JP2023519488A - 2’-flの結晶化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2’-FLと、1つ以上のその他のフコシル化炭水化物と、を含む水溶液から、酢酸を溶液に添加することによって2’-FLを選択的に結晶化するための方法に関する。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、酢酸を用いて、水溶液から、特に2’-FLのバイオテクノロジー生産で得られた水溶液から、2’-O-フコシルラクトース(2’-FL)を結晶化する方法に関する。
[発明の背景]
結晶化又は再結晶化は、反応混合物から生成物を単離し、これを夾雑物/不純物から分離し、純物質を得るための最も単純且つ安価な方法の1つである。結晶化を用いた単離又は精製は、技術プロセス全体をより堅牢にし、費用効果を高め、従って有利にする。
2’-FLは様々な結晶形態で存在し得るが、例えば、国際公開第2011/150939号パンフレット(多形体I及びII)、同第2014/009921号パンフレット(多形体A、B、及びC)、又は同第2014/069625号パンフレットを参照されたい。この点に関して、2’-FLの結晶化は、特にそれが生産された水性培地からの精製及び単離プロセスにおいて、有利にその生産の一部分となり得る。国際公開第2014/086373号パンフレットは、水性発酵ブロスから誘導されたフリーズドライ粉末からメタノールを用いて2’-FLを結晶化することを開示している。国際公開第2015/188834号パンフレットは、2’-FLと、2’-FL以外のフコシル化炭水化物、好ましくはDFLと、を含む水溶液から、1つ以上のC1~C4アルコール、好ましくはメタノールを溶液に添加することによって2’-FL多形体IIを選択的に結晶化するため方法を開示している。国際公開第2016/095924号パンフレットは、2’-FLと、1つ以上のその他のフコシル化炭水化物と、を含む水溶液から、酢酸を溶液に添加することによって2’-FL多形体IIを選択的に結晶化するための代替的方法を開示している。後者の方法は、特に食餌/食品/乳児用調製粉乳用途に好適な結晶性2’-FLを提供する。国際公開第2018/164937号パンフレットは、1重量%以下の有機溶媒を含むその過飽和水溶液から蒸発結晶化することによって結晶性2’-FLを作製するための方法を特許請求している。
結晶化2’-FLに関して、従来技術のプロセスによって提供される良好な収率及び純度を維持するか、又は更にはこれらを上回りつつも、より低量の逆溶媒を消費し、及び/又は改善された性質、例えば安定した結晶モルフォロジー、より良好な濾過性、より低レベルの水分/揮発性物質、より高速な粉末乾燥、並びに/又は乾燥粉末のより良好な物理的及び流動学的性質を有する結晶を生成する、改善された結晶化法に対するニーズが依然として存在する。
[発明の概要]
本発明の第1の態様は、2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIを結晶化するための方法に関し、方法は、
1)2’-FLを含む水溶液又はシロップを提供することと、
2)酢酸中の結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIの懸濁液を、2’-FLを含む水溶液又はシロップに添加することによってスラリーを生成することと、
3)酢酸を前記スラリーに添加して結晶塊を得ることと、
4)結晶塊から結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIを濾過することと、を含む。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に従って得られた、又は得ることが可能な結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIに関する。
本発明の第3の態様は、定量的測定の組み合わせによって決定した以下のアッセイを有する、結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIに関する:2’-FL:少なくとも97%、DFL:2%未満、及び酢酸:0.5%未満。
本発明の第4の態様は、本発明の第2又は第3の態様による結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIを含む、栄養又は医薬組成物に関する。
本発明の第5の態様は、食品組成物又は栄養補助食品の調製における、本発明の第2又は第3の態様による結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIの使用に関する。
本発明の第6の態様は、食品又は栄養補助食品としての、本発明の第2又は第3の態様による結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIの使用に関する。
[発明を実施するための形態]
好ましくは2’-FLの微生物発酵生産、続いて発酵培地の1つ以上の精製工程で得られた水溶液であって、2’-FLの他にジフコシルラクトース(DFL)などの1つ以上の他のフコシル化炭水化物型副生成物を含む水溶液から2’-FL多形体IIを結晶化する場合、水性酢酸からの溶媒/逆溶媒型結晶化法(国際公開第2016/095924号パンフレットを参照されたい)が技術的に有利であることが証明されており、これは栄養組成物及び乳児用調製粉乳での使用に好適であり、且つ認可された良好な純度の結晶性2’-FLを提供する。国際公開第2016/095924号パンフレットに開示される方法によって得ることが可能な結晶性2’-FL多形体IIは、典型的には、安全性又は健康上の懸念を示さない1%未満、好ましくは0.5%以下の残留酢酸含量を含有する。しかしながら、結晶化2’-FL,ccaの高い収率及び良好な純度を達成するために、結晶化において水溶液中の1キログラムの2’-FLあたり5~7リットルの酢酸が用いられてきた。
本発明者らは、原法によって提供される2’-FLの良好な結晶化収率及び純度を維持しながらも結晶化に用いられる酢酸の量を減少させるために努力し、驚くべきことに、こうして生成された結晶が有益な性質及び結晶品質を有することを発見した。
したがって、2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIを結晶化するための方法が提供され、本方法は、
1)2’-FLを含む水溶液又はシロップを提供することと、
2)酢酸中の結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIの懸濁液を、2’-FLを含む水溶液又はシロップに添加することによってスラリーを生成することと、
3)酢酸をスラリーに添加して結晶塊を得ることと、
4)結晶塊から結晶性2’-FL、有利には2’-FLの多形体IIを濾過することと、を含む。
2’-FL多形体IIとは、国際公開第2011/150939号パンフレットに開示される、CuKα線を用いた測定に基づいて、16.98±0.20、13.65±0.20、及び18.32±0.20の2Θ角度の、より好ましくは16.98±0.20、13.65±0.20、18.32±0.20、及び21.70±0.20の2Θ角度の、更により好ましくは16.98±0.20、13.65±0.20、18.32±0.20、21.70±0.20、及び15.22±0.20の2Θ角度の、最も好ましくは16.98±0.20、13.65±0.20、18.32±0.20、21.70±0.20、15.22±0.20、及び20.63±0.20の2Θ角度の、特に16.98±0.20、13.65±0.20、18.32±0.20、21.70±0.20、15.22±0.20、20.63±0.20、及び11.94±0.20の2Θ角度のX線粉末回折反射を含む2’-FLの結晶変態を指す。
上記の方法は、従来技術で既知の2’-FL結晶性物質と比較して有益な特徴を備える結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIを提供する。更に、特許請求される結晶化法は、より低い逆溶媒(酢酸)消費(より経済的なプロセスを意味する)を特徴とし、一方で結晶化収率及び結晶純度(典型的にはHPLCによって測定される)は低減されない。
本方法の第1の工程は、2’-FLを含む水溶液又はシロップを提供することである。水溶液又はシロップは有機溶媒を含まず、好ましくは均質である。これが水溶液である場合は、2’-FLに関して過飽和溶液である必要はない。2’-FLに関する過飽和溶液とは、所与の温度で溶解可能な最大量を超える2’-FLを含有する溶液である。「所与の温度で溶解可能な最大量の2’-FL」とは、実際のところ、2’-FLの溶解度であり、これは2’-FLが溶媒に溶解する能力を指す熱化学的性質である。これは、平衡状態で溶媒中、本明細書では水中に溶解した溶質の最大量に関して測定される。得られた溶液は飽和溶液と呼ばれる。水における2’-FLの溶解度は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2018/164937号パンフレットの実施例15に開示されるとおりに測定することができる。水溶液又はシロップ中の2’-FLの濃度は、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも45重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、更により好ましくは少なくとも53重量%、例えば53~68重量%、55~61重量%、58~63重量%、又は57~61重量%(HPLCによって判定して)である。
一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、高温(室温よりも高い)で提供されるか、或いは次の工程を実施する前に高温に加熱される。この高温とは、少なくとも35℃、好ましくは少なくとも45℃、例えば45~55℃前後、又は50±2℃である。
上記で開示された2’-FLを含む水溶液又はシロップは、以前に2’-FLがどのように生成されたかに応じて、1つ以上のその他の炭水化物又は炭水化物誘導体を含み得る。2’-FLは、より単純な炭水化物前駆体からの化学全合成によって作製することができ、その合成は、適切に保護されたラクトースアクセプターの化学的フコシル化を含み、こうした方法は、例えば国際公開第2010/070616号パンフレット、同第2010/115934号パンフレット、同第2010/115935号パンフレット、同第2014/009921号パンフレット、同第2015/032413号パンフレット、同第2016/038192号パンフレット、同第2017/134176号パンフレット、又は同第2017/153452号パンフレットで開示されている。2’-FL以外の2’-FLを夾雑する炭水化物誘導体は、典型的には、本明細書で開示される2’-FLへと向かう合成経路中の中間誘導体、特に2’-FLへと完全に脱保護する前の最終中間体である。こうした最終中間体は、完全に又は部分的に保護された2’-FL誘導体であり、ここで保護基は、アシル(主にアセチル又はベンゾイル)、任意選択的に置換されたベンジル、アセタール、若しくはケタール(主にイソプロピリデン又はベンジリデン)、及び/又はシリルであり得る。2’-FLの発酵生産(例えば、Drouillard et al.Angew.Chem.Int.Ed.45,1778(2006)、国際公開第2012/097950号パンフレット、同第2012/112777号パンフレット、同第2015/032412号パンフレット、同第2015/188834号パンフレット、同第2016/095924号パンフレットを参照されたい)においては、典型的な炭水化物副生成物は、2’-FL及び/又はラクトース及び/又はラクツロース及び/又はフコース及び/又はグルコース及び/又はスクロース及び/又はガラクトース及び/又はFLU(2’-O-フコシル-ラクツロース)及び/又はFFL(Fuc(α1~2)Fuc(α1~2)Gal(β1~4)Glc)以外のフコシル化炭水化物を含み得る。2’-FL以外のフコシル化炭水化物は、ラクトースのガラクトース部分上のα-1,2-フコシル化(例えば、3-O-フコシルラクトース、3-FLをもたらすもの)以外の不十分な、不完全な、若しくは弱められたフコシル化の、若しくは培養条件又は発酵後操作下の2’-FL上のフコース移動の、若しくは多フコシル化、好ましくはジフコシル化ラクトースからのフコース加水分解の結果として発酵中に形成され得る任意の他のモノフコシル化ラクトース、又は培養条件下でラクトースの過フコシル化の結果として形成され得る多フコシル化、好ましくはジフコシル化ラクトースであってよい。ジフコシル化ラクトースは、好ましくは2,2’-ジ-O-フコシルラクトース又は2’,3-ジ-O-フコシルラクトース(DFL)、特に2’-FLの発酵生産中に形成される特徴的な副生成物としてのDFLである。発酵、又は発酵精製後/単離工程中に形成され得るその他の炭水化物夾雑物は、FLU又はラクツロース(再配列による)、フコース、グルコース、ガラクトース、又はラクトース(生成物及び中間体の加水分解の結果として)、グルコース、ラクトース、又はスクロース(未消費の抽出物又は発酵中に添加された成分として)である。
工程1)の水溶液又はシロップの全固形分は、実験の部で開示されるように、屈折計で測定して、少なくとも57°Bx(Brix度)、例えば57~80、60~80、65~80、70~80、65~75、又は70~75°Bxである。これは、水溶液中に溶解した任意の溶質を指し、つまり、これは2’-FL以外の物質、及び上記で開示されたその付随する炭水化物誘導体、例えば塩を含む。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~77°Bxの全固形分及び52~62重量%の溶解2’-FLを有する。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び56~62重量%の溶解2’-FLを有する。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び52~56重量%の溶解2’-FLを有する。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~77°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有する。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有する。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有する。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、付随する炭水化物として、DFL、及び任意選択的にラクトースを含む。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFLを含み、2’-FL:DFLの重量比は2超、好ましくは4超、より好ましくは6超、特に8~13である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFL及びラクトースを含み、2’-FL:ラクトースの重量比は10~110であり、DFL:ラクトースの重量比は1~10である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFL及びラクトースを含み、2’-FL:DFLの重量比は6超、好ましくは8~13であり、2’-FL:ラクトースの重量比は10~110であり、DFL:ラクトースの重量比は1~10である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFL及びラクトースを含み、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~75°Bxの全固形分及び52~62重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は8~13である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び56~62重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は6超、好ましくは8~13であり、2’-FL:ラクトースの重量比は10~110であり、DFL:ラクトースの重量比は1~10である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び52~56重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は6超、好ましくは8~13であり、2’-FL:ラクトースの重量比は20~50であり、DFL:ラクトースの重量比は2~6である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~77°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満である。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~75°Bxの全固形分及び52~62重量%の溶解2’-FLを有し、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び56~62重量%の溶解2’-FLを有し、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び52~56重量%の溶解2’-FLを有し、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~77°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、付随する炭水化物として、DFL、及び任意選択的にラクトースを含み、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFLを含み、2’-FL:DFLの重量比は2超、好ましくは4超、より好ましくは6超、特に8~13であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFL及びラクトースを含み、2’-FL:ラクトースの重量比は10~110であり、DFL:ラクトースの重量比は1~10であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、DFL及びラクトースを含み、2’-FL:DFLの重量比は6超、好ましくは8~13であり、2’-FL:ラクトースの重量比は10~110であり、DFL:ラクトースの重量比は1~10であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~75°Bxの全固形分及び52~62重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は8~13であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び56~62重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は6超、好ましくは8~13であり、2’-FL:ラクトースの重量比は10~110であり、DFL:ラクトースの重量比は1~10であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び52~56重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は6超、好ましくは8~13であり、2’-FL:ラクトースの重量比は20~50であり、DFL:ラクトースの重量比は2~6であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~77°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して70~75°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
工程1)の一実施形態では、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、HPLCによって推定して67~71°Bxの全固形分及び62~70重量%、例えば64~68重量%の溶解2’-FLを有し、2’-FL:DFLの重量比は、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、DFL:ラクトースの重量比は1未満であり、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される。
第2の工程では、結晶化を開始するために、酢酸中に懸濁した結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIを、高温、好ましくは工程1)の温度と同じ温度で、好ましくは連続的に攪拌しながら工程1)の2’-FLを含む水溶液又はシロップに添加することによってスラリーを生成する。酢酸中の結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIの懸濁液を添加した後の、スラリー中の酢酸の量は、1重量%超、好ましくは1.5重量%超、より好ましくは2重量%超、例えば2~4重量%又は2~3重量%であるべきである。工程1)で提供された2’-FLを含む水溶液又はシロップに添加される、酢酸中の結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIの懸濁液は、10~30重量%前後である(つまり、100gの懸濁液は、10~30gの結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIを含有する)。更に、播種結晶(seeding crystal)の量は、スラリーを生成するのに好適である。好ましくは、播種結晶の量は、工程1)で提供される水溶液又はシロップの全固形分に対して少なくとも0.5重量%、例えば0.5~2重量%、好ましくは0.9~1.2重量%である。上記の懸濁液を作製するのに好適な酢酸は、氷酢酸である。
典型的には、2’-FL/酢酸懸濁液は、一度に、好ましくは攪拌しながら、2’-FLを含む水溶液又はシロップに添加される。播種後、混合物を同じ温度で数時間、例えば1~8又は3~7時間、好ましくは4~6時間、例えば5時間前後攪拌して、スラリーを生成する。
上記の結晶化開始工程の間、真空又は減圧は適用されない。
2’-FLを含む水溶液又はシロップを播種するための2’-FL/酢酸懸濁液の使用は、例えば、国際公開第2018/164937号パンフレットに開示される蒸発結晶化、又は播種結晶の単純な添加とは異なる核生成機構を示し、よって得ることが可能な結晶性物質のモルフォロジーに影響を与えるため、有利である。
工程2)の一実施形態では、播種2’-FLの量は、工程1)で提供される水溶液又はシロップの固形分の0.5~2重量%であり、2’-FL/酢酸懸濁液は10~30重量%であり、懸濁液を添加した後のスラリー中の酢酸の量は2~3重量%である。
工程2)の一実施形態では、播種2’-FLの量は、工程1)で提供される水溶液又はシロップの固形分の0.9~1.2重量%であり、2’-FL/酢酸懸濁液は10~30重量%であり、懸濁液を添加した後のスラリー中の酢酸の量は2~3重量%である。
工程2)の一実施形態では、播種2’-FLの量は、工程1)で提供される水溶液又はシロップの固形分の0.5~2重量%であり、2’-FL/酢酸懸濁液は24±2重量%であり、懸濁液を添加した後のスラリー中の酢酸の量は2~3重量%である。
工程2)の一実施形態では、播種2’-FLの量は、工程1)で提供される水溶液又はシロップの固形分の0.9~1.2重量%であり、2’-FL/酢酸懸濁液は24±2重量%であり、懸濁液を添加した後のスラリー中の酢酸の量は2~3重量%である。
工程2)の一実施形態では、2’-FL/酢酸懸濁液を添加しながらの攪拌、及び/又は2’-FL/酢酸懸濁液を添加した後のスラリーの攪拌は、150~300rpmで行われる。
工程2)の一実施形態では、2’-FL/酢酸懸濁液を添加した後で、スラリーを、以前に播種が実施されたものと同じ温度で少なくとも2~5時間攪拌する。
工程2)に続く工程3)では、上記で得られたスラリーに、連続的に攪拌しながら純酢酸を添加する。一実施形態では、純酢酸がスラリーに添加されるときの温度は、先行する工程におけるものと同じである。その他の実施形態では、温度は工程2)におけるものよりも低い。好ましい実現では、最初に、純酢酸を添加する前に、スラリーを、典型的には5~60分間前後冷却するか、又は自然冷却させて所望の温度にし、純酢酸を添加する期間全体でその温度を維持する。この温度は、好ましくは、30~40℃前後、例えば35±2℃前後である。工程3)で添加される酢酸の量が計算され、その結果、工程3)における酢酸の添加終了時の結晶性懸濁液中の水に対する酢酸の重量分率は、4~6、好ましくは4.6~6又は4.6~5.5である。水に対する酢酸の重量分率においては、酢酸の量は、工程3)で添加された酢酸、及び工程2)で播種に用いられた2’-FL/酢酸懸濁液を構成する酢酸を含むものとする。工程3)の終了時の懸濁液の水の含有量は、実質的に、工程1)で提供された2’-FLを含む水溶液又はシロップ中の水の量であり、以下のように計算することができる:水重量%=100-[工程1で提供された2’-FLを含む水溶液又はシロップの]Brix。
純酢酸は、工程3)で、所与の添加速度で連続的に、又は好ましくは等量で数回にわたって添加され得る。酢酸の計算された量は、数時間であるが、3時間以上、例えば5、7、又は9時間以上、好ましくは10時間以上、より好ましくは12±2時間かけて、比較的ゆっくりと添加する。酢酸添加の終了時に、スラリーは結晶塊になる。
上記の酢酸添加工程の間、真空又は減圧は適用されない。
任意選択的に、上記の工程3)に従って純酢酸を添加して2’-FLの結晶塊を得た後で、必要に応じて、数時間かけて温度を0℃~室温、好ましくは20~25℃前後の最終温度まで下げる。この最終温度で、2’-FLの結晶塊を、数時間、例えば少なくとも2又は3時間、例えば5±1時間攪拌する。上記の2’-FLの結晶塊を平衡化する工程の間、真空又は減圧は適用されない。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を少なくとも3時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4~6に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を少なくとも10時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4~6に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を12±2時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4~6に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を少なくとも3時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4.6~5.5に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を少なくとも10時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4.6~5.5に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を12±2時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4.6~5.5に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を35±2℃で少なくとも3時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4~6に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を35±2℃で少なくとも10時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4~6に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を35±2℃で12±2時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4~6に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を35±2℃で少なくとも3時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4.6~5.5に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を35±2℃で少なくとも10時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4.6~5.5に到達させる。
工程3)の一実施形態では、工程2)で得られたスラリーに酢酸を35±2℃で12±2時間添加して、結晶塊中の水に対する酢酸の重量分率を4.6~5.5に到達させる。
工程3)では、上記で開示された特定の実施形態のいずれにおいても、任意選択的に、続いて、
- 得られた結晶塊を0~25℃、好ましくは20~25℃に冷却するか、
- 得られた結晶塊を少なくとも2~3時間、好ましくは5±1時間攪拌するか、又は
- 得られた結晶塊を0~25℃、好ましくは20~25℃に冷却し、続いて少なくとも2~3時間、好ましくは5±1時間攪拌する。
上記の工程3)で得られた2’-FLの結晶塊又は任意選択的に平衡化された結晶塊を、続いて工程4)で濾過する。結晶性2’-FLは、0℃~室温、好ましくは20~25℃前後の温度で、従来の方法、例えば全量濾過、遠心分離、又はデカンテーションで母液から分離する。いくつかの実施形態では、分離した2’-FL結晶、好ましくは2’-FL多形体IIのものを、氷酢酸で洗浄する。任意選択的に洗浄された結晶を、続いて従来の方法で乾燥させる。
本発明の方法で得られた、又は得ることが可能な結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIは、少なくとも92%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の純度(HPLCによって判定して)、及び/又は2’-FLと比較して3重量%未満、好ましくは2重量%未満のDFL含有量、及び/又は1%未満、好ましくは0.5%未満の酢酸含有量、及び/又は0.5%未満、好ましくは0.25%又は0.1%未満の水含有量を有する。本発明の方法で得られた、又は得ることが可能な結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIは、定量的測定の組み合わせによって決定した以下のアッセイを有する:2’-FL:少なくとも97%、DFL:2%未満、及び酢酸:0.5%未満;又は2’-FL:少なくとも97%、DFL:2%未満、酢酸:0.5%未満、及び水:0.1%未満。
上記の方法は、実施例で更に詳細に開示される比較試験によって実証されたように、国際公開第2016/095924号パンフレットによって得ることが可能な結晶性2’-FLが有さない下記の有益な特徴のうち少なくとも1つを備える結晶性2’-FL、好ましくは2’-FL多形体IIを提供する:
- (粒度分布から評価して)より大きな結晶サイズによるより少ない塵粉、及び機械的剪断応力に対する安定した結晶モルフォロジー、
- より短い濾過期間をもたらすより良好な濾過性、
- より少ない揮発分(乾燥減量(LoD)により測定して)、つまり、より短い乾燥期間(好ましくは、LoD値が少なくとも25%、より好ましくは少なくとも40%、更により好ましくは少なくとも50%減少する)、
- 乾燥後のより少ない残留溶媒(すなわち、AcOH及び水の両方)含有量、
-カー指数及びハウスナー比によって見てより良好な流動性、
- 向上した嵩密度及びタップ密度、並びに/又は
- より高い結晶化収率。
更に、上記の方法は、2016/095924による従来技術の方法と比較して著しく少ない(少なくとも25%少ない、好ましくは少なくとも35%少ない、例えば40、45、又は50%少ない)AcOHを消費する。
大幅に向上した粉末特性を有すると、下流操作、例えば乾燥混合などの直接配合プロセスが著しく容易になり得る。
更に、特許請求される上記の結晶化法は、それから2’-FLが結晶化される2’-FLを含む過飽和水溶液又はシロップの提供が本質的に必要でなく、且つ/或いは、得られた結晶が濾過性の点でより良好な性質を示すため、例えば国際公開第2018/164937号パンフレットに開示される水からの蒸発結晶化よりも有利である。
本発明の結晶化法は、好ましくは発酵ブロスから得られた2’-FL、及び2’-FL以外の少なくとも1つのフコシル化炭水化物、特にDFL、並びに任意選択的にその他の炭水化物様夾雑物を含有する水溶液から、上記で開示されるとおりに水溶液を酢酸で処理することによって2’-FLを選択的に結晶化するのに極めて好適である。この選択的結晶化は、1工程で高純度の2’-FLを提供し、典型的に、少なくとも100gの2’-FL、例えば少なくとも1kg、若しくは少なくとも100kg、又は更には少なくとも1トンの2’-FLのバッチの結晶化は、こうした水溶液中で夾雑糖様の化合物の濃度が広範であるにも関わらず達成され得る。この点において、2’-FLは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、例えば少なくとも85%の収率で結晶化され得る。
本発明による、それから2’-FLが結晶化される、2’-FLを含む水溶液又はシロップは、好ましくは、その発酵が遺伝子操作細胞を培養することによって2’-FLを提供する、処理/精製済み発酵ブロスである。発酵は、好ましくは以下のとおり実施される。
アクセプターとして外因的に添加されたラクトースは、遺伝子操作細胞によって培地から内在化され、ここで、ラクトースは酵素フコシル化を含む反応中で2’-FLに変換される。一実施形態では、この内在化は、ラクトースが細胞の原形質膜にわたって受動的に拡散する受動的輸送機構により起こり得る。この流れは、ラクトースに関する細胞外空間及び細胞内空間での濃度差により導かれ、濃度がより高い場所から、濃度がより低いゾーンに移動して平衡となる傾向があると考えられる。別の実施形態では、ラクトースは、これが細胞の輸送タンパク質又はパーミアーゼの影響下で細胞の原形質膜にわたって拡散する能動的輸送機構により細胞中に内在化し得る。ラクトースパーミアーゼ(LacY)は、ラクトースに向かう特異性を有する。したがって、ラクトースは、能動的輸送により、LacYパーミアーゼを発現する細胞(こうした細胞は本明細書でLacY表現型細胞とも称される)に容易に取り込まれ、細胞中に蓄積された後でフコシル化され得る(例えば、国際公開第01/04341号パンフレット、Fort et al.J.Chem.Soc.,Chem.Comm.2558(2005),Drouillard et al.Angew.Chem.Int.Ed.45,1778(2006)、国際公開第2012/112777号パンフレット、同第2015/036138号パンフレットを参照されたい)。好ましくは、ラクトースパーミアーゼをコードするlacY遺伝子を発現する細胞は、内在化したラクトースを分解できる酵素を有さない。好ましくは、この細胞は、内在性lacZ遺伝子の不活性化又は欠失に起因してβ1,4-ガラクトシダーゼ活性を欠いている(こうした細胞は本明細書ではLacZ表現型細胞とも称される)か、又は少なくともβ1,4-ガラクトシダーゼの活性が低下している(例えば、国際公開第2012/112777号パンフレットによる、ガラクトシダーゼ活性が低いE.コリ(E.coli)を参照されたい)。
好ましい一実施形態では、ラクトースの内在化は、細胞のラクトースパーミアーゼ、より好ましくはLacYにより媒介される能動的輸送機構により起こる。
細胞中に内在化すると、ラクトースは、既知の技術、例えば細胞の染色体に組み込むことによるか又は発現ベクターを使用することにより、細胞中に導入されている対応する異種遺伝子又は核酸配列により発現されるフコシルトランスフェラーゼによりフコシル化される。2’-FLを作製するのに必要なフコシルトランスフェラーゼは、α-1,2-フコシルトランスフェラーゼである。フコシル化のためのフコース残基を提供する対応するドナーであるGDP-Fucは、グリセロール、フルクトース又はグルコースなどの単純炭素源から出発する段階的反応順序において、GDP-Fucのデノボ生合成経路に関与する酵素(ManB、ManC、Gmd、及びWcaG)の作用下で細胞により作製され得る。代わりに、遺伝子操作細胞は、キナーゼによりリン酸化され、続いてピロホスホリラーゼによりGDP-Fucに変換された再利用フコースを利用することができる(例えば、国際公開第2010/070104号パンフレットを参照されたい)。
2’-FLは、例えば、Drouillard et al.Angew.Chem.Int.Ed.45,1778(2006)、国際公開第01/04341号パンフレット、同第2010/070104号パンフレット、同第2010/142305号パンフレット、同第2012/112777号パンフレット、同第2015/032412号パンフレット、同第2015/036138号パンフレット、同第2015/197082号パンフレット、同第2017/101958号パンフレット、同第2017/188684号パンフレット、米国特許出願公開第2017/0152538号明細書、国際公開第2018/077892号パンフレット、同第2018/194411号パンフレット、又は同第2019/008133号パンフレットに従って遺伝子操作された微生物により生成され得る。
好ましい実施形態では、遺伝子操作微生物は、E.コリ(E.coli)である。
したがって、好ましい実施形態では、生成プロセスは、以下の工程を含む:
a)LacY表現型又はLacZ、LacY表現型の遺伝子操作E.コリ(E.coli)細胞を提供する工程であって、上記の細胞は、
α-1,2-フコシルトランスフェラーゼ、及び
GDP-Fucへの生合成経路をコードする1つ以上の遺伝子を含む、工程、並びに
b)外因性ラクトース及び好適な炭素源の存在下で、LacY表現型又はLacZ、LacY表現型の遺伝子操作E.コリ(E.coli)細胞を培養し、それにより2’-FLを含む発酵ブロスを生成する工程。
E.コリ(E.coli)株は、好ましくは、ただ1つの種類の組換えグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を有し、このグリコシルトランスフェラーゼは、α-1,2-フコシルトランスフェラーゼであり、より好ましくは、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)由来のfutC遺伝子によってコードされたα-1,2-フコシルトランスフェラーゼである。
こうした生成された発酵ブロスは、生成細胞及び培地の両方に2’-FLを含む。細胞内2’-FLを回収し、それにより生成物の力価を上昇させるために、上記で説明される方法は、例えば加熱により細胞を破壊又は透過化させる任意選択的な工程c)を更に含み得る。
中性HMOを含む発酵ブロスは、他の炭水化物化合物を伴い得る。典型的には、別の炭水化物化合物は、発酵プロセスにおいてアクセプターとして使用され、変換されないままのラクトースである。その量は、例えば、国際公開第2012/112777号パンフレット又は同第2015/036138号パンフレットに開示されているように、下記で開示する分離/精製工程に発酵ブロスを供する前に、発酵ブロス中で実質的に低減させることができるが、そうすることは必須ではない。精製方法は、一実施形態では、炭水化物化合物を伴う2’-FLを非炭水化物夾雑物から分離するのに好適であるが、炭水化物化合物の相対的比率は、特許請求される方法の過程で実質的に変化することはない。しかしながら、特許請求される方法の別の実施形態は、炭水化物夾雑物及び非炭水化物夾雑物から分離することにより中性HMOを精製し、それにより実質的に純粋な形態の2’-FLを得るのに適している。
したがって、2’-FLの発酵生産中に付随する炭水化物は、主に、2’-FLと似た生物学的特性を有する過フコシル化2’-FLとしてのラクトース及びDFL(Fucα1-2Galβ1-4[Fucα1-3]Glc)である。更に、発酵ブロス中には、非HMO炭水化物夾雑物が更に存在している可能性がある。これらは、典型的には、ラクツロース及びそのグリコシル化誘導体である。ラクツロースは、ラクトースを発酵へ添加する前及び/又は発酵中に加熱滅菌されるときに、転移によりラクトースから形成され得る。ラクツロースも細胞に内在化することから、同時に起こる生体内変換反応でラクトースと同様にグリコシル化され得る。しかしながら、ラクツロース及びそのグリコシル化誘導体の量は、バイオマス分離後のブロスの全乾燥固形物の数十重量%を超えない。
発酵ブロスから、非炭水化物粒子及び物質を除去/分離する。このプロセスは、2’-FL及びその他の炭水化物を含有する発酵ブロスから鉱物、塩、及びその他の荷電分子が抽出される従来式の脱塩工程を含み得る。脱塩は、例えば、H形態のカチオン交換樹脂及び遊離塩基形態のアニオン交換樹脂に発酵ブロスを通す、従来式のイオン交換樹脂を用いて実施され得る。カチオン交換樹脂は、好ましくは強い交換体であり、アニオン交換樹脂は、弱い交換体であっても、又は強い交換体であってもよい。イオン交換樹脂は、ブロスから塩及び荷電分子を除去することに加えて、事前の精製工程後に任意選択的にブロス中に残されたタンパク質、DNA、及び着色/カラメル体を物理的に吸着することができる。或いは、脱塩は、適切な粒径カットオフを用いた従来の電気透析又は従来の膜濾過/ダイアフィルトレーションシステムによって実施されてもよい。上記の方法のいずれかで得た溶液を、続いて、従来の蒸発工程又は従来のナノ濾過工程のいずれかによって濃縮してよい。
更に、炭水化物から非炭水化物粒子及び物質を除去/分離する上記のプロセスは、事前の精製工程から残された発色体及び任意選択的に水溶性生体分子(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、アミノ酸、エキソ多糖類、及び脂質)を除去するための従来の炭処理も含むことができる。炭は、水性媒体中の炭水化物化合物に対して、一部の水溶性親油性夾雑物(例えば親油性部分、脂質、及び着色芳香体を含有するタンパク質及びアミノ酸)よりも弱い親和性を有する。したがって、炭上に親油性夾雑物を含まない炭水化物は、(蒸留)水で容易に炭から洗い流すことができる。更に、上記のプロセスは、発酵後、好ましくは上記の炭処理の前に、細胞、細胞断片、及びタンパク質を除去するための従来式の浄化工程も含むことができる。浄化工程は、従来の方法で、例えば、浄化又は部分浄化された上澄液を生成する遠心分離における沈殿によって行うことができる。或いは、発酵ブロスを従来の方法で限外濾過に供して、高分子量成分を除去してもよい。2’-FL発酵ブロスを限外濾過するために用いられる半透膜は、好適には、5~50kDa、好ましくは10~25kDa、より好ましくは15kDa前後のカットオフを有することができる。浄化されるべき発酵ブロスの特性に応じて、上記で与えられた範囲内での高カットオフ膜及び低カットオフ膜(この順序で)の組み合わせを用いてもよい。任意選択的に、遠心分離又は限外濾過の後にナノ濾過が続いてもよく、この間、2’-FL及び付随する炭水化物を含有する水溶液が炭で処理される前に従来の方法で濃縮される。このナノ濾過工程では、その膜は、488の分子量を有する2’-FLの保持を確実にする孔径を有してもよく、そのため典型的には200~300Daのカットオフ膜を用いてよい。或いは、UF透過液がより多量のラクトースを含有する場合は、ナノ濾過に好適な膜は600~3500DaのMWCOを有して2’-FLの保持を確実にして且つラクトースの少なくとも一部を膜に透過させ、膜の活性(上部)層はポリアミドからなり、ここで上記の膜上のMgSO阻止率は約20~90%、好ましくは50~90%である。ラクトースの阻止が比較的高い(約90%)場合、ラクトースの全て又は少なくとも大部分を透過液中に移動させるために、続いて純水によるダイアフィルトレーションが必要な場合がある。ラクトースの阻止が高いほど、効率的な分離のために、より多くの透析濾過水が必要である。このナノ濾過膜は、効率的に保持されるように、2’-FLに対して密接であるべきである。好ましくは、2’-FLの阻止は、95%超、より好ましくは97%、更により好ましくは99%である。3500Da超のMWCOを有する膜は、より多くの又は有意な量の2’-FLが膜を通過することを可能にし、ひいては2’-FLの保持の低減を示すことが予期されるため、好適ではない。ラクトースの阻止は80~90%以下であることが好ましい。ラクトースの阻止が90±1~2%となる場合、実質的に十分な分離を達成するために、2’-FLの阻止は、好ましくは、約99%以上となるであろう。これらの要件は、膜がMgSOに対して比較的緩い、すなわち、その阻止が約50~90%である場合に同時に満たされる。これに関して、上記の膜は、2’-FLに対して密接であり、単糖及びラクトース並びにMgSOに対して緩い。したがって、発酵による2’-FLの作製における前駆体であるラクトースは、ナノ濾過によって良好な効力で2’-FLから分離することが可能であり、更に、二価イオンの相当部分も透過液を通過する。同様に好ましくは、この膜は、NaClの阻止率がMgSOの場合と比べて低い。約20~30%のNaCl阻止において、保持液中の全ての一価塩の相当な減少も達成可能である。上記のナノ濾過膜の活性層又は上部層は、好ましくはポリアミドから作製され、より好ましくは、ポリアミド膜は、アミンとしてフェニレンジアミン又はピペラジン構成要素、更により好ましくはピペラジンを有するポリアミドである(ピペラジン系ポリアミドとも称される)。好適なピペラジン系ポリアミドTFC膜の一例は、TriSep(登録商標)UA60である。
[実施例]
[全般]
「Brix」という用語は、Brix度、すなわち水溶液の糖含量(溶液100g中の糖のg)を指す。この点に関して、本願の2’-FL溶液のBrixは、2’-FL及びその付随する炭水化物を含む溶液の総炭水化物含有量を指し、従って、実質的に全溶解固形物(TDS)を表す。Brixは、較正された屈折計によって室温で測定した。Brix測定値は、カールフィッシャー滴定を用いて溶液の残留する水画分を測定することにより検証した。
HPLC:不純物の濃度を、帯電エアロゾル検出器(CAD)を使用して、1.1mL/分の流速及び25℃で、72v/v%のアセトニトリル(ACN)を用いるapHera NHポリマー(250mm×4.6mm;5μm)によるHPLCで分析した。2’-FLの濃度を、37℃で屈折率検出器を使用して、1.1mL/分の流速及び25℃で64v/v%のアセトニトリルを用いたTSKgel Amide-80(150mm×4.6mm、粒径:3μm)上のHPLCによって測定した。
乾燥結晶粉末の水含有量をカールフィッシャー滴定によって測定した。残留AcOH含有量を、Megazyme K-ACETRM 07/12を用いて測定した。
グラファイトモノクロメータによって単色化したCuKα線を使用し、透過幾何学形状内でPhilips PW 1830/PW1050計器を用いて粉末X線回折調査を実施した。D間隔は、1.54186Åの波長に基づいて2Θ値から計算した。原則として、2Θ値は±0.2Åの誤差率を有する。これらのディフラクトグラムに基づき、下記の実施例に従って生成した全ての結晶性2’-FL試料は、国際公開第2011/150939号パンフレットに開示される多形体IIであることが証明された。
発酵及び精製:2’-FL含有ブロスを、LacZ、LacY表現型の遺伝子操作E.コリ(E.coli)株を使用する発酵により生成し、上記の株は、GDP-フコースのフコースを内在化ラクトースに転移させ得るα1,2-フコシルトランスフェラーゼ酵素をコードする組換え遺伝子と、GDP-フコースへの生合成経路をコードする遺伝子と、を含む。この発酵を、例えば、国際公開第2015/197082号パンフレット又は同第2016/095924号パンフレットに従い、外因的に添加したラクトース及び好適な炭素源の存在下で株を培養することにより実施し、それにより発酵ブロス中の主要な炭水化物不純物としてDFL(2’-FLに対し≒5~14%)及び未反応ラクトース(2’-FLに対し≒0.8~10%)を伴う2’-FLを生成した。ブロスは以下のように処理した:限外濾過、ナノ濾過、活性炭脱色、並びに強酸性(H)樹脂及び弱塩基性樹脂を用いたイオン交換処理。
[実施例1]
2’-FL、DFL、及びラクトースを含有する処理済み水性発酵ブロスを73.0°Bxに濃縮し(238.3g;57.4重量%の2’-FL、1.6重量%のラクトース、及び6.4重量%のDFLを含有する)、続いて1Lの晶析装置に添加した。シロップを150rpmで攪拌しながら50℃に加熱した。予熱された透明なシロップの結晶化を、Brixに従って全固形分に対して1重量%の2’-FL多形体II結晶を投入することによって開始した。種結晶を、24.1重量%で酢酸中に懸濁させた後に投入した。スラリーを5時間攪拌し、続いて35℃に冷却した。続いて酢酸を12時間にわたってスラリーに添加し、水に対する酢酸の重量分率を4.69にした。酢酸供給の終了時に、結晶塊を更に5時間攪拌しながら25℃に冷却した。
スラリーの試料(75mL)を回収し、1barで加圧濾過した。スラリーの別の試料(75mL)を回収し、1バールで加圧濾過し、濾過ケークを酢酸(28g)で洗浄した。洗浄した固形湿潤濾過ケーク及び未洗浄の固形湿潤濾過ケークを65℃及び50mbarで終夜乾燥させ、それぞれ17.3%及び23.2%の乾燥減量(LoD)を生じさせた。母液中の2’-FL及びその他の不純物の濃度、並びに乾燥固体をHPLCによってアッセイした。未洗浄の乾燥結晶性物質は、95.3%の2’-FLを含有して81.5%の結晶性2’-FL多形体IIを産生し、一方で洗浄した濾過ケークの純度は97.0%に増加した。
[実施例2]
以下のパラメータを用いて実施例1のプロトコルに従った(特に言及されていないパラメータは実施例1と同じである):
濃縮シロップは71.0°Bxであり(166.8g;60.9重量%の2’-FL、0.6重量%のラクトース、及び4.9重量%のDFLを含有する):
酢酸添加終了時の水に対する酢酸の重量分率は5.58であった。
未洗浄の固形湿潤濾過ケークを65℃及び50mbarで終夜乾燥させて、24.7%の乾燥減量(LoD)を生じさせた。未洗浄の乾燥結晶性物質は、98.1%の2’-FLを含有して86.2%の結晶性2’-FL多形体IIを産生した。
[実施例3]
以下のパラメータを用いて実施例1のプロトコルに従った(特に言及されていないパラメータは実施例1と同じである):
濃縮シロップは74.5°Bxであった(148.3g;57.9重量%の2’-FL、4.4重量%のラクトース、及び5.4重量%のDFLを含有する)。
シロップを35℃に加熱してその温度で播種した。
酢酸添加終了時の水に対する酢酸の重量分率は4.70であった。
洗浄した固形湿潤濾過ケーク及び未洗浄の固形湿潤濾過ケークを65℃及び50mbarで終夜乾燥させ、それぞれ16.1%及び22.5%の乾燥減量(LoD)を生じさせた。未洗浄の乾燥結晶性物質は、95.7%の2’-FLを含有して81.0%の結晶性2’-FL多形体IIを産生し、一方で洗浄した濾過ケークの純度は99.9%に増加した。
[実施例4]
以下のパラメータを用いて実施例1のプロトコルに従った(特に言及されていないパラメータは実施例1と同じである):
濃縮シロップは69.0°Bxであった(161.4g;54.3重量%の2’-FL、1.4重量%のラクトース、及び6.0重量%のDFLを含有する)。
シロップを、300rpmで攪拌しながら35℃に加熱して、その温度で播種した。
播種後のスラリーを2時間攪拌した。
酢酸を15時間にわたって添加した。
酢酸添加終了時の水に対する酢酸の重量分率は4.68であった。
未洗浄の固形湿潤濾過ケークを65℃及び50mbarで終夜乾燥させて、48.5%の乾燥減量(LoD)を生じさせた。未洗浄の乾燥結晶性物質は、92.8%の2’-FLを含有して84.9%の結晶性2’-FL多形体IIを産生した。
[実施例5(比較試験)]
上記のそれぞれ実施例1~3からの、及び従来技術(手順が室温ではなく35℃で実施され、濃縮シロップが62°Bx(140.2g;48.8重量%の2’-FL、1.3重量%のラクトース、及び5.4重量%のDFLを含有する)であったことを除いて、国際公開第2016/095924号パンフレットの実施例2に従う)からの結晶化完了後の結晶化スラリーの試料(75mL)を回収して、孔径約3μm及び濾過面積13cmのポリプロピレン濾布を用いてΔP=1barで加圧濾過し、液-気物質移動(liquid-gas mass transfer)が開始するまでの時間を測定した。スラリーの濾過性を、以下の式に従って全体の濾過率を計算することによって比較した:濾液の容積[cm]/(時間[秒]・フィルタ面積[cm])。
続いて濾過を60秒間継続した。こうした得た固形湿潤濾過ケークを、65℃及び50mbarで終夜(14時間)乾燥させ、乾燥減量を決定した(下記の表のデータを参照されたい)。
Figure 2023519488000001
データは、本発明の新規な結晶化法が、濾過及び乾燥がより容易な結晶を生成することを示す。この新規な方法によって生成可能な結晶は、乾燥後に有する揮発性残留物、特に酢酸の量がはるかに少ない。
更なる変形:基本的に、上記で開示された結晶化条件下で、(典型的にDFLが2’-FLに対して2%未満であるときに)64~68重量%の2’-FLを含有する71~74°Bxの濃縮シロップから、同じ改善された粉末性質が達成可能であった。

Claims (26)

  1. 2’-FLを結晶化するための方法であって、
    1)35~60℃の温度で2’-FLを含む水溶液又はシロップを提供することと、
    2)同じ温度で、酢酸中の結晶性2’-FLの10~30重量%懸濁液を、2’-FLを含む前記水溶液又はシロップに添加することによってスラリーを生成し、それにより、酢酸中の結晶性2’-FLの前記懸濁液を添加した後で、前記スラリー中の酢酸の量が1.5~4重量%である、ことと、
    3)35~60℃の温度で、酢酸を前記スラリーに添加して結晶塊を得ることであって、ここで、添加された酢酸の量が計算され、前記酢酸の前記添加終了時における前記結晶性懸濁液中の水に対する前記酢酸の重量分率が4~6である、ことと、
    4)前記結晶塊から前記結晶性2’-FLを濾過することと、
    を含む、方法。
  2. 前記結晶性2’-FLが多形体IIである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酢酸が氷酢酸である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程1)の前記水溶液又はシロップの全固形分が、較正された屈折計で測定して57~80°Bx(Brix度)であり、工程1)の前記水溶液又はシロップ中の2’-FLの濃度が40~70重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 2’-FLを含む水溶液又はシロップが、DFL、及び任意選択的にラクトースを更に含み、好ましくは、
    前記2’-FL:DFLの重量比が、2超、より好ましくは4超、更により好ましくは6超、具体的には8~13であり、且つ/又は、
    前記2’-FL:ラクトースの重量比が10~110であり、前記DFL:ラクトースの重量比が1~10である、請求項4に記載の方法。
  6. 工程1)の前記水溶液又はシロップの前記全固形分が67~77°Bxであり、工程1)の前記水溶液又はシロップ中の2’-FLの前記濃度が52~62重量%である、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 工程1)の前記水溶液又はシロップの前記全固形分が70~75°Bxであり、工程1)の前記水溶液又はシロップ中の2’-FLの前記濃度が56~62重量%である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記水溶液又はシロップが、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される、請求項7に記載の方法。
  9. 工程1)の前記水溶液又はシロップの前記全固形分が67~75°Bxであり、工程1)の前記水溶液又はシロップ中の2’-FLの前記濃度が52~62重量%であり、前記水溶液又はシロップが、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される、請求項6に記載の方法。
  10. 2’-FLを含む水溶液又はシロップが、DFL、及び任意選択的にラクトースを更に含み、好ましくは、
    前記2’-FL:DFLの重量比が、13超、より好ましくは25超、例えば50超であり、前記DFL:ラクトースの重量比が1未満である、請求項4に記載の方法。
  11. 工程1)の前記水溶液又はシロップの前記全固形分が67~77°Bxであり、工程1)の前記水溶液又はシロップ中の2’-FLの前記濃度が62~70重量%、例えば64~68重量%である、請求項4又は10に記載の方法。
  12. 前記水溶液又はシロップが、少なくとも45℃、好ましくは50±2℃で提供される、請求項11に記載の方法。
  13. 工程2)で添加される酢酸中の結晶性2’-FLの前記懸濁液中の前記結晶性2’-FLの量が、工程1)で提供される前記水溶液又はシロップの前記全固形分に対して0.5~2重量%である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記懸濁液を添加した後の前記スラリー中の酢酸の量が2~3重量%である、請求項13に記載の方法。
  15. 工程2)で添加される前記2’-FL/酢酸懸濁液が24±2重量%である、請求項14に記載の方法。
  16. 工程3)での酢酸の前記添加が30~40℃の温度で実施され、好ましくは、前記酢酸は、12±2時間のうちに連続的に又は数回にわたって添加される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記酢酸の前記添加終了時の前記結晶性懸濁液中の水に対する前記酢酸の重量分率が4.6~6、好ましくは4.6~5.5である、請求項16に記載の方法。
  18. 工程3)で得られた前記結晶塊が0~25℃、好ましくは20~25℃に冷却され、5±1時間にわたり攪拌される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 工程1)で提供される前記水溶液又はシロップは、精製された発酵ブロスである、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 請求項1~19のいずれか一項に記載の方法によって得られた、又は得ることが可能な結晶性2’-FL。
  21. 2’-FLが少なくとも97%であり、DFLが2%未満であり、酢酸:0.5%未満のアッセイ値を有する、請求項20に記載の結晶性2’-FL。
  22. 前記水の含有量が0.5%未満、好ましくは0.25%又は0.1%未満である、請求項21に記載の結晶性2’-FL。
  23. 多形体IIである、請求項20~22のいずれか一項に記載の結晶性2’-FL。
  24. 請求項20~23のいずれか一項に記載の結晶性2’-FLを含む、栄養又は医薬組成物。
  25. 食品組成物又は栄養補助食品の調製における、請求項20~23のいずれか一項に記載の結晶性2’-FLの使用。
  26. 食品組成物又は栄養補助食品としての、請求項20~23のいずれか一項に記載の結晶性2’-FLの使用。
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