JP2023526026A - 創傷の検出と治療を同時にするためのシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

【要約】組織内の病状を、選択された波長域の光を用いて画像化し、同時に治療する。創傷、病変、腫瘍などの疾患を画像化すると同時に治療することで、診断や治療にかかる時間を大幅に短縮することができる。

Description

本出願は、２０２０年５月１４日に出願された米国仮特許出願第６３／０２４、７２８号の便益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

本開示は、医療用画像処理と治療を同時に行うシステムおよび方法に関するものである。より詳細には、特定の波長および強度の光が、有用な画像を生成するため、および特定の状態を治療するための両方に適用される。

医療用画像処理では、医療処置や診断で注目されるさまざまな構造を非侵襲的に特定するために光が使用される。例えば、さまざまな波長の光を用いてハイパースペクトル画像を作成し、皮膚病変、腫瘍、さらには組織の酸素化レベルを特定することができる。生検などの侵襲的な検査や開腹手術の回避、および臓器やその他の解剖学的構造への光の照射の容易さを含め、光を用いることのメリットは数多くある。

また、光は、皮膚やその他の臓器の治療だけでなく心理的な健康状態の改善など、医学的な治療にも使用されている。光照射はそれ自体が効果的な治療法であることに加え、光は医薬化合物の放出や作用を誘発するために使用することもできる。このような誘発または放出された医薬化合物は、身体を直接治療する、および身体を治療する他の有用な化合物と相互作用するなど、無数の用途に使用することができる。

それでもなお、効率的で低侵襲な医療行為や診断検査に対するニーズは絶え間なく存在する。特に、様々な光スペクトルの診断および撮像能力と、同じまたは類似のスペクトルの治療能力を組み合わせることが望ましいと思われる。

この発明の概要は、発明の性質および内容を簡潔に示す発明の要約を要求する連邦規則集第３７編第１．７３条に準拠するために提供されるものである。また、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解した上で提出される。

一実施形態では、組織の疾患を画像化および治療する方法があり、この方法は、光源で光子を生成させる工程と、前記生成された光子を組織に方向付ける工程であって、前記組織は前記疾患を有する、工程と、前記疾患を治療するために、前記生成された光子を前記組織、前記疾患、または前記組織と前記疾患の両方と相互作用する工程と、前記相互作用と同時に、前記組織、前記疾患、または前記組織と前記疾患の両方と相互作用した相互作用光子を収集する工程と、前記収集され相互作用した光子をカメラチップに方向付ける工程と、前記カメラチップにより前記収集され、相互作用した光子から画像を生成させる工程と、を有する。

別の実施形態では、前記疾患は、創傷、癌、非癌性腫瘍、皮膚病変、または前癌性皮膚病変のうちの１若しくはそれ以上である。

別の実施形態では、前記疾患を治療することは、光力学的に実行される。

別の実施形態では、前記光力学的治療は、前記組織または前記疾患のうちの１若しくはそれ以上への光増感の適用を含む。

別の実施形態では、前記疾患の治療は、生成された光子と前記組織または前記症状とを相互作用することによる直接的な治療効果によって行われる。

別の実施形態では、前記疾患の治療は、光増感剤を前記組織または前記疾患の１若しくはそれ以上に適用し、前記生成された光子と前記組織または前記疾患とを相互作用するという前記直接的な治療効果によって光力学的に行われる。

別の実施形態では、前記生成された光子は、紫外線（ＵＶ）、可視光線（ＶＩＳ）、近赤外線（ＮＩＲ）、可視－近赤外線（ＶＩＳ－ＮＩＲ）、短波赤外線（ＳＷＩＲ）、拡張短波赤外線（ｅＳＷＩＲ）、または近赤外線－拡張短波赤外線（ＮＩＲ－ｅＳＷＩＲ）の１若しくはそれ以上の波長を有する。

別の実施形態では、前記生成された光子はＶＩＳであり、紫、青、シアン、緑、黄、オレンジ、または赤に対応する１若しくはそれ以上の波長範囲を有する。

別の実施形態では、前記生成された光子はＵＶである。

別の実施形態では、前記光源は、白熱灯、ハロゲンランプ、発光ダイオード（ＬＥＤ）、化学レーザー、固体レーザー、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）、エレクトロルミネセンス装置、蛍光灯、ガス放電ランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、および誘導ランプのうちの１若しくはそれ以上を有する。

別の実施形態では、前記光源は、調整可能である。

別の実施形態において、前記方法は、さらに、前記相互作用した光子をフィルタリングする工程を有する。

別の実施形態では、前記方法は、さらに、相互作用した光子をフィルタリングする工程を有し、前記相互作用した光子をフィルタリングする工程は、固定フィルタ、マルチ共役フィルタ、および共形フィルタのうちの１若しくはそれ以上によって行われる。

別の実施形態では、前記方法は、さらに、光子を生成する前に前記疾患の存在を決定する工程と、前記生成された光子を方向付ける工程と、前記生成された光子を相互作用する工程と、前記収集され相互作用した光子を方向付ける工程と、画像を生成する工程と、を有する。

別の実施形態では、前記疾患の存在を決定する工程は、前記光子を生成する工程と、前記生成された光子を方向付ける工程と、前記生成された光子を相互作用する工程と、前記収集され相互作用した光子を方向付ける工程とに対する別々の先行する工程を含み、前記先行する工程は、それによって前記疾患を診断するために、先行的に光子を生成する工程と、先行的に光子を収集する工程と、先行的に光子を相互作用する工程と、先行的に前記光子を方向付ける工程と、を有する。

本開示は、記述された特定のシステム、装置、および方法に限定されるものではなく、これらは変化するからである。説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明するためだけのものであり、範囲を限定することを意図するものではない。

本書で使用される単数形「ａ」、「ａｎ」、および「ｔｈｅ」は、文脈上明らかに異なることが指示されない限り、複数形の参照を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示に記載された実施形態が、先行発明によりかかる開示に先行する権利を有しないことを認めるものとして解釈されるべきではない。本書で使用される場合、用語「ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ」は、「有するが、それに限定されない」ことを意味する。

以下に説明する本教示の実施形態は、網羅的であること、または本教示を以下の詳細な説明において開示される正確な形態に限定することを意図していない。むしろ、実施形態は、当業者が本教示の原理および実践を評価し理解することができるように選択され、説明される。

実施形態では、ヒトまたは動物に向けられる光子を発生させる少なくとも１つの光源を有する。前記光源は、限定されず、照明を提供するのに有用な任意の光源であってよい。実施形態において、前記少なくとも１つの光源は、内視鏡と協働して使用されてもよいし、内視鏡に取り付けられてもよい。消費電力、放出スペクトル、パッケージング、熱出力などの他の補助的な要件は、前記少なくとも１つの光源が使用される特定の用途に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、前記光源は、光を発する個々の装置である光素子である。前記光素子は、特に限定されず、白熱灯、ハロゲンランプ、発光ダイオード（ＬＥＤ）、化学レーザー、固体レーザー、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）、エレクトロルミネセンス装置、蛍光灯、ガス放電ランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、無極灯、またはこれらの光源の任意の組合せを含むことができる。他の実施形態では、前記光源は、互いに近接して配置される複数の光素子のグループ化またはアセンブリである光配列である。

いくつかの実施形態では、光源は、前記光素子または前記光配列に内在する特定の波長を有する。他の実施形態では、前記光源の前記波長は、前記光源によって放射される前記光子をフィルタリングまたはチューニングすることによって変更される。さらに他の実施形態では、異なる波長を有する光源が組み合わされる。光源の前記選択波長は特に限定されず、紫外線（ＵＶ）、可視光線（ＶＩＳ）、近赤外線（ＮＩＲ）、可視近赤外線（ＶＩＳ－ＮＩＲ）、短波赤外線（ＳＷＩＲ）、拡張短波赤外線（ｅＳＷＩＲ）、近赤外線拡張短波赤外線（ＮＩＲ－ｅＳＷＩＲ）範囲の１以上であっても良い。これらは、約１８０ｎｍ～約３８０ｎｍ（ＵＶ）、約１８０ｎｍ～約７２０ｎｍ（ＶＩＳ）、約４００ｎｍ～約２５００ｎｍ（ＶＩＳ－ＮＩＲ）、約８５０ｎｍ～約１８００ｎｍ（ＳＷＩＲ）、約１２００ｎｍ～約２４５０ｎｍ（ｅＳＷＩＲ）、約７２０ｎｍ～約２５００ｎｍ（ＮＩＲ－ｅＳＷＩＲ）の波長範囲に対応するものである。上記の範囲は、単独で用いてもよいし、列挙した範囲のいずれかを組み合わせて用いてもよい。このような組み合わせには、隣接する（ｃｏｎｔｉｇｕｏｕｓ）範囲、重なり合う範囲、および重なり合わない範囲が含まれる。

ＶＩＳ光の範囲内では、異なる色の光を単独または組み合わせて使用することができる。紫色光は約３８０ｎｍ～約４５０ｎｍ、青色光は約４５０ｎｍ～約４８５０ｎｍ、シアン光は約４８５ｎｍ～約５００ｎｍ、緑色光は約５００ｎｍ～約５６５ｎｍ、黄色光は約５６５ｎｍ～約５９０ｎｍ、オレンジ光は約５９０ｎｍ～約６２５ｎｍ、赤色光は約６２５ｎｍ～約７２０ｎｍの波長を有している。

いくつかの実施形態では、前記光源は、変調光源である。変調光源の選択および前記光源を変調する技法は限定されない。いくつかの実施形態では、前記変調光源は、フィルター付き白熱ランプ、フィルター付きハロゲンランプ、チューナブルＬＥＤアレイ、チューナブル固体レーザーアレイ、チューナブルＯＬＥＤアレイ、チューナブルエレクトロルミネセントデバイス、フィルター付き蛍光灯、フィルター付きガス放電ランプ、フィルター付きメタルハライドランプ、フィルター付きキセノンアークランプ、フィルター付き誘導ランプ、またはこれらの光源の任意の組み合わせの１若しくはれ以上のものである。いくつかの実施形態では、チューニングは、前記個々の光素子に電力が供給される強度または期間を増加または減少させることによって達成される。あるいは、チューニングは、前記個々の光素子によって放射される光をフィルタリングする固定または調整可能なフィルタによって達成される。さらに他の実施形態では、前記光源は調整不可能である。調整不可能な光源は、その放射される光のスペクトルを変えることはできないが、適切な制御によってオン・オフすることはできる。

いくつかの実施形態では、前記光源は、石英タングステンハロゲン光源を有する。他の実施形態では、照明源は、メタルハライド光源、発光ダイオード（ＬＥＤ）、一定の波長範囲にわたって発光するエミッターの均一な選択、または、パルスＬＥＤ、パルスＬＥＤアレイ、レーザー、パルスレーザー、広帯域照明光源、ガス放電光源、蛍光灯光源、アーク光源、キセノンアークランプ光源、蛍光体や量子ドットと組み合わせたＬＥＤ光源など、およびこれらの組み合わせのような多様な波長範囲にわたって発光する複数のエミッターを有するＬＥＤ配列を有してもよい。前記照明光源は、関心のある波長に応じて選択され、特に、治療だけでなく、診断にも利用できる波長であるかどうかが重要である。上記のうち、レーザーおよび／またはＬＥＤ光源は、前記関心のある波長に応じて選択することができる。前記レーザーは、ガス放電レーザーでも固体レーザーでも半導体レーザーでもよく、ヘリウムネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンイオン、窒素、一酸化炭素、エキシマー、スチルベン、クマリン、ローダミンなどの色素レーザー、または、ルビー、Ｎｄ：ＹＡＧ、ＮｄＣｒＹＡＧ、Ｎｄ：ＹＬＦ、Ｎｄ：ＹＶＯ４、Ｎｄ：Ｙｃａ４Ｏ４、Ｎｄ：Ｙｃａ４Ｏ（ＢＯ３）３、Ｎｄ：ガラス、Ｔｉ：サファイア、Ｔｍ：ＹＡＧ、Ｔｂ：ＹＡＧ、Ｙｂドープガラス、Ｈｏ：ＹＡＧ、Ｃｒ：ＺｎＳｅ、Ｃｅ：ＬｉＳＡＦ、Ｃｅ．ＬｉＣＡＦ、ＧａＮ、ＩｎＧａＮ、ＡｌＧａＩｎＰ、ＡｌＧａＡｓ、ＩｎＧａＡｓＰ、 および鉛塩、垂直共振器面発光レーザー、量子カスケードレーザー、ハイブリッドシリコンレーザーなどの半導体レーザーを含んでもよい。前記照明光源は、固定されたスペクトル放射を有するか、または光源の組み合わせ、フィルタリング、および／または光源および／またはフィルタの変調によって調整可能である。サイズ、熱出力、電力要件などに応じて、前記照明光源はシステム内で直接使用することも、所望の波長に対して透明な光ファイバーを介して遠隔で使用することも可能である。

治療法
本開示の前記光源は、起動されると、前記光源が発する前記光が、ヒトまたは動物の患者において治療効果を達成するように構成される。前記治療効果は限定されない。一実施形態では、前記光は、体組織と相互作用することによって直接的な治療効果を達成する。別の実施形態では、前記光は、身体組織と疾患との相互作用によって直接的な治療効果を達成する。別の実施形態では、前記光は、光の適用が治療用組成物を放出し、その治療用組成物が前記治療効果を達成する光線力学療法において使用される。さらに別の実施形態では、前記光は、直接的な治療効果および光線力学的効果を同時に達成する。この実施形態では、前記直接的な治療効果は、前記光が前記身体組織、前記疾患、または前記身体組織と前記疾患の両方と相互作用することによって達成される。

いくつかの実施形態では、前記光は、直接的な治療効果を有し、ＵＶスペクトルである。このような構成では、前記光は、アトピー性皮膚炎、乾癬、白斑、尋常性ざ瘡、癌、および創傷のうちの１若しくはそれ以上を治療することができる。他の実施形態では、前記光は直接的な治療効果を有し、前記光の波長は、ＵＶ、赤、青、ＮＩＲ、ＶＩＳ－ＮＩＲ、ＳＷＩＲ、ｅＳＷＩＲ、ＮＩＲ－ｅＳＷＩＲ、およびフルスペクトルのうちの１若しくはれ以上である。

さらにさらなる実施形態では、前記光は直接的な効果を達成せず、代わりに光線力学療法を行うために使用される。光線力学療法の間、前記光は、治療上有益なまたは治療上活性な化合物を放出する光増感薬に向けられる。

本明細書に開示されるタイプの治療に反応する疾患のリストは限定されず、創傷、癌、非癌性腫瘍、皮膚病変、および前癌性皮膚病変のうちの１若しくはそれ以上が含まれる。

可視化
ヒトまたは動物の患者に治療効果をもたらすために前記光源から光が照射される時間の少なくとも一部は、前記光が可視化されるためにも使用される。可視化と治療に同時に使用される前記光は、治療の対象となる臓器や皮膚などの体内組織に照射される。同時可視化および治療のために使用される前記光の例は、紫外線（ＵＶ）、可視光線（ＶＩＳ）、近赤外線（ＮＩＲ）、可視近赤外線（ＶＩＳ－ＮＩＲ）、短波赤外線（ＳＷＩＲ）、拡張短波赤外線（ｅＳＷＩＲ）、近赤外線拡張短波赤外線（ＮＩＲ－ｅＳＷＩＲ）範囲のうちの１若しくはそれ以上を含む。一実施形態では、前記光は紫外線（ＵＶ）である。別の実施形態では、前記光のスペクトル範囲は、時間と共に交互に変更される。前記光のスペクトル範囲を交互に変更することは、光素子のオン／オフを個別に切り替えること、前記光配列の部分のオン／オフを個別に切り替えること、または前記光配列全体のオン／オフを切り替えることによって達成することができる。

画像処理は、前記ヒトまたは動物の患者の体から反射される光子をフィルタリングし、検出することによって行われる。フィルタリング工程のための技術および装置は限定されず、固定フィルタ、多重共役フィルタ、および共形フィルタのいずれかを含む。固定フィルタでは、前記フィルタの機能を変更することはできないが、前記フィルタを機械的に光路に入れたり外したりすることで前記フィルタリング工程を変更することができる。いくつかの実施形態では、前記フィルタは、マルチ共役フィルタを構成するチューナブルフィルタである。前記マルチ共役フィルタは、ソルク（Ｓｏｌｃ）フィルタ構成の光路に沿ったシリアルステージを有する画像化フィルタである。このようなフィルタでは、等しい複屈折の角度的に分布したリターダ素子が、ステージ間に偏光子とともに各ステージに積層される。

共形フィルタは、広帯域スペクトルを１若しくはそれ以上の通貨帯にフィルタリングすることができる。共形フィルタの例としては、液晶チューナブル・フィルタ、音響光学チューナブル・フィルタ、リョート液晶チューナブル・フィルタ、エヴァンス分割素子液晶チューナブル・フィルタ、ソルク液晶チューナブル・フィルタ、強誘電液晶チューナブル・フィルタ、ファブリ・ペロット液晶チューナブル・フィルタおよびこれらの組合せがある。

実施形態において、前記画像は、カメラチップによって収集される。前記カメラチップは限定されないが、いくつかの実施形態では、前記ヒトまたは動物の患者の皮膚、組織、または臓器から反射される予想されるスペクトルに応じて選択される。いくつかの実施形態では、前記カメラチップは、電荷結合素子（ＣＣＤ）、相補型金属酸化膜半導体（ＣＭＯＳ）、インジウムガリウムヒ素（ＩｎＧａＡｓ）カメラチップ、プラチナシリサイド（ＰｔＳｉ）カメラチップ、インジウムアンチモン（ＩｎＳｂ）カメラチップ、水銀カドミウムテルライド（ＨｇＣｄＴｅ）カメラチップ、またはコロイド量子ドット（ＣＱＤ）カメラチップのうちの１若しくはそれ以上である。いくつかの実施形態では、上記のカメラチップの各々または組み合わせは、焦点面アレイ（ＦＰＡ）である。いくつかの実施形態において、上記カメラチップの各々は、量子ドットを含み、それらのバンドギャップを調整し、それによって異なる波長に対する感度を変更または拡大する。可視化技術は限定されず、ＶＩＳ、ＮＩＲ、ＳＷＩＲ、自己蛍光、またはラマン分光のうちの１若しくはそれ以上を含む。

可視化について言及されているが、本開示はそれほど限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、固体レーザーまたは化学レーザーによる身体組織の切除を含む。前記組織は、皮膚または臓器のうちの１若しくはそれ以上であることができる。

いくつかの実施形態では、前記視覚化は、治療と同時に、または少なくともいくつかの重複する時間を伴って実行される。そのような実施形態は、例えば、患者が治療される必要がある疾患を有することが分かっているまたはその可能性が高い状況において選択される。例えば、以前に診断された疾患を有する患者を、事前の診断用画像処理なしに、安全に可視化し、同時に治療することができる。このような場合、可視化を行うための本明細書に記載の前記システムおよび方法は、確認的であり、治療を継続しながら疾患を分析するために使用することができる。

他の実施形態では、追加の先行する一連の可視化工程が治療の前に実行される。そのような実施形態は、例えば、者が治療される必要がある疾患を有することが知られていない、またはその可能性がない状況において、選択されるかもしれない。例えば、疾患が疑われるが診断されていない患者の場合、治療の前に先行的な視覚化が実行される。このような例では、本明細書に記載される前記同じシステムおよび方法が、前記疾患の診断および治療の両方に使用される。前記先行視覚化は、特定の実施形態において、視覚化について本明細書に記載される同じ工程を含むことができるが、それらは、任意の同時治療および視覚化が実行される前に実行される。

上記の各実施形態において、本開示は、さらに、前記同じシステムまたは方法が前記可視化および治療の両方を行い、それによって時間および資源を節約することを企図している。さらに、前記患者が疾患を有することが知られているか、またはその可能性が高いそれらの実施形態において、本開示は、前記同じシステムまたは方法が前記患者の治療および監視の両方を行うことを可能にすることによって、さらに時間および資源を節約する。

実施例
チューナブルレーザー配列光源が提供され、２つのチューナブルレーザー光素子を含む。スイッチを入れると、各レーザー光源は異なる波長を発生させる。前記光配列から出力された光は、前がん病変を含む試験組織に照射された。前記組織には光増感剤が塗布されている。また、前記組織と相互作用する光子を受け取るために、二重偏光共形フィルターが配置された。前記組織から前記共形フィルターの反対側に配置されたＣＣＤカメラチップは、前記組織と相互作用し、さらに前記二重偏光共形フィルターによって修正された前記光子に基づき、前記組織のハイパースペクトル画像を出力するように構成された。

動作中、上記構成でハイパースペクトル画像を撮影し、レシオメトリックスコア画像を生成した。前記レシオメトリックスコア画像は，前記チューナブル光源と前記二重偏光共形フィルタの組み合わせで生成されなかった画像と比較して，コントラストが向上していた．このコントラスト向上により、前がん病変の識別が容易になった。同時に、動作中に、前記チューナブルレーザー配列光源によって生成された光は、前記光増感剤に治療上有益な化合物を放出させることも引き起こした。このように、前記前がん病変と相互作用する光を画像化することで前記前がん病変を特定するだけでなく、前記光増感剤の放出によって治療も同時に行うことができた。

本開示は、本願に記載された特定の実施形態の観点で限定されるものではなく、様々な特徴の例示として意図されるものである。当業者には明らかなように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲に入ることが意図されている。本開示は、添付の請求項の条件によってのみ、そのような請求項が権利を有する完全な均等物の範囲とともに、制限されることになる。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物または生物学的系に限定されないことが理解され、それらはもちろん変化し得る。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図していないことを理解されたい。

本明細書における実質的に任意の複数形および／または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および／または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および／または単数形から複数形へ変換することができる。様々な単数／複数の並べ換えは、明瞭化のために本明細書に明示的に記載されることがある。

一般に、本明細書、特に添付の請求項（例えば、添付の請求項の本体）において使用される用語は、一般に「オープン」な用語として意図されていることが当業者には理解されよう（例えば、用語「含む」は「含むが限定しない」と解釈すべき、用語「有する」は「少なくとも有する」と解釈すべき、用語「含む」は「含むが限定しない」、等々）。様々な組成物、方法、および装置は、様々な成分または工程（「含むが、これに限定されない」を意味すると解釈される）から「成る」という用語で記載されるが、組成物、方法、および装置は、様々な成分およびステップから「本質的に成る」または「成る」こともでき、このような用語は、本質的に閉じたメンバーグループを定義すると解釈されるべきである。導入された請求項の特定の番号が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者にはさらに理解されよう。

例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項は、請求項の説明を導入するための導入フレーズ「少なくとも１つ」および「１若しくはそれ以上」の使用を含むことができる。しかしながら、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「ａ」または「ａｎ」による請求項の繰り返しの導入が、そのような導入された請求項の繰り返しを含む任意の特定の請求項を、たとえ同じ請求項に導入フレーズ「１若しくはそれ以上」または「少なくとも１つ」および「ａ」または「ａｎ」などの不定冠詞（例えば、「ａ」および／または「ａｎ」は「少なくとも１つ」または「１若しくはそれ以上」の意味に解釈すべき）が含まれても、１つのみのかかる組み合わせを含む実施の形態に制限するという意味で解釈すべきではない。請求項の説明の導入に使用される定冠詞の使用についても同様である。

また、導入された請求項の記載事項の特定の数が明示的に記載されていたとしても、当業者は、当該記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう（例えば、他の修飾語を伴わない「２つの記載」という素通しは、少なくとも２つの記載、または２若しくはそれ以上の記載を意味する）。さらに、「Ａ、Ｂ、およびＣのうちの少なくとも１つ、など」と類似した慣用句が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣用句を理解する意味で意図されている（例えば、「Ａ、Ｂ、およびＣのうちの少なくとも１つを有するシステム」は、Ａ単独、Ｂ単独、Ｃ単独、ＡおよびＢを一緒に、ＡおよびＣを一緒に、ＢおよびＣを一緒に、および／またはＡ、Ｂ、およびＣを一緒に、などを有するシステムを含むがそれだけに限られないであろう）。Ａ、Ｂ、またはＣの少なくとも１つ、など」に類似する規約が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が規約を理解すると思われる意味で意図される（例えば、「Ａ、Ｂ、またはＣの少なくとも１つを有するシステム」は、Ａ単独、Ｂ単独、Ｃ単独、ＡとＢを一緒に、ＡおよびＣを一緒に、ＢおよびＣを一緒に、および／またはＡ、ＢおよびＣを一緒に有するシステム、など）を含むがこれに限らないであろう）。説明、請求項、または図面のいずれにおいても、２若しくはそれ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の分割的な単語および／または句は、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが当業者にはさらに理解されるであろう。例えば、「ＡまたはＢ」という語句は、「Ａ」または「Ｂ」または「ＡおよびＢ」の可能性を含むと理解されるであろう。

さらに、本開示の特徴がマーカッシュ（Ｍａｒｋｕｓｈ）グループの観点から説明される場合、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点からも説明されることを認識するであろう。

当業者には理解されるように、書面による説明を提供するという観点など、あらゆる目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲は、その任意の可能な部分的な範囲および部分的な範囲の組み合わせも包含している。任意の列挙された範囲は、同じ範囲を少なくとも等しい半分、３分の１、４分の１、５分の１、１０分の１、などに分解することが十分に記述され可能であると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で議論される各範囲は、下位３分の１、中間３分の１、および上位３分の１などに容易に分解することができる。また、当業者には理解されるように、「まで」、「少なくとも」等の全ての言語は、言及された数を含み、上述したようにその後部分的な範囲に分解することができる範囲を意味する。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個別の要素を含む。したがって、例えば、１～３個のセルを有するグループは、１、２、または３個のセルを有するグループを指す。同様に、１～５個のセルを有するグループは、１、２、３、４、または５個のセルを有するグループなどを指す。

上記の開示された、および他の特徴および機能、またはその代替物の様々なものは、他の多くの異なるシステムまたは適用に組み合わされるかもしれない。様々な現在予見されないまたは予期されない代替案、修正、変形またはその改良が、その後、当業者によってなされる可能性があるが、それらの各々はまた、開示された実施形態によって包含されることが意図されている。

Claims (15)

1. 組織の疾患を画像化し治療する方法であって、
   光源で光子を生成させる工程と、
   前記生成された光子を組織に方向付ける工程であって、前記組織は前記疾患を有するものである、方向付ける工程と、
   前記疾患を治療するために前記生成された光子を前記組織、前記疾患、または前記組織と前記疾患の両方とを相互作用する工程と、
   前記相互作用する工程と同時に、前記組織、前記疾患、または前記組織と前記疾患の両方とを相互作用させた相互作用光子を収集する工程と、
   前記収集され相互作用した光子をカメラチップに方向付ける工程と、
   前記カメラチップを通して、前記収集され相互作用した光子から画像を生成する工程と
   を有する、方法。
2. 請求項１記載の方法において、前記疾患は、創傷、癌、非癌性腫瘍、皮膚病変、前癌性皮膚病変のうちの１若しくはそれ以上である、方法。
3. 請求項１記載の方法において、前記疾患の治療は、光線力学的に行われる、方法。
4. 請求項３記載の方法において、前記光線力学的治療は、前記組織または前記疾患のうちの１若しくはそれ以上への光増感剤の適用を含む、方法。
5. 請求項１記載の方法において、前記疾患の治療は、前記生成した光子と前記組織または前記疾患との相互作用の直接的な治療効果によって行う、方法。
6. 請求項１記載の方法において、前記疾患の治療は、前記組織または前記疾患のうちの１若しくはそれ以上に光増感剤を塗布することによって、および前記生成した光子と前記組織または前記疾患との相互作用による前記直接的な治療効果によって光線力学的に行う、方法。
7. 請求項１記載の方法において、前記生成された光子は、紫外線（ＵＶ）、可視光線（ＶＩＳ）、近赤外線（ＮＩＲ）、可視近赤外線（ＶＩＳ－ＮＩＲ）、短波赤外線（ＳＷＩＲ）、拡張短波赤外線（ｅＳＷＩＲ）、または近赤外線拡張短波赤外線（ＮＩＲ－ｅＳＷＩＲ）のうちの１若しくはそれ以上の波長を有する、方法。
8. 請求項７記載の方法において、前記生成された光子は、ＶＩＳであり、紫、青、シアン、緑、黄、オレンジ、または赤に対応する１若しくはそれ以上の波長範囲を有する、方法。
9. 請求項７記載の方法において、前記生成された光子はＵＶである、方法。
10. 請求項１記載の方法において、前記光源は、白熱灯、ハロゲンランプ、発光ダイオード（ＬＥＤ）、化学レーザー、固体レーザー、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）、エレクトロルミネセンス装置、蛍光灯、ガス放電ランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、および誘導ランプのうちの１若しくはそれ以上を有する、方法。
11. 請求項１記載の方法において、前記光源は、調整可能である、方法。
12. 請求項１記載の方法において、さらに、
    前記相互作用した光子をフィルタリングする工程を有するものである、方法。
13. 請求項１２記載の方法において、前記フィルタリングする工程は、固定フィルタ、マルチ共役フィルタ、および共形フィルタのうちの１若しくはそれ以上によって行われる、方法。
14. 請求項１記載の方法において、さらに、
    光子を生成する前に前記疾患の存在を決定する工程と、前記生成された光子を方向付ける工程と、前記生成された光子を相互作用する工程と、前記収集され相互作用した光子を方向付ける工程と、画像を生成する工程と
    を有するものである、方法。
15. 請求項１４記載の方法において、前記疾患の存在を決定する工程は、前記光子を生成する工程と、前記生成された光子を方向付ける工程と、前記生成された光子を相互作用する工程と、前記収集され相互作用した光子を方向付ける工程とに対する別々の先行する工程を含み、前記先行する工程は、
    それによって前記疾患を診断するために、先行的に光子を生成する工程と、先行的に光子を収集する工程と、先行的に光子を相互作用する工程と、先行的に前記光子を方向付ける工程と、を有する、方法。