JP2023531886A - セラミックヒータを使用したコンロ用ガス安全バルブ開放保持回路 - Google Patents
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Abstract
調理用ガス安全装置について、図示して説明している。装置は、1つ又は複数のバーナに対して調理用ガスを供給する調理用ガス安全バルブアセンブリを含む。調理用ガス安全アセンブリは、しきい値を超える電流を受けた時にバルブアセンブリを開放位置に保持するように通電可能とされた少なくとも1つのコイルと、開放保持回路と、を含む。開放保持回路は、コイルと、コイルに対して電気接続された高温表面点火器と、を含む。バルブアセンブリは、バルブを手動で開放することにより、さらに、ガスの自己点火温度に対応したしきい値電流を点火器が受領するように点火器に対して通電することにより、駆動される。しきい値電流では、調理用ガス安全バルブアセンブリ内の電磁石が、バルブを開放した状態に保持し、これにより、ユーザが介入することなくバルブが開放状態に維持される。点火器が故障した場合には、コイルに対しての電流が停止し、これにより、バルブが閉塞されて、バーナに対してのガス流が停止される。特定の例では、開放保持回路は、時間的に変化する直流をコイルが受領しつつも、点火器を交流で動作させることを可能とする。【選択図】図4
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月1日付けで出願された米国仮出願第63/047,088号明細書の優先権を主張するものであり、その全体が、参照により本明細書に援用される。
本出願は、2020年7月1日付けで出願された米国仮出願第63/047,088号明細書の優先権を主張するものであり、その全体が、参照により本明細書に援用される。
本開示は、高温表面点火器をガスの自己点火温度にまで加熱するのに充分なしきい値電流へと到達した時にバルブを開放状態に保持する開放保持回路を有したガス安全バルブに関する。
ある種のコンロは、点火の達成後に調理用ガスがバーナに対してのみ供給されることを確保するための安全機能を含む。これにより、未燃焼の調理用ガスが、周囲環境に対して供給されないことが確保され、火災又は爆発につながることがなくなる。
ある公知のシステムでは、ユーザは、ガス制御ノブを操作して、ガスバルブを手動で駆動することで、バーナに隣接した火花点火器に対して、電流を供給する。熱電対が、点火の成功時に直流電流を生成する火炎検出器として作用する。特定のしきい値電流のところで、電流は、ガスバルブを開放位置に保持する磁界を生成し、これにより、ユーザは、ノブを解放することができる。ガスバルブは、火炎が存在しない場合には磁力がガスバルブを開放状態に保持するのに必要な特性力を下回ってガスバルブを閉塞状態とするよう、フェイルクローズであるように構成されている。しきい値電流は、バルブを開放位置に保持するには充分であるものの、バルブを開放するには充分ではない。そのため、ユーザが介在することにより、手動でバルブを駆動してバルブを開放する必要がある。ガスバルブと電磁石とを一体化したものは、ヨーロッパでは、「ガスタップ」と称されている。
火花点火器とは、ユーザ駆動型の点火器であって、短時間の放電と、ガスを点火する火花と、を生成する。よって、連続的な点火を確保するために、火花点火器をオンのままにしておくことはできない。そのため、バーナに対して未燃焼のガスを供給しないよう、熱電対を使用することなどによって、火炎の存在を検知することが重要である。しかしながら、しきい値電流が生成される温度へと到達するまで熱電対が充分な時間にわたって加熱されなければならないため、点火後にガスバルブを開放状態に保持するために必要なしきい値電流を生成するに際しては、かなりの遅延時間及び/又は不感時間が存在する。典型的には、熱電対の熱的応答性に起因して、ユーザは、点火の発生後に、5秒間~10秒間にわたって、ガスバルブを手動で開放状態に保持し続けることが要求される。
高温表面点火器は、火花点火器の代替となり得るものである。高温表面点火器は、炉及び衣類乾燥機を含めた様々な機器において、燃焼ガスに点火するために使用されている。炭化ケイ素製点火器などの、いくつかの高温表面点火器は、半導電性のセラミックボディを含み、セラミックボディの両端間にわたって、電位差が印加される。セラミックボディを通して電流を流すと、セラミックボディが発熱して温度が上昇し、燃焼ガスに対しての点火源となる。窒化ケイ素製点火器などの、他のタイプの高温表面点火器は、セラミックボディを含み、セラミックボディには、電位差が印加される回路が埋め込まれている。埋め込まれた回路内に電流を流すと、セラミックボディが発熱して温度が上昇し、燃焼ガスに対しての点火源となる。
火花点火器とは異なり、高温表面点火器では、点火を引き起こすものが、点火器の表面温度であって、電位の個別的バーストではないため、高温表面点火器は、調理用ガスに点火するに際して、連続的に通電され得る。上述したガス安全バルブアセンブリと組み合わせて使用された時には、高温表面点火器の通電状態は、点火が発生したこと(又は、発生する予定であること)を示すものであり、これにより、熱電対を除去することができる。しかしながら、点火器の通電に使用される電流を、ガスバルブを開放状態に保持するのに必要な電流と関連付けるための何らかの手段が必要である。よって、上記課題に対処する調理用ガス安全装置が要望されている。
本開示の第1態様によれば、調理用ガス安全装置が提供され、調理用ガス安全装置は、調理用ガスを通過させ得る開放位置へと手動で駆動可能とされたバルブアセンブリを含む。バルブアセンブリは、しきい値電流値を超える電流を受けた時にのみバルブを開放位置に保持するように通電可能とされた少なくとも1つのコイルを含む。装置は、開放保持回路をさらに含み、開放保持回路は、高温表面点火器とコイルとを含み、高温表面点火器は、コイルに対して電気接続されており、しきい値電流値を有した電流を少なくとも1つのコイルが受けてから約8秒以内に、高温表面点火器の表面が、調理用ガスの少なくとも自己点火温度へと到達する。特定の例によれば、コイルは、直流コイルである。他の例によれば、コイルは、交流コイルである。追加的な例によれば、開放保持回路は、フル電力モードで、及び低減電力モードで、動作可能とされている。好ましい例では、しきい値電流値を有した電流を少なくとも1つのコイルが受けてから、約6秒以内に、より好ましくは4秒以内に、高温表面点火器の表面が、調理用ガスの少なくとも自己点火温度へと到達する。
本開示の第2態様によれば、コンロのバーナに対して調理用ガスを供給するための方法が提供される。方法は、開放位置と閉塞位置とを有したバルブを含むバルブアセンブリを準備することを含み、バルブが開放位置にある時には、バルブを通して調理用ガスを通過させる。バルブアセンブリは、バルブを開放位置に保持するために通電可能とされた少なくとも1つのコイルをさらに含む。方法は、バルブを、開放位置へと、手動で駆動することと、高温表面点火器と少なくとも1つのコイルとを含む開放保持回路に対して、交流を供給し、これにより、バルブを開放位置に保持することと、をさらに含む。特定の例では、少なくとも1つのコイルは、直流コイルを含み、方法は、交流を、直流コイルに対して供給される時間的に変化する直流へと、変換することを含む。他の例では、少なくとも1つのコイルは、交流コイルを含む。特定の例では、バルブを手動で駆動することは、高温表面点火器が調理用ガスの少なくとも自己点火温度へと到達するまで、実行される。
本開示の第3態様によれば、調理用ガス安全装置が提供され、調理用ガス安全装置は、バルブと少なくとも1つのコイルとを含むバルブアセンブリを含む。バルブは、流体入口と流体出口とを含むとともに、流体入口を流体出口に対して流体連通状態に配置するように手動で駆動可能とされ、少なくとも1つのコイルは、しきい値電流値を超える電流を受けた時にのみバルブを開放位置に保持するように通電可能とされており、装置は、少なくとも1つのコイルに対して電気接続可能とされて開放保持回路を規定する高温表面点火器をさらに含み、120V AC rmsの電位差を受けた時には、高温表面点火器は、少なくとも1つのコイルがしきい値電流を受けてから8秒以内に、少なくとも1400°F(約760℃)の表面温度へと到達する。
本開示の第4態様によれば、調理用ガス安全装置が提供され、調理用ガス安全装置は、バルブと少なくとも1つのコイルとを含むバルブアセンブリを含む。バルブは、流体入口と流体出口とを含むとともに、流体入口を流体出口に対して流体連通状態に配置するように手動で駆動可能とされ、少なくとも1つのコイルは、しきい値電流値を超える電流を受けた時にのみバルブを開放位置に保持するように通電可能とされており、装置は、少なくとも1つのコイルに対して電気接続可能とされて開放保持回路を規定する高温表面点火器をさらに含み、120V AC rmsの電位差を受けた時には、高温表面点火器は、少なくとも1つのコイルがしきい値電流を受けてから8秒以内に、高温表面点火器の表面が、ブタン、ブタン1400、プロパン、及び天然ガス、のうち少なくとも1つの、自己点火温度へと到達する。
図面においては、同様の参照符号は、同様の構成要素を指す。
以下では、バルブアセンブリと「開放保持」回路とを含むガス安全バルブ装置の例について、説明する。バルブアセンブリは、バルブと、少なくとも1つのコイルと、を含み、少なくとも1つのコイルは、しきい値電流値を超える電流を少なくとも1つのコイルが受けた時にのみバルブを開放位置に保持するように通電可能とされている。開放保持回路は、ユーザがガス制御ノブを駆動した時にのみ又はバーナが点火されている時にのみバーナに対してガスを供給することをバルブが許可することを、確保する。より具体的には、バーナを点火するために使用されている高温表面点火器が、調理用ガスの自己点火温度以上の表面温度へと到達する(又は、そのような温度を維持する)ために充分に通電されていない場合には、開放保持回路は、バルブを閉塞させ、これにより、点火されていないバーナに対してガスが意図せずに流れてしまう可能性を、低減させる。特定の例では、点火器は、交流電源によって通電され、少なくとも1つのコイルは、しきい値直流を受けた時にのみバルブを開放状態に保持する直流コイルである。そのような例によれば、開放保持回路は、点火器の表面が調理用ガスの自己点火温度へと到達するのに充分な電流が点火器に対して供給された時にのみ、しきい値直流を少なくとも1つのコイルに対して供給するように構成されている。
図1~図3を参照すると、調理用ガス安全バルブアセンブリ20が提供されている。調理用ガス安全バルブアセンブリ20は、バルブ21と、直流コイル40と、磁気コア42と、を含む。バルブアセンブリ20は、長手方向軸線lに沿って互いに離間した近位端P及び遠位端Dを有している。バルブ21は、剛直な金属製ハウジング23を含み、金属製ハウジング23の内部には、ガス入口22及びガス出口24が、規定されているとともに、径方向軸線rに沿って互いに離間している。バルブ21は、ガス入口22がガス出口24に対して流体連通している開放位置(図2)と、ガス入口22がガス出口24に対して流体連通していない閉塞位置(図1)と、を有している。入口計量オリフィス29を有したテーパー形状スリーブ28が設けられており、テーパー形状スリーブ28は、バルブディスク36が軸線方向流体通路43の肩部45から離脱した時(図2)にはガスを通過させ得る出口31を含む。図1及び図2では、オリフィス29のすべてが図示されているわけではないが、ガス入口22は、オリフィス29に対して流体連通している。
軸体係合面38が、バルブディスク36上に設けられており、軸体係合面38は、ガス安全バルブアセンブリ20の長手方向軸線(l)に沿ってテーパー形状スリーブ28を貫通している軸体44(図2)に対して係合するものである。軸体44は、調理用ガス安全バルブアセンブリ20の長手方向軸線(l)に沿って遠位向きに軸線方向に押し下げ可能なガスノブステム26(図では、ノブは省略されている)に対して動作可能に連結されている。ガスノブステム26を遠位向きに軸線方向に押し下げると、軸体44が、バルブディスク36を、長手方向軸線(l)に沿って遠位向きに駆動して、軸線方向流体通路43の肩部45に対しての係合から解除する。軸体44の、径方向軸線rに沿った直径は、肩部45のところにおける軸線方向流体通路43の直径と比較して、より狭いものであり、肩部45よりも遠位側に位置している。流体通路43の、径方向軸線rに沿った直径は、肩部45の内部で径方向に規定された開口領域の直径と比較して、より大きなものである。その結果、バルブディスク36が肩部45に対しての係合から離脱するように駆動された時には、テーパー形状スリーブ28の出口31から導出されるガスは、バルブアセンブリのガス出口24から出ることができる。軸体44は、スプリング46(図3)によって、長手方向軸線lに沿って近位向きに付勢されている。ガスノブステム26も、また、軸体44に対しての動作的連結を維持するよう、長手方向軸線lに沿って近位向きに付勢されている。
バルブディスク36は、遠位バルブ軸体32に対して連結されており、遠位バルブ軸体32は、電磁石ハウジング41内に収容された磁気ディスク30に対して連結されている。電磁石ハウジング41は、対応する磁気コア42まわりに巻回された直流コイル40を収容している。また、それぞれ対応するコアまわりに巻回された複数のコイルが、設けられてもよい。バルブディスク36は、電磁石ハウジング41の近位端に対して取り付けられたスプリング34によって、長手方向軸線lに沿って近位向きに付勢されている。遠位バルブ軸体32は、スプリング34を貫通して、及び、電磁石ハウジング41の近位端内の穴(図示せず)を貫通して、延びている。ガス安全バルブ21が閉塞位置にある時には(図1)、バルブディスク36は、付勢ススプリング34によって、電磁石ハウジング41から離間する向きに、かつ、軸線方向流体通路43の肩部45に対して係合するように、付勢されている。ユーザが、ガスノブステム26を、長手方向軸線lに沿って遠位向きに押し下げた時には、軸体44の遠位端47(図3)が、バルブディスク36の軸体係合面38に対して係合し、バルブディスク36を、長手方向軸線lに沿って遠位向きに、図2の開放位置にまで変位させる。バルブディスク36の長手方向軸線lに沿った変位は、また、遠位バルブ軸体32を、長手方向軸線lに沿って遠位向きに変位させ、これにより、磁気ディスク30を、磁気コア42に対して係合するように遠位向きに変位させる。しきい値電流が、直流コイル40に対して供給された時には、結果として生じる磁力は、ユーザがガスノブステム26を解放した場合であっても、バルブ21の磁気ディスク30を、磁気コア42に対する係合状態に保持することとなる。磁力が存在しないとすれば、ガスノブステム26を解放した時点で、スプリング34の付勢力が、バルブディスク36を、長手方向軸線lに沿って近位向きに付勢することにより、軸線方向流体通路チャネルの肩部45に対して係合させ、これにより、軸体係合面38は、軸体44を、長手方向軸線lに沿って近位向きに付勢するであろう。コイル40を流れる直流が、ガス安全バルブアセンブリ20のしきい値電流特性を超えたままで維持されている限りにおいては、磁力は、バルブの磁気ディスク30を、磁気コア42に対しての係合状態に保持することとなり、これにより、バルブ21を、図2の開放位置に維持することとなる。直流コイル40が生成する磁界は、磁気ディスク30を磁気コア42に対しての係合状態に保持するよう充分に強力なものであるものの、磁気ディスク30を磁気コア42に対しての係合状態へと引っ張るほどには強くない。
上述したように、調理用ガス安全バルブアセンブリ20と一緒に典型的に使用される火炎検出方式を改変することにより、バルブディスク36が図2の開放位置に保持される前にユーザがガスノブステム26を手動駆動する時間を短縮しつつ、点火源に対して通電された時にのみコンロのバーナに対してガスを供給することを確保することが、望ましい。上述したように、火炎検出方式は、典型的には熱電対を使用することにより、火炎が存在する時にコイル40のための直流を生成する。
以下の例では、火花点火器に代えて、調理用ガス安全バルブアセンブリ20と一緒に使用される1つ又は複数のバーナは、セラミック製高温表面点火器52によって点火される。本明細書で説明するガスバルブアセンブリに関連して有用なセラミック製高温表面点火器は、米国特許出願第16/366,479号明細書に記載されたものを含み、この文献の全体は、参照により本明細書に援用される。
図4~図8では抵抗器として表されているけれども、本明細書で説明するガス加熱システムにおいて有用な好ましいセラミック製高温表面点火器52は、セラミックボディを有した高温表面点火器を含み、セラミックボディは、長手方向軸線を規定する長さと、幅方向軸線を規定する幅と、厚さ方向軸線を規定する厚さと、を有している。点火器52は、それぞれ対応する外面を有した第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルを含む。導電性インクパターンが、第1セラミックタイルと第2セラミックタイルとの間に配置される。特定の例では、点火器52は、約0.047インチ~約0.060インチ(約0.1194cm~約0.1524cm)の、好ましくは約0.050インチ~約0.058インチ(約0.1270cm~約0.1473cm)の、より好ましくは約0.052インチ~約0.054インチ(約0.1321cm~約0.1372cm)の、厚さ方向軸線に沿った厚さを有している。米国特許出願第16/366,479号明細書における、図3A~図3H、及び対応する本文、を参照されたい。
本明細書で説明する好ましいセラミック製高温表面点火器52は、全体的に直方体形状であり、2つの大きな面と、2つの小さな面と、頂面と、底面と、を含む。大きな面は、セラミック製高温表面点火器ボディの、第1最長寸法(長さ)及び第2最長寸法(幅)によって規定される。小さな面は、点火器ボディの、第1最長寸法(長さ)及び第3最長寸法(厚さ)によって規定される。点火器ボディは、また、点火器ボディの、第2最長寸法(幅)及び第3最長寸法(厚さ)最長寸法によって規定される、頂面及び底面を含む。セラミック製高温表面点火器52は、正の又は負の、抵抗温度係数を有してもよい。しかしながら、正の抵抗温度係数が好ましい。
セラミック製高温表面点火器52が正の抵抗温度係数を有している例によれば、点火器タイルは、セラミックであり、好ましくは窒化ケイ素を含む。導電性インク回路は、タイルどうしの間に配置されており、通電された時には熱を生成する。セラミックタイルは、電気絶縁性であるけれども、天然ガス、プロパン、ブタン、ブタン1400(ブタンと空気との混合物であり、1400Btu/ft3(約52163kJ/m3))の発熱量を有している)、及び、これらの混合物、から選択される、空気と気体との可燃性混合物を、所望の時間期間内に点火するために必要な外表面温度へと到達するよう、充分に熱伝導性である。
以下でより詳細に説明するように、特定の例では、セラミックタイルは、窒化ケイ素、酸化イッテルビウム、及び、二珪化モリブデン、を含む。同じ例では、又は他の例では、導電性インク回路は、炭化タングステンを含み、ある特定の実装では、導電性インクは、酸化イッテルビウム、窒化ケイ素、及び、炭化ケイ素を、追加的に含む。
特定の例では、120V AC(rms)の電位差を受けた時には、本明細書で説明するセラミック製高温表面点火器52は、少なくとも1400°F(約760℃)の、好ましくは1800°F(約982℃)以上の、より好ましくは2100°F(約1149℃)以上の、さらに好ましくは2130°F(約1166℃)以上の、表面温度へと到達する。これらの温度は、120V AC(rms)の電位差が印加された後に、好ましくは8秒以内に到達され、より好ましくは6秒以内に到達され、さらに好ましくは4秒以内に到達される。
同じ例では、又は追加的な例では、本明細書のセラミック製高温表面点火器の表面温度は、定常状態の温度へと到達した後を含めて、全波整流で132V AC(rms)の電位差が点火器に対して印加された後のいかなる時間においても、2600°F(約1427℃)を超えない、好ましくは2550°F(約1399℃)を超えない、より好ましくは2500°F(約1371℃)を超えない、さらに好ましくは2450°F(約1343℃)を超えない。
本開示によるセラミック製高温表面点火器の同じ例では又は他の例では、102V AC(rms)の電位差を受けた時には、本明細書で説明するセラミック製高温表面点火器は、102V AC(rms)の電位差が最初に印加された後に、17秒以内に、好ましくは10秒以内に、より好ましくは約7秒以内に、少なくとも1400°F(約760℃)の、好ましくは少なくとも1800°F(約982℃)の、さらに好ましくは少なくとも2100°F(約1149℃)の、表面温度へと到達する。これらの温度は、好ましくは4秒以内に到達され、より好ましくは3秒以内に到達される。
同じ例では、又は追加的な例では、高温表面点火器の導電性インク回路の厚さ(厚さ方向軸線に沿って測定された厚さ)は、約0.002インチ(約0.00508cm)以下、好ましくは約0.0015インチ(約0.00381cm)以下、より好ましくは約0.0009インチ(約0.002286cm)以下、である。同じ例又は追加的な例では、導電性インク回路の厚さ(厚さ方向軸線に沿って測定された厚さ)は、約0.00035インチ(約0.000889cm)以上、好ましくは約0.0003インチ(約0.000762cm)以上、より好ましくは約0.0004インチ(約0.001016cm)以上、である。
本開示の高温表面点火器52は、また、好ましくは、理論密度の少なくとも50パーセントの、より好ましくは理論密度の少なくとも55パーセントの、さらに好ましくは理論密度の少なくとも60パーセントの、グリーンボディ密度を有している。
米国特許出願第16/366,479号明細書で議論されているように、本明細書で説明するガス加熱システムで使用されるセラミック製高温表面点火器52は、セラミック組成物を焼結することによって作製される。特定の例では、焼結後に、点火器52を形成するために使用されたタイル(導電性インク回路を含まない)は、1012Ω-cm以上の、好ましくは1013Ω-cm以上の、より好ましくは1014Ω-cm以上の、室温抵抗率を有している。同じ例では、又は他の例では、タイルは、900°F(約482℃)以上の、好ましくは950°F(510℃)以上の、より好ましくは1000°F(約538℃)以上の、ASTM C-1525に準拠した熱衝撃値を有している。
他の例では、導電性インク回路を含む導電性インクは、約1.4×10-4Ω・cm~約4.5×10-4Ω・cmの、好ましくは約1.8×10-4Ω・cm~約4.1×10-4Ω・cmの、より好ましくは約2.2×10-4Ω・cm~約3.7×10-4Ω・cmの、(焼結後)室温抵抗率を有している。長さに沿って一定の断面積を有した材料の場合には、所与の温度Tでの抵抗率ρは、以下の周知の式に基づいて、同じ温度Tでの抵抗値Rに対して関連付けられる。
(1) R(T)=ρ(T) (l/A)
ここで、
ρ=温度Tでの導電性回路材料の抵抗率(Ω-cm)、
R=温度Tでの、単位をオーム(Ω)とした抵抗値、
T=温度(°F、又は、℃)、
A=導電性インク回路の、電流が流れる向きに対して垂直な断面積(cm2)、
l=導電性インク回路の、電流が流れる向きに沿った合計長さ(cm)、である。
(1) R(T)=ρ(T) (l/A)
ここで、
ρ=温度Tでの導電性回路材料の抵抗率(Ω-cm)、
R=温度Tでの、単位をオーム(Ω)とした抵抗値、
T=温度(°F、又は、℃)、
A=導電性インク回路の、電流が流れる向きに対して垂直な断面積(cm2)、
l=導電性インク回路の、電流が流れる向きに沿った合計長さ(cm)、である。
導電性回路の長さに沿って変化する断面積の場合には、抵抗値は、以下のように表されてもよい。
ここで、L=電流が流れる向きに沿った回路の合計長さ(cm)であり、残りの変数は、式(1)で定義された通りである。
特定の例では、本明細書におけるセラミック製高温表面点火器52を含むセラミックボディは、好ましくは、窒化ケイ素と、希土類酸化物焼結助剤と、を含み、希土類元素は、イッテルビウム、イットリウム、スカンジウム、及びランタン、の1つ又は複数である。焼結助剤は、上記の希土類酸化物と、シリカ、アルミナ、及びマグネシア、の1つ又は複数と、から選択される共ドーパンドとして提供され得る。また、焼結助剤保護剤が含まれることが好ましく、これも、また、高密度化を促進する。好ましい焼結助剤保護剤は、二珪化モリブデンである。希土類酸化物焼結助剤(共ドーパントを含むもの、又は含まないもの)は、好ましくは、セラミックボディの、約2重量パーセント~約15重量パーセントの量で、より好ましくは約8重量パーセント~約14重量パーセントの量で、さらに好ましくは約12重量パーセント重量パーセント~約14重量パーセントの量で、存在する。二珪化モリブデンは、好ましくは、セラミックボディの、約3重量パーセント~約7重量パーセントの量で、より好ましくは約4重量パーセント~約7重量パーセントの量で、さらに好ましくは約5.5重量パーセント~約6.5重量パーセントの量で、存在する。残りは、窒化ケイ素である。
導電性インク回路は、好ましくは、セラミックタイルの一方の面上に印刷され、これにより、セラミック製高温表面点火器(焼結後)の、約60Ω~約120Ωの、好ましくは約70Ω~約110Ω、より好ましくは約80Ω~約100Ωの、室温抵抗値(RTR)が得られる。同時に、セラミック製高温表面点火器の、2138°F~2700°F(1170℃~1482℃)の温度範囲における高温抵抗値(HTR)は、一般に約300Ω~約500Ωであり、好ましくは約400Ω~約480Ωであり、より好ましくは約430Ω~約450Ωである。
点火器52内における導電性インクは、インクの、約20重量パーセント~約80重量パーセントの量で、好ましくは約30重量パーセント~約80重量パーセントの量で、より好ましくは約70重量パーセント~約75重量パーセントの量で、炭化タングステンを含むべきである。窒化ケイ素は、好ましくは、インクの、約15重量パーセント~約40重量パーセントの量で、好ましくは約15重量パーセント~約30重量パーセントの量で、より好ましくは約18重量パーセント~約25重量パーセントの量で、提供される。セラミックボディに関して説明した同じ焼結助剤又は共ドーパントは、また、好ましくは、インクの、約0.02重量パーセント~約6重量パーセントの量で、好ましくは約1重量パーセント~約5重量パーセントの量で、より好ましくは約2重量パーセント~約4重量パーセントの量で、含まれている。
本明細書で説明する調理用ガス安全装置の例では、高温表面点火器52は、バーナに対して供給された調理用ガスを点火するために使用され、バーナに対してのガスの流れは、調理用ガス安全バルブアセンブリ20によって調節され、調理用ガス安全バルブアセンブリ20は、高温表面点火器に対して供給された電流が、調理用ガスの自己点火温度へと点火器が到達するのに充分である時にのみ、開放状態で保持される。「自己点火温度」とは、ガスと空気との混合物が点火して燃焼を継続することとなる最低温度のことである。好ましい例では、点火器52は、また、フル電力モードでも、低減電力モードでも、動作可能とされている。点火時には、点火器52は、フル電力で動作することとなる。点火後には、点火器は、調理用ガスの少なくとも自己点火温度へと点火器を加熱するのに充分な電力ではあるものの、低減された電力で動作することとなる。
図4を参照すると、調理用ガス安全装置の一部が図示されている。調理用ガス安全装置は、開放保持回路50と、直流コイル40(図に示されている)を含む調理用ガス安全バルブアセンブリ20と、を含む。バルブアセンブリ20は、上述したように、ガスノブステム26を使用して、開放位置(図2)へと、手動で駆動可能とされている。バルブディスク36が図2の開放位置にある際に、直流コイル40に対して、しきい値直流を超える電流が通電された時には、直流コイル40の磁力は、ユーザがガスノブステム26を押し続ける必要なく磁気ディスク30を磁気コア42に対しての係合状態に保持することにより、バルブディスク36を開放状態に保持する。時間的に変化する電流の場合には、しきい値直流は、時間的に変化する電流のRMS値である。
開放保持回路50は、高温表面点火器52と、直流コイル40と、を含む。図に示すように、高温表面点火器52は、しきい値電流値を有した電流を直流コイル40が受けた時には点火器52の表面が調理用ガスの少なくとも自己点火温度へと到達するようにして、直流コイル40に対して電気接続されている。直流コイル40がしきい値電流以下である時にのみガス自己点火温度へと到達するように点火器52を構成することは、点火器が調理用ガスを点火するのに充分に高温ではない時にはバーナに対してのガスが遮断されることを、より良好に確保する。その結果、大きな不感時間又は遅延時間を有した例えば熱電対などの火炎検出デバイスを排除することができ、このことは、ガスバルブアセンブリを(図2の)開放状態に維持するためにユーザがガスノブステム26を長手方向軸線lに沿って遠位向きに押し下げなければならない時間を、大幅に減少させる。
高温表面点火器52は、交流電源51によって給電される。図4の例によれば、交流電源51によって直流コイル40に対して供給される交流電流は、時間的に変化する直流へと変換される。本明細書で使用する際には、「直流」とは、1つの極性を有した電流を指す。「直流」は、1つの極性を有している限りにおいては、一定値を有してもよく、又は、時間的に変化する値を有してもよい。交流電源51が2つの極性を有していることのために、開放保持回路50は、交流電源の周期が一方の極性である時には、電位を貯蔵するように、さらに、交流電源の周期が反対の極性である時には、直流コイル40が電位を使用し得るように、構成されている。図4には図示していないけれども、ガスノブステム26を長手方向軸線l(図2)に沿って遠位向きに押し下げたことに応答して開放保持回路50に対して選択的に通電するために、別のスイッチが設けられることとなる。よって、特に図示していないけれども、交流電源51が、高温表面点火器52及び直流コイル40に対して、選択的に電気接続されることは、理解されよう。
図4に示すように、高温表面点火器52は、直流コイル40に対して、直並列結合とされている。「直並列」及び「並直列」という用語は、互いに厳密には直列の関係にはない構成要素、又は互いに厳密には並列の関係にない構成要素、を指す。電気回路における2つの構成要素間の関係を記述するために使用された際の、「直列」という用語は、1つの電流が、それぞれの構成要素を順番に流れることを意味する。電気回路における2つの構成要素間の関係を記述するために使用された際の、「並列」という用語は、電流が、構成要素どうしの間で分割され、その後、再結合することを、意味する。図4を参照すると、点火器52を流れる電流の一部は、直流コイル40を通して流れ、また、点火器52を流れる電流の別の部分は、抵抗器56を通して流れ、その後、2つの電流は、再結合する。
図4では、高温表面点火器52に対して供給される交流電流は、整流され、好ましくは半波整流される。当該技術分野では公知であるように、ダイオードは、1つの極性の電流だけを流すことができる。ダイオード64は、ダイオードが順バイアスされているACサイクル部分の間にダイオード64を通して流れる電流部分を、高温表面点火器52を通しても流し得ることのために、高温表面点火器52に対して直並列結合とされている。ダイオード64から点火器52へと流れる電流が各半ACサイクルの間にゼロへと低下することのために、そして、電流がゼロ極を横切る時に直流コイル40がバルブディスク36を図1の閉塞位置へと解放することのために、ダイオード64は、高温表面点火器52に対して、直接的には直列に配置されていない。そのため、ダイオード64が順バイアスされている時に充電するとともにダイオード64が逆バイアスされている時に放電するもう1つのキャパシタが、設けられている。ダイオード64の電圧定格及び電流定格は、より小さな電圧定格又はより小さな電流定格が回路50の寿命を減少させる傾向があることのために、好ましくは、回路50の寿命に対してコスト的にバランスをとるように選択される。
ダイオード64が提供するものなどの半波整流電圧は、時間的に変化する一方向性の電圧であるとともに、「リップル」として公知のAC正弦波がDC信号上に重畳した外観を有している。リップルは、全体の平均値に対しての、AC成分の二乗平均平方根(RMS)値の比である「リップル係数」と称される特性係数を有している。ダイオード64の出力などの、単相の半波整流信号は、1.21のリップル係数を有している。当業者には公知であるように、時間的に変化する信号のRMS値は、二乗された関数の平均値の平方根である。時間的に変化する電流又は電圧の文脈では、それぞれ対応するRMS電流値又はRMS電圧値は、時間的に変化する値と同等の効果を有したDC値である。RMS電圧とRMS電流は、それぞれ式(2a)及び式(2b)から計算することができる。
ここで、
v(t)は、T2-T1(秒)の周期を有した周期的な時間変化する電圧(ボルト)であり、
T1=周期の始点での時間値(秒)であり、
T2=T1で始まる周期の終点での時間値(秒)であり、
vrmsは、関数v(t)の二乗平均平方根電圧(ボルト)である。
ここで、
i(t)は、T2-T1(秒)の周期を有した周期的な時間変化する電流(アンペア)であり、
T1=周期の始点での時間値(秒)であり、
T2=T1で始まる周期の終点での時間値(秒)であり、
irmsは、関数i(t)の二乗平均平方根電圧(ボルト)である。
v(t)は、T2-T1(秒)の周期を有した周期的な時間変化する電圧(ボルト)であり、
T1=周期の始点での時間値(秒)であり、
T2=T1で始まる周期の終点での時間値(秒)であり、
vrmsは、関数v(t)の二乗平均平方根電圧(ボルト)である。
i(t)は、T2-T1(秒)の周期を有した周期的な時間変化する電流(アンペア)であり、
T1=周期の始点での時間値(秒)であり、
T2=T1で始まる周期の終点での時間値(秒)であり、
irmsは、関数i(t)の二乗平均平方根電圧(ボルト)である。
図4の例では、2つのキャパシタ58及び60が設けられている。キャパシタ58及び60は、直流リップル電圧を平滑化することを補助するとともに、整流後に点火器52及び直流コイル40が見る二乗平均平方根(RMS)電圧を増加させることを補助する。キャパシタ60は、高温表面点火器52及び直流コイル40に対して、選択的に電気接続される。スイッチ62は、キャパシタ60に対して直列とされている。スイッチ62が開放されている時には、キャパシタ60は、開放保持回路50から切り離されており、高温表面点火器52及び直流コイル40のいずれとも電気接続されていない、すなわち、キャパシタ58のみがリップル係数を低減する。スイッチ62が閉塞されていて極63と接触している時には、キャパシタ60は、高温表面点火器52及び直流コイル40の両方に対して、電気接続される。
スイッチ62が開放されている場合について最初に参照すると、ダイオード64が順バイアスされている時には、キャパシタ58は、充電されることとなり、その飽和電圧へと到達するまで電流を流し続けることとなる。AC電源電圧が、その最大値から低下し始めた時には、キャパシタ58は、AC電源電圧がキャパシタ58の飽和電圧を下回った時点で、放電を開始することとなる。よって、交流電源51の極性が切り替わって、ダイオード64が逆バイアスになった時には、キャパシタ58は放電を続けることとなり、高温表面点火器52及び直流コイル40に対して、電流を供給することとなる。その結果、高温表面点火器52及び直流コイル40は、効果的に平滑化されたリップルを見る、すなわち、それらの電圧は、DC電圧信号上に重畳されたAC電圧正弦波と等価となる。図9は、キャパシタ58単独で、又はキャパシタ60と並列となって(スイッチ62が閉塞されている時)、ダイオード64が生成したリップル電圧を平滑化する態様を図示している。図9における整流された波形は、ダイオード64からの出力電圧信号であり、これは、また、高温表面点火器52に対しての、及びノードN52での、入力電圧である。波形のうち、ダイオード64の出力電圧が増加している部分の際には、キャパシタ58は、その飽和電圧へと到達するまで、又はAC電源がそのピーク電圧へと到達するまで、充電される(スイッチ62が閉塞されている場合には、キャパシタ60も同様に充電される)。よって、キャパシタ58が充電されている時には、高温表面点火器52の入力電圧は、AC電源51からのAC波形を追跡する。AC電源がそのピーク電圧へと到達し、キャパシタ58の飽和電圧を下回り始めた時には、キャパシタ58は、放電を開始し、図9の上側の線分によって示すようにして、高温表面点火器52に対して電流を供給する。キャパシタ58の電圧がAC電源電圧を下回った時には、キャパシタ58は、再び充電を開始する。その結果、高温表面点火器52は、ダイオード64からの整流された電圧出力を見る代わりに、図9の上側のグラフによって表された電圧を見ることとなり、これにより、整流された波形のリップルが平滑化される。結果的に、高温表面点火器52と直流コイル40とが見る電圧及び電流は、時間的に変化する直流電圧及び直流電流であり、これにより、AC電源が半サイクルごとに極性を反転するにもかかわらず、直流コイル40は、バルブディスク36を、開放状態に保持することができる(図2)。回路50の合計キャパシタンスが増加するにつれて、リップルを、「平滑化」させる、又は減衰させる。スイッチ62が閉塞されている時には、合計キャパシタンスは、キャパシタ58のキャパシタンスと、キャパシタ60のキャパシタンスと、の合計である。スイッチ62が開放されている時には、合計キャパシタンスは、キャパシタ58のキャパシタンスである。キャパシタンスの平滑化効果は、式(2c)により示されており、式(2c)は、合計キャパシタンスCtotalが増加するにつれて、高温表面点火器52が見る最大電圧と最小電圧との間の広がり(ΔV)が減少することを示している。
(2c) ΔV = 0.7i/((f)Ctotal)
ここで、
ΔV=電圧と時間信号との関係における隣接ピークどうしの間の電圧差(ボルト)であり、
i=高温表面点火器52が見るDC負荷電流(アンペア)であり、
f=リップル周波数(Hz(一般に、全波の場合には120Hz、半波の場合には60Hz))である。
(2c) ΔV = 0.7i/((f)Ctotal)
ここで、
ΔV=電圧と時間信号との関係における隣接ピークどうしの間の電圧差(ボルト)であり、
i=高温表面点火器52が見るDC負荷電流(アンペア)であり、
f=リップル周波数(Hz(一般に、全波の場合には120Hz、半波の場合には60Hz))である。
式(2c)では、0.7は、0.3と仮定される整流器-電流デューティサイクルの補数である。キャパシタ58のキャパシタンスが増加するにつれて、ノードN52での点火器52の入力電圧は、フル電力モードと低減電力モード(後述)との両方において、より小さなリップルを示す(より平坦となる)。キャパシタ60のキャパシタンスが増加するにつれて、ノードN52での点火器52の入力電圧は、フル電力時にのみ、より小さなリップルを示し、点火器52は、より高温へと加熱されることとなる。また、キャパシタ60のキャパシタンスが大きくなるにつれて、回路50の構成要素に対して、それらの定格を超えたストレスを印加する可能性が増大する。逆に、回路50が低減電力モードとされた時には、キャパシタ60のキャパシタンスが減少するにつれて、ノードN52での点火器52の入力電圧は、より大きなリップルを示し(「平坦度が小さく」なる)、点火器52を通してのRMS電流は、減少することとなり、点火器52を、より低い定常状態温度へと到達させる。直流コイル40は、他の回路構成要素と比較して、はるかに小さな抵抗値を、及びはるかに小さいインダクタンスを、有している傾向がある。よって、コイル40に関するそれら特性の選択は、回路50の全体的性能に対して、あまり重要ではない傾向がある。
スイッチ62が閉塞されている時には、高温表面点火器52は、フル電力モードである。スイッチ62が開放されている時には、高温表面点火器52は、低減電力モードである。フル電力モードは、好ましくは、点火動作の際に使用される。低減電力モードは、好ましくは、調理操作時に使用され、火炎が消失した場合には、調理用ガスの再点火手段を提供する。スイッチ62が閉塞されている時には、キャパシタ58及び60は、それぞれ対応するキャパシタンスの合計に等しい合計キャパシタンスを有した単一キャパシタとして作用し、これは、並列結合が、両方のキャパシタンスの合計に等しいキャパシタンスを有した単一キャパシタと同等であることを意味する。キャパシタ58及び60のキャパシタンス値は、フル電力に対しての、低減電力動作時に得られる割合に影響を与えることとなる。特定の例では、直流コイル40が図2の開放位置へとラッチされた後にガスバルブステム26を解放することにより、スイッチ62を開放させることとなり、回路50を、低減電力モードとすることとなる。特定の例では、低減電力モードで点火器52に対して提供される電力は、フル電力モードで点火器52に対して提供される電力の、約70パーセント~約90パーセント、好ましくは約75パーセント~約85パーセント、より好ましくは約78パーセント~約82パーセント、である。
表面点火器52内で消費される電力は、フル電力モードではキャパシタ58及び60の合計キャパシタンスに比例し、低減電力モードではキャパシタ58のキャパシタンスに比例する。よって、フル電力モードでの点火器電力消費に対しての、低減電力モードでの点火器電力消費の比率は、キャパシタ60のキャパシタンスが、キャパシタ58のキャパシタンスと比較して増加するにつれて、減少する。低減電力モードの場合と同様に、ダイオード64が順バイアスされている際には、キャパシタ58及び60は、それらの飽和電圧へと到達するまで、充電されることとなる。両キャパシタが飽和した後には、AC電源51の電圧がそれら飽和電圧(キャパシタ58とキャパシタ60とで相違することがあり得る)を下回るまで、両キャパシタに対しては、電流が流れないこととなる。ダイオード64からの出力電圧が、いずれかのキャパシタの飽和電圧を下回った際には(又は、飽和電圧より小さい場合には、ピーク電源電圧を下回った際には)、そのキャパシタが放電を開始することとなり、キャパシタ58及び/又は60から、点火器52を通して、直流コイル40へと、電流が流れることとなる。ダイオード64が逆バイアスされた時には、交流電源51からの電流がダイオードを通して流れることはない。しかしながら、キャパシタ58、60が、点火器52及び直流コイル40に対して、電流を供給し続けることとなる。
図4の開放保持回路50では、バルブアセンブリ20を開放状態に保持するのに必要なしきい値電流が、高温表面点火器52に関して点火器表面が調理用ガスの自己点火温度へと到達するのに必要な電流よりも小さいことのために、高温表面点火器52は、直流コイル40に対して直接的に直列接続されていない。抵抗器56は、直流コイル40へと流入しないように電流を分流することによって回路50をより敏感なものとしかつより反応しやすいものとする分流抵抗器であり、これにより、直流コイル40は、抵抗器56が存在しない場合に必要とされる電流と比較して、より大きな電流で遮断されて、バルブ21を閉塞させる。特にフル電力モードでは、点火器52は、直流コイル40がバルブアセンブリ20を磁気的に開放状態に保持するためのしきい値電流と比較して、かなり大きな電流を受領してもよい(図1~図3)。よって、分流抵抗器56は、直流コイル40の周囲で、この電流の一部をバイパスする。抵抗器56の抵抗値が増加するにつれて、直流コイル40は、点火器52が受領する電流のより多くの部分を受領することとなり、その場合、直流コイル40のトリガ電流へと到達するためには、点火器52の電流として、より小さな電流しか必要とされないこととなる。逆に、抵抗器56の抵抗値が減少するにつれて、直流コイル40は、点火器52が受領する電流のより少ない部分しか受領しないこととなり、その場合、直流コイル40のトリガ電流へと到達するためには、点火器52の電流として、より大きな電流が必要とされることとなる。よって、分流抵抗器56の抵抗値は、点火器52が調理用ガスの自己点火温度へと到達する点火器52の電流と、直流コイル40がバルブ21を開放状態に保持するトリガ電流と、の間で、安全マージンを提供するように選択されてもよい。抵抗器54は、点火器52とコイル40との間で、追加的な電圧降下を提供するために設けられている。抵抗器56に関する所与の抵抗値では、抵抗器54の抵抗値を増加させると、点火器52が受領する電流の少ない部分しか直流コイル40が受領しないこととなり、他方、抵抗器54の抵抗値を減少させると、逆の効果が得られることとなる。ヒューズ66は、分流抵抗器56が故障した場合に、追加的な保護階層を提供する。ヒューズ66の電流定格が大きいほど、壊滅的な故障を起こした場合に、回路50が電源を切断するまでの時間が長くなる。しかしながら、定格が小さすぎる場合には、回路50の通常動作時に、ヒューズが不必要に溶断することがあり得る。
図4の開放保持回路は、構成要素どうしの様々な直列及び並列での結合を含むいくつかの等価回路として、記述することができる。ヒューズ66と、抵抗器54と、直流コイル40とは、第1直列結合を形成し、この第1直列結合は、分流抵抗器56と共に第1並列結合を形成する。第1並列結合は、高温表面点火器52と共に第2直列結合を形成する。
キャパシタ58及び60は、互いに第2並列結合を形成し、この第2並列結合は、第2直列結合と共に第3並列結合を形成する。第3並列結合は、ダイオード64と共に第3直列結合を形成する。
開放保持回路50は、好ましくは、90V AC(rms)~約135V AC(rms)の、好ましくは約110V AC(rms)~約130V AC(rms)の、より好ましくは約115V AC(rms)~約125V AC(rms)の、AC電源51の電圧で動作するように設計されているとともに、点火器52が調理用ガスの自己点火温度へと到達するのに充分な電流を供給するように設計されている。特定の例では、高温表面点火器52は、約330Ω~約500Ωの、好ましくは約400Ω~約480Ωの、より好ましくは約430Ω~約450Ωの、高温抵抗値(すなわち、調理用ガスの点火温度での抵抗値)を有するように設計されている。直流コイル40は、約30mA~約90mAの、好ましくは約40mA~約80mA、より好ましくは約50mA~約70mAの、しきい値(rms)電流を有している。直流コイル40は、また、約0.005mH~約0.010mHの、好ましくは約0.006mH~約0.009mHの、より好ましくは約0.007mH~約0.008mHの、インダクタンスを有している。
キャパシタ58及び60は、約15μF~約30μFの、好ましくは約18μF~約25μFの、より好ましくは約20μF~約24μFの、例示的な値を有してもよい。直流コイル40は、約30mA~約90mAの、好ましくは約40mA~約80mAの、より好ましくは約50mA~約70mAの、しきい値(rms)電流を有している。抵抗器54及び56は、約20Ω~約40Ωの、好ましくは約25Ω~約35Ωの、より好ましくは約28Ω~約32Ωの、例示的な抵抗値を有してもよい。ヒューズ66は、例えば、約0.5A~約1.5Aの、好ましくは約0.6A~約1.3Aの、より好ましくは約0.8A~約1.2Aの、定格であってもよい。
実施例1
図4に示すような開放保持回路50を準備する。高温表面点火器52は、希土類焼結助剤と二珪化モリブデン焼結助剤保護剤とを有したシリコンセラミックボディを含む。希土類酸化物焼結助剤は、セラミックボディの、約12重量パーセント~約14重量パーセントの量で存在する。二珪化モリブデン焼結助剤保護剤は、セラミックボディの、約5.5重量パーセント~約6.5重量パーセントの量で存在する。残り(セラミックボディの79.5重量パーセント~約82.5重量パーセント)は、窒化ケイ素である。点火器52内の導電性インクは、インクの約70重量パーセント~約75重量パーセントの量で、炭化タングステンを含む。窒化ケイ素は、インクの約18重量パーセント~約25重量パーセントの量で提供される。セラミックボディに関して説明したものと同じ焼結助剤又は共ドーパントが、また、インクの約2重量パーセント~約4重量パーセントの量で含まれている。高温表面点火器の導電性インク回路の厚さ(厚さ方向軸線に沿って測定した厚さ)は、約0.002インチ(約0.00508cm)以下、好ましくは約0.0015インチ(約0.00381cm)以下、より好ましくは約0.0004インチ(約0.001016cm)以上かつ約0.0009インチ(約0.002286cm)以下、である。
図4に示すような開放保持回路50を準備する。高温表面点火器52は、希土類焼結助剤と二珪化モリブデン焼結助剤保護剤とを有したシリコンセラミックボディを含む。希土類酸化物焼結助剤は、セラミックボディの、約12重量パーセント~約14重量パーセントの量で存在する。二珪化モリブデン焼結助剤保護剤は、セラミックボディの、約5.5重量パーセント~約6.5重量パーセントの量で存在する。残り(セラミックボディの79.5重量パーセント~約82.5重量パーセント)は、窒化ケイ素である。点火器52内の導電性インクは、インクの約70重量パーセント~約75重量パーセントの量で、炭化タングステンを含む。窒化ケイ素は、インクの約18重量パーセント~約25重量パーセントの量で提供される。セラミックボディに関して説明したものと同じ焼結助剤又は共ドーパントが、また、インクの約2重量パーセント~約4重量パーセントの量で含まれている。高温表面点火器の導電性インク回路の厚さ(厚さ方向軸線に沿って測定した厚さ)は、約0.002インチ(約0.00508cm)以下、好ましくは約0.0015インチ(約0.00381cm)以下、より好ましくは約0.0004インチ(約0.001016cm)以上かつ約0.0009インチ(約0.002286cm)以下、である。
キャパシタ58及び60は、22μFのそれぞれ対応するキャパシタンス値を有している。抵抗器54及び56は、30Ωの抵抗値を有している。直流コイル40は、0.0074mHのインダクタンス値を有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。図10Aは、点火器52での入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。回路50は、スイッチ62が閉塞されたフル電力モードで動作する。キャパシタ58及び60のそれぞれは、22μFのキャパシタンスを有しているとともに、一緒になって、44μFのキャパシタンスを有した単一キャパシタのように作用する。点火器が見る電圧信号は、130Vのrms値を有しており、これは、ダイオード64が生成するリップルに対しての、キャパシタの平滑化効果に基づいて、AC電源信号のrms値よりも大きい。図10Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、267mAのrms値で同様のパターンを有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器の高温抵抗値は、約471Ωであることとなり、推定される点火器表面温度は、定常状態で約2430°F(約1332℃)へと到達することとなる。
図10C及び図10Dは、それぞれ、点火器52から出力される電圧、及び、直流コイル40が受領する電流、を示している。予想されるように、波形は、図10A及び図10Bの波形と同様の形状を有している。しかしながら、点火器52からのrms出力電圧は、4.4Vである。直流コイル40に対してのrms電流は、201mAであり、これは、直流コイル40及び調理用ガス安全バルブアセンブリ20を図2の開放位置にラッチするのに充分である。
図11A~図11Dは、低減電力モードでの、すなわちスイッチ62を開放した状態での、シミュレーション結果である。上述したように、低減電力モードは、好ましくは、点火後に及び調理操作時に、火炎の消失を防止する方法として、かつ、点火器52を一定のフル電力モードで動作させることと比較して、エネルギーコストを低減しつつ点火器52の寿命を延長する方法として、使用される。図11Aは、点火器52の入力電圧を示している。波形は、図10Aの波形と同様である。しかしながら、点火器52の入力rms電圧は、109Vである。図11Bを参照すると、点火器52の平均でのrms電流は、245mAである。点火器52の高温抵抗値は、約429Ωであることとなる。
図11C~図11Dは、低減電力モードの場合に、点火器52の出力電圧と、直流コイル40の電流と、を示している。点火器52の平均での出力rms電圧値は、4.1Vである。直流コイル40の平均でのrms電流値は、185mAである。これらの推定された電流値及び電圧値では、点火器52は、定常状態で約2150°F(約1177℃)の表面温度へと到達することとなる。図5を参照すると、別の例示的な調理用ガス安全装置の一部が図示されている。調理用ガス安全装置は、開放保持回路70と、直流コイル40(図に示されている)を含む調理用ガス安全バルブアセンブリ20と、を含む。開放保持回路50と同様に、開放保持回路70は、交流電源71によって給電されるとともに、コイル40などの直流コイルを有した公知のガスタップが使用され得るよう、交流電源を、時間的に変化する直流へと、変換する。図示していないけれども、ユーザがガスノブステム26を押し下げて回転駆動することによってバルブアセンブリ20を駆動した時に、交流電源71を、開放保持回路70の残部に対して選択的に接続するために、追加的なスイッチが設けられることとなる。高温表面点火器52は、ツェナーダイオード72(後述)の状態に応じて、直流コイル40に対して選択的に電気接続される。
図4の開放保持回路50は、2つの並列キャパシタを使用しており、一方のキャパシタは、回路50に対して選択的に接続可能とされており、これにより、点火器52に関して、フル電力モード及び低減電力モードを提供する。対照的に、図5の開放保持回路70は、2つの並列抵抗器82及び84を使用しており、一方の抵抗器(84)は、開放保持回路に対して(スイッチ86を介して)選択的に接続可能とされており、これにより、フル電力モード及び低減電力モードを提供する。抵抗器82及び84は、スイッチ86が閉塞されている時には、互いに並列である。スイッチ86が開放されている時には、抵抗器84は、交流電源71に対して電気接続されておらず、開放保持回路70から実質的に外れている。抵抗器82及び84の並列結合は、それらの抵抗値の積をそれらの抵抗値の和で割算した値に等しい抵抗値を有した単一抵抗器と等価である。組み合わされた抵抗値は、常に、個々の抵抗値よりも小さいものとなる。よって、スイッチ86が閉塞されている時には、回路70は、フル電力モードとなり、他方、スイッチ86が開放されている時には、回路70は、低減電力モードとなる。フル電力モードは、好ましくは、点火動作時に使用される。低減電力モードは、好ましくは、調理操作時に使用され、火炎を消失した場合には、調理用ガスの再点火手段を提供する。特定の例では、低減電力モードで点火器52に対して提供される電力は、フル電力モードで点火器52に対して提供される電力の、約70パーセント~約90パーセント、好ましくは約75パーセント~約85パーセント、より好ましくは約78パーセント~約82パーセント、である。
特定の例では、直流コイル40が図2の開放位置にラッチされた後にガスバルブステム26を解放することにより、スイッチ86が開放されることとなる(回路70は、低減電力調理モードとされる)。そうでなければ、スイッチ86は、閉塞されたままとなる。
直流コイル40は、ツェナーダイオード72及びヒューズ78に対して、直列とされ、これにより、第1直列結合を形成する。第1直列結合は、抵抗器80と共に第1並列結合を形成する。スイッチ86が閉塞されている時には、抵抗器82及び84からなる第2並列結合は、第1並列結合に対して直列となり、これにより、第2直列結合を形成する。第2直列結合は、高温表面点火器52と共に第3直列結合を形成する。第3直列結合及びキャパシタ74は、第3並列結合を形成し、この第3並列結合は、ダイオード76及びヒューズ88に対して直列である。
スイッチ86が開放されている時には、第2直列結合は、第1並列結合と、抵抗器82と、だけから構成される(すなわち、抵抗器84なし)。よって、スイッチ86が閉塞されている時には、高温表面点火器52は、スイッチ86が開放されている時と比較して、より小さな全体的抵抗値を有した等価回路構成要素に対して直列である。これは、点火器52に関して、より大きな電圧が利用可能であることを意味し、したがって、より多くの電力を抽出することを意味する。抵抗器82は、低減電力モードでは、点火器52がどのように高温となるかを決定し、他方、フル電力モードでは、点火器52の温度に影響を与える。
スイッチ86が閉塞されている時には、抵抗器84は、回路70を通してより大きな電流が流れることを可能とし、フル電力モードで、点火器52を、より高温とする。抵抗器84の抵抗値が増大すると、フル電力モードで点火器52が消費する電力が減少する傾向があり、他方、抵抗器84の抵抗値が減少すると、フル電力モードで点火器52が消費する電力が増大する傾向がある。
開放保持回路50と同様に、開放保持回路70は、AC電源71を半波整流するためのダイオード76を含む。ダイオード76は、好ましくは、コストと回路70の所望寿命とのバランスをとる電圧定格を有するように選択される。より大きな電圧定格のダイオードは、より高価となる傾向があり、ダイオード76の電圧定格が低下するにつれて、回路70の寿命が低下する。ダイオード76に起因して、回路50の場合と同様に、回路70にもリップルが存在する。ここでは、リップル電圧を平滑化してリップル係数を低減するために、キャパシタ74が、ダイオード76及び高温表面点火器52に対して直並列関係で、配置されている。キャパシタ74は、開放保持回路70に対して選択的に接続されるのではなく、むしろ、高温表面点火器52及び直流コイル40に対して、常に、電気接続されたままである。ダイオード76が順バイアスされた時には、キャパシタ74は、その飽和電圧へと到達するまで、充電されることとなる。キャパシタがその飽和電圧になった後には、AC電源71の電圧が飽和電圧よりも下回った時点で、キャパシタ74は、AC電圧がキャパシタ74の電圧を超えるまで、放電を開始することとなり、AC電圧がキャパシタ74の電圧を超えた時点で、キャパシタ74は、再び充電を開始する。一般に、キャパシタ74のキャパシタンス値が増加すると、動作のフル電力モード及び低減電力モードの両方において、ノードN52での点火器52の入力電圧におけるリップルが平坦化されることとなり、また、バルブアセンブリ20が図1の閉塞位置へと解放されるAC供給電圧を低下させることとなる、すなわち、より小さな供給電圧で、直流コイル40が、バルブディスク36を図2の開放位置に保持するために必要なしきい値電流を、なおも見ることとなる。点火器52が消費する電力は、小さなキャパシタンス値と比較してより大きなキャパシタンス値では、フル電力モードと低減電力モードとの両方において、増加することとなる。
抵抗器80は、電流設定抵抗器として作用する。点火器52を通して流れる電流が増加するにつれて、抵抗器80での電圧は増加する。抵抗器80での電圧がツェナーダイオード72の降伏電圧へと到達した時には、直流コイル40は、電流を受領することとなる。ヒューズ78は、抵抗器80が故障した場合に、直流コイル40を保護するための追加的階層を提供する。過度に大きな電流定格の場合には、回路70が故障した時に、直流コイル40が閉塞されないことがあり得る。ヒューズ78の定格電流が小さすぎる場合には、直流コイル40は、通常動作時にバルブ21を閉塞することがあり得る。ヒューズ88は、全体的な回路保護を提供する。
開放保持回路50の場合と同様に直流コイル40に対して直列に電流制限抵抗を使用することに代えて、開放保持回路70は、直流コイル40に対して直列にツェナーダイオード72を含む。ツェナーダイオード72は、逆バイアスモードで動作する。ツェナーダイオードに対しての入力電圧が、ツェナー降伏電圧よりも下回った時には、直流コイル40に対しての電流の流れが停止され、バルブ磁気ディスク30が解放されて、バルブ磁気ディスク30が図1の閉塞位置へと付勢される。よって、ツェナーダイオード72は、点火器52が調理用ガスに点火するのに充分に高温でない時には直流コイル40がバルブディスク36を開放状態に保持しないことを確保する低電圧スイッチとして作用する。
開放保持回路70は、有益なことに、回路構成要素が故障した場合にバルブアセンブリ20が開放状態に留まることを阻止するいくつかの特徴点を含む。例えば、ダイオード76が短絡によって故障した場合には、交流が直流コイル40を通して流れることとなり、これにより、直流コイルを解放する。バルブアセンブリ20が、開放保持バルブアセンブリであることのために、ガスノブステム26が手動で駆動されない限り、さらにそのような手動駆動が行われるまでは、ガスは、1つ又は複数のバーナへと流れることを停止することとなる。ダイオード76が開放して故障した場合には、直流コイル40は、磁界生成を停止することとなり、そして、バルブアセンブリ20が、図1の閉塞位置へと故障することとなり、これにより、1つ又は複数のバーナに対してのガス流通が遮断される。
キャパシタ74が短絡によって故障した場合には、すべての電流は、キャパシタ74を通して流れることとなり、これにより、ヒューズ88を溶断して、バルブアセンブリ20を、図1の閉塞位置へと故障させる。キャパシタ74が開放して故障した場合には、AC信号上の60Hzで、直流コイルに対しての電流がゼロへと低下することとなり、これにより、バルブアセンブリ20を、図1の閉塞位置へと故障させる。
点火器52が短絡によって故障した場合には、多すぎる電流が、回路70を通して流れることとなり、ヒューズ78が溶断することとなり、これにより、バルブアセンブリ20を、図1の閉塞位置へと故障させる。点火器52が開放して故障した場合には、電流は、直流コイル40へと到達することがなく、この場合にも、バルブアセンブリ20を図1の閉塞位置へと故障させることによって、バルブアセンブリ20は、1つ又は複数のバーナに対してのガス流を遮断する。
ツェナーダイオード72が短絡によって故障した場合には、直流コイル40を通して流れる電流が、迅速にかつ著しく増加することとなり、これにより、ヒューズ78を溶断して、バルブアセンブリ20を、図1の閉塞位置へと故障させる。ツェナーダイオード72が開放して故障した場合には、電流が、直流コイル40へと到達することができず、これにより、バルブアセンブリ20を、閉塞位置へと故障させる。
分流抵抗器80が短絡によって故障した場合には、電流が、直流コイル40へと到達することがなく、これにより、直流コイルがバルブディスク36を解放し、1つ又は複数のバーナに対してのガス流を遮断する。分流抵抗器80が開放して故障した場合には、直流コイル40に対しての電流が急激に増加することとなり、これにより、ヒューズ78を溶断して、バルブアセンブリ20を、開放して故障させる。
スイッチ86が開放されている状態で抵抗器82が開放して故障した場合には、直流コイル40を通して流れる電流に関する閉経路が存在しないこととなるため、何も起こらないこととなる。スイッチ86が開放されている状態で又は閉塞されている状態で抵抗器82が短絡によって故障した場合には、点火器52は、電流の大きなスパイクを見ることとなり、これにより、点火器52が著しく加熱され、これは、点火器52の故障につながる可能性がある。スイッチ86が閉塞されている状態で抵抗器82が開放して故障した場合には、点火器52は、低減電力モードのみで、動作可能であることとなる。スイッチ86が開放されている状態で又は閉塞されている状態で抵抗器84が開放して故障した場合には、点火器52は、低減電力モードのみで動作することとなる。スイッチ86が閉塞されている状態で抵抗器84が閉塞して故障した場合には、点火器52は、電流の大きなスパイクを見ることとなり、これにより、点火器52が著しく加熱され、これは、点火器52の故障につながる可能性がある。
開放保持回路70の様々な構成要素に関するキャパシタンス値及び抵抗値は、回路70に関する所望の動作を達成するように選択されてもよい。一般に、ガスノブステム26の駆動時に、直流コイル40による開放保持を、より早く行うことが要望される場合には、抵抗器80の抵抗値を増大させてもよい。抵抗器80の抵抗値を増加させた時には、ツェナーダイオード72に対しての及び抵抗器80に対しての入力電圧が増加することとなり、加えて、点火器52を通る合計電流のうちの、比較的多くの電流を、直流コイルを通過させることとなる。
点火器52を、より高温で動作させることが要望される場合には、抵抗器82及び84の抵抗値を減少させてもよく、これは、点火器52を通して流れる電流を増加させることとなる。同時に、又は代替的に、キャパシタ74に関するキャパシタンス値を増加させてもよい。キャパシタ74のキャパシタンスを増加させた時には、キャパシタ74の放電時に(すなわち、ダイオード76からの出力電圧がキャパシタ74の飽和電圧を下回った時に)、より多くの貯蔵電気エネルギーが提供される。その結果、点火器52が見るrms電圧が増加し、これにより、点火器の表面温度が上昇する。
開放保持回路70は、好ましくは、90V AC(rms)~約135V AC(rms)で、好ましくは約110V AC(rms)~約130V AC(rms)で、より好ましくは約115V AC(rms)~約125V AC(rms)で、動作するように設計されている。特定の例では、高温表面点火器52は、約330Ω~約500Ωの、好ましくは約400Ω~約480Ωの、より好ましくは約430Ω~約450Ωの、高温抵抗値(すなわち、調理用ガスの点火温度での抵抗値)を有するように設計されている。
同時に、キャパシタ74は、約60μF~約80μFの、好ましくは約65μF~約75μFの、より好ましくは約66μF~約70μFの、例示的なキャパシタンス値を有してもよい。直流コイル40は、約30mA~約90mAの、好ましくは約40mA~約80mAの、より好ましくは約50mA~約70mAの、しきい値(rms)電流を有している。直流コイル40は、また、約0.005mH~約0.010mHの、好ましくは約0.006mH~約0.009mHの、より好ましくは約0.007mH~約0.008mHの、インダクタンスを有している。加えて、キャパシタ74に関するキャパシタンス値がより大きい場合には、ノードN52での点火器52の電圧は、両方の電力モードにおいて、より小さなリップルを示すこととなる(「より平坦な」ものとなる」)。これは、次に、点火器52の定常状態温度と一緒に回路70の電流を減少させることとなり、バルブ21は、低電力モードでの動作時に、開放したままとならないことがあり得る。直流コイル40の抵抗値及びインピーダンスは、典型的には、回路の他の構成要素に関する抵抗値及びインピーダンスと比較して、はるかに小さなものとなり、事実上無視できる程度であることとなる。
同時に、抵抗器82は、約80Ω~約120Ωの、好ましくは約90Ω~約110Ωの、より好ましくは約95Ω~約105Ωの、例示的な抵抗値を有してもよい。抵抗器84は、好ましくは、約30Ω~約70Ωの、好ましくは約40Ω~約60Ωの、より好ましくは約45Ω~約55Ωの、例示的な抵抗値を有している。抵抗器82の抵抗値を増加させた時には、主に、低減電力モードで回路70を通して流れる電流に影響を与えることとなり、一般に、点火器52が消費する電力が減少することとなる(及び、点火器52の温度を減少させることとなる)。抵抗器84の抵抗値を増加させた時には、一般に、フル電力モードでの点火器52の温度を低下させることとなり、他方、抵抗値を減少させた時には、点火器52の温度を増加させることとなる。
同時に、抵抗器80は、約65Ω~約95Ωの、好ましくは約70Ω~約90Ωの、より好ましくは約75Ω~約85Ωの、例示的な抵抗値を有してもよい。抵抗器80に関する抵抗値を増加させた時には、抵抗器80に対しての所与の入力電圧でコイル40を通してより多くの電流を流れさせることにより、直流コイル40の解放電圧(すなわち、バルブアセンブリ20を図2の開放位置に保持するのに充分な磁界を生成するために、直流コイル40に関して必要な、抵抗器80に対しての入力電圧)を減少させる傾向があることとなる。ヒューズ88は、一例として、約0.5A~約1.5Aの、好ましくは約0.6A~約1.3Aの、より好ましくは約0.8A~約1.2Aの、定格とされてもよい。ヒューズ78は、一例として、約100mA~約300mAの、好ましくは約150mA~約250mAの、より好ましくは約180mA~約220mAの、定格とされてもよい。
実施例2
図5に示すような開放保持回路70を準備する。高温表面点火器52は、実施例1で説明した通りである。ツェナーダイオード72は、5.1Vの降伏電圧を有している。キャパシタ74は、68μFのキャパシタンス値を有している。抵抗器80は、80Ωの抵抗値を有している。抵抗器82は、100Ωの抵抗値を有しており、抵抗器84は、50Ωの抵抗値を有している。直流コイル40は、7.4μHのインダクタンスを有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。図12Aは、点火器52での入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。回路70は、スイッチ86が閉塞されたフル電力モードで動作する。点火器52が見る入力電圧信号は、141.8Vのrms値を有しており、これは、ダイオード64が生成するリップルに対しての、キャパシタの平滑化効果に基づいて、AC電源信号のrms値よりも大きい。図12Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、269mAのrms値で同様のパターンを有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器52の高温抵抗値は、約476Ωであることとなり、推定される点火器52の表面温度は、定常状態で約2460°F(約1349℃)へと到達することとなる。
図5に示すような開放保持回路70を準備する。高温表面点火器52は、実施例1で説明した通りである。ツェナーダイオード72は、5.1Vの降伏電圧を有している。キャパシタ74は、68μFのキャパシタンス値を有している。抵抗器80は、80Ωの抵抗値を有している。抵抗器82は、100Ωの抵抗値を有しており、抵抗器84は、50Ωの抵抗値を有している。直流コイル40は、7.4μHのインダクタンスを有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。図12Aは、点火器52での入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。回路70は、スイッチ86が閉塞されたフル電力モードで動作する。点火器52が見る入力電圧信号は、141.8Vのrms値を有しており、これは、ダイオード64が生成するリップルに対しての、キャパシタの平滑化効果に基づいて、AC電源信号のrms値よりも大きい。図12Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、269mAのrms値で同様のパターンを有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器52の高温抵抗値は、約476Ωであることとなり、推定される点火器52の表面温度は、定常状態で約2460°F(約1349℃)へと到達することとなる。
図12C及び図12Dは、それぞれ、点火器52から出力される電圧(すなわち、抵抗器80での入力電圧)、及び、直流コイル40が受領する電流、を示している。予想されるように、波形は、図12A及び図12Bの波形と同様の形状を有している。しかしながら、点火器52からの出力rms電圧は、14.1Vである。直流コイルに対してのrms電流は、100mAであり、これは、直流コイル40及び調理用ガス安全バルブアセンブリ20を図2の開放位置にラッチするのに充分である。
図13A~図13Dは、低減電力モードでの、すなわちスイッチ86を開放した状態での、シミュレーション結果である。上述したように、低減電力モードは、好ましくは、点火後に及び調理操作時に、火炎の消失を防止する方法として、かつ、点火器52を一定のフル電力モードで動作させることと比較して、エネルギーコストを低減しつつ点火器52の寿命を延長する方法として、使用される。図13Aは、点火器52の入力電圧を示している。波形は、図12Aの波形と同様である。しかしながら、点火器52の入力rms電圧は、143.2Vである。図13Bを参照すると、点火器52のrms電流は、253mAである。これらの推定された電流値及び電圧値では、点火器52は、約446Ωの高温抵抗値を有することとなり、定常状態で約2260°F(約1238℃)の表面温度へと到達することとなる。
図13C~図13Dは、低減電力モードの場合に、点火器52の出力電圧と、直流コイル40の電流と、を示している。直流コイル40の平均でのrms電流は、約85mAであり、点火器52の出力rms電圧値は、30.5Vである。
開放保持回路50及び70は、点火器52に通電し得るとともに開放保持回路の一部を維持し得るけれども、調理用ガスの自己点火温度へと到達させるには不充分な電流を受領する状況に、特に適している。しかしながら、特定の点火器52では、そのシナリオは可能性が低いことが判明している。そのような場合には、点火器52が自己点火温度へと到達することに失敗した場合、回路50又は70は、開放回路として失敗したこととなる。以下における図14及び図15の開放保持回路は、点火器52が開放回路として失敗しない限り、点火器52が自己点火温度へと到達することに失敗しにくい状況に、特に好適である。図14を参照すると、別の例示的な調理用ガス安全装置の一部は、単一モードバルブドライバ開放保持回路130を含むものとして図示されている。回路130は、交流電源131によって給電される。開放保持回路130は、コイル40などの直流コイルを有した公知のガスタップが使用され得るよう、交流電流を、時間的に変化する直流へと、変換する。図示していないけれども、ユーザがガスノブステム26を押し下げて回転駆動することによってバルブアセンブリ20を駆動した時に、交流電源131を、開放保持回路130の残部に対して選択的に接続するために、追加的なスイッチが設けられることとなる。高温表面点火器52は、直流コイル40に対して電気接続されている。「単一モード」という用語は、開放保持回路130がフル電力モードを有しているけれども、低減電力モードを有していないことを指す。よって、点火器52は、フル電力を維持することによって、火炎の消失後に、調理用ガスを再点火することができる。
点火器52は、直流コイル40に対して直列とされている。点火器52と直流コイル40とからなる直列結合は、キャパシタ136に対して並列とされている。キャパシタ136の並列結合と、点火器52及び直流コイル40の直列結合とは、ダイオード132に対して直列とされている。ダイオード132は、AC電源131のAC信号に対して半波整流を提供するものであり、これにより、ノードN52で点火器52が見る電圧は、直流成分のみを有している。ダイオード132は、好ましくは、より大きな電流定格を有したダイオードがより高価である傾向があることのために、他方、より小さな電流定格を有したダイオードが回路130の寿命を短くする傾向があることのために、コストと回路130の寿命とのバランスをとるように選択される。
キャパシタ136は、ダイオード132が提供するDC信号におけるリップルを平滑化する。ダイオード132が順バイアスされている時には、キャパシタ136は、飽和電圧へと到達するまで充電されることとなり、その時点で充電が停止される。ダイオード132の電圧が、キャパシタ136の飽和電圧を下回った時には、キャパシタ136は、AC電圧がキャパシタ136の電圧を超えるまで、放電を開始することとなり、その時点で、再び充電が開始される。キャパシタ136は、約20μF~約40μFの、好ましくは約25μF~約35μFの、より好ましくは約28μF~約32μFの、キャパシタンス値を有している。キャパシタ136のキャパシタンスが増加するにつれて、ノードN52での点火器52の入力電圧は、平坦化する(「より小さいリップル」を示す)傾向があることとなる。逆に、キャパシタ136のキャパシタンスが減少するにつれて、ノードN52での点火器52の入力電圧は、平坦化度合いがより小さくなる(「より大きなリップル」を示す)傾向があることとなる。直流コイル40は、約6μH~約9μHの、好ましくは約6.5μH~約8.5μHの、より好ましくは約7.0μH~約8.0μHの、インダクタンスを有している。
実施例3
図15に示すような開放保持回路130を準備する。高温表面点火器52は、実施例1で説明した通りである。キャパシタ136は、30μFのキャパシタンスを有している。直流コイル40は、7.5μHのインダクタンスを有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。図16Aは、ノードN52での点火器52の入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。点火器52が見る入力電圧信号は、118Vのrms値を有している。図16Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、259mAのrms値を有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器52は、約457Ωの高温抵抗値を有することとなり、点火器52の表面温度は、定常状態で約2340°F(約1332℃)へと到達することとなる。
図15に示すような開放保持回路130を準備する。高温表面点火器52は、実施例1で説明した通りである。キャパシタ136は、30μFのキャパシタンスを有している。直流コイル40は、7.5μHのインダクタンスを有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。図16Aは、ノードN52での点火器52の入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。点火器52が見る入力電圧信号は、118Vのrms値を有している。図16Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、259mAのrms値を有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器52は、約457Ωの高温抵抗値を有することとなり、点火器52の表面温度は、定常状態で約2340°F(約1332℃)へと到達することとなる。
図16C及び図16Dは、それぞれ、点火器52から出力される電圧、及び、直流コイル40が受領する電流、を示している。予想されるように、波形は、図16C及び図16Dの波形と同様の形状を有している。直流コイル40に対してのrms電流は、259mAであり、これは、直流コイル40及び調理用ガス安全バルブアセンブリ20を図2の開放位置にラッチするのに充分である。
図15を参照すると、調理用ガス安全装置の例示的な一部が、二重モードバルブドライバ開放保持回路140を含むものとして図示されている。図14の開放保持回路130とは異なり、開放保持回路140は、フル電力モードで、及び低減電力モードで、動作してもよい。特定の例では、低減電力モードで点火器52に対して提供される電力は、フル電力モードで点火器52に対して提供される電力の、約70パーセント~約90パーセント、好ましくは約75パーセント~約85パーセント、より好ましくは約78パーセント~約82パーセント、である。
交流電源141は、ダイオード140に対して交流を供給し、ダイオード140は、交流を、時間的に変化する直流へと、変換する。キャパシタ146及び148が設けられていて、これらは、スイッチ150が閉塞されている時には、互いに並列とされて、キャパシタ148は、開放保持回路140の残部に対して電気接続される。キャパシタ146は、開放保持回路140がフル電力モード又は低減電力モードのいずれであっても、点火器52に対しての(すなわち、ノードN52での)入力電圧及び電流におけるリップルを、平滑化又は平坦化する。キャパシタ148は、開放保持回路140がフル電力モードにある時に、点火器52に対しての(すなわち、ノードN52での)入力電圧及び電流におけるリップルを、平滑化又は平坦化する。スイッチ150が閉塞されている時には、2つの並列キャパシタ146及び148は、それぞれ対応するキャパシタンス値の和に等しいキャパシタンスを有した単一キャパシタとして作用する。スイッチ150が開放されている時には、キャパシタ148は回路内になく、キャパシタ146及び148の並列結合に関する合計キャパシタンスは、キャパシタ146のキャパシタンスと等しくなる。特定の例示的な実装では、キャパシタ146及び148は、約10μF~約20μFの、好ましくは約12μF~約18μFの、より好ましくは約14μF~約16μFの、キャパシタンス値を有している。直流コイル40は、上述したインダクタンス値を有している。フル電力モードの時には、キャパシタ146及び148の、いずれかのキャパシタンスが増加するにつれて、あるいは、両方のキャパシタンスが増加するにつれて、点火器52の入力電圧及び電流は、より小さなリップルを有する(より平坦となる)傾向があり、また、キャパシタンスがより小さくなると、逆のことが真となる。
高温表面点火器52は、直流コイル40に対して直列に接続されている。スイッチ150が開放されている時には、キャパシタ146は、点火器52と直流コイル40とからなる直列結合に対して、並列結合を形成する。スイッチ150が閉塞されている時には、キャパシタ146及び148からなる並列結合は、点火器52と直流コイル40とからなる直列結合に対して、並列結合を形成する。
スイッチ150が閉塞されている時には、キャパシタ146及び148からなる並列結合の合計キャパシタンスは、スイッチが開放されている時のキャパシタ146のキャパシタンスと比較して、より大きい。AC電源141が回路140に対して電気接続された時には、キャパシタ146及び148は、それらの飽和電圧へと到達するまで、充電されることとなる。AC電源信号が、それら飽和電圧を下回った時には、キャパシタ146及び148は、放電を開始することとなり、点火器52に対して電流を供給することとなり、これにより、ノード52での点火器の入力電圧が、キャパシタ146及び148の最大飽和電圧を下回らないことが確保される。
実施例4
図15に示すような開放保持回路140を準備する。高温表面点火器52は、実施例1で説明した通りである。キャパシタ146及び148は、それぞれ、15μFのキャパシタンスを有している。直流コイル40は、7.5μHのインダクタンスを有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。フル電力では、開放保持回路140は、実施例3の開放保持回路130と同等である。よって、図16Aは、フル電力における点火器52での入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。ノードN52で点火器52が見る入力電圧信号は、118Vのrms値を有している。図16Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、259mAのrms値を有した同様のパターンを有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器52は、約457Ωの高温抵抗値を有しており、推定される点火器表面温度は、定常状態で約2330°F(約1277℃)へと到達することとなる。
図15に示すような開放保持回路140を準備する。高温表面点火器52は、実施例1で説明した通りである。キャパシタ146及び148は、それぞれ、15μFのキャパシタンスを有している。直流コイル40は、7.5μHのインダクタンスを有している。回路は、120VAC(rms)かつ60Hzの電圧源信号でシミュレートされる。フル電力では、開放保持回路140は、実施例3の開放保持回路130と同等である。よって、図16Aは、フル電力における点火器52での入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。ノードN52で点火器52が見る入力電圧信号は、118Vのrms値を有している。図16Bは、点火器52を通して流れる電流を示しており、259mAのrms値を有した同様のパターンを有している。これらの電圧値及び電流値では、点火器52は、約457Ωの高温抵抗値を有しており、推定される点火器表面温度は、定常状態で約2330°F(約1277℃)へと到達することとなる。
実施例3の場合と同様に、図16C及び図16Dは、それぞれ、開放保持回路140がフル電力モードで動作している時の、点火器52から出力される電圧、及び、直流コイル40が受領する電流、を示している。予想されるように、波形は、図16C及び図16Dの波形と同様の形状を有している。直流コイル40に対してのrms電流は、259mAであり、これは、直流コイル40及び調理用ガス安全バルブアセンブリ20を図2の開放位置にラッチするのに充分である。
120VAC電源電力でのシミュレーションは、開放保持回路140を低減電力モードとした状態で、すなわち、フル電力モードと同じ点火器52及び構成要素値を使用した状態でかつスイッチ150が開放されている状態で、実施される。図17Aは、低減電力における点火器52での入力電圧を、単位をボルトとして、時間との関係で図示している。点火器52が見る電圧は、98Vのrms値を有している。図17Bは、低減電力モードで点火器52を通して流れる電流を示しており、238mAのrms値を有した同様のパターンを有している。これらの電圧及び電流では、点火器52の推定される高温抵抗値は、約414Ωであり、点火器52は、約2050°F(約1121℃)の推定表面温度へと到達することとなる。図17Cは、点火器52の出力電圧を示している。図17Dは、直流コイル40の電流を示しており、238mAのrms値を有している。
実施例5
実施例1で説明した範囲内に属するそれぞれが同じ組成及び同じ寸法を有した3つの点火器52であるものの、0.0004インチ~0.002インチ(0.001016cm~0.00508cm)の程度の導電性インク厚さの変動を有した3つの点火器52を使用して、開放保持回路140に対して、90VAC rms~135VAC rmsの範囲の異なるAC電源電圧信号を印加する。AC電源のrms電圧値、点火器の入力rms電圧値、点火器のrms電流値、点火器の消費電力、及び、測定された点火器温度を、以下の表I~表IIIに記載している。
実施例1で説明した範囲内に属するそれぞれが同じ組成及び同じ寸法を有した3つの点火器52であるものの、0.0004インチ~0.002インチ(0.001016cm~0.00508cm)の程度の導電性インク厚さの変動を有した3つの点火器52を使用して、開放保持回路140に対して、90VAC rms~135VAC rmsの範囲の異なるAC電源電圧信号を印加する。AC電源のrms電圧値、点火器の入力rms電圧値、点火器のrms電流値、点火器の消費電力、及び、測定された点火器温度を、以下の表I~表IIIに記載している。
実施例6
実施例1で説明したような高温表面点火器を準備し、これは、87Ωの室温抵抗値を有している。点火器を、上述したような構成要素値を有した開放保持回路140内に配置し、120VAC rmsの電源電圧を印加する。1800°F(982℃)及び2138°F(1170℃)へと到達するのに必要な、単位を秒とした時間が、表4に提供している。
実施例1で説明したような高温表面点火器を準備し、これは、87Ωの室温抵抗値を有している。点火器を、上述したような構成要素値を有した開放保持回路140内に配置し、120VAC rmsの電源電圧を印加する。1800°F(982℃)及び2138°F(1170℃)へと到達するのに必要な、単位を秒とした時間が、表4に提供している。
開放保持回路50、70、130、及び140は、直流コイル40との互換性を維持しつつ、高温表面点火器52が交流電源によって給電され得るように設計されている。回路50、70、130、及び140における点火器52と直流コイル40との間の関係性に基づいて、バルブアセンブリ20が関連バーナに対して供給する空気と調理用ガスとの可燃性混合物を点火するのに充分な電流を点火器52が受領する時にのみ、直流コイル40は、調理用ガス安全バルブアセンブリ20を図2の開放位置に保持するのに充分な電流を、受領する。しかしながら、公知の開放保持回路とは異なり、回路50、70、130、及び140は、ガスバルブ21が開放状態に保持されていることを保証するのに充分な程度に点火器が高温であるかどうかを決定するに際して、熱電対を使用していない。そのような公知のシステムでは、点火された火炎に対して熱電対が応答するダイナミクスに起因して、熱電対が、かなり大きな遅延時間を導入してしまう。回路50、70、130、及び140では、それに代えて、ユーザがガスノブを解放した後でもガスバルブ21を開放したままとし得るよう、点火が起こったことを指摘するに際して、又は点火が充分に迅速に起こるであろうことを指摘するに際して、点火器52の電気的状態に依存している。これは、少なくとも部分的には、公知の高温表面点火器と比較して、点火器52として使用するのに適したものとして本明細書で開示した高温表面点火器の、より優れた点火温度の時間特性に基づいて、可能とされている。よって、好ましい例では、高温表面点火器52は、火炎センサの熱電対に対して動作可能に接続されていない。
図8を参照すると、開放保持回路の代替可能な例120が提供されており、この場合、開放保持コイル132は、交流で動作する、すなわち、極性変化中に電源電圧がゼロを交差する時でさえ、調理用ガス安全バルブアセンブリ20を図2の開放位置に保持するために、一貫した磁界を生成することができる。当業者には公知であるように、標準的な直流コイル40に、シェーディングリングを設けてもよく、これにより、直流コイル40が生成する磁界に対して二次的な磁界でありかつ位相ズレした磁界を生成することができる。その結果、一次的な磁界が、開放保持コイル132での電圧がゼロに近づくことに基づいて、減少し始めた時には、シェーディングリングが生成した二次的な磁界が、バルブアセンブリ20を図2の開放位置に保持することとなる。図8を参照すると、交流開放保持コイル132は、高温表面点火器52に対して直列に接続されている。ダイオード124は、点火器52及び交流コイル132に対して、選択的に接続可能とされており、これにより、開放保持回路120は、点火後の調理操作時などには、低減電力モードで動作することができる。開放保持回路50及び70の場合と同様に、低減電力モードで動作する能力は、点火器52を常にフル電力で動作させることと比較して電力消費を低減させつつかつ点火器の寿命を増加させつつ、常に通電された点火源(点火器52)を提供することによって火炎消失の可能性を低減させる。スイッチ130は、極126に対して選択的に接続可能であり、これにより、開放保持回路をフル電力モードとすることができ、他方、極128に対して選択的に接続可能であり、これにより、点火器52を低減電力モードとすることができる。特定の例では、スイッチ130は、ガスノブステム26に対して動作可能に接続され、これにより、バルブアセンブリ20が図2の開放位置にある状態でガスノブステム26が解放された時には、スイッチ130は、極126に対して接続されて、低減電力モードで動作することとなる。
上述したように、コンロバーナガスを点火するに際して、火花点火器とは対照的に高温表面点火器52を使用することの1つの利点は、点火器を常に通電したまま(フル電力で、又は低減電力で)とし得ることであり、これにより、火炎消失の場合に点火を提供し得ることである。高温表面点火器のこの特性は、また、他の多くの機能を可能とする。
図6を参照すると、高温表面点火器52を含むテンプレート回路90が図示されている。図6は、開放保持回路を示すものではなく、また、開放保持コイルを有したガスバルブを示すものでもない。しかしながら、ガスバルブが設けられることとなり、回路90は、ガスバルブが駆動された時には、バーナに対してのガス流と点火器52に対しての電気供給とを調整するために、スイッチ94を介して高温表面点火器52に対して通電されることとなるように、構成されることとなる。ダイオード92は、スイッチ94を介して、回路90に対して選択的に接続可能とされている。スイッチ94が、スイッチの極96に対して接触している時には、ダイオード92は、回路90に対して接続され、点火器52に対して供給される電流を半波整流する。逆極性の電流を除去することで、点火器52に対して供給される電力を低減させ、これにより、低減電力モードでの動作を提供する。スイッチ94が、スイッチの極98に対して接触している時には、回路90は、フル電力モードである。好ましい例では、フル電力モードは、点火動作時に使用され、低減電力モードは、点火後にかつ調理操作時に使用される。テンプレート回路90は、多数の異なる回路構成要素が任意選択的に提供され得る位置102及び104を含むことのために、そのように称されている。
図6を参照すると、位置102又は104で使用され得る1つの構成要素は、火炎センサである。当該技術分野では公知であるように、火炎センサは、バーナが点灯しているかどうかを決定する。多数の異なる火炎センサ技術が存在し、光学的火炎検出器及び熱電対を含めて、使用されてもよい。光学的火炎センサは、UV検出器、Near IR(近赤外)アレイ検出器、及び、IR検出器、を含んでもよい。火炎センサが設けられる場合には、火炎センサは、火炎が存在しない時にはガス流が中断されるよう、バーナに対してガスを供給するために使用されているガスバルブアセンブリに対して、動作可能に接続されてもよい。火炎センサは、また、火炎が存在しない時にはバーナガスの流れを阻止するために、温度制御リレー、開放保持コイル、及びバイメタルガス安全バルブ(「安全缶」)、と一緒に使用されてもよい。
また、点火器52の電気的状態に関する情報を文書化するために、多数のセンサ又はインジケータが、位置102及び104で使用されてもよい。センサ又はインジケータは、単独で使用されてもよく、又は、互いに組み合わせて使用されてもよい。一例では、点火器52が通電されている合計時間を積算するタイマーが、設けられてもよい。その場合、通電時間データを使用することにより、故障前に点火器52を交換し得るよう、点火器52の予想寿命がどの程度残っているかが決定されてもよい。そのような収集された情報は、また、wi-fi、Bluetooth(登録商標)、及び他の公知の無線通信技術、によって、ユーザのスマートフォン、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、あるいは、サーバ、に対して無線送信されてもよく、これにより、点火器52の状態に関する情報を、遠隔的に提供することができる。
可聴インジケータが、また、位置102及び104で使用されてもよい。現在の火花点火器は、点火時に明確な可聴音を発生させるものであり、多くの消費者は、点火の指標として、その音を聞くことに慣れており、その音を好むようになっている。高温表面点火器52は、点火時に可聴音を発生させるものではない。しかしながら、音発生器が位置104に設けられてもよく、音発生器は、点火器52が最初に通電される時にのみ通電され、点火器52が点火電流を受領していることを示すために、クリック音又は別のタイプの音を発生させる。
多数の追加的なセンサ及びインジケータが、位置102又は104のいずれかで使用されてもよい。例えば、火災センサが設けられてもよい。火災センサは、調理用に所望された火炎以外の火炎が存在するかどうかを決定することを意図している点において、火炎センサと相違するものである。火災センサは、典型的には、バーナの上方に視野を有した光学的センサである。特定の例では、火災が検出された時にはバーナに対してのガスを遮断する制御方式が組み込まれてもよい。
また、鍋センサが設けられてもよい。鍋センサは、バーナ上に鍋が存在するかどうかを決定する(例えば、重量の変化を感知することによって)。鍋センサは、バーナ上に鍋が存在する時にのみ回路90を完成させる圧力スイッチ若しくはプランジャーを含んでもよく、又はそのような圧力スイッチ若しくはプランジャーに対して動作可能に接続されてもよく、これにより、火災防止に役立ってもよい。
加えて、点火器52が、連続的に通電され得ることにより(フル電力で、又は低減電力で)及び任意のガス流で再点火され得ることにより、特定の期間にわたってバーナをオンオフすることによって(すなわち、バーナに対してのガスバルブを開閉することによって)、多数の異なる調理機能を提供してもよい。ある例では、バーナのオンオフ時間を積算するタイマーが設けられる。上述したタイプの火炎センサを使用することにより、タイマーの状態をオンとオフとの間にわたって切り替えてもよい。代替的には、タイマーは、単に、点火器52が通電された時にのみ通電されるように構成されてもよく、そして、例えば「煮る」などの所望の調理モードを示す特定の位置へとユーザがガスバルブを設定した時にオンオフ時間を積算するように構成されてもよい。関連したコントローラ内に存在する事前プログラムされたアルゴリズムは、選択された調理モードに基づいて、バーナガスバルブを開閉してもよい。
図6に関して説明した回路構成要素オプションは、また、上述した直流開放保持コイル回路と一緒に使用されてもよい。図7を参照すると、開放保持回路110は、図4のものと同様である。直流コイル40は、図1及び図2のガス安全バルブアセンブリ20の一部である。位置114及び116では、様々なセンサ及びインジケータが使用されてもよい。開放保持回路110は、図4のダイオード64と同様に機能するダイオード130を含む。並列キャパシタ120及び124は、スイッチ126が極128に対して接触している時(フル電力モード)には、ダイオード130のリップル電圧を平滑化する。キャパシタ120は、低減電力モードで(スイッチ126が開放されている状態で)、リップル電圧を平滑化する。抵抗器122は、直流コイル40に対して直列とされており、直流コイル40が受領する電流を制限する。分流抵抗器118は、調理用ガス安全バルブアセンブリ20(図2)を開放した状態で保持するために必要な電流と比較して点火器52を動作させるために必要な過剰電流を分流させる。
Claims (73)
- 調理用ガス安全装置であって、
調理用ガスを通過させ得る開放位置へと手動で駆動可能とされたバルブアセンブリであり、しきい値電流値を超える電流を受けた時にのみバルブを前記開放位置に保持するように通電可能とされた少なくとも1つのコイルを含む前記バルブアセンブリ、及び
高温表面点火器と前記少なくとも1つのコイルとを含む開放保持回路であり、前記高温表面点火器は、前記少なくとも1つのコイルに対して電気接続されており、前記しきい値電流値を有した電流を前記少なくとも1つのコイルが受けてから8秒以内に、前記高温表面点火器の表面が、前記調理用ガスの少なくとも自己点火温度へと到達する、前記開放保持回路、
を含む、調理用ガス安全装置。 - 前記少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つの交流コイルである、請求項1に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つの直流コイルである、請求項1に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、前記少なくとも1つの直流コイルと共に第1直列結合とされている、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 第1キャパシタをさらに含み、前記第1キャパシタは、前記第1直列結合と共に第1並列結合とされている、請求項4に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路に対して選択的に電気接続される第2キャパシタをさらに含み、前記第2キャパシタが前記開放保持回路に対して電気接続された時には、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタは、前記第1直列結合と共に第2並列結合とされる、請求項5に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記第2並列結合と共に第2直列結合とされたダイオードをさらに含む、請求項6に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記第1並列結合と共に第2直列結合とされたダイオードをさらに含む、請求項5に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、前記少なくとも1つの直流コイルに対して選択的に電気接続される、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、前記少なくとも1つの直流コイルに対して第1直並列結合とされている、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記少なくとも1つの直流コイルに対して第1直列結合とされたツェナーダイオードをさらに含む、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記高温表面点火器に対して第2直並列結合とされたダイオードをさらに含む、請求項11に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記高温表面点火器に対して並列とされて第1並列結合を形成する第1キャパシタをさらに含む、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第2キャパシタとスイッチとをさらに含み、前記第2キャパシタは、前記スイッチに対して選択的に直列とされて第1直列結合を形成し、前記第1直列結合は、前記第1並列結合に対して並列とされる、請求項13に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第1抵抗器をさらに含み、前記少なくとも1つの直流コイルは、前記第1抵抗器に対して直列とされて第1直列結合を形成し、前記高温表面点火器は、前記第1直列結合に対して第1直並列結合とされる、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第2抵抗器をさらに含み、前記第2抵抗器は、前記第1直列結合に対して並列とされて第1並列結合を形成し、前記第1並列結合は、前記高温表面点火器に対して直列とされて第2直列結合を形成する、請求項15に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第1抵抗器をさらに含み、前記直流コイルは、前記第1抵抗器に対して直列とされて第1直列結合を形成する、請求項1に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第2抵抗器をさらに含み、前記第1直列結合は、前記第2抵抗器に対して並列とされて第1並列結合を形成する、請求項17に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記第1並列結合は、前記高温表面点火器に対して直列とされて第2直列結合を形成する、請求項18に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第1キャパシタをさらに含み、前記第2直列結合は、前記第1キャパシタに対して並列とされて第2並列結合を形成する、請求項19に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、第2キャパシタとスイッチとをさらに含み、前記第2キャパシタは、前記スイッチに対して選択的に直列とされて第3直列結合を形成し、前記第3直列結合は、前記第2並列結合に対して並列とされて第3並列結合を形成する、請求項20に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記高温表面点火器に対して第2直並列結合とされたダイオードをさらに含む、請求項10に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、熱電対に対して電気接続されていない、請求項1~22の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つの直流コイルは、火炎センサに対して電気接続されていない、請求項1~23の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、正の抵抗温度係数を有している、請求項1~24の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、セラミック製点火器である、請求項1~25の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、窒化ケイ素製点火器である、請求項1~26の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記セラミック製点火器は、約20オーム~約60オームの室温抵抗値を有している、請求項26に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記セラミック製点火器は、セラミックボディを有しており、前記セラミックボディは、長手方向軸線を規定する長さと、幅方向軸線を規定する幅と、厚さ方向軸線を規定する厚さと、を有しており、前記セラミック製点火器は、
それぞれ対応する外面を有した第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルと、
前記第1セラミックタイルと前記第2セラミックタイルとの間に配置された導電性インクパターンと、
を含み、
前記点火器は、約0.047インチ~約0.060インチ(約0.1194cm~約0.1524cm)の、前記厚さ方向軸線に沿った厚さを有しており、120V AC rmsの電位差を受けた時には、各点火器の外面の少なくとも1つは、8秒以内に、少なくとも1400°F(約760℃)の温度へと到達する、請求項26に記載の調理用ガス安全装置。 - 前記セラミック製点火器の導電性インクは、約0.0004インチ~約0.002インチ(約0.001016cm~約0.00508cm)の、前記厚さ方向軸線に沿った厚さを有している、請求項29に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記セラミック製点火器の前記導電性インクパターンを構成する導電性インクは、窒化ケイ素と炭化タングステンとを含む、請求項29又は30に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記導電性インクパターンは、正の抵抗温度係数を有している、請求項29~31の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記直流コイルに対して直列に接続されて第1直列結合を形成するツェナーダイオードをさらに含む、請求項3に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記開放保持回路に対して選択的に接続可能な第2抵抗器に対して並列とされて第1並列結合を形成する第1抵抗器をさらに含む、請求項33に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記第1直列結合に対して並列とされて第2並列結合を形成する第3抵抗器をさらに含む、請求項34に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記第1並列結合は、前記第2並列結合に対して直列とされて第2直列結合を形成する、請求項35に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、前記第2並列結合に対して直列とされて第3直列結合を形成する、請求項36に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記開放保持回路は、前記第3直列結合に対して並列とされて第3並列結合を形成するキャパシタをさらに含む、請求項37に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記第3並列結合に対して直列とされて第4直列結合を形成するダイオードをさらに含む、請求項38に記載の調理用ガス安全装置。
- コンロのバーナに対して調理用ガスを供給するための方法であって、
開放位置と閉塞位置とを有したバルブを含むバルブアセンブリを準備するとともに、前記バルブが前記開放位置にある時には、前記バルブを通して前記調理用ガスを通過させ、前記バルブアセンブリを、前記バルブを前記開放位置に保持するために通電可能とされた少なくとも1つのコイルをさらに含むものとすることと、
前記バルブを、前記開放位置へと、手動で駆動することと、
高温表面点火器と前記少なくとも1つのコイルとを含む開放保持回路に対して、交流を供給し、これにより、前記バルブを前記開放位置に保持することと、
を含む、コンロのバーナに対して調理用ガスを供給するための方法。 - 前記少なくとも1つのコイルを、交流コイルとする、請求項40に記載の方法。
- 前記少なくとも1つのコイルを、少なくとも1つの直流コイルとし、前記方法は、前記交流を、時間的に変化する直流へと、変換することと、前記時間的に変化する直流を、前記少なくとも1つの直流コイルに対して供給することにより、前記バルブを前記開放位置に保持することと、をさらに含む、請求項40に記載の方法。
- 前記交流を前記時間的に変化する直流へと変換することは、前記交流を整流することを含む、請求項42に記載の方法。
- 前記交流を前記時間的に変化する直流へと変換することは、前記高温表面点火器及び前記直流コイルに対して電気接続された第1キャパシタを、充電させたり放電させたりすることをさらに含む、請求項42に記載の方法。
- 前記高温表面点火器及び前記少なくとも1つの直流コイルに対して電気接続される第2キャパシタを、選択的に配置することと、前記第2キャパシタが前記高温表面点火器及び前記少なくとも1つの直流コイルに対して電気接続された時には、前記第2キャパシタを充電させたり放電させたりすることと、をさらに含む、請求項44に記載の方法。
- 前記第1キャパシタを、前記第2キャパシタに対して並列として第1並列結合を形成する、請求項45に記載の方法。
- 前記第2キャパシタを、前記開放保持回路に対して選択的に電気接続する、請求項46に記載の方法。
- 前記高温表面点火器を、前記少なくとも1つの直流コイルに対して直列として第1直列結合を形成する、請求項42~47の何れか一項に記載の方法。
- 前記時間的に変化する直流を、第1の時間的に変化する直流とし、前記方法は、前記高温表面点火器に対して、第2の時間的に変化する直流を供給することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
- 前記高温表面点火器が前記調理用ガスの自己点火温度へと到達する8秒前以降に、前記バルブを前記開放位置に保持する、請求項40に記載の方法。
- 前記開放保持回路を、点火動作時の点火器フル電力モードから、調理操作時の点火器低減電力モードへと、切り替えることをさらに含む、請求項40に記載の方法。
- 前記開放保持回路を、スイッチに対して直列とされて第1直列結合を形成する第1抵抗器と、前記第1直列結合に対して並列とされて第1並列結合を形成する第2抵抗器と、を含むものとし、前記開放保持回路を前記点火器フル電力モードから前記点火器低減電力モードへと切り替えることを、前記スイッチを開放することを含むものとする、請求項51に記載の方法。
- 前記開放保持回路を、スイッチに対して直列とされて第1直列結合を形成する第1キャパシタと、前記第1直列結合に対して並列とされて第1並列結合を形成する第2キャパシタと、をさらに含むものとし、前記開放保持回路を前記点火器フル電力モードから前記点火器低減電力モードへと切り替えることを、前記スイッチを開放することを含むものとする、請求項51に記載の方法。
- 調理用ガス安全装置であって、
バルブと少なくとも1つのコイルとを含むバルブアセンブリであり、前記バルブは、流体入口と流体出口とを含むとともに、前記流体入口を前記流体出口に対して流体連通状態に配置するように手動で駆動可能とされ、前記少なくとも1つのコイルは、しきい値電流値を超える電流を受けた時にのみ前記バルブを前記開放位置に保持するように通電可能とされている、前記バルブアセンブリ、及び
前記少なくとも1つのコイルに対して電気接続可能とされて開放保持回路を規定する高温表面点火器であり、120V AC rmsの電位差を受けた時には、前記少なくとも1つのコイルが前記しきい値電流を受けてから8秒以内に、少なくとも1400°F(約760℃)の表面温度へと到達するものとされた、前記高温表面点火器、
を含む、調理用ガス安全装置。 - 120V AC rmsの電位差を受けた時には、前記高温表面点火器は、前記少なくとも1つのコイルが前記しきい値電流を受けてから4秒以内に、少なくとも1800°F(約982℃)の表面温度へと到達する、請求項54に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つの交流コイルである、請求項54又は55に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つの直流コイルである、請求項54又は55に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルに対して電気接続可能とされたダイオードと、前記少なくとも1つの直流コイルに対して、時間的に変化する直流を供給するための交流電源と、をさらに含む、請求項57に記載の調理用ガス安全装置。
- 少なくとも1つのキャパシタをさらに含み、前記少なくとも1つのキャパシタは、前記高温表面点火器及び前記少なくとも1つの直流コイルに対して並列に接続可能とされている、請求項57又は58に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、熱電対に対して電気接続されていない、請求項54~59の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、窒化ケイ素製点火器であるとともに、約20オーム~約60オームの室温抵抗値を有している、請求項54~60の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記セラミック製点火器は、セラミックボディを有しており、前記セラミックボディは、長手方向軸線を規定する長さと、幅方向軸線を規定する幅と、厚さ方向軸線を規定する厚さと、を有しており、前記セラミック製点火器は、
それぞれ対応する外面を有した第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルと、
前記第1セラミックタイルと前記第2セラミックタイルとの間に配置された導電性インクパターンと、
を含み、
前記点火器は、約0.047インチ~約0.060インチ(約0.1194cm~約0.1524cm)の、前記厚さ方向軸線に沿った厚さを有しており、120V AC rmsの電位差を受けた時には、各点火器の外面の少なくとも1つは、8秒以内に、少なくとも1400°F(約760℃)の温度へと到達する、請求項54~61の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。 - 前記導電性インクパターンは、正の抵抗温度係数を有している、請求項62に記載の調理用ガス安全装置。
- 調理用ガス安全装置であって、
バルブと少なくとも1つのコイルとを含むバルブアセンブリであり、前記バルブは、流体入口と流体出口とを含むとともに、前記流体入口を前記流体出口に対して流体連通状態に配置するように手動で駆動可能とされ、前記少なくとも1つのコイルは、しきい値電流値を超える電流を受けた時にのみ前記バルブを前記開放位置に保持するように通電可能とされている、前記バルブアセンブリ、及び
前記少なくとも1つのコイルに対して電気接続可能とされて開放保持回路を規定する高温表面点火器であり、120V AC rmsの電位差を受けた時には、前記少なくとも1つのコイルが前記しきい値電流を受けてから8秒以内に、前記高温表面点火器の表面が、ブタン、ブタン1400、プロパン、天然ガス、及びこれらの混合物、のうち少なくとも1つの、自己点火温度へと到達するものとされた、前記高温表面点火器、
を含む、調理用ガス安全装置。 - 前記高温表面点火器の前記表面は、前記少なくとも1つのコイルが前記しきい値電流を受けてから4秒以内に、ブタン、ブタン1400、プロパン、天然ガス、及びこれらの混合物、のうち前記少なくとも1つの、前記自己点火温度へと到達する、請求項64に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つの交流コイルである、請求項64又は65に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つの直流コイルである、請求項64又は65に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルに対して電気接続可能とされたダイオードと、前記少なくとも1つの直流コイルに対して、時間的に変化する直流を供給するための交流電源と、をさらに含む、請求項67に記載の調理用ガス安全装置。
- 少なくとも1つのキャパシタをさらに含み、前記少なくとも1つのキャパシタは、前記高温表面点火器及び前記少なくとも1つの直流コイルに対して並列に接続可能とされている、請求項67又は68に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記少なくとも1つのコイルは、熱電対に対して電気接続されていない、請求項64~69の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記高温表面点火器は、窒化ケイ素製点火器であるとともに、約20オーム~約60オームの室温抵抗値を有している、請求項64~70の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。
- 前記セラミック製点火器は、セラミックボディを有しており、前記セラミックボディは、長手方向軸線を規定する長さと、幅方向軸線を規定する幅と、厚さ方向軸線を規定する厚さと、を有しており、前記セラミック製点火器は、
それぞれ対応する外面を有した第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルと、
前記第1セラミックタイルと前記第2セラミックタイルとの間に配置された導電性インクパターンと、
を含み、
前記点火器は、約0.047インチ~約0.060インチ(約0.1194cm~約0.1524cm)の、前記厚さ方向軸線に沿った厚さを有しており、120V AC rmsの電位差を受けた時には、各点火器の外面の少なくとも1つは、8秒以内に、少なくとも1400°F(約760℃)の温度へと到達する、請求項64~71の何れか一項に記載の調理用ガス安全装置。 - 前記導電性インクパターンは、正の抵抗温度係数を有している、請求項72に記載の調理用ガス安全装置。
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