本出願の実施形態で提供されるズームレンズの理解を容易にするために、本出願における英語の略称の意味は以下のとおりである。
F# F-number F値/アパーチャは、ズームレンズの焦点距離をズームレンズの開口で除した相対値(相対アパーチャの逆数)である。アパーチャのF値が小さいほど、1単位時間に入射される光の量が多いことを示す。アパーチャのF値が大きいほど、被写界深度が小さく、撮影時にボケが発生する。これは、長焦点ズームレンズの効果と同様である。
FOV Field of View 視野
TTL Total Track Length 総トラック長とは、具体的には、物体側に最も近い面から撮像面までの全長を指す。TTLは、カメラ高さを形成するための主な要因である。
MIC Maximum Image Circle 最大像円直径
BFL Back Focal Length 背面焦点距離
CRA Chief Ray Angle 主光線角度
IMH Image height 像高
正の焦点力を伴うレンズは、正の焦点距離およびフォーカシング光の効果を有する。
負の焦点力を伴うレンズは、負の焦点距離を有し、光を拡散させる。
本出願の実施形態における固定レンズ群は、ズームレンズにあり、その位置が固定されているレンズ群を指す。
本出願の実施形態におけるズームレンズ群は、ズームレンズにあり、ズームレンズの焦点距離を調整するために移動するレンズ群を指す。
本出願の実施形態における補償レンズ群は、ズームレンズ群と連動して移動し、フォーカシングのために構成されたレンズ群を指す。
本出願の実施形態で提供されるズームレンズの理解を容易にするために、本出願の実施形態で提供されるズームレンズの適用シナリオが最初に説明される。本出願の実施形態で提供されるズームレンズは、携帯端末のカメラモジュールに適用される。携帯端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、またはノートブックコンピュータなどの一般的な携帯端末であってもよい。図1は、携帯電話の切取図を示す。カメラモジュール200のレンズ201が携帯端末のハウジング100に固定され、ハウジング100の内部にカメラチップ202が固定されている。使用中、光はレンズ201を通過し、カメラチップ202に照射される。カメラチップ202は、光信号を電気信号に変換して撮像を行い、撮影効果を実現する。従来の技術におけるカメラモジュール200は、焦点距離の範囲を広げるために、通常、焦点距離の異なる複数のレンズを使用する。具体的には、アルゴリズムベースのデジタルズームと組み合わせてハイブリッド光学ズームを実施するために、異なる焦点距離を伴う2枚または3枚のレンズが保持される。しかしながら、ジャンピーデジタルズームは、焦点距離が異なる複数のカメラに基づいている。ジャンピーデジタルズームは、アルゴリズムベースの処理に基づいて実施される連続ズームであり、実際の連続ズームではない。撮像効果が十分ではない。したがって、本出願の一実施形態はズームレンズを提供する。
本出願のこの実施形態で提供されるズームレンズの理解を容易にするために、以下で、特定の添付の図面および実施形態を参照して、本出願のこの実施形態で提供されるズームレンズについて説明する。
図2は、本出願の一実施形態によるズームレンズの一例を示す。図2において、ズームレンズは、5つのレンズ群、すなわち、物体側から像側にかけて配置された、第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5を含む。第1のレンズ群G1は、正の焦点力を伴うレンズ群である。第2のレンズ群G2は、負の焦点力を伴うレンズ群である。第3のレンズ群G3は、正の焦点力を伴うレンズ群である。第4のレンズ群G4は、正の焦点力または負の焦点力を伴うレンズ群である。第5のレンズ群G5は、正の焦点力または負の焦点力を伴うレンズ群である。正の焦点力を伴うレンズ群は、正の焦点距離およびフォーカシング光の効果を有する。負の焦点力を伴うレンズ群は、負の焦点距離を有し、光を拡散させることができる。本出願のこの実施形態では、各レンズ群の焦点距離は、ズームレンズの長い焦点距離と特定の比例関係を満たす。例えば、第1のレンズ群G1の焦点距離f1および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftは、以下を満たす、すなわち、0.3≦|f1/ft|≦1.5である、第2のレンズ群G2の焦点距離f2およびftは、以下を満たす、すなわち、0.10≦|f2/ft|≦0.5である、第3のレンズ群のG3焦点距離f3およびftは、以下を満たす、すなわち、0.10≦|f3/ft|≦0.5である、第4のレンズ群G4の焦点距離f4およびftは、以下を満たす、すなわち、0.3≦|f4/ft|≦1.3である、ならびに第5のレンズ群G5の焦点距離f5およびftは、以下を満たす、すなわち、0.5≦|f5/ft|≦4.0である。加えて、広角端でのズームレンズの有効焦点距離fwに対する望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftの比は、以下を満たす、すなわち、1≦|ft/fw|≦3.7である。
さらに図2を参照すると、第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、第2のレンズ群G2は2枚のレンズを含み、第3のレンズ群G3は3枚のレンズを含み、第4のレンズ群G4は1枚のレンズを含み、第5のレンズ群G5は1枚のレンズを含む。しかしながら、本出願のこの実施形態で提供されるズームレンズにおいて、各レンズ群のレンズの具体的な数は特に限定されず、レンズの総数のみが限定される。例えば、各レンズ群は、1枚のレンズ、2枚のレンズ、または3つ以上のレンズなど、異なる数のレンズを含む。各レンズ群のレンズ枚数が異なるとき、第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5のレンズの総数Nは、以下を満たす必要がある、すなわち7≦N≦12である。例えば、Nは、7、8、9、10、11、または12などの異なる正の整数である。加えて、第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5に含まれるすべてのレンズは、以下を満たす、すなわち、N≦非球面の数≦2*Nである。Nはレンズの総数である。非球面の数は、第1のレンズ群、第2のレンズ群、第3のレンズ群、第4のレンズ群、および第5のレンズ群のすべてのレンズにおける非球面の数である。例えば、Nが7から12であるとき、非球面の数は、7、9、10、14、16、18、20、22、または24などの異なる面であってもよい。非球面は、レンズの透光面である。
さらに図2を参照して、上記5つのレンズ群において、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第4のレンズ群G4は固定レンズ群であり、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5に対して移動可能なレンズ群である。第2のレンズ群G2は、ズームレンズ群として機能し、光軸に沿って第1のレンズ群G1と第3のレンズ群G3の間を摺動可能である。第4のレンズ群G4は、第2のレンズ群G2にフォーカシングが行われた後に焦点距離補償を行うように構成された補償レンズ群で、第4のレンズ群G4は、光軸に沿って第3のレンズ群G3と第5のレンズ群G5の間を摺動可能である。フォーカシングが行われる必要があるとき、第1のレンズ群G1および第3のレンズ群G3は移動される必要がある。本出願のこの実施形態で提供される第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4の動きの理解を容易にするために、以下の説明が提供される。
図3a~図3cは、図2に示されるズームレンズのフォーカシングプロセスを示す。図3aから図3cの直線矢印で示される方向については、像側から物体側が実線矢印で、物体側から像側が破線矢印である。図3aにおいて、第2のレンズ群G2は、直線矢印aで示される方向に沿って第3のレンズ群G3に近い位置から第1のレンズ群G1に向かって摺動し、第4のレンズ群G4は、実線矢印aで示される方向に沿って第5のレンズ群G5に近い位置から第3のレンズ群G3に近い位置まで摺動する。図3bにおいて、第2のレンズ群G2は、直線矢印aで示される方向に沿って摺動し続け、第4のレンズ群G4は、破線矢印bで示される方向に沿って第3のレンズ群G3に近い位置から第5のレンズ群G5に向かって摺動する。図3cにおいて、第2のレンズ群G2は、直線矢印aで示される方向に沿って第1のレンズ群G1に近い位置まで摺動し続け、第4のレンズ群G4は、破線矢印bで示される位置に沿って第5のレンズ群G5に向かって摺動し続ける。第2のレンズ群G2と第4のレンズ群G4の摺動プロセスにおいて、光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークは、以下を満たす、すなわち、ズームレンズの最も物体側の面から撮像面までの全長に対する光軸に沿った第2のレンズ群の移動ストロークの比は、0.1以上0.3以下である。例えば、ズームレンズの最も物体側の面から撮像面までの全長に対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は、0.1、0.2、0.3などである。光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークは、以下を満たす、ズームレンズの最も物体側の面から撮像面までの全長に対する光軸に沿った第4のレンズ群の移動ストロークの比は、0.01以上0.25以下である。例えば、ズームレンズの最も物体側の面から撮像面までの全長に対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は、0.05、0.1、0.15、0.2などである。
図4は、第1のレンズ群G1のレンズ10の一例を示す。図4において、dはレンズ10の最大開口で、hはレンズ10の高さである。最大開口は、レンズ10の最大直径を指す。切り欠き11は、レンズ10の高さを低減するためにレンズ10に設けられ、したがってhはd未満である。本出願のこの実施形態では、第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズは、光束を増加させ、高さ方向のサイズを縮小するために、図4に示されるものと同様のレンズ構造を使用する。確かに、不規則な形状の孔は、電子切断方式でさらに設けられてもよい。これはまた、光束を増加させ、高さ方向のサイズを縮小することができる。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の最大開口は、以下を満たす、すなわち、4 mm≦最大開口≦15 mmである。前述のレンズ群におけるレンズの最大開口は、ズームレンズが入射する光の量とレンズによって占有される空間とのバランスをとることができるように、4 mm、6.5 mm、8 mm、10 mm、12 mm、14.5 mm、または別のサイズであってもよい。加えて、第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各々のレンズは、高さ低減のための切り欠きを有する。各レンズの上下方向の高さが6 mm以下であると、ズームレンズの高さは大幅に低減される。
前述の構造が使用されるとき、図2のズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する全トラック長の比(TTL/ft)は0.8から1.2に達し得、望遠端にでの有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.02から0.2である。
本出願のこの実施形態で提供されるズームレンズの効果の理解を容易にするために、以下で、特定の実施形態を参照してズームレンズの撮像効果を詳細に説明する。
図5は、第1の特定のズームレンズの一例を示す。図5において、物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=0.76であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.26であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.28であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=0.68であり、および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=2.52である。
さらに図5を参照すると、本出願のこの実施形態で提供されるズームレンズは、焦点力を伴う10枚のレンズおよび18の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は3枚のレンズを含み、3枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力、負の焦点力、および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は3枚のレンズを含み、3枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、正の焦点力、正の焦点力、および負の焦点力をそれぞれ有する。第4のレンズ群G4は、負の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第5のレンズ群G5は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1および第3のレンズ群G3は、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含み、前述のレンズの少なくとも1枚はガラスレンズである。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は7.1 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表1aに示す。各レンズの非球面係数を表1bに示す。
表1bに示されたズームレンズの18の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図5を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は1.06で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.12である。図5において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図5に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図6は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、4つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、M2は第2の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズの広角端状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から第2の中間焦点距離状態M2へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群は第3のレンズ群G3に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。
図6から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が最初に増加し後に減少することが分かり得る。TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.21で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.09である。これに対応して、参照が表1cおよび表1dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表1cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表1dに示す。
図5に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図7aは、W状態における図5に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.005 mmから0.018 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0 mmから0.01 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.005 mmから0.005 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.005 mmから0.005 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.007 mmから0.025 mmの範囲である。
図7bは、M1状態における図5に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.018 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.002 mmから0.009 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.007 mmから0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.01 mmから0.004 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.007 mmから0.018 mmの範囲である。
図7cは、M2状態における図5に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.025 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.008 mmから0.014 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.01 mmから0.005 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.012 mmから0.004 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.007 mmから0.02 mmの範囲である。
図7dは、望遠状態における図5に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.012 mmから0.035 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.003 mmから0.02 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.005 mmから0.01 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.001 mmから0.015 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.017 mmから0.035 mmの範囲である。
図7a、図7b、図7c、および図7dから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図8aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図8aから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図8bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図8bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図8cは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図8cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図8dは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図8dから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図9aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図9aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図9bは、図9aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図9bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図10aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図10aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図10bは、図10aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図10bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図11aは、M2状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図11aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図11bは、図11aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図11bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図12aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図12aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図12bは、図12aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図12bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図13は、第2の特定のズームレンズの一例を示す。物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=0.62であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.20であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.28であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=0.84であり、および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=1.36である。
さらに図13を参照すると、ズームレンズは、焦点力を伴う9枚のレンズを含み、9枚のレンズは、16の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は3枚のレンズを含み、3枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、正の焦点力、正の焦点力、および負の焦点力をそれぞれ有する。第4のレンズ群G4は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第5のレンズ群G5は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1および第3のレンズ群G3は各々、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は7.2 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表2aに示す。各レンズの非球面係数を表2bに示す。
表2bに示されたズームレンズの16の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図13を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は0.95で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.09である。図13において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図13に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図14は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、4つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、M2は第2の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズのW状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から第2の中間焦点距離状態M2へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。
図14から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が最初に減少し後に増加することが分かり得る。TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.22で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.156である。これに対応して、参照が表2cおよび表2dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表2cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表2dに示す。
図13に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図15aは、W状態における図13に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.014 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.002 mmから0.006 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.002 mmから0.002 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は0 mmから0.004 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.01 mmから0.018 mmの範囲である。
図15bは、M1状態における図13に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.01 mmから0.02 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.004 mmから0.014 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.008 mmから0.008 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は0 mmから0.01 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.008 mmから0.022 mmの範囲である。
図15cは、M2状態における図13に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.01 mmから0.02 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.02 mmから0.012 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.004 mmから0.007 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.004 mmから0.01 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.006 mmから0.024 mmの範囲である。
図15dは、望遠状態における図13に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.002 mmから0.02 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.008 mmから0.018 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.008 mmから0.02 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.002 mmから0.038 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.022 mmから0.075 mmの範囲である。
図15a、図15b、図15c、および図15dから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図16aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図16aから、5つの曲線の水平色収差が各々実質的に回折限界内にあることが分かり得る。
図16bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図16bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図16cは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-3.0から3.0の範囲であることを示す。図16cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図16dは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図16dから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図17aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図17aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図17bは、図17aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図17bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図18aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図18aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図18bは、図18aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図18bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図19aは、M2状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図19aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図19bは、図19aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図19bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図20aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図20aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図20bは、図20aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図20bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図21は、第3の特定のズームレンズを示す。物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=0.61であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.20であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.31であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=0.66であり、および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=1.83である。
さらに図13を参照すると、ズームレンズは、焦点力を伴う8枚のレンズを含み、8枚のレンズは、14の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、正の焦点力および負の焦点力をそれぞれ有する。第4のレンズ群G4は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第5のレンズ群G5は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1および第3のレンズ群G3は各々、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は7.2 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表3aに示す。各レンズの非球面係数を表3bに示す。
表3bに示されたズームレンズの14の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図21を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は0.95で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.093である。図21において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図21に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図22は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、4つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、M2は第2の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズのW状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から第2の中間焦点距離状態M2へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。
図22から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が最初に減少し後に増加することが分かり得る。広角状態から望遠状態へのズーミングに際して、TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.223で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.147である。これに対応して、参照が表3cおよび表3dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表3cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表3dに示す。
図21に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図23aは、W状態における図21に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.004 mmから0.022 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0 mmから0.014 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.002 mmから0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は0 mmから0.005 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.008 mmから0.018 mmの範囲である。
図23bは、M1状態における図21に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.022 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.004 mmから0.012 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は0 mmから0.008 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.002 mmから0.015 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.008 mmから0.032 mmの範囲である。
図23cは、M2状態における図21に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.004 mmから0.018 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.02 mmから0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.004 mmから0.008 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.002 mmから0.008 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.008 mmから0.035 mmの範囲である。
図23dは、望遠状態における図21に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.008 mmから0.018 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.01 mmから0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.012 mmから0.04 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.002 mmから0.045 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.032 mmから0.085 mmの範囲である。
図23a、図23b、図23c、および図23dから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図24aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図24aから、5つの曲線の水平色収差が各々実質的に回折限界内にあることが分かり得る。
図24bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図24bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図24cは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-3.0から3.0の範囲であることを示す。図24cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図24dは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.5から2.5の範囲であることを示す。図24dから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図25aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図25aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図25bは、図25aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図25bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図26aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図26aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図26bは、図26aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図26bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図27aは、M2状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図27aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図27bは、図27aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図27bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図28aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図28aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図28bは、図28aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図28bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図29は、第4の特定のズームレンズを示す。物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=1.06であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.28であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.21であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=0.60であり、および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=1.91である。
さらに図29を参照すると、ズームレンズは、焦点力を伴う8枚のレンズを含み、8枚のレンズは、14の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は3枚のレンズを含み、3枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第4のレンズ群G4は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力および正の焦点力をそれぞれ有する。第5のレンズ群G5は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1は、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は7.4 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表4aに示す。各レンズの非球面係数を表4bに示す。
表4bに示されたズームレンズの14の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図29を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は1.10で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.199である。図29において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図29に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図30は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、4つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、M2は第2の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズのW状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から第2の中間焦点距離状態M2へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。
図30から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が増加することが分かり得る。広角状態から望遠状態へのズーミングに際して、TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.23で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.039である。これに対応して、参照が表4cおよび表4dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表4cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表4dに示す。
図29に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図31aは、W状態における図29に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.001 mmから0.008 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.004 mmから0.005 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.002 mmから0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は0.002 mmから0.015 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.012 mmから0.035 mmの範囲である。
図31bは、M1状態における図29に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.018 mmから0.022 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.01 mmから0.014 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.001 mmから0.006 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.006 mmから0.002 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.008 mmから0.004 mmの範囲である。
図31cは、M2状態における図29に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.012 mmから0.028 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.005 mmから0.016 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.002 mmから0.006 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.007 mmから0.003 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.012 mmから0.008 mmの範囲である。
図31dは、望遠状態における図29に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.02 mmから0.018 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.015 mmから0.018 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.012 mmから0.04 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.015 mmから0.03 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.01 mmから0.068 mmの範囲である。
図31a、図31b、図31c、および図31dから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図32aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図32aから、5つの曲線の水平色収差が各々実質的に回折限界内にあることが分かり得る。
図32bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図32bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図32cは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-3.0から3.0の範囲であることを示す。図32cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図32dは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.5から2.5の範囲であることを示す。図32dから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図33aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図33aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図33bは、図33aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図33bから、ズームレンズが5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図34aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図34aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図34bは、図34aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図34bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図35aは、M2状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図35aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図35bは、図35aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図35bから、ズームレンズが5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図36aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図36aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図36bは、図36aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図36bから、ズームレンズが5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図37は、第5の特定のズームレンズを示す。物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=0.93であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.26であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.20であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=0.53であり、および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=3.06である。
さらに図37を参照すると、ズームレンズは、焦点力を伴う7枚のレンズを含み、7枚のレンズは、12の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第4のレンズ群G4は、負の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第5のレンズ群G5は、負の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1は、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は7.4 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表5aに示す。各レンズの非球面係数を表5bに示す。
図37に示されたズームレンズの12の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図37を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は1.10で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.119である。図37において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図37に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図38は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、4つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、M2は第2の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズのW状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から第2の中間焦点距離状態M2へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。
図38から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が最初に増加し後に減少することが分かり得る。広角状態から望遠状態へのズーミングに際して、TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.21で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.014である。これに対応して、参照が表5cおよび表5dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表5cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表5dに示す。
図37に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図39aは、W状態における図37に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.003 mmから0.014 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.006 mmから0.004 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.006 mmから-0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.012 mmから0.002 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.012 mmから0.013 mmの範囲である。
図39bは、M1状態における図37に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.035 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.002 mmから0.022 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.006 mmから0.006 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.015 mmから0.002 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.02 mmから0.006 mmの範囲である。
図39cは、M2状態における図37に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.005 mmから0.045 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.001 mmから0.032 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.002 mmから0.016 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.008 mmから0.005 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.012 mmから0.008 mmの範囲である。
図39dは、望遠状態における図37に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.02 mmから0 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.018 mmから0 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.005 mmから0.01 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は0.015 mmから0.03 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.04 mmから0.06 mmの範囲である。
図39a、図39b、図39c、および図39dから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図40aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図40aから、5つの曲線の水平色収差が各々実質的に回折限界内にあることが分かり得る。
図40bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図40bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図40cは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-3.0から3.0の範囲であることを示す。図40cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図40dは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.5から2.5の範囲であることを示す。図40dから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図41aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図41aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図41bは、図41aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図41bから、ズームレンズが5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図42aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図42aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図42bは、図42aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図42bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図43aは、M2状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図43aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図43bは、図43aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図43bから、ズームレンズが5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図44aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図44aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図44bは、図44aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図44bから、ズームレンズが5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図45は、第6の特定のズームレンズを示す。物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=0.79であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.26であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.30であり、望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=1.26であり、および望遠端でのズームレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=2.58である。
さらに図37を参照すると、ズームレンズは、焦点力を伴う9枚のレンズを含み、16の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は3枚のレンズを含み、3枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力、負の焦点力、および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、正の焦点力および負の焦点力をそれぞれ有する。第4のレンズ群G4は、負の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第5のレンズ群G5は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1および第3のレンズ群G3は各々、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は7.1 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表6aに示す。各レンズの非球面係数を表6bに示す。
図45に示されたズームレンズの16の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図45を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は1.05で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.117である。図45において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図45に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図46は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、4つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、M2は第2の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズのW状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から第2の中間焦点距離状態M2へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。
図46から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が最初に増加し後に減少することが分かり得る。広角状態から望遠状態へのズーミングに際して、TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.21で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.17である。これに対応して、参照が表6cおよび表6dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表6cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表6dに示す。
図45に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図47aは、W状態における図45に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.015 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.002 mmから0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.004 mmから-0.002 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.005 mmから0.008 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0 mmから0.023 mmの範囲である。
図47bは、M1状態における図45に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.022 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は0.002 mmから0.01 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.004 mmから0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.002 mmから0.005 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.006 mmから0.022 mmの範囲である。
図47cは、M2状態における図45に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.008 mmから0.018 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.001 mmから0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.008 mmから0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.006 mmから0.008 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.008 mmから0.029 mmの範囲である。
図47dは、望遠状態における図45に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は0.04 mmから0.019 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.006 mmから0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.01 mmから0.004 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.002 mmから0.12 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.022 mmから0.042 mmの範囲である。
図47a、図47b、図47c、および図47dから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図48aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図48aから、5つの曲線の水平色収差が各々実質的に回折限界内にあることが分かり得る。
図48bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図48bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図48cは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図48cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図48dは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.5から2.5の範囲であることを示す。図48dから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図49aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図49aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図49bは、図49aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図49bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図50aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図50aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図50bは、図50aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図50bから、ズームレンズが1%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図51aは、M2状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図51aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図51bは、図51aの光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られる。図51bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図52aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図52aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図52bは、図52aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図52bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図53は、第7の特定のズームレンズを示す。物体側から始めて順次、レンズ群は、以下を満たす、すなわち、望遠端でのレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第1のレンズ群G1の焦点距離f1の比は|f1/ft|=0.67であり、望遠端でのレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第2のレンズ群G2の焦点距離f2の比は|f2/ft|=0.28であり、望遠端でのレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第3のレンズ群G3の焦点距離f3の比は|f3/ft|=0.28であり、望遠端でのレンズの有効焦点距離ftに対する負の焦点力を伴う第4のレンズ群G4の焦点距離f4の比は|f4/ft|=0.33であり、および望遠端でのレンズの有効焦点距離ftに対する正の焦点力を伴う第5のレンズ群G5の焦点距離f5の比は|f5/ft|=0.57である。
さらに図53を参照すると、ズームレンズは、焦点力を伴う9枚のレンズを含み、18の非球面を含む。非球面は、レンズ面の面タイプである。第1のレンズ群G1は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側への方向に沿って、正の焦点力と負の焦点力をそれぞれ有する。第2のレンズ群G2は2枚のレンズを含み、2枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、負の焦点力および正の焦点力をそれぞれ有する。第3のレンズ群G3は3枚のレンズを含み、3枚のレンズは、物体側から像側に向かう方向に沿って、正の焦点力、正の焦点力、および負の焦点力をそれぞれ有する。第4のレンズ群G4は、負の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第5のレンズ群G5は、正の焦点力を伴う1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1および第3のレンズ群G3は各々、負の焦点力を伴う少なくとも1枚のレンズを含む。第1のレンズ群G1、第2のレンズ群G2、第3のレンズ群G3、第4のレンズ群G4、および第5のレンズ群G5の各レンズの最大開口は8.288 mmである。広角状態のズームレンズにおける各レンズの曲率、厚さ、屈折率、アッベ係数を表7aに示す。各レンズの非球面係数を表7bに示す。
図53に示されたズームレンズの18の非球面において、平らな非球面の各々の面タイプzは、以下の非球面式を含むがこれに限定されないことによって定義されてもよい。
zは非球面のベクトル高さ、rは非球面の半径座標、cは非球面の頂点の球面曲率、およびKは円錐定数である。この実施形態では、Kの値は0であり、A2、A3、A4、A5、A6、およびA7は非球面係数である。
さらに図53を参照すると、ズームレンズでは、望遠端での有効焦点距離に対する総トラック長の比(TTL/ft)は1.17で、望遠端での有効焦点距離に対する像高の比(IMH/ft)は0.15である。図53において、ズームレンズは、絞り(図示せず)をさらに有する。絞りは、第3のレンズ群G3の物体側に配置され、確かに、別のレンズ群に代替的に配置されていてもよい。例えば、絞りは、第1のレンズ群G1もしくは第5のレンズ群G5の物体側もしくは像側に配置されたり、または第2のレンズ群G2もしくは第4のレンズ群G4の物体側もしくは像側に配置されたりする。
図53に示されるように、第1のレンズ群G1、第3のレンズ群G3、および第5のレンズ群G5の位置は撮像面に対して固定されており、第2のレンズ群G2および第4のレンズ群G4は光軸に沿って移動することでズーミングを実現する。
図54は、ズームレンズのズームプロセスを示す。ズームレンズは、3つの焦点距離状態を有する、すなわち、Wは広角端状態を表し、M1は第1の中間焦点距離状態を表し、およびTは望遠状態を表す。ズームレンズのW状態に対応するレンズ群の相対位置は、以下のとおりである、すなわち、第2のレンズ群G2は第1のレンズ群G1の像側に近接し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3の像側に近接している。広角端状態Wから第1の中間焦点距離状態M1へのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第5のレンズ群G5に向かって移動する。第1の中間焦点距離状態M1から望遠状態Tへのズーミングに際して、第2のレンズ群G2は第3のレンズ群G3に向かって移動し、第4のレンズ群G4は第3のレンズ群G3に向かって移動する。
図54から、ズームレンズが広角状態から望遠状態にズーミングされると、第2のレンズ群G2が像空間(第3のレンズ群G3に近接)に向かって移動し、第4のレンズ群G4と第3のレンズ群G3の間の距離が最初に増加し後に減少することが分かり得る。広角状態から望遠状態へのズーミングに際して、TTLに対する光軸に沿った第2のレンズ群G2の移動ストロークの比は0.16で、TTLに対する光軸に沿った第4のレンズ群G4の移動ストロークの比は0.041である。これに対応して、参照が表7cおよび表7dに行われ得る。ズームレンズの基本パラメータを表7cに示し、ズームレンズがW状態、M1状態、M2状態、およびT状態の場合のレンズ群間隔を表7dに示す。
図53に示されるズームレンズについてシミュレーションが行われる。以下では、添付図面を参照して、そのシミュレーション効果を詳細に説明する。
図55aは、W状態における図53に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.005 mmから0.005 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.01 mmから-0.002 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.018 mmから-0.01 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.025 mmから-0.008 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.03 mmから0.002 mmの範囲である。
図55bは、M1状態における図53に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.012 mmから-0.002 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.016 mmから-0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.019 mmから-0.014 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.016 mmから-0.01 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は-0.017 mmから-0.002 mmの範囲である。
図55cは、望遠状態における図53に示されるズームレンズの、650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長伴う光に対する焦点深度位置の、シミュレーション結果を示す。Aは650 nmの波長を伴う光を表し、光Aのデフォーカス量は-0.014 mmから-0.005 mmの範囲である。Bは610 nmの波長を伴う光を表し、光Bのデフォーカス量は-0.014 mmから-0.008 mmの範囲である。Cは555 nmの波長を伴う光を表し、光Cのデフォーカス量は-0.012 mmから0.002 mmの範囲である。Dは510 nmの波長を伴う光を表し、光Dのデフォーカス量は-0.008 mmから0.16 mmの範囲である。Eは470 nmの波長を伴う光を表し、光Eのデフォーカス量は0.002 mmから0.034 mmの範囲である。
図55a、図55b、および図55cから、異なる波長を伴う光のデフォーカス量は各々非常に小さい範囲内にあることが分かり得る。W、M1、M2、およびTの状態の各々におけるズームレンズの軸収差は、非常に小さい範囲内に制御される。
図56aは、W状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図56aから、5つの曲線の水平色収差が各々実質的に回折限界内にあることが分かり得る。
図56bは、M1状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.0から2.0の範囲であることを示す。図56bから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図56cは、T状態におけるズームレンズの水平色収差曲線を示す。図中の5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。破線は、回折限界が-2.5から2.5の範囲であることを示す。図56cから、5つの曲線の水平色収差が各々回折限界内にあることが分かり得る。
図57aは、W状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図57aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図57bは、図57aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図57bから、ズームレンズが2%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図58aは、M1状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図58aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図58bは、図58aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図58bから、ズームレンズが2.5%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
図59aは、T状態におけるズームレンズの歪曲曲線であり、各々は撮像変形と理想形状の違いを示している。5つの実線曲線は、それぞれ650 nm、610 nm、555 nm、510 nm、および470 nmの波長を伴う色光である。各実線に対応する破線は、光に対応する理想形状である。図59aから、撮像変形と理想形状の違いは非常に小さいことが分かり得る。図59bは、図59aにおける光の撮像変形と理想形状に対して百分率演算を行うことで得られ得る。図59bから、ズームレンズが3%未満の範囲内で光学歪みを制御していることが分かり得る。
第1の特定のズームレンズ、第2の特定のズームレンズ、第3の特定のズームレンズ、第4の特定のズームレンズ、第5の特定のズームレンズ、第6の特定のズームレンズ、および第7の特定のズームレンズの構造およびシミュレーション効果から、本出願の実施形態で提供されるズームレンズは、連続ズームを可能にし、ズームレンズに対して無限遠から物体近傍距離までの物体距離範囲が実装され得る、物体近傍距離は、ズームレンズの物体から第1の表面までの距離を指し、具体的には40 mmであり得る。シミュレーション結果から、携帯電話のズームプロセスにおいて、ズームレンズは、従来のハイブリッド光学ズームよりも良好な撮像品質を達成することが分か得る。
図60は、本出願の一実施形態による別のズームレンズを示す。ズームレンズは、反射板20をさらに含み、反射板20は、第1のレンズ群G1の物体側に位置し、第1のレンズ群G1に光を反射するように構成され、それにより、ペリスコピック撮影を実施し、レンズ配置のための空間を改善する。もちろん、反射板に加えて、プリズムがさらに使用されてもよい。プリズムは、第1のレンズ群の物体側に配置され、第1のレンズ群G1にも光を反射させることができ、それにより、同様の効果を得ることができる。
図61は、携帯電話におけるズームレンズの適用シナリオを示す。ズームレンズ300がペリスコープズームレンズであるとき、ズームレンズ300におけるレンズ群301の配置方向は、携帯電話ハウジング400の長さ方向と平行であってもよく、レンズ群301は、携帯電話ハウジング300と中間フレーム500の間に配置される。図60は、レンズ群301を配置するための位置および方法の一例を提供しているにすぎず、図60のレンズ群301は、レンズ群301のレンズの実際の数を表すものではないことを理解されたい。図60から、ズームレンズがペリスコープズームレンズであるとき、携帯電話の厚さへの影響が低減され得ることが分かり得る。
本出願の一実施形態は、カメラモジュールをさらに提供する。カメラモジュールは、前述の実施形態のいずれか1つによるカメラチップおよびズームレンズを含む。光は、ズームレンズを通過してカメラチップに照射され得る。カメラモジュールはハウジングを有し、カメラチップはハウジングに固定され、ズームレンズもハウジングに配置される。カメラモジュールのハウジングおよびチップは各々、従来技術で知られている構造を使用することができ、本明細書では詳細が繰り返されない。ズームレンズにおいて、3つの固定レンズ群および2つの可動レンズ群が連携して使用される。第2のレンズ群および第4のレンズ群は、ズームレンズへの連続的なフォーカシングを実施するように配置され、それによってズームレンズの撮影品質を向上させる。
本出願は携帯端末を提供する。携帯端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータなどであってもよい。携帯端末は、ハウジング、およびハウジングに配置された前述の実施形態のいずれか1つによるズームレンズを含む。図61に示されるペリスコープズームレンズは、携帯電話機の内部に配置される。図5に示されるズームレンズを参照すると、3つの固定レンズ群および2つの可動レンズ群がズームレンズにおいて連携して使用される。第2のレンズ群および第4のレンズ群は、ズームレンズへの連続的なフォーカシングを実施するように配置され、それによってズームレンズの撮影品質を向上させる。
前述の説明は本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願で開示されている技術的な範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなるバリエーションまたは置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。