JP2023525076A - 傷を治療するための装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、傷の電気療法に関する。詳しくは、傷に電気療法を施すための装置が提供される。本発明の装置はいずれかの種類の傷を治療することに有用であり、慢性な傷の治療を促進することに特に有用である。

Description

本発明は、傷の電気療法に関する。詳しくは、傷に電気療法を施すための装置が提供される。本発明の装置はいずれかの種類の傷を治療することに有用であり、複雑で慢性的な傷の治癒を促進することに特に有用である。
糖尿病、静脈、動脈、圧傷、及び感染性潰瘍などの慢性的な傷は、医療システムに莫大な経済的費用をかけながら、苦しんでいる患者とその周辺に苦痛と身体的ストレスを引き起こす。現在、慢性的な傷を治療する主流な方法は、感染を回避又は感染に対抗するために、絆創膏や創傷ドレッシング、即ち、その中に治癒因子を伴う絆創膏を、抗生物質治療と組み合わせて施すことである。抗生物質治療を用いることは、抗生物質耐性又は他の悪影響を引き起こす可能性がある。さらに、そのような治療は長期にわたり、且つ、多くの場合において特に効率的である訳でもなく、したがって、慢性的な傷を治療することに月や年単位までかかることもあり、その間に患者の生活の質は低下しかねない。慢性的な傷に苦しむ患者の多くは、免疫システムが損なわれた高齢の患者であるため、傷が感染症へのリスクを大幅に増加させ、したがって更なる合併症を引き起こし、これらの治療のための医療システムの費用も高い。
電気療法は、血流を促進して傷の治癒を加速することが実証されているため、魅力的な対案又は補助治療となった。傷の治癒及び血流の促進のための治療期間は、体が反応するまでより長い治療周期を要するため、治療を行う好ましい方法は、創傷ドレッシングに電極を埋め込むことである。創傷ドレッシングは傷の部位に付けられ、持続的な期間の間、電極が傷と接触するように固定される。以下の電気療法は、当技術分野において関連する例示を構成する。
国際公開第2005/032652号は、損傷した組織を治療するドレッシングに関するもので、一対の電極と、当該電極間の導電性のゲルと、を組み込んでいる。電流がゲルを通じて電極間を通過し、損傷した組織を修復する。制御ユニットとともに、センサがドレッシング内に組み込まれ得る。センサは、環境パラメータを検出するように構成され、環境パラメータは、酸素、pH、細菌感染、又は温度レベルのうちの1つであってよい。制御ユニットは、センサによって検出された環境パラメータに従って電極に供給される電流を調整することが出来る。或いは、変化する振幅、周波数、波形を有する交流電流を電極に供給するために、1つ以上の既定のプログラムが制御ユニットに格納されていてもよい。
国際公開第2009/060211号は、制御ユニットから組織に電気刺激を提供する装置、及び制御ユニットに接続された少なくとも1つの電極に関する。固定素子が、少なくとも1つの電極を組織に対して保持し、制御ユニットを組織に対して固定された位置に保持する。制御ユニットは、組織を刺激するために、少なくとも1つの電極に電流を供給するように構成される。
国際公開第02/098502号は、傷の治癒を促進する電極システムに関する。装置は支持構造を備え、支持構造には2つの電極が付けられている。電極の1つが、支持構造上の他の電極を囲む。電極は傷に取り付けられ、電位差が電極間に印加され、それにより電流が傷を通って電極間を流れる。
国際公開第2008/013936号は、傷を治癒する電極システムに関する。システムは2つの電極を備え、第1電極は少なくとも部分的に傷に付けられるように構成され、第2電極は少なくとも部分的に、傷の周囲の肌と傷の外側の部分に付けられるように構成される。システムは、治療の効率を検出し電気刺激を調整する1つまたは複数のフィードバックセンサをさらに備える。フィードバックセンサは、制御モジュールに接続されており、制御モジュールは、センサ出力に基づいて電圧を調整できる。フィードバックセンサは、反応性センサ、電気化学センサ、バイオセンサ、物性センサ、温度センサ、収着センサ、pHセンサ、電圧センサ、電流センサ、又はその組み合わせであり得る。
先行技術に開示された装置を考慮してもなお、向上された電気療法装置の必要性があり、それはより早い傷の治癒を促進する。
第1の態様によると、本開示は、哺乳類動物の傷に電気療法を施すための装置であって、 少なくとも2つの刺激電極と、少なくとも2つの感知電極と、を備え、刺激電極と感知電極は、傷の周囲の肌と、制御モジュールと、電圧測定回路と電気的に接触するように構成され、電圧測定回路は、感知電極と接続されており、制御モジュールと通信するように構成され、制御された電圧源は、刺激電極と接続されており、制御モジュールと通信するように構成され、
制御モジュールは、
-制御された電圧源により供給された較正電圧で、少なくとも2つの感知電極を介して周波数掃引を行い、
-電圧測定回路から1つ以上の測定された電圧降下を受付け、電圧降下は感知電極で測定され、及び
-測定された電圧降下に基づいて、制御された電圧源から出力される電圧を調整するように構成される、
装置を提供する。
結果的に、制御モジュールは、較正プロセスに基づいて電気療法のための正しい電圧を傷に供給するように電圧源を制御してよい。好ましくは、較正電圧が交流信号として0.1Vppから3Vpp、好ましくは1Vppの交流信号として供給される。好ましくは、較正プロセスは傷に電気療法のための電流を印加する前になされる。好ましくは、較正電圧に伴う電流に続いて制御された電圧源から出力される電流は、電気療法を施すものである。電気療法のための電流は、好ましくはパルス単相直流電流として出力される。
周波数掃引は、異なる周波数、例えば1Hzから1000KHz、好ましくは10Hzから100kHzの間の段階で較正電圧を印加することによって行われてよい。
このような装置は、あらゆる種類の傷を治療することに対して有用であり、慢性的な傷の治癒を促進することに特に有用である。このような慢性的な傷は、外科的感染、糖尿性病感染症、帝王切開などによる手術創、外傷、静脈感染症、褥瘡、静脈性潰瘍、糖尿病性足潰瘍、糖尿病性足、動脈性潰瘍などによって生じ得る。
本開示の文脈において、傷の周囲の肌とは、傷に隣接する又は傷にと右折するあらゆる肌の領域として理解されたい。また、一般的に、傷の縁から最大50mmまでの肌として理解されたい。
本開示の文脈において、傷の周囲の肌と電気的に接触するように構成された電極は、表面を有する、又は傷の周囲の肌と接触する適切な表面を有するものと理解されるべきであり、当該表面は傷の周囲の肌と電気的に接触できる。適切な表面は、バンドエイド(band-aid)又は心臓モニタリング電極などのパッチから知られているように、実質的に平坦であるか、及び/又は肌の湾曲に適する表面を有する形になるように曲げられたり折り曲げられたりしてよい。電極は、形が適切な表面をもたらすのであれば、いかなる形を有していてもよい。表面は、電気が電極を通じて、及び電極が配置された肌に電気が導電するように、少なくとも部分的に導電性材料である必要がある。電気的接触を向上させるために、電極と肌の間にゲル層が配置されてもよい。
電圧測定回路は、アナログデジタルコンバータ、又は、測定値に基づいて1つ以上の論理電圧レベルを出力するアナログ回路など、電位差の測定に適したいずれかの回路であってよい。
電流測定回路は、アナログデジタルコンバータ、又は、測定値に基づいて1つ以上の電気信号を出力するアナログ回路など、電流の測定に適したいずれかの回路であってよい。
制御モジュールは、電圧レベル値及び/又は電流レベル値をエンコードするアナログ入力又はデジタル入力を読み取ることができるいずれかの回路であってよい。
電極は、銅、銀、鉄などの金属、LED、合金、又は炭素などの他の導電性材料など、良好な導電性質を持ついずれかの材料(導電体)であってよい。
電極と、傷の周囲の肌との間の電気的接触は、電流の導電を可能とする、電極と傷の周囲の肌との間でなされる、いかなる接触であってもよい。例えば、これは電極の導電体と組織の間の直接的接触であってよい。また、電極と傷の周囲の肌との間に導電性媒質が配置されている場合など、間接的であってもよい。本開示を特定の導電性媒質に限定することなく、このような導電性媒質の例は、心電図と超音波用途における使用でよく知られている、導電性ハイドロゲルであってよい。また、導電性媒質は、電解液であってよい。所与の傷に対して、導電性媒質は、傷の周囲の肌を覆ってもよいし、又は傷の周囲の肌の一部を覆ってもよい。
本開示の装置は、装置の刺激電極が傷の周囲の肌に電気的に接触されたとき、電流が傷を通ることを可能とする。装置は刺激電極を通じて電流を供給し、電流は、刺激電極の1つから、肌を通じて、傷を通じて、再び肌を通じて、そして別の刺激電極に流れることができる。装置により電流が傷に印加されると、傷の中に形成された電界が傷の治癒を促進し、このように装置が傷のために電気療法を提供することができる。
電極を傷の中又は傷の上に置くことは、現在の傷の治療方式と干渉するおそれがあるため、傷の周囲の肌を通じて電気療法を印加できることは、傷そのものに電気療法を直接印加することより好ましい。例えば、従来の傷の治療において、傷からの水分の排出又はその他の多くの機能のために、傷にドレッシングを付けることがある。効率のために、そのようなドレッシングはよく、傷と直接接触するように配置される必要がある。電極を傷に、傷の中に、又は傷の上に配置させることは傷にドレッシングを接近させることを妨害し、したがってドレッシングの効果も妨害する。本開示の装置は傷の周囲の肌を通じて傷に電気療法を印加することに使われるため、装置は傷そのものと接触するように配置されるドレッシングの使用を妨害しない。したがって、本開示の装置は、電気療法及び従来の傷の治療の両方が同時に行われ得ることを可能とする。電極を傷の周囲の肌又はその上に配置することは、さらに、電極が傷に、傷の中に、又は傷の上に配置される場合に電極を配置し除去するときと比べて、電極の設置を容易くし、配置及び除去されるとき痂皮の形成と患者への痛みを減らし得る。
刺激電極と感知電極が傷の周囲の肌に配置されたとき、測定される電圧降下は、傷の電気的特性に依存し得る。したがって、本開示の装置はさらに、装置により傷に供給された電圧が特定の傷に依存する測定された電圧降下に基づいて調整された場合、傷の調節された電気療法を可能とする。したがって、装置は、治療中の特定の傷に合わせたレベルに電圧レベルを調整してよく、結果として生じる調整された電気療法は、調整されていない電気療法と比べて向上された効率をもたらすことができる。刺激電極及び感知電極の両方が傷の周囲の肌の上に配置されるように構成されるため、装置は、特定の傷のために調整された、調節された電気療法のために使われることができ、いかなる時点でも、装置が傷そのものに触らず調整された電気療法を達成される。したがって、本開示の装置は、傷に、傷の上に、又は傷の中に適用される従来の傷の治療を妨害することなく、調節された電気療法のために使われ得る。
少なくとも2つの感知電極を有することは、本開示の装置を使用して、肌を通じて傷そのものの電圧降下を測定することを可能とする。2つの感知電極は、未知の肌インピーダンスの測定を除去することでより正確な傷の電圧降下を測定することができる。さらに、電圧降下の差分測定を2つの感知電極で行うことができ、コモンモードノイズを低減又は除去することができる。このように、本開示の装置を用いてより正確な傷の電圧降下の測定が可能となる。
少なくとも2つの感知電極と少なくとも2つの刺激電極は、同じ2つの電極によって形成され得る。装置は2つの電極を備えてよく、2つの電極のそれぞれは刺激電極と感知電極との間で切り替え可能である。装置が2つの電極を備える実施形態において、装置は、2つの電極のそれぞれが刺激電極と感知電極の間で切り替わることを可能にするマルチプレクサをさらに備えてよい。装置が2つの電極を備える実施形態において、2つの電極は、較正電圧で周波数掃引を行うときは感知電極として機能し、続いて電気療法のために傷に電流を供給する刺激電極として機能してよい。
一実施形態において、装置は、
電流測定回路をさらに備え、電流測定回路は、刺激電極と接続されており、制御モジュールと通信するように構成され、制御モジュールはさらに、
-電流測定回路から1つ以上の測定された電流レベルを受付け、且つ、
-測定された電圧降下及び測定された電流レベルに基づいて、制御された電圧源から出力された電圧を調整するように構成されている。
刺激電極が傷の周囲の肌に配置されるとき、刺激電極を通って流れる電流のレベルは、傷の電気的インピーダンス又は抵抗に依存する。したがって、本開示の装置は傷への調節された電気療法をさらに可能とし、装置によって傷に供給される電圧は、特定の傷のインピーダンスに依存する電流の測定値に基づいて調整され得る。測定電流のみ、又は測定電流と測定された電圧降下を共に用いることで、装置は傷への調節された電気療法を供給することができ、装置によって傷に供給された電圧は、治療される特定の傷のために合わせられたレベルに調整され得る。合わせられた電気療法は、合わせられていない電気療法と比べて向上された傷の治癒効率をもたらし得る。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、1つ以上の測定された電圧降下及び1つ以上の測定された電流レベルからインピーダンスを計算し、制御された電圧源から出力された電圧を、感知電極間で測定される電圧降下が、計算されたインピーダンスの1オームあたり0.05Vから1Vの範囲内のレベルに調整するように、構成される。
電圧出力は、感知電極間で測定された電圧降下が、計算されたインピーダンスの1オームあたり0.05Vから1V、0.07Vから0.8V、0.08Vから0.6V、0.09Vから0.5V、又は0.1Vから0.4Vの範囲内のレベルに調節されてよい。例えば、計算されたインピーダンスが50オームである場合、電圧出力は、感知電極間で測定された電圧降下が約10Vになるように、即ち計算されたインピーダンスの1オームあたり0.2Vになるように、調節され得る。発明者は、傷のモデルに基づいて、インピーダンスが傷の大きさに依存し、傷1mmあたり概ね0.8オームという関係であることを見込んだ。したがって、インピーダンスは傷の大きさのプロクシとして用いられることができ、インピーダンスに基づいて傷での電圧降下を調整することは、適切な電気療法をもたらし得る。インピーダンスによって調節された、上述の測定された電圧降下は、傷を通る約50-350mV/mmの電界をもたらすため、傷の治癒を加速させることに特に適切である。これらのレベルは、理論に縛られることなく、傷の治癒に特に適切であると考えられる。
一実施形態において、制御された電圧源は、50kHzから500kHzの範囲内の周波数を有する直流パルスを出力するように構成されている。
交流電圧源を2Vppで用いる実験は、このような電流パルス(高周波数パルス)が肌に印加されるとき、肌の有効電気インピーダンスが低くなることが観察されることを示した。50kHzから500kHz(2μsから20μs)のパルスに対して、このような低インピーダンス値は、144オームから173オームの範囲内であると観察された。したがって、同じ周波数の直流パルスに対して同じ効果が予想される。一方、例えば1Hzから1kHzに対して1000オームから20000オームなど、電流パルスの周波数が低い時は、肌のインピーダンス値は遥かに高い。したがって、実施形態は、有利には、肌により大きい電流を流すことを可能とし、これは理論に縛られることなく、治療の効果を向上させる。加えて、本開示の装置は、大きく変わり得る傷の周囲の肌のインピーダンスの差を考慮せずに、傷の大まかな電圧降下の決定を可能とする。
さらに、交流電圧源を2Vppで用いる実験は、50kHzから500kHzの範囲内の周波数を有する電流パルスは痛みを与えない一方、0.8kHzから3kHzの周波数を有する電流パルスは直接的な痛みの感覚をもたらすことを示した。したがって、実施形態は、有利には、痛みを与えない治療電流の適用を可能とし、0.5時間から12時間、0.5時間から8時間、又は0.5時間から4時間など、長い時間の間印加されても痛みを与えないことができる。
電流パルスは、5kHzから500kHz、10kHzから500kHz、15kHzから400kHz、20kHzから300kHz、25kHzから250kHz、又は30kHzから200kHzの範囲内の周波数を有してよい。
パルス直流電流の周波数は、パルス直流電流が一秒間に電圧を有する周期と有しない周期を何サイクル有するかを表す。例えば、パルス直流電流が2Hzの周波数を有する場合、2Vで0.25秒間、次に0Vで0.25秒間、次に2Vで0.25秒間、そして0Vで0.25秒間、のように、パルス直流は電圧がある2つの期間と、電圧が無い2つの期間と、を有する。電圧を有する期間と有しない期間は同じ持続時間である必要はなく、電圧を有する期間と有しない期間との関係は1:1.1から1:20、1:1.5から1:10、又は1:2から1:5の範囲内であってよい。さらに、電圧の上昇と下降は、のこぎり波、方形波、三角波、正弦波、またはその組み合わせなど、いずれかの適切な形であってよい。
一実施形態において、制御された電圧源から出力される電圧は、1%から50%の範囲内のデューティサイクルを有する。
このようなデューティサイクルは、特に請求項5に記載された直流パルスとの組み合わせで、傷への適切な電気療法をもたらす。また、このようなデューティサイクルは治療中の組織に過剰なpHが蓄積することを回避できる。理論に縛られることなく、閾値に達するまでは、デューティサイクルが大きいほど(デューティサイクルの%が増加するほど)、傷の治癒効果が大きくなる。閾値を超えると、例えば熱及び/又はpHの蓄積による損傷で、電力レベルが組織及び/又は細胞に損傷を与える可能性がある。さらに、デューティサイクルを使うことで、電力が節電され、バッテリの寿命を長くして総治療時間を延長することができる。デューティサイクルは、1%から10%、1%から20%、1%から30%、1%から40%、又は1%から50%の範囲内にあってよい。
直流信号は、方形波であり得る(例えば周波数が10kHz、振幅10V、及びデューティサイクル10%のパルス幅変調)。傷に印加された場合、電気パルスはインピーダンスによって、傷を通る電気信号がより正弦形になるように、帯域幅が制限される可能性がある。また、信号は意図的に帯域幅が制限されたり、又は、例えば完璧な方形波と比べて立ち上がり時間が延長されるように、他の手段により形成されたりしてよい。より長い立ち上がり時間は、急な電気刺激により生じる不快な感覚を緩和する。電流は、好ましくはモノパルス直流であって、一定時間の間、例えば1分~1時間、電極間と傷を通じて第1方向に流れる。この期間の後、電流は第1方向の逆方向に印加されてよい。モノパルス直流信号の目的は、傷に発生する自然的な電気刺激を模倣することであり、これは、例えば慢性的な傷や他の重度の傷には存在しないか、損なわれる可能性がある。理論に縛られることなく、電流を様々な方向で印加し、従って治療の過程において幾つかの傷の縁から治癒のプロセスを促進することで、傷の治癒がより効率的になると考えられる。
一実施形態において、装置は2つの支持構造をさらに備え、少なくとも1つの刺激電極と少なくとも1つの感知電極がそれぞれの支持構造に付けられている。
支持構造は、2つ以上の刺激電極及び2つ以上の感知電極を傷の部位に置く代わりに、傷の部位に少なくとも2つの支持構造のみが配置されれば良いように、電極の扱いを容易にする。支持構造は、プラスチック、織物、紙、又はそれらの組み合わせなど、使い捨てに適切ないずれかの材料である。
支持構造は、支持構造に連結された複数の刺激電極及び複数の感知電極を備えてよい。例えば、1つの支持構造は、支持構造に連結された2つの刺激電極及び2つの感知電極を有していてもよい。
一実施形態において、それぞれの支持構造は少なくとも1つの刺激電極を有し、刺激電極から、5mmから50mm以内に位置する少なくとも1つの感知電極を有する。
刺激電極及び感知電極のこのような配置は、装置において信頼できる電圧降下の測定値の取得を可能とする。感知電極及び刺激電極の間の距離は、50mmから10mm、50mmから20mm、40mmから10mm、40mmから20mm、30mmから10mm、又は20mmから10mmの範囲内であり得る。
刺激電極をデフォルトで感知電極の近傍に位置させることで、医療従事者にとって電極の設置の煩雑さが減少する。例えば、医療従事者は、傷の周囲の肌の、傷の両側に、本実施形態に係る2つの支持構造を置くことができる。
一実施形態において、少なくとも1つの電極、及び/又は、存在する場合、少なくとも1つの支持構造が、鋭利な工具で切断可能である、手で折りたたみ可能である、又は手で引き裂き可能であることのうちの1つ以上である。
このような電極及び/又は支持構造は、傷の周囲の肌に面することを意図される電極の領域の変更を可能とする。変更は、電極の領域が傷のより広い部分を囲むように、領域を適合するようになされてよい。理論に縛られることなく、電極が傷をより囲むほど、治療の効率が高くなる。傷をより完全に囲む電極は、傷の一部だけを囲む電極より、傷の広い領域及び/又は体積を通じて電流を印加できると考えられる。加えて、傷に適合するように小さくされた電極及び/又は支持構造は、医療従事者によってより簡単に扱われ、傷の部位に設置されることができ、装置で傷のより多くの種類及び形状を治療できるようにする。
支持構造は、折りたたまれたとき、折りたたまれた部分が1つ以上の電極を電気接触から保護するように折りたたみ可能であってよい。電極はまた、隣接する部分の電気接触から保護されるように、電極自身に向けて折りたたまれてよい。電極及び/又は支持構造は、好ましくは、傷の周囲の肌に面することを意図される電極の領域の変更が切断により行われるように、切断可能であってよい。切断可能な支持構造を提供することで、傷の周囲の肌に面することを意図される電極の領域の変更が、1つ以上の電極と連結された支持構造の一部を切断することにより達成されることができ、1つ以上の電極が支持構造から切断されることになる。電極及び/又は支持構造は、例えば、穿孔された線(punctured lines)や細い線を持つ素材を有することによって、引き裂かれるのに適していてもよく、電極及び/又は支持構造が手で引き裂き可能であってよい。また、支持構造及び/又は電極の材料は、薄いか、又は強度が低いものであってもよく、これは電極及び/又は支持構造のどの部分も手で引き裂き可能とする。傷の周囲の肌に面することを意図される電極の領域の変更は、切断可能である、引き裂き可能である、又は折りたたみ可能である、ことのうちの2つ以上である支持構造及び/又は電極を提供することでも達成され得る。例えば、支持構造は、より容易い折りたたみ又は切り裂きを促進するために、一部が切断されてよい。
電極は、電極を切断することなく支持構造が切断可能であるように、電極間に空間を置いて支持構造に配置されてよい。したがって、それぞれの支持構造上のいずれかの特定の電極は、支持構造のみを切断することにより支持構造から除去され得る。支持構造は、選択的に、電極を除去するために、支持構造を切断できる部分を示す線(例えば、線を示すために支持構造上にフィルムや、いずれかの他の適切なマーキングが配置されてもよい)でマーキングされてよい。
一実施形態において、制御モジュールはさらに、所定の距離という少なくとも1つの更なる条件に基づいて、制御された電圧源から出力された電圧を調整するように構成される。
所定の距離をもって構成される装置は、電気療法が傷の概ねの寸法に従って調整されることを可能とすることができる。このような電気療法は、治療中の特定の傷に対して特に適し得る。装置の所定の距離は、装置上のボタンを介して、又は装置に無線で信号を送信するなど、多くの方法によって構成され得る。特定の大きさの刺激電極が装置と共に用いられる場合、装置は電極の大きさを検出し、それにより所定の距離を構成することが出来る。例えば、システムは電極のインピーダンス特性を検出し、インピーダンス特性に基づいて所定の距離を選択することができる。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、制御された電圧源から出力される電圧を、測定された電圧降下が所定の距離の1mmあたり30mVから350mVの範囲内であるレベルに調節するように構成される。
これにより、電気療法に適する電界が取得される。
一実施形態において、制御された電圧源から出力される平均電流は、1mAから10mAの範囲内に制限される。
このような電流は一般的に組織を損傷させることなく、結果として電気療法に適した電流となる。装置は、傷に有害な電流を印加することを緩和するため、これらの出力レベルに制限されてよい。ピーク電流レベルは、例えば10mA以上であってよい。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、制御された電圧源から出力される電圧を第1レベルから第2レベルまで上げるように構成される。
他の実施形態において、制御モジュールは、さらに、制御された電圧源から出力される電圧を第1レベルから第2レベルまで徐々に及び/又は段階的に上げるように構成される。
傷に目標レベルの電圧を直ちに印加することは、哺乳類動物や患者にとって苦痛/不快であり得る。少なくとも2つの電圧レベルを有することは、肌/傷への電流の流入を遅くするため、哺乳類動物への痛みや不快感を減らす。より長い時間におけるより多くの段階は、より遅い流入と、潜在的に、痛みや不快感がより少なくなることを意味する。したがって、電圧レベルを徐々に又は段階的に印加するように構成された装置は、痛みがより少ないか、不快感がより少ない電気療法を提供する。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、1つ以上の測定された電圧降下値及び1つ以上の測定された電流レベル、並びに/又は、1つ以上の測定された電圧降下値と1つ以上の測定された電流レベルから計算された1つ以上のインピーダンス値を外部ユニットに無線通信するように構成される。
外部ユニットは、スマートフォンやコンピュータなど、無線プロトコルを介してデータを受信するための任意の適切な装置であり得る。
このような無線通信は、絆創膏や、創傷ドレッシング、傷の部位に配置又は固定された他のアイテムを除去する必要なく、患者及び/又は医療従事者によって患者の傷の状態を監視するように用いられてよい。一例として、無線通信は、例えば本開示の装置から、スマートフォン、携帯型電子機器、又はコンピュータなどの外部ユニットへのデータ転送、例えばBluetoothプロトコルを通したデータ転送であり得る。外部ユニットは、受付けたデータを用いて傷のインピーダンス値を計算してもよいし、本開示の装置からインピーダンス値を受付けてもよい。インピーダンス値は傷の大きさを示し、値が小さいほど、傷も小さい。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、外部ユニットから無線通信を介して命令を受付けるように構成され、命令は、装置の電圧出力及び/又は電流出力を調節する。
有利には、このような装置は、絆創膏や、創傷ドレッシング、傷の部位に固定された他のアイテムを除去する必要なく、患者及び/又は医療従事者によって電気療法を調整するために用いられてよい。
また、電極は除去可能なフィルムで覆われてもよく、これは電極及び/又は除去可能なフィルムの間に配置された導電性ゲルと隣接する。除去可能なフィルムは、ゲル及び/又は電極を埃から保護する目的を果たす。また、フィルムは、パッチの導電性要素を電気的に絶縁させることもできる。さらに、フィルムは、ゲルから蒸発する水など、ゲルから揮発性成分が放出されることを防ぐ。高い含水率は、例えば、導電性ハイドロゲルの導電性のために重要である。
制御モジュールは、本明細書に記載された機能を行うように適合されたいずれかの回路及び/又は装置を備える装置である。制御モジュールは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuits)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、専用電気回路、又はその組み合わせなどの、汎用の、又は独自のプログラム可能なマイクロプロセッサを備えてよい。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、
-傷の大きさに関する入力を受付け、且つ、
-傷の大きさに基づいて、制御された電圧源から出力される電圧を調整する
ように構成される。
結果的に、制御モジュールは傷の大きさに基づいて較正されてよい。これは、制御モジュールが、出力される電圧をより正確に調整できるようにする。
傷の大きさに関する入力は、傷の長さ、幅、及び/又は深さに関するものであってよい。
傷の大きさに関する入力は、使用者が制御モジュールに行う傷の寸法の入力であってよい。傷の大きさに関する入力は、傷の1つ以上の画像として与えられてもよく、この写真は、制御モジュールによって傷の大きさに関する情報を抽出するように処理されてもよい。或いは、1つ以上の画像は、傷の大きさに関する情報を抽出するように外部処理ユニットによって処理され、制御モジュールに抽出された情報を送信してよい。例えば、画像がスマートデバイスによって取得される場合、スマートデバイスが先ず取得された画像を処理してもよいし、又はスマートデバイスが画像を処理してスマートデバイスに関連情報を戻すことができるクラウドに接続されてもよい。
傷の大きさに関する入力は、例えば、ユーザインタフェースを介して、制御モジュールに、傷の大きさに関する入力を、使用者が直接入力できるようにする、ユーザインタフェースを提供するなど、制御モジュールに直接入力されてよい。傷の大きさに関する入力は、制御モジュールに通信可能に接続された外部装置に入力され、それから、外部装置が傷の大きさに関する入力を制御モジュールに送信してもよい。
装置は、較正プロセスの途中に傷の大きさに関する入力を用いて、ここで装置が測定された電圧降下及び傷の大きさの両方を用いて制御された電圧源から出力される電圧を調整してよい。
一実施形態において、少なくとも2つの感知電極及び/又は少なくとも2つの刺激電極は、既知の寸法の複数のマーカーを備える。
結果的に、傷の画像が複数のマーカーと共に取得されて処理され、傷の大きさ及び湾曲の正確な推定を可能とする。制御モジュールは、傷と複数のマーカーの画像を受付けて、傷の大きさに関する情報を取得する処理をするように構成され得る。或いは、既知のマーカーと傷を直接比較して、傷の大きさに関する情報を取得してもよく、その後、例えば、傷がマーカーの幾つかの数と同じ幅又は長さを有する場合、比較が制御モジュールに入力されてもよい。
マーカーは、マーカーの1つ以上の寸法が既知である三角形、円、長方形などの形であってもよい。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、
-制御された電圧源から出力される電圧を第1の複数の治療サイクルで印加するように構成され、
それぞれの治療サイクルは、制御モジュールが制御された電圧源から出力される電圧を傷に印加するように構成される治療時間周期と、制御モジュールが制御された電圧源から出力される電圧を停止するように構成される休止時間周期とを含む。
結果として、電圧を第1の複数の治療サイクルにおいて印加することで、電気療法における装置の電力消費は減少され、さらに、細胞を治療時間周期の間に回復させることができる。電力消費の減少は、装置がバッテリを備えてバッテリで駆動される場合、装置のバッテリ時間が延長されるため特に有利である。
好ましくは、第1の複数の治療サイクルは、制御モジュールによって行われる周波数掃引に続いて、即ち第1の複数の治療サイクルの較正を可能とするように、行われる。
第1の複数の治療サイクルは、2、3、4、5、6、又はそれ以上の治療サイクルを含んでよい。
治療時間周期は、5分から10時間、5分から5時間、5分から1時間、15分から45分、20分から40分、例えば30分であってよい。治療時間周期は、電気療法のための電流が傷に印加される時間の周期である。傷に印加される電流は、単相パルス直流電流又は同様のものであってよい。
休止時間は、5分から10時間、5分から5時間、5分から1時間、15分から45分、20分から40分、例えば30分であってよい。休止時間周期は、治療時間周期と同じ持続時間を有してよい。休止時間周期は、電気療法のための電流が傷に印加されない時間の周期である。
制御モジュールは、治療時間周期の間、傷に定電圧を印加するように、即ち制御された電圧源を制御して、治療時間周期の間に定電圧を出力するように構成されてよい。
例えば、第1の複数の治療サイクルは、治療時間周期が30分であって休止時間周期が30分である4回のサイクルからなってもよい。
一実施形態において、制御モジュールは、さらに、
-第1の複数の治療サイクルにおいて、傷に、制御された電圧源から出力された電圧を印加し、続いて第2の複数の治療サイクルにおいて、傷に、制御された電圧源から出力された電圧を印加するように構成され、制御された電圧源から出力された電圧の極性は、第1の複数の治療サイクルと第2の複数の治療サイクルにおいて逆である、ように構成される。
出願人は、電流の流れの方向が傷の治癒に影響することを発見した。電流の流れが入る領域ではより大きな程度で治癒し、結果的に、電流の極性を逆にすることで、電気療法を受けている傷が均一に治癒することを保証できる。
本開示の文脈において、電圧の極性は、傷を通る電流の方向、即ち1つの刺激電極から他の刺激電極までの電流の方向を決定する。したがって、極性が逆になると、電流も逆方向に流れる。
第1の複数の治療サイクル及び第2の複数の治療サイクル内のそれぞれの治療サイクルは、制御モジュールが制御された電圧源から出力された電圧を傷に印加するように構成された治療時間周期と、制御モジュールが制御された電圧源から出力された電圧を停止するように構成された休止時間周期と、を有してよい。
第2の複数の治療サイクルは、2、3、4、5、6、又はそれ以上の治療サイクルを含んでよい。
例えば、第1の複数の治療サイクルが、治療時間周期が30分であって休止時間周期が30分である4回のサイクルからなり、第2の複数の治療サイクルが、治療時間周期が30分であって休止時間周期が30分である4回のサイクルからなってもよいが、電圧源によって印加される電圧の極性は、第2の複数の治療サイクル中において、第1の複数の治療サイクルに対して逆である。
第1の複数の治療サイクルと第2の複数の治療サイクルの間に治療の休止があってよい。休止は、5分から60分、好ましくは15分から45分、さらに好ましくは20分から40分、例えば30分である。
制御モジュールが治療サイクル中に傷に電圧を印加するように構成される実施形態において、それぞれの治療周期の前に、制御モジュールは、さらに、
-傷のインピーダンスを決定するために、較正電圧で、周波数掃引を行い、
-電圧測定回路から1つ以上の測定された電圧降下を受付け、電圧降下は感知電極で測定され、且つ、
-測定された電圧降下に基づいて、制御された電圧源から出力された電圧を調整するように構成される。
結果的に、傷、装置、肌、又は周囲条件の変化は、それぞれの治療サイクルが開始するときに考慮され、最適な量の電圧が傷に供給され得る。
電気療法を適用する装置は、1つ以上の外部センサをさらに備えてよい。1つ以上の外部センサは、制御モジュールに通信可能に接続されてよい。制御モジュールは、1つ以上の外部センサから受付けたセンサデータに基づいてフィードバックを生成するように構成されてよい。フィードバックは視覚的フィードバック、例えば制御モジュールにディスプレイが設けられる場合、制御モジュールがセンサデータを表示してもよく、或いは、制御モジュールが外部装置にセンサデータを表示させる命令を生成してもよい。フィードバックはスマートフォンのアプリケーションを介して与えられてよい。フィードバックは触覚的フィードバック、例えば、制御モジュールに振動装置が備えられる場合、フィードバックが振動の形態で提供されてよく、或いは、制御モジュールが外部装置を振動させる命令を生成してもよい。1つ以上の外部センサは、使用者が周囲条件を監視できるようにし、周囲条件を調整して傷の最適な治癒を達成できるようにしてよい。例えば、温度が傷の治癒に大きく影響することはよく知られており、結果的に、1つ以上の外部センサを介して周囲条件を決定できることで、使用者は異なる場所に移動したり、空調システムの設定を変更したりすることで周囲温度を調整することができる。
外部センサは、傷の周囲の肌からの脈拍、血流、及び/又は血中酸素に関するセンサデータを収集するための脈拍、血流及び/又は血中酸素センサであってよい。制御モジュールは、傷の周囲の肌からの脈拍、血流、及び/又は血中酸素に関するセンサデータを表示するように構成されたディスプレイを備えてよい。脈拍、血流、及び/又は血中酸素センサは、刺激電極及び/又は感知電極に統合されていてもよい。
外部センサは、傷の付近の周辺温度に関するセンサデータを収集するための温度センサであってよい。制御モジュールは、温度に関するセンサデータを表示するように構成されたディスプレイを備えてよい。温度は、スマートフォンのアプリケーションを介して表示されてよい。制御モジュールは、傷の治癒のための温度の最適範囲を定義する所定の範囲を有してよく、制御モジュールが、周囲温度が所定の範囲外にあると決定した場合、例えば表示される警告メッセージや触覚的フィードバックの形のフィードバックを生成する。温度センサは、制御モジュールの中に統合されていてもよい。
外部センサは、装置の動きに関するセンサデータを収集するための加速度センサであってよい。
外部センサは、時刻を決定するための時計であってよい。制御モジュールは、時刻を表示するように構成されたディスプレイを備えてよい。制御モジュールは、傷の治癒および休止時間、即ち傷に電流が印加されないときのための最適な時刻を定義する、1つ以上の所定の範囲を有してよい。制御モジュールは、傷の治癒のための最適な時刻に達したことを決定し、例えば表示されるメッセージ又は触覚的フィードバックの形でフィードバックを生成し、使用者に装置を起動することを知らせるように構成されてよい。
以下、本発明の実施形態が、同封の拘束力の無い図面を参照して説明される。
図1は、本開示における装置の実施形態を示し、装置の電極が傷の周囲の肌の上に配置される。 図2は、本開示における、支持構造と電極を備えるパッチの分解図を示す。 図3は、組み立てられた状態の、図2のパッチを示す。 図4は、肌に付けられた、図2及び3のパッチの平面断面を示す。 図5は、48時間にわたり電気刺激に暴露された、単層HaCaT細胞のスクラッチアッセイの代表的な光学顕微鏡画像を示す。 図6は、48時間にわたり電気刺激に暴露された、単層HaCaT細胞のスクラッチアッセイの代表的な光学顕微鏡画像を示す。 図7は、48時間にわたり電気刺激に暴露されたHaCaT細胞の細胞移動能力のグラフを示す。
発明の詳細な説明
本発明は、具体的な実施形態と関連して以下に説明される。当業者なら、本発明が幾つかの他の適用例及び実施形態で実現され、ここに描写された特定の実施形態への適用例に特に限定されないことを理解するであろう。
一般的に、本発明の装置は、電気療法の途中に哺乳類又は患者が動き回ることが出来るように、携帯可能であり、使用中に哺乳類又は患者に固定されるように意図される。図1において、本開示の装置が患者の傷の部位にどう設置され得るかの一例が示される。制御モジュール101a、電圧測定回路101b、及び電流測定回路101cを備える中央ユニット101が傷107の近くに配置され、ケーブル103を介して、2つの刺激電極104a及び104b、並びに2つの感知電極105a及び105bに接続される。ケーブル103は、2つのケーブル103a及び103bに分岐し、それぞれが刺激電極104a及び104b、並びに感知電極105a及び105b、そして選択的に支持構造106a及び106bに接続される。中央ユニット101は、少なくとも中央ユニット101上のボタン102により選択的に制御されてよい。電極対104a及び105a、並びに電極対104b及び105bは、傷107の反対側に配置された支持構造106a及び106bにそれぞれ接続され、感知電極105a及び105bが傷107に最も近い。感知電極105b、刺激電極104b、及び支持構造106bがパッチ100pを形成する。この図において、支持構造106a及び106bは、電極の構成を示すために透明であるように図示されている。作動するとき、電気は中央ユニット101によって出力され、ケーブル103、103a、103bを介し、刺激電極104a及び104bを通じて、傷107に導電される。傷107での電圧降下は、感知電極105a及び105bと中央ユニット101を介して、電圧測定回路によって測定される。制御モジュール101aは、電圧及び電流の測定値に基づいて適切な出力電圧を計算してよい。傷の径などの距離は、ボタン102を用いて、又は無線インタフェース(図示せず)により入力されてよい。入力値は、中央ユニット101によって適切な電圧出力レベルを計算するために用いられてよい。
図2は、本発明の実施形態を示し、支持構造106並びに電極104及び105はパッチ111の部品を備え、パッチ111が分解図で示されている。ケーブル103は、保護されていない2つの電線109a及び109bを備える。パッチ111が組み立てられると、2つの電線109a及び109bはそれぞれ刺激電極104及び感知電極105と電気的に接触し、支持構造106と電極104及び105との間に挟まれる。それぞれの電極104と電極105との間に導電性ゲル層110が選択的に位置してもよく、ゲル層110は、除去可能なフィルムによって選択的に覆われてもよい。
図3は、組み立てられた形態の図2のパッチを示す。除去可能なフィルム108は、フィルムの除去を容易くするノッチ108aを選択的に有する。この実施形態は、例えば、パッチの長さが短くなるように、パッチの幅を横切って選択的に切断されてもよい。理想的には、治療される傷の周囲の肌の寸法に概ね適合するように、パッチの長さが切断される。
図4は、組み立てられた状態の図2及び3のパッチの平面断面を示しており、除去可能なフィルム108が除去され、導電性ゲル層110が傷(図示せず)の周囲の肌111の表面に接触している。
図5は、単層HaCaT細胞が、48時間にわたり様々な条件下で電気刺激に暴露された、例2において説明されるスクラッチアッセイの代表的な光学顕微鏡画像を示す。テストされた様々な条件は、条件A:0kHzのパルス周波数、100%のデューティサイクル、及び200mV/mmの電界、条件B:100kHzのパルス周波数、2%のデューティサイクル、及び200mV/mmの電界、条件C:100kHzのパルス周波数、4%のデューティサイクル、及び200mV/mmの電界、並びに条件D:100kHzのパルス周波数、10%のデューティサイクル、及び150mV/mmの電界である。対照群
Figure 2023525076000002
は、治療されてない、即ち刺激されていない細胞を表す。それぞれの条件は三重でテストされ、図5に示された画像は、各条件において観察された一般的な細胞の振舞いの代表的な画像を表す。画像は、0時間、12時間、24時間、36時間、及び48時間の電気刺激の後に取得された。すべての条件において、電気刺激は、画像の中央にあるスクラッチに(上から下に)直交していた。対照群
Figure 2023525076000003
においては、画像中央の無細胞領域、つまりスクラッチは、全48時間において同じ大きさを有した。条件C及び条件Dにおいて、画像中央の無細胞領域は大きさの僅かな減少を見せ、即ちこれらの条件における傷の治癒は遅くて効率が悪かった。条件Aにおいて、治療の経過において無細胞領域の大きさに、目に見える変化があった。条件Bで治療された細胞は、無細胞領域の大きさが、最も大きく減少し、したがって傷の治癒のための最良の条件を表す。条件A及び条件Bの治癒特性は、図6でより明確に示される。
図6は、単層HaCaT細胞が、48時間にわたり、刺激条件(A及びB)と非刺激条件
Figure 2023525076000004
で、電気刺激に暴露された、例2において説明されるスクラッチアッセイの代表的な光学顕微鏡画像を示す。スクラッチ領域、又は無細胞領域は傷を表し、画像の中央のより暗い領域として示される。電気刺激中、治療された細胞(A及びB)の無細胞領域は減少するが、刺激されていない細胞
Figure 2023525076000005
のこの領域は大きさが変わらない。さらに、条件B(100kHzのパルス周波数、2%のデューティサイクル、及び200mV/mmの電界)で治療された細胞は、24時間後に既に視認できる無細胞領域の大幅な減少から示されるように、最も早く、最も効率的な傷の治癒を示す。条件B下での48時間の治療後に、無細胞領域はほぼ全て減少された。条件Aは、より遅く、あまり顕著でない傷の治癒を示す。
図7は、条件A(正方形を伴う実線)及び条件B(三角形を伴う実線)で治療されたHaCaT細胞と、治療されていないHaCaT細胞
Figure 2023525076000006
(円を伴う実線)の細胞移動能力のグラフを示す。グラフは、時間経過に伴う無細胞領域の変化を示し、これは、オープンソースの画像処理プログラムであるImage Jソフトウェアを使って計算され、Image Jソフトウェアは、傷の周囲を追跡し、閉鎖率を計算することで、傷の閉鎖を評価するために用いられる。0時間でのスクラッチの幅は100%である。図7に見られるように、時間経過に伴う無細胞領域の変化、即ち傷の治癒率は、条件B下で治療されたHaCaT細胞で最も高く、これは48時間で無細胞領域が約50%変化することから明らかである。
<例示>
例1:シミュレートされた傷における高い交流周波数での低いインピーダンス及び無痛の実証
2つの電極が人の腕の乾いた肌に配置され、電極間距離は50mmであった。電極は、50オームの出力インピーダンスを有する信号発生器に直列に接続されていた。電流測定のため、100オームの抵抗が測定抵抗として回路に直列に挿入された。電極間の肌に厚い層のCefar Electrogelを塗ることにより、腕にシミュレートされる傷が形成された。Cefar Electrogelは略円形であるゲル層を形成するように塗られ、ゲル層は電極の縁のそれぞれから約5mm離れていた。オシロメータを直列に接続することにより電気測定が行われ、オシロメータの第1リード及び第2リードはそれぞれ100オーム抵抗のすぐ前と後に接続された。簡潔に、測定値は、シミュレートされた傷の交流抵抗が、周波数に強く依存し、1Hzで約20キロオームから、100kHz-1MHzで150オーム未満の範囲であること、及び、シミュレートされた傷が、電圧に依存し、20Vで40キロオームから、1Vで263キロオームの範囲である直流抵抗を有すること、を示した。数時間の交流測定の後にも肌に炎症がなかった一方、直流(非パルス)測定は、10分のみ、且つ、測定された電流は0.5mA以下であるにもかかわらず、正極の下の肌に赤みと炎症をもたらし、さらに、15V/150μA以上の直流電圧/電流の時点で既に不快感をもたらした。0.8から3kHzの交流周波数では、直接的な痛みが感じられた。以下の表1には、異なる交流周波数におけるシミュレートされた傷のインピーダンス値が示される。表は、直接的な痛みが感じられる交流周波数も示している。
Figure 2023525076000007
結論:少なくとも10kHzの周波数を有する交流信号を用いて、肌を通じて、シミュレートされる傷に痛みを伴うことなく、電気療法に適した電流及び電圧レベルが供給されることができる。交流信号と同様のパルス直流信号も一般的に同じように振舞うことが予想され、したがって電気療法に用いられてよい。
例2:対照群に対する電気的に刺激されたHaCaT細胞のインビトロ研究
<電気刺激システムのセットアップ>
電気刺激システムの基本的な原理として、Song et al. (doi:10.1038/nprot.2007.205)により2007年に出版されたプロトコルが出発点として用いられた。刺激システムの核心部分は、細胞培養チャンバ、電子を運ぶ塩橋、電流を生成する電気刺激装置、及び全てを正位置に保持する足場などを含む、特別な構造を有する細胞培養皿を有した。このセットアップの目的は、細胞培養環境に目標電界を生成することであった。Song et al.のプロトコルは、長い間の電気刺激や顕微鏡検査など、本研究の特別な要求条件を受容できるように適合された。
<細胞培養及びスクラッチアッセイの方法>
HaCaT細胞は、電界による媒質の過剰な加熱による細胞損傷を回避するために、薄いチャンバにおける単層で培養された。細胞は特注のペトリ皿の中に播種された。通常、HaCaT細胞の培養密度は1x10 cmである。限られた空間において細胞をなるべく早くコンフルエントさせるため、播種に使われた細胞懸濁液の濃度は95x10 cmであった。トリパンブルー染色により、提供された実験条件下における細胞の生存率は95%以上であると確認された。
通常、無細胞領域は、ペトリ皿の中央にピペットチップを用いて傷をスクラッチすることで生成されるが、本実験のセットアップにおいてチップを用いるとスクラッチの縁が不規則になり、縁の周囲の層において細胞が持ち上げられやすく、スクラッチの縁における細胞が壊れやすくなる。これらの問題を回避するため、チップの代わりに自己接着シリコーンテープが用いられた。シリコーンテープは同じ幅(0.5mmから0.7mm)に切られ、予め細胞培養領域に接着された。細胞が十分に成長し細胞の接着が達成された後、テープは除去され、十分な無細胞領域が生成された。
<細胞移動への電気刺激の効果>
HaCaT細胞の移動への異なるモードの電気刺激の効果を調査するために、異なるパラメータ(表2)の電気信号がHaCaT細胞培養の単層に印加された。電極産物が培養に入ることを防ぐために、寒天塩橋を介して接続されたAg/AgCl電極を用いて刺激(条件A、B、C、D)及び無刺激(対照群
Figure 2023525076000008
)がHaCaT細胞培養の単層に印加された。
表2はHaCaT細胞培養システムに実験されたパラメータを示す。
Figure 2023525076000009
培養システムにおけるスクラッチ又は無細胞領域は、電気刺激の開始から0時間後、12時間後、24時間後、36時間後、及び48時間後に撮影された。それぞれの時点で無細胞領域の画像が3つ撮影され(図5)、無細胞領域はImage Jソフトウェアによって計算された。初期顕微鏡倍率は40xであった。
異なる時点において各群の移動率を計算して移動能力を評価するために、次の式1が用いられた。
Figure 2023525076000010
実験群(A、B)の移動率は、対照群
Figure 2023525076000011
と比較して、増加する傾向を示した(図6及び7)。条件B(100kHz、2%デューティサイクル、200mV/mm)によって生成された、電気刺激に暴露されたHaCaT細胞培養は、移動能力の最も著しい増加、即ち最も速く、最も効率的な傷の治癒を示した。図6で見られるように、傷は24時間のみの電気刺激療法の後に実質的に閉じられ、48時間の電気刺激療法の後にはほぼ完全に閉じられた。図7で見られるように、条件B及び条件Aのいずれも対照群
Figure 2023525076000012
と比べて傷の閉鎖率を著しく向上させた。さらに、条件Bは、約50%早く傷を閉じ(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)、条件A(通常の直流刺激)より著しく優れていた。
<統計>
結果は、平均の平均±標準誤差(SEM)として提示される。各実験条件は、三重又はそれ以上(技術的複製、n≧3)に測定されて、独立して3回(N=3)行われた。統計分析は、GraphPad Prismソフトウェア(バージョン8.0.2、El Camino Real、米国)を用いて行われた。データセットは、クラスカル・ウォリスH(Kruskal-Wallis H)テストによって比較された。α=0.05が最大タイプIエラー率として設定された。*<0.05、**<0.01、***<0.001が対照群と比べてP値を分類するために使われた。
<結論>
本例で説明された細胞システムは、細胞移動能力をテストする要件を満足する。
条件A及び条件B下で供給された電気刺激には、細胞移動能力を向上させる傾向を示し、条件B、即ち100kHzのパルス周波数、2%のデューティサイクル、及び200mV/mmの電界における変化が最も著しかった。
上で提示したインビトロ研究に基づいて、本発明の概念に従って供給された電気刺激が優れた傷の治癒特性を提供することは明らかである。さらに、例1において提供されたデータに従って、ここでテストされた電気刺激条件は、電気療法の途中、患者に及ぼす悪影響が最小限であると考えられている。したがって、少なくとも50kHz又は100kHzの高周波数と低いデューティサイクル(10%未満)の高周波数パルスからなる最適の刺激アルゴリズムは、最小のバッテリ電力消費と、肌における最小電力損失で傷に最大限の電界(EF)力をもたらすと考えられる。これはバッテリ寿命を最大にし、傷に50-200mV/mmの所望のEFを生成し、且つ、肌を通る直流又は低周波数の電流に関連する痒み、皮膚反応又は筋肉活性化などの不快感を完全に回避する。

Claims (21)

  1. 哺乳類動物の傷に電気療法を施すための装置であって、
    少なくとも2つの刺激電極と、
    少なくとも2つの感知電極と、
    を備え、
    前記刺激電極と前記感知電極は、傷の周囲の肌と、制御モジュールと、電圧測定回路と電気的に接触するように構成され、
    前記電圧測定回路は、前記感知電極と接続されており、前記制御モジュールと通信するように構成され、
    制御された電圧源は、前記刺激電極と接続されており、前記制御モジュールと通信するように構成され、
    前記制御モジュールは、
    -前記制御された電圧源により供給された較正電圧で、前記少なくとも2つの感知電極を介して周波数掃引を行い、
    -前記電圧測定回路から1つ以上の測定された電圧降下を受付け、前記電圧降下は前記感知電極で測定され、及び
    -前記測定された電圧降下に基づいて、前記制御された電圧源から出力される電圧を調整するように構成される、
    装置。
  2. 電流測定回路をさらに備え、
    前記電流測定回路は、前記刺激電極と接続されており、前記制御モジュールと通信するように構成され、
    前記制御モジュールは、
    -前記電流測定回路から1つ以上の測定された電流レベルを受付け、且つ、
    -前記測定された電圧降下及び前記測定された電流レベルに基づいて、前記制御された電圧源から出力された電圧を調整する
    ように構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記制御モジュールは、さらに、1つ以上の測定された電圧降下及び1つ以上の測定された電流レベルからインピーダンスを計算し、
    前記制御された電圧源から出力された前記電圧を、前記感知電極間で測定された電圧降下が、前記計算されたインピーダンスの1オームあたり0.05Vから1Vの範囲内のレベルに調整するように、構成される、請求項2に記載の装置。
  4. 前記制御された電圧源が、50kHzから500kHzの範囲内の周波数を有する直流パルスを出力するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記制御された電圧源から出力された前記電圧が、1%から50%の範囲内のデューティサイクルを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 2つの支持構造をさらに備え、少なくとも1つの前記刺激電極と少なくとも1つの前記感知電極がそれぞれの支持構造に付けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. それぞれの支持構造において、少なくとも1つの前記刺激電極が、その5mmから50mm以内に位置する少なくとも1つの前記感知電極を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 少なくとも1つの前記電極、及び/又は、存在する場合、少なくとも1つの前記支持構造が、鋭利な工具で切断可能である、手で折りたたみ可能である、又は手で引き裂き可能であることのうちの1つ以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記制御モジュールが、さらに、所定の距離という少なくとも1つの更なる条件に基づいて、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を調整するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 制御モジュールが、さらに、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を、前記測定された電圧降下が前記所定の距離の1mmあたり30mVから350mVの範囲内であるレベルに調節するように構成される、請求項9に記載の装置。
  11. 前記制御された電圧源から出力された平均電流が、1mAから10mAの範囲内に制限される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記制御モジュールが、さらに、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を第1レベルから第2レベルまで上げるように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記制御モジュールが、さらに、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を、前記第1レベルから前記第2レベルまで、徐々に及び/又は段階的に上げるように構成される、請求項12に記載の装置。
  14. 前記制御モジュールが、さらに、1つ以上の測定された電圧降下値及び1つ以上の測定された電流レベル、並びに/又は、1つ以上の測定された電圧降下値と1つ以上の測定された電流レベルから計算された1つ以上のインピーダンス値を外部ユニットに無線通信するように構成される、請求項2から13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記制御モジュールは、さらに、前記外部ユニットから無線通信を介して命令を受付けるように構成され、前記命令が前記装置の前記電圧出力及び/又は電流出力を調節する、請求項14に記載の装置。
  16. 前記制御モジュールが、さらに、
    -前記傷の大きさに関する入力を受付け、且つ、
    -前記傷の大きさに基づいて、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を調整する
    ように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記制御モジュールが、さらに、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を、前記測定された電圧降下が1mmあたり30mVから350mVの範囲内であるレベルに調節するように構成される、請求項16に記載の装置。
  18. 前記少なくとも2つの感知電極及び/又は前記少なくとも2つの刺激電極が、既知の寸法の複数のマーカーを備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記制御モジュールが、さらに、
    -前記制御された電圧源から出力された前記電圧を第1の複数の治療サイクルで印加するように構成され、
    それぞれの治療サイクルは、前記制御モジュールが前記制御された電圧源から出力された前記電圧を前記傷に印加するように構成される治療時間周期と、前記制御モジュールが前記制御された電圧源から出力された前記電圧を停止するように構成される休止時間周期とを有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記制御モジュールが、さらに、
    -前記第1の複数の治療サイクルにおいて、前記傷に、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を印加し、続いて第2の複数の治療サイクルにおいて、前記傷に、前記制御された電圧源から出力された前記電圧を印加するように構成され、前記制御された電圧源から出力された前記電圧の極性は、前記第1の複数の治療サイクルと前記第2の複数の治療サイクルにおいて逆である、請求項19に記載の装置。
  21. それぞれの治療周期の前に、前記制御モジュールが、さらに、
    -前記傷のインピーダンスを決定するために、前記制御された電圧源により供給された較正電圧で、周波数掃引を行い、
    -前記電圧測定回路から1つ以上の測定された電圧降下を受付け、前記電圧降下は前記感知電極で測定され、且つ、
    -前記測定された電圧降下に基づいて、前記制御された電圧源から出力された電圧を調整するように構成される、
    請求項19又は20に記載の装置。
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