JP2023518701A - 洗浄、消毒、および/または殺菌するための改良型液体組成物 - Google Patents

洗浄、消毒、および/または殺菌するための改良型液体組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023518701A
JP2023518701A JP2022554494A JP2022554494A JP2023518701A JP 2023518701 A JP2023518701 A JP 2023518701A JP 2022554494 A JP2022554494 A JP 2022554494A JP 2022554494 A JP2022554494 A JP 2022554494A JP 2023518701 A JP2023518701 A JP 2023518701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition according
pluronic
composition
skin
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022554494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021186000A5 (ja
Inventor
ストレ・ペッテル・リングスタダース
ホヴァルド・イェイ・ハウゲン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corticalis AS
Original Assignee
Corticalis AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP20164065.3A external-priority patent/EP3881901A1/en
Application filed by Corticalis AS filed Critical Corticalis AS
Publication of JP2023518701A publication Critical patent/JP2023518701A/ja
Publication of JPWO2021186000A5 publication Critical patent/JPWO2021186000A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/19Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing inorganic ingredients
    • A61K8/22Peroxides; Oxygen; Ozone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/72Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
    • A61K8/90Block copolymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q17/00Barrier preparations; Preparations brought into direct contact with the skin for affording protection against external influences, e.g. sunlight, X-rays or other harmful rays, corrosive materials, bacteria or insect stings
    • A61Q17/005Antimicrobial preparations
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/10Washing or bathing preparations

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本発明の態様は、3~7%v/vの最終濃度のH2O2、および0.1~10%w/vの濃度のポロキサマーからなる抗菌性および/または抗ウイルス性混合物を含む、改良型抗菌性および/または抗ウイルス性組成物に関する。ポロキサマーは、複合ハイドロゲル配合物中にある。本明細書に開示される組成物は、抗菌性および/または抗ウイルス性であり、例えば、手指消毒剤、洗口剤、鼻洗浄剤に提供される場合に、ならびに/または創傷ケアおよび/もしくは慢性潰瘍ケアの場合に、ならびに歯科予防およびインプラント周囲の健康維持のために使用する場合に、生体表面および生体材料の表面を、洗浄、滅菌、殺菌、消毒、除菌、および/または創傷清拭するのに特に有用である。

Description

本発明の態様は、室温で液体の形態である、Hおよびプルロニック酸(pluronic acid)の複合ハイドロゲル配合物を含む多機能洗浄および/または防汚組成物に関する。本明細書に記載の組成物は、対象における微生物および炎症を抑制し、皮膚消毒、口腔-咽頭消毒、鼻腔消毒、口腔予防およびインプラント周囲炎治療、インプラント健康維持、歯周炎および歯周健康、創傷ケアまたは慢性潰瘍ケアに特に有用である。
皮膚および粘膜などの生体表面ならびに/または生体材料表面は、常に過度の微小生物およびウイルスと接触し、頻繁にコロニー化している。そのため、問題となる生体組織に害を与えず、好ましくは、微生物および/またはウイルスの耐性を生じさせない、抗菌性および/または抗ウイルス性の組成物による洗浄および/または消毒が頻繁に必要となる。
特に、身体、例えば、限定するものではないが、手、足、または顔の皮膚は、微小生物にさらされることが多く、病原体、および/または微生物、および/またはウイルスの定着および/または移動を抑制するために、定期的に洗浄、滅菌、および/または消毒する必要がある。
手指消毒剤
手指消毒剤は、液状またはゲル状であり、通常は、手の感染性因子を減少させるために使用される。アルコール系タイプの製剤は、医療現場の多くの状況において、石鹸および水による手洗いよりも好ましい。一般に、石鹸および水よりも微小生物を死滅させる効果が高く、耐容性が高い場合が多い。これらは、通常は、液体、ゲル、ワイプ、および/または泡として利用できる。
アルコール系のものは、通常は、イソプロピルアルコール、エタノール(エチルアルコール)、n-プロパノールのいくつかの組合せを含む。60~95%のアルコールを含むものは、最も効果的であると考えられる。少なくとも60%のアルコールを含む手指消毒剤、または「持続性防腐剤」を含む手指消毒剤は、抗生物質耐性細菌およびTB細菌を含む多くの異なる種類の細菌を死滅させるが、ウイルスに対する効果は低い。
一般に、アルコール系手指消毒剤は、様々な微小生物を抑制するが、芽胞は抑制しない。いくつかのものは、肌の乾燥を防ぐためにグリセリンなどの化合物を含む。非アルコール系のものは、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩、またはトリクロサンを含む場合がある。可燃性のため、注意が必要である。
アルコール系手指消毒剤は、ヨーロッパでは少なくとも1980年代から一般に使用されてきた。アルコール系のものは、医療制度で必要とされる最も安全で最も効果的な医薬品である非特許文献1に記載されている。発展途上世界での卸売原価は、1瓶あたり約1.40~3.70米ドル程度である。
市販の手指消毒剤の欠点としてよく報告されているのは、手指消毒剤中のアルコールが、タンパク質を変性させ細胞を溶解させるのに必要な10~15秒の曝露時間を有していない可能性があるということである。さらに、少なすぎる量(0.3ml)または低すぎる濃度で塗布されることが多い。脂質またはタンパク質の廃棄物が多い環境(食品加工など)では、アルコール手指消毒液の使用だけでは適切な手指衛生を確保できない可能性がある。
これを解決するために、ほとんどの細菌および真菌を死滅させ、いくつかのウイルスを阻止する、アルコール擦式消毒剤として販売されている新しいアルコールジェル消毒剤がある。少なくとも70%のアルコール(主にエチルアルコール)を含むアルコール擦式消毒剤は、塗布後30秒で手の細菌を99.9%死滅させ、1分で99.99%~99.999%死滅させる。それでも、ウイルスに対する効果は著しく低い。
90%アルコール消毒液は、他のほとんどの手洗いの形態よりもウイルスに対してより効果的である。イソプロピルアルコールも、99.99%以上の非芽胞形成細菌を30秒未満で、実験室、およびヒトの皮膚の両方で死滅させる。90%アルコール消毒液は、可燃性が高く、悪用される可能性があるが、特に、インフルエンザウイルス、風邪ウイルス、コロナウイルス、HIVなどのエンベロープウイルスを含むウイルスを死滅させるために使用する必要があるが、狂犬病ウイルスに対しては特に効果がない。
過酸化水素
過酸化水素(H)は非常に薄い青色の液体であり、希薄溶液では無色に見え、水よりもわずかに粘性が高い。弱酸性である。強い酸化性を有し、そのため、主に紙の漂白に使用されるが、殺菌薬および酸化剤としても使用される強力な漂白剤である。過酸化カルバミドの形態の過酸化水素は、歯のホワイトニング(漂白)に、専門家により投与される製品および自分で投与する製品の両方で、広く使用されている。
過酸化水素は不安定であり、光の存在下でゆっくりと分解する。その不安定性のため、過酸化水素は、通常、安定剤、典型的には、オルガノホスフェート、ピロリン酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、またはクエン酸ナトリウムとともに、弱酸性の溶液で暗色瓶に保存される。
過酸化水素は、手術器具を含む様々な表面の滅菌のために使用することができ、室内滅菌のための蒸気(VHP)として利用することができる。Hは、ウイルス、ならびに細菌、酵母、および細菌芽胞を含むがこれらに限定されない微生物に対して広域スペクトルの効能を示す。一般に、グラム陰性細菌よりもグラム陽性細菌に対して大きな活性が見られるが、これらの生物にカタラーゼまたは他のペルオキシダーゼが存在すると、低濃度の存在下で耐性を高める可能性がある。殺芽胞活性には、より高い濃度のH(10~30%v/v)およびより長い接触時間が必要な場合がある。
過酸化水素は、分解して酸素および水になることから、塩素系漂白剤の環境的に安全な代替物として考えられており、米国食品医薬品局(FDA)により抗菌剤としての安全性も一般的に認められている。
歴史的には、過酸化水素は創傷の殺菌に使用されていた。現在では、高濃度で新しく形成された皮膚細胞を破壊するため、治癒を抑制し、瘢痕化を誘発すると考えられている。これは、過酸化物の乾燥効果によって引き起こされると理解されている。
ある研究では、非常に低い濃度(0.03%v/v溶液、これは通常の3%v/v過酸化物を100倍に希釈したもの)だけが、繰り返し塗布しない場合にのみ治癒を誘発することがわかった。0.5%v/v溶液は、治癒を妨げることがわかった。しかし最近、新たな研究により、過酸化物が、細胞シグナル伝達および防御システムの重要で本質的な部分であり、感染や傷害に反応して、局所防御細胞を活性化するシグナルを生成することが明らかになってきた。これに伴い、細胞が直接過酸化物を利用して、その近傍にある微生物およびウイルスを死滅させることも知られている。この知見から、過酸化物は、生物学的に活性がある消毒物質として、再び注目を集めている。
プルロニック酸
Pluronic(登録商標)またはポロキサマーは、ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド)(PEO-PPO-PEO)のトリブロックコポリマーである。この群の合成ポリマーは、水溶液中で熱可逆性を示す。ゾル-ゲル転移は、各構成ブロックポリマーの組成、分子量、および濃度により支配される。親水性のエチレンオキシドおよび疎水性のプロピレンオキシドは、プルロニックに両親媒性構造、すなわち、非極性の非水溶性の炭化水素鎖に結合した、極性があり水溶性の基が結合した構造を提供する。両親媒性のブロックコポリマー分子は、水溶液中で自己集合してミセル(分子の詰まった鎖)になる。ミセル形成は温度に依存し、生体材料の分解特性に影響を与える:臨界ミセル温度として知られる、ある特徴的な温度より下では、エチレンオキシドブロックおよびプロピレンオキシドブロックの両方が水和し、PPOブロックが可溶となる。
プルロニックは、液体、ペースト、または固体のいずれとしても存在し得る。プルロニックは、両親媒性の性質(疎水性成分および親水性成分の存在)であるため、疎水性表面および生体膜と相互作用することを可能にする、界面活性剤の特性を有する。両親媒性であることは、ユニマー(unimer)として知られる個々のブロックコポリマーが水溶液中で結合し、ミセルを形成する能力ももたらす。ブロックコポリマーの濃度が臨界ミセル濃度(CMC)よりも低い場合、ユニマーは水中で分子溶液として残る。しかし、ブロックコポリマー濃度がCMCを超えると、ユニマーは自己集合してミセルを形成し、球状、ロッド形、またはラメラ状の形状を取ることができる。その形状は、ブロックコポリマー(すなわちEOおよびPO)の長さおよび濃度、ならびに温度に依存する。ミセルは、通常、疎水性コア(この場合はPO鎖)、および親水性シェル(EO鎖)を有する。
Figure 2023518701000001
ポロキサマー407としても知られるプルロニックF-127は、生理的温度およびpH付近でゾル-ゲル転移する一貫した製品が市販されているため、組織工学でよく使用される。プルロニックF-127の欠点は、インビボでの分解速度が速いことである。この問題を解決するために、プルロニックF-127は、そのデプシペプチド単位の化学構造を変化させるために、別のα-ヒドロキシ酸またはアミノ酸で頻繁に架橋される。
プルロニック酸は感熱性ハイドロゲルを形成し、これは、通常、ヒアルロン酸などの高分子量酸の添加により安定化される。
プルロニック酸製剤は、炎症を抑制し、組織を損傷から保護し、微生物の付着を妨げるという好ましい効果があることが研究で証明されている。さらに、EMAおよびFDAの承認を受けており、完全な生体適合性を有し、ヒト細胞における有害作用が知られておらず、臨床的に使用するのに安全である。
しかし、18℃を超えると、またはその濃度によっては12~20℃の温度の間でさえも、自動的に安定なゲルを形成し(図1を参照されたい)、これが、小さな経路での使用および/または粗い表面でのもしくは体温での使用に不適当であり、シリンジを用いた塗布にも適さないため、洗浄剤として塗布するのはまだ難しい。
World Health Organization’s List of Essential Medicines
したがって、対象の口腔もしくは鼻腔の粘膜、または手および足のような対象の露出した外皮などの、汚れた生体表面および/または生体材料表面を殺菌、滅菌または洗浄、汚染防止および/または再汚染防止するために使用することができる、追加の洗浄および/または滅菌および/または創傷清拭組成物の必要性が明らかである。
本発明の態様は、生体表面および/または生体材料表面を、例えば、インサイチュで、洗浄および/または滅菌するための抗菌性および/または抗ウイルス性組成物であって、少なくとも2つの成分:
(a)0.1~7%v/vの最終濃度のH、および
(b)0.1~10%w/vの濃度のプルロニック酸の複合ハイドロゲル配合物
を含む、抗菌性および/または抗ウイルス性組成物に関する。
複合ハイドロゲル配合物は、典型的にはポロキサマーである。したがって、本発明の組成物は、
(a)3.0~7.0%v/vの最終濃度のH、および
(b)1.0%~10.0%w/vの最終濃度のポロキサマー
からなる抗菌性および/または抗ウイルス性混合物を含む。
典型的には、本明細書に開示される抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、0.1~5%w/vの濃度、例えば最大で5%w/vの濃度、例えば1.0%~5.0%w/vの濃度、例えば、0.1、0.5、1.0、または1.5%w/vのプルロニック酸などのポロキサマーである成分(b)の複合ハイドロゲル配合物を含む。一態様における本発明による組成物は、5.0%w/vの濃度のポロキサマーを含む。ポロキサマーは、ポロキサマーの混合物であり得る。成分(b)は、プルロニック酸、Pluronic(登録商標)F-127、およびポロキサマー407からなる群から選択することができる。現在好ましい態様では、ポロキサマーはポロキサマー407である。
いくつかの代替案における抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、0.1~7%v/vの最終濃度、例えば、0.5~3.0%v/vの最終濃度を有する成分(a)のHをさらに含む。一態様では、成分(a)のHは、3%v/vの最終濃度を有する。
一態様では、成分(a)および成分(b)は、1:1の比率で提供される。
いくつかの代替案における抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、水および/または生理食塩水、油、保存料、香味料および/または香料をさらに含むことができる。
一態様では、抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、少なくとも2つの成分:
(a)H、および(b)プルロニック酸などのポロキサマーを含む複合ハイドロゲル配合物を含み、これらは、同時に混合されて生体表面および/または生体材料表面にインサイチュで塗布されるまで互いに分離した状態で維持される。
その態様によれば、抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、少なくとも10~50%v/vの濃度でHを含む組成物である、別個の成分(a)を含む。
いくつかの代替案による組成物は、追加の抗菌性物質をさらに含むことができる。いくつかの代替案による組成物は、典型的には、ペプチド、薬物、生物活性イオン、小分子、放射性分子、および放射線不透過性分子またはこれらの任意の組合せからなる群から選択される、生物活性物質をさらに含むことができる。
いくつかの代替案による組成物は、典型的には、室温(RT)で少なくとも1年の貯蔵期間を有する。
いくつかの代替案による組成物は、生体表面および/または生体材料表面をインサイチュで滅菌、または消毒、または洗浄するのに有用である。
典型的には、本明細書に記載の組成物の1つまたはそれ以上は、対象、好ましくはヒトの皮膚および/または粘膜を、細菌またはウイルス、例えば、リボウィリア(Riboviria)、コロナウイルス科、またはオルトコロナウイルス亜科を含むがこれらに限定されない微生物から洗浄、滅菌、またはそうでなければ取り除くために使用することができる。
現在好ましい態様では、本明細書に記載の組成物の1つまたはそれ以上は、皮膚および/または粘膜を、SARS-CoV-2などのコロナウイルスから洗浄または滅菌するために使用される。
結果として、本発明の態様は、SARS-CoV-2などのコロナウイルスを、対象、好ましくはヒトの皮膚または粘膜から除去、滅菌、または抑制するための、手洗い、口腔洗浄、ならびに/または鼻腔および/もしくは副鼻腔洗浄としての、本明細書に記載の抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の1つまたはそれ以上の塗布に関する。
本発明の態様は、生体表面および/または生体材料表面、例えば、特に、インサイチュのインプラント、および/または口腔内の表面、および/または皮膚または粘膜で覆われた任意の表面を洗浄および/または消毒するための、本明細書に記載の組成物の1つまたはそれ以上の使用にも関する。
いくつかの代替案では、本明細書に記載の組成物の1つまたはそれ以上は、キットに組み込まれ、少なくとも2つの成分、Hおよびプルロニック酸が、場合により、使用者が2つの成分を塗布の直前に混合することができるように分離した状態で維持される。
本発明は、結果として、生体表面および/または生体材料表面を消毒、滅菌、殺菌および/または除菌する方法であって、本発明による組成物を生体表面および/または生体材料表面に塗布することを含む方法、ならびに対象の皮膚および/または粘膜を微生物から洗浄する方法であって、本発明による組成物を対象の皮膚および/または粘膜に塗布することを含む方法にも関する。微生物は、細菌、またはウイルス、または両方、例えば、限定するものではないが、リボウィリア、コロナウイルス科、オルトミクソウイルス科、カリシウイルス科、またはレオウイルス科、またはこれらの任意の組合せを含む。微生物は、オルトコロナウイルス亜科、例えば、限定するものではないが、コロナウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス、またはインフルエンザウイルスA型、B型、C型、もしくはD型、またはこれらの任意の組合せを含む。
定義および略語
本発明の態様は、生体表面および/または生体材料、例えば、インプラント表面を洗浄および/または消毒するための組成物および方法を提供する。
本文脈では、生体表面とは、解剖学的構造および/または組織を覆う任意の表面、例えば、手掌および足底皮膚を含む皮膚、口腔粘膜および鼻腔粘膜、胃腸粘膜、咽頭、気管および気管支粘膜、膣粘膜、陰茎粘膜、髪、爪、筋膜、膜、滑膜、歯エナメル質または歯セメント質を指す。この用語はまた、例えば、限定するものではないが、潰瘍、急性創傷、外傷による創傷、手術創、穿刺創、擦り傷、ヘルペス潰瘍、乳頭腫、下疳、およびざ瘡を含む感染創、侵食創、火傷、疱疹、痂皮、下腿潰瘍、糖尿病性潰瘍および/または慢性潰瘍の、および/または周囲の創傷面も包含する。
本文脈では、「生体材料またはインプラント表面」という用語は、典型的には、医療用および/または歯科用インプラントの表面を指す。
本文脈では、「医療用インプラント」という用語は、身体の機能の維持および回復のために脊椎動物、特にヒトなどの哺乳動物の身体に埋め込まれるおよび/または取り付けられることが意図されている任意のデバイス、特に、任意の種類の補綴具、血管系、筋骨格系、または関節および骨における金属およびポリマー系インプラント(これらの構造における疼痛緩和のためを含む)をその範囲に含む。医療用インプラントの非限定的な例としては、義足、義腕および義手、顔面補綴具、眼用人工装具、イレオストミー装具、子宮内器具、ペースメーカー、電極、人工血管構造、ステント、蝸牛インプラント、股関節補綴具、膝補綴具、肘補綴具、指補綴具、蝸牛補綴具、または固定用ネジがある。
本文脈では、「歯科インプラント」という用語は、脊椎動物、特にヒトなどの哺乳動物の口腔内に、例えば歯および顎の修復処置で埋め込まれることが意図されている任意のデバイスをその範囲に含む。歯科インプラントは、本明細書では:インプラント、バー、ブリッジ、アバットメント、クラウン、キャップ、歯科用詰め物、および口腔内の補綴部品からなる群から選択される。歯科インプラントは、歯科補綴デバイスと表されることもある。一般に、歯科インプラントは、1つまたはいくつかのインプラント部品で構成されている。例えば、歯科インプラントは、通常、二次的なインプラント部品、例えば、アバットメントに結合される歯科用フィクスチャー、および/または歯科修復物、例えば、クラウン、ブリッジ、または義歯を含む。しかし、埋め込みが意図されている歯科用フィクスチャーなどの任意のデバイスは、他の部品が接続される場合でも、単独でインプラントと呼ばれる場合がある。
第2の実施形態では、生体材料表面という用語は、使い捨てであるか否かを問わず、生体組織と一時的に接触するように設計された任意の医療デバイスまたは用具、例えば、限定するものではないが、手術器具、電極、メス、プローブおよびゲージ、カテーテル、注射器、ハサミ、持針器、コンタクトレンズ、創傷被覆材、バンドエイド、経皮固定デバイス、ならびに/または超音波装置、X線装置、および/もしくは撮像機器、例えば、各種スコープ、外科用カメラ、印象材、または、口腔内スキャナーのような診断用具の表面を含む。
本文脈では、「過酸化物」という用語は、過酸化水素および/または(H)と交換可能に使用される。
微小生物、または微生物は、単一の細胞の形態で、または細胞のコロニーで存在する場合がある、極微の生物である。微小生物は、単細胞生物全てを含むため、非常に多様である。古細菌および細菌は全て微小生物(原核生物)である。原生生物は、動物に関連するものと、緑色植物に関連するものがある。多細胞生物の多くは、極微、すなわち微小な動物であり、一部は真菌であり、一部は藻類である。
抗菌剤は、微小生物を死滅させる、またはその増殖を阻止するもしくは抑制する薬剤である。抗菌薬は、主に作用する微小生物によって群分けすることができる。例えば、抗生物質は細菌を処置または抑制するために使用され、抗真菌剤は、真菌を処置または抑制するために使用される。これらは、その機能によって分類することもできる。微生物を死滅させる薬剤は、殺微生物剤であり、単にその増殖を抑制する薬剤は、生物静止剤(biostatic)と呼ばれ、どちらも「抗菌剤」という用語に含まれる。感染症を治療または抑制するための抗菌薬の使用は、抗菌剤化学療法としても知られており、一方で、感染症を予防するための抗菌薬の使用は、抗菌予防として知られる。
ウイルスは、生物の生細胞の中だけで複製する小さな感染性因子である。ウイルスは、動物および植物から、細菌および古細菌を含む微小生物まで、全ての種類の生物形態に感染することができる。
抗ウイルス薬は、細菌性ではなくウイルス性の感染症の治療または抑制のために特に使用される、医薬の一種である。抗ウイルス剤の多くは、特定のウイルス性感染症に対して使用され、一方で、広域スペクトルの抗ウイルス剤は、幅広い範囲のウイルスに対して有効である。多くの抗生物質とは違い、抗ウイルス薬の多くは、その標的病原体を破壊しない;その代わり、それらはその複製および/または発達を阻害する。
抗ウイルス薬は、抗生物質(抗菌物質ともよばれる)、抗真菌薬および抗寄生虫薬、またはモノクローナル抗体をベースにした抗ウイルス薬も含む、より大きな群の抗菌剤の一種である。抗ウイルス剤の多くは、宿主に比較的無害であると考えられているため、感染症を治療または抑制するために使用することができる。これらは、医薬ではないが、身体の内側または外側にあるウイルス粒子を不活性にするまたは破壊する殺ウイルス剤とは区別されるべきである。天然の抗ウイルス剤は、ユーカリまたはオーストラリアのティーツリーなどのいくつかの植物から生成される。
本文脈で使用される場合、「抗菌剤」という用語は、微生物およびウイルスに対して有効な組成物を指す。その最も広い意味において、本明細書に記載の組成物の1つまたはそれ以上は、抗菌剤、例えば、抗菌物質または抗ウイルス剤、殺菌剤または殺ウイルス剤である。
本明細書で使用する場合、「約」または「およそ」という用語は、当業者により決定される特定の値に対する許容可能な誤差の範囲内を意味し、これは、値がいかに測定されるまたは決定されるか、例えば、測定システムの限界に部分的に依存する。
コポリマーF-127の食塩(生理的条件)水溶液のゲル境界線を示す図である。塗りつぶされた円は、混合物に対して管反転法により得られたデータ点である。塗りつぶされていない四角は、レオメトリー分析のデータ点である。このグラフは、生理食塩水中のプルロニック濃度が15%w/v未満では、温度に依存せずに流動体のままであることを明確に示している。流動性のプルロニック溶液は独立したミセルを形成するが、プルロニックミセルが集合して立方体のゲルになるには、濃度が十分でない。したがって、ミセル形成は可能だが液体のままで界面活性剤として作用する低い濃度のプルロニックは、生体表面の組織に優しい洗浄に望ましい可能性があるが、除菌に寄与する他の反応物質の添加により、ミセル形成が完全に妨害されることが予想される。 プルロニックと過酸化物の混合物による相乗効果を示す概略的な図面である。プルロニックとの相互作用の間に、過酸化物が活性酸素(ROS)を発生させ、微生物およびウイルスの核酸および膜を分解し、嫌気性菌を含む細菌およびウイルスを死滅させる。過酸化物はまた、プルロニックミセル溶解を促進するが、これは、プルロニックがミセル構造を形成する強い傾向により打ち消される。可溶化プルロニックとミセルプルロニックとの間の動的平衡により、汚れ、有機物、汚染物質のミセル構造への積極的な封入が可能になる。プルロニックハイドロゲルの液体で親水性の性質はまた、泡に邪魔されずに、ROSが皺および隙間に容易に接近することを促進する。さらに、プルロニックハイドロゲルは皮膚に潤いを与え、過酸化物から放出される酸素は創傷が治癒するのを助ける。ROSは、医療および歯科インプラントで最も広く使用されている金属の1つであるチタンを洗浄し再活性化する(表面を親水性にする)能力も有する。ROSの効果だけではこれらのプロセスに大きな影響を与えるには短すぎ、汚染物質を除去することも、潤いをもたらすこともできないだろう。安定なミセルのためには、プルロニック単独は汚染物質の封入にははるかに効果が低く、微生物を死滅させることもウイルス核酸を分解することもない。適切な濃度で混合することで、プルロニックミセル形成はより動的になり、湿潤および酸素添加は最適化され、過酸化物作用は延長されて増大し、必要となる表面で保たれる。 黄色ブドウ球菌細菌に汚染されたチタン表面を、増殖培地(BHI、陰性対照)、H 5%v/v+f-127 1%w/v(試験2)、H 5%v/v+f-127 7%w/v(試験4)、クロルヘキシジン 0.2%w/v+f-127 7%w/v(試験5)またはエタノール 75%v/v+f-127 1%w/vで洗浄した。陰性対照は、細菌を除去することも、また細菌を破壊することもなかった。過酸化物+プルロニック酸混合物は、全ての細菌を死滅させ、バイオフィルムを溶解し、残骸をほとんど完全に除去した(試験2および4)。試験4は、わずかに、しかし統計学的には有意ではなく、試験2よりも効果的であった。クロルヘキシジン(試験5)およびエタノール(試験6)は、ほとんどの細菌を死滅させたが、表面から残骸を除去せず、表面は激しく汚染されたままであった。洗浄後に走査型電子顕微鏡で表面を可視化した。スケールバーは20マイクロメートルである。 黄色ブドウ球菌細菌に汚染されたチタン表面を、A)生理食塩水(陰性対照)、B)クロルヘキシジン 0.2%w/v、またはC)H 3%v/v+f-127プルロニック酸5% w/vで洗浄した。洗浄後、生きている細胞は緑色に、死んでいる細胞は赤色に、表面を蛍光色素で染色した。陰性対照(生理食塩水)は、細菌を除去することも、また細菌を破壊することもなかった。クロルヘキシジンは、全ての細菌を死滅させたが、細菌は表面を汚染したままであった。過酸化水素+プルロニック酸混合物は、全ての細菌を死滅させ、バイオフィルムを溶解し、残骸をほとんど完全に除去した。洗浄および染色後に共焦点顕微鏡で表面を可視化した。 蛍光を発するようにするルシフェラーゼ遺伝子を保有する黄色ブドウ球菌細菌の、消毒したチタン表面での再増殖を示す図である。結果は、D)水と界面活性剤(SDS、0.1%)、E)水と5%プルロニック酸、およびF)生理食塩水は、洗浄後3~4時間以内にバイオフィルムの再増殖が起こったことから、消毒作用はほとんどなかったことを示す。一方で、クロルヘキシジン、0.2%は、全ての細胞を死滅させ、死滅したバイオフィルムは表面に接着して残ったものの、再増殖は観察されなかった(図3および4を参照されたい)。過酸化水素、5%v/v、単独(A)は、バイオフィルムが自己回復するまでに約13時間かかることからわかるように、表面をよく洗浄した。しかし、水中5%プルロニック酸と組み合わせた過酸化水素3%v/vは、表面を著しく良好に洗浄し、再増殖を、15時間を超えて遅らせた。 左右の親指を、A)プルロニック酸(5%w/v)および過酸化水素(3%v/v)の混合物、またはB)エタノールおよびプロパン-2-オールを含むAntibac Pharma(商標)で、それぞれ5日間連続で毎日4回消毒した。消毒期間後、両指を酸化鉄で着色し、亀裂およびひび割れを可視化した。Antibac Pharma(商標)で処置した親指では、亀裂およびひび割れが茶色の筋状の着色として容易に認識できるが、プルロニック-過酸化物製剤は、左指の皮膚に害を与えなかった。 指に実験用マーカーの永久インクの線で印をつけ、その後、様々な消毒/除菌溶液で洗い流し、皮膚から汚染物質を除去するそれらの能力を可視化した。指A)は、水だけで洗った。指B)は、温水および石鹸で洗った。指C)は、0.2%クロルヘキシジンで洗浄し、指D)は、Pyrispet(商標)(0.1%塩化セチルピリジニウム)ですすいだ。指E)は、Antibac Pharma(商標)(アルコール系消毒剤)で洗浄し、指F)は、漂白剤(4%次亜塩素酸ナトリウム)で洗浄した。指G)およびH)は、過酸化水素(それぞれ、水中1%および5%v/v)ですすいだ。指I)は、プルロニック酸水溶液(5%w/v)で洗った。指J)は、プルロニック酸(5%w/v)および過酸化水素(1%v/v)の混合物で消毒した。結果は、漂白剤および過酸化水素は、インク着色の除去には効果的であるが、最も効率的な洗浄は、プルロニック酸と過酸化水素の組合せにより得られることを示す。
例えば、口-喉頭または鼻腔の表面などの皮膚または粘膜を含むがこれらに限定されない、生体表面および/または生体材料表面を効果的に洗浄、殺菌、および/または消毒する、現在記載されている組成物に対する地域社会のニーズが長く感じられてきた。本明細書に記載の組成物のいずれか1つまたはそれ以上は、汚染物質残渣を残すことなく、本質的に細菌またはウイルスまたはその両方を、迅速かつ効果的に処理または阻害するのに有用である。
現在記載されている組成物は、水溶性で洗い流しやすく、組織に優しい非イオン性界面活性剤である。これらの組成物は、特に注射用途、経口用途および/または皮膚用途に適している、臨床での使用でよく研究されている活性成分の非毒性製剤を含む。本明細書で初めて記載された組成物は、臨床検査で非感作性および非刺激性であることが証明される。本明細書に記載の組成物は、生物付着および炎症に対して有用な他のほとんどの治療剤と適合性がある。
本明細書に記載の組成物は、室温で液体状態を有し、困難なく混合および塗布することができる。本組成物は、界面活性剤の効果により、皮膚および/または粘膜の狭い隙間、欠損部、および/またはひだに塗布すると、届きにくい場所に届くことを可能にする、流れやすい液体粘度を有する。
特定の理論または作用機序に拘束されることなく、本明細書に記載の組成物は、ヒト細胞によって生成される過酸化物からの活性酸素種(ROS)の自然放出を模倣することが企図される。反応性酸素の電荷は、微生物膜を破壊し、酸素自体も嫌気性菌には毒性がある。ヒト細胞それ自体は、その細胞膜の酵素によりROSから守られており、局所的な組織は、酸素の増加の恩恵を受けることができる。微生物は、細胞膜の設計が根本的に異なるため、そのような保護は持たず、また耐性もできない。したがって、本組成物は、バイオフィルム、残骸、およびミネラル沈着物を効果的に溶解し、ならびに、塗布部位の細胞外有機物を溶解することができる。
液体ハイドロゲルから放出される活性酸素を通じて、本明細書で提示された組成物の使用はまた、チタンを含むインプラント表面から炭素汚染を除去し、インプラントの二酸化チタン層を再活性化する。このプロセスにより、インプラントの本来の電荷および親水性が再確立され、最適な生体表面特性が回復される。これは、処理された前記インプラントのさらなる残存、またはうまく再建するための要因でもある。本組成物は、天然由来の酸素との相乗的に作用し、生物付着を分解して除去し、微生物を排除し、組織およびインプラントを保湿し、チタンインプラントの表面を再活性化する、高度なミセル形成ゲル製剤を提供する。
組成物のハイドロゲル成分および活性酸素が、相乗的に作用し、酸素放出による発泡を避け、活性化された酸素を表面の適所にとどめ、生物学的・化学的効果を延長させる。本明細書に示された組成物のいずれか1つまたはそれ以上の使用は、潤いを提供し、皮膚、組織および/またはインプラント表面を乾燥させるリスクなしに、帯電した酸素が作用することを可能にし、その間に活性酸素が微生物を根絶し、その後浮遊してミセル形成ハイドロゲルの内部に封入される。有機汚染物質の場合は、強力な界面活性剤効果により変性され、活性酸素により分解され、溶解されてハイドロゲルに封入される。ハイドロゲルおよび酸素の両方が炎症を低減し、組織の健康を支える。放出された活性酸素は、次に、細胞防御ネットワークを強化する。相乗作用で、ゲルおよび活性酸素は両方が汚染物質を除去し、抗菌剤および殺ウイルス剤として作用し、チタンインプラントの表面を再活性化する。プルロニックミセル形成と過酸化物の相互作用により、ミセル形成が増強され、洗浄効果が著しく増大する。
現在記載されている組成物は、生体表面および/または生体材料表面をインサイチュで効果的に洗浄、消毒、滅菌、および/または創傷清拭するための、残骸および微生物の可溶化および封入するための改良されたミセル動態を有する、強力で、抗菌性で、殺ウイルス性で、非イオン界面活性剤の特性を有する生体適合性ハイドロゲル-過酸化物の組合せの新規組成を提供する。タオル、ワイプ、または水により容易に洗い流されるが、自然乾燥させて水、酸素、および二酸化炭素に完全に分解することもできる。
現在開示されている組成物は、皮膚、粘膜、および/またはインプラント表面を洗浄、消毒、滅菌、および/また殺菌する、新規で改良された手法を提供する。特定の代替案では、例えば、本明細書に記載の組成物のいずれか1つまたはそれ以上は、洗口剤および/または鼻洗浄剤に組み込まれ、これらの製剤は、口腔および/または鼻腔疾患(例えば、う蝕、歯周炎、歯肉炎、粘膜炎、インプラント周囲炎、副鼻腔炎、および/または鼻炎)を予防、治療、抑制、または改善するために使用することができる。追加の代替案では、前記洗口剤および/または鼻洗浄剤は、細菌性感染症またはウイルス性感染症、例えば、ヒトなどの対象の口腔粘膜または鼻腔粘膜におけるSARS-CoV-2を抑制する方法で使用することができる。
本明細書に示された望ましい製剤は、得られる組成物が生理的温度で水様の液体形態となるような濃度の過酸化水素(H)とプルロニック酸との組合せに基づく。組成物のH成分は、使用直前に混合するための別個のバイアル内の濃縮物(少なくとも10~50%v/vの濃度)の形態とするか、またはエマルジョンとして提供するもしくはハイドロゲルに直接溶解することができ、前記ハイドロゲルは、少なくとも部分的にプルロニック酸および水および/または生理食塩水からなり、典型的な最終濃度は0.5~7%である。プルロニック成分自体は、プルロニック酸、例えば、F-127種のいずれか1つまたはその組合せであり得る。プルロニック酸の濃度は、典型的に0.1~10%w/v、例えば0.1~7%w/v、例えば0.1~2.5%w/vである。すなわち、本明細書に記載の組成物のいずれか1つまたはそれ以上のプルロニック酸の濃度は、前述の割合の任意の2つにより定義される範囲内である、0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、または10%w/v(またはパーセントw/v)以上であり得る。
プルロニック酸は、本明細書に開示される組成物において、可溶化剤および界面活性剤の両方として、ならびに保湿剤として作用する。過酸化物の存在下では、ハイドロゲル配合物は動的なミセル形成溶液を確立する。この動的な状態により、洗浄手順中に、粒子、微生物、および汚染物質を効率的に可溶化し封入することが容易になる(例えば、図2を参照されたい)。
本技術革新は、プルロニック酸と過酸化物の相乗効果に基づくものである。プルロニック酸は、ミセルを形成する能力を有する。この能力は、通常、温度の上昇とともに増大し、生理的条件下(例えば、>摂氏20度)ではゲルの状態へと移行する。過酸化物の添加により、プルロニック酸は、生理的温度でも液体状態を保つことが可能になる。
本発明者らは、過酸化水素と混合したとき、高温下であってもミセルがより動的で安定性が低く、過酸化物ラジカル活性と「動的」平衡にあることを初めて開示する。実際には、過酸化物の存在下では、ミセル構造は常に分解され再形成し、ゲルをヒトの組織、皮膚、および/または粘膜に塗布したときも同様であることを意味する。この効果により、ハイドロゲルは高温でも液状を保ち、プルロニック酸の界面活性剤効果、変性効果、および封入効果を著しく増大させる。
過酸化水素がウイルス粒子、微生物、壊死組織に遊離酸素ラジカルを放出する効果と相まって、ミセル転移が有機汚染を溶解して封入し、その後ゲルが乾燥する、拭き取られる、または洗い流されるときに除去される。
望ましくは、本明細書に記載の組成物中のプルロニック酸への過酸化水素の添加は、ゲル化が起こる温度を上昇させ、例えば、低濃度の過酸化物を含むプルロニック酸は、室温で液体であり、よって注射針を通して、またはノズルを詰まらせずにディスペンサーボトルから塗布することができることである。プルロニック酸は、狭い区画および/またはディスペンサーのノズルの「蒸気の前面(vapor front)」にあるとき、低濃度であっても、室温で既に安定した「詰まったミセル」のゲルを形成し始めるため、注射器の狭い先端、またはディスペンサーボトルからの塗布具を通して押し出すのが困難であることから、プルロニック酸単独では、これは不可能である。創傷ケアのためのプルロニックゲルは、したがって、箱またはチューブ入りのゲルとして販売される。過酸化物とプルロニック酸との組合せによる効果の増大は、予想外で驚くべきことであった。
過酸化物との組合せのプルロニックハイドロゲルの液体製剤はまた、塗布の間手助けをする。プルロニックゲルは、生理的温度では粘性を持つゲル形成性質であるため、プルロニックゲル単独では到達することのできないひだ、皺、隙間、亀裂、狭い空間および/または添窩に、洗浄および/または消毒組成物が到達することを可能にする。したがって、粗い(インプラントの)表面、皮膚および粘膜のひだ、亀裂、および皺ならびに歯間などの狭い空間の洗浄により有効である。
組成物
本発明の態様は、生体表面および/または生体材料表面をインサイチュで洗浄、消毒、滅菌、殺菌および/または除菌するために使用することができる、新規の抗菌性および/または抗ウイルス性組成物に関する。いくつかの代替案では、前述の組成物は2つの成分:
a.0.1~7%v/vの最終濃度のH、および
b.0.1~10%w/vの濃度のプルロニック酸の複合ハイドロゲル配合物
を含む。
前述の組成物のいくつかでは、Hの最終濃度は、前述の割合の任意の2つにより定義される範囲内である、0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%,6.0%、6.5%または7.0%w/v(またはパーセントw/v)以上である。前述の組成物のいくつかでは、プルロニック酸の最終濃度は、前述の割合の任意の2つにより定義される範囲内である、0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%または10%w/v(またはパーセントw/v)以上である。
好ましくは、前記組成物は、生理的温度、例えば最大で40℃の温度、例えば20~40℃の温度、例えば37℃、例えば20、22、24、26、28、30、32、34、36、38もしくは40℃、または前述の温度の任意の2つにより定義される範囲内の温度で液体のままであるように製剤化される。
現在開示されている組成物のいくつかは、低濃度のプルロニック酸を含み、これは組成物が高温でゲル状態ではなく液体状態であることを可能にし、それは、組成物にとって、生体表面および/または生体材料表面をインサイチュで洗浄、消毒、滅菌、殺菌、および/または除菌するために使用できるものとなる望ましい性質であることを特徴とする。特に、ハイドロゲルの液体状態は、組成物が、手指消毒剤、手洗い洗浄液、口腔洗浄液、ならびに/または鼻および/もしくは副鼻腔洗浄溶液に、特に、皮膚および粘膜のウイルスを洗い流すために組み込まれる際に望まれるものである。
現在開示されている組成物は、少なくとも2つの成分(a)および(b)を、組成物が生理的温度でより粘性の高い状態またはゲル様の状態ではなく、液体状態であるような比率で含む。成分(a)と成分(b)の濃度の典型的な比率は、およそ1:1(Hの濃度:プルロニック酸の濃度)である。一般に、プルロニック酸の濃度が高いほど、25~40℃の温度で組成物を液体状態に保つために、より高い濃度のHが必要とされる。しかし、過酸化物の濃度が高すぎると、プルロニック酸の両親媒性特性が破壊されてミセル形成が妨害され、界面活性剤および/または脱飽和剤として使用できなくなる。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の一代替案では、成分(b)の複合ハイドロゲル配合物は、0.1~10%w/vの濃度、例えば10%w/vの濃度、例えば0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9または9.5%w/vまたは前述の濃度の任意の2つにより定義される範囲内の量のプルロニック酸を含む。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の別の代替案では、成分(b)の複合ハイドロゲル配合物は、最大で10%w/vの濃度、例えば最大で0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9または9.5%w/vまたは前述の濃度の任意の2つにより定義される範囲内の量のプルロニック酸を含む。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、成分(a)のHが0.1~7%v/v、例えば0.5~3%v/v、例えば0.1~5%v/vの最終濃度を有する組成物であり得る。一実施形態では、成分(a)のHは、7%v/v以下、例えば0.1~7%v/v、例えば1、2、3、4、5、6または7%v/vの最終濃度を有する。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、水および/または生理食塩水をさらに含むことができる。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の2つの成分は、1つの溶液であることができ、または少なくとも2つの成分は、同時に混合して生体表面および/または生体材料表面にインサイチュで塗布することができるように、互いに分離した状態で維持することができる。
塗布前に成分が互いに分離した状態で維持される本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物では、別個の成分(a)は、少なくとも10~50%v/vの濃度、例えば最大で10、20、30、40または50%v/vのHを含む組成物であり得る。一代替案では、本発明の組成物は30%v/vの濃度のHを含む。
乳化剤および/または粘度調整剤
いくつかの代替案では、本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、1つまたはそれ以上の乳化剤および/または粘度調整剤をさらに含む。前記乳化剤および/または粘度調整剤は、グリセリン、グリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー(プルロニックポリオール)、ポリグリコールアルギネート(PGA)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、グリセリン、アロエベラゲル、アルギネート、ヒアルロン酸(HA)、およびキトサン、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択してもよい。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、スズ酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、オキシン、およびSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択される1つまたはそれ以上の界面活性剤を含んでもよい。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、1つまたはそれ以上の香料または香味油、例えば、限定するものではないが、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、ササフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マジョラム、シナモンおよびサリチル酸メチルまたはメントールの香料および油またはこれらの任意の組合せをさらに含んでもよい。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、1つまたはそれ以上の弱酸性緩衝剤をさらに含んでもよい。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、1つまたはそれ以上の安定化剤、例えば、限定するものではないが、オルガノホスフェート、カルボン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、コロイド状スズ酸塩、またはクエン酸ナトリウム、またはこれらの任意の組合せをさらに含んでもよい。
生物活性物質
代替的に、または追加的に、本発明による組成物の1つまたはそれ以上は、典型的にはEMD、ペプチド、薬物、生物活性イオン、小分子、放射性分子、抗菌分子、および放射線不透過性分子、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択される、生物活性物質を含むことができる。
洗浄成分および抗菌性物質
さらには、本発明による組成物の1つまたはそれ以上は、追加の抗菌性物質および/または洗浄成分を含むこともできる。
本文脈では、本発明による組成物の1つまたはそれ以上に提供される追加の抗菌性物質は、アモキシシリン、ドキシサイクリン、セファレキシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、メトロニダゾール、アジスロマイシン、スルファメトキサゾール、およびトリメトプリム、またはこれらの任意の組合せからなる非排他的リストから選択することができる。
一態様では、本発明による組成物の1つまたはそれ以上に提供されるさらなる抗菌性物質は、アルコール、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、マクロライド、ペニシリン(安定化)、クロルヘキシジン、クロラミンまたはこれらの混合物である。
一態様では、本発明による組成物の1つまたはそれ以上は、追加の抗ウイルス性物質を含む。
一態様では、本発明による組成物の1つまたはそれ以上は、抗炎症性、消炎性、凝固性、麻酔性および/または鎮痛性の追加の薬剤または物質を含む。
一態様では、本発明による組成物の1つまたはそれ以上は、1つまたはそれ以上の予防薬および/または抗う蝕剤、例えば、限定するものではないが、フッ化水素、フッ化ナトリウム、またはフッ化第一スズ、またはこれらの任意の組合せを含む。
室温(RT)で少なくとも1年の貯蔵期間
一態様における本発明による組成物は、室温(RT)で少なくとも1年の貯蔵期間を有する。
キット
本発明の態様はまた、本明細書に記載の組成物を含むキットであって、前記分離した成分(a)および(b)をそれぞれ含む少なくとも2つの容器、注射器およびバイアル、連結デバイス、塗布具の先端、および説明書、ならびに場合により混合デバイスおよび洗浄用具、例えば、限定するものではないが、ブラシを含むキットに関する。前記キットは、2つの成分(a)および(b)を二室式容器兼用注射器で提供することができ、この場合、キットは、説明書、混合デバイス、塗布具の先端および洗浄用具、例えば、限定するものではないが、ブラシおよび/またはワイプをさらに含むことができる。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、塗布および最終的な保存の前に混合することができ、または別々に保存して塗布の時に直接、もしくは塗布の直前に、および/もしくは塗布の時に混合することができる。本出願はしたがって、別の態様において、成分(a)を含む第1の容器、成分(b)を含む第2の容器、および場合により、成分(c)、(d)、(e)などを含む少なくとも1つ以上の(第3のまたは第4のなどの)容器を含むキットを対象とするものであり、これは、例えば紙および/または綿のワイプ、例えば、限定するものではないが、ウェットワイプ、微粒子、および/またはメッシュ形成物質および/または追加の抗菌性物質および/または抗ウイルス性物質を含むことができる。
場合により、そのようなキットは、本発明の組成物の調製のための説明書を含むこともできる。キットは、組成物の対象への塗布のための1つまたはそれ以上のそれ以上のデバイスを含むこともできる。そのようなデバイスは、例えば、ディスペンサーボトル、ブリスターパック、二重ブリスターパック、注射器および/または、口腔内などのインプラントを洗浄および/または消毒するためのインプラント洗浄用具および/または消毒用具であってもよい。
本発明のキットは、1つまたはそれ以上の容器内の本明細書に記載の組成物の1つまたはそれ以上、および、口腔内のインプラントの洗浄および/または除菌のためのインプラント洗浄用具および/または消毒用具を含むこともできる。
現在好ましい態様では、本発明の組成物を含むキットは、典型的には、2つの成分(a)および(b)を、塗布前および/または塗布中に成分を容易に混合することを可能にする二室デバイスで提供する。典型的には、そのようなデバイスは、二室式容器兼用注射器、二室ポンプアクションディスペンサーボトル、二重ブリスター(ブリスターインブリスター)パック、または塗布前に力によって破壊するための、過酸化物を含む別のブリスターを含むウェットワイプブリスターであり得る。
キットは、ブリスターパックなどの容器および/または本発明による組成物を塗布するための消毒ワイプなどのティッシュをさらに含むことができる。
使用
現在開示されている組成物は、生体表面および/または生体材料表面のインサイチュでの洗浄、消毒、殺菌、および/または滅菌における使用が意図されている。
本発明の一態様では、本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、生体表面および/または生体材料表面のインサイチュでの滅菌、殺菌、および/または消毒における使用のためのものである。
したがって、本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、典型的には、皮膚および/または粘膜を微生物から洗浄、滅菌、殺菌、および/または消毒するために使用される。
特に、本発明による組成物により死滅するまたは除去される微生物は、リボウィリア、特にコロナウイルス科(例えば、Sars-Cov-2)、またはオルトコロナウイルス亜科からなる非排他的群から選択されるなどの、細菌およびウイルスからなる群から選択される。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、手、顔、または口腔もしくは鼻腔を含む皮膚および/または粘膜などからコロナウイルスを死滅させるおよび/または除去するのに特に好適である。
本発明は、したがって、現在好ましい態様において、本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の、手洗い洗浄液、口腔洗浄液、歯洗浄液、鼻腔および/または副鼻腔洗浄液としての塗布、および/または皮膚および粘膜からウイルスを洗い流すための塗布にも関する。
本発明は、したがって、現在好ましい態様において、本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の、手指消毒剤、洗口剤、副鼻腔洗浄剤、鼻洗浄剤、および/または消毒ワイプとしての塗布にも関する。
現在開示されている組成物は、インプラント周囲欠損における塗布にも有用であり、製剤は、限定するものではないが、口腔感染症の治療および予防、口腔および/または鼻腔の健康維持、ならびに皮膚、粘膜、および/または口-喉頭および/または鼻腔への術後フォローアップ投与などの様々な臨床処置に適合するように調整することができる。
現在開示されている組成物は、他の口腔内処置、例えば、歯周欠損の外科的洗浄時、再生処置前の準備、歯周維持処置、歯周炎予防(歯科衛生士による)、ならびに根管処置および根尖手術の両方の歯内療法のために使用することもできる。
さらには、現在開示されている組成物は、口腔外の洗浄および/または創傷清拭、例えば、限定するものではないが、整形外科的修正手術、経皮デバイスの消毒、急性創傷の洗浄のための皮膚創傷ケア、および/または慢性潰瘍および火傷の洗浄のためにさらに使用することができる。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、典型的には、インプラント周囲炎、歯肉炎および/もしくは粘膜炎、インプラント周囲粘膜炎および/もしくは歯周炎の治療および/もしくは予防における使用、または接触感染症に対する口腔の消毒、または口腔外科処置前に用いることができる。
インプラント周囲炎は、インプラントの使用による口歯リハビリテーションの典型的な合併症であり、例えば、インプラントの骨支持の喪失を伴う口腔内微生物に対する炎症反応として当業者によく知られているインプラント周囲疾患である。この疾患の病因は、インプラント周囲の組織の状態、インプラントのデザイン、粗さの程度、インプラントの構成部分の整合性の悪さ、外部の形態、および過度の機械的負荷により条件づけられる。
現在記載されている抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、インプラント表面および/または組織表面自体の繊細な構造を本質的に損傷することなく、処置した表面に汚染物質残渣を本質的に残すことなく、インプラントの効果的かつ迅速な洗浄および/または口腔内の組織表面を消毒または除菌するためのいくつかの手法を提供する。
本発明は、したがって、一態様において、医療デバイスまたは医薬としての使用のための、本明細書に定義される抗菌性および/もしくは抗ウイルス性組成物、ならびに/または本明細書に定義される組成物を調製するためのキットを対象とする。
したがって、本発明は、口腔内のインプラント、例えば、インサイチュのインプラント、口腔内の組織表面、例えば、口腔内の組織の外側の表面、口腔内の外科的に露出した表面、口腔内の創傷、例えば、インプラント周囲炎から生じる創傷もしくは外科的創傷、歯周欠損および/もしくは歯周創傷、ならびに/または口腔内硬組織欠損を、洗浄および/または消毒および/または除菌するための、本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物の使用に関する。
インプラント
本発明は、口腔内のインプラント、例えば、インサイチュのインプラント、口腔内の硬い表面、例えば、口腔内の硬組織の外側の表面、口腔内の外科的に露出した硬い表面、口腔内の創傷、例えば、インプラント周囲炎から生じる創傷もしくは外科的創傷、歯周欠損および/もしくは歯周創傷、ならびに/または口腔内硬組織欠損を、洗浄および/または除菌するための、医薬および/または医薬組成物および/または化粧品組成物を調製するための、本明細書に定義される抗菌性および/もしくは抗ウイルス性組成物の使用ならびに/または本明細書に定義される本発明の組成物を調製するためのキットにも関する。
本発明は、口腔内のインプラント、例えば、インサイチュのインプラント、口腔内の硬い表面、例えば、口腔内の硬組織の外側の表面、口腔内の外科的に露出した硬い表面、口腔内の創傷、例えば、インプラント周囲炎から生じる創傷もしくは外科的創傷、歯周欠損および/もしくは歯周創傷、ならびに/または口腔内硬組織欠損の、洗浄、消毒、殺菌、滅菌、および/または創傷清拭における使用のための、本明細書に定義される抗菌性および/もしくは抗ウイルス性組成物または本明細書に定義される本発明の組成物を調製するためのキットも対象とする。
口-喉頭および鼻腔への医療的塗布
歯科および耳鼻咽喉科では、鼻洗浄剤および洗口剤は、処置中の微生物負荷を低減するために、または感染を処置するために、術前・術後に使用される。口-喉頭粘膜および鼻腔粘膜へ感染すると、粘液が形成され、副鼻腔に充満して、鼻詰まりならびに舌、扁桃、歯、および歯肉への微生物の蓄積を引き起こす。本発明は、口腔、喉頭、および/または鼻腔の解剖学的構造および/または表面の殺菌および洗浄のための洗口剤、鼻洗浄剤、および/または副鼻腔洗浄剤としての使用のための、本明細書に定義される抗菌性および/または抗ウイルス性組成物も対象とする。
微小生物
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、一般に、生体表面および/または生体材料表面のインサイチュでの洗浄、殺菌、消毒、および/または除菌における使用、例えば、細菌、酵母、および細菌芽胞を含むがこれらに限定されないウイルス、微生物、および汚れの、そのような生体表面および/または生体材料表面からのインサイチュでの除去における使用が意図されている。
本開示の組成物により予防、除去、および/または処置することができるバイオフィルムとしては、口腔内、例えば、歯の表面、歯肉/歯周組織などの粘液/柔組織の表面、および歯の管の内部(例えば、歯内管)に存在するバイオフィルム、が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本開示の組成物により予防、除去、および/または処置することができるバイオフィルムとしては、尿路、肺、消化管、慢性創傷上および/または内部、ならびに医療デバイスおよび医療用ライン、例えば、カテーテル、医療機器、または医療用チューブの表面(例えば、インプラント)および内部に存在するバイオフィルムが挙げられる。
本開示の組成物は、1つまたはそれ以上の微小生物、例えば、バイオフィルム中の細菌の増殖を低減し、生存能力を抑制するために使用することができる。例えば、限定するものではなく、抑制することができる細菌としては、ストレプトコッカス・ミュータンス(S.ミュータンス)、ストレプトコッカス・ソブリナス、ストレプトコッカス・サングイス(Streptococcus sctnguis)(サングイニス)(sctnguinis)、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ストレプトコッカス・オムリス(Streptococcus omlis)、ストレプトコッカス・ミティス、アクチノマイセス・オドントリティカス、アクチノマイセス・ビスコーサス、Aggregcttibctcter ctctinomycetemcomitctns、Ictctobctcillus spp.、ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディア、バクテロイデス・フォーサイサス(Bacteroides forsythus)、トレポネーマ・デンティコラ、フソバクテリウム・ヌクレアタム、カンピロバクター・レクタス、エイケネラ・コローデンス、ベイロネラ属種、ミクロモナス・ミクロス、ポルフィロモナス・カンジンジバリス、ヘモフィルス・アクチノミセテムコミタンス(Haemophilus actinomycetemcomitans)、アクチノミセス属種、バチルス属種、マイコバクテリウム属種、フソバクテリウム属種、ストレプトコッカス属種、黄色ブドウ球菌、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクチア、プロテウス・ミラビリス、肺炎桿菌、アシネトバクター属種、エンテロコッカス属種、プレボテラ属種、ポルフィロモナス属種、クロストリジウム属種、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、P.カンジンジバリス、カンジダ・アルビカンス、大腸菌、および/または緑膿菌が挙げられる。特定の実施形態では、細菌は、口腔内、例えば、歯の表面にみつかるバイオフィルム中に存在するS.ミュータンスである。
インプラントの不具合に最もよく関連する微小生物は、スピロヘータおよび移動型のグラム陰性嫌気性菌である。歯肉の色の変化、出血、およびインプラント周囲ポケットの深さの調査、化膿、エックス線、および歯の周囲の骨の高さの漸進的な損失を基に診断をすることができる。アンチバイオグラムで最も効果的であることが証明されている抗生物質療法は、これまでのところ、アモキシシリンおよびクラブラン酸の併用である。細菌感染に加えて、口腔内の微生物感染には真菌および/またはウイルス感染も当然含まれる。
本発明による抗菌性および/または抗ウイルス性組成物は、細菌、真菌および/またはウイルスを死滅させるのに有効である。
典型的には、本発明による組成物は、皮膚および/または粘膜のウイルス、例えば、限定するものではないが、リボウィリア、例えば、コロナウイルス科、例えば、オルトコロナウイルス亜科、およびオルトミクソウイルス科、例えば、インフルエンザA、B、C、ならびにDウイルス、アルボウイルス、およびイサウイルス、および例えばロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、痘瘡ウイルス、パルボウイルス、エボラウイルス、麻疹ウイルス、または狂犬病ウイルスからの洗浄における使用のためのものである。
現在好ましい態様では、本発明による組成物は、皮膚および/または粘膜のコロナウイルスまたはインフルエンザウイルスからの洗浄における使用のためのものである。
さらには、本明細書に記載の組成物は、微生物耐性を引き起こすことなく、抗菌性であり、ならびに抗ウイルス性である。
結果として、本発明は、接触感染症、感染症、歯肉炎および/もしくは粘膜炎、インプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎、歯周炎、う蝕、ならびに/または副鼻腔炎および鼻炎を洗浄、消毒、治療および/または予防するための方法であって、本発明による組成物を、前記の汚れた、被膜のある、および/または汚染された構造、組織、または表面に塗布することによる、生体表面および/または生体材料表面のインサイチュでの洗浄を含む、方法に関する。
以下の実施例は、現在開示されている主題の代表的な実施形態を実施するための指針を、当業者に提供するために含まれている。本発明および当技術分野の技術の一般的なレベルを考慮すると、以下の実施例は、例示的であることのみが意図されており、多数の変更、修正および改変を、現在開示されている主題の範囲から逸脱することなく採用することができることを当業者は理解することができる。
過酸化物の存在下でのプルロニックのミセル形成の分析
水溶液中に加えられたPluronic(登録商標)F-127は、濃度および温度に依存してその粘稠性を変化させることができる。F-127は、分子量12500ダルトンの、非イオン性界面活性剤ポリオールである。
図1からわかるように、コポリマーF-127の食塩(生理的条件)水溶液のゲル境界線。塗りつぶされた円は、混合物に対して管反転法により得られたデータ点である。塗りつぶされていない四角は、レオメトリー分析のデータ点である。このグラフは、生理食塩水中のプルロニック濃度が15%w/v以下では、温度に依存せずに流動体のままであることを明確に示している。流動性のプルロニック溶液は独立したミセルを形成するが、プルロニックミセルが集合して立方体のゲルになるには、濃度が十分でない。したがって、ミセル形成は可能だが液体のままで界面活性剤として作用する低い濃度のプルロニックは、生体表面の組織に優しい洗浄に望ましい可能性があるが、除菌に寄与する他の強力な反応物質の添加により、ミセル形成が完全に妨害され、したがって望まれる界面活性剤効果および変性効果が消失することが予想される。
過酸化物のPluronic f-127ゲルへの添加
水中の低濃度のプルロニックf-127を様々な抗菌剤(図3を参照されたい)と混合したときに、ミセル形成(発泡および油を溶解する能力によって可視化される)を依然として得ることができるかどうかを調べるために、幅広い範囲の過酸化物濃度の過酸化水素を試験した(表1)。
ポロキサマー水溶液を作るのに使用した方法は単純である。秤量したf-127を、既知重量の冷水(10℃未満)に注意深く攪拌しながらゆっくりと加えた。撹拌速度は、液体中にわずかな渦を維持するように制御するべきである。撹拌速度が速すぎると、空気混和および泡立ちの原因となる。
Figure 2023518701000002
表1:水中5%プルロニック酸F-127(Sigma Aldrich)およびある範囲の過酸化水素(Sigma Aldrich)を含む懸濁液の組成物。f-127を冷水中に溶解した後、適量の過酸化水素を加え、発泡しないように注意しながら管を反転させて混合し、溶液を室温で10分間実験台上に放置した。ポリマーを全て加えたら、透明な溶液になるまで(溶液を冷却しながら)撹拌を続ける、または容器を冷蔵庫に入れて数時間静置すると、溶液が完成した。Hは、実験開始時に数秒間軽く撹拌して混合した。
Figure 2023518701000003
表2:インキュベーション後、全ての溶液は依然として液体であり(予想通りゲル形成なし)、ボルテックスし、泡を形成する能力(界面活性剤効果の簡易測定として)を0(泡なし)から3(多くの泡)までの尺度で採点した。予想通り、試料0が最大得点を示し、過酸化水素の添加により低濃度および高濃度で発泡が抑制された。予想に反して、発泡の抑制に直線性は見られなかった。実際、試料2から4は、対照と同程度に高い得点を示し、これらの試料ではミセル形成および界面活性剤効果が保持されていることが示された。次に、針先からの油滴(オイルレッド(Sigma Aldrich)で着色した鉱油)を、溶液が、濁る前に何滴吸収することができるかについて、試料を試験した。濁りは、油滴が光を散乱させるほど大きくなったマクロエマルジョンの兆候である。陽性対照である試料0は、濁る前に7滴の油滴を吸収した。陰性対照である試料7は、最初の油滴で濁った。しかし、これらの極端の間で期待される直線性は観察されなかった。驚くべきことに、試料2(0.5%過酸化物)および3(1.0%過酸化物)は、濁りが観察される前に、実際のところ、陽性対照よりもほぼ2倍多い液滴を吸収した。これは、低濃度(=液体溶液)でのプルロニックf-127ミセル形成は、0.5~1.5容量%(f-127の5%w/v溶液中)の範囲の低濃度の過酸化水素の存在下で、より効率的かつ動的であることを示している。
過酸化物と組み合わせたプルロニック酸の生体適合性試験
試験手順:
生体適合性試験は、ISO 10993-5:2009 医療機器の生物学的評価第5部:インビトロ細胞毒性試験に従って実施した。
MTT、WST-1、またはLDHのような比色アッセイ法は、過酸化物懸濁液がこれらのアッセイ法で使用される指示薬の色を分解するため、使用することができないため、使用しなかった。その代わりに、[H]チミジン取込みによる放射性標識を使用して、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)(Lonza Walkersville,Inc.Walkersville、MD、USA)に対するプルロニック-過酸化物溶液の細胞毒性を分析した。
試験したハイドロコロイドゲル(SilvaSorb(登録商標)ゲル、Medline Industries、Munedelein、IL)およびプルロニック-過酸化物ゲル(水中20%プルロニックf-127と3%過酸化水素)の粘性のため、試験試料を細胞培養培地に希釈することができなかった。NHDF細胞は表面特性を欠くため、ゲル上で直接増殖することもまたできなかった。この問題を克服するために、NHDF細胞を、細胞培養培地に対して1:1に希釈した試験ゲルを含むウェルに挿入した細胞培養用インサート(Millicell(登録商標)、Millipore Corp.、Billerica、MA、USA)上で増殖させた。NHDF細胞は、ダルベッコPBS細胞培養培地(FGM(登録商標)-2とインスリン(CC-4021J)、rhFGF-B(CC-4065J)、およびFBS(CC-4161J)、Lonza Walkervill、MD USA)を用いて、24ウェルプレートで、37℃、5%COで24時間培養した。試験物質または対照(ゲルなしおよびゼラチンゲル)の存在下で24時間増殖後、H-チミジン(PerkinElmer、Boston、USA)0.5μLを、細胞を含むウェルに加えた。チミジンに12時間曝露した後、細胞を冷えたPBSで3回洗い、1MのNaOH 250μLで溶解させた。それから、可溶化した細胞溶液200μLを、Insta-gel-2-Pluss液体シンチレーション液3mlに移した。その後、液体シンチレーション分析装置(TRI-Corb(登録商標)1500 Perkin Elmer)で、シンチレーションを計数した。
結果および結論:プルロニック-過酸化物溶液に曝露した試料と対照との間にカウント数の差は観察されず、これらの試験ゲルの存在下で、NHDF細胞は通常の速度で増殖したことが示された。過酸化水素含有プルロニック酸ゲルは、安全で生体適合性がある。SilvaSorbゲルは、科学文献でも繰り返し報告されているように、このゲルの存在下でカウント数の顕著な減少(細胞増殖が遅いことを示す)を示し、このゲルがNHDF細胞にわずかに毒性を有することが示された。
過酸化物を含む液体プルロニックf-127溶液の化学的洗浄効能
以下の洗浄溶液:
陰性対照 ブレインハートインフュージョンブロス(BHIブロス)
試験1 H 3%v/v+f-127 1%w/v
試験2 H 5%v/v+f-127 1%w/v
試験3 H 3%v/v+f-127 7%w/v
試験4 H 5%v/v+f-127 7%w/v
試験5 クロルヘキシジン 0.2%w/v+f-127 7%w/v
試験6 エタノール 75%v/v+f-127 1%w/v
を試験した。
実験セットアップ:
黄色ブドウ球菌細菌の保存培養物をBHIブロスで確立し、対数期まで増殖させた。
黄色ブドウ球菌培養物をc.p.チタン(c.p.titanium)の細胞培養ディスクに導入し、2日間かけて表面上に多層バイオフィルムを形成させた。バイオフィルムが形成された後、ディスクを、表面に付着細胞のみが存在するまで、滅菌した冷えたPBSで数回すすいだ。
ディスク全体が試験ゲルに常に覆われていることを確認しながら、バイオフィルム付きのディスクを試験ゲルまたは対照に5分±5秒間浸した。その後、ディスクを振とう機上で冷えたPBSで10分間すすぎ、洗い流した後、卓上型走査型電子顕微鏡で観察し、試験表面にどれだけ多くの細菌が残っているかを確認した。
結果および結論:
この実験により、H濃度の増加、およびプルロニックf-127濃度の増加により洗浄効能が多少向上することが示された。しかし、試験1と試験4の差は驚くほど小さく、4つの試験全てが非常に良好に機能し、表面にはほとんど細菌が残らなかったため、統計的に有意ではなかった。陰性対照は、予想通り、PBS洗浄の効果はなく、完全に細菌に覆われていた。陽性のクロルヘキシジンおよびエタノールの対照は、驚くべきことに効果がなかった。これら2つの群では、ほとんど全てのバイオフィルムが表面に保持されていた。その後、これらの表面から細菌を再増殖させて分析したところ、これら2つの試験で全ての細菌は死滅していたが、バイオフィルムの大部分は表面に付着したままであり、新たな汚染が発生した場合に、新しいバイオフィルム形成の強力な足がかりを提供する汚染された層を形成していることが明らかになった。
この研究の驚くべき発見は、細菌を死滅させるだけでなく、バイオフィルム全体を崩壊させ可溶化し、ほぼ完全に除菌された表面を残していることは、過酸化水素とプルロニックf-127の相乗効果であるようだということである(図3)。過酸化物およびプルロニックの濃度は、より強い溶液と比較して大きな効果を失うことなく、1%プルロニック酸中3%過酸化水素まで下げることができた。これはまた、過酸化水素とプルロニック酸の相乗作用は、微調整することができ、迅速かつ動的なミセル(界面活性剤および変性)効果を可能にすると同時に、微生物を死滅させ有機分子を溶解する活性化された酸素の放出の効力を維持する最適濃度相関をおそらく有することを示している。この最適な製剤は、過酸化物およびプルロニックの両方の濃度が、この成分を一緒に混合したときに、別個の成分の効果に基づいて予想される濃度よりも、より低いように思われる。
図3に示すように、黄色ブドウ球菌細菌に汚染されたチタン表面を、増殖培地(BHI、陰性対照)、H 5%v/v+f-127 1%w/v(試験2)、H 5%v/v+f-127 7%w/v(試験4)、クロルヘキシジン 0.2%w/v+f-127 7%w/v(試験5)、またはエタノール 75%v/v+f-127 1%w/vで洗浄した。陰性対照は、細菌を除去することも、また細菌を破壊することもなかった。過酸化物+プルロニック酸混合物は、全ての細菌を死滅させ、バイオフィルムを溶解し、残骸をほとんど完全に除去した(試験2および4)。試験4は、わずかに、しかし統計学的には有意ではなく、試験2よりも効果的であった。クロルヘキシジン(試験5)およびエタノール(試験6)は、ほとんどの細菌を死滅させたが、表面から残骸を除去せず、表面は激しく汚染されたままであった。洗浄後に走査型電子顕微鏡で表面を可視化した。スケールバーは20マイクロメートルである。
除菌された表面の生菌および死菌の染色
黄色ブドウ球菌細菌に汚染されBHIブロスでバイオフィルムまで増殖させたチタン表面を、増殖培地から取り出し、低速振とう機上で消毒溶液に5分間浸した。ディスクを、A)生理食塩水(陰性対照)、B)クロルヘキシジン 0.2% w/v、またはC)H 3%v/v+f-127プルロニック酸 5%w/vで消毒した。洗浄後、表面を蛍光色素で染色し、生きている微生物は緑色に、死んでいる微生物は赤色とした。陰性対照(生理食塩水)は、微生物を全く除去せず、バイオフィルムもまた除去しなかった。クロルヘキシジンは全ての微生物を死滅させたが、死んでいる細胞が表面を汚染したままであった。過酸化水素+プルロニック酸混合物は、全ての微生物を死滅させ、バイオフィルムを溶解し、汚染をほとんど完全に除去した。洗浄および染色後、表面を共焦点顕微鏡で可視化した(図4)。
汚染されたチタン表面の消毒後の黄色ブドウ球菌の再増殖
蛍光を発するようにするルシフェラーゼ遺伝子を保有する黄色ブドウ球菌細菌の、消毒したチタン表面での再増殖。表面をまず細菌で汚染し、表面が完全にバイオフィルムで覆われるまでBHIブロス中でインキュベートした。その後、チタンディスクを消毒溶液に浸し、低速振とう機上に5分間放置した。消毒後、ディスクを大量の滅菌水ですすぎ、BHI培地で再度覆い、37℃でインキュベートした。1時間ごとにディスクを蛍光光度計にセットし、未処理の較正済み対照および滅菌ディスクと比較して、蛍光の量により細菌の再増殖を測定した。結果は(図5Bを参照されたい)、D)水と界面活性剤(SDS 0.1%w/v)、E)水と5%プルロニック酸、およびF)生理食塩水は、洗浄後3~4時間以内にバイオフィルムの再増殖が起こったことから、消毒作用はほとんどなかったことを示す。一方で、クロルヘキシジン、0.2%は、全ての細胞を死滅させ、死滅したバイオフィルムは表面に接着して残ったものの、再増殖は観察されなかった(図3および4を参照されたい)。過酸化水素、5%v/v、単独(A)は、バイオフィルムが自己回復するまでに約13時間かかることからわかるように、表面をよく洗浄した。しかし、水中5%プルロニック酸と組み合わせた過酸化水素 3%v/vは、表面を著しく良好に洗浄し、再増殖を、15時間を超えて遅らせた(図5Aも参照されたい)。
プルロニックと過酸化物は、アルコール含有手指消毒剤よりも皮膚に優しい
左右の親指を洗い、A)プルロニック酸(5%w/v)および過酸化水素(3%v/v)の混合物、またはB)エタノールおよびプロパン-2-オールを含むAntibac Pharma(商標)で、それぞれ5日間連続で毎日4回消毒した。5日目の消毒処置の終了後、両方の指をインディアンレッド(酸化鉄)の溶液で着色し、皮膚の亀裂およびひび割れを可視化した。着色後、指を温水と石鹸で入念に洗い、放置して空気乾燥させ、日中に撮影をした。親指の皮膚の亀裂およびひび割れは、筋状の茶色の着色として容易に認識できた。Antibac Pharma(商標)で処置した指には、たこができた、乾燥して硬い皮膚に深い亀裂およびひび割れが見られた。しかし、プルロニック-過酸化物製剤は、左の親指の皮膚に害を与えず、皮膚は無傷で柔らかいままであった。これは、プルロニック-過酸化物製剤は、アルコール系手指消毒剤よりも生体適合性が高く組織に優しいことを実証している(図6)。
有機汚染物質の除去に対する消毒溶液の効率
手指消毒剤および洗浄溶液の、汚れおよび汚染を皮膚から除去する能力を実証するために、一団の製品および溶液を永久インクの着色に対して試験した。指に青色永久インク(実験用Lyreco(商標)永久マーカー)の線で印をつけた。インクをペンで塗布し、およそ5分間空気乾燥させた。その後、日常生活における通常の手指消毒剤の塗布時間を模して、指を様々な消毒溶液で約6~8秒間洗浄した。消毒剤をペーパーティッシュで入念に拭き取り、指をiPhone Xで日中に自動露光制御を使用して撮影した。残った着色の強さは、試験した溶液の洗浄効能の逆の視覚的尺度になると考えられる。指A)は、水だけで洗った。指B)は、温水および石鹸で洗った。指C)は、0.2%クロルヘキシジンで洗浄し、指D)は、Pyrispet(商標)(0.1%塩化セチルピリジニウム)ですすいだ。指E)は、Antibac Pharma(商標)(エタノールおよびプロパン-2-オールを含むアルコール系消毒剤)で洗浄し、指F)は、漂白剤(4%次亜塩素酸ナトリウム)で洗浄した。指G)およびH)は、過酸化水素(それぞれ、水中1%および5%v/v)ですすいだ。指I)は、プルロニック酸f-127水溶液(5%w/v)で洗った。指J)は、プルロニック酸(5%w/v)および過酸化水素(1%v/v)の混合物で消毒した。結果は、漂白剤および過酸化水素は、永久インク着色の除去には非常に効果的であることを示した。しかし、驚くべきことに、最も効率的な着色の除去は、プルロニック酸と弱い過酸化水素の組合せにより得られた(図7)。
皮膚消毒用用途、二室ディスペンサーボトル
本明細書に記載の二成分プルロニック-過酸化物溶液は、起こり得るウイルス汚染への曝露後の手指消毒用として意図されているものである。ウイルスは、タンパク質エンベロープに包まれた遺伝暗号(RNAまたはDNA)であり、遺伝情報を保護および伝達する。多くの消毒剤は、タンパク質エンベロープを攻撃(変性または固定)するのみで、ウイルスはあまり伝染しなくなるが、ウイルスそのものを除去することも、ウイルスゲノムを攻撃することもない。過酸化物とプルロニックの組合せは、その両方を実現する。過酸化物は、タンパク質ならびにRNAおよびDNAの両方を分解し、プルロニックもまた、タンパク質を変性させ有機物質をそのミセル構造に溶解させ、他の汚染物質および汚れとともに、ウイルス粒子を皮膚から完全に破壊して除去する。
500mlディスペンサーボトルは、二室に分割されている;一方は、水中10%w/vのf-127プルロニック酸400ミリリットルを含み、もう一方のチャンバーは、水中過酸化水素25%v/v100ミリリットルを含む。2つの注入口を有するポンプが、混合および塗布のために両方のチャンバーからディスペンサーチップに液体を送り込む。混合した溶液を、他の任意の消毒剤と同様に均一に手に塗り、数秒間作用させて、その後水道水の流水で洗い流す。液体自体が界面活性剤としても作用するため、石鹸を塗布する必要はない。清潔な手は、ペーパータオルまたは空気乾燥で乾かす。溶液を除去するために特別な注意または行動は必要ない。溶液は、すすいだ後完全に無害であり、水、酸素、および二酸化炭素に分解し、環境フットプリントまたは環境への影響はない。
皮膚消毒用用途、エマルジョン入りディスペンサーボトル
本明細書に記載の二成分プルロニック-過酸化物溶液は、起こり得るウイルス汚染への曝露後の手指消毒用として意図されているものである。ウイルスは、タンパク質エンベロープに包まれた遺伝暗号(RNAまたはDNA)であり、遺伝情報を保護および伝達する。多くの消毒剤は、タンパク質エンベロープを攻撃(変性または固定)するのみで、ウイルスはあまり伝染しなくなるが、ウイルスそのものを除去することも、ウイルスゲノムを攻撃することもない。過酸化物とプルロニックの組合せは、その両方を実現する。過酸化物は、タンパク質ならびにRNAおよびDNAの両方を分解し、プルロニックもまた、タンパク質を変性させ有機物質をそのミセル構造に溶解させ、他の汚染物質および汚れとともに、ウイルス粒子を皮膚から完全に破壊して除去する。
500mlディスペンサーボトルは、二相のエマルジョンを2等分で含む。一つの部分のエマルジョンは、油性の懸濁液中にf-127プルロニック酸を含む(10%w/v)。心地よい香りのために、エーテル性油または香料を加えることができる。もう一方の相は、過酸化水素(10%v/v)入りの水溶液を含む。塗布の前に、ボトルを強く振り、ディスペンサーチップ付きのポンプを使用してエマルジョン混合物を手に塗布する。エマルジョンを、他の任意の消毒剤と同様に均一に手に塗り、数秒間作用させて、その後水道水の流水で洗い流すまたはそのまま空気乾燥させる。液体自体が界面活性剤としても作用するため、石鹸を塗布する必要はない。溶液を除去するために、特別な注意または行動は必要ない。溶液は、すすいだ後完全に無害であり、水、酸素、および二酸化炭素に分解し、環境フットプリントはない。残った油は皮膚を乾燥から保護し、滑らかにする。
皮膚消毒用用途、ブリスターインブリスターパック
本明細書に記載の二成分プルロニック-過酸化物溶液は、起こり得るウイルス汚染への曝露後の手指消毒用として意図されているものである。ウイルスは、タンパク質エンベロープに包まれた遺伝暗号(RNAまたはDNA)であり、遺伝情報を保護および伝達する。多くの消毒剤は、タンパク質エンベロープを攻撃(変性または固定)するのみで、ウイルスはあまり伝染しなくなるが、ウイルスそのものを除去することも、ウイルスゲノムを攻撃することもない。過酸化物とプルロニックの組合せは、その両方を実現する。過酸化物は、タンパク質ならびにRNAおよびDNAの両方を分解し、プルロニックもまた、タンパク質を変性させ有機物質をそのミセル構造に溶解させ、他の汚染物質および汚れとともに、ウイルス粒子を皮膚から完全に破壊して除去する。
1mlブリスターパックが、別の5mlブリスターパックの中に含まれる。内側のブリスターパックは、過酸化水素(25%v/v)を含み、外側のブリスターパックは、香料入りの水中f-127プルロニック酸(10%w/v)3mlおよび第1のブリスターパックを含む。必要なときに手で力を加えて内側のブリスターパックを破裂させ、それから外側のパックを圧迫して混合する。混合後、外側のブリスターパックを開封し、内容物を、他の任意の消毒剤と同様に均一に手に塗り、数秒間作用させて、その後水道水の流水で洗い流す。液体自体が界面活性剤としても作用するため、石鹸を塗布する必要はない。清潔な手は、ペーパータオルまたは空気乾燥で乾かす。溶液を除去するために、特別な注意または行動は必要ない。溶液は、すすいだ後完全に無害であり、水、酸素、および二酸化炭素に分解し、環境フットプリントまたは環境への影響はない。
皮膚消毒用用途、ウェットワイプ
本明細書に記載の二成分プルロニック-過酸化物溶液は、起こり得るウイルス汚染への曝露後の手指消毒用として意図されているものである。ウイルスは、タンパク質エンベロープに包まれた遺伝暗号(RNAまたはDNA)であり、遺伝情報を保護および伝達する。多くの消毒剤は、タンパク質エンベロープを攻撃(変性または固定)するのみで、ウイルスはあまり伝染しなくなるが、ウイルスそのものを除去することも、ウイルスゲノムを攻撃することもない。過酸化物とプルロニックの組合せは、その両方を実現する。過酸化物は、タンパク質ならびにRNAおよびDNAの両方を分解し、プルロニックもまた、タンパク質を変性させ有機物質をそのミセル構造に溶解させ、他の汚染物質および汚れとともに、ウイルス粒子を皮膚から完全に破壊して除去する。
1mlブリスターパックが、別の5mlブリスターパックの中に含まれる。内側のブリスターパックは、過酸化水素(25%v/v)を含み、外側のブリスターパックは、香料入りの水中f-127プルロニック酸(10%w/v)3ml、折り畳まれたペーパーティッシュ、および第1のブリスターパックを含む。必要なときに手で力を加えて内側のブリスターパックを破裂させ、それからパックを圧迫して混合する。混合後、外側のブリスターパックを開封し、過酸化物-プルロニック混合により活性化された折り畳まれたペーパーティッシュを使用して、汚れ、微生物およびウイルス汚染物質のないように皮膚、手、または汚染された表面を拭く。液体自体が界面活性剤としても作用するため、石鹸を塗布する必要はない。清潔な手、皮膚、または表面は、空気中で乾燥させる。溶液を除去するために、特別な注意または行動は必要ない。溶液は、すすいだ後完全に無害であり、水、酸素、および二酸化炭素に分解し、環境フットプリントまたは皮膚への害はない。
口腔内消毒用洗口剤用途、エマルジョン入りディスペンサーボトル
本明細書に記載の二成分プルロニック-過酸化物溶液は、微生物制御または伝染性ウイルスのパンデミック時のための口腔内消毒用として意図されているものである。ウイルスは、タンパク質エンベロープに包まれた遺伝暗号(RNAまたはDNA)であり、遺伝情報を保護および伝達する。多くのウイルス消毒剤は、タンパク質エンベロープを攻撃(変性または固定)するのみで、ウイルスはあまり伝染しなくなるが、ウイルスそのものを除去することも、ウイルスゲノムを攻撃することもない。過酸化物とプルロニックの組合せは、その両方を実現する。過酸化物は、タンパク質ならびにRNAおよびDNAの両方を分解し、プルロニックもまた、タンパク質を変性させ有機物質をそのミセル構造に溶解させ、他の微生物、汚染物質、および粘液とともに、ウイルス粒子を口腔および喉から完全に破壊して除去する。
1000mlディスペンサーボトルは、二室に分割されている;一方は、生理食塩水中フッ化ナトリウムならびに味覚改質剤および香り改質剤とともに5%w/vのf-127プルロニック酸800ミリリットルを含み、もう一方のチャンバーは、水中過酸化水素16%v/v200ミリリットルを含む。2つの注入口を有するポンプを使用して、混合および塗布のために両方のチャンバーからディスペンサーチップに液体を送り込む。混合した溶液10ミリリットルを使用して、口および喉を約1分間すすぎ、その後流しに吐き出す。液体自体はヒトに無害であるため、塗布後に歯を磨くことも、水ですすぐことも必要ないが、どちらを行っても害はない。溶液を除去するために、特別な注意または行動は必要ない。溶液は、すすいだ後完全に無害であり、水、酸素、および二酸化炭素に分解し、環境フットプリントまたは健康への影響はない。
洗口剤は、口腔内の感染症である歯周炎およびインプラント周囲炎、ならびにう蝕対して、予防的に、ならびに術後の感染制御および歯周またはインプラント関連処置後の維持処置のための両方で使用することもできる。また、歯ブラシおよび口腔内デバイス(義歯、いびき防止装置、歯科矯正器具など)を洗浄するために使用して、繰り返し使用することによる再感染を避けることができる。
鼻/副鼻腔洗浄剤
鼻および副鼻腔洗浄剤用途、塗布具付き使い捨てボトル
本明細書に記載の二成分プルロニック-過酸化物溶液は、鼻詰まりを引き起こすライノウイルス感染症に対する鼻/副鼻腔洗浄、または伝染性インフルエンザまたはコロナウイルスのパンデミック時のウイルス除去用として意図されているものである。ウイルスは、タンパク質エンベロープに包まれた遺伝暗号(RNAまたはDNA)であり、遺伝情報を保護および伝達する。多くのウイルス消毒剤は、タンパク質エンベロープを攻撃(変性または固定)するのみで、ウイルスはあまり伝染しなくなるが、ウイルスそのものを除去することも、ウイルスゲノムを攻撃することもない。過酸化物とプルロニックの組合せは、その両方を実現する。過酸化物は、タンパク質ならびにRNAおよびDNAの両方を分解し、プルロニックもまた、タンパク質を変性させ有機物質をそのミセル構造に溶解させ、他の汚染物質および粘液とともに、ウイルス粒子を鼻腔および副鼻腔から完全に破壊して除去する。
過酸化水素(生理食塩水中5%v/v)50ミリリットルを、生理食塩水中1.25%w/vのf-127プルロニック酸200ミリリットルを含む、鼻腔塗布具上部付き250ml使い捨てソフト(絞り込み可能)ボトルに加え、強く振ることにより混合する。頭を流しの上に配置し、混合液の入ったボトルを一方の鼻孔に対して配置し、液体が他方の鼻孔から出てきて下の流しに入るまで注意深く絞る。ボトルが空になるまでこの方法を繰り返す。塗布完了後、鼻をかむ。塗布終了後にすすぐ必要はなく、液体自体はヒトに無害である。溶液を除去するために、特別な注意または行動は必要ない。溶液は、すすいだ後完全に無害であり、水、酸素、および二酸化炭素に分解し、環境フットプリントまたは健康への影響はない。
鼻/副鼻腔洗浄剤は、鼻腔感染症または急性および慢性副鼻腔炎に対しても使用することができる。溶液は、予防的におよび耳鼻咽喉部の処置後の術後の感染制御のための両方で使用することもできる。

Claims (23)

  1. (a)3.0~7.0%v/vの最終濃度のH、および
    (b)0.1%~10.0%w/vの濃度のポロキサマー
    からなる抗菌性および/または抗ウイルス性混合物を含む、組成物。
  2. ポロキサマーは、1.0~5.0%w/vの濃度である、請求項1に記載の組成物。
  3. ポロキサマーは、最大で5.0%w/vの濃度である、請求項2に記載の組成物。
  4. 成分(b)は、複合ハイドロゲル配合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. ポロキサマーは、ポロキサマーの混合物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 成分(b)は、プルロニック酸、Pluronic(登録商標)F-127、およびポロキサマー407からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 成分(a)のHは、3.0%v/vの最終濃度を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 成分(a)および成分(b)は、1:1の比率で提供される、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 水および/または生理食塩水をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 成分:
    (a)H、および
    (b)ポロキサマー
    は、使用まで互いに分離した状態で維持される、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 追加の生物活性物質をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 生物活性物質は、EMD、ペプチド、薬物、フッ化物のような生物活性イオン、小分子、放射性分子、抗菌分子、および放射線不透過性分子、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
  13. 追加の抗菌性物質をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 室温で少なくとも1年の貯蔵期間を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 生体表面および/または生体材料表面を消毒、滅菌、殺菌および/または除菌する方法であって、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物を生体表面および/または生体材料表面に塗布することを含む前記方法。
  16. 対象の皮膚および/または粘膜を微生物から洗浄する方法であって、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物を対象の皮膚および/または粘膜に塗布することを含む前記方法。
  17. 微生物は、細菌、またはウイルス、または両方を含む、請求項15または16に記載の方法。
  18. 微生物は、リボウィリアを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 微生物は、コロナウイルス科、オルトミクソウイルス科、カリシウイルス科、またはレオウイルス科、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 微生物は、オルトコロナウイルス亜科を含む、請求項17に記載の方法。
  21. 微生物は、コロナウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス、またはインフルエンザウイルスA型、B型、C型、もしくはD型、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項17に記載の方法。
  22. 微生物は、Sars-Cov-2を含む、請求項17に記載の方法。
  23. 手洗い洗浄液、口腔洗浄液、鼻洗浄溶液、副鼻腔洗浄溶液、または皮膚洗浄溶液に組み込まれる、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
JP2022554494A 2020-03-18 2021-03-18 洗浄、消毒、および/または殺菌するための改良型液体組成物 Pending JP2023518701A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20164065.3A EP3881901A1 (en) 2020-03-18 2020-03-18 Improved liquid composition for cleaning, sanitizing and/or disinfecting
EP20164065.3 2020-03-18
US202016840921A 2020-04-06 2020-04-06
US16/840,921 2020-04-06
PCT/EP2021/057024 WO2021186000A1 (en) 2020-03-18 2021-03-18 Improved liquid composition for cleaning, sanitizing and/or disinfecting

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023518701A true JP2023518701A (ja) 2023-05-08
JPWO2021186000A5 JPWO2021186000A5 (ja) 2024-03-27

Family

ID=74884978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022554494A Pending JP2023518701A (ja) 2020-03-18 2021-03-18 洗浄、消毒、および/または殺菌するための改良型液体組成物

Country Status (7)

Country Link
JP (1) JP2023518701A (ja)
KR (1) KR20230006463A (ja)
CN (1) CN115605269A (ja)
AU (1) AU2021238760A1 (ja)
BR (1) BR112022018324A2 (ja)
CA (1) CA3170947A1 (ja)
WO (1) WO2021186000A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102613224B1 (ko) 2023-05-19 2023-12-12 국방과학연구소 생물학 작용제의 제독 방법

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6254857B1 (en) * 2000-05-24 2001-07-03 Colgate-Palmolive Company Effervescent whitening dentifrice having oxygen-derived sensory signal
MY128134A (en) * 2000-09-28 2007-01-31 Novartis Ag Compositions and methods for cleaning contact lenses
WO2005030172A1 (en) * 2003-09-24 2005-04-07 The Regents Of The University And Methods Antimicrobial nanoemulsion compositions and methods
CA2533950C (en) * 2005-01-28 2013-10-22 B. Braun Medical Ag Virucidal disinfectant
US20060204453A1 (en) * 2005-11-07 2006-09-14 Giniger Martin S Oral care cleaning compositions and methods
WO2007066837A1 (en) * 2005-12-06 2007-06-14 Lg Household & Health Care Ltd. Delivery system for tooth whitening component using in situ gelling
US20100179368A1 (en) * 2008-11-07 2010-07-15 Aries Associates, Inc. Novel Chemistries, Solutions, and Dispersal Systems for Decontamination of Chemical and Biological Systems
US20120039821A1 (en) * 2010-08-13 2012-02-16 Robell Research, Inc. Dental Activating Gel
AU2014318702B2 (en) * 2013-09-11 2019-11-21 Aim Targeted Therapies, Inc. Hypertonic antimicrobial therapeutic compositions
TR201617080A2 (tr) * 2016-11-23 2018-06-21 Univ Yeditepe Haşere uzaklaştirici anti̇mi̇krobi̇yal bi̇r kompozi̇syon

Also Published As

Publication number Publication date
CA3170947A1 (en) 2021-09-23
BR112022018324A2 (pt) 2022-11-22
AU2021238760A1 (en) 2022-10-06
CN115605269A (zh) 2023-01-13
KR20230006463A (ko) 2023-01-10
WO2021186000A1 (en) 2021-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7486557B2 (ja) バクテリア混入を防止するための半固体組成物
CA2606734A1 (en) Method of using oxidative reductive potential water solution in dental applications
Brookes et al. Antimicrobial Mouthwashes: An Overview of Mechanisms—What Do We Still Need to Know?
JP2023518701A (ja) 洗浄、消毒、および/または殺菌するための改良型液体組成物
US10226403B2 (en) Composition and method for using medicament for endodontic irrigation, stem cell preparation and tissue regeneration
US20230020320A1 (en) Liquid Composition for Cleaning, Sanitizing and/or Disinfecting
US20230056514A1 (en) Multi-Functional Cleaning and/or Debridement Composition
KR20020066060A (ko) 칫솔의 살균을 위한 살균제 조성물, 그 제조방법 및 그를이용한 칫솔의 살균방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240315

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240315