JP2023525552A - ワクチン抗原としてのコロナウイルススパイクタンパク質の操作、その設計及び使用 - Google Patents

ワクチン抗原としてのコロナウイルススパイクタンパク質の操作、その設計及び使用 Download PDF

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Abstract

CoV感染を予防するためのワクチンは、SI領域の完全欠失若しくは部分欠失又はSI領域の部分置換若しくは完全置換である少なくとも1つの修飾を有するSタンパク質のための少なくとも1つのDNA、RNA又はタンパク質配列を含む。CoVの少なくとも1つの群からの感染に対して哺乳動物対象にワクチン接種する方法は、CoVの広範な群を相同群に分離すること、そのSI領域に少なくとも1つの修飾を含有する修飾されたSタンパク質を生成すること、及び相同群の他の全てのメンバーと60%を超える配列同一性を有する各相同群について少なくとも1つのコンセンサス配列を同定することを含む。コンセンサス配列は、修飾されたSタンパク質のタンパク質配列、修飾されたSタンパク質をコードするDNA配列、及び修飾されたSタンパク質をコードするRNA配列である。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月12日に出願された仮出願第63/023,599号の優先権を主張し、その仮出願ではなく、その全内容が本明細書に参照により援用される。
本開示は、コロナウイルスのワクチンを開発するためのワクチンプラットフォームに関し、より詳細には、操作されたコロナウイルススパイクタンパク質を含有するワクチンに関する。別の実施形態では、本開示は、コロナウイルスのスパイクタンパク質を操作するための方法、及び操作されたコロナウイルスのスパイクタンパク質を含有するワクチンを作製するための方法に関する。
配列表の提出
2021年5月11日に作成された、サイズ54kbの「Sequence_Listing」という名称のテキストファイルの配列表の電子提出物の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
コロナウイルス(CoV)は、アルファ-、ベータ-、ガンマ-及びデルタ-コロナウイルスの4つの属に分類される。β-CoVは、哺乳動物、一般にはコウモリ及びげっ歯類に感染することができるエンベロープ型のプラス鎖RNAウイルスであるが、多くのβ-CoVもヒトに感染することが知られている。ヒト及び動物におけるCoVによる感染は、一般に、短期間の軽度から中等度の上気道疾患を引き起こす。例外は、重症でしばしば致死的な症状を特徴とする重症急性呼吸器症候群(SARS-1)、中東呼吸器症候群(MERS)、及び武漢起源のSARS-CoV-2(SARS-2)(COVID-19とも呼ばれる)である。SARS-2感染の最初の症例は2019年12月に見られた。2020年4月16日現在、米国だけで、疾病対策予防センター(CDC)によって報告された推定632,000例の症例及び推定31,000例の死亡があり、4.9%の致死率をもたらした。SARS-2はヒトに対して非常に感染性である。世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日に、SARS-2の世界的なパンデミックを国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態と宣言した。
SARS-2のための具体的な治療法は確立されていないが、研究中である。疾患の更なる伝播を防ぐための最良の手法は、特定のワクチンの開発である。SARS-2に対する集団免疫は、活性型SARS-2ウイルスによる自然感染ではなく、良性ワクチンによる免疫化でより良好に達成される。回復中の患者に見られる低レベルの免疫応答についての1つの説明は、SARS-2による消耗性免疫抑制の機能であり得る。しかし、ウイルスの不活性型を使用する伝統的なワクチンを用いた動物研究は、不活性化ウイルスワクチンが疾患の抗体依存性増強(ADE)の誘導を特に受けやすい可能性があることを示唆している。これらのワクチン接種の場合、Th2型疾患増強は抗ヌクレオカプシド(NP)応答によって引き起こされ得る。ワクチンレシピエントにおいてADEを刺激しないSARS-2ワクチンを開発することが望ましい。
社会的距離の確保は、SARS-2の攻撃的な拡散を首尾よく抑制しているが、社会の再開は、短期間での感染の急増、並びに起こり得る季節的発生につながると予想される。いくつかの地域では、変異型のSARS-2ウイルスによる感染の急増が既に見られている。SARS関連β-CoV(SARSr)の全体的な変異率は、世代あたり0.1個という低い変異で計算されている。最近の変異の出現にもかかわらず、SARS-2ウイルスは同様に安定しているようである。任意のSARS-2ワクチンが、短期の変異体に対する防御も提供することが望ましい。
関連するSARS-及びMERS-CoVを用いた多数の動物試験及び治験は、より一般的なβ-CoV感染に対して有効なワクチンを産生することができることを示唆している。SARS-2(COVID-19)は、動物宿主からヒトにジャンプした3番目の致死性β-CoVである。1,800個のSARSrが動物で既に同定されており、その一部は最終的にヒトに感染する可能性があることを考慮すると、将来のパンデミックを回避するために群特異的SARSrワクチンも作成することが望ましい。
SARS-2変異体及びSARSrウイルス株に対する防御を提供するための広域反応性ワクチンの必要性を支持する更なる要因がある。SARSr動物配列を分析すると、Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)配列の小さな変化がヒトACE2へのウイルスの結合を増強し、したがってそのような変化がヒト集団へのβ-CoVのジャンプを促進し得ることが明らかになる。RBD配列は、Sタンパク質の高度に可変な領域に位置する。ウイルスはまた、変異することが知られている。何十億人もの人々がSARS-2に感染しているので、多数の変異が予想される。Sタンパク質のより保存領域に対する免疫応答を誘導するワクチンは、異なるSARSrによる感染に対するより広範な保護を提供する。
一実施形態では、本開示は、CoV感染を予防するためのワクチンを提供する。本開示の実施形態によれば、CoV感染を予防するためのワクチンは、CoVの修飾されたSタンパク質の少なくとも一部をコードするCoV DNA配列、CoVの修飾されたSタンパク質の少なくとも一部をコードするCoV RNA配列、及びCoVの修飾されたSタンパク質の少なくとも一部のタンパク質配列からなる群から選択される少なくとも1つの配列を含み、修飾されたSタンパク質は少なくとも1つの修飾を含む。
一実施形態では、Sタンパク質はS1領域を有し、少なくとも1つの修飾は、S1領域の完全欠失、S1領域の部分欠失、S1領域の完全置換、及びS1領域の部分置換からなる群から選択される。更なる実施形態では、S1領域は少なくとも1つの可変領域を有し、少なくとも1つの修飾は、少なくとも1つの可変領域の完全欠失、少なくとも1つの可変領域の部分欠失、少なくとも1つの可変領域の完全置換、及び少なくとも1つの可変領域の部分置換からなる群から選択される。なお更なる実施形態では、CoVはSARS-2 β-CoVであり、少なくとも1つの可変領域はアミノ酸残基342と533との間にある。別の実施形態では、少なくとも1つの可変領域は受容体結合ドメイン(RBD)を含む。一実施形態では、少なくとも1つの修飾は、可変領域の部分置換又は可変領域の完全置換であり、可変領域はペプチドリンカーによって置換されている。
一実施形態では、CoVはα-CoVである。別の実施形態では、CoVはβ-CoVである。更なる実施形態では、配列はCoV DNA配列又はβ-CoV DNA配列である。別の実施形態では、配列はCoV RNA配列又はβ-CoV RNA配列である。一実施形態では、RNAはmRNAである。更に別の実施形態では、配列は、CoVタンパク質配列又はβ-CoVタンパク質配列である。更なる実施形態では、配列は、SARS-2 β-CoV配列である。
一実施形態では、本開示は、修飾されたCoV Sタンパク質を提供する。本開示の実施形態によれば、修飾されたCoV Sタンパク質は、S1領域と、S1領域の部分欠失、S1領域の完全欠失、S1領域の部分置換、及びS1領域の完全置換からなる群から選択されるS1領域中の少なくとも1つの修飾とを含む。
一実施形態では、S1領域は少なくとも1つの可変領域を有し、少なくとも1つの修飾は、少なくとも1つの可変領域の完全欠失、少なくとも1つの可変領域の部分欠失、少なくとも1つの可変領域の完全置換、及び少なくとも1つの可変領域の部分置換からなる群から選択される。更なる実施形態では、CoVはSARS-2 β-CoVであり、少なくとも1つの可変領域はアミノ酸残基342と533との間にある。なお更なる実施形態では、少なくとも1つの可変領域は受容体結合ドメイン(RBD)を含む。別の実施形態では、少なくとも1つの修飾は、可変領域の部分置換又は可変領域の完全置換であり、可変領域はペプチドリンカーによって置換されている。
一実施形態では、本開示は、少なくとも1つのCoVによる感染から保護するためのワクチンを作製する方法を提供する。本開示の実施形態によれば、少なくとも1つのCoVによる感染から保護するためにワクチンを作製する方法は、S1領域及びS1領域中の少なくとも1つの修飾を含む修飾されたSタンパク質を生成することを含み、少なくとも1つの修飾は、S1領域の部分欠失、S1領域の完全欠失、S1領域の部分置換、及びS1領域の完全置換からなる群から選択される。
一実施形態では、本開示は、CoVの少なくとも1つの群からの感染に対して哺乳動物対象にワクチン接種する方法を提供する。本開示の実施形態によれば、CoVの少なくとも1つの群からの感染に対して哺乳動物対象にワクチン接種する方法は、CoV Sタンパク質の類似性に基づいてCoVの広範な群を相同群に分離すること、各相同群のための修飾Sタンパク質を生成することであって、修飾されたSタンパク質が、S1領域と、S1領域の部分欠失、S1領域の完全欠失、S1領域の部分置換、及びS1領域の完全置換からなる群から選択される少なくとも1つの修飾とを含む、生成すること、相同群の他の全てのメンバーと60%を超える配列同一性を有する各相同群についての少なくとも1つのコンセンサス配列を同定することであって、少なくとも1つのコンセンサス配列が、修飾されたSタンパク質のタンパク質配列、修飾されたSタンパク質をコードするDNA配列、及び修飾されたSタンパク質をコードするRNA配列からなる群から選択される、同定することを含む。
別の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのコンセンサス配列を含むウイルスベクターを調製することを更に含む。別の実施形態では、CoVの広い群を相同群に分離する工程は、哺乳動物から少なくとも1つのCoVを採取することを含む。別の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
更なる実施形態では、S1領域は少なくとも1つの可変領域を有し、少なくとも1つの修飾は、少なくとも1つの可変領域の完全欠失、少なくとも1つの可変領域の部分欠失、少なくとも1つの可変領域の完全置換、及び少なくとも1つの可変領域の部分置換からなる群から選択される。
一実施形態では、CoVはSARS-2 β-CoVであり、少なくとも1つの可変領域はアミノ酸残基342と533との間にある。更なる実施形態では、少なくとも1つの可変領域は受容体結合ドメイン(RBD)を含む。なお更なる実施形態では、少なくとも1つの修飾は、可変領域の部分置換又は可変領域の完全置換であり、可変領域はペプチドリンカーによって置換されている。
別の実施形態では、CoVはα-CoVである。なお更なる実施形態では、CoVはβ-CoVである。
一実施形態では、コンセンサス配列は、CoV DNA配列、又はβ-CoV DNA配列である。更に別の実施形態では、コンセンサス配列は、CoV RNA配列又はβ-CoV RNA配列である。一実施形態では、RNAはmRNAである。更なる実施形態では、コンセンサス配列は、CoVタンパク質配列又はβ-CoVタンパク質配列である。一実施形態では、配列は、SARS-2 β-CoV配列である。
一実施形態では、本方法は、ワクチンを哺乳動物対象に注射することを更に含む。
本開示の実施形態による、Sタンパク質をコードするSARS-2 β-CoV RNAセグメントの機能的部分を、最大の可変性の部分及び最大の免疫応答を誘発する部分と共に示す概略図である。 本開示の実施形態による修飾されたSタンパク質の設計を示す図である。 MERS-CoVワクチンの活性を示す図である。
本開示の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明のためのものであり、限定するものと見なされるべきではないことが理解される。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」又は「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びその均等物並びに追加の項目を包含することを意味する。本明細書における「本質的に含む(including essentially)」及び「本質的にからなる(consisting essentially of)」並びにその変形の使用は、その後に列挙される項目、並びに全体の特性、使用又は製造を本質的に変更しないようにそのような等価物及び追加の項目を提供する等価物及び追加の項目を網羅することを意味する。本明細書における「からなる」及びその変形の使用は、その後に列挙される項目及びそれらの項目のみを含むことを意味する。
図面を参照すると、全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。第1、第2などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、及び/又はセクションを説明するために本明細書で使用することができるが、これらの要素、構成要素、領域、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域及び/又はセクションを別の要素、構成要素、領域及び/又はセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、第1の要素、構成要素、領域又はセクションは、本開示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域又はセクションと呼ぶことができる。
本開示における数値範囲は近似値であり、別途指示がない限り範囲外の値を含んでもよい。数値範囲は、任意のより低い値と任意のより高い値との間に少なくとも2つの単位の分離があるという条件で、(特に明記しない限り)1単位の増分で、より低い値及びより高い値からの、及びこれらを含む全ての値を含む。一例として、例えば重量による成分の量などの組成、物理的又は他の特性が10~100である場合、10、11、12などの全ての個々の値、及び10~44、55~70、97~100などの部分範囲が明示的に列挙されることが意図される。明示的な値を含む範囲(例えば、1、又は2、又は3から5、又は6、又は7までの範囲)の場合、任意の2つの明示的な値の間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、上記の範囲1~7は、部分範囲1~2、2~6、5~7、3~7、5~6などを含む)。1未満の値を含む範囲又は1より大きい分数を含む範囲(例えば、1.1、1.5など)については、1単位は、適切には0.0001、0.001、0.01又は0.1であると考えられる。10未満の一桁の数を含む範囲(例えば、1~5)では、1単位は通常0.1であると見なされる。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、列挙された最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組み合わせは、本開示において明示的に述べられていると見なされるべきである。
「真下(beneath)」、「下方(below)」、「下方(lower)」、「上方(above)」、「上方(upper)」などの空間的用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用することができる。空間的に相対的な用語は、使用又は例示における向きに応じて異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図中の装置がひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下」又は「真下」にあると記載された要素は、他の要素又は特徴の「上」に配向される。したがって、例示的な「下方」という用語は、上方及び下方の両方の向きを包含することができる。装置は、他の方向に向けられ(90°又は他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含む。例えば、「A及び/又はB」などの語句で使用される場合、「及び/又は」という語句は、AとBの両方;A又はB;A(単独);及びB(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B及び/又はC」などの語句で使用される「及び/又は」という用語は、以下の実施形態A、B及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)のそれぞれを包含することを意図している。
一実施形態では、本開示は、対象、特に哺乳動物対象、より具体的にはヒト対象において、少なくとも1つのCoV感染又は少なくとも1つのβ-CoV感染を予防するためのワクチンを調製する方法を提供する。
β-CoVの同定
本開示の実施形態によれば、対象、特に哺乳動物対象、より具体的にはヒト対象における少なくとも1つのβ-CoV感染を予防するためのワクチンを調製する方法は、動物宿主、特に哺乳動物宿主から少なくとも1つのβ-CoVを同定することを含む。特に一実施形態では、対象、特に哺乳動物対象、より具体的にはヒト対象における少なくとも1つのβ-CoV感染を予防するためのワクチンを調製するための方法は、コウモリ、ラット、ヒト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される哺乳動物宿主から少なくとも1つのβ-CoVを同定することを含む。一実施形態では、少なくとも1つのβ-CoVは、少なくとも1つのSARSrを含む。別の実施形態では、少なくとも1つのβ-CoVは、少なくとも1つのSARS-2 β-CoVを含む。
相同群の同定
本開示の実施形態によれば、対象、特に哺乳動物対象、より具体的にはヒト対象における少なくとも1つのβ-CoV感染を予防するためのワクチンを調製するための方法は、遺伝子配列の類似性に基づいて、同定されたβ-CoV、例えば動物宿主から同定されたβ-CoVを相同群に分離すること、及び相同群ごとに少なくとも1つのコンセンサス配列を調製することを含む。相同群は、β-CoV’遺伝子配列の全体、β-CoV’遺伝子配列の複数の部分、又はβ-CoV’遺伝子配列の単一の部分の類似性に基づくことができる。遺伝子配列は、DNA配列、RNA配列、タンパク質配列、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。単一のβ-CoVが同定された場合、それは単一の相同群の唯一のメンバーであることが理解されよう。
特定の実施形態では、β-CoVは複数のSARSrを含み、複数のSARSrは1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つの相同群に分離される。一実施形態では、相同群は、スパイクタンパク質(Sタンパク質)、S ARS受容体結合ドメイン(RBD)、エンベロープタンパク質、核タンパク質、及びそれらの組み合わせに関連する遺伝子配列の少なくとも一部、又は少なくとも2つ以上の部分、又は全部に基づく。
更なる実施形態では、少なくとも1つのSARS-2 β-CoVが同定され、少なくとも1つの相同群に分離される。
一実施形態では、各相同群内で、遺伝子配列は、相同群内の他の全てのメンバーと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の配列同一性を有する。
一実施形態では、各相同群内で、遺伝子配列は、相同群内の他の全てのメンバーと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上~90%、又は95%、又は96%、又は97%、又は98%、又は99%、又は100%以下の配列同一性を有する。
一実施形態では、各相同群の遺伝子配列は、相同群の異なるタンパク質配列を定義する。一実施形態では、異なるタンパク質は、Sタンパク質、エンベロープタンパク質、核タンパク質、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。更なる実施形態では、異なるタンパク質はSタンパク質である。
特定の実施形態では、複数のSARSrが分析され、5つの相同群に分離され、各相同群内で、遺伝子配列は65%超~99%の配列同一性を有する。
相同群及びコンセンサス配列を同定するための例示的なプロセスが本明細書で提供される。
SARS-2 β-CoVは、約30kbのプラスセンス一本鎖RNAゲノム及び4つの構造タンパク質を有する。構造タンパク質の1つはスパイク(S)ペプロマーである。これらのSタンパク質は、SARS-2 β-CoVの表面に見られ、細胞受容体結合を媒介し、したがってウイルスの宿主指向性を決定する。Sタンパク質をコードするRNAのタンパク質部分は、図1に示すように、S1鎖10とS2鎖20とがフランカット部位25で隔てられた状態で、S1鎖とS2鎖とに分けられる。RBD 30は、S1鎖10に位置する。RBDの変動は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)へのウイルスの結合に影響を及ぼし、この結合の増強は、動物宿主からヒト宿主へのウイルスのジャンプを促進することによることが発見された。膜融合部分40は、S2鎖20内に位置する。図1には、ヘプタペプチドHR1及びHR2、膜貫通TM及びSタンパク質の細胞質ドメインが更に示されている。
SARS-2 β-CoV Sタンパク質は、S1鎖10とS2鎖20とに分割される。S2鎖20のコンフォメーション変化は、宿主細胞内でのウイルスの融合をもたらす。これにより、RBDを含むSタンパク質コードRNA配列と組み合わせて、Sタンパク質コードRNA配列が抗SARS-2 β-CoVワクチンレジメンで使用するための重要な候補になる。
図1はまた、より大きな免疫応答を誘発するSARS-2 β-CoVのSタンパク質部分を示す(60)。示されるように、部分60bはRBD 30と重複し、かなり大きい部分であり、これはRBD 30に関連する有意な免疫応答が存在することを意味する。部分60d及び60eは、可変性の低い膜融合部分40と重なり合っているが、より小さく、したがって、免疫応答をそれほど強く誘発しない。SARS-CoV-1及びMERS-CoVなどの異なるβ-CoVに対する免疫応答を分析する際に、これらのコロナウイルスの活性を中和する能力を有する抗体が、Sタンパク質のより保存された領域、すなわち、S2ドメイン20内のSタンパク質ステム領域内にも結合することができることが観察された。図1に更に例示されるように、様々なSARSrからのRNAのSタンパク質コード配列をアラインメントすることは、遺伝子全体にわたって有意な相違を示す(50)。したがって、本発明のSARS-2 β-CoV RNAに基づくワクチンは、他のSARSrによって引き起こされる感染から効率的に保護することができない可能性がある。しかし、複数のSARSrからのRNAのSタンパク質コード配列を分析すると、表1に示すように、SARSrを相同群に分離することができる。
Figure 2023525552000002
表1の情報を得るために、配列を、ViPR及びNCBIを使用して見出した。全体的なアラインメントは、Clustal Omegaを使用して行った。関連するアラインメント(>92%)を抽出してグループ分けを作成し、これをClustal Omegaを用いてアラインメントし、BLAST多重配列アラインメントを用いて確認した。
SARS-CoV群については、元のSARS-CoV-1をカバーするGenBank及びViPRからの1130配列を分析した。いくつかの配列は、ギャップを担う可能性が高いランダムインサートを含んでいたが、小さな変異体は全て抗体結合を維持していた。SARS-CoV 2群については、新しいクレード20H、201及び20Jを含む3000を超える配列を分析した(それぞれ南アフリカ、カリフォルニア及び英国の変異体に対応する)。WIV-1は、コウモリでは顕著なSARSrであるが、ヒト細胞では複製することが示されている。SARS-2 β-CoVを生じさせたと考えられるRaTG13株を含む56のWIV-1株を分析した。16株のみが完全CDSを有していた。NCBI保存タンパク質ドメインファミリーcd21477及びCn3Dによって示されるように、構造は変異体間で安定に見えた。YNLF群では、71個の配列(39は完全なCDSである)がコウモリ、センザンコウ及びラクダから得られた。これらのSARSr株は、WIV1ファミリーよりもSARS-2 β-CoVとの類似性が低いが、特定の領域においてSARS-CoV群及びSARS-CoV 2群とのいくつかの強い類似性を有する。全体的なスパイクアラインメントは並であるが、RBDアラインメントは強い類似性を示す。コウモリ2013群については、高い類似性を有する19個の試料を分析した。コウモリ2013群は他の群よりも高い変動性を示すが、多くの株が同じ抗体に対して交差反応性を示している。
コンセンサス配列
本開示の実施形態によれば、対象、特に哺乳動物対象、より具体的にはヒト対象における少なくとも1つのCoV、好ましくは少なくとも1つのβ-CoV感染を予防するためのワクチンを調製する方法は、各相同群について少なくとも1つのコンセンサス配列を同定することを含む。コンセンサス配列は、配列中の各位置に統計的に最も高頻度の残基を含む群に対して開発されたDNA、RNA又はタンパク質配列である。一実施形態では、相同群に対するコンセンサス配列は、対応する相同群の各メンバーと少なくとも65%、又は少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも99%の共通性を有する。
特定の実施形態では、コンセンサス配列は、対応する相同群の他の全てのメンバーと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するDNA配列である。
特定の実施形態では、コンセンサス配列は、対応する相同群の他の全てのメンバーと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するRNA配列である。
特定の実施形態では、コンセンサス配列は、対応する相同群の他の全てのメンバーと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するタンパク質配列である。
一実施形態では、各相同群のコンセンサス配列は、DNA配列、RNA配列、タンパク質配列、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、相同群の少なくとも1つのコンセンサス配列は、RNAである。更なる実施形態では、RNAはmRNAである。
一実施形態では、分析されるβ-CoVは、SARSrである。更なる実施形態では、SARSrは、少なくとも1つの相同群に分離された少なくとも1つのSARS-2 β-CoVを含み、少なくとも1つの相同群のコンセンサス配列は、DNA配列、RNA配列、又はタンパク質配列である。単一のSARSr、例えば単一のSARS-2 β-CoVが同定され、単一のSARSrが相同群の唯一のメンバーである実施形態では、コンセンサス配列はDNA配列であってもよく、RNA配列又はタンパク質配列は、SARSrと100%の共通性を有することが理解されよう。
一実施形態では、コンセンサス配列は、SARS-2 β-CoV DNA配列であり、SARS-2 β-CoV DNA配列は、Sタンパク質コード配列の少なくとも一部である。
一実施形態では、コンセンサス配列は、SARS-2 β-CoV RNA配列であり、SARS-2 β-CoV RNA配列は、Sタンパク質コード配列の少なくとも一部である。
一実施形態では、コンセンサス配列は、SARS-2 β-CoVタンパク質配列であり、SARS-2 β-CoVタンパク質配列は、Sタンパク質の少なくとも一部である。
スパイクタンパク質の修飾
一実施形態では、コンセンサス配列は、CoVのSタンパク質の少なくとも一部のタンパク質配列、又はSタンパク質の少なくとも一部をコードするCoV DNA若しくはRNA配列であり、Sタンパク質は少なくとも1つの修飾を含む。すなわち、コンセンサス配列がタンパク質配列である場合、それは修飾されたSタンパク質に対するものである。同様に、コンセンサス配列がDNA又はRNA配列である場合、それは修飾されたSタンパク質をコードする。
図2Aは、全長Sタンパク質配列を示す概略図であり、図2B~図2Dは、Sタンパク質配列の例示的な修飾を示す概略図である。
一実施形態では、Sタンパク質のS1領域10は、タンパク質末端のアミノ末端で始まり、SARS-2 Sタンパク質に見られるペプチダーゼ認識部位694に対応するアミノ酸配列で終わるタンパク質の領域として定義される。一実施形態では、少なくとも1つの修飾はS1領域10内にある(すなわち、少なくとも1つの修飾は、アミノ末端から694アミノ酸配列までのタンパク質配列の全部又は少なくとも一部である)。
一実施形態では、少なくとも1つの修飾は、S1領域10全体、例えばSタンパク質のアミノ末端から694アミノ酸配列の欠失である。別の実施形態では、少なくとも1つの修飾は、図2B及び図2Dに示すように、S1領域10の全部よりも少ない1つ又は複数の配列の欠失である。
一実施形態では、Sタンパク質の「可変領域」は、天然に存在するSARS-CoVウイルス及び/又はSARS-2変異体のSARSr配列を比較した場合に高い配列可変性を示すSタンパク質の領域として定義される。Sタンパク質の例示的な可変領域は図1に示されており、50に示される高頻度変異領域が例示的な可変領域である。一実施形態では、Sタンパク質は、「可変領域」と呼ばれる単一の高度に可変な領域を有する。
一実施形態では、少なくとも1つの修飾は、図2Bに示されるように、少なくとも1つの可変領域又は可変領域の完全欠失又は部分欠失である。
特定の実施形態では、Sタンパク質の可変領域は、SARS-2のアミノ酸残基342及び533に対応するアミノ酸残基の間に位置する(NC_045512.2)。そのような実施形態では、少なくとも1つの修飾は、アミノ酸残基342及び533に対応するアミノ酸残基の間に位置する可変領域の完全欠失又は部分欠失である。
特定の実施形態では、Sタンパク質は、RDB領域の大部分又は全部に対応する可変領域を有する。そのような実施形態では、少なくとも1つの修飾は、RDB領域の完全欠失又は部分欠失である。一実施形態では、RDB領域は、SARS-2の342及び533のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基間、又は更に446及び520のアミノ酸残基間に位置する(NC_045512.2)。
一実施形態では、少なくとも1つの修飾は、少なくとも1つの可変領域、又は可変領域の完全置換又は全部の置換であり、可変領域は、上述の任意の実施形態又は実施形態の組み合わせに従う。少なくとも1つの可変領域、又は可変領域は、図2Cに示されるように、欠失によって形成されたギャップを架橋するように設計されたペプチドリンカー配列で置き換えることができる。
ウイルスベクター
本開示の実施形態によれば、対象、特に哺乳動物対象、より具体的にはヒト対象における少なくとも1つのCoV感染、好ましくはβ-CoV感染を予防するためのワクチンを調製する方法は、少なくとも1つのコンセンサス配列をウイルスベクターに挿入することを含む。一実施形態では、ウイルスベクターはアデノウイルスベクター成分である。
既存の及び誘導された干渉抗アデノウイルス免疫応答を最小限に抑えるために、全ての内因性の遺伝子が、アデノウイルスベクター成分であるウイルスベクター成分から欠失されている。すなわち、一実施形態では、ウイルスベクター成分は完全欠失(fd)アデノウイルスベクターである。
一実施形態では、コンセンサス配列は、修飾されたSタンパク質コード配列の少なくとも一部であるSARS-2 β-CoV DNA配列、修飾されたSタンパク質コード配列の少なくとも一部であるSARS-2 β-CoV RNA配列、又はSARS-2β-CoV DNA配列であり、SARS-2 β-CoVタンパク質配列は、修飾されたSタンパク質の少なくとも一部であり、修飾されたSタンパク質は、本明細書に提供される任意の実施形態又は実施形態の組み合わせに従って1つ又は複数の修飾を含む。
ワクチンの組成物
一実施形態では、本開示は、CoV、好ましくはβ-CoV、より好ましくはSARSrからの感染を防ぐためのワクチン、より具体的にはワクチンの組成物を提供する。
本開示の実施形態によれば、ワクチンは、少なくとも1つのウイルスベクターに担持された1つ又は複数のCoV、又はβ-CoV、又は好ましくは1つ又は複数のSARSrに由来する1つ又は複数のコンセンサス配列を含む。コンセンサス配列は、本明細書に記載の任意の実施形態又は実施形態の組み合わせに従うことができる。
一実施形態では、1つ又は複数のコンセンサス配列は、β-CoV DNA配列、RNA配列、タンパク質配列、又はそれらの組み合わせ、好ましくはSARSr DNA配列、RNA配列、タンパク質配列、又はそれらの組み合わせである。更に、一実施形態では、1つ又は複数のコンセンサス配列は、修飾されたSタンパク質に対するものである。
本開示の実施形態によれば、1つ又は複数のコンセンサス配列は、少なくとも1つのSARSr DNA又はRNA配列、又は好ましくは少なくとも1つのSARS-2 β-CoV DNA又はRNA配列を含む。一実施形態では、SARSr DNA若しくはRNA配列、又はSARS-2 β-CoV DNA若しくはRNA配列は、修飾されたSタンパク質コード配列の少なくとも一部である。
修飾されたSタンパク質は、本明細書で提供される任意の実施形態又は実施形態の組み合わせに従う。特定の実施形態では、Sタンパク質は、少なくとも1つの可変領域、好ましくはS1領域中の少なくとも1つの可変領域の部分欠失又は完全欠失又は置換である少なくとも1つの修飾を含む。特定の実施形態では、1つ又は複数のコンセンサス配列は、少なくとも1つのSARSr DNA又はRNA配列、好ましくは少なくとも1つのSARS-2 β-CoV DNA又はRNA配列を含み、これは修飾されたSタンパク質コード配列の少なくとも一部であり、少なくとも1つの修飾はRBDの部分又は完全除去又は置換である。
一実施形態では、コンセンサス配列の発現はプロモーターによって駆動される。プロモーターは、コンセンサス配列、ワクチン接種動物、及びワクチンの特定の組成物に特異的であってもよい。一実施形態では、プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス最初期プロモーター/エンハンサー、ヒト成長遺伝子に由来するポリアデニル化部位、伸長因子1-アルファ、ホスホグリセレートキナーゼ、ユビキチンC、ベータアクチン遺伝子、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。実施形態では、プロモーターの活性は、限定されないが、抗生物質などの化学物質によって影響され得る。テトラサイクリンは、プロモーターの活性に影響を及ぼす抗生物質の非限定的な例である。
特定の実施形態では、ワクチンは、少なくともSARS-2 β-CoVからの感染を予防するように特に設計される。そのような実施形態では、1つ又は複数のコンセンサス配列は、少なくとも1つのSARS-2 β-CoV DNA又はRNA配列を含む。好ましくは、SARS-2 β-CoV DNA又はRNA配列は、修飾されたSタンパク質をコードするDNA又はRNA配列であり、修飾されたSタンパク質は、少なくとも1つの修飾を含有するSタンパク質であり、少なくとも1つの修飾は、S1領域における少なくとも1つの欠失又は置換である。更なる実施形態では、SARS-2β-CoVのDNA配列又はRNA配列は、修飾されたSタンパク質コード配列(一部又は全体)であるRNA配列であり、Sタンパク質は、RBDの全部又は一部の欠失又は置換である少なくとも1つの修飾を有する。
コンセンサス配列が、S1領域の可変領域の少なくとも一部が欠失又は置換されているSタンパク質をコードするSARS-2 β-CoV RNA配列(一部又は全体)である実施形態では、SARS-2 β-CoV DNA配列はヒトコドン最適化されており、特異的RNAの発現は、ヒトサイトメガロウイルス最初期プロモーター/エンハンサー、続いてヒト成長遺伝子に由来するポリアデニル化部位によって駆動される。他の実施形態では、SARS-2 β-CoV RNAの発現は、他のプロモーター、例えば限定されないが、伸長因子1-アルファ、ホスホグリセレートキナーゼ、ユビキチンC、ベータアクチン遺伝子、及びそれらの組み合わせに由来するプロモーターによって駆動される。別の実施形態では、SARS-2 β-CoV RNAの発現は、その活性が、限定されないが、抗生物質テトラサイクリンなどの化学物質によって影響され得るプロモーターによって駆動される。
更なる実施形態では、ワクチンは、1つ又は複数のウイルスベクター中に2つ以上のコンセンサス配列を含む。本開示の実施形態によれば、1つのコンセンサス配列は、SARS-2 β-CoV DNA、RNA又はSタンパク質配列であり、ワクチンは、SARSr DNA、RNA又はタンパク質配列である少なくとも1つの追加のコンセンサス配列を含む。
ワクチン接種する方法
一実施形態では、本開示は、CoV、好ましくはβ-CoVの少なくとも1つの群からの感染に対して動物対象、好ましくは哺乳動物対象、より好ましくはヒト対象にワクチン接種する方法を提供する。
本開示の実施形態によれば、本方法は、CoV、好ましくはβ-CoV、より好ましくはSARS-2 β-CoVのSタンパク質を修飾して、修飾されたSタンパク質を生成することを含む。修飾されたSタンパク質は、Sタンパク質のS1領域の完全欠失、部分欠失、完全置換又は部分置換である少なくとも1つの修飾を含む。特定の実施形態では、修飾されたSタンパク質は、アミノ末端から部位694へのS1配列の少なくとも1つの欠失又は置換を含む。更なる実施形態では、修飾されたSタンパク質は、可変領域の部分欠失、可変領域の完全欠失、可変領域の部分置換、又は可変領域の完全置換を有する。一実施形態では、可変領域は、Sタンパク質のアミノ残基342から533である。更なる実施形態では、可変領域は、RBDの一部又は全部に対応する。修飾が可変領域の完全置換又は部分置換である場合、可変領域はペプチドリンカーによって置換されてもよい。
修飾されたSタンパク質は、例えば、単独で又はウイルスベクターと組み合わせて、ワクチン中で直接使用することができる。更なる実施形態では、修飾されたSタンパク質をコードするCoV DNA又はRNAのコンセンサス配列を使用することができる。
本開示の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのCoVコンセンサス配列、又は少なくとも1つのβ-CoVコンセンサス配列、又は少なくとも1つのSARSrコンセンサス配列、又は少なくとも1つのSARS-2 β-CoVコンセンサス配列を含む少なくとも1つのウイルスベクターを含むワクチンを提供することを含み、コンセンサス配列は修飾されたSタンパク質に対するものである。少なくとも1つのコンセンサス配列は、少なくとも1つのウイルスベクターに含まれ得る。ワクチンは、プラスミドを更に含み得る。ウイルスベクター(コンセンサス配列を含む)及びプラスミドをパッケージング細胞にトランスフェクトし、パッケージング細胞をカプシドにカプシド化する。
一実施形態では、少なくとも1つのCoVコンセンサス配列は、本明細書に記載の任意の実施形態又は組み合わせ若しくは複数の実施形態に従う。特定の実施形態では、少なくとも1つのCoVコンセンサス配列は、修飾されたSタンパク質の少なくとも一部をコードするβ-CoV DNA又はRNA配列である。
コンセンサス配列を動物対象、好ましくは哺乳動物対象、例えばヒトに注射することを更に含む方法。一実施形態では、単回用量は、少なくとも1つのCoV、好ましくは少なくとも1つのβ-CoVに対する保護を提供するのに十分であり、より具体的には、ワクチンに含まれるコンセンサス配列の少なくとも1つと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の配列同一性を有する任意のCoVに対する保護を提供する。
他の実施形態では、保護を提供するために2回以上の用量が必要とされ得る。特に、2回、又は3回、又は4回の用量は、少なくとも1つのCoVに対する、より具体的にはワクチンに含まれるコンセンサス配列の少なくとも1つと60%以上、又は65%以上、又は70%以上、又は75%以上、又は80%以上、又は85%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の配列同一性を有する任意のCoVに対する保護を提供するのに十分である。
実施例1
5匹のマウス(BALB/cマウス)の対照群にプラセボをワクチン接種する。5匹のマウスの実験群(BALB/cマウス)に、ベクター懸濁バッファー(PBS、MgCl 5mM、EDTA 0.1mM、スクロース5%)に懸濁した3×10ゲノム当量のGreMERSflワクチン(EMX/2012 MERS-CoVと少なくとも60%の共通性を有するコンセンサス配列を有するウイルスベクターを含む)をワクチン接種する。コンセンサス配列は、MERS-CoVの全長Sタンパク質である。対照群及び実験群は、1日目に1回目の筋肉内注射が行われ、続いて17日目に同じそれぞれの調製物でブースター用量を接種された。19日目に、両群にLD50のMERSを鼻腔内感染させた。両群を21日目に混合した。マウスを、EMX/2012 MERS-CoVによる試験細胞の感染を中和する抗体の存在について試験した。図3に示すように、対照マウスは抗体を示さなかったが、実験群は有意なウイルス中和を示した。
ウイルスベクター及び関連するワクチンの複数の実施形態が本明細書に詳細に記載されているが、それらの改変及び変形が可能であり、それらの全てが本発明の真の精神及び範囲内に入ることは明らかである。特に、本ウイルスベクター及びワクチンは、β-CoV、より具体的にはSARS-2及びSARSrウイルスに関して詳細に記載されているが、ウイルスベクター及びワクチンは、他のクラスのコロナウイルス、例えばα-CoV、γ-CoV、及びδ-CoVに適用するために当該技術分野に従って修飾することができることが理解されよう。更に、多数の修正及び変更が当業者には容易に思い浮かぶので、図示及び説明された正確な構成及び動作に本発明を限定することは望ましくなく、したがって、全ての適切な修正及び等価物が本開示の範囲内にあり、それに頼ることができる。

Claims (41)

  1. CoV感染を予防するためのワクチンであって、
    CoVの修飾されたSタンパク質の少なくとも一部をコードするCoV DNA配列、CoVの修飾されたSタンパク質の少なくとも一部をコードするCoV RNA配列、及びCoVの修飾されたSタンパク質の少なくとも一部のタンパク質配列からなる群から選択される少なくとも1つの配列を含み、修飾されたSタンパク質が少なくとも1つの修飾を含む、ワクチン。
  2. Sタンパク質が、S1領域を有し、少なくとも1つの修飾が、S1領域の完全欠失、S1領域の部分欠失、S1領域の完全置換、及びS1領域の部分置換からなる群から選択される、請求項1に記載のワクチン。
  3. S1領域が、少なくとも1つの可変領域を有し、少なくとも1つの修飾が、少なくとも1つの可変領域の完全欠失、少なくとも1つの可変領域の部分欠失、少なくとも1つの可変領域の完全置換、及び少なくとも1つの可変領域の部分置換からなる群から選択される、請求項2に記載のワクチン。
  4. CoVがSARS-2 β-CoVであり、少なくとも1つの可変領域がアミノ酸残基342と533との間にある、請求項3に記載のワクチン。
  5. 少なくとも1つの可変領域が受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項4に記載のワクチン。
  6. 少なくとも1つの修飾が、可変領域の部分置換又は可変領域の完全置換であり、可変領域がペプチドリンカーによって置換されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のワクチン。
  7. CoVがα-CoVである、請求項1から3のいずれか一項に記載のワクチン。
  8. CoVがβ-CoVである、請求項1から6のいずれか一項に記載のワクチン。
  9. 配列がCoV DNA配列である、請求項1から8のいずれか一項に記載のワクチン。
  10. CoV DNA配列がβ-CoV DNA配列である、請求項9に記載のワクチン。
  11. 配列がCoV RNA配列である、請求項1から8のいずれか一項に記載のワクチン。
  12. CoV RNA配列がβ-CoV RNA配列である、請求項11に記載のワクチン。
  13. RNAがmRNAである、請求項11から12のいずれか一項に記載のワクチン。
  14. 配列がCoVタンパク質配列である、請求項1から8のいずれか一項に記載のワクチン。
  15. 配列がβ-CoVタンパク質配列である、請求項14に記載のワクチン。
  16. 配列がSARS-2 β-CoV配列である、請求項1から6及び8から15のいずれか一項に記載のワクチン。
  17. S1領域と、S1領域の部分欠失、S1領域の完全欠失、S1領域の部分置換、及びS1領域の完全置換からなる群から選択されるS1領域中の少なくとも1つの修飾とを含む、修飾されたCoV Sタンパク質。
  18. S1領域が、少なくとも1つの可変領域を有し、少なくとも1つの修飾が、少なくとも1つの可変領域の完全欠失、少なくとも1つの可変領域の部分欠失、少なくとも1つの可変領域の完全置換、及び少なくとも1つの可変領域の部分置換からなる群から選択される、請求項17に記載の修飾されたCoV Sタンパク質。
  19. CoVがSARS-2 β-CoVであり、少なくとも1つの可変領域がアミノ酸残基342と533との間にある、請求項18に記載の修飾されたCoV Sタンパク質。
  20. 少なくとも1つの可変領域が受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項19に記載の修飾されたCoV Sタンパク質。
  21. 少なくとも1つの修飾が、可変領域の部分置換又は可変領域の完全置換であり、可変領域がペプチドリンカーによって置換されている、請求項18から20のいずれか一項に記載の修飾されたCoV Sタンパク質。
  22. 少なくとも1つのCoVによる感染から保護するためのワクチンを作製する方法であって、
    S1領域及びS1領域中の少なくとも1つの修飾を含む修飾されたSタンパク質を生成することを含み、少なくとも1つの修飾が、S1領域の部分欠失、S1領域の完全欠失、S1領域の部分置換、及びS1領域の完全置換からなる群から選択される、方法。
  23. CoVの少なくとも1つの群からの感染に対して哺乳動物対象にワクチン接種する方法であって、
    CoV Sタンパク質の類似性に基づいてCoVの広範な群を相同群に分離する工程と、
    各相同群のための修飾Sタンパク質を生成することであって、修飾されたSタンパク質が、S1領域と、S1領域の部分欠失、S1領域の完全欠失、S1領域の部分置換、及びS1領域の完全置換からなる群から選択される少なくとも1つの修飾とを含む、生成する工程と、
    相同群の他の全てのメンバーと60%を超える配列同一性を有する各相同群についての少なくとも1つのコンセンサス配列を同定することであって、少なくとも1つのコンセンサス配列が、修飾されたSタンパク質のタンパク質配列、修飾されたSタンパク質をコードするDNA配列、及び修飾されたSタンパク質をコードするRNA配列からなる群から選択される、同定する工程と、
    を含む、方法。
  24. 少なくとも1つのコンセンサス配列を含むウイルスベクターを調製することを更に含む、請求項23に記載の方法。
  25. CoVの広範な群を相同群に分離する工程が、哺乳動物から少なくとも1つのCoVを採取することを含む、請求項23から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 哺乳動物がヒトである、請求項25に記載の方法。
  27. S1領域が、少なくとも1つの可変領域を有し、少なくとも1つの修飾が、少なくとも1つの可変領域の完全欠失、少なくとも1つの可変領域の部分欠失、少なくとも1つの可変領域の完全置換、及び少なくとも1つの可変領域の部分置換からなる群から選択される、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. CoVがSARS-2 β-CoVであり、少なくとも1つの可変領域がアミノ酸残基342と533との間にある、請求項27に記載の方法。
  29. 少なくとも1つの可変領域が受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの修飾が、可変領域の部分置換又は可変領域の完全置換であり、可変領域がペプチドリンカーによって置換されている、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. CoVがα-CoVである、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
  32. CoVがβ-CoVである、請求項23から30のいずれか一項に記載の方法。
  33. コンセンサス配列がCoV DNA配列である、請求項23から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. CoV DNA配列がβ-CoV DNA配列である、請求項33に記載の方法。
  35. コンセンサス配列がCoV RNA配列である、請求項23から32のいずれか一項に記載の方法。
  36. CoV RNA配列がβ-CoV RNA配列である、請求項35に記載の方法。
  37. RNAがmRNAである、請求項35又は36に記載の方法。
  38. コンセンサス配列がCoVタンパク質配列である、請求項23から32のいずれか一項に記載の方法。
  39. 配列がβ-CoVタンパク質配列である、請求項38に記載の方法。
  40. 配列がSARS-2 β-CoV配列である、請求項23から30及び32から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. ワクチンを哺乳動物対象に注射することを更に含む、請求項23から40のいずれか一項に記載の方法。
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