JP2023521895A - テロメラーゼ逆転写酵素に特異的なmhc拘束性免疫原性ペプチド、その複合体コンジュゲート、およびそれらを使用する方法 - Google Patents

テロメラーゼ逆転写酵素に特異的なmhc拘束性免疫原性ペプチド、その複合体コンジュゲート、およびそれらを使用する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、テロメラーゼ逆転写酵素由来の免疫原性ペプチド組成物、およびそれを使用する方法を提供する。免疫療法組成物中の1種または複数種のペプチドに対する免疫応答を刺激する該免疫療法組成物の有効量を、ヒト対象に投与することによって、対象において細胞性免疫応答が誘発され得る。TIFF2023521895000011.tif101158

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月17日に提出された米国特許仮出願第63/012,001号の恩典を主張するものであり、該仮出願は、その全体が全ての目的に関して、参照により本明細書に組み入れられる。
分野
本開示は、がん免疫療法およびT細胞媒介型免疫応答の分野に関連する。より具体的には本開示は、テロメラーゼ逆転写酵素特異的免疫原性ペプチド組成物、およびそれを使用する方法に関連する。
配列表
本出願は配列表を含んでおり、該配列表はASCIIフォーマットで電子的に提出されていて、かつその全体が参照により本明細書に組み入れられる。該ASCIIコピーは、2021年04月12日に作成されたものであり、「058125-503001WO_SEQUENCE_LISTING_ST25.txt」との名称を有し、かつ25,632バイトのサイズである。
背景
抗原提示細胞、たとえば樹状細胞(DC)などは、タンパク質抗原をプロセシングし、そしてタンパク質抗原を、ペプチド・主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子(pMHC)の形で細胞表面に提示する。T細胞は、コグネイトT細胞受容体を介してpMHC複合体を認識する。そのような認識が行われると、T細胞は活性化状態になることができ、そして該タンパク質抗原を発現する細胞に対する免疫応答を引き起こすことができる。T細胞媒介型免疫応答は、がん免疫療法のさまざまなアプローチにおいて利用されている。該療法は、がんに特異的なT細胞の活性化および拡大を必要とし、該細胞はその後、がん細胞上で発現している抗原標的を認識することによって、がん細胞を殺傷する。
テロメラーゼ逆転写酵素(TERT、またはヒトではhTERT)は、テロメアDNAを合成するリボヌクレオタンパク質であるテロメラーゼ酵素の、触媒サブユニットである。hTERTは、多くの異なる種類の悪性細胞において実質的に上方制御されており、かつ腫瘍細胞の寿命を延長するのに必須の役割を果たしていることから、T細胞ターゲティングに関して興味深い腫瘍関連抗原である。hTERTは、急性骨髄性白血病(AML)において、特に高リスク細胞遺伝学的サブタイプのものにおいて、高度に上方制御されており、かつしたがって、白血病関連抗原の重要な候補であると考えられている。テロメラーゼベースのがん免疫療法は、以前に成功裏に構築されており、かつ該療法は、固形腫瘍患者へと安全に提供されている。
成熟DCは、T細胞媒介型免疫応答を引き起こす、強力な抗原提示細胞であって、かつ末梢血単核細胞(PBMC)から容易に産生させることが可能であり、かつ特異的な抗原をロードすることが可能である。前臨床試験、動物モデル、および臨床試験において、ペプチドか、タンパク質か、または抗原をコードする遺伝子をトランスフェクトされた成熟DCの注入により、抗原特異的抗腫瘍応答が誘発された。実際、推定上の腫瘍抗原、たとえば、リンパ腫イディオタイプタンパク質、前立腺アルカリホスファターゼ、結腸直腸抗原ペプチド、および腫瘍溶解物などによって改変されたDCが、患者に投与され、そして検出可能な抗腫瘍免疫応答が観察された。加えて、翻訳可能なmRNAであって、抗原のアミノ酸レパートリー由来のエピトープを宿主のHLA分子が優先的に選択しそして提示することを可能にするmRNAを、DCにトランスフェクトすることが可能である。
AST-VAC1(本開示においてはhTERT-DCとも称される)は、hTERTと、リソソームターゲティングシグナルであるLAMPとをコードするmRNAをトランスフェクトされた成熟DCを含み、免疫刺激活性を強化する、免疫療法用の製品である。がんを有する患者の末梢血単核細胞(PBMC)由来のhTERT特異的T細胞を、自家hTERT-DCが刺激すること、およびLAMP配列を使用すると、CD8+T細胞およびCD4+ T細胞の応答が強化されたことが、以前のインビトロ試験によって証明されている。より最近になって、自家(すなわち患者由来)hTERT発現DCを用いた、AST-VAC1の第2相臨床試験により、高リスクAMLを有する患者における無病生存期間が改善されたことの初期シグナルとともに、抗hTERT T細胞媒介型免疫の成功が証明された(Khoury MD et al., Cancer 2017 Aug 15;123(16):3061-3072(非特許文献1))。
hTERTを発現する腫瘍に対するT細胞媒介型免疫応答の、堅固な誘導は、応答中のT細胞が認識する、特異的なhTERT・pMHC複合体によって媒介されると考えられている。以前の研究では、T細胞の認識に重要であると考えられるhTERT・pMHC複合体を同定することが試みられたものの、潜在的免疫原性hTERTペプチドのアイデンティティおよびレパートリーは、いまだ明らかにされていない。
Khoury MD et al., Cancer 2017 Aug 15;123(16):3061-3072
概要
1つの局面において、本開示は、ヒト対象において細胞性免疫応答を誘発するための方法を提供し、該方法は、表1~5中のペプチド(SEQ ID NO:4~119)から選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する免疫療法組成物の有効量を対象に投与する段階を含む。
いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドを提示する。いくつかの態様において、抗原提示細胞には、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、抗原提示細胞は成熟樹状細胞である。
いくつかの態様において、対象は免疫療法を必要としている。いくつかの態様において、対象はがんを有している。いくつかの態様において、対象は急性骨髄性白血病(AML)を有している。
いくつかの態様において、mRNAは、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドの2コピー以上をコードする構築物を含む。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は対象に由来する。いくつかの態様において、抗原提示細胞は多能性幹細胞に由来する。いくつかの態様において、多能性幹細胞はヒト胚性幹細胞である。
別の局面において、本開示は、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する、免疫療法組成物を提供する。
いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドを提示する。いくつかの態様において、抗原提示細胞には、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、抗原提示細胞は成熟樹状細胞である。
いくつかの態様において、mRNAは、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む。
さらなる別の局面において、本開示は、その表面上に、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドを提示する、抗原提示細胞を提供する。
さらなる別の局面において、本開示は、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAがトランスフェクトまたはパルスされている、抗原提示細胞を提供する。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、細胞は樹状細胞である。
いくつかの態様において、mRNAは、表1~5に列挙される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む。
いくつかの態様において、トランスフェクションはエレクトロポレーションによって行われる。
いくつかの態様において、mRNA構築物は、リソソームターゲティング配列をさらに含む。
さらなる別の局面において、本開示は、表1~5に列挙されるペプチドから選択されるペプチドと複合体を形成しているMHCクラスI分子を含む、インビトロ複合体を提供する。
いくつかの態様において、MHCクラスI分子は、HLA-A遺伝子座によってコードされる。いくつかの態様において、インビトロ複合体は、コンジュゲートされたビオチン分子をさらに含む。
本明細書において記載されるさまざまな態様において、本開示は、とりわけ、hTERTに由来しておりMHCクラスI拘束性である1種または複数種の免疫原性ペプチドを含む、免疫療法組成物を提供する。本開示はまた、hTERT由来の免疫原性ペプチドであって、ヒト対象において正のT細胞免疫応答を誘発することが可能であるペプチドを同定し、かつ該ペプチドを提供する。hTERT由来の免疫原性ペプチドは、表1~5に特定されている。本開示はまた、免疫細胞療法を必要とするヒト対象において細胞性免疫応答を誘発するための方法を提供する。
1つの態様において、本開示は、ヒト対象において免疫応答を誘発するための方法を提供し、該方法は、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する免疫療法組成物の有効量を対象に投与する段階を含む。ある態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドリストから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、抗原提示細胞には、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。いくつかの態様において、mRNAは、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む。いくつかの態様において、抗原提示細胞は成熟樹状細胞である。ある態様において、対象は免疫療法を必要としている。いくつかの態様において、対象はがんを有している。1つの態様において、対象はAMLを有している。いくつかの態様において、抗原提示細胞は対象に由来する。他の態様において、抗原提示細胞は多能性幹細胞に由来する。1つの態様において、多能性幹細胞はヒト胚性幹細胞である。
本発明の特性および利点のより完全な理解のため、添付の図面とともに、以下の詳細な説明が参照されるべきである。
図1Aは、hTERTタンパク質全体にわたるhTERTペプチドプール1~3を用いた酵素結合免疫スポット(ELISPOT)アッセイの計画を示す。図1Bは、図1Aのペプチドプール1~3に対する、hTERTペプチド特異的T細胞免疫応答を示す。改変型hTERTを発現するDCを用いて免疫化された患者由来の、凍結保存されていたPBMCは解凍され、そして1 μg/mLの、281種類の15マーペプチドのそれぞれで、7日間にわたり刺激された、ここで該281種類の15マーペプチドは、11アミノ酸がオーバーラップしており、hTERTタンパク質全体をカバーするものである。続いて細胞は、プール中の個々のペプチドそれぞれが2.5 μg/mLであるペプチドプール1、2、および3で、24時間にわたり再刺激され、そして細胞105個あたりのIFN-γのELISPOTカウントが記録された。データは、第7日の時点のペプチドでの再刺激を受けなかった細胞を有する対照ウェルに対して、正規化された。それぞれの点は、3連のウェルの平均を表す。赤色の線は平均 ± SEMを示す。*はp値 < 0.01を表し;nsは有意でないことを表す。 図2Aは、改変型hTERTタンパク質構築物の概略図を示す。ペプチドプールは、強調されている中央の領域であって、アミノ酸377~763位に対応する領域から、アルゴリズムによって作り出された。 図2Bは、アルゴリズムによって推定されたペプチドプールの作製を示す。PaProC(Kuttler, C., et al., J Mol Biol, 2000. 298(3): p.417-29;Nussbaum, A.K., et al., Immunogenetics, 2001. 53(2): p. 87-94)を用いたプロテアソーム解析が最初に利用されて、hTERT377-763から切り出される可能性のあるペプチドが推定された。次に、これらのペプチドについての、HLA-A*03:01またはHLA-A*02:01の結合親和性が、SYFPEITHIを用いて推定された(Rammensee, H., et al., Immunogenetics, 1999. 50(3-4): p. 213-9)。結合および切断の複合スコアは、バイオインフォマティクスツールであるMAPPPを用いて割り当てられた(Hakenberg, J., et al., Appl Bioinformatics, 2003. 2(3): p. 155-8)。スコア付けされたペプチドは、上位50%(高)および下位50%(低)として順位が付けられ、そして次に、hTERT377-763をカバーする15マーに対して個々にマッピングされた。複数のペプチドが1つの15マーに対してマッピングされ得、かつその逆もまた起こり得ることに注意されたい。「高」によってカバーされた15マーおよび「低」によってカバーされた15マーはそれぞれ、「高プール」および「低プール」を構成していた。カバーされなかった15マーの全ては、まとめて「非プール」を構成していた。 図2Cは、hTERTタンパク質全体にわたるプール1~3の、「高」、「低」、および「非」のhTERTペプチドを用いたELISPOTアッセイの計画を示す。改変型hTERTを発現するDCを用いて免疫化された患者由来の、凍結保存されていたPBMCは解凍され、そして1 μg/mLの、94種類の15マーペプチドのそれぞれで、7日間にわたり刺激された、ここで該94種類の15マーペプチドは、11アミノ酸がオーバーラップしており、hTERTのアミノ酸377~763位をカバーするものである。続いて細胞は、プール中の個々のペプチドそれぞれが2.5 μg/mLであるペプチドプール「高」、「低」、または「非」で、24時間にわたり再刺激され、そして細胞105個あたりのIFN-γのELISPOTカウントが記録された。 図2Dは、HLA-A*03:01およびHLA-A*02:01に関して、細胞105個あたりのIFN-γのカウントとして測定された、アルゴリズムによって作り出されたプールについてのペプチド特異的免疫応答を示す。データは、第7日の時点のペプチドでの再刺激を受けなかった細胞を有する対照ウェルに対して、正規化された。データは平均 ± SEM(条件1つにつきN = 3ウェル)を表す。 図3A、3Bは、HLA-A*02:01についての、個々のhTERTペプチド特異的T細胞免疫応答を示す。改変型hTERTを発現するDCを用いて免疫化された患者由来の、凍結保存されていたPBMCは解凍され、そして1 μg/mLの、94種類のペプチドのそれぞれで、7日間にわたり刺激された、ここで該94種類のペプチドは、それぞれ15アミノ酸の長さであり、かつhTERTのアミノ酸377~763位を包含する。続いて細胞は、2.5 μg/mLの個々のペプチドで24時間にわたり再刺激され、そして細胞105個あたりのIFN-γのスポットが、ELISPOTアッセイから記録された。図3Aは、改変型hTERTタンパク質構築物の概略図を示す。ペプチドプールは、強調されている中央の領域であって、アミノ酸377~763位に対応する領域から、アルゴリズムによって作り出された;細胞を再刺激するのに使用された個々のペプチドは、下のロケーションマップに示される。図3Bは、示される個々のペプチドについての、IFN-γのELISPOTカウントを示す。データは平均 ± SEM(条件1つにつきN = 3ウェル)を表す。データは、第7日の時点のペプチドでの再刺激を受けなかった細胞を有する対照ウェルに対して、正規化された。 図4A、4Bは、HLA-A*03:01についての、個々のhTERTペプチド特異的T細胞免疫応答を示す。改変型hTERTを発現するDCを用いて免疫化された患者由来の、凍結保存されていたPBMCは解凍され、そして1 μg/mLの、94種類のペプチドのそれぞれで、7日間にわたり刺激された、ここで該94種類のペプチドは、それぞれ15アミノ酸の長さであり、かつhTERTのアミノ酸377~763位を包含する。続いて細胞は、2.5 μg/mLの個々のペプチドで24時間にわたり再刺激され、そして細胞105個あたりのIFN-γのスポットが、ELISPOTアッセイから記録された。図4Aは、改変型hTERTタンパク質構築物の概略図を示す。ペプチドプールは、強調されている中央の領域であって、アミノ酸377~763位に対応する領域から、アルゴリズムによって作り出された;細胞を再刺激するのに使用された個々のペプチドは、下のロケーションマップに示される。図4Bは、示される個々のペプチドについての、IFN-γのELISPOTカウントを示す。データは平均 ± SEM(条件1つにつきN = 3ウェル)を表す。データは、第7日の時点のペプチドでの再刺激を受けなかった細胞を有する対照ウェルに対して、正規化された。 図5は、Prolmmune(商標)REVEAL(商標)アッセイを用いた、HLA-A*03:01に特異的なhTERTペプチドの結合親和性を示す。HLA-A*03:01に対する結合親和性を確認するため、hTERTのアミノ酸385~399位、637~651位、および729~743位のそれぞれに由来する個々の9マー~10マー(表3)は、Prolmmune(商標)REVEAL(商標)アッセイ(ProImmune Inc.)を用いて試験された。これらのペプチドの結合親和性は、既知の陽性対照ペプチドのHLA*03:01への観察された結合量に対して正規化された結合スコアとして、決定された(対照には、100という値が割り当てられている)。 図6は、Prolmmune(商標)REVEAL(商標)アッセイによる、hTERTペプチドのHLA-A*02:01に対する結合親和性を示す。HLA-A*02:01に対する結合親和性を確認するため、hTERT729-743に由来する、個々の9マー~10マー(表3)は、Prolmmune(商標)REVEAL(商標)アッセイ(ProImmune Inc.)を用いて試験された。これらのペプチドの結合親和性は、既知の陽性対照ペプチドのHLA*02:01への観察された結合量に対して正規化された結合スコアとして、決定された(対照には、100という値が割り当てられている)。 図7は、単量体としての、または多量体(たとえば4量体)としての、hTERT特異的ペプチド・主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子(pMHC)を示し、これは任意で、コンジュゲートされたビオチン・ストレプトアビジンを含む。
詳細な説明
本組成物および本方法を説明する前にまず、記載される特定のプロセス、組成物、または方法論は変動し得るものであるために、本開示はこれらに限定されないことが理解されるべきである。説明において使用される用語は、特定のバージョンまたは特定の態様を記述する目的のみのためのものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、該範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ決定されることもまた、理解される。たとえば、1つの態様に関して例示される特徴は、他の態様に組み込まれてもよく、かつ、特定の態様に関して例示される特徴は、該態様から削除されてもよい。したがって、本開示のいくつかの態様において、本明細書において記載される、任意の特徴、または特徴の任意の組み合わせが、除外または省略され得ることを、本開示は意図する。加えて、本明細書において示唆されるさまざまな態様の、多数のバリエーション、および該態様への多数の付加は、本開示から見て当業者にとって明らかであり、これらは本開示から逸脱するものではない。他の例としては、本発明を不必要にあいまいにしないために、周知の構造、インターフェース、およびプロセスは、詳細には示されていない。本明細書のいかなる部分も、本発明の全範囲のうちの任意の一部を否定する効果を有すると解釈されるべきではないことが意図される。したがって、以下の説明は、本開示のいくつかの特定の局面を例示することを意図するものであるが、それらの全ての順列、全ての組み合わせ、および全てのバリエーションを網羅的に特定することを意図するものではない。
別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者が通常理解しているものと、同じ意味を有する。本明細書における開示の説明において使用される用語は、特定の態様のみを記述することを目的とするのであって、本開示を限定することを意図するものではない。
本明細書において引用される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体が参照により組み入れられる。
文脈が他を示していない限り、本明細書において記載される開示のさまざまな特徴は、任意の組み合わせにおいて使用可能であることが、特に意図される。さらに、本開示のいくつかの態様において、本明細書において記載される、任意の特徴、または特徴の任意の組み合わせが、除外または省略され得ることもまた、本開示は意図する。
本明細書において開示される方法は、記載される方法を達成するための、1つもしくは複数の段階または1つもしくは複数の作用を含み得る。方法の段階および/または作用は、本発明の範囲から逸脱することなく、互いに入れ替えられ得る。言い換えると、態様を適切に実施するために、段階または作用の特定の順序が必要とされない限り、特定の段階および/もしくは特定の作用の順序、ならびに/または特定の段階および/もしくは特定の作用の使用は、本発明の範囲から逸脱することなく、改変され得る。
本開示の説明、および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確に他を示していない限り、複数形をも同様に含むことが意図される。
本明細書において使用される場合、「および/または」とは、列挙された項目の連続物のうちの、1つまたは複数の項目のあらゆる可能な組み合わせを指し、かつ該あらゆる可能な組み合わせを包含し、かつ、選択肢において解釈される場合には(「または」)、組み合わせの不在を指し、かつ該組み合わせの不在を包含する。
「約」および「およそ」との用語は、本明細書において使用される場合、測定可能な値、たとえば、パーセンテージ、密度、量などを参照する際には、指定された値からの、±20%の、±10%の、±5%の、±1%の、±0.5%の、またはさらに±0.1%の、変動を包含することを意図する。
本明細書において使用される場合、たとえば、「X~Y」および「約X~Y」などの表現は、XおよびYを含むものと解釈されるべきである。本明細書において使用される場合、たとえば「約X~Y」などの表現は、「約X~約Y」を意味し、かつ、たとえば「約XからYまで」などの表現は、「約Xから約Yまで」を意味する。
本明細書において使用される場合、「処置する」、「処置」、「療法」、「治療」等の用語は、望ましい薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指し、以下を含むが、これらに限定されない:進行を、緩和すること、遅らせること、または遅くすること、影響または症状を低減させること、発症を予防すること、疾患または障害の発症を阻害することや好転させること、疾患、障害、または医学的状態に関して有益なまたは望ましい結果を、たとえば、治療上の恩恵および/または予防上の恩恵などを、得ること。「処置」とは、本明細書において使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の処置を含み、かつ以下を含む:(a) 対象における疾患の発生を予防すること、ここで対象には、疾患の素因を有しているかまたは疾患になるリスクを有しているが、該疾患を有するとはまだ診断されていない対象が含まれる;(b) 疾患を阻害すること、すなわちその進行を阻止すること;および(c) 疾患を軽減すること、すなわち疾患からの復帰を引き起こすこと。治療上の恩恵は、処置されている、根本的な障害の根絶または好転を含む。また、対象が依然として根本的な障害を有している可能性があるとしても該対象において改善が観察されるというような、根本的な障害に関連する生理学的症状の1種または複数種の根絶または好転によっても、治療上の恩恵は達成される。いくつかの局面において、予防上の恩恵に関し、処置、または薬学的組成物を含めた、処置のための組成物は、特定の疾患を発症するリスクを有する対象へと、または疾患の生理学的症状の1種または複数種を訴える対象へと、たとえ該疾患の診断がなされていない可能性があるとしても、提供される。本開示の方法は、任意の哺乳動物に、または他の動物に、使用され得る。いくつかの局面において、処置は、症状の低減または停止を引き起こす。予防上の効果は、疾患もしくは異常の出現を遅らせることもしくは消失させること、疾患もしくは異常の症状の発症を遅らせることもしくは消失させること、疾患もしくは異常の進行を遅くすること、停止させること、もしくは逆転させること、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、該用語は、処置することおよび予防することの両方を指し得る。処置とは、臨床上有意な応答を誘発することを含む。処置はまた、処置を受けなかった場合に予想される生存期間と比較して、生存期間を延長することをも含む。
「対象」は、本明細書において使用される場合、以下を含むが、これらに限定されない:ヒト、非ヒト霊長類、および非ヒト脊椎動物、これらはたとえば、野生動物、飼いならされた動物、家畜などであり、たとえば、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウサギ、そしてマウスやラット等といったげっ歯類などの、任意の哺乳動物を含む。いくつかの態様において、「対象」との用語は雄を指す。いくつかの態様において、「対象」との用語は雌を指す。
本明細書において使用される場合、「タンパク質」との用語は、アミノ酸の任意の重合鎖を指す。文脈が明確に他を示していない限り、「ペプチド」および「ポリペプチド」との用語は、タンパク質との用語と互換性をもって使用可能であり、かつ、これらの用語もまた、アミノ酸の重合鎖を指し得る。「タンパク質」との用語は、あるタンパク質配列の、天然のまたは人工のタンパク質、タンパク質断片、およびポリペプチドアナログを包含する。タンパク質は単量体であってよく、または多量体であってもよい。「タンパク質」との用語は、文脈と明らかに矛盾しない限り、その断片およびバリアント(バリアントの断片を含む)を包含する。
本明細書において使用される場合、「エレクトロポレーション」とは、電気的な刺激を用いて膜に孔を作り出すことにより、細胞膜を透過性にするための手法を指す。エレクトロポレーションの適用は、DNA、RNA、siRNA、ペプチド、タンパク質、抗体、薬剤、または他の物質を、さまざまな細胞へと、たとえば、哺乳動物細胞、植物細胞、酵母、他の真核細胞、細菌、他の微生物、およびヒト患者由来の細胞などへと、送達することを含むが、これらに限定されない。
「処置を必要とする」との用語は、本明細書において使用される場合、医療提供者(たとえば、ヒトの場合には、医師、看護師、ナース・プラクティショナー、または個人;非ヒト哺乳動物を含めた動物の場合には、獣医師)によってなされる判断であって、対象が処置を必要としているという判断、または対象が処置から恩恵を受けるであろうという判断を指す。この判断は、医療提供者の専門的知識の範囲内にあるさまざまな因子に基づいてなされるが、該因子には、対象が、開示される化合物によって処置可能な異常の結果として病気であること、または対象が、そのような結果として病気になる可能性があることの認識が含まれる。本明細書において記載される特定の態様において、対象は、免疫療法を必要とする対象であり得る。
本明細書において使用される場合、「腫瘍」との用語は、異常な細胞の蓄積によって形成される、組織のかたまりまたはまとまりを指す。腫瘍は、良性(すなわちがんではない)か、悪性(すなわちがん)か、または前悪性(すなわち前がん性)であり得る。「腫瘍」および「新生物」との用語は、互換性をもって使用され得る。一般的には、がん性腫瘍は悪性である。本明細書において使用される場合、「固形腫瘍」との用語は、のう胞や液状の領域を通常は含まない、組織の異常なかたまりを指す。例示的な固形腫瘍は、肉腫および癌腫を含む。本明細書において使用される場合、「液性腫瘍」との用語は、体液、たとえば、血液および骨髄などに存在する、腫瘍またはがんを指す。例示的な液性腫瘍は造血器腫瘍を含み、これはたとえば、白血病およびリンパ腫などであるが、この点は、たとえば、リンパ節において増殖することによって固形腫瘍のように増殖するというリンパ腫の能力には、影響を受けない。「液性腫瘍」との用語は、文脈が明確に他を示していない限り、「血液がん」との用語と互換性をもって使用可能である。
MHC-IとHLA-Iとは互換性をもって使用され、MHC-IIとHLA-IIも同様である。
免疫療法組成物
いくつかの態様において、本開示は、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する、免疫療法組成物を提供する。免疫応答の刺激は、宿主の免疫系によって外来として認識される抗原の存在に、依存している。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表2中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表3中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表4中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、SEQ ID NO:1~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドを提示する。
本発明の抗原提示細胞は、本開示においてしばしば「樹状細胞」と称される。しかしながらこれは、明示的に必要とされるものを超えて、形態上、表現型上、または機能上の何らかの特徴を暗示していることを、意図しているわけではない。該用語は、貪食性であるか、またはTリンパ球に抗原を提示可能である細胞を指すために使用され、これには、たとえば、血中もしくはリンパ中で循環していることが見いだされ得るもの、または組織部位に定住し得るものなどの、一般的なクラスの単球、マクロファージ、樹状細胞等が含まれる。細胞の貪食性は、標識された抗原または小さな粒子を取り込むその能力によって、決定することが可能である。抗原を提示する細胞の能力は、混合リンパ球反応において決定することが可能である。
樹状細胞は、造血性の骨髄前駆細胞に由来する。これらの前駆細胞はまず、未成熟樹状細胞に変化する。これらの未成熟樹状細胞は、高いエンドサイトーシス活性および低いT細胞活性化能力によって、特徴付けられる。未成熟樹状細胞は、病原体、たとえばウイルスおよび細菌などに関して、常に周辺環境を調査している。これは、パターン認識受容体、たとえばtoll様受容体などを介してなされる。Toll様受容体は、病原体のサブセットにおいて見いだされる特異的な化学的シグネチャーを、認識する。未成熟樹状細胞が提示可能な抗原と接触すると、該細胞は活性化されて成熟樹状細胞となり、そしてリンパ節への移動を開始する。未成熟樹状細胞は病原体を貪食し、そして病原体のタンパク質を小さな断片へと分解し、そして成熟した際に、MHC分子を用いて該断片を該細胞の表面上に提示する。同時に該細胞は、細胞表面受容体を、これはT細胞活性化において共受容体として作用し、T細胞を活性化する該細胞の能力を大幅に強化するものであって、たとえば、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、およびCD40などであるが、このような細胞表面受容体を上方制御する。該細胞はまた、CCR7を上方制御するが、これは、血流を介して脾臓へと移動するように、またはリンパ系を介してリンパ節へと移動するように、樹状細胞を誘導する、走化性因子の受容体である。これらの場所で、樹状細胞は抗原提示細胞として作用する:樹状細胞は、病原体に由来する抗原を、非抗原性の特異的な共刺激シグナルとともに、ヘルパーT細胞およびキラーT細胞、ならびにB細胞に対して提示することにより、これらの細胞を活性化させる。樹状細胞はまた、T細胞寛容(不応答)を誘導することも可能である。樹状細胞の表面上の、ある種のC型レクチン受容体は、パターン認識受容体としていくらかの機能を有しており、リンパ球の活性化よりも免疫寛容を誘導することが適切である場合に、樹状細胞に指示を出すのに役立つ。
全てのヘルパーT細胞はそれぞれ、1つの特定の抗原に特異的である。適合する抗原が提示された際に、休止中のヘルパーT細胞を活性化することが可能なのは、プロフェッショナル抗原提示細胞(マクロファージ、Bリンパ球、および樹状細胞)のみである。しかしながら、リンパ器官以外の器官においては、マクロファージおよびB細胞は、メモリーT細胞を活性化することが可能であるだけなのに対し、樹状細胞は、メモリーT細胞およびナイーブT細胞の両方を活性化することが可能であり、かつ、全ての抗原提示細胞のうちで最も強力な抗原提示細胞である。リンパ節および二次リンパ器官においては、3種類の細胞型全てが、ナイーブT細胞を活性化することが可能である。成熟樹状細胞は、抗原特異的ナイーブCD8+ T細胞を活性化することが可能である一方で、CD8+メモリーT細胞の産生には、樹状細胞とCD4+ヘルパーT細胞との相互作用が必要となる。CD4+ T細胞によるこの支援は、成熟樹状細胞をさらに活性化させ、そして成熟樹状細胞に、2度目の拡大を行うことが可能であるCD8+メモリーT細胞を、効率良く誘導する許可を与える。樹状細胞のこの活性化のためには、3種類の細胞型全て、すなわち、CD4+ Tヘルパー細胞、CD8+ T細胞、および樹状細胞の、同時の相互作用が必要であるように見受けられる。
成熟樹状細胞(mDC)は、おそらく単球から生じるものであり、単球は、体内を循環する白血球であって、かつ、適切なシグナルに応じて、樹状細胞またはマクロファージのいずれかに変化することが可能である。一方単球は、骨髄において幹細胞から産生される。単球由来の樹状細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)から、インビトロで産生させることが可能である。組織培養フラスコにPBMCをプレーティングすると、単球の接着が可能になる。これらの単球を、インターロイキン4(IL-4)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)で処理すると、約1週間で未成熟樹状細胞(iDC)への分化が引き起こされる。続いて、腫瘍壊死因子(TNF)で処理すると、未成熟樹状細胞(imDC)は成熟樹状細胞へとさらに分化する。アポリポタンパク質Eに由来する自己ペプチドEp1.Bによって、単球の樹状細胞への分化を誘導することが可能である。これらは主として、寛容原性の形質細胞様樹状細胞である。
複数の外因性サイトカインを含む適切な成熟化カクテルに、imDCを接触させることによって、未成熟樹状細胞はmDCへと成熟し得る。成熟化カクテルは、GM-CSFを含み得る。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、TNFα、IL- lβ、IFNγ、およびPGE2を含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、TNFα、IL- lβ、IFNγ、PGE2、およびCD40Lを含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、TNFα、IL-I β、IFNγ、PGE2、POLY LC、およびIFNαを含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、TNFα、IL-I β、IFNγ、POLY LC、およびIFNαを含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、TNFα、IL-lβ、IFNγ、POLY LC、IFNα、およびCD40Lを含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、TNFα、IL-I β、PGE2、およびIL-6を含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、IL-lβ、PGE2、およびIFNγを含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、TNFα、PGE2、およびIFNγを含む。1つの態様において、成熟化カクテルは、GM-CSF、IL-lβ、IFNγ、およびCD40Lを含む。いくつかの態様において、1種または複数種のサイトカイン受容体に対するリガンドが、サイトカインの代わりに、および/またはサイトカインに加えて、使用され得る。imDCをmDCへと成熟化させるために、当技術分野において公知の他の手法が使用され得る。非限定的な例は、imDCをリポ多糖(LPS)と接触させること、imDCをCpG含有オリゴヌクレオチドと接触させること、または対象中の炎症領域へとimDCを注入することを含む。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、樹状細胞、マクロファージ、およびB細胞を含み得るが、必ずしもこれらに限定されない。いくつかの態様において、抗原提示細胞は樹状細胞である。ある態様において、抗原提示細胞は成熟樹状細胞である。ある態様において、抗原提示細胞はマクロファージである。ある態様において、抗原提示細胞はB細胞である。
いくつかの態様において、哺乳動物対象に投与された場合に、抗原は、病原体に対する免疫応答を引き起こす。ある態様において、病原体は細菌性である。ある態様において、病原体はウイルス性である。ある態様において、病原体は真菌性である。ある態様において、病原体は原生動物性である。ある態様において、病原体はがん性である。
いくつかの態様において、抗原性タンパク質は、病原体の外側表面に発現している;一方、他の態様において、抗原は、たとえばT細胞エピトープなどとして有用な、非表面抗原であり得る。免疫原は、病原体(たとえば、細菌、ウイルス、真菌、または寄生生物)に対する免疫応答を誘発し得るが、いくつかの他の態様においては、免疫原は、アレルゲンまたは腫瘍抗原に対する免疫応答を誘発する。免疫応答は、抗体応答(通常はIgGを包含する)および/または細胞性免疫応答を含み得る。ポリペプチド免疫原は、典型的には、対応する病原体(またはアレルゲンもしくは腫瘍)のポリペプチドを認識する免疫応答を誘発するが、しかしながらいくつかの態様において、ポリペプチドは、糖類を認識する免疫応答を誘発するミモトープとして、作用し得る。免疫原は、典型的には表面ポリペプチドであり、これはたとえば、アドヘシン、ヘマグルチニン、エンベロープ糖タンパク質、スパイク糖タンパク質等である。
いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、処置を受けようとする対象に由来する。いくつかの態様において、抗原提示細胞はアロジェニックである。いくつかの態様において、抗原提示細胞は幹細胞に由来する。いくつかの態様において、抗原提示細胞は多能性幹細胞に由来する。
本明細書において使用される場合、「多能性幹細胞」とは、任意の供給源に由来し得る細胞であって、かつ、適切な条件下で、3種類全ての胚葉(内胚葉、中胚葉、および外胚葉)からの派生細胞であるさまざまな細胞型の、霊長類子孫を産生することが可能である細胞を指す。霊長類多能性幹細胞(pPS)は、8~12週齢のSCIDマウスにおいてテラトーマを形成する能力、および/または組織培養において、3種類全ての胚葉の細胞であると同定可能な細胞を形成する能力を、有し得る。霊長類多能性幹細胞の定義には、以下を含むさまざまなタイプの胚細胞が含まれる:ヒト胚性幹(hES)細胞(たとえばThomson et al. (1998) Science 282: 1145を参照されたい)、およびヒト胚性生殖(hEG)細胞(たとえばShamblott et al., (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95: 13726を参照されたい);たとえば、アカゲザル幹細胞(たとえばThomson et al., (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:7844を参照されたい)、マーモセット幹細胞(たとえば(1996) Thomson et al., Biol. Reprod. 55:254を参照されたい)などの、他の霊長類由来の胚性幹細胞、核移植技術(米国特許出願公開第2002/0046410号)によって作製された幹細胞、ならびに人工多能性幹細胞(たとえば、 Yu et al., (2007) Science 318:5858);Takahashi et al., (2007) Cell 131(5):861を参照されたい)。本明細書において使用される場合、「未分化の霊長類多能性幹細胞」とは、集団中のかなりの割合の霊長類多能性幹細胞およびそれからの派生細胞が、未分化細胞の形態学的特徴を示している、細胞培養物を指す。集団内の未分化細胞のコロニーは、部分的に分化した隣接細胞に取り囲まれている可能性があることが、理解される。
本明細書において使用される場合、「遺伝学的に変化させた」、「遺伝学的に改変された」、「トランスフェクトされた」、または「遺伝学的に形質転換された」とは、人工的な操作のための任意の適切な手段によって、ポリヌクレオチドが細胞内に移行することとなったプロセスか、または、該細胞が、最初に変化させた細胞の子孫であって、かつ該細胞が該ポリヌクレオチドを受け継ぐこととなったプロセスを指す。多くの場合、関心対象のタンパク質をコードする、転写可能な配列であって、該タンパク質を上昇したレベルで細胞が発現することを可能にする配列を、ポリヌクレオチドは含んでおり、または、たとえばsiRNAもしくはアンチセンスRNAなどの分子をコードする配列であって、それ自体はタンパク質をコードすることなく、タンパク質(未改変の細胞が発現するタンパク質、もしくは別のポリヌクレオチド配列の導入の結果としてのタンパク質のいずれか)の発現に影響を及ぼす配列を、ポリヌクレオチドは含んでもよい。遺伝学的な変化は、変化させた細胞の子孫が同じ変化を有する場合に、「遺伝性」であると言われる。
霊長類多能性幹細胞を分化させる手法についての詳細に関しては、PCT出願PCT/US2009/038442号への参照がなされるものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
特定の態様において、多能性幹細胞はヒト胚性幹細胞である。
ある態様において、本開示は、本発明による細胞を抗原と接触させることを含め、抗原に対する免疫応答を刺激するための組成物を提供する。抗原は、タンパク質またはペプチドから構成されてよく、あるいは核酸、たとえばDNAやRNAなどから構成されてもよい。抗原がタンパク質またはペプチドである場合、樹状細胞または他の抗原提示細胞は、タンパク質またはペプチドを取り込み、そして、MHCとともに提示するために、該タンパク質またはペプチドをプロセシングする。典型的にはプロセシングは、抗原をMHCの溝に合わせるような、タンパク質分解を含む。抗原がタンパク質である場合、樹状細胞は未成熟樹状細胞であり得る。抗原が、全長タンパク質のペプチド断片である場合、樹状細胞は成熟樹状細胞であり得る。抗原が核酸である場合、細胞質内への送達のために細胞膜を通過して核酸を輸送するための、当技術分野において公知の任意の手段を使用することを、本発明は意図する。
ある態様において、核酸が細胞膜を通過することを可能にするために、細胞はエレクトロポレーションまたは「パルス」され得る。細胞を抗原と接触させるためにエレクトロポレーションが使用されるという、いくつかの態様において、適した細胞は未成熟樹状細胞であり得る。細胞を抗原と接触させるためにエレクトロポレーションが使用されるという、他の態様において、適した細胞は成熟樹状細胞であり得る。細胞は、Gene Pulse Xcell (Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)を使用して、以下のパラメーターを用いてエレクトロポレーションされ得る:300 V、15 OuF、および100オーム。タンパク質の発現レベルは、フローサイトメトリーまたはウェスタンブロット法によって決定され得る。エレクトロポレーションされる細胞が未成熟樹状細胞である場合、未成熟樹状細胞が成熟樹状細胞へと成熟化するように、該細胞を成熟化カクテルと接触させてよい。別の態様において、抗原をコードする核酸を、細胞へと、たとえば成熟樹状細胞や未成熟樹状細胞などへと輸送するために、ウイルスベクターが使用され得る。細胞を抗原と接触させるためにウイルスベクターが使用される場合、適した細胞は未成熟樹状細胞であり得る。適したウイルスベクターの例は、アデノウイルスベクターおよびポックスウイルスベクターを含む。他の態様において、抗原をコードする核酸を細胞へと輸送するために、市販のトランスフェクション試薬が使用され得る。好適な例は、カチオン性脂質製剤、たとえばLIPOFECTAMINE(登録商標)などを含む。
いくつかの態様において、抗原提示細胞には、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。いくつかの態様において、抗原提示細胞には、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするDNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。いくつかの態様において、抗原提示細胞は、該ペプチドを発現するように、遺伝学的に改変され得る。
いくつかの態様において、mRNAは、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む。
いくつかの態様において、対象は、免疫療法を必要とする対象であり得る。特定の態様において、対象はがんを有している。いくつかの態様において、がんは、腎臓がん、腎がん、膀胱がん、前立腺がん、子宮がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、口腔がん、咽頭がん、膵臓がん、甲状腺がん、黒色腫、皮膚がん、頭頸部がん、脳のがん、造血器のがん、白血病、リンパ腫、骨がん、または肉腫であり得る。
例示的な腫瘍タンパク質または腫瘍抗原は、以下を含む:変異したがん遺伝子の産物、変異した腫瘍抑制因子遺伝子の産物、がん遺伝子や腫瘍抑制因子以外の変異した遺伝子の産物、発がん性ウイルスによって産生される腫瘍抗原、変化した細胞表面糖タンパク質、がん胎児性抗原、および他のもの。腫瘍タンパク質または腫瘍抗原はまた、免疫調節分子をも含み、これはたとえば、免疫チェックポイント阻害剤および免疫刺激分子などである。腫瘍抗原は、変化した細胞表面糖脂質をさらに含む。いくつかの局面において、本明細書において提供される核酸分子の第2のポリヌクレオチドに包含される導入遺伝子によってコードされる腫瘍タンパク質または腫瘍抗原は、腎臓がん、腎がん、膀胱がん、前立腺がん、子宮がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、口腔がん、咽頭がん、膵臓がん、甲状腺がん、黒色腫、皮膚がん、頭頸部がん、脳のがん、造血器のがん、白血病、リンパ腫、骨がん、または肉腫の、タンパク質である。例示的な腫瘍タンパク質または腫瘍抗原は、KRAS、NRAS、HRAS、HER2、BRCA1、BRCA2、癌胎児性抗原(CEA)、MUC1、グアニリルシクラーゼC、NY-ESO-1、黒色腫関連抗原(たとえばMAGE-1やMAGE-3)、p53、サバイビン、アルファフェトプロテイン(AFP)、CA-125、上皮性腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、ヒトアスパルチル(アスパラギニル)β-ヒドロキシラーゼ(HAAH)、EphA2、および他のものを含む。
いくつかの態様において、がんは白血病である。ある態様において、がんは急性骨髄性白血病(AML)である。
抗原提示細胞および複合体
いくつかの態様において、本開示は、その表面上に、表1~5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する、抗原提示細胞を提供する。いくつかの態様において、抗原提示細胞には、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。いくつかの態様において、mRNAは、表1~5に列挙される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む。本明細書において記載されるように、抗原提示細胞は、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、抗原提示細胞は樹状細胞である。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、本明細書の他の箇所において詳細に記載されるように、エレクトロポレーションによってトランスフェクトされる。
いくつかの態様において、mRNA構築物は、リソソームターゲティング配列をさらに含む。
哺乳動物のリソソーム酵素はサイトゾルにおいて合成され、そしてERを通過するが、ERでリソソーム酵素は、N-結合型の、高マンノース型炭水化物でグリコシル化される。ゴルジ体において、リソソームタンパク質上の高マンノース炭水化物は、マンノース-6-リン酸(M6P)の付加によって修飾され、これにより、該タンパク質はリソソームへと向かうこととなる。M6Pで修飾されたタンパク質は、2種類のM6P受容体のいずれかとの相互作用を介して、リソソームへと送達される。修飾の最も好都合な形態は、高マンノース炭水化物に2つのM6Pが付加された場合のものである。
酸性ヒドロラーゼの多くはマンノース-6-リン酸(M6P)残基で修飾され、これによって、ゴルジ複合体においてM6P受容体が該酸性ヒドロラーゼを認識することが可能になり、かつ、該酸性ヒドロラーゼがエンドソーム/リソソーム系へと輸送されることが確実になる。他の可溶性酵素、および酵素以外のタンパク質は、別の受容体、たとえば、リソソーム内在性膜タンパク質(lysosomal integral membrane protein)LIMP-2、またはソルチリンなどによって媒介されるという、M6Pを使用しない様式において、リソソームへと輸送される。カーゴ受容体、およびリソソームの膜貫通型タンパク質の選別には、それらの細胞質ドメインに存在する選別シグナルが必要である。それらのシグナルは、ジロイシンベースのモチーフであるDXXLLまたは[DE]XXXL[LI]、およびチロシンベースのモチーフであるYXXΦを含み、これらのモチーフは、クラスリン被覆の構成要素と、たとえば、GGAまたはアダプタータンパク質複合体などと、相互作用する。加えて、リン酸化および脂質修飾は、リソソームの膜タンパク質のシグナル認識および輸送を調節する。内腔側のシグナルおよび細胞質側のシグナルの両方と、認識タンパク質との複雑な相互作用により、タンパク質がリソソームへと、特異的にかつ指向性を有して輸送されることが保証される。
利用可能なデータにより、MHCクラスII分子の細胞内輸送における、以下の一連のイベントが示唆されている:インバリアント鎖をともなったMHCクラスII分子は、小胞体において組み立てられ、そして、MHCクラスIを含めた他の膜タンパク質と同様に、ゴルジ体を経て輸送される。MHCクラスII分子は次に、細胞表面への構成的経路を進むMHCクラスI分子とは異なり、未知のメカニズムによって特定のエンドソーム/リソソームオルガネラへと向かう。エンドソーム/リソソーム経路において、酸性環境において作用するプロテアーゼにより、インバリアント鎖はMHCクラスIIから除去される。同時に、エンドソーム/リソソーム経路に入っていたタンパク質の抗原性断片が、それらのプロテアーゼによって産生され、そして生じたペプチドは、クラスII分子に結合し、そして細胞表面へと輸送される。
抗原提示細胞、および特に樹状細胞は、適切な主要組織適合遺伝子複合体(MHC)とともに、リンパ球に対して抗原を提示し、かつしたがって、適応免疫応答を開始させるための最初の刺激を提供する。いくつかの態様において、本開示は、表1~5に列挙されるペプチドから選択されるペプチドと複合体を形成しているMHCクラスI分子を含む、インビトロ複合体を提供する。
インビトロ複合体は、選択的に単離することが可能であり、かつ、本明細書の他の箇所においてより詳細に記載されるように、さまざまな手法を用いて細胞内へと送達することが可能である。インビボ送達に関し、トランスフェクション複合体(送達されようとする核酸をともなったトランスフェクション試薬)は、直径で100 nm未満、50 nm未満のように、小さなものであるべきである。20 nm未満または10 nm未満の、よりいっそう小さな複合体もまた、使用され得る。100 nm超のトランスフェクション複合体は、インビボにおいて、血管細胞以外の細胞にはほとんど接近することができない。インビトロ複合体はまた、正に荷電している。この正電荷は、細胞への複合体の結合に必要であり、かつ、膜の融合、不安定化、または破壊に必要である。インビボトランスフェクション複合体のカチオン電荷は、血清との有害な相互作用を引き起こし、かつしたがって、バイオアベイラビリティに乏しい。インビボでの分布およびターゲティング能力という点においては、ほぼ中性または負に荷電した複合体が、より好ましい可能性がある。しかしながら、インビトロトランスフェクション複合体は、電荷間の相互作用(静電相互作用)を介して、核酸と会合している。負に荷電した重合体および脂質は、負に荷電した核酸とは相互作用しない。さらに、静電作用によるこれらの複合体は、生理的塩濃度または血清成分に曝露された際に、凝集または崩壊する傾向がある。最後に、インビトロで有効なトランスフェクション複合体は、しばしば、インビボで有害である。トランスフェクションに使用される重合体および脂質は、細胞膜を破壊するかまたは不安定化させる。この活性と核酸送達とのバランスを取ることは、インビボよりもインビトロにおいて、より容易に達成される。
いくつかの態様において、インビトロ複合体のMHCクラスI分子は、HLA-A遺伝子座によってコードされる。
特異的な標的細胞、組織、または特異的な細胞型を複合体が標的とするように、ターゲティング基またはリガンドが使用され得る。ターゲティング基は、分子と標的細胞との会合を強化する。したがって、ターゲティング基が結合するコンジュゲートの細胞での分布および細胞による取り込みを改善することを目的として、コンジュゲートの薬物動態学的特性または体内分布特性を、ターゲティング基によって強化することが可能である。直接的に、またはスペーサーを有する連結を介して、のいずれかで、1種または複数種のターゲティング基が、膜活性重合体と連結され得る。ターゲティング基、たとえばリガンドなどの、細胞への、または細胞受容体への結合は、エンドサイトーシスを開始させ得る。ターゲティング基は、1価、2価、3価、4価であり得、またはさらに多い価数を有し得る。ターゲティング基は、以下を含む群より選択され得る:細胞表面分子に親和性を有する化合物、細胞受容体のリガンド、ならびに抗体、抗体断片、および細胞表面分子に親和性を有する抗体模倣物。好ましいターゲティング基は、細胞受容体のリガンドを含む。薬剤および遺伝子を、細胞を、ならびに特定の細胞受容体を標的とするために、さまざまなリガンドが使用されている。細胞受容体のリガンドは、以下を含む群より選択され得る:炭水化物、グリカン、糖類(以下を含むが、これらに限定されない:ガラクトース、ガラクトース誘導体、マンノース、およびマンノース誘導体)、ビタミン、葉酸、ビオチン、アプタマー、ならびにペプチド(以下を含むが、これらに限定されない:RGD含有ペプチド、インスリン、EGF、およびトランスフェリン)。ターゲティング基の例は、アシアロ糖タンパク質またはガラクトース残基を用いて、アシアロ糖タンパク質受容体を標的とするものを含む。たとえば、肝臓の肝細胞は、ASGP受容体を含む。したがって、ガラクトースを含むターゲティング基は、肝細胞を標的とするために使用され得る。ガラクトースを含むターゲティング基は以下を含むが、これらに限定されない:ガラクトース、N-アセチルガラクトサミン、オリゴ糖、ならびに糖クラスター(たとえば:Tyr-Glu-Glu-(アミノヘキシルGalNAc)3、リジンベースのガラクトースクラスター、およびコランベースのガラクトースクラスターなど)。適しているさらなるコンジュゲートは、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGP-R)に見いだされる炭水化物認識ドメイン(CRD)に結合可能な、オリゴ糖を含み得る。オリゴ糖および/または炭水化物複合体を含むコンジュゲートモエティの例は、米国特許第6,525,031号に提供されている。
いくつかの態様において、実施例に記載されるように、MHC:ペプチド複合体は、ビオチン:ストレプトアビジンの生化学的性質によって、ポリスチレン粒子(マイクロビーズ)の表面に結合され得る。このシステムは、抗原提示細胞上のMHCの密度を正確に制御することを可能にし、これは、高いまたは低いアビディティの抗原特異的T細胞応答を、血液試料から高効率で選択的に誘発することを可能にする。
いくつかの態様において、インビトロ複合体は、コンジュゲートされたビオチン分子をさらに含み得る。
細胞性免疫応答を誘発するための方法
他の態様において、本開示はまた、ヒト対象において細胞性免疫応答を誘発するための方法をも提供し、該方法は、本開示による免疫療法組成物であって、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する免疫療法組成物の有効量を対象に投与する段階を含む。
本明細書において提供される方法には、任意の投与経路が含まれ得る。いくつかの局面において、本明細書において提供される、核酸分子、組成物、および薬学的組成物は、たとえば、筋肉内投与されるか、皮下投与されるか、皮内投与されるか、経皮投与されるか、鼻腔内投与されるか、経口投与されるか、舌下投与されるか、静脈内投与されるか、腹腔内投与されるか、局所投与されるか、エアロゾルによって投与されるか、または経肺経路、たとえば吸入もしくは噴霧などによって、投与される。いくつかの態様において、記載される薬学的組成物は全身投与される。適した投与経路は、たとえば、直腸投与、膣投与、経粘膜投与、または腸投与を含み;適した投与経路は、髄内注入、および髄腔内注入、直接脳室内注入、静脈内注入、腹腔内注入、または鼻腔内注入を含めた、非経口送達をも含む。特定の態様において、筋肉内投与は、骨格筋、平滑筋、および心筋からなる群より選択される筋肉に対してなされる。いくつかの態様において、薬学的組成物は静脈内投与される。
本明細書において使用される場合、「有効量」または「治療的有効量」との用語は、本明細書において記載される核酸分子の、組成物の、または薬学的組成物の量であって、意図される適用をもたらすのに十分な量を指し、ここで、意図される適用とは、本明細書において定義されるような、免疫応答の誘導および/または疾患の処置を含むが、これらに限定されない。治療的有効量は、以下に応じて変化し得、当業者はこれを容易に決定することが可能である:意図される適用(たとえば、免疫応答の誘導、処置、インビボ適用を含む)、または、処置されようとする対象もしくは患者および病態、たとえば、対象の体重および年齢、種、病態の重症度、投与様式、等。該用語はまた、標的細胞において特定の応答を誘導するであろう用量に対しても適用される。具体的な用量は、以下に応じて変化する:選択された、特定の核酸分子、組成物、または薬学的組成物、それに従うべき投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、投与が行われる組織、およびそれにおいて輸送が行われる、物質としての送達システム。
本明細書において提供される方法を用いて、任意のタイプの免疫応答が誘導され得、これは適応免疫応答および自然免疫応答を含む。1つの局面において、本明細書において提供される方法を用いて誘導される免疫応答は、抗体応答か、細胞性免疫応答か、または、抗体応答および細胞性免疫応答の両方を含む。
いくつかの態様において、免疫療法組成物は抗原提示細胞を含み、該抗原提示細胞はその表面上に、表1~5中のペプチドから選択されるペプチドを提示する。いくつかの態様において、抗原提示細胞は対象に由来する。いくつかの態様において、抗原提示細胞は多能性幹細胞に由来する。いくつかの態様において、多能性幹細胞は、本明細書の他の箇所において記載されるように、ヒト胚性幹細胞である。
いくつかの態様において、抗原提示細胞には、本明細書の他の箇所において記載されるように、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAが、トランスフェクトまたはパルスされる。いくつかの態様において、mRNAは、表1~5中のペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む。
いくつかの態様において、抗原提示細胞は、本明細書の他の箇所において記載されるように、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせであり得る。特定の態様において、抗原提示細胞は成熟樹状細胞である。
いくつかの態様において、対象は免疫療法を必要としている。いくつかの態様において、対象はがんを有している。いくつかの態様において、がんは、腎臓がん、腎がん、膀胱がん、前立腺がん、子宮がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、口腔がん、咽頭がん、膵臓がん、甲状腺がん、黒色腫、皮膚がん、頭頸部がん、脳のがん、造血器のがん、白血病、リンパ腫、骨がん、または肉腫であり得る。特定の態様において、がんは白血病であり、これはたとえば、急性骨髄性白血病(AML)などを包含する。
ある態様において、本発明は、抗原に対する免疫応答を刺激する方法を提供し、該方法は、本発明による細胞、たとえばpPS細胞から分化させたDCを、抗原と接触させる段階を含む。抗原は、タンパク質またはペプチドから構成されてよく、あるいは核酸、たとえばDNAやRNAなどから構成されてもよい。抗原がタンパク質またはペプチドである場合、樹状細胞は、タンパク質またはペプチドを取り込み、そして、MHCとともに提示するために、該タンパク質またはペプチドをプロセシングする。典型的にはプロセシングは、抗原をMHCの溝に合わせるような、タンパク質分解を含む。抗原がタンパク質である場合、DC細胞はimDCであり得る。抗原が、全長タンパク質のペプチド断片である場合、DCはmDCであり得る。抗原が核酸である場合、細胞質内への送達のために細胞膜を通過して核酸を輸送するための、当技術分野において公知の任意の手段を使用することを、本発明は意図する。1つの態様において、核酸が細胞膜を通過することを可能にするために、細胞はエレクトロポレーションされ得る。細胞を抗原と接触させるためにエレクトロポレーションが使用されるという、いくつかの態様において、適した細胞はimDCであり得る。細胞を抗原と接触させるためにエレクトロポレーションが使用されるという、他の態様において、適した細胞はmDCであり得る。細胞は、Gene Pulse Xcell (Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)を使用して、以下のパラメーターを用いてエレクトロポレーションされ得る:300 V、15 OuF、および100オーム。タンパク質の発現レベルは、フローサイトメトリーまたはウェスタンブロット法によって決定され得る。エレクトロポレーションされる細胞がimDCである場合、imDCがmDCへと成熟化するように、該細胞を、本明細書において記載されるような成熟化カクテルと接触させてよい。
別の態様において、抗原をコードする核酸を、細胞へと、たとえばmDCやimDCなどへと輸送するために、ウイルスベクターが使用され得る。細胞を抗原と接触させるためにウイルスベクターが使用される場合、適した細胞はimDCであり得る。適したウイルスベクターの例は、アデノウイルスベクターおよびポックスウイルスベクターを含む。他の態様において、抗原をコードする核酸を細胞へと輸送するために、市販のトランスフェクション試薬が使用され得る。好適な例は、カチオン性脂質製剤、たとえばLipofectamine(登録商標)などを含む。
本発明は、任意の供給源由来の抗原を使用することを意図している。したがって抗原は、腫瘍抗原、たとえば、実施例に記載されるようなヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)などであってよく、または、感染性因子、たとえば、ウイルス、細菌、もしくは寄生生物などが発現する抗原であってもよい。その後mDCは、インビボまたはインビトロのいずれかで、免疫担当細胞、たとえばリンパ球などと、接触し得る。リンパ球の免疫応答は、免疫担当細胞の細胞増殖を(たとえば3Hチミジンの取り込みにより)測定することによって、および/またはmDCもしくは免疫担当細胞のいずれかによるサイトカイン産生(たとえば、IL-2、IFN、IL-6、IL-12)を測定することによって、モニターされ得る。これらの試験は、抗原に対する免疫応答のタイプおよび規模を調整するのに有用であり得る。これらの試験はまた、抗原のうちの、最も適切な免疫応答を誘発するために最良であるエピトープを選択するのに有用でもあり得る。免疫応答は、適切な動物モデルを用いて、インビトロまたはインビボで刺激され得る。
細胞組成物の、治療目的での投与についての適合性を決定するために、細胞は最初に、適切な動物モデルにおいて試験され得る。適切な動物モデルは、ヒト化された免疫系を有するマウスを含み得る。たとえば、Goldstein (2008) AIDS Res Ther 5(1):3を参照されたい。特異的な抗原でプライミングされたmDCは、該抗原に対する特異的な免疫応答を動物が開始できるかどうかを決定するために、該動物に投与され得る。動物とDCとは、MHC I遺伝子座を一致させてよく、または部分的に一致させてもよい。抗原の、および細胞の、用法、用量、および製剤化は、抗原に対する免疫応答を調整するために試験され得、かつ投与された細胞の、リンパ系内への移動は、モニタリングされ得る。免疫応答の規模は、抗原への応答における、サイトカイン産生およびリンパ球増殖の観点から特徴付けされ得る。動物は、抗原に対する抗体応答に関して、および任意の非定型的な免疫反応、たとえば過敏症や自己免疫反応などに関して、モニターされ得る。産生された抗体は、研究用試薬または治療薬として使用するために、単離され得る。
未成熟樹状細胞は、抗原特異的寛容を誘導することが公知であり、たとえば、Cools et al., (2007) J Leukoc Biol 82(6): 1365を参照されたい。したがって、本明細書において記載されるように、imDCは、対象内で寛容を誘導するために使用され得る。imDC細胞を、抗原と、たとえば上述のような、タンパク質抗原もしくはペプチド抗原、または抗原をコードする核酸と、接触させることが可能である。細胞はその後、対象において寛容を誘導するために、対象に投与され得る。あるいはimDCは、mDCへと成熟化させてよく、そして免疫応答を刺激するために使用してよい。
本明細書において記載されるある態様において、ペプチド(たとえば、細胞の表面に提示されていて、MHCと複合体を形成しているもの等)は、以下のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドである:SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:96、SEQ ID NO:97、SEQ ID NO:98、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:118、またはSEQ ID NO:119。同様に、本明細書において記載されるある態様において、核酸は、以下のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドをコードし得る:SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:96、SEQ ID NO:97、SEQ ID NO:98、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:118、またはSEQ ID NO:119。本明細書において記載されるある態様において、mRNA(たとえば、細胞に導入されるmRNA)は、以下のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドをコードし得る:SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:60、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、SEQ ID NO:70、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:83、SEQ ID NO:84、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:92、SEQ ID NO:93、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:95、SEQ ID NO:96、SEQ ID NO:97、SEQ ID NO:98、SEQ ID NO:99、SEQ ID NO:100、SEQ ID NO:101、SEQ ID NO:102、SEQ ID NO:103、SEQ ID NO:104、SEQ ID NO:105、SEQ ID NO:106、SEQ ID NO:107、SEQ ID NO:108、SEQ ID NO:109、SEQ ID NO:110、SEQ ID NO:111、SEQ ID NO:112、SEQ ID NO:113、SEQ ID NO:114、SEQ ID NO:115、SEQ ID NO:116、SEQ ID NO:117、SEQ ID NO:118、またはSEQ ID NO:119。
いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:7のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:15のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:16のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:18のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:19のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:23のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:25のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:26のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:27のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:28のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:30のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:34のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:36のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:37のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:38のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:39のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:40のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:41のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:42のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:44のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:45のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:46のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:47のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:48のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:60のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:61のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:62のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:63のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:64のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:65のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:66のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:67のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:68のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:69のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:70のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:71のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:72のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:73のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:74のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:75のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:76のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:77のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:78のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:79のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:80のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:81のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:82のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:83のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:84のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:85のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:86のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:87のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:88のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:89のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:90のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:91のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:92のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:93のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:94のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:95のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:96のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:97のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:98のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:99のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:101のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:102のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:103のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:105のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:107のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:109のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:111のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:113のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:115のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:116のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:117のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:118のアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、ペプチドはSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を有する。
以下の実施例は、本発明者らの発明であると本発明者らがみなしているものの範囲を限定することを意図するものではなく、以下の実験が、実施された全ての実験または唯一の実験であると本発明者らが表明することを、意図するものでもない。
実施例1:hTERT-DC投与後の末梢血由来のT細胞による、hTERTペプチドに対する免疫応答のELISPOTでの評価
PBMCは、AST-VAC1の第2相臨床試験(Khoury MD et al., 2017)に参加している患者から採取され、そしてPBMCにおけるhTERT特異的T細胞応答は、酵素結合免疫スポット(ELISPOT)アッセイでの解析によって評価された。この解析のために、PBMCは以下において採取された:1) hTERT-DCの接種前;2) 最初のhTERT-DC接種のうちの3回目および6回目の後;3) 4週間の休薬期間の後;ならびに4) hTERT-DCのブースター接種のうちの1回目、3回目、5回目、および6回目の後。患者のPBMC試料は、1 μg/mLの、3種類のhTERTペプチドプールのそれぞれで刺激され、そして5%ヒトAB血清(Valley Biomedical)を含むAIM-V培地(Life Technologies)において、37度、5% CO2で、7日間にわたり培養された。hTERTペプチドの3種類のプールは、hTERTタンパク質全体にわたる、281種類のオーバーラップするペプチド(プール1つにつき-94種類)からなるものであった。hTERTペプチドのプール1は、hTERTのアミノ酸1~387位にわたるものであり;プール2は、hTERTのアミノ酸377~763位にわたるものであり、かつプール3は、hTERTのアミノ酸753~1132位にわたるものであった(図1A)。
PBMCは、10 μg/mLのマウス抗ヒトIFN-γ mAb(MabTech)でコートされたマルチスクリーン-IP PVDF ELISPOTプレート(Millipore)へと移され、そして培地中で16~24時間にわたり、37度、5% CO2において、モック(DMSOのみ)で、または個々のhTERTペプチドプールのうちの1種(2.5 μg/mL)で再刺激された。IFN-γスポットの発色は、製造元(MabTech)の使用説明書に基づいてそのとおりになされた。手短に述べると、細胞は除去され、そしてプレートは1 x PBS(Life Technologies)で洗浄された。ビオチン化されている検出抗体(MabTech)が、1 μg/mLで各ウェルに添加されて、2時間にわたり室温におかれた。プレートの洗浄後、1:1000希釈のストレプトアビジン-ALP(MabTech)が添加され、そして1時間にわたり室温でインキュベートされた。スポットは、NBT/BCIP(Moss)を添加することによって発色させた。検出されたスポットの数を計測するために、ImmunoSpot Analyzer(Cellular Technology, Ltd)が使用された。hTERTペプチドプールへの応答において観察されたスポットの数から、モック対照のスポットを差し引くことによって、それぞれのhTERTペプチドプールに特異的なT細胞の出現頻度が決定された。3種類のhTERTペプチドプールの少なくとも1種について、接種前のレベルと比較して、ELISPOTアッセイによって評価されたIFN-γのスポット数における2.5倍以上の変化が接種後に観察された場合に、患者は、hTERT T細胞免疫応答に関して陽性であるとみなされた。最小値として、細胞1x106個あたり35個のスポットが必要であるとされた。結果は、これらのアッセイにおける最大のT細胞応答が、プール2およびプール3において検出されたことを示した(図1B)。
実施例2:hTERT特異的T細胞応答を増強する、計算により推定されたペプチドプール
hTERT-DCの投与後に見いだされたhTERT特異的T細胞によって認識される、個々のhTERTペプチドエピトープを同定するため、さらなる試験が実施された。所与のタイムポイントにおける任意の特定の患者由来の患者PBMCは、利用できる量が限定されているため、フォローアップアッセイでは、免疫応答を生じる可能性の高い、特定の15マーに注目した。これを達成するため、後述の選択手法およびそれに付随する計算アルゴリズムが使用された。
フォローアップ解析のために、HLA-A*03:01アレルまたはHLA-A*02:01アレル(hTERT特異的免疫応答を示した患者中に存在する、最も多く出現したMHCアレル)を発現する対象が選択された。hTERTのアミノ酸377~763位、すなわちプール#2に由来するペプチドは、免疫化前のレベルを上回る最大の免疫応答を示したため、これらのペプチドが使用された。hTERT377-763のアミノ酸配列からHLA-A*03:01 hTERTペプチドまたはHLA-A*02:01 hTERTペプチドを予測するために、計算による手法が以下のように使用された。最初に、PaProC(Kuttler, C., et al., "An algorithm for the prediction of proteasomal cleavages", J Mol Biol, 2000. 298(3): p. 417-29;Nussbaum, A.K., et al., "PAProC: a prediction algorithm for proteasomal cleavages available on the WWW", Immunogenetics, 2001. 53(2): p. 87-94a)を用いたプロテアソーム解析が実施されて、hTERT377-763から切り出される可能性のあるペプチドが推定された。次にSYFPEITHIデータベース(Rammensee, H., et al., "SYFPEITHI: database for MHC ligands and peptide motifs", Immunogenetics, 1999. 50(3-4): p. 213-9)が使用されて、これらのペプチドについての、HLA-A*03:01またはHLA-A*02:01の結合親和性が予測された。結合および切断の複合スコアは、バイオインフォマティクスツールであるMAPPPを用いて割り当てられた(Hakenberg, J., et al., "MAPPP: MHC class I antigenic peptide processing prediction", Appl Bioinformatics, 2003. 2(3): p. 155-8)。それぞれのアレル、すなわちHLA-A*03:01およびHLA-A*02:01に関して、スコア付けされたペプチドは、上位50%(高)および下位50%(低)として順位が付けられ、そして次に、hTERT377-763をカバーするプール2由来の15マーに対して個々にマッピングされた。「高」にマッピングされた15マーおよび「低」にマッピングされた15マーはそれぞれ、「高プール」および「低プール」として定義されたhTERTペプチドプールを構成していた。計算による解析で同定されなかった、15マーのhTERTペプチドの全ては、まとめて「非プール」として定義された。「非プール」群は、HLA-A*03:01またはHLA-A*02:01に結合するhTERTペプチドを含み得るにもかかわらず、1つまたは複数の計算アルゴリズムによって同定されなかったものであった。図2Bは、計算によるプロセスを示す。
プールされた「高」、「低」、および「非」ペプチドは、HLA-A*03:01保持患者由来またはHLA-A*02:01保持患者由来のhTERT特異的T細胞を、どのペプチドが刺激したのかを評価するために、ELISPOTアッセイにおいて使用された。該ELISPOTアッセイのため、凍結保存されていたPBMCは解凍され、そして5% ヒトAB血清(Valley biomedical)で置き換えられたAIM-V培地(Gibco)において、1 μg/mLの、hTERT377-763をカバーする94種類の15マーペプチドのそれぞれで、7日間にわたり刺激された。続いて細胞は、プール中の個々のペプチドそれぞれが2.5 μg/mLであるペプチドプール「高」、「低」、または「非」で、24時間にわたり再刺激された(図2C)。陰性対照に関しては、第7日の時点の追加ペプチドなしの細胞のみが使用され、かつ陽性対照に関しては、ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB、Sigma-Aldrich)、またはサイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、およびインフルエンザウイルス由来のペプチド(CEF、C.T.L.)が使用された。全ての条件は、3連のウェルで実施された。細胞100,000個あたりのIFN-yのELISPOTカウントが記録され、そして、陰性対照のウェルのカウントを差し引くことにより、正規化された。結果は図2Dに示される。驚くべきことに、正のhTERT特異的T細胞応答を示す、標的とされたペプチドの多くは、HLA-A*03:01に対して低い親和性を有すると予測された。同様の結果が、試験に参加したHLA-A*02:01アレルを保持する対象由来のhTERT特異的T細胞の解析においても見いだされた。この発見は、hTERTが自己抗原であり、かつ高親和性エピトープに特異的なT細胞は、発達中に、負の選択により除去され得る、という事実に関連する可能性がある。
実施例3:hTERT特異的T細胞が標的とするペプチドエピトープの同定および解析
hTERT特異的T細胞応答を増強することが可能な、1つ1つのペプチドおよびペプチドエピトープを解明するため、MHCハプロタイプのHLA-A*02:01およびHLA-A*03:01の両方についての「低プール」由来の個々のペプチドが使用された。表1および2はそれぞれ、HLA-A*02:01およびHLA-A*03:01に関する「低プール」のペプチドを示す。これらのペプチドはまた、図3Aおよび4Aにおいても、それぞれHLA-A*02:01およびHLA-A*03:01に関して、hTERT377-763領域に対してマッピングされている。
ELISPOTアッセイが反復された。凍結保存されていた患者のPBMCは解凍され、そして1 μg/mLの、プール#2の94種類の15マーペプチドのそれぞれで、7日間にわたり刺激された。続いて細胞は、2.5において、低プール由来の個々のペプチドで24時間にわたり再刺激され、細胞100,000個あたりのIFN-γのELISPOTカウントが記録された。データは、第7日の時点のペプチドでの再刺激を受けなかった細胞を有する対照ウェルに対して、正規化された(図3および図4)。これらのアッセイから、hTERT637-651
Figure 2023521895000002
およびhTERT385-399
Figure 2023521895000003
が、HLA-A*03:01に関して最も強力なhTERT特異的応答を引き起こすペプチドであったこと、ならびに、hTERT729-743
Figure 2023521895000004
が、HLA-A*02:01に関して最も強力なhTERT特異的免疫応答を引き起こすペプチドであったことが、観察された。
(表1)HLA-A*02:01に関する低プール由来の個々のhTERTペプチドのアミノ酸配列。表中のhTERTペプチド配列の番号付けは、NCBIアクセッション番号:NP_937983.2であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素アイソフォーム1の全長タンパク質配列のものを指す。
Figure 2023521895000005
(表2)HLA-A*03:01に関する低プール由来の個々のhTERTペプチドのアミノ酸配列。表中のhTERTペプチド配列の番号付けは、NCBIアクセッション番号:NP_937983.2であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素アイソフォーム1の全長タンパク質配列のものを指す。
Figure 2023521895000006
hTERT特異的T細胞応答を増強する、個々のペプチドおよびペプチドエピトープのアイデンティティをさらに解明するため、強力な免疫応答を示した15マーペプチドから、9マー~10マーのペプチドが作り出され、そしてHLA-A*02:01およびHLA-A*03:01に対する該9マー~10マーの結合親和性が測定された。9アミノ酸の配列および10アミノ酸の配列は、それぞれの15マーペプチドの15アミノ酸の配列全体をカバーするように選択されたものであり、かつ表3に示される。9マー~10マーのペプチドの、HLA-A*03:01およびHLA-A*02:01に対する結合親和性を確認するため、REVEAL(商標)アッセイ(ProImmune Inc.)が使用された。手短に述べると、ペプチドは最初に、70%超の純度で合成され、そして質量分析によって試験された。続いて、これらのペプチドの結合親和性が、既知の陽性対照ペプチドのHLA*03:01(図5)またはHLA*02:01(図6)への観察された結合量に対して正規化された結合スコアとして、決定された。HLA-A*03:01に関し、ペプチドhTERT639-647、hTERT638-647、hTERT643-651、およびhTERT639-648は、20を上回る結合スコアを有していたが(図5)、これは、HLA-A*03:01と安定的に結合してpMHC複合体を形成することを示す。これらのペプチドは、hTERT637-651に由来するものであった。加えて、hTERT641-649ならびにhTERT640-649は-10の結合スコアを示したが、これは、HLA-A*03:01に対し少なくとも一過性に結合することを示す。hTERT385-399およびhTERT729-743に由来する9マーおよび10マーのペプチドは、HLA-A*03:01に対し測定可能な結合親和性を示さなかった。HLA-A*02:01に関し、ペプチドhTERT733-741、hTERT731-740、およびhTERT732-741は、20を上回る結合スコアを有していたことが観察されたが(図6)、これは、HLA-A*02:01と安定的に結合してpMHC複合体を形成することを示す。これらのペプチドは、hTERT729-743に由来するものであった。加えて、hTERT732-740は>10の結合スコアを示したが、これは、HLA-A*02:01に対し少なくとも一過性に結合することを示す。
(表3)hTERT385-399、hTERT637-651、およびhTERT729-743に由来する個々の9マーペプチドおよび10マーペプチドのアミノ酸配列。表中のhTERTペプチド配列の番号付けは、NCBIアクセッション番号:NP_937983.2であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素アイソフォーム1の全長タンパク質配列のものを指す。
Figure 2023521895000007
(表4)HLA-A*02:01に関する改変型hTERT特異的ペプチド。表中の、元のペプチド配列、および位置の番号付けは、NCBIアクセッション番号:NP_937983.2であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素アイソフォーム1の全長タンパク質配列のものを指す。
Figure 2023521895000008
(表5)HLA-A*03:01に関する改変型hTERT特異的ペプチド。表中の、元のペプチド配列、および位置の番号付けは、NCBIアクセッション番号:NP_937983.2であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素アイソフォーム1の全長タンパク質配列のものを指す。
Figure 2023521895000009
Figure 2023521895000010

Claims (28)

  1. ヒト対象において細胞性免疫応答を誘発するための方法であって、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する免疫療法組成物の有効量を該対象に投与する段階を含む、方法。
  2. その表面上に、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択されるペプチドを提示する抗原提示細胞を、免疫療法組成物が含む、請求項1に記載の方法。
  3. 抗原提示細胞に、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAがトランスフェクトまたはパルスされている、請求項2に記載の方法。
  4. 抗原提示細胞が、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせである、請求項2または3に記載の方法。
  5. 抗原提示細胞が成熟樹状細胞である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記対象が免疫療法を必要としている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象ががんを有している、請求項6に記載の方法。
  8. 前記対象が急性骨髄性白血病(AML)を有している、請求項7に記載の方法。
  9. mRNAが、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む、請求項3に記載の方法。
  10. 抗原提示細胞が前記対象に由来する、請求項2~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 抗原提示細胞が多能性幹細胞に由来する、請求項2~9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 多能性幹細胞がヒト胚性幹細胞である、請求項11に記載の方法。
  13. SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドに対する免疫応答を刺激する、免疫療法組成物。
  14. その表面上に、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択されるペプチドを提示する抗原提示細胞を含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 抗原提示細胞に、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAがトランスフェクトまたはパルスされている、請求項14に記載の組成物。
  16. 抗原提示細胞が、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせである、請求項13~15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 抗原提示細胞が成熟樹状細胞である、請求項16に記載の組成物。
  18. mRNAが、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. その表面上に、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択されるペプチドを提示する、抗原提示細胞。
  20. SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択される1つまたは複数のペプチドをコードするmRNAがトランスフェクトまたはパルスされている、抗原提示細胞。
  21. 抗原提示細胞が、樹状細胞か、マクロファージか、B細胞か、またはそれらの組み合わせである、請求項19または20に記載の細胞。
  22. 樹状細胞である、請求項19または20に記載の細胞。
  23. mRNAが、SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有する1つまたは複数のペプチドのいずれかの2コピー以上をコードする構築物を含む、請求項22に記載の細胞。
  24. トランスフェクションがエレクトロポレーションによって行われる、請求項22に記載の細胞。
  25. mRNA構築物が、リソソームターゲティング配列をさらに含む、請求項22に記載の細胞。
  26. SEQ ID NO:4~119のいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択されるペプチドと複合体を形成しているMHCクラスI分子を含む、インビトロ複合体。
  27. MHCクラスI分子がHLA-A遺伝子座によってコードされている、請求項26に記載のインビトロ複合体。
  28. コンジュゲートされたビオチン分子をさらに含む、請求項26または27に記載のインビトロ複合体。
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