JP2023533186A - 長いファイバ寿命を有する中空コアファイバベースの広帯域放射ジェネレータ - Google Patents

長いファイバ寿命を有する中空コアファイバベースの広帯域放射ジェネレータ Download PDF

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Abstract

広帯域光源デバイスの光学コンポーネントであって、光学コンポーネントが、ポンプ放射の受け取り時に広帯域出力を発生させ、及び中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、上記HC-PCFを充填するガス混合物であって、上記ガス混合物が、広帯域放射の発生のために構成された少なくとも1つの第1のガスと、ヘリウムを含む、又はヘリウムから成る少なくとも1つの第2のガスとの混合物を含む、ガス混合物と、を含むように構成される、光学コンポーネントが開示される。

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、全体として本明細書に援用される、2020年7月8日に出願された欧州特許出願第20184730.8号及び2021年4月13日に出願された欧州特許出願第21167961.8号の優先権を主張するものである。
[0002] 本発明は、中空コアファイバベースの広帯域放射ジェネレータ、特に、集積回路の製造におけるメトロロジ用途に関連した、そのような広帯域放射ジェネレータに関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に施すように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)にあるパターン(「デザインレイアウト」又は「デザイン」と呼ばれることも多い)を、基板(例えば、ウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
[0004] リソグラフィ装置は、基板にパターンを投影するために電磁放射を使用し得る。この放射の波長により、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズが決まる。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。波長が4~100nmの範囲、例えば6.7nm又は13.5nmである極端紫外線(EUV)の放射を使用するリソグラフィ装置であれば、例えば、波長が193nmである放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することが可能である。
[0005] リソグラフィ装置の古典的な解像限界より小さい寸法を有するフィーチャをプロセスするために、低k1リソグラフィが用いられ得る。そのようなプロセスでは、解像度の式は、CD=k1×λ/NAで表され得、ここで、λは、使用される放射線の波長であり、NAは、リソグラフィ装置の投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」であり(一般には印刷される最小フィーチャサイズであるが、この場合にはハーフピッチ)、k1は、経験的な解像度ファクタである。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的な機能性及び性能を達成するために回路設計者が計画した形状及び寸法に似せたパターンを基板上に複写することが困難になる。このような困難を克服するために、高度な微調整ステップがリソグラフィ投影装置及び/又はデザインレイアウトに適用され得る。そのようなステップとして、例えば、NAの最適化、照明方式のカスタマイズ、位相シフトパターニング装置の使用、デザインレイアウトの様々な最適化、例えば、デザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC(「光学及びプロセス補正」と呼ばれることもある))又は他の一般的に「解像度向上技術」(RET)と定義される方法があるが、これらに限定されない。代わりに、低k1でのパターン複写を改善するために、リソグラフィ装置の安定性を管理する厳格管理ループが用いられ得る。
[0006] IC製造プロセスの多くの態様において、例えば、露光前の基板の適切な位置決めのためのアライメントツール、並びにフォーカス制御のために基板の表面トポロジーを測定するためのレベリングツール、並びにプロセス制御において露光及び/又はエッチングされた製品の検査/測定を行うためのスキャトロメトリベースツールとして、メトロロジツールが使用される。それぞれのケースにおいて、放射源が必要とされる。測定ロバスト性及び精度を含む様々な理由から、そのようなメトロロジ用途のために、広帯域又は白色光放射源が使用されることが多くなっている。広帯域放射発生のために現在のデバイスを改良することが望ましい。
[0007] 本発明の第1の態様では、広帯域光源デバイスの光学コンポーネントであって、光学コンポーネントが、ポンプ放射の受け取り時に広帯域放射を発生させ、及び中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、上記HC-PCFを充填するガス混合物であって、上記ガス混合物が、広帯域放射の発生のために構成された少なくとも1つの第1のガスと、ガス混合物内の音波の熱コンディショニング及び/又は制振のための、ヘリウムを含む、又はヘリウムから成る少なくとも1つの第2のガスとを含む、ガス混合物とを含むように構成された、光学コンポーネントが提供される。
[0008] 本発明の第2の態様では、第1の態様の光学コンポーネントを含み、及び上記ポンプ放射を発生させるためのポンプ放射源をさらに含む、広帯域光源デバイスが提供される。
[0009] 第3の態様では、第2の態様の広帯域光源デバイスを含む、基板の検査のためのメトロロジツールが提供される。
[00010] 本発明の第4の態様では、広帯域放射出力を発生させるように構成された放射源配置のための光学コンポーネントを構成する方法であって、方法が、中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、広帯域放射を発生させるための第1のガス及びヘリウムを含む第2のガスを含む、HC-PCFを充填するガス混合物とを選択することと、ガス混合物内に存在するべきヘリウムの最適モル分率を決定することであって、ヘリウムの最適モル分率が、ガス混合物の熱伝導率を向上させること、ガス混合物の熱拡散率を向上させること、又は所望の熱伝達機構を選択することのうちの1つ又は複数に基づく、決定することと、を含む、方法が提供される。
[00011] 以下では、添付の概略図面を参照して、本発明の実施形態をあくまで例として説明する。
[00011]リソグラフィ装置の概略的概要を示す。 [00011]リソグラフィセルの概略的概要を示す。 [00011]ホリスティックリソグラフィの概略図を示し、半導体製造を最適化するための重要な3つの技術間の協調を表す。 [00011]本発明の実施形態による放射源を含み得る、メトロロジデバイスとして使用されるスキャトロメトリ装置の概略図を示す。 [00011]本発明の実施形態による放射源を含み得るレベルセンサ装置の概略図を示す。 [00011]本発明の実施形態による放射源を含み得るアライメントセンサ装置の概略図を示す。 [00011]カゴメ設計を含む、白色光発生のためのHC-PCF設計の横断面を概略的に示す。 [00011]単一リング設計を含む、白色光発生のためのHC-PCF設計の横断面を概略的に示す。 [00011]純粋クリプトンガス中で動作する単一リング設計を有するHC-PCFの、ファイバ端部における断面像を示す。 [00011]純粋クリプトンガス中で動作する単一リング設計を有するHC-PCFの、同じファイバ端部から数センチメートル離れた場所における断面像を示す。 [00011]ガス入りHC-PCFベース広帯域光源デバイスを概略的に示す。 [00011]ある構成の光学コンポーネントの例を概略的に示す。 [00011]異なる構成の光学コンポーネントの例を概略的に示す。 [00011]さらに異なる構成の光学コンポーネントの例を概略的に示す。 [00011]分子量の関数として原子ガスの幾つかの二元混合物の熱伝導率を示すプロットである。 [00011]2つの異なる熱拡散率に関する、HC-PCFにおける熱緩和の簡易シミュレーションを示すプロットである。
[00012] 本文書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用され、そのような電磁放射には、紫外線(例えば、365、248、193、157又は126nmの波長を有する)及びEUV(例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する極端紫外線)が含まれる。
[00013] 本明細書で使用される「レチクル」、「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分に作成されるべきパターンに対応するパターン化された断面を、入射する放射ビームに提供するために使用可能な一般的なパターニングデバイスを意味するものとして広義に解釈され得る。これに関連して「ライトバルブ」という用語も使用される場合がある。古典的なマスク(透過型又は反射型のマスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)に加えて、他のそのようなパターニングデバイスの例として、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイがある。
[00014] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された(イルミネータとも呼ばれる)照明システムILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築されて、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたマスク支持部(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築されて、特定のパラメータに従って基板支持部を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板支持部(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば、1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[00015] 稼働中、照明システムILは、放射源SOから(例えば、ビーム送達システムBDを介して)放射ビームを受ける。照明システムILは、放射の誘導、整形及び/又は制御のために様々なタイプの光学コンポーネントを含み得、例えば屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型及び/又は他のタイプの光学コンポーネント又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。イルミネータILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAの面において所望の空間強度分布及び角度強度分布をその断面に有するように、放射ビームBを調節するために使用され得る。
[00016] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈されたい。そのようなシステムには、使用されている露光放射の必要に応じて及び/又は他の要因(例えば、液浸液の使用又は真空の使用)の必要に応じて、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁型及び/又は静電光学型のシステム又はこれらの任意の組み合わせが含まれ得る。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用されている場合、それらは、すべてより一般的な用語である「投影システム」PSと同義であると見なされ得る。
[00017] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を埋めるように、基板の少なくとも一部分が、屈折率が比較的高い液体(例えば、水)で覆われ得るタイプであり得、これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技術の詳細については、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6952253号に示されている。
[00018] リソグラフィ装置LAは、基板支持部WTが2つ以上あるタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)であってもよい。そのような「複数ステージ」マシンでは、それらの基板支持部WTは並行して使用されてよく、及び/又は、それらの基板支持部WTの一方に載っている基板Wが、その基板Wにパターンを露光することに使用されている間に、他方の基板支持部WTに載っている別の基板Wに対して、その別の基板Wのその後の露光の準備の手順が実施されてよい。
[00019] 基板支持部WTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含んでよい。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニング装置を保持するように構成されている。センサは、投影システムPSの特性、又は放射ビームBの特性を測定するように構成されてよい。測定ステージは複数のセンサを保持してよい。クリーニング装置は、リソグラフィ装置の一部、例えば、投影システムPSの一部、又は液浸液を供給するシステムの一部をクリーニングするように構成されてよい。測定ステージは、基板支持部WTが投影システムPSから離れているときに、投影システムPSの下を動いてよい。
[00020] 稼働中は、放射ビームBが、パターニングデバイス(例えば、マスク支持物MT上に保持されたマスクMA)に入射し、パターニングデバイスMA上にあるパターン(設計レイアウト)によってパターニングされる。放射ビームBは、マスクMAを横断した後、投影システムPSを通り抜け、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上にフォーカスさせる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFの支援により、基板支持部WTは正確に動くことが可能であり、例えば、様々なターゲット部分Cが、放射ビームBの経路中のフォーカス及びアライメントされる位置に位置決めされるように正確に動くことが可能である。同様に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めするために、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(これは図1に明示されていない)とが使用されてよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2、及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントされてよい。基板アライメントマークP1、P2は、図示されたように専用ターゲット部分を占有するが、ターゲット部分間の空間に配置されてよい。基板アライメントマークP1、P2は、ターゲット部分C間に配置される場合には、スクライブラインアライメントマークと呼ばれる。
[00021] 図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLC(リソセル又は(リソ)クラスタと呼ばれることもある)の一部をなし得、リソグラフィセルLCは、基板Wに対して露光前プロセス及び露光後プロセスを実施するための装置も含むことが多い。従来、そのような装置として、レジスト層を堆積させるスピンコータSC、露光したレジストを現像するデベロッパDE、冷却プレートCH及びベークプレートBK(これらは、例えば、基板Wの温度を調節するものであり、それは、例えば、レジスト層中の溶剤を調節するために行われる)がある。基板ハンドラ(即ちロボット)ROが基板Wを入出力ポートI/O1、I/O2からピックアップし、それらの基板Wを様々なプロセス装置間で動かし、それらの基板Wをリソグラフィ装置LAのローディングベイLBまで送達する。リソセル内のデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、典型的にはトラック制御ユニットTCUの管理下にあり、トラック制御ユニットTCU自体は、監視制御システムSCSによって制御され得、監視制御システムSCSは、リソグラフィ装置LAも(例えば、リソグラフィ制御ユニットLACUを介して)制御し得る。
[00022] リソグラフィ装置LAによって露光される基板Wが正確且つ確実に露光されるために、基板を検査して、パターン形成された構造の特性、例えば連続する層間のオーバーレイエラー、線の太さ、クリティカルディメンジョン(CD)等を測定することが望ましい。そのため、検査ツール(図示せず)がリソセルLCに含まれ得る。エラーが検出された場合、例えば、連続する基板の露光又は基板Wに対して実施されるべき他のプロセスステップに対する調節が行われ得、これは、特に同じバッチ又はロットの他の基板Wが引き続き露光又はプロセスされる前に検査が行われる場合に行われ得る。
[00023] メトロロジ装置と呼ばれることもある検査装置は、基板Wの特性を測定するために使用され、特に異なる複数の基板Wの特性がどのようにばらつくか、又は同じ基板Wの異なる複数の層に関連付けられた特性が層ごとにどのようにばらつくかを測定するために使用される。検査装置は、代わりに、基板W上の欠陥を識別するように構築され得、例えばリソセルLCの一部分であり得るか、又はリソグラフィ装置LAに組み込まれ得るか、又はスタンドアロン装置であり得る。検査装置は、潜像(露光後のレジスト層内の像)に関する特性、又は半潜像(露光後ベーク工程PEB後のレジスト層内の像)に関する特性、又は現像されたレジスト像(レジストの露光部分又は非露光部分が除去されている)に関する特性、又はさらに(エッチング等のパターン転写工程後の)エッチングされた像に関する特性を測定し得る。
[00024] 典型的には、リソグラフィ装置LAにおけるパターニングプロセスは、基板W上の構造の寸法決定及び配置に高い精度を必要とする、処理のなかで最もクリティカルなステップの1つである。この高い精度を確保するために、図3に概略的に示されるように、3つのシステムをいわゆる「ホリスティック」管理環境として組み合わせ得る。これらのシステムの1つは、リソグラフィ装置LAであり、これは、メトロロジツールMT(第2のシステム)及びコンピュータシステムCL(第3のシステム)と(仮想的に)接続される。そのような「ホリスティック」環境の鍵は、これらの3つのシステム間の協調を最適化して、プロセスウィンドウ全体を強化し、厳格管理ループを実現することにより、リソグラフィ装置LAによって実施されるパターニングがプロセスウィンドウ内にとどまるようにすることである。プロセスウィンドウは、プロセスパラメータ(例えば、ドーズ、フォーカス、オーバーレイ)の範囲を規定し、この範囲内で特定の製造プロセスが規定の結果(例えば、機能する半導体デバイス)を産出し、典型的には、この範囲内でリソグラフィプロセス又はパターニングプロセスのプロセスパラメータが変動し得る。
[00025] コンピュータシステムCLは、パターニングされるデザインレイアウト(の一部)を使用することにより、何れの解像度向上技術を使用すべきかを予測することが可能であり、且つ計算機リソグラフィのシミュレーション及び計算を実施して、パターニングプロセスのプロセスウィンドウ全体の最大化を達成するマスクレイアウト及びリソグラフィ装置設定を決定することが可能である(図3において第1のスケールSC1の両方向矢印で示されている)。典型的には、解像度向上技術は、リソグラフィ装置LAのパターニング可能性に適合するように用意される。コンピュータシステムCLは、プロセスウィンドウ内の何れの箇所でリソグラフィ装置LAが現在動作しているかを(例えば、メトロロジツールMTからの入力を使用して)検出することにより、(例えば、準最適な処理のために)欠陥が存在する可能性があるかどうかを予測することがさらに可能である(図3において第2のスケールSC2の「0」を指す矢印で示されている)。
[00026] メトロロジツールMTは、正確なシミュレーション及び予測を可能にする入力をコンピュータシステムCLに与えることが可能であり、(例えば、リソグラフィ装置LAの較正ステータスにおいて)起こり得るドリフトを識別するフィードバックをリソグラフィ装置LAに与えることが可能である(図3において第3のスケールSC3の複数の矢印で示されている)。
[00027] リソグラフィプロセスでは、作成された構造を(例えば、プロセスの管理及び検証のために)頻繁に測定することが望ましい。そのような測定を行うツールは、一般にメトロロジツールMTと呼ばれる。そのような測定を行うメトロロジツールMTとして様々なタイプが知られており、例えば走査電子顕微鏡又は様々な形式のスキャトロメータメトロロジツールMTがある。スキャトロメータは、リソグラフィプロセスのパラメータの測定を可能にする多目的計器であり、測定は、スキャトロメータの対物レンズの瞳若しくは瞳に対する共役面にセンサを有すること(通常、瞳ベースの測定と呼ばれる測定)により、又は像面若しくは像面に対する共役面にセンサを有すること(この場合、通常、像ベース若しくはフィールドベースの測定と呼ばれる測定)により行われる。そのようなスキャトロメータ及び関連する測定技術については、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20100328655号、同第2011102753A1号、同第20120044470A号、同第20110249244号、同第20110026032号又は欧州特許出願公開第1,628,164A号に詳述されている。上述のスキャトロメータは、軟X線及び可視波長~近赤外波長の範囲の光を使用して格子を測定することが可能である。
[00028] 第1の実施形態では、スキャトロメータMTは、角度分解スキャトロメータである。そのようなスキャトロメータでは、格子の特性を再構築又は計算する再構築方法が測定信号に適用され得る。そのような再構築は、例えば、散乱する放射線とターゲット構造の数学モデルとの相互作用をシミュレーションし、シミュレーション結果を測定結果と比較することの結果であり得る。数学モデルのパラメータは、相互作用のシミュレーションにより、実際のターゲットから観察された回折パターンと同様の回折パターンが生成されるまで調節される。
[00029] 第2の実施形態では、スキャトロメータMTは、分光スキャトロメータMTである。そのような分光スキャトロメータMTでは、放射線源から放射された放射線がターゲットに向かい、ターゲットから反射又は散乱した放射線がスペクトロメータ検出器に向かい、スペクトロメータ検出器が、鏡面反射した放射線のスペクトルを測定する(即ち強度を波長の関数として測定する)。このデータから、検出されたスペクトルを引き起こしているターゲットの構造又はプロファイルを再構築することが可能であり、この再構築は、例えば、厳密結合波理論及び非線形回帰により、又はシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較により可能である。
[00030] 第3の実施形態では、スキャトロメータMTは、エリプソスキャトロメータである。エリプソスキャトロメータは、偏光状態のそれぞれについて、散乱した放射線を測定することによってリソグラフィプロセスのパラメータを決定することを可能にする。そのようなメトロロジ装置は、偏光光(例えば、直線偏光光、円形偏光光又は楕円偏光光)を、例えばメトロロジ装置の照明セクションにおいて適切な偏光フィルタを使用して放射する。メトロロジ装置に好適な源は、偏光放射線も同様に提供可能である。既存のエリプソスキャトロメータの様々な実施形態は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第11/451,599号、同第11/708,678号、同第12/256,780号、同第12/486,449号、同第12/920,968号、同第12/922,587号、同第13/000,229号、同第13/033,135号、同第13/533,110号及び同第13/891,410号に記載されている。
[00031] スキャトロメータなどのメトロロジ装置が図4に示される。それは、放射を基板W上に投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を含む。反射又は散乱放射がスペクトロメータ検出器4に送られ、スペクトロメータ検出器4は、鏡面反射放射のスペクトル6を測定する(すなわち、波長の関数としての強度の測定)。このデータから、検出スペクトルを生じさせる構造又はプロファイル8が、処理ユニット(PU)によって、例えば厳密結合波分析及び非線形回帰によって、又は図3の下部に示されるようなシミュレーションスペクトルのライブラリとの比較によって再構築され得る。一般に、再構築のために、構造の一般形態は分かっており、幾つかのパラメータは、構造が作られたプロセスの知識から想定され、それによって、スキャトロメトリデータから決定されるべき、構造の数個のパラメータのみが残される。そのようなスキャトロメータは、法線入射スキャトロメータ又は斜め入射スキャトロメータとして構成されてもよい。
[00032] メトトロジターゲットの測定を介するリソグラフィパラメータの全体的な測定品質は、少なくとも部分的には、このリソグラフィパラメータの測定に使用される測定レシピによって決まる。「基板測定レシピ」という用語は、測定自体の1つ以上のパラメータ、測定された1つ以上のパターンの1つ以上のパラメータ又はその両方を包含し得る。例えば、基板測定レシピで行われる測定が回折ベースの光学的測定であれば、この測定のパラメータの1つ以上は、放射線の波長、放射線の偏光、基板に対する放射線の入射角、基板上のパターンに対する放射線の方位等を含み得る。測定レシピを選択する際の基準の1つは、例えば、何れかの測定パラメータの、プロセス変動に対する感受性であり得る。さらなる例は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願第2016-0161863号及び公開済みの米国特許出願第2016/0370717A1号に記載されている。
[00033] IC製造に使用される別のタイプのメトロロジツールは、トポグラフィ測定システム、レベルセンサ、又は高さセンサである。そのようなツールは、基板(又はウェーハ)の上面のトポグラフィを測定するためにリソグラフィ装置に組み込まれてもよい。基板のトポグラフィのマップ(高さマップとも呼ばれる)は、基板上の位置の関数として基板の高さを示すこれらの測定から生成され得る。この高さマップは、基板上の適切なフォーカス位置にパターニングデバイスの空間像を提供するために、基板上のパターンの転写中に基板の位置を補正するために後に使用され得る。この文脈における「高さ」とは、基板に対して広く面外の寸法を指す(Z軸とも呼ばれる)ことが理解されるだろう。一般的に、レベル又は高さセンサは、(それ自体の光学系に対して)定位置で測定を行い、基板と、レベル又は高さセンサの光学系の相対移動は、基板にわたる複数の場所における高さ測定をもたらす。
[00034] 当該技術分野で公知のレベル又は高さセンサLSの一例は、図5に概略的に示され、図5は、動作原理のみを示す。この例では、レベルセンサは、光学系を含み、光学系は、投影ユニットLSP及び検出ユニットLSDを含む。投影ユニットLSPは、投影ユニットLSPの投影格子PGRによって付与される放射ビームLSBを提供する放射源LSOを含む。放射源LSOは、例えば、偏光又は非偏光、パルス又は連続の(偏光又は非偏光レーザビームなど)スーパーコンティニウム光源などの狭帯域又は広帯域光源でもよい。放射源LSOは、異なる色、又は波長範囲を有する複数の放射源(複数のLEDなど)を含み得る。レベルセンサLSの放射源LSOは、可視放射に限定されず、追加的又は代替的に、UV及び/又はIR放射、並びに基板の表面からの反射に適した任意の波長範囲を包含し得る。
[00035] 投影格子PGRは、周期的に変化する強度を持つ放射ビームBE1をもたらす周期構造を含む周期格子である。周期的に変化する強度を持つ放射ビームBE1は、0度~90度、一般的には70度~80度の入射基板表面に垂直な軸(Z軸)に対する入射角ANGを有する基板W上の測定場所MLOに向けて誘導される。測定場所MLOでは、パターン形成された放射ビームBE1は、基板Wによって反射され(矢印BE2によって示される)、検出ユニットLSDに向けて誘導される。
[00036] 測定場所MLOにおいて高さレベルを決定するために、レベルセンサは、検出格子DGR、検出器DET、及び検出器DETの出力信号を処理するための処理ユニット(図示せず)を含む検出システムをさらに含む。検出格子DGRは、投影格子PGRと同じであってもよい。検出器DETは、受け取った光を示す、例えば受け取った光の強度を示す(光検出器など)、又は受け取った強度の空間分布を表す(カメラなど)検出器出力信号を生成する。検出器DETは、1つ又は複数の検出器のタイプの任意の組み合わせを含んでもよい。
[00037] 三角測量技術により、測定場所MLOにおける高さレベルを決定することができる。検出された高さレベルは、一般的に、検出器DETによって測定されるような信号強度に関連し、信号強度は、数ある中でも、投影格子PGRの設計及び(斜め)入射角ANGに依存する周期性を有する。
[00038] 投影ユニットLSP及び/又は検出ユニットLSDは、投影格子PGRと検出格子DGRとの間のパターン形成された放射ビームの経路に沿って、レンズ及び/又はミラーなどのさらなる光学素子を含み得る(図示せず)。
[00039] ある実施形態では、検出格子DGRは、省かれてもよく、検出器DETは、検出格子DGRがある位置に配置されてもよい。そのような構成は、投影格子PGRの像のより直接的な検出を提供する。
[00040] 基板Wの表面を効果的にカバーするために、レベルセンサLSは、基板Wの表面上に測定ビームBE1のアレイを投影し、それによって、より大きな測定範囲をカバーする、測定エリアMLO又はスポットのアレイを生成するように構成されてもよい。
[00041] 一般タイプの様々な高さセンサが、例えば米国特許第7265364号及び米国特許第7646471号に開示され、これらは共に援用される。可視又は赤外線放射の代わりにUV放射を使用する高さセンサが、援用される米国特許出願公開第2010233600A1号に開示される。援用される国際公開第2016102127A1号では、検出格子を必要とすることなく、格子像の位置の検出及び認識を行うために多素子検出器を使用する小型高さセンサが記載される。
[00042] IC製造で使用される別のタイプのメトロロジツールは、アライメントセンサである。したがって、リソグラフィ装置の性能の重要な側面は、(同じ装置又は異なるリソグラフィ装置によって)前の層に築かれたフィーチャに関連して正しく及び正確に施されたパターンを配置する能力である。このために、基板は、マーク又はターゲットの1つ又は複数のセットを備える。各マークは、後に位置センサ(一般的に光位置センサ)を使用して、それ自体の位置が測定され得る構造である。位置センサは、「アライメントセンサ」と呼ばれることがあり、マークは、「アライメントマーク」と呼ばれることがある。
[00043] リソグラフィ装置は、1つ以上の(例えば複数の)アライメントセンサを含んでもよく、アライメントセンサによって、基板上に設けられたアライメントマークの位置を正確に測定することができる。アライメント(又は位置)センサは、回折及び干渉などの光学現象を使用して、基板上に形成されたアライメントマークから位置情報を取得し得る。現在のリソグラフィ装置で使用されるアライメントセンサの一例は、米国特許第6961116号に記載されるような自己参照干渉計に基づくものである。例えば米国特許出願公開第2015261097A1号に開示されるように、位置センサの様々な改善及び修正が開発されている。これらの公報のすべての内容が本明細書に援用される。
[00044] 図6は、例えば、援用される米国特許第6961116号に記載されるような公知のアライメントセンサASの一実施形態の概略ブロック図である。放射源RSOは、1つ又は複数の波長の放射ビームRBを提供し、放射ビームRBは、方向転換光学部品によって、照明スポットSPとして、マーク(基板W上に位置するマークAMなど)上へと方向転換される。この例では、方向転換光学部品は、スポットミラーSM及び対物レンズOLを含む。照明スポットSP(照明スポットSPによって、マークAMが照明される)は、マーク自体の幅よりも直径が僅かに小さくてもよい。
[00045] アライメントマークAMによって回折された放射は、(この例では、対物レンズOLによって)情報伝達ビームIBへとコリメートされる。「回折される」という用語は、マークからの0次回折(これは、反射と呼ばれることがある)を含むことが意図される。例えば上述の米国特許第6961116号に開示されるタイプの自己参照干渉計SRIは、ビームIBをそれ自体と干渉させ、その後に、ビームは、光検出器PDによって受け取られる。放射源RSOによって2つ以上の波長が作られる場合には別個のビームを提供するために、さらなる光学部品(図示せず)が含まれてもよい。光検出器は、単一素子でもよく、又はそれは、必要に応じて幾つかのピクセルを含んでもよい。光検出器は、センサアレイを含んでもよい。
[00046] 方向転換光学部品(この例では、方向転換光学部品は、スポットミラーSMを含む)は、情報伝達ビームIBがマークAMからの高次回折放射のみを含むように(これは、測定にとって必須ではないが、信号対雑音比を向上させる)、マークから反射された0次放射をブロックするようにも機能し得る。
[00047] 強度信号SIは、処理ユニットPUに供給される。ブロックSRIの光学的処理及びユニットPUの計算処理の組み合わせによって、基準フレームに対する基板上のX及びY位置の値が出力される。
[00048] 図示されるタイプの単一測定は、マークの位置をマークの1ピッチに対応した特定の範囲内にのみ固定する。これと併せて、より粗い測定技術を使用して、正弦波のどの周期がマーク位置を含むものであるかを識別する。精度の向上のため、及び/又はマークを作る材料、並びに上及び/又は下にマークが設けられる材料を問わないマークのロバストな検出のために、より粗いレベル及び/又はより細かいレベルで同じプロセスが、異なる波長で繰り返され得る。波長は、同時に処理されるように、光学的に多重化及び逆多重化されてもよく、及び/又は波長は、時分割若しくは周波数分割によって多重化されてもよい。
[00049] この例では、アライメントセンサ及びスポットSPは、静止したままであり、移動するのは基板Wである。したがって、アライメントセンサは、基板Wの移動方向とは反対方向にマークAMを効果的にスキャンしながら、基準フレームにしっかりと正確に取り付けることができる。基板Wは、この移動において、基板サポート上へのそれの取り付け、及び基板サポートの移動を制御する基板位置決めシステムによって制御される。基板サポート位置センサ(例えば干渉計)は、基板サポート(図示せず)の位置を測定する。ある実施形態では、1つ又は複数の(アライメント)マークが基板サポート上に設けられる。基板サポート上に設けられたマークの位置の測定は、位置センサによって決定されるような基板サポートの位置が(例えば、アライメントシステムが接続されるフレームに対して)較正されることを可能にする。基板上に設けられたアライメントマークの位置の測定は、基板サポートに対する基板の位置が決定されることを可能にする。
[00050] 例えば上述のメトロロジツールの何れかにおける、光半導体メトロロジ、検査用途のために、同時に広い波長範囲(例えばUVからIRまで)をカバーするコヒーレント放射を出力する明るい光源が、多くの場合望ましい。そのような広帯域光源は、異なる材料特性を持つウェーハが、ハードウェアを変更する(例えば、ある特定の波長を有するように光源を変更する)必要なしに、同じセットアップ/システムで光学的に検査されることを可能にすることによって、用途の柔軟性及びロバスト性の向上を助け得る。ある特定の用途のために波長が最適化されることを可能にすることは、測定の精度がさらに向上し得ることも意味する。
[00051] これらの用途において、複数の波長を同時に放出するためにガス放電効果に基づくガスレーザを使用することができる。しかしながら、ガスレーザに関連した高強度不安定性及び低空間インコヒーレンスなどの固有の問題がそれらを不適切にし得る。代替的に、異なる波長を有する複数のレーザ(例えば固体レーザ)からの出力が、多波長源を提供するためにメトロロジ又は検査システムの光路に空間的にまとめられてもよい。複雑さ及び高実装コスト(これは、所望の波長の数と共に増加する)が、そのような解決策が広く使用されることを妨げる。対照的に、ファイバベースの広帯域又は白色光レーザ(スーパーコンティニウムレーザとも呼ばれる)は、高空間コヒーレンス及び広スペクトルカバレッジ(例えばUVからIRまで)を有する放射を放出することができ、したがって、非常に魅力的で実用的な選択肢である。
[00052] 中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)は、中心中空コア領域と、中空コアを取り囲む内側クラッド構造とを含む特殊タイプの光ファイバであり、中心中空コア領域及び内側クラッド構造は共に、ファイバ全体に沿って軸方向に延在する。光ガイダンス機構は、内側クラッド導波路構造によって可能となり、内側クラッド導波路構造は、例えば、薄壁ガラス素子を含み得る。したがって、放射は、主に中空コアの内部に閉じ込められ、横コアモードの形式でファイバに沿って伝搬する。
[00053] それぞれが異なる物理的ガイダンス機構に基づくHC-PCFの幾つかのタイプがエンジニアリングされ得る。2つのそのようなHC-PCFは、中空コアフォトニックバンドギャップファイバ(HC-PBF(hollow-core photonic bandgap fiber))及び中空コア反共振反射ファイバ(HC-ARF(hollow-core anti-resonant reflecting fiber))を含む。
[00054] HC-PCFは、様々な光ガイド用途のための、結果として得られる所望の特性を有するように(例えば、HC-PBFを使用した高出力ビームデリバリ、及びHC-ARFを使用したガスベースの白色光発生(又はスーパーコンティニウム発生))、流体で満たされた中空チャネルを含む。HC-PCFの設計及び製造に関する詳細は、米国特許第2004175085号(HC-PBFに関する)及び欧州特許出願公開第3136143A1号(HC-ARFに関する)から入手でき、これらは本明細書に援用される。HC-PBFは、中心中空コアを取り囲むクラッド構造によって確立されるフォトニックバンドギャップ効果によって、低損失であるが狭い帯域幅の光ガイダンスを提供するように構成される。一方、HC-ARFは、クラッドからの光の反共振反射によって、伝送帯域幅を大幅に拡張するようにエンジニアリングされる。
[00055] 図7は、2つの周知のタイプのHC-ARFを断面で示す。図7(a)は、カゴメ格子構造を含むカゴメファイバを示す。図7(b)は、中空コア領域が、形成され、及び非接触リングの層で取り囲まれる、単一リング又はリボルバファイバを示す。
[00056] ガスベースの白色光発生のために、HC-ARFは、ガスセル内に含まれてもよく、ガスセルは、例えば数10バールまでの(例えば、3~100バール)圧力で動作するように設計される。ガス入りHC-ARFは、十分な最大出力を有する超短ポンプレーザパルスによってポンピングされるときに光周波数変換器として機能し得る。超短ポンプレーザパルスから広帯域レーザパルスへの周波数変換は、ガス入りファイバ内の分散及び非線形光学的プロセスの複雑な相互作用によって可能となる。変換されたレーザパルスは、主に横コアモードの形式で中空コア内に閉じ込められ、ファイバ端部へと導かれる。放射の一部、例えば高次横コアモード又は特定の波長は、内側クラッド導波路構造を通って中空コアから漏れる場合があり、ファイバに沿ったそれの伝搬中に、強い減衰を受ける。HC-ARFのコア領域及びクラッド領域は、高次コアモードが高次クラッドモードと位相整合されるように構成されてもよい。このようにして、高次コアモードは、後に減衰又は抑制される高次クラッドモードと共振的に結合し得る。このようにして、低損失で効果的に単一の横モード伝送が、広いスペクトル領域で得られ得る。
[00057] HC-PCFに沿って伝送されるレーザパルスの空間-時間的伝送特性(例えば、それのスペクトル振幅及び位相)は、変動する場合があり、ポンプレーザパラメータ、充填ガスパラメータ、及びファイバパラメータの調節により調整され得る。上記伝送特性は、出力電力、出力モードプロファイル、出力時間プロファイル、出力時間プロファイルの幅(又は出力パルス幅)、出力スペクトルプロファイル、及び出力スペクトルプロファイルの帯域幅(又は出力スペクトル帯域幅)の1つ又は複数を含み得る。上記ポンプレーザパラメータは、ポンプ波長、ポンプパルスエネルギー、ポンプパルス幅、ポンプパルス繰り返し率の1つ又は複数を含み得る。上記ファイバパラメータは、ファイバ長さ、中空コアのサイズ及び形状、クラッド構造のサイズ及び形状、中空コアを取り囲む壁の厚さの1つ又は複数を含み得る。上記充填ガスパラメータは、ガスの種類、ガスの圧力、及びガスの温度の1つ又は複数を含み得る。
[00058] 充填ガスは、アルゴン、クリプトン、及びキセノンなどの原子ガス、水素、重水素、及び窒素などの分子ガス、又はアルゴン及び水素の混合物、キセノン及び重水素の混合物、クリプトン及び窒素の混合物、若しくは窒素及び水素の混合物などの2つ以上の異なるガスを含むガス混合物でもよい。充填ガスの種類に応じて、非線形光学的プロセスは、変調不安定性(MI)、ソリトン分裂、カー効果、ラマン効果、及び分散波発生を含む場合があり、これらの詳細は、国際公開第2018/127266A1号及び米国特許第9160137B1号(これらは共に本明細書に援用される)に記載される。充填ガスの分散は、ガスセルの圧力を変化させることによって調整され得るため、生じた広帯域パルスダイナミクス及び関連のスペクトル広がり特性は、周波数変換を最適化するように調節され得る。生じた広帯域レーザ出力は、UV(例えば、<400nm)からIR(例えば、>800nm)までの波長をカバーし得る。
[00059] 既存のHC-PCFベース広帯域源は、ファイバ寿命の問題を抱える傾向があり、ほんの短い動作時間の後に上手く機能しない場合があることが分かっている。HC-PCFベース光源がメトロロジツール(例えばスキャトロメータ)で使用される場合、HC-PCFの予期せぬ早期の故障は、修理又は交換のために、光源全体がツールから除去される必要があることを意味する。交換光源が同じメトロロジツールに組み込まれた後に、レーザビームの完全な光学的アライメント並びに他の必要な較正及び特性化が再度実施される必要がある。プロセス全体がコストを増加させるだけでなく、かなりのシステムダウンタイムも生じさせる。したがって、寿命を向上/延長する方法を見つけるために、HC-PCFの故障メカニズムを完全に理解することが非常に望ましい。
[00060] 現時点において、幾つかの故障メカニズムが識別されている。第1の故障メカニズムは、一般的に一方又は両方のファイバ端部の炭化水素堆積によって誘起されるファイバの汚染である。この汚染に対処するために利用可能な洗浄法がある。
[00061] 第2の故障メカニズムは、ファイバの過熱である。この問題は、主に、既存のHC-PCFベース光源がHC-PCFの動作温度を維持するための効果的な熱管理対策を組み込んでいないという事実によって生じる。白色光発生は、ガス種における原子衝突及びプラズマにおける再結合ダイナミクスによるイオン化及び熱発生を伴う。動作中に発生するそのような熱は、ファイバの内側クラッド表面の温度を増加させる。しかしながら、例えば図7(a)又は図7(b)に示されるような既存のHC-PCFの場合、ファイバジオメトリが、内側クラッド導波路構造の表面のアクセス及び効率的な冷却を許容しない。効果的な熱放散がなければ、発生した熱は、ファイバが過熱され、最終的に損傷を受けるまで、ファイバ内に(特に、高繰り返し率パルスでポンピング/駆動されるファイバの場合に)蓄積する。内側クラッド導波路構造(例えば、図7(b)に示されるようなガラス又は石英管)の表面の過熱は、ガス放出を生じさせ、ひいては汚染を生じさせ得る不要な化学反応もトリガする。したがって、過熱問題は、ファイバの寿命に悪影響を与え、HC-PCFベース光源のさらなる開発(例えば、電力及び/又は繰り返し率スケーリング)に制約を課す。
[00062] 第3の故障メカニズムは、ファイバ内側クラッド変形である。クリプトンなどの純粋な原子ガス環境では、広帯域放射又は白色光発生は、ファイバクラッド構造の機械的変形も生じさせる。上述の通り、白色光発生プロセスは、ファイバ加熱及びプラズマ発生の両方を生じさせる。短い時間プロファイル下でのHC-PCFにおけるプラズマ発生は、急激なガス加熱による圧力衝撃波を生じさせることが分かっている。この圧力変化は、自由電子の密度に比例する。HC-PCFの断面で音波として伝搬する圧力波は、内側クラッド導波路構造の薄壁ガラス素子(例えばクラッド管)に衝突し、その後、クラッド管の幾つかの機械的モードを衝動的に励起し、それによって、励起された機械的モードの重ね合わせでクラッド管を振動させる。白色光発生により数百度にまで加熱されたクラッド管の振動は、クラッド管の時間的及び永久的な変形、ひいては変形された内側クラッド導波路構造をもたらす。
[00063] 内側クラッド導波路構造は、放射が主に中空コア内に閉じ込められるような光ガイダンス機構として使用されるため、変形した内側クラッド導波路構造は、光の損失、一部の深刻なケースでは、ファイバ損傷をもたらす。図8は、唯一の充填ガスとしてクリプトンを用いて動作する単一リング設計を有するHC-PCFの2つの異なる場所における2つの断面像を示す:(a)ファイバ端部における断面像;(b)(a)に示されたファイバ端部から数センチメートル離れた場所における断面像。ファイバ管は、白色光発生の空間的に拡大した領域に曝露されると、ファイバに沿って変形され得ることが分かる。
[00064] さらに、ファイバクラッド構造(例えばガラス管)の音波誘起機械的変形を悪化させ得る幾つかの他の要因が存在する。第1に、低熱伝導率を有する作用ガスを使用する場合、ファイバの不十分な熱管理は、加熱(過熱)されたクラッド管を生じさせ、これにより、クラッド管が機械的変形をより受けやすくなる。
[00065] 加えて、ファイバクラッド構造に対する発生音波の影響は、ポンプパルスの繰り返し率がクラッド管の励起された機械的モードの振幅を幾分増強し、及び増幅させる場合に(例えば、それがクラッド管の励起された機械的モードの共振周波数に近いときに)、大幅に増幅され得る。上述のように、ポンプパルスが、HC-PCFの中空コア内で広帯域又はスーパーコンティニウムパルスへと非線形に拡張されている間に、ガスに対する急激なエネルギーの放出及びそれの加熱の結果として、音(又は圧力)波も励起される。図7(a)及び図7(b)に示される先行技術設計などの管型HC-PCFでは、ガラス管の少なくとも一部が、発生音波の衝突時に音響共振器として機能する。各ガラス管音響共振器内で、入射音波と後方反射音波との間で干渉が生じ得る。したがって、各音響共振器は、主に管ジオメトリ(例えば、形状、直径、壁の厚さ)によって決定される共振周波数を有する。ポンプパルスの繰り返し率がガラス管の共振周波数と近い、又は一致する場合、関連した管の機械的振動の振幅を大幅に強める共振効果が生じる。
[00066] ファイバクラッド変形問題は、ある量の水素(又は重水素)を作用ガス又はガス混合物に加えることによって、少なくとも部分的に軽減され得ることが知られている。充填ガス混合物の水素の最大モル分率は、安全規制により約4%でもよい。現時点において、水素含有充填ガス混合物の水素の一般的なモル分率は、約2%である。
[00067] ファイバクラッド変形課題は、少なくとも部分的に、ガラスの放射誘起欠陥(色中心)に関連することを研究が明らかにしている。ガラスをUV光子に曝露することによって形成されたときのそのような欠陥は、局所機械的応力及び薄いガラス構造(例えばファイバクラッド構造)の最終的な変形を生じさせる可能性がある。水素及び重水素は、ガラス状マトリックスのそのような欠陥を修復するのに有用であることが知られている。
[00068] また、少量の水素を作用ガスと混合することは、HC-PCFで発生した音波の制振に効果的であることも分かっている。ガス混合物が、拡散支援音波減衰により、発生音波の制振を可能にし得ることを研究が明らかにしている。よく使用される作用ガス(例えばクリプトン)と混合するために、原子ガス及び分子ガスの両方が使用され得る。分子ガスが、より多くの内部自由度を有するため、分子ガスは、原子ガスよりも音響制振においてより効果的である。つまり、分子ガスにおける振動及び回転緩和は、分子自由度(例えば、並進、回転、及び振動自由度)間の結合により音響制振能力を向上させる。作用ガスとの混合に適した分子ガスは、例えば、メタン、窒素、酸素、又は水素でもよい。
[00069] しかしながら、本発明者らは、原子ガスの混合物が、それでもやはり、かなりの音響制振を提供し得ることを発見した。したがって、単一の作用原子ガスに対して音波制振を向上させる原子ガス混合物を使用することが提案される。そのような混合物は、例えば、クリプトン及びヘリウムの混合物、クリプトン及びネオンの混合物、又はキセノン及びヘリウムの混合物などの希ガス混合物を含み得る。
[00070] 一定濃度のガス構成要素を有するガス混合物の場合、発生音波の振幅制振は、以下の方程式によって表される。
Figure 2023533186000001
式中、fは、周波数であり、α(f)は、周波数依存制振係数であり、zは、音波の原点(例えばファイバコアの中心)からの伝搬距離である。音波は、特定の繰り返し率/周波数fprを有するポンプパルスの列によって連続して発生させられるため、それゆえに、最適な音響制振周波数に対応した制振曲線のピークが、その周波数の最大制振を有するために、ポンプレーザの繰り返し率fprに一致した、又は実質的に近いガス混合物を使用することが望ましい、又は本明細書において提案される。一定の混合物のために、fprを共振周波数から離して調整することも可能である。
[00071] ファイバクラッド変形問題を軽減するために、少量の水素を作用ガスと混合することが提案され、及び使用されたが、本発明者らは、現在、水素の導入が、上述の熱問題を軽減する助けとなることも認識している。この見識は、以前は認識されていなかった。
[00072] 現時点において、既存のHC-PCFベース広帯域光源において、作用ガスとしてクリプトンが使用されることが多い。作用ガス又はガス混合物は、入力ポンプ放射と相互作用し、その結果として広帯域放射を発生させることを主に担うガス又はガス混合物を指すことに留意されたい。HC-PCFベース広帯域光源で使用される充填ガスは、作用ガス又はガス混合物のみを含み得る。又は代替的に、充填ガスは、作用ガス又はガス混合物、及び1つ又は複数の他のガスを含み得る。クリプトンの熱伝導率は、室温で1ミリケルビン当たり約9.5ミリワット(mW/mK)である。この低熱伝導率は、HC-PCFにおける不十分な熱管理をもたらす。つまり、ガスセル内に封入され、クリプトン内に埋め込まれる、むき出しのHC-PCFは、白色光発生中に発生した熱を効率的に放散させることができない。これは特に、広帯域放射と直接接触するファイバクラッド構造の内側表面に関して当てはまり、及び重要である。低熱伝導率は、ほとんどのガス状媒体の特性であるため、それゆえに、上述の熱問題は、すべてのそれらのガスにとって共通の問題である。水素の熱伝導率は、186.9mW/mKであり、これは、よく使用される作用ガス(例えばクリプトン)よりも少なくとも1桁大きい。はるかにより高い熱伝導率は、HC-PCFの熱放散を向上させ、その結果として、上述のファイバ過熱問題を抑制するのに役立つ。
[00073] 作用ガスへの水素の添加は、HC-PCFベース広帯域光源の上述の問題を上手く軽減し得るが、一方で、この方法は、同様に、性能、特にHC-PCFベース光源の寿命に害を及ぼす表面還元及びガラス状成長の問題を生じさせる。数百時間以上の間、水素含有ガス混合物を用いてHC-PCFベース光源を動作させた後に、酸化ケイ素又はSiOxナノ構造及びけば立ったガラスが、ファイバの出力端部で主に成長することが分かった。二酸化ケイ素成長の主な根本原因の1つは、水素プラズマの存在下の内側ファイバ表面の還元である。水素プラズマの存在下における二酸化ケイ素の還元及びエッチングは、既知の現象である。原子状水素などの水素イオン及びラジカルは、内側ファイバ表面を攻撃し、石英をシリコンに変換することによって接触面の還元を生じさせ、又は揮発性一酸化ケイ素を生成することによって表面のエッチングを生じさせる。ファイバの終端における二酸化ケイ素の成長は、出力電力の段階的遮断及び損失をもたらし、これは、最終的に、ファイバの損傷及び白色光源の短い寿命をもたらす。表面還元及びガラス状成長問題に加えて、上述の水素の2%モル分率は、経験値にすぎず、クラッド構造の変形を最小限に抑えるため、又は防止するために必要な水素の正確な量は、未知のままである。
[00074] したがって、これらの問題の幾つか又はすべてに対処するために、ガス入りHC-ARFベース広帯域光源の寿命を向上させる方法が提案される。提案される方法は、白色光又はスーパーコンティニウム発生のためのガス環境で動作させられるときのHC-PCFの寿命を延長することに特に適している。提案される方法及び関連の装置の異なる複数の実施形態が以下に開示される。開示される実施形態間で共有される共通性の1つは、作用ガス内の音波の熱コンディショニング及び吸収を向上させるための水素の排他的使用が、水素関連のファイバ寿命制限問題を制限するために回避されることである。そのため、使用される充填ガスが、例えばモル分率で10ppm(parts-per-million)以下の水素を含むものであることが提案される。例えば、充填ガスに含まれる唯一の水素は、意図的に添加された水素とは対照的に、自然に存在する水素(例えば、何れかの表面上の材料のガス放出、炭化水素、H2Oに起因し得る、及び/又は広帯域発生プロセスの一部として発生した自然の水素)でもよい。
[00075] 図9に示されるように、広帯域光源デバイス100は、ポンプパルス111の列を出力するポンプレーザ110、入力されたポンプパルスをスペクトル的に拡張する光学コンポーネント120、及び出力された広帯域スペクトルを測定する光診断デバイス130を含む。光学コンポーネント120は、特定のファイバ長さを有するHC-PCF(例えばHC-ARF)101、及び特定の圧力で、又は圧力分布を有して充填ガス又はガス混合物で満たされたガスセル102を含む。ガスセル102は、ガスセル102の両端部に位置する入力光ウィンドウ103a及び出力光ウィンドウ103bをさらに含む。入力光ウィンドウ103aは、ウィンドウを介して超短ポンプレーザパルスがガスセル102内に入ることを許すように動作可能である。ガス入りHC-PCF101内に結合された後に、ポンプレーザパルス111は、ファイバに沿って伝搬し、そこで、ポンプレーザパルス111は、大きなスペクトル広がりを受ける。結果として得られる広帯域レーザパルスは、続いて、出力光ウィンドウ103bを介してガスセル102から放出され、光診断デバイス130(例えばスペクトロメータ)によって測定される。
[00076] HC-PCF101を充填ガスで満たすために、ガスセル102は、加圧ガス供給又はリザーバ(図示せず)と連通し得る。ガスセル102の壁及びウィンドウ103a、103bの内側表面は、キャビティを封入する。ガスセルの軸は、HC-PCF101の軸と平行する。
[00077] 図10(a)~(c)は、光学コンポーネント120、120’、120’’の3つの公知の構成を概略的に示す。図10(a)は、HC-PCF101全体が単一のガスセル102内に含まれる第1の構成を示す。図10(b)は、HC-PCF101全体が、適切な封止機構105を使用することによって相互接続される幾つかの(例えば3つの)サブセル102a、102b、102cに含まれる代替配置を示す。耐圧接続は、すべてのサブセルが、白色光発生に望ましい同じ圧力に達することを確実にする。図10(c)は、HC-PCF101の2つのファイバ端部101a、101cが2つの別個のガスセル102d、102e内にそれぞれ含まれ、流体接続として機能するファイバの中央部分101bが、ガスセルの外に含まれる別の構成を示す。
[00078] 図10(a)~(c)に示される光学コンポーネント120、120’、120’’の構成は、単なる3つの例であることに留意されたい。多くの他の異なる構成が等しく適用可能である。例えば、幾つかの実施形態では、光学コンポーネント120は、少なくとも部分的にHC-PCF101を封入するガス環境を生じさせるために、単一のガスセル102又は複数のサブセル102a~eを使用しなくてもよい。代わりに、HC-PCF101は、まず充填ガスで満たされ、次に、例えばファイバの2つの端部のそれぞれにミラーを取り付けることによって封止されてもよい。このようにして、充填ガスは、別個のガスセルを必要とせずに、ファイバ(例えば、中空コア及びクラッド構造)内に保持される。2つのミラーは、許容可能な伝送帯域の観点から図9に示されるミラーと同様に構成され得る。
[00079] ある実施形態では、HC-PCFベース広帯域光源の充填ガスは、ヘリウム及び別のガス若しくはガス混合物を含む、又はヘリウム及び別のガス若しくはガス混合物から成るガス混合物でもよい。この実施形態では、ヘリウムは、クラッド構造の変形及びファイバ過熱の問題を軽減するために現在使用される水素に対する代替ガスとして機能し得る。水素と同様に、ヘリウムは、高熱伝導率、すなわち156.7mW/mKを有し、したがって、HC-PCF101の熱管理の向上に役立ち得る。(下記の実施形態に記載される)同じ目的のために水素に取って代わる、高熱伝導率を有する異なる分子ガスも使用され得るが、例えば、水素、酸素、及びH2Oなどの分子ガスは、光による曝露後に解離し、後にガラスを攻撃し、表面還元問題を生じさせるイオン及びラジカルに変化するという事実により、原子ガスが好ましい。
[00080] 第2のガス又はガス混合物は、白色光発生のための作用ガスとして機能し得る。第2のガス又はガス混合物は、原子ガス若しくはガス混合物、又は分子ガス若しくはガス混合物でもよい。上記の通り、2つ以上の原子ガスの混合物は、発生音波の制振に役立ち、したがって、クラッド構造変形問題を軽減し得る。効果的な衝撃吸収又は音響制振特性を提供するために、充填ガス混合物の2つ以上の原子ガスが、拡散支援音波減衰によって必要とされる十分に異なる原子質量を有するべきであることに留意されたい。
[00081] 幾つかの実施形態では、充填ガス混合物は、ヘリウム及び白色光発生に使用される第2の原子ガスを含んでもよく、又はヘリウム及び白色光発生に使用される第2の原子ガスから成ってもよい。第2の原子ガスは、例えば、クリプトン、ネオン、アルゴン、又はキセノンでもよい。他の実施形態では、充填ガス混合物は、ヘリウム及び第2の原子ガス混合物を含んでもよく、又はヘリウム及び第2の原子ガス混合物から成ってもよい。白色光発生に使用される第2の原子ガス混合物は、少なくとも別の2つの異なる原子ガス、例えば、クリプトン及びネオン、クリプトン及びアルゴン、又はクリプトン及びキセノンを含んでもよい。
[00082] 異なる実施形態では、充填ガス混合物は、ヘリウム、第2の原子ガス若しくはガス混合物、及び分子ガス若しくはガス混合物を含んでもよく、又はヘリウム、第2の原子ガス若しくはガス混合物、及び分子ガス若しくはガス混合物から成ってもよい。第2の原子ガス又はガス混合物は、白色光発生のための作用ガス又はガス混合物として使用されてもよい。分子ガスは、原子ガスよりも多くの内部自由度を有するため、上記の実施形態におけるヘリウム含有原子ガス混合物などのヘリウム含有原子ガス混合物と混合する場合に、それらは、音響制振能力をさらに向上させることができる。幾つかの実施形態では、充填ガス混合物は、ヘリウム、第2の原子ガス又はガス混合物、及び分子ガスを含んでもよい。このために、分子ガスは、例えば、窒素、酸素、又はH2Oでもよい。他の実施形態では、充填ガス混合物は、ヘリウム、第2の原子ガス又はガス混合物、及び分子ガス混合物を含んでもよい。分子ガス混合物は、例えば、窒素、酸素、又はH2Oのうちの2つ以上を含んでもよい。
[00083] 幾つかの実施形態では、充填ガス混合物は、ヘリウム及び異なるガス若しくはガス混合物を含んでもよく、又はヘリウム及び異なるガス若しくはガス混合物から成ってもよい。ここでは、ヘリウムは、ファイバ過熱問題及びクラッド構造変形問題を軽減するために使用され得る。ガス入りHC-PCFベース光源における広帯域放射発生のための1つ又は複数の所望の特性(例えばスペクトル領域及びスペクトルプロファイル)を決定するために、作用ガス又はガス混合物として使用される異なるガス又はガス混合物が慎重に選ばれ得る。例えば、ガスの種類又はガス混合物の組成を適切に選ぶことによって、主に紫外線(UV)領域又は赤外線(IR)領域において広帯域放射を発生させることが可能となり得る。広帯域UVスペクトルが好ましい場合、充填ガス混合物は、例えば、ヘリウムと、窒素を含む分子ガス若しくはガス混合物、又はアルゴン若しくはクリプトンなどの原子ガスとを含んでもよく、或いはヘリウムと、窒素を含む分子ガス若しくはガス混合物、又はアルゴン若しくはクリプトンなどの原子ガスとから成ってもよい。一方、広帯域IRスペクトルが好ましい場合は、充填ガス混合物は、例えばヘリウム及びキセノンを含んでもよく、又はヘリウム及びキセノンから成ってもよい。
[00084] 幾つかの実施形態では、ヘリウム含有充填ガス混合物のヘリウムの濃度又はモル分率は、ファイバから余分な熱を放出するための熱伝導と対流のバランスが得られるように最適化され得る。つまり、クラッド構造変形及びファイバ過熱問題は、充填ガス混合物のヘリウム濃度を最適化することによって軽減することができる。充填ガス混合物の選択は、例えば、光源の出力特性(例えば、電力、スペクトル)、許容可能な総ガス圧力、及び/又は熱放散の好ましい方法のうちの1つ又は複数などのファクタに依存し得る。充填ガス混合物におけるヘリウムの添加は、充填ガス混合物の熱伝導率及び熱拡散率を増加させることによって、熱放散機構を有効にすることができる。
[00085] 上記の通り、ヘリウムは、それの高熱伝導率及び音響制振への適性により、クラッド構造の変形及びファイバ過熱の問題を軽減するための水素の代替ガスとして使用され得る。ヘリウム含有ガス混合物の熱伝導率がヘリウム濃度によって変化することが知られている。図11は、分子量の関数として原子ガスの幾つかの二元混合物の熱伝導率を示すプロットである。図11のプロットでは、各ガス混合物の熱伝導率(k)は、2つの異なる温度、すなわち、1200K及び400Kに関して、20バール(又は図に示されるように2.0メガパスカル(MPa))の圧力で特徴付けられる。各ガス混合物の分子量(MW)は、それぞれの百分率で重み付けされた個々の分子量の平均である。図11の白丸のそれぞれは、400Kの温度における原子ガス(例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、又はキセノン(Xe))の熱伝導率を表し、図の白四角のそれぞれは、温度1200Kにおける原子ガス(例えば、He、Ne、Ar、Kr、又はXe)の熱伝導率を表す。各実線は、2つの白丸のペアを接続し、2つの白丸によって表される2つの原子ガスから成る二元混合物の熱伝導率が400Kの温度でガス混合物の分子量によって変化する範囲を示す。同様に、2つの白四角のペアを接続する各破線は、2つの白四角によって表される2つの原子ガスから成る二元混合物の熱伝導率が1200Kの温度でガス混合物の分子量によって変化する範囲を示す。
[00086] 黒丸は、ガス入りHC-PCFベース光源の充填ガス混合物として使用され得る幾つかの例示的ガス混合物の熱伝導率を表す。実線上の2つの黒丸によって表されるような2つのガス混合物、すなわち、モル分率で50%のキセノン及び50%のヘリウム(又はXe/He 50/50)から成る第1の混合物、並びにモル分率で80%のクリプトン及び20%のヘリウム(又はKr/He 80/20)から成る第2の混合物は、高繰り返し周波数(例えば、1MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、又は80MHz)で動作させられるHC-PCFベース広帯域放射源において使用され得る。図の例示的ガス混合物の熱伝導率は、所与の温度及び総ガス圧力(例えば、400K及び20バール)に関するものであることに留意されたい。これらの例示的ガス混合物は、異なる条件(例えば、異なる総ガス圧力及び/又は異なる温度)下で動作する際には異なる熱伝導率を有する。
[00087] 図において、何れのヘリウム含有充填ガス混合物に関しても、ガス混合物のヘリウム濃度(又はモル分率)の増加は、分子量を減少させ、熱伝導率を増加させることが明らかである。その一方で、ガス混合物のヘリウム濃度の増加は、作用ガス(例えば、Ne、Ar、Kr、又はXe)の分圧を減少させる。HC-PCFベース放射源の出力性能が作用ガスの分圧(ひいては光学非線形性)に依存するので、作用ガスに関する同じ分圧を維持するために総ガス圧力を増加させることが望ましい。総ガス圧力は、充填ガス混合物の構成要素ガスの分圧の合計として定義される。したがって、充填ガス混合物のヘリウムの最適濃度(又はモル分率)を決定することに関して言えば、熱伝導率と光学非線形性のバランスを取る必要がある。
[00088] 図11を参照して、異なる充填ガス混合物構成は、対応する作用ガスの熱伝導率に基づいて、例えば3つの主なグループに分類され得る。第1のグループは、高熱伝導率を有する充填ガス混合物を含み得る。第1のグループでは、各充填ガス混合物は、例えば、所与の温度及び圧力で、純粋ヘリウムの熱伝導率の75%~100%の熱伝導率を有し得る。第2のグループは、中程度の熱伝導率を有する充填ガス混合物を含み得る。第2のグループでは、各充填ガス混合物は、例えば、所与の温度及び圧力で、純粋ヘリウムの熱伝導率の35%~75%の熱伝導率を有し得る。第3のグループは、低熱伝導率を有する充填ガス混合物を含み得る。第3のグループでは、各充填ガス混合物は、例えば、所与の温度及び圧力で、純粋ヘリウムの熱伝導率の0~35%の熱伝導率を有し得る。
[00089] 第1のグループの各充填ガス混合物に関して、作用ガス(例えばキセノン)は、より高い度合いのイオン化能力(ionizability)を有してもよく、結果として生じる過熱問題は、より高いレベルの重大性を有し得る。したがって、作用ガスは、過熱問題を軽減するために必要とされる、より高い熱伝導率を達成するために、より高いモル分率のヘリウムと混合され得る。例えば、充填ガス混合物は、モル分率で、10%のキセノン及び90%のヘリウムから成ってもよく、又は20%のキセノン及び80%のヘリウムから成ってもよい。そのような充填ガス混合物は、非常に高いヘリウム濃度を有し、したがって、高熱伝導率を可能にする。そのような充填ガス混合物は、作用ガス(例えばキセノン)に関する所望の分圧を維持するために、より高い総ガス圧力(例えば40バール)で動作させられ得る。
[00090] 第2のグループの各充填ガス混合物に関して、作用ガス(例えば、アルゴン又はクリプトン)は、より低い度合いのイオン化能力を有してもよく、結果として生じる過熱問題は、第1のグループの充填ガス混合物の場合よりも軽度となり得る。したがって、ヘリウム含有充填ガス混合物に関して、より低いヘリウム濃度が使用され得る。例えば、充填ガス混合物は、モル分率で、50%のクリプトン及び50%のヘリウムから成ってもよく、又は70%のアルゴン及び30%のヘリウムから成ってもよい。これは、ガス混合物の総動作圧力を簡単に扱えるレベル、例えば50バール未満に維持するという利点を有する。
[00091] 第3のグループの各充填ガス混合物に関して、作用ガス(例えば、アルゴン又はネオン)のイオン化能力の度合いは、第2のグループのものと同様でもよく、又はそれよりも低くてもよい。比較すると、第3のグループの充填ガス混合物は、第2のグループのものよりも低いヘリウム濃度、ひいては低い熱伝導率を有し得る。第1のグループと同様に、第2及び第3のグループの充填ガス混合物は、対応する作用ガスに関する所望の分圧を維持するために、より高い総ガス圧力(例えば50~70バール)で動作させられ得る。
[00092] 表1では、さらなる例示的充填ガス混合物が提供される。以下の表は、二元原子ガス混合物(すなわち、2つの異なる原子ガスから成る)のみをリストするが、例えば、3つ以上の原子ガスを含む、若しくは3つ以上の原子ガスから成る充填ガス混合物、又は1つ若しくは複数の原子ガス及び1つ若しくは複数の分子ガスを含む、又は1つ若しくは複数の原子ガス及び1つ若しくは複数の分子ガスから成る充填ガス混合物などの他のタイプのガス混合物の適用性を除外するという意味ではないことに留意されたい。
Figure 2023533186000002
表1に示されるように、各例示的充填ガス混合物は、ヘリウム及び別のより重い原子ガスから成る。ヘリウム(ガス2)及びより重い原子ガス(ガス1)のモル分率は、X及び100-Xによってそれぞれ示される。表中の各二元原子ガス混合物(例えば、Ar及びHe、Kr及びHe、又はXe及びHe)に関して、ヘリウムのモル分率の好ましい範囲が提供される。例えば、キセノン及びヘリウムのガス混合物に関して、ヘリウムのモル分率は、50%以上であることが好ましい。
[00093] 熱拡散率は、ファイバの中心で(すなわち、最大強度及びイオン化の地点において)1つのパルスによって生じる熱勾配が、システム(例えばガス入りHC-PCF)内で、どのくらい速く平滑化されるか、又は拡散されるかの測度であり、以下のように表現することができる。
Figure 2023533186000003
式中、kは、充填ガス混合物の熱伝導率を示し、ρは、充填ガス混合物の密度を示し、Cpは、充填ガス混合物の熱容量を示す。後続のレーザパルスの影響下で、高温のガスが高定常温度に達することを防止するために、熱勾配の緩和の時間スケールがパルス分離時間(すなわち、レーザ繰り返し率の逆数)よりも短くなるように、熱勾配の緩和の時間スケールを減少させることが望ましい。方程式[2]によれば、より多くのヘリウムを添加した結果としての充填ガス混合物の熱伝導率の増加は、熱拡散率の増加ももたらす。高伝導率を有する充填ガス混合物を使用することに加えて、充填ガス混合物が、より低い密度及び/又はより低い熱容量を有するように充填ガス混合物を構成することによって、より高い熱拡散率を得ることができる。図12は、2つの異なる熱拡散率に関するファイバの熱緩和の簡易シミュレーションを示すプロットである。図に示されるように、ファイバ(例えばHC-PCF101)の正規化ピーク温度(NPT)及び図の水平軸は、時間である。この図は、より高い熱拡散率(例えば、α=1.0)を有する充填ガス混合物が、より低い熱拡散率(例えば、α=0.5)を有する充填ガス混合物よりも、ファイバ(例えばHC-PCF101)において、はるかにより速い(例えば、2倍速い)熱緩和をもたらすことを立証する。
[00094] 上記の通り、充填ガス混合物の選択は、好ましい熱伝達機構、例えば、対流熱伝達又は伝導熱伝達にも依存し得る。伝導熱伝達は、バルク運動なしの材料内での分子励起によって生じ、対流熱伝達は、境界に対する流体(例えば充填ガス)のバルク移動により生じる。重い原子ガスが、HC-PCFにおいて広帯域放射を発生させるための作用ガス(例えば、Kr又はXe)として使用される場合には、熱緩和が、重い作用ガスのより少ない対流又は運動量移行を生じさせることが好ましい。その理由は、重い作用ガスの対流がファイバの内部及び外部又は断面にわたり形成される温度勾配の結果として、ファイバにおいてガス流を生じさせ得るからである。高温の重い作用ガス流は、ポンプパルスが、それらが通過する媒体(作用ガス)の変化する屈折率を受けることをもたらし得る。屈折率プロファイルの局所変化は、次に、放射出力不安定性(例えば、電力不安定性、スペクトル不安定性)をもたらし得る。重い作用ガスへのヘリウムの添加は、熱伝達が主に軽いヘリウム原子の移動によって生じることを可能にし得る(軽いヘリウム原子は、重イオンと比較した軽い自由電子の移動による金属における熱伝達に類似のやり方で、重いガス原子中を自由に移動することができる)。ヘリウムは、その低光学非線形性により、光源の出力に影響を与えず、ファイバで生じた余分な熱の伝達に役立つのみである。
[00095] クラッド構造変形及びファイバ過熱問題を軽減するための最適充填ガス混合物を選ぶことに関する上記の記載は、充填ガス混合物が、ヘリウムと、2つ以上の原子ガスを含む作用ガス混合物とを含む(上記の例示的ガス混合物において記載されるように単一の原子ガスを含むのではなく)場合、又は充填ガス混合物が、ヘリウムと、1つ若しくは複数の原子ガス及び1つ若しくは複数の分子ガスを含む作用ガス混合物とを含む場合にも等しく適用可能であることに留意されたい。いずれにせよ、充填ガス混合物は、その熱伝導率、熱拡散率、及び熱伝達機構を同時に考慮することによって、最適に選択され得る。
[00096] 方程式[1]によれば、圧力衝撃波の音響制振の強度は、ポンプパルス繰り返し率に依存する。したがって、ある実施形態では、ヘリウム含有充填ガス混合物は、最適音響制振周波数がポンプパルスの繰り返し率と一致するように、又は実質的に近いように構成され得る。幾つかの実施形態では、ポンプレーザの繰り返し率は、充填ガス又はガス混合物の最適音響制振周波数と一致するように、又は実質的に近いように調整され得る。他の実施形態では、ポンプパルス繰り返し率と一致した、又は実質的に近い最適音響制振周波数を有する適切な充填ガス又はガス混合物が選択され得る。
[00097] 対応する充填ガス混合物の音響制振強度を最大化するために、ポンプ-ガス周波数一致フィーチャが、単独で、又は任意の上記の1つ若しくは複数の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。例えば、ある実施形態では、ヘリウム及び窒素を含む、又はヘリウム及び窒素から成る充填ガス混合物は、ポンプパルスの繰り返し率と正確に一致する最適音響制振周波数を有し得る。そのため、ガス入りHC-PCFベース光源は、同時に、(窒素によって決定される)広帯域UV放射を発生させ、(例えば、ヘリウムを使用することによって軽減される)ファイバ過熱、並びに(ポンプ-ガス周波数一致フィーチャと共に窒素及びヘリウムの混合物を使用することによって軽減される)クラッド管変形問題による影響を最小限に抑えた長いファイバ寿命を有することができる。
[00098] クラッド構造(例えばクラッド管)によって誘起される音響共振効果は、音波の影響を増幅し得るため、ポンプパルス繰り返し率がHC-PCF101のクラッド構造(例えばクラッド管)内の励起された共振モードの1つ又は複数の共振周波数とは異なることを確実にすることも望ましい。幾つかの実施形態では、ポンプレーザの繰り返し率は、共振効果が回避され得るように調整可能でもよい。代替的に、白色光発生中に生じる音波によって見られるようなHC-PCF101の音響インピーダンスは、音波によって衝突された後にHC-PCF101のクラッド構造内で共振モードの励起を実質的に防止するように構成され得る。幾つかの実施形態では、クラッド構造内の共振モードの励起の防止は、充填ガス混合物に関して適切なガス組成を慎重に選択することによって、及び/又は適切なファイバジオメトリを有するHC-PCF101を慎重に選択することによって得られ得る。
[00099] ポンプ-ガス周波数一致フィーチャと同様に、上記のポンプ-クラッド反共振フィーチャが、単独で、又は任意の上記の1つ若しくは複数の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。例えば、異なる実施形態において、ポンプ-クラッド反共振フィーチャは、充填ガスがヘリウム及び窒素を含み、又はヘリウム及び窒素から成り、最適音響制振周波数がポンプパルス繰り返し率に一致する上記の実施形態に適用されてもよい。この実施形態は、最大化された音響制振強度がクラッド管の共振効果によって損なわれないことを確実にすることができる。
[000100] 幾つかの実施形態では、ガスセル102の熱放散を向上させるための特定の熱管理対策が取られ得る。熱放散が向上したガスセル102は、ヘリウム含有充填ガス又はガス混合物を介してHC-PCF101からガスセル102へと伝達された熱の効果的な除去を容易にし得る。幾つかの実施形態では、ガスセル102は、ガスセル本体から熱を素早く除去することができる効率的な冷却システムに接続されてもよい。異なる実施形態では、ガスセル102は、高熱伝導率を有する材料で作られてもよい。この場合もやはり、より高い熱放散を有する改良されたガスセル102が、任意の上記の1つ又は複数の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。
[000101] 上記の実施形態のすべてにおいて、充填ガス混合物は、ある量のヘリウムを含む。水素含有充填ガス混合物と比較して、ヘリウム含有充填ガス混合物は、ファイバの過熱及びクラッド構造の変形問題を軽減するだけでなく、水素含有充填ガス混合物を使用する場合に存在する表面還元問題も防止する。意図的に水素を導入しなくても、充填ガス又はガス混合物は、それでも微量の水素を含む場合があり、この微量の水素は、何れかの表面上のガス放出、炭化水素、又はH2Oに起因する場合があり、及び/又は広帯域発生プロセスの一部として発生され得る。しかしながら、そのような残留水素又は自然に存在する水素は、上述の問題の何れかを軽減するように、又はガラス表面還元を生じさせるように機能するには不十分である。
[000102] ある実施形態では、充填ガス混合物は、モル分率で50%のヘリウム及び50%のクリプトンから成り得る。しかしながら、ヘリウムの他のモル分率も適用可能となり得る。ヘリウムのモル分率は、充填ガス混合物の2%以上でもよく、例えば、充填ガス混合物の10%又は50%以上でもよい。例えば、ヘリウムのモル分率は、10%~90%、20%~80%、30%~70%、40%~60%、45%~55%、又は55%~65%でもよく、より詳細には、それは、充填ガス混合物の2%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、又は80%でもよい。上記では、「含む(comprises)」は、これらのガスを含むことを表すが、必ずしも他のガスを排除するわけではなく、「~から成る(consists of)」は、これらのガスのみを含むことを表す。
[000103] ヘリウム(又は別の希ガス)は、非常に有用なガス媒体であり、ファイバ過熱問題及びクラッド構造変形問題の両方を軽減することができるが、幾つかの実施形態は、ヘリウムを含まない充填ガス混合物を使用してもよい。幾つかの実施形態では、ポンプ-ガス周波数一致フィーチャ、ポンプ-クラッド反共振フィーチャ、及び熱放散ガスセルフィーチャの1つ又は複数が、ヘリウムを含まない充填ガス又はガス混合物に適用されてもよい。ある実施形態では、上記の3つのフィーチャのすべてが、ヘリウムを含まない充填ガス混合物と共に使用される。ポンプ-ガス周波数一致フィーチャ及びポンプ-管反共振フィーチャは、クラッド管変形問題を軽減することができ、熱放散ガスセルフィーチャは、ファイバ過熱問題を軽減することができるため、ヘリウムが使用されない場合であっても、ファイバの寿命は、やはり延長することができる。この実施形態は、充填ガス混合物においてかなりの量の水素を使用することを避けることによって、表面還元問題をさらに防止することができる。
[000104] そのため、ポンプ放射の繰り返し率が、HC-PCFの内側クラッド構造の音響共振周波数の何れとも一致しないようにポンプ放射の繰り返し率を最適化する方法、及びガス媒体の最適音響制振周波数を、ポンプ放射源によって発生するポンプ放射の繰り返し率と実質的に一致させる方法も想定される。最適化又は一致は、例えば、ポンプ放射パラメータの適切な調整、ガス混合物の最適化、又はその両方によって達成され得る。
[000105] そのような実施形態で使用されるHC-PCF101は、図7を参照するカゴメ設計又は単一リング設計を用い得るHC-ARFである。代替的に、抑制結合(inhibited coupling)設計、内サイクロイドコアカゴメ、及び入れ子管状設計などの他のファイバ設計(図示せず)が使用されてもよい。ポンプパルス長は、100fsを超えるように、より具体的には、例えば、100fs~100ps、100fs~30ps、又は100fs~1psの範囲内であるように選ばれ得る。選ばれたポンプパルスは、100fs、150fs、200fs、250fs、300fs、350fs、400fs、450fs、500fs、600fs、700fs、800fs、900fs、1ps、10ps、20ps、30ps、100psでもよい。ポンプ波長は、可視レジーム、近赤外レジーム、又は中赤外レジームから選ばれてもよい。ポンプレーザパルスは、数百ヘルツ(Hz)、キロヘルツ(kHz)、又はメガヘルツ(MHz)の繰り返し周波数を有し得る。具体的には、繰り返し率は、300kHz、500kHz、1MHz、5MHz、10MHz、20MHz、30MHz、40MHzなどの300kHz~100MHzの範囲内にあるように選ばれてもよい。
[000106] 本明細書に開示されるようにHC-PCFの寿命を延長するように構成された広帯域光源デバイスは、ヘリウム含有充填ガス混合物を含む。
[000107] 本明細書に開示されるようにHC-PCFの寿命を延長するように構成された広帯域光源デバイスであって、ポンプパルス繰り返し率及び充填ガス混合物の最適音響制振周波数が互いに一致し、又は互いに実質的に近い。
[000108] 本明細書に開示されるようにHC-PCFの寿命を延長するように構成された広帯域光源デバイスは、図10を参照する構成の何れか1つを有するように構成され得る光学コンポーネントを含む。
[000109] さらなる実施形態が、以下の番号が付された条項のリストに開示される。
1. ポンプ放射の受け取り時に広帯域出力を発生させるように構成された広帯域光源デバイスであって、広帯域光源デバイスが、
光学コンポーネントであって、
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
HC-PCFを充填するガス混合物と、
を含む、光学コンポーネントを含み、
ガス混合物が、広帯域放射の発生のために構成された少なくとも1つの第1のガスと、ガス混合物の熱伝導率を向上させ、及び/又は広帯域放射の発生中に引き起こされる衝撃波の音響制振を提供するように構成された少なくとも1つの第2のガスとの混合物を含み、さらに、ガス混合物が、モル分率で10ppm(parts-per-million)以下の水素を含む、広帯域光源デバイス。
2. ポンプ放射の受け取り時に広帯域出力を発生させるように構成された広帯域光源デバイスであって、広帯域光源デバイスが、
光学コンポーネントであって、
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
HC-PCFを充填するガス混合物と、
を含む、光学コンポーネントを含み、
ガス混合物が、広帯域放射の発生のために構成された少なくとも1つの第1のガスと、ガス混合物の熱伝導率を向上させ、及び/又は広帯域放射の発生中に引き起こされる衝撃波の音響制振を提供するように構成された少なくとも1つの第2のガスとの混合物を含み、さらに、ガス混合物が、モル分率で4%以下の水素を含む、広帯域光源デバイス。
3. 少なくとも1つの第2のガスが、原子ガスを含む、又は原子ガスから成る、条項1又は2に記載の広帯域光源デバイス。
4. 少なくとも1つの第2のガスが、ヘリウムを含む、又はヘリウムから成る、条項3に記載の広帯域光源デバイス。
5. 少なくとも1つの第1のガスが、第2のガスよりも大きい原子量を有する原子ガスを含む、又は第2のガスよりも大きい原子量を有する原子ガスから成る、条項3又は4に記載の広帯域光源デバイス。
6. 少なくとも1つの第1のガスが、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンのうちの1つ若しくは複数を含む、又はクリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンのうちの1つ若しくは複数から成る、条項5に記載の広帯域光源デバイス。
7. 少なくとも第1のガスが、1つ若しくは複数の分子ガスを含む、又は1つ若しくは複数の分子ガスから成る、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
8. 少なくとも1つの第2のガスが、1つ若しくは複数の分子ガスを含む、又は1つ若しくは複数の分子ガスから成る、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
9. 1つ又は複数の分子ガスが、窒素、酸素、H2Oの範囲から選択される、条項8に記載の広帯域光源デバイス。
10. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の少なくとも2%を構成する、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
11. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の少なくとも10%を構成する、条項1~9の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
12. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の30%~70%を構成する、条項1~9の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
13. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の40%~60%を構成する、条項1~9の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
14. 少なくとも1つの第1のガスがキセノンから成り、及び少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、少なくとも1つの第2のガスが、50%以上のモル分率を構成する、条項4~9の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
15. 少なくとも1つの第1のガスが、モル分率でガス混合物の20%以下を構成するキセノンから成り、少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の80%以上を構成するヘリウムから成る、条項14に記載の広帯域光源デバイス。
16. 少なくとも1つの第1のガスが、モル分率でガス混合物の10%以下を構成するキセノンから成り、少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の90%以上を構成するヘリウムから成る、条項14に記載の広帯域光源デバイス。
17. 少なくとも1つの第1のガスがクリプトンから成り、少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、少なくとも1つの第2のガスが、20%以上のモル分率を構成する、条項4~9の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
18. 少なくとも1つの第1のガスがクリプトンから成り、少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、それぞれ、モル分率でガス混合物の50%±10%及び
Figure 2023533186000004
を構成する、条項17に記載の広帯域光源デバイス。
19. 少なくとも1つの第1のガスがアルゴンから成り、少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、少なくとも1つの第2のガスが、10%以上のモル分率を構成する、条項4~9の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
20. 少なくとも1つの第1のガスが、モル分率でガス混合物の70%以下を構成するアルゴンから成り、少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の30%以上を構成するヘリウムから成る、条項19に記載の広帯域光源デバイス。
21. 少なくとも1つの第1のガスが、モル分率でガス混合物の90%以下を構成するアルゴンから成り、少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の10%以上を構成するヘリウムから成る、条項19に記載の広帯域光源デバイス。
22. HC-PCFが、単一リングHC-PCFを含む、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
23. ポンプ放射を発生させるためのポンプ放射源をさらに含む、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
24. ガス混合物の最適音響制振周波数が、ポンプ放射源によって発生されるポンプ放射の繰り返し率と実質的に一致する、条項23に記載の広帯域光源デバイス。
25. ガス混合物のガス組成が、ポンプ放射の繰り返し率に対するガス混合物の最適音響制振周波数の一致のために構成される、条項24に記載の広帯域光源デバイス。
26. ガス混合物の最適音響制振周波数と一致するようにポンプ放射の繰り返し率を調整するように構成される、条項24又は25に記載の広帯域光源デバイス。
27. ポンプ放射の繰り返し率が、HC-PCFの内側クラッド構造の音響共振周波数の何れとも一致しないようにポンプ放射源が構成される、条項23~26の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
28. HC-PCFの内側クラッド構造が、1つ又は複数の石英管を含む、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
29. ガス混合物が、発生する広帯域放射のスペクトル領域を規定するように構成される、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
30. 広帯域出力が、200nm~3000nmの波長範囲、又は400~2000nmなどのこの範囲内のサブレンジを含む、先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイス。
31. 先行する条項の何れか一項に記載の広帯域光源デバイスを含むメトロロジデバイス。
32. スキャトロメータメトロロジ装置、レベルセンサ、又はアライメントセンサを含む、条項31に記載のメトロロジデバイス。
33. 広帯域放射出力を発生させ、及び
ポンプ放射を出力するためのポンプ放射源と、
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
HC-PCFを充填するガス混合物と、
を含むように構成された放射源配置を構成する方法であって、方法が、
ガス媒体の最適音響制振周波数をポンプ放射源によって発生するポンプ放射の繰り返し率と実質的に一致させることを含む、方法。
34. ガス媒体の最適音響制振周波数をポンプ放射の繰り返し率と一致させるようにガス媒体のガス組成を最適化することを含む、条項33に記載の方法。
35. ガス媒体の最適音響制振周波数と一致するようにポンプ放射の繰り返し率を調整することを含む、条項33又は34に記載の方法。
36. ポンプ放射の繰り返し率が、HC-PCFの内側クラッド構造の音響共振周波数の何れとも一致しないように、ポンプ放射の繰り返し率を最適化することを含む、条項33~35の何れか一項に記載の方法。
37. 広帯域放射出力を発生させ、及び
ポンプ放射を出力するためのポンプ放射源と、
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
HC-PCFを充填するガス混合物と、
を含むように構成された放射源配置を構成する方法であって、方法が、
ポンプ放射の繰り返し率が、HC-PCFの内側クラッド構造の音響共振周波数の何れとも一致しないように、ポンプ放射の繰り返し率を最適化することを含む、方法。
38. ガス混合物が、少なくとも1つの第1のガス及び少なくとも1つの第2のガスを含み、少なくとも1つの第1のガスが、広帯域放射の発生のために構成され、少なくとも1つの第2のガスが、ガス混合物の熱伝導率を向上させ、及び/又は広帯域放射の発生中に引き起こされる衝撃波の音響制振を提供するように構成され、さらに、ガス混合物が、モル分率で10ppm(parts-per-million)以下の水素を含む、条項33~37の何れか一項に記載の方法。
39. 第2のガスが、原子ガスを含む、条項38に記載の方法。
40. 第2のガスが、ヘリウムを含む、条項39に記載の方法。
41. 第1のガスが、第2の原子ガスよりも大きい原子量を有する原子ガスを含む、条項39又は40に記載の方法。
42. 第1の原子ガスが、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンの範囲から選択される、条項41に記載の方法。
43. 広帯域放射出力を発生させ、及び
ポンプ放射を出力するためのポンプ放射源と、
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
HC-PCFを充填するガス混合物と、
を含むように構成された放射源配置を構成する方法であって、方法が、
ガス混合物の熱伝導率、
ガス混合物の熱拡散率、又は
熱伝達機構の1つ又は複数を最適化することによって、ガス混合物のヘリウムのモル分率を最適化することを含む、方法。
44. 熱伝達機構の最適化が、少なくとも1つの第1のガスに関して、重い分子量を有するガス又はガス混合物を選ぶことを含む、条項43に記載の方法。
45. 少なくとも1つの第1のガスの分子量が、ヘリウムの分子量よりも少なくとも10倍重い、条項44に記載の方法。
46. ヘリウムのモル分率が最適化されている間に、ガス混合物の各構成要素ガスの分圧が実質的に維持される、条項44又は45に記載の方法。
47. 広帯域光源デバイスの光学コンポーネントであって、光学コンポーネントが、ポンプ放射の受け取り時に広帯域出力を発生させ、及び
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
HC-PCFを充填するガス混合物であって、ガス混合物が、広帯域放射の発生のために構成された少なくとも1つの第1のガスと、ヘリウムを含む、又はヘリウムから成る少なくとも1つの第2のガスとの混合物を含む、ガス混合物と、
を含むように構成される、光学コンポーネント。
48. 少なくとも1つの第1のガスが、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンのうちの1つ若しくは複数を含む、又はクリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンのうちの1つ若しくは複数から成る、条項47に記載の光学コンポーネント。
49. 少なくとも第1のガスが、1つ若しくは複数の分子ガスを含む、又は1つ若しくは複数の分子ガスから成る、条項47又は48に記載の光学コンポーネント。
50. 少なくとも1つの第2のガスが、1つ又は複数の分子ガスを含む、条項47~49の何れか一項に記載の光学コンポーネント。
51. 1つ又は複数の分子ガスが、窒素、酸素、H2Oの範囲から選択される、条項50に記載の光学コンポーネント。
52. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の少なくとも2%を構成する、条項47~51の何れか一項に記載の光学コンポーネント。
52. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の少なくとも10%を構成する、条項47~51の何れか一項に記載の光学コンポーネント。
53. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の30%~70%を構成する、条項47~51の何れか一項に記載の光学コンポーネント。
54. 第2のガスが、モル分率でガス混合物の40%~60%を構成する、条項47~51の何れか一項に記載の光学コンポーネント。
55. 少なくとも1つの第1のガスがキセノンから成り、及び少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、少なくとも1つの第2のガスが、50%以上のモル分率を構成する、条項47に記載の光学コンポーネント。
56. 少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の80%以上を構成するヘリウムから成る、条項55に記載の光学コンポーネント。
57. 少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の90%以上を構成するヘリウムから成る、条項55に記載の光学コンポーネント。
58. 少なくとも1つの第1のガスがクリプトンから成り、少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、少なくとも1つの第2のガスが、20%以上のモル分率を構成する、条項47に記載の光学コンポーネント。
59. 少なくとも1つの第1のガスがクリプトンから成り、少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、それぞれ、モル分率でガス混合物の50%±10%及び
Figure 2023533186000005
を構成する、条項58に記載の光学コンポーネント。
60. 少なくとも1つの第1のガスがアルゴンから成り、少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、少なくとも1つの第2のガスが、10%以上のモル分率を構成する、条項47に記載の光学コンポーネント。
61. 少なくとも1つの第1のガスが、モル分率でガス混合物の70%以下を構成するアルゴンから成り、少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の30%以上を構成するヘリウムから成る、条項60に記載の光学コンポーネント。
62. 少なくとも1つの第1のガスが、モル分率でガス混合物の90%以下を構成するアルゴンから成り、少なくとも1つの第2のガスが、モル分率でガス混合物の10%以上を構成するヘリウムから成る、条項60に記載の光学コンポーネント。
63. HC-PCFが、単一リングHC-PCFである、条項47~62の何れか一項に記載の光学コンポーネント。
64. 広帯域放射出力を発生させるように構成された放射源配置用の光学コンポーネントを構成する方法であって、方法が、
中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)、及びHC-PCFを充填する第1のガスを含むガス混合物を選択することと、
ガス混合物内に存在するべきヘリウムの最適モル分率を決定することであって、ヘリウムの最適モル分率が、
ガス混合物の熱伝導率を向上させること、
ガス混合物の熱拡散率を向上させること、又は
所望の熱伝達機構を選択すること、
のうちの1つ又は複数に基づく、決定することと、
を含む、方法。
65. 所望の熱伝達機構を選択するために、第1のガスに関して、重い分子量を有するガス又はガス混合物を選択することをさらに含む、条項64に記載の方法。
66. 少なくとも1つの第1のガスの分子量が、ヘリウムの分子量よりも少なくとも10倍重い、条項65に記載の方法。
67. ヘリウムのモル分率が決定されている間に、ガス混合物の各構成要素ガスの分圧が実質的に維持される、条項65又は66に記載の方法。
[000110] 本明細書では、リソグラフィ装置をICの製造で使用することが具体的に参照されているが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は、他の用途を有し得ることが理解されるべきである。可能な他の用途として、一体型光学系、磁区メモリのガイダンスパターン及び検出パターン、平面パネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造がある。
[000111] 本明細書では、本発明の実施形態をリソグラフィ装置に関連して具体的に参照している場合があるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用され得る。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置或いはウェーハ(若しくは他の基板)又はマスク(若しくは他のパターニングデバイス)等の物体を測定又はプロセスする任意の装置の一部をなし得る。これらの装置は、まとめてリソグラフィツールと呼ばれ得る。そのようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を用い得る。
[000112] 本発明の実施形態を光リソグラフィに関連して使用することをここまで具体的に参照してきたが、本発明は、文脈が許す限り、光リソグラフィに限定されず、他の用途で使用され得、例えばインプリントリソグラフィで使用され得ることが理解される。
[000113] ここまで本発明の特定の実施形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明は、説明された以外の方法で実施され得る。上述の説明は、限定的ではなく、例示的であるものとする。したがって、当業者であれば明らかなように、以下に示される特許請求項の範囲から逸脱しない限り、記載された本発明に対する修正形態がなされ得る。

Claims (15)

  1. 広帯域光源デバイスの光学コンポーネントであって、前記光学コンポーネントが、ポンプ放射の受け取り時に広帯域放射を発生させ、
    中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、
    前記HC-PCFを充填するガス混合物であって、前記ガス混合物が、前記広帯域放射の前記発生のための少なくとも1つの第1のガスと、前記ガス混合物の熱コンディショニング及び/又は前記ガス混合物内の音波の制振のための少なくとも1つの第2のガスとの混合物を含み、前記第2のガスがヘリウムを含むか又はヘリウムから成る、ガス混合物と、
    を含む、光学コンポーネント。
  2. 前記少なくとも1つの第1のガスが、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンのうちの1つ若しくは複数を含むか、又はクリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンのうちの1つ若しくは複数から成る、請求項1に記載の光学コンポーネント。
  3. 前記少なくとも1つの第2のガスが、1つ又は複数の分子ガスをさらに含む、請求項1に記載の光学コンポーネント。
  4. 前記1つ又は複数の分子ガスが、窒素(N2)、酸素(O2)、H2Oのうちの1つ又は複数から選択される、請求項3に記載の光学コンポーネント。
  5. 前記第2のガスが、モル分率で前記ガス混合物の少なくとも10%を構成する、請求項1に記載の光学コンポーネント。
  6. 請求項1の前記光学コンポーネントを含み、及び前記ポンプ放射を発生させるためのポンプ放射源をさらに含む、広帯域光源デバイス。
  7. 請求項6に記載の前記広帯域光源デバイスを含む、メトロロジデバイス。
  8. 前記少なくとも1つの第1のガスがキセノンから成り、及び前記少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、前記少なくとも1つの第2のガスが、50%以上のモル分率を構成する、請求項1に記載の光学コンポーネント。
  9. 前記少なくとも1つの第2のガスが、モル分率で前記ガス混合物の80%以上を構成するヘリウムから成る、請求項8に記載の光学コンポーネント。
  10. 前記少なくとも1つの第1のガスがクリプトンから成り、及び前記少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、前記少なくとも1つの第2のガスが、20%以上のモル分率を構成する、請求項1に記載の光学コンポーネント。
  11. 前記少なくとも1つの第1のガスがクリプトンから成り、及び前記少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、それぞれ、モル分率で前記ガス混合物の50%±10%及び
    Figure 2023533186000006
    を構成する、請求項1に記載の光学コンポーネント。
  12. 前記少なくとも1つの第1のガスがアルゴンから成り、及び前記少なくとも1つの第2のガスがヘリウムから成り、前記少なくとも1つの第2のガスが、10%以上のモル分率を構成する、請求項11に記載の光学コンポーネント。
  13. 前記少なくとも1つの第1のガスが、モル分率で前記ガス混合物の70%以下を構成するアルゴンから成り、及び前記少なくとも1つの第2のガスが、モル分率で前記ガス混合物の30%以上を構成するヘリウムから成る、請求項12に記載の光学コンポーネント。
  14. 前記少なくとも1つの第1のガスが、モル分率で前記ガス混合物の90%以下を構成するアルゴンから成り、前記少なくとも1つの第2のガスが、モル分率で前記ガス混合物の10%以上を構成するヘリウムから成る、請求項12に記載の光学コンポーネント。
  15. 広帯域放射出力を発生させるための放射源配置のための光学コンポーネントを構成する方法であって、前記方法が、
    中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)と、前記広帯域放射を発生させるための第1のガス及びヘリウムを含む第2のガスを含む、前記HC-PCFを充填するガス混合物とを選択することと、
    前記ガス混合物内に存在するべきヘリウムの最適モル分率を決定することであって、ヘリウムの前記最適モル分率が、
    前記ガス混合物の熱伝導率を向上させること、
    前記ガス混合物の熱拡散率を向上させること、又は
    所望の熱伝達機構を選択すること、
    のうちの1つ又は複数に基づく、決定することと、
    を含む、方法。
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