JP2023518596A - スプリットインテイン及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、遺伝子治療用の大型遺伝子を再構成するための、操作されたスプリットインテイン、及び分解シグナル(不安定化ドメイン、デグロン)とのそれらの組合せの使用方法に関するものである。

Description

本発明は、バイオテクノロジーの分野に含まれ、具体的にはスプリットインテイン及びその使用に関する。
遺伝子治療用のAAV(アデノ随伴ウイルス)内に封入できない遺伝子は、2つのフラグメントに分割され得ることが知られている。したがって、各フラグメントはスプリットインテインに融合され、それぞれのAAVにおいて送達されなければならない。標的細胞にインテインを感染させると、所望の標的タンパク質を生成することができる(図1を参照されたい)。
それにもかかわらず、このアプローチの重要な制限の1つは、タンパク質中間体(N-エクステイン-ItnN及びIntC-C-エクステイン)、及び切り取られたスプリットインテインが蓄積されることである。この課題に対処するため、本願において、本発明者らは、或る特定のインテインを或る特定の分解シグナルと組み合わせることで、かかるタンパク質中間体の蓄積を大幅に減少させ得ることを示した。本発明は、このインテインと分解シグナルとの組合せに着目する。本発明者らはまた、in vivoでのスプライシング収率の向上に寄与する特定のインテイン-デグロンの組合せも特定した。
好ましい最初の態様において、本発明は、組成物であって、
a.スプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドであって、スプリットインテインNフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された、配列番号27のCfaN、配列番号30のCatN、及び配列番号38のGp41N、又は配列番号39のConN等のそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択される、第1のポリヌクレオチドと、
b.スプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドであって、スプリットインテインCフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接結合された、配列番号28のCfaC、配列番号31のCatC及び配列番号104のGp41C、又はCfaCmut(配列番号29)若しくはConC(配列番号105)等のそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択される、第2のポリヌクレオチドと、
を含み、
組成物の両方のポリヌクレオチドは、単一の製剤中に共に充填されてもよく、又は異なる製剤中に別々に充填されてもよく、
第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドが、両方のフラグメントが組み合わされた場合、タンパク質のN末端フラグメントがタンパク質のC末端フラグメントに連結されて、タンパク質全体が生成されるように、再構成されるタンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをそれぞれコードし、
再構成されるタンパク質が25KDa超であり、
組成物が、更に、
スプリットインテインNフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、及び/又は、
スプリットインテインCフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、デグロンが、インテインCフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインCフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結される、
ことを特徴とする、組成物。
最初の態様の好ましい実施の形態において、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択される。好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される。より好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される。
最初の態様の別の好ましい実施の形態において、スプリットインテインNフラグメントは、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された配列番号27のCfaNであり、スプリットインテインCフラグメントは、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結された配列番号28のCfaCであり、好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択され、より好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択され、更により好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される。
最初の態様の別の好ましい実施の形態において、スプリットインテインNフラグメントは、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された配列番号27のCfaNであり、スプリットインテインCフラグメントは、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結された配列番号29のCfaCmutであり、好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択され、より好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択され、更により好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される。
最初の態様の別の好ましい実施の形態において、スプリットインテインNフラグメントは、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された配列番号32のNpuNであり、スプリットインテインCフラグメントは、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結された配列番号29のCfaCmut又は配列番号36のNpuCmutであり、好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択され、より好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択され、更により好ましくは、スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結したデグロンは、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される。
最初の態様の別の好ましい実施の形態において、組成物は、2つのデグロンを含むことを特徴とし、特に、組成物は、
スプリットインテインNフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
スプリットインテインCフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、デグロンが、インテインCフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインCフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結される、
ことを特徴とする。
最初の態様又はその好ましい実施の形態のいずれかの好ましい実施の形態において、組成物は、
a.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第1のポリヌクレオチドと、
b.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC若しくは配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第2のポリヌクレオチドと、
を含むことを特徴とする。
最初の態様又はその好ましい実施の形態のいずれかの好ましい実施の形態において、組成物は、
a.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第1のポリヌクレオチドと、
b.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC若しくは配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第2のポリヌクレオチドと、
を含む。
最初の態様又はその好ましい実施の形態のいずれかの別の好ましい実施の形態において、組成物は、
a.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第1のポリヌクレオチドと、
b.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC若しくは配列番号29のCfaCmut又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第2のポリヌクレオチドと、
を含む。
最初の態様又はその好ましい実施の形態のいずれかの別の好ましい実施の形態において、組成物は、
a.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号38のGp41N又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第1のポリヌクレオチドと、
b.ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号104のGp41C又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドであって、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、第2のポリヌクレオチドと、
を含む。
最初の態様又はその好ましい実施の形態のいずれかの別の好ましい実施の形態において、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、両方のポリヌクレオチドがそれぞれのタンパク質複合体に翻訳され、本発明の方法に従って組み合わされる場合、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントがABCA4タンパク質のC末端フラグメントに連結され、そのようにしてABCA4タンパク質全体が生成されるように、ABCA4タンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをそれぞれコードする。
第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドがそれぞれABCA4タンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをコードする、上記に示した実施の形態に関連して、本発明は以下の代替案を提供する。
第1の代替案:
a.第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
b.第2のポリヌクレオチドが、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PESt、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
上記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1176位、又は1位~1178位をコードし、第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1177位~2273位、又は1179位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1139位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1140位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1176位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1177位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1178位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1179位~2273位をコードする。
第2の代替案:
a.第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
b.第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
上記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1176位、又は1位~1178位をコードし、第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1177位~2273位、又は1179位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1139位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1140位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1176位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1177位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1178位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1179位~2273位をコードする。
第3の代替案:
a.第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
b.第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
上記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1176位、又は1位~1178位をコードし、第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1177位~2273位、又は1179位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1139位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1140位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1176位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1177位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1178位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1179位~2273位をコードする。
第4の代替案:
a.第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
b.第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、任意に更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
上記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位をコードし、第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードする。
第5の代替案:
a.第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号38のGp41N又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
b.第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号104のGp41C、又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
上記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1095位、又は1位~1185位をコードし、第2のポリヌクレオチドがABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1096位~2273位、又は1186位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1095位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドは1096位~2273位をコードし、上記第1のポリヌクレオチドが1位~1185位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1186位~2273位をコードする。
最初の態様又はその好ましい実施の形態若しくは代替案のいずれかの更なる好ましい実施の形態において、両方のポリヌクレオチドが、適切な宿主細胞における上記ポリヌクレオチドの増殖又は挿入を可能にするベクター内に含まれる。好ましくは、上記ベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)であり、より好ましくは、ベクターは血清型1、2、3、4、5、6、7、8、又は9のAAVである。
最初の態様又はその好ましい実施の形態若しくは代替案のいずれかの別の更なる好ましい実施の形態において、本明細書に記載される組成物は、特に表1で特定される疾患のいずれかに対する治療に使用されるものである。
本発明の更なる態様は、細胞内で目的の遺伝子を発現させるin vitro又はin vivoの方法であって、以下:
(i)細胞を、
先の態様、実施形態又は代替案のいずれかに定義される第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドに接触させることと、
なお、好ましくは、両方のポリヌクレオチドは、アデノ随伴ウイルス(AAV)内に含まれ、上記ポリヌクレオチドの少なくとも一方が、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結されたスプリットインテインフラグメントをコードする;
(ii)第1の融合タンパク質及び第2の融合タンパク質が産生されるように、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
(iii)スプリットインテインNフラグメントがスプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、インテイン中間体が反応して、目的の第1のポリペプチドのC末端を目的の第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、第1のタンパク質と第2のタンパク質とを接触させることと、
を含む、方法に言及する。
インテイン、及びインテインとデグロンを組み合わせて使用して遺伝子治療用大型タンパク質を再構成する戦略の全体図である。上図:(1)目的の遺伝子が、賢明に選択された位置で組換えにより分割され、タンパク質発現時に、タンパク質のN末端フラグメントがそのC末端にIntNを融合して発現され、タンパク質のC末端フラグメントがそのN末端にIntCを融合して発現されるように、結果として生じた5’末端はIntNに、3’末端はIntCに組換え融合される(2)。各々のコンストラクトは、別々のAAVに封入されている。これらの2つのAAVを患者に投与することで、或る特定の細胞に同時形質導入される(3)。AAVを介して送達されたDNAは、同時形質導入によりRNAに転写され、タンパク質に翻訳され、タンパク質レベルでインテインがタンパク質トランススプライシング反応を行って所望のスプライシング産物を再構成する(4)。下図:インテインは分解シグナルと組み合わされて出発物質の蓄積を防ぎ、切り取られたインテインを排除する。デグロンは、N-インテインのC末端及び/又はC-インテインのN末端に融合される。 上図:EGFP-IntN-H6とIntC-EGFP-H6とのコンストラクト間の反応スキームであり、これにより、H6タグを持つ全長EGFPの形成、及びインテインの切除がもたらされる。下図:N末端、C末端のフラグメントでトランスフェクトした細胞、又はCfa若しくはNpuインテインのいずれかを用いて両フラグメントで同時トランスフェクトした細胞の蛍光顕微鏡画像である。 EGFP-インテインポリヌクレオチドでトランスフェクトしたHEK293細胞の溶解液のウエスタンブロット分析を示す図である。左図:EGFP-インテインプラスミドでトランスフェクトした細胞のウエスタンブロット分析。細胞を全長EGFPプラスミド、若しくはEGFP-IntN、IntC-EGFPプラスミドのいずれかでトランスフェクトするか、又はその両方で同時トランスフェクトした。Cfa又はNpuインテインを含むプラスミドを試験した。右図:Npuに対するスプライシング産物の増加倍率の定量。産物の収率を、β-チューブリンをローディング対照として用いて、デンシトメトリーにより決定した。グラフは、細胞を全長EGFPプラスミド(EGFP)でトランスフェクトするか、EGFP-CfaNとCfaC-EGFP(Cfa)、又はEGFP-NpuNとNpuC-EGFP(Npu)で同時トランスフェクトした場合のいずれかの、Npuに対するEGFP産物の増加倍率を表す。 トランスフェクトしたHEK293細胞を、フローサイトメトリーで分析した。左図:異なるコンストラクト又はコンストラクトの組合せでトランスフェクトした細胞のフローサイトメトリーデータ。黒色曲線は、EGFPのN末端フラグメント又はC末端フラグメントのいずれかでトランスフェクトした対照に対応する。青色は全長EGFPをコードするプラスミドでトランスフェクトした細胞の4つの複製であり、緑色曲線はEGFP-CfaNとCfaC-EGFP(EGFPは71位で分割)で同時トランスフェクトした細胞に対応し、黄色曲線はEGFP-NpuNとNpuC-EGFP(EGFPは71位で分割)で同時トランスフェクトした細胞に対応する。中央図:各試料セットで得られた平均蛍光強度(MFI)のプロットであり、Cfaインテインの使用により、全長EGFPに対応するシグナルの90%超を回復できることを示す。右図:各試料における陽性細胞の数を表すプロットであり、トランスフェクションの効率は3セットとも同程度であった。 ABCA4の1150位でのスプライシング収率をCfaとNpuで比較した図である。細胞をABCA41150-IntNとIntC-ABCA41150で同時トランスフェクトし、溶解してWBで分析した。ABCA41150は、残基1から残基1149までのABCA4のN末端フラグメントに相当し、ABCA41150は、残基1150から残基2273までのABCA4のC末端のフラグメントに相当する。Cfa又はNpuのいずれかを持つコンストラクトを試験した。左図は、抗ABCA4 mAbを用いたブロットを示す。右図は、ウエスタンブロットのデンシトメトリー定量に対応する。 ABCA4の1140位でのスプライシング収率をCfaとNpuで比較した図である。細胞をABCA41140-IntN及びIntC-ABCA41140で同時トランスフェクトし、溶解してWBで分析した。ABCA41140は、残基1から残基1139までのABCA4のN末端のフラグメントに相当し、ABCA41140は、残基1140から残基2273までのABCA4のC末端のフラグメントに相当する。Cfa又はNpuのいずれかを持つコンストラクトを試験した。左図は抗FLAGタグで、中央のパネルは抗ABCA4 mAbでブロッティングした結果をそれぞれ示す。右図は、ウエスタンブロットのデンシトメトリー定量に対応する。 ABCA4の1140位、1150位、1179位、及び1188位でのスプライシング収率の比較を示す図である。細胞を対応するABCA4-CfaN及びCfaC(又はCfaCmut)-ABCA4のコンストラクトで同時トランスフェクトし、溶解してWBで分析した。グラフは、再構成されたABCA4タンパク質のWBによるデンシトメトリー定量、及び全長タンパク質をコードするプラスミドでトランスフェクションして得られたABCA4レベルの比較に対応する。 デグロンを含むPTSの反応スキームを示す図である。目的のタンパク質のN末端フラグメントは、IntN、リンカー(この場合はHis6タグ)、及びデグロンに融合される。タンパク質のC末端はIntCに融合され、そのN末端はデグロンに連結される。スプライシング反応により、デグロンが融合していない所望の全長タンパク質と、各々が分解シグナルを担持する切断されたインテインとの形成が起こる。 レポータータンパク質EGFPの再構成のためのインテインとデグロンとの組合せを示す図である。HEK293細胞を指定のコンストラクトでトランスフェクトし、溶解して抗His6タグmAbを用いたウエスタンブロットで分析した。結果は、CfaN又はC-インテインと分解シグナルとを組み合わせたコンストラクトの使用が、インテイン(CfaN-6H)と同様に出発物質(EGFP-CfaN-6H)から生じるシグナルを全て消失させたことを示す。 大型タンパク質ABCA4を再構成するためのインテインとデグロンとの組合せを示す図である。HEK293細胞をABCA41150-CfaNとCfaC-ABCA41150で、デグロンあり及びなしにてトランスフェクトし、溶解して抗FLAGタグmAbを用いてウエスタンブロットで分析した。2つの異なる時間点(24時間及び48時間)で細胞を採取した。上図:ウエスタンブロット分析。下図:ウエスタンブロットのデンシトメトリー定量。結果は、CfaN又はC-インテインと分解シグナルとを組み合わせたコンストラクトの使用が、出発物質(ABCA4-CfaN及びCfaC-ABCA4)から生じるシグナルを消失させたことを示す。興味深いことに、結果は、Cfaインテインと分解シグナルとの組合せが、再構成された全長ABCA4の収量の増加をもたらすことも実証する。 インテイン-デグロンの組合せの効果は、プロテオソームによって媒介される。細胞をABCA41150-CfaNとCfaC-ABCA41150のコンストラクトでデグロンあり及びなしにて同時トランスフェクトし、24時間後にプロテオソーム阻害剤MG132の存在下又は不在下で指定の時間(30分、3時間、6時間及び24時間)インキュベートした。指定時間後に細胞を溶解し、抗FLAG mAbを用いたウエスタンブロットで分析した。プロテオソーム阻害剤MG132の添加により、フラグメントに対応するバンドの強度が増し、分解が阻害されたことを示唆した。 異なるインテイン、又はインテインとデグロンを組み合わせて用いた再構成収率の比較を示す図である。左図:Cfa、Cfa-SopE、又はNpuを用いた、1150位で分割したABCA4のPTSを介する再構成のウエスタンブロット。細胞を、ABCA41150-CfaNとCfaC-ABCA41150(Cfa)、ABCA41150-CfaN-SopEとSopE-CfaC-ABCA41150(Cfa-SopE)、又はABCA41150-NpuNとNpuC-ABCA41150(Npu)で同時トランスフェクトした。48時間後、細胞を収集し、溶解してWBで分析した。Cfaコンストラクトは二連で、CfaSopEとNpuは三連で分析した。右図:インテインとデグロンとの各組合せで得られた産物、及び残留している出発物質のデンシトメトリー定量。結果は、Cfaとデグロン(SopE)を併用することで、どれくらい産物の再構成が高くなるかを示す。興味深いことに、データは、Npuによる再構成が最も低く、しかも未反応の出発物質が最も多く残っていることを示す。 分解シグナルあり及びなしにて、CfaCmutを用いた1140位でのABCA4の再構成を示す図である。左図:細胞をABCA41140-CfaNとCfaCmut-ABCA41140、ABCA41140-CfaN-SopEとSopE-CfaC-ABCA41140(Cfa-SopE)、又は全長のABCA4(ABCA)で同時トランスフェクトした。48時間後に細胞を収集し、溶解して抗FLAGタグmAbを用いてWBで分析した。右図:全長ABCA4によるトランスフェクションと比較した、ABCA4再構成のレベルのデンシメトリー定量。 DD1デグロンを用いた、インテインとデグロンとの組合せによるレポータータンパク質EGFPの再構成を示す図である。HEK293細胞を指定のコンストラクトでトランスフェクトし、溶解して抗His6タグmAbを用いたウエスタンブロットで分析した。CfaインテインとDD1デグロンとの組合せにより、不要な出発物質及び切り取られたインテインが排除される。 質量分析を示す図である。細胞をABCA41150-CfaN-SopE及びSopE-CfaC-ABCA41150でトランスフェクトし、48時間後に収集し溶解した。細胞溶解物をSDSPAGEゲルで泳動し、300KDa付近のバンドを切り出し、タンパク質分解し(材料及び方法を参照されたい)、LC-MS/MSで分析した。結果を図に要約する。MSMSによって同定されたペプチドで、偽陽性率(FDR)が1%未満のものを緑色で示す。FDR5%未満で同定されたペプチドを黄色で示す。赤色の下線は、分割部位の配列を示す。 オルソゴナルコンセンサスインテインを用いた3ピースライゲーションを示す図である。 オルソゴナルコンセンサスインテインを用いた3ピースライゲーションを示す図である。図16に示すN、M、及びCのコンストラクトを、HEK293にいずれか単独でトランスフェクトするか、対で同時トランスフェクトするか、又は3つのフラグメントを共に同時トランスフェクトした。細胞を溶解しN末端、M末端、C末端フラグメントのC末端に存在する3FTタグに対する抗体(左図)又はPOINフラグメントに対する抗体(右図)を用いてウエスタンブロットにより分析した。 A)本発明のスプリットインテインNフラグメントの発現レベルに対するデグロンの効果の分析を示す図である。デグロンを含むコンストラクト及び含まないコンストラクトをHEK293細胞にトランスフェクトし、ウエスタンブロットにより発現レベルを分析した。N-インテインフラグメントにデグロンを付加すると、発現タンパク質の検出レベルの低下がもたらされる。B)本発明のスプリットインテインCフラグメントの発現レベルに対するデグロンの効果の分析を示す図である。デグロンを含むコンストラクト及び含まないコンストラクトをHEK293細胞にトランスフェクトし、ウエスタンブロットにより発現レベルを分析した。C-インテインフラグメントにデグロンを付加すると、発現タンパク質の検出レベルの低下がもたらされる。C)N末端若しくはC末端フラグメントのいずれかでトランスフェクトした細胞、又は両方のフラグメントで同時トランスフェクトした細胞のウエスタンブロットによる分析を示す図である。デグロンを含まない(デグロンなし)又は代表的なデグロン(SopE、L2、及びL9)を含むコンストラクトの結果を示す。右側の図は、指定される各々のデグロンにより得られたPTS産物の量を、デグロンなしで得られたものと比較して定量したものを提供する。幾つかのデグロンは、デグロンなしのコンストラクトよりも高い収率を提供することがわかる。興味深いことに、全てのデグロンが機能し、全てのデグロンで、デグロンなしで得られた産物の少なくとも25%を再構成することができる。幾つかのデグロンは、デグロンなしで得られたレベルの50%超の再構成を可能とし、最終的には100%の(又はそれよりも高い)再構成をもたらすデグロンもある。 異なるデグロンによるPTS反応を、インテインを検出できるように、異なるタイプのゲルを用いてWBで分析した図である。見てわかるように、幾つかのデグロンは他のデグロン(例えばSpoE及びPEST)に比べて切り取られたインテインの量を減らし、一方、L2、L9、M2、M4又はDD3のようにその他のものは完全にインテインバンドを排除する。 異なるデグロンの組合せを用いる及びデグロンを用いない、分割位置1150でのPTS反応のウエスタンブロットによる分析を示す図である。この場合、Nフラグメントのデグロンは固定で(左図L9及び右図L2にNと表示)、Cフラグメントには異なるデグロンを使用した(L2、L9 M4、M2、V12、DD3及びDD1にCと表示)。 N末端及びC末端インテインABCA4フラグメントにおいてデグロンL9を用いる又は用いない部位1140及び部位11 1179におけるPTS反応のWB及び定量を示す図である。 gp41インテインを用いたPTS反応のウエスタンブロットによる分析を示す図である。左図:1150位においてCfaインテインを用い、及び1185位においてgp41インテインを用いて分割されたABCA4のPTSによる再構成のウエスタンブロット。48時間後、細胞を収集し、溶解してWBで分析した。右図:各インテインにより得られた産物、及び全長タンパク質のデンシトメトリー定量。 in vivo網膜EGFPを示す図である:(A)全長EGFPをコードするAAV8、又は本発明のN末端フラグメント(N、EGFPN-CfaN)及びC末端フラグメント(C、CfaC-EGFPC)をコードする2つのAAVを注射したマウスの眼底自発蛍光(FAF)。(B)生理食塩水又は処理網膜の免疫組織化学分析(IHC)。結果は、光受容体においてネイティブEGFP蛍光を示し、タンパク質スプライシングを介したEGFP再構成を示す。全てのコンストラクトはGRK1プロモーターの制御下にあり、2つの異なる用量のN+Cコンストラクトを注入した。BSS(バランス滅菌生理食塩水)。
本発明は、遺伝子治療用の大型タンパク質を再構成するための、操作された又は天然由来のスプリットインテイン、及び分解シグナル(不安定化ドメイン、デグロン)とのそれらの組合せの使用方法に関するものである。
本発明に記載の方法により、in vitro、ex vivo、及びin vivoで大型タンパク質を再構成することができる。in vivoで使用すると、限定されるものではないが、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)、筋肉、肝臓、眼球、膵臓、網膜、腎臓、内耳、心臓、肺、血液、脾臓、皮膚を含む任意の所望の組織で所望の大型標的タンパク質を再構成することが可能になる。
本明細書において使用される場合、「インテイン」という用語は、前駆体タンパク質からインテイン配列を切り取って、その近傍配列(N-エクステイン及びC-エクステイン)をペプチド結合でつなぐタンパク質スプライシング反応を触媒することができる天然由来の又は人工的に構築されたポリペプチド配列を意味する。インテインは、典型的には、150~550アミノ酸の大きさで、ホーミングエンドヌクレアーゼドメインを含むこともある。既知のインテインの一覧はhttp://www.inteins.com及びhttps://inteins.biocenter.helsinki.fi/index.phpで公開されている。
本明細書において使用される場合、「スプリットインテイン」という用語は、N末端とC末端のアミノ酸配列がペプチド結合を介して直接連結されていない任意のインテインであって、N末端及びC末端の配列が、トランススプライシング反応に機能的なインテインに非共有結合で再会合、又は再構成することができる別々のフラグメントとなるようなものを指す。
「ペプチド結合」という用語は、カルボキシ成分と呼ばれる或る分子のカルボキシ部分が、アミノ成分と呼ばれる別の分子のアミノ部分と反応し、分子を放出させる場合に2つの分子間に形成される共有結合性の化学結合-CO-NH-を指す。例えば、タンパク質原性L-アミノ酸は、水分子の放出に付随してペプチド結合を形成することができる。したがって、タンパク質及びペプチドは、アミノ酸残基がペプチド結合でつながった鎖と見なすことができる。ペプチド結合は、「アミド結合」("amide bond" or "amide linkage")である。
本明細書においては、「ポリペプチド」、「ペプチド」又は「タンパク質」という用語は、アミノ酸のポリマーを指すために区別なく使用される。
「アミノ酸」という用語は、天然由来のアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然由来のアミノ酸と同じように機能するアミノ酸類縁体及びアミノ酸模倣物を指す。さらに、「アミノ酸」という用語は、D-アミノ酸とL-アミノ酸(立体異性体)の両方を含む。
「天然アミノ酸」又は「天然由来のアミノ酸」という用語は、20種の天然由来のアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、ホスホセリン及びホスホトレオニンを含むin vivoで翻訳後修飾されることの多いアミノ酸、並びに限定されるものではないが、2-アミノアジピン酸、ヒドロキシリジン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシン及びオルニチンを含む他の珍しいアミノ酸を含む。
本明細書において使用される場合、「非天然アミノ酸」又は「合成アミノ酸」という用語は、「α」(アルファ)位がアミン基で置換された、構造的に天然アミノ酸に関連するカルボン酸、又はその誘導体を指す。改変アミノ酸又は一般的でないアミノ酸の例示的な非限定的な実例としては、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、2,4-ジアミノ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリジン、アリオヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロイソロイシン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、6-N-メチルリジン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、p-アセチルフェニルアラニン、p-ハロフェニルアラニン、p-プロパルギルオキシフェニルアラニン、p-アジドフェニルアラニン、p-ベンゾイルフェニルアラニン等が挙げられる。このグループは、「天然アミノ酸」のD-異性体も含む。
本明細書において使用される場合、「スプリットインテインNフラグメント」又は「N末端スプリットインテイン」又は「N末端インテインフラグメント」又は「N末端インテイン配列」(「IntN」と略記)という用語は、トランススプライシング反応に機能的なN末端アミノ酸配列を含む任意のインテイン配列を指し、すなわち、機能的なスプリットインテインCフラグメントと会合して、宿主タンパク質から自身を切り離すことができる完全なインテインを形成することができるか、エクステイン若しくは近傍配列のペプチド結合によるライゲーションを触媒することができるか、又はスプリットインテインCフラグメントと会合すると「N末端切断」を触媒し、すなわち、エクステインとスプリットインテインNフラグメントのN末端との間のペプチド結合を求核攻撃し、上記ペプチド結合の破壊をもたらす。このように、IntNはトランススプライシングが起こる際にスプライシングされる配列も含む。IntNは、天然由来のインテイン配列のN末端部分を改変した配列を含み得る。例えば、IntNは、追加のアミノ酸残基及び/又は突然変異した残基を含むことがトランススプライシングにおいてIntNを非機能的にすることがない限り、かかる追加の残基及び/又は突然変異した残基を含むことができる。好ましくは、追加の残基及び/又は突然変異した残基を含めることで、IntNのトランススプライシング活性が改善又は増強される。
本明細書において使用される場合、「デグロン」という用語は、別のポリペプチドに組換え融合された場合、プロテオソーム分解経路又は任意の他の細胞分解機構を介してそのタンパク質分解を促進する天然由来の又は人工的に構築されたポリペプチド配列を意味する。
本明細書において区別なく使用されるように、「スプリットインテインCフラグメント」、「C末端スプリットインテイン」、「C末端インテインフラグメント」及び「C末端インテイン配列」(「IntC」と略記)という用語は、トランススプライシング反応に機能的なC末端アミノ酸配列を含む任意のインテイン配列を指し、すなわち、会合の際に、機能的なスプリットインテインのNフラグメントと会合して、宿主タンパク質から自身を切り離すことができる完全なインテインを形成することができるか、エクステイン若しくは近傍配列のペプチド結合によるライゲーションを触媒することができるか、又はスプリットN-インテインと会合すると、「C末端切断」を触媒し、すなわち、エクステインとスプリットインテインCフラグメントのC末端との間のペプチド結合を求核攻撃し、上記ペプチド結合の破壊をもたらす。このように、IntCはトランススプライシングが起こる際にスプライシングされる配列も含む。IntCは、天然由来のインテイン配列のC末端部分を改変した配列を含み得る。例えば、IntCは、追加のアミノ酸残基及び/又は突然変異した残基を含むことがトランススプライシングにおいてIntCを非機能的にすることがない限り、かかる追加の残基及び/又は突然変異した残基を含むことができる。好ましくは、追加の残基及び/又は突然変異した残基を含めることで、IntCのトランススプライシング活性が改善又は増強される。
本明細書においては、本発明の文脈において、「再構成されるタンパク質のN末端フラグメント」とは、タンパク質のN末端フラグメント、より詳細には、25KDa超、50KDa超又は100KDa超のタンパク質のフラグメントを指すことに留意されたい。本明細書において使用される場合、「タンパク質のN末端フラグメント」という用語は、したがって、タンパク質のN末端(成熟型又は未熟型)を含む長さが可変のフラグメントを指す。特定の実施形態において、N末端フラグメントは、タンパク質全体の長さの100%未満、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満を含むフラグメントである。
本明細書においては、本発明の文脈において、「再構成されるタンパク質のC末端フラグメント」とは、タンパク質のC末端フラグメント、より詳細には、25KDa超、50KDa超又は100KDa超のタンパク質のフラグメントを指すことに留意されたい。したがって、本明細書において使用される場合、「タンパク質のC末端フラグメント」という用語は、タンパク質のC末端を含む長さが可変のフラグメントを指す。特定の実施形態において、C末端フラグメントは、タンパク質全体の長さの100%未満、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満を含むフラグメントである。
本明細書において使用される場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、ホスホジエステル結合(又はその合成類縁体上の関連構造変異体)を介して連結した複数のヌクレオチド単位(デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド、又はそれらの関連構造変異体若しくは合成類縁体)で構成されるポリマーを指す。ポリヌクレオチドという用語は、二本鎖又は一本鎖のゲノム及びcDNA、RNA、任意の合成及び遺伝子操作されたポリヌクレオチド、並びにセンス及びアンチセンスポリヌクレオチドの双方(ただし、本発明ではセンス鎖のみが開示されている)を含む。これは、一本鎖及び二本鎖の分子、すなわちDNA-DNA、DNA-RNA、及びRNA-RNAハイブリッドを含む。
スプリットインテインNフラグメント
本発明は、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントにペプチド結合を介して直接連結されたスプリットインテインN末端フラグメントに言及する。コンストラクトはN末端からC末端までの一般的な構造を持つことになる:
(再構成されるタンパク質のN末端フラグメント)-インテインN
再構成されるタンパク質は、その再構成がプラスの治療効果をもたらす可能性のある任意の大きな遺伝子であり得る。本発明で再構成され得るタンパク質の非限定的な例は、ABCA4タンパク質、及び以下の表1に列挙される遺伝子によりコードされるタンパク質である。これらのタンパク質を再構成する目的は、かかる遺伝子を正しいバージョンで提供することによって、それらのコーディング遺伝子内の突然変異に関連する疾患を治療することである。さらに、再構成されるタンパク質は、疾患を治療するためのタンパク質又は酵素である可能性もあるが、必ずしも突然変異したものと置き換わるとは限らない。例えば、再構成されるタンパク質は、遺伝子、塩基又はプライム編集のためのCRISPR/Cas9システムであり得る。
Figure 2023518596000001
Figure 2023518596000002
Figure 2023518596000003
Figure 2023518596000004
Figure 2023518596000005
Figure 2023518596000006
したがって、本発明の第1の態様は、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結されたスプリットインテインNフラグメントであって、上記に反映されるように、IntNが直接又はリンカーを用いてN末端フラグメントのC末端に連結されているもの(以下「本発明のスプリットインテインNフラグメント」と呼ぶ)に言及する。
本発明の第1の態様の好ましい実施形態は、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結されたスプリットインテインNフラグメント(以下、「本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロン」と呼ぶ)に言及し、デグロンは、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介して、インテインNフラグメントに連結されており、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結されている。
したがって、本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロンのコンストラクトのN末端からC末端までの構造は、次の通りとなる:
(再構成されるタンパク質のN末端部分)-(インテイン-Nフラグメント)-(デグロン)。
IntNとデグロンとの間にリンカーを導入した場合であれば、本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロンのN末端からC末端までのコンストラクトの構造は、以下の通りとなる:
(再構成されるタンパク質のN末端部分)-(インテイン-Nフラグメント)-(リンカー)-(デグロン)。
好ましくは、本発明のスプリットインテインNフラグメント又は本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロンのいずれかのインテインNは、以下の表2に列挙されるいずれかから選択することができる。
Figure 2023518596000007
ここで、好ましくは、インテインNは、配列番号27のCfaNインテイン若しくは配列番号39のConN等のその任意の変異体;又は配列番号30のCatNインテイン若しくはその任意の変異体;又は配列番号32のNpuNインテイン若しくはその任意の変異体;又は配列番号38のGp41Nインテイン若しくはその任意の変異体である。
本明細書において使用される場合、「変異体」という用語は、特定のポリペプチド配列に実質的に類似しているポリペプチド分子を指す。本発明では、本発明者らは、Cfa、Npu、Cat又はGp41のインテインのN-インテイン又はC-インテインの変異体を、それらのポリペプチド配列のいずれかと実質的に類似するポリペプチドと呼び、例えば、Conインテインは、Cfaの変異体として本明細書においては理解される。したがって、変異体は、それが由来するポリペプチドと構造及び生物学的活性において類似している可能性がある。したがって、変異体は、ポリペプチド配列の突然変異体を指す場合もある。「突然変異体」という用語は、それが由来するポリペプチド分子と比較して、配列中の1個以上のアミノ酸が付加、欠失、置換、又は別様に化学的に修飾されたポリペプチド分子を指す用語である。突然変異体は、それが由来するポリペプチド分子と実質的に同じ特性を保持してもよく、又は特許請求の範囲に記載の配列の生物学的活性を欠くものであってもよい。特定の実施形態において、インテイン変異体は、非触媒Cys残基、すなわちN-インテインの第1残基がセリン、又はアラニンに突然変異した突然変異体を含む。
好ましくは、本発明で通常理解される「変異体」という用語は、曖昧さ(promiscuity)が増加した変異体を指し、ここで曖昧さとは、インテインが分割部位にすぐ隣の残基の同一性に依存せずにタンパク質トランススプライシング(PTS)反応を行う能力として理解される。より具体的には、インテインの曖昧さとは、分割部位のすぐ隣のアミノ酸、つまり目的のタンパク質にインテインが挿入される部位の同一性に依存せずにPTS反応を行う能力を指す。以下に、分割部位の模式図を示す:
-3-2-1 +1+2+3
X-X-X-インテインN インテインC-X-X-X
典型的には、インテインはその位置において或る特定のアミノ酸を強く選好する。例えば、Catインテイン(配列番号30)は、+1位にCys、-1位にGluを選好する(Stevens, A. J., Sekar, G., Gramespacher, J. A., Cowburn, D., & Muir, T. W. (2018)). An Atypical Mechanism of Split Intein Molecular Recognition and Folding. Journal of the American Chemical Society, 140(37), 11791-11799. http://doi.org/10.1021/jacs.8b07334)。より曖昧な変異体は、かかる好ましい残基がない場合でも、タンパク質トランススプライシング反応を良好な収率で行うことができるものとなる。
特定の実施形態において、インテイン変異体は、インテインの触媒残基及び第2シェルの促進剤残基(second shell accelerator residues)が維持され、非触媒残基又は第2シェル外の残基のみが突然変異している突然変異体を含む。第2シェルの促進剤残基は、インテインの活性部位に隣接する残基であり、インテインのスプライシング活性を調整するのに重要な役割を担う。例えば、Cfaインテイン、及びDnaEファミリーのインテインの触媒残基及び促進剤残基はよく知られており、当該技術分野で説明されている(Stevens, A. J., Brown, Z. Z., Shah, N. H., Sekar, G., Cowburn, D., & Muir, T. W. (2016). Journal of the American Chemical Society. http://doi.org/10.1021/jacs.5b13528)。同様に、DnaE、GyrA、GyrB、DnaB、TerL、gp41、IMPDHを含む他の複数のインテインファミリーの触媒残基が研究され特徴づけられている(Shah, N. H., & Muir, T. W. (2014). Inteins: Nature's Gift to Protein Chemists. Chemical Science (Royal Society of Chemistry :2010), 5(1), 446-461. http://doi.org/10.1039/C3SC52951G)。第2シェルの促進剤残基を同定する方法論も記載されており(Stevens et al. 2016 Journal of the American Chemical Society. http://doi.org/10.1021/jacs.5b13528)、本発明で使用するのに適した特性を有するインテイン変異体(N-インテイン及びC-インテインの両方)を作製するために使用することができる。
特定の実施形態において、インテイン変異体は、インテインの触媒残基が維持されている突然変異体を含み、変異体は、速いスプライシング速度(半減期5分未満)、カオトロピック剤存在下又は高温での高い活性を含む、CfaN、NpuN、CatN、又はgp41Nインテインの主要機能的特徴を保持する。より詳細な実施形態において、CfaN、CatN、NpuN又はgp41Nインテインの変異体は、これらの配列のいずれかの機能的に等価な変異体である。
本明細書において使用される場合、「機能的に等価な変異体」という用語は、機能が実質的に維持又は改善される場合であれば、修飾、挿入及び/又は欠失、又は1個以上のアミノ酸によって配列から得られる全てのそれらのタンパク質を意味すると理解され、特にスプリットインテインのNフラグメントの機能的に等価な変異体の場合は、その活性を維持することを指す。本明細書において使用される場合、「活性」という用語は、スプリットインテインCフラグメントに結合することにより、スプリットインテインNフラグメントがタンパク質トランススプライシング反応を行う能力を指す。
CfaN、NpuN、CatN、又はgp41Nインテインの機能的に等価な変異体の例を以下に示す。
CfaNの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる。
Cys28及び/又はCys59がSer、Thr又はAlaに突然変異している、CfaN配列(配列番号27)。
Met1のN末端に追加のアミノ酸、例えば、リンカー、デグロン、検出用タグ等が含まれる、CfaN配列(配列番号27)。
その残基のいずれかが、維持されなければならない以下の残基:Cys1、Lys70、His72、Met75、Met81を除いて、同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異している、CfaN配列(配列番号27)。
その残基のいずれかが、維持されなければならない以下の残基:Cys1、Asp5、Phe15、Glu24、Thr32、Lys35、Phe38、Val39、Ile44、Asn49、Ile65、Thr69、Lys70、His72、Met75、Thr77、Met81、Gly91、Lys95、Gln96、Gly99を除いて、同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異している、CfaN配列(配列番号27)。
以下の残基:Cys1、Lys70、His72、Met75、Met81が維持され、以下:Asp5Glu、Phe15Leu、Glu24Lys、Thr32Ser、Lys35Asn、Phe38Asn、Val39Ile、Ile44Val、Asn49Asp、Ile65Leu、Thr77Val、Gly91Glu、Lys95Met、Gln96Arg、Gly99Asnの突然変異のいずれか又はそれらの組合せが導入されている、CfaN配列(配列番号27)。
以下の残基:Cys1、Lys70、His72、Met75、Met81が維持され、以下の突然変異Asp5Glu、Phe15Leu、Glu24Lys、Thr32Ser、Lys35Asn、Phe38Asn、Val39Ile、Ile44Val、Asn49Asp、Ile65Leu、Thr77Val、Gly91Glu、Lys95Met、Gln96Arg、Gly99Asnのうち1個~6個(1及び6は範囲に含まれる)が導入されている、CfaN配列(配列番号27)。
以下の残基:Cys1、Asp5、Glu24、Phe38、Val39、Ile44、Lys70、His72、Met75、Met81、Gly91、Lys95、Gln96、Gly99が維持され、以下の突然変異Phe15Ala、Thr32Ser、Lys35Glu、Asn49Asp、Ile65Thr、Thr77Gluのいずれか又は突然変異の組合せが導入されているCfaN配列(配列番号27)。
NpuNの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる。
Cys28及び/又はCys59がSer、Thr又はAlaに突然変異している、NpuN配列(配列番号32)。
NpuNの任意の残基が、維持されなければならない以下の残基:Cys1、Thr69、Lys70、His72、Met75、Met81を除いて、同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異され得るNpuN配列(配列番号32)。
NpuNの任意の残基をCfaNの配列中の対応するアミノ酸に突然変異させることができるNpuN配列(配列番号32)。
Gp41Nの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる。
Cys59及び/又はCys83がSer、Thr又はAlaに突然変異しているGp41N配列(配列番号38)。
Gp41Nの任意の残基が、維持されなければならない以下の残基:Cys1、His63を除いて、同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異させることができ、残基60はSer又はThrである、Gp41N配列(配列番号38)。
CatNの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる。
CatNの任意の残基を、維持しなければならないCys1残基を除いて、同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異させることができるCatN配列(配列番号30)。
特定の実施形態において、インテインNは、配列全体にわたって、それぞれ配列番号27、配列番号30、配列番号32、又は配列番号38と少なくとも90%の配列同一性を有する配列番号27、配列番号30、配列番号32、又は配列番号38のアミノ酸配列の変異体を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態において、配列番号27、配列番号30、配列番号32、又は配列番号38のインテインNの変異体は、配列全体にわたって、配列番号27、配列番号30、配列番号32、又は配列番号38とそれぞれ少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有する。
2つ以上のアミノ酸又はヌクレオチド配列と関連して「同一性」、「同一」、「同一性パーセント」又は「配列同一性」という用語は、配列同一性の一部として任意の保存的アミノ酸置換を考慮せず、最大の対応のために比較及び整列(必要に応じてギャップを導入)した場合に、同じであるか、又は同じアミノ酸残基の特定のパーセンテージを有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。同一性パーセントは、配列比較ソフトウェア若しくはアルゴリズム、又は目視検査によって測定することができる。アミノ酸配列のアラインメントを得るために使用することができる様々なアルゴリズム及びソフトウェアが当該技術分野で知られている。配列アラインメントアルゴリズムのかかる非限定的な一例は、Karlin et al., 1993, Proc. Natl. Acad. Sci., 90:5873-7において改変されるKarlin et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci., 87:2264-8に記載されるアルゴリズムであり、N BLAST及びXBLASTのプログラム(Altschul et al., 1991, Nucleic Acids Res., 25:3389-402)に組み込まれている。或る特定の実施形態において、Altschul et al., 1997, Nucleic Acids Res. 25:3389-402に記載されるように、Gapped BLASTを使用することができる。BLAST-2、WU-BLAST-2(Altschul et al., 1996, Methods in Enzymology, 266:460-80)、ALIGN、ALIGN-2(Genentech、カリフォルニア州サウス・サンフランシスコ)又はMegalign(DNASTAR)は配列を整列させるために使用することができる追加の公的に利用できるソフトウェアプログラムである。或る特定の代替実施形態において、Needleman and Wunsch (J. Mol. Biol. 48:444-53 (1970))のアルゴリズムを組み込んだGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを用いて、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントを決定することができる(例えば、Blossum 62マトリクス又はPAM250マトリクスのいずれかと、16、14、12、10、8、6、又は4のギャップ重み及び1、2、3、4、5の長さ重みを使用する)。或いは、或る特定の実施形態において、アミノ酸配列間の同一性パーセントは、Myers and Miller (CABIOS, 4:1 1-7 (1989))のアルゴリズムを用いて決定される。例えば、同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)を使用し、残基表を備えるPAM120、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用して決定することができる。特定のアラインメントソフトウェアによる最大アラインメントのための適切なパラメータは、当業者によって決定され得る。或る特定の実施形態において、アラインメントソフトウェアのデフォルトパラメータが使用される。或る特定の実施形態において、第1のアミノ酸配列の第2のアミノ酸配列に対する同一性パーセント「X」は、100×(Y/Z)として計算され、ここでYは、第1の配列及び第2の配列のアラインメントにおいて(目視又は特定の配列アラインメントプログラムによって整列された)同一の一致としてスコアされたアミノ酸残基の数であり、Zは第2の配列における残基の総数である。第2の配列が第1の配列より長い場合、両方の配列の全体を考慮したグローバルアラインメントが使用されるため、それぞれの配列の全ての文字とヌルがアラインメントされる必要がある。この場合、上記と同じ式を用いることができるが、第1の配列と第2の配列が重なる領域の長さをZ値として用い、上記領域は第1配列の長さと実質的に同じ長さを有するものとする。
非限定的な例として、任意の特定のポリペプチドが参照配列に対して或る特定のパーセンテージの配列同一性(例えば、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、及び或る幾つかの実施形態において、少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%同一)を有するかどうかは、特定の実施形態において、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, Wl 5371 1)を使用して決定することが可能である。BestfitはSmith and Waterman, Advances in Applied Mathematics 2:482-9 (1981)の局所相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同性の最適なセグメントを見つける。Bestfit又は任意の他の配列アラインメントプログラムを使用して、特定の配列が、例えば、本発明による参照配列に対して95%同一であるかどうかを判断する場合、同一性のパーセンテージは参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、参照配列中のヌクレオチドの総数の最大5%の相同性のギャップが許容されるようにパラメータが設定される。
スプリットインテインNフラグメントとデグロンとの間の「リンカー」という用語は、インテインNフラグメントのC末端とデグロン配列のN末端とをつなぐアミノ酸配列を指す。リンカーは、好ましくは、1個~100個のアミノ酸、又は個1~5個、又は1個~10個、又は1個~50個、又は1個~25個のアミノ酸のポリペプチドであり得る。リンカーは、Glyリッチペプチド、又はGly-Serリッチペプチドであってもよい。Gly-Serリッチペプチドの例としては、配列GGS、又はこのリンカーのポリマーで一般式(GGS)(nは1~10であり得る)を持つものが挙げられる。リンカーの一般的な式は、((G)S)であり、nは1~5、yは1~10である。さらに、エピトープタグをリンカーとして使用することができ、例えば、ヘキサヒスチジン(His6、配列:GHHHHHHG(配列番号84)タグ、又はトリプルフラッグタグ(3FT、配列:DYKDHDGDYKDHDIDYKDDDDK(配列番号103))である。
別の特定の実施形態において、ペプチド結合を介してスプリットインテインNフラグメントに直接連結されたデグロンは、以下の表3に列挙されているもののいずれかから選択される。
Figure 2023518596000008
デグロンの他の非限定的な例としては、DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)、FKBP(FK506結合タンパク質)、FRB(FKBP-ラパマイシン結合タンパク質)及びPDE5(ホスホジエステラーゼ5型)に関連するポリペプチドが挙げられる。また、小胞体関連分解(ERAD)経路の分解シグナルも挙げられる。
更に別の好ましい実施形態において、デグロンは75アミノ酸未満のポリペプチドであり、本発明のインテインNフラグメントに融合すると、その分解を誘導する。
更に別の好ましい実施形態において、デグロンは、本発明のスプリットインテインN末端又はC末端フラグメントと融合した場合、上記フラグメントの発現レベルの10%超、又は20%超、又は30%超、又は50%超、又は75%超、又は90%超の低下をもたらすポリペプチドである。重要なことは、本発明のフラグメントにデグロンを組み込んでも、本発明のスプリットインテインN末端とC末端とのフラグメントデグロン間のタンパク質トランススプライシングから得られる再構成タンパク質の収率に大きな影響を与えないということである。この好ましい実施形態の目的のため、発現レベルは、図18に記載されるように測定され、すなわち、デグロンを有するフラグメントの発現レベルは、図18に記載されるものに類似する条件下で、デグロンを有しないフラグメントの発現レベルと比較され、前者は後者より少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも90%低くなることを要する。
更に別の好ましい実施形態において、本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロンのN-インテイン及びデグロンの好ましい組合せは、以下からなる群より選択される:
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたCfaN又は機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、若しくはDD4のデグロンのいずれかと組み合わせたCfaN又は機能的に等価なその変異体、又は、
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6若しくはDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたGp41N又は機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、若しくはDD4のデグロンのいずれかと組み合わせたGp41N又は機能的に等価なその変異体。
図18Aでは、幾つかの代表的なデグロンが、スプリットN-インテインフラグメント、特にCfaNインテインに融合したときの効果を示す。デグロン(SopE、L2、L9、M4、V12)を添加すると、デグロンが融合したN-インテイン含有タンパク質融合体の検出可能な発現レベルが著しく減少する。興味深いことに、実施例、並びに図18、図20及び図21に記載されているように、幾つかの好ましいデグロン(SopE、L2、L9、M4、又はV12)が含まれていても、スプライシング産物形成の収率に悪影響を及ぼさない。デグロンの添加によって達成されるように、タンパク質トランススプライシング反応の出発物質量が減少すると、タンパク質のスプライシング収量が減少することが予想されることから、この結果は技術水準からは予測されていなかった。
更に別の好ましい実施形態において、スプリットインテインNフラグメント及びデグロンの好ましい組合せは、CfaNインテインと以下のデグロンDD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7との組合せからなる群より選択される。
このように、本発明者らは、CfaNインテインを上記のいずれかのデグロン、特に以下:DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7と組み合わせた場合、N末端インテインフラグメントの発現レベルの低下が検出された(図9、図18A)ことを観察した。重要なのは、これがタンパク質トランススプライシング反応の収率に影響を与えないことである(図9、図18C、図20又は図21)。典型的には、タンパク質トランススプライシング反応に関与する2つのインテインフラグメントのうち一方の収率、発現、又は安定性が低下すると、形成されるスプライシング産物の量が全体的に減少するため、この結果は従来技術からすると予想外のものであった。
本発明者らは、この効果が、ABCA4等の膜タンパク質(図18、図20、及び図21)だけでなく、EGFP等の細胞質可溶性タンパク質でも観察されており、その効果の普遍性を示している。図9では、EGFPN-CfaNにデグロンを添加すると、そのタンパク質に対応するバンドが完全に消失することが観察され得る。しかしながら、CfaC-EGFPCフラグメント(デグロンあり、又はなし)を添加すると、デグロンを使用しなかった場合と同じ収率で全長EGFP産物が形成される。この例は、デグロンを1つ、或いは2つ(各フラグメントに1つ)追加しても、標的タンパク質の収率に悪影響を与えないことを示している。
スプリットインテインのNフラグメントを含む複合体
別の態様において、本発明は、以下の複合体(複数の場合もある)のいずれか、すなわち本発明のスプリットインテインNフラグメント又は本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロン(以下、本発明の第1の複合体(複数の場合もある)と呼ぶ)に関し、これらの複合体の各々は、以下:
(i)再構成される目的のタンパク質のN末端フラグメントと、
(ii)上記の項で規定されるように、スプリットインテインNフラグメント、又はペプチド結合を介して、任意にリンカーにより、デグロンに直接連結したスプリットインテインNフラグメント(本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロン)と、
を含み、
複合体(複数の場合もある)は、任意に、(i)と(ii)との間にリンカーを含み、
目的のタンパク質のN末端フラグメントが、アミド結合によってスプリットインテインN末端フラグメントに連結されているか、又は、
複合体(複数の場合もある)がリンカーを含む場合、目的のタンパク質のN末端フラグメントはアミド結合によってリンカーに結合され、及び/又はリンカーはアミド結合によってスプリットインテインNフラグメントのN末端に結合されている。
上記の複合体のいずれかにおいて有用な目的のタンパク質の非限定的な実例としては、上記の表1に示されるものである。目的の更なるタンパク質を、抗体、Fcドメイン、scFvを含む抗体フラグメント、ナノボディ、二重特異性抗体、タンパク質、好ましくは、25KDa、50KDa、100KDaより大きい任意のタンパク質から選択することができる。
既に示したように、任意に、目的のタンパク質とスプリットインテインNフラグメントはリンカーによりつながれてもよいことから、リンカーは目的のタンパク質とN-インテインとの間に位置することになる。リンカーの性質は、目的のタンパク質の性質に依存する。特定の実施形態において、リンカーは、ペプチドである。特定の実施形態において、リンカーは、1、2、3、4、5、10、20、50、100又はそれ以上のアミノ酸残基の長さを有するペプチドであり、具体的には、1~3アミノ酸残基であり得る。好ましくは、ペプチド結合により、リンカーのN末端は目的のタンパク質のC末端に連結され、リンカーのC末端はN-インテインのN末端に連結される。
別の特定の実施形態において、複合体は、目的のタンパク質のN末端フラグメントとスプリットインテインNフラグメントとの間にリンカーを含まない。この特定の実施形態において、目的のタンパク質は、アミド結合によってスプリットインテインNフラグメントのN末端に連結される。
別の特定の実施形態において、複合体がリンカーを含む場合、複合体は融合タンパク質である。「融合タンパク質」という用語は当該技術分野でよく知られており、天然及び/又は人工の異なる起源からの2つ以上の配列を含む、人工的に設計された単一のポリペプチド鎖を指す。融合タンパク質は、定義上、それ自体が自然界に見られることはない。
スプリットインテインCフラグメント
別の態様において、本発明は、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結されたスプリットインテインCフラグメント(以下、「本発明のスプリットインテインCフラグメント」と呼ぶ)に関する。
より好ましくは、本発明は、ペプチド結合を介して、デグロンに直接連結されたスプリットインテインCフラグメント(以下、「本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロン」と呼ぶ)に言及し、デグロンは、インテインCフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介して、インテインCフラグメントに連結されており、スプリットインテインCフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントのN末端に直接連結されている。
したがって、本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロンのコンストラクトのN末端からC末端までの構造は、次の通りとなる:
(デグロン)-(インテイン-Cフラグメント)-(再構成されるタンパク質のC末端部分)。
デグロンとインテインCとの間にリンカーが含まれる場合、本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロンのコンストラクトのN末端からC末端までの構造は、以下の通りとなる:
(デグロン)-(リンカー)-(インテイン-Cフラグメント)-(再構成されるタンパク質のC末端部分)。
好ましくは、本発明のスプリットインテインCフラグメント又は本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロンのいずれかのインテインCは、以下の表4に列挙されるいずれかから選択される。
Figure 2023518596000009
ここで、好ましくは、インテインCは、配列番号28のCfaCインテイン又はCfaCmut(配列番号29)若しくはConC(配列番号105)等のその任意の変異体;又は配列番号31のCatCインテイン若しくはその任意の変異体、又はNpuCインテイン(配列番号33)若しくはNpuCmut(配列番号36)等のその任意の変異体、又は配列番号104のGP41Cインテイン若しくはその任意の変異体;又は上で定義した曖昧さが増加した任意の変異体である。
変異体という用語は、スプリットインテインのNフラグメントについて定義されている通りである。インテインCの変異体としては、N末端のメチオニン残基を含まない配列番号28、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号36、配列番号104及び配列番号105が挙げられる。
特定の実施形態において、曖昧さが増加したCfaC、NpuC、又はConCの変異体は、Stevens et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 2017に記載されているように、21位、22位及び23位にアミノ酸Gly、Glu及びProを含む。
特定の実施形態において、CfaC、NpuC、CatC又はgp41cインテインの機能的に等価な変異体の例は、以下のように示される:
CfaCの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる:
Met1が除去されたCfaC(配列番号28)配列。
N末端Met1に追加のアミノ酸、例えば、リンカー、デグロン、検出用タグ等が含まれるCfaC(配列番号28)配列。
CfaCの任意の残基が、維持されるべき以下の残基:Asp17、His24、Asn36を除いて同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異しているCfaC(配列番号28)配列。
CfaCの任意の残基が、維持されるべき以下の残基:Asp17、Asp23、His24、Ser35、Asn36を除いて同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異しているCfaC(配列番号28)配列。
CfaCの任意の残基が、維持されるべき以下の残基:Asp17、Asp23、His24、Ser35、Asn36を除いて同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異しているCfaC(配列番号28)配列。
以下の残基:Asp17、Asp23、His24、Ser35、Asn36が維持され、以下のアミノ酸Val2、Ile5、Ser6、Ser9、Lys22、Leu27、Leu32、Val33のいずれかが突然変異している、CfaC(配列番号28)配列。
以下の残基:Glu21Gly、Lys22Glu、及びAsp23Proが突然変異しているCfaC(配列番号28)配列。この変異体は、CfaCmutインテイン(配列番号29)に相当する。
指定の位置にあるべき以下の残基:Asp17、Gly21、Glu22、Pro23、His24、Asn36を除いて、任意の残基が同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異しているCfaC(配列番号28)配列。
以下の残基:Asp17、Gly21、Glu22、Pro23、His24、Ser35、Asn36が指定の位置にあるべきであり、以下のアミノ酸Val2、Ile5、Ser9、Leu27、Leu32、Val33のいずれかが突然変異している、CfaC(配列番号28)配列。
以下の突然変異Val2Ile、Ile5Ala、Ser6Thr、Ser9Tyr、Thr12Lys、Leu27Ala、Leu32Phe、Val33Ileのうち1個~5個(1及び5は範囲に含まれる)が導入されているCfaC(配列番号28)又はCfaCmut(配列番号29)配列。
NpuCの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる:
Met1が除去されたNpuC(配列番号33)配列。
Met1のN末端に追加のアミノ酸、例えば、リンカー、デグロン、検出用タグ等が含まれるNpuC(配列番号33)配列。
NpuCの任意の残基が、維持されるべき以下の残基:Asp17、His24、Asn36を除いて同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異し得るNpuC(配列番号33)配列。
NpuCの任意の残基が、維持する必要がある以下の残基:Asp17、His24、Ser35、Asn36を除いて同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異し得るNpuC(配列番号33)配列。
以下の残基:Asp17、His24、Ser35、Asn36が維持され、以下のアミノ酸Val2、Ile5、Ser9、Lys22、Leu32、Val33のいずれかが突然変異している、NpuC(配列番号33)配列。
以下の残基:Asp17、His24、Ser35、Asn36が維持され、以下の突然変異Ile2Val、Ala5Ile、Tyr9Ser、Ala27Leu、Phe32Leu、Ile33Valのいずれかが組み込まれている、NpuC(配列番号33)配列。
Npuの曖昧さを高めるために、以下の残基Glu21Gly、Arg22Glu、Asp23Proに突然変異している、NpuC(配列番号33)配列。
Gp41Cの機能的に等価な変異体は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる:
Met1が除去されたGp41C(配列番号104)配列。
Met1のN末端に追加のアミノ酸、例えば、リンカー、デグロン、検出用タグ等が含まれるGp41C(配列番号104)配列。
Gp41Cの任意の残基が、維持する必要がある以下の残基:His26、His36、Asn37を除いて同様の物理化学的特性を有する残基に突然変異し得る、Gp41C(配列番号104)の配列。
特定の実施形態において、インテインCは、配列全体にわたって、それぞれ配列番号28、配列番号31、配列番号33、又は配列番号104と少なくとも90%の配列同一性を有する配列番号28、配列番号31、配列番号33、又は配列番号104のアミノ酸配列の変異体を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態において、配列番号28、配列番号31、配列番号33、又は配列番号104のインテインCの変異体は、配列全体にわたって、配列番号28、配列番号31、配列番号33、又は配列番号104とそれぞれ少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有する。
別の特定の実施形態において、ペプチド結合を介してスプリットインテインCフラグメントに直接連結されたデグロンは、表3に列挙されているもののいずれかから選択される。この項で有用な、目的のタンパク質の非限定的な実例は、上記の表1に示されるものである。
更に別の好ましい実施形態において、本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロンのC-インテインとデグロンとの好ましい組合せは、以下からなる群より選択される:
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7のデグロンのいずれかと組み合わせた、CfaC又はCfaCmut等のその任意の機能的に等価な変異体。好ましくは以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、DD4、DD5、DD6若しくはDD7のデグロンのいずれかと組み合わせた、CfaC又はCfaCmut等のその任意の機能的に等価な変異体、又は、
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6若しくはDD7のデグロンのいずれかと組み合わせた、Gp41C又はその任意の機能的に等価な変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、若しくはDD4のデグロンのいずれかとの組み合わせたGp41C又は機能的に等価なその変異体。
図18BではC末端コンストラクトにデグロンを融合させる効果を観察することができる。N末端のデグロンで観察されたようにC末端のコンストラクトにデグロンを融合させると、コンストラクトの発現レベルが低下するが、好ましい組合せを使用した場合には、スプライシング収率への影響は観察されない。CfaCと特に相性が良いのは、以下のデグロンである:DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7。N末端フラグメントで観察されたように、本発明のC末端フラグメントにデグロンを組み込むと、その発現が低下した(WBで検出)が、また興味深いことに、PTS収率、すなわち目的の産物の形成には悪影響が観察されなかった。この結果は、本明細書において示したEGFPとABCA4の例を含む、幾つかのタンパク質で観察されている。
スプリットインテインCフラグメントを含む複合体
別の態様において、本発明は、以下のいずれかの複合体(複数の場合もある)、すなわち本発明のスプリットインテインCフラグメント又は本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロン(以下、本発明の第2の複合体(複数の場合もある)と呼ぶ)に関し、これらの複合体の各々は、以下:
(i)目的のタンパク質のC末端フラグメントと、、
(ii)上記の項で規定されたように、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、デグロンに直接連結された、スプリットインテインCフラグメント又はスプリットインテインCフラグメント(本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロン)と、
を含み、
複合体(複数の場合もある)は、任意に、(i)と(ii)との間にリンカーを含み、
目的のタンパク質のC末端フラグメントが、アミド結合によってスプリットインテインCフラグメントのC末端に連結されているか、又は、
複合体(複数の場合もある)がリンカーを含む場合、目的のタンパク質のC末端フラグメントはアミド結合によってリンカーに結合され、及び/又はリンカーはアミド結合によってスプリットインテインCフラグメントのC末端に結合される。
本発明で有用な、目的のタンパク質の非限定的な実例は、上記の表1に列挙されるものである。目的のタンパク質の更なる例を、抗体、Fcドメイン、scFvを含む抗体フラグメント、ナノボディ、二重特異性抗体、タンパク質、好ましくは、25KDa、50KDa、100KDaより大きい任意のタンパク質から選択することができる。
「目的のタンパク質」及び「リンカー」という用語は、本発明の第1の複合体に関連して既に定義されている。本発明の第1の複合体の目的のタンパク質とリンカーとの全ての特定の実施形態は、本発明の第2の複合体にも完全に適用される。
特定の実施形態において、複合体は、目的の化合物とスプリットインテインCフラグメントとの間にリンカーを含まない。この特定の実施形態において、目的の化合物は、アミド結合によってスプリットインテインCフラグメントのC末端に連結される。
特定の実施形態において、複合体は、目的の化合物とスプリットインテインCフラグメントとの間にリンカーを含む。この特定の実施形態において、目的の化合物は、目的の化合物及びリンカーの化学的性質に応じて、任意の適切な手段によってリンカーに結合され得る。この特定の実施形態において、リンカーは、アミド結合によってスプリットインテインCフラグメントのC末端に結合している。別の特定の実施形態において、目的の化合物はアミド結合によってリンカーに結合され、この場合、リンカーは任意の適切な手段によってスプリットインテインCフラグメントのC末端に結合され得る。別の特定の実施形態において、目的の化合物はアミド結合によってリンカーに結合され、リンカーはアミド結合によってスプリットインテインCフラグメントのC末端に結合される。
特定の実施形態において、複合体がリンカーを含む場合、リンカーはペプチドリンカーである。この特定の実施形態において、複合体は、融合タンパク質である。
本発明の複合体を含む組成物
別の態様において、本発明は、本発明の第1の複合体(複数の場合もある)及び/又は第2の複合体(複数の場合もある)を含む組成物(以下、本発明の第1の組成物と呼ぶ)に言及する。
「組成物」という用語は、特定の成分を含む産物だけでなく、特定の成分を特定の量で組み合わせた結果、直接的又は間接的に生じる産物も包含することが意図されている。組成物の成分は、単一の製剤中に一緒に充填されてもよく、又は異なる製剤中に別々に充填されてもよい。したがって、実施形態において、本発明の第1の複合体は、単一の製剤において本発明の第2の複合体と共に充填される。別の実施形態において、本発明の第1の複合体と、本発明の第2の複合体とは、別々に充填される。
特に好ましい実施形態において、第1の複合体及び第2の複合体は、両方の複合体が本発明の方法に従って組み合わされる場合、タンパク質のN末端フラグメントがタンパク質のC末端フラグメントに連結されてタンパク質全体を生成するように、それぞれ同じタンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントを含む。
本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び宿主細胞
別の態様において、本発明は、本発明の第1の複合体(複数の場合もある)又は第2の複合体(複数の場合もある)をコードするポリヌクレオチドに関する。
好ましくは、好ましい実施形態において、本発明は、2つのポリヌクレオチドに言及し、これらのポリヌクレオチドのうちの一方は、本発明の第1の複合体(複数の場合もある)をコードし(以下、本発明の第1のポリヌクレオチド)、他方は、本発明の第2の複合体(複数の場合もある)をコードし(以下、本発明の第2のポリヌクレオチド)、本発明の第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、両ポリヌクレオチドがそれぞれのタンパク質複合体に翻訳される、及び/又は本発明の方法に従って組み合わされた場合、タンパク質のN末端フラグメントはタンパク質のC末端フラグメントに連結され、そのようにして、再構成されるタンパク質全体が生成されるように、それぞれ同じタンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをコードする。本発明の第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、それぞれ好ましくは同じインテインのスプリットインテインをコードすること、すなわち、N-インテインとC-インテインが同族対であることに留意するのが重要である(Shah et al. Journal of the American Chemical Society 2012 https://doi.org/10.1021/ja303226xを参照されたい)。同族インテイン対の例としては、CfaN/CfaC(又はCfaCmutを含むそれらの変異体のいずれか)、NpuN/NpuC(又はそれらの変異体のいずれか)、CatN/CatC(又はそれらの変異体のいずれか)、Gp41N/Gp41C(又はそれらの変異体のいずれか)が挙げられる。しかしながら、両方のポリヌクレオチドが同一のインテインに関わるスプリットインテインをコードしているかどうかという事実とは無関係に、タンパク質に翻訳されると、スプリットインテインそれぞれのN末端とC末端の配列は、トランススプライシング反応に機能的なインテインに非共有結合的に再集合することができる、すなわち再構成することができる別々のフラグメントにならなくてはならない。
好ましい実施形態において、本発明は、上記で言及した2つのポリヌクレオチドに言及し、これらのポリヌクレオチドのうちの一方は、本発明のスプリットインテインNフラグメントデグロンをコードし(以下、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドと呼ぶ)、他方は本発明のスプリットインテインCフラグメントデグロンをコードし(以下、本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドと呼ぶ)、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、両方のポリヌクレオチドがそれぞれのタンパク質複合体に翻訳され、本発明の方法に従って組み合わされた場合、タンパク質のN末端フラグメントがタンパク質のC末端フラグメントに連結され、そのようにしてタンパク質全体が生成されるように、それぞれ同一のタンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをコードする。先の実施形態と同様に、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、それぞれ好ましくは同一のインテインのスプリットインテインをコードすることに留意することが重要である。いずれにせよ、そして上記に反映されるように、本明細書において使用される場合、各ポリヌクレオチドは、タンパク質に翻訳されるとN末端配列及びC末端配列が、トランススプライシング反応に機能的なインテインに非共有結合的に再集合することができるか、又は再構成することができる別々のフラグメントとなるように、スプリットインテインをコードしなければならない。
更に別の好ましい実施形態において、本発明は、オルソゴナルスプリットインテイン対を用いた3ピースライゲーション戦略について言及する。この方法論には、3つのポリヌクレオチドがあり、第1のポリヌクレオチドは、POI-CfaN(POIは、「目的のタンパク質」のNフラグメントとして理解される)をコードし、第2のポリヌクレオチドは、CfaC-POI-CatN(この場合、POIは、目的のタンパク質の中間フラグメントである)をコードし、第3のポリヌクレオチドは、CatC-POI(POIは、目的のタンパク質のCフラグメントとして理解される)をコードする。或いは、Cfaインテイン及びCatインテインの位置を入れ替えて、以下のような構造:POI-CatN、CatC-POI-CfaN、及びCfaC-POIを持つコンストラクトを生成することもできる。CfaNは、CfaNインテインフラグメント配列番号27、及びその変異体のいずれかである。CatNは、CatNインテインフラグメント配列番号30、及びその変異体のいずれかである。CfaCは、CfaCインテインフラグメント配列番号28、及び配列番号29を含むその変異体のいずれかである。CatCは、CatCインテインフラグメント配列番号31、及びその変異体のいずれかである。
本明細書においては、2つのポリヌクレオチドに言及するそれらの実施形態について、第1のポリヌクレオチド(又は具体的には本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド)は、本発明の任意のスプリットインテインNフラグメント又は本発明の任意のスプリットインテインNデグロンフラグメントであり得ることが留意される。特に、本発明の第1のポリヌクレオチド(又は具体的には、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド)は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる:配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76及び配列番号78。より好ましくは、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドは、以下のインテインとデグロンとの具体的な組合せのいずれかをコードする:
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7のデグロンのいずれかと組み合わせた、CfaN又はConN等の機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、若しくはDD4のデグロンのいずれかと組み合わせた、CfaN又はConN等の機能的に等価なその変異体、又は、
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6若しくはDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたGp41N又は機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12若しくはDD4のデグロンのいずれかと組み合わせたGp41N又は機能的に等価なその変異体。
本明細書においては、2つのポリヌクレオチドに言及するそれらの実施形態について、第2のポリヌクレオチド(又は具体的には本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチド)は、本発明の任意のスプリットインテインCフラグメント又は本発明の任意のスプリットインテインCデグロンフラグメントであり得ることが更に留意される。特に、本発明の第2のポリヌクレオチド(又は具体的には、本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチド)は、以下からなる一覧のいずれかから選択することができる:配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号26、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77及び配列番号79。より好ましくは、本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドは、以下のインテインとデグロンとの具体的な組合せのいずれかをコードする:
以下:CL1、Deg1、PESTt、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7のデグロンのいずれかと組み合わせた、CfaC又はCfaCmut若しくはConC等の機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、DD4、DD5、DD6若しくはDD7のデグロンのいずれかと組み合わせた、CfaC又はCfaCmut等の機能的に等価なその変異体、又は、
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6若しくはDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたGp41C又は機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12若しくはDD4のデグロンのいずれかと組み合わせたGp41C又は機能的に等価なその変異体。
好ましい実施形態において、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、両方のポリヌクレオチドがそれぞれのタンパク質複合体に翻訳され、本発明の方法に従って組み合わされる場合、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントがABCA4タンパク質のC末端フラグメントに連結されてABCA4タンパク質全体が生成されるように、それぞれABCA4タンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをコードする。より好ましくは、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドは、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1178位、又は1位~1187位と、以下のインテイン及びデグロンの特定の組合せのいずれかとをコードし:
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたCfaN又はConN等の機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、又はDD4のいずれかのデグロンと組み合わせた、CfaN又はConN等の機能的に等価なその変異体;
本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドは、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1179位~2273位、又は1188位~2273位と、以下のインテイン及びデグロンの特定の組合せのいずれかとをコードする:
以下:CL1、Deg1、PESt、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたCfaC、又はCfaCmut若しくはConC等の機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7のデグロンのいずれかと組み合わせたCfaC又はCfaCmut等の機能的に等価なその変異体。
本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントはABCA4タンパク質のC末端フラグメントと連結されなくてはならず、そのようにしてABCA4タンパク質全体が生成されることから、本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドは、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位をコードすることに留意することが重要である。他の位置についても同様である。
上記の好ましい組合せを用いるとN末端及びC末端の出発フラグメントのレベルを著しく低下させながら、これらの例ではABCA4という標的タンパク質の効率的な再構成を得ることができることが確認できる。一方のコンストラクトに少なくとも1つのデグロンが含まれている場合、又は両方に含まれている場合、N末端及び/又はC末端フラグメントの分解が促進されるため、発現が低減する。技術水準に基づけば、かかる出発物質のレベルの低下は、スプライス産物の低下をもたらすと予想される。それにもかかわらず、本発明者らは逆の挙動を観察し、全長スプライシング産物の収率は影響を受けず、場合によっては向上することさえある。さらに、本発明者らは、本明細書に記載の方法を用いてタンパク質を再構成することで、本発明者らは、ATPアーゼ活性アッセイを使用して決定した場合に、機能的なタンパク質を生成できることを観察した。本発明者らはまた、マウスの網膜においてin vivoで標的タンパク質を効率的に再構成することを確認した。
別の好ましい実施形態において、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドは、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1095位、又は1位~1185位と、以下のインテイン及びデグロンの特定の組合せのいずれかとをコードし:
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7のいずれかのデグロンと組み合わせたGp41N又は機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12、又はDD4のいずれかのデグロンと組み合わせた、Gp41N又は機能的に等価なその変異体;
本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドは、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1096位~2273位、又は1186位~2273位と、以下のインテイン及びデグロンの特定の組合せのいずれかとをコードする:
以下:CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7のいずれかのデグロンと組み合わせたGp41C又は機能的に等価なその変異体。好ましくは、以下:CL1、Deg1、DD1、DD2、DD3、SopE、L2、L9、M4、V12又はDD4のいずれかのデグロンと組み合わせたGp41C又は機能的に等価なその変異体。
先の事例と同様に、本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドが1位~1095位をコードする場合、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントはABCA4タンパク質のC末端フラグメントと連結されなくてはならず、そのようにしてABCA4タンパク質全体が生成されることから、本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドは、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1096位~2273位をコードすることに留意することが重要である。他の位置についても同様である。
上記配列をコードするヌクレオチド配列の更に好ましい組合せ(それぞれ本発明の第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチド又は本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチド)は、以下の対のいずれかから選択される:1と2;3と4;5と6;66と67:68と69:70と71:72と73;74と75;76と77;及び78と79。
「本発明の第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチド」という用語は、とりわけ「本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチド」を包含し、したがって、本発明者らは、以下では、本発明の第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを、既にポリヌクレオチドの上記代替物の全てを包含する用語としてのみ言及することに留意されたい。
好ましくは、本発明は、本発明の第1のポリヌクレオチド及び/又は第2のポリヌクレオチド、或いは本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド及び/又は第2のポリヌクレオチドを含む、及び/又は、オルソゴナルスプリットインテイン対を使用する3ピースライゲーションシステムのPOI-インテインフラグメントのそれぞれを別々に若しくは合同で含む、組成物、以下、本発明の第2の組成物に言及する。「組成物」という用語は、この特定の文脈では、指定された成分を含む産物を包含することを意図する。組成物の成分は、単一の製剤中に共に充填されてもよく、又は異なる製剤中に別々に充填されてもよい。したがって、実施形態において、本発明の第1のポリヌクレオチドは、単一の製剤において本発明の第2のポリヌクレオチドと共に充填される。別の実施形態において、本発明の第1のポリヌクレオチド及び本発明の第2のポリヌクレオチドは、別々に充填される。より好ましくは、本発明の第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、本発明の方法に従って両複合体を組み合わせると、タンパク質のN末端フラグメントがタンパク質のC末端フラグメントに連結され、再構成されるタンパク質全体が生成されるように、再構成されるタンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをそれぞれコードする。
本発明の上記ポリヌクレオチドは全て、それ自体として単離されるか、又は適切な宿主細胞における上記ポリヌクレオチドの送達及び/又は伝播を可能にするベクターの一部を形成していることが見出され得る。したがって、別の態様において、本発明は、上述した本発明のポリヌクレオチドのいずれかを含むベクターに関するものである。
上記ポリヌクレオチドの挿入に適したベクターは、pUC18、pUC19、Bluescript及びその誘導体、mpl8、mpl9、pBR322、pMB9、ColEl、pCRl、RP4、ファージ等の原核生物における発現ベクターに由来するベクター、並びにpSA3及びpAT28等の「シャトル」ベクター;2ミクロンプラスミド、統合プラスミド、YEPベクター、セントロメアプラスミドのタイプのベクター等の酵母における発現ベクター;pACシリーズ及びpVLシリーズのベクター等の昆虫細胞における発現ベクター;pIBI、pEarleyGate、pAVA、pCAMBIA、pGSA、pGWB、pMDC、pMY、pOREシリーズ等の植物における発現ベクター;並びに任意の市販のバキュロウイルス系を用いた昆虫細胞のトランスフェクションに適したバキュロウイルスを含む真核細胞における発現ベクターである。真核細胞用のベクターとしては、好ましくは、ウイルスベクター(アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルスに関連するウイルス、例えばレトロウイルス、特にレンチウイルス)、並びに非ウイルスベクター(pSilencer 4.1-CMV(Ambion)、pcDNA3、pcDNA3.1/hyg、pHMCV/Zeo、pCR3.1、pEFI/His、pIND/GS、pRc/HCMV2、pSV40/Zeo2、pTRACER-HCMV、pUB6/V5-His、pVAXl、pZeoSV2、pCI、pSVL及びPKSV-10、pBPV-1、pML2d及びpTDTl等)が挙げられる。好ましくは、ベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)である。好ましくは、ベクターは血清型1、2、3、4、5、6、7、8、又は9のAAVである。二量体、又は自己相補型AAVベクター(scAAV)も上記ポリヌクレオチドの挿入に使用することができる。
したがって、本発明は、好ましくは、遺伝子治療用ベクターとしてのAAVの開発に向けられたものである。好ましくは、これらのベクターは、ベクターのDNAからrep及びcapを除去することにより、統合能力をなくしたものである。遺伝子の転写を駆動するプロモーターと共に所望の遺伝子(ポリヌクレオチド)は、一本鎖のベクターDNAが宿主細胞のDNAポリメラーゼ複合体によって二本鎖DNAに変換された後、核内でコンカテマー形成を助ける逆末端反復配列(ITR)の間に挿入される。AAVを用いた遺伝子治療用ベクターは、宿主細胞の核内でエピソームコンカテマーを形成する。非分裂細胞では、これらのコンカテマーは宿主細胞の寿命が尽きるまでそのまま残る。分裂する細胞では、エピソームのDNAは宿主細胞のDNAと共に複製されないため、細胞分裂によってAAVのDNAは失われる。AAVのDNAの宿主ゲノムへのランダムな組み込みは検出可能であるが、非常に低い頻度で発生する。
所望の遺伝子(ポリヌクレオチド)は、コンストラクトが発現される予定の宿主細胞で機能する調節エレメントと組み合わされ得る。当業者であれば、適切な宿主細胞、例えば哺乳動物又はヒトの宿主細胞で使用するための調節エレメントを選択することができる。調節エレメントとしては、例えば、プロモーター、転写終結配列、翻訳終結配列、エンハンサー、シグナルペプチド、及びポリアデニル化エレメントが挙げられる。本発明のポリヌクレオチドを、プロモーター配列に作動可能に連結することができる。発明の主題において使用が企図されるプロモーターとしては、限定されるものではないが、ネイティブ遺伝子プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(KF853603.1、bp149~735)、キメラCMV/チキンベータ-アクチンプロモーター(CBA)、及びCBAの切断型(smCBA)プロモーター(米国特許第8298818号、及びLight-Driven Cone Arrestin Translocation in Cones of Postnatal Guanylate Cyclase- 1 Knockout Mouse Retina Treated with AAVGC 1)、ロドプシンプロモーター(NG009115、bp4205~5010)、光受容体間レチノイド結合タンパク質(IRBP)プロモーター(NG_029718.1、bp4777~5011)、卵黄様黄斑変性症2(VMD2)プロモーター(NG009033.1、bp4870~5470)、PR特異的ヒトGタンパク質共役型受容体キナーゼ1(hGRKl;AY327580.1 bp1793~2087又はbp1793~1991)(Haire et al. 2006;米国特許第8,298,818号)、近位マウスロドプシンプロモーター(MOPS)が挙げられる。しかしながら、当該技術分野で知られている任意の適切なプロモーターを使用することができる。具体的な実施形態において、プロモーターは、CMVプロモーター又はhGRKlプロモーターである。一実施形態において、プロモーターは、1つの組織又は一群の組織において選択的な活性を示すが、他の組織では活性が低いか又は活性がない組織特異的なプロモーターである。一実施形態において、プロモーターは、光受容体特異的プロモーターである。更なる実施形態において、プロモーターは、錐体細胞特異的及び/又は桿体細胞特異的プロモーターである。
好ましいプロモーターは、CMV、GRK1、CBA、及びIRBPプロモーターである。更に好ましいプロモーターは、様々なプロモーターからの調節エレメントを組み合わせたハイブリッドプロモーターである(例えば、CMVプロモーターからのエンハンサー、CBAプロモーター及びSv40キメライントロンを組み合わせたキメラCBAプロモーター、本明細書においてはCBAハイブリッドプロモーターと呼ぶ)。
また、AAVの免疫原性は非常に低く、中和抗体の生成にとどまるようであり、明確に区別される細胞傷害性反応は誘導されない。この特徴は、静止細胞に感染する能力と共に、ヒトの遺伝子治療のためのベクターとしてアデノウイルスよりも優位に立つものである。
AAVゲノム、トランスクリプトーム、及びプロテオーム:AAVのゲノムは、ポジティブセンス又はネガティブセンスの一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)でできており、その長さは約4.7キロベースである。ゲノムはDNA鎖の両端にある逆末端反復配列(ITR)と、2つのオープンリーディングフレーム(ORF):rep及びcapとを含む。前者は、AAVのライフサイクルに必要なRepタンパク質をコードする4つの重複遺伝子で構成され、後者はカプシドタンパク質:VP1、VP2、及びVP3のヌクレオチド配列を重複して含み、これらは相互作用して正20面体対称のカプシドを形成する。
逆末端反復(ITR)配列は、それぞれ145塩基を含む。AAVゲノムの効率的な増殖に必要であることが示され、その対称性からそう名づけられた。また、これらの配列の別の特性は、ヘアピンを形成する能力であり、これはプライマーに依存しない第2のDNA鎖の合成を可能にする、いわゆるセルフプライミングに寄与する。また、ITRはAAV DNAの宿主細胞ゲノム(ヒトでは19番染色体)への組み込みとそこからのレスキューの両方に必要であり、更に完全に組み立てられたデオキシリボヌクレアーゼ耐性AAV粒子の生成と組み合わせたAAV DNAの効率的なカプセル化に必要であることが示された。
遺伝子治療に関しては、治療用遺伝子の隣にcisで必要な配列はITRだけであるようであり、構造遺伝子(cap)及びパッケージング遺伝子(rep)をtransで導入することができる。この前提のもと、レポーター遺伝子又は治療用遺伝子を含む組換えAAV(rAAV)ベクターを効率的に製造する方法が数多く確立された。しかしながら、効果的な複製及びカプセル化にcisで必要な要素は、ITRだけではないことも発表された。幾つかの研究グループは、rep遺伝子のコード配列内にcis作動性Rep依存型エレメント(CARE:cis-acting Rep-dependent element)と呼ばれる配列を同定した。CAREはcisで存在すると、複製とカプセル化を増強することが示された。
2006年までに、既に11種類のAAV血清型が報告されている。全ての既知の血清型は、複数の多様な組織型の細胞に感染することができる。組織特異性はカプシドの血清型によって決定され、AAVベクターのシュードタイピングによってその向性範囲を変えることは、治療への利用において重要であると思われる。本発明では、AVV血清型1、2、3、4、5、6、7、8、又は9のITRが好ましい。
血清型2(AAV2)は、これまで最も多く検討されてきた。AAV2は、骨格筋、神経細胞、血管平滑筋細胞、肝細胞に対して自然向性を示す。
また、ベクターは、接触させた後にベクターを取り込んだ細胞を識別することができるレポーター又はマーカー遺伝子を含んでもよい。
本発明の関連で有用なレポーター遺伝子としては、lacZ、ルシフェラーゼ、チミジンキナーゼ、GFP等が挙げられる。本発明との関連で有用なマーカー遺伝子としては、例えば、アミノグリコシドG418に対する耐性を付与するネオマイシン耐性遺伝子;ハイグロマイシンに対する耐性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子;オルニチン脱炭酸酵素阻害剤(2-(ジフルオロメチル)-DL-オルニチン(DFMO))に対する耐性を付与するODC遺伝子;メトトレキサートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子;ピューロマイシンに対する耐性を付与するピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子;ゼオシンに対する耐性を付与するble遺伝子;9-ベータ-D-キシロフラノースアデニンに対する耐性を付与するアデノシンデアミナーゼ遺伝子;N-(ホスホノアセチル)-L-アスパラギン酸の存在下で細胞の増殖を可能にする、シトシンデアミナーゼ遺伝子;アミノプテリンの存在下で細胞の増殖を可能にする、チミジンキナーゼ;キサンチンの存在下とグアニンの不在下で細胞を増殖させることを可能にする、キサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子;トリプトファンの代わりにインドールの存在下で細胞が増殖することを可能にする大腸菌(E. coli)のtrpB遺伝子;細胞がヒスチジンの代わりにヒスチジノールを使用することを可能にする、大腸菌のhisD遺伝子が挙げられる。選択遺伝子は、真核細胞における上記遺伝子の発現に適したプロモーター(例えば、CMV又はSV40プロモーター)、最適化された翻訳開始部位(例えば、いわゆるKozakの規則に従う部位又はIRES)、例えば、SV40ポリアデニル化部位又はホスホグリセリン酸キナーゼ部位等のポリアデニル化部位、例えば、ベータグロブリン遺伝子イントロン等のイントロンを更に含むことができるプラスミドに組み入れられる。或いは、レポーター遺伝子及びマーカー遺伝子の組合せを同一ベクターで同時に使用することも可能である。
一方、当業者に知られているように、ベクターの選択は、その後に導入される宿主細胞に依存する。例としては、上記ポリヌクレオチドが導入されたベクターは、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、又はPI由来人工染色体(PAC)でもあり得る。YAC、BAC、及びPACの特性は、当業者に知られている。上記のタイプのベクターに関する詳細な情報は、例えば、Giraldo及びMontoliu (Giraldo, P. & Montoliu L., 2001 Size matters: use of YACs, BACs and PACs in transgenic animals, Transgenic Research 10(2):83-110)によって提供される。本発明のベクターは、当業者に知られている従来法により得ることができる(Sambrook J. et al., 2000 "Molecular cloning, a Laboratory Manual", 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, N.Y. Vol 1-3)。
本発明のポリヌクレオチドは、裸のDNAプラスミドとしてin vivoで宿主細胞に導入することができるが、トランスフェクション、エレクトロポレーション(例えば経皮的エレクトロポレーション)、マイクロインジェクション、トランスダクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、遺伝子銃の使用、又はDNAベクター輸送体の使用等、当該技術分野でよく知られている方法によって、ベクターを使用しても導入することができる。また、裸のDNAを製剤化し、哺乳動物の筋肉組織に投与する方法も知られている。Feigner P, et al.、米国特許第5,580,859号及び米国特許第5,589,466号を参照されたい。また、カチオン性オリゴペプチド、DNA結合タンパク質由来のペプチド、又はカチオン性ポリマー等、in vivoにおける核酸のトランスフェクションを促進する他の分子も有用である。Bazile D, et al.、国際公開第1995021931号及びByk G, et al.、国際公開第1996025508号を参照されたい。
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するのに使用することができる方法としてもう一つよく知られているのが、粒子線照射(別名、バイオリスティック形質転換)である。バイオリスティック形質変換は、一般的に幾つかの方法のいずれかで行われる。一般的な方法としては、不活性又は生物学的に活性な粒子を細胞に向けて推進する方法がある。Sanford J, et al.、米国特許第4,945,050号、米国特許第5,036,006号、及び米国特許第5,100,792号を参照されたい。
或いは、リポフェクションによりベクターをin vivo導入することも可能である。カチオン性脂質を用いることで、負に帯電した核酸の封入を促進し、また負に帯電した細胞膜との融合を促進することができる。Feigner P、Ringold G、Science 1989; 337:387-388を参照されたい。核酸の転写に特に有用な脂質化合物及び組成物が記載されている。Feigner P, et al.、米国特許第5,459,127号、Behr J, et al.、国際公開第1995018863号、及びByk G、国際公開第1996017823号を参照されたい。
最後に、そして特に好ましくは、ベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、偽型AAVベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、バキュロウイルスベクターを含むがこれに限らないウイルス送達系によってin vivoに導入することが可能である。偽型AAVベクターとは、或るAAV血清型のゲノムを第2のAAV血清型のカプシドに含むものであり、例えば、AAV2/8ベクターはAAV8カプシドとAAV2ゲノムを含む(Auricchio et al. (2001) Hum. Mol. Genet. 10(26):3075-81)。かかるベクターはキメラベクターとしても知られる。他の送達システムの例としては、ex vivo送達システムがあり、限定されるものではないが、エレクトロポレーション、DNAバイオリスティックス、脂質媒介トランスフェクション、コンパクト化DNA媒介トランスフェクション等のDNAトランスフェクション法が挙げられる。
AAVベクターの構築は、当業者に知られている手順及び技術に従って実施することができる。アデノ随伴ウイルスベクターの構築及び治療における使用の理論及び実践は、幾つかの科学出版物及び特許公報に示されている(以下の参考文献は、参照することで本明細書の一部をなす:Flotte TR. Adeno-associated virus-based gene therapy for inherited disorders. Pediatr Res. 2005 Dec; 58(6):1143-7; Goncalves MA. Adeno-associated virus: from defective virus to effective vector, Virol J. 2005 May 6;2:43; Surace EM, Auricchio A. Adeno-associated viral vectors for retinal gene transfer. Prog Retin Eye Res. 2003 Nov; 22(6):705-19; Mandel RJ, Manfredsson FP, Foust KD, Rising A, Reimsnider S, Nash K, Burger C. Recombinant adeno-associated viral vectors as therapeutic agents to treat neurological disorders. Mol Ther. 2006 Mar; 13(3):463-83)。
AAVベクターを含む医薬組成物の好適な投与形態としては、注射用溶液又は懸濁液、アイローション及び眼科用軟膏が挙げられるが、これらに限定されるものではない。したがって、別の態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞に関する。この細胞は、当業者に知られた従来の方法によって得ることができる(例えば、前掲のSambrook et al.,を参照されたい)。
本明細書において使用される場合、「宿主細胞」という用語は、本発明によるポリヌクレオチドやベクター等の本発明の核酸が導入され、本発明のスプリットインテインNフラグメント又は該スプリットインテインNフラグメントを含む融合タンパク質を発現することができる細胞を指す。本明細書においては、「宿主細胞」及び「組換え宿主細胞」という用語は区別なく使用される。かかる用語は、特定の対象細胞だけでなく、かかる細胞の子孫又は潜在的な子孫を指すことが理解されるべきである。突然変異又は環境の影響により、後代に或る特定の変化が生じることがあるため、かかる子孫は、実際には親細胞と同一ではないかもしれないが、それでも本明細書において使用する用語の範囲に含まれるものとする。この用語には、異種DNAの導入により改変することができる培養可能な細胞も含まれる。好ましくは、宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチドが安定に発現し、翻訳後修飾され、適切な細胞内区画に局在し、適切な転写機構に関与させることができるものである。適切な宿主細胞の選択は、検出シグナルの選択にも影響される。例えば、レポーターコンストラクトは、上記のように、転写調節タンパク質に応答して遺伝子転写の活性化又は阻害に際して選択可能又はスクリーニング可能な形質を提供することができ、最適な選択又はスクリーニングを達成するために、宿主細胞の表現型が考慮される。本発明の宿主細胞としては、原核細胞及び真核細胞が挙げられる。原核生物としては、グラム陰性生物又はグラム陽性生物が挙げられ、例えば、大腸菌又はバチルス菌が挙げられる。好ましくは、ポリヌクレオチドを含む転写制御配列又は本発明のベクターの増殖のために、原核細胞が使用されることが理解される。形質転換に適した原核生物宿主細胞としては、例えば、大腸菌、枯草菌(Bacillus subtilis)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、及びシュードモナス属、ストレプトミセス属、及びスタフィロコックス属内の様々な他の種が挙げられる。真核細胞としては、限定されるものではないが、酵母細胞、植物細胞、真菌細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス)、哺乳動物細胞、及び寄生生物(例えば、トリパノソーマ)の細胞が挙げられる。本明細書において使用される場合、酵母は、厳密な分類学的意味での酵母、すなわち単細胞生物だけでなく、糸状菌の酵母様多細胞菌類も含む。例示的な種としては、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyverei lactis)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、及びウスチラゴ・メイディス(Ustilaqo maydis)が挙げられ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が好ましい。本発明の実施に用いることができる他の酵母は、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、及びハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)である。哺乳動物宿主細胞培養系としては、COS細胞、L細胞、3T3細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、胚性幹細胞等の確立した細胞株が挙げられ、BHK細胞、HeK細胞又はHeLa細胞が好ましい。組換え遺伝子の発現には、真核細胞を用いることが好ましい。
好ましい実施形態において、本発明の第2の組成物は、治療における使用のため、より詳細には、組成物中にコードされる遺伝子の種類に応じて表1で特定される疾患のいずれかにおける使用のためのものである(疾患と遺伝子との相関は表1に明確に示されており、したがって、正しい組合せを特定することは、当業者にとって明らかである)。
細胞内で目的のタンパク質をコードする遺伝子を発現させる方法
別の態様において、本発明は、in vitro又はin vivoで、細胞内で目的の遺伝子を発現させる方法(以下、目的の遺伝子の第1の発現方法)に関し、本方法は、
(i)細胞を、
(a)本発明の第1のポリヌクレオチド、又は本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチド、及び、
(b)本発明の第2のポリヌクレオチド、又は本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドに接触させることと、
(ii)第1の融合タンパク質及び第2の融合タンパク質が産生されるように、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
(iii)スプリットインテインNフラグメントがスプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、インテイン中間体が反応して、目的の第1のポリペプチドのC末端を目的の第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、第1のタンパク質と第2のタンパク質を接触させることと、
を含む。
特定の実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デグロンをコードする第1のポリヌクレオチドであり、第2のポリヌクレオチドは、デグロンをコードする第2のポリヌクレオチドであり、好ましくは、目的のタンパク質が25KDa超、50KDa超、又は100KDa超であり、目的の第1のポリペプチドのC末端と目的の第2のポリペプチドのN末端とを共有結合させると、タンパク質全体が得られる。
本発明の第1のポリヌクレオチド及び/又は第2のポリヌクレオチドのいずれかと細胞との接触は、in vitro又はin vivoで、目的のポリヌクレオチドを細胞内に導入できるようにするための任意の適切な手段、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、リポフェクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、遺伝子銃の使用、又はDNAベクター輸送体の使用により行うことができる。好ましくは、ベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)である。
好ましい実施形態において、本発明は、細胞内で目的のタンパク質をコードする遺伝子を発現させる方法(以下、目的の遺伝子の第1の発現方法)に関し、本方法は、
(i)細胞を、
(a)本発明の第1のポリヌクレオチド、又は本発明のデグロンをコードする第1のポリヌクレオチドを含む第1のAAV、及び
(b)本発明の第2のポリヌクレオチド、又は本発明のデグロンをコードする第2のポリヌクレオチドを含む第2のAAVに接触させる又は形質導入することと、
(ii)第1の融合タンパク質及び第2の融合タンパク質が産生されるように、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
(iii)スプリットインテインNフラグメントがスプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、インテイン中間体が反応して、目的の第1のポリペプチドのC末端を目的の第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質とを接触させることと、
を含み、
好ましくは、第1のポリヌクレオチドは、デグロンをコードする第1のポリヌクレオチドであり、第2のポリヌクレオチドは、デグロンをコードする第2のポリヌクレオチドであり、より好ましくは、目的のタンパク質が25KDa超、50KDa超、又は100KDa超であり、目的の第1のポリペプチドのC末端と目的の第2のポリペプチドのN末端とを共有結合させると、タンパク質全体が得られる。
この意味で、また実施例に示すように、デグロンの存在は、出発物質(すなわち、本発明のスプリットインテインN末端及び/又はC末端フラグメントデグロン)の高速分解を引き起こす。選択されたデグロンは、タンパク質スプライシングに適合した分解速度を有し、定常状態では、デグロンがない場合に観察されるものに比べて、出発物質の量が減少している。しかしながら、スプライシング産物のレベルは、デグロンがない場合に観察されるものに比べて、維持されるか、又は増加する。
本発明の目的遺伝子を発現させる方法では、細胞を第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドに同時に接触させるか、又は第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドに任意の順序で順次接触させることが企図され、すなわち、細胞を最初に第1のポリヌクレオチドに、次に第2のポリヌクレオチドに接触させてもよく、最初に第2のポリヌクレオチドに、次に第1のポリヌクレオチドに接触させてもよい。上記ポリヌクレオチドをコードするベクターについても、同様とする。
これらの方法には、あらかじめ宿主細胞として定義された任意の細胞を使用することができる。
本発明を以下の実施例によって説明するが、これらは単に例示であって、本発明の範囲を限定するものではないと見なされる。
以下の表では、本発明者らは、本書で既に列挙されている配列を追加して形成される配列を表す命名法を確立する。かかる配列は、以下の表において、それらを構成するN末端からC末端までの、配列番号で識別される配列の一覧で表される。例えば、配列番号106のアミノ酸1~1149が配列番号27(CfaN)に直接連結され、それが配列番号103(3FT)に直接連結されている配列については、用いられる命名法は次の通りである:配列番号106(1~1149)-配列番号27-配列番号103。この具体例はN末端から、配列番号106のアミノ酸1~1149で始まり、その直後に、ペプチド結合を介して直接連結された配列番号27に対応するポリペプチドが続き、その直後に、同じくペプチド結合を介して連結された配列番号103に対応するポリペプチドが続く配列と解釈されるべきである。そのため、配列は、N末端からC末端まで、次のような構造を有し得る:
[配列番号106(1~1149の残基)]-[配列番号27]-[配列番号103]
ここで、括弧「[ ]」内の配列はその配列内の全てのアミノ酸を表し、「-」は括弧内の2つの配列をつなぐペプチド結合を表す。或る特定の配列のxからyまでの残基とは、x位からy位まで(x位とy位の両方を含む)の全てのアミノ酸残基を意味する。例えば、配列番号106(1~1149の残基)は、配列番号106の残基1から残基1149まで(残基1と残基1149の両方を含む)を含む配列を意味する。
Figure 2023518596000010
Figure 2023518596000011
Figure 2023518596000012
Figure 2023518596000013
材料及び方法
材料:
オリゴヌクレオチドをEurofins genomicsから購入した。合成遺伝子をGENEWIZから購入した。クローニング用のPfu Ultra融合ポリメラーゼ及び全ての制限酵素をThermofisher Scientificから購入した。クローニングに使用したハイコンピテンシー細胞を、XL10-Goldケミカルコンピテント大腸菌から作製した。HEK293T細胞をATCCから購入した。DNA精製キットをQiagenから購入した。全てのプラスミドはMacrogenにより配列決定された。Luria Bertani(LB)培地、及び全ての緩衝塩をThermofisher Scientificから購入した。クマシーブリリアントブルー、MG-132プロテオソーム阻害剤、フェニルメタンスルホニルフルオリド、ヨードアセトアミド、NHHCO、DTT、ギ酸、ウシ胎児血清、及び大豆由来アソレクチンをSigma-Aldrichから購入した。アセトニトリル(ACN)をCarlo-Erbaから購入した。EDTAフリー完全プロテアーゼ阻害剤をRocheから購入した。Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬、DMEM高グルコースGlutaMAXサプリメント、RPMI1640培地GlutaMAXサプリメント、RIPA溶解及び抽出バッファー、BCAタンパク質アッセイキット、MES-SDSランニングバッファー、前染色タンパク質ラダー、及びSDS-PAGE(Bis-trisゲル及びTris-酢酸ゲル)をThermofisher Scientificから購入した。一次抗6×Hisタグマウスモノクローナル抗体、抗flagタグマウスモノクローナル抗体、抗ABCA4ウサギポリクローナル抗体、及び抗チューブリンウサギポリクローナル抗体をInvitrogenから購入した。二次抗体のヤギ抗マウスIgG(H+L)高度交差吸着抗体alexa fluor plus 680及びヤギ抗ウサギIgG(H+L)二次抗体dylight 800 4×PEGをInvitrogenから購入した。ドデシルマルトシド(D310)及びコレステリルヘミスクシネート(CH210)の溶液をAnatraceから購入した。トリプシンをPromegaから購入した。
機器:
エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)を、LTQ-Orbitrap Velos(Thermo Scientific)質量分析計に接続したno Acquity液体クロマトグラファー(Waters)にて実施した。ゲル及びウエスタンブロットをLI-COR Odyssey Infrared Imagerで撮像した。細胞溶解をSFX550 Branson sonifierを用いて実施した。FACS測定をGallios Beckman Coulterで行った。
組換えDNAのクローニング
コンストラクトABCA4-1150-CfaN(配列番号1)及びABCA4-1150-CfaC(配列番号2)を調製するための合成遺伝子を購入し、KpnI及びNotIの制限酵素を用いてpEGFP-N1発現ベクターに導入した。NpuN及びNpuCの合成遺伝子を購入し、制限酵素フリーのクローニングによりABCA4-1150-CfaN及びABCA4-1150-CfaCに導入し、コンストラクトABCA4-1150-NpuN(配列番号8)及びABCA4-1150-NpuC(配列番号9)を得た。
コンストラクトABCA4-3FT(配列番号7)、ABCA4-1140-CfaN(配列番号3)、ABCA4-1140-CfaCmut(配列番号4)、ABCA4-1188-CfaN(配列番号5)、ABCA4-1188-CfaCmut(配列番号6)、ABCA4-1179-CfaN(配列番号93)及びABCA4-1179-CfaCmut(配列番号94)を制限酵素フリーのクローニングにより作製した。CfaCmutにおける突然変異を、Pfu Ultra II HFポリメラーゼを用いたインバースPCRを使用して導入した。ABCA4-1140-NpuN(配列番号10)、ABCA4-1140-NpuC(配列番号11)、ABCA4-1188-NpuN(配列番号12)及びABCA4-1188-NpuC(配列番号13)を制限酵素フリーのクローニングによって調製した。
コンストラクトEGFP-71-CfaN(配列番号14)、EGFP-71-CfaC(配列番号15)、EGFP(配列番号16)、EGFP-71-NpuN(配列番号17)及びEGFP-71-NpuC(配列番号18)を制限酵素フリーのクローニングで調製した。
SopE用の合成遺伝子を購入し、制限酵素フリーのクローニングによりABCA4-1150-CfaN、ABCA4-1150-CfaC、ABCA4-1140-CfaN、ABCA4-1140-CfaC、EGFP-71-CfaN及びEGFP-71-CfaCに導入し、コンストラクトABCA4-1150-CfaN-SopE(配列番号19)、ABCA4-1150-CfaC-SopE(配列番号20)、ABCA4-1140-CfaN-SopE(配列番号21)、ABCA4-1140-CfaC-SopE(配列番号22)、EGFP-71-CfaN-SopE(配列番号23)及びEGFP-71-CfaC-SopE(配列番号24)を得た。オーバーラップ伸長PCRによりDD1用の遺伝子を調製し、制限酵素フリーのクローニングによりEGFP-71-CfaN及びEGFP-71-CfaCに導入し、コンストラクトEGFP-71-CfaN-DD1(配列番号25)及びEGFP-71-CfaC-DD1(配列番号26)を得た。全ての組換えプラスミドの同一性は配列決定により確認され、対応するタンパク質の配列を表1に報告する。デグロンを含むコンストラクトを、スプリットタンパク質遺伝子、スプリットインテイン、及びデグロンを含む異なる要素を発現プラスミドにクローニングすることで同様に作製した。
AAVの産生
CfaNインテインを有するEGFPフラグメント又はABCA4フラグメントをコードする本発明のNフラグメントをコードするAAVを、標準的なトリプルトランスフェクション戦略を用いて製造した。野生型AAV2 ITRを有するrAAV8ベクターを、プラスミドpAAV-Rep2-Cap8、pHelper及びAAV-導入遺伝子プラスミドのHEK293細胞へのポリエチレンイミン(PEI)媒介同時トランスフェクションにより製造した。
細胞及び培地を、トランスフェクションの48時間後に採取した。0.1%Tritonを用いる処理の後、細胞からウイルスを放出し、PEG沈殿により培養培地からAAV粒子を得た。粗溶解物の精製及び空カプシドの除去を、Zolotukhinらの方法に従ってイオジキサノール勾配により行った[Zolotukhin S, Byrne BJ, Mason E, Zolotukhin I, Potter M, Chestnut K, Summerford C, Samulski,RJ, Mucyczka N. (1999) Recombinant adeno-associated virus purification using novel methods improves infectious titer and yield. Gene Ther; 6(6):973-85.]。
精製したバッチを、Vivaspin 20 Centrifugal Concentrator 100.000 MWCO(Sartorius、カタログ番号VS0641)を用いて、定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)で決定した場合に最終濃度1×1013vg/mlまで濃縮し、製剤化した。使用した製剤用バッファーは、BSS(Alcon)+Pluronicを特徴とする。
濃縮後、ウイルスバッチをAcrodisc(商標)シリンジフィルター(Acrodisc PP、PES、0.2μM 1cm)を用いて濾過し、-80℃で保存した。ITR特異的PCRプライマーを用いたqPCRにより、1ミリリットルあたりのゲノムコピー数に関してウイルス力価を決定した。さらに、AAV8 ELISA(Progen)を用いて、製造者の指示に従ってカプシド力価を得た。最終産物中に存在する1×1010vgに相当するタンパク質を、タンパク質の可視化のためにPierce銀染色キット(カタログ番号24612)を使用して10%SDS PAGEで分離した。VP1タンパク質、VP2タンパク質、及びVP3タンパク質は1:1:10の正しい化学量論で検出可能であり、AAV調製物の純度が95%超であることを示す。
HEK293細胞におけるインテインプラスミドのトランスフェクション:
HEK293T細胞を、10%FBS及び抗生物質を含むDMEMにて、37℃の6%CO雰囲気で維持した。Lipofectamine 2000及び各プラスミド1.25μgを用い、6ウェルプレートフォーマットで、約80%コンフルエントな状態で細胞を同時トランスフェクトした。全長遺伝子をコードするプラスミドを用いた実験では、2つのインテインプラスミドを用いた場合にトランスフェクトされたDNAが同じ量になるように、スクランブルプラスミドを完全長プラスミドと同時トランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に細胞を採取し、EGFPをウエスタンブロットにより分析した。
HEK293細胞におけるデグロン-インテインプラスミドのトランスフェクション:
Lipofectamine 2000及び各プラスミド1.25μgを用い、6ウェルプレートフォーマットで、約80%コンフルエントな状態で細胞を同時トランスフェクトした。インテイン-デグロンプラスミドでトランスフェクトした細胞をトランスフェクションの48時間後に採取し、ウエスタンブロットで分析した。タイムコース実験では、トランスフェクションの24時間及び48時間後に細胞を採取し、ウエスタンブロットで分析した。
プロテオソーム阻害剤実験を、MG-132阻害剤を用いて実施した。細胞を同時トランスフェクトし、トランスフェクションの24時間後にDMSO又はMG-132(DMSOに溶解)を最終濃度50□Mとなるように添加した。30分後、3時間後、6時間後、及び24時間後に細胞を採取し、ウエスタンブロットで分析した。
ウエスタンブロット分析:
EGFPをトランスフェクトした細胞(HEK293細胞及びWERI-RB1細胞)を、プロテアーゼ阻害剤及び1mMフェニルメチルスルホニルを添加したRIPAバッファーに溶解した。溶解後、試料をBCAタンパク質アッセイキットで定量した。総タンパク質が10μgの試料を1×Laemmli試料バッファーにおいて95℃で10分間変性させた。溶解物を12%Bis-tris SDS-PAGEゲルにより165Vで40分間分離した。イムノブロッティングに使用した抗体は、EGFPを検出するための抗6×Hisタグ及びローディング対照としての抗β-チューブリンであった。ウエスタンブロットにより検出されたEGFPバンドの定量を、LI-COR Odyssey Infrared Imagerを使用して実施した。
ABCA4をトランスフェクトした細胞(HEK293)を、プロテアーゼ阻害剤及び1mMフェニルメチルスルホニルを添加したPBS(1:1)中のドデシルマルトシド(D310)及びコレステリルヘミスクシネート(CH210)溶液に溶解した。溶解後、ABCA4試料をBCAタンパク質アッセイキットで定量した。総タンパク質が25μgの試料を、2.5mg/mlのアソレクチンを含む1×Laemmli試料バッファーにおいて37℃で15分間変性させた。溶解物を3%~8%Tris-酢酸SDS-PAGEゲルにより150Vで1.5時間分離した。イムノブロッティングに使用した抗体は、ABCA4タンパク質を検出するための抗flagタグ又は抗ABCA4のいずれか、及びローディング対照としての抗β-チューブリンであった。ウエスタンブロットにより検出されたABCA4バンドの定量を、LI-COR Odyssey Infrared Imagerを使用して実施した。
蛍光活性化セルソーティング測定:
HEK293T細胞を各EGFP-インテインプラスミド2μgで同時トランスフェクトし、陰性対照としてHEK293T細胞を培養したが、トランスフェクションは行わなかった。全長遺伝子をコードするプラスミドを用いた実験では、2つのインテインプラスミドを用いた場合にトランスフェクトされたDNAが同じ量になるように、スクランブルプラスミドを完全長プラスミドと同時トランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に細胞をフローサイトメトリーにより分析した。トランスフェクションした細胞とトランスフェクションしていない細胞とをそれぞれFACS分析バッファー(PBS、2%FSA、2mM EDTA)に再懸濁した。EGFP+細胞のパーセンテージを、Beckman Coulter Galliosフローサイトメーターで、Kaluzaフローサイトメトリー分析ソフトウェアを用いて、異なるトランスフェクトした細胞とトランスフェクトしていない細胞とを比較することによって評定した。Dapi染色を使用して、死細胞の数を検出した。
質量分析による分析:
ゲルバンドを炭酸水素アンモニウム(50mM NHHCO)及びアセトニトリル(ACN)で洗浄した。20mM DTTで60℃、60分間試料を還元した後、55mM ヨードアセトアミドで25℃、30分間暗所下でアルキル化した。その後、トリプシン(配列等級改変トリプシン)で37℃にて2時間及び一晩、二重に消化した。最後に、得られたペプチド混合物を、50%ACN中の5%ギ酸(FA)及び100%ACNでゲルマトリクスから抽出し、SpeedVac真空システムで乾燥させた。得られたペプチド混合物を、製造業者のプロトコルに従ってC18チップ(PolyLC Inc.)でクリーンアップした。最後に、クリーンアップしたペプチド溶液を乾燥させた。トリプシン消化混合物を1%FA溶液に再懸濁し、各試料について、クロマトグラフィー分離のためにアリコートを注入した。ペプチドをSymmetry C18捕捉カラム(5μm 180μm×20mm;Waters)に捕捉し、C18逆相キャピラリーカラム(ACQUITY UPLC M-クラス ペプチドBEHカラム;130Å、1.7μm、75μm×250mm、Waters)を用いて分離した。ペプチドの溶出に用いた勾配は、流量250nL/分で、1%→40%Bを25分、続いて40%→60%を5分(A:0.1%FA;B:100%ACN、0.1%FA)であった。溶出したペプチドをエミッターニードル(PicoTip(商標)、New Objective)で、印加電圧2000Vのエレクトロスプレーイオン化に供した。ペプチドの質量(m/z300~1700)を、データ依存モードで分析し、Orbitrapにおいて400m/zで分解能60000FWHMにてフルスキャンMSを取得した。各MSスキャンから15番目に多いペプチド(最小強度500カウント)を選択し、次いでヘリウムをコリジョンガスとするCID(38%正規化衝突エネルギー)を用いてリニアイオントラップでフラグメント化した。データベース検索を、Thermo Proteome Discoverを使用し、Sequest HT検索エンジンで行った。
in vivo実験
実験を4週齢の野生型動物、129Sv系統で行った。マウスに試験試料を網膜下注射した。
5mlのハミルトン注射器に33Gの注射針を使用し、瞳孔散大後に網膜下注入を行った。注射後4週間のEGFP発現眼底評価を、デジタルイメージングシステムに接続されたCanon UVI網膜カメラを用いて行った。Spectralisイメージングシステム(Heidelberg Engineering Inc.)を用いたSD-OCT(Optical Coherence Tomography)により、網膜構造及び外顆粒層(ONL)の定量を評価した。撮像後、動物を安楽死させ、免疫組織化学及びウエスタンブロットによる更なる分析のため眼球摘出を行った。さらに、6週齢のC57BL/6マウスの内耳にベクターを注入する実験も行った。
結果及び考察
最近、コンセンサスデザインに基づいて、幾つかの新しいインテインが設計され(Stevens et al., 2016; Stevens, Sekar, Gramespacher, Cowburn, & Muir, 2018)、天然由来のインテインよりも優れた特性を持つことが示された。Cfaと呼ばれるこれらのインテインの1つは、DnaEインテインのアラインメントからコンセンサスデザインによって生成され、Npu等のDnaEファミリーの最も優れたインテインの幾つかよりも優れた特性を有することが示された。Cfaは、より速い速度、高い発現レベル、高温及び高濃度の変性剤等の極限条件に対する高い耐性を持つことが報告されている。興味深いことに、相同性の程度が90%以上のCfa変異体も同様の特性を示す。同じコンセンサスデザイン戦略をTerL-AceLインテインファミリーにも適用した結果、Catと呼ばれるコンセンサス配列が得られ、これもTerL-AceLファミリーの残りのメンバーに比べて改善された特性を示した。
コンセンサスインテインが遺伝子治療用途のタンパク質トランススプライシングによるタンパク質の再構成に有益であることを示すため、直接比較を行った。精製したプラスミドで細胞をトランスフェクションすることにより比較を行った。
最初の実験を、レポーター遺伝子としてEGFPを使用して行った。簡潔に言えば、EGFPを71位で分割し、N末端フラグメント(残基1~70、EGFPN)をN-インテインに、C末端フラグメント(残基71~239、EGFPC)をC-インテインに組換えにより融合させた。Cfaコンセンサス配列とNpuとの再構成効率を比較するため、以下の4つのコンストラクトを生成した:EGFPN-CfaN、EGFPN-NpuN、CfaC-EGFPC、及びNpuC-EGFPC。培養HEK293細胞を、N末端フラグメント及びC末端フラグメントをコードするプラスミドで等モル量にて同時トランスフェクトし、スプライシング効率を蛍光顕微鏡検査、フローサイトメトリー分析及びウェスタンブロッティングでモニターした。
本発明者らの結果(図2、図3及び図4を参照されたい)は、コンセンサスCfaインテインはNpuインテインと比較してEGFP再構成の2.5倍の増加を提供し、コンセンサスデザインによって得られたインテインは同時トランスフェクトの際により収量の多い標的タンパク質を提供することを示す。Cfaがin vitroでNpuよりも速い速度で分裂すること、そのN末端フラグメントを個別に細胞に形質転換又はトランスフェクトするとより良好に発現することは知られていたが、その結果、両方のフラグメントを同じ細胞に同時トランスフェクトした場合に利点があるかどうかは示されていなかったということは重要な点であった。これらの実験を通して、本発明者らは、IntNとIntCの両フラグメントが同じ細胞内で発現される場合、Npu等の既知の超高速スプリットインテインに比べCfaを使用することで、標的タンパク質の再構成収率に明らかな利益を提供することを実証した。また、in vivoでの送達のため、EGFPのNフラグメントとCフラグメント、及びN-インテインとC-インテインをコードする遺伝子を組換えAAVに組み込んだ。結果は、Cfaインテイン媒介タンパク質スプライシングにより、網膜及び内耳を含む幾つかの器官でEGFPが再構成されることを実証した(図23)。
このCfaコンセンサス配列のポジティブな特徴が他のタンパク質でも観察されることを確認するため、本発明者らは、ABCA4タンパク質を用いて実験を繰り返した。ABCA4は、シュタルガルト病で突然変異している大型タンパク質であり、その再構成が疾患の治療に実行可能な戦略として提案されている。現在、AAV遺伝子治療に基づく幾つかのアプローチが、ABCA4タンパク質を再構築するため探索されている。ABACA4はサイズが大きいため、単一のAAVに封入することができず、そのため、ABCA4を2つのフラグメントに分けて送達し、標的細胞内で再構成することができる様々な戦略が提案されている。Cfa等の操作されたコンセンサス配列がNpu等の天然由来のインテインよりも利益をもたらすことを確認するため、本発明者らは、ABCA4を1150位で分割し、N-インテインとC-インテインをそれぞれタンパク質のN末端フラグメントとC末端のフラグメントにクローニングした。
ABCA4(1~1149)-IntN及びIntC-ABCA4(1150~2273)とCfa又はNpuのインテインとを発現プラスミドにクローニングし、HEK293細胞に同時トランスフェクトした。細胞を溶解し、タンパク質の再構成収率をウエスタンブロットにより決定した。対照となる全長ABCA4も同時トランスフェクトした。
EGFPで観察されたように、本発明者らは、CfaではNpuよりも高い再構成収率を観察した(図5を参照されたい)。
また、CfaCフラグメントに特定の突然変異を含むCfaCmut(Stevens et al., 2017)と呼ばれるCfaの変異体が最近報告され、Cfaの利点に付加価値を与えている。特にCfaCmut変異体は、C-エクステインの+2位に本来のPhe残基がなくても、タンパク質フラグメントを効率的にスプライスできることが示されている。上記で定義した+2位とは、IntCの最後のアミノ酸から相対的に+2された位置を意味する。ABCA4が1150位で分割されると、Cエクステイン+2位にPheが残り、これはCfaと同様にNpuに最適な残基である。
ABCA4は1150位で分割することにより再構成できるにもかかわらず、これは治療目的としては最適な位置ではないかもしれない。ABCA4を1150とは異なる部位で分割して再構成する能力を試験するため、本発明者らは、インテインに対して+2位のPheを与える位置に限定されないように、CfaCmutを使用した。
ABCA4タンパク質を、分割部位の+2位にPheを含まない部位で分割したABCA4コンストラクトを幾つかクローニングした。+2部位のSerに相当する1140位と、+2部位のProに相当する1188位の2つの追加の部位を試験した。コンストラクトを上記に示すようにクローニングし、試験した。具体的には、ABCA4(1~1139)-IntN、IntC-ABCA4(1140~2273)のコンストラクトを用いて、1140位でのABCA4のスプライシングを評価した。また、ABCA4(1~1187)-IntN及びIntC-ABCA4(1188~2273)ではABCA4の1188位での分割を評価した。ABCA4のトポロジー構造に基づいて、折り畳まれたドメインの存在を考慮しながら、部位を選択した。ABCA4の細胞内側のよく折り畳まれたドメインの外側にある部位を選択した。異なる部位を試験したところ、いずれもCfa及びCfaの変異体はNpuよりも高い再構成収率を提供し、分割部位によって効率も異なることが観察された(図5、図6、及び図7)。本発明者らはまた、このアプローチにより、1179位と1177位でのABCA4の分割を再構成できることも実証した。1140及び1188について上記で定義したものと類似のコンストラクトをクローニングし、1179位と1177位でのスプライシングの効率を試験するために使用し、1179位での結果を図21に示す。
本発明者らはまた、gp41等の他の効率的なインテインを使用して、分割されたフラグメントからABCA4を再構成できることも実証した。1185位と1095位で分割したABCA4コンストラクトを設計し、N末端とC末端のインテインに対応する融合体をクローニングして、上記のようにスプライシング活性を分析した。分割位置1096とgp41インテインでのPTS反応のウエスタンブロットによる分析を図22に示す。
以下の表7は、タンパク質を異なる部位(1177、1179、1096、及び1185)で分割したときに得られるABCA4フラグメントの配列、及び対応するABCA4-インテインN又はインテインC-ABCA4融合体の配列を示す。
遺伝子治療におけるスプリットインテインの使用には、再構成収率以外に、未反応の出発物質及び/又はインテインの存在という大きな制約がある。望ましくない出発物質の蓄積を防ぎ、切り取られたインテインフラグメントを排除するために、本発明者らは図8に示す一般的な構造を持つコンストラクトにデグロンを追加した。
本発明者らは、ABCA4に対する遺伝子治療アプローチを開発するためにインテインと組み合わせて使用することができる幾つかのデグロンを特定し、これは、他の大型遺伝子上の突然変異によって引き起こされる疾患にも転用可能であり、またそれらの疾患を治療するためのタンパク質の再構成、例えば、CRISPR/Cas9システムの再構成に転用可能である。
デグロン-インテインの適切な組合せを特定するために、選択されたデグロンを含むEGFP-Intコンストラクトをクローニングした。デグロンをN-インテインのC末端、及びC-インテインのN末端でクローニングした。検出目的のため、2つのエレメントの間にリンカーとしてHis6タグを含めた。原理証明として、SopE不安定化ドメイン(1~100)、及びペプチド配列DD1からなるデグロン(表3を参照されたい)を使用した。
結果は、デグロンを含めることで、あらゆる検出可能な量の出発物質及びインテインが実際に除去されることを示す(図9、図14を参照されたい)。重要なことは、予想外に、両方のデグロンを同時に含むことで、タンパク質スプライシング反応の収率を落とすことなく、あらゆる未反応の出発物質を除去できることが実証された。
興味深いことに、デグロン戦略を大型の遺伝子ABCA4に適用したところ、本発明者らは、同様の結果を観察したが、スプライシングされたABCA4産物のレベルも上昇し、コンセンサスインテインとデグロンとの予想外の相乗効果を示す(図10を参照されたい)。
これらの結果に対するプロテオソームの阻害剤の効果も検討した(図11)。本発明者らは、プロテオソーム阻害剤がデグロンの効果を減少させることを示し、したがってSopEの分解がプロテオソームによって媒介されることを確認した。興味深いことに、本発明者らは、インテインとデグロンを組み合わせることで、本発明者らが出発物質の存在を排除できただけでなく、ABCA4の再構成レベルを維持し、更には高めることが可能であったことを確認した(図10)。
本発明者らはまた、コンセンサスインテインのCfaとデグロンを組み合わせた場合の効果を調べる実験を行い、デグロンがない場合又は他のインテインを用いた場合との比較を行った。興味深いことに、本発明者らは、デグロンと共にCfaを使用すると、出発物質のレベルが非常に著しく低下し、産物の量も増加することを観察した(図12)。本発明者らはまた、この効果がABCA4の1140位(図13及び図21)及び1179位(図21)でも観察されたことを確認した。重要なことに、本発明者らは、或る特徴を共有する幾つかの異なるデグロンとCfa(及びCfamut)インテインを組み合わせることで観察される効果が維持されることを示した(実施例3を参照されたい)。
ABCA4で得られた結果に基づいて、このアプローチを適用できる他の疾患、遺伝子、及びタンパク質として、表1に示されるものが挙げられる。
実施例2.オルソゴナルスプリットインテイン対を用いた3ピースライゲーション戦略
材料及び方法:
HEK293細胞における3ピースプラスミドのトランスフェクション:
Lipofectamine 2000及び各プラスミド1.25μgを用い、6ウェルプレートフォーマットで、約80%コンフルエントな状態で細胞を同時トランスフェクトした。3ピースプラスミドでトランスフェクトした細胞をトランスフェクションの48時間後に採取し、ウエスタンブロットで分析した。対照として、細胞を2つのプラスミド(POIN-CfaN+CfaC-POIM-CatN、CfaC-POIM-CatN+CatC-POIC、及びPOIN-CfaN+CatC-POIC)で同時トランスフェクトした。
ウエスタンブロット分析:
3ピーストランスフェクションを行った細胞(HEK293)を、プロテアーゼ阻害剤及び1mMフェニルメチルスルホニルを添加したRIPAバッファーに溶解した。溶解後、試料をBCAタンパク質アッセイキットで定量した。総タンパク質が10μgの試料を1×Laemmli試料バッファーにおいて95℃で10分間変性させた。溶解物を12%Bis-tris SDS-PAGEゲルにより165Vで40分間分離した。イムノブロッティングに使用した抗体は、POIを検出するための抗flagタグ、及びローディング対照としての抗β-チューブリンであった。
結果
本発明者らは、超高速コンセンサスインテインとデグロンとを組み合わせることは、出発物質及び切り取られたインテインのレベルを減らしながら、大型タンパク質を再構成する実行可能な戦略であることを示した。この戦略は、本明細書において開示されるような適切な送達ベクターと組み合わせれば、遺伝子治療において、遺伝子置換戦略で大型タンパク質を再構成し、またin vivoで治療薬を生成するために使用できる可能性がある。しかしながら、更に大型のタンパク質の場合、この戦略では不十分であるかもしれない。例えば、コーディング領域が7kb~8kbより大きいタンパク質の場合、そのコーディング遺伝子を2つのフラグメントに分割しても、AAVベクターに封入できるフラグメントを得るには十分ではない。かかるタンパク質の場合、コーディング遺伝子を3つのピースに分割する必要がある可能性がある。インテインを使って3つの別々のフラグメントからタンパク質を組み立てるには、オルソゴナルインテイン対が必要である。最大限の再構成収率を達成するためには、高効率でオルソゴナルなインテインが必要である。本発明者らは、CfaインテインをCatインテインと組み合わせて使用することにした。これら2つのインテインはコンセンサスデザインによって得られたものであり、高い発現収率、耐熱性、カオトロピック剤への耐性、及び速いスプライシング速度を含む幾つかの共通する特徴を共有する。本発明者らは、図16に説明する構造に従って、一連のコンストラクト:POIN-CfaN、CfaC-POIM-CatN、及びCatC-POICを設計した。代替的には、Cfaインテイン及びCatインテインの位置を入れ替えて、以下のような構造:POIN-CatN、CatC-POIM-CfaN、及びCfaC-POICを持つコンストラクトを生成することもできる。
本発明者らが、それらのオルソゴナリティを試験したところ、両インテインは確かにオルソゴナルであり、互いに反応しないこと、すなわちCfa又はCatインテインのNフラグメントは、それぞれの同族対にのみ反応することを実証した。3つのフラグメントを等モル量で同時トランスフェクトした場合、検出された主な産物は、3つのフラグメントが全長の所望の産物に組み立てることによって生じるものであった。重要なことは、本発明者らは、未反応の物質を低レベルで検出したにすぎず、また本発明者らは、中間産物(すなわち、2つのフラグメントのみの反応から生じる産物)も検出しなかった。この結果は、オルソゴナルなコンセンサスインテインの高活性対を使用することが、3つの個別フラグメントから大型のタンパク質を組み立てるのに適した戦略であることを示す。
実施例3.
本発明を実施するために、幾つかのデグロンを試験した。AAV遺伝子治療への適用のためには、得られる導入遺伝子のサイズを最小にするために75アミノ酸より小さいデグロンが望ましいことから、デグロンをそのサイズに基づいて文献から選択した。幾つかの例では、既知のN末端又はC末端のデグロンを組み合わせて設計した。
デグロンをNフラグメントのC末端とCフラグメントのN末端にクローニングし、いずれも可溶性細胞質タンパク質の代表例として全長EGFPタンパク質の再構成を意図したフラグメントであった。図9に結果の概要を見ることができ、1個又は2個のデグロン(各EGFPフラグメントに1個ずつ)を含めると、スプライシング収率に悪影響を与えずに望ましくない出発物質フラグメントを排除できることがわかる。異なるデグロンでも同様の結果が得られ(図14)、アプローチの汎用性が示された。
デグロンをNフラグメントのC末端とCフラグメントのN末端にクローニングし、いずれも、代表例として1140、1150、及び1179を含む異なる分割位置で全長のABCA4タンパク質を再構成することを意図したフラグメントであった。以下の表6に、サイズ、配列、それらの起源、及びまたユビキチン化と最終的な分解に関与するリガーゼを含めて、試験した全てのデグロンを示す。
Figure 2023518596000014
デグロンが出発物質及び切り取られたインテインの分解を誘導できるかどうかを確認し、また、タンパク質トランススプライシング反応の収率、すなわち全長のABCA4タンパク質を再構成する能力への影響を確認するためにデグロンを試験した。細胞を、上記に示した異なるデグロンを含むN末端及びC末端コンストラクトで同時トランスフェクトした。細胞を溶解し、ウエスタンブロットで分析し、デグロンあり及びなしにて、PTS産物の存在を検出した。図18では、NフラグメントとCフラグメントで同じデグロンを使用した結果を示す。左図のゲル(図18C)は、各反応のPTS産物(ABCA4)、及び出発物質(ABCAN-IntN-DD及びDD-IntC-ABCAC)を示す。PTSはデグロン未使用時の結果に対応し、他のレーンのラベルはそれぞれの場合でどのデグロンを使用したかを示す。右図(図18C)は、それぞれの場合のPTS産物の量の定量を提供する。意外にも幾つかのデグロンはデグロンなしのコンストラクトよりも高い収率を示すことがわかる。興味深いことに、全てのデグロンが機能し、全てのデグロンで、デグロンなしで得られた産物の少なくとも25%を再構成することができる。デグロンによっては、デグロンなしで得られたレベルの50%超を再構成できるものもあり、最終的には100%(又はそれ以上)の再構成をもたらすデグロンもある。特に、100%(又はそれ以上)の再構成が得られるデグロンとしては、以下のものが挙げられた:DD1、V12、M4、L2、L9、DD3、及びSopE100。
また、切り取られたインテインに対するデグロンの効果も調べた(図19)。異なるデグロンによるPTS反応を、高率アクリルアミドゲルを用いたWB(ウエスタンブロット)により分析してインテインを検出した。見てわかるように、幾つかのデグロンは他のもの(例えばSpoEやPEST)に比べて切り取られたインテインの量を減らし、他のものはL2(配列番号52)、L9(配列番号54)、M2(配列番号47)、M4(配列番号35)又はDD3(配列番号45)のようにインテインバンドを完全に排除する。
さらに、本発明者らは、N末端又はC末端の位置に異なるデグロンを使用した場合の効果を調べる実験も行った。例として、図20に、本発明者らは、Nフラグメントにデグロンを固定し、Cフラグメントのデグロンを変化させたウエスタンブロット分析を示す。図20に示す結果は、好ましいデグロンを幾つか組み合わせることで、所望のスプライシング産物の収率を低下させることなく、出発物質の更なる削減を達成し、結果を更に改善することができることを示す。これらの組合せは、或る特定の適用、特に全ての出発物質を完全に排除することが重要な場合に有用であると考えられる。
得られた結果に基づいて、本発明者らは、デグロンを3つのカテゴリーに分類することができた:
デグロンがない場合に得られた収率の少なくとも25%で標的タンパク質の再構成を可能にするデグロン。
デグロンがない場合に得られた収率の約50%超で標的タンパク質の再構成を可能にするデグロン。
デグロンがない場合と同等以上の収率で標的タンパク質の再構成を可能にするデグロン。
CfaNとCfaC又はCfaCmutインテインとの組合せを使用する場合、ABCA4中の幾つかの部位が、本明細書で述べた発明の使用に適していることが示された。具体的には、1140位、1150位、1177位、1179位、及び1188位を含む、ヌクレオチド結合ドメイン1(NBD1)のC末端と第7膜貫通ドメイン(TMD)との間の部位である。ABCA4再構成の収率は1140位、1150位、及び1179位で最も高く、1188位は非常に低い効率で機能したが、それでも非コンセンサスNpuインテインを用いて得られたものよりも高いレベルのABCA4再構成をもたらした。
CfaN及びCfaCmutインテインの組合せは、曖昧さの増加を提供する。実際、本発明者らは、ABCA4等の膜貫通型タンパク質では、この曖昧さの増加が観察され、異なるスプライシング部位でCfaN-CfaC突然変異対を用いると高い再構成収率が得られることを今回初めて明らかにした。さらに、かかるスプライシング反応は、これらのインテイン(CfaN及びCfaCmutインテイン)を用いた場合、それぞれの出発物質の10%未満しか観察されない(図12に記載したように推定)ことから非常に有効であることが示され、このことは、出発物質のかなりの部分が反応せずに残っており、かかる膜タンパク質ではタンパク質-トランススプライシングは本質的に困難であることが示唆された、以前に報告されたNpuインテインとABCA4とを用いた結果(Auricchio et al. 2019)からは予想できなかった。
本明細書で報告された結果に基づき、本発明者らは、コンセンサスインテインCfaN及びCfaCの突然変異対を使用する場合、以下の特徴を有する任意の部位が効率的に機能すると結論づける:(1)酵素ドメイン又は膜貫通ドメイン外にある部位、(2)分割部位+1位(前述)等がCys又はSer等の求核性残基に対応するはずであり、+2位はProを除く任意の部位となる部位。
Figure 2023518596000015
項目
1.組成物であって、
ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリヌクレオチドをコードする第1のポリヌクレオチドと、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリヌクレオチドをコードする第2のポリヌクレオチドとを含み、
組成物の両方の成分が、単一の製剤中に共に充填されてもよく、又は異なる製剤中に別々に充填されてもよく、
第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、両方のフラグメントが組み合わされた場合、タンパク質のN末端フラグメントがタンパク質のC末端フラグメントに連結されて、タンパク質全体を生成するように、それぞれ、再構成されるタンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをコードし、
各ポリヌクレオチドは、タンパク質に翻訳されると、N末端及びC末端の配列が、トランススプライシング反応に機能的なインテインへと非共有結合で再会合又は再構成することができる別々のフラグメントとなるように、スプリットインテインをコードしなければならず、
再構成されるタンパク質が25KDa超である、組成物。
2.第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結されたスプリットインテインNフラグメントをコードし、デグロンが、インテインNフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのC末端を介してインテインNフラグメントに連結され、スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結されたスプリットインテインCフラグメントをコードし、デグロンが、インテインCフラグメントとデグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、インテインのN末端を介してインテインCフラグメントに連結され、スプリットインテインCフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結される、項2に記載の組成物。
3.第1のポリヌクレオチドが配列番号27のCfaNインテイン又はその変異体のいずれかをコードし、第2のポリヌクレオチドが配列番号28のCfaCインテイン又はその変異体のいずれかをコードし、変異体が、CfaCmut(配列番号29)等のこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の配列同一性を有する配列番号27又は配列番号28のスプリットインテインNフラグメント又はCフラグメントとして理解される、項1又は2に記載の組成物。
4.デグロンが配列番号40~配列番号59、配列番号34、配列番号35及び配列番号37からなる群より選択される、項2又は項3に記載の組成物。
5.スプリットインテインが請求項3で定義された通りであり、デグロンが配列番号42、配列番号43、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号54及び配列番号34からなる群より選択される、項2に記載の組成物。
6.両方のポリヌクレオチドが、適切な宿主細胞における上記ポリヌクレオチドの伝播を可能にするベクター内に含まれる、項1~項5のいずれかに記載の組成物。
7.アデノ随伴ウイルス(AAV)である、項6に記載の組成物。
8.ベクターが血清型1、2、3、4、5、6、7、8、又は9のAAVである、項7に記載の組成物。
9.タンパク質全体をコードする遺伝子が、表1に収載されるタンパク質のいずれかからなる群より選択される、項1~項8のいずれかに記載の組成物。
10.治療に使用される、項1~項9のいずれかに記載の組成物。
11.細胞内で目的の遺伝子を発現させる方法であって、
(i)細胞を、
(a)項1に規定される第1のポリヌクレオチド、及び、
(b)項1に規定される第2のポリヌクレオチドと接触させることと、
(ii)第1の融合タンパク質及び第2の融合タンパク質が産生されるように、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
(iii)スプリットインテインNフラグメントがスプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、インテイン中間体が反応して、目的の第1のポリペプチドのC末端を目的の第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、第1のタンパク質と第2のタンパク質とを接触させることと、
を含む、方法。
12.細胞内で目的の遺伝子を発現させる方法であって、
(i)細胞を、
(a)項2に規定される第1のポリヌクレオチド、及び、
(b)項2に規定される第2のポリヌクレオチドと接触させることと、
(ii)第1の融合タンパク質及び第2の融合タンパク質が産生されるように、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
(iii)スプリットインテインNフラグメントがスプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、インテイン中間体が反応して、目的の第1のポリペプチドのC末端を目的の第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、第1のタンパク質と第2のタンパク質とを接触させることと、
を含む、方法。
13.第1のポリヌクレオチドが配列番号27のCfaNインテイン又はその変異体のいずれかをコードし、第2のポリヌクレオチドが配列番号28のCfaCインテイン又はその変異体のいずれかをコードし、変異体が、CfaCmut(配列番号29)等のこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の配列同一性を有する配列番号27又は配列番号28のスプリットインテインNフラグメント又はCフラグメントとして理解される、項11又は12に記載の組成物。
14.スプリットインテインが請求項3で定義された通りであり、デグロンが配列番号42、配列番号43、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号54及び配列番号34からなる群より選択される、項11又は12に記載の方法。
15.両方のポリヌクレオチドがアデノ随伴ウイルス(AAV)内に含まれる、項11~14のいずれかに記載の方法。

Claims (30)

  1. 組成物であって、
    a.スプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドであって、前記スプリットインテインNフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された、配列番号27のCfaN、配列番号30のCatN、及び配列番号38のGp41N、又は配列番号39のConN等のそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択される、第1のポリヌクレオチドと、
    b.スプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドであって、前記スプリットインテインCフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成される前記タンパク質のC末端フラグメントに直接結合された、配列番号28のCfaC、配列番号31のCatC及び配列番号104のGp41C、又はCfaCmut(配列番号29)若しくはConC(配列番号105)等のそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択される、第2のポリヌクレオチドと、
    を含み、
    前記組成物の両方のポリヌクレオチドは、単一の製剤中に共に充填されてもよく、又は異なる製剤中に別々に充填されてもよく、
    前記第1のポリヌクレオチド及び前記第2のポリヌクレオチドが、両方のフラグメントが組み合わされた場合、前記タンパク質のN末端フラグメントが前記タンパク質のC末端フラグメントに連結されて、前記タンパク質全体が生成されるように、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをそれぞれコードし、
    再構成される前記タンパク質が25KDa超であり、
    前記組成物が、更に、
    前記スプリットインテインNフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、及び/又は、
    前記スプリットインテインCフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、前記デグロンが、前記インテインCフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインCフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のC末端フラグメントに直接連結される、
    ことを特徴とする、組成物。
  2. 前記スプリットインテインNフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された配列番号27のCfaNであり、前記スプリットインテインCフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成される前記タンパク質のC末端フラグメントに直接連結された配列番号28のCfaCである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記スプリットインテインNフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結された配列番号27のCfaNであり、前記スプリットインテインCフラグメントが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成される前記タンパク質のC末端フラグメントに直接連結された配列番号29のCfaCmutである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
  8. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
  9. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
  10. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。
  11. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。
  12. 前記スプリットインテインNフラグメント及び/又はスプリットインテインCフラグメントに直接連結した前記デグロンが、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。
  13. 前記組成物が、
    前記スプリットインテインNフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    前記スプリットインテインCフラグメントが更に、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結され、前記デグロンが、前記インテインCフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインCフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のC末端フラグメントに直接連結される、
    ことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC若しくは配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、請求項13に記載の組成物。
  15. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC若しくは配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、請求項13に記載の組成物。
  16. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC若しくは配列番号29のCfaCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、請求項13に記載の組成物。
  17. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号38のGp41N又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6又はDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号104のGp41C又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結される、請求項13に記載の組成物。
  18. 前記第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドが、両方のポリヌクレオチドがそれぞれのタンパク質複合体に翻訳され、本発明の方法に従って組み合わされる場合、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントがABCA4タンパク質のC末端フラグメントに連結され、そのようにしてABCA4タンパク質全体が生成されるように、ABCA4タンパク質のN末端フラグメント及びC末端フラグメントをそれぞれコードする、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PEST、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、CL1、Deg1、PESt、DD1、DD2、DD3、M1、M2、SopE、SopE-1-78、SopE-15-78、SopE-15-50、L2、L6、L9、L10、L11、L12、L15、L16、M3、M4、M5、V12、DD4、DD5、DD6及びDD7からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    前記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1176位、又は1位~1178位をコードし、前記第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1177位~2273位、又は1179位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1139位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1140位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1176位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1177位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1178位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1179位~2273位をコードする、請求項18に記載の組成物。
  20. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    前記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1176位、又は1位~1178位をコードし、前記第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1177位~2273位、又は1179位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1139位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1140位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1176位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1177位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1178位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1179位~2273位をコードする、請求項18に記載の組成物。
  21. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にSopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンにペプチド結合を介して直接連結された、配列番号29のCfaCmut又は配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    前記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位、1位~1139位、1位~1176位、又は1位~1178位をコードし、前記第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位、1140位~2273位、1177位~2273位、又は1179位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1139位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1140位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1176位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1177位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1178位をコードする場合、第2のポリヌクレオチドが1179位~2273位をコードする、請求項18に記載の組成物。
  22. a.前記第1のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号27のCfaN又はその任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインNフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのC末端を介して前記インテインNフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのN末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    b.前記第2のポリヌクレオチドが、ペプチド結合を介して、任意にペプチドリンカーにより、再構成されるタンパク質のC末端フラグメントに直接連結され、更にペプチド結合を介して、DD1、DD3、PEST、SopE、L2、L9、M4又はV12からなる群より選択されたデグロンに直接連結された、配列番号28のCfaC、配列番号29のCfaCmut若しくは配列番号36のNpuCmut、又はそれらの任意の機能的に等価な変異体からなる群より選択されたスプリットインテインCフラグメントを含むポリペプチドをコードし、前記デグロンが、前記インテインNフラグメントと前記デグロンとの間にリンカーを伴って又は伴わずに、前記インテインのN末端を介して前記インテインCフラグメントに連結され、前記スプリットインテインNフラグメントのC末端が、ペプチド結合を介して、再構成される前記タンパク質のN末端フラグメントに直接連結され、
    前記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1149位をコードし、前記第2のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1150位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1149位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1150位~2273位をコードする、請求項18に記載の組成物。
  23. 前記第1のポリヌクレオチドが、請求項17のaに規定される通りであり、前記第1のポリヌクレオチドが、ABCA4タンパク質のN末端フラグメントの1位~1095位、又は1位~1185位をコードし、前記第2のポリヌクレオチドが請求項17のbに規定される通りであり、前記第2のポリヌクレオチドがABCA4タンパク質のC末端フラグメントの1096位~2273位、又は1186位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1095位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1096位~2273位をコードし、前記第1のポリヌクレオチドが1位~1185位をコードする場合、前記第2のポリヌクレオチドが1186位~2273位をコードする、請求項18に記載の組成物。
  24. 両方のポリヌクレオチドが、適切な宿主細胞における前記ポリヌクレオチドの伝播又は挿入を可能にするベクター内に含まれる、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記ベクターがアデノ随伴ウイルス(AAV)である、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記ベクターが血清型1、2、3、4、5、6、7、8、又は9のAAVである、請求項25に記載の組成物。
  27. 治療に使用される、請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 細胞内で目的の遺伝子を発現させる方法であって、
    (i)前記細胞を、
    請求項1~12のいずれか一項に規定される第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドと接触させることと、
    なお、前記ポリヌクレオチドの少なくとも一方が、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結されたスプリットインテインフラグメントをコードする;
    (ii)前記第1の融合タンパク質及び前記第2の融合タンパク質が産生されるように、前記第1のポリヌクレオチド及び前記第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
    (iii)前記スプリットインテインNフラグメントが前記スプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、前記インテイン中間体が反応して、目的の前記第1のポリペプチドのC末端を目的の前記第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質とを接触させることと、
    を含む、方法。
  29. 細胞内で目的の遺伝子を発現させる方法であって、
    (i)前記細胞と請求項13~23のいずれか一項に規定される第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを細胞とを接触させることと、
    なお、前記ポリヌクレオチドの両方が、ペプチド結合を介してデグロンに直接連結されたスプリットインテインフラグメントをコードする;
    (ii)前記第1の融合タンパク質及び前記第2の融合タンパク質が産生されるように、前記第1のポリヌクレオチド及び前記第2のポリヌクレオチドを発現させることと、
    (iii)前記スプリットインテインNフラグメントが前記スプリットインテインCフラグメントに結合してインテイン中間体を形成し、前記インテイン中間体が反応して、目的の前記第1のポリペプチドのC末端を目的の前記第2のポリペプチドのN末端に共有結合するように、前記第1のタンパク質と前記第2のタンパク質とを接触させることと、
    を含む、方法。
  30. 両方のポリヌクレオチドがアデノ随伴ウイルス(AAV)内に含まれる、請求項28又は29に記載の方法。
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