JP2023522592A - 抗原性部位とリポソーム調製物とを含む免疫原性組成物、当該組成物を作製する方法、薬物として使用するための、特にワクチンとして使用するための、当該組成物 - Google Patents

抗原性部位とリポソーム調製物とを含む免疫原性組成物、当該組成物を作製する方法、薬物として使用するための、特にワクチンとして使用するための、当該組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)抗原性部位であって、好ましくは、SARS-CoV-2ウイルスの表面タンパク質ドメインに対応するアミノ酸配列である、またはこのようなアミノ酸配列を含む、抗原性部位と、(b)アジュバントとしてのリポソーム調製物とを含む免疫原性組成物に関する。より具体的には、当該抗原性部位は、好ましくは、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBD、またはSARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質SのS2サブユニットのHRドメイン、またはその免疫原性フラグメントである。本発明は、さらに、免疫原性組成物を作製する方法、およびこのような組成物の薬物としての使用にも関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、免疫原性組成物の技術分野に関し、特に、抗原性部位とアジュバントとしてのリポソーム調製物との組み合わせの使用に関する。本発明は、さらに、当該組成物を作製するための方法、薬物として使用するための、特にワクチンとして使用するための、当該組成物にも関する。
ウイルスに対する将来的な曝露に備えるためにワクチンを用いて体内で防御免疫応答を惹起するという概念は、長い間、医学において広く用いられている手段である。新型の高病原性コロナウイルスが大流行しているために、高効率のワクチン接種を求める研究が、これまでよりもさらに緊急的に必要とされている。2002年にSARS-CoVが最初に大流行して以来、医学界および学術界は、コロナウイルスに関する構造分析およびその機構についての研究において、素晴らしい取り組みを示してきた。しかし、こうした取り組みにもかかわらず、ヒトおよび動物の健康に対してコロナウイルスが及ぼすリスクを確実に軽減できる処置または予防措置は、依然として得られていない。
本願の主題の目的は、現在の従来技術が有する短所を克服することである。とりわけ、ウイルス、特にコロナ型ウイルスに対する免疫応答を誘発する、抗原性部位とリポソーム調製物とを含む免疫原性組成物を提供することを目的とする。本発明のさらなる目的は、当該組成物を作製する方法を示唆すること、薬物として使用するための、特にワクチンとして使用するための、当該組成物を示唆することである。
本発明は、
(a)抗原性部位であって、好ましくは、SARS-CoV-2ウイルスの表面タンパク質ドメインに対応するアミノ酸配列である、またはこのようなアミノ酸配列を含む、抗原性部位と、
(b)アジュバントとしてのリポソーム調製物と
を含む免疫原性組成物に関する。
本発明は、SARS-CoV-2ウイルスなどのウイルスの表面タンパク質の組成と(少なくとも部分的に)類似するペプチドを、抗原性部位とし、これをリポソーム調製物と組み合わせて使用する、という着想に基づく。
本発明は、特に、抗原性部位(a)が、
(i)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBD、
(ii)受容体結合ドメインRBDの免疫原性フラグメント、
(iii)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列
に対応するアミノ酸配列であるような、またはこのようなアミノ酸配列を含むような、上述される免疫原性組成物に関する。
SARS-CoV-2ウイルスについて、特に関心がもたれているのは、このウイルスの受容体結合ドメインRBDである。このドメインは、当該ウイルスがヒトのアンジオテンシン変換酵素(ACE2)受容体に結合して宿主細胞中への侵入を促進するために、必要不可欠である。RBDは、宿主細胞の受容体に対する結合親和性が強いため、後でウイルス膜と細胞膜とが融合できるような配置を形成する。
コロナウイルスSARS-CoV-2の場合、RBDは、構造的なスパイクタンパク質Sの一部を形成する。特に、膜貫通型のスパイクS糖タンパク質のサブユニットS(ウイルスの表面から突き出たホモ三量体を形成)に対して、関心がもたれている(Walls et al,Structure,Function,and antigenicity of the SARS-CoV-2 Spike Glycoprotein,Cell(2020),https://doi.org/10.1016/j.cell.2020.02.058)。受容体結合ドメインRBDは、ヒトおよびコウモリのアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体に強く結合することが分かっており、したがって、ワクチン開発におけるターゲットとしての役割を果たす(W Tai et al.,Characterization of the receptor-binding domain(RBD)of 2019 novel coronavirus:implication for the development of RBD protein as a viral attachment inhibitor and vaccine;Cell Mol Immunol(2020);https://doi.org/10.1038/s41423-020-0400-4)。SARS-CoV-2のスパイクSタンパク質は、感染細胞に向けて、ウイルス粒子の表面上に露出している。Sタンパク質を介してウイルス粒子と細胞とが一体化して、エンドサイトーシスが生じ、複製機構部分が細胞質中に放出される。Sは、最も強力な免疫攻撃ユニットである。Sは複数のドメインを有しており、その中で最も外側に露出しているのが、受容体結合ドメイン(RBD)である。RBDは、最も強力なウイルス中和ポイントである。回復期のCOVID-19患者は、RBDに対して特異的な中和抗体を高タイターで示すが、このことは、RBD抗原が高い体液性防御免疫誘発効力を有するということを示す。また、近年になって、抗RBD抗体は疾患の抗体依存性感染増強(ADE)を促進しないことが示されており、これは、サブユニットワクチンにおけるRBD抗原の使用の安全性を強調するものである。
本発明の目的において、SARS-CoV-2ウイルスとは、Gorbalenyaら(The species Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus:classifying 2019-nCoV and naming it SARS-CoV-2.Nat.Microbiol.https://doi.org/10.1038/s41564-020-0695-z(2020))によって詳細に記載されるとおりのウイルスを意味する。本発明の目的において、SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBDとは、GenBank/SRAに寄託されているアミノ酸配列(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/sars-cov-2-seqs/、2020年4月6日の検索結果)を意味する。また、本発明の範囲は、その免疫原性フラグメント、または受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列をも包含する。
本発明において、免疫原性組成物は、アジュバントとしてのリポソーム調製物をさらに含む。出願人らは、抗原性部位とアジュバントとの組み合わせが免疫応答を誘発し、この免疫応答は、抗原性部位のみによって誘発される免疫応答と有意に異なるものではないことを見いだした。しかしながら、このリポソーム機構は、免疫応答を増大させることによって、抗原性部位の作用を増大させる。したがって、このリポソーム機構は、集団全体にわたって応答を高めることができる、および/または投与用量を低減できる、および/またはワクチン接種に伴って生じ得る副作用を軽減できる。
本発明のさらなる一態様は、抗原性部位が、
(i)配列番号1、
(ii)配列の免疫原性フラグメント、
(iii)配列番号1との配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列
から選択されるアミノ酸配列であるような、またはこのようなアミノ酸配列を含むような、上述される組成物に関する。
配列番号1とは、GenBank MT066156.1(2020年4月4日の検索結果)に係るSARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sのイタリアバリアントの受容体結合ドメインRBDを意味する。SARS-CoV-2/INMI1/human/2020/ITAウイルスの全長スパイクタンパク質Sは、配列番号5(ITA)に記載されるタンパク質配列を有する。
受容体結合ドメイン(配列番号1)は、その一部を形成する。当該受容体結合ドメインは、参考データベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/sars-cov-2-seqs/)中に記載される総タンパク質配列の329~521のアミノ酸に対応する。
また、配列番号1は、GenBank MT226610.1(2020年4月6日の検索結果)に係るSARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの中国バリアントの受容体結合ドメインRBDも意味する。SARS-CoV-2/KMS1/human/2020/CHNウイルスのスパイクタンパク質Sは、配列番号6(CHN)に提供されるタンパク質配列を有する。
受容体結合ドメイン(配列番号1)は、その一部を形成する。当該受容体結合ドメインは、参考データベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/sars-cov-2-seqs/)中に記載される総タンパク質配列の329~521のアミノ酸に対応する。この場合、イタリアバリアントと中国バリアントのRBDの配列(配列番号1)は同一である。しかしながら、改変があってもよく、これも本発明の範囲内に十分包含される。
当業者には、配列の改変があり得ること、またはそれが望ましい場合もあることが理解される。いくつかの場合においては、構造が厳密に類似していること(たとえば、リポソーム表面に結合したタンパク質のフォールディングが正確であること)が免疫原性応答にとって必要であるが、他の場合においては、少しの差異が許容され得る。たとえば、ペプチド鎖の中のシステインは、発現系(たとえば、宿主生物として大腸菌が選択され得る)を考慮して、その一部または全部がセリンで置き換わっていてもよい。ジスルフィド結合(および、したがって、特定のタンパク質ドメインのフォールディング)は、ワクチン目的のために、省かれる場合があり得る。この場合、抗原性部位として使用されるRBDは、配列番号2(Cys→Serに置き換え)の配列を有し得る。
本発明の一態様は、抗原性部位(a)が、
(i)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質SのSサブユニットのHRドメイン、
(ii)受容体結合ドメインRBDの免疫原性フラグメント、
(iii)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である配列
に対応するアミノ酸配列であるような、またはこのようなアミノ酸配列を含むような、上述される免疫原性組成物に関する。
サブユニットのHRドメイン(融合後のコア)とは、SARS-Cov-2ウイルスの構造的なスパイクタンパク質Sの一部(特に、膜貫通型スパイクS糖タンパク質のサブユニットS中のもの)を形成するアミノ酸配列(AA912~1202)を意味する。この部分は固有であり、高度に保存されており、よってワクチン開発におけるターゲットとしての役割を果たすことが分かった。このポリペプチドの天然配列は、GenBank/SRA(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/sars-cov-2-seqs/、2020年4月6日の検索結果)に寄託されているものに対応し、配列番号7として与えられる。
しかしながら、本発明の範囲は、その免疫原性フラグメント、または受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列をも包含する。たとえば、システインがセリンで置き換わって、配列番号8に記載されるSサブユニットのHRドメインの配列(AA912~1202)を与えてもよい。
HR1およびHR2はスパイクSタンパク質の融合後コアであり、スパイクSサブユニット上に位置している。重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome、SARS)-CoVに類似して、SARS-CoV-2は、ヒト細胞への感染時にヒトのアンジオテンシン変換受容体(ACE2)を標的として利用する能力を有する。スパイク(S)タンパク質S2サブユニットは、ウイルスと宿主細胞との融合に介在して中心的な役割を果たし、その際、7アミノ酸繰り返し1(HR1)と7アミノ酸繰り返し2(HR2)とが相互に作用して6ヘリックスバンドルを形成し得て、これによって、ウイルス膜と細胞膜とを近づけて融合できるようにし得る。
抗原性部位とリポソーム調製物とを混合物として患者に投与すると、良好な結果が得られる可能性がある。しかしながら、本発明のさらなる一態様は、抗原性部位がリポソームの表面に結合していてプロテオリポソームを形成しているような、上述される組成物に関する。
出願人らは、実際のウイルスに類似する粒子が提供された場合には特に良好な結果が達成され得ることを見いだした。リポソームを抗原性部位のための担体として使用してプロテオリポソームを形成させる場合、このようなリポソームは、そのサイズおよび組成をウイルスとよく類似させる。ウイルスの構造に刺激を受けた様式で表面タンパク質が提示されて、当該ウイルスの免疫優性エピトープに対する特異的抗体および細胞性免疫が生じる、と考えられる。
抗原性部位は、リポソームの表面に、
共有結合的に、特にEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)クロスリンカーによって、
静電気的に、特にリポソーム二重層の外表面上に存在するマイナスに帯電している官能基によって、結合していてよい。
上述される2通りのうち、静電気的な結合は、比較的簡単で明瞭な形成プロセスによって得ることができる。
たとえば、リポソームの表面への抗原性部位の共有結合は、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)クロスリンカーを介して達成できる。このようなクロスリンカーは、一方の側でカルボキシル基と、もう一方の側でアミノ基と反応して、アミド結合を形成することができる。静電的相互作用は、帯電している外膜脂質(たとえば、DSPE(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)などのリン脂質)を使用することによって形成できる。このようなリン脂質のマイナスに帯電している頭部が、プラスに帯電したタンパク質と相互に作用する。
本発明の別の一態様は、抗原性部位が、特に当該抗原性部位に結合している第2のタンパク質構造によって、リポソームの表面にアンカリングされているような、上述される組成物に関する。このような第2のタンパク質構造は、リポソーム二重層に向けて無極性基を露出している構造であってよい(特に、タンパク質のαヘリックス)。こうしたアンカリングの利点として、抗原性部位、特にRBDの発現時にこの第2のタンパク質構造が直接提供され得ること、脂質二重層中に確実に挿入されること、および、続いて起こる表面修飾工程が最小限となり得ることがある。
好ましい一実施形態において、リポソーム調製物中における脂質の脂質二重層は、実質的に、コレステロールと、リン脂質、特にホスファチジルコリンおよび/またはホスファチジルグリセロールとからなる。「実質的に~からなる」という言葉は、成分の合計が脂質二重層の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%となることを意味する。ホスファチジルコリンの例は、DOPCおよび/またはHSPCを含む。ホスファチジルグリセロールの例は、DSPGを含む。当業者には、類似の作用を有する代替物を使用できること、および、相対的な量が変動し得ることが理解される。しかしながら、出願人らは、相対的な量として、コレステロールを約30~50重量%(リポソーム成分の総量に対して)と、ホスファチジルコリンとホスファチジルグリセロールとの混合物を約50~70重量%(リポソーム成分の総量に対して;重量比は2:1~5:1)とを組み合わせるのが、リポソームの基礎を構築するのに特に好適であるということを見いだした。
好ましい一実施形態において、リポソームの脂質二重層は、実質的に、コレステロールと、L-α-ホスファチジルコリン(HSPC)と、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール-3-ホスフェート(ナトリウム塩)(DPPA)との組み合わせからなる。L-α-ホスファチジルコリンは、Hydro Soy PC、水素添加大豆、またはHSPCとしても知られる。1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール-3-ホスフェートは、ジパルミトイルホスファチジン酸またはDPPAとしても知られる。DPPAは、抗原性部位と静電気的に相互に作用するために好適な生理化学的特性を提供できるということ、特に、そのために好適な官能基をリポソーム二重層の外表面上に提供できるということが見いだされている。
コレステロール、リン脂質、およびホスファチジルグリセロールは、それぞれ25~40モル%、好ましくはそれぞれ30~35モル%の量で存在することが特に好ましい。このようなモル比を有する組成物は、DPPAの使用に関連する立体障害にもかかわらず、良好なリポソーム安定性をもたらすことが示されている。
リポソームは、PEG化によって修飾されていてもよい。「PEG化」は、ポリエチレングリコール修飾を意味する。これは、事後修飾法または事前修飾法として行ない得る。慣習的には、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびPEG-脂質を1つに混合して溶解させて粗製リポソームとした後、押出しによってサイズを小さくする。この方法は事前修飾法とよばれる。これに対して、事後修飾法を用いる場合には、ホスファチジルコリンとコレステロールとから構成される空のリポソームを溶媒中において調製した後、適切な膜を通して押し出す、および/または超音波処理によって形成する(後者が好ましい)。PEG-脂質(好ましくは水溶液として)を添加するのは、リポソーム形成/最小化工程の後である。この方法は、文献(Nakamura,K.;Comparative studies of polyethylene glycol-modified liposomes prepared using different PEG-modification methods;Biochim Biophys Acta,1818(2012)2801-2807)中に詳細に記載される。リポソームの総重量におけるPEG-脂質の好ましい量は、0.5~5重量%の範囲であり得る。
リポソームは、親油性部位を有する少なくとももう1つのアジュバント化合物、好ましくはサポニン(QuilAまたはQS-21)、モノオレイン酸マンニド(Mannide mono oleate、MMO)、リポ多糖由来モノホスホリルリピドAモチーフ(monophosphoryl lipid A derived motive from lipopolysaccharide、MPLA LPS)、またはこれらの任意の組み合わせをさらに含むことが好ましい。コレステロールとリン脂質は、特に皮下または筋肉内に注射された場合に、形成されるリポソームの安定性およびアジュバント活性をもたらすという理由で添加され得て、サポニン、MMO、および/またはMPLA LPSは、ヒト用および動物用のワクチン中で優れた免疫賦活特性を発揮できるという理由で添加され得る。親油性部位を有するアジュバント化合物は、リポソーム組成全体に対して3重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満といった少量で添加され得る。慣習的に使用されるアジュバントは多くの場合にはアルミニウムに基づいていて毒性が疑われるが、これらとは異なり、上述されるようなアジュバントは、生理学的に十分に許容されるものであると同時に、免疫応答を刺激できる。
アジュバント化合物は、モノホスホリルリピドA(MPLA)であることが特に好ましい。MPLAは、Toll様受容体4(TLR4)の天然のリガンドである。受容体に結合して、強力なT細胞(Th1)応答および抗体応答を誘発する。MPLAは、安全かつ有効なアジュバントであることが示されており、欧州においては人への適用が認可済であり、ワクチン中で、アジュバント機構04(AS04)の一部として使用されている。MPLAで修飾したリポソーム担体の中に上述される抗原性部位を入れたものは、アジュバントを含まないリポソームと比較して、有利な免疫原性プロファイルを呈する。その例として、in vitroにおいて刺激した樹状細胞(DC)において、H2Kb(MHCII、抗原提示)の表面発現が増加し、炎症性サイトカインIL-6およびIL-12の産生が増加する。さらに、リポソームベースベシクルと、MPLAをアジュバントとして含むリポソームとがいずれも、in vitroにおいて、処理DC上における共刺激分子CD80、CD83、およびCD40の発現を誘発した。
抗原性部位がリポソームの表面に共有結合的に結合していてプロテオリポソームを形成しているような本発明の一実施形態において、リポソームと抗原性部位との間の共有結合は、好ましくはDSPEまたはステアリン酸といった反応性の頭部部位を有する脂質二重層成分に由来するものであり得る。この場合、DSPEおよび/またはステアリン酸は、総リポソーム成分の約1~5重量%という量で、リポソーム二重層の中に組み込まれる。このような反応性の頭部は、それぞれカルボキシル基またはアミノ基を含むが、たとえばEDCクロスリンカーを介して、抗原性ペプチドが有する対応するアミノ基/カルボキシル基と反応して、最終的にアミド結合を形成し得る。
リポソームと抗原性部位との間に静電的相互作用があるような本発明の一実施形態において、この相互作用は、帯電している頭部部位を有する脂質二重層成分によって確立され得る。帯電している頭部部位を有する脂質二重層成分の例は、DSPG(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール)およびDOTAP(1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン)を含む。帯電している頭部部位として何を選択するかは、タンパク質の等電点と当該組成物が適用されるpHに依存する。スパイクSタンパク質のRBDは、理論上のpIが8.67であり、したがって、pH6.8~7.0においてプラスの電荷を有する。特定の条件においては、マイナスに帯電している脂質が必要である場合もある。スパイクS2のコアタンパク質ドメインなどの、関心がもたれるその他のドメインは、異なるpI(たとえば、5.4)を有する可能性があり、したがって、pH6.8~7.0においてマイナスの電荷を有し得る。このような場合には、プラスに帯電した脂質頭部が好ましいと考えられる。たとえばスパイクS2コアタンパク質の場合には、理論上のpIが5.4であり、このタンパク質はpH6.8~7.0においてマイナスに帯電しているため、DOTAPなどのプラスに帯電した脂質が必要となる。
本発明の好ましい一実施形態において、ベースベシクルの表面電荷は-50~-60mV、好ましくは-53~-57mV(ゼータ電位)である。たとえば、調製物のリポソームの脂質二重層がコレステロール、HSPCおよびDPPAの組み合わせからなり、実質的なモル比が(好ましくは)1:1:1である場合、得られるゼータ電位は、典型的には-55mVである。ゼータ電位は、DLSを使用することによって分析できる。このようなゼータ電位は、上述されるRBDドメインの免疫原性フラグメントとの静電気的な相互作用にとって、特に好適である。タンパク質抗原(RBD、さらにはS1、ECD)は、タンパク質抗原と結合したリポソームの流体力学的直径が増加することからわかるように、リポソームの表面に吸着する。
好ましくは、上述される調製物のリポソームは、動的光散乱DLSによって測定される平均直径が、10~120nm、好ましくは20~100nmである。より好ましくは、動的光散乱DLSによって測定される平均直径(Z平均)が60~100nm、好ましくは70~90nmであるリポソームである。このようなサイズは、鋳型であるコロナウイルスのサイズとよく類似する。WO2020/254633A1の教示(その記載内容は参照によって本明細書に援用される)によれば、調製物のリポソームの形態およびサイズは変動し得る。好ましい一実施形態において、リポソームの分散物は、動的光散乱(DLS)によって測定される多分散指数(PDI)が、0.15以下、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.09以下である。
本発明の目的において、「ベースベシクル」は、コレステロールとリン脂質のみから形成される、好ましくはコレステロール、ホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジン酸から形成されるリポソーム(すなわちMPLA挿入、PEG化などのさらなる修飾または挿入を加える前のもの)であるとして理解される。リポソームの分散物の表面電荷、サイズ、多分散、および安定性は、ベースベシクルについて実験的に求めたものである。しかしながら、これらの値は、表面修飾を受けても実質的には変化しないことが予期され得る。
本発明の目的において、「動的光散乱(DLS)によって測定」とは、試料をPBSまたはMQ HO中に希釈して機器の減衰定数である6に到達させたものに対してDLSを行なったことを意味する。DLSは、マルバーンのゼータサイザーナノデバイス(Malvern Zetasizer Nano device)を用いて、25℃、散乱角0°にて測定した。機器制御およびデータ分析は、マルバーンのゼータサイザーソフトウェア(バージョン7.11)を用いて行なった。粒子径(流体力学的直径)は、以下のストークス・アインシュタインの式を用いて求めた。

Figure 2023522592000002
式中、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、ηは分散剤粘度、Dは拡散係数である。粘度はゼータサイザーソフトウェアを用いて求め、0.8872cPであった。分散剤屈折率は1.330であった。Dは、適切なアルゴリズムに自己相関関数をフィッティングすることによって得た。キュムラント分析は、DLS実験により得た自己相関関数を分析する簡単な方法であって、平均粒子径(Z平均)および多分散指数(PDI)が得られる。計算は、ISO13321(1996)およびISO22412(2008)中に定義される。DLS実験からの一次結果は、粒子径の強度分布である。強度分布は、散乱強度にしたがって自然に重み付けされる。サイズ分布は、対数的に間隔をあけて示される様々なサイズクラス(X軸)に対する、粒子による散乱光の相対強度(Y軸)のプロットとして示される。測定には、パス長が10mmの、透明な使い捨てゼータセルを使用した。
リポソームのサイズは、惹起される免疫応答に対して大きな影響を及ぼす。一般的に、文献中では、リポソームのサイズによって、Th2応答またはTh1応答のいずれの発現が増大するかが決まると考えられている。さらに、粒子が組織中に留まるにはある程度の(大きな)サイズが必要であることが示唆されており、これにより、注射部位においてデポ作用を生じ、APCを動員してAPCにより貪食された後、このAPCが成熟して流入領域リンパ節へと移動して免疫応答を誘発する。今回、本発明者らは、リポソームのサイズが60~100nm、好ましくは75~85nmであることが、強力な免疫アジュバントとしての既に立証済の作用を有すると同時に、上述される特異的な抗原部位を運搬するのに特に有用であるということを見い出した。
0.15以下の多分散指数は、当技術分野において周知されているリポソーム調製物の多分散指数よりも優れている。押出し、ホモジナイズ、および超音波処理手順によって得ることができる当技術分野において周知されるリポソーム調製物は、典型的には、多分散指数が0.2~0.4である(Gim Ming Ong et al.,Evaluation of Extrusion Technique for Nanosizing Liposomes,Pharmaceutics 2016(8)36,p.5)。本質的に単分散のリポソーム調製物は、再現性目的、工業規模製造、および販売承認条件準拠にとって有益である。滅菌ろ過に適しており、高い安定性を長期間にわたって呈する。
本発明のさらなる一態様は、
(a)抗原性部位と、
(b)リポソーム調製物と
を組み合わせる工程を含む、上述される免疫原性組成物を作製する方法に関する。
上述されるように、これらの成分は、混和または混合によって組み合わせることができる。しかしながら、これらの成分は、共有結合的に、または静電気的に、または親油性の相互作用によって、互いに結合させてもよい。好ましいリポソームの組成と結合機構の例とは、上述されている。
好ましくは、(a)抗原性部位と(b)リポソーム調製物とを組み合わせる工程よりも前に、
有機溶媒と水性液体との混合物中の脂質を提供する工程、
超音波処理によってリポソームを形成させる工程がある。
超音波処理によるリポソーム形成は、従来技術によって得ることができるリポソーム、特に押出し技術によって得ることができるリポソームよりも、多分散性が小さく、安定で、劣化しにくいリポソームを得るための、簡単で信頼性のある方法である。良質のリポソームを提供するための優れた方法がWO2020/254633A1中に記載されており、その記載内容は参照によって本明細書に援用される。この方法は、押出し工程または薄膜水和工程を全く含まないことが特に好ましい。
好ましくは、上述される方法において、超音波処理を行なう工程に続いて、好ましくは加熱挿入によって、リポソームの脂質二重層中にMPLAを挿入する工程を含む。当業者には、この挿入を行なうのが、リポソーム形成の直後であっても直後でなくてもよいということが理解される。精製(特にろ過)などの中間工程も行なってよく、これも包含される。
好ましくは、上述される方法において、(a)抗原性部位と(b)リポソーム調製物とを組み合わせる工程よりも前に、
(i)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBD、
(ii)受容体結合ドメインRBDの免疫原性フラグメント、
(iii)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクSタンパク質の受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列
をコードする遺伝子配列を提供する工程と、
発現宿主生物、好ましくはヒト細胞発現系において、遺伝子配列を発現させることによって、(a)抗原性部位を与える工程と
を行なう。
SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBD(特にアミノ酸329~521)をコードする遺伝子配列は、配列番号3(配列番号1をコードする遺伝子配列)として提供され得る。
当業者には、バリエーションが大いに生じ得ること、それどころか生じる可能性が高いこと、さらには望ましいことが理解される。配列は、Cys→Serへの置き換えなどの改変をもたらし得る。この場合、配列は、配列番号4(配列番号2をコードする遺伝子配列)として提供され得る。
遺伝暗号は、発現効率を改善するために選択され得る、または個々の発現宿主生物を考慮して最適化され得る。遺伝暗号は、プラスミド上に提供され得る。
発現宿主生物は、大腸菌であってよい。大腸菌での発現は十分に確立されており、高効率であり、配列介在性免疫応答を十分に確実とする。しかしながら、その他の好ましい発現宿主生物として、バキュロウイルス、酵母、哺乳動物細胞、または昆虫細胞が含まれ、これらは、グリコシル化、システイン発現、ならびに、その結果としての構造および配列介在性の免疫応答のためのタンパク質フォールディングを、より良好に提供できる可能性もある。実験によって示されていることには、発現が最も高効率なのはHEK293などのヒト細胞発現系であり、これは、適切なタンパク質フォールディングと正確な翻訳後修飾とを確実にできるためである。
発現後、アミノ酸配列をたとえば8xHis-Tagアフィニティクロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー法によって精製してもよく、次いでこのHis-Tagを、前もって導入しておいたTEV切断部位において除去してもよい。
本発明は、さらに、薬物として使用するための、上述される免疫原性組成物にも関する。特に、免疫原性組成物は、COVID-19の予防におけるワクチンとして使用するためのものである。後者の場合、1回のワクチン注射は、好ましくは、タンパク質配列を10~100μgの量で含み得る。
本発明は、以下の実施例によってよりよく理解され得る。しかしながら、これらは、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
以下に、図面が簡単に説明される。
リポソームベースベシクルのサイズ/PDI/ゼータ電位測定を示す。 リポソームベースベシクルのサイズ/PDI/ゼータ電位測定を示す。 リポソームベースベシクルのサイズ/PDI/ゼータ電位測定を示す。 リポソームベースベシクルのサイズの安定性およびPDIを3つのバッチについて経時的に測定したものを示す。 リポソームベースベシクルのサイズの安定性およびPDIを3つのバッチについて経時的に測定したものを示す。 RBDタンパク質を入れる前および入れた後における、例示的なベースベシクルの平均粒子径(Z平均)を示す。 例示的なベシクルの免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究の結果。 例示的なベシクルの免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究の結果。 例示的なベシクルの免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究の結果。 例示的なベシクルの免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究の結果。 例示的なベシクルの免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究の結果。 例示的なベシクルの免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究の結果。 ワクチンで免疫化した後のマウスにおけるSARS-CoV-2中和アッセイの結果。
実施例1:抗原性部位の発現
配列番号4を含むクローンを、プラスミド中において提供し、細菌BL21大腸菌株中に添加して発現させて、十分な量のペプチドを得た。この細菌を遠心分離によって集めて、溶解させた。発現したタンパク質をイオン交換クロマトグラフィーまたはアフィニティクロマトグラフィー(His Tag 8x)によって精製し、TEVプロテアーゼを使ってHis-Tagを除去し、続いて、サイズ排除クロマトグラフィーに基づくさらなる精製工程を行なった。代替的には、配列番号4を含むクローンを、プラスミド中において提供し、ヒト細胞発現系(HEK293)に添加して発現させて、十分な量のペプチドを得ることもできる。
実施例2:抗原性部位と混和するためのリポソーム調製物の調製
40mol%のコレステロールおよび60mol%のHSPCを、予め温めておいたエタノール中で混合した後、水溶液(0.9% NaCL 20mM Hepes pH6.8)に添加した。溶媒と水性部分とが溶解した後、混合物を、最長で4時間、60~70℃の温度において超音波処理した。リポソームが最適なサイズ分布(多分散指数PDIとして最大0.12)に達した後、超音波処理を停止して、溶液を冷却して22℃とし、ろ過によって精製した。
実施例3:抗原性部位とリポソーム調製物との混和
実施例1に係る精製タンパク質と実施例2に係るリポソーム調製物とを添加して、最終タンパク質濃度を20μg/ml、最終総脂質濃度を5mg/mlとした。
実施例4:抗原性部位と混和するためのリポソーム調製物の調製
実施例2中に記載される手順に従って、30mol%のコレステロール、66~69mol%のHSPC、および1mol%のMMOを混合し、処理して、リポソーム調製物を得た。続いて、2mol%のDSPE-PEG2000を添加して、事後挿入法(WO2020/254633A1中に記載される)によって組み込んだ。この混合物を1時間加熱して65°とした。実施例1中に記載されるように、精製タンパク質を得た。タンパク質とリポソーム調製物とを混和することによって組み合わせて、最終タンパク質濃度を30μg/ml、最終総脂質濃度を10mg/mlとした。
実施例5a:抗原性部位と静電気的に相互作用させるためのリポソーム調製物の調製
実施例2中に記載される手順に従って、30mol%のコレステロール、49%mol%のHSPC、20mol%のDSPG、0.5mol%のサポニンQs-21、および0.5mol%のMMOを混合し、処理して、リポソーム調製物を得た。実施例1中に記載されるように、精製タンパク質を得た。タンパク質とリポソーム調製物とを組み合わせて、最終タンパク質濃度を15μg/ml、最終総脂質濃度を10mg/mlとした。組成物のpHを生理的条件(pH6.8~7.0)に適合するよう調節し、また、DSPGがマイナスに帯電していてRBDタンパク質が全体としてプラスに帯電しているために、静電的相互作用が確立され得る。
実施例5b:抗原性部位と静電気的に相互作用させるためのリポソーム調製物の調製
33%のHSPC、33%のDPPA、および33%のコレステロールを、予め温めておいたエタノール中で混合した後、水溶液(0.9% NaCL 10mM Hepes pH6.8)に添加した。溶媒と水性部分とが溶解した後、混合物を、最長で4時間、60~70℃の温度において超音波処理した。リポソームが最適なサイズ分布に達した後、超音波処理を停止して、溶液を冷却して22℃とし、ろ過によって精製した。
リポソームを測定したところ、平均サイズが80nm(図1A)、PDIが0.9(図1B)、ゼータ電位が-55mV(図1C)であった。
こうして得たベースベシクルの安定性を、それぞれ上述されるとおりに得た3つのバッチについて、経時的に(最長9か月間にわたり)監視した。ベースベシクル調製物は、非常に安定であり、サイズまたはPDIのいずれにおいてもほとんど差異がないことが分かった(図2Aおよび図2B、四角/三角/丸でそれぞれ示されるデータは作製バッチを表す)。
実施例5c:MPLAの加熱挿入
上述されるリポソームベースベシクル(実施例5b)を形成した後、リポソームの脂質二重層中に加熱挿入によってアジュバント分子MPLAを挿入した。MPLAを、ベースベシクル中の総脂質濃度が0.3モル%となるような濃度にて、HEPES(10mM、0.9% NaCl、pH6.8)中に溶解した。MPLAと、実施例5bにおいて得たベースベシクル溶液とを混合して、65℃において30分間インキュベートした。溶液の滅菌ろ過。
実施例5d:リポソーム分散物とRBDとを組み合わせる
実施例1中に記載されるように、精製タンパク質を得た。タンパク質と実施例5cにおいて得たリポソーム調製物とを組み合わせて、最終タンパク質濃度を10μg/100μl、最終総脂質濃度を20mg/mlとした。組成物のpHを生理的条件(pH6.8~7.0)に適合するよう調節し、また、DPPAがマイナスに帯電していてRBDタンパク質が全体としてプラスに帯電しているために、静電的相互作用が確立された。タンパク質抗原と結合したリポソームの流体力学的直径が増加していることから、タンパク質抗原がリポソームの表面に吸着していることが示された。このことは図3中において確認できる(BVはベースベシクル)。
実施例6:抗原性部位に共有結合させるためのリポソーム調製物の調製
実施例2中に記載される手順に従って、40mol%のコレステロール、39%mol%のHSPC、20mol%のステアリン酸、1mol%のサポニンQS-21、および0.5mol%のMMOを混合し、処理して、リポソーム調製物を得た。実施例1中に記載されるように、精製タンパク質を得た。タンパク質とリポソーム調製物とを組み合わせ、6mM EDC-リンカーを添加して、反応混合物を一晩インキュベートした。
実施例7:免疫原性プロファイルについてのin vitroにおける研究
in vitroにおいてDC成熟アッセイ(DCは樹状細胞)を使用して、リポソーム担体の免疫原性プロファイルを評価した。「試作品1」は実施例5b中に記載されるとおりに得たリポソーム調製物であり、「試作品3」は、実施例5c中に記載されるとおりに得たリポソーム調製物、よってMPLAをアジュバントとして含むリポソーム担体である。図4A~図4Fから分かるように、後者(試作品3)は、アジュバントを含まないリポソームと比較して有利な免疫原性プロファイルを呈し、図中、「媒質」は非刺激コントロール群、LPS(リポ多糖)は標準である。試作品1はいくらかのDC活性化活性を呈し、このことは、非刺激(媒質)条件と比較してCD80、CD83、およびCD40の表面発現が高まっていることから分かる。しかしながら、DCをMPLA修飾リポソーム担体で刺激しただけで、MHCI(抗原交差提示)とIL-6およびIL-12の分泌とが顕著に上方制御された。こうしたデータから、顕著な適応免疫応答を誘発してその結果としてSARS-CoV-2中和抗体を生じさせるために、リポソーム担体へのMPLAの組み込みが有益であるということが示される。
実施例8:ワクチンによる免疫化がSARS-CoV-2中和抗体タイターを誘発する
ワクチン試作品が有するSARS-CoV-2中和抗体誘発能力を、以下のようにBALB/cマウスを免疫化することによって試験した。各ケースにおいて、0日目、21日目、および33日目と3回続けて免疫化処置を行ない、各回とも、用量は100μl/匹、RBDは10または30μg/回(筋肉内投与)とした。
結果が図5中に示される。この免疫化研究は、以下の3通りの試作品について試験した。
(1)試作品1:ベースベシクルにRBDを10ug/100ul入れたもの。
(2)試作品2:ベースベシクルにRBDを30ug/100ul入れたもの。
(3)試作品3:MPLA修飾ベースベシクルにRBDを10ug/100ul入れたもの。
一次免疫して21日後、27日後、および42日後に、免疫化した動物の抗血清を集めた。SARS-CoV-2中和抗体のタイターを、in vitroにおいて、SARS-CoV-2中和アッセイによって求めた。図5中に示されるように、3通りの試作品のいずれで免疫化した場合も、検出可能なSARS-CoV-2中和抗体のタイターが誘発された。試作品3での免疫化が最も強力であり、回復期のCOVID-19患者において観察されるものと類似するSARS-CoV-2中和タイターが得られた。

Claims (22)

  1. (a)抗原性部位であって、好ましくは、SARS-CoV-2ウイルスの表面タンパク質ドメインに対応するアミノ酸配列である、またはこのようなアミノ酸配列を含む、抗原性部位と、
    (b)アジュバントとしてのリポソーム調製物と
    を含む免疫原性組成物。
  2. 前記抗原性部位(a)は、
    (i)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBD、
    (ii)前記受容体結合ドメインRBDの免疫原性フラグメント、
    (iii)前記受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列
    に対応するアミノ酸配列である、またはこのようなアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
  3. 前記抗原性部位は、
    (i)配列番号1、
    (ii)前記配列の免疫原性フラグメント、
    (iii)前記配列番号1との配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列
    から選択されるアミノ酸配列である、またはこのようなアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記抗原性部位(a)は、
    (i)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質SのSサブユニットのHRドメイン、
    (ii)前記受容体結合ドメインRBDの免疫原性フラグメント、
    (iii)前記受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である配列
    に対応するアミノ酸配列である、またはこのようなアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
  5. 前記抗原性部位がリポソームの表面に結合していてプロテオリポソームを形成している、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記抗原性部位がリポソームの表面に、
    共有結合的に、特にEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)クロスリンカーによって、
    静電気的に、特に、リポソーム二重層の外表面上に存在するマイナスに帯電している官能基によって、
    結合している、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記調製物のリポソームの脂質二重層は、実質的に、コレステロールと、リン脂質、特にホスファチジルコリンおよび/またはホスファチジルグリセロールとの組み合わせからなる、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記調製物のリポソームの脂質二重層は、実質的に、コレステロール、L-α-ホスファチジルコリン(HSPC)、および1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール-3-ホスフェート(塩;DPPA)の組み合わせからなる、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記コレステロール、前記リン脂質、および前記ホスファチジルグリセロールは、それぞれ25~40モル%、好ましくはそれぞれ30~35モル%の量で存在する、請求項7または8に記載の組成物。
  10. 前記組成物は、親油性部位を有する少なくとももう1つのアジュバント化合物、好ましくは、サポニン(QuilAまたはQS-21)、モノオレイン酸マンニド(MMO)、リポ多糖由来モノホスホリルリピドAモチーフ(MPLA LPS)、またはこれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記アジュバント化合物はモノホスホリルリピドA(MPLA)である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記リポソームと前記抗原性部位との間の共有結合は、好ましくはDSPEまたはステアリン酸といった反応性の頭部部位を有する脂質二重層成分に由来するものである、請求項5~11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記リポソームと前記抗原性部位との間の静電的相互作用は、帯電している頭部部位を有する脂質二重層成分によって確立されている、請求項5~11のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記リポソームは、表面電荷(ゼータ電位)が-50~-60mV、好ましくは-53~-57mVである、請求項6~13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記リポソームは、動的光散乱DLSによって測定される平均直径(Z平均)が、60~100nm、好ましくは75~85nmである、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記リポソームの分散物は、動的光散乱(DLS)によって測定される多分散指数(PDI)が、0.15以下、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.09以下である、請求項13に記載の組成物。
  17. 請求項1~16のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を作製する方法であって、
    (a)前記抗原性部位と
    (b)前記リポソーム調製物と
    を組み合わせる工程を含む、方法。
  18. (a)前記抗原性部位と(b)前記リポソーム調製物とを組み合わせる工程よりも前に、
    有機溶媒と水性液体との混合物中の脂質を提供する工程と、
    超音波処理によってリポソームを形成させる工程と
    をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記超音波処理を行なう工程に続いて、好ましくは加熱挿入によって、前記リポソームの脂質二重層中にMPLAを挿入する工程を含む、請求項18に記載の方法。
  20. (a)前記抗原性部位と(b)前記リポソーム調製物とを組み合わせる工程よりも前に、
    (i)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの受容体結合ドメインRBD、
    (ii)前記受容体結合ドメインRBDの免疫原性フラグメント、
    (iii)SARS-CoV-2ウイルスのスパイクタンパク質Sの前記受容体結合ドメインRBDとの配列同一性が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である配列
    をコードする遺伝子配列を提供する工程と、
    発現宿主生物、好ましくはヒト細胞発現系において、前記遺伝子配列を発現させることによって、(a)前記抗原性部位を与える工程と
    を含む、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 薬物として使用するための、請求項1~11のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  22. COVID-19の予防におけるワクチンとして使用するための、請求項1~11のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
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