JP2023519595A - 減圧溝を有する液圧ピストン - Google Patents

Abstract

減圧溝を有する液圧ピストン（１）は、シリンダ（２）内を並進することができ、固定スカート（３）と、シリンダ（２）と共に形成する軸方向圧縮面（４）と、流体チャンバ（５）と、伝達手段（７）と協働する軸方向作動面（６）と、を備え、該ピストン（１）はまた、シーリング手段（８）と、固定スカート（３）の表面に現れる減圧半径方向溝（９）と、軸方向作動面（６）の近傍に現れる該スカート（３）の内側に嵌合される軸方向減圧ダクト（１１）と、軸方向減圧導管（１１）と連通している半径方向溝（９）を減圧する半径方向減圧ダクト（１２）と、を備えている。【選択図】図５

Description

本発明は、２０１６年１月２９日に公開され、かつ出願人に属する仏国特許第３００９０３７号に記載されているピストンのためのシーリング装置を備えていることを特に意図している、減圧溝を有する液圧ピストンに関する。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、主に、それらの最大動作圧力にかかわらず、軸方向ピストン液圧ポンプ及びモータに適用される。しかしながら、これは、該発明を、１つ以上のピストンを備えている任意の他のタイプの液圧ポンプ又はモータに適用することを除外しない。

仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置は、シリンダ内を移動するピストン用であり、シリンダの端部のうちの一方は、流体チャンバによって閉じられていることが既知である。

仏国特許第３００９０３７号では、シーリング装置を備えているピストンが、固定スカートを備えているピストンヘッドを有することに留意されたい。該ピストンはまた、一方では、伝達手段に力を及ぼすピストン軸受面を備え、他方では、流体の圧力を受容するために流体チャンバ内に現れる圧縮面を備えている。

仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置は、特に、小さい遊びを有してシリンダ内に収容されており、また、ピストンヘッドの拡張部、該ピストンの圧縮面側、及び該ヘッドの軸に配置されている、円筒形状の摺動スカートを備えている。

更に仏国特許第３００９０３７号によれば、摺動スカートは、該摺動スカートが該ヘッドに対して長手方向に並進移動することを可能にする機械的スカート間接続部によってピストンヘッドに接続されている。

仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置はまた、摺動スカートの内側に配置され、後者を軸方向に貫通している、圧力伝達チャネルも備えていることに留意されたい。

仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置はまた、連続環状形状の拡張可能な連続セグメントを備えており、該連続セグメントは、固定スカートと摺動スカートとの間に介在し、圧力伝達チャネルを介して流体の圧力を受ける内部円筒形セグメント面と、シリンダと接触することが可能な外部円筒形セグメント面と、固定スカートと封止接触して保持された固定スカート側の軸方向セグメント面と、摺動スカートと封止接触して保持された摺動スカート側の軸方向セグメント面と、を備えている。

最後に、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置は、摺動スカートを固定スカートに近づけ、かつ拡張可能な連続セグメントを軸方向に圧縮する傾向がある、摺動スカートばねを備えている。

仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置は、ピストンと協働するシリンダとの間の長期間の高レベルの気密を確実にすることを可能にする。実際には、拡張可能な連続セグメントは、圧力の影響下で拡張することによって、シリンダと接触して、該セグメントが該シリンダにいかなる過剰な圧力に及ぼすことなく、流体チャンバ内に含まれている液圧流体が後者から流出することを阻止する。

この特定の構成により、過剰な摩擦損失を伴うことのない、該装置を備えている液圧ピストンの優れたシーリングがもたらされ、これは、該ピストンを備えている液圧ポンプが数百、又は更には数千バールの高圧の下で動作する場合であっても同じである。

実際には、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置は、特に、２０１５年８月４日に公開され、かつ出願人に属する国際公開第２０１４／１１８４７７号によって開示されている、固定又は可変シリンダ容量を有する液圧モータポンプに含まれているような案内付き液圧ピストンに提供されたときに、非常に有効であることが立証されている。

しかしながら、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置の拡張可能な連続セグメントを正しく動作させるためには、一方では、摺動スカートが、収容されるシリンダと十分なシールを形成し、他方では、該装置を備えている液圧ピストンの固定スカートに十分な漏出性があることが必要である。

なぜなら、実際には、拡張してシリンダと所望のシールを達成するために、拡張可能な連続セグメントは、圧力伝達チャネルを介して流体の圧力を受けるその内部円筒形セグメント面と、シリンダと接触することが可能であるその外部円筒形セグメント面との間で、十分な半径方向圧力の差を受けなければならないからである。しかしながら、該差は、摺動スカートによって生成される高くなり得るシールと、固定スカートによって生成される低くなり得るシールとの間のギャップに起因する。

仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置が従来のポンプ又は液圧モータの軸方向ピストンに提供される場合、ガイド付き液圧ピストンプッシャを提供する国際公開第２０１４／１１８４７７号の固定又は可変シリンダ容量液圧モータポンプの目的とは異なり、該軸方向ピストンの固定スカートは、該スカートが相当な半径方向力を受けている間、後者をシリンダ内に方向付ける。

実際には、従来のポンプ又は軸方向ピストンモータにおいて、ピストンは、多くの場合、回転バレル内に収容されて、多関節シューによって終端されており、この多関節シューは、該ポンプ又は該モータが固定シリンダ容量であるか可変シリンダ容量であるかに応じて、傾斜した又は傾斜するプレート上を摺動する。

それは、各ピストンが高い半径方向力を受ける、この特定の構成に起因する。実際には、傾斜するプレートが大きく傾けられたときに、かつ高い圧力が流体チャンバ内に広がったときに、該各ピストンが有する多関節シューは、該プレートに高い半径方向力を及ぼす。戻る際の該力は、同様に高い半径方向力を生成し、この力は、該各ピストンによって、そのピストンが移動するシリンダに及ぼされる。

第１の半径方向力は、多関節シューの反対側に位置決めされる該ピストンの端部において、該ピストンと該シリンダとの間に現れ、一方で、第２の半径方向力は、傾斜したプレートに向かって現れるシリンダの端部に現れる。

流体チャンバ内に同じ圧力が広がる場合、プレートがより大きく傾けられ、かつピストンが回転バレルからより多く出てくるほど、先に説明した２つの半径方向力がより高くなる。

ピストンによってシリンダの出口に及ぼされる半径方向力は、多関節シューの反対側のピストン端部によってシリンダに及ぼされる半径方向力によって増加する、該シューによって傾斜したプレートに及ぼされる半径方向力に等しいことに留意されたい。

先に説明した取り組みは、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置の従来の軸方向ピストンポンプ及びモータへの実装を通じて遭遇した問題点の根源である。

実際に、該装置の用途のこの特定の文脈では、液圧ピストンの固定スカートは、ピストンとそのシリンダとの間に生成される高い半径方向力にもかかわらず、より具体的には、傾斜したプレートに向かって配向されたシリンダの出口で起こる高い半径方向力にもかかわらず、第１に、拡張可能な連続セグメントが動作することを可能にするために十分な漏出性がなければならず、第２に、これらの２つの部材間のエネルギー散逸の少ない接触を確実にしなければならない。

実際には、２０１７年６月２９日に発行された「Ｃｏｏｌｉｎｇ ａｎｄ ｌｕｂｒｉｃａｔｉｏｎ ｓｙｓｔｅｍ ｆｏｒ ａ ｐｉｓｔｏｎ ｓｅａｌｉｎｇ ｄｅｖｉｃｅ」と題された国際公開第２０１７／１０９３２９号において提供されているように、固定スカートを十分な漏出性にするために、該スカートとシリンダとの間に大きい遊びを提供すること、又は該スカートの表面に軸方向減圧溝を配列して後者のシーリングを解除すること、のいずれかが可能である。

しかし、どちらの場合であっても、これらの２つの解決策は、固定スカートとシリンダとの境界面に生成される摩擦損失が増加するので、先に説明した構成では不十分である。

実際には、固定スカートとシリンダとの間の遊びの増加は、該シリンダ上の該スカートの軸受面を減少させる。これらの部品間の接触がより正確になるにつれて、より多くの圧力が油膜に及ぼされ、これは、支持が少なくなり、より薄くなり、より粘性が高くなる。固定スカートとシリンダとの間の摩擦係数が増加し、更に、エネルギー損失をもたらす。

代替として、軸方向減圧溝が固定スカートの表面に提供されている場合、該溝は、油膜の支持力を局所的に破断する。これはまた、該固定スカート及びシリンダの境界面に生成される摩擦損失も増加させる傾向がある。

したがって、先に説明した２つの戦略は、摩擦損失を増加させ、それに応じて、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置を備えている任意の従来の液圧ポンプの総効率を低下させる。これは特に、該ポンプが高出力で、すなわち、高い圧力及びシリンダ容量の下で動作するときに明らかである。

実際には、低シリンダ容量において、すなわち、該ポンプのプレートがわずかに傾斜しており、ピストンとシリンダとの間の半径方向力が小さいときに、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置を備えている従来の液圧ポンプの総エネルギー効率は、該装置を備えていない同じ該ポンプの総エネルギー効率よりもはるかに高いことに留意されたい。

しかしながら、そのプレートもまた最大付近まで傾斜していることを意味する、該ポンプのシリンダ容量がその最大に近い場合、該ポンプの摩擦損失は、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置によって提供されるエネルギー利益を損失という結果に至る程度まで大幅に減少させるか、又は更には消滅させるような程度まで増加する。

したがって、試験及びエクスペリエンスのフィードバックから、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置が従来の液圧ポンプ及びモータの軸方向ピストンを備えているときに、該ピストンとそのシリンダとの間の接触時に誘発される摩擦による追加のエネルギー損失が、高シリンダ容量時に、低シリンダ容量時に該装置によって提供される効率の相当な利益を消滅させることが可能な程度まで高くなることが明らかになる。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、先に説明した欠点を解消するために提供される。

実際には、本発明による該ピストンは、一方では、拡張可能な連続セグメントの滑らかな動作に必要な全ての条件を満たし、他方では、後者が高いシリンダ容量及び高出力で動作するときの該ポンプ又はモータの摩擦によるエネルギー損失を通常のレベルまで低減させることによって、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置を任意の軸方向ピストンポンプ又は液圧ピストンに実装することを可能にする。

したがって、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、特に、
・その軸方向又は半径方向ピストンが、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置を備えており、かつその効率が、常に、少なくとも該装置を備えていない同じ該ポンプ及びモータの効率以上である、液圧ポンプ及びモータを製造すること、
・そうでない場合にはそのピストンが半径方向力を受けない装置に限定されたままとなる、軸方向又は半径方向ピストンを有する液圧ポンプ及びモータに対する、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置のための市場を開くこと、を可能にする。

加えて、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンはまた、特定の実施形態によれば、
・後者を従来の軸方向又は半径方向ピストンに液圧ポンプ及びモータを適用したときに、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置の製造、組み立て、及び調整を簡略化すること、
・後者を従来の軸方向又は半径方向ピストンを有するポンプ及び液圧モータに適用したときに、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置を製造するコストを低減させること、も可能にする。

本発明による本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、意図される大部分の用途の経済的制約との適合性を保持したままにするように安価に大量生産される。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、軸方向又は半径方向ピストンを有する液圧ポンプ及びモータに加えて、任意の液圧又は空気圧装置の任意のピストンに適用することができ、該装置は、有利には、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング装置を備えることができること、又は該装置の代替例として、その固定スカートが十分に漏出しているピストンに装着されている状態でだけ正しく機能する１つ以上の切断セグメント又は任意の他のシーリング手段を備えることができることが理解される。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、シリンダ内を並進することが可能であり、該ピストンの外部円筒面は、固定スカートを構成しており、一方で、該ピストンの端部のうちの一方は、シリンダと共に、作動流体で満たされた可変容量の流体チャンバを形成する軸方向圧縮面を有し、該ピストンの他方の端部は、伝達手段と協働する軸方向作動面を有しており、該ピストンは、
・軸方向圧縮面の近傍に、固定スカートに、又は固定スカートの端部に位置決めされたシーリング手段であって、シリンダと接触することが可能である、シーリング手段と、
・固定スカートの表面に現れる少なくとも１つの減圧半径方向溝であって、そのような溝は、連続又は不連続であり得る、少なくとも１つの減圧半径方向溝と、
・固定スカートの内部に配置されて、軸方向作動面の近傍に現れる、少なくとも１つの軸方向減圧ダクトと、
・減圧半径方向溝を軸方向減圧ダクトに接続している、少なくとも１つの半径方向減圧ダクトと、を備えている。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、固定スカートの表面に現れ、シーリング手段を減圧半径方向溝と接続している少なくとも１つの軸方向減圧溝を備えており、該軸方向溝は、連続又は不連続であり得る。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、螺旋形である軸方向減圧溝を含む。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、中空であり、また、恒久的かつ封止的に減圧スリーブを収容している固定スカートを備えており、該スカートの内部と該スリーブの外側との間に残された半径方向空間が、軸方向減圧ダクトの少なくとも一部を形成している。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、ピストン内部潤滑ダクトと協働する内部スリーブ潤滑ダクトを収容している減圧スリーブを備え、作動流体の一部を流体チャンバから伝達手段まで搬送するように、後者が、軸方向作動面に、又はその近傍に現れる。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、シーリング手段であって、
・小さい遊びを有してシリンダ内に収容されており、また、軸方向圧縮面側の固定スカートの拡張部及び軸上に配置されており、該摺動スカートが、該固定スカートに対する該摺動スカートの長手方向並進移動を可能にする機械的スカート間接続部によって、固定スカートに接続されており、該移動の振幅が、機械的スカート間接続部と直接的又は間接的に一体である摺動スカートストッパによって制限されている、少なくとも１つの円筒形状の摺動スカートと、
・摺動スカートの内側に形成され、摺動スカートを軸方向に貫通している、少なくとも１つの圧力伝達チャネルと、
・固定スカートと摺動スカートとの間に介在し、圧力伝達チャネルを介して作動流体の圧力を受けるセグメント内部円筒面と、シリンダと接触することが可能な外部円筒形セグメント面と、固定スカートと直接的又は間接的に封止接触して保持された固定スカート側の軸方向セグメント面と、摺動スカートと直接的又は間接的に封止接触して保持された摺動スカート側の軸方向セグメント面と、を有している、連続環状形状の少なくとも１つの拡張可能な連続セグメントと、を備えている、シーリング手段を備えている。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、摺動スカートを固定スカートに近づけ、拡張可能な連続セグメントを軸方向に圧縮する傾向がある、少なくとも１つの摺動スカートばねを含んでいる。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、二条ねじを備えている機械的スカート間接続部を含み、該二条ねじは、固定スカートの内側に形成された雌ねじにねじ込まれており、また、ねじ肩部によって減圧スリーブを固定スカート内に軸方向に押圧する第１のねじ山と、摺動スカートストッパがねじ込まれる第２のねじ山と、を有している。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、摺動スカートの全て又は一部を通過するばねバスケットに収容されている摺動スカートばねを備えており、摺動スカートの半径方向厚さは、該スカートが該バスケットをその中心に収容することを可能にするように十分に小さく提供されており、該バスケットは、一方では、摺動スカートに載置されるバスケット外部フラップを有し、他方では、摺動スカートばねの一方の端部が載置されているバスケット内部フラップを有し、摺動スカートばねの他方の端部は、機械的スカート間接続部に配置された、又は取り付けられたばね支持肩部に載置されている。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、ばねバスケットの外面を備えており、該外面は、ばねバスケットを摺動スカート内で半径方向にセンタリングさせるセンタリング手段を有し、一方で、該スカートに対する該バスケットの軸方向配向は、バスケット外部フラップと該スカートとの間の接触によって確実にされる。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、バスケット外部フラップ又はバスケット内部フラップのいずれかを圧迫することができる摺動スカートストッパを備えている。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、ピストン内部潤滑ダクトと協働する接続部内部潤滑ダクトを収容する機械的スカート間接続部を備え、後者は、作動流体の一部を流体チャンバから伝達手段まで搬送するように、軸方向作動面に、又はその近傍に現れる。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストンは、半径方向減圧ダクトの直径よりも長い減圧半径方向溝の軸方向長さを有し、それにより、該溝は、作動流体リザーバを形成する。

非網羅的な実施例として提供される添付図面の以下の説明は、本発明、その特徴、及びその潜在的利点のより良好な理解を提供する。

ピストンが軸方向に配向されている、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンを備えている可変シリンダ容量液圧ポンプの概略断面図である。 シーリング手段が切断セグメントからなる、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンの概略断面図である。 減圧スリーブが固定スカートに直接ねじ込まれて軸方向減圧ダクトの後者の一部を形成し、一方で、シーリング手段が切断セグメントからなる、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンの概略断面図である。 減圧スリーブがねじによって固定スカートに内に固定されて、該スカートによって軸方向減圧ダクトの一部を形成し、一方で、シーリング手段が切断セグメントからなる、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンの概略断面図である。 減圧スリーブ二条ねじによって固定スカート内に固定されて、該スカートによって軸方向減圧ダクトの一部を形成し、シーリング手段が摺動スカートばねによって摺動スカートと固定スカートとの間に密に保持された拡張可能な連続セグメントからなる、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンの概略断面図である。 作動流体が流体チャンバに流入するときの該ピストンの動作を例示する、本発明による、及び図５に示されるその変形例による減圧溝を有する液圧ピストンの拡大概略断面図である。 作動流体が流体チャンバから押し出されるときの該ピストンの動作を例示する、本発明による、及び図５に示されるその変形例による減圧溝を有する液圧ピストンの拡大概略断面図である。 シーリング手段が摺動スカートばねによって摺動スカートと固定スカートとの間に密に保持された拡張可能な連続セグメントからなる、本発明による減圧溝を有する液圧ピストンの三次元図である。 特に、二条ねじによって固定スカートに取り付けられた減圧スリーブを識別することを可能にする、本発明による、及び図８に示されるその変形例による減圧溝を有する液圧ピストンの断面三次元図である。 該変形例を形成する様々な構成要素を明瞭に識別することができる、本発明による、並びに図８及び９に示される変形例による減圧溝を有する液圧ピストンの分解三次元図である。

図１～１０は、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１、その構成要素の様々な詳細、その変形例、及びその付属物を示す。

特に図１～５では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、シリンダ２内を並進することができ、該ピストン１の外部円筒面は、固定スカート３を構成しており、一方で、該ピストン１の端部のうちの一方が、シリンダ２と共に、作動流体２３で満たされた可変容量の流体チャンバ５を形成する軸方向圧縮面４を有し、該ピストン１の他方の端部が、伝達手段７と協働する軸方向作動面６を有することが分かる。

図１～１０では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、軸方向圧縮面４の近傍に位置決めされたシーリング手段８を備えていることに留意されたい。該手段８は、固定スカート３上に、又は後者の端部のいずれかに配置又は収容されている。

図１～７では、シーリング手段８が、シリンダ２と接触し、一例として、及び図２～４に示されるように、それ自体公知であり、溝内に収容されている、切断セグメント３８からなることができることに留意されたい。

該手段８はまた、任意の他のシーリング装置からなることもでき、その動作には、固定スカート３が好ましくは漏出性かつ非シール性であることが必要である。

図１～１０では、図１～１０では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１が、固定スカート３の表面で現れる少なくとも１つの半径方向減圧溝９を備え、該溝９は、連続又は不連続であり得る。

また、減圧半径方向溝９は、シリンダ２に対する該スカート３の軸方向位置にかかわらず、シリンダ２を決して出ることが可能にならないように、固定スカート３に軸方向に位置決めされていることにも留意されたい。

特に、図１～７及び図９では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、固定スカート３の内側に嵌合されて、軸方向作動面６の近傍に現れる、少なくとも１つの軸方向減圧ダクト１１を含むことが分かる。

図１に示される一例として、軸方向減圧ダクト１１は、可変シリンダ容量軸方向ピストン液圧ポンプ３７のポンプケース４９の内側に現れ得、該ケース４９内に広がる圧力は、流体チャンバ５の内側が到達する圧力と比較して低くなる。

最後に、図２～１０で明瞭に分かるように、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、減圧半径方向溝９を軸方向減圧ダクト１１と連通させる、少なくとも１つの半径方向減圧ダクト１２を含む。

図５～１０では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１が、固定スカート３の表面に現れ、また、シーリング手段８を減圧半径方向溝９と接続する少なくとも１つの軸方向減圧溝１０を含み得、該軸方向溝１０は、連続又は不連続であり得ることが示されている。

また、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１のこの変形例によれば、軸方向減圧溝１０は、シリンダ２内の後者の進行中に、それが生成する支持力の局所的欠如が、減圧溝を有する液圧ピストン１に対して単一の角度位置に配向されたままになることを防止するために、螺旋形であり得る。

図１、図３～７、並びに図９及び１０に示される、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の別の変形例によれば、固定スカート３は、中空であり得、また、減圧スリーブ１３を固定的かつ封止的に収容し得、該スカート３の内部と該スリーブ１３の外側との間に存在する半径方向空間が、軸方向減圧ダクト１１の少なくとも一部を形成していることに留意されたい。

減圧スリーブ１３は、図４に示されるように少なくとも１つのスリーブねじ５１によって、クリップ若しくはリベットによって、又はより直接的に、図３に示されるようにねじ止めによって、溶接によって、圧着によって、若しくは当業者に公知の任意の締結手段によって、スカート３の内側の適所に保持することができることに留意されたい。

また、エラストマー、軟銅、又は任意の材料で作製された１つ以上のジョイントを、固定スカート３の内部と減圧スリーブ１３との間に挿入して、これらの２つの部品３、１３の間にシーリングを完成することができることにも留意されたい。

有利には、軸方向作動面６に最も近い減圧スリーブ１３の端部は、平面、円錐形、球形、又は任意の幾何学形状とすることができ、これは、固定スカート３の内側に配置された追加の耐力壁との封止接触を形成するために提供される。

図３では、減圧スリーブ１３は、有利には、ピストン内部潤滑ダクト１５と協働するスリーブ内部潤滑ダクト１４を収容することができ、後者が、軸方向作動面６に、又はその近くに現れることに留意されたい。

この特別な構成は、作動流体２３の一部を流体チャンバ５から伝達手段７まで搬送して、後者を潤滑することを可能にし、これは、例えば、傾斜され得るトレイ１７上を摺動する多関節シュー１６として設計することができる。

図１では、次いで図５～１０では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の特定の実施形態によれば、シーリング手段８が、小さい遊びを有してシリンダ２内に収容されており、また、軸方向圧縮面４側で、固定スカート３の拡張部方向及びその軸上に配置されている、少なくとも１つの円筒形状の摺動スカート１８からなり得ることが示されている。

シーリング手段８のこの特定の構成によれば、摺動スカート１８は、固定スカート３に対する該摺動スカート１８の長手方向並進運動を可能にする機械的スカート間接続部１９によって、固定スカート３に接続され、該移動の振幅は、機械的スカート間接続部１９と直接的又は間接的に一体である摺動スカートストッパ２９によって制限されている。

更に、摺動スカートストッパ２９は、ロックナット４０の有無による遮断を伴うねじ止めによって、溶接によって、圧着によって、又は当業者に公知の任意の他の締結手段によって、機械的スカート間接続部１９に取り付けることができることに留意されたい。

更に、シーリング手段８の該特定の構成によれば、特に図６及び７では、少なくとも１つの圧力伝達チャネル２０が摺動スカート１８の内側に配置され、後者を軸方向に貫通していることに留意されたい。

図１及び図５～１０は、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１のシーリング手段８の該特定の構成によれば、連続した環状形状の少なくとも１つの拡張可能な連続セグメント２１は、固定スカート３と摺動スカート１８との間に介在し、圧力伝達チャネル２０を介して作動流体２３の圧力を受けるセグメント内部円筒面２２と、シリンダ２と接触することが可能なセグメント外部円筒面２４と、固定スカート３と封止接触して直接的又は間接的に保持されている固定スカート側のセグメント軸方向面２５と、摺動スカート１８と封止接触して直接的又は間接的に保持されている摺動スカート側のセグメント軸方向面２６と、を有することを更に示す。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１のシーリング手段８の該特定の構成の変形例として、図５～７並びに図９及び１０では、摺動スカート１８を固定スカート３に近づけ、かつ拡張可能な連続セグメント２１を軸方向に圧縮する傾向がある、少なくとも摺動スカートばね２７が提供され得ることが明らかに示されている。

摺動スカートばね２７は、例えば、螺旋形であり得るか、あるいは図１、図５～７、並びに図９及び１０に示されるようなマルチターン波形ばねによって形成され得、後者のタイプのばねは、角度的に均一な支持といった効果を有することに留意されたい。これらの例は、非限定的な例としてのみ提供されており、摺動スカートばね２７はまた、当業者に高知の任意のタイプのものとすることもできる。

シーリング手段８が、特に、先に説明したような摺動スカート１８と固定スカート３との間に介在する拡張可能な連続セグメント２１からなる限りでは、機械的スカート間接続部１９は、図１、図５～７、並びに図９及び１０に示される二条ねじ３０からなり得ることに留意されたい。

この場合、二条ねじ３０は、固定スカート３の内側に形成された雌ねじにねじ込まれており、また、ねじ肩部３１によって該スカート３の減圧スリーブ１３を軸方向に保持する第１のねじ山と、摺動スカートストッパ２９がねじ込まれる第２のねじ山と、を有している。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の特定の実施形態として、ねじ肩部３１は、二条ねじ３０を固定スカート３に締め付けることを可能にする、肩部レンチソケット４１を提供することができることに留意されたい。代替として、及び同じ目的のために、レンチ又はねじ回しソケットは、第２のねじ山の端部に形成することができる。

また、二条ねじ３０は、図９及び１０に示されるようなその長さの一部にわたって直径４２の狭小部を有し得、これは、その断面を局所的に低減させてより多くの弾性を与えるために、及び該ねじ３０の任意の緩みを阻止するために提供されていることにも留意されたい。

図５～１０に示されるように、ストッパレンチソケット４３を摺動スカートストッパ２９に提供することができ、これは、ロックナット４０によって適所でブロックしたときに、後者を移動できないようにすることを可能にする。

図５～１０に示される本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の変形例によれば、摺動スカートばね２７は、摺動スカート１８の全て又は一部を通過するばねバスケット３２に収容することができ、後者の半径方向厚さは、該スカート１８が該バスケット３２をその中心に収容することができるように十分に小さい。

この場合、ばねバスケット３２は、一方では、摺動スカート１８を圧迫するバスケット外部フラップ３３を有し得、他方では、スリップスカートばね２７の一方の端部を支持するバスケット内部フラップ３４を有し得、ばね支持肩部４４のばね軸受の他方の端部は、機械的スカート間接続部１９に形成されるか、又は取り付けられる。

図５～７並びに図９及び１０は、ばね支持肩部４４を摺動スカートストッパ２９に形成することができ、後者は、二条ねじ３０の第２のねじ山にねじ込まれる。

図１０で明らかに分かるように、ばねバスケット３２は、有利には、作動流体が循環することを可能にするために、開口付きとすることができる。

図６、７、及び１０では、ばねバスケット３２の外面が、摺動スカート１８内で該バスケット３２を半径方向にセンタリングするセンタリング手段３９を有し得、該スカート１８に対する該バスケット３２の軸方向配向は、バスケット外部フラップ３３と該スカート１８との間の接触によって確実にされていることに留意されたい。

特に図６、７、及び１０において視認可能に示されるように、センタリング手段３９は、例えば、ばねバスケット３２の本体の外周に形成された溝を取り囲む弾性リング２８からなり得るか、又は該本体の外周に形成されたボスからなり得る。

摺動スカートストッパ２９は、バスケット外部フラップ３３又は図６及び７に示されるバスケット内部フラップのいずれかで支持することができることに留意されたい。

図５～７並びに図９及び１０に示されるように、機械的スカート間接続部１９は、ピストン内部潤滑ダクト１５と協働する接続部内部潤滑ダクト３５を収容することができ、後者は、作動流体２３の一部を流体チャンバ５から伝達手段７まで搬送して後者を潤滑するように、軸方向作動面６に、又はその近傍に現れる。

上で提示したように、伝達手段７は、例えば、傾動され得るプレート１７上を摺動する多関節シュー１６からなり得ることに留意されたい。

図５～７に明らかに示されるように、接続部内部潤滑ダクト３５は、軸方向ダクト及び１つ以上の半径方向ダクトで形成され得ることに留意されたい。

図５～１０では、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の特定の実施形態が示され、それによれば、減圧半径方向溝９の軸方向長さを、減圧１２の半径方向ダクトの直径よりも長くすることができる。

この好都合な変形例によれば、減圧半径方向溝９は、シリンダ２内の本発明による減圧溝によって、及び液圧ピストン１の移動に起因する加速の効果の下で、該移動中に半径方向減圧ダクト１２を介して完全に空にならない作動流体タンク３６を構成する。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１のこの特定の構成は、作動流体２３を固定スカート３とシリンダ２との間に押し込んで、該移動中のその潤滑を確実にする。

本発明の動作：
本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の動作は、本発明の実施形態の非限定的な例を示す図１～１０を見ることで容易に理解される。

図１は、それ自体公知の軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７に適用された、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１を示し、該ポンプ３７は、その主な構成要素が収容されるポンプケース４９を有している。

図１及び図５～１０では、シーリング手段８が、有利には、摺動スカートばね２７によって摺動スカート１８と固定スカート３との間にクランプされて保持された、拡張可能な連続セグメント２１からなることができることが示されている。したがって、該手段８は、本明細書では、及び非限定的な例として、出願人に属する仏国特許第３００９０３７号に記載のピストンのためのシーリング装置によって提供されるものであることが分かる。

軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７の伝達シャフト４５は、図示されていない電源によって回転させると、次に、それが取り付けられているバレル４６を回転させる。

該ポンプ３７の傾斜可能なトレイ１７が傾斜すると、該ポンプ３７が収容する減圧溝を有する液圧ピストン１は、それらが協働するシリンダ２内を前後に移動する。

結果として、第１のステップでは、及び図６に示されるように、これらのピストン１は、作動流体２３を、図１に示される軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７を備えている吸気ダクト４７に引き込む。

例えば、吸気ダクト４７には、１０バールの圧力で作動流体２３が供給されるが、ポンプケース４９の内部は気圧を受ける。特に、この圧力偏差は、多関節シュー１６によって、減圧溝を有する液圧ピストン１を傾斜プレート１７上どの時点においても保持することを可能にする。

第２のステップでは、及び図７に示されるように、図１に示される軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７を備えている減圧溝を有する液圧ピストン１は、例えば、４００バールの圧力の下で、そのポンプ３７を含む吐出ダクト４８に以前に流入させた作動流体２３を放出する。

軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７の通常動作を想起して、それを含むシーリング手段８が、仏国特許第３００９０３７号の目的のピストンのためのシーリング装置によって形成されたときの、減圧溝を有する液圧ピストン１の動作に注目する。

本特許出願のプリアンブルでは、効果的に機能するために、仏国特許第３００９０３７号の装置は、装置の拡張可能な連続セグメント２１が流体チャンバ５内に広がる圧力の影響下で拡大することを可能にするために十分に漏出性である固定スカート３と協働しなければならないことが想起された。

仏国特許第３００９０３７号の装置の適切な機能に必要なこの第１の状態に加えて、我々は、後者が図１に示される軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７を備えている場合、固定スカート３は、作動流体潤滑膜２３によって適切に支持されたままにしなければならず、これが、シリンダ２上を低摩擦で摺動することを可能にすることも想起した。これは、ポンプケース４９の内部に至り、固定スカート３が相当な半径方向力を及ぼすシリンダ２の出口に特に当てはまる。

このように、固定スカート３の表面に作製され、シリンダ２の該出口のレベルを通る任意の溝は、該出口のレベルにおいて該スカート３と該シリンダ２との境界面で生成される摩擦によるエネルギー損失を増加させる。

この損失は、軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７のシリンダ容量がその最大に近づいたときに、すなわち、該ポンプ３７の傾斜プレート１７の傾斜がその最大に近づいたときに、特に高くなる。

実際には、該ポンプ３７のフルシリンダ容量時に、後者のピストンは、それらが協働するシリンダ２を支える。これは、該ピストンと該シリンダ２との間に、特に該シリンダ２のポンプケース４９への出口で大きい軸方向負荷を生成する。

これが、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１が、シリンダ２の出口と接触して摺動する固定スカート３の軸方向部分がいかなる減圧溝も含まない滑らかな表面を露出させることを可能にし、一方で、固定スカート３が十分に漏出するおかげで、拡張可能な連続セグメント２１が正しく機能することを可能にする理由である。

固定スカート３を十分な漏出性にするために、いかなる任意の減圧溝の使用も回避することに加えて、減圧溝を有する液圧ピストン１はまた、該スカート３を減圧するために固定スカート３とシリンダ２との間の遊びを増加させる必要性も回避する。したがって、固定スカート３とシリンダ２との間の通常の遊びを保存することができ、それにより、該シリンダ２の該スカート３の軸受面は、通常、拡張したままになり、また、該スカート３と該シリンダ２との間に介在させた作動流体２３の膜に及ぼされる圧力は、十分に低いままである。

実際には、該圧力が高くなるほど、作動流体膜２３の厚さが薄くなり、該膜の粘性が高くなり、そして、シリンダ２の固定スカート３の軸受面において生成される摩擦によるエネルギー損失が大きくなる。

任意の減圧溝及び遊びの任意の増加を回避するために、先に説明したように、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、固定スカート３の表面に現れる、減圧半径方向溝９を備えている。これは、図１～１０で明瞭に視認可能である。

減圧半径方向溝９は、該シリンダ２に対する該スカート３の軸方向位置がどうであってもシリンダ２から決して出ないように、固定スカート３に軸方向に位置決めされている。そのように位置決めされることで、減圧半径方向溝９は、いかなる任意の軸受面の場所も占有しない。

図１～１０で分かるように、減圧半径方向溝９は、ポンプケース４９内のシーリング手段８とシリンダ２の出口との間の漏出長さを大幅に低減させる。

実際には、最新技術に従ってポンプケース４９内のシーリング手段８からシリンダ２の出口まで、すなわち固定スカートの長さ全体にわたって提供しなければならなかった減圧は、この時点では、該手段８及び減圧半径方向溝９との間にのみ提供しなければならない。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１に特有のこの特定の構成は、いかなる減圧溝も、及びシリンダ出口２と接触して摺動する固定スカート３の軸方向部分の遊びのいかなる異常な増加も含まないままにすることを可能にする。

該スカート３とシリンダ２との間に十分な遊びを残すこと、又は図５～１０に示されるように、有利には螺旋形とすることができ、また、固定スカート３の表面に現れて減圧半径方向溝９とシーリング手段８とを連通させる軸方向減圧溝１０を提供すること、のいずれかによって、シーリング手段８と減圧半径方向溝９との間にある固定スカート３の残存部分を減圧しなければならないという事実は残っている。

軸方向減圧溝１０を備えている固定スカート３の一部分がわずかに半径方向に負荷されており、該溝１０における作動流体２３の膜のより低い支持力に起因する、軸方向ピストンを有する可変シリンダ容量液圧ポンプ３７の総効率の低下は、少ないか、更にはゼロである。

図６～１０では、有利には、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の固定スカート３と軸方向圧縮面４との間の接合部が、拡張可能な連続セグメント２１がその全周にわたって最適に動作することを可能にする、圧力分配チャンファ５０を形成することに留意されたい。

付随的に、圧力分配チャンファ５０は、作動流体２３が、流体チャンバ５から来て、拡張可能な連続セグメント２１とシリンダ２との間を通過して該チャンファ５０と減圧半径方向溝９との間に位置する固定スカート３の外面を潤滑することを可能にする。これは、特に、作動流体２３の流体チャンバ５への吸引段階中に、減圧溝を有する液圧ピストン１によって起こる。

図６は、該吸引段階を示す。該図６では、該段階中に、拡張可能な連続セグメント２１が、破線矢印によって例示するように止められていることに留意されたい。実際には、流体チャンバ５内に広がる圧力は、セグメント内部円筒面２２とセグメント外部円筒面２４との間の圧力差が該連続セグメント２１を大幅に拡張するには不十分である。

したがって、この吸引段階中に、流体チャンバ５からの作動流体２３は、連続した拡張可能なセグメント２１とシリンダ２との間を通過することができる。これが行われると、該作動流体２３は、圧力分配チャンファ５０から減圧半径方向溝９までのその経路を進み、一部分は、固定スカート３の外面とシリンダ２との間のギャップを通過し、他の部分は、固定スカート３の表面に現れる軸方向減圧溝１０を介して通過する。先に説明した作動流体２３の経路は、図６において波状矢印によって表されている。

その経路において、作動流体２３は、圧力分配チャンファ５０と減圧半径方向溝９との間に延在している固定スカート３の外面を潤滑する。次いで、該流体２３は、減圧半径方向溝９を、例えば、半分満たし、そして、おそらくは半径方向減圧ダクト１２から溢れて、該半径方向ダクト１２を介して、次いで軸方向減圧ダクト１１を介して、最後に軸方向作動面６のレベルでポンプケース３９に現れるように、連続的に漏出する。

図７は、放出段階を示し、その間、流体チャンバ５内に４００バールの圧力が広がる。

この段階の間、セグメント内部円筒面２２とセグメント外部円筒面２４との間の圧力差は、後者がシリンダ２と接触して、後者とのシールを形成する点まで拡張可能な連続セグメント２１を拡張させるのに十分である。このセグメント２１の拡張は、破線矢印によって表されている。

他方では、図７の実線矢印は、圧力伝達チャネル２０を介した、流体チャンバ５に含まれる作動流体圧力２３の、拡張可能な連続セグメント２１のセグメント内部円筒面２２への連通を表す。

更に、図７では、有利には、流体チャンバ５の圧力をセグメント内部円筒面２２に連通するだけでなく、傾斜プレート１７と協働する多関節シュー１６のその動作を例示するために本明細書に提供された本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の実施形態の非限定的な実施例に従って構成されている図１に示されている伝達手段７の潤滑も確実にするために、作動流体２３がより良好に循環することを可能にするようにばねバスケット３２が有孔であることに留意されたい。

実際には、圧力伝達チャネル２０を、次いでばねバスケット３２を通過した後に、作動流体２３の大部分は、軸方向ダクトによって、及び二条ねじ３０からなる、本明細書では機械的スカート間接続部１９を収容する３つの半径方向ダクトによって形成された、接続部内部潤滑ダクト３５に進入する。

次いで、及び本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の概要を提供する図５の図から容易に理解することができるように、作動流体２３は、ピストン内部潤滑ダクト１５を通過し、多関節シュー１６に到達して、後者と傾斜プレート１７とによって形成された接触境界面を潤滑する。

上で実証してきたように、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、一方では、仏国特許第３００９０３７号の目的であるピストンのためのシーリング装置の正しい動作を確実にすることを可能にし、他方では、シリンダ２の出口とのその接触のレベルにおいて該スカート３によって生成される摩擦損失を増加させる可能性がある、固定スカート３の任意の構成又は形成を回避することを可能にする。

しかしながら、仏国特許第３００９０３７号によるシーリング手段８は、本明細書では単なる例として提供してきた。本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１は、その利点を他の該手段８に対して生成することができ、その動作は、固定スカート３が好ましくは漏出性かつ非シール性であり、一方で、該スカート３が重要な半径方向力を受ける状態を維持することが必要である。例えば、減圧溝を有する液圧ピストン１は、シーリング手段８が、図２～４に示されるような切断セグメント３８である場合に、その利点の全てを提供することができる。

また、図１～１０からも、本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１が、製造及び組み立てが簡単であること、及び実施するためにいかなる高価な又は複雑な製造プロセスも必要としないことがよく理解される。

先に説明した本発明に従う減圧溝を有する液圧ピストン１の例示的な実施形態は、非限定的であることに留意されたい。したがって、該ピストン１は、有利には、液圧又は空気圧機械の適用分野にかかわらず、ピストンが提供されている任意の該機械に適用することができる。

本発明による減圧溝を有する液圧ピストン１の可能性は、先に説明した用途に限定されず、更に、上記の説明は、一例としてのみ提供されたものであり、いかなる場合も本発明の分野を限定するものではなく、任意の他の均等物によって説明されている実行の詳細を置き換えることによって本発明の分野から逸脱しないことも理解されるべきである。

Claims (13)

1. シリンダ（２）内を並進することが可能な減圧溝を有する液圧ピストン（１）であって、前記ピストン（１）の外部円筒面が、固定スカート（３）を構成しており、前記ピストン（１）の端部のうちの一方が、前記シリンダ（２）と共に作動流体（２３）で満たされた可変容量の流体チャンバ（５）を形成する軸方向圧縮面（４）を有し、前記ピストン（１）の他方の端部が、伝達手段（７）と協働する軸方向作動面（６）を有しており、前記ピストンが、
   ・前記軸方向圧縮面（４）の近傍に、前記固定スカート（３）に、又は前記固定スカート（３）の端部に位置決めされたシーリング手段（８）であって、前記シリンダ（２）と接触することが可能である、シーリング手段（８）、
   ・前記固定スカート（３）の表面に現れる少なくとも１つの減圧半径方向溝（９）であって、前記溝（９）は、連続又は不連続であり得る、少なくとも１つの減圧半径方向溝（９）、
   ・前記固定スカート（３）の内側に配置され、前記軸方向作動面（６）の近傍に現れる、少なくとも１つの軸方向減圧ダクト（１１）、
   ・前記減圧半径方向溝（９）を前記軸方向減圧ダクト（１１）に接続している、少なくとも１つの半径方向減圧ダクト（１２）、を備えていることを特徴とする、減圧溝を有する液圧ピストン（１）。
2. 前記固定スカート（３）の表面に現れ、前記シーリング手段（８）を前記減圧半径方向溝（９）と接続している少なくとも１つの軸方向減圧溝（１０）を備えており、前記軸方向溝（１０）が、連続又は不連続であり得ることを特徴とする、請求項１に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
3. 前記軸方向減圧溝（１０）が螺旋形であることを特徴とする、請求項２に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
4. 前記固定スカート（３）が、中空であり、また、恒久的かつ封止的に減圧スリーブ（１３）を収容しており、前記スカート（３）の内部と前記スリーブ（１３）の外側との間に残された半径方向空間が、前記軸方向減圧ダクト（１１）の少なくとも一部を形成していることを特徴とする、請求項１に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
5. 前記減圧スリーブ（１３）が、ピストン内部潤滑ダクト（１５）と協働するスリーブ内部潤滑ダクト（１４）を収容しており、前記作動流体（２３）の一部を前記流体チャンバ（５）から前記伝達手段（７）まで搬送するように、前記ピストン内部潤滑ダクト（１５）が、前記軸方向作動面（６）に、又はその近傍に現れることを特徴とする、請求項４に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
6. 前記シーリング手段（８）が、
   ・小さい遊びを有して前記シリンダ（２）内に収容されており、また、前記軸方向圧縮面（４）の側の前記固定スカート（３）の拡張部及び軸に配置されてた少なくとも１つの円筒形状の摺動スカート（１８）であって、前記摺動スカート（１８）が、前記固定スカート（３）に対する前記摺動スカート（１８）の長手方向並進移動を可能にする機械的スカート間接続部（１９）によって、前記固定スカート（３）に接続されており、前記移動の振幅が、前記機械的スカート間接続部（１９）と直接的又は間接的に一体である摺動スカートストッパ（２９）によって制限されている、少なくとも１つの円筒形状の摺動スカート（１８）、
   ・前記摺動スカートの内側に形成され、前記摺動スカート（１８）を軸方向に貫通している、少なくとも１つの圧力伝達チャネル（２０）、
   ・前記固定スカート（３）と前記摺動スカート（１８）との間に介在し、前記圧力伝達チャネル（２０）を介して前記作動流体（２３）の圧力を受けるセグメント内部円筒面（２２）と、前記シリンダ（２）と接触することが可能なセグメント外部円筒面（２４）と、前記固定スカート（３）と直接的又は間接的に封止接触して保持された固定スカート側のセグメント軸方向面（２５）と、前記摺動スカート（１８）と直接的又は間接的に封止接触して保持された摺動スカート側のセグメント軸方向面（２６）と、を有している、連続環状形状の少なくとも１つの拡張可能な連続セグメント（２１）、を備えていることを特徴とする、請求項１に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
7. 少なくとも１つの摺動スカートばね（２７）が、前記摺動スカート（１８）を前記固定スカート（３）に近づけ、前記拡張可能な連続セグメント（２１）を軸方向に圧縮する傾向があることを特徴とする、請求項６に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
8. 前記機械的スカート間接続部（１９）が、二条ねじ（３０）を備えており、前記二条ねじ（３０）が、前記固定スカート（３）の内側に形成された雌ねじにねじ込まれており、また、ねじ肩部（３１）によって前記減圧スリーブ（１３）を前記スカート（３）内に軸方向に押圧する第１のねじ山と、前記摺動スカートストッパ（２９）がねじ込まれる第２のねじ山と、を有していることを特徴とする、請求項４及び６に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
9. 前記摺動スカートばね（２７）が、前記摺動スカート（１８）の全て又は一部を通過するばねバスケット（３２）に収容されており、前記摺動スカートの半径方向厚さが、前記スカート（１８）が前記バスケット（３２）をその中心に収容することを可能にするように十分に小さく提供されており、前記バスケット（３２）が、一方では、前記摺動スカート（１８）に載置されているバスケット外部フラップ（３３）を有し、他方では、前記摺動スカートばね（２７）の一方の端部が載置されているバスケット内部フラップ（３４）を有し、前記摺動スカートばねの他方の端部が、前記機械的スカート間接続部（１９）に配置された、又は取り付けられたばね支持肩部（４４）に載置されていることを特徴とする、請求項７に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
10. 前記ばねバスケット（３２）の外面が、前記バスケット（３２）を前記摺動スカート（１８）内で半径方向にセンタリングさせるセンタリング手段（３９）を有し、前記スカート（１８）に対する前記バスケット（３２）の軸方向配向が、前記バスケット外部フラップ（３３）と前記スカート（１８）との間に接触によって確実にされることを特徴とする、請求項９に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
11. 前記摺動スカートストッパ（２９）が、前記バスケット外部フラップ（３３）又は前記バスケット内部フラップのいずれかを圧迫することができることを特徴とする、請求項９に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
12. 前記機械的スカート間接続部（１９）が、ピストン内部潤滑ダクト（１５）と協働する接続部内部潤滑ダクト（３５）を収容しており、前記ピストン内部潤滑ダクト（１５）が、前記作動流体（２３）の一部を前記流体チャンバ（５）から前記伝達手段（７）まで搬送するように、前記軸方向作動面（６）に、又はその近傍に現れることを特徴とする、請求項６に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。
13. 前記減圧半径方向溝（９）の軸方向長さが、前記半径方向減圧ダクト（１２）の直径よりも長く、それにより、前記溝（９）が、作動流体リザーバ（３６）を形成することを特徴とする、請求項１に記載の減圧溝を有する液圧ピストン。

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