JP2023528207A - 組換えcd40結合タンパク質及びそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CD40に対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質に関する。加えて、本発明は、そのような結合タンパク質をコードする核酸、そのような結合タンパク質又は核酸を含む医薬組成物、及びCD40を発現する細胞においてCD40を活性化する方法での、そのような結合タンパク質、核酸、又は医薬組成物の使用、例えば、腫瘍局在性B細胞、及びヒトを含む哺乳動物における癌などの疾患の治療又は診断のための使用に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、欧州特許庁に2020年5月14日出願の欧州特許出願公開第EP20174830号の利益及び優先権を主張する。欧州特許出願公開第EP20174830の内容は、全ての表、図、及び特許請求の範囲を含め、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は、CD40に対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質に関する。加えて、本発明は、そのような結合タンパク質をコードする核酸、そのような結合タンパク質又は核酸を含む医薬組成物、及びCD40を発現する細胞においてCD40を活性化する方法での、そのような結合タンパク質、核酸、又は医薬組成物の使用、例えば、腫瘍局在性B細胞、及びヒトを含む哺乳動物における癌などの疾患の治療又は診断のための使用に関する。
腫瘍壊死因子受容体(Tumor necrosis factor receptor:TNFR)スーパーファミリーメンバーCD40は、重要な共刺激受容体であり、そのリガンド(CD40L)又はアゴニスト抗体によって係合される場合、細胞性及び体液性の適応免疫の開始及び進行を含む広範囲の分子及び細胞プロセスの調節に関与する。例えば、樹状細胞の表面上でのCD40係合は、それらのサイトカイン生成を促進し、それらの表面上の共刺激分子の発現を誘導し、かつ抗原の提示を促進することが実証されている。全体として、CD40シグナル伝達の影響は、樹状細胞が成熟し、T細胞の活性化及び分化を効果的に誘発するために必要な特性の全てを達成することを「許可」する。B細胞におけるCD40シグナル伝達は、胚中心形成、免疫グロブリン(Ig)アイソタイプスイッチング、抗原に対する親和性を増強するためのIgの体細胞高頻度変異、最後に長寿命形質細胞及びメモリーB細胞の形成を促進する。更に、CD40経路は、正常条件及び炎症条件下において、胚中心B細胞、樹状細胞、及び内皮細胞を含む多くの細胞型の生存に重要であることが示されている。CD40シグナル伝達の調節解除は様々な自己免疫疾患において観察されている。合わせて、この広範な機能は、獲得免疫応答の産生のためのCD40受容体の重要性を強調している。
CD40は、最初にB細胞上で特徴付けられ、樹状細胞、単球、血小板、及びマクロファージ、並びに筋線維芽細胞、線維芽細胞、上皮細胞、及び内皮細胞などの非造血細胞上にもまた発現される。CD154又はCD40Lとして知られるCD40のリガンドは、主に活性化T細胞、並びに活性化B細胞及び血小板によって発現され、炎症条件下においては、単球細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、及び好塩基球においてもまた誘導される。
CD40は自然免疫系及び適応免疫系の両方を活性化することができるため、腫瘍免疫療法の好適な標的として認識されている。いくつかの報告では、CD40刺激が樹状細胞成熟によって抗腫瘍免疫応答を増強し得ることが確認されている。CD40のアゴニストによる樹状細胞の活性化は、それらの生存、IL-1、IL-6、IL-8、IL-12、TNF-α、及びマクロファージ炎症性タンパク質-1αの分泌の増加をもたらす。加えて、CD40活性化は、MHCクラスII、LFA-3、CD80、及びCD86などの共刺激分子の上方制御を誘導し、それぞれ、Tヘルパー細胞(Th)及び細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の抗原提示、プライミング、及びクロスプライミングを促進する。CD40に対するアゴニスト抗体は、前臨床マウス腫瘍モデルにおいて有効であることが証明されている。しかしながら、臨床におけるそれらの使用はいくらかの抗腫瘍有効性を示しているが、アゴニスト性抗CD40抗体の臨床開発は、用量制限毒性及び結果として生じる低い有効性によって妨げられている可能性が高い。
したがって、新規のCD40特異的結合タンパク質、並びに癌を含む疾患の治療及び特徴付けのための処置的及び診断的アプローチが依然として必要であり、CD40特異的結合及び活性化に有益である。特に、CD40の有効なアゴニストとして機能することができ、かつ例えばローカライザ分子などの他の機能的部分と容易に組み合わせることもまたできる、新しいCD40特異的結合タンパク質が必要とされている。
本発明は、CD40に対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質を提供する。更に、結合タンパク質によるCD40のクラスタリング媒介活性化を促進する、1つ以上のローカライザ分子に結合したそのような結合タンパク質が提供される。加えて、本発明は、そのような結合タンパク質をコードする核酸、及びそのような結合タンパク質又は核酸を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、CD40発現細胞又は腫瘍組織などの組織におけるCD40の局所的活性化、及びヒトを含む哺乳動物における癌などの疾患を治療及び診断するための方法における、そのような結合タンパク質、核酸、又は医薬組成物の使用を提供する。
一態様では、本発明は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含むそのような組換え結合タンパク質を提供し、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一例として、特定の一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。特定の一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号76、及び(2)配列番号76における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む第1のアンキリン反復モジュールを含み、当該アンキリン反復ドメインは、(i)(1)配列番号77、及び(2)配列番号77における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む第2のアンキリン反復モジュールと、(ii)(1)配列番号78、及び(2)配列番号78における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む第3のアンキリン反復モジュールと、を更に含む。好ましくは、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。更により好ましくは、当該アンキリン反復ドメインは、(iii)N末端キャッピングモジュールであって、当該N末端キャッピングモジュールが、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、N末端キャッピングモジュールと、(iv)C末端キャッピングモジュールであって、当該C末端キャッピングモジュールが、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、C末端キャッピングモジュールと、を更に含む。
一態様では、本発明は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含むそのような組換え結合タンパク質を提供し、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のうちいずれか1つと少なくとも75%~最大100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一例として、特定の一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29のアミノ酸配列を含み、当該アンキリン反復ドメインの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。別の特定の実施形態では、本発明のCD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインは、CD40受容体のN末端システインリッチドメイン(CRD)1に特異的に結合する。CD40受容体のアミノ酸配列は、配列番号96で本明細書に提供され、ここで、CRD1は、配列番号96のアミノ酸23~59に対応する。
別の態様では、本発明は、そのようなCD40特異的組換え結合タンパク質を提供し、ここで、結合タンパク質は、ローカライザ分子を更に含む。ローカライザ分子は、異なる構造的及び機能的クラスの分子から選択されてもよい。例えば、ローカライザは、ポリペプチド結合ドメイン、細胞表面受容体リガンド、又はそのフラグメント若しくはバリアント、抗体若しくはそのフラグメント若しくはバリアント、又は足場に基づく抗体様タンパク質であってもよい。本発明の一態様では、ローカライザ分子は、CD40特異的組換え結合タンパク質に共有結合している。共有結合は、融合タンパク質をもたらす、CD40特異的結合タンパク質とローカライザペプチド又はポリペプチドとの間のペプチド結合であってもよい。あるいは、ローカライザ分子は、CD40特異的結合タンパク質に共有結合してもよい。
特定の一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、例えば腫瘍関連抗原などの癌生物学に関連するローカライザ標的タンパク質に対して結合特異性を有する、ローカライザに融合したCD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む。一例として、特定の一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、線維芽細胞活性化タンパク質(fibroblast activation protein:FAP)に対する結合特異性を有する別のアンキリン反復ドメインに融合した、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む。FAPに対する結合特異性を有するそのようなアンキリン反復ドメインの例は、配列番号98に提供される。
別の態様では、本発明は、本発明のCD40特異的結合タンパク質をコードする核酸を提供する。更なる態様では、本発明は、本発明のCD40特異的結合タンパク質又は核酸、並びに薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、哺乳動物におけるCD40発現細胞又は組織中のCD40の局所的活性化の方法を提供し、この方法は、ローカライザ分子を含む本発明のCD40特異的結合タンパク質を当該哺乳動物に投与することを含む。特定の一実施形態では、そのような方法は、CD40発現細胞又は腫瘍組織中でCD40の腫瘍局所性活性化をもたらす、CD40発現細胞又は組織を含む腫瘍を有するヒト患者を含む哺乳動物に、CD40特異的結合タンパク質を投与することを含む。
別の態様では、本発明は、ヒト患者における医学的状態を治療するための方法を提供し、この方法は、ローカライザ分子に共有結合しているか又はローカライザ分子を含む本発明のCD40特異的結合タンパク質を当該患者に投与することを含み、このローカライザ分子は、CD40特異的結合タンパク質によってCD40の局所活性化を媒介する。特定の一実施形態では、医学的状態は、癌であり、ここで、癌又は腫瘍組織は、CD40を発現する細胞を含み、ローカライザ分子は、当該癌又は腫瘍組織において選択的に発現又は過剰発現された標的に結合する。特定の一実施形態では、当該標的は、当該癌又は腫瘍組織において選択的に発現又は過剰発現される細胞表面タンパク質の細胞外ドメインである。一実施形態では、当該癌は、大腸直腸癌、胃癌、非小細胞肺癌、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、侵襲性膀胱癌、膵臓癌、転移性脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、食道扁平上皮癌、肺扁平上皮癌、皮膚扁平上皮癌、尿路上皮癌、黒色腫、乳腺癌、肺腺癌、子宮頸部扁平上皮癌、膵臓扁平上皮癌、結腸扁平上皮癌、又は胃扁平上皮癌、前立腺癌、骨肉腫、又は軟組織肉腫、及び良性腫瘍から選択される。一実施形態では、そのような癌は、肺癌、結腸直腸癌、胃癌、膀胱癌、卵巣癌、及び乳癌、並びに骨及び軟部組織肉腫を含む、上皮悪性腫瘍(原発性及び転移性)から選択される。
本発明は、本発明の組換え結合タンパク質、本発明の核酸、又は本発明の医薬組成物を含むキットを更に提供する。本発明は、本発明の組換え結合タンパク質を産生するための方法であって、(i)当該組換え結合タンパク質を細菌中で発現させる工程と、(ii)クロマトグラフィを使用してこの組換え結合タンパク質を精製する工程と、を含む、方法を更に提供する。
インビトロB細胞活性化アッセイを示すイラスト。アッセイは、精製された初代ヒトB細胞及びFAP発現(+FAP)又は非FAP発現(-FAP)CHO細胞を用いて行った。 MFIと、及びCD86陽性細胞との割合を測定するために使用されるゲーティング戦略の概要。以下の設定を使用した:FSC:200;SSC:400;取得:200uL/分、100.000イベント。略語:FMO=蛍光マイナス1、SSC=側方散乱、FSC=前方散乱、FSC-A=前方散乱面積(Forward scatter area)、FSC-H=前方散乱高さ。 MFIと、及びCD86陽性細胞との割合を測定するために使用されるゲーティング戦略の概要。以下の設定を使用した:FSC:200;SSC:400;取得:200uL/分、100.000イベント。略語:FMO=蛍光マイナス1、SSC=側方散乱、FSC=前方散乱、FSC-A=前方散乱面積(Forward scatter area)、FSC-H=前方散乱高さ。 ローカライザと組み合わされたCD40特異的結合タンパク質は、厳密にはローカライザ依存的様式でCD40シグナル伝達を活性化し、HSA結合ドメイン(複数可)は、この多機能性結合タンパク質の効力及び有効性を損なう。ヒトB細胞を、FAP発現CHO細胞(黒塗り記号)の存在下において共培養し、漸増濃度のSMA014(上向きの三角形)、SMA087(下向きの三角形)、SMA095(菱形)、及びアゴニスト抗CD40 mAb(正方形)で処置した。対照として、B細胞をFAP陰性CHO細胞の存在下において共培養し、それぞれの構築物の最高濃度のみで処置し、白塗りの記号として示した。ヒトB細胞の活性化を、600μMのHSAの非存在下(A)及び存在下(B)におけるCD86の上方制御(平均蛍光強度(mean fluorescence intensity:MFI)及び細胞の割合(%)として測定)に関して評価した。各値は重複した測定値の平均を示す。示されるデータは2つの独立した実験を代表する。エラーバーは±SEMを示す。FAP発現CHO細胞の存在下における全ての構築物についてのEC50値及び有効性値(nM)を、グラフ中に示された表に示す。 ローカライザと組み合わされたCD40特異的結合タンパク質は、厳密にはローカライザ依存的様式でCD40シグナル伝達を活性化し、HSA結合ドメイン(複数可)は、この多機能性結合タンパク質の効力及び有効性を損なう。ヒトB細胞を、FAP発現CHO細胞(黒塗り記号)の存在下において共培養し、漸増濃度のSMA014(上向きの三角形)、SMA087(下向きの三角形)、SMA095(菱形)、及びアゴニスト抗CD40 mAb(正方形)で処置した。対照として、B細胞をFAP陰性CHO細胞の存在下において共培養し、それぞれの構築物の最高濃度のみで処置し、白塗りの記号として示した。ヒトB細胞の活性化を、600μMのHSAの非存在下(A)及び存在下(B)におけるCD86の上方制御(平均蛍光強度(mean fluorescence intensity:MFI)及び細胞の割合(%)として測定)に関して評価した。各値は重複した測定値の平均を示す。示されるデータは2つの独立した実験を代表する。エラーバーは±SEMを示す。FAP発現CHO細胞の存在下における全ての構築物についてのEC50値及び有効性値(nM)を、グラフ中に示された表に示す。 CD40二価性は、多機能性CD40ローカライザ結合タンパク質の効力及び有効性を強く増加させる。ヒトB細胞を、FAP発現CHO細胞の存在下において培養し、漸増濃度のSMA014(上向きの三角形)、SMA104(下向きの三角形)、SMA105(菱形)、及びアゴニスト抗CD40 mAb(正方形)で処置した。対照として、B細胞をFAP陰性CHO細胞の存在下において共培養し、それぞれの構築物の最高濃度のみで処置し、白塗りの記号として示した。ヒトB細胞の活性化を、HSAの非存在下におけるCD86の上方制御(平均蛍光強度(MFI)及び細胞の割合(%)として測定)に関して評価した。各値は重複した測定値の平均を示す。示されるデータは2つの独立した実験を代表する。エラーバーは±SEMを示す。FAP発現CHO細胞の存在下における全ての構築物についてのEC50値及び有効性値(nM)を、グラフ中に示された表に示す。 CD40二価性はHSA結合ドメインによって誘導される阻害効果を救済する。ヒトB細胞を、FAP発現CHO細胞の存在下において培養し、漸増濃度のSMA014(上向きの三角形)、SMA104(下向きの三角形)、SMA091(丸)、SMA099(菱形)、AS579(六角形)、及びアゴニスト抗CD40 mAb(正方形)で処置した。対照として、B細胞をFAP陰性CHO細胞の存在下において共培養し、それぞれの構築物の最高濃度のみで処置し、白塗りの記号として示した。ヒトB細胞の活性化を、HSAの非存在下(A)及び存在下(B)におけるCD86の上方制御(平均蛍光強度(MFI)及び細胞の割合(%)として測定)に関して評価した。各値は重複した測定値の平均を示す。示されるデータは2つの独立した実験を代表する。エラーバーは±SEMを示す。FAP発現CHO細胞の存在下における全ての構築物についてのEC50値及び有効性値(nM)を、グラフ中に示された表に示す。 CD40二価性はHSA結合ドメインによって誘導される阻害効果を救済する。ヒトB細胞を、FAP発現CHO細胞の存在下において培養し、漸増濃度のSMA014(上向きの三角形)、SMA104(下向きの三角形)、SMA091(丸)、SMA099(菱形)、AS579(六角形)、及びアゴニスト抗CD40 mAb(正方形)で処置した。対照として、B細胞をFAP陰性CHO細胞の存在下において共培養し、それぞれの構築物の最高濃度のみで処置し、白塗りの記号として示した。ヒトB細胞の活性化を、HSAの非存在下(A)及び存在下(B)におけるCD86の上方制御(平均蛍光強度(MFI)及び細胞の割合(%)として測定)に関して評価した。各値は重複した測定値の平均を示す。示されるデータは2つの独立した実験を代表する。エラーバーは±SEMを示す。FAP発現CHO細胞の存在下における全ての構築物についてのEC50値及び有効性値(nM)を、グラフ中に示された表に示す。 DARPin(登録商標)タンパク質#29(配列番号29)と複合体を形成したヒト腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー5(hCD40)のX線結晶学の構造解析による構造決定。
本明細書に開示及び例証されるように、本開示は、CD40を特異的に標的化するアンキリン反復タンパク質を提供する。設計アンキリン反復タンパク質ライブラリー(国際公開第2002/020565号、Binzら、「Nat.Biotechnol.」、第22巻第575~582頁(2004年);Stumppら、「Drug Discov.Today」第13巻第695~701頁(2008年))は、高い親和性でそれらの標的に結合する標的特異的設計アンキリン反復ドメインの選択に使用することができる。次に、そのような標的特異的設計アンキリン反復ドメインを、疾患を治療するための組換え結合タンパク質の価値ある成分として使用することができる。設計アンキリンリピートタンパク質は、モノクローナル抗体の限界を克服する可能性を有する結合分子のクラスであり、したがって新規な治療的アプローチを可能にする。そのようなアンキリン反復タンパク質は、単一の設計アンキリン反復ドメインを含んでもよく、又は同じ若しくは異なる標的特異性を有する2つ以上の設計アンキリン反復ドメインの組合せを含んでもよい(Stumppら、「Drug Discov.Today 13,695-701,2008;米国特許第9,458,211号)。単一の設計アンキリン反復ドメインのみを含むアンキリンリピートタンパク質は、高い親和性及び特異性で所与の標的タンパク質に結合するように選択され得る小タンパク質(14kDa)である。これらの特徴、及び1つのタンパク質中の2つ以上の設計アンキリン反復ドメインを組み合わせる可能性は、設計アンキリン反復タンパク質を、理想的なアゴニスト、拮抗薬及び/又は阻害薬候補にする。更に、そのようなアンキリンリピートタンパク質は、様々なエフェクター機能、例えば細胞傷害性剤又は半減期延長剤を担持し、完全に新しい薬物フォーマットを可能にするように操作することができる。まとめると、設計アンキリンリピートタンパク質は、既存の抗体薬物を超える可能性を有するタンパク質治療薬の次世代の例である。
DARPin(登録商標)は、Molecular Partners AG,Switzerlandによって所有される商標である。
一態様では、本発明は、CD40に対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質を提供する。一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、アンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、CD40に対して結合特異性を有し、かつ当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号39~95、並びに(2)配列番号39~95のいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は1個までのアミノ酸が、別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける9個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける8個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける7個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける5個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける4個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける1個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸置換の全てが、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置に生じる。好ましい一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号39~95からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、アンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、CD40に対して結合特異性を有し、かつ当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は個1までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける9個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける8個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける7個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける5個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける4個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける1個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸置換の全てが、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置に生じる。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号56~58、76~78、及び81~83からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、アンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、CD40に対して結合特異性を有し、かつ当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は1個までのアミノ酸が、別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける9個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける8個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける7個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける5個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける4個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける1個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸置換の全てが、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置に生じる。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号76、77、及び78からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、アンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、CD40に対して結合特異性を有し、かつ当該アンキリン反復ドメインは、配列番号56のアミノ酸配列、又は配列番号56中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号57のアミノ酸配列、又は配列番号57中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列、又は配列番号58中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号76のアミノ酸配列、又は配列番号76中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号77のアミノ酸配列、又は配列番号77中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号78のアミノ酸配列、又は配列番号78中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号81のアミノ酸配列、又は配列番号81中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号82のアミノ酸配列、又は配列番号82中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号83のアミノ酸配列、又は配列番号83中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号56のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号57のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号76のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号77のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号78のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号81のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号82のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。
好ましい一実施形態では、本明細書に説明及び言及されるような当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該のアミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置において起こり、典型的には、モジュール(複数可)の全体構造は、置換によって影響を受けない。より好ましい一実施形態では、本明細書に説明及び言及されるような当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該のアミノ酸置換の全ては、配列番号39~95の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15以外の位置において起こる。
一実施形態では、本発明のアンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
一実施形態では、本発明のアンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュール及び第3のアンキリン反復モジュールを含む。好ましい一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
一実施形態では、当該第1、当該第2、及び存在する場合、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号39~95、並びに(2)配列番号39~95のいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は1個までのアミノ酸が、別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該第1、当該第2、及び存在する場合、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56~58、76~78、及び81~83、並びに(2)配列番号56~58、76~78、及び81~83のうちいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は個1までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該第1、当該第2、及び存在する場合、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は1個までのアミノ酸が、別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本発明によるアンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュールと、第2のアンキリン反復モジュールと、第3のアンキリン反復モジュールとを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56、及び(2)配列番号56における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号57、及び(2)配列番号57の10個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、及び(2)配列番号58の10個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56、及び(2)配列番号56の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号57、及び(2)配列番号57の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、及び(2)配列番号58の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56、及び(2)配列番号56の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号57、及び(2)配列番号57の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、及び(2)配列番号58の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56、及び(2)配列番号56の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号57、及び(2)配列番号57の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、及び(2)配列番号58の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号56、及び(2)配列番号56の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号57、及び(2)配列番号57の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、及び(2)配列番号58の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号56のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号57のアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列を含む。好ましい一実施形態では、当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全ては、配列番号56、57、及び58の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化した3位、4位、6位、14位、及び15位以外のフレームワーク位置において起こり、典型的には、モジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。好ましい一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
一実施形態では、本発明によるアンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュールと、第2のアンキリン反復モジュールと、第3のアンキリン反復モジュールとを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、及び(2)配列番号76における10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号77、及び(2)配列番号77の10個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号78、及び(2)配列番号78の10個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、及び(2)配列番号76における6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号77、及び(2)配列番号77の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号78、及び(2)配列番号78の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、及び(2)配列番号76における3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号77、及び(2)配列番号77の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号78、及び(2)配列番号78の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、及び(2)配列番号76における2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号77、及び(2)配列番号77の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号78、及び(2)配列番号78の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号76、及び(2)配列番号76の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号77、及び(2)配列番号77の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号78、及び(2)配列番号78の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号76のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号77のアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、配列番号78のアミノ酸配列を含む。好ましい一実施形態では、当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全ては、配列番号76、77、及び78の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化した3位、4位、6位、14位、及び15位以外のフレームワーク位置において起こり、典型的には、モジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。好ましい一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
一実施形態では、本発明によるアンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュールと、第2のアンキリン反復モジュールと、第3のアンキリン反復モジュールとを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号81、及び(2)配列番号81における10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号82、及び(2)配列番号82の10個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号83、及び(2)配列番号83の10個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号81、及び(2)配列番号81における6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号82、及び(2)配列番号82の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号83、及び(2)配列番号83の6個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号81、及び(2)配列番号81における3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号82、及び(2)配列番号82の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号83、及び(2)配列番号83の3個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号81、及び(2)配列番号81における2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号82、及び(2)配列番号82の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号83、及び(2)配列番号83の2個までのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号81、及び(2)配列番号81の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号82、及び(2)配列番号82の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号83、及び(2)配列番号83の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号81のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号82のアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。好ましい一実施形態では、当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全ては、配列番号81、82、及び83の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化した3位、4位、6位、14位、及び15位以外のフレームワーク位置において起こり、典型的には、モジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。好ましい一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
好ましい一実施形態では、本明細書の実施形態のいずれかに記載される本発明のアンキリン反復ドメインは、N末端キャッピングモジュール及び/又はC末端キャッピングモジュールを更に含む。より好ましい一実施形態では、本発明のアンキリン反復ドメインは、N末端からC末端に向かう、N末端キャッピングモジュール;本明細書の実施形態のいずれかにより具体的に記載されている1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のアンキリン反復モジュール(複数可);及びC末端キャッピングモジュールを含む。
一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、並びに(2)配列番号5~7のいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は1個までのアミノ酸が、他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける9個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける8個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける7個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける5個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける4個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける1個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。好ましい一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールの当該アミノ酸置換の全てが、配列番号5~7の10位及び17位以外の位置において生じる。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、配列番号5のアミノ酸配列を含むか、配列番号5のアミノ酸配列からなる。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、配列番号6のアミノ酸配列を含むか、配列番号6のアミノ酸配列からなる。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、配列番号7のアミノ酸配列を含むか、配列番号7のアミノ酸配列からなる。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、配列番号8のアミノ酸配列を含むか、配列番号8のアミノ酸配列からなり、ここで、Xは、いずれかのアミノ酸を表す。一実施形態では、配列番号5~8の当該N末端キャッピングモジュールの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、並びに(2)配列番号12~14のいずれかにおける10個まで、又は9個まで、又は8個まで、又は7個まで、又は6個まで、又は5個まで、又は4個まで、又は3個まで、又は2個まで、又は1個までのアミノ酸が、他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける9個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける8個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける7個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける6個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける5個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける4個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける3個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける2個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける1個までのアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。好ましい一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールの当該アミノ酸置換の全てが、配列番号13~14の14位及び18位以外の位置において生じる。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、配列番号12のアミノ酸配列からなる。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、配列番号13のアミノ酸配列からなる。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、配列番号14のアミノ酸配列からなる。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、配列番号15のアミノ酸配列を含むか、配列番号15のアミノ酸配列からなる。ここで、Xは、いずれかのアミノ酸を表す。一実施形態では、配列番号12の最後から2番目の位置L及び/又は最後の位置Nは、任意選択的に、Aによって置換される。
好ましい一実施形態では、本発明に提供され、本明細書に説明される設計アンキリン反復ドメインは、当該配列修飾を含まない設計アンキリン反復ドメインと比較して、当該設計アンキリン反復ドメインの薬物動態特性の改善につながるN末端キャッピングモジュール及び/又はC末端キャッピングモジュールにおける配列修飾を含む。
より好ましい一実施形態では、本発明の設計アンキリン反復ドメインは、改善された薬物動態特性を有するN末端キャッピングモジュールを含み、ここで、当該N末端キャッピングモジュールは、8位のアミノ酸がQであり、及び/又は15位のアミノ酸がLであるアミノ酸配列を有する。そのようなN末端キャッピングモジュールの例は、配列番号5~8で提供される。一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、アミノ酸配列を有し、ここで、4位のアミノ酸はSであり、8位のアミノ酸はQであり、15位のアミノ酸はLであり、17位のアミノ酸がTであり、20位のアミノ酸がTであり、及び/又は23位のアミノ酸はQである。そのようなN末端キャッピングモジュールの例は、配列番号7で提供される。好ましい一実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、30アミノ酸のアミノ酸配列を含む。更に好ましい実施形態では、当該N末端キャッピングモジュールは、30アミノ酸からなるアミノ酸配列からなる。好ましくは、N末端キャッピングモジュールの位置の当該位置番号は、配列番号5の位置番号を用いて配列番号5にアラインメントすることによって測定する。好ましくは、当該アラインメントは、アミノ酸ギャップを含まない。配列アラインメント生成は、当技術分野で周知の手順である。
別のより好ましい実施形態では、本発明の設計アンキリン反復ドメインは、改善された薬物動態特性を有するC末端キャッピングモジュールを含み、ここで、当該C末端キャッピングモジュールは、14位のアミノ酸がRであり、及び/又は18位のアミノ酸がQであるアミノ酸配列を有する。そのようなC末端キャッピングモジュールの例は、配列番号13~15で提供される。一実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、アミノ酸配列を有し、ここで、3位のアミノ酸はTであり、4位のアミノ酸はQであり、6位のアミノ酸はTであり、14位のアミノ酸はRであり、18位のアミノ酸はQであり、19位のアミノ酸がQであり、22位のアミノ酸はSであり、及び/又は26位のアミノ酸はQである。そのようなN末端キャッピングモジュールの例は、配列番号14で提供される。好ましい実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、28アミノ酸のアミノ酸配列を含む。更に好ましい実施形態では、当該C末端キャッピングモジュールは、28アミノ酸からなるアミノ酸配列からなる。好ましくは、C末端キャッピングモジュールの位置の当該位置番号は、配列番号13の位置番号を用いて配列番号13にアラインメントすることによって測定する。好ましくは、当該アラインメントは、アミノ酸ギャップを含まない。
一実施形態では、用語改善された薬物動態特性は、増加した曲線下面積、低減したクリアランス、又は延長した終末相半減期を指す。一実施形態では、用語改善された薬物動態特性は、増加した曲線下面積を指す。一実施形態では、当該曲線下面積の増加は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、最も好ましくは85%である。一実施形態では、用語改善された薬物動態特性は、低減したクリアランスを指す。一実施形態では、当該クリアランスの低減は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、最も好ましくは45%である。一実施形態では、用語改善された薬物動態特性は、延長した終末相半減期を指す。一実施形態では、当該終末相半減期の延長は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、最も好ましくは85%である。一実施形態では、薬物動態パラメータは、マウスにおいて決定される。好ましくは、マウスの当該薬物動態パラメータは、Balb/cマウスの尾静脈への静脈内注射によって1mg/kgの用量でタンパク質を適用することによって決定される。一実施形態では、薬物動態パラメータは、カニクイザルにおいて決定される。好ましくは、カニクイザルの当該薬物動態パラメータは、30分間の静脈内注射によって1mg/kgの用量でタンパク質を適用することによって決定される。
好ましい実施形態では、本発明によって提供され、本明細書に記載される設計アンキリン反復ドメインは、CD40受容体のN末端システインリッチドメイン(CRD)1に特異的に結合する。CD40受容体のアミノ酸配列は、配列番号96で本明細書に提供され、ここで、アミノ酸残基23~59はCRD1を形成し、アミノ酸残基62~103はCRD2を形成し、アミノ酸残基105~143はCRD3を形成し、アミノ酸残基146~186はCRD4を形成する。したがって、好ましい実施形態では、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインが結合するCD40エピトープは、CRD1内、すなわち、CD40受容体(配列番号96)のアミノ酸残基23~59内に位置する。別の態様では、本発明は、アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質を提供し、当該アンキリン反復ドメインは、CD40に対して結合特異性を有し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、好ましい一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又はこれらからなり、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、好ましい一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又はこれらからなり、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、好ましい一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はこれからなり、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。好ましい実施形態では、CD40に対する結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインは、CD40受容体のCRD1におけるエピトープへ特異的に結合する。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5x10-8M未満、又は5×10-8M未満、又は2×10-8M未満の解離定数(KD)で、PBS中のヒトCD40に結合する。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合する。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、7.5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合する。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、5×10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合する。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、2x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合する。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号16~35からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又はこれらからなり、配列番号16~35のうちいずれか1つの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、7.5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、7.5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又はこれらからなり、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のいずれか1つの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22、29、及び31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むか、又はこれらからなり、ここで、配列番号22、29、及び31の1位のいずれか1つの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5×10-8M未満、又は5×10-8M未満、又は2×10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、配列番号22の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5×10-8M未満、又は5×10-8M未満、又は2×10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号22のアミノ酸配列を含むか、又はこれからなり、ここで、配列番号22のいずれか1つの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5×10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はこれからなり、ここで、配列番号29のいずれか1つの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5x10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は7.5×10-8M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はこれからなり、ここで、配列番号31のいずれか1つの1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
CD40に対する結合特異性を有する本発明の組換え結合タンパク質の解離定数(KD)の典型的かつ好ましい決定は、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)分析による。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質のCD40に対する当該結合特異性は、表面プラズモン共鳴(SPR)によってPBS中で決定される。一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質のCD40に対する当該結合特異性は、表面プラズモン共鳴(SPR)によってPBS中で決定される。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有する2つ、又は3つ、又はそれ以上のアンキリン反復ドメインを含む。好ましい一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、本明細書の態様及び実施形態のいずれかにおいてより具体的に記載されているCD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインからなる。したがって、特定の一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、本明細書の態様及び実施形態のいずれかにおいてより具体的に記載されるようなCD40に対する結合特異性を有する第1のアンキリン反復ドメインを含み、CD40に対する結合特異性を有する第2のアンキリン反復ドメインを更に含む。より好ましい一実施形態では、CD40に対する結合特異性を有する当該第2のアンキリン反復ドメインは、本明細書の態様及び実施形態のいずれかにおいてより具体的に記載されているようなCD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、これは、CD40に対する結合特異性を有する当該第1のアンキリン反復ドメインと異なっていてもよく、又は同一であってもよい。
したがって、例示的な一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。したがって、好ましい一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対する2つの結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号29のアミノ酸配列を含むか、又はこれからなり、配列番号29の1位のG及び/又は2位のSは、任意選択的に欠落している。
一実施形態では、当該2つ、又は3つ、又はそれ以上のアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカーにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカーは、高プロリン-トレオニンペプチドリンカーである。一実施形態では、当該ペプチドリンカーは、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーである。一実施形態では、当該2つ、又は3つ、又はそれ以上のアンキリン反復ドメインは、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより結合されている。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、ローカライザ分子を更に含む。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、当該CD40特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ、若しくは3つ、若しくはそれ以上のCD40特異的アンキリン反復ドメインに、結合、コンジュゲート、融合、又は別様に物理的結合される。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、当該CD40特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ、若しくは3つ、若しくはそれ以上のCD40特異的アンキリン反復ドメインに共有結合される。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、当該CD40特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ、若しくは3つ、若しくはそれ以上のCD40特異的アンキリン反復ドメインに、ペプチドリンカーを用いて共有結合される。一実施形態では、当該ペプチドリンカーは、高プロリン-トレオニンペプチドリンカーである。一実施形態では、当該ペプチドリンカーは、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより、当該CD40特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ、若しくは3つ、若しくはそれ以上のCD40特異的アンキリン反復ドメインに共有結合される。
実施例3に示すように、本発明の1つ、2つ、又は3つのCD40特異的アンキリン反復ドメインは、例えばローカライザ媒介クラスタリングを介して、組換え結合タンパク質によってCD40の局所的活性化を促進することができるローカライザに結合され得る。例えば腫瘍組織を標的とするこのような局所的活性化は、CD40の全身活性化、及び結果として生じる肝毒性の回避又は低減に、非常に有益であり得る。そのような実施形態は、例えば、標的組織の細胞において選択的に発現される分子の細胞外ドメインに特異的に結合し、それによってCD40特異的アンキリン反復ドメイン又はドメイン(複数)をクラスタリングして近傍のCD40発現細胞においてCD40活性化を達成する、当該ローカライザ分子を介して、CD40の活性化を特定の組織に局在化又は送達することを可能にする。更なる例として、多数の膜貫通タンパク質は、様々な種類の癌における腫瘍組織中で特異的に発現又は過剰発現されることが知られている。このような腫瘍特異的タンパク質として、非制限的に、アンカタンパク質、受容体、酵素、及び輸送タンパク質、例えばNDC1(TMEM48)、TMEM45A、TMEM97、アノクタミン-1(anoctamin-1)(TMEM16A)、TMEM140、TMEM45B、αvβ3、インテグリン、ボンベシンR、CAIX、CEA、CD13、CD44 v6、CXCR4、EGFR、ErbB-2、HER2、Emmprin、エンドグリン、EpCAM、EphA2、フィブロネクチン・エキストラ・ドメインB(ED-B)、FAP-α、葉酸R、GRP78、IGF-1R、マトリプターゼ、メソセリン、cMET/HGFR、MT1-MMP、MT6-MMP、Muc-1、PSCA、PSMA、Tn抗原、uPARが挙げられる(Schmit K及びMichiels C、「Front.Pharmacol.」(2018年)第9巻第1345頁;Boonstra CMら、「Biomarkers in Cancer」(2016年)第8巻第119~133頁)。
一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍特異的タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。
一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍特異的タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。最も好ましい一実施形態では、当該ローカライザ分子は、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、FAPに対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインは、配列番号98のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、かつローカライザ分子を更に含む。好ましい一実施形態では、当該CD40特異的アンキリン反復ドメインは、本明細書の態様及び実施形態のいずれかにおいてより具体的に説明されるように、CD40に対する結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインである。より好ましい一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。別のより好ましい実施形態では、腫瘍組織において発現される細胞表面タンパク質に対する結合特異性を有する当該タンパク質は、腫瘍組織において発現される細胞表面タンパク質に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。最も好ましい一実施形態では、当該ローカライザ分子は、FAPに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、CD40に対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメイン及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより結合されている。一実施形態では、CD40に対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメイン及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより結合されている。一実施形態では、当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内のCD40に対する結合特異性を有する、当該アンキリン反復ドメインのN末端に位置する。
一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカーと結合されたCD40に対する結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、ローカライザ分子を更に含む。好ましい一実施形態では、CD40に対する結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、本明細書の態様及び実施形態のいずれかにおいてより具体的に記載されているようなCD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、これらは、互いに同一であってもよく、又は異なっていてもよい。好ましい一実施形態では、CD40に対する結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインは、高プロリン-トレオニンペプチドリンカーと結合される。一実施形態では、CD40に対する結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより結合されている。更により好ましい実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。別のより好ましい実施形態では、腫瘍組織において発現される細胞表面タンパク質に対する結合特異性を有する当該タンパク質は、腫瘍組織において発現される細胞表面タンパク質に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。最も好ましい一実施形態では、当該ローカライザ分子は、FAPに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該ポリペプチド及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより結合されている。一実施形態では、当該ポリペプチド及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号1又は2の高プロリン-トレオニンペプチドリンカーにより結合されている。好ましい一実施形態では、当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該ポリペプチドのN末端に位置する。
一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、血清アルブミンに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを更に含む。一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含む。一実施形態では、本発明の当該CD40特異的組換え結合タンパク質は、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち一方は、CD40特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置し、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち他方は、CD40特異的アンキリン反復ドメインのC末端に位置する。一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち一方は、当該CD40特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置し、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち他方は、当該2つのCD40特異的アンキリン反復ドメインのC末端に位置する。血清アルブミンに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインは、本発明の組換えタンパク質のインビボ半減期を増加させることができる。
一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、ポリペプチドタグを更に含む。ポリペプチドタグは、ポリペプチド/タンパク質に結合されたアミノ酸配列であり、ここで、当該アミノ酸配列は、当該ポリペプチド/タンパク質の精製、検出、若しくは標的化に有用であり、又は、当該アミノ酸配列は、ポリペプチド/タンパク質の物理化学的挙動を改善し、又は、当該アミノ酸配列はエフェクター機能を有する。結合タンパク質の個々のポリペプチドタグは、結合タンパク質の他の部位に、直接又はペプチドリンカーを介して接続してもよい。ポリペプチドタグは技術分野で周知であり、当業者には十分に利用可能である。ポリペプチドタグの例は、小ポリペプチド配列、例えば、Hisタグ、HAタグ、mycタグ、FLAGタグ、若しくはStrepタグ、又は酵素(例えばアルカリホスファターゼ)等のポリペプチドであり、これらにより、当該ポリペプチド/タンパク質、又は標的化に使用できるポリペプチド(免疫グロブリン又はそれらのフラグメント等)及び/若しくはエフェクター分子として使用できるポリペプチドの検出が可能となる。本発明に関連して使用され得るHisタグの特定の例は、配列番号4に示される。
一実施形態では、本発明のCD40特異的組換え結合タンパク質は、ポリペプチドリンカーを更に含む。ペプチドリンカーは、例えば、2つのタンパク質ドメイン、ポリペプチドタグとタンパク質ドメイン、タンパク質ドメインと非タンパク質化合物若しくはポリエチレングリコールなどのポリマー、又はタンパク質ドメインと生物学的活性分子、タンパク質ドメインとローカライザ、又は2つの配列タグを、結合させることができるアミノ酸配列である。ペプチドリンカーは、当業者に既知である。例の一覧は、特許出願公開第WO2002/020565号の明細書に提供されている。そのようなリンカーの具体例は、グリシン-セリン-リンカー及び可変長のプロリン-トレオニン-リンカーである。グリシン-セリン-リンカーの例は、アミノ酸配列GS及び配列番号3のアミノ酸配列であり、プロリン-トレオニン-リンカーの例は、配列番号1及び配列番号2のアミノ酸配列である。
別の態様では、本発明は、本発明のアンキリン反復ドメイン又は組換え結合タンパク質のアミノ酸配列をコードする、核酸を提供する。一実施形態では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質のアミノ酸配列をコードする、核酸を提供する。一実施形態では、本発明は、本発明のCD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインをコードする核酸を提供する。一実施形態では、当該核酸は、配列番号16~35のいずれか1つのアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列をコードする。好ましい一実施形態では、当該核酸は、配列番号22、29及び31のいずれか1つのアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、当該核酸は、配列番号22のアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、当該核酸は、配列番号29のアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、当該核酸は、配列番号31のアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列をコードする。より好ましい一実施形態では、当該核酸は、配列番号36、37、及び38からなる群から選択される。一実施形態では、当該核酸は、配列番号36の核酸配列を含むか、又は配列番号36からなり、これは、配列番号29のアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、当該核酸は、配列番号37の核酸配列を含むか、又は配列番号37からなり、これは、配列番号22のアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、当該核酸は、配列番号38の核酸配列を含むか、又は配列番号38からなり、これは、配列番号31のアミノ酸配列をコードする。
更に、本発明は、本発明のいずれかの核酸を含むベクターを提供する。核酸は、当業者に周知である。実施例において、核酸は、本発明の設計アンキリン反復ドメイン又は組換え結合タンパク質を、大腸菌で生産するために使用した。
一態様では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質及び/若しくは設計アンキリン反復ドメイン、並びに/又は本発明の組換え結合タンパク質及び/若しくは設計アンキリン反復ドメインをコードする核酸、並びに任意選択的に、薬学的に許容される担体及び/若しくは希釈剤を含む、医薬組成物を提供する。
一実施形態では、本発明は、組換え結合タンパク質、又は本発明の組換え結合タンパク質をコードする核酸、並びに任意選択的に、薬学的に許容される担体及び/若しくは希釈剤を含む、医薬組成物を提供する。
薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤は当業者に既知であり、下記でより詳細に説明する。また更に、上述の組換え結合タンパク質及び/若しくは設計アンキリン反復ドメイン並びに/又は核酸、特に本発明の組換え結合タンパク質及び/又は核酸のうち1つ以上を含む、診断用組成物が提供される。
医薬組成物は、本明細書に記載のような組換え結合タンパク質、及び/又はアンキリン反復ドメイン、及び/又は核酸、好ましくは、組換え結合タンパク質及び/又は核酸、及び例えば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第16版、Osol,A.編、1980年に記載のような、薬学的に許容される担体、賦形剤若しくは安定剤を含む。
当業者に既知の、好適な担体、賦形剤又は安定剤としては、例えば、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、ハンクス液、固定油、オレイン酸エチル、5%デキストロース生理食塩水、等張性及び化学的安定性を高める物質、緩衝液並びに保存剤が挙げられる。他の好適な担体としては、それ自体が、組成物を投与される個体にとって有害な抗体の産生を誘発しない任意の担体、例えば、タンパク質、ポリサッカライド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸及びアミノ酸コポリマーが挙げられる。医薬組成物はまた、抗癌剤若しくは抗血管新生剤、又は更なる生物活性化合物等の、追加の有効成分を含む、合剤であってもよい。
インビボ投与に使用される製剤は、無菌でなくてはならない、又は、滅菌されていなくてはならない。これは、滅菌濾過膜で濾過することにより、容易に実施される。
本発明の一実施形態は、CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、医薬組成物を製造するための血清アルブミンに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを更に含む、本発明の組換え結合タンパク質の使用を提供し、当該組換え結合タンパク質は、CD40に対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインを含むが、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインは含まない対応する組換え結合タンパク質と比較して、増加した終末相半減期、好ましくは少なくとも5%、好ましくは10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、又は250%の増加した終末相半減期を呈する。本発明の一実施形態では、組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、血清アルブミンに対する結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含む。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載のような少なくとも1つの組換え結合タンパク質、並びに非イオン性洗剤などの洗剤、リン酸塩緩衝液などの緩衝液、及びスクロースなどの糖を含む。一実施形態では、このような組成物は、上記のような組換え結合タンパク質及びPBSを含む。
別の態様では、本発明は、ヒトを含む哺乳動物におけるCD40発現細胞中のCD40の局所的活性化の方法であって、本発明の組換え結合タンパク質を当該哺乳動物に投与する工程を含む、方法を提供する。好ましい一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含む。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、CD40とは異なる標的に対して結合特異性を有する結合タンパク質である。一実施形態では、当該哺乳動物は、ヒトである。一実施形態では、当該CD40発現細胞は、原発性腫瘍、転移、及び/又は腫瘍間質を含む腫瘍内に位置する。
別の態様では、本発明は、医学的状態を処置するための方法であって、医学的状態を処置することを必要とする患者に、治療有効量の本発明の組換え結合タンパク質、本発明の核酸、又は本発明の医薬組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。好ましい実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ローカライザ分子を含む。好ましい一実施形態では、当該医学的状態は、癌である。
別の態様では、本発明は、医学的状態の治療方法を提供し、本方法は、このような治療を必要とする患者に、ローカライザ分子を含む本発明の組換え結合タンパク質の治療有効量を投与する工程を含み、当該ローカライザ分子は当該結合タンパク質を標的組織に局在化させるのに有効であり、当該結合タンパク質の当該局在化は標的組織中のCD40発現細胞におけるCD40の活性化をもたらす。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍中で発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有する結合タンパク質であり、当該細胞表面タンパク質は、CD40とは異なる。一実施形態では、当該CD40発現細胞は、原発性腫瘍、転移、及び/又は腫瘍間質を含む腫瘍内に位置する。これらの実施形態は、したがって、腫瘍への本発明の組換え結合タンパク質によりCD40の活性化を局在化することによって、腫瘍中のローカライザの限定発現の利用を可能にする。
別の態様では、本発明は、患者の医学的状態を診断する方法を提供し、本方法は、ヒトCD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む本発明の組換え結合タンパク質を、当該診断を必要とする患者へ、又は当該診断を必要とする患者の体液若しくは組織試料へ投与する工程を含む。一実施形態では、当該体液は、血漿又はその誘導体である。一実施形態では、当該体液は、血清である。一実施形態では、当該組織は、腫瘍組織である。一実施形態では、当該医学的状態は、癌である。別の実施形態では、当該医学的状態は、自己免疫疾患である。
一実施形態では、本発明は、本発明による医薬組成物又は組換え結合タンパク質の、疾患の治療のための使用を提供する。そのため、本発明による医薬組成物又は組換え結合タンパク質は、これらを必要とする患者に、治療有効量で投与される。投与としては、局所投与、経口投与、及び非経口投与を挙げることができる。典型的な投与経路は非経口投与である。親的(parental)投与において、本発明の医薬組成物は、上で定義したような薬学的に許容される賦形剤と共に、溶液、懸濁液、又はエマルションなどの単位用量の注射可能な形態で処方される。用量及び投与方法は、治療される個体及び特定の疾患によって異なる。
更に、上述の医薬組成物又は組換え結合タンパク質のいずれかは、障害の治療について考慮される。
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質又は本明細書に記載のこのような他の医薬組成物は、静脈内投与される。非経口用途のため、組換え結合タンパク質又は当該医薬組成物は、ボーラス注入として又は緩徐な点滴注入により、治療有効量で注入することができる。
一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に、本発明の組換え結合タンパク質の治療有効量を投与する工程を含む、治療方法を提供する。一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に、本発明の医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含む、治療方法を提供する。一実施形態では、本発明は、本発明による医薬組成物の、疾患の治療のための使用を提供する。一実施形態では、本発明は、疾患の治療において使用するための医薬組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療において使用するための医薬組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、疾患の治療において使用するための核酸を提供する。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又核酸分子の、疾患の治療のための医薬としての使用を提供する。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又核酸分子の、医薬の製造のための使用を提供する。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又核酸分子の、疾患の治療のための医薬の製造のための使用を提供する。一実施形態では、本発明は、疾患の治療のための医薬の製造プロセスであって、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子が、医薬の活性成分である、製造プロセスを提供する。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子を使用して疾患を治療するプロセスを提供する。
特に、本発明は、本発明の医薬組成物を使用した医学的状態の治療であって、当該医学的状態が、癌である、治療を提供する。
本発明の組換え結合タンパク質又は当該医薬組成物の癌疾患の治療のための使用はまた、当技術分野において既知の1つ以上の他の療法との併用とすることができる。用語「~との併用」は、本明細書で使用する場合、所与の投与計画の下で実施される共投与を指すものとする。これには、異なる化合物の同時投与及び異なる化合物の時間を変えた投与が含まれる(例えば、化合物Aを1回投与し、かつ化合物Bをその後に数回投与する、若しくは逆もまた同様、又は、両化合物を同時に投与し、かつ2つのうちの1つを後の段階でまた投与する)。
更なる一実施形態では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質の、医学的状態、好ましくは腫瘍性疾患、より好ましくは癌の治療に使用される医薬の製造のための使用を提供する。
一実施形態では、本発明は、本発明の医薬組成物の、腫瘍性疾患、特に癌であり得る、医学的状態の治療に使用される医薬の製造のための使用を提供する。
一実施形態では、本発明は、上述のアンキリン反復ドメインのいずれかを含む組換え結合タンパク質を提供する。
一実施形態では、本発明は、当該組換え結合タンパク質を含むキットを提供する。一実施形態では、本発明は、当該組換え結合タンパク質をコードする核酸を含むキットを提供する。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物を含むキットを提供する。一実施形態では、本発明は、当該組換え結合タンパク質、及び/又はこの組換え結合タンパク質をコードする核酸、及び/又はこの医薬組成物を含むキットを提供する。一実施形態では、本発明は、CD40特異的アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質、例えば配列番号29のCD40特異的アンキリン反復ドメイン、及び/又はCD40特異的アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質をコードする核酸、例えば配列番号36の核酸、及び/又はCD40特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質を含む医薬組成物、及び/又はCD40特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質をコードする核酸を備える、キットを提供する。
一実施形態では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質を産生するための方法を提供する。一実施形態では、本発明は、組換え結合タンパク質、例えば配列番号29のアミノ酸配列を含む組換え結合タンパク質を産生するための方法を提供し、本方法は、(i)当該組換え結合タンパク質を細菌中で発現させる工程と、(ii)クロマトグラフィを用いて当該組換え結合タンパク質を精製する工程と、を含む。当該方法は追加の工程を含んでもよい。
本発明は、実施例に記載の特定の実施形態に制限されない。
本明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、添付の配列表に開示されている多くのアミノ酸配列、核酸配列、及び配列番号を参照する。
定義
本明細書で別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。
本発明の文脈において、用語「タンパク質」とは、ポリペプチドを含む分子を指し、ポリペプチドの少なくとも一部は、単一のポリペプチド鎖内及び/又は複数のポリペプチド鎖間において二次、三次、又は四次構造を形成することによって、定義された三次元配列を有する、又は獲得することができる。タンパク質が2つ以上のポリペプチド鎖を含む場合、個々のポリペプチド鎖は、非共有結合又は共有結合により、例えば、2つのポリペプチド間のジスルフィド結合により、結合され得る。二次及び/又は三次構造を形成することによって定義された三次元配列を個別に有する、又は獲得することができるタンパク質の一部は、「タンパク質ドメイン」と呼ばれる。そのようなタンパク質ドメインは、当業者に周知である。
組換えタンパク質及び組換えポリペプチドなどで使用される用語「組換え」とは、当該タンパク質又はポリペプチドが、当業者に周知の組換えDNA技術の使用によって産生されることを意味する。例えば、ポリペプチドをコードする組換えDNA分子(例えば遺伝子合成によって生産される)を細菌発現プラスミド(例えばpQE30、QIAgen)、酵母発現プラスミド、哺乳動物発現プラスミド、若しくは植物発現プラスミド、又はin vitro発現を可能にするDNAにクローニングすることができる。例えば、そのような組換え細菌発現プラスミドを適切な細菌(例えば、大腸菌)に挿入すると、これらの細菌は、この組換えDNAによってコードされたポリペプチドを生産することができる。それに応じて生産されたポリペプチド又はタンパク質は、組換えポリペプチド又は組換えタンパク質と呼ばれる。
本発明の文脈において、用語「結合タンパク質」は、結合ドメインを含むタンパク質を指す。結合タンパク質はまた、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の結合ドメインを含んでもよい。好ましくは、この結合タンパク質は、組換え結合タンパク質である。本発明の結合タンパク質は、CD40に対する結合特異性を有する少なくとも1つのアンキリン反復ドメインを含む。
更に、任意のそのような結合タンパク質は、当業者に周知の追加のポリペプチド(例えば、ポリペプチドタグ、ペプチドリンカー、結合特異性を有する他のタンパク質ドメインへの融合、サイトカイン、ホルモン、又はアンタゴニストなど)、又は化学修飾(ポリエチレングリコール、毒素(例えば、免疫原からのDM1)、小分子、抗生物質などへのカップリングなど)を含み得る。本発明の結合タンパク質は、ローカライザ分子を含んでもよい。
用語「結合ドメイン」は、標的に対する結合特異性を呈するタンパク質ドメインを意味する。好ましくは、この結合ドメインは、組換え結合ドメインである。より好ましくは、当該結合ドメインは、特定の標的に対する結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。本発明のアンキリン結合ドメインが結合し得る特異的標的の例としては、CD40、FAP、及び血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「標的」は、核酸分子、ポリペプチド若しくはタンパク質、炭水化物、又は任意の他の天然に存在する分子などの個々の分子を指し、そのような個々の分子の任意の一部を含むか、又はそのような分子の2つ以上の複合体、又は細胞全体若しくは組織試料、又は任意の非天然化合物を指す。好ましくは、標的は天然に存在する、若しくは、非天然のポリペプチド若しくはタンパク質、又は、例えば、天然に存在する若しくは非天然のリン酸化、アセチル化、若しくはメチル化によって修飾された、化学修飾を含むポリペプチド若しくはタンパク質である。本発明の文脈において、CD40及びCD40発現細胞は、CD40特異的結合タンパク質及びローカライザ標的タンパク質の標的であり、細胞は、ローカライザの標的である。
用語「核酸」又は「核酸分子」は、一本鎖又は二本鎖のいずれかのリボ核酸(RNA)分子又はデオキシリボ核酸(DNA)分子であることができるポリヌクレオチド分子を指し、DNA又はRNAの修飾形態及び人工形態を含む。核酸分子は、単離された形態で存在するか、又は組換え核酸分子又はベクターに含まれているかのいずれかであることができる。
本発明の文脈において、用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって結合された、複数、すなわち2つ以上のアミノ酸の鎖からなる分子に関する。好ましくは、ポリペプチドは、ペプチド結合によって結合された8個超のアミノ酸からなる。用語「ポリペプチド」はまた、システインのS-S架橋によって結合されたアミノ酸の複数の鎖も含む。ポリペプチドは、当業者に周知である。
特許出願第2002/020565号及びForrerら、2003(Forrer,P.,Stumpp,M.T.,Binz,H.K.,Pluckthun,A.,2003.「FEBS Letters」第539巻第2~6頁)には、反復タンパク質の特徴及び反復ドメインの特徴、技術、及び用途の一般的な説明が含まれる。用語「反復タンパク質」とは、1つ以上の反復ドメインドメインを含むタンパク質を指す。好ましくは、反復タンパク質は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの反復ドメインを含む。更に、当該反復タンパク質は、追加の非反復タンパク質ドメイン、ポリペプチドタグ、及び/又はペプチドリンカーを含んでもよい。反復ドメインは、結合ドメインであり得る。
用語「反復ドメイン」は、構造単位として2つ以上の連続する反復モジュールを含むタンパク質ドメインを指し、この反復モジュールは、構造相同性及び配列相同性を有する。好ましくは、反復ドメインは、N末端及び/又はC末端キャッピングモジュールを更に含む。明確にするためには、キャッピングモジュールは、例えば、通常の20個の天然に存在するアミノ酸のいずれかが許可され、又はシステイン以外のアミノ酸、若しくはグリシン、システイン、及びプロリン以外のアミノ酸などの、20個の天然に存在するアミノ酸のほとんどが許可された。この特許出願の目的のために、配列番号39~95のアミノ酸残基3、4、6、14、及び15は、本発明のアンキリン反復モジュールのランダム化された位置である。
用語「反復配列モチーフ」は、1つ以上の反復モジュールから推定されるアミノ酸配列を指す。好ましくは、当該反復モジュールは、同じ標的に対して結合特異性を有する反復ドメインに由来する。そのような反復配列モチーフは、フレームワーク残基位置及び標的相互作用残基位置を含む。当該フレームワーク残基位置は、反復モジュールのフレームワーク残基の位置に対応する。同様に、当該標的相互作用残基位置は、反復モジュールの標的相互作用残基の位置に対応する。反復配列モチーフは、非ランダム化位置及びランダム化位置を含む。
用語「反復単位」は、1つ以上の天然に存在するタンパク質の配列モチーフを含むアミノ酸配列を指し、当該「反復単位」は複数のコピーに見出され、タンパク質のフォールディングを決定する全ての当該モチーフに共通の定義されたフォールディングトポロジーを示す。そのような反復単位の例としては、ロイシンに富む反復単位、アンキリン反復単位、アルマジロ反復単位、テトラトリコペプチド反復単位、HEAT反復単位、及びロイシンに富む変異体反復単位が挙げられる。
用語「標的に対する結合特異性を有する」、「標的に特異的に結合する」、「高い特異性で標的に結合する」、「標的に対して特異的な」又は「標的特異性」などは、結合タンパク質又は結合ドメインが、大腸菌マルトース結合タンパク質(MBP)などの非関連タンパク質に結合するよりも、PBS中で、標的に、より低い解離定数で結合する(すなわち、より高い親和性で結合する)ことを意味する。好ましくは、標的に対するPBS中での解離定数(「KD」)は、MBPに対する対応する解離定数よりも、少なくとも102倍、より好ましくは少なくとも103倍、より好ましくは少なくとも104倍、又はより好ましくは少なくとも105倍低い。タンパク質-タンパク質間の相互作用の解離定数を測定するための方法、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)に基づく技術(例えば、SPR平衡解析)又は等温滴定熱量測定(ITC)は、当業者に周知である。特定のタンパク質-タンパク質相互作用のKDの測定値は、異なる条件下(例えば、塩濃度、pH)で測定された場合、変動し得る。したがって、KD値の測定は、好ましくは、タンパク質の標準化溶液及びPBS等の標準化緩衝液を使用して実施される。CD40に対する結合特異性を有する本発明の組換え結合タンパク質の解離定数(KD)の典型的かつ好ましい決定は、PBSにおいてであり、表面プラズモン共鳴(SPR)による。
用語「ポリペプチドタグ」は、ポリペプチド/タンパク質に結合したアミノ酸配列であって、当該アミノ酸配列が、当該ポリペプチド/タンパク質の精製、検出、若しくはターゲティングに有用であり、又は、当該アミノ酸配列が、ポリペプチド/タンパク質の物理化学的挙動を改善する、アミノ酸配列、又は、当該アミノ酸配列がエフェクター機能を有する、アミノ酸配列を指す。結合タンパク質の個々のポリペプチドタグ、部分及び/又はドメインは、互いに直接的に又はポリペプチドリンカーを介して結合していてもよい。これらのポリペプチドタグは、技術分野で全て周知であり、当業者には十分に利用可能である。ポリペプチドタグの例は、小さなポリペプチド配列、例えば、His(例えば、配列番号4からなるHisタグ)、mycタグ、FLAGタグ、若しくはStrepタグ、又は酵素(例えば、アルカリホスファターゼなどの酵素)であって、当該ポリペプチド/タンパク質の検出ができる酵素、又はターゲティングに使用することができる部分(免疫グロブリン又はその断片など)及び/若しくはエフェクター分子として使用することができる部分である。
用語「ポリペプチドリンカー」は、例えば、2つのタンパク質ドメイン、ポリペプチドタグとタンパク質ドメイン、タンパク質ドメインとポリエチレングリコールなどの非ポリペプチド部分、又は2つのポリペプチドタグタグを結合させることができるアミノ酸配列を指す。そのような更なるドメイン、タグ、非ポリペプチド部分及びリンカーは、関連分野の当業者に公知である。そのようなポリペプチドリンカーの例は、配列番号1及び2からなるリンカーである。
用語「約」は、言及した値の+/-20%を意味し、例えば、「約50」は、40~60を意味するものとする。
用語「PBS」は、137mM NaCl、10mMリン酸塩及び2.7mM KClを含み、pHが7.4であるリン酸緩衝水溶液を意味する。
本明細書で使用される「血清アルブミン」という用語は、マウス血清アルブミン、カニクイザル血清アルブミン、及びヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。用語「マウス血清アルブミン」は、UniProt受託番号P07724を指し、用語「カニクイザル血清アルブミン」(すなわちカニクイザル(macaca fascicularis))は、UniProt受託番号A2V9Z4を指し、用語「ヒト血清アルブミン」はUniProt受託番号P02768を指す。
好ましくは、クリアランス、及び/又は曝露、及び/又は終末相半減期は、哺乳動物、より好ましくはマウス及び/又はカニクイザル、より好ましくはカニクイザルで評価する。好ましくは、クリアランス、及び/又は曝露、及び/又は終末相半減期をマウスで測定する場合、評価は、注入後最大48時間までのデータを考慮して実施する。より好ましくは、マウスにおける終末相半減期の評価は、24時間~48時間で計算される。好ましくは、クリアランス、及び/又は曝露、及び/又は終末相半減期をカニクイザルで測定する場合、評価は、注射後最大7日目までのデータを考慮して実施する。より好ましくは、カニクイザルにおける終末相半減期の評価は、1日目~5日目で計算する。当業者は、標的媒介クリアランスなどの効果を更に特定し、終末相半減期を計算する場合、それらを考慮することができる。本発明の組換え結合タンパク質などの薬物の用語「終末相半減期」とは、偽平衡に達した後、哺乳動物に適用した薬物の血漿中濃度の半分に達するのに必要な時間を指す(例えば、マウスでは24時間~48時間で計算し、又はカニクイザルでは1日目~5日目で計算する)。終末相半減期は、哺乳動物に投与された薬物の用量の半分を排泄するのに必要な時間とは定義されない。終末相半減期という用語は、当業者に周知である。好ましくは、薬物動態の比較は、任意の用量、より好ましくは同等の用量(すなわち、同一のmg/kg用量)又は等モル用量(すなわち、同一のmol/kg用量)、より好ましくは等モル投与量(すなわち、同一のmol/kg用量)、で行う。動物での同等及び/又は等モルの投与は、少なくとも20%、より好ましくは30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の実験的な投与量のばらつきを伴うことが、当業者には理解される。好ましくは、薬物動態の測定に用いられる投与量は、0.001~1000mg/kg、より好ましくは0.01~100mg/kg、より好ましくは0.1~50mg/kg、より好ましくは0.5~10mg/kgから選択される。
用語「CD40」及び「CD40受容体」とは、本出願で互換的に使用され、CD40受容体の任意の形態、並びにCD40受容体の活性の少なくとも一部を保持するバリアント、アイソフォーム、及び種相同体(species homolog)を指す。したがって、本明細書に定義及び開示される結合タンパク質はまた、ヒト以外の種からCD40に結合してもよい。他の場合では、結合タンパク質は、ヒトCD40に完全に特異的であってもよく、種又は他のタイプの交差反応性を呈しなくともよい。ヒトCD40に対する特定の参照によってなど異なる指示が無い限り、CD40は、天然配列CD40、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、及びウシの全ての哺乳動物種を含む。ヒトCD40のアミノ酸配列は、NCBI参照配列NP_001241.1、UniprotP25942、及び配列番号96に示されている。共刺激受容体CD40は、48kDaのI型膜貫通タンパク質であり、ヒトにおける173個のアミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号97)、22個のアミノ酸膜貫通ドメイン、及び62個のアミノ酸細胞内ドメインを含有する。前駆体は更に20個のアミノ酸リーダー配列を含む。発現パターンに関して、CD40は、最初にB細胞上で特徴付けられ、樹状細胞、単球、血小板、及びマクロファージ上、並びに筋線維芽細胞、線維芽細胞、上皮細胞、及び内皮細胞などの非造血細胞によりまた発現される(Elguetaら、「Immunol Rev.」、2009年5月;第229巻(第1号))。
本明細書で使用する場合の「CD40アゴニスト」とは、CD40に結合した際、(1)CD40を刺激若しくは活性化する、(2)CD40の活性、機能、若しくは存在を増強、増加、促進、誘導、若しくは延長する、又は(3)CD40の発現を増強、増加、促進、若しくは誘導する、任意の化学化合物又は生体分子を意味する。ヒト個体が治療されている本発明の治療方法、薬剤、医薬組成物、及び使用のいずれにおいても、CD40アゴニストは、CD40媒介応答を増加させる。本発明の治療方法、薬剤、医薬組成物、及び使用のいくつかの実施形態では、CD40アゴニストは、CD40による下流シグナル伝達を著しく増強することで、様々なモデルにおける抗腫瘍活性をもたらす。
本発明のCD40特異的結合タンパク質に含まれる「ローカライザ分子」又は「ローカライザ」の文脈において、本明細書で互換的に使用される用語「局在化」又は「送達」とは、哺乳動物のローカライザ標的細胞又は組織に対し、結合タンパク質がローカライザを含まない場合と比較して、ローカライザを含むそのようなCD40特異的結合タンパク質の局在化の増加を指す。この用語はまた、CD40特異的結合タンパク質を、哺乳動物におけるローカライザ標的細胞又は組織の部位に標的化することを指し、CD40異的結合タンパク質は、ローカライザを含む。この用語は、好ましくは、哺乳動物におけるローカライザ標的細胞又は組織の部位での、ローカライザを含むCD40特異的結合タンパク質の蓄積及び/又は保持を更に包含する。この用語はまた、好ましくは、哺乳動物におけるローカライザ標的細胞又は組織の部位に、又はその近くにあるローカライザを含む、本発明のCD40特異的結合タンパク質によって誘導されたCD40発現細胞におけるCD40の局所的活性化を包含する。そのような局所的活性化は、例えば、ローカライザを含むCD40特異的結合タンパク質の結合時にCD40のクラスタリングを介して起こってもよく、クラスタリングは、その標的細胞又は組織へのローカライザの結合によって媒介される。この段落で使用する場合、「哺乳動物」はヒトを包含する。「局在化」の結果は、当業者に周知の様々な手段によって測定されてもよい。一例として、「局在化」は、技術分野で周知の方法に従って、ローカライザに結合された本発明の結合タンパク質の臓器対血中比を決定することによって測定されてもよい。本発明の一実施形態では、ローカライザを含むCD40特異的結合タンパク質の「局在化」に対するローカライザの効果は、ローカライザを含まない対応するCD40特異的結合タンパク質と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、又は300%の増加した臓器対血中比によって提示される。
用語「ローカライザ分子」及び「ローカライザ」とは、本明細書で互換的に使用され、本発明のCD40特異的結合タンパク質に含まれ得、それを含む本発明のそのようなCD40特異的結合タンパク質を、例えばヒトを含む哺乳動物における標的細胞又は組織に局在化又は送達することができる、任意の分子を包含することが意図され、ローカライザは、標的細胞又は組織に結合する。ローカライザは、本発明のCD40特異的アンキリン反復ドメインに、結合、コンジュゲート、融合、又は別様に物理的に結合することができる。用語「ローカライザ分子」及び「ローカライザ」とは、ポリヌクレオチド、ペプチド/ポリペプチド、及び/又はこれらの特性を有する化学的若しくは生化学的薬剤を包含する。用語「ポリヌクレオチド」とは、一般に、DNA又はRNAを指し、DNA又はRNAの修飾された人工形態を含む。用語「ペプチド」とは、4~200アミノ酸長などの、4~600アミノ酸長のペプチド鎖を指し、したがって、ポリペプチド及びタンパク質を包含する。この用語は、足場、免疫調節タンパク質等に基づく、任意の自然起源若しくは人工の結合タンパク質、結合ドメイン、増殖因子受容体、又はそのフラグメント若しくはリガンド、サイトカイン、ポリペプチドホルモン、抗体、抗体様タンパク質を包含する。更に、用語「ペプチド」とはまた、例えばグリコシル化によって修飾されたペプチドと、2つ以上のポリペプチド鎖を含むタンパク質、4~600アミノ酸長の長さの各々、例えばインスリン及び免疫グロブリンなどのジスルフィド結合によって架橋されたタンパク質と、を包含する。用語「化学的又は生化学的薬剤」とは、レシピエントに投与され得る任意の自然起源又は合成の化合物を含むことが意図される。好ましい実施形態では、ローカライザは、標的特異的アンキリン反復ドメインである。より好ましい一実施形態では、ローカライザ分子は、FAPに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。
本明細書で使用される「FAP」という用語は、線維芽細胞活性化タンパク質を指す。セプラーゼ(Seprase)としても知られる線維芽細胞活性化タンパク質α(FAP)は、II型内在性膜セリンペプチダーゼ(type II integral membrane serine peptidase)である。FAPは、ジペプチジルペプチダーゼIVファミリーに属する(Yuら、「FEBS J.」、第277巻第1126~1144頁(2010年))。これは、酵素の触媒ドメインが位置する、大きなC末端細胞外ドメインを有する2つのN-グリコシル化サブユニットを含有する170kDaのホモ二量体である(Scanlanら、「Proc Natl Acad Sci USA」、第91巻:第5657~5661頁(1994年);Wonganuら、「Biochim Biophys Acta」、第1858巻(第8号):第1876~82頁(2016年))。FAPは、そのグリコシル化形態では、ポスト-プロリルジペプチジルペプチダーゼ及びゼラチナーゼ活性の両方を有する(Sunら、「Protein Expr Purif」、第24巻第274~281頁(2002年))。ヒトFAPのホモログは、マウス及びカニクイザル(Macaca fascicularis)を含むいくつかの種において見出された。FAPは、肺、結腸直腸、膀胱、卵巣及び乳癌を含む、調べた上皮悪性腫瘍(原発性及び転移性)の90%超の反応性間質線維芽細胞において、並びに骨及び軟組織肉腫の悪性間葉細胞において選択的に発現されるが、通常、正常な成体組織には存在しない(Brennenら、「Mol.Cancer Ther.」、第11巻(第2号):第257~266頁(2012年);Garin-Chesaら、「Proc Natl Acad Sci USA」、第87巻第7235~7239頁(1990年);Rettigら、「Cancer Res.」、第53巻:第3327~3335頁(1993年);Rettigら、「Proc Natl Acad Sci USA」、第85巻第3110~3114頁(1988年))。FAPはまた、特定の悪性腫瘍細胞上で発現される。正常組織における多くの一般的な癌におけるその発現及びその制限された発現により、FAPは、様々な癌の撮像、診断、及び治療のための有望な抗原性標的と考えられている。
本明細書で使用される「CD40発現細胞」という用語は、B細胞、樹状細胞、単球、血小板、及びマクロファージ、並びに筋線維芽細胞、線維芽細胞、上皮細胞、及び内皮細胞などの非造血細胞を含むがこれらに限定されない、細胞表面上にCD40を発現する任意の細胞を指す。
用語「処置」又は「処置すること」は、治療手段と、予防手段又は防止手段とをいずれも指す。処置を必要とするものとしては、既に障害に罹患しているもの、及び障害が防止されるべきものが挙げられる。
「医学的状態」、「障害」、及び「疾患」という用語は、本明細書で互換的に使用され、自己免疫障害、炎症性障害、網膜症(特に増殖性網膜症)、神経変性障害、感染症、代謝性疾患、及び腫瘍性疾患が含まれる。本明細書に記載の組換え結合タンパク質のいずれかを、そのような障害、特に、自己免疫障害、炎症性障害、網膜症、及び腫瘍性疾患を含む群から選択される障害の治療のための医薬の調製に使用することができる。「医学的状態」は、不適切な細胞増殖を特徴とするものである場合がある。医学的状態は、過剰増殖状態である場合がある。本発明は、特に、医学的状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に、本発明の当該組換え結合タンパク質又は上記の医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含む、治療方法を提供する。好ましい実施形態では、当該医学的状態は、腫瘍性疾患である。用語「腫瘍性疾患」は、本明細書で使用する場合、急速に増殖する細胞増殖又は腫瘍を特徴とする、細胞又は組織の異常な状態(state or condition)を指す。一実施形態では、当該医学的状態は、悪性腫瘍性疾患である。一実施形態では、当該医学的状態は、癌である。用語「治療有効量」は、対象において所望の生物学的、薬理学的、又は治療上の結果を誘導するのに十分な量を指す。本発明の文脈における治療有効量は、いずれかの医学的処置に適用可能な妥当な利益/リスク比で疾患又は障害を処置又は予防するための結合タンパク質の十分量を意味する。
用語「癌」及び「癌性」は、本明細書では、典型的には、調節されていない細胞増殖によって特徴付けられる哺乳動物における生理学的状態を指すか、又は記載するために使用される。癌は、固形腫瘍及び液性腫瘍、並びに原発性腫瘍及び転移性を包含する。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。固形腫瘍は、典型的には、腫瘍間質も含む。癌の例としては、原発性及び転移性癌、リンパ腫、芽腫、肉腫、及び白血病、並びに任意の他の上皮及びリンパ系悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。脳癌、膀胱癌、乳癌、卵巣癌、明細胞腎臓癌、頭頸部扁平上皮癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、悪性黒色腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎細胞癌、小細胞肺癌(SCLC)、三重陰性乳癌、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)、慢性骨髄性白血病(CML)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、悪性中皮腫、結腸直腸癌、又は胃癌が挙げられる。
本明細書で使用される「改善された薬物動態特性」という用語は、増加した曲線下面積、低減したクリアランス、又は延長した終末相半減期を指す。これらの薬物動態特性のパラメータ及びパラメータを測定する方法は、技術分野において周知である(例えば、Mahmood,I.、「Methods to determine pharmacokinetic profiles of therapeutic proteins,Drug Discov Today:Technol」(2009年)、doi:10.1016/j.ddtec.2008.12.001)。
本発明の文脈において、例えば、配列番号8などのアミノ酸配列中の文字「X」は、いずれかのアミノ酸を表す。本発明の文脈において、用語「いずれかのアミノ酸」は、好ましくは、最も多く自然界に存在する20個のアミノ酸、すなわちアラニン(ala、A)、アルギニン(arg、R)、アスパラギン(asn、N)、アスパラギン酸(asp、D)、システイン(cys、C)、グルタミン(gln、Q)、グルタミン酸(glu、E)、グリシン(gly、G)、ヒスチジン(his、H)、イソロイシン(ile、I)、ロイシン(leu、L)、リジン(lys、K)、メチオニン(met、M)、フェニルアラニン(phe、F)、プロリン(pro、P)、セリン(ser、S)、トレオニン(thr、T)、トリプトファン(trp、W)、チロシン(tyr、Y)、バリン(val、V)を意味する。
処置の目的のための用語「哺乳動物」は、ヒト、家畜及び農場動物、非ヒト霊長類、並びに、イヌ、ウマ、ネコ、ウシなどの、動物園動物、競技用動物、又はペット動物を含む、哺乳動物として分類されるいずれかの動物を指す。
以下に開示の出発物質及び試薬は、当業者に既知であり、市販されている、及び/又は周知の技術を用いて調製することができる。
材料
化学物質はSigma-Aldrich(USA)より購入した。オリゴヌクレオチドはMicrosynth(Switzerland)より購入した。特に明記しない限り、DNAポリメラーゼ、制限酵素、及び緩衝液は、New England Biolabs(USA)又はFermentas/Thermo Fisher Scientific(USA)より購入した。誘導性大腸菌発現株は、例えば、大腸菌のXL1-blue(Stratagene、USA)又はBL21(Novagen、USA)などのクローニング及びタンパク質生産に使用した。ヒトCD40の細胞外ドメインの組換えFc融合タンパク質は、ACRO Biosystemsから購入した。
分子生物学
特に明記しない限り、方法は、既知のプロトコルに従って実施される(例えば、Sambrook J.、Fritsch E.F.、及びManiatis T.、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory(1989年)、New York参照)。
設計アンキリン反復タンパク質ライブラリー
設計アンキリン反復タンパク質ライブラリーを生成する方法は、例えば、米国特許第7,417,130号;Binzら、「J.Mol.Biol.」、第332巻第489~503頁(2003年);Binzら(2004年)、上記引用に記載されている。このような方法により、ランダム化アンキリン反復モジュール及び/又はランダム化キャッピングモジュールを有する、設計アンキリン反復タンパク質ライブラリーを構築することができる。例えば、そのようなライブラリーはしたがって、固定化N末端キャッピングモジュール(例えば、配列番号5、6、若しくは7のN末端キャッピングモジュール)、又は配列番号8によるランダム化N末端キャッピングモジュール、配列番号9、10、若しくは11の配列モチーフによる1個以上のランダム化反復モジュール、及び固定化C末端キャッピングモジュール(例えば、配列番号12、13、若しくは14のC末端キャッピングモジュール)又は配列番号15によるランダム化C末端キャッピングモジュールに基づいて組み立てることができた。好ましくは、そのようなライブラリーは、反復又はキャッピングモジュールのランダム化された位置にアミノ酸C、G、M、N(G残基の前)及びPのいずれも有さないように組み立てられる。加えて、配列番号9、10、又は11の配列モチーフによるランダム化反復モジュールは、位置10及び/又は位置17で更にランダム化することができ、配列番号8の配列モチーフによるランダム化N末端キャッピングモジュールは、位置9で更にランダム化することができ、配列番号15の配列モチーフによるランダム化C末端キャッピングモジュールは、位置10及び/又は17において更にランダム化することができた。
更に、そのようなライブラリー内のそのようなランダム化されたモジュールは、ランダム化されたアミノ酸位置を有する追加のポリペプチドループ挿入を含んでもよい。そのようなポリペプチドループ挿入の例は、抗体又はデノボ生成ペプチドライブラリーの補体決定領域(CDR)ループライブラリーである。例えば、そのようなループ挿入は、ガイダンスとして、ヒトリボヌクレアーゼLのN末端アンキリン反復ドメインの構造を用いて設計することができた(Tanaka,N.、Nakanishi,M、Kusakabe,Y、Goto,Y.、Kitade,Y、Nakamura,K.T.、「EMBO J.」第23巻第30号第3929~3938頁(2004年))。2つのアンキリン反復の境界近くに存在するβターンに10個のアミノ酸が挿入される、このアンキリン反復ドメインと同様に、アンキリン反復タンパク質ライブラリーは、アンキリン反復ドメインの1つ以上のβターンに挿入された可変長(例えば、1~20個のアミノ酸)のランダム化ループ(固定化及びランダム化位置を有する)を含有してもよい。
アンキリン反復タンパク質ライブラリーのいずれかのそのようなN末端キャッピングモジュールは、好ましくは、RILLAAモチーフ、RILLKAモチーフ、又はRELLKAモチーフを有し(例えば、配列番号29の位置21~26に存在)、アンキリン反復タンパク質ライブラリーのいずれかのそのようなC末端キャッピングモジュールは、好ましくは、KLNモチーフ、KLAモチーフ、又はKAAモチーフを有する(例えば、配列番号29における最後の3個のアミノ酸に存在)。
そのようなアンキリン反復タンパク質ライブラリーの設計は、標的と相互作用するアンキリン反復ドメインの既知の構造によって誘導され得る。蛋白質構造データバンク(Protein Data Bank:PDB)の独自の受託コード又は識別コード(PDB-ID)によって識別される、そのような構造の例は、1WDY、3V31、3V30、3V2X、3V2O、3UXG、3TWQ-3TWX、1N11、1S70、及び2ZGDである。
N2C及びN3Cで設計アンキリン反復タンパク質ライブラリーなどの、設計アンキリン反復タンパク質ライブラリーの例が説明されている(米国特許第7,417,130号、Binzら、2003年、上記引用;Binzら、2004年、上記引用)。N2C及びN3Cの数字は、N末端及びC末端のキャッピングモジュール間に存在するランダム化反復モジュールの数を説明している。
反復単位及びモジュール内の位置を定義するために使用される命名法は、Binzら(2004年)の上記引用に基づき、アンキリン反復モジュールとアンキリン反復単位との境界が、1アミノ酸位置シフトするという修飾を伴う。例えば、Binzら(2004年)の上記引用のアンキリン反復モジュールの位置1は、本開示のアンキリン反復モジュールの位置2に対応し、結果として、Binzら(2004年)の上記引用のアンキリン反復モジュールの位置33は、本開示の以下のアンキリン反復モジュールの位置1に相当する。
実施例1:CD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質の選択
リボソームディスプレイ(Hanes,J.及びPluckthun,A.、「PNAS」第94巻第4937~42頁(1997年))を用いて、ヒトCD40(hCD40)に対して結合特異性を有する多くのアンキリン反復タンパク質を、Binzら(2004年)の上記引用による記載と同様のDARPin(登録商標)ライブラリーから選択した。選択されたクローンの組換えヒトCD40標的への結合は、粗抽出物のホモジニアス時間分解蛍光測定(Homogeneous Time Resolved Fluorescence:HTRF)によって評価され、数百のhCD40特異的結合タンパク質が正常に選択されたことを示した。例えば、配列番号16~35のアンキリン反復ドメインは、hCD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む、選択された結合タンパク質のアミノ酸配列を構成する。hCD40に対して結合特異性を有するそのようなアンキリン反復ドメインからの個々のアンキリン反復モジュールは、例えば、配列番号39~95で提供される。
リボソームディスプレイによるCD40特異的アンキリン反復タンパク質の選択
hCD40特異的アンキリン反復タンパク質の選択は、ヒトCD40の細胞外ドメイン(配列番号97)を、短いリンカーを介してC末端でIgG1 Fcドメインに融合させ(アミノ酸配列AAA)、標的タンパク質として、上記のアンキリン反復タンパク質のライブラリー、及び確立されたプロトコルとして用いる、リボソームディスプレイ(Hanes及びPluckthun(上記引用))によって実施した(例えば、Zahnd,C.、Amstutz,P.、及びPluckthun,A.、「Nat.Methods」第4巻第69~79頁(2007年)参照)。各選択ラウンドの後の逆転写(reverse transcription:RT)-PCRサイクルの数を、結合剤の濃縮により、収率に合わせて調整して、常に減少させた。最初の4ラウンドの選択は、標準的なリボソームディスプレイ選択を採用し、標的濃度を減少させ、洗浄ストリンジェンシを増加させて、ラウンド1からラウンド4への選択圧力を増加させる(Binzら、2004年、上記引用)。いくつかのプールについては、リボソームディスプレイ選択ラウンドのいくつかにおいてエピトープブロッキングを使用した。高親和性CD40特異的アンキリン反復タンパク質を富化するために、標準リボソームディスプレイ選択(上記)の第4ラウンドからの出力を、選択ストリンジェンシの増加を伴うオフレート選択ラウンドに供した(Zahnd(2007年)上記引用)。最後の標準選択ラウンドを、オフレート選択ラウンドの後に実施して、オフレート選択された結合タンパク質を増幅及び回収した。これら最後の2つの選択ラウンドでは、RT-PCRサイクルの数は、一定に保たれた。ラウンド4及びラウンド6の全てのプールはまた、N末端にFAP特異的結合ドメイン(実施例3を参照)を用いてフォーマットされ(すなわち、FCフォーマットをもたらす)、ラウンド4の1つのプールはまた、C末端にFAP特異的結合ドメインを用いてフォーマットされ(すなわち、CFフォーマットをもたらす)、FAP結合を介したクラスタリングを必要とする細胞におけるCD40シグナル伝達の活性化についてのレポータアッセイにおける機能的スクリーニングを可能にした。簡単に説明すると、レポータアッセイは、CD40を発現し、NF-κB依存性ルシフェラーゼレポータ遺伝子を有するHEK293細胞を使用した。ヒトCD40リガンド又は任意の他のCD40アゴニストによるCD40シグナル伝達の活性化に続いて、NF-κB転写因子は、DNA応答エレメントに結合して、レポータ細胞におけるルシフェラーゼ遺伝子の転写を誘導する。これらのHEK293細胞をFAP発現細胞の存在下及び非存在下で培養した。CD40シグナル伝達は、結合タンパク質がFAP特異的結合ドメインを用いてフォーマットされた場合(例えば、FCフォーマット)、FAP発現細胞の存在下でのみ、本発明のCD40特異的結合タンパク質によって活性化されることで、FCフォーマットされた構築物のCD40及びFAPへの結合の際にCD40クラスタリングをもたらした。FAP特異的結合ドメインは、ローカライザ分子の一例である(実施例3を参照されたい)。
選択されたクローンは、粗抽出物HTRFによって示されるようにCD40に特異的に結合する
溶液中でCD40に特異的に結合する個々の選択されたアンキリン反復タンパク質を、標準的なプロトコルを用いて、アンキリン反復タンパク質発現大腸菌細胞の粗抽出物を使用するホモジニアス時間分解蛍光測定(HTRF)アッセイによって特定した。リボソームディスプレイによって選択されたアンキリン反復タンパク質クローンを、pQE30(Qiagen)発現ベクターの誘導体へとクローニングし、以下に記載の単一のタンパク質精製を促進することで以下に記載されるようなN末端His-タグ(配列番号4)を得て、大腸菌のXL1-Blue(Stratagene)へと形質転換し、LB-寒天(1%グルコース及び50μg/mLのアンピシリンを含有)上に播種し、次いで、37℃で一晩インキュベートした。160μLの成長培地(1%グルコースと50μg/mLのアンピシリンとを含有するTB)を含有する96ウェルプレートへと単一のコロニーを播種し(単一のウェル中に各クローン)、37℃、800rpmで振盪しながら、一晩インキュベートした。アンピシリン50μg/mLを含有する150μLの新鮮なTB培地に、新しい96ディープウェルプレート中8.5μLの一晩培養物を播種した。37℃及び850rpmで120分間インキュベートした後、発現をIPTG(最終濃度0.5mM)で誘導し、4時間続けた。細胞を収集し、ペレットを、8.5μLのB-PERII(Thermo Scientific)中に再懸濁する前に-20℃で一晩凍結し、振盪(600rpm)しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、160μLのPBSを添加し、細胞片を遠心分離によって除去した(3220gで15分間)。
各溶解したクローンの抽出物を、PBSTB(0.1%Tween20(登録商標)及び0.2%(w/v)BSA、pH7.4を補充したPBS)中で、1.25nM(最終濃度)ビオチン化ヒトCD40、1:400(最終濃度)の抗-6His-D2 HTRF抗体-FRET受容体コンジュゲート(Cisbio)、及び1:400(最終濃度)の抗strep-Tb抗体FRETドナーコンジュゲート(Cisbio)と一緒に、1:5000希釈(最終濃度)として384ウェルプレートのウェルへ適用し、室温で120分間インキュベートした。340nmの励起波長及び665±10nmの発光フィルタを使用して、Tecan M1000でHTRFを読み取った。そのような粗細胞抽出物HTRFによる数百個のクローンのスクリーニングにより、ヒトCD40に対する特異性を有する100個を超える異なるアンキリン反復ドメインが明らかになった。ヒトCD40に特異的に結合する選択されたアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列の例は、配列番号16~35に提供されている。
これらのアンキリン反復ドメインの全て(配列番号16~35)(FCフォーマットで)はまた、レポータアッセイにおいて示されるように、細胞におけるCD40シグナル伝達を活性化し、EC50値は低ナノモル範囲であった(表1を参照されたい)。
Figure 2023528207000001
CD40特異的アンキリン反復タンパク質の高レベル及び可溶性発現
更なる分析のために、上記のように粗細胞抽出物HTRFで特異的なCD40結合を示す選択されたクローンを、大腸菌細胞で発現させ、標準プロトコルに従ってそれらのHisタグを用いて精製した。25mlの静置一晩培養物(TB、1%のグルコース、50mg/lのアンピシリン;37℃)を使用して、500mLの培養物(TB、50mg/lのアンピシリン、37℃)に接種した。600nmで1.0~1.5の吸光度において、培養物を0.5mM IPTGで誘導し、振盪しながら37℃で4~5時間インキュベートした。培養物を遠心分離し、得られたペレットを、25mLのTBS500(50mM Tris-HCl、500mM NaCl、pH8)中に再懸濁し、溶解した(超音波処理又はフレンチプレス)。溶解後、試料を50KU DNase/mLと混合し、62.5℃で30分間の熱処理工程の前に15分間インキュベートし、遠心分離し、上清を回収し、濾過した。Triton X100(1%(v/v)の最終濃度)及びイミダゾール(20mMの最終濃度)をホモジネートに添加した。タンパク質を、Ni-ニトリロ三酢(Ni-NTA)酸カラム、続いて、AKTAxpress(商標)システム上のサイズ排除クロマトグラフィで、当業者に既知の標準的なプロトコル及び樹脂に従って精製した。あるいは、Hisタグを欠く選択されたアンキリン反復ドメインは、大腸菌における高細胞密度発酵によって生産され、当業者に知られている標準的な樹脂及びプロトコルに従って、一連のクロマトグラフィ及び限外/ダイアフィルトレーション工程によって精製される。CD40に対して結合特異性を有する高可溶性アンキリン反復タンパク質は、4~12%のSDS-PAGEから推定される95%超の純度で、大腸菌培養物から精製した(培養物1リットル当たり最大200mgのアンキリン反復タンパク質)。
実施例2:表面プラズモン共鳴(SPR)分析によるCD40に対して結合特異性を有するアンキリン反復タンパク質の解離定数(KD)の決定
ヒトCD40標的上の精製されたアンキリン反復タンパク質の結合親和性を、ProteOn装置(BioRad)を用いて分析し、当業者に既知の標準的な手順に従って測定を行った。
簡単に説明すると、ビオチン化ヒトCD40を、PBST(PBS、pH7.4、0.005%Tween20(登録商標)含有)中に希釈し、2レーンのNLCチップ(BioRad)上に、それぞれ400及び700共鳴単位(resonance unit:RU)のレベルまで被覆した。次いで、アンキリン反復タンパク質とhCD40との相互作用を、マルチトレースSPR測定については50nM~3nMの濃度範囲を網羅する連続希釈のアンキリン反復タンパク質を含有する200μLの泳動用緩衝液(0.005% Tween20(登録商標)を含有するPBS、pH7.4)を注入すること(オンレート測定)、続いて100μL/分の一定流量で少なくとも10分間、泳動用緩衝液流を注入すること(オフレート測定)によって測定した。再生は、30μLの10mM グリシン-HCl pH2を用いて行った。スポット間のシグナル(すなわち、共鳴単位(RU)値)及び参照注入(すなわち、ランニング緩衝液のみの注入)を、アンキリン反復タンパク質の注入後に得られたRUトレースから減算した(二重参照)。オンレート及びオフレート測定から得られたSPRトレースに基づいて、対応するアンキリン反復タンパク質-CD40相互作用のオンレート及びオフレートを、1:1ラングミュア速度モデルを用いて決定した。
解離定数(KD)を、当業者に既知の標準的な手順を用いて、推定されたオンレート及びオフレートから算出した。ヒトCD40による選択されたアンキリン反復タンパク質の結合相互作用のKD値は、ナノモル範囲内にあると決定された。表2は、いくつかの選択されたアンキリン反復タンパク質のKD値を例として提供している。
Figure 2023528207000002
実施例3:ローカライザ分子と組み合わされたCD40特異的結合タンパク質
CD40特異的結合タンパク質を、ローカライザ分子と、場合によっては血清半減期延長分子と更に組み合わせて、本発明のCD40特異的結合タンパク質のCD40アゴニスト機能を、CD40アゴニスト機能を有効かつローカライザ依存的にし、その上また臨床開発に必要な血清半減期延長も提供し得る様式で多機能性分子においてフォーマット化できるかどうかを評価した。
ローカライザ分子として、FAP特異的結合ドメインを選択した。配列番号98は、FAP特異的結合ドメインを提供する。半減期延長分子として、血清アルブミン特異的結合ドメインを選択した。このような血清アルブミン特異的結合ドメインは、当該分野で公知である。
様々なフォーマットの多機能性分子を産生し、それらのFAP特異性、有効性、及びCD40活性化の効力を決定した。これらの多機能性タンパク質は全て、ローカライザ(すなわち、FAP特異的結合ドメイン)及びCD40特異的結合ドメインを含んだ。(i)ヒト血清アルブミン(HSA)結合ドメイン(複数可)を添加すること、(ii)更なるCD40結合ドメイン(複数可)を添加することによって結合価を増加させること、及び(iii)タンパク質内の結合ドメインの順序を変更することによる影響を評価した。
異なるフォーマットを比較するために、CD40誘発時にヒトB細胞上に発現される、共刺激受容体CD86の上方制御を測定するインビトロアッセイを設定した。この細胞アッセイは、FAP発現細胞の存在下又は非存在下において初代ヒトB細胞を使用した。CD86共刺激分子の上方制御をB細胞活性化のマーカーとして評価した。その作用機序がFAP媒介架橋から独立している抗CD40モノクローナル抗体を、参照材料として使用した。
異なるフォーマットの多機能性タンパク質。多機能性タンパク質の最も単純なフォーマットは、1つのCD40特異的結合ドメイン(配列番号29)と、1つのローカライザ分子(すなわち、FAP特異的結合ドメイン)との組み合わせであった(配列番号99;SMA014が得られる)。親分子としてのこの最初のフォーマットに基づいて、表3に要約されるように、いくつかの他の多機能性タンパク質フォーマットを生成した。
Figure 2023528207000003
表3中の「C」、「F」、及び「H」は、それぞれ、CD40、FAP、及びHSAと特異的に結合するアンキリン反復ドメインを示す。表3に示される異なるドメインの順序は、タンパク質の分子構造におけるN末端からC末端までのドメインの実際の配列を反映する。全てのタンパク質は更に、Hisタグ(配列番号4)を、N末端における精製を容易にするために有する。
材料及び方法
参照として、CD40モノクローナル抗体を使用した。このCD40 mAb(IgG2 mAb)のCD40への結合は、FAPとは無関係に抗原提示細胞の活性化をもたらす。抗CD40 mAbは、米国特許出願第7,338,660B2号の配列21.4.1に対応する。
CHO細胞を、5%CO2で10%FBSを含有するDMEM培地中において37℃にて培養し、アキュターゼを用いて2~3日毎に分割して、細胞を分離した。
FAP発現CHO細胞株は、細胞表面にヒトFAPを発現する安定にトランスフェクトされたクローン細胞株である。ヒトFAPのORFのGFP融合を含むプラスミドは、OriGene Technologies(#RG204692)から入手した。ヒトFAP(GFPなし)をコードするcDNAは、標準的な分子生物学技術を使用してサブクローニングした。次いで、このプラスミドをCHO細胞にトランスフェクトして、リポフェクタミンを使用してヒトFAPを過剰発現する安定したトランスフェクタントを生成した。異なる濃度のGeneticin G-418(Promega、V8091)を使用して選択圧力をかけた。FAPの発現を、ESC11に対応する抗FAP抗体を用いるフローサイトメトリーによって分析した(国際公開第2011/040972号)。条件1.9mg/mLのG-418からのFAP-CHOトランスフェクタントの集団(FAP-CHO-1.9)はより低いFAP発現レベルを示し、条件1.7mg/mLからの集団(FAP-CHO-1.7)はより高いFAP発現レベルを示した。この実施例におけるデータを、FAP-CHO-1.7を用いて産生した。
インビトロB細胞活性化アッセイ。インビトロB細胞活性化アッセイの設計を、図1に概略的に示す。バフィーコートはチューリッヒ献血センターから入手し、PBSで希釈した。次いで、末梢血単核球(PBMC)を、Leucosepチューブを使用した密度遠心分離によって単離した。数回の洗浄ステップ後、製造業者の推奨に従い、陽性選択(ヒトCD19 MicroBeadsキット)を用いて、CD19+B細胞をPBMCから濃縮した。1×105/ウェルのCD19+B細胞及び5×104細胞/ウェルのFAP発現CHO細胞又はCHO野生型(WT-CHO)細胞を、示された分子の用量滴定(400、200、40、8、5、1.6、0.3、0nM)と共に、600μMのHSAを含む又は含まないRPMI 1640培地+10%FBS中で一緒に96ウェルプレートへと播種した。培養物を37℃で5%のCO2にて24時間インキュベートし、CD20+B細胞上のCD86及びCD69の上方制御を、AttuneNxTを用いたフローサイトメトリーによって評価した。
FACS染色、フローサイトメーター設定、及び抗体希釈。細胞を、最初に150μLのPBSで洗浄し、次いでPBS中で希釈した(1:100)100μLのBDヒトFc-Blockと共に室温(RT)で20分間インキュベートした。Fcブロッキングインキュベーション後、細胞を、FACS緩衝液中で希釈した100μLの直接標識抗体(希釈因子については以下の表5を参照)と共にインキュベートし、暗所で4℃にて更に20分間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、PBS中で希釈した100μLのLive/Dead染色(1:1000)に再懸濁し、暗所で4℃にて20分間インキュベートした。FBS反応を含有するFACS緩衝液100μLを添加して、Live/Dead染色反応を停止させた。細胞を、PBSで再度洗浄し、製造業者の推奨に従って水中で希釈したBD細胞固定溶液(1:10)を用いて固定した。抗体の希釈及びFACS設定を以下の表4に概説する。FACS機械の補償は、製造業者の推奨に従って補償ビーズにより行った(ThermoFisher;AbC(商標)Total Antibody Compensation Bead Kit)。FlowJoソフトウェア(バージョン10.0.3)を用いて、Raw_fcsファイルを分析した。細胞を、Live-Dead識別色素を用いて生細胞でゲーティングした後、CD86について図2に示すように、CD20陽性細胞でゲーティングした。CD86のMFI及び陽性細胞の割合をエクスポートし、GraphPad Prismソフトウェア、バージョン8.1.2を用いてプロットした。
Figure 2023528207000004
EC50決定。EC50値は、GraphPad Prismバージョン7.02を使用して、logモードでx値(濃度)を変換し、EC50値を決定するための可変勾配(3パラメータ)の方程式で非線形モードlog(アゴニスト)対応答に適合させることによって決定した。
有効性決定。有効性値を、GraphPad Prismバージョン7.02を用いて、最高濃度(400nM)でのMFI値についての重複の平均を計算することによって決定した。
結果
本発明のCD40特異的結合タンパク質は、ローカライザと組み合わせて、ローカライザ依存性CD40アゴニストを生成することができる。F-Cフォーマットの多機能性分子である、SMA014を、インビトロヒトB細胞活性化アッセイにおいて試験した。図3、図4、及び図5に示されるように、CD40特異的結合タンパク質(配列番号29)と、ローカライザ(FAP特異的結合ドメイン)とのこの組合せにより、厳密にローカライザ依存的(すなわち、FAP依存的)な様式でヒトB細胞におけるCD40シグナル伝達を効果的に活性化した分子が得られた。FAP発現CHO細胞(FAP-CHO)の存在下でのみ、SMA014は、B細胞におけるCD40シグナル伝達を効果的に活性化した(黒塗りで上向きの三角形の記号)。非FAP発現CHO細胞(WT-CHO)の存在下では、SMA014は、CD40シグナル伝達に対して効果を有しなかった(白塗りで上向きの三角形の記号)。対照的に、かつ予想されるように、アゴニスト性抗CD40 mAbは、FAP発現とは無関係にヒトB細胞の活性化を誘導し、FAP-CHO細胞又はWT-CHO細胞のいずれかの存在下においてB細胞を活性化した。更に、SMA014及び抗CD40 mAbは、用量依存的様式でCD86を上方制御した。2つの独立した実験のEC50(効力)平均値及び最大MFI(有効性)平均値を、FAP-CHOについては表5及び表6に、WT-CHOについては表7にそれぞれ概説する。
要約すると、これらのデータは、本発明のCD40結合タンパク質をローカライザ分子と組み合わせて、厳密にローカライザ依存的な作用様式で有効なCD40アゴニストとして機能する多機能性分子を生成することができることを実証した。
HSA結合ドメイン(複数可)はCD40ローカライザ結合タンパク質結合タンパク質(F-Cフォーマット)の効力及び有効性を損なう。CD40及びローカライザ結合タンパク質SMA014を、1つ(H-F-C、SMA087)又は2つ(H-F-C-H、SMA095)のHSA結合アンキリン反復ドメインを追加した追加フォーマットでクローニングし、これは、血清半減期延長部分を表す。これらの構築物をまた、インビトロB細胞活性化アッセイにおいて試験した。図3に示されるように、HSA結合ドメイン(複数可)は、F-Cフォーマットにおける元の多機能性結合タンパク質の効力及び有効性の両方を損ない、障害のレベルは、結合タンパク質に付加されたHSA結合ドメインの数と相関した。重要なことに、阻害は、ヒト血清中のアルブミンの生理学的濃度を模倣する600μMのアルブミンの存在下においてより顕著であった。複合体HSA結合剤/アルブミンは、CD40結合ドメイン及び/又はローカライザの結合、したがって活性についての立体障害であり得ると仮定することはもっともらしい。HSAの非存在下及び存在下において、HSA結合ドメインは、多機能性CD40ローカライザ因子結合タンパク質のFAP特異的作用様式に影響を及ぼさなかった。2つの独立した実験のEC50(効力)平均値及び最大MFI(有効性)平均値を、FAP-CHOについては表5及び表6に、WT-CHOについては表7にそれぞれ概説する。
要約すると、半減期延長HSA結合ドメイン(複数可)の付加は、CD40ローカライザ結合タンパク質(F-Cフォーマット)の機能性を損ない、阻害は付加されたHSA結合ドメインの数と共に増加し、阻害は生理学的濃度のアルブミンの存在下においてより顕著であった。
CD40の二価性は、効力及び有効性を増加させ、HSA結合ドメインによって誘導される阻害効果を救済する。次いで、本出願人は、CD40結合価が多機能性CD40及びローカライザ結合分子の性能にどのように影響するかを調査した。SMA014を、1つ(F-C-C、SMA104)又は2つ(F-C-C-C、SMA105)のCD40結合ドメインを付加する更に異なるフォーマットでクローニングし、インビトロB細胞活性化アッセイで試験した。図4に示すように、二価及び三価フォーマットはCD86のより強い上方制御を誘導し、このことは、結合価が分子の性能に有利に寄与することを示している。具体的には、CD40二価性(SMA104)は、FAP発現CHO細胞の存在下における分子の効力(20倍)及び効力(2倍)を強く増大させた。CD40三価(SMA105)は、CD40二価と比較して分子の効力をわずかに増加させただけであり、効力に更なる影響を及ぼさなかった。FAPの非存在下では、二価CD40フォーマット(SMA104)はヒトB細胞上のCD86の上方制御を誘導しなかったが、三価CD40フォーマット(SMA105)は、FAPの非存在下でもわずかな活性化を最高濃度で示し、三価CD40結合剤によって誘導されるFAP非依存的活性化の可能性を示唆した。これらの結果を考慮すると、二価CD40フォーマットは好ましいフォーマットを表す。特に、本出願人は、CD40二価がHSA結合ドメインの阻害効果を救済することができるかどうかを試験した。この問題に対処するために、二価CD40構築物SMA104を、異なる位置において追加のHSA結合ドメイン(複数可)と共にクローニングした(クローンSMA091、SMA099、及びAS579;これらのドメインフォーマットの情報については上記の表3を参照されたい)。全ての試験したフォーマットは、SMA014と比較して改善された効力及び有効性を示した(図5A)。重要なことに、HSAの存在下におけるより生理学的な条件においては、HSA結合ドメインを有する全てのフォーマットの活性は低下したが、SMA091は、SMA014と比較して依然として改善された活性を示した(図5B)。多機能性結合タンパク質はいずれも、最高濃度のFAPの非存在下においてさえもB細胞上のCD86の発現を増強しなかった(図5A及び図5B)。予想されるように、アゴニスト性抗CD40 mAbは、FAP発現とは無関係にヒトB細胞の活性化を誘導し、FAP-CHO又はWT-CHOのいずれかによりB細胞を活性化した。2つの独立した実験のEC50(効力)平均値及び最大MFI(有効性)平均値を、FAP-CHOについては表5及び表6に、WT-CHOについては表7にそれぞれ概説する。
Figure 2023528207000005
Figure 2023528207000006
Figure 2023528207000007
結論:これらのデータは、本発明のCD40結合タンパク質をローカライザ分子と組み合わせて、厳密にローカライザ依存的な作用様式で有効なCD40アゴニストとして機能する多機能性分子を生成することができることを実証した。F-Cフォーマットの多機能性CD40及びローカライザ(FAP)結合タンパク質は、機能的細胞アッセイにおける良好な生物学的活性、及び良好な物理的特性を示した。しかしながら、この結合タンパク質は、その臨床開発を可能にするために半減期延長ドメインを必要とし得る。したがって、異なるフォーマットを分析して、半減期延長HSA結合ドメインの数及び位置が分子の活性に影響を及ぼすかどうか、及びどのように影響を及ぼすかを決定した。半減期延長ドメインは分子の活性に有害な影響を及ぼし、この影響は、半延長ドメインの数及びHSAの存在と共に増加することが観察された。更に、驚くべきことに、(2つのCD40結合ドメインを有することによる)CD40二価は、結合タンパク質の効力(20倍)及び有効性(2倍)を強く増加させ、かつストリンジェントなFAP特異的作用機序を維持したが、(3つのCD40結合ドメインを有することによる)CD40三価は、CD40二価と比較して効力をほんのわずかしか増加させず、有効性に更なる影響を示さなかったことが見出された。加えて、三価CD40結合タンパク質は、FAPの非存在下においてもまた、わずかな活性化を最高濃度で示し、FAP特異的な作用様式の部分的喪失を示唆した。CD40二価は、結合タンパク質の効力及び有効性を増加させることによって、1つの半減期延長ドメインの阻害効果を救済することができることが更に見出された。具体的には、生理学的濃度のHSAにおいて、H-F-C-Cフォーマットの結合タンパク質は、F-Cフォーマットの結合タンパク質に匹敵する活性及びFAP特異性を保持した。結論として、第2のCD40結合ドメインを付加することによって、本発明者らは、HSA結合半減期延長ドメインの有害な影響を防止し、かつF-Cフォーマットの親結合タンパク質と同様の機能的特性を有するが、臨床開発を促進する半減期延長ドメインを備えた分子を産生することができた。
実施例4: CD40特異的結合タンパク質が結合したヒト腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー5(hCD40)の複合体のX線構造解析
この研究の目的は、X線結晶学を用いて本発明のCD40特異的結合タンパク質によって結合された、組換えhCD40の複合体を産生及び分析することであった。この構造分析に用いたCD40特異的結合タンパク質は、DARPin(登録商標)#29(配列番号29)であった。
材料及び方法
タンパク質生成。hCD40を、グリコシル化を阻止するためにツニカマイシンの存在下においてHi5細胞中で発現させた。培養上清からのタンパク質を、HIS-Trap、THB消化物、陰性HIS-Trap、及びSECによって精製した。精製したhCD40を、DARPin(登録商標)タンパク質#29と1:1.2の比で混合した。過剰なDARPin(登録商標)タンパク質#29を、hCD40:10mM HEPES/NaOH pH7、150mM NaCl中でSECを介してDARPin(登録商標)タンパク質#29複合体から除去した。試料を濃縮して36.7mg/mLを得た。この手順により、クーマシー染色SDS-PAGEから判断して95%を超える純度を有する均質なタンパク質が得られた。
結晶化。精製されたタンパク質は、およそ1200の異なる条件を有する標準的なスクリーニングと、文献データを用いて同定された結晶化条件との両方を採用した結晶化試験で使用された。最初に得られた条件は、標準的な戦略、温度などの結晶化に重大な影響を及ぼす全身的に変化するパラメータ、タンパク質濃度、及び滴下比などを用いて最適化された。これらの条件はまた、pH又は沈殿剤濃度を体系的に変化させることによって精密化した。
最終結晶化条件:
30w/v% PEG 4K
0.24M LiSO4
0.1MトリスpH=8.50
0.35M NaBr
データ収集及びプロセス。結晶を急速凍結し、100Kの温度で測定した。X線回折データは、極低温条件を用いてSWISS LIGHT SOURCE (SLS、Villigen、Switzerland)にてリガンドDARPin(登録商標)タンパク質#29に結合したhCD40の複合結晶から収集した。結晶は空間群C2に属する。データは、autoPROC、XDS及びautoPROC、AIMLESSというプログラムを用いて処理した。DARPin(登録商標)タンパク質#29のデータ収集及び処理統計を以下の表8に列挙する。
Figure 2023528207000008
構造モデリング及び精密化。構造の決定及び分析に必要な相情報は分子置換によって得た。hCD40の以前に解明された構造を検索モデルとして使用した。その後のモデル構築及び精密化を、それぞれ、COOT及びソフトウェアパッケージCCP4を用いた標準プロトコルに従って実施した。最終モデルの正確さを交差検証するための尺度である自由R因子の計算のために、測定された反射の約4.9%が、精密化手順から除外された(以下の表9を参照されたい)。TLS精密化(REFMAC5、CCp4を使用)を行ったところ、より低いR因子及びより高い品質の電子密度マップが得られた。自動的に産生された局所のNCS制約を適用した(新規のREFMAC5バージョンのキーワード「ncsr局所」)。リガンドのパラメータ化及び対応ライブラリーファイルの産生は、GRADE(Global Phasing Limited)を用いて行った。REFMAC5を用いて3.0で合わせたFo-Fcマップのピークに水分子を入れ、COOTの検証ツールを用いて全ての水を確認することによって、COOTの「Find waters」アルゴリズムを用いて水モデルを構築した。疑われる水のリストについての基準は以下のとおりであった:80Å2より大きいB因子、1.2σ未満である2Fo-Fcマップ、2.3Å未満である最も近い接触までの距離、又は3.5Aを超える最も近い接触までの距離。疑われる水分子及びリガンド結合部位内の水分子(リガンドまでの距離が10Å未満)を手動で確認した。最終モデルのラマチャンドランプロットは、最も好ましい領域では全残基の92.2%、追加で許容される領域では7.8%、許容される領域では0.0%を示す。許容されない領域に残基は見られない(表9)。最終構造及び精密化プロセスの統計を以下の表9に列挙する。
Figure 2023528207000009
結果
構造を解明し、最終分解能2.29Åまで精密化した。X線結晶学を用いた構造分析により、DARPin(登録商標)タンパク質#29がCD40受容体のシステインリッチドメイン(CRD)1(アミノ酸23~59)に結合したことと、CD40リガンド(CD40L)の結合部位とは反対の片側でCD40受容体に結合したこととが明らかになり、DARPinタンパク質とCD40Lとの間の直接結合部位競合がないことが示された(図6A及び図6B)。CD40受容体のCRD1ドメインは、細胞膜から離れて位置する。
強力なCD40アゴニスト抗体がCD40受容体の膜遠位エピトープに結合することが報告されている(Yuら、「Cancer Cell」第33巻第664~675頁、e664(2018年))。同様に、この実施例に記載されるX線結晶学研究は、本発明のCD40特異的結合タンパク質が、細胞膜から離れたCD40受容体のCRD1と相互作用することを示した。CD40アゴニスト抗体について既に示唆されているように、より多くの細胞膜-遠位のエピトープは、立体障害がより少なく、ローカライザ分子及びより効率的なクラスタリングを含む本発明のCD40特異的結合タンパク質へのより良好なアクセスを可能にし、その結果、CD40受容体のより効率的な活性化を可能にし得る。更に、本発明のCD40特異的結合タンパク質とCRD1との間の相互作用領域は、CD40Lの結合部位と反対であることが示され、これは、本発明の結合タンパク質とCD40Lとの間に直接の結合競合が存在しないことを示唆した。CD40Lについて競合しない化合物は、リガンドと相加的又は相乗的な効果を有してもよく、受容体のより良好な活性化をもたらし得る(例えば、Yuら、同所;Challaら、「Allergy」第54巻第576~583頁(1999年);Poundら、「Int Immunol」第11巻第11~20頁(1999年))。
本明細書は、明細書内で引用された参考文献の教示に照らして最も十分に理解される。本明細書内の実施形態は、本発明の実施形態の例示を提供し、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、多くの他の実施形態が本発明に包含されることを容易に認識する。本開示で引用された全ての刊行物、特許、及びGenBank配列は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。参照により組み込まれる資料が本明細書と矛盾するか、又は一致しない限り、本明細書は、任意のそのような資料に優先する。本明細書における参考文献の引用は、そのような参考文献が本発明に対する先行技術であることを認めるものではない。
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、又は日常的な実験のみを使用して確認することができる。そのような等価物は、以下の実施形態によって包含されることが意図される。

Claims (20)

  1. アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質であって、前記アンキリン反復ドメインは、CD40に対して結合特異性を有し、前記アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号39~95、及び(2)配列番号39~95のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む、組換え結合タンパク質。
  2. 前記アンキリン反復モジュールが、(1)配列番号76、77、及び78、並びに(2)配列番号76、77、及び78のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の結合タンパク質。
  3. 前記アンキリン反復モジュールが、第1のアンキリン反復モジュールであり、かつ(1)配列番号76、及び(2)配列番号76における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、前記アンキリン反復ドメインが、(i)(1)配列番号77、及び(2)配列番号77における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む第2のアンキリン反復モジュールと、(ii)(1)配列番号78、
    及び(2)配列番号78における10個までのアミノ酸が他のアミノ酸により置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む第3のアンキリン反復モジュールと、を更に含む、請求項1又は2に記載の結合タンパク質。
  4. 前記第1のアンキリン反復モジュールが、前記第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、前記第2のアンキリン反復モジュールが、前記アンキリン反復ドメイン内の前記第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する、請求項3に記載の結合タンパク質。
  5. 前記アンキリン反復ドメインが、N末端キャッピングモジュールを更に含み、前記N末端キャッピングモジュールが、(1)配列番号5~8、及び(2)配列番号5~7のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
  6. 前記アンキリン反復ドメインが、C末端キャッピングモジュールを更に含み、前記C末端キャッピングモジュールが、(1)配列番号12~15、及び(2)配列番号12~14のうちいずれかにおける10個までのアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
  7. アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質であって、前記アンキリン反復ドメインが、CD40に対して結合特異性を有し、前記アンキリン反復ドメインが、配列番号16~35のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号16~35の1位のG及び/又は2位のSが、任意選択的に欠落している、組換え結合タンパク質。
  8. 前記アンキリン反復ドメインが、配列番号29と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記アンキリン反復ドメインの1位のG及び/又は2位のSが、任意選択的に欠落している、請求項7に記載の結合タンパク質。
  9. 前記アンキリン反復ドメインが、配列番号29のアミノ酸配列を含み、前記アンキリン反復ドメインの1位のG及び/又は2位のSが、任意選択的に欠落している、請求項7に記載の結合タンパク質。
  10. 前記アンキリン反復ドメインが、10-7M未満の解離定数(KD)でPBS中のヒトCD40に結合する、請求項1~9のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
  11. 前記アンキリン反復ドメインが、CD40受容体のN末端システインリッチドメイン1(CRD1)(配列番号96のアミノ酸23~59)に特異的に結合する、請求項1~10のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
  12. 前記結合タンパク質が、CD40に対する結合特異性を有する第2のアンキリン反復ドメインを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
  13. 前記第2のアンキリン反復ドメインが、CD40受容体のN末端CRD1(配列番号96のアミノ酸23~59)に特異的に結合する、請求項12に記載の結合タンパク質。
  14. 前記結合タンパク質が、ローカライザ分子を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の結合タンパク質、又は請求項1~14のいずれか一項に記載のアンキリン反復ドメインをコードする核酸。
  16. 請求項1~14のいずれか一項に記載の結合タンパク質又は請求項15に記載の核酸、並びに任意選択的に、薬学的に許容される担体及び/若しくは希釈剤を含む、医薬組成物。
  17. ヒトを含む哺乳動物におけるCD40発現細胞中のCD40の局所的活性化の方法であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の結合タンパク質又は請求項15に記載の核酸を、前記哺乳動物へと投与する工程を含む、方法。
  18. 前記CD40発現細胞が、腫瘍中に位置する、請求項17に記載の方法。
  19. 医学的状態を処置する方法であって、医学的状態を処置することを必要とする患者へと、治療有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載の結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、又は請求項16に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
  20. 前記医学的状態が、癌である、請求項19に記載の方法。
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