JP2023531155A - 流体濃縮装置および流体濃縮方法 - Google Patents

流体濃縮装置および流体濃縮方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023531155A
JP2023531155A JP2022571256A JP2022571256A JP2023531155A JP 2023531155 A JP2023531155 A JP 2023531155A JP 2022571256 A JP2022571256 A JP 2022571256A JP 2022571256 A JP2022571256 A JP 2022571256A JP 2023531155 A JP2023531155 A JP 2023531155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
process fluid
evaporator
fluid
heat exchanger
mass transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022571256A
Other languages
English (en)
Inventor
クリストファー トムソン
ステファン ファハリ
ジョージオス ミホス
ポール パラギー
Original Assignee
ピヴォタル エンタープライゼズ ピーティーワイ エルティーディー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AU2020901609A external-priority patent/AU2020901609A0/en
Application filed by ピヴォタル エンタープライゼズ ピーティーワイ エルティーディー filed Critical ピヴォタル エンタープライゼズ ピーティーワイ エルティーディー
Publication of JP2023531155A publication Critical patent/JP2023531155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D1/00Evaporating
    • B01D1/30Accessories for evaporators ; Constructional details thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D1/00Evaporating
    • B01D1/14Evaporating with heated gases or vapours or liquids in contact with the liquid
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D1/00Evaporating
    • B01D1/16Evaporating by spraying
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D1/00Evaporating
    • B01D1/0082Regulation; Control
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D5/00Condensation of vapours; Recovering volatile solvents by condensation
    • B01D5/0057Condensation of vapours; Recovering volatile solvents by condensation in combination with other processes
    • B01D5/006Condensation of vapours; Recovering volatile solvents by condensation in combination with other processes with evaporation or distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/02Treatment of water, waste water, or sewage by heating
    • C02F1/04Treatment of water, waste water, or sewage by heating by distillation or evaporation
    • C02F1/042Prevention of deposits
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/02Treatment of water, waste water, or sewage by heating
    • C02F1/04Treatment of water, waste water, or sewage by heating by distillation or evaporation
    • C02F1/048Purification of waste water by evaporation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13BPRODUCTION OF SUCROSE; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • C13B25/00Evaporators or boiling pans specially adapted for sugar juices; Evaporating or boiling sugar juices
    • C13B25/06Evaporators or boiling pans specially adapted for sugar juices; Evaporating or boiling sugar juices combined with measuring instruments for effecting control of the process
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/02Treatment of water, waste water, or sewage by heating
    • C02F1/04Treatment of water, waste water, or sewage by heating by distillation or evaporation
    • C02F1/10Treatment of water, waste water, or sewage by heating by distillation or evaporation by direct contact with a particulate solid or with a fluid, as a heat transfer medium
    • C02F1/12Spray evaporation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2103/00Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated
    • C02F2103/32Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated from the food or foodstuff industry, e.g. brewery waste waters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2303/00Specific treatment goals
    • C02F2303/14Maintenance of water treatment installations
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2303/00Specific treatment goals
    • C02F2303/22Eliminating or preventing deposits, scale removal, scale prevention

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Abstract

キャリア流体を含む、プロセス流体を濃縮する方法であって、(a)プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持するステップと、(b)キャリア流体を前記プロセス流体から蒸発させて濃縮プロセス流体を得るステップと、(c)ステップ(a)又は(b)のプロセス変数を少なくとも1つモニタして、ステップ(a)又は(b)のいずれかにおいて形成されたファウリングを検出するステップと、(d)前記プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始することにより、形成されたファウリングを減少させるステップと、を含む、方法。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばサトウキビ汁又は廃水等のプロセス流体の濃縮装置及び濃縮方法に関する。
本発明は、特に、プロセス(処理)のダウンタイムを最小限に抑えるプロセス流体濃縮装置及び濃縮方法に関するが、決してこれらに限られない。
本発明は、特に、ファウリング(fouling:付着物、汚れ)の堆積を最小限に抑えるプロセス流体濃縮装置及び濃縮方法に関するが、決してこれらに限られない。
製糖業において、糖は、一般に、サトウキビ汁を抽出して、濃縮汁が結晶糖になるまで当該汁を濃縮することによって生産する。
一般的な方法では、サトウキビを粉砕することによりサトウキビ汁を得て、このサトウキビ汁を高温で熱することによって濃縮する。当該方法における問題の一つは、加熱工程によって、例えば多糖類が単糖類に分解されることに起因して、上記汁の褐色化、つまり、カラメル化が起こることである。この問題に対処するために、石灰(CaO)を加えて、最終生成物を清浄化して白色にする。
製糖所の作業者が直面する他の問題は、サトウキビ汁からの糖及び不純物がプロセス機器(処理装置)に析出/沈着することによって、プロセス機器にファウリングが発生しやすいことである。不純物には、例えば、タンパク質等の有機不純物並びに、カルシウム含有及びケイ素含有鉱物等の無機不純物等がある。従って、プロセスを定期的に止めて手動にてプロセス機器を洗浄して、最終生成物の品質及び生産量を保持する必要がある。
サトウキビ汁の褐色化を回避するための試みとして、低温にて蒸発させることが考えられる。しかし、これでは、蒸発速度の低下によって処理時間が長くなるため、やはり手動にてプロセス機器を洗浄するために定期的にプロセスを中断する必要がある。
プロセスダウンタイムを短縮する、サトウキビ汁等のプロセス流体の濃縮方法を提供することが望ましいと考えられる。
本発明は、改良したプロセス流体濃縮方法及び濃縮装置を提供する。
本発明は、少なくとも部分的には、プロセス機器のファウリングを低減させつつプロセス流体を濃縮する最適条件下において処理を行なうことによって、上記目的を達成しようとするものである。これには、プロセス流体の温度を制御することを含んでもよい。
本発明は、物質移動媒体(例えば、空気)ラインにおける改良ドリフト除去、及び/又は、プロセス流体内のキャリア流体(例えば、水)を蒸発用充填物非使用(evaporation-fill-less)にて蒸発させること、を提供することにより、ファウリングの堆積を予防的に低減することができる。
本発明はまた、少なくとも1つの熱交換器を含む液体ラインの洗浄を可能にする自動クリーニングシステムを含む。自動クリーニングシステムにより、さらに、ファウリングを発生させる物質を含有するプロセス流体を本発明において取り扱うことができるようになり、又は、本発明においてプロセス機器の手動洗浄を行わなくてよくなる。
本明細書において、物質移動媒体とは、キャリア流体(例えば、水)を、プロセス流体流から当該物質移動媒体内に物質移動させることを促進する流体(通常、空気)のことを指す。このプロセスにおいて、熱移動が起こり得る。
本明細書において、熱移動媒体とは、プロセス流体から熱を受け取ったり、プロセス流体に熱を伝えたりする流体(例えば、水)のことを差す。
クリーニングシステムは、クリーニングプロトコルに従って抗ファウリング剤(anti-fouling reagent)を装置内に循環させてプロセス機器のファウリングを除去する、当該抗ファウリング剤を貯蔵する1又は複数の貯蔵タンク、弁及びポンプを含んでもよい。
クリーニングプロトコルは、所定のプロセス変数が、それらの閾値範囲から外れたときに開始してもよい。
クリーニングプロトコルは、所定のプロセス変数が閾値範囲を超えたときに開始してもよい。
クリーニングプロトコルは、一定時間サイクルで行なうこともできるし、汚泥/缶石(スケール)の堆積が検出されたときに行なうこともできる。
装置は、プロセスの種々な部分におけるプロセス変数をモニタする複数のセンサと導通する制御部を含んでもよい。好適には、制御部は、プログラマブル・ロジック・コントローラである。
装置は、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、湿度センサ、及びレベルセンサのうち、1又は複数を含んでもよい。
装置は、例えば、当該装置の蒸発器又は熱交換器に接続されているプロセス流体ライン、水ライン、及び空気ライン中のファウリングを検出する圧力センサ及び流量センサを含んでもよい。センサが、圧力又は流量が所定の閾値/閾値範囲から外れたことを検出すると、制御部は、クリーニングプロトコルを開始し、装置のファウリングを除去する。
本発明は、サトウキビ汁の加工(処理)に特に好適であるが、本発明は、廃水の処理及びプロセス副産物としての蒸留水の生成を含む他の用途にも同様に好適である。したがって、本明細書は本発明をサトウキビの加工(処理)に適用することに主に重点を置いているが、本発明は当該用途に限定されないことを理解されたい。
本発明は、種々のプロセス流体、例えば、乾燥槽からの廃液、及び処理中(in-process)の流体流、のゼロ・リキッドディスチャージ(廃液排出ゼロ)を行うことにも好適である。
本発明のクリーニングシステムは、同様に、省エネ構成にも適用可能であり、当該省エネ構成は、プロセス流体ライン、空気ライン、及び水ラインのうち、1又は複数のラインにおいて、プロセスのエネルギー効率にのみ影響し抗ファウリング特性に影響しない、予冷/エネルギー回収熱交換器を備えてもよい。
本発明は、キャリア流体を含むプロセス流体を濃縮する方法であって、
(a)プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持するステップと、
(b)キャリア流体をプロセス流体から蒸発させて濃縮プロセス流体を得るステップと、
(c)ステップ(a)又は(b)のプロセス変数を少なくとも1つモニタして、ステップ(a)又は(b)のいずれかにおいて形成されるファウリングを検出するステップと、
(d)プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始して、形成されたファウリングを減少させるステップと、
を含む、方法を提供する。
プロセス流体は、プロセスから得られる均一溶液及び異種混合物(例えば、サトウキビを粉砕することにより得られる糖溶液又は製糖所からの廃流)を包含する。
キャリア流体は、溶質を溶解し得る溶媒、又は懸濁液若しくはスラリーの液状媒体であってもよい。好適には、キャリア流体は水である。
ステップ(a)は、プロセス流体を熱交換器に供給して当該プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持することを含んでもよい。
プロセス変数は、温度、圧力、流量、湿度、及び液面のうち1以上であってもよい。好適には、プロセス変数は、プロセス機器の圧力降下並びに物質移動媒体流量及びプロセス流体流量である。
ステップ(b)は、プロセス流体を熱交換器から蒸発器へ供給することを含んでもよい。蒸発器により、キャリア流体の少なくとも一部を蒸発させることが可能となる。
ステップ(b)は、キャリア流体を、外部加熱源を用いることなく加熱することを含んでもよい。これは、プロセス流体は、プロセスによって発生する熱を用いて(例えば、熱交換器を用いることによって)加熱されてもよいが、外部加熱器を用いることは含まないことを意味する。
ステップ(b)は、蒸発したキャリア流体を凝縮させることを含んでもよい。
ステップ(c)は、熱交換器の両端における圧力差をモニタすることを含んでもよい。
ステップ(c)は、蒸発器の流体流量をモニタすることを含んでもよい。好適には、ステップ(c)は、蒸発器の通過物質移動媒体流量及び/又は通過プロセス流体流量をモニタすることを含む。
ステップ(b)は、プロセス流体を物質移動媒体に直接接触させることを含んでもよい。
物質移動媒体は気体であってもよい。好適には、物質移動媒体は空気である。
物質移動媒体が気体であるとき、前記方法は、当該気体を、泡として水に通すことにより、蒸発器に入る当該気体を加湿することを含んでもよい。
物質移動媒体が気体であるとき、前記方法は、プロセス流体を蒸発用充填材(evaporation fill material)に噴霧することを含んでもよい。
ステップ(d)は、圧力又は流量が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始して、熱交換器又は蒸発器におけるファウリングを減少させることを含んでもよい。
好適には、プロセス流体が分解(劣化)したりプロセス機器のファウリングが増加したりしない温度において蒸発が起こる。例えば、サトウキビ汁を加工(処理)するとき、20~40℃の範囲の温度において蒸発を行なう。20~40℃の範囲の温度では、サトウキビ汁が褐色化せず、プロセス機器への糖の沈着が最小限になることが確認されている。他の実施形態において、周囲条件下において蒸発が起こる。
プロセス流体は、サトウキビ抽出物又は廃水等、処理中の液体(in-process liquid)であってもよい。
プロセス流体は、熱交換器を用いて、40℃を超えない温度に保持してもよい。これにより、確実に、プロセス流体が、当該プロセス流体が蒸発器において濃縮される際に、当該プロセス流体の過剰なファウリング又は分解が起こらない温度になるようにすることができる。例えば、プロセス流体が糖溶液の場合、温度は最高で20~40℃の間に保持され、これにより、確実に、溶液中の多糖類が二糖類又は単糖類に分解されることがないようにすることができ、又はカラメル化が起こることを可能な限り防ぐことができる。
プロセス流体は、対向流熱交換によって、所定の温度値/温度範囲に保持してもよい。
本発明はまた、サトウキビから濃縮糖を生成する方法であって、
(a)サトウキビから糖含有抽出物を得るステップと、
(b)抽出物を所定の温度値又は温度範囲に保持するステップと、
(c)抽出物を、石灰を添加せずに清浄化するステップと、
(d)抽出物から水を蒸発させて濃縮糖を形成するステップと、
(e)ステップ(b)又は(d)のプロセス変数をモニタして、ステップ(b)又は(d)のいずれかにおいて形成されるファウリングを検出するステップと、
(f)プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始して、形成されたファウリングを減少させるステップと、
を含む、方法を提供する。
ステップ(a)は、サトウキビを粉砕して糖含有抽出物(すなわち、サトウキビ汁)を得ることを含んでもよい。好適には、糖含有抽出物は、粉砕したサトウキビを水と混合することにより形成する。
ステップ(b)は、熱交換器内に抽出物を供給して当該抽出物を所定の温度値又は温度範囲に保持することを含んでもよい。
ステップ(d)は、抽出物を熱交換器から蒸発器に供給することを含んでもよい。
ステップ(d)は、蒸発した水を凝縮させることを含んでもよい。
ステップ(e)は、熱交換器の両端における圧力差、並びに蒸発器の通過物質移動媒体流量及び/又は通過プロセス流体流量をモニタすることを含んでもよい。
ステップ(f)は、圧力又は流量が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始して、熱交換器又は蒸発器におけるファウリングを減少させることを含んでもよい。
蒸発ステップは、プロセス流体を蒸発用充填材に噴霧し、気流を、当該蒸発用充填材を通して逆方向に誘導することを含んでもよい。本方法の不利点のひとつは、充填材にファウリングが発生しやすく、きれいにするのが困難であることである。
別の蒸発ステップは、物質移動媒体を、好適にはバブルプレートを用いて、泡として水に通して、当該物質移動媒体を加湿することを、当該加湿した物質移動媒体を気流内に誘導する前に行なうことを含んでもよい。本方法の有利な点のひとつは、ファウリングが減少することと、バブルプレートを例えばワイヤブラシを用いてメンテナンスすることが簡単なことである。しかし、本方法では、プロセス効率が、蒸発用充填材を用いるプロセスに比べて低下し、一般に、約20%の効率低下がある。本方法では、ポンプ、好適にはファン、圧力水頭も増加し得る。
前記方法は、蒸発器から排出される物質移動媒体(例えば、空気)の一部分を再循環させることを含んでもよい。好適には、前記方法は、排出物質移動媒体をドリフトチャンバ内に循環させて同伴プロセス流体を除去することを、当該物質移動媒体を蒸発器に戻す前に行なうことを含む。
前記方法は、蒸発器からの物質移動媒体の一部分をドリフトチャンバ内に誘導して、同伴プロセス流体(例えば、糖含有抽出物)を除去することを、当該浄化済の物質移動媒体を蒸発器に戻す前に行なうことを含んでもよい。これにより、熱交換器のファウリングが減少する。熱交換器は、暖房換気空調(HVAC)システムの蒸発器コイルであってもよい。
前記方法は、浄化済の物質移動媒体を熱交換器に循環させることを、当該浄化済の物質移動媒体を蒸発器に戻す前に行なうことを含んでもよい。
前記方法は、当該方法において使用するプロセス機器のプロセス変数をモニタするセンサを用いることを含んでもよい。好適には、前記方法は、熱交換器の両端における圧力差並びに物質移動媒体及び/又はプロセス流体(例えば、サトウキビ抽出物)の蒸発器における流量をモニタするセンサを用いることを含む。
装置がコンデンサ及び蒸発器コイルを有する冷却器を備えるとき、蒸発器コイルの液相側の流れ/圧力又はコンデンサの気相側の流れ及び/又は圧力をモニタしてもよい。
熱交換器の高温側又は低温側のファウリングにより、熱交換器の両端における圧力差が上昇することが確認されている。よって、圧力差が許容閾値を超えると、制御部又は手動操作部(手動操作者)がクリーニングプロトコルを開始する。
前記方法は、物質移動媒体を、プロセス流体への接触前に加湿するステップを含んでもよい。加湿空気を利用することで、前記方法のファウリング低減能力が高められる。
物質移動媒体を加湿するステップは、物質移動媒体を、好適にはバブルプレートを用いて、泡として水に通すことを含んでもよい。
物質移動媒体の相対湿度は、90~100%の範囲であってもよい。好適には、物質移動媒体の相対湿度は、95~100%の範囲である。
前記方法は、プロセス変数が所定値又は所定範囲外に外れるかどうかをモニタすることを含んでもよい。好適には、前記方法は、熱交換器の両端における圧力差が所定範囲外に外れるかどうかをモニタすることを含む。例えば、前記方法は、熱交換器の正常差圧(PD)(例えば、35kPa)を、特定の流量(例えば、15L/分、熱交換器のサイズによる)において、特定の流体(例えば、水)について測定し、PD(特定流体についての特定流量)の増加が無いかどうかをモニタすることにより、熱交換器内の缶石/ファウリングの堆積を判断してもよい。
前記方法は、プロセス流体の蒸発器内への流れを、クリーニングプロトコルの開始前に止めることを含んでもよい。好適には、前記方法は、プロセス流体を、クリーニングプロトコルの開始前に、貯蔵タンク内へ再誘導することを含んでもよい。これにより、確実に、抗ファウリング剤がプロセス流体と混ざること及びプロセス流体を汚染することが無いようにする。
クリーニングプロトコルは、より長い自浄性、及び/又は、より強い洗浄性能の抗ファウリング剤(例えば、より温度の高い水、より濃縮された酸又は塩基性溶液)の放出、のきっかけとなり得る。
250L/日の実験装置についていえば、熱交換器の所定の圧力値又は圧力範囲は、5~50kPaの範囲であってもよく、好ましくは、10~45kPaの範囲であってもよく、より好ましくは、45kPaであってもよい。好適には、所定の圧力値又は圧力範囲は、装置の能力に応じて直線的にスケーラブル(線形に変化できるもの)であってもよい。所定の圧力値又は圧力範囲は、熱交換方法に依存するものであってもよい。
250L/日の実験装置についていえば、蒸発器の物質移動媒体流量の所定値又は所定範囲は10~20L/分の範囲であってもよく、好ましくは15L/分である。蒸発器のファウリングによって、蒸発器を流れる物質移動媒体が減少し得ることが確認されている。よって、流量が許容閾値より低くなると、制御部はクリーニングプロトコルを開始する。好適には、許容閾値は、少なくとも0.5L/分の低下であってもよい。蒸発器の物質移動媒体流量の所定値又は所定範囲は、装置の能力に応じて直線的にスケーラブルであってもよい。
蒸発器のプロセス流体流量の所定値又は所定範囲は、0.10~0.30L/分の範囲であってもよく、好ましくは0.15~0.25L/分の範囲である。
クリーニングプロトコルは、抗ファウリング液を、前記方法において用いられる1又は複数のプロセス機器に循環させることを含んでもよい。好適には、クリーニングプロトコルは、抗ファウリング液を、圧力が所定値又は所定範囲に戻るまで熱交換器に循環させることを含む。
抗ファウリング液は水、酸性溶液、又は塩基性溶液であってもよい。好ましくは、溶液は、食品等級のもの(食品と同程度の品質を有するもの)である。
抗ファウリング液が水であるとき、当該水は、20~40℃の範囲の温度に保持してもよい。好適には、水は、30~40℃の範囲の温度に保持する。さらに好適には、水は、約35℃の温度に保持する。
抗ファウリング液が塩基性溶液である場合、当該塩基性溶液のpHは8~10の範囲であってもよい。好適には、塩基性溶液は、水酸化ナトリウム溶液等の水酸化物溶液である。さらに好適には、塩基性溶液の濃度は10~20%(0.25~1M)である。
抗ファウリング液が酸性溶液である場合、当該酸性溶液のpHは4~6の範囲であってもよい。好適には、酸性溶液は、酢酸、クエン酸、又はリンゴ酸等の食用酸を含んでもよい。さらに好適には、酸性溶液の濃度は5~20%(0.25~1M)である。
クリーニングプロトコルは、弁を作動させて抗ファウリング剤を貯蔵タンクから熱交換器又は蒸発器内に放出することを含んでもよい。
クリーニングプロトコルは、熱交換器又は蒸発器の流体管に対して超音波処理を行なうことを含んでもよい。
クリーニングプロトコルは、当該クリーニングプロトコルが終了される前に、すすぎサイクルを行なって抗ファウリング剤をパージすることを含んでもよい。すすぎサイクルによって、抗ファウリング剤又は廃棄物をパージし得る。
前記方法は、すすぎサイクル後にプロセス流体を貯蔵タンクから放出することを含んでもよい。
本発明はまた、キャリア流体を含むプロセス流体を濃縮する装置であって、
プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持する熱交換器と、
熱交換器と流体連通しており、プロセス流体を受け取ってキャリア流体をプロセス流体から蒸発させて濃縮物を得る蒸発器と、
熱交換器又は蒸発器のプロセス変数をモニタして、熱交換器又は蒸発器におけるファウリングを検出するための、少なくとも1つのセンサと、
前記装置内のファウリングを減少させるクリーニングシステムと、
プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、センサから又はユーザによる手動入力から信号を受け取ってクリーニングシステムを始動させるように構成されている制御部と、
を備える、装置を提供する。
前記装置は、蒸発したキャリア流体を凝縮させるコンデンサを含んでもよい。好適には、コンデンサは、熱交換器と流体連通していてもよい。
前記装置は、蒸発したキャリア流体の一部分を、物質移動流体を加湿する流体として再利用するための導管を含んでもよい。
前記装置は、熱交換器の両端における圧力差をモニタする1又は複数の圧力センサを含んでもよい。
前記装置は、蒸発器の通過物質移動媒体流量をモニタする流量センサを含んでもよい。
前記装置は、蒸発器の通過プロセス流体流量をモニタする流量センサを含んでもよい。
流量センサは、パドル流量センサ又は超音波流量センサであってもよい。
クリーニングシステムは、抗ファウリング剤を収容する1又は複数の貯蔵タンクを備えてもよい。
制御部は、クリーニングプロトコルを手動で開始することを可能にするマニュアル・オーバーライドを有してもよい。
制御部は、圧力センサ及び/又は流量センサから信号を受け取ってクリーニングシステムのクリーニングプロトコルを開始するように構成されていてもよい。
熱交換器は、HVACシステムであってもよい。好適には、熱交換器は、HVACシステムの蒸発器コイルである。
熱交換器は冷却器であってもよい。好適には、熱交換器は、冷却器コンデンサである。
熱交換器は、対向流熱交換器であってもよい。
前記装置は、少なくとも2つの熱交換器を含んでもよい。好適には、熱交換器は、冷却器コンデンサ及び蒸発器コイルである。
蒸発器は、熱移動媒体をプロセス流体に直接接触させるように構成されていてもよい。
前記装置は、蒸発器からの物質移動媒体の一部分を再循環させるリサイクルループを含んでもよい。
前記装置は、蒸発器からの物質移動媒体の少なくとも一部分を受け取り、同伴プロセス流体を除去して、蒸発器に好適にはコンデンサを介して戻される浄化済の物質移動媒体流を形成する、ドリフトチャンバを含んでもよい。
ドリフトチャンバは、同伴プロセス流体を捕捉するエリミネータを含んでもよい。これにより、熱交換器のファウリングを減少させる。
ドリフトチャンバは、捕捉したプロセス流体を蒸発器又は貯蔵タンクに戻す流出液(run-off)出口を複数含んでもよい。
エリミネータは、同伴プロセス流体を捕捉しやすくするための、蛇行状の(例えば、ジグザグの)経路を備えてもよい。
ドリフトチャンバは、浄化済の物質移動媒体がプロセス流体と熱連通するように構成されていてもよい。
蒸発器は噴霧塔であってもよい。噴霧塔は、物質移動媒体の流れの中にプロセス流体を噴霧するように構成されていてもよい。好適には、噴霧塔は、物質移動媒体の流れの中にプロセス流体を噴霧する噴霧ノズルを含む。
蒸発器は、物質移動媒体を、プロセス流体への接触前に加湿することを促進するバブルプレートを含んでもよい。好ましくは、当該プレートは、ステンレス製である。さらに好ましくは、当該プレートは、1mm孔を複数有する。
蒸発器は、蒸発用充填材を含んでもよい。
前記装置は、抗ファウリング剤を収容するための貯蔵タンクを少なくとも1つ含んでもよい。
クリーニングシステムは、貯水タンク、酸溶液貯蔵タンク、及び/又は塩基性溶液貯蔵タンクを含んでもよい。クリーニングシステムは、ファウリング物質の性質によって、これらの溶液のうち1種を熱交換器及び/又は蒸発器に循環させてもよい。
前記装置は、プロセス流体が熱交換器に入る前に当該プロセス流体を収容するための、供給タンクを含んでも良い。
前記装置は、クリーニングプロトコルが開始されるときにプロセス流体を受け入れるための、仮サンプリングタンクを1又は複数含んでもよい。
前記装置は、熱交換器及び/又は蒸発器を洗浄する超音波発生器を含んでもよい。好適には、超音波発生器を熱交換器に至る導管に取り付け、機械的振動を、当該導管を通じて、流体に伝える。
以下、本発明に係る一実施形態を、単なる具体例として、以下の添付図面に基づき説明する。
本発明の一態様に係る装置の流れ図である。 図1の装置の噴霧塔の図である。 図1の装置のドリフトチャンバの図である。
本発明のプロセス流体濃縮装置を、図1において、10の符号で示す。
本例において、装置は、サトウキビ抽出物(汁)を加工(処理)するように構成されている。しかし、当然、装置は、廃水等の産業プロセス流体を含む他のプロセス流体を処理するように構成されていてもよい。
装置10は、コンデンサ24及び水冷式蒸発器コイル28の形態の熱交換器を含む冷却器14と、噴霧塔16の形態の蒸発器と、ドリフトチャンバ18と、供給タンク12A1、濃縮物貯蔵タンク12A2、及び様々な出力物の(miscellaneous output)仮サンプリングタンク12A3及び12A4を備える第1貯蔵タンク塔並びに複数の抗ファウリング剤を個別に貯蔵するための抗ファウリング剤タンク20B1~20B4を備える第2貯蔵タンク塔を備えるクリーニングシステムと、を備える。
制御システムは、制御部と、装置の種々の位置におけるプロセス変数をモニタする圧力センサ及び流量センサを含む複数のセンサと、を備え、プロセス変数が所定の許容閾値から外れた場合に、クリーニングシステムを始動させる。
サトウキビ粉砕物からの抽出物を供給タンク12A1に貯蔵する。供給タンク12A1は、冷却器14と流体連通している。
冷却器14は、水冷式蒸発器コイル28を含み、抽出物を、当該抽出物が噴霧塔16内に供給されるまで、20~40℃の範囲の温度に保持する。冷却器14は、当該冷却器の低温側に、コンデンサ24も含み、ドリフトチャンバから出る気流(air stream、空気の流れ)から、水を凝縮する。
供給タンク12A1は、抽出物を上記所定の温度範囲に保持するために、温度制御されてもよい。抽出物をこの温度範囲に保つことにより、熱に弱い抽出物(例えば、60%ショ糖溶液)の褐色化を防ぐ(又は少なくとも最小限に抑える)ことが確認されている。これにより、最終生成物を白くするために石灰を使用する必要性を回避することができる。石灰は、プロセス機器、特に、噴霧塔16、冷却器コンデンサ24の液相側、及び水冷式蒸発器コイル28の気相側、においてファウリングが付きやすくなるため、望ましくない添加物である。
噴霧塔16は、冷却器14の下流に位置する。噴霧塔の上部には、噴霧ノズル26が含まれており、噴霧ノズル26は、プロセス流体入口30を含み、抽出物を受け取って噴霧塔チャンバ内に噴霧する。噴霧塔16の下部には、物質移動媒体入口32A、32Bが含まれており、空気を上向きに供給して、下向きに移動している抽出物と合流させる(図2参照)。この対向流の流体フロー構成(counter current fluid flow arrangement)によって、抽出物から気流内への水の物質移動を最適化し、抽出物を濃縮する。
物質移動媒体入口32Aは、蒸発ステップにおいて蒸発用充填材を利用する場合に用いられる。物質移動媒体入口32Bは、蒸発ステップが、物質移動媒体を泡として水に通すことを含む場合に用いられる。
蒸発用充填材を使用する場合、当該蒸発用充填材は、図2における噴霧塔の領域Cに充填される。
サトウキビ抽出物から、水分を気流内に除去して、抽出物を濃縮する。当該抽出物は、糖を生成するさらなる処理のために送られてもよいし、濃縮物貯蔵タンク12A2に送られて貯蔵されてもよい。
噴霧塔16は、当該噴霧塔内に供給される空気を加湿するバブルプレート34を含んでもよい(図1参照)。本例において、空気は、バブルプレートにより、泡として水に通され、加湿される。
ドリフトチャンバ18は、冷却器14と噴霧塔16との間に位置し、噴霧塔からの吐出気流の少なくとも一部分を受け取る。
ドリフトチャンバは、エリミネータ36を含み、未気化の同伴サトウキビ抽出物液滴を、吐出気流から捕捉する。これは、エリミネータ36によって、蛇行状の(例えば、ジグザグの)経路内に気流を誘導することにより行われる。回収された流出液は、流出液出口38A~38Fを介して噴霧塔16に戻される。流出液出口38A~38Eは、ドリフトチャンバからの流出液を誘導する水平フィン46を含む(図3参照)。
そして、浄化済気流を、冷却器14に誘導して、当該気流を噴霧塔に戻す前に当該気流の温度を低下させる。冷却器14内のプロセス流体を冷却するために当該浄化済空気を熱移動媒体として用いてもよい。
ドリフトチャンバによって気流からサトウキビ抽出物液滴を捕捉することによって、冷却器コンデンサ24のファウリング、特に、同伴プロセス流体からの析出糖によって冷却器のエアフィンが詰まること、を最小限に抑える。
装置10はまた、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC:Programmable Logic Controller:プログラム可能な論理制御部)と、装置の種々な位置に設けられて、圧力、湿度、温度、液面、および流量を含むプロセス変数をモニタする複数のセンサと、を有する制御システムを備える。
制御部は、圧力又は流量が所定値又は所定範囲から外れた場合、センサから信号を受信してクリーニングプロトコルを開始する。一例において、当該所定の閾値は、冷却器の両端における圧力差10kPa、噴霧塔の通過空気流量15L/分、及び噴霧塔の通過プロセス流体流量0.25L/分である。
PLCは、プロセス流体の処理と、プロセス変数のモニタリングと、クリーニングシステムの開始と、を制御する。制御部はファウリングの堆積を、プロセス機器の両端における空気圧又は水圧の増加、又はプロセス流体流量、空気流量、若しくは水流量の減少、を検出することにより、測定する。
クリーニングプロトコルは、クリーニングシステムによって、加湿空気又は抗ファウリング剤を装置に通して、ファウリングを除去する。このプロトコルは、センサからの信号に関係なく、定期的に行われるように構成されていてもよい。
圧力センサPW1及びPW2、流量センサVA及びVB、液面センサLx(xはモニタされる流体の流れ(fluid stream)を示す)、湿度センサHA1及びHA2、並びに温度センサTW1、TW2、TA1及びTA2は、システムの種々の部分をモニタし、PLCに信号を送信する。当該PLCは、特定のプロセス変数の測定値が所定の閾値範囲から外れたとき、クリーニングプロトコルを開始する。
特に重要なセンサは、圧力センサPW1及びPW2並びに流量センサVA及びVBである。
圧力センサは、噴霧塔16及び冷却器14の種々の流体入口及び流体出口に位置し、差圧値を算出することを可能にする。流量センサはプロセス流体ライン、水ライン、空気ライン内のそれぞれに位置している。
圧力センサPW1及びPW2は、冷却器14の両端における圧力差をモニタする位置に設けられている。具体的には、圧力センサは、サトウキビ抽出物を冷却器14に供給する導管の両端における圧力差を測定する。ファウリング(例えば、析出糖の堆積を含む)の増加に応じて、圧力差は大きくなることが多い。
流量センサVA及びVBは、噴霧塔16の空気流量及びサトウキビ抽出物流量をモニタする位置に、それぞれ設けられている。噴霧塔の通過流量が減少すると、流体が流れる領域(面積)を減少させるファウリングが増加していることが多い。
第2貯蔵タンク塔は、抗ファウリング剤タンク20B1~20B4を含む。タンク20B1は(好ましくは35℃に保持された)水を貯蔵し、タンク20B2は酢酸溶液を貯蔵し、タンク20B3は水酸化ナトリウムを貯蔵し、タンク20B4は洗浄液(例えば、非毒性の石鹸液)を貯蔵する。クリーニングプロトコルが作動されると、1種以上の洗浄剤が冷却器14及び噴霧塔16内に循環させられる。抗ファウリング剤タンクは、溶液を最適温度に保持するために温度制御してもよい。糖精製に関していえば、洗浄剤の最適温度の範囲は20~40℃である。特に頑固なファウリングの場合は、より高い温度を採用してもよい。
クリーニングプロトコルは、冷却器14及び噴霧塔16の導管を超音波処理することを含んでもよい。
クリーニングシステムにより、プロセス流体又はその他物質、例えば、石灰、に起因する残留ファウリングを装置から迅速及び効率的に除去することが可能となる。
また、クリーニングシステムにより、ファウリングを発生させる物質を含有するプロセス流体、例えば、石灰含有サトウキビ溶液等を、ファウリングによる装置の効率への悪影響なく、装置によって取り扱うことが可能となる。ファウリングの堆積をモニタし、低減し、除去する能力を有するためである。
第1貯蔵タンク塔は、クリーニングプロトコルを開始するとき又はプロセス流体のサンプルが必要なときに、サトウキビ抽出物を受け取る、仮サンプリングタンク12A3~12A4を含む。
動作時、サトウキビを粉砕し、水と混合して、糖含有抽出物を形成する。当該抽出物を、石灰を添加せずに清浄化し、当該抽出物の処理の準備が整うまで供給タンク12A1内に貯蔵する。
本例の最適な動作条件を、以下の表に示す。これらの条件は、プロセス流体の噴霧ノズルの供給入口条件(及び供給出口条件)並びに噴霧塔への出入り空気について適用される。
Figure 2023531155000002
処理中、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)システムの形態を有する冷却器14内に抽出物を注入する。抽出物を、当該抽出物が蒸発器コイル28を通過する際に、約3~5℃、好ましくは4℃、の温度に冷却する。この温度範囲は、供給物内の抽出物が劣化又は褐色化しない当該供給物の最高許容温度より低い温度範囲である。理想的には、抽出物は、約30℃に冷却する。
あるいは、冷却器14の代わりに、加熱及び冷却機能を有する熱交換器を用いてもよい。本実施形態において、熱交換器に入る抽出物が所定温度より低い場合、熱交換器によって抽出物を所定温度まで加熱する。
そして、抽出物は、噴霧塔16の上部に位置する噴霧ノズル26のプロセス流体入口30内に供給され、噴霧塔16のチャンバ内の加湿された気流(空気ストリーム)内に向けて、下向きに噴霧される。加湿された気流は、物質移動媒体入口32Aを介して噴霧塔に入る空気流を、1mm孔を複数有するステンレス製のバブルプレート34を通じて、噴霧塔16内に注入されている水流で泡にすることにより形成される。
抽出物と加湿空気流とは、対向流の態様にて合流する。これにより、抽出物からの水を気流内に除去して、抽出物を濃縮する。250L/日の実験装置についていえば、約0.17L/分の水を抽出物から蒸発させる。濃縮された糖溶液は、プロセス流体出口31を通って噴霧塔から出て、当該糖溶液は、濃縮物貯蔵タンク12A2へ送られるか、又は、さらなる処理に誘導される一方、加湿空気は、物質移動媒体出口33を通って噴霧塔から出る。
加湿空気40の一部分は、浄化(清浄化)され、冷却器14を介して噴霧塔へ再循環させてもよい。空気流40は、ドリフトチャンバ入口42に誘導され、エリミネータ36内に誘導される。エリミネータ内において、加湿空気流から除去された同伴糖溶液は、噴霧塔に戻されて再処理される一方、浄化済空気は出口44から出て冷却器14のコンデンサ28に入る。浄化済空気は、当該浄化済空気を物質移動媒体としての再利用のために噴霧塔に戻す前に、冷却器内のプロセス流体を冷却するために用いてもよい。
ドリフトエリミネータは、特に、冷却器14を気流が循環する際のコンデンサ24内のファウリングを減少させるために、採用される。
一例において、PLCは、冷却器14の両端における圧力が10kPaより高くなったとき、噴霧塔16の空気流量が15L/分より低くなったとき、又は噴霧塔16のプロセス流体流量が0.25L/分より低くなったときに、クリーニングプロトコルを開始する。
クリーニングプロトコルのトリガとなるプロセス変数によっては、PLCは、装置の関連各部を洗浄するために、複数のステップを行なってもよい。
例えば、トリガが水流量の場合、PLCは、装置の弁を制御してプロセス流体を噴霧塔から仮サンプリングタンク12A3~12A4の一方又は両方に注入してから、適切な抗ファウリング剤をその対応貯蔵タンクから放出して噴霧塔を循環させてファウリングを除去することにより、噴霧塔水ラインを洗浄する。
抗ファウリング剤は、噴霧塔に10分間、又は水流量が閾値範囲内に戻るまで、循環させる。この要件が満たされると、PLCは、クリーニングシステムの動作を停止させて、プロセス流体を装置に通すことに戻る。好ましくは、PLCがプロセス流体に戻る前に、水でのすすぎサイクルを行ない、抗ファウリング剤を装置からパージ(除去)する。
トリガが空気流量の場合、PLCは、装置の弁を制御してプロセス流体を噴霧塔から仮サンプリングタンク12A3~12A4に注入してから、空気を噴霧塔に10分間又は空気流量が閾値範囲内に戻るまで循環させることにより、噴霧塔空気ラインを洗浄する。この要件が満たされると、PLCは、クリーニングシステムの動作を停止させて、プロセス流体を装置に通すことに戻る。好ましくは、PLCがプロセス流体に戻る前に、水でのすすぎサイクルを行なう。
他の例において、クリーニングプロトコルは、すすぎサイクル(22℃の洗浄水、30L/分(ダブルサイクルレート(double cycle rate))で、10分間)を1日1回行うことを含む。すすぎサイクルにより、冷却器14におけるファウリング圧力上昇を、運転の中断を最小限に抑えつつ(稼働時間96.5%)、66kPaから60kPaに減少させることが明らかとなった。
クリーニングシステムの効果を実証するために、市販の粗糖又は産業用の食用に適さない「糖ケーキ」の両方について、各々をベースとする薄い(希釈した)糖汁を濃縮する例示プロセスにおいて、145Lの12%ショ糖供給流から、120L/日の率で、水を抽出し、25Lの65%ショ糖濃縮物を、装置10を不可逆的に詰まらせることなく、生成した。このプロセスにおいて、良質な濃縮糖と排水流とが生成された。30日を超えるサイクルを行ない、これによって、少ないものの無視できない量の缶石(水流を18L/分から16L/分に低下させるのに十分である、25mm管内における数mm厚の缶石)が生成された。水(種々の温度の水)及び食品等級の酢酸のうち1以上を用いるクリーニングプロトコルによって、この堆積が元に戻り、流量が18L/分(流量の測定精度内において缶石がゼロmmとなるまで)に回復した。
さらなる例において、1日24時間の蒸発プロセスを3日間連続で行った後、冷却器内の空気圧が60psiから66psiに上昇した。クリーニングプロトコルによって、この圧力上昇は5~10分後に元に戻り60psiになった。

Claims (23)

  1. キャリア流体を含むプロセス流体を濃縮する方法であって、
    (a)前記プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持するステップと、
    (b)前記キャリア流体を前記プロセス流体から蒸発させて濃縮プロセス流体を得るステップと、
    (c)ステップ(a)又は(b)のプロセス変数を少なくとも1つモニタして、ステップ(a)又は(b)のいずれかにおいて形成されるファウリングを検出するステップと、
    (d)前記プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始して、形成されたファウリングを減少させるステップと、
    を含む、方法。
  2. ステップ(a)は、プロセス流体を熱交換器に供給して当該プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)は、前記プロセス流体を熱交換器から蒸発器へ供給することを含む、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. ステップ(b)は、前記キャリア流体を、外部加熱源を用いることなく加熱することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ステップ(b)は、前記プロセス流体を物質移動媒体に直接接触させることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記物質移動媒体を、前記プロセス流体への接触前に加湿するステップを含む、請求項5に記載の方法。
  7. ステップ(b)は、前記プロセス流体を蒸発用充填材に噴霧し、気流を、前記蒸発用充填材を通して逆方向に誘導することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ステップ(c)は、熱交換器の両端における圧力差をモニタすることを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ステップ(c)は、蒸発器の通過流体流量をモニタすることを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ステップ(d)は、圧力又は流量が所定値又は所定範囲から外れた場合に、前記クリーニングプロトコルを開始して、熱交換器又は蒸発器におけるファウリングを減少させることを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 蒸発器から排出される物質移動媒体の一部分を再循環させることを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 排出物質移動媒体の一部分をドリフトチャンバ内に誘導して、同伴プロセス流体を、当該物質移動媒体を前記蒸発器に戻す前に除去することを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記クリーニングプロトコルは、抗ファウリング液を、前記方法において用いられる1又は複数のプロセス機器に循環させることを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記クリーニングプロトコルは、熱交換器又は蒸発器の流体管に対して超音波処理を行なうことを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. サトウキビから濃縮糖を生成する方法であって、
    (a)サトウキビから糖含有抽出物を得るステップと、
    (b)前記抽出物を所定の温度値又は温度範囲に保持するステップと、
    (c)前記抽出物を、石灰を添加せずに清浄化するステップと、
    (d)前記抽出物から水を蒸発させて濃縮糖を形成するステップと、
    (e)ステップ(b)又は(d)のプロセス変数をモニタして、ステップ(b)又は(d)のいずれかにおいて形成されるファウリングを検出するステップと、
    (f)前記プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、クリーニングプロトコルを開始して、形成されたファウリングを減少させるステップと、
    を含む、方法。
  16. ステップ(a)は、サトウキビを粉砕して前記糖含有抽出物を得ることを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抽出物は、20℃~40℃の最高温度にて保持される、請求項15又は16のいずれかに記載の方法。
  18. キャリア流体を含むプロセス流体を濃縮する装置であって、
    前記プロセス流体を所定の温度値又は温度範囲に保持する熱交換器と、
    前記熱交換器と流体連通しており、前記プロセス流体を受け取って前記キャリア流体を前記プロセス流体から蒸発させて濃縮物を得る蒸発器と、
    前記熱交換器又は前記蒸発器のプロセス変数をモニタして、前記熱交換器又は前記蒸発器におけるファウリングを検出するための、少なくとも1つのセンサと、
    前記装置内のファウリングを減少させるクリーニングシステムと、
    前記プロセス変数が所定値又は所定範囲から外れた場合に、前記センサから又はユーザによる手動入力から信号を受け取って前記クリーニングシステムを始動させるように構成されている制御部と、
    を備える、装置。
  19. 前記熱交換器の両端における圧力差をモニタする1又は複数の圧力センサを含む、請求項18に記載の装置。
  20. 前記蒸発器の通過物質移動媒体流量又は通過プロセス流体流量をモニタする流量センサを含む、請求項18又は19のいずれかに記載の装置。
  21. 前記蒸発器からの物質移動媒体の少なくとも一部分を受け取り、同伴プロセス流体を除去して、前記蒸発器に戻される浄化済の物質移動媒体流を形成するドリフトチャンバを含む、請求項18~20のいずれか1項に記載の装置。
  22. 前記蒸発器は、物質移動媒体を、前記プロセス流体への接触前に加湿することを促進するバブルプレートを含む、請求項18~21のいずれか1項に記載の装置。
  23. 前記熱交換器及び/又は前記蒸発器を洗浄する超音波発生器を含む、請求項18~22のいずれか1項に記載の装置。
JP2022571256A 2020-05-19 2021-05-18 流体濃縮装置および流体濃縮方法 Pending JP2023531155A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2020901609 2020-05-19
AU2020901609A AU2020901609A0 (en) 2020-05-19 An apparatus and method for concentrating a fluid
PCT/AU2021/050462 WO2021232093A1 (en) 2020-05-19 2021-05-18 An apparatus and method for concentrating a fluid

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023531155A true JP2023531155A (ja) 2023-07-21

Family

ID=78708804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022571256A Pending JP2023531155A (ja) 2020-05-19 2021-05-18 流体濃縮装置および流体濃縮方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230191276A1 (ja)
EP (1) EP4153335A4 (ja)
JP (1) JP2023531155A (ja)
AU (1) AU2021274303A1 (ja)
MX (1) MX2022014585A (ja)
WO (1) WO2021232093A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115231717B (zh) * 2022-08-26 2023-12-19 镇江新区固废处置股份有限公司 一种基于evair技术的高含盐有机废水处理系统及工艺

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5466294A (en) * 1993-12-14 1995-11-14 The Amalgamated Sugar Company Sugar beet juice purification process
US8678359B2 (en) * 2010-12-23 2014-03-25 Yahoo! Inc. System and method for reducing mineral buildup on drift eliminators of a cooling tower
AU2014218482B2 (en) * 2011-05-24 2016-01-21 Saltworks Technologies Inc. Method and system for concentrating solutions using evaporation
US20180161694A1 (en) * 2013-01-03 2018-06-14 Huei Meng Chang Data collection systems and methods for water/fluids
MX2017014906A (es) * 2015-05-21 2018-06-22 Gradiant Corp Sistemas y metodos de desalinizacion de humidificacion-deshumidifi cacion.
CN109295262A (zh) * 2018-09-30 2019-02-01 云南若甘生物科技有限公司 一种无添加液态黑糖及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP4153335A1 (en) 2023-03-29
MX2022014585A (es) 2023-03-31
EP4153335A4 (en) 2024-04-17
US20230191276A1 (en) 2023-06-22
WO2021232093A1 (en) 2021-11-25
AU2021274303A1 (en) 2023-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EA030594B1 (ru) Удаление пыли при доводке карбамида
JP2023531155A (ja) 流体濃縮装置および流体濃縮方法
JP2021192911A (ja) 飲料充填プラントにおいて清浄対象部分を清浄する装置
CN103868370A (zh) 一种结晶罐真空冷凝器
WO2016063581A1 (ja) アンモニア含有排水の処理方法および処理装置
CN100333707C (zh) 中药浓缩液喷雾干燥工艺及设备
CN212832917U (zh) 一种烟气脱硫废水蒸发设备
US9976090B2 (en) Methods for reducing surface fouling in fuel production systems
CN207610562U (zh) 一种可在线清洗的冷凝器
CN114602878B (zh) 蒸发结晶装置在线清洗系统
CN208448681U (zh) 一种热敏性高沸物的回收装置
CN105413228A (zh) 奥斯陆结晶器
US9776104B2 (en) Process and apparatus for forced circulation evaporative crystallization with large deposit inventory
JPH06221502A (ja) 汽力プラントの蒸気発生装置
CN218842011U (zh) 一种醋酸钠和三水醋酸钠生产装置
CN105819527A (zh) 除垢分离组件、包含它的垃圾渗滤液mvr蒸发装置
CN214141652U (zh) 一种蒸发减量设备
CN220579168U (zh) 一种在油脂副产物中醋酸钠的回收处理系统
CN110171840A (zh) 一种高效节能的硫酸锌浓缩结晶装置
CN1084300C (zh) 消除氧化铝生产中蒸发器内碳酸钠结垢的方法
CN220834150U (zh) 一种用于尼龙6生产的降膜蒸发装置
CN219128306U (zh) 草铵膦生产中的脱盐系统
CN116251547A (zh) 一种醋酸钠和三水醋酸钠生产装置
JPH11128602A (ja) スプレー式蒸発装置
RU2588618C1 (ru) Установка термической дистилляции

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20230117

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240517