JP2023532604A - 高度に動的なリアルタイムシステムのための経路とレーザプロセスとを組み合わせた計画のための方法、制御ユニット、およびレーザ切断システム - Google Patents

高度に動的なリアルタイムシステムのための経路とレーザプロセスとを組み合わせた計画のための方法、制御ユニット、およびレーザ切断システム Download PDF

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Abstract

一態様では、本発明は、レーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットSW-DSを、レーザ切断機Lによるレーザ切断中に、算出するための制御ユニットREに関し、プロセッサPは、第1のメモリS1内のプロセスモデルPMにプロセスインターフェースP-SSを介してアクセスし、第2のメモリS2内の機械モデルMMに機械インターフェースM-SSを介してアクセスして、レーザ切断プロセスおよび移動プロセスの推定されたステータスデータに基づいて、読み込まれたセンサデータを考慮しながら、レーザ切断プロセスに対する設定点と移動プロセスに対する設定点とを協調させた空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットSW-DSを算出するように意図されている。

Description

本発明は、レーザ切断技術の分野に属し、詳細には、具体的には金属板および金属管を切断するためのレーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するための方法、対応する制御ユニット、ならびにレーザ切断システムに関する。
具体的には金属板および金属管を切断するための、一般的には4kWを超える出力を有するレーザシステムは、非常に複雑なシステムであり、好適な方法で制御される、具体的には、例えば被加工物を切断するためのレーザ切断ヘッドまたは搬送システムなどの適切なアクチュエータを介して電子的に制御されるいくつかの物理的および機械的な構成要素を備える。これらの構成要素は、切断プロセスの一部として移動されなければならない。これらの構成要素のいくつかは質量が大きいので(例えば、切断ヘッドの場合は約15~20kg、切断ヘッドを支持するブリッジの場合は約400kg、キャリッジの場合は約70kg)、十分に高い品質の切断動作を保証できるようにするには、これらの構成要素を移動するときに、慣性力を十分に考慮できるように切断動作を実行することが重要である。
先行技術では、例えば、米国特許出願第2015/165549(A1)号では、例えば、取得したセンサデータ、例えばプロセス区域の状態を記録するフォトダイオード信号またはカメラ画像に基づいて一次および/または二次プロセスパラメータを制御するなどの切断動作の品質を向上させる対策を提供するための方法が知られている。
先行技術において知られている対策は、主に切断プロセスの物理的プロセスに焦点を当てている。不利なことに、運動学的プロセスは考慮されない。しかしながら、これは、品質の損失につながる可能性があり、例えば、典型的には隅部および小さい半径について送り速度を急激に変更することが不可欠である場合に、高い慣性力が発生し、切断プロセスにおける輪郭誤差または他の品質の損失につながる可能性がある。
さらに、原理的には予測制御(モデル予測制御-MPC:Model Predictive Control)が知られている。この方法では、モデルに基づいて最適な設定点値が決定される。設定点値は、モデルの仮定および現在の測定値に基づく。最適値は、目標事前設定によって定義され得る。このようなアプリケーションは、例えば化学プラントにおいて成功裏に使用されている。予測制御MPCは、様々な学問的経路計画の問題にも使用される。工作機械のためにMPCを実装する場合、サイクル速度が高いことおよび複雑性が高いことが、リアルタイム性能にとっての障害となる。
金属板および金属管の切断の分野におけるレーザ切断プロセスの生産性だけでなくプロセスの安定性を向上させるには、総体的な設定点の定義を通じて、すなわち、物理的なレーザ切断プロセスおよび運動学的移動プロセスを考慮に入れることにより、プロセス設定点と経路設定点との協調制御を可能にする解決策が必要である。例えば、曲率が高い点では経路を十分に速く辿ることができないことから(運動学的プロセスからの入力)、プロセスの送り速度を下げる必要がある場合、プロセス設定点(物理的プロセス)を適宜に自動的に調整する必要がある。別の例では、プロセスが溶融物を十分に速く吹き飛ばすことができないので(物理的プロセスからの入力)、プロセスの送り速度を下げる必要がある場合、経路設定点(運動学的プロセス)も単独でまたは自動的に調整する必要がある。
したがって、本発明の目的は、プロセスの最大限可能な安定性および生産性を保証しながらレーザ切断動作の品質を向上させることである。レーザ切断プロセスを制御する際には、レーザ切断プロセスの物理的状態に加えて、具体的にはレーザ切断ヘッドおよび/もしくはそれを支持するブリッジまたはレーザ切断機の他の構成要素の移動質量の運動学的状態も特に考慮に入れるべきである。レーザ切断プロセスの状態は、切断ヘッドの状態、例えば、汚染の程度、光学系およびビーム経路の熱影響、ならびに湿度、温度、気圧などの環境パラメータを含む。
第1の態様では、本発明は、具体的には金属板または金属管のレーザ切断中に、レーザ切断ヘッドを備えたレーザ切断機のレーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために(すなわち、フィードバックなしの制御および/またはフィードバックによる調節のために)、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するための(少なくとも部分的にコンピュータで実施される)方法であって、次の方法ステップ、すなわち、
- 切断動作中にセンサデータを測定するステップと、
- レーザ切断プロセスを表現および/またはモデル化し、レーザ切断プロセスのステータスデータおよび具体的にはレーザ切断プロセスの結果として得られる切断結果(および、任意選択として、間接的なプロセスパラメータ、すなわち、輪郭偏差およびカーフ幅などの設定に起因する切断プロセスのパラメータ)を推定する、第1のメモリに記憶されたプロセスモデルを提供するステップと、
- レーザ切断ヘッド(または、例えばブリッジなどの、例えば可動支持体など、レーザ切断機のより高レベルの機械構造体)の移動中のレーザ切断ヘッドの運動学的挙動を表現および/またはモデル化し、移動プロセスのステータスデータおよび具体的には移動プロセスの結果として得られる(特に輪郭偏差を伴う)切断結果を推定する、第2のメモリに記憶された機械モデルを提供するステップと、
- プロセスモデルと機械モデルとが結合される、具体的にはレーザヘッドの送り速度値を介しておよび/またはノズル間隔値を介して結合される、ステップと、
- 制御ユニットによって、第1のメモリ内のプロセスモデルおよび第2のメモリ内の機械モデルにアクセスして、レーザ切断プロセスおよび移動プロセスの推定されたステータスデータに基づいて、読み込まれたセンサデータを考慮しながら、レーザ切断プロセスに対する設定点と移動プロセスに対する設定点とを協調させた空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するステップと
を有する方法に関する。
本明細書に提示する方法を用いることにより、大きな利点を得ることができる。例えば、具体的には、現在のプロセス条件(機械、摩耗、構成要素の耐用年数など)を考慮して、切断部分の品質を高めることができる。加えて、不正確に切断された構成要素または不良品の割合を低減することができる。特定のモデルおよび関連するアルゴリズムを使用することによって、品質および/または輪郭誤差を事前に推定することもでき、生産性を高めることができる。これは、とりわけ(プロセスと機械モデルの結合による)品質偏差を事前に認識して回避できるという事実によって可能になる。
設定点データセットは、空間分解および時間分解される。これは、設定点データセットが、切断計画によって(切断すべき被加工物または構成要素の3次元記述として)指定された経路上または幾何形状上のある位置に固有であるとともに、レーザ切断中、したがって経時的な幾何形状(軌道)の処理中のある時点に固有であることを意味する。設定点データセットは、空間および時間に依存する。設定点データセットは、各位置および各時点について動的に生成される。
経路関連パラメータの数学的導関数は、位置、速度、加速度、およびジャークの周知の連立方程式で表現される。
設定点データセットは、レーザ切断機の構成要素を駆動するためのレーザ切断プロセスに対する設定点(例えば、送り速度、切断ガスなど)と、切断ヘッドを移動させるためのアクチュエータまたは駆動ユニットを駆動するための設定点との両方を比較して、それらの設定点を組み合わせてまたは協調させて出力する限りにおいて、「組み合わされている」。したがって、レーザ切断に対する設定点データセットおよびレーザ切断ヘッドの移動に対する設定点データセットが個別に独立して生成されるのではなく、(レーザ切断と移動質量の力学との)両方の態様を組み合わせて考慮した共通の総体的な設定点データセットが算出される。したがって、設定点データセットは、2つの異なるプロセスに対する入力、すなわちレーザ切断プロセスに対する入力およびレーザ切断ヘッドの移動に対する入力を含む。具体的には、算出において様々な機械構成要素および/またはサブシステムの遅延が考慮される。指定された軌道上のレーザ切断ヘッドの位置に応じて、異なる設定点値が算出される。レーザ切断ヘッドが軌道上のある地点に存在している時点に応じて、異なる設定点値が算出される。したがって、算出される設定点データセットは、空間および時間に依存する。
有利には、物理的プロセスモデル(例えば、ウェーバ数)を使用して、品質(例えば、バリ高さ)を推定することができる。モデルの推定に基づいて、切断パラメータが最適に調整される。例えば、ウェーバ数は、隅部および半径において一定に保たれることが好ましい場合があり、これは、例えば、焦点位置を調整しなければならないことを意味する。
設定点データセットは多次元であり、通常、焦点位置、送り速度、ノズル間隔などの開/閉ループ制御される個々のパラメータのいくつかのデータセットを含む。設定点データセットはそれぞれのアクチュエータに渡され、次いで、それぞれのアクチュエータは、レーザ切断機の対応する構成要素を駆動または制御する。
したがって、組み合わされた設定点データセットを用いることにより、レーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御を、それぞれの幾何形状の関数として(および/または現時点での軌道も参照することによって)有利に行うことができる。例えば、一貫した作業結果を保証するために、直線の区間を異なる方法で、具体的には(特に曲率/半径が小さい)曲線の区間よりも迅速に実行されるように制御することができる。作業結果は、ユーザインターフェースを介してユーザによって事前にデータセットとして入力され得る。
設定点データセットの組み合わされた算出のためにプロセスモデルと機械モデルとの組合せを用いることにより、(プロセスモデルに従って)切断品質を向上させるだけでなく、(公差範囲内の最小限の振動が想定される機械モデルに従って)例えば輪郭誤差を低減/制限するおよび/または機械励振を低減/規制する、設定点データセットを算出することが可能である。したがって、輪郭誤差の最小化、機械励振の最小化、ジャークの最小化などの目標変数を達成できるような方法で、設定点データセットを算出することができる。
プロセスモデルと機械モデルとの2つのモデルは結合される。この結合は、一方のモデルからの入力を他方のモデルに対する入力に変換することを可能にする変換規則を提供することによって実現される。レーザ切断のプロセスモデルは、具体的には、例えばウェーバ数などの流体力学的パラメータを考慮した物理的定式に基づいている。2つのモデルの結合は、好ましくは、空間/時間分解された切断速度によって実現される。一方では、この結合は、機械軸に対して利用可能なまたは設定された動的限界に依存する。動的限界(加速度および/またはジャーク)が小さいほど、送り速度(所望の切断速度)が遅くなる。これは主に、開始するとき、停止するとき、隅部にあるとき、および半径が小さいときに該当する。この動的限界は、機械モデルによって考慮される。他方では、切断速度は切断プロセスに依存する。切断プロセスは、空間分解および時間分解される方法で最大切断速度を制限する。この点において、切断速度を所望のとおりに迅速に変更することはできない(例えば、焦点位置調整ダイナミクスまたはガスダイナミクス)。これらの関係性は、プロセスモデルにマッピングされる。とりわけ、2つのモデルは、ノズル間隔または周囲条件によっても結合される。動的限界(加速度、ジャークなど)は、動的に誘発される輪郭誤差(部品の精度)だけでなく現在の切断速度にも影響を与え、これにより切断品質が影響を受ける。ダイナミクスが大きくなるにつれて輪郭誤差が増加すること、および切断品質が切断速度に依存することが想定される。
センサデータは、好ましくは、トランスデューサを測定する多数の異なるセンサまたはプローブから得ることができる。センサデータは、光学的性質のものとすることができ、したがって、例えば、異なる位置に配置されたフォトダイオードおよび/または少なくとも1台のカメラから得ることできる。センサデータは、具体的にはレーザ切断中の音響信号を表現することもできる。さらに、センサは、スペクトル強度センサ(温度、粘度、プラズマ、材料特性などの溶融物の特性)、板金までの光路に沿った温度センサ、切断ガス用の圧力および湿度センサ、ならびに/またはレーザ切断ヘッドの移動を識別するためのセンサ(例えば、速度センサ、加速度センサなど)の形式をとる場合がある。
様々な機能または目的のためにセンサデータを使用することができる。一方では、センサデータを使用して、プロセスモデルおよび/または機械モデルの2つのモデルを校正することができる。他方では、取得したセンサデータに基づいて送り速度とともにレーザ切断プロセスを制御するために、センサデータを高速制御ループに対してまたは高速制御ループ内で代替的または累積的に使用することができる。この目的のために、センサデータは制御ユニットにフィードバックまたは転送され、これは、機械モデルおよび/またはプロセスモデルによって推定された結果(ステータスデータ、具体的には推定された切断結果の形式)と、切断結果を表す実際に測定された結果または値(センサデータの形式)との間の偏差を決定するように意図されている。モデルの推定と測定との間に偏差が生じた場合、具体的には偏差を低減するために、モデル更新が自動的に実行される。
プロセスモデルは、切断結果の品質(エッジの粗さ、スコーリング、バリ形成、および/または波状切断)に重点を置いている。機械モデルは、輪郭誤差および機械励振に重点を置いている。
本発明の文脈において、切断品質は、プロセスモデル(例えば、バリ高さ、粗さ)を使用して推定される。センサフィードバック(バリ高さ、粗さの測定)によりモデルの推定と測定との間の偏差が減少する。モデルを用いてカーフ幅も累積的に推定される。カーフ幅を測定することによって、モデルと現実との間の偏差を低減することができる。偏差が生じた場合にモデルを調整するために、モデルにより推定された状態を測定された実際の状態と比較することが一般的に定められている。その結果、モデル更新によって偏差を低減することができる。
レーザ切断プロセスとレーザ切断ヘッドの移動プロセスはどちらも、高度に動的な多変数プロセスである。原理的には、(ここではレーザヘッド/レーザ切断ヘッドの)高度に動的な移動は、切断された被加工物において、もはや公差範囲内ではない輪郭誤差を引き起こす可能性がある。本明細書に提案されているように2つの動的モデル(機械およびプロセス)を組み合わせることによって、これらの誤差が実際に発生することも、場合によっては不良品が生じることもなく、所与のパラメータの場合において、これらの誤差を事前に推定および補償することができる。機械モデルは、例えば、必要な公差要件を満たすために、自動生成された制御コマンドを使用して、ダイナミクス(速度、加速度、および/またはジャーク)が低減するべきであること、または軸位置をわずかに調整するべきであることを示す、数値出力を提供することができる。機械モデルは、例えばブリッジなどのレーザ切断機の他の機械要素を適宜に制御するために制御コマンドを生成することもできる(キーワード:振動ブリッジ、共振振動)。レーザ切断ヘッドは、典型的には、支持構造体としてブリッジ上に配置される。その場合、機械モデルは、ブリッジについての説明を含むことができ、それによって、切断ヘッドなどのブリッジに取り付けられた構成要素についても説明する。
機械モデルは、レーザ切断ヘッドの全体的な移動の挙動をシミュレートする。したがって、機械モデルは、レーザ切断ヘッドの運動学方程式に基づいており、レーザ切断ヘッドの移動質量の慣性を考慮に入れる。レーザ切断ヘッドは、移動を実行するために、例えばブリッジなどの支持構造体上に取り付けられ得る。支持構造体を有するレーザ切断ヘッドは、電子的に処理され得るメカトロニクス構成要素である。したがって、機械モデルは、レーザ切断中のレーザ切断ヘッドを備えたブリッジの運動学的挙動をモデル化する。機械モデルは、切断計画によって指定された軌道上をレーザ切断ヘッドが移動する際に用いられる(物理的な)移動パラメータ(例えば、速度、加速度、ジャーク)をシミュレートする。さらに、機械モデルは、指定された軌道からの偏差、具体的には事前構成可能な公差偏差への準拠をシミュレートする。機械モデルは、例えば移動質量の慣性に起因する移動動作の変化を表現する。具体的には、機械モデルを使用して、物理的な移動パラメータを予測または推定することができる。算出のために、次の入力データ、すなわち(目標および実際の)位置、(目標および実際の)速度、(目標および実際の)加速度、(目標および実際の)ジャークがモデルに供給される。任意選択として、(ヘッド上、および機械構造上の他の重要な場所にある)駆動装置、加速度センサの温度、および/またはモデル更新から生じるモデル補正値など、追加の入力データを考慮することができる。機械モデルを使用して、移動プロセスの将来のステータスデータおよび具体的には移動プロセスの結果として得られるまたは移動プロセスに起因する作業結果を推定することができる。例えば、(場合によっては、依然として公差内の)輪郭誤差もしくは輪郭偏差などの「誤差」および/または品質損失を事前に推定できるように、作業結果は誤差を含むこともできる。例えば、レーザ切断ヘッドおよび任意選択としてレーザ切断ヘッドを支持するブリッジの質量が大きい場合、送り速度が高すぎると、切断品質に悪影響(例えば、波状切断)を与える振動が発生する可能性がある。有利には、本明細書で提案された解決策を用いることにより、この振動を排除することができる。
機械モデルの一例として、状態空間表現の4次モデル(タイタス・ハース(Titus Haas)、「Set Point Optimisation for Machine Tools」、ETH Zurich Verlag、2018、https://doi.org/10.3929/ethz-b-000271470からダウンロード可能)を使用することができる。
目標幾何形状から、動的に誘発される偏差を推定するために、このモデルを用いることにより、工具中心点(TCP:tool centre point)の位置をモデル化することができる。一般に、機械モデルは1組の(常)微分方程式で構成される。
本発明の好ましい実施形態では、1組の機械モデルからどの機械モデルを使用するかを構成段階で構成することができる。したがって、用途に応じて異なる機械モデルを使用することができる。原理的には、この決定はプロセスモデルとは独立して行うことができる。しかしながら、機械モデルのこの決定は、プロセスモデルを考慮して行うこともできる。具体的には、例えば2質量振動子(または「2重積分器」)など、切断結果における輪郭偏差を推定することなく、機械モデルを決定することもできる。本発明の重要な特徴は、速度およびノズル間隔によるモデルの結合において見られる。
「切断結果」という用語は、レーザ切断動作の(推定されたおよび/または決定された)作業結果を指す。決定された作業結果は、取得されたセンサデータにおいて、(例えば、測定されたカーフ幅として、または切断前面の傾斜として、時間値/性能などとして)符号化される。したがって、作業結果または切断結果は、それぞれの切断部分に関連する。作業結果に、公称値(NOMINAL)(事前に構成可能な設定点値)からの生じ得る偏差および/または様々なタイプの誤差についての情報が含むことができる。これらの情報には、例えば、(公差限界内もしくは公差限界外の)輪郭偏差、ならびに/または、エッジの粗さが大きいこと、スコーリング、バリ形成、および/もしくは波状切断などの品質損失が含まれる。作業結果は、様々なパラメータを有するデジタルデータセットとして利用および処理され得る。
プロセスモデルは、特に金属板および金属管の、4kWを超えるレーザ出力を有するレーザ切断プロセスをシミュレートする。したがって、プロセスモデルは、切断動作中の切断プロセス全体に関連する。プロセスモデルは、レーザ切断中の物理的なレーザ・パラメータ(例えば、焦点位置、ガス圧、ノズル間隔、レーザ出力などのプロセスパラメータだけでなく、エッジの粗さ、スコーリングなどの品質特徴、および、例えばレーザ切断速度などの設定パラメータも)シミュレートする。プロセスモデルを使用して、切断部分の品質を推定することができる。この推定に基づいて、切断パラメータが最適に設定される。したがって、プロセスモデルを使用して、切断プロセスの将来のステータスデータを推定する、具体的には将来の作業結果(様々な品質特徴を有する切断品質)を推定することができる。プロセスモデルに関するさらなる詳細については、次の文献を参照されたい。
・AFH・カプラン(AFH Kaplan)、「An analytical model of metal cutting with a laser beam」、Journal of Applied Physics、vol.79、no.5、2198~2208ページ、1996
・M.ブルーグマン(M.Brugmann)、M.ムラルト(M.Muralt)、B.ノイエンシュバンダ(B.Neuenschwander)、S.ヴィットヴェール(S.Wittwer)、およびT.フューラ(T.Feurer)、「A theoretical model for reactive gas laser cutting of metals」、Lasers in Manufacturing Conference、2019
・M.ブルーグマン(M.Brugmann)、M.ムラルト(M.Muralt)、B.ノイエンシュバンダ(B.Neuenschwander)、S.ヴィットヴェール(S.Wittwer)、およびT.フューラ(T.Feurer)、「Optimization of Reactive Gas Laser Cutting Parameters based on a combination of Semi-Analytical modelling and Adaptive Neuro-Fuzzy Inference System (ANFIS)」、Lasers in Manufacturing Conference、2019
・W.シュルツ(W.Schulz)、M.ニーセン(M.Niessen)、U.エッペルト(U.Eppelt)、およびK.コワリック(K.Kowalick)、Simulation of Laser Cutting、Springer Netherlands、2009
・J.ゼン(J.Zeng)、「Mechanisms of brittle material erosion associated with high-pressure abrasive waterjet processing:A modeling and application study」、Doctoral Thesis、1992
・J.ゼン(J.Zeng)、J.オルソン(J.Olson)、およびC.オルソン(C.Olson)、「THE ABRASIVE WATERJET AS A PRECISION METAL CUTTING TOOL」、10th American Waterjet Conference、1999
機械モデルについては、N.ランツ(N.Lanz)、D.スペッシャ(D.Spescha)、S.ワイケルト(S.Weikert)、およびK.ウェゲナー(K.Wegener)、「Efficient Static and Dynamic Modelling of Machine Structures with Large Linear Motions」、International Journal of Automation Technology、Vol.12、622~630ページ、2018、ならびに、https://doi.org/10.3929/ethz-b-000271470でダウンロード可能な、タイタス・ハース(Titus Haas)、「Set Point Optimisation for Machine Tools」、ETH Zurich Verlag、2018を参照されたい。
機械モデルは、移動中のレーザ切断機の機械構成要素、具体的にはレーザ切断ヘッドおよび切断ブリッジ、ならびに、とりわけレーザヘッドの経路計画をシミュレートする。従来の経路計画と同様に、駆動列の特性、例えば軸の最大加速度および制動ランプならびにプロセスの最大送り速度が考慮される。場合によっては、幾何学的規則を使用して設定点経路を丸めることもできる(計算時間の利点)。本発明によれば、機械の動的特性も考慮される。しかしながら、本明細書に記載の方法はさらに、機械モデルとともに最適化アルゴリズムを用いて軌道を最適化することができる。本明細書では、機械の動的特性(構成要素の慣性および柔軟性)を考慮して、指定された幾何公差が満たされる。
- モデル化された動的偏差が公差帯内に収まるように、幾何学的設定点が調整される。
- 必要に応じて加速度を下げる。
- 可能な場合は加速度を上げる。
- 予想される偏差の幾何学的補償。
プロセスモデルおよび/または機械モデルは、好ましくは、ニューラルネットワークとして実装され得る。ニューラルネットワークは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とすることができる。ニューラルネットワークは、注釈付きまたは部分的に注釈付きの訓練データに基づいて訓練アルゴリズムによって訓練されていてもよい。訓練アルゴリズムは、教師あり学習法または半教師あり学習法とすることができる。訓練アルゴリズムは、履歴データに基づくことができる。モデルの更新またはモデルの調整には、強化学習法も使用することができる。強化学習により、レーザ切断プロセスに関する初期データおよび(事前の)知識なしで、この複雑な問題に対する解決策を見出すことが可能になる。加えて、強化学習は訓練データの収集および処理を必要としない。
プロセスモデルを使用して、切断プロセスの結果として得られる品質(例えば、バリ)を予測的に算出または推定することができる。(最適化アルゴリズムを実行するように訓練された)最適化器は、品質要件を満たすプロセスパラメータを見出す。「プロセスパラメータ」という用語は、組み合わされた設定点データセットから本発明に従って算出された設定点値のサブセットに関連する。プロセスモデルと機械モデルは互いに直接リンクされる(例えば、品質を一定に保つために、輪郭の隅部または半径の場合は速度を低下させる)。
好ましい実施形態では、プロセスモデルおよび/または機械モデルは、レーザ切断プロセスの将来の状態および/または移動プロセスの将来の状態、具体的にはレーザ切断ヘッドの軌道上の将来の位置が事前に推定され得る。
移動プロセスのステータスデータは、好ましくは、レーザ切断ヘッドの送り速度を含むことができる。移動プロセスのステータスデータは、レーザ切断ヘッドまたはレーザ切断機の他の機械構成要素の加速度および/またはジャークも含むことができる。
レーザ切断プロセスのステータスデータは、好ましくは、例えば上述のプロセスパラメータ、すなわち、例えば焦点位置、ガス圧、ノズル間隔、レーザ出力などの、レーザ切断プロセスに関連するすべてのまたは選択されたパラメータを含むことができる。
本発明の好ましい実施形態では、方法は、
- 空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットが算出されるときの基となるコスト関数を算出するためにユーザインターフェース上に入力された目標入力を取得するステップであって、目標入力が、いくつかの相互依存性のある入力、具体的には、切断品質の入力、切断動作の堅牢性の入力、および生産性の入力を含む、ステップをさらに含む。
好ましい実施形態では、異なる入力に異なる重みが割り当てられる。これにより、作業結果についての異なる入力に、顧客(ユーザ)の好みに応じて重み付けすることが可能になる。ユーザインターフェースは、好ましくは、ボタンを含むグラフィカルユーザインターフェースである。この場合、ボタンのうちの1つは多次元入力ボタンとして設計され、この多次元入力ボタンを介することにより、相互依存性のある様々な目標入力を1つのユーザ入力だけで取得することができる。入力ボタンは、個々の目標入力間の依存関係を表すように設計される。例えば、ユーザが、切断品質の入力として、したがって作業結果についての入力として高い値を選択した場合、ユーザは、生産性についての許容可能な入力、すなわち、切断品質に影響する入力と互換性のあるまたは物理的に実装され得る生産性の入力のみを指定することができる。したがって、許容されないまたは互換性のない目標入力(例えば、高い切断品質、高い堅牢性、および高い生産性など)は回避され得る。許容されない組合せが生じる場合、有利には、ユーザが他の入力を選択しなければならないことをユーザに知らせる、誤差信号を伴うメッセージが、ユーザインターフェース上に直接出力される。全体として、これにより方法またはシステムの信頼性および安全性が向上する。
本発明のさらなる有利な実施形態では、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットは、切断速度、レーザ切断ヘッドの加速度、レーザ出力、焦点位置、パルスパターン(具体的にはパルス幅および周波数)、ノズル間隔、ガス圧、BPP(ビームパラメータ積)、焦点径および/もしくは間隙幅などの直接的なプロセス変数についての設定点値、ならびに/または散乱放射、品質特徴、間隙幅、切断エッジの傾斜、切断区域における温度分布などの間接的なプロセス変数についての設定点値もしくは値を含むことができる。これにより、間接的なプロセス変数(カーフ幅、切断エッジの傾斜、散乱放射、品質特徴など)の制御が可能になる。
本発明のさらなる有利な実施形態では、方法は、迅速に制御可能な第1のクラスのパラメータの高速制御ループを適用することができ、高速制御ループは、現時点で測定されているセンサデータに基づいて、および/または算出された設定点データセットに基づいて、レーザ切断ヘッドの送り速度とともにレーザ切断プロセスを制御する。
高速制御ループは内部制御ループである。本発明の好ましい実施形態では、高速制御ループの実行中または実行後に、モデルへの変更(モデル更新)は実行も開始もされない。高速制御ループは、第1のクラスのパラメータの制御、具体的には予測制御に使用される。第1のクラスのパラメータは、好ましくは、比較的低い時定数を有する(例えば、速度制御)、したがって必要な制御サイクル時間内(好ましくは<1ms)内で迅速に調整または変更され得るパラメータを含む。原理的には、どのパラメータを第1のクラスに割り当てるかを構成段階で構成することが可能である。第1のクラスのパラメータには、例えば、切断速度パラメータ、焦点位置に関連するパラメータ、パルスパターンに関連するパラメータ、および/またはレーザ出力パラメータが含まれ得る。
好ましい実施形態では、「高速」または迅速な制御は、過去の(履歴の)および/または現在のセンサデータに基づいて行われる。
本発明のさらなる有利な実施形態では、方法は、低速で変化する第2のクラスのパラメータに低速制御ループを適用することができ、低速制御ループは、現時点で測定されているセンサデータに基づいて、および/または算出された設定点データセットに基づいて、レーザヘッドの送り速度とともにレーザ切断プロセスを制御する。第2のクラスのパラメータは、ガス圧の変化または焦点位置の変化など、制御または変更の実施において高いレイテンシを有する。ガス圧は、慣例的には、溶断の場合は1~25バール、炎切断の場合は約0.5バールの範囲にあるべきである。
低速制御ループは外部制御ループである。低速制御ループは、第2のクラスのパラメータの制御、具体的には予測制御に使用される。第2のクラスのパラメータは、好ましくは、比較的高い時定数を有する、したがって低速でしか制御できないか、または必要な制御サイクル時間内に変更できないパラメータである。この第2のクラスについても、どのパラメータを第2のクラスに割り当てるかを構成段階で構成することができる。例えば、ガス圧および/または焦点位置を第2のクラスのパラメータに割り当てることができる。
好ましい実施形態では、「低速」制御は、現在のセンサデータおよびモデルデータ(予想または推定されたデータ)に基づいて行われる。
しかしながら、第2のクラスのパラメータ、すなわち、具体的には比較的高いレイテンシを有するパラメータを制御する場合、第1のクラスのパラメータを(同時に)制御することも可能である。
本発明のさらなる有利な実施形態では、高速および/または低速制御ループは、予測モデルベースのコントローラ(MPC)として設計され得る。少なくとも低速制御ループは、好ましくは、MPCコントローラとして実装される。高速制御ループもMPCコントローラとして実装される場合、それぞれの計算ユニットに十分な計算能力が提供される。
MPCコントローラとも呼ばれる予測モデルベースのコントローラは、ある一定の時間範囲までのそれぞれのモデル挙動を介して、レーザ切断プロセスおよび/またはレーザヘッドの移動プロセスを予測(推定)することができる。次の時間ステップでは、それぞれの機械パラメータまたはプロセスパラメータを有する入力信号のみを使用することができ、次いで、最適化を繰り返すことができる。最適化は、次の時間ステップにおいて、フィードバックとして理解され得る取得されたセンサ信号を介して、その時点の現在の(測定された)状態で実行され、開ループ最適制御とは対照的に、MPCを閉ループコントローラに変える。これにより、外乱を考慮することが可能になる。
本発明のさらなる有利な実施形態では、プロセスモデルおよび/または動的機械モデルは、読み込まれてそれぞれのモデルにフィードバックされた、実行済みのレーザ切断プロセスに関するセンサデータに基づいて校正され得る。これには、それぞれのモデルに更新動作を受けさせることによって、それぞれのモデルを継続的に改善できるという利点がある。ここでは、カルマンフィルタを使用することができる。
代替的または累積的に、対応するプロセス変数を直接再調整することによって、モデルによって算出された(推定された)値と実際の測定値との間の偏差を低減することが可能である。例えば、カーフ幅200μmを達成するべきであるが、カーフ幅が実際には180μmであるとセンサ(例えば、とりわけカメラ)が検出した場合、20μmの偏差は自動的に補正され得る。これは、焦点位置を介して、および/またはノズル間隔を調整することによって設定することができる。この補正値は、次式、
FocusSETPOINT,ACTUAL:=FocusSETPOINT+/-FocusCORRECTION
を使用して、モデルによって出力された値に重畳され、式中、FocusSETPOINTの値または入力は、モデルによって算出(または推定)されたものである。
さらなる有利な実施形態では、第1のメモリおよび第2のメモリはともに、単一の電子ユニットまたは共通の構成要素に統合され得る。これには、電子ユニット全体をより薄型または簡素なものにできるという利点がある。代替的に、第1のメモリおよび第2のメモリを別個の構造で設計することもできる。これには、それぞれのモデル(機械モデル、プロセスモデル)を、互いに独立して、具体的にはそれぞれの他のモデルへのアクセス(モデル更新)中に変更できるという利点がある。
従来、プロセスモデルおよび機械モデルは、2つの別個のモデルとして設計され、互いに独立して再調整または校正されることが定められている。代替的または累積的に、モデル制御ユニットが1つのステップでアクセスできるように、プロセスモデルと動的機械モデルとを統合して、組み合わされたモデルにすることができる。したがって、方法の性能を改善することができる。
有利なさらなる実施形態では、方法の開始後、方法が実行されている間に、設定点値が、時点および/または軌道上の位置の関数として連続的に算出される。
有利なさらなる実施形態では、レーザ切断プロセスの制御は、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットによって、レーザヘッドの送り速度の制御と共同でおよび/または比較して実行され、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するとき、例えばユーザインターフェースを介して取得され得るユーザ入力または仕様またはデフォルト値がそれぞれ考慮される。
入力または仕様は、例えば、切断プロセスの堅牢性に関する入力および/または切断プロセスの品質に関する入力に関連し得る。
さらなる有利な実施形態では、プロセスモデルおよび/または機械モデルを校正するために、プロセスモデルおよび/もしくは機械モデルならびに/またはそれぞれのモデルのための更新データが、地理的に分散されたレーザ切断システムから、具体的には中央サーバ上で収集され得る。これにより、システム全体および包括的なモデル構造を改善することができる。
上記では、方法の観点から目的の達成について説明してきた。このように言及された特徴、利点、または代替実施形態を、特許請求される他の主題にも適用することができ、逆もまた同様である。言い換えれば、方法に関連して説明および/または特許請求される特徴を用いて、(例えば、レーザ切断システムまたは計算ユニットを対象とする)本発明の特許請求の範囲をさらに発展させることもできる。したがって、方法の対応する機能的特徴は、システムまたはコンピュータ製品の対応する物理モジュール、具体的にはハードウェアモジュールまたはマイクロプロセッサモジュールによって形成され、逆もまた同様である。
さらなる態様によれば、本発明は、レーザ切断機によるレーザ切断、具体的には金属板または金属管のレーザ切断中に、レーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するための制御ユニットであって、
- 切断動作中にセンサデータを測定するための少なくとも1つのセンサへの測定データインターフェースと、
- レーザ切断プロセスを表現および/またはモデル化し、レーザ切断プロセスのステータスデータおよび具体的にはレーザ切断プロセスの結果として得られる切断結果を推定するプロセスモデルが記憶されている第1のメモリへのプロセスインターフェースと、
- レーザ切断ヘッドの移動中のレーザ切断ヘッドの運動学的挙動を表現および/またはモデル化し、移動プロセスのステータスデータおよび具体的には移動プロセスの結果として得られる切断結果を推定する機械モデルが記憶されている第2のメモリへの機械インターフェースと、
- プロセスモデルと機械モデルとを結合する、具体的には送り速度値を介しておよび/またはノズル間隔値を介して結合するアルゴリズムを実行するように意図されているプロセッサと
を有するレーザ切断機を有し、
- プロセッサがさらに、第1のメモリ内のプロセスモデルにプロセスインターフェースを介してアクセスし、第2のメモリ内の機械モデルに機械インターフェースを介してアクセスして、レーザ切断プロセスおよび移動プロセスの推定されたステータスデータに基づいて、読み込まれたセンサデータを考慮しながら、レーザ切断プロセスに対する設定点と移動プロセスに対する設定点とを協調させた空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを取得するように意図されている、制御ユニットに関する。
好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサは、以下のように、具体的には、
- カメラ、
- スペクトル強度センサ、
- ガス圧センサ、
- ガス流量センサ、
- レーザ出力を検出するためのセンサ、
- レーザのビーム形状を検出するためのセンサ、
- 機械サブシステム用のセンサ、具体的には焦点位置、切断速度、ノズル間隔を検出するためのセンサ、
- 特に切断ヘッド、板金および/もしくは機械軸用の加速度センサ、
- 切断ガス、切断環境、切断すべき被加工物、駆動装置の温度を検出するための温度プローブ、
- 切断ガスおよび/もしくは環境の湿度を検出するための湿度センサ、
- 溶融物の温度分布を検出するためのセンサ、ならびに/または
- 切断中の音響放射を測定するための音響センサ
として設計され得る。
好ましい実施形態では、センサまたは前述のセンサタイプの組合せを選択することができる。具体的にはセンサの利用可能性に応じて、および/または設定点の算出の用途に応じて、選択を実行することができる。
さらなる態様では、本発明は、具体的には金属板または金属管を切断するためのレーザ切断システムであって、
- 上記のようなレーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するための制御ユニットと、
- 制御ユニットによって算出された設定点データセットに従って、アクチュエータおよび/または駆動装置によって軌道に沿って移動および動作される可動レーザ切断ヘッドを備えたレーザ切断機と
を有するレーザ切断システムに関する。
好ましい実施形態では、レーザ切断システムは、ユーザインターフェースを含むことができる。例えば、ユーザインターフェースを介して、必要とされる切断品質および/または所望の切断速度についての入力を取得することができ、これらは、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するとき、したがって、レーザ切断プロセスを制御するときに考慮される。
方法は、好ましくは、コンピュータによって実施される。すべてのまたは選択された方法ステップが、プロセッサ(CPU、GPUなど)を備えたコンピュータユニット上のコンピュータプログラムによって実行され得る。センサデータの測定は、様々なタイプの好適なセンサ(光学センサ、音響センサ、および/または他のタイプのセンサ)を使用して実行され得る。測定される信号のタイプに応じて、A/D変換器を使用してアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。したがって、センサデータの測定は、デジタル信号を読み取ることも含むことができる。
目的を達成する別の方法は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたときに、上記でより詳細に説明した方法のすべての方法ステップを実行するためのコンピュータプログラムコードを有する、コンピュータプログラムを提供する。コンピュータプログラムをコンピュータ可読媒体に記憶することも可能である。
本発明の好ましい実施形態による、ユーザインターフェースの特別に設計されたボタンに入力され得る3つのコスト関数の概略図である。 本発明による制御ユニットによって、および本発明の好ましい実施形態による外部に記憶されたモデルによって制御される、金属板および金属管を切断するためのレーザ切断システムの概観タイプをブロック図の形式で表現した図である。 本発明の別の有利な実施形態による、制御ユニットおよび内部に記憶された統合されたモデルによって制御されるレーザ切断システムの概略図である。 異なる半径および軌道区間を有する断面輪郭の例示的な表現を示す図であり、異なる半径および軌道区間のそれぞれに対して異なる設定点データセットが動的に算出され、異なる半径および軌道区間は異なる設定点データセットによって相応に横断される。 プロセッサユニットを使用して、低速制御ループ、および任意選択として高速制御ループによってモデル偏差を低減する、金属板および金属管を切断するためのレーザ切断システムの概略図である。 プロセッサユニットを使用して、高速制御ループによってモデル偏差を低減する、金属板および金属管を切断するためのレーザ切断システムのさらなる概略図である。 本発明の第1の代替実施形態による、レーザ切断プロセスを制御するための方法の流れ図である。 本発明の好ましい実施形態による、レーザ切断システムの概略図である。
図面に関連した有利な実施形態の説明
本発明は、とりわけ、レーザ切断機Lによるレーザ切断中に、レーザ切断プロセスの開ループおよび/または閉ループのために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するための方法に関する。レーザ切断プロセスは、様々な変数によって特徴付けられる。レーザ切断プロセスを実行するために、様々な目標入力を指定することができる。例えば、切断の効率または生産性を可能な限り最大化するように指定することができる。これは、単位時間内に被加工物から可能な限り多くの部品が切断されるべきであることを意味する。別の目標入力は、例えば、品質の最大化とすることができる。さらなる目標入力は、例えば、切断プロセスの堅牢性に関連し得る。
以下の図面の説明において、参照符号Lはレーザ切断機を指す。レーザ切断機は、既知のメカトロニクス構成要素(例えば、ブリッジ)を使用して移動および動作されるレーザ切断ヘッドを有するレーザを含む。
本発明は、2つのモデルまたはそれらの組合せの使用に基づいている。
1.プロセスモデルPM:プロセスモデルは、結果として得られる切断部分Tの品質(例えば、バリ)を推定する。最適化器は、品質要件を満たすプロセスパラメータを見出す。プロセスモデルと機械モデルとは(例えば、送り速度(切断速度)およびノズル間隔を介して)互いに直接リンクされる。プロセスモデルは、切断部分Tの品質を推定するために使用される。推定に基づいて、切断パラメータが最適に設定される。最適化の品質基準(コスト関数)は、堅牢性と生産性と品質との間で異なる重み付けをすることができる(下の図1を参照)。(例えばAI、モデルを使用して)最適なプロセスパラメータも見出すが、部分全体に対する全体的なプロセスパラメータだけを見出す他の方法とは対照的に、本発明の提案によるプロセスパラメータは、局所的に最適なものであり、すなわち、ミリ秒ごとに利用可能である。(プロセスモデルと機械モデルとを結合する)。先行技術では、最適なプロセスパラメータは、切断すべき部分の切断プロセスに対して包括的および均一にしか利用できず、全く同一の部分について、異なる方法で最適化されたプロセスパラメータを算出することができない。しかしながら、本発明によりこれが可能になる。
2.機械モデルMM:高度に動的な移動は、大きな輪郭誤差を引き起こす可能性があり、この大きな輪郭誤差は、動的機械モデルを活用することにより推定および補正され得る。代替的に、公差要件を満たすために、ダイナミクスが低減される。機械モデルは、機械構成要素の慣性または柔軟性に起因する輪郭誤差を推定する。例えば、高い動的限界が使用されている場合、輪郭誤差は特に顕著になる。この推定に基づいて、(より高い動的限界によって)輪郭誤差を低減することができるか、または生産性を向上させることができる。機械モデルを使用した輪郭誤差推定によって、
〇切断中に、構成要素の公差が遵守されているかどうかに関する情報が得られ、
〇輪郭誤差を低減することができ、
〇より高い輪郭誤差を補正することができるので、より高い動的限界を使用することができる(生産性の向上)。
例えば、隅部では送り速度(設定点速度)を達成することができないので(機械の動的限界)、切断すべき部分についての最適なパラメータは隅部に適用されない。この目的のために、プロセスモデルPMを使用して速度の変化に対処する。この制御を用いることにより、有利には、推定算出に基づくMPC手法を追求することができ、したがって、速度の低下またはより一般的には速度の変化に事前に対処することができる(予測範囲)。(先行技術のように)現時点で利用可能な速度にしか対処できない場合、これは以下の欠点、すなわち、焦点位置、速度、ガス圧、レーザ出力の様々な遅延、ならびにノズル間隔のパルスパターン、BPP(ビームパラメータ積)、および焦点径(倍率)が十分に補正されない可能性があるという欠点に関連している。例えば、速度が急激に低下することにより、焦点位置が十分に迅速に調整されない場合がある(焦点位置のダイナミクスが、切断速度を指定する機械軸のダイナミクスよりも低い)。本発明により、上述した公称値(NOMINAL)からの偏差が示され(予測され)、したがって、これらの偏差が生じないように、設定に対する変更を事前にトリガすることができる。
とりわけ、センサフィードバックが、制御ユニット、具体的にはMPCコントローラの設定点算出に統合されるという点において、有利な効果の1つを見ることができる。したがって、算出は、代替的または、プロセスモデル状態の推定に関して累積的に、測定値に基づくことができる。(モデル更新の有無に関わらず)MPCコントローラの開ループ方法と比較して、より高いモデル偏差を管理することができる。
モデルPM、MMは、機械のライフサイクル全体にわたって使用することができる。モデル偏差を追跡することは、予知保全に寄与する。
図8は、被加工物WSを切断するために(矢印で示す)コントローラCによって駆動または制御されるレーザ切断機LのノズルDを有するレーザ切断ヘッドを概略図で示す。図に見られるように、レーザ切断ヘッドは多数の機械的もしくはメカトロニクス構成要素および/または物理的構成要素を備え、これらの構成要素は、総質量に影響を与え、(例えば、ここでは図に方向X+でマークされているような)移動中に、本発明に従って考慮される。センサSensは、レーザシステムの内部および/または外部に配置され、さらなる算出のためにセンサデータを供給することができる。センサデータは、例えば、図8に示すように、データネットワーク内のスイッチングノードVを介してコントローラCに送信され得る。加えて、ユーザインターフェースUIが提供され、ユーザインターフェースUI上では、ユーザが、具体的にはコスト関数についてエントリを作成することができる(図1を参照)。図8に概観的に示すように、レーザ切断機Lの機械制御部に、制御ユニットREおよび/またはプロセッサPを実装することができ、これらは、例えば2段階予測コントローラとして実装され得る。「2段階」とは、実装が高速制御ループsrkと低速制御ループlrkとに分割されることを指す。算出が将来を考慮したものであり、したがって予測的であるので、「予測」という用語が使用されている。この解決策は、計算労力およびモデリング誤差の影響の受けやすさを低減する。制御ユニットREは、コントローラC上に実装され得る。
低速制御ループは、プロセス結果が所望の要件に対して最適になるように設定点を決定する。この制御ループは、モデル(プロセスモデルPMおよび機械モデルMM)を現在の条件に合わせて調整しなければならない範囲についての情報を受け取る。
高速制御ループは、測定された変数に基づいて推定されたおよび/または直接測定されたプロセス結果/プロセス変数が所望のプロセス結果/プロセス変数に可能な限り近くなるように、迅速に変更され得る設定点値を変更する。プロセスモデルPMおよび/または機械モデルMMも使用される。
プロセスモデルPMおよび/または機械モデルMMは、測定された変数と推定された変数(例えば、カルマンフィルタ)とを比較することによって更新され得る。
図1は、選択された目標入力の関数として決定される様々なコスト関数ブロックを示す(この例では3つであるが、さらに多くのパラメータまたはブロックが決定および考慮され得る)。目標入力は、好ましくは、ユーザインターフェースUI上の特別に設計されたスイッチフィールド内に入力され得る。図1に示すように、様々な目標入力は相互に依存している。例えば、当業者には、品質を最大限に高めるための目標入力が一般に生産性の低下にも関連すること、および/またはより多くのガス消費につながる可能性があることは明らかである。したがって、ユーザインターフェースのボタンは、一貫性のない入力のエントリを除外できように、または大幅に回避できるように設計され、例えば、ユーザインターフェースはいくつかのスライダの形態をとり得、1つのスライダが変更されるとそれに応じて他の2つ以上のスライダが自動的に変更されるように設計される。
図2は、異なる変形実施形態における本発明によるレーザ切断システムの概要を示すブロック図を示す。制御ユニットREは、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットSW-DSを算出するために使用される。制御ユニットREは、好ましくは、例えば、ワークステーション、またはサーバ、またはレーザ切断機Lに(例えば、組み込みデバイスとして)接続された電子コンピュータモジュールなどのコンピュータユニット上に実装される。図2の例に示すように、制御ユニットREには、設定点データセットSW-DSを算出するための異なる入力変数が供給され得る。例えば、図1に関連して上記でより詳細に説明したユーザインターフェースUI上で入力された入力変数として、少なくとも最適化基準が取得される。さらに、設定点データセットSW-DSの算出のためのさらなる条件(制約)、ならびに切断される構成要素の形状に関する情報または切断計画に関する情報を、入力インターフェースISを介して読み込むことができる。
制約のコンテキストでは、例えば、切断輪郭のどの公差が許容可能であるかも構成され得る。
制御ユニットREはプロセッサPを備えることができ、プロセッサP上では、設定点データセットSW-DSを算出するためのアルゴリズムが実行され得る。この目的のために、アルゴリズムは、第1のメモリS1に記憶されたプロセスモデルPMにプロセッサインターフェースP-SSを介してアクセスし、第2のメモリS2に記憶された機械モデルMMに機械インターフェースM-SSを介してアクセスすることができる。図2に示す例示的な実施形態では、2つのモデルPM、MMは、別個のモデルとして保持され、制御ユニットREの外側の外部エンティティとして、メモリS1、メモリS2に記憶される。他の実施形態では、(例えば、図3に示す例示的な実施形態では)2つのモデルPM、MMを内部および制御ユニットRE内に保持ならびに記憶することもできる。アルゴリズムは、それぞれのアプリケーションの空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットSW-DSを算出するために、取得した入力データ(具体的には、最適化基準、取得した制約、および切断幾何形状に関する情報)を使用して、2つのモデルPMとMMとを組み合わせてアクセスするように設計される。
2つのモデルはメモリ内にある。設定点データセットSW-DSを算出するとき、これら2つのモデルがメモリアクセスによって使用される。典型的には、モデルの形状は変化しないが、モデルのパラメータ(例えば、質量)が変化する場合がある。モデルは、例えば、1つ以上の代数方程式または微分方程式の形式で利用可能であり、その場合、共通の/完全なモデルとして利用可能である。
例:
F(x,y)=0(個別のプロセスモデル)はメモリの第1のメモリ領域に記憶され、
G(x,z)=0(個別の機械モデル)はメモリの第2のメモリ領域に記憶される。
H(x,y,z)=[F(x,y),G(x,z)]=組み合わされたモデルは共通の状態(例えば、速度および/または加速度および/またはノズル間隔および/または周囲条件(温度))を共有する。
簡単にするために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットSW-DSは、以下では単に「設定点データセットSW-DS」とも省略される。このようにして算出された設定点データセットSW-DSは、選択されたアクチュエータACTを設定および/または制御するために(レーザ切断機Lのそれぞれのメカトロニクス構成要素を駆動および/または設定するために)、出力インターフェースOUTを介してレーザ切断機Lに直接送信され得る。次いで、設定点データセットSW-DSからの算出されたデータを用いて、レーザ切断機Lが動作される。改善のために制御ユニットREにフィードバックされ得るセンサデータは、異なるタイプのセンサSENSを介して取得される。センサは、光学センサ(カメラ、フォトダイオードなど)ならびに/または音響センサならびに/または温度センサならびに/または運動学的状態および/もしくはレーザ切断の物理的状態を検出するためのさらなるセンサSENSとすることができる。センサは、レーザ切断機L内に直接設置することができる。しかしながら、例えば、切断された被加工物Tの切断エッジを検出するために、センサを外部および/または可動構成で使用することもできる。
図2に2本の点線で示されているように、センサSENSの取得したセンサデータはまた、モデルの継続的な品質向上のために、プロセスモデルPMおよび/または機械モデルMMに直接、すなわち、レーザ切断機Lから開始して、図2には詳細には図示していない中間ノードを介して(円は、レーザ切断機Lに割り当てられるかまたはレーザ切断機L上で実装され得る計算ユニットを表す)、2つのモデルPM、MMに転送され得る。しかしながら、このフィードバックは任意選択にすぎない。
図3は、プロセスモデルPMと機械モデルMMの2つのモデルがメモリSに一緒に記憶および保持される、制御ユニットREのさらなる例示的な実施形態を示す。したがって、アルゴリズムは、プロセスモデルPMと機械モデルMMとの組合せである単一のモデルを扱うために、メモリSに1回アクセスするだけで済む。図2の例示的な実施形態を参照して既により詳細に説明したように、レーザ切断機LがセンサSENSを備え得るか、または外部センサが、切断された構成要素Tでの切断結果を取得するように構成され得る。このようにして取得されたセンサデータは、次いで、制御ユニットREにフィードバックされる。
第1の変形例では、フィードバックされたセンサデータは、制御ユニットREにおいて、モデルPM、MMを使用して推定された値と実際に測定された値との間の偏差を低減するために使用される。値は、例えば、カーフ幅、スラグの温度、切断前面の傾斜、溶融物の排出速度および/もしくは温度分布、品質尺度(例えば、エッジの粗さ)、ビーム品質、効果的な吸収度、ビームツールについての情報(サイズ、焦点、焦点位置)、ならびに/または機械システムの動的状態についての値(質量、サイズ、速度、加速度、ジャークなど)などの様々なプロセスパラメータとすることができる。
第2の変形例では、フィードバックされたセンサデータは、制御ユニットREにおいて、プロセスモデルPMおよび/または機械モデルMMを最適化または校正するために使用され得る。
図4は、X軸およびY軸における寸法で切断される構成要素Tの外形の一例を示す。この例に見られるように、切断される輪郭は、直線の部分と、様々な小さい半径および大きい半径を有する様々な区間とを有する。本発明によれば、この幾何形状は、それぞれの幾何形状の区間に対して調整される異なる設定点データセットSW-DSを伴うことができる。図4に示す幾何形状は、例えば、比較的長い直線の切断を含む第1の区間A1と、一連の小さい半径を有する第2の区間A2と、大きい半径を有する第3の区間A3とを有する。切断ヘッド用のアクチュエータACTは、第1の区間A1では、例えば区間A2よりも高い送り速度で移動することができ、その理由は、区間A2では、小さい半径を十分な品質で切断できるようにするために、アクチュエータACTが、指定された品質基準に準拠するように低速で移動する必要があるからである。本発明によれば、切断ヘッドが幾何形状の点上にある時点に応じて、異なる設定点データセットSW-DSが算出され、切断ヘッド用のアクチュエータ、場合によってはレーザ切断機Lの他の構成要素を制御するために使用される。引き続き上記の例を用いると、本発明によれば、第1の区間A1に対して第1の設定点データセットSW-DS1が算出され、第2の区間A2に対して第2の設定点データセットSW-DS2が算出され、第3の区間A3に対して第3の設定点データセットSW-DS3が算出される。上記の説明では「区間」について言及しているが、本発明により設定点データセットを軌道の個々の点ごとに決定することができる。したがって、このようにして算出された設定点データセットSW-DSは、空間分解および時間分解され、軌道に対して動的に決定される。
図5は、低速制御ループlrkに基づく本発明の一実施形態を示す。低速制御ループlrkは、例えば、レーザ切断機L上のセンサSENSによって取得されたセンサデータおよび/または切断された構成要素Tに関連して取得されたセンサデータが、モデル、具体的にはプロセスモデルPMおよび機械モデルMMに更新動作を受けさせるために使用されることを特徴とする。レーザ切断機Lは、少なくとも1つのコントローラによって制御される開ループまたは閉ループである。コントローラは、切断プロセスを駆動するための設定点データセットを受け取る。モデルの改善は非常に計算量が多いため、この動作のために十分な資源(計算資源および時間)を利用できるよう保証することが重要である。好ましい実施形態では、制御ユニットREは、予測モデルベースのコントローラ(MPCコントローラ、モデル予測制御部)を備えることができる。したがって、ここで、レーザ切断機Lで取得されたセンサデータおよび/また切断された構成要素Tに関して取得されたセンサデータが、制御ユニットREにフィードバックされる(低速制御ループ)。加えて、任意選択として、高速制御ループを形成することもでき、これについては図6に関連して以下でより詳細に説明する。
図6は、高速制御ループsrkをさらなる概略図で示す。高速制御ループsrkでは、プロセッサPまたは別の計算エンティティが提供され、これらは、制御ユニットREの外側に配置されることが可能であり、推定されたモデル算出と(測定された値による)現実との間の偏差を低減する役割を果たす。例えば、モデル推定値がカーフ幅150μmを指定しているが、センサデータが実際のカーフ幅170μmを記録している場合、例えば焦点位置を変更するために、選択されたアクチュエータACTを起動するアルゴリズムによって、プロセッサPを駆動することができる。その結果、カーフ幅をより正確に予測することができる。図6では、モデルによって算出された設定点データセットは参照符号SW-DSによって識別され、プロセッサPによって補正された設定点データセットは参照符号SW-DSCORRによって識別される。
原理的には、機械モデルMMおよび/またはプロセスモデルPMは、状態空間モデル、具体的には線形状態空間モデルとすることができる。状態空間表現は、動的システムのいくつかの記述のうちの1つである。状態空間モデルは、時間領域における力学系の解析および合成に好適な工学的方法であると考えられており、多変数システム、線形または非線形の時変伝達システムの制御工学処理において特に効果的である。入力変数と、出力変数と、状態変数との間の関係性はすべて、行列およびベクトルの形式で表される。状態空間モデルは、1次状態微分方程式と出力方程式の2つの方程式で記述される。さらなる情報については、エントリhttps://en.wikipedia.org/wiki/State-space_representationを参照されたい。
以下では、モデル更新での高速制御ループsrkおよび低速制御ループlrkの使用について、例を参照して説明する。
例えば、引き裂きが生じる可能性が不正確に推定された場合、高速制御ループsrkにおいてフォトダイオードによって(実際の)引き裂きの挙動を検出することができ、その後、切断速度を下げることができる。代替的または累積的に、低速制御ループlrkを使用することができる。材料特性の偏差、汚染、経年変化、または機械の生産における偏差により、切断速度が遅くなるまたは高くなる可能性がある。この偏差は、次の切断で考慮され、モデル内で切断速度が減少/増加される。
例えば、輪郭誤差が推定値よりも実際に大きい場合、低速制御ループlrkを使用することができる。加速度センサを活用することにより、切断部分の輪郭誤差をより正確に推定することができる。機械モデルの偏差を低減するための加速度またはジャークの調整は、わずかな時間遅延で行われる。機械モデルの方程式が調整される。モデルを校正するためのルーチンを使用することができる(モデル更新)。例えば、線形状態空間モデル(上記の状態空間モデルを参照)のモデル更新の場合、行列A、行列B、および行列Dが調整され、行列Aはシステム行列または状態行列(状態変数の係数を有する)であり、行列Bは入力行列であり、行列Dはフィードフォワード行列である。
カーフ幅が不正確に推定された場合、低速制御ループlrkを使用することができる。実際のカーフ幅は、カメラ画像から算出される。所望のカーフ幅を得るために、焦点位置の補正値を算出することができる。機械の製造における偏差により、(同じ設定でも)実際の焦点位置にわずかな違いが生じる。加えて、熱焦点ずれなどの影響は、実際の焦点位置に直接影響し、カーフ幅を本質的に決定する。熱焦点ずれは、例えば、光学構成要素の汚染に依存する。本発明によれば、この偏差はプロセスモデルPMにおいて考慮され、焦点位置のオフセット値(SW-DSCORR)が算出および設定される。
例えば、バリ高さが不正確に推定される場合、低速制御ループlrkを使用することもできる。AI、深層学習、カルマンフィルタを活用することにより、実際のバリ高さを決定することができる。所望のバリ高さを達成するために、焦点位置およびガス圧力について補正値(SW-DSCORR)が算出される。
例えば、傾斜角が不正確に推定された場合、低速制御ループlrkを使用することができる。カメラ画像を用いることにより、切断前面角度を決定することができる。モデルでは、切断前面角度の補正値(SW-DSCORR)が調整される。
例えば、温度(分布)が不正確に推定された場合、低速制御ループlrkを使用することができる。温度分布は、カメラを使用して測定される。温度が高すぎる場合、レーザ出力が低減される。温度が低すぎる場合、速度が低減される。焦点位置またはガス圧も補正することもできる。レーザの生産に関連した偏差は、異なるレーザ強度プロファイルをもたらし、それに応じて異なる温度分布をもたらす。温度(分布)は、モデルにおいて補正係数を使用して調整される。
図7は、動的に計算された設定点データセットSW-DSを使用するレーザ切断法の開ループ制御および/または閉ループ制御のための方法の流れ図を示す。レーザ切断動作中、ステップ1において、適切なセンサSENSを使用して、センサデータを取得および前処理し、必要に応じて、前記データをA/D変換器に供給し、前記データをデジタルデータセットとして処理して設定点データセットSW-DSを算出する。任意選択であるステップ1aにおいて、ユーザインターフェースUI上に目標入力(例えば、達成すべき切断品質および/または切断性能)を入力することができる。次いで、この入力および/または場合によってはさらなる「制約」は、設定点データセットSW-DSのその後の算出で考慮される。ステップ2において、組み合わされた機械モデルMMおよびプロセスモデルPMがアクセスされて、ステップ3において、レーザ切断プロセスおよび移動プロセスの推定されたステータスデータに基づいて、センサデータの読み込まれたセンサデータを考慮しながら、レーザ切断プロセスに対する設定点と移動プロセスに対する設定点とを協調させた空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットSW-DSを算出する。切断動作が完了した後、手順を終了することができる。切断動作中、軌道の各点について特定の設定点データセットSW-DSを算出するために、ステップ1、ステップ2、およびステップ3が連続的に実行される。代替的に、上記のように、移動質量の影響を考慮して、通過する軌道のすべての点について設定点値または設定点データセットを決定するために、レーザ切断動作の前にステップ1、ステップ2、およびステップ3を算出することもできる。
プロセッサPは、制御ユニットREに統合されるか、またはデータ交換のための適切なインターフェースを介して別個のエンティティとしてシステムに組み込まれ得る。プロセッサPは、補正された設定点データセットSW-DSCORRを出力することによって、取得されたセンサデータに基づいて、モデルPM、MMによって推定された値と測定された値との偏差を低減する機能を有することができる。
本発明の単純化された実装および実行は、境界条件、具体的には機械および機械のパラメータを考慮するが最適化を行わずに(誤差補正なしで)設定点を生成するだけの機械モデルに存する。これは、機械および機械の構成要素(軸、駆動装置、軸受など)に過度の圧力がかからないように切断速度および/または加速度を設定できることを意味する。
最後に、本発明の説明および例示的な実施形態は、本発明の特定の物理的実現に関して限定するものとして理解されるべきではないことに留意されたい。本発明の個々の実施形態に関連して説明し示したすべての特徴は、その有利な効果を同時に実現するように、本発明による主題において異なる組合せで提供され得る。
本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって与えられ、説明で例示するまたは図面に示す特徴によって限定されるものではない。
特に、焦点位置などの例として言及したプロセスパラメータの設定だけでなく他のプロセスパラメータにも本発明を使用できることは、当業者には明らかである。さらに、デバイスまたは制御ユニットの構成要素を複数の物理的製品にわたって分散されるように製造することもできる。

Claims (15)

  1. 切断ヘッドを備えたレーザ切断機(L)のレーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)を、具体的には金属板または金属管のレーザ切断中に、算出するための方法であって、次の方法ステップ、すなわち、
    - 前記レーザ切断プロセス中にセンサデータを測定するステップ(1)と、
    - 前記レーザ切断プロセスを表現し、前記レーザ切断プロセスのステータスデータおよび具体的には前記レーザ切断プロセスの結果として得られる切断結果を推定する、第1のメモリ(S1)に記憶されたプロセスモデル(PM)を提供するステップと、
    - 前記レーザ切断ヘッドの移動中の前記レーザ切断ヘッドの運動学的挙動を表現し、移動プロセスのステータスデータおよび具体的には前記移動プロセスの結果として得られる切断結果を推定する、第2のメモリ(S2)に記憶された機械モデル(MM)を提供するステップとを有し、
    - 前記プロセスモデル(PM)と前記機械モデル(MM)とが結合され、具体的には前記レーザヘッドの送り速度値を介しておよび/またはノズル距離値を介して結合され、前記方法はさらに、
    - 制御ユニット(RE)によって、前記第1のメモリ(PM)内の前記プロセスモデル(PM)および前記第2のメモリ(S2)内の前記機械モデル(MM)にアクセスして(2)、前記レーザ切断プロセスおよび前記移動プロセスの前記推定されたステータスデータに基づいて、読み込まれた前記センサデータを考慮しながら、前記レーザ切断プロセスに対する設定点と前記移動プロセスに対する設定点とを協調させた前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)を算出するステップ(3)
    を有することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    - 前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)が算出されるときの基となるコスト関数を算出するためにユーザインターフェース(UI)上に入力された目標入力を取得するステップ(1a)であって、前記目標入力が、いくつかの相互依存性のある入力、具体的には、切断品質の入力、切断動作の堅牢性の入力、および生産性の入力を含む、ステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)が、切断速度、前記レーザ切断ヘッドの加速度、レーザ出力、焦点位置、パルスパターン、ノズル間隔、ガス圧、ビームパラメータ積/BPP、焦点径および/もしくは間隙幅などの直接的なプロセス変数についての設定点値、ならびに/または散乱放射、間隙幅、切断エッジの傾斜、切断区域における温度分布、およびエッジの粗さ、スコーリング、バリ、輪郭精度を含む品質特徴を含む間接的なプロセス変数についての設定点値を含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、前記方法が、迅速に制御可能な第1のクラスのパラメータに高速制御ループ(srk)を適用し、前記高速制御ループ(srk)が、現時点で測定されているセンサデータに基づいて、ならびに/または前記算出された設定点データセットおよび/もしくはセンサデータに基づいて補正された設定点データセット(SW-DSCORR)に基づいて、前記レーザヘッドの前記送り速度とともに前記レーザ切断プロセスを制御することを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記方法が、低速で変化する第2のクラスのパラメータに低速制御ループ(lrk)を適用し、前記低速制御ループ(lrk)が、現時点で測定されているセンサデータに基づいて、および/または前記算出された設定点データセットに基づいて、前記レーザヘッドの前記送り速度とともに前記レーザ切断プロセスを制御することを特徴とする方法。
  6. 請求項4または5に記載の方法であって、前記高速制御ループ(srk)および/または前記低速制御ループ(lrk)が予測モデルベースのコントローラ(MPC)として設計されることを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、前記プロセスモデル(PM)および/または前記動的機械モデル(MM)が、読み込まれてそれぞれのモデルにフィードバックされた、実行済みの前記レーザ切断プロセスに関するセンサデータに基づいて校正され得ることを特徴とする方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1のメモリ(S1)および前記第2のメモリ(S2)がともに共通ユニットに統合されることを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法であって、前記制御ユニット(RE)によるアクセスが1つのステップで行われるように、前記プロセスモデル(PM)および/または前記動的機械モデル(MM)が、組み合わされたモデルに統合されることを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の方法であって、前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)が時点および/または軌道上の位置の関数として設定点値を連続的に算出することを特徴とする方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の方法であって、前記レーザ切断プロセスの制御が、前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)によって、前記レーザヘッドの送り速度の制御と共同でおよび比較して行われ、前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセットを算出するとき、ユーザインターフェース(UI)を介して取得され得るユーザ入力が考慮されることを特徴とする方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の方法であって、前記プロセスモデル(PM)および/または前記機械モデル(MM)を校正するために、前記プロセスモデル(PM)および/もしくは前記機械モデル(MM)ならびに/または更新データが、地理的に分散されたレーザ切断機(L)から中央サーバ上で収集されることを特徴とする方法。
  13. レーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)を、レーザ切断機(L)によるレーザ切断中に、算出するための制御ユニット(RE)であって、
    - 前記切断動作中にセンサデータを測定するための少なくとも1つのセンサ(SENS)への測定データインターフェース(MD-SS)と、
    - 前記レーザ切断プロセスを表現し、前記レーザ切断プロセスのステータスデータおよび具体的には前記レーザ切断プロセスの結果として得られる切断結果を推定するプロセスモデル(PM)が記憶されている第1のメモリ(S1)へのプロセスインターフェース(P-SS)と、
    - 前記レーザ切断ヘッドの移動中の前記レーザ切断ヘッドの運動学的挙動を表現し、移動プロセスのステータスデータおよび具体的には前記移動プロセスの結果として得られる切断結果を推定する機械モデル(MM)が記憶されている第2のメモリ(S2)への機械インターフェース(M-SS)と、
    - 前記プロセスモデル(PM)と前記機械モデル(MM)とを結合する、具体的には送り速度値を介しておよび/またはノズル間隔値を介して結合するアルゴリズムを実行するように意図されているプロセッサ(P)と
    を有し、
    - 前記プロセッサ(P)がさらに、前記第1のメモリ(S1)内の前記プロセスモデル(PM)に前記プロセスインターフェース(P-SS)を介してアクセスし、前記第2のメモリ(S2)内の前記機械モデル(MM)に前記機械インターフェース(M-SS)を介してアクセスして、前記レーザ切断プロセスおよび前記移動プロセスの前記推定されたステータスデータに基づいて、読み込まれた前記センサデータを考慮しながら、前記レーザ切断プロセスに対する設定点と前記移動プロセスに対する設定点とを協調させた前記空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)を算出するように意図されていることを特徴とする、制御ユニット(RE)。
  14. 請求項13に記載の制御ユニット(RE)であって、前記少なくとも1つのセンサ(SENS)が、カメラ、スペクトル強度センサ、ガス圧センサ、ガス流量センサ、レーザ出力を検出するため、およびレーザビームのビーム形状を検出するためのセンサ、機械サブシステム用のセンサ、具体的には焦点位置、切断速度、ノズル間隔を検出するためのセンサ、具体的には切断ヘッド、板金および/もしくは機械軸用の加速度センサ、切断ガス、切断環境、切断すべき被加工物の温度を検出するための温度プローブ、切断ガスおよび/もしくは環境の湿度を検出するための湿度センサ、溶融物の温度分布を検出するためのセンサ(SENS)、ならびに音響センサからなる群から選択されることを特徴とする制御ユニット(RE)。
  15. - 請求項13に記載のレーザ切断プロセスの開ループ制御および/または閉ループ制御のために、空間分解と時間分解とを組み合わせた設定点データセット(SW-DS)を算出するための制御ユニット(RE)と、
    - 前記制御ユニット(RE)によって算出された前記設定点データセット(SW-DS)に従って、駆動装置によって幾何形状に沿って移動および動作される可動レーザ切断ヘッドを備えたレーザ切断機(L)と
    を備えることを特徴とするレーザ切断システム。
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