(n=8匹)の群を、糖尿病で肥満のdb/db試験物品処置マウス(n=8匹)の群と比較した。2つの群の平均値における差が0.05を上回る場合、それらは、統計学的に有意な差であると考えた。非糖尿病の低脂肪ビヒクル群のデータを、図11および12に示すが、これは、非肥満で非糖尿病状態の参照データセットとしての機能を果たす。
配列番号8または配列番号7の融合タンパク質で処置した動物において、血中グルコースレベルに対する低下作用は、ビヒクルまたはデュラグルチド処置動物におけるものよりも有意に高かった(図11)。最も高い用量の配列番号8の融合タンパク質は、さらには、処置の22日目に測定したほぼ全ての24時間血中グルコースプロファイルわたって、血中グルコースレベルの正常な非糖尿病動物レベルへの低減をもたらした。さらに、配列番号8または配列番号7の融合タンパク質で処置した動物は、図12に示されるように、ビヒクルまたはデュラグルチドで処置した動物よりも、研究の終了時までに、HbA1c増加のさらに顕著な抑制を示した。
c.)DIO-NASHマウスモデル
動物および実験の設定
全ての動物実験は、国際的に認められた研究室動物の取扱いおよび使用に関する原理に従っていた。
動物および実験の設定
全ての動物実験は、国際的に認められた研究室動物の取扱いおよび使用に関する原理に従っていた。
5週齢の雄性C57Bl/6Jマウスを、JanVier(JanVier labs、フランス)から入手し、それぞれの群を、1つのケージ当たり5匹の動物で12/12時間の暗明サイクル下において収容した。室温を、50%±10%の湿度で22℃±1℃に制御した。動物は、以前はAMLN食として説明されていた(Clapperら(2013)Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 305:G483-G495)高脂肪食(40%、そのうち18%は、トランス脂肪)、40%炭水化物(20%フルクトース)、および2%コレステロール(D09100301、Research Diet、米国)または通常のげっ歯動物食(Altromin 1324、Brogaarden、デンマーク)、および水道水(低脂肪食、n=10~12匹)に自由にアクセスさせた。26週間後に、ベースラインにおける個体の線維症および脂肪肝のステージングの組織学的評価のために、肝臓生検を行った。
マウスを、生検する1日前に、エンロフロキサジン(Bayer、ドイツ)(5mg/mL/1mL/kg)で事前処置した。生検の前に、マウスを、100%酸素中のイソフルラン(2%~3%)で麻酔した。正中線に小さな腹部切開を行い、肝臓の左側葉を露出させた。円錐形の肝組織片(50~100mg)を、葉の遠位部分から切り出し、組織学のために4%パラホルムアルデヒド中に固定した。Clapperらによって以前に説明されている生検手順を、ERBE VIO 100C電気手術器(ERBE、米国)を使用したバイポーラ凝固による肝臓の切断表面の電気凝固を使用して改良した。肝臓を腹腔に戻し、腹壁を縫合し、皮膚をステープルで留めた。カルプロフェン(Pfizer、米国)(5mg/mL-0.01mL/10g)およびエンロフロキサジン(5mg/mL-1mL/kg)を、外科手術の時点ならびに術後1日目および2日目に、それぞれ、術後痛緩和および感染を制御するために腹腔内に投与した。生検手順の後に、動物を、1匹ずつ収容し、3週間AMLN食を続けて回復させた。10~12匹の動物の研究群への層別化およびランダム化は、ベースライン肝臓生検によって評価した個々の疾患のステージングに基づいて行った。
動物を、次いで、AMLN食または通常食のいずれかにおいて、1週間に1回でさらに8週間、皮下注射により50mg/kgのGLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質、0.6mg/kgのデュラグルチド、またはビヒクル(PBS)で処置した。続いて、動物を安楽死させ、肝臓重量を決定し、組織学および生化学分析のために肝臓組織を採取した(図13を参照されたい)。
組織学評価およびデジタル画像分析
ベースライン肝臓生検および終末期試料を、左側葉から採取し(約100mg)、4%パラホルムアルデヒド中に一晩固定した。肝臓組織を、パラフィン包埋し、切片を作製した(3μmの厚さ)。肝臓形態学および線維症を評価するために、切片を、それぞれ、ヘマトキシリンおよびエオシンならびにSirius Redで染色し、続いて、Visiomorphソフトウェア(Visiopharm、デンマーク)で分析した。組織学評価およびスコア付けを、研究に盲検化された病理医が行った。NAFLD活性スコア(NAS)(脂肪肝、炎症、気球状変性)および線維症のステージは、Kleinerら(2005)Hepatology 41: 1313-1321によって概説されている臨床基準を使用して行った。データを、図14および図15において2つの異なる形式で示す。
ベースライン肝臓生検および終末期試料を、左側葉から採取し(約100mg)、4%パラホルムアルデヒド中に一晩固定した。肝臓組織を、パラフィン包埋し、切片を作製した(3μmの厚さ)。肝臓形態学および線維症を評価するために、切片を、それぞれ、ヘマトキシリンおよびエオシンならびにSirius Redで染色し、続いて、Visiomorphソフトウェア(Visiopharm、デンマーク)で分析した。組織学評価およびスコア付けを、研究に盲検化された病理医が行った。NAFLD活性スコア(NAS)(脂肪肝、炎症、気球状変性)および線維症のステージは、Kleinerら(2005)Hepatology 41: 1313-1321によって概説されている臨床基準を使用して行った。データを、図14および図15において2つの異なる形式で示す。
配列番号8の融合タンパク質は、肝臓重量、肝臓総脂質含有量、肝臓コレステロールおよびトリグリセリド含有量、ならびにNAFLD活性スコアに対して作用を明確に示し、これは、デュラグルチドの作用によって例証されるGLP-1アゴニズム単独のものよりも優れていた。
Claims (19)
- GLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニストペプチドおよびヒトFGF21(線維芽細胞増殖因子21)の機能的に活性な変異体を含む、融合タンパク質であって、
該GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7-36)(配列番号260)のアミノ酸配列において、最大約15個のアミノ酸残基の置換を含む、天然GLP-1(7-36)の変異体であり、
該ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号250または配列番号251のアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含み、
(i)置換Q55CおよびP147Cまたは置換Q55CおよびN149C、ならびに
(ii)G198および/またはP199の置換または欠失を含み、
アミノ酸残基の番号付けは、配列番号250に従い、
該GLP-1Rアゴニストペプチドおよび該ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、L-Fc、Fc-L、L1-Fc-L2、およびFcからなる群から選択される構造を含むリンカー分子を介して連結されており、L、L1、およびL2は、単一のアミノ酸およびペプチドからなる群から独立して選択され、Fcは、免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインである、前記融合タンパク質。 - 天然GLP-1(7-36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
- GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の融合タンパク質。
- GLP-1Rアゴニストペプチドは、アミノ酸配列
H-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-K-Q-L-E-E-E-X18-V-X20-L-F-I-E-W-L-K-A-X29-G(配列番号4079)
を含み、式中、
X10は、KまたはLであり、
X18は、AまたはRであり、
X20は、RまたはQであり、
X29は、GまたはTであり、
場合により、該アミノ酸配列は、そのN末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み、
場合により、該アミノ酸配列は、そのC末端に最大約12、約11、または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の融合タンパク質。 - GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261または262のアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
- ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、G198R、G198K、G198Y、およびP199の欠失からなる群から選択される置換または欠失を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
- ヒトFGF21の機能的に活性な変異体は、配列番号253、254、255、および256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
- 免疫グロブリンまたはその変異体のFcドメインは、配列番号257、258、および259からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
- 配列番号1~8、18~31、39、40、42~72、74、76、78~84、88~90、92~97、100~102、105~109、112、113、115、116、118、120~124、126~130、132~136、139、142~148、150~153、155~158、161~172、174~177、180~188、190、192~209、211、212、216、217、および219~229からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、融合タンパク質、または配列番号1~8、18~31、39、40、42~72、74、76、78~84、88~90、92~97、100~102、105~109、112、113、115、116、118、120~124、126~130、132~136、139、142~148、150~153、155~158、161~172、174~177、180~188、190、192~209、211、212、216、217、および219~229からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含む、その機能的に活性な変異体。
- 配列番号2、7、および8からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、融合タンパク質、または配列番号2、7、および8からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含む、その機能的に活性な変異体。
- 前記融合タンパク質は、ヒトGLP-1Rを安定に発現する細胞のcAMP反応を測定することによって決定される、約15pmol/L~約400pmol/L、または約20pmol/L~約400pmol/L、または約50pmol/L~約400pmol/L、または約100pmol/L~約400pmol/LのEC50で、ヒトGLP-1Rを活性化することができる、請求項1~10のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
- 前記融合タンパク質は、(i)約250nmol/L以下、もしくは約200nmol/L以下、もしくは約150nmol/L以下、もしくは約100nmol/L以下、もしくは約75nmol/L以下、もしくは約50nmol/L以下のEC50で、ヒトFGF受容体1c(FGFR1c)の自己リン酸化を誘導することができ、かつ/または(ii)約100nmol/L以下、もしくは約75nmol/L以下、もしくは約50nmol/L以下、もしくは約25nmol/L以下、もしくは約20nmol/L以下、もしくは約15nmol/L以下、もしくは約10nmol/L以下のEC50で、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)ERK1/2のリン酸化を誘導することができる、請求項1~11のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする、核酸分子。
- 請求項13に記載の核酸分子を含有する、宿主細胞。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項13に記載の核酸分子、または請求項14に記載の宿主細胞を含む、医薬組成物。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項13に記載の核酸分子、請求項14に記載の宿主細胞、または請求項15に記載の医薬組成物を含む、キット。
- 医薬としての使用のための、請求項1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項13に記載の核酸分子、請求項14に記載の宿主細胞、または請求項15に記載の医薬組成物。
- 肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害の治療での使用のための、請求項1~12のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項13に記載の核酸分子、請求項14に記載の宿主細胞、または請求項15に記載の医薬組成物。
- 糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である、請求項18に記載の使用のための融合タンパク質、核酸分子、宿主細胞、または医薬組成物。
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