JP2023530435A - Rsvワクチン組成物、方法、およびその使用 - Google Patents

Rsvワクチン組成物、方法、およびその使用 Download PDF

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Abstract

提供されるのは、呼吸器多核体ウィルス(RSV)ウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドを含む組換えペプチドおよびタンパク質を含む免疫原性組成物である。免疫原性組成物は、インフレームでジスルフィド結合連結三量体融合タンパク質に結合された可溶性RSVウィルス抗原を含む分泌融合タンパク質を含む。免疫原性組成物は、例えば、RSV感染症を治療または予防するための免疫応答を生成するために有用である。免疫原性組成物を、例えば、予防および/または治療ワクチンの一部として、ワクチン組成物に使用し得る。また、本明細書で提供されるのは、組換えペプチドおよびタンパク質の製造方法、予防、治療、および/または診断法、ならびに関連キットである。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月10日に出願された国際出願第PCT/CN2020/095295号、および2021年4月13日に出願された同第PCT/CN2021/087045号の優先権および利益を主張し、これらの開示内容は、本出願において、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
配列表のASCIIテキストファイルとしての提出
次のASCIIテキストファイルでの提出の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:コンピューター可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:165762000242SEQLIST.TXT、記録日付:2021年6月9日、サイズ:229KB)。
いくつかの態様では、本開示は、呼吸器多核体ウィルス(RSV)ウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドを含む組換えペプチドおよびタンパク質を含む、RSV感染症を治療および/または予防するための、免疫原性組成物に関する。
呼吸器多核体ウィルス(RSV)は、成人および子供の気道感染症を引き起こし、下気道感染症および乳児期および小児期中の入院の主要な原因である。RSVの高い感染率にもかかわらず、予防薬、治療薬、およびワクチンを含む治療法は、限られているか、または利用できない。RSVの治療のための改善された手法が必要である。本明細書で提供されるのは、このようなおよび他のニーズを満たす組成物、方法、使用、および製品である。
RSVの高い感染率にもかかわらず、予防薬、治療薬、およびワクチンを含む治療法は、限られているか、または利用できず、RSVの治療のための改善された手法が必要である。本願発明では、このようなおよび他のニーズを満たす組成物、方法、使用、および製品を提供する。
一態様では、本明細書で提供されるのは、複数の組換えポリペプチドを含み、各組換えポリペプチドが、コラーゲンのC末端プロペプチドに結合した呼吸器多核体ウィルス(RSV)Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープを含むタンパク質であり、組換えポリペプチドのC末端プロペプチドはポリペプチド間ジスルフィド結合を形成する。いくつかの実施形態では、RSVは、サブタイプAまたはサブタイプBである。いくつかの実施形態では、エピトープは、線形エピトープまたは立体構造エピトープである。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、ジスルフィド結合連結ホモ三量体を形成できるコラーゲンのC-プロペプチドにインフレームで融合されるRSV Fタンパク質またはそのフラグメントの外部ドメイン(例えば、膜貫通および細胞質ドメインなしに)を含む組換え型のサブユニットワクチンである。得られた組換えF三量体などのサブユニットワクチンは、遺伝子導入細胞から発現および精製でき、三量体型の天然様の立体構造であると予測される。これは、膜貫通および/または細胞質ドメインなしに、それが可溶型の組換えペプチドまたはタンパク質として発現される場合に、よく発生するウィルス抗原のミスフォールディングの問題を解決する。このようなミスフォールドしたウィルス抗原は、天然のウィルス抗原立体構造を正確に保持せず、中和抗体を惹起できないことが多い。
いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、F1サブユニットペプチド、F2サブユニットペプチド、またはこれらの任意の組み合わせを含み、タンパク質は、3個の組換えポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、シグナルペプチド、7アミノ酸繰り返しC(HRC)ペプチド、pep27ペプチド、融合ペプチド(FP)、7アミノ酸繰り返しA(HRA)ペプチド、ドメインIペプチド、ドメインIIペプチド、または7アミノ酸繰り返しB(HRB)ペプチド、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、Fタンパク質のF1サブユニットを含むが、F2サブユニットを含まない、またはその逆の場合もある。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、Fタンパク質のF1サブユニットおよびF2サブユニットを含み、任意選択で、pep27を欠き、ならびに任意選択で、F1サブユニットおよびF2サブユニットは、ジスルフィド結合または人為的に導入されたリンカーにより連結される。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、膜貫通(TM)ドメインペプチドおよび/または細胞質(CP)ドメインペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、プロテアーゼ切断部位を含み、プロテアーゼは任意選択でフューリン、トリプシン、第Xa因子、トロンビン、またはカテプシンLである。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、プロテアーゼ切断部位を含まず、プロテアーゼは任意選択でフューリン、トリプシン、第Xa因子、トロンビン、またはカテプシンLである。
いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、可溶性であるか、または脂質二重層、例えば、膜またはウィルスエンベロープに直接結合しない。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、タンパク質の組換えポリペプチド間で同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドは、C末端プロペプチドに直接融合されるか、またはグリシン-X-Yリピートを含むリンカーなどのリンカーを介してC末端プロペプチドに結合され、XおよびYは、独立に任意のアミノ酸、場合により、プロリンまたはヒドロキシプロリンである。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、可溶性であるか、または脂質二重層、例えば、膜またはウィルスエンベロープに直接結合しない。いくつかの実施形態では、タンパク質は、Fタンパク質ペプチド三量体を含むロゼット様オリゴマーを形成できる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、対象の細胞表面接着因子または受容体に結合でき、適宜、対象は、霊長類、例えば、ヒトなどの哺乳動物である。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドはヒトコラーゲンである。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、proα1(I)、proα1(II)、proα1(III)、proα1(V)、proα1(XI)、proα2(I)、proα2(V)、proα2(XI)、またはproα3(XI)のC末端ポリペプチド、またはそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、組換えポリペプチド間で同じまたは異なる。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号48~63のいずれか、またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、各組換えポリペプチド中のFタンパク質ペプチドは、融合前立体構造または融合後立体構造であり、任意選択で、タンパク質は、松葉杖形状ロッド(crutch-shaped rod)としてFタンパク質ペプチド三量体を含むロゼット様オリゴマーを含む。前述のいずれかの実施形態では、各組換えポリペプチド中のFタンパク質ペプチドは、配列番号17~47のいずれか、またはそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含み得る。
前述のいずれかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号1~16のいずれか、またはそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含み得る。前述のいずれかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号48~63またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列に直接的または間接的に結合した配列番号17~47のいずれか、またはそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含み得る。
また、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるタンパク質を含む免疫原である。本明細書で提供されるのは、ナノ粒子に直接的または間接的に結合した本明細書で提供されるタンパク質を含むタンパク質ナノ粒子である。本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるタンパク質を含むウィルス様粒子(VLP)である。
また、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される1、2、3個またはそれ以上のタンパク質の組換えポリペプチドをコードする単離核酸である。いくつかの実施形態では、Fタンパク質ペプチドをコードするポリペプチドは、コラーゲンのC末端プロペプチドをコードするポリペプチドにインフレームで融合される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離核酸は、DNA分子である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離核酸は、RNA分子、任意選択で、ヌクレオシド修飾mRNA、非増幅mRNA、自己増幅mRNA、またはトランス増幅mRNAなどのmRNA分子である。
また、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される単離核酸を含むベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターはウィルスベクターである。
いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるベクターを含む、ウィルス、偽ウィルス、または細胞であり、場合により、ウィルスまたは細胞は、組換えゲノムを有する。いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、または細胞、および薬学的に許容可能な担体を含む免疫原性組成物である。
また、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される免疫原性組成物および任意選択で、アジュバントを含むワクチンであり、ワクチンは、任意に、サブユニットワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、予防および/または治療ワクチンである。
いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、タンパク質を産生する方法であり、該方法は、本明細書で提供される単離核酸またはベクターを宿主細胞中で発現し、本明細書で提供されるタンパク質を産生すること;およびそのタンパク質を精製することを含む。本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される方法により産生されるタンパク質である。
本明細書で提供されるのは、対象中でRSVのFタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに対する免疫応答を生成する方法であり、該方法は、有効量の本明細書で提供されるタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンを対象に投与し、免疫応答を生成させることを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、RSVによる感染を治療または予防するためのものである。いくつかの実施形態では、免疫応答の生成は、対象中のRSVの複製を阻害または低減する。いくつかの実施形態では、免疫応答は、細胞媒介応答および/または体液性応答を含み、任意選択で、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体などの1種または複数の中和抗体の産生を含む。いくつかの実施形態では、免疫応答は、RSVのFタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープに対するものであるが、C末端プロペプチドに対するものではない。いくつかの実施形態では、対象への投与は、1回または複数回のRSVへの事前暴露に起因する対象における抗体依存性感染増強(ADE)をもたらさない。いくつかの実施形態では、投与は、1回または複数回のRSVへ引き続いて暴露される場合、対象における抗体依存性感染増強(ADE)をもたらさない。いくつかの実施形態では、方法は、プライミングステップおよび/または追加免疫ステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、投与ステップは、局所、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内(例えば、鼻腔内噴霧)、気管内、舌下、頬側、直腸、腟、吸入、静脈内(例えば、静脈内注射)、動脈内、筋肉内(例えば、筋肉注射)、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜送達、硝子体内、網膜下、関節腔内、関節周囲、局部、または皮膚上投与を介して実施される。いくつかの実施形態では、有効量は、単一用量または1つまたは複数の間隔により分離された一連の用量で投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、アジュバントなしに投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、アジュバントと共に投与される。
本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される有効量のタンパク質を対象に投与し、対象中でRSVに対する中和抗体または中和抗血清を生成することを含む。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物、任意選択で、ヒトまたは非ヒト霊長類である。いくつかの実施形態では、方法は、中和抗体または中和抗血清を対象から単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の単離中和抗体または中和抗血清を受動免疫を介してヒト対象に投与して、RSVによる感染を防止または治療することをさらに含む。いくつかの実施形態では、RSVに対する中和抗体または中和抗血清は、RSV Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに対するポリクローナル抗体を含み、任意選択で、中和抗体または中和抗血清は、コラーゲンのC末端プロペプチドに対する抗体を不含であるか、または実質的に不含である。いくつかの実施形態では、中和抗体は、RSV Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに対するモノクローナル抗体を含み、任意選択で、中和抗体は、コラーゲンのC末端プロペプチドに対する抗体を不含であるか、または実質的に不含である。
いくつかの態様では、本明細書で提供されるタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンは、対象のRSVに対する免疫応答の誘発に、および/またはRSVによる感染症の治療または予防に使用するためのものである。
いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVに対する免疫応答の誘発のための、および/またはRSVによる感染症の治療または予防ための、タンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンの使用である。いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVに対する免疫応答の誘発のための、および/またはRSVによる感染症の治療または予防ための、薬物または予防薬の製造のための、タンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンの使用である。
また、本明細書で提供されるのは、試料の分析方法であり、該方法は、試料を本明細書で提供されるタンパク質と接触させて、タンパク質と、RSVのFタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープと特異的結合できる分析物との間の結合を検出することを含む。いくつかの実施形態では、分析物は、Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープを認識する抗体、受容体、または細胞である。いくつかの実施形態では、結合は、試料中の分析物の存在、および/または試料が由来する対象のRSV感染を示す。
本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるタンパク質、およびタンパク質を含むか、または固定化する基材、パッドまたはバイアルを含むキットであり、任意選択で、キットは、ELISAまたはラテラルフローアッセイキットである。
RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドの発現レベルおよび精製を示す。この図は、三量体化ペプチドに融合された細胞外Fドメインを含む例示的融合ペプチドの概略図である。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドの発現レベルおよび精製を示す。この図は、無血清流加バッチ細胞培養物由来の例示的融合ペプチド発現の8%SDS-PAGE分析を示す。1日目~12日目の10μLの無細胞順化培地を、非還元条件下、およびこれに続く、クーマシーブルー染色で分離した。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドの発現レベルおよび精製を示す。この図は、SEC-HPLCによる例示的融合ペプチドの純度評価を示す図であり、例示的タンパク質のピーク面積は、OD280検出で94.6%であったことを示す。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的精製融合ペプチドのキャラクタリゼーションを示す。この図は、RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的精製融合ペプチドの非還元条件および還元条件下でのSDS-PAGEおよびウェスタンブロット分析の図である。コラーゲンのFおよびプロペプチドに特異的な抗体を用いることにより、それぞれ、2μgの精製タンパク質を8%SDS-PAGEによるクーマシーブルー染色のためにロードし、および0.1μgの精製タンパク質をウェスタンブロットのためにロードした。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的精製融合ペプチドのキャラクタリゼーションを示す。この図は、個々の、または大部分がロゼット様オリゴマーの形態の松葉杖形状分子を示すRSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドタンパク質のネガティブ染色電子顕微鏡写真である。個々のおよびロゼット様分子の例は、それらの構造の図に付随して下に示される。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的精製融合ペプチドのキャラクタリゼーションを示す。この図は、パリビズマブおよびRSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドのバイオレイヤー干渉法による結合試験の結果を示す。5μg/mLのパリビズマブを最初にプロテインAセンサー上に固定し、その後、センサーを種々の濃度の例示的融合ペプチド中に浸漬し、結合動力学を測定した。緩衝液基準液を減算して、得られた曲線を1:1結合モデルに当てはめることにより、KonおよびKdisを得て、値を下表に示している。パリビズマブおよびRSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドに対して得られたKは、1ピコモル未満である。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドによる免疫化がRSV感染に対し保護することを示す。図3Aは、実験手法の略図を示す:0日目および21日目にマウスを免疫化し、続けて、血清採取後、49日目に鼻腔内(i.n.)にRSV曝露を行った。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドによる免疫化がRSV感染に対し保護することを示す。図3Bは、RSV Fタンパク質ペプチドを含む精製した例示的融合ペプチドに対する血清抗F IgG ELISA力価を示すグラフである。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドによる免疫化がRSV感染に対し保護することを示す。図3Cは、RSV感染に対するCPE形成の50%の抑制をもたらす血清中和抗体の力価を示すウィルスマイクロ中和試験アッセイのグラフである。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドによる免疫化がRSV感染に対し保護することを示す。図3Dは、免疫化マウスの肺中のプラークアッセイによる曝露の5日後のRSVの力価を示すグラフである。値は、肺組織のグラム当りのプラークを表す。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドによる免疫化がRSV感染に対し保護することを示す。図3Eは、パリビズマブの加熱不活性化したRSV(HI-RSV)粒子への結合の50%の抑制をもたらす血清試料の希釈により測定されたパリビズマブ競合的IgG力価を示すグラフである。値は、logおよび平均±SEMとして表す。 RSV Fタンパク質ペプチドを含む例示的融合ペプチドによる免疫化が、ワクチン誘発性疾患増強から保護することを示す写真である。曝露の5日後に採取した肺組織を10%の中性緩衝ホルマリン中で固定し、パラフィン包埋し、5μmの切片を作製し、H&Eで染色して、写真を200x倍率で取得した。
いくつかの実施形態では、共有結合三量体型のRNAウィルス由来の組換え可溶性表面抗原の組成物および使用方法が開示される。いくつかの実施形態では、得られた融合タンパク質は、ジスルフィド結合連結ホモ三量体として分泌され、これは、構造的により安定であり、同時に、天然様の三量体ウィルス抗原の立体構造を保存し、それにより、これらの危険な病原体に対するより効果的なワクチンとして使用できる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、ウィルス感染症を防止するために、ワクチンまたは多価ワクチンの一部として、アジュバントなしに、またはアジュバントと共に、または2種以上のアジュバントと共に、筋肉内注入または鼻腔内投与を介して、任意選択で、ウィルス抗原三量体を使用する方法である。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、ウィルス抗原を認識する中和抗体などの抗体、例えば、IgMまたはIgGの検出によるウィルス感染症の診断のための抗原としてウィルス抗原三量体を使用する方法である。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、受動免疫に使用できるポリクローナルまたはモノクローナル抗体、例えば、乳幼児のRSV感染症を治療するための中和mAb、を生成するための抗原としてウィルス抗原三量体を使用する方法である。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、ワクチンまたは多価ワクチンの一部としてのウィルス抗原三量体であり、ワクチンは、ウィルスの同じタンパク質のウィルス抗原を含む、または1種または複数のウィルスまたは同じウィルスの1種または複数の株の2種以上の異なるタンパク質を含む、複数の三量体サブユニットワクチンを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のウィルス抗原三量体を含む一価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のウィルス抗原三量体を含む二価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のウィルス抗原三量体を含む三価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のウィルス抗原三量体を含む四価ワクチンである。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のF三量体を含む一価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のF三量体を含む二価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、第1のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体および第2のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体を含む二価ワクチンである。いくつかの実施形態では、第1および第2のFタンパク質抗原は、1種または複数のウィルス種もしくは株/サブタイプの同じFタンパク質由来であるか、または1種または複数のウィルス種もしくは同じウィルス種の1種または複数の株/サブタイプの2種以上の異なるFタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のF三量体を含む三価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、第1のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体および第2のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体、および第3のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体を含む三価ワクチンである。いくつかの実施形態では、第1、第2および第3のFタンパク質抗原は、1種または複数のウィルス種もしくは株/サブタイプの同じFタンパク質由来であるか、または1種または複数のウィルス種または同じウィルス種の1種または複数の株/サブタイプの2種、3種、またはそれを超える異なるFタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、本明細書で開示のF三量体を含む四価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるのは、第1のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体、第2のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体、第3のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体、および第4のFタンパク質抗原を含む少なくとも1種のF三量体を含む四価ワクチンである。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4のFタンパク質抗原は、1種または複数のウィルス種もしくは株/サブタイプの同じFタンパク質由来であるか、または1種または複数のウィルス種または同じウィルス種の1種または複数の株/サブタイプの2種、3種、4種またはそれを超える異なるFタンパク質由来である。
本明細書で提供されるのは、免疫原性組成物、方法、ならびにRSV感染症の治療、例えば、予防薬、治療薬のためのRSVウィルス抗原または免疫原を含む融合ペプチドおよびタンパク質の使用である。呼吸器多核体ウィルス(RSV)は、乳幼児および幼児の間の急性下気道感染症(ALRTI)の主要な原因であると見なされており、毎年7,000超~20,000人の子供の死亡の原因となる。RSV感染症は、発展途上国世界における乳幼児死亡率の第2の最もよくある原因である。加えて、RSVは、高齢者および免疫無防備状態集団では、重篤な疾患に繋がる場合がある。RSVに起因する疾病負荷にもかかわらず、現在、承認されたワクチンは存在しない。効力の高い予防的ヒト化mAbであるパリビズマブ(シナジス(登録商標))は、RSVに罹患する危険性が高いこれらの乳幼児のための受動免疫手段として唯一入手できる。
数十年に及ぶ研究にもかかわらず、RSVワクチン開発は、多数の理由のために成功していない。例えば、RSVワクチン候補の製造、安定性、有効性の問題は、克服が困難であり、ホルマリン不活化RSV(FI-RSV)ワクチンが、ワクチン誘発性疾患増強(VED)を媒介することが認められたので、特に、安全性は、主要な懸念であった。
本明細書で提供されるRSVウィルス抗原および免疫原を含む組換えポリペプチドおよび融合タンパク質を含むタンパク質は、効果的におよび安全にRSV感染症を治療する(例えば、治療的に、予防的に)ために有用である。例えば、本明細書で提供されるRSVウィルス抗原および免疫原を含むタンパク質は、VEDおよび/または抗体依存性感染増強(ADE)の媒介なしに、RSV感染症を治療する。加えて、本明細書で提供されるRSVウィルス抗原および免疫原を含むタンパク質は、容易に製造され、例えば、高温、極端なpH、ならびに高いおよび低いオスモル濃度などの高いストレス条件下で安定性を示す。従って、本明細書で提供されるタンパク質および免疫原性組成物は、RSVワクチン開発を妨げてきた製造、安定性、安全性、および有効性の問題を回避し、これらを満足させる。
いくつかの態様では、本明細書で提供されるRSVウィルス抗原および免疫原は、RSV糖タンパク質(F)を含み、本明細書では、RSV Fタンパク質ペプチドまたはペプチドとも呼ばれる。RSV Fタンパク質ペプチドは、宿主細胞中への膜およびウィルス侵入を媒介するホモ三量体I型膜貫通タンパク質である。RSV Fタンパク質ペプチドは、F0プロタンパク前駆体として合成され、フューリンにより2つの部位で切断後に、ジスルフィド結合F1およびF2成熟型に変換される。RSV Fタンパク質ペプチドは、RSV AとB株の間で高度に保存されている。パリビズマブなどの中和抗体は、Fの抗原部位を標的にし、RSV感染症により引き起こされる呼吸器疾患に対して保護を提供する。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原を含むタンパク質、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドは、免疫応答、例えば、RSV Fペプチドタンパク質に対する免疫応答を生成できる。いくつかの実施形態では、免疫応答は、対象、例えば、患者中のRSVの複製を阻害または低減する。いくつかの実施形態では、免疫応答は、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体などの1種または複数の中和抗体の産生を含む。いくつかの実施形態では、中和抗体は、対象、例えば、患者におけるRSVの複製を阻害または低減する。いくつかの実施形態では、対象への、タンパク質の、例えば、免疫原性組成物としての投与は、RSVへの事前暴露に起因する対象における抗体依存性感染増強(ADE)をもたらさない。いくつかの態様では、RSVウィルス抗原および免疫原を含むタンパク質、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドは、ワクチンとして使用される。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドは、タンパク質またはペプチドに結合され、融合タンパク質または組換えポリペプチドを形成する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原が結合されるタンパク質またはペプチドは、例えば、共有結合または非共有結合で、融合タンパク質または組換えポリペプチドのタンパク質またはペプチドなどのタンパク質またはペプチドと結合できる。従って、場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原が結合されるタンパク質またはペプチドは、多量体化ドメインである。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドは、コラーゲンのプロペプチドに、例えば、コラーゲンのプロペプチドのC末端で結合され、融合ペプチドまたは組換えポリペプチドを形成する。従って、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるタンパク質は、RSVウィルス抗原および免疫原、例えば、コラーゲンのC末端プロペプチドに結合したRSV Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープを含む組換えポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コラーゲンのプロペプチドは、α1コラーゲンのヒトC-プロペプチドから誘導され、自己三量体化できる。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドの、コラーゲンのプロペプチドへの、例えば、コラーゲンのプロペプチドのC末端での結合は、タンパク質の免疫応答を生成する能力を支援する。例えば、組換えタンパク質の生成は、RSV Fタンパク質ペプチドの三次および四次構造を保存し得、これは、RSV Fタンパク質ペプチドの天然の立体構造の安定性に、さらには、免疫応答を誘発できるタンパク質、例えば、中和抗体の表面上の抗原部位の利用能にとって重要であり得る。さらに、RSV Fタンパク質ペプチドの、自己三量体化できるタンパク質またはペプチドへの結合は、組換えタンパク質の凝集を可能にし、従って、ウィルスエンベロープ上のRSV Fタンパク質ペプチドの天然のホモ三量体構造を模倣する。
いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質ペプチドのコラーゲンのC末端プロペプチドへの結合は、自己三量体化組換えポリペプチドを生ずる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるタンパク質は、複数の自己三量体化RSV Fタンパク質ペプチドおよびコラーゲン組換えポリペプチドのプロペプチドを含み、任意選択で、複数の組換えタンパク質は構造、例えば、ロゼットを形成する(例えば、図2Bを参照)。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質の三量体の性質は、タンパク質の安定性に役立つ。いくつかの実施形態では、マクロ構造、例えば、複数の自己三量体化組換えタンパク質のロゼットは、タンパク質の安定性に役立つ。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質の三量体の性質および複数の自己三量体化組換えタンパク質のマクロ構造、例えば、ロゼットは、タンパク質の安定性に役立つ。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質の三量体の性質は、タンパク質の免疫応答を生成する能力を支援する。いくつかの実施形態では、マクロ構造、例えば、複数の自己三量体化組換えタンパク質のロゼットは、タンパク質の免疫応答を生成する能力を支援する。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質の三量体の性質および複数の自己三量体化組換えタンパク質のマクロ構造は、タンパク質の免疫応答を生成する能力を支援する。
また、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるタンパク質を含む免疫原性組成物、本明細書で提供されるタンパク質の製造方法、本明細書で提供されるタンパク質および組成物で対象を治療する方法、ならびにキットである。
本出願で言及される、特許文献、科学論文およびデータベースを含む全ての出版物は、あたかも、それぞれ個別の出版物が個別に参照により組み込まれる場合と同程度に、本出願において、その全体が参照により組み込まれる。本明細書で記載される定義が、参照により本明細書に組み込まれる、特許、出願、出願公開および他の刊行物で記載の定義に反する、あるいは矛盾する場合には、本明細書で記載される定義が参照により組み込まれる定義より優先する。
本明細書で使用されるセクション見出しは、単に構成上の目的のためであり、記載主題を限定するものと解釈されるべきではない。
I.ウィルス抗原および免疫原
呼吸器多核体ウィルス(RSV)は、乳幼児および幼児における急性下気道感染、および高齢者の主要な疾病負荷の最もよくある原因である。RSVウィルスは、半世紀前に特性が明らかにされたという事実にもかかわらず、現在、RSVのためのワクチンが存在せず、また、開発は、1960年代に、ホルマリン不活化RSVの子供への投与でのワクチンを介した疾患増強により阻まれてきた。抗原生産、純度、安定性、およびRSVワクチン候補の効力の課題もまた、開発に対する障害となってきた。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるタンパク質は、RSVウィルス抗原および/または免疫原を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSVウィルス抗原および/または免疫原は、細胞媒介応答および/または体液性応答を促進または刺激できる。いくつかの実施形態では、応答、例えば、細胞媒介または体液性応答は、抗体、例えば、中和抗体の産生を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原および/または免疫原に対する中和抗体(NAb)は、罹患しやすい細胞の感染を遮断することにより、RSV曝露に対する獲得免疫防御を提供する。いくつかの実施形態では、いくつかのウィルスに対するワクチンの効力は、NAbを誘発するそれらの能力に帰される、および/またはそれらの能力と相関する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、本明細書で開示のRSV Fタンパク質ペプチドである。
RSV Fタンパク質ペプチドは、呼吸器多核体ウィルス(RSV)のエンベロープ糖タンパク質である。RSV Fタンパク質ペプチドは、単一前駆体ポリペプチド(F0と呼ばれる)として翻訳される。RSV Fタンパク質は、細胞中へのウィルスの侵入および細胞間の融合を媒介し、中和抗体の標的であり、RSV AとB株の間で高度に保存されている。F0は、Arg109およびArg136で細胞フューリンにより3つのフラグメントに切断され得、N末端で18アミノ酸融合ドメインを有するより長いF1ポリペプチドに2つのジスルフィドによりN末端で共有結合されたより短いF2ポリペプチド、およびC末端近くの疎水性膜貫通領域;介在する27アミノ酸フラグメントが放出される。中和モノクローナル抗体パリビズマブおよびモタビズマブは、RSV F抗原部位II(Asn258~Val278)に結合し、高リスクおよび正期産児における下気道および上気道RSV疾患の両方に対し保護することを示した。これらの中和抗体に結合するRSV Fエピトープポリペプチドの構造は、直鎖ペプチドよりも大きく、パリビズマブは、ナノモルの親和性で、およびモタビズマブはピコモルの親和性でRSV Fに結合する。モデル化は、パリビズマブおよびモタビズマブの完全な結合には、1個または2個のRSV Fプロトマーからのアミノ酸をそれぞれ必要とすることを予測する。従って、RSV F三次および四次構造の保存は、この重要な中和領域の天然の立体構造を保存するために、RSV Fワクチン開発において重要であり得る。
いくつかの実施形態では、F0前駆体ポリペプチドは、配列番号31で示されるように、574アミノ酸長さである。
いくつかの実施形態では、F0前駆体ポリペプチドは、配列番号32で示されるように、574アミノ酸長さである。
いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基102にプロリンまたはアラニンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基102に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基218にグルタミン酸またはアラニンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基218に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基379にバリンまたはイソロイシンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基379に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基447にバリンまたはメチオニンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基447に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基102のプロリンまたはアラニン、残基218のグルタミン酸またはアラニン、残基379のバリンまたはイソロイシン、および残基447のバリンまたはメチオニンのいずれか1個または複数に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基102、218、379、および447のいずれか1個に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32のその他の残基のいずれか1個または複数に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基106、107、108、および/または109に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基108および/または109にグルタミンまたはアスパラギンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基108および109にグルタミンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、残基108および109にアスパラギンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基131、132、133、134、135、および/または136に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基131、132、133、134、135、および/または136に、および/またはその近傍に、グリシン、アルギニン、グルタミンまたはアスパラギンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基131、132、133、134、135、および/または136に、グルタミンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基133、135、および136に、グルタミンを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基109、136、161、および/または215に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基109、136、161、および/または215のいずれか1個または複数に、アラニンまたはプロリンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基109に、アラニンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基136に、アラニンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基109および136に、アラニンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基161に、プロリンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基215に、プロリンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基161および215に、プロリンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基109および136にアラニンを、残基161および215にプロリンを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基131~154のいずれか1個または複数に、および/またはその近傍に、置換、欠失、および/または挿入を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基131~154の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18個またはそれを超える欠失を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基137~154のいずれか1個または複数の欠失を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基137~146のいずれか1個または複数の欠失を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、配列番号31または32の残基133、135、および136にグルタミンを、および残基137~146に1個の欠失を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、シグナルペプチドMELLILKANAITTILTAVTFCFASG(配列番号33)であるF0前駆体のアミノ酸1~25を含む。いくつかの実施形態では、前駆体ポリペプチドF0は、前駆体三量体を形成する。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、1種または複数の細胞プロテアーゼにより、例えば保存されたフューリンコンセンサス切断部位で、タンパク分解的に切断されて、Pep27ポリペプチド(p27とも呼ばれる)、F1ポリペプチドおよびF2ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、Pep27ポリペプチド(例えば、F0前駆体のアミノ酸110~136)は、切除され、いくつかの態様では、成熟RSV F三量体の一部を形成しない。いくつかの実施形態では、F2ポリペプチド(あるいは、これは、本明細書において、「F2」または「F2サブユニットペプチド」とも呼ばれ得る)は、F0前駆体のアミノ酸残基26~109を含む。いくつかの実施形態では、F1ポリペプチド(あるいは、これは、本明細書において、「F1」または「F1サブユニットペプチド」とも呼ばれ得る)は、F0前駆体のアミノ酸残基137~574を含み、細胞外領域(例えば、残基137~524)、膜貫通ドメイン(例えば、残基525~550)、および細胞質ドメイン(例えば、残基551~574)を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、ジスルフィド結合で連結されて、RSV F「プロトマー」と呼ばれるヘテロダイマーを形成するF1およびF2ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、RSV F三量体(従って、これは3個のプロトマーのホモ三量体である)を形成する3個のプロトマーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、成熟RSV F三量体である。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、膜結合型である。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは、膜結合型ではない。いくつかの実施形態では、本明細書において、RSV Fタンパク質ペプチドは可溶性であり、膜貫通および細胞質領域またはそのフラグメントを欠く。例えば、可溶型への変換は、RSV Fタンパク質をアミノ酸513(アミノ酸514以降を取り除くことにより)、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、または524で切断することにより達成できる。天然では、成熟RSV F三量体は、ウィルスと細胞膜の融合を媒介する。成熟RSV F三量体の融合前立体構造(これは、本明細書では、「プレF」または融合前と呼ばれ得る)は、極めて不安定(準安定性)である。しかし、RSVウィルスが細胞膜と結合すると、RSV Fタンパク質三量体は、一連の立体構造変化および極めて安定な融合後(「ポストF」)立体構造への遷移を起こす。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、シグナルペプチド(SP)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸1~22)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、7アミノ酸繰り返しC(HRC)(例えば、F2で、これは、配列番号31または32のアミノ酸23~109であり得る)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、フューリン切断部位(FCS)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸109/110間の連結部の)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、27マーフラグメント(pep27)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸110~136)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、推定融合ペプチド(FP)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸137~155)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、7アミノ酸繰り返しA(HRA)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸156~214)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、ドメインIおよびII(例えば、配列番号31または32のアミノ酸215~476)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、7アミノ酸繰り返しB(HRB)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸477~524)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、膜貫通(TM)(例えば、配列番号31または32のアミノ酸525~550)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列、および/または細胞質(CP)ドメイン(例えば、配列番号31または32のアミノ酸551~574)またはそのフラグメントおよび/または変異体配列を、任意の好適な組み合わせで含む。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、サブタイプAのRSVのRSV Fタンパク質ペプチドである。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、サブタイプA2のRSVのRSV Fタンパク質ペプチドである。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、サブタイプBのRSVのRSV Fタンパク質ペプチドである。場合によっては、RSV Fタンパク質ペプチドは、RSVサブタイプ全体にわたり保存されている。
場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、RSV Fタンパク質ペプチドのフラグメントである。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、RSV Fタンパク質ペプチドのエピトープである。いくつかの実施形態では、エピトープは、線形エピトープである。いくつかの実施形態では、エピトープは、立体構造エピトープである。いくつかの実施形態では、エピトープは、中和エピトープ部位、例えば、部位I、II、またはIVである。いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントの全ての中和エピトープは、RSVウィルス抗原または免疫原として存在する。
場合によっては、例えば、RSVウィルス抗原または免疫原がRSV Fタンパク質ペプチドのフラグメントである場合、RSV Fタンパク質ペプチドの単一のサブユニットのみが存在する。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、F1サブユニットペプチドであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、F1サブユニットペプチドは、野生型Fタンパク質のアミノ酸配列137~574であるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、F2サブユニットペプチドであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、シグナルペプチド、7アミノ酸繰り返しC(HRC)ペプチド、pep27ペプチド、融合ペプチド(FP)、7アミノ酸繰り返しA(HRA)ペプチド、ドメインIペプチド、ドメインIIペプチド、または7アミノ酸繰り返しB(HRB)ペプチド、またはこれらの任意の組み合わせを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、シグナルペプチドを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、pep27ペプチドを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、融合ペプチド(FP)(融合体ドメイン(FD)としても知られる)を含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、シグナルペプチド、pep27ペプチド、および融合ペプチド(FP)を含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、Fタンパク質のF1サブユニットおよびF2サブユニットを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、Fタンパク質のpep27ペプチドを欠き、F1サブユニットおよびF2サブユニットを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、Fタンパク質のF1サブユニットペプチド、F2サブユニットペプチド、およびpep27ペプチドを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、Fタンパク質のF1サブユニットペプチド、F2サブユニットペプチド、pep27ペプチド、およびFPを含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、ウィルス抗原または免疫原が、RSV Fタンパク質ペプチドのF1サブユニットペプチドおよびF2サブユニットペプチドの両方を含む場合、F1およびF2サブユニットは結合される。いくつかの実施形態では、F1およびF2サブユニットは、ジスルフィド結合により連結される。いくつかの実施形態では、F1およびF2サブユニットは、人為的に導入されたリンカーにより連結される。いくつかの実施形態では、F1およびF2サブユニットは、pep27ペプチドを介して連結される。例えば、いくつかの実施形態では、NからC末端への配向は、F2-pep27-F1であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、NからC末端への配向は、F2-pep27-FP-F1(F2-pep27-FD-F1)であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、FPは、F1サブユニットペプチドの構造的特徴と見なされる。
場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、膜貫通(TM)ドメインペプチドを含まないRSV Fタンパク質ペプチドである。場合によっては、RSV Fタンパク質は、細胞質(CP)ドメインペプチドを含まない。場合によっては、RSV Fタンパク質は、TMドメインペプチドまたはCPドメインペプチドを含まない。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、プロテアーゼ切断部位を含むRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、プロテアーゼフューリンによる切断に特異的である。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、プロテアーゼトリプシンによる切断に特異的である。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、プロテアーゼ第Xa因子による切断に特異的である。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、プロテアーゼカテプシンLによる切断に特異的である。
場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、プロテアーゼ切断部位を含まないRSV Fタンパク質ペプチドを含む。場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、プロテアーゼフューリンによる切断に特異的であるプロテアーゼ切断部位を含まないRSV Fタンパク質ペプチドを含む。場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、プロテアーゼトリプシンによる切断に特異的であるプロテアーゼ切断部位を含まないRSV Fタンパク質ペプチドを含む。場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、プロテアーゼ第Xa因子による切断に特異的であるプロテアーゼ切断部位を含まないRSV Fタンパク質ペプチドを含む。場合によっては、RSVウィルス抗原または免疫原は、プロテアーゼカテプシンLによる切断に特異的であるプロテアーゼ切断部位を含まないRSV Fタンパク質ペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、可溶性であるRSV Fタンパク質ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、可溶性RSV Fタンパク質ペプチドは、TMドメインペプチドおよびCPドメインペプチドを欠く。いくつかの実施形態では、可溶性RSV Fタンパク質ペプチドは、脂質二重層、例えば、膜またはウィルスエンベロープに結合しない。
いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質ペプチドは、コドン最適化された核酸配列から産生される。いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質ペプチドは、コドン最適化されていない核酸配列から産生される。
いくつかの実施形態では、RSV Fタンパク質ペプチドは、当該技術分野において既知の任意のFタンパク質配列、例えば、米国特許第10,017,543号で開示のものを含み得る。この特許は、本出願において、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、配列番号31または32のアミノ酸配列1~520を有するRSV Fタンパク質ペプチドであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、配列番号31または32のアミノ酸配列26~520を有するRSV Fタンパク質ペプチドであるか、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、F2の配列、pep27の配列、およびF1の配列であるか、またはそれらを含む(例えば、F2-pep27-F1)。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、融合ペプチド曝露を含み、融合後立体構造を有する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、フューリン切断部位変異を含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、フューリン部位I変異(例えば、R109A)および/またはフューリン部位II変異(例えば、R136A)を含み、これらの例のいくつかでは、RSVウィルス抗原または免疫原は、融合後立体構造を有し、一方、他の例では、RSVウィルス抗原または免疫原は、融合前立体構造を有する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、フューリン部位I変異およびフューリン部位II変異(例えば、R109A/R136A)を含み、これらの例のいくつかでは、RSVウィルス抗原または免疫原は、融合ペプチド曝露を欠く完全長F0を含み、融合前立体構造を有する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、長いヘリックスの形成を防止し、および/またはα4-α5ヒンジループを安定化する1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、融合前立体構造を保存する1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、発現を改善する1個または複数の変異を含む。いくつかの実施形態では、位置161、182および215の置換(例えば、プロリンによる置換)は、より高い発現レベルをもたらし、E161PおよびS215Pはまた、タンパク質の安定性を高める。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、E161Pおよび/またはS215Pを含み、融合前立体構造を有する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、R109A、R136A、E161Pおよび/またはS215Pを含み、融合前立体構造を有する。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号17で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号17の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号18で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号18の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号19で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号19の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号20で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号20の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号21で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号21の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号22で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号22の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号23で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号23の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号24で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号24の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号25で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号25の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号26で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号26の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号27で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号27の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号28で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号28の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号29で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号29の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号30で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号30の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号31で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号31の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号32で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号32の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号33で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号33の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号34で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号34の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号35で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号35の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号36で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号36の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号37で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号37の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号38で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号38の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号39で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号39の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号40で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号40の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号41で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号41の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号42で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号42の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号43で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号43の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号44で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号44の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号45で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号45の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号46で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号46の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、配列番号47で示される配列を含む。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号47の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書において、ウィルス抗原または免疫原は、RSV糖タンパク質(G)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSV小分子疎水性タンパク質(SH)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSV融合タンパク質(F)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSVマトリックスタンパク質(M)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSV核タンパク質(N)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSVリンタンパク質(P)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSV「巨大」タンパク質(L)またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;M2-1タンパク質またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSV M2-2タンパク質またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;RSV NS-1タンパク質またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;またはRSV Ns-2タンパク質またはそのフラグメント、バリアント、もしくは変異体;またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。
いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、コドン最適化された核酸配列から産生される。いくつかの実施形態では、ウィルス抗原または免疫原は、コドン最適化されていない核酸配列から産生される。
いくつかの実施形態では、本明細書で示すように、RSVウィルス抗原または免疫原は、前記ウィルス抗原または免疫原を含む組換えポリペプチドまたは融合ペプチドを含むことができる。用語のウィルス抗原または免疫原は、RSVウィルス抗原または免疫原を含むタンパク質を意味するように使用され得る。特定の事例では、RSVウィルス抗原または免疫原は、本明細書で提供されるRSVタンパク質ペプチドである。
II.組換えペプチドおよびタンパク質
本明細書で提供されるRSVウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチド(セクションI参照)は、他のタンパク質またはペプチドと組み合わせて、例えば、結合されて、融合ペプチドを含む、組換えポリペプチドを形成できると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される個別の組換えポリペプチド(例えば、単量体)は、結合して、組換えポリペプチドの多量体、例えば、三量体を形成する。いくつかの実施形態では、個別の組換えポリペプチド単量体の結合は、共有結合相互作用を介して起こる。いくつかの実施形態では、個別の組換えポリペプチド単量体の結合は、非共有結合相互作用を介して起こる。いくつかの実施形態では、例えば、共有結合または非共有結合相互作用は、RSVウィルス抗原または免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチド、が結合されるタンパク質またはペプチドにより行われる。いくつかの実施形態では、例えば、RSVウィルス抗原または免疫原が本明細書で開示のRSV Fタンパク質ペプチドである場合、それが結合されるタンパク質またはペプチドは、糖タンパク質の天然のホモ三量体構造が保存されるように、選択できる。これは、強力で効果的なRSV Fタンパク質ペプチドに対する免疫原性応答を誘起するために好都合であり得る。例えば、RSVウィルス抗原または免疫原(例えば、RSV Fタンパク質ペプチド)の天然の立体構造の保存および/または維持は、免疫応答を生成できる抗原部位へのアクセスを改善またはそれを可能にし得る。場合によっては、本明細書で記載のRSV Fタンパク質ペプチド(例えば、セクションIを参照)を含む組換えポリペプチドは、本明細書では、代わりに、組換えRSV F抗原、組換えRSV F免疫原、または組換えRSV Fタンパク質と呼ばれる。
場合によっては、組換えポリペプチドまたはその多量体化組換えポリペプチドは、凝集するか、または凝集して複数のRSVウィルス抗原および/または免疫原組換えポリペプチドを含むタンパク質を形成できることがさらに考えられる。このようなタンパク質の形成は、RSVウィルス抗原および/または免疫原に対する強力で効果的な免疫原性応答を生成するために好都合であり得る。例えば、複数の組換えポリペプチド、および、従って、複数のRSVウィルス抗原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドを含むタンパク質の形成は、ウィルス抗原の三次および/または四次構造を保存し、天然の構造に対して免疫応答を開始させることを可能にする。場合によっては、凝集は、RSVウィルス抗原または免疫原の構造的安定性を付与し得、これは、次に、免疫応答を促進できる潜在的抗原部位へのアクセスを提供する。
1.融合ペプチドおよび組換えポリペプチド
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、それらのC末端で(C末端結合)三量体化ドメインに結合し、単量体の三量体化を促進できる。いくつかの実施形態では、三量体化は、三量体配置において、RSVウィルス抗原または免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドの、膜近位側を安定化する。
可溶性組換えタンパク質の安定な三量体を促進する外来性多量体化ドメインの非限定的例としては、GCN4ロイシンジッパー(Harbury et al.1993 Science 262:1401-1407)、肺サーファクタントタンパク質由来の三量体化モチーフ(Hoppe et al.1994 FEBS Lett 344:191-195)、コラーゲン(McAlinden et al.2003 J Biol Chem 278:42200-42207)、およびファージT4フィブリチンフォルドン(Miroshnikov et al.1998 Protein Eng 11:329-414)が挙げられ、これらのいずれかは、本明細書で記載のRSVウィルス抗原または免疫原に結合し(例えば、RSV FペプチドのC末端への結合により)、組換えウィルス抗原または免疫原の三量体化を促進できる。また、米国特許第7,268,116号;同7,666,837号、同7,691,815号、同10,618,949号、同10,906,944号、および同10,960,070号、ならびに米国特許出願公開第2020/0009244号も参照されたい。これらの特許は、本出願において、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、1種または複数のペプチドリンカー(gly-serリンカー、例えば、10アミノ酸グリシン-セリンペプチドリンカーなど)を用いて、組換えウィルス抗原または免疫原を多量体化ドメインに結合できる。組換えウィルス抗原または免疫原三量体が望ましい特性(例えば、融合前立体構造)を保持する限り、三量体は、本明細書で提供されるいずれかの安定化変異(またはこれらの組み合わせ)を含み得る。
治療的に実施可能であるためには、生物学的薬物デザインのための所望の三量体化タンパク質部分は、以下の基準を満たす必要がある。理想的には、それは、循環中にも豊富に存在する(非毒性)ヒト起源(免疫原性を欠く)の、比較的安定で(長半減期)、効率的自己三量体化(これは、鎖間ジスルフィド共有結合により強化され、それにより、三量体化RSVウィルス抗原または免疫原は構造的に安定である)ができる、免疫グロブリンFcのような、天然で分泌されるタンパク質の一部でなければならない。
コラーゲンは細胞外マトリクスの主要成分である繊維状タンパク質のファミリーである。それは、哺乳動物中で最も豊富なタンパク質であり、身体中の総タンパク質のほぼ25%を構成する。コラーゲンは、骨、腱、皮膚、角膜、軟骨、血管、および歯の形成で主要な構造的役割を果たす。原線維タイプのコラーゲンI、II、III、IV、V、およびXIは全て、プロコラーゲンと呼ばれる、より大きな三量体前駆体として合成され、その内部では、数百個の「G-X-Y」リピート(またはグリシンリピート)からなる中央部の中断されていない三重ヘリカルドメインが、非コラーゲンドメイン(NC)、N-プロペプチドおよびC-プロペプチドにより隣接される。CおよびN末端の両方の延長部は、プロコラーゲンの分泌(不溶性の細胞マトリックスを形成するコラーゲン線維中への成熟タンパク質のアセンブリを始動するイベント)時にタンパク分解的にプロセッシングされる。BMP-1は、コラーゲンのグリシンリピートとC-プロドメイン間の結合部近傍でプロコラーゲンの特異的ペプチド配列を認識し、プロペプチドの除去に関与するプロテアーゼである。脱落したI型コラーゲンの三量体C-プロペプチドは、通常の成人のヒト血清中、50~300ng/mLの範囲の濃度で検出され、子供は、遙かに高レベルを有し、これは活性骨形成を示す。高い血清濃度のI型コラーゲンのC-プロペプチドの家族性を有する人では、明らかな異常なしに、レベルが1~6μg/mLもの高さになり得、C-プロペプチドは非毒性であることを示唆する。コラーゲンの三量体C-プロペプチドの構造的調査は、それは、3個全てのサブユニットがそれらのN末端近傍の結合領域で合流し、プロコラーゲン分子の残りに連結する三葉状構造であることを示唆した。一方向で融合されるべき突き出たタンパク質でのこのような形状は、Fc二量体のものと類似である。
I、IV、VおよびXI型コラーゲンは、2本のα-1鎖と1本のα-2鎖(I、IV、V型の場合)、または3本の異なるa鎖(XI型の場合)からなる、主にヘテロ三量体形状にアセンブリされ、これらは、配列が高度に相同である。IIおよびIII型コラーゲンは両方ともα-1鎖のホモ三量体である。最も豊富なコラーゲンの形態であるI型コラーゲンの場合、安定なα(I)ホモ三量体も形成され、異なる組織中に種々のレベルで存在する。ほとんどのこれらのコラーゲンC-プロペプチド鎖は、細胞中で単独で過剰発現される場合、ホモ三量体に自己集合できる。N-プロペプチドドメインは、最初に合成されるが、三量体コラーゲンへの分子アセンブリは、C-プロペプチドのin-register(高い高次構造をとった)結合で始まる。C-プロペプチド複合体は鎖間ジスルフィド結合の形成により安定化されるが、適切な鎖登録のためのジスルフィド結合の必要性は明確ではないと考えられている。グリシンリピートの三重鎖ヘリックスは反復し、そのため、ジッパー様方式で結合C末端からN末端へ伝播する。この知識は、組換えDNA技術を用いた異なるコラーゲン鎖のC-プロペプチドの交換による非天然型のコラーゲンマトリックスの生成に がった。サイトカインおよび成長因子などの非コラーゲン性タンパク質は同様に、プロコラーゲンまたは成熟コラーゲンのN末端に融合され、新規コラーゲンマトリックス形成を可能とし、これは、細胞マトリックスからの非コラーゲン性タンパク質の徐放を可能にするのが目的である。しかし、両方の環境下で、C-プロペプチドは、不溶性の細胞マトリックスへの組換えコラーゲン線維アセンブリの前に、切断することが必要である。
大腸菌の細菌ファージT4およびアスパラギン酸トランスカルバモイラーゼ由来の酵母フィブリチン由来のGCN4からのものなどの他のタンパク質三量体化ドメインは、以前に、異種のタンパク質の三量体化を可能とすることが記載されたが、これらの三量体化タンパク質のいずれも、本来ヒトではなく、それらは天然に分泌されるタンパク質でもない。従って、いずれの三量体融合タンパク質も、細胞内で作製される必要があり、これは、可溶性受容体などの天然で分泌されるタンパク質の場合、誤って折り畳まれる可能性があるのみでなく、数千種の他の細胞内タンパク質からこのような融合タンパク質の精製を難しくもする。さらに、このような(例えば、酵母、細菌ファージおよび細菌由来の)非ヒトタンパク質三量体化ドメインの三量体生物学的薬物のための使用の致命的な欠点は、人体におけるそれらの推定される免疫原性であり、このような融合タンパク質を人体への注入直後に無効力にする。
本明細書で記載される組換えポリペプチド中のコラーゲンの使用は、従って、次記を含む、多くの利点を有する:(1)コラーゲンは、哺乳動物の身体中で分泌される最も豊富なタンパク質であり、身体中の総タンパク質のほぼ25%を構成する;(2)コラーゲンの主要な形態は、天然では三量体ヘリックスとして発生し、それらの球状C-プロペプチドは、三量体化の開始に関与する;(3)成熟コラーゲンからタンパク分解により放出されるコラーゲンの三量体C-プロペプチドは、天然では、哺乳動物の血液中にサブマイクログラム/mLのレベルで検出され、身体に対し有害であるとは認められていない;(4)コラーゲンの直鎖三重のヘリカル領域は、残基当り2.9Åの予測間隔のリンカーとして含めることができる、または融合タンパク質の一部として除去でき、それにより、三量体化されるタンパク質とコラーゲンのC-プロペプチドの間の距離が正確に調節でき、最適生物活性を得ることができる;(5)C-プロペプチドをプロコラーゲンから切断するBMP1の認識部位は、変異導入または欠失させて三量体融合タンパク質の破壊を防ぐことができる;(6)C-プロペプチドドメインは、ジスルフィド結合を介して自己三量体化し、それがユニバーサルアフィニティタグを提供し、これは、生成されたいずれかの分泌融合タンパク質の精製のために使用できる。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原および免疫原、例えば、RSV Fタンパク質ペプチドが結合するコラーゲンのC-プロペプチドは、可溶性の共有結合ホモ三量体融合タンパク質の組換え産生を可能とする
いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原および免疫原は、コラーゲンのC末端プロペプチドに結合し、組換えポリペプチドを形成する。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドのC末端プロペプチドは、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成する。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質は、三量体を形成する。いくつかの実施形態では、RSVウィルス抗原または免疫原は、セクションIで記載のRSV Fタンパク質ペプチドである。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドはヒトコラーゲンである。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、proα1(I)、proα1(II)、proα1(III)、proα1(V)、proα1(XI)、proα2(I)、proα2(V)、proα2(XI)、またはproα3(XI)のC末端ポリペプチド、またはそのフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、proα1(I)のC末端ポリペプチドであるか、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号48により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号48の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号49により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号49の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号50により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号50の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を示す。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号51により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号51の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号52により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号52の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号53により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号53の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号54により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号54の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号55により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号55の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号56により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号56の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号57により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号57の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号58により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号58の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号59により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号59の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号60により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号60の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号61により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号61の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号62により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号62の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号63により示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号63の配列と少なくともまたは約85%、90%、92%、95%、または97%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、BMP-1部位でアスパラギン酸(D)のアスパラギン(N)への置換(例えば、RAはRAに変異導入される)を有するコラーゲン三量体化ドメイン(例えば、ヒトα1(I)コラーゲンのC-プロペプチド)のアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、BMP-1部位でアラニン(A)のアスパラギン(N)への置換(例えば、RDはRDに変異導入される)を有するコラーゲン三量体化ドメイン(例えば、ヒトα1(I)コラーゲンのC-プロペプチド)のアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において、C末端プロペプチドは、変異BMP-1部位、例えば、DDANではなくRSANを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書において、C末端プロペプチドは、BMP-1部位を含み得、例えば、RAN(例えば、RANDAN)またはRND(例えば、RNDDAN)ではなく、RAD(例えば、RADDAN)配列を含む配列が本明細書で開示の融合体ポリペプチドに使用され得る。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、配列番号48~63のいずれかのフラグメントであるアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、C末端プロペプチドは、グリシン-X-Yリピートを含む配列を含むことができ、式中、XおよびYは、独立に、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成でき、および組換えポリペプチドを三量体化できる、任意のアミノ酸、または少なくともそれと85%、90%、92%、95%、もしくは97%同一のアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、XおよびYは、独立にプロリンまたはヒドロキシプロリンである。
RSV Fペプチドタンパク質(例えば、RSVウィルス抗原または免疫原、例えば、セクションI参照)がC末端プロペプチドに結合され、組換えポリペプチドを形成するいくつかの事例では、組換えポリペプチドは、RSV Fタンパク質ペプチドのホモ三量体になる三量体を形成する。いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドは、Fタンパク質ペプチド三量体を松葉杖形状ロッドとして含む。いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドのRSV Fタンパク質ペプチドは、融合前立体構造である。いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドのRSV Fタンパク質ペプチドは、融合後立体構造である。いくつかの実施形態では、確認状態は、Fタンパク質ペプチド上の異なる抗原部位へのアクセスを可能にする。いくつかの実施形態では、抗原部位は、線形エピトープまたは立体構造エピトープなどのエピトープである。記載のように、三量体化組換えポリペプチドを有する利点は、種々の潜在的および多様な抗原部位に対して免疫応答を開始できることである。
いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドは、同じウィルス抗原または免疫原を含む個別の組換えポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドは、それぞれ、他の組換えポリペプチド由来の異なるウィルス抗原または免疫原を含む個別の組換えポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドは、個別の組換えポリペプチドを含み、個別の組換えポリペプチドの1個は、他の組換えポリペプチドとは異なるウィルス抗原または免疫原を含む。いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドは、個別の組換えポリペプチドを含み、個別の組換えポリペプチドの2個は、同じウィルス抗原または免疫原を含み、ウィルス抗原または免疫原は、残りの組換えポリペプチド中に含まれるウィルス抗原または免疫原とは異なる。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、セクションIで記載のいずれかのRSVウィルス抗原または免疫原を含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、本明細書に記載のコラーゲンのC末端プロペプチドに、本明細書で記載のように、連結されるセクションIで記載のいずれかのRSVウィルス抗原または免疫原を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドまたは融合タンパク質は、配列番号48~63のいずれかで示される第2の配列に結合された配列番号17~47のいずれかで示される第1の配列を含み、第1の配列のC末端は、第2の配列のN末端に直接結合される。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドまたは融合タンパク質は、配列番号48~63のいずれかで示される第2の配列に結合された配列番号17~47のいずれかで示される第1の配列を含み、第1の配列のC末端は、第2の配列のN末端に間接的に、例えば、リンカーを介して、結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは、グリシン-X-Yリピートを含む配列を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号1で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号1の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号1のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号2で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号2の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号2のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号3で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号3の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号3のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号4で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号4の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号4のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号5で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号5の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号5のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号6で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号6の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号6のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号7で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号7の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号7のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号8で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号8の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号8のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号9で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号9の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号9のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号10で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号10の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号10のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号11で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号11の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号11のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号12で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号12の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号12のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号13で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号13の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号13のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号14で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号14の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号14のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号15で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号15の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号15のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号16で示される配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、102、106、107、108、109、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、161、215、218、379、または447(配列番号31または32に対するアミノ酸位置)またはこれらの任意の組み合わせなどの1個または複数のアミノ酸位置に置換、欠失、および/または挿入を含む配列を含む、配列番号16の配列と少なくともまたは約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号16のバリアントであるか、またはそれを含み、バリアントは、P102A、R109A、R136A、E161P、E218A、S215P、I379A、およびM447V、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるいずれか1、2、3、4、5個またはそれを超える変異を含む。
上記で示したように、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組換えポリペプチドは、三量体を形成するのみのために結合するのではなく、複数の組換えポリペプチドを含むタンパク質を生成するためにも凝集する、または凝集させられ得る。いくつかの実施形態では、形成されたタンパク質は、マクロ構造を有する。場合によっては、マクロ構造は、RSVウィルス抗原または免疫原組換えポリペプチドの構造的安定性を付与し得、これは、次に、免疫応答を促進できる潜在的抗原部位へのアクセスを提供する。
いくつかの実施形態では、三量体化組換えポリペプチドは、凝集して、複数の三量体化組換えポリペプチドを含むタンパク質を形成する。いくつかの実施形態では、複数の三量体化組換えポリペプチドは、マクロ構造を有するタンパク質を形成する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、松葉杖形状ロッドとしてFタンパク質ペプチド三量体を含むロゼット様オリゴマーを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、配列番号1~16からなる群より選択される組換えポリペプチドまたはそのフラグメント、バリアント、または変異体を、任意の好適な組み合わせで含む複合体である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、配列番号1~16からなる群より選択される組換えポリペプチドの三量体またはそのフラグメント、バリアント、または変異体を含む複合体であり、組換えポリペプチドは、ポリペプチド間ジスルフィド結合を介して三量体化され、三量体を形成する。
いくつかの実施形態では、複数の組換えポリペプチドを含む本明細書で記載のタンパク質は、免疫原である。いくつかの実施形態では、複数の組換えポリペプチドを含む本明細書で記載のタンパク質は、ナノ粒子中に包含される。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子、例えば、タンパク質ナノ粒子に直接結合される。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ナノ粒子に間接的に結合される。いくつかの実施形態では、複数の組換えポリペプチドを含む本明細書で記載のタンパク質は、ウィルス様粒子(VLP)中に包含される。
2.ポリヌクレオチドおよびベクター
また、提供されるのは、本明細書で提供されるRSV抗原または免疫原および組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(核酸分子)ならびに、このようなRSV抗原または免疫原および組換えポリペプチドを発現するように細胞を遺伝子改変するためのベクターである。
いくつかの実施形態では、提供されるのは、本明細書で提供される組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、組換えポリペプチドをコードする核酸配列などの単一核酸配列を含む。その他の場合、ポリヌクレオチドは、特定のRSVウィルス抗原または免疫原を含む組換えポリペプチドをコードする第1の核酸配列または異なるRSVウィルス抗原または免疫原を含む組換えポリペプチドをコードする第2の核酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、組換えポリペプチドの発現を制御するように動作可能に連結されている少なくとも1個のプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、組換えポリペプチドの発現を制御するように動作可能に連結されている2個、3個またはそれを超えるプロモーターを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、ポリヌクレオチドが2個以上の核酸コード配列、例えば、異なるRSVウィルス抗原または免疫原を含む組換えポリペプチドをコードする配列を含む場合、少なくとも1個のプロモーターは、2個以上の核酸配列の発現を制御するために動作可能に連結される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、組換えポリペプチドの発現を制御するように動作可能に連結されている2個、3個またはそれを超えるプロモーターを含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの発現は、誘導性または条件付きである。従って、いくつかの態様では、組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、条件付きプロモーター、エンハンサー、またはトランス活性化因子を含む。いくつかのこのような態様では、条件付きプロモーター、エンハンサー、もしくはトランス活性化因子は、誘導性プロモーター、エンハンサー、もしくはトランス活性化因子または抑制性プロモーター、エンハンサー、もしくはトランス活性化因子である。例えば、いくつかの実施形態では、誘導性または条件付きプロモーターは、組換えポリペプチドの発現を特異的微小環境に制限するために使用できる。いくつかの実施形態では、誘導性または条件付きプロモーターにより促進される発現は、熱、照射、または薬物などの外来性の作用因への曝露により調節される。
ポリヌクレオチドが、組換えポリペプチドをコードする2個以上の核酸配列を含む場合には、ポリヌクレオチドは、1個または複数の核酸配列の間のペプチドをコードする核酸配列をさらに含み得る。場合によっては、核酸配列間に配置される核酸は、翻訳中またはその後に、核酸配列の翻訳産物を分離するペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ペプチドは、配列内リボソーム進入部位(IRES)、自己切断ペプチド、またはT2Aペプチドなどのリボソームスキッピングを起こすペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、レトロウィルス形質導入、遺伝子導入、または形質転換などにより、培養細胞(例えば、宿主細胞)を含む組成物中に導入される。いくつかの実施形態では、これは、組換えポリペプチドの発現(例えば、産生)を可能にできる。いくつかの実施形態では、発現した組換えポリペプチドが精製される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるポリヌクレオチド(核酸分子)は、本明細書で記載のRSVウィルス抗原または免疫原をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるポリヌクレオチド(核酸分子)は、本明細書で記載のRSVウィルス抗原または免疫原、例えば、RSV Fペプチドタンパク質を含む組換えポリペプチドをコードする。
また、提供されるのは、本明細書で記載の核酸分子を含むベクターまたは構築物である。いくつかの実施形態では、ベクターまたは構築物は、組換えポリペプチドの発現を推進するように、それをコードする核酸分子に動作可能に連結されている1個または複数のプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、1個または2個以上の核酸分子、例えば、異なるRSVウィルス抗原または免疫原を含む組換えポリペプチドをコードする核酸分子、に動作可能に連結されている。
いくつかの実施形態では、ベクターはウィルスベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターはレトロウィルスベクターである。いくつかの実施形態では、レトロウィルスベクターはレンチウィルスベクターである。いくつかの実施形態では、レトロウィルスベクターはガンマレトロウィルスベクターである。
いくつかの実施形態では、ベクターまたは構築物は、1種または複数のポリヌクレオチドの核酸分子の発現を促進する単一プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、このようなプロモーターは、マルチシストロン性(2シストロン性または3シストロン性、例えば、米国特許第6,060,273号参照)であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、転写単位は、IRES(配列内リボソーム進入部位)含有2シストロン性単位として改変でき、これは、単一プロモーターからのメッセージにより遺伝子産物の同時発現(例えば、異なる組換えポリペプチドをコードする)を可能とする。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるベクターは、2シストロン性であり、ベクターが2種の核酸配列を含み、発現することを可能とする。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるベクターは、3シストロン性であり、ベクターが3種の核酸配列を含み、発現することを可能とする。
いくつかの実施形態では、単一プロモーターは、単一オープンリーディングフレーム(ORF)中に、自己切断ペプチド(例えば、2A配列)またはプロテアーゼ認識部位(例えば、フューリン)をコードする配列により相互から分離された2個または3個の遺伝子(例えば、キメラシグナル伝達受容体をコードする、および組換え受容体をコードする)を含むRNAの発現を指示する。従って、ORFは、単一ポリペプチドをコードし、これは、翻訳中(2Aの場合では)または翻訳後に、個別のタンパク質にプロセッシングされる。場合によっては、T2Aなどのペプチドは、リボソームにペプチド結合の合成を2AエレメントのC末端でスキップさせる(リボソームスキッピング)ことができ、2A配列末端と、次の下流ペプチドとの間で分離される(例えば、de Felipe.Genetic Vaccines and Ther.2:13(2004)and deFelipe et al.Traffic 5:616-626(2004)を参照)。多くの2Aエレメントが当技術分野において既知である。本明細書で開示の方法および核酸中で使用できる2A配列の例としては、限定されないが、米国特許出願公開第20070116690号に記載の、口蹄疫ウィルス由来の2A配列(F2A)、馬鼻炎Aウィルス(E2A)、Thosea asignaウィルス(T2A)、およびブタテスコウィルス-1(P2A)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ベクターはウィルス中に含まれる。いくつかの実施形態では、ウィルスは、偽ウィルスである。いくつかの実施形態では、ウィルスは、ウィルス様粒子である。いくつかの実施形態では、ベクターは細胞中に含まれる。いくつかの実施形態では、ベクターまたはベクターが含まれる細胞は、組換えゲノムを含む。
III.免疫原性組成物および製剤
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、配列番号1~16からなる群より選択される配列を含む組換えポリペプチドの三量体またはいずれか2個以上の三量体の組み合わせを含む免疫原性組成物である。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物の単位用量は、約10μg~約100μgのRSV F抗原、好ましくは約25μg~約75μgのRSV F抗原、好ましくは約40μg~約60μgのRSV F抗原、または約50μgのRSV F抗原を含み得る。いくつかの実施形態では、用量は、3μgのRSV F抗原を含む。他の実施形態では、用量は、9μgのRSV F抗原を含む。さらなる実施形態では、用量は、30μgのRSV F抗原を含む。
いくつかの事例では、開示免疫原を、他の薬剤に対し防御反応を誘導する他の医薬品(例えば、ワクチン)と組み合わせることが望ましい場合がある。例えば、本明細書で記載の組換えRSV F抗原、例えば、三量体またはタンパク質を含む組成物は、予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP;cdc.gov/vaccines/acip/index.html)により対象年齢群(例えば、約1か月~6か月齢の乳幼児)に対して推奨される、インフルエンザワクチンまたは水痘帯状疱疹ワクチンなどの他のワクチンと同時に、または順次投与できる。従って、本明細書で記載の組換えRSV F抗原を含む開示免疫原は、例えば、B型肝炎(HepB)、ジフテリア、破傷風および百日咳(DTaP)、肺炎球菌細菌(PCV)、インフルエンザ菌b型(Hib)、ポリオ、インフルエンザおよびロタウィルスに対するワクチンと同時にまたは順次に投与し得る。
多価または組み合わせワクチンは、複数の病原体に対する保護を提供する。いくつかの態様では、多価ワクチンは、同じ病原体の複数の株に対して保護できる。いくつかの態様では、破傷風、百日咳、およびジフテリアの株に対して保護する組み合わせワクチンTdapなどの多価ワクチンは、複数の病原体に対して保護する。多価ワクチンは、複数の病原体または病原性株に対して保護を付与するのに必要な免疫化の回数を最小化し、投与コストを減らし、接種率を高めるために非常に望ましい。これは、例えば、乳幼児または子供にワクチン接種する場合、特に有益である。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書で記載の免疫原性組成物を含むワクチンは、多価ワクチンである。いくつかの実施形態では、本発明の多価ワクチン組成物に組み込むための抗原性物質は、RSV A型またはB型、またはこれらの組み合わせ由来である。本発明の多価ワクチン組成物に組み込むための抗原は、1種のRSVの株、またはより広い範囲の保護を提供するために、複数の株、例えば、2~5種の株由来であり得る。一実施形態では、本発明の多価ワクチン組成物に組み込むための抗原は、RSVウィルスの複数の株由来である。他の有用な抗原には、生、弱毒化および不活化ウィルス、例えば、不活化ポリオウィルス(Jiang et al.,J.Biol.Stand.,(1986)14:103-9)、A型肝炎ウィルスの弱毒化株(Bradley et al.,J.Med.Virol.,(1984)14:373-86)、弱毒化麻疹ウィルス(James et al.,N.Engl.J.Med.,(1995)332:1262-6)、および百日咳ウィルスのエピトープ(例えば、ACEL-IMUNErM無細胞DTP、Wyeth-Lederleワクチンおよび小児科ワクチン)が挙げられる。
いくつかの態様では、本明細書で提供されるワクチンは、ユニバーサルワクチンである。いくつかの実施形態では、ユニバーサルワクチンは、RSVの複数の株などの同じウィルスの複数の株に対して保護するワクチンである。効果的なユニバーサルRSVワクチンの開発は、例えば、季節性のワクチン製剤を用いてコストおよび労力を低減し、より頑強なパンデミックの準備を可能にするであろう。
いくつかの態様では、ユニバーサルワクチンは、別個のウィルス株由来の複数のエピトープからなるものである。いくつかの態様では、ユニバーサルワクチンは、別個のウィルス株全体にわたり保存されている単一のエピトープからなる。例えば、ユニバーサルワクチンは、RSV Fタンパク質の比較的保存されたドメインをベースにすることができる。
開示免疫原(例えば、開示組換えRSV F抗原または開示組換えRSV F抗原のプロトマーをコードする核酸分子)および薬学的に許容可能な担体を含む免疫原性組成物も提供される。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供される三量体化組換えポリペプチド、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供される複数の三量体化組換えポリペプチドを含むタンパク質、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供されるタンパク質ナノ粒子、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供されるVLP、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供される単離核酸、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供されるベクター、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供されるウィルス、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供される偽ウィルス、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、本明細書で提供される細胞、および任意選択で、薬学的に許容可能な担体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で記載のものなど免疫原性組成物は、ワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、予防ワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、治療ワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、予防ワクチンおよび治療ワクチンである。このような医薬組成物は、当業者に既知の種々の投与方法、例えば、筋肉内、皮内、皮下、静脈内、動脈内、関節内、腹腔内、鼻腔内、舌下、扁桃腺、口咽頭経路、または他の非経口の粘膜経路により対象に投与できる。いくつかの実施形態では、1種または複数の開示免疫原を含む医薬組成物は、免疫原性組成物である。投与可能な組成物を調製する実際の方法は、当業者に既知であるか、または明らかであり、Remingtons Pharmaceutical Science,19th Ed.,Mack publishing Company,Easton,Pa,1995などの刊行物に、より詳細に記載されている。
従って、免疫原、例えば、本明細書で記載の組換えRSV F抗原、例えば、三量体、タンパク質は、薬学的に許容可能な担体と共に処方して、生物活性を保持し、同時に、許容可能な温度範囲内での貯蔵中に安定性を高めることもできる。可能性のある担体としては、限定されないが、生理学的に偏りのない培地、リン酸緩衝生理食塩溶液、水、エマルション(例えば、油/水または水/油エマルション)、様々な種類の湿潤剤、凍結防止添加剤または安定剤、例えば、タンパク質、ペプチドまたは加水分解物(例えば、アルブミン、ゼラチン)、糖類(例えば、スクロース、ラクトース、ソルビトール)、アミノ酸(例えば、グルタミン酸ナトリウム)、または他の保護剤が挙げられる。得られた水性溶液は、そのまま使用するように梱包、または凍結乾燥し得る。凍結乾燥製剤は、単回または複数回投与のために、投与の前に無菌溶液と混合される。
処方組成物、特に液体製剤は、貯蔵中の分解を防止するまたは最小化するために、限定されないが、有効濃度(通常1%w/v)のベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、クロロブタノール、メチルパラベン、および/またはプロピルパラベンを含む静菌薬を含み得る。静菌薬は、一部の患者には禁忌である場合があり、従って、凍結乾燥製剤がこのような成分を含む、または含まない溶液中で再構成され得る。
本開示の免疫原性組成物は、近似的生理的条件に適合するように、pH調整剤および緩衝剤、浸透圧調節剤、湿潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウラート、およびオレイン酸トリエタノールアミンなどを薬学的に許容可能なビークル物質として含むことができる。免疫原性組成物は、宿主の免疫応答を高めるために、アジュバントを任意に含んでもよい。好適なアジュバントは、例えば、トール様受容体アゴニスト、ミョウバン、AlPO、アルハイドロゲル、脂質-Aおよびその誘導体またはバリアント、油エマルション、サポニン、中性リポソーム、ワクチンおよびサイトカインを含むリポソーム、非イオン性ブロックコポリマー、およびケモカインである。ポリオキシエチレン(POE)およびポリオキシプロピレン(POP)を含む非イオン性ブロックポリマー、例えば、POE-POP-POEブロックコポリマー、MPL(登録商標)(3-O-脱アシル化モノホスホリルリピドA;Corixa,Hamilton,Ind.)およびIL-12(Genetics Institute,Cambridge,Mass.)は、当該技術分野において周知の多くの他の好適なアジュバントの中でも特に、アジュバントとして使用され得る(Newman et al.,1998,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 15:89-142)。これらのアジュバントは、それらが免疫系を、非特異的に刺激するのを支援、従って、医薬品に対する免疫応答を高めるという点で利点を有する。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、2種以上のアジュバントを含み得るか、またはそれらと一緒に投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、2種のアジュバントを含み得るか、またはそれらと一緒に投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、複数種のアジュバントを含み得るか、それらと一緒に投与され得る。例えば、場合によっては、例えば、本明細書で提供される免疫原性組成物を含むワクチンは、複数種のアジュバントを含み得るか、それらと組み合わせて投与され得る。
ワクチン組成物に対して、好適なアジュバントの例には、例えば、水酸化アルミニウム、レシチン、フロイントアジュバント、MPL(登録商標)およびIL-12が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示のワクチン組成物またはナノ粒子免疫原(例えば、RSVワクチン組成物)は、放出制御または持続放出製剤として処方できる。これは、徐放性ポリマーを含む組成物で、またはマイクロカプセル化送達系または生体付着性ゲルを介して、達成できる。種々の医薬組成物は、当該技術分野でよく知られている標準的手順に従って調製できる。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、水中油型エマルションの形態の代謝可能な油(例えば、スクアレン)およびαトコフェロールならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ツイーン80)を含むアジュバント製剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、アジュバント製剤は、約2%~約10%のスクアレン、約2%~約10%のαトコフェロール(例えば、D-α-トコフェロール)および約0.3%~約3%のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含み得る。いくつかの実施形態では、アジュバント製剤は、約5%のスクアレン、約5%のトコフェロール、および約0.4%のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、3脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)、および水中油型エマルションの形態のアジュバントを含み得、このアジュバントは、代謝可能油、αトコフェロール、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含む。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、QS21(キラヤサポナリアモリナの抽出物:画分21)、3D-MPLおよび水中油型エマルションを含み得、この水中油型エマルションは、代謝可能油、αトコフェロールおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含む。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、QS21、3D-MPLおよび水中油型エマルションを含み得、この水中油型エマルションは、次の組成:スクアレンなどの代謝可能油、αトコフェロールおよびツイーン80を有する。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、リポソーム組成物の形態のアジュバントを含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、代謝可能油(例えば、スクアレン)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ツイーン80)、およびSpan 85を含むアジュバント製剤を含み得る。いくつかの実施形態では、アジュバント製剤は、約5%(w/v)のスクアレン、約0.5%(w/v)のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、および約0.5%(w/v)のSpan 85を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、キラヤサポニン、コレステロール、およびリン脂質(phosphorlipid)を、例えば、ナノ粒子組成物の形態で、含むアジュバント製剤を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、キラヤサポナリアモリナの別々に精製された画分の混合物を含み得、その後、コレステロールおよびリン脂質と共に処方される。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、MF59(登録商標)、Matrix-A(登録商標)、Matrix-C(登録商標)、Matrix-M(登録商標)、AS01、AS02、AS03、およびAS04からなる群より選択されるアジュバントを含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、トール様受容体9(TLR9)アゴニストを含み得、非メチル化シチジンホスホグアノシン(CpGまたはシトシンリン酸グアノシンとも呼ばれる)モチーフを含むTLR9アゴニストは、8~35ヌクレオチド長さのオリゴヌクレオチドであり、RSV抗原およびオリゴヌクレオチドは、それを必要としているヒト対象などの哺乳動物対象において、RSV抗原に対する免疫応答を刺激するのに効果的な量で免疫原性組成物中に存在する。TLR9(CD289)は、微生物DNA中で検出される非メチル化シチジンホスホグアノシン(CpG)モチーフを認識し、これは、合成CpG含有オリゴデオキシヌクレオチド(CpG-ODN)を用いて模倣され得る。CpG-ODNは、抗体産生を高め、ヘルパーT1(Th1)細胞応答を刺激することが知られている(Coffman et al.,Immunity,33:492-503,2010)。最適オリゴヌクレオチドTLR9アゴニストは、多くの場合、次の一般式の回文配列を含む:5’-プリン-プリン-CG-ピリミジン-ピリミジン-3’、または5’-プリン-プリン-CG-ピリミジン-ピリミジン-CG-3’。米国特許第6,589,940号、この特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは直鎖である。いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは環状であり、またはヘアピンループを含む。CpGオリゴヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖であり得る。いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは、修飾を含み得る。修飾には、限定されないが、3’OHまたは5’OH基の修飾、ヌクレオチド塩基の修飾、ショ糖成分の修飾、およびリン酸基の修飾が挙げられる。修飾された塩基は、それがワトソン・クリック塩基対によりその天然の相補体に対し同じ特異性を維持する(例えば、回文部分がまだ自己相補的である)限り、CpGオリゴヌクレオチドの回文配列中に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは非標準の塩基を含む。いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは修飾ヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、2’-デオキシ-7-デアザグアノシン、2’-デオキシ-6-チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’-デオキシ-2’置換-アラビノグアノシン、および2’-O-置換-アラビノグアノシンからなる群より選択される。CpGオリゴヌクレオチドは、リン酸基の修飾を含み得る。例えば、リン酸ジエステル結合に加えて、リン酸修飾は、限定されないが、メチルホスホン酸、ホスホロチオエート、ホスホラミデート(架橋または非架橋)、ホスホトリエステルおよびジチオリン酸を含み、任意の組み合わせで使用され得る。他の非リン酸結合も同様に使用し得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはホスホロチオエート骨格のみを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはリン酸ジエステル骨格のみを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リン酸骨格中にリン酸結合の組み合わせ、例えば、リン酸ジエステルおよびホスホロチオエート結合の組み合わせを含む。ホスホロチオエート骨格を有するオリゴヌクレオチドは、リン酸ジエステル骨格を有するものより強い免疫原性であり得、宿主へ注入後に分解に対し、より高い抵抗性であるように見える(Braun et al.,J Immunol,141:2084-2089,1988;and Latimer et al.,Mol Immunol,32:1057-1064,1995)。本開示のCpGオリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2または3個のヌクレオチド間ホスホロチオエートエステル結合を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の賦形剤を含む医薬組成物中に複数のCpGオリゴヌクレオチド分子が存在する場合、ホスホロチオエートエステル結合の両方の立体異性体は、複数のCpGオリゴヌクレオチド分子中に存在する。いくつかの実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドの全てのヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合であるか、または別の言い方をすると、CpGオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート骨格を有する。
任意の好適なCpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)またはこれらの組み合わせを本開示でアジュバントとして用いることができる。例えば、K型ODN(B型とも呼ばれる)は、ホスホロチオエート骨格上に複数のCpGモチーフをコードする。K型ODNは、次の配列TCCATGGACGTTCCTGAGCGTTをベースにし得る。ホスホロチオエートヌクレオチドの使用は、天然のリン酸ジエステルヌクレオチドと比較すると、ヌクレアーゼ消化に対する抵抗性を高め、実質的により長いインビボ半減期をもたらす。K型ODNは、pDCの分化およびTNFαの産生、ならびにB細胞の増殖およびIgMの分泌を引き起こす。D型ODNは、(A型とも呼ばれる)は、混合リン酸ジエステル/ホスホロチオエート骨格から構築され、回文配列により挟まれた単一のCpGモチーフを含み、3’および5’末端にポリGテール(コンカテマーの形成を促進する構造モチーフ)を有する。D型ODNは、次の配列GGTGCATCGATGCAGGGGGGをベースにし得る。D型ODNは、pDCの成熟およびIFNαの分泌を引き起こすが、B細胞に対する効果はない。C型ODNは、完全にホスホロチオエートヌクレオチドから構成される点でK型に類似するが、回文CpGモチーフを含む点ではD型に類似する。C型ODNは、次の配列TCGCGTTCGAACGCGTTGATをベースにし得る。このクラスのODNは、B細胞を刺激し、IL-6を分泌させ、pDCにIFNαを産生させる。P型ODNは、2個の回文配列を含み、それらに、より高次の構造を形成可能にする。P型ODNは、次の配列TCGCGCGATCGCGCGCGCGをベースにし得る。P型ODNは、B細胞およびpDCを活性化し、C型ODNに比較すると、実質的により多くのIFNα産生を誘導する。本パラグラフでは、ODN配列中の太字文字は、自己相補的回文構造を示し、CpGモチーフには下線をつけた。
例示的CpG ODN、例えば、CpG7909(5′-TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT-3’)およびCpG1018(5’-TGACTGTGAACGTTCGAGATGA-3’)が知られており、米国特許第7,255,868号、同第7,491,706号、同第7,479,285号、同第7,745,598号、同第7,785,610号、同第8,003,115号、同第8,133,874号、同第8,114,418号、同第8,222,398号、同第8,333,980号、同第8,597,665号、同第8,669,237号、同第9,028,845号、および同第10,052,378号;米国特許出願公開第2020/0002704号;およびBode et al.、“CpG DNA as a vaccine adjuvant”、Expert Rev Vaccines(2011)、10(4):499-511で開示されている。これらは全て、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
1種または複数のアジュバントを組み合わせて使用し得、限定されないが、ミョウバン(アルミニウム塩)、水中油型エマルション、油中水型エマルション、リポソーム、およびポリ(ラクチド-co-グリコリド)微粒子などの微粒子を含み得る(Shah et al.,Methods Mol Biol,1494:1-14,2017)。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、RSV抗原が吸着されるアルミニウム塩アジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、アルミニウム塩アジュバントは、非晶質ヒドロキシリン酸硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムカリウムからなる群より選択される1種または複数を含む。いくつかの実施形態では、アルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムの一方または両方を含む。いくつかの実施形態では、アルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物の単位用量は、約0.25~約0.50mgのAl3+、または約0.35mgのAl3+を含む。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、追加のアジュバントをさらに含む。他の好適なアジュバントとしては、限定されないが、水中スクアレンエマルション(例えば、MF59またはAS03)、TLR3アゴニスト(例えば、ポリICまたはポリICLC)、TLR4アゴニスト(例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)などの細菌性リポ多糖類誘導体、および/またはAS01またはAS02におけるようなQuil AまたはQS-21などのサポニン)、TLR5アゴニスト(細菌性フラゲリン)、およびTLR7、TLR8および/またはTLR9(イミキモド、およびレシキモドなどのイミダゾキノリン誘導体)(Coffman et al.,Immunity,33:492-503,2010)が挙げられる。いくつかの実施形態では、追加のアジュバントは、MPLおよびミョウバン(例えば、AS04)を含む。獣医学用途および非ヒト動物中での抗体の産生には、フロイントアジュバント(完全および不完全の両方)の分裂促進的成分を使用できる。
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、例えば、溶媒、増量剤、緩衝剤、浸透圧調節剤、および防腐剤などの薬学的に許容可能な賦形剤を含む(Pramanick et al.,Pharma Times,45:65-77,2013)。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、溶媒、増量剤、緩衝剤、および浸透圧調節剤の1種または複数として機能する(例えば、生理食塩水中の塩化ナトリウムは、水性のビークルおよび浸透圧調節剤の両方として機能し得る)賦形剤を含み得る。
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、溶媒として水性ビークルを含む。好適なビークルには、例えば、滅菌水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、およびリンゲル溶液が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は等張性である。
免疫原性組成物は、緩衝剤を含み得る。緩衝剤は、プロセッシング、貯蔵および任意選択で再構成中にpHを制御して、活性剤の分解を抑制する。好適な緩衝液には、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩または硫酸塩を含む塩が含まれる。他の好適な緩衝液には、例えば、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、およびリジンなどのアミノ酸が含まれる。緩衝剤は、塩酸または水酸化ナトリウムをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、6~9の範囲内で組成物のpHを維持する。いくつかの実施形態では、pHは6、7、または8(下限値)より高い。いくつかの実施形態では、pHは9、8、または7(上限値)より低い。すなわち、pHは、約6~9の範囲にあり、この場合、下限値は、上限値より低い。
免疫原性組成物は、浸透圧調節剤を含み得る。好適な浸透圧調節剤には、例えば、デキストロース、グリセロール、塩化ナトリウム、グリセリンおよびマンニトールが挙げられる。
免疫原性組成物は、増量剤を含み得る。増量剤は、医薬組成物が投与の前に凍結乾燥される予定の場合に特に有用である。いくつかの実施形態では、増量剤は、凍結またはスプレー乾燥および/または貯蔵中の、活性剤の安定化および分解防止に役立つ保護剤である。好適な増量剤は、糖類(モノ、ジおよびポリサッカライド)、例えば、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、グルコースおよびラフィノースである。
免疫原性組成物は、防腐剤を含み得る。好適な防腐剤には、例えば、酸化防止剤および抗菌剤を含む。しかし、好ましい実施形態では、免疫原性組成物は、無菌条件下で調製され、単回使用容器に入れられ、従って、防腐剤の含有を不要にする。
いくつかの実施形態では、組成物は、無菌組成物として提供できる。医薬組成物は通常、有効量の開示免疫原を含み、従来技術により調製され得る。典型的には、免疫原性組成物の各投与量中の免疫原の量は、顕著な有害副作用なしに免疫応答を誘導する量として選択される。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の免疫応答の誘導に使用するための単位剤形として提供できる。単位剤形は、対象に投与するために好適な単一の予め選択された投与量、または好適する標識または測定された2種以上の予め選択された単位投与量、および/または単位用量またはその倍数を投与するための計量機序を含む。他の実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含む。
IV.免疫応答の誘導方法
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVの表面抗原に対する免疫応答を生成する方法であって、該方法は、配列番号1~16からなる群より選択される組換えポリペプチドを含む有効量の複合体を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVの表面抗原に対する免疫応答を生成する方法であって、表面抗原は、Fタンパク質またはその抗原フラグメントを含み、該方法は、配列番号1~16からなる群より選択される組換えポリペプチドを含む有効量の複合体を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVの表面抗原に対する免疫応答を生成する方法であって、表面抗原は、配列番号17~47からなる群より選択される配列を含み、該方法は、配列番号1~16からなる群より選択される組換えポリペプチドを含む有効量の複合体を、対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVの表面抗原に対する免疫応答を生成する方法であって、表面抗原は、RSVのFタンパク質またはその抗原フラグメントを含み、任意選択で、表面抗原は、配列番号17~47のいずれか1個または複数の配列またはその抗原フラグメントを含み、該方法は、配列番号1~16のいずれか1つで示される配列を含む組換えポリペプチドを含む有効量の複合体を、対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象のRSVの表面抗原に対する免疫応答を生成する方法であって、表面抗原は、Fタンパク質またはその抗原フラグメントを含み、該方法は、配列番号1~16からなる群より選択される配列を含む組換えポリペプチドを含む複合体、またはその複合体の任意の2種以上の組み合わせの有効量を対象に投与することを含む。
開示免疫原(例えば、本明細書で記載の組換えRSV F抗原、例えば、三量体、タンパク質、開示組換えRSV F抗原、開示組換えRSV F抗原を含むタンパク質ナノ粒子もしくはウィルス様粒子をコードする核酸分子(RNA分子など)またはベクター)は、対象の対応するRSV F抗原に対する免疫応答を誘導するために、対象に投与できる。特定の例では、対象はヒトである。免疫応答は、防御免疫応答、例えば、その後の対応するRSVの感染を抑制する応答であり得る。免疫応答の誘発はまた、感染症および対応するRSVに関連する疾病を治療または抑制するために使用できる。
RSVに感染している、または、例えば、RSVへの曝露または曝露の可能性の理由で、感染症を発生するリスクがある対象は、治療のために選択できる。開示免疫原の投与後に、対象は、感染症またはRSVに関連する症状、または両方のために監視され得る。
本開示の治療薬および方法による治療を目的とする典型的な対象には、ヒト、ならびに非ヒト霊長類および他の動物が含まれる。本開示の方法による予防または治療のための対象を特定するために、認められているスクリーニング方法を用いて標的とするまたは疑わしい疾患または状態に関連するリスク因子が決定され、または対象の既存の疾患または状態の現況が特定される。これらのスクリーニング方法としては、例えば、環境上、家族性、職業上の、および他の標的とするまたは疑わしい疾患または状態に関連し得るリスク因子を特定するための通常の精密検査、ならびに、RSV感染症を検出および/または特徴付けるための種々のELISAおよび他のイムノアッセイ法などの診断法が挙げられる。これらおよび他の定型的方法は、臨床医が本開示の方法および医薬組成物を使用して治療が必要な患者を選択することを可能にする。これらの方法および原則に従って、組成物は、本明細書の教示、または他の従来の方法により、独立した予防または治療プログラムとして、または他の治療に対する追跡調査、補助剤または協調的治療法として投与できる。
開示免疫原、例えば、RSV F抗原、例えば、三量体、タンパク質の投与は、予防または治療目的のためであり得る。予防的に投与される場合、開示治療薬は、いずれかの症状の前に、例えば、感染の前に、投与される。開示治療薬の予防的投与は、続いて発生するいずれかの感染症を防ぐ、または改善する役割をする。治療的に投与される場合、開示治療薬は、疾患または感染症の症状の発生時に、または発生後に、例えば、RSV F抗原に対応するRSVの感染の症状の発生後に、またはRSV感染症の診断後に、投与される。治療薬は、従って、予測される感染症および/または関連疾患症状の重症度、期間または程度を減ずるように予測されるRSVに対する曝露の前に、ウィルスに対する曝露もしくはウィルスへの疑われる曝露の後に、または感染症の実際の開始の後に、投与できる。
本明細書で記載の免疫原、およびその免疫原性組成物は、対象、好ましくはヒトのRSV F抗原に対する免疫応答を誘導するまたは高めるための有効量で対象に投与される。開示免疫原の実際の投与量は、適応疾患および対象の特定の状態(例えば、対象の年齢、サイズ、適応度、症状の程度、感受性因子、など)、投与時間および経路、同時に投与されている他の薬物または治療、ならびに所望の活性または対象の生物学的応答を誘発する組成物の特異的薬理学などの因子に従って変化するであろう。投与計画を調節して最適な予防または治療応答を得ることができる。
1種または複数の開示免疫原を含む医薬組成物は、協調的(またはプライムブースト)ワクチン接種プロトコルまたは組み合わせ製剤に使用できる。特定の実施形態では、新規組み合わせ免疫原性組成物および協調的免疫化プロトコルは、それぞれ、RSV F抗原に対する免疫応答などの抗ウィルス免疫応答の誘発に対する別々の免疫原または製剤を用いる。抗ウィルス免疫応答を誘発する別々の免疫原性組成物は、単一の免疫化ステップで対象に投与される多価の免疫原性組成物に混合できる、またはそれらは、協調的(またはプライムブースト)免疫化プロトコルで別々に(一価免疫原性組成物で)投与できる。
いくつかのブーストであってよく、各ブーストは、異なる開示免疫原であってよい。いくつかの例では、ブーストは、別のブースト、または初回刺激と同じ免疫原であり得る。初回刺激およびブーストは、単回投与または複数回投与として投与でき、例えば、2回投与、3回投与、4回投与、5回投与、6回投与またはそれを越える投与により、数日間、数週間、または数ヶ月にわたり投与できる。1回~5回(例えば、1、2、3、4または5回のブースト)、またはそれを超える、複数回ブーストも、投与できる。異なる投与量を一連の逐次免疫化で使用できる。例えば、一次免疫で比較的大きな投与量の後に、比較的より小さい投与量でブーストを投与できる。
いくつかの実施形態では、ブーストは、初回刺激後、約2、約3~8週間、または約4週間、または初回刺激後、約数ヶ月間投与できる。いくつかの実施形態では、ブーストは、初回刺激後、または初回刺激後のおおよその時間で、約5、約6、約7、約8、約10、約12、約18、約24か月間、投与できる。周期的な追加のブーストも、適切な時点で使用して、対象の「免疫記憶」を強化できる。選択されたワクチン接種パラメーター、例えば、製剤、投与量、療法、などの妥当性は、対象から一定分量の血清を採取し、免疫化プログラムの過程中の抗体価をアッセイすることにより判定できる。加えて、対象の臨床状態の所望の効果、例えば、感染症の予防、または病状の改善(例えば、ウィルス量の低減)を監視できる。このような監視が、ワクチン接種が準最適であること示す場合には、対象を免疫原性組成物の追加の投与でブーストでき、ワクチン接種パラメーターを、免疫応答を増強することが予測される方式に変更できる。
いくつかの実施形態では、プライムブースト法は、対象に対するDNAプライマーおよびタンパク質ブーストワクチン接種プロトコルを含み得る。方法は、核酸分子またはタンパク質の2回以上の投与を含み得る。
タンパク質治療薬の場合は、典型的には、各ヒト用量は、1~1000μgのタンパク質、例えば、約1μg~約100μg、例えば、約1μg~約50μg、例えば、約1μg、約2μg、約5μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約40μg、または約50μgのタンパク質を含む。
免疫原性組成物で利用される量は、対象集団(例えば、乳幼児または高齢者)に基づいて選択される。特定の組成物のための最適量は、対象における抗体価および他の応答の観察を含む標準的試験により確認できる。免疫原性組成物中の開示組換えRSV F抗原、例えば、三量体、タンパク質、ウィルスベクター、または核酸分子などの治療有効量の開示免疫原は、単一用量の投与により免疫応答を誘発するのに無効力であるが、例えば、プライムブースト投与プロトコルでの複数の投与量の投与時には効果的である量を含めることができることは理解される。
本開示の開示免疫原の投与時には、対象の免疫系は通常、免疫原中に含まれているRSV Fタンパク質ペプチドに特異的な抗体を産生することにより免疫原性組成物に応答する。このような応答は、免疫学的に有効量が対象に送達されたことを意味する。
いくつかの実施形態では、対象の抗体応答は、有効投与量/免疫化プロトコルを評価する中で決定される。大抵の場合、それは、対象から得られた血清または血漿中の抗体価を評価することで十分である。ブースター接種を投与するか、および/または個体に投与される治療薬の量を変更するかどうかに関する決定は、少なくとも部分的に抗体価レベルに基づいてなされ得る。抗体価レベルは、例えば、組換えRSV F抗原、例えば、三量体、タンパク質を含む抗原に結合する、血清中の抗体の濃度を測定する免疫結合アッセイを基準にすることができる。
RSV感染症は、方法が有効であるために、完全に除去または低減または予防される必要はない。例えば、1種または複数の開示免疫原によるRSVに対する免疫応答の誘発は、RSVの感染を、所望の量だけ、例えば、免疫原の非存在でのRSVの感染に比べて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、あるいは少なくとも100%(検出可能な感染細胞の除去または阻止)だけ低減または抑制できる。追加の例では、RSV複製は、開示方法により低減または抑制できる。RSV複製は、方法が有効であるために、完全に除去される必要はない。例えば、1種または複数の開示免疫原を用い手誘発された免疫応答は、対応するRSVの複製を、所望の量だけ、例えば、免疫原の非存在でのRSVの複製に比べて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、あるいは少なくとも100%(RSVの検出可能な複製の除去または阻止)だけ低減できる。
いくつかの実施形態では、開示免疫原は、対象に、アジュバントの投与と同時に投与される。他の実施形態では、開示免疫原は、アジュバントの投与後、対象に対し、免疫応答が誘導されるのに十分な時間以内に投与される。
核酸を投与する1つの手法は、哺乳動物発現プラスミドを用いるなどのプラスミドDNAを用いた直接免疫化である。核酸構築物による免疫化は、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,643,578号(これは、所望の抗原をコードするDNAを導入することにより、脊椎動物を免疫化す方法を記載している)、および米国特許第5,593,972号および同第5,817,637号(これは、抗原をコードする核酸配列を操作可能なように発現を可能にする調節配列に連結することを記載する)で教示されている。米国特許第5,880,103号は、免疫原性ペプチドまたは他の抗原をコードする核酸の生物へのいくつかの送達方法を記載している。方法は、核酸(または合成ペプチドそれ自体)、および免疫刺激構築物、またはISCOMS(登録商標)、コレステロールおよびQuil A(登録商標)の混合により自然に形成される30~40nmのサイズの負に帯電しているケージ様構造体のリポソーム送達を含む。防御免疫は、ISCOMS(登録商標)を抗原の送達担体として用いてトキソプラズマ症およびエプスタイン・バールウィルス誘導腫瘍を含む種々の感染症実験モデルで生成されている(Mowat and Donachie,Immunol.Today 12:383,1991)。ISCOMS(登録商標)中にカプセル化された、ただの1μgの少ない抗原の投与量で、クラスI媒介CTL応答を生成したことがわかった(Takahashi et al.,Nature 344:873,1990)。
いくつかの実施形態では、プラスミドDNAワクチンを使って、対象中で開示免疫原が発現される。例えば、開示免疫原をコードする核酸分子は、RSV F抗原に対する免疫応答を誘導するために、対象に投与できる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、DNA免疫化のために、pVRC8400ベクターなどのプラスミドベクターに組み込むことができる(Barouch et al.,J.Virol,79,8828-8834,2005に記載されている。この文献は参照により本明細書に組み込まれる)。
免疫化のための核酸の使用に関する別の手法では、開示組換えRSV F抗原、例えば、三量体、タンパク質は、弱毒化ウィルス宿主またはベクターまたは細菌ベクターにより発現され得る。組換えワクシニアウィルス、アデノ随伴ウィルス(AAV)、ヘルペスウィルス、レトロウィルス、サイトメガロ(cytomegalo)ウィルスまたは他のウィルスベクターを用いて、ペプチドまたはタンパク質を発現し、それにより、CTL応答を誘発できる。例えば、免疫化プロトコルに有用なワクシニアベクターおよび方法は、米国特許第4,722,848号に記載されている。BCG(カルメット・ゲラン菌)は、ペプチドの発現のための別のベクターを提供する(Stover,Nature 351:456-460,1991参照)。
一実施形態では、開示組換えRSV F抗原をコードする核酸は、細胞に直接導入される。例えば、核酸は、標準的な方法により金マイクロスフェア上に担持され、Bio-RadのHELIOS(登録商標)遺伝子銃などの装置により皮膚中に導入され得る。核酸は、強力なプロモーターの制御下で、プラスミドからなる「裸」であってよい。典型的には、DNAは、筋肉中に注入されるが、それは、他の部位に直接的に注入することも可能である。注入のための投与量は通常、約0.5μg/kg~約50mg/kg、典型的には、約0.005mg/kg~約5mg/kgである(例えば、米国特許第5,589,466号を参照)。
例えば、核酸は、標準的な方法により金マイクロスフェア上に担持され、Bio-RadのHELIOS(登録商標)遺伝子銃などの装置により皮膚中に導入され得る。核酸は、強力なプロモーターの制御下で、プラスミドからなる「裸」であってよい。典型的には、DNAは、筋肉中に注入されるが、それは、他の部位に直接的に注入することも可能である。注入のための投与量は通常、約0.5μg/kg~約50mg/kg、典型的には、約0.005mg/kg~約5mg/kgである(例えば、米国特許第5,589,466号を参照)。
別の実施形態では、mRNAベース免疫化プロトコルを用いて、開示組換えRSV F抗原をコードする核酸を、細胞に直接送達できる。いくつかの実施形態では、mRNAに基づく核酸ベースワクチンは、以前言及した手法の強力な代替法を提供し得る。mRNAワクチンは、宿主ゲノム中へのDNA組み込みに関する安全性の懸念を排除し、宿主細胞質中に直接移動させる。さらに、RNAの単純な無細胞インビトロ合成は、ウィルスベクターに関連する製造の複雑さを回避する。開示組換えRSV F抗原をコードする核酸を送達するために使用できるRNAベースワクチン接種の2つの例示的形態には、従来の非増幅mRNA免疫化(例えば、Petsch et al.,“Protective efficacy of in vitro synthesized,specific mRNA vaccines against influenza A virus infection,” Nature biotechnology,30(12):1210-6,2012を参照)および自己増幅mRNA免疫化(例えば、Geall et al.,“Nonviral delivery of self-amplifying RNA vaccines,” PNAS,109(36):14604-14609,2012;Magini et al.,“Self-Amplifying mRNA Vaccines Expressing Multiple Conserved Influenza Antigens Confer Protection against Homologous and Heterosubtypic Viral Challenge,” PLoS One,11(8):e0161193,2016;およびBrito et al.,“Self-amplifying mRNA vaccines,” Adv Genet.,89:179-233,2015を参照)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、治療有効量の1種または複数の開示免疫原の対象への投与は、対象において、中和免疫応答を誘導する。中和活性を評価するために、対象の免疫化後に、適切な時点で対象から血清を収集し、中和試験のために凍結、貯蔵できる。中和活性のアッセイ方法は、当業者に既知であり、また、本明細書でさらに記載され、限定されないが、プラーク減少中和(PRNT)アッセイ、マイクロ中和アッセイ、フローサイトメトリーベースアッセイ、単一サイクル感染症アッセイが挙げられる。いくつかの実施形態では、血清中和活性は、RSV偽ウィルスのパネルを用いてアッセイできる。
いくつかの実施形態では、治療有効量の1種または複数の開示免疫原の対象への投与は、対象において、中和免疫応答を誘導する。中和活性を評価するために、対象の免疫化後に、適切な時点で対象から血清を収集し、中和試験のために凍結、貯蔵できる。中和活性のアッセイ方法は、当業者に既知であり、また、本明細書でさらに記載され、限定されないが、プラーク減少中和(PRNT)アッセイ、マイクロ中和アッセイ、フローサイトメトリーベースアッセイ、単一サイクル感染症アッセイが挙げられる。いくつかの実施形態では、血清中和活性は、RSV偽ウィルスのパネルを用いてアッセイできる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示の免疫原による中和免疫応答は、RSVに対する中和抗体を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書の中和抗体は、RSVもしくはその成分の細胞受容体または共受容体に結合する。ヌクレオリンは、RSVに対するエントリー共受容体であり、また、インフルエンザ、パラインフルエンザウィルス、いくつかのエンテロウィルスおよび野兎病を引き起こす細菌の細胞内移行を媒介する。融合前RSV-F糖タンパク質のインスリン様成長因子1受容体(IGF1R)との結合はまた、プロテインキナーゼCゼータ(PKCζ)の活性化を引き起こし、細胞の核から細胞膜にヌクレオリンを局在化させて、ビリオン上のRSV-Fと結合させ得る。いくつかの実施形態では、ウィルス受容体または共受容体は、パラミクソウィルス受容体または共受容体、好ましくは肺炎ウィルス受容体または共受容体、より好ましくはヒトRSV受容体または共受容体である。例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5および/またはCCR8受容体は、ヒトRSV感染に関与し得る。RhoAは、宿主細胞RSV受容体または共受容体の別の例である。いくつかの実施形態では、本明細書の中和抗体は、インビトロ、インサイツおよび/またはインビボで、RSV放出、RSV受容体シグナル伝達、膜RSV切断、RSV活性、RSV作製および/または合成などの、少なくとも1つのRSV活性もしくは結合、またはRSV受容体活性もしくは結合を、調節、低減、アンタゴナイズ、軽減、遮断、抑制、抑止、および/または妨害する。いくつかの実施形態では、本明細書の開示免疫原は、ヌクレオリン、IGF1R、CCR1,CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR8および/またはRhoAなどのRSV受容体または共受容体に対するRSV結合を調節、低減、アンタゴナイズ、軽減、遮断、抑制、抑止、および/または妨害する、RSVに対する中和抗体を誘導する。
V.製品またはキット
また、提供されるのは、提供された組換えポリペプチド、タンパク質、および免疫原性組成物を含む製品またはキットである。製品は、容器および容器上のまたは容器に添付されたラベルまたは添付文書を含み得る。好適な容器には、例えば、瓶、バイアル、シリンジ、試験管、IV溶液バッグなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、容器は、無菌アクセスポートを有する。例示的容器には、注射用の針により貫通可能なストッパーを備えたものを含む、静脈注射溶液バッグ、バイアルが挙げられる。製品またはキットは、組成物が本明細書で記載の状態(例えば、RSV感染症)などの特定の状態を治療するために使用できることを示す添付文書をさらに含み得る。代わりにまたは追加して、製品またはキットは、薬学的に許容可能な緩衝液を含む別のまたは同じ容器をさらに含み得る。他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、および/またはシリンジなどの他の資材をさらに含み得る。
ラベルまたは添付文書は、組成物が個体のRSV感染症を治療するために使用されることを示し得る。容器上の、または容器に添付されたラベルまたは添付文書は、製剤の再構成および/または使用方法を示し得る。ラベルまたは添付文書は、製剤が、個体のRSV感染症を治療するために、皮下、静脈内、または他の投与方法に有用である、またはそれらの投与方法を対象としていることをさらに示し得る。
いくつかの実施形態では、容器は、単独の、または状態の治療、予防および/または診断に効果的な別の組成物と組み合わせた組成物を保持する。製品またはキットは、(a)免疫原性組成物またはタンパク質またはその組換えポリペプチド組成物(すなわち、第1の薬物)をその中に含有する第1の容器;および(b)アジュバントあるいは、治療薬などのさらなる薬剤を含む組成物(すなわち、第2の薬物)をその中に含有する第2の容器を含み得、製品またはキットは、ラベルまたは添付文書上に、有効量の第2の薬物で対象を治療するための説明書をさらに含む。
用語法
特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術、表記法および他の技術的および科学用語または用語法は、請求主題が属する当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有することが意図されている。場合によっては、一般に理解されている意味を有する用語が、明確にするためにおよび/またはすぐに参照できるように、本明細書で定義され、このような本明細書での定義の包含は、当該技術分野において一般に理解されているものに対して必ずしも実質的差異を表すと解釈されるべきではない。
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書では同じ意味で用いられ、アミノ酸残基のポリマーを意味し、最小長に限定されない。提供される受容体および他のポリペプチド、例えば、リンカーまたはペプチドを含むポリペプチドは、天然および/または非天然アミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含み得る。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアル化、アセチル化、およびリン酸化も含む。いくつかの態様では、ポリペプチドは、タンパク質が所望の活性を維持する限りにおいて、未処置のまたは天然配列に対する修飾を含み得る。これらの修飾は、部位特異的変異誘発によるような故意であってもよく、またはPCR増幅に起因してタンパク質またはエラーを生成する宿主の変異によるなどの偶発的であってもよい。
本明細書で使用される場合、「対象」はヒトなどの哺乳動物または他の動物であり、通常はヒトである。いくつかの実施形態では、対象、例えば、薬剤、細胞、細胞集団、または組成物が投与される患者は、哺乳動物、通常はヒトなどの霊長類である。いくつかの実施形態では、霊長類は、サルまたは類人猿である。対象は、男性または女性であり、乳幼児、若年、成人、および老人対象を含む任意の好適な年齢であり得る。いくつかの実施形態では、対象は、げっ歯類などの非霊長類哺乳動物である。
本明細書で使用される場合、「治療(treatment)」(および「治療する(treat)」または「治療すること(treating)」などのその文法的変化)は、疾患もしくは状態もしくは障害、または症状、有害作用もしくは結果、またはそれに伴う表現型の完全なもしくは部分的な改善もしくは低減を意味する。治療の望ましい効果には、限定されないが、疾患の発生または再発の防止、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的病理学的結果の減少、転移の防止、疾患進行速度の低下、病状の改善または緩和、および寛解または予後の改善が含まれる。この用語は、疾患の完全な治癒を意味するものでも、または全ての症状または結果に対する、いずれかの症状または影響の完全な除去を意味するものでもない。
本明細書で使用される場合、「疾患の発症の遅延」は、疾患(癌などの)の発症を先に延ばす、妨害する、緩慢にする、減速させる、安定させる、抑制するおよび/または遅らせることを意味する。この遅延化は、治療される疾患および/または個別の病歴に応じて時間の長さを変えることができる。いくつかの実施形態では、十分なまたは有意な遅延は、個体が疾患を発症しないという点で、事実上、予防を包含する。例えば、転移発生などの後期段階の癌は、遅延化され得る。
本明細書で使用される場合、「防止(Preventing)」は、疾患に罹りやすいが未だ疾患と診断されていない対象における疾患の発生または再発に対する予防の提供を含む。いくつかの実施形態では、提供される細胞および組成物は、疾患の発症を遅らせる、または疾患の進行を遅らせるために使用される。
本明細書で使用される場合、機能または活性を「抑制する」は、目的の条件またはパラメーター以外は同じ条件である場合に比較して、あるいは別の条件に比較して、機能または活性を低減することである。例えば、腫瘍増殖を抑制する細胞は、その細胞の非存在下の腫瘍の成長速度に比べて、腫瘍の成長速度が低減する。
「有効量」の薬剤、例えば、医薬製剤、細胞、または組成物は、投与の状況において、治療または予防結果などの所望の結果を達成するための、必要な期間における、薬用量/量としての、効果的な量を意味する。
「治療有効量」の薬剤、例えば、医薬製剤、細胞は、投与の状況において、疾患、状態、または障害の治療、および/または治療の薬物動態学的または薬力学的効果に対する、所望の治療結果を達成するための、必要な期間における、薬用量としての、効果的な量を意味する。治療有効量は、投与される対象の疾患状態、年齢、性別および体重、ならびに投与される細胞の集団などの因子に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、提供される方法は、有効量、例えば、治療有効量での細胞および/または組成物の投与を含む。
「予防有効量」は、必要な服用量で、所望の予防結果を達成するのに必要な用量および時間で効果的な量を意味する。必ずというわけではないが、通常は、予防的投与は、疾患の前、または初期段階の対象で使用されるので、予防有効量は、治療有効量未満であろう。より低い腫瘍負荷量の場合には、いくつかの態様では、予防有効量は、治療有効量より高くなるであろう。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、当業者には容易に分かる、それぞれの値に対する通常の誤差範囲を意味する。本明細書において、値またはパラメーターに前置する「約」の言及は、その値またはパラメーターそれ自体に向けられる実施形態を含む(および記述する)。
本明細書中で使用される場合、単数形(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、「a」または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味する。
本開示を通して、請求された主題の種々の態様が、範囲形式で提示される。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、請求された主題の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきでないことを理解されたい。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なされなければならない。例えば、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限の間の介在値と、その指定範囲の任意の他の指定値または介在値との間の各介在値は、請求された主題に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値と下限値は、独立に、より小さい範囲に含まれてもよく、また、指定範囲内のいずれかの特別に除外される範囲の存在を条件として、請求された主題の範囲内に包含される。指定範囲がその制限の1つまたは両方を含む場合、それらの包含される制限値のいずれかまたは両方を除外する範囲も請求された主題に含まれる。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
本明細書で使用される場合、組成物は、2種以上の製品、物質、または化合物の任意の混合物を意味し、細胞を含む。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性溶液、非水性溶液またはこれらの任意の組み合わせであり得る。
本明細書で使用される場合、用語「ベクター」はそれが結合されている別の核酸を増殖することが可能である核酸分子を意味する。この用語は、自己複製する核酸構造体としてのベクターならびにそのベクターが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。特定のベクターは、それらが動作可能に連結された核酸の発現を指示することが可能である。このようなベクターは、本明細書では、「発現ベクター」と呼ばれる。
例示的実施形態
実施形態1.複数の組換えポリペプチドを含み、各組換えポリペプチドがコラーゲンのC末端プロペプチドに結合した呼吸器多核体ウィルス(RSV)Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープを含み、組換えポリペプチドのC末端プロペプチドがポリペプチド間ジスルフィド結合を形成する、タンパク質。
実施形態2.RSVが、サブタイプAまたはサブタイプBである、実施形態1に記載のタンパク質。
実施形態3.エピトープが、線形エピトープまたは立体構造エピトープである、実施形態1または2に記載のタンパク質。
実施形態4.Fタンパク質ペプチドが、F1サブユニットペプチド、F2サブユニットペプチド、またはこれらの任意の組み合わせを含み、タンパク質が、3個の組換えポリペプチドを含む、実施形態1~3のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態5.Fタンパク質ペプチドが、シグナルペプチド、7アミノ酸繰り返しC(HRC)ペプチド、pep27ペプチド、融合ペプチド(FP)、7アミノ酸繰り返しA(HRA)ペプチド、ドメインIペプチド、ドメインIIペプチド、または7アミノ酸繰り返しB(HRB)ペプチド、またはこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1~4のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態6.Fタンパク質ペプチドが、Fタンパク質のF1サブユニットを含むが、F2サブユニットを含まない、またはその逆の場合もある、実施形態1~5のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態7.Fタンパク質ペプチドは、Fタンパク質のF1サブユニットおよびF2サブユニットを含み、任意選択で、pep27を欠き、ならびに任意選択で、F1サブユニットおよびF2サブユニットが、ジスルフィド結合または人為的に導入されたリンカーにより連結される、実施形態1~6のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態8.Fタンパク質ペプチドが、膜貫通(TM)ドメインペプチドおよび/または細胞質(CP)ドメインペプチドを含まない、実施形態1~7のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態9.Fタンパク質ペプチドが、プロテアーゼ切断部位を含み、プロテアーゼが任意選択でフューリン、トリプシン、第Xa因子、またはカテプシンLである、実施形態1~8のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態10.Fタンパク質ペプチドが、プロテアーゼ切断部位を含まず、プロテアーゼが任意選択でフューリン、トリプシン、第Xa因子、またはカテプシンLである、実施形態1~8のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態11.Fタンパク質ペプチドが、可溶性であるか、または脂質二重層、例えば、膜またはウィルスエンベロープに直接結合しない、実施形態1~10のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態12.Fタンパク質ペプチドが、タンパク質の組換えポリペプチド間で同じまたは異なる、実施形態1~11のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態13.Fタンパク質ペプチドが、C末端プロペプチドに直接融合されるか、またはグリシン-X-Yリピートを含むリンカーなどのリンカーを介してC末端プロペプチドに結合され、XおよびYが、独立に任意のアミノ酸、任意選択で、プロリンまたはヒドロキシプロリンである、実施形態1~12のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態14.可溶性であるか、または脂質二重層、例えば、膜またはウィルスエンベロープに直接結合しない、実施形態1~13のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態15.タンパク質が、Fタンパク質ペプチド三量体を含むロゼット様オリゴマーを形成できる、実施形態1~14のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態16.タンパク質が、対象の細胞表面接着因子または受容体に結合でき、適宜、対象が、霊長類、例えば、ヒトなどの哺乳動物である、実施形態1~15のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態17.C末端プロペプチドがヒトコラーゲンである、実施形態1~16のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態18.C末端プロペプチドが、proα1(I)、proα1(II)、proα1(III)、proα1(V)、proα1(XI)、proα2(I)、proα2(V)、proα2(XI)、またはproα3(XI)のC末端ポリペプチド、またはそのフラグメントを含む、実施形態1~17のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態19.C末端プロペプチドが、組換えポリペプチド間で同じまたは異なる、実施形態1~18のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態20.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号48またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態21.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号49またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態22.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号50またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態23.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号51またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態24.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号52またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態25.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号53またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態26.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号54またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態27.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号55~59のいずれかまたはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態28.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号60またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態29.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号61~63のいずれかまたはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態30.C末端プロペプチドが、ポリペプチド間ジスルフィド結合を形成して組換えポリペプチドを三量体化できる、配列番号48~63のいずれか、またはそれと少なくとも90%同一のアミノ酸配列のN末端に結合されたグリシン-X-Yリピートを含むアミノ酸配列を含み、式中XおよびYは、独立に任意のアミノ酸、任意選択で、プロリンまたはヒドロキシプロリンである、実施形態1~29のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態31.いくつかの実施形態では、各組換えポリペプチド中のFタンパク質ペプチドが、融合前立体構造または融合後立体構造であり、任意選択で、タンパク質が、松葉杖形状ロッド(crutch-shaped rod)としてFタンパク質ペプチド三量体を含むロゼット様オリゴマーを含む、実施形態1~30のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態32.各組換えポリペプチド中のFタンパク質ペプチドが、配列番号17~47のいずれか、またはそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~31のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態33.組換えポリペプチドが、配列番号1~16のいずれか、またはそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、実施形態1~31のいずれかに記載のタンパク質。
実施形態34.実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質を含む免疫原。
実施形態35.直接的にまたは間接的にナノ粒子に結合した実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質を含むタンパク質ナノ粒子。
実施形態36.実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質を含むウィルス様粒子(VLP)。
実施形態37.実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質の1、2、3個またはそれ以上の組換えポリペプチドをコードする単離核酸。
実施形態38.Fタンパク質ペプチドをコードするポリペプチドが、コラーゲンのC末端プロペプチドをコードするポリペプチドにインフレームで融合される、実施形態37に記載の単離核酸。
実施形態39.プロモーターに動作可能に連結されている、実施形態37または38に記載の単離核酸。
実施形態40.DNA分子である、実施形態37~39のいずれかに記載の単離核酸。
実施形態41.RNA分子、任意選択で、ヌクレオシド修飾mRNA、非増幅mRNA、自己増幅mRNA、またはトランス増幅mRNAなどのmRNA分子である、実施形態37~39のいずれかに記載の単離核酸。
実施形態42.実施形態37~41のいずれかに記載の単離核酸を含むベクター。
実施形態43.ウィルスベクターである、実施形態42に記載のベクター。
実施形態44.実施形態42または43に記載のベクターを含み、任意選択で、ウィルスまたは細胞が組換えゲノムを有する、ウィルス、偽ウィルス、または細胞。
実施形態45.実施形態1~44のいずれか1つに記載の、タンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、または細胞、および薬学的に許容可能な担体を含む、免疫原性組成物。
実施形態46.実施形態45に記載の免疫原性組成物および任意選択で、アジュバントを含み、任意選択で、サブユニットワクチンであり、任意選択で、予防および/または治療ワクチンである、ワクチン。
実施形態47.ワクチンが複数の異なるアジュバントを含む、実施形態46に記載のワクチン。
実施形態48.実施形態37~43のいずれか1つに記載の単離核酸またはベクターを宿主細胞中で発現させて、宿主細胞中で実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質を産生すること;およびそのタンパク質を精製することを含む、タンパク質を製造する方法。
実施形態49.実施形態48に記載の方法により製造されたタンパク質。
実施形態50.対象中でRSVのFタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに対する免疫応答を生成する方法であって、実施形態1~47および49のいずれか1つに記載の有効量のタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンを対象に投与し、免疫応答を生成させることを含む、方法。
実施形態51.RSVによる感染症を治療または予防するための、実施形態50に記載の方法。
実施形態52.免疫応答の生成が、対象中のRSVの複製を阻害または低減する、実施形態50または51に記載の方法。
実施形態53.免疫応答が、細胞媒介応答および/または体液性応答を含み、任意選択で、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体などの1種または複数の中和抗体の産生を含む、実施形態50~52のいずれかに記載の方法。
実施形態54.免疫応答が、RSVのFタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープに対するものであるが、C末端プロペプチドに対するものではない、実施形態50~53のいずれかに記載の方法。
実施形態55.投与が、1回または複数回のRSVへの事前暴露に起因する対象における抗体依存性感染増強(ADE)をもたらさない、実施形態50~54のいずれかに記載の方法。
実施形態56.投与が、引き続いて行われる1回または複数回のRSVへの暴露時に、対象における抗体依存性感染増強(ADE)をもたらさない、実施形態50~55のいずれかに記載の方法。
実施形態57.プライミングステップおよび/または追加免疫ステップをさらに含む、実施形態50~56のいずれかに記載の方法。
実施形態58.投与ステップが、局所、経皮、皮下、皮内、経口、鼻腔内(例えば、鼻腔内噴霧)、気管内、舌下、頬側、直腸、腟、吸入、静脈内(例えば、静脈内注射)、動脈内、筋肉内(例えば、筋肉注射)、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜送達、硝子体内、網膜下、関節腔内、関節周囲、局部、または皮膚上投与を介して実施される、実施形態50~57のいずれかに記載の方法。
実施形態59.有効量が、単一用量または1つまたは複数の間隔により分離された一連の用量で投与される、実施形態50~58のいずれかに記載の方法。
実施形態60.有効量が、アジュバントなしで投与される、実施形態50~59のいずれかに記載の方法。
実施形態61.有効量が、アジュバントと共に投与される、実施形態50~59のいずれかに記載の方法。
実施形態62.実施形態1~33のいずれか1つに記載の有効量のタンパク質を対象に投与し、対象中でRSVに対する中和抗体または中和抗血清を生成することを含む、方法。
実施形態63.対象が哺乳動物、任意選択で、ヒトまたは非ヒト霊長類である、実施形態62に記載の方法。
実施形態64.中和抗体または中和抗血清を対象から単離することをさらに含む、実施形態62または63に記載の方法。
実施形態65.有効量の単離中和抗体または中和抗血清を受動免疫を経由してヒト対象に投与して、RSVによる感染を防止または治療することをさらに含む、実施形態64に記載の方法。
実施形態66.RSVに対する中和抗体または中和抗血清が、RSV Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに対するポリクローナル抗体を含み、任意選択で、中和抗体または中和抗血清が、コラーゲンのC末端プロペプチドに対する抗体を不含であるか、または実質的に不含である、実施形態62~65のいずれかに記載の方法。
実施形態67.中和抗体が、RSV Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに対するモノクローナル抗体を含み、任意選択で、中和抗体は、コラーゲンのC末端プロペプチドに対する抗体を不含であるか、または実質的に不含である、実施形態62~65のいずれかに記載の方法。
実施形態68.本明細書で提供される対象のRSVに対する免疫応答の誘発に、および/またはRSVによる感染症の治療または予防に使用するための、実施形態1~47および49のいずれか1つに記載のタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチン。
実施形態69.対象のRSVに対する免疫応答の誘発のための、および/またはRSVによる感染症の治療または予防のための、実施形態1~47および49のいずれか1つに記載のタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンの使用。
実施形態70.対象のRSVに対する免疫応答の誘発のための、および/またはRSVによる感染症の治療または予防のための薬物または予防薬の製造のための、実施形態1~47および49のいずれか1つに記載のタンパク質、免疫原、タンパク質ナノ粒子、VLP、単離核酸、ベクター、ウィルス、偽ウィルス、細胞、免疫原性組成物、またはワクチンの使用。
実施形態71.試料を、実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質と接触させること、およびそのタンパク質と、RSVのFタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープに特異的結合できる分析物との間の結合を検出すること、を含む試料の分析方法。
実施形態72.分析物が、Fタンパク質ペプチドまたはそのフラグメントまたはエピトープを認識する抗体、受容体、または細胞である、実施形態71に記載の方法。
実施形態73.結合が、試料中の分析物の存在、および/または試料が由来する対象のRSV感染を示す、実施形態71または72に記載の方法。
実施形態74.実施形態1~33のいずれかに記載のタンパク質、およびタンパク質を含むか、または固定化する基材、パッドまたはバイアルを含み、任意選択で、ELISAまたはラテラルフローアッセイキットである、キット。
下記実施例は、例示的目的のみのために収載するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1:RSV Fタンパク質ペプチドを含む組換えポリペプチドの生成
RSV Fタンパク質ペプチドを候補ワクチンとして含む分泌型の組換えポリペプチドを生成した。
RSV F糖タンパク質構築物をRSV A2株(受入番号AAC55970)から得た。Fタンパク質ペプチドの残基1~520をコードする配列をコドン最適化し、合成して、Hind IIIおよびBgl II部位で、α1コラーゲンのヒトC-プロペプチドをコードした哺乳動物発現ベクターにサブクローニングした。図1Aは、例示的組換えポリペプチドの略図を示す。
組換えプラスミドをGH-CHO(dfhr-)細胞に遺伝子導入し、ヒポキサンチン チミン(HT)なしで選択し(Invitrogen)、無血清培養下での融合タンパク質の高い力価発現のために、CD007-4 TM1培地(Jianshun Biosciences)を使用して、漸増濃度のMTX(Sigma)で段階的に遺伝子増幅した。例示的組換えポリペプチドは最初に、塩勾配溶出を用いてEndo180に対する親和性結合を介して精製し、スーパーデックス200ゲル濾過カラム(GE Healthcare)でさらに精製した。RSV Fペプチドを含む例示的組換えポリペプチドの純度は、製造業者の説明書(Sepax Technologies)に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)により測定した。
ジスルフィド結合連結融合ペプチド(例えば、三量体)の製品力価は、無血清流加培養法で、最大約0.15g/Lであることが明らかになった(図1B)。三量体化組換えポリペプチドを含む培養上清は、最初に、Fc標識コラーゲン受容体uPARAP/Endo180(マンノース受容体ファミリーのメンバー)への親和性結合を介して精製した(Thomas et al.,(2005)J.Biol.Chem.280,22596-22605))。これは、プロテインAクロマトグラフィーカラムにより予備捕捉し、続けて、ゲル濾過クロマトグラフィーを行った。SEC-HPLC分析は、例示的組換えポリペプチド三量体の純度が約95%であることを示した(図1C)。
精製された例示的三量体化組換えポリペプチド(0.1μg)を非還元または還元条件下で8%SDS-PAGEで分離し、PVDF膜に転写した。PBS中の5%無脂肪乳でブロック後、膜をマウス抗RSV Fモノクローナル抗体(Millipore)またはパリビズマブ(AbbVie)およびI型プロコラーゲン(CICP)ポリクローナル抗体(Millipore)のウサギ抗C-プロペプチドと共に、インキュベートした。2μgの精製された例示的組換えポリペプチド三量体をクーマシーブルー染色に供した。図2Aは、融合体ペプチドが共有結合連結三量体タンパク質として発現されることを示す。
この精製組換えポリペプチドの構造的特徴および健全性をFおよび三量体化ペプチドに特異的な抗体を用いて、ウェスタンブロット分析によりさらに確認した(図2A)。
精製組換えポリペプチド三量体をネガティブ染色電子顕微鏡観察により分析した。精製組換えポリペプチドを50ug/mLに希釈し、12mAで20秒間グロー放電させた炭素コート400 CUメッシュグリッドに5秒間適用した。グリッドを1%(w/v)のギ酸ウラニルで20秒間、ネガティブ染色した。試料を、120KeVで稼働するFEI Tecnai spirit電子顕微鏡により収集し、顕微鏡写真を180,000x倍率で取得した。図2Bは、タンパク質中で凝集した組換えポリペプチド三量体を示し、マクロ構造は、主にロゼット様オリゴマーの形態であり、これは、完全長Fタンパク質で行われた観察に類似する(Calder et al.,(2000)Virology 271,122-131;Smith et al.,(2012)PloS One 7,e50852)。ロゼット中の分子は、松葉杖形状ロッドであり、中心から離れるように突出するそれらのより広がった端部を有し、これは、報告されたFの融合後立体構造と一致した(Swanson et al.,(2011)Prot.Natl.Acad.Sci.U.S.A.108,9619-9624)。
モノクローナル抗体パリビズマブの例示的組換えポリペプチド三量体への親和性結合を、バイオレイヤー干渉法(BLI)を用いてfortebio OCTET QKe system(Pall)により測定した。5μg/mLのパリビズマブをプロテインAセンサーに直接固定した後、PBS中でバランスさせ、2倍希釈の融合ペプチドを含むウェル中に置いた(20μg/mLで開始)。PBS中に浸漬することにより解離を実施し、1:1結合モデルに対するData Analyzeソフトウェアを用いて、緩衝液基準を差し引くことにより、データを処理した。
パリビズマブの精製された例示的組換えポリペプチドの結合親和性は、1ピコモルより小さいKを示し(図2C)、抗原部位IIが例示的融合ペプチド上に露出されていることを示す。
実施例2:RSV Fタンパク質ペプチドを含む組換えポリペプチドの機能キャラクタリゼーション
実施例1に記載のように精製された例示的組換えポリペプチドの免疫原性および保護の有効性を評価するために、ランダムに群化したBALB/cマウスを、1日目および21日目に、ミョウバン吸収(Imject alum adjuvant(Thermo Scientifc))の有無の場合の例示的融合ペプチドの3種の投与量(1、6および30μg)の内の1種で、筋肉内注射により2回免疫化した。PBSで免疫化した追加の群を対照として用いた。血清を49日目に採取した後、鼻腔内(i.n.)に、1x10pfu RSV A2株を投与した(図3A)。動物を毎日観察し、54日目に肺組織採取のために安楽死させた。
血清を酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)で評価した。手短に説明すると、96ウェルプレートを2μg/mLの精製例示的融合ペプチド(PBS中の)を用いて4℃で一晩コートし、1mg/mLのBSAでブロックした。プレートをPBSTで洗浄し、その後、血清の系列2倍希釈(1:64から1:262,144)と共に室温で2時間インキュベートした。結合抗体をHRP標識ヤギ抗マウスIgG(SouthernBiotech)により室温で1時間検出した。酵素反応をTMB(Thermo)で発色させて、2MのHClの添加によって停止させ、450nmでの吸光度を記録した。PBS免疫マウスの血清を同じ希釈での陰性対照として使用し、抗体価を、2.0のRSV F三量体のODと、PBSのODとの比率を生じる血清希釈として定義した。
血清分析により、例示的組換えポリペプチドで免疫された全ての群が高レベルのRSV Fタンパク質ペプチド特異的抗体を有し、投与量およびアジュバント依存性を示すことが明らかになった(図3B)。抗F抗体の中和活性は、マイクロ中和試験アッセイにより測定された。
RSVマイクロ中和試験アッセイは、HeLa細胞およびRSV A2株を用いて実施された。血清を56℃で30分間加熱不活化し、96ウェル培養プレート(50μL/ウェル)中の無血清DMEM中で系列希釈した。等体積のウィルス(無血清DMEM中で調製された1,000pfu/mL)をプレートに添加し、血清/ウィルス混合物を37℃で1時間インキュベートした。100μLの10%FBS補充DMEM中の約5x10個のHeLa細胞をプレート中に加え、陽性対照(ウィルスのみ)ウェルが、100%CPEを示すまで、37℃でインキュベートした。プレートをPBSTで洗浄し、PBS中80%の予冷却アセトンで10分間固定した。100ng/mLのパリビズマブをウェルに加え、1mg/mLのBSAにより1時間ブロッキング後、室温で2時間インキュベートした3回洗浄後、HRP標識ヤギ抗ヒトIgG(SouthernBiotech)を加えて酵素反応を発色させ、450nmのODを記録した。CPE形成の50%阻害を生じる希釈を中和抗体価として特定した。
マイクロ中和試験アッセイは、例示的組換えポリペプチド誘導抗F抗体は、効力の高いRSV中和活性を有し、ミョウバンアジュバントの同時注入は、同じ投与量の例示的組換えポリペプチドより高い中和抗体価を誘発することを示した。これらの結果は、抗F抗体の結果と一致した(図3C)。
例示的組換えポリペプチドの保護有効性を、ウィルス投与後5日目の肺中のウィルス複製の測定により評価した。マウスを鼻腔内のRSV投与の5日後に屠殺し、採取した左肺を秤量し、1mLの無血清DMEM中でホモジナイズした。ホモジネートを1,000xg、4℃で10分間の遠心分離により清澄化し、前述の方法に従ってプラークアッセイにより肺試料中のウィルスの力価を測定した。
結果は、例示的組換えポリペプチド免疫されたマウスが、RSV複製から完全に保護され、ウィルスが検出できなかったが、一方、PBS免疫された対照群は、高レベルのウィルス量を呈することを示した(図3D)。
抗原部位IIは、例示的組換えポリペプチド上に露出されているので(実施例1および図2C参照)、パリビズマブ競合的ELISAを実施して、例示的組換えポリペプチドにより誘発された抗体がこの部位に対するものであるかどうかを判定した。
5x10pfu/mLの加熱不活性化RSV(50mM炭酸塩-重炭酸塩緩衝液、pH9.2中のHI-RSV)でコートした96ウェルELISAプレートを用いて、パリビズマブ競合ELISAを実施し、4℃で一晩インキュベートした。非コート表面を1mg/mLのBSAでブロッキングした。100ng/mLのパリビズマブを含む2倍希釈(1:32から1:4,096)の血清混合物をウェルに加え、室温で2時間インキュベートした。結合パリビズマブをHRP標識ヤギ抗ヒトIgG(SouthernBiotech)およびTMB基質を用いて検出した。免疫されたマウスの血清を含むウェルは、非競合陽性対照とし、阻害のパーセントを((PBSのOD-RSV F三量体のOD)/PBSのOD)x100%として計算した。競合的結合力価を、50%阻害を生じる希釈として表した。
加熱不活性化したRSV(HI-RSV)粒子へのパリビズマブ結合の阻害を、ミョウバンアジュバントの有無の場合のRSV F三量体で免疫したマウスから採取した全ての血清試料で観察した(図3E)。これらの結果は、例示的融合ペプチド免疫化により誘発された中和抗体は、少なくともウィルスの標的化抗原部位IIを介して投与されたマウスの肺中のRSV複製を効果的に防止し得ることを示した。
FI-RSVワクチン接種は、意外にも、疾患重症度を高めた(Kim et al.,(1969)Am.J,Epidemiol.89,422-434;Chin et al.,(1969)Am.J.Epidemiol.89,449-463)ので、安全性モニタリングは、RSV候補ワクチン開発で最優先事項である(Murata,Y.(2009)Clin.Lab.Med.29,725-739)。抗原投与の5日後に免疫されたマウスから得た肺組織の組織学的検査を実施して、例示的組換えポリペプチドの安全性を評価した。
病理組織学的評価のために、採取した肺組織を10%の中性緩衝ホルマリン中で固定し、パラフィン包埋し、5μmの切片を作製し、H&Eで染色した。Nikon顕微鏡下で、200x倍率で写真を取得した。
H&E染色により、PBS免疫された対照群はある程度の肺胞炎、細気管支周囲炎および血管周囲炎を示し、顕著な炎症細胞浸潤が付随して起こることが明らかになった(図4)。対照的に、ミョウバンアジュバントの有り無しにかかわらず、例示的組換えポリペプチド免疫された動物のいずれの投与量でも、限定的な免疫細胞浸潤が起こり、明らかな病理学的変化が生じなかった(図4)。この結果は、RSV感染症後のワクチン関連疾患増強現象から保護するための、例示的組換えポリペプチド免疫化を指示する。
本発明は、特定の開示実施形態に対する範囲に限定する意図はなく、これらは、例えば、本発明の種々の対象を例示するために提供されている。記載された組成物および方法に対する種々の変形は、本明細書の記述および教示から明らかになろう。このような変形は、本開示の真の範囲および趣旨から解離することなく実施し得、これらは、本開示の範囲内に入ることが意図されている。

Claims (34)

  1. 哺乳動物における呼吸器多核体ウィルス(RSV)による感染症を予防する方法であって、哺乳動物を、ジスルフィド結合連結三量体融合タンパク質を形成するために、コラーゲンのC末端部分へのインフレーム融合により結合された可溶性RSVウィルス表面抗原を含む組換えサブユニットワクチンの有効量で免疫化することを含む、方法。
  2. 前記RSVが、サブタイプAまたはサブタイプBである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記RSVウィルス表面抗原が、Fタンパク質またはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記RSVウィルス表面抗原が、F1ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記RSVウィルス表面抗原が、F2ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記RSVウィルス表面抗原が、F1ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープ、およびF2ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記RSVウィルス表面抗原が、変異体Fタンパク質またはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記RSVウィルス表面抗原が、変異体F1ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記RSVウィルス表面抗原が、変異体F2ペプチドまたはそのフラグメントもしくはエピトープを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記融合タンパク質が、配列番号1で示される配列を含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記融合タンパク質が、配列番号3で示される配列を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記融合タンパク質が、配列番号5で示される配列を含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記融合タンパク質が、配列番号7で示される配列を含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記融合タンパク質が、配列番号9で示される配列を含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記融合タンパク質が、配列番号11で示される配列を含む、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記融合タンパク質が、配列番号13で示される配列を含む、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記融合タンパク質が、配列番号15で示される配列を含む、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記融合タンパク質が、配列番号37で示される配列を含む、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記融合タンパク質が、配列番号40で示される配列を含む、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記融合タンパク質が、配列番号48~63のいずれかで示される第2の配列に結合された配列番号17~47のいずれかで示される第1の配列を含み、前記第1の配列のC末端が直接または間接的に前記第2の配列のN末端に結合される、請求項1~19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記組換えサブユニットワクチンが、筋肉注射を介して投与される、請求項1~20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記組換えサブユニットワクチンが、鼻内噴霧を介して投与される、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記組換えサブユニットワクチンが、数週間または数ヶ月間の間隔により分離された単一用量または一連の用量で投与される、請求項1~22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記組換えサブユニットワクチンが、アジュバントなしで投与される、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記組換えサブユニットワクチンが、アジュバントと共に投与される、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
  26. 前記組換えサブユニットワクチンが、2種以上のアジュバントと共に投与される、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
  27. 哺乳動物の血清由来の呼吸器多核体ウィルス(RSV)に対する抗体を検出する方法であって、ジスルフィド結合連結三量体融合タンパク質を形成するために、前記血清を、コラーゲンのC末端部分へのインフレーム融合により結合された可溶性RSV表面抗原と接触させるステップを含む、方法。
  28. 前記可溶性RSV表面抗原がFタンパク質またはペプチドである、請求項27に記載の方法。
  29. 呼吸器多核体ウィルス(RSV)由来の可溶性表面抗原を含み、ジスルフィド結合連結三量体融合タンパク質を形成するために、コラーゲンのC末端部分へのインフレーム融合により結合される、組換えサブユニットワクチンを使用する方法であって、哺乳動物を免疫化し、生成された中和抗体を精製すること、および前記RSVに感染した患者を、前記中和抗体を使用する受動免疫を介して治療すること、を含む、方法。
  30. 前記中和抗体がポリクローナル抗体を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記中和抗体がモノクローナル抗体である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記中和抗体が、Fタンパク質またはペプチドに対してモノクローナル抗体である、請求項29に記載の方法。
  33. 前記中和抗体が、F1ペプチドに対して、モノクローナル抗体である、請求項29に記載の方法。
  34. 前記中和抗体が、F2ペプチドに対して、モノクローナル抗体である、請求項29に記載の方法。
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