JP2023528471A - グラフト可能な殺生物性リンカーおよびポリマーならびにその使用 - Google Patents

グラフト可能な殺生物性リンカーおよびポリマーならびにその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2023528471A
JP2023528471A JP2022574440A JP2022574440A JP2023528471A JP 2023528471 A JP2023528471 A JP 2023528471A JP 2022574440 A JP2022574440 A JP 2022574440A JP 2022574440 A JP2022574440 A JP 2022574440A JP 2023528471 A JP2023528471 A JP 2023528471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
polymer
moiety
independently
optionally substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022574440A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021248098A5 (ja
Inventor
オスマン ブルサ,
Original Assignee
デボジー モレキュラー, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デボジー モレキュラー, インコーポレイテッド filed Critical デボジー モレキュラー, インコーポレイテッド
Publication of JP2023528471A publication Critical patent/JP2023528471A/ja
Publication of JPWO2021248098A5 publication Critical patent/JPWO2021248098A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01PBIOCIDAL, PEST REPELLANT, PEST ATTRACTANT OR PLANT GROWTH REGULATORY ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR PREPARATIONS
    • A01P1/00Disinfectants; Antimicrobial compounds or mixtures thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/08Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing solids as carriers or diluents
    • A01N25/10Macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/02Polyamines
    • C08G73/0206Polyalkylene(poly)amines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/02Polyamines
    • C08G73/0206Polyalkylene(poly)amines
    • C08G73/0213Preparatory process
    • C08G73/0226Quaternisation of polyalkylene(poly)amines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L79/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon only, not provided for in groups C08L61/00 - C08L77/00
    • C08L79/02Polyamines

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

即時グラフト可能なポリマーおよび化合物、これらにグラフトされた表面、ならびにこれらを作製する方法、ならびに細菌、真菌、原虫またはウイルスのうちの少なくとも1種の成長を制御するためにこれらを使用する方法が、開示されている。本出願は、一般にカテコールおよびダイポーダルシランリンカーなどの新規なグラフト可能なリンカー、ならびに殺生物特性および生体適合特性の両方を有するポリマー、それらの調製方法、ならびに表面の病原菌(例えば、細菌、ウイルスおよび真菌)のコロニー形成および増殖を予防および低減するための、表面におけるそのグラフト方法、ならびに表面に関する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、それらのすべての内容全体が参照により本明細書に組み込まれている、2020年6月5日出願の米国仮特許出願第63/035,635号、2020年6月5日出願の同第63/035,628号、2021年3月25日出願の同第63/166,113号、および2021年3月25日出願の同第63/166,118号への優先権を主張する。
分野
本出願は、一般にカテコールおよびダイポーダル(dipodal)シランリンカーなどの新規なグラフト可能なリンカー、ならびに殺生物特性および生体適合特性の両方を有するポリマー、それらの調製方法、ならびに表面の病原菌(例えば、細菌、ウイルスおよび真菌)のコロニー形成および増殖を予防および低減するための、表面におけるそのグラフト方法、ならびに表面に関する。
背景
殺生物ポリマーは、様々な健康および工業的用途における感染性病原体の拡散を封じ込めて制御する目的で、重要性が次第に高まっている。この目的のため、溶液形態で使用するため、およびコーティングにより物質に殺生物活性を組み込むための殺生物ポリマーが開発されてきた。
長期保管のため、殺生物特性および生体適合特性の両方を有する殺生物ポリマーの溶液を手にすることが高度に望ましいと思われる。したがって、急速な多量の網状組織化を防止する即時使用可能な殺生物製品を手にし、それによって保管期間を延長させることが賢明である。
要約
一態様では、本開示は、式(XVIIa)の少なくとも1つの部分を含むポリマーを提供する。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000001
を含み、
式(XVIIa)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIb)または式(XVIIe)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000002
を含み、
式(XVIIb)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10であり、
Figure 2023528471000003
式(XVIIe)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(III)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000004
をさらに含み、
式(III)中、
rは、整数3~20である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIc)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000005
を含み、
式(XVIIc)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
rは、整数3~11であり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000006
をさらに含み、
式(VII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIg)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000007
を含み、
式(XVIIg)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIh)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000008
をさらに含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIf)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000009
を含み、
式(XVIIf)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIId)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000010
を含む。
一態様では、本開示は、式(XXI)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000011
を含み、
式(XXI)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIa)または式(XXII)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000012
を含み、
式(XXIa)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10であり、
Figure 2023528471000013
式(XXII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIb)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000014
を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(III)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000015
を含み、
rは、整数3~20である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXId)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000016
を含み、
式(XXId)中、
rは、整数3~11である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000017
を含み、
式(XXII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000018
をさらに含み、
式(VII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIc)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000019
を含む。
一態様では、本発明は、式(II)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000020
を含むポリマーを含み、
式(XVIIf)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。
一態様では、本開示は、式(XVIIf)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000021
を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(III)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000022
を含み、
rは、整数3~20である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(IV)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000023
を含み、
式(IV)中、
rは、整数3~11である。
一態様では、本開示は、式(V)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000024
を含むポリマーを提供し、
式(V)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VI)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000025
を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)の部分:
Figure 2023528471000026
をさらに含み、
式(VII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VIII)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000027
をさらに含み、
式(VIII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーとしては、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)またはC~C22アルキンが挙げられる。
一態様では、本開示は、式(IXa)、式(IXb)または式(IXh)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000028
Figure 2023528471000029
を含むポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを提供し、
式(IXa)、式(IXb)および式(IXh)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、本PEIポリマーは、式(IXc)または(IXd)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000030
を含む。
一部の実施形態では、本PEIポリマーは、式(IXe)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
Figure 2023528471000031
を含み、
式(IXe)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルまたは式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000032
であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000033
であることを条件とする。
一態様では、本開示は、式(IXf)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
Figure 2023528471000034
を含むポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを含み、
式(IXf)中、
はそれぞれ、独立して、C10アルキルまたは
Figure 2023528471000035
であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000036
であることを条件とする。
一態様では、本開示は、式(IXg)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
Figure 2023528471000037
を含むポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを提供し、
式(IXg)中、
はそれぞれ、独立して、Cアルキルまたは
Figure 2023528471000038
であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000039
であることを条件とする。
一部の実施形態では、本PEIポリマーは、式(XIb)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
Figure 2023528471000040
を含み、
式(XIb)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルまたは式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000041
であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000042
であることを条件とする。
一態様では、本開示は、式(XIc)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
Figure 2023528471000043
を含むポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを提供し、
式(XIc)中、
はそれぞれ、独立して、Cアルキルまたは
Figure 2023528471000044
であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
ただし、少なくとも1つのRは、
Figure 2023528471000045
であることを条件とする。
一部の実施形態では、式(XIa)の各部分
Figure 2023528471000046
は、
Figure 2023528471000047
である。
一態様では、本開示は、式(XL)の化合物:
Figure 2023528471000048
を提供し、
式(XL)中、
Zは、単結合または連結基であり、
Bは、生体分子である。
一部の実施形態では、式(XL)の化合物は、
式(XLa)の化合物:
Figure 2023528471000049
であり、
式(XLa)中、
Zは、単結合または連結基であり、
Bは、生体分子である。
一部の実施形態では、生体分子は、タンパク質、酵素またはペプチドから選択され、必要に応じて、生体分子は、少なくとも1つのチオール基を含む。
一部の実施形態では、Zは、
Figure 2023528471000050
から選択され、Rは、
Figure 2023528471000051
Figure 2023528471000052
から選択され、整数1~5である。
一態様では、本開示は、本開示のポリマーまたは本開示の化合物がグラフトされている、表面を提供する。一部の実施形態では、表面は、チタンおよびチタン合金、鉄および鋼などの金属;金属酸化物;セラミック;ポリエチレン(生物医学インプラントにおいて使用するための低次および高次網目組織、事前プラズマ活性化後)、テフロン(登録商標)(事前プラズマ活性化後)、ポリエチレンテレフタレート(事前プラズマ活性化後)およびポリプロピレン(低密度および高密度、事前プラズマ活性化後)、シリコーン、ゴム、ラテックス、プラスチック、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフタレートおよびポリファゼンなどのポリマー;紙;レザー;綿、黄麻、亜麻、大麻、羊毛、動物の毛および絹などのテキスタイルまたはテキスタイル材料;ナイロンおよびポリエステルなどの合成布地;アクリルポリマー、アクリレートポリマー、アラミドポリマー、セルロース物質、綿、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、レーヨン、羊毛、スパンデックス、絹およびビスコースなどの繊維材料を含む繊維を含むテキスタイル材料;ケイ素;木材;ガラス;セルロース化合物;ならびにヒト身体内には通常見出されないゲルおよび流体から選択される、物質を含む。
一態様では、本開示は、細菌、真菌、原虫またはウイルスのうちの少なくとも1種の成長を制御する方法であって、本開示のポリマーまたは本開示の化合物を表面にグラフトするステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、細菌は、ヒト型結核菌(多剤耐性TBおよび超多剤耐性TBを含む)、ウシ型結核菌、M typhimurium、ウシ型結核菌株BCG、BCGの亜株、トリ型結核菌、M intracellulare、アフリカ型結核菌、M kansasii、M marinum、M ulcerans、ヨーネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、Staphylococcus equi、化膿性連鎖球菌、Streptococcus agalactiae、リステリア菌、Listeria ivanovii、炭疽菌(Bacillus anthraces)、枯草菌、Nocardia asteroidesおよび他のノカルジア属の種、ヴィリダンス型連鎖球菌の群、ペプトコッカス属の種、ペプトストレプトコッカス属の種、イスラエル放線菌および他の放線菌属の種、ざ瘡プロピオンバクテリウム、破傷風菌、ウェルチ菌、ボツリヌス菌、他のクロストリジウム属の種、ならびにエンテロコッカス属の種から選択されるグラム陽性菌である。一部の実施形態では、細菌は、緑膿菌、他のシュードモナス属の種、カンピロバクターの種、コレラ菌、エールリヒア属の種、Actinobacillus pleuropneumoniae、Pasteurella haemolytica、Pasteurella multocida、他のパスツレラ属の種、レジオネラ・ニューモフィラ菌、他のレジオネラ属の種、腸チフス菌、他のサルモネラ属の種、赤痢菌属の種、ウシ流産菌、他のブルセラ属の種、トラコーマクラミジア(Chlamydi trachomatis)、オウム病クラミジア、Coxiella burnetti、大腸菌、髄膜炎菌(Neiserria meningitidis)、淋菌(Neiserria gonorrhea)、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、他のヘモフィルス属の種、ペスト菌、Yersinia enterolitica、他のエルジニア属の種、大腸菌、Escherichia hiraeおよび他のエスケリキア属の種、ならびに他の腸内細菌科、Burkholderia cepacia、類鼻疽菌、野兎病菌、Bacteroides fragilis、Fusobascterium nucleatum、Provetellaの種、Cowdria ruminantium、クレブシエラ属の種、ならびにプロテウス属の種から選択されるグラム陰性菌である。一部の実施形態では、ウイルスは、インフルエンザ、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV)、ライノウイルス、ポリオ、麻疹、エボラ、コクサッキー、西ナイル、黄熱、デング熱、ラッサ、リンパ球性脈絡髄膜炎、フニン、マチュポ、グアナリト、ハンタウイルス、リフトバレー熱、ラクロス、カリフォルニア脳炎、クリミア-コンゴ、マールブルク、日本脳炎、キャサヌル森林病、東部馬脳炎、西部馬脳炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)、パラインフルエンザ、タカリベおよびピキンデウイルスから選択される。
一態様では、本開示は、金属酸化物ナノ粒子、ならびに本開示の1種もしくは複数種のポリマー、および/または本開示の1つもしくは複数の化合物を含むコーティングを提供する。一部の実施形態では、複数の金属酸化物ナノ粒子が、表面に実質的に接触している。一部の実施形態では、1種または複数種のポリマーは、1種または複数種の金属酸化物ナノ粒子の表面にグラフトされている。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子を含む。
図1は、超音波処理および乾燥後の、対照とODMcat処理ろ紙との間の比較を例示する。ODMcat処理ろ紙のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているODMcat部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素の対イオン数が多いことによる。
図2は、ボルテックス、超音波処理および乾燥後の、対照とODMcat処理綿との間の比較を例示する。ODMcat処理綿のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているODMcat部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素の対イオン数がかなり多いことによる。
図3は、ボルテックス後の、対照とC2処理綿との間の比較を例示する。
図4は、ボルテックス、超音波処理および乾燥後の、対照とC2処理綿との間の比較を例示する。C2処理綿のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているC2部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素の対イオン数がかなり多いことによる。
図5は、フルオレセイン試験後の、対照とC2処理ろ紙との間の比較を例示する。C2処理ろ紙のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているC2部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素分子の数がかなり多いことによる。
図6は、ポリ(ビニルベンジルクロリド)のモノマーの構造を例示する。
図7は、ポリエチレンイミンのモノマーの構造を例示する。
図8は、PEIの完全メチル化モノマーの構造を例示する。
図9は、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウム化合物を生成するための例示的な合成を例示する。一部の実施形態では、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウム化合物は、疎水性と親水性の両方である。
図10は、臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウムの例示的な合成を例示する。一部の実施形態では、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウム化合物は、抗細菌特性を呈示する。
図11Aは、ビス(3-メトキシシリルプロピル)アミンおよび臭化アルキル(臭化物もまた、塩化物またはヨウ化物の代わりに置き換えることができる)からのハロゲン化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジアルキルアンモニウムの例示的な合成を例示する。図11Bは、ビス(3-メトキシシリルプロピル)アミンおよび臭化パーフルオロアルキルからの臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジフルオロアルキルアンモニウムの例示的な合成を例示する(臭化物もまた、塩化物またはヨウ化物の代わりに置き換えることができる)。
図12Aは、α,α’-ジブロモ-p-キシレンとビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミン(bis(3-trimethyoxysilylpropyl)-N-methyamine)との反応、次いでポリビニルピリジンによる処理、および、次に臭化C~C22アルキルなどのハロゲン化C~C22アルキルによる処理によって、-CH-Ph-CH-連結基によりPVPポリマーに連結した四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分を含むモノマーとC~C12アルキル部分(r=3~11)を含むモノマーとを含む、ポリビニルピリジンポリマーを調製するための例示的な合成を例示する。xは、四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分を含むモノマーのモル比を表し、(1-x)は、アルキル化された四級ピリジン部分を含むモノマーのモル比を表す。 図12Bは、-C(CO)CH-連結基によって四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分に連結されている三級アミンを含むモノマーを含むポリマーを調製する例示的な合成を例示する。xは、四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分を含むモノマーのモル比を表し、(1-x)は、四級トリアルキルアミン部分を含むモノマーのモル比を表す。 図12Cは、α,α’-ジブロモ-p-キシレンとビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとの反応と、その後の、ポリビニルピリジンによる処理、次に、臭化C~C22アルキルなどのハロゲン化C~C22アルキルによる処理によって、-C(O)CH-連結基によりPVPポリマーに連結した四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分を含むモノマーとC~C12アルキル部分を含むモノマーとを含む、ポリビニルピリジンポリマー(r=3~11)を調製するための例示的な合成を例示する。xは、四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分を含むモノマーのモル比を表し、(1-x)は、アルキル化された四級ピリジン部分を含むモノマーのモル比を表す。非限定的な実施形態では、xは約10であり、1-xは約90である。
図13は、四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアルキルアンモニウム部分を含むモノマーと(CHN[(CHCH](rは、3~11である)などの四級ジアルキルアミンを含むモノマーとを含むポリマーの例示的な合成を例示する。
図14は、塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムのIRスペクトルを例示する。2918cm-1および2852cm-1におけるバンドは、C-H伸縮に相当し、アルキル鎖の導入に成功していることを示している。1684cm-1のバンドは、2つのスペクトルにおいて同じである。それらは、カルボニル芳香族の伸縮によるものである。このスペクトルは、4-クロロアセチルカテコールの比較スペクトルを含む。
図15は、カテコールアセチル-コブチルPVPスペクトル(青線)のIRスペクトルを例示する。この図は、4-クロロアセチルカテコールの比較スペクトルを含む(ピンク色の線)。
図16は、市販のポリ(ビニルベンジルクロリド)(55kda)と比較した、ビス(N-メチル)3プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されている、ポリ(ビニルベンジルクロリド)のIRスペクトルを例示する。溶媒が、3378cm-1のバンドに依然として見える。ν CH2、CH3に対応する3つのバンドが、アルキル鎖である。点線のバンドは、ポリビニルベンジルクロリド中のベンジル基のν CH2を表す。アルキル鎖のCH2、CH3バンドは、ポリマーが適切に四級化されていることを示す。
図17は、臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジオクタデシルアンモニウムのIRスペクトルを例示する。2970cm-1、2921cm-1および2853cm-1における3つのバンドは、CH2、CH3の伸縮によるものである。1034cm-1および888cm-1のバンドは、メトキシシラン部分の指紋領域である。
図18は、カテコールアセチル-コブチルPVPコポリマーのIRスペクトルを例示し、バックグラウンドに非四級化PVPを示す。
図19は、カテコールアセチル-コブチルPVPコポリマーのIRスペクトルを例示する。2935cm-1および2871cm-1におけるバンドは、ブチル鎖におけるC-H伸縮を示す。このスペクトルは、ポリマー中のC-N伸縮による強いバンド(1634cm-1)を示す。1680cm-1のバンドは、ポリマーに組み込まれたカテコール部分における、同じ周波数でのショルダーに相当するカテコールの芳香族カルボニルによるものである。
図20は、カテコールアセチル-コデシルPVPコポリマーのIRスペクトルを例示し、バックグラウンドに非四級化PVPを示す。2954cm-1、2923cm-1および2853cm-1における3つのバンドは、CH2、CH3の伸縮によるものである。1639cm-1のバンドは、C-N伸縮を表す。1678cm-1のバンドは、カテコール部分の芳香族ニューC=Oを表す。
図21は、ビス(N-メチル)3プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されている、ポリ(ビニルベンジルクロリド)コポリマーのIRスペクトルを例示する。溶媒は、3373cm-1のバンドに依然として見える。ν CH2、CH3に対応する3つのバンドが、アルキル鎖である。アルキル鎖のCH2、CH3バンドは、ポリマーが適切に四級化されていることを示す。
図22は、比1/9のアセチルカテコール基およびデシル基を部分グラフトした、完全メチル化四級化PEIランダムコポリマーのIRスペクトルを例示する。ν CH芳香族バンドは、3009cm-1に位置する。3つのバンドCH3、CH2は、アルキル鎖を表す。1674cm-1に、芳香族カルボニル伸縮によるわずかなショルダーが存在する。1633cm-1のバンドは、C-N伸縮によるものである。
図23は、超分岐状のメチル化PEI(750kda)および市販PEI(750kda)のIRスペクトルを例示している。メチル化PEIランダムコポリマーにおける、3277cm-1バンドの消失は、メチル化が、ポリエチレンイミンと比較して、ほぼ完全であったことを証明している。
図24は、1/9の比で四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分およびブチル部分を有する、部分四級化PVPランダムコポリマーである、ダイポーダル四級化PVPのIRスペクトルを例示している。
図25は、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンのIRスペクトルを例示する。
図26は、中間生成物であるビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンと比較した、1/9の比で四級ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分およびブチル部分を有する、部分四級化PVPランダムコポリマーである、ダイポーダル四級化PVPのIRスペクトルを例示している。1639cm-1のバンドは、PVPが四級化されていることを示す。1063cm-1および903cm-1および913cm-1におけるバンドは、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミン化合物およびダイポーダル四級化PVPのどちらにも存在する、メトキシシラン部分に相当する。
図27は、市販のポリ(ビニルベンジルクロリド)(55kda)と比較した、ビス(N-メチル)プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されている、ポリ(ビニルベンジルクロリド)のIRスペクトルを例示する。3378cm-1のバンドに溶媒が依然として見える。ν CH2、CH3に対応する3つのバンドは、アルキル鎖である。点線のバンドは、ポリビニルベンジルクロリド中のベンジル基のν CH2を表す。アルキル鎖のCH2、CH3バンドは、ポリマーが適切に四級化されていることを示す。
図28Aは、2工程で、アジド-アルキン環化付加による、本開示のカテコール部分へのチオール化アミノ酸(例えば、R-SH)を含有する生体分子(例えば、タンパク質、酵素、ペプチド)の結合に関する例示的なスキームを例示している。工程Aでは、アルキン基は、マイケル付加によって生体分子に導入される。工程Bでは、生体分子は、アルキンとアジド基との間でのトリアゾール形成によってカテコール部分に結合する。工程Cでは、カテコール(catchol)部分が、表面にグラフトされ得る。 図28Bは、2工程で、アジド-アルキン環化付加により、表面にグラフトされた本開示のカテコール部分へのチオール化アミノ酸(例えば、R-SH)を含有する生体分子(例えば、タンパク質、酵素、ペプチド)の結合に関する例示的なスキームを例示している。
図29は、マイケル付加による、本開示のカテコール部分へのチオール化アミノ酸(例えば、R-SH)を含有する生体分子(例えば、タンパク質、酵素、ペプチド)の結合に関する例示的なスキームを例示している。工程Aでは、マレイミドは、カテコール部分に導入される。工程Bでは、生体分子は、マイケル付加によってマレイミドに結合される。
図30は、求核置換による、カテコール部分にチオール化アミノ酸(例えば、R-SH)を含有する生体分子(例えば、タンパク質、酵素、ペプチド)の結合に関する例示的なスキームを例示している。生体分子のチオール基は、緩衝条件下で、カテコール部分のヨード基に置き換わり、コンジュゲートされた生成物をもたらす。緩衝条件の非限定例は、ホウ酸緩衝液を使用する、pH約8.3における反応条件を維持することを含む。
図31は、マレイミド部分を2つ含むカテコール部分にチオール化アミノ酸(例えば、R-SH)を含有する生体分子(例えば、タンパク質、酵素、ペプチド)の結合に関する例示的なスキームを例示しており、この場合、マレイミド部分は、リンカーRによって互いにコンジュゲートされている。カテコール部分のチオール基は、マレイミド部分のうちの1つに最初にコンジュゲートされ、次に、生体分子が、チオール基によって、第2のマレイミド(maleimie)部分にコンジュゲートされる。リンカーRの非限定例が、示されている。
図32は、本開示の殺生物性コーティングを調製する方法の非限定例を例示している。
図33は、臭化ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウムのIRスペクトルを例示する。2950cm-1、2921cm-1および2851cm-1における3つのバンドは、CH2、CH3の伸縮によるものである。1040cm-1および886cm-1のバンドは、メトキシシラン部分の指紋領域である。
図34は、比1/9のプロピルトリメトキシシラン基およびヘキシル基で部分グラフトした、完全メチル化四級化PEIランダムコポリマーのIRスペクトルを例示する。1631cm-1のバンドは、C-N伸縮を表す。CH2、CH3伸縮バンドは、2956cm-1、2927cm-1および2859cm-1に観察される。
図35は、1%ニンヒドリン水溶液処理後の、対照と、リンカーとして4-ヨードアセチルカテコールを使用してL-システインをグラフトしたろ紙との間の比較を例示している。処理後のろ紙は紫色に見え、L-システインのグラフトが成功したことを実証している。
図36は、1%ニンヒドリン水溶液処理後の、対照と、リンカーとして4-ヨードアセチルカテコールを使用してL-システインがグラフトされているスライドガラスとの間の比較を例示している。処理後のスライドガラスは、青色/紫色の点を複数呈し、L-システインのグラフトが成功したことを実証している。
図37は、対照ろ紙と、四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVPにより処理したろ紙との間の比較を例示している。ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVPにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。このポリマーは、ろ紙に共有結合によりグラフトされている(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。
図38は、対照ろ紙と、ビス(N-メチル)3-プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されているポリ(ビニルベンジルクロリド)により処理されたろ紙との間の比較を例示している。ビス(N-メチル)3-プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されているポリ(ビニルベンジルクロリド)により処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。このポリマーは、ろ紙に共有結合によりグラフトされている(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。
図39は、対照ろ紙と、3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEI(750kdaのPEIに由来する)により処理したろ紙との間の比較を例示している。3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEIにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。このポリマーは、ろ紙に共有結合によりグラフトされている(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。
図40は、対照ろ紙と、3-トリメトキシプロピル-コデシル-PEI(25kdaのPEIに由来する)により処理したろ紙との間の比較を例示している。3-トリメトキシプロピル-コデシル-PEIにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が比較的多いことによる。このポリマーは、ろ紙に共有結合によりグラフトされている(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。
図41は、対照ろ紙と、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンにより処理したろ紙との間の比較を例示している。ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。この化合物は、ろ紙に共有結合によりグラフトされている(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。
図42は、対照ろ紙と、臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジヘキサデシルアンモニウムにより処理したろ紙との間の比較を例示している。臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジヘキサデシルアンモニウムにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物の四級アミノ基に結合したフルオレセイン色素分子の数が比較的多いことによる。このモノマーは、ろ紙に共有結合している(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。モノマーしかグラフトされていない場合、フルオレセインが紙に一層、深く浸透しているので、オレンジ色は、ろ紙の場合、時として、ポリマーよりもモノマーに対してわずかに強く見える。これは、電荷密度とは無関係である。
図43は、対照ろ紙と、臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウムにより処理したろ紙との間の比較を例示している。臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウムにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が比較的多いことによる。このモノマーは、ろ紙に共有結合している(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。モノマーしかグラフトされていない場合、フルオレセインが紙に一層、深く浸透しているので、オレンジ色は、ろ紙の場合、時として、ポリマーよりもモノマーに対してわずかに強く見える。これは、電荷密度とは無関係である。
図44は、対照ろ紙と、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウムにより処理したろ紙との間の比較を例示している。ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウムにより処理したろ紙のオレンジ色の外観は、四級アンモニウム化合物に結合したフルオレセイン色素分子の数が比較的多いことによる。このモノマーは、ろ紙に共有結合している(超音波処理後でさえも、ろ紙に留まっている)。モノマーしかグラフトされていない場合、フルオレセインが紙に一層、深く浸透しているので、オレンジ色は、ろ紙の場合、時として、ポリマーよりもモノマーに対してわずかに強く見える。これは、電荷密度とは無関係である。
詳細な説明
他に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において言及されている特許および刊行物はすべて、それらの全体が参照により組み込まれている。
定義
用語「殺生物剤」は、本明細書において使用する場合、細菌、酵母、原虫および真菌によって例示される、微生物を死滅させることができるか、またはこれを無害にすることができる、化学化合物、化学組成物、化学製剤を意味する。
用語「統計学的コポリマー」は、本明細書において使用する場合、1つより多いモノマーから構成され、異なるモノマー単位は、ポリマー鎖に無作為に分布されている、コポリマーとして定義される。
本明細書において使用する場合、用語「グラフト」および「グラフトすること」とは、表面の官能基と部分との間に共有結合性連結を形成することによる、表面への部分の結合を指す。
他に明記しない限り、本明細書において図示されている化学構造は、1個または複数の同位体に富む原子が存在することしか違いのない、化合物を含むことが意図される。例えば、重水素またはトリチウムにより1個または複数の水素原子が置き換えられている化合物、あるいは13Cまたは14Cに富む炭素によって1個または複数の炭素原子が置き換えられている化合物が、本発明の範囲内にある。
範囲が、例えば、分子量または化学式などの物理特性または化学的特性を記載するために本明細書において使用されている場合、範囲およびこの範囲内の具体的な実施形態のすべての組合せならびに部分組合せが、含まれることが意図されている。用語「約」の使用は、数または数値範囲を言及する場合、言及されているその数または数値範囲が、実験の変動の範囲内(または、統計的な実験誤差内)の概数であり、こうして、この数または数値範囲は変動してもよいことを意味する。この変動は、通常、明記した数または数値範囲の0%~15%、好ましくは0%~10%、より好ましくは0%~5%である。用語「含むこと(comprising)」(および、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連用語)は、例えば、記載した特徴「からなる」または「から実質的になる」、物質の任意の組成物、方法またはプロセスの実施形態などのような実施形態を含む。
「アルキル」とは、1~10個の炭素原子を有する、不飽和を含有しない、炭素原子および水素原子だけからなる、直鎖または分岐状の炭化水素鎖ラジカルを指す(例えば、(C1~10)アルキルまたはC1~10アルキル)。「1~10」などの数値範囲が本明細書において現れる場合には常に、所与の範囲における各整数を指し、例えば、「1~10個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大で10個の炭素原子(これを含む)からなってもよいことを意味するが、この定義は、数値範囲が具体的に指定されていない用語「アルキル」の出現も包含することが意図されている。典型的なアルキル基としては、決して限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル イソブチル、三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、セプチル(septyl)、オクチル、ノニルおよびデシルが含まれる。アルキル部分は、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(Pr)、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)および3-メチルヘキシルなど、単結合によって分子の残りに結合され得る。本明細書において他に具体的に明記しない限り、アルキル基は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
「アルキニル」とは、2~10個の炭素原子を有する、少なくとも1つの三重結合を含有し、炭素原子および水素原子だけからなる、直鎖または分岐状の炭化水素鎖ラジカル基を指す(すなわち、(C2~10)アルキニルまたはC2~10アルキニル)。「2~10」などの数値範囲が本明細書において現れる場合には常に、所与の範囲における各整数を指し、例えば、「2~10個の炭素原子」は、アルキニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大で10個の炭素原子(これを含む)からなってもよいことを意味する。アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルなど、単結合によって分子の残りに結合していてもよい。本明細書において他に具体的に明記しない限り、アルキニル基は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
「カルボキシル」とは、-(C=O)OHラジカルを指す。
「シアノ」とは、-CNラジカルを指す。
用語「アルコキシ」とは、酸素を介して親構造に結合した、直鎖状、分岐状、環式の立体配置、およびそれらを組み合わせた1~8個の炭素原子を含む、-O-アルキル基を指す。例としては、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシおよびシクロヘキシルオキシが含まれる。「低級アルコキシ」は、1~6個の炭素を含有するアルコキシ基を指す。
用語「置換アルコキシ」とは、アルキル構成体が、置換されているアルコキシ(すなわち、-O-(置換アルキル))を指す。本明細書において他に具体的に明記しない限り、アルコキシ基のアルキル部分は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
「アミノ」または「アミン」とは、-N(Rラジカル基を指し、本明細書において他に具体的に明記しない限り、Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。-N(R基が、水素以外のR置換基を2つ有する場合、それらは、窒素原子と組み合わされて、4員、5員、6員または7員の環を形成することができる。例えば、-N(Rは、以下に限定されないが、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを含むことが意図されている。本明細書において他に具体的に明記しない限り、アミノ基は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
用語「置換アミノ」とは、-NHRおよびNR基のN-オキシドも指し、それぞれは、上記の通りである。N-オキシドは、対応するアミノ基を例えば、過酸化水素またはm-クロロ過安息香酸で処理することによって調製することができる。
「アミド(amide)」または「アミド(amido)」とは、式-C(O)N(R)または-NHC(O)Rを有する化学部分を指し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合している)および複素脂環式(環炭素を介して結合している)からなる群から選択され、それらの部分はそれぞれ、それ自体、必要に応じて置換されていてもよい。アミドの-N(R)のRは、これが結合している窒素と必要に応じて一緒になって、4員、5員、6員または7員の環を形成してもよい。本明細書において他に具体的に明記しない限り、アミド基は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルに関して本明細書に記載されている置換基の1つまたは複数によって独立して、必要に応じて置換されている。アミドは、本明細書において開示されている化合物に結合し、これによってプロドラッグを形成している、アミノ酸またはペプチド分子であってもよい。このようなアミドを作製するための手順および具体的な基は、当業者に公知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1999などの影響力の大きな情報源に容易に見出すことができる。
「エステル」とは、式-COORの化学ラジカルを指し、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合する)および複素脂環式(環炭素を介して結合する)からなる群から選択される。エステルを作製するための手順および具体的な基は、当業者に公知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1999などの影響力の大きな情報源に容易に見出すことができる。本明細書において他に具体的に明記しない限り、エステル基は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
「ハロ」、「ハロゲン化物」または代替的に、「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味することが意図されている。用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」および「ハロアルコキシ」には、1個もしくは複数のハロ基、またはそれらの組合せにより置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ構造体が含まれる。例えば、用語「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」は、ハロがフッ素である、ハロアルキル基およびハロアルコキシ基をそれぞれ含む。
「ヘテロアリール」または「複素芳香族」または「HetAr」または「Het」とは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個または複数の環ヘテロ原子を含み、かつ単環式環系、二環式環系、三環式環系または四環式環系であってもよい、5~18員の芳香族ラジカル(例えば、C~C13ヘテロアリール)を指す。「5~18」などの数値範囲が本明細書において現れる場合には常に、所与の範囲における各整数を指し、例えば、「5~18個の環原子」は、ヘテロアリール基が、5個の環原子、6個の環原子など、最大で18個の環原子(これを含む)からなってもよいことを意味する。その名称が「-イル(-yl)」で終わる一価のヘテロアリールラジカルから、自由原子価を有する原子から1個の水素原子を除くことによって誘導される二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名称に「-イデン(-idene)」を付け加えることによって命名され、例えば、2つの結合点を有するピリジル基は、ピリジリデンとなる。N含有「複素芳香族」または「ヘテロアリール」部分とは、環の骨格原子のうちの少なくとも1個が窒素原子である、芳香族基を指す。多環式ヘテロアリール基は、縮合されていてもよく、または縮合されていなくてもよい。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子(複数可)は、必要に応じて酸化されている。1つまたは複数の窒素原子は、存在する場合、必要に応じて四級化されている。ヘテロアリールは、環(複数可)の任意の原子を介して、分子の残りに結合していてもよい。ヘテロアリールの例としては、以下に限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル(benzooxazolyl)、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラザニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアピラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニルおよびチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられる。本明細書において他に具体的に明記しない限り、ヘテロアリール部分は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
置換ヘテロアリールは、例えば、ピリジニルN-オキシドなどの1つまたは複数のオキシド(-O-)置換基により置換されている環系も含む。
「ヘテロシクロアルキル」は、2~12個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子を含む、安定な3~18員の非芳香環ラジカルを指す。「3~18」などの数値範囲が本明細書において現れる場合には常に、所与の範囲における各整数を指し、例えば、「3~18個の環原子」は、ヘテロシクロアルキル基が、3個の環原子、4個の環原子など、最大で18個の環原子(これを含む)からなってもよいことを意味する。本明細書において他に具体的に明記しない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系または四環式環系であり、縮合環系または架橋環系を含むことができる。ヘテロシクロアルキルラジカル中のヘテロ原子は、必要に応じて酸化されていてもよい。1個または複数の窒素原子は、存在する場合、必要に応じて四級化されている。ヘテロシクロアルキルラジカルは、部分的にまたは完全に飽和している。ヘテロシクロアルキルは、環(複数可)の任意の原子を介して、分子の残りに結合していてもよい。このようなヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、以下に限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられる。本明細書において他に具体的に明記しない限り、ヘテロシクロアルキル部分は、1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換されており、置換基は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオオキソ、トリメチルシラニル、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)(tは、1または2である)、-S(O)(tは、1または2である)、-S(O)OR(tは、1または2である)、-S(O)N(R(tは、1または2である)またはPO(R(Rはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)である。
「ヘテロシクロアルキル」はまた、二環式環系を含み、この場合、3~7個の環原子を通常、有する一方の非芳香環は、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子に加え、少なくとも2個の炭素原子、ならびに上述のヘテロ原子のうちの少なくとも1個を含む組合せ物を含有し、そして3~7個の環原子を通常、有する他方の環は、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を必要に応じて含有し、芳香族ではない。
「オキサ」とは、-O-ラジカルを指す。
「オキソ」とは、=Oラジカルを指す。
「部分」とは、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学部分は、多くの場合、分子に組み込まれたまたは分子に結合した認識される化学実体である。
「脱離基または脱離原子」は、選択される反応条件下で、出発原料から開裂する任意の基または原子のことであり、こうして、特定の部位において反応が促進される。このような基の例には、特に指定がない限り、ハロゲン原子およびメシルオキシ、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシおよびトシルオキシ基が含まれる。
「保護基」は、多官能化合物における1つまたは複数の反応部位を選択的に遮断し、こうして、ある化学反応を別の非保護反応部位において選択的に行うことができる基であって、次に、その基を、選択的な反応が完了した後に容易に除去され得るか、または脱保護され得る、基を意味することが意図される。様々な保護基は、例えば、T. H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons, New York (1999)に開示されている。
「置換されている」とは、言及した基が、例えば、アシル、アルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、炭水化物、カーボネート、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、エステル、チオカルボニル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、オキソ、パーハロアルキル、パーフルオロアルキル、ホスフェート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホネート、ウレアおよびアミノ(一置換アミノ基および二置換アミノ基を含む)、ならびに保護されたそれらの誘導体から個別に、および独立して選択される、1つまたは複数の追加の基、ラジカルまたは部分に結合していることがあることを意味する。置換基は、それ自体、置換されていてもよく、例えば、シクロアルキル置換基は、それ自体、その環炭素の1個または複数において、ハロゲン化物置換基を有してもよい。用語「必要に応じて置換されている」は、指定した基、ラジカルまたは部分による必要に応じた置換を意味する。
誤解を避けるために、本発明の特定の態様、実施形態または実施例と関連して記載されている特定の特徴(例えば、整数、特色、値、使用、疾患、式、化合物または基)は、それらと適合しないことがない限り、本明細書に記載されている任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能なものとして理解されることが本明細書で意図されている。したがって、このような特徴は、適切な場合、本明細書において定義されている定義、特許請求の範囲または実施形態のいずれかと関連して使用することができる。この明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)において開示されている特徴のすべて、および/またはそのように開示されている任意の方法もしくはプロセスの工程のすべてを、任意の組合せで組み合わせてもよいが、特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的となる組合せを除く。本発明は、任意の開示されている実施形態のいずれの詳細にも制限されない。本発明は、この明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示されている特徴の、任意の新規な1つもしくは新規の組合せ、またはそのように開示されている任意の方法もしくはプロセスの工程の任意の新規な1つ、もしくは任意の新規な組合せへと展開される。
さらに、本明細書において使用する場合、用語「約」は、寸法、サイズ、配合物、パラメータ、形状、および他の量、および特色が、正確ではない、および正確である必要はなく、望ましい場合、許容誤差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に公知の他の因子を反映して、概数であってもよく、ならびに/またはより大きいもしくはより小さいとすることができるを意味する。一般に、寸法、サイズ、配合物、パラメータ、形状もしくは他の量、または特色は、明示的にこのように明記されているか否かに関わらず、「約」または「ほぼ」である。非常に異なるサイズ、形状および寸法の実施形態は、記載されている配列を援用することができることが留意される。
さらに、移行用語「含む(comprising)」、「から実質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」は、元々の形態および修正形態で、添付の特許請求の範囲で使用される場合、記載されてない追加の請求項の要素または工程がある場合、何が請求項(複数可)の範囲から除外されたかに関する請求項の範囲を規定する。用語「含む(comprising)」は、包括的またはオープンエンドであることを意図しており、いずれの追加的な、記載されていない要素、方法、工程または物質も除外するものではない。用語「からなる(consisting of)」は、請求項に指定されているもの以外の任意の要素、工程または物質、および後者の例の場合、指定物質(複数可)に関連する通常の不純物を除外する。用語「から実質的になる(consisting essentially of)」は、指定された要素、工程または物質(複数可)、および基本的かつ新規な本願発明の特色(複数可)に実質的に影響を及ぼさないものに、請求項の範囲を限定する。本発明の実施形態はすべて、代替的に、移行用語「を含む(comprising)」、「から実質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」のいずれかによって、より詳細に規定され得る。
化合物、ポリマーおよび組成物
カテコール部分は、ヒドロキシル化されている基材の大部分との共有結合が確実に起こることが知られており、リンカーとして利用されてきた。しかし、カテコールアミンの使用は、とりわけ、塩基性pHにおけるその迅速な重合、およびキノンへの自発的な酸化という、いくつかの欠点を有する。
以下のスキーム1の反応順序Aにおいて図示されている通り、表面と空間(例えば、臭化物化合物を含む溶液)との間の反応は、通常、求核剤がほぼ常に表面に位置し、一方、求電子剤が空間に位置する状態で、S2機構に従って起こる。
スキーム1:
Figure 2023528471000053
対照的に、スキーム1の反応順序Bは、静電的反発のために、完了することができない。Brを置き換えることが可能な唯一の超求核剤は、N およびチオシアネート(SCN)基である。本明細書に記載されている組成物および方法を使用して、反応順序Bは、アルファ位における電子求引基(CO)の存在のために、C-Cl結合の反応性が高いので、C-Cl結合の特定の反応性があるために可能になる。
本開示は、様々な表面に、ポリマーなどの、非常に様々な組成物をグラフトするために有用な、一連の新規な化合物を含む。本開示はまた、様々な表面に、抗細菌性ポリマーおよび生体高分子を含めた、生体分子およびポリマーなどの、非常に様々な組成物をグラフトするために有用な、一連の新規なカテコール化合物を含む。一部の実施形態では、本化合物は、カテコールファミリーから誘導され、重合する傾向を呈示するカテコールアミンよりも安定である。
一態様では、本開示はまた、新規なダイポーダルシラン化合物の使用を含む。一部の実施形態では、ダイポーダルシラン化合物は、単一工程の反応で、ハロゲン化アルキルによる処理後にアルキル鎖によりさらに置換されて、ヒドロキシル化されたまたは活性化された表面などの、様々な表面にグラフトする用意が調った、高度に疎水性/親水性の化合物をもたらし、従来のシランと比較して、加水分解に対してかなり一層安定で、かなり耐性性があるという利点を伴う。そのすべての全体が参照により本明細書に組み込まれている、U.S.9,029,491、US20050187400、U.S.8475782およびU.S.9,289,534を参照されたい。
本開示はまた、表面に共有結合により結合し得る、新規な即時グラフト可能な殺生物ポリマーおよび化合物を含む。これらのポリマーおよび化合物は、院内感染(HAI)および実質的に任意のタイプの環境表面処理に対処するのに有用な、殺生物組成物および抗細菌組成物に使用することができる。本開示の殺生物ポリマーおよび化合物は、様々な健康および工業的用途における感染性病原体の拡散を封じ込めて、制御するために使用することができる。
本開示の部分を含む、ナノ粒子、抗体、酵素、ならびに組成物およびポリマーなどの基材は、容易にグラフト可能であり、シランリンカーなどの、他の部分よりも安定性が改善されて、加水分解を受けにくい結合をもたらす。
本開示の一態様では、ポリマーは、化学部分をポリマーに共有結合により連結させることによって調製されて、金属および木材を含めた様々な表面に容易にグラフトすることができるポリマーを生成する。本開示の一態様では、ポリマー、抗体、酵素およびペプチドを含むグラフト可能な基材は、金属および木材を含めた様々な表面に容易にグラフトすることができる基材に、本開示の化合物を共有結合により連結することによって調製される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、表面に容易にグラフト可能である。一部の実施形態では、本発明の化合物の即時グラフト可能な溶液は、ワンポット合成で調製される。一部の実施形態では、本開示のグラフト可能な基材は、ワンポット合成で調製される。一部の実施形態では、本ポリマーは、ワンポット合成で調製される。本開示の別の態様では、本明細書に記載されている化合物は、表面に簡単にグラフトすることができる。本開示の化学部分および化合物の官能基は、グラフトされる場合、表面の官能基と共有結合を形成する。
過去の十年間にわたり、COVID-19の大流行の到来後に深刻になった、自洗表面が大きく必要とされてきた。実際に、滅菌用ワイプなどの一過性溶液は、手間を要し、費用がかかり、長期持続性がない。既存の一時的な溶液の欠点に対処するため、環境表面に、長期持続性抗細菌特性を付与する、多数の表面コーティング戦略が開発されてきた。
金属イオンをベースとするコーティングが有効であることが示されているが、それらは、耐久性、毒性および持続性の懸念を生じる。対照的に、四級アンモニウム化合物(QAC)は、表面コーティングとして使用されると、強力かつ安定な抗細菌性製品として長い間、知られてきた。QACの分類では、ポリマーは、モノマー(古典的に、塩化3-(トリヒドロキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムなどのC18四級化アルキル鎖)よりも優れていることが示された。後者のモノマーのクラスの分子は、1970年代初頭に記載されており、1970年代の後期から、Dow-Corningによって販売された。四級アンモニウムモノマーの有効性が低い主な理由は、モノマーとポリマーとの間の表面電荷密度の差異による可能性が高い。実際に、四級アンモニウムポリマーは、1015個の電荷/cmを超える、高密度QACに転じることができ、これは、表面の殺生物活性を実現する、最も一般に記載されている閾値である。これらの化合物は、電荷密度の閾値に到達していることを条件として、単層としてでさえも、細菌、ウイルスおよび真菌を死滅させる。これは、単純な四級アルキル-アンモニウム化合物の場合には当てはまらない。
多数の製品が、噴霧式コーティングとして、現在、上市されているが、その活性成分は、ほとんどが常に、塩化3-(トリヒドロキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムまたはC18四級化アルキル鎖である任意の類似化合物である。これらの化合物の有効性は乏しいことが、文献において今や、十分に確立されている。単層上では、上記の化合物は、通常、その電荷密度が低いために、静菌作用しか呈さない。表面でのその効率の低さを克服するため、上記の化合物は、該化合物が基材の全厚みにわたり見出されるのが通常、確実になる、ブレンド技法におけるような体積で使用されることが多い。C18四級化アルキル鎖の厚い多層を有するコーティングは、電荷密度が向上するため、細菌を死滅させることができる。対照的に、殺生物ポリマーは、通常、ポリマーブラシとしてのその空間立体構造のために、コーティングの厚さに関わらず、細菌、ウイルスおよび真菌を死滅させる。
化合物
一態様では、本開示は、式(Ib)の化合物:
Figure 2023528471000054
を提供し、
式(Ib)中、
Xは、ハロゲン、必要に応じて置換されているアミン、アジドまたはC(O)OR;SRであり、
は、水素および必要に応じて置換されているアルキルから選択される。
一部の実施形態では、式(Ib)の化合物は、
Figure 2023528471000055
から選択される。
別の態様では、本開示は、式(XV)の化合物:
Figure 2023528471000056
を記載し、
式(XV)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルである。
一部の実施形態では、式(XV)の化合物は、
式(XVI)の化合物:
Figure 2023528471000057
であり、
式(XVI)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
nは、整数3~21である。
一部の実施形態では、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、nは17である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。
一部の実施形態では、本化合物は、式(XVa)の化合物:
Figure 2023528471000058
である。
別の態様では、本開示は、式(XVII)の化合物:
Figure 2023528471000059
を記載し、
式(XVII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアルキニルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rの1つはメチルであり、Rの1つは、独立してC~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CH14CHである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CH16CHである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCHCH(CFCFから独立して選択され、nは、15、17または19である。
別の態様では、本開示は、式(XVIIa)の化合物:
Figure 2023528471000060
を記載し、
式(XVIIa)中、
nは、16~20の間の整数であり、
Xは、Br、ClまたはIである。
一部の実施形態では、式(XVIIa)の化合物は、
Figure 2023528471000061
であり、
式中、Xは、対イオンである。一部の実施形態では、XはBrである。
一部の実施形態では、式(XVIIa)の化合物は、
Figure 2023528471000062
であり、
式中、Xは、対イオンである。一部の実施形態では、XはBrである。
別の態様では、本開示は、式(XVIIb)の化合物:
Figure 2023528471000063
を記載し、
式(XVIIb)中、
nは、15~19の間の整数であり、
Xは、Br、ClまたはIである。
別の態様では、本開示は、式(XVIIc)の化合物:
Figure 2023528471000064
を記載し、
式(XVIIc)中、
はそれぞれ、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニルおよび必要に応じて置換されているアルキニルから独立して選択され、
Xは、Br、ClまたはIである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているC18~C22アルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CH14CHである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CH16CHである。
別の態様では、本開示は、式(XVIII)の化合物:
Figure 2023528471000065
を記載し、
式(XVIII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアルキニルであり、vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10であり、
xは、整数1~4である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、xは2である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rの2つは、メチルであり、Rの2つは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHおよび-CH(CFCFから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCHCH(CFCFから独立して選択され、nは、15、17または19である。
一部の実施形態では、式(XVIII)の化合物は、式(XVIIIa)の化合物である。
別の態様では、本開示は、式(XIX)の化合物:
Figure 2023528471000066
を記載し、
式(XIX)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアルキニルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。一部の実施形態では、Rは、
Figure 2023528471000067
から選択される。
別の態様では、本開示は、式(XIXa)の化合物:
Figure 2023528471000068
を記載し、
式(XIXa)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。
別の態様では、本開示は、式(XIXb)の化合物:
Figure 2023528471000069
を記載する。
別の態様では、本開示は、式(XIXc)の化合物:
Figure 2023528471000070
を記載し、
式(XIXc)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。
別の態様では、本開示は、式(XIXd)の化合物:
Figure 2023528471000071
を記載する。
別の態様では、本開示は、式(XX)の化合物:
Figure 2023528471000072
を記載し、
式(XX)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルケニルまたは必要に応じて置換されているアルキニルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10であり、
xは、整数1~4である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、xは2である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの2つは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHおよび-CHCHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。
別の態様では、本開示は、式(XXa)の化合物:
Figure 2023528471000073
を記載し、
式(XXa)中、
nは、整数16~20である。
一態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの化合物を含む組成物を記載する。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)の化合物のうちのいずれか1つである。一部の実施形態では、本組成物は、抗細菌組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、殺生物組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗ウイルス組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗真菌組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗原虫組成物である。
一態様では、本開示は、アルコールおよび本開示の少なくとも1つの化合物を含む溶液を記載する。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)の化合物のうちのいずれか1つである。当業者によって理解される通り、いずれのアルコールも使用することができる。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。一部の実施形態では、溶液は、抗細菌溶液である。一部の実施形態では、溶液は、殺生物溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗ウイルス溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗真菌溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗原虫溶液である。一部の実施形態では、溶液は、グラフト用の即時使用溶液である。
グラフト可能な化合物および基材
一態様では、本開示は、本発明の化合物および/または部分を含むグラフト可能な基材を提供する。一部の実施形態では、グラフト可能な基材は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの化合物を含む。一部の実施形態では、グラフト可能な基材は、式(I)または式(Ia)のいずれか1つの少なくとも1つの部分を含む。一部の実施形態では、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの化合物が、基材にグラフトされる。
当業者によって理解される通り、いずれの基材も本開示によって企図される。基材の非限定例は、ポリマー、抗体、酵素、ペプチドおよびタンパク質を含む。
本開示の一態様では、グラフト可能な基材は、式(I)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000074
を含み、
式(I)中、
Lは、単結合または連結基である。
一部の実施形態では、Lは、単結合である。一部の実施形態では、Lは、連結基である。連結基は、当業者によって理解される通り、任意の有機部分であってよい。一部の実施形態では、連結基は、必要に応じて置換されているアミノ、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、カルボキシルまたは必要に応じて置換されているチオールを含む。一部の実施形態では、連結基は、一級アミノ基、二級アミノ基または三級アミノ基を含む。一部の実施形態では、有機リンカーは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、-C(O)O-、-S-、ジエチルカルボキシレート、アセチル、必要に応じて置換されているトリアゾール基または必要に応じて置換されているテトラゾール基を含む。
一部の実施形態では、式(I)の部分は、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000075
である。
別の態様では、グラフト可能な基材は、式(XVIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000076
を含み、
式(XVIIa)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
別の態様では、グラフト可能な基材は、式(XVIIIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000077
を含み、
式(XVIIIa)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10であり、
xは、整数1~4である。
一部の実施形態では、Gは、単結合である。一部の実施形態では、Gは、連結基である。連結基Gは、当業者によって理解される通り、任意の有機部分であってよい。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000078
を含む。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000079
を含み、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、C~Cアルキルおよび
Figure 2023528471000080
から独立して選択され、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、vは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチル、および
Figure 2023528471000081
から独立して選択される。一部の実施形態では、Rの1つはメチルであり、Rの1つは、
Figure 2023528471000082
である。
一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、xは2である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rの2つは、メチルであり、Rの2つは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。
一態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つのグラフト可能な基材を含む組成物を記載する。一部の実施形態では、本組成物は、抗細菌組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、殺生物組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗ウイルス組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗真菌組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗原虫組成物である。
一態様では、本開示は、アルコールおよび本開示の少なくとも1つのグラフト可能な基材を含む溶液を記載する。当業者によって理解される通り、いずれのアルコールも使用することができる。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。一部の実施形態では、溶液は、抗細菌溶液である。一部の実施形態では、溶液は、殺生物溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗ウイルス溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗真菌溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗原虫溶液である。一部の実施形態では、溶液は、グラフト用の即時使用溶液である。
一態様では、本開示は、グラフト可能な基材を調製する方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、式(XV)、式(XVI)または式(XVa)のいずれか1つの化合物を含む、グラフト可能な基材を調製する方法を含む。一部の実施形態では、本開示は、式(I)または式(Ia)のいずれか1つの部分を含む、グラフト可能な基材を調製する方法を含む。
一部の実施形態では、本方法は、基材を式(Ib)の化合物:
Figure 2023528471000083
により処理するステップを含み、
式(Ib)中、
Xは、ハロゲン、必要に応じて置換されているアミン、アジド、シアノ、-C(O)OR;または-SRであり、
は、水素および必要に応じて置換されているアルキルから選択される。
一部の実施形態では、式(Ib)の化合物は、
Figure 2023528471000084
から選択される。
一部の実施形態では、本方法は、基材を式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のいずれか1つの1つまたは複数の化合物により処理するステップを含む。
一部の実施形態では、基材は、ポリマー、抗体、酵素、ペプチドおよびタンパク質から選択される。一部の実施形態では、前駆体ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)またはC~C22アルキンを含む。一部の実施形態では、本方法は、前駆体ポリマーを、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールから選択される溶媒中で、式(Ib)の化合物により処理するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、前駆体ポリマーを少なくとも1つの必要に応じて置換されているハロゲン化C~C22アルキルにより処理するステップをさらに含む。
ポリマー
一態様では、本開示は、本開示の化合物を含むポリマーを提供する。一態様では、本開示は、本開示の部分を含むポリマーを提供する。
一態様では、本開示は、式(I)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000085
を含むポリマーを記載し、
式(I)中、
Lは、単結合または連結基である。
一部の実施形態では、Lは、単結合である。一部の実施形態では、Lは、連結基である。連結基は、当業者によって理解される通り、任意の有機部分であってもよい。一部の実施形態では、連結基は、必要に応じて置換されているアミノ、必要に応じて置換されている複素環、必要に応じて置換されているチオールまたはカルボキシレートを含む。一部の実施形態では、連結基は、一級アミノ基、二級アミノ基または三級アミノ基を含む。一部の実施形態では、有機リンカーは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、-C(O)O-、-S-、ジエチルカルボキシレート、アセチル、必要に応じて置換されているトリアゾール基、必要に応じて置換されているマレイン酸、または必要に応じて置換されているテトラゾール基を含む。
当業者によって理解される通り、いずれのポリマーも本開示の範囲内の使用が企図される。一部の実施形態では、本ポリマーは、ランダムコポリマーである。一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)およびポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)またはポリエチレンイミン(PEI)をさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、必要に応じて置換されているC~C22アルキル基をさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、必要に応じて置換されているC~C22アルキンをさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、必要に応じて置換されているC~C22末端アルキンをさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、本ポリマーは、部分四級化されている。一部の実施形態では、四級化アミンの非四級化アミンに対する比は、約30%~約50%である。一部の実施形態では、N/N比は、約30%~約50%である。
一実施形態では、式(I)の部分は、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000086
である。
別の態様では、本開示は、式(II)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000087
を含むポリマーを記載する。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(III)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000088
をさらに含み、
rは、整数3~20である。一部の実施形態では、rは、整数3~11である。一部の実施形態では、rは3である。一部の実施形態では、rは9である。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(II)の部分および式(III)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(II)の部分および式(III)の部分を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(IV)の少なくとも1つの断片:
Figure 2023528471000089
をさらに含み、
式(IV)中、
rは、整数3~11である。一部の実施形態では、rは3である。一部の実施形態では、rは9である。
別の態様では、本開示は、式(V)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000090
を含むポリマーを記載し、
式(V)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(V)のメタ置換基およびパラ置換基の混合物を含む。
一部の実施形態では、式(V)の部分は、式(VI)の部分:
Figure 2023528471000091
である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VI)のメタ置換基およびパラ置換基の混合物を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)の部分:
Figure 2023528471000092
をさらに含み、
式(VII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C12アルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの1つはデシルである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)のメタ置換基およびパラ置換基の混合物を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(V)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(V)の部分および式(VII)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VI)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VI)の部分および式(VII)の部分を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VIII)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000093
をさらに含み、
式(VIII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C12アルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの1つはデシルである。
別の態様では、本開示は、式(IXa)、式(IXb)または式(IXh)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000094
を含むポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを記載し、
式(IXa)および式(IXb)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、メチルである。
一部の実施形態では、式(IXa)の部分は、式(IXc)の部分:
Figure 2023528471000095
である。
一部の実施形態では、式(IXb)の部分は、式(IXd)の部分:
Figure 2023528471000096
である。
一部の実施形態では、本PEIポリマーは、式(IXc)の部分および式(IXd)の部分を含む。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、式(IXc)の部分、式(IXd)の部分および式(IXh)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、分岐状、超分岐状または直鎖状である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全アルキル化されている。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化されている。完全メチル化モノマーの例は、図8に例示されている。当業者によって理解されている通り、非限定例では、PEIポリマーは、一級および二級窒素原子を含み、完全メチル化されている場合、すべての一級および二級窒素は、それぞれ、2つおよび1つのメチル基を含む三級窒素に変換されている。非限定的な実施形態では、三級窒素は、本明細書に記載されているカテコール化合物(化合物1001~1003など)による処理後に四級化することができ、式(IXc)の部分および/または式(IXd)の部分および/または式(IXh)の部分の混合物となる。非限定例では、残りの三級窒素は、当業者によって理解される通り、必要に応じて置換されているC~C22アルキル基を含む、四級窒素に変換することができる。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、少なくとも1つの必要に応じて置換されているC~C22アルキル基をさらに含む。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、部分四級化されている。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(IXa)の部分および式(IXb)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(IXa)の部分および式(IXb)の部分および式(IXh)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化モノマーからなり、各モノマーは、完全に四級化されており、式(IXa)の部分、式(IXb)の部分および必要に応じて置換されているC~C22アルキル基からなる。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化モノマーからなり、各モノマーは、完全に四級化されており、式(IXa)の部分、式(IXb)の部分、式(IXh)の部分および必要に応じて置換されているC~C22アルキル基からなる。一部の実施形態では、(IXa)の部分および式(IXb)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXa)の部分および式(IXb)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.1:0.9である。一部の実施形態では、式(IXa)の部分、式(IXb)の部分および式(IXh)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXa)の部分、式(IXb)の部分および式(IXh)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.1:0.9である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化モノマーからなり、各モノマーは、完全に四級化されており、式(IXc)の部分、式(IXd)の部分および必要に応じて置換されているC~C22アルキル基からなる。一部の実施形態では、式(IXc)の部分および式(IXd)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXc)の部分および式(IXd)の部分と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.1:0.9である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化モノマーからなり、各モノマーは、完全に四級化されており、式(IXc)の部分、式(IXd)の部分、式(IXh)の部分および必要に応じて置換されているC~C22アルキル基からなる。一部の実施形態では、式(IXc)の部分、式(IXd)の部分および式(IXh)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXc)の部分、式(IXd)の部分および式(IXh)の部分の和と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.1:0.9である。
別の態様では、本開示は、式(IXe)の少なくとも1つの部分またはその部分構造:
Figure 2023528471000097
を含むPEIポリマーを記載し、
式(IXe)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルまたは式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000098
であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000099
であることを条件とする。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000100
であり、残りのRは、C~C10アルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000101
であり、残りのRは、C10アルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000102
であり、残りのRは、Cアルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000103
であり、残りのRは、C12アルキルである。
式(IXe)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000104
を含む。
一部の実施形態では、式(IXe)において、式(Ia)であるR部分の数と、必要に応じて置換されているアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXe)において、式(Ia)であるR部分の数と、必要に応じて置換されているアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.08≦x≦0.12:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXe)において、PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(IXe)において、式(Ia)であるR部分の数と、必要に応じて置換されているアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.1:0.9である。一部の実施形態では、式(IXe)において、アルキル基は、C10基である。一部の実施形態では、式(IXe)において、アルキル基は、Cアルキル基である。
別の態様では、本開示は、式(IXe1)の少なくとも1つの部分またはその部分構造:
Figure 2023528471000105
を含むPEIポリマーを記載し、
式(IXe1)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであるか、または存在せず、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキル、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000106
であるか、または存在せず、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000107
であり、各窒素原子は、三価窒素または四級窒素であることを条件とする。
式(IXe1)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000108
を含む。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000109
であり、残りのRは、C~C10アルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000110
であり、残りのRは、C10アルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000111
であり、残りのRは、Cアルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000112
であり、残りのRは、C12アルキルである。
別の態様では、本開示は、式(IXf)の少なくとも1つの部分またはその部分構造:
Figure 2023528471000113
を含むPEIポリマーを記載し、
式(IXf)中、
はそれぞれ、独立して、C10アルキルまたは
Figure 2023528471000114
であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000115
であることを条件とする。
一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000116
であり、残りのRは、C10アルキルである。一部の実施形態では、式(IXf)において、式(Ia)であるR部分の数と、C10基であるRの数とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXf)において、式(Ia)であるR部分の数と、C10アルキル基であるRの数とのモル比は、約0.06≦x≦0.12:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXf)において、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(IXf)において、式(Ia)であるR部分の数と、C10アルキル基であるRの数とのモル比は、約0.1:0.9である。
式(IXf)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000117
を含む。
別の態様では、本開示は、式(IXg)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000118
を含むPEIポリマーを記載し、
式(IXg)中、
はそれぞれ、独立して、Cアルキルまたは
Figure 2023528471000119
であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000120
であることを条件とする。
一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(Ia)の部分:
Figure 2023528471000121
であり、残りのRは、Cアルキルである。一部の実施形態では、式(IXg)において、式(Ia)であるR部分の数と、Cアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXg)において、式(Ia)であるR部分の数と、Cアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.06≦x≦0.12:(1-x)である。一部の実施形態では、式(IXg)において、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(IXg)において、式(Ia)であるR部分の数と、Cアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.1:0.9である。
式(IXg)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000122
を含む。
別の態様では、本開示は、式(XI)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000123
を含むポリマーを記載し、
式(XI)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10である。
一部の実施形態では、Gは、単結合である。一部の実施形態では、Gは、連結基である。連結基は、当業者によって理解される通り、任意の有機部分であってもよい。一部の実施形態では、連結基は、必要に応じて置換されているアミノ、必要に応じて置換されているヘテロシクリルまたはカルボキシレートを含む。一部の実施形態では、連結基は、一級アミノ基、二級アミノ基または三級アミノ基を含む。一部の実施形態では、有機リンカーは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、-C(O)O-、ジエチルカルボキシレート、アセチル、必要に応じて置換されているトリアゾール基または必要に応じて置換されているテトラゾール基を含む。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000124
を含む。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000125
を含み、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、C~Cアルキルおよび
Figure 2023528471000126
から独立して選択され、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、vは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチル、および
Figure 2023528471000127
から独立して選択される。一部の実施形態では、Rの1つはメチルであり、Rの1つは、
Figure 2023528471000128
である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、ランダムコポリマーである。一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)およびポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)またはポリエチレンイミン(PEI)をさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、必要に応じて置換されているC~C22アルキル基をさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、必要に応じて置換されているC~C22アルキンをさらに含む。一実施形態では、必要に応じて置換されているC~C22アルキンは、末端アルキンである。一部の実施形態では、本ポリマーは、部分四級化されている。一部の実施形態では、本ポリマーは、完全に四級化されている。
一部の実施形態では、vは3である。
一部の実施形態では、Rは、メトキシである。
別の態様では、本開示は、式(XII)の少なくとも1つの部分および式(XIII)の少なくとも1つの部分を含むポリマーを記載し:
Figure 2023528471000129
式(XII)中、
rは、整数3~11であり、
Figure 2023528471000130
式(XIII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
ただし、式(XIII)中、vが3であり、Rがそれぞれ、メトキシである場合、式(XII)中、rは、3ではないことを条件とする。
一部の実施形態では、rは、整数4~11である。一部の実施形態では、rは9である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XII)の部分および式(XII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、部分四級化されている。一部の実施形態では、本ポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、
Figure 2023528471000131
は、
Figure 2023528471000132
である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XIV)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000133
を含む。
一部の実施形態では、vが3であり、Rがそれぞれ、メトキシである場合、rは、3ではない。
一部の実施形態では、rは、整数3~11である。一部の実施形態では、rは、整数4~11である。一部の実施形態では、rは9である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、
Figure 2023528471000134
は、
Figure 2023528471000135
である。
別の態様では、本開示は、式(XIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000136
を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを記載し、
式(XIa)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10である。
一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、
Figure 2023528471000137
は、
Figure 2023528471000138
である。
別の態様では、本開示は、式(XIa)の以下の部分の少なくとも1つ:
Figure 2023528471000139
を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを記載し、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
別の態様では、式(XIa)の部分は、式(XIb)の部分:
Figure 2023528471000140
であり、
式(XIb)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルまたは式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000141
であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000142
であることを条件とする。
一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。一部の実施形態では、式(XIa)の各部分
Figure 2023528471000143
は、
Figure 2023528471000144
である。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000145
であり、残りのRは、C~C10アルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000146
であり、残りのRは、Cアルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、
Figure 2023528471000147
であり、残りのRは、Cアルキルである。
式(IXb)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000148
を含む。
一部の実施形態では、式(XIb)において、(XIa)であるR部分の数と必要に応じて置換されているアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(XIb)において、(XIa)であるR部分の数と、必要に応じて置換されているアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.06≦x≦0.12:(1-x)である。一部の実施形態では、式(XIb)において、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(XIb)において、式(XIa)であるR部分の数と、必要に応じて置換されているアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.1:0.9である。一部の実施形態では、式(XIb)において、アルキル基は、Cアルキルである。
別の態様では、本開示は、式(IXb1)の少なくとも1つの部分またはその部分構造:
Figure 2023528471000149
を含むPEIポリマーを記載し、
式(IXb1)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであるか、または存在せず、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキル、式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000150
であるか、または存在せず、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
ただし、少なくとも1つのRは、式(XIa)の部分:
Figure 2023528471000151
であり、各窒素原子は、三価窒素または四級窒素であることを条件とする。
式(IXb1)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000152
を含む。
別の態様では、式(XIa)の部分は、式(XIc)の部分:
Figure 2023528471000153
であり、
式(XIc)中、
はそれぞれ、独立して、Cアルキルまたは
Figure 2023528471000154
であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
ただし、少なくとも1つのRは、
Figure 2023528471000155
であることを条件とする。
一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、
Figure 2023528471000156
は、
Figure 2023528471000157
である。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、
Figure 2023528471000158
であり、残りのRは、C~C10アルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、
Figure 2023528471000159
であり、残りのRは、Cアルキルである。一部の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または11のRは、
Figure 2023528471000160
であり、残りのRは、Cアルキルである。
式(IXf)の部分構造の非限定例は、
Figure 2023528471000161
を含む。
一部の実施形態では、式(XIc)において、式(XIa)であるR部分の数と、Cアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(XIc)において、式(XIa)であるR部分の数と、Cアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.06≦x≦0.12:(1-x)である。一部の実施形態では、式(XIc)において、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、式(XIc)において、式(XIa)であるR部分の数と、Cアルキル基であるRの数とのモル比は、約0.1:0.9である。
別の態様では、本開示は、式(XVIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000162
を含むポリマーを記載し、
式(XVIIa)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
別の態様では、本開示は、式(XVIIIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000163
を含むポリマーを記載し、
式(XVIIIa)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10であり、
xは、整数1~4である。
一部の実施形態では、Gは、単結合である。一部の実施形態では、Gは、連結基である。連結基は、当業者によって理解される通り、任意の有機部分であってもよい。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000164
を含む。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000165
を含む。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、xは2である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rの2つは、メチルであり、Rの2つは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CH(CHCHから独立して選択され、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、-CHCH(CFCFから独立して選択され、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。
別の態様では、本開示は、式(XVIIh)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000166
を含むポリマーを記載する。
別の態様では、本開示は、式(XVIIb)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000167
を含むポリマーを記載し、
式(XVIIb)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000168
を含む。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000169
を含む。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
別の態様では、本開示は、式(XVIIj)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000170
を含むポリマーを記載し、
式(XVIIj)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(III)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000171
をさらに含み、
rは、整数3~20である。一部の実施形態では、rは、整数3~11である。一部の実施形態では、rは3である。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIb)の部分および式(III)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIb)の部分および式(III)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIj)の部分および式(III)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIj)の部分および式(III)の部分を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIId)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000172
を含み、
式(XVIIc)中、
Gは、単結合または連結基であり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
rは、整数3~11であり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000173
を含む。一部の実施形態では、連結基は、
Figure 2023528471000174
を含む。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
一部の実施形態では、式(XVIIb)の部分は、式(XVIId)の部分:
Figure 2023528471000175
である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIId)の部分および式(III)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIId)の部分および式(III)の部分を含む。
別の態様では、本開示は、式(XVIIe)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000176
を含むポリマーを記載し、
式(XVIIe)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rは、独立して、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~C22アルキルまたはC~C22ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C18アルキルまたはC18ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、独立して、C16アルキルまたはC16ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHおよび-CHCH(CFCFから選択され、nは、整数15~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、整数14~20である。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHCHであり、nは、14、16、18または20である。一部の実施形態では、nは14である。一部の実施形態では、nは16である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、整数15~19である。一部の実施形態では、Rは、-CHCH(CFCFであり、nは、15、17または19である。一部の実施形態では、nは15である。一部の実施形態では、nは17である。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
一部の実施形態では、式(XVIIe)の部分は、式(XVIIf)の部分:
Figure 2023528471000177
であり、
式(XVIIf)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)の部分:
Figure 2023528471000178
をさらに含み、
式(VII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C12アルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの1つはデシルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIg)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000179
をさらに含み、
式(XVIIg)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
およびRはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C12アルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの1つはデシルである。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIe)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIe)の部分および式(VII)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIf)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XVIIf)の部分および式(VII)の部分を含む。
別の態様では、本開示は、式(XXI)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000180
を含むポリマーを記載し、
式(XXI)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、式(XXI)の少なくとも1つの部分は、ポリマーのアミン部分に共有結合により結合している。一部の実施形態では、式(XXI)の少なくとも1つの部分は、ポリマーの四級化可能なアミン部分に共有結合により結合している。一部の実施形態では、式(XXI)の少なくとも1つの部分は、ポリマーの三級アミン部分に共有結合により結合している。1個もしくは複数の三級アミン部分および/または1個もしくは複数の四級化可能な窒素を含むいずれのポリマーも、式(XXI)の部分をさらに含み得、それによって、四級アミン部分を形成することができる。三級アミンを含む好適なポリマーの非限定例としては、ポリビニルピリジンおよびアルキル化されたポリエチレンイミン(PEI)(例えば、メチル化PEI)、ポリ(n-ビニルイミダゾール)、ポリリジン、ポリ[2(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート]、ポリ(ビニルベンジルアミン)、ポリ(ビニルメチルベンジルアミン)、ポリビニルジメチルベンジルアミンおよび加水分解されたポリビニルピロリドンが挙げられる。
別の態様では、本開示は、式(XXIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000181
を含むポリマーを記載し、
式(XXIa)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
別の態様では、本開示は、式(XXIb)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000182
を含むポリマーを記載する。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(III)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000183
をさらに含み、
rは、整数3~20である。一部の実施形態では、rは、整数3~11である。一部の実施形態では、rは3である。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIa)の部分および式(III)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIa)の部分および式(III)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIb)の部分および式(III)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIb)の部分および式(III)の部分を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXId)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000184
を含み、
式(XXId)中、
rは、整数3~11である。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、rは3である。一部の実施形態では、rは9である。
別の態様では、本開示は、式(XXII)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000185
を含むポリマーを記載し、
式(XXII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
vは、整数3~10であり、
wは、整数3~10である。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXII)のメタ置換基およびパラ置換基の混合物を含む。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているメトキシである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メトキシである。一部の実施形態では、wは3である。一部の実施形態では、vは3である。
一部の実施形態では、式(XXII)の部分は、式(XXIIa)の部分:
Figure 2023528471000186
であり、
式(XXII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、メチルである。
一部の実施形態では、式(XXII)の部分は、式(XXIIb)の部分:
Figure 2023528471000187
である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(VII)の部分:
Figure 2023528471000188
をさらに含み、
式(VII)中、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C12アルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの1つはデシルである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXII)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXII)の部分および式(VII)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIa)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIa)の部分および式(VII)の部分を含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIb)の部分および式(VII)の部分からなる。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIb)の部分および式(VII)の部分を含む。
一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XXIIc)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000189
をさらに含む。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C12アルキルである。一部の実施形態では、Rの2つはメチルであり、Rの1つはデシルである。
一部の実施形態では、本PEIポリマーは、分岐状、超分岐状または直鎖状である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化されている。完全メチル化モノマーの例は、図8に例示されている。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、少なくとも1つの必要に応じて置換されているC~C22アルキル基をさらに含む。一部の実施形態では、本ポリマーは、部分四級化されている。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、本PEIポリマーの分子量は、約160kda~約750kdaの範囲の分子量を有する。一部の実施形態では、本PEIポリマーの分子量は、約160kda、約170kda、約180kda、約190kda、約200kda、約210kda、約220kda、約230kda、約240kda、約250kda、約260kda、約270kda、約280kda、約290kda、約300kda、約310kda、約320kda、約330kda、約340kda、約350kda、約360kda、約370kda、約380kda、約390kda、約400kda、約410kda、約420kda、約430kda、約440kda、約450kda、約460kda、約470kda、約480kda、約490kda、約400kda、約510kda、約520kda、約530kda、約540kda、約550kda、約560kda、約570kda、約580kda、約590kda、約600kda、約610kda、約620kda、約630kda、約640kda、約650kda、約660kda、約670kda、約680kda、約690kda、約700kda、約710kda、約720kda、約730kda、約740kdaまたは約750kdaの分子量を有する。
一部の実施形態では、式(XIa)の部分と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基とのモル比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全に四級化されている。一部の実施形態では、本PEIポリマーは、完全メチル化モノマーからなり、各モノマーは、完全に四級化されており、式(XIa)の部分および必要に応じて置換されているC~C22アルキル基からなる。一部の実施形態では、式(XIa)の全部分と必要に応じて置換されているC~C22アルキル基との比は、約0.05≦x≦0.5:(1-x)である。一部の実施形態では、式(XIa)の部分対必要に応じて置換されているC~C22アルキル基は、約0.1:0.9のモル比で存在する。一部の実施形態では、C~C22アルキル基は、C10基である。本明細書に記載されているポリマーまたはコポリマーに存在する、特定の部分またはモノマーの量は、相対量であるかまたは定量的量であるかに関わらず、当業者によって理解される方法を使用して、決定および記載することができる。一実施形態では、ポリマー中に存在する各部分の量は、そのモル比によって記載される。一部の実施形態では、モル比は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.11、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49または0.50である。一部の実施形態では、モル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、モル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(I)のモル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、式(II)のモル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、式(III)のモル比は、0.5≦x≦0.95である。一部の実施形態では、式(V)のモル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、式(VI)のモル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、式(VII)のモル比は、0.5≦x≦0.95である。一部の実施形態では、式(IX)のモル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、式(IXa)のモル比は、0.05≦x≦0.5である。一部の実施形態では、式(XI)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XII)のモル比は、0.8≦x≦0.95である。一部の実施形態では、式(XIII)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XIa)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XXIa)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XXIb)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XXII)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XXIIa)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XXIIb)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XVIIe)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、式(XVIIf)のモル比は、0.05≦x≦0.2である。一部の実施形態では、本ポリマーは、2つの異なる部分を含み、これらの部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)または0.05≦x≦0.2:(1-x)の比で存在する。一部の実施形態では、xは、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.11、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49または0.50である。一部の実施形態では、式(II)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一実施形態では、式(II)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.2:(1-x)のモル比で存在する。一実施形態では、式(II)の部分および式(III)の部分は、約0.06:0.94のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(V)の部分および式(VII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一実施形態では、式(V)の部分および式(VII)の部分は、0.05≦x≦0.2:(1-x)のモル比で存在する。一実施形態では、式(V)の部分および式(VII)の部分は、約0.1:0.9のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(VI)の部分および式(VII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一実施形態では、式(VI)の部分および式(VII)の部分は、0.05≦x≦0.2:(1-x)のモル比で存在する。一実施形態では、式(VI)の部分および式(VII)の部分は、約0.1:0.9のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XII)の部分および式(XIII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XII)の部分および式(XIII)の部分は、約0.05:0.95のモル比で存在する。一実施形態では、式(XII)の部分および式(XIII)の部分は、0.05≦x≦0.2:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、モル比は、0.05:0.95である。一部の実施形態では、モル比は、約0.1:0.9である。一部の実施形態では、モル比は、約0.06:0.94である。一部の実施形態では、式(XXIa)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIb)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIa)の部分および式(III)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIb)の部分および式(III)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXII)の部分および式(VIII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIIa)の部分および式(VIII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIIb)の部分および式(VIII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXII)の部分および式(VIII)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXII)の部分および式(VIII)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIIb)の部分および式(VIII)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XVIIb)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XVIIb)の部分および式(III)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XVIId)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XVIId)の部分および式(III)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XVIIe)の部分および式(VII)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XVIIe)の部分および式(VII)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIa)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIa)の部分および式(III)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIb)の部分および式(III)の部分は、0.05≦x≦0.5:(1-x)のモル比で存在する。一部の実施形態では、式(XXIb)の部分および式(VII)の部分は、約0.10:0.90のモル比で存在する。
一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~C22アルキルである。
別の態様では、本開示は、式(Ie)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000190
を含むポリマーを記載し、
式(Ie)中、
Lは、単結合または有機リンカーであり、
はそれぞれ、OHであり、
sは、整数0~3である。
別の態様では、本開示は、式(IIb)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000191
を含むポリマーを記載し、
式(II)中、
は、OHであり、
sは、整数0~3である。
別の態様では、本開示は、式(VIa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000192
を含むポリマーを記載し、
式(VIa)中、
は、OHであり;
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
sは、整数0~3である。
別の態様では、本開示は、式(IXaa)の少なくとも1つの部分:
Figure 2023528471000193
を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマーを記載し、
式(IXaa)中、
は、OHであり;
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
sは、整数0~3である。
一態様では、本開示は、式(Ic)の化合物:
Figure 2023528471000194
を記載し、
式(Ic)中、
Xは、ハロゲン、必要に応じて置換されているアミン、アジド、シアノまたは-C(O)ORであり、
は、OHであり;
は、水素および必要に応じて置換されているアルキルから選択され、
sは、整数0~3である。
一態様では、本開示は、本開示のポリマーを調製する方法であって、前駆体ポリマーを式(Ic)の化合物により処理するステップを含む、方法を記載する。
一態様では、本開示は、グラフト可能な基材を調製する方法であって、基材を式(Ic)の化合物により処理するステップを含む、方法を記載する。
一態様では、本開示は、式(XVa)の化合物:
Figure 2023528471000195
を記載し、
式(XVa)中、
は、OHであり;
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
sは、整数0~3である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、ランダムコポリマーである。一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジンまたはポリビニルベンジルクロリドを含む。一態様では、本開示は、本開示の少なくとも1種のポリマーを含む組成物を記載する。一態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの化合物を含む組成物を記載する。一部の実施形態では、本組成物は、抗細菌組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、殺生物組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗ウイルス組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗真菌組成物である。一部の実施形態では、本組成物は、抗原虫組成物である。
一態様では、本開示は、アルコールおよび本開示の少なくとも1種のポリマーを含む溶液を記載する。一態様では、本開示は、アルコールおよび本開示の少なくとも1つの化合物を含む溶液を記載する。当業者によって理解される通り、いずれのアルコールも使用することができる。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。一部の実施形態では、溶液は、抗細菌溶液である。一部の実施形態では、溶液は、殺生物溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗ウイルス溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗真菌溶液である。一部の実施形態では、溶液は、抗原虫溶液である。一部の実施形態では、溶液は、グラフト用の即時使用溶液である。
本開示の一態様では、本明細書に記載されているポリマーを調製する方法が提供される。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXId)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。
本開示の一態様では、本明細書において記載されている化合物を調製する方法が、提供される。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの化合物である。
一態様では、本開示は、本開示のポリマーを調製する方法であって、前駆体ポリマーを式(Ib)の化合物:
Figure 2023528471000196
により処理するステップを含む、方法を記載し、
式(Ib)中、
Xは、ハロゲン、必要に応じて置換されているアミン、アジド、シアノ、-SR-または-C(O)ORであり、
は、水素および必要に応じて置換されているアルキルから選択される。
一部の実施形態では、Rは、メチルまたはエチルである。
一部の実施形態では、式(Ib)の化合物は、
Figure 2023528471000197
から選択される。
前駆体ポリマーは、当業者によって理解される通り、限定されない。一部の実施形態では、前駆体ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)またはC~C22アルキンを含む。一実施形態では、前駆体ポリマーは、完全メチル化PEIである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)およびポリエチレンイミン(PEI)から選択され、式(Ib)の化合物は、化合物1001、化合物1002および化合物1003から選択される。
一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルベンジルクロリドであり、式(Ib)の化合物は、化合物1005および化合物1006から選択される。
一部の実施形態では、本ポリマーは、C~C22アルキンを含み、式(Ib)の化合物は、化合物1004である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、シアノ基を含み、式(Ib)の化合物は、化合物1004である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、カルボキシル基を含み、式(Ib)の化合物は、化合物1005である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、アジド基を含み、式(Ib)の化合物は、化合物1007である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、アミノ基を含み、式(Ib)の化合物は、化合物1008である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、チオ基を含み、式(Ib)の化合物は、化合物1009である。
一部の実施形態では、本方法は、溶媒中で、前駆体ポリマーを式(Ib)の化合物により処理するステップをさらに含む。一部の実施形態では、溶媒はアルコールである。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。
一部の実施形態では、本方法は、前駆体ポリマーを少なくとも1つの必要に応じて置換されているハロゲン化C~C22アルキルにより処理するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ハロゲン化C~C22アルキルは、ハロゲン化Cアルキルである。一部の実施形態では、ハロゲン化C~C22アルキルは、ハロゲン化Cアルキルである。一部の実施形態では、ハロゲン化C~C22アルキルは、ハロゲン化C10アルキルである。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されているポリマーを調製する方法を記載する。一態様では、本開示は、ポリマーを調製する方法であって、前駆体ポリマーを式(XIa)の化合物:
Y-(CHSi(R
式(XIa)
により処理するステップを含む、方法を記載し、
式(XIa)中、
Yは、ハロゲン、必要に応じて置換されているアミン、シアノ、アジドまたは-C(O)ORであり、
はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されている必要に応じて置換されているアルコキシであり、
は、水素および必要に応じて置換されているアルキルから選択され、
vは、整数3~10である。
一部の実施形態では、Rは、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、メチルまたはエチルである。一部の実施形態では、vは3である。一部の実施形態では、Yは、
Figure 2023528471000198
である。
一部の実施形態では、式(XIa)の化合物は、I(CHSi(OMe)、N(CHSi(OMe)、HN(CHSi(OMe)または(CHN(CHSi(OMe)から選択される。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されているポリマーを調製する方法を記載する。一態様では、本開示は、ポリマーを調製する方法であって、前駆体ポリマーを式(XVII)、式(XVIII)、式(XIX)または式(XX)のいずれか1つの化合物により処理するステップを含む、方法を記載する。
前駆体ポリマーは、当業者によって理解される通り、限定されない。一部の実施形態では、前駆体ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)またはC~C22アルキンを含む。一実施形態では、本前駆体ポリマーは、完全メチル化PEIである。
一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルピリジン(PVP)およびポリエチレンイミン(PEI)から選択され、式(XIa)の化合物は、I(CHSi(OMe)である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、ポリビニルベンジルクロリドであり、式(XIa)の化合物は、HN(CHSi(OMe)および(CHN(CHSi(OMe)から選択される。
一部の実施形態では、本ポリマーは、C~C22アルキンを含み、式(XIa)の化合物は、N(CHSi(OMe)である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、シアノ基を含み、式(XIa)の化合物は、N(CHSi(OMe)である。
一部の実施形態では、本ポリマーは、カルボキシル基を含み、式(XIa)の化合物は、HN(CHSi(OMe)である。
一部の実施形態では、本方法は、溶媒中で、前駆体ポリマーを式(XIa)の化合物により処理するステップをさらに含む。一部の実施形態では、溶媒はアルコールである。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。
一部の実施形態では、本方法は、前駆体ポリマーを少なくとも1つの必要に応じて置換されているハロゲン化C~C22アルキルにより処理するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ハロゲン化C~C22アルキルは、ハロゲン化C10アルキルである。
別の態様では、本開示は、本開示の化合物を調製する方法を記載する。一部の実施形態では、本方法は、(RNを式(Ib)の化合物により処理するステップを含み、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり:
Figure 2023528471000199
式(Ib)中、
Xは、ハロゲンであり、
(RN中、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである。
一部の実施形態では、式(Ib)の化合物は、
Figure 2023528471000200
から選択される。
表面
本開示は、一態様では、本開示のグラフト可能な基材にグラフトされている表面を提供する。
本開示の一態様では、本開示の化合物は、表面にグラフトされている。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの化合物である。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)または式(XVa)のいずれか1つの化合物である。一部の実施形態では、本化合物は、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの化合物である。
本開示の一態様では、本開示のポリマーは、表面にグラフトされている。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)、式(XVa)、式(XL)または式(XLa)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)または式(XVa)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)または式(XLa)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。
表面に結合している官能基は、グラフトされる場合、カテコール部分もしくはシリル部分などの、ポリマーまたは化合物の部分に共有結合により連結されている。コーティングでは、表面とコーティングされている基材との間の相互作用が、共有結合性連結ではなく静電相互作用に限定されるので、グラフトは、表面とポリマーまたは化合物との間に、コーティングよりも強い相互作用を実現する。以下のスキーム2は、ヒドロキシル化表面にグラフトされた本開示のポリマーおよび化合物の例を示している:
スキーム2:表面にグラフトされた本開示のポリマーおよび化合物の例
Figure 2023528471000201
当業者によって理解される通り、いずれの表面も本開示によって企図される。非限定例では、表面は、ナノ粒子を含む。当業者によって理解される通り、いずれのナノ粒子も本発明によって企図される。非限定例では、ナノ粒子は、Fe、Al、Cu、Zn、Mg、Mnまたは他の金属原子のいずれかを含む。表面の非限定例としては、チタンおよびチタン合金、鉄および鋼などの金属;金属酸化物;セラミック;ポリエチレン(生物医学インプラントにおいて使用するための低次および高次網目組織、事前プラズマ活性化後)、テフロン(登録商標)(事前プラズマ活性化後)、ポリエチレンテレフタレート(事前プラズマ活性化後)およびポリプロピレン(低密度および高密度、事前プラズマ活性化後)、シリコーン、ゴム、ラテックス、プラスチック、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフタレートおよびポリファゼンなどのポリマー;紙;レザー;綿、黄麻、亜麻、大麻、羊毛、動物の毛および絹などのテキスタイルまたはテキスタイル材料、ナイロンおよびポリエステルなどの合成布地;アクリルポリマー、アクリレートポリマー、アラミドポリマー、セルロース物質、綿、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、レーヨン、羊毛、スパンデックス、絹およびビスコースなどの繊維材料を含む繊維を含むテキスタイル材料;ケイ素;木材;ガラス;すべてのセルロース化合物;ならびにヒト身体内で通常見出されないゲルおよび流体が挙げられる。例えば、それらのすべての全内容が参照により本明細書に組み込まれている、US2005/0249695、US8,475,782、US2007/0292486、US4,282,366、US4,394,378、DE2222997、DE2229580、DE2408192、GB882067を参照されたい。
一部の実施形態では、表面は、チオール、アミンまたはヒドロキシル基のような不安定な水素原子を含む。一部の実施形態では、表面は、ラジカル基を含む。一部の実施形態では、表面は、ヒドロキシル基を含む。一部の実施形態では、表面は、元々、ヒドロキシル化されている。元々、ヒドロキシル化されている表面の例には、以下に限定されないが、綿、亜麻、レザー、紙、段ボールおよび木材が含まれる。表面の一部は、このような不安定な水素原子を元々、含有しておらず、不安定な水素原子は、当業者によって理解される通り、標準活性化法を使用することによって、インシチュで生成させなければならない。活性化の非限定的な方法としては、酸による処理、酸化剤処理、プラズマ処理およびUV/オゾン処理が挙げられる。ヒドロキシル化が活性化によって生じた物質の非限定例としては、プラスチック、シリコーン、ガラスおよび金属が挙げられる。一部の実施形態では、表面は、ヒドロキシル基が生じるよう、活性化される。
一部の実施形態では、本明細書に開示されているポリマーおよび化合物によりグラフトされた表面の陽イオン表面密度が測定される。陽イオン表面密度とは、表面に存在する四級アンモニウム化合物の電荷密度の測定値のことであり、ある特定の閾値より高い陽イオン表面密度は、当業者によって理解される通り、細菌の死滅が速やかに起こることを指し示す。一部の実施形態では、陽イオン表面密度は、約1014/cm~約1020/cmの間にある。一部の実施形態では、陽イオン表面密度は、約1015/cm~約1017/cmの間にある。一部の実施形態では、陽イオン表面密度は、約1015/cmより高い。
本開示の別の態様では、本開示の化合物、ポリマーおよび/またはグラフト可能な基材は、物質の物理表面特性を変化させるために使用することができる。非限定例では、本開示の化合物、ポリマーおよび/またはグラフト可能な基材は、カテコール部分またはシラン部分の側鎖の長さを変えることによって、表面の親水性または疎水性をモジュレートすることができる。例えば、長さが4個の炭素より多いアルキル鎖(C~C22アルキル鎖など)は、本開示の化合物およびポリマーに追加されて、これによって、その疎水性を増大することができる。非限定例では、化合物、ポリマーおよび/またはグラフト可能な基材は四級窒素を含み、各四級窒素は、本開示の部分またはC~C22アルキル鎖のどちらか一方を含む。グラフト後、疎水性のこのような増大により、グラフトされた表面(例えば、木材、金属、プラスチック、テキスタイルおよびレザー)を撥水性にして、その表面をかびおよび白かびから保護することによって、この表面が保護される。一実施形態では、C~C12アルキル鎖は、化合物、ポリマーおよび/またはグラフト可能な基材の殺生物特性を改善する。一実施形態では、C13またはそれより長いアルキル鎖は、化合物、ポリマー、グラフト可能な基材および/またはグラフト可能な組成物の疎水性を増大する。
本開示の一態様では、本開示の化合物は、アミド化反応によってCOOH部分および/またはNH部分を含むポリマーに共有結合により結合することができる。よって得られるポリマーは、複雑な多段階反応を援用することなく、表面に直接、グラフトすることができる。
グラフト
本開示の一態様では、本開示のグラフト可能な基材をグラフトする方法が提供される。
本開示の一態様では、ポリマーをグラフトする方法が提供される。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXId)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)または式(XVa)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。
本開示の一態様では、ポリマーをグラフトする方法が提供される。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXa)または式(Ic)のうちのいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。一部の実施形態では、本ポリマーは、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)のいずれか1つの少なくとも1つの部分を含むポリマーである。
本開示の一態様では、化合物をグラフトするための方法が提供される。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの化合物である。一部の実施形態では、本化合物は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)または式(XVa)のいずれか1つの化合物である。一部の実施形態では、本化合物は、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)のうちのいずれか1つの化合物である。
本開示の一態様では、化合物をグラフトするための方法が提供される。一部の実施形態では、本化合物は、式(XV)、式(XVI)または式(XVa)のいずれか1つの化合物である。
一態様では、本開示は、表面に基材をグラフトする方法を記載する。一部の実施形態では、本方法は、表面に本開示のグラフト可能な基材を堆積させるステップ、および一定期間、この表面を加熱するステップを含む。一部の実施形態では、グラフト可能な基材は、噴霧、ディップコーティングまたはスピンコーティングによって堆積される。一部の実施形態では、グラフト可能な基材は、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールから選択される、アルコールを含む溶媒中で堆積される。
一態様では、本開示は、表面にポリマーをグラフトする方法であって、表面に本開示のポリマーを堆積させるステップ、および一定期間、表面を加熱するステップを含む、方法を記載する。一部の実施形態では、本ポリマーは、溶媒中で堆積される。一部の実施形態では、溶媒はアルコールである。一部の実施形態では、溶媒は水である。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。
別の態様では、本開示は、表面に化合物をグラフトする方法であって、表面に本開示の化合物を堆積させるステップ、および一定期間、表面を加熱するステップを含む、方法を記載する。一部の実施形態では、本化合物は、溶媒中で堆積される。一部の実施形態では、溶媒はアルコールである。一部の実施形態では、溶媒は水である。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。
当業者によって理解される通り、堆積のいずれの方法も、本明細書における使用が企図される。堆積の方法の非限定例には、噴霧、ディップコーティングまたはスピンコーティングが含まれる。
当業者によって理解される通り、グラフトに好適ないずれの温度も、本明細書における使用に企図される。一部の実施形態では、表面は、約50℃~約120℃の範囲の温度に加熱される。一部の実施形態では、表面は、約110℃の温度に加熱される。
当業者によって理解される通り、グラフトに好適ないずれの温度も、本明細書における使用に企図される。一部の実施形態では、表面は、約15分間~約12時間の範囲の期間、加熱される。一部の実施形態では、表面は、約6時間~約12時間の範囲の期間、加熱される。一部の実施形態では、表面は、約15分間~約90分間の範囲の期間、加熱される。一部の実施形態では、表面は、約30分間~約60分間の範囲の期間、加熱される。一部の実施形態では、グラフトされるポリマーまたは化合物が、カテコール部分を含む場合、表面は、約15分間~約12時間の範囲の期間、加熱される。
一部の実施形態では、本方法は、溶媒で表面を洗浄するステップをさらに含む。洗浄に使用することができる溶媒の非限定例は、エーテルを含む。
一部の実施形態では、本方法は、表面を超音波処理するステップをさらに含む。超音波処理は、以下に限定されないが、5分間、15分間または30分間を含む期間、行うことができる。一部の実施形態では、表面は、溶媒中に存在する間に超音波処理される。非限定例では、超音波処理に有用な溶媒は、アセトン、エタノールおよび蒸留水を含む。
一部の実施形態では、表面は、グラフト前に活性化される。活性化の非限定例としては、プラズマ活性化、酸活性化またはUV/オゾン活性化が挙げられる。
耐久性コーティング
一態様では、本開示は、長期持続性、わずかまたは中度の摩耗に対する耐性を有しており、かつ耐久性の高い自浄特性を有する、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む、表面コーティングを提供する。
一態様では、コーティングは、ゾル-ゲルおよび殺生物ポリマー溶液の逐次堆積によって調製される。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、酸およびゾルの混合物を含む。一部の実施形態では、殺生物ポリマー溶液は、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む。非限定例では、チタンアナターゼゾル-ゲルと、カテコールアセチル-コアルキルPVPおよび塩化アルキル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムなどのランダムカテコールコポリマーの混合物などの、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物性コーティング用アルコール溶液の逐次堆積により、様々な溶媒、水における浸漬および摩耗に耐性がある、耐久性の高い長期持続性コーティングを実現する。
一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルを最初に、次に、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物ポリマー溶液を堆積させる。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物ポリマー溶液を最初に、次いで、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルを堆積させる。一部の実施形態では、ゾルは、酸化チタン源を含む。一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルは、ペルオキソ改変アナターゼゾルおよびペルオキソチタン酸の混合物を含む。一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルは、水溶液中に存在する。一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルは、水溶液中で希釈される。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む溶液は、アルコール溶液である。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物ポリマー溶液は、エタノールを含む。
一態様では、本開示は、コーティングを調製するための方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、ゾル-ゲルを堆積させるステップ、および殺生物ポリマー溶液を堆積させるステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、表面にゾル-ゲルを堆積させるステップ、および殺生物ポリマー溶液を堆積させるステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、表面に殺生物ポリマー溶液を堆積させるステップ、およびゾル-ゲルを堆積させるステップを含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルを最初に、次いで、殺生物ポリマー溶液を堆積させる。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは第1の層を形成し、殺生物ポリマー溶液は第2の層を形成する。一部の実施形態では、殺生物ポリマー溶液を最初に、次いで、ゾル-ゲルを堆積させる。一部の実施形態では、殺生物ポリマー溶液は第1の層を形成し、ゾル-ゲルは第2の層を形成する。一部の実施形態では、第2の層は、第1の層に接触している。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、酸およびゾルの混合物を含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、酸およびゾルの混合物を含み、殺生物性コーティング溶液は、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む。一部の実施形態では、酸はペルオキソチタン酸である。一部の実施形態では、ゾルは、ペルオキソ改変アナターゼゾルを含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、ペルオキソ改変アナターゼゾルおよびペルオキソチタン酸の混合物を含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、水溶液である。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、水溶液に希釈される。一部の実施形態では、殺生物ポリマー溶液は、アルコール溶液である。一部の実施形態では、殺生物ポリマー溶液はエタノールを含む。一部の実施形態では、第1の層は、金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第1の層は、酸化チタンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第2の層は、金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第2の層は、酸化チタンナノ粒子を含む。
一態様では、本開示は、コーティングを調製するための方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、表面に第1の溶液を堆積させるステップ、および第2の溶液を堆積させるステップを含む。一部の実施形態では、第1の溶液は第1の層を形成し、第2の溶液は第2の層を形成する。一部の実施形態では、第1の溶液および/または第2の溶液は、ゾル-ゲルである。一部の実施形態では、第2の層は、第1の層に接触している。一部の実施形態では、第1の溶液は、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルを含み、第2の溶液は、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物性コーティング溶液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物性コーティング溶液を含み、第2の溶液は、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルを含む。一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルは、ペルオキソ改変アナターゼゾルおよびペルオキソチタン酸の混合物を含む。一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルは、水溶液中にある。一部の実施形態では、酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルは、水溶液中で希釈される。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む溶液は、アルコール溶液である。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物性コーティング溶液は、エタノールを含む。一部の実施形態では、第1の層は、金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第1の層は、酸化チタンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第2の層は、金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第2の層は、酸化チタンナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、本方法は、第1の溶液が乾燥する好適な期間、待機するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、第2の溶液が乾燥する好適な期間、待機するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、ゾル-ゲルが乾燥する好適な期間、待機するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、殺生物ポリマー溶液が乾燥する好適な期間、待機するステップを含む。一部の実施形態では、第1の溶液および/または第2の溶液および/またはゾル-ゲルおよび/または殺生物ポリマー溶液が乾燥する好適な期間は、約1分間~約12時間、約1分間~約15分間、約5分間~約10分間、約6時間~約12時間または約3時間~約6時間の範囲である。一部の実施形態では、乾燥は、約0℃~約250℃、約25℃~約100℃、約30℃~約75℃または約20℃~約30℃の範囲の温度で行われる。一部の実施形態では、乾燥は、室温、室温より高温、約20℃、約25℃、約30℃、約50℃、約75℃、約100℃、約125℃、約150℃、約175℃または約200℃で行われる。一部の実施形態では、ゾル-ゲル、ならびに/または酸およびゾルの混合物を含むゾル-ゲルが乾燥する好適な期間、待機することにより、複数の金属酸化物ナノ粒子が、表面と実質的に接触する。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子である。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物は、1種または複数種の金属酸化物ナノ粒子の表面にグラフトされている。
一態様では、本開示は、金属酸化物ナノ粒子、および本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含むコーティングを提供する。一態様では、本開示は、金属酸化物ナノ粒子、および式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)、式(XXa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および/または式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含むコーティングを提供する。一部の実施形態では、コーティングは、金属酸化物ナノ粒子、および式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、コーティングは、金属酸化物ナノ粒子、および式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)、式(XLa)の1つまたは複数の化合物を含む。
一部の実施形態では、複数の金属酸化物ナノ粒子は、表面に実質的に接触している。一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物は、1種または複数種の金属酸化物ナノ粒子の表面にグラフトされている。
一態様では、コーティングは、表面に接触している第1の層、および第1の層に接触している第2の層を含む。一部の実施形態では、第1の層は、金属酸化物ナノ粒子を含み、第2の層は、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む。一部の実施形態では、第1の層は、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含み、第2の層は、金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、第1の層は、酸化チタンナノ粒子を含み、第2の層は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)、式(XXa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXId)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および/もしくは式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、第1の層は、酸化チタンナノ粒子を含み、第2の層は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、第1の層は、酸化チタンナノ粒子を含み、第2の層は、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)、式(XLa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、第1の層は、酸化チタンナノ粒子を含み、第2の層は、カテコールアセチル-コアルキル-PVPおよび塩化アルキル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムの混合物を含む。
一部の実施形態では、コーティングは、金属酸化物ナノ粒子を含む。金属酸化物ナノ粒子の非限定例は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化スズ、酸化タンタル、および1種または複数種のそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子を含むコーティングは、当業者によって理解される通り、ゾル-ゲルの適用を使用して調製される。非限定的な実施形態では、ゾルは、酸水溶液と組み合わせて、表面に堆積させることができる溶液を調製し、金属酸化物ナノ粒子を含むコーティングを得ることができる。一部の実施形態では、ゾルは、金属酸化物の供給源を含む。金属酸化物いずれの供給源も本開示によって企図される。金属酸化物の供給源の非限定例は、アナターゼである。一部の実施形態では、アナターゼは、ペルオキソ改変アナターゼである。ゾルを調製するために金属酸化物の供給源と組み合わせることができる酸のいずれも、本開示によって企図される。酸の非限定例は、ペルオキソチタン酸である。一部の実施形態では、溶液は、ペルオキソ改変アナターゼゾルおよびペルオキソチタン酸の混合物(チタンアナターゼ)を含む。一部の実施形態では、溶液は水溶液である。
一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、重量/体積基準で約1:10、重量/体積基準で約1:5、重量/体積基準で約1:4、重量/体積基準で約1:3、重量/体積基準で約1:2、重量/体積基準で約1:1、重量/体積基準で約2:1、重量/体積基準で約3:1、重量/体積基準で約4:1、重量/体積基準で約5:1、または重量/体積基準で約10:1の比の、酸と、金属酸化物の供給源とを含むゾルとを含む。
一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、重量基準で、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約1重量%または約0.6重量%~約0.9重量%の範囲のゾルおよび酸の混合物を含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%または約20重量%のゾルと酸との混合物を含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、約0.8重量%のゾルと酸との混合物を含む。一部の実施形態では、ゾルは、金属酸化物の供給源を含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、約0.8重量%のペルオキソ改変アナターゼゾルおよびペルオキソチタン酸の混合物(チタンアナターゼ)を含む。一部の実施形態では、ゾル-ゲルは、水溶液である。
一部の実施形態では、本開示のコーティングは、本開示のポリマー、基材および/または化合物のいずれかの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、コーティングは、カテコール部分を含む。一部の実施形態では、コーティングの耐久性は、他の化学部分と比較して、最適効率を維持すると同時に、カテコール部分の使用によって増大し得る。非限定例では、ムラサキイガイに倣ったバイオミメティック戦略が、例えば、静電相互作用によるコーティングと表面との間の結合強度を増大させるために開発された。カテコールアミンが非常に重合し易いので、カテコールアミンの使用を検査した。非限定例では、4-クロロアセチルカテコールおよびその誘導体が、静電相互作用または共有結合のどちらかにより、殺生物剤を表面に結合させるリンカーとして有用であることが判明した。一部の実施形態では、カテコール部分は、シラン部分と比較して、チタンナノ粒子と一層、ロバストな相互作用を呈示した。特定の理論のいずれによっても拘泥されることを望むものではないが、これらの結果は、Ti-O-C結合の方が、Ti-O-Si結合よりも高い安定性を呈すことに起因し得る。一部の実施形態では、カテコール部分と酸化チタンナノ粒子との組合せ物は、殺生物性コーティングの耐久性を増大させることが判明した。一部の実施形態では、コーティングのチタンナノ粒子は、Ti-O-C結合により、カテコール部分と相互作用することができる。同様に、大部分のオルガノシランは、容易に加水分解可能であり、これによって、湿潤環境または多湿環境では、それらの使用が困難となる。対照的に、カテコールをベースとする化合物は、水中での優れた粘着性を実現する。
一部の実施形態では、コーティングは、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)、式(XXa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXId)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、コーティングは、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、コーティングは、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)および式(XLa)の1つまたは複数の化合物を含む。
一部の実施形態では、コーティングは、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)、式(XXa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物、および金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、コーティングは、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物、ならびに金属酸化物ナノ粒子を含む。一部の実施形態では、コーティングは、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)および式(XLa)の1つまたは複数の化合物、ならびに金属酸化物ナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、本開示の1種または複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む殺生物性コーティング溶液は、アルコール溶液である。アルコールのいずれも、本開示によって企図される。アルコールの非限定例としては、エタノール、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコールおよびt-アミルアルコールが挙げられる。一部の実施形態では、アルコールはエタノールである。一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)、式(XXa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXId)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)の1つまたは複数の化合物を含む。一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)、式(XLa)の1つまたは複数の化合物を含む。
一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、異なる構造の2種またはそれより多いポリマー、基材および/または化合物の混合物を含む。一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、重量/体積基準で、約1:10、重量/体積基準で約1:5、重量/体積基準で約1:4、重量/体積基準で約1:3、重量/体積基準で約1:2、重量/体積基準で約1:1、重量/体積基準で約2:1、重量/体積基準で約3:1、重量/体積基準で約4:1、重量/体積基準で約5:1または重量/体積基準で約10:1の比の、異なる構造の2種のポリマー、基材および/または化合物を含む。一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、重量/体積基準で約1:1の比の、異なる構造の2種のポリマー、基材および/または化合物を含む。
一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、重量基準で、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約1重量%または約0.6重量%~約0.9重量%の範囲の、1種もしくは複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む。一部の実施形態では、殺生物性コーティング溶液は、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%または約20重量%の、1種もしくは複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む。一部の実施形態では、溶液は、約1重量%の、異なる構造の1種もしくは複数種のポリマー、基材および/または化合物を含む。
一態様では、本開示は、殺生物性、かつ疎水性、親水性および/または疎油性のコーティングを提供する。コーティングを調製する方法の非限定例は、図32に示されている。
一部の実施形態では、本コーティングは、
a)シロキサンをベースとするポリマー
b)金属酸化物ナノ粒子
c)エポキシ樹脂
d)殺生物部分、および
e)1種または複数種のベーキング剤
を含み、
複数の金属酸化物ナノ粒子が、疎水性コーティングによりコーティングされる。
シロキサンをベースとするポリマーのいずれも、本開示によって企図される。シロキサンをベースとするポリマーの非限定例としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリビニルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびテトラデカメチルヘキサシロキサンが挙げられる。一部の実施形態では、シロキサンをベースとするポリマーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
一部の実施形態では、コーティングは、金属酸化物ナノ粒子を含む。金属酸化物ナノ粒子の非限定例としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化スズ、酸化タンタル、および1つまたは複数のそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子を含む。一部の実施形態では、複数の本金属酸化物ナノ粒子は、表面に実質的に接触している。
一部の実施形態では、疎水性コーティングは、水素化および/またはフルオロ化されている1つまたは複数のアルキル鎖(C12~C22の間の水素化n-アルキル鎖、またはC~C12の間のフルオロ化n-アルキル鎖)を含む。一部の実施形態では、フルオロ化n-アルキル鎖の場合、C12よりも長いアルキル鎖は、低い溶解度を呈示し得るので、フルオロ化n-アルキルのアルキル鎖は、C12またはそれより短い。
エポキシ樹脂のいずれも本開示によって企図される。エポキシ樹脂の非限定例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)、ジグリシジルエーテルビスフェノールF(DGEBF)およびビスフェノールEジグリシジルエーテル(DGEBE)が挙げられる。
一態様では、殺生物部分は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)、式(XXa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXb1)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXId)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XL)、式(XLa)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)から選択される、1つまたは複数の化合物である。一態様では、殺生物部分は、式(Ib)、式(XV)、式(XVI)、式(XVa)、式(I)、式(Ia)、式(II)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VIII)、式(IXa)、式(IXb)、式(IXc)、式(IXd)、式(IXe)、式(IXe1)、式(IXf)、式(IXg)、式(IXh)、式(Ie)、式(IIb)、式(VIa)、式(IXaa)、式(Ic)および式(XVa)から選択される、1つまたは複数の化合物である。一態様では、殺生物部分は、式(XVII)、式(XVIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIII)、式(XIX)、式(XIXa)、式(XIXb)、式(XIXc)、式(XIXd)、式(XX)または式(XXa)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XIa)、式(XIb)、式(XIc)、式(XVIIa)、式(XVIIIa)、式(XVIIb)、式(XVIIc)、式(XVIId)、式(XVIIe)、式(XVIIf)、式(XVIIg)、式(XVIIh)、式(XVIIj)、式(XXI)、式(XXIa)、式(XXIb)、式(XXII)、式(XXIIa)、式(XXIIb)、式(XXIIc)、式(XXId)、式(XL)、式(XLa)から選択される、1つまたは複数の化合物である。一部の実施形態では、殺生物部分は、殺生物特性を呈示する金属である。本開示の範囲内で有用な金属の非限定例は、銀および銅を含む。
ベーキング剤(例えば、硬化剤)も、本開示によって企図される。ベーキング剤および/または硬化剤の非限定例には、脂肪族アミン、ポリアミド、脂環式アミン、芳香族アミン、無水物、イミダゾールおよびルイス酸が含まれる。
一部の実施形態では、シロキサンをベースとするポリマー、金属酸化物ナノ粒子、エポキシ樹脂、殺生物部分および1つまたは複数のベーキング剤が組み合わされて混合され、混合物を形成する。一部の実施形態では、この混合物を表面に塗布する。一部の実施形態では、ベーキング剤が、シロキサンをベースとするポリマーに添加、および混合された後に、混合物と組み合わされる。一部の実施形態では、ベーキング剤が、エポキシ樹脂に添加、および混合された後に、混合物と組み合わされる。
一部の実施形態では、混合物を表面に塗布した後に、この混合物を焼く。一部の実施形態では、この混合物を約40℃~約80℃または約50℃~約70℃の温度で焼く。一部の実施形態では、混合物を、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃または約80℃の温度で焼く。
一部の実施形態では、混合物をコーティングが硬化する好適な期間、焼く。一部の実施形態では、混合物は、約1時間~約5時間または約2時間~約4時間、焼かれる。一部の実施形態では、混合物は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間または約5時間、焼かれる。
コーティングは当業者によって理解される通り、当分野において公知の任意の方法を使用して、表面に塗布されてもよい。一部の実施形態では、コーティングは、静電噴霧器を使用して塗布される。静電噴霧器の使用は、標的表面上にマイクロ液滴の均一な堆積をもたらすという利点を有する。静電噴霧器は、とりわけ、競技場、病院、空港などの公共の場の大規模な滅菌のための有用な器具として、COVID-19の大流行の間に、大きな関心を得た。本開示の耐久性があり、長期持続性のコーティングとは対照的に、噴霧される現在使用される大部分の化合物(過酸化水素、クロルヘキシジン、長鎖四級アンモニウム化合物)は、一過的な効力および耐久性しかない。一部の実施形態では、本コーティングは、ディッププロセスを使用して塗布される。
本明細書に記載されているコーティングは、任意の表面に塗布することができる。表面の非限定例としては、コバルト、コバルト-クロム合金、アルミニウム、チタンおよびチタン合金、鉄、鋼およびステンレス鋼などの金属;金属酸化物;セラミック;ポリエチレン、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレートおよびポリプロピレン、シリコーン、ゴム、ラテックス、プラスチック、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフタレートおよびポリファゼンなどのポリマー、レザー、テキスタイルまたはテキスタイル材料、ナイロンおよびポリエステルなどの合成布地;アクリルポリマー、アクリレートポリマー、アラミドポリマー、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、レーヨン、スパンデックス、絹、ビスコースなどの繊維材料を含む繊維を含むテキスタイル材料、ケイ素およびガラスが挙げられる。非限定的な実施形態では、コーティングの耐久性は、組成物および配合物が、金属製基材にコーティングされる場合、特に有効であることが判明した。一部の実施形態では、表面は、金属製表面である。一部の実施形態では、表面は、活性化さている、および/または元々、ヒドロキシル化されている。
コンジュゲートされている生体分子
一態様では、本開示は、生体分子にコンジュゲートされている、本開示の殺生物部分を提供する。
一態様では、本開示は、式(XL)の化合物:
Figure 2023528471000202
を提供し、
式(XL)中、
Zは、単結合または連結基であり、
Bは、生体分子である。
生物学的特性を有するいずれの分子も、本開示によって企図される。非限定例では、生体分子は、タンパク質、酵素またはペプチドである。一部の実施形態では、生体分子は、チオール化アミノ酸(例えば、システイン)など、チオール基を含む。一部の実施形態では、生体分子は、システインを含む。一部の実施形態では、生体分子は、システインである。生体分子の非限定例としては、ウシ血清アルブミン、酵素(オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、リガーゼおよびイソメラーゼ)、ポリペプチド、抗体、緑色蛍光タンパク質(GFP)、セルリアン、mCherry、ペリカム、カメレオン、pHluorin、EGFP(増強された緑色蛍光タンパク質)、クロメレオン、ハロロドプシン、チャネルロドプシン、アーケロドプシン、マーメイドおよびGECIなどの蛍光タンパク質を含むタンパク質が挙げられる。
一部の実施形態では、生体分子は、1つまたは複数の検出可能な部分を含む。一部の実施形態では、検出可能な部分は、蛍光部分、リン光部分および発光部分から選択される1種または複数種のものである。一部の実施形態では、検出可能な部分は、クマリン部分、フルオレセイン部分、ローダミン部分、アクリジン部分、インドール部分、イソインドール部分、インドリジン部分、キノリン部分、イソキノリン部分、クロメン部分、キサンテン部分、ナフタレン部分、ピレン部分、ビマン(bimane)部分から選択される蛍光部分である。
一態様では、本開示は、式(XLa)の化合物:
Figure 2023528471000203
を提供し、
式(XLa)中、
Zは、単結合または連結基であり、
Bは、生体分子である。
一部の実施形態では、Zは、単結合である。一部の実施形態では、Zは、連結基である。連結基Zは、当業者によって理解される通り、任意の有機部分であってもよい。一部の実施形態では、連結基は、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、必要に応じて置換されているチオール、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているアルコキシ、-S-および-O-から選択される、1つまたは複数の連結基から選択される。一部の実施形態では、必要に応じて置換されている複素環は、必要に応じて置換されているトリアゾールおよび必要に応じて置換されているスクシンイミドから選択される。一部の実施形態では、スクシンイミドは、ジスクシンイミドである。一部の実施形態では、スクシンイミド(succiminime)はチオール基により置換されている。
一部の実施形態では、Zは、
Figure 2023528471000204
から選択される。一部の実施形態では、Zは、単結合、
Figure 2023528471000205
から選択される。
α、ωスクシンイミドのいずれも、本発明によって企図される。Rの非限定例としては、以下:
Figure 2023528471000206
が挙げられ、整数1~5である。一部の実施形態では、Rは、
Figure 2023528471000207
である。
式(XL)および式(XLa)の化合物を調製する方法の非限定例が、図28~図31に示されている。
一部の実施形態では、式(XL)および/または式(XLa)の化合物は、表面にグラフトおよび/または塗布されて、有用な生体分子をやはり含む、殺生物性コーティングをもたらす。一部の実施形態では、コーティングは、医療用装具、インプラント、コンタクトレンズ、カテーテルおよびバイオセンサーなどの生物医学用途に適用される。一部の実施形態では、コーティングは、診断剤として有用である。
使用方法
本開示の一態様では、細菌、真菌、原虫またはウイルスのうちの少なくとも1種の成長を制御するための方法が提供される。一部の実施形態では、本方法は、表面に本開示のグラフト可能な基材をグラフトするステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、表面に本開示の化合物をグラフトするステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、表面に本開示のポリマーおよび/または化合物をグラフトするステップを含む。一部の実施形態では、表面は、グラフト前に活性化される。
一部の実施形態では、細菌は、ヒト型結核菌(多剤耐性TBおよび超多剤耐性TBを含む)、ウシ型結核菌、M typhimurium、ウシ型結核菌株BCG、BCGの亜株、トリ型結核菌、M intracellulare、アフリカ型結核菌、M kansasii、M marinum、M ulcerans、ヨーネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、Staphylococcus equi、化膿性連鎖球菌、Streptococcus agalactiae、リステリア菌、Listeria ivanovii、炭疽菌、枯草菌、Nocardia asteroidesおよび他のノカルジア属の種、ヴィリダンス型連鎖球菌の群、ペプトコッカス属の種、ペプトストレプトコッカス属の種、イスラエル放線菌および他の放線菌属の種、ざ瘡プロピオンバクテリウム、破傷風菌、ウェルチ菌、ボツリヌス菌、他のクロストリジウム属の種、ならびにエンテロコッカス属の種から選択されるグラム陽性菌である。
一部の実施形態では、細菌は、緑膿菌、他のシュードモナス属の種、カンピロバクターの種、コレラ菌、エールリヒア属の種、Actinobacillus pleuropneumoniae、Pasteurella haemolytica、Pasteurella multocida、他のパスツレラ属の種、レジオネラ・ニューモフィラ菌、他のレジオネラ属の種、腸チフス菌、他のサルモネラ属の種、赤痢菌属の種、ウシ流産菌、他のブルセラ属の種、トラコーマクラミジア、オウム病クラミジア、Coxiella burnetti、大腸菌、髄膜炎菌、淋菌、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、他のヘモフィルス属の種、ペスト菌、Yersinia enterolitica、他のエルジニア属の種、大腸菌、Escherichia hiraeおよび他のエスケリキア属の種、ならびに他の腸内細菌科、Burkholderia cepacia、類鼻疽菌、野兎病菌、Bacteroides fragilis、Fusobascterium nucleatum、Provetellaの種、Cowdria ruminantium、クレブシエラ属の種、ならびにプロテウス属の種から選択されるグラム陰性菌である。
一部の実施形態では、ウイルスは、トリインフルエンザ、ヒト免疫不全ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV)、ライノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、麻疹、エボラ、西ナイル、黄熱、デング熱、ラッサ、リンパ球性脈絡髄膜炎、フニン、マチュポ、グアナリト、ハンタウイルス、リフトバレー熱、ラクロス、カリフォルニア脳炎、クリミア-コンゴ、マールブルク、日本脳炎、キャサヌル森林病、重症急性呼吸器症候群(SARS)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)、パラインフルエンザおよびピキンデウイルスから選択される。
別の態様では、本開示は、生物によるセルロースの消化を予防する方法を記載する。一部の実施形態では、本方法は、セルロースを含む表面に本開示のポリマーまたは化合物をグラフトするステップを含む。一部の実施形態では、表面は、木材セルロースを含む。一部の実施形態では、生物は、樹木穿孔性キクイムシ(gribble)、フナクイムシ、ワラジムシおよび樹木穿孔性昆虫から選択される。樹木穿孔性昆虫の非限定例には、シロアリ、キクイムシ(bark beetle)、キバチの幼虫、蛾の幼虫、甲虫が含まれる。一部の実施形態では、昆虫は、木質食性昆虫である。木質食性昆虫の非限定例には、シロアリ、キクイムシ(bark beetle)、キバチの幼虫、蛾の幼虫および甲虫が含まれる。
本明細書において包含される実施形態を、これより、以下の実施例を参照しながら説明する。これらの実施例は例示目的のために提示されているに過ぎず、本明細書において包含される本開示は、これらの実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書において提示されている教示の結果として、明白になったありとあらゆる変形形態を包含すると解釈されるべきである。
(実施例1)
カテコール部分の調製
4-(ヨードアセチル)カテコール
4-(クロロアセチル)カテコールを、アセトン中でヨウ化ナトリウムで処理し、3時間加熱還流すると、4-(ヨードアセチル)カテコールが生成した。反応順序は、スキーム3に図示されている。
スキーム3:4-(クロロアセチル)カテコールからの4-(ヨードアセチル)カテコールの調製
Figure 2023528471000208
4-(アジドアセチル)カテコール
4-(クロロアセチル)カテコールを、イソプロパノール中、アジ化ナトリウムで処理し、6時間、加熱還流すると、4-(アジドアセチル)カテコールが生成した。反応順序は、スキーム4に図示されている。
スキーム4:4-(クロロアセチル)カテコールからの4-(アジドアセチル)カテコールの調製
Figure 2023528471000209
非限定例では、当業者によって理解される通り、クリックケミストリーを使用して、4-(アジドアセチル)カテコールをアルキンに連結し、それぞれ、トリアゾールまたはテトラゾール連結を生成する。スキーム5は、クリックケミストリーを使用して形成された連結の一例を例示する。
スキーム5:トリアゾール(A)およびテトラゾール(B)連結を形成するクリックケミストリーの例
Figure 2023528471000210
4-(アミノアセチル)カテコール
4-(アジドアセチル)カテコールを、水中でトリフェニルホスフィン(triphenylphospine)で処理し、4-(アミノアセチル)カテコールを生成した。反応順序は、スキーム6に図示されている:
スキーム6:4-(アジドアセチル)カテコールからの4-(アミノアセチル)カテコールの調製
Figure 2023528471000211
非限定例では、当業者によって理解される通り、4-(アミノアセチル)カテコール(4-(aminooacetyl)catechol)をカルボニルに連結して、アミドを形成する。スキーム7は、アミド連結の一例を例示する。
スキーム7:アミド連結の例示的な合成
Figure 2023528471000212
4-(シアノアセチル)カテコール
4-(クロロアセチル)カテコールを、ジメチルホルムアミド(DMF)中でシアン化カリウムで処理し、4-(シアノアセチル)カテコールを生成した。反応順序は、スキーム8に図示されている:
スキーム8:4-(クロロアセチル)カテコールからの4-(シアノアセチル)カテコールの調製
Figure 2023528471000213
非限定例では、当業者によって理解される通り、クリックケミストリーを使用して、4-(シアノアセチル)カテコールをアルキンに連結し、テトラゾール連結を生成する。スキーム9は、テトラゾール連結の一例を例示する。
スキーム9:テトラゾール連結を形成するクリックケミストリーの例
Figure 2023528471000214
3-(3,4-ジヒドロキシベンゾイル)プロピオン酸
4-(クロロアセチル)カテコールを、最初に、ジメチルホルムアミド(dimetylformamide)(DMF)中、シアン化カリウムにより処理して4-(シアノアセチル)カテコールを形成し、次いで水で処理して、3-(3,4-ジヒドロキシベンゾイル)プロピオン酸を生成した。反応順序は、スキーム10に図示されている:
スキーム10:4-(クロロアセチル)カテコールからの3-(3,4-ジヒドロキシベンゾイル)プロピオン酸の調製
Figure 2023528471000215
非限定例では、当業者によって理解される通り、3-(3,4-ジヒドロキシベンゾイル)プロピオン酸をアミンに連結して、アミドを形成することができる。スキーム11は、アミド連結の一例を例示する。
スキーム11:例示的なアミド連結の合成
Figure 2023528471000216
4-(ジメチルアミノアセチル)カテコール
4-(ヨードアセチル)カテコールを炭酸カリウムの存在下、テトラヒドロフラン中で、ジメチルアミンおよび炭酸カリウムで処理し、4-(ジメチルアミノアセチル)カテコールを生成した。反応順序が、スキーム12Aに図示されている:
スキーム12:4-(ヨードアセチル)カテコールからの4-(ジメチルアミノアセチル)カテコールの調製
Figure 2023528471000217
(実施例2)
グラフト可能な抗細菌性部分のワンポット合成
接触頻度が高い表面への抗細菌特性を付与する表面のグラフトは、長鎖三級アミンをハロアルキルトリエトキシシランまたはトリメトキシシランにより四級化することによって達成することができる。この合成経路が、高収率の四級アンモニウム化合物をもたらす場合でさえも、少量の揮発性シラン(<1%)が依然として残る。このような量のシリル汚染物質は、このシラン化合物の特に揮発性の特性のために、四級アンモニウム化合物の噴霧を危険にするほど十分な効力がある。空間の網目組織化は、噴霧手順の間に、眼への深刻な損傷を引き起こす恐れがある。したがって、4-ハロアセチルカテコール部分を使用する、ある特定の表面にこれらの組成物をグラフトする別のプロセスが開発された。一部の実施形態では、4-ハロアセチルカテコール部分を、アルコール(メタノールおよび/またはエタノールなど)中でジアルキルアミノアルカンにより処理し、24時間、加熱還流する。一般的な反応順序が、スキーム13Aに図示されている:
スキーム13A:四級アンモニウム化合物の例示的な合成
Figure 2023528471000218
上記のスキーム13Aにおいて、Rはそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、Xは、Cl、BrまたはIであり、nは、整数3~21である。
調製のこの方法は、副生物を形成しない。4-ハロアセチルカテコール部分の生成物は、エタノール/メタノールなどのアルコール、および水に可溶であり、ヒドロキシル化した表面を含めた、様々な表面にグラフトする準備が整っている(ヒドロキシル化は、表面で元々、起こり得るか、または活性化によって実現することができる)。この部分が、噴霧方法などの方法を使用して堆積される場合、4-ハロアセチルカテコール部分は、一般に、周囲温度で固体であるため、4-ハロアセチルカテコール部分は、揮発性シランと同じリスクを呈しない。
以下のスキーム13Bは、4-(ジメチルアミノアセチル)カテコールを使用して、四級アンモニウムカテコール化合物を調製するための代替的な手法を記載する。4-(ジメチルアミノアセチル)カテコールをハロゲン化アルキル(非限定例では、ハロゲン化アルキルは、C16~C20アルキル鎖を含む)で処理して、四級4-(アルキルジメチルアミノアセチル)カテコール化合物を得る。
スキーム13B:四級アンモニウム化合物の例示的な合成
Figure 2023528471000219
(実施例3)
即時グラフト可能なカテコールをベースとする四級アンモニウム部分の合成
1グラムのN,Nジメチルオクタデシルアミン89%(Mw:297.57g/mol;1当量)を、沸騰イソプロピルアルコール中で24時間、620mgの4-クロロアセチルカテコール(Mw:186.59g/mol;1当量)と反応させると、塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウム(ODMcat)生成物(90%収率)が得られた。図14は、4-クロロアセチルカテコールと比較した、塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムのIRスペクトルを示す。反応順序は、スキーム14に図示されている:
スキーム14:塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウム(ODMcat)の調製
Figure 2023528471000220
(実施例4)
ろ紙へのグラフト
堆積およびグラフト:
1cm片のろ紙にイソプロパノール中、ODMcatの溶液を含浸し、110℃のオーブン中で1時間、焼いた。続いて、過剰の試薬を取り除くため、この試料をエタノールですすぎ、同じ溶媒中で20分間、超音波処理した。
フルオレセイン目視試験
含浸済みろ紙の試料を10分間、1%フルオレセイン溶液に移した。続いて、この試料を蒸留水により徹底的に洗浄し、試料からの過剰な物理吸着フルオレセインを取り除くため、試料から物理吸着フルオレセインのさらなる放出がなくなるまで、蒸留水中で超音波処理した。次に、この試料を空気乾燥した。ODMcatにより処理した試料は、はっきりとしたオレンジ色に見えた一方、対照試料(未処理ろ紙)は、白色に見えた(図1)。オレンジ色は、ODMcat部分に由来する共有結合により結合した四級アミノ基に結合したフルオレセイン色素分子の保持によるものである。
(実施例5)
綿へのグラフト
堆積およびグラフト
綿をODMcatのアルコール溶液に浸した。綿試料を1時間、110℃のオーブン中で焼いた。対照綿を蒸留水に浸した。次に、これらの試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、次に、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン目視試験
試料を実施例4に記載したフルオレセイン目視試験に準拠して処理した。図2は、ボルテックス、超音波処理および乾燥後の、対照とODMcat処理綿との画像を示す。ODMcat処理綿のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているODMcat部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素の対イオン数がかなり多いことによる。
(実施例6)
ガラスへのグラフト
ガラス調製および活性化
4.84cmのカバーガラス(22mm×22mm)をアセトン、エタノールおよび蒸留水中で超音波処理した。次に、カバーガラスをピラニア溶液[96%硫酸/30%過酸化水素(2/1、v/v)]中に10分間入れて、ガラス表面にSi-OH基を作出した。続いて、カバーガラスのすべてを蒸留水によりすすぎ、蒸留水中で超音波処理し、空気乾燥した。
堆積およびグラフト
実施例3に準拠して調製した溶液をスピンコーティングによって活性化カバーガラスに堆積させて、次に、活性化ガラス(22mm×22mmのカバーガラス)に共有結合によりグラフトした。堆積後、試料を60分間、110℃のオーブンに移した。次に、試料を回収し、残留するいかなる物理吸着試薬も適切に除去するため、エタノール中で5分間、超音波処理した。次に、試料を蒸留水中で5分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N/cm)をフルオレセインのUV/Vis吸光度を使用して計算した。フルオレセイン色素分子(負に荷電)は、ポリマー鎖に属する四級アミノ基(正に荷電)に強く結合する。フルオレセイン結合の化学量論は、4つの四級アンモニウム部分あたり1つの色素分子と推定される。処理したプレートを5分間、1%フルオレセイン水溶液中に入れて、次に、物理吸着フルオレセインを除去するため、すすいで、数分間、蒸留水中で超音波処理した。プレートを蒸留水ですすぎ、PBS(リン酸緩衝液生理食塩水)を含むCTAB0.5%(臭化セチルトリメチルアンモニウム(cetyltrimehylammonium bromide)の水溶液)3mL(90%CTAB/10% PBS)に浸漬し、10分間、超音波処理した。化学吸着されたフルオレセインの光学密度を501nmの波長で測定した。
以下の式に従って、表面陽イオン密度を推定した:
Figure 2023528471000221
A:501nmにおけるフルオレセイン溶液の吸光度
V:体積(3mL)
:アボガドロ数(6.022140857×1023mol-1
ε:フルオレセインモル吸光係数またはモル消光係数(L×mol-1×cm-1)。
S:表面(cm
測定は、以下の通りとした:
スピンコーティングして処理したスライドガラス(150μLの堆積量、4000RPM、40秒、3mL CTAB/PBS)
A=0.021±0.003
表面陽イオン密度の計算値:4×1014個の陽イオン/cm
これらの結果により、ガラス表面にカテコールをベースとする四級アンモニウム部分が効果的にグラフトされたことが確認された。
(実施例7)
グラフト可能な殺生物ポリマーのワンポット合成
ポリ(4-ビニルピリジン)に基づくポリマーの一般合成
ポリ(4-ビニルピリジン)(PVP;Mw60,000g/mol;1当量)を、アルコール溶媒中、4-(クロロアセチル)カテコール(2-クロロ-3,4-ジヒドロキシアセトフェノンとしても知られている)または4-(ヨードアセチル)カテコール(0.1~0.5当量)およびアルキル鎖(例えば、C~C12炭素鎖)と反応させて、殺生物特性を有するランダムコポリマーを調製した。この溶液を一晩、還流した。続いて、ハロゲン化C~C12アルキル(過剰)を加えた(最適殺生物活性のための最良の長さを確認するため)。この反応を、所望の四級化比
Figure 2023528471000222
に応じて、24時間~4日間の間のいずれかに停止した。部分四級化により、生体適合性と殺生物活性の両方を呈するポリマーがもたらされた。四級化の最大収率は、高い殺生物活性を呈するポリマーをもたらす。スキーム15に図示されている通り、1当量のPVPを使用して、x:(1-x)(0.1≦x≦0.5)となるA:Bのモル比を構成する、ランダムコポリマーを調製する。
スキーム15:ポリ(4-ビニルピリジン)に基づくポリマーの合成に関する一般合成スキーム
Figure 2023528471000223
(実施例8)
ランダムコポリマー(C1)の合成
ワンポットプロセスで、沸騰イソプロパノール中、ヨードプロピルトリメトキシシラン(0.05当量)、ポリビニルピリジン(PVP)(1当量)およびブロモブタン(1当量)を4日間の反応時間、反応させることによって、ランダムコポリマーを調製した。
(実施例9)
新規ランダムコポリマーの合成:カテコールアセチル-コブチルPVP(C2)
ワンポットプロセスで、沸騰イソプロパノール中、4-クロロアセチルカテコール(0.06当量)、ポリビニルピリジン(PVP)(1当量)およびブロモブタン(1当量)を4日間の反応時間、反応させることによって、ランダムコポリマーを含む溶液を調製した。スキーム16は、一般合成スキームを図示している。ランダムコポリマー中のA対Bのモル比は、0.06:0.94である。カテコールアセチル-コブチルPVPのIRスペクトルを図15に示す。図18は、カテコールアセチル-コブチルPVPコポリマー(C2)のIRスペクトルを例示し、バックグラウンドに非四級化PVPを示す。図19は、カテコールアセチル-コブチルPVPコポリマー(C2)のIRスペクトルを例示する。PVP-カテコール-コデシル-PVPコポリマーもまた、類似の方法を使用して調製し、アルキル側鎖の修飾に成功したことを実証した。図20は、カテコールアセチル-コデシルPVPコポリマーのIRスペクトルを例示し、バックグラウンドに市販の非四級化PVPを含む。
スキーム16:C2の合成
Figure 2023528471000224
(実施例10)
チタン表面へのポリマーのグラフト
プレート調製および活性化
1cmのチタンプレート(99.6%純度、Goodfellow、Cambridge Ltd.、Huntington、英国)を、それぞれ、1分間、2分間および3分間、3種の粒度(P800、P2000およびP4000グリット紙)で逐次、磨いた。残留粒子を除去するため、徹底的な洗浄、および5分間の蒸留水を用いる超音波処理プロセスの後に、上記のプレートをピラニア溶液[96%硫酸/30%過酸化水素(2/1、v/v)]中に2分間、入れて、表面を活性化した。続いて、プレートのすべてを蒸留水中ですすいで超音波処理し、空気乾燥した。
堆積およびグラフト
実施例9に準拠して調製したランダムコポリマー(C2)の溶液を、活性化したプレート表面にスピンコーティングまたはディップコーティングのどちらかによって堆積させた。次に、このプレートを、110℃のオーブン中で一晩、焼いた。次に、このプレートを10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、プレートを蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N/cm)は、上記の実施例6の通り、フルオレセイン試験によって計算した。Kueglerらに従って、殺生物陽イオン表面の最適効率に対する電荷密度の閾値は、約1015個の陽イオン/cmである。
以下の測定を行った:
チタンプレート(1cm)を5%C2の水溶液によりスピンコーティングし、110℃のオーブン中で一晩、焼いた(150μLの堆積量、4000RPM、40秒)。表面陽イオン密度計算は、3mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた:
- A=0.079±0.005
- 表面陽イオン密度の計算値:7.44×1015個の陽イオン/cm
チタンプレート(1cm)を5%C2の水溶液によりディップコーティングし、110℃のオーブン中で一晩、焼いた(150μLの堆積量、4000RPM、40秒)。計算は、3mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.139±0.009
- 表面陽イオン密度の計算値:1.31×1016個の陽イオン/cm
C2をチタンにスピンコーティングしたか、またはディップコーティングしたかに関わらず、最適効率の閾値を超える、高い陽イオン電荷密度(殺生物活性)が系統的に提示される。
(実施例11)
綿へのグラフト
堆積およびグラフト
実施例9に準拠して調製したランダムコポリマー(C2)の溶液を使用し、5分間、綿を浸した。対照綿を蒸留水に浸した。処理した綿および対照綿を、110℃のオーブンで60分間、焼いた。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン目視試験
試料を実施例4に記載したフルオレセイン目視試験に準拠して処理した。図3は、ボルテックス後の、対照綿およびC2処理綿の画像を示す。図4は、ボルテックス、超音波処理および乾燥後の、対照綿およびC2処理綿の画像を示す。C2処理綿のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているC2部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素の対イオン数が多いことによる。
(実施例12)
ろ紙へのグラフト
堆積およびグラフト
1cmの乾燥ろ紙試料を4滴の水性5% C2(実施例9に準拠して合成した)で含浸し、110℃のオーブン中で60分間、焼いた。対照ろ紙の試料を蒸留水に含浸した。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン目視試験
試料を実施例4に記載したフルオレセイン目視試験に準拠して処理した。図5は、フルオレセイン試験後の、対照ろ紙およびC2処理ろ紙の画像を例示する。C2処理ろ紙のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているC2部分の四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。
(実施例13)
アルミニウムへのグラフト
プレート調製および活性化
4cmおよび1cmのアルミニウム1060プレートをアセトン中、次に、エタノール中、次に、蒸留水中で超音波処理した。このプレートをNaOH 0.1M溶液中で20分間、浸漬して、酸化アルミニウムの保護層を除去して、Al-OH結合を得た。続いて、プレートのすべてをすすぎ、蒸留水中で10分間、超音波処理して空気乾燥した。
堆積およびグラフト
実施例8(C1)および実施例9(C2)に準拠して調製したランダムコポリマーの溶液を、活性化したプレート表面にスピンコーティング、ディップコーティングまたは浸漬のいずれかによって堆積させた。このプレートを110℃のオーブン中で一晩、焼いた。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N/cm)は、実施例6に記載されているフルオレセイン試験によって計算した。Kueglerらに従って、殺生物陽イオン表面の最適効率に対する電荷密度の閾値は、約1015個の陽イオン/cmである。
以下の測定を行った:
アルミニウムプレート(4cm)を浸漬し、5%C2(3mL)の水溶液中に入れて、110℃のオーブン中で3時間、焼いた。計算は、15mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.076±0.007
- 表面陽イオン密度の計算値:4.44×1016個の陽イオン/cm
5%C2をディップコーティングしたアルミニウムプレート(4cm)を、110℃のオーブン中で3時間、焼いた。計算は、15mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.150±0.015
- 表面陽イオン密度の計算値:1.4×1016個の陽イオン/cm
アルミニウムプレート(4cm)を、実施例8において調製したC1の溶液に浸漬し、110℃のオーブン中で3時間、焼いた。計算は、3mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.043±0.0013
- 表面陽イオン密度の計算値:1.04×1015個の陽イオン/cm
これらの結果は、C2が、C1よりも高い表面陽イオン密度およびAの値を有すること、ならびにしたがって、C1よりも改善された特性を呈示することを実証している。
カテコール基の金属との高い親和性に起因して、これらのカテコールリンカーの使用は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼などの表面金属をグラフトするための非常の効率の高い部分をもたらす。
(実施例14)
ガラスのグラフト
ガラス調製および活性化
実施例6に準拠して、スライドガラスを調製した。
堆積およびグラフト
実施例9に準拠して調製したランダムコポリマー(C2)の溶液を浸漬することによって、活性化ガラスに堆積させた。堆積後、試料を110℃のオーブン中で60分間、焼いた。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N/cm)は、実施例6に記載されているフルオレセイン試験によって計算した。
以下の測定を行った:
スライドガラス(10.5cm)を、実施例9において調製した5%C2の水溶液に浸漬し、110℃のオーブン中で60分間、焼いた。計算は、3mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.866±0.024
- 表面陽イオン密度の計算値:7.6×1015個の陽イオン/cm
(実施例15)
バルサ材へのグラフト
試料調製
1cmの正方形のバルサ材(厚さ1.5mm)をアセトン、エタノールおよび蒸留水中で超音波処理した。次に、正方形のすべてを空気乾燥した。
堆積およびグラフト
試料を、エタノール/水v/v(4mL)中5%C2(実施例9に調製した通り)溶液の混合物中に30分間入れた。堆積後、試料を110℃のオーブン中で60分間、焼いた。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
体積あたりの陽イオン濃度(N/cm)を、上記の通り、フルオレセイン試験によって計算した。
以下の測定を行った:
バルサ材試料をエタノール/水v/v(4mL)中、5%C2(実施例9に記載した通りに調製した)溶液の混合物中に浸漬し、110℃のオーブン中で1時間、焼いた。計算は、10mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.511±0.016
- 体積あたりの陽イオン濃度:0.15cm中に1.98×1016個の陽イオンとなり、これは、1.32×1017個の陽イオン/cmに対応する。
(実施例16)
ステンレス鋼へのグラフト
ステンレス鋼の調製および活性化
4cmのステンレス鋼プレートをアセトン中、次に、エタノール中、次に、蒸留水中で超音波処理した。次に、それらをスルホクロム酸溶液中に、20分間、50℃で入れ、プレート表面を活性化した。続いて、ステンレス鋼プレートのすべてをすすぎ、蒸留水中で10分間、超音波処理して空気乾燥した。
堆積およびグラフト
実施例9に準拠して調製したランダムコポリマー(C2)の溶液を浸漬することによって、活性化したステンレス鋼プレートに堆積させた。このプレートを110℃のオーブン中で一晩、焼いた。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去した。次に、試料を蒸留水中で10分間、超音波処理し、蒸留水ですすいだ。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N/cm)は、実施例6に記載されているフルオレセイン試験によって計算した。
以下の測定を行った:
ステンレス鋼試料(4cm)を5%C2(実施例9において記載した通りに調製した)の水溶液に浸漬し、110℃のオーブン中で一晩、焼いた。計算は、3mLのCTAB/PBS溶液の使用に基づいた。
- A=0.578±0.021
- 表面陽イオン密度の計算値:6.75×1015個の陽イオン/cm
(実施例17)
ポリ(ビニルベンジルクロリド)からのグラフト可能なポリマーの調製に関する一般合成
グラフト可能なポリマーは、ポリ(ビニルベンジルクロリド)から調製する(図6)。ポリビニルベンジルクロリド(MW55000g/mol;1当量;メタおよびパラの混合物)をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解する。この反応混合物に、4-(ジメチルアミノアセチル)カテコール(0.05~0.20当量の間)を加える。この反応混合物を4時間、加熱還流する。エタノールの溶液中の過剰のC~C12アルキルジメチルアミンを反応混合物に加え、これを24時間、加熱還流し、次に、室温まで冷却する。回転蒸発を使用して、反応混合物の体積を3分の2低下させて、続いて、約4~8℃まで冷却する。エーテルまたはアセトンなどのポリ陽イオンの非溶媒を沈殿物が見られるまで加える。この混合物を4℃で一晩、冷却した後、沈殿物を吸引ろ過によって単離し、非溶媒(例:エーテル)で洗浄し、真空下で乾燥すると、所望のカテコール四級化ポリマーが得られる。スキーム17は、x:(1-x)(0.05≦x≦0.5)のA:Bのモル比を構成する、得られるランダムコポリマーの一般合成を図示する。
スキーム17:ポリ(ビニルベンジルクロリド)からのグラフト可能なポリマーの一般合成
Figure 2023528471000225
ポリビニルベンジルクロリドをジメチルアミノアセチルカテコールにより処理すると、ポリビニルベンジルクロリドが部分四級化される。続いて、ジメチルアミノアルキル鎖を過剰に添加すると、残りの利用可能な部位(未反応モノマー単位)が四級化される。
(実施例18)
ポリ(ビニルベンジルクロリド)からのグラフト可能なポリマーの調製
実施例17の方法を使用して、グラフト可能なポリマーをポリ(ビニルベンジルクロリド)から調製する。4-(ジメチルアミノアセチル)カテコール(0.1当量)およびN,N-ジメチルデカン-1-アミン(過剰)を使用する。ポリマー生成物は、カテコール部分を有する四級化窒素(スキーム17におけるA)とブチル部分を有する四級化アミン(スキーム17におけるBであり、この場合、アルキル鎖は、4個の炭素である)とのモル比が0.1:0.9を構成する、ランダムコポリマー(臭化ポリビニルベンジル(N-カテコールアセチル-N,N-ジアルキル)アンモニウム)である。
(実施例19)
ポリエチレンイミン(PEI)からのグラフト可能なポリマーの調製に関する一般合成
グラフト可能なポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI)から調製した(図7)。PEIは、53個のモノマー単位を含有し、各々は、四級化することができる、11個の窒素(N)を含有し、分岐状、超分岐状または直鎖状とすることができる。
以下のスキーム18に図示されている通り、PEI(MW75,000g/mol)をホルムアルデヒドおよびギ酸の混合物で処理し、一級および二級アミン基を徹底的にメチル化した。低分子量(25,000g/molなど)を有するPEIは、低い陽イオン電荷密度(1015個未満の電荷/cm)を呈示する表面をもたらすことが、驚くべきことに判明した。図8は、徹底的なメチル化後のPEIの構造を例示する。図23は、超分岐状のメチル化PEI(750kda)および市販PEI(750kda)のIRスペクトルを例示している。
スキーム18:PEI中の一級および二級アミンの徹底メチル化
Figure 2023528471000226
この反応混合物を濃KOH水溶液で中和し、次に、クロロホルムで3回、抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固した。収率は定量的であった。
次に、メチル化PEI生成物をアルコール(イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコールまたはt-アミルアルコールなど)に溶解し、4-(クロロアセチル)カテコールまたは4-(ヨードアセチル)カテコール(0.2~0.5当量)により処理した。この反応混合物を数時間、加熱還流した。アルコールに溶解したハロゲン化C~C12アルキル(過剰)の溶液を反応混合物に加え、次に、2~4日間、加熱還流した。この反応混合物を約4~8℃に冷却し、回転蒸発を使用して、反応混合物の体積をその最初の体積の約3分の1に低下させた。沈殿物が現れるまで非溶媒を加え、次に、この反応混合物を4℃で一晩、保った。次に、この沈殿物を吸引ろ過によって単離し、非溶媒(例:エーテル)で洗浄し、真空下で乾燥すると、所望のカテコール四級化PEIポリマーが得られた。スキーム19は、カテコール部分に連結した、完全にメチル化したPEIモノマーの例を図示する。
スキーム19:カテコール部分に連結した例示的なPEIモノマー
Figure 2023528471000227
(実施例20)
ポリエチレンイミン(PEI)からのグラフト可能なポリマーの調製
実施例19の方法を使用して、グラフト可能なポリマーをPEIから調製した。4-(クロロアセチル)カテコール(0.1当量)および1-ブロモデカン(過剰)を使用した。ポリマー生成物は、0.1:0.9となる、カテコール部分を有する四級化窒素とデシル部分を有する四級化窒素とのモル比を構成するランダムPEIコポリマーであった。一部の実施形態では、1-ブロモデカンの代わりに、1-ブロモヘキサンを使用する。デシル部分の代わりにヘキシル部分を有する対応するPEIポリマーもまた調製した。図22は、比1/9のアセチルカテコール基およびデシル基で部分グラフトした、完全メチル化四級化PEIランダムコポリマーのIRスペクトルを例示する。
(実施例21)
アルキルシラン部分を有するポリエチレンイミン(PEI)からのグラフト可能なポリマーの調製に関する一般合成
グラフト可能なポリマーは、アルキルシラン(0.05当量)を4-(クロロアセチル)カテコールまたは4-(ヨードアセチル)カテコールの代わりに使用する以外、実施例19に記載されているものと同じ手順を使用して、ポリエチレンイミン(PEI)および3-ヨードプロピルトリメトキシシランなどのアルキルシラン部分から調製した。スキーム20は、3-プロピルトリメトキシシラン部分に連結した完全メチル化PEIモノマーの一例を図示する。
スキーム20:3-プロピルトリメトキシシランに連結した例示的な完全メチル化PEIモノマー
Figure 2023528471000228
(実施例22)
ポリエチレンイミン(PEI)からのグラフト可能なポリマーの調製
実施例21の方法を使用して、グラフト可能なポリマーをPEIから調製した。3-ヨードプロピルメトキシシラン(0.1当量)をアルキルシランとして使用し、1-ブロモヘキサン(過剰)をハロゲン化C~C12アルキルとして使用した。ポリマー生成物は、0.1:0.9となる、アルキルシラン部分を有する四級化窒素とヘキシル基を有する四級化窒素のモル比を構成するランダムPEIコポリマーであった。溶媒の非存在下では、シランリンカーが最終的に網目構造となるので、部分シラン化PEIを単離することはできなかった。非限定例では、PEI-co-アルキル-PEIは、アルコール溶液中、またはアルコール/水溶液中に保つ。図34は、比1/9のプロピルトリメトキシシラン基およびヘキシル基により部分グラフトした、完全メチル化四級化PEIランダムコポリマーのIRスペクトルを示す。比1/9のプロピルトリメトキシシラン基およびヘキシル基により部分グラフトされた完全メチル化四級化PEIランダムコポリマーもまた、類似の方法を使用して調製し、アルキル側鎖の修飾が成功したことを実証している。プロピルトリメトキシシラン基およびデシル基により部分グラフトされた完全メチル化四級化PEIランダムコポリマーも調製した。
(実施例23)
即時使用可能な殺生物ポリマーの堆積およびグラフトの一般的な方法
本明細書に開示されているポリマーは、様々なヒドロキシル化した表面にグラフトされている。表面は元々、ヒドロキシル化されていることがあるか、またはプラズマ、酸もしくはUV/オゾンによる、酸化的処理を含めた方法によって堆積する前に人工的に活性化される。ヒドロキシル化した表面を堆積するために位置決めする。ポリマーは、噴霧、ディップコーティングまたはスピンコーティングなどの方法を使用して表面に堆積させる。ポリマーは、加熱することによって、例えば、表面を110℃まで30~60分間、加熱することによって表面にグラフトされる。異なる温度が望ましい場合、温度を調節してもよい。110℃よりも低い温度でのグラフトする場合、より長い加熱期間が利用される。グラフトが完了した後、基材を洗浄し(イソプロパノールなどのアルコールによる)、物理吸着ポリマーを取り除き、共有結合によりグラフトされているポリマーしか保持しない。必要に応じて、基材は、洗浄中に超音波処理されてもよい。洗浄後、基材を空気雰囲気下で乾燥する。
(実施例24)
ダイポーダルシラン化合物の一般調製
実施例24は、様々な表面に共有結合によりグラフトされ得る、新規なダイポーダルシラン化合物および部分の調製を記載する。様々なダイポーダルシラン化合物が、単一工程の反応で、ハロゲン化アルキルによる処理によってアルキル鎖によりさらに置換されて、ヒドロキシル化表面または活性化表面を含めた、様々な表面にグラフトする用意が調っている高度に疎水性/親水性の化合物をもたらし、従来のシランと比較して、加水分解に対してかなり一層安定で、かなり耐性があるという利点を伴う。非限定例では、ダイポーダルシリルアミン化合物は、イソプロパノールなどのアルコール中で、ハロゲン化C~C22アルキルなどのハロゲン化アルキルにより処理されて、24~96時間、加熱還流される。
(実施例25)
ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウム化合物の調製
N,N’-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン(1当量)を、イソプロパノール中、臭化C18~C22アルキルなどのハロゲン化アルキル(2当量)で処理して、96時間、加熱還流すると、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウム化合物が得られる。例示的な反応スキームが図9に図示されている。スペクトルが図33に提示されている。
(実施例26)
四級化ダイポーダルシラン化合物の一般調製
実施例24によって調製した化合物は、イソプロパノールなどのアルコール中で、少なくとも1当量のハロゲン化C~C22アルキルなどのハロゲン化アルキルにより処理し、24~96時間、加熱還流することによって四級化される。これらの四級アンモニウム化合物は、抗細菌特性を呈示し、実施例24に記載されているダイポーダルシランの使用と同じ利点を実現する。
(実施例27)
臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウム(bis(3-trimethoxysilylpropyl)-N,N-methylalkyllammonium bromide)の調製
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミン(1当量)をイソプロパノール中、臭化C18~C22アルキルなどのハロゲン化アルキル(1当量)で処理し、48時間、加熱還流すると、臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウムが得られる。例示的な反応スキームが図10に図示されている。このようなダイポーダル四級アンモニウム化合物をグラフトする利点は、薄層内部での網目構造が改善されるために、グラフトされた薄層に対して優れたロバスト性を付与することである。得られた化合物は、モノボーダル-シラン四級アンモニウム化合物よりもかなり良好に加水分解に耐える。
(実施例28)
四級化臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジアルキルアンモニウムの調製
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン(1当量)をイソプロパノール中、臭化C18~C22アルキルなどのハロゲン化アルキル(2当量)で処理し、96時間、加熱還流すると、臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-ジアルキルアンモニウムが得られる。例示的な反応スキームが、図11Aおよび図11Bに図示されている。図17は、臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジオクタデシルアンモニウムのIRスペクトルを例示する。ブロモオクタデカンの代わりにブロモヘキサデカンを使用し、類似の方法を使用して、臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジヘキサデシルアンモニウムもまた調製することができる。
(実施例29)
ランダムダイポーダルポリビニルピリジン(PVP)コポリマーの調製
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンを48時間、還流して撹拌した酢酸エチル中で、1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(0.05当量~0.2当量、例えば、0.05当量)により処理すると、四級アミン化合物が得られ、次に、これをイソプロパノール中、PVPにより処理して、12時間、還流して撹拌した。図25は、PVPのためのリンカーである、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンとの名称の四級アミン化合物のIRスペクトルを示している。次に、このポリマーをアルコール(例えば、イソプロパノール)中、少なくとも1当量のハロゲン化C~C22アルキルなどのハロゲン化アルキルにより処理すると、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分とアルキル基部分とのモル比が、約(0.05≦x≦0.2)(1-x)で置換されているランダムPVPコポリマーが得られる。図26は、中間体ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミン(青線)と比較した、C側鎖(赤線)を有するダイポーダル四級化PVPのIRスペクトルを示している。一部の実施形態では、0.05当量のビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンを使用した場合、モル比は約0.05:0.95である。図12Aおよび図12Bは、三級アミンを含むモノマーを含むポリマーに、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル部分を連結させて、四級アミンを形成する、例示的な反応スキームを例示している。三級アミンを含むポリマーの非限定例には、ポリビニルピリジン(PVP)およびポリエチレンイミン(PEI)が含まれる。四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コデシル-PVPコポリマーは、類似の方法をやはり使用したが、ブロモブタンをブロモデカンによって置き換えて調製し、アルキル側鎖の修飾が成功したことを実証した。図24は、C側鎖を有する、ダイポーダル四級化PVP(四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVP)のIRスペクトルを例示している。
(実施例30)
ランダムポリ(ビニルベンジルクロリド)コポリマーの調製
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミン(0.05当量~0.2当量、例えば、0.05当量)をイソプロパノール中、ポリ(ビニルベンジルクロリド)(1当量)により処理して、6時間、還流して撹拌した。次に、このポリマーをアルコール(例えば、イソプロパノール)中、少なくとも1当量のC~C12アルキルジメチルアミンによる処理により処理して、24時間、還流して撹拌すると、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミン部分とC~C12アルキルジメチルアミン部分とのモル比が、約(0.05≦x≦0.2)(1-x)で置換されているランダムポリ(ビニルベンジルクロリド)コポリマーが得られた。一部の実施形態では、0.05当量のビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンを使用した場合、モル比は約0.05:0.95である。例示的な反応スキームが図13に図示されている。PVBCコポリマーのIRスペクトルが、図16に示されている。図27は、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミン(黒線)と比較した、C10側鎖(青線)により四級化されたダイポーダルPVBCポリマーのIRスペクトルを示している。図21は、ビス(N-メチル)3プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されている、ポリ(ビニルベンジルクロリド)コポリマーのIRスペクトルを例示する。
(実施例31)
チタンアナターゼにカップリングした殺生物ポリマーの静電噴霧
カテコールアセチル-コアルキルPVP(スキーム21)の調製は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、US10,743,539に記載されている。
スキーム21:PVP-カテコール-コアルキル-PVPの構造
Figure 2023528471000229
塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムの調製は、上の実施例3に記載されている(スキーム22)。
スキーム22:塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムの調製
Figure 2023528471000230
1:10の比で、カテコール基およびアルキル基を保有する1%のランダムコポリマーカテコールアセチル-コアルキル-PVP、ならびに1%重量/重量の塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムを含有するエタノール溶液を調製する。この実施例では、これら2種の化合物(カテコールアセチル-コアルキル-PVPおよび塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウム)の混合物を殺生物ポリマーコーティング溶液と称する。
水溶液中の0.8%チタンアナターゼ相(ペルオキソチタン酸およびペルオキソ改変アナターゼゾルの等量混合物)を、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Ichinose et al., Journal of Sol-Gel Science and Technology 22:33-40 (2001)に準拠して調製した。
スライドガラスは、以下のプロトコルに準拠して処理した:
1) イソプロパノールを用いて表面を清浄し、乾燥させることにより調製した。
2) 噴霧器を標的表面から約1mに保持した。
3) 水溶液中のチタンアナターゼ相(ペルオキソチタン酸およびペルオキソ改変アナターゼゾル0.8%の混合物)を、静電噴霧器を使用して表面に噴霧し、標的表面にコーティングを形成させた。
4) 表面を5~10分間、乾燥させた。
5) 静電噴霧器を蒸留水ですすいだ。
6) 殺生物ポリマーコーティング溶液を噴霧器のタンクに加えた。
7) 表面から1mの距離離れた表面に、殺生物ポリマーコーティング溶液を噴霧した。
8) 表面が、コーティング溶液により過飽和されていないことを確認するために、表面を検査した。
9) 表面を数時間、乾燥させた。
非限定的実施形態では、表面基材を5~10分間、室温で乾燥させて、第2の溶液を静電噴霧した。非限定的実施形態では、試料を室温で一晩、硬化させるか、または90℃のオーブン中で30分間、硬化させて、チタンとカテコール部分の相互作用によるコーティングの安定性を増大させることができる。
表面を最初に殺生物ポリマー溶液、次いで、チタンアナターゼ相によりコーティングしたこと以外は上記のプロトコルに準拠して、第2のスライドガラスを処理した。
どちらの方法でも、湿潤および乾燥の両方のペーパータオル、綿をベースとする布、およびポリエステル/ポリプロピレンワイプを使用する手作業による反復摩擦(20サイクル超)に、上記のコーティングは耐性があることが観察された。
フルオレセイン目視試験
処理済みスライドガラスおよび対照スライドガラスを10分間、1%フルオレセイン溶液に移した。続いて、試料から物理吸着フルオレセインがさらに放出されなくなるまで、試料を蒸留水により徹底的に洗浄した。次に、この試料を空気乾燥した。フルオレセイン色素分子が、カテコールアセチル-コアルキルPVPおよび塩化オクタデシル(4-カテコールアセチル)ジメチルアンモニウムの両方に由来する四級アミノ基に結合して保持されているために、表面がオレンジ色に観察された。
フルオレセイン試験は、処理された表面は手作業による摩擦の前後に、そのオレンジ色を保持したことを示しており、このことは、本コーティングが、中度の摩擦に耐性があったことを意味する。これらの結果は、チタンアナターゼ溶液の後に殺生物ポリマーコーティング溶液を噴霧したスライドでは観察されたが、チタンアナターゼ溶液の前に殺生物ポリマーコーティング溶液を噴霧したスライドでは観察されなかった。理論によって拘泥されることを望むものではないが、この結果は、陽イオン電荷を有する下層にあるPVPが、アナターゼ層のためにフルオレセインからシールドされていることによる可能性がある。
シランをベースとする化合物が、これらのコーティングにやはり有用かどうかを検査するため、1%塩化オクタデシルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムのエタノール溶液、ならびにペルオキソチタン酸およびペルオキソ改変アナターゼゾル0.8%の混合物を、噴霧式コーティングとして調製した。チタンアナターゼを最初に、次いで、塩化オクタデシルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムを含む溶液を噴霧して、各溶液をスライドガラスに逐次、静電噴霧し、このスライドを上記のプロトコルに準拠して、室温で一晩、硬化させた。
シランをベースとするコーティングは、湿潤ペーパータオル、綿をベースとする布、およびポリエステル/ポリプロピレンワイプを使用する手作業による摩擦に耐性がないことが観察された。コーティング全体が、わずか3サイクル後に、スライドガラスから容易に除去され、層の耐久性およびロバスト性に欠けていることが指し示された。理論によって拘泥されることを望むものではないが、この結果は、カテコール部分と表面との間の静電相互作用が、オルガノシランにより呈される静電相互作用よりも優れていることを示唆するものである。
フルオレセイン試験により、スライドガラスを水で徹底的に洗浄した後に、フルオレセインは、3サイクルの手作業による摩擦を受けた表面から完全に除去されたことが示され、このことは、シランをベースとする化合物を含むコーティングは、わずかな摩耗に耐性がなかったこと、および四級アンモニウム化合物は、表面から除去されたことを指し示している。
(実施例32)
アセチルカテコール-co-ヘキシル-PEIのろ紙へのグラフト
堆積およびグラフト
1cmの乾燥ろ紙試料を4滴の水性1%アセチルカテコール-co-ヘキシル-PEI(デシル部分の代わりにヘキシル部分を用いて実施例20に準拠して合成した)に含浸し、実施例4に準拠してグラフトした。
フルオレセイン目視試験
試料を実施例4に記載したフルオレセイン目視試験に準拠して処理した。アセチルカテコール-co-ヘキシル-PEIで処理したろ紙のオレンジ色の外観は、綿に共有結合しているアセチルカテコール-co-ヘキシル-PEIの四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。
(実施例33)
アセチルカテコール-co-ヘキシル-PEIのガラスへのグラフト
ガラス調製および活性化
実施例6に準拠して、スライドガラスを調製した。
堆積およびグラフト
実施例20に準拠して調製した溶液をスピンコーティングによって活性化カバーガラスに堆積させて、次に、活性化ガラスの表面に共有結合によりグラフトした。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
測定は、以下の通りとした:
スピンコーティングして処理したスライドガラス(150μLの堆積量、4000RPM、40秒、3mL CTAB/PBS)
試薬として750kda PEIを使用した、表面陽イオン密度の計算値:2.1±0.4×1016個の陽イオン/cm
試薬として25kda PEIを使用した、表面陽イオン密度の計算値:3.4±0.2×1014個の陽イオン/cm
これらの結果により、ガラス表面にカテコールをベースとする四級アンモニウム部分が効果的にグラフトされたことが確認された。
(実施例33)
3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEIのろ紙へのグラフト
堆積およびグラフト
1cmの乾燥ろ紙試料を、3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEI(実施例21に準拠して合成した)を含む4滴の1%水溶液に含浸し、実施例4に準拠してグラフトした。
フルオレセイン目視試験
試料を実施例4に記載したフルオレセイン目視試験に準拠して処理した。3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEI処理ろ紙のオレンジ色の外観は、綿に共有結合によりグラフトされている3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEIの四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。
(実施例34)
3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEIのガラスへのグラフト
ガラス調製および活性化
実施例6に準拠して、ガラス調製を行った。
堆積およびグラフト
実施例21に準拠して調製した溶液を、実施例6に準拠してスピンコーティングによって活性化カバーガラスに堆積させて、次に、活性化ガラスの表面に共有結合によりグラフトした。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N+/cm2)は、実施例6に記載されているフルオレセイン試験によって計算した。
測定は、以下の通りとした:
スピンコーティングして処理したスライドガラス(150μLの堆積量、4000RPM、40秒、3mL CTAB/PBS)
試薬として750kda PEIを使用した、表面陽イオン密度の計算値:3.6±0.3×1016個の陽イオン/cm
試薬として25kda PEIを使用した、表面陽イオン密度の計算値:4.2±0.4×1014個の陽イオン/cm
これらの結果により、ガラス表面にシランをベースとする四級化メチルPEIが効果的にグラフトされたことが確認された。
(実施例35)
四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVPのろ紙へのグラフト
堆積およびグラフト
1cmの乾燥ろ紙試料を4滴の水性1%四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVP(実施例29に準拠して合成した)に含浸し、実施例4に準拠してグラフトした。
フルオレセイン目視試験
試料を実施例4に記載したフルオレセイン目視試験に準拠して処理した。四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVP処理ろ紙のオレンジ色の外観は、綿に共有結合により結合している四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVPの四級アミノ基に結合しているフルオレセイン色素分子の数が多いことによる。
(実施例36)
四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVPのガラスへのグラフト
ガラス調製および活性化
実施例6に準拠して、ガラス調製を行った。
堆積およびグラフト
実施例29に準拠して調製した溶液を、実施例6に準拠してスピンコーティングによって活性化カバーガラスに堆積させて、次に、活性化ガラスの表面に共有結合によりグラフトした。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N/cm)は、実施例6に記載されているフルオレセイン試験によって計算した。
測定は、以下の通りとした:
スピンコーティングして処理したスライドガラス(150μLの堆積量、4000RPM、40秒、3mL CTAB/PBS)
表面陽イオン密度の計算値:9.3±0.5×1015個の陽イオン/cm
これらの結果により、ガラス表面にダイポーダルシランをベースとするポリ陽イオンが効果的にグラフトされたことが確認された。
(実施例37)
臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジヘキサデシルアンモニウムのガラスへのグラフト
ガラス調製および活性化
実施例6に準拠して、ガラス調製を行った。
堆積およびグラフト
実施例28に準拠して調製した溶液(臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジヘキサデシルアンモニウム)を、実施例6に準拠してスピンコーティングによって活性化カバーガラスに堆積させて、次に、活性化ガラスの表面に共有結合によりグラフトした。
フルオレセイン試験による表面電荷決定
表面陽イオン密度(N+/cm2)は、実施例6に記載されているフルオレセイン試験によって計算した。
測定は、以下の通りとした:
スピンコーティングして処理したスライドガラス(150μLの堆積量、4000RPM、40秒、3mL CTAB/PBS)
表面陽イオン密度の計算値:2.7±0.2×1014個の陽イオン/cm
これらの結果により、ガラス表面にダイポーダルシランをベースとする四級アンモニウムアルキル鎖が効果的にグラフトされたことが確認された。
(実施例38)
リンカーとして、4-ヨードアセチルカテコールを使用する、ろ紙へのL-システインのグラフト
堆積およびグラフト
1cmの乾燥ろ紙試料を4滴の4-ヨードアセチルカテコール(実施例1のスキーム3に準拠して合成し、NaCl生成物のろ過後)のアセトン溶液に含浸し、110℃のオーブン中で60分間、焼いた。対照ろ紙の試料を蒸留水に含浸した。次に、試料を10分間、エタノール中で超音波処理し、過剰な試薬のいずれも除去して、空気乾燥した。500mgのL-システインを含有する10×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に、ろ紙試料を浸漬した。この溶液を室温で一晩、撹拌し、光から保護した。溶液からろ紙試料を取り出し、脱イオン水中で10分間、超音波処理した。次に、このろ紙試料に、1%ニンヒドリン水溶液を上から塗り、90℃で10分間、加熱した。
ニンヒドリン色素の適用後の処理済みろ紙は紫色に見え、対照ろ紙は、ニンヒドリン色素の適用後に白色のままであった(図35)。この結果は、グラフトしたL-システインがろ紙上に存在していることを実証するものである。
(実施例39)
リンカーとして、4-ヨードアセチルカテコールを使用する、ガラスへのL-システインのグラフト
ガラス調製および活性化
実施例6に準拠して、ガラス調製を行った。
堆積およびグラフト
実施例1のスキーム3に準拠して調製し、NaCl生成物のろ過後の溶液に、活性化ガラスを浸漬した。浸漬した試料を、60分間、110℃のオーブンに移した。次に、試料を回収し、残留するいかなる物理吸着試薬も適切に除去するため、エタノール中で5分間、超音波処理した。次に、試料を空気乾燥した。500mgのL-システインを含有する10×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に、スライドガラスを浸漬した。この溶液を、室温で一晩、撹拌した。溶液からスライドガラスを取り出し、脱イオン水中で10分間、超音波処理した。次に、スライドガラスに1%ニンヒドリン水溶液を上から塗り、90℃で10分間、加熱した。紫青色の斑点が、表面に見え、ガラス表面にグラフトされたL-システインが存在することが分かる。比較手段として、対照のスライドガラスをエタノール中で10分間、超音波処理し、空気乾燥した。スライドガラスに1%ニンヒドリン水溶液を上から塗り、90℃で10分間、加熱した。対照のスライドガラスの表面には、斑点は見えなかった。
これらの結果により、ヨードカテコールリンカーを使用して、L-システインなどのアミノ酸が効果的にグラフトされたことが確認された。
(実施例40)
グラフト例
図37~図44は、ろ紙への本開示のポリマーおよび化合物のグラフトが成功したことを例示している。図37は、対照ろ紙と四級化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチル-N-パラキシリル-コブチル-PVPにより処理したろ紙との間の比較を例示している。図38は、対照ろ紙と、ビス(N-メチル)3-プロピルトリメトキシシラン基およびN,N-ジメチルブチル基により部分四級化されているポリ(ビニルベンジルクロリド)により処理されたろ紙との間の比較を例示している。図39は、対照ろ紙と3-トリメトキシプロピル-コヘキシル-PEI(750kdaのPEIに由来する)により処理したろ紙との間の比較を例示している。図40は、対照ろ紙と3-トリメトキシプロピル-コデシル-PEI(25kdaのPEIに由来する)により処理したろ紙との間の比較を例示している。図41は、対照ろ紙とビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-ブロモアセチルアミンにより処理したろ紙との間の比較を例示している。図42は、対照ろ紙と臭化ビス(3-トリメトキシシリル)プロピル-N,N-ジヘキサデシルアンモニウムにより処理したろ紙との間の比較を例示している。図43は、対照ろ紙と臭化ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N,N-メチルアルキルアンモニウムにより処理したろ紙との間の比較を例示している。図44は、対照ろ紙とビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル-N,N’-テトラアルキルエチレンジアンモニウムにより処理したろ紙との間の比較を例示している。
参考文献
Figure 2023528471000231
Figure 2023528471000232
本発明が関係する技術水準を説明するため、いくつかの特許および非特許刊行物が本明細書において引用されている。これらの刊行物の各々の全開示が、参照により本明細書に組み込まれている。
本発明のある特定の実施形態が、上に説明および/または例示されているが、様々な他の実施形態が、上述の開示から当業者には明白であろう。したがって、本発明は、説明および/または例示されている特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨から逸脱することなく、多数の変形および改変を行うことが可能である。

Claims (49)

  1. 式(XVIIa)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000233
    [式(XVIIa)中、
    Gは、単結合または連結基であり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含むポリマー。
  2. 前記ポリマーが、式(XVIIb)または式(XVIIe)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000234
    [式(XVIIb)中、
    Gは、単結合または連結基であり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    Figure 2023528471000235
    [式(XVIIe)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含む、請求項1に記載のポリマー。
  3. 前記ポリマーが、式(XVIIj)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000236
    [式(XVIIj)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含む、請求項2に記載のポリマー。
  4. 前記ポリマーが、式(III)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000237
    [式(III)中、
    rは、整数3~20である]
    をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー。
  5. 前記ポリマーが、式(XVIIc)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000238
    [式(XVIIc)中、
    Gは、単結合または連結基であり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    rは、整数3~11であり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含む、請求項1または4に記載のポリマー。
  6. 前記ポリマーが、式(VII)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000239
    [式(VII)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリマー。
  7. 前記ポリマーが、式(XVIIg)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000240
    [式(XVIIg)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    は、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含む、請求項1または6に記載のポリマー。
  8. 前記ポリマーが、式(XVIIh)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000241
    を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリマー。
  9. 前記ポリマーが、式(XVIIf)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000242
    [式(XVIIf)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、一部の実施形態では、Rはそれぞれ、独立して、C~Cアルキルである]
    を含む、請求項9に記載のポリマー。
  10. 前記ポリマーが、式(XVIId)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000243
    を含む、請求項9に記載のポリマー。
  11. 式(XXI)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000244
    [式(XXI)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含むポリマー。
  12. 前記ポリマーが、式(XXIa)または式(XXII)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000245
    [式(XXIa)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    Figure 2023528471000246
    [式(XXII)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    vは、整数3~10であり、
    wは、整数3~10である]
    を含む、請求項12に記載のポリマー。
  13. 前記ポリマーが、式(XXIb)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000247
    を含む、請求項12または13に記載のポリマー。
  14. 前記ポリマーが、式(III)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000248
    [式中、rは、整数3~20である]
    をさらに含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のポリマー。
  15. 前記ポリマーが、式(XXId)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000249
    [式(XXId)中、
    rは、整数3~11である]
    を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載のポリマー。
  16. 前記ポリマーが、式(XXIIa)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000250
    [式(XXII)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    を含む、請求項12または13に記載のポリマー。
  17. 前記ポリマーが、式(XXIIb)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000251
    を含む、請求項12または13に記載のポリマー。
  18. 前記ポリマーが、式(VII)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000252
    [式(VII)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    をさらに含む、請求項12または18に記載のポリマー。
  19. 前記ポリマーが、式(XXIIc)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000253
    を含む、請求項12に記載のポリマー。
  20. 式(II)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000254
    を含むポリマー。
  21. 前記ポリマーが、式(III)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000255
    [式中、rは、整数3~20である]
    をさらに含む、請求項21に記載のポリマー。
  22. 前記ポリマーが、式(IV)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000256
    [式(IV)中、
    rは、整数3~11である]
    を含む、請求項21または22に記載のポリマー。
  23. 式(V)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000257
    [式(V)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    を含むポリマー。
  24. 前記ポリマーが、式(VI)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000258
    を含む、請求項24に記載のポリマー。
  25. 前記ポリマーが、式(VII)の部分:
    Figure 2023528471000259
    [式(VII)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    をさらに含む、請求項24または25に記載のポリマー。
  26. 前記ポリマーが、式(VIII)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000260
    [式(VIII)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    を含む、請求項24~26のいずれか一項に記載のポリマー。
  27. 前記ポリマーが、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリビニルベンジルクロリド、ポリエチレンイミン(PEI)、メタクリル酸プロピニル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリアリルアルコール、ポリビニルベンジル、ポリアミン、ポリメタクリレート、ポリエーテル、ポリ(エチレン-alt-スクシンイミド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)またはC~C22アルキンを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載のポリマー。
  28. 式(IXa)、式(IXb)または式(IXh)のうちの少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000261
    Figure 2023528471000262
    [式(IXa)、式(IXb)および式(IXh)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルである]
    を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマー。
  29. 前記ポリマーが、式(IXc)または(IXd)の少なくとも1つの部分:
    Figure 2023528471000263
    を含む、請求項29に記載のPEIポリマー。
  30. 前記PEIポリマーが、式(IXe)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
    Figure 2023528471000264
    [式(IXe)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルまたは式(Ia)の部分:
    Figure 2023528471000265
    であり、
    ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
    Figure 2023528471000266
    であることを条件とする]
    を含む、請求項29または30に記載のPEIポリマー。
  31. 式(IXf)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
    Figure 2023528471000267
    式(IXf)中、
    はそれぞれ、独立して、C10アルキルまたは
    Figure 2023528471000268
    であり、
    ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
    Figure 2023528471000269
    であることを条件とする)
    を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマー。
  32. 式(IXg)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
    Figure 2023528471000270
    [式(IXg)中、
    はそれぞれ、独立して、Cアルキルまたは
    Figure 2023528471000271
    であり、
    ただし、少なくとも1つのRは、式(Ia)の部分:
    Figure 2023528471000272
    であることを条件とする]
    を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマー。
  33. 前記ポリマーが、式(XIb)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
    Figure 2023528471000273
    [式(XIb)中、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルであり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルキルまたは式(XIa)の部分:
    Figure 2023528471000274
    であり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    vは、整数3~10であり、
    ただし、少なくとも1つのRは、式(XIa)の部分:
    Figure 2023528471000275
    であることを条件とする]
    を含む、請求項33に記載のPEIポリマー。
  34. 式(XIc)の少なくとも1つの部分またはそのいずれかの部分構造:
    Figure 2023528471000276
    [式(XIc)中、
    はそれぞれ、独立して、Cアルキルまたは
    Figure 2023528471000277
    であり、
    はそれぞれ、独立して、必要に応じて置換されているアルコキシであり、
    vは、整数3~10であり、
    ただし、少なくとも1つのRは、
    Figure 2023528471000278
    であることを条件とする]
    を含む、ポリエチレンイミン(PEI)ポリマー。
  35. 式(XIa)
    Figure 2023528471000279
    の各部分が、
    Figure 2023528471000280
    である、請求項33~35のいずれか一項に記載のPEIポリマー。
  36. 式(XL)の化合物:
    Figure 2023528471000281
    [式(XL)中、
    Zは、単結合または連結基であり、
    Bは、生体分子である]。
  37. 前記式(XL)の化合物が、式(XLa)の化合物:
    Figure 2023528471000282
    [式(XLa)中、
    Zは、単結合または連結基であり、
    Bは、生体分子である]
    である、請求項37に記載の化合物。
  38. 前記生体分子が、タンパク質、酵素またはペプチドから選択され、必要に応じて、前記生体分子が、少なくとも1つのチオール基を含む、請求項37または38に記載の化合物。
  39. Zが、
    Figure 2023528471000283
    から選択され、Rが、
    Figure 2023528471000284
    から選択され、整数1~5である、
    請求項47~49のいずれか一項に記載の化合物。
  40. 請求項1~36のいずれか一項に記載のポリマー、または請求項37~40のいずれか一項に記載の化合物がグラフトされている、表面。
  41. 前記表面が、チタンおよびチタン合金、鉄および鋼などの金属;金属酸化物;セラミック;ポリエチレン(生物医学インプラントにおいて使用するための低次および高次網目組織、事前プラズマ活性化後)、テフロン(登録商標)(事前プラズマ活性化後)、ポリエチレンテレフタレート(事前プラズマ活性化後)およびポリプロピレン(低密度および高密度、事前プラズマ活性化後)、シリコーン、ゴム、ラテックス、プラスチック、ポリ酸無水物、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフタレートおよびポリファゼンなどのポリマー;紙;レザー;綿、黄麻、亜麻、大麻、羊毛、動物の毛および絹などのテキスタイルまたはテキスタイル材料、ナイロンおよびポリエステルなどの合成布地;アクリルポリマー、アクリレートポリマー、アラミドポリマー、セルロース物質、綿、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、レーヨン、羊毛、スパンデックス、絹およびビスコースなどの繊維材料を含む繊維を含むテキスタイル材料;ケイ素;木材;ガラス;セルロース化合物;ならびにヒト身体内には通常見出されないゲルおよび流体から選択される物質を含む、請求項41に記載の表面。
  42. 細菌、真菌、原虫またはウイルスのうちの少なくとも1種の成長を制御する方法であって、請求項1~36いずれかに記載のポリマー、または請求項37~40のいずれか一項に記載の化合物を、表面にグラフトするステップを含む、方法。
  43. 前記細菌が、ヒト型結核菌(多剤耐性TBおよび超多剤耐性TBを含む)、ウシ型結核菌、M typhimurium、ウシ型結核菌株BCG、BCGの亜株、トリ型結核菌、M intracellulare、アフリカ型結核菌、M kansasii、M marinum、M ulcerans、ヨーネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、Staphylococcus equi、化膿性連鎖球菌、Streptococcus agalactiae、リステリア菌、Listeria ivanovii、炭疽菌、枯草菌、Nocardia asteroidesおよび他のノカルジア属の種、ヴィリダンス型連鎖球菌の群、ペプトコッカス属の種、ペプトストレプトコッカス属の種、イスラエル放線菌および他の放線菌属の種、ざ瘡プロピオンバクテリウム、破傷風菌、ウェルチ菌、ボツリヌス菌、他のクロストリジウム属の種、ならびにエンテロコッカス属の種から選択されるグラム陽性菌である、請求項43に記載の方法。
  44. 前記細菌が、緑膿菌、他のシュードモナス属の種、カンピロバクターの種、コレラ菌、エールリヒア属の種、Actinobacillus pleuropneumoniae、Pasteurella haemolytica、Pasteurella multocida、他のパスツレラ属の種、レジオネラ・ニューモフィラ菌、他のレジオネラ属の種、腸チフス菌、他のサルモネラ属の種、赤痢菌属の種、ウシ流産菌、他のブルセラ属の種、トラコーマクラミジア、オウム病クラミジア、Coxiella burnetti、大腸菌、髄膜炎菌、淋菌、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、他のヘモフィルス属の種、ペスト菌、Yersinia enterolitica、他のエルジニア属の種、大腸菌、Escherichia hiraeおよび他のエスケリキア属の種、ならびに他の腸内細菌科、Burkholderia cepacia、類鼻疽菌、野兎病菌、Bacteroides fragilis、Fusobascterium nucleatum、Provetellaの種、Cowdria ruminantium、クレブシエラ属の種、ならびにプロテウス属の種から選択されるグラム陰性菌である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記ウイルスが、インフルエンザ、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV)、ライノウイルス、ポリオ、麻疹、エボラ、コクサッキー、西ナイル、黄熱、デング熱、ラッサ、リンパ球性脈絡髄膜炎、フニン、マチュポ、グアナリト、ハンタウイルス、リフトバレー熱、ラクロス、カリフォルニア脳炎、クリミア-コンゴ、マールブルク、日本脳炎、キャサヌル森林病、東部馬脳炎、西部馬脳炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)、パラインフルエンザ、タカリベおよびピキンデウイルスから選択される、請求項43に記載の方法。
  46. 金属酸化物ナノ粒子、および請求項1~36のいずれか一項に記載の1種もしくは複数種のポリマー、または請求項37~40のいずれか一項に記載の化合物を含む、コーティング。
  47. 複数の前記金属酸化物ナノ粒子が、表面に実質的に接触している、請求項47に記載のコーティング。
  48. 前記1種または複数種のポリマーが、1種または複数種の金属酸化物ナノ粒子の表面にグラフトされている、請求項47に記載のコーティング。
  49. 前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化チタンナノ粒子を含む、請求項47~49のいずれか一項に記載の方法。
JP2022574440A 2020-06-05 2021-06-05 グラフト可能な殺生物性リンカーおよびポリマーならびにその使用 Pending JP2023528471A (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063035635P 2020-06-05 2020-06-05
US202063035628P 2020-06-05 2020-06-05
US63/035,635 2020-06-05
US63/035,628 2020-06-05
US202163166118P 2021-03-25 2021-03-25
US202163166113P 2021-03-25 2021-03-25
US63/166,113 2021-03-25
US63/166,118 2021-03-25
PCT/US2021/036048 WO2021248098A1 (en) 2020-06-05 2021-06-05 Graftable biocidal linkers and polymers and uses thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023528471A true JP2023528471A (ja) 2023-07-04
JPWO2021248098A5 JPWO2021248098A5 (ja) 2024-06-13

Family

ID=78830604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022574440A Pending JP2023528471A (ja) 2020-06-05 2021-06-05 グラフト可能な殺生物性リンカーおよびポリマーならびにその使用

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP4161262A1 (ja)
JP (1) JP2023528471A (ja)
CN (1) CN115988962A (ja)
AU (1) AU2021282689A1 (ja)
CA (1) CA3180905A1 (ja)
MX (1) MX2022015239A (ja)
WO (1) WO2021248098A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11753567B2 (en) * 2020-01-08 2023-09-12 Nano And Advanced Materials Institute Limited Adhesive material with improved bonding performance to a wet substrate and methods for preparing the same
WO2023102567A2 (en) * 2021-12-05 2023-06-08 Debogy Molecular, Inc. Graftable biocidal linkers and polymers and uses thereof
WO2024097204A1 (en) * 2022-10-31 2024-05-10 Debogy Molecular, Inc. Graftable biocidal linkers and polymers and uses thereof

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013023006A2 (en) * 2011-08-08 2013-02-14 California Institute Of Technology Filtration membranes, and related nano and/or micro fibers, composites, methods and systems
US10238110B2 (en) * 2016-11-29 2019-03-26 Houssam BOULOUSSA Ready-to-use storable methanolic solution of a biocompatible and biocidal polyvinylpyridine polymer

Also Published As

Publication number Publication date
CA3180905A1 (en) 2021-12-09
CN115988962A (zh) 2023-04-18
AU2021282689A1 (en) 2023-02-02
EP4161262A1 (en) 2023-04-12
WO2021248098A1 (en) 2021-12-09
MX2022015239A (es) 2023-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023528471A (ja) グラフト可能な殺生物性リンカーおよびポリマーならびにその使用
US10327447B2 (en) Phosphonate functional antimicrobial coatings for metal surfaces
CA3034286C (en) Preparation of sulfonamide-containing antimicrobials and substrate treating compositions of sulfonamide-containing antimicrobials
US10961401B2 (en) UV cured benzophenone terminated quaternary ammonium antimicrobials for surfaces
JP6423367B2 (ja) 自己殺菌性表面
WO2023102567A2 (en) Graftable biocidal linkers and polymers and uses thereof
JP2022540707A (ja) 分子的に十分に規定された生物付着防止ポリイオンコーティング
EP3359580B1 (en) Polymer having antimicrobial and/or antifouling properties
WO2022020518A1 (en) Antimicrobial surfaces via multicomponent chitosan conjugates
WO2020263704A1 (en) Electrochemical attachment of phosphonic acids to metallic substrates and antimicrobial medical devices containing same
Porosa et al. Phosphonate functional antimicrobial coatings for metal surfaces
JP2006070006A (ja) 抗菌性化合物、及びそれを用いた抗菌性表面処理剤
WO2024097204A1 (en) Graftable biocidal linkers and polymers and uses thereof
EP2348837A2 (en) Coatings for disease control
JPH05247066A (ja) ビグアニド基を有する抗菌性化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240605

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240605