関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月25日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS、回収されたプラスチックを用いたカード、回収されたプラスチックを用いたプラスチック・カード、回収プラスチック製カード、回収済プラスチック製カード、回収されたプラスチック・カード)」を発明の名称とする米国特許出願第63/044,228号に付与された優先権を主張し、その出願は、引用により本出願書類に合体する。
さらに、本出願は、2019年1月31日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS、回収されたプラスチックを用いたカード、回収プラスチック製カード、回収済プラスチック製カード)」を発明の名称とする米国仮特許出願第62/799,145号と、2019年8月30日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS)」を発明の名称とする米国仮特許出願第62/894,091号と、2020年1月30日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS)」を発明の名称とする国際特許出願PCT/US2020/015838とに関連し、それら出願はいずれも、引用により本出願書類に合体する。
本発明は、複数のカードにおける回収プラスチック(recovered plastic、回収されたプラスチック、再利用されるプラスチック)の使用に関し、特に、ラミネート・カード(laminated cards、ラミネート加工されたカード、複数枚のフィルムが積層されたカード、複数の層より成るカード、多層貼り合せカード、多層カードなど)(例えば、決済(payments、ペイメント)カード、会員カード、ロイヤリティ・カード、身分証明カード(identification cards、IDカード)、施設内入場許可カード(premises access card、施設内アクセス・カード)、および他のカードであってそれに関連付けられるアカウント・インディシア(account indicia、口座用識別表示など)を有するもの)における使用済の(post-consumer、ポスト・コンシューマ、消費者使用後の、消費後の、使用後の)ポリエチレン(polyethylene)(例えば、回収された海洋(ocean-bound、オーシャン・バウンド、海に流入する)プラスチック廃棄物)の使用に関する。
何100万トンものプラスチック廃棄物が、毎年、地球規模の(global、地球上における)廃棄物の流れに投入され、この種の廃棄物のうちの著しく多い部分(a significant portion、大半、大部分)が海洋および他の水域に流れ込んでいる。これに関して(In the latter regard)、最近の概算値によれば、少なくとも800万トンのプラスチック廃棄物が毎年、地球の海洋に流れ込んでいることが示されている。
長年、プラスチックの回収および再利用のための取組み(efforts、努力)が続けられてきているが、ごく最近、この種の取組みが、海洋プラスチック廃棄物の収集(collection)、回収(recovery)および消費後使用(post-consumer use、再利用など)に焦点が当てられてきた。特に、回収された海洋プラスチック廃棄物としては、高濃度ポリエチレン(high-density polyethylene)樹脂すなわちHDPEがあり、これは、通常、製品の製造および使用のために複数のペレット(pellets、小さい球、粒、塊など)または複数のフレーク(flakes、小さい破片、薄片など)に形成される。
使用済HDPEの使用は非混合用途(non-blended applications、複数種の素材の混合が行われない用途、単種の素材によって製品が製造される用途など)に限られることが多く、その理由は、異種の複数のプラスチックは、一緒に溶融されると、相境界面(phase boundaries)が構造的に脆弱化するという傾向があるからである。さらに、HDPEは、多くの製品用途(product applications、製品として使用される用途)にとって障害となる機械的特性および熱的特性を有する。金属膜化された(Metalized、メタライズされた、表面に金属膜が被着された、表面が金属膜で被覆された、被着表面が金属膜化された、表面に金属膜が蒸着されたなど)いくつかの層が取引(transaction、トランザクション、商取引用の)カードの審美性(aesthetics、美感)を向上させるかもしれないが、この種の層は、典型的には、取引カードにも他のラミネート(laminated、積層型の、多層の、多層貼り合せ型の、多層積層型の、多層ラミネート型の)・カードにも、それらがポスト・コンシューマ(post-consumer、使用後の)HDPEに関連付けられる状態では(in conjunction with)、HDPEの上述の機械的特性および熱的特性が原因で、利用することができない。
本出願書類の開示事項(The present disclosure)は、ラミネート・カードおよび製造方法に向けられており、それらは、使用済(post-consumer)ポリエチレン(polyethylene)を用い、それにより、特に海洋(ocean-bound)プラスチック廃棄物を含むプラスチック廃棄物の回収および再利用(reuse)を促進するための重要な製品市場が提供されるとともに、未使用(virgin、バージン)プラスチックの使用が効果的に低減する。
ラミネート(laminated、積層型の、多層の、多層貼り合せ型の、多層積層型の、多層ラミネート型の)取引(transaction、トランザクション、商取引用の)カード用のインレー(inlay、シート状の基板にICチップとアンテナとが搭載されたものなど)は、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含むコア層を有してもよい。第1支持(support)層が、前記コア層の第1表面に第1接着剤層によって接着され、その第1接着剤層は、前記第1支持層と前記コア層の第1表面との間に位置決めされる。前記第1支持層の材料(material、素材、単一の素材、材料など)は、前記コア層の前記使用済ポリエチレン(polyethylene)とは異なる。第2支持(support)層が、前記コア層の第2表面に第2接着剤層によって接着され、その第2接着剤層は、前記第2支持層と前記コア層の第2表面との間に位置決めされる。前記第2支持層の材料(material、素材、単一の素材、材料など)は、前記コア層の前記使用済ポリエチレン(polyethylene)とは異なる。
ラミネート取引カードは、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含んでもよく、その使用済ポリエチレンは、前記ラミネート取引カードの厚さの少なくとも30%の厚さを有する。ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)を含む第1ポリマー系層が、前記コア層の第1表面に第1接着剤層により結合されている。ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)を含む第2ポリマー系層が、前記コア層の第2表面に第2接着剤層により結合されている。前記第1接着剤層および前記第2接着剤層は、前記使用済ポリエチレン(polyethylene)と前記複数のポリマー系層とを接合する(bond、接着接合する、接着剤によって接合する、結合形成する(原子やイオンが連結する))ように調製された接着剤を含む。
ラミネート取引カードを製造する方法は、コア層の第1表面および第2表面を、前記コア層の表面エネルギーが増加するように処理する工程を含み、前記コア層は、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含む。第1支持層および第2支持層が前記コア層の両面上に位置決めされる。第1接着剤層が、前記第1ポリマー系層(the first polymer-based layer、ポリマー系の第1支持層、前記第1支持層)と前記コア層の第1表面との間に位置決めされ、また、第2接着剤層が、前記第2支持層と前記コア層の第2表面との間に位置決めされる。前記第1接着剤層および前記第2接着剤層は、前記第1支持層を前記コア層の第1表面に接合する(bond)とともに、前記第2支持層を前記コア層の第2表面に接合する(bond)ように活性化される(activated)。
ラミネート取引カードは、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含むコア層と、そのコア層の第1表面に付着された(applied、付加された、塗布された、適用された)第1ラッカー(lacquer、揮発性を利用し乾燥させる揮発性塗料など)層と、前記コア層の第2表面に付着された(applied)第2ラッカー(lacquer)層とを含むことができる。少なくとも1つの印刷インク層が前記ラミネート取引カードの外面に付着される(applied)。
いくつかの具体例においては、ラミネート・カードが、コア層を有してもよく、そのコア層は、使用後の(post-consumer)および/またはポスト・インダストリアル・(post-industrial、製造後の、製品としての、使用前の)ポリエチレン(polyethylene)を少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%含むとともに、このラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有する。このラミネート・カードは、さらに、ポリマー系の第1支持層であって、それの内向き側(side、側部、サイドなど)において、第1熱可塑性接着剤層により前記コア層の第1側(side、側部、サイドなど)に相互接続された(例えば、間接的にまたは直接的に相互接続された)ものと、ポリマー系の第2支持層であって、それの内向き側(side、側部、サイドなど)において、第2熱可塑性接着剤層により前記コア層の第2側(side、側部、サイドなど)に相互接続された(例えば、間接的にまたは直接的に相互接続された)ものとを含んでもよい。このラミネート・カードは、さらに、人間可読の(human-readable、人間によって読み取り可能な)アカウント・インディシア(account indicia、口座用識別表示など)を有してもよく、そのアカウント・インディシアは、当該ラミネート・カードの第1側(side、側部、サイドなど)および第2側(side、側部、サイドなど)のいずれかの外面(surface)から視認可能であるとともにその外面の位置に形成され、それにより、当該ラミネート・カードを一定の(given)カード発行業者によるかまたはその代わりに維持されるアカウント(例えば、固有のアカウント番号)に関連付けることが促進される。
それに加えるかまたはそれに代えて、このラミネート・カードは、機械可読の(machine-readable、機械読み取り可能な)機能部を含んでもよく、その機能部により、当該ラミネート・カードを一定の(given)カード発行業者によるかまたはその代わりに維持されるアカウントに関連付けることが容易となる。この種の機能部は、後に詳述するように、複数の接触チップ・カード特徴部および/または非接触チップ・カード特徴部(card features)を有してもよく、それらチップ・カード特徴部により、複数の接触式チップ・カード・リーダおよび/または非接触式チップ・カード・リーダのそれぞれとの間での信号インタフェースが容易となる。
いくつかの具体例においては、前記第1支持層が、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%を有してもよく、また、いくつかの用途においては、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%を有するかまたは18%の厚さすら有してもよい。同様に、前記第2支持層は、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%を有してもよく、また、いくつかの用途においては、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%を有するかまたは18%の厚さすら有してもよい。
想定される(contemplated)いくつかの具体例においては、前記第1熱可塑性接着剤層が、前記コア層の前記第1側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接触してもよく、および/または、前記第2熱可塑性接着剤層が、前記コア層の前記第2側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接触してもよい。この場合、それら熱可塑性接着剤の使用により、前記コア層との直接(directly、直に)接合(bonding)が強化される。
あるアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層が、第1キャリア層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され(bonded))てもよく、それにより、前記第1キャリア層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第1側(side、側部、面)に接続され、また、前記第2熱可塑性接着剤層が、第2キャリア層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され(bonded))てもよく、それにより、前記第2キャリア層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第2側(side、側部、面)に接続される。この場合には(In turn)、第1中間熱可塑性接着剤層または第1中間熱硬化性接着剤層が、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)が前記第1キャリア層の外向き側(side、側部、面)に接続され、また、第2中間熱可塑性接着剤層または第2中間熱硬化性接着剤層が、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)が前記第2キャリア層の外向き側(side、側部、面)に接続される。別のアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層が、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第1側(side、側部、面)に接続され、また、前記第2熱可塑性接着剤層が、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第2側(side、側部、面)に接続される。
前記コア層の第1側(side、側部、面)および/または第2側(side、側部、面)は、少なくとも約34ダイン(dyne)、また、好ましくは少なくとも約40ダインまたは少なくとも約58ダインもの表面エネルギーを有してもよい。この種の表面エネルギーにより、前記第1熱可塑性接着剤層および/または前記第2熱可塑性接着剤層との接合(bonding)が強化され、また、この種の表面エネルギーは、製造前に、本出願書類において特定されるいくつかの技術を用いることにより、前記コア層の第1側(side、側部、面)および/または第2側(side、側部、面)を処理することにより達成されてもよい。1つのアプローチにおいては、前記コア層の第1側(side、側部、面)および/または第2側(side、側部、面)が、約58ダインの表面エネルギーを有するように処理され(treated、表面処理され)てもよい。前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)および/または外向き側(side、側部、面)は、少なくとも約30ダインの表面エネルギーを有してもよく、および/または、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)および/または外向き側(side、側部、面)は、少なくとも約30ダインの表面エネルギーを有してもよい。
前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized、含まれる場合の、追加される場合の、存在する場合の)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures、接着剤が活性化し始める温度、接着剤が接着のために化学反応し始める温度、接着剤が反応硬化し始める温度など)として、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層に対応する融点温度より低い温度を有してもよい。この場合、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、約130℃以下の温度または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有してもよい。いくつかの実施態様においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、少なくとも約85℃の温度を有してもよい。前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層にそれぞれ対応する融点温度(melting point temperatures) corresponding with)は、約130℃より高温でもよく、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃より高温でもよい。
いくつかの実施態様においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、前記コア層の引張強度より大きい引張強度を有してもよく、また、いくつかの事例においては、少なくとも約30%大きいかまたは少なくとも約50%も大きい引張強度を有してもよい。いくつかの配置構成においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ対応する引張強度として(corresponding tensile strengths)、少なくとも約30N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約40N/mm2(ASTM規格D-882)を有してもよく、また、前記コア層は、引張強度として少なくとも約20N/mm2(ASTM規格D-882)を有してもよく、また、いくつかの事例においては、少なくとも約25N/mm2(ASTM規格D-882)を有してもよい。この種のいくつかの具体例に関連して、前記第1熱可塑性接着剤層および第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する引張強度として(corresponding tensile strengths)、前記コア層ならびに前記第1支持層および前記第2支持層の引張強度より大きい引張強度を有してもよい。
種々の具体例においては、前記ラミネート・カードが、ある長さ(a length、1つの長さ寸法など)およびある幅(a width、1つの幅寸法など)を有してもよく、このとき、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層は、それぞれ、同じ長さおよび同じ幅を有するとともに、それぞれ、当該ラミネート・カードの長さ方向と幅方向とを実質的に均一に(uniform、一様に)横切る厚さを有する。この場合、前記コア層ならびに/または前記第1コア層および前記第2コア層のそれぞれの複数本の周縁(peripheral edges、周方向に延びる複数本のエッジ)は、当該取引カード(transaction card、前記ラミネート・カードなどに相当)の全周に沿って、連続的に延びてもよいし、視認可能であってもよい。典型的ないくつかの配置構成においては、前記ラミネート・カードの長さ、幅および厚さが、ISO(国際標準化機構)/IEC規格7810に実質的に準拠するものであってもよい。
「サンドイッチ」型のカード構成(construction、構成態様、構造)があり、このカード構成においては、ポスト・コンシューマ(post-consumer、使用後の)および/またはポスト・インダストリアル(post-industrial、製造後の、使用前の)・ポリエチレン(polyethylene)を含む比較的厚肉であるコア層が、第1熱可塑性接着剤層および第2熱可塑性接着剤層により、それぞれ対応する第1支持層および第2支持層に相互接続されており、このカード構成が使用されると、満足できる機械的特性を有すると同時に、環境に関連する利益および費用効率も実現するラミネート・カードが生み出される。実際に、大量の決済カード(例えば、クレジット・カード、デビット・カードおよびストアード・バリュー・カード(stored value cards、チップ・カード、プリペイド・カードなど))、会員カード、ロイヤリティ・カード、身分証明カード、施設内入場許可カード(premises access card)、および財布サイズを有する他のカードであって年次ベースで世界的に展開されるものを考慮すると、ここに開示されているいくつかの具体例によれば、この種のカードが提供され、それにより、大量のポスト・コンシューマHDPE、特に、回収された海洋プラスチック廃棄物を消費するための魅力的な方法(avenue、手段、道筋)が提供されると推測される。
これに関して、前記コア層のポスト・コンシューマ・(post-consumer、使用後の)ポリエチレン(polyethylene)は、回収された海洋プラスチック廃棄物を少なくとも約50重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%または99重量%も含んでもよい。さらに、前記コア層は、少なくとも約0.9g/cm3の密度を有するように提供されてもよい。また、いくつかの具体例においては、前記コア層の厚さが、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約50%まで増大させられてもよい。
既述されたように、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれの活性化温度(activation temperatures)として、約130℃以下の温度、または約120℃以下の温度(例えば、約90℃~約120℃)を有してもよく、また、いかなる事例においても、活性化温度として、前記第1支持層、前記第2支持層および前記コア層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の融点温度より低い温度を有し、それにより、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の間の相対位置を実質的に変更することなく、前記コア層を、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層に、接合によって(bonded、接着接合によって)相互接続する(interconnection、連結、結合など)ために、前記第1熱可塑性層および前記第2熱可塑性層ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層の活性化を促進してもよい。この場合には、信頼性の高いラミネート・カードの完全性(integrity、完結性)が促進される。いくつかの具体例に関連して、前記第1支持層および前記第2支持層は、それぞれ対応するビカット(Vicat)軟化温度(corresponding Vicat softening temperatures)として、少なくとも約80℃(ISO/IEC規格D-1525A)を有してもよく、また、前記コア層は、ビカット(Vicat)軟化温度として(a Vicat softening temperature)、少なくとも約110℃(ISO/IEC規格D-1525A)を有してもよく、また、いくつかの事例においては、ビカット(Vicat)軟化温度として少なくとも約120℃(ISO/IEC規格D-1525A)を有してもよい。
想定されるいくつかの実施態様においては、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層が、ラミネート加工プロセスにおいて、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を活性化することにより、相互接続されてもよく、前記ラミネート加工プロセスは、前述の複数のカード層を加熱する工程を含み、その加熱工程においては、前記複数のカード層にわたり、少なくとも約85℃、また、約120℃以下の温度、またはいくつかの事例においては、約135℃以下の温度(例えば、約90℃~約130℃)を得るように、前述の複数のカード層が加熱され、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全体持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)の圧力、また、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層を横切るように(across、前記複数のカード層の全体に)印加される。前記ラミネート加工プロセスにおいて比較的低い温度および非常に低い圧力が利用されることにより、複数の目標のカード特性であって、ISO/IEC規格7810の複数の機械的側面(mechanical aspects、機械的特性)に準拠することを含むものの実現が促進される。その加熱後、前記ラミネート加工プロセスは、前記複数のカード層を冷却する冷却工程と、それと並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のカード層を横切るように(across、前記複数のカード層の全体に)印加する加圧工程(例えば、最大約4分間の持続時間の間)と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のカード層を横切るように印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを含んでもよい。
いくつかの具体例においては、複数のインレー層であって、前記コア層と、前記第1熱可塑性接着剤層が接続されている前記第1キャリア層と、前記第2熱可塑性接着剤層が接続されている前記第2キャリア層とを含むものが、ラミネート前処理プロセスにおいて、相互接続され、それにより、相互接続された(interconnected、前記複数のインレー層が相互接続された)インレーが提供されてもよい。この場合、そのインレーは、前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が接続されている前記第1支持層と、前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が接続されている前記第2支持層との間に、相互に接続された層(an interconnected layer、他の層に相互に接続された1つの層)として配置されて、前記ラミネート加工プロセスにおいて、それら前記第1支持層と前記第2支持層とにラミネートされてもよい。この種のいくつかの具体例においては、前記インレーが、さらに、アンテナを含んでもよく、さらに、任意選択的に集積回路チップを含んでもよく、その集積回路チップは、前記アンテナに相互に作動するように接続され、また、ラミネート前処理に先立って前記コア層上に(例えば、前記コア層の第1側(side、側部、面)に支持状態で(supportably))、前記コア層と前記第1キャリア層との間に配置され、それにより、複数の非接触カード機能部(例えば、非接触式インタフェース・カード機能部のみおよび/またはデュアル・インタフェース(dual interface、非接触式インタフェースと接触式インタフェースとを併用するインタフェース)・カード機能部)が容易となる。他のいくつかの具体例態においては、前記アンテナが集積回路チップに相互に作動するように相互接続されてもよく、その集積回路チップは、前記ラミネート前処理プロセス(process、工程)および前記ラミネート加工プロセスの後に、前記ラミネート・カードの第1側(side、側部、面)に形成されたポケット内に配置される。
この種のいくつかの具体例に関連して、前記ラミネート前処理プロセスは、前記複数のインレー層の全体が約120℃以下または135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように前記複数のインレー層を加熱する加熱工程を含んでもよく、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、また、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のインレー層を横切るように印加される。前記ラミネート前処理プロセスにおいて比較的低い温度および非常に低い圧力が利用されることにより、複数の目標のカード特性であって、ISO/IEC規格7810に準拠することを含むものの実現が容易になる一方で、接触式インタフェース取引カード要求事項、非接触式インタフェース取引カード要求事項および/またはデュアル・インタフェース取引カード要求事項に準拠することも可能になる。前記加熱後、前記ラミネート前処理プロセスは、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程と、それと並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層を横切るように(例えば、最大約4分間の1回分の持続時間にわたり)印加する加圧工程と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層を横切るように(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)印加する加圧工程とを含んでもよい。
いくつかの具体例においては、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(if utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層が、次に掲げる複数のポリマー、すなわち、
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、
ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol)、
ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)、および
ポリカーボネート(polycarbonate)
のうちの1種類のものまたは複数種のものと同じ1種類のものまたは異なる複数種のもの(the same one or different ones of one or more of the following polymers、次に掲げる複数のポリマーのうちの1種または複数種であって、複数のインレー層またはカード層相互間で同じもの(同種)同士という関係(完全一致)にあるかまたは異なるもの(異種)同士という関係(部分不一致または完全不一致)にあるものなど)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、同じポリマーを含むことができる。いくつかの具体例においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層のそれぞれのうちの少なくとも一部または全部が、未使用のまたは再生された1つまたは複数のポリマーを含むことができる。これに関して、当該ラミネート・カードは、コア層ならびに第1支持層および第2支持層を含むことができ、それらコア層ならびに第1支持層および第2支持層は、少なくとも1つのポスト・コンシューマ(使用後の)および/またはポスト・インダストリアル(使用前の)・ポリマーであって、例えば、ポリエチレン(polyethylene)を含むものを、重複的に(cumulatively、複数のレイヤー層相互間で重複するように)、かつ、当該ラミネート・カードの全重量の少なくとも約90%に対応する量かまたは最大約99%にも対応する量で含むことができる。さらに、前記第1キャリア層および前記第2キャリア層は、同種のポリマーを含むことができ、その同種のポリマーは、前記第1層(the first layer、前記第1支持層)および/または前記第2層(the second layer、前記第2支持層)を構成するポリマーであって、未使用のおよび/または再生された一種または複数種のポリマーを含むものと同種であるかまたはそれとは種類が異なるものであってもよい。
種々の実施形態においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層、ならびに利用される場合の(if utilized)前記第1キャリア層および/または前記第2キャリア層が、不透明、半透明または透明であってもよく、また、着色されてもよい。さらに、前記コア層、また、任意選択的に前記第1支持層および前記第2支持層は、着色されてもよい。この種の着色は、複数の着色剤(colorants、顔料)をそれら層において利用されるいくつかの材料に混合することによって実現されてもよい。
種々の実施形態においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、次に掲げる複数のもの、すなわち、
エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)(「EVA」)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの1種類のものまたは複数種のものと同じ1種類のものまたは異なる複数種のもの(the same one or different ones of one or more of the following、次に掲げる複数のもののうちの1種または複数種であって、複数のインレー層またはカード層相互間で同じもの(同種)同士という関係(完全一致)にあるかまたは異なるもの(異種)同士という関係(部分不一致または完全不一致)にあるものなど)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、エチレン酢酸ビニル(例えば、EVAポリマー)を含むことができ、また、活性化温度として約100℃~約120℃、また、いくつかの実施態様においては、約90℃~約120℃(例えば、約104℃)を有することができる。
いくつかの実施態様においては、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層(the first and second outer thermosetting or thermoplastic adhesive layers、前記第1熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2熱硬化性または熱可塑性接着剤層)、ならびに/または前記第1中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層が、次に掲げる複数のもの、すなわち、
ポリエステル(polyester)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じ1種類のもの(the same one)または異なる複数種のもの(different ones)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、それら層のそれぞれは、それぞれ対応する前記第1支持層または前記第2支持層の上に印刷可能である熱可塑性接着剤と同じ種類の熱可塑性接着剤を含むことができる。既述されたように、前記第1熱可塑性接着剤および前記第2熱可塑性接着剤は、前記コア層と前記第1支持層との間に、また、前記コア層と前記第2支持層との間に、複数の異なる手法によって提供することができる。1つのアプローチにおいては、前記第1熱可塑性層(the first thermoplastic layer、前記第1熱可塑性接着剤層)を前記コア層の第1側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記コア層に被着させる(extruded))ことと、および/または、前記第2熱可塑性層(the second thermoplastic layer、前記第2熱可塑性接着剤層)を前記コア層の第2側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記コア層に被着させる(extruded))こととを行うことができ、その目的は、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続(interconnection、相互連結、合体、積層)に先立ち、一体的な取扱い(handling together、前記第1熱可塑性接着剤層と前記コア層とを一体品として(単一部品として)取り扱うこと、前記第2熱可塑性接着剤層と前記コア層とを一体品として取り扱うこと、または、前記第1熱可塑性接着剤層と前記第2熱可塑性接着剤層と前記コア層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにある。別のアプローチにおいては、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、一体的な取扱い(handling together、前記第1熱可塑性接着剤層と前記第1支持層とを一体品として(単一部品として)取り扱うこと)を目的として、前記第1熱可塑性接着剤層を前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記第1支持層に被着させる(extruded))ことができ、および/または、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、一体的な取扱い(handling together、前記第2熱可塑性接着剤層と前記第2支持層とを一体品として(単一部品として)取り扱うこと)を目的として、前記第2熱可塑性接着剤層を前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記第2支持層に被着させる(extruded))ことができる。
さらに別のアプローチにおいては、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続(interconnection、相互連結、合体、積層)に先立ち、前記第1熱可塑性接着剤層を、ポリマー系の第1キャリア層であって前記コア層と前記第1支持層との間において単独で(separately、他から独立して)位置決め可能であるものの一側(one、一面)または両側(both sides、両面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置することができる。それに加えるかまたはそれに代えて、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、前記第2熱可塑性接着剤層を、前記コア層と前記第2支持層との間において他から独立して(separately)位置決め可能であるポリマー系の第2キャリア層の一側(one、一面)または両側(both sides、両面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置することができる。
いくつかの具体例においては、前記ラミネート・カードが、さらに、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)および外向き側(side、側部、面)のうちの一方に印刷された第1プリント層(print layer、印刷層)を含むことができる。それら具体例においては、前記第1支持層が、当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約18%の厚さを有することができる。前記第1プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読キャラクタ(characters)(例えば、数字、文字(letters)および/またはそれらの表現物)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの具体例においては(例えば、前記第1プリント層が前記第1支持層の外向き側(side、側部、面)に印刷される場合)、当該ラミネート・カードが、さらに、ポリマー系の透明な第1オーバーラミネート層(例えば、前記第1プリント層を上から覆う)を含むことができ、その第1オーバーラミネート層は、前記第1支持層の外向き側(side、側部、面)に相互接続される。これに関して、その第1オーバーラミネート層は、ポリマー系であって任意選択的に透明である第1外側熱硬化性接着剤層、またはこれに代えて、ポリマー系であって任意選択的に透明である第1外側熱可塑性接着剤層を備えることが可能であり、前記第1外側熱硬化性接着剤層または前記第1外側熱可塑性接着剤層は、当該第1オーバーラミネート層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で配置され、その目的は、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、当該第1オーバーラミネート層が単独で前記第1支持層に対して位置決めされる際に、一体的取扱い(handling together、当該第1オーバーラミネート層と前記第1外側熱硬化性接着剤層または前記第1外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにある。前記第1外側熱硬化性接着剤層または前記第1外側熱可塑性接着剤層は、活性化温度として、約130℃以下の温度、また、想定されるいくつかの具体例においては、約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができる。
いくつかの具体例においては、前記ラミネート・カードが、さらに、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)および外向き側(side、側部、面)のうちの一方に印刷されるかまたは結合された第2プリント層を含むことができる。それら具体例においては、前記第2支持層が、当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約18%の厚さを有することができる。前記第2プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読のキャラクタ(characters)(例えば、数字、文字(letters)および/またはそれらの表現)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの具体例においては(例えば、前記第2プリント層が前記第2支持層の外向き側(side、側部、面)に印刷される場合)、当該ラミネート・カードが、さらに、ポリマー系の透明な第2オーバーラミネート層(例えば、前記第2プリント層を上から覆う)を含むことができ、その第1オーバーラミネート層は、前記第2支持層の外向き側(side、側部、面)に相互接続される。これに関して、その第2オーバーラミネート層は、ポリマー系であって任意選択的に透明である第2外側熱硬化性接着剤層、またはこれに代えて、ポリマー系であって任意選択的に透明である第2外側熱可塑性接着剤層を備えることが可能であり、前記第2外側熱硬化性接着剤層または前記第2外側熱可塑性接着剤層は、当該第2オーバーラミネート層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で配置され、その目的は、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、当該第2オーバーラミネート層が単独で前記第2支持層に対して位置決めされる際に、一体的取扱い(handling together、当該第2オーバーラミネート層と前記第2外側熱硬化性接着剤層または前記第2外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにある。前記第2外側熱硬化性接着剤層または前記第2外側熱可塑性接着剤層は、活性化温度として、約130℃以下の温度、また、想定されるいくつかの具体例においては、約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができる。
種々の具体例においては、前記人間可読アカウント・インディシアが、決済カードの発行業者によって管理される決済口座(例えば、銀行または信用組合(credit union)の如き金融機関によって管理される決済口座)、会員アカウント、ロイヤリティ・アカウント等を示すかまたはそれに関連付けられ得る。この人間可読アカウント・インディシアは、次に掲げる複数のもの、すなわち、
レーザ彫刻、
インク・ジェット印刷、
感熱印刷(例えば、パッチ(patch)層または(or、すなわち)オーバーラミネート(overlaminate)層上において)(thermal-printing、感熱パッチ、感熱シールなど)、および
エンボス加工
のうちの1つまたは複数のものを用いて形成することができる。1つのアプローチにおいては、当該人間可読アカウント・インディシアが、エンボス加工された複数のキャラクタによって形成されることが可能であり、それらキャラクタは、前記ラミネート・カードの全体厚さを貫通するように、かつ、ISO/IEC規格7811-1に実質的に準拠するようにエンボス加工される。別のアプローチにおいては、前記人間可読アカウント・インディシアが、前記第1オーバーラミネート層をレーザ彫刻することにより形成されることが可能である。
想定されるいくつかの具体例においては、前記ラミネート・カードが、自身の第1外側部(side、面、側部など)に(defined in、凹むように形成された)ポケットを含むことができる。いくつかの実施態様においては、そのポケットが、中央内側部分(central inner portion、ポケット内において異なる断面で上下に延びる全体穴(空洞)を、中央に位置する内側部分(中央空洞)とその内側部分を外側から包囲するように環状を成す外側部分(環状空洞)とに仮想的に分割した場合の内側部分、ポケット内の全体穴において、内側に位置する中央穴など)であって、前記第1支持層を厚さ方向に貫通して前記コア層の内部を延びるものと、環状外側部分(annular outer portion、前記外側部分(環状空洞)、ポケット内の全体穴において、外側に位置する環状穴であって、前記中央穴より短いものなど)であって、自身(pocket)が前記第1支持層の内部を延びて、その第1支持層の厚さより浅い深さの位置に到達し、それにより、環状座部(annular seat、環状の段付き面、環状の肩面、第1支持層のうち、前記環状穴の下端面を形成する環状の実在部など)を当該ポケット内に形成するものとを含むことができる。この場合、当該ラミネート・カードは、さらに、基板の下向き面に支持された集積回路チップと、複数の接触パッド(contact pad、接触領域、接触点など)であって、接触式チップ・カード・リーダとの間で接触式信号通信を行うために前記基板の上向き面に支持されたものとを含むことができ、ここに、前記集積回路チップは、前記ポケットの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分(outer annular portion)は、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともにその環状座部によって支持される。理解され得るように、前記複数の接触パッドは、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために設けることができる。
いくつかの実施態様においては、前記ラミネート・カードが、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との間での非接触式信号通信のために、アンテナと相互作動するように(operatively)そのアンテナに相互接続された集積回路チップとを含むことができる。既述されたように、1つのアプローチにおいては、前記アンテナが、インレーの一部として前記コア層の第1面に配置することができる。この場合、前記アンテナは、既述されたように、当該ラミネート・カードの第1外側面内に形成されたポケット内に配置された集積回路チップに電気的に結合することができる。それに関して、その集積回路チップは、基板の下向き面上に支持されることができ、ここに、その集積回路チップは、前記ポケットの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分が、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともに、その環状座部によって支持される。前記アンテナは、前記基板の下向き面に設けられた複数の接続部を介して前記集積回路チップに直接(directly、直に)接続されることができるか、または、前記アンテナは、カップリング部(coupling portion)を含むことができ、そのカップリング部は、結合アンテナ(coupling antenna、カップリング・アンテナ)との誘導結合を行うことを目的としており、その結合アンテナは、前記基板の下向き面上において、それの前記外側環状部分の内部に支持されるとともに、前記基板の前記集積回路チップに電気的に相互接続されている。
それらの具体例に関連して、複数の接触パッドが、接触式チップ・カード・リーダとの接触式信号通信のために、前記基板の上向き面で支持されてもよく、それにより、デュアル・インタフェース・カードが提供される。理解され得るように、前記複数の接触パッドは、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために設けることができる。
別のアプローチにおいては、前記アンテナが、前記コア層の第1面と前記第1支持層との間に位置するキャリア層に支持状態で接続されることができる。そのキャリア層は、自身の上に支持状態で配置された前記第1熱可塑性接着剤層を有することができ、また、前記第1支持層は、自身の上に配置された熱可塑性接着剤層または熱硬化性接着剤層を有することができる。いくつかの実施態様においては、前記アンテナが、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との非接触式信号通信のために、前記キャリア層に支持状態で接続された集積回路チップに電気的に相互接続されることができる。それら実施態様においては、前記ラミネート・カードが、外部から視認される集積回路チップを有しなくてもよい。他のいくつかの実施態様においては、前記アンテナが、既述されたように、前記ラミネート・カードの第1外面内に形成されたポケット内に配置された集積回路チップに電気的に結合されることができる。それに関して、その集積回路チップは、基板の下向き面上に支持されることができ、ここに、その集積回路チップは、前記ポケットのうちの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの前記外側環状部分が、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともにその環状座部によって支持される。前記アンテナは、前記基板の下向き面に設けられた複数の接続部を介して前記集積回路チップに直接(directly、直に)接続されることができるか、または、前記アンテナは、カップリング部(coupling portion)を含むことができ、そのカップリング部は、結合アンテナ(coupling antenna、カップリング・アンテナ)との誘導結合を行うことを目的としており、その結合アンテナは、前記基板の下向き面上において、それの前記外側環状部分の内部に支持されるとともに、前記基板の前記集積回路チップに電気的に相互接続されている。それらの具体例に関連して、複数の接触パッドが、接触式チップ・カード・リーダとの接触式信号通信のために、前記基板の上向き面で支持されてもよく、それにより、デュアル・インタフェース・カードが提供される。理解され得るように、前記複数の接触パッドは、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために設けることができる。
いくつかの具体例においては、前記取引カードが、さらに、磁気ストライプ(例えば、ISO/IEC規格7811に準拠して設けられる)を備えることができ、その磁気ストライプの目的は、前記可視インディシア(the visible indicia、前記人間可読アカウント・インディシア、視認されるインディシア)(例えば、「パーソナライゼーション(personalization、当該カードを所有者のためにカスタマイズする工程、当該カードに個人情報や決済情報などを記録・印刷して個人化すること)・データ(personalization data、取引用個人データなど)」によって示されるかまたは他の方法で前記可視インディシアに関連するアカウントに関連するデータであって符号化されたものを格納することにある。例示すれば、この磁気ストライプは、当該取引カードの第1面とは反対側の第2面に相互接続されることができる。特に、この磁気ストライプは、当該取引カードの第2オーバーラミネート層の外向き面に貼り付ける(例えば、熱転写プロセス、冷却剥離プロセスまたは接着マウント・プロセス(adhesive mount process、複数の層を接着剤を用いて互いに搭載したり付着固定する方法)により)ことができる。いくつかの実施態様においては、署名パネルも、第2オーバーラミネート層の外向き面に付着させる(affix、固定する)(例えば、ホット・スタンプする)ことができる。さらに、ホログラムおよび/またはエリート・ブランド・マーク(elite brand mark)(例えば、具体的な決済ネットワークまたはカード協会を示す)を、当該ラミネート・カードの第1オーバーラミネート層および/または第2オーバーラミネート層の外向き表面に付着させる(affix、固定する)(例えば、ホット・スタンプする)ことができる。
別のいくつかの具体例においては、本出願書類に記載されている前記ラミネート・カードの複数の特徴のうちの任意のものを有するラミネート・カードを製造する方法が、複数のカード層を配列する(arrange、配置する)配列工程を含むことができ、それらカード層は、コア層であって、ポスト・コンシューマ・(使用後の)および/またはポスト・インダストリアル・(使用前の)ポリエチレン(polyethylene)を少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%で含むとともに、当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有するものと、ポリマー系の第1支持層であって、自身の内向き面として前記コア層の第1面に対向するものを有し、かつ、前記内向き面と前記コア層の第1面との間に第1熱可塑性接着剤層が配置されるものと、ポリマー系の第2支持層であって、自身の内向き面として前記コア層の第2面に対応するものを有し、かつ、前記内向き面と前記コア層の第2面との間に第2熱可塑性接着剤層が配置されるものとを含む。前記第1支持層は、厚さとして当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%の厚さ、また、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または18%もの厚さを有することができ、また、前記第2支持層は、厚さとして当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%の厚さ、または、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または18%もの厚さを有することができる。
いくつかの具体例においては、前記複数のカード層を配列する前記配列工程が、さらに、前記第1支持層と前記コア層との間に位置する第1キャリア層であって、それの内向き面に支持状態で配置された第1熱可塑性接着剤層を有するもの、および/または、前記第2支持層と前記コア層との間に位置する第2キャリア層であって、それの内向き面に支持状態で配置された第2熱可塑性接着剤層を有するものと第2キャリア層を含むことができる。この場合、前記複数のカード層は、さらに、前記第1支持層の内向き面に支持状態で配置された第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層、および/または、前記第2支持層の内向き面に支持状態で配置された第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を含むことができる。
この方法は、さらに、前記第1支持層の外向き面と、前記第2支持層の外向き面とを加熱および加圧する(applying heat and pressure、熱および圧力の印加)ことによって前記複数のカード層をラミネート加工し、それにより、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を活性化し、それにより、前記複数のカード層を相互に接続するラミネート加工工程を含むことができる。そのラミネート加工工程の実行後、この方法は、当該ラミネート・カードの第1面および第2面のうちの一方の外面において、視認される人間可読のアカウント・インディシアを形成する形成工程を含むことができる。それに加えるかまたはそれに代えて、この方法は、当該ラミネート・カードに機械可読機能(machine-readable functionality、機械読み取り可能な機能部または特徴部)を設け、それにより、当該ラミネート・カードの、一定のカード発行者(issuer、発行業者、発行会社など)によって維持されるアカウントとの関連付けを容易にするための1つまたは複数の工程を含むことができる。この種の機能としては、本出願書類に記載されているように、接触式チップ・カード特徴部および/または非接触式チップ・カード特徴部を、それぞれ、接触式チップ・カード・リーダおよび/または非接触式チップ・カード・リーダとの信号インタフェースを容易にするために提供することがあり得る。
いくつかの実施態様においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、引張強度として、前記コア層の引張強度より大きい強度、また、いくつかの事例においては、少なくとも約30%または少なくとも50%も大きい強度を有することができる。いくつかの配置構成においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、少なくとも約30N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約40N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有することができ、また、前記コア層は、引張強度として、少なくとも約20N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約25N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有することができる。それら具体例に関連して、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに追加される場合の(if included)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、前記コア層ならびに前記第1支持層および前記第2支持層の引張強度より大きい引張強度を有することができる。
前記種々の具体例においては、当該ラミネート・カードが、ある長さ(a length、1つの長さ寸法など)およびある幅(a width、1つの幅寸法など)を有してもよく、このとき、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層は、それぞれ、同じ長さおよび同じ幅を有するとともに、それぞれ、対応する厚さとして、当該ラミネート・カードの長さ方向と幅方向とを実質的に均一に(uniform、一様に)横切る厚さを有する。この場合、前記コア層ならびに/または前記第1コア層および前記第2コア層のそれぞれの複数本の周縁(peripheral edges、周方向に延びる複数本のエッジ)は、当該取引カード(transaction card、前記ラミネート・カードなどに相当)の全周に沿って連続的に延びてもよい。典型的ないくつかの配置構成においては、前記ラミネート・カードの長さ、幅および厚さが、ISO/IEC規格7810に実質的に準拠するものであってもよい。
想定されるいくつかの具体例においては、前記ラミネート加工工程が、前記複数のカード層全体の温度が、前記第1熱可塑性接着剤層の活性化温度および前記第2熱可塑性接着剤層の活性化温度、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層の活性化温度以上であり、かつ、前記第1支持層、前記第2支持層、前記コア層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の融点温度より低い温度を得るように、前記複数のカード層を加熱する加熱工程を含むことができる。いくつかの実施態様においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、約130℃以下、または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができ、また、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層は、それぞれ対応する融点温度(melting point temperatures corresponding)として、約130℃を超え、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超えるものを有することができる。この場合、前記加熱工程は、前記コア層ならびに前記第1支持層および前記第2支持層の間の相対位置を実質的に変更することなく、前記コア層を前記第1支持層および前記第2支持層に接合(bonding)によって相互接続するために、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を活性化するように提供することができる。それら実施態様に関連して、前記第1支持層および前記第2支持層は、それぞれ対応するビカット軟化温度(corresponding Vicat softening temperatures)として、少なくとも約80℃の温度を有することができ(ISO/IEC規格D-1525A)、また、前記コア層は、ビカット軟化温度として、少なくとも約110℃(ISO/IEC規格D-1525A)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約120℃(ISO/IEC規格D-1525A)の温度を有することができる。
いくつかの具体例においては、前記ラミネート加工工程が、前記複数のカード層の全体が、少なくとも約85℃、かつ、約120℃以下、また、いくつかの事例においては、約135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように、前記複数のカード層を加熱する(heat)加熱工程を含むことができ、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、かつ、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層を横切るように印加される(a pressure is applied、加圧される)。さらに、その加熱工程の実行後であって、前記形成工程の実行前に、前記ラミネート加工工程は、前記複数のカード層を冷却する冷却工程(例えば、前記複数のカード層の全体を、約32℃以下の温度からほぼ室温に等しい温度までの範囲内の度を得るために)を含むことができ、ここに、その冷却中、段階的に上昇する圧力が前記複数のカード層の全体に印加される。例えば、前記冷却工程の間、その印加される圧力は、約0.55N/mm2から上昇し、約0.83N/mm2に達し、その後に(and、時間をおいてから)上昇して、少なくとも約1.0N/mm2に達するというように、段階的に上昇してもよい。
いくつかの具体例においては、前記配列工程に先立ち、この方法が、前記複数のインレー層または(or、すなわち)ベース層であって、前記コア層を、前記コア層の第1面に位置する前記ポリマー系の第1キャリア層と、前記コア層の第2面に位置する前記ポリマー系の第2キャリア層との間に有するものをラミネート前処理し、それにより、相互接続されたインレー(an interconnected inlay、前記複数枚のインレー層が相互に結合されて成る組立体としての1つのインレー)を形成するラミネート前処理工程を含むことができ、ここに、前記第1熱可塑性接着剤層は、前記コア層の第1面と前記第1キャリア層との間に設けられ(例えば、前記第1キャリア層に前もって接続され)、また、前記第2熱可塑性接着剤層は、前記コア層の第2面と前記第2キャリア層との間に設けられる(例えば、前記第2キャリア層に前もって接続される)。この場合、前記インレーは、さらに、前記配列工程および前記ラミネート加工工程において処理対象として含められるように提供されることができる。いくつかの具体例においては、前記インレーが、さらに、アンテナを含むことができ、さらに、任意選択的に、前記コア層と前記第1キャリア層との間に、前記ラミネート前処理工程に先立って前記コア層に位置する(例えば、前記コア層の第1面に支持状態で配置される)集積回路チップであって前記アンテナに相互に作動するように接続されるものを含むことができ、それにより、複数の非接触カード機能部(例えば、非接触式インタフェース・カード機能部のみおよび/またはデュアル・インタフェース(dual interface、非接触式インタフェースと接触式インタフェースとを併用するインタフェース)・カード機能部)が容易となる。
前記ラミネート前処理工程は、前記複数のインレー層の全体が、前記第1熱可塑性接着剤層の活性化温度および前記第2熱可塑性接着剤層の活性化温度以上であり、かつ、前記コア層ならびに前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の融点温度より低い温度を得るとともに、前記複数のインレー層の全体が、約120℃以下または約135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように、前記複数のインレー層を加熱する加熱工程を含むことができ、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2かつ約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のインレー層を横切るように(across、前記複数のインレー層の全体に)印加される。いくつかの実施態様においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、約130℃以下、または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができ、また、前記コア層、ならびに前記第1キャリア層および前記第2キャリア層にそれぞれ対応する融点温度(melting point temperatures corresponding)は、約130℃を超え、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超えてもよい。その加熱の後、前記ラミネート前処理は、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程と、その冷却と並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、最大約4分間の間)と、その後、前記冷却と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを有してもよい。
いくつかの実施態様においては、この方法が、前記コア層の第1面および/または第2面を(例えば、コロナ電子ビーム処理、火炎処理および/またはプライマ処理により)処理し(treat、例えば表面処理し)、それにより、表面エネルギーを少なくとも約34ダイン、または、好ましくは少なくとも約40ダインもしくは58ダインも提供し、それにより、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層を用いた接合(bonding、ボンディング、接着接合、結合形成など)を促進する処理工程を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記コア層の第1面および/または第2面が、約58ダインの表面エネルギーを有することができる。それに関連して、この方法は、前記第1支持層および/または前記第2支持層の内向き面および/または外向き面を(例えば、コロナ電子ビーム処理、火炎および/またはプライマ処理により)処理し(treat、例えば表面処理し)、それにより、少なくとも約30ダインの表面エネルギーを提供することを含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記第1支持層および/または第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および/または前記第2キャリア層が、
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、
ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol)、
ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)、および
ポリカーボネート(polycarbonate)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、同じ(the same、同じ1種類の)ポリマーを含むことができる。いくつかの具体例においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層のそれぞれのうちの少なくとも一部または全部が、1つまたは複数のポリマーであって未使用(virgin、バージン)であるかまたは再生されたものを含むことができる。これに関して(In the latter regard)、前記ラミネート・カードは、コア層ならびに第1支持層および第2支持層であって、ポスト・コンシューマ(使用後)であるかおよび/またはポスト・インダストリアル(使用前)である1つまたは複数のポリマーを、重複的に(cumulatively、複数のカード層相互間で同種成分が使用されることを許して)、当該ラミネート・カードの全重量の少なくとも約90%、または約99%にも相当する量で含有するものを有することができる。さらに、第1キャリア層および第2キャリア層は、第1層および/または第2層を構成するポリマーと同じかまたは異なり得る、同じポリマーを含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記コア層のポスト・コンシューマ・(使用済)ポリエチレン(polyethylene)が、回収された海洋プラスチック廃棄物を少なくとも約50重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%または99重量%も含有することができる。さらに、前記コア層は、少なくとも約0.9g/cm3の密度を有するように提供されることができる。
種々の具体例においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および/または前記第2キャリア層は、不透明、半透明または透明であってもよく、着色されてもよい。それに加えるかまたはそれに代えて、前記コア層は、着色されてもよい。
種々の具体例においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、
エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層および第2熱可塑性接着剤層が、それぞれ、エチレン酢酸ビニル(例えば、EVAポリマー)を含むことができ、また、それぞれ対応する活性化温度として、約100℃~約120℃、また、いくつかの実施態様においては、約90℃~約120℃の活性化温度を有することができる。いくつかの実施態様においては、前記第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および前記第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56、ならびに/または前記第1中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層が、
ポリエステル(polyester)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含むことができる。
想定されるいくつかの具体例においては、この方法が、さらに、前記配列工程に先立ち、第1プリント層を前記第1支持層の内向き面および外向き面のうちの少なくとも一方に印刷する印刷工程を含むことができ、ここに、その印刷結果は、当該取引カードの第1面において視認可能である。前記第1プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読キャラクタ(例えば、数字、文字および/またはそれらの表現物)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記配列工程が、さらに、透明な第1オーバーラミネート層を、前記第1支持層(例えば前記第1プリント層を覆う)の外向き面の上に、それを上から覆う関係(overlying relation、上から重なる関係)となるように、前記複数のカード層のうちの1つとして位置決めする位置決め工程を含むことができる。前記第1オーバーラミネート層は、第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層を備えてもよく、その第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層は、当該第1オーバーラミネート層の内向き面上に支持状態で配置され、その目的は、前記位置決め工程の実行中に一体的取扱い(handling together、前記第1オーバーラミネート層と前記第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにあり、ここに、前記第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層は、前記第1オーバーラミネート層を前記第1支持層の外向き面に相互接続するための前記接続工程(the connecting step、前記ラミネート加工工程、相互接続工程、ボンディング工程、接着接合工程など)の実行中に活性化されてもよい。
いくつかの具体例においては、この方法は、さらに、前記配列工程に先立ち、第2プリント層を前記第2支持層の内向き面および外向き面のうちの少なくとも一方に印刷する印刷工程を含むことができ、ここに、その印刷結果は、当該取引カードの第2面において視認可能である。前記第2プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読キャラクタ(例えば、数字、文字および/またはそれらの表現物)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記配列工程が、透明な第2オーバーラミネート層を、前記第2支持層(例えば前記第2プリント層を覆う)の外向き面の上に、それを上から覆う関係(overlying relation、上から重なる関係)となるように、前記複数のカード層のうちの1つとして位置決めする位置決め工程を含むことができる。前記第2オーバーラミネート層は、第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層を備えてもよく、その第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層は、当該第2オーバーラミネート層の内向き面上に支持状態で配置され、その目的は、前記位置決め工程の実行中に一体的取扱い(handling together、前記第2オーバーラミネート層と前記第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにあり、ここに、前記第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層は、前記第2オーバーラミネート層を前記第2支持層の外向き面に相互接続するための前記ラミネート加工工程(the laminating step)の実行中に活性化されてもよい。
想定されるいくつかの具体例においては、前記形成工程が、
レーザ彫刻、
インク・ジェット印刷、
感熱印刷(例えば、パッチ層またはオーバーラミネート層上において)(thermal-printing、感熱パッチ、感熱シールなど)、および
エンボス加工
のうちの1つまたは複数を含むことができる。
エンボス加工を用いるいくつかの実施態様においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、エンボス加工されたいくつかのキャラクタであって前記人間可読アカウント・インディシアを提供するものを、ISO/IEC規格7811-1に実質的に準拠するように維持するように機能してもよい。
いくつかの実施態様においては、前記ラミネート加工工程の実行後であって前記形成工程の実行前に、この方法は、さらに、当該ラミネート・カードの第1外面内にポケットを形成する工程をさらに含むことができ、そのポケットのうちの中央内側部分は、前記第1支持層および前記コア層を貫通するように延びており、前記ポケットのうちの環状外側部分は、前記第1支持層の内部を延び、その第1支持層の厚さより浅い深さに到達し、環状座部を前記ポケット内に形成する。この場合、この方法は、基板の下向き面に支持される集積回路チップと、前記ポケット内にある前記基板の上向き面に支持される複数の接触パッドとを位置決めする位置決め工程を含むことができ、前記集積回路チップは、前記ポケットのうちの前記中央内側部分内に配置され、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分は、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともに前記環状座部によって支持される。
いくつかの配置構成においては、前記配列工程に先立ち、この方法は、さらに、磁気ストライプを前記ラミネート・カードの第1面および前記ラミネート・カードの第2面のうちの一方に付着させる(affix、固定する)付着工程を含むことができる。特に、前記磁気ストライプは、当該取引カードの第2オーバーラミネート層の外向き面に付着させる(例えば、熱転写プロセス、冷却剥離プロセスまたは接着マウント・プロセスにより)ことができる。
想定されるいくつかの具体例であって方法に関するものにおいては、前記ラミネート・カード(the laminated card、1枚のラミネート・カード)が、複数枚の取引カードのうちの1つであり、ここに、この方法は、
複数枚のシートをコレート(collate、複数枚のシートを積み重ねること、複数枚のシートを整列して積み重ねること、位置合わせして積み重ねことなど)してマルチシート・アセンブリ(multi-sheet assembly、複数枚のシートを積み重ねて成る1個の組合体、マルチシート積重体など)にし、それにより、前記複数のカードのそれぞれについて前記配列工程を完成させるコレート工程を含み、
前記マルチシート・アセンブリは、
コア・シート(core sheet、前記コア層のための素材)(例えば、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)を少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%含有するとともに、前記シート・アセンブリの全体厚さのうちの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有する)と、
ポリマー系の第1支持シート(first support sheet、前記第1支持層のための素材)であって、前記コア・シートの第1面に対向する内向き面を有し、その内向き面と前記コア・シートの第1面との間に第1熱可塑性接着剤が配置されるもの(例えば、前記マルチシート・アセンブリの全体厚さのうちの少なくとも約12%の厚さを有するもの)と、
ポリマー系の第2支持シート(second support sheet、前記第2支持層のための素材)であって、前記コア・シートの第2面に面する内向き面を有し、その内向き面と前記コア・シートの第2面との間に第2熱可塑性接着剤が配置されるもの(例えば、前記マルチシート・アセンブリの全体厚さのうちの少なくとも約12%の厚さを有するもの)と
を含んでいる。この場合、この方法は、前記マルチシート・アセンブリをラミネート加工装置内においてラミネート加工し、それにより、前記複数のカードのそれぞれに対して前記印加工程(the applying、前記加熱および加圧、前記熱および圧力の印加など)を完成させるラミネート加工工程(laminating、積み重ねされた複数のカード層を加熱および加圧して積層合体させることなど)と、そのラミネート加工工程の実行前であって、前記形成工程の実行後に、複数のカード本体を、前記マルチシート・アセンブリのうち、対応する複数のシート領域(regions、各シート領域は、複数枚の部分シートが積み重ねられたものなど)であって前記複数の取引カードに対応する関係を有するものから分離する分離工程とを含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記コレート工程に先立ち、この方法は、複数枚のインレー・シートのラミネート前処理(pre-lamination、加圧および加熱なしでの相互接続など)により、前記複数のカードのそれぞれに対してラミネート前処理を完成させる前記ラミネート前処理工程であって、前記複数枚のインレー・シートは、前記コア・シートを含み、そのコア・シートは、第1キャリア・シートと第2キャリア・シートとの間に位置決めされており、前記第1キャリア・シートは、それの内向き面に支持された第1熱可塑性接着剤シート層を有し、前記第2キャリア・シートは、それの内向き面に支持された第2熱可塑性接着剤シート層を有するものを含むことができる。このラミネート前処理工程に先立ち、この方法は、複数のアンテナを、前記コア・シート上の複数の領域(regions、1枚のシートの表面上の複数の領域など)内に支持状態で位置決めする位置決め工程を有してもよく、前記複数の領域(regions、部分、区域)は、前記マルチシート・アセンブリのうち前記複数の領域(regions、前記複数のシート領域)に対応する。
本発明の多くの他の特徴および利点が、当業者には、具体例についての後述の詳細な説明を考慮すれば、自明であろう。
図1は、取引カードの一具体例を示す正面斜視図である。
図2は、図1に示す具体例を示す背面斜視図である。
図3は、取引カードの一具体例において提供されてもよい種々の層を示す分解斜視図である。
図4は、複数枚の取引カードを製造するためにコレートされた(collate、積み重ねされた、整然と積み重ねられた)1つのマルチシート・アセンブリの一具体例を示す斜視図である。
図5は、図4および図5に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものを、製造段階において、複数枚のカード本体が前記マルチシート・アセンブリから分離されている状態で示す斜視図である。
図6は、図4および図5に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものを、そのマルチシート・アセンブリについての前記種々の層をラミネート加工する段階で示す概略側面図である。
図7は、取引カードの別の具体例を示す正面斜視図である。
図8Aは、コア層であってそれの上面にアンテナを有するものの一具体例を示す斜視図である。
図8Bは、インレーの一具体例であって、図8Aの具体例を含み、かつ、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図9は、インレーの別の具体例であって、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図10は、インレーの別の具体例であって、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図11Aは、コア・シートの一具体例であって、図4-図6に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものに使用されるものを示す斜視図である。
図11Bは、インレー・シートであって、図11Aに示す具体例であってコア・シートについてのものを含むとともに、図4-図6に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものに使用されることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図12は、取引カードのうち、図2における12-12線に沿った取られた断面図である。
図13は、取引カードの別の具体例のうち、図2における12-12線に沿って取られた断面図である。
図14は、集積回路チップを含む取引カードのうち、図1における14-14線に沿って取られた断面図である。
図15は、インレーの別の具体例であって、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す断面図を示す。
図16は、取引カードを形成する例示的な一方法を示す。
図17は、取引カードの一具体例を示す背面斜視図である。
図18は、取引カードの一具体例において提供されてもよい種々の層を示す分解斜視図である。
図19は、取引カードのうち、図17における19-19線に沿って取られた断面図である。
図20は、インレーの別の具体例を示す断面図である。
以下の詳細な説明は、本発明を本出願書類に開示されている形態に限定することを意図されていない。したがって、変形点および変更点であって本発明に関連する技術についての後述の教示事項、技能および知識に見合うものは、本発明の範囲内に含まれる。本出願書類に記載されているいくつかの具体例は、さらに、本発明を実施することについて既知の形態を説明すること、および、当業者が本発明を、それら具体例または他の具体例という形態で、および、本発明の具体的な応用または用途に要求される種々の変更点を伴う形態で実施することを可能にすることを意図されている。
本出願書類の開示事項は、概して、ラミネート・カードの如き取引カードに関し、その取引カードは、金融取引(例えば、クレジット・カード)または他のタイプの取引および行為の一部として使用されることが可能であるインディシアまたはデータを含んでもよい。その取引カードは、ポスト・コンシューマ(使用後の)および/またはポスト・インダストリアル・(使用前の)ポリエチレン(polyethylene)、または他のタイプのポリエチレン(polyethylene)を含有する。従来、それら材料が製造、耐久性等に関して多くの問題を示すことを踏まえ、それら材料は、取引カードにもラミネート・カード関連製品にも使用されてこなかった。例えば、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)(PVC)の如く、取引カードのためにより一般的に使用される他の材料より柔軟性が高く、また、当該材料は、その柔軟性が原因で、取引カードを製造するために一般的に必要なプリンタおよびラミネータの如く、種々の製造機械を通過することが困難である。例えば、その柔軟性が原因で、当該材料(the material、前記ポスト・コンシューマ・ポリエチレン)が曲がり、動き、折り畳まれ、それにより、ローラまたは他の製造機械を通り抜けることが阻害されるかもしれない。ポリエチレン(polyethylene)を例えば30ミルより厚くなるように厚肉化すれば、前記柔軟性を部分的に低下させるのに役立つかもしれないが、前記コア層が厚肉化し、その結果、当該カードの全体厚さが厚肉化しすぎて、ISO規格の如き金融取引カード規格に適合できなくなる可能性がある。
ポリエチレン(polyethylene)はより一般的な材料より軟質であるため、このポリエチレンも、加熱されると顕著に収縮する。このことが意味することは、多くの場合、この材料が、加熱を伴うラミネート加工プロセス後に収縮し、それが原因で、埋め込まれたアンテナの周波数が製造中に顕著に変化し、それにより、最終製品としての取引カードが使用不可能になる可能性があるということである。ポリエチレン(polyethylene)の柔軟性が原因で、さらに、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)から作製されたカードにおいてエンボス加工部の高さが経時的に失われる可能性があり、それにより、消費者アカウント情報等のデータが除去されるかまたは判読不可能もしくは不明瞭になり、または、エンボス加工がISOエンボス加工高さ要求事項(例えば、ISO規格7813)を満たさないことになる。さらに、ラミネートされた取引カードについて一般に使用される他の層であってグラフィック・オーバーレイのようなものとの接合は、ポリエチレン(polyethylene)に関しては、それの化学組成等により困難であり、また、多くの場合、接合部(a bond)の存在が可能であるとしても(possible)、それのラミネート構造が急速に故障し(fail、破損し)、それが原因で、複数の層が剥離して分離する。さらに、PVCを接合するために一般に使用される多くの接着剤は、ポリエチレン(polyethylene)には十分に接合しないか、または、ラミネート加工処理方法においての使用が困難である。さらに、他のいくつかのカード層(additional card layers、カードに用いられる他のいくつかの層)を、リサイクルされた材料またはポスト・コンシューマ材料から形成すること(forming、素材を目標形状を有するように加工すること、成形すること、など)により、そのリサイクル成分についての記述(recycled content description、そのリサイクル成分含有率についての記述、リサイクルされた成分が使用されていることについての記述、など)が増えるかもしれないが、リサイクルされた材料(recycled materials、リサイクルされた1つまたは複数の材料など)の不均一性(inconsistencies、非一様性、むらなど)、構造的弱点および他の同様なものが原因で、新たな困難性(challenges、難点、弱点など)を示すかもしれない。
ポスト・コンシューマ・プラスチックは、例えば、回収された海洋プラスチック、または、他のプラスチック材料であって他の用途のためにかつて形成されたかもしくは使用されたもの、すなわち、もはや未使用(virgin、バージン)材料ではないものを含むかもしれない。ポスト・コンシューマ・プラスチックは、取引カードという用途のためのいくつかのシートまたは他の形状に、再度、形成される(re-formed、再度、機械加工される、再構成される、再び作られる、再生産される、など)か、溶融される(melted、型を用いて一定の形状に加工される、など)か、または、他の方法で処理される(processed、加工されるなど)かもしれない。いくつかの実施態様においては、ポスト・コンシューマ・プラスチックを処理する方法が、不純物を除去する工程、ある程度の量の未使用材料を前記ポスト・コンシューマ・プラスチックに添加する工程、または、前記ポスト・コンシューマ・プラスチックに対する顔料(pigmentation、着色剤など)の添加もしくは除去を行う工程を含むかもしれない。
本出願書類の開示事項としては、取引カードに使用されるポリエチレン(polyethylene)であってポスト・コンシューマまたはポスト・インダストリアル・ポリエチレン(polyethylene)を含むものの使用を可能にする技術および構造がある。例えば、「サンドイッチ」すなわち層状構造は、ポスト・コンシューマおよび/またはポスト・インダストリアル・ポリエチレン(polyethylene)を含有するコア層が、第1接着剤層および第2接着剤層により、それぞれ対応する第1支持層および第2支持層(前記コア層の両側に位置決めされる)に相互接続されることが行われる場所である。前述の複数の支持層は、前述の接着剤(the adhesives、前述の第1接着剤層および第2接着剤層)を介して前記コア層に接合され、また、より高い剛性を有して構造的支持を提供してもよく、それにより、ISO規格の機械的特性を有するラミネート・カードの製造を可能にする一方で、さらに環境関連の利益および費用効率を実現してもよい。大量の決済カード(例えば、クレジット・カード、デビット・カードおよびストアード・バリュー・カード)、会員カード、ロイヤリティ・カード、身分証明カード、施設内入場許可カード(premises access card)、および財布サイズを有する他のカードであって年次ベースで世界的に展開されるものを考慮すると、ここに開示されているいくつかの具体例によれば、ポスト・コンシューマHDPE、特に、回収された海洋プラスチック廃棄物のリサイクルまたは再利用を、それら材料(such materials、ポスト・コンシューマHDPE、回収された海洋プラスチック廃棄物など)を取引カードに組み込むことにより、可能にすることができる。さらに、本出願書類の開示事項として、ポリエチレン(polyethylene)を含有する前記コア層を前記複数の支持層に、それら層(the layers、前記コア層および前記複数の支持層)がラミネート加工プロセス中に互いに強固に接合するように接続することが可能となる方法および材料があり、このことは、従来のラミネート加工プロセスおよび材料(conventional lamination processes and materials、複数の層を結合するためにポリエチレンを接着接合できないラミネート加工方法および材料など)では不可能であり、この場合、この種の材料(such materials、前記従来の材料)はポリエチレン(polyethylene)に接合しない。
いくつかの具体例においては、審美的な(aesthetic、美感を有する)別のいくつかの要素であって、例えば、金属「箔(foil、ホイル)」または(or、すなわち)メタライズされた層(metalized layer、金属膜化された層、金属層など)のようなものが、ラミネート加工前(prelam、プリラム)および/またはラミネート加工後のラミネート・カード内に含まれるかもしれない。そのメタライズされた層は、透光性を有する(transparent、透過性を有する)オーバーレイ(overlay、上から覆う層、上張り、被覆、被膜など)または部分的に透光性を有するオーバーレイ層に対し、当該ラミネート・カードの外面(exterior、外側、エクステリアなど)から少なくとも部分的に視認できるように、位置合わせされるかもしれない。本出願書類中に記載されているいくつかの技術により、前記メタライズされた層が、ポスト・コンシューマ・プラスチックを含有するラミネート・カードに接合して(bond with)その内部で使用される(used in)ことが可能となる。
前述のいくつかの図面に注目すると、図1および図2は、取引カード1の一具体例を示しており、その取引カード1は、ある長さおよびある幅(例えば、ISO/IEC規格7810に準拠する長さ、幅および厚さ)を有する。その取引カード1は、ラミネート・カード1であってもよいが、概して、複数の素材(materials、複数枚の素材など)のスタック(stack、積重ね体)により形成され、そのスタックは、ラミネート・カード1と同じ長さおよび同じ幅を有しており、前記スタックは結合される(combined、積み重ねられる)と、ラミネート・カード1の厚さ部を形成する。ラミネート・カード1は、コア層10を含み、そのコア層10は、ポスト・コンシューマおよび/もしくはポスト・インダストリアル・ポリエチレン(polyethylene)の如きポリエチレン(polyethylene)、または他のポリエチレン(polyethylene)・ソース(source、源、ポリエチレン含有物質、ポリエチレン産生物質など)を含み、また、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wにわたって延びている(extend from across、長さLおよび幅Wに沿って全体的に延びている)。コア層10は、当該取引カード用の基材(substrate、基礎となる部材など)を形成または定義してもよく、その基板上に別の複数の層または構造物が接続される。
ラミネート・カード1は、第1支持層20であって、コア層10の第1面に第1接着剤層によって相互接続されるとともに、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びる(extend from across)ものと、第2支持層30であって、コア層10の第2面に第2接着剤層によって相互接続されるとともに、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びる(extend from across)ものとを含む。支持層20,30は、ラミネート・カード1の剛性および構造(structure、構造的強度、構造的特性など)を増強させてもよく、また、概略的に(generally、全体的に)、ポリエチレン(polyethylene)製のコア層10とは異なる材料(materials、1つまたは複数の材料)によって形成されてもよく、当該支持層20,30の材料は、ビニル材料(例えば、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride))または他のタイプのポリエチレン(polyethylene)(例えば、ポリエチレン(polyethylene)・テレフタレート(terephthalate)・グリコール(glycol)すなわちPET-G)の如きものであって、コア層10を形成するポリエチレン(polyethylene)とは異なる。種々の実施態様においては、支持層20,30を形成する材料が、未使用材料またはリサイクルされた材料であるかもしれない。いくつかの具体例においては、支持層20,30が、コア層10に結合されてそのコア層10を構造的に支持するとともにそのコア層10に剛性を提供し、それにより、製造工程(manufacturing process、全体製造工程など)中およびラミネート加工工程中にコア層10を補強する(assist、支持する、支援する、補助する)。
再び図1を参照すると、コア層10は、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)をコア層10の重量当たり少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%を含有してもよい。さらに、コア層10は、厚さとして、ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有してもよい。コア層10のポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)は、回収された海洋プラスチック廃棄物を少なくとも約50重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%または99重量%も含有してもよい。さらに、コア層10は、少なくとも約0.9g/cm3の密度を有するように提供されてもよい。ただし、他の変形例においては、異なる比率が達成されるかまたは要望されてもよい。
第1支持層20は、厚さとして、当該ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約12%、また、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または約18%も有してもよい。第2支持層30は、厚さとして、当該ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約12%、また、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または18%も有してもよい。ここに提示されたいくつかの厚さは、例示的であり、例えば当該カードの最終的な用途または目的に応じて要望されるものとなるように変更されてもよい。
第1支持層20および第2支持層30は、それぞれ、引張強さとして、コア層10の引張強度より大きいもの、また、いくつかの事例においては、少なくとも約30%または少なくとも約50%も大きいものを有してもよい。いくつかの配置構成においては、第1支持層20および第2支持層30が、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、少なくとも約30N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約40N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有してもよく、また、コア層10は、引張強度として、少なくとも約20N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約25N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有してもよい。それら具体例に関連して、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層は、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、コア層10ならびに第1支持層20および第2支持層30の引張強度より大きい引張強度を有してもよい。さらに、第1支持層20および第2支持層30は、カード1の強度が増加すると同時に柔軟性が低下するように、コア層10の剛性より高い剛性を有してもよい。
図1に示すように、第1プリント層22が第1支持層20の上に印刷されてもよく(または、支持層20に結合されてもよく)、この場合、第1プリント層22の少なくとも一部がラミネート・カード1の第1面(a first side、おもて面、表側、前側など)から視認可能であってもよい。例えば、第1プリント層22は、透明な第1支持層20の内向き面上に裏刷りされ(reverse-printed、反転印刷され)てもよく、および/または、第1プリント層22は、透明なまたは不透明な第1支持層20の外向き面上に表刷りされ(forward-printed、順方向印刷され、通常印刷され、非反転印刷され)てもよい。
図2に示すように、第2プリント層32が第2支持層30の上に印刷されるかまたは第2支持層30に結合されてもよく、この場合、第2プリント層32の少なくとも一部がラミネート・カード1の第2面(a second side、うら面、裏側、後側など)から視認可能であってもよい。例えば、第2プリント層32は、透明な第2支持層30の内向き面上に裏刷りされてもよく、および/または、第2プリント層32は、第2支持層30の外向き面上に表刷りされてもよい。
図17に示すように、いくつかの実施態様においては、第2金属層92が、第2支持層30上に被着される(deposited、蒸着される、薄膜形成される、など)かまたは第2支持層30に結合され(coupled)てもよく、ここに、第2金属層92のうちの少なくとも一部は、ラミネート・カード2の前記第2面(the second side)から視認可能であるかもしれない。それら実施態様においては、第2プリント層32が、第2支持層30の外向き面上にある金属層92(the metal layer 92、第2金属層92)を覆う(over、その金属層92上に位置する、など)ように表刷りされ(forward-printed)、それにより、第2プリント層32が、ラミネート・カード2の前記第2面から視認可能であってもよい。それら実施態様は、さらに、第1金属層90であって、第1支持層20上に被着される(deposited、蒸着される、薄膜形成される、など)かまたは第1支持層20に結合される(coupled)ものを有してもよく、ここに、第1金属層90のうちの少なくとも一部は、ラミネート・カード2の前記第1面(the first side)から視認可能であるかもしれない。同様に、それら実施態様においては、第1プリント層22が第1金属層90を覆う(over、その金属層90上に位置する、など)ように表刷りされ(forward printed)、それにより、第1プリント層12が、ラミネート・カード2の第1面(first side、前記第1面)から視認可能であってもよい。例えば、いくつかのオーバーラミネート層(overlaminate layers、ラミネート体のうちの外層、最外層など)(例えば、図18における層60および層62)が部分的に透光性を有するかまたは完全に透光性を有するものであり、それにより、第1プリント層22,第2プリント層32,第1金属層90および第2金属層92が当該いくつかのオーバーラミネート層を透過して完全にまたは部分的に視認可能であってもよい。
第1金属層90および第2金属層92は、任意の種類の金属または合金(alloy、アロイなど)、例えば、アルミニウム、金または別の金属であって第1支持層20および第2支持層30に接合される(bonded、接着接合される、ボンディングされる、など)かまたは真空蒸着される(vacuum deposited)ことが可能であるものを含有してもよい。それら材料は、その実施態様に応じ、リサイクルされたものであっても未使用の(virgin、バージン)ものであってもよい。いくつかの実施態様においては、リサイクルされた材料が、リサイクルされた材料を、標準化された製作方法において使用する(use with a standardized manufacturing process)ことをより困難にする不純物を含有するかもしれない。ラミネート・カード2は、ラミネート・カード1に関して記載されたいくつかの特徴部のうちのいずれでも有してもよく、それらは、例えば、埋込み式のチップ、アンテナなどである。
第1プリント層22および第2プリント層32は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ等)、複数の人間可読キャラクタ(例えば、数字、文字および/またはそれらの表現物)、および/または1つもしくは複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含んでもよく。第1プリント層22および/または第2プリント層32は、インク系(ink-based、インクを用いて印刷を行うものなど)であってもよく、また、第1支持層20および/または第2支持層30は、それぞれ、ラミネート・カード1の前記第1面および前記第2面から見ると、不透明および/または少なくとも部分的に半透明および/または少なくとも部分的に透明であってもよい。さらに、不透明および/または半透明のうちのいずれであっても、第1プリント層22および/または第2プリント層32は、着色され、それにより、広範囲の視覚効果をもたらして、カードが差別化される可能性を強化してもよい。
第1プリント層22および第2プリント層14は、次に掲げる複数の印刷プロセス、すなわち、
平版印刷、
グラビア印刷、
シルク・スクリーン印刷、
デジタル印刷、および
インク・ジェット印刷
のうちの1つまたは複数の印刷プロセスにより、別々に形成されてもよい。第1プリント層22および/または第2プリント層32は、それぞれ、別々に印刷される複数のインク(a plurality of separately-printed inks)を含んでもよく、それらインクは、それぞれ、上記に言及された複数の印刷プロセスのうちの1つによって別々に印刷される。この場合、複数の別個に印刷されたインクのうちの異なるものに対して、上記に言及された複数の印刷プロセスのうち互いに異なる複数の印刷プロセスは、前記別々に印刷される複数のインク(the plurality of separately-printed inks)のうちの互いに異なる複数のもののために採用されてもよい。いくつかの配置構成においては、前記別々に印刷される複数のインクが、色が異なる複数の着色インクのうちの1つまたは複数のものを含んでもよく、各着色インクは、他の着色インクとは異なる顔料または染料を含有してもよい。これに関連して、プリント層14,22は、支持層20,30上に直接(directly、直に)印刷されてもよく、または、キャリア、フィルム、またはそれらと同様なもの(例えば、金属層90,92)の上に印刷されて支持層20,30に付着されてもよい。
図1にさらに示すように、ラミネート・カード1は、人間可読アカウント・インディシア40aであって、決済カードの発行業者によって管理される決済口座(例えば、銀行または信用組合等の金融機関によって管理される決済口座)、会員アカウント、ロイヤリティ・アカウント等を示すかまたはそれに関連付けられるものと、別の人間可読アカウント・インディシア40bであって、人間可読アカウント・インディシア40aに関連付けられるものとを含んでもよい。例えば、視認可能なインディシア40aは、対応するアカウント(例えば、アカウント番号)を示す複数の人間可読キャラクタを含んでもよく、また、視認可能なインディシア40bは、一定のアカウントに対応する別の複数の人間可読キャラクタを含んでもよく、それらキャラクタは、対応するカード有効期限、対応するアカウント・サービス・グレード・レベル、および/または対応する顧客固有データ(例えば、顧客名、顧客期間データ等)を含む。図1においては、人間可読アカウント・インディシア40a,40bが、ラミネート・カード1の前記第1面から視認されるように設けられている。他のいくつかの具体例においては、人間可読アカウント・インディシア40aおよび/または40bが、ラミネート・カード1の前記第2面からも視認されるか、または、前記第2面からしか視認されないように設けてもよい。
人間可読アカウント・インディシア40a,40bは、
レーザ彫刻、
インク・ジェット印刷、
パッチ上の感熱印刷(thermal-printing on a patch、感熱パッチ、感熱シールなど)、および
エンボス加工
のうちの1つまたは複数のものによって形成されてもよい。
1つのアプローチにおいては、人間可読アカウント・インディシア40aおよび/または40bが、ラミネート・カードの厚さ全体を貫通するようにエンボス加工された複数のキャラクタにより、ISO/IEC規格7811-1に実質的に準拠するように形成されてもよい。任意選択的に、かつ、図1に示すように、エリート・ブランド・マーク41(例えば、特定の決済ネットワークまたはカード協会を示す)がラミネート・カード1の前記第1面に固定的に付着されてもよい。
図1に示すように、ラミネート・カード1は、さらに、当該ラミネート・カード1の前記第1面内に形成されたポケット42を含んでもよく、このとき、複数の接触パッド44とそれらの下にある集積回路(IC)チップ46(例えば、仮想線で示すスマート・カード・チップ)とが、基板の両面上に支持されるとともにポケット42内に配置されており、ここに、複数の接触パッド44は、チップ・カード・リーダ・デバイスとの間の信号伝送のためにそのチップ・カード・リーダ・デバイスと接触するように位置決めされるとともに露出させられており、それにより、金融取引(例えば、ATMの場所、販売時点情報管理の場所等で)を完了する。理解され得るように、それら接触パッド44は、接触式チップ・リーダとの電気的な接触式インタフェースをISO/IEC規格7816に準拠して行うために提供されてもよい。この場合、人間可読アカウント・インディシア40aに対応するアカウント・データは、接触式チップ・カード・リーダとの接触式信号伝送に使用されるために、集積回路チップ46に格納されてもよい。これに代えてまたはこれに加えて、本出願書類に記載されているいくつかの具体例においては、ラミネート・カード1が、アンテナを有してもよく、そのアンテナは、非接触式チップ・カード・リーダとの非接触式インタフェースをISO/IEC規格14443に準拠して行うために、相互作動するように集積回路チップ46に相互接続される。
想定されるいくつかの具体例においては、第1支持層20は、厚さとして、ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約12%または少なくとも約15%または少なくとも約18%を有してもよく、ここに、ポケット42のうちの中央内側部分(central inner portion、中央空洞部など)が、第1支持層20とコア層10の少なくとも一部とを貫通するように延びており、また、ポケット42のうちの環状外側部分(annular outer portion、環状空洞部など)が、第1支持層20の内部を延び、その第1支持層20の厚さより浅い深さに到達し、それにより、ポケット42内に環状座部(annular seat、環状座面など)が形成されている。この場合、集積回路チップ46は、ポケット42のうちの中央内側部分内に配置されてもよく、また、支持基板(the supporting substrate、集積回路チップ46を支持する基板など)の下向き面のうちの外側環状部分(outer annular portion、外周部)が、ポケット42内の環状座部に接着により相互接続されるとともに前記環状座部によって支持されてもよい。
図2に示すように、ラミネート・カード1は、さらに、磁気ストライプ43を有してもよく、その磁気ストライプ43は、磁気ストライプ・カード・リーダとのインタフェースのためにラミネート・カード1の前記第2面に固定的に付着される(affix)。その磁気ストライプ43は、人間可読アカウント・インディシア40aに対応するアカウント・データを符号化するためにISO/IEC規格7810および/または7811に準拠するように提供されてもよい。図2にさらに示すように、署名欄45および/またはホログラム47も、ラミネート・カード1の前記第2面に(例えば、ホット・スタンプにより)固定的に付着され(affix)てもよい。
人間可読アカウント・インディシア40a,40bは、カード・パーソナライゼーションの一部としてラミネート・カード1上に提供されてもよい。さらに、かつ、既述されたように、ICチップ46および磁気ストライプ42は、カード・パーソナライゼーション中に、人間可読アカウント・インディシア40aによって表されるアカウントに対応するデータを用いて符号化されてもよい。
ここで図3を参照するに、図3は、種々の別の層を示しており、それら層は、ラミネート・カード1を構成するカード本体内に提供されてもよく、ここに、それら層のそれぞれの厚さが、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wのそれぞれの寸法に比して強調されて(exaggerated in relation to)図示されている。図示するように、ラミネート・カード1は、コア層10,第1支持層20および第2支持層30に加え、第1接着剤層50を有してもよく、その第1接着剤層50は、コア層10と第1支持層20の内向き面との間に両者を相互接続するように配置されている。同様に、第2接着剤層52が、コア層10と第2支持層30の内向き面との間に両者を相互接続するように配置されてもよい。それら接着剤層50,52は、熱可塑性接着剤でもよい。さらに、いくつかの具体例においては、接着剤層50,52が、2つの異種材料(two different materials)に接着接合するように調製されたそれぞれの接着剤(adhesives)により形成されてもよく、それにより、コア層10であって、第1支持層20および/または第2支持層30の材料(the material、1種類の材料など)とは異なる第1材料(a first material、1種類の第1材料など)でもよいものと、第1支持層20および/または第2支持層30との間に強固な(secure、強固に固定される)接着接合が形成される。例えば、一具体例においては、前記複数の接着剤(the adhesives、接着剤層50,52のそれぞれの接着剤)が、PVCおよびHDPEの両方に接着接合するように調製される。別の具体例においては、前記複数の接着剤が、PET-GおよびHDPEの両方に接着接合するように調製される。一具体例においては、接着剤層50,52が、約25~160kg/molの分子量を有するEVAによって形成され、そのようなEVAの一例は、Transcendia社によって製造され、KRTYという商標名で販売されているものである。別の具体例においては、接着剤層50,52のうちの一方または両方(または、それぞれの部分)が、エチレン・アクリル酸エチル((ethylene-ethyl acrylate)EEA)によって形成され、それの一例は、Dow社によって製造され、AMPLIFY EA101という商標名で販売されているものである。例えば、一具体例においては、上述の複数の接着剤層が、一成分としてEEAを、別の成分としてEVAをそれぞれ含有する合成接着剤によって形成されてもよい。しかしながら、前記複数の支持層(the support layers、第1支持層20および第2支持層30)とコア層10とを結合するために使用される接着剤のタイプは、使用される複数の材料と製造プロセスとに応じて変更されてもよく、その接着剤は、例えば、ポリウレタン(polyurethane)、アクリル樹脂(acrylic)、または、種々の組成物またはコポリマーを含有してもよく、それら組成物またはコポリマーは、EVA、EEA、EVAおよびポリウレタン(polyurethane)の混合物(combination)、ポリウレタン(polyurethane)、ウレタン(urethane)またはアクリル樹脂(acrylic)を含有する。
1つのアプローチにおいては、第1接着剤層50が、コア層10の第1面上に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出しにより)、および/または、第2接着剤層52が、コア層10の第2面上に支持可能に配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しにより)。別のアプローチにおいては、第1接着剤層50が、第1支持層20の内向き面上に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出しによる)、および/または、第2接着剤層52が、第2支持層30の内向き面上に支持状態で配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しによる)。いくつかの事例においては、コア層10または支持層20,30上への接着剤の適用(application、塗布)または配置(the application and disposition)は、接着剤のタイプに依存する。図2において12-12線に沿って取られた図2のラミネート・カードの断面図である図12に示すように、支持層20,30とコア層10との間に熱可塑性接着剤が位置するように層状化すること(layering)により、その結果としてサンドイッチ構造物または他の層状(layered)構造物が生成される。図19に示すように、ラミネート・カード2は、さらに、支持層20,30とコア層10との間に熱可塑性接着剤が位置するように層状化されたもの(layering)であって、その結果としてサンドイッチ構造物または他の層状(layered)構造物が生成されるものを有するかもしれず、ここに、金属層90,92は、支持層20,30のそれぞれの外面に被着される(deposited)かまたは接合される(bonded)。いくつかの実施態様においては、ラミネート・カード2が1枚の金属層しか有しないかもしれない。例えば、ラミネート・カード2は、支持層30上に被着された(deposited)金属層を有することなく、支持層20上に被着された(deposited)金属層90を有するかもしれない。図12には示さていないが、図2のラミネート・カードは、通信素子または通信デバイスを有してもよく、それらの一例は、当該ラミネート・カードの複数の層内に完全にまたは部分的に埋め込まれる(または他の方法で当該カードに接続される)1つまたは複数のアンテナまたはチップ(例えば、ICチップ)である。例えば、図9に示すアンテナまたは図14に示すチップは、コア層10に隣接するかまたはコア層10内に埋め込まれてもよい。
さらに別のアプローチにおいては、第1接着剤層50が、ポリマー系の第1キャリア層80の上に支持状態で配置され(例えば、接着剤の押出しにより)、それにより、その第1キャリア層80がコア層10の第1面に接続されてもよく、および/または、第2接着剤層52が、ポリマー系の第2キャリア層82の上に支持状態で配置され(例えば、接着剤の押出しにより)、それにより、その第2キャリア層82がコア層10の第2面に接続されてもよい。この場合、第1中間熱可塑性接着剤または第1中間熱硬化性接着剤層57が第1支持層20の内向き面に直接(directly、直に)接続され(例えば、印刷により接合され)、それにより、その第1支持層20が第1キャリア層80の外向き面に接続されてもよく、および、第2中間熱可塑性接着剤または第1中間または熱硬化性接着剤層58が第2支持層30の内向き面に直接(directly、直に)接続され(例えば、印刷により接合され)、それにより、その第2支持層30が第2キャリア層82の外向き面に接続されてもよい。
図13を参照すると、さらに別のアプローチにおいては、第1接着剤層50が、異なるように調製された(differently formulated、異なる製法や材料などを用いて調製された)2つの接着剤であって、組み合わされる(combined、結合される、ランダムに混合されるなど)かまたは層状化される(layered)ものを有してもよい。例えば、第1接着剤53が第1支持層20の内向き側または内向き面に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出し、ローラ掛け、または他の方法で塗布され)、また、第2接着剤51がコア層10の第1側または第1面上に支持状態で配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しにより)。第1接着剤53および第2接着剤51は、また、第1支持層20とコア層10との間に位置決めされるキャリア層(例えば、1ミルの厚さを有するPET製のキャリア層)の両面に支持状態で配置されてもよい。第1接着剤層50は、第1接着剤53および第2接着剤51の界面(an interface、1つの界面、境界面など)を含むように形成される。同様に、第2接着剤層52は、全く異なる(distinct、異なる接着剤間で、成分が全く異なる、成分の重複が存在しないなど)2つの接着剤または接着剤成分もしくは接着剤部分を含んでもよい。第3接着剤59が第2支持層30の内向き面上に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出しにより)、また、第4接着剤55がコア層10の第2面上に支持状態で配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しにより)。第3接着剤59および第4接着剤55は、また、第2キャリア層30とコア層10との間に位置決めされるキャリア層(例えば、1ミルの厚さを有するPET製のキャリア層)の両面に支持状態で配置されてもよい。第2接着剤層52は、その後、第3接着剤59および第4接着剤55の界面(an interface、1つの界面、境界面など)を含むように形成される。このようにして、各接着剤層は、2つの異なる接着材料によって形成されてもよく、ここに、それらのうち、第1の接着材料は、前記支持層材料(the support layer material、各支持層20,30の材料)(例えば、ビニルまたはPVC)に良好に接着接合するように調製され、また、第2の接着材料は、コア層10(例えば、HDPE)に良好に接着接合するように調製または構成され、また、いずれの接着材料も、前記支持層と前記コア層の表面との間に、接合された接着剤層が形成されるように、互いに接着接合するように構成される。既述された複数の接着剤であって、EVA,EEA,熱可塑性接着剤および他の接着剤を含むものは、第1接着剤層50または第2接着剤層52の一成分を形成してもよく、または、第1接着剤層50または第2接着剤層52を形成し(form the first or second adhesive layers 50, 52、第1接着剤層50または第2接着剤層52の全体を形成し)てもよい。さらに、第1接着剤層50および第2接着剤層52は、それぞれ互いに異なる接着剤から形成されてもよい。
図3にさらに示すように、ラミネート・カード1は、さらに、ポリマー系材料(例えば、PVCまたはPET-G)の如き第1オーバーラミネート層60であって、第1支持層20の外向き面に相互接続されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びるもの、および/または、ポリマー系材料(例えば、PVCまたはPET-G)であってもよい第2オーバーラミネート層62であって、第2支持層30の外向き面に相互接続されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びるものを有してもよい。既述されたように、第1オーバーラミネート層60および/または第2オーバーラミネート層62は、透明であり、それにより、第1プリント層22および/または第2プリント層32であって、それぞれ、第1支持層20および/または第2支持層30の上に提供されてもよいものの視認性が向上させるものであってもよい。第2オーバーラミネート層62は、それの外向き面上に磁気ストライプ43を備えるものであってもよい。
さらに、図18に示すように、ラミネート・カード2は、第1金属フィルム層90(a first metal film layer 90、第1金属層90など)であって、第1支持層20の外向き面に接合されるかまたはその上に被着されるものと、第2金属フィルム層92(a second metal film layer 92、第2金属層92など)であって、第2支持層30の外向き面に接合されるかまたはその上に被着されるものとを有するかもしれない。したがって、金属層が、最終製品としての取引カード2(the final transaction card 2、最終製品としてのラミネート・カード2)の両側において(on both sides)視認可能であるかもしれない。第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92は、任意の種類の金属、合金(alloy、アロイなど)またはそれらと同様なものによって製作されるかもしれない。第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92が金属蒸着フィルム層である場合には、それら金属フィルム層90,92は、任意の金属または合金であって、第1支持層20および第2支持層30によって耐えられるのに十分に低い気化温度(vaporization temperature)を有するものであるかもしれない(例えば、その金属は、第1支持層20および第2支持層30の溶融温度より低温である温度で気化する(vaporizes))。第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92は、また、接着剤層によって支持層20,30に接合された金属箔から製作されるかもしれない。
第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92は、第1支持層20および第2支持層30よりはるかに薄い板厚を有するかもしれない。例えば、第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92の板厚は、オングストロームという単位を用いて(in Angstroms)測定されるかもしれない。ラミネート・カード2であって第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92を有するものは、ラミネート・カード1に関して記載されたいくつかの特徴部、部品または材料のうちのいずれでも有してもよく、また、ラミネート・カード1に関して記載された方法を用いて製作されてもよい。
さらに、かつ、図3にさらに示すように、ラミネート・カード1は、ポリマー系であり、かつ、任意選択的に透明である第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層54を有してもよく、その層54は、第1支持層20と第1オーバーラミネート層60の内向き面との間に配置されるとともにそれらを相互接続する。同様に、ポリマー系であり、かつ、任意選択的に透明である第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層56が、第2支持層30と第2オーバーラミネート層62の内向き面との間に配置されるとともにそれらを相互接続するものであってもよい。1つのアプローチにおいては、第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層54が、第1オーバーラミネート層60の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよく、また、第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層56が、第2オーバーラミネート層62の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよい。別のアプローチにおいては、第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層54が、第1支持層20の外向き面に支持状態で配置されてもよく、また、第2熱硬化性接着剤層56(the second thermosetting adhesive layers 56、第2外側熱硬化性接着剤層56)が、第2支持層30の外向き面上に支持状態で配置されてもよい。
既述されたように、いくつかの具体例においては、第1接着剤層50が、ポリマー系の第1キャリア層80の内向き面または内側表面上に支持状態で配置されてもよく、その第1キャリア層80は、第1支持層20の内向き面上に配置されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延び(例えば、その内向き面上に印刷され)、および/または、第2接着剤層52が、ポリマー系の第2キャリア層82の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、接着剤の押出しにより)てもよく、その第2キャリア層82は、第2支持層30の内向き面上に配置されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びる(例えば、その内向き面上に印刷される)。それら具体例においては、ラミネート・カード1が、ポリマー系の第1中間熱硬化性接着剤層または第1中間熱可塑性接着剤層57を有してもよく、その層57は、第1支持層20と第1キャリア層80との間に配置されとともにそれらを相互接続する。同様に、ポリマー系の第2中間熱硬化性接着剤層または第2中間熱可塑性接着剤層58が、第2支持層30と第2キャリア層82との間に配置されるとともにそれらを相互接続するものであってもよい。1つのアプローチにおいては、第1中間熱硬化性接着剤層または第1中間熱可塑性接着剤層57が、第1支持層20の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよく、また、第2中間熱硬化性接着剤層または第2中間熱可塑性接着剤層58が、第2支持層30の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよい。
想定されるいくつかの具体例においては、第1支持層20および第2支持層30が、
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、
ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol)(PET-G)、
ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)、および
ポリカーボネート(polycarbonate)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含有してもよい。第1支持層20および第2支持層30は、上述のいくつかの材料のいずれでも、リサイクルされた形態であるかまたは未使用の(virgin、バージンの)形態で含有してもよい。種々の具体例においては、第1接着剤層50および/または第2接着剤層52が、熱可塑性接着剤層であってもよく、また、
エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含有してもよい。1つのアプローチにおいては、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52が、それぞれ、約100℃~約120℃(例えば、約104℃)の活性化温度を有するエチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)を含有してもよい。いくつかの実施態様においては、第1外側熱硬化性層(layer、接着剤層)または第1外側熱可塑性層(layer、接着剤層)54および第2外側熱硬化性または熱可塑性層(layer、接着剤層)56、ならびに/または第1中間熱硬化性層(layer、接着剤層57)または第1中間熱可塑性層(layer、接着剤層57)および第2中間熱硬化性層(layer、接着剤層58)または第2中間熱可塑性層(layer、接着剤層58)が、
ポリエステル(polyester)、
ウレタン(urethane)、および
アクリル樹脂(acrylic)
のうちの同じものまたは異なるものを(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含有してもよい。
ここに、ラミネート・カード1の前述の複数の層は、図1,図2および/または図3に関連して記載されているように、それら層間における複数の相互接続部を確立するように積み重ねられた関係となるように配置され、それにより、ラミネート・カード1を提供するものであってもよい。例えば、前記複数の層が積み重ねて配置された後であって、人間可読アカウント・インディシア40a,40b,ポケット42,複数の接触パッド44,ICチップ46,エリート・ブランド・マーク41,署名欄45およびホログラム47の提供に先立ち、前記複数の層が、圧力下に、それら層の全体にわたって所定温度範囲まで加熱することによりラミネート加工されてもよく、ここに、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52と、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56と、存在する場合の(if provided)第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層とは、それぞれ対応する複数の隣接する層(layers、前記複数のカード層)であってそれら層(layers、前記複数のカード層)の間に前記複数の接着剤層が介在するものを固定的に相互接続するように、活性化されるかまたは硬化させられる。
想定されるいくつかの具体例においては、前記ラミネート加工プロセス(process、工程など)または接着接合(bonding、ボンディング)プロセス(process、工程など)が、複数のカード層を加熱し、それにより、前記複数のカード層の全体がある温度(a temperature、1つの温度、一様な温度)を得る加熱工程を有してもよく、その温度は、第1熱可塑性接着剤層50の活性化温度および第2熱可塑性接着剤層52の活性化温度以上の温度であり、かつ、第1支持層20の融点温度、第2支持層30の融点温度およびコア層10の融点温度より低温であり、例えば、それぞれの層のガラス転移温度(glass transition temperature、接着剤の軟化開始温度など)を超えるとともにそれぞれの層の粘性温度(viscous temperature、材料が粘性を示す温度など)に向かう温度(towards the viscous temperature、前記粘性温度を超えない温度、前記粘性温度に近い温度など)(past the glass transition temperature towards the viscous temperature、ガラス転移温度と融点との間の温度、加熱中、材料が自身の形状を喪失しない温度、材料が自身の厚さおよび粘性を喪失しない温度など)、であり、また、当該温度は、その材料(the material、前記複数のカード層のそれぞれの材料など)に依存する。
いくつかの実施態様においては、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52が、活性化温度として、約130℃以下の温度、または約120℃以下(例えば、約90℃~120℃)の温度を有してもよく、また、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56、ならびに利用される場合の(if utilized)第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が、それぞれ、活性化温度として、約130℃以下、また、想定されるいくつかの具体例においては、約120℃以下(例えば、約90℃~120℃)の温度を有してもよく、また、第1支持層20,第2支持層30,コア層10,ならびに利用される場合の第1キャリア層および第2キャリア層が、それぞれ対応する融点温度またはガラス転移温度として、約130℃を超える温度、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超える温度を有してもよい。この場合、前記加熱工程が、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56、ならびに利用される場合の第1中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層および第2中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層を活性化し、それにより、コア層10と第1支持層20および第2支持層30との間の相対位置が実質的に変化することなく、コア層10の、第1支持層20および第2支持層30ならびに利用される場合のそれらの間に位置する第1キャリア層および第2キャリア層への、接着接合による相互接続と、第1オーバーラミネート層60および第2オーバーラミネート層62の、第1支持層20および第2支持層30への、接着接合による相互接続とを行うように提供されてもよい。それら実施態様に関連して、第1支持層20および第2支持層30は、それぞれ、少なくとも約80℃のビカット軟化温度を有してもよく、また、コア層10は、少なくとも約110℃、また、いくつかの事例においては、少なくとも約120℃のビカット軟化温度を有してもよく、また、利用される場合の第1キャリア層および第2キャリア層は、それぞれ、少なくとも約110℃のビカット軟化温度を有してもよい。
いくつかの具体例においては、前記加熱および加圧が、前記複数のカード層を、それらカード層の全体が少なくとも約85℃、かつ、約120℃または135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように加熱する加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、かつ約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層の全体に印加される。さらに、前記加熱および前記加圧の後、前記複数の層が、前記ラミネート加工プロセスにおいて(例えば、前記複数の層の全体が約32℃からおよそ室温までの範囲内の温度を得るために)、冷却されてもよく、ここに、その冷却中、上昇する圧力が前記複数の層の全体に印加される。例えば、冷却中、その印加される圧力は、約0.55N/mm2から上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2到達するというように、段階的に上昇させられてもよい。理解され得るように、本出願書類に記載されている複数の温度値および複数の圧力値は、単に例示的であるように意図されており、加熱/冷却が行われる時間、同時に加熱/冷却が行われるカードの枚数、機械(machine、製造機械)のタイプ、材料および厚さ等に基づいて、変更されてもよい。そのために、正確な(exact、詳細な)製造プロセスおよび設定値が種々の値を有してもよいが、一般的に、前記複数の接着剤と前記複数の支持層と前記コア層との間の接着接合部(a bond)を、それらの材料が完全に「消滅する」してしまう原因にも溶融してしまう原因にもなることなく、むしろ軟化する原因になるように、活性化するように設定されるべきである。
例えば、他のいくつかの具体例であって、より強固な(secure、確実な、保証された、安定した)接着接合が要望されてもよいか、または、製造機械が他の値(value、温度などの設定条件値など)を命令し(dictate、他の値を用いるように制限し)てもよいものにおいては、前記ラミネート加工プロセスまたは接着接合(bonding)プロセスが、前記複数のカード層を、それらカード層の全体が約140℃の温度を得ることの如き、約130~150℃の温度まで加熱する加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、いくつかの事例においては、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層の全体に印加される。この例においては、上述の約140℃という温度が、第1接着剤層50および第2接着剤層52の活性化温度を上回るとともに、第1支持層20および第2支持層30ならびにコア層10のガラス転移温度を上回り、それにより、当該接着接合に役立つように前記支持層および前記コア層の十分な軟化が開始されるという理由で、前記複数の層のうちの種々の層の間での強固な接着接合が可能となる。さらに、前記加熱および加圧(the application of heat and pressure、熱および圧力の印加)の後、前記複数の層が、前記ラミネート加工プロセスにおいて冷却されてもよく(例えば、前記複数の層の全体が、32℃の如き、30~40℃の範囲内の温度から、およそ室温までの範囲内の温度を得るために)、ここに、その冷却中、上昇する圧力が前記複数の層の全体に印加される。例えば、冷却中、印加される圧力は、約0.55N/mm2から上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2に到達するというように、段階的に上昇させられてもよい。
いくつかの実施形態においては、前記加熱および加圧(the application of heat and pressure、熱および圧力の印加)が、2段階で行われてもよい。熱および圧力の第1印加により、第1接着剤層50および第2接着剤層52が活性化され、それにより、第1支持層20および第2支持層30がコア層10に接着接合される。次いで、その接着接合された材料が、完全に(例えば、数時間または数日間を経て)冷却することが可能となり、その後、複数のプリント層が第1支持層20および第2支持層30に付着される。熱および圧力の第2印加により、前記複数のプリント層が第1支持層20および第2支持層30に接着接合されるとともに、第1外側熱硬化性接着剤層54および第2外側熱硬化性接着剤層52が活性化され、それにより、第1オーバーラミネート層60が第1支持層20に、第2オーバーラミネート層62が第2支持層30にそれぞれ、接着接合される。前記第2プロセス(The second process、前記熱および圧力の第2印加)は、複数のグラフィカル層または印刷された複数の層を用いて当該製品(the project、ラミネート・カード1など)を「最終化する(finalize、完成させる)」ように作用する最終ラミネート加工プロセスであると考えてもよい。
いくつかの実施態様においては、前記複数の層をそれらが積み重ねられた関係となるように配列するのに先立ち、この方法は、さらに、コア層10の第1面とコア層10の第2面とを表面処理する(treat)処理工程を有してもよく、その処理工程により、それら第1面および第2面の表面エネルギーないしは表面接着力が増加し、それにより、第1熱可塑性接着剤層52および第2熱可塑性接着剤層54との接着接合が促進される。すなわち、また、いくつかの事例においては、コア層10が、接着剤およびPVCの如き他の材料のいずれかにも良好に接着接合しない材料によって形成される場合があり、そして、コア層10の表面エネルギーを増加させることにより、そのコア層10が前記複数の支持層に接着接合する能力が向上してもよい。例示するに、前記処理工程は、
コロナ処理、
電子ビーム処理、
火炎処理、および
プライマ処理
のうちの1つまたは複数のものを有してもよい。特に、この方法は、コア層10の第1面および/または第2面を(例えば、コロナ処理、電子ビーム処理、火炎処理および/またはプライマ処理により)表面処理し、それにより、少なくとも約34ダイン、また、好ましくは少なくとも約40ダインまたは58ダインもの表面エネルギーを提供し、また、それにより、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52との接着接合が促進される。1つのアプローチにおいては、コア層10の第1面および/または第2面が、約58ダインの表面エネルギーを有してもよい。
一例においては、ラミネート・カード1が、次に掲げるいくつかの公称(nominal、みかけ、代表、平均など)厚さ、すなわち、
第1オーバーラミネート層60については、それに第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54が付着されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
第1支持層20については、それに第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層57が付着されているか否かを問わず、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル、
第1熱可塑性接着剤層50については、それに第1キャリア層80が相互接続されているか否かを問わず、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
コア層10については、約10ミル~12ミル(0.279mm~0.305mm)、
第2熱可塑性接着剤層52については、それに第2キャリア層82が相互接続されているか否かを問わず、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
第2支持層30については、それに第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層58が付着されているか否かを問わず、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル(0.152mm)、
第2オーバーラミネート層62については、それに第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56が付着されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
を有する複数の層を備えてもよい。
この種の例に関連して、ラミネート・カード1は、ラミネート加工後に、約27ミル~33ミル(0.686mm~0.838mm)の厚さを有してもよい。
いくつかの具体例においては、ラミネート・カード1の前記複数の層を相互接続するのに引き続き、可視インディシア40,ポケット42,複数の接触パッド44,ICチップ46,エリート・ブランド・マーク41,署名欄45およびホログラム47が、図1および図2に示すように提供されてもよい。
例えば、図14に示すように、ポケット42が、ラミネート・カード1の前記第1面からその厚さの一部を通過して延びるように提供されてもよく、ここに、ポケット42のうちの少なくとも一部は、第1オーバーラミネート層60、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54、第1支持層20、提供される場合の第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層(first intermediate thermoplastic or thermosetting adhesive layer、第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層57)および第1キャリア層(first carrier layer、第1キャリア層80)が提供される場合のそれらと、第1熱可塑性接着剤層52とを貫通して延びるとともに、コア層10の全部またはそれのうちの少なくとも一部を通過して延びる。1つのアプローチにおいては、ポケット42のうちの第1部分P1が、第1作業工程(operation)(例えば、フライス加工(milling、平面研削など)および/または型押し(die pressing))により、前記第1部分が前述の複数の層を通過して延びるように形成されてもよく、また、ポケット42のうちの第2部分P2が、第2作業工程(operation)(例えば、フライス加工(milling、平面研削など))により、ポケット42の開放端部の断面を拡大し、第1支持層20の少なくとも一部を通過するが、ラミネート・カード1のコア層10の内部に到達するようには延びないように、形成されてもよい。例えば、前記第2部分は、リング形状を有してもよく、そのリング形状は、ラミネート・カード1の第1面に位置し、前記第1部分に隣接するとともにそれの周囲を延び、それにより、ポケット42内に棚(shelf、座部、座面、肩面など)を形成する。
ポケット42の形成に引き続き、接触パッド44およびICチップ46が、ポケット42内に配置されてもよい。既述されたように、1つのアプローチにおいては、複数の接触パッド42が、基板キャリアの上面に支持状態で相互接続されてもよく、また、ICチップ46が、前記基板キャリアの反対側の底面に1つまたは複数の電気接続部を用いて支持状態で相互接続されてもよく、その電気接続部は、ICチップ46と複数の接触パッド44との間に、ICチップ・モジュールを形成するために提供され、そのICチップ・モジュールは、ポケット42内に固定され(例えば、ポケット42内において少なくとも前記棚上に提供された接着剤により)、このとき、ICチップ46の少なくとも一部が、ポケット42のうち、コア層10を貫通して延びる前記第1部分の内部に突出する。これに関して、ICチップ46は、コア層10と電気的に相互接続しない状態で(free from electrical interconnection with the core layer 10、コア層10から電気的に絶縁された状態で)配置されてもよい。
さらに、ラミネート・カード1の前記複数の層の組立および相互接続に引き続き、それぞれ任意選択的なものであるエリート・ブランド・マーク41、署名パネル45およびホログラム47が固定されてもよい(例えば、ホット・スタンプにより)。さらに、複数のカード・パーソナライゼーション手順の実行中、人間可読アカウント・インディシア40a,40bが形成されることと、ICチップ46および磁気ストライプ43がパーソナライゼーション・データを用いて符号化されることとが行われてもよい。
いくつかの具体例においては、ラミネート・カード1が、対応する複数のラミネート・カードのうちの1つとして、製造効率を実現するために製造されてもよい。これに関し、ここで図4~図6が参照され、それら図は、多数のシート層より成るマルチシート・アセンブリ(a multi-sheet assembly、1つのシート積重ね体、1つのシート・スタックなど)1つの100であって複数のシート領域101を有するものについてのコレート(collate、整然と積み重ねること)工程を示しており、複数のカード本体がそれらシート領域101から分離され、また、複数のカード本体が、さらに、対応する複数枚のラミネート・カードを生成するために処理され、それらラミネート・カードは、それぞれ、ラミネート・カード1に関連して既述されている。図4~図6は、4つのシート領域101を有するマルチシート・アセンブリ100の組立体を示しており、それらシート領域101から4つのカード本体が分離されてもよいが(すなわち、2行2列に配列される)、それより大きなマルチシート・アセンブリが、より多数のカード本体(例えば、8行7列で配列される56個のカード本体)を生成するために用いられてもよい。
特に図4を参照すると、コア・シート110(コア層10に対応する)と、第1支持シート120(例えば、第1支持層20に対応する)と、第2支持シート130(例えば、第2支持層30に対応する)とが、コレート(collate、整然と積み重ねること)されてマルチシート・アセンブリ100にされてもよく、そのコレート工程においては、第1支持シート120および第2支持シート130のそれぞれの内向き面が、コア・シート110の第1面および第2面に対して対向する関係となるように配置される。上述の種々のシートであって図4に示すものは、1つの具体的な層に対応するが、それらシートは、概略的には(generally)、対応する部品としての層(component layer)と同じ材料によって形成されるとともに、その層と同じ厚さおよび同じ他の材料特性を有するものであってもよい。例えば、コア・シート110は、複数枚の取引カードに形成されて切断されると、コア10を形成するかまたは構成する材料を含む。同様に、第1支持シート120および第2支持シート130は、複数枚の取引カードに形成されて切断されると、それぞれ第1支持層20および第2支持層30を形成するかまたは構成する材料を含む。図示しないが、想定されるいくつかの具体例においては、第1熱可塑性接着剤シート状層(例えば、第1熱可塑性層50に対応する)が、第1支持シート120の内向き面とコア・シート110の第1面であって第1支持シート120に対面するものとの間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよく、また、第2熱可塑性接着剤シート状層(例えば、第2熱可塑性層52に対応する)が、第2支持シート130の内向き面とコア・シート110の第2面であって第2支持シート130に対面するものとの間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよい。1つのアプローチにおいては、マルチシート・アセンブリ100をコレート(collate、整然と積み重ねること)するコレート工程に先立ち、第1熱可塑性接着剤シート状層がコア・シート110の第1面上に押し出され、それにより、その第1面によって支持されてもよく、および/または、第2熱可塑性接着剤シート状層がコア・シート110の第2面上に押し出され、それにより、その第2面によって支持されてもよい。別のアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤シート状層が第1支持シート120の内向き面上に押し出され、それにより、その内向き面によって支持され、それが、マルチシート・アセンブリ100の一部として作用してもよく、および/または、前記第2熱可塑性接着剤シート状層が第2支持シート130の内向き面上に押し出され、それにより、その内向き面によって支持され、それがマルチシート・アセンブリ100の一部として作用してもよい。
さらに別のアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤シート状層が、ポリマー系の第1キャリア・シート(例えば、ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)を含有するとともに既述された第1キャリア層に対応するシート)の内向き面上に支持状態で提供されてもよく、および/または、前記第2熱可塑性接着剤シート状層が、ポリマー系の第2キャリア・シート(例えば、ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)を含有するとともに既述された第2キャリア層に対応するシート)の内向き面上に支持状態で提供されてもよい。この場合、マルチシート・アセンブリ100をコレート(collate、整然と積み重ねること)するコレート工程が実行される際、前記第1キャリア・シートがコア・シート110と第1支持シート120の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよく、また、前記第2キャリア・シートがコア・シート110と第2支持シート120の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよい。この種のアプローチに関連して、マルチシート・アセンブリ100の一部として、中間第1熱可塑性または熱硬化性接着剤シート状層が前記第1支持シートの内向き面上に支持状態で提供されてもよく、また、中間第2熱可塑性または熱硬化性接着剤シート状層が前記第2支持シートの内向き面上に支持状態で提供されてもよい。
さらに、想定されるいくつかの具体例においては、透明な第1オーバーラミネート・シート160(例えば、第1オーバーラミネート層60に対応する)と、透明な第2オーバーラミネート・シート162(例えば、第2オーバーラミネート層62に対応する)とが、それぞれの内向き面が、第1支持シート120および第2支持シート130のそれぞれの外向き面に対して対向する関係となるように位置決めされるように配列されてもよい。この場合、図示しないが、想定されるいくつかの具体例においては、透明な第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤シート状層(第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54に対応する)が、第1支持シート120の外向き面と透明な第1オーバーラミネート・シート160の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよく、また、透明な第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤シート状層(第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56に対応する)が、第2支持シート130の外向き面と第2オーバーラミネート・シート162の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよい。1つのアプローチにおいては、前記第1外側シート状外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2外側シート状外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層が、それぞれ、前記第1オーバーラミネート・シートおよび前記第2オーバーラミネート・シートの内向き面に付着される被膜(coatings、コーティング)であってもよい。
図4に示すようにマルチシート・アセンブリ100をコレート(collate、整然と積み重ねること)するコレート工程に先立ち、印刷が、第1支持シート120上の複数の異なる場所(すなわち、複数のシート領域101であって、それらから、対応する複数のカード本体が分離される予定であるものにそれぞれに対応する関係を有して)のそれぞれにおいて実行され、それにより、図1および図3に関連して既述されたように、対応する複数の第1プリント層22が提供されてもよい。それに関して、この印刷は、分離される予定である複数のカード本体101のそれぞれについて同じであってもよい。同様に、印刷が、第2支持シート130の内向き面および/または外向き面上の複数の異なる場所(すなわち、複数のシート領域101であって、それらから、対応する複数のカード本体が分離される予定であるものにそれぞれに対応する関係を有して)のそれぞれにおいて実行され、それにより、図2および図3に関連して既述されたように、対応する複数の第2プリント層32が提供されてもよい。それに関して、この印刷は、分離される予定である複数のカード本体101のそれぞれについて同じであってもよい。
第1オーバーラミネート・シート162,第1支持シート120,提供される場合の第1キャリア・シート,コア・シート110,提供される場合の第2キャリア・シート,第2支持シート130および第2オーバーラミネート・シートを合体するように相互接続するために、マルチシート・アセンブリ100が、既述された熱可塑性接着剤および熱硬化性接着剤のシート状層の活性化により、一緒に(together、それと並行して)ラミネート加工されてもよい。それに関して、かつ、図6を参照すると、熱および圧力がマルチシート・アセンブリ100に、そのマルチシート・アセンブリ100の両面上に位置するラミネート加工装置の、相対向する複数のプラテン200を介して印加されてもよい。そのラミネート加工プロセスは、複数のマルチシート・アセンブリ(the plurality multi-sheet assembly)100を加熱し、それにより、マルチシート・アセンブリ100の全体が約90℃~約130℃、また、いくつかの事例においては、約135℃以下の温度を得る加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱工程の実行中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2の圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。さらに、前記加熱工程の後であって、前記形成工程の前に、この方法は、マルチシート・アセンブリ100を冷却する(例えば、マルチシート・アセンブリ100の全体が約32℃以下からおよそ室温までの範囲内の温度を得るように)冷却工程を有してもよく、ここに、その冷却中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、段階的に上昇する圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。例えば、前記冷却工程中、印加される圧力は、少なくとも約0.55N/mm2から上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2に到達するように上昇させられてもよい。
他のいくつかの具体例においては、前記ラミネート加工プロセスが、複数のマルチシート・アセンブリ(the plurality multi-sheet assembly)100を加熱し、それにより、マルチシート・アセンブリすなわちシート積重ね体100の全体が約140℃の温度を得る加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱工程中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2の圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。さらに、その加熱工程の後であって、前記形成工程の前に、この方法は、マルチシート・アセンブリ100を冷却する(例えば、マルチシート・アセンブリ100の全体が約32℃以下からおよそ室温までの範囲内の温度を得るように)冷却工程を有してもよく、ここに、その冷却中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、上昇する圧力または段階的に上昇する圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。例えば、前記冷却工程中、印加される圧力は、少なくとも約0.55N/mm2から漸次的に(gradually、次第に)上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2に到達するように上昇させられてもよい。
マルチシート・アセンブリ100のうちの種々のシートおよび種々の熱硬化性層の相互接続に引き続いて、図5に示すように、複数のカード本体がマルチシート・アセンブリ100から分離されてもよい。例えば、それらカードは、より大きい(larger、複数のカード本体より大きい)複数枚のシート内において、打ち抜かれる(punched、型抜きされる)か、切断されるかまたは他の方法で分離されるかもしくは形成されてもよい。さらに、この分離に先立つか、または、それに関連して(in conjunction with、それに並行して、それに付随して)、いくつかのポケットすなわち通信デバイス用凹部が、マルチシート・アセンブリ100から分離される予定である前記複数のカード本体のそれぞれに対して所定の関係を有するように形成されてもよい。1つのアプローチにおいては、前記複数のポケット(the pockets、1または複数のポケットなど)がフライス加工され(milled)てもよく(例えば、コンピュータ数値制御型フライス加工機を用いて)、それに続いて、前記複数のカード本体がマルチシート・アセンブリ100からフライス加工(milling)により(例えば、コンピュータ数値制御型フライス加工機を用いて)分離されてもよい。この種の手法に関連して、前記複数のカード本体が、最初に、マルチシート・アセンブリ100から分離されてもよく、前記複数のポケットは、前記複数のカード本体が真空固定具(vacuum fixture、真空チャックなど)によって所定位置に依然として保持されている間に、フライス加工される。別のアプローチにおいては、複数のポケット(例えば、ポケット42のうち、既述された部分P1およびP2)が、スマート・カード用自立型(standalone、完結型)フライス加工機において、またはスマート・カード用製造機械上の直列(in-line)フライス加工ステーションにおいて、別々に直列で(in-line、順に)フライス加工されてもよい。
他のいくつかの具体例においては、前記複数のカード本体が、打抜き(punch)および任意選択的に研磨を行う工程により、マルチシート・アセンブリ100から分離されてもよい。この場合、前記複数のポケットは、打抜きの前または後に(例えば、前記複数のカード本体が真空固定具により依然として適所に保持されている間に)、フライス加工されてもよい。別のアプローチにおいては、複数のポケット(例えば、ポケット42のうち、既述された部分P1およびP2)が、打抜き後に、スマート・カード用自立型(standalone、完結型)フライス加工機において、またはスマート・カード用製造機械上の直列(in-line)フライス加工ステーションにおいて、別々に直列で(in-line、順に)フライス加工されてもよい。
複数のカード本体の分離工程に引き続き、前記複数のカード本体は、必要に応じて洗浄されてもよく、また、必要に応じ、前記複数のカード本体の複数の周縁部(peripheral edges、複数本の外周エッジなど)が研磨されてもよい。この場合、それらカード本体が、複数枚のラミネート・カードが生成されるように、さらに処理されてもよく、それらラミネート・カードは、それぞれ、ラミネート・カード1に関連して既述されたようないくつかの特徴部を有する。
ここで図7が参照されるが、この図は、図1および図2に示すラミネート・カード1の一変形例を示しており、ここに、同じ符号が各具体例に含まれる(included in each embodiment、いずれの具体例にも含まれる、など)構成要素(features、特徴部など)について用いられ、その構成要素に、既述されたいくつかの説明が適用される。図7に示すように、ラミネート・カード1は、インレー200を含み、そのインレー200は、第1支持層20と第2支持層30との間にラミネート加工される、ラミネート加工前(prelam、プリラム)要素またはカード・コアであると考えてもよいものであり、ここに、インレー200は、図1および図2に示されるラミネート・カード1のコア層10を組み込む(図7においては、独立した状態で(separately、インレー200が他の要素から分離した状態で)示されていない)とともに、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びている。
それに関して、図8Bが参照され、この図は、インレー200を示しており、そのインレー200は、複数のインレー層を有し、それらインレー層は、ラミネート前処理工程において配列されるとともに相互接続され、そのラミネート前処理工程においては、コア層10が、ポリマー系の第1キャリア層80とポリマー系の第2キャリア層84との間に配置されるとともにそれらに相互接続される。第1熱可塑性接着剤層50は、コア層10の第1側または第1面と第1キャリア層80の内向き側または内側面との間に提供されてもよく、また、第2熱可塑性接着剤層52が、コア層10の第2側または第2面と第2キャリア層84の内向き側または内側面との間に提供されてもよい。1つのアプローチにおいては、第1熱可塑性層(the first thermoplastic layer、第1熱可塑性接着剤層)50が第1キャリア層80に予め接続されてもよく(例えば、第1キャリア層80上に印刷されるかまたは接着剤が被膜として押し出され)、また、第2熱可塑性層(the second thermoplastic layer、第2熱可塑性接着剤層)52が第2キャリア層84に予め接続されてもよい(例えば、第2キャリア層84上に印刷されるかまたは接着剤が被膜として押し出される)。
図8Aおよび図8Bに示すように、アンテナ70が、金属または他の同様の材料であってもよいが、そのアンテナ70は、前記ラミネート前処理工程に先立ち、コア層10の第1面上に配置されてもよい。そのアンテナ70は、本出願書類において他の箇所に記載されているように、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との非接触式信号通信のために集積回路チップに相互作動するように相互接続されてもよい。
その図示されている具体例においては、アンテナ70が、それぞれ図7に示されるラミネート・カード1の第1外面上のポケット42内に配置された集積回路チップ46に電気的に結合されてもよい。それに関して、かつ、既述されたように、集積回路チップ46は、基板(substrate、集積回路チップ46の基板など)の下向き面上で支持されてもよく、ここに、集積回路チップ46は、ポケット42のうちの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分が、ポケット42内の前述の環状座部に接着により相互接続されるとともにその環状座部によって支持される。
図8Aおよび図8Bに示すように、アンテナ70は、複数のループを含む外側部分70aと、結合(coupling、カップリング)アンテナ48と誘導結合するための複数のループを含むカップリング部70bとを有してもよく、その結合アンテナ48は、図7に示すように、前述の基板の下向き面上に前記基板のうちの前記外側環状部分内において支持されるとともに、集積回路チップ42に電気的に相互接続される。それらいくつかの具体例に関連して、複数の接触パッド44が前記基板の上向き面上に、接触式チップ・カード・リーダとの複数の接触式信号通信のために、支持され、それにより、デュアル・インタフェース・カードを提供してもよい。理解され得るように、複数の接触パッド44は、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために提供されてもよい。他のいくつかの具体例においては、図10に示すように、アンテナ70が集積回路チップ46に複数の接続部70cを介して直接(directly、直に)接続されてもよい。
1つのアプローチにおいては、アンテナ70が、例えば図15に、および図20に示すように、連続した長さを有する1本のワイヤであって、コア層10の第1面の内部に部分的に埋め込まれるものを有してもよい。別のアプローチにおいては、アンテナ70が、連続した長さを有する1本のワイヤであって、超音波溶着(welding)、接着剤、エッチングおよび/または種々の接続技術の組合せ等により、コア層10の第1面に固着されるものを有してもよい。さらに別のアプローチにおいては、アンテナ70が、キャリア層71であって図9に示すようにコア層10を覆うものの上にエッチングされてもよい。
いくつかの実施態様においては、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52が、それぞれ対応する活性化温度として、約130℃以下または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有してもよい。さらに、第1キャリア層80および第2キャリア層84に対応するそれぞれのガラス転移温度は、約130℃を超え、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超えてもよい。
前記ラミネート前処理工程は、前記複数のインレー層を加熱し、それにより、前記複数のインレー層の全体がある温度(a temperature、1つの温度、一様な温度など)を得る加熱工程を有してもよく、その得るべき温度は、第1熱可塑性接着剤層50の活性化温度および第2熱可塑性接着剤層52の活性化温度以上であり、かつ、第1キャリア層80および第2キャリア層82の融点温度より低温であり、例えば、第1キャリア層80および第2キャリア層82のガラス転移温度は超えるがそれの粘性温度値(viscous temperature point、材料が粘性を有する温度など)は超えない温度であり、また、前記得るべき温度は、約120℃もしくは135℃以下、または、いくつかの事例においては、約140℃以下(例えば、約90℃~約130℃)であり、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2かつ約0.90N/mm2以下の圧力が複数のインレー層の全体に(across、それを横切るように)印加される。その加熱工程の実行後、前記ラミネート前処理は、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程であって、その冷却と並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2かつ約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する(例えば、最大約4分間の間)加圧工程と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層の全体に(across、それを横切るように)印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを有してもよい。
他のいくつかの具体例においては、前記ラミネート前処理が、前記複数のインレー層を加熱し、それにより、前記複数のインレー層の全体がある温度(a temperature、1つの温度、一様な温度など)を得る加熱工程を有してもよく、その得るべき温度は、第1接着剤層50(the first adhesive layer 50、前記第1熱可塑性接着剤層50)の活性化温度および第2熱可塑性層52(the second thermoplastic layer 52、前記第2熱可塑性接着剤層52)の活性化温度以上であり、かつ、第1キャリア層80および第2キャリア層82が粘性または流動性を示す(flowable)ときの温度(temperature、前記粘性温度、材料が粘性を示す温度など)より低温であり、また、前記得るべき温度は、約140℃の温度であり、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のインレー層の全体に印加される。その加熱後、前記ラミネート前処理は、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程と、その冷却と並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、最大約4分間の間)と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを有してもよい。
いくつかの実施態様においては、コア層10の材料が、前述のラミネート前処理工程の実行中または実行後、収縮し、膨張しおよび/または他の方法で変形するかもしれない。アンテナ70がコア層10に埋め込まれるかまたは他の方法で付着固定される場合、そのアンテナ70は、最初、コア層10上に、前記ラミネート前処理(いくつかの実施態様においては、最終的なラミネート加工工程)中におけるコア層10の変形を見込んで、予定された1つの周波数で動作するように間隔を隔てる(spaced、コア層10上における別のものとの間で間隔を隔てるなど)ように配置されてもよい。コア層10上におけるアンテナ70の配置の決定(The placement ...may be determined、コア層10上におけるアンテナ70の位置の決定など)は、調整用ラミネート・カード(calibration laminated card、実際のカード内の部品、例えば、前記アンテナの配置を調整(キャリブレーション)することを目的として、製造中の収縮などの変形を見込んで前記製造プロセスを調整(キャリブレーション)するために用いる基準用のラミネート・カード、前記アンテナの配置を調整(キャリブレーション)するために用いるラミネート・カードなど)を既述されたいくつかのプロセスを用いて生成する(creating、形成する)ことと、コア層10の変形の前後でのコア層10の変形(the deformation、変形量、変形特性など)およびアンテナ70の配置(the placement、位置、位置特性、位置・向き、幾何学的特性など)を測定することと、その後に、後続する複数枚のカードのために、当該ラミネート前処理のための位置および向き(the pre-lamination position and orientation、アンテナ70などについての前記ラミネート前処理におけるアンテナ70の位置および向き)を調整する(adjusting)ことにより、行ってもよい。
一例においては、図7に示すラミネート・カード1が、次に掲げるいくつかの公称(nominal、みかけ、代表、平均など)厚さ、すなわち、
第1オーバーラミネート層60については、それに第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54が接続されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
第1支持層20については、それに第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層57が接続されている状態で、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル、
第1キャリア層80については、それに第1熱可塑性接着剤層50が接続されている状態で、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
コア層10については、約10ミル~12ミル(0.279mm~0.305mm)、
第2キャリア層82については、それに第2熱可塑性接着剤層52が接続されている状態で、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
第2支持層30については、それに第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層58が接続されている状態で、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル(0.152mm)、
第2オーバーラミネート層62については、それに第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56が付着されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
を有する複数の層を備えてもよい。
この種の例に関連して、ラミネート・カード1は、ラミネート加工後に、約27ミル~33ミル(0.686mm~0.838mm)の厚さを有してもよい。
他のいくつかの具体例においては、アンテナ70が、コア層10の第1面と第1キャリア層80との間に位置するキャリア層71に支持状態で接続されてもよい。この場合、いくつかの実施態様においては、アンテナ70が、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との非接触式信号通信のために、キャリア層71に支持状態で接続された集積回路チップ46に電気的に相互接続されてもよい。それら具体例においては、ラミネート・カード1が、視認可能な集積回路チップを備えていなくてもよい。さらに、いくつかの事例においては、補完的な(complementary、相補的な)フィルム層72が、コア層10の第2面と第2キャリア層82との間に、キャリア層71とのバランスをとり、厚さと重量との双方において均一にバランスのとれたカードを生成するために配置されてもよい。
ここで図7,図8Aおよび図8Bに戻ると、インレー200は、図4~図6に関連して既述されたように製造される複数枚のラミネート・カードのそれぞれに提供されてもよい。それに関して、かつ、図10Aおよび図10Bを参照すると、インレー・シート300がコア・シート110を組み込んだものとして用いられてもよく、ここに、インレー・シート200はコア・シート110を備え、そのコア・シート110は、第1キャリア・シート280(例えば、第1キャリア層80に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)であって、それに接続された第1熱可塑性接着剤シート状層250(例えば、第3熱可塑性接着剤層82に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)を有するものと、第2キャリア・シート284(例えば、第2キャリア層82に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)であって、それに接続された第2熱可塑性接着剤シート状層252(例えば、第2熱可塑性接着剤層52に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)との間においてラミネート前処理される。
ここに、図4~図6を参照して記載された方法に関連して、前記コレート(collate、整然と積み重ねること)工程に先立ち、この方法は、前記ラミネート前処理工程を、前記複数枚のカードの各々につき、複数のインレー・シートのラミネート前処理によって完成させる工程を有してもよく、それらインレー・シートは、コア・シート110を含み、そのコア・シート110は、第1キャリア・シート280であって、それの内向き面上に支持された第1熱可塑性接着剤シート状層250を有するものと、第2キャリア・シート284であって、それの内向き面上に支持された第2熱可塑性接着剤シート状層252を有するものとの間に位置する。このラミネート前処理に先立ち、この方法は、複数のアンテナ70をコア・シート110上に、マルチシート・アセンブリ100の前記複数の領域101(the plurality of regions 101、前記複数のシート領域101)に対応する複数の領域内において支持状態で位置決めする工程を有してもよい。
図16は、図1および図7に示すラミネート・カード1もしくはインレーの如きラミネート・カード、または図17,図18,図19および図20に示すラミネート・カード2を製造する(manufacture)かまたは生産する(produce)方法を示す。ラミネート・カード2を製造するかまたは生産するために、任意選択的な被着(depositing)工程301により、金属が支持層20,30上に被着される(deposits、蒸着される、薄膜形成されるなど)。一実施態様においては、前記金属が、ホイル層90,92(foil layers 90, 92、前記金属層90,92,前記金属フィルム層90,92)という形態で形成され(formed、成形され、機械加工され、など)、また、被着工程301が、前記いくつかのホイル層(the foil layers、前記ホイル層90,92,前記金属層90,92,前記金属フィルム層90,92など)を支持層20,30に接着する工程を含む。被着工程301の別の実施態様においては、金属フィルム層90,92を形成する(form、機械加工する、など)ための金属が、前記金属または使用される合金のための気化温度に加熱され、その後、支持層20,30の外向き面上に被着される。例えば、一実施態様においては、アルミニウム合金が、それの気化温度に加熱され、そして、支持層20,30の外向き面上に真空蒸着される。
被着工程301の別の実施態様においては、金属フィルム層90,92を形成するための金属が、前記金属または使用される合金のための気化温度に加熱され、その後、静電帯電させられる。その後、支持層20,30は、前記帯電させられた蒸気とは逆の極性に静電帯電させられ(例えば、前記金属蒸気粒子が正帯電させられる場合には、支持層20,30は負帯電させられる)。その金属蒸気は、その後、前記静電帯電によって支持層20,30に接合され、それにより、金属フィルム層90,92を形成する。
増加処理工程302により、いくつかのコア層係合表面(core layer engagement surfaces、コア層10のうち他の層と相互作用を行う表面または側面など)の表面エネルギーが増加させられる。その増加処理工程302は、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)製のコア層10の第1面および第2面を表面処理し、それにより、コア層10の表面エネルギーを増加させる工程を有してもよく、その工程は、当該材料(the material、コア層10の材料など)の摩擦係数を実際に増加させるように作用することができる。その表面エネルギーは、コア層10の材料と支持層20,30との間の接着接合を可能にするのに十分な大きさに増加させられてもよい。例えば、コア層10がHDPEによって形成されるいくつかの事例においては、前記表面処理が、コア層10のうち、他のものと接合または係合するいくつかの表面(surfaces)または側部(sides、サイド)であって前記複数の支持層と係合するものに適用され、それにより、それの表面エネルギーが約50ダインを上回るように上昇させられる。既述されたように、この増加処理工程302は、表面エネルギーを増加させる種々の表面処理または方法であって、例えば、コロナ処理、電子ビーム処理、火炎処理および/またはプライマ処理を含むものを用いてもよい。一般的に、その表面処理により表面エネルギーが増加させられ、それにより、接着剤および支持層または他の層がコア層10に接着接合されることが促進される。
いくつかの実施態様においては、別の処理工程が、通信素子をコア層10に相互接続する工程を有してもよい。例えば、図14に示すように、ポケットが、ICチップを相互接続するために、コア層10内にフライス加工されてもよい。これに代わるかまたはこれに加えて、アルミニウム製アンテナの如きアンテナがコア層10に接続されてもよい。いくつかの実施態様においては、アルミニウム製アンテナがフィルム上に形成されてもよく、そのアンテナは、自身が前記フィルムから分離されることなくコア層10に接着される。他のいくつかの実施態様においては、アルミニウム製アンテナがコア層10に直接(directly、直に)、前記アンテナをコア層10に直接(directly、直に)接続する超音波接合(bonding)および/または接着剤(例えば、接着ワイヤ)を用いて接続されてもよい。例えば、前記アンテナは、コア層10の一つの表面(surface)または側部(side、側面など)の内部にわずかに埋め込まれるとともに接着剤、溶接またはそれらと同様なものによって結合されるものであってもよい。
位置決め処理工程304により、複数の支持層および接着剤がコア層上に位置決めされる。その位置決め処理工程304は、第1ポリマー系層80および第2ポリマー系層84をコア層10のいずれかの面上に層状化する(layer、積み重ねる)かまたは結合する工程を有してもよく、ここに、第1接着剤層が第1ポリマー系層80とコア層10の第1表面との間に配置され、また、第2接着剤層が第2ポリマー系層84とコア層10の第2表面との間に配置される。図8A~図10に関して既述されたように、いくつかの実施態様においては、コア層10が、コア層10の第1表面と第1ポリマー系層80との間のキャリア層71上に形成されたアンテナ70を有する。それら実施態様においては、キャリア層71が、また、いくつかの実施態様においては、第2フィルム層72が、この位置決め処理工程304の対象として含まれる。
この位置決め処理工程304は、第1支持層20および第2支持層30を形成する複数の材料を層状化する(layer、積み重ねる、乗せるなど)工程を有してもよく、それら材料は、剛性を有するとともにコア層10より高い引張強度を有する複数の材料を含む。この位置決め処理工程304においては、それら材料が、コア層10が第1支持層80と第2支持層84との間にサンドイッチされるかまたは他の方法で両者間に配置されるように層状化され(layered)てもよい。例えば、コア層10の第1側部または第1面が第1支持層80によって覆われ、また、コア層10の第2側部または第2面が第2支持層84により、コア層10の複数のエッジ面(edge surfaces、外周端面、外縁面など)のみが露出するように覆われる。
活性化処理工程306により、前記複数の接着剤層が活性化され、それにより、コア層および他の層が接着によって合体させられる。この活性化処理工程306により、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層が活性化され、それにより、第1ポリマー系層80がコア層10の第1面に接合されるとともに、第2ポリマー系層84がコア層10の第2面に接合される。この活性化処理工程306により、さらに、ポリマー系層80,84および/またはコア層10の表面が軟化させられ、それにより、前記複数の層間の接着力が向上し、例えば、この活性化処理工程306は、前記複数の材料が「軟化する」まで前記コア層および前記複数の支持層を加熱し、それにより、前記接着剤を用いる接合を改善する加熱工程を有してもよい。この活性化処理工程306は、前記複数の層に熱および圧力を印加し(applying heat and pressure)、それにより、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層を活性化する印加工程を有してもよい。その印加される温度は、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層の活性化温度より高温である。さらに、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層は、前記コア層および前記複数の支持層の異なる複数の材料に、例えば、ポスト・コンシューマのポリエチレン(polyethylene)およびビニルまたはPVCの両方に強力に接着されるように調製される。概略的には、処理工程302,304および306は、図7に示すように、インレー100、「ラミネート前(prelam)」部品または(or、すなわち)ベース部品であって、ラミネート・カード1のためのグラフィック・ラミネート加工工程または(or、すなわち)最終ラミネート加工工程において使用されるものが生成されてもよく、または、図1に示すラミネート・カード1の製造工程の一部であってもよい。これら複数の工程は、インレー100を形成するために互いに独立して実行されてもよい。
いくつかの実施態様においては、インレー100が、最終製品としての取引カードを形成するものであってもよい。それらの事例においては、ICチップが、図14に示すように、コア層10内に埋め込まれてもよく、また、いくつかのプリント層が、支持層80,84に接続されるか、またはコア層10に直接(directly、直に)、接続されてもよい。これらの実施態様においては、コア層10が、当該取引カードの厚さの一部のみを形成するインレー100内に含まれるコア層10より厚いものであってもよい。
処理工程308および310により、インレー100または(or、すなわち)ラミネート前(prelam)部品が、図7に示すラミネートされた取引カード1を形成するために用いられてもよい。例えば、位置決め処理工程308により、いくつかのプリント層がインレー100上に位置決めされる。この位置決め処理工程308により、第1プリント層が前記第1ポリマー系層の外面上に適用され、また、第2プリント層が前記第2ポリマー系層の外面に適用されてもよい。接着接合処理工程310により、前記いくつかのプリント層が前記インレーに接着接合される。いくつかの実施態様においては、接着接合処理またはラミネート加工処理という工程310により、前記第1プリント層および前記第2プリント層が加熱され、それにより、前記第1プリント層が前記第1ポリマー系層に接着接合され、また、前記第2プリント層が前記第2ポリマー系層に接着接合される。別のいくつかの処理工程により、磁気ストライプ、アンテナまたはICチップの如きデータ伝送素子または通信素子が前記ラミネートされた取引カードに追加されてもよい。
本発明についての前述の説明は、図による説明(illustration、例示)および文章による説明を目的として提供されている。さらに、この説明は、本発明を本出願書類に開示されている形態に限定することを意図されていない。したがって、本発明に関連する技術に関する前述の教示事項、技術および知識に相当する変更例および変形例は、本発明の範囲内にある。前述のいくつかの具体例は、さらに、本発明を実施する複数の形態であって既知のものを説明することを意図されているとともに、当業者が本発明を、それら具体例または他のいくつかの具体例で、かつ、本発明の具体的な応用または用途に必要な種々の変更点と共に利用することを可能にすることを意図されている。添付された複数の請求項は、いくつかの別の具体例を先行技術が許す程度まで包含するように解釈されることを意図されている。
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月25日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS、回収されたプラスチックを用いたカード、回収されたプラスチックを用いたプラスチック・カード、回収プラスチック製カード、回収済プラスチック製カード、回収されたプラスチック・カード)」を発明の名称とする米国特許出願第63/044,228号に付与された優先権を主張し、その出願は、引用により本出願書類に合体する。
さらに、本出願は、2019年1月31日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS、回収されたプラスチックを用いたカード、回収プラスチック製カード、回収済プラスチック製カード)」を発明の名称とする米国仮特許出願第62/799,145号と、2019年8月30日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS)」を発明の名称とする米国仮特許出願第62/894,091号と、2020年1月30日に出願された「回収プラスチック・カード(RECOVERED PLASTIC CARDS)」を発明の名称とする国際特許出願PCT/US2020/015838とに関連し、それら出願はいずれも、引用により本出願書類に合体する。
本発明は、複数のカードにおける回収プラスチック(recovered plastic、回収されたプラスチック、再利用されるプラスチック)の使用に関し、特に、ラミネート・カード(laminated cards、ラミネート加工されたカード、複数枚のフィルムが積層されたカード、複数の層より成るカード、多層貼り合せカード、多層カードなど)(例えば、決済(payments、ペイメント)カード、会員カード、ロイヤリティ・カード、身分証明カード(identification cards、IDカード)、施設内入場許可カード(premises access card、施設内アクセス・カード)、および他のカードであってそれに関連付けられるアカウント・インディシア(account indicia、口座用識別表示など)を有するもの)における使用済の(post-consumer、ポスト・コンシューマ、消費者使用後の、消費後の、使用後の)ポリエチレン(polyethylene)(例えば、回収された海洋(ocean-bound、オーシャン・バウンド、海に流入する)プラスチック廃棄物)の使用に関する。
何100万トンものプラスチック廃棄物が、毎年、地球規模の(global、地球上における)廃棄物の流れに投入され、この種の廃棄物のうちの著しく多い部分(a significant portion、大半、大部分)が海洋および他の水域に流れ込んでいる。これに関して(In the latter regard)、最近の概算値によれば、少なくとも800万トンのプラスチック廃棄物が毎年、地球の海洋に流れ込んでいることが示されている。
長年、プラスチックの回収および再利用のための取組み(efforts、努力)が続けられてきているが、ごく最近、この種の取組みが、海洋プラスチック廃棄物の収集(collection)、回収(recovery)および消費後使用(post-consumer use、再利用など)に焦点が当てられてきた。特に、回収された海洋プラスチック廃棄物としては、高濃度ポリエチレン(high-density polyethylene)樹脂すなわちHDPEがあり、これは、通常、製品の製造および使用のために複数のペレット(pellets、小さい球、粒、塊など)または複数のフレーク(flakes、小さい破片、薄片など)に形成される。
使用済HDPEの使用は非混合用途(non-blended applications、複数種の素材の混合が行われない用途、単種の素材によって製品が製造される用途など)に限られることが多く、その理由は、異種の複数のプラスチックは、一緒に溶融されると、相境界面(phase boundaries)が構造的に脆弱化するという傾向があるからである。さらに、HDPEは、多くの製品用途(product applications、製品として使用される用途)にとって障害となる機械的特性および熱的特性を有する。金属膜化された(Metalized、メタライズされた、表面に金属膜が被着された、表面が金属膜で被覆された、被着表面が金属膜化された、表面に金属膜が蒸着されたなど)いくつかの層が取引(transaction、トランザクション、商取引用の)カードの審美性(aesthetics、美感)を向上させるかもしれないが、この種の層は、典型的には、取引カードにも他のラミネート(laminated、積層型の、多層の、多層貼り合せ型の、多層積層型の、多層ラミネート型の)・カードにも、それらがポスト・コンシューマ(post-consumer、使用後の)HDPEに関連付けられる状態では(in conjunction with)、HDPEの上述の機械的特性および熱的特性が原因で、利用することができない。
本出願書類の開示事項(The present disclosure)は、ラミネート・カードおよび製造方法に向けられており、それらは、使用済(post-consumer)ポリエチレン(polyethylene)を用い、それにより、特に海洋(ocean-bound)プラスチック廃棄物を含むプラスチック廃棄物の回収および再利用(reuse)を促進するための重要な製品市場が提供されるとともに、未使用(virgin、バージン)プラスチックの使用が効果的に低減する。
ラミネート(laminated、積層型の、多層の、多層貼り合せ型の、多層積層型の、多層ラミネート型の)取引(transaction、トランザクション、商取引用の)カード用のインレー(inlay、シート状の基板にICチップとアンテナとが搭載されたものなど)は、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含むコア層を有してもよい。第1支持(support)層が、前記コア層の第1表面に第1接着剤層によって接着され、その第1接着剤層は、前記第1支持層と前記コア層の第1表面との間に位置決めされる。前記第1支持層の材料(material、素材、単一の素材、材料など)は、前記コア層の前記使用済ポリエチレン(polyethylene)とは異なる。第2支持(support)層が、前記コア層の第2表面に第2接着剤層によって接着され、その第2接着剤層は、前記第2支持層と前記コア層の第2表面との間に位置決めされる。前記第2支持層の材料(material、素材、単一の素材、材料など)は、前記コア層の前記使用済ポリエチレン(polyethylene)とは異なる。
ラミネート取引カードは、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含んでもよく、その使用済ポリエチレンは、前記ラミネート取引カードの厚さの少なくとも30%の厚さを有する。ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)を含む第1ポリマー系層が、前記コア層の第1表面に第1接着剤層により結合されている。ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)を含む第2ポリマー系層が、前記コア層の第2表面に第2接着剤層により結合されている。前記第1接着剤層および前記第2接着剤層は、前記使用済ポリエチレン(polyethylene)と前記複数のポリマー系層とを接合する(bond、接着接合する、接着剤によって接合する、結合形成する(原子やイオンが連結する))ように調製された接着剤を含む。
ラミネート取引カードを製造する方法は、コア層の第1表面および第2表面を、前記コア層の表面エネルギーが増加するように処理する工程を含み、前記コア層は、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含む。第1支持層および第2支持層が前記コア層の両面上に位置決めされる。第1接着剤層が、前記第1ポリマー系層(the first polymer-based layer、ポリマー系の第1支持層、前記第1支持層)と前記コア層の第1表面との間に位置決めされ、また、第2接着剤層が、前記第2支持層と前記コア層の第2表面との間に位置決めされる。前記第1接着剤層および前記第2接着剤層は、前記第1支持層を前記コア層の第1表面に接合する(bond)とともに、前記第2支持層を前記コア層の第2表面に接合する(bond)ように活性化される(activated)。
ラミネート取引カードは、使用済ポリエチレン(polyethylene)を含むコア層と、そのコア層の第1表面に付着された(applied、付加された、塗布された、適用された)第1ラッカー(lacquer、揮発性を利用し乾燥させる揮発性塗料など)層と、前記コア層の第2表面に付着された(applied)第2ラッカー(lacquer)層とを含むことができる。少なくとも1つの印刷インク層が前記ラミネート取引カードの外面に付着される(applied)。
いくつかの具体例においては、ラミネート・カードが、コア層を有してもよく、そのコア層は、使用後の(post-consumer)および/またはポスト・インダストリアル・(post-industrial、製造後の、製品としての、使用前の)ポリエチレン(polyethylene)を少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%含むとともに、このラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有する。このラミネート・カードは、さらに、ポリマー系の第1支持層であって、それの内向き側(side、側部、サイドなど)において、第1熱可塑性接着剤層により前記コア層の第1側(side、側部、サイドなど)に相互接続された(例えば、間接的にまたは直接的に相互接続された)ものと、ポリマー系の第2支持層であって、それの内向き側(side、側部、サイドなど)において、第2熱可塑性接着剤層により前記コア層の第2側(side、側部、サイドなど)に相互接続された(例えば、間接的にまたは直接的に相互接続された)ものとを含んでもよい。このラミネート・カードは、さらに、人間可読の(human-readable、人間によって読み取り可能な)アカウント・インディシア(account indicia、口座用識別表示など)を有してもよく、そのアカウント・インディシアは、当該ラミネート・カードの第1側(side、側部、サイドなど)および第2側(side、側部、サイドなど)のいずれかの外面(surface)から視認可能であるとともにその外面の位置に形成され、それにより、当該ラミネート・カードを一定の(given)カード発行業者によるかまたはその代わりに維持されるアカウント(例えば、固有のアカウント番号)に関連付けることが促進される。
それに加えるかまたはそれに代えて、このラミネート・カードは、機械可読の(machine-readable、機械読み取り可能な)機能部を含んでもよく、その機能部により、当該ラミネート・カードを一定の(given)カード発行業者によるかまたはその代わりに維持されるアカウントに関連付けることが容易となる。この種の機能部は、後に詳述するように、複数の接触チップ・カード特徴部および/または非接触チップ・カード特徴部(card features)を有してもよく、それらチップ・カード特徴部により、複数の接触式チップ・カード・リーダおよび/または非接触式チップ・カード・リーダのそれぞれとの間での信号インタフェースが容易となる。
いくつかの具体例においては、前記第1支持層が、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%を有してもよく、また、いくつかの用途においては、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%を有するかまたは18%の厚さすら有してもよい。同様に、前記第2支持層は、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%を有してもよく、また、いくつかの用途においては、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%を有するかまたは18%の厚さすら有してもよい。
想定される(contemplated)いくつかの具体例においては、前記第1熱可塑性接着剤層が、前記コア層の前記第1側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接触してもよく、および/または、前記第2熱可塑性接着剤層が、前記コア層の前記第2側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接触してもよい。この場合、それら熱可塑性接着剤の使用により、前記コア層との直接(directly、直に)接合(bonding)が強化される。
あるアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層が、第1キャリア層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され(bonded))てもよく、それにより、前記第1キャリア層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第1側(side、側部、面)に接続され、また、前記第2熱可塑性接着剤層が、第2キャリア層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され(bonded))てもよく、それにより、前記第2キャリア層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第2側(side、側部、面)に接続される。この場合には(In turn)、第1中間熱可塑性接着剤層または第1中間熱硬化性接着剤層が、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)が前記第1キャリア層の外向き側(side、側部、面)に接続され、また、第2中間熱可塑性接着剤層または第2中間熱硬化性接着剤層が、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)が前記第2キャリア層の外向き側(side、側部、面)に接続される。別のアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層が、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第1側(side、側部、面)に接続され、また、前記第2熱可塑性接着剤層が、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)に直接(directly、直に)接続され(例えば、接合され)てもよく、それにより、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)が前記コア層の第2側(side、側部、面)に接続される。
前記コア層の第1側(side、側部、面)および/または第2側(side、側部、面)は、少なくとも約34ダイン(dyne)、また、好ましくは少なくとも約40ダインまたは少なくとも約58ダインもの表面エネルギーを有してもよい。この種の表面エネルギーにより、前記第1熱可塑性接着剤層および/または前記第2熱可塑性接着剤層との接合(bonding)が強化され、また、この種の表面エネルギーは、製造前に、本出願書類において特定されるいくつかの技術を用いることにより、前記コア層の第1側(side、側部、面)および/または第2側(side、側部、面)を処理することにより達成されてもよい。1つのアプローチにおいては、前記コア層の第1側(side、側部、面)および/または第2側(side、側部、面)が、約58ダインの表面エネルギーを有するように処理され(treated、表面処理され)てもよい。前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)および/または外向き側(side、側部、面)は、少なくとも約30ダインの表面エネルギーを有してもよく、および/または、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)および/または外向き側(side、側部、面)は、少なくとも約30ダインの表面エネルギーを有してもよい。
前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized、含まれる場合の、追加される場合の、存在する場合の)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures、接着剤が活性化し始める温度、接着剤が接着のために化学反応し始める温度、接着剤が反応硬化し始める温度など)として、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層に対応する融点温度より低い温度を有してもよい。この場合、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、約130℃以下の温度または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有してもよい。いくつかの実施態様においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、少なくとも約85℃の温度を有してもよい。前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層にそれぞれ対応する融点温度(melting point temperatures) corresponding with)は、約130℃より高温でもよく、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃より高温でもよい。
いくつかの実施態様においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、前記コア層の引張強度より大きい引張強度を有してもよく、また、いくつかの事例においては、少なくとも約30%大きいかまたは少なくとも約50%も大きい引張強度を有してもよい。いくつかの配置構成においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ対応する引張強度として(corresponding tensile strengths)、少なくとも約30N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約40N/mm2(ASTM規格D-882)を有してもよく、また、前記コア層は、引張強度として少なくとも約20N/mm2(ASTM規格D-882)を有してもよく、また、いくつかの事例においては、少なくとも約25N/mm2(ASTM規格D-882)を有してもよい。この種のいくつかの具体例に関連して、前記第1熱可塑性接着剤層および第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する引張強度として(corresponding tensile strengths)、前記コア層ならびに前記第1支持層および前記第2支持層の引張強度より大きい引張強度を有してもよい。
種々の具体例においては、前記ラミネート・カードが、ある長さ(a length、1つの長さ寸法など)およびある幅(a width、1つの幅寸法など)を有してもよく、このとき、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層は、それぞれ、同じ長さおよび同じ幅を有するとともに、それぞれ、当該ラミネート・カードの長さ方向と幅方向とを実質的に均一に(uniform、一様に)横切る厚さを有する。この場合、前記コア層ならびに/または前記第1コア層および前記第2コア層のそれぞれの複数本の周縁(peripheral edges、周方向に延びる複数本のエッジ)は、当該取引カード(transaction card、前記ラミネート・カードなどに相当)の全周に沿って、連続的に延びてもよいし、視認可能であってもよい。典型的ないくつかの配置構成においては、前記ラミネート・カードの長さ、幅および厚さが、ISO(国際標準化機構)/IEC規格7810に実質的に準拠するものであってもよい。
「サンドイッチ」型のカード構成(construction、構成態様、構造)があり、このカード構成においては、ポスト・コンシューマ(post-consumer、使用後の)および/またはポスト・インダストリアル(post-industrial、製造後の、使用前の)・ポリエチレン(polyethylene)を含む比較的厚肉であるコア層が、第1熱可塑性接着剤層および第2熱可塑性接着剤層により、それぞれ対応する第1支持層および第2支持層に相互接続されており、このカード構成が使用されると、満足できる機械的特性を有すると同時に、環境に関連する利益および費用効率も実現するラミネート・カードが生み出される。実際に、大量の決済カード(例えば、クレジット・カード、デビット・カードおよびストアード・バリュー・カード(stored value cards、チップ・カード、プリペイド・カードなど))、会員カード、ロイヤリティ・カード、身分証明カード、施設内入場許可カード(premises access card)、および財布サイズを有する他のカードであって年次ベースで世界的に展開されるものを考慮すると、ここに開示されているいくつかの具体例によれば、この種のカードが提供され、それにより、大量のポスト・コンシューマHDPE、特に、回収された海洋プラスチック廃棄物を消費するための魅力的な方法(avenue、手段、道筋)が提供されると推測される。
これに関して、前記コア層のポスト・コンシューマ・(post-consumer、使用後の)ポリエチレン(polyethylene)は、回収された海洋プラスチック廃棄物を少なくとも約50重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%または99重量%も含んでもよい。さらに、前記コア層は、少なくとも約0.9g/cm3の密度を有するように提供されてもよい。また、いくつかの具体例においては、前記コア層の厚さが、前記ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約50%まで増大させられてもよい。
既述されたように、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれの活性化温度(activation temperatures)として、約130℃以下の温度、または約120℃以下の温度(例えば、約90℃~約120℃)を有してもよく、また、いかなる事例においても、活性化温度として、前記第1支持層、前記第2支持層および前記コア層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の融点温度より低い温度を有し、それにより、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の間の相対位置を実質的に変更することなく、前記コア層を、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層に、接合によって(bonded、接着接合によって)相互接続する(interconnection、連結、結合など)ために、前記第1熱可塑性層および前記第2熱可塑性層ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層の活性化を促進してもよい。この場合には、信頼性の高いラミネート・カードの完全性(integrity、完結性)が促進される。いくつかの具体例に関連して、前記第1支持層および前記第2支持層は、それぞれ対応するビカット(Vicat)軟化温度(corresponding Vicat softening temperatures)として、少なくとも約80℃(ISO/IEC規格D-1525A)を有してもよく、また、前記コア層は、ビカット(Vicat)軟化温度として(a Vicat softening temperature)、少なくとも約110℃(ISO/IEC規格D-1525A)を有してもよく、また、いくつかの事例においては、ビカット(Vicat)軟化温度として少なくとも約120℃(ISO/IEC規格D-1525A)を有してもよい。
想定されるいくつかの実施態様においては、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(when utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層が、ラミネート加工プロセスにおいて、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を活性化することにより、相互接続されてもよく、前記ラミネート加工プロセスは、前述の複数のカード層を加熱する工程を含み、その加熱工程においては、前記複数のカード層にわたり、少なくとも約85℃、また、約120℃以下の温度、またはいくつかの事例においては、約135℃以下の温度(例えば、約90℃~約130℃)を得るように、前述の複数のカード層が加熱され、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全体持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)の圧力、また、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層を横切るように(across、前記複数のカード層の全体に)印加される。前記ラミネート加工プロセスにおいて比較的低い温度および非常に低い圧力が利用されることにより、複数の目標のカード特性であって、ISO/IEC規格7810の複数の機械的側面(mechanical aspects、機械的特性)に準拠することを含むものの実現が促進される。その加熱後、前記ラミネート加工プロセスは、前記複数のカード層を冷却する冷却工程と、それと並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のカード層を横切るように(across、前記複数のカード層の全体に)印加する加圧工程(例えば、最大約4分間の持続時間の間)と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のカード層を横切るように印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを含んでもよい。
いくつかの具体例においては、複数のインレー層であって、前記コア層と、前記第1熱可塑性接着剤層が接続されている前記第1キャリア層と、前記第2熱可塑性接着剤層が接続されている前記第2キャリア層とを含むものが、ラミネート前処理プロセスにおいて、相互接続され、それにより、相互接続された(interconnected、前記複数のインレー層が相互接続された)インレーが提供されてもよい。この場合、そのインレーは、前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が接続されている前記第1支持層と、前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が接続されている前記第2支持層との間に、相互に接続された層(an interconnected layer、他の層に相互に接続された1つの層)として配置されて、前記ラミネート加工プロセスにおいて、それら前記第1支持層と前記第2支持層とにラミネートされてもよい。この種のいくつかの具体例においては、前記インレーが、さらに、アンテナを含んでもよく、さらに、任意選択的に集積回路チップを含んでもよく、その集積回路チップは、前記アンテナに相互に作動するように接続され、また、ラミネート前処理に先立って前記コア層上に(例えば、前記コア層の第1側(side、側部、面)に支持状態で(supportably))、前記コア層と前記第1キャリア層との間に配置され、それにより、複数の非接触カード機能部(例えば、非接触式インタフェース・カード機能部のみおよび/またはデュアル・インタフェース(dual interface、非接触式インタフェースと接触式インタフェースとを併用するインタフェース)・カード機能部)が容易となる。他のいくつかの具体例態においては、前記アンテナが集積回路チップに相互に作動するように相互接続されてもよく、その集積回路チップは、前記ラミネート前処理プロセス(process、工程)および前記ラミネート加工プロセスの後に、前記ラミネート・カードの第1側(side、側部、面)に形成されたポケット内に配置される。
この種のいくつかの具体例に関連して、前記ラミネート前処理プロセスは、前記複数のインレー層の全体が約120℃以下または135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように前記複数のインレー層を加熱する加熱工程を含んでもよく、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、また、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のインレー層を横切るように印加される。前記ラミネート前処理プロセスにおいて比較的低い温度および非常に低い圧力が利用されることにより、複数の目標のカード特性であって、ISO/IEC規格7810に準拠することを含むものの実現が容易になる一方で、接触式インタフェース取引カード要求事項、非接触式インタフェース取引カード要求事項および/またはデュアル・インタフェース取引カード要求事項に準拠することも可能になる。前記加熱後、前記ラミネート前処理プロセスは、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程と、それと並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層を横切るように(例えば、最大約4分間の1回分の持続時間にわたり)印加する加圧工程と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層を横切るように(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)印加する加圧工程とを含んでもよい。
いくつかの具体例においては、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の(if utilized)前記第1キャリア層および前記第2キャリア層が、次に掲げる複数のポリマー、すなわち、
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、
ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol)、
ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)、および
ポリカーボネート(polycarbonate)
のうちの1種類のものまたは複数種のものと同じ1種類のものまたは異なる複数種のもの(the same one or different ones of one or more of the following polymers、次に掲げる複数のポリマーのうちの1種または複数種であって、複数のインレー層またはカード層相互間で同じもの(同種)同士という関係(完全一致)にあるかまたは異なるもの(異種)同士という関係(部分不一致または完全不一致)にあるものなど)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、同じポリマーを含むことができる。いくつかの具体例においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層のそれぞれのうちの少なくとも一部または全部が、未使用のまたは再生された1つまたは複数のポリマーを含むことができる。これに関して、当該ラミネート・カードは、コア層ならびに第1支持層および第2支持層を含むことができ、それらコア層ならびに第1支持層および第2支持層は、少なくとも1つのポスト・コンシューマ(使用後の)および/またはポスト・インダストリアル(使用前の)・ポリマーであって、例えば、ポリエチレン(polyethylene)を含むものを、重複的に(cumulatively、複数のレイヤー層相互間で重複するように)、かつ、当該ラミネート・カードの全重量の少なくとも約90%に対応する量かまたは最大約99%にも対応する量で含むことができる。さらに、前記第1キャリア層および前記第2キャリア層は、同種のポリマーを含むことができ、その同種のポリマーは、前記第1層(the first layer、前記第1支持層)および/または前記第2層(the second layer、前記第2支持層)を構成するポリマーであって、未使用のおよび/または再生された一種または複数種のポリマーを含むものと同種であるかまたはそれとは種類が異なるものであってもよい。
種々の実施形態においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層、ならびに利用される場合の(if utilized)前記第1キャリア層および/または前記第2キャリア層が、不透明、半透明または透明であってもよく、また、着色されてもよい。さらに、前記コア層、また、任意選択的に前記第1支持層および前記第2支持層は、着色されてもよい。この種の着色は、複数の着色剤(colorants、顔料)をそれら層において利用されるいくつかの材料に混合することによって実現されてもよい。
種々の実施形態においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、次に掲げる複数のもの、すなわち、
エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)(「EVA」)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの1種類のものまたは複数種のものと同じ1種類のものまたは異なる複数種のもの(the same one or different ones of one or more of the following、次に掲げる複数のもののうちの1種または複数種であって、複数のインレー層またはカード層相互間で同じもの(同種)同士という関係(完全一致)にあるかまたは異なるもの(異種)同士という関係(部分不一致または完全不一致)にあるものなど)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、エチレン酢酸ビニル(例えば、EVAポリマー)を含むことができ、また、活性化温度として約100℃~約120℃、また、いくつかの実施態様においては、約90℃~約120℃(例えば、約104℃)を有することができる。
いくつかの実施態様においては、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層(the first and second outer thermosetting or thermoplastic adhesive layers、前記第1熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2熱硬化性または熱可塑性接着剤層)、ならびに/または前記第1中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層が、次に掲げる複数のもの、すなわち、
ポリエステル(polyester)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じ1種類のもの(the same one)または異なる複数種のもの(different ones)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、それら層のそれぞれは、それぞれ対応する前記第1支持層または前記第2支持層の上に印刷可能である熱可塑性接着剤と同じ種類の熱可塑性接着剤を含むことができる。既述されたように、前記第1熱可塑性接着剤および前記第2熱可塑性接着剤は、前記コア層と前記第1支持層との間に、また、前記コア層と前記第2支持層との間に、複数の異なる手法によって提供することができる。1つのアプローチにおいては、前記第1熱可塑性層(the first thermoplastic layer、前記第1熱可塑性接着剤層)を前記コア層の第1側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記コア層に被着させる(extruded))ことと、および/または、前記第2熱可塑性層(the second thermoplastic layer、前記第2熱可塑性接着剤層)を前記コア層の第2側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記コア層に被着させる(extruded))こととを行うことができ、その目的は、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続(interconnection、相互連結、合体、積層)に先立ち、一体的な取扱い(handling together、前記第1熱可塑性接着剤層と前記コア層とを一体品として(単一部品として)取り扱うこと、前記第2熱可塑性接着剤層と前記コア層とを一体品として取り扱うこと、または、前記第1熱可塑性接着剤層と前記第2熱可塑性接着剤層と前記コア層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにある。別のアプローチにおいては、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、一体的な取扱い(handling together、前記第1熱可塑性接着剤層と前記第1支持層とを一体品として(単一部品として)取り扱うこと)を目的として、前記第1熱可塑性接着剤層を前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記第1支持層に被着させる(extruded))ことができ、および/または、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、一体的な取扱い(handling together、前記第2熱可塑性接着剤層と前記第2支持層とを一体品として(単一部品として)取り扱うこと)を目的として、前記第2熱可塑性接着剤層を前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置する(例えば、該当する接着剤を押出によって前記第2支持層に被着させる(extruded))ことができる。
さらに別のアプローチにおいては、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続(interconnection、相互連結、合体、積層)に先立ち、前記第1熱可塑性接着剤層を、ポリマー系の第1キャリア層であって前記コア層と前記第1支持層との間において単独で(separately、他から独立して)位置決め可能であるものの一側(one、一面)または両側(both sides、両面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置することができる。それに加えるかまたはそれに代えて、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、前記第2熱可塑性接着剤層を、前記コア層と前記第2支持層との間において他から独立して(separately)位置決め可能であるポリマー系の第2キャリア層の一側(one、一面)または両側(both sides、両面)に支持状態で(supportably、相互支持状態で)配置することができる。
いくつかの具体例においては、前記ラミネート・カードが、さらに、前記第1支持層の内向き側(side、側部、面)および外向き側(side、側部、面)のうちの一方に印刷された第1プリント層(print layer、印刷層)を含むことができる。それら具体例においては、前記第1支持層が、当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約18%の厚さを有することができる。前記第1プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読キャラクタ(characters)(例えば、数字、文字(letters)および/またはそれらの表現物)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの具体例においては(例えば、前記第1プリント層が前記第1支持層の外向き側(side、側部、面)に印刷される場合)、当該ラミネート・カードが、さらに、ポリマー系の透明な第1オーバーラミネート層(例えば、前記第1プリント層を上から覆う)を含むことができ、その第1オーバーラミネート層は、前記第1支持層の外向き側(side、側部、面)に相互接続される。これに関して、その第1オーバーラミネート層は、ポリマー系であって任意選択的に透明である第1外側熱硬化性接着剤層、またはこれに代えて、ポリマー系であって任意選択的に透明である第1外側熱可塑性接着剤層を備えることが可能であり、前記第1外側熱硬化性接着剤層または前記第1外側熱可塑性接着剤層は、当該第1オーバーラミネート層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で配置され、その目的は、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、当該第1オーバーラミネート層が単独で前記第1支持層に対して位置決めされる際に、一体的取扱い(handling together、当該第1オーバーラミネート層と前記第1外側熱硬化性接着剤層または前記第1外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにある。前記第1外側熱硬化性接着剤層または前記第1外側熱可塑性接着剤層は、活性化温度として、約130℃以下の温度、また、想定されるいくつかの具体例においては、約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができる。
いくつかの具体例においては、前記ラミネート・カードが、さらに、前記第2支持層の内向き側(side、側部、面)および外向き側(side、側部、面)のうちの一方に印刷されるかまたは結合された第2プリント層を含むことができる。それら具体例においては、前記第2支持層が、当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約18%の厚さを有することができる。前記第2プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読のキャラクタ(characters)(例えば、数字、文字(letters)および/またはそれらの表現)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの具体例においては(例えば、前記第2プリント層が前記第2支持層の外向き側(side、側部、面)に印刷される場合)、当該ラミネート・カードが、さらに、ポリマー系の透明な第2オーバーラミネート層(例えば、前記第2プリント層を上から覆う)を含むことができ、その第1オーバーラミネート層は、前記第2支持層の外向き側(side、側部、面)に相互接続される。これに関して、その第2オーバーラミネート層は、ポリマー系であって任意選択的に透明である第2外側熱硬化性接着剤層、またはこれに代えて、ポリマー系であって任意選択的に透明である第2外側熱可塑性接着剤層を備えることが可能であり、前記第2外側熱硬化性接着剤層または前記第2外側熱可塑性接着剤層は、当該第2オーバーラミネート層の内向き側(side、側部、面)に支持状態で配置され、その目的は、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層の相互接続に先立ち、当該第2オーバーラミネート層が単独で前記第2支持層に対して位置決めされる際に、一体的取扱い(handling together、当該第2オーバーラミネート層と前記第2外側熱硬化性接着剤層または前記第2外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにある。前記第2外側熱硬化性接着剤層または前記第2外側熱可塑性接着剤層は、活性化温度として、約130℃以下の温度、また、想定されるいくつかの具体例においては、約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができる。
種々の具体例においては、前記人間可読アカウント・インディシアが、決済カードの発行業者によって管理される決済口座(例えば、銀行または信用組合(credit union)の如き金融機関によって管理される決済口座)、会員アカウント、ロイヤリティ・アカウント等を示すかまたはそれに関連付けられ得る。この人間可読アカウント・インディシアは、次に掲げる複数のもの、すなわち、
レーザ彫刻、
インク・ジェット印刷、
感熱印刷(例えば、パッチ(patch)層または(or、すなわち)オーバーラミネート(overlaminate)層上において)(thermal-printing、感熱パッチ、感熱シールなど)、および
エンボス加工
のうちの1つまたは複数のものを用いて形成することができる。1つのアプローチにおいては、当該人間可読アカウント・インディシアが、エンボス加工された複数のキャラクタによって形成されることが可能であり、それらキャラクタは、前記ラミネート・カードの全体厚さを貫通するように、かつ、ISO/IEC規格7811-1に実質的に準拠するようにエンボス加工される。別のアプローチにおいては、前記人間可読アカウント・インディシアが、前記第1オーバーラミネート層をレーザ彫刻することにより形成されることが可能である。
想定されるいくつかの具体例においては、前記ラミネート・カードが、自身の第1外側部(side、面、側部など)に(defined in、凹むように形成された)ポケットを含むことができる。いくつかの実施態様においては、そのポケットが、中央内側部分(central inner portion、ポケット内において異なる断面で上下に延びる全体穴(空洞)を、中央に位置する内側部分(中央空洞)とその内側部分を外側から包囲するように環状を成す外側部分(環状空洞)とに仮想的に分割した場合の内側部分、ポケット内の全体穴において、内側に位置する中央穴など)であって、前記第1支持層を厚さ方向に貫通して前記コア層の内部を延びるものと、環状外側部分(annular outer portion、前記外側部分(環状空洞)、ポケット内の全体穴において、外側に位置する環状穴であって、前記中央穴より短いものなど)であって、自身(pocket)が前記第1支持層の内部を延びて、その第1支持層の厚さより浅い深さの位置に到達し、それにより、環状座部(annular seat、環状の段付き面、環状の肩面、第1支持層のうち、前記環状穴の下端面を形成する環状の実在部など)を当該ポケット内に形成するものとを含むことができる。この場合、当該ラミネート・カードは、さらに、基板の下向き面に支持された集積回路チップと、複数の接触パッド(contact pad、接触領域、接触点など)であって、接触式チップ・カード・リーダとの間で接触式信号通信を行うために前記基板の上向き面に支持されたものとを含むことができ、ここに、前記集積回路チップは、前記ポケットの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分(outer annular portion)は、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともにその環状座部によって支持される。理解され得るように、前記複数の接触パッドは、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために設けることができる。
いくつかの実施態様においては、前記ラミネート・カードが、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との間での非接触式信号通信のために、アンテナと相互作動するように(operatively)そのアンテナに相互接続された集積回路チップとを含むことができる。既述されたように、1つのアプローチにおいては、前記アンテナが、インレーの一部として前記コア層の第1面に配置することができる。この場合、前記アンテナは、既述されたように、当該ラミネート・カードの第1外側面内に形成されたポケット内に配置された集積回路チップに電気的に結合することができる。それに関して、その集積回路チップは、基板の下向き面上に支持されることができ、ここに、その集積回路チップは、前記ポケットの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分が、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともに、その環状座部によって支持される。前記アンテナは、前記基板の下向き面に設けられた複数の接続部を介して前記集積回路チップに直接(directly、直に)接続されることができるか、または、前記アンテナは、カップリング部(coupling portion)を含むことができ、そのカップリング部は、結合アンテナ(coupling antenna、カップリング・アンテナ)との誘導結合を行うことを目的としており、その結合アンテナは、前記基板の下向き面上において、それの前記外側環状部分の内部に支持されるとともに、前記基板の前記集積回路チップに電気的に相互接続されている。
それらの具体例に関連して、複数の接触パッドが、接触式チップ・カード・リーダとの接触式信号通信のために、前記基板の上向き面で支持されてもよく、それにより、デュアル・インタフェース・カードが提供される。理解され得るように、前記複数の接触パッドは、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために設けることができる。
別のアプローチにおいては、前記アンテナが、前記コア層の第1面と前記第1支持層との間に位置するキャリア層に支持状態で接続されることができる。そのキャリア層は、自身の上に支持状態で配置された前記第1熱可塑性接着剤層を有することができ、また、前記第1支持層は、自身の上に配置された熱可塑性接着剤層または熱硬化性接着剤層を有することができる。いくつかの実施態様においては、前記アンテナが、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との非接触式信号通信のために、前記キャリア層に支持状態で接続された集積回路チップに電気的に相互接続されることができる。それら実施態様においては、前記ラミネート・カードが、外部から視認される集積回路チップを有しなくてもよい。他のいくつかの実施態様においては、前記アンテナが、既述されたように、前記ラミネート・カードの第1外面内に形成されたポケット内に配置された集積回路チップに電気的に結合されることができる。それに関して、その集積回路チップは、基板の下向き面上に支持されることができ、ここに、その集積回路チップは、前記ポケットのうちの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの前記外側環状部分が、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともにその環状座部によって支持される。前記アンテナは、前記基板の下向き面に設けられた複数の接続部を介して前記集積回路チップに直接(directly、直に)接続されることができるか、または、前記アンテナは、カップリング部(coupling portion)を含むことができ、そのカップリング部は、結合アンテナ(coupling antenna、カップリング・アンテナ)との誘導結合を行うことを目的としており、その結合アンテナは、前記基板の下向き面上において、それの前記外側環状部分の内部に支持されるとともに、前記基板の前記集積回路チップに電気的に相互接続されている。それらの具体例に関連して、複数の接触パッドが、接触式チップ・カード・リーダとの接触式信号通信のために、前記基板の上向き面で支持されてもよく、それにより、デュアル・インタフェース・カードが提供される。理解され得るように、前記複数の接触パッドは、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために設けることができる。
いくつかの具体例においては、前記取引カードが、さらに、磁気ストライプ(例えば、ISO/IEC規格7811に準拠して設けられる)を備えることができ、その磁気ストライプの目的は、前記可視インディシア(the visible indicia、前記人間可読アカウント・インディシア、視認されるインディシア)(例えば、「パーソナライゼーション(personalization、当該カードを所有者のためにカスタマイズする工程、当該カードに個人情報や決済情報などを記録・印刷して個人化すること)・データ(personalization data、取引用個人データなど)」によって示されるかまたは他の方法で前記可視インディシアに関連するアカウントに関連するデータであって符号化されたものを格納することにある。例示すれば、この磁気ストライプは、当該取引カードの第1面とは反対側の第2面に相互接続されることができる。特に、この磁気ストライプは、当該取引カードの第2オーバーラミネート層の外向き面に貼り付ける(例えば、熱転写プロセス、冷却剥離プロセスまたは接着マウント・プロセス(adhesive mount process、複数の層を接着剤を用いて互いに搭載したり付着固定する方法)により)ことができる。いくつかの実施態様においては、署名パネルも、第2オーバーラミネート層の外向き面に付着させる(affix、固定する)(例えば、ホット・スタンプする)ことができる。さらに、ホログラムおよび/またはエリート・ブランド・マーク(elite brand mark)(例えば、具体的な決済ネットワークまたはカード協会を示す)を、当該ラミネート・カードの第1オーバーラミネート層および/または第2オーバーラミネート層の外向き表面に付着させる(affix、固定する)(例えば、ホット・スタンプする)ことができる。
別のいくつかの具体例においては、本出願書類に記載されている前記ラミネート・カードの複数の特徴のうちの任意のものを有するラミネート・カードを製造する方法が、複数のカード層を配列する(arrange、配置する)配列工程を含むことができ、それらカード層は、コア層であって、ポスト・コンシューマ・(使用後の)および/またはポスト・インダストリアル・(使用前の)ポリエチレン(polyethylene)を少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%で含むとともに、当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有するものと、ポリマー系の第1支持層であって、自身の内向き面として前記コア層の第1面に対向するものを有し、かつ、前記内向き面と前記コア層の第1面との間に第1熱可塑性接着剤層が配置されるものと、ポリマー系の第2支持層であって、自身の内向き面として前記コア層の第2面に対応するものを有し、かつ、前記内向き面と前記コア層の第2面との間に第2熱可塑性接着剤層が配置されるものとを含む。前記第1支持層は、厚さとして当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%の厚さ、また、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または18%もの厚さを有することができ、また、前記第2支持層は、厚さとして当該ラミネート・カードの全体厚さの少なくとも約12%の厚さ、または、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または18%もの厚さを有することができる。
いくつかの具体例においては、前記複数のカード層を配列する前記配列工程が、さらに、前記第1支持層と前記コア層との間に位置する第1キャリア層であって、それの内向き面に支持状態で配置された第1熱可塑性接着剤層を有するもの、および/または、前記第2支持層と前記コア層との間に位置する第2キャリア層であって、それの内向き面に支持状態で配置された第2熱可塑性接着剤層を有するものと第2キャリア層を含むことができる。この場合、前記複数のカード層は、さらに、前記第1支持層の内向き面に支持状態で配置された第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層、および/または、前記第2支持層の内向き面に支持状態で配置された第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を含むことができる。
この方法は、さらに、前記第1支持層の外向き面と、前記第2支持層の外向き面とを加熱および加圧する(applying heat and pressure、熱および圧力の印加)ことによって前記複数のカード層をラミネート加工し、それにより、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を活性化し、それにより、前記複数のカード層を相互に接続するラミネート加工工程を含むことができる。そのラミネート加工工程の実行後、この方法は、当該ラミネート・カードの第1面および第2面のうちの一方の外面において、視認される人間可読のアカウント・インディシアを形成する形成工程を含むことができる。それに加えるかまたはそれに代えて、この方法は、当該ラミネート・カードに機械可読機能(machine-readable functionality、機械読み取り可能な機能部または特徴部)を設け、それにより、当該ラミネート・カードの、一定のカード発行者(issuer、発行業者、発行会社など)によって維持されるアカウントとの関連付けを容易にするための1つまたは複数の工程を含むことができる。この種の機能としては、本出願書類に記載されているように、接触式チップ・カード特徴部および/または非接触式チップ・カード特徴部を、それぞれ、接触式チップ・カード・リーダおよび/または非接触式チップ・カード・リーダとの信号インタフェースを容易にするために提供することがあり得る。
いくつかの実施態様においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、引張強度として、前記コア層の引張強度より大きい強度、また、いくつかの事例においては、少なくとも約30%または少なくとも50%も大きい強度を有することができる。いくつかの配置構成においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、少なくとも約30N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約40N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有することができ、また、前記コア層は、引張強度として、少なくとも約20N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約25N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有することができる。それら具体例に関連して、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに追加される場合の(if included)前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層は、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、前記コア層ならびに前記第1支持層および前記第2支持層の引張強度より大きい引張強度を有することができる。
前記種々の具体例においては、当該ラミネート・カードが、ある長さ(a length、1つの長さ寸法など)およびある幅(a width、1つの幅寸法など)を有してもよく、このとき、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層は、それぞれ、同じ長さおよび同じ幅を有するとともに、それぞれ、対応する厚さとして、当該ラミネート・カードの長さ方向と幅方向とを実質的に均一に(uniform、一様に)横切る厚さを有する。この場合、前記コア層ならびに/または前記第1コア層および前記第2コア層のそれぞれの複数本の周縁(peripheral edges、周方向に延びる複数本のエッジ)は、当該取引カード(transaction card、前記ラミネート・カードなどに相当)の全周に沿って連続的に延びてもよい。典型的ないくつかの配置構成においては、前記ラミネート・カードの長さ、幅および厚さが、ISO/IEC規格7810に実質的に準拠するものであってもよい。
想定されるいくつかの具体例においては、前記ラミネート加工工程が、前記複数のカード層全体の温度が、前記第1熱可塑性接着剤層の活性化温度および前記第2熱可塑性接着剤層の活性化温度、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層の活性化温度以上であり、かつ、前記第1支持層、前記第2支持層、前記コア層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の融点温度より低い温度を得るように、前記複数のカード層を加熱する加熱工程を含むことができる。いくつかの実施態様においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、約130℃以下、または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができ、また、前記コア層、前記第1支持層および前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および前記第2キャリア層は、それぞれ対応する融点温度(melting point temperatures corresponding)として、約130℃を超え、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超えるものを有することができる。この場合、前記加熱工程は、前記コア層ならびに前記第1支持層および前記第2支持層の間の相対位置を実質的に変更することなく、前記コア層を前記第1支持層および前記第2支持層に接合(bonding)によって相互接続するために、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層、ならびに利用される場合の前記第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および前記第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層を活性化するように提供することができる。それら実施態様に関連して、前記第1支持層および前記第2支持層は、それぞれ対応するビカット軟化温度(corresponding Vicat softening temperatures)として、少なくとも約80℃の温度を有することができ(ISO/IEC規格D-1525A)、また、前記コア層は、ビカット軟化温度として、少なくとも約110℃(ISO/IEC規格D-1525A)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約120℃(ISO/IEC規格D-1525A)の温度を有することができる。
いくつかの具体例においては、前記ラミネート加工工程が、前記複数のカード層の全体が、少なくとも約85℃、かつ、約120℃以下、また、いくつかの事例においては、約135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように、前記複数のカード層を加熱する(heat)加熱工程を含むことができ、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2(例えば、約0.67N/mm2)、かつ、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層を横切るように印加される(a pressure is applied、加圧される)。さらに、その加熱工程の実行後であって、前記形成工程の実行前に、前記ラミネート加工工程は、前記複数のカード層を冷却する冷却工程(例えば、前記複数のカード層の全体を、約32℃以下の温度からほぼ室温に等しい温度までの範囲内の度を得るために)を含むことができ、ここに、その冷却中、段階的に上昇する圧力が前記複数のカード層の全体に印加される。例えば、前記冷却工程の間、その印加される圧力は、約0.55N/mm2から上昇し、約0.83N/mm2に達し、その後に(and、時間をおいてから)上昇して、少なくとも約1.0N/mm2に達するというように、段階的に上昇してもよい。
いくつかの具体例においては、前記配列工程に先立ち、この方法が、前記複数のインレー層または(or、すなわち)ベース層であって、前記コア層を、前記コア層の第1面に位置する前記ポリマー系の第1キャリア層と、前記コア層の第2面に位置する前記ポリマー系の第2キャリア層との間に有するものをラミネート前処理し、それにより、相互接続されたインレー(an interconnected inlay、前記複数枚のインレー層が相互に結合されて成る組立体としての1つのインレー)を形成するラミネート前処理工程を含むことができ、ここに、前記第1熱可塑性接着剤層は、前記コア層の第1面と前記第1キャリア層との間に設けられ(例えば、前記第1キャリア層に前もって接続され)、また、前記第2熱可塑性接着剤層は、前記コア層の第2面と前記第2キャリア層との間に設けられる(例えば、前記第2キャリア層に前もって接続される)。この場合、前記インレーは、さらに、前記配列工程および前記ラミネート加工工程において処理対象として含められるように提供されることができる。いくつかの具体例においては、前記インレーが、さらに、アンテナを含むことができ、さらに、任意選択的に、前記コア層と前記第1キャリア層との間に、前記ラミネート前処理工程に先立って前記コア層に位置する(例えば、前記コア層の第1面に支持状態で配置される)集積回路チップであって前記アンテナに相互に作動するように接続されるものを含むことができ、それにより、複数の非接触カード機能部(例えば、非接触式インタフェース・カード機能部のみおよび/またはデュアル・インタフェース(dual interface、非接触式インタフェースと接触式インタフェースとを併用するインタフェース)・カード機能部)が容易となる。
前記ラミネート前処理工程は、前記複数のインレー層の全体が、前記第1熱可塑性接着剤層の活性化温度および前記第2熱可塑性接着剤層の活性化温度以上であり、かつ、前記コア層ならびに前記第1キャリア層および前記第2キャリア層の融点温度より低い温度を得るとともに、前記複数のインレー層の全体が、約120℃以下または約135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように、前記複数のインレー層を加熱する加熱工程を含むことができ、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2かつ約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のインレー層を横切るように(across、前記複数のインレー層の全体に)印加される。いくつかの実施態様においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、それぞれ対応する活性化温度(corresponding activation temperatures)として、約130℃以下、または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有することができ、また、前記コア層、ならびに前記第1キャリア層および前記第2キャリア層にそれぞれ対応する融点温度(melting point temperatures corresponding)は、約130℃を超え、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超えてもよい。その加熱の後、前記ラミネート前処理は、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程と、その冷却と並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、最大約4分間の間)と、その後、前記冷却と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを有してもよい。
いくつかの実施態様においては、この方法が、前記コア層の第1面および/または第2面を(例えば、コロナ電子ビーム処理、火炎処理および/またはプライマ処理により)処理し(treat、例えば表面処理し)、それにより、表面エネルギーを少なくとも約34ダイン、または、好ましくは少なくとも約40ダインもしくは58ダインも提供し、それにより、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層を用いた接合(bonding、ボンディング、接着接合、結合形成など)を促進する処理工程を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記コア層の第1面および/または第2面が、約58ダインの表面エネルギーを有することができる。それに関連して、この方法は、前記第1支持層および/または前記第2支持層の内向き面および/または外向き面を(例えば、コロナ電子ビーム処理、火炎および/またはプライマ処理により)処理し(treat、例えば表面処理し)、それにより、少なくとも約30ダインの表面エネルギーを提供することを含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記第1支持層および/または第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および/または前記第2キャリア層が、
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、
ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol)、
ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)、および
ポリカーボネート(polycarbonate)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1支持層および前記第2支持層が、それぞれ、同じ(the same、同じ1種類の)ポリマーを含むことができる。いくつかの具体例においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層のそれぞれのうちの少なくとも一部または全部が、1つまたは複数のポリマーであって未使用(virgin、バージン)であるかまたは再生されたものを含むことができる。これに関して(In the latter regard)、前記ラミネート・カードは、コア層ならびに第1支持層および第2支持層であって、ポスト・コンシューマ(使用後)であるかおよび/またはポスト・インダストリアル(使用前)である1つまたは複数のポリマーを、重複的に(cumulatively、複数のカード層相互間で同種成分が使用されることを許して)、当該ラミネート・カードの全重量の少なくとも約90%、または約99%にも相当する量で含有するものを有することができる。さらに、第1キャリア層および第2キャリア層は、第1層および/または第2層を構成するポリマーと同じかまたは異なり得る、同じポリマーを含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記コア層のポスト・コンシューマ・(使用済)ポリエチレン(polyethylene)が、回収された海洋プラスチック廃棄物を少なくとも約50重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%または99重量%も含有することができる。さらに、前記コア層は、少なくとも約0.9g/cm3の密度を有するように提供されることができる。
種々の具体例においては、前記第1支持層および/または前記第2支持層、ならびに利用される場合の前記第1キャリア層および/または前記第2キャリア層は、不透明、半透明または透明であってもよく、着色されてもよい。それに加えるかまたはそれに代えて、前記コア層は、着色されてもよい。
種々の具体例においては、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層が、
エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含むことができる。1つのアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤層および第2熱可塑性接着剤層が、それぞれ、エチレン酢酸ビニル(例えば、EVAポリマー)を含むことができ、また、それぞれ対応する活性化温度として、約100℃~約120℃、また、いくつかの実施態様においては、約90℃~約120℃の活性化温度を有することができる。いくつかの実施態様においては、前記第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および前記第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56、ならびに/または前記第1中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層が、
ポリエステル(polyester)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含むことができる。
想定されるいくつかの具体例においては、この方法が、さらに、前記配列工程に先立ち、第1プリント層を前記第1支持層の内向き面および外向き面のうちの少なくとも一方に印刷する印刷工程を含むことができ、ここに、その印刷結果は、当該取引カードの第1面において視認可能である。前記第1プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読キャラクタ(例えば、数字、文字および/またはそれらの表現物)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記配列工程が、さらに、透明な第1オーバーラミネート層を、前記第1支持層(例えば前記第1プリント層を覆う)の外向き面の上に、それを上から覆う関係(overlying relation、上から重なる関係)となるように、前記複数のカード層のうちの1つとして位置決めする位置決め工程を含むことができる。前記第1オーバーラミネート層は、第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層を備えてもよく、その第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層は、当該第1オーバーラミネート層の内向き面上に支持状態で配置され、その目的は、前記位置決め工程の実行中に一体的取扱い(handling together、前記第1オーバーラミネート層と前記第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにあり、ここに、前記第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層は、前記第1オーバーラミネート層を前記第1支持層の外向き面に相互接続するための前記接続工程(the connecting step、前記ラミネート加工工程、相互接続工程、ボンディング工程、接着接合工程など)の実行中に活性化されてもよい。
いくつかの具体例においては、この方法は、さらに、前記配列工程に先立ち、第2プリント層を前記第2支持層の内向き面および外向き面のうちの少なくとも一方に印刷する印刷工程を含むことができ、ここに、その印刷結果は、当該取引カードの第2面において視認可能である。前記第2プリント層は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ、写真等)、複数の人間可読キャラクタ(例えば、数字、文字および/またはそれらの表現物)、および/または複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記配列工程が、透明な第2オーバーラミネート層を、前記第2支持層(例えば前記第2プリント層を覆う)の外向き面の上に、それを上から覆う関係(overlying relation、上から重なる関係)となるように、前記複数のカード層のうちの1つとして位置決めする位置決め工程を含むことができる。前記第2オーバーラミネート層は、第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層を備えてもよく、その第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層は、当該第2オーバーラミネート層の内向き面上に支持状態で配置され、その目的は、前記位置決め工程の実行中に一体的取扱い(handling together、前記第2オーバーラミネート層と前記第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層とを一体品として取り扱うこと)を行うことにあり、ここに、前記第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層は、前記第2オーバーラミネート層を前記第2支持層の外向き面に相互接続するための前記ラミネート加工工程(the laminating step)の実行中に活性化されてもよい。
想定されるいくつかの具体例においては、前記形成工程が、
レーザ彫刻、
インク・ジェット印刷、
感熱印刷(例えば、パッチ層またはオーバーラミネート層上において)(thermal-printing、感熱パッチ、感熱シールなど)、および
エンボス加工
のうちの1つまたは複数を含むことができる。
エンボス加工を用いるいくつかの実施態様においては、前記第1支持層および前記第2支持層が、エンボス加工されたいくつかのキャラクタであって前記人間可読アカウント・インディシアを提供するものを、ISO/IEC規格7811-1に実質的に準拠するように維持するように機能してもよい。
いくつかの実施態様においては、前記ラミネート加工工程の実行後であって前記形成工程の実行前に、この方法は、さらに、当該ラミネート・カードの第1外面内にポケットを形成する工程をさらに含むことができ、そのポケットのうちの中央内側部分は、前記第1支持層および前記コア層を貫通するように延びており、前記ポケットのうちの環状外側部分は、前記第1支持層の内部を延び、その第1支持層の厚さより浅い深さに到達し、環状座部を前記ポケット内に形成する。この場合、この方法は、基板の下向き面に支持される集積回路チップと、前記ポケット内にある前記基板の上向き面に支持される複数の接触パッドとを位置決めする位置決め工程を含むことができ、前記集積回路チップは、前記ポケットのうちの前記中央内側部分内に配置され、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分は、前記ポケット内の前記環状座部に接着により相互接続されるとともに前記環状座部によって支持される。
いくつかの配置構成においては、前記配列工程に先立ち、この方法は、さらに、磁気ストライプを前記ラミネート・カードの第1面および前記ラミネート・カードの第2面のうちの一方に付着させる(affix、固定する)付着工程を含むことができる。特に、前記磁気ストライプは、当該取引カードの第2オーバーラミネート層の外向き面に付着させる(例えば、熱転写プロセス、冷却剥離プロセスまたは接着マウント・プロセスにより)ことができる。
想定されるいくつかの具体例であって方法に関するものにおいては、前記ラミネート・カード(the laminated card、1枚のラミネート・カード)が、複数枚の取引カードのうちの1つであり、ここに、この方法は、
複数枚のシートをコレート(collate、複数枚のシートを積み重ねること、複数枚のシートを整列して積み重ねること、位置合わせして積み重ねことなど)してマルチシート・アセンブリ(multi-sheet assembly、複数枚のシートを積み重ねて成る1個の組合体、マルチシート積重体など)にし、それにより、前記複数のカードのそれぞれについて前記配列工程を完成させるコレート工程を含み、
前記マルチシート・アセンブリは、
コア・シート(core sheet、前記コア層のための素材)(例えば、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)を少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%含有するとともに、前記シート・アセンブリの全体厚さのうちの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有する)と、
ポリマー系の第1支持シート(first support sheet、前記第1支持層のための素材)であって、前記コア・シートの第1面に対向する内向き面を有し、その内向き面と前記コア・シートの第1面との間に第1熱可塑性接着剤が配置されるもの(例えば、前記マルチシート・アセンブリの全体厚さのうちの少なくとも約12%の厚さを有するもの)と、
ポリマー系の第2支持シート(second support sheet、前記第2支持層のための素材)であって、前記コア・シートの第2面に面する内向き面を有し、その内向き面と前記コア・シートの第2面との間に第2熱可塑性接着剤が配置されるもの(例えば、前記マルチシート・アセンブリの全体厚さのうちの少なくとも約12%の厚さを有するもの)と
を含んでいる。この場合、この方法は、前記マルチシート・アセンブリをラミネート加工装置内においてラミネート加工し、それにより、前記複数のカードのそれぞれに対して前記印加工程(the applying、前記加熱および加圧、前記熱および圧力の印加など)を完成させるラミネート加工工程(laminating、積み重ねされた複数のカード層を加熱および加圧して積層合体させることなど)と、そのラミネート加工工程の実行前であって、前記形成工程の実行後に、複数のカード本体を、前記マルチシート・アセンブリのうち、対応する複数のシート領域(regions、各シート領域は、複数枚の部分シートが積み重ねられたものなど)であって前記複数の取引カードに対応する関係を有するものから分離する分離工程とを含むことができる。
いくつかの具体例においては、前記コレート工程に先立ち、この方法は、複数枚のインレー・シートのラミネート前処理(pre-lamination、加圧および加熱なしでの相互接続など)により、前記複数のカードのそれぞれに対してラミネート前処理を完成させる前記ラミネート前処理工程であって、前記複数枚のインレー・シートは、前記コア・シートを含み、そのコア・シートは、第1キャリア・シートと第2キャリア・シートとの間に位置決めされており、前記第1キャリア・シートは、それの内向き面に支持された第1熱可塑性接着剤シート層を有し、前記第2キャリア・シートは、それの内向き面に支持された第2熱可塑性接着剤シート層を有するものを含むことができる。このラミネート前処理工程に先立ち、この方法は、複数のアンテナを、前記コア・シート上の複数の領域(regions、1枚のシートの表面上の複数の領域など)内に支持状態で位置決めする位置決め工程を有してもよく、前記複数の領域(regions、部分、区域)は、前記マルチシート・アセンブリのうち前記複数の領域(regions、前記複数のシート領域)に対応する。
本発明の多くの他の特徴および利点が、当業者には、具体例についての後述の詳細な説明を考慮すれば、自明であろう。
図1は、取引カードの一具体例を示す正面斜視図である。
図2は、図1に示す具体例を示す背面斜視図である。
図3は、取引カードの一具体例において提供されてもよい種々の層を示す分解斜視図である。
図4は、複数枚の取引カードを製造するためにコレートされた(collate、積み重ねされた、整然と積み重ねられた)1つのマルチシート・アセンブリの一具体例を示す斜視図である。
図5は、図4に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものを、製造段階において、複数枚のカード本体が前記マルチシート・アセンブリから分離されている状態で示す斜視図である。
図6は、図4および図5に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものを、そのマルチシート・アセンブリについての前記種々の層をラミネート加工する段階で示す概略側面図である。
図7は、取引カードの別の具体例を示す正面斜視図である。
図8Aは、コア層であってそれの上面にアンテナを有するものの一具体例を示す斜視図である。
図8Bは、インレーの一具体例であって、図8Aの具体例を含み、かつ、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図9は、インレーの別の具体例であって、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図10は、インレーの別の具体例であって、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図11Aは、コア・シートの一具体例であって、図4-図6に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものに使用されるものを示す斜視図である。
図11Bは、インレー・シートであって、図11Aに示す具体例であってコア・シートについてのものを含むとともに、図4-図6に示す具体例であってマルチシート・アセンブリについてのものに使用されることを目的とするものを示す分解斜視図である。
図12は、取引カードのうち、図2における12-12線に沿った取られた断面図である。
図13は、取引カードの別の具体例のうち、図2における12-12線に沿って取られた断面図である。
図14は、集積回路チップを含む取引カードのうち、図1における14-14線に沿って取られた断面図である。
図15は、インレーの別の具体例であって、図7の具体例に組み込まれることを目的とするものを示す断面図を示す。
図16は、取引カードを形成する例示的な一方法を示す。
図17は、取引カードの一具体例を示す背面斜視図である。
図18は、取引カードの一具体例において提供されてもよい種々の層を示す分解斜視図である。
図19は、取引カードのうち、図17における19-19線に沿って取られた断面図である。
図20は、インレーの別の具体例を示す断面図である。
以下の詳細な説明は、本発明を本出願書類に開示されている形態に限定することを意図されていない。したがって、変形点および変更点であって本発明に関連する技術についての後述の教示事項、技能および知識に見合うものは、本発明の範囲内に含まれる。本出願書類に記載されているいくつかの具体例は、さらに、本発明を実施することについて既知の形態を説明すること、および、当業者が本発明を、それら具体例または他の具体例という形態で、および、本発明の具体的な応用または用途に要求される種々の変更点を伴う形態で実施することを可能にすることを意図されている。
本出願書類の開示事項は、概して、ラミネート・カードの如き取引カードに関し、その取引カードは、金融取引(例えば、クレジット・カード)または他のタイプの取引および行為の一部として使用されることが可能であるインディシアまたはデータを含んでもよい。その取引カードは、ポスト・コンシューマ(使用後の)および/またはポスト・インダストリアル・(使用前の)ポリエチレン(polyethylene)、または他のタイプのポリエチレン(polyethylene)を含有する。従来、それら材料が製造、耐久性等に関して多くの問題を示すことを踏まえ、それら材料は、取引カードにもラミネート・カード関連製品にも使用されてこなかった。例えば、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)(PVC)の如く、取引カードのためにより一般的に使用される他の材料より柔軟性が高く、また、当該材料は、その柔軟性が原因で、取引カードを製造するために一般的に必要なプリンタおよびラミネータの如く、種々の製造機械を通過することが困難である。例えば、その柔軟性が原因で、当該材料(the material、前記ポスト・コンシューマ・ポリエチレン)が曲がり、動き、折り畳まれ、それにより、ローラまたは他の製造機械を通り抜けることが阻害されるかもしれない。ポリエチレン(polyethylene)を例えば30ミルより厚くなるように厚肉化すれば、前記柔軟性を部分的に低下させるのに役立つかもしれないが、前記コア層が厚肉化し、その結果、当該カードの全体厚さが厚肉化しすぎて、ISO規格の如き金融取引カード規格に適合できなくなる可能性がある。
ポリエチレン(polyethylene)はより一般的な材料より軟質であるため、このポリエチレンも、加熱されると顕著に収縮する。このことが意味することは、多くの場合、この材料が、加熱を伴うラミネート加工プロセス後に収縮し、それが原因で、埋め込まれたアンテナの周波数が製造中に顕著に変化し、それにより、最終製品としての取引カードが使用不可能になる可能性があるということである。ポリエチレン(polyethylene)の柔軟性が原因で、さらに、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)から作製されたカードにおいてエンボス加工部の高さが経時的に失われる可能性があり、それにより、消費者アカウント情報等のデータが除去されるかまたは判読不可能もしくは不明瞭になり、または、エンボス加工がISOエンボス加工高さ要求事項(例えば、ISO規格7813)を満たさないことになる。さらに、ラミネートされた取引カードについて一般に使用される他の層であってグラフィック・オーバーレイのようなものとの接合は、ポリエチレン(polyethylene)に関しては、それの化学組成等により困難であり、また、多くの場合、接合部(a bond)の存在が可能であるとしても(possible)、それのラミネート構造が急速に故障し(fail、破損し)、それが原因で、複数の層が剥離して分離する。さらに、PVCを接合するために一般に使用される多くの接着剤は、ポリエチレン(polyethylene)には十分に接合しないか、または、ラミネート加工処理方法においての使用が困難である。さらに、他のいくつかのカード層(additional card layers、カードに用いられる他のいくつかの層)を、リサイクルされた材料またはポスト・コンシューマ材料から形成すること(forming、素材を目標形状を有するように加工すること、成形すること、など)により、そのリサイクル成分についての記述(recycled content description、そのリサイクル成分含有率についての記述、リサイクルされた成分が使用されていることについての記述、など)が増えるかもしれないが、リサイクルされた材料(recycled materials、リサイクルされた1つまたは複数の材料など)の不均一性(inconsistencies、非一様性、むらなど)、構造的弱点および他の同様なものが原因で、新たな困難性(challenges、難点、弱点など)を示すかもしれない。
ポスト・コンシューマ・プラスチックは、例えば、回収された海洋プラスチック、または、他のプラスチック材料であって他の用途のためにかつて形成されたかもしくは使用されたもの、すなわち、もはや未使用(virgin、バージン)材料ではないものを含むかもしれない。ポスト・コンシューマ・プラスチックは、取引カードという用途のためのいくつかのシートまたは他の形状に、再度、形成される(re-formed、再度、機械加工される、再構成される、再び作られる、再生産される、など)か、溶融される(melted、型を用いて一定の形状に加工される、など)か、または、他の方法で処理される(processed、加工されるなど)かもしれない。いくつかの実施態様においては、ポスト・コンシューマ・プラスチックを処理する方法が、不純物を除去する工程、ある程度の量の未使用材料を前記ポスト・コンシューマ・プラスチックに添加する工程、または、前記ポスト・コンシューマ・プラスチックに対する顔料(pigmentation、着色剤など)の添加もしくは除去を行う工程を含むかもしれない。
本出願書類の開示事項としては、取引カードに使用されるポリエチレン(polyethylene)であってポスト・コンシューマまたはポスト・インダストリアル・ポリエチレン(polyethylene)を含むものの使用を可能にする技術および構造がある。例えば、「サンドイッチ」すなわち層状構造は、ポスト・コンシューマおよび/またはポスト・インダストリアル・ポリエチレン(polyethylene)を含有するコア層が、第1接着剤層および第2接着剤層により、それぞれ対応する第1支持層および第2支持層(前記コア層の両側に位置決めされる)に相互接続されることが行われる場所である。前述の複数の支持層は、前述の接着剤(the adhesives、前述の第1接着剤層および第2接着剤層)を介して前記コア層に接合され、また、より高い剛性を有して構造的支持を提供してもよく、それにより、ISO規格の機械的特性を有するラミネート・カードの製造を可能にする一方で、さらに環境関連の利益および費用効率を実現してもよい。大量の決済カード(例えば、クレジット・カード、デビット・カードおよびストアード・バリュー・カード)、会員カード、ロイヤリティ・カード、身分証明カード、施設内入場許可カード(premises access card)、および財布サイズを有する他のカードであって年次ベースで世界的に展開されるものを考慮すると、ここに開示されているいくつかの具体例によれば、ポスト・コンシューマHDPE、特に、回収された海洋プラスチック廃棄物のリサイクルまたは再利用を、それら材料(such materials、ポスト・コンシューマHDPE、回収された海洋プラスチック廃棄物など)を取引カードに組み込むことにより、可能にすることができる。さらに、本出願書類の開示事項として、ポリエチレン(polyethylene)を含有する前記コア層を前記複数の支持層に、それら層(the layers、前記コア層および前記複数の支持層)がラミネート加工プロセス中に互いに強固に接合するように接続することが可能となる方法および材料があり、このことは、従来のラミネート加工プロセスおよび材料(conventional lamination processes and materials、複数の層を結合するためにポリエチレンを接着接合できないラミネート加工方法および材料など)では不可能であり、この場合、この種の材料(such materials、前記従来の材料)はポリエチレン(polyethylene)に接合しない。
いくつかの具体例においては、審美的な(aesthetic、美感を有する)別のいくつかの要素であって、例えば、金属「箔(foil、ホイル)」または(or、すなわち)メタライズされた層(metalized layer、金属膜化された層、金属層など)のようなものが、ラミネート加工前(prelam、プリラム)および/またはラミネート加工後のラミネート・カード内に含まれるかもしれない。そのメタライズされた層は、透光性を有する(transparent、透過性を有する)オーバーレイ(overlay、上から覆う層、上張り、被覆、被膜など)または部分的に透光性を有するオーバーレイ層に対し、当該ラミネート・カードの外面(exterior、外側、エクステリアなど)から少なくとも部分的に視認できるように、位置合わせされるかもしれない。本出願書類中に記載されているいくつかの技術により、前記メタライズされた層が、ポスト・コンシューマ・プラスチックを含有するラミネート・カードに接合して(bond with)その内部で使用される(used in)ことが可能となる。
前述のいくつかの図面に注目すると、図1および図2は、取引カード1の一具体例を示しており、その取引カード1は、ある長さおよびある幅(例えば、ISO/IEC規格7810に準拠する長さ、幅および厚さ)を有する。その取引カード1は、ラミネート・カード1であってもよいが、概して、複数の素材(materials、複数枚の素材など)のスタック(stack、積重ね体)により形成され、そのスタックは、ラミネート・カード1と同じ長さおよび同じ幅を有しており、前記スタックは結合される(combined、積み重ねられる)と、ラミネート・カード1の厚さ部を形成する。ラミネート・カード1は、コア層10を含み、そのコア層10は、ポスト・コンシューマおよび/もしくはポスト・インダストリアル・ポリエチレン(polyethylene)の如きポリエチレン(polyethylene)、または他のポリエチレン(polyethylene)・ソース(source、源、ポリエチレン含有物質、ポリエチレン産生物質など)を含み、また、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wにわたって延びている(extend from across、長さLおよび幅Wに沿って全体的に延びている)。コア層10は、当該取引カード用の基材(substrate、基礎となる部材など)を形成または定義してもよく、その基板上に別の複数の層または構造物が接続される。
ラミネート・カード1は、第1支持層20であって、コア層10の第1面に第1接着剤層によって相互接続されるとともに、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びる(extend from across)ものと、第2支持層30であって、コア層10の第2面に第2接着剤層によって相互接続されるとともに、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びる(extend from across)ものとを含む。支持層20,30は、ラミネート・カード1の剛性および構造(structure、構造的強度、構造的特性など)を増強させてもよく、また、概略的に(generally、全体的に)、ポリエチレン(polyethylene)製のコア層10とは異なる材料(materials、1つまたは複数の材料)によって形成されてもよく、当該支持層20,30の材料は、ビニル材料(例えば、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride))または他のタイプのポリエチレン(polyethylene)(例えば、ポリエチレン(polyethylene)・テレフタレート(terephthalate)・グリコール(glycol)すなわちPET-G)の如きものであって、コア層10を形成するポリエチレン(polyethylene)とは異なる。種々の実施態様においては、支持層20,30を形成する材料が、未使用材料またはリサイクルされた材料であるかもしれない。いくつかの具体例においては、支持層20,30が、コア層10に結合されてそのコア層10を構造的に支持するとともにそのコア層10に剛性を提供し、それにより、製造工程(manufacturing process、全体製造工程など)中およびラミネート加工工程中にコア層10を補強する(assist、支持する、支援する、補助する)。
再び図1を参照すると、コア層10は、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)をコア層10の重量当たり少なくとも約70重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%を含有してもよい。さらに、コア層10は、厚さとして、ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約15%、また、典型的には少なくとも約30%の厚さを有してもよい。コア層10のポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)は、回収された海洋プラスチック廃棄物を少なくとも約50重量%、また、典型的には少なくとも約90重量%または99重量%も含有してもよい。さらに、コア層10は、少なくとも約0.9g/cm3の密度を有するように提供されてもよい。ただし、他の変形例においては、異なる比率が達成されるかまたは要望されてもよい。
第1支持層20は、厚さとして、当該ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約12%、また、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または約18%も有してもよい。第2支持層30は、厚さとして、当該ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約12%、また、いくつかの事例においては、少なくとも約15%または18%も有してもよい。ここに提示されたいくつかの厚さは、例示的であり、例えば当該カードの最終的な用途または目的に応じて要望されるものとなるように変更されてもよい。
第1支持層20および第2支持層30は、それぞれ、引張強さとして、コア層10の引張強度より大きいもの、また、いくつかの事例においては、少なくとも約30%または少なくとも約50%も大きいものを有してもよい。いくつかの配置構成においては、第1支持層20および第2支持層30が、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、少なくとも約30N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約40N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有してもよく、また、コア層10は、引張強度として、少なくとも約20N/mm2(ASTM規格D-882)、また、いくつかの事例においては、少なくとも約25N/mm2(ASTM規格D-882)の引張強度を有してもよい。それら具体例に関連して、前記第1熱可塑性接着剤層および前記第2熱可塑性接着剤層は、それぞれ対応する引張強度(corresponding tensile strengths)として、コア層10ならびに第1支持層20および第2支持層30の引張強度より大きい引張強度を有してもよい。さらに、第1支持層20および第2支持層30は、カード1の強度が増加すると同時に柔軟性が低下するように、コア層10の剛性より高い剛性を有してもよい。
図1に示すように、第1プリント層22が第1支持層20の上に印刷されてもよく(または、支持層20に結合されてもよく)、この場合、第1プリント層22の少なくとも一部がラミネート・カード1の第1面(a first side、おもて面、表側、前側など)から視認可能であってもよい。例えば、第1プリント層22は、透明な第1支持層20の内向き面上に裏刷りされ(reverse-printed、反転印刷され)てもよく、および/または、第1プリント層22は、透明なまたは不透明な第1支持層20の外向き面上に表刷りされ(forward-printed、順方向印刷され、通常印刷され、非反転印刷され)てもよい。
図2に示すように、第2プリント層32が第2支持層30の上に印刷されるかまたは第2支持層30に結合されてもよく、この場合、第2プリント層32の少なくとも一部がラミネート・カード1の第2面(a second side、うら面、裏側、後側など)から視認可能であってもよい。例えば、第2プリント層32は、透明な第2支持層30の内向き面上に裏刷りされてもよく、および/または、第2プリント層32は、第2支持層30の外向き面上に表刷りされてもよい。
図17に示すように、いくつかの実施態様においては、第2金属層92が、第2支持層30上に被着される(deposited、蒸着される、薄膜形成される、など)かまたは第2支持層30に結合され(coupled)てもよく、ここに、第2金属層92のうちの少なくとも一部は、ラミネート・カード2の前記第2面(the second side)から視認可能であるかもしれない。それら実施態様においては、第2プリント層32が、第2支持層30の外向き面上にある金属層92(the metal layer 92、第2金属層92)を覆う(over、その金属層92上に位置する、など)ように表刷りされ(forward-printed)、それにより、第2プリント層32が、ラミネート・カード2の前記第2面から視認可能であってもよい。それら実施態様は、さらに、第1金属層90であって、第1支持層20上に被着される(deposited、蒸着される、薄膜形成される、など)かまたは第1支持層20に結合される(coupled)ものを有してもよく、ここに、第1金属層90のうちの少なくとも一部は、ラミネート・カード2の前記第1面(the first side)から視認可能であるかもしれない。同様に、それら実施態様においては、第1プリント層22が第1金属層90を覆う(over、その金属層90上に位置する、など)ように表刷りされ(forward printed)、それにより、第1プリント層12が、ラミネート・カード2の第1面(first side、前記第1面)から視認可能であってもよい。例えば、いくつかのオーバーラミネート層(overlaminate layers、ラミネート体のうちの外層、最外層など)(例えば、図18における層60および層62)が部分的に透光性を有するかまたは完全に透光性を有するものであり、それにより、第1プリント層22,第2プリント層32,第1金属層90および第2金属層92が当該いくつかのオーバーラミネート層を透過して完全にまたは部分的に視認可能であってもよい。
第1金属層90および第2金属層92は、任意の種類の金属または合金(alloy、アロイなど)、例えば、アルミニウム、金または別の金属であって第1支持層20および第2支持層30に接合される(bonded、接着接合される、ボンディングされる、など)かまたは真空蒸着される(vacuum deposited)ことが可能であるものを含有してもよい。それら材料は、その実施態様に応じ、リサイクルされたものであっても未使用の(virgin、バージン)ものであってもよい。いくつかの実施態様においては、リサイクルされた材料が、リサイクルされた材料を、標準化された製作方法において使用する(use with a standardized manufacturing process)ことをより困難にする不純物を含有するかもしれない。ラミネート・カード2は、ラミネート・カード1に関して記載されたいくつかの特徴部のうちのいずれでも有してもよく、それらは、例えば、埋込み式のチップ、アンテナなどである。
第1プリント層22および第2プリント層32は、グラフィックス(例えば、絵画的風景、ロゴ等)、複数の人間可読キャラクタ(例えば、数字、文字および/またはそれらの表現物)、および/または1つもしくは複数の機械可読マーキング(例えば、バーコード、多次元マトリックス・コード等)のうちの1つまたは複数を含んでもよく。第1プリント層22および/または第2プリント層32は、インク系(ink-based、インクを用いて印刷を行うものなど)であってもよく、また、第1支持層20および/または第2支持層30は、それぞれ、ラミネート・カード1の前記第1面および前記第2面から見ると、不透明および/または少なくとも部分的に半透明および/または少なくとも部分的に透明であってもよい。さらに、不透明および/または半透明のうちのいずれであっても、第1プリント層22および/または第2プリント層32は、着色され、それにより、広範囲の視覚効果をもたらして、カードが差別化される可能性を強化してもよい。
第1プリント層22および第2プリント層32は、次に掲げる複数の印刷プロセス、すなわち、
平版印刷、
グラビア印刷、
シルク・スクリーン印刷、
デジタル印刷、および
インク・ジェット印刷
のうちの1つまたは複数の印刷プロセスにより、別々に形成されてもよい。第1プリント層22および/または第2プリント層32は、それぞれ、別々に印刷される複数のインク(a plurality of separately-printed inks)を含んでもよく、それらインクは、それぞれ、上記に言及された複数の印刷プロセスのうちの1つによって別々に印刷される。この場合、複数の別個に印刷されたインクのうちの異なるものに対して、上記に言及された複数の印刷プロセスのうち互いに異なる複数の印刷プロセスは、前記別々に印刷される複数のインク(the plurality of separately-printed inks)のうちの互いに異なる複数のもののために採用されてもよい。いくつかの配置構成においては、前記別々に印刷される複数のインクが、色が異なる複数の着色インクのうちの1つまたは複数のものを含んでもよく、各着色インクは、他の着色インクとは異なる顔料または染料を含有してもよい。これに関連して、プリント層22,32は、支持層20,30上に直接(directly、直に)印刷されてもよく、または、キャリア、フィルム、またはそれらと同様なもの(例えば、金属層90,92)の上に印刷されて支持層20,30に付着されてもよい。
図1にさらに示すように、ラミネート・カード1は、人間可読アカウント・インディシア40aであって、決済カードの発行業者によって管理される決済口座(例えば、銀行または信用組合等の金融機関によって管理される決済口座)、会員アカウント、ロイヤリティ・アカウント等を示すかまたはそれに関連付けられるものと、別の人間可読アカウント・インディシア40bであって、人間可読アカウント・インディシア40aに関連付けられるものとを含んでもよい。例えば、視認可能なインディシア40aは、対応するアカウント(例えば、アカウント番号)を示す複数の人間可読キャラクタを含んでもよく、また、視認可能なインディシア40bは、一定のアカウントに対応する別の複数の人間可読キャラクタを含んでもよく、それらキャラクタは、対応するカード有効期限、対応するアカウント・サービス・グレード・レベル、および/または対応する顧客固有データ(例えば、顧客名、顧客期間データ等)を含む。図1においては、人間可読アカウント・インディシア40a,40bが、ラミネート・カード1の前記第1面から視認されるように設けられている。他のいくつかの具体例においては、人間可読アカウント・インディシア40aおよび/または40bが、ラミネート・カード1の前記第2面からも視認されるか、または、前記第2面からしか視認されないように設けてもよい。
人間可読アカウント・インディシア40a,40bは、
レーザ彫刻、
インク・ジェット印刷、
パッチ上の感熱印刷(thermal-printing on a patch、感熱パッチ、感熱シールなど)、および
エンボス加工
のうちの1つまたは複数のものによって形成されてもよい。
1つのアプローチにおいては、人間可読アカウント・インディシア40aおよび/または40bが、ラミネート・カードの厚さ全体を貫通するようにエンボス加工された複数のキャラクタにより、ISO/IEC規格7811-1に実質的に準拠するように形成されてもよい。任意選択的に、かつ、図1に示すように、エリート・ブランド・マーク41(例えば、特定の決済ネットワークまたはカード協会を示す)がラミネート・カード1の前記第1面に固定的に付着されてもよい。
図1に示すように、ラミネート・カード1は、さらに、当該ラミネート・カード1の前記第1面内に形成されたポケット42を含んでもよく、このとき、複数の接触パッド44とそれらの下にある集積回路(IC)チップ46(例えば、仮想線で示すスマート・カード・チップ)とが、基板の両面上に支持されるとともにポケット42内に配置されており、ここに、複数の接触パッド44は、チップ・カード・リーダ・デバイスとの間の信号伝送のためにそのチップ・カード・リーダ・デバイスと接触するように位置決めされるとともに露出させられており、それにより、金融取引(例えば、ATMの場所、販売時点情報管理の場所等で)を完了する。理解され得るように、それら接触パッド44は、接触式チップ・リーダとの電気的な接触式インタフェースをISO/IEC規格7816に準拠して行うために提供されてもよい。この場合、人間可読アカウント・インディシア40aに対応するアカウント・データは、接触式チップ・カード・リーダとの接触式信号伝送に使用されるために、集積回路チップ46に格納されてもよい。これに代えてまたはこれに加えて、本出願書類に記載されているいくつかの具体例においては、ラミネート・カード1が、アンテナを有してもよく、そのアンテナは、非接触式チップ・カード・リーダとの非接触式インタフェースをISO/IEC規格14443に準拠して行うために、相互作動するように集積回路チップ46に相互接続される。
想定されるいくつかの具体例においては、第1支持層20は、厚さとして、ラミネート・カード1の全体厚さの少なくとも約12%または少なくとも約15%または少なくとも約18%を有してもよく、ここに、ポケット42のうちの中央内側部分(central inner portion、中央空洞部など)が、第1支持層20とコア層10の少なくとも一部とを貫通するように延びており、また、ポケット42のうちの環状外側部分(annular outer portion、環状空洞部など)が、第1支持層20の内部を延び、その第1支持層20の厚さより浅い深さに到達し、それにより、ポケット42内に環状座部(annular seat、環状座面など)が形成されている。この場合、集積回路チップ46は、ポケット42のうちの中央内側部分内に配置されてもよく、また、支持基板(the supporting substrate、集積回路チップ46を支持する基板など)の下向き面のうちの外側環状部分(outer annular portion、外周部)が、ポケット42内の環状座部に接着により相互接続されるとともに前記環状座部によって支持されてもよい。
図2に示すように、ラミネート・カード1は、さらに、磁気ストライプ43を有してもよく、その磁気ストライプ43は、磁気ストライプ・カード・リーダとのインタフェースのためにラミネート・カード1の前記第2面に固定的に付着される(affix)。その磁気ストライプ43は、人間可読アカウント・インディシア40aに対応するアカウント・データを符号化するためにISO/IEC規格7810および/または7811に準拠するように提供されてもよい。図2にさらに示すように、署名欄45および/またはホログラム47も、ラミネート・カード1の前記第2面に(例えば、ホット・スタンプにより)固定的に付着され(affix)てもよい。
人間可読アカウント・インディシア40a,40bは、カード・パーソナライゼーションの一部としてラミネート・カード1上に提供されてもよい。さらに、かつ、既述されたように、ICチップ46および磁気ストライプ42は、カード・パーソナライゼーション中に、人間可読アカウント・インディシア40aによって表されるアカウントに対応するデータを用いて符号化されてもよい。
ここで図3を参照するに、図3は、種々の別の層を示しており、それら層は、ラミネート・カード1を構成するカード本体内に提供されてもよく、ここに、それら層のそれぞれの厚さが、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wのそれぞれの寸法に比して強調されて(exaggerated in relation to)図示されている。図示するように、ラミネート・カード1は、コア層10,第1支持層20および第2支持層30に加え、第1接着剤層50を有してもよく、その第1接着剤層50は、コア層10と第1支持層20の内向き面との間に両者を相互接続するように配置されている。同様に、第2接着剤層52が、コア層10と第2支持層30の内向き面との間に両者を相互接続するように配置されてもよい。それら接着剤層50,52は、熱可塑性接着剤でもよい。さらに、いくつかの具体例においては、接着剤層50,52が、2つの異種材料(two different materials)に接着接合するように調製されたそれぞれの接着剤(adhesives)により形成されてもよく、それにより、コア層10であって、第1支持層20および/または第2支持層30の材料(the material、1種類の材料など)とは異なる第1材料(a first material、1種類の第1材料など)でもよいものと、第1支持層20および/または第2支持層30との間に強固な(secure、強固に固定される)接着接合が形成される。例えば、一具体例においては、前記複数の接着剤(the adhesives、接着剤層50,52のそれぞれの接着剤)が、PVCおよびHDPEの両方に接着接合するように調製される。別の具体例においては、前記複数の接着剤が、PET-GおよびHDPEの両方に接着接合するように調製される。一具体例においては、接着剤層50,52が、約25~160kg/molの分子量を有するEVAによって形成され、そのようなEVAの一例は、Transcendia社によって製造され、KRTYという商標名で販売されているものである。別の具体例においては、接着剤層50,52のうちの一方または両方(または、それぞれの部分)が、エチレン・アクリル酸エチル((ethylene-ethyl acrylate)EEA)によって形成され、それの一例は、Dow社によって製造され、AMPLIFY EA101という商標名で販売されているものである。例えば、一具体例においては、上述の複数の接着剤層が、一成分としてEEAを、別の成分としてEVAをそれぞれ含有する合成接着剤によって形成されてもよい。しかしながら、前記複数の支持層(the support layers、第1支持層20および第2支持層30)とコア層10とを結合するために使用される接着剤のタイプは、使用される複数の材料と製造プロセスとに応じて変更されてもよく、その接着剤は、例えば、ポリウレタン(polyurethane)、アクリル樹脂(acrylic)、または、種々の組成物またはコポリマーを含有してもよく、それら組成物またはコポリマーは、EVA、EEA、EVAおよびポリウレタン(polyurethane)の混合物(combination)、ポリウレタン(polyurethane)、ウレタン(urethane)またはアクリル樹脂(acrylic)を含有する。
1つのアプローチにおいては、第1接着剤層50が、コア層10の第1面上に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出しにより)、および/または、第2接着剤層52が、コア層10の第2面上に支持可能に配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しにより)。別のアプローチにおいては、第1接着剤層50が、第1支持層20の内向き面上に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出しによる)、および/または、第2接着剤層52が、第2支持層30の内向き面上に支持状態で配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しによる)。いくつかの事例においては、コア層10または支持層20,30上への接着剤の適用(application、塗布)または配置(the application and disposition)は、接着剤のタイプに依存する。図2において12-12線に沿って取られた図2のラミネート・カードの断面図である図12に示すように、支持層20,30とコア層10との間に熱可塑性接着剤が位置するように層状化すること(layering)により、その結果としてサンドイッチ構造物または他の層状(layered)構造物が生成される。図19に示すように、ラミネート・カード2は、さらに、支持層20,30とコア層10との間に熱可塑性接着剤が位置するように層状化されたもの(layering)であって、その結果としてサンドイッチ構造物または他の層状(layered)構造物が生成されるものを有するかもしれず、ここに、金属層90,92は、支持層20,30のそれぞれの外面に被着される(deposited)かまたは接合される(bonded)。いくつかの実施態様においては、ラミネート・カード2が1枚の金属層しか有しないかもしれない。例えば、ラミネート・カード2は、支持層30上に被着された(deposited)金属層を有することなく、支持層20上に被着された(deposited)金属層90を有するかもしれない。図12には示さていないが、図2のラミネート・カードは、通信素子または通信デバイスを有してもよく、それらの一例は、当該ラミネート・カードの複数の層内に完全にまたは部分的に埋め込まれる(または他の方法で当該カードに接続される)1つまたは複数のアンテナまたはチップ(例えば、ICチップ)である。例えば、図9に示すアンテナまたは図14に示すチップは、コア層10に隣接するかまたはコア層10内に埋め込まれてもよい。
さらに別のアプローチにおいては、第1接着剤層50が、ポリマー系の第1キャリア層80の上に支持状態で配置され(例えば、接着剤の押出しにより)、それにより、その第1キャリア層80がコア層10の第1面に接続されてもよく、および/または、第2接着剤層52が、ポリマー系の第2キャリア層82の上に支持状態で配置され(例えば、接着剤の押出しにより)、それにより、その第2キャリア層82がコア層10の第2面に接続されてもよい。この場合、第1中間熱可塑性接着剤または第1中間熱硬化性接着剤層57が第1支持層20の内向き面に直接(directly、直に)接続され(例えば、印刷により接合され)、それにより、その第1支持層20が第1キャリア層80の外向き面に接続されてもよく、および、第2中間熱可塑性接着剤または第1中間または熱硬化性接着剤層58が第2支持層30の内向き面に直接(directly、直に)接続され(例えば、印刷により接合され)、それにより、その第2支持層30が第2キャリア層82の外向き面に接続されてもよい。
図13を参照すると、さらに別のアプローチにおいては、第1接着剤層50が、異なるように調製された(differently formulated、異なる製法や材料などを用いて調製された)2つの接着剤であって、組み合わされる(combined、結合される、ランダムに混合されるなど)かまたは層状化される(layered)ものを有してもよい。例えば、第1接着剤53が第1支持層20の内向き側または内向き面に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出し、ローラ掛け、または他の方法で塗布され)、また、第2接着剤51がコア層10の第1側または第1面上に支持状態で配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しにより)。第1接着剤53および第2接着剤51は、また、第1支持層20とコア層10との間に位置決めされるキャリア層(例えば、1ミルの厚さを有するPET製のキャリア層)の両面に支持状態で配置されてもよい。第1接着剤層50は、第1接着剤53および第2接着剤51の界面(an interface、1つの界面、境界面など)を含むように形成される。同様に、第2接着剤層52は、全く異なる(distinct、異なる接着剤間で、成分が全く異なる、成分の重複が存在しないなど)2つの接着剤または接着剤成分もしくは接着剤部分を含んでもよい。第3接着剤59が第2支持層30の内向き面上に支持状態で配置されてもよく(例えば、接着剤の押出しにより)、また、第4接着剤55がコア層10の第2面上に支持状態で配置されてもよい(例えば、接着剤の押出しにより)。第3接着剤59および第4接着剤55は、また、第2キャリア層30とコア層10との間に位置決めされるキャリア層(例えば、1ミルの厚さを有するPET製のキャリア層)の両面に支持状態で配置されてもよい。第2接着剤層52は、その後、第3接着剤59および第4接着剤55の界面(an interface、1つの界面、境界面など)を含むように形成される。このようにして、各接着剤層は、2つの異なる接着材料によって形成されてもよく、ここに、それらのうち、第1の接着材料は、前記支持層材料(the support layer material、各支持層20,30の材料)(例えば、ビニルまたはPVC)に良好に接着接合するように調製され、また、第2の接着材料は、コア層10(例えば、HDPE)に良好に接着接合するように調製または構成され、また、いずれの接着材料も、前記支持層と前記コア層の表面との間に、接合された接着剤層が形成されるように、互いに接着接合するように構成される。既述された複数の接着剤であって、EVA,EEA,熱可塑性接着剤および他の接着剤を含むものは、第1接着剤層50または第2接着剤層52の一成分を形成してもよく、または、第1接着剤層50または第2接着剤層52を形成し(form the first or second adhesive layers 50, 52、第1接着剤層50または第2接着剤層52の全体を形成し)てもよい。さらに、第1接着剤層50および第2接着剤層52は、それぞれ互いに異なる接着剤から形成されてもよい。
図3にさらに示すように、ラミネート・カード1は、さらに、ポリマー系材料(例えば、PVCまたはPET-G)の如き第1オーバーラミネート層60であって、第1支持層20の外向き面に相互接続されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びるもの、および/または、ポリマー系材料(例えば、PVCまたはPET-G)であってもよい第2オーバーラミネート層62であって、第2支持層30の外向き面に相互接続されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びるものを有してもよい。既述されたように、第1オーバーラミネート層60および/または第2オーバーラミネート層62は、透明であり、それにより、第1プリント層22および/または第2プリント層32であって、それぞれ、第1支持層20および/または第2支持層30の上に提供されてもよいものの視認性が向上させるものであってもよい。第2オーバーラミネート層62は、それの外向き面上に磁気ストライプ43を備えるものであってもよい。
さらに、図18に示すように、ラミネート・カード2は、第1金属フィルム層90(a first metal film layer 90、第1金属層90など)であって、第1支持層20の外向き面に接合されるかまたはその上に被着されるものと、第2金属フィルム層92(a second metal film layer 92、第2金属層92など)であって、第2支持層30の外向き面に接合されるかまたはその上に被着されるものとを有するかもしれない。したがって、金属層が、最終製品としての取引カード2(the final transaction card 2、最終製品としてのラミネート・カード2)の両側において(on both sides)視認可能であるかもしれない。第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92は、任意の種類の金属、合金(alloy、アロイなど)またはそれらと同様なものによって製作されるかもしれない。第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92が金属蒸着フィルム層である場合には、それら金属フィルム層90,92は、任意の金属または合金であって、第1支持層20および第2支持層30によって耐えられるのに十分に低い気化温度(vaporization temperature)を有するものであるかもしれない(例えば、その金属は、第1支持層20および第2支持層30の溶融温度より低温である温度で気化する(vaporizes))。第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92は、また、接着剤層によって支持層20,30に接合された金属箔から製作されるかもしれない。
第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92は、第1支持層20および第2支持層30よりはるかに薄い板厚を有するかもしれない。例えば、第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92の板厚は、オングストロームという単位を用いて(in Angstroms)測定されるかもしれない。ラミネート・カード2であって第1金属フィルム層90および第2金属フィルム層92を有するものは、ラミネート・カード1に関して記載されたいくつかの特徴部、部品または材料のうちのいずれでも有してもよく、また、ラミネート・カード1に関して記載された方法を用いて製作されてもよい。
さらに、かつ、図3にさらに示すように、ラミネート・カード1は、ポリマー系であり、かつ、任意選択的に透明である第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層54を有してもよく、その層54は、第1支持層20と第1オーバーラミネート層60の内向き面との間に配置されるとともにそれらを相互接続する。同様に、ポリマー系であり、かつ、任意選択的に透明である第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層56が、第2支持層30と第2オーバーラミネート層62の内向き面との間に配置されるとともにそれらを相互接続するものであってもよい。1つのアプローチにおいては、第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層54が、第1オーバーラミネート層60の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよく、また、第2外側熱硬化性接着剤層または第2外側熱可塑性接着剤層56が、第2オーバーラミネート層62の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよい。別のアプローチにおいては、第1外側熱硬化性接着剤層または第1外側熱可塑性接着剤層54が、第1支持層20の外向き面に支持状態で配置されてもよく、また、第2熱硬化性接着剤層56(the second thermosetting adhesive layers 56、第2外側熱硬化性接着剤層56)が、第2支持層30の外向き面上に支持状態で配置されてもよい。
既述されたように、いくつかの具体例においては、第1接着剤層50が、ポリマー系の第1キャリア層80の内向き面または内側表面上に支持状態で配置されてもよく、その第1キャリア層80は、第1支持層20の内向き面上に配置されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延び(例えば、その内向き面上に印刷され)、および/または、第2接着剤層52が、ポリマー系の第2キャリア層82の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、接着剤の押出しにより)てもよく、その第2キャリア層82は、第2支持層30の内向き面上に配置されるとともにラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びる(例えば、その内向き面上に印刷される)。それら具体例においては、ラミネート・カード1が、ポリマー系の第1中間熱硬化性接着剤層または第1中間熱可塑性接着剤層57を有してもよく、その層57は、第1支持層20と第1キャリア層80との間に配置されとともにそれらを相互接続する。同様に、ポリマー系の第2中間熱硬化性接着剤層または第2中間熱可塑性接着剤層58が、第2支持層30と第2キャリア層82との間に配置されるとともにそれらを相互接続するものであってもよい。1つのアプローチにおいては、第1中間熱硬化性接着剤層または第1中間熱可塑性接着剤層57が、第1支持層20の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよく、また、第2中間熱硬化性接着剤層または第2中間熱可塑性接着剤層58が、第2支持層30の内向き面上に支持状態で配置され(例えば、その内向き面上に印刷され)てもよい。
想定されるいくつかの具体例においては、第1支持層20および第2支持層30が、
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、
ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(polyethylene terephthalate glycol)(PET-G)、
ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)、および
ポリカーボネート(polycarbonate)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含有してもよい。第1支持層20および第2支持層30は、上述のいくつかの材料のいずれでも、リサイクルされた形態であるかまたは未使用の(virgin、バージンの)形態で含有してもよい。種々の具体例においては、第1接着剤層50および/または第2接着剤層52が、熱可塑性接着剤層であってもよく、また、
エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)、
アクリル樹脂(acrylic)、および
ウレタン(urethane)
のうちの同じものまたは異なるもの(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含有してもよい。1つのアプローチにおいては、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52が、それぞれ、約100℃~約120℃(例えば、約104℃)の活性化温度を有するエチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate)を含有してもよい。いくつかの実施態様においては、第1外側熱硬化性層(layer、接着剤層)または第1外側熱可塑性層(layer、接着剤層)54および第2外側熱硬化性または熱可塑性層(layer、接着剤層)56、ならびに/または第1中間熱硬化性層(layer、接着剤層57)または第1中間熱可塑性層(layer、接着剤層57)および第2中間熱硬化性層(layer、接着剤層58)または第2中間熱可塑性層(layer、接着剤層58)が、
ポリエステル(polyester)、
ウレタン(urethane)、および
アクリル樹脂(acrylic)
のうちの同じものまたは異なるものを(the same one or different ones of、同じ1種類のものまたは互いに異なる複数種のもの)を含有してもよい。
ここに、ラミネート・カード1の前述の複数の層は、図1,図2および/または図3に関連して記載されているように、それら層間における複数の相互接続部を確立するように積み重ねられた関係となるように配置され、それにより、ラミネート・カード1を提供するものであってもよい。例えば、前記複数の層が積み重ねて配置された後であって、人間可読アカウント・インディシア40a,40b,ポケット42,複数の接触パッド44,ICチップ46,エリート・ブランド・マーク41,署名欄45およびホログラム47の提供に先立ち、前記複数の層が、圧力下に、それら層の全体にわたって所定温度範囲まで加熱することによりラミネート加工されてもよく、ここに、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52と、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56と、存在する場合の(if provided)第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層とは、それぞれ対応する複数の隣接する層(layers、前記複数のカード層)であってそれら層(layers、前記複数のカード層)の間に前記複数の接着剤層が介在するものを固定的に相互接続するように、活性化されるかまたは硬化させられる。
想定されるいくつかの具体例においては、前記ラミネート加工プロセス(process、工程など)または接着接合(bonding、ボンディング)プロセス(process、工程など)が、複数のカード層を加熱し、それにより、前記複数のカード層の全体がある温度(a temperature、1つの温度、一様な温度)を得る加熱工程を有してもよく、その温度は、第1熱可塑性接着剤層50の活性化温度および第2熱可塑性接着剤層52の活性化温度以上の温度であり、かつ、第1支持層20の融点温度、第2支持層30の融点温度およびコア層10の融点温度より低温であり、例えば、それぞれの層のガラス転移温度(glass transition temperature、接着剤の軟化開始温度など)を超えるとともにそれぞれの層の粘性温度(viscous temperature、材料が粘性を示す温度など)に向かう温度(towards the viscous temperature、前記粘性温度を超えない温度、前記粘性温度に近い温度など)(past the glass transition temperature towards the viscous temperature、ガラス転移温度と融点との間の温度、加熱中、材料が自身の形状を喪失しない温度、材料が自身の厚さおよび粘性を喪失しない温度など)、であり、また、当該温度は、その材料(the material、前記複数のカード層のそれぞれの材料など)に依存する。
いくつかの実施態様においては、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52が、活性化温度として、約130℃以下の温度、または約120℃以下(例えば、約90℃~120℃)の温度を有してもよく、また、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56、ならびに利用される場合の(if utilized)第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層および第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層が、それぞれ、活性化温度として、約130℃以下、また、想定されるいくつかの具体例においては、約120℃以下(例えば、約90℃~120℃)の温度を有してもよく、また、第1支持層20,第2支持層30,コア層10,ならびに利用される場合の第1キャリア層および第2キャリア層が、それぞれ対応する融点温度またはガラス転移温度として、約130℃を超える温度、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超える温度を有してもよい。この場合、前記加熱工程が、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54および第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56、ならびに利用される場合の第1中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層および第2中間熱硬化性または熱可塑性接着剤層を活性化し、それにより、コア層10と第1支持層20および第2支持層30との間の相対位置が実質的に変化することなく、コア層10の、第1支持層20および第2支持層30ならびに利用される場合のそれらの間に位置する第1キャリア層および第2キャリア層への、接着接合による相互接続と、第1オーバーラミネート層60および第2オーバーラミネート層62の、第1支持層20および第2支持層30への、接着接合による相互接続とを行うように提供されてもよい。それら実施態様に関連して、第1支持層20および第2支持層30は、それぞれ、少なくとも約80℃のビカット軟化温度を有してもよく、また、コア層10は、少なくとも約110℃、また、いくつかの事例においては、少なくとも約120℃のビカット軟化温度を有してもよく、また、利用される場合の第1キャリア層および第2キャリア層は、それぞれ、少なくとも約110℃のビカット軟化温度を有してもよい。
いくつかの具体例においては、前記加熱および加圧が、前記複数のカード層を、それらカード層の全体が少なくとも約85℃、かつ、約120℃または135℃以下(例えば、約90℃~約130℃)の温度を得るように加熱する加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、かつ約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層の全体に印加される。さらに、前記加熱および前記加圧の後、前記複数の層が、前記ラミネート加工プロセスにおいて(例えば、前記複数の層の全体が約32℃からおよそ室温までの範囲内の温度を得るために)、冷却されてもよく、ここに、その冷却中、上昇する圧力が前記複数の層の全体に印加される。例えば、冷却中、その印加される圧力は、約0.55N/mm2から上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2到達するというように、段階的に上昇させられてもよい。理解され得るように、本出願書類に記載されている複数の温度値および複数の圧力値は、単に例示的であるように意図されており、加熱/冷却が行われる時間、同時に加熱/冷却が行われるカードの枚数、機械(machine、製造機械)のタイプ、材料および厚さ等に基づいて、変更されてもよい。そのために、正確な(exact、詳細な)製造プロセスおよび設定値が種々の値を有してもよいが、一般的に、前記複数の接着剤と前記複数の支持層と前記コア層との間の接着接合部(a bond)を、それらの材料が完全に「消滅する」してしまう原因にも溶融してしまう原因にもなることなく、むしろ軟化する原因になるように、活性化するように設定されるべきである。
例えば、他のいくつかの具体例であって、より強固な(secure、確実な、保証された、安定した)接着接合が要望されてもよいか、または、製造機械が他の値(value、温度などの設定条件値など)を命令し(dictate、他の値を用いるように制限し)てもよいものにおいては、前記ラミネート加工プロセスまたは接着接合(bonding)プロセスが、前記複数のカード層を、それらカード層の全体が約140℃の温度を得ることの如き、約130~150℃の温度まで加熱する加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、いくつかの事例においては、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のカード層の全体に印加される。この例においては、上述の約140℃という温度が、第1接着剤層50および第2接着剤層52の活性化温度を上回るとともに、第1支持層20および第2支持層30ならびにコア層10のガラス転移温度を上回り、それにより、当該接着接合に役立つように前記支持層および前記コア層の十分な軟化が開始されるという理由で、前記複数の層のうちの種々の層の間での強固な接着接合が可能となる。さらに、前記加熱および加圧(the application of heat and pressure、熱および圧力の印加)の後、前記複数の層が、前記ラミネート加工プロセスにおいて冷却されてもよく(例えば、前記複数の層の全体が、32℃の如き、30~40℃の範囲内の温度から、およそ室温までの範囲内の温度を得るために)、ここに、その冷却中、上昇する圧力が前記複数の層の全体に印加される。例えば、冷却中、印加される圧力は、約0.55N/mm2から上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2に到達するというように、段階的に上昇させられてもよい。
いくつかの実施形態においては、前記加熱および加圧(the application of heat and pressure、熱および圧力の印加)が、2段階で行われてもよい。熱および圧力の第1印加により、第1接着剤層50および第2接着剤層52が活性化され、それにより、第1支持層20および第2支持層30がコア層10に接着接合される。次いで、その接着接合された材料が、完全に(例えば、数時間または数日間を経て)冷却することが可能となり、その後、複数のプリント層が第1支持層20および第2支持層30に付着される。熱および圧力の第2印加により、前記複数のプリント層が第1支持層20および第2支持層30に接着接合されるとともに、第1外側熱硬化性接着剤層54および第2外側熱硬化性接着剤層56が活性化され、それにより、第1オーバーラミネート層60が第1支持層20に、第2オーバーラミネート層62が第2支持層30にそれぞれ、接着接合される。前記第2プロセス(The second process、前記熱および圧力の第2印加)は、複数のグラフィカル層または印刷された複数の層を用いて当該製品(the project、ラミネート・カード1など)を「最終化する(finalize、完成させる)」ように作用する最終ラミネート加工プロセスであると考えてもよい。
いくつかの実施態様においては、前記複数の層をそれらが積み重ねられた関係となるように配列するのに先立ち、この方法は、さらに、コア層10の第1面とコア層10の第2面とを表面処理する(treat)処理工程を有してもよく、その処理工程により、それら第1面および第2面の表面エネルギーないしは表面接着力が増加し、それにより、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52との接着接合が促進される。すなわち、また、いくつかの事例においては、コア層10が、接着剤およびPVCの如き他の材料のいずれかにも良好に接着接合しない材料によって形成される場合があり、そして、コア層10の表面エネルギーを増加させることにより、そのコア層10が前記複数の支持層に接着接合する能力が向上してもよい。例示するに、前記処理工程は、
コロナ処理、
電子ビーム処理、
火炎処理、および
プライマ処理
のうちの1つまたは複数のものを有してもよい。特に、この方法は、コア層10の第1面および/または第2面を(例えば、コロナ処理、電子ビーム処理、火炎処理および/またはプライマ処理により)表面処理し、それにより、少なくとも約34ダイン、また、好ましくは少なくとも約40ダインまたは58ダインもの表面エネルギーを提供し、また、それにより、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52との接着接合が促進される。1つのアプローチにおいては、コア層10の第1面および/または第2面が、約58ダインの表面エネルギーを有してもよい。
一例においては、ラミネート・カード1が、次に掲げるいくつかの公称(nominal、みかけ、代表、平均など)厚さ、すなわち、
第1オーバーラミネート層60については、それに第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54が付着されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
第1支持層20については、それに第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層57が付着されているか否かを問わず、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル、
第1熱可塑性接着剤層50については、それに第1キャリア層80が相互接続されているか否かを問わず、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
コア層10については、約10ミル~12ミル(0.279mm~0.305mm)、
第2熱可塑性接着剤層52については、それに第2キャリア層82が相互接続されているか否かを問わず、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
第2支持層30については、それに第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層58が付着されているか否かを問わず、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル(0.152mm)、
第2オーバーラミネート層62については、それに第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56が付着されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
を有する複数の層を備えてもよい。
この種の例に関連して、ラミネート・カード1は、ラミネート加工後に、約27ミル~33ミル(0.686mm~0.838mm)の厚さを有してもよい。
いくつかの具体例においては、ラミネート・カード1の前記複数の層を相互接続するのに引き続き、可視インディシア40,ポケット42,複数の接触パッド44,ICチップ46,エリート・ブランド・マーク41,署名欄45およびホログラム47が、図1および図2に示すように提供されてもよい。
例えば、図14に示すように、ポケット42が、ラミネート・カード1の前記第1面からその厚さの一部を通過して延びるように提供されてもよく、ここに、ポケット42のうちの少なくとも一部は、第1オーバーラミネート層60、第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54、第1支持層20、提供される場合の第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層(first intermediate thermoplastic or thermosetting adhesive layer、第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層57)および第1キャリア層(first carrier layer、第1キャリア層80)が提供される場合のそれらと、第1熱可塑性接着剤層52とを貫通して延びるとともに、コア層10の全部またはそれのうちの少なくとも一部を通過して延びる。1つのアプローチにおいては、ポケット42のうちの第1部分P1が、第1作業工程(operation)(例えば、フライス加工(milling、平面研削など)および/または型押し(die pressing))により、前記第1部分が前述の複数の層を通過して延びるように形成されてもよく、また、ポケット42のうちの第2部分P2が、第2作業工程(operation)(例えば、フライス加工(milling、平面研削など))により、ポケット42の開放端部の断面を拡大し、第1支持層20の少なくとも一部を通過するが、ラミネート・カード1のコア層10の内部に到達するようには延びないように、形成されてもよい。例えば、前記第2部分は、リング形状を有してもよく、そのリング形状は、ラミネート・カード1の第1面に位置し、前記第1部分に隣接するとともにそれの周囲を延び、それにより、ポケット42内に棚(shelf、座部、座面、肩面など)を形成する。
ポケット42の形成に引き続き、接触パッド44およびICチップ46が、ポケット42内に配置されてもよい。既述されたように、1つのアプローチにおいては、複数の接触パッド42が、基板キャリアの上面に支持状態で相互接続されてもよく、また、ICチップ46が、前記基板キャリアの反対側の底面に1つまたは複数の電気接続部を用いて支持状態で相互接続されてもよく、その電気接続部は、ICチップ46と複数の接触パッド44との間に、ICチップ・モジュールを形成するために提供され、そのICチップ・モジュールは、ポケット42内に固定され(例えば、ポケット42内において少なくとも前記棚上に提供された接着剤により)、このとき、ICチップ46の少なくとも一部が、ポケット42のうち、コア層10を貫通して延びる前記第1部分の内部に突出する。これに関して、ICチップ46は、コア層10と電気的に相互接続しない状態で(free from electrical interconnection with the core layer 10、コア層10から電気的に絶縁された状態で)配置されてもよい。
さらに、ラミネート・カード1の前記複数の層の組立および相互接続に引き続き、それぞれ任意選択的なものであるエリート・ブランド・マーク41、署名パネル45およびホログラム47が固定されてもよい(例えば、ホット・スタンプにより)。さらに、複数のカード・パーソナライゼーション手順の実行中、人間可読アカウント・インディシア40a,40bが形成されることと、ICチップ46および磁気ストライプ43がパーソナライゼーション・データを用いて符号化されることとが行われてもよい。
いくつかの具体例においては、ラミネート・カード1が、対応する複数のラミネート・カードのうちの1つとして、製造効率を実現するために製造されてもよい。これに関し、ここで図4~図6が参照され、それら図は、多数のシート層より成るマルチシート・アセンブリ(a multi-sheet assembly、1つのシート積重ね体、1つのシート・スタックなど)1つの100であって複数のシート領域101を有するものについてのコレート(collate、整然と積み重ねること)工程を示しており、複数のカード本体がそれらシート領域101から分離され、また、複数のカード本体が、さらに、対応する複数枚のラミネート・カードを生成するために処理され、それらラミネート・カードは、それぞれ、ラミネート・カード1に関連して既述されている。図4~図6は、4つのシート領域101を有するマルチシート・アセンブリ100の組立体を示しており、それらシート領域101から4つのカード本体が分離されてもよいが(すなわち、2行2列に配列される)、それより大きなマルチシート・アセンブリが、より多数のカード本体(例えば、8行7列で配列される56個のカード本体)を生成するために用いられてもよい。
特に図4を参照すると、コア・シート110(コア層10に対応する)と、第1支持シート120(例えば、第1支持層20に対応する)と、第2支持シート130(例えば、第2支持層30に対応する)とが、コレート(collate、整然と積み重ねること)されてマルチシート・アセンブリ100にされてもよく、そのコレート工程においては、第1支持シート120および第2支持シート130のそれぞれの内向き面が、コア・シート110の第1面および第2面に対して対向する関係となるように配置される。上述の種々のシートであって図4に示すものは、1つの具体的な層に対応するが、それらシートは、概略的には(generally)、対応する部品としての層(component layer)と同じ材料によって形成されるとともに、その層と同じ厚さおよび同じ他の材料特性を有するものであってもよい。例えば、コア・シート110は、複数枚の取引カードに形成されて切断されると、コア10を形成するかまたは構成する材料を含む。同様に、第1支持シート120および第2支持シート130は、複数枚の取引カードに形成されて切断されると、それぞれ第1支持層20および第2支持層30を形成するかまたは構成する材料を含む。図示しないが、想定されるいくつかの具体例においては、第1熱可塑性接着剤シート状層(例えば、第1熱可塑性層50に対応する)が、第1支持シート120の内向き面とコア・シート110の第1面であって第1支持シート120に対面するものとの間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよく、また、第2熱可塑性接着剤シート状層(例えば、第2熱可塑性層52に対応する)が、第2支持シート130の内向き面とコア・シート110の第2面であって第2支持シート130に対面するものとの間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよい。1つのアプローチにおいては、マルチシート・アセンブリ100をコレート(collate、整然と積み重ねること)するコレート工程に先立ち、第1熱可塑性接着剤シート状層がコア・シート110の第1面上に押し出され、それにより、その第1面によって支持されてもよく、および/または、第2熱可塑性接着剤シート状層がコア・シート110の第2面上に押し出され、それにより、その第2面によって支持されてもよい。別のアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤シート状層が第1支持シート120の内向き面上に押し出され、それにより、その内向き面によって支持され、それが、マルチシート・アセンブリ100の一部として作用してもよく、および/または、前記第2熱可塑性接着剤シート状層が第2支持シート130の内向き面上に押し出され、それにより、その内向き面によって支持され、それがマルチシート・アセンブリ100の一部として作用してもよい。
さらに別のアプローチにおいては、前記第1熱可塑性接着剤シート状層が、ポリマー系の第1キャリア・シート(例えば、ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)を含有するとともに既述された第1キャリア層に対応するシート)の内向き面上に支持状態で提供されてもよく、および/または、前記第2熱可塑性接着剤シート状層が、ポリマー系の第2キャリア・シート(例えば、ポリエチレン・テレフタレート(polyethylene terephthalate)を含有するとともに既述された第2キャリア層に対応するシート)の内向き面上に支持状態で提供されてもよい。この場合、マルチシート・アセンブリ100をコレート(collate、整然と積み重ねること)するコレート工程が実行される際、前記第1キャリア・シートがコア・シート110と第1支持シート120の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよく、また、前記第2キャリア・シートがコア・シート110と第2支持シート120の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよい。この種のアプローチに関連して、マルチシート・アセンブリ100の一部として、中間第1熱可塑性または熱硬化性接着剤シート状層が前記第1支持シートの内向き面上に支持状態で提供されてもよく、また、中間第2熱可塑性または熱硬化性接着剤シート状層が前記第2支持シートの内向き面上に支持状態で提供されてもよい。
さらに、想定されるいくつかの具体例においては、透明な第1オーバーラミネート・シート160(例えば、第1オーバーラミネート層60に対応する)と、透明な第2オーバーラミネート・シート162(例えば、第2オーバーラミネート層62に対応する)とが、それぞれの内向き面が、第1支持シート120および第2支持シート130のそれぞれの外向き面に対して対向する関係となるように位置決めされるように配列されてもよい。この場合、図示しないが、想定されるいくつかの具体例においては、透明な第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤シート状層(第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54に対応する)が、第1支持シート120の外向き面と透明な第1オーバーラミネート・シート160の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよく、また、透明な第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤シート状層(第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56に対応する)が、第2支持シート130の外向き面と第2オーバーラミネート・シート162の内向き面との間に、マルチシート・アセンブリ100の一部として提供されてもよい。1つのアプローチにおいては、前記第1外側シート状外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層および前記第2外側シート状外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層が、それぞれ、前記第1オーバーラミネート・シートおよび前記第2オーバーラミネート・シートの内向き面に付着される被膜(coatings、コーティング)であってもよい。
図4に示すようにマルチシート・アセンブリ100をコレート(collate、整然と積み重ねること)するコレート工程に先立ち、印刷が、第1支持シート120上の複数の異なる場所(すなわち、複数のシート領域101であって、それらから、対応する複数のカード本体が分離される予定であるものにそれぞれに対応する関係を有して)のそれぞれにおいて実行され、それにより、図1および図3に関連して既述されたように、対応する複数の第1プリント層22が提供されてもよい。それに関して、この印刷は、分離される予定である複数のカード本体101のそれぞれについて同じであってもよい。同様に、印刷が、第2支持シート130の内向き面および/または外向き面上の複数の異なる場所(すなわち、複数のシート領域101であって、それらから、対応する複数のカード本体が分離される予定であるものにそれぞれに対応する関係を有して)のそれぞれにおいて実行され、それにより、図2および図3に関連して既述されたように、対応する複数の第2プリント層32が提供されてもよい。それに関して、この印刷は、分離される予定である複数のカード本体101のそれぞれについて同じであってもよい。
第1オーバーラミネート・シート162,第1支持シート120,提供される場合の第1キャリア・シート,コア・シート110,提供される場合の第2キャリア・シート,第2支持シート130および第2オーバーラミネート・シートを合体するように相互接続するために、マルチシート・アセンブリ100が、既述された熱可塑性接着剤および熱硬化性接着剤のシート状層の活性化により、一緒に(together、それと並行して)ラミネート加工されてもよい。それに関して、かつ、図6を参照すると、熱および圧力がマルチシート・アセンブリ100に、そのマルチシート・アセンブリ100の両面上に位置するラミネート加工装置の、相対向する複数のプラテン201を介して印加されてもよい。そのラミネート加工プロセスは、複数のマルチシート・アセンブリ(the plurality multi-sheet assembly)100を加熱し、それにより、マルチシート・アセンブリ100の全体が約90℃~約130℃、また、いくつかの事例においては、約135℃以下の温度を得る加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱工程の実行中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2の圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。さらに、前記加熱工程の後であって、前記形成工程の前に、この方法は、マルチシート・アセンブリ100を冷却する(例えば、マルチシート・アセンブリ100の全体が約32℃以下からおよそ室温までの範囲内の温度を得るように)冷却工程を有してもよく、ここに、その冷却中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、段階的に上昇する圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。例えば、前記冷却工程中、印加される圧力は、少なくとも約0.55N/mm2から上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2に到達するように上昇させられてもよい。
他のいくつかの具体例においては、前記ラミネート加工プロセスが、複数のマルチシート・アセンブリ(the plurality multi-sheet assembly)100を加熱し、それにより、マルチシート・アセンブリすなわちシート積重ね体100の全体が約140℃の温度を得る加熱工程を有してもよく、ここに、その加熱工程中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2の圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。さらに、その加熱工程の後であって、前記形成工程の前に、この方法は、マルチシート・アセンブリ100を冷却する(例えば、マルチシート・アセンブリ100の全体が約32℃以下からおよそ室温までの範囲内の温度を得るように)冷却工程を有してもよく、ここに、その冷却中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、上昇する圧力または段階的に上昇する圧力がマルチシート・アセンブリ100の全体に印加される。例えば、前記冷却工程中、印加される圧力は、少なくとも約0.55N/mm2から漸次的に(gradually、次第に)上昇して約0.83N/mm2に到達し、その後、上昇して少なくとも約1.0N/mm2に到達するように上昇させられてもよい。
マルチシート・アセンブリ100のうちの種々のシートおよび種々の熱硬化性層の相互接続に引き続いて、図5に示すように、複数のカード本体がマルチシート・アセンブリ100から分離されてもよい。例えば、それらカードは、より大きい(larger、複数のカード本体より大きい)複数枚のシート内において、打ち抜かれる(punched、型抜きされる)か、切断されるかまたは他の方法で分離されるかもしくは形成されてもよい。さらに、この分離に先立つか、または、それに関連して(in conjunction with、それに並行して、それに付随して)、いくつかのポケットすなわち通信デバイス用凹部が、マルチシート・アセンブリ100から分離される予定である前記複数のカード本体のそれぞれに対して所定の関係を有するように形成されてもよい。1つのアプローチにおいては、前記複数のポケット(the pockets、1または複数のポケットなど)がフライス加工され(milled)てもよく(例えば、コンピュータ数値制御型フライス加工機を用いて)、それに続いて、前記複数のカード本体がマルチシート・アセンブリ100からフライス加工(milling)により(例えば、コンピュータ数値制御型フライス加工機を用いて)分離されてもよい。この種の手法に関連して、前記複数のカード本体が、最初に、マルチシート・アセンブリ100から分離されてもよく、前記複数のポケットは、前記複数のカード本体が真空固定具(vacuum fixture、真空チャックなど)によって所定位置に依然として保持されている間に、フライス加工される。別のアプローチにおいては、複数のポケット(例えば、ポケット42のうち、既述された部分P1およびP2)が、スマート・カード用自立型(standalone、完結型)フライス加工機において、またはスマート・カード用製造機械上の直列(in-line)フライス加工ステーションにおいて、別々に直列で(in-line、順に)フライス加工されてもよい。
他のいくつかの具体例においては、前記複数のカード本体が、打抜き(punch)および任意選択的に研磨を行う工程により、マルチシート・アセンブリ100から分離されてもよい。この場合、前記複数のポケットは、打抜きの前または後に(例えば、前記複数のカード本体が真空固定具により依然として適所に保持されている間に)、フライス加工されてもよい。別のアプローチにおいては、複数のポケット(例えば、ポケット42のうち、既述された部分P1およびP2)が、打抜き後に、スマート・カード用自立型(standalone、完結型)フライス加工機において、またはスマート・カード用製造機械上の直列(in-line)フライス加工ステーションにおいて、別々に直列で(in-line、順に)フライス加工されてもよい。
複数のカード本体の分離工程に引き続き、前記複数のカード本体は、必要に応じて洗浄されてもよく、また、必要に応じ、前記複数のカード本体の複数の周縁部(peripheral edges、複数本の外周エッジなど)が研磨されてもよい。この場合、それらカード本体が、複数枚のラミネート・カードが生成されるように、さらに処理されてもよく、それらラミネート・カードは、それぞれ、ラミネート・カード1に関連して既述されたようないくつかの特徴部を有する。
ここで図7が参照されるが、この図は、図1および図2に示すラミネート・カード1の一変形例を示しており、ここに、同じ符号が各具体例に含まれる(included in each embodiment、いずれの具体例にも含まれる、など)構成要素(features、特徴部など)について用いられ、その構成要素に、既述されたいくつかの説明が適用される。図7に示すように、ラミネート・カード1は、インレー200を含み、そのインレー200は、第1支持層20と第2支持層30との間にラミネート加工される、ラミネート加工前(prelam、プリラム)要素またはカード・コアであると考えてもよいものであり、ここに、インレー200は、図1および図2に示されるラミネート・カード1のコア層10を組み込む(図7においては、独立した状態で(separately、インレー200が他の要素から分離した状態で)示されていない)とともに、ラミネート・カード1の長さLおよび幅Wに沿って延びている。
それに関して、図8Bが参照され、この図は、インレー200を示しており、そのインレー200は、複数のインレー層を有し、それらインレー層は、ラミネート前処理工程において配列されるとともに相互接続され、そのラミネート前処理工程においては、コア層10が、ポリマー系の第1キャリア層80とポリマー系の第2キャリア層84との間に配置されるとともにそれらに相互接続される。第1熱可塑性接着剤層50は、コア層10の第1側または第1面と第1キャリア層80の内向き側または内側面との間に提供されてもよく、また、第2熱可塑性接着剤層52が、コア層10の第2側または第2面と第2キャリア層84の内向き側または内側面との間に提供されてもよい。1つのアプローチにおいては、第1熱可塑性層(the first thermoplastic layer、第1熱可塑性接着剤層)50が第1キャリア層80に予め接続されてもよく(例えば、第1キャリア層80上に印刷されるかまたは接着剤が被膜として押し出され)、また、第2熱可塑性層(the second thermoplastic layer、第2熱可塑性接着剤層)52が第2キャリア層84に予め接続されてもよい(例えば、第2キャリア層84上に印刷されるかまたは接着剤が被膜として押し出される)。
図8Aおよび図8Bに示すように、アンテナ70が、金属または他の同様の材料であってもよいが、そのアンテナ70は、前記ラミネート前処理工程に先立ち、コア層10の第1面上に配置されてもよい。そのアンテナ70は、本出願書類において他の箇所に記載されているように、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との非接触式信号通信のために集積回路チップに相互作動するように相互接続されてもよい。
その図示されている具体例においては、アンテナ70が、それぞれ図7に示されるラミネート・カード1の第1外面上のポケット42内に配置された集積回路チップ46に電気的に結合されてもよい。それに関して、かつ、既述されたように、集積回路チップ46は、基板(substrate、集積回路チップ46の基板など)の下向き面上で支持されてもよく、ここに、集積回路チップ46は、ポケット42のうちの前記中央内側部分内に配置され、また、前記基板の下向き面のうちの外側環状部分が、ポケット42内の前述の環状座部に接着により相互接続されるとともにその環状座部によって支持される。
図8Aおよび図8Bに示すように、アンテナ70は、複数のループを含む外側部分70aと、結合(coupling、カップリング)アンテナ48と誘導結合するための複数のループを含むカップリング部70bとを有してもよく、その結合アンテナ48は、図7に示すように、前述の基板の下向き面上に前記基板のうちの前記外側環状部分内において支持されるとともに、集積回路チップ42に電気的に相互接続される。それらいくつかの具体例に関連して、複数の接触パッド44が前記基板の上向き面上に、接触式チップ・カード・リーダとの複数の接触式信号通信のために、支持され、それにより、デュアル・インタフェース・カードを提供してもよい。理解され得るように、複数の接触パッド44は、接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格7816に準拠して提供される)との電気的な接触式インタフェースのために提供されてもよい。他のいくつかの具体例においては、図10に示すように、アンテナ70が集積回路チップ46に複数の接続部70cを介して直接(directly、直に)接続されてもよい。
1つのアプローチにおいては、アンテナ70が、例えば図15に、および図20に示すように、連続した長さを有する1本のワイヤであって、コア層10の第1面の内部に部分的に埋め込まれるものを有してもよい。別のアプローチにおいては、アンテナ70が、連続した長さを有する1本のワイヤであって、超音波溶着(welding)、接着剤、エッチングおよび/または種々の接続技術の組合せ等により、コア層10の第1面に固着されるものを有してもよい。さらに別のアプローチにおいては、アンテナ70が、キャリア層71であって図9に示すようにコア層10を覆うものの上にエッチングされてもよい。
いくつかの実施態様においては、第1熱可塑性接着剤層50および第2熱可塑性接着剤層52が、それぞれ対応する活性化温度として、約130℃以下または約120℃以下(例えば、約90℃~約120℃)の温度を有してもよい。さらに、第1キャリア層80および第2キャリア層84に対応するそれぞれのガラス転移温度は、約130℃を超え、また、想定されるいくつかの具体例においては、約135℃を超えてもよい。
前記ラミネート前処理工程は、前記複数のインレー層を加熱し、それにより、前記複数のインレー層の全体がある温度(a temperature、1つの温度、一様な温度など)を得る加熱工程を有してもよく、その得るべき温度は、第1熱可塑性接着剤層50の活性化温度および第2熱可塑性接着剤層52の活性化温度以上であり、かつ、第1キャリア層80および第2キャリア層82の融点温度より低温であり、例えば、第1キャリア層80および第2キャリア層82のガラス転移温度は超えるがそれの粘性温度値(viscous temperature point、材料が粘性を有する温度など)は超えない温度であり、また、前記得るべき温度は、約120℃もしくは135℃以下、または、いくつかの事例においては、約140℃以下(例えば、約90℃~約130℃)であり、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2かつ約0.90N/mm2以下の圧力が複数のインレー層の全体に(across、それを横切るように)印加される。その加熱工程の実行後、前記ラミネート前処理は、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程であって、その冷却と並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2かつ約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する(例えば、最大約4分間の間)加圧工程と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層の全体に(across、それを横切るように)印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを有してもよい。
他のいくつかの具体例においては、前記ラミネート前処理が、前記複数のインレー層を加熱し、それにより、前記複数のインレー層の全体がある温度(a temperature、1つの温度、一様な温度など)を得る加熱工程を有してもよく、その得るべき温度は、第1接着剤層50(the first adhesive layer 50、前記第1熱可塑性接着剤層50)の活性化温度および第2熱可塑性層52(the second thermoplastic layer 52、前記第2熱可塑性接着剤層52)の活性化温度以上であり、かつ、第1キャリア層80および第2キャリア層82が粘性または流動性を示す(flowable)ときの温度(temperature、前記粘性温度、材料が粘性を示す温度など)より低温であり、また、前記得るべき温度は、約140℃の温度であり、ここに、その加熱中(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、約0.90N/mm2以下の圧力が前記複数のインレー層の全体に印加される。その加熱後、前記ラミネート前処理は、前記複数のインレー層を冷却する冷却工程と、その冷却と並行して、約0.55N/mm2~約0.83N/mm2、また、約0.90N/mm2以下の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、最大約4分間の間)と、その後、前記冷却工程と並行して、少なくとも約1.0N/mm2の圧力を前記複数のインレー層の全体に印加する加圧工程(例えば、約10分間~約30分間の全持続時間の間)とを有してもよい。
いくつかの実施態様においては、コア層10の材料が、前述のラミネート前処理工程の実行中または実行後、収縮し、膨張しおよび/または他の方法で変形するかもしれない。アンテナ70がコア層10に埋め込まれるかまたは他の方法で付着固定される場合、そのアンテナ70は、最初、コア層10上に、前記ラミネート前処理(いくつかの実施態様においては、最終的なラミネート加工工程)中におけるコア層10の変形を見込んで、予定された1つの周波数で動作するように間隔を隔てる(spaced、コア層10上における別のものとの間で間隔を隔てるなど)ように配置されてもよい。コア層10上におけるアンテナ70の配置の決定(The placement ...may be determined、コア層10上におけるアンテナ70の位置の決定など)は、調整用ラミネート・カード(calibration laminated card、実際のカード内の部品、例えば、前記アンテナの配置を調整(キャリブレーション)することを目的として、製造中の収縮などの変形を見込んで前記製造プロセスを調整(キャリブレーション)するために用いる基準用のラミネート・カード、前記アンテナの配置を調整(キャリブレーション)するために用いるラミネート・カードなど)を既述されたいくつかのプロセスを用いて生成する(creating、形成する)ことと、コア層10の変形の前後でのコア層10の変形(the deformation、変形量、変形特性など)およびアンテナ70の配置(the placement、位置、位置特性、位置・向き、幾何学的特性など)を測定することと、その後に、後続する複数枚のカードのために、当該ラミネート前処理のための位置および向き(the pre-lamination position and orientation、アンテナ70などについての前記ラミネート前処理におけるアンテナ70の位置および向き)を調整する(adjusting)ことにより、行ってもよい。
一例においては、図7に示すラミネート・カード1が、次に掲げるいくつかの公称(nominal、みかけ、代表、平均など)厚さ、すなわち、
第1オーバーラミネート層60については、それに第1外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層54が接続されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
第1支持層20については、それに第1中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層57が接続されている状態で、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル、
第1キャリア層80については、それに第1熱可塑性接着剤層50が接続されている状態で、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
コア層10については、約10ミル~12ミル(0.279mm~0.305mm)、
第2キャリア層82については、それに第2熱可塑性接着剤層52が接続されている状態で、約1ミル~3ミル(0.025mm~0.076mm)、
第2支持層30については、それに第2中間熱可塑性または熱硬化性接着剤層58が接続されている状態で、約5ミル~8ミル(0.127mm~0.203mm)、典型的には約6ミル(0.152mm)、
第2オーバーラミネート層62については、それに第2外側熱硬化性または熱可塑性接着剤層56が付着されている状態で、約2ミル(0.051mm)、
を有する複数の層を備えてもよい。
この種の例に関連して、ラミネート・カード1は、ラミネート加工後に、約27ミル~33ミル(0.686mm~0.838mm)の厚さを有してもよい。
他のいくつかの具体例においては、アンテナ70が、コア層10の第1面と第1キャリア層80との間に位置するキャリア層71に支持状態で接続されてもよい。この場合、いくつかの実施態様においては、アンテナ70が、非接触式チップ・カード・リーダ(例えば、ISO/IEC規格14443に準拠して提供される)との非接触式信号通信のために、キャリア層71に支持状態で接続された集積回路チップ46に電気的に相互接続されてもよい。それら具体例においては、ラミネート・カード1が、視認可能な集積回路チップを備えていなくてもよい。さらに、いくつかの事例においては、補完的な(complementary、相補的な)フィルム層72が、コア層10の第2面と第2キャリア層82との間に、キャリア層71とのバランスをとり、厚さと重量との双方において均一にバランスのとれたカードを生成するために配置されてもよい。
ここで図7,図8Aおよび図8Bに戻ると、インレー200は、図4~図6に関連して既述されたように製造される複数枚のラミネート・カードのそれぞれに提供されてもよい。それに関して、かつ、図11Aおよび図11Bを参照すると、インレー・シート300がコア・シート110を組み込んだものとして用いられてもよく、ここに、インレー・シート200はコア・シート210を備え、そのコア・シート210は、第1キャリア・シート280(例えば、第1キャリア層80に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)であって、それに接続された第1熱可塑性接着剤シート状層282(例えば、第1熱可塑性接着剤層50に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)を有するものと、第2キャリア・シート284(例えば、第2キャリア層82に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)であって、それに接続された第2熱可塑性接着剤シート状層286(例えば、第2熱可塑性接着剤層52に対応するとともにそれと同じ特徴を有する)との間においてラミネート前処理される。
ここに、図4~図6を参照して記載された方法に関連して、前記コレート(collate、整然と積み重ねること)工程に先立ち、この方法は、前記ラミネート前処理工程を、前記複数枚のカードの各々につき、複数のインレー・シートのラミネート前処理によって完成させる工程を有してもよく、それらインレー・シートは、コア・シート210を含み、そのコア・シート210は、第1キャリア・シート280であって、それの内向き面上に支持された第1熱可塑性接着剤シート状層282を有するものと、第2キャリア・シート284であって、それの内向き面上に支持された第2熱可塑性接着剤シート状層252を有するものとの間に位置する。このラミネート前処理に先立ち、この方法は、複数のアンテナ70をコア・シート210上に、マルチシート・アセンブリ100の前記複数の領域101(the plurality of regions 101、前記複数のシート領域101)に対応する複数の領域内において支持状態で位置決めする工程を有してもよい。
図16は、図1および図7に示すラミネート・カード1もしくはインレーの如きラミネート・カード、または図17,図18,図19および図20に示すラミネート・カード2を製造する(manufacture)かまたは生産する(produce)方法を示す。ラミネート・カード2を製造するかまたは生産するために、任意選択的な被着(depositing)工程301により、金属が支持層20,30上に被着される(deposits、蒸着される、薄膜形成されるなど)。一実施態様においては、前記金属が、ホイル層90,92(foil layers 90, 92、前記金属層90,92,前記金属フィルム層90,92)という形態で形成され(formed、成形され、機械加工され、など)、また、被着工程301が、前記いくつかのホイル層(the foil layers、前記ホイル層90,92,前記金属層90,92,前記金属フィルム層90,92など)を支持層20,30に接着する工程を含む。被着工程301の別の実施態様においては、金属フィルム層90,92を形成する(form、機械加工する、など)ための金属が、前記金属または使用される合金のための気化温度に加熱され、その後、支持層20,30の外向き面上に被着される。例えば、一実施態様においては、アルミニウム合金が、それの気化温度に加熱され、そして、支持層20,30の外向き面上に真空蒸着される。
被着工程301の別の実施態様においては、金属フィルム層90,92を形成するための金属が、前記金属または使用される合金のための気化温度に加熱され、その後、静電帯電させられる。その後、支持層20,30は、前記帯電させられた蒸気とは逆の極性に静電帯電させられ(例えば、前記金属蒸気粒子が正帯電させられる場合には、支持層20,30は負帯電させられる)。その金属蒸気は、その後、前記静電帯電によって支持層20,30に接合され、それにより、金属フィルム層90,92を形成する。
増加処理工程302により、いくつかのコア層係合表面(core layer engagement surfaces、コア層10のうち他の層と相互作用を行う表面または側面など)の表面エネルギーが増加させられる。その増加処理工程302は、ポスト・コンシューマ・ポリエチレン(polyethylene)製のコア層10の第1面および第2面を表面処理し、それにより、コア層10の表面エネルギーを増加させる工程を有してもよく、その工程は、当該材料(the material、コア層10の材料など)の摩擦係数を実際に増加させるように作用することができる。その表面エネルギーは、コア層10の材料と支持層20,30との間の接着接合を可能にするのに十分な大きさに増加させられてもよい。例えば、コア層10がHDPEによって形成されるいくつかの事例においては、前記表面処理が、コア層10のうち、他のものと接合または係合するいくつかの表面(surfaces)または側部(sides、サイド)であって前記複数の支持層と係合するものに適用され、それにより、それの表面エネルギーが約50ダインを上回るように上昇させられる。既述されたように、この増加処理工程302は、表面エネルギーを増加させる種々の表面処理または方法であって、例えば、コロナ処理、電子ビーム処理、火炎処理および/またはプライマ処理を含むものを用いてもよい。一般的に、その表面処理により表面エネルギーが増加させられ、それにより、接着剤および支持層または他の層がコア層10に接着接合されることが促進される。
いくつかの実施態様においては、別の処理工程が、通信素子をコア層10に相互接続する工程を有してもよい。例えば、図14に示すように、ポケットが、ICチップを相互接続するために、コア層10内にフライス加工されてもよい。これに代わるかまたはこれに加えて、アルミニウム製アンテナの如きアンテナがコア層10に接続されてもよい。いくつかの実施態様においては、アルミニウム製アンテナがフィルム上に形成されてもよく、そのアンテナは、自身が前記フィルムから分離されることなくコア層10に接着される。他のいくつかの実施態様においては、アルミニウム製アンテナがコア層10に直接(directly、直に)、前記アンテナをコア層10に直接(directly、直に)接続する超音波接合(bonding)および/または接着剤(例えば、接着ワイヤ)を用いて接続されてもよい。例えば、前記アンテナは、コア層10の一つの表面(surface)または側部(side、側面など)の内部にわずかに埋め込まれるとともに接着剤、溶接またはそれらと同様なものによって結合されるものであってもよい。
位置決め処理工程304により、複数の支持層および接着剤がコア層上に位置決めされる。その位置決め処理工程304は、第1ポリマー系層80および第2ポリマー系層84をコア層10のいずれかの面上に層状化する(layer、積み重ねる)かまたは結合する工程を有してもよく、ここに、第1接着剤層が第1ポリマー系層80とコア層10の第1表面との間に配置され、また、第2接着剤層が第2ポリマー系層84とコア層10の第2表面との間に配置される。図8A~図10に関して既述されたように、いくつかの実施態様においては、コア層10が、コア層10の第1表面と第1ポリマー系層80との間のキャリア層71上に形成されたアンテナ70を有する。それら実施態様においては、キャリア層71が、また、いくつかの実施態様においては、第2フィルム層72が、この位置決め処理工程304の対象として含まれる。
この位置決め処理工程304は、第1支持層20および第2支持層30を形成する複数の材料を層状化する(layer、積み重ねる、乗せるなど)工程を有してもよく、それら材料は、剛性を有するとともにコア層10より高い引張強度を有する複数の材料を含む。この位置決め処理工程304においては、それら材料が、コア層10が第1支持層80と第2支持層84との間にサンドイッチされるかまたは他の方法で両者間に配置されるように層状化され(layered)てもよい。例えば、コア層10の第1側部または第1面が第1支持層80によって覆われ、また、コア層10の第2側部または第2面が第2支持層84により、コア層10の複数のエッジ面(edge surfaces、外周端面、外縁面など)のみが露出するように覆われる。
活性化処理工程306により、前記複数の接着剤層が活性化され、それにより、コア層および他の層が接着によって合体させられる。この活性化処理工程306により、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層が活性化され、それにより、第1ポリマー系層80がコア層10の第1面に接合されるとともに、第2ポリマー系層84がコア層10の第2面に接合される。この活性化処理工程306により、さらに、ポリマー系層80,84および/またはコア層10の表面が軟化させられ、それにより、前記複数の層間の接着力が向上し、例えば、この活性化処理工程306は、前記複数の材料が「軟化する」まで前記コア層および前記複数の支持層を加熱し、それにより、前記接着剤を用いる接合を改善する加熱工程を有してもよい。この活性化処理工程306は、前記複数の層に熱および圧力を印加し(applying heat and pressure)、それにより、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層を活性化する印加工程を有してもよい。その印加される温度は、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層の活性化温度より高温である。さらに、前記第1接着剤層および前記第2接着剤層は、前記コア層および前記複数の支持層の異なる複数の材料に、例えば、ポスト・コンシューマのポリエチレン(polyethylene)およびビニルまたはPVCの両方に強力に接着されるように調製される。概略的には、処理工程302,304および306は、図7に示すように、インレー200、「ラミネート前(prelam)」部品または(or、すなわち)ベース部品であって、ラミネート・カード1のためのグラフィック・ラミネート加工工程または(or、すなわち)最終ラミネート加工工程において使用されるものが生成されてもよく、または、図1に示すラミネート・カード1の製造工程の一部であってもよい。これら複数の工程は、インレー200を形成するために互いに独立して実行されてもよい。
いくつかの実施態様においては、インレー200が、最終製品としての取引カードを形成するものであってもよい。それらの事例においては、ICチップが、図14に示すように、コア層10内に埋め込まれてもよく、また、いくつかのプリント層が、支持層80,84に接続されるか、またはコア層10に直接(directly、直に)、接続されてもよい。これらの実施態様においては、コア層10が、当該取引カードの厚さの一部のみを形成するインレー100内に含まれるコア層10より厚いものであってもよい。
処理工程308および310により、インレー200または(or、すなわち)ラミネート前(prelam)部品が、図7に示すラミネートされた取引カード1を形成するために用いられてもよい。例えば、位置決め処理工程308により、いくつかのプリント層がインレー200上に位置決めされる。この位置決め処理工程308により、第1プリント層が前記第1ポリマー系層の外面上に適用され、また、第2プリント層が前記第2ポリマー系層の外面に適用されてもよい。接着接合処理工程310により、前記いくつかのプリント層が前記インレーに接着接合される。いくつかの実施態様においては、接着接合処理またはラミネート加工処理という工程310により、前記第1プリント層および前記第2プリント層が加熱され、それにより、前記第1プリント層が前記第1ポリマー系層に接着接合され、また、前記第2プリント層が前記第2ポリマー系層に接着接合される。別のいくつかの処理工程により、磁気ストライプ、アンテナまたはICチップの如きデータ伝送素子または通信素子が前記ラミネートされた取引カードに追加されてもよい。
本発明についての前述の説明は、図による説明(illustration、例示)および文章による説明を目的として提供されている。さらに、この説明は、本発明を本出願書類に開示されている形態に限定することを意図されていない。したがって、本発明に関連する技術に関する前述の教示事項、技術および知識に相当する変更例および変形例は、本発明の範囲内にある。前述のいくつかの具体例は、さらに、本発明を実施する複数の形態であって既知のものを説明することを意図されているとともに、当業者が本発明を、それら具体例または他のいくつかの具体例で、かつ、本発明の具体的な応用または用途に必要な種々の変更点と共に利用することを可能にすることを意図されている。添付された複数の請求項は、いくつかの別の具体例を先行技術が許す程度まで包含するように解釈されることを意図されている。