JP2023535004A - 肝臓癌を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、薬理ゲノミクスの分野、特に、癌細胞からの循環DNAを含む体液等の生体試料中の肝臓癌細胞に由来するメチル化ゲノムDNAの有無の検出に関する。この検出は、肝臓癌の早期で信頼性の高い診断に有用であり、本発明は、この目的に適した方法及びオリゴヌクレオチドを提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、薬理ゲノミクスの分野、特に、癌細胞からの循環DNAを含む体液等の生体試料中の肝臓癌細胞に由来するメチル化ゲノムDNAの有無の検出に関する。この検出は、肝臓癌の早期で信頼性の高い診断に有用であり、本発明は、この目的に適した方法及びオリゴヌクレオチドを提供する。
肝臓癌(LC:liver cancer)は肝臓に由来する腫瘍を包含し、その最も一般的なタイプは肝硬変を有する患者の最も一般的な死因である肝細胞癌(HCC:hepatocellular carcinoma)である。これは世界で6番目に多い癌であり、癌腫の10%~20%しか手術で完全に除去することができないため、通常の転帰は不十分である。癌腫を完全に除去しなければ、患者は通常3ヶ月~6ヶ月以内に死亡する。現在、肝臓癌の標準試験又はルーチン試験はなく、最も一般的に使用される試験は、超音波試験、CTスキャン試験、及びバイオマーカー(アルファ-フェトプロテイン)試験である。超音波及びCTスキャンのような試験は肝臓癌の初期段階を見逃す傾向があるが、アルファ-フェトプロテインは肝硬変組織でも上昇しているため、肝臓癌と肝硬変の区別を難しくている。
DNAメチル化パターンは、癌細胞では大きく改変されることから、癌細胞と正常な組織とを識別するために使用することができる。それゆえ、DNAメチル化パターンを使用して、あらゆる種類の癌が診断されている。課題の1つは、(i)LCにおいて異常にメチル化され、(ii)LCの検出に適した、すなわち、十分な感度及び特異度を提供する診断能力を提供する遺伝子又はゲノム領域を特定することである。
本発明者らの目標は、LCにおいて異常にメチル化され、また良好で理想的に改善された感度及び/又は特異度を有する更なる遺伝子又はゲノム領域を提供することであった。LCを検出するのに特に適したかかる遺伝子又はゲノム領域の組合せを提供することもまた、本発明者らの目標であった。そのため、それらの遺伝子又はゲノム領域の組合せを使用することで、例えば、リスクのある大規模な集団の低侵襲スクリーニングが可能になることから、体液試料を使用した検出に特に重点を置いた。
LCの進行性が低いほど、治療の選択肢が増え、患者が治癒する可能性が高くなる。したがって、対象が躊躇せずに受ける試験で、できるだけ早期かつ確実に診断することが非常に望ましい。
第1の態様において、本発明は、DNAメチル化を検出する方法であって、ゲノムDNAを含む対象の生体試料中の配列番号1(mASCL2)、配列番号21(mLDHB)、配列番号36(mLGALS3)、配列番号46(mLOXL3)、配列番号61(mOSR1)、配列番号76(mPLXND1)、又は配列番号91及び/又は配列番号96(mRASSF2)に含まれる配列を有するポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1つのゲノムDNAポリヌクレオチド内のDNAメチル化を検出する工程を含み、ゲノムDNAが、肝臓癌(LC)細胞に由来するDNAを含み得る、方法に関する。
第2の態様において、本発明は、対象においてLCの有無を検出する方法であって、第1の態様の方法によりDNAメチル化を検出することを含み、検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す、方法に関する。
第3の態様において、本発明は、配列番号2~配列番号5(mASCL2)、配列番号22~配列番号25(mLDHB)、配列番号37~配列番号40(mLGALS3)、配列番号47~配列番号50(mLOXL3)、配列番号62~配列番号65(mOSR1)、配列番号77~配列番号80(mPLXND1)、又は配列番号92~配列番号95及び/又は配列番号97~配列番号100(mRASSF2)のうち1つの連続するヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列を含む、プライマー及びプローブからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドに関する。
第4の態様において、本発明は、少なくとも第3の態様の第1及び第2のオリゴヌクレオチドを備えるキットに関する。
第5の態様において、本発明は、LCの検出、又はLCを発症するリスクが高い対象、LCを有していると疑われる対象若しくはLCを有していた対象のモニタリングのための第1の態様の方法、第3の態様のオリゴヌクレオチド、又は第4の態様のキットの使用に関する。
第6の態様において、本発明は、第1若しくは第2の態様の方法、又は第5の態様の使用に関するものであり、その生体試料においてDNAメチル化が検出される対象のLCを治療する工程を含む。
本発明を下記に詳細に説明する前に、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコル及び試薬は変更することができるため、本発明がこれらに限定されないことを理解されたい。本明細書において使用される専門用語は特定の実施形態を説明することを目的とするものに過ぎず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。他に定義のない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
好ましくは、本明細書において使用される用語は、"A multilingual glossaryof biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)", Leuenberger,H.G.W, Nagel, B. and Koelbl, H. eds. (1995),Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland)に記載のように定義される。
幾つかの文献が本明細書の文章全体を通して引用される。本明細書に引用される各々の文献(特許、特許出願、科学出版物、製造者の仕様書、使用説明書等の全てを含む)は、上記又は下記を問わず、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
下記で本発明の要素を記載する。これらの要素は特定の実施形態とともに挙げられているが、更なる実施形態を作成するのに、これらの要素をどのような方法及びどのような数でも組み合わせることができることを理解されたい。多様に記載された実施例及び好ましい実施形態は、本発明を例示的に記載された実施形態のみに限定するものとは解釈されない。この記載は、例示的に記載された実施形態と、あらゆる数の開示された及び/又は好ましい要素とを組み合わせた実施形態を支持及び包含するものであると理解されたい。さらに文脈上他に指定のない限り、本出願において記載された全ての要素のあらゆる並び替え(permutations)及び組合せが本出願の明細書により開示されていると見なされる。
以降の本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、文脈により特に必要とされない限り、用語「含む(comprise)」並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」等の別形は、示された整数若しくは工程又は複数の整数若しくは複数の工程の群を包含することを意味するが、他のあらゆる整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を除外することを意味しないと解釈される。好ましい実施形態において、「含む(comprise)」は、「からなる(consist of)」を意味することができる。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、数量を特定していない単数形(the singular forms "a", "an", and"the")は、文脈上他に明確に示されていない限り、複数の指示対象を含む。
本発明の態様及びその特定の実施形態
第1の態様において、本発明は、DNAメチル化を検出する方法であって、ゲノムDNAを含む対象の生体試料中の配列番号1(mASCL2)、配列番号21(mLDHB)、配列番号36(mLGALS3)、配列番号46(mLOXL3)、配列番号61(mOSR1)、配列番号76(mPLXND1)又は配列番号91及び/又は配列番号96(mRASSF2)に含まれる配列を有するポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1つのゲノムDNAポリヌクレオチド内のDNAメチル化を検出する工程を含む、方法に関する。特に、ゲノムDNAは、肝臓癌(LC)細胞に由来するDNAを含み得る。ゲノムDNA、特にLC細胞由来のゲノムDNAは無細胞DNAであることが好ましい。「ゲノムDNAは、肝臓癌(LC)細胞に由来するDNAを含み得る」という語句は、好ましい実施形態において、対象は、LCのリスクが高い、LCを有していると疑われる、又はLCを有していた(すなわち、LCの任意の検出可能な兆候を取り除くために治療されたが、再発の疑いがある)ことを意味する。好ましい実施形態において、LCのリスク増加(すなわちLCを発症するリスクの増加)は、対象が1つ以上のLC危険因子を有することを意味する。好ましくは、LC危険因子は、HBV及び/又はHCVによる慢性感染、肝硬変、肝疾患(好ましくは遺伝性肝疾患、例えばヘモクロマトーシス、ウィルソン病チロシン血症、アルファ-アンチトリプシン欠乏症、晩発性皮膚ポルフィリン症、又は糖原病)、糖尿病(好ましくは2型)、非アルコール性脂肪肝疾患、アフラトキシンへの曝露、及び大量のアルコール消費(すなわち、血中アルコール濃度レベルを1ヶ月に少なくとも5回、少なくとも0.08g/dLにすること)からなる群から選択される。本明細書においてリスクが高い対象は、最も好ましくは肝硬変を有する対象である。
第1の態様において、本発明は、DNAメチル化を検出する方法であって、ゲノムDNAを含む対象の生体試料中の配列番号1(mASCL2)、配列番号21(mLDHB)、配列番号36(mLGALS3)、配列番号46(mLOXL3)、配列番号61(mOSR1)、配列番号76(mPLXND1)又は配列番号91及び/又は配列番号96(mRASSF2)に含まれる配列を有するポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1つのゲノムDNAポリヌクレオチド内のDNAメチル化を検出する工程を含む、方法に関する。特に、ゲノムDNAは、肝臓癌(LC)細胞に由来するDNAを含み得る。ゲノムDNA、特にLC細胞由来のゲノムDNAは無細胞DNAであることが好ましい。「ゲノムDNAは、肝臓癌(LC)細胞に由来するDNAを含み得る」という語句は、好ましい実施形態において、対象は、LCのリスクが高い、LCを有していると疑われる、又はLCを有していた(すなわち、LCの任意の検出可能な兆候を取り除くために治療されたが、再発の疑いがある)ことを意味する。好ましい実施形態において、LCのリスク増加(すなわちLCを発症するリスクの増加)は、対象が1つ以上のLC危険因子を有することを意味する。好ましくは、LC危険因子は、HBV及び/又はHCVによる慢性感染、肝硬変、肝疾患(好ましくは遺伝性肝疾患、例えばヘモクロマトーシス、ウィルソン病チロシン血症、アルファ-アンチトリプシン欠乏症、晩発性皮膚ポルフィリン症、又は糖原病)、糖尿病(好ましくは2型)、非アルコール性脂肪肝疾患、アフラトキシンへの曝露、及び大量のアルコール消費(すなわち、血中アルコール濃度レベルを1ヶ月に少なくとも5回、少なくとも0.08g/dLにすること)からなる群から選択される。本明細書においてリスクが高い対象は、最も好ましくは肝硬変を有する対象である。
好ましくは、この方法はin vitro法である。
好ましい実施形態において、
配列番号1に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号6、好ましくは配列番号11に含まれる配列を有する、
配列番号21に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号16、好ましくは配列番号26に含まれる配列を有する、
配列番号36に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号31、好ましくは配列番号41に含まれる配列を有する、
配列番号46に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号51、好ましくは配列番号56に含まれる配列を有する、
配列番号61に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号66、好ましくは配列番号71に含まれる配列を有する、
配列番号76に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号81、好ましくは配列番号86に含まれる配列を有する、及び/又は、
配列番号91及び/又は配列番号96に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号101に含まれる配列を有する。
配列番号1に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号6、好ましくは配列番号11に含まれる配列を有する、
配列番号21に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号16、好ましくは配列番号26に含まれる配列を有する、
配列番号36に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号31、好ましくは配列番号41に含まれる配列を有する、
配列番号46に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号51、好ましくは配列番号56に含まれる配列を有する、
配列番号61に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号66、好ましくは配列番号71に含まれる配列を有する、
配列番号76に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号81、好ましくは配列番号86に含まれる配列を有する、及び/又は、
配列番号91及び/又は配列番号96に含まれる配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号101に含まれる配列を有する。
好ましくは、DNAメチル化は、少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ(又は少なくとも4、5、6若しくは全部、数が少ないよりも数が多い方が好ましい)の上記群から選択されるゲノムDNAポリヌクレオチド(各ポリヌクレオチドは、異なるメチル化マーカーに対応する)内で検出される。特定の好ましい実施形態において、表1による2つのマーカー又は表2(有利なAUC値を示す表)による3つのマーカー、及び任意に、mASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1、及びmRASSF2(好ましいものを含む上記の配列)からなる群の1つ以上の更なるマーカーの組合せについてメチル化を検出する。表1に列挙された組合せのうち、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.80、0.81、0.82、0.83、又は0.84のAUC(より低いAUCよりも高いAUCが好ましい)が表1に示されるものが特に好ましい。表2に列挙された組合せのうち、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85又は0.86のAUC(より低いAUCよりも高いAUCが好ましい)が表2に示されるものが特に好ましい。
ポリヌクレオチドが有する配列は、本明細書において標的領域又は標的DNAとも称され、配列番号全体の配列であり得るか、又は以下の「本発明の定義及び更なる実施形態」の欄に明記される長さを有する配列であり得る。
好ましい実施形態において、ゲノム標的DNA(メチル化が検出されるDNA領域)は、少なくとも1個のCpGジヌクレオチド、好ましくは少なくとも2個、3個、4個、又は5個、最も好ましくは少なくとも6個(例えば、少なくとも10個、15個又は30個)のCpGジヌクレオチドを含む。一般に、ゲノムDNAに含まれる少なくとも1個のCpGジヌクレオチド、好ましくは少なくとも2個、3個、4個、又は5個、最も好ましくは少なくとも6個(例えば、少なくとも10個、15個又は30個)のCpGジヌクレオチドのメチル化が検出される。さらに、ゲノム標的DNAに含まれる通常全てのCpGジヌクレオチドのメチル化が検出される。それにもかかわらず、例えば、対象が属する種(好ましくはヒト)が、CpGジヌクレオチドの一方又は両方の位置に一塩基多型(SNP)を有する場合、CpGジヌクレオチドの一部のメチル化の検出を省略する(一部とは最大3個、2個、又は好ましくは1個を意味するが、全てではない)ことができる。
一実施形態において、第1の態様の方法は、
(a)5位の非メチル化シトシンを、ウラシル又は生体試料のゲノムDNA中のグアニンにハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程と、
(b)工程(a)の変換されたDNA中の変換されていないシトシンを検出することにより、ゲノムDNA内のDNAメチル化を検出する工程と、
を含む。
(a)5位の非メチル化シトシンを、ウラシル又は生体試料のゲノムDNA中のグアニンにハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程と、
(b)工程(a)の変換されたDNA中の変換されていないシトシンを検出することにより、ゲノムDNA内のDNAメチル化を検出する工程と、
を含む。
上記方法を行う好ましいやり方は、
(a)5位の非メチル化シトシンを、ウラシル又はゲノムDNA中のグアニンにハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程と、
(b)変換されたDNAの領域をメチル化特異的に増幅する工程と、
(c)工程(b)で増幅されたDNAの有無を検出する工程と、
を含み、増幅されたDNAの有無は、それぞれ、メチル化ゲノムDNAの有無を示す。
(a)5位の非メチル化シトシンを、ウラシル又はゲノムDNA中のグアニンにハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程と、
(b)変換されたDNAの領域をメチル化特異的に増幅する工程と、
(c)工程(b)で増幅されたDNAの有無を検出する工程と、
を含み、増幅されたDNAの有無は、それぞれ、メチル化ゲノムDNAの有無を示す。
好ましい実施形態において、増幅する工程b)は、好ましくはプライマーとして、第4の態様による少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの使用を含む。増幅する工程b)は、より好ましくは、第5の態様のキットに含まれるオリゴヌクレオチドの使用を含む。
第1の態様の方法の好ましい実施形態において、DNAメチル化の検出は、メチル化ゲノムDNAの量を決定することを含む。当該技術分野で知られている任意の手段を使用して、DNAメチル化を検出するか、又はその量を決定することができる(当該技術分野で知られている好ましい手段については、以下も参照されたい)。シーケンシング、特に次世代シーケンシング(NGS)、リアルタイムPCR、又はデジタルPCRによって、メチル化を検出するか又はメチル化ゲノムDNAの量を決定することが好ましい。
マーカーmASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1、及びmRASSF2は一貫した共メチル化を示すため、メチル化の量は、シーケンシングによりメチル化の量を決定する場合、メチル化された配列(リード)の数を数えるだけで決定することができる。
好ましい実施形態において、生体試料は、肝臓組織試料又は液体生検試料、好ましくは血液試料、血液からの無細胞DNAを含む試料(例えば、尿試料)、血液由来試料、又は唾液試料である。
別の好ましい実施形態において、対象は、LCを発症するリスクが高い、LCを有していると疑われる、LCを有していた、又はLCを有する。
好ましい実施形態において、上記方法は、対象のアルファ-フェトプロテイン(AFP)血中(好ましくは血漿)レベルを得ることを更に含む。AFPは、ダウン症、神経管欠損、及び他の染色体異常(全て母体血中)、並びに肝細胞癌、胚細胞腫瘍、卵黄嚢腫瘍及び毛細血管拡張運動失調症を含むLC等の他の状態のバイオマーカーとして使用される主要な血漿タンパク質である。単独で使用すると、AFPは、特にLCの信頼できる診断のための識別力が欠いている。AFPレベルに関連して、「得ること」という用語は、対象の既存のAFP試験結果を得ること、及び代替的にin vitroで血液中のAFPレベルを決定することを含む(好ましくは、対象の生体試料が血液又は血液由来試料である場合)。AFPレベルは、臨床的に日常的に決定され、決定する方法は特に限定されないが、一例は、例えばAFP ELISAにおいてAFP抗体を用いることによるものである。例えば、Shahangianet al., Clin Chem. 1987 Apr;33(4):583-6を参照されたい。
以下、特に「本発明の定義及び更なる実施形態」という見出しの下に記載される定義及び実施形態は、第1の態様の方法に適用される。
第2の態様において、本発明は、対象においてLCの有無を検出する方法であって、第1の態様の方法によりDNAメチル化を検出することを含み、検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す、方法に関する。したがって、第2の態様の方法は、LCの診断方法として有用である。この方法は、LCの対象集団をスクリーニングする方法としても有用である。
好ましくは、上記方法はin vitro法である。
癌は、以下に定義される任意の亜型及びステージのものであり得て、すなわち、任意の亜型及び/又はステージの有無を検出することができる。好ましい実施形態において、肝臓癌(LC)は肝細胞癌(HCC)、すなわち肝臓癌(LC)への本明細書における全ての言及は、好ましくは肝細胞癌(HCC)への言及として理解される。
好ましい実施形態において、かなりの量又は対照よりも多い量のメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、かなりの量のメチル化ゲノムDNAの非存在、又は対照における量に等しい若しくはそれよりも少ない量のメチル化ゲノムDNAは、LCがないことを示す。
特定の実施形態において、第2の態様の方法は、LCを検出するための1つ以上の更なる手段を使用することによって、LCの検出を確認することを更に含む。更なる手段は、癌マーカー(又は「バイオマーカー」)又は従来の(非マーカー)検出手段であり得る。癌マーカーは、例えば、DNAメチル化マーカー、変異マーカー(例えば、SNP)、抗原マーカー、タンパク質マーカー、miRNAマーカー、癌特異的代謝物、又は発現マーカー(例えば、RNA又はタンパク質発現)であり得る。従来の手段は、例えば、生検(例えば、タンパク質又は発現マーカーの染色法を伴う又は伴わない視覚的生検検査)、撮像技術(例えば、X線画像診断、CTスキャン、PET及びSPECT等の核イメージング、超音波、磁気共鳴画像法(MRI)、サーモグラフィー、又は内視鏡検査)、又は物理的、例えば触覚検査であり得る。更なる手段は、生検、又はLCが示される組織から対象の固形組織試料(すなわち、血液等の液体組織ではない)を取り出して検査する他の手段であることが好ましい。
好ましい実施形態において、第2の態様の方法は、LCを発症するリスクが高い対象、LCを有している若しくは発症していると疑われる対象、又はLCを有していた対象をモニタリングするためであり、DNAメチル化を繰り返し検出することを含み、検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す。好ましくは、DNAメチル化の検出は、メチル化ゲノムDNAの量を決定することを含み、DNAメチル化の1回以上の反復検出におけるメチル化ゲノムDNAの量の増加はLCの存在を示し、DNAメチル化の反復検出における一定又は減少した量はLCが存在しないことを示す。
好ましい実施形態において、第2の態様の方法は、対象のAFP血中レベルを評定することを含み、増加したAFP血中レベルと組み合わせた検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、正常なAFP血中レベルと組み合わせた検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す。対象のAFP血中レベルを評定することは、LCの検出及びモニタリングを含めて当該技術分野で日常的であり、例えばChanet al.(Clin Chem., 1986 Jul;32(7):1318-22)を参照されたい。一般に、「増加した」レベルは、正常よりも増加した、すなわち「異常に増加した」ことを意味する。その中で正常とは、LCを有していない(ただし、任意に、肝硬変を有する)人(又は複数の人の平均又は中央値)のAFPレベルを指し、好ましくは(i)AFPレベルの増加に関連する別の障害(具体的には、第1の態様に関して列挙されたもの)を有さない及び/又は(ii)妊娠していない。対象が妊娠している場合、正常は、妊婦のAFPレベル(又は複数の妊婦の平均又は中央値)を指す。増加したAFP血中レベルの例示的な値は、10μg/L以上(妊娠していない対象)であり、対象が妊娠している場合は420μg/L超である。正常なAFP血中レベルの対応する例示値は、10μg/L未満(妊娠していない対象)であり、対象が妊娠している場合は420 μg/L以下である。診断効率を高めるため、特にLCを肝硬変と区別するため、より高い値のAFP血中レベルの増加、例えば20μg/L以上、50 μg/L以上、100 μg/L以上、200 μg/L以上又は好ましくは400 μg/L以上(妊娠していない対象、対応する正常レベル20 μg/L未満、50 μg/L未満、100 μg/L未満、200 μg/L未満又は好ましくは400 μg/L未満)を区別するために使用することができる。これらのうち、一般的に使用され、本明細書において好ましい値は、20μg/L以上(増加)/20 μg/L(正常)未満である。上記のように、LCを検出するためにAFPレベルを使用することの特異度及び感度は満足のいくものではなく、実際、AFP試験を使用することは、米国肝臓学会(AASLD:AmericanAssociation for the Study of Liver Diseases)ガイドラインではオプションにすぎず、最適ではない性能のために欧州肝臓学会(EASL:EuropeanAssociation for the Study of the Liver)ガイドラインでは推奨されていない(Foerster and Galle,JHEP Reports, Vol. 1, Issue 2, 2019, p. 114-119)。本発明者らは、本発明のメチル化マーカーとAFP血中レベルとの組合せが、驚くべき程度に、更には相乗的に、特異度及び感度の両方を予想外に増加させることを見出した。
第1の態様に関して与えられる定義及び説明された実施形態は、それらが適用可能である限り、第2の態様にも適用される。また、以下、特に「本発明の定義及び更なる実施形態」という見出しの下に記載される定義及び実施形態は、第2の態様の方法に適用される。
第3の態様において、本発明は、配列番号2~配列番号5(mASCL2)のうちの1つ、配列番号22~配列番号25(mLDHB)のうちの1つ、配列番号37~配列番号40(mLGALS3)のうちの1つ、配列番号47~配列番号50(mLOXL3)のうちの1つ、配列番号62~配列番号65(mOSR1)のうちの1つ、配列番号77~配列番号80(mPLXND1)のうちの1つ、又は配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100(mRASSF2)のうちの1つの連続するヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列を含む、プライマー及びプローブからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドに関する。
好ましい実施形態において、
配列番号2~配列番号5のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号7~配列番号10のうちの1つ、好ましくは配列番号12~配列番号15のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号22~配列番号25のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号17~配列番号20のうちの1つ、好ましくは配列番号27~配列番号30のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号37~配列番号40のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号32~配列番号35のうちの1つ、好ましくは配列番号42~配列番号45のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号47~配列番号50のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号52~配列番号55のうちの1つ、好ましくは配列番号57~配列番号60のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号62~配列番号65のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号67~配列番号70のうちの1つ、好ましくは配列番号72~配列番号75のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号77~配列番号80のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号82~配列番号85のうちの1つ、好ましくは配列番号87~配列番号90のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、及び/又は、
配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号102~配列番号105の1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である。
配列番号2~配列番号5のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号7~配列番号10のうちの1つ、好ましくは配列番号12~配列番号15のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号22~配列番号25のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号17~配列番号20のうちの1つ、好ましくは配列番号27~配列番号30のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号37~配列番号40のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号32~配列番号35のうちの1つ、好ましくは配列番号42~配列番号45のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号47~配列番号50のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号52~配列番号55のうちの1つ、好ましくは配列番号57~配列番号60のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号62~配列番号65のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号67~配列番号70のうちの1つ、好ましくは配列番号72~配列番号75のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、
配列番号77~配列番号80のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号82~配列番号85のうちの1つ、好ましくは配列番号87~配列番号90のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である、及び/又は、
配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、配列番号102~配列番号105の1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である。
本明細書において、2つ(又はそれ以上)の配列番号、例えば、配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び配列番号97~配列番号100のうちの1つの連続ヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列は、2つ(又はそれ以上)の対応する配列番号と同一である。「対応する」とは、表3(タイプはゲノム参照、CからT(bis1)、rcCからT(bis1)、GからA(bis2rc)及びGからA(bis2 rc)rcである)による同じタイプの同じメチル化マーカー(例えば、mASCL2)のものを意味する。
一般的に、オリゴヌクレオチドはバイサルファイト特異的である。好ましくは、オリゴヌクレオチドはメチル化特異的であり、より好ましくは正のメチル化特異的である。
オリゴヌクレオチドは、プライマー又はプローブオリゴヌクレオチドであり得て、好ましくは、プライマーオリゴヌクレオチドである。プローブは、好ましくは、検出可能な標識及びクエンチャーからなる群から選択される1つ以上の修飾を有し、及び/又は5ヌクレオチド~40ヌクレオチドの長さを有する。プライマーは、好ましくは、10ヌクレオチド~40ヌクレオチドの長さのプライミング領域を有する。
第1及び第2の態様に関して与えられる定義及び説明された実施形態は、それらが適用可能である限り、第3の態様にも適用される。また、以下、特に「本発明の定義及び更なる実施形態」という見出しの下に記載される定義及び実施形態は、第3の態様のオリゴヌクレオチドに適用される。
第4の態様において、本発明は、少なくとも第3の態様の第1及び第2のオリゴヌクレオチドを備えるキットに関する。
好ましい実施形態において、第1及び第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号2~配列番号5(mASCL2)のうちの1つ、配列番号22~配列番号25(mLDHB)のうちの1つ、配列番号37~配列番号40(mLGALS3)のうちの1つ、配列番号47~配列番号50(mLOXL3)のうちの1つ、配列番号62~配列番号65(mOSR1)のうちの1つ、配列番号77~配列番号80(mPLXND1)のうちの1つ、又は配列番号92~配列番号95のうちの1つ、又は配列番号97~配列番号100(mRASSF2)のうちの1つに含まれる配列を有するDNAの増幅に適したプライマー対を形成するプライマーである。
好ましくは、
配列番号2~配列番号5のうちの1つに含まれる配列は、配列番号7~配列番号10のうちの1つ、好ましくは配列番号12~配列番号15のうちの1つに含まれる、
配列番号22~配列番号25のうちの1つに含まれる配列は、配列番号17~配列番号20のうちの1つ、好ましくは配列番号27~配列番号30のうちの1つに含まれる、
配列番号37~配列番号40のうちの1つに含まれる配列は、配列番号32~配列番号35のうちの1つ、好ましくは配列番号42~配列番号45のうちの1つに含まれる、
配列番号47~配列番号50のうちの1つに含まれる配列は、配列番号52~配列番号55のうちの1つ、好ましくは配列番号57~配列番号60のうちの1つに含まれる、
配列番号62~配列番号65のうちの1つに含まれる配列は、配列番号67~配列番号70のうちの1つ、好ましくは配列番号72~配列番号75のうちの1つに含まれる、
配列番号77~配列番号80のうちの1つに含まれる配列は、配列番号82~配列番号85のうちの1つ、好ましくは配列番号87~配列番号90のうちの1つに含まれる、及び/又は、
配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100のうちの1つに含まれる配列は、配列番号102~配列番号105のうちの1つに含まれる。
配列番号2~配列番号5のうちの1つに含まれる配列は、配列番号7~配列番号10のうちの1つ、好ましくは配列番号12~配列番号15のうちの1つに含まれる、
配列番号22~配列番号25のうちの1つに含まれる配列は、配列番号17~配列番号20のうちの1つ、好ましくは配列番号27~配列番号30のうちの1つに含まれる、
配列番号37~配列番号40のうちの1つに含まれる配列は、配列番号32~配列番号35のうちの1つ、好ましくは配列番号42~配列番号45のうちの1つに含まれる、
配列番号47~配列番号50のうちの1つに含まれる配列は、配列番号52~配列番号55のうちの1つ、好ましくは配列番号57~配列番号60のうちの1つに含まれる、
配列番号62~配列番号65のうちの1つに含まれる配列は、配列番号67~配列番号70のうちの1つ、好ましくは配列番号72~配列番号75のうちの1つに含まれる、
配列番号77~配列番号80のうちの1つに含まれる配列は、配列番号82~配列番号85のうちの1つ、好ましくは配列番号87~配列番号90のうちの1つに含まれる、及び/又は、
配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100のうちの1つに含まれる配列は、配列番号102~配列番号105のうちの1つに含まれる。
本明細書において、2つ(又はそれ以上)の配列番号、例えば、配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100のうちの1つに含まれる配列は、2つ(又はそれ以上)の対応する配列番号に含まれる。「対応する」とは、表3による同じタイプの同じメチル化マーカーのものを意味する。
別の好ましい実施形態において、キットは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ(又は少なくとも4、5、6若しくは全て、数が少ないよりも数が多い方が好ましい)のかかるプライマー対を形成するポリヌクレオチドを備え、各プライマー対は、mASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1及びmRASSF2からなる群から選択される異なるマーカーの配列を有するDNAの増幅に適している。
特定の好ましい実施形態において、キットは、表1による2つのマーカー又は表2(有利なAUC値が示される)による3つのマーカーの組合せのマーカー、及び任意にmASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1及びmRASSF2からなる群の1つ以上の更なるマーカーに対するプライマー対を形成するポリヌクレオチドを備える。
表1に列挙された組合せのうち、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.80、0.81、0.82、0.83、又は0.84(より低いAUCよりも高いAUCが好ましい)のAUCが表1に示されているものが特に好ましい。表2に列挙された組合せのうち、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85又は0.86(より低いAUCよりも高いAUCが好ましい)のAUCが表2に示されているものが特に好ましい。
好ましい実施形態において、キットはまた、試料中のAFPレベルを検出するのに適した化合物、例えばAFP抗体を含む。
第1、第2及び第3の態様に関して与えられる定義及び説明された実施形態は、それらが適用可能である限り、第4の態様にも適用される。また、以下、特に「本発明の定義及び更なる実施形態」という見出しの下に記載される定義及び実施形態は、第4の態様のキットに適用される。
第5の態様において、本発明は、LCの検出、又はLCを発症するリスクが高い対象、LCを有する若しくは発症していると疑われる対象、若しくはLCを有していた対象のモニタリングのための、第1の態様の方法、第3の態様のオリゴヌクレオチド、又は第4の態様のキットの使用に関する。好ましくは、使用はinvitro使用である。
第1、第2、第3及び第4の態様に関して与えられる定義及び説明される実施形態は、それらが適用可能である限り、第5の態様にも適用される。また、以下、特に「本発明の定義及び更なる実施形態」という見出しの下に記載される定義及び実施形態は、第5の態様の使用に適用される。
第6の態様において、本発明は、第1若しくは第2の態様の方法、又は第5の態様の使用に関するものであり、その生体試料においてDNAメチル化が検出される対象のLCを治療する工程を含む。言い換えれば、第6の態様の方法は、第1若しくは第2の態様の方法、又は第5の態様の使用、及びその生体試料においてDNAメチル化が検出される対象のLCを治療する工程を含む治療方法として説明され得る。第6の態様の方法はまた、第1若しくは第2の態様の方法、又は第5の態様の使用に従ってDNAメチル化が検出された対象においてLCを治療することを含む、治療方法として説明され得る。
第1、第2、第3、第4及び第5の態様に関して与えられる定義及び説明された実施形態は、それらが適用可能である限り、第6の態様にも適用される。また、以下、特に「本発明の定義及び更なる実施形態」という見出しの下に記載される定義及び実施形態は、第6の態様の方法に適用される。
表1:マーカー1及びマーカー2を含む少なくとも2つのマーカーの組合せ
表2:マーカー1、マーカー2及びマーカー3を含む少なくとも3つのマーカーの組合せ
本発明の定義及び更なる実施形態
本明細書において種々の用語及び語句が使用され、これらは以下に定義されるような或る特定の意味を有する。好ましい意味は、本明細書に記載の本発明の態様の好ましい実施形態として解釈される。それゆえ、これら及び以下に記載の更なる実施形態を本発明の態様の任意の実施形態、特に上記の発明の態様の任意の好ましい実施形態と組み合わせることができる。
本明細書において種々の用語及び語句が使用され、これらは以下に定義されるような或る特定の意味を有する。好ましい意味は、本明細書に記載の本発明の態様の好ましい実施形態として解釈される。それゆえ、これら及び以下に記載の更なる実施形態を本発明の態様の任意の実施形態、特に上記の発明の態様の任意の好ましい実施形態と組み合わせることができる。
本明細書において使用される場合、「メチル化」という用語は、シトシンDNAヌクレオチドへのメチル基の付加を含む生化学的プロセスを指す。シトシンの5位、特にプロモーター領域のDNAメチル化は、遺伝子発現を減少させる作用がある可能性があり、試験した全ての脊椎動物に見つかっている。成体の非配偶子細胞において、DNAメチル化は通例、CpG部位において生じる。本明細書において使用される場合、「CpG部位」又は「CpGジヌクレオチド」という用語は、シトシンヌクレオチドが、塩基の直鎖状の配列の長さに沿って、配列内のグアニンヌクレオチドに隣接して存在するDNA領域を指す。「CpG」は「C-リン酸-G」の省略形であり、すなわち、シトシン及びグアニンがたった1つのリン酸により分離し、リン酸がDNA内の任意の2つのヌクレオシドを結合させる。「CpG」の表記を使用して、この直鎖状の配列とシトシン及びグアニンのCG塩基対合とを区別する。CpGジヌクレオチドのシトシンをメチル化して、5-メチルシトシンを形成することができる。「CpG部位」又は「ゲノムDNAのCpG部位」は、DNAの前の(非メチル化)CpG部位の部位に対しても使用され、この場合、CpG部位の非メチル化Cを本明細書に記載のように別のものに(例えば、バイサルファイトによりウラシルに)変換させた。本出願は、各関連DNA領域のゲノム配列及び各変換鎖のバイサルファイト変換配列を提供する。参照されるCpG部位は常に、変換した配列が変換によりこれらのCpG部位を既に含有していない場合であってもゲノム配列のCpG部位の位置である。具体的には、本発明の文脈におけるメチル化は、高メチル化を意味する。「高メチル化」という用語は、異常なメチル化パターン又は状態(すなわち、1つ以上のヌクレオチドのメチル化の有無)を指し、この場合、1つ以上のヌクレオチド、好ましくはCpG部位(複数の場合もある)のC(複数の場合もある)は、対照の同じゲノムDNA、すなわち、対象の治療を必要とする癌、好ましくは任意の癌に罹患していない又は罹患したことのない対象又は対象(the subject or a subject)(健常対照)の非癌細胞由来の同じゲノムDNAと比べてメチル化されている。「対照」という用語はまた、少なくとも5名、好ましくは少なくとも10名の対象の群について知られている、又はその群から決定された平均又は中央値であるメチル化状態、パターン又は量を指すことができる。特に、「対照」という用語は、(健康な)対照DNA試料内の対応するCpGジヌクレオチドで見られる5-mCytの量と比較して、試験DNA試料のDNA配列内の1つ又は複数のCpGジヌクレオチドでの5-mCytの存在の増加を指し、いずれの試料も、同じタイプ、例えば、いずれも血漿、いずれも血清、いずれも唾液、又はいずれも尿であることが好ましい。メチル化状態/パターンとしての高メチル化を1以上のCpG部位にて決定することができる。2つ以上のCpG部位を使用する場合、高メチル化を、各部位にて個別に又は合わせたCpG部位の平均として決定することができる。代替的に、全ての評価されたCpG部位は、高メチル化の要件を満たすようにメチル化(共メチル化)されなければならない。
本明細書において使用される場合、「DNAメチル化の検出」という用語は、メチル化標的DNAの有無について少なくとも定性的に分析することを指す。「標的DNA」は、一般に長さが制限されるが、好ましくはPCR増幅に適した長さ、例えば少なくとも30~1000、より好ましくは50~300、更により好ましくは75~200、又は75~150のヌクレオチド長のゲノムDNAポリヌクレオチド(領域)内の配列を指す。標的領域がプライマーを使用して増幅される場合、これはプライマー結合部位を含む。メチル化は、標的DNAの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、又は5つ以上、最も好ましくは6つ以上(例えば、10以上、15以上、又は30以上)のCpG部位で決定されることが好ましい。通常、分析されるCpG部位は癌において共メチル化されるため、隣接するDNAのCpG部位もメチル化され、追加又は代わりに分析することができる。「少なくとも定性的に」とは、メチル化標的DNAが存在する場合、その定量的測定も実施することができることを意味する。実際、DNAメチル化の検出は、メチル化ゲノムDNAの量を決定することを含むことが好ましい。
DNAメチル化は、当該技術分野で知られている様々な手段、例えば、オートラジオグラフィー、銀染色又は臭化エチジウム染色、メチル化感受性一ヌクレオチド伸長(MS-SNUPE)、メチル結合タンパク質、メチル化DNAに対する抗体、メチル化感受性制限酵素等、好ましくは、シーケンシング、例えば次世代シーケンシング(NGS)、又はリアルタイムPCR、例えばマルチプレックスリアルタイムPCR、又はデジタルPCR(dPCR)によって検出することができ、又はその量を決定することができる。特に、3つ以上(例えば、4つ以上又は5つ以上)の異なる標的DNA(すなわち、マーカー)を並行して検査する場合、メチル化DNAの有無は、シーケンシングによって、好ましくはNGSによって検出されることが好ましい。
リアルタイムPCRでは、これは、メチル化特異的プライマー、又はメチル化特異的プライマー若しくは好ましくはメチル化非特異的プライマーと共にメチル化特異的ブロッカーを使用して、変換された(例えば、バイサルファイト変換された)標的DNAメチル化を特異的に増幅する間にメチル化特異的オリゴヌクレオチドプローブを検出することによって行われる。
デジタルPCR(dPCR)は、PCR反応混合物が個々のコンパートメント(例えば、ウェル又は油中水型エマルジョン液滴)に分割され、その結果各コンパートメントに1又は0の標的が存在するようになる、定量的PCRである。PCR増幅に続いて、陽性反応対陰性反応の数を決定し、この結果から統計的に、好ましくはポアソン統計を使用して定量を導き出す。好ましいdPCRはBEAMing(Beads、Emulsion、Amplification、Magnetics)であり、DNAテンプレート(事前に増幅されている場合がある)は、油中水型エマルジョン液滴に区画化されて存在する磁気ビーズに結合したプライマーを使用して増幅される。増幅すると、ビーズは増幅されたDNAで覆われる。次いで、ビーズをプールし、例えば、フローサイトメトリーで分析することができるメチル化特異的蛍光プローブを使用して、増幅物を分析する。例えば、Yokoiet al. (Int J Sci.2017 Apr; 18(4):735)を参照されたい。メチル化分析に適用される方法は、Methyl BEAMingとしても知られている。
シーケンシングによる検出は、好ましくは、NGSによる検出である。その中で、変換されメチル化標的DNAは、好ましくはメチル化特異的に増幅される(標的DNAは、メチル化されている場合、言い換えれば、CpG部位のシトシンが変換されていない場合に増幅される)。これは、メチル化特異的であるバイサルファイト特異的プライマーによって達成され得る。次いで、増幅された配列を配列決定し、その後カウントする。変換されたメチル化DNAに由来する配列(CpG部位によって配列中で識別される)と変換された非メチル化DNAに由来する配列との比を計算し、メチル化標的DNAの(相対)量を得る
「次世代シーケンシング」(NGS、第2世代又は第3世代シーケンシングとしても知られる)という用語は、各フラグメントがDNAテンプレート鎖から再合成されるにつれて放出されるシグナルからDNAの小さなフラグメントの塩基が順次識別されるシーケンシングを指す。NGSは、単一又は少数のDNAフラグメントに限定されるのではなく、このプロセスを大規模並列方式で数百万の反応に拡大する。この進歩により、増幅されたDNAの迅速なシーケンシングが可能になり、最新の機器では1回のシーケンシングの実行で数百ギガベースのデータを生成することができる。例えば、Shendureand Ji, Nature Biotechnology 26, 1135-1145 (2008)又はMardis, Annu Rev GenomicsHum Genet.2008;9:387-402を参照されたい。適切なNGSプラットフォーム、例えば、Roche 454プラットフォーム、Roche 454Juniorプラットフォーム、Illumina HiSeqプラットフォーム若しくはMiSeqプラットフォーム、又はLife TechnologiesSOLiD 5500プラットフォーム若しくはIon Torrentプラットフォームが市販されている。
一般に、定量(例えばメチル化標的DNAの量の決定)は絶対的であってもよく(例えば、pg/mL又はng/mL試料、コピー/mL試料、PCRサイクル数等)、又は相対的であってもよい(例えば、対照試料よりも10倍高い、又は参照対照(好ましくは、完全にメチル化されたDNA)のメチル化のパーセンテージとして)。試料中のメチル化標的DNAの量を決定することは、試料中の全DNAの量について正規化することを含み得る。試験試料中の全DNAの量について正規化することは、好ましくは、メチル化標的DNAの量と(i)参照部位のDNAの量又は(ii)標的の全DNAの量(例えば、メチル化標的DNAの量と非メチル化標的DNAの量であり、後者はマイナス鎖で測定することが好ましい)との比を計算することを含む。参照部位は任意のゲノム部位であってもよく、遺伝子である必要はない。参照部位の配列の出現数は、大規模な集団にわたって安定しているか、又は安定している(すなわち一定である)と予想されることが好ましい(例えば、反復ではなく、すなわち反復DNAではない)。参照部位は、例えば、ベータアクチン等のハウスキーピング遺伝子であり得る。
上記のように、試料中のメチル化標的DNAの量を、実質的に完全にメチル化されたゲノムDNAを含む参照試料中のメチル化標的DNA(参照対照)の量に対するメチル化標的DNAの量の割合として表すことができる。好ましくは、メチル化標的DNAの割合を決定することは、参照試料中の同じ標的のメチル化DNAの量を決定すること、好ましくは参照部位のメチル化非特異的測定を使用することによる全メチル化DNAの試料間正規化、及び試験試料から導き出された比を参照試料から導き出された対応する比で割ることを含む。比は、除算の結果に100を掛けることにより、パーセンテージ又はPMR(メチル化参照のパーセンテージ)として表すことができる。PMRの決定は、Oginoet al. (JMD May 2006, Vol. 8, No. 2)に詳細に記載されている。
本明細書において使用される場合、「増幅する」又は「アンプリコンを作製する」という用語は、標的核酸及びその相補配列、又は特にその領域のコピー数の増加を指す。標的は、二本鎖又は一本鎖のDNAテンプレートであり得る。増幅は、当該技術分野で知られている任意の方法を使用することによって、典型的にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて実施され得る。「アンプリコン」は、上記定義された領域によるDNAの二本鎖フラグメントである。増幅は、好ましくは、(i)メチル化特異的プライマー、又は(ii)メチル化非特異的であるが、バイサルファイト変換されたDNAに特異的である(すなわち、CpGコンテキストではなく少なくとも1つの変換されたCをカバーすることにより、変換されたDNAにのみハイブリダイズする)プライマーを使用するメチル化特異的PCR(すなわち、アンプリコンは、1つ以上のCpG部位が変換されているかどうかに応じて生成される)によって実施される。(ii)によるメチル化の特異度は、メチル化特異的ブロッカーオリゴヌクレオチドを使用することによって達成され、メチル化特異的ブロッカーオリゴヌクレオチドは、変換された又は変換されていないCpG部位に特異的にハイブリダイズし、それによってPCR重合を終了する。例えば、増幅の工程は、リアルタイムPCR、特にHeavyMethyl(商標)又はHeavyMethyl(商標)-MethyLight(商標)を含む。
本明細書において使用される場合「ゲノムDNA」という用語は、染色体のDNAを指し、コーディングDNAと区別するために使用される。それゆえゲノムDNAは、遺伝子に属するエクソン、イントロン、及び制御配列、特にプロモーターを含む。
本明細書において使用される場合、「DNA内の、5位の非メチル化シトシンをウラシルに、又はグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換する」という語句は、非メチル化シトシン塩基の全て又は実質的に全てが、ウラシル塩基又は塩基対合の挙動において、シトシンに類似しない別の塩基に変換されるが、5-メチルシトシン塩基は変化しないままであるように、DNAを化学的に処理するプロセスを指す。DNA試料内の非メチル化であり、メチル化されていないシトシン塩基の変換は、変換剤を用いて行われる。本明細書において使用される場合、「変換剤」という用語は、非メチル化シトシンをウラシルに又はハイブリダイゼーション特性においてシトシンに検出可能に類似しない別の塩基に変換することが可能な試薬に関する。変換剤は、二亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩等のバイサルファイトが好ましい。反応は、標準的な手法(Frommer et al.,1992, Proc Natl Acad Sci USA 89:1827-31、Olek, 1996, NucleicAcids Res 24:5064-6、欧州特許第1394172号)に従い行われる。酵素による、例えばメチル化特異的シチジンデアミナーゼの使用による変換を行うことも可能である。最も好ましくは、変換剤は、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム又は重亜硫酸塩である。
「バイサルファイト特異的」という用語は、バイサルファイト変換されたDNAに特異的であることを意味する。バイサルファイト変換されたDNAは、CpGコンテキストにない少なくとも1つのC(例えば、CpC、CpA又はCpTジヌクレオチド)、好ましくは全てが、T又はUに変換されたDNAである(化学的にUに変換され、これはDNA増幅によりTになる)。オリゴヌクレオチドに関して、バイサルファイト特異的とは、オリゴヌクレオチドが、CpGコンテキストにないC(例えば、CpC、CpA、又はCpTジヌクレオチド)又はその補体のTへの変換に由来する少なくとも1つのヌクレオチドをカバーするか又はそれとハイブリダイズすることを意味する。
本明細書において使用される場合、「メチル化特異的」という用語は、一般にCpGメチル化の有無に左右されることを指す。
オリゴヌクレオチドにおいて、本明細書において使用される場合、「メチル化特異的」という用語は、少なくとも1つのCpG部位のCが変換前に非メチル化され、又はメチル化されるか、すなわちCが変換されていたか、若しくは変換されていないかに応じて、少なくとも1つのCpG部位のCの位置においてミスマッチを含むことなく、オリゴヌクレオチドがDNAの一本鎖にアニーリングされるか否か(5位の非メチル化シトシンがウラシルに又はグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換され、また変換前に少なくとも1つのCpG部位を含む)を意味する。メチル化特異性は、正(オリゴヌクレオチドは、Cが変換されない場合に上記のミスマッチを含まずにアニーリングされる)又は負(オリゴヌクレオチドは、Cが変換される場合に上記のミスマッチを含まずにアニーリングされる)のいずれかであってもよい。オリゴヌクレオチドの特異性に反して、そのアニーリングを阻止するために、変換前に少なくとも2個、3個、4個、5個、又は6個、好ましくは3個~6個のCpG部位をカバーすることが好ましい。
本明細書において使用される場合、「メチル化非特異的」という用語は、一般にCpGメチル化の有無に依存しないことを指す。
オリゴヌクレオチドにおいて、本明細書において使用される場合、「メチル化非特異的」という用語は、少なくとも1つのCpG部位のCが変換前に非メチル化又はメチル化であること、すなわち、Cが変換されているか否かに関係なく、オリゴヌクレオチドがDNAの一本鎖にアニーリングされる(5位の非メチル化シトシンがウラシルに又はグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換されており、変換前に少なくとも1つのCpG部位を含んでもよく、又は含まなくてもよい)ことを意味する。或る例では、オリゴヌクレオチドがアニーリングする、DNAの一本鎖の領域は、任意のCpG部位を含まない(変換前及び変換後)だけで、オリゴヌクレオチドはメチル化非特異的である。メチル化非特異的オリゴヌクレオチドは1つ以上のCpGジヌクレオチドをカバーする場合もあるが、ミスマッチ及び/又はスペーサーを使用してカバーする。本明細書において使用される場合、「ミスマッチ」という用語は、DNAの塩基対のミスマッチ、より詳細には、正常な塩基対合の相互作用を形成することができない塩基対(すなわち、「A」と「T」若しくは「U」又は「G」と「C」以外)を指す。
メチル化は、少なくとも1つのゲノムDNAポリヌクレオチド内で、すなわち、言及される配列番号によるDNAの特定の領域(「標的DNA」)で検出される。本明細書において使用される場合、「標的DNA」という用語は、特定の染色体の場所にあるゲノムヌクレオチド配列を指す。本発明の文脈では、標的DNAは、典型的には、疾患の状態で(例えば、癌細胞対非癌細胞において)メチル化されることが知られている遺伝子マーカーである。遺伝子マーカーは、ゲノムDNAのコード領域又は非コード領域であり得る。
本明細書において使用される場合、「標的DNAの領域」又は「変換されたDNAの領域」という用語は、分析される標的DNAの一部を指す。好ましくは、該領域は、少なくとも40bp、50 bp、60 bp、70 bp、80 bp、90 bp、100 bp、150 bp、又は200 bp若しくは300塩基対(bp)の長さ、及び/又は500bp、600 bp、700 bp、800 bp、900 bp若しくは1000 bp以下(例えば、25 bp~500 bp、50 bp~250 bp又は75bp~150 bp)の長さである。特に、該領域は、ゲノムDNAの少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個又は16個のCpG部位を含む領域である。本発明の標的DNAを図1及び表3に示す。
少なくとも1つのメチル化特異的プライマーによる標的領域の増幅のため、少なくとも1つのメチル化特異的プライマーが、標的領域の少なくとも1個、少なくとも2個、又は好ましくは少なくとも3個のCpG部位(例えば、2個~8個又は好ましくは3個~6個のCpG部位)をカバーすることが好ましい。好ましくは、これらのCpG部位の少なくとも1個、少なくとも2個、又は好ましくは少なくとも3個のCpG部位は、プライマーの3'の3分の1によってカバーされる及び/又はこれらのCpG部位の1つは、プライマーの3'末端(プライマーの最後の3ヌクレオチド)によってカバーされる。
オリゴヌクレオチドにおいて本明細書において使用される場合、「CpG部位をカバーする」という用語は、CpG部位(すなわち、バイサルファイトにより変換された配列を指すときに該当するゲノムDNAのCpG部位)のCの変換前又は変換後にこのCpG部位を含むDNA領域へのオリゴヌクレオチドアニーリングを指す。アニーリングは、CpG部位(又はCが変換された場合、その前のCpG部位)において、本明細書に記載のようにメチル化特異的又はメチル化非特異的であってもよい。
オリゴヌクレオチドにおいて使用する場合、「アニーリング」という用語は、オリゴヌクレオチドが試料DNAのワトソン-クリック塩基対合の列に沿って少なくとも実質的に相補的な配列に結合し、適度な、又はストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において二本鎖構造を形成するとして理解されるものである。アニーリングは単一のヌクレオチド又は塩基において使用される場合、ワトソン-クリック塩基対合、例えばC-G、A-T、及びA-Uによる結合を指す。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、68℃、5×SSC/5×デンハルト液/1.0% SDSにてハイブリダイズし、室温にて0.2×SSC/0.1% SDSで洗浄することを含み、又はその当該技術分野において認識される等価物(例えば、ハイブリダイゼーションは、60℃、2.5×SSC緩衝液にて行った後、37℃、低濃度の緩衝液による数回の洗浄工程を行い、安定した状態)を含む。適度な条件は、42℃で3×SSCでの洗浄、又はその当該技術分野において認識されている等価物を含む。プローブと標的核酸との特性(identity)の最適レベルが得られるよう塩濃度及び温度のパラメーターを変更することができる。このような条件に関するガイドラインは、当該技術分野において、例えばSambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, ColdSpring Harbor Press, N.Y.;及びAusubel et al. (eds.), 1995, Current Protocols in Molecular Biology, (JohnWiley & Sons, N.Y.) at Unit 2.10により利用可能である。
また、明細書の癌は、次の癌のステージ(括弧内の対応するTNM分類(複数の場合もある)で定義される)及びその各亜型を含む:ステージ0(Tis、N0、M0)、ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2、N0、M0)、ステージIII(T3、N0、M0又はT1~T3、N1、M0)、ステージIVA(T4a、N0又はN1、M0又はT1~T4a、N2、M0)、ステージIVB(T4b、任意のN、M0又は任意のT、N3、M0)、及びステージIVC(任意のT、任意のN、M1)。TNM分類は、悪性癌の病期分類システムである。本明細書において使用される場合、「TNM分類」という用語は、Sobinet al.(International Union Against Cancer (UICC), TNM Classification ofMalignant tumors, 6th ed. New York; Springer, 2002, pp. 191-203)で定義されるTNMステージグルーピングの第6版を指す。
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は、ヒト個体を指す。
本明細書において使用される場合、「生体試料」という用語は、対象から得られた材料を指し、全ての染色体からのゲノムDNA、好ましくは全ゲノムをカバーするゲノムDNAを含む。好ましくは、試料は、無細胞ゲノムDNA(標的DNAを含む)、好ましくは循環ゲノムDNAを含む。対象が癌を有する場合、無細胞(好ましくは循環)ゲノムDNAは、癌細胞からの無細胞(好ましくは循環)ゲノムDNA、すなわち好ましくはctDNAを含む。
本明細書において使用される場合、「液体生検試料」という用語は、無細胞(好ましくは循環)ゲノムDNAを含む体液試料を指す。対象が癌を有する場合、液体生検試料は、明細書の癌細胞からの無細胞(好ましくは循環)ゲノムDNAを見つけることができる体液であると想定される。「血液由来試料」とは、血液、例えば血漿又は血清からのinvitro処理によって得られた任意の試料である。「血液からの無細胞DNAを含む試料」は、任意のかかる試料であり得る。例えば、尿は血液からの無細胞DNAを含む。
本明細書において使用される場合、「無細胞DNA」という用語又はその同義語「cfDNA」、並びに「細胞外DNA」、「循環DNA」及び「遊離循環DNA」は、試料である又は試料の由来元であるが、体液試料には含まれていない、それぞれの体液中の無傷の細胞内に含まれないDNAを指す。無細胞DNAは通常、以下に記載するように断片化されたゲノムDNAである。
本明細書において使用される場合、「循環DNA」又は「遊離循環DNA」という用語は、体内を循環する体液(特に血液)中の無細胞DNAを指す。
本明細書において使用される場合、「腫瘍循環DNA」すなわち「ctDNA」という用語は、腫瘍に由来する循環DNA(すなわち、腫瘍細胞に由来する無細胞DNA)を指す。
通例、標的DNAを含む試料、特に癌細胞由来の細胞外標的DNAにおいて、癌細胞由来の標的DNAと異なりメチル化されていない非癌細胞由来の標的DNAもある。通常、非癌細胞由来の上記標的DNAは、有病細胞由来の量の少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍、又は少なくとも10000倍を超える。一般に試料に含まれるゲノムDNAは、少なくとも部分的にフラグメント化される。「少なくとも部分的にフラグメント化される」とは、少なくとも細胞外DNA、特に少なくとも癌細胞由来の細胞外標的DNAをフラグメント化することを意味する。「フラグメント化されたゲノムDNA」という用語は、細胞、特に癌細胞のゲノムのDNAの小片(長いDNAをより短い長さの個別のフラグメントに一部生理学的、化学的及び/又は生物学的に分解した結果である)を指す。特に、「フラグメント化」は、ゲノムDNA、好ましくは標的DNAの少なくとも一部を1500 bp、1300 bp、1100bp、1000 bp、900 bp、800 bp、700 bp、600 bp、500 bp、400 bp、300 bp、200 bp、又は100 bpよりも短いフラグメントにフラグメント化することを意味する。これに関する「少なくとも一部」は、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、又は75%を意味する。
本明細書において使用される場合、「癌細胞」という用語は、発達中の一連の特徴的な機能的能力、特に以下の1つ以上を獲得する細胞を指す:アポトーシスを回避する能力、増殖シグナルの自給自足性、抗増殖シグナルに対する不感受性、組織浸潤/転移、顕著な増殖能、及び/又は血管新生の持続。この用語は、前悪性及び悪性癌細胞の両方を包含することを意味する。
本明細書において使用される場合、「かなりの量のメチル化ゲノムDNA」という用語は、使用される試料1 ml当たり、好ましくは血液、血清又は血漿1ml当たりのメチル化標的DNAの少なくともX分子の量を指す。Xは1と低くてもよく、通常は1~50の間又はそれを含む値であり、特に少なくとも2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は40である。かかるかなりの量があるかどうかを決定するため、メチル化標的DNAを定量してもよいが、必ずしも定量しなくてもよい。定量が行われない場合、決定は、標準、例えば、ゲノムDNA及びその中の或る特定量の完全にメチル化されたDNA、例えば、Xが上記の通りであるXゲノムの等価物を含む標準と比較することによっても行うことができる。該用語はまた、試料中のメチル化標的DNAの少なくともY%の量(メチル化標的DNAと非メチル化標的DNAとの合計が100%である)を指すことができ、ここで、Yは0.05と低くてもよく、通常、0.05~5、好ましくは0.05~1、より好ましくは0.05~0.5の間及びそれらを含む値である。例えば、Yは少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0、又は5.0であり得る。
本明細書において使用される場合、「腫瘍DNA」又は「癌細胞の腫瘍DNA」は、単に癌細胞のDNAを指す。該用語は、癌細胞のDNAを本明細書において言及される他のDNAとより明確に区別するために使用されるに過ぎない。したがって、不明確さを生じない限り、「癌細胞のDNA」という用語を代わりに使用することができる。
本明細書において使用される場合、「指標となる」又は「示す」という用語は、示されたものを識別又は特定することを指す。当業者であれば理解されるように、このような評価は通常、正確であることが好ましいが、100%の対象において正確というわけではない。しかし、この用語は、対象の統計的に有意な部分において、正確に示すことができることが求められる。一部が統計的に有意であるかは、当業者であれば、いくつかの既知の統計的評価ツール、例えば信頼区間の決定、p値の決定、Studentのt検定、マン-ホイットニーの検定等を用いて容易に決定することができる。Dowdy and Wearden, Statistics forResearch, John Wiley & Sons, New York 1983に詳述されている。好ましい信頼区間は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%である。p値は0.05、0.01、又は0.005であることが好ましい。
明細書の癌に関して、本明細書において使用される場合、「有無を検出する方法」という語句は、対象が癌を有するか否かを決定することを指す。当業者であれば理解されるように、かかる評価は通常、正確であることが好ましいが、100%の対象において正確というわけではない。しかし、該用語は、対象の統計的に有意な部分について、正確に示すことができることが求められる。統計的有意性、及び適切な信頼区間、及びp値の説明については、上記を参照されたい。
本明細書において使用される場合、「診断」という用語は、対象が癌を有しているか否かを決定することを指す。本明細書に記載の標的DNAのメチル化分析による診断は、メチル化分析で検出された癌を確認するために、本明細書に記載の更なる手段で補足され得る。当業者であれば理解されるように、診断は、通常、正確であることが好ましいが、100%の対象において正確というわけではない。しかし、該用語は、対象の統計的に有意な部分について、正確に診断することができることが求められる。統計的有意性、及び適切な信頼区間、及びp値の説明については、上記を参照されたい。
明細書の癌に関して、本明細書において使用される場合、「対象集団をスクリーニングする」という語句は、対象集団の試料を用いる第1の態様の方法の使用を指す。好ましくは、対象は、癌のリスクが高いか、それを有していると疑われるか、又はそれを有していた。特に、本明細書に記載される1つ以上の危険因子は、集団の対象に起因する可能性がある。特定の実施形態において、同じ1つ以上の危険因子が、集団の全ての対象に起因する可能性がある。例えば、集団は、本明細書に記載の1つ以上の危険因子を特徴とする対象からなり得る。「スクリーニング」という用語は、集団の対象に対する上記のような診断を指し、好ましくは、本明細書に記載の更なる手段を使用して確認されることが理解される。当業者であれば理解されるように、スクリーニング結果は、通常、正確であることが好ましいが、100%の対象において正確というわけではない。しかし、該用語は、対象の統計的に有意な部分について、正確なスクリーニング結果を示すことができることが求められる。統計的有意性、及び適切な信頼区間、及びp値の説明については、上記を参照されたい。
本明細書において使用される場合、「モニタリング」という用語は、治療手順中又は或る特定の期間、典型的には少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年、又はその他の期間の間に診断された癌の付随を指す。「付随物」という用語は、癌の状態、特にこれらの状態の変化が、メチル化標的DNAの量に基づいて、特に、例えば、最長1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、又は24ヶ月の場合がある一連の治療にわたり、毎日、又は1ヶ月に1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回若しくは15回(1日に1回以下の決定)決定される、任意のタイプの周期的時間セグメントにおける量の変化に基づいて検出され得ることを意味する。量又は量の変化はまた、治療特有の事象、例えば、全ての治療サイクル又は薬物/治療薬投与の前及び/又は後に決定することができる。サイクルとは、1ラウンドの治療から次のラウンドの開始までの時間である。癌治療は通常、単一の治療ではなく、一連の治療である。治療過程は、通常3ヶ月~6ヶ月かかるが、それより長くてもよく、又は短くてもよい。一連の治療の間、通常4サイクル~8サイクルの治療がある。通常、治療のサイクルは、体を回復させるための治療の中断を含む。当業者であれば理解されるように、モニタリングの結果は、通常、正確であることが好ましいが、100%の対象において正確というわけではない。しかし、該用語は、対象の統計的に有意な部分について、正確なモニタリングの結果を示すことができることが求められる。統計的有意性、及び適切な信頼区間、及びp値の説明については、上記を参照されたい。
「実質的に同一」とは、オリゴヌクレオチドが参照配列と100%同一である必要はないが、本明細書において定義されるミスマッチ及び/又はスペーサーを含み得ることを意味する。実質的に同一のオリゴヌクレオチドは、100%同一ではない場合でも、意図されたアニーリングがミスマッチ及び/又はスペーサーにより失敗しないように、1個~3個、すなわち1個、2個、又は3個のミスマッチ及び/又はスペーサー、好ましくは、オリゴヌクレオチド当たり1個のミスマッチ又はスペーサーを含むことが好ましい。ミスマッチ及び/又はスペーサーにもかかわらずアニーリングを可能にするために、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの10ヌクレオチド当たり2個以上のミスマッチ(最初の小数が5以上の場合は切り上げ、それ以外の場合は切り下げ)を含まないことが好ましい。
ミスマッチ又はスペーサーは、好ましくは、対象のゲノムDNA中のSNPとのミスマッチ又はそれをカバーするスペーサーである。SNPとのミスマッチは、好ましくは、対象の種においてこの位置のどのヌクレオチドにも相補的ではない。本明細書において使用される場合、「SNP」という用語は、個体の集団間で変化する(好ましくはヒト)ゲノムの特定の位置における、SNP、すなわち一塩基多型の部位を指す。本出願が参照するゲノムDNAのSNPは当該技術分野で知られており、NCBIのdbSNP(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/snp)等のオンラインデータベースで見つけることができる。
本明細書において使用される場合、「スペーサー」という用語は、2個のヌクレオチドをつなげるとき、その2個のヌクレオチド間の距離を約1個のヌクレオチド分の距離(すなわち、3つ目のヌクレオチドでつながっている場合、2個のヌクレオチド分離れている距離)に増加させる非ヌクレオチドスペーサー分子を指す。スペーサーの非限定的な例は、イノシン、d-ウラシル、ハロゲン化塩基、アミノ-dT、C3、C12、スペーサー9、スペーサー18、及びdスペーサーである。
本明細書において使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、5個~50個のリボヌクレオチド又は好ましくはデオキシリボヌクレオチドの直鎖オリゴマーを指す。好ましくは、オリゴヌクレオチドは一本鎖DNAフラグメントの構造を有する。本明細書において言及される場合、「連続ヌクレオチドのストレッチ」は、好ましくは、オリゴヌクレオチドと同じ長さである。
本明細書において使用される場合、「プライマーオリゴヌクレオチド」という用語は、その3'末端に、コピーが求められる核酸配列に実質的に相補的であり(テンプレート)、プライマー伸長産物の合成のための開始点としての役割を果たすプライミング領域を含む一本鎖オリゴヌクレオチド配列を指す。好ましくは、プライミング領域は、10ヌクレオチド~40ヌクレオチド、より好ましくは15ヌクレオチド~30ヌクレオチド、最も好ましくは19ヌクレオチド~25ヌクレオチドの長さである。本明細書において言及される「連続ヌクレオチドのストレッチ」は、好ましくは、プライミング領域に対応する。プライマーオリゴヌクレオチドは、プライマーオリゴヌクレオチドの5'末端にオーバーハング領域を更に含み得る。オーバーハング領域は、元のテンプレートに相補的ではないが、後続の増幅サイクルにおいて、反対側の鎖の伸長によってテンプレートに組み込まれる配列からなる。オーバーハング領域は、プライミング領域によるプライミング(例えば、プライミング領域を介してテンプレートへのプライマーのアニーリング)を妨げない長さを有する。例えば、オーバーハング領域は、1ヌクレオチド長~200ヌクレオチド長、好ましくは4ヌクレオチド長~100ヌクレオチド長若しくは4ヌクレオチド長~50ヌクレオチド長、より好ましくは4ヌクレオチド長~25ヌクレオチド長、又は最も好ましくは4ヌクレオチド長~15ヌクレオチド長であり得る。オーバーハング領域は通常、1つ以上の機能ドメインを含み、すなわち、第1の態様の方法に使用される、又は使用することができる機能を(ポリペプチドへの翻訳の意味ではなく)コードする配列を有する。機能ドメインの例は、制限部位、ライゲーション部位、ユニバーサルプライミング部位(例えばNGSの場合)、アニーリング部位(プライミング領域の拡張によって増幅されるテンプレートへのアニーリングではなく、他のオリゴヌクレオチドへのアニーリング)、及びインデックス(バーコード)部位である。オーバーハング領域は、本発明のメチル化マーカーに関して本明細書において言及される「連続ヌクレオチドのストレッチ」を含まない。上に示したように、オーバーハング領域の配列は、増幅によって生成された新たな二本鎖に組み込まれることが当業者によって理解される。したがって、オーバーハング領域は、新たな二本鎖を更に増幅するためのプライミング領域の一部と見なすことができる。しかし、「プライミング領域」という用語は、本明細書において、同じメチル化マーカー配列に関してオーバーハング領域と初期テンプレートのプライミング領域(すなわち、表3のメチル化マーカー配列に実質的に対応する配列を有する)である領域とを区別するために使用される。
また、バイサルファイト変換されたDNAの増幅の文脈における「テンプレート」という用語は、二本鎖DNAだけでなく、ゲノムDNAのバイサルファイト変換の結果(元の反対の鎖に対して非相補性とする)である一本鎖も含むことが当業者によって理解される。増幅の最初のラウンドでは、プライマー対のプライマーの一方のみがこの一本鎖に結合して伸長し、それによってプライマー対のもう一方のプライマーが結合することができる新たな相補的な反対の鎖を作り出す。表3は、本発明のメチル化マーカー(bis1及bis2)のゲノムDNAのバイサルファイト変換の結果である鎖の配列、並びに5'~3'配向(rc)の対応する新たな相補的な反対の鎖の配列を提供する。
本明細書において使用される場合、「プライマー対」という用語は、二本鎖核酸分子(バイサルファイト変換の結果である一本鎖と、上で説明したように作り出される新たな相補的な反対の鎖を含む)に関して、それぞれが(少なくとも実質的に)同一である鎖の相補鎖にそれぞれアニーリングするように、それぞれ1つの鎖と(少なくとも実質的に)同一である配列を有する、2つのオリゴヌクレオチド、すなわちフォワードプライマー及びリバースプライマーを指す。「フォワードプライマー」という用語は、二本鎖核酸分子のフォワード鎖(ゲノム基準配列の方向により定義される)に(少なくとも実質的に)同一であるプライマーを指し、「リバースプライマー」という用語は、二本鎖核酸分子のフォワード鎖のリバース相補鎖に(少なくとも実質的に)同一であるプライマーを指す。フォワードプライマーとリバースプライマーとがそれぞれの鋳型にアニーリングする部位間の距離は、プライマーを作製することができると推定されるアンプリコンの長さに左右される。通例、本発明において、その距離は40 bp~1000 bpである。本明細書において好ましいアンプリコンの大きさを明記する。一対のプライマーを用いて増幅される一本鎖DNAの鋳型の場合、プライマーの一方のみが最初の増幅サイクルにおいて一本鎖にアニーリングする。次いで、もう一方のプライマーが新たに作製された相補鎖に結合し、そうして増幅の成果物が二本鎖のDNAフラグメントとなる。
本明細書において使用される場合、「ブロッカー」という用語は、DNAの一本鎖にメチル化特異的に(すなわち、変換されたメチル化若しくは好ましくは変換された非メチル化DNA、又はそれに由来する増幅されたDNAのいずれかに特異的である)結合し、それに結合することにより、例えば結合するプライマーを阻止することにより、又は結合するプライマー伸長を阻止することによりDNAの増幅を阻止する分子を指す。ブロッカーの非限定例には、配列及び/又はメチル化特異的抗体(ブロッキング、例えばプライマー結合又はポリメラーゼ)、特にブロッカーオリゴヌクレオチドがある。
「ブロッカーオリゴヌクレオチド」は、ブロッカーオリゴヌクレオチドの上流に位置するプライマーの伸長を阻止するブロッカーであり得る。ブロッカーオリゴヌクレオチドはポリメラーゼの5'末端のヌクレアーゼ活性に耐性のある骨格を有するヌクレオシド/ヌクレオチドを含む。これは、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、モルフォリノ、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、架橋核酸(BNA)、N3'-P5'ホスホロアミデート(NP)オリゴマー、マイナーグルーブバインダー結合型オリゴヌクレオチド(MGB結合型オリゴヌクレオチド)、ホスホロチオエート(PS)オリゴマー、CrC4アルキルホスホネートオリゴマー、ホスホロアミデート、β-ホスホジエステルオリゴヌクレオチド、a-ホスホジエステルオリゴヌクレオチド、又はその組合せを含むことにより得ることができる。代替的に、ブロッカーオリゴヌクレオチドはプライマーオリゴヌクレオチドの結合部位と重複するDNAの一本鎖に結合部位を含む非伸長型オリゴヌクレオチドであってもよい。ブロッカーが結合されると、プライマーは結合することができないため、アンプリコンは作製されない。ブロッカーが結合されないと、プライマー結合部位は結合可能であり、アンプリコンが作製される。このような重複するブロッカーにおいて、ブロッカーの親和性は、DNAに対するプライマーの親和性よりも高いことが好ましい。ブロッカーオリゴヌクレオチドは通例、15ヌクレオチド長~50ヌクレオチド長、好ましくは20ヌクレオチド長~40ヌクレオチド長、より好ましくは25ヌクレオチド長~35ヌクレオチド長である。「少なくとも1つのブロッカー」は、特に1個、2個、3個、4個、又は5個の数のブロッカー、より詳細には、1個~2個、又は1個~3個のブロッカーを指す。また、ブロッカーオリゴヌクレオチドそのものは、伸長できない3'末端のためプライマーとして作用することができない(すなわち、ポリメラーゼにより伸長することができない)。
本明細書において使用される場合、「プローブオリゴヌクレオチド」又は「プローブ」という用語は、通常、プライマーオリゴヌクレオチドのいずれかが結合する場所ではない(すなわち、プライマーオリゴヌクレオチドがアニーリングする配列セグメントと重複する1つの鎖の配列セグメントではない)、アンプリコンの1つの鎖にアニーリングすることで、アンプリコンを検出するために使用されるオリゴヌクレオチドを指す。好ましくは、ミスマッチ又はスペーサーを含まずにアニーリングし、言い換えれば、アンプリコンの1つの鎖に相補的であることが好ましい。プローブオリゴヌクレオチドは、好ましくは5ヌクレオチド長~40ヌクレオチド長、より好ましくは10ヌクレオチド長~25ヌクレオチド長、最も好ましくは15ヌクレオチド長~20ヌクレオチド長である。本明細書において言及される「連続ヌクレオチドのストレッチ」は、好ましくは、プローブオリゴヌクレオチドと同じ長さである。通常、プローブは、アンプリコンの検出を可能にする少なくとも1つの検出可能な標識及び/又は(好ましくはその)検出可能な標識のシグナルをクエンチすることを可能にする少なくとも1つのクエンチャーに連結され、好ましくは共有結合される。本明細書において使用される場合、「検出可能な標識」という用語は、任意の特定の制限を示すものではない。検出可能な標識は、放射性標識、発光性標識、蛍光染料、酵素活性を有する化合物、磁性標識、抗原、及び検出可能な標識に高い結合親和性を有する化合物からなる群から選択することができる。例えば、プローブに結合する蛍光染料は、検出標識として、例えばリアルタイムPCRにおいて作用することができる。好適な放射性マーカーは、P-32、S-35、I-125、及びH-3であり、好適な発光性マーカーは、化学発光性化合物、好ましくはルミノールであり、好適な蛍光マーカーは、好ましくはダンシルクロリド、フルオレセイン-5-イソチオシアネート、及び4-フルオロ-7-ニトロベンズ-2-アザ-1,3ジアゾール、特に6-カルボキシフルオレセイン(FAM)、6-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5(6)-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)、5(6)-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、シアニン-5-フルオロフォア(Cy5)、及びそれらの誘導体であり、好適な酵素マーカーは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、a-ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、又はビオチンである。プローブは、クエンチャーにも連結され得る。本明細書において使用される場合、「クエンチャー」という用語は、例えば、エネルギー移動、電子移動、又はIUPAC(化学用語便覧第2版、1997年を参照されたい)によって定義される化学的メカニズムによって、対応する検出可能な標識のシグナルを不活性化又は調節する分子を指す。特に、クエンチャーは、蛍光色素である検出可能な標識の発光を調節する。場合によっては、クエンチャー自体が、消光している蛍光の標識とは異なる特徴的な波長で蛍光を発する蛍光分子であり得る。その他の場合、クエンチャー自体は蛍光を発しない(つまり、クエンチャーは「ダークアクセプター」である)。かかるクエンチャーとしては、例えば、ダブシル、メチルレッド、QSYジアリールローダミン色素等が挙げられる。
癌において、本明細書において使用される場合、「治療」又は「治療すること」は治療的処置を指し、この場合、目的は癌の進行を抑えることである。有益な又は所望の臨床結果は、好ましくは検出可能な、症状の緩和(release of symptoms)、罹患期間の短縮、病的状態の安定化(具体的には悪化しない)、疾患の進行の遅延、病的状態の改善及び/又は寛解(部分寛解及び完全寛解の両方)を含むが、それらに限定されない。治療の成功は、必ずしも治癒を意味しないが、治療を適用しない場合の予測生存期間に比べ、生存期間の延長を意味することもある。好ましい実施形態において、該治療は第一選択治療であり、すなわち癌はこれまでに治療されていなかったものである。癌治療には、治療の投薬計画が含まれる。
本明細書において使用される場合、「治療の投薬計画」という用語は、疾患並びに利用可能な手法及び投薬の観点から対象をどのように治療するかを指す。癌治療の投薬計画の非限定的な例は、化学療法、外科手術及び/又は放射線治療又はそれらの組合せである。癌の早期検出法である、本発明は、特に外科手術、具体的には治癒切除を可能にする。特に「治療の投薬計画」という用語は、以下に定義の1つ以上の抗癌剤の投与又は療法の実施を指す。本明細書において使用される場合、「抗癌剤又は抗癌療法」という用語は、抗増殖性、抗発癌性及び/又は制癌性の特性のある、化学的、物理的、又は生物学的な作用物質又は療法又は外科手術(それらの組合せを含む)を指す。
化学的抗癌剤又は抗癌療法は、アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、及びテルペノイド、及びトポイソメラーゼ阻害剤からなる群から選択することができる。アルキル化剤は白金系化合物であることが好ましい。1つの実施形態において、白金系化合物は、シスプラチン、オキサリプラチン、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、カルボプラチン、イプロプラチン、テトラプラチン、ロバプラチン、DCP、PLD-147、JM118、JM216、JM335、及びサトラプラチンからなる群から選択される。
物理的抗癌剤又は抗癌療法は、放射線療法(例えば、治癒的放射線治療、アジュバント放射線治療、姑息的放射線治療、遠隔放射線治療、小線源治療、又は代謝性放射線治療)、光線療法(例えば、ヘマトポルフィリン又はフォトフリンIIを用いる)、及びハイパーサーミアからなる群から選択することができる。
外科手術は、治癒切除、姑息的外科手術、予防的外科手術、又は細胞切除術であってもよい。通例として、外科手術は、切除、例えば嚢内切除、辺縁切除、広範囲切除、又は根治切除(Baron及びValin(Rec.Med. Vet, Special Canc. 1990; 11(166):999-1007)に記載)を含む。
生物学的抗癌剤又は抗癌療法は、抗体(例えば、癌細胞を破壊する免疫応答を刺激する抗体、例えばリツキシマブ若しくはアレムツズマブ、「自家」細胞を攻撃する免疫細胞を阻止する抑制シグナルを免疫細胞の受容体に結合することによって免疫応答を刺激する抗体、例えばイピリムマブ、腫瘍増殖に必要なタンパク質の作用を干渉する抗体、例えばベバシズマブ、セツキシマブ、若しくはパニツムマブ、又は薬剤、好ましくは毒素等の細胞致死物質、化学療法剤若しくは放射性分子に抱合される抗体、例えばY-イブリツモマブチウキセタン、I-トシツモマブ若しくはado-トラスツズマブエムタンシン)、サイトカイン(例えば、インターフェロン又はインターロイキン、例えばINF-α及びIL-2)、ワクチン(例えば、癌関連抗原を含むワクチン、例えばシプリューセル-T)、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、天然腫瘍溶解性ウイルス、例えばレオウイルス、ニューカッスル病ウイルス、若しくはムンプスウイルス、又は遺伝子操作されたウイルス、例えば麻疹ウイルス、アデノウイルス、ワクチニアウイルス、若しくはヘルペスウイルス、癌関連抗原を担持する細胞を優先的に標的とするウイルス)、遺伝子治療剤(例えば、改変腫瘍抑制因子に置き換えたDNA若しくはRNA、癌遺伝子発現を遮断するDNA若しくはRNA、対象の免疫系を改善するDNA若しくはRNA、癌細胞の化学療法、放射線治療若しくは他の治療に対する感受性を高めるDNA若しくはRNA、細胞の自殺を誘導するDNA若しくはRNA、又は抗血管新生作用をもたらすDNA若しくはRNA)、及び養子T細胞(例えば、抗腫瘍活性において選択された、対象から採取された腫瘍浸潤T細胞又は癌関連抗原を認識するよう遺伝子操作された対象から採取したT細胞)からなる群から選択することができる。
1つの実施形態において、1つ以上の抗癌薬は、酢酸アビラテロン、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、ADE、Ado-トラスツズマブエムタンシン、アファチニブマレイン酸塩、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタント、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩、CAF、カペシタビン、CAPOX、カルボプラチン、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンインプラント、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クロファラビン、CMF、COPP、COPP-ABV、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、シタラビン、シタラビン、リポソーム製剤、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチオマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、塩酸デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、エルトロンボパグオラミン、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、エリブリンメシル酸塩、エルロチニブ塩酸塩、エトポシドリン酸塩、エベロリムス、エキセメスタン、FEC、フィルグラスチム、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、FU-LV、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、HPV二価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、Hyper-CVAD、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、イデラリシブ、イホスファミド、イマチニブ、メシレート、イミキモド、ヨード131トシツモマブ及びトシツモマブ、イピリムマブ、イリノテカン塩酸塩、イキサベピロン、トシル酸ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸リュープロリド、リポソーマルシタラビン、ロムスチン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、MOPP、ネララビン、ニロチニブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オマセタキシンメペスクシネート、OEPA、OFF、OPPA、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パミドロネート二ナトリウム、パニツムマブ、パゾパニブ塩酸塩、ペグアスパラガーゼ、ペグインターフェロンα-2b、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペルツズマブ、プレリキサフォル、ポマリドミド、ポナチニブ塩酸塩、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、ラジウム223二塩化物、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、R-CHOP、R-CVP、組換えHPV二価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、組換えインターフェロンα-2b、レゴラフェニブ、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルキソリチニブリン酸塩、シルツキシマブ、シプリューセル-T、トシル酸ソラフェニブ、STANFORD V、リンゴ酸スニチニブ、TAC、タルク、タモキシフェンクエン酸塩、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トシツモマブ及びI 131ヨードトシツモマブ、TPF、トラメチニブ、トラスツズマブ、バンデタニブ、VAMP、VeIP、ベムラフェニブ、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、ビスモデギブ、ボリノスタット、XELOX、Ziv-アフリベルセプト、並びにゾレドロン酸からなる群から選択される。
本出願において参照した配列番号
本出願は配列番号1~配列番号119を参照している。これらの配列番号の概説及び説明を以下の表3に挙げる。
本出願は配列番号1~配列番号119を参照している。これらの配列番号の概説及び説明を以下の表3に挙げる。
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これらは単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるものとする。
実施例1
材料及び方法
肝細胞癌(HCC)患者及びHCCはないが肝硬変(LCi)を有する患者からの血漿試料は、Epi BiSKit(EpigenomicsAG)の使用説明書(IFU)で定義されている通りに収集した。簡潔には、EDTAの場合、血漿を2つの遠心分離工程によって調製した。血漿試料を処理するまで、試料を-70℃で保存した。
材料及び方法
肝細胞癌(HCC)患者及びHCCはないが肝硬変(LCi)を有する患者からの血漿試料は、Epi BiSKit(EpigenomicsAG)の使用説明書(IFU)で定義されている通りに収集した。簡潔には、EDTAの場合、血漿を2つの遠心分離工程によって調製した。血漿試料を処理するまで、試料を-70℃で保存した。
血漿試料からのDNA抽出及びDNAのバイサルファイト変換を、Epi BiSKit(EpigenomicsAG)の使用説明書(IFU)で定義されているワークフローに従って、Epi BiSKit血漿キットを用いて実施した。
PCRは、製造業者のプロトコルに従い、すぐに使用できるマルチプレックスPCRキット(QIAGEN(商標)マルチプレックスPCR)で約1mlの血漿に相当するバイサルファイトDNA収量で設定した。PCRオリゴ(表3に示す配列)を、NGSライブラリー調製のために5'リン酸で修飾した。マルチプレックスPCRプロファイルでは、次のプロトコルを使用した:94℃で30秒間の変性、56℃で90秒間のアニーリング、72℃で30秒間の伸長工程;45サイクル。
PCR産物を、150 bpのリード長を使用して、Illumina MiSeqとペアードエンド(pairedend)で配列決定した。
Fastqファイルを、シーケンシングアダプター間の挿入にトリミングし、対合された配列をマージし、インサートと呼ばれるPCRによって増幅された分子を反映する両側のプライマーが隣接する配列をフィルタリングした。CpGコンテキスト外のグアニンよりも多くのシトシンを示したインサートをそれらの逆相補体とし、CpGのシトシン位置のみを考慮に入れることにより、メチル化の評価を可能にした。かかるインサートを、DNAメチル化を評定するためにアッセイの基準配列にアラインメントした。すなわち各アッセイ/試料の組合せについて、CpG部位での任意のメチル化パターンを、CpG位置でのシトシン及びチミジンの発生をカウントすることによって評定した。1回のインサートリード内での共メチル化は、全てのCpG位置又は1つのCpG位置を除く全ての位置のシトシンによって定義された(単一のCpG部位での任意のエラー又はSNPのために1つのCpGが異なる例外を認める)。試料中のマーカーの定量的共メチル化は、共メチル化インサート配列の数を試料で見つかった全てのインサートの総数で除して計算し、配列の長さで正規化した。
結果
HCC患者及びLCi患者からの血漿中に見られる、事前に選択された一連の癌マーカーのDNAメチル化レベルの単変量比較は、遊離循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)による癌特異的メチル化パターンが、両方の群を区別するために使用することができることを示した(図2及び表4に要約される)。受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定される性能は、全てのマーカーで0.70よりも高く、特異度90%で感度は良好であった(図3)。全てのマーカー(mASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1及びmRASSF2show)は、高グレードの共メチル化(評定された領域内の全てのCpGのメチル化状態は同じ分子内で同一である)を伴うメチル化パターンを有し、これにより、全てのCpGがメチル化された分子からのリード量を使用して、テンプレート内のctDNA分子の量を反映することができる。データセット内で、ロジスティック回帰を使用した2つ又は3つのマーカーの組合せは、上記の多くの組合せについて、性能をAUC 0.80超まで増加させることができる(図3及び表1及び表2を参照されたい)。
HCC患者及びLCi患者からの血漿中に見られる、事前に選択された一連の癌マーカーのDNAメチル化レベルの単変量比較は、遊離循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)による癌特異的メチル化パターンが、両方の群を区別するために使用することができることを示した(図2及び表4に要約される)。受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定される性能は、全てのマーカーで0.70よりも高く、特異度90%で感度は良好であった(図3)。全てのマーカー(mASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1及びmRASSF2show)は、高グレードの共メチル化(評定された領域内の全てのCpGのメチル化状態は同じ分子内で同一である)を伴うメチル化パターンを有し、これにより、全てのCpGがメチル化された分子からのリード量を使用して、テンプレート内のctDNA分子の量を反映することができる。データセット内で、ロジスティック回帰を使用した2つ又は3つのマーカーの組合せは、上記の多くの組合せについて、性能をAUC 0.80超まで増加させることができる(図3及び表1及び表2を参照されたい)。
表4:異なるタイプのデータについて、41個のCRC試料対46個のLCi試料(種類及び番号別の試料ID)のシングルマーカー性能からのデータ。値は、共メチル化コピーの数を表す、すなわち、完全にメチル化された分子から予想される正確な配列を含む見出されたリードの数を意味する。
実施例2
材料及び方法
実施例1におけるHCC患者及びLCi患者の血漿から得られたDNAメチル化データを用いて、診断群を区別するためのアルゴリズムを訓練した:マーカー候補の性能は、7つのマーカーについてHCC対LCiを区別する応答者オペレータ特性(ROC)によって特性評価した。7つのマーカーのそれぞれについて、共メチル化カットオフを特異度0.9で決定し、シングルマーカーが陽性又は陰性に分類されるかどうかを判断するために使用した。試料の訓練された閾値に基づくマーカーパネル測定値は、n個の陽性マーカーの数として定義した。試料セット2からの162個の試料を盲検化して処理、測定、及び評定した。各試料について、各マーカーを、訓練された共メチル化カットオフを使用して陽性又は陰性のいずれかに二値化すると、各試料のN[0:7]陽性マーカーのスコアをもたらした。次いで、患者群のアイデンティティを盲検化解除し、パネルの性能を3+/7の事前定義されたカットオフに基づいてAUC及び特異度における感度として記載した。血漿試料を採取した患者のアルファ-フェトプロテイン(AFP)試験結果が得られ、メチル化とアルファ-フェトプロテイン(AFP)データとの組合せを、ロジスティック回帰を使用して評定した。
材料及び方法
実施例1におけるHCC患者及びLCi患者の血漿から得られたDNAメチル化データを用いて、診断群を区別するためのアルゴリズムを訓練した:マーカー候補の性能は、7つのマーカーについてHCC対LCiを区別する応答者オペレータ特性(ROC)によって特性評価した。7つのマーカーのそれぞれについて、共メチル化カットオフを特異度0.9で決定し、シングルマーカーが陽性又は陰性に分類されるかどうかを判断するために使用した。試料の訓練された閾値に基づくマーカーパネル測定値は、n個の陽性マーカーの数として定義した。試料セット2からの162個の試料を盲検化して処理、測定、及び評定した。各試料について、各マーカーを、訓練された共メチル化カットオフを使用して陽性又は陰性のいずれかに二値化すると、各試料のN[0:7]陽性マーカーのスコアをもたらした。次いで、患者群のアイデンティティを盲検化解除し、パネルの性能を3+/7の事前定義されたカットオフに基づいてAUC及び特異度における感度として記載した。血漿試料を採取した患者のアルファ-フェトプロテイン(AFP)試験結果が得られ、メチル化とアルファ-フェトプロテイン(AFP)データとの組合せを、ロジスティック回帰を使用して評定した。
結果
遊離循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)からの癌特異的メチル化パターンを反映する7つのマーカー(mASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1、及びmRASSF2)全てからの二値化された陽性コールの合計を使用して、訓練されたデータに基づいて試験セット内で両方の群を区別することができた。応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定された性能は0.847で、特異度97%で感度は0.57であった(図4)。AFPデータとの組合せは、識別力が更に増加し、応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定される性能は0.896であり、特異度97%で感度は0.68であった(図4)。肝硬変の肝組織ではAFPが増加し、AFPと例えば超音波等との組合せが偽陽性率を増加させることが分かっているため、これは予想外であった。また、シングルマーカーAFPの性能が悪い場合にメチル化マーカーの性能を改善することは予想できなかった。さらに、増加の程度は、予想できたよりもはるかに大きく、メチル化マーカーとAFPの相加効果と仮定される。
遊離循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)からの癌特異的メチル化パターンを反映する7つのマーカー(mASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1、及びmRASSF2)全てからの二値化された陽性コールの合計を使用して、訓練されたデータに基づいて試験セット内で両方の群を区別することができた。応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定された性能は0.847で、特異度97%で感度は0.57であった(図4)。AFPデータとの組合せは、識別力が更に増加し、応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定される性能は0.896であり、特異度97%で感度は0.68であった(図4)。肝硬変の肝組織ではAFPが増加し、AFPと例えば超音波等との組合せが偽陽性率を増加させることが分かっているため、これは予想外であった。また、シングルマーカーAFPの性能が悪い場合にメチル化マーカーの性能を改善することは予想できなかった。さらに、増加の程度は、予想できたよりもはるかに大きく、メチル化マーカーとAFPの相加効果と仮定される。
実施例3
材料及び方法
4つのメチル化マーカー(mASCL2、mLGALS3、mLDHB、及びmLOXL3)のサブセットについて、マルチプレックスリアルタイムPCRアッセイを実施し、種々の方法、すなわちメチル化特異的PCR(MSP)及びルーチンリアルタイムPCR法によるプローブを用いて、増幅物のCpGを評定した。アッセイは、AB7500 FastDXを用いて実施例2と同じ試料セットについて測定した。リアルタイムPCR曲線と呼ばれるものはいずれも陽性測定値として分類した。各試料の測定値を、各試料のN[0:4]陽性マーカーのスコアに合計した。パネルの性能をAUCとして記載する。n/4メチル化マーカーとアルファ-フェトプロテイン(AFP)データとの組合せを、ロジスティック回帰を使用し、2+/4マーカーの組合せ又は20ng/mL AFPによって評定した。さらに、リアルタイム曲線からのCtsに基づいて4つのマーカーのそれぞれについてROCを計算し、AFPとの4つの可能な組合せのそれぞれをロジスティック回帰によって評定した。
材料及び方法
4つのメチル化マーカー(mASCL2、mLGALS3、mLDHB、及びmLOXL3)のサブセットについて、マルチプレックスリアルタイムPCRアッセイを実施し、種々の方法、すなわちメチル化特異的PCR(MSP)及びルーチンリアルタイムPCR法によるプローブを用いて、増幅物のCpGを評定した。アッセイは、AB7500 FastDXを用いて実施例2と同じ試料セットについて測定した。リアルタイムPCR曲線と呼ばれるものはいずれも陽性測定値として分類した。各試料の測定値を、各試料のN[0:4]陽性マーカーのスコアに合計した。パネルの性能をAUCとして記載する。n/4メチル化マーカーとアルファ-フェトプロテイン(AFP)データとの組合せを、ロジスティック回帰を使用し、2+/4マーカーの組合せ又は20ng/mL AFPによって評定した。さらに、リアルタイム曲線からのCtsに基づいて4つのマーカーのそれぞれについてROCを計算し、AFPとの4つの可能な組合せのそれぞれをロジスティック回帰によって評定した。
結果
リアルタイムPCRで測定された4つのマーカー(mASCL2、mLGALS3、mLDHB、及びmLOXL3)全てからの二値化された陽性コールの合計は、遊離循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)からの癌特異的メチル化パターンを反映しており、訓練されたデータに基づいて試験セット内の両方の群を区別するために使用することができた。応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定された性能は0.784であった(図5)。AFPデータとの組合せは、識別力が更に増加し、応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定された性能は0.874であり、固定カットオフとの組合せにより、特異度86%で感度75%が得られた(図5)。
リアルタイムPCRで測定された4つのマーカー(mASCL2、mLGALS3、mLDHB、及びmLOXL3)全てからの二値化された陽性コールの合計は、遊離循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)からの癌特異的メチル化パターンを反映しており、訓練されたデータに基づいて試験セット内の両方の群を区別するために使用することができた。応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定された性能は0.784であった(図5)。AFPデータとの組合せは、識別力が更に増加し、応答者オペレータ特性(ROC)の曲線下面積(AUC)によって決定された性能は0.874であり、固定カットオフとの組合せにより、特異度86%で感度75%が得られた(図5)。
4つのシングルマーカーのリアルタイムPCRのCts及びAFPとのそれらの組合せに基づくAUC(AFP単独のAUCは0.74)は、0.74(mASCL2)、0.83(mASCL2+AFP)、0.69(mLGALS3)、0.82(mLGALs3+AFP)、0.65(mLDHB)、0.83(mLDHB+AFP)、0.69(mLOXL3)、及び0.85(mLOXL3+AFP)であり、平均でAFP単独と比較して0.09の増加、及びシングルマーカー単独のAUCと比較して0.14の増加であった。
したがって、実施例2で見られるようなメチル化マーカーとAFPとの組合せの予想外の結果及び効果は、より小さなマーカーのサブセット、シングルマーカーとAFPとの組合せ、及び種々の技術的方法で技術的に確認することができた。
図面訳
図1
SEQ ID NO; 配列番号
Position in Chromosome 12 染色体12中の位置
Position in Chromosome 11 染色体11中の位置
Position in Chromosome 14 染色体14中の位置
Position in Chromosome 2 染色体2中の位置
Position in Chromosome 3 染色体3中の位置
Position in Chromosome 20 染色体20中の位置
図2
Marker マーカー
図3
Sensitivity 感度
Specificity 特異度
0.41 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.41
0.49 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.49
0.37 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.37
0.56 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.56
0.59 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.59
0.54 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.54
図4
0.71 Sens/0.92 Spec for 3.7[NGS] or 20[AFP] 3/7[NGS]又は20[AFP]の場合、0.71感度/0.92特異度
0.68 Sens @ 0.97 Spec 特異度0.97で感度0.68
図5
0.75 Sens/0.86 Spec for 2/4[PCR] or 20[AFP] 2/4[PCR]又は20[AFP]の場合、0.75感度/0.86特異度
rtSUM+AFP group rtSUM+AFP群
AFP group AFP群
rtSUM group rtSUM群
図1
SEQ ID NO; 配列番号
Position in Chromosome 12 染色体12中の位置
Position in Chromosome 11 染色体11中の位置
Position in Chromosome 14 染色体14中の位置
Position in Chromosome 2 染色体2中の位置
Position in Chromosome 3 染色体3中の位置
Position in Chromosome 20 染色体20中の位置
図2
Marker マーカー
図3
Sensitivity 感度
Specificity 特異度
0.41 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.41
0.49 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.49
0.37 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.37
0.56 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.56
0.59 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.59
0.54 Sens @ 0.9 Spec 特異度0.9で感度0.54
図4
0.71 Sens/0.92 Spec for 3.7[NGS] or 20[AFP] 3/7[NGS]又は20[AFP]の場合、0.71感度/0.92特異度
0.68 Sens @ 0.97 Spec 特異度0.97で感度0.68
図5
0.75 Sens/0.86 Spec for 2/4[PCR] or 20[AFP] 2/4[PCR]又は20[AFP]の場合、0.75感度/0.86特異度
rtSUM+AFP group rtSUM+AFP群
AFP group AFP群
rtSUM group rtSUM群
Claims (15)
- DNAメチル化を検出する方法であって、ゲノムDNAを含む対象の生体試料中の配列番号1(mASCL2)、配列番号21(mLDHB)、配列番号36(mLGALS3)、配列番号46(mLOXL3)、配列番号61(mOSR1)、配列番号76(mPLXND1)、又は配列番号91及び/又は配列番号96(mRASSF2)に含まれる配列を有するポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1つのゲノムDNAポリヌクレオチド内のDNAメチル化を検出する工程を含み、前記ゲノムDNAが、肝臓癌(LC)細胞に由来するDNAを含み得る、方法。
- DNAメチル化が、前記群から選択される少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのゲノムDNAポリヌクレオチド内で検出される、請求項1に記載の方法。
- 前記方法が、前記対象のアルファ-フェトプロテイン(AFP)血中レベルを得ることを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
- (a)5位の非メチル化シトシンを、ウラシル又は前記生体試料のゲノムDNA中のグアニンにハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程と、
(b)工程(a)の変換されたDNA中の変換されていないシトシンを検出することにより、該ゲノムDNA内のDNAメチル化を検出する工程と、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記DNAメチル化の検出が、メチル化ゲノムDNAの量を決定することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記生体試料が、肝臓組織試料又は液体生検試料、好ましくは血液試料、血液からの無細胞DNAを含む試料、血液由来試料、又は唾液試料である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象がLCを発症するリスクが高い、LCを有していると疑われる、LCを有していた、又はLCを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 対象において肝臓癌(LC)の有無を検出する方法であって、請求項1~7のいずれか一項に記載のDNAメチル化を検出することを含み、検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す、方法。
- 肝臓癌(LC)を発症するリスクが高い対象、LCを有していると疑われる対象、又はLCを有していた対象をモニターする方法であって、請求項8に記載のDNAメチル化を繰り返し検出することを含み、検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す、方法。
- 前記対象のAFP血中レベルを評定することを含み、増加したAFP血中レベルと組み合わせた検出されたメチル化ゲノムDNAの存在は、LCが存在することを示し、正常なAFP血中レベルと組み合わせた検出されたメチル化ゲノムDNAの非存在は、LCが存在しないことを示す、請求項8又は9に記載の方法。
- プライマー及びプローブからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドであって、配列番号2~配列番号5(mASCL2)のうちの1つ、配列番号22~配列番号25(mLDHB)のうちの1つ、配列番号37~配列番号40(mLGALS3)のうちの1つ、配列番号47~配列番号50(mLOXL3)のうちの1つ、配列番号62~配列番号65(mOSR1)のうちの1つ、配列番号77~配列番号80(mPLXND1)のうちの1つ、配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100(mRASSF2)のうちの1つの連続したヌクレオチドのストレッチと実質的に同一である配列を含み、前記オリゴヌクレオチドが好ましくはメチル化特異的である、オリゴヌクレオチド。
- 少なくとも請求項11に記載の第1及び第2のオリゴヌクレオチドを備えるキット。
- 前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号2~配列番号5(mASCL2)のうちの1つ、配列番号22~配列番号25(mLDHB)のうちの1つ、配列番号37~配列番号40(mLGALS3)のうちの1つ、配列番号47~配列番号50(mLOXL3)のうちの1つ、配列番号62~配列番号65(mOSR1)のうちの1つ、配列番号77~配列番号80(mPLXND1)のうちの1つ、配列番号92~配列番号95のうちの1つ及び/又は配列番号97~配列番号100(mRASSF2)のうちの1つに含まれる配列を有するDNAの増幅に適したプライマー対を形成するプライマーである、請求項12に記載のキット。
- 前記キットが、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのプライマー対を形成するポリヌクレオチドを含み、各プライマー対が、種々のマーカーmASCL2、mLDHB、mLGALS3、mLOXL3、mOSR1、mPLXND1及びmRASSF2の配列を有するDNAの増幅に適している、請求項12又は13に記載のキット。
- 肝臓癌(LC)の検出、又はLCを発症するリスクが高い対象、LCを有していると疑われる対象若しくはLCを有していた対象のモニタリングのための請求項1~7のいずれか一項に記載の方法、請求項11に記載のオリゴヌクレオチド、又は請求項12~14のいずれか一項に記載のキットの使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP20187072.2 | 2020-07-21 | ||
EP20187072 | 2020-07-21 | ||
PCT/EP2021/070362 WO2022018127A1 (en) | 2020-07-21 | 2021-07-21 | Methods for detecting liver cancer |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023535004A true JP2023535004A (ja) | 2023-08-15 |
Family
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2023504199A Pending JP2023535004A (ja) | 2020-07-21 | 2021-07-21 | 肝臓癌を検出する方法 |
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---|---|
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EP (1) | EP4185714A1 (ja) |
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EP1394172A1 (en) | 2002-08-29 | 2004-03-03 | Boehringer Mannheim Gmbh | Improved method for bisulfite treatment |
KR20170071724A (ko) * | 2015-12-16 | 2017-06-26 | 연세대학교 산학협력단 | 간암 발생 특이적 유전자 발현에 관여하는 유전자 구조 내 cpg 섬의 dna 메틸화 변이를 이용한 간암의 예측 또는 진단 방법 |
CA3034903A1 (en) * | 2016-09-02 | 2018-03-08 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Detecting hepatocellular carcinoma |
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2021
- 2021-07-21 US US18/015,912 patent/US20230287509A1/en active Pending
- 2021-07-21 JP JP2023504199A patent/JP2023535004A/ja active Pending
- 2021-07-21 EP EP21742157.7A patent/EP4185714A1/en active Pending
- 2021-07-21 WO PCT/EP2021/070362 patent/WO2022018127A1/en unknown
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Publication number | Publication date |
---|---|
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US20230287509A1 (en) | 2023-09-14 |
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