JP2023539466A - フル分解能イオン移動度データの取り込みおよび多重分析物標的データ獲得の実行のためのシステムおよび方法 - Google Patents

フル分解能イオン移動度データの取り込みおよび多重分析物標的データ獲得の実行のためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

フル分解能イオン移動度データを取り込むためのシステムは、イオンを受け取り、イオンの一部分を案内し、案内されたイオンを移動度に基づいて分離するイオン移動度分離デバイスを含む。イオン検出器は、イオンを受け取り、時間周期中に所定の質量電荷比を有するイオンを検出し、応答信号を生成する。データ獲得システムは、検出器から信号を受け取り、時間周期中の異なる到達時間周期における信号の強度を表す時間依存イオン信号を生成する。多重分析物標的データ獲得を実行するためのシステムは、イオンの流れを受け取り、イオンの一部分を案内し、イオンを移動度に基づいて分離するイオン移動度分離デバイスを含む。イオン検出器は、イオンを受け取り、第1の走査の第1の到達時間中に第1の質量電荷比を検出することから、第2の到達時間中に第2の質量電荷比を検出することへ切り換わる。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、開示全体を本明細書に明示的に参照によって組み入れる、2020年8月18日出願の米国特許仮出願第63/066,852号に対する優先権の利益を主張する。
本開示は、一般に、イオン移動度分光測定(IMS)および質量分光測定(MS)の分野に関する。より詳細には、本開示は、高帯域幅獲得システムの使用によって実現される低獲得率のフィルタ式質量分光計によるフル分解能イオン移動度データの取り込みならびに質量電荷比検出および多重走査分析の切換えによる多重分析物標的データ獲得の実行のためのシステムおよび方法に関する。
IMSは、気相中のイオンをその移動度に基づいて分離および識別するための技法である。たとえば、IMSは、異なる移動度を有する構造異性体および巨大分子を分離するために用いることができる。IMSは、静的または動的背景ガス中のイオンの混合物に一定の電界または経時変化する電界を印加することに依拠する。より大きい移動度(またはより小さい衝突断面積[CCS])を有するイオンは、より小さい移動度(またはより大きいCCS)を有するイオンと比較すると、電界の影響下でより速く動く。IMSデバイスの分離距離(たとえば、ドリフト管内)にわたって電界を印加することによって、イオン混合物からのイオンをその移動度に基づいて時間的または空間的に分離することができる。異なる移動度を有するイオンは、異なる時間にドリフト管の端部に到達する(時間的分離)ため、ドリフト管の端部における検出器による検出時間に基づいて、これらのイオンを識別することができる。移動度分離の分解能は、分離距離を変化させることによって変更することができる。
MSは、化学種の混合物をその質量電荷比に基づいて分離することができる分析技法である。MSは、化学種の混合物をイオン化し、それに続いて電界および/または磁界の存在下でイオン混合物を加速させることを伴う。いくつかの質量分光計では、同じ質量電荷比を有するイオンは、同じ偏向または時間依存応答を受け取る。異なる質量電荷比を有するイオンは、異なる偏向または時間依存応答を受け取る可能性があり、検出器(たとえば、電子増倍管)による空間的または時間的な検出位置に基づいて、これらのイオンを識別することができる。
IMSとMSを組み合わせることで、IMS-MSスペクトルを生成することができ、これをメタボロミクス、糖鎖生物学、およびプロテオミクスを含む広範囲の用途で使用することができる。IMS-MSイオン分離は、イオン移動度分光計を質量分光計に連結することによって実行することができる。たとえば、イオン移動度分光計がまず、イオンをその移動度に基づいて分離することができる。異なる移動度を有するイオンは、異なる時間に質量分光計に到達する可能性があり、次いでその質量電荷比に基づいて分離される。IM分光計の一例は、最小のイオン損失でIMSスペクトルを生成することができる無損失イオン操作構造(SLIM)デバイスである。SLIMデバイスは、異なる移動度のイオンを分離するための1つの技法として、進行波分離を使用することができる。
トリプル四重極(QQQ)質量分光計などの典型的な質量分光測定獲得システムは、パルス計数モードで機能し、検出器は、設定された休止時間にわたって特有の質量電荷比のイオンを検出し、検出されたイオンの数を合計するように設定される。各々の設定された休止時間は、その休止時間中に検出器に到達したイオンの数に対応する単一の数によって表される。すなわち、休止時間中のいつイオンが検出器に到達したかにかかわらず、休止時間中に受け取られたイオンの数が合計される。これにより最終的に、検出器の信号が単一の数に低減される。加えて、異なる分析物、たとえば同じ質量電荷比を有するが異なる移動度を有するイオンは、別個に区別および記録されるのではなく合計され、その結果、不完全なデータが提供される。
さらに、質量分光測定システムによって分析される試料は、異なる質量電荷比を有する複数のイオンまたは分析物を含むことができる。しかし、単一の質量電荷比または断片化遷移を標的とする検出器は、その単一の質量電荷比に関するイオン移動度データのみを記録し、したがって他の分析物に関するデータは記録しない。すなわち、そのようなシステムは、複数の標的を同時に監視しない。さらに、そのようなシステムは概して、検出器が1つの特有の質量電荷比を検出するように設定されているため、異なる質量電荷比を有するが類似の移動度を有する複数の分析物またはイオンを試料から検出することができない。
したがって、フル分解能イオン移動度データの取り込みおよび多重分析物標的IMS-MSデータ獲得の実行のための追加のシステムおよび方法が必要とされている。
本開示は、フィルタ式質量分光計を使用したフル分解能イオン移動度データの取り込みおよび多重分析物標的データ獲得の実行のためのシステムおよび方法に関する。
本開示の実施形態によれば、フル分解能イオン移動度データを取り込むための例示的なシステムは、イオン移動度分離デバイスと、イオン検出器と、データ獲得システムと、イオン移動度分離デバイス、イオン検出器、およびデータ獲得システムと通信するコントローラとを含む。イオン移動度分離デバイスは、イオンの流れを受け取り、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも一部分を案内し、その部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成される。イオン検出器は、イオンの流れの部分をイオン移動度分離デバイスから受け取り、第1の時間周期中に所定の質量電荷比を有するイオンを検出し、所定の質量電荷比を有するイオンの検出に応答して1つまたはそれ以上の信号を生成するように構成される。データ獲得システムは、イオン検出器から1つまたはそれ以上の信号を受け取り、イオン検出器から受け取った信号に基づいて時間依存イオン信号を生成するように構成され、時間依存イオン信号は、第1の時間周期中の複数の異なる到達時間周期における1つまたはそれ以上の信号の強度を表す。
いくつかの態様では、データ獲得システムは、高帯域幅データ獲得システムとすることができる。そのような態様では、高帯域幅データ獲得システムは、アナログデジタルコンバータとすることができ、少なくとも8ビットの分解能を有することができ、イオン検出器によって生成される1つまたはそれ以上の信号は、アナログ信号とすることができる。
いくつかの他の態様では、データ獲得システムは、第1の時間周期を複数のサブ時間周期に分離し、複数のサブ時間周期の各々について、受け取った1つまたはそれ以上の信号を別個に合計し、合計および複数のサブ時間周期に基づいて時間依存イオン信号を生成するように構成することができる。そのような態様では、データ獲得システムは、1kHzより大きい帯域幅を有することができる。
さらなる他の態様では、イオン移動度分離デバイスは、イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、イオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成された進行駆動電位(traveling drive potential)を生成するように構成することができる。他の態様では、イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含むことができる。蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成することができる。
本開示の実施形態によれば、フル分解能イオン移動度データを取り込むための例示的な方法が提供される。この方法は、イオン移動度分離デバイスにイオンの流れを導入することを含む。この方法は、イオン移動度分離デバイスによって、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも一部分をイオン検出器へ案内することをさらに含む。この方法は加えて、イオン移動度分離デバイスによって、この部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離することを含む。この方法はまた、イオン検出器によって、イオンを受け取り、イオン検出器によって、第1の時間周期中に所定の質量電荷比を有するイオンを検出することを含む。この方法は、イオン検出器によって、所定の質量電荷比を有するイオンの検出に応答して1つまたはそれ以上の信号を生成し、データ獲得システムによって、イオン検出器から1つまたはそれ以上の信号を受け取ることをさらに含む。この方法はまた、データ獲得システムによって、イオン検出器から受け取った1つまたはそれ以上の信号に基づいて時間依存イオン信号を生成することを含み、時間依存イオン信号は、第1の時間周期中の複数の異なる到達時間周期における1つまたはそれ以上の信号の強度を表す。
いくつかの態様では、この方法は、イオン移動度分離デバイス、イオン検出器、およびデータ獲得システムと通信するコントローラを含む。
いくつかの態様では、データ獲得システムは、高帯域幅データ獲得システムとすることができる。そのような態様では、高帯域幅データ獲得システムは、アナログデジタルコンバータとすることができ、少なくとも8ビットの分解能を有することができ、イオン検出器によって生成される1つまたはそれ以上の信号は、アナログ信号とすることができる。
他の態様では、この方法は、データ獲得システムによって、第1の時間周期を複数のサブ時間周期に分離することと、複数のサブ時間周期の各々について、受け取った1つまたはそれ以上の信号を別個に合計することと、合計および複数のサブ時間周期に基づいて時間依存イオン信号を生成することとを含むことができる。そのような態様では、データ獲得システムは、1kHzより大きい帯域幅を有することができる。
いくつかの他の態様では、この方法は、イオン移動度分離デバイスによって、イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、イオンをイオン移動度に基づいて分離する進行駆動電位を生成することを含むことができる。
さらなる他の態様では、イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含むことができる。蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成することができる。
本開示の実施形態によれば、多重分析物標的データ獲得を実行するための例示的なシステムは、イオン移動度分離デバイスと、イオン検出器と、イオン移動度分離デバイスおよびイオン検出器と通信するコントローラとを含む。イオン移動度分離デバイスは、イオンの流れを受け取り、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも第1の部分を案内し、第1の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成される。イオン検出器は、イオンの流れの第1の部分をイオン移動度分離デバイスから受け取り、受け取ったイオンの第1の走査を実行するように構成され、第1の走査は、第1の到達時間中に第1の質量電荷比を有する第1のイオンを検出し、第2の到達時間中に第2の質量電荷比を有する第2のイオンを検出することを含む。イオン検出器は、第1の走査の第1の到達時間中に第1の質量電荷比を検出することから、第1の走査の第2の到達時間中に第2の質量電荷比を検出することへ切り換わる。
いくつかの態様では、イオン移動度分離デバイスは、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの第2の部分を案内し、第2の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成することができる。そのような態様では、イオン検出器は、イオンの流れの第2の部分をイオン移動度デバイスから受け取り、受け取ったイオンの第2の走査を実行するように構成することができ、第2の走査は、第1の到達時間中に第3の質量電荷比を有する第3のイオンを検出することを含む。イオン検出器は、第1の質量電荷比および第2の質量電荷比のうちの1つを検出することから、第3の質量電荷比を検出することへ切り換わることができる。
他の態様では、第1の走査中に検出されたデータと第2の走査中に検出されたデータを組み合わせて、多重分析物データプロットを形成することができる。
さらなる他の態様では、システムは、データセットを記憶するコンピューティングデバイスを含むことができ、データセットは、イオンの流れの第1の部分およびイオンの流れの第2の部分のイオンに関するデータを含むことができる。これらの態様では、コンピューティングデバイスは、データセットに基づいて、第1の走査中に検出すべき第1のイオン、第1の走査中に検出すべき第2のイオン、および第2の走査中に検出すべき第3のイオンを判定するように構成することができる。データは、到達時間および質量電荷比のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。コンピューティングデバイスは、データに基づいて、イオンを第1、第2、および第3の走査にグルーブ分けするように構成することができる。
さらなる態様では、イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含むことができる。蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成することができる。そのような態様では、第1の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第1のパケットで実行することができ、第2の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第2のパケットで実行することができる。
他の態様では、イオン移動度分離デバイスは、イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、イオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成された進行駆動電位を生成するように構成することができる。
本開示の実施形態によれば、多重分析物標的データ獲得のための例示的な方法が提供される。この方法は、イオン移動度分離デバイスにイオンの流れを導入することと、イオン移動度分離デバイスによって、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも第1の部分をイオン検出器へ案内することと、イオン移動度分離デバイスによって、第1の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離することとを含む。この方法はまた、イオン検出器によって、イオンの流れの第1の部分を受け取ることと、イオン検出器によって、受け取ったイオンの第1の走査を実行することとを含み、第1の走査は、第1の到達時間中に第1の質量電荷比を有する第1のイオンを検出し、第2の到達時間中に第2の質量電荷比を有する第2のイオンを検出することを含む。イオン検出器は、第1の走査の第1の到達時間中に第1の質量電荷比を検出することから、第1の走査の第2の到達時間中に第2の質量電荷比を検出することへ切り換わる。
いくつかの態様では、この方法は、イオン移動度分離デバイスによって、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの第2の部分をイオン検出器へ案内することと、イオン移動度分離デバイスによって、第2の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離することとを含むことができる。そのような態様はまた、イオン検出器によって、イオンの流れの第2の部分を受け取ることと、イオン検出器によって、受け取ったイオンの第2の走査を実行することとを含むことができ、第2の走査は、第1の到達時間中に第3の質量電荷比を有する第3のイオンを検出することを含む。イオン検出器は、第1の質量電荷比および第2の質量電荷比のうちの1つを検出することから、第3の質量電荷比を検出することへ切り換わることができる。
いくつかの態様では、この方法は、第1の走査中に検出されたデータと第2の走査中に検出されたデータを組み合わせて、多重分析物データプロットを形成することを含むことができる。
いくつかの他の態様では、この方法は、コンピューティングデバイスによって、データセットを記憶することを含むことができ、データセットは、イオンの流れの第1の部分およびイオンの流れの第2の部分のイオンに関するデータを含むことができる。そのような方法は、コンピューティングデバイスによって、データセットに基づいて、第1の走査中に検出すべき第1のイオン、第1の走査中に検出すべき第2のイオン、および第2の走査中に検出すべき第3のイオンを判定することを含むことができる。これらの方法のうちのいくつかでは、データは、到達時間および質量電荷比のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。
いくつかの他の態様では、この方法は、コンピューティングデバイスによって、データに基づいて、イオンを第1、第2、および第3の走査にグルーブ分けすることを含むことができる。
さらなる他の態様では、イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含むことができる。蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成することができる。そのような態様では、第1の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第1のパケットで実行することができ、第2の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第2のパケットで実行することができる。
いくつかの態様では、イオン移動度分離デバイスは、イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、イオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成された進行駆動電位を生成するように構成することができる。
他の構成は、以下の詳細な説明について添付の図面とともに考慮することによって明らかになる。しかし、図面は本発明の限定の定義ではなく、例示のみを目的としてとして設計されていることを理解されたい。
本開示の上記の構成は、添付の図面を考慮して、本発明の以下の詳細な説明から明らかになる。
本開示の例示的なイオン移動度分離システムの概略図である。 図1の例示的なIMSデバイスの概略図である。 図1のイオン移動度分離システムの例示的なタイミング図である。 標的単一m/zイオン移動度データ収集を実証する質量電荷比(m/z)と衝突断面積(CCS)の関係のグラフである。 多重分析物標的IMS-MSデータ獲得を実証する質量電荷比とイオン移動度の関係のグラフである。 検出器が3つの異なる到達時間において3つの異なる質量電荷比のイオンを検出する起動時間を示す質量電荷比と到達時間の関係のグラフである。 検出器が3つの異なる質量電荷比のイオンを検出する起動時間を示し、イオンのうちの2つが同じ到達時間を有する質量電荷比と到達時間の関係のグラフである。 検出器の第1の走査を示す図6Aのグラフの第1の部分である。 検出器の第2の走査を示す図6Aのグラフの第2の部分である。 例示的なグリカン混合物に関する質量電荷比と到達時間の関係のグラフである。 ピーク幅間に3ms未満の間隙を有するデータのピーク幅およびグルーブ分けを含む、150ms~400msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示す図7のグラフの第1の部分の詳細図である。 ピーク幅間に3ms未満の間隙を有するデータのピーク幅およびグルーブ分けを含む、625ms~975msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示す図7のグラフの第2の部分の詳細図である。 160ms~260msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第1の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第1の部分の詳細図である。 260ms~400msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第1の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第2の部分の詳細図である。 625ms~975msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第1の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第3の部分の詳細図である。 160ms~260msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第2の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第1の部分の詳細図である。 260ms~400msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第2の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第2の部分の詳細図である。 625ms~975msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第2の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第3の部分の詳細図である。 160ms~260msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第3の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第1の部分の詳細図である。 260ms~400msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第3の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第2の部分の詳細図である。 625ms~975msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第3の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第3の部分の詳細図である。 160ms~260msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第4の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第1の部分の詳細図である。 260ms~400msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第4の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第2の部分の詳細図である。 625ms~975msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、検出器の第4の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第3の部分の詳細図である。 160ms~260msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、図9A~図9C、図10A~図10C、図11A~図11C、および図12A~図12Cに示す検出器の第1、第2、第3、および第4の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第1の部分の詳細図である。 260ms~400msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、図9A~図9C、図10A~図10C、図11A~図11C、および図12A~図12Cに示す検出器の第1、第2、第3、および第4の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第2の部分の詳細図である。 625ms~975msの到達時間範囲についてのデータをより詳細に示し、図9A~図9C、図10A~図10C、図11A~図11C、および図12A~図12Cに示す検出器の第1、第2、第3、および第4の走査によって取り込まれたデータを識別する、図7のグラフの第3の部分の詳細図である。
本開示は、図1~図13Cに関連して以下で詳細に説明するように、イオンを濾過するためのシステムおよび方法に関する。
イオン移動度分光測定(IMS)を介して、イオンをその移動度に基づいて分離することができる。移動度分離は、たとえば、1群のイオンに1つまたはそれ以上の電位波形(たとえば、進行電位波形、直流(DC)勾配、または両方)を印加することによって実現することができる。一例として、IMSに基づく移動度分離は、どちらも全体として本明細書に参照によって組み入れる、「Method and Apparatus for Ion Mobility Separations Utilizing Alternating Current Waveforms」という名称の米国特許第8,835,839号、および「Ion Manipulation Device」という名称の米国特許第10,317,364号に開示および記載されているデバイスなど、1群のイオンに進行および/またはDC電位波形を系統的に印加することができる無損失イオン操作(SLIM)のための構造によって実現することができる。この結果、その移動度に基づいて時間的または空間的に分離されたイオンの連続する流れを得ることができる。
図1は、本開示による例示的なイオン移動度分離(IMS)システム100の概略図である。IMSシステム100は、イオン化源102、IMSデバイス104、検出器106(たとえば、トリプル四重極(QQQ)質量分光計などの質量分光計、または任意の他のフィルタ式質量分光計/分析器)、高帯域幅データ獲得システム108、真空システム110、コントローラ112、コンピューティングデバイス114、および電源116を含む。イオン化源102は、イオン(たとえば、変動する移動度および質量電荷比を有するイオン)を生成し、IMSデバイス104内へイオンを注入する。IMSデバイス104は、米国特許第8,835,839号および第10,317,364号に開示および記載されているSLIMデバイスに従って構成および動作することができる。特に、IMSデバイス104は、適用される所望の機能および波形に応じて、イオンの伝達、イオンの蓄積、イオンの収納、および/またはイオンの分離を行うように構成することができる。これに関して、IMSデバイス104を使用して、1つまたはそれ以上の所定の移動度範囲を有するイオンを選択し、選択された1群(または数群)のイオンを検出器106、たとえばトリプル四重極(QQQ)質量分光計などの質量分光計へ誘導することができ、検出器106は、高帯域幅データ獲得システム108と通信することができ、または高帯域幅データ獲得システム108を含むことができる。高帯域幅データ獲得システム108は、以下でより詳細に論じるように、検出器106の時間依存イオン信号を受け取り、監視し、取り込み、フル分解能イオン移動度データ信号を生成するように構成されたアナログまたはデジタルシステムとすることができる。
IMSデバイス104は、SLIMデバイスである必要はなく、異なる質量電荷比を有するイオンが異なる時点に検出器106に到達するように、時間的分離を介して動作する任意のIMSデバイスとすることができることを理解されたい。
1つの例示的な構成では、IMSデバイス104は、複数の電極を配置することができる1つまたはそれ以上の表面(たとえば、プリント回路基板表面)を含むことができる。電極は、電圧信号、電圧波形、および/または電流波形(たとえば、DC電圧もしくは電流、RF電圧もしくは電流、もしくはAC電圧もしくは電流、またはこれらの重畳)を受け取ることができ、電位(たとえば、電位勾配)を生成してイオンをIMSデバイス104内に閉じ込めることができ、IMSデバイス104内にイオンを蓄積することができ、IMSデバイス104を通してイオンを案内することができ、その結果、イオンをその移動度に基づいて蓄積および分離することができる。電極に印加される電圧信号は、正弦波形(たとえば、AC電圧波形)、矩形波形、DC方形波形、鋸歯形波形、バイアス正弦波形、パルス電圧または電流波形(極性反転なく周期性を有することができる)などとすることができ、電極へ提供される信号の振幅は、印加される電圧波形に基づいて判定することができる。IMSデバイス104の電極は、互いに位相シフトした電圧信号を生成する異なる進行波制御回路、たとえばAC制御回路、DC(方形波)制御回路、パルス電流制御回路などに個々に連結することができる。別法として、コントローラ112は、IMSデバイス104のすべての電極に同時に印加することができる電圧信号を生成することができる単一の進行波制御回路とすることもできる。電圧または電流波形は、様々な形態、たとえば方形、三角形、矩形、鋸歯形などをとること、周期性を有すること、非周期性を有することなどができることを理解されたい。たとえば、コントローラ112は、DC電圧信号を生成する1つまたはそれ以上のDC(方形波)制御回路および正弦波信号を生成するAC制御回路を含むことができる進行波制御回路とすることができる。
真空システム110は、IMSデバイス104と流体連通することができ、IMSデバイス104内のガス圧力を調節することができる。具体的には、真空システム110は、IMSデバイス104へ窒素を提供しながら、IMSデバイス104内の圧力を一貫した圧力で維持することができる。
コントローラ112は、たとえばコントローラ112へDC電圧を提供するDC電源とすることができる電源116から電力を受け取ることができ、イオン化源102、IMSデバイス104、検出器106、高帯域幅データ獲得システム108、および真空システム110と通信して、これらの動作を制御することができる。たとえば、コントローラ112は、イオン化源102によるIMSデバイス104へのイオンの注入速度、IMSデバイス104の標的移動度、および検出器106によるイオン検出を制御することができる。コントローラ112はまた、イオンの伝達、蓄積、収納、および/または分離のために、IMSデバイス104によって生成される電位波形の特性および運動を制御することができる(たとえば、IMSデバイス104の電極にRF/AC/DC電位を印加することによる)。加えて、コントローラ112は、高帯域幅データ獲得システム108によって生成されるフル分解能イオン移動度データ信号を受け取ることができる。
コントローラ112は、印加されるRF/AC/DC電位(または電流)の特性を変動させることによって、電位波形の特性(たとえば、振幅、形状、周波数など)を制御することができる。これに関して、コントローラ112は、IMSデバイス104の異なる領域、たとえば電極の異なるグルーブ分けのための電位波形の特性を変動させて、イオンを捕集/蓄積し、後にイオンを分離することができる。これは、望ましくないイオン(たとえば、標的としない移動度を有するイオン)の除去、移動度ピーク分解能の増大、信号対雑音比の増大、および標的移動度前後の鋭い分離の実現を目的として行うことができる。
いくつかの実装例では、コントローラ112は、コンピューティングデバイス114に通信可能に連結することができる。たとえば、コンピューティングデバイス114は、制御信号を介して、IMSシステム100の動作パラメータをマスタ制御回路へ提供することができる。いくつかの実装例では、使用者は、コンピューティングデバイス114に(たとえば、ユーザインターフェースを介して)動作パラメータを提供することができる。制御信号を介して受け取った動作パラメータに基づいて、マスタ制御回路は、RF/AC/DC制御回路の動作を制御することができ、RF/AC/DC制御回路は、連結されたIMSデバイス104の動作を判定することができる。いくつかの実装例では、RF/AC/DC制御回路は、IMSシステム100にわたって物理的に分散させることができる。たとえば、RF/AC/DC制御回路のうちの1つまたはそれ以上をIMSシステム100内に配置することができ、様々なRF/AC/DC制御回路は、電源116からの電力に基づいて動作することができる。
検出器106は、一度にすべてのイオンを検出するのではなく、一度に単一の質量電荷比のイオンを検出するように構成可能なフィルタ式検出器とすることができる。たとえば、検出器106は、トリプル四重極(QQQ)質量分光計などの質量分光計とすることができる。したがって、検出器106は、異なる質量電荷比のイオンが異なる時間に検出器106に到達するように、イオンを時間的に分離するためのIMSデバイス104に依拠することができる。
図2は、図1の例示的なIMSデバイス104の概略図である。IMSデバイス104は、入口経路118、蓄積領域120、ゲート122、およびイオン移動度分離経路124を含むことができる。イオン源102は、イオン源102によって提供されるイオンを集束させるインターフェースイオン光学系126を通って、入口経路118にイオンを提供する。インターフェースイオン光学系126は、当技術分野で知られているイオン光学系、たとえばイオン漏斗、四重極イオンガイド、矩形イオン漏斗、進行波イオン光学系などとすることができる。入口経路118は、たとえば進行波を介して、イオンを蓄積領域120へ伝達する。
イオンは、蓄積領域120内に蓄積されて、ゲート122によって蓄積領域120内で保持され、ゲート122は、イオンが蓄積領域120から出ることを防止する高いDC電位、たとえば蓄積領域120に印加される電圧バイアスより大きいDC電位を生成することができる。蓄積領域120内には所定の時間にわたってイオンを蓄積することができ、所定の時点で、ゲート122に印加されるDC電位が下げられ、したがって蓄積されたイオンがイオン移動度分離経路124内へ解放される。この手順は、イオン移動度分離のために蓄積領域120によって複数のイオンパケットをイオン移動度分離経路124へパルス化して送ることができるように、必要なだけ何度でも実行することができる。イオン移動度分離経路124へパルス化されて送られたイオンは、イオン移動度分離経路124を通って、たとえばイオン移動度分離経路124の電極に印加されてそれらの電極によって生成される進行波を介して付勢されるため、移動度に基づいて分離され、たとえば時間内に分離される。イオン移動度分離経路124は、たとえば、イオンを移動度に基づいて十分に分離するために、長さ13メートルとすることができる。イオン移動度分離経路124は、イオンガイド128を通して検出器106へイオンを伝達し、検出器106は、特有または固定の時間周期中に、たとえば休止時間に、単一の質量電荷比のイオンを検出するように構成することができる。検出器106は、休止時間中に検出器106に到達した所望の質量電荷比を有するイオンの数を表す、休止時間中に生じたパルスの数を積分する。したがって、システム100は、移動度および質量電荷比の両方に基づいてイオンを濾過する。
イオン移動度分離経路124は、米国特許第8,835,839号および第10,317,364号に図示および記載されているSLIMデバイスに従って構築および機能することができることを理解されたい。特に、イオン移動度分離経路124は、複数の電極を含む第1および第2の平行面を含むことができ、これらの平行面は、コントローラ112から電気信号を受け取って、経路上のイオンを維持し、経路に沿ってイオンを伝達し、イオンを移動度に基づいて分離するように構成される。しかし、イオン移動度分離経路124は、別法として、イオンの時間的分離を実行する当技術分野で知られている他のIMSデバイスに従って構築および構成することができることも理解されたい。
図3は、図1および図2のイオン移動度システム100の例示的なタイミング図である。第1のタイミング信号130は、ゲート122の状態を表し、高状態130aは、ゲート122が高いDC電位を受け取って生成しており、したがってイオンが蓄積領域120から出てイオン移動度分離経路124に入ることを防止していることを示し、低状態130bは、ゲート122が低いDC電位を受け取って生成しており、したがってイオンが蓄積領域120を出てイオン移動度分離経路124に入ることを許容していることを示す。第1の時間周期tは、第1のタイミング信号130が高状態130aにある時間に対応し、イオンがゲート122によって蓄積領域120内に捕集されて蓄積している蓄積領域120についての充填時間または捕集時間を表す。すなわち、第1の時間周期tは、イオンが蓄積領域120によって蓄積されている時間周期を表す。第2の時間周期tは、ゲート122によってイオンが蓄積領域120を出てイオン移動度分離経路124に入ることが許容されている時間、たとえばゲート122が低状態130bにある時間を表し、これは解放時間と呼ばれており、たとえば蓄積領域120がイオンをイオン移動度分離経路124内へ解放している時間周期である。
第2のタイミング信号132は、検出器106の状態を表し、低信号132aは、検出器106が動作状態にないことを示し、高信号132bは、検出器106が動作状態にあり、検出器106に到達して、所望の質量電荷比、たとえば検出器106が検出するように構成された質量電荷比を有するイオンを検出していることを示す。第3の時間周期tは、イオンの到達時間、すなわちイオンがイオン移動度分離経路124を越えて検出器106に到達する時間を表す。第4の時間周期tは、検出器106が動作状態にあり、パルス/イオンを計数している時間を表し、これは概して休止時間と呼ばれる。QQQ質量分光計についての典型的な休止時間は、たとえば1~1,000msとすることができる。
「パルス計数」モードで動作する標準的な検出器では、休止時間中に検出器で生じるパルスの数が合計され、これは検出器に到達した正しい到達時間および正しい質量電荷比を有するイオンの数を表す。しかし、検出器は、上記の「パルス計数」モードで動作するとき、時間依存イオン信号を監視することも取り込むこともなく、代わりに休止時間内の特有の到達時間にかかわらず、休止時間中に検出されたすべてのイオンを合計する。この方法論では、同じ休止時間中に異なる到達時間を有するイオンが存在してともに合計される可能性を無視しており、これは、質量電荷比は同じであるがサイズおよび/または形状の異なる化合物である異性体の場合に生じる可能性があり、そのような異性体は、到達時間がわずかに異なる可能性がある。加えて、この方法論では、実際のイオン移動度ピークの位置および形状が提供されず、したがって検出器によって生成される信号から利用可能な情報量が低減される。
上記は、図3に示す例示的なフル分解能イオン移動度データグラフ134によって示されており、これは第4の時間周期t、たとえば検出器106の休止時間中における検出器106での信号強度と到達時間分布の関係を示した例示的なグラフである。グラフ134に見ることができるように、フル分解能イオン移動度データグラフは、3つの別個のイオン移動度ピーク136a~cを有し、これらは複数の異性体が同じ休止時間窓内に存在することを示す。これは、図2に関連して図示および説明したIMSデバイス104など、イオンを移動度に基づいて分離する、たとえば時間的分離を行うように実装されたIMSデバイスに関し、そのようなIMSデバイスのイオン移動度分離経路124は、13mの長さを有し、イオンを移動度に基づいて分離し、したがって分離パラメータに応じて約3~10msの幅を有するイオン移動度ピークを形成することができる。特に、イオン移動度ピークが休止時間よりはるかに小さい幅を有するため、検出器106は、単一の休止時間内で複数のイオン移動度ピークを取り込むことができる。
休止時間にわたって検出器106のパルスを簡単に合計するのではなく、高帯域幅データ獲得システム108は、時間依存イオン信号を監視および取り込み、実際のイオン移動度ピークの位置および形状を検出する。これは、検出器106を有する高帯域幅データ獲得システムを実装し、より長い休止時間内のより短い時間周期においてイオン数を積分することによって実現される。たとえば、検出器106は、休止時間中にデータを獲得することができ、たとえばイオンを検出することができ、高帯域幅データ獲得システム108は、休止時間をより少数の時間周期に分割し、それらの時間周期の各々についてのイオン数を合計し、休止時間内の各時間周期についてのイオン数に基づいてプロファイルを生成することができる。幅3msのイオン移動度ピークを生成し、そのピークにおいて10個の点を標的とするシステムの場合、高帯域幅データ獲得システム108は、約1kHzより大きい帯域幅または約300μsの積分ステップサイズを必要とするはずである。すなわち、たとえば検出器106が3msの休止時間を有する場合、高帯域幅データ獲得システム108は、3msの休止時間を300μsの10個の時間周期に分割し、それらの300μsの時間周期の各々について検出器106によって検出されたパルスを合計して、全イオン移動度ピークを表す10個の別個のデータ点を取得する。高帯域幅データ獲得システム108は次いで、10個の別個のデータ点からプロファイルを形成することができる。別法として、高帯域幅データ獲得システム108は、検出器106の生の出力/信号を受け取って記録することができる。たとえば、検出器106の生の出力を受け取るオシロスコープでイオン移動度ピークを見ることができ、高帯域幅データ獲得システム108は、オシロスコープの機能を模倣しまたはオシロスコープデータを記録するデバイスとすることができる。さらに、高帯域幅データ獲得システム108は、検出器106からアナログ信号を受け取ってそのアナログ信号を直接記録する8ビットまたはそれ以上の分解能を有するアナログデジタルコンバータ(ADC)とすることができる。
前述のように、高帯域幅データ獲得システム108は、別個の構成要素とすることができ、または検出器106、コントローラ112、もしくはコンピューティングデバイス114のうちのいずれか1つに一体化することができる。
休止時間全体の窓に収容されているイオンの積分した数ではなく、時間依存イオン信号を監視および取り込むことによって、実際のイオン移動度ピークの位置および形状を検出および解析することができる。加えて、同じ休止時間窓内に複数の異性体が存在する場合、本システムは、異なる異性体を1つのグルーブにまとめるのではなく、異なる異性体を区別して記録することが可能である。
加えて、前述のように、検出器106は、特定の質量電荷比のイオンを検出するように構成され、他のすべてのイオン、たとえば異なる質量電荷比を有するイオンは、検出器106によって検出されない。したがって、検出器106が長い時間周期にわたって単一の質量電荷比を検出するように構成される場合、検出器106は、標的単一イオン移動度データ収集を実証する質量電荷比(m/z)と衝突断面積(CCS)の関係のグラフである図4Aに示すように、その時間周期にわたって検出された質量電荷比についての全移動度プロファイル168を記録する。
しかし、複数の分析物が存在する場合、多重分析物標的IMS-MSデータ獲得を実証する質量電荷比とイオン移動度の関係のグラフである図4Bに示すように、そのイオン移動度範囲について異なる質量電荷比を検出することが所望される可能性がある。図4Bに見ることができるように、異なる質量電荷比を有する分析物の各々についての移動度プロファイル170a~gが、検出器106によって検出され、グラフ化される。概して、多重分析物標的IMS-MSデータ獲得を行うためには、検出されている分析物に関する質量電荷比およびイオン移動度を知っていなければならず、特有の時間周期、たとえばイオン到達時間において、検出器106は、その時間に検出器106に到達することが知られているイオンの質量電荷比を検出するように切り換えられる。検出器106は、複数の異なる質量電荷比を異なる到達時間に検出するために複数回切り換えることができる。これにより、単一のイオン移動度分離の範囲内で複数の異なるイオンを検出することが可能になる。
上記を実現するために、コンピューティングデバイス114は、知られているイオン移動度値、知られている質量電荷比、およびIMSデバイス104の詳細/属性/構成、たとえば分離経路長、印加されている信号、分離時間、基板上蓄積時間などに基づいて、各々の特有のイオンについての到達時間を判定することができる。たとえば、コンピューティングデバイス114は、イオン、各イオンの質量電荷比、各イオンの移動度/CCS、および各イオンについて計算された到達時間の一覧を含む記憶された表を有することができる。コントローラ112は次いで、この表に沿って検出器106を進めて、適当な到達時間に適当な質量電荷比を検出するように検出器106を構成し、その表についてデータが記録されたことを確実にすることができる。これは、2Dプロット全体を完成させてデータをさらに精製するために、複数回、たとえば複数の移動度分離にわたって実行することができる。したがって、システム100は、イオン移動度および質量分光測定データを同期させる。
この技法は、異なる質量電荷比を有するイオンを検出するように実装することができ、これらのイオンは、3つの異なる到達時間において3つの異なる質量電荷比のイオンを検出する検出器106の起動時間を示す質量電荷比と到達時間の関係のグラフである図5に示すように到達時間も異なっている。図5に見ることができるように、検出器106は、第1の質量電荷比を検出するための第1の検出時間周期172a、第2の質量電荷比を検出するための第2の検出時間周期172b、および第3の質量電荷比を検出するための第3の検出時間周期172cについて起動される。加えて、検出時間周期172a~cは十分に隔置されるため、検出器106(たとえば、質量分光計)は、1つの質量電荷比を検出することから次の質量電荷比を検出することへ切り換わるのに十分な時間を有する。たとえば、検出器106が第1の質量電荷比から第2の異なる質量電荷比を検出することへ切り換わるのに3msかかる可能性がある。したがって、イオン到達時間が互いに近すぎる場合、検出器106は時間内に切り換わらない。したがって、検出器106は、単一のイオン移動度分離の範囲内で複数の異なるイオンを検出することが可能になる。
しかし、いくつかのイオン移動度分離について、2つの異なるイオンは、異なる質量電荷比を有することができるが、類似の移動度を有することができ、したがってそれらのイオンは、互いに密接して検出器106に到達する。そのような事例では、検出器106は、両方のイオンの到達時間中に質量電荷比のうちの一方のみを検出することが可能であり、したがって検出されていない質量電荷比を有するイオンは除去され、他方の質量電荷比がグラフ化される。これは、たとえば、検出器106が3つの異なる質量電荷比のイオンを検出する起動時間を示し、イオンのうちの2つが同じ到達時間を有する質量電荷比と到達時間の関係のグラフである図6Aに示されている。
図6Aに見ることができるように、検出器106は、第1の質量電荷比を検出するための第1の検出時間周期174a、第2の質量電荷比を検出するための第2の検出時間周期174b、および第3の質量電荷比を検出するための第3の検出時間周期174cについて起動される。しかし、第1および第2の検出時間周期174a、174bが重なっているため、検出器106は、同じ走査中に、たとえば同じイオン移動度分離に関して、対応する質量電荷比の両方を検出することができない。したがって、所望のイオンのすべてを検出するために、質量電荷比が2つの別個のグルーブに分離され、2つの別個の走査において検出される。たとえば、検出器は、図6Bに示すように、第1および第3の時間周期174a、174cにわたって検出する第1の走査と、図6Cに示すように、第2の時間周期174bにわたって検出する第2の走査とを実行することができる。特に、第2の時間周期174bは、到達時間が重なっているため、第1の時間周期174aとは別個に走査される。たとえば図6Aに示すように、第1および第2の走査のデータプロットを組み合わせて、全データプロットを形成することができる。コントローラ112またはコンピューティングデバイス114は、全走査を取得するために必要なだけ多くの走査に質量電荷比を分離することができることを理解されたい。
図7は、表Aに提供される試料グリカンデータに関する質量電荷比と到達時間の関係のグラフである。
Figure 2023539466000002
図8Aおよび図8Bは、ピーク幅間に3ms未満の間隙を有するデータのピーク幅およびグルーブ分けを含むデータをより詳細に示す、それぞれ図7のグラフの第1および第2の部分の詳細図である。特に、各イオンについてのピーク幅、たとえば半値全幅(FWHM)の2倍が、図8Aおよび図8Bに示されている。検出器106は、異なる質量電荷比に切り換えられる前に、ピーク幅の全体について所望のイオンを検出するための質量電荷比で維持される。すなわち、検出器106は、第1の時間周期にわたって第1の所望の質量電荷比のイオンを検出し、次いで第2の時間周期にわたって第2の質量電荷比のイオンを検出することへ切り換わる。加えて、検出器106が第2の異なる質量電荷比を検出することへ時間内に切り換わるために、第1のイオンのピーク幅と第2のイオンのピーク幅との間には、最小の切り換わり時間周期より大きい時間、たとえば3msより大きい時間が存在しなければならない。たとえば、これは図8Aの例示的な挿入図176に示されており、挿入図176は、第1の質量電荷比m/z-1を有する第1のイオンについての第1の信号プロファイル178aが、第2の質量電荷比m/z-2を有する第2のイオンについての第2の信号プロファイル178bから、切り換わり時間周期180によって分離されていることを示す。切り換わり時間周期180は、利用されている検出器106の能力に基づいて判定することができ、たとえば3msとすることができる。しかし、検出器106が各質量電荷比を検出する時間周期は、ピーク幅に基づくのではなく、他の要因に基づくこともでき、または設定された時間周期とすることもできることを理解されたい。
図8Aおよび図8Bは、破線の枠として示す複数のグルーブ分け182a~hを含み、グルーブ分け182a~hは各々、それぞれのピーク幅または所定の検出窓間で切り換わり時間周期180より短い複数のイオンをグルーブ分けする。多くの事例では、これは、グルーブ分け182a~h内のイオンのすべてを単一の走査で検出することができるわけではなく、したがってグルーブ分け182a~hの各々におけるイオンのうちの1つまたはそれ以上は異なる走査で検出されるべきであることを示す。しかし、いくつかの事例では、ピーク幅間で切り換わり時間周期180より短いイオンも同じ走査で検出することができる。たとえば、第1のグルーブ分け182a内の2つのイオン、ならびに第7のグルーブ分け182g内の2つのイオンは、異なる移動度、したがって到達時間を有するにもかかわらず、同じ質量電荷比を有するため、同じ走査で検出することができる。したがって、検出器106は、異なる質量電荷比を検出するために切り換わる必要がない。加えて、単一のグルーブ分け182a~h内の時間的に隣接するイオンは、ピーク幅間で不十分な切り換わり時間周期180を有する可能性があるが、そのようなイオンが、同じグルーブ分け182a~h内の他のイオンのピーク幅間で十分な切り換わり時間周期180を有する可能性があり、したがってこれらのイオンを同じ走査で検出することができる。
すべての所望のイオンが走査されることを確実にするために、コンピューティングデバイス114は、知られているデータ、たとえば表Aの情報を解析し、同じグルーブ内のすべてのイオンを同じ走査で検出することができるように、イオンを最小数のグルーブにグルーブ分けする。たとえば、図9A~図9C、図10A~図10C、図11A~図11C、図12A~図12C、および図13A~図13Cに示すように、表Aのイオンを4つの別個のグルーブにグルーブ分けすることができ、各グルーブはその独自の走査を必要とする。
図9A~図9Cは、第1の破線の枠184内に検出器106の第1の走査によって取り込まれたデータを識別する図7のグラフの詳細図である。図9Aは、160ms~260msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第1の部分であり、図9Bは、260ms~400msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第2の部分であり、図9Cは、625ms~975msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第3の部分である。図9A~図9Cに見ることができるように、第1の破線の枠184内のイオンのすべてが、必要とされる切り換わり時間周期180より大きいピーク幅間の到達時間を有する。
図10A~図10Cは、第2の破線の枠186内に検出器106の第2の走査によって取り込まれたデータを識別する図7のグラフの詳細図である。図10Aは、160ms~260msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第1の部分であり、図10Bは、260ms~400msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第2の部分であり、図10Cは、625ms~975msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第3の部分である。図10A~図10Cに見ることができるように、第2の破線の枠186内のイオンのすべてが、必要とされる切り換わり時間周期180より大きいピーク幅間の到達時間を有する。
図11A~図11Cは、第3の破線の枠188内に検出器106の第3の走査によって取り込まれたデータを識別する図7のグラフの詳細図である。図11Aは、160ms~260msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第1の部分であり、図11Bは、260ms~400msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第2の部分であり、図11Cは、625ms~975msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第3の部分である。図11A~図11Cに見ることができるように、第3の破線の枠188内のイオンのすべてが、必要とされる切り換わり時間周期180より大きいピーク幅間の到達時間を有する。加えて、図11Aおよび図11Cに示すように、検出器106は、160ms~260msおよび625ms~975msの到達時間範囲についての走査を実行する必要がない。なぜなら、図9A、図9C、図10A、および図10Cに示すように、それらの到達時間範囲内のイオンのすべてを第1および第2の走査中に検出することが可能であったからである。
図12A~図12Cは、第4の破線の枠190内に検出器106の第4の走査によって取り込まれたデータを識別する図7のグラフの詳細図である。図12Aは、160ms~260msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第1の部分であり、図12Bは、260ms~400msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第2の部分であり、図12Cは、625ms~975msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第3の部分である。図12A~図12Cに見ることができるように、第4の破線の枠190内のイオンのすべてが、必要とされる切り換わり時間周期180より大きいピーク幅間の到達時間を有する。加えて、図12Aおよび図12Cに示すように、検出器106は、160ms~260msおよび625ms~975msの到達時間範囲についての走査を実行する必要がない。なぜなら、図9A、図9C、図10A、および図10Cに示すように、それらの到達時間範囲内のイオンのすべてを第1および第2の走査中に検出することが可能であったからである。
図13A~図Cは、第1、第2、第3、および第4の破線の枠184、186、188、190内に検出器106の4つすべての走査によって取り込まれたデータを識別する図7のグラフの詳細図である。図13Aは、160ms~260msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第1の部分であり、図13Bは、260ms~400msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第2の部分であり、図13Cは、625ms~975msの到達時間範囲についてのデータを示す図7のグラフの第3の部分である。
動作の際、検出器106は、判定された到達時間における異なる事前定義された質量電荷比、たとえば図9A~図9Cおよび図13A~図13Cの第1の破線の枠184に対応する質量電荷比および到達時間を検出するために切り換わることによって、イオン移動度分離を受けた第1の組のイオン、たとえばIMSデバイス104へパルス化されて送られて移動度に基づいて分離されたイオンの第1のパケットに対して、第1の走査を実行する。次に、検出器106は、判定された到達時間における異なる事前定義された質量電荷比、たとえば図10A~図10Cおよび図13A~図13Cの第2の破線の枠186に対応する質量電荷比および到達時間を検出するために切り換わることによって、イオン移動度分離を受けた第2の組のイオン、たとえば第1のパケットが走査された後にIMSデバイス104へパルス化されて送られて移動度に基づいて分離されたイオンの第2のパケットに対して、第2の走査を実行する。その後、検出器106は、判定された到達時間における異なる事前定義された質量電荷比、たとえば図11A~図11Cおよび図13A~図13Cの第3の破線の枠188に対応する質量電荷比および到達時間を検出するために切り換わることによって、イオン移動度分離を受けた第3の組のイオン、たとえば第2のパケットが走査された後にIMSデバイス104へパルス化されて送られて移動度に基づいて分離されたイオンの第3のパケットに対して、第3の走査を実行する。最後に、検出器106は、判定された到達時間における異なる事前定義された質量電荷比、たとえば図12A~図12Cおよび図13A~図13Cの第4の破線の枠190に対応する質量電荷比および到達時間を検出するために切り換わることによって、イオン移動度分離を受けた第4の組のイオン、たとえば第3のパケットが走査された後にIMSデバイス104へパルス化されて送られて移動度に基づいて分離されたイオンの第4のパケットに対して、第4の走査を実行する。次いで、第1、第2、第3、および第4の走査を集約して、多重分析物標的IMS-MSデータプロットを生成する。したがって、システム100は、異なる質量電荷比および異なるもしくは類似の移動度を有する複数のイオンを検出することが可能である。
イオンの質量電荷比、移動度、および到達時間に応じて、5つ以上または4つ未満の走査をイオンのグルーブに対して実行することができることを理解されたい。加えて、検出器106は、特定のイオンを複数の走査で複数回検出し、それらのイオンの分析を繰り返して、それらの分析物についての獲得率および感度を増大させるように構成することができることを理解されたい。たとえば、第1の走査で検出されたイオンは、可能な場合、たとえば第2、第3、第4などの走査で検出されるイオンと重複してそれらのイオンの検出に悪影響を与えない場合、それらの走査で再び検出することもできる。別の例として、第1の走査(第1の破線の枠184内に示す)で検出される図13Aおよび図13Bに示すイオンのすべては、それらのイオンがいずれも第3の走査のイオンに重複しないため、第3の走査(第3の破線の枠188内に示す)中に2度目に検出することができる。
他の実施形態も開示する主題の範囲および精神の範囲内である。これらの実施形態の1つまたはそれ以上の例は、添付の図面に示されている。本明細書に具体的に記載し、添付の図面に示すシステム、デバイス、および方法は、非限定的な例示的な実施形態であり、本開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ画成されることが、当業者には理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して図示または記載する構成は、他の実施形態の構成と組み合わせることができる。そのような修正例および変形例は、本開示の範囲内に包含されることが意図される。さらに本開示では、実施形態の同様の名称の構成要素は、全体として類似の構成を有しており、したがって特定の実施形態の範囲内で、同様の名称の各構成要素の各構成について必ずしも完全に詳述するとは限らない。
本明細書に記載する主題は、本明細書に開示する構造手段およびその構造的均等物またはそれらの組合せを含めて、デジタル電子回路で、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで実装することができる。本明細書に記載する主題は、データ処理装置(たとえば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、もしくは複数のコンピュータ)による実行のために、またはそのようなデータ処理装置の動作を制御するために、情報キャリア内で(たとえば、機械可読記憶デバイス内で)有形に実施されまたは伝播信号で実施される1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムなど、1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム製品として実装することができる。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られる)は、コンパイルまたは解釈された言語を含むプログラミング言語の任意の形態で書き込むことができ、独立型プログラムとして、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境における使用に好適な他のユニットを含む任意の形態として導入することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラムに専用の単一のファイルに、または複数の協働ファイル(たとえば、1つまたはそれ以上のモジュール、サブプログラム、またはコード部分を記憶するファイル)内に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つの箇所にある1つのコンピュータもしくは複数のコンピュータで実行されるように導入することができ、または複数の箇所に分散させて、通信ネットワークによって相互接続することができる。
本明細書に記載する主題の方法工程を含めて、本明細書に記載するプロセスおよび論理フローは、1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムが、入力データに動作して出力を生成することによって、本明細書に記載する主題の機能を実行するように、1つまたはそれ以上のプログラマブルプロセッサを実行することによって実行することができる。プロセスおよび論理フローはまた、特別目的論理回路、たとえばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することができ、本明細書に記載する主題の装置は、そのような特別目的論理回路として実装することができる。
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサには、例として、汎用および特別目的マイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータのいずれか1つまたはそれ以上のプロセッサの両方が含まれる。概して、プロセッサは、読取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から命令およびデータを受け取ることができる。コンピュータの本質的な要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶するための1つまたはそれ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つもしくはそれ以上の大容量記憶デバイス、たとえば磁気、光磁気ディスク、もしくは光ディスクを含むことができ、またはそのような大容量記憶デバイスからのデータの受取りもしくはそのような大容量記憶デバイスへのデータの伝達もしくはその両方を行うように動作可能に連結することができる。コンピュータプログラム命令およびデータを実施するのに好適な情報キャリアには、例として半導体メモリデバイス(たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス);磁気ディスク(たとえば、内蔵ハードディスクまたは取外し可能ディスク);光磁気ディスク;および光ディスク(たとえば、CDおよびDVDディスク)を含むあらゆる形態の不揮発性メモリが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特別目的論理回路によって取り込むことができ、または特別目的論理回路に組み込むことができる。
使用者との対話を提供するために、本明細書に記載する主題は、使用者に情報を表示するための表示デバイス、たとえばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびに使用者がコンピュータへ入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上に実装することができる。使用者との対話を同様に提供するために、他の種類のデバイスを使用することもできる。たとえば、使用者へ提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)とすることができ、音響、発声、または触覚入力を含む任意の形態で使用者からの入力を受け取ることができる。
本明細書に記載する技法は、1つまたはそれ以上のモジュールを使用して実装することができる。本明細書では、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および/またはこれらの様々な組合せを指す。しかし、最小でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されないまたは非一時的プロセッサ可読記録可能記憶媒体上に記録されないソフトウェアとして解釈されるべきではない(すなわち、モジュールはソフトウェア自体ではない)。実際には、「モジュール」は、プロセッサまたはコンピュータの一部など、少なくともいくつかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールが、同じ物理的ハードウェアを共用することができる(たとえば、2つの異なるモジュールが、同じプロセッサおよびネットワークインターフェースを使用することができる)。様々な用途に対応するために、本明細書に記載するモジュールの組合せ、一体化、分離、および/または複製を行うことができる。また、特定のモジュールで実行されるものとして本明細書に記載する機能は、その特定のモジュールで実行される機能の代わりに、またはその特定のモジュールで実行される機能に加えて、1つもしくはそれ以上の他のモジュールで実行することができ、および/または1つもしくはそれ以上の他のデバイスによって実行することができる。さらに、モジュールは、互いにローカルまたは遠隔の複数のデバイスおよび/または他の構成要素にまたがって実装することができる。加えて、モジュールは、1つのデバイスから移動させて別のデバイスに追加することができ、および/または両方のデバイスに含むことができる。
本明細書に記載する主題は、バックエンド構成要素(たとえば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(たとえば、アプリケーションサーバ)、もしくはフロントエンド構成要素(たとえば、使用者が本明細書に記載する主題の実装例と対話することができるグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、およびフロントエンド構成要素の任意の組合せを含むコンピューティングシステムで実装することができる。システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、たとえば通信ネットワークによって、相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、たとえばインターネットが含まれる。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、近似を表す言語は、関連する基本機能の変化を生じさせないように許容範囲内で変動しうる任意の定量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「約」および「実質的」などの1つまたはそれ以上の用語によって修飾される値は、指定される厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの事例では、近似を表す言語は、値を測定するための計器の精度に対応することができる。本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、文脈または言語が別途指示しない限り、範囲の限度を組み合わせることができ、および/または入れ替えることができ、そのような範囲は識別され、その範囲内に含まれるすべての下位範囲を含む。

Claims (37)

  1. フル分解能イオン移動度データを取り込むためのシステムであって:
    イオンの流れを受け取り、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも一部分を案内し、該一部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成されたイオン移動度分離デバイスと;
    イオンの流れの該一部分をイオン移動度分離デバイスから受け取り、第1の時間周期中に所定の質量電荷比を有するイオンを検出し、所定の質量電荷比を有するイオンの検出に応答して1つまたはそれ以上の信号を生成するように構成されたイオン検出器と;
    該イオン検出器から1つまたはそれ以上の信号を受け取り、イオン検出器から受け取った1つまたはそれ以上の信号に基づいて時間依存イオン信号を生成するように構成されたデータ獲得システムであって、時間依存イオン信号が、第1の時間周期中の複数の異なる到達時間周期における1つまたはそれ以上の信号の強度を表す、データ獲得システムと;
    イオン移動度分離デバイス、イオン検出器、およびデータ獲得システムと通信するコントローラとを含む前記システム。
  2. データ獲得システムは、高帯域幅データ獲得システムである、請求項1に記載のシステム。
  3. 高帯域幅データ獲得システムは、アナログデジタルコンバータであり、イオン検出器によって生成される1つまたはそれ以上の信号は、アナログ信号である、請求項2に記載のシステム。
  4. アナログデジタルコンバータは、少なくとも8ビットの分解能を有する、請求項3に記載のシステム。
  5. データ獲得システムは、第1の時間周期を複数のサブ時間周期に分離し、複数のサブ時間周期の各々について、受け取った1つまたはそれ以上の信号を別個に合計し、合計および複数のサブ時間周期に基づいて時間依存イオン信号を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  6. データ獲得システムは、1kHzより大きい帯域幅を有する、請求項5に記載のシステム。
  7. イオン移動度分離デバイスは、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、該イオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成された進行駆動電位を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  8. イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含み、蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、該1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  9. フル分解能イオン移動度データを取り込むための方法であって:
    イオン移動度分離デバイスにイオンの流れを導入することと;
    イオン移動度分離デバイスによって、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも一部分をイオン検出器へ案内することと;
    イオン移動度分離デバイスによって、該一部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離することと;
    イオン検出器によって、イオンを受け取ることと;
    イオン検出器によって、第1の時間周期中に所定の質量電荷比を有するイオンを検出することと;
    イオン検出器によって、所定の質量電荷比を有するイオンの検出に応答して1つまたはそれ以上の信号を生成することと;
    データ獲得システムによって、イオン検出器から1つまたはそれ以上の信号を受け取ることと;
    データ獲得システムによって、イオン検出器から受け取った1つまたはそれ以上の信号に基づいて時間依存イオン信号を生成することとを含み、時間依存イオン信号は、第1の時間周期中の複数の異なる到達時間周期における1つまたはそれ以上の信号の強度を表す、前記方法。
  10. イオン移動度分離デバイス、イオン検出器、およびデータ獲得システムと通信するコントローラを含む、請求項9に記載の方法。
  11. データ獲得システムは、高帯域幅データ獲得システムである、請求項9に記載の方法。
  12. 高帯域幅データ獲得システムは、アナログデジタルコンバータであり、イオン検出器によって生成される1つまたはそれ以上の信号は、アナログ信号である、請求項11に記載の方法。
  13. アナログデジタルコンバータは、少なくとも8ビットの分解能を有する、請求項12に記載の方法。
  14. データ獲得システムによって、第1の時間周期を複数のサブ時間周期に分離することと;
    複数のサブ時間周期の各々について、受け取った1つまたはそれ以上の信号を別個に合計することと;
    合計および複数のサブ時間周期に基づいて時間依存イオン信号を生成することと
    を含む、請求項9に記載の方法。
  15. データ獲得システムは、1kHzより大きい帯域幅を有する、請求項14に記載の方法。
  16. イオン移動度分離デバイスによって、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、該イオンをイオン移動度に基づいて分離する進行駆動電位を生成すること
    を含む、請求項9に記載の方法。
  17. イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含み、蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、該1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成される、請求項9に記載の方法。
  18. 多重分析物標的データ獲得を実行するためのシステムであって:
    イオンの流れを受け取り、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも第1の部分を案内し、該第1の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成されたイオン移動度分離デバイスと;
    イオンの流れの第1の部分をイオン移動度分離デバイスから受け取り、受け取ったイオンの第1の走査を実行するように構成されたイオン検出器であって、第1の走査が、第1の到達時間中に第1の質量電荷比を有する第1のイオンを検出し、第2の到達時間中に第2の質量電荷比を有する第2のイオンを検出することを含む、イオン検出器と;
    イオン移動度分離デバイスおよびイオン検出器と通信するコントローラとを含み、
    ここで、イオン検出器は、第1の走査の第1の到達時間中に第1の質量電荷比を検出することから、第1の走査の第2の到達時間中に第2の質量電荷比を検出することへ切り換わる、前記システム。
  19. イオン移動度分離デバイスは、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの第2の部分を案内し、該第2の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成され、
    イオン検出器は、イオンの流れの第2の部分をイオン移動度デバイスから受け取り、受け取ったイオンの第2の走査を実行するように構成され、第2の走査は、第1の到達時間中に第3の質量電荷比を有する第3のイオンを検出することを含み、
    イオン検出器は、第1の質量電荷比および第2の質量電荷比のうちの1つを検出することから第3の質量電荷比を検出することへ切り換わる、
    請求項18に記載のシステム。
  20. 第1の走査中に検出されたデータと第2の走査中に検出されたデータが組み合わされて、多重分析物データプロットを形成する、請求項19に記載のシステム。
  21. データセットを記憶するコンピューティングデバイスを含み、データセットは、イオンの流れの第1の部分およびイオンの流れの第2の部分のイオンに関するデータを含む、請求項19に記載のシステム。
  22. コンピューティングデバイスは、データセットに基づいて、第1の走査中に検出すべき第1のイオン、第1の走査中に検出すべき第2のイオン、および第2の走査中に検出すべき第3のイオンを判定するように構成されている、請求項21に記載のシステム。
  23. データは、到達時間および質量電荷比のうちの1つまたはそれ以上を含む、請求項22に記載のシステム。
  24. コンピューティングデバイスは、データに基づいて、イオンを第1、第2、および第3の走査にグルーブ分けするように構成されている、請求項21に記載のシステム。
  25. イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含み、蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、該1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成されている、請求項19に記載のシステム。
  26. 第1の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第1のパケットで実行され、第2の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第2のパケットで実行される、請求項25に記載のシステム。
  27. イオン移動度分離デバイスは、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、該イオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成された進行駆動電位を生成するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
  28. 多重分析物標的データ獲得のための方法であって:
    イオン移動度分離デバイスにイオンの流れを導入することと;
    イオン移動度分離デバイスによって、イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの少なくとも第1の部分をイオン検出器へ案内することと;
    イオン移動度分離デバイスによって、第1の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離することと;
    イオン検出器によって、イオンの流れの第1の部分を受け取ることと;
    イオン検出器によって、受け取ったイオンの第1の走査を実行することとを含み、第1の走査は、第1の到達時間中に第1の質量電荷比を有する第1のイオンを検出し、第2の到達時間中に第2の質量電荷比を有する第2のイオンを検出することを含み、イオン検出器は、第1の走査の第1の到達時間中に第1の質量電荷比を検出することから、第1の走査の第2の到達時間中に第2の質量電荷比を検出することへ切り換わる、前記方法。
  29. イオン移動度分離デバイスによって、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンの流れの第2の部分をイオン検出器へ案内することと;
    イオン移動度分離デバイスによって、第2の部分のイオンをイオン移動度に基づいて分離することと、
    イオン検出器によって、イオンの流れの第2の部分を受け取ることと;
    イオン検出器によって、受け取ったイオンの第2の走査を実行することとを含み、第2の走査は、第1の到達時間中に第3の質量電荷比を有する第3のイオンを検出することを含み、イオン検出器は、第1の質量電荷比および第2の質量電荷比のうちの1つを検出することから、第3の質量電荷比を検出することへ切り換わる、
    請求項28に記載の方法。
  30. 第1の走査中に検出されたデータと第2の走査中に検出されたデータを組み合わせて、多重分析物データプロットを形成すること
    を含む、請求項29に記載の方法。
  31. コンピューティングデバイスによって、データセットを記憶することを含み、データセットは、イオンの流れの第1の部分およびイオンの流れの第2の部分のイオンに関するデータを含む、
    請求項29に記載の方法。
  32. コンピューティングデバイスによって、データセットに基づいて、第1の走査中に検出すべき第1のイオン、第1の走査中に検出すべき第2のイオン、および第2の走査中に検出すべき第3のイオンを判定すること
    を含む、請求項31に記載の方法。
  33. データは、到達時間および質量電荷比のうちの1つまたはそれ以上を含む、請求項32に記載の方法。
  34. コンピューティングデバイスによって、データに基づいて、イオンを第1、第2、および第3の走査をグルーブ分けすること
    を含む、請求項31に記載の方法。
  35. イオン移動度分離デバイスは、蓄積領域およびイオン移動度分離経路を含み、蓄積領域は、イオンを1つまたはそれ以上のイオンパケットに蓄積し、該1つまたはそれ以上のイオンパケットをイオン移動度分離経路へパルス化して送るように構成されている、請求項29に記載の方法。
  36. 第1の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第1のパケットで実行され、第2の走査は、1つまたはそれ以上のイオンパケットのうちの第2のパケットで実行される、請求項35に記載の方法。
  37. イオン移動度分離デバイスは、該イオン移動度分離デバイスを通してイオンを案内し、該イオンをイオン移動度に基づいて分離するように構成された進行駆動電位を生成するように構成されている、請求項28に記載のシステム。
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