JP2023521909A - 呼吸器疾患の治療 - Google Patents

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Abstract

ARDSの予防及び/又は治療に使用するための抗IL17抗体の用量計画及び薬学的製剤を含む、抗IL17抗体でARDSを予防及び/又は治療する方法。

Description

発明の詳細な説明
本開示は、医薬の分野に関する。より具体的には、本開示は、抗IL17抗体を用いて急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を予防及び/又は治療する方法に関する。本開示はまた、ARDSの予防及び/又は治療に使用される用量計画及び薬学的製剤を提供する。
ARDSは、肺の炎症を特徴とする生命を脅かす呼吸器疾患であり、広範囲かつ急速に発症する可能性がある。ARDSの死亡率は、30~40%に達すると報告されている。ARDSと関連付けられる症状としては、疾患又は傷害に関連した息切れ、速い呼吸、及び青みがかった皮膚の色が挙げられる。科学的及び医学的定義が進化しているため、ARDSの正式な診断は困難である。「ベルリン定義」として知られる1つの定義は、肺の放射線学的画像検査及びPaO2/FiO2比に依存する(Ranieri et al.,(Jun 2012),“Acute respiratory distress syndrome:The Berlin Definition.ARDS Definition Task Force“,JAMA,307(23):2526-33)。ベルリン定義によれば、ARDSは、次の要因:肺侵襲に続く急性発症呼吸器症状、胸部画像検査における原因不明の両側性混濁、(心不全又は体液量過剰によって説明されない)呼吸不全、PaO2/FiO2比の減少に従って特徴付けられる。ベルリン定義はまた、軽度ARDS:201~300mmHg(≦39.9kPa)、中等度ARDS:101~200mmHg(≦26.6kPa)、及び重度ARDS:≦100mmHg(≦13.3kPa)に従ってARDSの病期分類を可能にする。しかしながら、回復した患者でも、肺機能は6ヶ月から1年の期間にわたって徐々に改善し得るが、患者には重大な瘢痕が残り、通常の肺容量よりも少ない場合がある。
現在、ARDSを予防及び/又は治療するための承認された治療法は存在しない。ARDSの療法を開発する際の複雑な要因は、ARDS及び関連する死亡率が、間質性肺疾患、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるコロナウイルス疾患2019(COVID-19)などのウイルス侵襲、及び中東呼吸器症候群(MERS)を含む、いくつかの疾患及び傷害、並びにCAR-T療法により誘発されたARDSなどの療法により誘発された侵襲から発生することである。追加として、ARDSには、多数の免疫及び上皮標的を伴ういくつかの分子経路が関与している。更に、(例えば、COVID-19と同様に)疾患又は傷害に続いて、サイトカインストームとして知られる現象をもたらす、身体自身の免疫応答の複雑な調節不全もまた、ARDSと関連付けられている。そのため、ARDSの予防及び/又は治療に対する緊急かつ満たされていない必要性が残っている。全ての治療的処置と同様に、安全性及び毒性には限界があり、したがって、改善された治療法は、許容できない安全性及び毒性プロファイルに付随するものであってはならない。本開示は、ARDSを予防及び/又は治療する方法を提供する。より具体的には、本開示は、ARDSの予防及び/又は治療のための抗IL17抗体、及びそれを使用する方法を提供する。
したがって、本開示は、本明細書に記載される課題のうちの1つ以上に対処する、ARDSの予防及び/又は治療のための方法を提供する。いくつかの実施形態では、ARDSを予防及び/又は治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、抗IL17抗体は、ヒトIL17Aに特異的に結合する。より特定の実施形態では、抗IL17抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)及び重鎖可変領域(HCVR)を含み、当該LCVRは、配列番号2のアミノ酸配列であり、当該HCVRは、配列番号3のアミノ酸配列である。更により特定の実施形態では、抗IL17抗体は、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、当該LCは、配列番号4のアミノ酸配列であり、当該HCは、配列番号5のアミノ酸配列である。更により特定の実施形態では、抗IL17抗体は、イキセキズマブである。
より具体的な実施形態によれば、患者におけるARDSを予防する方法であって、当該患者に、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、患者は、ARDSを発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、患者は、呼吸器侵襲を有する。いくつかの実施形態では、呼吸器侵襲は、呼吸器疾患である。いくつかの実施形態によれば、呼吸器侵襲は、呼吸器傷害である。
追加の実施形態によれば、患者におけるARDSを治療する方法であって、当該患者に、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、患者は、軽度のARDSを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、患者は、中等度のARDSを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、患者は、重度のARDSを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、患者は、ベルリン定義に従って、軽度、中等度、又は重度のARDSのうちの1つを有すると診断されている。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態によれば、患者は、ウイルス感染症を有する。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、コロナウイルス感染症である。更により特定の実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-2である。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態によれば、患者は、肺炎を有する。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態によれば、患者は、喘息を有する。いくつかの実施形態によれば、患者は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有する。いくつかの実施形態によれば、患者は、肺線維症を有する。いくつかの実施形態によれば、患者は、間質性肺疾患を有する。
本明細書で提供される実施形態によれば、抗IL17抗体は、ヒトIL17Aに特異的に結合する。より具体的な実施形態では、抗IL17抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)及び重鎖可変領域(HCVR)を含み、当該LCVRは、配列番号2のアミノ酸配列であり、当該HCVRは、配列番号3のアミノ酸配列である。更により具体的な実施形態では、抗IL17抗体は、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、当該LCは、配列番号4のアミノ酸配列であり、当該HCは、配列番号5のアミノ酸配列である。更により具体的な実施形態では、抗IL17抗体は、イキセキズマブである。
本明細書で提供される方法の実施形態によれば、投与することは、抗IL17抗体の薬学的製剤を投与することを含み、当該薬学的製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17抗体を含む。他の実施形態では、投与することは、抗IL17抗体の薬学的製剤を投与することを含み、当該薬学的製剤は、約160mg/mlの濃度の抗IL17抗体を含む。いくつかの実施形態によれば、薬学的製剤は、約20mMの濃度のクエン酸緩衝液、約200mMの濃度の塩化ナトリウム、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを更に含む。他の実施形態では、薬学的製剤は、約234mMの濃度のショ糖、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを更に含み、薬学的製剤は、イオン等張性賦形剤を実質的に含まず、かつL-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態によれば、投与することは、約160mgの用量の抗IL17抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与することは、約80mgの用量の抗IL17抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与することは、初回用量に続いて2、3及び4週目の各々に約160mgの抗IL17抗体を投与すること(例えば、160Q1)を更に含む。いくつかの実施形態では、投与することは、初回用量に続いて1、2、3及び4週目の各々に約80mgの抗IL17抗体を投与すること(例えば、80Q1)を更に含む。他の実施形態では、投与することは、初回用量に続いて2週目及び4週目の各々に約160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、160Q2)を更に含む。他の実施形態では、投与することは、初回用量に続いて2週目及び4週目の各々に約80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、80Q2)を更に含む。更に他の実施形態では、投与することは、初回用量に続いて4週目に約160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、160Q4)を更に含む。なおも更なる実施形態では、投与することは、初回用量に続いて4週目に約80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、80Q4)を更に含む。本明細書のいくつかの実施形態では、投与するステップは、皮下投与を含む。
追加として、ARDSの予防のための医薬品の製造に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤が本明細書で提供される。本明細書で提供される他の実施形態は、ARDSの治療のための医薬品の製造に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む。
いくつかの実施形態によれば、ARDSの予防に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤が本明細書で提供され、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤は、ARDSのリスクがある患者に投与される。いくつかの実施形態では、患者は、ARDSを発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、患者は、呼吸器侵襲を有する。いくつかの実施形態では、呼吸器侵襲は、呼吸器疾患である。いくつかの実施形態では、呼吸器侵襲は、呼吸器傷害である。
いくつかの実施形態では、ARDSの治療に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤が本明細書で提供され、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤は、ARDSの治療を必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、患者は、軽度のARDSを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、患者は、中等度のARDSを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、患者は、重度のARDSを有すると診断されている。いくつかの実施形態では、患者は、ベルリン定義に従って、軽度、中等度、又は重度のARDSのうちの1つを有すると診断されている。
本明細書で提供される抗IL17抗体又はその薬学的製剤の実施形態によれば、患者は、ウイルス感染症を有する。いくつかの実施形態では、ウイルス感染症は、コロナウイルス感染症である。更により特定の実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-2である。本明細書で提供されるいくつかの実施形態によれば、患者は、肺炎を有する。いくつかの実施形態によれば、患者は、喘息を有する。いくつかの実施形態によれば、患者は、COPDを有する。いくつかの実施形態によれば、患者は、肺線維症を有する。
抗IL17抗体又はその薬学的製剤のいくつかの実施形態によれば、抗IL17抗体は、ヒトIL17Aに特異的に結合する。いくつかのより特定の実施形態では、抗IL17抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)及び重鎖可変領域(HCVR)を含み、当該LCVRは、配列番号2のアミノ酸配列であり、当該HCVRは、配列番号3のアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、抗IL17抗体は、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、当該LCは、配列番号4のアミノ酸配列であり、当該HCは、配列番号5のアミノ酸配列である。更により具体的な実施形態では、抗IL17抗体は、イキセキズマブである。いくつかのそのような実施形態によれば、抗IL17抗体又はその薬学的製剤は、抗IL17抗体の薬学的製剤を含み、当該薬学的製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17抗体、約20mMの濃度のクエン酸緩衝液、約200mMの濃度の塩化ナトリウム、約0.03%(w/v)の範囲の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを含む。いくつかの他の実施形態によれば、抗IL17抗体又はその薬学的製剤は、抗IL17抗体の薬学的製剤を含み、当該薬学的製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17抗体、約234mMの濃度のショ糖、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを含み、薬学的製剤は、イオン等張性賦形剤を実質的に含まず、かつL-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない。
本明細書で言及される場合、本明細書で互換的に使用される「個体」、「対象」、及び「患者」という用語は、ヒトを指す。ある特定の実施形態では、患者は更に、例えば、SARS-CoV-2ウイルス感染症などの傷害、又はIL-17の生物活性の減少から恩恵を受けるであろうCOVID-19疾患などの疾患によって引き起こされる呼吸器疾患で特徴付けられる。いくつかの実施形態では、患者は更に、CAR-T細胞療法によって誘発されたARDSのリスクがあるか、又はそれを有するとして特徴付けられる。いくつかの実施形態では、患者は、肺炎、喘息、COPD、及び/又は肺線維症を有する(これらは全て、患者をARDSのリスク増加及び/又はARDSの重症度の増加とみなすことができる)。
本明細書で言及される場合、「予防」、「予防する」、及び/又は「予防すること」は、本明細書で互換的に使用され、症状若しくは合併症の減速、中断、阻止、制御、停止、緩和、あるいは例えば、傷害、SARS-CoV-2ウイルス感染症などの侵襲、若しくはCOVID-19疾患などの疾患、又はCAR-T療法などの療法によって誘発される侵襲によって引き起こされる、呼吸器疾患の進行の逆転が存在し得、これによって呼吸器疾患が、ARDSに進行しないか、又は例えば、ベルリン定義によって定義されるように、ARDSのより深刻な病期に進行しない、全てのプロセスを指すことが意図される。本明細書で使用される場合、予防は、全ての障害症状の完全な排除を必ずしも示すことを意図するものではない。
本明細書で互換的に使用される場合、「治療」及び/又は「治療すること」及び/又は「治療する」は、症状若しくは合併症の減速、中断、阻止、制御、停止、緩和、又はARDSの進行の逆転が存在し得る全てのプロセスを指すことが意図されるが、全ての障害症状の完全な排除を必ずしも示すものではない。
本明細書で使用され得る場合、「約」又は「およそ」という用語は、具体的に列挙されている数値又は値の範囲に関して使用されている場合、値が列挙されている値とは10%以下(例えば、+/-10%)異なり得ることを意味する。例えば、本明細書で使用される場合、表現「約100」は、90及び110並びに間の全ての値(例えば、91、92、93、94など)を含む。
抗IL17抗体
本開示は、高い親和性でヒトIL-17に特異的に結合するモノクローナル抗体に関する。より具体的には、抗体は、ヒトIL-17Aに特異的に結合して拮抗する。特定の実施形態によれば、抗IL17抗体は、各々が配列番号2のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域(LCVR)と、各々が配列番号3のアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域(HCVR)と、を含む。より特定の実施形態では、抗IL17抗体は、各々が配列番号4のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖(LC)と、各々が配列番号5のアミノ酸配列を有する2つの重鎖(HC)とを含み、HCは、ジスルフィド結合によって架橋されている。本開示の好ましい実施形態では、抗IL17抗体は、イキセキズマブである。本開示で使用するための抗体の更なる特徴付けは、米国特許第7,838,638号に提供されている。追加の抗IL17抗体は、WO2006/013107A1及びWO2012/095662A1に記載されている。
抗IL17抗体の薬学的製剤
本開示の実施形態はまた、薬学的製剤に組み込まれた抗IL17抗体の使用を含む。本明細書で使用される薬学的製剤は、本開示の抗IL17抗体、好ましくはイキセキズマブを含む安定な製剤であり、製剤中のタンパク質/抗体の分解、修飾、凝集、生物活性の喪失などの程度は、許容範囲内で制御され、経時的に許容範囲を超えて増加することはない。溶液中の抗体の安定性は、抗体が可溶化された製剤中の抗体の化学的及び物理的安定性に依存している。酸化、脱アミド化、及び加水分解などの問題は、化学的安定性の問題の例であり、凝集、ゲル形成、及び液液相分離は、抗体が製剤中に有し上得る物理的安定性の問題の例である。安定性は、試料の光散乱の測定、光の見かけの減衰(吸光度又は光学密度)、サイズ(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC))、示差走査熱量測定(DSC)によって測定されたインビトロ又はインビボでの生物活性及び/又は特性を含む、当該技術分野で周知の方法によって評価することができる。
本開示で使用するための薬学的製剤は、溶液、乳濁液、又は懸濁液の液体剤形であり得、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内を含む非経口投与を介して投与され得る。抗IL17抗体の薬学的製剤の特定の実施形態には、表1A及び表1Bの薬学的製剤が含まれる。
Figure 2023521909000001
Figure 2023521909000002
本開示で使用するための抗IL17抗体の薬学的製剤の更なる特徴付けは、米国特許第9,376,491号及び同時係属中の米国特許出願第16/787,254号に提供されている。本開示で使用するための薬学的製剤の好ましい実施形態は、イキセキズマブである抗IL17抗体を含む。更なる実施形態には、市販の薬学的製剤Taltz(登録商標)が含まれる。
用量計画
本開示はまた、抗IL17抗体によるARDSの予防及び/又は治療のための用量計画に関する。本明細書で言及され、当該技術分野で一般に知られているように、「用量」という用語は、患者に投与される抗IL17抗体の量(例えば、濃度)を指す。当該分野で一般に知られており、本明細書で互換的に言及され得る「用量計画」又は「投与計画」は、ある期間にわたって患者に投与される用量のセット(すなわち、連続又は配列)を投与するための治療スケジュールを含む。
本明細書で予防及び/又は治療する方法で提供される用量計画の例示的な実施形態は、単回用量の約160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む。更なる実施形態は、その後毎週、追加用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む(160Q1)。
本明細書で提供される用量計画の追加の実施形態によれば、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後2週間ごとに160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が投与される(160Q2)。本明細書で提供される用量計画の更なる実施形態では、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後3週間ごとに160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が投与される(160Q3)。本明細書で提供される用量計画のなおも更なる実施形態では、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後4週間ごとに160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が投与される(160Q4)。
なおもより更なる例示的な実施形態では、本明細書で提供される用量計画は、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後毎週投与される80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む。他の実施形態では、本明細書で提供される用量計画は、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後2週間ごとに投与される80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む。更に、本明細書で提供される用量計画の例示的な実施形態は、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後3週間ごとに投与される80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む。なおも更に、本明細書で提供される用量計画の例示的な実施形態は、初期用量の160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後4週間ごとに投与される80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む、用量計画を含む。
追加として、本明細書で予防及び/又は治療する方法で提供される用量計画には、単回用量の約80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が含まれる。更なる実施形態は、その後毎週、追加用量の80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を含む(80Q1)。
本明細書で提供される用量計画の追加の実施形態によれば、初期用量の80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後2週間ごとに80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が投与される(80Q2)。本明細書で提供される用量計画の更なる実施形態では、初期用量の80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後3週間ごとに80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が投与される(80Q3)。本明細書で提供される用量計画のなおも更なる実施形態では、初期用量の80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤、続いてその後4週間ごとに80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤が投与される(80Q4)。
実施例1.IL-17経路バイオマーカー研究
H1N1ウイルスの感染によるびまん性肺胞損傷は、細胞毒性炎症性表現型と関連付けられている。IL-17経路は、そのような損傷の可能なメディエーターである。更に、サイトカインストームには、場合によってはIL-22、IL-23、IL-19、CCL20(CCR6リガンドとしても知られる)及びCCL2、CCL4、CCL5、CCL17、及びCCL22(CCR4リガンドとしても知られる)を含む、IL-17経路メディエーターが含まれ得る。更に、イキセキズマブは、ARDSの発症又は進行に関与している可能性のある細胞生存調節因子であるIL-4調節に関与する。そのため、COVID-19に起因する呼吸器疾患を有する患者のバイオマーカーの影響に関する研究は、以下に従って実施することができる。簡単に言うと、COVID-19を有する患者の血液試料及び/又は気管支肺胞洗浄試料は、感染前、感染中、ARDSの発症前、軽度ARDS中、ICU入室前、ICU入室後、ICU退室後、及び/又はARDSの鎮静後を含む、異なる時点で得ることができる。例えば、研究には、ICU入室前、ICU入室後、及びICU退室後のCOVID-19を有する患者からの血液試料及び/又は気管支肺胞洗浄試料の収集が含まれ得る。試料は、IL-19、IL-22、IL-23、IL-4、CCR4、及び/又はCCR6を含む、IL-17経路において実装されるバイオマーカーについて試験され得る。結果は、ARDSをもたらすか、又はARDSの重症度の増加をもたらす呼吸器疾患の進行におけるIL-17の影響を実証し得る。
実質的に上記の方法に従って、IL-17A、IL-17C、及びIL-6の倍率変化の増加を、ARDS患者(COVID-19陽性(N=58)及びCOVID-19陰性(N=22)の両方)で評価し、対照の健康な患者(非ARDS及び非COVID-19の両方)(N=20)と比較した。多重イムノアッセイを使用して、血清試料を二重に分析する。健康な患者と比較して、(i)COVID-19陽性のARDS患者は、IL-17Aで1.75倍の増加、IL-17Cで1.91倍の増加、及びIL-6で14.49倍の増加を示し、(ii)COVID-19陰性のARDS患者は、IL-17Aで2.61倍の増加、IL-17Cで2.08倍の増加、IL-6で16.17倍の増加を示した。
実施例2.COVID-19患者におけるイキセキズマブの臨床研究
COVID-19を有する患者におけるARDSの、イキセキズマブ(配列番号4のアミノ酸配列を持つLCと、配列番号5のアミノ酸配列を持つHCとを有し、米国特許第7,838,638号及び同第9,376,491号に更に記載されている、抗IL-17抗体)を用いた予防及び/又は治療は、本明細書に記載されているように実施することができる。簡単に言えば、COVID-19陽性の患者には、0日目に160mg又は80mgのうちの一方のイキセキズマブを投与することができる。その後、患者は、160mg又は80mgのうちの一方のイキセキズマブを翌週(例えば、160Q1若しくは80Q1)、2週間(例えば、160Q2若しくは80Q2)、3週間(例えば、160Q3若しくは80Q3)、又は4週間(例えば、160Q4若しくは80Q4)後に投与され得る。患者は、治療中及び治療後に、呼吸器疾患の存在、ARDSの存在、又は呼吸器疾患若しくはARDSの進行について評価され得る。評価には、胸部画像検査及びPaO2/FiO2比の評価が含まれ得る。
臨床研究によれば、COVID-19を有する患者におけるARDSの、イキセキズマブ(配列番号4のアミノ酸配列を持つLCと、配列番号5のアミノ酸配列を持つHCとを有し、米国特許第7,838,638号及び同第9,376,491号に更に記載されている、抗IL-17抗体)を用いた予防及び/又は治療の評価は、以下のように実施することができる。COVID-19陽性の患者には、0日目に160mgのイキセキズマブを皮下注射によって投与することができる。2週間後(例えば、14日目)、患者に80mgのイキセキズマブを皮下投与することができる(14日目より前に患者の治療が中止されない限り)。0日目及び14日目に投与を完了したか、又は0日目に投与して中止した患者は、臨床的回復時間、無酸素回復率(例えば、入院から退院し、酸素補給を受けていない)、疾患重症度の順序尺度、死亡率、呼吸器疾患の存在、ARDSの存在、又は治療中及び治療後の呼吸器疾患若しくはARDSの進行のうちの1つ以上について評価することができる。評価には、胸部画像検査及びPaO2/FiO2比の評価が含まれ得る。
例示された実施形態
以下は、本開示全体にわたって記載される追加の実施形態を提供する。
1.患者における急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を予防する方法であって、当該患者に、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与することを含む、方法。
2.患者が、ARDSを発症するリスクがある、1に記載の実施形態。
3.患者が、呼吸器侵襲を有する、1又は2に記載の実施形態。
4.呼吸器侵襲が、呼吸器疾患である、3に記載の実施形態。
5.呼吸器侵襲が、呼吸器傷害である、3に記載の実施形態。
6.患者におけるARDSを治療する方法であって、当該患者に、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与することを含む、方法。
7.患者が、軽度のARDSを有すると診断されている、6に記載の実施形態。
8.患者が、中等度のARDSを有すると診断されている、6に記載の実施形態。
9.患者が、重度のARDSを有すると診断されている、6に記載の実施形態。
10.患者が、ベルリン定義に従って、軽度、中等度、又は重度のARDSのうちの1つを有すると診断されている、7~9のいずれか1つに記載の実施形態。
11.患者が、ウイルス感染症を有する、1~10のいずれか1つに記載の実施形態。
12.ウイルス感染症が、コロナウイルス感染症である、11に記載の実施形態。
13.コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、12に記載の実施形態。
14.患者が、肺炎、喘息、COPD、間質性肺疾患、及び/又は肺線維症を有する、1~3のいずれか1つに記載の方法。
15.当該抗IL17抗体が、ヒトIL17Aに特異的に結合する、1~4のいずれか1つに記載の実施形態。
16.抗IL17抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)及び重鎖可変領域(HCVR)を含み、当該LCVRが、配列番号2のアミノ酸配列であり、当該HCVRが、配列番号3のアミノ酸配列である、1~15のいずれか1つに記載の実施形態。
17.抗IL17抗体が、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、当該LCが、配列番号4のアミノ酸配列であり、当該HCが、配列番号5のアミノ酸配列である、15に記載の実施形態。
18.抗IL17抗体が、イキセキズマブである、17に記載の実施形態。
19.投与することが、抗IL17抗体の薬学的製剤を投与することを含み、当該薬学的製剤が、約80mg/mLの濃度の抗IL17抗体を含む、1~18のいずれか1つに記載の実施形態。
20.投与することが、抗IL17抗体の薬学的製剤を投与することを含み、当該薬学的製剤が、約160mg/mlの濃度の抗IL17抗体を含む、1~18のいずれか1つに記載の実施形態。
21.薬学的製剤が、約20mMの濃度のクエン酸緩衝液、約200mMの濃度の塩化ナトリウム、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを更に含む、19又は20に記載の実施形態。
22.薬学的製剤が、約234mMの濃度のショ糖、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを更に含み、薬学的製剤が、イオン等張性賦形剤を実質的に含まず、かつL-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない、19又は20に記載の実施形態。
23.投与することが、約160mgの用量の抗IL17抗体を投与することを含む、1~22のいずれか1つに記載の実施形態。
24.投与することが、約80mgの用量の抗IL17抗体を投与することを含む、1~22のいずれか1つに記載の実施形態。
25.投与することが、初回用量に続いて2、3及び4週目の各々に約160mgの抗IL17抗体を投与すること(例えば、160Q1)を更に含む、23又は24に記載の実施形態。
26.投与することが、初回用量に続いて1、2、3及び4週目の各々に約80mgの抗IL17抗体を投与すること(例えば、80Q1)を更に含む、23又は24に記載の実施形態。
27.投与することが、初回用量に続いて2週目及び4週目の各々に約160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、160Q2)を更に含む、23又は24に記載の実施形態。
28.投与することが、初回用量に続いて2週目及び4週目の各々に約80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、80Q2)を更に含む、23又は24に記載の実施形態。
29.投与することが、初回用量に続いて4週目に約160mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、160Q4)を更に含む、23又は24に記載の実施形態。
30.投与することが、初回用量に続いて4週目に約80mgの抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与すること(例えば、80Q4)を更に含む、23又は24に記載の実施形態。
31.当該投与するステップが、皮下投与を含む、1~29のいずれか1つに記載の実施形態。
32.ARDSの予防のための医薬品の製造に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
33.ARDSの治療のための医薬品の製造に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
34.ARDSの予防に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤であって、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤が、ARDSのリスクがある患者に投与される、抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
35.患者が、呼吸器侵襲を有する、34に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
36.呼吸器侵襲が、呼吸器疾患である、35に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
37.呼吸器侵襲が、呼吸器傷害である、35に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
38.ARDSの治療に使用するための、抗IL17抗体又はその薬学的製剤であって、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤が、ARDSの治療を必要とする患者に投与される、抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
39.患者が、軽度のARDSを有すると診断されている、38に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
40.患者が、中等度のARDSを有すると診断されている、38に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
41.患者が、重度のARDSを有すると診断されている、38に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
42.患者が、ベルリン定義に従って、軽度、中等度、又は重度のARDSのうちの1つを有すると診断されている、38~41のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
43.患者が、ウイルス感染症を有する、34~42のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
44.ウイルス感染症が、コロナウイルス感染症である、43に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
45.コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、44に記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
46.患者が、肺炎、喘息、COPD、間質性肺疾患、及び/又は肺線維症を有する、34~45のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
47.当該抗IL17抗体が、ヒトIL17Aに特異的に結合する、32~46のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体。
48.抗IL17抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)及び重鎖可変領域(HCVR)を含み、当該LCVRが、配列番号2のアミノ酸配列であり、当該HCVRが、配列番号3のアミノ酸配列である、32~47のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体。
49.抗IL17抗体が、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、当該LCが、配列番号4のアミノ酸配列であり、当該HCが、配列番号5のアミノ酸配列である、48に記載の実施形態の抗IL17抗体。
50.抗IL17抗体が、イキセキズマブである、49に記載の実施形態の抗IL17抗体。
51.抗IL17抗体の薬学的製剤を含み、当該薬学的製剤が、約80mg/mLの濃度の抗IL17抗体、約20mMの濃度のクエン酸緩衝液、約200mMの濃度の塩化ナトリウム、約0.03%(w/v)の範囲の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを含む、32~46のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
52.抗IL17抗体の薬学的製剤を含み、当該薬学的製剤が、約80mg/mLの濃度の抗IL17抗体、約234mMの濃度のショ糖、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpHを含み、薬学的製剤が、イオン等張性賦形剤を実質的に含まず、かつL-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない、32~46のいずれか1つに記載の実施形態の抗IL17抗体又はその薬学的製剤。
配列表
配列番号1(ヒトIL-17)
MTPGKTSLVSLLLLLSLEAIVKAGITIPRNPGCPNSEDKNFPRTVMVNLN IHNRNTNTNPKRSSDYYNRSTSPWNLHRNEDPERYPSVIWEAKCRHLGCI NADGNVDYHMNSVPIQQEILVLRREPPHCPNSFRLEKILVSVGCTCVTPI
VHHVA
配列番号2(LCVR)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGNTYLHWYLQKPGQSPQ LLIYKVSNRFIGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHLP FTFGQGTKLEIK
配列番号3(HCVR)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYHIHWVRQAPGQGLEWMGV INPMYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYD YFTGTGVYWGQGTLVTVSS
配列番号4(軽鎖)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGNTYLHWYLQKPGQSPQ LLIYKVSNRFIGVPDRFSGSGSGTDFTLKI SRVEAEDVGVYYCSQSTHLP FTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAK VQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACE VTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号5(重鎖)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYHIHWVRQAPGQGLEWMGV INPMYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYD YFTGTGVYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKD YFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTY TCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTL MISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYR VVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTL PPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSD GSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG

Claims (21)

  1. 患者における急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を治療又は予防する方法であって、前記患者に、治療有効量の抗IL17抗体又はその薬学的製剤を投与することを含む、方法。
  2. 前記患者が、ARDSを発症するリスクがある、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が、呼吸器侵襲を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記呼吸器侵襲が、呼吸器疾患である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記呼吸器侵襲が、呼吸器傷害である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記患者が、軽度のARDSを有すると診断されている、請求項1に記載の方法。
  7. 前記患者が、中等度のARDSを有すると診断されている、請求項1に記載の方法。
  8. 前記患者が、重度のARDSを有すると診断されている、請求項1に記載の方法。
  9. 前記患者が、ベルリン定義に従って、軽度、中等度、又は重度のARDSのうちの1つを有すると診断されている、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記患者が、ウイルス感染症を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ウイルス感染症が、コロナウイルス感染症である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記患者が、肺炎、喘息、COPD、間質性肺疾患、及び/又は肺線維症を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記抗IL17抗体が、ヒトIL17Aに特異的に結合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗IL17抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)及び重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、配列番号2のアミノ酸配列であり、前記HCVRが、配列番号3のアミノ酸配列である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記抗IL17抗体が、軽鎖(LC)及び重鎖(HC)を含み、前記LCが、配列番号4のアミノ酸配列であり、前記HCが、配列番号5のアミノ酸配列である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抗IL17抗体が、イキセキズマブである、請求項16に記載の方法。
  18. 投与が、前記抗IL17抗体の薬学的製剤を投与することを含み、前記薬学的製剤が、約80mg/mLの濃度の前記抗IL17抗体を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記薬学的製剤が、
    (i)約20mMの濃度のクエン酸緩衝液、約200mMの濃度の塩化ナトリウム、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpH、又は
    (ii)約234mMの濃度のショ糖、約0.03%(w/v)の濃度のポリソルベート-80、及び約5.7のpH
    のうちの1つを更に含み、前記薬学的製剤が、イオン等張性賦形剤を実質的に含まず、かつL-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない、請求項18に記載の方法。
  20. 投与が、
    (i)約160mgの用量の前記抗IL17抗体を投与すること、
    (ii)約80mgの用量の前記抗IL17抗体を投与すること、
    (iii)初回用量に続いて2、3及び4週目の各々に約160mgの前記抗IL17抗体を投与すること(例えば、160Q1)、
    (iv)初回用量に続いて1、2、3及び4週目の各々に約80mgの前記抗IL17抗体を投与すること(例えば、80Q1)、
    (v)初回用量に続いて2週目及び4週目の各々に約160mgの前記抗IL17抗体若しくはその薬学的製剤を投与すること(例えば、160Q、
    (vi)初回用量に続いて2週目及び4週目の各々に約80mgの前記抗IL17抗体若しくはその薬学的製剤を投与すること(例えば、80Q2)、
    (vii)初回用量に続いて4週目に約160mgの前記抗IL17抗体若しくはその薬学的製剤を投与すること(例えば、160Q4)、又は
    (iix)初回用量に続いて4週目に約80mgの前記抗IL17抗体若しくはその薬学的製剤を投与すること(例えば、80Q4)を含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記投与するステップが、皮下投与を含む、請求項1に記載の方法。
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