JP2023539078A - Mri用途用の軽量の磁石アレイ - Google Patents

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Abstract

磁石アレイは、永久磁石材料からなる複数の磁石要素と、フレームと、を含む。複数の磁石要素は、長手方向軸周りに分散される。磁石要素の少なくとも一部は、長手方向軸と同軸のリングを形成する。リングは、それ自体の対称軸の周囲に円筒対称性を有する少なくとも1つの磁石要素を含み、ここで対称軸は、リングの周縁形状に接する方向の成分を有する。磁石要素は、事前定義された内部ボリューム内に均一な磁場を生成するように構成される。フレームは、複数の磁石要素を所定の位置に固定的に保持するように構成される。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2020年8月16日に出願された米国仮特許出願第63/066,286の利益を主張し、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、概して磁石アセンブリ、特に永久磁石を備える軽量の磁石アセンブリ及びその設計方法、並びに、そのような磁石アセンブリのMRIシステム用の使用に関する。
強力で均一な磁場を達成することを目的とした永久磁石アレイの設計が、以前に特許文献で報告されている。例えば、米国特許第7,423,431号には、第1の表面と、イメージング(画像化)装置のイメージングボリューム(体積)に対応するように構成された段付きの第2の表面とを有する永久磁石本体を備えるイメージング装置用の永久磁石アセンブリが記載され、段付きの第2の表面は、少なくとも4つの段部を有する。
別の例として、米国特許第6,411,187号には、医療及び他の用途で使用するための調整可能なハイブリッド磁気装置が記載され、このハイブリッド磁気装置は、イメージングボリュームにおける第1の磁場を生成するための磁束発生器と、イメージングボリューム内で向上した大きさを有する実質的に均一な磁場を提供するために第1の磁場に重ね合わされた第2の磁場を生成するための永久磁石アセンブリとを備える。永久磁石アセンブリは、複数の環状又はディスク状の同心磁石を備え、複数の同心磁石はそれらの対称軸に沿って離間し得る。ハイブリッド磁気装置は、ハイブリッド磁気装置のイメージングボリュームにおける磁場の強度を増加させるための高透磁率ヨークを備え得る。
米国特許第10,018,694号には、磁気共鳴画像(MRI)機器用の磁石アセンブリが記載され、磁石アセンブリは、2つ又はそれ以上のリング(環)に配置される複数の磁石セグメントを備え、磁石セグメントは、同じリングにおける隣接する磁石セグメントから等間隔に離れて配置され、隣接するリングにおける磁石セグメントから離れて配置される。一実施形態によれば、複数の磁石セグメントは、2つ又はそれ以上のリングに配置され、磁石セグメントの少なくとも一部の磁化方向は、それぞれのリングによって定義される平面に沿っておらず、結果として生じる磁場プロファイルに対するより大きな制御を提供する。
米国特許第5,900,793号には、それらの対称軸に沿って離間する複数の環状同心磁石からなるアセンブリと、永久磁化される等角セグメントを使用してそのようなアセンブリを構築する方法が記載されている。
本発明の一実施形態は、永久磁石材料からなる複数の磁石要素と、フレームと、を含む磁石アレイを提供する。複数の磁石要素は、事前定義された内部ボリュームを通過する長手方向軸に沿って配置される。磁石要素の少なくとも1つの群はリングを形成し、リングの少なくとも1つの磁石要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有する。ここで、磁石要素の対称軸は、リングの周縁形状に接する方向に有限成分を有する。複数の磁石要素は、内部イメージングボリュームの内部に、少なくとも所定レベルの均一性の磁場を共同で生成するように構成される。フレームは、複数の磁石リングを所定の位置に固定的に保持するように構成される。
幾つかの実施形態において、永久磁石要素は、長手方向軸と同軸の複数の磁石リングを形成する。
幾つかの実施形態において、複数の磁石要素は、磁石アレイの外側のフリンジフィールドを共同で最小化するように構成される。
一実施形態において、各磁石リングは、長手方向軸周りのリングの面内回転に対して回転対称性を有する。
別の実施形態において、要素の少なくとも一部は、MRIシステムの事前定義された内部ボリュームを取り囲み、ここで、磁石要素は、(i)第1のアセンブリであって、第1のアセンブリの磁石要素の長手方向軸までの距離のうち最小である第1の最小内半径によって特徴付けられる第1のアセンブリと、(ii)第2のアセンブリであって、長手方向軸に沿って第1のアセンブリと並んで配置され、第2のアセンブリの磁石要素の長手方向軸までの距離のうち最小である第2の最小内半径によって特徴付けられる第2のアセンブリと、に分割され、ここで、第1のアセンブリの第1の最小内半径は、第2のアセンブリの第2の最小内半径よりも大きく、イメージングボリュームの中心は、第2のアセンブリの外側に配置されている。
一実施形態において、第2のアセンブリは、イメージングボリュームの一方の側に長手方向軸に沿って位置し、第1のアセンブリの磁石要素の少なくとも1つは、イメージングボリュームの第2の側に長手方向軸に沿って配置されている。
幾つかの実施形態において、複数の磁石要素は、長手方向軸に対して反転非対称に配置されている。
幾つかの実施形態において、内部ボリュームは、長手方向軸の周りの回転楕円体である。
幾つかの実施形態において、複数の磁石リングはそれぞれ、楕円、円、多角形のうちいずれかを含む形状を有する。
本発明の一実施形態にしたがって、磁石アレイを製造するための方法が追加的に提供されるが、この方法は、永久磁石材料からなる複数の磁石要素を、MRIシステムの事前定義された内部イメージングボリュームを通過する長手方向軸周りに配置することを含む。ここで、磁石要素の少なくとも1つの群は、長手方向軸と同軸のリングを形成し、リングの少なくとも1つの磁石要素は、その対称軸に対して円筒対称性を有し、磁石要素の対称軸は、リングの周縁形状に接する方向に有限成分を有する。複数の磁石要素は、内部イメージングボリュームの内部に、少なくとも所定レベルの均一性の磁場を共同で生成するように構成され、フレームが、複数の磁石リングを所定の位置に固定的に保持するように構成される。
本発明は、その実施形態の以下の詳細な説明から、以下の図面と併せて、より十分に理解されるであろう。
本発明の一実施形態による、第1の磁石アセンブリと第2の磁石アセンブリとを備える非対称磁石アレイの斜視図である。 図2A及び図2B~2Dはそれぞれ、本発明の別の実施形態による、非対称磁石アレイの斜視図、並びに、アセンブリによって別個に生成された磁力線のプロット(図)及びアセンブリによって共同で生成された磁力線のプロットである。 本発明の一実施形態による、図1及び図2の磁石アレイにおけるリングのいずれかであり得るセグメント化(分割)された磁石リングの斜視図である。 本発明の一実施形態による、相が異なる混合相磁石リング(MPMR)の磁石アレイの斜視図である。 本発明の一実施形態による、図4の磁石アレイによって生成された磁力線のプロットである。 本発明の一実施形態による、図4の磁石アレイにおけるリングのいずれか1つであり得る混合相磁石リング(MPMR)の斜視図である。 本発明の一実施形態による、3つのシータ磁石リングを備える非対称磁石アレイの斜視図である。 本発明の一実施形態による、図4の磁石アレイによって生成された磁力線のプロットである。 本発明の一実施形態による、図7の磁石アレイにおけるリングのいずれか1つであり得るシータ磁石リングの斜視図である。 (a)円柱、(b)球、(c)楕円体、(d)一般的な形状の、円筒対称性を有する例示的な任意の永久磁石セグメントの斜視図である。 MPMR、シータ磁石リング、又はセグメント化されたリングであり得る、例示的な回転対称リングの斜視図である。ここで、リングは、本発明の実施形態による円筒対称形状を有するセグメントから構成されている。 図12A~12Bは、本発明の一実施形態によるMRI装置を磁気シールド装置と組み合わせた例示的な救急車の概略側面図である。 本発明の一実施形態による磁気シールド後方ドアを有する例示的な救急車の概略上面断面図である。 本発明の一実施形態による2つの可動部分から構成された磁気シールド後方ドアを有する例示的な救急車の概略上面断面図である。
概要
医療、航空宇宙、電子、自動車産業など様々な領域で、強力で均一な磁場が必要とされる。一例として、人間の脳の磁気共鳴画像法(MRI)で使用される磁石は、通常、0.1~3テスラの強度の磁場を提供する。これは、約3000立方センチメートル(例えば、半径9cmの球の内部)のイメージングボリューム(体積)内で数百万分率(parts per million:ppm)まで均一である。しかし、そのような磁石は、かなりのサイズ及び重量を有するために、用途が限られる。さらに、一般に磁石の設計では、重量、磁場の均一性、及び所定の均一性を達成できるボリュームのサイズの間には、厳しく制限されたトレードオフがある。以下に記載される本発明の実施形態は、強力で均一な磁場(例えば、0.1~1テスラの範囲内)を生成する軽量の永久磁石アレイを提供する。開示される磁石アレイの幾つかは、例えば救急車内の頭部MRIシステムなどの救急医療脳移動MRIシステム用に構成されている。しかし、一般に、開示された技術は、任意の他の適切なシステムに適用され得る。
本明細書では、内部ボリューム(体積)が、長手方向(軸方向)(Z)、半径方向(r)、及び方位角(θ)の座標からなる円筒座標系(基準系)を使用して、長手方向軸の周りの回転楕円体の体積として定義される。内部ボリュームの例は、長軸が長手方向軸に沿う長球、短軸が長手方向軸に沿う扁球である。横方向の平面は、任意のr-θ平面(つまり、長手方向z軸に直交する平面)としてさらに定義される。内部ボリュームの特定の定義は、磁場が少なくとも所与のレベルの均一性を有するMRIシステムのイメージングボリュームである。
本発明の幾つかの実施形態では、フレームを備える磁石アレイが提供されるが、フレームは、永久磁石材料からなり、中心長手方向軸周りに軸に沿って異なる位置に分散される複数の磁石要素を、所定の位置に固定し保持するように構成されている。ここで、少なくとも一部の磁石要素は、長手方向軸と同軸のリングを形成する。本明細書では、フレームは、リングを所定の位置に保持するその機械的機能によって定義され、これは、様々な方法で、例えば、ヨークを使用するか、又はリングを周囲の材料(例えば、エポキシ)に埋め込むことによって、作られ得る。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリングは、長手方向軸が通過する内部ボリュームに含まれる領域を取り囲む(すなわち、リングは内部ボリュームと交差する)。
幾つかの実施形態では、磁石要素は、長手方向軸と同軸の複数の磁石リングを形成する。
幾つかの実施形態では、一部又は全てのリングはセグメントからなるが、ここで、各セグメントは円筒対称性を有する形状を有し、各個々のセグメントの対称軸は、リングの周縁形状に接する方向(例えば円形リングにおけるシータ方向)を指す。明確性のため、セグメントの円筒対称性に言及することは、単一のセグメントの形状がある回転軸周りの円筒対称性を有することを意味しており、これは、リングの回転対称性が、個々のリング内の複数のセグメントが互いに回転対称的に配置されることを意味しているのとは対照的である。このようなセグメントは、(その軸がリング平面内にある)円柱、球、又は2つの等しい半軸とリングの周縁形状に接する1つの異なる半軸とを有する楕円体、の形状であり得る(ただし、これらに限定されない)。このような場合、セグメント形状を変更することなく、それ自体の対称軸周りにセグメントを回転させて、r-z平面内でセグメントの磁化の方向を調整し得る。
複数の磁石リングは、長手方向軸に対して反転非対称に配置される。本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「長手方向軸に対して反転非対称」という用語は、長手方向軸に垂直な平面が磁石アレイの対称面ではないことを意味する。つまり、磁石アレイは、軸に沿った任意の点で、長手方向軸に対して反転下で対称ではない。反転非対称は、点非対称又は鏡像非対称ともいう。簡潔さのために、以下の説明において磁石アレイの「非対称」という場合、上記で定義された反転非対称を意味する。
複数の磁石リングは、内部ボリューム内で少なくとも所与のレベルの均一性の長手方向軸に平行な方向に沿って磁場を共同で生成するように構成される。磁石アレイは、各磁石リングに、長手方向軸の周りのリングの面内回転に対して回転対称性(連続的又は離散的)を有する磁場を生成させる。
幾つかの実施形態では、開示された磁石アレイのいずれかの磁石リングのそれぞれは、楕円、最も一般的には円、又は多角形のうちの1つを含む形状を有する。磁石リングはそれぞれ、単一の一体化した要素又は個別の磁石セグメントのアセンブリからなる。磁石リングは、内部ボリューム内の磁場の均一性を最大化し任意選択で磁場が5ガウスを超える磁石の周りの領域によって定義される安全ゾーンを最小化するように設計された磁化方向で予め磁化される。
頭部MRI用途のために典型的に構成される幾つかの実施形態では、開示される非対称永久磁石アレイが、第1の内径を有する2つ又はそれ以上の磁石リングを備える第1の磁石アセンブリと、第2の内径を有する2つ又はそれ以上の磁石リングを備える第2の磁石アセンブリとを備えるとして説明され得る。第1の内径は、イメージングボリュームの最大横径よりも大きく、第2の内径は、イメージングボリュームの最大横径よりも小さいか、又はイメージングボリュームの最大横径と等しい。
通常、複数の磁石リングは、長手方向軸において異なる位置にある。第2の磁石アセンブリは、イメージングボリュームに対して非対称に配置されている。したがって、開示される磁石アレイの非対称構造は、人間の頭部に合うように最適化され、脳を含む内部ボリューム(イメージングボリュームと同じ)への物理的アクセスが、第2のアセンブリではなく第1のアセンブリを介して行われる。第1の磁石アセンブリ及び第2の磁石アセンブリは、内部ボリューム内に少なくとも所与のレベルの均一性の長手方向軸に平行な磁場を共同で生成するように構成される。
幾つかの実施形態では、非対称磁石アレイは、相が異なる少なくとも2つの混合相永久磁石リングを備える。本発明の文脈において、混合相磁石リング(MPMR)は、複数の繰り返しセグメントを含む磁石リングであって、セグメントのそれぞれが2つ又はそれ以上の相からなり、セグメントの少なくとも1つが永久磁石材料からなる磁石リングとして定義される。
相は、(i)材料組成と、(ii)セグメント内の幾何学的形状及び相対位置と、(iii)磁化状態との特定の組み合わせによって特徴付けられる要素として定義される。磁化状態は、磁気モーメントの3つの成分、M=(M,Mθ,M)で表される。これらの成分は、上述の円筒座標系において、異なるセグメントの対応する相によって共有される。様々な相の材料は、永久磁石、強磁性体、フェリ磁性体、常磁性体、反磁性体、反強磁性体、又は非磁性体であり得る(ただし、これらに限定されない)。任意の点でのMPMRの全磁場は、Mの値がゼロ以外である、リングにおける全ての相の寄与を重ね合わせることによって、計算される。
相は、MPMRの有効体積全体を満たす。MPMRの有効体積は、最小断面積の多角形状の環状リングの体積として定義され、リングにおける全ての磁性相をちょうど囲む。相の体積比は、MPMRの有効体積に対する相体積の比として定義される。
(a)対応する相の体積比が同じであり、(b)対応する非永久磁石の相が同じであり、(c)対応する相の磁化ベクトルが、全ての相に共通のr-Z平面における一定の角度で回転と全ての相に共通の磁化の大きさにおける一定のスケーリング因子とによって最大で異なる、2つのリングの相間に、1対1の対応がある場合、2つのMPMRは、相が類似していると言われる。したがって、2つのMPMRの相が異なる場合、特定のリングの全磁場に対するそのリングにおける個々の相の相対的な寄与は、2つのリングについて異なる。例えば、コンピュータ化された磁場シミュレーションツールを使用して、相が異なる少なくとも2つのMPMRの相と、それらのMPMRの永久磁石相の磁気モーメントの方向とを、調整又は「チューニング」して、内部ボリューム内の全磁場の均一性を最適化することができる。このような追加の自由度は、アレイが様々な幾何学的制約(例えば、リングの位置、半径方向/軸方向の厚さなど)の影響を受ける場合に最も有利であり、このような制約は、通常、機械的又は製造上の制限から生じる。一体化した磁石リング部分(ピース)は、各セグメントが異なる磁化方向及び/又は強度で磁化された繰り返しセグメントを作るために、方位角で反復的な方法で磁化され得ることが理解される。ここでの文脈において、そのような磁石部分は、機械的には磁石リングの実際のセグメンテーション(分割)がない場合でも、相が共通の材料組成を共有するがそれらの磁化状態が異なるMPMRと見なされる。同じことが、例えば、材料組成が方位角の反復的な方法で変化する、異なる材料組成で作られた一体化した磁石リングにも当てはまる。このような場合、異なる磁気組成領域は異なる相と見なされる。同じことが、磁石部分の軸方向の厚さ及び/又は半径方向の厚さ及び/又は断面形状が反復的な方法で方位角方向に変化する一体化した磁石部分にも当てはまる。この場合、リングは、機械的にセグメンテーションがない場合でも、形状が異なるが共通の組成及び磁気状態を共有する相を有するMPMRと見なされる。
非対称磁石リングアレイの所定の重量について、2つ又はそれ以上の相が異なるMPMRを使用すると、1つのみのMPMR又は相が類似する複数のMPMRを組み込んだ非対称アレイによって達成されるレベルよりも大幅に高い内部ボリューム内の磁場均一性のレベルが得られる。
上記の様々な種類の磁石リング及び磁性要素は、通常、例えばネオジム、鉄、及びホウ素の合金(NdFeB)などの高強磁性材料からなり、そのキュリー温度は最大周囲動作温度をはるかに上回る。他の材料オプションには、フェライト、サマリウムコバルト(SmCo)磁石、又は任意の他の永久磁石材料が含まれる。リングの設計及び種類に応じて、リングセグメントは、球、円柱、楕円体、又は例えば直方体、くさび形、角のあるセグメントなどの形状の多角柱の形状を有し得る。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの磁石リングを備える磁石アレイが提供され、少なくとも1つの磁石リングは、回転対称であり、磁化成分M=(M,Mθ,M)によって特徴付けられ、長手方向-半径(放射)方向の面における有限の磁化成分(即ち、磁化の非ゼロ投影)を有することに加えて、方位(θ)座標に沿った有限の磁化成分(即ち、磁化の非ゼロ方位投影)を有する。このような磁石リングを、以下「シータ磁石リング」という。非対称アレイにそのようなシータ磁石リングを少なくとも1つ含めると、長手方向-半径方向の面においてのみ磁化を有する回転対称の一体化した又はセグメント化されたリングのみからなる同じ重量の磁石アレイによって達成されるものと比較して、内部ボリューム内の均一性を向上させ得る。
幾つかの実施形態において開示される磁石アレイは、救急車のモバイルMRIを利用するために使用される。幾つかの実施形態では、救急車は、高透磁率材料で磁気シールドされ、磁気的に絶縁されたキャビンが提供されるようになっている。幾つかの実施形態において開示されるMRI装置は、自動アルゴリズムと組み合わされて、患者の脳卒中を自動的に検出する。幾つかの実施形態において開示されるMRI装置は、好ましくは救急車内において、MRI誘導脳血栓摘出術を行うために使用される。
磁石アレイを実現するための開示される技術(例えば、非対称形状を使用、2つ又はそれ以上のMPMRリングを使用、1つ又は複数のシータ磁石リングを使用、円筒対称セグメントを使用)は、別個に又は組み合わせて、特に軽量の磁石ソリューションを必要とする用途において強力で均一な磁石アレイの使用を可能にする。
図1は、本発明の一実施形態による、第1の磁石アセンブリ110と第2の磁石アセンブリ120とを備える例示的な非対称磁石アレイ100の斜視図である。示されるように、第1の磁石アセンブリ110及び第2の磁石アセンブリ120はそれぞれ、永久磁性要素を備える。この場合、磁性要素は、内部ボリューム130を通過する「Z軸」で表す中心の長手方向軸と同軸である多数の磁石リングを形成する。多数の磁石リングは、Z軸に沿って可変の横断方向の寸法及び可変の変位を有する。図1では、例として、第1のアセンブリ110は、4つの磁石リング111~114からなるものとして示され、第2のアセンブリ120は、4つの磁石リング121~124からなるものとして示されている。第1の磁石アセンブリ110及び第2の磁石アセンブリ120における各リングは、一体化したリング、又はセグメント化されたリング、即ち、個別のセグメントを備えるリングである。セグメントは、球、円柱、楕円体、又は多角柱、好ましくは直方体の形状を有し得る。リングは、不規則な形状の断面を含む任意の断面を有し得ることが理解される。単一のリングに属する全てのセグメントは、共通の形状及び材料組成、並びに長手方向(Z)、半径方向、及び方位角方向において同じ磁気モーメント成分を共有する。しかし、これらの特性の一又は複数が、リング毎に異なり得る。
セグメント化されたリングの場合、セグメントの磁気モーメントに言及することは、セグメントが空間における特定の方向に均一に磁化されることを意味し、その半径方向、長手方向、及び方位角方向がセグメントの重心で計算される。一体化したリングの場合、Mは、方位座標に依存しない方位角、半径方向、及び長手方向の成分を有する空間で連続的に変化する。複雑な形状を有する一体化した磁石部分は、M、Mθ、又はMがZ又はRの関数として徐々に又は段階的に変化するように磁化され、機械的には1つの連続した部分で構成されるが、磁化の観点から効果的に幾つかのリングを作り得ることが理解される。ここでの文脈において、この種の実施は、リングの境界が機械的セグメンテーションではなく磁化の観点によって決定される複数のリングを有すると見なされる。リングの周囲形状は、例えば円、楕円、多角形などの任意の閉じた曲線であり得る。場合によっては、周囲形状の選択は、内部ボリューム130の断面形状に依存する。リングの回転対称性は、とりわけ、その周囲形状も回転対称であること(例えば、円又は等角等辺の多角形の形状)を意味することが理解される。全てのリングが円形である特別な場合において、第1の磁石アセンブリ110のリング111~114の最小内半径(すなわちリング111~114の内半径のうち最も小さい内半径)はR1で示され、第2の磁石アセンブリ120のリング121~124の最小内半径(すなわちリング121~124の内半径のうち最も小さい内半径)はR2で示される。所与のターゲット半径Riについて、ターゲット半径Riは、例として、画像化(イメージング)に使用される回転楕円体の内部ボリュームの最大半径を定義する内部ボリューム130の横方向半径140を有し、磁場が少なくとも所与のレベルの均一性を有する場合、R1及びR2の値は、Ri<R1及び0≦R2≦Riの関係を満たす。R2=0の場合、第2の磁石アセンブリ120のリングの少なくとも1つは一体化した円盤状である。第2の磁石アセンブリ120は、R2よりも大きくさらにR1よりも大きい内半径を有するリングを含み得ることが理解される。磁石アセンブリは、通常0~10cm(ただし、これに限定されない)の間隙(ギャップ)でZ方向に離れて配置される。ここでの目的では、リングが両方の磁石アセンブリに対してZ方向に延在する場合、リングの一部は第1の磁石アセンブリに含まれ、他の部分は第2の磁石アセンブリに含まれていると見なされる。この場合、アレイ間の間隙は0になる。
一実施形態では、非対称アレイにおいて、内部ボリュームの中心の一方の側に配置されたリングの最小半径は、内部ボリュームの中心の他方の側に配置されたリングの最小半径とは異なる。内部ボリュームの中心は、任意の適切な方法で定義され、例えば、内部ボリューム内にある長手方向軸のセクションの中心である。さらに、内部イメージングボリュームがアレイによって部分的にのみ囲まれている場合、中心は、内部ボリューム内及びアレイ内にある長手方向軸のセクションの中心と見なされる。前者の実施形態に従うアレイは、上記のように異なる最小内半径を有する2つのサブアセンブリから構成されるものとして説明され得る。
内部ボリューム130は、アセンブリ110によって少なくとも部分的に囲まれた単連結領域であり、これは、典型的には、楕円体又は球である。示されるように、内部ボリューム130は、磁石アレイ110によって囲まれ、リング112~113が内部ボリューム130を囲んでいる。一実施形態では、内部ボリューム130は、半軸が約0.5R1、0.5R1、及び0.3R1に等しい扁球楕円体である。このようなリングのパラメータは、リングの内側及び外側の半径、そのZ変位、又はZ軸方向の厚さに限定されない。さらに、磁気モーメント角度は全て、例えば有限要素、有限差分、分析アプローチなどの計算方法を使用して最適化され、勾配降下最適化アルゴリズムと組み合わせて、イメージングボリュームにおける特定の磁界強度について、最小重量で、最高の均一性を実現する。これは、各アセンブリが多数のリングを含み、その全てが最適化されているために、可能である。
磁石アレイ100の非対称性の一態様は、異なるリングが異なる横断方向寸法及び磁気モーメント方向を有し、リングが長手方向軸に対して反転非対称性を有するアレイに配置される(つまり、Z軸反転に関して非対称である)ことである。本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「長手方向軸に対して反転非対称」という用語は、長手方向軸に垂直な平面が磁石アレイの対称面ではないことを意味する。つまり、磁石アレイは、軸に沿った任意の点で、長手方向軸に対して反転下で対称ではない。反転非対称は、点非対称又は鏡像非対称ともいう。簡潔さのために、以下の説明において磁石アレイの「非対称」という場合、上記で定義された反転非対称を意味する。設計における非対称性は、例えば人間の頭部などの本質的に非対称な標本をイメージングする場合に特に有利である。例えば、そのような1つの場合において、アセンブリ110に属するリングは、主に第1の所定の方向(例えば、r方向)に磁化され得るが、アセンブリ120に属するリングは、主に別の方向(例えば、z方向)に磁化され得ることが分かっている。
最後に、個々のリングの磁化の方向を最適化して、内部ボリュームにおける均一性及びフリンジフィールドの低減の両方を得て、磁石リングに近い磁力線を閉じる磁気回路を作り得る。一実施形態では、個別の磁石セグメントはそれぞれ、磁石アレイの外側のフリンジフィールドを最小化するそれぞれの磁化方向で予め磁化されている。
図2A及び図2B~2Dは、本発明の別の実施形態による、非対称磁石アレイ200の斜視図、並びに、アセンブリによって別個に生成された磁力線のプロット及び共同で生成された磁力線のプロットである。均一性は、(より詳細について磁力線がイメージングゾーンでより密に描かれているため)磁力線の均一な密度によっては明らかではなく、むしろ磁力線のz軸方向の位置合わせ(整列)によって明らかである。
図2Aに示すように、内部ボリューム230は、第1の磁石アセンブリ210によって少なくとも部分的に囲まれた単連結領域であり、これは、典型的には、楕円体又は球体である。非対称アレイの第2の磁石アセンブリ220は、内部ボリューム230を「キャップ」(蓋を)する。上記のように、異なるリングは、磁石アレイの均一性及びフリンジフィールドを最適化するために異なる磁化方向を有し得る。例えば、あるリングは、別のリングとは実質的に異なる方向(例えば、45度を超える)の磁化ベクトルを有し得る。例えば、永久磁石セグメントの磁化ベクトルは、あるリングでは主にr方向を指し、別のリングでは主にZ方向を指し得る。さらに、同じアセンブリに属する2つのリングは、実質的に異なる磁化方向を有し得る。例えば、第1のアセンブリのあるリングは、主にr方向に磁化を有し、第1のアセンブリの別のリングは、主に-z方向に磁化を有し、第1のアセンブリの第3のリングは、r-z平面において-45度に磁化を有し得る。一実施形態では、2つ又はそれ以上のリングが、互いに45度を超えて異なる方向に磁化ベクトルを有する。
特定の場合(図示せず)において、アセンブリ210の複数のリングは、15cmから30cmの間のそれらの内半径に分散され、25cmの長さでそれらのZ位置に分散され、一方、アセンブリ220の複数のリングは、内半径が0.05cmから30cmの間に分散され、12cmの長さでZ位置に分散され、2つのアセンブリ間のZ方向における変位は0cmから10cmの間である。
図2Bは、内部ボリューム230の内側及び外側の第1の磁石アセンブリ210(それぞれがr-z平面におけるリングの磁化の方向を有する正方形によって断面図で示されるリング)によって生成される磁場の磁力線を示す。示されるように、内側ボリューム230内の磁力線は、大部分はz軸に沿って整列するが、磁場が非常に不均一になる内部ボリューム230の上部で鋭く曲がる。
図2Cは、内部ボリューム230の内側及び外側の第2の磁石アセンブリ220によって生成される磁場の磁力線を示す。ここでも見られるように、内部ボリューム230の内側の磁力線は、大部分はz軸に沿って整列する。しかし、内部ボリューム230の内側の磁力線は、z軸に対して図2Bの磁力線とは反対側に傾斜し、内部ボリューム230の底部で非常に不均一になる。
図2Dに示すように、磁石アセンブリ210及び220は、組み合わされて完全なアレイ200になると、互いの磁場の不均一性を補償して、所定の閾値よりも良好な程度でz軸に沿って均一な磁場を達成する。
図2A~2Dは、10個のリングを含む例示的なアレイを示す。アレイは、全てが上記のように最適化されたより多くのリング(例えば、数十又は数百のリング)を含み得ることが理解される。アレイに含まれるリングが多いほど、より優れた磁石性能が実現され得る(例えば、より高い均一性レベル、より大きな磁場、より大きなイメージングボリュームなど)。性能の向上には、要素の数が多いためにアレイの複雑さ及び製造コストが増加するという難点がある。したがって、当業者は、特定の用途に応じて必要な数のリングを検討する必要がある。
図3は、本発明の一実施形態による、図1及び図2の磁石アレイ100及び200のリングのいずれかであり得る1つのセグメント化された磁石リング300の斜視図である。図3では、各磁石セグメント310は、同様の長手方向(Z)成分及び半径方向(r)成分を有する、r-Z平面にある磁化ベクトル320を有する。さらに、セグメント化された各リングは、360/N度に等しい方位角周期を有する回転対称性を有する。ここで、Nは、リングにおけるセグメントの数である。(一体化したリングの場合、つまり、N→∞の場合、回転対称性は連続的である)。幾つかの実施形態では、開示されるリングは、N≧8次の回転対称性を有する。開示されるアレイは回転対称性を有するリングを含み、したがって、結果として生じる磁場は長手方向軸に沿うことが理解される。しかし、内部ボリュームにおける均一性及びフリンジフィールドを最適化する方法で非回転対称である非対称アレイリングに組み込むことが可能である。そのような場合、磁場は任意の軸に沿ってもよい。そのようなアレイは回転対称アレイよりも実質的に悪い可能性があるが、開示されるようなリングを伴う非対称性の使用は、対称アレイと比較してアレイの均一性を実質的に向上させ得る。
個別のセグメント310は、等間隔に配置され、例えば、好ましくは非導電性である接着剤を使用して互いに取り付けられるか、又は好ましくは絶縁材料で満たされた(ただし、これに限定されない)隣接するセグメント間の間隙330と機械的に一緒に保持される。また、回転対称のセグメント化されたリングは複数の種類のセグメントの組み合わせを含み得ることが理解されよう。リング300の全体の熱安定性のために、接着剤又は間隙は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムなどの熱伝導性でもある材料からなることが好ましい。個々の磁石セグメント310は、上述の高強磁性材料からなるものであり、そのキュリー温度は、例えばアレイ200などの要素を含む関連システム、例えばモバイルMRIシステムなどの動作温度よりもはるかに高い。
図1~3の説明は例としてのみ役立つことを意図しており本発明の範囲内で多くの他の実施形態が可能であると理解される。例えば、r-z-θ平面における磁石モーメントベクトルの回転は、代替的な実施形態では、異なるリングについて異なりうる別個の回転角で個々の磁石セグメント310を回転させることによって達成され得る。さらに、磁石アレイ100及び200はそれぞれ、静的又は動的シミングシステムのいずれかと組み合わせられて、内部ボリューム130及び230内の磁場の均一性をさらに向上させ得る。動的シミング又は勾配パルス磁場が使用される場合、隣接する磁石セグメント310間に電気絶縁性接着剤又は空の間隙が存在することは、磁場の均一性に対する渦電流の悪影響を最小限に抑えるのに役立つ。さらに、磁石アレイ100及び200は、内部ボリューム130及び230内の磁場強度を増強するために、z軸と同心に配置される抵抗コイルと組み合わせられ得る。
混合相磁石リングを備える磁石アレイ
図4は、本発明の一実施形態による、相が異なる混合相磁石リング(MPMR)の磁石アレイ400の斜視図である。示されるように、例として、アレイ400は、内部ボリューム430を通過する中心のZ軸と同軸である10個の磁石リング411~420を備える。異なるリングが、Z軸に沿った異なる位置に配置され、一般に、横断方向の寸法、半径方向の厚さ、及び軸方向の厚さが異なる。示されるように、磁石アレイ400は、長手方向軸に対して反転非対称性を有する(つまり、Z軸反転に関して非対称である)。本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「長手方向軸に対して反転非対称」という用語は、長手方向軸に垂直な平面が磁石アレイの対称面ではないことを意味する。つまり、磁石アレイは、軸に沿った任意の点で、長手方向軸に対して反転下で対称ではない。反転非対称は、点非対称又は鏡像非対称ともいう。簡潔さのために、以下の説明において磁石アレイの「非対称」という場合、上記で定義された反転非対称を意味する。
さらに、内部ボリューム430は、磁石アレイ400の内部に(図示のように)又はなくとも部分的に外部にz方向(図示せず)に延在し得る。さらに、開示される磁石アレイは、ヨークと組み合わされてもよいし、組み合わされなくてもよい。
リング411は、比較的小さな非磁性間隙(即ち、相2)によって分離された直方体形状の永久磁石要素(即ち、相1)を有するMPMRを例示する。リング413は、比較的大きな非磁性間隙(即ち、相2)によって分離された直方体形状の永久磁石要素(即ち、相1)を有するMPMRを例示する。明らかに、全リングボリューム(体積)において非磁性間隙が占める割合は、リング411の場合には小さく、リング413の場合には比較的大きい。したがって、リング411及び413は、相が異なるMPMRであり、アレイ400は、相が異なる多くのMPMRを含み得る。
さらに、リング411はまた、リング413と実質的に異なる方向(例えば、45度を超える)の磁化ベクトルを有し得る。例えば、永久磁石セグメントの磁化ベクトルは、リング411において-Z方向を指し、リング413においてr-Z平面において-45度を指し得る。一実施形態では、2つ又はそれ以上の混合相磁石リングが、互いに45度を超えて異なる方向の磁化ベクトルを有する1つの磁気相のみを含む。各MPMRリングは、360/N度に等しい方位角周期を有する回転対称性を有する。ここで、Nは、リングにおけるセグメントの数である。(連続的なリングの場合、つまり、N→∞の場合、回転対称性は連続的である)。幾つかの実施形態では、開示されるMPMRリングは、N≧8次の離散的な回転対称性を有する。
図5は、本発明の実施形態による、図4の磁石アレイ400によって生成された磁力線のプロットである。均一性は、(より詳細について磁力線がイメージングゾーンでより密に描かれているため)磁力線の均一な密度によっては明らかではなく、むしろ磁力線のz軸方向の位置合わせ(整列)によって明らかである。MPMRアレイ400は、同じアレイ重量で、例えば、アレイ100及び200で達成されるものと比較して、z軸に沿ってより均一な磁場を達成し得る。さらに、均一な磁場は、ほぼリングまで半径方向に延びる。したがって、このような軽量のMPMRアレイは、例えばMRI救急車などのモバイルMRIの用途に特に役立ち得る。
図4及び図5は、10個のMPMRを含む例示的なアレイ400を示す。アレイは、より多くのMPMR(例えば、数十又は数百のMPMR)を含むことが可能で、それらは全て上記のように最適化され、それらの多くは相が異なることが理解される。アレイに含まれるリングが多いほど、より優れた磁石性能が実現され得る(例えば、より高い均一性レベル、より大きな磁場、より大きなイメージングボリュームなど)。性能の向上には、要素の数が多いためにアレイの複雑さ及び製造コストが増加するという難点がある。したがって、当業者は、特定の用途に応じて必要な数のMPMRを検討する必要がある。アレイは、相互に相が異なるMPMRである多くのリング、例えば3,4,5,6,7,8,9,10を含み得ることが理解される。
図6は、本発明の一実施形態による、例示的なMPMR600の斜視図である。リングは、6つの繰り返しセグメント610からなり、各セグメントは、620a、620b、620c、620dの4つの要素を有する。一実施形態では、要素620aは、上述の強磁性材料からなる。要素620aは、通常、磁気モーメントの成分についての特定の値で予め磁化されている。要素620aの形状は、図3に示すように円柱形であり得、又は、例えば球、楕円体、直方体、多角体などの他の形状であり得る。
要素620cは、通常、要素620aとは異なる相を有する。例えば、要素620cは、要素620aと同じ材料組成及び幾何学的形状を有し得るが、磁気モーメントMの一又は複数の成分が異なり得る。或いは、要素620cは、例えばフェリ磁性、常磁性、非磁性材料などの非強磁性材料からなり得る。この場合、要素620cの相は、その異なる材料組成のために、要素620aの相とは異なる。図6に示すように、要素620bは、要素620aを要素620cから分離する長さLIの間隙を埋め、同様に、要素620dは、要素620cを隣接するセグメントの要素620aから分離する長さL2の間隙を埋める。多くの場合、MPMR600の熱安定性のために、要素620b及び要素620dは、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムなど、少なくとも適度に熱伝導性を有する非磁性の非導電性材料からなることが好ましい。
相が類似するMPMRの概念をさらに説明するために、要素620a及び要素620cがそれぞれ軸方向の磁化M0及び-M0を有するMPMR600について考える。次に、要素620a*及び要素620c*がそれぞれ半径方向の磁化2M0及び-2M0を有することを除いて、全ての点でMPMR600と同じである異なるMPMR600*(図示せず)を考える。MPMR600は、r-Z平面で磁気モーメントを90°共通に回転させた後、共通の倍率2を掛けることで、MPMR600*に変換可能であるので、2つのMPMRは相が類似していると見なされる。各リングについて、磁化ベクトルの体積平均r-Z投影の大きさを、全ての永久磁石相の最大磁化の大きさで割ることによって、リングの有効強度を定義し得る。パラメータは、0から1の間の値であり、リングが近くに磁場をどれだけ効果的に生成するかという定性的な意を有する。2つのリングの相が類似していない場合、2つのリングの相対的な有効強度が異なり、2つのリングの磁場への寄与が異なり得る。
一般に、MPMRにおける隣接する要素は、機械的手段又は接着剤によって一緒に保持される。接着剤層が占める総体積が小さい場合、例えば、リングの総体積の1%未満の場合、磁場計算の目的で接着剤層を追加の相として扱う必要はない。セグメントの不完全性及び残りの不均一性を補償するために、セグメントの位置及び角度のわずかな調整が実行され得る。
上記の説明は例として役立つことのみを意図しており本発明の範囲内で多くの他の実施形態が可能であると理解される。例えば、磁石アレイ400は、静的又は動的シミングシステムのいずれかと組み合わせられて、内部ボリューム430内の磁場の均一性をさらに向上させ得る。動的シミング又は勾配パルス磁場が使用される場合、隣接する磁石要素間の間隙に電気絶縁材料が存在し、磁場の均一性に対する渦電流の悪影響を最小限に抑えるのに役立つ。さらに、磁石アレイ400は、内部ボリューム430内の磁場強度を増強するために、z軸と同心に配置される抵抗コイルと組み合わせられ得る。
本明細書に記載の例示的な実施形態では、混合相リングは、非対称磁石アレイの一部である。しかし、代替的な実施形態では、混合相リングは、それらの均一性を高めるためにヨークの有無に関わらず、対称アレイ又は任意の他の種類の磁石アレイでも使用され得る。さらに、本明細書に記載の例示的な磁石アレイは、共通の軸と同軸の複数のリングを含む。しかし、記載されたアレイを、リングが第1の共通の長手方向軸からある角度にある一又は複数の異なる軸と同軸である一又は複数の追加のリングアレイと組み合わせることが可能である。アレイの組み合わせにより、空間内の任意の方向に磁場が共同で生成される。追加のリングアレイは混合相リングを含み得るが、このようなリングは、z軸が独自の共通で同軸の軸として定義された独自の円筒座標系にしたがって定義される。例えば、それぞれの同軸の軸が互いに45度異なるリングの2つのアレイを設けることが可能である。各アレイは、2つ又はそれ以上の、相が異なるMPMRを含み、アレイ軸のそれぞれに沿って内部ボリュームに実質的に均一な磁場を得るように最適化され得る。2つのアレイの組み合わせにより、第1の長手方向軸と第2の長手方向軸との間にある方向に均一な磁場が生じる。
本明細書に記載の実施形態は主にモバイルMRIの用途に対応するが、本明細書に記載の方法及びシステムは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)などの強力で均一で軽量の磁石を必要とする航空宇宙用途などの他の用途にも使用され得る。
したがって、上記の実施形態は例として引用されており、本発明は、上記で詳細に示され説明されたものに限定されないことが理解される。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションの両方、並びに上述の説明を読んだときに当業者に思い付くであろう、先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。本特許出願に参照により組み込まれる文書は、本明細書において明示的又は黙示的になされた定義と矛盾する方法でこれらの組み込まれた文書に用語が定義されている場合を除いて、本出願と一体化した部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
シータ磁石リングを備える磁石アレイ
図7は、本発明の一実施形態による、3つのシータ磁石リング(712、713、719)を備える非対称磁石アレイ700の斜視図である。例として、磁石アレイ700は、内部ボリューム730を通過する軸Zを囲む10個の磁石リング711~720を備える。磁石リングの一部は、一体化したものであり得、一部はセグメント化されものであり得、任意選択で隣接する磁石セグメント間に間隙(ギャップ)を有し得る。複数のリングは、Z軸に沿った異なる位置に配置され、一般に、横断方向の寸法、半径方向の厚さ、及び軸方向の厚さが異なる。
上記に示したアレイのように、磁石アレイ700は、基準の円筒座標系を定義する。各磁石リングは、回転対称であって磁化成分M=(M,Mθ,M)によって特徴付けられる磁化を有する。所定のセグメント化されたリング内の全てのセグメントが、上述の円筒座標系において、磁気モーメントの3つの成分M=(M,Mθ,M)によって表される同じ磁化成分を有する。結果として、セグメント化された各リングは、360/N度に等しい方位角周期を有する回転対称性を有する。ここで、Nは、リングにおけるセグメントの数である。セグメント化されたリングの場合、セグメントの磁気モーメントに言及することは、セグメントが空間における特定の方向に均一に磁化されることを意味し、その半径方向、長手方向、及び方位角方向がセグメントの重心で計算される。一体化したリングの場合、Mは空間で連続的に変化し、シータに依存しない方位角、半径方向、及び長手方向の成分を有する。磁化Mは、一般に、リング毎に異なる。磁石アレイにおける複数の磁石リングのうち少なくとも1つは、「シータ磁石リング」であり、つまり、r-Z平面における磁化の非ゼロ投影に加えて、シータ方向(Mθ≠0)における磁化の非ゼロ投影を有する。方位角磁化のみの磁石リングは実質的な磁場を生成しないので、r-Z平面上の非ゼロ投影は不可欠である。基本的に、特定のリングにゼロ以外のシータ成分を導入すると、イメージングボリューム内の全磁場に対するそのリングの相対的な寄与が減少するという影響があるため、リングの形状とは関係のない追加の自由度が提供される。このようは追加の自由度は、アレイが様々な幾何学的制約(例えば、リングの位置、半径方向/軸方向の厚さなど)の影響を受ける場合に最も有利であり、このような制約は、通常、機械的又は製造上の制限から生じる。コンピュータ化された磁場シミュレーションツールを使用して、設計者は、シータ磁石リングにおける非ゼロシータ成分の大きさを、全ての磁石リングの幾何学的特性(例えば、高さ、外半径、内半径、厚さ、z軸位置)と共に、調整又は「チューニング」して、例えばポータブル頭部MRIシステムについて、必要に応じて、高レベルの磁場の均一性、又は大きな内部ボリュームを実現することができる。
例えば、リング712、713、719はそれぞれ、(0,√3/2,-1/2)、(1√3,1/√3,-1√3)、(1/√2,1/√2,0)で与えられる円筒座標(M、Mθ、M)における磁化方向を有するシータ磁石リングであり得る。一実施形態では、方位角(θ)座標に沿った有限の磁化成分を有する一又は複数の磁石リングと残りのリングとが、内部ボリューム内に少なくとも所与のレベルの均一性を有する磁場を共同で生成するように構成される。
磁石リング711~715の磁石セグメントは、上述の強磁性材料からなり得る。セグメントは通常、磁気モーメントの成分の特定の値で予め磁化されている。セグメントの形状は、上述のセグメントの形状(例えば、くさび型、角のあるセグメントなど)のいずれかであり得る。
開示されている、磁気リングのアレイにおける少なくとも1つのリングの磁化ベクトル(Mθ≠0)におけるゼロ以外のシータ成分の導入により、アレイの内部ボリューム内の磁場の均一性を大幅に向上させるか、或いは、所与のレベルの均一性について内部ボリュームを大幅に拡大させることができる。この利点は、空間的に連続した磁化を有する一体化した磁石部分(ピース)を備える一体化したリングに適用される。また、間隙のない連続したセグメントを有する、セグメント化された磁石リング、及びセグメントが空隙によって又は非磁性材料で満たされた間隙によって分離されているリングにも適用される。間隙はまた、永久磁石ではないが、例えば常磁性体、反強磁性体、反磁性体、強磁性体、フェリ磁性体などの(ただし、これらに限定されない)かなりの透磁率を有する材料で満たされ得ることが理解される。
図8は、本発明の実施形態による、図7の磁石アレイ700によって生成された磁力線のプロットである。均一性は、(より詳細について磁力線がイメージングゾーンでより密に描かれているため)磁力線の均一な密度によっては明らかではなく、むしろ磁力線のz軸方向の位置合わせ(整列)によって明らかである。示されるように、アレイ700は、ほぼリングまで延びるz軸方向の整列により、z軸に沿って均一な磁場を達成する。図示されないが、シータ磁石リングは均一性を向上させる。したがって、リング磁石の非対称アレイに幾つかのシータ磁石リングを含めることは、MRI救急車などのモバイルMRIの用途に特に役立ち得る。
図7及び図8は、合計10個のリングを含む例示的なアレイを示し、そのうち3個はシータ磁石リングである。アレイは、より多くのシータ磁石リング(例えば、数十又は数百のリング)を含むことが可能で、それらは全て上記のように最適化されることが理解される。アレイに含まれるシータ磁石リングが多いほど、より優れた磁石性能が実現され得る(例えば、より高い均一性レベル、より大きな磁場、より大きなイメージングボリュームなど)。性能の向上には、要素の数が多いためにアレイの複雑さ及び製造コストが増加するという難点がある。したがって、当業者は、特定の用途に応じて必要な数のリングを検討する必要がある。
図9は、本発明の実施形態による、図7の磁石アレイ700におけるリングのいずれか1つであり得るシータ磁石リングの斜視図である。図9(I)は、第1の例示的なシータ磁石リング900aの斜視図を示す。図9(I)において、シータ磁石リングは、20個の直方体の磁石セグメント910を備える。矢印920で示すように、各セグメント920の磁気モーメントは、ゼロの軸方向(Z)成分と、ゼロ以外の半径方向(r)成分及びシータ(θ)成分とを有する。図9(II)は、20個の直方体の磁石セグメント930を備える第2の例示的なシータ磁石リング900bの斜視図を示す。矢印940で示すように、各セグメント930の磁気モーメントは、ゼロの半径方向(r)成分と、ゼロ以外の軸方向(Z)の成分及びシータ(θ)方向の成分とを有する。図9(III)は、20個の直方体の磁石セグメント950を備える第3の例示的なシータ磁石リング900cの斜視図を示す。矢印960で示すように、各セグメント950の磁気モーメントは、ゼロ以外の半径方向(r)成分、シータ方向(θ)成分、及び軸方向(Z)成分を有する。
上記の説明は例として役立つことのみを意図しており本発明の範囲内で多くの他の実施形態が可能であると理解される。例えば、磁石アレイ700は、静的又は動的シミングシステムのいずれかと組み合わせられて、イメージングボリューム730内の磁場の均一性をさらに向上させ得る。さらに、提示される磁石アレイは非対称であるが、シータ磁石リングは、それらの均一性を高めるためにヨークの有無に関わらず、対称アレイ又は任意の他の種類の磁石アレイでも使用され得る。
さらに、記載のアレイ(共通の軸と同軸の複数のリングを有する)を、リングが第1の共通の長手方向軸からある角度にある一又は複数の異なる軸と同軸である一又は複数の追加のリングアレイと組み合わせることが可能である。アレイの組み合わせにより、空間内の任意の方向に磁場が共同で生成される。追加のリングアレイはシータ相リングも含み得るが、このようなリングは、z’軸が独自の共通で同軸の軸として定義された独自の円筒座標系にしたがって定義される。例えば、同軸の軸が互いに45度異なるリングの2つのアレイを設けることが可能である。各アレイは、一又は複数のシータ磁石リングを含み、アレイ軸のそれぞれに沿って内部ボリュームに実質的に均一な磁場を得るように最適化され得る。2つのアレイの組み合わせにより、第1の長手方向軸と第2の長手方向軸との間にある方向に均一な磁場が生じる。
上述の全てのアレイにおいて、長手方向軸に対するリングの磁気モーメントの角度は、図2A~2D、図5、及び図8に示されるように、リングの軸方向位置又は半径方向位置の非単調関数であり得ることが理解される。さらに、磁気モーメント方向は、所定の法則に従うように制約されない。例えば、長手方向軸に対する磁気モーメント角が、長手方向軸と、イメージングボリュームの中心とリングとを結ぶ線と、の間の角度の2倍であるという法則は、満たされない。図2,5,7に示すアレイは、明らかにそのような法則から逸脱している。さらに、図1,2,5,7の磁石アレイは、明らかに球形状から逸脱している。
円筒対称形状のセグメントからなるリングを含む磁石アレイ
回転対称である上述の全てのリング(MPMRS、シータリング及び回転対称セグメントリング)は、好ましくは、円筒対称形状を有するセグメントからなり、すなわち個々の各セグメントが、それ自体の対称軸周りの円筒対称性を有している。各セグメントの対称軸は、リングの平面内にあり、例えば円形リングの方位角(シータ)方向などにおいて、リングの周縁形状に接している。それ自体の対称軸周りに各セグメントを回転させることにより、磁気リングの形状を変更することなく、r-z平面内のセグメントの磁化方向を調整し得る。リングは全体として長手方向軸に対して回転対称性を有するため、リング内の対応するセグメントは、r-z平面において同じ磁気モーメント方向を有するように、すなわち同じ磁気モーメント半径方向成分Mr、軸方向成分Mz、及び接線方向成分Mθを有するように、調整される。特殊な場合は球であり、これは3つの軸(θ,r,z)で調整できるため、リングの形状を変更することなくシータ成分も調整できる。これは、シータリングを調整するのに特に有用である。セグメントは、一般的な方向において均一に磁化される。本発明の一実施形態では、セグメントは、各セグメントの対称軸に垂直な方向に磁化される。そのような場合、そのようなセグメントで構成されるリングの磁化はr-z平面内にあるであろう。或いは、セグメントは、自身の対称軸に平行な方向に磁気モーメントの成分を有し得る。そのような場合、そのようなセグメントで構成されるリングは、r-z平面内の成分及び方位角(θ)方向に沿った成分を有する磁化ベクトルを有するであろう。
図10は、円筒対称性を有する例示的な永久磁石形状の斜視図を示す。各セグメントの対称軸は、矢印1002によって示されており、本明細書ではSで表される。図10は、円柱(1001(a))、球(1001(b))、2つの等しい半軸と対称軸Sの方向にある1つの異なる半軸とを有する楕円体(1001(c))、及び軸S(1001(d))周りの円筒対称性を有する一般的な形状を示す。
図11は、長手方向(z)軸1100(a),1100(b),1100(c),1100(d)周りの回転対称性を有し、図10に示すセグメントから構成されている、例示的な磁石リングの斜視図を示す。リング1100(a)はセグメント1001(a)と同様のセグメントで構成され、リング1100(b)はセグメント1001(b)と同様セグメントで構成され、リング1100(c)はセグメント1001(c)と同様のセグメントで構成され、リング1100(d)はセグメント1001(d)と同様のセグメントで構成されている。図11の矢印は、セグメントの磁化方向を表す。この場合、磁化半径、軸、及び方位成分は、全てのセグメントで同じであり、r-z-シータ平面内の一般的な方向(つまり、必ずしもr方向やz方向ではない)、例えばr-z平面における45度の角度を指す。示されているように、各セグメントの対称軸(S)はリングの周縁形状に接しており、各セグメントが自身の対称軸周りに回転すると、r-z平面で磁化方向が回転する。これにより、リングの物理的形状を変更することなく、リングの磁化が調整されるという技術的利点が提供される。
本明細書の実施例は、1種類のセグメントのみを有するリングを示しているが、リングは、異なる形状を有する2つ以上の種類の永久磁石セグメントを(例えば、MPMR内に)含み得ることが理解される。全てのセグメントの形状は円筒対称性を有し、上述のように、個々のセグメントの対称軸がリングの周縁形状に接することが好ましい。
上述した場合は、個々のセグメントの対称軸Sが、リングの周縁形状に接してある場合である。これは好ましいケースである。円形リングであってセグメントが同一のセグメントに均等に分布している場合、S軸の方向はシータ方向となる。ただし、Sの方向は、リングが全体として長手方向軸周りの回転対称条件を満たしている限り、リングの周縁形状に接しない一般的な方向となることが可能である。つまり、リングについて定義された円筒座標系では、S軸は、方位角方向(θ)、半径方向(r)、及び軸方向(z)成分を有し、これらは対応するすべてのセグメントに共通である。明確性のため、軸方向、方位角方向、半径方向は、セグメントの重心で計算される。例えば、セグメントは、各セグメントのS軸がリングの横方向の平面から一定の角度を持つように、斜めであり得る。例えば、円形リングにおいて、S軸は、半径方向と方位角方向、或いは軸方向と方位角方向の成分を有し得る。また、半径方向、方位角方向、軸方向の成分を全て一緒に有してもよい。S軸が、半径又は軸方向の成分のみを有している場合、セグメントの磁気モーメントは、各セグメントを自身のS軸周りに回転させることにより、z-シータ平面及びr-シータ平面のそれぞれで調整できる。S軸が一般的な方向にあるとき、セグメントの磁気モーメントは、この一般的なS軸周りに回転できる。リングがMPMRであって、各々が円筒対称性を有するセグメント形状を有する幾つかの磁気相から構成される場合、各相は、リングの回転対称性が依然として残っているという条件の下で異なる方向にS軸を有し得、すなわち、同じ相の対応するセグメントのS軸は、同じ相に属する全てのセグメントに共通の半径方向、方位角方向、及び軸方向成分を有する。MPMRであるリングでは、同じ相に対応するセグメントが同じ形状を共有するため、この条件が不可欠であることに留意されたい。
上述のセグメントは、非回転対称リングにおいても使用できることが理解されるであろう。また、所定のリングのセグメントの一部のみが、各々の対称軸がリングの周縁形状に接する成分を有する方向にあるような円筒対称形状を有することが可能であることも理解される。極端な場合には、リングはそのようなセグメントを1つだけ含み得る。さらに、開示されたリングは、任意の種類の磁石アレイにおいて組み合わされ得る。
救急車のモバイル脳MRI
上述の磁石は、救急車のモバイル脳MRIを利用するために使用され得るが、ここでは人間の頭部が図1,2,4,7に示される磁石アレイの底部開口を通ってスライドされ、好ましくはイメージングボリュームと同じ横方向及び軸方向のサイズを有する脳が、実質的にイメージングボリューム内に含まれる。頭部は、リングの一部が頭部を取り囲んだ状態で磁石によって完全に囲まれるので、換気と患者の体感を向上させるために、(図1,2,4に示されるように)リング間の穴と、磁石上部に軸方向の穴(たとえば、2番目のアレイで定義されたR2がゼロより大きい)と、を有することが好ましい。
上述の磁石は、適切な勾配フィールドシステム及びRF MRIコイルと組み合わせて、様々なプロトコル(例えばT1,T2、拡散強調、MR分光法など)で頭部イメージングが可能なMRIシステムを得てもよい。磁石のサイズが小さいため、救急車に乗せることが可能である。この技術的利点は、脳血腫や脳卒中などのように生命が脅かされる状況において、特に重要である。したがって、患者が救急車に乗っている間に虚血性脳脳卒中をできるだけ早く診断するために、拡散強調プロトコルでMRIシステムを使用することが好ましい。
システムは、得られたデータを分析して、例えばイメージングされた患者が脳卒中を経験しているかどうかの自動診断を提供する自動アルゴリズムと組み合わせてもよい。アルゴリズムはまた、脳卒中の位置、半影のサイズ、損傷領域のサイズ、大きな血管閉塞(LVO)の可能性などの様々なパラメータを抽出し得る。自動アルゴリズムはまた、人工知能、機械学習アルゴリズム、畳み込み神経ネットワーク(CNN)、古典的な画像処理アルゴリズム、管理下もしくは非管理下での強化学習アルゴリズムなど(ただし、これらに限定されない)を使用し得る。そのようなアルゴリズムは、医療従事者によって決定された脳卒中重症度スコア(例えば、NIHSSスコア)、(既知の場合の)症状の発症、脳卒中が覚醒脳卒中であるかどうか、患者の年齢など(ただし、これらに限定されない)の追加の入力を得ることができる。このような入力を考慮に入れることで、感度や特定性が向上する可能性がある。アルゴリズムは、手術歴、脳卒中歴、患者が服用した抗凝固薬、血友病疾患の病歴、高血圧の病歴などの関連する医療データを、入力として取得することが好ましい。次に、アルゴリズムは、全ての入力データに基づいて、脳卒中サブタイプと、組換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(rTPA)や脳血栓摘出術などの様々な治療に対する患者の適格性を自動的に評価する。さらに、アルゴリズムは、利用可能な全てのデータに基づいて患者の病状に適した最速かつ最良の治療を提供する可能性が最も高いセンター/病院を評価するために、救急車の位置からの距離、各センターへの救急車の推定到着時間、各センターで可能な治療、脳卒中ユニットの混雑度及び治療の利用可能性(そのようなデータは、病院の自動システムからリアルタイムで直接更新され得る)を含む(ただし、これらに限定されない)任意の病院又は脳卒中センターに関するデータを考慮に入れる確率モデルを含むことが好ましい。このようなシステムは、患者が最初に病院に移送された後に、関連する治療を提供する別の病院に再び移送されるときの二次移送の無駄を省くという利点を有するであろう。
患者が脳卒中と診断された場合には、救急車内で治療することが可能である。このような治療には、例えば、組換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(rTPA)を注射すること、又は代わりに脳血栓摘出術を行うこと、が含まれる。このような脳血栓摘出術は、装置内で患者がMRIガイド方式でイメージングされている間に行われてもよい。MRIシステムは、勾配システム及びカテーテル上の磁場センシングを使用してMRI対応カテーテルの位置を特定し、動脈を通してナビゲートするためにも、使用できる。患者へのアクセスは、磁石リング間の穴を通して、底部又は上部の軸方向の穴を通して、提供され得る。患者には、上述の穴を通して、酸素のような生命維持手段も提供され得る。磁石の内側にいる患者の状態を監視するカメラも、好ましい。
図12Bは、本発明の一実施形態による救急車の概略側断面図を示す。示されるように、MRI装置1210が救急車1220の内部に設置されている。1230と表記されている患者は、好ましくはMRI対応ベッド1240に横たわりながら、頭部を装置に挿入する。救急車は磁気シールドされることが好ましい。パッシブ磁気シールドは、高透磁率材料の層(少なくとも1層)で構成され、必要に応じて層の間に非磁性スペーサを備えて、救急車に外部磁場が侵入するのを防ぐとともに、救急車内部から外部環境への磁場の漏洩を妨ぐ。本文脈において、高透磁率コーティングとは、鋼、ミュー金属、パーマロイ(Fe及びNiの合金)などの(ただしこれらに限定されない)高透磁率を有する一材料又は幾つかの材料からなるコーティングをいう。このような磁気シールドが救急車の外部又は内部に取り付けられて、外部環境から磁気的に絶縁されたキャビン(1250で表される)が作られる。作られるキャビンの形状は立方体であることが好ましいが、他の任意の形状であってもよい。キャビンは完全に高透磁率の材料で囲まれ、その結果、外部環境から磁気的に絶縁された内部ボリュームが提供される。
図12Aは、本発明の一実施形態による救急車の概略側面図を示す。救急車の後部ドアは1221、救急車の天井は1222、救急車の床は1223、救急車の前面と背面の壁は1224と表記されている。なお、図12Aは、図面ビューのため救急車(1224)の前面側壁のみを示しており、背面は示していない。磁界の侵入を防ぐため、救急車の後部ドア(1221)、救急車の天井(1222)の少なくとも一部、救急車の床(1223)の少なくとも一部、及びキャビンの壁を作る救急車の壁の少なくとも一部は、図12Bに破線のパターンとして示す高透磁率材料でコーティングされることが好ましい。さらに、磁気的に絶縁されたキャビンと救急車の他の部分との間に、高透磁率材料でコーティングした内部バリア(図12Bにおいて要素1225で示されている)を設置してもよい。さらに、図12Bには救急車の前後壁の高透磁率コーティングが示されていないが、上述のように、磁気的に絶縁されたキャビン1250の壁を作る救急車の壁の少なくとも一部に、そのようなコーティングが存在すべきことが好ましい。
キャビンには、磁気的に絶縁された領域へのアクセスを提供するために、開閉できる少なくとも1つのドアが含まれる。このようなドアは、救急車の後部ドアであることが好ましい。図13に示されるように、救急車1220の概略上面断面図において、(後部)ドアの可動部は1311と表記されており、点線パターンで示される磁気シールドで磁気的にシールドされている。図13の左図は、ドアが閉じられた状況に相当する一方、図13の右図は、ドアが部分的に開かれた状況に相当する。ドアが閉じられている間、部品1311の磁気シールドは、1312と表記された(縞模様で示されている)キャビンの磁気シールドの固定部分と部分的に重なる。非磁性の機械的クランプによって、2つの磁気シールド1312,1311が重なり合う領域に機械的に取り付けられることが好ましい。図13は上面図であるため上面断面のみを示しているが、磁気シールドは、キャビンの壁、後部ドア、内部バリア、上部から底部、並びにキャビンの床及び天井全体の領域をコーティングすべきことが好ましいことに留意することが重要である。
同様の方法は、多成分ドアの場合であるほかは図13と同様の救急車1220の上面断面図を示す図14に示されるように、ドアが複数の可動部品で構成されている場合にも使用できる。図14の左図は、ドアが閉じられた状況に相当する一方、図14の右図は、ドアが部分的に開かれた状況に対応する。このような場合、(後部)ドア1410は、磁気シールド(点線パターンと表記される)1413及び1414によってそれぞれが磁気的にシールドされた2つの可動部分1411及び1412から構成される。磁気シールド1414は、磁気シールド1413よりもわずかに幅広であって、部品1411及び1412が閉じられると、救急車の内側から磁気シールド1413が部分的に重なる。ただし、示されているケースでは、部品1411を閉じる前に部品1412を閉じる必要があることに留意されたい。ここでも、非磁性の機械的クランプを使用して、磁気シールド1413及び1414が取り付けられる。
MRI装置1210によって磁気シールドの近傍で発生する磁界は、磁気シールド材料の飽和場を超えないことが好ましい。MRI装置1210の磁場はまた、イメージングボリューム内の磁場の均質性の悪化を回避するために、磁気シールドの近傍において小さくあるべきことが好ましい。したがって、MRI装置は、磁気的に絶縁されたキャビン壁から離して配置することが好ましい。磁気的に絶縁されたキャビン壁は、少なくとも5ガウス線を超えているべきことが好ましく、磁気シールドの近傍の磁場は0.5ガウス未満であるべきことが好ましい。
救急車は磁気シールドされることが好ましいが、そのような磁気シールドなしでもMRIが行われ得ることが理解されるであろう。磁気シールドの必要性及び必要量は、MRI近傍の電磁妨害のレベルによって決まる。シールドもまた、任意の量であり得る。救急車などの屋外条件で操作している間は、多くの電磁源(近くの車、救急車自体の機械部品、電線など)がMRIの品質を低下させ得るため、屋内環境と比較して多くの量のシールドが必要になり得る。
以上より、上述の実施形態は実施例として引用されたものであって、本発明は本明細書中の上記で特に示され説明されたものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書中の上記で説明した様々な特徴の組み合わせ及び部分組み合わせの両方、並びに、先行技術に開示されておらず、前述の説明を読んだときに当業者に想起されるであろう、それらの変形例及び修正例を含む。

Claims (30)

  1. MRI装置用の磁石アレイであって、
    MRIシステムの事前定義された内部イメージングボリュームを通過する長手方向軸周りに分散される永久磁石材料からなる複数の磁石要素であって、前記磁石要素の少なくとも1つの群は、前記長手方向軸と同軸のリングを形成し、前記リングの少なくとも1つの磁石要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有し、前記磁石要素の前記対称軸は、前記リングの周縁形状に接する方向に有限成分を有し、前記複数の磁石要素は、前記内部イメージングボリューム内に少なくとも所定の均一性の磁場を共同で生成するように構成されている、複数の磁石要素と、
    複数の磁石リングを所定の位置に固定的に保持するように構成されているフレームと、
    を備える、磁石アレイ。
  2. 前記磁石要素は、前記長手方向軸と同軸の複数の磁石リングを形成することを特徴とする、請求項1に記載の磁石アレイ。
  3. 前記磁石要素は、前記磁石アレイの外側のフリンジフィールドを共同で最小化するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  4. 各磁石リングは、前記長手方向軸周りの前記リングの面内回転に対して回転対称性を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  5. 前記磁石要素の少なくとも1つの群における各要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有し、前記要素の前記対称軸は、前記要素の群が形成するリングの周縁形状に接する方向に有限成分を有することを特徴とする、請求項1に記載の磁石アレイ。
  6. 所定のリングについて、前記リングの各磁石要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有し、前記磁石要素の前記対称軸は、前記要素の群が形成するリングの周縁形状に接する方向に有限成分を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  7. 前記磁石要素の少なくとも一部は、前記MRIシステムの事前定義されたイメージングボリュームを取り囲み、前記磁石要素は、(i)第1のアセンブリであって、前記第1のアセンブリの磁石要素の前記長手方向軸までの距離のうち最小である第1の最小内半径によって特徴付けられる第1のアセンブリと、(ii)第2のアセンブリであって、前記長手方向軸に沿って前記第1のアセンブリと並んで配置され、前記第2のアセンブリの磁石要素の前記長手方向軸までの距離のうち最小である第2の最小内半径によって特徴付けられる第2のアセンブリと、に分割され、ここで、前記第1のアセンブリの前記第1の最小内半径は、前記第2のアセンブリの前記第2の最小内半径よりも大きく、前記イメージングボリュームの中心は、前記第2のアセンブリの外側に配置されていることを特徴とする、請求項1,2又は3に記載の磁石アレイ。
  8. 前記第2のアセンブリは、前記イメージングボリュームの一方の側に前記長手方向軸に沿って位置し、前記第1のアセンブリの前記磁石要素の少なくとも1つは、前記イメージングボリュームの第2の側に前記長手方向軸に沿って配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の磁石アレイ。
  9. 前記磁石要素は、前記長手方向軸に対して反転非対称に配置されていることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の磁石アレイ。
  10. 前記内部ボリュームは、前記長手方向軸周りの回転楕円体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  11. 前記磁石アレイは、方位(θ)座標に沿った有限の磁化成分を有する少なくとも1つの磁石リングを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  12. 前記磁石アレイは、相が異なる少なくとも2つの混相磁石リングを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  13. 前記磁石アレイは、前記長手方向軸(z)に沿った有限の磁化成分と、半径(r)方向に沿った有限の磁化成分と、を有する少なくとも1つの磁石リングを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  14. 前記長手方向軸(z)に沿った有限の磁化成分と、前記半径(r)方向に沿った有限の磁化成分と、を有する前記少なくとも1つの磁石リングは、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有する少なくとも1つの磁石要素を備え、前記磁石要素の前記対称軸は、前記リングの周縁形状に接する方向に有限成分を有することを特徴とする、請求項13に記載の磁石アレイ。
  15. 各前記磁石リングは、楕円、円、多角形のうちいずれかを備える形状を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石アレイ。
  16. 磁石アレイを製造するための方法であって、
    MRIシステムの事前定義された内部イメージングボリュームを通過する長手方向軸周りに永久磁石材料からなる複数の磁石要素を配置すること、を備え、ここで、前記磁石要素の少なくとも1つの群は、前記長手方向軸と同軸のリングを形成し、前記リングの少なくとも1つの磁石要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有し、前記磁石要素の前記対称軸は、前記リングの周縁形状に接する方向に有限成分を有しており、前記複数の磁石要素は、前記内部イメージングボリューム内に少なくとも所定の均一性の磁場を共同で生成するように構成され、フレームが、複数の磁石リングを所定の位置に固定的に保持するように構成されている、方法。
  17. 前記磁石要素は、前記長手方向軸と同軸の複数の磁石リングを形成することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記磁石要素は、前記磁石アレイの外側のフリンジフィールドを共同で最小化するように構成されていることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 各磁石リングは、前記長手方向軸周りの前記リングの面内回転に対して回転対称性を有することを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  20. 前記磁石要素の少なくとも1つの群における各要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有し、前記要素の前記対称軸は、前記要素の群が形成するリングの周縁形状に接する方向に有限成分を有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  21. 所定のリングについて、前記リングの各磁石要素は、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有し、前記磁石要素の前記対称軸は、前記要素の群が形成するリングの周縁形状に接する方向に有限成分を有することを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  22. 前記磁石要素の少なくとも一部は、前記MRIシステムの事前定義されたイメージングボリュームを取り囲み、前記磁石要素は、(i)第1のアセンブリであって、前記第1のアセンブリの磁石要素の前記長手方向軸までの距離のうち最小である第1の最小内半径によって特徴付けられる第1アセンブリと、(ii)第2のアセンブリであって、前記長手方向軸に沿って前記第1のアセンブリと並んで配置され、前記第2のアセンブリの磁石要素の前記長手方向軸までの距離のうち最小である第2の最小内半径によって特徴付けられる第2のアセンブリと、に分割され、ここで、前記第1のアセンブリの前記第1の最小内半径は、前記第2のアセンブリの前記第2の最小内半径よりも大きく、前記イメージングボリュームの中心は、前記第2のアセンブリの外側に配置されていることを特徴とする、請求項16,17又は18に記載の方法。
  23. 前記第2のアセンブリは、前記イメージングボリュームの一方の側に前記長手方向軸に沿って位置し、前記第1のアセンブリの前記磁石要素の少なくとも1つは、前記イメージングボリュームの第2の側に前記長手方向軸に沿って配置されていることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 前記磁石要素は、前記長手方向軸に対して反転非対称に配置されていることを特徴とする、請求項16,17又は18に記載の方法。
  25. 前記内部ボリュームは、前記長手方向軸周りの回転楕円体であることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  26. 前記磁石アレイは、方位(θ)座標に沿った有限の磁化成分を有する少なくとも1つの磁石リングを備えることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  27. 前記磁石アレイは、相が異なる少なくとも2つの混相磁石リングを備えることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  28. 前記磁石アレイは、前記長手方向軸(z)に沿った有限の磁化成分と、半径(r)方向に沿った有限の磁化成分と、を有する少なくとも1つの磁石リングを備えることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  29. 前記長手方向軸(z)に沿った有限の磁化成分と、前記半径(r)方向に沿った有限の磁化成分と、を有する前記少なくとも1つの磁石リングは、それ自体の対称軸に対して円筒対称性を有する少なくとも1つの磁石要素を備え、前記磁石要素の前記対称軸は、前記リングの周縁形状に接する方向に有限成分を有することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. 各前記磁石リングは、楕円、円、多角形のうちいずれかを備える形状を有することを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。

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