JP2023536662A - マルチセンサ誘導式放射線治療 - Google Patents
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Abstract
1つ以上の標的センサからのセンサデータを使用する、放射線治療計画及び送達のための方法が、本明細書に開示される。放射線治療計画方法の一変形形態は、標的センサのセンサ特性付け確率密度関数(PDF)に基づいてセンサ特性付け画像を生成することと、放射線送達セッションの間に取得されたセンサデータから生成されたセンサ画像に適用され得る一組の発射フィルタを計算することと、を含む。加えて、放射線治療計画方法の変形形態は、複数の標的センサの複数のセンサ特性付けPDFに基づいて複数のセンサ特性付け画像を生成することと、複数の標的センサの各々の複数組の発射フィルタを計算することと、を含む。発射フィルタは、治療用放射線を標的領域に送達するための放射線フルエンスを計算するために、放射線送達セッションの間に1つ以上の標的センサから取得された標的センサデータから生成されるセンサ画像とともに使用され得る。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年8月7日に出願された米国仮出願第63/062,792号の優先権を主張し、当該出願の開示は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2020年8月7日に出願された米国仮出願第63/062,792号の優先権を主張し、当該出願の開示は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
放射線療法は、高レベルの放射線を腫瘍又は病変に適用することを含む非侵襲的処置である。このような高レベルの放射線は、癌細胞の増殖を遅くするか、又はさもなければ停止させ得る。いくつかの放射線治療システムは、放射線が患者の周囲の様々な位置及び/又は角度から腫瘍に向けられるように、患者の周囲で移動可能な治療用放射線源を有する。患者は、通常、腫瘍を照射するために治療用放射線源と協調して移動し得るか又は移動し得ないプラットフォーム上に位置決めされる。
周囲の健康な組織への放射線曝露を制限しながら、腫瘍に高レベルの放射線を適用することが困難であることがある。この困難さは、放射線が不可視であり、腫瘍が通常患者内に位置するという事実によって更に高まる。治療計画は、患者及び腫瘍の計画画像に基づいて生成されるが、治療セッションは、通常、数日又は数週間後に行われ、その期間後には、患者内の腫瘍の場所が変化している場合がある。いくつかの放射線治療システムは、患者及び/又は腫瘍の画像を取得するために使用することができる撮像システムを有し、それにより、患者及び/又は腫瘍の場所を、治療セッションの開始時に判定することができる。患者、腫瘍、及び他の患者構造の場所に関する情報は、計画画像内のそれらの場所と比較され得る。何らかの不一致がある場合、患者(及び/又は腫瘍)の場所が計画画像内の場所と一致するように、患者を移動させる(例えば、プラットフォームを移動させ、かつ/又はプラットフォーム上の患者の姿勢及び/若しくは位置を調整することによって)。これは、治療用放射線源が治療計画に従って腫瘍を照射することを確実にするのに役立つ。
しかしながら、患者は治療セッションの間に移動する場合があり、そのような移動は、腫瘍を移動させ、腫瘍の場所を治療セッションの開始時の腫瘍の元の場所から変化させることがある。場合によっては、動きは、呼吸、消化などの不可避の生理学的プロセス、及び/又は予期しない患者の動き(例えば、患者が不快感、咳のために位置をずらす)に起因し得る。治療セッションの開始時に取得された画像は、治療セッションが開始した後(すなわち、治療用放射線源が腫瘍に放射線を放出し始めるとき)の腫瘍場所の変化を捕捉することができない。いくつかの放射線治療計画方法は、計画画像に基づいて腫瘍の動きエンベロープを画定することによって、予測可能な周期的な生理学的動き(呼吸など)による腫瘍の動きを考慮し得る。これにより、動きエンベロープによって包含される領域に高レベルの放射線を送達し、アブレーションレベルの放射線が腫瘍に十分に送達されることを確実にする治療計画がもたらされる。しかしながら、この方法はまた、たまたま動きエンベロープ内に位置した健康な組織への照射が生じる結果ももたらし得る。
そのため、健康な組織の放射線曝露を制限しながら、患者標的領域に殺腫瘍レベルの放射線を送達するために、放射線治療計画及び送達の改善された方法が望ましい。
1つ以上の標的領域センサからのセンサデータを使用する、放射線治療計画及び送達のための方法が、本明細書に開示される。いくつかの変形形態では、1つ以上の標的領域センサは、1つ以上の患者センサであり得る。放射線治療計画方法は、標的センサのセンサ特性付け確率密度関数(probability density function、PDF)に基づいてセンサ特性付け画像を生成することと、放射線送達セッション(例えば、非治療の品質保証若しくはQAセッション、又は代替的に、治療セッション)の間に取得されたセンサデータに適用され得る、一組の発射フィルタを計算することと、を含み得る。標的センサのセンサ特性付けPDFは、標的センサのノイズ特性及び/又はばらつき及び/又は誤差プロファイルを表し得る。発射フィルタはシフト不変であり得る。標的センサは、1つ以上の位置センサ、画像センサなどを含み得る。本明細書に記載の放射線治療送達方法は、標的センサから1つ以上のセンサデータ読み取り値を取得することと、センサデータ読み取り値から生成された画像を治療計画発射フィルタと畳み込むことによって、送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を送達することと、を含み得る。画像及び/又は位置センサデータは、放射線送達セッション(例えば、患者の不在下での非治療QAセッション、又は代替的に患者の存在下での治療セッション)の間に頻繁に取得され得、例えば、放射線ビームが標的領域に向かって放出される前の数秒又は数ミリ秒以内に取得され得る。いくつかの変形形態では、標的領域は、治療用放射線が治療セッションの間に送達される患者標的領域であり得る。画像及び/又は位置センサデータの頻繁な取得は、腫瘍の実際の場所への放射線送達の誘導を助けるために患者及び/又は腫瘍の動きを考慮するようにリアルタイムで放射線フルエンスマップを調整するために、放射線治療システムによって使用され得る。
いくつかの変形形態では、放射線治療計画は、複数組の対応する発射フィルタを計算するために複数の標的領域センサからのセンサデータを使用し得る。例えば、放射線治療計画方法は、第1の標的センサの第1のセンサ特性付け確率密度関数(PDF)に基づいて第1のセンサ特性付け画像を生成することと、第2の標的センサの第2のセンサ特性付けPDFに基づいて第2のセンサ特性付け画像を生成することと、放射線送達セッション(例えば、QA又は治療セッション)の間に取得された第1の標的センサからのセンサデータに適用され得る第1の組の発射フィルタを計算することと、放射線送達セッション(例えば、QA又は治療セッション)の間に取得された第2の標的センサからのセンサデータに適用され得る第2の組の発射フィルタを計算することと、を含み得る。第1の標的センサ及び第2の標的センサは、同じセンサタイプであり得、及び/又は異なるセンサタイプであり得る。放射線送達セッションの間、センサデータは、第1の標的センサ及び第2の標的センサの両方から取得され、それを使用してセンサデータ画像を生成し得、センサデータ画像は、それらのそれぞれの発射フィルタと畳み込まれ、組み合わせられ、送達のための放射線フルエンスマップを生成する。いくつかの変形形態では、放射線治療送達方法は、第1の標的センサから第1のセンサデータ読み取り値を取得することと、第2の標的センサから第2のセンサデータ読み取り値を取得することと、第1のセンサデータ読み取り値から生成された第1の画像と第1の発射フィルタとの畳み込みと、第2のセンサデータ読み取り値から生成された第2の画像と第2の発射フィルタとの畳み込みとを合計することによって、送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を送達することと、を含み得る。2つ以上の標的センサからのリアルタイム取得データを使用して送達のための放射線フルエンスを計算することは、標的領域の場所の正確な指示を提供するのに役立ち、かつ/又は標的領域への治療用放射線の正確な送達を促進するのに役立ち得る。
また、発射フィルタを計算するために患者撮像データ及び位置データを使用する、放射線治療計画のための方法が本明細書に開示され、発射フィルタは、送達のための放射線フルエンスマップを計算するために放射線送達セッション(例えば、QA又は治療セッション)の間に取得された画像に適用され得る。いくつかの変形形態では、放射線治療計画方法は、経時的な標的領域の重心の場所を表す複数の位置値を含むセンサ特性付けPDFに基づいてセンサ特性付け画像を生成することと、センサ特性付け画像に基づいて発射フィルタを計算することと、を含み得る。センサ特性付け画像は、標的領域の1つ以上の動き滞留ヒストグラムを含み得る。重心の位置値は、任意の適切な撮像モダリティ、例えば、4D CT撮像データから判定され得る。放射線治療送達方法は、画像センサから撮像データを取得することと、取得された撮像データから画像を生成することと、生成された画像を発射フィルタと畳み込むことによって、送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、を含み得る。次いで、本方法は、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を標的領域に送達することを含み得る。経時的な標的領域の重心の場所を表す複数の位置値を含むセンサ特性付けPDFに基づいて発射フィルタを計算することは、周囲の健康な組織への照射を低減しながら、処方された殺腫瘍線量を標的領域に送達する治療計画をもたらし得る。
放射線送達のための方法の一変形形態は、標的センサからセンサデータ読み取り値を取得することと、センサデータ読み取り値からセンサ画像を生成することと、センサ画像を標的センサのセンサ特性付け確率密度関数(PDF)から導出されるシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって、標的領域への送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を標的領域に送達することと、を含む。センサ特性付けPDFは、センサデータ誤差レート及び/又はセンサデータばらつきレートを表すセンサ誤差特性付けPDFであり得る。例えば、センサ特性付けPDFは、センサデータの1Dプロット、センサデータの2Dプロット、及び/又はセンサデータの3Dプロット、並びにセンサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形形態では、標的センサは、位置センサであり得る。例えば、位置センサは、標的領域位置センサを含み得、及び/又は位置センサは、埋め込み型基準点を追跡するように構成されたX線プロジェクタシステムを含み得る。センサ画像は、位置センサデータ読み取り値に対応する場所を中心とするデルタ関数、ガウス関数、及び/又は切断ガウス関数であり得る。いくつかの方法は、光学基準点を患者の皮膚に取り付けることと、光学撮像システムを使用して光学基準点を追跡することと、を含み得る。
いくつかの変形形態では、標的センサは、センサデータ読み取り値が標的領域の重心を表す一定の位置値であるヌル位置センサであり得、ヌル位置センサのセンサ特性付けPDFは、経時的な標的領域の重心の場所を表す複数の位置値を含む。センサ画像は、位置センサデータ読み取り値に対応する場所を中心とするデルタ関数、ガウス関数、及び/又は切断ガウス関数であり得る。センサ特性付けPDFは、標的領域の動き滞留ヒストグラムを含み得る。複数の位置値は、例えば、4D CT撮像データを使用して判定され得る。
いくつかの変形形態では、シフト不変発射フィルタは、治療用放射線源の発射位置に対応し得、送達のためのフルエンスを計算することは、発射位置上のセンサ画像の投影を発射位置のシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって、発射位置における送達のためのフルエンスを計算することを含み得る。標的センサは、1つ以上の画像センサを含み得、センサデータ読み取り値は、撮像データを含み得、標的センサのセンサ特性付けPDFは、撮像データから生成された画像を含み得る。1つ以上の画像センサは、PETセンサ、MRIセンサ、及びCTセンサからなる群から選択される画像センサを含み得る。
いくつかの変形形態では、標的センサは、第1の標的センサであり得、センサデータ読み取り値は、第1のセンサデータ読み取り値であり得、画像は、第1のセンサデータ画像であり得、シフト不変発射フィルタは、第1のシフト不変発射フィルタであり得、センサ特性付けPDFは、第1のセンサ特性付けPDFであり得、本方法は、第2の標的センサから第2のセンサデータ読み取り値を取得することと、第2のセンサデータ読み取り値から第2のセンサデータ画像を生成することと、を更に含み得、送達のためのフルエンスマップを計算することは、(a)第1のセンサデータ画像と第1のシフト不変発射フィルタとの畳み込みと、(b)第2のセンサデータ画像と第2の標的センサの第2のセンサ特性付けPDFから導出された第2のシフト不変発射フィルタとの畳み込みとを合計することを含み得る。第1の標的センサデータ読み取り値は、第1のタイプのデータを含み得、第2の標的センサデータ読み取り値は、第1のタイプのデータとは異なる第2のタイプのデータを含み得る。第2のセンサ特性付けPDFは、例えば、センサ誤差特性付けPDFであり得る。第2の標的センサは、位置センサであり得る。いくつかの変形形態では、第1の標的センサデータ読み取り値は、陽電子消滅放出経路データを含み得、第2の標的センサデータ読み取り値は、標的領域場所データを含み得る。第1の標的センサデータ読み取り値は、部分撮像データを含み得、第2の標的センサデータ読み取り値は、標的領域場所データを含み得る。第1の標的センサデータ読み取り値は、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含み得、第2の標的センサデータ読み取り値は、標的領域場所データを含み得る。いくつかの変形形態では、シフト不変発射フィルタは、治療用放射線源の発射位置に対応し得、送達のためのフルエンスを計算することは、発射位置上にセンサデータ読み取り値を投影することと、投影されたセンサデータ読み取り値の第2のセンサ画像を生成することと、第2のセンサ画像を発射位置についてのシフト不変発射フィルタと畳み込むことと、によって、発射位置における送達のためのフルエンスを計算することを含み得る。
放射線治療システムの変形形態も本明細書に記載される。放射線治療システムの一変形形態は、患者プラットフォームと、患者プラットフォームの周りの1つ以上の発射位置に移動可能な治療用放射線源と、センサデータを取得する標的センサを備える標的センサシステムと、治療用放射線源及び標的センサシステムと通信するコントローラとを備え得、コントローラは、センサデータから生成された画像を標的センサのセンサ特性付けPDFから導出されるシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって、標的領域への送達のための放射線フルエンスマップを計算するように構成され、コントローラは、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を送達するように構成されている。標的センサは、第1の標的センサであり得、標的センサシステムは、第2の標的センサを備え得る。いくつかの変形形態では、第1の標的センサ及び第2の標的センサのうちの少なくとも一方は、患者プラットフォーム上に配設された患者に結合されるように構成された位置センサであり得る。例えば、位置センサは、標的領域に結合されるように構成され得る。いくつかの変形形態では、位置センサは、患者の皮膚に取り付けられた光学基準点を追跡するように構成された光学撮像システムを備え得、標的センサシステムは、光学基準点の位置を検出するように構成された光学カメラを更に備え得る。センサ特性付けPDFは、センサデータ誤差レートを表すセンサ誤差特性付けPDFであり得るか、又はセンサデータばらつきレートを表し得る。例えば、センサ特性付けPDFは、センサデータの1Dプロット、センサデータの2Dプロット、及び/又はセンサデータの3Dプロット、並びにセンサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み得る。位置センサデータから生成された画像は、位置センサデータに対応する場所を中心とするデルタ関数、ガウス関数、及び/又は切断ガウス関数であり得る。代替的に又は追加的に、標的センサは、1つ以上の画像センサを含んでもよく、センサデータは、撮像データを含んでもよく、標的センサのセンサ特性付けPDFは、画像を含んでもよい。1つ以上の画像センサは、PETセンサ、MRIセンサ、及びCTセンサからなる群から選択される画像センサを含み得る。コントローラは、第1の標的センサからの第1のセンサデータ読み取り値及び第2の標的センサからの第2のセンサデータ読み取り値を受信するように構成され得、シフト不変発射フィルタは、第1の標的センサの第1のシフト不変発射フィルタであり、センサ特性付けPDFは、第1の標的センサの第1のセンサ特性付けPDFであり、コントローラは、(a)第1のセンサデータ画像と第1のシフト不変発射フィルタとの畳み込みと、(b)第2のセンサデータから生成された第2の画像と第2の標的センサの第2のセンサ特性付けPDFから導出された第2のシフト不変発射フィルタとの畳み込みとを合計することによって、送達のためのフルエンスマップを計算するように更に構成され得る。第1の標的センサは、第1のタイプのセンサであり得、第2の標的センサは、第1のタイプとは異なる第2のタイプのセンサであり得る。第2の標的センサは、位置センサであり得る。いくつかの変形形態では、第1の標的センサは、陽電子消滅放出経路センサであり得、第2の標的センサは、標的領域位置センサであり得る。代替的に又は追加的に、第1の標的センサは画像センサであり得、第2の標的センサは位置センサであり得る。第1の標的センサは、3D PETセンサ、2D X線センサ、投影画像センサ、蛍光透視画像センサ、CT画像センサ、及びMRセンサのうちの少なくとも1つを含み得、第2の標的センサは、位置センサを含み得る。
標的センサデータを使用する治療計画のための方法が、本明細書に記載される。センサベースの治療計画のための方法は、i個の発射位置の各々について標的センサのセンサ特性付けPDFに基づいてセンサ特性付け画像Niを生成することと、条件
本明細書に記載の治療計画を生成するための方法は、患者の不在下で実行される。これらの治療計画方法単独では、患者への治療用放射線の送達を含まない。
標的センサは、位置センサであり得、センサ特性付けPDFは、位置センサデータの1Dプロット、位置センサデータの2Dプロット、位置センサデータの3Dプロット、及び位置センサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み得、センサ特性付け画像Niは、位置センサ誤差データ及び位置センサ誤差ヒストグラムのうちの1つ以上を含み得る。位置センサデータは、空間内の座標を含み得る。いくつかの変形形態では、シフト不変発射フィルタpiを計算することは、処方された線量D及び放射線フルエンスマップFの臨床医定義の制約及び目的から導出されるコスト関数C(D,F)を最小化するために、piの値を反復することを更に含み得る。いくつかの変形形態では、シフト不変発射フィルタpiを計算することは、処方された線量D及び放射線フルエンスマップFの臨床医定義の制約及び目的から導出されるコスト関数C(D,F)を最小化するために、piに関する値を反復することを更に含み得る。
いくつかの変形形態では、標的センサは、標的領域の重心を表す一定の位置値を有するヌル位置センサであり得、センサ特性付けPDFは、経時的な標的領域の重心の場所を表す複数の位置値を備え得、センサ特性付け画像Niを生成することは、標的領域の動き滞留ヒストグラムを生成することを含み得る。複数の位置値は、4D CT撮像データを使用して判定され得る。いくつかの治療計画方法では、センサ特性付け画像Niを生成することは、標的領域の反転動き滞留ヒストグラムを生成することを含み得る。いくつかの変形形態では、標的センサは、画像センサであり得、センサ特性付けPDFは、複数の画像センサデータを含み得、センサ特性付け画像Niを生成することは、複数の画像センサデータを組み合わせることを含み得る。複数の画像センサデータは、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含み得る。標的センサは、第1の標的センサであり得、センサ特性付け画像Niは、第1の組のセンサ特性付け画像であり得、シフト不変発射フィルタpiは、第1の組のシフト不変発射フィルタであり得、本方法は、i個の発射位置の各々の第2の標的センサのセンサ特性付けPDFに基づいて、第2の組のセンサ特性付け画像Miを生成することと、pi及びqiの値を反復することによって、第1の組のセンサ特性付け画像Ni及び第2の組のセンサ特性付け画像Miに基づいて、i個の発射位置の各々の第1の組のシフト不変発射フィルタpi及び第2の組のシフト不変発射フィルタqiを計算することであって、それにより、以下の式が満たされる、計算することと、を更に含み得る。
いくつかの変形形態では、シフト不変発射フィルタpi及びqiを計算することは、処方された線量D及び放射線フルエンスマップFの臨床医定義の制約及び目的から導出されるコスト関数C(D,F)を最小化するために、pi及びqiの値を反復することを更に含み得る。第1の標的センサは、第1の位置センサであり得、第2の標的センサは、第2の位置センサであり得る。いくつかの変形形態では、第1の位置センサ及び第2の位置センサのセンサ特性付けPDFの各々は、位置センサデータの1Dプロット、位置センサデータの2Dプロット、及び/又は位置センサデータの3Dプロット、並びに位置センサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み得、センサ特性付け画像Ni及びMiは、標的領域の動き滞留ヒストグラムを含み得る。第1の位置センサ及び第2の位置センサの位置センサデータは、空間内の座標を含み得る。代替的に、第1の標的センサは、第1の画像センサであり得、第2の標的センサは、第2の画像センサであり得る。第1の画像センサ及び第2の画像センサのセンサ特性付けPDFの各々は、複数の画像センサデータを含み得、センサ特性付け画像Ni及びMiを生成することは、第1の画像センサ及び第2の画像センサからの複数の画像センサデータをそれぞれ組み合わせることを含み得る。第1の画像センサ及び第2の画像センサからの複数の画像センサデータは、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含み得る。
いくつかの変形形態では、第1の標的センサは、位置センサであり得、第2の標的センサは、画像センサであり得る。位置センサのセンサ特性付けPDFは、位置センサデータの1Dプロット、位置センサデータの2Dプロット、及び/又は位置センサデータの3Dプロット、並びに位置センサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み得、画像センサのセンサ特性付けPDFは、複数の画像センサデータを含み得る。例えば、センサ特性付け画像Niは、標的領域の動き滞留ヒストグラムであり得、センサ特性付け画像Miは、複数の画像センサデータの組み合わせであり得る。位置センサデータは、空間内の座標を含み得、複数の画像センサデータは、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含み得る。
取得された標的領域センサデータを使用する放射線治療計画及び放射線送達のための方法が、本明細書に開示される。いくつかの変形形態では、センサデータは、患者の存在下で治療セッションの間に取得され得る一方、他の非治療的変形形態では、センサデータは、患者の不在下でQAセッションの間に取得され得る。放射線治療システムは、1つ以上の標的領域センサ(本明細書では標的センサとも称される)を備え得、放射線送達(例えば、QA又は治療セッション)の間に1つ以上の標的センサによって取得されたデータは、放射線送達セッションの間に1つ以上の標的領域に送達される放射線フルエンスを計算するために使用され得る。標的領域センサは、画像センサ(例えば、X線検出器、PET検出器、及び/又は光学センサなど)を備え得、並びに/又は患者及び/若しくは標的領域に結合され得る位置センサ(例えば、イオンチャンバ及び/又は放射線フィルムなどのファントム及び/又はフルエンス測定デバイス)を備え得る。放射線治療計画方法は、各患者標的領域について、治療セッションの間に使用される1つ以上の標的センサのセンサ特性付けPDFに基づいてシフト不変発射フィルタを計算することを含み得る。治療セッションの間、標的センサからの読み取り値は、センサ画像を生成するために使用され得、センサ画像は、送達放射線フルエンスを計算するために、シフト不変発射フィルタと畳み込まれ得る。送達放射線フルエンスの計算は、患者標的領域に治療用放射線を放出する1時間以内(例えば、約60分以内、約30分以内、約20分以内、約15分以内、約10分以内、約5分以内、約3分以内、約1分以内、約0.5分以内、約20秒以内、約2秒以内、約1秒以内、約0.5秒以内、約0.25秒以内、約0.2秒以内、約0.1秒以内など)に行われ得る。いくつかの変形形態では、1つ以上の標的センサは、患者の異なる解剖学的構造に関連付けられ得る1つ以上の位置センサを含み得、例えば、解剖学的目印及び/又は放射線送達のための基準点として放射線治療システムによって使用され得る、1つ以上の患者標的領域、1つ以上のリスク臓器(organs-at-risk、OAR)、及び/又は1つ以上の骨構造の位置を感知する位置センサを含み得る。代替的に又は追加的に、標的センサは、1つ以上の画像センサ、例えば、PET検出器のアレイ、MV検出器のアレイ、kV検出器のアレイ、及び/又は光学検出器(例えば、可視光及び/又は赤外光を検出するカメラ)を備えてもよい。これらの場合、センサデータ読み取り値は既に画像であり得るので、追加のセンサデータ画像生成は必要とされない場合がある。いくつかの変形形態では、患者の位置は、マーカを患者に結合し、かつカメラを使用してマーカの位置及び/又は動きを監視することによって感知され得る。
いくつかの変形形態では、放射線治療計画は、複数の標的センサからのセンサ特性付けデータを使用して、複数組の対応する発射フィルタを計算し得る。例えば、放射線治療計画方法は、第1の標的センサの第1のセンサ特性付けPDFに基づいて第1のセンサ特性付け画像を生成することと、第2の標的センサの第2のセンサ特性付けPDFに基づいて第2のセンサ特性付け画像を生成することと、治療セッションの間に取得された第1の標的センサからのセンサデータに適用され得る第1の組の発射フィルタを計算することと、治療セッションの間に取得された第2の標的センサからのセンサデータに適用され得る第2の組の発射フィルタを計算することと、を含み得る。第1の標的センサ及び第2の標的センサは、同じセンサタイプであり得、及び/又は異なるセンサタイプであり得る。治療セッションの間、センサデータは、第1の標的センサ及び第2の標的センサの両方から取得され、それを使用して第1のセンサデータ画像及び第2のセンサデータ画像を生成し得、次いで、第1センサデータ画像及び第2のセンサデータ画像は、それらのそれぞれの発射フィルタと畳み込まれ、送達のための放射線フルエンスマップを生成する。
本明細書に提供する実施例は、強度変調放射線治療(intensity modulated radiation therapy、IMRT)、定位全身放射線治療(stereotactic body radiation therapy、SBRT)、及び/又は生物学的誘導放射線治療(biologically guided radiation therapy、BgRT)の文脈であるが、本明細書に記載のシステム及び方法は、任意のタイプの外部ビーム放射線治療において使用され得ることを理解されたい。更に、本明細書に記載の方法のうちのいくつかは、放射線が患者に送達され得る治療セッションの文脈で記載されているが、同じ方法が、患者への放射線送達を含まない品質保証(quality assurance、QA)セッションにおいて使用され得る。すなわち、本明細書に記載の方法はまた、放射線が患者の代わりにファントム及び/又はフルエンス測定デバイスに送達される、QA処置又はQAセッションなどの非治療的様式で使用され得る。そのため、患者標的領域に放射線を送達するものとして記載されている方法はまた、放射線治療システムの患者エリア内に位置するファントムの標的領域に放射線を送達するために使用され得る。いくつかの変形形態では、ファントムは、擬人化され得、及び/又は任意選択的に、患者の動きを模倣するために動きシミュレータに取り付けられ得る。フルエンス測定デバイスの実施例としては、イオン化チャンバ、ダイオード及び/又は薄膜トランジスタ(thin-film transistor、TFT)のアレイ、熱ルミネセンス線量計(thermoluminescent dosimeter、TLD)、線量計などが挙げられ得るが、これらに限定されない。
システム
図1Aは、外部ビーム放射線治療システムのブロック図表現である。放射線治療システム(100)は、1つ以上の治療用放射線源(102)及び患者プラットフォーム(104)を備える。治療用放射線源は、X線源、電子源、陽子源、及び/又は中性子源を備え得る。例えば、治療用放射線源(102)は、線形加速器(ライナック)、コバルト-60線源、及び/又はX線マシンを備え得る。治療用放射線源は、放射線ビームが複数の発射位置及び/又は角度から患者プラットフォーム上の患者に向い得るように、患者プラットフォームの周囲で移動可能であり得る。いくつかの変形形態では、放射線治療システムは、治療用放射線源のビーム経路内に位置し得る、1つ以上のビーム成形素子及び/又は組立体(106)を備え得る。例えば、放射線治療システムは、放射線ビームの経路に配設されたライナック(102)及びビーム成形組立体(106)を備え得る。ビーム成形組立体は、1つ以上の可動ジョー及びマルチリーフコリメータ(例えば、バイナリマルチリーフコリメータ、2Dマルチリーフコリメータなど)を備え得る。ライナック及びビーム成形組立体は、ライナック及びビーム成形組立体の位置を調整するように構成された動きシステムを備えるガントリに取り付けられ得る。患者プラットフォーム(104)はまた、移動可能であり得る。例えば、患者プラットフォーム(104)は、単一の動き軸に沿って(例えば、IEC-Y軸に沿って)患者を直線的に並進させるように構成され得、及び/又は複数の動き軸(例えば、2以上の自由度、3以上の自由度、4以上の自由度、5以上の自由度など)に沿って患者を移動させるように構成され得る。いくつかの変形形態では、放射線治療システムは、IEC-Y軸、IEC-X軸、IEC-Z軸、並びにピッチ及びヨーに沿って移動するように構成された、5-DOF患者プラットフォームを有し得る。
図1Aは、外部ビーム放射線治療システムのブロック図表現である。放射線治療システム(100)は、1つ以上の治療用放射線源(102)及び患者プラットフォーム(104)を備える。治療用放射線源は、X線源、電子源、陽子源、及び/又は中性子源を備え得る。例えば、治療用放射線源(102)は、線形加速器(ライナック)、コバルト-60線源、及び/又はX線マシンを備え得る。治療用放射線源は、放射線ビームが複数の発射位置及び/又は角度から患者プラットフォーム上の患者に向い得るように、患者プラットフォームの周囲で移動可能であり得る。いくつかの変形形態では、放射線治療システムは、治療用放射線源のビーム経路内に位置し得る、1つ以上のビーム成形素子及び/又は組立体(106)を備え得る。例えば、放射線治療システムは、放射線ビームの経路に配設されたライナック(102)及びビーム成形組立体(106)を備え得る。ビーム成形組立体は、1つ以上の可動ジョー及びマルチリーフコリメータ(例えば、バイナリマルチリーフコリメータ、2Dマルチリーフコリメータなど)を備え得る。ライナック及びビーム成形組立体は、ライナック及びビーム成形組立体の位置を調整するように構成された動きシステムを備えるガントリに取り付けられ得る。患者プラットフォーム(104)はまた、移動可能であり得る。例えば、患者プラットフォーム(104)は、単一の動き軸に沿って(例えば、IEC-Y軸に沿って)患者を直線的に並進させるように構成され得、及び/又は複数の動き軸(例えば、2以上の自由度、3以上の自由度、4以上の自由度、5以上の自由度など)に沿って患者を移動させるように構成され得る。いくつかの変形形態では、放射線治療システムは、IEC-Y軸、IEC-X軸、IEC-Z軸、並びにピッチ及びヨーに沿って移動するように構成された、5-DOF患者プラットフォームを有し得る。
いくつかの変形形態では、放射線治療システム(100)は、1つ以上の標的領域センサ(108)を備え得る。標的センサは、画像センサ(例えば、X線検出器、PET検出器、MRコイル、及び/又は光学センサなど)及び/又は位置センサ(例えば、埋め込み型ビーコン、表面マーカなど)及び/又は複合センサ(例えば、X線追跡埋め込み型基準点システム)を備え得る。いくつかの変形形態では、位置センサ又は複合センサは、任意の低侵襲的方法(例えば、針を使用する経皮的留置)を使用して、腫瘍又は標的領域の中に外科的に埋め込まれ得、及び/又は標的領域に近接する患者の皮膚の中に埋め込まれ得る。放射線治療システムは、複数のセンサ素子及び/又は構成要素を有する標的センサシステムを備え得る。いくつかの変形形態では、標的センサシステムは、撮像システムを備え得る。例えば、PET放出データに基づいて放射線を送達するように構成されたEGRTシステムなどのBgRTシステムは、PET検出器の1つ以上のアレイを有する標的センサシステム(すなわち、PET撮像システム)を有し得る。PET放出データは、1つ以上の患者腫瘍の位置及び/又は患者の生物学的状態及び/又は生理学的状態を特性付けるために使用され得る。代替的に又は追加的に、放射線治療システムは、CT撮像システムを含む標的センサシステムを有してもよい。CT撮像システムは、X線源(例えば、kV X線源)及びX線源の反対側に位置するX線検出器を備え得る。放射線不透過性の埋め込み型基準点は、所定の患者領域に配置され得(例えば、経皮的方法、針埋め込みなどを使用して)、CT撮像システム又はX線プロジェクタシステムは、基準点の場所を撮像しかつ追跡するように構成され得る。任意選択的に、標的センサは、治療用放射線源の反対側に位置するX線検出器(例えば、MV X線検出器)を備え得る。X線検出器データは、患者の位置を特性付けるために使用され得る。標的センサシステムの一実施例は、患者標的領域の中に配置され得る約1cm未満の注入型又は埋め込み型反射体を備え得る。標的センサシステムはまた、反射体の場所を特定するために使用され得るレーダ信号を使用する、検出器を備え得る。代替的に又は追加的に、標的センサシステムは、可視スペクトル及び/又は近赤外スペクトル内の光を感知するように構成された、光検出器を備えてもよい。例えば、標的センサシステムは、患者プラットフォームがその視野内にあるように位置決めされたカメラを備え得、カメラは、患者の場所及び/又は動きが判定され得るビデオストリーム(例えば、経時的な一連の画像)を取得するように構成され得る。任意選択的に、患者の場所及び/又は動きの検出を促進するために、カメラによる患者の位置及び/又は動きの検出を促進し得るマーカ、タグ、光学的基準点、及び/又は任意の視覚的標識が患者に結合され得る。例えば、光学基準点は、接着剤及び/又はストラップを使用して、患者の皮膚に結合され得る。いくつかの変形形態では、マーカ又はタグは、光学エミッタ(例えば、事前選択された波長及び/又はパルス周波数の光を放出する)を備え得、カメラは、エミッタからの光を検出するように構成され得る。代替的に又は追加的に、マーカ又はタグは、周囲の光学環境とは区別可能であり得る光学特性を有する物体であってもよい。例えば、マーカ、タグ、又は他のそのような光学基準点は、カメラの画像プロセッサによる検出を促進し得る、一意のソリッドカラー、区別可能な視覚パターン、高コントラストマーキング、及び/又は高光学反射率特性を有し得る。すなわち、マーカ又はタグは、背景特徴から容易に区別されることを可能にする、視覚的に区別可能なパターン又はグラフィックスを備え得る。いくつかの変形形態では、マーカ又はタグは、患者の皮膚の局所領域の中に注入される色素(例えば、入れ墨)であり得る。顔料は、X線(例えば、CT)撮像システムを使用して検出され得る放射線不透過性材料を含み得る。
いくつかの変形形態では、標的センサは、患者の場所及び/又は動きを検出するように構成又は配列された、位置センサを含み得る。いくつかの変形形態では、少なくとも1つの位置センサは、標的領域(例えば、腫瘍又は病変)に近接する解剖学的構造、並びに/又はその場所及び/若しくは移動が標的領域の場所及び/若しくは移動と相関され得る解剖学的構造に取り付けられ得る。
放射線治療システムのいくつかの変形形態は、異なる感知モダリティの1つ以上の標的センサを備え得る。例えば、放射線治療システムは、撮像システム(例えば、PET撮像システム、CT撮像システム、MR撮像システム、光学又は可視光撮像システム、蛍光透視撮像システム)を備える標的センサシステムと、治療セッションの間に患者に取り付けられ得る位置センサを含む標的センサとを有し得る。放射線治療システムは、CT撮像システム(すなわち、kV X線源及び検出器、X線プロジェクタシステム)を備える第1の標的センサシステム、PET撮像システム(すなわち、連続リング又は2つの別個の対向する弧に配列された複数のPETアレイ)を備える第2の標的センサシステム、及び/又は治療用放射線源及び治療用放射線源の反対側に位置するMV検出器を備える第3の標的センサシステムを有し得る。放射線治療システムは、CT撮像システムを備える第1の標的センサシステムと、患者標的領域の場所と相関される場所において患者に結合される位置センサを含む第2の標的センサとを備え得る。代替的に又は追加的に、放射線治療システムは、患者標的領域の場所に関する追加の情報を提供し得る、患者の身体の所定の領域に取り付けられた複数の位置センサを有してもよい。
本明細書の記載は、患者への放射線送達の文脈において標的センサを記載しているが、標的センサはまた、患者の不在下での非治療的処置(例えば、QA処置又はQAセッション)の間の放射線送達の文脈におけるセンサを含み得ることを理解されたい。上述の標的センサはまた、ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスへの放射線送達のためのQA処置又はQAセッションにおいて使用され得る、すなわち、標的センサ及び/又はセンサシステムはまた、患者への放射線送達を伴わない非治療的処置において使用され得る。本明細書に記載の標的センサ及び/又はセンサシステムの様々な機能、構造、及びシステムは、患者がファントムに置換されるQA処置又はQAセッションの間に使用され得る。例えば、標的センサシステムは、放射線が患者の代わりにファントムに送達されるQA処置において使用され得る、撮像システム(例えば、PET撮像システム、CT撮像システム、MR撮像システム、光学又は可視光撮像システム、蛍光透視撮像システム)を備え得る。位置センサ、マーカ、タグ、光学基準点、及び/又は任意の視覚的標識は、患者に適用されるようにファントムに適用され得る。本明細書に記載の任意の標的センサ(例えば、画像センサ、及び/又は位置センサ、及び/又は複合センサなど)は、非治療的処置の間、ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスとともに使用され得る。
放射線治療システム(100)はまた、治療用放射線源(102)、ビーム成形素子又は組立体(106)、患者プラットフォーム(104)、及び1つ以上の標的センサ(108)(例えば、1つ以上の標的センサシステム)と通信する、コントローラ(110)を備える。コントローラ(110)は、1つ以上のプロセッサ、及び1つ以上のプロセッサと通信する1つ以上の機械可読メモリを備え得、1つ以上のプロセッサは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実行又は実施するように構成され得る。1つ以上の機械可読メモリは、プロセッサに、1つ以上の治療計画、標的センサデータ(例えば、撮像データ、場所/位置データ、動きデータ)、治療計画及び/又は臨床目標に基づく放射線フルエンスマップの計算、フルエンスマップの放射線治療システム命令(例えば、ガントリ、治療用放射線源、ビーム成形組立体、患者プラットフォーム、及び/又は放射線治療システムの任意の他の構成要素の動作を指示し得る)へのセグメント化、並びに治療計画及び/又は放射線送達に関連付けられた画像及び/又はデータ処理などのシステムと関連付けられたモジュール、プロセス、及び/又は機能を実行させる、命令を記憶し得る。いくつかの変形形態では、メモリは、治療計画データ(例えば、治療計画発射フィルタ、フルエンスマップ、計画画像)、標的センサデータ、放射線送達されたフルエンスマップを導出するようにセンサデータを処理するための命令、及び導出されたフルエンスマップを送達するための命令(例えば、治療用放射線源、ビーム成形組立体、及び患者プラットフォームを協調して動作させるための命令)を記憶し得る。放射線治療システムのコントローラは、有線又は無線通信チャネルによって他のシステムに接続され得る。例えば、放射線治療システムコントローラは、放射線治療計画システムコントローラと有線又は無線通信し得るため、フルエンスマップ、発射フィルタ、標的センサデータ(例えば、センサ特性付け確率密度関数)、計画画像(例えば、CT画像、MRI画像、PET画像、4D CT画像)、患者データ、及び他の臨床的に関連する情報が、放射線治療計画システムから放射線治療システムに転送され得る。送達放射線フルエンス、任意の線量計算、並びに治療セッションの間に取得された任意の臨床的に関連する情報及び/又はデータは、放射線治療システムから放射線治療計画システムに転送され得る。この情報は、放射線治療計画システムによって、治療計画を適合させるため、及び/又は連続する治療セッションのための放射線の送達を調整するために使用され得る。
図1Bは、放射線治療システム(100)の一変形形態を図示している。放射線治療システム(100)は、患者治療領域(112)の周りを回転可能なガントリ(110)、ガントリ上に取り付けられた1つ以上のPET検出器(108)、ガントリ上に取り付けられた治療用放射線源(102)、治療用放射線源のビーム経路内に配設されたビーム成形モジュール(106)、及び患者治療領域(112)内で移動可能な患者プラットフォーム(119)を備え得る。いくつかの変形形態では、ガントリ(110)は、連続的に回転するガントリであり得る(例えば、360度にわたって、及び/又は約360度未満の角度広がりを伴う弧で回転することが可能である)。ガントリ(110)は、患者治療領域(112)の周りを約20RPM~約70RPMで回転するように構成され得る。例えば、ガントリ(110)は、約60RPMで回転するように構成され得る。ビーム成形モジュール(106)は、可動ジョー及び動的マルチリーフコリメータ(multi-leaf collimator、MLC)を備え得る。ビーム成形モジュールは、システムアイソセンタ(例えば、患者治療領域の中心)において1cm、2cm又は3cmの長手方向の可変コリメーション幅を提供するように配列され得る。ジョーは、治療用放射線源とMLCとの間に位置し得るか、又はMLCの下に位置し得る。代替的に、ビーム成形モジュールは、分割ジョーを備えてもよく、ジョーの第1の部分は、治療用放射線源とMLCとの間に位置し、ジョーの第2の部分は、MLCの下に位置し、両部分がともに移動するようにジョーの第1の部分に結合される。治療用放射線源(102)は、患者治療領域(112)の周りの所定の発射位置(例えば、発射角度0°/360°~359°)で放射線を放出するように構成され得る。例えば、連続的に回転可能なガントリを有するシステムでは、治療用放射線源が回転するときに治療用放射線源によって囲まれる円に沿った様々な角度位置(例えば、発射角度)において、約50~約100個の発射位置(例えば、50個の発射位置、60個の発射位置、80個の発射位置、90個の発射位置、100個の発射位置など)が存在し得る。発射位置は、各発射位置間の角度変位が同じであるように均等に分散され得る。
図1Cは、放射線治療システム(100)の斜視構成要素図である。そこに示すように、ビーム成形モジュールは、バイナリMLC(122)の上方に配設された一次コリメータ又はジョー(107)を更に備え得る。放射線治療システムはまた、治療用放射線源(102)の反対側に位置するMV X線検出器(103)を備え得る。任意選択的に、放射線治療システム(100)は、ガントリ(110)を回転させることがリング(111)も回転させるように、回転可能ガントリ(110)に取り付けられた回転可能リング(111)上にkV CT撮像システムを更に備え得る。kV CT撮像システムは、kV X線源(109)と、X線源(109)の向かい側に位置するX線検出器(115)とを備え得る。治療用放射線源又はライナック(102)及びPET検出器(108)は、ガントリの同じ断面平面上に取り付けられ得(すなわち、PET検出器は、ライナック及びビーム成形モジュールによって画定される治療平面と同一平面上にある)、kV CTスキャナ及びリングは、異なる断面平面上に取り付けられ得る(すなわち、治療平面と同一平面上にない)。図1B及び図1Cの放射線治療システム(100)は、kV CT撮像システムを備える第1の標的センサシステムと、PET検出器を備える第2の標的センサシステムとを有し得る。任意選択的に、第3の標的センサシステムは、MV X線源及びMV検出器を備え得る。これらの標的センサシステムのうちの1つ以上によって取得された標的センサデータは、X線及び/又はPET撮像データを含み得、放射線治療システムコントローラは、取得された標的センサデータを記憶し、標的センサデータを使用して放射線送達されたフルエンスを計算するように構成され得る。いくつかの変形形態では、位置センサなどの追加の標的センサが含まれ得、コントローラは、位置センサから場所データ及び/又は動きデータを受信し、このデータを他の標的センサデータと合同させて放射線送達されたフルエンスを計算するように構成され得る。本明細書に記載の方法のうちのいずれかとともに使用され得る放射線治療システムの更なる記載は、2017年11月15日に出願された米国特許第10,695,586号において提供される。
患者プラットフォーム(104)は、治療領域(112)内で、IEC-Yに沿った離散的な所定の場所に移動可能であり得る。これらの離散的な所定の場所は、「ビームステーション」と称され得る。例えば、放射線治療計画システムは、200個のビームステーションを指定し得、各ビームステーションは、その隣接するビームステーションから約2mm(例えば、2.1mm)離れている。ビームステーションの数は、約50から約500まで変化し得、各ビームステーション間の間隔は、少なくとも約0.5mm(例えば、約1mm以上、約2mm以上、約20mm以上、約50mm以上など)であり得る。治療セッションの間、放射線治療システムは、患者プラットフォームをビームステーションの各々に移動させ得、放射線が患者に送達されている間、プラットフォームをビームステーションにおいて停止させ得る。いくつかの変形形態では、プラットフォームが第1の方向に(例えば、ボアの中へ)200個のビームステーションの各々に進んだ後、プラットフォームは、第1の方向と反対の第2の方向に(例えば、ボアの外に、逆方向に)200個のビームステーションの各々に進み得、放射線は、プラットフォームがビームステーションにおいて停止されている間に患者に送達される。代替的に又は追加的に、放射線がビームステーションの各々において送達される第1の方向(例えば、ボアの中へ)にプラットフォームが200個のビームステーションの各々まで進んだ後、プラットフォームは、第1のビームステーションに戻るように逆方向に移動されてもよい。プラットフォームが第1のビームステーションまで移動されて戻る間、放射線は送達されなくてもよい。次いで、プラットフォームは、放射線送達の第2のパスのために第1の方向に200個のビームステーションの各々まで再度進み得る。いくつかの変形形態では、プラットフォームは、放射線が患者に送達されている間、連続的に移動され得、ビームステーションで停止されなくてもよい。本明細書に記載の放射線治療システム及び方法のうちのいずれかとともに使用され得る患者プラットフォームの更なる記載は、2017年11月15日に出願された米国特許第10,702,715号において提供される。
図1Dは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかに従って放射線を送達するために使用され得る、放射線治療システム(150)の別の変形形態を図示している。放射線治療システム(150)は、図1Aのブロック図に表された放射線治療システムの構成要素を有し得る。放射線治療システム(150)は、患者領域の周りを回転可能な第1の対のアーム(152)と患者領域の周りを回転可能な第2の対のアーム(154)とを備えるガントリ(151)と、第1の対のアーム(152)の第1のアーム(152a)に取り付けられたMV放射線源(156)と第1の対のアーム(152)の第2のアーム(152b)に取り付けられたMV検出器(158)とを備える治療用放射線システムを備える撮像システムと、第2の対のアーム(154)の第1のアーム(154a)に取り付けられたkV放射線源(160)及び第2の対のアーム(154)の第2のアーム(154b)に取り付けられたkV検出器(162)と、を備え得る。第1の対のアーム(152)の第1のアーム及び第2のアームは、MV放射線源(156)及びMV検出器(158)が互いに反対側に位置する(例えば、MV検出器がMV放射線源のビーム経路内に位置する)ように、互いに反対側に(例えば、患者領域の両側に、互いに向かい合って、及び/又は互いに約180°で)位置し得る。第2の対のアーム(154)の第1のアーム及び第2のアームは、kV放射線源(160)及びkV検出器(162)が互いに反対側に位置する(例えば、kV検出器がkV放射線源のビーム経路内に配位置する)ように、互いに反対側に(例えば、患者領域の両側に、互いに向かい合って、及び/又は互いに約180°で)位置し得る。このシステムでは、標的センサシステムは、kV放射線源及びkV検出器を備え得る。任意選択的に、第2の標的センサシステムは、MV放射線源及びMV検出器を備え得る。標的センサデータは、各kV X線源(及び/又はMV X線源)パルスの後にkV検出器(及び/又はMV検出器)によって取得された撮像データを含み得る。標的センサデータの実施例は、2D投影データなどのX線投影撮像データを含み得る。放射線治療システムコントローラは、取得された標的センサデータを記憶し、標的センサデータを使用して放射線送達されたフルエンスを計算するように構成され得る。いくつかの変形形態では、位置センサなどの追加の標的センサが含まれ得、コントローラは、位置センサから場所及び/又は動きデータを受信し、このデータを他の標的センサデータと合同させて放射線送達されたフルエンスを計算するように構成され得る。
MV放射線源(156)(すなわち、治療用放射線源)は、患者領域の周りの所定の発射位置において放射線を放出するように構成され得る。MV放射線源が単一平面に沿って患者領域の周囲で移動されるいくつかの変形形態では、発射位置は0°/360°~359°であり得、これは発射角と称され得る。代替的に又は追加的に、ガントリ及び/又はガントリアームは、MV放射線源を3D空間内の任意の座標における、すなわち座標(x,y,z)によって指定されるような発射位置に移動させるように構成されてもよい。例えば、ガントリアーム(152、154)は、関節式接合部を有するロボットアームであり得、関節式接合部は、MV放射線源を任意の所望の発射位置に位置決めし及び/又は向けるように構成され得る。ガントリは、発射位置を通してMV放射線源を連続的に移動させるように構成され得るか、又はMV放射線源を各発射位置に進ませる(すなわち、MV放射線源を発射位置に移動させ、その発射位置で静止したままにする)ように構成され得る。代替的に又は追加的に、MV放射線源は、所定の発射位置においてのみ放射線を放出するように構成されてもよく、又はある発射位置から次の発射位置に移動されているときであっても、連続的に放射線を放出するように構成されてもよい。
放射線治療計画方法
標的センサ及び/又は標的センサシステムは、放射線送達セッション(例えば、治療セッション又はQAセッション)の間にリアルタイムでセンサデータの連続ストリームを提供するように構成され得る。コントローラ又は放射線治療システムは、この標的センサデータに基づいて放射線フルエンスマップを計算し、計算された放射線フルエンスを、センサデータが取得された同じ日に、例えば、標的センサデータを取得して数時間以内(例えば、約2時間未満、約1時間未満など)、標的センサデータを取得して数分以内(例えば、約45分未満、約30分未満、約15分未満、約5分未満、約3分未満など)、及び/又は標的センサデータを取得して数秒以内(例えば、約5秒未満、約3秒未満、約2秒未満、約1秒未満、約0.5秒未満、約250ms未満、約100ms未満など)に送達するように構成され得る。コントローラは、約0.1秒から約10分までの指定された時間ウィンドウ内で標的センサデータを連続的に取得するように構成され得る。いくつかの変形形態では、コントローラは、短い時間ウィンドウ(例えば、約2秒以下、約1秒以下、約0.5秒以下など)内に標的センサデータを連続的に取得し、短い時間ウィンドウの間に取得された標的センサデータを使用して、後続の送達ウィンドウ(例えば、取得時間ウィンドウと同様に短くてもよい)内に送達される放射線を計算するように構成され得る。例えば、センサデータ取得時間ウィンドウは、送達ウィンドウにほぼ比例し得る。いくつかの変形形態では、送達ウィンドウは、計算された放射線が送達されるべき時間間隔である。例えば、治療用放射線源が患者領域の周囲を連続的に回転しており、発射位置/角度当たりの滞留時間が約10msである放射線治療システムでは、送達ウィンドウは100msであり得、その時間の間、治療用放射線源は、10個の発射位置/角度で放射線パルスを放出することになる。しかしながら、短い期間内に取得されたセンサデータは、ノイズが多い(例えば、低い信号対ノイズ比を有する)場合があり、及び/又は患者標的領域に関する多くの情報を含まない場合がある。例えば、0.5秒の時間ウィンドウにわたって取得されたPET及び/又はX線撮像データは、患者標的領域の場所を特定するために十分な分解能を伴う画像を生成するために適切ではない場合がある。しかしながら、標的センサのノイズ特性及び/又はばらつきが治療セッションに先立って既知である場合、この情報は、治療計画に組み込まれ得る。本明細書に記載の放射線治療計画方法は、治療セッション(又はQAセッションを含む任意の放射線送達セッション)の間に起動される1つ以上の標的センサのノイズ特性及び/又はセンサばらつき(例えば、センサ確率密度関数)を組み込む、発射フィルタを計算することを含み得る。計算された発射フィルタは、治療セッションの間に取得された標的センサデータに適用され得る。これは、任意のノイズの多い及び/又は不完全な標的センサデータにもかかわらず、移動する患者標的領域への治療用放射線の送達を促進し得る。同様に、標的センサは、患者がファントムによって置換されるQAセッションにおいて使用され得、ファントムは、患者標的領域の場所及び/又は特性をシミュレートする領域を含み得る。いくつかの変形形態では、ファントムは、実際の治療セッションの間の患者標的領域の動きをシミュレートするために、動きステージ上に取り付けられ得る。動きは、いくつかの変形形態では、標的領域についての動き滞留ヒストグラムに基づき得る。計算された発射フィルタは、標的領域に放射線を送達するために、QAセッションの間に取得された標的センサデータに適用され得る。ファントム標的領域への送達放射線の測定は、治療計画及び放射線治療システムの機能の評価を促進し得る。いくつかの変形形態では、QAセッションの間に標的センサから取得されたデータは、治療計画を修正する、及び/又は放射線治療システムの構成要素を調整するために使用され得る。
標的センサ及び/又は標的センサシステムは、放射線送達セッション(例えば、治療セッション又はQAセッション)の間にリアルタイムでセンサデータの連続ストリームを提供するように構成され得る。コントローラ又は放射線治療システムは、この標的センサデータに基づいて放射線フルエンスマップを計算し、計算された放射線フルエンスを、センサデータが取得された同じ日に、例えば、標的センサデータを取得して数時間以内(例えば、約2時間未満、約1時間未満など)、標的センサデータを取得して数分以内(例えば、約45分未満、約30分未満、約15分未満、約5分未満、約3分未満など)、及び/又は標的センサデータを取得して数秒以内(例えば、約5秒未満、約3秒未満、約2秒未満、約1秒未満、約0.5秒未満、約250ms未満、約100ms未満など)に送達するように構成され得る。コントローラは、約0.1秒から約10分までの指定された時間ウィンドウ内で標的センサデータを連続的に取得するように構成され得る。いくつかの変形形態では、コントローラは、短い時間ウィンドウ(例えば、約2秒以下、約1秒以下、約0.5秒以下など)内に標的センサデータを連続的に取得し、短い時間ウィンドウの間に取得された標的センサデータを使用して、後続の送達ウィンドウ(例えば、取得時間ウィンドウと同様に短くてもよい)内に送達される放射線を計算するように構成され得る。例えば、センサデータ取得時間ウィンドウは、送達ウィンドウにほぼ比例し得る。いくつかの変形形態では、送達ウィンドウは、計算された放射線が送達されるべき時間間隔である。例えば、治療用放射線源が患者領域の周囲を連続的に回転しており、発射位置/角度当たりの滞留時間が約10msである放射線治療システムでは、送達ウィンドウは100msであり得、その時間の間、治療用放射線源は、10個の発射位置/角度で放射線パルスを放出することになる。しかしながら、短い期間内に取得されたセンサデータは、ノイズが多い(例えば、低い信号対ノイズ比を有する)場合があり、及び/又は患者標的領域に関する多くの情報を含まない場合がある。例えば、0.5秒の時間ウィンドウにわたって取得されたPET及び/又はX線撮像データは、患者標的領域の場所を特定するために十分な分解能を伴う画像を生成するために適切ではない場合がある。しかしながら、標的センサのノイズ特性及び/又はばらつきが治療セッションに先立って既知である場合、この情報は、治療計画に組み込まれ得る。本明細書に記載の放射線治療計画方法は、治療セッション(又はQAセッションを含む任意の放射線送達セッション)の間に起動される1つ以上の標的センサのノイズ特性及び/又はセンサばらつき(例えば、センサ確率密度関数)を組み込む、発射フィルタを計算することを含み得る。計算された発射フィルタは、治療セッションの間に取得された標的センサデータに適用され得る。これは、任意のノイズの多い及び/又は不完全な標的センサデータにもかかわらず、移動する患者標的領域への治療用放射線の送達を促進し得る。同様に、標的センサは、患者がファントムによって置換されるQAセッションにおいて使用され得、ファントムは、患者標的領域の場所及び/又は特性をシミュレートする領域を含み得る。いくつかの変形形態では、ファントムは、実際の治療セッションの間の患者標的領域の動きをシミュレートするために、動きステージ上に取り付けられ得る。動きは、いくつかの変形形態では、標的領域についての動き滞留ヒストグラムに基づき得る。計算された発射フィルタは、標的領域に放射線を送達するために、QAセッションの間に取得された標的センサデータに適用され得る。ファントム標的領域への送達放射線の測定は、治療計画及び放射線治療システムの機能の評価を促進し得る。いくつかの変形形態では、QAセッションの間に標的センサから取得されたデータは、治療計画を修正する、及び/又は放射線治療システムの構成要素を調整するために使用され得る。
本明細書に記載の放射線治療計画方法は、標的センサモダリティごとに一組のシフト不変発射フィルタを生成することを含み得る。シフト不変発射フィルタは、線形関数若しくは線形演算子であり得るか、又は非線形関数若しくは非線形演算子であり得る。例えば、単一の位置センサが、治療セッションの間にリアルタイム患者位置データ(例えば、場所データ及び/又は動きデータ)を取得するために使用されることになる場合、治療計画システムは、一組の発射フィルタを計算するために、画像に変換された位置センサの特性付けデータを使用し得る。位置センサの特性付けデータは、センサ誤差PDFを含み得る。治療セッションの間、計算された発射フィルタは、送達のための放射線フルエンスマップを計算するために、位置センサデータ画像(リアルタイムで取得された位置センサデータに基づいて生成される)に適用され得る。いくつかの変形形態では、位置センサデータ画像は、位置センサデータ読み取り値を中心とする離散3Dデルタ関数、位置センサデータ読み取り値を中心とする平均を伴う離散化されたガウス関数画像、切断ガウス関数などであり得る。別の実施例では、単一の撮像モダリティ(例えば、kV検出器、PET検出器、MV検出器など)のための画像センサが、治療セッションの間にリアルタイム患者位置データ及び/又は患者標的領域位置データ(例えば、場所データ及び/又は動きデータ)を取得するために使用されることになる場合、治療計画システムは、一組の発射フィルタを計算するために、低ノイズ及び非スパースであり得る、同じ画像センサによって生成される(及び/又は同じ撮像モダリティにおいて生成される)計画画像をPDFとして使用し得る。治療セッションの間に、計算された発射フィルタは、送達のための放射線フルエンスマップを計算するために、リアルタイムで取得された画像センサデータ(ノイズが多いか又はスパースであり得る)に適用され得る。一変形形態では、2つ以上の異なる標的センサモダリティが、治療セッションの間にリアルタイム患者位置データ及び/又は患者標的領域位置データ(例えば、場所データ及び/又は動きデータ)を取得するために、治療セッションの間に使用され得る。例えば、放射線治療システムは、治療セッションの間に撮像データを取得するように構成された1つ以上の画像センサ(例えば、PET検出器、X線検出器)を備える撮像システムを備え得る。加えて、位置センサは、患者に結合され、治療セッションの間に場所データ及び/又は動きデータを取得するように構成され得る。治療計画システムは、第1の組の発射フィルタを計算するために、同じ1つ以上の画像センサによって生成された(及び/又は同じ撮像モダリティで生成された)計画画像をPDFとして使用し、第2の組の発射フィルタを計算するために、画像(例えば、センサ特性付け画像)に変換された位置センサの誤差PDFを使用し得る。治療セッションの間に、送達されたフルエンスを計算するために、コントローラは、第1の組の発射フィルタをリアルタイムで取得された撮像データに適用し、第2の組の発射フィルタをリアルタイムで取得された位置データ(すなわち、取得された位置データから生成された位置センサデータ画像)に適用し、それらを組み合わせて送達のための放射線フルエンスマップを計算し得る。標的センサモダリティの任意の組み合わせが、患者及び/又は1つ以上の患者標的領域に関するデータ(例えば、患者及び/若しくは標的領域の場所、動き、並びに/又は生物学的状態及び/若しくは生理的状態)を取得するために、治療セッションの間に使用され得る。そのため、放射線治療計画方法は、標的センサモダリティの各々について一組の発射フィルタを計算することを含み得る。治療セッションの間、発射フィルタを、それらのそれぞれの標的センサデータに適用し、次いで、組み合わせて送達のための放射線フルエンスマップを計算し得る。
本明細書に記載の治療計画を生成するための方法は、患者の不在下で実行される。これらの治療計画方法単独では、患者への治療用放射線の送達を含まない。
放射線治療計画方法:単一センサ
標的センサからの標的センサデータを組み込む放射線治療計画方法の一変形形態を、図2Aに図示する。方法(200)は、標的センサ特性付けPDFを取得すること(202)と、治療用放射線源の各発射位置iについて標的センサのセンサ特性付けPDFに基づいて標的センサ特性付け画像Niを生成すること(204)と、標的センサ特性付け画像Ni及び患者標的領域の処方された線量基準に基づいてi個の発射位置の各々に対応するシフト不変発射フィルタを計算すること(206)とを含み得る。いくつかの変形形態では、標的センサ特性付けPDFは、以前のモデル及び/又は計算によって提供され得、その場合、センサ特性付けPDFを取得すること(202)は、随意であり得る。センサ特性付けPDFは、センサ誤差PDFであり得る。センサ特性付けPDFは、複数の標的センサデータから導出され得る。すなわち、以下のように表され、
標的センサからの標的センサデータを組み込む放射線治療計画方法の一変形形態を、図2Aに図示する。方法(200)は、標的センサ特性付けPDFを取得すること(202)と、治療用放射線源の各発射位置iについて標的センサのセンサ特性付けPDFに基づいて標的センサ特性付け画像Niを生成すること(204)と、標的センサ特性付け画像Ni及び患者標的領域の処方された線量基準に基づいてi個の発射位置の各々に対応するシフト不変発射フィルタを計算すること(206)とを含み得る。いくつかの変形形態では、標的センサ特性付けPDFは、以前のモデル及び/又は計算によって提供され得、その場合、センサ特性付けPDFを取得すること(202)は、随意であり得る。センサ特性付けPDFは、センサ誤差PDFであり得る。センサ特性付けPDFは、複数の標的センサデータから導出され得る。すなわち、以下のように表され、
図2Lは、位置センサ特性付けPDFの画像の実施例である。図2B~図2Kは、図2Lのセンサ特性付けPDF画像がどのように生成され得るか(204)の一実施例を図示している。位置センサデータ読み取り値は、例えば、2つの座標値(x,y)であり得る。この位置データ読み取り値は、画像又はプロットに変換され得る。例えば、(0,0)の位置データセンサ読み取り値は、図2Bに図示するセンサ画像に変換され得、これは、(0,0)を中心とするデルタ関数のプロットである。代替的に、位置データセンサ読み取り値(0,0)は、(0,0)を中心とするガウス関数に変換されてもよく、すなわち、位置センサの分解能及び/又は放射線治療システムが放射線ビームを正確に送達することができる分解能(例えば、粒度)に基づいて計算されるFWHMを有する、「真の」値を中心とするガウス関数又は切断ガウス関数である。追加の位置データセンサ読み取り値が取得され得、センサ特性付けPDFは、位置データセンサ読み取り値のリストであり得る。センサ特性付けPDFは、位置データセンサ読み取り値のリストから導出されたヒストグラムであり得る。方法(200)は、センサ特性付けPDFの画像を生成することを含み、この実施例では、これは、図2Bに表す位置センサ読み取り値((0,0)を中心とする)と比較した位置センサ読み取り値の各々の誤差(又は差)をプロットすることを含み得、図2Cは、(0,0)における読み取り値と比較した100個の位置データセンサ読み取り値の誤差(又は差)のセンサ誤差画像であり、図2Dは、(0,0)における読み取り値と比較した200個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Eは、(0,0)における読み取り値と比較した300個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Fは、(0,0)における読み取り値と比較した400個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Gは、(0,0)における読み取り値と比較した500個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Hは、(0,0)における読み取り値と比較した600個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Iは、(0,0)における読み取り値と比較した700個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Jは、(0,0)における読み取り値と比較した800個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像であり、図2Kは、(0,0)における読み取りと比較した900個の位置センサ読み取り値の誤差のセンサ誤差画像である。より多くの位置センサ読み取り値が取得され、各々がデルタ関数に変換され、集約されるにつれて、センサ誤差特性付けPDF(例えば、図2L)のセンサ画像が生成され得る。同様の方法を使用して、1Dセンサ読み取り値又は3Dセンサ読み取り値の位置センサ誤差特性付けPDFを生成し得る。概念的には、図2Lに図示するセンサ誤差特性付けPDF画像は、(0,0)における「真の」位置値に対するセンサのばらつき、すなわち、センサ誤差特性付けPDFを表し得る。すなわち、物体が(0,0)に位置するとき、位置センサは、(0,0)ではないデータ読み取り値を提供する場合があり、位置センサが任意の特定のデータ読み取り値を提供し得る確率は、図2Lのセンサ誤差特性付けPDF画像内のそのデータ値の密度に従う。この実施例では、位置センサが「真の」位置値に近い(すなわち、画像の最も密度の高い部分が(0,0)付近である)データ読み取り値を出力する尤度の方が、位置が誤差PDFの外縁にある(すなわち、外縁が最も密度が低い)データ読み取り値を出力する尤度よりも高い。いくつかの変形形態では、センサ特性付けPDFの画像は、センサ誤差/ばらつきが正規分布している場合、ガウス「ボール」であり得る。
図3A~図3Eは、様々なセンサ画像の実施例を図示している。いくつかの変形形態では、センサ画像は、2Dガウス関数(図3A)、3Dガウス関数(図3B)、又は3D切断ガウス関数(図3D)であってもよい。センサ画像は、2Dデルタ関数(図3C)又は3Dデルタ関数であってもよい。いくつかの標的センサは、非対称ノイズを有し得る。図3Eは、非対称ノイズ及び/又は誤差及び/又はばらつきを有する標的センサのセンサ特性付けPDFの画像の一実施例を図示している。
センサ特性付けPDF(N)の画像は、放射線治療システムのi個の発射位置の各々に対して生成され得る。例えば、治療用放射線源は、放射線ビームを患者に放出し得る異なる場所(所定であってもよい)を表す100個の発射位置を有し得る。センサ特性付け画像Niを生成すること(204)は、センサ特性付け画像N1が発射位置1上のセンサ特性付け画像Nの投影であり、センサ画像N2が発射位置2上のセンサ特性付け画像Nの投影であるなどのように、発射位置ごとに、i個の発射位置の各々上のセンサ特性付けPDF画像N(例えば、図2Lのセンサ誤差特性付けPDF画像)の投影を計算することを含み得る。代替的に、センサ特性付けPDFの画像は、各発射位置において、その発射位置におけるビーム視野空間を使用して直接計算することができる。
発射位置iに対する発射フィルタpiは、患者標的領域への発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスマップFiと標的センサ特性付け画像Niとの間の関係を表し得、その結果、Fi=pi
*Ni(例えば、センサ特性付けPDF画像と畳み込まれた発射フィルタ)である。
いくつかの変形形態では、発射フィルタは、行列乗算を使用した、標的センサ特性付け画像Niの画像を送達のための放射線フルエンスFi(例えば、フルエンスマップ)に変換するために使用され得る、行列Piであり得、その場合、センサ特性付け画像は、ベクトルに線形化され得る。すなわち、
Fi=Pi・Ni(発射行列はベクトル化されたセンサ特性付け画像と乗算される)によって表される。
Fi=Pi・Ni(発射行列はベクトル化されたセンサ特性付け画像と乗算される)によって表される。
発射フィルタは、本明細書に記載の実施例では線形関数又は線形演算子であり得るが、いくつかの変形形態では、発射フィルタは、非線形関数又は非線形演算子(例えば、切断畳み込み関数、しきい値処理が後に続く畳み込み、ソフトマックス演算子との行列乗算)であり得る。代替的に、又は追加的に、標的センサデータの画像は、線形発射フィルタ(例えば、シフト不変線形発射フィルタ)を使用して送達のための放射線フルエンスに変換される前に、(例えば、1つ以上の非線形関数を使用して)事前処理されてもよい。
複数の発射位置(例えば、i個の発射位置)にわたる放射線フルエンスF(例えば、フルエンスマップ)は、以下によって表され得る。
例えば、50個の発射位置の放射線フルエンスは、以下であり得る。
放射線治療計画の間に、臨床医は、患者標的領域及び/又はリスク臓器(OAR)に対する線量処方を提供し得る。線量処方は、例えば、患者標的領域及び/又はOARに対する線量目標及び目的を含み得る。放射線量(すなわち、対象によって吸収される放射線の量)及び放射線フルエンス(すなわち、放射線源によって放出され、通常、放射線ビーム又はビームレットによって指定される放射線の量)は、線量計算行列Aによって互いに関係付けられる(例えば、互いにマッピングされる)。すなわち、以下である。
D=A・F
D=A・F
線量計算行列は、複数の放射線ビームレットの各々から患者標的領域(及び/又はOAR)の各ボクセルへの線量寄与を表す。例えば、線量計算行列Aは、(k×n)行列であり得、ここで、nは、可能な放射線ビームレットの数{bi}であり得、kは、患者標的領域の予め選択されたボクセルの数であり得る。線量計算行列A(k個の素子を有する)の第i番目の列は、1重み付け(unity-weighted)ビームレットbiからk個のボクセルの各々への線量寄与を表す。線量計算行列Aは、例えば、患者標的領域を通る経路に沿って各ビームレットの開口部を光線追跡し、k個のボクセルの各々の1重み付けビームレットの寄与を計算することによって、列ごとに計算され得る。ビームレット開口部は、単一のMLCリーフ開口(すなわち、バイナリMLC又は2D MLCの)によって画定されるMLC開口部であり得る。本明細書に記載の方法のうちのいずれかにおいて使用され得る線量計算行列を計算するためのアルゴリズムの実施例としては、モンテカルロシミュレーション、崩壊円錐畳み込み重ね合わせ、ペンシルビーム畳み込みなどが挙げられ得る。各患者標的領域及び/又はOARは、それ自体の線量計算行列を有し得る。
上述のように、放射線フルエンスマップFは、標的センサ特性付け画像Nと畳み込まれた発射フィルタpによって表され得る(F=p*N)。そのため、
D=A・F=A・(p*N)
となり、ここで、Aは線量計算行列である。i個の発射位置にわたる累積線量は、以下の通りであり得、
D=A・F=A・(p*N)
となり、ここで、Aは線量計算行列である。i個の発射位置にわたる累積線量は、以下の通りであり得、
線量処方を定義することに加えて、臨床医は、線量分布及び/又は放射線フルエンスマップの特性を指定する1つ以上の制約及び/又はコスト関数若しくはペナルティ関数C(D,F)を設定し得る。コスト関数の実施例としては、標的領域への最小線量、OAR上の平均又は最大線量、及び/又はフルエンス平滑度、総放射線出力、総組織線量、治療時間などが挙げられ得るが、それらに限定されない。
放射線治療計画システムは、線量処方及び制約C(D,F)が満たされるように、放射線フルエンスマップFを計算するように構成され得る。放射線治療計画システムは、コスト関数C(D,F)を最小化しながら、依然として線量処方要件を満たすフルエンス値及び/又はマップを見つけるために、異なる放射線フルエンス値及び/又はマップを反復し得る。方法(200)に従って発射フィルタ(例えば、シフト不変発射フィルタ)を計算する(206)ために、放射線治療計画システムは、線量計算行列A及び標的センサ特性付け画像Nが与えられた場合、コスト関数C(D,F)を最小化するための最適化問題をセットアップし得る。発射フィルタpを計算することは、線量処方に従って線量目標及び目的を依然として達成しながら、コスト関数C(D,F)が最小化されるように、異なる発射フィルタ値を通して反復することを含み得る。
いくつかの変形形態では、上記の最適化問題は、発射フィルタと標的センサ特性付け画像との畳み込みを行列乗算に変換することによって作り直され得、
既知の量を単一の行列にグループ化することによって、上記の定式化は、放射線治療計画オプティマイザにとって計算上効率的であり得る。例えば、行列AGIGRTは、最適プロセスの開始時に一度計算されてもよく、発射フィルタ値の反復ごとに再計算されなくてもよい。放射線治療計画システムは、1つ以上の停止条件が満たされるまで、発射フィルタ値を反復するように構成され得る。そのような停止条件は、以下のうちの1つ以上を含み得、それには、線量目標及び目的が、許容可能な公差内で満たされていること、放射線フルエンスマップ値が、反復間の変化が所定の残差基準未満であるように収束していること、コスト関数値が、複数の反復にわたって収束していること、反復のしきい値数(例えば、総反復数の上限)に達していること、などが挙げられる。最終発射フィルタ値は、放射線治療計画システムのメモリに保存され得る。患者プラットフォームが、複数の発射位置からの放射線の送達の間に所定の離散的なプラットフォーム位置(すなわち、ビームステーション)で停止されるいくつかの変形形態では、発射フィルタは、ビームステーションの各々にわたって発射位置ごとに計算され得る。例えば、患者プラットフォームは、200個のビームステーションを有し得、各ビームステーションは、隣接するビームステーションから約2mmである。
本明細書に記載の方法を使用して計算される発射フィルタは、計算の一部として標的センサのノイズ特性及び/又はばらつきを組み込む。例えば、標的センサが位置センサである場合、発射フィルタは、センサ位置特性付けPDF又はセンサデータ誤差特性付けPDFであり得る位置センサ特性付けPDFに基づいて計算され得る。そうすることによって、発射フィルタをリアルタイム標的センサデータを使用して生成されたセンサ画像と畳み込むことによって治療セッションの間に計算された送達されたフルエンスマップは、放射線を患者標的領域の実際の場所により正確に向け得る。対照的に、典型的な放射線治療方法は、フルエンスマップ最適化の間の因子として、標的センサ誤差及び/又はばらつきPDFの画像を組み込まない。すなわち、典型的な治療計画方法は、標的センサデータ関して放射線フルエンスも、標的センサノイズ又はばらつきも規定せず、したがって、治療セッションの間に、放射線送達は、リアルタイムのノイズの多い標的センサデータに正確に適応することができない場合がある。
上述の方法において標的センサ特性付けPDFの画像を使用する放射線治療計画は、静的フレームとは対照的に、腫瘍視点(point-of-view、POV)フレームにおいてフルエンスを最適化し、発射フィルタを計算する。図4A~図4Dは、位置センサを例として使用して、標的センサデータ読み取り値PDFの物理的な意味を説明する概念図を図示している。1つの例示的なシナリオは、骨(402)の近くに位置する腫瘍(400)であり、腫瘍(400)は移動しており、骨(402)は静止している。位置センサは、位置センサデータ読み取り値が腫瘍重心の場所を示すように、例えば、その中心に、腫瘍に結合され得る(例えば、画像誘導を使用した針挿入によって)。図4Aは、腫瘍POVフレームにおける腫瘍(400)及び骨(402)、並びに理想的な位置センサ(すなわち、いかなるばらつき又は誤差もない、真の位置データ値を常にもたらす)の出力(404)を図示している。腫瘍POVでは、原点は腫瘍重心にあり、位置センサは、腫瘍重心の真の位置を反映する単一の位置値(404)、例えば、(0,0,0)を出力する。腫瘍(400)のPOVから、骨(402)が移動している。図4Bは、静止フレームにおける同じ腫瘍(400)及び骨(402)、並びに腫瘍に結合された理想的な位置センサの出力(404a~404c)を図示している。静的フレームでは、原点は、患者が最初に患者プラットフォーム上に位置決めされる(例えば、CT及び/又はMRI撮像誘導を使用して位置決めされる)ときの腫瘍重心の場所である。理想的な位置センサデータ読み取り値は、異なる値を有し、移動する腫瘍重心の異なる場所を反映する。これは、常に同じセンサデータ読み取り値を提供する図4Aの腫瘍POVにおける位置センサデータ読み取り値とは対照的である。位置センサデータ読み取り値に基づいて生成される、この腫瘍動きの画像は、腫瘍位置ヒストグラム又は腫瘍滞留行列であり得る。典型的には、放射線治療計画システム及び方法は、静止フレーム(図4B)では腫瘍位置を特性付けし、腫瘍POVフレーム(図4A)では特性付けしないが、これは、静止フレームにおける位置センサデータ読み取り値は、放射線治療システムと同じ基準フレームにおける腫瘍の実際の位置を反映するためである。更に、腫瘍POVフレームにおける理想的な位置センサの場合、位置センサデータ読み取り値は、腫瘍の動きにかかわらず一定である。
しかしながら、ノイズの多い位置センサの場合、腫瘍POVにおける放射線治療計画は、予期しない利点を提供し得る。これらの利点は、例えば、ノイズの多い位置センサの存在下で患者標的領域をより正確に追跡する放射線の送達を含み得る。別の利点は、治療計画が静的フレームにおいて実行されるときに一般的である動き関連の線量アーチファクトを軽減することを含み得、これは、処方された線量を患者標的領域に依然として送達しながら、周囲の非標的組織への照射を低減し得る。図4Cは、腫瘍POVフレームにおける腫瘍(400)及び骨(402)、並びにノイズの多い位置センサの出力(406)を図示している。理想的な位置センサとは対照的に、ノイズの多い位置センサは、空間内の同じ場所について異なる位置センサデータ読み取り値を提供する場合があり、異なる読み取り値は、センサのばらつき及び/又は誤差の結果であり得る。そのようなセンサばらつき及び/又は誤差は、センサ誤差特性付けPDFによって表され得る。腫瘍POVでは、原点は腫瘍重心にあり、位置センサは、真の位置データ値を中心とするセンサ誤差特性付けPDFに従って複数の位置値(406)を出力する。上述のように、位置センサ誤差特性付けPDFは、特に、腫瘍(400)の場所又は動きにかかわらず、治療セッションの前に既知であり得る(例えば、測定又は導出され得る)。図4Dは、静止フレームにおける同じ腫瘍(400)及び骨(402)、並びに腫瘍に結合されたノイズの多い位置センサの出力(408a~408c)を図示している。静的フレームでは、原点は、患者が最初に患者プラットフォーム上に位置決めされた(例えば、CT及び/又はMRI撮像ガイダンスを使用して位置決めされた)ときの腫瘍重心の場所であり得る。移動する腫瘍重心の異なる場所の各々について、ノイズの多い位置センサデータ読み取り値にはばらつきがあり得る。図4Dに図示する実施例では、腫瘍(400)は、3つの場所に移動し得、それらの場所の各々において、位置センサデータ読み取り値は、センサ特性付けPDFに従って異なり得る。すなわち、第1の腫瘍場所(409a)において、位置センサデータ読み取り値は、第1の場所の真の位置データ値を中心とする第1のクラスタ(408a)内の値のうちのいずれかであり得る。第2の腫瘍場所(409b)において、位置センサデータ測定値は、第2の場所の真の位置データ値を中心とする第2のクラスタ(408b)内の値のいずれかであり得、第3の腫瘍場所(409c)において、位置センサデータ測定値は、第3の場所の真の位置データ値を中心とする第3のクラスタ(408c)内の値のいずれかであり得る。位置センサデータ読み取り値の全ての累積画像は、腫瘍がその動き軌道にわたって「不鮮明」であること、並びにノイズの多い位置センサにおけるばらつき及び/又は誤差に起因して、不鮮明な腫瘍画像を図示し得る。加えて、腫瘍が移動しており、その場所がノイズの多い位置センサで追跡されている(すなわち、腫瘍の真の位置が知られていない)ため、静止フレームにおける位置センサ誤差特性付けPDFを判定することは困難であり得る。
静的フレームにおいて送達されたフルエンスマップ及び/又は発射フィルタを計算する(すなわち、治療計画の間に取得された腫瘍のぼやけた又は「不鮮明な」画像を使用する)放射線治療計画システムは、送達された線量が動きアーチファクト(例えば、線量ピーキングアーチファクト)の影響を受けやすい結果をもたらし得る。そのような動きアーチファクトは、治療の日の腫瘍の動きが、治療計画画像が取得されたときの腫瘍の動きと異なる場合に特に顕著であり得る。対照的に、腫瘍が静止している腫瘍POVフレームにおけるセンサ特性付けPDFに基づいて送達されたフルエンスマップ及び/又は発射フィルタを計算する放射線治療計画方法(方法(200)及び本明細書に記載の他の方法など)は、腫瘍動きを事前に知っている必要はない。腫瘍POVフレームにおいて計算された送達されたフルエンスマップ及び/又は発射フィルタは、送達された線量がより少ない動きアーチファクトを有する結果をもたらし得る。
方法(200)は、標的センサが位置センサである文脈で上述したが、方法(200)はまた、撮像システムを備える標的センサシステムに適用可能である。撮像システムは、1つ以上の画像センサを含み得、画像センサとしては、PET検出器、MRI検出器、CT検出器、光学カメラ(蛍光透視法のためのカメラを含む)などが挙げられるが、それらに限定されない。イメージングシステムを含む標的センサシステムの標的センサ特性付けPDFは、腫瘍重心の場所及び/若しくは幾何学的配置、並びに/又は輪郭腫瘍境界及び/若しくはOAR境界を特定するのに十分な撮像データを有する「完全な」画像であり得る。この「完全な」画像Lは、1つ以上の診断撮像セッションの間に、複数の撮像データIjを取得し、それらを組み合わせて(例えば、合計して)治療計画画像を形成することによって取得され得る。すなわち、以下のように表される。
撮像データIjは、3D PET撮像データ(例えば、応答線又はLORと称されることがある陽電子消滅放出経路)、2D X線撮像データ、投影撮像データ(例えば、X線投影)、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及び/又はMR撮像データ(MRI撮像パルスシーケンスからのk空間におけるサブサンプル)などの、サンプル又は画像センサ読み取り値を含み得る。いくつかの変形形態では、治療計画画像は、放射線治療システムの撮像システムを使用して取得され得る。例えば、治療計画に使用される画像は、放射線治療システムのオンボードkV CT撮像システム及び/又はMR撮像システム及び/又はPET撮像システムを使用して取得され得る。治療計画画像の実施例としては、3D PET画像、2D X線画像、X線投影画像、蛍光透視画像、CT画像、及び/又はMR画像が挙げられ得るが、これらに限定されない。治療用放射線源のi個の発射位置の各々に対してセンサ画像Niを生成すること(204)は、i個の発射位置の各々への「完全な」画像Nの投影を計算することを含み得る。シフト不変発射フィルタを計算すること(206)は、上述のように実行され得る。
放射線治療送達方法:単一センサ
図5は、(例えば、方法(200)に従って)治療計画の間に計算されたシフト不変発射フィルタと、治療セッションの間に標的センサ(又は標的センサシステム)から取得された標的センサデータとを使用して、その治療セッションの間の送達のための放射線フルエンスを計算する、放射線治療送達方法の一変形形態を図示している。方法(500)は、治療セッション(又は任意の放射線送達セッション)の間に標的センサデータを取得すること(502)と、取得された標的センサデータに基づいてセンサ画像を生成すること(504)と、生成されたセンサ画像をシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(506)と、計算された放射線フルエンスマップに従って患者標的領域に放射線を送達すること(508)と、を含み得る。標的センサデータを取得すること(502)は、治療セッションの開始時に、及び/又は治療用放射線源が患者に放射線を送達している間の治療セッション全体を通して、位置センサデータ読み取り値を取得することを含み得る。治療セッションの間に標的センサデータを取得すること(502)は、治療セッションの開始時(すなわち、治療用放射線源が初めて作動される前に)にのみ標的センサデータを取得することを含み得るか、又は治療セッション全体を通して標的センサデータを取得することを含み得る。例えば、標的センサデータを取得すること(502)は、治療セッションの開始時に位置特定CT画像及び/又はPETプリスキャン画像(及び/又は他の前述の撮像モダリティのうちのいずれか)を取得することを含み得、また、治療用放射線源が放射線を患者に送達している治療セッションの一部分の間にCT撮像データ及び/又はPET撮像データを取得することを含み得る。いくつかの変形形態では、治療セッションの放射線送達部分の間に取得される撮像データは、短い又は限定された時間間隔(例えば、約30秒以下、約10秒以下、約2秒以下、約1秒以下、約0.5秒以下など)で取得され得る。標的センサデータは、治療用放射線ビームの送達の直前に取得され得る。例えば、標的センサデータは、放射線送達の約5秒未満(例えば、約3秒未満、約2秒未満、約1秒未満、0.5秒未満、0.1秒未満など)に取得され得る。いくつかの変形形態では、標的センサデータは、治療用放射線源が以前の発射位置(例えば、発射位置i-1)に位置している間、及び/又は治療用放射線源が発射位置に移動している間(例えば、発射位置間の移動中)、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得され得る。代替的に又は追加的に、標的センサデータは、治療用放射線源がその発射位置に位置しているときに、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得されてもよい。例えば、放射線送達部分の間に取得される撮像データは、PET LOR、X線投影、及び/又はMRI撮像パルスシーケンスからのk空間におけるサブサンプルであり得る。
図5は、(例えば、方法(200)に従って)治療計画の間に計算されたシフト不変発射フィルタと、治療セッションの間に標的センサ(又は標的センサシステム)から取得された標的センサデータとを使用して、その治療セッションの間の送達のための放射線フルエンスを計算する、放射線治療送達方法の一変形形態を図示している。方法(500)は、治療セッション(又は任意の放射線送達セッション)の間に標的センサデータを取得すること(502)と、取得された標的センサデータに基づいてセンサ画像を生成すること(504)と、生成されたセンサ画像をシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(506)と、計算された放射線フルエンスマップに従って患者標的領域に放射線を送達すること(508)と、を含み得る。標的センサデータを取得すること(502)は、治療セッションの開始時に、及び/又は治療用放射線源が患者に放射線を送達している間の治療セッション全体を通して、位置センサデータ読み取り値を取得することを含み得る。治療セッションの間に標的センサデータを取得すること(502)は、治療セッションの開始時(すなわち、治療用放射線源が初めて作動される前に)にのみ標的センサデータを取得することを含み得るか、又は治療セッション全体を通して標的センサデータを取得することを含み得る。例えば、標的センサデータを取得すること(502)は、治療セッションの開始時に位置特定CT画像及び/又はPETプリスキャン画像(及び/又は他の前述の撮像モダリティのうちのいずれか)を取得することを含み得、また、治療用放射線源が放射線を患者に送達している治療セッションの一部分の間にCT撮像データ及び/又はPET撮像データを取得することを含み得る。いくつかの変形形態では、治療セッションの放射線送達部分の間に取得される撮像データは、短い又は限定された時間間隔(例えば、約30秒以下、約10秒以下、約2秒以下、約1秒以下、約0.5秒以下など)で取得され得る。標的センサデータは、治療用放射線ビームの送達の直前に取得され得る。例えば、標的センサデータは、放射線送達の約5秒未満(例えば、約3秒未満、約2秒未満、約1秒未満、0.5秒未満、0.1秒未満など)に取得され得る。いくつかの変形形態では、標的センサデータは、治療用放射線源が以前の発射位置(例えば、発射位置i-1)に位置している間、及び/又は治療用放射線源が発射位置に移動している間(例えば、発射位置間の移動中)、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得され得る。代替的に又は追加的に、標的センサデータは、治療用放射線源がその発射位置に位置しているときに、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得されてもよい。例えば、放射線送達部分の間に取得される撮像データは、PET LOR、X線投影、及び/又はMRI撮像パルスシーケンスからのk空間におけるサブサンプルであり得る。
取得されたセンサデータに基づいてセンサ画像を生成すること(504)は、例えば、ピクセル及び/又はボクセル強度値のマップを生成するために、取得された撮像データを集約することを含み得る。撮像データは限定された時間間隔にわたって取得され得るため、結果として得られるセンサ画像(又は画像マップ)は、部分サンプリング画像又は限定時間サンプリング(limited-time sampled、LTS)画像と称され得る。LTS画像は、高レベルのノイズ(すなわち、高い信号対ノイズ比)を有する場合があり、その結果、それら単独で考慮すると、患者標的領域又はOARの輪郭及び/又は重心を特定するのに十分な情報を提供しない場合がある。代替的に又は追加的に、撮像データは、治療セッションの開始時(例えば、CT位置特定スキャン及び/又はPETプリスキャン)に取得されてもよい。いくつかの変形形態では、センサ画像を生成すること(504)は、取得されたセンサデータ読み取り値を、センサデータ読み取り値を中心とするデルタ関数又はガウス関数としてプロットすることを含み得る。例えば、その位置センサのセンサ画像を生成すること(504)は、取得された位置センサデータ読み取り値を、位置センサデータ読み取り値を中心とするデルタ関数又はガウス関数としてプロットすることを含み得る。
発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(506)は、位置センサ画像(例えば、デルタ関数)を、その位置センサのセンサ特性付けPDFを使用して治療計画の間に生成される対応する発射フィルタpと畳み込むことを含み得る。例えば、発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスfi,jを計算するために、時間インスタンスjにおいて、放射線治療システムのコントローラは、発射位置iに対応する発射フィルタを、発射位置iへの位置センサデルタ関数画像δi,jの投影と畳み込み、これは以下のように表される。
fi,j=pi *δi,j
fi,j=pi *δi,j
同様に、標的センサが撮像システムを備える変形形態では、送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(506)は、部分画像又はLTS画像を、その撮像システム(又は同じ撮像モダリティ)を使用して生成される「完全な」画像を使用して治療計画の間に生成される対応する発射フィルタpと畳み込むことを含み得る。例えば、発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスfi,jを計算するために、時間インスタンスjにおいて、放射線治療システムのコントローラは、発射位置iに対応する発射フィルタを、発射位置iへの部分画像又はLTS画像xi,jの投影と畳み込み、これは以下のように表される。
fi,j=pi *xi,j
fi,j=pi *xi,j
送達されたフルエンスfi,jは、静的フレーム、すなわち放射線治療システムと同じ基準フレームにおいて計算される。治療計画の間に、発射フィルタpが計算され、腫瘍POVフレームにおいて最適化された。しかしながら、発射フィルタpはシフト不変であるため、それらは、静的フレームにおいて取得された標的センサデータに適用され得、治療用放射線の送達が、処方された線量(例えば、線量目標及び目的)を満たす結果を依然としてもたらし得る。
患者プラットフォームが、放射線送達の間に一連の所定の離散的なプラットフォーム位置(すなわち、ビームステーション)で停止される変形形態では、方法(500)は、ビームステーションごとに繰り返され得る。例えば、放射線治療送達方法は、患者プラットフォームを第1のビームステーションに移動させることと、本明細書に記載の方法(例えば、方法(500))を使用して、標的センサデータ読み取り値に基づいて、送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、i個の発射位置から治療用放射線からの放射線を放出することによって、放射線を患者標的領域に送達することと、次いで、患者プラットフォームを第2のビームステーションに移動させることと、本明細書に記載のように、放射線フルエンスの計算及び送達を繰り返すことと、を含み得る。これは、放射線治療計画の間に画定されたビームステーションの全てについて繰り返され得る。例えば、患者プラットフォームは、200個のビームステーションを有し得、各ビームステーションは、隣接するビームステーションから約2mmである。放射線治療計画システムは、i個の発射フィルタ(全てのビームステーションにわたって、i個の発射位置の各々に対して1つ)を計算し、これらのi個の発射フィルタを放射線治療システムコントローラメモリに転送するように構成され得る。治療セッションの間、放射線治療システムコントローラは、患者プラットフォームを第1のビームステーションb1に移動させ、コントローラメモリから発射フィルタを取り出し、第1のビームステーションb1における発射位置iへの標的センサ画像(xi,b1)の投影を発射フィルタpiと畳み込むことによって発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスマップfi,b1を計算し得、第1のビームステーションにおける全ての発射位置に対して以下同様である。いくつかの変形形態では(例えば、放射線治療システムが1D MLCを備える場合)、送達のための放射線フルエンスマップfi,b1を計算することは、発射位置iにおけるMLC視野に対応するフルエンスのスライス(すなわち、第1のビームステーションb1における発射位置i上の標的センサ画像の投影(xi,b1)と発射フィルタpiとの畳み込み)を抽出することを更に含み得る。次いで、送達のための放射線フルエンスマップfi,b1は、MLC開口にセグメント化され得、次いで、フルエンスマップは、治療用放射線源(例えば、ライナックパルス)によって送達され得る。治療用放射線源が、第1のビームステーションb1における発射位置iの全てに対して放射線フルエンスマップfi,b1を送達した後、放射線治療システムコントローラは、次いで、患者プラットフォームを第2のビームステーションb2に移動させ、同様の計算及び放射線送達を実行し、200個のビームステーションにおける発射位置の各々に対してこれを繰り返し得る。
方法(500)はまた、非治療的様式で、例えば、患者がファントム及び/又はフルエンス測定デバイスと置換されるQAセッションにおいて使用され得る。任意選択的に、ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスは、動きステージ上に取り付けられ得、動きステージは、患者及び/又は患者標的領域の動きをシミュレートする動き軌道に従ってファントム及び/又はフルエンス測定デバイスを移動させるように構成された機械的装置であり得る。動きは、いくつかの変形形態では、標的領域についての動き滞留ヒストグラムに基づき得る。ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスは、患者に関して上述したように、標的センサ及び/又は標的センサシステムとともにセットアップされ得る。非治療的放射線送達セッション(例えば、QAセッション)に適用されるように、方法(500)は、QAセッションの間に標的センサデータを取得すること(502)と、取得された標的センサデータに基づいてセンサ画像を生成すること(504)と、生成されたセンサ画像をシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(506)と、計算された放射線フルエンスマップに従って標的領域(例えば、ファントム標的領域)に放射線を送達すること(508)と、を含み得る。
放射線治療計画方法:2つ以上のセンサ
複数の標的センサ(すなわち、2つ以上の標的センサ)からの標的センサデータを組み込む、放射線治療計画方法の一変形形態を、図6に図示する。方法(600)は、複数の標的センサの各々の標的センサ特性付けPDFを取得すること(602)と、そのセンサの特性付けPDFに基づく、標的センサの各々の標的センサ特性付け画像を生成すること(604)と、患者標的領域の処方された線量基準を満たすように、それぞれのセンサ特性付け画像に基づいて標的センサの各々のシフト不変発射フィルタを計算すること(606)と、を含み得る。放射線治療計画における標的センサの数及びタイプは、治療セッションの間に使用される標的センサの数及びタイプに対応し得る。標的センサは全て、1つの感知モダリティか又は異なる感知モダリティの混合であり得る。例えば、複数の標的センサは、異なる撮像モダリティの撮像システム(例えば、CT撮像システムとPET撮像システム、PET撮像システムと蛍光透視システム、PET撮像システムと光学カメラ、MR撮像システムと光学カメラなど)、又は同じ撮像モダリティの複数の撮像システム(例えば、第1のCT撮像システムと第2のCT撮像システム)を備え得る。複数の標的センサは、複数の位置センサを含み得、そのうちのいくつかは、その場所及び/又は動きが患者標的領域及び/又はOARの場所及び/又は動きと相関され得る、解剖学的構造において患者に結合され得る。複数の標的センサは、1つ以上の撮像システム及び1つ以上の位置センサを含み得る。
複数の標的センサ(すなわち、2つ以上の標的センサ)からの標的センサデータを組み込む、放射線治療計画方法の一変形形態を、図6に図示する。方法(600)は、複数の標的センサの各々の標的センサ特性付けPDFを取得すること(602)と、そのセンサの特性付けPDFに基づく、標的センサの各々の標的センサ特性付け画像を生成すること(604)と、患者標的領域の処方された線量基準を満たすように、それぞれのセンサ特性付け画像に基づいて標的センサの各々のシフト不変発射フィルタを計算すること(606)と、を含み得る。放射線治療計画における標的センサの数及びタイプは、治療セッションの間に使用される標的センサの数及びタイプに対応し得る。標的センサは全て、1つの感知モダリティか又は異なる感知モダリティの混合であり得る。例えば、複数の標的センサは、異なる撮像モダリティの撮像システム(例えば、CT撮像システムとPET撮像システム、PET撮像システムと蛍光透視システム、PET撮像システムと光学カメラ、MR撮像システムと光学カメラなど)、又は同じ撮像モダリティの複数の撮像システム(例えば、第1のCT撮像システムと第2のCT撮像システム)を備え得る。複数の標的センサは、複数の位置センサを含み得、そのうちのいくつかは、その場所及び/又は動きが患者標的領域及び/又はOARの場所及び/又は動きと相関され得る、解剖学的構造において患者に結合され得る。複数の標的センサは、1つ以上の撮像システム及び1つ以上の位置センサを含み得る。
いくつかの変形形態では、複数の標的センサの標的センサ特性付けPDFは、以前のモデル及び/又は計算によって提供され得、その場合、標的センサのセンサ特性付けPDFを取得すること(602)は、随意であり得る。前述したように、複数の標的センサの各々のセンサ特性付けPDFは、複数の標的センサデータから導出され得る。センサ特性付けPDFの画像は、複数の標的センサ特性付けデータの画像の合計であり得る。2つの標的センサが存在する実施例では、標的センサの各々のセンサ特性付けPDFの画像は、以下によってもたらされ得、
センサ特性付け画像を生成すること(604)は、i個の発射位置の各々に対して第1の標的センサの第1の画像Xを生成することと、i個の発射位置の各々に対して第2の標的センサの第2の画像Yを生成することと、を含み得る。例えば、50個の発射位置を有する放射線治療システムのための放射線治療計画を生成するために、標的センサの各々のセンサ特性付け画像を生成すること(604)は、第1の標的センサに対するi個の発射位置の各々上への画像Xの投影である一連のセンサ特性付け画像Xiを生成することと、第2の標的センサに対するi個の発射位置の各々上への画像Yの投影である一連のセンサ特性付け画像Yiを生成することと、を含み得る。
標的センサの各々に対してシフト不変発射フィルタを計算すること(606)は、発射位置ごとに標的センサの各々の発射フィルタを計算することを含み得る。すなわち、各標的センサは、それ自体の一組のi個の発射フィルタを有する。例えば、放射線治療計画システムは、第1の標的センサの第1の組のシフト不変発射フィルタpiを(i個の発射位置にわたって)計算し、第2の標的センサの第2の組のシフト不変発射フィルタqiを計算するように構成され得る。上述の発射フィルタ計算方法を拡張すると、発射位置iにおける患者標的領域への送達のための放射線フルエンスマップFiは、以下のように表され得る。
Fi=pi *Xi+qi *Yi
Fi=pi *Xi+qi *Yi
送達のための放射線フルエンスマップFiは、標的センサの両方が患者標的領域と協調してシフトすると仮定して、発射フィルタ及び標的センサデータ畳み込みの合計とし得る。上記の定式化は、以下に記載する最適化方法とともに、任意の多数の標的センサを含むように拡張され得る。
複数の発射位置(例えば、i個の発射位置)にわたる放射線フルエンスF(例えば、フルエンスマップ)は、以下によって表され得る。
例えば、50個の発射位置の放射線フルエンスは、以下であり得る。
上述の線量公式について拡張すると、Aは、線量計算行列であり、Dは、i個の発射位置(臨床医が線量処方及び/又は目標を画定するときに臨床医によって指定され得る)にわたって累積する線量であり、以下のように表され、
線量Dは、前述したように、1つ以上のコスト関数又はペナルティ関数C(D,F)によって制約され得る。方法(600)に従って発射フィルタ(例えば、シフト不変発射フィルタ)を計算する(606)ために、放射線治療計画システムは、線量計算行列A並びに標的センサ特性付け画像X及びYが与えられた場合、コスト関数C(D,F)を最小化するための最適化問題をセットアップし得る。発射フィルタp及びqを計算することは、線量処方に従って線量目標及び目的を依然として達成しながら、コスト関数C(D,F)が最小化されるように、異なる発射フィルタ値を通して反復することを含み得、以下のように表され、
既知の量を単一の行列にグループ化することによって、上記の定式化は、放射線治療計画オプティマイザにとって計算上効率的であり得る。例えば、行列AGIGRTは、最適プロセスの開始時に一度計算されてもよく、発射フィルタ値の反復ごとに再計算されなくてもよい。放射線治療計画システムは、1つ以上の停止条件(前述の停止条件のうちのいずれかなど)が満たされるまで、発射フィルタ値p及びqを反復するように構成され得る。最終発射フィルタ値p及びqは、放射線治療計画システムのメモリに保存され得る。患者プラットフォームが、複数の発射位置からの放射線の送達の間に所定の離散的なプラットフォーム位置(すなわち、ビームステーション)で停止されるいくつかの変形形態では、放射線治療計画システムは、全てのビームステーションにわたって発射フィルタを計算し得る。例えば、患者プラットフォームは、200個のビームステーションを有し得、各ビームステーションは、隣接するビームステーションから約2mmである。放射線治療計画の間に、方法(600)を使用して、200個のビームステーションにわたって適用され得る二組のi個の発射フィルタを計算し得る(p及びq、各組はi個の発射フィルタを有し、i発射位置の各々に対して1つ)。
放射線治療送達方法:2つ以上のセンサ
図7は、(例えば、方法(600)に従って)治療計画の間に計算された複数組のシフト不変発射フィルタと、治療セッションの間に複数の標的センサ(又は標的センサシステム)から取得された標的センサデータとを使用して、その治療セッションの間の送達のための放射線フルエンスを計算する、放射線治療送達方法の一変形形態を図示している。方法(700)は、治療セッション(又は任意の放射線送達セッション)の間に複数の標的センサから標的センサデータを取得すること(702)と、そのセンサに対して取得された標的センサデータに基づいて、標的センサごとにセンサ画像を生成すること(704)と、標的センサごとに、生成されたセンサ画像をそれぞれの発射フィルタと畳み込むこと(706)と、各標的センサの畳み込みを合計することによって、送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(708)と、計算された放射線フルエンスマップに従って患者標的領域に放射線を送達すること(710)と、を含み得る。標的センサデータは、前述したように、標的センサの任意の組み合わせから取得され得る。標的センサ及び/又は標的センサシステムの数及び/又はタイプは、臨床医によって判定され得る。例えば、標的センサデータは、PET撮像システム及び1つ以上の位置センサから取得され得る。標的センサデータは、X線撮像システム(例えば、CT撮像システム)又はMR撮像システム、及び1つ以上の位置センサから取得され得る。標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時に、及び/又は治療用放射線源が患者に放射線を送達している間の治療セッション全体を通して、複数の標的センサから位置センサデータ読み取り値を取得することを含み得る。治療セッションの間に標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時(すなわち、治療用放射線源が初めて作動される前に)にのみ複数の標的センサのうちの1つ以上から標的センサデータを取得することを含み得るか、又は治療セッション全体を通して複数の標的センサのうちの1つ以上から標的センサデータを取得することを含み得る。例えば、標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時に位置特定CT画像及び/又はPETプリスキャン画像(及び/又は他の前述の撮像モダリティのうちのいずれか)を取得することを含み得、また、治療用放射線源が患者に放射線を送達している治療セッションの一部分の間にCT撮像データ及び/又はPET撮像データを取得することも含み得る。標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時に患者位置特定CT画像及び/又はPETプリスキャンを取得することと、治療セッションの放射線送達部分の間に位置センサデータを取得することと、を含み得る。いくつかの変形形態では、治療セッションの放射線送達部分の間に取得される撮像データは、短い又は限定された時間間隔(例えば、約2秒以下、約1秒以下、約0.5秒以下など)で取得され得る。例えば、放射線送達部分の間に取得される撮像データは、PET LOR、X線投影、及び/又はMRI撮像パルスシーケンスからのk空間におけるサブサンプルであり得る。標的センサデータは、治療用放射線ビームの送達の直前に取得され得る。例えば、標的センサデータは、放射線送達前の約5秒未満(例えば、約3秒未満、約2秒未満、約1秒未満など)に取得され得る。いくつかの変形形態では、標的センサデータは、治療用放射線源が以前の発射位置(例えば、発射位置i-1)に位置している間、及び/又は治療用放射線源が発射位置に移動している間(例えば、発射位置間の移動中)、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得され得る。代替的に又は追加的に、標的センサデータは、治療用放射線源がその発射位置に位置しているときに、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得されてもよい。
図7は、(例えば、方法(600)に従って)治療計画の間に計算された複数組のシフト不変発射フィルタと、治療セッションの間に複数の標的センサ(又は標的センサシステム)から取得された標的センサデータとを使用して、その治療セッションの間の送達のための放射線フルエンスを計算する、放射線治療送達方法の一変形形態を図示している。方法(700)は、治療セッション(又は任意の放射線送達セッション)の間に複数の標的センサから標的センサデータを取得すること(702)と、そのセンサに対して取得された標的センサデータに基づいて、標的センサごとにセンサ画像を生成すること(704)と、標的センサごとに、生成されたセンサ画像をそれぞれの発射フィルタと畳み込むこと(706)と、各標的センサの畳み込みを合計することによって、送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(708)と、計算された放射線フルエンスマップに従って患者標的領域に放射線を送達すること(710)と、を含み得る。標的センサデータは、前述したように、標的センサの任意の組み合わせから取得され得る。標的センサ及び/又は標的センサシステムの数及び/又はタイプは、臨床医によって判定され得る。例えば、標的センサデータは、PET撮像システム及び1つ以上の位置センサから取得され得る。標的センサデータは、X線撮像システム(例えば、CT撮像システム)又はMR撮像システム、及び1つ以上の位置センサから取得され得る。標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時に、及び/又は治療用放射線源が患者に放射線を送達している間の治療セッション全体を通して、複数の標的センサから位置センサデータ読み取り値を取得することを含み得る。治療セッションの間に標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時(すなわち、治療用放射線源が初めて作動される前に)にのみ複数の標的センサのうちの1つ以上から標的センサデータを取得することを含み得るか、又は治療セッション全体を通して複数の標的センサのうちの1つ以上から標的センサデータを取得することを含み得る。例えば、標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時に位置特定CT画像及び/又はPETプリスキャン画像(及び/又は他の前述の撮像モダリティのうちのいずれか)を取得することを含み得、また、治療用放射線源が患者に放射線を送達している治療セッションの一部分の間にCT撮像データ及び/又はPET撮像データを取得することも含み得る。標的センサデータを取得すること(702)は、治療セッションの開始時に患者位置特定CT画像及び/又はPETプリスキャンを取得することと、治療セッションの放射線送達部分の間に位置センサデータを取得することと、を含み得る。いくつかの変形形態では、治療セッションの放射線送達部分の間に取得される撮像データは、短い又は限定された時間間隔(例えば、約2秒以下、約1秒以下、約0.5秒以下など)で取得され得る。例えば、放射線送達部分の間に取得される撮像データは、PET LOR、X線投影、及び/又はMRI撮像パルスシーケンスからのk空間におけるサブサンプルであり得る。標的センサデータは、治療用放射線ビームの送達の直前に取得され得る。例えば、標的センサデータは、放射線送達前の約5秒未満(例えば、約3秒未満、約2秒未満、約1秒未満など)に取得され得る。いくつかの変形形態では、標的センサデータは、治療用放射線源が以前の発射位置(例えば、発射位置i-1)に位置している間、及び/又は治療用放射線源が発射位置に移動している間(例えば、発射位置間の移動中)、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得され得る。代替的に又は追加的に、標的センサデータは、治療用放射線源がその発射位置に位置しているときに、発射位置(例えば、発射位置i)に対して取得されてもよい。
いくつかの変形形態では、センサ画像を生成すること(704)は、取得されたセンサデータ読み取り値を、センサデータ読み取り値を中心とするデルタ関数又はガウス関数としてプロットすることを含み得る。例えば、その位置センサのセンサ画像xiを生成すること(704)は、位置センサデータ読み取り値を中心とするデルタ関数又はガウス関数として、取得された位置センサデータ読み取り値をプロットすることを含み得る。代替的に又は追加的に、撮像システムのためのセンサ画像yiを生成すること(704)は、例えば、ピクセル及び/又はボクセル強度値のマップを生成するために、取得された撮像データを集約することを含み得る。撮像データは限定された時間間隔にわたって取得され得るため、結果として得られるセンサ画像(又は画像マップ)は、部分サンプリング画像又は限定時間サンプリング(LTS)画像と称され得る。LTS画像は、高レベルのノイズ(すなわち、高い信号対ノイズ比)を有する場合があり、その結果、それら単独で考慮すると、患者標的領域又はOARの輪郭及び/又は重心を特定するのに十分な情報を提供しない場合がある。代替的に又は追加的に、撮像データは、治療セッションの開始時に取得されてもよい(例えば、CT位置特定スキャン及び/又はPETプリスキャン)。本明細書での実施例は、位置センサ(第1の標的センサ)及び撮像システム(第2の標的センサシステム)からの標的センサデータに基づいて患者を治療する文脈であるが、前述したように、類似の方法が、任意の数及び/又はタイプの標的センサ並びにそれらの組み合わせに適用され得ることを理解されたい。
センサ画像をそのそれぞれの発射フィルタと畳み込むこと(706)は、放射線治療システムコントローラのメモリから、その特定の標的センサ及び発射位置iに対する治療計画の間に計算された発射フィルタを取り出すことと、時間インスタンスjにおける発射位置iへのセンサ画像の投影を計算することと、発射フィルタ及び投影された画像を畳み込むことと、を含み得る。これらのステップは、標的センサの各々に対して繰り返され得る。すなわち、第1の標的センサについて、以下のように表され、
pi *xi,j
ここでpiは、第1の標的センサの発射位置iの発射フィルタであり、xi,jは、時間インスタンスjにおける第1の標的センサデータの発射位置iへの投影である。例えば、第1の標的センサが位置センサである変形形態では、センサ画像は、位置センサデルタ関数δjであり得、δi,jは、発射位置iへのデルタ関数画像の投影であり得る。
pi *δi,j
pi *xi,j
ここでpiは、第1の標的センサの発射位置iの発射フィルタであり、xi,jは、時間インスタンスjにおける第1の標的センサデータの発射位置iへの投影である。例えば、第1の標的センサが位置センサである変形形態では、センサ画像は、位置センサデルタ関数δjであり得、δi,jは、発射位置iへのデルタ関数画像の投影であり得る。
pi *δi,j
第2の標的センサについては、以下のように表され、
qi *yi,j
ここで、qiは、第2の標的センサの発射位置iの発射フィルタであり、yi,jは、時間インスタンスjにおける第2の標的センサデータの発射位置iへの投影である。例えば、第2の標的センサシステムが撮像システムである変形形態では、センサ画像は、LTS画像であり得、放射線治療システムコントローラは、発射フィルタを発射位置iへのLTS画像の投影と畳み込むように構成され得、発射フィルタと発射位置へのセンサデータの画像の投影との畳み込みは、治療セッションの間に使用され、対応する発射フィルタが治療計画の間に計算された、任意の数の(例えば、全ての)標的センサに対して計算され得る。
qi *yi,j
ここで、qiは、第2の標的センサの発射位置iの発射フィルタであり、yi,jは、時間インスタンスjにおける第2の標的センサデータの発射位置iへの投影である。例えば、第2の標的センサシステムが撮像システムである変形形態では、センサ画像は、LTS画像であり得、放射線治療システムコントローラは、発射フィルタを発射位置iへのLTS画像の投影と畳み込むように構成され得、発射フィルタと発射位置へのセンサデータの画像の投影との畳み込みは、治療セッションの間に使用され、対応する発射フィルタが治療計画の間に計算された、任意の数の(例えば、全ての)標的センサに対して計算され得る。
時間インスタンスjにおいて取得された標的センサデータに基づいて、発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスマップfi,jを計算すること(706)は、畳み込みを合計すること(704)を含み得、以下のように表される。
fi,j=pi *xi,j+qi *yi,j
fi,j=pi *xi,j+qi *yi,j
第1の標的センサが位置センサであり、位置センサ画像がデルタ関数である実施例では、以下のように表される。
fi,j=pi *δi,j+qi *yi,j
fi,j=pi *δi,j+qi *yi,j
単一標的センサに対する送達されたフルエンス計算と同様に、送達されたフルエンスfi,jは、静的フレーム、すなわち、放射線治療システムと同じ基準フレームにおいて計算される。治療計画の間に、発射フィルタp及びqが計算され、腫瘍POVフレームにおいて最適化された。しかしながら、発射フィルタpはシフト不変であるため、それらは、静的フレームにおいて取得された標的センサデータに適用され得、治療用放射線の送達が、腫瘍POVフレームにおいて処方された線量(例えば、線量目標及び目的)を満たす結果を依然としてもたらし得る。
患者プラットフォームが、放射線送達の間に一連の所定の離散的なプラットフォーム位置(すなわち、ビームステーション)で停止される変形形態では、方法(700)は、ビームステーションごとに繰り返され得る。例えば、放射線治療送達方法は、患者プラットフォームを第1のビームステーションに移動させることと、本明細書に記載の方法(例えば、方法(500)、(700))を使用して、標的センサデータ読み取り値に基づいて、送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、i個の発射位置から治療用放射線からの放射線を放射することによって、放射線を患者標的領域に送達することと、次いで、患者プラットフォームを第2のビームステーションに移動させることと、本明細書に記載のように、放射線フルエンスの計算及び送達を繰り返すことと、を含み得る。これは、放射線治療計画の間に規定されたビームステーションの全てに対して繰り返され得る。例えば、患者プラットフォームは、200個のビームステーションを有し得、各ビームステーションは、隣接するビームステーションから約2mmである。この実施例では、治療用放射線源は、100個の発射位置i=100において放射線を放出するように構成され得る。2つの標的センサ(及び/又は標的センサシステム)が使用される場合、放射線治療計画システムは、二組の発射フィルタ(各組は、i=100個の発射位置の各々に対して1つ、100個の発射フィルタを有する)、第1の標的センサの第1の組の100個の発射フィルタ、及び第2の標的センサの第2の組の100個の発射フィルタを計算するように構成され得る。計画システムは、これら二組の発射フィルタを放射線治療システムコントローラメモリに転送し得る。治療セッションの間、放射線治療システムコントローラは、患者プラットフォームを第1のビームステーションに移動させ、コントローラメモリから発射フィルタを取り出し、第1の標的センサ画像とその対応する発射フィルタとの畳み込みと、第2の標的センサ画像とその対応する発射フィルタとの畳み込みとを合計することによって、発射位置iにおける送達のための放射線フルエンスマップを計算し得る。いくつかの変形形態では(例えば、放射線治療システムが1D MLCを備える場合)、送達のための放射線フルエンスマップを計算することは、第1の標的センサ画像と、発射位置におけるMLC視野に対応するその対応する発射フィルタとの畳み込みによって生成されるフルエンスのスライスを抽出することと、第2の標的センサ画像と、(同じ)発射位置におけるMLC視野に対応するその対応する発射フィルタとの畳み込みによって生成されるフルエンスのスライスを抽出することと、次いで、フルエンススライスを合計して、送達のための放射線フルエンスマップを得ることと、を更に含み得る。治療用放射線源が、第1のビームステーションにおけるi個の発射位置の全てに対して放射線フルエンスマップを送達した後、放射線治療システムコントローラは、次いで、患者プラットフォームを第2のビームステーションに移動させ、同様の計算及び放射線送達を実行し、これを200個のビームステーションにおける発射位置の各々に対して繰り返し得る。
方法(700)はまた、非治療的様式で、例えば、患者がファントム及び/又はフルエンス測定デバイスと置換されるQAセッションにおいて使用され得る。任意選択的に、ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスは、動きステージ上に取り付けられ得、動きステージは、患者及び/又は患者標的領域の動きをシミュレートする動き軌道に従ってファントム及び/又はフルエンス測定デバイスを移動させるように構成された機械的装置であり得る。動きは、いくつかの変形形態では、標的領域についての動き滞留ヒストグラムに基づき得る。ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスは、患者に関して上述したように、標的センサ及び/又は標的センサシステムとともにセットアップされ得る。非治療的放射線送達セッション(例えば、QAセッション)に適用されるように、方法(700)は、QAセッションの間に複数の標的センサから標的センサデータを取得すること(702)と、標的センサごとに、そのセンサの取得された標的センサデータに基づいてセンサ画像を生成すること(704)と、標的センサごとに、センサ画像をそのそれぞれの発射フィルタと畳み込むこと(706)と、各標的センサの畳み込みを合計することによって、送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(708)と、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を標的領域(例えば、ファントム標的領域)に送達すること(710)と、を含み得る。
放射線治療計画方法:定数値センサ
放射線治療計画方法の別の変形形態は、標的センサからのデータを組み込み得、センサデータ読み取り値は、静的フレーム(放射線治療システム及び患者と同じ基準フレームでもある)において定数値である。センサデータ読み取り値は定数値であるため、そのようなセンサは、「ヌルセンサ」又は定数値センサと呼ばれ得る。定数値センサは、センサ読み取り値が変化しないセンサであり得る、すなわち、センサデータ読み取り値が、同じ値又は読み出し情報を返す。いくつかの変形形態では、定数値センサは、そのセンサ出力が、放射線送達セッションの間に1回のみ、例えば、治療セッションの間に1回のみ(又は、いくつかの変形形態では、治療セッションの間に2回以上発生し得る、患者位置特定ごとに1回のみ)読み出される、標的センサであり得る。定数値センサの一実施例は、放射線治療システムが放射線治療セッションの間に1回、位置センサデータ読み取り値を読み出す位置センサであり得る。いくつかの変形形態では、定数値センサシステムは、治療セッションの開始時の患者位置特定段階の間に撮像データを取得するが、治療セッションの放射線送達段階の間には撮像データを取得しない、CT撮像システム及び/又はPET撮像システムを備え得る。CT位置特定画像及び/又はPETプリスキャン画像は、患者標的領域重心の初期位置及び/又は患者標的領域の初期境界を特定するために使用され得る。いくつかの変形形態では、CT位置特定画像及び/又はPETプリスキャン画像は、患者標的領域動きエンベロープの中心(例えば、腫瘍動きエンベロープ又は内部標的体積若しくはITV(internal target volume)の中心)の(静的フレームにおける)場所を特定するために使用され得る。
放射線治療計画方法の別の変形形態は、標的センサからのデータを組み込み得、センサデータ読み取り値は、静的フレーム(放射線治療システム及び患者と同じ基準フレームでもある)において定数値である。センサデータ読み取り値は定数値であるため、そのようなセンサは、「ヌルセンサ」又は定数値センサと呼ばれ得る。定数値センサは、センサ読み取り値が変化しないセンサであり得る、すなわち、センサデータ読み取り値が、同じ値又は読み出し情報を返す。いくつかの変形形態では、定数値センサは、そのセンサ出力が、放射線送達セッションの間に1回のみ、例えば、治療セッションの間に1回のみ(又は、いくつかの変形形態では、治療セッションの間に2回以上発生し得る、患者位置特定ごとに1回のみ)読み出される、標的センサであり得る。定数値センサの一実施例は、放射線治療システムが放射線治療セッションの間に1回、位置センサデータ読み取り値を読み出す位置センサであり得る。いくつかの変形形態では、定数値センサシステムは、治療セッションの開始時の患者位置特定段階の間に撮像データを取得するが、治療セッションの放射線送達段階の間には撮像データを取得しない、CT撮像システム及び/又はPET撮像システムを備え得る。CT位置特定画像及び/又はPETプリスキャン画像は、患者標的領域重心の初期位置及び/又は患者標的領域の初期境界を特定するために使用され得る。いくつかの変形形態では、CT位置特定画像及び/又はPETプリスキャン画像は、患者標的領域動きエンベロープの中心(例えば、腫瘍動きエンベロープ又は内部標的体積若しくはITV(internal target volume)の中心)の(静的フレームにおける)場所を特定するために使用され得る。
図8A~図8Dは、静的フレームにおける腫瘍重心の初期場所を出力する定数値標的センサを使用して、腫瘍POVフレーム及び静的フレームにおける定数値センサの物理的意味を説明する概念図を図示している。静止フレームにおける腫瘍重心の場所は、任意の適切なセンサモダリティを使用して特定され得、センサモダリティには、CT撮像、PET撮像、MR撮像、可視光又は赤外光を使用する光学撮像、位置感知(例えば、腫瘍及び/又は近傍の目印に取り付けられたセンサ、腫瘍及び/又は近傍の目印に取り付けられた基準点のX線追跡などを使用する)などのうちの1つ以上が含まれるが、それらに限定されない。この実施例では、定数値標的センサは、静的フレームにおける標的領域(例えば、腫瘍)重心の初期部分を出力する位置センサであり得る。代替的に又は追加的に、定数値標的センサは、撮像システムを含む標的センサシステムであってもよく、腫瘍重心の場所は、撮像システムによって取得された撮像データに基づいて計算されてもよい。図8Aは、腫瘍POVフレームにおける腫瘍(800)及び骨(802)を図示し、原点(0,0,0)は腫瘍(800)の重心にある一方で、図8Bは、静止フレームにおける腫瘍(800)及び骨(802)を図示し、原点(0,0,0)は腫瘍重心の初期場所にある。図8Cは、腫瘍POVフレームにおける腫瘍(800)及びITV(801)の拡大図を図示している。代替的に又は追加的に、腫瘍POVフレームの起点(0,0,0)は、ITVの重心であってもよい。ITVの境界は、静的フレームにおいて画定されてもよく、腫瘍が移動する体積(例えば、動きエンベロープ)を包含してもよい。図8Bに図示するように、定数値センサ読み取り値(804)は変化しない。これは、腫瘍(800)の動き(すなわち、位置変化)にかかわらず同じままであり、この実施例では、腫瘍重心の場所を表している。しかしながら、腫瘍(800)は、腫瘍が静止している腫瘍POVフレームにおいて、定数値センサ読み取り値(804)に対して移動しているため、センサ読み取り値(804)が変化している、すなわち、一定ではないように見えることになる。図8A及び図8Cは、腫瘍POVフレームにおける静止腫瘍(800)を概念的に図示しており、腫瘍(800)は、センサ読み取り値(静止フレームにおける値を反映する)が異なる値(例えば、804a~804c)にわたって変動するように見える間にある。定数値センサは、実際の腫瘍場所にかかわらず、静止フレームにおいて一定の読み取り値(804)をもたらすが、腫瘍POVフレームにおいて、センサ読み取り値の値(804a~804c)は、腫瘍重心の実際の場所に対するその一定のセンサ読み取り値のオフセットを反映し得る。したがって、腫瘍POVフレームにおいて、センサ読み取り値は、腫瘍重心及び/又はITV中心からの反転された(又はネゲートされた)腫瘍オフセットであり得る。重心からの腫瘍オフセットは、例えば、4D CT画像、4D PETデータ、4D MRデータ、動きモデルと結合された患者表面センサ、動きモデルと結合された二重投影X線システムのセットからの撮像データを使用して生成され得る、腫瘍位置ヒストグラム(例えば、腫瘍滞留行列)から導出され得る。図8Dは、腫瘍POVフレームにおけるネゲートされた腫瘍位置ヒストグラムのプロットである。図8Dのプロットは、腫瘍POVフレームにおける定数値センサ特性付けPDF(806)の画像であり得る。すなわち、静的フレームにおける腫瘍(800)の動きは、定数値標的センサのセンサ特性付けPDFとして腫瘍POVフレームにおいて表され得る。腫瘍動きは、腫瘍POVフレームにおいて、定数値標的センサの誤差、ばらつき、又はノイズとして作り直され得る。そのため、放射線治療計画システムは、腫瘍POVフレームにおけるセンサ特性付けPDF(806)を使用して発射フィルタを計算するように構成され得る。いくつかの変形形態では、腫瘍POVフレームにおけるセンサ特性付けPDF(806)の範囲又はスパンは、静的フレームにおいて画定されるITV(801)の範囲又はスパン未満であり得る。他の治療計画方法及びシステムは、静的フレームにおいて画定されるようなITVに基づいてフルエンスマップ及び/又は発射フィルタを最適化するが、本明細書に記載の方法は、腫瘍POV空間におけるセンサ特性付けPDFに基づいてフルエンスマップ及び/又は発射フィルタを最適化する。静的フレームにおけるITV(801)の代わりに、腫瘍POVフレームにおけるセンサ特性付けPDF(806)に基づいて発射フィルタを計算することは、腫瘍(800)を取り囲む健康な組織への照射を低減するのに役立ち得る。
定数値標的センサのセンサ特性付けPDFは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかに従って発射フィルタを計算するために使用され得る。図9は、定数値標的センサのセンサ特性付けPDFを使用して発射フィルタを計算する放射線治療計画方法の一実施例を図示している。定数値標的センサは、静的フレームにおける同じ標的領域(例えば、腫瘍)重心場所を出力する、任意のセンサ又はセンサシステムであり得る。いくつかの変形形態では、定数値標的センサ読み取り値は、位置センサデータ読み取り値であり得、他の変形形態では、定数値標的センサ読み取り値は、治療計画画像に基づいて判定される腫瘍重心の場所であり得る。方法(900)は、腫瘍(又は任意の患者標的領域)の重心の場所を判定すること(902)と、経時的な腫瘍位置の変化に関連する腫瘍重心場所のオフセットを使用してセンサ特性付けPDFを生成すること(904)と、i個の発射位置の各々のセンサ特性付けPDFに基づいてセンサ特性付け画像を生成すること906)と、腫瘍(又は患者標的領域)に対する処方された線量基準を満たすように、センサ特性付け画像に基づいてi個の発射位置の各々のシフト不変発射フィルタを計算すること(908)と、を含み得る。腫瘍の重心を判定すること(902)及びセンサ特性付けPDFを生成すること(904)は、経時的に腫瘍位置データ読み取り値を取得することを含み得る。いくつかの変形形態では、これは、経時的に複数のCT画像を取得すること(例えば、4D CT撮像)と、腫瘍重心の初期位置を特定することと、次いで、経時的な重心場所の変化を計算することと、を含み得る。代替的に、又は追加的に、経時的に腫瘍位置データ読み取り値を取得することは、位置センサ又は追跡可能な基準点を腫瘍に取り付けることと、腫瘍重心の初期位置を特定することと、次いで、経時的な重心場所の変化を測定することと、を含み得る。センサ特性付け画像を生成すること(906)は、前述したように、場所的変化をデルタ関数又はガウス関数に変換することと、センサ特性付けPDFの画像(すなわち、センサ特性付けPDF画像N)を取得するために、デルタ関数又はガウス関数を集約することと、を含み得る。いくつかの変形形態では、場所的変化の画像は、腫瘍滞留行列(例えば、腫瘍位置ヒストグラム)を含み得、これは、センサ特性付けPDFの画像を取得するためにネゲートされ得る。センサ特性付け画像を生成すること(906)は、センサ特性付け画像Niを取得するために、i個の発射位置の各々へのセンサ特性付けPDF Nの投影を計算することを含み得る。i個の発射位置の各々のるシフト不変発射フィルタ(pi)を計算すること(908)は、方法(200、600)について上述した計算方法と同様であり得る。すなわち、腫瘍POVにおける線量は、以下のように表され得る。
放射線治療計画システムは、1つ以上の停止条件が満たされるまで、発射フィルタ値を反復するように構成され得る。最終発射フィルタ値は、放射線治療計画システムのメモリに保存され得る。
放射線治療送達方法:定数値センサ
図10は、治療計画の間に(例えば、方法(200、600、900)に従って)計算されたシフト不変発射フィルタと、治療セッションの間に定数値センサ(又はセンサシステム)から取得された標的センサデータとを使用して、その治療セッションの間の送達のための放射線フルエンスを計算する、放射線治療送達方法の一変形形態を図示している。方法(1000)は、治療セッション(又は任意の放射線送達セッション)の間に取得される標的センサデータを使用して、患者標的領域の重心の場所を画定すること(1002)と、センサデータに基づいて画像を生成すること(1004)と、生成された画像を発射フィルタと畳み込むことによって送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(1006)と、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を送達すること(1008)と、を含み得る。患者標的領域重心の場所を画定すること(1002)及びセンサ画像を生成すること(1004)は、患者標的領域重心の場所(例えば、座標)を特定するために使用され得る1つ以上の画像を形成するために、CT撮像データ及び/又はPET撮像データを取得することを含み得る。標的センサは、「ヌル」又は定数値センサであるため、治療セッションを通して読み取られるセンサデータは、治療セッションの患者位置特定段階の間に最初に特定されるような患者標的領域重心の場所を表す。センサデータ読み取り値(したがって、重心の初期場所)は、静的フレーム(放射線治療システムと同じ基準フレームでもある)の原点であり得るため、この定数値センサ読み取り値の画像は、原点を中心とするデルタ関数であり得る。これは、発射フィルタが「恒等」デルタ関数δidentityと畳み込まれるように、フルエンスマップ計算を崩壊させ、次のように表される。
fi=pi *δidentity=pi
図10は、治療計画の間に(例えば、方法(200、600、900)に従って)計算されたシフト不変発射フィルタと、治療セッションの間に定数値センサ(又はセンサシステム)から取得された標的センサデータとを使用して、その治療セッションの間の送達のための放射線フルエンスを計算する、放射線治療送達方法の一変形形態を図示している。方法(1000)は、治療セッション(又は任意の放射線送達セッション)の間に取得される標的センサデータを使用して、患者標的領域の重心の場所を画定すること(1002)と、センサデータに基づいて画像を生成すること(1004)と、生成された画像を発射フィルタと畳み込むことによって送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(1006)と、計算された放射線フルエンスマップに従って放射線を送達すること(1008)と、を含み得る。患者標的領域重心の場所を画定すること(1002)及びセンサ画像を生成すること(1004)は、患者標的領域重心の場所(例えば、座標)を特定するために使用され得る1つ以上の画像を形成するために、CT撮像データ及び/又はPET撮像データを取得することを含み得る。標的センサは、「ヌル」又は定数値センサであるため、治療セッションを通して読み取られるセンサデータは、治療セッションの患者位置特定段階の間に最初に特定されるような患者標的領域重心の場所を表す。センサデータ読み取り値(したがって、重心の初期場所)は、静的フレーム(放射線治療システムと同じ基準フレームでもある)の原点であり得るため、この定数値センサ読み取り値の画像は、原点を中心とするデルタ関数であり得る。これは、発射フィルタが「恒等」デルタ関数δidentityと畳み込まれるように、フルエンスマップ計算を崩壊させ、次のように表される。
fi=pi *δidentity=pi
発射位置iにおいて送達されるフルエンスマップは、単に、その発射位置の発射フィルタpiである。すなわち、治療セッションの間に、治療時の腫瘍重心場所が治療計画の間の腫瘍重心場所と一致するように患者が位置決めされる限り、固定された事前計算されたフルエンスマップが、追加の標的センサデータなしで腫瘍に送達され得る。この形態の治療送達は、標準的なIMRT/SBRT放射線送達と同様であり得るが、治療計画が静的フレームの代わりに腫瘍POVフレームにおいて行われたため、患者に送達される放射線は、標準的なIMRT/SBRT方法と比較して低減され得る一方で、依然として同じ線量目標及び目的を満たす。標準的なIMRT/SBRT方法は、静的フレームにおいて画定されたITV境界に基づいて治療計画を実行し、これは、センサ特性付けPDFよりも大きい領域又は体積を包含し得る。比較的大きいITVに基づいて最適化されたフルエンスマップ及び/又は発射フィルタは、フルエンスマップ及び/又は発射フィルタがセンサ特性付けPDFに基づいて最適化されるときよりも高いレベルの照射が周囲の健康な組織に対して生じる結果をもたらし得る。
上記の実施例は、定数値標的センサをCT撮像システム及びPET撮像システムを含む標的センサシステムとして記述しているが、他の変形形態では、標的センサシステムは、本明細書で前述した撮像システムのいずれかのうちの1つ以上を、単独で、又は互いに組み合わせて含み得ることを理解されたい。例えば、PET撮像システムと併せて使用され得るCT撮像システムの代わりに、標的センサシステムは、MR撮像システムを、単独で、又はCT撮像システムと併せて含み得る。いくつかの変形形態では、定数値センサは、位置センサ(上述の位置センサのうちのいずれかなど)であり得る。
方法(1000)はまた、非治療的様式で、例えば、患者がファントム及び/又はフルエンス測定デバイスと置換されるQAセッションにおいて使用され得る。任意選択的に、ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスは、動きステージ上に取り付けられ得、動きステージは、患者及び/又は患者標的領域の動きをシミュレートする動き軌道に従ってファントム及び/又はフルエンス測定デバイスを移動させるように構成された機械的装置であり得る。動きは、いくつかの変形形態では、標的領域についての動き滞留ヒストグラムに基づき得る。ファントム及び/又はフルエンス測定デバイスは、患者に関して上述したように、標的センサ及び/又は標的センサシステムとともにセットアップされ得る。非治療的放射線送達セッション(例えば、QAセッション)に適用されるように、方法(1000)は、QAセッションの間に取得された標的センサデータを使用して標的領域(例えば、ファントム標的領域)の重心の場所を画定すること(1002)と、取得された標的センサデータに基づいて画像を生成すること(1004)と、生成された画像を発射フィルタと畳み込むことによって送達のための放射線フルエンスマップを計算すること(1006)と、計算された放射線フルエンスマップに従って標的領域(例えば、ファントム標的領域)に放射線を送達すること(708)と、を含み得る。
図11A~図11Cは、±6mmで直線的に(1D)移動している12mm長の患者標的領域(例えば、臨床標的体積若しくはCTV(clinical target volume))への放射線治療計画及び送達の一実施例のシミュレーション結果を図示している。図11Aは、患者標的領域の動き滞留ヒストグラムを図示している。IMRT/SBRTのための従来の治療計画方法では、この動きプロファイルに基づいて、ITVは、24mmのサイズ(12mm腫瘍長+一方向における6mm変位+他方向における6mm変位)を有して、静的フレームにおいて画定され得る。標準的なITVベースの治療計画方法に基づいて送達されるフルエンスは、図11Bのプロットに図示されるプロファイルを有し得る。トレース(1100)は、静的フレームにおける送達されたフルエンスを表し、トレース(1102)は、腫瘍POVフレームにおける送達されたフルエンスを表している。腫瘍POVフレームにおける送達されたフルエンスは、静的フレームにおける送達されたフルエンスと比較していくらか不鮮明であるが、12mmの患者標的領域(又はCTV)の全範囲を依然としてカバーしている。図11Cは、本明細書に開示する治療計画方法に基づいて(すなわち、腫瘍POVフレームにおけるセンサ特性付けPDFに基づいて)送達されたフルエンスのプロファイルを図示している。これは、図9及び図10に記載の定数値標的センサ計画及び送達方法に基づく。トレース(1104)は、静的フレームにおける送達されたフルエンスを表し、トレース(1106)は、腫瘍POVフレームにおける送達されたフルエンスを表している。静的フレームにおける送達されたフルエンスは、患者標的領域(又はCTV)の縁にフルエンスピークを有し、全体的に不規則なホーン形状プロファイルをもたらすが、依然として、12mm患者標的領域(又はCTV)の全範囲をカバーしている。両方の方法は、処方された線量を患者標的領域全体に送達するが、図11B及び図11Cのフルエンスプロファイル間の差異は、本明細書に記載の方法を使用した腫瘍POVフレームにおける治療計画によって、患者への放射線曝露の全体として35%低減があることである。
Claims (63)
- 放射線治療システムであって、
患者プラットフォームと、
前記患者プラットフォームの周りの1つ以上の発射位置に移動可能な治療用放射線源と、
センサデータを取得する標的センサを備える標的センサシステムと、
前記治療用放射線源及び前記標的センサシステムと通信するコントローラであって、前記コントローラは、センサデータから生成された画像を前記標的センサのセンサ特性付け確率密度関数(PDF)から導出されたシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって、標的領域への送達のための放射線フルエンスマップを計算するように構成され、前記コントローラは、計算された前記放射線フルエンスマップに従って放射線を送達するように構成されている、コントローラと、を備える、システム。 - 前記標的センサは、第1の標的センサであり、前記標的センサシステムは、第2の標的センサを備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記第1の標的センサ及び前記第2の標的センサのうちの少なくとも一方は、前記患者プラットフォーム上に配設された患者に結合されるように構成された位置センサである、請求項2に記載のシステム。
- 前記位置センサは、標的領域に結合されるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
- 前記位置センサは、X線源と、前記X線源の向かい側に配設された、埋め込み型基準点の位置を検出するように構成されたX線検出器と、を備える、請求項3に記載のシステム。
- 前記位置センサは、患者の皮膚に取り付けられる光学基準点を追跡するように構成された光学撮像システムを備え、前記標的センサシステムは、前記光学基準点の位置を検出するように構成された光学カメラを更に備える、請求項3に記載のシステム。
- 前記センサ特性付けPDFは、センサデータ誤差のレートを表すセンサ誤差特性付けPDFである、請求項1に記載のシステム。
- 前記センサ特性付けPDFは、センサデータばらつきのレートを表す、請求項1に記載のシステム。
- 前記センサ特性付けPDFは、センサデータの1Dプロット、センサデータの2Dプロット、及び/又はセンサデータの3Dプロット、並びにセンサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記位置センサデータから生成された前記画像は、前記位置センサデータに対応する場所を中心とするデルタ関数、ガウス関数、及び/又は切断ガウス関数である、請求項1に記載のシステム。
- 前記標的センサは、1つ以上の画像センサを含み、前記センサデータは、撮像データを含み、前記標的センサの前記センサ特性付けPDFは、画像を含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記1つ以上の画像センサは、PETセンサ、MRIセンサ、及びCTセンサからなる群から選択される画像センサを含む、請求項11に記載のシステム。
- 前記コントローラは、前記第1の標的センサからの第1のセンサデータ読み取り値及び前記第2の標的センサからの第2のセンサデータ読み取り値を受信するように構成されており、前記シフト不変発射フィルタは、前記第1の標的センサの第1のシフト不変発射フィルタであり、前記センサ特性付けPDFは、前記第1の標的センサの第1のセンサ特性付けPDFであり、前記コントローラは、(a)前記第1のセンサデータ画像と前記第1のシフト不変発射フィルタとの前記畳み込みと、(b)前記第2のセンサデータから生成された第2の画像と前記第2の標的センサの第2のセンサ特性付けPDFから導出された第2のシフト不変発射フィルタとの畳み込みとを合計することによって、送達のための前記フルエンスマップを計算するように更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
- 前記第1の標的センサは、第1のタイプのセンサであり、前記第2の標的センサは、前記第1のタイプとは異なる第2のタイプのセンサである、請求項13に記載のシステム。
- 前記第2の標的センサは、位置センサである、請求項14に記載のシステム。
- 前記第1の標的センサは、陽電子消滅放出経路センサであり、前記第2の標的センサは、標的領域位置センサである、請求項14に記載のシステム。
- 前記第1の標的センサは、画像センサであり、前記第2の標的センサは、位置センサである、請求項14に記載のシステム。
- 前記第1の標的センサは、3D PETセンサ、2D X線センサ、投影画像センサ、蛍光透視画像センサ、CT画像センサ、及びMRセンサのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の標的センサは、位置センサを含む、請求項14に記載のシステム。
- 放射線送達のための方法であって、前記方法は、
標的センサからセンサデータ読み取り値を取得することと、
前記センサデータ読み取り値からセンサ画像を生成することと、
前記センサ画像を前記標的センサのセンサ特性付け確率密度関数(PDF)から導出されたシフト不変発射フィルタと畳み込むことによって、標的領域への送達のための放射線フルエンスマップを計算することと、
計算された前記放射線フルエンスマップに従って放射線を前記標的領域に送達することと、を含む、方法。 - 前記センサ特性付けPDFは、センサデータ誤差のレートを表すセンサ誤差特性付けPDFである、請求項19に記載の方法。
- 前記センサ特性付けPDFは、センサデータばらつきのレートを表す、請求項19に記載の方法。
- 前記センサ特性付けPDFは、センサデータの1Dプロット、センサデータの2Dプロット、及び/又はセンサデータの3Dプロット、並びにセンサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含む、請求項21に記載の方法。
- 前記標的センサは、位置センサである、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記センサ画像は、前記位置センサデータ読み取り値に対応する場所を中心とするデルタ関数、ガウス関数、及び/又は切断ガウス関数である、請求項23に記載の方法。
- 前記位置センサは、標的領域位置センサを含む、請求項24に記載の方法。
- 前記位置センサは、埋め込み型基準点を追跡するように構成されたX線プロジェクタシステムを含む、請求項24に記載の方法。
- 光学基準点を患者の皮膚に取り付けることと、光学撮像システムを使用して前記光学基準点を追跡することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
- 前記標的センサは、前記センサデータ読み取り値が前記標的領域の重心を表す一定の位置値であるヌル位置センサであり、前記ヌル位置センサの前記センサ特性付けPDFは、経時的な前記標的領域の前記重心の場所を表す複数の位置値を含む、請求項19に記載の方法。
- 前記センサ画像は、前記位置センサデータ読み取り値に対応する場所を中心とするデルタ関数、ガウス関数、及び/又は切断ガウス関数である、請求項28に記載の方法。
- 前記センサ特性付けPDFは、前記標的領域の動き滞留ヒストグラムを含む、請求項28に記載の方法。
- 前記複数の位置値は、4D CT撮像データを使用して判定される、請求項28に記載の方法。
- 前記シフト不変発射フィルタは、治療用放射線源の発射位置に対応し、送達のための前記フルエンスを計算することは、前記発射位置上の前記センサ画像の投影を前記発射位置の前記シフト不変発射フィルタと畳み込むことによって、前記発射位置における送達ためのフルエンスを計算することを含む、請求項19に記載の方法。
- 前記標的センサは、1つ以上の画像センサを含み、前記センサデータ読み取り値は、撮像データを含み、前記標的センサの前記センサ特性付けPDFは、前記撮像データから生成された画像を含む、請求項19に記載の方法。
- 前記1つ以上の画像センサは、PETセンサ、MRIセンサ、及びCTセンサからなる群から選択される画像センサを含む、請求項33に記載の方法。
- 前記標的センサは、第1の標的センサであり、前記センサデータ読み取り値は、第1のセンサデータ読み取り値であり、前記画像は、第1のセンサデータ画像であり、前記シフト不変発射フィルタは、第1のシフト不変発射フィルタであり、前記センサ特性付けPDFは、第1のセンサ特性付けPDFであり、前記方法は、
第2の標的センサから第2のセンサデータ読み取り値を取得することと、
前記第2のセンサデータ読み取り値から第2のセンサデータ画像を生成することと、を更に含み、
送達のための前記フルエンスマップを計算することは、(a)前記第1のセンサデータ画像と前記第1のシフト不変発射フィルタとの前記畳み込みと、(b)前記第2のセンサデータ画像と前記第2の標的センサの第2のセンサ特性付けPDFから導出された第2のシフト不変発射フィルタとの畳み込みとを合計することを含む、請求項19に記載の方法。 - 前記第1の標的センサデータ読み取り値は、第1のタイプのデータを含み、前記第2の標的センサデータ読み取り値は、前記第1のタイプのデータとは異なる第2のタイプのデータを含む、請求項35に記載の方法。
- 前記第2のセンサ特性付けPDFは、センサ誤差特性付けPDFである、請求項35又は36に記載の方法。
- 前記第2の標的センサは、位置センサである、請求項36に記載の方法。
- 前記第1の標的センサデータ読み取り値は、陽電子消滅放出経路データを含み、前記第2の標的センサデータ読み取り値は、標的領域場所データを含む、請求項36に記載の方法。
- 前記第1の標的センサデータ読み取り値は、部分撮像データを含み、前記第2の標的センサデータ読み取り値は、標的領域場所データを含む、請求項36に記載の方法。
- 前記第1の標的センサデータ読み取り値は、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の標的センサデータ読み取り値は、標的領域場所データを含む、請求項36に記載の方法。
- 前記シフト不変発射フィルタは、治療用放射線源の発射位置に対応し、前記送達のためのフルエンスを計算することは、前記発射位置上に前記センサデータ読み取り値を投影することと、投影された前記センサデータ読み取り値の第2のセンサ画像を生成することと、前記第2のセンサ画像を前記発射位置の前記シフト不変発射フィルタと畳み込むこととによって、前記発射位置における送達のためのフルエンスを計算することを含む、請求項19に記載の方法。
- センサベースの治療計画のための方法であって、前記方法は、
i個の発射位置の各々の標的センサのセンサ特性付け確率密度関数(PDF)に基づいてセンサ特性付け画像Niを生成することと、
条件
式中、Dは前記標的領域の処方された線量であり、Aは前記標的領域の既知の線量計算行列である、方法。 - 前記標的センサは、位置センサであり、前記センサ特性付けPDFは、位置センサデータの1Dプロット、位置センサデータの2Dプロット、位置センサデータの3Dプロット、及び位置センサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み、前記センサ特性付け画像Niは、位置センサ誤差データ及び位置センサ誤差ヒストグラムのうちの1つ以上を含む、請求項43に記載の方法。
- 位置センサデータは、空間内の座標を含む、請求項44に記載の方法。
- シフト不変発射フィルタpiを計算することは、前記処方された線量D及び放射線フルエンスマップFの臨床医定義の制約及び目的から導出されるコスト関数C(D,F)を最小化するために、piの値を反復することを更に含む、請求項43に記載の方法。
- 前記標的センサは、前記標的領域の重心を表す一定の位置値を有するヌル位置センサであり、前記センサ特性付けPDFは、経時的な前記標的領域の前記重心の場所を表す複数の位置値を含み、
前記センサ特性付け画像Niを生成することは、前記標的領域の動き滞留ヒストグラムを生成することを含む、請求項43に記載の方法。 - 前記複数の位置値は、4D CT撮像データを使用して判定される、請求項47に記載の方法。
- 前記センサ特性付け画像Niを生成することは、前記標的領域の反転動き滞留ヒストグラムを生成することを含む、請求項47に記載の方法。
- 前記標的センサは、画像センサであり、前記センサ特性付けPDFは、複数の画像センサデータを含み、前記センサ特性付け画像Niを生成することは、前記複数の画像センサデータを組み合わせることを含む、請求項43に記載の方法。
- 前記複数の画像センサデータは、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含む、請求項49に記載の方法。
- 前記標的センサは、第1の標的センサであり、前記センサ特性付け画像Niは、第1の組のセンサ特性付け画像であり、前記シフト不変発射フィルタpiは、第1の組のシフト不変発射フィルタであり、前記方法は、
i個の発射位置の各々の第2の標的センサのセンサ特性付けPDFに基づいて、第2の組のセンサ特性付け画像Miを生成することと、
条件
- シフト不変発射フィルタpi及びqiを計算することは、前記処方された線量D及び放射線フルエンスマップFの臨床医定義の制約及び目的から導出されるコスト関数C(D,F)を最小化するために、pi及びqiの値を反復することを更に含む、請求項52に記載の方法。
- 前記第1の標的センサは、第1の位置センサであり、前記第2の標的センサは、第2の位置センサである、請求項52に記載の方法。
- 前記第1の位置センサ及び前記第2の位置センサの前記センサ特性付けPDFの各々は、位置センサデータの1Dプロット、位置センサデータの2Dプロット、及び/又は位置センサデータの3Dプロット、並びに位置センサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み、前記センサ特性付け画像Ni及びMiは、前記標的領域の動き滞留ヒストグラムを含む、請求項54に記載の方法。
- 前記第1の位置センサ及び前記第2の位置センサの位置センサデータは、空間内の座標を含む、請求項55に記載の方法。
- 前記第1の標的センサは、第1の画像センサであり、前記第2の標的センサは、第2の画像センサである、請求項52に記載の方法。
- 前記第1の画像センサ及び前記第2の画像センサの前記センサ特性付けPDFの各々は、複数の画像センサデータを含み、前記センサ特性付け画像Ni及びMiを生成することは、前記第1の画像センサ及び前記第2の画像センサからの前記複数の画像センサデータをそれぞれ組み合わせることを含む、請求項57に記載の方法。
- 前記第1の画像センサ及び前記第2の画像センサからの前記複数の画像センサデータは、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含む、請求項57に記載の方法。
- 前記第1の標的センサは、位置センサであり、前記第2の標的センサは、画像センサである、請求項52に記載の方法。
- 前記位置センサの前記センサ特性付けPDFは、位置センサデータの1Dプロット、位置センサデータの2Dプロット、及び/又は位置センサデータの3Dプロット、並びに位置センサデータばらつきを表すヒストグラムのうちの1つ以上を含み、前記画像センサの前記センサ特性付けPDFは、複数の画像センサデータを含む、請求項60に記載の方法。
- 前記センサ特性付け画像Niは、前記標的領域の動き滞留ヒストグラムであり、前記センサ特性付け画像Miは、前記複数の画像センサデータの組み合わせである、請求項61に記載の方法。
- 前記位置センサデータは、空間内の座標を含み、前記複数の画像センサデータは、3D PET撮像データ、2D X線撮像データ、投影撮像データ、蛍光透視撮像データ、CT撮像データ、及びMR撮像データのうちの少なくとも1つを含む、請求項62に記載の方法。
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