JP2023525981A - 肺炎症および間質性肺疾患を処置するためのレリグリタゾン - Google Patents

肺炎症および間質性肺疾患を処置するためのレリグリタゾン Download PDF

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Abstract

本開示は、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を用いて、ウイルスにより誘発される炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を処置する方法を提供する。

Description

発明の背景
発明の分野
本開示は、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を用いて、ウイルスにより誘発される炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を処置する方法を提供する。
背景
肺疾患は、重要な健康問題である。例えば、間質性肺疾患(ILD)は、肺における空気嚢(肺胞)周辺の組織および空間(間質)に影響を及ぼす疾患の大きなグループである。特発性肺線維症(IPF)は、ILDの最も一般的な形態である。米国では、60歳を超える成人200名あたり1名が、IPFに罹患していると推定されている。ILDに起因する肺損傷は、非可逆的なことがある。IPFおよび他のILDを処置するための薬物が必要とされている。
多数の肺疾患が、急性肺炎症に関係している。急性肺損傷は、低酸素症、炎症、肺浮腫、呼吸コンプライアンスの低下を特徴とし、より侵襲性の炎症過程である急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のより軽度の形態、またはそれへの前兆とみなすことができる。白血球動員は、急性肺損傷のおける重要な事象であり、炎症および血漿漏出に至る。
例えば、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、肺の進行性機能不全の急速な発生を含み、通常、酸素を取り込むことができないため、他の臓器の機能不全と関連する。この状態は、広範囲の肺炎症、およびすべての罹患臓器における微小血管の損傷を伴う。原因には、以下に限定されないが、細菌感染もしくはウイルス感染、外傷、敗血症または吸引を含むことができる。
コロナウイルスは、動物およびヒトにおいて疾患を引き起こすことが知られている、大きなゲノムサイズを有するプラス鎖RNAウイルスである。ヒトでは、コロナウイルスは、風邪などの、通常軽度の気道感染を引き起こす。しかし、コロナウイルスは、コロナウイルス誘発性重症急性呼吸器症候群(SARS)などの、はるかにより重度の感染を引き起こす恐れもある。Woo et al., Microbiol. Immunol. 49:899-908 (2005)。7種の株のヒトコロナウイルス:ヒトコロナウイルス229E(HCoV-229E);ヒトコロナウイルスOC43(HCoV-OC43);重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV);ヒトコロナウイルスNL63(HCoV-NL63、New Havenコロナウイルス);ヒトコロナウイルスHKU1;中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV、新規なコロナウイルス2012およびHCoV-EMCとしても公知);およびまた2019-nCoVまたは新規コロナウイルス2019としての重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)が公知である。
2020年3月に、世界保健機関は、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の大流行をパンデミックと宣言した。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の大流行、ならびに2012年、2015年および2018年の中東呼吸器症候群(MERS)の大流行のように、COVID-19は、世界中で、深刻な疾病および死亡を引き起こしている。コロナウイルスおよび他のウイルス感染が引き金となる、炎症性肺状態または疾患を処置する薬物が必要とされている。Li et al., J Med Virol 92:424-432 (2020)。
ヒトコロナウイルス、例えば、COVID-19、HIVおよびインフルエンザによって引き起こされる感染を含む多数のウイルス感染が、ARDSおよび他の炎症状態または疾患の発症に関連している。Mehta et al., Lancet 395:1033-1034 (2020); Huang et al., The Lancet. 395(10223):497-506 (2020)。ARDSは、肺胞-毛細血管障壁への傷害が引き金となり、流体蓄積および急性呼吸不全をもたらす。ウイルス感染を引き金とするARDSは、宿主免疫応答の劇的な増大、および肺内への免疫細胞の浸潤、ならびに肺損傷に至る恐れのあるサイトカイン発現にリンクしている。Rockx et al., Journal of Virology 83: 7062-7074 (2009)。証拠の蓄積により、重度のCOVID-19を有する患者の部分群は、ウイルス感染が一般に引き金となる、続発性血球貪食性リンパ組織球症(sHLH)に似た、サイトカインストーム症候群を有することが示唆されている。これは、多臓器不全を伴う、劇症かつ致死性の高サイトカイン血症を特徴とする、過炎症性症候群(hyperinflammatory syndrome)である。サイトカインプロファイルは、IL-2、IP-10、TNF-アルファおよびIL-6を含む。非常に高いレベルのIL-6が、中国における最近の研究において、COVIDに感染した患者において観察された。Ruan et al., Intensive Care Med 2020; published online March 3. DOI:10.1007/s00134-020-05991-x。
5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンは、慢性閉塞性肺疾患などの炎症性呼吸器疾患、および髄膜炎などの中枢神経系のウイルス性疾患を処置するために使用することができる、選択的PPARガンマアゴニストである。US2020/0093812;US2016/0235729。
米国特許公開公報第2020/0093812号明細書 米国特許公開公報第2016/0235729号明細書
Woo et al., Microbiol. Immunol. 49:899-908 (2005) Li et al., J Med Virol 92:424-432 (2020) Mehta et al., Lancet 395:1033-1034 (2020) Huang et al., The Lancet. 395(10223):497-506 (2020) Rockx et al., Journal of Virology 83: 7062-7074 (2009) Ruan et al., Intensive Care Med 2020; published online March 3. DOI:10.1007/s00134-020-05991-x
発明の簡単な概要
一態様では、本開示は、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患(ILD)を処置する方法であって、対象に治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において、ウイルス感染、例えば、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスまたはHIV(ヒト免疫不全)ウイルスによって引き起こされる、炎症性肺状態または疾患、例えば、過炎症性症候群、高サイトカイン血症、ARDSまたは血球貪食性リンパ組織球症(sHLH)を処置する方法であって、治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の態様では、本開示は、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための医薬を製造するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、肺の急性炎症を処置する方法であって、治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、肺の急性炎症の処置に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の態様では、本開示は、肺の急性炎症を処置するための医薬を製造するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、ILDを処置する方法であって、治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、ILDの処置に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の態様では、本開示は、ILDを処置するための医薬を製造するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または治療有効量の5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
別の態様では、本開示は、1つまたは複数のサイトカイン、例えば、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、またはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルの低下を、それを必要とする対象において行うための方法であって、対象に治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において、1つまたは複数のサイトカイン、例えば、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、またはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を含む組成物であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、対象における、1つまたは複数のサイトカイン、例えば、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬を製造するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩の使用であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用を提供する。
別の態様では、本開示は、細菌感染またはウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象を処置するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、および5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を使用するための指示を含むキットを提供する。
図1は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたIP-10を示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図2は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたIL-4を示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図3は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたIFN2αを示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図4は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたIFNγを示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図5は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたTNFαを示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図6は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたMCP1を示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図7は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたIL-6を示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図8は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたMIP1-αを示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図9は、感染して24時間後にLuminex技術によって測定した、上清に放出されたIL-2を示すグラフである。SARS-CoV-2に曝露されたまたは曝露されていない、表示濃度のレリグリタゾン(「Leri」)により治療条件で培養したマクロファージは、3名の異なるドナーの二連の測定を含む。統計学的差異は、対応のあるt検定によりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
図10は、マウスにおけるLPSにより誘発された急性肺損傷モデルにおいて使用した、研究概略図の例示である。
図11は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発された急性肺損傷(ALI)モデルからの気管支肺胞洗浄液(BALF)における、CD45細胞の量を示す棒グラフである。
図12は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、好中球の量を示す棒グラフである。
図13は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、T細胞の量を示す棒グラフである。
図14は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、総タンパク質の量を示す棒グラフである。
図15は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、IL-6の量を示す棒グラフである。
図16は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、IL-12p40の量を示す棒グラフである。
図17は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、CXCL10/IP-10の量を示す棒グラフである。
図18は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、CXCL9の量を示す棒グラフである。
図19は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、RANTESの量を示す棒グラフである。
図20は、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルからのBALFにおける、TNFαの量を示す棒グラフである。
図21は、血管周囲/細気管支周囲の空間における、単核細胞浸潤、ならびに間質および肺胞における好中球動員に関する、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルにおける、平均組織病理スコアを示す棒グラフである。
図22は、肺胞における中隔肥厚(septal thickening)に関する、MIN-102またはM3を表示用量で投与した後の、LPSにより誘発されたALIモデルにおける、平均組織病理スコアを示す棒グラフである。ビヒクル群に対する統計学的差異は、Dunnet事後検定による一元配置ANOVAによりアッセイし、p値<0.005を有意であるとみなした。P<0.05;**P<0.01;***:P<0.001および****P<0.0001。
発明の詳細な説明
抗炎症剤は、ヒト対象において、ARDSのいかなる死亡率への利益を示さない。Han and Mallampalli, J. Immunol. 194:855-860 (2015)を参照されたい。同様に、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体-γ(PPAR-γ)アゴニストである、ピオグリタゾンは、健常なヒト志願者において、内毒素誘発性肺炎症に対して効果を有さなかった。Chen et al., PLoS ONE 13(2):e0191783. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0191783 (2018)。本出願人は、レリグリタゾンは、対象において、ARDSまたは高サイトカイン血症などの、コロナウイルス誘発性炎症性肺状態または疾患を処置するために使用することができることを予想外なことに発見した。任意の特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、この発見は、リンパ球数および機能に影響を及ぼすことなく、例えば、IL-6、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、MCP1およびTNF-アルファサイトカインレベルの低下を引き起こす、対象の肺組織へのレリグリタゾンの予想外の分布、および血漿中の非結合薬物の量(表1を参照されたい)に、少なくとも一部、基づいている。レリグリタゾンはまた、急性肺損傷によって生じる白血球浸潤および中隔肺胞変質を阻害する。
Figure 2023525981000002
I. 本開示の化合物
用語「化合物1」とは、本明細書で使用される場合、まとめて、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン、すべての可能な立体異性体、例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびにそれらの混合物、例えばラセミ混合物、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩を指す。一実施形態では、化合物1は、対象に投与される。5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの構造は、以下である。
Figure 2023525981000003
本開示は、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの立体異性体の使用を包含する。5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンは、2個の不斉中心を有しており、したがって、以下の通り、4種の立体異性体が可能である:
Figure 2023525981000004
一実施形態では、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの4種の立体異性体のうちの1種、または薬学的に許容されるその塩が、対象に投与される。
別の実施形態では、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの4種の立体異性体のうちの2種、または薬学的に許容されるそれらの塩を含む混合物が、対象に投与される。混合物の2種の立体異性体は、等モル量で存在することができるか、または混合物の1種の立体異性体が、他の立体異性体に比べて、微量、例えば、10重量%未満、3重量%未満、1重量%未満もしくは0.1重量%未満で、存在する。
別の実施形態では、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの4種の立体異性体のうちの3種、または薬学的に許容されるそれらの塩を含む混合物が、対象に投与される。混合物の3種の立体異性体は、等モル量で存在することができるか、または混合物の1種の立体異性体が、他の2種の立体異性体に比べて、微量、例えば、10重量%未満、3重量%未満、1重量%未満もしくは0.1重量%未満で、存在するか、または混合物の2種の立体異性体が、他の立体異性体に比べて、微量、例えば、10重量%未満、3重量%未満、1重量%未満もしくは0.1重量%未満で、存在する。
別の実施形態では、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの4種の立体異性体のすべて、または薬学的に許容されるそれらの塩を含む混合物が、対象に投与される。別の実施形態では、混合物は、各立体異性体を20%±10%w/wの量で含む。別の実施形態では、混合物は、各立体異性体を25%±5%w/wの量で含む。別の実施形態では、混合物は、各立体異性体を25%w/wの量で含む。別の実施形態では、混合物の1種の立体異性体が、他の3種の立体異性体に比べて、微量、例えば、10重量%未満、3重量%未満、1重量%未満または0.1重量%未満で、存在する。別の実施形態では、混合物の2種の立体異性体が、他の2種の立体異性体に比べて、微量、例えば、10重量%未満、3重量%未満、1重量%未満または0.1重量%未満で、存在する。別の実施形態では、混合物の3種の立体異性体が、他の立体異性体に比べて、微量、例えば、10重量%未満、3重量%未満、1重量%未満または0.1重量%未満で、存在する。
用語「化合物2」とは、本明細書で使用される場合、まとめて、5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン、すべての可能な立体異性体、例えば、R-およびS-鏡像異性体、ならびにそれらの混合物、例えばラセミ混合物、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩を指す。一実施形態では、化合物2は、対象に投与される。5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの構造は、以下である:
Figure 2023525981000005
5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンは、代謝されて、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンをもたらす。WO2019/234690。5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンはまた、M3としても公知である。
本明細書において開示されている治療法および使用において、化合物1、化合物2、または化合物1および化合物2の混合物は、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する対象に投与することができる。
本開示は、以下に限定されないが、塩酸塩を含む、化合物1および化合物2の塩の使用を包含する。用語「薬学的に許容される塩」とは、本明細書で使用される場合、例えば、化合物1または化合物2と、対象、例えばヒトにおいて生理的に耐容される酸との反応により得られる任意の塩を指す。化合物1または化合物2の塩は、無機酸または有機酸から誘導することができる。酸の例には、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などを含む。
一実施形態では、化合物1は、ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩である。ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩は、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン塩酸塩、すなわちMIN-102またはレリグリタゾンとしても公知である。
一実施形態では、化合物2は、ラセミ5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩である。
本開示は、化合物1または化合物2の溶媒和物の使用を包含する。溶媒和物は、通常、化合物の生理学的活性または毒性を著しく変えず、そのままで、薬理学的等価物として機能することができる。用語「溶媒和物」は、本明細書で使用される場合、例えば、溶媒分子対化合物1または化合物2の比が、それぞれ、約2:1、約1:1または約1:2である、二溶媒和物、一溶媒和物または半溶媒和物などの、化合物1または化合物2と溶媒分子との組合せ、物理的会合および/または溶媒和である。この物理的会合は、水素結合を含むイオン性結合および共有結合の様々な程度を含む。ある特定の例では、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に取り込まれた場合などの、溶媒和物が単離され得る。したがって、「溶媒和物」は、溶液相と分離可能な溶媒和物の両方を包含する。化合物1または化合物2は、水、メタノール、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和物形態として存在することができ、本開示は、化合物1または化合物2の溶媒和物形態および非溶媒和物形態の両方を含むことが意図されている。1つのタイプの溶媒和物は、水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である、溶媒和物の特定の部分群に関する。溶媒和物は、通常、薬理学的等価物として機能することができる。溶媒和物の調製は、当分野において公知である。例えば、フルコナゾールと酢酸エチルおよび水との溶媒和物の調製を記載している、M. Caira et al, J. Pharmaceut. Sci., 93(3):601-611 (2004)を参照されたい。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの類似の調製は、E.C. van Tonder et al., AAPS Pharm. Sci. Tech., 5(1):Article 12 (2004)およびA.L. Bingham et al., Chem. Commun. 603-604 (2001)によって記載されている。典型的で非限定的な、溶媒和物を調製する方法は、所望の溶媒(有機物、水またはこれらの混合物)に、20℃超~約25℃の温度において、化合物1または化合物2を溶解し、次に、結晶を形成するのに十分な速度でこの溶液を冷却し、公知の方法、例えばろ過により結晶を単離することを含む。赤外分光法などの分析技法を使用して、溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確認することができる。
II. 本開示の方法
化合物1もしくはその医薬組成物、または化合物2もしくはその医薬組成物は、それを必要とする任意の対象、例えば、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患に既に罹患している対象、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有することが疑われる対象、またはウイルス感染によって引き起こされる、肺に影響を及ぼす炎症性肺状態もしくは疾患を発症するリスクにある対象に投与することができる。
一実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置する方法であって、治療有効量の化合物1または化合物2を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置する方法であって、治療有効量の化合物1および化合物2の混合物を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置に使用するための、化合物1もしくはその医薬組成物、または化合物2もしくはその医薬組成物を提供する。
別の実施形態では、本開示は、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための医薬の製造における、化合物1または化合物2の使用を提供する。
別の実施形態では、本開示は、肺の急性炎症、例えば、肺炎、ARDSを処置する方法であって、治療有効量の化合物1または化合物2を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、慢性病理における、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)における、急性炎症エピソード(AIE)を処置する方法であって、治療有効量の化合物1または化合物2を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、肺の急性炎症の処置に使用するための、化合物1もしくは化合物2、またはそれらの医薬組成物を提供する。
別の実施形態では、本開示は、慢性病理における、例えばCOPDにおける、AIEの処置に使用するための、化合物1もしくは化合物2、またはそれらの医薬組成物を提供する。
別の実施形態では、本開示は、肺の急性炎症を処置するための医薬の製造のための、化合物1または化合物2の使用を提供する。
別の実施形態では、本開示は、慢性病理における、例えばCOPDにおける、AIEを処置するための医薬を製造するための、化合物1もしくは化合物2、またはそれらの医薬組成物の使用を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、ILD、例えば、IPFを処置する方法であって、治療有効量の化合物1または化合物2を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、ILDの処置に使用するための、化合物1もしくは化合物2、またはそれらの医薬組成物を提供する。
別の実施形態では、本開示は、ILDを処置するための医薬の製造のための、化合物1または化合物2の使用を提供する。
一部の実施形態では、本開示の方法は、対象、または対象から得られた試料における、サイトカイン発現レベルを検出するステップを含む。
一実施形態では、1種または複数のサイトカイン、例えば、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルは、別の表現型状態の対象、例えば、健常な対象に比べて、1つの表現型状態の対象、例えば、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する対象においてより高い。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、炎症細胞、サイトカインもしくはケモカイン、またはそれらの組合せを低下させる方法であって、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含む、方法を提供する。別の実施形態では、対象は、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する。別の実施形態では、対象は、細菌感染によって引き起こされる肺の急性炎症を有する。別の実施形態では、対象は、ARDSを有する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルを低下させる方法であって、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、白血球、例えば、CD45細胞(汎白血球マーカー)、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルを低下させる方法であって、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IL-12p40、CXCL10/IP-10、CXCL9もしくはRANTES、またはそれらの組合せのレベルを低下させる方法であって、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルを低下させる方法であって、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、1つもしくは複数のサイトカイン、例えば、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、化合物1または化合物2であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、化合物1または化合物2を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、白血球、例えば、CD45細胞(汎白血球マーカー)、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、化合物1または化合物2であって、方法が、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、化合物1または化合物2を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IL-12p40、CXCL10/IP-10、CXCL9もしくはRANTES、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、化合物1または化合物2であって、方法が、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、化合物1または化合物2を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL10/IP-10、CXCL9、RANTES、CD45細胞、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、化合物1または化合物2であって、方法が、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、化合物1または化合物2を提供する。
別の実施形態では、本開示は、対象における、1つもしくは複数のサイトカイン、例えば、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬を製造するための、化合物1または化合物の使用であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、白血球、例えば、CD45細胞、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬を製造するための、化合物1または化合物の使用であって、方法が、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IL-12p40、CXCL10/IP-10、CXCL9もしくはRANTES、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬を製造するための、化合物1または化合物の使用であって、方法が、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL10/IP-10、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬を製造するための、化合物1または化合物の使用であって、方法が、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用を提供する。
別の実施形態では、化合物1は、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩(すなわち、レリグリタゾン)である。
別の実施形態では、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患は、過炎症である。
別の実施形態では、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患は、全身性炎症反応症候群(SIRS)である。
別の実施形態では、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)または急性肺損傷(ALI)である。
別の実施形態では、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患は、肺炎である。
別の実施形態では、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患は、過炎症性症候群である。別の実施形態では、過炎症性症候群は、高サイトカイン血症または「サイトカインストーム」である。別の実施形態では、高サイトカイン血症は、多臓器不全に関係する。別の実施形態では、過炎症性症候群は、血球貪食性リンパ組織球症である。
別の実施形態では、ウイルス感染は、二本鎖および一本鎖DNAウイルスによって引き起こされる。例示的なDNAウイルスには、以下に限定されないが、水痘、ヒトサイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスタイプ1、アデノウイルス、パピロウイルス(papillovirus)、水痘帯状疱疹(varicell-zoster)、サイトメガロウイルス、エプスタイン-バー、天然痘、ウシ痘、ワクシニア(vaccionia)ウイルスおよびパルボウイルスが含まれる。
別の実施形態では、ウイルス感染は、RNAウイルスによって引き起こされる。例示的なRNAウイルスには、以下に限定されないが、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザ-3ウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス、デングウイルス、黄熱ウイルス、コクサッキーB3ウイルス、脳心筋炎ウイルス、インフルエンザAウイルス、ジカウイルス、エボラウイルス、フニンウイルス、ラッサ熱ウイルス、チクングニヤウイルス レオウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパトウイルス、カルジオウイルス、アフトウイルス、ポリオウイルス、パレコウイルス、エルボウイルス、コブウイルス、テッショウウイルス、コクサッキー、風疹ウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、イサウイルス、トゴトウイルス 麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、牛疫ウイルス、イヌジステンパーウイルス、狂犬病ウイルス、水疱性口内炎、マールブルグウイルス、E型肝炎ウイルス、レンチウイルス(HIV)およびハンタウイルスが含まれる。
別の実施形態では、ウイルス感染は、HIV、カリモウイルス、カカオ膨梢ウイルス(CSSV)およびB型肝炎ウイルスなどの、逆転写ウイルスによって引き起こされる。
別の実施形態では、ウイルス感染は、コロナウイルスによって引き起こされる。
別の実施形態では、コロナウイルスは、動物のコロナウイルスである。
別の実施形態では、コロナウイルスは、ヒトコロナウイルスである。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2の変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVまたはSARS-CoV-2である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVまたはSARS-CoV-2の変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-229Eである。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-229Eの変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-OC43である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-OC43の変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-NL63である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-NL63の変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-HKU1である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、HCoV-HKU1の変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、SARS-CoVである。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、SARS-CoVの変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、MERS-CoVである。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、MERS-CoVの変異株である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
別の実施形態では、ヒトコロナウイルスは、SARS-CoV-2の変異株である。
別の実施形態では、肺の急性炎症は、細菌感染、寄生生物感染、上記のウイルス感染のいずれか(Moldoveanu et al., J Inflamm Res 2:1-11 (2009))または任意の他の原因によって引き起こされる。Rezoagli et al., Ann Transl Med 5(14):282 doi: 10.21037/atm.2017.06.62 (2017)。
別の実施形態では、肺の急性炎症は、肺炎である。
別の実施形態では、肺の急性炎症は、ARDSである。別の実施形態では、ARDSは、ウイルス感染によって引き起こされない。
別の実施形態では、ILDは、薬物/化学物質、例えば、化学療法、環境曝露;自己免疫疾患;または任意の他の、例えば、特発性の原因によって引き起こされる。
別の実施形態では、ILDは、急性間質性肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、石綿症、ベリリウム病、自己免疫性肺胞タンパク症、ブラウ症候群、閉塞性細気管支炎、器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎、慢性肉芽腫症、炭坑労働者の塵肺症、CREST症候群、特発性器質化肺炎、嚢胞性線維症、びまん性特発性肺神経内分泌細胞過形成、びまん性汎細気管支炎、線維性縦隔炎、Froster-Huch症候群、特発性急性好酸球性肺炎、特発性肺線維症(IPF)、特発性肺ヘモジデリン沈着、歌舞伎症候群、カオリン塵肺、カルタゲナー症候群、肺の無形成、マヌブリエ症候群(Manouvrier syndrome)、胎便吸引症候群、非結核性マイコバクテリア肺疾患、上葉性肺線維症(pleuroparenchymal fibroelastosis)、肺胞微石症、再発性呼吸器パピローマ症、呼吸窮迫症候群、ケイ肺症、気管気管支軟化症(tracheobronchomalacia)、Wolf-Hirschhorn症候群またはYoung症候群である。
別の実施形態では、ILDは、特発性肺線維症(IPF)である。
一実施形態では、化合物1または化合物2は、単剤として、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象に投与される。別の実施形態では、化合物1または化合物2は、1種または複数の必要に応じた治療剤と組み合わせて、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象に投与される。必要に応じた治療剤には、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、抗レトロウイルス剤、例えばレムデシビルおよびファビピラビル、IL6阻害剤、例えばケブザラおよびアクテムラ(Roche)、コルチコイド、ならびにアナキンラおよび抗jak阻害剤を含む抗サイトカイン阻害剤が含まれる。
別の実施形態では、化合物1または化合物2は、1種の必要に応じた治療剤と組み合わせて、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象に投与される。
別の実施形態では、化合物1または化合物2は、2種の必要に応じた治療剤と組み合わせて、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象に投与される。
別の実施形態では、化合物1または化合物2は、3種の必要に応じた治療剤と組み合わせて、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象に投与される。
必要に応じた治療剤には、以下に限定されないが、抗ウイルス剤、抗生剤および抗真菌剤が含まれる。
非限定的な例示的な抗ウイルス剤には、オセルタミビル、ガンシクロビル、ロピナビル/リトナビル(Kaletra(登録商標))およびレムデシビルが含まれる。抗ウイルス剤はまた、逆転写酵素阻害剤(RTI)を含む。一実施形態では、RTIは、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)である。非限定的な例示的なNRTIには、アバカビル(ZIAGEN(商標))、アバカビル/ラミブジン(エプジコム)、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン(TRIZIVIR(商標))、アデホビル、アロブジン、アムドキソビル、アプリシタビン、ATRIPLA(登録商標)、BARACLUDE(登録商標)、BIKTARVY(登録商標)、センサブジン、COVIRACIL(商標)、DAPD/DXG、D-D4FC、デクセルブシタビン、ジダノシン(VIDEX(商標))、ジダノシン延長放出(Videx EC)、dOTC、EFdA、エムトリシタビン(EMTRIVA(商標))、エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(DESCOVY(登録商標))、エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TRUVADA(登録商標))、エルブシタビン、フォサルブジン、ラミブジン/ジドブジン(COMBIVIR(商標))、EVIPLERA(商標)、GENVOYA(登録商標)、HIVID(商標)、KIVEXA(商標)、ラミブジン(EPIVIR(商標))、LODENOSINE(商標)、ODEFSEY(登録商標)、PREVEON(登録商標)、ラシビル、スタンピジン、スタブジン(ZERIT(商標))、STRIBILD(登録商標)、TENOFOVIR(商標)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(VIREAD(商標))、TRIUMEQ(登録商標)、トリジビル、VEMLIDY(登録商標)およびジドブジン(RETROVIR(商標))が含まれる。別の実施形態では、RTIは、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)である。非限定的な例示的なNNRTIには、デラビルジン、エファビレンツ、エトラビリン、ネビラピンおよびリルビピリンが含まれる。抗ウイルス剤はまた、プロテアーゼ阻害剤を含む。非限定的な例示的なプロテアーゼ阻害剤には、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アタザナビル、ダルナビルおよびチプラナビルが含まれる。
一実施形態では、1種または複数の必要に応じた治療剤は、メリメポディブ、トシリズマブ(Actemra(登録商標))、ファビピラビル(Avigan(登録商標))、トシリズマブ/ファビピラビル、レロンリマブ(PRO140)、レムデシビル、ルキソリチニブ(Kevzara(登録商標))、サリルマブ、クロロキンリン酸塩(Aralen(登録商標)、Resochin(登録商標))、クロロキン塩酸塩、アジスロマイシン(Zithromax(登録商標))、硫酸ヒドロキシクロロキン/アジスロマイシン、ロピナビル/リトナビル(Kaletra(登録商標))、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ヒトモノクローナル抗体標的化SARS-CoV-2、APN01、ダノプレビル(Ganovo(登録商標))、TJM2(TJ003234)、セリネクソール(XPOVIO(登録商標))、レメステムセル-L(RYONCIL(商標))、LAM-002(アピリモド)、リンタトリモド(Ampligen(登録商標))、DAS181、CM4620-IE、CAP-1002、SAB-185、ENU200、カモスタットメシル酸塩、IFX-1、ナミルマブ(IZN-101)、GIAPREZA(商標)(アンジオテンシンII)、MN-166(イブジラスト)、Rebif(登録商標)(インターフェロンベータ-1a)、イベルメクチン(Stromectol(登録商標)、Mectizan(登録商標))、NVX-CoV2373、Thiolanox(登録商標)、プリチデプシン(Plitidepsin)(Aplidin(登録商標))、オパガニブ(Yeliva(登録商標))、RHB-107、オパガニブ/RHB-107、EIDD-2801、ギムシルマブ、TAK-888、ARMS-1、GENOSYL(登録商標)(一酸化窒素)ガス、INOpulse(登録商標)、BPI-002、rhu-pGSN、ガリデシビル(BCX4430)、BXT-10、L-グルタミン経口散剤(Endari(登録商標))、シルバント(Sylvant)(シルツキシマブ)、ラインバッカー(Linebacker)、エクイビル(Equivir)、HTCC(N-(2-ヒドロキシプロピル)-3-トリメチルアンモニウム47キトサンクロリド)、ダルナビル(Prezista(登録商標))、ダルナビル/コビシスタット(Prezcobix(商標))、INOmax(登録商標)(一酸化窒素)、WP1122、OYA1、アルビドール(ウミフェノビル)、Remescor(登録商標)、MAN-01、STI-4920(CMAB020)、TZLS-501、IFN-アルファ2b、ニクロサミド、KL4またはWP1122を含む。
化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤は、以下の条件:異なる周期、異なる期間、異なる濃度、異なる投与経路によってなどの1つまたは複数の下で、組み合わせて投与され得る。
一実施形態では、化合物1または化合物2は、連続投薬スケジュールに従い、例えば、処置サイクル期間の間、1日1回または2回、毎日、対象に投与される。
一実施形態では、化合物1または化合物2は、断続的な投薬スケジュール、例えば、処置サイクル期間の間、月曜日、水曜日もしくは金曜日に1日1回もしくは2回、または任意の他の非連続投薬スケジュールに従い、対象に投与される。
一実施形態では、化合物1または化合物2は、対象に経口投与される。別の実施形態では、経口剤形は、経口液剤または経口懸濁剤である。
本明細書において提供される治療法は、化合物1または化合物2を、その所期の目的を達成するのに有効な量で、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症またはILDを有する対象に投与するステップを含む。個体のニーズは様々であるが、各構成成分の有効量の最適な範囲の決定は、当分野の技術範囲内にある。通常、化合物1または化合物2は、約0.05mg/kg~約500mg/kg、約0.05mg/kg~約100mg/kg、約0.05mg/kg~約50mg/kgまたは約0.05mg/kg~約10mg/kgの量で投与される。一実施形態では、化合物1または化合物2は、1日1回、投与される。一実施形態では、化合物1または化合物2は、1日2回、投与される。これらの投与量は、例示であるが、一層多い投与量または一層少ない投与量が利点となる個々の場合もあり得、そのようなものも、本開示の範囲内にある。実際に、医師は、個々の対象にとって最も好適な実際の投薬レジメンを決定し、これは、具体的な対象の年齢、体重および応答により様々となり得る。
単位用量は、化合物1または化合物2を約0.01~約1000mg、例えば、約10~約300mg、例えば、約50~約200mg含むことができる。一実施形態では、化合物1または化合物2の単位経口用量は、0.05mg、1mg、3mg、5mg、7mg、9mg、10mg 12mg、14mg、15mg、17mg、20mg、22mg、25mg、27mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mgまたは約200mgである。単位用量は、毎日、1回または複数回、投与されてもよい。単位用量は、任意の好適な経路によって、例えば、経口により、対象に投与されてもよい。一実施形態では、単位用量は、対象に経口懸濁剤として投与される。
化合物1または化合物2の典型的な1日の経口投与量は、成人の場合、0.1~1000mg、例えば、50~600mg、例えば、80~300mg、例えば、150~200mgである。一実施形態では、成人の場合の1日用量は、約50mg~約300mgである。一実施形態では、成人の場合の1日用量は、約90mg、120mg、150mg、180mgまたは約210mgである。一実施形態では、成人の場合の1日用量は、経口懸濁剤として投与される180mgである。小児の場合の1日用量は、約0.1mg~約180mgである。別の実施形態では、小児の場合の1日の経口用量は、約10mg~約100mgである。
化合物1または化合物2は、未加工化学物質の形態で、対象に投与することができる。化合物1または化合物2はまた、好適な薬学的に許容される担体と組み合わせて化合物を含有する医薬組成物の部分として対象に投与され得る。そのような担体は、薬学的に許容される賦形剤、ビヒクルおよび補助剤から選択され得る。用語「薬学的に許容される担体」、「薬学的に許容されるビヒクル」または「薬学的に許容されるビヒクル」は、標準の薬学的担体、溶媒、界面活性剤またはビヒクルのいずれかを包含する。好適な薬学的に許容されるビヒクルは、水性ビヒクルおよび非水性ビヒクルを含む。標準の薬学的担体およびその製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed. 1995に記載されている。
化合物1または化合物2を含む医薬組成物は、約0.01~99重量パーセント、例えば、約0.25~75重量パーセントの化合物1または化合物2、例えば、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%もしくは約75重量%の化合物1または化合物2を含有することができる。
一実施形態では、1mlあたり約15mgの5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン塩酸塩を含む経口懸濁剤の約1~30ミリリットル、例えば、約5mL、約10mL、約15mL、約20mLまたは約25mLが、1日1回、対象に投与される。
化合物1もしくは化合物2、または化合物1もしくは化合物2を含む医薬組成物は、任意の好適な経路によって、例えば、経口、口内、吸入、舌下、直腸、膣、槽内または腰椎穿刺による髄腔内、経尿道、鼻、経皮(percutaneous)、すなわち、経皮(transdermal)または非経口(静脈内、筋肉内、皮下、冠内(intracoronary)、皮内、乳房内、腹腔内、関節内、髄腔内、眼球後(retrobulbar)、肺内注射および/または特定部位における外科移植を含む)投与によって、対象に投与することができる。剤形は、経路投与に依存する。剤形には、以下に限定されないが、錠剤、糖剤、緩徐放出ロゼンジ剤、カプセル剤、口腔リンス剤および口腔洗浄剤、ゲル剤、毛髪用リンス剤、毛髪用ジェルおよびシャンプー、ならびに坐剤、および静脈注入によって投与するのに好適な液剤、および皮下注射による投与に好適な懸濁剤、および再構成に好適な散剤が含まれる。非経口投与は、ニードルおよびシリンジを使用して、または当分野で公知の他の技法を使用して行うことができる。
本明細書において提供される医薬組成物は、化合物1または化合物2の有益な効果を受けることができる、いずれの対象に投与されてもよい。このような対象の中での最重要なものは、哺乳動物、例えば、ヒトであるが、本明細書において提供される方法および組成物は、そのように限定されることを意図するものではない。他の対象は、獣医学的動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコなどを含む。一実施形態では、対象はヒトである。別の実施形態では、対象は、ヒトコロナウイルスに感染したヒトである。
本明細書において提供される医薬調製物は、慣用的な混合、造粒、糖剤作製、溶解または凍結乾燥プロセスによって製造される。したがって、経口使用のための医薬調製物は、錠剤または糖剤のコアを得るために、活性化合物を固体賦形剤と一緒にし、得られた混合物を必要に応じて摩砕し、所望の場合または必要な場合、好適な補助剤を添加した後に、顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。
好適な賦形剤は、特に、糖、例えば、ラクトースまたはスクロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウムなどの充填剤、および、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプンを使用するデンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤である。所望の場合、上記のデンプン、およびさらにはカルボキシメチル-デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤が添加されてもよい。補助剤は、好適な流動調節剤および滑沢剤とすることができる。好適な補助剤には、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのその塩、および/あるいはポリエチレングリコールが含まれる。糖剤コアは、好適なコーティングが設けられており、このコーティングは、所望の場合、胃液に対して耐性がある。この目的の場合、濃縮糖溶液が使用されてもよく、この溶液は、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を必要に応じて含有してもよい。胃液に耐性のコーティングを生成するために、アセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチル-セルロースフタレートなどの好適なセルロース調製物の溶液が使用される。例えば、活性化合物の用量の組合せを識別するため、または特徴付けるために、染料または顔料を錠剤または糖剤のコーティングに加えてもよい。
経口により使用され得る他の医薬調製物は、ゼラチンから作製されたプッシュフィット式カプセル剤、ならびにゼラチン、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤から作製された軟質の密封カプセル剤を含む。プッシュフィット式カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および必要に応じて安定剤と混合され得る、顆粒剤の形態の活性成分を含有することができる。軟質カプセル剤では、一実施形態では、活性化合物を、脂肪油または流動パラフィンなどの好適な液体中に溶解または懸濁させる。さらに、安定剤が添加されてもよい。
直腸に使用され得る可能な医薬調製物は、例えば、1種または複数の活性化合物と坐剤用基剤との組合せからなる坐剤を含む。好適な坐剤用基剤は、例えば、天然もしくは合成トリグリセリド、またはパラフィン炭化水素である。さらに、活性化合物と基剤との組合せからなる、ゼラチンの直腸用カプセル剤を使用することも可能である。可能な基剤材料には、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコールまたはパラフィン炭化水素が含まれる。
非経口投与に好適な製剤は、水溶性形態、例えば、水溶性塩およびアルカリ溶液中の活性化合物の水溶液を含む。さらに、化合物1または化合物2の懸濁剤が、対象に投与されてもよい。好適な親油性溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルもしくはトリグリセリドまたはポリエチレングリコール-400が含まれる。水性注射懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストランを含む、懸濁剤の粘度を増加させる物質を含んでもよい。必要に応じて、懸濁剤は、安定剤および他の添加物も含有してもよい。
標準薬務に従って製剤化された、治療有効量の化合物1または化合物2が、それを必要とする対象に投与される。そのような処置が適応されるかどうかは、個々の場合に依存し、存在する徴候、症状および/または機能不全、特定の徴候、症状および/または機能不全を発症するリスク、ならびに他の因子を考慮に入れた、医療評価(診断)次第である。
医薬組成物は、化合物1または化合物2が、その所期の目的を達成する有効量で投与されるものを含む。正確な製剤、投与経路および投与量は、診断された状態または疾患を鑑みて、個々の医師により決定される。投与量および間隔は、個々に調節して、治療効果を維持するのに十分な、化合物1または化合物2のレベルを達成することができる。
化合物1または化合物2の毒性および治療的効力は、例えば、対象における毒性を引き起こさない最高用量と規定する、化合物の最大耐量(MTD)を決定するため、細胞培養物または実験動物における、標準医薬手順によって求めることができる。最大耐量と治療効果(例えば、炎症応答の低下、例えば、サイトカインの低下)との間の用量比が、治療指数である。投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で様々となり得る。治療有効量の決定は、とりわけ、本明細書において提供されている詳細な開示に照らし合わせると、当業者の能力の範囲内に十分にある。
治療に使用するために必要な化合物1または化合物2の治療有効量は、処置される疾患の性質、活性が望まれる時間の長さ、ならびに対象の年齢および状態により様々となり、最終的には、担当医師により決定される。例えば、投与量および間隔は、個々に調節して、所望の治療効果を維持するのに十分な、化合物1の血漿中レベルを提供することができる。所望の用量は、単回用量で、または適切な間隔で、例えば、1日あたり、1回、2回、3回、4回またはそれより多い部分用量として投与される複数回用量として都合よく投与することができる。
III. キット
別の実施形態では、本開示は、本開示の方法を実施するため、その使用を促進するように包装された、化合物1または化合物2(または、化合物1または化合物2を含む組成物)を含むキットを提供する。化合物1または化合物2は、例えば、経口懸濁剤として、対象に投与するのに好適な任意の投与量で提供されてもよい。
一実施形態では、本キットは、容器に貼り付けられた、またはキット中に含まれる、本開示の方法を実施するための本化合物または組成物の使用を説明するラベルと共に、密封ボトルまたは容器などの容器中に包装された、化合物1もしくは化合物2またはそれらの組成物を含む。一実施形態では、単位剤形で包装されている、化合物1もしくは化合物2、またはそれらの組成物。本キットは、化合物1もしくは化合物2、またはそれらの医薬組成物の単回用量または複数回用量を含んでもよい。
別の実施形態では、本キットは、化合物1もしくは化合物2またはそれらの医薬組成物を希釈または懸濁するための、薬学的賦形剤を含む第2の容器をさらに含む。一部の実施形態では、第1の容器中で提供される化合物1もしくは化合物2、またはそれらの医薬組成物、および第2の容器中で提供される希釈または懸濁するための薬学的賦形剤が一緒にされて、1個の単位剤形が形成される。
別の実施形態では、本キットは、対象への所期の投与経路に従い、化合物1または化合物2の投与を支援するためのデバイスまたは機器をさらに含む。そのようなデバイスは、シリンジ、カテーテル、または医療的に承認されている任意の送達手段であってもよい。
IV. 定義
本開示を記載する文脈において(とりわけ、特許請求の範囲の文脈において)、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」および類似の指示対象は、特に示さない限り、単数および複数の両方に及ぶと解釈されたい。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書中において特に指摘がない限り、その範囲内に収まる別個の値のそれぞれを個々に言及する省略法として働くことが単に意図されているに過ぎず、別個の値はそれぞれ、あたかも本明細書において個々に列挙されているかのごとく、本明細書に組み込まれている。本明細書において提示されているあらゆる例、または例示的な語句、例えば、「など」の使用は、特に主張しない限り、本開示をよりよく例示することを意図しており、本開示の範囲に関する限定ではない。本明細書中におけるいかなる語句も、本開示の実施に必須なものとして、特許請求されていないいずれの要素をも示すものとして解釈されるべきではない。
用語「約」は、本明細書で使用される場合、列挙された数±10%を含む。したがって、「約10」は、9~11を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「処置する」、「処置すること」、「処置」などは、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患および/またはそれらに関連する症状をなくす、軽減するまたは改善することを指す。ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の症状には、以下に限定されないが、発熱、咳および息切れが含まれる。除外するものではないが、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置することは、状態、疾患、またはそれらに関連する症状を完全になくすことを必要としない。しかし、一実施形態では、化合物1または化合物2の投与により、炎症性肺状態または疾患、および関連症状が完全になくなる。
用語「治療有効量」とは、本明細書で使用される場合、炎症性肺状態もしくは疾患の1つもしくは複数の症状の改善をもたらす、または炎症性肺状態もしくは疾患の進行を予防する、またはウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患の退行を引き起こすのに十分な、化合物1もしくは化合物2、および/または1種もしくは複数の必要に応じた治療剤の量を指す。一実施形態では、例えば、ウイルス感染(例えば、ヒトコロナウイルス感染)によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置に関して、治療有効量は、治療的応答を引き起こす、例えば、対象における炎症および/または炎症応答を、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%もしくは少なくとも約100%、またはこれより高く、軽減する、化合物1または化合物2の量を指す。一実施形態では、対象における1種または複数のサイトカインのレベルを低下させることに関すると、治療有効量は、対象、または対象から採取した生体試料におけるサイトカインのレベルの約1%~約300%の全体的な低下を引き起こす、化合物1または化合物2の量を指す。対象におけるサイトカイン発現レベルは、当分野で公知のアッセイ技法を使用して決定することができる。例えば、Amsen et al., Methods Mol Biol. 511: 107-142 (2009)を参照されたい。例示的な非限定的なアッセイは、PCRをベースとするアッセイ、in situでのハイブリダイゼーションアッセイ、フローサイトメトリーアッセイおよび免疫学的または免疫組織学的アッセイを含む。
したがって、用語「容器」は、化合物1または化合物2を保管する、輸送する、分注するおよび/または取り扱うのに好適な、任意のレセプタクルおよび閉鎖物(closure)を意味する。非限定的な例示的な容器は、バイアル、アンプル、ボトルおよびシリンジを含む。
用語「インサート」とは、医師、薬剤師および対象が、製品の使用に関して情報に基づく決定を行うことを可能にするために必要な安全性および効力データと共に、製品を投与する方法の説明を提示する、医薬製品に伴う情報を意味する。添付文書は、一般に、医薬製品に関する「ラベル」とみなされる。
一部の実施形態では、2種またはそれより多い治療剤を組み合わせて投与すると、相乗効果を有することができる。「相乗効果」または「相乗性組合せ」または「相乗性組成物」におけるような、用語「相乗作用」、「相乗性」、「相乗的に」およびそれらの派生語とは、本明細書で使用される場合、薬剤および少なくとも1種の追加の治療剤の組合せの生物活性が、個々の薬剤が個々に投与された場合の生物活性の合計よりも大きい状況を指す。例えば、用語「相乗的に有効な」とは、本明細書で使用される場合、複数の薬物の総効果が、各薬物の個々の効果の合計よりも大きくなることを引き起こす、化合物1または化合物2と別の治療剤との間の相互作用を指す。Berenbaum, Pharmacological Reviews 41:93-141 (1989)。
相乗作用は、「相乗作用指数(synergy index)(SI)」に関して表すことができ、これは、F. C. Kull et al. Applied Microbiology 9, 538 (1961)によって記載されている方法によって、以下:
+Q=相乗作用指数(SI)
(式中、
は、構成成分Aに関する、エンドポイントを生じる、単独で作用する構成成分Aの濃度であり、
は、エンドポイントを生じる、混合物中での構成成分Aの濃度であり、
は、構成成分Bに関する、エンドポイントを生じる、単独で作用する構成成分Bの濃度であり、および
は、エンドポイントを生じる、混合物中での構成成分Bの濃度である)
によって決定される比から、一般に、決定することができる。
一般に、Q/QおよびQ/Qの和が、1より大きい場合、拮抗作用が示される。和が1に等しい場合、相加性が示される。和が1未満である場合、相乗作用が実証される。SIが小さいほど、その具体的な混合物によって示される相乗作用が大きくなる。したがって、「相乗性組合せ」は、単独で使用される際に、個々の構成成分の観察された活性に基づいて予期され得るものよりも高い活性を有する。さらに、構成成分の「相乗的に有効な量」とは、例えば、組成物中に存在する別の治療剤において相乗効果を発揮するのに必要な、構成成分の量を指す。
用語「断続的用量投与」、「断続的な投薬スケジュール」および類似の用語は、本明細書で使用される場合、化合物1または化合物2の対象への非連続投与を指す。例えば、月曜日、水曜日および金曜日に対象に化合物1または化合物2を投与し、火曜日、木曜日、土曜日および日曜日に投与しないことが、非限定的な例示的な断続的な投薬スケジュールである。
化合物1または化合物2の断続的用量投与は、連続投薬により達成される効力を維持または改善することがあるが、副作用は少なく、例えば、体重減少が少ない。本開示において有用な断続的用量投与レジメンは、それを必要とする対象への化合物1または化合物2の治療有効量を提供する任意の不連続な投与レジメンを包含する。断続的な投薬レジメンは、連続投薬レジメンにおいて使用される場合と等しい用量、それよりも少ない用量、または多い用量の化合物1または化合物2を使用することができる。化合物1または化合物2の断続的用量投与の利点には、以下に限定されないが、安全性の改善、毒性の低下、例えば、体重低下の減少、曝露の増大、効力の増大、および/または対象の服薬遵守の向上が含まれる。化合物1または化合物2が、単剤として投与された場合、または1種または複数の必要に応じた治療剤と組み合わせて投与された場合、これらの利点が実現され得る。投与は、化合物1または化合物2を、対象に投与するよう計画されたその日に、単回用量で、または分割用量で、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、またはそれより多く行われ得る。投薬はまた、任意の好適な経路、例えば、経口、静脈内または皮下を介して行うことができる。一実施形態では、化合物1または化合物2は、対象に経口投与される。別の実施形態では、化合物1または化合物2は、化合物を投与するよう計画されたその日に、1回(QD)または2回(BID)、対象に投与される。
化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤を対象に投与することに関連して使用される、「組み合わせて」という語句は、化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤が、例えば、単一医薬組成物もしくは製剤の部分として一緒に、または例えば、2種もしくはそれより多い別個の医薬組成物もしくは製剤の部分として別個に、対象に投与され得ることを意味する。したがって、化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤を対象に投与することに関連して使用される、「組み合わせて」という語句は、化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤を逐次に投与することを包含することが意図されており、この場合、化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤は、異なる時間に対象に投与される、および同時に投与される、または実質的に同時に投与される。化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤の逐次投与または実質的同時投与は、以下に限定されないが、経口経路、静脈内経路、皮下経路、筋肉内経路などを含む、任意の適切な経路によって実施され得る。化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤は、同一経路によって、または異なる経路によって投与され得る。例えば、組合せのうちの1種または複数の必要に応じた治療剤は、静脈内注射により投与されてもよい一方、組合せのうちの化合物1は、経口投与されてもよい。化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤はまた、交互に投与されてもよい。一実施形態では、化合物1または化合物2および1種または複数の必要に応じた治療剤は、別個に、例えば、2種またはそれより多くの別個の医薬組成物または製剤の部分として、対象に投与される。
用語「ヒトコロナウイルス」とは、本明細書で使用される場合、ヒトに感染する、棒状突起物がちりばめられた脂質エンベロープを有する、プラス鎖RNAウイルス、およびその変異株を指す。Sexton et al., Journal of Virology 90:7415-7428 (2016)。
用語「HCoV-229E」、「HCoV-OC43」、「HCoV-NL63」、「HCoV-HKU1」、「SARS-CoV」、「MERS-CoV」および「SARS-CoV-2」は、本明細書で使用される場合、ヒトに感染することが知られている、コロナウイルス病原体を指す。Lim et al., Diseases 2016, 4, 26; doi:10.3390/diseases4030026; Lai et al., International Journal of Antimicrobial Agent 55:1-9 (2020)。
用語「急性呼吸窮迫症候群」または「ARDS」とは、本明細書で使用される場合、とりわけ血液中の低い酸素レベルをもたらす、肺の状態を指す。Raniei et al., JAMA 307:2526-2533 (2012)。
用語「全身性炎症反応症候群」または「SIRS」は、本明細書で使用される場合、体全体に罹患する炎症状態を指す。Jaffer et al., HSR Proc Intensive Care Cardiovasc Anesth. 2: 161-175 (2010)。SIRSの合併症には、以下に限定されないが、急性腎臓損傷、ショックおよび多臓器不全症候群が含まれる。SIRSの症状発現には、以下に限定されないが、36℃(96.8°F)未満または38℃(100.4°F)より高い体温;1分間あたり90拍より多い心拍数;1分間あたり20回の呼吸より多い頻呼吸(高い呼吸数);または4.3kPa(32mmHg)未満の二酸化炭素の動脈血分圧;および4000個の細胞/mm(4×109細胞/L)未満または12,000個の細胞/mm(12×109細胞/L)超の白血球数が含まれる。これらの診断基準の2つまたはそれより多くが、感染の証拠を伴ってまたは伴わずに合致する場合、患者は、SIRSと診断され得る。Bone et al., Chest 101:1644-1655 (1992)。
「コロナウイルス疾患2019」または「COVID-19」という用語は、本明細書で使用される場合、SARS-CoV-2によって引き起こされるウイルス性呼吸器疾患を指す。
用語「レベル」、「発現のレベル」、「発現レベル」などは、互換的に使用され、対象、または対象から採取した生体試料中に存在するサイトカインの量を指す。
用語「レベルの低下」などは、本明細書で使用される場合、参照値、または対象に由来する別の生体試料と比べた、対象、または対象から採取した生体試料におけるサイトカインのレベルの約1%~約1000%、例えば、約1%~約300%、約1%~約100%、約5%~約75%または約30%~約70%の全体的な低下を指す。一実施形態では、レベルの低下は、参照値、または対象に由来する別の生体試料と比べた、対象、または対象から採取した生体試料におけるサイトカインのレベルの約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%または約500%の全体的な低下を指す。
用語「レベルの上昇」などは、本明細書で使用される場合、参照値、または対象に由来する別の生体試料と比べた、対象、または対象から採取した生体試料におけるサイトカインのレベルの約1%~約1000%、例えば、約1%~約300%、約1%~約100%、約5%~約50%、または約30%~約70%の全体的な上昇を指す。一実施形態では、レベルの上昇は、参照値、または対象に由来する別の生体試料と比べた、対象、または対象から採取した生体試料におけるサイトカインのレベルの約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%または約500%の全体的な上昇を指す。
用語「参照値」とは、本明細書で使用される場合、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有さない対象、あるいはウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有さない対象から採取した生体試料に存在する、サイトカインの量の所定の値を指す。当業者が認識している通り、参照値は、予め決められており、例えば、サイトカインを定量するために使用される具体的なサイトカイン検出アッセイの特異度および/または感度に関して、要件を満たすように設定される。例えば、アッセイ感度または特異度はそれぞれ、ある特定の限界値、例えば、80%、90%または95%に設定されなければならないことがある。これらの要件は、正または負の予測値に関しても定義され得る。それにもかかわらず、本開示の教示に基づいて、それらの要件を満たす参照値に到達することが常に可能となる。一実施形態では、参照値は健常な個体において決定される。参照値は、一実施形態では、対象が属する疾患実体、例えば、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患において、予め決められている。ある特定の実施形態では、参照値は、調査した疾患実体における、値の全体的な分布の、例えば25%~75%の間の任意のパーセンテージに設定することができる。他の実施形態では、参照レベルは、調査した疾患実体または所与の集団における、値の全体的な分布から決定される、例えば、メジアン、三分位数、四分位数または五分位数に設定することができる。一実施形態では、参照値は、調査した疾患実体における、値の全体的な分布から決定される、メジアン値に設定される。一実施形態では、参照値は、患者の性別に依存することがあり、例えば、男性および女性は、対象の状態または疾患の、異なる参照レベルおよび/または重症度を有することがある。
サイトカイン発現レベルは、PCRベースのアッセイ、in situハイブリダイゼーションアッセイ、フローサイトメトリーアッセイ、免疫学的または免疫組織学的アッセイなどの、いくつかの公知のin vitroアッセイ技法の1つによって求めることができる。一実施形態では、サイトカイン発現レベルは、定量的PCR、プロテオミクス、免疫学的方法、プロテオミクス、例えば、ELISA、酵素結合免疫吸着スポット(ELIspot)、抗体アレイアッセイおよびビーズベースのアッセイ、フローサイトメトリーまたはマイクロ流体プラットフォームによって求められる。別の実施形態では、サイトカイン発現レベルは、免疫学的アッセイ、例えば、ELISAによって求められる。
非限定的な、例示的なサイトカインとしてIL-4を使用する例として、好適な技法は、生体試料をIL-4またはIL-4に対する受容体に結合することが可能な作用剤に接触させ、この作用剤とIL-4、またはIL-4に対する受容体との複合体の形成を検出することによって、試料中のIL-4またはIL-4に対する受容体のレベルを検出する方法を含む。作用剤は、任意の好適な結合性分子、例えば、抗体、ポリペプチド、ペプチド、オリゴヌクレオチド、アプタマーまたは低分子とすることができ、形成された複合体の検出を可能にするよう、例えば可視化するよう必要に応じて標識されてもよい。それらの検出のための好適な標識および手段は、当業者に周知であり、蛍光標識(例えば、フルオレセイン、ローダミン、エオシンおよびNDB、緑色蛍光タンパク質(GFP)、ユーロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)およびサマリウム(Sm)などの希土類元素のキレート、テトラメチルローダミン、Texas Red、4-メチルウンベリフェロン、7-アミノ-4-メチルクマリン、Cy3、Cy5)、同位体マーカー、放射性同位体(例えば、32P、33P、35S)、化学発光標識(例えば、アクリジニウムエステル、ルミノール、イソルミノール)、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ)、抗体、リガンドおよび受容体を含む。検出技法は、当業者に周知であり、標識剤に対応するよう選択することができる。好適な技法には、オリゴヌクレオチドタグのPCR増幅、質量分析法、例えば、レポータータンパク質による基質の酵素変換時の蛍光もしくは色の検出、または放射能の検出が含まれる。アッセイは、試料中のIL-4、またはIL-4に対する受容体の量を定量するよう構成され得る。対象からの試験試料に由来する、IL-4、またはIL-4に対する受容体の定量した量は、参照値または対象に由来する別の試料と比較してもよく、この比較は、試験試料が、参照値または他の試料の量よりも多い、または少ないIL-4、またはIL-4に対する受容体の量を、統計学的有意性の選択された程度に含有しているかどうかを決定するために使用することができる。一実施形態では、例えば、化合物1または化合物2の投与前に対象から採取した生体試料中のIL-4の量を、化合物1または化合物2の投与後、例えば、投与の1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、1週間後、2週間後、3週間後または4週間後に対象から採取した生体試料中のIL-4の量と比較することができる。
対象から得られた生体試料は、任意の種類であってもよい。試料は、任意の組織または体液、例えば、血液試料、血液に由来する試料、血清試料、リンパ液試料、精液試料、唾液試料、滑液試料から採取されてもよい。血液に由来する試料は、対象の血液の選択された画分、例えば、選択された細胞を含有する画分、または血漿もしくは血清画分とすることができる。試料は、組織試料もしくは生検材料;または対象から分離された細胞を含んでもよい。試料は、生検またはニードル吸引などの公知技法によって採取することができる。生体試料は、サイトカイン発現レベルを後で決定するため、保管および/または処理されてもよい。
一部の実施形態では、生体試料は、肺組織試料である。他の実施形態では、生体試料は、気管支肺胞洗浄液である。
用語「IP-10」とは、本明細書で使用される場合、CXCL10遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。IP-10はまた、C-X-Cモチーフケモカインリガンド10(CXCL10)または小誘導性サイトカインB10としても知られている。
用語「IL-4」とは、本明細書で使用される場合、インターロイキン4として知られるサイトカインを指す。
用語「IFNα2」とは、本明細書で使用される場合、IFNA2遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。IFNα2は、インターフェロンアルファ-2としても知られている。
用語「IFNγ」とは、本明細書で使用される場合、IFNG遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。IFNγはまた、タイプIIインターフェロンまたはインターフェロンガンマとしても知られている。
用語「TNFα」とは、本明細書で使用される場合、腫瘍壊死因子アルファまたはTNF-アルファとして知られるサイトカインを指す。
用語「MCP1」は、本明細書で使用される場合、単球走化性タンパク質1、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド2(CCL2)または小誘導性サイトカインA2としても知られるサイトカインを指す。
用語「IL-6」とは、本明細書で使用される場合、IL6遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。IL-6は、インターロイキン6としても知られている。
用語「MIP1-α」とは、本明細書で使用される場合、CCL遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。MIP1-αは、マクロファージ炎症性タンパク質1-アルファまたはケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド3(CCL3)としても知られている。
用語「IL-12p40」とは、本明細書で使用される場合、IL12B遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。IL-12p40は、IL-12B、ナチュラルキラー細胞刺激因子2、細胞毒性リンパ球成熟因子p40またはインターロイキン-12サブユニットp40としても知られている。
用語「CXCL9」とは、本明細書で使用される場合、ガンマインターフェロン(MIG)によって誘導されるモノカインとして知られるサイトカインを指す。
用語「RANTES」とは、本明細書で使用される場合、CCL5遺伝子によってコードされるサイトカインを指す。
用語「CD45」とは、本明細書で使用される場合、白血球共通抗原である汎白血球マーカーとしても知られる膜貫通タンパク質チロシンホスファターゼを指す。
V. 特定の実施形態
本開示は、それを必要とする対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルの低下に関する、以下の特定の実施形態を提供する。
実施形態1. それを必要とする対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6またはMIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルを低下させる方法であって、対象に治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含み、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法。
実施形態2. 対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有する、実施形態1の方法。
実施形態3. ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、実施形態2の方法。
実施形態4. ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、実施形態3の方法。
実施形態5. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態4の方法。
実施形態6. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、実施形態5の方法。
実施形態7. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、実施形態2~6のいずれか1つの方法。
実施形態8. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、実施形態7の方法。
実施形態9. 対象が肺の急性炎症を有する、実施形態1の方法。
実施形態10. 肺の急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、実施形態9の方法。
実施形態11. 対象が間質性肺疾患を有する、実施形態1の方法。
実施形態12. 間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、実施形態11の方法。
実施形態13. 対象に1種または複数の必要に応じた治療剤を投与するステップをさらに含む、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
実施形態14. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を対象に投与するステップを含む、実施形態1~13のいずれか1つの方法。
実施形態15. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、対象に経口懸濁剤として投与される、実施形態14の方法。
実施形態16. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、対象に投与される、実施形態15の方法。
実施形態17. IP-10のレベルが低下する、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
実施形態18. IL-4のレベルが低下する、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
実施形態19. IFNα2のレベルが低下する、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
実施形態20. IFNγのレベルが低下する、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
実施形態21. TNFαのレベルが低下する、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
実施形態22. MCP1のレベルが低下する、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
実施形態23. IL-6のレベルが低下する、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
実施形態24. MIP1-αのレベルが低下する、実施形態1~23のいずれか1つの方法。
実施形態25. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、免疫学的方法、例えば、ELISAによって測定される、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
実施形態26. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、約1%~約100%、例えば、約5%~約95%、例えば、約10%~約90%、例えば、約20%~約85%、例えば、約30%~約70%、例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
実施形態27. IP-10のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態26の方法。
実施形態28. IL-4のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態26または27の方法。
実施形態29. IFNα2のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態26~28のいずれか1つの方法。
実施形態30. IFNγのレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態26~29のいずれか1つの方法。
実施形態31. 対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、(i)化合物1および薬学的に許容される担体;または(ii)化合物2および薬学的に許容される担体を含む組成物であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、組成物。
実施形態32. 対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有する、実施形態31の組成物。
実施形態33. ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、実施形態32の組成物。
実施形態34. ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、実施形態33の組成物。
実施形態35. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態34の組成物。
実施形態36. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、実施形態35の組成物。
実施形態37. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、実施形態32~36のいずれか1つの組成物。
実施形態38. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、実施形態37の組成物。
実施形態39. 対象が肺の急性炎症を有する、実施形態31の組成物。
実施形態40. 肺の急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、実施形態39の組成物。
実施形態41. 対象が間質性肺疾患を有する、実施形態31の組成物。
実施形態42. 間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、実施形態41の組成物。
実施形態43. 対象に1種または複数の必要に応じた治療剤とともに投与する、実施形態31~42のいずれか1つの組成物。
実施形態44. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を対象に投与するステップを含む、実施形態31~43のいずれか1つの組成物。
実施形態45. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、対象に経口懸濁剤として投与される、実施形態44の組成物。
実施形態46. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、対象に投与される、実施形態45の組成物。
実施形態47. IP-10のレベルが低下する、実施形態1~46のいずれか1つの組成物。
実施形態48. IL-4のレベルが低下する、実施形態1~47のいずれか1つの組成物。
実施形態49. IFNα2のレベルが低下する、実施形態1~48のいずれか1つの組成物。
実施形態50. IFNγのレベルが低下する、実施形態1~49のいずれか1つの組成物。
実施形態51. TNFαのレベルが低下する、実施形態1~50のいずれか1つの組成物。
実施形態52. MCP1のレベルが低下する、実施形態1~51のいずれか1つの組成物。
実施形態53. IL-6のレベルが低下する、実施形態1~52のいずれか1つの組成物。
実施形態54. MIP1-αのレベルが低下する、実施形態1~53のいずれか1つの組成物。
実施形態55. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、定量的PCR、プロテオミクス、免疫学的方法、プロテオミクス、例えば、ELISA、酵素結合免疫吸着スポット(ELIspot)、抗体アレイアッセイおよびビーズベースのアッセイ、フローサイトメトリーまたはマイクロ流体プラットフォームによって測定される、実施形態31~44のいずれか1つの組成物。
実施形態56. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、約1%~約100%低下する、実施形態31~55のいずれか1つの組成物。
実施形態57. IP-10のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態56の組成物。
実施形態58. IL-4のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態56または57の組成物。
実施形態59. IFNα2のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態56~58のいずれか1つの組成物。
実施形態60. IFNγのレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態56~59のいずれか1つの組成物。
実施形態61. 対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6またはMIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、好中球、またはT細胞、またはそれらの組合せのレベルの低下における使用のための化合物1または化合物2であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、化合物1または化合物2。
実施形態62. 対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有する、実施形態61の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態63. ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、実施形態62の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態64. ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、実施形態63の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態65. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態64の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態66. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、実施形態65の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態67. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、実施形態62~66のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態68. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、実施形態67の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態69. 対象が肺の急性炎症を有する、実施形態61の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態70. 肺の急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、実施形態69の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態71. 対象が間質性肺疾患を有する、実施形態61の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態72. 間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、実施形態71の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態73. 対象に1種または複数の必要に応じた治療剤を投与するステップをさらに含む、実施形態61~72のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態74. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を対象に投与するステップを含む、実施形態61~73のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態75. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、対象に経口懸濁剤として投与される、実施形態74の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態76. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、対象に投与される、実施形態75の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態77. IP-10のレベルが低下する、実施形態61~76のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態78. IL-4のレベルが低下する、実施形態61~77のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態79. IFNα2のレベルが低下する、実施形態61~78のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態80. IFNγのレベルが低下する、実施形態61~79のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態81. TNFαのレベルが低下する、実施形態61~80のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態82. MCP1のレベルが低下する、実施形態61~81のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態83. IL-6のレベルが低下する、実施形態61~82のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態84. MIP1-αのレベルが低下する、実施形態61~83のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態85. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、免疫学的方法、例えば、ELISAによって測定される、実施形態61~84のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態86. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、約1%~約100%、例えば、約5%~約95%、例えば、約10%~約90%、例えば、約20%~約85%、例えば、約30%~約70%、例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する、実施形態61~85のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態87. IP-10のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態86の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態88. IL-4のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態86または87の使用のための化合物1または化合物2。
実施形態89. IFNα2のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態86~88のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態90. IFNγのレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態86~89のいずれか1つの使用のための化合物1または化合物2。
実施形態91. 対象における、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬の製造における化合物1または化合物2の使用であって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用。
実施形態92. 対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有する、実施形態91の使用。
実施形態93. ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、実施形態92の使用。
実施形態94. ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、実施形態93の使用。
実施形態95. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態94の使用。
実施形態96. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、実施形態95の使用。
実施形態97. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、実施形態92~96のいずれか1つの使用。
実施形態98. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、実施形態97の使用。
実施形態99. 対象が肺の急性炎症を有する、実施形態91の使用。
実施形態100. 肺の急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、実施形態99の使用。
実施形態101. 対象が間質性肺疾患を有する、実施形態91の使用。
実施形態102. 間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、実施形態101の使用。
実施形態103. 対象に1種または複数の必要に応じた治療剤を投与するステップをさらに含む、実施形態91~102のいずれか1つの使用。
実施形態104. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を対象に投与するステップを含む、実施形態91~103のいずれか1つの使用。
実施形態105. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、対象に経口懸濁剤として投与される、実施形態104の使用。
実施形態106. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、対象に投与される、実施形態105の使用。
実施形態107. IP-10のレベルが低下する、実施形態91~106のいずれか1つの使用。
実施形態108. IL-4のレベルが低下する、実施形態91~107のいずれか1つの使用。
実施形態109. IFNα2のレベルが低下する、実施形態91~108のいずれか1つの使用。
実施形態110. IFNγのレベルが低下する、実施形態91~109のいずれか1つの使用。
実施形態111. TNFαのレベルが低下する、実施形態91~110のいずれか1つの使用。
実施形態112. MCP1のレベルが低下する、実施形態91~111のいずれか1つの使用。
実施形態113. IL-6のレベルが低下する、実施形態91~112のいずれか1つの使用。
実施形態114. MIP1-αのレベルが低下する、実施形態91~113のいずれか1つの使用。
実施形態115. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、免疫学的方法、例えば、ELISAによって測定される、実施形態91~114のいずれか1つの使用。
実施形態116. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、約1%~約100%、例えば、約5%~約95%、例えば、約10%~約90%、例えば、約20%~約85%、例えば、約30%~約70%、例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する、実施形態91~115のいずれか1つの使用。
実施形態117. IP-10のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態116の使用。
実施形態118. IL-4のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態116または117の使用。
実施形態119. IFNα2のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態116~118のいずれか1つの使用。
実施形態120. IFNγのレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態116~119のいずれか1つの使用。
実施形態121. 容器中の化合物1または化合物2、およびIP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルの上昇を有する対象に化合物1または化合物2を投与するための指示を含むキットであって、対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患、肺の急性炎症または特発性肺線維症を有する、キット。
実施形態122. 対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有する、実施形態121のキット。
実施形態123. ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、実施形態122のキット。
実施形態124. ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、実施形態123のキット。
実施形態125. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態124のキット。
実施形態126. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、実施形態125のキット。
実施形態127. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、実施形態122~126のいずれか1つのキット。
実施形態128. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、実施形態127のキット。
実施形態129. 対象が肺の急性炎症を有する、実施形態121のキット。
実施形態130. 肺の急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、実施形態129のキット。
実施形態131. 対象が間質性肺疾患を有する、実施形態121のキット。
実施形態132. 間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、実施形態131のキット。
実施形態133. 対象に1種または複数の必要に応じた治療剤を投与するステップをさらに含む、実施形態121~132のいずれか1つのキット。
実施形態134. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を対象に投与するステップを含む、実施形態121~133のいずれか1つのキット。
実施形態135. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、対象に経口懸濁剤として投与される、実施形態134のキット。
実施形態136. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、対象に投与される、実施形態135のキット。
実施形態137. IP-10のレベルが低下する、実施形態121~136のいずれか1つのキット。
実施形態138. IL-4のレベルが低下する、実施形態121~137のいずれか1つのキット。
実施形態139. IFNα2のレベルが低下する、実施形態121~138のいずれか1つのキット。
実施形態140. IFNγのレベルが低下する、実施形態121~139のいずれか1つのキット。
実施形態141. TNFαのレベルが低下する、実施形態121~140のいずれか1つのキット。
実施形態142. MCP1のレベルが低下する、実施形態121~141のいずれか1つのキット。
実施形態143. IL-6のレベルが低下する、実施形態121~142のいずれか1つのキット。
実施形態144. MIP1-αのレベルが低下する、実施形態121~143のいずれか1つのキット。
実施形態145. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、免疫学的方法、例えば、ELISAによって測定される、実施形態121~144のいずれか1つのキット。
実施形態146. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、約1%~約100%、例えば、約5%~約95%、例えば、約10%~約90%、例えば、約20%~約85%、例えば、約30%~約70%、例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する、実施形態121~145のいずれか1つのキット。
実施形態147. IP-10のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態146のキット。
実施形態148. IL-4のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態146または147のキット。
実施形態149. IFNα2のレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態146~148のいずれか1つのキット。
実施形態150. IFNγのレベルが、約20%~約85%低下する、実施形態146~149のいずれか1つのキット。
実施形態151. それを必要とする対象に、治療有効量の化合物1または化合物2を投与するステップを含む方法であって、
(a)対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有しており、
(b)ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患が、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、好中球もしくはT細胞、またはそれらの組合せのレベルの上昇を有することを特徴とする、
方法。
実施形態152. 対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を有する、実施形態151の方法。
実施形態153. ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、実施形態152の方法。
実施形態154. ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、実施形態153の方法。
実施形態155. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態154の方法。
実施形態156. ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、実施形態155の方法。
実施形態157. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、実施形態152~156のいずれか1つの方法。
実施形態158. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、実施形態157の方法。
実施形態159. 対象が肺の急性炎症を有する、実施形態151の方法。
実施形態160. 肺の急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、実施形態159の方法。
実施形態161. 対象が間質性肺疾患を有する、実施形態151の方法。
実施形態162. 間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、実施形態161の方法。
実施形態163. 対象に1種または複数の必要に応じた治療剤を投与するステップをさらに含む、実施形態151~162のいずれか1つの方法。
実施形態164. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を対象に投与するステップを含む、実施形態151~163のいずれか1つの方法。
実施形態165. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、対象に経口懸濁剤として投与される、実施形態164の方法。
実施形態166. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、対象に投与される、実施形態165の方法。
実施形態167. IP-10のレベルが上昇する、実施形態151~166のいずれか1つの方法。
実施形態168. IL-4のレベルが上昇する、実施形態151~167のいずれか1つの方法。
実施形態169. IFNα2のレベル上昇する、実施形態151~168のいずれか1つの方法。
実施形態170. IFNγのレベルが上昇する、実施形態151~169のいずれか1つの方法。
実施形態171. TNFαのレベルが上昇する、実施形態151~170のいずれか1つの方法。
実施形態172. MCP1のレベルが上昇する、実施形態151~171のいずれか1つの方法。
実施形態173. IL-6のレベルが上昇する、実施形態151~172のいずれか1つの方法。
実施形態174. MIP1-αのレベルが上昇する、実施形態151~173のいずれか1つの方法。
実施形態175. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、免疫学的方法、例えば、ELISAによって測定される、実施形態151~174のいずれか1つの方法。
実施形態176. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6もしくはMIP1-α、またはそれらの組合せのレベルが、約1%~約100%、例えば、約5%~約95%、例えば、約10%~約90%、例えば、約20%~約85%、例えば、約30%~約70%、例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%上昇する、実施形態151~175のいずれか1つの方法。
実施形態177. IP-10のレベルが、約20%~約85%上昇する、実施形態176の方法。
実施形態178. IL-4のレベルが、約20%~約85%上昇する、実施形態176または177の方法。
実施形態179. IFNα2のレベルが、約20%~約85%上昇する、実施形態176~178のいずれか1つの方法。
実施形態180. IFNγのレベルが、約20%~約85%上昇する、実施形態176~179のいずれか1つの方法。
実施形態181. IL-12p40のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態1~30のいずれか1つの方法。
実施形態182. CXCL9のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態1~30または181のいずれか1つの方法。
実施形態183. RANTESのレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態1~30、181または182のいずれか1つの方法。
実施形態184. CD45細胞のレベルが、例えば、約30%~約60%低下する、実施形態1~30または181~183のいずれか1つの方法。
実施形態185. 好中球のレベルが、例えば、約40%~約80%低下する、実施形態1~30または181~184のいずれか1つの方法。
実施形態186. IL-12p40のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態31~60のいずれか1つの組成物。
実施形態187. CXCL9のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態31~60または186のいずれか1つの組成物。
実施形態188. RANTESのレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態31~60、186または187のいずれか1つの組成物。
実施形態189. CD45細胞のレベルが、例えば、約30%~約60%低下する、実施形態31~60または186~188のいずれか1つの組成物。
実施形態190. 好中球のレベルが、例えば、約40%~約80%低下する、実施形態31~60または186~189のいずれか1つの組成物。
実施形態191. IL-12p40のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態61~90のいずれか1つの使用のための、化合物1または化合物2。
実施形態192. CXCL9のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態61~90または191のいずれか1つの使用のための、化合物1または化合物2。
実施形態193. RANTESのレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態61~90、191または192のいずれか1つの使用のための、化合物1または化合物2。
実施形態194. CD45細胞のレベルが、例えば、約30%~約60%低下する、実施形態61~90または191~193のいずれか1つの使用のための、化合物1または化合物2。
実施形態195. 好中球のレベルが、例えば、約40%~約80%低下する、実施形態61~90または191~194のいずれか1つの使用のための、化合物1または化合物2。
実施形態196. IL-12p40のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態91~120のいずれか1つの使用。
実施形態197. CXCL9のレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態91~120または196のいずれか1つの使用。
実施形態198. RANTESのレベルが、例えば、約30%~約90%低下する、実施形態91~120、196または197のいずれか1つの使用。
実施形態199. CD45細胞のレベルが、例えば、約30%~約60%低下する、実施形態91~120または196~198のいずれか1つの使用。
実施形態200. 好中球のレベルが、例えば、約40%~約80%低下する、実施形態91~120または196~199のいずれか1つの使用。
(実施例1)
COVID-19対象の処置
下気道感染症(LRTI)を有する患者に、SARS-CoV-2感染によって引き起こされる肺炎の症状を呈する場合、最大で28日間の期間、MIN-102を、1日1回用量として投与する。1日用量のMIN-102は、経口懸濁剤として180mgとなる。この研究は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってSARS-CoV-2感染、および肺浸潤のX線撮影での証拠によりLRTIが確認された≧18歳の男性および女性の入院患者を募る。患者は、以下の基準:発熱、呼吸数、末梢血中の酸素飽和度、酸素補給の必要性および咳の重症度に基づいて、死亡の発生数、集中治療室への配置の必要性およびLRTIの症状から回復するまでの時間について定期的に調査する。症状が改善した場合、退院時期も決まるであろう。
(実施例2)
SARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質を含有するウイルス様粒子の存在下での、マクロファージ、単球およびDCにおけるサイトカイン産生。
プロトコル:SARS-CoV-2スパイク糖タンパク質VLPは、SARS-CoV-2スパイク糖タンパク質をコードするプラスミド、および非感染性であるが融合性のシュードタイプ化VLP(エボラVP40-eGFP、エボラVP40-ナノ-ルシフェラーゼ、およびエボラ-VP40-ベータラクタマーゼ)を生成するために使用される様々な構築物との共トランスフェクションによって生成する。HEK-293T細胞をトランスフェクトし、48時間後に、ウイルスを含有する上清を採集し、使用するまで-80℃で凍結する。これらのウイルスストックは、Vero E6を使用してトリチウム化し、VP40 ELISA免疫アッセイにより定量する。マクロファージ、単球およびDC(APC;n=3の異なる細胞ドナー)は、レリグリタゾンの非存在下または存在下で24時間、VLPCoV2-スパイク/VP40-eGFPおよびVLPCoV2-スパイク/VP40-ベータラクタマーゼに曝露させる。条件ごとに、12ウェルプレートにおいて、VF=1mlで、0.8×10個の細胞を使用する。3つのAPCを評価する。ウイルス曝露して24時間後、上清を採集し、Luminex評価まで、-80℃で保管する。並行して、細胞も採集し、FACSによってアッセイして測定する。
1)eGFPによるウイルスの取り込み
2)ベータ-ラクタマーゼによるウイルス融合
3)活性化マーカー(HLA-DR、CD83、CD86、Siglec-1、DC-SIGN)の上方調節
上清をサイトカイン放出について評価し、Luminex技術を使用して、モック処置細胞と比較する。
(実施例3)
SARS-CoV-2の存在下での、マクロファージにおけるサイトカイン産生に及ぼすMIN-102の免疫調節効果
材料および方法
Vero E6細胞で増殖し、配列決定済みのSARS-CoV-2臨床分離株を、Vero E6細胞で滴定し、「細胞の50%を死滅させる組織培養感染用量」(TCID50)を確立し、SARS-CoV-2核タンパク質ELISA免疫アッセイ(Sino Biologicals)で定量した。
3名のドナーからの単球(ネガティブ選択)に由来するマクロファージを、Pino et al., Retrovirology 12:37 (2015)に記載されている通りに培養し、MIN-102の非存在下または存在下で、1~2のMOI/TCID50で24時間、SARS-CoV-2臨床分離株に曝露させたかまたは未処置のまま静置した。
MIN-102(レリグリタゾン)を、2つの異なる時点で追加した:1)前処置(感染の48時間前および感染時)、および2)治療(感染時)。再懸濁後、0.5μM、2μMおよび5μMの3つの異なる濃度をアッセイした。対照細胞は、5μMで再懸濁に使用するDMSOビヒクルを含んだ。ウェルあたり330μlのVf中0.3×10個の細胞を、24ウェルプレートに2連でプレートした。以下の条件をドナーごとにアッセイした。
ウイルスなし
DMSO10%を含む5μMのビヒクル;
治療および前処置のための、500nM(0.1mM DMSO10%)のMIN-102;および
治療および前処置のための、5μM(0.1mM DMSO10%)のMIN-102。
SARS-CoV-2ウイルス
DMSO10%を含む5μMのビヒクル;
治療および前処置のための、500nM(0.1mM DMSO10%)のMIN-102;
治療および前処置のための、2μM(0.1mM DMSO10%)のMIN-102;および
治療および前処置のための、5μM(0.1mM DMSO10%)のMIN-102。
感染して24時間後に、細胞および上清(600μl)を採集した。細胞をELISAのために溶解緩衝液により溶解し、5分間、300gで遠心分離によって集めて、ELISA用に上清を採集した。細胞滴定Glo発光アッセイを使用して、細胞を生存率についてアッセイした。上清および溶解細胞を処理するまで、-80℃で保管した。
ウイルスを不活性化するため、ホルムアルデヒドにより固定した採集した上清(Dowall et al., J. Immunol. Methods 348(1-2):30-35 (2009))を、サイトカイン放出について評価し、Luminex技術を使用してモック処置細胞と比較した。サイトカインパネルは、以下のサイトカイン:IL-2、IL-7、IL-6、IL-4、インターフェロン-γ、誘導性タンパク質10(IP-10)、単球走化性タンパク質1(MCP1)、マクロファージ炎症性タンパク質1-α(MIP1-α)、腫瘍壊死因子-α(TNFα)およびインターフェロンアルファ-2(IFNα2)を含んだ。
結果
モック処置したマクロファージの上清において、いくつかのサイトカインを測定し、Luminex技術を使用して、感染の24時間後に、SARS-CoV-2を曝露させた培養物と比較した。SARS-CoV-2曝露時に、マクロファージは、より高いレベルのIP-10、IL-4、IFNα2、IFNγおよびIL-6を放出した(図1~10)。上昇傾向が、TNFαおよびMIP1-αなどの他のサイトカインについても観察された。
MIN-102の存在下でSARS-CoV-2によって上方調節されたそれらのサイトカインの減少があり、その効果は、ほとんどが治療条件について観察された。IP-10、IL4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1およびIL6について、サイトカインの有意な減少(サイトカイン分泌の低下は、平均で67%~36%までの範囲)が観察された。MIP1-αの場合、90%の減少に達した。IL2およびIL7分泌に対する効果は、検出されなかった。
この実験の結果により、MIN-102は、SARS-CoV-2の存在下でマクロファージに対して効果を示し、ARDS合併症に関与するいくつかのサイトカインを減少させる一助となることが示される。Del Valle et al., Nat. Med. 26:17 (2020)。この効果は、治療条件、および2μMの濃度において、特に有意であった。
COVID-19患者において、MIN-102の投与により、IP-10、IFNα2、IFNγ、TNFα、IL-6、MCP1およびMIP1-αを下方調節する治療利益は以下の通りに要約することができる:
IP-10:疾患悪化を発症し続けた患者において増加した。Takahashi et al., Nature 588:315-320 (2020)。
IFNα2およびIFNγ:インターフェロンは、SARS-COV-2に感染した個体における、ウイルス複製を制御する一助となり得る、強力な抗ウイルス薬である。しかし、ウイルス複製は経時的に低下し、疾患進行の後期では、これらのIFNは、免疫活性化の一因となり得る。さらに、ウイルス受容体ACE2は、インターフェロンにより刺激された遺伝子であるので(Ziegler et al., Cell 181(5):1016-1035.e19 (2020))、インターフェロンの制御は、この受容体の発現を低下させる一助となり得る。重篤なCOVID-19患者は、IFN応答が損なわれている一方(Hadjadj et al., Science 369(6504):718-724 (2020))、WHOの大規模な臨床試験では、IFNγによる処置は、いかなる利益もないことが実証されている。Pan et al., N Engl J Med, 2020 Dec 2: NEJMoa2023184。さらに、呼吸補助を必要とする患者において、死亡率が低下した唯一の処置である、デキサメタゾン(Horby et al., N Engl J Med, 2020 July 17: NEJMoa2021436)もまた、I型インターフェロン(Flammer et al., Mol. Cell. Biol. 30(19):4564-4574 (2010))およびIII型インターフェロンを阻害した。Hu et al., J. Immunol. 170(9):4833-4839 (2003)。
TNFαおよびIL-6:これらのサイトカインの血清中レベルは、疾患重症度および死亡の独立した、有意な予測因子である。Del Valle et al., Nat. Med. 26:17 (2020)。
MCP1およびMIP1-α:ICU患者は、非ICU患者と比べて、これらの2種のサイトカインのより高い血漿中レベルを有した。Huang et al., The Lancet. 395(10223):497-506 (2020)。
(実施例4)
マウスにおける、LPSにより誘発された急性肺損傷モデルにおける、MIN-102およびM3の評価
表2は、マウスにおける、LPSにより誘発された急性肺損傷(ALI)モデル研究において試験した群を要約している。研究概略図は、図11に示されている。
Figure 2023525981000006
手短に述べると、7~8週齢のC57Bl/6マウスを、リポ多糖(LPS)口腔吸引(5mg/Kg)に曝露させた。動物は、-1日目から2日目まで6~8時間の間隔でbidで、および3日目の安楽死させる1時間前にQDで、ビヒクル、M3(50mg/Kg、または異なる用量25および50mg/KgのMIN-102)のいずれかで経口処置した。3日目に、気管支肺胞洗浄液(BALF)中のタンパク質含有量、サイトカイン評価、およびFACS解析による白血球計数を行った。これらの結果は、図11~20、ならびに表3および表4に示されている。H&E組織学のために、肺を採集し、埋包し、処理した。これらの結果は、図21および図22に示されている。
Figure 2023525981000007
Figure 2023525981000008
MIN-102により、すべての用量において、白血球(CD45陽性細胞)の総数がビヒクル群に対して50%、および好中球(約58%の最大低下)が低下した。T細胞(約47%の最大低下)。BALFにおける総タンパク質含有量も、用量依存的に、30から50%に低下した。同様に、M3により、白血球の合計数が67%、好中球が72%、B細胞が52%、T細胞が74%、およびタンパク質含有量が63%、低下した。
サイトカイン分析により、MIN-102およびM3の両方の、BALFでのサイトカインおよびケモカイン(IL-6、IL12p40;IP-10、MIG、RANTESおよびTNF-アルファ)の分泌が、50%から90%に、大部分は用量依存的に減少させる効果があることが明らかになった。
MIN-102およびM3は、好中球およびT細胞の動員および活性化を低下させ、これによって、LPSにより誘発されたALIを予防する。
組織学的研究により、M3またはMIN-102の処置からの改善が示される。例えば、血管周囲/細気管支周囲空間(40および31%)における単核細胞浸潤の軽減、ならびに間質(62および48%)および肺胞(64および53%)における好中球動員の低下が存在する。図21を参照されたい。さらに、肺胞における中隔肥厚は、それぞれ、M3およびMIN-102について減少した(79および43%)。図22を参照されたい。
本明細書において化合物、方法、キットおよび組成物をこれまで十分に説明してきたが、本明細書において提示されている方法、化合物および組成物、またはそれらの任意の実施形態の範囲に影響を及ぼすことなく、条件、製剤および他のパラメータの広く等価な範囲内で同じことを行うことができることが、当業者によって理解されよう。本明細書において引用されている特許、特許出願および公開物はすべて、これらの全体が参照により本明細書に完全に組み込まれている。

Claims (78)

  1. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を処置する方法であって、前記対象に治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法。
  2. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、請求項7に記載の方法。
  9. 肺の急性炎症の処置を必要とする対象において、肺の急性炎症を処置するための、請求項1に記載の方法。
  10. 肺の前記急性炎症が細菌感染によって引き起こされる、請求項9に記載の方法。
  11. 肺の前記急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、請求項9に記載の方法。
  12. 間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、間質性肺疾患を処置するための、請求項1に記載の方法。
  13. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記対象に1種または複数の必要に応じた治療剤を投与するステップをさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を前記対象に投与するステップを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩が、前記対象に経口懸濁剤として投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 1mLあたり約15mgのラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む経口懸濁剤約5mL~約25mLが、1日1回、前記対象に投与される、請求項16に記載の方法。
  18. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患の処置に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
  19. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、請求項20に記載の組成物。
  22. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、請求項22に記載の組成物。
  24. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、請求項18~23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、請求項24に記載の組成物。
  26. 肺の急性炎症の処置を必要とする対象において、肺の急性炎症を処置するための、請求項18に記載の組成物。
  27. 肺の前記急性炎症が細菌感染によって引き起こされる、請求項26に記載の組成物。
  28. 肺の前記急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、請求項26に記載の組成物。
  29. 間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、間質性肺疾患を処置するための、請求項18に記載の組成物。
  30. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項29に記載の組成物。
  31. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む、請求項18~30のいずれか一項に記載の組成物。
  32. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患の処置に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  33. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための、請求項32に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  34. 前記ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、請求項33に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  35. 前記ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、請求項34に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  36. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項35に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  37. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、請求項36に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  38. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、請求項32~37のいずれか一項に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  39. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、請求項38に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  40. 肺の急性炎症の処置を必要とする対象において、肺の急性炎症を処置するための、請求項32に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  41. 肺の前記急性炎症が細菌感染によって引き起こされる、請求項40に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  42. 肺の前記急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、請求項40に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  43. 間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、間質性肺疾患を処置するための、請求項32に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  44. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項43に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  45. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む、請求項32~44のいずれか一項に記載の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  46. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を処置するための医薬の製造における、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩の使用。
  47. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための、請求項46に記載の使用。
  48. 前記ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、請求項47に記載の使用。
  49. 前記ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、請求項48に記載の使用。
  50. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項49に記載の使用。
  51. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、請求項50に記載の使用。
  52. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、請求項47~51のいずれか一項に記載の使用。
  53. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、請求項52に記載の使用。
  54. 肺の急性炎症の処置を必要とする対象において、肺の急性炎症を処置するための、請求項46に記載の使用。
  55. 肺の前記急性炎症が細菌感染によって引き起こされる、請求項54に記載の使用。
  56. 肺の前記急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、請求項54に記載の使用。
  57. 間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、間質性肺疾患を処置するための、請求項46に記載の使用。
  58. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項57に記載の使用。
  59. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む、請求項46~58のいずれか一項に記載の使用。
  60. 容器中の、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、および5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患、肺の急性炎症または特発性肺線維症を有する対象に投与するための指示を含む、キット。
  61. ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患の処置を必要とする対象において、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態または疾患を処置するための、請求項60に記載のキット。
  62. 前記ウイルス感染が、ヒトコロナウイルス感染、インフルエンザウイルス感染またはHIVウイルス感染である、請求項61に記載のキット。
  63. 前記ヒトコロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはそれらの変異株である、請求項62に記載のキット。
  64. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項63に記載のキット。
  65. 前記ヒトコロナウイルスが、SARS-CoV-2の変異株である、請求項64に記載のキット。
  66. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、高サイトカイン血症、血球貪食性リンパ組織球症、肺炎、急性呼吸窮迫症候群または全身性炎症反応症候群である、請求項60~65のいずれか一項に記載のキット。
  67. 前記ウイルス感染によって引き起こされる前記炎症性肺状態または疾患が、急性呼吸窮迫症候群である、請求項66に記載のキット。
  68. 肺の急性炎症の処置を必要とする対象において、肺の急性炎症を処置するための、請求項67に記載のキット。
  69. 肺の前記急性炎症が細菌感染によって引き起こされる、請求項68に記載のキット。
  70. 肺の前記急性炎症が、肺炎または急性呼吸窮迫症候群である、請求項68に記載のキット。
  71. 間質性肺疾患の処置を必要とする対象において、間質性肺疾患を処置するための、請求項60に記載のキット。
  72. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項71に記載のキット。
  73. ラセミ5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンの塩酸塩を含む、請求項60~72のいずれか一項に記載のキット。
  74. IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルの低下を、それを必要とする対象において行うための方法であって、前記対象に治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含み、前記対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、方法。
  75. 対象において、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩および薬学的に許容される担体を含む組成物であって、前記対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、組成物。
  76. 対象において、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルの低下に使用するための、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩であって、前記対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩。
  77. 対象において、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルを低下させるための医薬の製造における、5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩の使用であって、前記対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有する、使用。
  78. 治療有効量の5-[[4-[2-[5-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または5-[[4-[2-[5-アセチルピリジン-2-イル]エトキシ]フェニル]メチル]-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオンもしくは薬学的に許容されるその塩を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法であって、
    (a)前記対象が、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患を有しており、
    (b)前記ウイルス感染によって引き起こされる炎症性肺状態もしくは疾患、肺の急性炎症または間質性肺疾患が、IP-10、IL-4、IFNα2、IFNγ、TNFα、MCP1、IL-6、MIP1-α、IL-12p40、CXCL9、RANTES、CD45細胞、T細胞もしくは好中球、またはそれらの組合せのレベルの上昇を有することを特徴とする、
    方法。
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